第329回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2020年10月8日(木)10:00~12:00

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)山本委員長、生駒委員、大石委員、柄澤委員、木村委員、清水委員、新川委員
    (テレビ会議)片山委員長代理、丸山委員
  • 【説明者】
    消費者庁黒木消費者制度課長
    消費者庁西川表示対策課長
    消費者庁笹路取引対策課長
  • 【事務局】
    加納事務局長、渡部審議官、太田参事官

議事次第

  1. 開会
  2. デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会 論点整理について
  3. 特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会 報告書について
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○山本委員長 皆様、本日はお忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。

ただいまから、消費者委員会第329回本会議を開催いたします。

本日は、生駒委員、大石委員、柄澤委員、木村委員、清水委員、新川委員が御出席、それから、片山委員長代理、丸山委員がテレビ会議システムで御出席です。

なお、受田委員が御欠席です。

まず、会議に先立ちまして、本日は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、3密を回避しながら、消費者委員会会議室及びテレビ会議システムにより、会議を進行いたします。

また、感染防止拡大の観点から、引き続き一般傍聴者は入れず、報道関係者のみ傍聴していただいて、開催いたします。

議事録につきましては、後日、消費者委員会のホームページに掲載いたしますが、議事録が掲載されるまでは、本日の会議の様子を、明日10月9日金曜日15時より、ホームページで動画配信いたします。

それでは、配付資料の確認につきまして、事務局よりお願いいたします。

○太田参事官 事務局の太田でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

資料についてでございますが、議事次第の下に配付資料を記載しておりますとおりでございます。もし不足等ございましたら、事務局までお申し出くださいますよう、お願いいたします。

以上でございます。


《2.デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会 論点整理について》

○山本委員長 本日は、消費者庁において開催されました検討会及び検討委員会について、これらの取りまとめ状況等をヒアリングし、審議を行いたいと思います。

まず、デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会の論点整理についてです。

デジタル・プラットフォームは、今や社会生活上不可欠な基盤として重要性を有するに至っています。

他方で、そのデジタル・プラットフォーム市場の拡大により、様々な消費者トラブルが発生しており、今後も、これに関連する消費者トラブルが増加することも想定されます。

消費者委員会では、昨年4月にプラットフォームが介在する取引の在り方に関する提言を発出いたしました。

それも踏まえまして消費者庁では、昨年12月より、本検討会を開催し、本年8月に論点整理を公表したと伺っております。

本日は、取りまとめ内容を伺った上で、整理された論点のポイントや、今後法制化を含め、どのように検討されていくかという点について審議を行いたいと思います。

本日は、取りまとめ担当課の消費者庁黒木消費者制度課長にお越しいただいております。

黒木課長におかれましては、お忙しいところ、お越しいただきましてありがとうございます。

それでは、20分程度で説明をお願いいたします。

○消費者庁黒木消費者制度課長 消費者庁消費者制度課長の黒木でございます。本日は、よろしくお願いいたします。

デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会の論点整理につきまして、御説明の機会をいただきましてありがとうございます。

お手元に資料を2種類お配りいただいているかと思います。1つは縦置きのもの、論点整理本体でございますけれども、横置きのものが概要になっております。こちらに基づいて御説明をさせていただければと思っております。

先ほど委員長からも御指摘ございましたけれども、まず、この検討会で検討が始まったもともとの問題意識として、そういうデジタル・プラットフォーム等の利便性の向上により、そのプラットフォームの企業が介在する消費者取引というのが、大変拡大をしているという問題意識がございます。

先ほども御指摘ありましたとおり、今や社会生活上不可欠なインフラということになっているのではないかと、その重要性が大変増加しているだろうということでございます。

それから、この検討を進めている最中ではございましたけれども、新型コロナウイルス感染症の拡大等によりまして、新しい生活様式が普及する中で、更に社会全体で、このような取引の重要性、デジタル化が進み、どんどん必要性、あるいは皆さんが使われる頻度というのも増しているのではないかということで、検討会でも、いろいろアンケート調査とか、御紹介をしたのですけれども、必ずしも若い人だけではなく、あらゆる年代で、デジタル・プラットフォームを介した取引をした回数が増えているというようなことが見受けられたかと思います。

そういう問題意識の下で検討会が開催されまして、少し前後いたしますけれども、4枚目御覧いただきますと、検討会の構成等を御説明しております。

委員は、4枚目の左側にお載せをしている先生方に御参画いただきまして、座長は、依田先生がお務めいただいております。

これまでの開催実績でございますけれども、昨年12月に第1回を開催いたしまして、第2回に、消費者トラブルの状況等を御紹介した上で、第3回、第4回で企業や団体あるいは有識者のヒアリング等をしたと。

その上で、第5回以降、個別の論点について御議論をいただきまして、第10回のところで、8月24日に、論点整理を取りまとめたということでございます。

まだ、論点整理の段階でございますけれども、その内容について、1枚目にお戻りいただきまして、順次、御説明をさせていただきます。

論点整理でございますけれども、まず、最初のところでデジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引の現状等について御説明をしております。

市場環境が変化をして、デジタル・プラットフォーム企業が提供される集客のサービスであるとか、あるいは消費者の行動や属性を踏まえた効率的な働きかけ等、様々な手法がございますけれども、そういうものがあることで、売主が非対面で遠隔取引での参加が容易であるというようなことになっております。また、そこにも書いておりますけれども、消費者、これまでですと、売主側に回ることが困難であった消費者も売主として参加できるというような状況になってきているということでございます。

それから、デジタル上というか、インターネット上になりますので、物理的な制限がないこともありまして、多数の選択肢が提供されているということもございます。

そのような中で、特に買主あるいは一般の個人である消費者というのは、デジタル・プラットフォームへの信頼というものが、大きな位置を占めているのではないかと、その信頼に基づいて買主の利便性も向上していっているのではないかというようなことが、まず、市場環境の変化として指摘をされております。

そのような中で、しかし消費者トラブルというものが発生をしております。どのようなものがということでございますけれども、まず、件数的には、かなり増加をしているということでございます。これは、被害に遭う確率が増えているというよりも、取引自体が大変増加をしていることがあろうかと思いますけれども、それもあって、決して看過できない数の御相談が多くなっているかと思っております。

そのような消費者相談等の背景にどのようなことがあるかということでございますけれども、やはり取引に不慣れな事業者あるいは悪質な事業者が売主として参加が容易になっているというようなことがあろうかということ。

一方で、先ほども申し上げましたけれども、消費者はデジタル・プラットフォーム企業を信頼して取引に入っているというようなことがうかがわれると。そのような中でいろいろなトラブルが発生している。

その下にありますけれども、具体的にどのようなことになりますと、危険な事故のおそれがあるような商品でありますとか、あるいは、いわゆる偽物であるとか、壊れているものが届いたとか、あるいはそもそも頼んだものが届かないというようなこととか、そういう売主側の債務不履行に関わるような相談事例。

それから、何らかのトラブルが発生した後に、売主と連絡がそもそも取れないでありますとか、あるいは最初は取れていたのだけれども、途中から取れなくなったというような御相談というものが多くございます。

そのほかにも消費者問題としては、広告表示の内容が虚偽誇大なのではないかというようなものであるとか、あるいはデジタル・プラットフォームを介した取引では、一般的には消費者レビューというものがございますけれども、そういうものの中に信頼を損なうようなレビューというものがあるのではないかというような問題。

それから、複雑な関係となっていることもあって、利用規約というものが結構、膨大というか、複雑になっているかと思いますけれども、それがなかなか分かりにくいというような相談。

それから、ターゲティング広告と呼ばれるようなものについて、それは、どうなのかというような御相談。それから、パーソナライズド・プライシング、同じようなことになりますけれども、そういう自分の情報、自分の行動利益などがどのように使われているのかというようなことに関する御相談というようなものがあろうかと思います。

今回の検討会では、検討の対象は物品の売買を中心にということで進めていただいておりますけれども、BtoCの取引が行われている、いわゆるオンラインショッピングモールだけではなくてCtoCの消費者取引が中心なっているフリマサイトなど、あるいはその両者が混在するインターネットオークションサイトについても、検討の対象として検討を進めていただいたことでございます。

対象となるデジタル・プラットフォームに対する今後の施策についての基本的視点というのを、次に書いております。3つありますけれども、1つ目は消費者の安全・安心を確保する必要性があろうということ。

2つ目は、関係者の総合的な取組を推進していく必要があろうということ。

3つ目は、悪質重大事案への実効性のある取組が必要であろうということでございます。

このような基本的視点に基づきまして、2枚目以降で、個別の論点についての検討状況について御説明をさせていただきます。

まず、個別の論点として紛争の未然防止に関係して、1点目は、違法な製品や事故のおそれがある商品等が流通しているのではないかという問題についてでございますけれども、これについての検討の方向性としては、違法、危険な商品が流通していることが外形上明らかである場合でありますとか、行政機関からの通知等で、デジタル・プラットフォーム企業がそのことを認識できるような一定の場合には、何らかの対応をしていただくというようなことを考えていくことができるのではないかでございます。

それから、今でもそうでしょうけれども、デジタル・プラットフォーム企業が様々自主的なお取組をされていることがございます。ただ、そういうものがなかなか消費者には見づらいということもございますので、そういうものの開示を促進していくということも必要であろうということでございます。

それから、2点目、緊急時における生活必需品等の流通について、これは御記憶に新しいかと思いますけれども、コロナ禍でマスクの転売等のことが問題になったということがございます。

こういうことについて、何らか対応が考えられないかということで検討の方向性としては、国とデジタル・プラットフォーム企業の協力関係を円滑化する必要があろうということ。

それから、こういう場合に何をしたらいいのかというような判断を、デジタル・プラットフォームに任せ切りにならないような、各社の取組を後押しするような判断枠組みのようなものが作れないかというようなことを御議論いただいていたということでございます。

3点目、虚偽誇大な広告表示につきましてですけれども、これについては、検討の方向性としましては、景品表示法等の法令の規定の適用の整理というものを、今後していく必要があろうというのが出ておるということでございます。

また、自主的な取組の開示を促進していくということは、今後、この場面でも当てはまるであろうということでございます。

それから4点目として、消費者の信頼を損なうレビューということで、やらせレビューのようなものが典型的かと思いますけれども、そういうものについての検討の方向性でございますけれども、迅速で実効的な法執行に向けたデジタル・プラットフォーム企業との連携の在り方について、今後も検討を進めていく必要があろうということでございます。

それから、デジタル・プラットフォーム企業に期待される役割や課題を整理していく必要もあろうということでございます。

5点目としまして、パーソナルデータのプロファイリングに基づく表示ということで、典型的にはターゲティング広告であるとか、あるいはパーソナライズド・プライシングということでございますけれども、それらについては、ターゲティング広告や表示の仕組みに関して消費者に分かりやすく情報提供していくこと、あるいはオプトアウト、その方法であるとか、それができるということについて、分かりやすく示していくことが必要であろうということ。

それらについての自主的な取組というものを促進していくことが必要であろうということで検討されていると。

一方、パーソナライズド・プライシングの方については、まだ、実態がなかなか分かりにくいところもございますので、実態把握をした上で、今後更なる検討をしていく必要があろうということでございます。

利用契約につきましては、検討の方向性としては、重要な事項について分かりやすく表示をしていくことが検討できないかということでございますけれども、消費者契約法での対応等も含めて、不当となり得る条項の判断基準などを明らかにしていく検討が、今後必要になっていこうということでございます。

3ページ目にいっていただきまして、紛争の処理解決に関してでございます。

最初のほうで申し上げました、売主と連絡が取れない、あるいは途中から取れなくなって困っているというものについて、何らかのことができないかということにつきまして、検討の方向性としては、今ある自主的な取組の開示を促進していくということに加えまして、一定の要件が満たされる場合に、消費者が取引の相手方に関する情報の開示をデジタル・プラットフォーム企業に対して求めること、あるいはそれに応じたデジタル・プラットフォーム企業にも、応じたことによって、何らかの損害賠償責任を負うということがないように、責任の免除をする仕組みというものが考えられないかということでございます。

もう一つは、主には特商法の法執行においてということになろうかと思いますけれども、販売業者等の表示義務がしっかり履行されていない、あるいはそもそも書いていない、あるいはあっても、それが真実ではなかったということが起こっておりますので、その辺の表示義務の履行をしっかり確保していただくようなこと。

それから、法執行時に、販売業者等に追跡可能性をしっかり確保していくということが必要ではないかという点でございます。

これについては、特商法の見直しを含む所要の方策を検討していく必要があろうということで、検討の方向性をお示しいただいているところでございます。

それから、官民のコミュニケーションの促進というものも必要であろうという点で、平時から官民が適切にコミュニケーションを図っていける定期的な情報提供、意見交換の場を設定していくことが望ましいのではないかということでございます。

それから消費者に対しても啓発、教育促進というものが重要であろうということで論点として、おまとめいただいているということでございます。

1ページにお戻りいただきまして、一番下のところでございます。今後の進め方でございますけれども、1つ目のポツのところで、マル1、マル2、マル3、マル4と挙げております。

これらの点につきまして、具体的には、1つ目は違法な製品や事故のおそれのある商品等に関わる取引で、重大な消費者被害が発生することを防止すること。

それから、2つ目は緊急時における生活必需品の流通の確保。

3点目として、一定の事案において取引の相手方の連絡先の開示等の基盤の確保。

それから、4点目として、自主的な取組の促進とその取組状況の開示という点。

それに向けたデジタル・プラットフォーム企業のインセンティブをどのようにつけていくかというような設計。

このような点については、必要な法的枠組みも含め、優先的に検討するべき論点ということでございます。

それ以外のものにつきまして、中長期的な課題として整理された事項については、必要な調査、情報収集など、引き続き検討していく必要があるということで、論点整理の内容としては、今の時点でまとまっているということでございます。

私の説明は、以上でございます。ありがとうございます。

○山本委員長 ありがとうございました。

それでは、御質問、御意見のある方は、御発言をお願いしたいと思いますけれども、内容が極めて多岐にわたっており、恐らく、ほとんど皆さん、いろいろ御発言があるのではないかと思われます。全体の質疑応答の時間が約30分の予定でございます。御発言や御回答はなるべく簡潔に行っていただきますよう、御協力をお願いいたします。

それでは、御質問、御意見いかがでしょうか。

清水委員、ほかには、御発言はございますか。

では、まず、清水委員にお願いします。

○清水委員 御説明ありがとうございます。

現場の相談の現状を把握していただいて、目的意識というのは現場とほぼ同じということで、今後、速やかに対策をしていただけるものと期待しております。

そこで、御説明の中の個別論点の部分なのですが、ここの(3)と(4)なのですが、まず(3)の消費者を誤認させる虚偽誇大な広告表示というので、相談の現場では翻弄される消費者がとても多いと考えているのですが、自主的な業界、事業者の自主的な取組というのはとても重要ですけれども、その取組の開示の促進だけでは、とても規制できるものではないと思うのですが、行政機関による景品表示法等の積極的な運用というのは、具体的にどのようなスケジュール感があるのかというのを1つ教えていただけたらと思います。

それから(4)の消費者の信頼を損なうレビューというところなのですが、これはインターネットの奥の奥、闇の部分で私たちは情報商材の相談を受けています。正しくその情報商材なるものが、インターネットのこういったレビューを書くことによって、お金を得る、いわゆるやらせレビューということを、ビジネスモデルのように売っている商材があります。

そういう中で、すごく広がっているように思っているのですが、ここの部分もプラットフォーム企業との連携と書いてありますが、やはり実効的な法規制というのが何か必要ではないかと思っていますが、具体的に決まっているようでしたら御説明いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

○山本委員長 ありがとうございます。

ほかにいかがでしょう。

それでは、生駒委員にいただいて、その後、お答えをいただきたいと思います。

お願いします。

○生駒委員 御説明ありがとうございました。

消費者取引における環境整備ということでお話しくださったのですが、この中に、プラットフォーム企業に対する論点というのは、いろいろ書かれているのですけれども、消費者に対しての論点は、どのように今後、充実させていかれるのか。

例えば、こういった被害に遭わない消費者教育の論点、それから被害に遭った消費者の方がどのように守られるのか。クーリングオフではないですけれども、キャンセルをどのようにできるのかといった論点は、どのように今後、盛り込まれていくのでしょうか。検討されている点をお伺いできればと思います。

○山本委員長 それでは、お願いします。

○消費者庁黒木消費者制度課長 まず、清水委員から御指摘いただきました、1点は、景品表示法の取組の状況という御質問だったかと思います。もちろん今ある法律でございますし、それに基づいて執行していくということは当然あることですし、それを加速してしっかりやっていくということかと思います。

この検討会での御議論という意味で言いますと、まず、景品表示法でというのは、表示をしている者ということかと思います。それをどう捉えるのかという問題も、別途あろうかと思いますけれども、そういう意味で、一番分かりやすいのは売主そのものかと思いますけれども、プラットフォームとの関係で、プラットフォームにどのような役割を果たしてもらうのかというところについては、景品表示法の解釈とか運用とかの整合性なり、あるいはその関係をしっかり整理してやっていく必要があろうということで、今回、余り優先的に取り組む事項というものには入っていないという状況かと考えております。

それから、2点目、情報商材の中に、正にやらせレビューなどをしてもうけたらいいのですよというものがあるということでございますけれども、そのこと自体について具体的な施策がというのは、今、決まっているわけではありません。また(4)の消費者の信頼を損なうレビューというものについても、優先的に取り組むべき課題のところに入ってはいないということでございまして、やはり、これもやらせレビューというか、あるいはそういう情報商材を購入されて、それに従って、そういうやらせレビュー的なものとかをされるような人がいらっしゃるということなのかもしれませんけれども、そういうものについて、どういうことが実効的な対応なのか、あるいはそれは消費者教育という問題もあるでしょうけれども、プラットフォーマーと何か協力をしてやっていけるようなことがあるのかということについては、やはり今後、デジタル・プラットフォーム企業に何を期待していくのかということは、まだまだ検討し、課題を整理していく必要があろうということかと思っております。

○清水委員 すみません、今のところで、基本的にプラットフォーム事業者が、そこに入ってくる売主や買主にルールを作るというところから、自主的な取組をまず開示してもらって確認するというところから始めるということでしょうか。当然、プラットフォーム事業者は、例えば、フリマがありますね、知らない、経験がない消費者が、そこで売主になるわけですから、ちゃんとそこの中で、ルールをきちんと作っていただければ、トラブルは少なくなると思っています。

そうなると、さっき言ったことと逆になるのですけれども、行政の法的な規制よりは、ちゃんとしたプラットフォーム事業者が、ここの中では、こういうルールですと、例えば売主の消費者には適用されない特商法の、通信販売ぐらいのルールを作って、こういう最低限のルールを守ってほしいと、そこまで、プラットフォーム事業者にやってもらいたいと思っているのですけれども、そういうところを確認していただけるということでしょうか。

○消費者庁黒木消費者制度課長 具体的に何と何をということではないのですけれども、正に問題意識としては検討会でも同じような御検討があったかと思っておりまして、プラットフォーム企業が、どういう取組を、自主的な取組も含めてですけれども、どういう取組をしていただくのがよいのかと、かつ、またそれをどうやって伝えていただくかということ。消費者が分からないと、決まっていることも守れないしあるいは自分に合ったプラットフォームというものが、どういうものなのかということも分からないし、生駒委員の御指摘にも通じるところがあろうかと思いますけれども、被害に遭ったときに、消費者が、どういうことが自分にでき、あるいはどういうことが売主に求めることができ、あるいはプラットフォーマーにはどういうことを期待できるのかということについても、消費者教育で伝えていくということではありますけれども、まず、それが分かる取組をしていただく、かつそのしていただいている取組が、どういうものであるのかというものについて、しっかり開示とか透明性を保っていただいて、それを見て消費者が、それに従って、そのルールを守っていける、あるいは情報に基づいて自分で、私はここのプラットフォームが使いやすいとか、そういうことを選んでいけるようにということが重要かなと考えております。

○山本委員長 ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか、それでは、大石委員、木村委員、あと、オンラインで参加をされている丸山委員から希望がございますので、その順にお願いします。

では、大石委員、お願いします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

取りまとめの最後に書いてありますように、やはり、この新しい生活様式の中で、デジタル・プラットフォームを使った取引というのは、これから増えることはあっても減ることはまずないと考えておりまして、今後、更にいろいろな消費者問題が増えることを前提に考える必要があると思っております。その場合、今ある特商法ですとか消費者契約法を、何か問題が起こるたびに事例ごとに改正していくというのでは、消費者被害の未然防止にはならないのではないかと考えます。私もまだ勉強し始めで深くは理解できていないのですけれども、ヨーロッパなどでは、不公正取引方法指令ということで、そもそも基本的に商品に関する取引の前、それからその際、その後に、消費者に対して、事業者が行う公正取引方法を広く禁止するという緩やかな規制があると聞いています。

それほど厳しい縛りのある規制ではないようなのですけれども、基本的な法律を作ることによって、これから起こる消費者問題・被害を未然に防ぐというような考え方が1つあるのではないかなと思いまして、何かそのような研究などがあれば教えていただきたいというのが1つです。

あと、今回の取りまとめの中で、事業者の自主的取組について大変期待しているということが何度も出ておりました。この点、大変重要だと思うのですが、今回、事業者の皆様が新しく組織を作られたとお聞きしております。ただ、そのメンバーをみますと、例えばGAFAの中で言えばアマゾンさんだけですとか参加されている事業者さんが今のところまだ少ないように思います。今後更に参加企業を募り、もっと広げていくようにと国として後押しをしていく予定のある組織なのかどうかというのも、是非教えていただければと思います。

以上です。

○山本委員長 それでは、木村委員、お願いします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございます。

プラットフォームは、本当に今後、私どもの生活にますます必要になってくるものと思うので、是非、いろいろと対策をと思っております。

重要な視点の1つとして、消費者にとって分かりやすいかどうかということが、やはりすごく大切だと思います。

個別論点の中で(3)の消費者を誤認させる虚偽や誇大な広告表示ですとか、あと利用規約のところで、やはり消費者にとってどうなのかという視点がすごく大切だと、御説明にあったとおりだと思います。

その中で(3)の消費者を誤認させる虚偽誇大な広告表示のところで、虚偽ではなくても分かりにくかったり、書いてあるけれども文字が小さいとか、位置が何か変なところにあるとか、色が薄いとか、そういったことを、例えば定期購入などのときにも問題になりましたけれども、書いてあるのだけれども、消費者にとって分かりにくい、決して法律違反ではないのかもしれないけれどもというところの、そういった視点というのは、今回、議論に入っていたのでしょうか、教えていただきたいと思います。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、丸山委員、お願いします。

○丸山委員 丸山でございます。

3点ほど、意見を中心に述べさせていただきたいと思います。

まずは、プラットフォーマーが、場の安全、CtoCの取引について取り組むことへの要望については、既に言及されたところですけれども、場の安全とか、公正というものを確保するために、何ができるのかという問題について。確かに、法的な義務の設定というところまで行くには、ハードルが高いというのは、理解できているのですけれども、ただ、プラットフォーマーが場の安全や公正に配慮する、努力をする、あるいは、これを基本ポリシーとして共有するということは、できるのではないかと思いますし、現実に、デジタル・プラットフォーマーというのは、場の参加者に対して、一定の行動を禁止したり、行動を求めたりということはしていると思います。そうした場の安全や公正に配慮する努力をするのだということを基本的なポリシーとして、共有するというところまでは、是非何らかの形で、具体化できればよいのではないかと思っております。

次に、第2点としまして、官と民の協力、連携、コミュニケーションの促進というのが必要であり、この領域では重要となるということは、理解できているのですけれども、デジタル・プラットフォーマーというのは、専門的な知識、専門的な人材、情報というのを蓄積しておりますので、行政の側が対等に交渉・交流するためにも、やはり、独自に専門的な知識を蓄積したり、あるいは専門家を検討の場とかに取り込んで、対等に、様々なことを議論していくという、そういう点にも配慮が必要なのかなという印象がありました。

最後に、第3点目としましては、利用規約などが膨大になって分かりにくいというのは、これは問題点として指摘されているとおりでございます。

ただ、利用規約自体が、pdfとか、画面とかで膨大であったとしても、重要なことについては、例えば、Q&Aにもっていくとか、トップページの注意事項として示すとか、いろんな制度設計の在り方というものがあると思いますので、この辺りは、問題を共有しているのもしれませんけれども、プラットフォームの分かりやすい設定という観点から、ある程度柔軟に、分かりやすい情報提供ということを議論していただければよいのではないかと思いました。

以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございました。

それでは、黒木課長からお答えをいただきますけれども、ただいま西川表示対策課長にお越しいただきました。

清水委員から、先ほど景表法に関する御質問がございましたので、後で西川課長からも、お答えをいただければと思いますが、それでは、黒木課長から、お願いします。

○消費者庁黒木消費者制度課長 まず、大石委員から御指摘いただきました、1点目は、特商法とか契約法とか、既存の法律で、何か被害に合わせて、少しずつ改正をしていくということではなくて、もう少し基本的なことを定めるような枠組みが要るのではないかという御指摘だったかと思いますけれども、御指摘も踏まえて、更に検討していければと思っております。

それから、デジタル・プラットフォーム企業の方々が、自主的な取組を進めていかれる団体を作られたのだけれども、その加盟団体が今後増えるのか、ちょっと私どもでは、なかなか分からないので、よろしければ、そちらと、もし、意見交換などをしていただいて、むしろ教えていただければ幸いでございます。

それから、木村委員からは、消費者にとって分かりやすいかどうかということが重要であるということで御指摘いただきまして、規約については、何か議論がということですが、後の丸山委員の御指摘ともかぶるところがあろうかと思いますけれども、先ほど丸山委員からも御指摘がありましたように、規約自体が大変複雑になるというのは、それは致し方ない面があるのだけれども、重要な点を分かりやすく出していくとか、いろいろな工夫の余地があるのではないかという御意見もございました。正に、そういう御議論が検討会でもされておりまして、ただ、一方では、何かを重要なものとして出した、あるいは、これが重要ですと言ったときに、そう言わなかったものの効力というか、それはどうなるのかという御心配もある等、いろいろ御議論をしていただいていたところでございます。

この点については、いろいろな規約あるいは約款のようなものが複雑になって、なかなか難しいというのは、デジタル・プラットフォームを介した取引においてもそうですけれども、ほかでもある問題かと思っておりますけれども、先ほども申し上げましたように、消費者契約法等での対応も含めて、様々、今後検討していく必要があるところかと思っております。

もう一点、御指摘のあった虚偽誇大広告に関係して、虚偽とまではいかないけれども、分かりにくいとか、それについてこの検討会で御議論があったかということにつきましては、恐らく多分、この後で御報告をさせていただく検討会では、若干、御議論があったのではないかと思っております。

○消費者庁西川表示対策課長 御指摘がありました、一応書かれてはいるけれども、注意書きが小さくて全然読めないといったようなものについては、景品表示法上の評価として、注意書き、打消し表示が、書いてさえいればいいというものではございません。あくまで消費者の立場から、消費者に誤認を与えている表示か否かを表示全体として判断することになりますので、仮にその注意書きが、一応書いてあったとしても、場所が隅であるとか、字が小さいとか、薄いとか、そういう理由で消費者が読めない、明瞭に誤認を排除できないようなものであれば、これは、景品表示法上、打消し表示としては評価されないわけでございます。

消費者庁では、こういう考え方に基づいて、景品表示法の運用を厳正にやっておりまして、実際にも、打消し表示が一応書いてあったけれども、打消しの効果がないと評価されて行政処分に至ったという例は多数ございます。

○山本委員長 すみません、お忙しいところ、おいでいただいたところをいきなりで申し訳ないです。よろしいですか。

○消費者庁西川表示対策課長 はい。先ほど、清水委員から御指摘をいただいていたようですけれども、確かにプラットフォーマー、特に通販モール、こちらの関係の不当表示が多数あるのは事実でございまして、例えば、出店者が新型コロナウイルスの予防効果等を標ぼうして販売する商品について行政処分をしたりとか、あるいは、注意喚起や改善指導を、我々の方でネットを監視して、迅速に見つけて対応していくといった取組を、積極的にやっているつもりでございます。

今後は、我々が引き続き頑張るというのも当然ですけれども、プラットフォーム事業者の方にとっても、出店者においてそういう虚偽・誇大な表示が横行していると、モールの信頼性自体が下がるという意味では、同じ方向性を向いていますので、モールの運営事業者の方とも連携をしながら、対応していきたいと考えているところでございます。

○清水委員 ありがとうございます。

地方の公正取引委員会との連携ということも、当然あるのでしょうか。ネットだと全国区なので、消費者庁で、一括でやるという感じなのか、いかがでしょうか?

○消費者庁西川表示対策課長 一応、管轄というのはありますけれども、ただ実際問題、ネットの表示自体は、日本中に向けて行われているものであるかもしれませんが、事業者は地方にしか居ないといったときに、消費者庁が、必ず出張して対応するというのは非効率ですので、そこは事案に応じて、公正取引委員会の地方事務所と協力し合いながらやっているという状況です。

○山本委員長 ありがとうございます。

そのほかに、いかがでしょうか。

まだ黒木課長からお答えをいただいていない部分がありました。

○消費者庁黒木消費者制度課長 いや、お答えというか、丸山委員から幾つか。

○山本委員長 御意見をいただいた分ですね。

〇消費者庁黒木消費者制度課長 御意見というか、御示唆をいただいていたかと思っておりますけれども、1点目は、なかなか法的な義務を課すというのが難しくても、努力義務でありますとか、あるいは安全に配慮することを基本ポリシーにするという考え方というのは、有効なのではないかというような御示唆をいただいたかと思います。

2点目は、官民の連携というのは重要だけれども、官というか、行政も、しっかり知識とかを身につけていかないと、なかなか連携といっても難しいのではないかという御指摘であったかと思いますが、いずれもおっしゃるとことは、大変示唆に富んだ御指摘だと思いますので、今後の検討に生かしてまいりたいと思います。ありがとうございます。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、柄澤委員、お願いします。

○柄澤委員 ありがとうございます。柄澤です。

私からは3点、簡潔に御意見を含めて、まず、論点整理概要の3ページ目、法執行のところの記載ですけれども、ここではデジタル・プラットフォーム企業の信用力を悪用して、身元を隠して、違法な通販を行う等の記載があるのですけれども、この販売業者等における追跡可能性の確保というのは、法執行だけではなく、当事者間の紛争解決とか、あるいは安心・安全な取引の確保、あるいはデジタル・プラットフォームの健全な発展からも非常に必要な項目なのだろうと思っております。

銀行では、口座開設時に本人確認が、法律上義務付けられているのですけれども、こういうことも参考に、事業者が自主的に本人確認を強化することが、この事業の健全な発展につながるという観点から、強力に進めていただく方向を示していただけたらと思います。

2点目は、同じページの官民のコミュニケーションの促進ですけれども、丸山先生御指摘の点も、なるほどそのとおりだなと思います。

ただし、ちょうど官民のコミュニケーションが、極めて重要なポイントだと思っておりますので、行政も縦割りにならず、消費者庁を中心に連携して、適切な情報共有を図っていただいて、できたら、未然防止的な対策も打っていけるようなプロセスの構築というのを、消費者庁に検討いただけたらと思います。

3点目は、御指摘のあった2ページ目の最後の利用規約のところですが、私の関係する保険業界でも、規約が複雑であると批判されているところがございます。これに対して、例えば、重要事項説明といって、これは絶対分かるように説明しなさいという事項を例示して、利用規約の中の重要な事項を必ず大きく、読めるように開示しなければならないというルールを作っています。こういった方向性も1つ御検討いただけたらいいのかなと思います。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

片山委員長代理から御発言があるということですので、オンライン参加の片山委員長代理、お願いします。

○片山委員長代理 ありがとうございます。

もう皆さんから御意見が出ていますので、1点だけ追加でお願いしたいと思います。

デジタル・プラットフォーム事業者の自主的な取組と、それを可視化する、消費者に対して開示をしていくことの促進が検討されるということですが、これは、自主的取組と可視化の結果が消費者による評価にきちんとつながっていって、デジタル・プラットフォーマーに対する信頼に反映されるというところが、つながらないと、なかなか自主的取組というのは推進されないのではないかと感じます。

そういう意味で、生駒委員の御指摘のあった、消費者に対する教育、啓発というのがすごく大事なのですが、その際に、デジタル・プラットフォーム事業というものに対する規制であったり、あるいは自主的取組の促進、それを消費者が評価することによって、公正さが確保されていくのだということも含めて、どうやったら、デジタル・プラットフォームの社会というのが、長期的に見て、公正さが確保されていく仕組みになっているのかというところを、しっかり消費者自身に理解をしていただけるように啓発することが大事だなと感じました。意見です。それだけお伝えします。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、お願いします。

○新川委員 新川でございます。簡単に少し質問をさせていただきます。

特に、デジタル・プラットフォーム企業の側からすると、今回の検討というのは、ある意味では非常に対処しにくい問題というのをたくさん抱えられるのではないかと想定をしております。

そういたしますと、今後、特に今回のまとめの中でも、今後の進め方で、いろいろと議論しないといけないところが、おありだということで、これはそのとおりだなと思って拝読したのですが、まず1つ目にお伺いをしておきたかったのは、その中で、いずれにしてもプラットフォーム企業の自主規制というのも、きちんと考えていく必要があるということについては、一定方向があるのかなと思いながら、お話を聞いておりました。

さて、問題は、この自主規制というのが、本当に実効性のある、効果のある自主規制にしていくということのために、その中身について、こうした検討の場や、その後を受ける官民のコミュニケーションの場といったようなものが、有効に機能するということができるかどうかというのが問われているかなと、そこまでの設計に入っていかないといけないのかなというのが、1つ気にかかっておりました。

それから、大きな2つ目として、中長期的に、こうしたデジタル・プラットフォーム活動というか、こういう事業の在り方そのものについて、従来の法規制で、どこまで対処できるかというのが非常に難しいなという印象を持っておりまして、新たな立法の必要性ということもあるのではないかと、少し感じながら報告を読ましていただいたところがあります。

そうした観点で、今後の検討の在り方といった論点について、もし、現時点で、検討会あるいは庁としてのお考えがあれば、お聞かせをいただけるとありがたいと思います。

以上、2点です。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、お願いいたします。

○消費者庁黒木消費者制度課長 1点目、すみません、少し私の理解が行き届いていないかもしれませんけれども、自主規制が重要であるということだけれども、それが実効性のあるもの、あるいは効果のあるものになっていくように、例えば、この検討会の中でということであれば、官民の連携とか、コミュニケーションの在り方というものは、もうしっかりそういう実効性確保ということができるようなものを作っていく必要があるという御指摘かと思いますが、よろしいでしょうか。

○新川委員 加えて、実際に自主規制が実効性を持つためには、自主規制をする側というか、プラットフォーム企業あるいは業者団体御自身が、それを自分自身で共通の規範にして、そして、それを遵守していく仕組みを御自分自身で作っていただかないといけないのですが、そこのレベルまでちゃんと議論をしていただかないと困るなと、そんな印象を持っておりましたので、その辺りのところまで、ここでの議論が進められるのかどうか、そして、それがどれくらいのタイムスケジュール感で進められるのかというのが、少し気になったということでお伺いをしました。

以上です。

○消費者庁黒木消費者制度課長 そういう意味では、概要の資料の1枚目の今後の在り方のところで、一番下のマル4のところに、自主的な取組の促進と取組状況の開示を通じたデジタル・プラットフォーム企業のインセンティブの設計等というものにつきましては、優先的に検討すべき課題ということでありますので、なるべく速やかに検討を進めていきたいと考えております。

2点目は、従来の法律とかではなくて、新しい立法ということも考えられるのではないかと、考えていく必要があるのではないかという御指摘だったかと思います。

貴重な御意見かと思いますが、それも含め、法的な枠組みの在り方についても、速やかに検討をしていくということかと思っております。

○山本委員長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。

御説明いただきましたように、消費者委員会の提言も踏まえて検討していただいたものと、全体としては、この論点整理を読ませていただきました。その点に感謝を申し上げたいと思います。

論点整理の冒頭でも言及されていますように、いわゆる新しい生活様式の普及に伴うデジタル化の推進により、デジタル・プラットフォームの重要性は更に増すことが予想されます。これは各委員から御指摘のあったとおりです。

こういう状況におきまして、消費者の安全・安心を確保して信頼性の向上を図ることは、非常に重要な課題であると思われます。

今回の論点整理におきましては、今日の資料の1-1の3の今後の進め方というところで、幾つか優先的に検討する事項が書かれており、これにつきましては、年内を目途に検討するということでございます。これは是非進めていただければと思います。

本日、いろいろ各委員から御議論がございましたけれども、まず、事業者の自主的取組に関する様々な御指摘がございました。自主的な取組をしていただくことが、それぞれの問題において必要になります。

そして、どのような取組が行われているかを、消費者に対して十分に開示する、そういった情報提供が必要です。

それから、さらには、消費者との間で、一種の信頼関係を作っていく。そのために、消費者が十分事業者を評価できる環境、条件を整えていくことが必要ではないかという御指摘がございました。

事業者と行政機関との間の関係につきましても、様々な御指摘がございました。

情報の共有、あるいは認識の共有ということもあるでしょうし、それから、法的な枠組みという点で申しますと、例えば自主的な取組を促進するような枠組みであるとか、あるいは、大石委員から御指摘がございましたけれども、緩やかな形の法的な枠組みを作っていくといったように、法的な枠組みを作ると申しましても、いろいろな対応があると思います。そうした手法により、最終的には消費者との間の信頼関係を作っていくことが重要であろうと思います。

それから、柄澤委員から御指摘がございました、紛争解決、被害回復のための条件の整備、基盤の確保という点も極めて重要ですので、その点もお願いしたいと思います。

それから、先ほどの今後の進め方の部分では、まず、違法な製品や事故のおそれのある商品等に関わる取引による重大な消費者被害の防止が挙がっております。これも正に喫緊の課題ですので、以上に申し上げたような様々な手法を使いながら、是非、取り組んでいただきたいと考えております。

更に中長期的には、先ほどレビューの問題も御指摘がございましたし、広告の問題に関しましても、いろいろな態様の広告があり、今後考えていかなくてはいけない課題は種々あろうかと思います。そういった課題について、更に検討を深めていただき、あるいは消費者委員会でも、今後検討を深めていきたいと考えております。

本日は、消費者庁におかれましては、お忙しいところ審議に御協力いただき、誠にありがとうございました。

○消費者庁黒木消費者制度課長 ありがとうございました。

(消費者庁黒木消費者制度課長、西川表示対策課長退室)

(消費者庁笹路取引対策課長入室)

《3.特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会 報告書について》

○山本委員長 それでは、次の議題に移ります。

本年8月19日に公表されました「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」の報告書についてです。

いわゆる販売預託商法に関しましては、当委員会としても、昨年8月に建議及び意見を発出したところであり、また、詐欺的な定期購入商法に関しましても、本年6月に、悪質なお試し商法に関する意見を発出したところです。

これらも踏まえまして、消費者庁に検討委員会が設置され、消費者のぜい弱性につけ込む、より巧妙な悪質商法の増加、デジタル化の進展による新たな方法による消費者への働きかけなど、消費者取引の分野における新たな課題への対応策が検討されたと伺っております。

本日は、本検討委員会で取りまとめられた具体的な施策の方向性、スケジュール等についてお伺いをした上で審議を行いたいと思います。

本日は、取りまとめ担当課の消費者庁笹路取引対策課長にお越しいただいております。

笹路課長におかれましては、お忙しいところを御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

それでは、20分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁笹路取引対策課長 山本委員長、どうもありがとうございます。取引対策課長の笹路でございます。

今日は、消費者委員会の本会議で御説明の機会をいただきまして、厚く御礼申し上げます。

今、山本委員長からもございましたけれども、消費者庁で、今年の2月から開催されておりました「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」の報告書が8月にまとまりました。これについて御説明をさせていただきたいと思っております。

山本委員長の今の御発言にもありましたけれども、消費者委員会の皆様には、消費者庁の特商法及び預託法の検討委員会の扱うテーマの数々の部分で、精力的に議論を積み重ねていただいてきました。

山本委員長の言及にもありました昨年8月の販売預託商法に関する消費者問題についての建議ですとか、あるいは今年の6月の悪質なお試し商法に対する意見、これらにつきましては、消費者庁としても、議論、審議、検討の過程で、非常に参考にさせていただきました。

また、それらに加えまして、今年の3月に正にこの消費者委員会の本委員会の場で、私から、今日いる委員の皆様と率直に消費者委員会の場で議論をさせていただいて、大変貴重な、建設的な御意見を数々皆様から頂戴しました。3月27日だったと思います、318回の消費者委員会ですけれども、そのとき、正に特商法、預託法の検討委員会をちょうど立ち上げたところでございまして、それで審議を深めていったわけなのですけれども、やはりこの3月に皆様からいただいた御意見というのは、非常に我々としては、重要なメッセージを含んでいたと思っておりまして、その点につきましても、改めて御礼を申し上げたいと思いますし、今日、御説明申し上げる報告書の最終的な内容というのは、正にこの消費者委員会で、今日いらっしゃる委員の皆様のいろいろな御意見や御示唆、コメントもろもろ具体化したものだと我々としては思っておりまして、それにつきまして、概要を御説明させていただきます。

お手元に報告書の資料がございます。それに沿って御説明させていただきたいと思います。

1ページ目でございますけれども、まず「Ⅰ はじめに」というところで、この報告書の基調となる問題意識をまとめさせていただいております。

やはり、近時、少子高齢化の進展とともに、高齢者のぜい弱性につけ込むような、より巧妙な悪質商法による被害が増加しております。

他方、1年半後ぐらいですけれども、令和4年4月からは民法の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられるということで、若年成人の消費者被害の防止も求められています。

更に申し上げますと、いろいろ技術革新の進展、特にデジタル化の進展などによりまして、今までにないような全く新しい環境が消費者をめぐる世界にも訪れているというところであります。

こうした中で、昨年の9月なのですけれども、G20の消費者政策国際会合というものを開催しております。こういったデジタルの時代では、誰もがぜい弱性を有するというところについて、やはり国際社会のコンセンサスとして、こういったところを正面から向き合っていかなくてはいけないだろうといった問題意識も提示されておりまして、それも踏まえた内容ということになっております。

さらに、これらに加えまして、今年に入って新型コロナウイルスの感染症の拡大防止に向けた、「新たな日常」ということが、国民の中で模索されております。やはり、こういった課題にも機動的に対応していくことが重要であろうということでございます。

それを踏まえて、今回、2月に「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」を消費者庁で立ち上げまして、検討を行ってきたということでございます。

構成の委員の名簿は、14ページに書いてございますけれども、河上正二先生を委員長といたしまして、消費者団体の代表の方ですとか、経済界の代表の方、あと、これらの問題に詳しい弁護士ですとか、法律や経済などの学識経験者、学者の皆さん、行政実務経験者の皆さん、こういった方々に参加していただきまして、精力的な議論を行ってまいりました。

次に、「Ⅱ 検討を行う際の視点」ということが、3ページ以降に書いてございます。

3ページの最初のパラグラフですけれども、やはりこの検討を行う際には、消費者被害を発生させる悪質事業者、これは「共通の敵」ということで、要は消費者から見ても、事業者から見ても、それ以外の国民から見ても、みんなの敵だと、そういう人にターゲットを絞った効き目のある、実効的な意味のある規制制度改革をしていくと、これを断行していくべきであるということが大前提でございます。

その上で、制度改革に当たっては、健全な事業活動に決してネガティブな不測の影響を及ぼさないように、きちんと制度設計をすることも大事ですし、いろいろな将来の可能性、イノベーション、技術革新、様々な新しい取組、こういったことも、やはり阻害しないようにするという視点が大事だと。

やはり、こういったルールを形成するということで、逆に予見可能性も高まりますので、創意工夫に満ちた健全な市場の創出とか発展も期待できるというところも、やはり重視すべきだろうと指摘がなされております。

さらに、「新たな日常」が模索される中で、消費者を取り巻く環境が劇的に変化しておりますので、消費者の不安を払拭して取引の安全を確保する環境整備に取り組んでいくということが大事だろうというのが、基本的な視点と位置付けられてございます。

次の4ページ以降でございますが、ここからが具体的な規制制度改革の具体的な処方箋に関する報告となっております。

まず、4ページの「Ⅲ 消費者のぜい弱性につけ込む悪質商法への対策強化」というところであります。

消費者のぜい弱性でございますけれども、判断力が低下した高齢者ですとか、若い人ですとか、一定の属性を有する人を中心に捉えられてきた傾向があるわけですけれども、現在では、状況によっては全ての消費者がぜい弱性を有していると捉えるべきであるということで、正面からこういった基本認識を位置付けております。そうした消費者の誰もが発現し得る消費者のぜい弱性を補完する、あるいはそういったぜい弱性が現れないようにするような環境整備を果敢に作っていかなければいけないという考え方でございます。

まず第1点目「販売を伴う預託等取引契約の原則禁止等」というところでございます。

この販売預託というものについては、正に販売代金の支払いという形式というか、体裁を取っただけで、事実上消費者から金銭の出捐、金銭の移転、これを物が介在しているかのように装う形で、元本保証類似のものなのかなと、そういう誤認を誘発させながら、事実上のそういったお金を出させる詐欺的な行為を行っているものであります。

さらに、新しい契約者への物品の販売代金を既存の消費者への、いわゆる配当と称して、一時的に金銭のリターンを払うことも可能であったりすることがあることから、被害が発覚しづらく、それによって深刻かつ甚大な財産被害を及ぼすおそれが極めて高い、正に反社会性のある取引というべきであると結論が導き出されております。

こうした販売預託につきましては、本質的に反社会的な性質を有し、行為それ自体が無価値、反価値、Unwertというふうに捉えるのが相当であり、このため、預託法において原則禁止とすべきであるとコンセンサスが得られてございます。

原則禁止とした、こういったことに対しては、十分な罰則、法定刑を設けるとともに、仮に禁止行為に基づいて締結された契約についても、民事上無効とすることが必要であるということでございます。

それから、この販売預託以外につきましても、預託法全体につきまして、悪質事業者の潜脱を許さないという観点から、必要な規制の強化、勧誘規制の強化ですとか、広告規制の新設ですとか、こういったことを行うとともに、民事ルールの充実、業務禁止命令の導入等々、必要な法的基盤を確立することが重要であるということでございます。

それから、5ページの下の2でございます。「消費者被害の拡大防止等を図るための措置」ということでございます。

これは、特商法と預託法両方に言えることでございますけれども、やはり悪質事業者の、そういった違法な行為を迅速に取り締まっていく、法執行をしっかりと強化、迅速化していくということが大事であります。

とりわけ、例えば、住宅リフォームの過量販売などにつきまして、執行に時間を要するものにつきましては、これを、より迅速化するような所要の規定を整備していくということも考えることが必要であると指摘されております。

このほかにも、しっかりと都道府県など、国と地方公共団体が連携しながら、こういった特商法の執行強化を行いつつ、消費者被害の未然防止に向けて、しっかりと取り組んでいくことが大事であるということであります。

さらに、行政処分をした消費者の被害の回復の際に、円滑にその事実を、例えば民事上の裁判でも活用できるようにするためにも、例えば、特定適格消費者団体が行う共通義務確認訴訟の遂行に資するための措置を検討する必要があるということでございます。

続きまして、7ページ目、「Ⅳ 経済のデジタル化・国際化に対応したルール・環境整備等」でございます。

デジタル化の進展に伴いまして、やはり、かつていないほど多様で便利で選択肢の多い中から自分の好きな商品などを手軽に選択できる時代が到来しています。

場合によっては、国境も越えていろいろなものが手に入るということでございますけれども、利便性が向上する一方で、新しいタイプの消費者被害ですとか、こういったものも発生しているということであります。

やはり、消費者が安心して信頼のある市場で取引の行えるようなルール整備・環境整備を行っていくということは極めて大事であります。

将来のイノベーションのためにも、やはり信頼性のある消費者デジタルの市場を作っていくことが大事であるという基本的な視点に基づいたものとなっております。

より具体的な対応策でございます。1でございますけれども「『詐欺的な定期購入商法』への対応」ということでございます。

これは、今年の6月に、この消費者委員会からも意見が出されております、悪質なお試し商法にも関連することでございまして、正に、この詐欺的な定期購入商法に該当するような定期購入契約を念頭に、特定商取引法において、顧客の意に反して、通信販売に係る契約の申込みをさせようとする行為等に関する規制を強化すべきであるということでございます。

具体的には、独立した禁止行為とした上で、規制の実効性を向上させるとともに、法執行も強化していくということであります。

さらに、8ページ目でございますけれども、意に反して申込みを行わせようとさせる悪質事業者を念頭に、新たに解約とか解除を不当に妨害するような行為を禁止するとともに、違反して申込みをさせた契約についての取消しなどの民事ルールも考えていくべきではないかということでございます。

さらに、現在、特商法に基づきまして、その解釈でありますガイドライン、「インターネット通販における『意に反して契約の申込みをさせようとする行為』に係るガイドライン」、これについても、早期に見直しを行っていく必要があるというところでございます。

次に、2番目「デジタル・プラットフォームを経由した取引等への対応」というところでございます。

オンライン・ショッピングモールなどのデジタル・プラットフォームを介した取引が非常に増えております。

オンライン・ショッピングモール等における、やはり販売業者等の特商法上の表示義務の履行の確保、それから法執行時における販売業者等に対する追跡可能性の確保、こうしたことのために、特定商取引法の見直しも含めた所要の方策を検討すべきであるということでございます。

さらに、関連する事業者の方々など、様々な情報共有を行う新たなメカニズムの構築のために、制度的な措置を含めた所要の方策を検討する必要があるのでないかということでございます。

さらに、9ページ目「国際化への対応」ということでございます。

インターネット取引の増大によりまして、やはりクロスボーダーでの、そういったいろいろな物の販売、購入、こういったものも簡単になっています。

そうした中で、国境を越えたトラブルですとか、あるいは国境を越えた悪質な事業者というのも出てきています。

こういった者に対しては、特定商取引法の執行を担っている消費者庁が、海外のカウンターパートとなる外国当局とも執行協力をきちんと行っていくということが大事だろうということでございまして、制度的な措置も講じることを検討すべきということでございます。

最後、10ページ以降でございますが、「Ⅴ 「新たな日常」における課題への機動的な対応」ということでございます。

正に、新たな日常の中で、家にいる機会も、一人一人の国民の皆さん、増えています。

そうした中で通信販売の重要性というものは、従来にも増して高まっておりますので、やはりこうした市場の一層の信頼性ですとか透明性、公正さ、これを積極的に高めていくという取組が大事だろうと思っております。

この世界では、通信販売協会の取組ですとか、あるいはデジタル関連業界をはじめとした、産業界の自主的な取組も非常に重要だと位置付けております。

こうした産業界の自主的な取組を強くエンカレッジするとともに、消費者に対しても消費者が十分的確な情報を持ち合わせた賢い消費者としてやっていけるように、必要な取組を強化していくということが大事だということでございます。

それに加えまして、各論の部分でございますけれども、こういった家にいる機会が増えていることを背景としまして、いわゆる送り付け商法、例えば、マスクの送り付け商法などといったものが、昨今見られました。

こうしたネガティブオプションについては、消費者が送付された商品の代金の支払い義務などというのは負っていないというのは当然でございますので、こうしたことを周知していくのを、更に強化するとともに、こうした送り付け商法というのは、何ら正当な事業活動とみなされるものではないということを念頭に、諸外国の法制も参考に制度的な措置を講ずる必要があるということでございます。

さらに、様々な暮らしのレスキューサービスをめぐるトラブルも起きております。トイレ修理ですとか、水漏れ修理ですとか、鍵の修理などでございますけれども、こういった消費者の自宅にいる機会を狙って、困ったときにつけ込むような悪質商法に対しても、法執行を厳正に進めていくということで、取締りをしっかり行っていきたいと思っております。

12ページ、今回、来年の法改正以降も検討していくべき課題ということで、「Ⅵ 今後の検討課題」についても整理してございます。

特定継続的役務への新たな対象の追加ですとか、アフィリエイト広告における違反行為への対応、あるいは新たなデジタル取引の出現などを踏まえました、B(事業者)とC(消費者)との境界の在り方、そして、通信販売における適格消費者団体の差止請求の対象範囲の拡大など、今後とも引き続き検討していく課題もあるということで、今後の検討課題と位置付けられております。

最後、13ページでございますけれども、この報告書の「Ⅶ おわりに」ということでございます。

最後のところに、三位一体で行うことが不可欠であるというところであります。何の三位一体かと申し上げますと、まず、必要な制度改革と厳正な法執行。

2番目、産業界の自主的な取組と、そのための事業者に対する啓発などの支援。

3番目、消費者の賢く適切な判断を導くための取組。これらをトリニティとして、しっかりと政策を進めていく、必要な規制制度改革を進めていくということで、報告書はまとめられております。

現在、この報告書の内容に沿って、消費者庁において、具体的な改正法案の内容を実務的、法技術的な観点から進めております。

秋冬にかけて検討をより進めまして、来年の通常国会には改正法案を提出して、関連する法律を改正して、こうした悪質事業者への対策、消費者被害の未然の防止あるいは回復の促進、こういったことに資するような制度的環境を作っていきたいと思っております。

消費者委員会の皆様には、これまでにも貴重な御意見、御示唆を賜っておりますけれども、引き続き、いろいろ御審議の過程で貴重な御意見を賜れればと思っておりますので、引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。

御説明は、以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございました。

それでは、御質問、御意見のある方は御発言をお願いいたしますけれども、先ほどと同様、質疑応答時間は、おおむね30分を予定しておりますので、御発言、御回答は、なるべく簡潔に行っていただきますよう、よろしくお願いいたします。

それでは、いかがでしょうか。

それでは、清水委員、お願いします。

○清水委員 どうも御説明ありがとうございます。

今日は一番で、いつも一番でしゃべっていますけれども、この報告書が、本当に、これから応援していって、法令化が迅速されることを望んでおります。私たち相談員は、預託法、販売預託が、いつか消費者庁がきっちりと、反社会性があるという行為であって、何で言ってくれないのかと、長い長い道のりで待っておりましたが、本当にうれしい限り、感無量でございます。是非実現を、これからは国民の世論として、私たちも消費者団体ですので、今、相談の現場では、いろいろあります。定期購入もありますし、水トラブルもありますが、待っていてくださいと、ついに国が法令しますと言ってしまっていますから、よろしくお願いします。

相談では、やはり、1件のトラブル単位ではないですけれども、電話1本が消費者教育です。その中で、国が何をやろうか知っているのを、本当に今、リアルタイムで伝えるよろこびを感じております。

そこでは、6ページなのですけれども、違法収益の没収ということで、正しくジャパンライフは、家族から、本人から、泣いて相談を数々受けました。

是非とも、ジャパンライフだけではないのですけれども、違法収益、もうきっと使ってしまってないのかもしれませんが、ここら辺、具体的にどんな動きなのかを教えていただきたいというのが1つ。

最後のところ、11ページのところなのですが、今正に相談の現場では、人間の弱み、本当にコロナ禍で孤独化した人たちの弱みにつけ込むような、水トラブルだとか。とんでもないですよ、詰まりを直すと言って来て、ホームページで780円と表示しておきながら、実際、信じられない60万を、それは、もう現金がないと言うと、ATMまで車で乗せていって、ATMは1日50万円しか引き出せませんので、50万円を引き出して、15万安くしてやると言って、持っていかれるのがすごくありまして、しかしながら名前をころころ変えている。でも、あっせんすると、センターで同じ声だったりします。

先ほど強い方向で、違反事業者に対する規制を強めるということですが、是非是非よろしくお願いしたいということと、注25のところに細かく書いてありますが、クーリングオフ、絶対認めません、来訪要請だと言っております。こんなところで、私たちも苦労していますので、是非実効性のある、スピード感を持ってお願いしたいと思います。

○山本委員長 ありがとうございます。

ほかにございますでしょうか。

木村委員、お願いします。その後でお答えをいただきます。お願いします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございます。

本当に、この報告書にきちんと書いていただいてありがたいと思います。

預託法やはり指定商品があったものですから、被害が拡大したという側面がありまして、今回、それがなくなったということで、本当に原則禁止というのは大変よろこばしいことだと思っております。

私は、それとともに、特商法について、12ページの方に、特定継続役務で、新たな対象の追加とあるのですけれども、やはり特定継続的役務というのは、今、幾つか指定されているのですけれども、これを考えていますと、被害があってから指定される。消費者にとっては、被害に一度遭うと、それは大変なことで、幾ら回復と申しましても、被害に遭わないに越したことはないというのは、分かっていることでございまして、未然防止の観点から、対象の追加ではなくて、やはり預託法と同様に、この役務を個別に指定するのではなくて、対象ではなくても全体的に継続的役務と、そういう考え方ができないのかと思っております。

それで、やはり預託法の場合は、被害額がかなり大きいというところが特徴ですけれども、日々の消費者の被害の場合は、例えば、お試し定期購入もそうですけれども、被害額は、こういっては何ですけれども、預託法に比べて多額ではないので、結局、事業者が返してくれないと、消費者は泣き寝入りをしてしまうということですが、被害額の総額としては結構あると思うのです。

それに限らず様々な被害というのは、本当に、少額の場合は、消費者は泣き寝入りしてしまって、それは、いかがなものだろうなと思うことが多々あります。

そういうことから、そういった視点で特商法の特定継続役務については、是非御検討いただきたいというのが、私の意見でございます。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、お願いいたします。

○消費者庁笹路取引対策課長 ありがとうございます。

清水委員からの御発言、ありがとうございます。我々も常に現場の相談員の方が、日々苦労して、汗水流して、いろいろな問題に対応されている状況を少しでもやりやすくするというのですか、相談の現場の追い風になるような制度を作っていきたいという思いで、ずっと検討を進めてきております。

そういった意味で、前回3月に、この場で議論した際にも、清水委員から、大変力強い販売預託商法に対して、やはり禁止すべきだという意見もいただいたのをよく覚えております。

当時は、まだ報告書が出ていなかったのですけれども、やはり、現場の実態をよく御存じの方の、すごく説得力のある御意見だなと、私も心の底から強く思った次第でございまして、消費者庁の特商法・預託法検討委員会の議論の際も、やはり多くの委員の皆様が、そういった視点になっていったというのですか、そういうことで、今回の結論が導き出せたのだと思っております。

販売預託の話に限らず、現場の相談員の方が、少しでも活動しやすくしたいというのは、定期購入の話のところでも、我々考えておりまして、やはり意に反して申込みをしてしまったような、要は、知らず知らずのうちに定期購入になっていたりとか、今、通信販売に関しては、そういった取消しのルールとかはないわけですけれども、やはりそういったものを設けていきたいと思っておりまして、少しでも悪質な事業者と、仲介あっせんとかするときにも、通販が民事ルールはないのだから、何もしなくていいのだみたいな抗弁を、悪質事業者がもっともらしくできないようにしていきたいと、少しでも相談の、現場の苦情の処理、仲介あっせんが、パワフルなものとなるような、そういう制度的な基盤を築きたいと思っております。

御質問のあった違法収益の没収でございます。この違法収益の没収は、罰則を強化して重い罰則になりますと、組織的犯罪処罰法に基づく違法収益の没収の規定の対象になります。そのスキームに乗せるということで、現在、具体的な、実務的な検討を考えておりまして、罰則の強化と一体で、これが実現していくということを、今、検討中でございます。

あと、コロナの孤独がある中で、こういった水のトラブルとか、困ったときにつけ入るというのは、本当に私どもも悪質だと思います。

清水委員が御指摘いただいた、注の25なのですけれども、非常に我々としては思いがこもっておりまして、全国の相談員の皆さんにも分かるように、これからしっかりとやっていきたいと思うのですけれども、決して、何かポスティングチラシとかネットで、何か1,000円とか2,000円とか書いてあって、それで呼んだことが60万円の契約の来訪要請に当たるなどということは、ない場合がほとんどだと思います。

要は、金額というのは契約にとってかなりヴァイタルな内容で、本質的な内容でありまして、意図せぬ、そんな高額を請求するなどというのは、来訪要請に該当しない場合も多いと思っています。

そういったところも、特商法の法解釈をできるだけ明確にしようと思っておりまして、そういった悪質な事業者を処分しながら、こういった注の25に書いてあるようなことを、より通達レベルでも明記したりですとか、全国の相談員の皆さんが、来訪要請だから適用除外になってしまうのではないかと頭から思ってしまわないように、逆に悪質事業者も来訪要請なので、特商法の適用対象ではない、クーリングオフの対象ではないのだとか、いろいろなもろもろのルールの対象ではないのだみたいな詭弁を許さないような環境を作っていきたいと思っております。

それから、木村委員の御意見もありがとうございます。

預託法のところで、特定商品制の撤廃を言及していただいて、私、説明を飛ばしてしまいましたね。申し訳ございません。特定商品制を撤廃するということも、預託法の今回の改正の大事なところでございまして、私の冒頭の説明で飛ばしたところを、木村委員で補っていただきまして、ありがとうございます。

その上で、きちんと特定商品制を撤廃するということで、物品について、こういった政令で指定するという規制の後追いにならないような体系にしていきたいと思っております。

その関連で、特商法の特定継続的役務のところについても御意見いただきました。この部分は、特定継続的役務というので、それだけの定義で、どこまで対象を明確化できるのかなというところには、よく精査が必要なのかもしれないなと思います。

対象が余り漠然としていると、規制がどこに及ぶのか分からなかったりとか、不測の影響をどこに与えるのか分からないとか、多少精査が必要なことなのではないかなと思っております。

そういったことから、特定継続的役務というのが、現在、政令で明確にしているところなのですけれども、消費者被害が拡大しないうちに、機動的に適宜対象を追加していくということをきちんと行っていくことが、まずは大事なのではないかなと、我々としては、現在考えてございます。

それから、被害額の件もございました。今の特役の話の被害額もあるでしょうし、定期購入の被害額という話もあると思います。泣き寝入りしてしまって、消費者が声を出さないで問題が顕在化しない、悪事が続いてしまうというところもあると思います。

正に、少額だけれども、ひどい手口というのは、正に我々法執行、行政の取り締まりですとか、あるいはこうした制度改正による、より厳格なルールを作るというのが大事だと思います。

やはり少額な被害とはいえ、数が膨大なので、この悪質事業者は、相当の収益を得ているのです。信じられないぐらいの売上を上げています。しかも結構若い人なのです。20代、30代で、結構一流大学とかを出たような人がやっていたりするのが実態なのです。

そういった事態、非常に経済の健全な成長、市場のフェアな環境の確保、こういったところからも、絶対に見逃すべきではないと思います。真面目に汗水たらして、日々競争力の強化に励んでいる企業、産業界の人にとっては、こうした悪質事業者がのさばっているような経済社会というのは、何なのだということになるわけでありまして、やはり、しっかりと法を犯して、ずるく儲けている人を市場から退出させて、フェアではない行為を行う人がいないような市場、経済社会を作るというのは、我が国の将来の成長ですとか、発展にとって不可欠な要素だと思います。

消費者が泣き寝入りして、少額だから意味がないのだということでは決してない、取引の公正という観点からも極めて大事だと我々は思っておりますので、しっかりと法執行ですとか、必要な制度環境の整備を行っていきたいと思っております。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、そのほかに、生駒委員。

○生駒委員 大変力強い御説明ありがとうございました。

私は、1点御質問したいのですけれども、消費者のぜい弱性が社会全体に広まっている、デジタルの進展ですとか、新しい日常によってということで、それに対してだまされない、すぐには信じない、そして、泣き寝入りもしないという、ぜい弱の逆ですけれども強じんな消費者を目指すことが被害を未然に防ぐことかなと思っています。

「おわりに」に書かれました三位一体の3番目の消費者の賢く適切な判断を導くための取組、とても重要だと思うのですが、もし具体的に考えていらっしゃる取組などがありましたら教えてください。

○山本委員長 では、大石委員、お願いします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

先ほど、清水委員や木村委員からもお話がありましたように、私も消費者団体におりますので、今回の販売を伴う預託等取引契約の原則禁止ということについては、大変すばらしい取りまとめになったと思っております。今後は、やはり消費者団体として、いかに地方など周りからバックアップしていくことが重要と思っておりますので、引き続き、一緒にやらせていただければと思っております。

あと、もう一点、詐欺的な定期購入のところなのですけれども、これは、消費者委員会で意見を出すときに、急激に被害が増えておりますこの詐欺的な定期購入に対して、どういう対策ができるかということを、短期的なもの、中期的なもの、それから長期的なものということで消費者委員会の中でも検討いたしました。

法改正ということになりますと、これはかなり長期的なものになるであろう、何か今すぐに被害を受けてる人たちを、何とか救う道はないだろうかということで考えたのが、まずは、表示のガイドラインの変更についてでした。

確かに、表示のガイドラインについては、きちんと守っていらっしゃる事業者さんもありますけれども、まずはガイドラインを変更することで、少しでも被害防止になることがあるのではないか、という意見を持っております。

あとは、取りまとめのなかでも書いてくださっていますように、やはり解約のルールについての検討が必要という意見が出ましたし私自身も必要だと思っております。いきなり、通信販売にもクーリングオフを適用せよ、ということまでは申しませんが、やはり、通信販売であっても、申込み時に不当な表示であった場合とか、また、解約のための電話の設定があると書いてあったのに実際にはそれが使えなかったとか、そういう具体的な問題がある事例も多いと聞いておりますので、やはり、電話でなくても解約ができるような仕組みを作る等ということで、被害を少しでも減らせるのではないかなと考えているところです。

そういう意味で、短期的といいますか、中期的といいますか、そういう具体的な取組を、早急にと思い意見も出したところですので、そのような何か取組などがあれば、是非教えていただければと思います。

以上です。

○山本委員長 丸山委員から御発言の希望があるようですので、オンラインで参加をされている丸山委員に御意見、御質問をいただいた上で、お答えをいただければと思います。

それでは、丸山委員、お願いします。

○丸山委員 私からは、1点だけ、9ページの「国際化への対応」に関してなのですけれども、国内、海外事業者のイコールフッティングの重要性ということが指摘されておりまして、競争環境の確保であるとか、消費者保護に関連して、この方向性が重要だというのは、十分に理解しているのですけれども、具体的に外国の当局も含めまして、協力が得られない場合にどうするかなど、この辺のお話というのは、何か具体的に進んでいるのかという点を御教示いただければと思いました。

以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、お願いいたします。

○消費者庁笹路取引対策課長 ありがとうございます。

まず、生駒委員からの御質問、御指摘で、まず、御指摘の強じんな消費者を育てていくことが大事だというのは、正に大事な視点だと我々も思っております。三位一体のトライアングルの1つの要所を占めるテーマだと思っております。

具体的な取組なのですけれども、多岐にいろいろ渡ることをきちんとやっていかなくてはいけないのだと思います。やはり消費者がウェル・インフォームドされるためには、やはり小中学校からのそういった教育というものも大事だと思います。

そういった消費者被害の教育というのもあるかもしれませんし、ほかにも、投資とか、やはりお金を増やそうみたいなことというのは、人間の人生にとってすごく大事なことであるわけで、そういった投資教育の重要性も、この検討委員会では指摘されました。

投資教育のような、何が正しいお金の運用のやり方なのかということを分かることで、販売預託みたいな、いかがわしいものにはだまされなくなるという視点もあるのではないのかなと思います。

あと最近の動きを見ていますと、大分大学とかでも、この消費者政策とか消費者法ですとか、こういった分野が随分存在感が出てきたなと感じています。この消費者法とか消費者政策、もろもろの先生方も増えていますし、あと、いろいろな実務家、プラクティショナーズの方とか、産業界の方あるいは消費者相談の現場の方も大学で講義したりとか、すごく進化していると感じております。

その中で、学生さんも育って、いろいろな分野で消費者問題のリーダーとして活躍しているような場もございますので、初等中等教育から高等教育にかけての、こういった学校の教育というのは1つ大事だろうなとも思います。

あと、消費者庁は、徳島に新たな新未来創造戦略本部といったものも築いているわけですけれども、そこでのテーマで、人間行動学の、いろいろな分析の手法なども使いながら、どういう消費者行動がいいのか、あるいは悪いのか、こういったデータに基づく分析、それによる政策への反映というものも進めています。

やはり消費者行動を、科学的に、あるいは経済学的な観点から分析していくことが重要だと思います。元々、人間というのは合理的な存在として経済学では捉えられてきたわけですけれども、やはり限定合理性があるだろうと。その限定さ、不完全さ、そういったところを、実データに基づいて分析して、それを補うためにはどういう市場環境が必要なのかとか、ルールとか、制度が必要なのかというところで、逆に消費者のそういった強さを作っていくということもできるのではないかなと思っております。

他にもあるかもしれません、その辺は今後もしっかり考えていきたいと思っております。

それから、大石委員からございました、是非今後とも、NACSをはじめ、関係の消費者団体の皆さんなどとは連携しながら、制度の実現に向けて取り組んでいきたいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。

定期購入の観点で、今すぐにということでございまして、ガイドラインはできるだけ早く必要な見直しを行って、法改正を待たずに、より消費者が被害に遭わないように変えていきたいと思っております。

それから、解約の解除妨害の話なのですけれども、これは、やはり少し法律改正が必要な部分もございまして、法律改正、できるだけ作業を急ぎまして、来年の前半には、是非改正法が成立して、施行もできるだけ早くするということで、しっかり対処していきたいなと思っております。

それから、丸山委員からありました、外国の当局との執行協力の話でございます。

外国の当局が協力してくれない場合は、さすがに、ねじ起こすのは難しいのかもしれません。できるだけ協力してもらえるように、きちんとコミュニケーションを取ったり、交渉したりしていくということだと思います。

外国の執行当局のとの協力の大前提となるような違反事業者の情報ですとか、機微な情報については、我々と外国の政府とでやり取りができるように、必要な守秘義務の規定の整備ですとか、そういった制度的基盤を整えて、きちんと違反情報ですとか、こういった法執行に係る機微な情報のやり取りができるような法的なメカニズムをきちんと作っていきたいと思っております。

現在でも法執行の過程で、実は海外の当局と協力している事例もございます。それをより強めていくということでございますけれども、まだまだ緒についたばかりですので、しっかりと制度的な担保を作った上で、海外のこういった事案にもきちんと対応していきたいということでございます。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、オンラインで参加をされている片山委員長代理から御発言の御希望がございましたので、お願いします。

○片山委員長代理 ありがとうございます。

本当に被害の現場に即した、そして、対応策も極めて充実した内容の報告書を短期間でおまとめいただいて感謝申し上げます。

是非、この報告書に沿った形で早急に立法が進められることを強く期待していますので、よろしくお願いいたします。

1点だけ、執行の関係で、意見と質問を申し上げたいと思います。

私、この報告書にも書かれていますけれども、執行体制の強化というのが、やはり、こうした悪質商法への対応として非常に重要であると、現場で実感をしています。

特に、迅速、スピード感が大事であって、それがどうしてかというと、執行がなされることによって、実は最近、適格消費者団体では、法執行を契機に、被害回復に向けた活動にも取り組んでいますし、消費者から見ると、法執行がなされて、具体的にいろんな形で候補が出されることによって、未然防止効果にもつながっていると感じています。

そういう意味で、いち早くしかるべき調査をきちんとしていただいて、迅速に執行していくということが、今後、大変重要になっていくと思います。

迅速な執行のために、この報告書の中で、調査の在り方、調査の進め方についても専門的なリソースを最大限活用するといったような新しい手法での取組がなされていると読み取ったのですけれども、そういうものを行っていく上で、執行の体制面といいますか、組織の体制面での工夫とか、あるいは改善、あるいは拡充ということが必要になるのではないかと思っていますが、その辺りは、何か議論がありましたでしょうか、あるいは具体的にどういうふうに、今、取組を進めておられるのか、お教えいただければと思います。よろしくお願いします。

○山本委員長 ありがとうございます。

ほかにございますか。

それでは、新川委員、お願いします。

○新川委員 新川でございます。

今の片山委員長代理のお話の続きというか、少し手前のことになるのかもしれませんが、こういう消費者被害の拡大防止という点では、やはりこういう事案が発生したときに、実際に法執行の段階に至るまで相当な時間を要するということになります。

むしろ、そこに至るまでの間に、いかに迅速にその情報を共有するか、言ってみれば、危険という情報をどういうふうに共有できるかというところがポイントかなと思っておりまして、この辺り、今回の制度の改正にかなり力が入っているような気がするのですが、制度として、そういう体制づくり、いわばこういう危険情報を予防的に共有したり、それを広く知っていただいたり、この辺りの議論というのが要るのかなと思いながら拝見していたのですが、この点について、今後、もし検討されるということであれば、どういう観点があるのか、お教えていただければと思った次第です。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、お願いします。

○消費者庁笹路取引対策課長 ありがとうございます。

まず、片山委員長代理からございました、法執行の関係でございます。御指摘のとおりで、執行体制を強化していくというのは、極めて我々は大事だと思っております。これは、今、新川委員からもございましたけれども、共通のところだと思っております。

私の取引対策課というのは、法制度の改正とか企画だけをやっているわけではなくて、法執行も担当しておりまして、法違反事業者に対する取締りも、正に第一線でやっているところでございます。

片山委員長代理からありましたように、法執行を行う際の、例えば専門的なリソースの活用ですとか、そういったところの状況をちょっと申し上げますと、やはり法執行というのは、取締りなのです。言ってみれば、証拠をつかんで、違反を立証して、仮に訴えられても絶対負けないだけの証拠をそろえて行政処分するということなのですけれども、やはり専門人材を活用するというのが大事だと思っております。

私どもで法執行を担当しているものとしては、中央省庁でも、こういった法執行官庁は幾つもあるのです。例えば、公正取引委員会ですとか、金融庁ですとか、税関とか、それぞれ法律も違いますし、立法目的も違うのですけれども、ただ、ノウハウで共有する部分もありますし、あるいは人材育成という観点から様々な経験をするのが、意味があるということもございますので、人事交流を結構しております。

さらに、例えば、任期付きで弁護士の方にも、何名も来ていただいていて、こういった消費者問題に詳しい方もいれば、事業者の、企業のいろいろな業務をやっていた方もいるのですけれども、多様な法律の専門家も任期付雇用という形で、実際に、この事件の調査に当たっては、そういった法律の専門的知識なども使いながら活躍してもらっています。

さらに、消費生活相談員ですとか、消費生活アドバイザーの資格を持った、そういった相談の現場を経験したりとか、いろいろなマターにつき消費者サイドで携わってきた方にも加わってもらっています。

いろいろな立場から、様々な経験、知見を有する人が集まっている。ただ、目標は、こういった消費者被害を発生させる悪質事業者を取り締まることで、一致団結して取り組んでいるところでございますけれども、そういった外部の専門人材も積極的に活用しながら、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。

もちろん、消費者庁ができて11年経ったところでございますけれども、消費者庁ができてから採用した若い職員も活躍しております。

まだ若い人が中心なのですけれども、そういう人もだんだん育っていきますので、将来の消費者庁のリーダーになるときには、こういった法執行についてもいろいろな経験を積んで、第一線の人材として活躍してもらえるのではないかなと思っております。

それから、新川委員からもございました、法執行での危険情報についてです。危険情報といいますか、端緒情報とか我々は言うのですけれども、やはり事件の端緒をしっかり分析するというのは極めて大事なプロセスです。

我々常に、全国の状況をヴィジラントにウォッチしております。もちろん、PIO-NETなどなどで、消費者相談の具体的な分析は常に行っています。年間100万件近い情報があるわけで、これは、日本の相当な財産であります。こういうデータベースがあるというのは、そうないと思いますね。我々、常にウォッチしていまして、端緒情報を分析しています。

ただ、それだけではなくて、我々はいろいろな情報がございます。当然いろいろな公益通報、内部告発もあったりとか、あるいは我々独自にいろいろ調べたりもしています。多角的な情報を基に、こういった法律違反をする事業者の動向というものをタイムリーに把握することで、しっかりと取り締まりに結びつけていくことの重要性は、正に新川委員のおっしゃるとおりでございまして、我々としては、しっかりそこの部分の体制も整えて対応していきたいと思っているところでございます。

○山本委員長 本日は、御説明をいただき、また、御回答をいただきまして、どうもありがとうございました。

本消費者委員会の建議あるいは意見あるいは会議での御発言等々を踏まえて、今回の報告書をまとめていただいたものと認識しております。その点、大変感謝を申し上げております。

本日、多岐にわたり御意見をいただいたわけですけれども、報告書の中で、特商法あるいは預託法両方に関わる様々な民事ルールについて、今後、抜本的な改正をしていくことが記載されております。あるいは、違法収益の没収も可能となるレベルで、罰則を強化することも報告書の中で記載されております。こういった点は、非常に重要であると思います。

また、執行の強化、あるいは短期的に、法改正をしなくてもできる部分について、執行といいますか、実務的な対応もお願いしたいという御発言がございました。この点も是非お願いしたいと思います。

そして、何より、4ページにあります、販売を伴う預託等取引契約を原則禁止するという点、この点は非常に重要であると思います。また画期的であると思います。

こういう取引が、通常のビジネスモデルとしてあり得るのかという話が、この会議でもございました。結局、報告書にも書かれていますけれども、金商法とか、様々な他法令による取引で、普通のビジネスであれば対応が可能であるはずであり、そうでないことになりますと、どうも普通のビジネスモデルではあり得ないだろうということで、Unwertというかなり強い表現が使われているのではないかと思います。この点が実現されることは、今日の各委員の御発言にもありましたように、大変重要であり、画期的であり、また、歓迎すべきことではないかと考えております。

消費者委員会といたしましても、今後のこの取組を是非バックアップしていきたいと考えております。また必要に応じて、審議、検討してまいりたいと考えております。どうか、よろしくお願いいたします。

消費者庁におかれましては、お忙しいところ審議に御協力いただき、ありがとうございました。

○消費者庁笹路取引対策課長 どうもありがとうございました。

(消費者庁笹路取引対策課長退室)


《4.閉会》

○山本委員長 本日の議題は以上です。

最後に事務局より、今後の予定について御説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日も御熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。

次回の本会議につきましては、日程が決まり次第、委員会のホームページを通じてお知らせいたします。

以上でございます。

○山本委員長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございました。

(以上)