第286回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2018年10月11日(木)13:59~15:14

場所

消費者委員会会議室

出席者

  • 宮腰大臣、左藤副大臣、安藤政務官
  • 【委員】
    高委員長、池本委員長代理、受田委員、大森委員、鹿野委員、蟹瀬委員、長田委員、樋口委員、増田委員、山本委員
    (高委員長の「高」は、正しくは「はしごだか」)
  • 【説明者】
    金融庁監督局中村参事官
    金融庁監督局銀行第一課担当者
    金融庁監督局総務課担当者
    金融庁企画市場局総務課担当者
  • 【事務局】
    二之宮事務局長、福島審議官、坂田参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 宮腰内閣府特命担当大臣、左藤内閣府副大臣、安藤内閣府政務官御挨拶
  3. 銀行カードローンの実態調査結果について
  4. その他
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○高委員長 それでは、ただいまから「消費者委員会第286回本会議」を開催させていただきます。

本日は、皆様、お忙しいところ御参集いただきまして、ありがとうございます。


≪2.宮腰内閣府特命担当大臣、左藤内閣府副大臣、安藤内閣府政務官御挨拶≫

○高委員長 本日は、宮腰内閣府特命担当大臣、左藤内閣府副大臣、安藤内閣府大臣政務官に御出席いただいております。

初めに、宮腰内閣府特命担当大臣より御挨拶をいただきます。

○宮腰大臣 この度、消費者及び食品安全担当の大臣を拝命いたしました宮腰光寛でございます。

同席しております左藤副大臣並びに安藤政務官ともども担当させていただくことになりました。

消費者委員会の皆様方に、一言御挨拶を申し上げたいと存じます。

消費者行政というと、少し堅いような印象でありますけれども、日々生活を送る上で、食品表示、取引関係など、全ての方、あらゆる場面が対象になるという意味で、非常に間口が広い、国民にとっては極めて重要な行政分野であると考えております。

消費者庁発足と同時に、平成21年9月に発足した消費者委員会は、消費者の利益の擁護に関する建議や提言を行うなど、日々、専門的な御知見から積極的に御審議をいただいているとお聞きしております。

このように、消費者委員会が監視機能をしっかり果たしていただくことが、消費者行政の発展に向けた行政との車の両輪として重要であると考えております。

私といたしましても、多くの課題を解決するため、皆様からの提言などをしっかりといかしていけるよう、リーダーシップを発揮してまいりたいと考えております。

高委員長を初め、引き続き、御支援、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げまして、一言御挨拶とさせていただきます。

よろしくお願いいたします。

○高委員長 ありがとうございました。

続きまして、左藤副大臣より御挨拶をいただきたく思います。

○左藤副大臣 この度、消費者問題を担当することになりました副大臣の左藤章でございます。

宮腰大臣をお支えしつつ、消費者行政が直面する諸課題にしっかりと取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いを申し上げたいと思います。

委員の皆様におかれましては、消費者問題に関する豊富な御見識を基に、政府の消費者行政に対して、国民の目線で忌憚のない御意見を賜りたいと、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

ありがとうございます。

○高委員長 ありがとうございます。

続きまして、安藤大臣政務官より御挨拶をいただきたく思います。

○安藤政務官 この度、内閣府の消費者問題を担当することになりました政務官の安藤裕でございます。

左藤副大臣とともに、宮腰大臣をしっかりとお支えして、消費者行政を着実に前へと進めてまいりたいと思います。どうかよろしくお願いを申し上げます。

さまざまな消費者問題について活発に御議論いただきまして、政府の消費者行政に対して率直な御意見を賜りますようによろしくお願いを申し上げます。

ありがとうございます。

○高委員長 ありがとうございました。

消費者委員会として、今後もより一層充実した調査審議に務めてまいりたく思っております。

御挨拶、お言葉、ありがとうございました。

ここで宮腰大臣、左藤副大臣、安藤政務官は御退席となります。お忙しいところを御出席いただきまして、誠にありがとうございました。

(宮腰大臣、左藤副大臣、安藤政務官退席)

≪3.銀行カードローンの実態調査結果について≫

○高委員長 それでは、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

○坂田参事官 議事次第に配付資料一覧を記載しております。もし不足がございましたら、事務局までお申し出いただきますようよろしくお願いいたします。

よろしゅうございますでしょうか。

○高委員長 本日の最初の議題は「銀行カードローンの実態調査結果について」でございます。

金融庁においては、昨年9月以降、残高の多い先を中心とする12行を対象に検査が実施され、本年1月にその検査結果が「銀行カードローン検査 中間取りまとめ」として公表されました。

本年2月の第268回委員会において、その検査結果の内容を中心に金融庁における取組について御説明いただいた際、今後カードローンを取り扱っている全先に対し、検査を含めたモニタリングを継続していく旨の言及があったところでございます。

今回、金融庁において、銀行カードローンの取扱いのある銀行のうち、検査実施先以外の全銀行に対し、昨年3月の全国銀行協会の申合せや金融庁の中間取りまとめを踏まえた業務運営の見直し状況などについて調査が行われ、今般、その結果が公表されたところでございます。

本日は、その実態調査結果の内容について御説明をいただいた上で、意見交換をさせていただきたく思います。金融庁監督局中村参事官にお越しいただいております。金融庁におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

恐縮ですが、15分程度で御説明をお願いいたします。

○金融庁監督局中村参事官 ただいま御紹介いただきました金融庁監督局の中村でございます。よろしくお願いいたします。

本日、お手元に資料を2種類配付させていただいております。縦紙の資料2の「銀行カードローンの実態調査結果について」という本体、それから、これをサマライズいたしました資料1の「銀行カードローンの実態調査結果 主なポイント」ですけれども、本日はお時間の関係もございますので、資料1の主なポイントに沿いまして御説明をさせていただきたいと思います。

まず、1ページ目です。今回の実態調査結果の背景についてです。

こちらは本年2月の本委員会での説明内容と重複する部分もございます。先ほど高委員長からも概略、背景などを説明いただきましたが、改めて簡単に触れさせていただきます。

御案内のとおり、銀行カードローンにつきましては、一時、融資の残高の増加ということで、過剰な貸付けが行われているのではないかという批判や指摘があったところでございます。これを踏まえまして、全国銀行協会におきましては、昨年3月に申合せを行いまして、各銀行ではこの申合せを踏まえた業務運営の見直しを検討、実施してきております。

金融庁におきましても、業務運営の見直しについて詳細な実態把握を進めるとともに、その適正化をスピード感を持って推進するという観点から、昨年9月より残高の多い12行に対して立入検査を実施しました。

結果につきましては、本年2月に公表いたしまして、本委員会でも説明させていただいたということでございます。

さらに、今年3月、銀行カードローンの取扱いのある銀行のうち、検査実施先以外の全銀行108行に対しましてアンケート調査票を発出しまして、申合せや検査の結果を取りまとめた中間取りまとめを踏まえた本年2月末時点での業務運営の見直し状況を調査いたしたところでございます。検査と同様の観点に着眼いたしまして、資料に記載のとおり、主に五つの着眼点でアンケート調査をしたところでございます。

あわせて、検査実施先12行につきましても、直近の状況を改めて調査いたしました。その結果を取りまとめておりますのが資料でございます。

2ページを御覧ください。今回の実態調査の主な着眼点ごとに、全銀協の申合せ以前の状況、申合せ以降の状況、足元の状況、それからこれを受けました当庁としての今後の監督上の対応と、左から右に流れるような構成となっております。

まず、年収証明書の取得基準という項目です。貸金業法上は御案内のように、融資額が50万円を超える場合には、お客様から年収証明書を提出していただくことになっておりますが、全銀協申合せ以前は、約6割の銀行が新規融資時の融資額が100万円から500万円超に達しないと年収証明書は取得しないという扱いでございました。

申合せ以降は、約9割の銀行が貸金業法上の取得基準と同水準もしくはより厳格な基準を設定するようになってきており、基準の見直しは進んでいる状況がうかがわれました。

他方、引き続き年収証明書の取得基準が貸金業法の水準を超えている銀行がございます。これについては、実態をしっかり把握した上で、必要があればその改善を促していきたいと考えております。

次に、融資上限枠の問題でございます。全銀協申合せ以前は融資上限枠、年収債務比率ですけれども、このようなものを設定している銀行は約5割にとどまっておりました。

申合せ以降は、融資上限枠を設定している銀行は9割に増加してきております。また、残り1割のうち、過半以上は今後、そうした上限枠を設定することを予定しております。

約9割に増加している上限枠設定行のうち、7割が他行・貸金業者からの借入額を含め、年収の2分の1以下に上限枠を設定するようになっておりまして、融資審査態勢に関しても、一定の改善が見られていると考えております。

他方、融資上限枠を設定していない銀行や、設定していても他行や貸金業者からの借入額を勘案していない銀行などもまだ存在しております。これらの銀行につきましては、実態を十分把握の上、必要があれば改善を促していくということを考えております。

その下の保証会社審査への関与についてでございます。全銀協の申合せ以前は、約7割の銀行が保証会社とのミーティングなど定期的なコミュニケーションを行っておりましたが、その内容としては、例えば代弁率の推移の情報を保証料の改定に活用する程度にとどまっており、中身としては限定的なものでございました。

申合せ以降につきましては、保証会社との定期的なコミュニケーションを行う銀行が8割強に増えております。それから、内容につきましても、お客様の借入額と代弁率の相関分析を行ったり、保証審査方針や審査モデルに関する協議を行ったり、質的にも充実したものとすべく、銀行側からの関与が進められているという状況が見られているところです。

他方、保証会社とのコミュニケーション、保証審査への関与の充実に向けての取組が必ずしも十分でないような銀行もございますので、それらについては、こうしたコミュニケーションあるいは関与の充実に向けて必要な改善を促していきたいと考えております。

次に、3ページ目を御覧ください。途上管理の問題です。融資実行後、定期的にお客様の状況変化の把握をしっかりできているかという問題でございます。

全銀協の申合せ以前は、融資実行後にお客様から年収証明書を定期的に再取得している銀行はございません。不定期に取得している銀行や年収証明書以外に給与振込口座の情報から状況把握を行う銀行が一部に見られる程度でございました。

全銀協申合せ以降も、こうした途上管理の態勢構築については検討中であるとする銀行が増えているとはいえ、まだ3割にとどまっております。取組の進んでいない銀行が多く見受けられるという認識です。

この点、検査実施先の銀行の中には、例えば退職年齢に差し掛かっているといった、融資実行後の顧客の年齢の属性の変化に応じて対象顧客を抽出して、年収証明書の再取得を開始しているという銀行もございます。今後、こうしたベストプラクティスを収集し、業界全体で共有することにより、各銀行での改善を促していきたいと考えております。

また、途上管理の項目の中で、相談窓口の設置という論点がございます。相談窓口の設置については、ほとんどの銀行で既に行われておりますが、引き続き、返済に係る相談対応の充実なども促していきたいと考えております。

続きまして、その下の広告・宣伝についてでございます。全銀協の申合せ以前は、年収証明書不要などといったところを過度に強調するような不適切な文言を用いて広告等を行う銀行が約7割存在しましたが、申合せ以降は、全ての銀行でこのような広告上の不適切な文言は削除されております。

また、テレビでのCMにつきましても、申合せの前後でCMを行う銀行は約2割ということです。ほぼ半減しました。CMにつきましても、貸金業者の自主規制ガイドラインと同じ水準、すなわち※2で書いてあるような一定の時間帯には放映しないなどの自粛を行っている状況が確認されております。

それから、インターネット上のアフィリエイト広告を実施している銀行も減少しております。そのうち約9割が広告の掲載状況を定期的にモニタリングしている状況が確認されております。

広告・宣伝につきましては、改善に向けた取組がかなり進んでいるのではないかと考えております。

一方で、アフィリエイト広告のモニタリングを実施していない銀行もございますので、こういった点については必要な改善を促していきたいと考えております。

その下、業績評価体系でございます。営業店の担当者に数値目標を設定している銀行が申合せ以前には約2割ございましたが、申合せ以降、設定している銀行は約1割に減少している他、今後、こうした数値目標による業績評価を見直すといった動きも見られるところです。

こうした数値目標を課すことによりまして、場合によってはノルマの達成に向けて、お客様のニーズに合わない過度な営業推進が行われる可能性がございますので、こうした数値目標を設定している銀行につきましては、その実態を適切に把握した上で、必要な改善を促していきたいと考えております。

最後に、その他でございますけれども、カードローン以外のフリーローンやいわゆるおまとめローンについてですが、こうした商品も多重債務の発生抑制や利用者保護の観点からは、カードローンと同様な融資審査態勢の構築等が重要であると考えておりまして、多重債務発生抑制の観点から必要な改善を促してまいりたいと考えております。

4ページ目を御覧いただけますでしょうか。検査実施先12行の直近の改善状況ということでございます。少し青い欄になっておりますけれども、そこが直近の状況、変わったところでございますが、おしなべてどの項目につきましても、継続的に改善に向けた取組が進んでいるという状況がうかがえると考えております。

最後のページが総括でございます。銀行カードローンの業務運営につきましては、全体として申合せや中間取りまとめを踏まえた融資審査態勢の見直し、広告・宣伝の見直しなどの業務の改善に向けた取組が進んでいると考えております。

保証会社審査への依存につきましても、年収や借入額と代弁率の関係の分析の実施、銀行取引情報の活用等といった保証会社審査に関与する動きが進んでおります。

こうした銀行としての関与の充実に向けた取組を更に促していきたいと思っております。

他方、融資実行後の途上管理につきましては、まだまだ課題が残されていると考えております。進展を注視していく必要があると考えております。

今後とも、多重債務発生の抑制の観点から、各行の業務運営が適切に行われているか、引き続きモニタリングしていきたいと考えております。今回の調査で不十分と認められた点につきましては、ベストプラクティスの共有や対話を通じて具体的な改善を促しまして、業界全体の業務運営の水準の向上につなげていきたいと考えておりまして、その旨、先月9月26日に金融庁としての今事務年度、平成30事務年度の行政の運営方針を公表いたしましたが、その中でも掲げているところでございます。

なお、顧客の借入れ状況の把握に当たって非常に重要となります信用情報機関の登録情報につきまして、精度にばらつきがあるという課題、これは中間取りまとめの中でも掲げさせていただいています。当庁で信用情報のあり方PTを作っておりまして、関係機関とも連携の上、具体的な対応策について検討を現在、進めておるところでございます。

以上、私からの報告とさせていただきます。

○高委員長 御説明ありがとうございました。

それでは、ただいまの説明、報告に関しまして、御質問、御意見がございましたらどうぞ御発言ください。遠慮しなくて結構でございます。

池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 池本でございます。御説明ありがとうございました。

御説明の2ページの融資上限枠のところで、上限枠設定が9割、うち7割が他行・貸金業者からの借入れを含め年収の2分の1以下の上限枠設定とあります。他行・貸金業者からの借入額を含めということは、銀行自身はいわゆる貸金業界の信用情報機関にはアクセスできないと思いますので、これは保証会社である貸金業者がアクセスするものと、銀行自身がアクセスするものを合わせて読み取っているという理解でよろしいのかどうか。

それから、2分の1という上限は、銀行系の信用情報と貸金業系の両方を含めて判定した場合にこのような基準ということなのか、あるいは銀行系の信用情報だけで判断するところについても、2分の1という基準を用いているところがあるということなのか。その辺りの実情についてお伺いできればと思います。

とりあえず、まずその点だけ。

○高委員長 よろしくお願いいたします。

○金融庁監督局中村参事官 実際のカードローンの実務におきましては、銀行カードローンについては保証会社が保証を行う形で信用情報機関に登録がなされ、貸金業者の情報についてもそれぞれ保証会社が貸金業の信用情報機関にアクセスして把握するという形で、保証会社を中心として全体の総債務額の把握が行われているところが多いかと思います。

本体の4ページ目に詳細が書いてございますけれども、自分の銀行と他行のカードローン、それから貸金業者を含めたところでの年収上限、3分の1のところもあれば2分の1のところ、あるいは年収と同額のところもございます。それ以外、全体の名寄せがなされておらず、自行のカードローンと貸金業者だけ、あるいは自分の銀行のカードローンと他行のカードローンだけというものを名寄せしていて、その中で年収の2分の1、3分の1となっているのが右側に書いてある銀行の数だけございます。

○高委員長 今のは4ページですか。

○金融庁監督局中村参事官 失礼しました。本体の4ページです。

○高委員長 本体ですね。

○金融庁監督局中村参事官 本体の4ページの図表III-4とか上のIII-3が詳細を示しているものでございます。

○高委員長 分かりました。そうすると、下の表が一番分かりやすいものですね。

○金融庁監督局中村参事官 はい。

○高委員長 よろしいでしょうか。

他に質問はございますでしょうか。

受田委員、どうぞ。

○受田委員 御説明ありがとうございました。

3ページに広告・宣伝のお話がありまして、先ほど御説明の中においても、テレビCMあるいはアフィリエイト広告に関して実施が4割から2割に減少したり、あるいはアフィリエイト広告実施も3分の1から3割弱に減少したという御説明がございました。

実際に、こういったテレビCMにおきましては、地銀のCM等になると、CMの放映エリアが一般的に限定されているかと思います。したがいまして、対象地域にとってみると、4割が2割に減ったという受け止め方ではなくて、ある金融機関がCMを放映していることについては、もしそれが止まらなければ、そのCM自体に常に視聴者はさらされるということになろうかと思います。

この4割が2割に減ったということをどのように受け止められて、今後のあるべき姿としてどのように考えられておられるかを1点お聞きしたい。

さらに、広告に関して、アフィリエイト広告というのは、基本的にはワン・ツー・ワン・マーケティングということで、極めて対象を明確にし、そのターゲティングに基づいて効果的なプロモーションをやっていくという戦略かと思います。

このアフィリエイト広告自体が3分の1から3割弱。この減少が、テレビCMに比べると大幅な減少には受け止められないという点について、申合せの効果が十分に発揮されているのかどうか、若干不安に思うという点が1点です。

最後に、こういったアフィリエイト広告、ワン・ツー・ワン・マーケティングを金融機関が活発に行っていくとすると、今後、成年年齢も引き下げられていくということで、若年者の多重債務という問題がここと関連して発生していく懸念もあるのではないかと思います。そのような意味で、対象を明確にしたアフィリエイト広告の在り方について、更にどのようにお考えになっておられるか、あるいはあるべき姿に関して、どのように考えておられるかをお聞かせいただければと思います。

○高委員長 ありがとうございました。

3点、質問があったかと思います。1点目が、CMが4割から2割に減っているということで、これをどのような方向に持っていこうとお考えなのかということ。2点目が、アフィリエイト広告が3割弱に減っているけれども、これは十分だとは思わないのだがどうお考えかということ。最後は、そもそもアフィリエイト広告の在り方について。ターゲットを絞って、若年層の多重債務問題などが出てくる可能性もあるのではないかということで、3点、お答えいただけますでしょうか。

○金融庁監督局中村参事官 1点目のテレビCMのあるべき姿ということですけれども、実施が約2割から約1割が良いのか、それよりも更に減らしたら良いのかといった数値的なところでどうこうということは必ずしも考えてはいないのですけれども、貸金業の自主規制と同水準でのCMに関する運営ポリシーでなされるということを一応の目線として見させていただいてきております。

それから、繰り返しになるかもしれませんが、CMの中身ということかと思います。一応、不適切な文言は削除されたということですが、そうした問題については引き続きモニタリングが必要と考えております。

アフィリエイト広告の関係ですけれども、確かにアフィリエイト広告は、いろいろな形態があると考えております。単にインターネットサイトにバナー広告を出すような形態やリスティング広告、御指摘いただいたようなターゲットして追跡していくような広告などいろいろあると思います。

各行、それなりにモニタリングをしていまして、不適切な文言がないのかどうかということをパトロールしたり、例えば不適切なサイトにそういった掲載がなされていないかとか、チェックしているような動きもございます。最後の質問にも関係しますが、若年者が主に閲覧しているようなサイトについて、注意深くフォローしたりとか、債務整理やギャンブルといったサイトの閲覧履歴のある人について、追跡型の広告を取りやめるとか、そういった動きもございますので、この点はより良い広告に対するプラクティスを業界全体に広げていくことが大事ではないかと考えております。

○高委員長 今、取組があるというのは、それぞれの業界団体が主体になってやっているという意味ですか。

○金融庁監督局中村参事官 今、申し上げたのは、それぞれの銀行における取組です。

○高委員長 分かりました。

大森委員、どうぞ。

○大森委員 3ページの一番下のところにその他とありまして、ほとんどの銀行がフリーローンを提供しているけれども、カードローンと同じように業務の見直しを行っているのは約半数であるとか、約半数の銀行がおまとめローンをやっているけれども、他行の返済状況の確認をやっているのは7割ぐらいであるということを書かれていまして、そもそもフリーローン、おまとめローンとはどのようなものか教えていただきたいのと、カードローンとどこが違うのか。

あと、名前をどんどん変えて、違うようなローンがあるとすれば、幾らカードローンで規制しても、他のローンで多重債務になるおそれがあるのではないかと思うのです。

住宅ローンなどの目的別ローンと呼ばれるものがありますね。そのようなものも合わせてトータルでどれだけ借りているかということを把握しないと、今度、成年年齢引下げのこともありまして、人生のスタートで多重債務に陥る若者が出るのではないかととても危惧するところなので、その辺りを教えていただけたらと思います。

○高委員長 ありがとうございました。

お答えいただけますか。

○金融庁監督局中村参事官 フリーローンというのは、使途が特定されていない何でも使えるという意味ではカードローンと同じような話なのですけれども、証書貸付けの形態で一定額をお貸しし、それを順次、返済していただく形になります。カードローンの場合は極度額を設けて、その極度額の範囲の中でカードをATMなどに差し込んで引き出すという形になっております。

フリーローンの場合は、途中で残高が増えるというよりも、借入額自体は最初にぼんと決まっているような形態でございます。

おまとめローンというのは、様々な銀行で様々な形の消費性ローンを借りているものをまとめる。要するに、それを返してもらって、ある銀行がそれを肩代わりというか、代わりに1本にして貸すという形でございます。ですので、おまとめローンというのは、貸して、それをちゃんとそれ以外の銀行に返していないと本来の目的を達成していないことになるわけですけれども、実際に本当に返しているのかどうか確認している銀行が7割にとどまっているということで、これは改善の余地があるのではないかといった認識でございます。

目的ローンも含めたところでのトータルでの把握が重要ではないかというのは、正におっしゃるとおりでございまして、それこそ銀行として持っているいろいろな情報を総合的に収集して、債務者が本当に返済可能なのかということをしっかり把握するというところが多重債務発生抑制という観点からも求められているということでございます。要するに、カードローンで年収債務比率2分の1まで貸せるという内規を決めたからといって、そこまでであれば何でも貸して良いわけではなくて、それこそ債務者の方々の様々な状況を把握しながら、適切な上限枠を設定していくことが求められているように思います。

○大森委員 よろしくお願いします。

○高委員長 他にございますでしょうか。

増田委員、どうぞ。

○増田委員 3点、お伺いしたいと思います。

まず、カードの即日発行とか即日融資というのは今、なくなっているのかということです。

2点目は、相談窓口に関してなのですけれども、お金を借りること自体は消費者からのアプローチになるわけですから、借りなければ良いという意見もありますけれども、借入れしやすい状況を作っていることに問題が生じているということはあると思いますので、相談窓口のところで、借入れする際の適切な借入れの金額といったことまでも相談窓口で対応しているのか。事後処理ではなく、事前の相談を可能としているのかということです。

それから、リボルビングの返済方法についてですが、クレジットでも同じなのですけれども、トラブルになるケースがよくございますので、その方式についてどうお考えかということです。クレジットカードにおいても説明が大変不足しています。自分がどのような返済方法をしているかということをよく理解されていない状況がありますので、それについてはどのような説明をされているのか。

いわば消費者教育の一環になるかと思いますので、その辺りのところを教えていただきたいと思います。

3点目としては、全銀協が申合せをされてから1年半経過しているわけなのですけれども、銀行という免許事業者ということであれば、一斉に全行実行されると思っていたところなのですが、そうはいっていないということについて、一般の市民からすると、どうなのだろうかという疑問が実はあります。銀行だからというイメージがどうしても強いのです。消費者金融という言葉のとおり、消費者の金融というところに、本来、余り銀行は入っていなかったと思うのですけれども、そこに入ってきて勝負していると見えるわけで、そうであれば、そこのレベルの規制をするべきではないかと思っています。

法律の中で規制をしないのであれば、何らかのルールを徹底していただくような仕組みを作っていただきたいと考えております。

以上、3点お願いします。

○高委員長 よろしくお願いします。

○金融庁監督局中村参事官 カードの即日発行の話ですけれども、こうした申合せに伴いまして、銀行側として保証会社審査への依存の問題に対応するために、審査項目を追加したりというようなことをやっておりますし、Know Your Customerというか、顧客のことをよく調べるということも今、求められている状況なので、現在、即日に発行して、即日に融資というのは非常に少なくなってきているのではないかと思っております。

相談窓口ですが、今回、お調べしたのが返済にお困りになった方に対する対応、それなりに審査が厳しくなってくると返済に非常に苦労される方も出てくるので、そこへの対応を手当てしてくださいという形で聞いております。

確かにおっしゃるように、事前にカウンセリング的なことをやるという取組もあってよろしいかとは思います。そういった取組もなされているかどうかは我々も心掛けて見ていきたいと思います。

それから、リボルビング返済の話は、私どもの利用者相談室にも時々、その辺りの説明がどうのこうのといった苦情や相談のようなものが寄せられておりまして、この点についても、不十分な銀行に対しては我々として個別にアプローチしていきたいと思っております。

銀行が消費者金融の世界に入ってきているということで、同じような対応が必要ではないかということですけれども、銀行として、様々な情報をたくさん持ち得る立場におりますので、そこは彼らの持っている情報をフルに活用していただいて、例えば年収、端的に言って貸金業者は3分の1に規制されていますけれども、銀行の場合は3分の1という形では規制していなくて、今、求められているのは年収債務比率を代弁率との関係で良く分析してコントロールしていく。代弁率が上がってくるような気配があったら、そこは蛇口を閉めていくという対応を申合せでやってきているわけです。

発想としては、多重債務発生を抑制するために何らかの基準を設けて、それを業務運営にビルトインしていくということかと思います。こうした取組は、1年たってもまだ取組が遅いという御批判は確かにあろうかと思いますけれども、私どもとしては、そのような取組でこういった多重債務問題がどのように推移していくかということをしっかり見させていただきたいと現状は思っております。

○高委員長 鹿野委員、どうぞ。

○鹿野委員 途上管理について、2点お聞きしたいと思います。

先ほどの御報告によりますと、融資審査態勢等の見直しについては、改善に向けた取組が進んでいるということでしたけれども、一方で、融資実行後の途上管理については、取組が進んでいない銀行が多くて、進展を注視していく必要がある。あるいは途上管理態勢の構築を図る必要があるというお話でした。

第1点は、今後、金融庁としてどのような形でこれを促していくということなのかをお聞きしたいと思います。

第2点としましては、途上管理というのは、融資実行後もちゃんと情報を取るというのは何のためかというと、実行後の状況の変化が見られるときに、それに対して適切に対応してもらうということの前提として、途上管理というか情報を得てくださいということだろうと思います。

そこで、一つの対応というわけではないと思いますけれども、適切な対応についてどのような対応が考えられるのかということについて、例えば金融庁でその点に関するベストプラクティスを提示するなどして、何らかお示しいただきたいと考えているのですが、そのような御予定があるかについてお聞かせください。

○高委員長 お願いします。

○金融庁監督局中村参事官 途上管理のお話につきましては、銀行において様々に工夫をした取組が見られているところであります。そうした取組を広げていきたいというのが基本的な考えでございます。

例えば、年収証明書の取得に関しては、顧客から申告させるだけではなくて、対話する機会がいろいろと有り得るので、その中で勤務先が変わったということを把握した場合は年収証明書を再提出してもらうとか、年齢で、例えば60歳定年とか、61歳とか66歳になられたお客様に対して、極度額いっぱいまで借りているようなお客様を抽出して、そのような方について年収証明書の再提出を求めたりする。あるいは銀行は預金口座のいろいろな情報を持ち得るので、口座の入出金状況や公共料金などの決済状況を把握して、生活が変わっていないかとか、そのようなものを収集した上で対応するといった取組も見られておりますので、こういった取組を意見交換しながら広めていくことが大事かと思います。

○高委員長 よろしいですか。

それでは、委員長代理。

○池本委員長代理 池本でございます。

何点かあるのですが、まず、入口の問題として、今、議論している銀行のカードローンあるいはフリーローンと呼ばれるものの中で、貸金業者が保証会社として関わっているものと、銀行が単独で貸し付けているものは割合としてはどうなのか。ほとんど貸金業者が保証に入っているのか、何対何という違いがあるのか。その数字を教えていただきたいと思います。

その問題意識は、まず貸金業者が保証会社と提携している仕組みだとすると、銀行はある意味、貸し倒れるリスクがないというか、自ら全部負う必要がないということで、なかなか過剰与信審査の動機付けがないのではないか。

逆に、貸金業者は保証会社として審査するときには、貸金業法上の過剰与信の調査義務の義務付け対象ではなかったと思うので、そこがきちんとされているかどうかは誰がどのような形で監視していくのだろうかということが問題であり関心としてあるわけです。

逆に、単独貸付けの場合には、貸金業界での信用情報抜きで銀行業界の信用情報だけで審査するということで、果たしてそれで今の時代に対応できているのだろうかという疑問があるので、単独貸付け型と提携している貸付け型でそれぞれ誰がどのような責任を持って審査をすることとして想定されているのかということをお聞きしたいわけです。

2点目に、これは本体資料の2ページ目に、2017年には8兆5,000億円にまで貸付残高が増えているという数字があります。たしか貸金業界の貸付残高は例の法改正によりぐんと減っていて、今は完全に逆転していると思うのですが、この残高の数字だけではなかなか読み取りにくいものとして、従来、多重債務問題では、3社以上の借入れあるいは5社以上の借入れが何人いるか。それが増えたとか減ったとか、そのような分析の仕方を貸金業法のときにはしていたと思うのですが、銀行での貸付け分について、何社以上が何人くらいというような分析は数字としてお持ちなのか。

特に、貸金業界での貸付け状況と銀行業界の中での貸付けとを合わせて3社あるいは5社以上が何人という分析は資料としてお持ちなのかどうかというところもお伺いしたいと思います。

もう一点、資料1の最後のページで、信用情報機関の登録情報について、精度にばらつきがある課題が認められ、当庁の信用情報のあり方PTにおいて検討しているという記述があります。確認事項として、この信用情報機関の登録情報の精度にばらつきがある。要するに、きちんと登録していないというのは、銀行業界の中の信用情報に貸し付けた事実、あるいはその後、毎月の残高の変動というものがきちんと登録されていないという問題なのか、どの点を指しているのかという点が1点。

それから、当庁の信用情報のあり方PTにおいてというのは、私もネットで調べたのですが、調べ方が不十分だったのか、どのような検討組織の中のどのようなPTなのか、アクセスできなかったのです。これは公開された形で検討されているものなのかどうかについて教えていただきたいのと、いつ頃までにどのような形で結論を出す予定であるのかについてもお伺いしたいと思います。

○高委員長 4点ばかり、よろしいですか。

○金融庁監督局中村参事官 1点目の銀行単独で貸しているものと、保証会社が保証を付けて貸しているものの数字ということなのですけれども、申し訳ございません。数字として具体的に持っているものはございませんが、今のプラクティスは、ほとんどのケースは保証会社の保証が付いているという形になっていると思います。

その信用リスク管理上の問題というのは、おっしゃったようなところはあろうかと思います。もちろん大手銀行にしてみると今、グループ経営ですので、保証会社に全てツケを回せば良いというような運営ではないと思いますが、おっしゃるような話は有り得るわけでございます。我々としては、信用リスク管理の問題もありますけれども、多重債務抑制についてどう対応するのかということを見ていきたいと思っております。

当然、保証会社が保証を付けているとはいえ、貸出しの主体は銀行でありますので、我々として銀行を監督する立場から、その点はしっかりと業務運営を見ていきたいというスタンスでございます。

それから、貸金業法と残高の数字、貸金業法上3件以上、5件以上の借入れというのは確かにデータはございますけれども、これを銀行カードローンの世界でどうなのかというお尋ねかと思います。現状はないということで、様々な方からそのような数字はないのかということは言われておりまして、課題となっておる事項でございます。

信用情報PTの関係、精度の話ですけれども、これは銀行カードローンのプラクティスが基本的に保証会社を経由した形での審査というものになっておりますので、保証会社が登録している信用情報機関は大きく二つ、CICとJICCがございます。そこに入れる情報が、例えば極度額だけ入れているところとか、残高を入れているところとか、そのようなものがまちまちになっているというところなので、そこをもう少し精度を高めていくというのが当面の問題意識でございます。

信用情報PTは、金融会社室を中心とします庁内での検討組織ということで、公開しているようなものではございません。いつ頃というのも、今の段階では関係者と鋭意協議中でございます。

○高委員長 ありがとうございました。

他にございますでしょうか。

蟹瀬委員、どうぞ。

○蟹瀬委員 ちょっと違う視点からお聞きしたいことが1点あるのですが、3ページの業績評価体系の中に営業店担当者の数値目標を立てないようにするということがあって、10ページにまた詳しく書いてあるのですが、私は、行員というのは、保険の方もそうですけれども、仕事としてやっている限りにおいて、数値目標は必ずありまして、そこをなくせば過剰債務者はいなくなるという短絡的なことではなくて、むしろ担当者が顧客に対して、この人は過剰債務者ではないかというチェックを入れることが大事だと思うのです。

多分、それが分かっていながら貸してしまったら、それは評価しないよという形であれば、非常に分かりやすいと思うのですが、数字だけで、それがあるから過剰債務になっていくという非常に短絡的な調査ではなくて、もう少し業務内容に即して、これだけの途上管理だとか広告に関してとか、非常に厳しい調査をなさっていて、それに対して指導なさっているわけですから、やはり自由産業の中で、金融に関してもある意味では個々が競争をしている。その中において、行員は一生懸命人々の幸せのために貸さなければいけないものを貸すというのがお仕事だと思うのです。それが過剰債務になっているということが不幸を招いているわけですから、ここの短絡的な目標が、銀行が2割あったのが1割に減ったから安心しましたという数字ではなくて、むしろ、この人たちが過剰債務者であるかどうかというチェック項目をちゃんと持っていて、そのようなことをちゃんと分かった上でノーと言っているのか。そのようなことをもう少し深く調査していただけると、必要な改善を促すという非常に漠然とした言葉があるのですが、そうすると、ただ数字をなくせば良いのだとなりますけれども、実際に数字の目標をなくした商業は有り得ないので、この辺りのところは、もう少し具体的に行員の人たちにおりていくような形のものを提案していただけるともっと良いかなと思います。

○金融庁監督局中村参事官 おっしゃるように、業績評価制度そのものは、業務の内容に即した形で、どのようなインセンティブが行員に与えられているのかをちゃんと見ていくことが大事だと思います。

おっしゃったように、例えば過剰債務者かどうかをチェックして、数値目標自体は付けるのだけれども、過剰債務者であるということが後で分かったら、それは外すなどという運営がもしなされているのであれば、それはそれで数値目標は課したのだけれども多重債務発生にはつながらないような形の数値目標であり業績評価制度だということも言えるかと思いますので、中身に即して見ていくというのは非常に重要ではないかと思います。

単に銀行カードローンの枚数を、前年比、これだけ増やしたら例えば何点もらえるとか、そのような単純な業績評価、数値目標であるとすると、それは非常に不要な、ニーズに合わないカードローンの発行のようなものが行われるということですので、そのようなものはなくさなければいけないということかと思いますけれども、いずれにせよ中身を見ながらやっていくことが大事だと思います。

○高委員長 他はございますでしょうか。

長田委員、どうぞ。

○長田委員 広告・宣伝のところで申し上げたいなと思いましたのが、一つは不適切な文言を用いての広告で、そのような不適切な文言が削除されているというところです。私も別の分野での広告の審査などをやっていることがあるのですが、その言葉は使っていなくても、訴えていることは同じ内容という広告。それはクリエーターの皆さんの工夫の結果だと思いますけれども、言葉だけを削除しても、またそれはどうなのかなというコマーシャルや広告は数あると思いますので、今回、これは広告を出している銀行が自ら出稿前、出稿後にモニタリングをするということですね。誰か第三者が見るということではないというところで、それは受け手側の立場の人も入った形でチェックをしていくべきではないかと思いました。

テレビCMやアフィリエイトのモニタリングはなかなか難しいということはあると思いますけれども、それだけではなく、公益性が削減されていった場合、店舗内での張り紙のようなものというか、そのような類で訴求するというのが案外増えていくものではないかと思って、銀行にもし何かそのような規制があって、そのようなことができないということであれば別なのですけれども、リーフレットのようなものとか、そのようなものをどうチェックしておられるのかというところも、もう少し踏み込んで、金融庁としてもきっちり見ていくことが必要ではないかと思いました。

先ほど増田委員もおっしゃいましたけれども、金融庁は銀行に大きな力を持っていらっしゃると我々は期待しているところですので、自主的な対応だけで大丈夫なのかどうかをチェックしていただくというのは必要ではないかと思いました。

以上です。

○金融庁監督局中村参事官 おっしゃったように、形式的に合致していても、実質的には誤っているではないかみたいな話はあると思います。我々も、形式よりも実質を重視する行政に切り替えてきておりますので、そういった観点で、監督については深めていきたいと思っております。

また、リーフレットという話も、お客様に訴求するという意味では、同じ範ちゅうに属するものだと思いますので、そこは実質的に銀行との間で議論していくということではないかと思っています。

○高委員長 他はございますでしょうか。

大森委員、どうぞ。

○大森委員 先ほどの総額で幾ら借りているかというところがなかなか見えにくい状況についてですがカードでも買い物をしているし、他に目的別ローンがあったりなどする。借金がたくさんでまとめてもらったりとなってくると、一体自分は幾ら借りていて、どうなっているのか分からない人も出てくるかと思うのです。なので、本当は総額でぱっと見られるような形にしていただきたいのですけれども、それが急で難しいということであれば、今、お薬手帳というものがあって、あなたはこんな薬を飲んでいますという情報が記録されていて、薬局で新たに薬を買う時には、それを持っていかないと薬を売ってもらえないというルールが出来ています。若い人にもお薬手帳みたいなもので、あなたは今、これだけ借金をしていますよと分かるようなもので何か言われたからこうする、こちらで借りるではなくて、自分自身が自分のことをちゃんと把握できるようなシステムを、若い人が成人になってくるので、そのような抜本的な新しいアイデアも取り入れていただけると有り難いと思います。

○高委員長 今の質問は、恐らく、貸金業法上の問題であれば、CICやJICCに行くと分かるということですね。銀行とそこをマッチングさせてもらえないかという提案ですね。

○金融庁監督局総務課担当者 お答え申し上げます。

信用情報機関でCICとJICCがございまして、そちらに入っている情報については、例えば私がJICCの開示請求の受付窓口に行けば、JICCに登録されている借金がどれですというのは分かります。CICも同様です。

以上です。

○高委員長 そのような意味では、先ほどの信用情報機関のあり方PTの中で、これも併せて議論してもらえると有り難いですね。

○大森委員 相談窓口もいろいろ設置されているということですので、そこで分かりやすい手帳のようなものをもらって、自分はこうだなと分かるような形になると良いなと思います。

○高委員長 自分が総額で幾ら借りているのかは、貸金についてはネット上でも確認できますね。

○大森委員 そんな賢い人ばかりであれば、余り多重債務には陥らないと思うので、そのようなことが苦手な人にでも一目瞭然となるようにしていただけたらと思います。

○金融庁監督局中村参事官 我々としては、金融教育にも別途、力を入れておりまして、今年度も金融庁の職員をかなり大々的に派遣して、そういった金融教育をやっていく予定であります。そういった取組でリテラシーを高めるということもやっていきたいと思います。

あとは、銀行カードローンの申込みのときには、そのようなものを書く欄もあると思いますので、そのようなものを適切に銀行が運用して、審査するというのも大事だろうなとは思います。

○高委員長 他、よろしいでしょうか。

それでは、まとめさせていただきます。今日いろいろ御説明いただきまして、ありがとうございました。

要約された資料で行くと、2ページ目と3ページ目できちんと整理いただいたなと思っております。申合せ以前と以降でこれだけの変化が出た。特に2ページ目はかなり改善が進んでいることが良く分かりました。

3ページに行くと、数値も改善の傾向は見られるけれども、まだまだだなと感じて、委員の方々からもいろいろな意見を頂戴したのではないかと思っております。

要は、我々はいろいろ意見を申し上げましたけれども、監督上の対応のところで大体網羅していただいているのかなと思っております。金融庁としても、このような問題があるということはしっかり把握して、それに対応しようということでございますので、是非この取組を進めていただければと思います。

今日、いろいろと質問が出たことについては、我々も引き続きモニターをしながら、どのような進展があるのかということを確認させていただきたいと思っております。

もう一点だけ、その次のページになります。12行のうち、ほとんどがかなり対応して、改善していただいていますけれども、気になるのは、積極的に改善しているところが競争上不利になることがないように、皆、同じような水準で取組を進めてもらいたいと思っております。

以上、金融庁から御報告いただいた内容に関しましての意見交換を終了させていただきます。

お忙しい中、御出席、審議に参加いただきまして、ありがとうございました。

(金融庁退席)

≪4.その他≫

○高委員長 それでは、次の議題「その他」といたしまして、消費者委員会に寄せられました意見等の概況について、事務局より説明をお願いいたします。

○坂田参事官 それでは、参考資料1を御覧いただきたいと思います。7月1日から9月30日までに消費者委員会に寄せられた要望書・意見書・声明文等の一覧となります。合計で21件ございました。

まず、1ページ目の取引・契約関係は8件ございまして、その内訳は、まず第1に成年年齢引下げに関するものが3件、第2に消費者契約法に関するものが3件、第3に預託商法に関するものが2件となっております。

3ページ目に移りまして、公益通報者保護法に関するものは6件となっております。

4ページ目に参りまして、地方消費者行政に関するものは3件となっております。

最後の5ページ目に移りまして、集団的消費者被害救済制度に関するものが1件、食品表示に関するものが1件、その他が2件となっております。

以上でございます。

○高委員長 ありがとうございました。

ただいま説明いただきました意見書・声明文等に関しまして、何か御意見がございましたらどうぞ御発言ください。

樋口委員、どうぞ。

○樋口委員 要望の5ページ目ですけれども、集団的消費者被害救済制度のところで、適格消費者団体への財政支援の問題について取り上げていますが、これは再三、この場でも議論になっていますし、今後も検討の可能性はあるのではないかと思っているのですけれども、非常に重要な問題、政策の根幹に関わる部分ではないかと認識しておりますので、これについて拝見しましたが、改めて重要な御意見が出ているのではないかと思います。

以上です。

○高委員長 ありがとうございます。

これと併せて、この中には出ておりませんけれども、1週間前に消団連からも地方消費者行政に関する意見書をいただいておりまして、非常に示唆に富んだ内容で、そういったものと適格消費者団体の財政支援の問題を併せて議論させていただければと思います。

他はよろしいでしょうか。

委員会にこのように寄せられました意見書・要望書等につきましては、今後とも全委員で情報共有するとともに、定期的に委員間で意見交換を行う機会を作っていきたいと思っております。


≪5.閉会≫

○高委員長 本日の議題は以上となります。

最後に、事務局より今後の予定について説明をお願いいたします。

○坂田参事官 次回の本会議は日程が決まり次第、委員会ホームページにおいてお知らせをいたします。

なお、この後、委員間打合せを行いますので、委員の皆様方は委員室にお集まりいただければと思います。

以上でございます。

○高委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところ、御参集いただきまして、ありがとうございました。

(以上)