第350回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2021年8月19日(木)10:00~11:45

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (テレビ会議)山本委員長、生駒委員、受田委員、大石委員、片山委員長代理、柄澤委員、木村委員、清水委員、新川委員、丸山委員
  • 【事務局】
    加納事務局長、渡部審議官、太田参事官、大岡企画官

議事次第

  1. 開会
  2. 消費者関連情報の提供の在り方検討ワーキング・グループ報告書及び意見案
  3. 消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ報告書及び意見案
  4. その他
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○山本委員長 皆様、おはようございます。

本日は、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。

ただいまより第350回消費者委員会本会議を開催いたします。

本日は、私もテレビ会議システムで出席、それから、生駒委員、受田委員、大石委員、片山委員長代理、柄澤委員、木村委員、清水委員、新川委員、丸山委員もテレビ会議システムにて御出席です。

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、3密を回避しながら消費者委員会会議室及びテレビ会議システムによって会議を進行いたします。

また、感染拡大防止の観点から、引き続き、一般傍聴者は入れず、報道関係者のみ傍聴していただいて開催いたします。

議事録につきましては、後日消費者委員会のホームページに掲載いたしますが、議事録が掲載されるまでは本日の会議の様子を8月20日金曜日15時頃よりホームページにて動画配信いたします。

それでは、配付資料の確認につきまして、事務局よりお願いいたします。

○太田参事官 本日も、どうぞよろしくお願いいたします。

資料は、議事次第に記載のとおりでございます。

不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上でございます。


《2.消費者関連情報の提供の在り方検討ワーキング・グループ報告書及び意見案について》

○山本委員長 本日の最初の議題は、消費者関連情報の提供の在り方検討ワーキング・グループ報告書及び意見案についてです。

消費者関連情報の提供の在り方検討ワーキング・グループは、安全・安心な市場の醸成及び消費者自らが安全・安心な商品サービスを選択できることなどを目的として、消費者関連情報について、事業者等と連携した新たな提供の在り方を検討するために、本年2月に発足いたしました。

発足以来、消費者との情報共有について先進的な取組を行う事業者や地方公共団体、消費者庁及び国民生活センター等へヒアリングを実施し、今般、報告書が取りまとめられたと伺っております。

本日は、ワーキング・グループの新川座長より、当委員会へ報告を頂くことになりましたので、新川座長からよろしくお願いいたします。

○新川委員 新川でございます。

ただいま、山本委員長から御紹介をいただきましたとおりでございますけれども、消費者関連情報の提供の在り方検討ワーキング・グループ、これまで進めさせていただきました。今年2月に発足し、3名の委員、4名のオブザーバーで審議を行ってまいりました。

この度、取りまとめました報告書は、調査審議の結果を踏まえまして、とりわけ、事業者の方々が消費者関連情報を的確に消費者に伝えていただく、そうした活動をこれからの消費者行政の中で、大いに生かしていくことができるのではないか、そういう観点で検討を進めてまいりました。

その際に、私どもが大事だなと改めて感じましたのは、こうした消費者関連情報というのが、消費者に的確に伝わらないという実態に対して、消費者に身近な事業者の方々を通じて消費者に情報を伝達することができるのではないかという観点でございました。

そのときに、このワーキングの中で、1つ得られました重要な結論は、消費者行政と事業者の方々が一緒になって的確な消費者関連情報の伝達の仕方ということを考えていく、必要な情報というのを選び取っていく、そしてそれを利用者の方が消費者の方々に伝えていく、しかもそれは、事業者の方々の本業を通じて、単なる社会貢献ではなく、本業と一体になった社会貢献として伝えていっていただく、そんな新しい、ともに作り上げていく、競争のシステム、その中で対話をしながら、これを働かせていく、そんな仕組みでございました。

こういう報告書での提案、これを基にされまして、今後の消費者行政、とりわけ、消費者の方々に的確に危険情報等々が伝わらない、安全・安心な消費生活の実現につながらない、そういう問題を少しでも乗り越える、そのための新たな出発点にしていただければと考えております。

以上、私からは簡単に、これまでの議論の方向についてお話をさせていただきました。報告書の詳細につきましては、この間、多くの方々の御協力をいただいて、この報告をまとめることができました。

とりわけ事業者の方々の御協力というのが大変ありがたく、改めて感謝を申し上げます。また、委員、オブザーバーの方々、そして、取りまとめを進めてくださいました事務局の方々にも感謝を申し上げまして、なお、詳細については、事務局から御説明をお願いできればと思っております。

よろしくお願いいたします。

○大岡企画官 事務局です。

新川座長、ありがとうございます。

それでは、資料1-3を御覧いただきまして、消費者関連情報の提供の在り方検討ワーキング・グループ報告書、概要を使用して説明させていただきます。

1枚おめくりいただきまして、1ページ、「はじめに」の第1で「事業者による地域や社会に貢献する自主的な取組」としまして、まず、SDGs等の影響、背景によりまして、顧客や地域住民等にとって有益で価値のある情報を提供する取組を行う事業者が現れており、福祉や防犯等の分野を中心に積極的に情報提供が行われている。

また、地方公共団体でも、新たな公民連携の取組が増加している。ただし、消費者関連情報は、このような事業者の取組において、あまり活用されていない。

消費者行政としても、消費者市民社会の担い手としての役割も期待されるこのような事業者と連携し、積極的に支援することが期待されると。連携の方策を検討しているということで導入の部分でございます。

続いて、2ページでございます。

第2「事業者による自主的な地域・社会貢献の取組」としまして、記載のとおり、事業者から各取組をヒアリングした結果を記載しております。下の黄色い枠にあります事業者ヒアリングの結果まとめにございますとおり、事業者は、本業を通じ、自ら企画・立案して自主的に地域・社会貢献活動を行っているということが分かりました。

また、必要に応じて地方公共団体と連携協定を締結して取組を進めているといったこと。

また、行政と連携して、情報提供等の取組を行う上では、事業者の要望として行政の窓口一元化が求められているということでございました。

提供する情報は、高齢者向けの福祉防犯の分野が多く、消費者関連情報の活用は少ないというヒアリングの結果がございました。

続きまして、3ページになります。

第3「共創・公民戦略連携の取組」でございますが、新しい公民連携、すなわち民間が主体的に参画し、行政と民間が対等な関係で対話を行うことにより、新たな価値を生み出す取組が進められているということで、横浜市の共創の取組や、大阪府の公民連携戦略の取組を紹介しております。

また、消費者行政における事業者を経由した情報提供としまして、見守りネットワークの取組、徳島県の取組を紹介しております。

続いて、4ページ、第4「事業者に消費者関連情報を活用してもらうための方策の検討」としまして、共創型情報提供モデルを提案するわけですが、これらのヒアリングの結果の分析としまして、事業者、行政、消費者、それぞれにメリットがあると分析しております。

多くの事業者は顧客や地域住民等にとって有益で価値のある情報を届けたいとの意思を有している。事業者にとって地域・社会貢献活動が促進される情報を幅広く扱えるように希望しているといったことがございました。

また、消費者行政においても、顧客や地域住民等に有益で価値のある消費者関連情報を、このような事業者に提供すれば十分活用してもらえる可能性があるという分析をしました。

そのためには、消費者行政が提供できる消費者関連情報やデータ、人材等の資源を有効活用することが必要であると、ワーキングでは整理いたしました。

続きまして、5ページの共創型情報提供モデルでございますが、こちらは行政が事業者の取組に合わせて、消費者関連情報を提供し、行政と事業者が相応に分担して情報提供を行うために、行政は事業者と積極的に対話を行うことが不可欠としています。

事業者による自主的な取組に合った情報や、それを顧客や地域住民等に届ける手段、例えば事業所の場で情報を説明するプレゼンターなどを、行政と事業者が対話の上、事業者に提供するという手法を本報告書では共創型情報提供と呼んでおります。

続きまして、6ページです。共創型情報提供モデルをフローで表現したものでございます。

図の青枠でございますけれども、地方公共団体と事業者が対話による情報を提供すると、公民連携窓口等によるコーディネートも含めて対話により、事業者のニーズにあった情報を消費者に届けるというもので、国においては、必要に応じて情報が提供できるように準備をしておくといったことでございます。

続きまして、7ページ、第5「目指すべき姿の実現に向けた対応策・環境整備」として、目指すべき姿の実現に向けた対応策です。

まず、1つ目としては、地方公共団体における共創型情報提供体制の構築・整備として、当ワーキング・グループの期待する取組の方向性として、地方公共団体は、事業者に対する消費者関連情報等の活用の提案、相談の受付、消費者関連情報等の提供、周知といった役割を担う体制を整えることが望ましいということ。

また、地方公共団体は、事業者に消費者関連情報を活用してもらうため、消費者行政担当部署が公民連携に取り組んでいることを事業所にアピールしていくことが望まれる。

また、消費者庁は、地方公共団体が共創型情報提供を通じて、効果的な情報提供ができるよう、地方公共団体の消費者行政担当部署をサポートする。地方公共団体、国のそれぞれが形式面にとらわれずに、できるところから早期に着手することを期待するということでございます。

2つ目として、国と事業者による共創体制の構築・整備としまして、取組の方向性ですけれども、消費者庁は消費者志向経営推進組織や消費者安全確保地域協議会(見守りネットワーク)等の既存の枠組みも活用しつつ、事業者との新たな対話の場を設置し、事業者との対話を通じて、事業者による自主的な取組を促進する。

また、自主的な取組を行う事業所との連携・協力体制の構築に向け、国においても事業者との対話を行うための一元的な窓口の設置、自主的な取組を行う事業者の支援、また、地方公共団体と事業者とのマッチング等の取組を推進するということを、取組の方向性としております。

続きまして、8ページ、「目指すべき姿の実現に向けた環境整備」として3点、提案をしております。1つは、事業所内における消費者教育の推進ということで、従業員に対して消費者教育を行うことは、事業活動においても大きなメリットであることをアピールするということ。従業員にとってメリットのある促進策を検討してほしいということです。

2つ目に、事業者の取組を応援する仕組みとしまして、消費者庁は消費者志向経営優良事例表彰制度等の事業者による取組を応援する仕組みについて、更なる認知度向上と内容の充実に取り組む。地域の事業者による優れた地域・社会貢献活動事例の発掘・紹介に取り組む。

3つ目、事業者への消費者関連情報の提供の方法等の工夫としまして、消費者庁は、消費者にとって有益で価値のある情報を消費者事業所にスピーディーかつタイムリーに提供する方法や体制を検討する。また、データの高度な分析・活用を可能とする人材養成や組織の在り方の検討を含め、AIやSNS等、IT技術を活用した消費者被害の早期把握のための手法の在り方を早急に検討することを期待するということで提案しております。

報告書の概要につきましては、以上です。

○山本委員長 ありがとうございました。

それでは、続きまして、ただいま御報告をいただきました報告書につきまして、消費者委員会としてどのように扱うかという点の検討に移りたいと思います。

取りまとめられた意見書の内容に鑑みまして、当委員会として、本件につきましては、意見という形で、この内容をそのまま承認した上で、消費者庁長官及び関係行政機関宛てに送付するという形をとることが適切ではないかということで、委員間打合せにおきまして委員の皆様と意見交換を行い、その方向で合意をさせていただいております。

本日は、私と事務局で作成をいたしました意見案を資料の1-4として配付しております。これもあらかじめ皆様に、既にお示しをしているものです。

委員の皆様に御確認をいただきたく存じます。

それでは、意見案につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○大岡企画官 事務局です。

資料1-4の意見案を御覧ください。

まず、1、消費者委員会は令和3年8月、消費者関連情報の提供の在り方検討ワーキング・グループから報告書の提出を受けた。

2、行政が周知・広報を行っているにもかかわらず、その内容が消費者に十分届いていないことが多い中、報告書では、消費者に役立つ情報をいかに消費者に届けるかを考えるに当たり、その届出として事業者に着目した。

このような検討を行った背景としては、地域・社会貢献活動の一環として、顧客や地域住民に向けて自主的に情報提供を行う事業者が増えていること。地方公共団体においても、このような事業者の力を生かす新たな公民連携の取組が増加していること。このような事業者の取組において、福祉や防犯等の情報と比べ、消費者関連情報はそれほど活用されていないといった実情が存在する。

3、報告書では、自主的に情報提供を行う事業者の取組を紹介し、事業者の取組において消費者関連情報を活用してもらうために、消費者行政が目指すべき姿を示している。

そしてその実現に向けた対応策として、地方公共団体と事業者による共創型情報提供モデルと、国と事業者の対話に基づく共創体制の構築・整備を提案している。

さらに、目指すべき姿の実現に向けた環境整備のための方策として、事業者における従業員への消費者教育の推進、消費者志向経営優良事例表彰制度等の事業者の取組を応援する仕組みの充実、AI等を活用した消費者や事業者への情報提供方法等について、期待される取組の方向性を述べている。

4、消費者庁及び関係行政機関においては、事業者との間でこのような連携体制が構築されるよう、本報告書を参考に、できるだけ速やかに検討や取組を推進されたい。また、地方公共団体においても、事業者の取組において消費者関連情報をより積極的に活用してもらえるよう、本報告書を参考に検討や取組が推進されることを期待する。

5、当委員会としては、事業者による上記のような取組に対し、消費者行政に関わる関係行政機関が支援し、消費者団体等が連携・協力を行うことにより、消費者に対して有益な情報が的確に提供されることを期待する。このような形で意見として、消費者委員会から発信するということで、御提案させていただいたところでございます。

説明は、以上です。

○山本委員長 ありがとうございました。

それでは、報告書につきまして御感想や御意見、それから委員会としての意見案につきましての御意見等ございましたら、御発言をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

清水委員、お願いします。

○清水委員 御説明ありがとうございます。

意見案については異議がありません。特に、この意見案の2のところです。福祉や防犯等の情報に比べ、消費者関連情報はそれほど活用していない実情が存在するというのは、そのとおりでございます。

そういうことからすると、先ほど報告書の概要で、7ページのところに出てきていますが、地方公共団体が公民連携を取り組んでいく、事業者にアピールしていくことが望まれると書かれていますが、ここにおいても、防犯や福祉の部局に比べて、私がいる消費者行政の部局というのは、なかなかここができていないので、是非とも、その下の○にありますように、消費者庁はサポートと書かれていますので、是非消費者庁には、引き続き地方消費者行政のサポートを具体的にお願いしたいと思っています。

もう一つにつきましては、概要の中で、2ページです。(4)の事業者のところで、トヨタ自動車、これは私の地元である愛知のトヨタ自動車ですが、(4)のトヨタ消費生活アドバイザーの会との活動が紹介されています。私も、15、16年前、まだ相談員になって3、4年の頃、このアドバイザーの会に、全相協が呼ばれて寸劇をして消費者トラブルを御案内した経緯があります。

また、4年前、私が支部長だったときに、アドバイザーの会にまた呼ばれて、最近の消費者トラブルについてお話をしたという経緯がありまして、非常に自主的な活動ではありますが、活発に活動をされています。

当時は、消費生活アドバイザーの資格を役員が持っているということで、役員のトップの理解があって活動できたということなのですが、やはりそういったマンパワーでやるのではなくて、組織が本業としてやっていくというためには、こういう会も会社でやる、主導するというサポートが必要かなと思っていますが、非常に頑張っている取組だと思いますので、こういう活動が幅広く事業者に広がることを望んでおります。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、受田委員、お願いします。

○受田委員 御説明ありがとうございました。

まず、この報告書に関連して、私自身もワーキング・グループ、座長代理を務めさせていただきました。

座長代理としては、それほど貢献はできなかったと思っておりますけれども、新川座長のもと、事務局の皆様一丸となって、極めて優良な事例を短期間の間に多く収集をしていただきましたこと、また、それをコンパクトに共有していただきましたことを心から御礼を申し上げたいと存じます。

今回のこのワーキングを通じて、事業者の皆様が極めて意欲的、また、積極的に消費者関連情報を提供しようとされているという実態を、初めて知ることができました。

まずは、ワーキングの取りまとめ、報告書の内容が、できるだけ多くの皆様、とりわけ、事業者の皆様に伝わっていくことを強く希望するところでございます。

そして、事業者を支えていく行政の役割が、一層重要になっているという状況もはっきりと事業者の御意見を伺って知ることができました。

特に窓口を一本化、一元化していくことと、例えば、事業者や国との対話のインターフェースになっていくということにおいて、行政的な役割というのが、ますます重要になり、触媒的な役割を果たしていくという、ここの部分も、この報告書が行政の皆様に伝わっていくことを強く希望するところでございます。

その内容を受けて、先ほど、消費者委員会として発出をする内容に関しては、もう全く異論ございません。

この報告書を受けての内容が、更に具体的に、例えば、消費者基本計画等に盛り込まれていくことを更に目指していただきたく、よろしくお願いいたします。

取りまとめにおいて、本当に新川座長、ありがとうございました。そして、事務局の皆様の御苦労に、改めまして感謝申し上げます。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございました。

木村委員、お願いします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございます。

私もこの報告書に関しては、賛成でございます。それを踏まえての意見なのですけれども、消費者関連情報が消費者に伝わらないということは、本当に大変大きな問題だと思います。

それにつきましては、やはり新聞や、ネットなどいろいろな方法がありますので、是非一般に広げていくことを今後も検討していただきたいと思います。

防犯や高齢者については、確かに大変重要な問題なのですけれども、それだけではなくて、例えば、今後、成人年齢の引下げの問題もございますし、デジタル化もどんどん進んでまいります。

そうすると、若者、あと一般の方でも分かっているつもりでも分かっていない、また、分かっているのだけれども変わってしまっていることなどがありますので、こういう情報の伝達をすることは、今後もますます重要になってくると思いますので、報告書をどんどん活用していく方向にしていきたいと思っております。

消費者にどういうふうに伝えていくかということに関しては、事業者及び行政に対する信頼感というのは大変重要だと思いますので、そこの辺りを培いながら情報提供をしていただくという、本当にウィン・ウィンという関係が大事だと思っておりますので、今後とも努力して、私どもも行きたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山本委員長 ありがとうございました。

生駒委員、お願いします。

○生駒委員 御説明ありがとうございました。

今までお話しくださった委員の皆様と重なるところが多いのですけれども、私もワーキング・グループに参加させていただきまして、本当に多くの発見がございました。

また、行政と事業者の共創型を目指したいという、その対話が非常に重要であると感じております。

今、社会がいろいろな困難に立ち向かっている状況にあると思いますが、様々な社会課題を解決していくことというのが非常に重要な時代に入っていますが、この共創型の対話を続けて、事業者などが手を組んで課題を解決していくというのは、非常に望ましい形だと感じました。

また、この情報提供を行う、数多くの事業者がこれだけいらっしゃるのだということに、すごく私も学ばせていただいたのですが、是非、こういった事業者の取組をロールモデルとして、多くの皆様に伝えていく努力をすべきではないかと思っております。

それによって、多くの企業や地方公共団体の方々が、こういうところ目指そうと思っていただくきっかけを作れるのではないかと思っております。

SDGsが、誰一人取り残さないという大きなテーマを掲げておりますし、そうした社会の課題を解決していくことが、もう我々のプライベートな生活から、起業家の方まで行き渡っている時代におきまして、できれば、この情報が消費者の方にも届けられると良いなと思いました。

そもそもエシカル消費の推進というのは、バイコットと言いまして、社会を良くする企業や、その物作りに対して消費者が応援するような、そういったものを購入することで社会をより良くしていくという、今流れがありまして、消費者庁でもエシカル消費を推進しておりますので、このような情報を消費者が得ることで、消費者がその企業に興味を持って関わっていくことで、良い循環が生まれるのではないかと思いました。

この報告書は、そういった循環を生む新しい扉を開いた非常に重要な報告書となるのではないかと感じております。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございました。

片山委員長代理、お願いします。

○片山委員長代理 ありがとうございます。

私も、このワーキング・グループに委員として参加させていただきました。事務局の皆さん方が非常に精力的に、いろいろな企業の取組についての情報を集めていただき、ヒアリングをすることができ、大変勉強になりましたし、その結果が、こうした形で、具体的で大変分かりやすい報告書として、まとめられたと感じております。

私も委員会として、先ほどの意見を出すということに全く異論はございません。私自身が感じたことを2点ほど述べさせていただきたいと思います。この問題のテーマを推進していく上では、まずは、消費者被害に関する情報や、あるいはSDGsに関するような情報を、事業者も消費者もしっかりと共有するということが、いかに社会を安全で公正なものにしていく上で大切かという、その基本のところをきちんと受け止め理解することが大事だと思っています。

これまでの事業者の取組の中で、消費者関連情報がそれほど活用されていないという実情には、私も大変残念に思いましたが、やはりそうした状況を根本的に変化させるためにも、消費者関連情報の大切さということを、事業者、行政、消費者、それぞれが改めてもう一度認識する必要があるのではないかと思っています。

今回この報告書を受けて、速やかに、具体的に提言に取り組まれていくということを強く期待したいと思います。

行政が連携をとりながら、事業者、消費者それぞれが、消費者関連情報に関心を持って、そこに、また対話が生まれ、協働関係が生まれることによって、恐らく、お互いの行動変容というのが、必ず生まれてくると思いますし、その行動変容の結果として、将来につながる持続可能な社会というものが生まれてくると確信をしています。

その最初の一歩になる取組を示す重要な報告書だと思っていますので、事業者も行政も消費者も、是非この報告書を読み込んで取り組んでいただきたいと思います。

私も消費者団体で活動していますが、必ずこの取組に連携していきたいと思っています。

以上です。ありがとうございました。

○山本委員長 ありがとうございました。

大石委員、お願いします。

○大石委員 ありがとうございます。

今回の取りまとめにつきましては、本当にありがとうございました。

オブザーバーでもない立場で、今回の報告書を拝見いたしました。今回のこの取りまとめ、並びに意見に対しては、何も申し上げることはございません。

ただ、内容を拝見して、少し感想を述べさせていただきます。今回、消費者と、それから事業者、行政をつなぐということで、事業者の大きな役割をすでに果たされている事業者や行政の取組をまとめていただきました。事例として出していただきました、トヨタ自動車の消費生活アドバイザーの会などの活動の様子を御報告いただきましたが、私どもの会NACSでも多くの会員が、この資格を持っておりまして、正しく多様な主体をつなぐ役割として、今後更にいろいろな場面で活躍できることを目指しております。私どもの団体としましても、この報告書にあるような重要なつなぎ手の役割を、更に果たしていきたいと思っているところです。

加えて、報告書の概要の説明にありました、7ページのところ、この下の部分に、国と事業者による共創体制の構築・整備というところに、「自主的な取組を行う事業者の支援」や、「地方公共団体と事業者のマッチング等の取組を推進する」と、国の役割が書いてあります。今回の事例で出てきた事業者など、それから地方自治体というのは、結構規模が大きく、人材も財力もあるところですが、社会的に見ますと中小の企業や小さな市区町村というのが大変多いわけで、自分たちでというよりも、国、消費者庁が中心となり何らかのマッチングを行わないと、なかなか動きにくいところもあるのではないかなと思います。

私たち消費者団体も、そのような役割が果たせればと思いますが、是非国、消費者庁としましても、その取組の支援をお願いできればと思いました。

取りまとめ、本当にありがとうございました。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

柄澤委員、お願いします。

○柄澤委員 柄澤です。ありがとうございます。

まず、事業者にとっても大変心強いメッセージを込められた内容のある報告を取りまとめていただいて、感謝申し上げます。

あわせて、この意見案には、異議ございません。

社会貢献という言葉がよく出てまいりますけれども、私どもにとってみると、地球環境問題をはじめとしたサステナブルな社会、あるいは安全・安心な消費社会、こういうものがあって初めて自らの事業が存在し続けると思っております。

そういうことを含めまして、事業者自身が消費者をはじめとしたステークホルダーと連携して、社会的課題を解決する中で、社会との共通価値を生み出していくということが、事業者のあるべき基本的な姿勢であると認識しております。

この報告書に記載されましたとおり、消費者庁をはじめ、各省庁、地方自治体が事業者の活動をうまく活用し、消費者関連情報を消費者に届けてもらうための仕組み作りが、この報告書を通じてできればと期待しております。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

丸山委員、お願いします。

○丸山委員 今回の報告書、意見案については、もちろん異論はございません。

まとめられております対応策や、環境整備が、速やかに進められれば良いなと思っております。

感想としましては、こういった消費者関連情報の提供ということで報告書を読ませていただきまして、やはり情報やデータの流れと消費者の行動というものについて、行政もそうですし、研究者もそうかもしれませんけれども、分析・検討というのが進められていくことが望ましいのではないかと思いました。

世代による行動や関心の違いもあると思いますし、家族、友人、SNS、消費者同士が、どういう接点を通じて、どういう情報を得て、どのように行動変容させるのかということが、本格的に分析されまして、また、こういった消費者関連情報の提供というものにも役立てるようなことが、将来的には必要ではないだろうかと、そういった感想を持ちました。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございました。

ほかは、よろしいでしょうか、皆さんに御意見を頂いていますかね、ありがとうございます。

今回取りまとめられた報告書は、特に事業者の役割に着目するものであったかと思います。

事業者の役割という点で申しますと、次のテーマであります自主規制が1つあります。これは、事業者が、自分に関わる消費者との取引を行う際に、消費者保護の取組を行うことです。

それから、大きな文脈で申しますと、SDGsに関わる活動をはじめとする、もろもろの一般的な社会貢献活動もあろうかと思います。

今回の報告書は、その中間というと、表現として正確ではないのですけれども、事業者が消費者と取引を行うために、もろもろの接触を行う、コミュニケーションを取る局面において、自分の取引を超えて消費者のために役に立つ有益な情報を提供していただく取組をもっと進められないかという問題意識で取りまとめられているかと思います。

既に、消費者と事業者が接触する、コミュニケーションを取る局面において、見守り活動に関わることなどに取り組んでいる例は、種々あるのですけれども、消費者関連情報を提供する取組は、まだ、それほど広がっていないようです。これがなぜかは、よく分からないのですが、事業者が消費者行政に関わることに対する、抵抗というと、言い過ぎかと思いますけれども、何か違うのではないかという感覚が、これまで、あるいは暗黙のうちにあったかもしれません。

しかし、今回の報告書は、こうした取組をもっと今後進めていただきたい、事業者の方に進めていただきたいということもありますし、消費者の方に応援していただきたいということもありますし、また、自治体あるいは国の側も、そのような取組の意義を認めて、積極的に情報提供などに取り組んでいただきたいという趣旨かと思います。

その点で、今後の消費者行政の1つの在り方を示す非常に意味のある、良い意味で面白い報告書ができ上がっているのではないかと思います。

それでは、取りまとめに入ります。意見案につきまして、特に修正の御意見はなかったと思いますので、これを委員会としての意見といたしますけれども、よろしいでしょうか。

賛成ですという御意見を頂いておりますので、皆様の御了解をいただいたということで、これを消費者庁長官及び関係行政機関に対して送付したいと思います。

新川座長、ワーキング・グループに御参加をされた皆様、それから、事務局の方、それぞれ非常に御尽力をされたかと思います。どうもありがとうございました。

これで、消費者関連情報の提供の在り方検討ワーキング・グループ報告書案及び意見案の審議を終了いたします。

《3.消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ報告書案及び意見案について》

○山本委員長 続きまして、消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ報告書案及び意見案についてです。

消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループは、消費者法(取引分野)におけるルール形成の在り方、ルールの実効性確保に資する方策並びに行政や事業者及び消費者の役割について検討することを目的としております。

このワーキング・グループでは、特に自主規制の活用について取り上げ、近年発展しているデジタル取引等にも参照可能な自主規制の整備、運用の在り方を検討してきました。

今般、報告書が取りまとめられたので、本日は、ワーキング・グループの丸山座長より、当委員会に報告をいただきたいと思います。

それでは、丸山座長、よろしくお願いいたします。

○丸山委員 ただいま御紹介いただきました消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ座長の丸山でございます。

本ワーキング・グループは、第5次消費者委員会のときに発足し、令和元年6月に一度報告書を取りまとめております。

その際には、消費者法分野におけるルール形成の在り方として、行政規制、民事ルール及び自主規制のベストミックスの重要性等を提言しておりました。

現在、デジタル化、AIなどによる技術革新が進む中で、ビジネスモデルが複雑化しまして、その変化も早くなっているところ、消費者の利益となるイノベーションを促進させつつ、それに伴う問題に迅速に対応するため、自主規制、共同規制、民間主体による積極的な評価を求める方向が注目されています。

そのような動向の中、昨年11月、本ワーキング・グループを再開し、事業者団体等の自主規制にスポットを当てて審議を行ってまいりました。

この度、取りまとめた報告書は、ヒアリングや事務局による実態調査、委員、オブザーバーの皆様による意見交換による調査・審議の結果を踏まえまして、自主規制の整備が必要となる新しい取引分野にも参照できるような形で、事業者・事業者団体の自主的取組の在り方を提起するものです。

本報告書での提案を起点として、実効的な自主規制の整備・運用が促進されるよう、行政機関、事業者団体、消費者団体をはじめとする各ステークホルダーが積極的に役割を果たしていくこと。そして、取組の状況に応じて問題に対する適切な対応が行われていくことが期待されております。

報告書の詳細については、事務局から説明をお願いしたいと思います。

それでは、説明をよろしくお願いいたします。

○太田参事官 事務局でございます。

まず、お手元の資料の確認をさせていただければと思います。

資料2-1というものがございますが、こちらがワーキング・グループの報告書の本体ということになります。

その後、資料2-2というものがございますが、こちらは報告書の参考資料ということになります。

それから、資料2-3ということで、色刷りの2枚紙がございますが、こちらが報告書の概要ということになります。

本日は、この資料2-3の概要に基づきまして、報告書のポイントを御紹介させていただきたいと思います。

ワーキング・グループ報告書の概要とございまして、副題につきましては「自主規制の実効的な整備・運用による公正な市場の実現を目指して」とさせていただいております。

左上に今次ワーキング・グループの目的とございまして、冒頭、山本委員長と丸山座長からも御紹介がございましたけれども、こちらのルール形成ワーキング・グループにつきましては、第5次委員会のときに報告書をまとめていただいておりまして、その際、消費者法分野におけるルール形成の在り方として、自主規制、民事ルール、それから行政規制がベストミックスされることが重要だというような総論的な報告書を取りまとめていただいております。今回の報告書はその続編に当たるものというような位置付けでございまして、第5次の報告書で出していただいた幾つかの論点のうち、個別の論点を更に掘り下げて、実現に向けた具体策を提示するというような趣旨で検討を開始したということでございまして、今次のワーキング・グループにおきましては、特に自主規制の活用について深掘りをして検討を行ったということでございます。

その際、近年、普及・発展し、活用が広がっている新しい取引分野、例えば、デジタル広告やデジタル取引といったところでございますが、ビジネスの成長・発展に比べて法整備が遅れているということでございまして、法規制の隙間になってしまっているということでございます。

然は然り乍ら、こういった分野は非常に変化が速く、分野横断的であるといったことで、行政規制を整備するのがなかなか難しい分野でもございますので、こういった分野につきまして、まずは自主規制を整備・運用することによって対応していただくということを考えてはどうかということで、そういった分野にも適用可能な望ましい自主規制の整備・運用の在り方を検討していただいたということでございます。

その下に、ワーキング・グループの審議体制・審議経過というものがございます。

まず、審議体制でございますが、構成員、オブザーバーといたしまして、ここに記載の6名の消費者委員会の委員の皆様に御参加いただいたということでございます。

さらに、オブザーバーといたしまして、大阪大学の清水先生と京都大学の原田先生、それぞれ民事法、行政法の観点から自主規制について深い御知見をお持ちの方々でございますが、このお二方にもオブザーバーとして御参加をいただいて審議を行ってきたということでございます。

その下に審議経過がございます。昨年の11月から検討を再開いたしまして、今年の8月までということで、計13回ワーキング・グループを開催したということでございます。

まず、ワーキング・グループの前半、2つ目の矢印のところがございますが、前半におきましては、主に伝統的な取引分野、例えば、証券取引、訪問販売、クレジット等々でございますが、こういった伝統的な取引分野における自主規制の整備・運用についての実態把握を行ったということでございまして、事業者団体などにヒアリングを行いまして、御審議をいただいたということでございます。

それを通じまして、こういった伝統的な分野における実効的な自主規制の整備・運用の状況や、実効的な整備・運用を行うための要件、ベストプラクティスといったものを抽出したということでございまして、それぞれ報告書の本体など、更に先ほどの参考資料に一覧表がございますけれども、そちらに詳細にお示しをさせていただいたということでございます。

それから、ヒアリング結果の中間整理を経まして、更に後半でございますけれども、新たな取引分野の事業者団体へのヒアリングとございますが、CtoC取引、ターゲティング広告といった、デジタル取引、デジタル広告の分野などを中心にヒアリングを行ったということでございまして、こういった新しい取引分野の自主規制の整備・運用に関する実態など、課題といったものの整理を行ったということでございます。

最後の矢印のところに自主・共同規制に関するヒアリングというのがございますが、こういったヒアリングの結果を踏まえまして、新しい取引分野にも参照可能な自主規制の整備・運用の指針となるようなものを提示したということでございます。以上のように、報告書は大きく3つのパートに分かれているということでございまして、それぞれが、このワーキング・グループ報告書としての特徴的な成果と言えるのではないかということでございます。

次に、右側の欄を御覧いただければと思います。

黄色の枠の中に「自主規制の意義と限界」とございます。自主規制の整備・運用についての意義ということで申しますと、業界の実情に即した柔軟なルール策定や、事業活動の適正化、信頼性向上、消費者保護等々、様々なメリットがあるということでございます。

ただし、ワーキング・グループとして、自主規制を整備・運用すれば何でも解決できると考えたのかと言いますと、そうではないということでございまして、自主規制については限界もあるということについても十分認識されていたということでございます。なかなか十分な内容を定めることができないなど、エンフォースメントのための手段が不自由分である、そもそも事業者団体が未形成であったり、形成途上のような分野もあったりということでございますので、自主規制だけ整備すればそれで良いということではないというのが議論の前提であったということでございます。

そういったことを踏まえまして、下の矢印のところにございますように、公正な市場を実現するためには、やはり自主規制と行政規制が適切に役割分担、連携をしていくといった制度設計を行うことが重要ではないかということを指摘しておりますし、さらに、アウトサイダーに対しては、そもそも自主規制というのは効かないということでございまして、特に悪質事業者に対しては、むしろ行政が積極的な役割を果たしていく、すなわち積極的に法執行を行うといったことが必要なのではないかということも併せて御指摘を頂いているところでございます。

以上が議論の前提でございまして、その下の緑色の枠のところが、主に議論の前半の伝統的な取引分野へのヒアリングから抽出した自主規制の実効性を高めるための要件やベストプラクティスといったものをまとめたものでございます。

幾つかございますが、まず一番上に「一定の公的規範の存在」とございます。公的規範と自主規制とがそれぞれ相互に作用することによって、それにより自主規制が公的な規範を補完・補強するといったことによって実効性が上がっていくのではないかということでございます。

さらに、2つ目にございますように、やはり組織率が高く、遵法意識が高い自主的な取組を行う事業者団体の役割というのが非常に重要だということでございます。そのような事業者団体が自主規制の策定、モニタリング、エンフォースメント等々、それぞれの局面において非常に重要な役割を果たしているのではないかということでございます。

さらに、自主規制の整備段階と運用段階のそれぞれにおいて、透明性を確保していくことが重要なのではないかということでございます。

整備段階におきましては、消費者代表等の第三者の意見の反映、パブコメの実施といったことを事業者団体では行っていたということでありますし、更に自主規制に基づく取組状況、何か違反行為があった場合の処分結果の公表といったところもしっかり行っているような団体もあったということでございます。

さらに、事業者へのインセンティブを付与するような仕組み作りが重要なのではないかということでございまして、その仕組み作りにおいて重要な役割を果たすステークホルダーとしまして、監督官庁、事業者団体、消費者等ということでお示ししておりますけれども、まず、監督官庁について言いますと、行政規制によって必要な規律を示すわけですけれども、その際に、大枠については行政規制において示した上で、詳細については自主規制に委任するということで、事業者・事業者団体による自主的な取組を促していくということが重要な要素として言えるのではないかということでございました。

さらに、事業者団体におきましても、事業者に団体に所属していただくことによって、事業者の遵法意識というのを高めていくと、更に事業者間で相互チェックを働かせて、規律付けを強化していくといったような取組が見られたということでございます。

それから、消費者等につきましても、非常に重要な役割を果たしているということでございまして、事業者・事業者団体による情報開示に基づいて事業者を積極的に監視したり、あるいは意見を述べたり、評価をしたりといったことで、事業者・事業者団体による更なる取組を促進するといった効果が期待できるのではないかということであります。

したがいまして、自主規制の整備に際しましては、こういった事業者へのインセンティブというものをうまく組み込むような形で制度設計をしていくことが重要なのではないかというようなことを御指摘頂いているということでございます。

次のページでございますが、左側でございますけれども「自主規制の整備が求められる新しい取引分野」ということで、こちらにおきましては、主にデジタル広告やデジタル取引など新しい取引分野の事例を取り上げまして、ヒアリングを行って検討したということでございます。

具体的な事例といたしましては、こちらにお示ししておりますアフィリエイト広告、後払い決済サービス、ターゲティング広告、CtoC取引、以上4つの分野を検討したということでございます。

まず、アフィリエイト広告でございますが、こちらは従来にないような手法で広告を打てるということで、近年、活用する事業者が非常に増えているわけでございますが、他方、悪質なお試し商法等に悪用されるといったような事例も見られるということでございまして、消費者委員会の意見などでも取り上げた経緯があるということでございます。

2つ目の○にございますように、現在、この分野におきましても、事業者団体が組成されつつありまして、自主的な規制を作ったりなど、悪質事業者排除のための取組が行われたりしているところですが、まだまだ緒に就いたばかりということでございまして、虚偽・誇大広告の基準の策定など、更に自主規制等を整備していくことが必要なのではないかということでございます。

さらに、この分野につきましては、アフィリエイターとして、個人も含めた非常にたくさんの関係主体が存在するわけですけれども、そういったアフィリエイターと広告主とをつなぐASP、アフィリエイト・サービス・プロバイダーというものが、広告主とアフィリエイターをマッチングするための仲介者として非常に重要な役割を果たしているということでございます。このため、自主規制の実効性を確保する観点からは、仲介者であるASPが適正な広告表示を促進するような役割を果たすことが期待されるのではないかという御指摘を頂いているということでございます。

その下の後払い決済サービスでございますが、こちらも悪質なお試し商法の中で悪用されるケースがあるということで、こちらも消費者委員会の意見において御指摘をいただいたところでございます。

こちらにつきましても、まだ事業者団体が作られたばかりの状況でございまして、基本的には個社ベースでの取組が中心ということでございますけれども、加盟店審査など、モニタリングといった自主的な取組を進めているような様子も伺えたということでございます。ただし、やはり個別の事業者による取組が中心ということで、事業者によって対応の差が生じる可能性があるということでございますので、業界統一ルールの策定などが必要になってくるのではないかということでございます。

その下のターゲティング広告でございますけれども、こちらもプロファイリングなどに基づきまして、ピンポイントで効果的に広告を届けるということで、近年急速に普及しているわけでございますが、データの取得利用等について消費者の懸念が強いといったような問題があるということでございます。

この分野におきましても、個人情報保護法などで一定の手当がなされたり、あるいは事業者団体、個別の事業者による取組というのが進められたりしているわけでございますが、消費者にとってそういった取組が分かりやすいか、十分かというと、まだまだというようなところがございまして、やはり消費者の視点を踏まえた対応、具体的には、開示される情報を消費者に理解しやすいものにしていただくことなど、オプトアウトの設定方法などについて、消費者に利用しやすいものにしていただくといったような取組、さらに、積極的な情報開示をしていただくといったようなことが必要なのではないかというようなことでございます。

その下のCtoC取引につきましても同様の趣旨でございまして、事業者団体など、個社ベースで、様々な取組が進められつつあるということでございますけれども、まだまだ事業者によって対応の差があるということでございますので、業界の統一ルールの策定、情報開示などが必要ではないかというようなことを御指摘頂いているということでございます。

以上のような状況を踏まえまして、それでは、こういった新しい取引分野について、どのような形で自主規制を整備・運用していけば良いのかということに対する指針としてお示しいただいたものが、右側の赤枠の部分ということでございます。

こういった新しい取引分野につきましては、業界を巡る実情は様々であるということでございまして、なかなか一義的な対応策というのはないということでございますけれども、やはり各分野の実情に応じて、共同規制の考え方なども踏まえまして、行政、事業者・事業者団体、あるいは先ほど申し上げましたような仲介者といったような様々な関係主体が柔軟かつ適切に役割分担、連携していくことによって、適切なルール形成を行っていくことが必要なのではないかということを御指摘頂いております。

それ以下で、自主規制の整備段階、運用段階のそれぞれの局面におきまして、どういったことが必要かといったことを指針としてお示しいただいているということでございまして、まず、整備段階でございますが、先ほどの1ページ目にもございましたように、やはり自主規制が機能するためには、何らかの公的な規範というものが必要ではないかということでございまして、まずは行政が、行為規範の大枠となるものを示すことが重要ではないかということでございまして、こちらにつきましては、法令に限らず、ガイドラインといった形でも良いので示していくことが必要なのではないかということでございます。

更に「事業者団体等の創設・支援」ということでございまして、行政がそういった事業者団体を支援していく、あるいは認証やモニタリングを行う第三者機関の設立を支援していくといったことが必要なのではないか。

更に「マルチステイクホルダープロセス・策定手続の透明性」とございますけれども、様々な関係者の意見を取り入れることによって、自主規制の適正性や、信頼性が維持できるのではないか、更に透明性を確保することができるのではないかというようなことをお示しいただいております。

その後の、運用段階におけるポイントとなる事項でございますが、自主規制の実効性を確保するために、遵守状況のモニタリングなど、違反があった場合の何らかの制裁措置を設けることが必要なのではないかということでございます。

さらに、消費者等からの評価というものも事業者にとってのインセンティブになるということでございますので、その評価を受ける前提として、自主的取組の情報開示、消費者・消費者団体等との積極的なコミュニケーションが必要なのではないかといったことでございます。

それから、紛争解決機能ということでございまして、ルールの実効性の確保、消費者からの信頼向上を図るためにも、こういったことが必要でありますし、その際には、手続の公平性・透明性というものをしっかり確保していくことが必要だということでございます。

それから、制度につきましても、作れば良いというものではございませんで、運用状況の継続的なモニタリングを通じて、制度を定期的に見直していくことが必要ということであります。

それから、運用の透明性ということでありまして、積極的に情報開示をする、外部からの透明性を向上する、そういったことを通じて、消費者をはじめとするステークホルダーと対話をしながら自主規制の改善を図っていくといった取組が必要なのではないかということでございます。

最後の四角の枠に※印で書いてございますけれども、こういった形で自主規制の整備・運用というものを求めていくわけでございますが、冒頭申し上げましたように、自主規制というのは万能ではないということでございますので、最後、留意事項といたしまして、こういった取組が進展せず、自主規制が十分機能しない場合には、行政規制の導入も検討されるべきではないかということで、併せて御指摘を頂いているということでございます。

事務局からの説明は、以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございました。

それでは、続きまして、ただいま御報告をいただきました報告書について、消費者委員会としてどのように扱うかという点の検討に移りたいと思います。

先ほどの報告書と基本的に同じですけれども、取りまとめられた報告書の内容に鑑みまして、当委員会として本件につきまして、意見という形で消費者庁長官及び関係行政機関宛てに送付することが適切ではないかということで、委員間打合せにおいて、委員の皆様と意見交換を行い、その方向で合意をさせていただいております。

本日は、私と事務局で作成をし、また、皆様にもあらかじめ御覧いただきました意見案を資料2-4として配付しております。委員の皆様に御確認をいただきたく存じます。

それでは、意見案につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○太田参事官 資料2-4を御覧ください。

表題といたしまして「自主規制の実効的な整備・運用の在り方に関する消費者委員会意見」としております。

まず、1ポツにつきましては、先ほどの情報提供に関する意見と同様でございまして、ワーキング・グループの報告書の提出を受けたというような経緯を記載してございます。

2ポツ目が、本報告書についての評価ということになりますけれども、事業者・事業者団体による自主的な取組についてのヒアリングや分析等を通じて、近年、普及・発展している新しい取引分野についても参照可能な形で自主規制の実効的な整備・運用の在り方等について、適切な取りまとめが行われたと評価しているということでございます。

さらに、こうした報告書を示されたことを踏まえまして、事業者・事業者団体による自主的な取組を実効的なものとするためには、行政、消費者・消費者団体等のステークホルダーとの適切な役割分担・連携関係を構築することが重要であるとしております。

こういった評価を踏まえまして、3から5にかけて、それぞれの関係主体に対して期待する役割を記載しております。3ポツ目は、関係省庁に対する要請ということでございまして、関係省庁に対しては、今後、消費者法の制度の整備、それから、政策の立案を実施するに当たっては、本報告書が提示する観点を十分踏まえるとともに、それぞれの所管業界・分野等に本報告書の内容を広く周知し、各事業者・事業者団体等による自主的な取組を積極的に後押しすることを求めるとしております。

更に4ポツ目は、事業者・事業者団体に対する期待ということでございますけれども、公正な市場の実現などに果たす自らの役割の重要性を改めて認識していただきまして、本報告書に示された観点を踏まえて、行政や消費者・消費者団体等のステークホルダーとの双方向のコミュニケーションや連携を密にしながら自主的な取組を更に展開していくといったことを期待するということでございます。

5ポツ目が、消費者・消費者団体に対する期待ということになりますけれども、行政による適切な支援のもと、そういった事業者・事業者団体の取組を積極的に評価するというような意識を持ってほしいということでありますし、その前提といたしまして、事業者・事業者団体との双方向のコミュニケーションに積極的に参加すると、更にその成果を生かしつつ、事業者・事業者団体による取組を理解し、評価するような知見を高めていただくことを期待したいということでございます。

6ポツ目は、消費者委員会の今後の方針ということでございますが、本報告書の内容を踏まえまして、関係省庁等の取組を注視し、更に消費者政策について調査・審議等を行っていくというような形で結びとしてございます。

事務局からの説明は、以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございました。

それでは、報告書につきましての御感想、御意見、また、意見案につきましての御意見があれば、お願いしたいと思いますけれども、清水委員、お願いします。

○清水委員 ありがとうございます。

説明、ありがとうございました。まず、最後の意見案なのですが、6ポツのところ、この報告書というのは、本当に今を捉えた、きちんと分析されたものになっていますので、各省庁には、是非きちんと読み込んでいただいて、対策を早急にしていただきたいと思いますし、当委員会としてもきちんとフォローしていくというか、チェックをしていく必要があると思いました。

そこで、相談の現場では、今一番問題になっているアフィリエイト広告、後払い決済サービス、これは自主規制整備が求められる新しい分野とワーキングでも検討されています。もうそのとおりでございまして、特にアフィリエイトにつきましては、業界団体が一生懸命やっていますけれども、一般社団法人の日本アフィリエイト協議会、私たち相談員も協議会の専務理事等に、いろいろな現状、規制、広報などをお聞きしていますが、もはや、これは事業者だけではやれない問題だと思っています。幅広くて、全てに規制が必要ではないかと思いますので、アフィリエイト広告と、後払い決済につきましては、これがなければ被害は半減するぐらいに思っていますので、この2つは自主規制のみならず、法規制も考えるべき。

その点につきましては、報告書では、自主規制が十分に機能しない場合は、行政規制の導入も検討すべきと書かれていますので、とても良いと思います。

最後に、この自主規制のところなのですが、各伝統的な自主規制がきちんとされているところというのは、実は、相談の現場では、そんなに苦情はありません。今、問題なのは、先ほどの説明にもありましたように、アウトロー、アウトサイダーなのです。

もう一つの問題としては、各業種別の自主ルールには従っているけれども、今の代理店制度、例えば、電気、ガス、通信関係全て代理店制度で販売促進をしています。そこで、通信の分野では、通信の自主規制は守っているのですが、電気、ガスの自主規制は守っていないと、そういう代理店が非常に多く出てきているというのも懸念材料です。この縦割りの自主規制のところの横のチェックをどうするかというのは課題であると思います。

最後に、プラットフォームなどで、最近は暮らしのレスキューのサービスということで、直にホームページを出しているところもあるのですが、仲介業みたいなところが、先ほどの代理店制度みたいなものを使って仕事を流している、そんなところでのトラブルがあるというところなので、ここも規制がどうあるべきか、自主規制がどう在るべきかというのも問題だと思いますし、今後、こういったプラットフォーム業者が、ライフスタイルに向けて金融サービスの仲介業もしてきますので、ここら辺のところも注視していく必要があると思いました。

感想です。以上です。

○山本委員長 ありがとうございました。

ほかにございますでしょうか。

それでは、新川委員、お願いします。

○新川委員 新川でございます。

今回は座長代理ということで参加をさせていただきましたが、意見書、報告書の案、それから、委員会としての意見につきましては、いただきましたとおりで結構かと思っております。

その上で、少し内容について補足と、それから、今後是非お進めいただきたい点についてお話をしたいと思っております。

1点目は、自主規制の基本的なルール、枠組みというものについて、消費者保護の観点からの論点というのを、今回整理ができたのではないかと思っております。

したがいまして、こうした自主規制のガイドライン作りということが、今回の報告書でも強調されておりますが、そのガイドラインの中では、恐らくこれからの様々な消費分野における自主規制のモデル事例のようなことが、もう既に具体化できる、そういう段階まで来ているのではないかと思っております。

今回の報告書では、そこまで議論は至りませんでしたけれども、今後、消費者あるいは関係省庁におかれましては、こうした自主規制の基本的な考え方や枠組み、これに基づいた自主規制のモデル化ということを、それぞれの所管の事業者あるいは事業者団体に関わって、積極的にお示しをいただくということが、消費者の権利保障ということにもつながってくるのではないかと考えております。

消費者庁におかけましては、特に消費者の保護という観点からのモデルというのを今後作っていただきたいという希望を申し述べておきたいと思います。

2点目は、今回の報告書の特徴でございますけれども、従来の自主規制というのが、業界団体というものを通じての自主規制というのに重きがあったとすれば、今、新たに現れつつある事業形態、特に技術革新のスピードの速い分野では、そうした事業者団体そのものがなかなかできてこない、そういう事例もたくさんございました。

翻って、こうした個別事業者にどういう自主規制ということを考えていただくのか、その点でも、今回の報告書というのは、大いに参考になっているのではないかと思っております。

こうしたGAFAを代表とするようなプラットフォーマーの活動など、あるいは先ほども議論がありましたASPのような事例など、こうしたものについて、これからまさに個別の事業者単位での自主規制というのが求められるし、それがある事業者が評価をされていく、取引相手にされていくというような、そういう観点でのモデル化ということも可能なのではないかと思っております。

こうした観点からの自主規制のガイドライン作りや推進ということも、是非進めていただきたいと思っております。

なお、最後にいたしますけれども、こうした取引の技術革新や、あるいは新たなビジネスモデルの創設ということが、これからのマーケットの中で、どんどん起こってくるということが、当然ながら想定されます。そういう多様化をする商品の形態というものに、どのように消費者保護というのが対応していけるのか、その基本的な枠組みといったようなものを今後とも検討をし続ける必要があるのではないかと思っております。

単純に、これまでの問題というのをどう解決するかということではなくて、技術革新の速度あるいはビジネス革新の速度というのを見通しながら、むしろ将来に向けて予防的に自主規制というものを考えていく、そういう視点が必要になってきているのではないかと思っております。ただ、それは今後の課題ということで申し上げたいと思います。

今回の審議に当たりまして、一言付け加えさせていただければ、私は座長代理ということでございましたけれども、丸山座長には大変お世話になりまして、ほとんど役割は果たしておりませんでした。反省をしておりますが、同時に、座長をはじめ、事務局の皆様方のおかげで、ここまで報告書をまとめられたこと、改めて御礼を申し上げますとともに、この報告書、意見というのが、今後、本当に消費者の保護や取引の透明性、公平性というのを確立し、そして、市場の健全な発展につながるということを祈念いたしまして、私の発言とさせていただきます。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございました。

受田委員、お願いします。

○受田委員 まず、このワーキング・グループの取りまとめを担われました丸山先生、座長をはじめ、事務局の皆様に心から敬意を表したいと思います。

まず、感想です。このワーキングの報告書に関しては、極めて精緻にまとめられているという印象を私自身持ちました。

今後、この自主規制に関する限界も踏まえつつ、その特徴をしっかりと各方面で共有していただきたいと思います。

先ほども話題になりましたけれども、今後、アウトサイダーに対する、こういった自主規制というのが、どこまで網をかけていくことができるのか、これを念頭に置きますと、まだまだ自主規制が整備されていく段階には、ステップを多く設けていかなければいけないのではないかということも、この報告書を拝見して感じたところです。

それを円滑に回すためには、事業者に対する努力と言いますか、自主規制に至るまでの努力に対する消費者側の適切な評価がなされることが強く求められますし、そういう意味で、自主規制策定へのインセンティブをより明確化する必要があるのではないかと思います。

逆に言うと、消費者のサイドから見ると、ある業界に対して自主規制がないということを広く周知させることによって、その業界の熟度と言いますか、そういった内容、段階を周知、理解してもらうことも求められるのではないかと感じたところでございます。

最後に意見書に関しては、全く異議はございません。取りまとめ、大変御苦労さまでした。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございました。

生駒委員、お願いします。

○生駒委員 私も受田委員と同じくでございますが、非常に今の時代において重要な論点、調査・研究をしてくださった座長をはじめ、構成員の皆様、オブザーバーの皆様、事務局の皆様に感謝申し上げたいと思います。

今、VUCAという言葉がありますが、非常に不安定で、本当に先行きが見えない時代に入っております。

その中で、また、デジタルトランスフォーメーションの進展ということで、消費者においては、未知の領域、道しるべのない世界に飛び込んでいるような感覚があると思います。

そこで、このようなワーキングを進めてくださって、事業者が自主規制していくことを強化しようということで研究してくださったわけですけれども、私としましては、同時に、消費者自身が自己防衛をしていく、そういう体制作りも進めていくべきではないかと、今回の報告書と意見書を拝見して感じております。

消費者教育やエシカル消費の推進を通して、消費者自身も受け身ではなくて、自らを防衛していくような、自主防衛なのか、自己防衛ですか、そういったことの育成にもつなげていければと思いました。

いずれにせよ、このワーキング・グループは、非常に重要な論点ですので、ここで終わりではなくて、引き続き、おそらく続けていかれるものと思っております。私自身も、この意見書には、全く異論はございませんので、お進めくださってありがとうございます。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

大石委員、お願いします。

○大石委員 ありがとうございます。

今回、本当に丸山座長をはじめ、委員の先生の皆様、それから事務局の皆様に、ここまで取りまとめていただきまして、本当にありがとうございました。

私は、オブザーバーとして参加させていただいておりましたが、今までの委員の皆様のお話にあったように、これまでの伝統的な取引分野へのヒアリングに対して、新たな取引分野のヒアリングについては、本当に初めて知ることばかりで、いかに時代が動き、また、その変化のスピードが速く、消費者に相手の姿がみえにくくなっているということを実感させられたところです。

特に、自分たちが相手にしている事業者の存在が見えない、という点、それから知らない間に個人情報も取得されているという点は、ヒアリングに参加してはじめて知り一番驚いたところです。そのような状況で、果たして自主的な規制だけで消費者保護の環境整備できるのかという点はあらためて考えるところです。まずは、消費者が相手の存在を知ることができる、そういうコミュニケーションというのがあって初めて、自主的な規制ということにつながるのではないかなと思いました。

それから、先ほど清水委員のお話にもありましたけれども、実際、この新しい取引分野では、いろいろな消費者問題も既に起きております。やはり、本当に悪質な問題のある事業者を、きちんと取り締まることができて、初めて、真面目にやっている事業者と消費者がつながり支えあうことで、自主規制でも、うまく回っていく世界が開けていくのではないかと思っております。

また、一緒に参加していただきました柄澤委員からも励ましのお言葉をいただきましたが、今回の取りまとめの中で、消費者それから消費者団体による役割というのが、大変が大きいということが記載されております。取りまとめの28ページ、それから最後の意見案のまとめの5にも書いていただいておりますが、私ども消費者団体も、そこをしっかり自覚して、この時代の流れに取り残されないように、先んじてしっかり対応していければと思った次第です。雑ぱくですが以上感想となります。ありがとうございました。

○山本委員長 ありがとうございます。

木村委員、お願いします。

○木村委員 木村です。取りまとめお疲れさまでございました。

私は傍聴という形で参加させていただいたのですけれども、本当にコロナ禍のこともありまして、新しい分野の進展がすさまじいことを実感しております。

やはり消費者側としましては、先ほど、清水委員からのお話にもありましたけれども、アウトロー事業者の問題というのがありまして、良い事業者とアウトロー事業者をどうやって見分けるのかと、そこのところがきちんと透明化されると、消費者としても事業者を選びやすい、そして支えやすいのではないかと思った次第です。

それと、やはりそのためにも取り組んでいただく自主規制の情報開示など、また、その評価をきちんと情報開示していただいて、更にブラッシュアップをしていくということが重要ではないかと思います。

そして定期的に見直していくということ、これが欠かせないのではないかと思っている次第です。

やはり、先ほどの大石委員からの発言にもありましたけれども、消費者団体としても、こうしたことに取り組んで、コミュニケーションを取りながら、健全な消費生活ということで、今後も行っていければと思っております。

取りまとめ、ありがとうございました。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

柄澤委員、お願いします。

○柄澤委員 柄澤です。ありがとうございます。

大変難しいテーマだったと思いますけれども、今後の課題も含めて、一定のメルクマールというものが示された報告になっているのではないかと思っております。

意見案については、適切な内容であり、賛成でございます。

この点につきまして、とりわけ、意見案の5番目に記載された、受田委員、あるいは大石委員からもお話がございましたけれども、消費者・消費者団体と事業者・事業者団体との双方向のコミュニケーションをもっと密にしながら、当該市場に対する評価というものが消費者にとって見える化がされるような仕組みを消費者団体が策定して進めていただくことを大いに期待しております。

併せて、やはり事業者にとってみれば、法令さえ遵守していればよいという時代はとうに過ぎ去っております。日々刻々と変化するステークホルダーの期待に応えなければ、企業の価値の維持や向上は望めないと思っております。

このため、事業者団体・事業者が、自主規制の策定、健全な運営を通じてステークホルダーの期待に応えていくことは極めて重要であり、今回、ワーキング・グループのテーマは、大変時宜を得たものと考えております。

一方、消費者保護をしっかり図っていくという点では、個別の業界、とりわけ新たなビジネスモデルを担う業界において、仕組みを作っていくに当たりましては、やはり行政規制の必要性等々を通じまして、関係団体、関係者においてもっと突っ込んだ議論が当然必要になってまいりますけれども、やはり事業者団体、消費者団体、行政機関など、それぞれのルールの担い手が、ルールと役割のベストミックスをフォワードルッキングに検討していくための視点として、この報告書を活用できればよいと思っております。

丸山座長をはじめ、皆様、事務局等々の御尽力に心より感謝申し上げます。

私からは、以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

片山委員長代理、お願いします。

○片山委員長代理 ありがとうございます。片山です。

私もこのワーキングに委員として参加させていただきました。改めて、こうした新しい取引分野におけるルール形成の在り方というのが非常に難しいということを感じましたし、その中で、自主規制の必要性というものと、それから最適な在り方をしっかりと構築しておくことの重要性ということを強く認識いたしました。

その上で、もちろん、今回の委員会としての意見書についても賛成であります。

最後に、2点ほど気付いたこと、今後要望したいことを申し上げたいと思います。

1つは、冒頭に清水委員からも御指摘があり、皆様からも御指摘がありましたが、やはり新しい取引分野においては、アウトサイダーも含め、被害状況あるいは被害の要因というものが刻々と変化していくというところがあるように思います。

そういう意味で、その変化というのを不断に注視して、今回示した自主規制の整備・運用というものが適切に機能しているかということについて、是非委員会でもチェックを続けていただいて、被害が大きくなる前に未然に防止できるよう、対応を消費者委員会においても検討していく必要があると感じています。

もう一つ、これも皆さんから御指摘のあった消費者団体の役割ということでありますけれども、伝統的と言いますか、従前の業界に関しましては、消費者団体と事業者との間の双方向のコミュニケーションなど、協議、協働の場というのは随分と充実してきている面もあると思います。

しかしながら、この新しい取引分野というのは、その実態もまだよく分からない、仕組みも分からないというところが多分にあり、消費者団体としても、すぐに双方向のコミュニケーションが円滑に取れるというところには、なかなかいかないのではないかということを大変懸念しています。

消費者団体が責任を持って新しい取引分野を理解し、そこでの自主規制の在り方ということが適正になされているかを評価し、見直しを求めていくということが大変重要であるということは、本当に言うまでもないことだと思いますので、そうしたことがきちんと実行されるように是非、行政にて、そういう場を設ける、あるいはそれに必要な情報提供をしていただくといった支援をお願いしたいと思います。

私自身も参加して、とても丁寧な議論と調査がなされた報告書であったと思います。この報告書を是非大切に全員で共有していただいて、活用し、そして、また次の段階の議論に続けていただければと切に希望いたします。どうもありがとうございました。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございました。

ほかには、よろしいでしょうか。皆様から一通り頂いているでしょうか。

ありがとうございます。

ただいま各委員から既に指摘がございましたけれども、まず、この報告書は、従来の特に事業者団体を中心とする自主規制について、現状を丁寧にまとめているところに特徴があります。

こういった事業者団体による自主規制につきましては、日本では諸外国に比べて比較的制度化ができているところがあります。実態は、更に制度よりも進んでいるところもありますし、なお課題として残されているところもあります。その点を、まず、報告書では丁寧にまとめていただいております。

その上で、新しい取引分野に関しましては、日本で今後どのように制度を作っていくかというところが、まだ、これから取り組まなくてはいけない課題として残されています。EUを見ますと、規則案といった形で、いろいろな提案が具体的に出てきているところです。

こうした新しい取引分野につきましては、従来の分野と違う点といたしまして、1つには仲介をする主体が非常に多く出てきて、重要な役割を担っています。

その例として、オンラインプラットフォーマー、あるいはASPなどが挙げられるかと思います。

もう一つは、言わば事業者側に立つ主体が増えている、あるいは多様化していることでして、CtoC取引、あるいはアフィリエイト広告などにおいて顕著に言えるところかと思います。

こういった特徴を見ますと、今後考えなくてはいけないのは、1つは個社の取組の問題。これは従来からあったところですけれども、個社の取組と事業者団体の取組との関係について考えなくてはいけないということがあります。もう一つは、独立性が強い民間の主体の役割を考えなくてはいけない。これは専門家あるいは専門家が中心となる団体であり、あるいはマルチステークホルダーフォーラムに見られるような、様々なステークホルダーが参画をする主体ですけれども、こういった主体の役割にも着目していかなくてはいけないと思います。

ルールの面に関して申しますと、1つには従来から言われてきたように、公的な規範と自主規制との組合せの問題があります。

これに関しては、先ほど来議論がありますように、いわゆるアウトサイダーの問題があります。あるいは清水委員から御指摘がありましたけれども、自主規制は往々にして分野ごとに細かく形成され、そこに意味があるのですが、他方で、様々な種類の事業を横断的に営む事業者にとっては、ぴったりと当てはまらないところもあります。そういった意味から、公的規範と自主規制とをうまく組み合わせることが必要です。

もう一つには、従来から自主規制団体が紛争解決機能を担っている例が多く見られますけれども、そういった紛争解決機能から、言わばボトムアップで自主規制規範を形成していくプロセスも、今後、重要になってくるのではないかと思います。

この報告書は、いろいろな指摘をし、将来に向けて更に検討すべき課題も多く示していると思います。関係団体あるいは消費者庁をはじめとする関係行政機関において、この報告書を十分考慮していただいて、更によりよい自主規制の在り方について考えていただく、あるいは取り組んでいただくきっかけになればと思います。

意見案につきましては、特に修正の御意見はなかったと思いますので、これを委員会としての意見にしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

チャットを頂いておりますので、これをもちまして皆様の御了解をいただいたということで、消費者庁長官及び関係行政機関に送付したいと思います。

丸山座長、そして、ワーキング・グループに参加をされた皆様におかれましては、また、取りまとめに御尽力いただきました事務局の皆様におかれましては、ありがとうございました。

これで消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ報告書案及び意見案の審議を終了いたします。

《4.その他》

○山本委員長 それでは、議題のその他といたしまして、新開発食品調査部会から報告事項がございます。

受田部会長から御報告をお願いいたします。

○受田委員 それでは、特定保健用食品の表示許可に係る答申について、私から報告をさせていただきます。

令和3年6月25日に開催いたしました第57回新規開発食品調査部会の議決について、新開発食品調査部会設置運営規定第7条に基づき、委員長の同意を得て、委員会の議決とし、令和3年8月17日付けで内閣総理大臣へ答申を行いました。

お手元の参考資料1の答申書を御覧ください。

内閣総理大臣より諮問を受け、第57回新開発食品調査部会において、安全性及び効果について審議を行った結果、特定保健用食品として認めることといたしました。

私からの報告は、以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございました。


《5.閉会》

○山本委員長 それでは、本日の議題は以上となります。

最後に事務局より、今後の予定について説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日も長時間にわたりまして、大変御熱心に御議論をいただきまして、ありがとうございました。

次回の本会議につきましては、日程が決まり次第、委員会ホームページを通じてお知らせいたします。

以上でございます。

○山本委員長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございました。

(以上)