第372回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2022年4月28日(木)10:00~12:02

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)後藤委員長
    (テレビ会議)青木委員、飯島委員、生駒委員、受田委員長代理、大石委員、木村委員、黒木委員、清水委員、星野委員
  • 【説明者】
    消費者庁奥山取引対策課長
    消費者庁表示対策課谷口食品表示企画課長
    農林水産省消費・安全局消費者行政・食育課佐久間米穀流通・食品表示監視室長
    水産庁増殖推進部栽培養殖課櫻井栽培養殖課長
  • 【事務局】
    加納事務局長、渡部審議官、太田参事官

議事次第

  1. 特定商取引法及び預託法について(特定商取引法等の契約書面等の電子化に関する検討会ワーキングチーム)
  2. 食品表示について(アサリの産地表示適正化)
  3. その他

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○後藤委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから、第372回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、私が会議室にて出席、受田委員長代理、青木委員、飯島委員、生駒委員、大石委員、木村委員、黒木委員、清水委員、星野委員がテレビ会議システムにて御出席です。

開催に当たり、会議の進め方等について、事務局より説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日もどうぞよろしくお願いいたします。

配付資料は議事次第に記載のとおりです。お手元の資料に不足等ございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上でございます。


《2.特定商取引法及び預託法について(特定商取引法等の契約書面等の電子化に関する検討会ワーキングチーム)》

○後藤委員長 本日最初の議題は、「特定商取引法等の契約書面等の電子化」についてです。

本件については、当委員会といたしましても、令和3年2月に、契約書面等を電磁的方法によって提供するに際して、消費者保護のために実施されるべき事項や、デジタル技術を活用した消費者の保護などを扱う建議を発出するとともに、11月には消費者庁に対しヒアリングを行うなど、消費者庁での検討状況を注視してきたところです。

消費者庁の「特定商取引法等の契約書面等の電子化に関する検討会」のもとに設置されたワーキングチームでは、令和3年8月から令和4年3月にかけて、7回にわたって関係団体等へのヒアリングを実施し、先般、取りまとめ結果を検討会に報告されたと伺っております。そこで、その内容について御説明をいただきたいと思います。

本日は、御説明者として消費者庁取引対策課奥山課長に御出席いただいております。本日は、ありがとうございます。

それでは、20分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁奥山取引対策課長 消費者庁取引対策課の奥山でございます。お招きくださいまして、ありがとうございます。

座って失礼をいたします。

お手元に資料1-1と1-2を御用意いたしております。

まず、資料1-1の「はじめに」のところで、経緯を簡単にまとめてございますので、改めて、おさらいも兼ねまして申し上げたいと思います。

御案内のとおり、昨年の6月に成立いたしました消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律により、特定商取引に関する法律等に規定されております、販売業者等が契約締結時等に交付すべき書面の交付につきまして、紙での交付を引き続き原則としつつ、消費者の承諾を得た場合に限って、例外的に契約書面等に代えてその記載事項を電磁的方法により提供することができることとされました。

この消費者の承諾の取り方、そして、電磁的方法の詳細につきましては、政省令で定めるものとされておりますところでございまして、この点につきまして、広く関係者から御意見を賜って検討するために、昨年の7月、特定商取引法等の契約書面等の電子化に関する検討会を設置いたしまして、まず、第1回目の検討会におきまして、先ほど委員長から御紹介がございました、広く関係者の御意見を伺う場としまして、ワーキングチームが設けられました。

ワーキングチームにおきましては、ヒアリングを実施してまいりまして、その結果を、先日4月21日に開催されました第2回の検討会に報告をいたしまして、検討会におきまして、ヒアリング結果を受けまして、改めて書面の電子交付に当たっての消費者からの承諾の取り方ですとか、電磁的方法による提供の在り方などの論点につきまして検討を進めてまいることとしてございます。

ワーキングチームにおきましては、令和3年8月31日から7回にわたりまして、会合を行いまして、延べ19の団体より御意見をヒアリングの形で承ったものでございます。

この資料1-1は、その19団体の御意見を、その団体と御相談の上で、各団体1ページの要約というものでまとめたものでございます。すみません、御説明につきましては、これを御覧いただくことをもって代えさせていただきたいと考えてございます。

それから、資料1-1は頂戴しました御意見をそのまま要約したものでございまして、もう一つ今日御用意しております資料1-2というのは、各論点ごとにどのような御意見があったのかということを、類似の御意見をまとめましたり、同じ論点に関しまして違う御意見を頂戴した場合には、それを併記するというような形で、極力客観的な形で、御意見をまとめたものでございまして、これを、今後の御議論のベースとしていただくということを想定してございます。

こちらも「はじめに」のところを、まず、御紹介を申し上げたいと思います。

特商法等以外の32分野におけます書面の電子化につきましては、昨年、「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」で、電磁的方法による提供に関する規定が手当されたところでございます。

特商法等の書面交付に関しましては、単なる情報伝達以外の消費者保護機能が含まれておりますので、この「書面交付義務が持つ消費者保護機能」を書面交付が電子化されたとしても確保するということが、国会の附帯決議においても求められておりますし、書面の電子化により消費者被害を拡大させないために、独自の制度が必要とされるという根拠であると考えられるところでございます。

電磁的方法による提供の選択は、この書面交付義務が持つ消費者保護機能が十分に確保される場合に限って認められるものでございまして、そのために、「承諾の取得、真意に基づく明確な意思表明による承諾の確保」の方法と「電磁的な提供方法」が問題になると考えられることから、以下のとおり、これらの項目ごとに、ヒアリングで指摘された論点の抽出を試みたところでございます。

頂戴しました御意見は、「書面交付が持つ消費者保護機能」を書面交付が電子化されたとしても、網羅的に発揮させる制度とする観点から、現在の書面交付が有する多様な消費者保護機能を念頭に置き、それら全ての機能が発揮できるようにすることを、電子化の要件とするという基本的な考えに基づくものであったと考えられます。

なお、御参考までに、このページの下から消費者保護機能の例を挙げてございます。

なお、以下に整理しました論点に関しましては、政令に限らず、省令等で規定すべき範囲の事項まで含んでおります。

また、各項目分類は、先後関係で考えるべきものではなく、縦横に相まって実現するものでもございますことから、項目分類は、あくまでも一つの整理方法と御理解いただければと思います。

次のページの1ポツ以降が、分類ごとに論点を整理していったところでございます。

まず、1ポツとしまして、真意に基づく明示的な意思表明方法に関する論点をまとめてございます。

まず、(1)消費者の真意性ということで、主な御意見をこちらから挙げてございます。承諾取得に当たっては、消費者が契約書面の重要性や、受領をもってクーリング・オフ期間が起算されることを理解していること、これは附帯決議にも記述がございますが、真意の承諾を得る上での必要条件と解されます。そのため、事業者は承諾を得るに際しまして、書面交付が原則であること、提供される情報の意義を告知した上で、承諾を取得することが必要であるという御意見がございました。

事業者又は事業者と意向を同じくする者との物理的・電磁的な接触による電磁的記録提供への勧誘、不実告知、困惑行為や、電磁的方法による提供と書面交付との間で各種のメリット・デメリットを設けることによる差別的な扱い等は、消費者の自由な意思表明を妨げる要因となることから、これらを禁止すべきという御意見が寄せられました。

一方で、承諾を得るに当たっての禁止行為の範囲につきましては、様々な御意見がございました。

次に、(2)承諾取得の方法でございます。

この後、2ポツの項で述べるとおりでございますが、事業者にとっては、消費者の真意と能力を確認できた場合に限って、電磁的方法による提供が可能となることに鑑みますと、それらと承諾の事実が明確に判別可能で、証拠として残る方法によりなされる仕組みとした上で、客観的な要件とすることが、トラブルを防止する観点からも望ましいという御意見が表明されました。

一方で、承諾に関する証拠の残し方につきましては、音声の録音又は書面への承諾のサインを求めるべきとする御意見と、デジタル機器の操作に不慣れな消費者による承諾を防止するために、消費者本人によるデジタル機器を操作して承諾を得るべきとする御意見とがございました。

同時に、対面勧誘の場から勧誘員が離れて影響がない状態で、消費者が電子メールで電子化の承諾を行う方法とすべきとの御意見と、対面勧誘の場から勧誘員が離れて電子化の承諾を得る方法については、申込書面を直ちに交付する義務が履行されない場合もあり得ること、そして、訪問販売に関する規定の適用を潜脱するおそれがある場合もあり得るとの御意見がございました。

ただし、口頭や電話による方法や、事業者の保有するデジタル機器にチェックをするだけのような簡易な方法では承諾できないようにすべきとの御意見も同時に寄せられました。

これらの御意見とは別に、書面で消費者の真意を立証する方法を超える形で、電磁的交付の場合にだけ真意の証明を求める方法は過剰であるとの御意見も寄せられました。

続きまして、(3)取引類型ごとの検討でございます。

特商法の中には、訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引、訪問購入、そして預託法で定めます預託等取引、これらの取引類型によって取引特有の性質、それから契約に至る流れや書面交付のタイミング等が異なりますことから、取引類型ごとに承諾の取得方法、書面により又は電磁的方法により承諾を取得するかを含め、これらについて検討すべきとの御意見が寄せられました。

その場合は、不意打ち性の有無、利益誘引型に該当するか否か、不確実性の程度といった性質に照らして分類することが適切との御意見がございました。

加えまして、取引がオンラインで完結する場合と、一部が対面で行われる場合とでは、電子化の要求度合いが異なることに留意すべきとの御意見も寄せられました。

次に、2ポツ電磁的提供方法に関する論点でございます。

消費者保護機能の確保という観点からは、消費者が電磁的な提供について真意に基づき明示的に承諾をするということだけでなく、その提供方法自体が、消費者保護機能の確保のために必要な要件を充足する必要がございます。

承諾取得の要件と、提供方法の要件のいずれか一つでも欠けている場合には、たとえ何らかの電磁的方法による提供があったとしても、それによって交付義務が尽くされたとはみなされず、従前からの原則どおり書面交付がされなければならないと考えられます。

(1)論点の概要でございます。

ワーキングチームによるヒアリングでは、電磁的提供方法に関する論点として、主に以下の点が挙げられました。

4ページ目でございます。

まず、①全体論といたしまして、要件を満たさない電磁的方法による提供は無効とされるべき、また、要件は有効・無効の判断の根拠とされることから、その設定は客観的なものであるべきとの御意見がございました。

特商法上の取引類型に応じて交付方法に差を設けるべきとの御意見がございました。これは、先ほどの1ポツ(3)でもございました御意見でございます。

消費者保護の高度化のために、むしろデジタル技術を活用すべきとの御意見がございました。

他法令との制度の差異に配慮すべきとの御意見と、特商法と同時に適用される他法令との整合性に配慮すべきとの御意見がございました。

②消費者(及び保有機器)の適合性でございます。

電磁的方法による提供は、デジタル技術に関する一定のリテラシー、これは保有する電子機器のセキュリティを適切に保持し、電子メールの送受信や添付ファイルの開封や保存が自らできることなどを指します。

これらや、書面並みの一覧性(画面サイズ、印刷)をもって表示可能な機器を有する消費者に限って、電磁的方法による提供を選択できることとすべきとの御意見がございました。

③事業者の適合性でございます。

電磁的方法による提供を実施しようとする事業者は、書面と電子の両方の交付方法に常時対応できるべきとの御意見がございました。

他方で、事業者の有する技術や情報管理の水準についての御意見はございませんでした。

④具体的な提供方法でございます。

具体的な提供方法についての御意見は、ほぼ全ての団体から寄せられました。これらの御意見は、提供の手順に関すること、手段に関すること及びクーリング・オフの起算点に関することにほぼ集約されます。

具体的には、(2)で詳しくまとめてございます。

(2)提供方法に関する御意見でございます。

①提供の手順に関して寄せられた主な御意見でございます。

電磁的方法による提供に当たって、注意事項を書面や口頭、電子メールの本文で示すこと。

消費者からの自発的な行動を求めること。

開封確認の返信を消費者から行うこと。

5ページ目でございます。

再交付の求めや書面交付の求めがあれば、事業者はこれに応じること。ただし、こうした手順に伴いまして改ざんの可能性に関する指摘もございました。

電磁的方法による提供の手順が完了したことの挙証は事業者が行い、手順が完了しない場合は、書面交付をすること。

事業者においても電子ファイルを保管すること。

②提供の手段に関して寄せられました主な御意見でございます。

提供の手段に関する基本的な考え方としましては、完全性、普遍性及び持続可能性等の確保が必要であるとの御意見がございました。

より具体的な手段につきましては、以下のような御意見がございました。

なお、類似手法の取扱いや将来の技術的進展により生じた新たな手法の利用の可否を判断していく観点からは、提供手段につきましては、基本的な考え方(手段を限定する根拠)との関係も含めて、更に整理することが必要であると考えられます。

御意見は、電子メールを用いて情報伝達し、SNSやアプリには依らないこと。

電子書面は、添付ファイルとし、PDFを用いること、改ざん防止措置を施すこと。

ウェブサイトからのダウンロードの扱いにつきましては、意見が分かれました。

電子書面はクラウド上で保管し、随時閲覧可能とすること。

続きまして、③クーリング・オフの起算点に関して寄せられました主な御意見でございます。

クーリング・オフの起算点は明確に判別されるべきこと。

電磁的方法による提供の到達時点に関しては、情報の到達は確認できても、開封や閲覧ができたことまでの確認は困難であり、消費者からの確認メール等のアクションで認定することが事実上必要なこと。

再交付に関しては、クーリング・オフ期間に影響しないこと。

そして、3ポツ第三者の関与に関する論点でございます。

消費者が高齢者である場合などにおける第三者の関与の在り方について、多様な御意見が寄せられました。

少なくとも、高齢者など一定層の消費者につきましては、電磁的方法による提供の承諾に関しまして、第三者の承諾が必要とする御意見と、電磁的方法による提供に際して、契約者たる消費者の指定する第三者への同時交付が必要とする御意見がございました。

これらに関しまして、どのような消費者を第三者関与の対象とすべきか、これは高齢者の定義を含みます。また、第三者が誰であるべきか、そして第三者の連絡先情報提供や、第三者としての指名に先んじて当該第三者、本人の了承を得る必要があるかといった論点も挙げられました。

6ページ目でございます。

また、第三者への同時提供が必要となる場合に関して、消費者本人からの希望があった場合とするとの御意見もございました。

最後に4ポツその他の論点でございます。

これまで述べてきました論点に関し、法令上の義務とする性質のものか、業界や企業の自主規制とすることが適切な性質のものかについても検討されるべきとの御指摘がございました。

また、電磁的方法による提供について、登録や届出制とするといった、政省令で規定できる範囲を超えると考えられる事項に関する御意見もございました。

これらを踏まえまして、5月以降行われます検討会で、更に御議論を頂戴いたしまして、ヒアリングが少し長く時間を要しましたことと、それから、今、申し上げましたように、論点が多岐にわたりますことから、当初、春頃を目途に取りまとめと申し上げておったところでございますが、夏にかけて、あまり終わりありきではなく、検討会におきまして、これから御議論を頂戴したいと考えておるところでございます。

こちらからは、以上でございます。

ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は30分程度でお願いいたします。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 清水です。御説明ありがとうございました。

19団体にヒアリングしていただいて、国民のあらゆる声を聞いていただいて、有り難い限りですが、これが、いかに政省令に反映されるかが問題だと思います。時間、ゴールを焦らずというお話がありましたので、是非、ここは丁寧に国民の声を反映していただくようにお願いします。

私の所属する公益社団法人全国消費生活相談員協会の意見も、1-1の資料の6ページに、まとめていただいています。私たち団体は、国民の声を生に聞いていて、この問題は懸念しています。まだ書面は電子化になっていないのに、既に電子化でやっている事業者もいる現状ですので、承諾の在り方等々は、きちんと政省令で決めてもらいたいと思います。

幾ら消費者が一旦認めたとしても、後になってよく考えたら、やはり書面が欲しいと思ったときには、必ず紙で交付していただくことも必要ですし、特に高齢者は、契約時にばたばたと言われると「はい、はい」と言ってしまいます。

後から家族に相談して書面が欲しいと言ったときは必ず交付するとか、「はい」と言ったとしても、果たしてその消費者が、電磁的な方法で受け取れるのか、確認が必要だと思います。この間も相談の現場でびっくりしましたが、「はい、はい」と言ったけれども、メールの添付の開封はやって良いのかという相談がありました。ファイル添付というのは詐欺メールでは開いてしまうと大変なことになりますので、そういった知識がありながら、本当は、これは重要な書面なので見なくてはいけない場合に、開いて良いのかなどという問い合わせもあります。必ずその添付のファイルもPDF化していただく、これも重要だと思います。

数多くの論点を把握していただいておりますので、あえてここで細かく言う必要はないと思いますが、消費者庁には、是非頑張ってもらいたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

他にございませんでしょうか。

大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

まず、スケジュールにつきまして、当初、春に取りまとめというお話でしたけれども、最後に課長から御説明ありましたように、期限を決めることなく、しっかり議論をしていただけるということで大変有り難く思っております。よろしくお願いいたします。

それから、私の所属する団体NACSからも意見を出しておりますように、今回、それぞれの団体の意見はまとめていただきましたので、主張がいろいろありますことは十分承知いたしました。御説明いただいた中で気になりましたのが、1-2の資料の6ページ目のその他の論点のところです。

これまで述べてきた論点に関して、法令上の義務とする性質のものか、業界や企業の自主規制とすることが適切な性質のものかについても、検討されるべきという御指摘があったということが書いてあります。今回、先ほど御説明にもありましたように、参議院における附帯決議で政省令に何を定めるか、という話で進んでいるものと思っておりまして、今後、自主規制ということがあるのかどうかというところに疑問を持ちましたので、その辺りの御説明をいただけると有り難いです。よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 よろしくお願いいたします。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

今の点でございますが、ここの論点として抽出したものを全てオールオアナッシングで法令上の義務か、自主規制かということではなくて、もちろん大事な肝のところで政省令でしっかり規定していくべきところが、一番大事なところになるかと思いますが、上乗せ的に自主的な取組としてやっていただくほうが、むしろ、なじむような事柄のことに関しましては、そうしたような仕組みとして、例えば消費者には、そうした良い取組をされている事業者というのを、ある程度意思決定のときの目安として使っていただくような形とするとか、いろいろな方法は世の中存在しますので、事柄に応じまして適切な方法を使っていただくということで、ですので、今後、定めるべきことに関しまして、どういった形が好ましいのかというところも、御意見を頂戴しながら決めていければと考えてございます。

ただ、先ほど申し上げましたように、肝となるところは、当然、政省令にしっかり入れ込んでいくということだと、私としては理解をしてございます。

以上でございます。

○後藤委員長 ありがとうございました。

よろしいでしょうか。

○大石委員 ありがとうございました。よろしくお願いします。

○後藤委員長 それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございます。

やはり主婦連合会も、今回意見を上げておりますけれども、特商法の消費者保護の機能が損なわれないようにと願っております。

承諾とか、いろいろあるのですけれども、スマホを使う方が、今、多いと思いますので、電磁的にという場合に、例えばスマホが急に壊れてしまったとか、いろいろなことがあって、やはり、消費者側というのは、なかなか保存が難しいのではないかなというところを懸念しているところです。書面ならば置いておけるけれども、電磁的だったら、1回壊れてしまったらというのを懸念しているところです。

あと、消費者というのは、どうしても電磁化することで確認を怠りがちだなと思うのは、例えば、電気とかガスの請求書、あと、携帯電話の請求書が電磁的になってしまって、皆さん、結構、額だけ見て、ああそうみたいになってしまうようなことが起こらないと良いなと思っているのが2点目です。

それから、先ほど御説明にもありましたけれども、詐欺メールが結構あるというところで、そこをどうやって防いでいくのかなというのを懸念しているところです。

それと、現在の技術では、PDFとか、そういうことになっているのですけれども、1回法律ができますと、かなりの期間、途中で改定することもあるとは思いますけれども、そうなったときのことも考えて、やはり、現在の技術だけではなくて、新たな手段が出てきたときも対応できるような、そういう取組というか、包括的な点で、今後、検討していただければなと思います。

以上です。

○後藤委員長 コメントはございますか。

○消費者庁奥山取引対策課長 御意見ありがとうございます。

技術的なところは、この電子的な規定に割と共通する悩みでもありますが、おっしゃるとおり、新たな技術にも対応できるという観点から、考え方ですね、特定のPDFが良いという御意見をいただいておりますけれども、今後どうしてPDFが良いのか、そのどうしてというところで要件を定められますと、新しい技術が出たときも、これは、その考え方として当てはまるから使えますね、いや、当てはまらないから、ちょっとこれは使えませんねということが、将来になっても判断できる材料となりますので、事務局の、これは希望ということでございますけれども、そうしたところまで御議論を検討会で深めていただくことが、もしできましたら大変有り難いと思いますし、他方で、やはりまだ出てきていない技術を想像して、何か決まりをつくるというのは、なかなか至難のわざであるということも、私も同時にもちろん理解をしておりますので、できるだけ頑張っていくようにはしたいと考えております。ありがとうございます。

○後藤委員長 どうぞ。

○木村委員 ありがとうございます。

詐欺とかは、よく法律ができたら、それをいかにくぐり抜けるかというところで、悪徳業者は検討すると聞いておりますので、やはり新たな技術というよりも、いろいろなことが出てきたときに包括的に対応できるような法体系になると良いなと思っております。ありがとうございます。

○後藤委員長 生駒委員、よろしくお願いいたします。

○生駒委員 御説明ありがとうございます。

非常に短い期間に、関係の事業者、そして団体、専門家の方からヒアリングを綿密にしていただいて、取りまとめていただいて、大きな流れは作っていただけたかと思います。

私自身も自分の業務の中で、契約書面の電子化は始まっております。ただ、企業としての契約になった場合は、弁護士を立てていますので、弁護士に事前に見ていただいて、契約の方法として電子的な方法を取るということであるとすると、紙の契約とあまり変わらない。弁護士に見ていただいて、交渉した上で契約しますのでという手順は、企業ですと取れると思うのですが、一般の消費者の方においては、単独で御覧になって契約してしまうことで、いろいろなトラブルが起こるというのは想像できます。そこで、項目3における第三者の関係者が、どのように関与できるかが重要な貢献となります。契約書は単独で見ないで複数の目で見よう、と言いたいですね。専門家でなくとも、皆で声を出して、複眼で、何人かで読み上げたりして、確認をする。通常の場合、小さい契約書ですと、そういう形で進めます。1つの見方だけではなくて、ここはちょっとこうなのではないかと疑問を投げ掛ける形で読んでいくことが大切だと思います。この第三者の関与に関する論点、すごく重要であると思っていまして、一般の消費者の方も、消費者の立場に立って契約書を見ていただけるような方、相談窓口があると良いのではないかと私は思っています。

一般の消費者の方が、契約書との付き合い方について学ぶことは大切です。電子的な取扱いもそうですけれども、その内容についても、契約書に対してのスタンスのようなものが、きっちり理解できて、なおかつ相談の窓口があるというような環境が作られると良いかなと思いました。

以上です。

○後藤委員長 ございますか。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

御意見として承りたいと思います。第三者の関与につきましては、なかなかまだ難しい論点が、相当残されておるなと、私どもも捉えておりまして、御議論を深めていただきたい点だと考えてございます。

おっしゃっていただいたような相談窓口の件ですとかを含めまして、総合的に検討ができればと考えております。

○生駒委員 高齢者に限らないと思うのですね、18歳まで成年年齢も下がりました。高齢者の方は、デジタルの取扱いの御相談があるかと思うのですけれども、内容に関しては、特定の年齢には限らないと思うので、こういった機会に、消費者保護の観点から、相談できる窓口を設けられるということを、希望したいと思っています。

以上です。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

○後藤委員長 それでは、黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 丁寧な御説明ありがとうございました。

今回の特商法の書面交付義務についての電磁化という議論というのは、大きな社会的な影響を与えるものと考えています。特商法の書面の交付というのは、基本的に処分証書でないものについて、あえて書面にするという義務を事業者に課すことによって、消費者の保護をするという立法趣旨で規定されているものです。

そして、電磁的書面ということになってくると、これは何らかの機器を介さない限り、消費者は認識することが、というか、消費者というか人間は、電磁的機器を介しない限り内容を認識できないもので、この書面交付義務の一部を代替しようということですので、非常に立法的には大きな課題を抱えているものだということが、まず私の理解です。

それについては、消費者委員会も、昨年の2月4日に建議1ということで、その問題意識について、建議事項1で消費者の承諾の取得の実質化、電磁的方法による提供の具体的方法、それからクーリング・オフの起算点の明確化と承諾の方法に対する立証責任という形で、この建議事項1をまとめていただいています。

加えて、この問題意識を多分反映してだと思いますけれども、令和3年6月4日の参議院の地方創生及び消費者問題に関する特別委員会においても、非常に多くの附帯決議が付けられているということです。

こういうような問題意識に反映した政省令を、まず、制定していただきたいと思っています。ここまでは、まず意見なのですけれども、それについての質問なのですが、附帯決議が、承諾の意義・効果を理解した上で、真意に基づく明示的な意思表明を行う場合に限定することを要請していて、その例示として、承諾を取る際に電子データとして提供するものが重要なもので、これを受け取った時点はクーリング・オフの起算点となることを書面などにより明示的に示すなど、というふうに記載されています。

それで、この書面などにより明示的に示すとはということなのですけれども、口頭ではなくて書面に示した上で承諾を取得する方法を挙げていると、私は素直に読んで考えておりますけれども、消費者庁として、まず、附帯決議第1項の読み方については、どのようにお考えなのかということが、今後の政省令を作る上では非常に重要な論点だと思いますので、まずその点について、お考えをお示しいただければ有り難いと思います。質問1です。

○後藤委員長 よろしいでしょうか。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

この論点ですけれども、その附帯決議の書き方ですけれども、先生がおっしゃったように、消費者が承諾の意義・効果を理解した上で真意に基づく明示的な意思表明を行う場合に限定されることを確保するための手段の一つの例として、その事業者が消費者から承諾を取る際に、電磁的方法で提供されるものが契約内容を記した重要なものであることや、契約書面等を受け取った時点がクーリング・オフの起算点となることを書面等により明示的に示すなどということで、一つの在り方の例だと読めるのではないかと考えております。

その上で、書面交付義務が持つ消費者保護機能が確保されるよう慎重な要件設定を行うことということで、この要件設定の考え方の案としまして、ヒアリングで出てきましたのは、むしろ説明は、口頭のほうが消費者の理解が取れるのではないかというような御意見もあったと理解しております。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

黒木委員、何か御発言はありますか。

○黒木委員 ありがとうございます。

そうすると、仮に、書面以外で口頭によるということになると、それは面談ということを想定しておっしゃったのか、それとも、それ以外の電磁的方法による口頭の説明ということをお考えだったのか、その辺りを少し教えてください。お願いします。

○消費者庁奥山取引対策課長 すみません、頂戴しました御意見は、事務局の考えではございませんでしたので、どういった取引類型で、どういった場面かというところまでは、すみません、明示的に御意見としては述べられていなかったのではないかと記憶をしてございます。

他方で、口頭の場合は、なかなか挙証をするための材料が残らないから、これは録音を取るべきだというような御意見もございましたことは記憶しておりますので、そういったお考えがあったということだと考えております。

○黒木委員 ありがとうございます。

私がざっと議事録を、訪販協とかでは、何か口頭で説明した後に電磁的にするために、場所を離れてうんぬんかんぬんというようなことをおっしゃっていたところもあって、こんなことをするのだったら、その場で書面を渡せば良いと思ったわけでして、やはりそういうことを考えていくと、対面の場合は、原則、やはり書面交付というのは、いわゆるペーパー、電磁的機器を介さずに内容を把握できるペーパーを使うべきであって、オンラインの特定継続的役務提供契約のような場合は、それは初めからデジタル機器を介して意思表示をお互いしているわけですから、そういうふうに仕分けしていくと分かりやすいのではないかなと思っています。

以上は意見です。ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、星野委員、よろしくお願いいたします。

○星野委員 御説明ありがとうございました。

2点ございまして、1点目は生駒委員の御意見と関連するのですけれども、電子化することによっての利点は生み出せるのではないかと思いまして、というのは、このデフォルトの承認とかデフォルトの契約書を、例えば国が用意するということはあり得るのかと。

例えば、経産省はNDAと、かなりNDAがあまり普及していなかった段階で、NDAのひな形を作りまして、あれは、かなりいろいろな方が使われるということがございました。あれは非常に良かったわけですけれども、例えば、サブスクなり、定期的な取引とか継続的な業務提供みたいなものに関して、一定、こういう契約が普通だみたいなもので、もし、国が提示するのだとしたら、例えば、電磁的な書面、これは紙だったらできないこととして、ワードのPDFもバージョン比較が容易ですね。ですから、片務的ではないというか、双方にとって中立的な契約が、例えばあったとして、それに対してどう変更されたのかというのが、例えば、もし、PDFだったら、容易に比較可能ですし、逆に比較可能な形にした上で、コメントが付いている形で、ここはこう変えたみたいなことが、もし分かるのであれば、消費者にとって非常に便益になりますね。どこを変えさせられたのかと、例えば、そういう形で提供するというのであれば、非常に電磁的な契約は、非常に消費者保護にも役に立ちますので、非常に有効なのではないかと。

ですから、これを行うためには、ある程度、類型化されたような、その契約に対して、ひな形というか、片務的ではないような、中立的な書類、書面の契約のデフォルトがあって、そこからどう変更されたかというのが容易に分かり、かつ、それが必ず示されるような形で提示されるのであれば、非常に消費者保護になると思いますので、是非、そういったもので、実はもう既に容易に行い得るものなので、そういったことは可能なのではないかと思いますので、御検討いただければと思います。

もう一つ電子契約サービスみたいなものということを利用するとなると、これはドキュサイン、クラウドサインなり、今、非常にはやっておりますけれども、これは、サービスが終了した場合にどうなるのかということについて、すみません、議論されているかもしれませんけれども、いまいちよく分からなかったので、例えばこういったものに対してどうお考えなのかという質問。

あとは、私の意見としましては、例えば企業が手数料を払って、政府なり特定機関が、その手数料を基にサーバーを整備して、そこにずっと置き続けるということできるのであれば、そこにさえ消費者がアクセスすれば、後でしまったと思っても、ちゃんとそこを見るということができますので、例えば、それは政府のDX化などとも関連すると思いますけれども、そういう方法だって取ることは可能だと思うのですね、今の時代でしたら、といったことがあります。

2点目は質問であり、あと、それに対してどうお考えかということと、私なりに非常に単純に考えたら、そういうこともできるのではないかということでございます。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございます。

ヒアリングのときに、デジタル技術としてどういうものを使うのが良いかという御意見の中に、いわゆる、どういうふうに保管すべきかと、その消費者がですね、その観点につきましての御意見は、すみません、私の記憶する限りでは、特段なかったように記憶をしております。

ただし、もちろんのことでございますが、その契約期間にわたって、サービスが終了してしまったり、途絶してしまったりして、可用性が損なわれるような状況があり得るような手段で、その保管、管理するというのは、許容されないのが自然な考え方かなとは思っておりますが、あとは、先ほどもありましたけれども、企業としての、あとはサービスとして、どういった利便性を提供していくか、それか、もしくは消費者として、どういった手段でしっかりと重要な情報を保管、管理していくのか、これの役割分担についても、もう少しそこは御議論があると、よりその規定をしていく上では、明確になるのかなと考えます。

○後藤委員長 星野委員、よろしいでしょうか。

○星野委員 前半のことに関して、もし何かございましたら、有り難いのですけれども、つまりデフォルトの契約書みたいなものを作って、そことの比較をさせるみたいなことができると非常に分かりやすいですし、これは、かなりいろいろな問題が解決できると思うのですが、電子的な書類であればこそできる利点というのがございます。そういったものに関して、是非御検討いただければと思います。

○消費者庁奥山取引対策課長 契約書の記載内容につきましては、省令で主に決まっておりますので、それをデフォルトの形に落とし込んでいくと、そういうものができ上がるのかなと、それは、制度、仕組みができた上で、施行までの間にいろいろな周知啓発活動もやっていきますので、その中で、ちょっと実際の業界とも相談しながら考えていきたいと思います。ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございます。

他にございませんでしょうか。

どうも有益な議論をありがとうございました。

すみません、大石委員、よろしくお願いします。

○大石委員 すみません、再度で申し訳ありません。

今、星野委員のお話を聞いていて、思ったことがありましたので発言させていただきたいと思います。

先ほどと同じところ、6ページのその他の論点のところです。電磁的方法による提供について、登録届出制という政省令で規定できる範囲を超えると考えられる意見があったということが書いてあります。この点については、当初、私も、電磁的方法を行う事業者は届出制にしたら良いのではないかということを、消費者委員会の議論の場でも申し上げております。しかし、それはあり得ないということで却下されたという覚えがあります。今、星野委員のお話をお聞きして、届出や登録をするということではなくても、政府の用意するクラウドに、きちんと書類等を準備できる事業者に入ってもらうということで、登録制と同じような制度を構築できるのではないか、と思いました。是非検討いただけると有り難いと思い、発言させていただきました。以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

よろしいでしょうか。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 清水です。

今のデフォルトの関係ですけれども、業界団体は、例えば訪販協だとかは、標準の契約書を持っていますし、エステ関係は、問題が多いのですけれども、業界団体標準の契約書を持っています。ですから、それをうまいこと電子的に、先ほど星野先生がおっしゃられたように、共通で使っていって、電子書面の利点というようなことは、業界団体でやっていただけるのは当然だと、私たちは思っています。

ただ、いつも問題なのはアウトサイダー、良い業者と悪い業者のすみ分けが必要で悪い業者は法執行しかないと思っています。

もう一つは、生駒先生が言われたところなのですけれども、第三者的な関与をさせるという部分、私たちも相談の現場で常に悩ましいのですが、利害関係もあって、親子関係とかあるのですが、せめて65歳以上、今回の電磁的方法に対応したとしても、電子書面を交付する場合は、家族の第三者の関与をさせてほしいと思っています。そのぐらい訪問販売などは問題があります。連鎖販売とか、特役とか、問題あるものばかり、特定商取引法として、すばらしい法律で規制されているわけですから、そこのところは、きちんとやっていただきたいと思います。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

青木委員、よろしくお願いいたします。

○青木委員 青木です。御説明あるいは御議論ありがとうございます。

やはり非常に問題点が多いので、今回論点整理していただいたところ、引き続き検討、ワーキングのところでの様々な視点からの検討を続けていただきたいと思います。

1点、やはり非常に気になるところは、消費者の真意による契約かどうかと、これは非常に重要な事項なのですが、私はその真意というものについて、これは、書面契約の場合も、本当にそれが真意かどうかと、ここにも大きな問題があるので、現状でも非常に大きな問題が起こっていると思います。

この真意というところが、書面交付のときと、デジタルのときとの、そこによるメリット、デメリットの差ですね、ここら辺はよく御議論いただけたらなと思います。

デジタル化のところを制御しても、書面においても、非常にそこに大きな課題が残るので、その視点の論点整理、書面交付の現状においても非常に大きな問題がある部分と、更にそれがデジタル化になるところとの、やはり識別みたいなところは、是非御議論いただきたいなと思っています。

先ほど言いましたように、やはり悪質な事業者というところが非常に大きな問題なので、一方で、悪質事業者への執行の強化、悪質行為に対する、その辺がやはり今回の法制化のところで成し遂げられるのかと、そういう視点でも御議論いただけたらと思います。

書面交付からデジタル交付を消費者が承諾するにしても、どういうデメリット、メリットがあるのかというのが、選ぶ消費者本人のもとにそういう選択できる情報がきちんと提供できるかというところも、これもなかなか大きな問題だと思います。

ですので、今、御議論いただいているところ、もう少しその視点も加えていただけたらと思います。

以上です。

○後藤委員長 何かございますでしょうか。

○消費者庁奥山取引対策課長 いろいろ御意見をありがとうございます。

すみません、一つございましたのが、政府で契約書を保管するようなクラウドの提供というのがございましたけれども、これは、正直、事業者と消費者の間の純粋な民民契約に対して、何か国がサービス提供と、これはなかなか難しいのではないかと、普通に予算要求しようとしても門前払いされそうな、私は感触がします。なかなか国が立ち入れないところなのかなというのはございます。

それから、第三者の関与につきましては、頂戴しました御意見も大事な論点だと思いますし、是非検討会での御議論をいただきたいと考えてございます。

それから、悪質事業者への執行強化、これは非常に大事だと思っておりますし、その観点からワーキングでの御意見として頂戴しましたのは、やはり要件という、いろいろな要件を定めていくのですけれども、はっきりと、客観的に分かりやすいと、それから後から挙証ができると、検証ができると、そういった視点で黒白が後から見てはっきりするというのは、大事な論点だと理解をしてございます。

すみません、全ての点に御回答できているか、心許ないのですが、ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

他にございませんでしょうか。

よろしいでしょうか。

有益な議論をどうもありがとうございました。

消費者の承諾が真意に基づく明示的なものでなければならないこと。それから、電磁的方法による提供であっても、書面交付義務が持つ消費者保護機能が確保されるべきであること。消費者が高齢者である場合、高齢者とは限りませんけれども、高齢者である場合などにおける第三者の関与を検討すべきこと。

これらについて意見が述べられましたけれども、これらの観点は国会の附帯決議でも触れられているものでありまして、消費者庁におかれましては、これらの観点を十分尊重した検討をしていただくようお願いいたします。

本日の議論で、これら以外にも非常に興味深い御意見がありまして、デジタル技術を用いることによる消費者への利便性の提供というような観点も示されております。それから、デフォルトの契約書を作るという御意見もありまして、これも非常に私は興味深く拝聴いたしました。

民法典で売買契約とか賃貸借契約とか、それぞれ契約のデフォルトの姿というのを示して、それを合意によって当事者が変える、その変える合意が有効かどうかも判断される、そういう非常に基本的な話でありますけれども、そこに結び付くような御指摘という印象を受けまして、興味深く拝聴しました。

それから、書面における消費者の真意の確保ということと、デジタルにおける消費者の真意の確保ということですね。特定商取引法等の改正においては、電子化に関する承諾が真意に基づくものかという意味での消費者の真意が問題となっていますが、それとは別に、書面においても消費者の真意の確保がなされているのかどうか。これもかなり重要な御指摘だと、私は感じました。

これら多くの重要な御指摘をいただきましてありがとうございます。

消費者委員会としましては、今後も検討の状況を注視した上で、必要に応じて調査審議を行ってまいりたいと思います。

消費者庁におかれましては、お忙しいところ審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。

どうぞ御退席ください。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございました。

(消費者庁 奥山取引対策課長 退室)


《3.食品表示について(アサリの産地表示適正化)》

○後藤委員長 それでは、次の議題に移ります。

次の議題は、食品表示に関して「アサリの産地表示適正化」についての問題であります。

今般のアサリの産地表示の問題については、食品表示に関する消費者の信頼を揺るがす重大な事案として、当委員会としても強く関心を寄せております。

本年2月1日に農林水産省が公表したアサリの産地表示の実態調査の結果を受け、3月18日に消費者庁と農林水産省が連名で、「アサリの産地表示適正化のための対策」を公表し、これに基づき対応を進めていると伺っております。

今回は、これらの経験や対応について御説明いただきたいと思います。

本日は御説明者として、消費者庁食品表示企画課、谷口課長に御出席いただいております。

また、質疑応答への御対応者として、消費者庁食品表示対策室、岩井室長。農林水産省米穀流通・食品表示監視室、佐久間室長。水産庁栽培養殖課、櫻井課長に御出席いただいております。本日はありがとうございます。

それでは、消費者庁から10分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁谷口食品表示企画課長 消費者庁の食品表示企画課長の谷口です。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、アサリの産地表示の適正化につきまして、消費者庁と農林水産省で取り組んでおりますので、その概要について御紹介したいと思います。

資料のほうを御覧ください。

1ページおめくりいただきまして、2ページです。

この背景と経緯なのですけれども、先ほど御紹介ありましたとおり、本年2月1日に農林水産省から、「広域小売店におけるアサリの産地表示の実態に関する調査結果」を公表しております。

この調査につきましては、アサリの産地表示の実態を把握するために、全国の広域小売店において原産地別の販売数量の確認ですとか、買い上げたアサリの科学的分析などを行ったものです。

その結果、漁獲量を大幅に上回る量の熊本県産アサリが販売されていることが推測されるといったことですとか、また、科学的分析の結果、買い上げた熊本県産のアサリのほとんどが、外国産アサリが混入している可能性が高いと判定されました。

同じ日に、熊本県は、「熊本県産アサリ緊急出荷停止宣言」を発出いたしまして、2月8日から2か月間、県産アサリを出荷停止することを決定いたしました。

このような状況を踏まえまして、農林水産省と消費者庁とで対応を検討いたしまして、3月18日に、「アサリの産地表示適正化のための対策」を公表いたしました。

この対策につきましては、ページの下のほうに記載しておりますとおり、3つの項目がございます。

1つ目が、「原産地表示のルールの適用の厳格化」ということで、不適正な表示を防ぐ観点から食品表示基準Q&Aを改正いたしまして、いわゆる「長いところルール」の適用の厳格化を行います。

2つ目が、「アサリの産地表示に係る状況の公表」ということで、この対策の効果を図るために、改正Q&Aの施行後1か月後をめどに、アサリの産地表示の状況に関する点検調査を行い、その結果を公表いたします。

また、あわせて、引き続き、疑義事案の調査も進めます。

3つ目ですけれども、「熊本県産アサリのブランド化支援」ということで、熊本県の「純県産アサリの産地保証制度」による取組に対して支援を行うことが可能としております。

この3つの対策のうち1つ目の原産地表示のルールの適用の厳格化につきましては、3月30日に食品表示基準Q&Aを改正して施行しております。

その内容につきまして、次のページで御説明いたします。3ページを御覧ください。

このページの上にアサリの生育の大まかなイメージを示しております。

アサリは卵から生まれて、しばらく水中を漂って、その後、海底の砂などに着底するということでございます。

その後、成長していって、おおむね3年程度で漁獲サイズになるということでございます。

また、水産物につきましては、漁獲してから出荷までの間に、生きたまま一定の場所に保存する「蓄養」が行われることもございます。

次に、その下ですけれども、水産物の原産地表示のルールについてです。

食品表示法に基づく食品表示基準では、生鮮食品の義務表示事項として、原産地を規定しているのですけれども、そのうち水産物につきましては、国産品にあっては、漁獲した水域名、又は養殖であれば、その主たる養殖場が属する都道府県名であります地域名を表示することになっております。

輸入品にあっては原産国名を表示することとしております。

また、2か所以上の養殖場で養殖した場合、最も養殖期間の長い場所が属する都道府県名を表示することとしております。この部分が、いわゆる「長いところルール」と言われているものです。

アサリに関しましては、この「長いところルール」を不適切に用いていた事案があったということでございます。

つまり、事実と異なる生育期間をもって、国内での生育期間が、海外の生育期間より長いとした上で、原産地を国内の産地と表示するという事案がございました。

このため、食品表示基準Q&Aを改正いたしまして、原産地表示のルールの適用を厳格化することといたしました。

具体的には、このページの下のほうに挙げておる内容を、Q&Aで示しております。

まず、「蓄養」につきましては、出荷調整、その他の目的のために、短期間一定の場所に保存することを「蓄養」と定義した上で、そのような蓄養の期間については、貝類の全体の生育期間には含まれないこととしました。

したがって、輸入後、出荷調整ですとか砂抜きなどのために国内で一時的に蓄養した貝類の原産地は、輸出国となります。

次に輸入アサリについてですけれども、農林水産省の調べによりますと、現在、アサリについては、稚貝での輸入実態は確認されていないということですので、輸入したアサリにつきましては、原則として原産地は輸出国となることを示しております。

また、その例外として、輸入した稚貝のアサリを国内で区画漁業権に基づいて、1年半以上育成した場合、その根拠書類を保存している場合には、国内の育成地を原産地として表示できることを示しております。

次に、国産アサリについてですけれども、国内の他の地域から稚貝のアサリを導入する場合、成貝の輸入したアサリを放流したことと区別するために、稚貝のアサリの根拠書類を保存する必要があるということも示しております。

次、4ページを御覧ください。

輸入アサリについてですけれども、漁業の業態別に整理して御説明いたします。

まず、蓄養なり放流という場合についてですけれども、先ほど申し上げたとおり、農林水産省調べによりますと、現在、アサリについては稚貝での輸入実態は確認されていないということですので、したがって、輸入したアサリは、成貝の状態で輸入されたものと考えられますので、原則として、その原産地は、輸出国を表示することとなります。

例外的かもしれませんけれども、稚貝のアサリを仮に輸入してきて、国内で長期間育成する場合には、最も育成期間の長い産地を表示するということになります。

具体的には、稚貝のアサリを輸入して、その後、国内において区画漁業権に基づき、1年半を超えて育成した場合、当該アサリの原産地は、育成した産地名を表示することとなります。

この場合、表示の根拠を示す国内での育成に係る根拠書類を保存しておく必要があるということでございます。

ここで1年半としているのは、輸入アサリの生育期間の確認がなかなか困難ということのために、我が国においては、アサリの着底から採捕に至るまでの所要年数が、おおむね3年程度であるということを踏まえた整理ということでございます。

次に、5ページを御覧ください。国産アサリについてです。

国内におきましても、漁業の形態といたしまして、他の地域から稚貝を持ってきて放流し、成貝に育ってから採捕するような場合ですとか、他の地域から稚貝を持ってきて、区画漁業権に基づいて、育成、養殖して成貝を収穫する場合というものがございます。

このような場合に、輸入した成貝のアサリを放流したことと区別するために、稚貝のアサリの産地の根拠書類を保存する必要があるということを示しております。例えば、稚貝のアサリの採捕履歴ですとか出荷伝票といったものでございます。

ここまでが、原産地表示のルールの適用の厳格化として、食品表示基準Q&Aを改正した概要でございます。

次のページを御覧ください。

6ページですけれども、こちらは、先ほどの対策の3つ目で挙げました、熊本県産アサリのブランド化支援についての資料でございます。

熊本県で、「純県産アサリの産地保証制度」を検討されておるということでございますので、そういった取組に対しまして、この事業によりまして支援を行うことが可能ということでございます。

次に、7ページを御覧ください。

このページは、先ほど少し御紹介いたしました、2月1日に公表いたしました、産地表示の実態調査の結果概要でございます。

この調査につきましては、昨年、令和3年10月から12月までの3か月間で全国の広域小売店約1,000店舗で実施しております。

その調査期間に全国で3,138トンのアサリが販売されていたとの推計結果になっております。

そのうち熊本県産が79.2%ということで、約8割を占めているということでした。

熊本県産アサリの推計販売数量としては、2,485トンと推計されておりますけれども、それは、令和2年の漁獲量21トンと比較しまして、大幅に上回る結果となっております。

次に、8ページを御覧ください。

調査結果の続きですけれども、アサリの漁獲量と輸入量の状況につきまして比較したものでございますが、令和2年の国産アサリの漁獲量が4,400トンに対しまして、輸入量は約3万5000トンということで、全体の流通量の約9割が輸入品となっているということでございます。

また、この調査の中で科学的分析調査というのを実施しておりますけれども、50点のアサリを買い上げてDNA分析を行ったところ、熊本県産として販売されておりました31点のうち30点、97%について外国産が混入している可能性が高いと判定されております。

次に、9ページを御覧ください。

このページは、3月18日に、対策と併せて公表した産地表示の点検調査の結果の概要でございます。

熊本県がアサリの出荷停止をした後の2月16日から2月22日までの間にアサリの産地表示の現状を確認するために、全国の広域小売店において点検調査というものを実施したということでございます。

その結果を、先ほど御紹介いたしました、令和3年10月から12月に実施した実態調査との比較で示しております。

まず、アサリの販売状況ですけれども、右の円グラフにございますとおり、アサリが販売されていない店舗、「販売なし」となっている割合ですけれども、実態調査のときは17.5%となっておりますけれども、点検調査では、42.5%と上昇しております。

次に、10ページを御覧ください。

点検調査の結果の続きですけれども、販売されていたアサリの原産地別の状況ということでございますけれども、右の円グラフのとおり、実態調査のときには、熊本県産が約8割、79.2%となっておりましたけれども、今回の点検調査の結果では、中国産が約7割ということで、74.7%となっております。

また、原産地別地域別の販売状況についてですけれども、次の11ページを御覧ください。

この地図の左ですけれども、実態調査のときには、販売が確認されていなかった中国産につきましては、点検調査で、44都府県において販売されていたということでございます。

以上が、点検調査の結果の概要ということでございますけれども、実態調査におきまして、確認した疑義については、関係自治体とも連携しながら、立入検査を実施するなど、疑義解明を行っております。

その中で、不適正な行為を確認した場合には、厳正な措置を行うこととしております。

また、先ほども少し御紹介したとおり、この対策の効果を図るために、この改正Q&Aの施行1か月後をめどに、再度この点検調査というのを行う予定となっております。

駆け足になりましたけれども、私からの説明は、以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は40分程度を予定しております。よろしくお願いいたします。

御発言はございませんでしょうか。

受田委員長代理、よろしくお願いいたします。

○受田委員長代理 受田です。御説明ありがとうございました。

大変全体的な産地表示の適正化に向けて、問題の顕在化から現在に至るまで、特に食品表示基準Q&Aの改正も含めて御説明いただきまして、大変分かりやすく理解することができました。

その上で、ちょっと幾つか確認をしておきたいことがございます。今回のアサリの産地偽装に関しては、国民の関心が極めて高いということについては、関係省庁の皆様、よく御認識のことかと思います。

実態として調査された結果が、極めて、言葉を選ばず言いますと、悪質であり、熊本県産というのが、ほぼ中国産であったという、消費者を徹底的に欺いていたということで、この事件の根幹というのは、多くの消費者に対して、食品の表示に関して消費者を裏切ったということではないかと思っております。

その点を踏まえて、まず伺いたいのは、今回の事象を消費者庁、また、農林水産省の皆様は、どういうふうに受け止めておられるのか。特に今回の事象を、いつからキャッチし、そして、その後、ここに至るまで、どういうふうに動いておられたかということを整理し、御説明いただければというのが、まず1点でございます。

それから、2点目は、今回の産地偽装というのは、4月から始まっております原料原産地表示、この制度とも完全に関連し合っていると考えております。

この原料原産地表示自体は、もう言うまでもなく、社会的検証の仕組みにのっとった食品表示においては、これまでとは異なる根幹だと認識をしております。

一方で、今回御説明をいただいた背景と経緯の中で、産地に関してDNAによる科学的検証も行われているという点、ここをどのように考えていくかというのは、これからの原料原産地表示の実質化あるいは消費者からの信頼を取り戻す上では、極めて重要ではないかと思っているところでございます。

例えばですけれども、定期的にこういった原料原産地表示の真偽、真正性を確認するという意味で、DNA鑑定を実施していけば、一定の信頼を消費者にお伝えすることもできるのではないかと考える次第です。

したがって、社会的検証の仕組みの中に、科学的検証を組み合わせることによって、定期的なモニタリングと市場の監視を行っていくということについて、どのようにお考えかということを伺いたいと思います。

最後に、今の2点目と関連していくのですけれども、アサリの原産地表示のルールの厳格化を行っていくということで、蓄養の期間というのは、長いところルールには入れない、これは非常にクリアな説明であると思うところです。

一方で、稚貝に対して、親アサリに至るまで、その栽培自体を長いところで展開をした場合には、それが輸入品であっても国産に変わっていくことになります。その場合の科学的検証というのは可能であるのかどうか、この点については、今後の社会的検証と科学的検証を組み合わせる上では、極めて重要な知見になっていくのではないかと推察をいたしますので、あえてここの部分については細かく情報をいただければ助かります。

以上です。

○後藤委員長 それでは、消費者庁から、よろしくお願いいたします。

○消費者庁谷口食品表示企画課長 消費者庁でございます。順次、お答えしていきたいと思います。

まず1つ目、今回の事象をどのように受け止めているのかということでございますけれども、今回の件につきましては、正におっしゃるとおり、消費者の信頼を裏切る大変残念な行為であると考えております。

今回、いつからキャッチし、どう動いていたのかということに関してですけれども、消費者庁といたしましては、この農林水産省の調査結果を受けて、今回動いているということでございます。

当然、農林水産省では、日常的に疑義情報に対する監視等を行っているという中で、アサリについて、今回、昨年、実態調査を行っていただいたということであります。

そういった中で実態を把握したということで、今回の対策に至ったということでございます。

次に2点目ですけれども、原料原産地とも関連してということで、このDNA検査というものについてどう考えるかということでございますけれども、これにつきましては、非常に重要な手掛かりを得るためのものになり得るということではございますけれども、産地の表示の根拠の確認といたしましては、必ずしも万能なものではないと考えております。こういった科学的検証が使えるものということにつきましては、表示の監視の一つの端緒となり得るかなと考えておりますけれども、それで全て行けるものではないと考えておりますので、引き続き社会的検証というものが重要だと考えております。

3つ目ですけれども、輸入品に関して長いところルールで国内での育成が長くなったときに、国産の表示ができるということでございますけれども、それについて科学的検証は可能かということでございましたけれども、この科学的検証、DNA検査につきまして、先ほど申し上げたとおり、一定の限界があるということでございますし、また、品種なり、どこで生まれたかにかかわらず、産地表示につきまして、長いところルールを用いているというのは、最終産物に与える品質に関する影響というのが、どこで長く育てたのかということが最も影響するということで、産地表示をしているということでございますので、必ずしも科学的検証で産地の根拠になり得るというものではないかなと考えておるということでございます。

すみません、私からの答えは、以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

農林水産省からは、いかがでしょうか。

○農林水産省佐久間米穀流通・食品表示監視室長 農林水産省の食品表示の監視を担当している佐久間と申します。

説明は、消費者庁から説明があったとおりでございます。したがって、そこに補足する形で、我々が2月1日に公表した実態調査を行った経緯というか、きっかけについて少し補足しますと、我々はもともと立入検査等で、いわゆるアサリの産地表示に関する立入検査というのは、これまでも行ってきたというところでございます。

そうした中において、やはり、外国産アサリが混入している疑いがあったということや、あとは国産のアサリの漁獲量が減少してきているという状況を踏まえまして、こうした実態調査をやる必要があると判断したということでございます。

その後の結果及びその後の対応については、これまで説明があったとおりでございます。

以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

御回答はよろしいでしょうか。

○受田委員長代理 ありがとうございました。

今の点を踏まえて、輸入量と国内生産量の間の微妙なバランスぐらいであれば、そこに至るまで手を打たれなかったという点については、理解もできるところではあるのですけれども、この圧倒的な輸入量と国内生産量との間のかい離を、それまでの間、キャッチできていなかったのか、あるいはそこの間に、もっと迅速に動くことができなかったのかというのが、多くの方々の疑問ではないかとも思っているところでございます。

それと、後でまた多分、御意見が委員からも出てくると思うのですけれども、これを踏まえて、原料原産地表示の仕組みをいかに信頼のあるものにしていくのか、社会的検証の仕組みと結び付けていくこと。また、農林水産省とともに考えていかないといけないと思いますけれども、国民が求めている食のトレーサビリティをより広範に、米や牛肉以外にも適用していくことに関して、踏み込んだ法的な整備も必要ではないかなと、個人的には考えております。

コメントとして追加をしておきます。

以上です。

○後藤委員長 ありがとうございました。

それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございます。

主婦連合会としましても、全食品へのトレーサビリティの導入と、あと、執行の強化ということで、意見書を提出しております。

今回のことにつきましては、私は、かなり以前から実は知られていて、先ほど受田委員長代理からもありましたけれども、このタイミングではなくて、やはり実は、以前から行われていたことを、どうして今まで対応してこなかったのかなというのは大変疑問でございます。

と申しますのは、少し調べますと、偽装のことで事業者が逮捕されていたりというのが、結構数年前から続いておりまして、そのときにすぐ対応していれば良かったのではないかと思うところです。ですから、執行強化は良いのですけれども、それプラス、やはり消費者庁及び農林水産省、そして地元の行政の対応というのに大変不満を持っておりました。

今回、こういった形で、遅かったですけれども、でも対応していただいたということは大変有り難いですし、これでアサリの流通が良い方向に行くということは、大変喜ばしいことだと思うのですけれども、ただ、これはアサリだけの問題ではなくて、他の食品についても同じような問題がある可能性があります。私たちが知らないだけで。調査が必要ではないかと思っているところです。

消費者としましては、やはり自分の口に入るものが、きちんとどういうものかということは当然知りたいと思いますし、そういう場合、消費者は表示を信用して選ぶしかありません。まさか貝に向かって、あなたはどこの生まれなのと聞くわけにいきません、答えませんから。そういったこともありますので、表示は本当にきちんとしていかないといけないと思いますし、事業者が、イメージが悪くなるからといって、消費者に忖度して表示をごまかされるのは、本当に嫌だと思います。結局、しっぺ返しにこういう大きなことになってしまうと、事業者は結局得をしないわけですね。

もう一点は、できるだけ地産地消ということで、国産のものを購入して応援しようという消費者のことも裏切っていることになります。

そういったことを考えますと、やはり、今後もきちんとアサリだけに限りません。表示がきちんとされるように整備していただくことを希望いたします。

以上です。

○後藤委員長 よろしいですか。何かコメントはございますでしょうか。よろしいですか。

それでは、黒木委員、よろしくお願いします。

○黒木委員 ありがとうございます。

受田委員の質問にも関連するのですけれども、農林水産省のホームページで生鮮水産物の不適正表示に関して措置をされたという事業者が、令和3年12月8日付の1事業者と、それから令和4年3月9日の事業者、この2つが農林水産省のホームページで確認できています。

それで、令和3年12月4日付の事業者については、平成31年の行為について措置をしたということが載っているのですね。それを考えますと、平成31年のことについて、立入検査を元年8月からなさったと書かれています。

そうすると、かなり早い段階で、この問題点というのは把握されていたのではないかと思うのですけれども、令和3年に12月8日、これは、TBSの報道特集で、日本中で非常に大きな関心を上げたのですけれども、その直前ぐらいにこれが出ているという点について、具体的なことはできないのでしょうけれども、先ほどから受田委員もおっしゃっていますとおり、輸入量と販売量の大きな差異がある中で、こういうことが起こったということについて、非常に大きな疑問がある。

これについては、最終的には、食品表示法の8条に基づく是正命令が出ているだけということなのですけれども、やはりこの点について大きな疑問を感じるということが意見です。

これは、本当は質問したいのですけれども、あまり具体的な処分事例は言えないでしょうから、これは意見として申し上げておきますけれども、大きな疑問を持っているという点です。

ただ、直ちにこの問題が明らかになって、蓄養に関するQ&Aを改正されたという迅速な御対応をされたことについては、これは良いと思っているのですけれども、そこの点で、本日の資料の2ページのところの2、アサリの産地表示に関する状況の公表ということで、Q&A施行後1か月を目途に、また点検調査を行うと、結果を公表するということで、今後はアサリに関しては、きちんとこういうような形で、Q&Aの改定後の部分というのを継続していただけるのかどうかということについて、そして、その公表はどのようにされるのかということについての質問です。

以上です。

○後藤委員長 お願いいたします。

○農林水産省佐久間米穀流通・食品表示監視室長 黒木委員から御質問のありました、今日の説明資料の2ページの、いわゆる点検調査のことについてでございます。資料に書いてあるとおり、今回の対策の効果を図るために、Q&A改正1か月後を目途に、点検調査を行うということを公表しております。

それで、具体的には、熊本県産のアサリの出荷状況、今のところ県内限定的な出荷と伺っておりますので、これが本格的に出荷した頃を見極めて、点検調査を実施するつもりでございます。

したがいまして、現時点で、こういう調査を具体的にこうやってやりますというのは、今のところ申し上げることはできないのですが、しっかり調査を行ってまいりたいと考えております。

以上でございます。

○後藤委員長 よろしいでしょうかございます。

○黒木委員 ありがとうございました。

○後藤委員長 それでは、大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

今回の件につきまして、思うところを2点ほど述べさせていただきます。

まず、先ほど農水省から御説明がありましたように、国産のアサリそのものが減ってきているということについては、子供の頃、瀬戸内海で育ちましたので実感しております。以前は潮干狩りでアサリを採りに行っておりましたが、その後、全然アサリが採れなくなっている、という話を聞いておりました。気候変動の問題なのか水質の問題なのか分かりませんが、国産のアサリそのものが全国的に採れなくなっているというのは、意識にはあったのですが、しかし自分がスーパーで買うアサリが熊本県産と書いてあっても、それに対して、なぜ熊本だけはこんなにアサリが採れるのだろうかという疑問は持たないままでおりました。ですので、今、思うと、いつの頃からか私たちは、国内産と言いながら、実は、海外の稚貝から育ったものを食べていたということになります。

しかし、何か味や品質に差があるかというと、その辺りの違いについては認識せず、食べてきたと思います。やはり今回の一番の問題は、トレーサビリティがきちんとできていなかった、実は表記が違っていたということです。今回のことで、消費者はアサリに限らず、今、実際に自分たちが選んでいる食品の表示は、本当に正しいのだろうか、ということについて、いろいろと疑問を持ち始めており、消費者の信頼という点で、これは大変厳しい状況だと思っております。

特に農産品、魚産品については気候変動の影響も受けるため、現在、いろいろな産地が変わっているのではないかと思いますが、そのような中で、昔のままの表示が続いているのではないかなという疑問を持った消費者も多いと思います。是非ここで、アサリに限らず、産地表示につきまして、しっかり農水省、それから消費者庁で見直していただきたいというのが、まず1点目です。

それから、あともう一つ。私たちが、実際にできるだけ国産のものを食べたいと思っていても、食料自給率はなかなか上がらず、いろいろな事情で輸入してきたものを食べなくてはいけない状況です。今回の「熊本県産」につながりますが、なぜ、ブランド化が必要なのか、中国産のものだと値段が安いが、国産と書けば高く売れるから、結局国産という表示をしてスーパーに出回るという、その辺りについて、消費者への説明の不足というのですか、別に輸入品だから品質が悪いわけでもないし、現実には、私たちはそういうものも食べていかなければいけない状況だということについて、正直に伝えてほしいと思いました。そういう努力が少し足りないのではないかなと感じたところです。それは消費者側の意識の問題もあるとは思いますけれども、やはり、お互いに正しく現状認識するために、現状の問題点をきちんと正しく伝えることで、ある程度このようなことは、防げるのではないかと思いましたので、発言させていただきました。

とにかく、まずは、消費者に嘘をつかないこと、トレーサビリティを含め事実をきちんと伝えてもらうということが重要だと思います。もちろん、違反した事業者に対しては、然るべき厳格な措置も必要だと思いますが、仕組みの整備も必要だと思いますので、意見を述べさせていただきました。以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

よろしいでしょうか。

それでは、青木委員、よろしくお願いいたします。

○青木委員 ありがとうございます。

もうこの偽装表示の問題については、本当に消費者を裏切る行為ですし、今、あらゆる対応策を御検討いただいておりますが、ちょっと1点、私も今の大石さんの発言と非常に近いのですけれども、これは、基本的に日本の水産業、本当にアサリがここまで国産のものの漁獲量が減っているという、こういう認識は、なかなか消費者のところというのは、漠とは思っていても感じてはいなくて、やはり構造的な偽装表示が繰り返される中、特に水産のところなど、農業もそうなのですが、構造的に、やはり国産の収穫量、漁獲量、こういうものが激減すると、当然のことながら国産品は価格が高くなって当たり前だと思うのですね。だから、ここら辺の認識が選択するときに、アサリだったらおみそ汁に入れたりとか、これが非常に高価格帯の国産の、先ほど大石さんが言われたように、その選択のときに、やはりどうしても業者側からすると、高価になってしまうと売れない、やはりある程度の価格帯が必要ということで、こういうことが構造的に繰り返されるかなと、非常に感じています。

そういう意味では、一つは、今回のモニタリングというのは、大きな力を発揮されていると思いますが、その結果が偽装だけではなく、やはり今の、例えば水産のところの実態ですね、漁獲量が、やはりこれだけ少ないのだということなどと併せて、やはり提供されるということが、御検討いただけたらなと思います。

そういう意味で、今日御説明いただいた中の6ページ目のバリューチェーン、やはり我が国のどうしても食料のところが、なかなか自給率が上がらない中で、こういうバリューチェーンのようなところは、やはり育てていきながら、国産のところがきちんとした表示、あるいは価格帯を含めて、やはり守っていかないといけないなと非常に感じた次第です。

ただ一方で、やはり、輸入品だから問題というわけではないと、私も思っていますので、そこが正しい情報が出るような形を、消費者側からもそうなのですが、やはり事業者、こういう水産業に携わっておられるところも、やはりこういう形で支援しながらいかないと、これは構造的にまた出てくるだろうなという気がしています。

すみません、ちょっと感想的な意見になってしまっておりますが、以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、飯島委員、よろしくお願いいたします。

○飯島委員 飯島でございます。御説明いただきましてありがとうございました。

これまでの委員の御発言と重なるところがございますけれども、確かにこういった問題が生じた背景として、構造的な問題もあるかと思います。例えば、農林水産省のウェブサイトに「提言 国産アサリの復活に向けて(平成21年3月改訂)」が掲載されていますが、国産アサリについて生産者の側での動きもあった中で、業種として成り立たせるような取組も必要になってくるのだろうと改めて感じました。

その意味で、今回、熊本県では、熊本モデルを作り、熊本県産アサリを守り育てる条例を現在パブリックコメントにかけているようです。熊本県だけの問題ではなく、こういった取組の良いところを広げていくことも、国だけでなく地方公共団体でも必要になってくるのかもしれないと思いました。

また、問題発生への対応の仕方について、農林水産省で調査を行い、消費者庁でもその対応を連携して行っているということでした。その中で、問題を覚知する方法やその後迅速に動くための方法を今後に教訓として生かしていくことになると思います。今回、食品表示基準のQ&Aの改定を直ちに行ったということで、恐らく生鮮の31、32、33辺りかと思いますが、再発防止に向けて行動変容を促すような工夫などもあり得るかと思いました。

以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

よろしいでしょうか。

御回答者の側で、何か全体を通してコメント等ございましたら、お願いいたします。特になければ、それでも結構です。

○消費者庁谷口食品表示企画課長 様々な御意見ありがとうございました。

委員からも御発言がありましたとおり、消費者にとって食品表示というのが商品の選択の際に非常に重要な点だと考えておりますので、引き続き関係省庁で連携して表示の適正化が進むように努めてまいりたいと考えております。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

委員の方々、御質問や御意見はよろしいでしょうか。もうございませんでしょうか。

○受田委員長代理 もう一つだけよろしいですか、受田ですけれども。

○後藤委員長 受田委員長代理、よろしくお願いします。

○受田委員長代理 ありがとうございます。

先ほど、国産のアサリ自体の生産量が低下していること、これが今回のような食品産地偽装の構造的背景にあるのではないかというお話もございましたので、その点についても少しだけコメントをさせていただきたいと思います。

SDGsの観点というのは、もう言うまでもありませんけれども、農林水産省においても、14番の海の豊かさを守るという点については、省を挙げて取り組んでおられることかと思います。

今回のアサリの産地偽装を一つ教訓にしていくということについては、食のトレーサビリティと結び付けていくことが、具体的な方法論であると思います。

私は、消費者委員会においても前々から、海産物、海の生産物のトレーサビリティをよりしっかりと構築すべきであるということと、消費者基本計画の中に工程表として、海のエコラベル、例えばMSCやMELといったものについて、消費者の理解を更に深めていくこと、あるいは市場にそれをもっともっと広めていくことを提案申し上げておりますし、書き込んでいただいているところかと思います。

今回のアサリの件と、こういった海のエコラベル、水産物のトレーサビリティを結び付けていくことに関して、農林水産省として、あるいは水産庁としてということになるかと思いますけれども、この辺りの結び付き、見解についてはどのようにお考えなのかということを、見解としてお聞きしたいと思います。

○後藤委員長 お願いいたします。

○水産庁櫻井栽培養殖課長 水産庁の櫻井です。御質問ありがとうございます。

今後の展開ということで、まだいろいろ検討していることも多いということではありますが、先ほどから国産の魚介類の減産、減少というお話がありました。

この数年、水産政策の改革ということで、水産庁も取り組んでまいりましたが、その大きな柱は、本当にざっくり言うと、漁船漁業の成長産業化、それから養殖業の成長産業化ということです。

漁船漁業の成長産業化のほうは、SDGsなどにも絡みますけれども、資源管理の推進ということです。科学的な資源管理をより推進していくということ。

それから、養殖業の成長産業化のほうは幾つか柱がありますが、大きなものの一つは、養殖業の生産物を増産していくということです。アサリについても、いろいろな形態がありますけれども、養殖の部分というのは確実に増えてきているということです。

一方で、いろいろな複合要因だと言われていますが、天然のアサリ、いわゆるですね、そのようなものは、減少が続いているというような状況です。

それで、魚類養殖の方がメインで、ホタテなども入りますが、輸出を増大させていくと、増産に併せて、そのようなことも柱の中にはあって、そうなってくると、委員御指摘のような、例えば、トレーサビリティみたいなものが、外国ではより強く求められるというようなことがありますので、もちろん販売戦略としてのMELみたいな、エコラベルも求められるというような局面が増えてくるだろうということで、国内の生産に起因するようなシステムのほうも、もう少し、時間は掛かるかもしれませんが、よりそのトレーサビリティ、生産履歴みたいなことも含めてですけれども、そういったものに対応していくというようなことで考えていかざるを得ないという状況だと認識しておりまして、業界などとも調整しながら、少し中期的なレンジで、制度も含めてですけれども、そういったことに取り組んでいっていると。これは、もう着手はしています。まだ表に出せる状況ではないですけれども、検討を進めているというようなこと、大きな方向性としては、そのような状況だと御理解いただければと思います。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

○受田委員長代理 ありがとうございました。

○後藤委員長 それでは、以上でよろしいでしょうか。

どうもありがとうございました。

今回の事案につきましては、アサリの生産流通の実態を踏まえたルール適用の厳格化を始め、迅速に取り組んでいただいていると思います。

今後、再度の点検調査も実施されるとのことですので、対策の効果を見極めながら、引き続き取組を進めていただくようお願いいたします。

また、悪質な事案に対しては厳正に対応しなければならないところですので、関係省庁は十分な体制を構築した上で連携して、不適切な食品表示への監視や取締りの強化にも、一層取り組んでいただくようお願いいたします。

トレーサビリティについても委員から御指摘が出ております。食品の産地偽装対策には、トレーサビリティの推進も有効と考えられますので、事業者等への普及啓発を通じ、一層の推進が図られていくことを期待いたします。

食品表示は、消費者の自主的かつ合理的な食品の選択の機会の確保に当たり、重要な役割を果たすものです。消費者委員会としましては、今後も消費者庁及び関係省庁の取組を注視した上で、必要に応じて調査審議を行ってまいりたいと考えております。

消費者庁におかれましては、お忙しいところ審議に御協力いただき、ありがとうございました。

農林水産省、それから、水産庁の御説明の方々も、どうもありがとうございました。御退席ください。

(消費者庁、農林水産省、水産庁 退室)


《4.その他》

○後藤委員長 続きまして、その他事項といたしまして、消費者委員会に寄せられた意見等の概要につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○太田参事官 事務局でございます。

参考資料1を御覧いただければと思います。

こちらは、令和4年1月1日から令和4年3月31日までに、委員会に寄せられた要望書、意見書、声明文等の一覧ということでございます。この期間に寄せられた意見書等は合計で21件ということでございます。

中身について若干御紹介させていただきますと、分野別で見ますと、まず、取引契約関係で14件あったということでございまして、さらに、件名別で見ますと、一番多かったのが、特商法等の契約書面交付の電子化関係ということで、5件いただいております。

本日も御議論いただきましたけれども、契約書面等の電子化の施行に向けて政省令について、しっかり制度設計をして消費者保護をしっかり図るようにしてほしいといったような趣旨の意見が寄せられているということでございます。

それから、2番目に多かったものといたしましては、これも先般御議論いただきましたが、消費者契約法と消費者裁判手続特例法の改正関係ということで、4件いただいております。これは、まだ法案審議が始まる前の期間でございますけれども、消費者庁の検討会の報告書、これをしっかり踏まえた上で改正法案を策定してほしいというような趣旨の御意見ということでございます。

それから、3番目に多かったものとしまして、電子的支払手段についてということで、これは金融庁の金融審議会のほうで電子的支払手段についての、いろいろ御議論が行われているということを受けて、そういった意見が2件寄せられているということでございまして、利用者保護を図るために、そういった制度を丁寧に設計すると。それとともに適切な監督を行っていくというような御意見が寄せられているところでございます。

次に分野別で見まして、資料の4ページを御覧いただければと思いますけれども、食品表示関係で2件御意見をいただいてございます。

まず、最初にございますのが、パック、小袋等の原材料表示の基準を求めるということでございまして、これは、以前もこういった同趣旨の御意見をいただいておりましたけれども、さらに、そういった表示の基準の策定を求めるというような再度の申入れをいただいているところでございます。

それから、本日御議論いただきましたアサリの産地偽装を受けました、その御意見ということで、そういった監視体制強化、整備、強化するとともに、そのトレーサビリティの制度の導入などを図っていくべきではないかといった御意見をいただいております。

それから、地方消費者行政の関係で1件ということでございまして、発信元の団体が行った、地方消費者行政の調査を踏まえて、いろいろ相談員の拡充でありますとか、支援措置の強化等々、地方消費者行政強化のための取組の強化を求める御意見を頂戴しております。

それから、その下、料金・物価関係で1件ということで、これは参考送付ということでございますけれども、住宅附属設備等に係るLPガス料金について、若干、不透明な商慣行があるのではないかということで、その透明化を求めるといったような趣旨の御意見をいただいております。

それから、5ページ目、その他ということで3件いただいておりますけれども、薬害関係に取り組まれている団体から3件、いろいろ新型コロナウイルスワクチンの関係でありますとか、そういった趣旨のことについて御意見を、参考送付ということでいただいているところでございます。

事務局からは、以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

委員の方々、何か御意見等ございましたら、お願いいたします。

よろしいでしょうか。

よろしくお願いいたします。

○清水委員 ありがとうございます。

2月4日の消費者地方行政の充実強化の意見を全国消費者団体連絡会からいただいているのですが、ここの7のところの地方消費者行政強化交付金について触れられていますが、2026年問題というのがありまして、今のPIO-NETが抜本的に見直されます。

専用回線、専用端末廃止ということで、地方行政は独自の端末を用意しないといけないという大問題がありますので、消費者委員会としては、デジタル化の地方行政の在り方というところを注視していく必要があると思いました。

以上です。

○後藤委員長 ありがとうございました。

他にございますでしょうか。

よろしいでしょうか。

それでは、どうもありがとうございました。これらの意見等については、今後の動向を注視するとともに、必要に応じて消費者委員会の調査審議において取り上げることとしたいと存じます。


《5.閉会》

○後藤委員長 それでは、本日の議題は以上になります。

最後に事務局より、今後の予定について御説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日も御熱心に御議論いただきましてありがとうございました。

次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通じてお知らせいたします。

以上でございます。

○後藤委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)