第326回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2020年8月20日(木)14:00~15:01

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

  • 【委員】
    山本委員長、片山委員長代理、生駒委員、受田委員、大石委員、柄澤委員、木村委員、清水委員、新川委員、丸山委員
  • 【説明者】
    経済産業省商務・サービスグループ伊藤消費・流通政策課長
    厚生労働省医政局林経済課長
    経済産業省製造産業局吉村素材産業課長
    消費者庁吉田参事官(調査・物価等担当)
  • 【事務局】
    二之宮事務局長、渡部審議官、太田参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 国民生活安定緊急措置法施行令の一部改正について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○山本委員長 皆様、本日はお忙しいところ、テレビ会議システムでお集まりいただきありがとうございます。

本日の進行についてですけれども、途中で私の回線が切れた場合は、復旧するまでの間、委員長代理に、委員長代理の回線も併せて切れた場合は事務局に進行をお願いいたします。

それでは、ただいまから消費者委員会第326回本会議を開催いたします。

本日は、委員全員が御出席です。

まず、会議に先立ちまして、いつものことですけれども、本日は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、私も含めまして御出席の委員はテレビ会議システムにより会議に参加しております。また、感染拡大防止の観点から、引き続き一般傍聴者は入れずに開催いたします。

議事録につきましては、後日消費者委員会のホームページに掲載いたしますが、議事録が掲載されるまでは、本日の会議の様子を8月21日金曜日15時よりホームページで動画配信いたします。

それでは、テレビ会議による進め方及び配付資料の確認につきまして、事務局よりお願いいたします。

○太田参事官 事務局でございます。

資料についてでございますが、議事次第の下に配付資料を記載しておりますとおり、資料1から資料5までが国民生活安定緊急措置法施行令の一部改正についてでございます。テレビ会議ではございますが、もしお手元の資料に不足がございましたら、事務局のほうまでお申し出くださいますようお願いいたします。

以上でございます。


《2.国民生活安定緊急措置法施行令の一部改正について》

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、本日の議題は、既に資料の説明をしていただいたところで分かりますけれども、「国民生活安定緊急措置法施行令の一部改正について」です。

本件につきましては、本年3月に厚生労働大臣及び経済産業大臣から、国民生活安定緊急措置法第26条第1項及び第37条の規定に基づきまして、国民生活安定緊急措置法施行令の一部を改正する政令を制定することについて諮問がございました。

また、本年5月には、財務大臣、厚生労働大臣及び経済産業大臣から、同法第26条第1項及び第31条の規定に基づきまして、同法施行令の一部を改正する政令を制定することについて諮問がございました。

これらの諮問に対しましては、関係省庁から説明を受けまして、消費者委員会として妥当である旨の答申をしております。

本日は資料1のとおり、8月20日に財務大臣、厚生労働大臣及び経済産業大臣から、国民生活安定緊急措置法第26条第1項、第31条及び第37条の規定に基づきまして、国民生活安定緊急措置法施行令の一部を改正する政令を制定することについて諮問がございまして、この諮問事項について、本日は経済産業省、厚生労働省、消費者庁からヒアリングを行い、審議を行った上で、委員会としての判断を示すことにしたいと思います。

本日は、経済産業省商務・サービスグループの伊藤消費・流通政策課長、質問対応といたしまして、経済産業省製造産業局の吉村素材産業課長、厚生労働省医政局の林経済課長、消費者庁の吉田参事官にお越しいただいております。

経済産業省、厚生労働省、消費者庁におかれましては、お忙しいところを御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

それでは、施行令の改正の概要につきまして、20分程度で説明をお願いいたします。

○経済産業省商務・サービスグループ伊藤消費・流通政策課長 経済産業省消費・流通政策課長の伊藤でございます。本日は、よろしくお願いいたします。

この政令でございますけれども、これまで厚生労働省、経済産業省、消費者庁及び国税庁ということで、協力をしながらやってまいりました。

本日の資料の御説明につきましては、私からさせていただければと思ってございます。

それでは、資料2を御覧いただけますでしょうか。資料2において、今回の国民生活安定緊急措置法施行令の改正について概要を記載してございますので、こちらに即して御説明をさせていただければと思っております。

まず冒頭、1ページ目の概要でございますけれども、皆様御案内のとおり、本年3月15日からマスク、5月26日からアルコール消毒製品について、国民生活安定緊急措置法施行令において、いわゆる高額転売を禁止する旨の規定を置いているということでございます。

これらの規制は、マスク等の物品の需給が逼迫する中において、高額転売が横行していたということも踏まえまして、国民の生活の安定を確保するという観点から開始されたということでございます。そして、その根拠となっておりますのは、この下に条文を書いてございますけれども、国民生活安定緊急措置法の第26条第1項の規定に基づいて、政令において転売を規制するということを措置したわけでございます。

一方で、同条の第2項を御覧いただきますと、前項の政令で定める事項は、同項に規定する事態を克服するため必要な限度を超えるものであってはならないという規定がございまして、そもそもこの規制を導入するに至った背景が解消された場合には、こうした規制については速やかに解除していくという性質の規定になっているということでございます。

そして、もともとマスク及びアルコール消毒製品が、市場において需給が逼迫するということになっておったわけでありますけれども、既に国内生産の増、あるいは輸入の拡大によって、一般市場において入手できる状況になってきていると考えてございます。こうした状況を踏まえまして、このたび、国民生活安定緊急措置法施行令を改正して、マスク及びアルコール消毒製品の転売規制を解除することとしたいと考えているわけでございます。

「2ポツマスク・アルコール消毒液の供給状況」ということで、後ほどもうちょっと詳細な資料を後ろのほうにつけてございますので、そちらも御覧いただきながらと思っておりますが、マスクについてざっくり申し上げますと、6月時点で市場において約8億枚を超える供給量に達してございました。そして、この8月には約10億枚を達成できる見込みとなっているといった状況でございます。

また、アルコール消毒液につきましても、5月から7月にかけて、昨年の月平均の約6倍に相当する量の生産を継続しておりまして、今後も増産が見込まれている状況になっているということで、市場の状況はかなり改善してきていると考えられるわけでございます。

具体的な施行期日につきましては、この後、閣議決定の手続を経た上で、8月28日金曜日に公布、8月29日土曜日から施行という形にできればと考えているわけでございます。

2ページ目以降の参考資料についても、少し触れさせていただければと思います。

参考1は、そもそも今回、国民生活安定緊急措置法施行令において導入されている転売規制がどういうものかということを示した絵でございます。既に各委員の皆様御案内かと思いますけれども、改めて簡単に触れておきたいと思います。

具体的に規制がかかる人は、この図の真ん中やや左にピンク色で書いてあります「個人/事業者」、ここに規制がかかっているということでございます。この人が、左側にある「小売事業者等」からマスクや消毒製品を購入して、それを、当初購入した取得価格を超える価格で第三者に転売していくといったことを禁止するという制度になっているということでございます。

続きまして、マスクの需給の状況について、3ページ目を御覧いただければと思います。

7月の小売物価統計調査、総務省の調査によれば、7枚入りのマスクの小売価格は約365円程度ということで、安定して推移してきているということでございます。

また、主要ECサイトの販売価格も落ち着いてきているということでございまして、この下に幾つか主要なECサイトにおける販売価格の状況がどうであったか。左側に、規制を導入する前の2月27日時点における状況、そして右側に今月8月11日時点における状況を記載してございますけれども、御覧いただきますとおり、価格については相当程度下がってきているというのが御確認いただけるのではないかと考えているわけでございます。

続きまして、4ページ目を御覧いただければと思います。

マスクの需給の見通しでございますけれども、6月のマスクの供給量は、6月時点で国内生産が約4億枚、海外生産分の輸入が約4億枚、計8億枚を超える供給が確保されていたということでございます。そして、8月については国内生産、海外生産分を合わせますと、国内における供給が約10億枚を達成できる見通しになっているということでございます。

続きまして、5ページ目を御覧いただければと思います。

こちらは、アルコール消毒製品についての市場の状況でございますけれども、主要ECサイトにおける取引価格がどのようになっているのかが一番下に書いてございます。そして、これも規制導入前の5月12日、そして今月の8月14日ということで、価格の動向、どのように変化したのかを書かせていただいておりますけれども、御覧のとおり、この3か月間で相当大幅に下がっていて、通常の店頭における小売価格とほぼ遜色のない水準の価格においてネットでも取引がされているといった状況が達成できているわけでございます。

6ページ目、アルコール消毒液の需給の状況ということで、御覧いただければと思います。

この新型コロナウイルスの発生以降、アルコール消毒液は大幅な増産が実施されてまいりました。そして、冒頭申し上げましたとおり、5月から7月にかけて昨年の月平均の約6倍ということで、約600万リットルの生産ができているということでございます。さらに、最近の数字を見てみましても、徐々に国内生産が積み上がってきているということでございます。

ここで、参考で御覧いただきましたとおり、マスク、アルコール消毒液、それぞれに需給の状況は相当改善してきているということもございまして、こうした中で国民生活安定緊急措置法施行令を改正して、転売規制を解除させていただければと考えているわけでございます。

私からの説明は以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明に関しまして、御質問、御意見のある方は御発言をお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

丸山委員、お願いします。

○丸山委員 丸山でございます。

御提案については、異存はないところでございます。

1点だけ御教示いただきたいのですけれども、こういった規制を解除するに当たりまして、添付での資料の説明によりますと、供給状況と値段、特にECサイトを中心とした価格などを見る。そして、コロナ前の価格と比較して落ち着いているという基準で、こういった規制の解除を判断されたのか。そのあたりの主として見られているデータの部分についてだけ、簡潔に御説明をもう一回していただければと思いました。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

更に御質問があるようですので、まとめてお答えいただこうと思います。

それでは、大石委員と清水委員から御発言があるということですので、大石委員からお願いします。

○大石委員 ありがとうございます。

御説明ありがとうございました。NACSの大石です。御質問が何点かあります。

今回の方向性としては、今、丸山委員がおっしゃったように、供給状況、それから値段も落ち着いてきているので解除をということかと思います。それは分かるのですけれども、私として一番気になりますのは、今、実際に新型コロナは第2波に入っていると言われている状況で、今後、海外でもマスクを必ずつけるようにしましょうという動きが出てくる中で、輸入の数に余裕があるという御指摘ではありましたが、今後、海外でもマスクが必須になったときに、本当に大丈夫と言い切れるのかというのが1つ目の質問です。

それから、もちろん転売によって買えない、値段が上がることについては、私たち一般消費者、国民もいろいろ困るわけですが、一番心配なのは医療従事者や高齢者施設にきちんと品物が行き、悪影響が出ないかというところが一番問題だと思っております。今回の対象品物は、医療用のもの、高齢者施設用のものを含めて全部の施策ということになっているのかということを知りたいというのが2つ目です。

3つ目として、今回、仮にこれで解除となっても、今後動向によっては、またすぐにこういう施行をしなければいけないということもあり得るかと思うのですけれども、その場合の拙速性といいますか、どのくらいすぐに動けるのかというところが気になりましたので質問させていただきます。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、清水委員から御質問を受けて、それでお答えをいただければと思います。

清水委員、お願いします。

○清水委員 ありがとうございます。

御説明ありがとうございました。

消費生活センターの現場では、なかなかCtoCの相談というのはカウントしにくいのですが、現場感としては、先日、厚労省の大臣が発言されたときには、まだ早いのではないかなというイメージがありました。

その後、近くの商店街やスーパーなども個人でいろいろと見て回ったのですが、確かに商品がそろってきたなという感はありました。ですから、今回の解除は致し方ないのかなとは思っておりますが、先ほど大石委員の質問もありましたので、そちらの説明をお聞きしたいと思っています。よろしくお願いします。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、お答えをいただけますでしょうか。

○経済産業省商務・サービスグループ伊藤消費・流通政策課長 経済産業省の伊藤でございます。まずは私から、概略をお答えさせていただければと思います。

最初、丸山委員からございました、解除に当たってどういったことを判断基準として考えているのかということでございますけれども、法律上は、生活関連物資等の供給が著しく不足し、需要の均衡を回復することが相当の期間極めて困難で、国民生活の安定に重大な支障が生じるおそれがあるかどうかということが条文上のメルクマールにはなっているわけでございますけれども、具体的に見るべき指標といたしましては、例えば価格の動向や対象となっている製品の供給量や販売量、あるいはネットにおける取引の実態はどうなっているかといった様々な状況を踏まえまして、最終的には条文に照らして総合的に判断をしていくことになっているわけでございます。

続きまして、大石委員及び清水委員から、これも同趣旨の御質問かと思いますけれども、今後の需給の状況は本当に大丈夫なのかということでございます。

こちらについては、現時点で予断を持って、これぐらいの見通しでございますということを申し上げることはなかなか難しいわけでございますけれども、政府といたしましても、この規制の解除後も引き続き市場の状況をしっかりと注視していきたいと思ってございます。そして、その状況に応じて必要な手段を講じておくということでございます。

その中で、大石委員から3点目の御質問としてございました、今後の動向によってまたこの規制を実施することがあり得るかということでございますけれども、これも状況を注視した上で、先ほど申し上げました規制を実施する場合の法律上の要件に適合しているかどうかということを見ながら、その状況になった場合には、これを再度実施することについて検討していくことになるのではないかと考えているわけでございます。

医療施設と高齢者施設の状況につきましては、厚生労働省から御回答いただければと思います。

○厚生労働省医政局林経済課長 続きまして、厚生労働省医政局経済課の林でございます。

医療施設や介護施設のとりわけマスクの関係を御心配いただいております。

この規制の対象自体は、特に一般用、医療用、介護用ということで用途を分けず、衛生用マスクが対象になっておりますので、まず、そういう認識でございます。

その上で、医療施設向けに使われるサージカルマスク、高齢者施設向けのマスクにつきましては、今回のコロナの感染が広がりを見せる段階から供給が大変困難になっておりましたので、政府といたしましては、こういった世界的にも需要が拡大している中で、医療提供体制を確保するために、医療従事者向けの感染を防止するため、国において特別に医療機関向けのマスクを購入、買上げをいたしまして、マスクのほかにガウン、フェースシールド、手袋も同様でございますが、これを医療機関向けに配付する事業を行ってございます。これは現在も継続して行っているところでございます。

医療用マスクについては、一方で需給状況がある程度改善しているということもございまして、配り方につきまして、従来は定期的に1週間か2週間に一度、都道府県経由あるいは医療機関に直送の形で不足するところに充足するという形でやってまいりましたが、今月から、マスクにつきましてはある程度需給を満たしている状況でございますので、特別配付ということで都道府県向けに一定量のマスクをお配りして、定期的な配付は一旦取りやめております。

一方で、コロナを診療する医療機関については、G‐MISということで、システム上、医療用物資の需給状況、在庫状況を把握するシステムがございます。こちらで、もし在庫が底をつきかけているという状況であれば、特別に配付をするという緊急配付事業は継続して実施をしております。

こういった形で、医療機関向けのマスクの供給については対応してございます。

また、高齢者介護施設においても、発熱者が出た場合、いわゆるクラスター等の対応について、不足した場合については都道府県が対応、都道府県での手持ち分が足りない場合については、今申し上げた医療用の流通も含めて対策を取るようにしてございますし、今後、介護施設向けについては、不織布マスクの供給も併せて国の事業として実施するということにしてございます。

その他、医療機関や介護施設については、自らPPE、個人防護具を買い上げた場合の補助の仕組みを設けて、そういったところは引き続き万全を尽くして対応してまいりたいと考えてございます。

以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございました。

ただいまのお答えについて、先ほど御質問された方、あるいはその他の方でも何か御質問がありましたらお願いします。

○大石委員 大石です。よろしいですか。

御説明ありがとうございました。

1点、輸入というか海外生産の量については、今、断定はできないと思うのですけれども、今後の世界情勢を見ながら変化もあり得るということで継続して見ていただける、ということでよろしいでしょうか。

○山本委員長 その点、もし補足があればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○経済産業省商務・サービスグループ伊藤消費・流通政策課長 それでは、輸入についてでございますけれども、海外におけるマスクの需要の動向は、各国においてどういう状況になっているのか、つまびらかにきちんと分析できているというわけではございません。その意味で、委員が御指摘のように、海外からの輸入が引き続き継続的にきちんとなされていくのかどうかということは、確かに御懸念のリスクというものは、実際に我々としてもしっかりと注視をしていかないといけないのだろうと思ってございますので、輸入がしっかりとなされていきそうか、各国における需給の動向はどういった状況かといったことについてもしっかりとアンテナを張っていきたいと考えているわけでございます。

○山本委員長 ありがとうございました。

ただいまのお答えについては、よろしいですか。

○大石委員 大丈夫です。

○山本委員長 それでは、更に別の御質問といたしまして、受田委員、新川委員にお願いしたいと思います。

受田委員、お願いします。

○受田委員 ありがとうございます。受田です。

確認としての質問なのですけれども、今回、マスクと共に対象になっているアルコール消毒液の定義についてです。

先ほど資料に基づいて御説明がありましたが、例えば参考3-1において、主要ECサイトにおけるアルコール消毒製品取引の情報というリストがございました。このリストを拝見すると、消毒の主な有効成分として、アルコールそのものが有効成分のものと、例えば手指消毒液Bについてはベンザルコニウム塩化物、Dについてはクロルヘキシジングルコン酸塩と、有効成分がアルコール以外のものが含まれています。

そもそも今回の対象となっていたアルコール消毒製品の定義について、今、申し上げたようなBとかD、これが含まれていたという認識でいいのかどうか。

そして、市場にはアルコールが含まれていない抗菌剤もシート等を含めてあったかと思うのですけれども、そもそもそれは今回の対象としてはどういう扱いだったのかという点について質問でございます。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、新川委員、お願いします。

○新川委員 新川です。よろしくお願いいたします。

1つ目は、今回の転売規制で幾つか報道では拝見をしているのですけれども、実際にこの規制に抵触をするような事例をどのように把握しておられるのか。その推移等について、もし御承知であればお教えいただきたいというのが1点目。

2つ目は、現時点で解除、政令改正ということで御提案いただいて、これは市況からすればそのとおりかなと思っているのですが、もう一方では、この間、転売規制をしたことがこうした市況の回復につながったのか、あるいはむしろ需給関係の影響が大きかったのか、なかなか判断は難しいと思うのですが、このあたりはどのように評価しておられるのかというのが2点目の質問です。

3つ目は、今回のマスク、消毒剤とは直接関わらないかもしれないのですが、報道等で、医療用の器材、防護服やいろいろと不足が言われているところもございました。こうしたものは一般的な国民的な取引になじむものではないので、あまりここで議論すべき対象ではないのかもしれませんが、そうした医療用機器、機材等で監視が必要なケースがあるかもしれないということで、もし御承知であればお教えいただきたいというのが3点目の質問です。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございました。

それでは、お答えをいただけますでしょうか。

○経済産業省製造産業局吉村素材産業課長 経済産業省素材産業課長の吉村と申します。

最初に、受田委員から頂戴しました御質問についてお答えしたいと思います。

アルコール消毒液の転売規制の対象ということでございますけれども、私ども、資料の参考3-1に書いてありますものについては、全て対象となっているという整理でございます。消毒用アルコールジェルAとBということで、アルコールを含む指定医薬部外品、医薬品、これらの全てについて転売規制の対象としているというのがカテゴリーの1つ目でございます。

2つ目のカテゴリーは、資料の右のC、D、Eでございますけれども、アルコールの体積濃度が60%以上のアルコールを含む高濃度アルコール製品は転売規制の対象としてございますので、こちらにあるようなC、D、Eについても対象となっていると思っていただければと思います。

2つ目の御質問で、アルコールを含まないシートについてはどうかというお話があったのですけれども、こちらについては対象外となってございます。

受田委員からの御質問2つについては、以上でございます。

○経済産業省商務・サービスグループ伊藤消費・流通政策課長 続きまして、新川委員からの御質問について、私、経産省伊藤から幾つかお答えさせていただければと思います。

まず、摘発の事例はどうなっているのかという状況でございます。

私どもが承知している限りでは、マスク及びアルコール、双方合わせて現時点においてこれまで10件程度摘発の事例があるということでございます。

そして、2つ目の転売規制の存在が市況の回復につながったのかどうかということ。これは新川委員からも御指摘があったように、非常に評価が難しいところかなと思ってございまして、この間、様々な施策を政府として行ってまいりました。国内生産の増加に対する補助金や、流通業者、小売業者に対する呼び掛け、様々な施策を複合的に行ってきた中で、この転売規制の存在自体が市況の回復にどの程度貢献してきたのかというのは、正直申し上げてなかなか評価するのは難しいところがあるわけでございます。ただ、転売規制を導入した後のネットにおける取引の状況を幾つかお聞きしておりますと、転売規制が導入されたことによって、それ以降、ネットにおける取引件数がかなり減ったという話とか、ネットにおけるマスクの取引価格も転売規制の導入を契機にかなり下がったという話もお聞きしている状況でございます。

そのほか、医療用器材等々につきましては、厚生労働省から御回答をいただければと思います。

○厚生労働省医政局林経済課長 厚生労働省医政局経済課でございます。

3点目の御質問、医療用防護具の不足等についてということでございます。

質問の御趣旨が捉えられているかどうか分かりませんが、私どもとしての対応、考え方をお伝えいたしたいと思います。

先ほどのお答えとも若干重なりますが、いわゆる医療機関における個人用防護具と言われているもの、具体的にはサージカルマスク、N95等の高機能のマスク、アイソレーションガウン、フェースシールド、手袋の5品目につきましては、一つはコロナの感染症の対応、感染防止として当然必要なものであるということと、従来から価格の高騰や需要の増加によりまして、医療機関、一部において入手が困難になっているという状況を踏まえまして、そういったところ向けに国が直接買上げ、購入をいたしまして、それを都道府県経由あるいは直接医療機関に配付する、購入できないところに配付するといった事業を行ってきております。

この事業については引き続き実施をしてまいりますし、今回の転売規制とこういった医療機関への対応や需給状況は直接の関係があるということではないだろうと考えているところでございます。

以上でございます。

○新川委員 どうもありがとうございました。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、生駒委員、お願いします。

○生駒委員 御説明ありがとうございます。

念のための確認でございますが、今、市場には様々なタイプ、質感、素材のマスクが出回っているのですけれども、この施策の中で取扱いの対象として書かれている衛生マスクの定義について、いま一度お伺いしたいと思いました。

そう申しますのは、国民全員に配られました布製マスクは対象になるのか、医療用のマスクに限るのかなど、衛生マスクの定義についてお伺いしたいと思いました。

もう一つは、このコロナの状況の中で、マスクとアルコール消毒液以外にも、例えば次亜塩素酸水などが大変出回ってきておりまして、その安全性や適正価格なのかどうかといったことが、市場の中では、皆さん消費者としては疑問として抱いているところがあると思うのです。そういったマスク、アルコール消毒液以外のものに対してどのように対応されていくのかといったことをお聞きしたいです。

○山本委員長 ありがとうございます。

もう少し御質問を受けてから、まとめてお答えいただきたいと思います。

木村委員、お願いします。

○木村委員 木村です。

御説明ありがとうございます。

私からは、参考2-1に主要ECサイトの販売価格も落ち着いてきているという記述があるのですけれども、落ち着いてきているというのは上下変動がないということだと思うのですが、これはコロナ以前に比べて、マスクの価格は高値安定的という言い方も変なのですけれども、やはり落ち着いてきているものの、以前の価格よりは高いという認識でよろしいのかというのが1点目です。

そう申しますのは、街に出ますとマスクは売っているのですけれども、以前の価格帯ではないというのが私の実感でございまして、今のところ価格は下がってきているけれども、そのまま少し高い状態で安定するという判断でよろしいのかなというのが1点目です。

2点目なのですけれども、消毒液に関してなのですが、今、お店に行きますと、ほぼ強制的にぱしゃぱしゃと消毒液をかけられてしまうような状態がありまして、これが対象外なのか、対象外ではないのか、一体何をかけられているのかという不安が私はとてもございまして、そういった点で、先ほどの生駒委員の意見と少し重なるのですけれども、アルコール消毒液の安全性や価格といったことに対して、どのようにお考えなのかなというのを聞かせていただきたいと思います。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、片山委員長代理、お願いします。

○片山委員長代理 マスクとアルコール消毒液では消費者から見ると少し状況の違うところがあって、マスクについては、何度も繰り返し使えるマスクがいろいろ工夫して作られており、消費者自身が供給不足への対応を工夫しているというところもあると思うのですが、アルコール消毒液というのは購入するしかない。頂いた資料を見ていて、本当に今、作っておられる平時の6倍の量で、今後いろいろな状況の変化が考えられる中で足りるのでしょうかという不安が少しあります。

それから、今後も増産予定ということですけれども、状態が悪化したときに、最終的にどれぐらいまでのアルコール消毒液を確保する必要があると考えておられるのか、その辺のところも教えていただければと思います。

よろしくお願いします。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、お答えをお願いできますでしょうか。

○厚生労働省医政局林経済課長 厚生労働省でございます。

まず、衛生マスクの定義について御質問いただきましたので、私がお答えいたします。

転売規制となる衛生マスクの定義自体は、家庭用マスクも含め、医療用マスク、産業用の使い捨て式の防じんマスクなど、一般に市販されている健康予防、衛生環境の維持等を目的に用いられるマスクが幅広く該当すると考えておりますし、個人が自作されているようなマスクも対象になり得ると考えております。

したがって、形状等は問いませんので、全戸向けあるいは介護施設向けに厚生労働省から配付をいたしておりました布製マスクも、物としては対象になるということでございます。

ただ、当然転売規制に該当するかどうかは、構成要件に該当するかどうかということでございますので、どういった形で入手しているかということで、別の問題ということでございます。

私からは以上です。

○経済産業省製造産業局吉村素材産業課長 それでは、生駒委員の2つ目の御質問について、製造産業局素材産業課長の吉村からお答えさせていただきたいと思います。

御質問は、次亜塩素酸水についてということでございました。生駒委員におっしゃっていただきましたとおり、次亜塩素酸水については今回のアルコール消毒液等の転売規制の対象の外の話でございます。ですので、今回の話とは違うのですけれども、委員の御指摘はそこについての対応はどうされているのかということでございましたので、御紹介させていただきたいと思います。

どのような物質がアルコール消毒液の代替となり得るかということについて、その有効性について、経済産業省所管のNITEという組織があるのですけれども、そこで評価を実施しているということでございます。

もちろん人体への影響は評価できないのですけれども、物質としての効能ということで評価をさせていただいています。その中で効果が上がった物質については、実際にこういう効果がありましたということで公表させていただいておりまして、それを見ながら消費者には御対応いただくということで整理をしているということでございます。

生駒委員の2つ目の御指摘については、そのような形でお答えさせていただければと思います。

あわせて、木村委員に頂戴しました2つ目の御質問についてでございます。

同じく製造産業局素材産業課長の吉村からお答えさせていただきます。

要するに、お店の入り口で何らかかけられてしまうのですけれども、それが安全かどうか分からないということで、いかがなものでしょうかという趣旨の御質問を頂戴したということでございます。

こちらにつきましてはまさに委員のおっしゃるとおりで、私ごとになってしまうのですけれども、私もお店に入るときは、確かにこちらをお願いしますと言われるのですけれども、あくまで協力でございまして、私どもとしましても、委員がおっしゃるとおり、何か分からないものをかけられるということはよくないと思ってございます。これが何であるのか、その成分が何であるのかというのは確認したいということであれば確認できますので、むしろ是非消費者にも、よく分からないものをかけられるという、委員御指摘のような状態になった場合には、それが何であるのかを確認いただくのが一番大事だと思ってございます。

以上でございます。

○経済産業省商務・サービスグループ伊藤消費・流通政策課長 経済産業省消費・流通政策課長の伊藤でございます。

幾つかマスクに関連をして、お答えをさせていただければと思ってございます。

先ほど生駒委員から、いわゆる政府が配付をした布製マスクの取扱いについて御質問がありまして、厚生労働省の林課長から御回答があったところですが、1点補足をさせていただければと思います。

もともとの今回の規制は参考1が規制の全体像になっておりまして、左側の「小売事業者等」から真ん中にいる「個人/事業者」という人に行くわけですが、ここで政令上は購入という行為が要件となってございます。個人または事業者が小売事業者等から購入をするということは構成要件の一つになってございます。したがいまして、いわゆる政府が配付を実施した無償で配付をするマスクというものについては、購入という行為がないので、その点については、もともと今回の規制の対象外ではなかろうかと考えてございますので、その点、補足をさせていただければと思ってございます。

続きまして、価格について木村委員から御指摘がございました。現状の価格は落ち着いてきているわけでございますけれども、コロナ以前の価格と比較してどうかということで申し上げると、コロナ以前の価格よりはやや高い水準になっているのかなと考えてございます。

この点、どういった背景があるのかということでございますが、4月に物価担当官会議という消費者庁の会議体で厚生労働省、経済産業省、消費者庁とで御報告をさせていただいた事項がございますので、御紹介をさせていただければと思ってございます。

実際コロナが発生して以降、国際的なマスクの需給が全体として逼迫をしていく中で、いわゆる海外からの原材料の調達でありますとかマスクの調達、この価格がそもそもコロナ以前に比べて上昇してきているという事情があったということだと思ってございます。

したがって、足元、価格が落ち着いてきていることは事実ではございますが、これらの海外からのマスクの輸入あるいは原材料の調達というものが、コロナ以前の程度の原価で実施できているかと申し上げますと、物価担当官会議のときに私どもはいろいろと事業者にもお伺いしたのですが、そういう状況にはまだなっていないということでございます。

こうした背景もあることから、足元の状況、コロナ以前に比べれば水準は少し高いのかなと考えているところでございます。

○経済産業省製造産業局吉村素材産業課長 最後に、片山委員からの御質問について、私、製造産業局素材産業課長の吉村からお答えしたいと思います。

御質問の趣旨は、マスクと消毒液でやはり違いがあるということで、消毒液については、今の6倍の600万リットルで十分であろうかということでございました。

こちらにつきましては、私ども、消毒液につきましては、新型コロナウイルスの発生当初より手洗いの励行を働きかけてございます。当初につきましては医療機関あるいは介護施設にアルコール消毒液を優先的に届けることが必要になったこともございまして、一般家庭で不足したことに対して、手洗いを励行し、手洗いを丁寧に行うことで十分にウイルスを除去することができるということで御案内をさせていただいておりました。

4月、5月を経て、医療機関への供給も十分充足しつつあるという状況になり、その後、委員からの御指摘がございましたけれども、小売の店舗にも消毒液が余っているという状況になったということで理解をしてございます。

そうした状況でございますので、今、供給量は国内で600万リットルということでございましたけれども、今、アルコール消毒液の供給者は、資料2の参考3-2を見ていただきますと、5月以降増加が緩やかになっているとおり、既に消毒液が十分に足りている、逆に供給をし過ぎると余るおそれも出てくるということも考えながら、供給しているという状況になっていますので、この600万リットルで十分な対応ができると考えてございます。

あえて申し上げれば、この外側に、消毒液についても輸入品がございます。6月には通常の輸入の20倍程度の量が入ってきているということも実態でございまして、こちらも店舗に行くと実態がよく分かるかと思います。そうした供給も含めて、対応ができると思っているというのが今の状況でございます。

以上でございます。

○片山委員長代理 ありがとうございます。

○山本委員長 ありがとうございます。

ただいまのお答えについて、何か追加して御質問等はよろしいでしょうか。

清水委員から御発言があるということですので、お願いします。

○清水委員 ありがとうございます。

今回のこの法律について、消費生活センターではどのような対応をしたかということですが、施行されてから、消費者の方からお問合せがよくありました。誰が売るのか、どこから仕入れるのか、また衛生マスクはどういうものか、アルコール消毒製品の定義はなにか等、消費者がいかに何も知らずに、ECサイトで個人対個人の販売をしているかの実態が分かりました。

今回の法律は、政府の報道もありましたし、各新聞社もマスコミも取り上げましたので、非常に興味深く消費者も見ていたということと、自ら買い占めて販売をするということで注意をしていたと思われます。ECサイトで一部の悪質な消費者が小売店で買占めをして、販売をする、そこで利益を得る、特にコロナ禍で仕事がない中で転売ビジネスを進める一部の人たちがいますので、転売ビジネスのノウハウを買って消費者がやっているという現状があります。引き続き、ECサイトの監視は必要かと思いました。

特にこの法律の説明は各消費生活センターではさせていただいて、今回の参考1のポンチ絵は非常に使わせていただいたということを報告します。今後もできるだけマスコミがこのような問題を取り上げていただきたいと思います。消費生活センターが消費者にお伝えするということが大事です。今回、厚労省や経済産業省のホームページのQ&Aも充実していましたので、今後こういう体制の広報が必要かと思いました。

ありがとうございました。

○山本委員長 ありがとうございます。

そのほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、御質問、御発言はお受けいたしましたので、取りまとめをしたいと思います。

全体といたしまして、現在の状況に鑑みますと、国民生活安定緊急措置法の第26条に基づく強力な措置を取る必要はなくなっている状況にあるのではないかということで、委員の皆様からおおむね御賛同いただいたのではないかと思います。

ただ他方で、新型コロナウイルス感染の状況がまだ続いており、また今後、そういった状況がどうなるか、必ずしも見通しがつかないということがありますので、今後も関係省庁におかれましては市場の状況をよく注視して、また必要が生じるかどうか分かりませんけれども、必要が生じれば、また規制の導入の検討をしていただければと思います。とにかく、これはまだ状況が継続している案件ですので、よろしくお願いしたいと思います。

もう一つは、今回の政令の規定は強力であるのですけれども、需給のバランスや価格を直接変えてしまうとか、そこまでの強いものではなかったのではないかと思います。前回、消毒液のときだったかと思いますけれども、消費者委員会で議論をしたときに、この規制自体も重要なのだけれども、例えば一般の消費者法制等の執行、すなわち表示あるいは広告の規制等も併せてやっていかないと実効性を持たないのではないか。あるいは、需給の状況に関する政府あるいは関係省庁からの積極的な情報提供などもやっていかなくてはいけないのではないかといった御意見があったかと思います。今日もそれに関わる御意見があったかと思います。

したがいまして、今回この規制を撤廃する状況になったときにも、ぜひ今申し上げたような表示、広告規制等をはじめとする一般の消費者保護ルールの執行、あるいは政府等からの積極的な情報提供に引き続き取り組んでいただければと思います。

よろしいでしょうか。何かございますでしょうか。

ございませんようでしたら、ここで答申案を配付したいと思います。皆様のテレビ会議システムの画面上に答申案を表示いたしますので、御覧ください。

(答申案配付)

○山本委員長 チャットを御覧いただければと思います。

令和2年8月20日付、財務大臣、経済産業大臣、厚生労働大臣から当委員会に諮問のあった事項、課酒1-50、厚生労働省発医政0820第1号、20200806商第9号については、国民生活安定緊急措置法の趣旨に鑑み妥当であり、その旨答申するという旨の答申案ですけれども、これを委員会として答申してよろしいでしょうか。

それでは、今、異存なしというチャットをいただいておりますので、この答申案につきまして、皆様の御了解をいただいたということにしたいと思います。

以上です。

経済産業省、厚生労働省、消費者庁におかれましては、お忙しい中、審議に御協力をいただきまして、ありがとうございました。先ほど申し上げましたように、引き続き市場の監視のほうをよろしくお願いしたいと思います。


《3.閉会》

○山本委員長 本日の議題は以上になります。

最後に、事務局より今後の予定について説明をお願いいたします。

○太田参事官 事務局でございます。

長時間にわたりまして、熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。

次回の本会議につきましては、日程が決まり次第、委員会のホームページを通じてお知らせいたします。

以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございました。

それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)