第177回 消費者委員会本会議 議事録
日時
2014年11月4日(火)17:00~18:55
場所
消費者委員会大会議室1
出席者
- 【委員】
- 河上委員長、石戸谷委員長代理、阿久澤委員、岩田委員、齋藤委員、高橋委員、夏目委員、橋本委員、山本委員
- 【説明者】
- 消費者庁 竹田 食品表示企画課長
- 消費者庁 食品表示企画課担当者
- 消費者庁 加納 消費者制度課長
- 【事務局】
- 井内審議官、大貫参事官
議事次第
- 開会
- 消費者安全について(子どもの安全)
- 機能性表示食品について
- 消費者庁 竹田 食品表示企画課長
- 消費者庁 食品表示企画課担当者
- その他
- 消費者庁 加納 消費者制度課長
- 閉会
配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)
- 議事次第(PDF形式:73KB)
- 【資料1】 教育・保育施設等における事故情報の収集及び活用に関する建議(案)
- 【資料2】 機能性表示食品関連資料(消費者庁提出資料)
- 【資料2‐1】 食品の新たな機能性表示制度に係る食品表示基準(案)の概要(PDF形式:197KB)
- 【資料2‐2】 食品表示基準(案)新旧対照表(PDF形式:197KB)
- 【資料2‐3】 食品の新たな機能性表示制度の概要
- 【資料2‐3_part1】 食品の新たな機能性表示制度の概要1から7ページ(PDF形式:891KB)
- 【資料2‐3_part2】 食品の新たな機能性表示制度の概要8から16ページ(PDF形式:715KB)
- 【資料2‐4】 食品の新たな機能性表示制度に関する検討会報告書概要(PDF形式:333KB)
- 【資料2‐5】 食品の新たな機能性表示制度に関する検討会報告書(PDF形式:679KB)
- 【資料2‐6】 消費者委員会からのヒアリング事項に対する回答(PDF形式:172KB)
- 【資料2‐7】 諮問書(PDF形式:332KB)
- 【資料2‐1】 食品の新たな機能性表示制度に係る食品表示基準(案)の概要(PDF形式:197KB)
≪1.開会≫
○河上委員長 それでは、時間になりましたので始めさせていただきます。
本日は、皆様お忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございます。ただいまから「消費者委員会第177回本会議」を開催いたします。
また、本日は所用によりまして唯根委員が御欠席、山本委員が若干おくれて出席の予定となっております。
それでは、配付資料の確認につきまして事務局からお願いいたします。
○大貫参事官 議事次第にあります配付資料のとおりですが、資料1が「教育・保育施設等における事故情報の収集及び活用に関する建議(案)」関係で1-1から1-3、資料2が「機能性表示食品関連資料」ということで2-1から2-7、あとは参考資料の1、参考資料の2、以上をお配りしております。
不足がございましたら、事務局まで御連絡いただくようお願いします。
≪2.消費者安全について(子どもの安全)≫
○河上委員長 それでは、早速ですけれども、本日の議題は「消費者安全について(子どの安全)」というものであります。この件につきましては、9月30日と10月7日に第172回、第173回、それぞれの消費者委員会の本会議において関係府省庁のほか、有識者、事業者団体からヒアリングを行いました。それを踏まえて引き続き検討を行い、今般建議及び調査報告の案を取りまとめるところまでまいりました。
それでは、建議、それから調査報告の内容について、現段階のものを齋藤委員から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○齋藤委員 では、私から説明いたします。
現在、国を挙げて子ども・子育て支援の取組が進んでいる中で、消費者委員会では消費者の安全確保の観点から教育・保育施設等における事故情報の収集・分析・活用の実態と、あるべき姿について調査・審議してまいりました。
消費者委員会では、平成23年7月に「消費者安全行政の抜本的強化に向けた対応策について」の建議を行い、消費者庁と関係省庁に対して消費者安全法上の通知義務の励行や、協議の場を設けて改善を図ることを求めております。今回の調査・審議は、3年前のこの建議の実施状況をチェックすることにもなります。
結論からいいますと、事故情報の収集と活用は依然として不十分であることが判明したので、具体的に講じるべき措置を建議すべきであると考えております。
お手元の資料1-1の建議(案)と、資料1-2の建議(案)概要をもとに「教育・保育施設等における事故情報の収集及び活用に関する建議(案)」の要点を説明いたします。
まず、資料1-2の「建議の概要(案)」の1ページを御覧ください。1枚めくったところにあります。「教育・保育施設等における事故の現状」をまとめています。厚生労働省の統計では、保育所・放課後児童クラブ等において平成22年~25年の間に死亡事故を含む約1,000件の事故が発生し、毎年、後を絶たない状況です。昼寝中の死亡、川遊び中に流される死亡、食べ物がのどに詰まる窒息死などの例があります。
次の2ページ目は、教育・保育施設等における事故情報が厚生労働省・文部科学省・地方公共団体から消費者庁に消費者安全法に基づいて適切に通知されていないため、消費者庁のほうで事故情報が一元化されていない現状を示しています。
3ページ目の左側には、その背景が書かれています。事故情報を収集する仕組みが整備されていない施設や事業があります。また、教育・保育施設等を所管する文部科学省、厚生労働省、地方公共団体の担当部局において、消費者庁に事故情報を一元化することの意義が十分に理解されていません。
本来、消費者庁には事故情報を一元的に収集し、消費者行政の司令塔として注意喚起を図るという消費者庁創設のきっかけになった重要な使命があります。消費者庁には、政府全体で被害拡大や再発防止策を講ずるために事故情報を適切に収集し、それを共有するようにしていくことが求められます。
このような問題意識のもと、消費者委員会は調査・審議の結果を踏まえ、本日内閣府特命担当大臣(消費者、少子化担当)、文部科学大臣、厚生労働大臣に対して次のとおり消費者庁及び消費者委員会設置法に基づく建議を行いたいと思います。
建議内容については、資料1-1の3ページを御覧ください。大きく2つの建議事項があります。
建議事項1は、「事故情報の収集」に関するものです。教育・保育施設等において消費者事故等が発生した場合、政府全体として事故の発生状況を的確に把握し、被害の拡大と再発の防止を図るため、消費者庁、内閣府、文部科学省、厚生労働省が密接に連携して次の3つの措置を講ずることを求めます。
以下、内閣府、文部科学省、厚生労働省の3府省を総称して関係府省といいます。
第1は、関係府省が来年4月の子ども・子育て支援新制度の施行に向けて、今年の9月から開催している教育・保育施設等における重大事故の再発防止策に関する検討会に関するもので、事故情報収集の仕組みを検討する際に消費者庁の協力を得て、消費者庁に事故情報を一元的に集約することを定めている消費者安全法第12条に基づく通知制度を含めて検討することです。
第2は、現在、事故情報を収集する仕組みのないベビーシッター事業や、十分に事業の実態を把握できていない小規模の認可外保育施設について、厚生労働省が事故情報を適切に収集する仕組みを構築することです。
第3は、消費者庁が消費者安全法第12条の事故情報通知制度に関して、通知する事故の範囲や通知方法を継続的に関係府省に周知し、必要に応じて通知を督励すること。そして、教育・保育施設等で消費者事故等が発生した場合には、関係府省がこの第12条に従って事故情報が漏れなく消費者庁に通知されるようにすることです。
このため、関係府省は通知対象の情報が地方公共団体の教育・保育施設等担当部局から所管府省を経て消費者庁に通知される方法を含めて検討し、合わせて地方公共団体を通じて教育・保育施設等に対し、事故情報を報告するよう協力を求めていただきたい。
次に、この資料の7ページを御覧ください。建議事項の2つ目は、集約した「事故情報の分析及び活用」です。集約した教育・保育施設等における消費者事故等の情報が被害の拡大及び再発の防止に向けて確実に活用されるよう、消費者庁と関係府省が密接に連携して講じていただきたい5つの措置を挙げています。
第1は、関係府省が子ども・子育て支援新制度の実施に向けて事故被害の拡大及び再発の防止に役立つ情報をフィードバックできるよう、所管府省だけでなく、施設等の運営主体やその団体、それから地方公共団体の教育・保育担当部局等を交えて教育・保育施設等の現場のニーズを的確に把握するための検討を行うことです。新制度実施後も、この検討を継続して改善を図っていただきたい。
第2は、関係府省が教育・保育施設等で発生した事故の情報を集約して得た再発防止のための知識や注意喚起などの情報を、新制度に移行しないものも含め、全ての教育・保育施設等にフィードバックすることです。
また、教育・保育施設等で発生する子どもの事故は家庭の子育てでも起こる可能性があります。消費者庁は、子育て世帯にも情報が届くように取り組んでいただきたい。
第3は、消費者庁が関係府省における上記の(1)及び(2)の検討状況や実施状況を把握して、関係府省のフィードバック活動に役立つように事故情報を提供することです。そのためには、消費者庁が保有するデータベースや情報伝達手段を活用することです。
具体的な取組事項を2つ挙げます。
まず、教育・保育施設等に向けて事故情報のフィードバック資料を作成するに当たっては、「事故情報データバンク」などが役立つことを関係府省の協力を得て地方公共団体に周知することです。
次に、保育従事者や子育て世帯に「子ども安全メール from 消費者庁」に登録して直接情報を入手するよう促すなど、プッシュ型の配信方法の一層の活用を促進することです。
続いて第4は、関係府省は現在事故再発防止検討会で事故情報のデータベース化を検討していますが、その中で消費者庁の「事故情報データバンク」や独立行政法人日本スポーツ振興センターの「学校事故事例検索データベース」など、既存のデータベースとの整合を図り、それらを活用することも検討していただきたい。
第5は、関係府省及び消費者庁に対する事項です。教育・保育施設等における消費者事故等の検証には、個々の事故を検証することと被害の拡大・再発を防止するための知見を得ることの2つの目的があります。前者では公正性を確保する必要があり、後者では全国で発生する事故を地域や施設等の種別にかかわらず横断的に分析することが有効です。それぞれの目的を実現するため、適切な検証体制の構築に向けた検討を行っていただきたい。
以上の建議事項について、内閣府、消費者庁、文部科学省、厚生労働省は着実に履行し、教育・保育施設等における事故の再発防止等に努めていただきたいと思います。以上です。
○河上委員長 ありがとうございました。それでは、ただいまの内容について御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。
石戸谷委員、どうぞ。
○石戸谷委員長代理 事故情報の一元的収集の問題は、消費者庁を創設する大きな契機になったことでありまして、消費者庁関連三法案の審議を傍聴している際には、毎回のようにこの問題が取り上げられたなと思いまして、議事録を確認してみましたが、衆議院のほうの特別委員会では14回の委員会のうち9回、参議院の特別委員会では8回の委員会のうち7回、この問題が取り上げられています。
財産被害の情報の問題も取り上げられておりましたけれども、ほとんどが生命・身体の安全の被害情報でありまして、中国産餃子であるとか、ガス器具の死亡事故、エレベーターの死亡事故、こんにゃくゼリーの死亡事故などの重大事故が審議の都度、取り上げられて、情報の一元的収集の重要性と消費者安全法、事故情報データバンクなどの在り方について審議を行って、再発の防止のために安全法を生み出したという関係であります。
特に参議院の特別委員会のほうでは附帯決議の14項でこの問題を取り上げるとともに、児童とか高齢者などの事故情報について特別な配慮を要請しているところであります。
無論、安全法をつくったからといって自動的に情報が収集されてくるわけではなくて、当初から収集のための課題というのは指摘されておりましたので、どうやって一元的に収集できる仕組みを構築するかというのが課題だったのですが、先ほど御紹介がありましたとおり、安全法施行後2年を経過した平成23年の7月に、不十分であるということで消費者委員会のほうで建議を出し、そこから3年経過して再び不十分であるということで建議を出さなければいけないという状態は非常に残念な事態だと考えております。
消費者事故の一元的収集と分析とその活用は非常に重いテーマでありまして、関係省庁、地方自治体におかれてはぜひこの建議を徹底していただいて、再びこういった建議を出す必要がないようにくれぐれもお願いしたいということを申したいと思います。
○河上委員長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。特によろしいですか。
岩田委員、どうぞ。
○岩田委員 齋藤さんが冒頭御説明されましたし、石戸谷先生もおっしゃったとおりなのですが、このタイミングでこの建議を出すことの意味というのを、重ねてではあるのですけれども、私のほうからも発言したいと思います。
私は3つあると思っているのですが、1つは保育所や幼稚園などの子どもの事故がここ数年、事故自体が減っていないということです。それが第1の要素だと思うのですが、なぜ減らないかということについてはやはり事故情報がしっかり共有されていない、あるいは事故の原因分析、そして再発防止の手だてが不十分であると言わざるを得ないと思うんです。これが第1点目です。
第2点目は、消費者事故情報の収集の一元化ですとか、その活用の仕組みについて消費者安全法でその仕組みができている。形はあるのです。形はあるのですけれども、それが全くといっていいほど機能していないというのが、私たちの調査でわかりました。子どもの事故というのは各省が所管するいろいろな施設の種類は違いますけれども、それを横断して共有の原因で起こり得るものですから、情報の一元化の仕組みが一応はあるけれども、それが全く機能していないというのはやはり深刻な問題だと思いました。
第3点目は、ちょうど来年4月から子ども・子育て支援の新システムがスタートするというタイミングで、新しいシステムのスタートと合わせて事故情報の一元的な収集、そしてそれの活用が今度こそ形だけではなくて実効性を上げてほしいということから、このタイミングでこの建議を出すということになったと私は理解しております。
ですから、子どもに関する事業を所管している厚生労働省、文部科学省、内閣府、消費者安全法を所管している消費者庁宛の建議になっているわけですけれども、ぜひ正面から受けとめていただいてしっかり実行していただくということを強く希望したいと思います。
○河上委員長 ありがとうございました。今、教育・保育施設等における重大事故の再発防止策に関する検討会というものが開かれていると承知しておりますけれども、その検討会においても十分この建議が反映されることを期待したいと思います。
ほかにいかがでしょうか。特に修正意見はございませんでしょうか。
それでは、この建議(案)については皆様の御了解をいただいたということで「(案)」を取らせていただきまして、消費者だけではなくて少子化対策も含めて内閣府特命担当大臣と文部科学大臣及び厚生労働大臣宛てにこれを発出したいと考えます。どうもありがとうございました。
≪3.機能性表示食品について≫
○河上委員長 次の議題でございます。次の議題は、「機能性表示食品について」であります。消費者庁にお越しいただいているかと思いますが、いましばらくお待ちいただけますでしょうか。
(消費者庁竹田食品表示企画課長入室)
○河上委員長 消費者庁におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。この機能性表示食品というものは、食品の新たな機能性表示に関する制度として食品表示基準に新設されるもので、食品表示法の規定により10月31日付で内閣総理大臣から諮問を受けました。
食品表示基準については従前より食品表示部会で審議いただいておりますが、この件については制度が新たに設置されること、食品表示部会とは別の場で審議しております特定保健用食品、いわゆるトクホでありますけれども、このトクホの在り方との整合性などとも関連してその意義を確認する必要がある制度であることから、制度全体の確認、あるいは議論はこの本会議で行うということとしたいと考えております。
議論の結果、本会議で新制度についての一定の理解が得られれば、それを前提として、内閣府令で定められる食品表示基準については食品表示部会でその内容について御審議いただきたいと考えております。
本日は、この制度全般についてと、それからあらかじめ当方から消費者庁に出させていただいております一定の質問事項に対する回答を消費者庁の担当者の方から御説明いただきまして、その後で若干議論を行いたいと思います。
説明時間は、30分程度でお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 食品表示企画課長の竹田でございます。それでは、お手元の資料に即して御説明をさせていただきます。
御説明の進め方として、資料を一つずつということではなくて、関連の部分について飛んでいただきますので、大変お手数ですけれども、よろしくお願い申し上げます。
まず、この制度を検討するに至った経緯、背景でございますけれども、資料2-3の11ページを御覧ください。昨年の6月14日に規制改革実施計画が定められてございます。事項としましては、左側にございますように、「いわゆる健康食品をはじめとする保健機能を有する成分を含む加工食品及び農林水産物の機能性表示の容認」ということで、全ての食品について機能性表示を容認するという仕組みを考えろということになってございます。
真ん中の「規制改革の内容」のところですけれども、それではどのような仕組みとするかということであります。下から6行目の右側に、企業等の責任において科学的根拠のもとに機能性を表示できるものにしなさい、それから下から3行目、安全性の確保を含めた運用が可能な仕組みとしなさい、ということになってございます。
「企業等」の「等」につきましては、農林水産物がありますので、例えばJA農協ですとか、あるいは漁連といったような生産者団体が含まれてくるという意味で「等」がついています。
それから、「企業等の責任」でございますので、いわゆる自己認証ということになります。ある一定の基準に対して事業者が自分で適合を確認し、表示をするということでございます。そこからア・プリオリには国の関与というものは出てこないという形になってございます。
右側を御覧いただきますと、平成26年度中に結論して措置しなさいということになってございます。
1枚めくっていただきまして12ページ、検討の背景でございますけれども、これは昨年6月の総理の演説になります。1行目の真ん中からですけれども、「国民が自らの健康を自ら守る。そのためには、適確な情報が提供されなければならない。当然のことです」。今回、テーマになっていますいわゆる機能性の情報についても、それがきちんと消費者に伝わるようにしたほうがよいということであります。
それで、4行目にありますけれども、トクホにつきましてはそのような制度として措置されていますが、「お金も、時間も、かかります。とりわけ中小企業・小規模事業者には、チャンスが事実上閉ざされている」。企業の規模によってはお金、時間についてとても負担になっているということが指摘されています。
それで下から3行目になりますけれども、「農産物の海外展開も視野に、諸外国よりも消費者にわかりやすい機能表示を促すような仕組みも検討したいと思います」ということで、ここの部分にはいわゆるマーケットが拡大するといったようなことも念頭に置かれていることが示されているということでございます。
次に、現行の制度について改めて御確認いただきたいと思います。13ページでございます。現在、機能性を表示できる食品は赤い線で囲った2つがあります。いわゆる右側がトクホでございまして、これは一つ一つの食品を消費者庁が許可という形で審査をしてございます。表示については、エビデンスがある限り企業の自由でございます。
もう一つ、栄養機能食品でございますけれども、これは一定のビタミン、ミネラルについて事業者が基準への適合を自己認証して定型文を表示する。つまり、表示については企業の裁量はございません。こういう2つの製品があるということでございます。
14ページにいっていただきまして、先ほども申し上げましたように左の下にありますようにトクホにつきましてはヒト試験が必須であるために、許可の手続に時間と費用がかかり、中小事業者にはハードルが高い。
それから、左の上、栄養機能食品についてはビタミン、ミネラルの成分が限定されているということで、機能性の表示に対してこういった部分が少し負担になっている、障害になっている。そこを改めることで右側に出てまいりますけれども、「病気や介護を予防し、健康を維持して長生きしたい」という国民のニーズ、それから長寿社会をつくっていくということに応えていこう。つまり、企業の責任で科学的な根拠をもとに機能性を表示できるということになれば、消費者の方はこれまでイメージ広告で買っていたものについて、具体的な表示という根拠のもとに商品を選択できる制度になるということでございます。
右下の絵にありますように、栄養機能食品、トクホに加えて一般食品でも機能性の表示が可能になる形で制度をつくりなさいということでございました。
これを受けて我々の検討ですが、15ページになります。右側を御覧いただきますと「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」、これを消費者庁のもとに設置しまして、第1回が昨年の12月から最終の第8回が今年の7月ということで、7月30日に報告書を取りまとめて公表してございます。
その検討に当たっての基本的な考え方は16ページになります。まず三角の頭ですけれども、何よりも食品でございますので「安全性の確保」は第一である。左にいっていただきまして、機能性表示を行うに当たってはやはり一定のレベルのエビデンスが必要になる。右側にいっていただきますと、その上で適正な表示内容にして消費者の方にきちんと情報を伝えるということをもって、真ん中のピンクのところですけれども、「自主的かつ合理的な商品選択に資する表示制度」にしていく。後ほど申し上げますけれども、これは食品表示法の目的でございます。こういう制度にしていくということで、我々は制度を検討してまいりました。
次に、資料2-4のA3の横の大きな紙があると思います。こちらが、先ほど申し上げました報告書の概要ということになります。まず制度設計ということで、資料の順番はあちこちいたしますけれども、御容赦ください。右下のほうの「国の関与の在り方」、緑のところで、根拠をどこに求めるかということでございますが、(2)の「新制度の規定・適切な運用」というところにありますように、食品表示法に基づく制度として設計をすることとしています。これはなぜかということなのですけれども、加工食品及び生鮮食品に機能性の表示をするということでございますので、加工食品及び生鮮食品の表示の特例ということで食品表示法に基づく制度として運用してまいります。
次に制度の名前でございますけれども、これは報告書の概要では既存の制度との混同を避けるということで「保健」と「栄養」の文字は使用しない。「保健」はトクホに関連しますし、「栄養」は栄養機能食品に関連するということで、この2つの単語は使わないということにいたしました。
それで、どういう名称にしたかということでございますけれども、資料2-2に「食品表示基準(案)」というものがあると思います。この1ページの第2条第1項10号のところに定義を置いていまして、機能性表示食品ということで今回、制度の名前、食品のジャンルを規定してございます。
次に、またA3の紙に戻っていただきます。まずこういう食品が我々の目の前に現れるにはどういったハードルがあるのですかということですが、「同じく国の関与の在り方」のところに「(1)販売前届出制の導入」ということを書いてございます。事業者の方はこのジャンルの食品を発売しようとするときには、消費者庁にあらかじめ届出をしていただくということになります。
それで、すみません。また表示基準に戻っていただきますけれども、第2条、先ほど御覧いただいたところの10号の一番後ろのほうですね。「販売日の60日前までに消費者庁長官に届け出たものをいう」ということになっています。ある製品を販売したいときは60日前までに届けてくださいという制度にしています。
では、その届出というのはどういうものなのですかということになりますけれども、その同じく見ていただいたところの下から4行目を御覧いただきたいと思います。「当該食品に関する表示の内容、食品関連事業者名及び連絡先等の食品関連事業者に関する基本情報、安全性及び機能性の根拠に関する情報、生産・製造及び品質の管理に関する情報、健康被害の情報収集体制その他必要な事項」を届けてくださいということになっています。
こういった届出項目でございますけれども、基本的には、文字の書き下ろしは別ですが、トクホと同様の事項を届けていただく。それで、アンド・オン、追加の部分としては健康被害の情報収集体制というものがトクホには要求されてございませんけれども、今回これを要求しているということで上乗せのいわゆる規制になっているということでございます。
この届出事項の具体的な内容につきましては、トクホと同様に、通知で詳細に書き下ろすということを考えてございます。
では、この届け出されたものというのは消費者庁としてどう受け取るんですかということでございます。後ほど申し上げますけれども、こうした必要な事項が届け出られているかどうかというのは形式的な審査をいたします。自己認証でございますので、実質審査をすると許可制になり、国が責任を持つということになりますので、自己認証の世界でぎりぎりのところで形式的な審査をいたします。
形式的にきちんとしたものですねということが確認できた場合ですけれども、同じく表示基準の3ページを御覧ください。これはまた後で御説明しますけれども、資料の3ページの中段に「届出番号」というものがあります。つまり、届出が適法に行われましたということを我々が確認した際には、消費者庁として事業者に対し届出番号というものを付与します。それで、この届出番号を付与しないものはこのジャンルの商品として販売できない。義務表示事項でございますので、届出番号をもらえていないものは当然にこの商品として販売できないということをここでチェックをしていくという形を考えております。
以上が事前のチェックということで、届出制をとる内容につきまして簡単ですが、説明をさせていただきました。
では、具体的に届出をしていただく上でポイントになるのは何かということでございます。またA3の紙に戻っていただきます。届出事項でもありますけれども、左側の青のところ、安全性についてきちんと事業者が評価をしたということの書類を出していただく。それから左の下、赤いところ、機能性表示についてもきちんと評価をしましたという科学的な根拠、資料を出していただくというところが大きなポイントになります。
では、まず安全性の評価というのはどうやって行うのでしょうかということになりますけれども、まず安全性の確保で対象となる食品、成分というのはどんなものなのですかというときに、まず(1)のところを御覧ください。基本的には安全性というのは食経験で評価をしていただきます。長年、食経験を持ったということが最終的な食品の安全性の裏打ちになりますので、まずそこを評価してください。
もしそれが足りないというのであれば○の2つ目、安全性試験に関して評価をしてください。例えば、トクホのような安全性の試験の情報をきちんと評価をしてくださいということでございます。
それから、○の3つ目のところでは医薬品との相互作用・機能性関与成分同士の相互作用の知見を集めてください、ということでございます。
次に、(2)の「生産・製造及び品質の管理」でございます。これは、取組状況をきちんと記載をして届出をしてくださいということにします。
○の1つ目にありますように、企業の自主的かつ積極的な取組ということで位置づけておりまして、義務という形にはしてございません。その理由でございますけれども、大きく分けますと2つあります。1つは、今のGMPという規格が特定の民間団体が定める規格であり、これを国が義務づけるということはなかなか難しいということがあります。
それから、仮にそういうものを義務づけるということになりますと、この商品を発売するときには必ずその団体に手数料を払わなければならない。つまり、大変言葉はよくないですが、その団体の収入を確保するということで、国が特定の団体の収入を確保するということになります。そういう意味で二重に適切ではないということになります。
ただし、ということでありますけれども、事業者の方からはこの点については非常に積極的な反応をいただいておりますので、事業者団体としてもこういった取組を進めていくということで、かなり浸透していくという認識を我々は持っております。
それから、(3)の「健康被害等の情報収集」でございますけれども、これはもし事故があった場合には、必ずお客様相談センターなり、名前は問いませんが、そういうところで情報を集めて保健所ですとか消費者庁に必ず報告するような連絡体制をつくってくださいということを求めます。
ただ、企業によってその体制の組み方はいろいろあると思いますので、具体的なこういう名前の組織をこういうふうにつくらないといけないということはいたしませんが、一定の考え方はお示しをする予定です。
それから、○の2つ目は行政が情報をどう集めるかということでございます。これは皆様に一番近いところ、消費生活センターがこれに当たりますが、そういうところに被害情報があった場合には、例えばどこの社の製品ですか、どういう商品ですか、どんな症状が出ましたか、やめたら治りましたか、また飲み始めたら同じことが出ましたかといったような、必ず同じようなアルゴリズムの質問をぶつけていって、最終的にとれた情報をいただくということで確度の高いものを我々にいただくようにしたいと思っています。
資料にはございませんけれども、厚労省の26年度科研費予算で、こういった危害情報の収集・報告体制について研究結果がまとめられますので、それを踏まえた形で取り入れてまいりたいと思います。
それから、(4)でございます。これはもし事故が起こったときでございますけれども、食品でございますので当然食品衛生法等の関連法令に基づきまして、そこにありますような注意喚起ですとか、業者の処分ですとか、回収措置等を行っていきたいということでございます。
以上が、安全性の評価の点でございます。
次に、機能性の科学的根拠の評価のほうでございます。これは、左の下にありますようにいずれかを選んでいただきます。「最終製品を用いた臨床試験」、これはトクホのヒト試験を頭に描いていただければよろしいかと思います。
それから(2)、これが新しい点でございまして「最終製品又は機能性関与成分に関する研究レビュー」ということでございます。これは何かということでありますけれども、○の1つ目にありますように、広く入手可能ないわゆる学術論文につきまして、データベースの中からキーワードを設定して検索をしていただきます。例えばカテキン、脂肪の吸収を抑えるとか体重の変化といったようなキーワードを設定して検索をしていただく。その結果、ヒットした論文につきましてトータリティー・オブ・エビデンス、ヒットしたものの中にはポジティブなもの、ネガティブなもの、それからどちらともつかないものが混在するわけでございますけれども、それを全体として御覧いただいて、確かに肯定的と言えるかどうかということを評価していただきます。これは、自分に都合のよい論文だけをつまみ食いしてこないということをきちんと押さえるためであり、キーワードを設定することで事後的に誰が検索しても同じ条件で論文がヒットするはずだということなので、ここで嘘をつくとばれますよ、ということであります。
以上が安全性の確保、それから機能性の表示の担保ということで、どのような評価をしていただきますかということを申し上げました。
では、その上でどんな表示ができるのですかというところが右側のオレンジ色のところで、表示の在り方ということで書いてございます。まず、安全性、機能性を評価した上でどんな食品に表示ができますかというところですけれども、マル1で先ほどの閣議決定にありましたようにあらゆる食品について表示ができます。
ただし、ということで、これはトクホ並びですけれども、アルコール飲料はだめです。それから、ナトリウム、糖分等を過剰に摂取するものもだめですということにしています。つまり、関与成分を摂取すると同時にこういうものを摂取することで、逆にマイナスが発生するようなものについては除外をしますということでございます。
それにつきましては、また大変恐縮ですけれども、先ほど御覧いただきました食品表示基準(案)の1ページ、第2条の10号で上から6行目のところになりますけれども、対象の食品からアルコールを含有する飲料、国民の栄養摂取の状況から見てその過剰な摂取が国民の健康の保持増進に影響を与えているものとして、健増法施行規則第11条第2項で定める栄養素の過剰な摂取につながる食品を除くということで対象外としてございます。
次に対象成分でございますけれども、マル2のところです。「作用機序が考察され、直接又は間接に定量可能な成分」ということで、ここはトクホと同様の考え方をとってございます。
それから、マル3の対象者でございますけれども、要すれば病者ではない人ということになります。「生活習慣病等の疾病に罹患する前の人又は境界線上の人」ということであります。
さらに、ということで政策的な判断ですけれども、未成年者、それから妊産婦、授乳婦の方に対して、そういう人を訴求するものというのは今回認めないということにしています。
それから、表示の範囲、可能な機能性表示の範囲でございますけれども、部位も含めた健康維持・増進に関する表現ということになります。平たくいいますと、例えばひざの調子を整えるとか、目の健康を維持するといったような部位に言及する表示も当然にできるということでございます。
ただし、疾病名を含む表示はできないということで、花粉症が気になる方へとか、疲れ目が気になる方へといったようなものについては薬事法に抵触する可能性がございますので、そういった表示はできないということであります。
それから、「容器包装への表示」でございます。そこに文字でかなり羅列してございますけれども、関与成分の名前ですとか、1日の摂取目安量、摂取目安量当たりの機能性関与成分の含有量等ということで書いてございます。これは具体的には義務表示事項ということになりまして、先ほど御覧いただきました基準(案)の資料の2ページの2項のところにございます。その下に表が続いていますけれども、そういった義務表示事項をきちんと書いていただくということになっております。
それから(3)のところですけれども、「容器包装への表示以外の情報開示」ということで、先ほど安全性、機能性について事業者に科学的な根拠を評価していただき、品質管理の状況についても明らかにしていただきますということを申し上げましたけれども、これは容器包装にはとても表示できませんので、企業の自社サイト、ホームページで情報開示をしていただくことを求めるということを考えています。A社のBという商品について消費者の方が御関心を持ったときに、どういう根拠に基づいて評価され、表示されているのだろう。あるいは、A社の工場というのはどういう品質管理をしているのだろうということをきちんと公開していただく。これは、いわゆる制度の透明性を高めるということを狙いとしているものでございまして、企業の方にとってはきちんとした仕事をしないといけない。消費者の方にとっては、こういう商品であるということをきちんと根拠から理解をいただける形にしたいという意味で、ここを求めることにしております。
それから、先ほどちょっと御説明が漏れましたけれども、(2)の「容器包装への表示」のところでございますが、基準(案)の3ページのところ、先ほどの「届出番号」の下に「食品関連事業者の連絡先」とありますけれども、これは万が一のときの連絡ですとか、あるいは商品に対して御疑問を持ったときに直ちにアクセスできるということを考えまして、インターネット等のアドレスではなくて電話番号を表示していただくことにしています。電話番号ですと直接アクセスできて一番連絡が取りやすいという形をとっています。これもトクホ等にはない形で、上乗せの義務ということで我々は分かりやすい制度にしたいということを考えてございます。
最後に、こういった自己認証の仕組みを仕組むに当たって、では消費者庁がどんなふうに後からチェックするんだということになりますけれども、ここはまた緑のところに戻っていただきまして、(2)の「新制度の規定・適切な運用」の○の2つ目で「食品表示法に基づく収去等、販売後の監視を徹底する」ということであります。
申し上げるまでもなく、食品表示法につきましては表示の取り締まりが重要なものでございます。消費者庁、農林水産省、厚生労働省、厚生労働省所管の食品衛生の取り締まり行政を担うのは保健所になりますけれども、そういった機関が取り締まりをする。その上で、食品表示法第6条には表示の違反等があれば指示、措置命令等ができるようになっておりますし、第8条には立入検査ですとか報告徴収を求めるといったようなことが規定されてございます。こういった法律上の措置を使うというのが1つです。
それから、我々は、27年度に予算を要求してございます。「販売後の監視」として、いわゆる市中に販売されている商品、事業者の方がこの制度に乗せて実際に販売された商品を我々がランダムに買い上げてきて届出どおりの表示がなされているか。あるいは、表示どおりの成分が含まれているかといったようなことについて、必要に応じて外部の専門機関の御協力も得ながらチェックをしていく。そういったチェックの結果、事実に反するものがあれば適切に、先ほども申し上げましたけれども、法律に基づく規定なども使って徹底的な指導等を行っていくということを考えてございます。
それから、最後に緑のところの(4)でございますけれども、消費者の方への情報提供ということであります。既に機能性を表示する商品としてはトクホ、栄養機能食品ということで2つありますので、今回これが加わることで3つのジャンルのものが市場に出てくるということであります。したがいまして、それぞれの制度によってどういう違いがあるのかといったようなことはきちんと御理解をいただいた上で商品を選んでいただく。そういう意味で、先ほど申し上げましたけれども、同様に27年度の予算で必要なものを今、要求してございまして、その予算がつきましたらそういった予算も活用しながら3つのジャンルの違いですとか、あるいはどういったときにこういうものを使うべきなのかといったようなことについては、消費者の方の御理解が進むような形で我々も取り組んでまいりたいと思っております。
最後でございますけれども、「その他」で下の○のところでありますけれども、今回自己認証による機能性表示ということで初めての取組をいたしますので、施行後2年を目途に制度の実施状況をレビューして必要な見直しを行っていきたいということを考えております。したがいまして、今後2年間につきましてはこの制度を我々としてできる限りきちんと運用した上で、2年後、皆様の評価に耐えられるものになっているかどうかという点についてレビューをした上で必要な措置を講じたいと考えております。
大変駆け足になりましたけれども、私からの説明は以上でございます。
○河上委員長 どうもありがとうございました。
それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。
では、石戸谷委員どうぞ。
○石戸谷委員長代理 御説明ありがとうございました。
先ほどの御説明で検討会の報告書の内容についてはわかりましたけれども、今回、消費者委員会のほうに意見を求められているのは食品表示基準(案)でありまして、食品表示基準(案)を見ますと2条10号に定義が書いてあって、あとは表示の内容が列挙されているだけでして報告書の中身が盛り込まれているとは読めないんですけれども、この点についてどういう具合にお考えでしょうか。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 今回、親法は食品表示法ということにいたしました。したがいまして、食品表示基準の中で機能性を表示する食品ということで今回のものを位置づけているということでございます。したがいまして、表示基準(案)の書き方につきましては機能性表示食品ということで、機能性を表示するのであればこのような内容の届出をしてくださいという形の規定になってございます。
届出事項につきましては、先ほど御覧いただきましたように事項名として書いてございます。これは先ほど申し上げたとおりトクホと同様で、トクホの場合は添附書類という形ですけれども、求めている事項は同じになっています。その具体化につきましては、ガイドライン等で規定をする。つまり、トクホと同様の形で措置をしたいと考えてございます。
したがいまして、例えば安全性及び機能性の根拠に関する情報というのは何なんですか。これは、届出を受理するという我々が適法だと考える根拠の情報というのはこういうものですということをガイドライン等で書いていく。つまりは、ヒト試験であればトクホと同じような検査デザインじゃないとだめです。それから、システマティックレビューであればこういう手順を踏んで、こういう質の論文を集めて、こういうふうな考察をしないとだめですということを書く。
したがいまして、それを満たしていない。つまり、形式的にそういう手順、レベルを踏んでいない、達していないというものであれば、我々は届出の形式的審査を行った上でそれをリジェクトする。つまりは、届出番号を付与しないということをもって、先ほど御指摘がありましたけれども、報告書に書かれたような制度全体としての内容を担保していくという考え方でございます。
○石戸谷委員長代理 御説明はわかるんですけれども、今回意見を求められているのが食品表示基準(案)ということでありまして、具体的な中身はこうだということですと、今のお話ではガイドラインを合わせて出していただけると中身はわかるのですが、ガイドラインが出てきていないので、それが果たしてそういうものかというのがわからないのでお尋ねしているんですが、それは出していただけないんですか。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 大変申しわけないんですけれども、我々の作業手順といたしましては、まず内閣府令に規定するものを抜き出してここに規定をし、案として御提示をしたということでございます。
したがいまして、こちらの案について消費者委員会の御審議がこれから進んでいくと思いますので、そちらも踏まえながらガイドラインの案というのは、我々はまた事務的に作業を進めていくという手順で進めております。したがいまして、現在御提示はできてございません。
ただ、基本的には報告書に書いてあることをさらに詳細に規定をしていく。事業者の方に守っていただくことを、これをブレイクダウンして書いていくという作業になりますので、報告書の内容と違う内容がガイドラインに出てくるということは基本的にあり得ないというふうにお考えいただければと思います。
大変申しわけございませんけれども、作業手順の関係からまずはこの基準(案)についてこちらで御審議をいただいているということでございます。
○河上委員長 基本的には、報告書の内容がガイドラインの中に確実に落とし込まれるという理解でいいわけですか。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 報告書につきましては、我々としてはあの時点でかなり具体的かつ詳細に制度のイメージをお示しできたと思っています。したがいまして、あの中から基準に書かなければいけないものは何なのか。それを抜き出したものが今、御提示しているものでございます。
したがいまして、残りの部分につきましてはガイドライン等ということで、施行通知とガイドラインでさらに詳細に書き切るということでございますので、報告書と違うものが出てくることはあり得ないということは、ここでお約束させていただきます。
○河上委員長 違うものが出てこないということはわかりました。報告書に書いてあるけれども、それが抜けるということはないですか。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 それはございません。むしろ、これ以上に書き加えていくということを考えております。
○河上委員長 石戸谷委員、どうぞ。
○石戸谷委員長代理 では、また別のことをお尋ねします。今回の制度は届出制の導入ということになっているんですが、通常、届出制ですと法律で骨格を定めて政省令で具体的に詳細に政府の定めをつくるということになるかと思うんですけれども、今回、府令の段階で届出制を採用するとなっているんですが、これは通常の形で法律政省令のほうで制度づくりをしないというのはどういうわけでしょうか。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 先ほども申し上げましたけれども、今回の表示というのは生鮮食品と加工食品について機能性の表示をする。本来はできないことなんですけれども、機能性が表示できるジャンルをつくるということで生鮮食品と加工食品の表示の特例として位置づけてございます。したがいまして、食品表示法の中に表示基準をつくりなさいという規定がありますので、それに基づいて今回の基準をつくっているということでございます。
表示基準の中で、我々は特に強い関与をするということで届出制を入れている。先ほども申し上げましたけれども、自己認証の仕組みというのはあくまでも企業が自分で判断をして表示をするということで事足りてしまいます。栄養機能食品がそうであるように、国に対して殊更何かを届け出なければいけないとか、そういったことは自己認証からは当然には出てこない。
ただ、そういう仕組みにしますと、この制度については国民の皆様の不安が正直言ってある。それから表示の適正性が担保されない可能性もあるということで、我々として想定できる強い関与として事前の届出制をとった。したがいまして、表示基準の書き方としては、こういうことを表示したいならば届出をしなさいという形になっている。
それで、府令レベルで届出制を書いているものということでは、同じくその食品表示基準の関係になりますけれども、製造所固有記号についてはちょっと砕けた言い方になりますが、固有記号を使いたいならば消費者庁長官に届け出なさいという制度になっていますので、それと同様の法形式というんでしょうか、テクニカルな書き方だということで御理解をいただければと思います。
○河上委員長 この関係ではいかがですか。
山本委員、どうぞ。
○山本委員 端的に伺いますが、今日の資料2-6に問7とあって、事業者にどのような義務が課されますかとあります。義務を課す場合には、法律の根拠が当然なくてはいけないですね。それで、マル2~マル4に関しては食品表示法の第4条において、内閣総理大臣は内閣府令でこういうふうに表示の基準を定めなければならないと規定されているので、これが根拠であることははっきりわかるのですが、マル1にある届け出る義務は、やはりこの食品表示法の4条の1項が根拠となるという理解でよろしいんでしょうか。これが第1点です。
それからもう一つ関連するのでお伺いしたのですが、先ほど届出番号を非常に強調されていました。これは資料の2-2の3ページの中ほどですが、「消費者庁長官への届出により付与された届出番号を表示する」とあります。この付与は、行政処分と理解されているのか、理解されていないのかという点を確認したいと思います。
もし行政処分であるとすると、法律上の根拠がますます必要だということになりますので、恐らくそうではないと思うのですが、その点、お答えをいただきたいと思います。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 まず、届出というものが食品表示法が第4条第1項の根拠なのでしょうかというお尋ねであったと思います。これはおっしゃられるとおりでございまして、食品事業者が遵守すべき事項ということで位置づけるのが適当ではないかと考えてございます。表示内容ではなくて、遵守する事項ということになります。60日前までに届け出ていただかないといけないということになると思います。
それからマル2のところでございますけれども、通例、我々が文書を受理した場合には正式に文書番号等をとって受け付けるわけでございます。したがいまして、その届出番号を事業者の方に通知をするということについては、それだけをもって行政処分とは我々は理解していないということでございます。
○山本委員 確認しますけれども、そうすると4条1項の2号の、表示の方法その他、前号に掲げる事項を表示する際に遵守すべき事項の中に届出が入っているという理解ですね。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 表示事項ではございませんで、こういう食品に機能性の表示をするときには届出をしてくださいということになりますので、4条1項をもとに考えれば遵守していただく事項のほうに入ってくるというふうな整理をしているところでございます。
○河上委員長 よろしいでしょうか。
○山本委員 この2号の表示の方法その他、表示する際に遵守すべき事項というのは、例えばこういう紛らわしい表示をしてはいけませんとか、そういうことならばわかるんですが、届出もここに入っていると読むわけですね。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 表示以外の遵守事項につきましては、まさに先生がおっしゃるようにこちらのほうに入ってまいります。厳密にいうと、ここに書いてある届出をどう理解するかというところは議論があるとは思いますけれども、届出をしないと販売できないという制度でございますので、届出自体を義務づけているわけではない。
こういう商品を販売するときには届出をしないといけないということでありますので、そういう意味において販売前の届出をしないと機能性の表示はできませんということでありますので遵守事項、守らなければいけない事項としては遵守事項としてカテゴライズされるというふうに我々は今、整理をしてございます。
○山本委員 そうすると、6条の指示の話が先ほどから出ていますが、これについても遵守事項を遵守すべき旨の指示をすることができるというところに、届出をしろという指示ができるということですか。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 届出をしろというのは、あくまでも発売するときにはということになります。そういう意味で、先ほど販売をするときには届けなければいけないということで、そういう意味での義務ということを申し上げましたけれども、具体的には事業者の方が商品の販売をしようとしていないのに届出をしなさいということは本来あり得ないフェーズでありますので、仮におっしゃられるようなことに近い事態ということであれば、届出をしてから30日で発売をしてしまったとか、そういうときには6条1項の法律に基づく権限の指導等の対象になってくるということかと思います。
○河上委員長 そういうことでよろしいでしょうか。要は、一定の機能性表示を伴って食品を販売しようとするときには、こういう形で届出をすべき義務があるということで義務づけをしている。それで、こういう形でというところでの一定のやり方について、かなり詳細なガイドラインでそこを定めていこうということになりますね。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 先ほど申し上げましたけれども、トクホでも実は添附書類ということで非常に抽象的な規定がございまして、それを分厚い通知で全部書き下している。
それで、我々の実務としては、まずトクホの申請があったときにはきちんとそういう添附書類がついていますかということを事務的に見させていただいて、足りていないというときにはリジェクトする。足りていませんからもっとちゃんと充実してくださいとか、そういうことをして許可申請を受理しないということをしています。
今回の制度では、先ほど申し上げましたように形式的な審査にはなりますけれども、我々の求める科学的根拠のレベルを示す資料ではない。トクホのヒト試験のようにやってくださいと言ったのにやっていないとか、システマティックレビューをちゃんとやらずにさぼって適当につまみ食いして出してきているというときには受理しない。つまり、受理番号を付与しないということで突き返すということをしたいと思っております。
○河上委員長 エビデンスがちゃんと正しいものでないということが後で判明したり、あるいは後から記載事項が十分でなかったというようなことがあった場合には、この届出そのものをもう一度否定していくという形で対応するんですか。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 そこのところは、届出自体は我々が受理してしまえば有効に受理をしたということにはなると思います。
ただ、今、委員長がおっしゃいましたように、後に例えば疑義情報をいただいて届出の内容が実は適法なものではなかったということが明らかになれば、これは当然機能性表示食品の要件を欠くわけでございますので、食品表示法の第6条第1項の指導等の対象に当然なってくるということでございます。
したがいまして、そういうものについては取り締まりをしていくということでございます。
○河上委員長 山本委員、どうぞ。
○山本委員 すみません。大変基本的なことが私は理解できていないものですからお伺いしたいんですが、今トクホの例を出されたのは、これは許可制ですから、先ほどから言っておられるように届出制とは違うという前提ですね。
許可制の場合には、事業者の側が一定の証明をしないと許可が下りない仕組みになっているので、府令の中にも追加的に証拠資料が必要な場合には消費者庁の側から資料の提出を求めることができるとなっています。
ただ、届出制はそうではないので、もう少し明確に書いていないとガイドライン限りでそこまで求められるのかという点に若干疑問があるんですけれども、その点は措きまして、1つお伺いしたいのは、法令上どの要件を具体化したものとしてガイドラインが考えられているのかということですね。
先ほどのシステマティックレビュー等に関してはガイドラインの中に書くということですけれども、法令の何らかの規定を具体化したものでないと、法令と全く切り離されたものになってしまうので、何らかの規定と結びついているということだと思うんですが、どの規定なんでしょうか。科学上の根拠という文言が府令の2条の中に出てきますけれども、これだと理解されるのでしょうか。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 先生の御指摘のとおりでございまして、基準(案)の資料の1ページの第2条の10号のところで、こういう事項を届け出たものということを書いていまして、その中に例えば安全性及び機能性の根拠に関する情報という事項がございます。では、この事項は具体的にどういうものですか、どういうレベルのものですか、どういう手順で作業をしたものですかということをガイドランに書いていく。
トクホで、例えばヒト試験はこういうデザインで、こういう考え方でやりなさいということは通知のほうで具体化をされているということでございますので、基本的にはそういう考え方、並びで我々のこの安全性及び機能性の根拠に関する情報というのはこういうレベルのものですということをガイドラインに書くということでございます。
したがいまして、事前審査の許可と届出とは内容について実質審査をできないという点はございますけれども、ただし、形式的に我々が求める手順、レベルでやってこなかったものについては届出を受理しない。届出というのは、物理的に我々が書類を郵送で受け取るというだけでは受理ということにはなりませんので、形式的審査をさせていただいた上で要件を満たさないものであれば突き返すということを考えております。
○河上委員長 よろしいですか。
○山本委員 1つ、よろしいですか。申しわけないです。まず受理の理解ですけれども、法的な届出制であれば受理には法的効果はないというのが通常の考え方ではないかと思うのですが、その点は措くといたしまして、先ほどの例で、システマティックレビュー等の要件を実は満たしていなかった。
簡単な例として言えば、届出は受け取ったという前提で、しかし、実はシステマティックレビュー等のガイドラインの基準が満たされていなかった場合に、6条で処分をするということですね。それで、6条のどの要件に該当するということなんでしょうか。
先ほどの、遵守すべき旨というところだということでしょうか。同条第1項第2号に掲げる事項を遵守しないものがあるときは、遵守すべき旨の指示をすることができる。この規定に当てはめて言うと、どういうことになるんでしょうか。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 これは現在のJAS法の考え方でございますけれども、基本的には正しい表示をしていないというものについては遵守すべき事項を遵守していないという整理がなされております。
それで、運用実態としては、表示を正しいものにしなさい。修正しなさいという指示を現在の運用ではしています。したがいまして、先生が御指摘の場合ですと考えられる指導としては、例えばレビューに欠陥があったのであればレビューをし直しなさいとか、あるいは普通の加工食品なんだから普通の加工食品の表示にしなさいとか、そういう形が想定されます。
ただ、具体的には大変申しわけございませんけれども、食品表示法を3法の統合法としてつくった関係で、現在その執行体制については農林水産省、厚生労働省とこれから調整するということになっています。したがいまして、違反の取り方として、具体の実務としてこういう取り方をするということについては、今、申し上げたのは企画部門としての我々の現段階の考え方でございますので、最終的に制度が走り出したときには変わる可能性はございます。
ただ、いずれにせよ、先生がおっしゃったような事態が事後的に明らかになったのであれば、我々はあらゆる指導をしていく。つまり、是正させるための指導が必要なものはどんどんしていくということで取り締まりに臨むということになると思います。
○河上委員長 届出という枠組みで制度設計する方向性は、ある程度、閣議決定で決まっておりますので、しかし、その中で消費者庁としては精一杯、安全性と機能性というものを担保できるような形でこれを制度として実現したいというお考えを持っていらっしゃると理解致しました。ほかに、いかがでしょうか。
岩田委員、どうぞ。
○岩田委員 質問とか意見が4つあるんですけれども、いいですか。
○河上委員長 どうぞ。
○岩田委員 それでは、1つずつお願いしたいと思います。
まず1点目はトクホとの違い、本質的な違いはどこかということを理解したいんですが、トクホの場合は国の許可であるのに対して、新しい機能性表示食品は届出であるという手続といいましょうか、自己認証なのか、国の認証なのかというところが大きく違う。
ですから、もし自己認証が正直に誠実になされて、届出をなされて、届出の内容が事実と全く違わないということであれば、1点を残して、1点を除いてトクホと本質的に違わないと私は理解しているんです。
その1点というのは、臨床試験がマストではなくてシステマティックレビューでそれを変えることができるという、その1点が大きな違いであって、あとは届出内容が現実と違わないということであれば、トクホと同じ水準の表示と違わない安全性と機能性が担保されているというふうに理解を私はしているんですが、それでよろしいでしょうか。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 ヒト試験のレベル等が多少違っている部分はございますけれども、基本的にはヒト試験を選択するときにはトクホ並みにする。それに加えて今、先生がおっしゃいましたようにシステマティックレビューでもこの制度ではできるようにするということで、ヒト試験がマストになっていないというところは先生御指摘のとおりでございます。
○岩田委員 ありがとうございました。
2点目ですけれども、規制緩和の結果、第三の機能性表示ができる、第三のジャンルができるということだと思うのですが、殊、食の安全にかかわることですから、事前の規制から事後のチェックということだと思うんですね。ですから、事後のチェックの体制が本当にできるかどうかというのがこの新しい機能性表示食品ということを認めていいかどうかということについての非常に大きなポイントだと思います。
竹田課長は、これから農水省、厚生労働省というところの体制がどうなるかという執行体制の問題は、今ははっきりしたことは言えないという趣旨のことをおっしゃいましたけれども、ぜひ消費者庁が関係省庁に働きかけて、そして財務省に働きかけていただいて、事後チェックができるだけの必要な予算と、特に人員ですね。それを確保していただきたいと思います。
先ほどの御説明の中で、市場に出た商品を買い上げる予算について要求をしているというお話があったので、それは本当に望ましいことだと思うのですが、合わせてその増員ですね。人、執行体制がしっかりできるように関係省庁、消費者庁ももちろんですが、そういうふうに動いていただきたいと思いますが、その点いかがでしょうか。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 今、先生がおっしゃったとおり、事後チェックについては我々自己認証という前提をとる以上、重要だと思っていまして、御指摘のような予算を要求しているところでございます。
それから、この制度だけでということではございませんけれども、定員要求についても所要のものを要求しています。会社が違ってしまいますので難しい部分はありますけれども、適宜、農林水産省であるとか、あるいは保健所の関係は自治体の皆さんのお仕事になりますが、そういったところでも効果的、効率的な取り締まりができるように、我々できることをきちんとやっていきたいと思っております。
○岩田委員 ぜひ、関係省庁にしっかり働きかけていただきたいと思います。
3つ目ですけれども、これは例えば安全性について問題ではないかとか、表示されているような機能性はないのではないかといったような外部からの通報というのか、情報提供というのか、消費者庁だけが市場に出ている食品をアトランダムに買って分析をするというだけではとても追いつかないと思いますので、そういう外部からの通報を消費者庁に寄せてもらえるような何か工夫が要るんじゃないかと思うんです。
ですから、もちろん消費者団体とか、それから場合によっては適格消費者団体のお力を借りることができるのかどうかよくわかりませんが、それも含めた消費者団体とか、それから自治体、特に消費者の相談センターですね。そういうところにしっかり専門性のある相談員が配置されるようにしていただくとか、それからマスコミを通じた情報とか、外部の通報をいかに消費者庁にやっていただくか。そのための工夫をどういうふうになさろうとしているかというのが3点目の質問です。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 基本的には制度をつくるときに、外部の方の目を活用させていただきたいということで、事業者の方には安全性とか有効性の情報を自社のホームページで開示してくださいということをやっていただく。
それから、先ほど少し説明が漏れましたけれども、消費者庁に届出をいただいた事項についても消費者庁のホームページで原則として公開をいたします。したがいまして、それを御覧になった方が疑念をお持ちになれば、我々のほうに通報をしてくださいというストレートな言い方をするかどうかとはともかく、制度が走り出すに当たってはステークホルダーの方にはそういうことに御関心を持っていただいて取り組んでほしいということはお願いをしていきたいと思っています。
その結果、疑義情報が私どものほうに届きましたら、適宜必要な取り締まりなど、対応をとらせていただきたいと思っております。
○岩田委員 最後ですけれども、いわゆる健康食品ということについてお尋ねしたいと思います。今日の御説明ですと、科学的な根拠がある機能性を表示することができるというのは、従来ありました栄養機能食品と、トクホと、それに追加して今回の新しい制度といいましょうか、機能性表示食品という新しいジャンルと、その3つのみであるというふうに理解をしています。
ですから、この3つのどれにも当たらない食品というのが機能性表示をすることは認められないというふうに理解をしているのですが、もしその理解が正しいということであれば、この新しい制度で届出番号を付して市場に出ている健康食品だけではなくて番号がないいわゆる健康食品ですけれども、機能性をうたっているというのはたくさん市場にあると思うんです。
それらについてのリスクというのは、届出をしている表示食品よりもさらに高いかもしれない。リスクというのは科学的根拠がないのに機能性を表示しているという、その科学的根拠がないということのリスクはそちらのほうが高いかもしれないということがありますので、それらは安全性については食品衛生法でしょうか、機能性については食品表示法などに基づいて行政が処分ができるということだと思いますので、その執行体制を構築していただくときに、番号がついた機能性表示食品が届出どおりのものかどうかというチェックと合わせて、そもそも番号をとっていない食品が世の中に出回っていて機能性を表示しているというのを、ぜひこの際、市場からなくしていただくように、そのための執行体制も合わせて講じていただきたいと思います。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 これも先生御案内だと思いますけれども、例えば広告等において今、先生がおっしゃったような表示をうたえば景品表示法なり健康増進法違反に問われる可能性があるということで、これはこれまでも取り締まりをしておりますし、これからもやってまいります。
それから、パッケージ、いわゆる容器包装にそのような表示をした場合には、食品表示法違反ということでストレートに違反になりますので、関係法令を適切に使ってというと語弊はありますけれども、きちんと取り締まりをしていきたい。この制度に乗らないものについても基本的にちゃんと取り締まりをしていきますという姿勢は、これまでもこれからも変わらないということでございます。
○岩田委員 それが非常に不満なんです。これまでも、これからも変わらないというのではいわゆる健康食品という市場が残るということだと思うんです。消費者の皆さんは今回の新しい制度ができるということについて、新しい制度の問題よりもそこに乗っていかない、いわゆる健康食品という行政の許可もなければ届出もしていないようなものがちまたにあふれている。これを何とかしてほしいというのが本当は一番大きい関心事だと思いますので、これまでもこれからもではなくて、一段と執行体制を強化してやっていただきたいと思います。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 申しわけありません。言葉が足りませんでしたけれども、取り締まりをしていくことについてはきちんとやっていくということでございます。
それから、ちょっと話はそれますけれども、事業者団体の皆様のお話を聞いていると、今回の制度に製品を乗せていくことで今、先生がおっしゃったようないわゆる二分化が進んでいく。事業者としても商品としてもですね。そういう意味では、どちらがより選択に資する、言葉はよくないですが、いいものなんだろうということを消費者の方がだんだんお選びになれば、そういうマーケットというのは業界の中でもシュリンクしていくだろうということをおっしゃっていますので、そういう事業者の方の取組と我々の的確な執行ということで、今、先生がおっしゃったような形でできるだけ不的確なものが市場からなくなるようにこれからも努力をしてまいりたいと思います。
○河上委員長 よろしいですか。
では、高橋委員どうぞ。
○高橋委員 時間が迫っているところ恐縮ですが、私も3つほどお伺いしたいと思います。
まず1つ目は素朴な疑問ですけれども、会議冒頭で安倍総理の「成長戦略第3弾スピーチ」の御紹介がありまして、諸外国よりも消費者にわかりやすい機能表示を促すような仕組みも検討したい、世界と制度をそろえるだけにとどめず、というという御説明をいただいたんですけれども、端的に言いますと、諸外国に比べて今回考えられている制度というのはどこがどう優れているのか、どういうふうな具現化が目指されているのかをまずお聞かせください。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 一番自信を持ってというのも変ですけれども、申し上げられるのは、安全性と機能性に関する情報を全て事業者の方にフルオープンにしていただくことでございます。
アメリカの制度につきましては、FDAに対してもそういうものを開示する義務がないということで、完全に言葉はよくないですけれども、単純に自己認証をしただけでそういう商品がちまたにあふれている。
以前、テレビの番組でもあったかと思いますけれども、根拠情報は何なんだということを問いかけたときに、30歳の大学生の手書きのレポートが出てきたというようなことがあったという報道もございます。今回、我々はそういうことがないように一定のレベルを求めますし、かつそれは全てフルオープンにしていただくということで、透明性に関しては明らかにその世界の水準に対しては自慢できる点になっていると思います。
○高橋委員 御説明ありがとうございました。
2つ目は、今回検討された新たな表示基準は国が認証するものではない。企業が自己責任で行うものということですけれども、現在、北海道の食品機能性表示制度を初め、自治体がそういう認定、認証というのをいろいろ始めていると思うんですね。これは、先ほどのいわゆる健康食品、あるいは怪しいものというのとはまた別なんですが、自治体が既にそういうことをスタートしているわけで、効果とか効能というものをうたわなければ、例えば北海道の「ヘルシーDo」というマークをつけたらもうOKということになって、非常に消費者の信頼性が高まってくる可能性があると思うんですけれども、今回の検討においてこういう自治体の認定制度との関係というのはどういうふうに議論され、整理され、消費者庁として今どのように判断されているのかということについて伺いたいと思います。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 今、御指摘のありました制度につきましては、あくまでもその機能性の表示はできないということです。ただし、こういう研究がありますよとか、こういうことは具体的には表示できないということでやっているんだと思います。
それで、我々の考えている制度は先ほど先生もおっしゃいましたように企業の責任で表示をしていただくというものがありますので、それとは別に加えて自治体独自の取組をアンド・オンしていただくのは可能だと思います。
ただ、表示をするのであれば我々のルールにのっとって一定のレベルのエビデンスをそろえてくださいということは、そこはちょっと譲れませんので、その上で自治体の取組が矛盾なければアンド・オンでやっていただくことは可能だと思っております。
○高橋委員 その点については政府主導でなく各自治体や、先ほどもちょっと御説明がありましたけれども、企業が認証するような仕組みも出てくる。事業者団体が認証するような仕組みが出てくるということになりますと、消費者にとって選択肢は拡大したんだけれども、どう選んだらいいかわからないという混乱が生じるもとにもなるのではないか。3つになるのではなくて非常にたくさん増えてくる可能性があると思うんですけれども、その辺について議論はされなかったということでしょうか。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 繰り返しになりますけれども、自治体が独自の取組をする場合には機能性が表示できないということになりまして一般食品扱いになりますので、そこのところは決定的に違ってまいります。それで、機能性を表示するのであれば今回の制度に乗せてくださいということでございます。
ただ、北海道以外の各都道府県、いろいろ取組姿勢がございますけれども、特に一次産品につきましてはこの制度に乗せて表示をしたいということで今から準備を進めているような県も複数聞いてございますので、自治体が旗を振ってこの制度に乗せよう。県の農業試験場がエビデンスを集めようとか、そういう動きもあると思いますので、そういうものについて我々はできるだけ支援していきたいと思っております。
○高橋委員 機能性は表示しない、つまり効果効能を宣伝文句としてはうたわないわけですが、この認定を受けるには当然ながら科学的根拠があるとか、そこのところを自治体としてやっていくわけですから、食品機能性表示制度というふうにうたわれている限りは消費者にとっては非常に混乱するなというのが私の疑問でございます。
それとも関連して3つ目ですが、新しい表示制度というのは消費者が表示に基づいて検討できる、自分に合ったものを選べるような表示ということで、そういう情報提供が目指されているというところは理解しているのですけれども、その一方で潜脱といいますか、同じ機能成分が入っていますよということで、やはり効果効能はうたわないで何とか茶が入っているクッキーですとか、そういうようなものが山と出てくるような可能性を懸念してしまうのですけれども、そうしたときには効果効能をうたわなければ機能性食品として届出をしたところとほとんど同じようなものがつくられてしまう可能性はないのでしょうか。
特許との関係もあると思うんですけれども、そういう意味で潜脱もあるでしょうし、怪しいものが出てきて、機能性表示を取った食品とほとんど似たような成分が入っているということを表面にうたうようなものが出てくることは想定されていないのでしょうか。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 成分が入っていますということについては、現在もそういう商品はございます。
ただ、消費者にとってどこを訴求するのかということを考えたときに、やはり機能性の表示が一番訴求するポイントなんだろうということで、今のトクホの関与成分と同じものを入れていますというだけの商品というのは、全部を見たわけではございませんけれども、かなり少ないというか、お目にかかることはないと思います。
そういう意味では、先生がおっしゃったように関与成分が入っていますというだけでは消費者の方に誤認を招くような訴求まではなかなかいかないのかなというのが今の率直な感想でございます。
○高橋委員 ありがとうございます。そうであればよいのですけれども、消費者も結構賢いですから、自己認証の届出をしていなくて同じようなもので価格が安いということであれば、そういうものに飛びつくこともあるかもしれませんし、また、それのまがいものみたいなものが出てくるということも私は懸念しておりますので、制度設計に当たっては注意すべき点ではないかと申し上げておきたいと思います。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 仮に機能性を誤認させるような表示がなされれば、つまり、本来の姿であれば買わなかったのに誤認させるような表示ですとか広告を打つということになれば、それは景品表示法できちんと取り締まりをすべきものであると思いますので、そういった形で網はかけていけるんだろうと思っております。
○河上委員長 では、阿久澤委員どうぞ。
○阿久澤委員 多くの心配がある中、時間もないようですので1つだけお伺いさせていただきます。
この制度はトクホも含めてですけれども、バランス食を理解した上に積み上げる制度だと思っております。そんなこともわかっていてのことだと思いますが、消費者教育のところにバランスのとれた食生活の普及啓発、これの理解増進に向けた取組を継続的に実施していくということです。ぜひそのようにしていただきたいのですが、継続的にというのは現在も行っているということになりますが、どのような取組をされているのか、御紹介いただきたいと思います。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 基本的には、トクホの世界でいえばそういう文言を必ず表示していただくということが1つでございますけれども、全体の日本人の食事をということになりますと、必ずしも私どもの会社だけでということではないのですが、例えば厚生労働省と、それから農林水産省が力を入れてやってございますけれども、食事摂取基準をきちんと皆様に御理解をいただくとか、あとは食事バランスガイドですね。コマの絵がありますけれども、ああいったものに即してきちんと食事をしてくださいということを我々としては普及啓蒙しているということであります。
ただ、そこの効果につきましては、食というものが個人の嗜好に基づくものでございますので、我々としてこういうものが唯一無二の理想型であるとはなかなか言えない。ただ、食事のバランスをきちんととっていただいて、1日3回きちんと食事をしてくださいというのはそういった形で一般論としては普及していくということだと思います。
ただ、我々としてこの商品を通じてできるというところは今、先生がおっしゃいました食事バランス文言を読んで自分の食生活を振り返っていただきたいということになりますので、それは今後ともきちんとやっていきたいと思っております。
○河上委員長 よろしいですか。
では、橋本委員からどうぞ。
○橋本委員 では、時間がないのでごく簡単にですけれども、先ほどトクホとの関係をお聞きしたのですが、例えばトクホの申請で却下されたものがこの制度で機能性をうたうということはできるのかというところが1点です。
それから、先ほどから聞いておりますと、事実に反したものは指導しますというお話は何回も伺ったんですけれども、この届出番号を消費者庁で認めなくするということはあるのでしょうかというところが2点です。
それから要望ですけれども、この制度は今、阿久澤委員がおっしゃったことと関連するんですが、消費者の誤認を招かない自主的かつ合理的な商品選択に資する表示制度ですよというふうにうたっているからには、やはり消費者教育というものをきちんとやっていただきたい。これは、意見として述べさせていただきます。以上3点です。
○夏目委員 関連していいですか。
○河上委員長 では、一緒に夏目委員からもお願いします。
○夏目委員 橋本委員からも2点目に出てきました届出番号のことについてお伺いしたいと存じます。
届出というのは食品表示の中では製造所固有番号が届出制度で今ほぼ決定をするというところまできております。このシステムを構築するのに1年かかる。それから、予算も1億以上というふうに伺っております。そういう状況の中で、この機能性表示食品の場合も届出制度をするときに、そのシステム構築のことについて何も語られていないと思うんです。ですから、これは執行体制のところにもかかわってくると思いますけれども、人員とその届出制度を完備するシステムの構築にどの程度、もちろん26年度に措置をしなさいという大前提がある中で走っていくわけですが、どの程度御準備をされてシステム構築をされるのか、少し教えていただけるとありがたいと思います。ここのところがすごく機能性表示食品のキーワードだろうと考えておりますのでお願いいたします。
○消費者庁竹田食品表示企画課長 1点目は、トクホの許可を諦めたものをこちらに届出をして市場に出すことができるかということでありますけれども、それは論理的にはあり得ると思います。ただし、我々がこの届出で求める安全性、機能性の評価について、その手法によってきちんとやっていただいたものということが前提になると思います。
それから、事後的に要件を欠いていることが明らかになった場合ということでございますけれども、基本的にはそのときには表示を、例えば機能性がないのだから普通の加工食品にしてくださいとか、届出番号は削除してくださいとか、そういう指導も当然あり得るんだろうと思います。逆に、追加をしなさいとか、レビューをもう一回やり直しなさいとか、そういうこともあり得るとは思います。ただ、当然その間は販売はできないという形が想定されると思います。いずれにしても、執行体制のお話になりますので、必ずこうなるということは今、申し上げられません。
それから、機能性表示についてのデータベースの関係でございますけれども、今、先生から御指摘ございましたように、予算については平成27年度予算で要求をしてございます。したがいまして、1年間かけてデータベースを構築するということを考えています。
一方、この制度でございますけれども、今、先生がおっしゃいましたようにその予算期間についても制度が走っていくということは当然想定されますので、その間は現在の消費者庁のホームページを使って臨時的にそういった情報データベースということで情報開示をしていきたい。
ただ、製造所固有記号制度で使用する電子申請等については、今のところ機能性表示制度については考えてございませんので、そういう意味では現在の消費者庁のホームページを改変というんでしょうか、拡充をして1年間はしのぐ。それで、予算でデータベースが整備された暁にはそちらのほうに全面的に移行していくということを現在考えております。
○河上委員長 齋藤委員、どうぞ。
○齋藤委員 1つ質問があります。今まで検討過程で議論されたことがあれば御紹介いただきたいと思います。これは査読付論文に全てを賭けるという仕組みになっていますが、それが本当に信頼できるものになるだろうか。いろいろな国があります。いろいろな言語があります。それから、大学・研究機関のレベルもあります。そういう中で、1本でも有効だと企業が主張するものがあれば、それをもってよしとするのであるかどうか。
それからもう一つ。論文がこれを支持しない場合には機能性表示は不可となっていますけれども、一番極端な場合、10本は支持しているけれども、1本は不支持だったというような論文があった場合にどうするかというようなことは、今までの検討過程で出てきたでしょうか。
○消費者庁食品表示企画課担当者 今の御質問にお答えを差し上げたいと思います。
1点目は、恐らく論文の質もさまざまある中で、どれもこれも対象にしていいのだろうかといった疑問の観点からの御指摘、御質問だったかと思います。そのような点については検討会でも話が挙がっておりまして、やはり論文の質としては一定以上の質の論文、これを例えばレビューの対象にすべきではないかといったような御指摘がございました。
したがいまして、私どもとしても論文の質に関する考え方や基準などを適宜設けまして、それに沿った論文のみレビューの対象とするといった趣旨のことは報告書の中にも記載してございますけれども、いずれにしてもレビューをするに当たっては論文の質についても適切に設定し、それに基づいて評価していただくということを考えてございます。
2点目は、具体的なお話として何本中何本あればよしとするのかといったような御指摘だったかと思います。システマティックレビューについては、何本中何本あれば科学的根拠ありと認めるといったような考え方が現時点で科学の世界でオーソライズされているものはございません。なぜかといいますと、本数のみではなくて、一つ一つの研究の質、それこそ例えばどのぐらいの被験者数でとか、日本人にどのぐらい近い人たちでとか、いろいろな点が質にかかわってまいりますので、必ずしも本数だけで切り出して評価できるというものではございません。
そのあたりの考え方も含めて、我々としてもできる限り考え方を示しますけれども、最終的には事業者の方々が責任を持って、我々はこう考えるからエビデンスありとするんだということを宣言していただき、その情報の開示によって消費者をはじめ国民の方々に御評価をいただくといった制度設計にしたいと考えております。
○河上委員長 よろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。今までと違って、一定の食品については景表法と、食品安全衛生法と、薬事法でしょうか。それに抵触しない限りは、基本的には機能性に関してある意味では自分の責任でこれを表示して売れるというふうに原則と例外が転換するわけですね。ですから、それだけに消費者というのはこの機能性食品がもたらす状況に対して不安はなかなか払拭できないというところがあるんだろうと思います。
その点について、今日いろいろと説明を伺って、この届出という制度の運用の中で最大限、安全性の確保、機能性の確保に消費者庁として努めていくんだということについては、ある程度理解をさせていただいたところでございます。
本日の議論によって、制度全般については理解もある程度できましたし、委員会としては運用にかかわっているわけですけれども、その制度設計そのものの基本的な部分に関してはこれでいいんじゃないかという認識に至ったのではないかと思います。
ただ、いろいろ注文がつきましたように懸念も払拭できておりません。例えばさっきの届出制ということも何かきちんとした法律の根拠みたいなものができるような形になったほうがいいんじゃないかとか、トクホとの関係など、いろいろ御意見がありました。改善すべき点もあるのかなという気はいたしますけれども、まずはこのような形で御報告を理解したところでございます。
つきましては、この後、食品表示基準への反映ですね。これについて、食品表示部会で確認し、そして御議論をいただきたいと考えております。阿久澤委員には、食品表示部会に本日の議論の状況を御報告いただけるようお願いしたいと思います。食品表示部会での食品表示基準にかかる審議の後、阿久澤委員から審議結果を本会議に御報告いただきまして、改めて消費者委員会として答申について議論をしたいと思いますので、その点よろしくお願いいたします。
消費者庁におかれましては、お忙しい中、審議に御協力をいただきまして誠にありがとうございました。
(消費者庁竹田食品表示企画課長退室・消費者庁加納消費者制度課長入室)
≪4.その他≫
○河上委員長 最後に、「その他」として個人情報の保護に関する法律施行状況の概要について議題にしたいと思います。この件につきましては、今月の14日に開催された第174回消費者委員会本会議において、平成25年度の施行状況につき消費者庁から御報告をいただき、審議を行ったところでございます。
その際に、唯根委員から御発言がありました、個人情報の漏えいした人数が不明となっていた事案について、消費者庁から追って御報告をいただくということになっておりました。本日は、その件について御報告いただけるということであります。消費者庁におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。
では、報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○消費者庁加納消費者制度課長 消費者庁の加納と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
今し方、河上委員長から御説明をいただいたところでございますけれども、先般この場で私から個人情報保護法の施行状況の御報告をいたしましたが、ページ数で申し上げますと報告書の7ページが該当するのですが、今日は参考資料1としてお付けしていてページ数がありませんけれども、報告書では7ページとなります。そこに表8というのがありますが、この表は個人情報の漏えい事案の件数について漏えい人数別に分布をしたものでありますが、そのうちの不明という箇所についてこれは何ですかという御質問がありました。その際、私はうまく答えられませんでしたので確認をいたしました。
その状況についてですが、関係省庁からいろいろと報告をいただいておりますので、関係省庁に確認をしたところ、その不明の前提となる数字がまず違っていたということがありますので訂正させていただきたいと思います。
修正前は不明が5となっておりましたが、これは2である。それで、残り3は不明ではないということで、それぞれの人数分布に応じて500人以下のところが242人から243人というような形で、数字が1つずつ増えているというふうになっております。
裏のほうにその状況ということで書いておりますけれども、これは関係省庁別にその数字を書いたところでありまして、合計というところ、一番下の欄の修正前のところでは5となっていたのが2となりまして、それに応じまして先ほど御指摘をした242とか243という形で数字が1つずつ変わっている。省庁のどこが変わっているかというのが、これによって明らかになっているということであります。
それで、問題の不明とは何かということでありますけれども、これについて確認をいたしましたが、2件あるということであります。
1件は、いわゆる不正アクセスによって情報漏えいがされたという事案でありますけれども、その流出の疑いのあるファイルのデータは特定できないということでありました。例えば、1人で複数のIDを取得しているケースでありますとか、事業者、団体でIDを取得しているケースというのもあって、その場合の人数の特定、さらなる人数の特定というのができなかったので漏えい人数不明ということであります。
それからもう一件は、いわゆるポータルサイトを通じて、そのポータルサイトの一部が外部から閲覧可能だったという事案でありまして、その閲覧可能になっていた期間における掲載物の外部からのアクセス可能な件数が何件かというのがわからなかったということで、その件数は不明ということであります。
消費者庁からは、以上でございます。
○河上委員長 どうもありがとうございました。修正前の数字で一番上の平成25年度の部分が242から243にプラス1になっていますね。それで、65から66にプラス1、36から37でプラス1、最後がマイナス3になったということですね。
○消費者庁加納消費者制度課長 ですから、5から2に3減りました。それで、3は242が1増えて243、以下1つずつ増えたということであります。
○河上委員長 いかがですか。それで、それぞれの部分に関しての中身は追跡調査がなされているが数字は明らかではないということになるわけですね。
○消費者庁加納消費者制度課長 何が追跡調査ということでしょうか。
○河上委員長 この残りの2の部分に関しては、これはもうわからないということで。
○消費者庁加納消費者制度課長 人数はわからないということです。
○河上委員長 いかがでしょうか。よろしいですか。
どうもありがとうございました。消費者庁におかれましては、議論を受けて迅速に事実確認をいただきましてありがとうございました。
本日の議題は、以上になります。
≪5.閉会≫
○河上委員長 最後に、事務局から今後の予定について説明をお願いいたします。
○大貫参事官 次回の本会議の日程、議題については、決まり次第、委員会ホームページ等を通じてお知らせします。
なお、この後、19時を目途に消費者庁記者会見室において報道機関の皆様を対象とする委員長記者会見を行いますのでお知らせいたします。
○河上委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございました。
(以上)