第323回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2020年6月12日(金)13:00~14:16

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

  • 【委員】
    山本委員長、片山委員長代理、生駒委員、受田委員、大石委員、柄澤委員、木村委員、清水委員、新川委員、丸山委員
  • 【説明者】
    消費者庁大森参事官(調査・物価等担当)
  • 【事務局】
    二之宮事務局長、金子参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 消費者白書について
  3. その他
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

  • 議事次第(PDF形式:162KB)PDFを別ウィンドウで開きます
  • 【資料】 令和元年度 消費者政策の実施の状況、令和元年度 消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果の報告(概要)
    ※資料は消費者庁ウェブサイト(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/#white_paper_2020)の
    【概要】令和2年版 消費者白書[PDF:5.9MB](https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/assets/2020_whitepaper_summary.pdf)を御参照ください。

《1.開会》

 

○山本委員長 皆様、本日はお忙しいところ、テレビ会議システムでお集まりいただきありがとうございます。

本日の進行につきましては、いつものことですけれども、途中で私の回線が切れた場合は、復旧するまでの間、委員長代理に、委員長代理の回線も併せて切れた場合は事務局に進行をお願いいたします。

それでは、ただいまから消費者委員会第323回本会議を開催いたします。

本日は、全員御出席です。

まず会議に先立ちまして、本日は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、私も含めまして御出席の委員はテレビ会議システムにより会議に参加しております。また、感染拡大防止の観点から、引き続き一般傍聴者は入れずに開催いたします。

議事録につきましては、後日消費者委員会のホームページに掲載いたしますが、議事録が掲載されるまでは、本日の会議の様子を6月15日月曜日の15時よりホームページで動画配信いたします。

それでは、配付資料の確認につきまして、事務局からお願いいたします。

○金子参事官 配付資料につきましては、議事次第下部にございますとおりです。資料として白書の概要、その他の案件のために参考資料1から3までがございます。

テレビ会議ではございますけれども、もしお手元の資料に不足等ございましたら、事務局までお申し出くださいますようにお願いいたします。

以上でございます。


《2.消費者白書について》

 

○山本委員長 ありがとうございました。

それでは、本日の議題に入ります。本日の議題は「消費者白書について」です。消費者基本法では、政府は毎年消費者政策の実施の状況に関する報告書を国会に提出しなければならないと規定されております。また、消費者安全法では、内閣総理大臣は消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果を国会及び消費者委員会に報告するとされております。この消費者基本法に定められた実施状況報告と消費者安全法に定められた消費者事故等の情報の取りまとめ結果をまとめた令和2年版の消費者白書が去る6月9日に閣議決定をされたとのことですので、本日は消費者庁からその概要について御報告をいただきたいと思います。

本日は、消費者庁の大森参事官にお越しいただいております。お忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

それでは、大変恐縮ですけれども、20分程度で説明をお願いいたします。

○消費者庁大森参事官(調査・物価等担当) それでは早速、令和2年版消費者白書について御説明申し上げたいと思います。

まず、1ページは全体の構成でございますけれども、先ほど委員長からお話がございました消費者安全法に基づく国会報告は、消費者事故等を年度で区切ってまとめて御報告するというところでございます。それから、第2章として特集、第2部として消費者基本法に基づく施策の報告でございます。本日は、この順番に従いまして御説明したいと考えてございます。

2ページは、最初の消費者事故、相談件数の概要の御報告でございます。

消費者事故に関しましては、御案内だと思いますけれども、財産事案と生命身体事案の両方がございます。昨年度に消費者庁に通知された消費者事故は両方を合わせまして1万1,944件でございまして、おおむねが財産事案で、生命身体事案は2,632件でございます。

我々といたしましては、このような都道府県や消費生活センターから通知された消費者事故を基にして分析を行って、注意喚起などを行っているということでございます。

今年度、生命身体事案といたしましては、重大事故を端緒とした注意喚起といたしまして、ベビーベッドで寝返りを打って、乳児がドアに挟まって窒息してしまうような案件がございましたけれども、そういった内容について注意喚起をさせていただいたというのが今年度の例でございます。

また、重大事故の約8割は火災という傾向は変わってございません。

3ページ、財産事案は数自体は多い案件でございますけれども、これにつきましても消費者安全法などの関連法規に従いまして、事業者名を公表した注意喚起を実施しているということでございます。昨年度は13件でございまして、主な手口を下の図表でまとめてございます。

特に今回例としてあるのはチケット転売でございまして、昨年9月に注意喚起を公表したチケット仲介サイトの事例を挙げてございます。焦って購入手続を進めたり、あるいは実はこれは他人名義のチケットで確実に入場できるわけではないということを告知していないというような注意喚起をしたという例がございます。

4ページは事故よりも広い概念でございまして、各地の消費生活センターに寄せられた消費生活相談の件数でございます。昨年度の白書においては100万件を再度超えたということを御紹介したと思いますけれども、本年については93.3万件で、減少してございます。その大きな理由としては、架空請求に関する相談件数が減ったということがございまして、これが全体の減少の主因となっているということでございます。

5ページ、その相談件数と払ってしまった額を例年どおり縦横に展開した図でございます。件数においては通信サービス、商品一般といった架空請求を含むような案件が突出していて、それらの1件当たりの平均支払額は少ないわけでございますけれども、件数は比較的少ないものの、工事・建築、これはリフォームあるいは太陽光設備といった1件当たりの平均支払額が多いケースも見られるところでございまして、大きな傾向としては余り変わらないということでございます。

6ページ、件数と年齢に焦点を当てた分析をしてございます。高齢者の相談件数については、昨年は減少したのですけれども、全体が減少しており、割合が減ったというわけではないということで、3割でございます。

商品・サービスの中では、商品一般、架空請求といったものが多いわけでございますけれども、インターネット関係、特に光ファイバーや光回線の契約に関する相談件数が多くなったりしてございます。

7ページは、最近注目される消費者問題でございまして、特に若者の男性で美容が上位に来ているという点がございます。それから、若者を中心に各年齢層で定期購入やSNSに関連する消費生活相談が増加しているというのが一つの項目でございます。組合せの典型的な相談事例といたしまして、未成年の息子が除毛剤を購入したところ使いたくないとなったのだが定期購入だということが分かったと。こういう組合せのような相談が典型的に寄せられているというところでございます。

8ページは自然災害でございます。去年は3つ台風が来たということがありまして、場所も千葉県が上位に来ているわけでございますけれども、相談件数が昨年度を上回ったという例でございます。

9ページは、この白書をまとめるに当たりまして、可能な限り新型コロナの状況をアップデートするということを心がけてまいりました。マスクの転売禁止や買物の買いだめ防止、感染防止の呼び掛け、あるいは不当表示、予防効果を標ぼうする表示などの相談が5月20日で3万件を超えており、現在4万件とも言われているわけですけれども、それぐらいの件数が来ている中で政策対応してきているということを、可能な限り白書でも取り上げさせていただいているというところでございます。

10ページはチケット転売の状況について、特にラグビーワールドカップが開かれまして、その前後でチケット転売の取引金額が高額化したということを紹介してございます。

11ページにおきましては、情報商材、マルチ商法に関することでございます。情報商材に関する相談は約7,700件と相変わらず多いところでございますけれども、特にマルチ商法の中では、物がないサービスに関する相談が過半数を超えているという状況でございます。

12ページは、毎年行っているトラブル額の推計でございます。トラブル額につきましては、先ほど商品分野ごとに既支払額が幾らかということを御説明したのですけれども、今年に関しましてはファンド型投資商品の減少がございまして、額は減少いたしまして4.7兆円となってございます。2018年は大型の倒産案件が出たケフィアやジャパンライフなどの件で増えたというところが、2019年で減ったということが状況としてうかがえます。これは既支払額の減少で見えているということでございます。

13ページ以降は相談件数と少し離れまして、環境変化の状況を簡単に御説明するところでございます。電子取引が増大し、フリマアプリが増大し、キャッシュレスの決済が増加しているという状況でございます。

以上が消費者事故の年次報告及び消費生活相談の概況となってございます。

次に、特集でございますけれども、14ページでございます。この特集を取り上げる一つの趣旨として、資源・環境問題といった社会的課題は、消費者施策においても従来から重要政策と位置付けられてきたわけでございます。特に捨てると廃棄するという点に関して申し上げるならば、廃棄量は最近減少傾向であるにもかかわらず、生ごみ、紙ごみ中心に出てきているというところでございます。

15ページ、捨てるというところに焦点を当てた場合に、消費者の意識としてどのようなものの捨てる量を減らさなければいけないのかということに関して申し上げると、食品、プラスチックが非常に多いということでございます。いずれの項目に関しても、食品ロス削減基本方針ができたこと、あるいはプラスチックについても戦略ができたことで、政策としてはやっておるのですけれども、この問題の解決におきましては、消費者、事業者、行政の連携・協働が必要だろうということでございまして、テーマとしましては「つくる責任、つかう責任」というSDGsのものに加える形で「減らす責任」が消費者、事業者、行政にはあるのだということを明示した上で、食品ロス削減をてこにして、持続可能な社会のための一つの取組の例示をさせていただくということがございます。したがいまして、今回の白書におきましては、事業者、消費者、行政の取組実例を少し多く紹介していくということをさせていただいております。

16ページは食品ロスの状況でございまして、年間発生している食品ロスの推計量を書いているものでございます。

17ページは、食品ロスがどのような過程で出てくるのかというフロー図でございます。食品ロスについては、生産、流通、小売、事業者、サプライチェーンの中で発生し、かつ消費の段階でも発生するということでございまして、いわゆる「川上から川下まで」と言われることがございますけれども、それぞれの中で、規格外品の廃棄や返品、賞味期限・消費期限の扱い、消費者に至っては食べ残し、作り過ぎというようなところで食品ロスが発生するということがございまして、出てきた余りに関して捨ててしまうという結果に至ったものが食品ロスになり、フードバンク活動等により食品として有効活用するなということがあるという全体の図でございます。

18ページが、生産段階の規格外の食品の活用でございます。こちらについては、8割の方が購入したことがあると言っているのですけれども、実際問題、図表の赤いグラフがございますが、購入しなかった理由として、買えるところがないという指摘をする回答もあり、買えるところがあれば更に利用されるのではないかというところがございます。

具体的な実例としては静岡県の右側の2つ目の図でございますけれども、形の悪くなった規格外の農産物を給食で活用するといった事例や、AIを通じて、エックス線を利用する形において異物をもう少し正確に検知するような形を取って、廃棄されてしまうものを減らしていく取組がされているということでございます。

19ページは流通段階の話でございまして、現在、賞味期限の3分の1までに小売に納品しなければいけないという納品期限がございます。これを緩和することが一つの提言としてあるわけでございます。

また、賞味期限については9月17日などとありますけれども、大くくり表示にすることによって納品の日付が逆転してしまうために納品を拒否される現象を防ぎ、効率よくさばくことができるというものもあるのですけれども、いずれにしても小売側にとってメリットがあるのか、あるいは納品期限が厳しいままだと年月表示をしてもかえって厳しくなるということもあるので、賞味期限の延長と共通して進めなければいけないという課題を書いてございます。

20ページ、消費者側の意識として、賞味期限・消費期限の違いについてはほとんどの方が知っているのですけれども、期限が近づいてきたものをもったいないからうちが使おうとあえて買うかというと買わないという行動が出てきているということでございます。

それから、賞味期限・消費期限が近づいていても、安くなれば買うかということについて言うならば、買うというのが6割。買うことについて抵抗感がないものについても、総菜から鮮魚までまばらであるという状況でございます。

21ページは外食段階における行動で、ありていに申し上げれば料理の持ち帰りに関しては9割が賛成するということでございますけれども、実際に食べ切れなかった料理を持ち帰った経験がある方は20%に満たないということでございます。こちらとしては、店側が持ち帰り可であることを示すことや、ドギーバッグのようなものを普及させるということがあるのではないか。あるいは、そもそも適正量の注文、食べきり運動をしなければいけないのではないかということを言っているものでございます。

22ページ以降は、家庭、自分で作るところになってくるのですけれども、これについて申し上げれば、それぞれが生活スタイルに合った方法で取り組んでいく。特に主食、野菜、副菜の順で食品ロスが発生しやすいということがございますので、不必要なものを買わなければよいということで、買物に行ってから買う物を考えるとか、特売のものを買ってしまうようなことをなくしていくことが重要なのではないかということでございます。

23ページは、同様に保存方法についての意識についても、適した保存方法を実践することが必要だろうというところでございます。

24ページが、消費者庁で行いました食品ロス削減に関する実証調査の後追い、フォローアップ調査でございます。結果をかいつまんで申し上げますと、2018年の徳島県における調査においては、食品ロス削減の取組のために計量を行うだけでもかなり食品ロスを減らす効果があり、かつ取組を行えば更に減る効果があるといった結果なのですけれども、1年たってみてどうかということを見たところ、食品ロスの計量まで続けている方は1割にすぎないという一方で、削減するという取組についてはほとんどの方が続けているということでございます。

この理由としては、「もったいない」、「家計の節約」ということを挙げる方が上位であるということでございます。そういう意識をうまく共有していくことが重要だろうという結論にしてございます。

25ページは再利用という段階になってくるのですけれども、フードバンクの団体の数は増えてきてはいるのですが、やはり取扱規模の小さな団体が多い、認知度については知らない方もかなりいらっしゃるという状況であるというところでございます。

26ページが、そのほか食品ロス削減の取組において各種団体が取り組んでいる例でございます。例えばベターホーム協会といった調理の知識の紹介、その上に掲載しているレシピの作成やフードドライブの実現、販売期限を過ぎた食品と消費者とのマッチングといったことをやっている企業の取組、あるいは社会福祉協議会へ委託する京都の取組といった、行政あるいは団体と企業がうまく組み合わさって食品ロスをなくす取組をしてきているというような例でございます。

27ページ以降はプラスチックごみ削減についてでございます。余り多くを分析しているわけではございませんけれども、プラスチックについても同様に、消費者の意識としては、包装が少ないものを選ぶということを意識する方がまだ少ないわけでございますけれども、フォークやスプーンといったものについては意識がかなり浸透している、あるいは、レジ袋についてももらわないと意識している方が半分いらっしゃるというところがあるということでございます。

28ページが各事業者、団体の例でございます。特に化粧品や洗剤メーカーにおきましては、詰め替え製品のプラスチックのほう、容量を少なくすることによってプラスチックの容量を減らすということ、コンビニにおいてペットボトルのリサイクルを積極的に行うということ、傘のシェアリングということで、ビニールの消費量を減らすということ、あるいは自治体がプラごみゼロを宣言して、複合的に取組を実現するといった取組を紹介しているということでございます。

29ページ、今回白書では消費者の意識調査を使いまして、消費者を4つに分類することができるかということをやってみたということがございます。これにつきましては、消費者に環境、性格、買物に関する質問を「消費者意識基本調査」の中で行いまして、回答をスコア化することによってグループ化することができたということでございます。

具体的には、損得を考えて行動する、他人の評価が気になる、環境に配慮した商品を選ぶといったような質問を行いまして、その質問の答えを自己重視度という軸と環境重視度という軸で、スコア化したもので分けてみるとうまく4つに分けることができたということでございます。それぞれの方の価値判断をするものではないのですが、各グループに、分析上あえて名前を付けるのであれば、例えば自己優先型という方は、自分がどう思われるか、自分の利益について敏感であり、割と若い層が多くて、使っている機器はインターネットなどのSNSが多い。一方、対局にある環境優先型という方については、環境への意識が高く、50歳以上の年齢が多く、専業主婦層が多い。新聞、雑誌、紙媒体や行政の広報誌に接触が多いということでございまして、右側と左側にそれぞれ反応が強かった質問があるということでございます。

これが食品ロス削減の行動にどう結び付くのかということを示したのが30ページでございまして、例えば食品ロス削減の関係でいくと、残った食材で調理をするとか、食品に合った保存方法を考え長持ちさせるといったことを考えるのは、バランス型と環境優先型であるということでございます。

一方で、特売日だと、自分が得だとなれば多く買ってしまうとか、賞味期限・消費期限が近づいても安くなっていたら買うというようなことに肯定的な意見は自己優先型が多いということで、かなり食品ロス削減に関する行動においても差が出てくるということがございます。

31ページはその方々が接しているメディアでございまして、先ほど申しましたように環境優先型は行政の広報誌などの紙媒体、自己優先型はインターネット媒体ということがございます。

これをどう捉えるかということについて申し上げると、例でございますけれども、自己優先型の方については環境や社会に貢献することが自分の利益になるということ、例えば、安くなる、あるいは自分の家計にプラスになるということを、ウェブ媒体を通じて発信していくようなことも重要ではないか。環境優先型については、そもそもの考え方自身を紙媒体でちゃんと発信する必要があるのではないかというような、施策に関する一つのヒントが出たのではないかということでございます。

32ページからのまとめについては、特に消費者庁が10年を踏まえたその後ということを長期的に見ますと、消費者、事業者、行政の協働が必要になってくるのではないかと考えてございます。その例として食品ロス削減やプラスチックごみの削減というものは、事業者の取組を消費者が後押しし、行政が仲立していくという形で、3者が協働していく一つの良い例ではないかと考えてございます。

よって、我々といたしましては、消費者、事業者の関係として、消費者の働き掛けとしてエシカル消費、事業者の働き掛けとして消費者志向経営というものを一体的に進めていくことによって、持続可能な社会ができていくというような一つの実例を通じた絵姿を示すことができたのではないかと考えてございます。

以上が特集でございます。

それ以降につきましては、お時間もありますので簡単に施策の進捗でございますけれども、33ページは基本計画を策定し、34ページは公益通報者保護法の改正を行ったということ、35ページ以降については、デジタル・プラットフォーマーの話であるとか消費者教育の話、37ページは地方消費者行政強化の概要、それから徳島も7月から新未来創造戦略本部ができるということをまとめまして、この辺りの話は別途、それぞれの施策の状況として御報告していると思いますので、ここでは簡単に御説明いたしまして、長くなりましたが、以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございました。

それでは、御質問、御意見のある方は御発言をお願いします。

清水委員、お願いします。

○清水委員 御説明ありがとうございました。

私たち現場の消費生活相談員は、1年に1回、私たちが入れたPIO-NET情報がどのように分析されるかということで、この発行は本当に楽しみにしております。今年も読み応えのあるものを出していただいて、本当にありがとうございます。

特に相談の現場では、啓発、教育で私たちはパワーポイントを作成するのですが、そのときに電子で消費者庁のホームページに張り付けてあるものをコピペして使わせていただいていて、すごく有効に活用させていただいております。

特に最近は、先ほど概要の12ページにありましたように、消費者トラブルの被害額を私はクイズにしておりまして、講座の最初の導入部分で市民の方に答えていただいております。そこで必ずええっとか、兆の単位はぴんとこないとか、そこで対話があって啓発ができるということで、本当に被害額につきましては有効に使っているという現場の報告です。

私たち相談員の担い手が少ないということもあり、試験対策講座や養成講座を私ども全相協がやっていますが、この白書は必ず重要な参考書として相談員になる方には必ず熟読するようにPRしております。

もう一つ、早期の実名公表をしていただいたということで、概要の3ページにviagogoの実名公表の御案内をしていただきました。これにつきましては本当に効果がありまして、相談の現場では啓発で使ったということももちろんなのですが、相談件数が減ったということがあります。

それについて、実名公表、注意喚起がどれだけ必要かということで、4ページの消費生活相談の件数の推移のところなのですが、今年度は9万件に減少とあります。私たちのPIO-NETを分析していただいて、架空請求が減っているという分析はそのとおりでございますが、2018年、2019年の私たち相談員の感触としましては、悪質な定期購入に終始、とにかく占領されたという感があります。悪質な定期購入業者にあっせんしますと、まず電話がかからない、電話をしても話にならない、それで長時間を取られました。相談者も電話をしていますので、電話がかからないと言っていらいらして、同じ相談者が何回も私たちに相談してくるという現状です。この相談件数は悪質な定期購入業者によって減ったのではないかと思っている次第です。

そういうことからしても、viagogoのように早期の注意喚起、実名を挙げての公表を今後も是非お願いしたいです。

長くなりました。失礼します。

○山本委員長 ありがとうございます。

そのほかにいかがでしょうか。どなたか御質問、御意見のある方はお願いします。

入力中の方が何人かいらっしゃるようです。

それでは、受田委員、お願いします。

○受田委員 ありがとうございます。

今年度も消費者白書を作成いただきまして、ありがとうございました。毎年充実した内容であると高く評価をさせていただきたいとまず思います。

昨年もこの消費者白書に関して御報告をいただいたときに伺ったのですけれども、改めて消費者庁側の現状をお聞かせいただきたいと思うところです。

それは、この消費者白書の利用に関してでございます。今、こうやってウェブ版で消費者白書を眺めることができるようになりましたので、結果的にデジタルの解析によってどれぐらいの方が、またエリアや属性としては年齢等もある程度解析ができる状況にあるかと思います。

これまでアクセス数については毎年増加しているというモニターをしておられたと思うのですけれども、更に踏み込んだ解析をすることによって、白書の啓発ツールとしての効果が定量的に読み解けるのではないかということ。そして、アイトラッキング等の技術を使うことによって、最も学んでいただきたい消費者に対してしっかりとその項目が訴求しているかどうかという点も確認ができるのではないかということがございます。

そういったデジタルのツールとしての把握が昨年に増してどのように進化をし、それをどのように考察しているかという点について、お聞かせいただければと思います。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、もう一方いただいた上で、大森参事官から質問に対するお答えをいただきたいと思います。

では、生駒委員お願いします。

○生駒委員 御説明ありがとうございました。

大変充実した消費者白書で、今の受田委員の意見と少し重なるかもしれないのですけれども、これが実際の消費者にどのような形で情報として届くのか、あるいは消費者側からアクセスできるのか。非常に充実した内容ですので、いろいろなことで活用して、実際に消費者の方にお役立ていただけるといいなと感じました。その点を御質問、どのように消費者の方に活用できるのかという具体的な方法がもしございましたら教えていただきたいということが一つ。

もう一つ、消費者庁でエシカル消費を推進されているお立場から、先ほどの環境問題を重視しているかどうかという指標があったと思うのですが、エシカルは環境問題だけではなくて、社会貢献と言いますか人権問題や人道問題のようなものにも根差していますが、そういった視点が十分に入っていないと思いました。

SDGsでも誰一人取り残さない包摂的な社会を目指す、エクスクルーシブではなくてインクルーシブな社会をこれから目指すということですので、そういった視点も今後盛り込んでいただきたいと思いました。

このエシカル消費を広めるに当たりまして、かつてエコポイントというものがございましたけれども、例えば環境問題に関しては「もったいないポイント」や、人道、人権的な問題に関しては「思いやりポイント」といったようなポイント制度がもし設けられましたら、分かりやすく消費者に伝わると思います。これを買えばもったいないポイントが増えるねとか、そのような具体的なアクションにもつながるかなと。これは希望ですが、提案させていただきます。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、大森参事官、お願いできますか。

○消費者庁大森参事官(調査・物価等担当) まず、利用するほうから御説明しますけれども、通例この白書につきましては、都道府県、市町村の消費者行政担当課等に配付したり、冊子として各種団体、都道府県の図書館に配付するということをまずした上で、かつ我々としても各種団体から講演あるいは説明の御依頼をいただくことがございます。そういったものについては課員で積極的にお受けして、御説明していくというのが基本としてございます。

その中で、どのページまで読んだかというアイトラッキングのような技術をどこまで見るかということでございます。確かにこれを例えば特集の部分、事故の部分と分けてみて、どういう方が見ていらっしゃるのかということについて、人は分からなくとも閲覧している箇所は分かるということがあるのかもしれないのですけれども、去年も御指摘いただいて申し訳なかったのですが、そこは我々としても閲覧箇所を解析するところまで、件数以上に解析することがまだできておりません。ホームページを場所ごとに区切って掲載して件数を調べるという代替的な方法があるのかもしれないのですけれども、そこはもう少し工夫をさせていただければと思います。

また、今回に関しては、一つ意を配したのは、経済白書とまでは言いませんが、行動分析のようなものができたのではないかと思ってございます。初めてうちの課の職員が、内閣府の経済社会総合研究所に足を運んで、統計的にこれが有意な処理なのかどうかという正に分類の作業をさせていただいたということでございます。

そういった人間の考え方に関する分析でございますので、こういった分析に関する学術の部分が今回一つ広がったような気がいたしますので、特に徳島にできます新未来創造戦略本部などともうまく連携して、学術的な成果としても活用できないかということを今、考えておるところでございます。

生駒委員からいただいたことは正に御指摘のとおりでございまして、エシカルについてどう捉えていくのかというのがございまして、特集の最後、32ページに絵がございます。私はこのテーマを選ぶときに強くこだわった点であるのは、当課は消費者志向経営を所管しておりまして、これは昨年末に御説明申し上げました。エシカル消費という消費者が事業者に働き掛けていくような部分と、事業者がそれに応えて、社会課題の解決に向けて消費者を動かしていくような両輪がなければ、今後全体の消費者行政は回らないのではないかと私としても思っております。

なぜ今回、環境ということになったかというと、この中で、そうはいってもこういった関係を割と実例をもって、かつ分かりやすく説明できるようなテーマは何かと考え併せてみると、これは外部の要因があるのですが、食品ロス削減という形で具体的な取組の例が事業者としてもあって、あとは消費者側の意識としても明確に捉えて、一つの例として実例を示して、こういう形で消費者と事業者が組んでいけるのだよということで今回出していただいたということでございます。

もちろん生駒委員がおっしゃるような、最後、エシカル消費という、これは離れて更に人権といったもう少し一般化したものでエシカルな消費をした上で、事業者がそれに賛同するという志向経営をしていって、持続可能な社会をつくっていくというのが、我々の考える消費者の協働行政の成果であろうという思いは持っているところでございます。

したがいまして、今回の白書の活用ということで申し上げるならば、こういった実例をてこにして横に広げていくということで、私の立場としては消費者志向経営を進めていきたいと考えております。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございました。

それでは、更に委員の方からの御質問、御意見を続けます。

○木村委員 説明ありがとうございます。令和元年度の消費者行政ということで、大変よくまとまっていると思います。

ただ、やはりお聞きしていて気になったところは、通信についてなのですけれども、今までですと携帯やモバイル関係が多かったのですが、光通信というところで、被害者が高齢者に多いということが気になりました。潜在的に使っていない通信の回線などをいろいろな手段で勧誘されて、自分が被害に遭っているのにそれが分かっていない消費者が多いのではないかということを常日頃感じています。

今年度、コロナの影響で大変なのですけれども、次年度の白書が出るときにはコロナのことがあって、ステイホームのこともありますので、消費者関係のこういった被害はネット関係や高齢者、キャッシュレス化などいろいろな傾向に変化があるのではないかと感じております。その比較分析を今後期待したいと思っております。

もう一点、食品ロスについてなのですけれども、先ほど生駒委員からもお話があり、消費者庁からも御回答がありましたが、協働というところで具体的に何をどうしたらいいのかということをきちんと事業者、消費者に提案していくということで、納得して行動していけるのではないかと感じました。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

大石委員、お願いします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

全体的に本当によくまとめていただいていると思いました。

一つ、二つ気になったことだけ述べさせていただきます。

まず、先ほど木村委員もおっしゃいましたけれども、今回このコロナの影響が大きく消費者問題に変化を与えるのではないかということで、次年度の白書になりますけれども、是非その辺りを緻密に検討していただきたいというのが一点。

それから、今回の白書で環境のことを取り上げていただいて、これは消費者にとってとても身近なことで、有り難いことだと思ったのですが、一つ気になりましたのが、取り上げていただいている食品ロスとプラスチックごみの削減は、はっきり申し上げてトレードオフの関係にあるものとなっております。今回、消費税の軽減税率があったり、コロナ禍によって持ち帰り食品が増えたり、プラス海外での廃棄事業者が引取りを拒否していることもあり、プラスチックごみの問題は今後すごく大きな課題になってくると思います。

ですが、食品ロスということで考えると、やはり容器を使ってということも必要になってくるわけで、そのトレードオフをきちんと理解しながら、どうやって消費者がプラスチックごみを減らす方向に行くかということの問題点も是非取り上げていただきたいですし、プラスチックごみの削減に関しては、7月1日にレジ袋の有料化が始まります。難しい問題ではあるとは思うのですけれども、今後継続してしっかり消費者、行政、事業者が協働して取り組んでいけるように、消費者庁からも是非御協力いただければと思います。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございました。

それでは、片山委員長代理にいただいて、一旦お答えをいただき、その後で新川委員にお願いしたいと思います。

それでは、片山委員長代理、お願いします。

○片山委員長代理 ありがとうございます。

大変充実した、そして分かりやすい白書になっていると思いました。本当にありがとうございました。

特に今回特集で取り上げていただいている食品ロスの問題の内容についても、本当にここまでよく踏み込んで、いろいろな観点から食品ロスの発生要因を分析して書いていただいたということで、感謝いたします。

そこで1点お願いといいますか、更にこれをどう使うかという問題についてなのですけれども、私が所属している団体で、事業者と消費者の双方向のコミュニケーションの場を年に4回ほど研究会としてやっています。そこでこの食品ロスも取り上げて、業界の方に来ていただいて、ここに書かれている川上の仕組み、生産や流通の仕組みについて直接お話を聞いて、消費者からもいろいろ質疑をしてという双方向でのコミュニケーションをしたのですが、大変理解が進みましたし、川上の事業者の皆さんの悩みやどういう工夫をしておられるかということを聞くと、消費者でもまだまだ協力できるというか、こういうふうに考えればいいのではないかという意見もたくさん出てきました。

そういう意味で御提案なのですけれども、せっかく作っていただいたこの資料、特に19ページの流通が抱えておられる悩みについて今後どのようにしていくのかという辺りは、事業者あるいは消費者団体が、是非消費者との双方向でのコミュニケーション、意見交換の場を作っていって、そこで議論を積み重ねることが必要ではないかと思います。

32ページに、持続可能な社会に向けた協働のイメージを書いていただいているのですが、私が思うのは、消費者と事業者のところに、消費者志向経営とエシカル消費しか書かれていませんが、実はここに物すごく太い、双方向での意見交換、相互理解というものを本当は是非入れていただきたいと思います。ここでのいろいろな意見交換があって初めて、一つの目的に向かって何をしたらいいかということがお互いに見えてくるという関係ではないかと思いますので、その辺りも今後御検討いただきたいと思います。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、大森参事官にお願いできますか。

○消費者庁大森参事官(調査・物価等担当) まず、大石委員がおっしゃったコロナの話でございますけれども、来年の話としてはどのような影響なのか、現在進行形でございますが、施策ではまず確実に取り上げなければいけない。進捗では取り上げるということになると思います。あとは、消費者の意識としてどこまで追っていくのかということについては、少し時間を置いて見させていただければなと思います。

また、具体的な施策の提案、あるいは双方向のコミュニケーションといった食品ロス削減に関する御提案をいただきました。もとより我々としても、食品ロス削減に関して基本方針に基づいて行政として施策をしているわけでございますけれども、白書というものを事業者団体あるいは消費者の皆様に御説明して、かつ具体的に実例をもう少し御紹介していく中において理解を深めていただき、それを施策に生かすことができればと考えてございますので、御指摘も踏まえまして、広報や講演をうまくコミュニケーションしていくということをやっていきたいと思います。

コロナの話でトレードオフの話が出ました。確かに御案内のとおりでございまして、これをいろいろな方に御説明していく中においては、そういったお話、あるいはドギーバッグを持っていって料理を持ち帰る際にも、あらかじめ料理を分けておかないと感染症リスクが上がるのではないかといった御指摘も受けております。正にこの辺りに関して申し上げると、現在、感染症リスクが上がっている中でプラスチックをどう使っていくのか。それが終わった後で、どう生活様式にしていくのかという作業になっていくものだと思います。

トレードオフという御指摘もあります。これは、そうはならないように今後は確かにしていかなければいけないという点になっていくわけでございますけれども、その時間軸がもう少し長くなってしまうのではないかと思いますが、この辺りについても施策の進捗という形で受け止めさせていただきまして、追いかけていきたいと考えてございます。

お答えし切れていないかもしれませんけれども、以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございます。

あと、新川委員から御質問、御意見があるということですのでお願いします。

○新川委員 新川です。ありがとうございます。

今年度の白書を拝見させていただいて、特集についても非常に充実していて良かったなと思っております。

考え方や表記の仕方について少し御質問したいところがありました。

一つは、いよいよ今年から第4期の基本計画がスタートしました。昨年度末に無事閣議決定されたわけでありますけれども、第3期までの計画がどこまでできてという話、その成果のようなものは当然4期の計画の中では反映されるのですけれども、最終年度の令和元年度でのそういうまとめのようなものは、年次報告ですから特には必要ないという考え方なのかどうか。これは1点確認です。

それから、もしもそういう第3期計画についてのまとめのようなものが特段あるのだとすれば、第4期計画は拝見しているわけですけれども、ほかにももしそういうものがあれば教えていただきたいというのが2点目。

それから、今回御説明の中では少し急いで飛ばされたところもあるのですけれども、白書で言えば第2部の消費者政策の実施状況のところで、例えば消費者安全調査委員会の活動等について、具体例も含めて書いていただいているのですが、各府省の対策についても細かく書いてはいただいているのですが、実際に何がどこまでできたのか。対応策のところで検討する必要があるとかという書き方をされているのですけれども、特に長年にわたってずっと継続的に検討してこられたものについて、令和元年度にどこまで進んだのかが少し分かりにくいなと思っています。

例えば特商法の改正あるいは消費者契約法の改正に向けた検討等の中でも、論点や検討を進めたというところまでは分かるのですが、それが元年度にどこまで進んだのかというのが、もちろんそんなにはかばかしく進んでいないということは承知しているのですけれども、やはり年間でどこまで行ったのかということが明らかなほうがいいかなと思ったのです。これはなかなか難しいのでということかもしれませんし、もう一方では、今後そういう検討の余地もあるということがあれば、少しお伺いしたかったということであります。

総じて、令和元年度の成果がもう少し客観的に、国民の目に見えやすい形で取りまとめられているともっと分かりやすかったのになという気持ちがあったものですから、そういう発言をさせていただきました。

以上です。

○山本委員長 それでは、柄澤委員、お願いできますか。

○柄澤委員 皆さんからもう発言されているので、私から特にということはないのですけれども、全体としてこの白書は非常に丁寧に仕上げられていることに感謝申し上げたいと思います。全文は読み切っていないのですけれども、特集のテーマで、持続可能な社会として食品ロス削減とプラスチックごみ削減を取り上げているのですが、SDGsを軸にして消費者と事業者、行政等が連携協働して取り組んでいることが非常によく分かる内容となっているのではないかと思います。

投資家や株主等はESG投資や気候変動など、環境や社会に対する企業の取組を注視しておりますので、私ども企業にとっても非常に重要な観点で、取組に強いインセンティブが働くと考えております。

1点質問なのですが、本紙に、食品ロスに関して海外の事例として大臣が視察された模様が出ています。世界全体としての食品ロスの状況は分かるのですが、ベストプラクティスの国がどのような食品ロスの改善を図っているのかという数字的なデータがあれば、より我々のインセンティブが働くのかなという印象を持ちました。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、大森参事官、お願いできますか。

○消費者庁大森参事官(調査・物価等担当) 簡単に御説明します。

まず、新川委員から御指摘のありました施策の紹介というところでございます。これが我々消費者庁の立て付けでございます。基本計画の進捗を管理するやり方、工程表がございまして、その工程表の中で進捗をチェックし、かつそれを次年度に生かしていくというローリングをしているものと我々として認識しています。

我々の白書は、計画の成果そのもの等というKPIを管理するという観点ではなくて、もう少し自由に紹介するという立て付けになってございまして、政策の達成度合いを白書で十分紹介し切れていないという面が確かにございます。若干そのように役割を分けてしまっている部分がございますけれども、そちらは工程表を評価していく中で、両方合わせて見ていただきたいというのが庁全体の思いとしてございます。

それから、食品ロス削減の海外の紹介事例でございます。特にフードバンク事業や食品の寄附ということに関しては、特にどこということではないですけれども、ヨーロッパ諸国は進んでいるのではないかという認識の下で、今年の1月に大臣がフランスを訪問されたときに、現地の団体を見たということでございます。

これは私見になるのですけれども、ヨーロッパへ行ったときの思いとしては、連帯といった考えが強いお国柄があるので、そういったところでスーパーといったところにも取組が進んでいるのではないかという問題関心ではあったと思います。

ただ、我々は外から勉強することが多いわけでございますけれども、どこが一番かというのはなかなか申し上げにくいなというのがあります。これは印象でしかお答えできません。

簡単で申し訳ございませんが、以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございました。

清水委員、何かございますか。

○清水委員 ありがとうございます。

白書の本体の74ページで一つお願いします。

「消費生活センター等に期待する役割として、知っていること」ということで、「悪質な事業者等に対する法執行の実施」が35.3%になっており、消費生活等以外の役割に関する認知度が低いことがうかがえますと書かれております。

実際の現場では、最近、我が国は無法地帯だとか法律の規制が遅いだとかという市民からの苦情も非常にあります。なかなかPIO-NETに反映しても分かりにくいのかもしれませんが、アンケートでは35.3%で認知はないといっても、相談の現場では非常に国に期待していて、例えば特商法の強化だとか景表法の強化、また販売預託の全面禁止というのは本当に市民から強く言われておりますので、今、消費者庁では検討会がなされていて、夏にある程度の報告があると聞いています。よろしくお願いします。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

大森参事官から何かございますか。

○消費者庁大森参事官(調査・物価等担当) 現在、現状として消費生活センターが果たされている役割は大きいということは前提としているのですけれども、それがどこまで消費者の意識に届いているのかという観点でございまして、これは認知が低いということは、むしろ我々でもっと認知されるように働き掛けていかなければいけないという課題の表れと思っておりました。その点については、むしろ申し訳ないと思っております。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございました。

それでは、委員の皆様からいろいろと御質問、御意見をいただきましたので、私から簡単に3点ほど申し上げたいと思います。

1点目は全体として、消費者問題の現状と課題、それから消費者政策がどのように行われているかということが極めて包括的かつ分かりやすく記述されておりまして、これは毎年のことですけれども、大変御苦労されてお作りになったということがよく分かります。

これを広く社会の皆様に使っていただけるように、是非効果的な広報等をしていただければと思います。これを読むと本当に大変勉強になりますので、それを是非お願いしたいということが1点。

2点目は、今回の特集の食品ロスの問題も大変充実した内容であると感じました。これは参事官から御指摘があったのですけれども、今回、消費者の類型化を試みられて、一種、研究と申しますか、更に言えば学際的な研究につなげていけるような内容が含まれているという点は、食品ロスの問題に限らず、今後の消費者問題の分析あるいは消費者政策の推進に当たって非常に重要な視点ではないかと思いますので、今後も是非推進していただきたいと思います。

3点目はコロナウイルス対策の問題で、まずは目下直面している問題として、国民生活安定緊急措置法の適用の問題、あるいは不当表示や悪質商法への対応といった問題があります。更に長期的には、先ほどから委員の間で指摘がありますように、インターネットあるいは情報技術の活用が今後の生活の中で急速に更に増えていくだろうと思いまして、そうすると、それに伴う問題も当然出てくるだろうと予想されます。

今回の白書の中におきましても、相談件数の全体を見ますと、特に架空請求に関する相談は減っているけれども、SNSに関わるものが増えているとか、あるいは定期購入もインターネットに関わっているということがかなりあると思いますので、こういったものが増えています。今後、同じ形態で問題が現れるかどうか分からないといたしましても、情報技術、インターネットに関わる消費者問題が多様になり、かつ大量に増えていくのではないかと思われますので、その点について今後注視していただくとともに、対策も取っていただきたいと考えております。

以上が私の全体の印象でございます。

本日は大森参事官、消費者庁のほかの関係の方におかれましては、お忙しいところをお越しいただきまして、またいろいろ御質問等にもお答えいただきまして、どうもありがとうございました。

それでは、この議題についてはこれぐらいにしたいと思います。

どうもありがとうございました。

(消費者庁退室)

《3.その他》

 

○山本委員長 それでは、最後に議題の「その他」といたしまして、新開発食品調査部会及び食品表示部会から報告事項があります。

受田部会長からお願いいたします。

○受田委員 それでは、特定保健用食品の表示許可に係る答申について、私のほうから御報告をいたします。

令和2年3月24日に開催した第52回新開発食品調査部会の議決について、新開発食品調査部会設置・運営規程第7条に基づき、委員長の同意を得て委員会の議決とし、6月1日付で内閣総理大臣へ答申を行いました。

お手元の参考資料1の答申書を御覧ください。内閣総理大臣より諮問を受けて、第52回新開発食品調査部会において安全性及び効果について審議を行った結果、指摘事項を確認の上、了承することが部会長に一任され、申請者からの回答書を確認し、特定保健用食品として認めることといたしました。

引き続き、食品表示基準の一部改正に係る答申について御報告をいたします。

令和2年5月25日に開催をいたしました第59回食品表示部会の議決について、食品表示部会設置・運営規程第7条に基づき、委員長の同意を得て委員会の議決とし、6月1日付で内閣総理大臣へ答申を行いました。

こちらは参考資料2の答申書を御覧ください。内閣総理大臣より諮問を受けました食品添加物に関する表示、原料ふぐの種類に関する表示、そして特色のある原材料等に関する表示に係る食品表示基準の一部改正については、諮問された改正案のとおりとすることが適当であるとされました。

私からの報告は以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございました。


《4.閉会》

 

○山本委員長 それでは、本日の議題は以上です。

最後に事務局より、今後の予定について説明をお願いいたします。

○金子参事官 次回、本会議の日程につきましては、日程が決まり次第、委員会のウェブサイト等でお知らせをいたします。 

以上でございます。

○山本委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)