第207回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2015年11月25日(水)13:00~13:50

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

  • 【委員】
    河上委員長、池本委員長代理、阿久澤委員、大森委員、鹿野委員、中原委員、長田委員、樋口委員、増田委員
  • 【説明者】
    消費者庁 桜町 取引対策課長
    金融庁総務企画局市場課 大江 市場企画室長
    経済産業省 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部政策課 小川 電力市場整備室長
  • 【事務局】
    黒木事務局長、小野審議官、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 特定商取引法施行令等の一部改正について
  3. その他
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、時間になりましたので始めさせていただきます。

本日は、皆様、お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。ただいまから「消費者委員会第207回本会議」を開催いたします。

また、本日は、所用によりまして、蟹瀬委員が御欠席の予定となっております。

それでは、配付資料の確認をお願いいたします。

○丸山参事官 配付資料のほうは、議事次第の下部に一覧を記しております。

資料1-1、資料1-2、それから、資料2の関係では資料2-1、資料2-2となっております。

参考資料につきましては、3種類ということになっております。もし、不足等ございましたら、事務局のほうまでお申し出いただきますよう、よろしくお願いいたします。


≪2.特定商取引法施行令等の一部改正について≫

○河上委員長 それでは、本日の議題でございますけれども、特定商取引法の施行令の一部改正についてというものであります。

本件につきましては、金融商品取引法及び電気事業法の改正に伴うものとして、それぞれ本年の11月24日に資料1-1及び2-1のとおり、内閣総理大臣から特定商取引法における適用除外に関する政令の改正について諮問がございました。

本日は、これらの諮問事項について、併せて、消費者庁、金融庁及び資源エネルギー庁からヒアリングを行い、審議を行った上で、委員会としての判断を示すこととしたいと思います。

消費者庁、金融庁、資源エネルギー庁におかれましては、お忙しいところ御出席いただきましてありがとうございます。

それでは、施行令の改正の概要についてでございますが、恐縮ですけれども、合わせて25分程度で説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

○消費者庁桜町取引対策課長 消費者庁取引対策課長の桜町でございます。よろしくお願いいたします。

お手元の資料1-2が、金融商品取引法の改正に関わるものでございまして、それから、資料2-2が電気事業法の改正に絡む関係でございます。こちらを併せて御説明をさせていただければと思っております。

まず、資料1-2のほうでございますけれども、1ページ目を御覧いただきますと、適用除外の原則といたしまして、特定商取引法におきましては、ほかの法律の規定によって、消費者の利益の保護ができるというふうに認められる場合は、適用除外ということが、法律の26条に定められているところでございます。

この適用除外を定める政令の制定・改正につきましては、消費者委員会にお諮りをするということになっていることから、今回、先ほど委員長御指摘のとおり、諮問させていただいているということでございます。

3番目の黒丸以下のところでございますが、今回、金融商品取引法の改正が、先の通常国会で成立をいたしました。

これによって、いわゆるプロ向けのファンドの私募・運用を行う、適格機関投資家等特例業務というものを行う者に対する規制が大幅に強化されたところでございます。

後で、また、御指摘させていただきたいと思っておりますけれども、今までは非常に簡素な行為規制だけが課せられておりまして、虚偽告知の禁止あるいは損失補填の禁止と、こういったもののみが、規制としてかけられていたわけでございますが、今般の改正によりまして、4番目の黒丸にございますように、広告規制、それから、断定的判断の禁止、それから、適合性の原則、こういった行為規制を大幅に拡充をしたとともに、業務改善命令あるいは6か月以内の業務停止命令、さらには、業務廃止命令と、こういったものができるようになったということでございます。

それから、これに加えまして、いわゆるプロ向けのファンドに出資をできるものの範囲としまして、今までは、一般の消費者は誰でも、プロが入っていればという条件付きではございますけれども、一般の消費者にとっても、非常にたやすく入ることができたわけでございますけれども、今回、政令と内閣府令の法改正によりまして、一定の条件を満たすものに、これを限定しようということになっております。

つまり、保有資産が1億円以上、かつ、有価証券取引あるいはデリバティブ取引のための講座を開設して1年以上経過している個人と、こういった形で、その縛りをかけることによって、一般投資家の利益の保護を図るということが可能になってございます。

こういったことから、このプロ向けファンドの私募・運用を行う者の特例業務につきまして、特定商取引法の施行令による適用除外の規定を検討する必要があるのではないかということで、お諮りをさせていただいているところでございます。

2ページ、こちらが具体的な諮問事項ということでございます。

特定商取引法の施行令によって特定商取引法の適用除外となるというケースにつきましては、2つの点が満たされていることが必要ということで運用いたしております。

マル1、マル2というふうにございますけれども、1つは、消費者被害に対する是正措置がしっかり整備をされているということと、それから、マル2といたしまして、法目的との関係で消費者保護のための是正措置の発動が可能であるということ。この2つが満たされているかどうかということが、非常に重要でございます。

1番目の是正措置の整備のところにつきましては、その下にもう少し具体的に書いてございますけれども、いわゆる設置法に基づく、一般的な行政指導では不十分というふうに考えてございまして、その下に(i)(ii)とございますけれども、このいずれかが法律上規定されていることによって、事業者の不当な勧誘とか、不当な広告によって消費者被害が発生した場合に発動することが可能であったり、あるいは発生している状況を予防あるいは一定の強制力をもって改善することができると認められる場合であることが必要ということでございまして、(i)(ii)を御覧いただいておりますように、業務改善命令、指示命令、約款変更命令、懲戒等に係る措置。それから、許可などの取消処分、営業停止命令、こういったものが重要になってくるということでございます。

こういった原則に、今回の金融商品取引法の改正を照らして考えますと、2ページ目の後段、下のほうになりますけれども、今回の改正によりまして、業務改善命令あるいは6か月以内の業務停止命令、さらには、業務廃止命令、こういったことを発動することが可能となっておりまして、従来の簡素な行為規制に比べますと、行為規制は大幅に強化もされていると。例えば、顧客に対する誠実義務でございますとか、広告の規制断定的判断の提供禁止、適合性の原則、こういったものが、新たに適用されるということになっておりますので、この適用除外の判断を定める2つの原則のマル1のところにありますような是正措置というものは整備されているといえるのではないかと考えております。

基準のマル2のところでございますけれども、法目的との関係で是正措置の発動が可能かどうかということでございますけれども、金融商品取引法の法目的を見ますと、投資者の保護に資することということが目的の中に含まれてございます。

投資者は、特定商取引法でいう購入者概念を含んでございますので、こういった投資者の保護のために、是正措置が行われ得るということで、マル1のところで御覧いただいたような、さまざまな措置が発動可能ということがいえるのではないかと考えてございます。

3ページ目を御覧いただきますと、先ほど少し申し上げましたけれども、プロ向けファンドに出資を行うことができる者の範囲も絞っておりますので、こういう一定の条件を満たすものだけが出資できるということで、消費者たる一般投資家が望まない取引に巻き込まれる蓋然性は極めて低くなっているのではないかと考えてございます。

以上、考えますと、今回の改正した金融商品取引法に規定をいたしております、適格機関投資家等特例業務につきましては、特定商取引法の適用除外とする旨の施行令の改正を行うことが適当ではないかと考えてございまして、この点につきまして、お諮り申し上げたいと思っております。

以上が、金融商品取引法に絡む部分でございます。

続きまして、電気事業法の改正に絡む部分が資料2のところでございます。

この電気事業法の改正は、クーリングオフの適用除外をどう考えるかというところでございまして、もともと特定商取引法の中にもクーリングオフの適用除外を26条で定めてございます。

一番上の黒丸のところに引用させてございますけれども、契約の締結後、速やかに提供されない場合には、その提供を受ける者の利益を著しく害するおそれがある、役務として政令で定める役務の提供と。こういったものは、クーリングオフの適用除外、消費者保護のためにクーリングオフをあえてかけないということが適当ではないかとされているものでございます。

現在の特定商取引法施行令において、この電気事業法との関係で申し上げますと、一般電気事業と、特定電気事業、これが、クーリングオフの適用除外ということになってございます。

一般電気事業というのは、いわゆる地域別の10電力と呼ばれているところでございまして、特定電気事業というのは、特定の供給地点において、需要に応じて電気の供給をする事業ということで、有名なのは、六本木ヒルズの六本木エネルギーサービス株式会社のようなものが該当するということでございます。

この一般電気事業と特定電気事業につきましては、日常生活において、電気は不可欠なものでありますので、この供給を受ける消費者の利益が害されることのないように、その特定商取引法上の適用除外ということで、事業者のクーリングオフ回避に伴う8日間の履行遅延ということにならないようにしようということになっているわけでございます。

他方で、一般電気事業者、それから、特定電気事業者につきましては、供給義務が課されているというのが、現状の状況でございます。

この電気事業法の改正につきましても、先の通常国会で成立をしたわけでございまして、来年の4月から施行予定と承知をいたしておりますけれども、下から2番目の黒丸のところにございますように、今回の改正によりまして、電気の小売業への参入の全面自由化ということが図れることになるとともに、事業類型を変更しようと、こういう所要の改正が行われることになっております。

これに伴いまして、クーリングオフの適用除外につきましても、もう一遍整理をしないといけないということで、消費者委員会にお諮りを申し上げたいということでございます。

2ページ、今回の改正によりまして、事業類型の変更をするということを申し上げましたけれども、これまでのような一般電気事業者、送配電、小売というのを一気通貫でやる事業者、こういったもの、あるいは特定電気事業者といった区分を廃止いたしまして、発電されてから需要家に供給するまで、発電なら発電、送電なら送電、小売なら小売と、こういう形で区分をもう一遍規定し直すということになっております。

小売への全面自由化ということが、今回の改正に盛り込まれてございますので、従来と異なりまして、小売電気事業者については、一般的には供給義務を課されることがなくなるということでございます。さまざまな競合関係の中で、誰かが基本的には供給をする。消費者にとっても、自由にそれを選択ができると、こういう環境が整うということでございます。

他方で、消費者が電気の供給を、その結果、一切受けられないという状況は、避ける必要がございますので、この新しい電気事業法のもとで、一般送配電事業者というものについては、最終保障供給あるいは離島供給ということで、電気の供給を拒んではならないという供給義務が残っているということでございます。

今回の、この改正等、特定商取引法上のクーリングオフとの関係ということを考えますと、3.のところでございますけれども、基本的には、小売は全面自由化ということでございますので、小売の電気事業者が訪問販売などで、消費者と電気の供給契約を締結した場合は、クーリングオフの対象にするということかと思っております。

従来は、消費者との関係で、クーリングオフの対象にはなっていなかったわけでございますけれども、これを全面自由化というものを踏まえて、原則、クーリングオフの対象にするということでございますが、他方で、下から3番目の黒丸でございますけれども、新しい電気事業法のことで、一般送配電事業者の最終保障供給、離島供給と、ここについては、消費者にとって供給されないと、生活の支障を来す電気の供給になってくるということでございますので、特定商取引法26条の3項2号のクーリングオフの例外、適用除外でございます、契約の締結後、速やかに提供されない場合には、その提供を受ける者の利益を著しく害するというものに該当するものと考えてございます。

こういうことから、一般的には、クーリングオフの対象となるわけでございますけれども、この最終保障供給、それから離島供給によって提供される部分につきましては、クーリングオフ規定の適用除外ということに改めてしていかないといけないのではないかと考えておりまして、この点、お諮り申し上げたいと思っております。

併せまして、一番下の黒丸のところでございますけれども、電気事業法改正の附則で経過措置を定めてございます。これは、施行後も、登録措置とか、さまざまな行政上の手続に必要な期間を要する場合があるということでございますとか、あるいは、契約が施行日をまたいでされているケースとか、さまざまあるわけでございまして、こういった経過措置的な部分につきましては、旧電気事業法の従前の一般電気事業者、特定電気事業者に対応する者が、従前と同様に供給することが義務付けられております。

したがいまして、ここも同様にクーリングオフ規定の適用除外ということにすべきではないかと考えてございまして、この点もお諮り申し上げたいと思ってございます。

すみません、説明を短くし過ぎたかもしれませんが、以上でございます。御質問をいただければと思います。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

御質問、御意見のある方は、発言をお願いいたします。

池本委員、どうぞ。

○池本委員長代理 池本でございます。御説明ありがとうございました。

まず先に、電気の共有に関する規定について意見を申し上げたいと思います。

まず、適用除外を定めるという結論については、全くそのまま賛成するものであります。

特に、従来も、例えば、都市ガスのように地域独占になるものについては、適用除外にするけれども、LPガスのように自由競争の世界でやるものについては、やはり、トラブルが懸念されるし、現に存在しているということで、それは、適用対象になっていたと。

今回、電気の小売が自由化されるので、そこは非常に懸念されていたところですが、今後は、一般電気事業者であったものも、小売事業については、自由競争の中で、同じ条件でやっていくということになれば、既存の事業者も含めて、特定商取引法の適用対象にするということは、適切な判断だろうと考えます。

その上で、最終保障供給、離島供給というものは、これは、必ず供給しなければならない。まさに日常生活に支障が生ずることがないようにするためのものなので、ここだけ適用除外という意味では、従来の適用除外の考え方の線に即しているものではないかと考えて、これについては賛成したいと思います。

もう一件も、両方含めてよろしいですか。

○河上委員長 どうぞ。

○池本委員長代理 もう一件の適格機関投資家等特例業務ですが、これも結論として適用除外にするという結論は、異論はないのですが、考え方の問題、説明付けについては、少し条件を付す必要があるのかなと思います。

と申しますのが、資料1-2の2ページ目で、適用除外の要件のところで、マル1は、従来の簡素な行為規制から、今回、行為規制が大幅に拡充されたということと、つまり、これは是正措置が整備された。

それから、マル2について、法目的との関係で是正措置の発動が可能と、この2つでクリアしているという整理で、プロ向けファンドの募集対象者の範囲を保有資産や投資経験で限定したというのが、なお書きになっています。私は、むしろ、これも含めてぎりぎり適用除外になると考えるべきだというふうに整理すべきだというところです。

なぜならば、金融商品一般については、単なる行為規制だけではなくて、事業主体についての財務業務基盤の規制あるいは監督が、それと行為規制とセットで金融商品取引法上の事業者は適用除外にされているのですが、この特例業務のところは、財務業務基盤の規制、監督がないわけです。

その代わりに、行為規制の個別の適合性の原則を入口規制としてプロ向けファンドに参加できるものが、ある意味ではセミプロのレベルまで限定しているということと、この行為規制と合わせて読み取れば、消費者被害の懸念がある程度担保されるということで理解できるのではないかと。

そういうふうにしておかないと、今後、金融商品分野で一定の行為規制が入ったから、それで、これも除外だ、これも除外だとなっては困るので、ちょっと考え方の点で、今のような条件付けを、別に記載をどう変えるということではないのですが、そういう考え方を前提に賛成したいと思います。

以上です。

○河上委員長 ありがとうございました。

何か、今の話についてお答えすべきことはございますか。

○消費者庁桜町取引対策課長 この紙で整理をさせていただきましたのは、この2ページの2.のマル1、マル2に、これが従来からの運用上のルールであり、各省との関係でも、こういうルールでやるということになっておりますので、それに該当するか、しないかということで整理をさせていただいたところでございますけれども、今、池本委員がおっしゃった点は、非常に重要であるということは、我々も十分理解しておりまして、さまざまな理解の仕方ができるのではないかと思っております。

○河上委員長 金融庁としては、適格機関投資家の話に関しては、いかがですか。

○金融庁大江市場企画室長 マル1、マル2の基準と、出資者の範囲をセミプロに限定しているということとの合わせ技というようなお考えと理解させていただきました。金融商品取引法は、制定されたときから、規制の柔軟化ということで、業者のさまざまな態様に応じて規制にも段差を設けているということでございますが、委員ご指摘の点も重要かと思います。ありがとうございます。

○河上委員長 ほかには、いかがでしょうか。

増田委員、どうぞ。

○増田委員 金融商品取引法に関してですけれども、特例業務届出者の届出の条件、受理するときの条件というのが、非常に重要ではないかと思います。

特定商取引法の適用除外になりますので、入り口のところ、根本のところ、どういう事業者が、届出をして実行していくのかというところだと思いますので、その辺りの手当というのは、どのようにされているのかということが、1つ質問です。

もう1つ、電気事業法に関しては、いわゆる法定書面の部分が、どういう事項を記載するようになるのかというところが、一般の方にとっては重要ではないかと思います。いわゆる商品、役務の性能とか、その辺りのところを書くに当たって、例えば、電気がどういう形で作られていて、どの会社が提供しているのかとか、そういうことまでお書きになるのか、これからお決めになるのだろうと思うのですけれども、そうした記載事項については、どういうことになるのかをお伺いしたいと思います。

○河上委員長 よろしくお願いします。

○金融庁大江市場企画室長 では、金融商品取引法の関係からお答えさせていただきます。

今回のプロ向けファンドの販売を行う届出業者につきましては、届出者の要件というのを金融商品取引法改正によって定めておりまして、まず、欠格事由としまして、過去5年間刑事罰に処せられていないかと、犯罪の履歴がないかといったようなことを要件としておりまして、過去にそういった経歴がある者は、届出を受け付けないという形にさせていただいております。

また、届出書につきましても、そういったことがきちんと確認できる書類ですとか、あるいはファンドを通じてどういうことをやるのかですとか、どういう人を勧誘対象にするのかといったようなことも含めまして、届出の要件とさせていただいております。

○資源エネルギー庁小川電力市場整備室長 続きまして、電気事業法についてのお尋ねについてですけれども、今、お尋ねのあった点については、新たに設立されました電力取引監視等委員会という独立の委員会で、今、まさに、議論がなされているところです。

そこでの議論では、まず、記載内容として、あるいは説明の中身として、当然に料金の内容、内訳、それから、解約の条件とか、そういう一般的なところは、当然に説明をするというところなのですが、お尋ねの、ある意味、どういう電源なのかというところについては、今も議論が続いているところです。

それといいますのも、一般的な商品やサービスですと、まさにおっしゃったような服であれば、その素材の違いなどが出てくるわけですけれども、電気の場合には、ここに来ている電気も向こうに来ている電気も、いわゆる電源、何で発電したかというのと、直接には紐付いていませんで、原子力も火力も、再エネも全部発電されたものが、大きなネットワークの中に一度入って、そこから、皆等しく受けているものですから、1対1には対応していないと。そういう状況の中で、お尋ねのあったような、どこから来ているのかというところ、抽象的には概念で切るのですけれども、必ずしも紐付いていないものですから、そこをどのように表示するのかというところと、誤った表示をしないというところの議論と、あるいは、そういうのを今度、表示させるべきだという義務的な話がありまして、御質問のあった義務的なところについては、今の議論の状況ですと、それを義務とまでするのは、どうなのかという意見が、委員の中では、どちらかというと多いのですけれども、そこは、まだ結論は出ておりません。

○河上委員長 よろしいですか。

電気には顔がないから、それは、そういうことになるのでしょうけれども、少なくとも特定の電源からの電気であるということを前提にして取引をする。それで、いろいろな条件が決まるということであれば、そこは、特定しないといけないのではないかと直感的には思いますけれども、そうではないのですか。

○資源エネルギー庁小川電力市場整備室長 今の御指摘は、例えば、私の電気は、再エネ由来ですという場合には、当然、きちんとそこを明確にしなければいけないわけですけれども、普通に東京電力が売っている電気について、あるいは新しく新規に参入した会社が、取引所とか、いろんなところから調達してくるものについて、必ず明示しなければいけないかなというところ、表示するのは、むしろウェルカムなのですけれども、それをしないと、罰則までいく、ある意味、義務的な行為になるか。

それで、少し委員会での議論を御紹介しますと、一般的に、そういう表示義務が課されているのは、安全とか、安心とか、あるいは不服もそうですけれども、何か身体に影響を与え得るとかいうところではあるので、特に法律学者の方からは、電気の表示があると選択し易くなるというのは、これは、皆さん一致しているのですけれども、それがないと、どんな害があり得るのかというところで、必ずしも義務でなくていいのではないかという意見が多く出されています。

○河上委員長 増田委員、どうぞ。

○増田委員 何か想定される害というということですと、例えば、自分のところの電気は、非常に環境に優しいとか、そういうことを説明して売るということが、普通には想定できるわけで、それが、実際にはいろいろなところから入ってきている電気で、必ずしもそれが100%ではないということであれば、説明と実態が違うということになります。消費者としては根拠を確認する術がないのかなと思うのですね。その説明と実態との。

だから、例えば、100%何々ですとか、あるいはいろいろな電気が入っていますと書いてあるのであれば、また別なのですけれども、何か書き方に工夫がされるようなことができるのかなと思います。

○資源エネルギー庁小川電力市場整備室長 ありがとうございます。

少し御説明が不十分だったのですけれども、まず、全員に表示をすることを義務付けるかというと、それに対しては、ややネガティブですということと、一方で、おっしゃったように、誤認を生じさせないように、表示をする以上は、しっかりこういう方法でやりましょうと、そちらのほうは、ある意味、コンセンサスになっておりますので、私は、再エネです、クリーンですと言いながら、実態は違うではないですかということがないように、自分でそれをセールスポイントとして売っていく場合には、きちんと根拠を出すと。ただ、そうしないで、別に、うちの電気は安いのですと言っている人に、どこから調達しているのだよというようなところを義務として課すのはどうかという議論がなされているということになります。

○河上委員長 ほかには、いかがでしょうか。よろしいですか。

ほかにないようでしたら、ここまでにいたしますけれども、本日の議論では、特に諮問内容そのものについては御異論がなかったと判断されますので、今の点を前提にして答申案を配付していただきましょうか。

(答申(案)配付)

○河上委員長 よろしいでしょうか。ただいまお手元に2種類の答申書が配付されたかと思います。

1つは、「平成27年11月24日付け消取引第1226号をもって当委員会に諮問のあった下記事項については、特定商取引に関する法律の趣旨に鑑み妥当であり、その旨答申する。」としている金融商品取引法改正関係の諮問に対する答申案です。

もう1つは、「平成27年11月24日付け消取引第1227号をもって当委員会に諮問のあった下記事項については、特定商取引に関する法律の趣旨に鑑み妥当であり、その旨答申する。」としております、電気事業法改正関係の諮問に対する答申案です。

これらをそれぞれ委員会としての答申としてよろしゅうございましょうか。

それでは、この答申案については、皆様の御了解をいただいたということで「(案)」をとっていただいて答申とさせていただきたいと思います。

消費者庁、金融庁、資源エネルギー庁におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。

(消費者庁、金融庁、資源エネルギー庁退室)

○河上委員長 続きまして、学校教育法改正に伴う特定商取引法施行令及び割賦販売法施行令の改正及びその手続についてでございます。

事務局のほうから、説明をお願いいたします。

○丸山参事官 お手元のほう、配付資料の中のところに参考資料1という肩書きで記されているものがあるかと思います。そちらのほうを御覧いただければと思います。

まず、1ページ目でございますけれども、真ん中辺りに2.と書かれている部分がございます。

学校教育法におきましては、これまで、我が国の義務教育を担う学校といたしまして、6年制の小学校、それから、3年制の中学校が規定されているのみでありましたけれども、今般、学校教育法等の一部改正をする法律により、新たに9年制の小中一貫教育を制度化した義務教育学校という仕組みが導入されました。

この義務教育学校につきましては、学校教育法第1条の改正によりまして、同法上の学校の1つとして義務教育学校が追加されており、学校教育法第1条に規定する学校の中に、義務教育学校が含まれることとなったということです。

こちらのほう、義務教育学校の課程につきましては、前期課程の6年と後期課程の3年に区分されまして、前期課程は、小学校の設置目的と同じ趣旨を目的としている。

それから、後期課程につきましては、中学校の設置目的と同じ趣旨を目的として設置されているということです。

他方でありますけれども、1ページの上部、1.を御覧になっていただければと思います。

特定商取引法におきましては、第41条第2項におきまして、特定継続的役務を政令で定めることとされております。

また、割賦販売法におきましては、第2条第5項におきまして、指定権利を政令で定めることとされております。

次のページ、3.を御覧いただければと思います。

特定商取引法施行令におきましては、いわゆる家庭教師について、特定継続的役務に定められておりますけれども、小学校の入学試験に備えるためのものについては、適用対象外となっております。

この関係で、改正学校教育法により導入される義務教育学校につきましては、従来の適用対象と整合させるために、小学校に相当する部分につきまして、この前期課程を適用対象外とする一方で、中学校に相当する部分であります、後期課程、こちらのほうにつきましては、適用対象とする改正を行う必要があります。

また、2ページの下の4.のほうを御覧になっていただければと思います。

割賦販売法施行令におきましても、指定権利といたしまして、いわゆる家庭教師について、同様の規定が置かれていることから、特定商取引法施行令と同様の改正を行う必要があるということになります。

本来、特定商取引法、割賦販売法の施行令を改正する際には、当委員会への諮問、答申手続を経る必要がありますが、本件につきましては、改正学校教育法におきまして、義務教育学校という概念が加えられたことに伴う形式的な改正ということでありまして、実質的には、内容に関わる変更はございませんので、諮問、答申手続については、省略してよろしいのではないかと考える次第です。

以上で説明を終わります。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

以上のとおり、学校教育法の改正に伴う特定商取引法施行令、それから、割賦販売法施行令の改正は、形式的な改正になりますので、諮問、答申の手続を省略することとしたいということですけれども、何か御意見はございますでしょうか。

鹿野委員、どうぞ。

○鹿野委員 結論から言いますと、今回は、学校教育法の改正に伴って、特定商取引法の従来の適用対象について整合させるための、いわば形式的な改正ということで、諮問及び答申の手続を省略するということについては、異論はございません。ただ、一言更に申し上げたいと思います。これは、将来に向かってということであります。特定商取引法の別表第4の3項のいわゆる家庭教師については、小学校、幼稚園の受験指導が、現在は適用対象外とされているのですけれども、この点ついて、果たして今後も適用対象外としたままにするのが適切かどうかということについて、改めて検討する機会を設けてはどうかと思います。

と申しますのは、既に一部の地域においては、小学校の入学、さらには、既に幼稚園の入園に向けた競争が激化しているようにも伺っておりますし、さらに、今回の学校教育法の改正によって、いわゆる9年制の学校というものが現れてくるとしますと、小学校の入学というものが、一層重視されてくる可能性もあります。

それにより、これらの入試のための家庭教師の需要も増してくると思われます。そこで、これらに関するトラブルの実態がどのようなものかも踏まえて、一度検証をする必要があるのではないかと、そういうふうに考えております。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

ほかには、いかがでしょうか。

樋口委員、どうぞ。

○樋口委員 今の鹿野委員の御意見に賛成です。

今回の改正で、これまでと平仄を合わせて、義務教育学校については、後期課程に係るものに限るというふうに書いたわけですけれども、将来議論を進める過程において、この内容が義務教育学校については、後期課程に限るのだという形で議論が延長されるということは、適当ではないと思います。あくまでも、これは、現行規定の中での議論だと。将来、そういったことについて、在り方の議論をした場合には、そこについては、白紙で考えるべきではないかと思いますので、念のため。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

仮にその部分も修正をお願いするとなると、これは、本法のほうの改正の問題になりますので、現時点では、いかんともし難いところがあります。鹿野委員、それから、樋口委員が御指摘のように、それはそれとして、将来の課題としては残しておくということで、今回は、義務教育学校というものを導入したことによる、ある種のハネ改正であり、概念として、同じものをもう1つ付け加えるという形式的な改正になります。その限りで諮問、答申の手続を省略していくということでよろしゅうございましょうか。

どうもありがとうございます。

では、学校教育法改正に伴う特定商取引法施行令及び割賦販売法施行令の改正については、諮問、答申の手続を省略したいと思います。

なお、今後も形式的な改正であったとしても、諮問、答申の要否等については、その都度、当委員会の確認を求めていただくように、事務局で取り計らっていただきたいと思います。勝手に、これは形式的だからいいやというふうにはしないようにということです。

どうもありがとうございました。

≪3.その他≫

○河上委員長 続きまして、議題のその他といたしまして、新開発食品の調査部会から報告がございます。

これは、阿久澤部会長から説明をお願いいたします。

○阿久澤委員 それでは、特定保健用食品の表示許可に係る答申について、私から御報告いたします。

平成27年10月16日に開催した、第28回新開発食品調査部会の議決について、新開発食品調査部会設置運営規定、第7条に基づき、委員長の同意を得て、委員会の議決とし、11月10日付けで内閣総理大臣へ答申を行いました。

参考資料2の答申書を御覧ください。

その裏面に品目の説明が記載されております。お腹の調子を健やかに保ちたい方や、お通じの気になる方への大麦若葉由来の食物繊維という品目でございます。

これについて、内閣総理大臣より諮問を受けて、第28回新開発食品調査部会において、安全性及び効果について審議を行った結果、特定保健用食品として認めることといたしました。

私からの報告は、以上となります。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

これは、私のほうで同意をして、そのまま消費者委員会での同意ということになります。御報告をいただいたということで、よろしくお願いいたします。


≪4.閉会≫

○河上委員長 本日の議題は、以上になります。

最後に、事務局から今後の予定等について説明をお願いいたします。

○丸山参事官 次回の本会議の日程、議題につきましては、決まり次第、委員会、ホームページ等を通じてお知らせさせていただきます。

なお、この後、委員会打合せを開催いたしますので、委員の皆様におかれましては、委員室のほうに御移動いただくよう、よろしくお願いいたします。

○河上委員長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)