第367回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2022年3月3日(木)10:00~11:10

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)後藤委員長
    (テレビ会議)青木委員、飯島委員、生駒委員、受田委員長代理、大石委員、木村委員、黒木委員、清水委員、星野委員
  • 【説明者】
    消費者庁南表示対策課長
  • 【事務局】
    加納事務局長、渡部審議官、太田参事官

議事次第

  1. 消費者基本計画の検証・評価・監視(アフィリエイト広告等に関する検討会報告書)

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○後藤委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから、第367回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、私が会議室にて出席、受田委員長代理、青木委員、飯島委員、生駒委員、大石委員、木村委員、黒木委員、清水委員、星野委員がテレビ会議システムにて出席です。

開催に当たり、会議の進め方等について、事務局より説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日もどうぞよろしくお願いいたします。

配付資料は議事次第に記載のとおりでございます。もしお手元の資料に不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上でございます。


《2.消費者基本計画の検証・評価・監視(アフィリエイト広告等に関する検討会報告書)》

○後藤委員長 本日は、消費者基本計画の検証・評価・監視の一環として、「アフィリエイト広告等に関する検討会報告書」について御審議いただきます。

アフィリエイト広告は、斬新なアイデアや消費者目線での広告実施等により、効率的な広告配信や需要喚起への効果も期待されます。一方で、成果報酬型という性質上、広告の発信主体であるアフィリエイターにおいて虚偽誇大広告を行うインセンティブが生じやすいといった特性もあり、消費者に誤認をもたらすような内容のものも散見されるところです。

これらを背景として、消費者庁においては、令和3年6月から「アフィリエイト広告等に関する検討会」を開催し、令和4年2月15日に報告書が公表されたと伺っております。

そこで、本日は、同検討会の報告書の内容や今後の取組について御報告いただきます。

本日は、御説明者として消費者庁表示対策課南課長に御出席いただいております。本日はありがとうございます。

それでは、20分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁南表示対策課長 本日はお呼びいただきましてありがとうございます。

ただいま御紹介にあずかりました、消費者庁表示対策課長の南でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

ただいま委員長から御説明いただきましたように、アフィリエイト広告に係る各種の問題意識を背景として、消費者庁として昨年6月からアフィリエイト広告等に関する検討会というものを開催させていただき、去る2月15日、報告書という形で公表させていただきました。

本日は、短い時間ではございますが、その概要を御紹介させていただきます。

本体資料である報告書が大部になりますので、お手元にございます概要資料で御紹介させていただければと思います。

それでは、1枚めくっていただきまして、目次でございます。

本日御説明させていただく内容でございますが、1点留意点としまして、概要資料の一番下に「※」で記載されておりますが、検討会の報告書というのは、正に検討会の委員の方々の議論を取りまとめた結果ということでございますが、本日説明するこの概要資料は説明の便宜のため、事務局たる消費者庁の文責で取りまとめたものでございますので、報告書そのものとは違うということだけを御理解いただければと思います。ただ、エッセンスとしては報告書のものをこの概要資料に落とし込んだつもりではございます。

まず、検討会の御紹介ですが、概要資料の2ページを御覧いただければと思います。

メンバーは上の表に書いてあるとおりでございまして、神戸大学法科大学院の教授をされております中川丈久先生に座長をしていただき、下にございますように全6回にわたって御議論いただきました。

検討の経緯としましては、まずは実態を把握しないと対応策も見付からないだろうということで、当初は関係団体からのヒアリングを集中的に行ってまいりました。あと、並行しまして、我々事務局としても委託調査、関係団体、関係事業者からのヒアリングというものも行ってまいりました。

そういった作業を第2回から第4回まで行いまして、第5回、昨年11月26日に事務局から実態を踏まえた論点整理の方向性といったものをお示しさせていただき、そこでの議論を踏まえ、今年1月28日、報告書案を提示させていただき、御議論いただいた上で、大まかな方向性はここで了解を得たと。その上で、第6回で出た意見なども踏まえまして、座長一任の下、所要の修正を踏まえて公表したものが今回の報告書という経緯でございます。

それでは、中身の御紹介にいきたいと思います。

まず概要資料の3ページ目でございます。

そもそもアフィリエイト広告とはどういうものかということでございますが、左側にイラストがございます。簡単に言ってしまえば、事業者の広告宣伝活動を第三者に委託するというものでございます。

ただ、普通に広告代理店などに委託するのとは何が違うのかというと、正に先ほど後藤委員長から御紹介がございましたように、広告主が表示内容を管理しにくいというところがございます。

更に、アフィリエイターという実際に広告をされる方が、成果報酬を求めようと虚偽誇大広告を行うインセンティブがあるのではないかという特性がございます。それはどういうことかといいますと、まず、このイラストでは販売者とアフィリエイター、実際に広告を作成する方が、一直線でつながっていますが、実際にはこの間にASPという方が存在しておりまして、アフィリエイターと広告主のマッチングをしておる。そこである意味距離ができる。それから、アフィリエイターの方の収入はどうやって得られるかというと、実際に消費者が自分たちのアフィリエイトサイト、自分らのブログなりを経由して広告主の商品を購入すると、それに応じて成果報酬が得られる。したがいまして、アフィリエイターの方としては、商品の品質や内容にかかわらず、とにかく自分のブログなり、アフィリエイトサイトを通って消費者が買っていただければ自分にはお金が入るということで、虚偽誇大広告を行うインセンティブが生じやすいという特性があり、かつ、そもそもこのアフィリエイト広告、ブログ風、正に個人の体験風であったりして、そもそも消費者にとってこれが広告なのか何なのか分かりにくいという問題もございます。

一方で、アフィリエイト広告、外部の第三者に広告を委託するということでございますが、アフィリエイト広告といいましてもいろいろな仕組みがあるわけですが、右側に行っていただきまして、今回の問題の特質としまして、成果報酬型であるからこそ商品の内容などに関係なく、自分のところのブログ、アフィリエイトサイトをいっぱい通ってほしいという思いがあるということですので、定額のアフィリエイトプログラムというものもあるのですが、今回はそういったものは除外して、右側の上の黄色いところにありますように、いわゆる成果報酬型、商品・サービスを消費者が買ったら自分のところにお金が入る。あるいは、自分のサイトをクリックして消費者が広告主のページに行ったらお金が入るといったものをターゲットとして検討したということでございます。

先ほど、問題点を申し上げていますが、決してここのプログラム自体が何かおかしいということではございません。ある意味、この分業社会におきまして、自分の仕事を全部自分でやるということは現実的にあり得ないわけでございまして、第三者に何かをお願いすることは効率化に資するわけでございます。特にこのアフィリエイトプログラムを用いますと、十分な広告宣伝費を掛けられないような中小企業の方も幅広く消費者の目に自分たちの商品の魅力を伝えることができるという意見がございます。更には、その広告主から離れたアフィリエイターという方が独自な発想で広告を作るということもあって、より消費者に近い目線での広告宣伝が可能になるというメリットもございまして、これ自体が何か問題ということではございません。実際に概要資料の3ページの上の3つ目のポツにございますように、市場規模は増えているということでございます。今申し上げたものが4つ目のポツでありまして、利点があるというところでございます。

次は概要資料の4ページ目でございます。

検討の背景としまして、昨年6月からこの検討会を開催したと申し上げましたが、それに遡る3月に、消費者庁としましてアフィリエイト広告を用いた不当表示に措置命令をしたという事例がございました。更に、この検討会の途中でございますが、昨年11月、やはりアフィリエイトプログラムを用いたアフィリエイト広告における表示を不当表示と認定して措置命令をしたという事案もございました。

概要資料の5ページ目でございます。

これがアフィリエイトプログラム、アフィリエイト広告に出てくる登場人物をある意味一つのパターンとして掲載したものでございます。左側にありますが、広告主、すなわち当該商品サービスを供給する主体ということになってきます。先ほど申し上げましたとおり、ASP、つまりアフィリエイトサービスプロバイダーという広告主とアフィリエイターの方をマッチングする方が通常介在することが多いようでございます。アフィリエイターの方は自分たちのアフィリエイトサイトで宣伝をするということなのですが、更にそのアフィリエイターの方が自分たちのアフィリエイトサイトを宣伝するために、媒体社の方に自分たちのアフィリエイトサイトの広告を出稿するということもあるようでございまして、実際はこういったところが問題ではないかみたいな御意見もございました。そして、消費者の目に広告が届くということでございます。

概要資料の6ページに行っていただきまして、先ほど申し上げましたとおり、実態把握に努めたところ、どういった問題点があったかということでございますが、一つ目としまして、手軽に消費者のアクセスを得るため、過激な文言を使って消費者を誘引しようとする者もいるのだと。

二つ目としまして、アフィリエイトの方は成果報酬でもうけているというところがありますので、まともなアフィリエイト広告を行っていては普通のお金しか入ってこないところ、過激な表示をすると高収入が得られるということで、アフィリエイターの方には過激な表示を行ってしまうインセンティブがある。

三つ目としまして、先ほど申し上げましたアフィリエイターの方自体が出稿するという話がございました。当然自分たちの広告が消費者の目に触れれば触れるだけ自分たちが成果報酬を得られるということでございますので、媒体社に対してアフィリエイターが自ら広告出稿料を払って、より消費者の目に触れるような形で宣伝をしているというところがあります。

ただ、先ほど来申し上げましていますとおり、このアフィリエイト広告自体が何かおかしい仕組みということではございません。これ自体は広告宣伝活動の一つのパターン、種類でありまして、先ほど申し上げましたとおり、中小企業の方であるとか、消費者目線に近いとか、効果的かつ有効な広告宣伝活動ということになっています。

そういった事情を反映しまして、四つ目のポツです。PIO-NETで調べてみますと、必ずしもアフィリエイト広告の相談ということではないのですが、そもそも消費者相談があった場合に、それがアフィリエイト広告かどうか分からないというところもございますが、インターネットについて、例えば定期購入といったキーワードで検索したところ、約5万件相談があるわけですが、それを事業者別で並べてみると、実際は上位10社が全体の半分程度を占めておる。これは何を表すかというと、結局、ある意味問題を起こす方というのは少数、業界全体がいけないわけではないという実態が分かってまいりました。

その下に悪質なアフィリエイト広告の特徴、実態というのを書いております。マル1、マル2、マル3というのは、ある意味表示の問題です。先ほど来申し上げていますように、成果報酬を得るために過激な表示をしがちである。特に消費者のコンプレックスをあおる健康、美容系に多いというような話でございます。

あとは、表示ではなくて事業者の特性といいますか、マル4は行政当局が何か措置なり指摘をすると、広告主が自分の会社を取りあえず清算して、雲隠れといいますか、事が収まったら再度会社を立ち上げて同じようなことを繰り返すのだと。

マル5としまして、更にその広告主の裏側には、指南役といいますか、出資会社やコンサルタント会社みたいなものがいて、ある種この人たちがグループ一体となって不当な表示をしている実態があるということが分かってまいりました。

あとは、広告主自体の問題点として、国民生活センターなどの御報告によりますと、消費者相談があったので、そのあっせん等のために連絡すると、いやいや、あれはアフィリエイターが勝手にやった表示であります、我々の責任ではございませんと言い逃れをする方もいるという問題もございました。

概要資料の7ページに行っていただきまして、現状、不当表示が起こらないようにするため、事業者はどういった取組をしているかということなのですが、端的にいってしっかりやっているところ、金融系であればしっかりやっているというところがあるのですが、ほかの分野においてはとにかくやっていないところもあればやっているところもあるということで、ばらばらであるというところがございます。

不当表示の未然防止というところで関連した仕組みを御紹介させていただくと、下に条文を引っ張っていますが、景表法の26条というものがございまして、これは不当表示を規制する5条とは別の条文として設けられておりまして、事業者は不当表示が起こらないよう、事業者内部の管理上の体制をしっかり構築しましょう、管理者の措置を構築しましょうという規制でございます。ただ、この管理上の措置を講じましょうという抽象的な規制だけだと事業者がよく分からないということがございますので、26条の2項で行政がある意味ガイドラインとして指針を作りましょうということで、今、内閣府告示として指針も作られているということでありまして、景表法上、不当表示を未然に防止するための仕組みは既にあるのですが、残念ながらばらばらであって守られていないといった現状があるということでございます。

以上を踏まえまして、概要資料の8ページが今回の報告書の提言でございます。

大きく分けまして、一つ目、そもそも第三者に委託するアフィリエイト広告なるものについての景表法の考え方はどうなのだろうか。

二つ目として、先ほど申し上げましたとおり、不当な表示を起こす、消費者相談を起こすような事業者というのは全部ではもちろんなくて、一部の方に限られている。そういった方への対応をどうすべきか。

三つ目としては、さっき申し上げました未然防止の観点からの取組というのが各社、各業界ばらばらである。やはり違反行為が起こらないようにするため、違反行為が起こった場合に対処するということも当然重要なのですが、消費者のためにはそもそも違反行為が起こらないようにするための方策が必要であろうと。

この三つの観点から御検討いただきまして、まず一つ目でございます。これは先ほども御紹介しましたが、既にアフィリエイト広告を使った表示に不当表示があれば、これは景表法違反ですということで広告主に対して措置命令ができます。これはもともと表示をしたもの、景表法5条で不当表示が禁止されているのですが、要は不当表示をしてはならないという禁止規定ですから、その不当表示をした者とは誰ですかというのが考え方として既に定着しておりまして、表示内容の決定に関与した事業者が表示主体とされるのです。これはある意味法解釈としては当然のことなのではありますが、どうもこの考え自体が世の中に広まっていないのではないかと。そこで、広告主の方が、いや、私の責任ではありませんみたいな言い逃れをする状況がある。そこで、消費者庁はこういった考え方を広く周知すべきであるということが一つ目でございます。

二つ目は、悪質な事業者への対応ですが、もちろんさっき申し上げたとおり、消費者庁としては、景表法に基づき、不当表示があれば行政処分をするわけですが、その問題の解決のためには、実質的に広告主と共同して行っている事業者がいますので、そういった場合には、景表法の解釈として、供給主体、実質的に間に入っている人も供給しているのだという解釈でもって、これも解釈を変えるということではなくて、これまでもやってきている話ではありますが、改めてそういった運用でもって適切に対応すべきという話です。

あとは、消費者庁が別途持っておる所管法としまして、特定商取引に関する法律がございます。景表法は不当表示、不特定多数の一般消費者に誤認を与える表示を規制する法律ですが、特定商取引に関する法律におきましては、特定商取引における購入者の利益を守るのですという契約まで立ち入った規制ができる法律になっておりますので、こちらは業務停止命令もできるのだと。特にこの特商法の特徴としまして、販売業者に対する業務停止命令に併せて、その背後にいる個人に対しても業務禁止命令ができるという強力な規定がございます。そういったアフィリエイト広告に関して不当な表示があった場合に、景表法だけではなくて特商法も、今申し上げました個人に対する業務禁止命令も視野に入れた、適用を行うべきではないかという提言をいただいたものです。

三つ目としては、先ほど申し上げました26条の管理上の措置の観点、結局、現行の26条の管理上の措置というのは、もっぱら事業者内部、仕入部門、宣伝部門、調理部門、もともとメニュー偽装表示問題を契機として導入された仕組みでございますので、発想がそうなってしまっているのですが、外部に委託する場合の管理上の措置についての指針が書かれていない。そこで、アフィリエイト広告に特化した具体的な事業者が取らなくてはいけない措置を明示すべきでしょうということで、下に①、②、③と書いていますが、アフィリエイト広告をそもそも管理すべきでしょうと。あとは、事後的に不当表示が明らかになった場合には、迅速かつ適切に対応すべきでしょうと。

三つ目としまして、これは直ちにこれをしなくては不当表示になるというものはございませんが、消費者アンケートにおきまして、やはりアフィリエイト広告、要は広告であることが分かったほうが良いというような御意見もございましたので、消費者の適正な選択に資するためには、広告だか何だか分からない、個人のブログなのだか広告なのだか分からない場合は広告であることを明示したほうが良いのではないかという御意見があったものですから、そういったものを指針に取り込んでみてくださいという提言が消費者庁になされた。

四つ目としましては、すべからく行政の対応だけで業界の適正化、表示の適正化を図るのはなかなか難しいところがございますので、ある意味、行政の手が届かないところでは関係事業者の自主的な取組が必要でしょうということで、関係事業者等が主導する情報交換の場といったものを設置して、いわゆるベストプラクティス、どういう契約内容であれば良いのかといったものを作って共有してはいかがかという提言がなされたということでございます。

以上のような提言を踏まえ、消費者庁としましては、特に26条の指針にアフィリエイト版の管理上の措置として具体的な事項を定めるべく、今、鋭意作業中というところでございます。

簡単でございますが、以上でございます。

○後藤委員長 ありがとうございます。

それでは、質疑応答等と意見交換をお願いいたします。時間は40分程度を予定しております。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 清水です。

御説明ありがとうございました。

この報告書は本当に良く出来ていると思います。一言、これが現実的に一つずつなされれば、きちんとやっている事業者が助かると思います。

例えば一般社団法人のアフィリエイト協議会の皆さんや、JADMA、日本通信販売協会に入っている方々は、非常にルールを守ってやって見えます。今回も調べていただいて、ごく僅かということなのですが、現場でもそう把握しています。

特にASP事業者100社ぐらいのうち、5社ぐらいが悪いのではないかと思っております。それは同じようなやり口なので、一部の悪い人たちが良い人たちを邪魔しているのではないか、早くこれを何とかするべきだと思っています。4から5年前から、とんでもない表示で悪質な定期購入業者に振り回された消費生活センターとしては、今、収束に向かっているとはいえ、まだまだオンライン上で不当表示が散乱していて、こんなものが何でまかり通るのかと思っています。

そこで、これからなのですが、ASP事業者のうち、悪質な事業者はごく一部なのですが、この広告主やアフィリエイターを含めて、この悪質業者をどのように具体的に処分していくのか教えていただきたいと思います。特に先ほど2社出していただきましたが、本当に調査するのに時間がかかったと思うのですが、現場ではやっと処分してくれたと。こういう処分があると、こういう事例を基に、消費者にこれも似たような事業者だからやめておけということがはっきり言えますし、注意喚起に非常に使えます。どんどんやっていかなくてはいけない事業者がまだあると思いますが、具体的に教えていただければと思います。

以上です。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者庁南表示対策課長 御質問いただきありがとうございます。

また、実態に即した報告書だということでお褒めいただきまして、検討会ではありませんが、事務局を代表しましてお礼を申し上げたいと思います。

御質問につきまして、今後、悪質なアフィリエイトを使った広告についてどう対処していくのかということでございますが、これは正に先ほど御説明しましたとおり、二つ目の論点項目であります悪質な事業者の対応ということでございます。御指摘いただいたように、景表法でもちろんやっていくというところもございますが、景表法だと、一般的にはいわゆる広告主、当該商品・サービスを供給している事業者が基本的には違反行為主体となって措置命令の対象となるのですが、必ずしもこの供給というのは消費者に直接物を売ってなくてはいけないかというと、そういうわけではございませんので、あくまで不当な顧客を誘引しているのは誰かという観点から判断する法的評価でありますので、さっき申し上げましたとおり、広告主以外の事業者が実質的に供給しているないしは表示を決定しているというような評価が可能であれば、そういったものに対して景表法を適切に適用していくということが一つございます。

実際に、先ほど御紹介いただき、お褒めいただきました事件も、あれは2社ございまして、ある意味その2社が共同してアフィリエイトプログラムを用いて表示内容を決定し、両方とも供給主体だったと。措置命令は二つ出しているのですが、実質的にはある意味共同行為といった事案でございますので、今後ともそういった事案、御指摘のとおり、登場人物が増えるとそれだけ調査に時間が掛かるというのはそのとおりではありますが、やはり消費者利益を守るために、我々としては可能な範囲でできることをやっていく。

もう一個は、やはり景表法というのは、残念ながら不特定多数の一般消費者に誤認を与える表示を規制する法律でありまして、財産被害に関しては残念ながら無力というところがございます。そこで、特商法の適用も考えまして、先ほど申し上げましたとおり、結局、少数の方が繰り返し違反をしている実態があるのだと。その法人たる事業者を規制しても、結局、またその法人を隠れみのとして別の法人を立ち上げて、また同じことを繰り返すということがございますので、やはりその背後にいる中の人、自然人の方に業務禁止命令を出していくといったことが必要だろうということでありますので、当然特商法も消費者庁の所管法でありますので、今後は事案に応じて、景表法、特商法の連携を図りながら、適切に消費者利益の確保を図ってまいりたいと思っております。

以上でございます。

○清水委員 ありがとうございます。

消費者庁を一本化して、この課だからできるとかできないではなくて、是非連携して、スピード感を持ってやらないと、やりどころを逃してしまっています。私たち消費生活センターも必死にあっせんしていますが、取り戻せない。本当に悪質な事業者は話合いに乗ってきませんので、もう処分しかないと思っていますので、どうぞスピード感を持ってよろしくお願いします。

○後藤委員長 それでは、受田委員長代理、よろしくお願いいたします。

○受田委員長代理 御説明ありがとうございました。大変よくまとまっていますし、この検討会の報告書を基に、今後、実行が求められているところまで来ていると思っております。

私からは二点です。

今、清水委員からも御発言がありましたけれども、消費者庁のみならず、やはり他の府省庁の連携等もより実効的にここには求められるのではないかと。特に報告書の50ページに「健康増進法及び薬機法との連携」という記述がございます。今回の問題の発端になっている様々な事例というのは、書いてあるとおり、健食や化粧品といったところに集中しているという理解をしております。そういう意味で、厚労省が所管になると思いますけれども、一層の府省庁の連携を強化していただきたいという要望が一点です。

それから、二点目は質問になるのですけれども、もともと前提は今回のアフィリエイト広告の成果報酬型が問題の起点になっていると承知しております。ただ一方で、SNS型として、具体的にはYouTube等で様々な発信をされるYouTuberという方がいらっしゃいます。こういう方が成果報酬ということで具体的に報酬を得る場というのは、今回における広告主、商品・サービスの販売事業者ではない第三者になっているケースもあるのではないかなと思います。これをどういうふうに見るかというのは解釈の問題もあるのではないかと思うのですけれども、このSNS型の発信が成果報酬と直接的に結び付いていないような間接的な場合、どういうふうにここを規制していくのかということ。関連するのですけれども、今後の課題として、この報告書の中にも書かれている、要はステルスマーケティングといわれている広告であるにもかかわらず、広告である旨を明示しない行為が多分今後、脱法行為としては更にまた広がっていく可能性もあるということ。この辺りをどんなふうに具体的に考え、施策として講じていこうとされているのか。今後のことということになるかもしれませんけれども、お考えを伺えればと思います。

以上です。

○消費者庁南表示対策課長 御質問いただきましてありがとうございます。

一点目は、正に御指摘のとおり、この報告書でも薬機法との連携も考えられるみたいなことは記載させていただいております。なお、健康増進法は正に消費者庁所管でございますので、アフィリエイトではございませんが、先々週、「新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品等の表示に関する改善要請及び一般消費者等への注意喚起について」というものを公表して、これは景表法と健増法の観点から行った緊急対応でございまして、少なくとも健増法と景表法に関しては今コラボレーションできているという状況でございます。

二つ目でございますが、冒頭、今回の報告書のターゲットということで、成果報酬型をターゲットにしましたということを申し上げたのですが、これはあくまでこの検討会において検討したターゲットでございまして、この検討会のターゲットというものを取っ払って景表法の観点から見た場合は、成果報酬型であろうが何であろうが、広告主が行う広告である。先ほど申し上げましたとおり、当該広告に関して広告主が表示内容の決定に関与したものという判断、法的評価が可能であれば、どのような広告であっても規制対象となりますので、そこは淡々と事案に応じて対応していくことになろうかと思います。

そこは法解釈の問題よりも正に事案ごとの事実認定の問題でございまして、おっしゃるようなSNSやYouTubeにおいて、あたかも第三者の方が自分の判断で表示しているように見えるのだけれども、実際はそれは広告主の表示である、広告主がその表示内容の決定に関与していたのだということであれば、現行の景表法でも対応できるということでございます。

先ほど詳しくは紹介しなかったのですが、概要資料の4ページの昨年11月に行った事例というものでございます。これは写真の右側に四角で文字を書いています。これはいわゆるハッシュタグと呼ばれるものでして、この表示媒体は何だったかというと、ここにありますようにSNSなのです。あたかもSNSのアカウントを持っている方が自分のブログ、日記のようにハッシュタグを付けて宣伝しているように見えているのですが、実際は措置命令の対象となった事業者がこの人たちに指示をしていたという実態がございましたので、第三者のアカウントを持っている方の表示物も、これはあなたたちの表示でしょう、あなたたちがその表示内容の決定に関与したのでしょうという判断をして不当表示を認定しておりますので、今後もこういった事案に対しては景表法で対応していくのだろうなということでございます。

三つ目のステマの話でございます。そういう意味では、今申し上げたSNSを使った事例というのは、そもそも広告であること自体も隠しているので、ステマといえばステマでございます。ただ、現行の景表法の枠組みでいいますと、当該表示に優良誤認、当該表示に有利誤認がないと規制はできませんで、広告であるにもかかわらず広告でないかのように装うこと自体は直ちに商品・サービスの優良性ないしは有利性に結び付かないので、それ自体は規制できないというところがございます。

そこで、正に本検討会の報告書の62ページ、最後の「今後の対応」というところでございます。今回の消費者アンケートでも、やはり広告であることが分かったほうが望ましいという消費者の御意見もございましたので、この62ページの一番下に書いておりますが、消費者庁としては、いわゆるステルスマーケティングに関しては、実態を把握した上で検討してくださいねという今後の宿題としていただいていますので、現時点で何か具体的に決まっているわけではございませんが、消費者庁としては、いずれ今回のアフィリエイト検討会のような形になるのかどうか、そこはまだ分かりませんけれども、きっちり実態を把握して対応策を検討しなければいけないと認識しております。

以上でございます。

○受田委員長代理 ありがとうございました。

○後藤委員長 それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村です。

御説明ありがとうございます。

今の受田委員の御質問と重なってしまっているところがあるので、そこはお許しください。

消費者が注意していてもクリックしてしまったりなどでいろいろ被害が出ているというところで、やはり消費者がしっかり選択できるように表示はあるべきだと私も思っております。それで、広告主に責任があるということでいろいろまとめていただいたところなのですけれども、現在、悪質な事業者が多いということは、このことが周知されていないということで、今回、指針として示していくということなのですけれども、これをどうやって指針として広告主もしくは事業者の皆さんに周知していくことが検討されているのかということを教えていただきたいと思います。

それから、概要資料の7ページに実態の調査があって、金融系はほぼアフィリエイトは把握とか書いてあるのですけれども、その他の分野ですが、これはもちろん問題がある事業者たちがここに入っているのだろうなというのは容易に想像が付くのですけれども、こういったアフィリエイターの把握などに関して、今後、指針を示した後、どのように対処していくのかなということも分かる範囲で教えていただきたいと思います。

先ほど受田委員からもお話がありましたステルスマーケティングについてなのですけれども、やはり私も広告であるということはきちんと何らかの形で明記されることが必要だと思っています。例えば、どこどこから提供されましたといった記述をすること等も含めて、是非進めていっていただきたいと思います。

以上です。

○消費者庁南表示対策課長 ありがとうございます。

まず一つ目の周知をどうしていくのかという御質問ですが、まずは指針を策定しなくてはいけないという作業がございます。ちなみにこの26条2項に基づく指針でございますが、手続上、消費者委員会の御意見を拝聴するということになっていますので、指針の案が固まりました暁には、またこの場で御審議いただければと思っていますので、その際にはどうぞよろしくお願い申し上げます。

あとは、指針を作る過程で当然パブリックコメントというものも行ってきますので、まだ完成していない段階ではございますが、ある程度消費者庁の考え方というのが世の中に広まっていくのではないかと思います。

そして、指針が完成した暁には当然プレス発表、報道をしたいとは思っておりますが、当然ながら、それであらゆる業界に浸透するとは我々も思っておりませんので、各種説明会あるいは講演会に対応するなど、いろいろな形で広報、周知活動はしていきたいと思います。

あと、これはこの検討会の報告書でもいわれているのですが、59ページなのですけれども、消費者庁としても積極的に実態調査等を行い、管理上の措置を把握すべきであるというような御提言もいただいております。実は、管理上の措置に関しては、これまで措置として指導・助言というものと勧告、そして、勧告に従わない場合の公表というものがあるのですが、残念ながらというか、見方によってはちゃんとやってくれているから勧告まで至らないということともいえるのですが、現実問題、指導・助言しかしていないというところがございます。したがって、もちろんいわゆる不当表示も厳正に対処するのですが、この26条の管理上の措置もそれ自体独立した調査といったものが要るのではないかと思っておりますので、そういった観点からの執行にも力を入れていけたら良いなと考えております。

ステマは先ほどの御質問とかぶりますので、今後、具体的に把握して検討していくことになろうということでございます。

以上でございます。

○木村委員 ありがとうございます。執行を是非よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 それでは、青木委員、よろしくお願いします。

○青木委員 青木でございます。

どうも御説明ありがとうございました。私も今回のこの検討会の報告書は、非常に的確に論点整理あるいは提言をされていると感じております。

二点質問がございます。

今回の提言の中にある、特に悪質事業者がかなり絞られているという現状の中で考えたときに、事業者という概念が、今回はアフィリエイター個人であってもそれをビジネスとしてやっている方も含めて対象にできないものかと考えておりまして、実際に広告主への景表法の適用という事例は多くあると思うのですが、アフィリエイターのような方に対して、景表法として今まで何か勧告なりあるいは指導なりがあった事例があるのかということを一点お伺いしたいと思っております。アフィリエイターの方が消費者の方に与える影響力というのは大きいと思いますので、アフィリエイター自身に対する警告なりなんなりが入ると、効果が高まると考えるので、お伺いしたいと思っております。

二点目は、通常の個人としての感想ではなく、やはり報酬をもらった上での感想あるいは意見であるということを示す広告という表示です。この辺については、実施への見通しを伺いたく、以上二点についてよろしくお願いいたします。

○消費者庁南表示対策課長 御質問いただきましてありがとうございます。

まず一つ目のアフィリエイターそのものに措置を採ったことがあるかという御質問でございますが、景品表示法というのは商品・サービスの取引に関連する不当な表示を排除する。それによって一般消費者の選択を守るという目的になっておりまして、基本的には取引をする事業者、その商品・サービスを取引する事業者、商品・サービスを供給する事業者が行う表示を規制するということになっておりますので、アフィリエイターの方が実際に商品・サービスを供給していないのであれば、それは残念ながら現行の景表法上の枠内においては対応できないということになっておりまして、商品・サービスを供給していない人に措置を採ったかというと、それはそもそもの景表法の建て付け上できないというのがお答えになります。

ただ、消費者庁として何かできることはないかという御質問にもし変えさせていただければ、消費者安全法という消費者被害の拡大防止のための法律がございまして、アフィリエイターの方のブログなりで消費者に被害が生じるおそれがあるのだということであれば、注意喚起というものを行いまして、これは実際に昨年3月に注意喚起を行いまして、そのアフィリエイターの方のURLも開示して、消費者に気を付けましょうという注意喚起をしたことがございます。

したがいまして、さっきの特商法の話もそうなのですが、各法律というのはどうしても趣旨、目的、やれること、やれないことというのが決まっております。そこで、せっかく消費者行政を一元的に対応すべく出来た消費者庁があるわけでございますから、持っているツール、更には、持っていなければ他省庁と連携しながら隙間のない行政対応を行っていくということになっていくといいますか、それを目指すことになろうかと思います。

二つ目につきましては、先ほどのステマにも関連する話ですが、少なくとも今回のこのアフィリエイト検討会の提言を受けた対応としましては、やはり広告であることが明示されていたほうが望ましいという御意見でございましたので、少なくともアフィリエイト広告に係る指針において何らかの形で広告であることを明示するほうが望ましいということを指針に盛り込もうということで、今、鋭意作業中でございますが、一方で、業界の中では既に自主的に対応されている方などもおりますので、そういったもの、既に正しい、適切なことをやっていらっしゃるのであれば、それと両立するような形が望ましいと思いますので、現在はその実態を把握しながら、どういった規制ぶりが良いのだろうかということを検討中という状況でございます。

いずれにせよ、指針に広告であることを明示したほうが望ましいのですということは盛り込む方向で作業中でございます。

以上でございます。

○青木委員 ありがとうございます。

一点目のアフィリエイターを対象とするかどうかということについては、たしか各国の規制の中でも景表法の対象に事業を行っている個人、アフィリエイターも対象とするということが入っている国もあったと思いますし、今回の提言の指針の一つでもありますので、先ほどありましたような措置をやりつつも、是非その辺のところも御検討を進めていただけたらと感じております。

ありがとうございました。以上です。

○後藤委員長 それでは、黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 黒木です。どうもありがとうございます。

まず、多分木村委員の御質問と重なっているのですけれども、アフィリエイト広告等に関する検討会の第6回の資料1の中の26条の執行状況について勧告、公表が出るのですよという話で、その理由は御説明いただいたと思っているのですが、もう少しより実効的な26条の執行というものはできないのかということについて、それがもしも何かうまくファンクションしない理由があるのであれば、そこの点について少し御説明いただければと思っています。まずそれが第一点の質問です。

○消費者庁南表示対策課長 ありがとうございます。

26条の件ですけれども、正直、現行の26条に対して我々がどう対応しているかというと、不当表示、すなわち表示に問題があって調査に入ったときに、あなたは管理上の措置をしっかりしていないではないですかということで指導・助言していくということが恐らく実態というところもございますので、先ほど申し上げましたとおり、この提言でもいわれておりますように、5条の不当表示の調査とは別に、26条単独での積極的な取り締まりが必要であると認識しておりますので、具体的な方策はまだ現時点で確たるものはございませんが、今回のアフィリエイト指針が出来た暁には、そういった26条単独の調査、積極的な調査の方策も検討して、実効的な管理上の措置が構築されるよう対処していきたいと考えております。

以上でございます。

○黒木委員 ありがとうございます。大変心強い御回答かなと思います。

その関係で、指針が非常に重要だと私も思っていまして、この指針については、内閣府消費者委員会が2019年6月にまとめたルール形成の在り方に関するワーキンググループ報告書でも、結局、善良層と中間層と悪質層を分けて、善良層、中間層に関してはきちんとした自主規制をやっていったら良いという考え方を示していて、その一つの典型例として26条の指針が機能するのではないかと私自身は報告書を読んで大変期待しています。

そういう意味で、先ほどパブリックコメントも取りますということだったのですけれども、それに対しては、各種いろいろな団体の意見などもできるだけ織り込んだ形でより実効的なものを作っていただきたいと思っておりますので、その点に関して、この指針のタイムテーブルや考え方、具体的なことについて御説明いただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

○消費者庁南表示対策課長 御質問いただきましてありがとうございます。

26条の指針が自主規制に役立つのではないかというのはおっしゃるとおりでございまして、第6回検討会でも一部委員の方から御意見はございました。先ほど申し上げましたとおり、メニュー偽装関係を契機としてこの26条を導入する法改正がなされ、指針が作られたわけですけれども、やはり中小企業の方などはどうやったら良いのか分からないということで、業界において勉強会をする際に指針を活用されたなんて声も聞こえておりましたので、御指摘のとおり、このアフィリエイト広告に関しても、指針が出来た暁には、そういった形で業界において活用いただけるのだろうなと思ってございます。

スケジュールでございますが、今、鋭意作業中ではございますが、パブリックコメント、後はこの消費者委員会にお諮りするというような作業も必要でございますので、それなりの期間は必要だろうと思っていますが、他方で、年をまたぐような、そんなのんびりもしていられませんので、現時点では夏より少し前ぐらいには何とか成果物を世の中に出せたら良いなと考えております。

以上でございます。

○黒木委員 ありがとうございます。

それは日弁連に言っておけば、また池本さん辺りが意見書を一生懸命考えるのでしょうけれども、それはそれとして、最後にステルスマーケティングの問題なのですが、これにつきましても非常に重要な問題だと考えております。これは意見ですけれども、セールスマーケティングの規制に関する意見書というものを日弁連は2017年2月に発出しておりますので、ステマに関してもそういう観点で今後検討していただくようにお願いしたいと思っております。

以上です。

○後藤委員長 それでは、大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

私からは意見と質問をお願いしたいと思います。

まず意見ですけれども、今までほかの委員もおっしゃいましたように、消費者にとってこれが広告なのか、本当にブログの御自身のしゃべっている言葉なのかというのは、商品の選択に与える影響はすごく大きいと思いますので、やはりまずはアフィリエイトの広告であるということを必ず明示できるような方策を採っていただきたいというのが意見です。

それから、質問ですけれども、概要説明の8ページに、今後、関係事業者等が主導する協議会の設置というのが書いてありまして、これは自主的なルールという意味で、本当に真面目にやろうとしている、真面目にやっている事業者にとっては大変有効なものだと思うのですが、この今後の予定のようなもの、スケジュールなどがもし決まっていれば教えていただければと思います。

以上です。

○消費者庁南表示対策課長 御質問いただきましてありがとうございます。

最初は御意見ということで、ありがとうございます。

二つ目の御意見ですけれども、正に行政ができないところを自主的にやっていただくという形になっていますので、恐縮ですが、何か消費者庁が音頭を取ってということになると自主的なものにならなくなってしまいますので、ここは特に今回の検討会に参画いただいた団体の方を中心に今後お互い連携、協働が図られるのではないかということで、我々行政としては、まずは業界の方の対応を見守りたいというのが正直なところでございまして、我々の立場で何かスケジュールを示すということはしておりませんというところを御理解いただければと思います。

○大石委員 分かりました。自主的に皆さんが動くのを消費者も後押しできればと思います。

以上です。

○後藤委員長 生駒委員、よろしくお願いいたします。

○生駒委員 御説明ありがとうございました。おまとめ、また、大変今の時流に合わせてアップデートしていただいてありがとうございます。

一つ、皆様とは異なる視点かもしれないのですけれども、先ほど来から中小の事業者にとってはこのアフィリエイト広告は非常に有効な手段である、成果報酬ということで、もともと宣伝費などを用意しなくても挑戦できるという意味では、今の時代においての一つの非常に有効な宣伝方法であることは間違いないとは思うのですが、そういった中小事業者がアフィリエイト広告をしようと思ったときの目安になるというか、なかなかこういうアフィリエイト広告が良いよという基準みたいなものを示すのは難しいかと思うのです。悪い例は必ず世の中で挙がってくるのですけれども、有効な例というのはなかなか判断しづらく、事業者の側からすると、どこかを拝見するとアフィリエイト広告に対する心構えというか、この辺りをチェックすると良いですよみたいなことが明記されていると良いのかなと思いました。

これは視点といたしましては消費者側と裏側になるのですけれども、やはり事業者においては、今、コロナ禍でどういうふうにインターネット上でアピールしていくかというのは死活問題だと思うのです。そういうときに、このアフィリエイト広告が役に立つ部分もあると思っていますので、それが健全な形で回るように、もちろん消費者の側にとっては広告かそうではないかということがはっきり分かるように明示することも重要ですが、今、消費者は結構育ってきていますので、とりわけ若い人だとこれは広告だから違うよねみたいなことというのはかなり嗅ぎ分けられるような状況が出てきてはいると思います。そのときに、やはり事業者側からの目線ということで、何かお考えのことがありましたら、教えていただければと思いました。

○消費者庁南表示対策課長 御質問いただきましてありがとうございます。

実は、正に26条の発想は事業者が違反行為を起こさないように未然防止のために取組をしなさいということなのですが、そのための実効的な取組となるよう定めるのが指針となっております。さっきも申し上げましたけれど、もともと平成25年ぐらいにいわゆる高級ホテル、高級旅館ないしは百貨店等におけるメニュー偽装表示問題が起こって、会社の内部で例えば仕入部門あるいは調理部門、広告宣伝部門といったところの連携が不十分であったためにああいった問題が起こってしまった。クルマエビと表示しているのだけれども、実際はバナメイエビでしたというような事案が全国的に多発して、国会においてこの26条を導入するという法改正がされたという契機がございます。

景品表示法というのは経済活動を行う主体たる事業者が規制対象でありますので、特に法人の資本金によって何か差を設けるとか、従業員の数によって何か差を設けるといった規定の体系にはなっておりませんので、およそあらゆる事業活動、経済活動を行う主体であれば景表法の規制対象となってきます。

そこで、指針ができたときに、やはりその際もいろいろな業界あるいは事業者の方からヒアリングをして作ったと聞いておりますが、やはり中小企業ですと、では、どうしたら良いのですかと。表示の管理責任者を置けと言われても、当社にはそんな社員はいません、従業員がいません。どうすれば良いのですかというような御意見もあったと聞いております。そこで、指針というのはあくまで目安でございまして、要は、違反行為が起こらないための措置を講じていただくのが目的でございまして、指針に書いてあることを全ての事業者が守れということではございません。したがって、各自が指針を参考にしながら自分たちでできる範囲で未然防止を講じるということが肝でございますので、例えば従業員の少ない中小企業であれば、代表取締役である社長が表示を見るのです、私が表示管理者です、管理責任者ですということでも良いということになっております。

したがいまして、今回もアフィリエイト広告の指針を作るに当たっては、できるだけ未然防止のための具体的な措置を盛り込むのですが、今の指針と同じように、事業者の規模、商品の性質、種類等によって各自自主的な取組をしても良いし、全てやらなくてはいけないわけでもないしというようなことになってくるかと思います。

したがいまして、目安となるものはありませんかという御質問に対しては、このアフィリエイト広告に係る指針が出来た暁には、あらゆる業界、企業の規模大小問わず、目安として、この指針を活用いただけるようなことになるのではないかなと期待しているところでございます。

以上でございます。

○生駒委員 ありがとうございました。

おっしゃってくださったことはよく分かります。どうしても誇大広告的になりがちだなとは感じてはいますので、事業者の側も心が掛けて気を付けて管理していかなくてはいけないのだなと思っております。

○後藤委員長 それでは、星野委員、よろしくお願いいたします。

○星野委員 御説明ありがとうございます。非常に勉強になりました。

報告書でも各国比較がされておりまして、日本と米国、EU、イギリスと中国の中で、ASPとアフィリエイターに対して規制ができないのは日本だけと、日本は本当に中国に比べてもこの領域において非常に後進国だということに非常にびっくりいたしまして、そういった自覚を持つ必要があるのではないかと非常に思いました。

各国の規制に関しては、アフィリエイト広告に対する立法というのは新しく出来たわけではなくて、既存法の法解釈でされているというところが大きいのではないかと思います。というところで、私は経済なので法律の専門家ではないのですが、例えばこの第26条に関して、「事業者は」というのは、先ほどお話がありましたように当然広告主なのだということなのですが、これはASPと置き換えまして、自己の供給する役務の取引というのは、役務が広告だと理解して、ASPを規制するということは可能でしょうか。それは多分可能ではないからこういう話になっているのかもしれませんけれども、という質問が一つと、であるならば、やはり消費者保護においてこの観点に関して非常に後進国だということに関して、何か立法等の措置などはお考えにならないのかということがございます。

○消費者庁南表示対策課長 ありがとうございます。

まず、一点目のASPが規制対象になるかならないかは、先ほど来申し上げましたとおり、景表法の現行の枠組みでは当該商品ないしサービスの供給主体ということになりますので、例えばお茶の広告があるとして、そのお茶を供給している人が表示主体となるわけでありまして、その広告を載せるために広告作成活動を受託しているないしはアフィリエイターを集めるサービスをしている方々はそのお茶を供給していないので、景表法の規制対象にはならないということでございます。ただ、理論的にはASPという方が何かしら自らサービスを供給していて、その供給するサービスにおいて表示があって、それが一般消費者に誤認を与えるという事態は、にわかに具体的には思い付きませんけれども、そういった事態があれば、これはASPの方が供給主体として規制対象となるということはあり得る。これは条文がそうなっていますので当然の話ですけれども、そういったことでございます。

二つ目の話でございます。正に今回もASPやアフィリエイターを規制対象としてはどうですかという御意見もあったのですが、やはり商品・サービスの取引に関連する不当な顧客の誘引を防ぎ、一般消費者の選択を守るのですという目的でございますので、これも一つ目の質問と関連してしまいますけれども、その商品・サービスの取引に関連しない人を対象とするということは景表法の枠組みを超えてしまうでしょうということで、今回の検討会でもそういう御意見があったということはこの報告書に書きとどめてはいるのですが、それは今後の課題というような形で検討会において整理いただいたと認識しております。

以上でございます。

○星野委員 ありがとうございました。

○後藤委員長 よろしいでしょうか。他にございませんか。

それでは、質疑応答と意見交換は以上にしたいと思います。

御説明、そして、御回答いただきありがとうございました。

アフィリエイト広告につきましては、当委員会から令和2年6月に発出した「『悪質なお試し商法』に関する意見」において、アフィリエイト広告についての責任主体や内容の在り方に関して検討が必要と指摘しておりました。

本日御報告いただいた検討会の報告書においては、景品表示法上、アフィリエイト広告の責任主体は広告主であることや、広告主と連携協働して通信販売を行い、一体となって事業活動を行っていると認められるASP等の関係主体にも同法が適用されること等が明確化されているほか、広告主が講ずべき表示についての管理上の措置として、景品表示法第26条第2項に規定する指針にアフィリエイト報告に関する内容を追加するとのことですので、当委員会からの指摘事項について一定の方向性が示されたものと評価しております。

指針につきましては、委員の方々からそれに期待して多くの意見が出ております。消費者庁におかれましては、消費者利益の確保に資する指針となるよう、その内容を十分に検討するとともに、責任主体である広告主が同指針を踏まえて適切な措置を講ずるよう、これも委員の方々から意見が出ていますが、周知徹底をお願いしたいと思います。

なお、同指針の改訂等を行う際には、消費者委員会の意見を聞くことと法定されておりますので、改訂案の内容につきましては別途改めて御報告いただきたいと思います。

また、報告書でも指摘されていますけれども、悪質な事業者への対応としては、景品表示法だけでなく、特定商取引法、消費者安全法、健康増進法、薬機法などの関連法令を最大限活用することが必要と考えられます。消費者庁内はもとより、他省庁とも十分連携をし、対応していただきたいと思います。

更に、報告書におきましては、アフィリエイト広告の健全化に向けて関連事業者等が主導する協議会を設置することが提言されています。これについて、昨年8月に当委員会が公表した「消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキンググループ報告書」では、アフィリエイト広告をはじめとする新しい取引分野における自主規制の整備、運用の在り方として、策定手続における透明性の確保や消費者をはじめとするステイクホルダーによる評価を可能とする情報開示が重要であること等についての指針を示しておりますので、それも参照しつつ、関係事業者間で実効的な取組が行われるよう、必要な働き掛けを行っていただければと思います。

その他、委員の方々からステルスマーケティングについても御意見が出ております。この点も重要な点でありまして、報告書にありますとおり、今後の実態把握とその実態を踏まえた方策の検討を進めていただきたく存じます。

消費者委員会としては、本日のヒアリングの結果を踏まえて、引き続き取組状況を注視し、必要に応じて調査審議を行ってまいりたいと思います。

消費者庁におかれましては、お忙しいところ、審議に御協力いただき、ありがとうございます。どうぞ御退席ください。

○消費者庁南表示対策課長 どうもありがとうございました。失礼いたします。

(消費者庁退室)


《3.閉会》

○後藤委員長 本日の議題は以上になります。

最後に、事務局より今後の予定について説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日も大変御熱心に御議論いただきましてありがとうございました。

次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第委員会ホームページを通じてお知らせいたします。

以上でございます。

○後藤委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)