第355回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2021年10月18日(月)13:00~13:40

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (テレビ会議)後藤委員長、飯島委員、生駒委員、受田委員長代理、大石委員、木村委員、黒木委員、清水委員、星野委員
  • 【説明者】
    消費者庁奥山取引対策課長
    金融庁企画市場局市場課豊永市場機能強化室長
  • 【事務局】
    加納事務局長、渡部審議官、太田参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 特定商取引法について(特定商取引に関する法律施行令の一部改正について)
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

〇後藤委員長 本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから第355回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、私が会議室で出席、受田委員長代理、飯島委員、生駒委員、大石委員、木村委員、黒木委員、清水委員、星野委員がテレビ会議システムにて御出席です。青木委員は御欠席です。

開催に当たり会議の進め方等について、事務局より説明をお願いいたします。

〇太田参事官 本日もどうぞよろしくお願いいたします。

配付資料は議事次第に記載のとおりでございます。お手元の資料に不足等がございましたら事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上でございます。


《2.特定商取引法について(特定商取引に関する法律施行令の一部改正について)》

〇後藤委員長 本日の議題は、特定商取引法施行令における一部改正についてです。

特定商取引法は、事業者による違法、悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。

具体的には、訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールとクーリング・オフ等の消費者を守るルール等を定めています。

政令の改正の際には、特定商取引法第64条第1項及び第2項の規定に基づき、消費者委員会に諮問することとなっております。

今般、金融商品取引法の改正によって規定された業務について、特定商取引法の適用除外とする旨を伺っており、資料1-1のとおり、本年10月15日に内閣総理大臣から消費者委員会へ諮問があったところです。

本日は、この諮問事項について消費者庁及び金融庁からヒアリングを行い、審議を行った上で、委員会としての判断を示すこととしたいと思います。

本日の御説明者として、消費者庁取引対策課奥山課長、金融庁企画市場局市場課豊永市場機能強化室長にお越しいただいております。お忙しいところありがとうございます。

それでは、よろしくお願いいたします。

○消費者庁奥山取引対策課長 まず、消費者庁から概要につきまして御説明を申し上げます。資料につきましては、お手元の1-2でございます。

先ほど委員長からもおっしゃっていただきましたが、金融商品取引法の改正に伴いまして、新たに特定商取引法から除外すべき業務が2類型あると認められますので、御審議をお願いしたく御説明に参りました。

まず、特定商取引法26条の規定によりまして、ほかの個別の法律によって消費者保護が適切に図られると認められる商品の販売や役務の提供につきましては、法の適用を除外することとしています。

その判断の基準でございますが、資料1-2の2ページでございます。3つ目のマルでございます。特定商取引法の適用除外の判断基準については、各個別法について、実効ある規制体制が構築されているか否か、つまり不当な勧誘や広告等について、ア、消費者被害に対する是正措置が整備されていること。イ、是正措置を発動することが可能となるような法目的との整合性の2点を満たしているか否かが問われます。

この点につきまして、改正金商法で、今回、新たに定められた2類型の業務は、この2点を満足しているという整理をしておりますことから、政令を改正しまして、2つの業務を追加することとしたいと考えてございます。

今回の改正により金融商品取引法で定められた、新たな2類型の業務につきましては、金融庁から御説明をさせていただきたいと考えてございます。

お願いします。

○金融庁企画市場局市場課豊永市場機能強化室長 金融庁企画市場局市場課市場機能強化室長の豊永でございます。よろしくお願いいたします。

それでは、今回、金商法改正により、2つの新しい制度が設けられましたので、そちらについて御説明をさせていただきます。

資料の1-4がございますが、そちらの6ページを御覧いただければと思います。

金融庁では、国際金融センターの実現を目指しまして、様々な施策を、今、行っておりますが、今回、新しい類型を2つ作るというのもその一環でございます。

こちらにつきましては、今年の通常国会で御議論をいただきまして、金商法・・・。

(会場の音声環境の調整)

○金融庁企画市場局市場課豊永市場機能強化室長 では、最初から、私、金融庁の企画市場局市場課の豊永と申します。よろしくお願いいたします。

金融庁では、現在、国際金融センターを目指して、様々な施策に取り組んでいるところでございまして、今回、御議論いただく2つの新しい制度につきましても、その一環ということで、今、進めておるものでございます。

この新しい制度につきましては、金商法の改正を行っておりまして、今年の通常国会、5月に成立をしております。そこから6か月以内の施行ということになっておりますので、11月には施行する予定でございます。

では、制度の内容について御説明をいたします。

資料の1-4という資料がございますが、そちらを御覧いただければと思います。

この資料自体は、金商法改正を含む法律案全体の説明資料になっておりまして、本日はその中で金商法に関する部分、6ページでございますが、6ページについて御説明をさせていただきます。

では、6ページを御覧ください。

最初、この四角のところでございますが、グローバルな拠点再配置の加速に呼応して、海外の金融機関、資金を取り込み、日本市場が国際金融センターとしての機能を発揮していくということを目的としまして、海外の運用業者が参入しやすい制度を作るというのが、今回、この制度の目的でございます。

1つ目の制度としまして、海外で当局による登録を受け、海外の顧客資産の運用実績がある投資運用業者。

2つ目としまして、主として海外のプロ投資家を顧客とするファンドの投資運用業者。

これらの業者につきまして、簡素な手続、通常は登録が必要になるわけですが、簡素な手続、届出による参入を認めるというものでございます。

ただ、簡素なと言いましても、参入の際には、人的要件を満たしているものでないと、この制度は利用できないということにしております。

また、マル1の制度、海外当局で、現に登録を受けている業者につきましては、そもそもこの制度自体が5年間の時限措置ということでつくられております。

では、下の絵に沿いまして、制度の具体的なイメージを御説明いたします。

まず、海外で投資運用業を行っている業者がおりまして、その業者が、マル1移行期間特例制度ということで定義をしておりますが、今、御説明いたしました海外で当局による登録を受けている業者ということで、こちらは、投資家は海外の顧客のみということになります。

ただ、一部例外的に、例えば、日本で金商法の登録を受けている投資運用業者というものを顧客にするということは、例外的に認めておりますが、基本的に顧客は全て海外の投資家ということを想定しておりまして、そのような業者が日本に拠点を設けて、その業務を行うということを考えております。

2つ目が、この一番右下のところですが、主として海外の資金を運用するファンド運用業ということで、こちらは「主として」と書いておりますのは、ここで扱うファンドの資金の50パーセント超の部分を、海外の資金にしてくださいという制度です。

ということですので、半分未満の部分につきましては、国内の投資家を相手にすることができるということになりますが、国内の投資家につきましては、金商法上、プロ投資家と呼ばれているものに限定をする予定でございます。

海外の投資家につきましても、こちらのマル2は、海外当局の登録を受けているという要件は付けておりませんが、その場合、対象となる顧客は、やはり海外のプロ投資家ということを想定しております。

イメージとしましては、まずはマル1の移行期間特例ということで、日本に拠点を設けてもらって、その後、今、右側に投資運用業、プロ向け投資運用業、プロ向けファンド業務で、今回、新しく作ります、主として海外の資金を運用するファンド運用業とありますが、このいずれかに、最終的には移っていただくということを想定しております。

必ずマル1の移行期間特例というのを経由しなくても、直接マル2の主として海外の資金を運用するファンド、こちらに参入できる業者については、入ることも可能となっております。

これらの業者につきましては、届出制度ということにはなっておりますが、通常の監督権限ですとか、検査権限、あと監督権限の中に入ってまいりますが、例えば、業務停止命令とかというものは、制度上を設けておりまして、通常の登録業者、あと届出業者と同様の監督ができるという制度にしております。

御説明は、以上になります。よろしくお願いいたします。

○後藤委員長 ありがとうございました。

それでは、御質問等ある方は、御発言をお願いいたします。

なお、質疑応答の時間は15分間を予定しています。よろしくお願いいたします。

お願いいたします。

○受田委員長代理 今、チャットに皆さん入力されているのですけれども、先ほどの音声が、やはり途中から徐々にまたこもって、聞こえなくなってきていました。せっかく御説明いただいているのに、なかなか集中できない状態だったのではないかと思います。

それで、環境を整えていただくのが、まず、先決かと思うのですけれども、質問としては、先ほどの御説明として、3ページとか4ページに関しては、なかったかと思うのですけれども、ここは、今回の話では関係していないということなのでしょうか。

○金融庁企画市場局市場課豊永市場機能強化室長 金融庁の豊永です。

音声は大丈夫でしょうか。

(会場の音声環境の調整)

○加納事務局長 恐れ入ります、6ページの今回の業務の部分についてだけ、金融庁からもう一度御説明をいただくことでやりたいと思いますので、お聞き取りにくい場合は、随時おっしゃっていただければ、また、対応を考えたいと思います。

○豊永市場機能強化室長 金融庁の豊永です。もう一度御説明いたします。

今回は、6ページのみが関係しますので、ほかのページは、関係ありませんので、よろしくお願いいたします。

6ページに2つ新しい制度を作るということが書いておりまして、1つ目が、この絵でいきますと、マル1の移行期間特例制度というものが1つ目、2つ目がマル2というところで、主として海外の資金を運用するファンド運用業となっております。

マル1の移行期間特例制度というのは、こちらは、どういう業者を想定しているかと言いますと、現に海外で海外当局による登録を受けて監督を受けている業者が、日本国内に拠点を設置して、そのまま業務を行うということでございます。

その場合、海外で既に登録を受けて業務を行っているということでございますので、顧客は全て海外の投資家ということになります。

ただ、例外といたしまして、この移行期間特例制度で、国内の顧客を相手にして良い場合としまして、例えば、国内で、今、金融商品取引法の登録を受けて投資運用業を行っている業者とか、あと、この会社の関係者というものは、例外的に顧客にして良いということにしておりますが、原則としましては、顧客は海外の投資家のみということになります。

2つ目の制度でございますが、主として海外の資金を運用するというところで、主としてというところの意味は、ここで運用する資金の50パーセント超が海外の資金であるということでございます。

ということは、50パーセント未満の部分については、国内投資家を相手にするということもできるわけでございますが、国内投資家につきましては、金融商品取引法の中で言うプロ投資家を相手にすると、そこは制限をかける予定でございます。

この2つの制度につきましては、簡素な手続、届出による参入を認めるということでございますが、入ってきた後の監督の制度としましては、通常の登録業者、届出業者と同様に、検査・監督権限がございますし、その監督権限の中には、業務停止命令とか業務廃止命令というものもございます。

ということでありますので、通常の、今、金商法で監督を受けている投資運用業者ですとか届出業者と同等の監督体制があると、備えられているということでございます。

御説明は以上でございますが、いかがでしょうか、聞こえておりましたでしょうか。

○後藤委員長 委員の皆さん、いかがでしょうか、音声は明瞭に聞こえましたでしょうか。

○受田委員長代理 受田ですけれども、ほかの皆さんも同じだと思います。クリアではなかったのですが、先ほどと比較すると、おっしゃっておられる内容、理解できました。ぎりぎりです。

○後藤委員長 それでは、先に進んでよろしいでしょうか、委員の方々から御質問を受けると。

○受田委員長代理 はい、結構です。大石委員からも御質問があるようですので。

○後藤委員長 それでは、大石委員から、よろしくお願いいたします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

今、御説明いただいた中で、マル1で質問させてください。最長は5年間ということですが、その途中はどうなっているのでしょうか。どこかが監視して、1年ごとに承認するなどの制度になっているのでしょうか。それとも、本人が5年間と申請すれば、そのまま5年間続けられるのかというところを1つ教えてください。

それから、もう一点ですけれども、マル2のところの「主として」と書いているわけですけれども、実際には、50パーセント以上というお話でした。ここは「主として」と書いてあれば、50パーセント以上ということを示すということなのか、少し疑問に思いましたので、その2つを教えていただければと思います。

○金融庁企画市場局市場課豊永市場機能強化室長 ありがとうございます。豊永です。

最初の御質問のマル1の移行期間特例で、5年間という期限が付いているということですが、すみません、ちょっとややこしいのですが、この制度自体、届出をしてから5年間業務ができるというものと、あと、この制度自体が5年間の時限措置になっているということがございます。

届出から5年間業務ができるという点につきましては、その1年ごとの更新とかということではなく、5年間はそのまま継続して業務ができることになります。

2つ目の「主として」というところでございますが、金商法上「主として」という言葉を使っておりますと、基本的には50パーセント超ということを指しております。

すみません、お答えになっておりますでしょうか。

○大石委員ありがとうございます。了解いたしました。

ただ、マル1についてですが、5年間ということについては、長過ぎるということもなく、普通の長さであるとの理解でよろしいでしょうか。

○金融庁企画市場局市場課豊永市場機能強化室長 今の点につきまして、金商法の登録制度とか届出制度の中には、他法では何年かに1回登録を更新という制度はあるのですが、金商法の中では、一度登録をしてしまえば、その登録がずっと更新という手続なしに続けられることが可能になっておりまして、金商法の中で見ますと、特に異例の制度ではないという考えでございます。

○大石委員 分かりました。ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかに、ございますか。

委員の方々、ほかにございませんか。

それでは、多少、音声障害がありましたけれども、特に御質問に対しては、音声障害があっても差し支えなかったということで扱わせていただいてよろしいでしょうか。委員の方々で、これでは困るという方がいらっしゃったら、お知らせいただきたいのですが、いかがでしょうか。

よろしくお願いします。

○清水委員 これでは困るということではないのですが、相談の現場では、一般は対象外というものでも、特別な人はオーケーみたいな形で悪用されることを懸念しています。特に特商法特商法の除外になると懸念しているのですが、今回の話を聞きまして、届出のみとしたとしても、登録制度と何ら変わりない監督をしてくということで、金融庁も消費者被害になるということを想定していないと思いますので、その点は大丈夫という理解でよろしいでしょうか。

以上です。

○後藤委員長 ありがとうございました。

これは、いかがでしょうか。

○金融庁企画市場局市場課豊永市場機能強化室長 金融庁の豊永です。

御指摘の点は、確かに金商法の登録や届出を制度として設けてはいても、今でも無登録とか、無届けで顧客に勧誘したり、商品を売りつけたりという場合は、全くないわけではございません。

今回につきましても、そういうことが全くないということは言い切れるものではないのですが、金融庁としましても、無登録であるなど、無届けで業務を行っているということが分かりましたら、そちらについては、また、様々なことをやっておりまして、業者名をホームページで公表するとか、あと、無登録で業務を行っている場合には、裁判所に対して、その無登録を行っている業者に対して業務の停止を命じることを、裁判所に金融庁が申し出るという制度もございます。そちらも活用しながら、無登録、無届け業者による被害というものの拡大を防いでいるという状況にございますので、今回についても、新しい制度につきましても、同様の対応をしていくことになると思っております。

○清水委員 ありがとうございます。グローバルな対応ということですので、引き続き、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

ほかに御意見、御質問はございますか。

よろしいでしょうか。

音声障害があったために、特に質問をするのに質問しづらかったとか、そういうことはないということで扱ってよろしいでしょうか。委員の方々から、何か疑義がありましたら御発言ください。

よろしいでしょうか。

○受田委員長代理 受田ですけれども、結構です。

○後藤委員長 ほかの委員の方は、いかがでしょうか。

よろしいでしょうか。

それでは、確認させていただきましたので、先に進めさせていただきたいと思います。

御質問もないようですので、議論はここまでとし、答申案を配付いたします。

これから会議室及びテレビ会議システムの画面上にて、答申案の配付、表示をいたしますので御覧ください。

ただいま、追加資料として配付しました委員会の答申案は、令和3年10月15日付けで内閣総理大臣から当委員会に諮問のあった事項について、特定商取引に関する法律の趣旨に鑑み、妥当でありその旨答申するというものです。

同意の場合もしくは修正意見がある場合、チャットにてお知らせください。よろしくお願いします。同意の場合も修正意見がある場合もチャットにてお知らせください。よろしくお願いいたします。

それでは、チャットにて委員の皆様全員が、異議がないということを確認させていただきました。

それでは、皆様の御了解をいただいたということで答申したいと思います。

それでは、消費者庁及び金融庁におかれましては、本日は大変お忙しいところ、審議に御協力いただき、ありがとうございました。

○消費者庁奥山取引対策課長 ありがとうございました。

○金融庁企画市場局市場課豊永市場機能強化室長 ありがとうございました。

○後藤委員長 ありがとうございました。


《3.閉会》

○後藤委員長 本日の議題は、以上になります。

最後に事務局より、今後の予定について説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日もどうもありがとうございました。また、音声が乱れまして大変申し訳ございませんでした。

次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通じてお知らせいたします。

以上でございます。

〇後藤委員長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)