第371回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2022年4月22日(金)10:00~11:13

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)後藤委員長
    (テレビ会議)青木委員、飯島委員、受田委員長代理、大石委員、木村委員、黒木委員、清水委員
  • 【説明者】
    消費者庁日下部審議官
    消費者庁新未来創造戦略本部石川総括室長
  • 【事務局】
    加納事務局長、渡部審議官、太田参事官

議事次第

  1. 新未来創造戦略本部の取組について

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○後藤委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから、第371回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、私が会議室にて出席、受田委員長代理、青木委員、飯島委員、大石委員、木村委員、黒木委員、清水委員がテレビ会議システムにて御出席です。

生駒委員、星野委員は、御欠席です。

開催に当たり、会議の進め方等について、事務局より説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日もどうぞよろしくお願いいたします。

配付資料は議事次第に記載のとおりです。お手元の資料に不足等ございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上でございます。


《2.新未来創造戦略本部の取組について》

○後藤委員長 本日は、新未来創造戦略本部における取組について、御審議いただきます。

消費者庁の新未来創造戦略本部は、全国展開を見据えたモデルプロジェクトや、消費者政策の研究、国際業務等の拠点として徳島県に開設されましたが、開設から1年9か月を経過して、取組の成果が上がってきているものと認識しております。

新未来創造戦略本部の取組状況を確認すべく、令和3年度の取組を中心に、本部の取組の進捗や成果、そして今後の計画について御説明いただきたいと思います。

本日は御説明者として、消費者庁、日下部審議官、石川室長にテレビ会議システムにて御出席いただいております。本日は、ありがとうございます。

それでは、20分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁日下部審議官 消費者庁で、新未来創造戦略本部で審議官をしている日下部でございます。冒頭、私が簡単に御紹介し、後で、詳細は石川から説明させたいと思います。

この事務所は、資料で言いますと、2ページを御覧になっていただきますと、皆さん御存じと思いますが、令和2年の7月に戦略、恒常的な拠点として設置されました。それまで3年間は試行的な形で新未来創造オフィスということでやってまいりましたけれども、消費者庁の新未来創造戦略本部となって、間もなく2年が経とうといったところでございます。

主な業務は、左下にあるモデルプロジェクトと調査研究、この2つが大きな柱となっておりまして、研究部門については、国際消費者政策研究センターという名前を、一応形式的につけまして、依田高典センター長、京都大学の行動経済学の専門家ですけれども、その方に就任していただいて、毎月1回ぐらい御指導いただいているといったところでございます。

それでは、中身については、石川から御説明させていただきます。

○消費者庁石川総括室長 戦略本部総括室長の石川でございます。

それでは、資料は、引き続きまして3ページ目から、モデルプロジェクトを説明させていただきます。

モデルプロジェクトの考え方でございますけれども、基本的には先駆的な取組の試行や施策の効果を徳島県内及びその近隣自治体などを実証フィールドにしてやっていくということでございます。

プロジェクトの選定に関して御質問があったかと思いますので、簡単に御説明させていただきますと、基本的にこのモデルプロジェクトにつきましては、東京の各課が要求した予算に基づいて、我々は、モデルプロジェクトを実施していきますので、大体来年度予算の姿が見えてきた年明け以降に、各課、それから担当幹部と相談をしながら、どういったモデルプロジェクトを次年度でやっていくかという相談をして決めております。

各課から提案があったり、我々から継続的にやりたいということもありまして、それらを結果として取りまとめて、何をやるかというのを決めていくといったやり方をしています。

この実証フィールドで得られたノウハウを生かしまして、全国に展開していくと、そういった考え方で行っているところでございます。

続きまして、消費者政策研究センターでございます。

こちらにつきましては、4ページにございますけれども、先ほど日下部審議官から御紹介がありました、京都大学の依田高典先生に研究センター長を務めていただきまして、消費者法、行動経済学、社会心理学、データサイエンスといった様々な研究分野の専門家に客員研究員として参画をいただきまして、研究プロジェクトを推進しております。

また、海外研究者と連携した国際共同研究の実施でありますとか、国際交流事業といったものがありますが、こちらは、コロナ禍の影響もありまして、やや、今はやりづらいのですけれども、コロナが収束してきた暁には、これらの事業についてもしっかりと力を入れていきたいと思っています。

それから、こちらの資料にあります研究テーマの柱ですけれども、こちらは依田センター長と相談をしまして、消費者行政における喫緊の課題と中長期的な課題ということでございまして、5つほど記載しています。

デジタル化・国際化に伴う新たな課題の対応でございますとか、脆弱な消費者への対応、また、消費者、事業者協働による豊かな社会の実現、また、災害・感染症拡大など緊急時対応、また、地方消費者行政における課題の対応、これらが研究テーマの柱、これは、研究を進める一種の基準みたいなものとして考えているところでございます。

次に、5ページ目以降でございます。主なプロジェクトの概要ということで、6ページ目に重点プロジェクトについて大きく3分野あります。地方での実践として、消費者教育、エシカル消費、地方消費者行政といったものでございます。

また、2番目が海外状況調査や国際交流といったもの。

3番目が新未来に向けた消費者政策における基礎研究ということでございます。

7ページ目以降が個別のプロジェクトの概要ですので、御紹介をさせていただきたいと思います。

まず、7ページ目が、SNSを活用した消費生活相談の実証事業ということでございます。

こちらは、本年4月からの成年年齢引下げに伴います、18歳から19歳の新たな成人になった若者の消費者トラブルの増加への対応ということでございます。

従前より、既に若年者についても、何かしら消費者トラブルに遭った際には、188に消費生活相談するように注意喚起をしておりますけれども、今の若い世代は、なかなか電話も使いませんし、消費生活相談も、そもそもあまりやりたがらないということがありますので、より若者に使いやすいLINE、そういったSNSを活用した消費生活相談はできないかということで、こちらは令和元年度より実証実験という形で行っております。

こちらは、全相協に全面的に御協力いただきまして実施しておりますけれども、2年度、3年度と実施した中で、特に割と10代から20代の若い人も、LINEを活用した相談であれば、結構、いろいろな相談をしてくれたという結果も出ていますし、また、通常の消費生活相談ですと、やはり消費生活センターが開いている時間でないと、相談の受付ができないわけですけれども、こういったSNSを使うことによって、例えばセンターが閉まっている夜の時間帯でも、相談内容だけはデータを残しておいて、翌日に相談員から返信するという形で、割と使いやすいような形になっているのかなと思っておりますので、これについては、今年度、更に、システムなども工夫しながら、全国展開を見据えた取組をやっていきたいと思っております。

続いて、8ページ目でございます。

こちらは、デジタル技術を活用した情報発信・普及啓発ということで、こちらも成年年齢引下げに対応した取組でございます。

具体的には、こちらの資料の真ん中にありますけれども、消費者庁若者ナビというものでございまして、LINEを活用して、特に若者がトラブルに遭いやすい事例等について、注意喚起や情報提供を行うといった取組をしているところでございます。

続きまして、9ページ目が消費者教育の分野ということになります。

「社会への扉」という副読本がございまして、こちらは特に、徳島県内を始め、全国で取組をやっておりますけれども、特に徳島については、県内の全ての高校、55校で消費者教育の授業を実施していただいております。

そういうこともございまして、29年度、令和元年度に実施した事業前後調査と、それから、2年次と3年次に同じ質問をする追跡調査というものを30年度、令和元年に実施をいたしまして、それぞれ追跡調査の結果も含めて出てきております。

左側のところを御覧いただければと思いますけれども、消費生活に関する知識ですが、事業前が36.8パーセントでしたけれども、2年後の調査では51.4パーセントという形で、2年後の正答率のほうが授業前より高いということで、知識の定着が見られるということで、ある程度の一定の効果が見られたというところがあろうかと思っております。

更に、これを踏まえまして10ページ目ですけれども、もう少し取組を踏まえまして、特に消費者被害に遭いやすい、知的障害の当事者に向けてですけれども、より分かりやすい消費者教育教材の普及ということで開発をしております。

こちらについては、ショウ君とセイコちゃんというキャラクターも使いまして、特にトラブルに遭いやすい契約の話とか、そういったものの分かりやすい教材を作りまして、実際に徳島県内の特別支援学校とかで授業を実施したところでございます。

11ページでございます。

見守りネットワークの更なる活用ということでございます。

こちらは、消費者安全確保地域協議会に関する取組でございまして、こちらについては、左側に記載がありますけれども、都道府県内見守りネットワーク設置人口カバー率50パーセント以上という政策目標があろうかと思いますが、2022年、今年2月末時点で、全国で16都道府県しか達成できていないといったところでございます。

右側に日本地図がありまして、それぞれ色分けがありますけれども、100パーセント達成しているのは、わずかに徳島と兵庫だけでございまして、それ以外の県は、やや濃淡がありますけれども、なかなか設置に苦戦していると伺っています。

そういうこともございますので、特に徳島でのノウハウも含めまして、全国の都道府県において、働き掛け、見守りネットワークの設置促進に向けて、何かしら課題等があれば、そこに出向いていって、伴走支援を行うといったような取組などをやっておるところでございます。

12ページ目が消費者志向経営の推進ということでございます。

こちらもかなり徳島県を始め四国で頑張っていただいておりまして、今年の1月末時点で全国の自主宣言事業者数273社でございますが、このうち、四国4県は114社ということで、ほぼ半分程度を占めております。

そのうち特に徳島県については、56社ということでございます。また、愛媛県についても45社ということで、徳島と愛媛で頑張っていただいております。

こちらの12ページの真ん中の写真に、広沢自動車学校という、これは徳島県の事業者ですけれども、令和元年度には内閣府特命担当大臣賞という表彰も受けたようなところがございます。

自主宣言事業者の業界も、食品、飲料、酒造から宿泊施設まで幅広くございまして、何かしら、こういった徳島でのノウハウ、そういったものを全国展開に生かしていけないか東京の参事官室とも相談をしている状況です。

続きまして、13ページ目がエシカル消費の普及啓発ということでございます。

エシカル消費も消費者教育同様、かなり徳島県では力を入れていただいておりまして、教材の開発や、取組事例集の活用により、徳島県においては、令和2年度においては、エシカル消費の認知度については、50パーセント以上という形で、全国に比べて高い水準に来ているということであります。

このため、エシカル消費に関しては、徳島県は、かなり色々なモデルプロジェクトがやりやすいような環境でございますので、14ページですが、昨年度につきましては、サステナブルファッションの推進ということで、こちらに力を入れて、幾つかシンポジウムを開催しております。

まず、昨年の7月ですけれども、こちらは、四国大学で行ったイベントでございますが、ファッションから考えるサステナブルな未来ということで、鎌田安里紗さんに基調講演をいただいて、四国大学の学生も交えたパネルディスカッションを開催いたしました。

更に、昨年の12月ですけれども、こちらは徳島県にあります上勝町のゼロ・ウェイストセンターというところで実施したイベントでございます。

表題は同じファッションから考えるサステナブルな未来ということでございますが、こちら2部構成でございまして、トークショーでは、ゲストとしてメルカリの上村さんでありますとか、あるいは株式会社Shoichiという、売れ残ったブランド品のタグをとって再度販売するような、先進的な取組を行っている事業者をお呼びしてトークショーを実施したところでございます。

また、夕方の4時半からサステナブルファッションショーという形で、こちらは大阪モード学園と連携して、サステナブルファッション、洋服のリサイクルを使って、どのようなファッションができるかということで、ファッションショーを企画したところです。

また、今年の3月につきましては、サステナブルファッションに関する日仏シンポジウムというものがございます。

こちらは、生駒先生にも御参加いただきまして、特にフランスのファッションロス規制について、先進的な取組をやっているということで意見交換を実施させていただきました。

当日は、同時通訳があまり良くなかった点もありますけれども、なかなか普通には聞けないような方が集まって、いろいろなお話を聞けたかと思いますので、公表できる情報の整理をしているところでございます。

15ページです。

流通店舗をフィールドにした消費者向け食品ロス削減啓発モデル事業ということで、こちらは、エシカルでは、ある意味、衣食住の食でございます。

こちらは、戦略オフィス時代から取り組んでいるようなテーマでございますけれども、2年度、3年度につきましては、写真を見ていただければ分かりやすいかと思いますが、いわゆる家庭から持ってきたマイバッグに、その商品を詰め込むサッカー台というのがありますけれども、サッカー台に食品ロス削減に関する啓発のポスターを置きまして、どのような効果があったかといったところを確認したところでございます。

今日この場で、実物はなかなかお見せしにくいのですけれども、大きさとか、あるいは形状とか、消費者からもあるいは販売店からも割と好評なこともありましたので、これを基に、中四国に限らず、全国展開する方向で、今、食ロス室とも相談をしている状況でございます。

モデルプロジェクトは以上でございまして、16ページ目以降は、研究のプロジェクトでございます。

まず、1つ目が新型コロナウイルス感染拡大の影響による消費行動の変化に関する研究ということでございまして、こちらは関西大学の松田先生、それから、鳴門教育大学の坂本先生にも研究リーダーを務めていただいております。

新型コロナウイルス感染症が拡大した際に、消費者が買い占めとか買いだめの行動に走ったといった現象が見られましたので、そういったものを心理学的あるいは行動経済的なアプローチから何かしら解明できないかということで取り組んでいる分野でございます。

こちらは昨年の10月に中間公表という形で、ちょうど真ん中の右の点線の箱のところに、中間ウェブ調査結果について公表したところでございます。

ウェブ調査結果なので、全国の消費者をサンプルにした調査でございますけれども、その概要を少しだけ御紹介させていただきますけれども、2020年4月から5月の緊急事態宣言前後で、不足したものを心配で手元にあっても更に買った経験がある方が約4割いらっしゃいまして、買い占め行動を増やす要因としては、品不足への不安でありますとか、あるいは、そういった権威への心理傾向の強さや、世帯所得の高さが特に当てはまったというもの。

3つ目が、割とユニークなものが見つかったと思っていまして、特に20代から30代の男性ですけれども、割と必要なものを取捨選択とか、身の回りを片付けない人ほど、品不足への不安から買い占め行動を取りやすいと、直観的にはそうかなと思えるような、意外な結果が出たかなと思っております。

17ページでございます。

こちらは、デジタル社会における消費者法制の比較法研究でございます。

一橋大学の松本先生に、こちらは研究リーダーをやっていただいておりますけれども、こちらは、特にEUや米国を始めとするデジタル分野におけるルール形成についてヒアリング調査を行ったものでございます。

具体的には、EU指令ということで、デジタルコンテンツ指令でありますとか、物品売買指令、消費者保護法の準則、現代化の指令に対して、EU加盟国はどのように国内法化を行っているか、またはどのような運用から生じる問題点があるかといったことです。

また、イギリス、アメリカにおけるデジタルコンテンツに関する消費者契約に関する法制の整備動向につきまして、資料に記載しておりますとおり、大学の先生でありますとか、あるいはドイツの司法省といった実務家にヒアリングを重ねているといったところでございます。

18ページ目がPIO-NETを活用した消費者問題の分析研究ということでございます。

こちらは、全国消費生活相談ネットワーク、PIO-NETに登録された相談事例を生かしまして、今回につきましては、新型コロナウイルスに関連する話題につきまして、消費者被害の傾向について、テキストマイニングによる分析を行ったところでございます。

続いて、19ページ目、こちらは特殊詐欺の消費者被害における心理・行動特性に関する研究ということでございまして、京都府立医科大学の上野先生に研究リーダーを務めていただいております。

特殊詐欺でございますけれども、令和2年、令和3年とそれぞれ被害が多く出ておりまして、徳島県でも2桁以上の件数の被害が出ているといったところでございます。

そのため、徳島県警や徳島県と連携した取組をしておりまして、以下の実施する取組にもございますけれども、徳島県警への被害相談者情報提供者へのアンケート調査、それから徳島県運転免許センターの講習受講者、また、徳島県消費者情報センターの相談者や、とくしま生協の組合員など、幅広いサンプルを取りまして、被害に遭いやすい人の特徴、傾向を解明して、どのような特殊詐欺の被害に、どのような周知・広報を行えば、特殊詐欺の被害防止に役立つか分析をしています。

特に、高齢者の方に関しては、楽観性バイアスといったものを、長年消費者被害に遭っていないことについて、特に自分は、そういった消費者被害に遭わないのではないかと楽観的な心理的傾向を持つということでございましたので、そういった観点にも着目をしながら分析を進めていきたいと思っております。

以上の研究につきましては、こちらの研究リーダーという形で、客員研究員の先生たちにリーダーシップを取っていただいて研究をやっていますけれども、20ページ目の地方自治体における消費者行政に関する条例の制定状況と、その背景の分析につきましては、戦略本部職員が主体となったディスカッションペーパーということでございます。

こちらについては、消費者行政に関する条例について、こちらは同志社大学の原田先生が、全国の自治体の条例を網羅的に収録しているデータベースを公表されておりましたので、それを使いまして、全国の自治体の条例について、特に消費者行政に関するもので、どのようなものがあるかというのを類型化するといったことで、各規程の内容とか、制定状況の調査分析を行ったものであります。

こちらの資料の左下にありますけれども、全国の消費者行政関係条例ですが、このデータベースを使いますと、915件あったということでございまして、それぞれ消費生活に関する条例など、あるいは結構消費生活センターの条例とかもあるわけですけれども、それ以外に基金に関する条例とか、どういったものがあるかというのを分類して整理したところであります。

21ページでございます。

国際シンポジウムの開催ということであります。

2019年ですけれども、こちらはG20の消費者政策国際会合を徳島県でやったということでございまして、そのレガシーを引き継ぐという観点から、毎年3つ程度ですけれども、大きな国際シンポジウムを開催するということで取り組んでおります。

緑の点線のところに、囲みがありますけれども、昨年に関しましては、3月16日にマレーシア、フィリピン、タイといったASEAN4か国と、消費者教育に関する国際シンポジウムを行いまして、それに引き継ぐ形で徳島県が10月に、こちらもマレーシア、フィリピン、タイなどと国際フォーラムという形でシンポジウムを開催しましたので、その際には、徳島県と共同セッションを行いまして、特に消費者行政の担い手と、その役割・連携という形でディスカッションを行いました。

また、12月については、消費者庁の国際担当の参事官室の主催でございますけれども、オンライン教育における消費者トラブル対応ということで、中国、韓国とも行いましたし、今年の3月については、先ほど発言させていただきましたけれども、サステナブルファッションに関しまして、日仏での国際シンポジウムを開催したところでございます。

最後に、22ページ目が、周辺地域への貢献や戦略本部の広報ということでございまして、こちらの戦略本部の取組ですけれども、県内の大学として、徳島大学、鳴門教育大学、四国大学、徳島文理大学等がございますけれども、これらの大学からの協力や支援が非常に大きいということもありますので、我々のほうでも、これらの大学の講座あるいは講義を受け持たせていただいて、消費者政策に関する説明などをしております。

また、戦略本部の取組や成果紹介のシンポジウム開催ということでございまして、先ほど申し上げました国際シンポジウムという機会でありますとか、あるいは毎年3月ですけれども、成果報告会という形で、多くの場で我々がどのような取組をして成果を出しているかといったことも説明させていただいているところでございます。

戦略本部の取組については、以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は30分程度でお願いいたします。よろしくお願いします。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 清水です。御説明ありがとうございます。

主なプロジェクトの概要のところのSNSを活用した消費生活相談の実証実験のところで1つ質問です。

LINEで実証したということで成果があったというのは理解できます。相談の現場ではLINEで相談できませんかとか、資料をLINEで送りたいという要望が本当に増えていまして、このような実証がされて実現していくことが必要だというのは、ひしひしと感じております。

そんな中で、例えば相談の前さばきというところで、AIを活用した受付をするというようなことを、今後実証していくのかどうなのか、これが質問です。

LINEといいますと、今、別のワーキングで、アフィリエイト広告等の事象とか、問題点を洗い出ししているところなのですが、やはりSNS、LINEだけではなくインスタグラムもそうなのですが、非常にトラブルの入り口が、SNSという悩ましいところはあります。しかし、このSNSを相談の現場で、活用していかなくてはいけないなというのは思っております。

2点目なのですが、日仏のシンポジウムを拝聴しました。サステナブルファッションに関する日仏シンポジウムは素晴らしい企画でした。非常に残念だったのは、通信が切れてしまったという点、これは致し方ないと思います。それと途中から音声が二重に入ってしまったという点、これは、第三者が画面の確認をされていたのでしょうか。これは、バックに広告代理店が入っていたのでしょうか、それにしてはちょっとお粗末だったような気がします。これは、誰が運営していたのかという質問でございます。

最後なのですが、PIO-NETを活用した消費者問題の分析研究のところです。

テキストマイニング等の分析技術を用いてPIO-NETデータの抽出と分析を実施したということですが、PIO-NETの分析が遅れるのは、テキストマイニング的なことがされないので遅れるのではないか、国民生活センターが国民に対して情報提供が遅れるのは、やはりPIO-NETの問題ではないかと思っていたところがあります。そこを分析していただいて、特にスピード感を持って、何か提供ができたということはあると思いますが、この点もう少し詳しく御説明いただけると助かります。よろしくお願いします。

以上です。

○後藤委員長 それでは、御回答をよろしくお願いいたします。

○消費者庁石川総括室長 まず、SNSの消費生活相談に関してでございます。

こちらにつきましては、全相協に全面的に協力をいただきまして、まず御礼申し上げたいと思っております。

今、御質問いただきましたAIを使ったものについてやるかどうかと、端的に質問に答えますと、今のところ、そういった予定はないのですけれども、ただ、今回使ったシステムですが、LINEのセキュリティがそもそも問題になったこともありまして、LINEは使っているのですけれども、LINEは入り口段階で使って、セキュリティの関係から相談したデータについては、LINEではなくて別のサーバーを使うという形で、かなり、そういったシステムのやりくりをしたこともあって、実をいうと、あまりシステムの使い勝手が良くなかったという意見が、相談員さんからも寄せられたことでした。

結果として相談員が答えた内容も、セッションが消えてしまうと後で見えないというのがありましたので、そういったシステムの改善をするということで、更に本年度についても何をやっていくかというのを、今、担当課とも相談をしているといった状況でございます。

それから、日仏の国際シンポジウムの御質問をいただきました。こちらは、ちょっと我々もまだ、経験がいまいち浅かったというか、もちろん我々だけではできませんので、当然代理店に委託をして行ったわけですけれども、なかなかフランス語で同時通訳というのは、ハードルが高かったかなと思っておりまして、よくよく考えてみたら同時通訳はかなり専門性が高くないとできないのではないかと。

フランス側は実務から事業家まで、多種多様な方に集まっていただいて、多くの発言をいただけたのですけれども、そこに関してはデータというか、そういった画像は残っていますので、整理して、オープンできるものはオープンにしたいと思っております。

それからPIO-NETの、こちらの分析に関する御質問でございます。

お答えになっているか分かりませんが、消費者被害の速報性を高めるという目的とは、我々がやった研究の目的は違いまして、PIO-NETで通常、テキストマイニングというか、高品質キーワードみたいなものというのは、単純にやれば出てくるかと思うのですけれども、どうしてもそういったワードだけではなくて、相談内容みたいなものを類型化して、グループ分けというか、統計的なものをやりまして、ついつい普通の高頻度のキーワードだけで見ていると、見落としがちなものはないかとか、そういった観点から実施したというところでございまして、端的に御質問にありましたような、何かしらPIO-NETの分析の速報性を高めるといった観点からの研究ではなかったということでございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございます。

よろしいでしょうか。

○清水委員 はい、ありがとうございました。

○後藤委員長 それでは、受田委員長代理、よろしくお願いいたします。

○受田委員長代理 御説明ありがとうございました。大変整理をされていてしっかりと理解することができました。

その上で、私からは3点です。まず、1ページにあります、もともと新未来創造戦略本部の機能の点からいきますと、ただいまの御説明は、全国展開を見据えたモデルプロジェクト等から、新たな国際業務の拠点という内容については入っておりました。

一方で、非常時のバックアップ機能や働き方改革の拠点であるという視点のお話がなかったように思います。

現在、非常時であるコロナ禍において、消費者庁の働き方改革の点から、どういうふうに機能しているのか、また、もともとは規制改革の一環で、中央省庁の地方移転という草分け、先駆けであったということから考えて、様々な今回のコロナ禍において、貴重な情報が出てきていると思うのですけれども、その点が、少し紹介があると有り難いということと、中央省庁への共有がどうなっているかという点を1つ伺いたいと思います。

それから、2点目に関しては、具体的にお話しいただいた見守りネットワーク、これが思ったほどまだ広がっていないというお話。課題が何かという具体をもう少し御説明をいただきたいと思います。

伴走支援というお話もありましたけれども、もしかすると、その課題に関しては、伴走支援では不十分であるということも想定されるのではないかと、お聞きして感じたところです。

最後です。16ページに消費行動の変化に関する研究がありました。非常に興味深くて、RCTで実証実験をやっていくということを通じて、行動変容を促すという試行をされているということは、ステージが上がったなという印象でございます。

現在、行動経済学的な手法であるナッジ、これが注目をされておりますけれども、このようなナッジにつながる行動変容の試行というのは、他にもありますでしょうか。非常に興味深いので、是非教えていただきたいです。

○消費者庁日下部審議官 それでは、私から、最初にお答えさせていただきます。

コロナ禍のことで地方創生とか、あるいは働き方改革、その関係でどういう貢献ができたのかということでございますけれども、もともとテレビ会議とか、あるいは有線ではない、無線で、皆、パソコンを持ち歩けるようにしていたということにしていたので、そこら辺はコロナ禍になったとき、庁内的にテレビ会議もかなり普通に使われるようなりましたけれども、その先駆けとして我々のいろいろなノウハウがシステム的には非常に役に立ったのではないかなと。この事務所を作ったときの経験というのは、非常に役に立ったと。

それから、オンライン会議みたいなものも、徳島と東京の間には、もうしょっちゅうやっていましたので、それがより広がったという形になったということで、事前にここでいろいろやっていた経験が、いろいろできたのではないかなと思っているところでございます。

それから、地方と各省庁との共有とか、そういうのは、各省庁がいろいろ視察したいという場合があれば、積極的に受け入れていますけれども、コロナの関係で、今そんなに多くの視察が、コロナ前と比べれば来ているわけではないです。

それから、いろいろ地方創生とかの担当部局から、いろいろ聞かれたときには、素直に、いろいろお答えするなり、視察をお受けするというようなことをやっているところであります。

それから、なかなか出張とかの関係も東京が、非常にコロナで厳しいというときには、徳島から、さっきの話もそうですけれども、本来は、別に東京から行っても良いようなところであっても、我々が出張しやすいということもあって、徳島がまだコロナ禍においては出やすかったということもあるので、そういうときには我々が代わって、我々が中心になって出張っていくといったことも、中にはありました。

それから、行動経済学のナッジについては、今、ナッジ部分について、正に生協のモニターの方にアンケートして、今、その情報を取りまとめているところで、まだ結論は出ていないのですけれども、行動経済学を使った分析という点では、今の時点では、この研究が一つということになるかなと思っております。

それから、見守りネットワークの課題ですけれども、福祉部局との連携とか、なかなかそういうのは、非常にどこの部局でも難しくて、徳島県内においても、見守りネットワークはできてはいるけれども、どれだけちゃんと活用されているのか、1年間に1回だけ総会を開いているだけではないかと思わせることもあるのですけれども、そういったときに、なぜそういうことになってしまうのかとか、あるいはどういうふうにしたらもっと連携できるのかみたいなものを、徳島県内の既にネットワークがある自治体においても深掘りして、いろいろヒアリングをするとか、あとちゃんと情報が末端で見守っている方々にまで、消費生活センターの大事な情報がちゃんと流れているのか、いないのかとか、それはどういうふうにしたら流れるようになるのだろうかと。そういう他県に展開するに当たっての基本的な情報というのを、今年は力を入れて集めようということで、今、県内のいろいろな市町村に聞き回ったり、アンケートをしたり、いろいろしているといったところになります。

○受田委員長代理 ありがとうございました。

今後も期待しております。

○後藤委員長 それでは、黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 どうも黒木です、ありがとうございます。

今、少し御説明いただきましたけれども、もう少し詳しくお尋ねしたいのは見守りネットワークのことで、11ページのところです。

見守りネットワークの先駆的モデルの構築というのがプロジェクトの概要ということになっております。

徳島県の令和2年の確定値の人口動態を見ると、65歳以上が人口の中で34.5パーセントを占めるというところを考えると、全国の中でも高齢化がかなり進んだエリアだと私は判断しております。

そこで、昨年の10月1日に厚生労働省とそれから消費者庁で、見守りネットワークとそれから重層的支援事業、これは共同してやれますよということの発出がありました。これについては、今回公表いたしました工程表に関する意見の中でも触れさせていただいているところでございます。

ところが、令和4年度の重層的支援体制整備事業への実施予定自治体が徳島県にはない。そして、移行予定のところが、移行事業の準備をやっているのが、徳島県では、小松島市でいいのですかね、僕はちょっと地理がよく分かっていないので、というのが1か所だけ指摘されているということです。

まず、こういうところで、せっかく徳島での拠点で、ある意味では、超高齢化社会を迎えている日本の中での先駆的、非常にモデル地域として、ある意味では意味があるところで、見守りネットワークは100パーセント設置されている。そして、重層的支援事業について、徳島県ではまだやっていない、やっと1つの市だけが、実施予定自治体が挙がっていると、こういうような形で福祉部門との見守りネットワークの連携の深掘りということについて、どういうふうにお考えなのかということについてお尋ねしたいと思っています。これは、非常に今後の日本の人口動態を考えたときに重要な問題だと思いますので、よろしくお願いいたします。

○消費者庁日下部審議官 福祉部局との連携というのは、徳島県庁も我々も大変重要視していて、それで、既にそれなりにうまくいっているところもあれば、小松島市は、まだやる気のある自治体の一つですけれども、自治体によってはまだそこまでいっていないところもあれば、一方で、もうそれを更に超えて、福祉部局と協力しながら、消費生活センターの職員が、定期的に重要な高齢者の周りを毎回全部回ると、もっと進んだようなところもあって、そこら辺は自治体ごとにかなり熱の入れ方は違うのですけれども、見守りネットワークを作るという点においては、かなりみんな作ってくれてはいるのですけれども、その進め方については、それぞれ、正直言ってまだ全然なかなかだなというところもあれば、かなり飛び越えてやってしまっているなというところもあるといったところであるので、そういう問題意識は我々も持って、働き掛けてはいるのですけれども。まだ、手を挙げたのは小松島市だけだというのは、個別の事情について私もそこまで詳しく分からないので、他の自治体がなぜ挙げなくて、この自治体がなぜ挙げたのかというのは、今すぐ答えられる細かいデータは持っていないのですけれども、連携が非常に大事だと意識は思っているし、一方、それを乗り越えている自治体もあるというのは、また確かかなと。しかし、まだ乗り越えていない自治体があるというのも確かかと思います。

すみません、詳細が今、手元になくて何とも言えないのですけれども。

○黒木委員 すみません、大変重要な問題だと思っていまして、縦割りを越えて消費者安全法と、それから社会福祉法という2つの縦割りを越えて、地域の中では結局、プレイヤーは一緒だというのを考えておりまして、そういうことを、是非、先進的な取組としてやっていただければ、他の地方自治体でもモデルとして広げていけるのではないかなと思っているという問題意識からです。よろしくお願いいたします。

○消費者庁日下部審議官 貴重な御意見をありがとうございます。参考にさせていただきます。

○後藤委員長 それでは、飯島委員、よろしくお願いいたします。

○飯島委員 飯島でございます。御説明いただきましてありがとうございました。

これまでの議論と重なるところはございますけれども、新未来創造戦略本部での実践を通して、消費者庁、国の役割について、改めて、あるいは具体的にお考えになっていること、見通されていることについてお伺いしたいと思います。

といいますのは、一方では、デジタル化への対応など、SNSの相談を広げていくことも含まれるかもしれませんけれども、そこは国が主導的な役割を果たすということもあろうかと思います。

また、現在、執行段階で実効性を確保するということが大きな課題になっていると思いますが、いわゆる悪質事業者への規制権限の行使の在り方など、執行段階を踏まえた制度設計について、改めて国の役割が求められているかとも思います。

他方で、既に何度も見守りネットワークの話が出ましたけれども、こういった対人サービスであり、地方公共団体が主たる役割を果たすべきだとされているものについて、国の役割はどこにあるのか。先駆的モデルの構築とございますけれども、条例を制定して先進的な取組を行っている地方公共団体もある中で、国がどこまでの役割を果たすべきなのかといったことについて、お伺いできますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

○消費者庁日下部審議官 法律の執行に関しては、正直、こちらの事務所では扱っていませんので、あまり申し上げることはないのですけれども、もちろん国の各都道府県の執行が、なぜできるのか、できないのかというのを調べるというのは、少し東京のお手伝いをしたことはありますけれども、基本的には執行そのものについては、我々は執行部局ではないので、携わっていないというのが正直なところです。

国の役割という点では、やはり自治体に働き掛けのときに、都道府県に働き掛けるときに、やはり消費者庁が働き掛けると、それは、東京の消費者庁であろうが、徳島の我々だろうが、それは外から見れば同じ消費者庁ですし、我々もそう思っていますけれども、働き掛けるということが非常に意味があるかなと。

一方、市町村に働き掛けるのは、普通は県が行うのが基本ですけれども、そういうところに、我々が、徳島がいることによって、一緒に、徳島県内に限らず、京都とか山口とか幾つかのところには、我々も県庁や、山口県庁とか京都府と一緒に、市町村に説明に行くといったようなことは、今まであまりできてなかったのですけれども、今回ここに拠点を置いて少しやってみていると。

それで、すぐに見守りネットワークができましたかというと、そう簡単にはできないというところが非常に悩ましいのですけれども、そういう一歩一歩前進という点では、県からは、やはり国から来てもらったほうが、市町村への効果というのは大きいとの意見は聞いており、だから我々が行っているというところはあります。

それから、消費者志向経営などにしても、やはりなかなか県が必ずしも積極的なところと、今一つそうではないというのは、いろいろ正直あって、徳島県は何でも積極的だから良いのですけれども、例えば消費者志向経営だと、愛媛県が、これだけ件数が伸びているというのは、やはり愛媛県庁が大変積極的だったと、その背景には我々が働き掛けた効果ももちろんあるし、県庁自らが、こういうのをやりたいと、非常に食いついて頑張られたと。

一方、残りの香川とか高知については、なかなか県庁の担当者がやる気があっても、県全体としては、今一つ動きがピンとこないと。そういうときには我々が直接地元の経済団体とか、そういうところにいろいろ働き掛けるということによって、今までほとんどゼロに近かったところが多少なりとも数は増えてきたということもあるので、消費者庁の施策を実行していくに当たって、県が動いてくれるときには、それに乗っかっていけば市町村に大変力になるし、なかなか県が動かないというときには、我々が直接出張っていくということも一つのやり方としてはあるのかなと。ただ、それを47都道府県にできるかというと、なかなか正直、どうかなという気持ちは持っていますけれども、まずここはトライアンドエラーをする場所なので、やれることは何でもいろいろやってみようと思っているところであります。

以上です。

○後藤委員長 よろしいでしょうか。

それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございます。

今の御回答で、私の疑問も少し晴れたのですけれども、経験の展開というところで、やはりその地域の特定というのがいろいろあるのだろうと想像いたします。そこが課題なのかなと、今の御回答を聞いて思った次第です。

説明を伺っていて、本当にいろいろなことをなさっているということがよく分かったのですけれども、実は一般消費者からというか、消費者団体から見たときに、やはり新未来創造戦略本部がどういうことやっているかということが、何かよく分からないと、まだまだ知られていないということで、情報が届くように、今後も広報などをもう少ししていただけたら有り難いなと思っているところです。

質問なのですけれども、資料の20ページで、地方自治体における消費者行政に関する条例の制定状況とその背景の分別というところで、調査結果をこのように書いていただいたのですけれども、これから見えてきたことということが、もし、今の段階であれば教えていただきたいのが1点目です。

2点目が、22ページで周辺地域への貢献や戦略本部の広報などというところで、県内の大学への講義で、4つ、徳島県内の大学が挙げられているのですけれども、こちらのほうは、学部を問わずというか、どういったことで行っているのでしょうか。下で講義内容の例というのがあるのですけれども、例えば、1、2年生の段階でやるのか、どういったことをやるのかというのを少し教えていただければと思います。

以上です。

○消費者庁日下部審議官 条例調査においては、915件ぐらい、まず特定できたということは非常に意味があるかなと。これは、狭い意味の消費者条例ということで、例えばエシカル消費とか地産地消とか、こういうものを入れると膨大な数になるので、そういうのは除いて、狭い意味の、旧来の消費者行政というところになりますけれども、それに関しては、まず、今まであまり、どれぐらいの条例があるのかというのは、40年ぐらい前に調べた人がいたらしいのですけれども、最近調べた人はいなかったので、まずどんな条例があるのかなというのを知りたいというのが、今回の目的で、それが検索サイトとかが、たまたまできていたということもあって、検索サイトがあるからって簡単にできたわけではないのですけれども、いろいろ工夫して、大体これぐらいかなというのを言えたという点では、まず、数が見えてきたということは一つ言えるかなと。

ただ、条例がある自治体と、ない自治体でどういう差があるのかといったところは、今後の課題ということで、今回はまだその915という条例があるということを、まず、探し出して整理したと。

だから、どうなのだというのは、今後のということで、まだこれから担当が、今、考えているといったところになります。

それから、大学での講義は、4大学の名前が出ていますけれども、基本的にはみんな低学年、1年生、2年生ぐらいの教養という名前ではない、最近、教養とはあまり言わないみたいなのですけれども、それに近いような授業ですけれども、徳島大学は、前期15コマ、後期も同じようなことを15コマやってくれと言われて、今年は30コマになる可能性が高いのですけれども、鳴門教育大学も、やはり100人ぐらいが対象になっていっているので、恐らく対象は1、2年生ぐらい、これは3コマぐらいです。

四国大学は、逆に全校ではなくて、消費者関係を学んでいる学科なので、そんなに人数的にはたくさん出ないかもしれないですけれども、そういうところです。

徳島文理大学は、1コマなのですけれども、入学した直後のオリエンテーションに近いような、そういう入学生を対象としたところにやっていると。

四国大学は、恐らく消費者関係をやっている先生が既にいるということで、彼女の授業を我々がサポートするという面が強いのですけれども、徳島文理大学は、そういうことやっている人がいないので全員が対象というのが特徴かなと思っております。

大体そんな感じでございます。

○木村委員 ありがとうございます。

成年年齢の引下げの件もありますので、大学でのこういった授業というのは大変重要だと思います。是非今後も、徳島県内だけではなくて、進めていかれるといいと思います。

あと、住んでいる地方によって、もちろん特性があるというのは、ありなのですけれども、でもやはり、この地域に住んでいないから、こういうことはできない、受けられないというのは、あまりあってほしくないと思いますので、是非今後とも調査とか、地域の特定なども生かしつつも、消費者が、どこに住んでいてもきちんと情報が得られたり救済されるようにお願いいたします。

ありがとうございました。

○後藤委員長 それでは、大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 ありがとうございました。

当初、消費者団体の多くは、本庁から離れた徳島にオフィスができることについて全面移転ではと大変心配する声もあったのですが、今回活動状況につきまして御説明をお聞きいたしまして、本庁とは独立して充実した活動をされているということが大変よく分かりました。ありがとうございました。

その上で、やはり説明の中で一番気になりましたのが、他の委員からもありました見守りネットワークの更なる活用というところです。その他の活動と比較しますと、やはり今後の課題が大きいというところが大変気になりました。

これからますます高齢化が進み、地方自治体の職員も減少していく中で、やはり高齢者の見守りの問題は喫緊の課題であろうと思います。今、木村委員のお話にもありましたように、地方のそれぞれの特徴を生かしつつ、また、全国的な課題については、どうやって解決していくかという方向性についてなど、是非研究していただけると有り難いと思いました。

それと、成年年齢の引下げについても、これまでは、徳島県を中心に「社会への扉」を使って進めてこられたと思いますが、いよいよこの4月1日に成年年齢が引き下げられました。その後、どのような社会的な問題が実際に起きているのか、これは徳島県だけの話ではないと思いますので、調査により状況を把握し、更に、今後はどんな対策を取っていかなければならないかなどの調査研究を中心に進めていただきたいというのが要望です。

それから、もう一点、緊急時対策ということについて、当初はコロナ対応という話だったと思いますが、今はウクライナ情勢を要因とするエネルギーや食品など物価の上昇についても多くの消費者が心配している状況です。そのようなときこそ、エシカル消費ということが求められますし、その考え方が大変重要になってくると思っております。今後の世界情勢とエシカル消費の関連ということについても、是非研究テーマの中に入れて進めていただけると有り難いですし、更に言えば、ウクライナ情勢で後退しがちな脱炭素と私たちの消費生活との関連についても、徳島オフィスのテーマとして入れていただけますと有り難いと思って発言させていただきました。

要望ばかりですみませんが、よろしくお願いいたします。

○消費者庁日下部審議官 どうもありがとうございます。

貴重な御意見を賜りましたし、我々も今後考えるに当たって参考にしていきたいと思います。

見守りネットワークについても、確かにいろいろ現場で聞いていると、現場の見守っている方々の中には、やはり消費生活相談みたいなものを、高齢者の方から相談を受けたり、あるいは被害に遭っているかもと気付いたのだけれども、適宜解決しましたみたいな感じの答えも結構あって、消費生活センターに相談せずに、経験なり、ネットでの解決方法なりに基づいて解決しましたといった例も、結構ヒアリングをするとあったので、そういう実態を知るという点でも非常に、今、いろいろ深掘りしていて良かったなと思っているところでございます。

すみません、御意見として、ありがとうございます。

○後藤委員長 それでは、青木委員、よろしくお願いいたします。

○青木委員 青木です。御説明ありがとうございました。

様々なモデルプロジェクト、それから、国際消費者研究のようなところも非常に進んでいるのだなと感じました。

私から2点あります。モデルプロジェクトで、今回御説明いただいたものについて、非常に啓発普及活動というところ、マニュアル作成、デジタル教材を含めて、ここは非常に進んでいるなと思っているのですが、一方で、消費者基本計画のところの改定のところでも出てきているのですが、KPIがアウトプットだけではなくて、やはりアウトカム、実際にどこまで効果があるかという、そこに重点を置いた形の見直しを進めておられます。

そういう意味では、徳島において、これまで行政等も含めた形で、地方行政等も含めた形で進めてこられた、ここはかなり実証の場としては、やはりもう少しいろいろな角度でできるのではないのかなと感じております。

例えば、今回食品ロスのところについてもお話に出ました。これも啓発というタイトルになってしまうと、こうなってしまうのかもしれないのですが、実際に消費者のところで、家庭内の食品ロス、あるいは購入時、廃棄を含めた、そういう実際の実証、そこがどういう状態かというのを、こういう地域で、徳島のようなモデルのところで、実証のところを詰めていただくとか、これは、だから消費者庁だけではなくて、環境省ですとか、他も絡んでくるのですが、実証というところの切り口が、少し少ないのかなと感じて、今も進めておられるとは思うのですが、それを是非入れていただければなと感じています。教材で実際に認知までいって、それが行動として、どう移っている、あるいはそれが実際に効果として出てくる、そこら辺を押さえていただけると、より推進のところも、焦点を絞った形で進められるのではないかと感じました。これは1点目です。

それから、2点目は、やはりデジタルを含めて、今回御検討いただいていることは、何も単位が県、市など、こういう単位で充実しなければいけないことでもない部分があると思っているのです。非常にきめ細かく地域に根差した活動をするには、地方行政は必要なのですが、要するにデジタルでやるときには、拠点の在り方というのは、都道府県、市町村という切り口だけではない、もう少し広域だとか、対象ごとに中央でセンター的な形で持つ、特に若年層などは、そういう傾向が強いと思っているのですが、それにふさわしい、また、相談対応をする人材も、近い人材を集めるとか、それぞれで深めることと、もう少し集約した形でやったほうが良いような部分も、是非今回いろいろ見ておられる中で、御提案のような形で出てくると、全体としての消費者行政の枠組みが、もう少しいろいろな形で新しい、それこそ新未来に向けて動くのではないかなと思ったので、その辺、何かお考えがあったら、是非お聞かせいただきたいと思っております。

以上2点です。よろしくお願いします。

○消費者庁日下部審議官 食品ロスについては、今回、行ったのはサッカー台の上に、このシートを置いて、それを見たか、見ていないかというだけではなくて、それによってどこまで認識したかというのと、行動を変えるつもりがあるか、ないかみたいなものも、いろいろ調査は確かにしました。

また、実際に食ロスが減るか減らないかという調査は、その前に、以前にやっていまして、100数世帯ぐらい集めてモニターになっていただいて、それを2つに分けて、片方の50世帯には、ただただ1か月か2か月計測してもらう、1か月ですか、計測してもらうと、食品ロスが毎日どれぐらい出ているか測ってもらうという調査を行いました。

もう一つは、50世帯に対しては、最初2週間はただ計測してもらうのですけれども、途中で、勉強会をしてもらって、こういうふうに取り組んでくださいと言って、残りの2週間を取り組んだ後、実際に食品ロスがどれだけ出たかというのを、また計測してもらったと。

やった結果としては、やはり、ただ継続するだけでも2割弱の食品ロスが減りましたと。一方、学んで、実際に行動変容してもらうことによって、4割近く食品ロスが減ったと、そういうようなことは、1回、この徳島のほうでやっています。

今回は、それを更に、実際にその次にやった調査としては、どこに、スーパーとかで掲示をすると、それをみんなに見てもらうのかみたいなことをやったら、このサッカー台の上に置くのが一番良いということが出たので、今回、サッカー台の上において、更にそれを見て、どう意識が変わるかというのを行ったと。

それなりに材質も良かったし、場所も良かったし、それなりに評判が良かったので、来年度はもうちょっと全国展開しようというような流れになっております。確かに実証というのは大事だというのは、おっしゃるとおりかなと思っております。

地方消費者行政については、お願いします。

○消費者庁石川総括室長 特にデジタルとか、地方消費者行政の取組などは、確かに都道府県とか市町村に限らないというか、いろいろあろうかと思います。

消費者志向経営みたいな、企業の取組みたいなものは、本当はそういった行政単位ではないのだろうなとも思いつつ、ただ、徳島県の状況を見ていると、やはり自治体の取組、特に県の影響は結構大きいというか、県が頑張ると、みんな頑張るようなところがありますので、どういった枠組みをやっていくのが良いのかというのは、また事業者団体とも相談をしながらかと思います。すみません、少しふんわりとした回答になって恐縮です。

○青木委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 よろしいでしょうか、他にはございませんか。

よろしいでしょうか。

どうもありがとうございました。新未来創造戦略本部は、徳島等の実証フィールドを活用し、消費者政策に関する多様な実証プロジェクトや調査研究を実施できる非常に重要な場であると認識しています。

本日は、プロジェクトや研究の成果について、具体的な御説明をいただきました。精力的に活動していただいているということを評価したいと思います。

本日の委員の方々の御意見で、そのプロジェクトや研究について、進んでいるものと、それほど進んでいないものがあるという御指摘をいただいております。

それから、新たに付け加えるべきテーマもあるのではないかというお話もいただいております。

これらを参考にしていただいて、更なる取組をしていただけたらと思います。

新未来創造戦略本部における取組は、消費者政策の将来の方向性を示すものとして全国の消費生活相談の実証実験などの個々のプロジェクトの成果について、十分な検証評価を行い、そのメリットや課題等を明らかにした上で、全国に展開し、国・地方公共団体を通じた消費者行政の充実・強化につなげていくとともに、PIO-NETを活用した消費者問題の分析・研究などの政策研究の成果を活用し、国際化やデジタル化といった社会、経済状況の変化に対応した政策の企画立案につなげていくことを目指していただけたらと思います。

その際に、地方消費者行政と全国の問題解決との関わり、それから、そうした場面での国の役割についての御指摘も委員の方々からございましたので、それらの点も踏まえて取り組んでいただけたらと思います。

また、今後の新たなプロジェクトや研究の選定に当たっては、その政策目的や政策効果の分析方法等を明らかにし、消費者政策におけるEBPMの推進につながることも期待しております。

消費者委員会としましては、今後も新未来創造戦略本部の取組を注視した上で、必要に応じて調査審議を行ってまいりたいと思います。

消費者庁におかれましては、お忙しいところ審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。

どうぞ御退席ください。ありがとうございました。

(消費者庁退室)


《3.閉会》

○後藤委員長 本日の議題は以上になります。

最後に、事務局より今後の予定について、説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日も大変御熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。

次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通じてお知らせいたします。

以上でございます。

○後藤委員長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)