第363回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2022年1月28日(金)9:59~12:10

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)後藤委員長
    (テレビ会議)青木委員、飯島委員、受田委員長代理、大石委員、木村委員、黒木委員、星野委員
  • 【説明者】
    国土交通省住宅局宿本住宅生産課長
    消費者庁表示対策課荻野課長補佐
    消費者庁谷口食品表示企画課長
    消費者庁食品表示企画課森田保健表示室長
  • 【事務局】
    加納事務局長、渡部審議官、太田参事官

議事次第

  1. 住宅品質確保法について(日本住宅性能表示基準の改正)
  2. 消費者基本計画の検証・評価・監視(食品表示制度の適切な運用等)
  3. ワーキング・グループの設置について
  4. その他

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○後藤委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから第363回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、私が会議室にて出席、受田委員長代理、青木委員、飯島委員、大石委員、木村委員、黒木委員、星野委員がテレビ会議システムにて出席です。

生駒委員、清水委員は御欠席です。

開催に当たり、会議の進め方等について事務局より説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日もどうぞよろしくお願いいたします。

配付資料は議事次第に記載のとおりです。お手元の資料に不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上でございます。


《2.住宅品質確保法について(日本住宅性能表示基準の改正)》

○後藤委員長 最初の議題は、日本住宅性能表示基準の改正に伴う諮問について審議いただきます。

住宅品質確保法は、住宅の品質確保の促進、住宅購入者等の利益の保護、住宅に係る紛争の迅速かつ適正な解決を図ることを目的としております。また、同法に基づく日本住宅性能表示基準は、住宅の性能に関して表示すべき事項やその表示方法を定めるものであり、表示基準を変更する場合には、同法第3条第4項において消費者委員会の議決を経なければならないこととされております。

日本住宅性能表示制度における省エネ性能に係る等級については、昨年11月12日の第358回本会議において、ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)基準の水準の省エネ性能に相当する上位等級を設けることについて、審議の上、答申を行ったところです。

今回の改正は、これを更に上回る省エネ性能の等級を設けるものである旨、話を伺っており、資料1-1のとおり、本年1月14日に内閣総理大臣から消費者委員会へ諮問があったところです。

本日は、この諮問事項について消費者庁及び国土交通省からヒアリングを行い、審議を行った上で、消費者委員会としての判断を示すこととしたいと思います。

本日は、御説明者として国土交通省住宅局住宅生産課宿本課長、消費者庁表示対策課荻野課長補佐に御出席いただいております。本日はありがとうございます。

それでは、20分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁表示対策課荻野課長補佐 消費者庁の表示対策課、荻野と申します。よろしくお願いします。

本日は、お忙しいところ、どうもありがとうございます。

この度、住宅の品質確保の促進等に関する法律の規定に基づいて定めております日本住宅性能表示基準を一部改正する予定でありますところ、本日は、本改正につきまして御審議をお願いしたいと考えております。

改正内容の詳細については、国土交通省から御説明をさせていただきます。

○国土交通省住宅局宿本住宅生産課長 皆さん、おはようございます。国土交通省住宅生産課長の宿本でございます。

後藤委員長をはじめ、委員の皆様方、日頃より住宅建築まちづくりの行政に多大なる御協力いただいておりますこと、まずもって感謝を申し上げます。

冒頭、委員長よりも御発言がありましたように、昨年11月に引き続きの御審議のお願いとなります。

資料は、まず2ページを御覧ください。

日本住宅性能表示基準及び評価方法基準の概要でございますが、まず概略を御説明いたします。真ん中の欄の右に住宅性能表示評価項目が10項目ございます。今回、このうちの5番目、温熱環境・エネルギー消費量に関すること、いわゆる省エネに関する基準でございます。これについて上位等級の制定をお願いするというものでございます。

ちょっとページが飛びますが、4ページを御覧ください。

この省エネに係る上位等級について、省エネについては大きく2つの視点がございます。断熱等性能等級、これは壁の断熱材や窓ガラスのペアガラスにするといった基準、それから、一次エネルギー消費量等級と言うもの、2つございます。一次エネルギー消費量等級については、クーラーや給湯器、照明のエネルギーの削減量を示すものとなってございます。

これらにつきまして、右側に縦で積んでおりますように、現在、断熱等性能等級については等級1から5まで、一次エネルギー消費量等級については1から6までございます。昨年11月に断熱等性能等級の5、一次エネルギー消費量等級の6を御審議いただき、定めることとなったものでございます。

今回は戸建住宅の断熱等性能等級の6、7について御審議をいただきたいというものでございます。

もう一度2ページにお戻りください。

そういった前提で、この日本住宅性能表示基準及び評価方法基準について御説明をさせていただきます。

左側にございます表示基準については、住宅の性能に関し表示すべき事項、その表示の方法を定めるものでございまして、消費者委員会にお諮りするのはこの事項となってございます。ただ、右側の評価方法基準は国土交通省で定めることになっておりますが、これについても併せてお話をしないと少し理解が進みませんので、これについても同じように説明をしていきたいと考えております。

3ページ目をお開きください。

この住宅性能表示基準なのですけれども、これまでの住宅政策の長い歴史を見てまいりますと、戦後、420万戸の住宅が不足するという中で、緊急に大量に供給していかないといけないという時代が長く続きました。この間、住宅局では住宅金融公庫、日本住宅公団、それから、公営住宅、いわゆる県営住宅とか都営住宅、市営住宅に当たるものですが、こういったものの直接供給を随分と頑張ってまいりました。

21世紀になりましてこの住宅品確法ができまして、民間市場における住宅の質の評価向上を狙いとして進めてきております。住宅性能評価については、現在では新築住宅のおおむね3割ぐらい、25万戸ぐらいを年間評価しております。20年間ほど経ちましたが、今、累計で400万戸を超える評価数となってございます。ちなみに、住宅ストックは空き家を除きますと約5400万戸ございますので、15パーセントから20パーセントぐらいの水準に至っているということでございます。

もともとの目的は、個別の住宅の性能表示をして消費者に分かりやすく伝えるということだったわけですけれども、その機能を超えて、現在では省エネ関係の補助制度などで評価が活用されておりまして、市場において住宅の質を高めていくということの貴重なインフラとして機能しているところでございます。

3ページに戻りまして、今回お願いをいたします省エネ性能に係る上位等級の創設、これは前回も御説明させていただいたのですけれども、2050年、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、住宅の省エネ性能の向上というのは極めて重要でございます。

これまでの住宅性能表示制度における省エネ等級は、現行の省エネ基準相当が最高等級となってございました。これに関し、一番下にございます改正内容ですが、市場で普及しておりましたZEH水準の住宅の等級について、既に普及している基準が存在いたしますので、この基準を速やかに位置付けるということで、これが先ほど申し上げました断熱等性能等級5、一次エネルギー消費量等級6の創設で、昨年11月に御審議をいただき、12月1日に公布、今年の4月からの施行を予定しております。

今回お願いいたしますのはマル2になります。ZEH水準を上回る等級について、基準の在り方などに検討を行った上で位置付けるということで、今回はまず戸建住宅についての断熱等性能等級6、7の創設をお願いするということになります。

共同住宅の断熱等性能等級6、7については、もう少し検討を深めたのち、第3弾としてお願いをするということを考えております。

4ページ目でございますが、これは先ほど御説明をさせていただいたとおりでございますので、省略させていただきます。

続きまして、5ページを御覧ください。

表示方法基準について御説明をさせていただきます。

繰り返しになりますが、今回創設いたしますのは戸建住宅に関する断熱等性能等級6と7になります。等級6は熱損失等の著しい削減のための対策、等級7は熱損失等のより著しい削減のための対策と表記しております。また、表示方法の欄において、等級6、7は一戸建ての住宅に限ったものであり、共同住宅などにつきましては等級1から5までということを示しております。さらに、従来同様、最も高い等級である等級7につきましては、外皮平均熱貫流率や平均日射熱取得率をより7でも更に上回る性能だということをお示ししたい場合には、それを併せて明示できるということにしてございます。

続いて、6ページを御覧ください。

評価方法基準のうち、外皮平均熱貫流率と冷房機の平均日射熱取得率に関する基準となります。既に決定をいただいております等級5をZEH相当の基準としたのと同様に、民間で設けられております基準をベースに有識者の方々に御議論いただきまして、暖冷房に係る一次エネルギー消費量の削減率おおむね30パーセントの削減を等級6、40パーセントの削減を等級7として、これを目安として水準を設定してございます。

続いて、7ページを御覧ください。

評価方法基準のうち、結露防止対策の基準になります。実は、断熱性能が向上してまいりますと、躯体の内部や鉄筋コンクリート躯体の温度が低下いたしまして、内部結露や表面結露が発生するということが懸念されます。このため従来より、シミュレーションに基づきまして防湿層の性能を確保して、通気層を設けない場合の基準、内断熱工法の場合の断熱補強の基準、要するに結露が発生しないような対策の基準を設定しております。

今般、等級6、7につきましては、断熱性をかなり強化してまいりますので、これらの対策も必要になってまいります。シミュレーションによりまして、内部結露や表面結露が発生しないということを確認いたしまして、7ページの赤字で書いておりますところが、等級4、5と比較して防露対策の基準が強化されているというところになります。

8ページを御覧ください。

これまでのスケジュールと今後のスケジュールでございます。今回御審議をいただき、御議決いただければ、3月頃には告示を公布いたしまして、10月の施行を予定してございます。

9ページは、昨年12月に実施いたしましたパブリックコメントにおけます主な意見を掲載しております。このうち、下から2つ目、共同住宅における断熱等級6、7を新設すべきではないかという御意見でございますが、これは実現可能性も含めて引き続き検討しております。今回、第2弾では戸建住宅をお願いしておりますが、次回、第3弾をどこかの段階で御審議をお願いしたいと考えております。

10ページ目以降は参考資料でございますので、説明は省略させていただきます。

もう一度4ページにお戻りいただきまして、繰り返しになりますが、今回は省エネ性能に係る上位等級の創設ということで、戸建住宅の断熱等性能等級の6、7の御審議をお願いすることになります。どうぞよろしくお願いいたします。

○後藤委員長 どうもありがとうございます。

それでは、質疑応答と意見交換をお願いいたします。時間は20分程度でお願いいたします。いかがでしょうか。

大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

カーボンニュートラルに向けて、今後、住宅面での貢献については社会全体で期待が大きいところでもあり、今回、更に上の等級を新設いただけるということで、この方向性については賛成いたします。

その上で、幾つか質問をさせていただければと思います。

まず、今回段階6、7が新設されることになっています。パブコメにもありましたように、直前に段階5が新設されており、この情報を受け取る側、これは消費者になるのか事業者になるのか両方かもしれませんが、その方たちが混乱しないような周知の方法が大変重要であると思っております。その辺りについてどのような準備をしておられるのかということをお聞きできればというのが一つです。

それから、今回は戸建住宅ということで、共同住宅などは入らないというお話でした。集合住宅についても、すでに検討はいただいているという御説明でしたが、一戸建ての住宅に比べ、共同住宅が、建設地の取得から建築までかなり長い時間、リードタイムが掛かるものだと思いますので、逆に言うと、世の中全体で断熱や省エネによる脱炭素をもっと進めるためには、共同住宅にも早く着手しなければ、全体として進みにくくなるのではないかと思うのですが。共同住宅についての検討が遅れている理由と言いますか、何か難しい課題のようなものがあるのでしたら教えていただければと思います。

以上2点、よろしくお願いいたします。

○国土交通省住宅局宿本住宅生産課長 ありがとうございます。

御指摘のとおり、ZEH相当の等級5、6と我々は言っておりますけれども、前回御審議いただいたものについては今年の4月の施行、今回のものについては10月の施行ということで、カーボンニュートラルに向けて進めていかないといけないというスピード感からこういうことになったわけでございますが、その辺りは混乱しないように周知をしっかりしてまいりたいと考えております。きっちり周知をするという以外にうまい方法がなかなかないものでございますので、なるべく混乱をしないように、それから、これは申請者側と言うのでしょうか、設計をしている方もそうですし、審査をする側も混乱をしないようにきっちり周知をしてまいります。

それから、共同住宅は確かにおっしゃるようにリードタイムが掛かりますので、なるべく早くから取り組んでいくことは言うまでもないということでございます。おっしゃるとおりかと思います。ただ、この省エネの世界で言いますと、戸建住宅とは建築の属性など、特にエネルギーの特性が違うということがございまして、専門家の方々からも慎重に考えていく必要があるということで少しお時間を頂いて、とは言え、これはなるべく早く制定をしていきたいと考えております。技術的な制約だということで御理解をいただければと思います。

○大石委員 ありがとうございます。説明もどうぞ丁寧によろしくお願いいたします。

以上です。

○国土交通省住宅局宿本住宅生産課長 承知いたしました。

○後藤委員長 黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 御説明ありがとうございました。御説明をいただいて、大変よく分かりました。ありがとうございます。

私は、日本住宅性能表示基準というのは、基本的には売買契約あるいは請負契約における、ちょっと前の民法の言葉で客観的瑕疵を定める基準という形で、実務上、裁判手続とかADRでも扱っておりまして、新しい基準としてこういうZEHを超える基準ができるということ自体は非常に積極的に評価したいと思っておりますので、賛成でございます。

あと、大石委員からも言われたとおり、ZEHと日本住宅性能基準と、なかなか消費者では分かりにくいところがあると思いますので、その辺りも含めて、特に戸建住宅ということになりますと、一生に一度の請負契約あるいは建物売買契約ということになりますので、この辺り、周知をよろしくお願いしたいと思っております。

以上でございます。

○後藤委員長 ありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、議論はここまでとしまして、これからテレビ会議システムの画面上にて答申案を表示いたしますので、御覧ください。

(答申案表示・配付)

○後藤委員長 ただいま追加資料として皆様に配付しました委員会の答申案は、令和4年1月14日付けで内閣総理大臣から当委員会に諮問のあった事項について、「「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の趣旨に鑑み妥当であり、その旨答申する」というものです。

同意の場合、もしくは修正意見がある場合、チャットにてお知らせください。

(首肯する委員あり)

○後藤委員長 それでは、皆様の御了解を頂いたということで、この内容で答申したいと思います。よろしいでしょうか。

国土交通省、消費者庁におかれましては、本日はお忙しいところ、審議に御協力いただき、ありがとうございました。御退席ください。

(国土交通省住宅局住宅生産課、消費者庁表示対策課退室)

(消費者庁食品表示企画課入室)

《3.消費者基本計画の検証・評価・監視(食品表示制度の適切な運用等)》

○後藤委員長 次の議題は、消費者基本計画の検証・評価・監視の一環として、食品表示制度の適切な運用等について御審議いただきます。

食品表示制度については、当委員会で令和元年8月に「食品表示の全体像に関する提言」を発出し、消費者庁の取組を注視してきたところです。

そこで、本日は提言への対応状況の御報告を頂きます。併せて、インターネット販売における食品に関する情報提供の在り方についての検討状況や、全面施行を控えた加工食品の原料原産地表示制度、改正の執行を控えた遺伝子組換え食品表示制度についても御報告いただきたいと思います。

また、消費者庁の検討会において特定保健用食品制度の在り方といった全般的な課題に対応すべきとの意見が出されていることへの対応など、保健機能食品制度の在り方の検討についても御報告いただきたいと思います。

本日は、御説明者として消費者庁食品表示企画課谷口課長、森田保健表示室長に御出席いただいております。本日はありがとうございます。

本日の審議内容は幅広いことから、2つに分けまして、第1に食品表示の全体像に関する提言への対応状況、インターネット販売における食品に関する情報提供の在り方、原料原産地表示制度の制度及び遺伝子組換え表示制度、第2に保健機能表示食品制度の在り方の2つに分けて御説明、審議を行いたいと思います。

それでは、まず第1の食品表示の全体像に関する提言への対応等について、10分程度で説明をお願いいたします。

○消費者庁谷口食品表示企画課長 消費者庁食品表示企画課長の谷口でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、早速ですけれども、資料2を御覧ください。

まず、表紙の次のページを御覧ください。

目次ですけれども、今回こちらに挙げております食品表示制度に関する取組のうち、この5つの議題について順番に説明していきたいと思います。

まず、私から1番から4番までについて御説明いたします。5の保健機能食品制度につきましては、後ほど保健表示室長から説明をさせていただきます。

それでは、1ページを御覧ください。

1ページは食品表示法の概要でございます。

食品の表示につきましては、食品を摂取する際の安全性の確保や自主的かつ合理的な食品の選択の機会の確保というものに重要な役割を果たしているということでございまして、そのことは食品表示法の目的にも記載されております。

食品表示法の制定以前は、食品の表示についての一般的なルールというのは食品衛生法やJAS法、健康増進法という3つの法律で定められておりましたけれども、平成25年の食品表示法の制定によりまして食品の表示に関する規定が統合されまして、包括的かつ一元的な制度が創設されたということでございます。

平成27年4月からこの食品表示法に基づく新たな食品表示制度がスタートしておりまして、食品表示法は法律レベルでは目的、基本理念や食品表示基準の策定、遵守、指示、命令、罰則など制度の大枠について規定しておりまして、具体的な表示のルールにつきましては内閣府令であります食品表示基準に規定しているということでございます。

食品表示基準を制定、改正などする際には消費者委員会の意見を聞くこととされておりまして、具体的には食品表示部会で議論いただいております。

次に、2ページを御覧ください。

こちらは生鮮食品の義務表示事項です。

生鮮食品につきましては、原則として名称と原産地の表示が義務付けられておりまして、容器包装の見やすい箇所や製品に近接した掲示、その他の見やすい場所に表示する必要があります。名称はそのまま内容を表す一般的な名称を表示しまして、原産地につきましては、品目によって多少異なりますが、都道府県名や原産国名を表示するということでございます。そのほか、品目によって個別に表示が義務付けられている事項もございます。

次に、3ページを御覧ください。

3ページは加工食品の義務表示事項です。

左側の表に加工食品の主な義務表示事項を挙げております。全ての加工食品には横断的に名称、原材料名、添加物、内容量、消費期限などの表示が義務付けられております。また、一定の要件に該当する製品に対しましては、アレルギー表示や原料原産地名、遺伝子組換えなどについても表示をする必要があるということでございます。

食品表示基準にはこれらの義務表示事項の表示方法も定められておりまして、右側にプリンの表示例を示しておりますけれども、加工食品の義務表示事項につきましては、原則として一括した枠内に表示することになってございまして、この表示方法を通称一括表示と称しておりまして、その様式についても食品表示基準の中で定められているということでございます。

加工食品の表示事項につきましては、食品表示法に基づく新たな制度となってから2つの大きな改正がありましたので、それについて次のページから御説明したいと思います。

4ページを御覧ください。

まず、原料原産地表示についてです。原料原産地表示は平成29年9月に食品表示基準の改正を行っております。改正前も一部の加工食品に原料原産地表示が義務付けられておりましたけれども、この29年の改正によりまして、その対象が国内で製造された全ての加工食品に拡大されたということでございまして、表示対象として製品中に占める重量割合上位1位の原材料に対して原料の原産地を表示することとなりました。例えば、対象の原材料が生鮮食品の場合には原産地を国産や○○国産という形で表示しますし、その原料が中間加工食品の場合には、製造地ということで国内製造や○○国製造といった形で表示することになります。

また、対象原材料が複数の国のものを使用している場合には、使用割合の多い順に国名を表示する国別重量順表示ということを行うことを原則としております。ただ、この原則によりがたい場合には、いわゆる「又は表示」や「大括り表示」といった例外的な記載方法も認められているということでございます。

これにつきましては、次のページで更に詳しく説明いたします。5ページを御覧ください。

例えば、産地切替えの度に容器包装の変更が生じるなど、原則であります国別重量順表示を行うことが困難である場合には、例外的に過去の実績や使用計画に基づきまして、又は表示や大括り表示を行うことを認めているということでございます。

「又は表示」というのは、産地として使用可能性がある複数の国を、使用が見込まれる重量割合の高いものから順番に、この表示例にあるとおり、「又は」でつないで表示するという方法です。

「大括り表示」というのは、3つ以上の外国の産地表示を表示例にあるとおり「輸入」という形で括って表示する方法ということでございます。

3つ目の「大括り表示+又は表示」というのは、大括り表示で輸入品と国産品を混合して使用する場合に、輸入品と国産品との間で重量割合の高いものから順に表示するということなのですけれども、輸入品と国産の間でも使用割合の変動がある場合には、輸入と国産というのを使用が見込まれる重量割合の高いものから順に「又は」でつないで表示する方法も認められているということでございます。

新たな加工食品の原料原産地表示制度につきましては、食品メーカーなどがこの新しい基準に対応するための準備期間として令和4年3月末まで経過措置期間を設けているというものでございます。

次に、6ページを御覧ください。

こちらは遺伝子組換え表示についてです。

遺伝子組換え食品というのは、厳正な科学的評価によりまして安全性について問題がないとされたもののみが食品衛生法に基づいて食品としての流通が認められているというものでございまして、現在、遺伝子組換え食品として表示の対象となっておりますのは、大豆やトウモロコシなど8農産物と、それらを原材料とする33の加工食品群でございます。ただし、醤油や植物油など加工後に組み換えられたDNA等が検出できない食品については義務表示の対象外となっております。

下の左側の義務表示の例を御覧いただくと、遺伝子組換え食品には「遺伝子組換え」や「遺伝子組換え不分別」等の表示が義務付けされているということでございます。この不分別というのは、遺伝子組換えの農産物と遺伝子組換えでない農産物を生産なり流通の段階できちんと区別して管理していないというものでございます。

一方、右側に任意表示の例とあるように、きちんと分別管理をした遺伝子組換えでないという農産物を使用している場合にはその旨を任意で表示可能というものでございます。

7ページを御覧ください。

遺伝子組換え表示につきましては、平成31年4月に食品表示基準の改正を行っております。改正の内容といたしましては、義務表示の部分について変更はなく、任意表示の部分について変更しておりまして、分別生産流通管理を実施して遺伝子組換え農産物の混入を5パーセント以下に抑えているものにつきましては、適切に分別生産流通管理をしている旨、事実に即した表示を認めるということで、また、遺伝子組換え農産物の混入がないと認められる場合には、遺伝子組換えでない旨の表示を認めることとしたものでございます。この改正は令和5年4月から施行されます。

また、消費者庁では、令和3年9月に改正後の遺伝子組換え表示制度における遺伝子組換えでないと判定するための公定検査法というものを定めて公表しております。

以上が食品表示法に基づく、新たな制度が始まってから大きな改正がありました原料原産地表示と遺伝子組換え表示というものの概要でございます。

今後施行を迎えるこれらにつきまして、新たな制度に速やかに移行できるように、制度の周知、普及、啓発を図ることとしておるということでございます。

次に、8ページを御覧ください。

ここからは、2つ目の事項といたしまして食品表示の全体像に関する提言への対応について御説明いたします。

このページは、令和元年8月に消費者委員会食品表示部会から報告されました食品表示の全体像に関する報告書の概要でございます。

表示事項が増加し、それに伴って消費者が安全性に関わる表示を見落とす可能性があるというような問題を背景に、食品表示はどうあるべきか、ということで、表示事項間の優先順位やインターネットを活用した表示の可能性などについて検討されたと承知しております。

この中で、結論といたしまして、優先順位により表示事項を容器と容器以外とに仕分けることには現時点では慎重であるべきなど、ウェブによる食品表示に関しては整理すべき課題が多く、引き続き検討を行うべきであるといったことが挙げられております。

また、提言といたしまして、このような様々な課題について、今後検討を行っていくために実態把握のための詳細な調査を行うということが提言されておりまして、具体的には3つの調査を消費者庁において行うこととされております。

この3つの調査のスケジュールについて申し上げますと、まず、令和2年度にこの後御紹介いたします空間的情報量に関する調査と言うものを実施しております。令和3年度には一括表示部分に関する現状の問題点等の調査を実施するということで、さらに、令和4年度にウェブでの補助的情報提供の優良事例に関する調査と言うものを実施する予定でございます。消費者庁ではそのような進め方を予定しているということでございます。

今回は令和2年度に行いました空間的情報量に関する調査の結果概要を説明いたします。

9ページを御覧ください。

空間的情報量に関する調査の概要でございますけれども、この調査は大きく2つに分かれておりまして、1つ目が、空間的情報量に関する調査として、現行商品の一括表示等の表示実態を把握するため、表示面積や文字サイズ、文字数、行間といったものを測定及び情報量に関する調査でございます。

2つ目が、消費者による視認性等調査といたしまして、見やすさや分かりやすさなど理解度に影響を及ぼすと考えられる文字サイズやフォント、行間などのデザイン要素を特定するための調査でございます。

10ページを御覧ください。

空間的情報量に関する調査の結果でございます。主なものを紹介していきますと、この表示可能面積については平均が約510平方センチメートルなど、面の数は2面のものが多いなど、一括表示面積の割合としては9パーセント以下が全体の95パーセントを占めていたなど、文字サイズにつきましては、消費期限・賞味期限などの表示については比較的大きいものから小さいものまで大きさが分散していたということですけれども、原材料名表示や栄養成分表示などは8ポイントまた9ポイントのものが大多数を占めているといった結果でした。そのほか、文字数や行間、一括表示の配色といったものについても調査をしております。

また、下の写真でレトルトカレーの一括表示の写真を例示しておりますけれども、一括表示の情報量についても調査しております。ここで言う情報量というのは、一括表示枠内の印刷部分の割合を情報量として定義しております。全体の傾向といたしましては、一括表示に含まれる文字の量が少ないものほど情報量が少なくなっているということで、具体的には原材料が少ない食品ほど余白が多くて情報量が少ないけれども、原材料が多い食品は余白が少なくて情報量が多い傾向にあるということでございます。

ただ、同じ食品群でこのように比較してみたところ、情報量に差があるものもあるということでございまして、容器包装形態や原材料の数が似ているようなものであっても、表示の仕方によって見やすさが異なるということも分かりました。

次に、11ページを御覧ください。

消費者による視認性等調査の結果です。

まず、消費者による視認性調査といたしまして、文字サイズや行間、行長といった要素が視認性に与える影響について調査を実施いたしました。具体的には、文字サイズや行間といったものの数字を変えた複数の組合せの表示例を記載した紙の調査票を用意いたしまして、それを見ていただいて、読みやすいや読みにくいなどの回答を頂いて、それを点数化したというものでございます。点数の数値が高いほど読みやすい、見やすい文字だということでございます。

結果ですけれども、文字サイズ、行間、変形率の3つの要素につきましては、数値が低いほど見やすさの評価が低いということで、すなわち、文字サイズについては大きいほど、行間は広いほど変形はしていないほどに見やすいと推測されます。しかし、行長というのは一行の文字数なのですけれども、行長につきましては長短どちらかの評価が高いわけではなく、一行20から25文字の範囲が見やすいと判断されました。

例えば下段の左側の例のように、文字サイズが8ポイントでも変形率が低く、行長が短い組合せというのは評価が悪くなっていたということでございます。

また、下の中央の例のように、文字サイズが7ポイントでも行間を広く確保すると文字サイズ8ポイント以上に相当する見やすさという評価になっていたというものもございます。

このことから、文字サイズだけではなくて、行間とか行長が視認性に大きな影響を与えるということが推測されました。

また、(2)として消費者による視線追尾分析と言うものも行っております。ここでは、調査の目的を知らない消費者の方を被験者といたしまして、どのくらいの時間注視していたのかというのを分析するため、眼鏡型の視線追尾分析装置と言うものを付けていただいて、商品選択をするときの眼球運動や行動を観察したということでございます。

その結果、右の例にございますように、消費者がパッケージを見る際に裏面の左上を注視する傾向があるということが分かりました。一方で、同じ裏面であっても、下に記載されていることが多いようなバーコードやその周辺の注意喚起情報はほとんど見られていないというようなことも分かっております。

以上が令和2年度に実施いたしました空間的情報量に関する調査の概要でございます。

全体像に関する報告書で提言されておりますほか2つの調査につきましても、先ほど申し上げましたとおり、令和3年度、4年度と順次実施していくこととしております。今後、消費者委員会食品表示部会でまた全体像の検討に御活用いただけるように、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。

次に、12ページを御覧ください。

ここからは、3つ目の項目でありますデジタルツールを活用した食品表示の検討についてです。

現在、食品表示というのは容器包装上に行うこととされておりますけれども、デジタルツールというものを活用することで、消費者にとって読み取りやすく分かりやすい食品表示を実現できないかということを検討するために、調査事業を実施したということでございます。

この調査事業につきましては、先ほど説明しました食品表示の全体像に関する報告書の提言に直接的に記載されている調査ではございませんけれども、今後、食品表示部会で行われるウェブを用いた食品表示の可能性の検討に資すると考えられますので、併せて御紹介いたします。

容器包装の表示をデジタルツールで代替することが可能か、技術的検証を行うとともに消費者の意向を調査することを目的といたしまして、令和2年度にアプリケーションを活用した食品表示の実証調査と言うものを実施いたしました。

さらに、この2年度の結果を踏まえて、消費者の意向を深掘りすることを目的として、令和3年度は実証における対象商品や実証期間を拡大するとともに、アプリケーション機能を拡充して本格的な実証を実施いたしました。

13ページを御覧ください。

こちらは実証アプリケーションの機能を紹介しております。実証の流れといたしましては、実証用のデータベースとスマートフォンアプリを構築いたしまして、消費者モニターに実際のスーパーで商品のバーコードを読み取っていただいて、その前後でアンケートを実施する形で実施しております。

令和3年度の実証で構築したアプリケーションにつきましては、消費者に活用される食品表示とするために、例えばピクトグラムによるアレルギー物質アラート機能や栄養成分表示の摂取目安との比較・健康目標に応じた強調といった機能を組み込んでおります。

この実証で得られました消費者のアンケート調査結果につきましては、現在取りまとめ中でございます。

この調査事業では、消費者モニターによる実証のほかにも食品関連事業者のデータ管理状況等を把握するための実態調査なども実施しております。

今後、これまでに得られた調査結果を踏まえまして、4年度以降に官民で連携して食品表示のデータ管理の在り方などを検討することとしております。

以上がデジタルツールを活用した食品表示の検討の概要でございます。

続きまして、14ページを御覧ください。

このページは4つ目の項目でありますが、インターネット販売における食品に関する情報提供についてです。

新型コロナウイルス感染症の拡大を受けまして、インターネット販売による食品の購買が増加傾向にあるということでございますけれども、食品表示基準に基づく食品表示というのは容器包装での義務付けということでございまして、インターネット販売におけるルールは現時点ではありません。そのため、消費者庁では令和2年度に消費者と事業者の意識調査というものを行いまして、その結果、消費者がECサイト上での食品購入に当たって知りたい食品基本情報としては、名称、内容量、消費・賞味期限、原材料名、原産地などが多いということで、特に消費・賞味期限に対するニーズが高いということが分かりました。

事業者の食品基本情報の提供状況といたしましては、内容量というものが高い一方で、期限情報や原材料名というものは低いということが分かりました。また、タイムリーな商品情報の把握が困難といったことが情報提供の難しい理由として挙げられております。

消費者庁といたしましては、国際的な食品の規格を定めておりますコーデックスにおけるルール作りの議論も踏まえまして、現在、インターネット販売における食品に関する情報提供の考え方というものを検討しておりまして、令和4年度中にはガイドブックを作成して公表するということを目指して現在検討を進めておるということでございます。

以上が1番から4番までの項目についての説明でございます。大変駆け足になりまして恐縮でございます。ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、御意見のある方は発言をお願いいたします。質疑応答の時間は30分程度を予定しています。よろしくお願いいたします。

星野委員、よろしくお願いいたします。

○星野委員 大部にわたるものに関して、大変分かりやすく説明いただきましてありがとうございました。

非常にいろいろとありまして、どこから話したら良いかというのはあるのですけれども、原材料の表示順序に関して伺いたいのですが、これは例えば加工食品だったら原則使用した原材料を占める重量みたいなものの順番だと理解していますけれども、アレルゲンみたいなものが存在する場合にアレルゲンだけ別にして、例えばアレルギーは小麦などいろいろなものがございますよね。それに関して国民が例えばどれだけそういう病気を持っているのか、アレルゲンとして持っているのかなど、罹患者数みたいなものですね。生起確率というか、買われた方がアレルゲンをお持ちになっている割合掛ける平均医療費なり治療期間なり、見落としてしまうと被害が大きい順序みたいなもので例えばソーティングして、アレルゲンだけ別に表示するみたいなことは可能だと思うのですが、健康被害みたいなものを想定された形で表示順序を考えられるみたいなことはお考えになっているのでしょうか。そういった議論はございませんでしょうか。

また、そういった表示が難しい場合、何が一番大事かということなのですけれども、食品であったらいろいろな要素があると思いますが、かつ、消費者の関心もあるかとは思いますが、例えば見落とすことによって被害が大きくなるような順序で出すみたいな、アレルゲンなどといったことは可能性としてあると思うのですが、そういったことはお考えになっていないのかということがございます。

ほかにも複数あるのですが、実証調査の目的、デジタルツールを活用したということで、詳しく何か見れば良いのかもしれませんが、例えば令和2年の報告書があるのかもしれませんが、視認性など確認するかどうかということも大事ですけれども、結果として、それを見て購入するかしないかといった観点というのは非常に重要だと思いますので、これはもう一つ私が申し上げたいトクホと機能性食品に関するところにも関連しますが、何か視認性で確認できるかどうかということだけではなくて、ちゃんとそれを誤認なく理解した上で購入するかどうかという選択も目的にされているのかどうか伺いたいと思います。

あとは、トクホと機能性食品ということに関しまして、ここで言うべきものかどうか分かりませんが、この際ですのでコメントさせていただければと思うのですが、御存じのように、トクホの制度は日本独自で非常に重要な制度だと思っております。海外ですと、ネガティブラベルと言われるように、例えば糖分や塩分といったネガティブな成分に関して強制的に表示するという制度はあるのですが、健康にとって有益な機能に関して表示するという制度はほとんどございませんので、世界的にも非常に珍しくて、かつ注目を浴びる制度と思っております。

そこで、トクホというのは非常に重要だと思うのですが、やはり機能性食品との誤認というのは結構生じると思うのです。機能性食品に関してホームページで調べたところ、安全性の確保を前提として、科学的根拠に基づいた機能性が事業者の責任において表示されるものとするということがございますので、科学的根拠というところが示されているかということが大事なのですが、いろいろ見てみますと、研究デザインが分からないような研究もあるがといった形で、例えばGABAなどがそうなのですけれども、そういった表示で健康に良い機能があるということを企業側が一方的に申し出ているような事例がございます。

一方、例えば国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所でございますけれども、これは厚労省の当該ページから飛ぶことができますが、例えばGABAに関して有効性は信頼できる十分な情報がないと書いてあるわけです。そごが非常に存在していますので、科学的根拠に関して、現状、科学の世界で科学的なエビデンスのレベルというのはかなり確立されているわけです。無作為化試験、ランダマイズした試験のメタ分析みたいなものが一番良いなど、そう言ったエビデンスレベルみたいなものもございますので、機能性食品が成立した以降から科学の世界も非常にアップデートされていますので、是非そういった知見も取り入れていただいて、科学的根拠と言うものが具体的にどのレベルのものであれば認められるかというような基準を示していただくのは大事だと思います。

あと、機能性食品に関して、消費者の皆さんが誤認することなく商品を選択することできるようにと書いてあるのですが、トクホと機能性食品は誤認するという可能性が非常に高いのではないかと思うのですが、トクホと機能性食品はちゃんと違うものだということを理解して消費者は購入されているのかといった調査などはちゃんとされているのでしょうか。そこが非常に気になっておりまして、せっかくのトクホというすばらしい制度があるにもかかわらず、機能性食品という制度がまた後でできたことによって、せっかくのトクホという制度が非常に残念ながらうまく機能していないように見受けられますので、是非このトクホという世界的に見て例がない非常に優れた制度に関して、もう少し機能性食品との差別化がされるような形で是非今後制度を御検討いただければ。また、そういった調査に関しても、エビデンスを蓄えていただければと思います。

長くなってしまいまして申し訳ございません。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

いかがでしょうか。

○消費者庁谷口食品表示企画課長 質問というか御意見の部分が正確に把握できているか分からないですけれども、順番にお答えしていきたいと思います。

最初に、アレルギー表示に関してお話があったかと思いますけれども、おっしゃられるとおり、原材料名の表示につきましては使っている重量順で表示するということになっております一方で、アレルギー表示というものを別途義務付けしているということでございまして、対象品目につきましては、実際のお医者さんに御協力いただきまして定期的に調査をして決めていっているということでございます。

アレルギー表示につきましては、それが含まれているものにつきまして、例えば3ページの表示例でいきますと、植物油脂という中に(大豆を含む)といった形で明示をするとなっておりますし、それ以外の方法といたしましても、メーカー各社で工夫して、例えば一括表示欄外などに含まれているアレルギー物質を明示するといった表示の工夫などもされているということでございます。

この品目につきましても、引き続き定期的な調査を実施して随時見直すということを考えてございます。

また、実証調査の中で、視認性の話だけではなくて、それを見て購入するかどうかという話があったと承知しておりますけれども、調査の中では食品表示を見て購入する商品は変わるか、また、今後変わる可能性はあるかといった質問なども設けて、そういったデータについても取っているということでございます。

トクホや機能性の話につきましては次の議題ということで承知しておりましたけれども、どうしましょうか。

○後藤委員長 食品表示の全体像に関する提言への対応等については、以上をお答えとしてよろしいでしょうか。

○消費者庁谷口食品表示企画課長 では、トクホなど機能性表示の話につきましては、森田室長から答えさせていただきたいと思います。

○消費者庁食品表示企画課森田保健表示室長 それでは、保健表示室長、森田と申します。よろしくお願いいたします。

トクホと機能性表示食品に関連しまして、御質問等を頂きました。

まず、トクホと機能性表示食品はどのように違うのかということですけれども、トクホに関しましては、基本的にその製品においてヒトの試験を実施して有効性を示すということで、消費者庁長官が許可をするという制度でございます。一方、機能性表示食品は、製品によるヒトでの試験だけではなくて、各種のいろいろな論文が出ておりますので、成分に関する論文をレビューして、そのレビューの中で機能に関して肯定的な知見が得られているということを判断されて、事業者においてそうしたことを示して自主的に表示をするという制度になってございます。ですので、制度の中身が少し違っているというところはあるということは御理解いただければと思っております。

それから、トクホと機能性表示食品に関しまして両者が誤認されているのではないかということでございます。こちらで調べているものは、トクホをどのようなものかと理解しているか、機能性表示食品はどのようなものとして理解しているかということでございます。その割合といたしましては、トクホは約3割、機能性表示食品は約2割ということでございまして、残りの、名前は知っているけれどもよくは分からないというような方々がいらっしゃるということでございますので、トクホと機能性を誤認しているかをしっかりと調査をしたということではございませんけれども、御指摘のとおり、そうした誤認が生じているということは考えられることだと思っております。

以上でございます。

○星野委員 1点だけすみません。

ですから、今後、空間的情報量に関する調査やデジタルツールを使った表示などで、実際にトクホと機能性食品の違いをちゃんと誤認せずに購入されているかどうかという辺りの調査も是非ここに組み入れていただければという趣旨でございます。

ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございます。

ただいま、問題を2つに分けて議論しておりまして、トクホとか機能性食品に関しては後半で第2の問題として扱うということにしておりますので、委員の方々、そちらにわたる御質問については、この後、第2の問題に入った段階で御質問頂けたらと思います。今は第1の問題について質疑していると御理解ください。よろしくお願いします。

それでは、青木委員、よろしくお願いいたします。

○青木委員 青木でございます。

御説明ありがとうございます。

食品表示の問題については、いかに必要な情報を分かりやすくということでの提言を受けた様々の調査結果の御報告だと認識しております。

調査の内容についてなのですけれども、2点、確認させていただきたいと思っております。

収集モニターを使い、いろいろ実測調査をされるときのモニターの抽出です。こういう表示に関しては、年代層によってもすごく違いますし、高齢者や白内障、見やすさというのは本当にいろいろなケースがあると感じているのですが、今回、幾つか調査された中の収集モニターの抽出法というのはどういう方たちを対象にされているのでしょうか。これが1点目です。

2点目については、食品表示を正しく分かりやすく消費者に伝えたいと、これは事業者、優良事業者については、正に各事業者とも様々に取り組まれていることと私は認識しております。そうした中で、加工食品のところがかなりメインになるかと思うのですが、カテゴリーによって加工方法や扱っているものも含めてかなり違いがあります。御説明の中に官民連携してという言葉がありましたが、こういう問題こそ正に事業者団体、加工食品によってもそれぞれのカテゴリーによって団体があります。この辺りのところと連携して、こういう見やすさの問題というのはやはり協力関係を持った中で進めていっていただけないかと。調査もそれぞれでやっている可能性もあります。なので、今の官民の連携というところの状況について教えていただければと思っております。

以上2点、よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者庁谷口食品表示企画課長 お答えいたします。

まず、今回の実証調査事業につきまして、モニターの抽出方法ということでございましたけれども、実証期間中に実証店舗に実際にお買い物に来ていただいた方にお願いしているということでございます。ですので、こちらで抽出して選んでいるというものではございません。

また、次の御質問は官民の連携ということでございますけれども、デジタルツールの活用に向けて今後官民で検討を行っていきたいと考えておりますが、実証調査の中で食品表示のデジタルツールの活用に向けた課題といたしまして、様々な食品表示に関するデータの管理が技術的に問題になっているということでございますので、食品業界における食品表示情報のデータ管理の在り方について、実際に今回の調査の中でもいろいろ調べているわけでございますけれども、今後、実際に官民連携という形で事業者の方々にも入っていただいた中で、データ管理の在り方やオープンデータ化の在り方といったことについても議論をしていく必要があると考えておるところでございます。

以上です。

○青木委員 今、御回答いただいたのですが、私がお伺いしたいのは、こういう対象者を限定しない調査も非常に大事なのですが、収集モニターに関しては、先ほど申し上げましたように、特に見やすさとか分かりやすさというのが様々な属性によって違うので、データを取るときにはある程度そういうものにターゲットを当てた調査も計画いただければと思っております。

それから、2点目につきましては、インターネットウェブよりもむしろ分かりやすい表示に関する今検討いただいている調査結果、視認性など、ここについては是非幾つかの業界に投げていただいて、それぞれ企業努力している部分と消費者庁から見ていろいろとされている部分というのを双方、こういうところは是非協力関係を取っていただきたいと思うのですが、食品業界の難しいところは、非常にカテゴリーが多いので、それぞれでいろいろな業界があります。幾つか代表的なものでも、そういう形で分かりやすい表示というものについては是非事業者と協調しながら進めていただければと。これは私の意見でございます。

以上です。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村です。

御説明ありがとうございます。

消費者の立場としましては、食品表示というのは、空間情報量の見やすさも大変大事なのですけれども、それとともに表示されている内容が誰でも理解できることが大切だと思いますし、何か自分に確認したいことがあったときに全部確認できるということが重要だと思っています。食品の内容に応じた表示が正しく行われているかどうかということが本当に重要だと思っております。

例えば3ページの表示例を拝見していまして、これは普段私も購入するときによく確認するのですけれども、添加物のところが用途名表示になっておりまして、乳化剤は一体何が使われているのかというのが分からないというところ、私はいつも不満に思っております。例えばこういうところを用途名ではなくて物質名が表示されるとかという検討はされないのかというのが1点目の質問でございます。

2点目としまして、遺伝子組換え表示なのですけれども、今度改正されるということですが、全く遺伝子組換えがないゼロというものが新設されるということで、この間、納豆売り場で表示を見たときに、丸大豆(アメリカ又はカナダ)で、その後括弧で分別生産流通管理済みという表現がございました。これは、きちんととこの表示のことを分かっている方は、ゼロではないけれども5パーセント未満だということが分かるのですけれども、一般的に大変分かりにくい表現だと思います。本当は管理しているけれども、遺伝子組換え大豆が入っていないとは限らないという表示だと思うのですけれども、この表現は消費者の誤認を大変招くのではないかと思っております。このようなことは食品表示のところで随所に見られると思うのですけれども、遺伝子組換えの表示に関しまして、消費者に分かりやすい表現で表示するような検討があるのかというのが2点目の質問でございます。

3点目としまして、13ページのスライドなのですけれども、デジタルの実証アプリケーションの機能ということで拝見していまして、デジタル表示で添加物の役割というのは、一番右に用語確認機能と書いてあるのですが、もちろんこれはアプリケーションなので、今回の場合は一般的にこういうものなのかなという理解はするのですが、先ほどの話と重なるのですけれども、この食品の中の添加物で何が入っているのかというのが具体的に分かるということが大事だと思うのですが、それはどうなのかということが分からないと思います。この点は今後こういうアプリケーションを改善される予定があるのかということをお聞きしたいと思います。

それから、通販で食品を購入する機会が増えているということで、私としましては、店での購入と同様に食品表示を確認したいという思いがあります。現在、インターネット上できちんとした表示が少ないということなので、そこも今後きちんと表示していただきたいと思います。特に、今日注文したらいつまで食べられる食品が届くのかというところなど、原料原産地はどうなのかというところで、やはり消費者がきちんと理解できる表示にしていただきたいと思います。これは意見でございます。

原料原産地表示もいろいろ決めていただいて今度4月から施行されるのですけれども、消費者が理解できるようにしていただきたいと思っておりますし、今回決めていただいていますが、結局、又は表示や大括り表示などになると、一体原産地はどこなのかということが分からないです。やはりここで肝心なのは、食品のトレーサビリティーの確保なのではないかと思うのですけれども、この点についてトレーサビティーを今後どういうふうに検討していくのかということをもしお伺いできるのであったらお願いしたいと思います。

以上です。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者庁谷口食品表示企画課長 順にお答えいたします。

まず、添加物の表示に関して御質問があったかと思います。この食品添加物の表示につきましては、正確な年度は忘れましたけれども、数年前に食品添加物に関しての検討会というものを実施しておりまして、その中でも現在の表示のルールについてどうすべきかというのを全般的に議論したということでございますが、その中でも物質名表示を全て義務付けるかどうかということについても議論があったかと思うのですけれども、現行の状況を踏まえて現在のルールのままでいくという提言がなされているということでございます。

添加物につきましては、現在、無添加表示の在り方についてガイドラインを作るべく検討を進めているということでございます。

次に2点目、遺伝子組換え表示についてでございます。こちらは御指摘がありましたとおり、新しく分別生産流通管理済みという形で表示するものも出てきているということでございますけれども、これについて分かりにくいという御指摘があることも承知しております。できるだけここが分かりやすい表示になるようにということで、普及啓発を進めていきたいと思っております。

3点目といたしまして、アプリの関係でございますけれども、こちらは実証用に構築したアプリということでございまして、このアプリとして公表、流通しているわけではございませんが、このような形でデジタルツールを活用して分かりやすい表示に活用していくということができれば、容器包装上では面積が限られているということで情報量も少なくなってくるということでございますけれども、こういったデジタルツールを活用すればいろいろな補足情報という形で付け加えられる可能性も出てくるということでございますので、この活用の可能性につきまして引き続き検討を進めていきたいと思っております。

以上でございます。

○後藤委員長 ありがとうございました。

それでは、大石委員、よろしくお願いします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

今、木村委員から御質問があった内容とかなり重なるので、ちょっと細かくなりますけれども、絞って質問させてください。

まず、1点目です。4ページの原料原産地表示のところで、左下のその他のところに「義務表示は食品の容器包装に表示する。又は表示や大括り表示などをした場合にはインターネットなどにより自主的に補足的な情報開示に努める」と書いてあるのですが、これは、先ほど出てきました実証用アプリなどとは別に、消費者がインターネットの表示を見るためのURLのようなものをこの表示と一緒に記載することになるのでしょうか。例えば、消費者が商品に対して詳しい内容を知りたいと思ったときには、その表示の近くにURLやQRコードが記載してあり、クリックすれば知りたい情報が分かれば便利ではないか、と昔から思っておりました。例えホームページなどインターネット上には情報があったとしても、消費者がその場ですぐに見にいけないのだと、あまり意味がないのではないかと思います。その辺り、細かいことですが、この内容について教えていただければと思います。

それから、先ほど木村委員もおっしゃいましたが、12ページ、13ページの実証用アプリのことなのですけれども、今回、ここはバーコードが書いてあるのですが、先ほどとも通じるのですが、例えば義務表示、特にアレルギーの表示などについては、中に組み込むのではなくて、やはり容器の表面に見えるように表示しなければいけないのでは、と思うのですがいかがでしょうか。情報の優先順位みたいなものは実証の中できちんと検証されているのかということをお聞きしたい、というのが2点目です。

3点目として、これも先ほどの木村委員の御発言とも重なるのですけれども、14ページのインターネット販売における食品に関する情報提供で、事業者が実際に記載してあるものと消費者が重要と考えるものの差が大きいということが大変問題だと思いました。インターネットで見た商品は、消費者が直接買う商品そのものではないため、消費者としては一番気になるのが期限情報や原材料情報なのですが、実際にはちゃんと表示されていないことも多い、ということでした。これは要望になりますけれども、これだけインターネット販売が増えている時代ですので、この辺りの情報提供の仕組みをできるだけ早く策定いただければ有り難いと思いました。

以上です。

○後藤委員長 お願いします。

○消費者庁谷口食品表示企画課長 御質問ありがとうございます。順番にお答えいたします。

まず、インターネットでの自主的な情報開示ということで、原料原産地表示に関しての話かと思います。ここで書いております「又は表示あるいは大括り表示」という形で表示いたしますと、具体的な原産国がどこなのかというのが容器包装上の表示ではなかなか分かりにくい部分があるということでございますので、こちらにつきましては、事業者でインターネットなどによりまして自主的に補足的な情報開示に努めるということで、表示の義務ということではございませんけれども、こういった義務表示の限界と申しましょうか、分かりにくい部分について補足できるような形で是非努めていただきたいということで言っておるというところでございます。ただ、このやり方につきましては、各社いろいろな工夫のやり方があると思っております。ホームページアドレスを書くなど、QRコードというのも一つの手法かと思いますので、そこは是非やっていただけたらなとも考えておるところでございます。

2点目、アプリ事業に関しましてですけれども、こちらは、アレルギー表示など安全性に係る部分については容器包装の表面にきちんと書くべきという御意見かと思います。今回のこの実証事業につきましては、表示の優先順位といったことに関しては検証しておりません。デジタルツールを活用して、実際の容器包装の表示はそのままで、これを更に見やすくする、あるいは補足情報を新たに見られるようにするということで、より分かりやすい、使いやすい表示にすることができるかどうかということで実証を実施しているということでございます。

あと、インターネット販売のことに関しましてですけれども、おっしゃられるとおり、消費者で求める情報で消費期限・賞味期限といったもののニーズが高いというような結果が出ておりますけれども、一方で、事業者はそういった情報を提供するのがなかなか難しいということで、やはり一対一の商品管理ということが非常に重要になってくるわけですけれども、インターネット販売の場合にはサイトに載っている情報と実際の商品の一対一でのひも付けがなかなか難しいという状況にあるということで、情報提供するということが難しいという実態にあるということではございますけれども、おっしゃるとおり、こういった期限情報というのは食品を購入する際の非常に重要な情報ということでございますので、インターネット販売におきましても何らか消費者に情報提供する手法がないかということで、正にこのやり方について検討しておりまして、いろいろな手法があるかと思いますけれども、そういったものを紹介するようなガイドブックというものの作成を目指して今検討しているということでございます。

以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、飯島委員、よろしくお願いいたします。

○飯島委員 飯島でございます。

御説明いただきましてありがとうございました。

1点のみ質問をさせていただきたく存じます。

御説明の中で、原料原産地表示は令和4年3月まで経過措置期間が設けられており、遺伝子組換え表示については令和5年4月1日施行であるという話がございました。一定程度のいわゆる猶予期間が設けられているのは、食品表示法3条の基本理念として、消費者の権利利益だけではなく、わざわざ小規模の食品関連事業者の事業活動に及ぼす影響に配慮すると定められていることも関連しているのではないかと推察いたします。

先ほど青木委員から業界団体との協力関係についてお話がございましたけれども、食品表示法が定める規制権限のほかに、こういった小規模事業者等に対する支援なども実際には行われていると思います。施行等を目前にした実際の活動について、教えていただけますと有り難く存じます。よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者庁谷口食品表示企画課長 御質問ありがとうございます。

例えば加工食品の原料原産地表示の全面施行に向けてということでございますけれども、原料原産地表示制度は平成29年に改正して施行したということでございますが、やはり準備に時間が掛かるということもございまして、令和4年3月末までを経過措置期間としております。この間、消費者庁では事業者の対応状況につきまして把握するために、毎年度実際の店舗で販売されている加工食品の原料原産地表示への対応状況を調査しているところでございます。これを見ていきますと、経過措置期間中でありますけれども、実際に原料原産地表示がされている商品が年々増えてきているというような実態もございます。また、経過措置期間の終了が近づいてきているということでございますので、消費者庁にも具体的なその記載ぶりなどに対する問合せも実際に増えてきているということもございます。

消費者庁といたしましては、この新制度への対応が順調に進められるように、経過措置期間終了前までに全ての事業者が対応できるように、事業者向けのリーフレットの作成や配付、説明会などを実施してきておりまして、一層こういった周知や普及啓発を図っていきたいと考えておる次第でございます。

以上です。

○後藤委員長 ありがとうございました。

それでは、受田委員長代理、よろしくお願いいたします。

○受田委員長代理 ありがとうございます。

食品表示企画課の皆様には、ふだん部会の運営等で御一緒させていただいておりまして、ありがとうございます。また、今日は大変分かりやすくまとめていただき、御発表いただきましたことに感謝申し上げます。

私からは2点です。

今、飯島委員から経過措置に向けてのお話、質問がございましたが、具体的な原料原産地表示に関して質問が1点。それから、もう1点、これもほかの委員の方から出ておりますけれども、インターネット販売における食品表示の在り方に関してという内容でございます。

まず1件目、原料原産地表示に関しての全面施行が4月1日ということで目前に迫っております。前回の食品表示部会においても、委員から、これに向けて今どれぐらい準備が進んでいるのか。同時に、部会としても、また、私個人、委員としても、その後のフォローアップを含めても、しっかりと国民の理解度を増していくように啓発運動を進めていかないといけないと思っているところでございます。一方で、食品表示に関する消費者意向調査を参照いたしますと、原料原産地表示については、項目ごとで見ていきますと目標値には全く達していないという現状が現実の数字として出ているところでございます。

質問としては、今、目標値に対して未達の状態であるということ、この客観的数字をどういうふうに御覧になられていて、先ほどお話があったように、それを進めて改善していこうということを、具体的にこの数字を見ながらどうPDCAを回していき、フォローアップまでつなげていこうとされているのかという点を是非お伺いしたいと思います。

それから、2点目はインターネット販売における食品表示の在り方、これはコーデックスの議論を睨みつつガイドブックを作成していただくと。ここに大いに期待をしているところでございます。ただ、なかなかコーデックスの議論が進んでいないと仄聞しております。これが遅れれば遅れるほど、結果的には国民からのインターネット販売における食品表示に対する要望が実現しないという現実に至ってしまいます。これはいつまでにガイドブックをと考えておられるかを伺いたいということでございます。

これに関連してですけれども、今、私どもがみんな心配しているのは、安全性に関わる表示が容器縛りであるがゆえに、インターネット販売では消費者に伝わらなくて、事故が起きる。その懸念という部分が非常に心配でございます。伺いたいのは、こういったインターネット販売に対応して市場が伸びていることに対応した形で、安全性におけるトラブルが国セン及び各地の消費生活センター等に寄せられていないのかどうか。あるいは、それをしっかりとモニタリングしているかどうかということを伺いたいと思います。

長くなってすみません。これに関連して、今、取引デジタルプラットフォーム消費者保護法の府令や政令に関する策定が進んでおります。パブリックコメント等も終わっていると伺っております。ここに商品等の出品の停止に関しての府令作成が進んでおり、商品等の安全性に関する事項が商品等の出品停止に関するよりどころになっていくと思います。

先ほど申し上げたことと関連して、この安全性という部分については、インターネット販売については根拠になる部分が今ぜい弱であるということが推察されるので、先ほど言いましたように、インターネット販売における表示の在り方を、取引DPF消費者保護法とすり合わせて、しっかりと策定を急がなければいけないという状況にあるのではないか。この点について消費者庁全体としてどういう考えておられるかを伺えればと思います。

以上です。

○後藤委員長 お願いします。

○消費者庁谷口食品表示企画課長 御質問ありがとうございます。順にお答えいたします。

まず、原料原産地表示制度に関しての質問でございますけれども、原料原産地表示制度につきましては、先ほど申し上げましたとおり、普及啓発に努めてまいりたいと考えておりますが、原料原産地表示制度は全ての加工食品を対象にしたということでございまして、消費者に提供する情報量の拡大という意味ではメリットがある一方で、なかなか難しい複雑な制度になっておるということでございます。これが消費者の誤認を招かないように商品選択に十分に活用されるようにということでやっていきたいと思っておりますけれども、経過措置期間がこの3月末で終わりますが、終了後、実際の例外表示などを行っている事情なども含めました事業者の対応状況や、消費者の側の理解度の調査なども実施していきたいと考えております。こういった状況も踏まえまして、今後の検証をしっかりやっていきたいなと思っているということでございます。

続きまして、2点目のインターネット販売に関するものでございます。委員がおっしゃられるとおり、コーデックスの議論というのは現在なかなか進んでいないという部分でございますけれども、消費者庁といたしましては、コーデックスの議論も踏まえつつではありますが、インターネット販売が非常に伸びているという状況も踏まえまして、ガイドブックにつきましては早急に出すべきと考えておりまして、来年度の4年度に入ってからですけれども、できるだけ早い段階で公表していくようにしたいと思っております。公表後におきましても、今後更に国際的な議論などが進んでいけば、そういったガイドブックについても随時改訂していくような形で、まずは消費者庁としては来年度の早いうちにガイドブックという形で出していくことを目標に進めているということでございます。

また、安全性に関わる問題というのは大変重要な問題だと考えております。インターネット販売においての食品の購入が伸びているということではございますけれども、今後、そこでの情報提供を進めていくということもございますし、一方で、食品につきましては実際の容器包装に表示というのは、引き続き食品表示法に基づく表示がきっちりされているということでございまして、実際に届いた商品につきましては、きちんと容器包装上にルールに基づいた表示がされているということでございますので、直ちに何か安全性に関する問題が生じるということではないかとは思うのですけれども、こういったインターネット販売が増えることによってどういったトラブルが起こるかということについても引き続き注視していきたいと考えております。

以上です。

○後藤委員長 ありがとうございました。

それでは、黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 私はトクホの後で結構でございます。すみません。

○後藤委員長 そうですか。

それでは、どうもありがとうございました。

他にございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

続きまして、2番目の問題でありますけれども、保健機能食品制度の在り方の検討について、5分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁食品表示企画課森田保健表示室長 それでは、食品の機能性表示制度につきまして、保健表示室長森田から御説明をさせていただきます。

15ページ目のスライドをお願いします。

成分の機能性を表示することができる食品として、特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品の3つがあり、これらをまとめて保健機能食品と呼んでおります。

それぞれの違いといたしましては、特定保健用食品は許可制である一方、機能性表示食品は事前届出制となっており、また、栄養機能食品は栄養成分を対象として表示の基準が設定され、その基準が満たされていれば許可や届出といった手続なしで表示できる制度となっております。

16ページ目を御覧ください。

これは、特定保健用食品と機能性表示食品の件数の推移について示したグラフです。黄緑色のカラムが特定保健用食品、青いカラムが機能性表示食品で、数字は各年度末の許可、または届出公表件数を示しております。特定保健用食品の件数については、近年ほぼ横ばいで1,000件強、機能性表示食品の件数は年々増加し、昨年度末で3,400件を超えるまでになりました。

17ページ目を御覧ください。

こうした背景を踏まえ、令和元年度には特定保健用食品でのみ表示が可能な生活習慣病等の疾病リスク低減表示について、運用拡大の可能性を検討するための基礎資料を得るため、諸外国における制度や運用状況の実態調査を実施しました。昨年度は、その調査結果を踏まえ、検討会を開催し、疾病リスク低減表示の今後の運用の方向性について検討いたしました。

18ページ目を御覧ください。

検討会で取りまとめられた今後の運用の方向性といたしましては、大きく2点ございます。

1点目は、既許可のトクホに類似の表示のうち、むし歯のリスクを低減する旨の直接的な表示や現行の基準の許可文言の見直しについて、速やかに具体的な対応を進めるというものでございました。これを受け、消費者庁では本年度調査事業を実施しており、その結果を踏まえて、基準を示している通知改正を行う予定としております。

2点目は、トクホ制度創設以降の我が国の健康・栄養政策等の状況変化を踏まえ、トクホの位置付けや疾病リスク低減表示の役割等、トクホ制度全般に関わる考え方について検討していく必要があるというものでございます。これに関しては、検討に必要な情報収集を進め、今後、制度全般の検討を行うことを考えております。

19ページ目のスライドお願いします。

検討会で示された今後の運用の方向性以外にも、本年度、特定保健用食品制度の改善等の取組として審査手続の簡素化等による運用改善や疾病リスク低減表示の個別申請への相談対応を行っております。

20ページ目のスライドをお願いいたします。

次に、機能性表示食品に関して少し御説明させていただきます。

機能性表示食品は事前届出制であり、販売の60日前までに、このスライドにお示ししたように表示の内容や、安全性や機能性の根拠に関する情報等についてデータベースシステムを通じて消費者庁長官に届け出ることとされております。届出は、消費者庁において必要な情報が記載されているか、記述に明らかな不整合がないか等、届出資料の形式的な確認を行い、不備がなければ届出を公表しております。

次の21ページ目のスライドをお願いします。

このスライドは、届出を公表した件数を届出日のベースで年度ごとにまとめたものになります。上段が年度の総数、下段が1か月当たりの平均の数値であり、年々増加し、本年度は1か月当たり100件を超えるような状況になっております。

こうしたことから、届出確認業務の合理化が大きな課題となっておりまして、そのための外部団体の活用等を図ることを検討したいと考えております。

私からの説明は以上でございます。

○後藤委員長 ありがとうございました。

それでは、御意見のある方は発言をお願いいたします。質疑応答の時間は15分程度を予定しています。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村です。

御説明ありがとうございます。

私は新開発食品の部会に属しておりまして、トクホのことも検討させていただいている立場ではあるのですけれども、そこでいつも思うのは、トクホの制度自体が設置されてから年月がたっていることもありまして、今の食生活の実態に合っているのかと常々感じるところがあります。様々な食品が出てきまして、今回18枚目のスライドにもありますけれども、むし歯のリスクということで対応を進めているということと、今後対応ということもあるのですけれども、様々な食品が出てくる中で、これをトクホにしたいという企業、そして、これをトクホとして食べたいという消費者の間でいろいろなズレが出てくると思いますので、ここは今後適宜見直していく必要があると感じるところです。

もう一つ、トクホについては、消費者から見ると、もちろんマークが付いているから分かるのですが、機能性表示食品はキャッチコピーが大変キャッチーでとても惹き付けるものがあるので、やはりそちらを選んでしまうというところがどうしてもあると思います。そのキャッチコピーがきちんと正しいのかなど、どうなのだろうというのは常々疑問に感じているところです。そこのところ、表現については決まりがどの程度あるのかというところをもう少し詳しく教えていただければと思います。

消費者としては機能性表示食品とトクホの違いが分かりにくいというのはどうしてもあると思いますので、そこも課題でないかと思っております。

以上です。

○後藤委員長 よろしいでしょうか。

○消費者庁食品表示企画課森田保健表示室長 表示のキャッチーな部分に対する御質問ということでございますけれども、特定保健用食品にしろ、機能性表示食品にしろ、許可をした、あるいは、届け出られた表示というものがございまして、その内容につきましてはしっかりと表示されているということです。それを容器包装の表示の中に一部切り出して表示をするということでございます。

その内容は、許可された、あるいは、届出された表示の内容を逸脱しないようにというような基本的な考え方がございますけれども、トクホに関しましては、先ほど言いました消費者委員会の部会の中で御議論いただきながら、容器包装の表示も御指摘などを受けているという状況でございますけれども、機能性表示食品につきましてはそうしたことはございませんで、事業者で正に範囲内ということで表示されているということでございます。若干そうしたことが容器包装の表示のところの差になってきているかと考えております。

こうしたところがどのように消費者に受け取られるかということに関しましては、今、私どもとして何か言及できるような情報は持ち合わせておりませんけれども、そういったところの問題点は担当といたしましては認識しているということでございます。

○木村委員 ありがとうございます。

例えばこれはちょっと問題でないかなどと言った、苦情と言うか意見といったものはそちらにはお寄せいただいていないのでしょうか。

○後藤委員長 お願いいたします。

○消費者庁食品表示企画課森田保健表示室長 そうした御意見等を持っていらっしゃる方もいらっしゃるかと思いますけれども、具体的にまとめてこうしたものがある、というところまで我々としてまとめているものではございません。そうした御意見があろうということは認識してございます。

○木村委員 ありがとうございます。是非まとめていただければと思います。よろしくお願いします。

○後藤委員長 ありがとうございます。

ほかにございますか。

それでは、受田委員長代理、よろしくお願いいたします。

○受田委員長代理 ありがとうございます。

森田室長、御説明ありがとうございました。

トクホあるいは保健機能食品全般として2点質問でございます。

先ほども引用させていただきましたけれども、食品表示に関する消費者意向調査の中で、保健機能食品のトクホや機能性表示、栄養機能食品に関する理解度増進ということについて定点で調査をしていただいております。これについては非常にしっかい的に調べていただいているということで、大変参考になる資料だと思っています。

一方で、この数字をずっと眺めていると、例えばトクホは30年の歴史を超えて、もっともっと認知され、理解されておかないといけないと思うのですけれども、完全に理解度も傾向としては頭打ちです。機能性表示が唯一制度的には27年度以降ということで新しく、また、届出の品目も数が伸びているということと相まって理解度も進んでいるのではないかと思いますけれども、ここもやはり少しレベルオフしてきているのかなと思います。さらに、栄養機能食品に関してはなかなか進まないというのが実態だと思います。

この数字の変化というのをどう御覧になられているかを伺いたいのですけれども、恐らくこの答えも啓発努力をされますということではないかと思っております。申し上げたいのは、啓発のこれまでの手法がもはや限界を迎えていて、相当大きな工夫なくして理解度の目標値達成は不可能であるという認識をしておられるかどうか。その上で、私自身が一つ考えているのは、例えば北海道であれば、道庁がヘルシーDoという制度を作ってかなり長い年月運用をされております。それから、四国ではヘルシー・フォーというものが民間認証制度として立ち上がっております。こういった地域発の草の根の運動が全体の底上げにつながっていくようなことを、先ほど青木委員から産業界との連携というお話がありましたけれども、更に地域も巻き込んで産学官民が連携をする動きなくして目標達成というのはなかなか難しいのではないかと思います。そういう意味で、こういう地域発のものを一緒に取り入れていくような考え方が消費者庁としてないのかどうか、それを伺いたいというのが一点です。

2点目はトクホに関してです。疾病リスク低減トクホがどういう動いていくかということについて、これまでの検討会の取りまとめを、今、その後の動きとして注視しております。しかしながら、抗う蝕性と言いますか、むし歯というものが取り上げられているという以上の展開はなかなか難しいのかなと。検討会の取りまとめ内容は一般国民から見ると期待外れなのではないかなというのが私個人としての率直な意見です。例えば加齢黄斑変性に対してルテインが有効だなんていうのは相当科学的エビデンスがあるように思うのですけれども、今後、消費者庁としてまたこれでむし歯で終わるのかどうか。トクホの国民への活用という、人生100年時代を睨みつつ非常に有望な品目だと思うので、伸ばすことに関して、お考えがあるかどうかお聞かせいただければと思います。

○消費者庁森田保健表示室長 それでは、お答えさせていただきます。ありがとうございます。

まず、保健機能食品に関しての意識、理解度の向上ということでございます。委員がおっしゃるとおり、正に普及啓発に努めていくということでございます。ただ、従来のようなことをそのまま横に引いていくだけであれば、恐らくこの数字は変わっていかないのではないかという意識は担当としては持ってございます。

そのための方法として、委員の地域の活力等を利用してということだと思います。正に認識、理解度を高めていくというのは、消費者側に露出と言ったらおかしいですけれども、情報に触れる機会を多くするということだと考えれば、いろいろなチャネルで、産業界あるいは地域なりにそうした取組に協力していただいて、保健機能食品制度を理解してもらえるような形で何かできないかというのは考えられることだと思っております。今、具体的にそういった道筋ができているわけではございませんので、できる、できないというのは申し上げられませんけれども、重要な御示唆を頂いたと考えておりますので、今後の普及啓発についての取組を考えていきたいと思っております。

それから、トクホの疾病リスク低減表示についてでございます。疾病リスク低減表示に関しましてはこれまでの考え方というものがございまして、その考え方に従ってむし歯なりを追加すること等を考えているわけでございます。ただ、トクホにつきましては、検討会の中でも示されておりますとおり、今後の全般的な在り方をまず考えた上で整理するということになっております。そうした全般的な在り方の整理の中で今後のトクホはどういう方向に行くべきか、どうするべきかということも踏まえて考えていきたいと思っております。

以上でございます。

○後藤委員長 ありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。

それでは、黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 黒木でございます。

今日は本当に貴重なお時間を頂きまして、食品表示の問題について御説明いただきましてありがとうございます。

食品表示法5条は食品関連事業者の食品表示基準に従った表示がされていない食品の販売をしてはならないと書いてあるわけでございまして、この規範の重要性が表示基準を議論するものの根拠になっていると考えております。

本日は意見ですけれども、実は1月22日に放送されましたTBSの報道特集で輸入アサリに関してのアサリの産地偽装の報道がなされておりました。その内容と本日頂きました資料1-2の生鮮食品の表示義務制度、それから、食品表示基準のQ&Aで消費者庁が出されているものの生鮮食品に関する第18条関係ということで199ページ以下のQ&Aとかも参照させていただきましたけれども、仮にTBSの報道が正しいということになると、これは大変な問題ではないかと思いました。

したがって、これは委員としての一個人の意見ですけれども、やはり食品表示に関する制度の信頼性を確保するためには、正に5条の販売してはならないという規定を確実にするための執行体制というものについても、是非このアサリの問題を一つの例として御検討いただきたいと思っております。

実際、土曜日に放送を見てから昨日までいろいろなスーパーを見て回っていますけれども、1店舗だけ北海道産というのがありましたが、あとは全部熊本産でした。ということもありますので、これは意見でございますけれども、伊藤長官も一昨日この問題について記者会見で発言されているようですので、是非とも前向きに御検討いただいて、こういうような問題をなくしていただきたい。食品表示法が25年に制定される前に事故米とかいろいろな問題があってこの法律ができたと理解しておりますので、今回、消費者の信頼を大きく損なうような事態が報道されていますから、農水省と協力の上で、執行の関係でも御検討いただければと思っております。

以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

黒木委員、ただいまの御発言は意見ということで、特に回答を求める趣旨ではないということでよろしいでしょうか。

○黒木委員 はい。これは意見です。よろしくお願いします。

○後藤委員長 それでは、以上にさせていただきたいのですが、特にございますか。よろしいですか。

それでは、以上にいたしたいと思います。

御説明、そして、御回答を頂き、ありがとうございました。

消費者庁におかれましては、消費者委員会の提言への対応を含め、消費者により活用される食品表示制度とするため、様々な課題に着実に取り組んでいるということを理解いたしました。

しかしながら、本日の意見交換のやり取りを伺いますと、消費者に活用される分かりやすい食品表示制度であることの重要性について、様々な角度から意見が述べられていたと思います。これらの意見を踏まえて取り組んでいただきたいと思います。

また、コロナ禍の下で社会のデジタル化が進展し、インターネット販売による食品の購入が増加している現状において、情報提供の在り方について検討を行うことは急務であると感じました。コーデックスにおける国際的な議論の動向を踏まえることは重要と理解しておりますが、急速な環境の変化に伴う新たな課題に対して可能な限り早急に取り組んでいただくことを期待します。これにつきましては、先ほどガイドブックを早急に公刊するというお話がありましたが、それを含めて取り組んでいただくことを期待します。

それから、特定保健用食品については、制度の運用改善に向けた取組に着手されているとのことですけれども、消費者庁の検討会の報告にありますように、制度創設時からの状況の変化を踏まえ、制度全般に関わる考え方についての再検討が求められる時期に来ていると考えられます。今後、このような観点から具体的に検討が進められていくことを期待したいと思います。

消費者委員会としましても、本日のヒアリング結果も含め、引き続き取組状況を注視し、必要に応じて調査審議を行ってまいりたいと思います。

消費者庁におかれましては、お忙しいところ、審議に御協力いただきましてありがとうございます。

どうもありがとうございました。御退席ください。

(消費者庁食品表示企画課退室)

《4.ワーキング・グループの設置について》

○後藤委員長 それでは、次の議題はワーキング・グループ設置・運営規程改正についてです。

事務局より5分程度で御説明をお願いいたします。

○太田参事官 事務局でございます。

まず、資料3-1を御覧ください。

消費者委員会ワーキング・グループ設置・運営規程の改正案となります。

本則といたしまして第1条から第9条までございまして、ワーキング・グループの設置運営等について規定してございます。今回、本則の改正はございません。

そして、後ろに別紙ということでワーキング・グループの名称・目的・構成員ということで規定がされてございますが、今回はこの別紙を改正するということでございます。

改正点を明らかにするために、資料3-2というものをお配りしてございますが、こちらの新旧対照を御覧いただければと思います。

消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループにつきましては、第5次、第6次に引き続き設置するものでございます。第7次におきましては、第6次からの引き継ぎ事項であります消費者の被害回復のための悪質事業者の財産保全措置等の残された論点について検討するということを予定してございます。

ここにございますように、構成員につきましては、後藤委員長から御指名頂きまして、木村委員、黒木委員、それから、後藤委員長ということになってございます。座長につきましては後藤委員長、座長代理につきまして黒木委員にお務めいただきたいということでございます。また、大石委員にはオブザーバーとして御参加いただくということでございます。

それから、デジタル化に伴う消費者問題ワーキング・グループにつきましては、新たに設置するものでございます。このワーキング・グループにおきましては、目的に記載のとおり、デジタル化の進展により、SNSの投稿や広告を端緒とした消費者問題等が増加しているといった現状を踏まえまして、被害防止及び救済の在り方について検討することを予定しております。

構成員につきましては、後藤委員長から御指名頂きまして、飯島委員、後藤委員長、清水委員ということになってございます。座長は後藤委員長、座長代理は飯島委員ということでお願いしております。また、大石委員と黒木委員にはオブザーバーということで御参加いただきます。

なお、第6次において設置しておりました消費者関連情報の提供の在り方検討ワーキング・グループにつきましては、第6次において報告書を取りまとめて役目を終えましたので廃止するということとしてございます。

御説明は以上でございます。

○後藤委員長 ありがとうございました。

御質問、御意見はございますか。

このとおり決定してよろしいでしょうか。

(首肯する委員あり)

○後藤委員長 特に御異論はないということですので、このとおり決定し、審議を進めていきたいと思います。ありがとうございました。

《5.その他》

○後藤委員長 続きまして、その他事項といたしまして、消費者委員会に寄せられた意見等の概要につきまして事務局から説明をお願いいたします。

○太田参事官 事務局でございます。

参考資料1を御覧ください。令和3年10月1日から令和3年12月31日までに委員会に寄せられた要望書・意見書・声明文等の一覧でございます。

この3か月の間に委員会に寄せられた意見書等につきましては合計24件でございます。

内訳につきまして、分野別に御紹介いたします。

まず、取引契約関係で16件いただいているということでございまして、一番多かったのは成年年齢引下げに伴う若年者の消費者被害の拡大防止対策といったことで、地方の各弁護士会より計10件寄せられているということでございます。委員会といたしましても、こういった御意見を踏まえまして、昨年12月17日に成年年齢引下げに関する意見を発出させていただいたということでございます。

それから、消費者契約法の検討会の報告書に関する御意見を2件ほど頂いております。

それから、1ページ目の真ん中ほどに日弁連から超高齢社会における消費者の安全安心の確保といった形で決議を頂いてございます。

1ページ目の一番下でございますが、特商法等の契約書面等の電子化に関する御意見が1件ということでございます。

それから、2ページ目の中ほどでございますが、SNSの事業者の本人確認義務化に関する御意見など、3ページ目の一番上にネット取引に関するトラブル防止といった観点でそれぞれ御意見を頂いているというような状況でございます。

4ページ目を御覧いただきますと、集団的消費者被害救済制度につきまして、3件ほど御意見を頂いております。消費者庁の検討会の報告書を踏まえてしっかり法改正を行うとともに、残された課題について引き続き検討を行ってほしいといった趣旨の御意見であると承知しております。

それから、食品表示関係で1件頂いておりまして、容器包装の表示に関する申入れということでございます。こちらにつきましては、発信者の団体から回答の要請をいただいておりまして、内容につきまして委員間打合せで御議論いただきまして、回答も返させていただいたということでございます。

意見書の内容のポイントでございますけれども、一般に流通しているようなティーバッグなど、だしのパックといったものからマイクロプラスチックが検出されている可能性があるというような研究結果が出されたといったことを受けまして、そういったパックの材質が何であるかといったことを何らかの形で表示できるようにすべきではないかというようなことでございます。

これに対する回答でございますけれども、ポイントを申し上げますと、マイクロプラスチックの人の健康への影響につきましては、現時点では知見や情報が限られておりまして、現在、食品安全委員会におきましても情報収集を行っているというような段階であるということでございまして、消費者委員会ではこういった消費者安全委員会等における議論、それに伴う各種の動向を注視しながら、必要に応じて適切に対応していくというような形で回答をさせていただいたということでございます。

それから、その他といたしまして4件ということでございまして、電気通信サービスにおける消費者保護施策の充実といった各種の案件につきまして御意見を頂いているところでございます。

事務局からの御説明は以上でございます。

○後藤委員長 ありがとうございました。

何か御意見等がございましたらお出しください。

木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 木村です。

御説明ありがとうございます。

私からは、4ページ目にあります容器包装の表示に関する申入れについてですけれども、現時点での回答は確かにそのとおりなのですが、マイクロプラスチックの問題というのは様々なところで報道されていますので、今後も問題は出てくると思いますので、是非消費者委員会としても注視していきたいと思いますし、いろいろと検討していければと考えております。

以上です。

○後藤委員長 ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

どうもありがとうございました。

これらの意見書につきましては、今後の動向に注視するとともに、必要に応じて消費者委員会の調査審議において取り上げることにしたいと思います。


《6.閉会》

○後藤委員長 本日の議題は以上になります。

最後に、事務局により今後の予定について説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日も大変御熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。

次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通じてお知らせいたします。

以上でございます。

○後藤委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところ、集まりいただきましてありがとうございました。

(以上)