第212回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2016年2月24日(水)12:59~14:34

場所

消費者委員会会議室

出席者

  • 【委員】
    河上委員長、池本委員長代理、阿久澤委員、大森委員、蟹瀬委員、鹿野委員、中原委員、樋口委員、増田委員
  • 【説明者】
    厚生労働省 中村医政局総務課長
    佐藤医政局総務課医療政策企画官
  • 【事務局】
    黒木事務局長、小野審議官、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 消費者基本計画工程表の改定に向けた意見について
  3. 美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議に係る実施状況報告について
  4. その他
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、時間になりましたので始めさせていただきます。

本日は皆様、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会第212回本会議」を開催いたします。

本日は、長田委員が所用により御欠席となっております。

それでは、配付資料の確認につきまして事務局からお願いいたします。

○丸山参事官 配付資料は、お手元の議事次第の下部に一覧が記載されています。

資料1につきましては、消費者基本計画関係の資料。

資料2-1から資料2-5が、美容医療サービス関係の資料となっております。

参考資料といたしまして、1~3が付いております。

もし不足等がございましたら事務局までお申し出いただきますよう、よろしくお願いいたします。


≪2.消費者基本計画工程表の改定に向けての意見について≫

○河上委員長 最初の議題は、消費者基本計画の工程表の改定に向けての意見についてでございます。

消費者基本法においては、消費者基本計画の検証、評価、監視について、それらの結果の取りまとめを行おうとする場合は、消費者委員会の意見を聞かなければならないとされております。そのため、当委員会としては計画の実施状況や計画に盛り込むべき新たな課題等に係る検討を、調査審議の重要な柱の1つと位置付けてきております。

昨年3月に閣議決定された第3期の消費者基本計画においても、消費者委員会は消費者行政全般に対する監視機能を最大限に発揮しつつ、本計画に基づく施策の実施状況について随時確認し、KPIも含めて検証、評価、監視を行うとされていることから、昨年秋以降、消費者庁から計画工程表の各施策の進捗状況についてヒアリングを行ってきました。また、昨年12月から1月にかけて電気通信サービスに係る消費者保護、商品先物取引法の不招請勧誘規制緩和後の現状、高齢者向け住まい、基礎ぐい工事問題、この4つのテーマについて実施状況や今後の取組等について関係省庁からヒアリングを行ったところでございます。本日はこれまでの関係省庁ヒアリングの結果等を踏まえ、計画工程表の改定に向けた当委員会の意見を取りまとめたいと思います。

資料として意見案を用意してございますので、まずは事務局からこの説明をお願いいたします。

○黒木事務局長 資料1に沿って御説明をさせていただきます。

まず1枚目の最初のところに今、委員長から御指摘いただきました当意見案を作成した経緯あるいは位置付け等を記載しております。委員長御指摘のとおり、昨年12月から本年1月にかけて、4つのテーマについて既にヒアリングを行ったということでございますので、当該ヒアリングの結果を踏まえ、下記の事項、各項目について、各関係省庁において十分検討の上、可能な限り計画、工程表の改定案等に反映されたいという趣旨で記載をしております。

なお、1月27日の本会議で、当初の基本計画の見直しの予定から数か月程度後ろ倒しになるという御説明が消費者庁よりございました。したがいまして、委員会としては既に行いました4つのテーマに基づく意見として、本意見案を御検討いただきますけれども、「なお」以下に書いておりますとおり、本日予定されております美容医療関係の建議に関するフォローアップあるいは3月に予定されておりますその他の建議に関するフォローアップ等の結果も踏まえて、更なる意見表明を行うことを予定しているということで冒頭に記載をしてございます。

具体的な内容でございますけれども、「記」以下に記載をしてございます。

1点目といたしまして、電気通信サービスに係る消費者保護でございます。まず電気通信事業の利用者保護に関する省令等の整備案において盛り込まれた説明義務の充実や書面交付義務の導入、勧誘継続行為の禁止、代理店に対する指導等の措置について、事業者において適切に対応され、消費者保護が図られるよう、ガイドラインの改定について工程表に明記をされたいとしてございます。また、整備案に盛り込まれました措置の実施状況のフォローアップと制度の実効性の確保のための取組についても工程表に明記されたいということで、対象は総務省としてございます。

2点目でございますけれども、高齢者向け住まいに関する事項でございます。高齢者が安心して入居し、生活できるようにするため、消費者保護の制度を整備することが重要との観点から、以下の事項について工程表に明記されたいとして、厚生労働省及び国土交通省関係で5点まとめてございます。

1点目が、有料老人ホームの前払金の在り方について、実態把握を踏まえた今後の具体的な検討項目スケジュール等。

2点目が、前払金の保全措置を講じていない事業者に対する一層の指導強化等。

3点目が、サービス付き高齢者向け住宅を含め、消費者が選択に当たって必要な情報が入手できるようなわかりやすい情報提供。

4点目、同じくサービス付き高齢者向け住宅を含め、事業者の破産や事業の廃止等についての実態を把握し、また、事業者の破産等により居住の継続が困難になった場合における入居者の居住の安定を図るための措置の一層の取組。

5点目、サービス付き高齢者向け住宅を含め、高齢者の居住安定のため実効性のある利用者保護が図られるよう、地方自治体において福祉部局と住宅部局の連携を促進する取組でございます。

3つ目のテーマとして、基礎ぐい工事問題に関する点でございます。これにつきましては再発防止策に関する取組のスケジュール等について、工程表に5点明記されたいということで国土交通省向けに記載をしております。

1点目が、建設会社が基礎ぐい工事に際して一般的に遵守すべき施工ルールを定めました告示及び今後策定される予定の建設業団体による自主ルールについて、実施状況のフォローアップ等の実効性確保のための取組でございます。

2点目が、工事監理者が基礎ぐい工事における工事監理を行うに当たって留意すべき点が示されているガイドラインについて、その実効性を確保するための取組。

3点目が、建築基準法に基づく中間検査における工事監理状況の確認等、より一層信頼性の高い建築確認・検査の在り方の検討。

4点目が、建築物の施工に関する情報についての消費者へのより適切な提供の在り方の検討。

最後に、基礎ぐい工事問題に係る消費者からの相談対応体制の強化でございます。

「なお」としてございます点は、これは具体的な工程表に盛り込む等の意見ではございませんけれども、商品先物取引法に関する不招請勧誘規制緩和についてということで、ヒアリングの結果、昨年6月1日の改正施行規則の施行以降、当該規則に基づくハイリスク取引未経験者に対する勧誘を行う事業者というものは、いまだ出てきていないということでございまして、したがいまして、これによる消費者被害が発生する状況にはないということが確認できたということでございます。しかしながら、同規則が真に消費者被害の防止に効果があるかどうか、引き続き注視が必要であるという考え方を記載した上で、勧誘に関する苦情相談が増加に転じる兆しが少しでも見えたときは、直ちに同規則を見直すことが必要であるという委員会としての考え方を示しております。

以上でございます。

○河上委員長 ありがとうございました。

この内容についてはヒアリングの際の御意見、それから、委員間打合せでの御意見などを伺いながら、意見案を作成、準備してきたものでありますけれども、ただいまの報告内容について御質問、御意見がありましたら発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 まず結論的に、この意見として取りまとめる中身、それ自体は賛成でありますが、この記述されていることの意味内容として、このような趣旨も含んだということを少し私なりの受け止め方で補足させていただきたいと思います。

まず電気通信サービスに係る消費者保護ですが、この問題は電気通信事業者の契約ですが、それを代理店とか孫代理店、ひ孫代理店というその先の現場の勧誘で非常に問題が多い。特に本来の電気通信サービスの契約にいろいろな付帯サービスを特約でセットして、そこも含めてトラブルになるというようなことが繰り返されていると理解しております。その意味では、この記述の中の代理店に対する指導等の措置について事業者において適切に対応されるということは、その代理店が現場でどのような勧誘をしているのかという苦情をきちんと受け止めること。特に口頭でのセールストークもですし、具体的な特約をどのようなことを付帯させているのか。場合によってはそれが本体の電気通信サービスの契約の効力にも関わってくるわけですから、その辺りをしっかりと事業者において実情を把握し、適切な解決を図る体制も含めて適切な対応を求めるという趣旨であると理解しておりますので、その辺りは是非担当部署でも受け止めていただきたいと思います。

とりあえずこの部分だけ。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。鹿野委員、どうぞ。

○鹿野委員 同じく結論について異論というわけではなく、ここに記載されたことを支持するものでありますけれども、基礎ぐい工事について、少し私なりの思いをお話させていただきたいと思います。特に今回のペーパーでは3.の最初の項目に主に関わるところです。

前回こちらからの質問に対して国土交通省から、今後の対応としては、自主ルールだけに専ら委ねるというわけではないのだというご説明がありました。つまり、従来は国が元請と下請との間の仕事のやり方等について、いちいち細かなルールを定めることはしていなかったけれども、今回このような事態を受けて、いわゆる施工ルールを定め、これが遵守されるように国としてチェックをしていくのだと。そして場合によっては立入検査をするなどを通して、遵守されるよう実効性を確保していくのだというような御説明がありました。そこで、この点について是非、そのような遵守を確保する体制を含めて、どのような対応がとられているのかということにつき、フォローアップをきちんとしていただければと思っている次第です。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。特によろしいですか。池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 今の基礎ぐい工事の問題について、私ももう一言申し上げたいと思います。

これはヒアリングのときのやり取りの中でも明らかになったところですが、昨年12月末に公表された国土交通省での検討会の中間報告がありました。その中では基礎ぐい工事の適正さを確保する電流計のデータについて、記録がうまくとれなかったりしていた、紛失してしまったということがヒューマンエラー、要するに過失の問題であると取りまとめられていたことについて、むしろそのようなミスがあったときに、それをほかのデータで流用していますという流用行為は故意ではないか。現場でのヒューマンエラーに気を付けましょうというだけでは本質的に不十分ではないか。特に建築の問題はどうしてもコスト削減のために見て見ぬ振りをするとか、手抜きをしてしまうとか、そういうことが過去にいろいろな形で出てきたという背景があるので、より客観的な制度改善も含めて考えていただきたいという議論がここの場でもあったかと思います。

その意味では、この基礎ぐい工事の問題について今回、具体的に提示されている告示あるいはガイドライン、もちろんこれ自体も早急に対応するという意味では必要なことでしょうし、その実効性確保のフォローアップをしっかりとやっていただきたいのですが、その中身を踏まえて更なる制度的な見直しが後ろにある、より一層信頼性の高い建築確認検査の在り方の検討というところに表れていると思うのですが、そのようなところをきちんと関連付けて全体として今後の工程を考えていただきたい。そういうことを少し補足させていただきたいと思います。

○河上委員長 ありがとうございました。

昔の例の耐震工事のときのデータ偽装の経験が本当に生かされているのかという疑問がヒアリングのときにも若干湧いた記憶がございますけれども、そこはしっかりやっていただく必要があるということです。

ほかにはいかがでしょうか。よろしゅうございますか。特に修正意見ということではございませんでしたので、意見案についてはこれで皆様の御了解をいただいたものとして、これでもって当委員会の意見として消費者庁長官及び関係省庁宛てに発出したいと思います。関係省庁におかれましては、計画工程表の改定に向けて当委員会の意見について是非積極的な検討をお願いしたいと思います。その際には、先ほどの委員からの意見なども十分に加味して対応をお願いしたい。

あわせて、消費者庁におかれましては、消費者基本計画を真に実効性のある自立した計画とするために、計画工程表の改定に全力を挙げていただきたいと思います。

また、この後、実施いたします「美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議」のフォローアップや、3月に実施予定の「電子マネーに関する消費者問題についての建議」、「商業施設内の遊戯施設における消費者安全に関する建議」のフォローアップの結果や、最近の各種の消費者問題及び課題の状況を踏まえまして、今後、消費者庁において策定される改定計画工程表の素案に対して、更なる意見表明を行いたいと思います。まだ少し時間的な余裕があるということですので、追加的な意見表明を行うことを予定しております。

それでは、これについては以上ということにいたします。

(厚生労働省 着席)

≪3.美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議に係る実施状況報告について≫

○河上委員長 続いての議題は、美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明同意に関する建議に係る実施状況報告についてであります。当委員会では昨年7月に「美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議」を取りまとめ、厚生労働大臣に発出いたしました。この建議では医療機関のホームページにおける情報提供の適正化、美容医療サービスにおける事前説明、同意の適正化、美容医療サービスに係る苦情相談情報の活用等について、同省にその対応を求めているものであります。

本日はこの建議への対応について、その実施状況を御報告いただきたいと思います。厚生労働省におかれましては、お忙しいところ御出席いただきましてありがとうございます。

それでは、20分程度で御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○厚生労働省中村医政局総務課長 厚生労働省医政局で総務課長をしております中村と申します。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。

お手元に建議への対応状況、実施状況について資料を御用意させていただきました。本日の資料2-2をお手元に置いていただいて、これに基づきまして御説明を申し上げたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

まず1枚めくっていただきまして2ページでございます。昨年7月7日にいただきました建議でございますが、その中では大きく3点の御指摘をいただいております。この資料に沿って順に対応の状況等について御説明を申し上げさせていただきます。

まず第1点目でございます。建議事項1でございますが、医療機関のホームページの情報提供の適正化という点でございます。御案内のように医療法に基づく広告規制の中で医療機関のホームページにつきまして、現状はこの広告規制の対象としていないということでございまして、それに伴って問題がある事例が多いのではないかという御指摘をいただいているということでございます。広告規制の対象にすることという御指摘をいただいております。

また、少なくとも医療法の中で広告に関して禁止されている事項、例えば虚偽の広告は禁止してございますとか、ほかと比較したような広告、誇大広告等々につきまして、医療機関のホームページについても同様に禁止をすべきではないかといった御指摘をいただいている状況かと思います。

対応状況、概要でございます。詳細はまた次のページから出てまいりますが、まずこのホームページにつきまして広告規制の対象とするかどうかということにつきましては、これまでも何度か厚生労働省の中でも関係の検討会、審議会等でも御議論いただいてきたところでございますが、新たに昨年の建議を受けまして検討会を立ち上げて、しっかりまた議論をしていこうということで今、準備を進めているような状況がございます。

それから、美容医療に関する医療機関のホームページの表示適正化のために、過去に通知なりガイドラインも出しているわけでございますが、そこに書いてございます都道府県等の担当者会議においてガイドライン等の周知を改めて実施し、指導の徹底等を自治体に要請をしたという経緯がございます。

詳細につきましては、3ページ以下を御覧いただければと思います。

3ページでございますが、今、申し上げました検討会でございますが、「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」というネーミングを付けようかと思ってございます。昨今の美容医療サービスに関する情報提供を契機とした消費者トラブル等々が発生しているといった御指摘を踏まえて、ほかにも幾つか課題がございますけれども、国民、患者に対する医療情報の提供内容等の在り方について、新たに検討を行うための場として設けたいというものでございます。

下のほう、スケジュールも書かせていただいてございますが、現在この検討会の人選をおおむね終えまして、構成員となっていただくための日程調整に入っているという状況でございます。私どもとしては遅くとも年度内には第1回の検討会を開催して、議論をお願いしたいということで考えてございます。構成員の構成でございますが、医療政策に関する学識経験者、医療関係者、行政の立場の方、患者の立場の方、消費者問題に詳しい方にも構成員としてお入りいただこうということで今、準備を進めているような次第でございます。

今回の建議での御指摘を踏まえまして、このホームページの内容の在り方につきまして御議論いただきたいということでございます。本年秋ぐらいには何とか方向性を見出して、次のステップに進んでいければと考えているような次第でございます。

4ページ、医療機関のホームページによる情報提供の適正化を進めるという観点から、都道府県と地方自治体のほうで必要な指導等を行っていただいているわけでございますが、そうした取組を更に進めるという観点からの取組でございます。都道府県等担当者会議というものを例年やってございます。医療広告の担当者の方にお集まりいただいて、毎年実施している会議でございますが、今年度につきましては昨年9月から11月にかけまして、全国7ブロックで開催いたしました。合計153名の自治体職員の方に御参加いただいたわけでございます。

議事を大きくマル1~マル3と書いてございますが、まず医療広告の関係につきましては、御指摘がございました7月にいただいた建議を自治体の担当職員に説明し、紹介をしてございます。その上で消費者行政担当部局との連携強化でございますとか、指導の徹底ということについて改めてお願いをしたということでございます。

マル2に書いてございますけれども、美容医療に関するインターネット広告等の現状につきましても事例検討を行わせていただいております。

マル3につきましては、後のページで触れたいと思っています。

この事例検討でございますが、下の段に書かせていただいてございます。7ブロックということでございますけれども、相当顔が見える形で地方自治体にて現に医療広告の指導に携わっている職員の方と、私ども国の職員とが顔を合わせて議論をするような場でございますが、少人数のグループで美容医療等の自由診療の医療広告あるいは広告規制に該当しないホームページの事例について、実例を用いてどのように指導するべきかについてディスカッション、意見交換をしたというようなことでございまして、担当者の間で指導内容でございますとか、その根拠について共有し合うことによって、自治体としての指導能力の向上に資することになったのではないかと考えているわけでございます。職員の中にはほかの自治体の考えが非常に参考になったという声もいただいておりますし、こうした取組は今後も更に進めていきたいと考えているような次第でございます。

関連しまして5ページを御覧いただければと思います。昨年の当委員会の場でヒアリングを受けさせていただいたときにも、自治体に相談・苦情の件数がどれくらいあるかということについて、今、調査中であるということを申し上げておりましたけれども、その結果を御報告させていただきたいということで5ページに資料を用意いたしました。各地方公共団体における医療広告なり医療機関ホームページに関する相談とか苦情件数等をアンケート調査という形で初めてとったものでございます。都道府県、保健所設置市、特別区に対してアンケート調査票をお送りし、その集計でございます。ただ、回答が得られた分について単純に集計しているものでございまして、これが全てかどうかということは私どもとしても十分に把握し切れていない面がございます。

それから、突然行った調査でもございますので、自治体の中では美容医療の部分について区分した集計をされていない自治体もまだおありであるということでございます。区分ができている部分については表の括弧書きの中に集計として書かせていただいていますが、必ずしもそこが明確でない部分がまだ残っているということでございます。そういった意味では十分なデータとは言い難いかもしれませんが、御参考までということでございます。

その上で表の実績のところでございます。平成23年度から平成26年度まで書いてございます。1番直近の平成26年度、1番下の段を御覧いただきますと、医療広告ないしはホームページに関連しての相談・苦情件数。今回の集計ではトータルで医療広告2,008件、ホームページに関しては22件という相談・苦情件数を把握しているということでございまして、うち、括弧の中にございます医療広告でいえば62件、ホームページでいえば5件というのが美容医療に関する部分でございます。このうち違反の恐れがあるとして行政指導に至ったものというのが、その次の右の段でございまして、それぞれ210件、5件ということでございます。

消費者行政担当部局との連携ということで、情報の共有を行ったというような報告があったものが、医療広告に関して18件、うち美容医療10件、ホームページに関しては1件というような状況でございました。昨年5月に行った調査でございまして、私どもとしてもこうした定量的な把握をこれまでしていなかったということもございます。本委員会での御指摘も踏まえ、今後はこうしたデータ、状況もきちんと把握する必要があるのではないかということで進めているものでございます。これは昨年度までの、平成26年度までの実績でございますので、今年度分につきましても同様の調査を行っていきたいということで、各自治体のほうには既に伝達もしてございますので、また引き続き調査も行っていきたいと考えているところでございます。

一度こうした形で美容医療の部分についても集計をとることをお願いしましたので、今後は回を重ねるごとにこうしたデータなどの把握も充実していけるのではないかと考えている次第でございます。

以上が建議事項1への対応ということでございます。

続きまして、建議事項2への対応状況でございまして、インフォームド・コンセントの取扱い等に関連して事前説明、同意の適正化に関する御指摘をいただいているわけでございます。

対応状況の最初の矢印のところに書いてございますが、美容医療サービス等の自由診療におけるインフォームド・コンセントの取扱いの適正化につきましては、平成23年の建議を受けまして、平成25年に通知という形で適正化の通知を発出してございます。昨年の御指摘は上の段にございますけれども、この通知の中に曖昧な表現が多いということで解釈の明確化でございますとか、指導基準をQA等でお示しした上で、特に患者に対する施術前の説明を適切に行うことでございますとか、患者の理解と同意を得た上で施術を行うべき。あるいは即日施術を厳に慎むべきこと等についての徹底をすべきであるという御指摘だと承知をしております。

それから、消費者に対して美容医療サービスを受けるに当たって注意すべき事項について、医療機関にチラシを備え置くなど注意喚起をすべきであるという御指摘をいただいたということでございます。

これを受けまして、対応状況でございます。先ほど申し上げました都道府県等の担当者会議の中で、これまで発出した通知について改めてお配りし、その内容の確認と更なる適正化をお願いしてございます。それから、下2つでございますが、建議を踏まえまして、この取扱いに関するQAでございますが、これを今、作業をさせていただいてございまして、年度内には発出をしたいということで準備を進めているような次第でございます。実際に国民生活センター等に寄せられた苦情等も紹介するような形で、わかりやすく準備できればということでございまして、今、関係省庁、自治体等と内容についての御相談を申し上げているという次第でございます。

建議事項2の2つ目の御指摘に関連して、患者さん向けのいわゆる注意喚起をしていかなければならないわけでございまして、この点につきましては対応状況の一番下に書いてございますけれども、こうした国民、患者への情報提供あるいは広報の在り方について来年度への対応になってまいりますけれども、少し研究費を使わせていただいて、具体化を図っていきたいということでございます。注意喚起を図る上でどのような情報が有効であるかということをよくよく検証、研究した上で取り組んでいきたい。成果が出ましたら、それを自治体にも情報としても提供し、その後の広報、啓発活動につなげていきたいということを考えてございます。

対応状況の1点目につきましては、次の7ページに先ほど御覧いただきました担当者会議の概要、また、上の段は先ほど4ページで御覧いただいたものと同じ内容でございます。その中のマル3がインフォームド・コンセントに関するところでございまして、こちらにつきましても先ほど申し上げた平成25年に出した通知を改めて徹底するとともに、少人数のグループでインフォームド・コンセントに関する相談状況についての意見交換を行った次第でございます。ただ、この点につきましては先ほど実績としても余り出ていないような状況があるようでございまして、消費者行政部局を含め、関係部署との情報連携の一層の強化をお願いした形になってございます。

その苦情件数の実績でございますが、8ページを御覧いただければと思います。先ほど5ページで御説明した調査と同じ中で、このインフォームド・コンセントに関しても確認をいたしたわけでございます。やはり美容医療に特化した集計がされていないケースもございますので、得られたデータを単純に集計したものであることは御容赦をいただければと思います。

平成26年度で見ていただきますと相談・指導件数、インフォームド・コンセントに関する相談・苦情件数でございますが、全体で2,260件、そのうち美容医療の分だという御報告があったのが45件となってございます。違反の恐れがあるものとして行政指導を実施したものが55件、うち美容医療が9件となってございます。傾向といえるかどうかまではまだ定かではございませんが、平成24年度、25年度と比べれば少し増えてきているという状況かと思います。

情報連携、消費者担当部局との連携という点では98件で、うち美容医療に関するものは3件ということでございます。この点につきましても、平成27年度分も引き続き自治体に実績をお伺いしていこうということで今、考えているという次第でございます。

建議事項3につきまして、9ページ以下で御報告を申し上げます。苦情相談情報の活用についての御指摘をいただいているところでございまして、国民生活センターあるいは全国の消費生活センターを結ばれているPIO-NETに蓄積された情報あるいは私どもの中で医療法に基づき自治体に設置をお願いしてございます医療安全支援センターというものがございますけれども、その中に蓄積された情報の活用を図るとともに、医療安全支援センターの中に作っております相談窓口を消費者に周知を図るということの御指摘。それから、平成26年度に改正された行政手続法に基づくいわゆる処分等の申し出の仕組みを活用する、図るという御指摘をいただいているところでございます。

この点についてでございますが、下の段を見ていただきますと、昨年秋の担当者会議において、消費者関係部局との連携に関する通知等について改めて周知を行って、連携を要請したという点がございます。それから、PIO-NET、医療安全支援センターの情報の活用等々につきましては、今年に入ってからではございましたが、1月7日に各自治体宛てに周知を図ったところでございます。これは次のページ以下で御覧いただきたいと思います。

医療安全支援センターの活用につきましては、現在、美容医療に関する相談対応の状況について事例収集を行ってございまして、そこで得られた指導等につながったような事例を収集して、自治体への共有を図りたいということを考えている次第でございます。

10ページに1月に発出をいたしました通知をお付けしてございます。建議を踏まえまして3点の周知内容となってございます。「記」以下を見ていただきますと、まず1でPIO-NET及び医療安全支援センターの情報活用ということでございまして、それぞれに蓄積された情報等を活用し、関係法令等に違反する等の事案を適切に把握し、必要な指導、立入検査を的確にやっていただくよう各自治体にお願いをしてございます。

それから、同日付けで消費者庁からも各自治体の消費者行政担当部門へ通知を発出いただいてございまして、衛生部局との連携を要請いただいています。

続けて11ページでございますけれども、医療安全支援センターの相談窓口の周知につきましても、私どもが示している運営要領の中で相談窓口の設置をお願いしているわけでございますが、その一層の活用、周知について改めて要請をいたしてございます。それから、行政手続法に基づく処分の求めの仕組みにつきましても、同様に周知をお願いしているような次第でございます。

以上でございますが、関連いたしまして12ページに医療安全支援センターについて少し概要の資料をお付けしましたので、加えて御報告を申し上げておきたいと思います。

医療安全支援センターといいますのは、医療法に基づきまして各都道府県、保健所設置市、特別区において設けるよう努めなければならないとされているものでございまして、医療に関する患者なり住民の苦情、心配や相談への対応ということが主眼になってございます。その上で医療提供施設に対する助言、情報提供、研修等々も行っていただくということでございまして、医療安全を推進することによって地域の住民に対する信頼を確保することを目的にするということで設置をお願いしている仕組みでございます。

今、全国に381か所設置されています。都道府県は全て47県設置をいただいてございます。保健所設置市のセンター、それから、二次医療圏単位で279の相談窓口を設けていただいてございます。ここに相談員を配置しておりまして、日々相談が積み上がってございますので、今年度からということになりますけれども、12ページの下に書いてございます好事例の収集ということで、今回の建議を受けまして医療安全支援センターが受けた相談事例の中で、美容医療に着目して相談対応等の好事例を収集して、それを全国のセンターと共有をしたいということでございます。今まだ収集中ということでございまして、今年度末に取りまとめの上で共有をできればと考えているような次第でございます。

13ページに医療安全支援センターの実績の資料をお付けしてございます。相談員が全国で約1,300人弱程度いらっしゃいます。ただ、専任につきましては174名という状況になってございます。相談件数でございますが、毎年大体10万件前後での推移ということでございまして、これは美容医療に特化した数字ではございません。全体でございますけれども、全体で10万件程度の相談・苦情を受け付けて、立入検査に結び付けたり、あるいは消費者行政部門と連携を図らせていただいている部分が、御覧のような数字になっているという状況でございます。

御参考までに14ページでございますけれども、医療機関に関して立ち入りを行って指導等を行う職員として、各自治体のほうに医療監視員という方々を配置していただいてございますけれども、今、全国で医療監視員、県に約7,400名弱、政令市なり特別区のほうに3,000名弱で、合わせて1万人余の医療監視員が発令をされているということでございまして、うち専任の職員というのが271名いらっしゃることになっているということで、これぐらいの体制で日々の医療機関に対する指導を行っていると御理解いただければと思います。

15ページ、その他でございまして、この医療広告ないしはホームページガイドラインの取扱いにつきましては、私どものほうでも直接講演等で広告会社等に対して内容の御説明等、理解を得る努力をさせていただいている面もございます。それから、今月末でございますけれども、全国の医療関係の主管課長に集まっていただく場でも、また改めてこの問題についても周知し、今後の指導の徹底をお願いしたいということで考えてございますので、併せて御報告をさせていただきます。

以上でございますけれども、いずれにいたしましても建議でいただきました御指摘を踏まえ、特にホームページの広告規制との関係につきましては、今度スタートします検討会でもしっかりまた議論をさせていただき、美容医療に係るホームページ等の適正化に取り組んでいきたいと考えているような次第でございます。

以上、報告させていただきます。

○河上委員長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの報告内容について御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。

大森委員、どうぞ。

○大森委員 建議事項2ですけれども、即日施術を厳に慎むべきことを徹底することに対しては、どのような対応をされていますか。

○厚生労働省佐藤医政局総務課医療政策企画官 御指摘の点ですけれども、もともと「美容医療サービス等の自由診療におけるインフォームド・コンセントの取扱いについて」という通知を当省が発出しておりまして、その中で即日施術についての記述がございます。具体的に申し上げますと、本日の資料の2-3で4.のところですが、即日施術の必要性が医学上、認められない場合には、即日施術を強要すること等の行為は厳に慎まれるべきであること。やむを得ず即日施術を受けることを希望する者については、十分に説明をして、当該即日施術を受けるかどうか熟慮するために更に十分な時間を設けた上で実施しなければならないといった記述になっております。

先ほど説明がありましたとおり、さらに具体的にQ&Aをこの項目も含めて作成して出したいと考えております。

○大森委員 美容医療の場合は、緊急性はまずないと思うのです。やはり期待度がすごく高くて、その結果に対して不満を持つことが多いので、基本的にルール化することはできないのですか。即日はだめという。

○厚生労働省佐藤医政局総務課医療政策企画官 即日施術を強要することについては、厳に慎むということかと思っておりますが。

○大森委員 そういう書き方になるのかと思いますけれども、解釈の仕方によっては余り強くは感じないのです。

○厚生労働省中村医政局総務課長 まず医療現場で患者さんに対してきちんと施術内容、医療内容を説明して、その理解を得ながら必要な医療行為を行っていただきたい。これは別に美容医療に限らず、医療現場全般に関わる話でございます。そうしたインフォームド・コンセントの趣旨につきましても、しっかりと適正にやっていただきたいというのが医療法上も明記しているところでございます。ただ、実際の医療現場なり患者さんの状況というのはまちまちでございますので、最終的には医師の判断が、一定のいわば配慮すべき要素になっているというのが今の実情であろうかと思ってございます。

したがって、当日の施術が絶対にだめというまでのルール化というのは、現実問題としてなかなか難しいのではないかと思ってございますが、通常の医療と比べて美容医療の現場では今も御指摘がございましたように、即日施術の必要性というのは相当低いということが想定されますので、きちんとその必要性と患者の皆様が、利用される方が十分御理解いただく、あるいは考えた上でそれを受けていただけるようなことにしていくことが必要なことだろう。平成23年にそういった建議、御指摘もいただいて、今、御説明した平成25年の通知ということで出させていただきました。ただ、今回はこれが非常にわかりにくい面もあるのではないかという御指摘をいただいていますので、より現場で使いやすい、それから、特に自治体の立場からすると指導しやすいような形での明確化を図っていかなければならないだろうと考えているような次第でございます。

○河上委員長 蟹瀬委員、どうぞ。

○蟹瀬委員 インフォームド・コンセントの8ページでございますが、教えていただきたいのですが、相談件数があったうちの美容医療が括弧で書いてありまして、違反がある場合、行政指導を行った数、それから、消費者担当の方に情報提供をした数、この基準というものはどういう基準になっているのでしょう。明らかに行政指導が必要と思われたもののみがなっていますが、お客様が40件、例えば45件の美容医療の平成26年度、インフォームド・コンセントに対しての相談、苦情があったけれども、9件しか指導が入っていない。そのうち3件しか情報提供ができていないということになると、本当に相談された人たちに対しての対応になっているかどうかというのが数字では見えないのですが、その基準を教えていただけますでしょうか。

○厚生労働省中村医政局総務課長 8ページの実績につきましては、昨年5月に各自治体に照会をして、報告をいただいた内容となってございます。そういう意味で先ほども単純集計をしたものということを申し上げましたが、基準ということで明確に私どもから何か示しているものではございません。ここでいえばインフォームド・コンセントに関連しての相談指導件数が2,260件あって、そのうち自治体から美容医療の分ですという御紹介があったのが45件、それから、その中で指導につながったものが55件といった報告をいただいているというデータだと御覧いただければと思います。

○蟹瀬委員 そうしますと、これからの精査の仕方なのですけれども、やはり内容的なものの精査をどこかでしていかないと、この数だけ見ていると美容に関するインフォームド・コンセントに対する相談は少ないからどうでもいいのではないかという結論に行きそうな感じが、数字は結構そうやって動いてしまいますので、そうではなくてもう少し中身の精査といいますか、なぜ相談がこんなにあったのに指導に当たるものが1件ぐらいしかなかったのかとか、共有するための情報がきちんと提言できなかったのかということの幾つかの例でも結構ですので、それを追いかけていただいて、そしてある程度の基準といいますか、ただのクレームではなくて、きちんとしたクレームであったかどうかというのも含めて、地方が全部統一したような数字が出てくるようにしていただけると、もっとわかりやすいかもしれないです。

○厚生労働省中村医政局総務課長 御指摘ありがとうございます。そういう意味では、この数字そのものが、こういう数字をとり始めたのが何分最近であったということもございまして、美容医療に着目したような区分したような形での把握が行われていない自治体もある中での調査であったという点をまずお許しいただければと思います。ですから件数として挙がっている中に、今、美容医療45件、これが少ないかどうかというと、実は美容医療として把握ができていないだけで、美容医療に関する部分が当然入っているだろうと思っている部分がございます。ですからこの数字というのは実態と比べれば相当低目に出ている可能性があるのではないかということは、私どもも認識をしているということがございます。

その上で、中身の分析をしっかりやるべきだという御指摘はごもっともだと思ってございます。医療安全支援センターでの美容医療に関する相談・苦情の中で指導につながったケースについては、収集をして分析をし、各地の自治体が共有できるようなことを、これもまた今年度からということではございますが、始めようとしています。まずそこをやらせていただいているということでございます。その上で今度は逆に指導に至らなかったところが果たしてそれでよかったのかどうか。その辺は例えば昨年行ったようなブロック会議でのグループワークの中でも各自治体の判断が割れるようなケースがあるのかないのかということでは全体のレベルアップというか、底上げにつながるような取組にもなっていくのではないかと思ってございますので、こうした取組を更に進めていければと思っております。

○蟹瀬委員 ありがとうございます。

○河上委員長 この調査は、どこを対象にしてやったアンケートだったのですか。

○厚生労働省中村医政局総務課長 これは例えば8ページを見ていただきますと、一番上の丸の下に米印を3つつけてございます。最初のところを見ていただきますと、都道府県、保健所設置市、特別区でございます。その医療広告の担当セクションでございます。

○河上委員長 それぞれ地方自治体の医療広告を担当しているセクションの方ですか。

○厚生労働省中村医政局総務課長 そうでございます。

○河上委員長 例えば国民生活センターなどにもいろいろ相談が寄せられていますけれども、そういうものは御覧になってはいないですか。

○厚生労働省中村医政局総務課長 この調査では、そこは対象にしてございません。

○河上委員長 池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 今のアンケート調査について、まず質問をします。

5ページにも、こちらが医療広告についての直接のアンケートで、そちらを見ながら質問ですが、先ほどの御説明の中でも医療広告についての相談・苦情件数、例えば平成26年は2,008件。これは回答としては全ての都道府県、保健所設置市、特別区全体から回答が得られたと理解してよいのかどうか。それから、括弧の中の美容医療の件数は集計されていない、あるいは記載が困難なところで記載可能なところだけで全部とはいえないということを先ほど御説明があったかと思うのですが、そのアンケート対象あるいは回答が得られた中のどれだけがここを分類して回答し、どれだけのところが分類できていないということだったのか。その件数の内訳をお伺いしたいと思います。

○厚生労働省中村医政局総務課長 私どものほうから改めてですが、都道府県、保健所設置市、特別区の衛生主管部局長宛てでして、実際には医療法を所管し、医療広告の指導に当たっていただいているセクションになると思いますが、そこに調査をお願いいたしました。

回答を寄せていただいた自治体が全体の約9割でございます。そのうち美容医療に関する何がしかの特記した記載がございましたのが、おおむね半数程度ということでございますので、少し個別に各自治体に詳細まで確認したわけではございませんが、残る半数の自治体では恐らくは美容医療に区分したような集計は、これまではされていなかったということだと思います。先ほど申し上げましたのは、この調査はまた来年度以降もやらせていただきますということは申し上げておりますので、だとすれば少し区分をして把握しておこうかと思っていただいているところが増えるだろうと期待をしているという状況でございます。

○池本委員長代理 引き続き今の5ページを前提に質問します。

この一覧表で違反の恐れがあるものとして行政指導を要した件数という記載があります。この要したというのは行政指導を実施したと読んでいいわけですね。

○厚生労働省中村医政局総務課長 はい。それは通常そうだと思います。

○池本委員長代理 そうしますと、その行政指導の結果、改善がされたという理解でいいのか、指導した後のフォローは必ずしも捕捉できていないということなのか。そして行政指導したけれども、十分改善がされなくて、更に法に基づく行政処分まで進んだ件数があるのかどうか。その点についてお伺いします。

○厚生労働省中村医政局総務課長 申し訳ございません。今回の調査では行政指導を要した件数の最終結果まではデータとしては把握してございません。それから、処分に関してもデータをとってございませんので、わからないわけでございますが、医療監視、先ほど各病院に立ち入って医療監視を行うというほうの実績としてのデータはございます。これは美容医療に関係あるかどうかはわかりませんけれども、そちらのほうですと例えば平成26年度の実績で申し上げると、全国で改善命令を行ったケースが7件という状況でございます。多くは検査をし、仮に指導が必要だとしても、指導をするというところでとどまっているケースが多いのではないか。それで改善をしたということではないかと思いますけれども、そういうことで、その指導に従わず改善命令まで行っているケースというのは、ごく限られているということではないかと思います。

○池本委員長代理 関連してもう一言、今おっしゃった改善命令まで進んだ、あるいは医療監視を行ったというのは、医療広告あるいはホームページに関するものにも限らない、もっと広くという意味であるかということが1点。それから、なぜこの点を御質問するかといいますと、以前にホームページは広告には該当しないけれども、ホームページの中に虚偽誇大な表示、説明があるのは医療法の28条、29条の医事に関する不正行為に該当する恐れがあるのだというコメントが委員会での質疑の中でもございました。その辺りは都道府県にも何らかの形で文書で通知されているのか。また、そのようなことを前提に都道府県は医療監視とか改善命令あるいは行政指導というのは、今の解釈を前提にしてやっているのか。そういった文書での通知あるいは現場でのそこの解釈、運用のところをお伺いしたいと思います。

○厚生労働省中村医政局総務課長 まず最初の御質問の点でございますが、立入検査の結果、改善命令を行ったところというのは、これは全体に係る数字でございますので、医療広告ないしはホームページに関わるものかどうかは定かではないというのがまず1点目でございます。

2点目の御質問でございます。昨年のこの場でのヒアリングの中でも医療法28条ないしは29条というものがございまして、この中で病院等が医事に関する不正行為があった場合には開設者に対して変更命令ができるとか、あるいはそれに対して違反があった場合には、その開設の許可を取り消すなりの措置が可能であるということでございまして、この虚偽ないしは誇大な表示等を行うケースについて、この規定を活用した指導の強化を進めてまいりたいということを御提案させていただいた経緯がございます。

この点につきましては、実はその後まさにいただきました7月の建議の中で、一定の評価はいただいたわけでございますが、ただ、十分な実効性を確保できないのではないかという御指摘をいただいたところでございます。といいますのも、開設の許可等は相当重い処分に関わるわけでございますので、実際問題として使い勝手が悪いというか、より現実味のある効果的な取組を検討すべきであるという御指摘をいただいて、7月の建議での広告規制の見直しでの御提議につながったと承知しているところでございます。それを受けまして、私どもが本日御報告していますように、この問題は改めて法令上の取扱いも含めてしっかり議論する必要があるだろうと考えて、検討会の立ち上げという方向での議論に、今、進みたいと考えている次第でございます。したがって、まだ現段階でこの28条、29条について明確化するような通知は発出していないところでございます。

○河上委員長 蟹瀬委員、どうぞ。

○蟹瀬委員 5ページのところで医療広告に関する調査をなさっていますが、先ほどのお話の中で9割が返事をして、そのうちの半分が美容医療に対して答えたということですが、厚生労働省の中で美容医療というものに対してのコノテーションというか、その意味はこういうことですよということは、広告をする人たちに徹底されているのかどうかというのが、どこまでを美容医療と読んで広告として見ているのかというか、美容医療といっても先ほど大森委員が言いましたように、今日やらなくてもいいではないかというものと、そうでないものまで含まれて美容医療といっているのか、緊急を要するものもありますね。その辺のところのすみ分けみたいなものが恐らくはっきりしていないと、広告であるか、そうではなくてインフォメーションなのかというもののすみ分けができないような気がするのですが、その辺の解釈はどのようなことで皆さんにお伝えなさっているか、教えていただけますか。

○厚生労働省中村医政局総務課長 私どもの理解というか、これまでの行政としましては、美容医療という医療の範囲に着目した形での何らかの規制等は特段、制度的には行ってきていないわけでございまして、まさに医療機関が患者さんに対してさまざまなインフォメーションの提供、情報の提供をされます。その中で一定の要件を満たすものについて広告という概念を打ち出して、広告規制という形で適正化を図っている。虚偽広告でございますとか誇大広告等につきましては、その中で一定のルール化をし、指導を徹底させていただいているという面がございます。

今回は、ホームページでの情報提供が医療法上の広告規制の対象から従来から外れていることによって、その中でホームページを見て特に問題が大きいというものが美容医療の分野だという御指摘をいただいている。ほかにも多分、美容医療以外にも課題はあると思ってございます。したがって、私どもの切り口としては、当然、美容医療を念頭に置きながらということではございますけれども、美容医療に限らず、ホームページによる情報提供を果たしてどう整理していくべきかということが主眼になってくると承知をしている次第でございます。

○河上委員長 増田委員、どうぞ。

○増田委員 幾つかあるのですけれども、まず美容医療に関しましては、これから検討会、広告について始められるということですけれども、患者と医師との問題というよりは、美容医療に関しては消費者問題であるという位置付けが非常に大きいと思いますので、委員の先生方の中にやっと消費者問題関係の方を入れていただいたということで、大変よかったと思っております。今お話があったような医療情報の提供というくくりにおいても、美容医療に関しては特別な配慮を要するものだと思いますので、その辺を同じレベルということではなく、御検討を進めていただきたいというのが1つお願いでございます。

それと国と地方公共団体、地方公共団体同士の情報共有をされている。担当者レベルの事例検討などを行ったことについては評価が高かっただろうと思います。ただ、その担当者のところまでは情報が行き渡ったとしても、その後、事業者に対してどういう情報提供あるいは支援が行政からされているのかというところが見えていないのではないかと思うのです。後追いの指導については、結果的には一定程度把握ができるのかもしれませんけれども、現状、見つからない段階で行っているとか、知らないでやってしまっているような事業者の方たちに対する情報提供などが具体的になされているかどうか。例えば講習会をするとか、あるいは有象無象の事業者ではなくて、ちゃんと免許を持っていて業界団体もありますので、そういうところでの講習会なども実現可能だと思います。そのようなことがどうされているのかということが見えていないと思いますので、質問としてお伺いしたいと思います。

○厚生労働省中村医政局総務課長 1点目の御指摘は、まさにおっしゃるとおりだと思っています。今回、消費者行政に精通した構成員にもお入りいただくということで、今、準備を進めてございますので、また検討会でも厳しい御指摘等をいただくことになるのではないかと思ってございます。

先ほど私が申し上げましたのは、当然、美容医療分野だけに特化したようなルール作りをするということではないのではないかということを申し上げて、ほかにもインターネットという切り口で、医療機関が提供する情報提供の在り方としてどうかという観点からの議論をできればということを申し上げたわけでございます。その中で主として今、大きな問題が出てきていて、指摘をいただいているのがまさに美容医療分野だということは紛れもない事実でございますので、この分野を当然重点的な視野に入れながら議論をしていかなければいけないというのは、御指摘のとおりだと受け止めているような次第でございます。

2点目の御質問としていただいているところは、これは医療機関等に対してということでございますね。医療機関等に対しては私ども講演等で行うこともございますけれども、各自治体でもまさに日々の立入検査等の中で広告面での適正化ということも留意事項として位置付けてございますので、その辺りを踏まえて各医療機関に対する指導等を行っているという状況がございます。

あわせまして、本日今日のその他にも書いてございますけれども、今度は広告を作られる側の業界に対しても、講演等で周知を図らせていただいている面もございます。

○厚生労働省佐藤医政局総務課医療政策企画官 補足ですけれども、美容外科の団体は幾つかございますが、そういったところとのコミュニケーションも当然ございますので、そういったところから所属の会員に対しては通知等、こちらの趣旨が伝わるように流してもらったりということは現在でもございます。

○増田委員 もう1つよろしいですか。自治体の中での連携というのは非常に重要だと思いますので、支援センターとか消費者行政部局、消費生活センターというところでの情報共有が必要だと思います。縦割りの相談件数の収集というよりは、横の連携というものが非常に重要だと思いますので、全体の数がわかるような、それから、その中身が分類できているような把握のされ方を今後していただきたいと期待しております。

○河上委員長 阿久澤委員、どうぞ。

○阿久澤委員 どうも説明ありがとうございました。対応していただいている状況はわかったのですが、2点お伺いさせていただきます。建議事項2の対応状況の中の情報提供、広報資料の在り方について調査研究の実施予定という御説明をいただきました。その内容についてはまだ検討中とのことでしたが、この調査というのは美容医療のみならず、とても興味深い、ほかの問題においても参考になるところもあるのではないかと思っていまして、その結果を楽しみにしているところです。まだ検討中という調査研究の内容についてわかる範囲で、また計画の範囲で教えていただければと思いますが、こういった調査研究を実施する場合、ある現象あるいは問題点、そういったものがあって、それを解明あるいは解決するために、一般的には仮説を持って実施することになるかと思います。

ここでいう現象、現状の問題点をどのように考えていらっしゃるのか。逆の言い方をしますと、適切な情報提供や広報資料の在り方とはどのような内容を想定しているのかということになるかと思いますが、現状の問題点またはあるべき姿をどのように想定しているのか。いずれでも結構ですので、教えていただきたいのが1点。

それと想定する、要するに仮説があって設定されると思われる調査対象についてです。これは仮説があって、そういった内容が決まるわけですけれども、その対象あるいは項目そして最後にスケジュールなど、以上、2点について教えていただければと思います。

○厚生労働省中村医政局総務課長 6ページの1番下の対応状況、3つ目の矢印についての御質問かと思います。医療機関にチラシを備え置いて注意喚起をすべきであるという御指摘をいただいたわけでございます。どうすれば要は消費者なり患者の心に響くのかということが一番大事になってこようかと思ってございますけれども、単純に行政的な言葉を並べ立ててもなかなか考えを改めていただくとか、あるいは思い直していただくようなことにつながらないのではないかということも気になっているところでございますので、先ほども申し上げましたけれども、注意喚起を図る上でどのような情報あるいはどのような表現が有用であるのかということを、よく検討できればと考えているような次第でございます。

この点につきましては来年度の研究費ということでございますので、年度が明けましたら当然研究ですから、これは公募という形で研究者の方を募らなければならないわけでございますが、決まった暁には、その方とこれまでの美容医療を巡る状況についても十分御相談しながら、また、研究内容も具体化を図っていきたいと考えてございます。研究でございますので、おおむね1年程度のものになってこようかと思ってございますが、できるだけ早目に一定のひな形のようなものを作り上げられればと担当課長としては思ってございまして、その上で例えば自治体の御意見とか、消費者行政に詳しい方の御意見等もいただきながら、更によりよいものに仕上げていくということを進めていければと思ってございます。

○厚生労働省佐藤医政局総務課医療政策企画官 今の項目で、建議の中で医療機関にチラシを備え置くなど注意喚起をというように求められているのですけれども、これはほかの業界でそういった何か強制的にそういったことをしている業界があるのでしょうか。もしあれば御教示いただいて、参考にしたいなと思っております。

○阿久澤委員 いろいろなところでそういったチラシを置いたりしていると思います。私の質問の内容は、その情報提供あるいは広報資料の在り方、これはいろいろなところで共通するベースのところについて、その基本的な考え方をどのようにお持ちかというところをお聞きしたかったのです。

○厚生労働省佐藤医政局総務課医療政策企画官 質問への回答ではなくて、もし御存じであれば教えていただきたいと思っただけです。

○河上委員長 増田委員、どうぞ。

○増田委員 例えば商品先物の注意喚起であるとか、健康食品に関する注意喚起などについて、消費者庁がお作りになったようなものがございます。そういうものを私どもの団体、消費生活相談員の団体が行う消費者向けの講座あるいは消費生活相談員向けの講座を年間何百とやっておりますので、そういうところで発送してくださいという依頼を受けまして同封していくとか、講座のたびに配るとか、そのようなことは行っております。

○厚生労働省佐藤医政局総務課医療政策企画官 ありがとうございます。

○河上委員長 樋口委員、どうぞ。

○樋口委員 関連して、厚生労働科学研究というものはどのような内容かわからないのですが、阿久澤委員の御質問に関連してなのですが、通常、私どもも大学に勤務していますので、研究という場合には実際にいろいろ行政として行うことからかなり距離がある場合が多いのではないかと思うのです。ですから研究で極めるということと、行政が活用することの間にはワンクッションあるのではないか。ここで平成28年度に研究をされる。お話を伺っていると通常の科研費や何かと同じように公募をされて、研究者の方がそれに応募をされて、1年間研究をする。少し前倒しして一部の成果を出すということなのでしょうけれども、その次のステップで情報提供とか広報資料の在り方というのはむしろ行政サイドの問題なので、直接研究が直ちに役立つことは余りないのではないか。特に今、御質問があったように、いろいろな分野で行政が工夫をして情報提供とか広報資料の在り方等を考えながら実施しているということは、これは行政上の問題であって、やや研究にはなじみにくいように素人としては思ったのですが、その点はいかがでしょうか。

○厚生労働省中村医政局総務課長 最終的には私どものほうでも中身はしっかり見させていただいて、適切なものを作っていければと考えているわけでございます。ただ、その素材として医療現場での何が問題になっているかということも含めて、よく分析、収集した上で、どのような形の表現、どういった記載内容等が適切かどうかということを、この研究費を活用させていただきながらやっていければと考えているような次第でございます。

一般論として申し上げると、研究班のほうで患者さん向けの啓発活動の資材等を作っていただいて、それを情報としてお出ししているようなことは、この分野ではあるのではないかと思っております。

○河上委員長 中原委員、どうぞ。

○中原委員 5ページの調査について、2点教えていただけますでしょうか。1つは、医療広告の中には電子広告も含まれていて、バナー広告からリンクされている先のホームページは広告に当たるとされていますが、この調査の医療広告の件数の中で、電子公告がどのぐらいの割合あるかということがもしわかれば教えてください。もう1つは、医療広告に対する苦情等の件数に比べて、ホームページに対する苦情等の件数がかなり少ないように見えるのですけれども、苦情を寄せる側からすれば、バナー広告からリンクがあれば広告で、なければ広告に当たらないホームページであるという区別は非常にわかりにくいと思いますので、この調査においてそこが明確に区別されているのか、場合によってはホームページについても広告のほうでカウントされている可能性がないかどうかについて教えてください。

○厚生労働省中村医政局総務課長 1点目の御質問につきましては、この調査の中ではバナー広告としてのホームページという特化した集計をお願いしていませんので、把握をしておりませんので、申し訳ございません。ただ、今回の調査はまさに医療広告の指導等に日々携われている都道府県なり市町村の職員の方向けの調査でございますので、常識的にはという言い方で大変恐縮でございますが、医療広告といえばまさに医療法の規定に基づく広告規制が掛かっている部分を通常は思い描いて報告いただいているのではないだろうか。ホームページについては現在その対象外となってございますので、別途ガイドラインでの指導ということをお願いしている状況がございますので、この2つの切り口ということであれば、バナー広告に基づくホームページであれば定義上も医療広告の中に入れてございますので、そちらに入っているのが自然だと思います。

ただ、来年度もまた早々に平成27年度分の実績の調査をやりたいと思ってございますので、その中でこういった点が紛れて変な集計にならないように、しっかり改善を図っていきたいと思います。ありがとうございました。

○河上委員長 ほかにはいかがですか。大森委員、どうぞ。

○大森委員 先ほどの資料2-3のインフォームド・コンセントの取扱い等についての4番なのですけれども、即日施術の必要性が医学上認められない場合にはとあるのですが、美容医療で即日施術の必要性が医学上認められる場合というのは、具体的にはどのような場合があるのですか。

○厚生労働省佐藤医政局総務課医療政策企画官 御質問の件ですけれども、一般的に考えて美容医療について即日施術の必要性が医学上認められる場合というのは、相当低いといいますか、なかなかないのではないかと思います。例えば大やけどをしてといったものが仮に、それは美容医療なのかというのはあるのですけれども、仮にそれが美容医療に入るのであれば、それは即日施術の必要はあるのかもしれませんが、一般的にはなかなかそういったケースが多くあるとは思いません。

○大森委員 私自身も思い浮かばなかったもので、そういう場合は即日施術することを医者が強要することはやめなさいと書いてあるわけですね。それで患者側というか、お客というか、患者のほうでどうしてもと緊急的に言われた場合には、十分説明してから対応しなさいという書き方なのです。これは当日の施術というのは美容医術の場合は禁止されているので、できないのですというぐらいの対応ができるのといいなと思ったのです。患者がどうしても今日やりたいということで、断ったらよそに行かれるのではないかとか、やはり営業のことも考えるし、このような書き方であれば、どうしても向こうが強く望んでいるからやむを得ないという解釈でやってしまうことで、いろいろなクレームとかトラブルが増えているのではないかと思うので、ガイドラインなり何なりで即日の施術というのは美容医療の場合は禁止されていてできないんですよみたいな対応ができればいいなと思いました。また御検討ください。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。

消費者委員会が美容医療に関して最初に建議を出したのは、平成23年12月であります。それから今日に至るまで、全部で9回、厚生労働省にお越しいただいてヒアリングをしてまいりました。担当の方は変わっておられるので十分引き継ぎをされているかどうかわかりませんけれども、その都度、似たような問題意識でお願いをしてきたという経緯がございます。

今の即日施術の話も、国民生活センターで調査したものが、トラブルというか相談に来たものの中の57.7%が即日施術されているのです。その方に聞きますと、31.4%の方は希望していなかったという回答をしています。ですから、本来は希望していなかったのだけれども、結果的には即日施術をしてしまったということであります。

さらに、広告の概念も今までは雑誌広告のようなものだけが中心ではないかと言われていたのですけれども、実際のアンケートをしてクリニックを選んだ、情報収集の媒体はホームページからが32.4%であったといわれておりまして、雑誌からは17.6%しか情報を得ておりません。つまり、現在、美容医療関係のクリニックを訪れる患者のかなりの部分がホームページを見て、そこでの情報であるとか表示を手掛かりにして病院に行くというような事態であります。それを考えると、ホームページが広告であるかそうでないかという性質決定は余り重要なことではなくて、むしろ契約に至るまでの段階での医療機関からの重要な情報提供のツールとして、ホームページは既に確固たる媒体になっているという認識を持っていただく必要があるのだろうと思います。

何回も申し上げるのは大変心苦しいのですけれども、この9回のヒアリングの間にいろいろ申し上げたことなのですが、情報提供の在り方として、それが広告であろうが、ホームページであろうが、間違った情報であったり、不当に優良な誤認を与えるような表示文言というのは、直ちに禁じることをやらないといけないのではないかということであります。でないと患者にとって全くその情報が意味を持たない。確かに医療機関の情報というのは大事で、その意味では情報の提供というものに口出しをすることについては我々としても本意ではないのですけれども、しかし、このような領域については相当立ち入って厳格な情報規制をやっていただく必要があるだろうということであります。

前回も申し上げたのですけれども、その意味でもガイドラインであるとか、自主規制といったようなものできちんとした効果が上がっていないのであれば、そこは法的な対応を速やかにとっていただく必要があるだろうと思います。

検討会を開くということをおっしゃっているのですけれども、実は、検討会を開く、ガイドラインを作る、通知を徹底します、情報を共有します、といったお話は、もう何度も聞きました。私も気は長いほうなのですけれども、それを平成23年以来聞かされてきて、ここに至ってなお十分な進歩が見られないということでは、これは建議をした意味もないし、我々の問題意識が全く消費者の権益の保護のために役立たないで被害者が出続けているということになります。その意味で、よりきちんと対応していただきたい。きちんと対応していますとおっしゃっているのですけれども、まだまだ十分ではないのではないかという気がいたします。

本年秋ごろに検討会で取りまとめがなされるということですけれども、取りまとめを聞くまでもなく、できること、やらなければいけないことはあるような気がいたします。美容医療サービスに関しては、これまでも二度にわたって建議を発出し、9回ものヒアリングにおいてお伝えしてきたことを踏まえますと、現在の歩みは遅いと言わざるを得ません。大変失礼な言い方かもしれませんけれども、お忙しい中ですが、美容医療の世界で起きてきている被害を十分に克服する対策としては、まだまだ十分ではありません。

厚生労働省におかれましては、こうした状況を踏まえまして、情報収集や検討もさることながら、医療機関のホームページを医療法の規定に基づいて規制の対象にする広告に含める、あるいは広告に含めないまでも、その内容を広告に準じてきちんと医療法上、規制ができるような形にしていただくということを強く求めたい。そして、医療機関のホームページ等に関する適正化が実効的に確保されるように最大限の努力をしていただきたいと思います。

事前規制の建議事項についても、実効性のある取組を実施するということが必要でして、通知を出し、情報共有をしたというだけではまだ不十分ではないかという気がするわけでございます。その意味でも実効性のある取組に更に取り組んでいただいて、美容医療サービスに係る消費者被害の防止に向けて最大限、迅速に対応していただきたいと思います。

当委員会としては、引き続きこの問題に係る厚生労働省の対応状況については注視させていただきますし、必要に応じて更なるヒアリングの実施や、場合によっては再度意見を述べることもせざるを得ないかと考えております。

もう1点ですけれども、消費者委員会では特定商取引法の改正についての答申を発出いたしまして、その中で、継続的な役務として美容医療に関する役務サービスを入れてはどうかということを指摘させていただきました。これが法案や政令でどうなるかはわかりませんけれども、先ほどのように美容医療というものの領域がはっきりしないというようなことで、結果的に難しくなってしまうようでは大変困るので、そこは特商法上の規制のふさわしい美容医療というものについて厚生労働省において1つの考え方をまとめていただいて、特商法の規定の中にきちんと中途解約権が保証されるような形で美容医療を位置付けていただけるよう御配慮を願いたいと考えているところであります。

少し言い過ぎたところがあるかもしれませんけれども、委員会としての気持ちを是非御理解いただきまして、積極的な取組を是非お願いしたいと思います。厚生労働省におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、まことにありがとうございました。

(厚生労働省 退席)

≪4.その他≫

○河上委員長 続きまして、議題、その他としまして新開発食品調査部会から報告がございます。阿久澤部会長から説明をお願いします。

○阿久澤部会長 それでは、特定保健用食品の表示許可に係る答申について、私から報告いたします。

平成27年12月18日に開催した第30回新開発食品調査部会及び平成28年2月17日に開催した第31回新開発食品調査部会の議決について、新開発食品調査部会設置運営規程第7条に基づき、委員長の同意を得て委員会の議決とし、2月23日付けで内閣総理大臣へ答申を行いました。

参考資料1の答申書を御覧ください。内閣総理大臣より諮問を受けて第30回新開発食品調査部会において記載の2品目について、安全性及び効果について審議を行った結果、その裏面に書かれておりますが、別添の表示内容に記されております悪玉という言葉なのですが、LDLコレステロールに悪玉という言葉を使用することの是非について消費者庁から厚生労働省に照会してもらい、その結果を踏まえて部会長の判断で申請者に修正を求めるか、それとも了承するかが部会長に一任されました。その後、厚生労働省としての見解を確認し、特定保健用食品として認めることといたしました。

次に参考資料2の答申書を御覧ください。これは内閣総理大臣より諮問を受けて、第31回新開発食品調査部会において、ここに記載の5品目について安全性及び効果について審議を行った結果、特定保健用食品として認めることといたしました。なお、品目番号の4~7は既に許可を受け、販売している製品の許可表示文言を最近、これは1月19日になりますが、答申した製品と同じ文言にそろえたいという趣旨の申請でした。

私からの報告は以上になります。

○河上委員長 ありがとうございました。

これは委員長限りでの決裁ができるということでして、精査の上、同意いたしましたので御報告をいたします。


≪5.閉会≫

○河上委員長 本日の議題は以上になります。最後に事務局から今後の予定について説明をお願いいたします。

○丸山参事官 次回の本会議の日程、議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページ等を通じてお知らせさせていただきます。

なお、この後、委員間打合せを行いますので、委員の皆様におれかましては委員室のほうに御移動のほうよろしくお願いします。

さらに、本日16時30分をめどに、当会議室におきまして報道機関の皆様を対象とする委員長記者会見を行いますので、お知らせさせていただきます。

以上です。

○河上委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)