第160回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2014年5月27日(火)16:00~18:08

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
河上委員長、石戸谷委員長代理、阿久澤委員、岩田委員、齋藤委員、高橋委員、夏目委員、橋本委員、山本委員、唯根委員
【事務局】
黒木事務局長、井内審議官、大貫参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 消費者基本計画の検証・評価・監視について
    • (1)エステ・美容医療サービスについて
      厚生労働省
      医政局総務課 山本 保健医療技術調整官
      健康局生活衛生課担当者
    • (2)冷凍食品への農薬混入問題について
      消費者庁
      宗林 消費者安全課長
      食品安全委員会事務局
      総務課担当者
      農林水産省
      消費・安全局 消費・安全政策課担当者
      厚生労働省
      食品安全部監視安全課担当者
    • (3) 意見のとりまとめ
  3. その他
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、時間になりましたので、始めさせていただきます。本日は皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会第160回本会議」を開催いたします。

本日は、所用によりまして阿久澤委員が若干おくれて出席の予定となっております。

それでは、配付資料の確認を事務局からお願いいたします。

○大貫参事官 配付資料でございますけれども、資料1がヒアリング対象施策。資料2が2-1から2-3に分かれておりますが、エステ・美容医療サービス関連。資料3が資料3-1から3-5までございますが、冷凍食品の農薬混入問題関連。資料4として、答申書(特定保健用食品)が1枚。参考資料1として施策別整理表、参考資料2として委員間打ち合わせ概要。以上でございます。不足している資料がございましたらば、事務局までお申し出いただきますようお願いいたします。


≪2.消費者基本計画の検証・評価・監視について≫

(1)エステ・美容医療サービスについて

○河上委員長 本日の議題は、「消費者基本計画の検証・評価・監視について」であります。消費者基本法においては、消費者政策会議が行う消費者基本計画の検証・評価・監視について、それらの結果の取りまとめを行おうとする際には消費者委員会の意見を聞かなければならないとされております。

消費者庁を初めとする関係省庁では、当委員会が本年2月25日に発出した意見を踏まえて計画の検証・評価及び見直し作業を行い、この結果、取りまとめられた計画の改定素案が現在、パブリックコメントにかけられております。このため、当委員会としては、本改定素案の中の主な施策について関係省庁からヒアリングを実施し、計画の改定に向けた意見表明を改めて行うこととしております。本日は、その第3回目といたしまして、1)エステ・美容医療サービス、2)冷凍食品への農薬混入問題について、それぞれヒアリングを行うとともに、消費者基本計画改定素案に対する当委員会としての意見の取りまとめを行いたいと思います。

最初は、1)の「エステ・美容医療サービスについて」であります。厚生労働省におかれましては、お忙しいところを御出席いただきまして、まことにありがとうございます。

エステ・美容医療については、昨年11月の本会議において厚生労働省の取り組み状況について御説明をいただきまして、その際、広告の概念について改めて検討していただきたいという点と、ガイドラインの遵守状況について検証・評価を実施した上で、実効性が担保されていないということであれば、法律改正を含めた何らかの措置を検討していただきたいという点をお願いしていたところであります。本日は、厚生労働省から、その後の検討状況等について御報告をいただきます。

それでは、まず本件に関する取り組み状況や、事前にヒアリング項目としてお示ししている点について、厚生労働省のほうから御説明をいただきたいと思います。説明時間につきましては、10分程度ということでお願いいたします。よろしくお願いします。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 それでは、厚生労働省医政局総務課の山本と申します。よろしくお願いいたします。

今、お話のありました資料1の右側にあるヒアリング項目に沿って御説明させていただければと考えております。

まず、「医療機関ホームページガイドライン」や「医療広告ガイドライン」の実効性に係る検証・評価の状況についてということでございます。

これは、先生方、逆に御承知のとおりで、美容医療に関するホームページに関する問題を踏まえて、平成25年度の消費者基本計画において、医療機関のホームページについて25年度に表示を適正化するための必要な措置の検討を行うこと。また、平成26年度に前年度の検討を踏まえて措置を実施するという形でされていたところでございます。

そうした中で、厚生労働省といたしましては、当初の計画を前倒しする形で対応させていただいておりまして、バナー広告等とリンクした医療機関のホームページにつきましては、医療法による広告規制の対象であることを明確化するという通知を昨年9月に発出させていただいたところでございます。

その効果・検証についてでございますけれども、何分、まだ見直しをして間がないということと、あと、性質上、定量的に把握することがなかなか難しい面もあろうと思っておりますけれども、今後、自治体職員等に対して、そうした医療広告に関する都道府県等の担当者会議などで自治体の職員の方が集まる機会がございますので、そうしたところでアンケート調査を実施するなど工夫して、検証・評価にかかわる取り組みを行っていきたいと考えております。

続きまして、2点目でございます。広告の概念について再度検討をという御指摘でございます。

これは、恐らく1つ目と関係すると思っておりますけれども、広告に関して現状で何らかの問題があるということで、取り組みをということだと認識しております。

その点につきましては、先ほどの御説明と重複するのですけれども、美容医療を行う医療機関の多くがバナー広告等を出しているところでございまして、そのバナー広告等とリンクする医療機関のホームページというものが医療広告に該当するということを明確にして、そうした内容でホームページに対して医療法に基づく措置を自治体が講じることが可能となっております。なので、現時点におきましては、そうした通知を発出して時間が余りたっておりませんので、厚労省としては今回の講じた措置を関係者に周知・徹底して、こうした取り組みが進んでいくことを注視していきたいと考えております。

3点目でございます。医療機関のホームページの監視について、保健所に対する厚生労働省の支援のあり方等に係る検討状況を説明されたいということでございます。

これにつきましては、医療法における広告規制につきましては自治事務ということでありまして、その事務処理を円滑に行うための技術的助言といたしまして、厚生労働省が医療広告ガイドラインを定めて、各自治体において当ガイドラインに基づいて適切な事務処理を行っていただいていると考えております。

自治体への支援といたしましては、厚労省におきまして全国医政局関係主管課長会議や、医療広告に関する都道府県等担当者会議を開催しまして、疑義照会への開催を行っているほか、違反事例を本省において把握したときには自治体へ情報提供するなどしまして、自治体と連携しながら対応させていただいておりますので、今後とも自治体と連携して対応していきたいと考えております。

最後に、「美容医療サービス等の自由診療におけるインフォームド・コンセントの取扱い等について」、医療従事者や保健所等が判断しやすいように具体的なQ&Aの作成や具体例の提示等の工夫について取組状況を説明されたいということの御指摘でございます。

これも、消費者基本計画では美容医療サービスにおける事前の説明の内容や、その方法については、平成25年度にその取り扱いを具体的に示した指針の検討を行い、平成26年度に前年度の検討を踏まえて指針を策定するとされているところを、先ほどの広告と一緒でございますけれども、当初の計画を前倒ししまして、美容医療サービス等の自由診療におけるインフォームド・コンセントの取り扱いを示した通知を昨年9月に発出させていただいているところでございます。

具体的なQ&Aの作成等については、今のところ、この通知に関する問い合わせが特に多いというわけではないので、現時点で何か取り組んでいる、公表しているものはありませんけれども、これは自治体の今後の対応状況やお問い合わせを踏まえて、必要に応じて検討していきたいと考えております。以上でございます。

○河上委員長 ありがとうございました。それでは、御質問、御意見のある方、発言をお願いいたします。齋藤委員。

○齋藤委員 私、国民生活センターでADRの委員をやっているのですけれども、国民生活センターのホームページにいろいろな事例の概要が載せられております。場合によっては事業者名を公表することもあります。

その中で、昨日、ピックアップしたものをご紹介します。相手方クリニックの公式ホームページで包茎手術4万8,000円の表示を見て、平成25年3月に包茎手術の相談のため相手方クリニックに予約をとって出向いた。ところが、とてもひどいと言われ、40万円かかるという話になった。同意して手術台に通されたわけですが、その措置後、麻酔が残っている状態で、さらにもっと追加施術したほうがいいのではないかと言われ、合計105万円の施術になったということであります。それでADRに来たわけですけれども、結果、和解が成立しております。

ADRというのは来る者を待っているだけで、積極的に働きかけることは個別にはしておりません。しかしながら、同種の被害が多くて社会に注意喚起しなければならない、すべきであるという事案については、概要を公表しています。和解が成立した場合には、その和解を尊重して事業者名をほとんど公表しておりません。こういうことなのです。事業者名公表が片方にあると和解が成立するということなら、厚生労働省は実態に鑑み、どのような指導・監視を日常行っているのか。具体的に問題が起きても、私の見る範囲では、解決するのではないかと思えるのです。

私の知っている限り、問題になったときに事業者名公表の話が出ると、和解が一遍に成立するということであります。日常からそのようなルールにしていれば、こういう被害者も出ることなく済むのではないかと思うのです。どのような指導が具体的に行われているのでしょうか。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 済みません、御質問が個別の紛争の話と普段からのインフォームド・コンセントに関する周知というのが十分理解できているところではないのですけれども、今お話のあったように、実施しようとする施術に要する費用等につきましては、先ほど御説明させていただいた美容医療等に関するインフォームド・コンセントの取り扱い等についても、事前にきちんと説明するようにということについて周知を都道府県等を通じて医療機関に実施させていただいているところでございます。

○河上委員長 齋藤委員。

○齋藤委員 まず、クリニックの公式ホームページで4万8,000円というのを見て、行っているわけです。したがって、普通のビジネスであれば、これはおとり広告のような格好ではないかと私は思っているのです。それにつられて行ったら40万円と言われ、それはそうかと思ったのです。その次がインフォームド・コンセントになるのでしょうけれども、105万円になってしまった。したがって、表示方法のあり方と、相談相手とのコンセンサスのとり方の2つが合体した案件だと思います。

そうすると、そのようなホームページでまず勧誘する、4万8,000円ですよという情報について、どのような指導がなされているか。あと、実際には金額が著しく増加しているわけですけれども、その説明についてどのような指導がなされているか。これは、厚生労働省も、都道府県に言っておりますというだけで済む問題ではないと思っているのです。本件は、去年の3月に手術した案件ですけれども、現在もこのような事案は出てきております。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 まず、広告のお話につきましては、最初にお話させていただいたとおりで、美容医療について、多くはバナー広告を張られているということもあるので、それについては医療法の広告規制の対象になるという形のものを明示させていただいております。ホームページ一般につきましては、ガイドラインを策定して技術的助言をさせていただいているという状況でございます。

その一方で、個別の価格が診療の中で増加していることについては、個別の患者様と医療機関の間なので、ここで私が何かこういう形でそれについてというのを申し上げるのは、なかなか難しいことは御理解いただければと思います。

○河上委員長 よろしいですか。

○齋藤委員 エンドレスのやりとりになりますので。

○河上委員長 他に何かありますか。石戸谷委員、どうぞ。

○石戸谷委員長代理 医療機関ホームページガイドラインとか医療広告ガイドラインの実効性に関する検証・評価の方法ですけれども、これは135回のときにも若干議論になったのですが、そこが非常にはっきりしないと。135回のときは昨年11月の時点ですので、医療広告ガイドラインの改正をして間もなかったということがあるのですが、もう大分たっていますので、時期的な問題というのは、効果が出ているのか、出ていないのかわかる時期になっているのではないかと思います。

問題は、検証・評価の方法として、担当者会議で議論してわかるような問題なのかということがあって、アンケートというお話が出たので、アンケートで把握するということであれば、具体的にどのようなアンケートを想定しておられるのかということと、あと、前回も出ましたけれども、実際問題としては美容医療に関する相談件数がだんだん増加してきているので、こういう事態になっているわけでありまして、そういう意味からするとPI0-NETの苦情相談件数というのは、当然それを踏まえた上での対応をすべきでないかと思うのですけれども、その辺についてどういうふうに考えておられるのか、お伺いしたいと思います。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 アンケートの内容については、まさに現在内部で検討中なので、詳細にお示しすることはできないのですけれども、担当者のある程度主観的な部分が中心になったようなものになっていくのではないかと考えております。

○石戸谷委員長代理 問題の所在が、美容医療に関して、苦情相談が年々増加しているというところで取り上げているわけですので、それが改善されているか、されていないかというのは、当然その辺のデータは実態を踏まえて対処するべきでないかと思うのですけれども、その話が全然出てこないので、そこはどういうふうにお考えになっているのかということ。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 いろいろな手法があると思うので、必要に応じて、そうしたものを参考にするということはあるのかなと思っております。いずれにしましても、実際に現場で活動いただいている自治体の職員等と連携を密にしながら、そうした情報も含めて対応していきたいと考えております。

○河上委員長 唯根委員、どうぞ。

○唯根委員 それでは、今のことに続けて質問させていただきたいのですが、医療広告ガイドラインの第5で、相談・指導等の方法についてお示しいただいておりますが、こちらのガイドラインは昨年9月に公表されていらっしゃるということでは、先ほどご説明のあった担当者会議等に出席されている方々だと思うのですが、「住民等からの苦情を受けるための担当係を決めるように」と書かれていますが、どういう部署が担当になられて、それは今、全国でどの程度機能しているのでしょうか。

続いて、同ガイドラインには「消費者行政機関等との連携を図る」という項目もあるのですが、こちらについては違反事例、先ほど齋藤委員が例として出されたような個別案件が自治体レベルで解決できなかったときに、厚労省に上がってきたときに、どういう対応をなさるのか、また「必要な措置を講じられたい」とも書かれているのですが、御指導は、どのようになさっていらっしゃるのか、お尋ねします。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 今の御質問の内容をもう一度確認させていただければと思うのですけれども、相談窓口の件は、配付資料のうち、どちらのことを言われているのか、教えていただければ。

○唯根委員 資料2-3の医療広告ガイドラインの38ページに第5として相談・指導等の方法について書かれているようですが、苦情相談窓口の明確化について、これはすでに半年以上たっていますから、整理されていらっしゃるのではないかと思ってお尋ねしたところです。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 自治体における相談窓口の整備状況ということでございます。現時点で我々のほうで、個別の自治体で電話番号がどこでというのが把握できておりません。この場でお答えできなくて申しわけございません。

○唯根委員 そうしますと、担当者会議と先ほど御説明いただいたところで、今後ともこれについては周知というか、各自治体の事務としてと話されていましたが、どこまで現場にこれが浸透されて機能するのかどうか不安です。ここまで細かく書かれていらっしゃる割には、消費者センター等へも、自治体の保健所との連携ということが全然進んでいないようですし、被害は実際にずっと続いて、それこそ国民生活センターのADRにまで上がってきたり、被害事例の公表などがされておりますので、自治体で無理だったときに厚労省さんとしてどういう対応をされるのかまでを含めてご報告、御検討いただけるのかなということで、お尋ねしたかったのです。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 基本的には、法律上、自治体でやっていただく事務に分類されておりますので、そこは御理解いただきたいと思いつつですけれども、都道府県等から何らかの相談・照会等があった場合には、我々もできる限り対応させていただいておりますし、先ほどの繰り返しになりますけれども、こうした運用の徹底につきまして、周知等につきましては、さまざまな連絡会議等を通じて、我々も引き続き取り組んでいきたいと考えております。

○河上委員長 窓口の設置状況について、どういうふうになっているかということは調査されていないのですね。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 特にこれに向けて調査ということはありませんけれども、担当者会議をやるときにはある程度出席者はいらっしゃるわけなので、そうしたところが1つ、どういう方が担当されているかの目安になっているかと思っております。

○河上委員長 もし可能であれば、どういう設置状況になっているのかというあたりを後で教えていただければと思います。唯根委員、よろしいですか。

○唯根委員 はい。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。山本委員、どうぞ。

○山本委員 今の繰り返しになってしまうのですけれども、自治体のほうから具体的に照会とか相談というのはどれぐらいあるのでしょうか。あるいは、どのような内容の相談や照会があるのか、あるいはそのようなものは目立ったものは今までなかったということなのか、そこを確認したいと思います。自治事務と言っても、当然そのような照会等はあるはずですので、いや、それがなかったということであれば、なかったというお答えでも構いません。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 明確に統計をとっているわけではないので、担当者の印象になってしまいますけれども、1日1件あるかないか、その前後で動いている印象でございます。それほど1日に何十件も自治体から問い合わせがあるという状況ではございません。

○河上委員長 何か具体的な例があれば。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 問い合わせの内容。

○河上委員長 はい。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 美容医療に限らない、どこまでが美容医療でというのはなかなか難しいところがあるのですけれども、広告一般であれば、例えば医療機関の名称に病気の名前を入れていいのかとか、そういったことも含めて、さまざま広告等については都道府県からの照会があるという状況ではございます。

○河上委員長 厚労省のほうから都道府県に対して、何か通知を出したりということはあるわけですか。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 まさに昨年新たに見直しをさせていただいた分については、新たな通知を発出させていただいておりますし、その周知を図るために都道府県担当者会議や主管課長会議等で情報発信というか、周知徹底をさせていただいている状況でございます。

○河上委員長 個別の案件に関して、これについてはこういうふうにということを厚労省のほうから逆に自治体のほうに何かしているということはあるのですか。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 そうした外部からの連絡があった場合には、個別に対応するとともに、必要に応じて自治体等に対する周知というのを、個別事案についても対応させていただいているところではあります。

○河上委員長 厚労省に個別の事案が上がってきて、それを自治体に向かって連絡をして処理をしているというものがどのぐらいの件数あるものですか。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 済みません、集計を前提に業務をしておりませんので、この場でお答えすることが難しいことは御理解いただければと思います。

○河上委員長 先ほどからいろいろな検証・評価ということをおっしゃっているのですけれども、具体的に何をなさっているのか、よく判りません。ガイドラインをつくったから、これが原因でこういうふうに減ったということをちゃんと示すというのは、それは難しいことだろうと思いますけれども、そもそもトラブルがガイドラインをつくることによって減っているのですか、減っていないのですか。我々のほうでは、そういうトラブルがどんどんふえていることに対して、ちゃんと手を打ってくださいとお願いした。それに対して、今、ガイドラインを周知徹底しているので、その検証をしてから対応させてほしいとおっしゃった。それで、もう1年近くなるわけですね。ガイドラインをつくった後、減ったのですかということです。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 トラブルの因果関係については、委員長からお話があったとおり、なかなか難しいと考えております。その意味では、今、この時点で、この影響について明確に減ったと申し上げることは難しい状況ではございます。でも、我々も出したまま、このままでと申し上げているわけではございませんで、出して1年近くたっていると言われれば御指摘のとおりかもしれませんけれども、それを現場できちんと根づいてやっていただけるような、引き続きの取り組みをさせていただければと考えております。

○河上委員長 岩田委員、どうぞ。

○岩田委員 今、委員長が言われたことと重なるのですけれども、26年度までにやる予定になっていたことを1年前倒しにやられたということで、自信を持って御説明されたのですけれども、本当にそれで効果があったかどうかというのを、どういうタイミングで、どういう手法でやられるかということについての説明を、きょうここでぜひ聞きたかったのです。

今、もしまだできていないとすれば、いつごろ、どんな手法で今回の2つ、手を打たれましたか。1つは、バナー広告等とリンクしたホームページについては、広告規制の対象にした。そのことでどんな効果があったのか。もう一つは、それ以外の一般的なホームページについてはガイドラインをつくられたという。それで十分な対応だったかどうかということについても評価していただいて、効果があったということだったらそれでいいのですが、効果が十分ではなかったということになると、次の手を打ってくださいというお願いをしないといけませんので、評価についてはしっかりお願いしたいと思いますが、どんな予定をされておられるでしょうか。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 繰り返しになりますけれども、定量的に何かこれで、しかもほかの要因も関係してまいりますので、なかなか明確な形で数値上、やっていくのは難しい面もあることは御理解いただければと思っておりますけれども、それで現場で対応に当たられている自治体の職員の方々からのアンケートというのが一つの方法ではないかと考えております。以上です。

○河上委員長 よろしいですか。では、橋本委員、どうぞ。

○橋本委員 別のことでいいですか。

○河上委員長 どうぞ。

○橋本委員 インフォームド・コンセントの取り扱い等についてですけれども、先ほど具体的なQ&Aの作成については、つくっていないので公表していないという説明だったと思うのですけれども、今後、そういった具体的なQ&Aの作成を考えていらっしゃるのか。もし考えていらっしゃらないとすれば、昨年出した指針なり、それについての取り扱い等についての情報提供だけでいいとお考えなのか、その辺、確認をお願いいたします。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 その前の御指摘で定量的に難しい面もありますので、そうした取り組みを我々も進めていきたいと考えております。Q&Aは今、出しておりませんけれども、検討させていただいてはおります。どういう形になるのか等々は、まだお答えできませんけれども、自治体の職員等がより円滑に取り組みやすいように何らかのものを考えていきたいと考えております。

○橋本委員 具体的にいつまでとは。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 そこまで練り込めているわけではありません。検討はさせていただいているという状況でございます。

○河上委員長 バナー広告の件で、これを広告という形で取り扱う方向に進んだというのは評価してよいことだと思っているのですが、バナー広告と連携されたホームページと、そうでない普通のホームページを区別して、一般のホームページに関しては広告ではないとする、基本的な態度をずっととっておられますね。

今日では、検索エンジンがこれだけ発達していて、たとえば「まつげエクステ」と1つ入れれば、沢山広告らしきものが出てくるわけですね。そのようにしてホームページまでたどり着くようなときに、果たしてそこに書いてあることは、バナー広告とリンクしていないから広告ではないとおっしゃる理由がいま一つわからないので、もう少し説明していただけますか。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 認知性の問題が1つあって、今、委員長からお話があったところが、逆にお答えしていただいているところではありますけれども、広告というのは自然と目に入ってくるようなものかどうかということが1つあって、リンクしているものが意図的に入っていくというところで、バナー広告については規制の対象であることを明確化させていただいたところです。

一方、情報発信をなるべく幅広く医療機関がやっていくということも重要ですので、患者様が知る権利というものも含めて考えていかないといけない問題だろうと考えております。

○河上委員長 自然と目に入ってくるかどうかと言うけれども、バナー広告の場合と、普通にインターネットを見ていてホームページにたどり着くのと、そんなに大きな違いがあるのですか。情報発信の問題とは抵触しません。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 認知性という意味では違いがあると考えております。

○河上委員長 もちろん、自分から探していっているということと、自然に目に入ってしまったということの違いですが、実際にある治療を受けようと考えた人が、いろいろな事業者の情報を得ようとしたときに、どちらの方法、バナー広告から入ってくるか、それとも検索エンジンで探して入っていくかというだけの違いで、それは医療機関が不特定多数の人間に対して示している治療内容ではないのですか。認知性が仮に違うとしても、なぜそこをあえて区別しないといけないかというのが、よくわからないということです。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 繰り返しになってしまいますけれども、広告というのは一般人が認知できる状態であるかどうかというところで、1つ考え方があるのだと考えております。そちらにつきましては、バナー広告というのは、委員長がお話になったとおりで、御自身でバナーをクリックされて入っていくということで、意図的に入っていかれているということと、そうではない状態のものでは一定の違いがあると考えております。

その一方で、一律にやらないことについては、幅広い情報発信は重要な面でありますので、慎重な検討が必要というか、現時点では一般のホームページにつきましては規制の対象になっていないという状況でございます。

○河上委員長 高橋委員、どうぞ。

○高橋委員 ホームページを実際にどの程度ごらんになってお答えになっているのかというあたりが、今、大変気になっております。情報提供とか広告の域を超えているホームページというのが、実際、たくさんあるわけで、ガイドラインで定義していらっしゃるのが、認知性だけじゃなくて、特定性、誘引性、この3つを満たすものということですけれども、それに該当しそうなものが実際にあるのではないかと思っています。実際に当たっていらっしゃるのかどうか、そのあたり大変気になりますけれども、そういう観点から、みずから検索しても広告に該当するものがあるとお考えになりませんか。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 具体的にどうしたものを想定されているのか、ちょっとわからないところもあるのですが、そうした観点で、今回、バナー広告とリンクしているものを、規制の対象になると明確化した対応をさせていただいたと考えております。

○河上委員長 石戸谷委員、どうぞ。

○石戸谷委員長代理 今の点ですが、バナー広告以外に検索エンジンで上に来るようなものについても広告とするとなっているのですけれども、検索エンジンで上位に来るような対応をしているものかどうかにかかわらず、検索するという意味では消費者の側から見ると同じであるわけで、そういう意味ではそこでの区別というのは余り合理性がないのではないか。

24年3月の医療情報の提供のあり方等に関する検討会の報告でも、そこのところは今までのようなやり方では難しくなりつつあると考えられるとしながらも、美容医療サービスとか歯科インプラント治療などの自由診療分野を念頭に対応することが適当だという切り分けをしているので、自由診療分野についてという切り分けで広告を考えていくというのが適当で、検索エンジンで上に来るかどうかという切り分けというのは、この報告の考え方ともまたちょっと違うのではないかと思います。自由診療に問題があるのであれば、そこに範囲を設定した広告規制のあり方というのも考えられるのではないかと思いますけれども、いかがですか。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 広告一般の概念につきましては、これは医療法全体で分野を問わずかかっていくものですので、念頭に置くことは必要かもしれませんが、規制をそこだけにかけるというのは少し難しい面があるのではないかと、ちょっとテクニカルには考えております。

○石戸谷委員長代理 もちろんそうなのです。したがって、別にそこは法的に手当てすればいいだけの話ですね。これだけ被害が出ているわけですから、それに対応した規制を考えて被害の未然防止に務める責務があるのではないかと思いますけれども、いかがですか。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 そうした意味で、さまざまな要件を勘案して、繰り返しになりますけれども、少しずつではありますが、バナー広告等々を明確化して対応させていただいているところで、引き続き状況を見ながら取り組みを続けていきたいと考えております。

○石戸谷委員長代理 それと、インフォームド・コンセントのほうもそうですけれども、実効性の確保という面で、自治事務であるということで、直接国の執行権限がないということがあると。

特商法などの場合は、国のほうも権限があり、自治事務で自治体のほうにも権限があるという工夫になっていて、国のほうも広域的なものについては処分ができるようなたてつけになっているので、これはいいわけですが、自治事務であるから国のほうが全然やれないのかという話になってきて、自治事務だというところで都道府県の負担も大きい云々というのがいろいろなペーパーの中に出てくるのです。そういうことで執行の確保が困難だということであると、民事効を入れて実効性を確保する以外にないのではないかと思います。

医療分野というのは非常に専門的な分野でありまして、例えば専門分野だと、金融については説明しない場合に説明義務違反ということで民事効がついているということがあり、特商法のほうでも違反があれば取消だとか損害賠償の民事効がついているという形で、直接行政が絡まずに権利行使によって被害回復ができるというルートがあるわけで、国自体が執行できない、実効性を確保するのが困難であれば、そういう道筋も考えてくださいということになるのではないかと思いますけれども、そこはどういうぐあいにお考えになっているでしょうか。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 正直、現時点で、今お話のあったものについて具体的な検討をしているわけではありませんので、ここの時点で見解をというのは私の口からは申し上げにくいことは御理解いただければと思います。

○河上委員長 消費者委員会で建議を出す前にヒアリングしたときも、例えばインフォームド・コンセントが十分でなかった場合に損害賠償責任を課すことはどうかとか、あるいは契約をしたときに、まだ成立前であれば、いつでもクーリングオフができるようにするとか、あるいは契約を締結しても、そのときには直ちに治療しないで別の日にやるようにといった、さまざまな契約の中での民事的な効果の在りようについて考えてみることもよいのではないですかという議論はさせていただいたかと思います。そういう民事的な話に関しての検討というのは、今のところ進んでいないということですか。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 実際に受けられる前に適切な情報提供、費用も含めてということについては、先ほど来の説明のとおり、さまざまな形で法令に規定されているもの、またガイドラインに示すもの等々で取り組みをさせていただいておりますけれども、起こった後の美容医療の紛争処理に関するものについては、なかなか現時点ではという状況でございます。

○河上委員長 齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 私が最初の国センのADRにおける事例で紹介したように、ひどい場合には、事業者名の公表ということを国センでは考えるわけです。具体的なトラブルをある程度把握しておられるのであれば、これはひどいというときに、それと似た措置をとることは考えられませんか。これは、国であれ、都道府県であれ、考え得ると思うのですけれども、いかがでしょうか。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 明確な広告義務違反を犯している場合については、それは現行の規定でも一定の対応がなされているところがありますけれども、個別の医療事故等々に関して、そうした対応についてはなかなか難しい面もあるのではないか。現時点で明確に考えられますとお答えするのは難しい状況でございます。

○河上委員長 さきほどの広告の話にもなるのかもしれませんけれども、最近の新聞を見ていますと、そういうトラブルがいっぱい出ていることは否定できなくて、そこを何とか少なくしようというために対策を考えるわけですね。今やっている措置で、必ずしも十分ではないのではないかという疑問が委員の間から次々と出ているということです。

○唯根委員 もう一点、伺っておきたいのですが、よろしいでしょうか。

○河上委員長 どうぞ。

○唯根委員 ありがとうございます。

資料2-2で、広告のガイドラインについて行政指導を実施していただく。その結果については、厚労省さんに全部上がってくるものでしょうか。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 現時点では、必ずしも上がってくるものではございません。

○唯根委員 この辺は、厚労省さんでしっかり把握していただくことは難しい問題があるのでしょうか。

○厚生労働省医政局総務課山本保健医療技術調整官 都道府県の業務負担や、どこまでの範囲ということも含めて、現実的には医療に関するさまざまな取り締まり、規制がある中で、全体的なバランスを見ながら対応しないといけない面もございますので、都道府県との関係を見ると、そこは直ちにすぐできますといった形のものではない状況ではございます。

○河上委員長 予定していた時間になりましたので、このあたりにいたします。厚生労働省におかれましては、せっかくガイドラインをつくっていただいたということですので、そのガイドラインの遵守状況等、これまでの取り組みの効果について十分に情報収集していただいて、その内容を分析して、少なくとも明確な効果があらわれていないということであれば、法的措置を含め、さらに適切な措置を講じていただけるように重ねてお願いしたいと思います。その際には、先ほどから出ていますけれども、行政的な対応ばかりでなくて、民事的な対応についても検討をぜひお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

厚生労働省におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。

(厚生労働省退席、消費者庁・食品安全委員会・農林水産省・厚生労働省着席)

(2)冷凍食品への農薬混入問題について

○河上委員長 続きまして、「冷凍食品への農薬混入問題について」であります。消費者庁、食品安全委員会、農林水産省、厚生労働省におかれましては、お忙しいところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。

昨年、国内の工場で製造された冷凍食品に農薬が混入するという事案が発生いたしました。この事案を受けまして、関係省庁において、ことしの3月に冷凍食品への農薬混入事案を受けた今後の対応パッケージが策定されたところであります。本日は、消費者庁、食品安全委員会、農林水産省、厚生労働省から、この対応パッケージの内容と再発防止、及び被害の拡大防止のための取り組みについて御報告をいただこうと思います。

まず、本件に関する取り組み状況や、事前にヒアリング項目としてお示ししている点について、消費者庁から御説明をお願いしたいと思います。説明時間は、消費者庁から10分、食品安全委員会、農林水産省、厚生労働省からそれぞれ5分程度ということで、短くて恐縮ですけれども、よろしくお願いいたします。

○消費者庁宗林消費者安全課長 消費者庁消費者安全課長でございます。

消費者庁に関しまして宿題をいただいていますのは、地方の消費生活センターとの連携の説明と、全体的な対応の状況ということでございます。それでは、御説明したいと思います。資料3-1をごらんください。

当庁は、このニュース、報道が端緒になってございまして、12月29日の夕方の報道で認知いたしました。当庁安全課がしたこととして、一番最初は消費者への情報提供ということで2点ございます。

1つは、消費者への注意喚起でございますが、29日に知りましてからいろいろな連絡を幹部などとしまして、30日以降、食べないでとか返品するような呼びかけということで注意喚起を開始いたしました。30日に一報しましたが、その後、4報ですが、一部追加とか修正がありますので、1月10日までの間に順次情報を、例えば写真を入れたり、電話のより詳しい内容というものを入れていきまして更新しまして、計6回注意喚起をしております。例えば消費者ホットラインの周知とか、製造所固有記号の情報等もこれに加えていってございます。

2番目としまして、消費者庁リコール情報サイトの掲載がございます。これは、回収対象商品の商品名、写真、返送先、問合せ先の情報を順次掲載していったということで、販社とか、皆さんが身近にここで買ったというものごとに載せていきましたので、全部で22の事業者分になります。その中には、例えば途中で業務用として売られていたけれども、実は通販サイトもあって一般の消費者も買えるようなものがあったとか、そういったものも含めまして、一般消費者が手に入れる可能性があるものをどんどん追加していく形で22事業者分になったということでございます。

それから、先ほどの注意喚起の中では、重要な情報としては途中で調査結果が出てまいりましたので、検出されたものがなかったといった情報も途中でつけ加えさせていただきました。それが消費者への情報提供でございます。

それから、2番目で関係機関との連携ということでございます。

1番目、地方公共団体との連携ということで、これは1月4日以降となってございます。残念なことに1月のお正月の3日間は、私たちは動けても、消費生活センター等、いろいろな電話の対応ができるところがなかなか探せなくて、4日以降のことでお話をさせていただきます。6日に「農薬(マラチオン)を検出した冷凍食品の自主回収について(情報提供)」ということで、最初、アクリフーズでは相談対応の電話の回線数が非常に少なかったこともありまして、電話を受けられる率が非常に低い形から始まりました。

それを見て、私どもは消費生活センターにおける相談対応のサポートをするということで、各消費生活センターにQ&Aを送ったり、そこで一時的に、例えば返送方法とか、いろいろなことがわかるようにしました。一方、アクリフーズ内には、消費生活センターから問い合わせができる専用回線の設置をお願いする形で、アクリフーズ自体が回線をふやせるまでの間、こういう形でサポートいたしました。このときに国民生活センターの行政フォーラムというところがございますが、そこにもすぐ載せまして、相談員が直接見られる形をとりました。

平成25年度に全国の消費生活センターに寄せられたアクリフーズの冷凍食品に関する相談件数は3,707件でございます。これは数字として御報告します。

それから、1月7日にも事務連絡を出しておりまして、「消費者事故等に関する情報の通知について」ということで、この件についてはなるべく早期に登録してください、PI0に入れてくださいということと。それから、横展開といいますか、自治体の中で保健所さん等にも情報を渡してください、あるいは市町村にもこの情報を伝えてくださいという内容の事務連絡を発出いたしました。

次のページでございますが、関係省庁との連携ということでは、1月14日に消費者安全情報総括官会議を開催いたしました。この安全情報総括官会議でございますが、もともと平時でも安全情報総括官というのが制度としてございまして、11府省にわたって総括官が平時でも連絡ができるような連絡網とか、そういうものを共有しておりまして、何かあったときには緊急時の初動をいかに迅速にできるかということで、体制を持ってございます。

ホームページにもアップしているかと思いますが、総括官制度というものを定めておりまして、24年9月28日に局長申し合わせで出したものでございます。この中で総括官制度についての決まりと、総括官会議を開く判断についても記載されてございます。これの中では、次長にまず報告し、消費者担当大臣、特命大臣がその開催を決めるという形になってございます。

14日には、関係省庁との情報共有、今、どういう情報があって、今後の対応をどういうふうにしていくのかということをこの会議の中で話し合っております。

では、総括官会議はどういうときに開くのかということでございますが、緊急時をどう判断していくかということにつきましては、例えば重大事故が発生している。死亡したり、30日以上の入院があったりという極めて重篤な事故があったり、結構な頻度でそういう事故が発生している。それから、事故が発生していることの確認時点で拡大防止策が不明であったり、原因不明であるものについて、緊急事態という形のめどとしております。

今回の事件につきましては、この要件には実は該当しておりませんでした。ですが、その特例条件としまして社会的に関心が高い場合というのがございまして、新聞等でもかなり報道されていたこと。たくさんの方がそれによってぐあいが悪いという話もございましたので、社会的に関心が高い場合ということには該当したかと思われます。

また、このときに1つの府省だけで完結するというよりも、消費者庁と他府省が関連して情報共有したり、対応に当たるということもこの要件になってございます。そういったことで、消費者安全情報総括官会議を1月に開き、また3月にもこれを開催いたしまして、次ページにつけてございます今後のパッケージを取りまとめたところでございます。

そのほか、農水省からお話があるかと思いますけれども、意図的な毒物等の混入の未然防止に関する検討会が開催されまして、消費者庁はオブザーバーとして参加しております。 3番目に、森大臣とアクリフーズ社幹部との面会ということでございますが、1月8日に森大臣からアクリフーズに、今回の件および、これから先も、なるべく迅速に消費者にわかりやすい情報を提供してくださいとのご指示がございました。

それから、今後の対応でございますが、対応パッケージを踏まえたリコール情報周知の推進に関する対応。これは、具体的には今、ツイッター等の利用を始めたところでございます。もう一点は、活性化基金を活用して食品業界等との連携による食品リコール情報の周知強化というものを現在進めているところでございます。

次のページが、開催は3月14日でございますが、3月17日に局長申し合わせとしてフィックスしたものでございます。この事件、食への信頼を揺るがすものであったということと。それから、本来は事業者みずからが消費者の信頼を維持・確保するため、基本的に措置をしなければならない。さりとて、政府としては、その対策を促すために関係府省がそれぞれで取り組みを検討して、連携して実施していくということが書かれております。1番としまして、食品等事業者に対する食品安全に関する情報提供ということで、食品の安全等に関する各種情報を取りまとめること。あるいは、農水省における食品防御等の取組についてということが挙げられております。

2番目に、食品等事業者から保健所への届出・相談についてでございます。これにつきましては、事業者が設置した第三者検証委員会が検証を進められておりますけれども、この検証結果を踏まえて、届出・相談の在り方について、厚生労働省において必要な検討を行うということで取りまとめを行いました。

3番目としましては、リコール情報の周知でございまして、消費者庁が取り組むものでございますが、最後のページに、先ほどもお話しましたように、活性化基金の中のプログラムもございますので、それを今、地方の都道府県で手を挙げてくださるところと計画しているところでございます。

最後に、緊急時の対応の訓練でございますが、ことしも実施するということで、消費者庁がいろいろな計画をしているところでございますが、特にことしは昨年、実践的な緊急時訓練ということでございまして、みんながわかった上でやるというのではなくて、より実践的な訓練をしていきたいと取りまとめたところでございます。消費者庁からは以上でございます。

○食品安全委員会事務局総務課担当者 引き続き、食品安全委員会事務局総務課、補佐の田中と申します。よろしくお願いいたします。

資料3-3に沿って説明させていただきます。冷凍食品の農薬混入事案への我がほうの対応について、簡単にまとめたペーパーでございます。

昨年12月30日にマラチオンについてJMPRという国際機関が評価したADI。このADIと言いますのは、1日摂取許容量と書いております。あとは、ARfD(急性参照用量)等の科学的知見を厚労省、農水省、消費者庁に情報提供いたしました。

あわせて、もしかすると御記憶に新しいかもしれませんけれども、事業者がコロッケ60個までは健康に影響がないという毒性の見解を出してしまったのですけれども、我がほうで直ちにその懸念を厚生労働省に伝え、同日の夜には、厚生労働省は直ちに毒性に関する見解を発出し、見解の修正を事業者に指導しております。

30日の夜には、マラチオンの概要を我がほうのホームページに掲載し、31日には、我々、メールマガジンを持っておりますが、約1万人の全国の会員に発信するという対応をいたしました。

そのときにマラチオンの概要についてと、別添についてございますけれども、こういうペーパーをつくっております。我々のほうで、マラチオンはどういうものかというのを調べたもので、12月30日にこれに沿ってホームページに掲載しております。マラチオンはこういうものだというのを1つ目に書いておりまして、2つ目の○に海外での評価状況を書いております。ADI、ARfDという用語も外の人からしてみればわかりにくいので、解説をつけております。

中毒症状が消費者の方々が一番関心のある事項だと考えましたので、どういう中毒症状があるのか。軽症だと吐き気とか嘔吐、重症だと云々というところも概要として記したものをいち早く公表しております。

これとは別に、我々のほうでマラチオンの評価をさせていただきました。参考でつけておりますが、当時、12月30日時点で我々が情報提供したのは、先ほど申し上げましたように、JMPRという国際機関、FAOとWHO合同の残留農薬専門家会議ですけれども、そちらの基準をいち早くお届けしたところでございますが、我がほうでも評価しております。この評価結果が参考についております。評価結果、結構難しいのですけれども、ほぼJMPRの評価結果と変わりませんということでございます。

このようなことを我々のほうでしてまいりましたが、3月17日の今後の対応パッケージに沿って、我々はどういうことをしていくかといいますと、常日ごろから緊急時対応ということに非常に力を置いておりまして、緊急時対応の係まで設置して、毎年、きっちりと我がほうでやっております。去年も消費者庁さんを司令塔にしながら、12月に緊急時対応訓練という実践さながらの訓練を約1日かけて実施しております。ことしも先ほど宗林課長がおっしゃいましたように、より実践的に緊急時対応、訓練を実施していきたいと考えております。

あと、情報提供のツールでございますが、これまではメールマガジンとホームページを持っておったのですけれども、この訓練などを機に、昨年末にうちのほうで食品安全委員会のフェースブックをつくりまして、常日ごろからフェースブックで情報発信しているところなので、このようなツールも使いながら食品安全に関する情報を積極的に提供していきたいと考えております。食安委は以上です。

○農林水産省消費・安全局消費・安全政策課担当 続きまして、農林水産省でございます。よろしくお願いいたします。

お手元の資料、変わりまして横紙でございます。資料3-4に沿いまして御説明させていただきます。上のほうと左側に書いてございますのは、御参考ということでお読みいただければと思います。弊省の対応について、右側の枠の中でございます。

まず、12月31日でございますけれども、弊省でも消費者向けのメールマガジンを持っておりまして、1万6,000人ほど登録していただいている消費者の方々がいらっしゃいますので、そうした方々に対象商品を食べずに返品してくださいという情報提供と注意喚起を行わせていただいております。

それから、1月6日、14日と飛びまして、今度、1月16日でございますけれども、消費者庁からも通知を受けまして、農林水産省は小売とか卸売という業界を所管しておる立場でもございますので、そういう食品の流通団体に、まだ御家庭に眠っているような対象商品を食べずにいち早く回収してもらえるようにという協力を依頼するための通知を関係小売団体とか業界宛てに出させていただいています。

消費者の健康保護が最も重要という認識のもとに、商品の回収が円滑に、そして確実に行われるように、皆さん方協会のほうでも店頭告示で消費者にわかりやすい情報提供をしていただくなど、家庭に残っている商品の回収に特段の御配慮、御協力をいただきますよう周知方をお願いしますという旨の通知を出させていただいておりまして、その通知の際には、当然のことながら対象商品のリストも、写真つきの企業のほうで出したものがございますので、それを添付して回収への協力を依頼したところでございます。

それから、3月14日には情報総括官会議が開催されたことは宗林課長から説明があったとおりでございまして、その政府の対応パッケージを受けまして、役割分担の中で、事業者が食品防御の取り組みをして、食品の安全の確保につながるようにという取り組みを促進していくことが弊省に与えられた役割でございますので、それを受けまして、そこにございます検討会を4月21日より開始させていただいたところでございまして、現在検討中でございます。以上でございます。

○厚生労働省食品安全部監視安全課担当者 最後に厚生労働省でございます。

資料は3-5をお願いいたします。

これまでの厚生労働省の対応でございますが、今までの御説明の若干繰り返しになりますけれども、12月29日に自主回収の発表があったことを受けまして、その日の夜になりますけれども、厚生労働省から群馬県に対しまして、原因の究明など必要な調査を行うよう指示したところでございます。あわせて、報道機関に対しましても、当時入手できていた情報について提供させていただいたところでございます。

続きまして、自治体側の動きもあわせて御紹介させていただきますが、翌日の12月30日になりますけれども、群馬県の管轄の保健所のほうが立入調査を実施しております。結果については、書いてあるとおりの内容でございます。

その後、30日の夕方から夜にかけてでございますけれども、厚生労働省におきましては以下の対応を実施ということで、まずはアクリフーズが作成した自主回収製品リストを全国の自治体に情報提供しております。そして、当初、事業者のほうがマラチオンの毒性について過小評価していたという事実が判明いたしましたので、急性参照用量を毒性評価の指標として採用するように事業者のほうに指導したところでございます。そして、報道機関等を通じまして、消費者に絶対食べないようにという注意喚起を実施したところでございます。

次のページをお願いいたします。1月6日になりますけれども、厚生労働省から全国の自治体に対しまして、各自治体において公表していたものがございましたので、それについては厚生労働省のほうに集約という形で情報提供するよう通知を発出しております。 翌日の1月7日以降でございますが、厚生労働省のほうから、各自治体が公表している事例について取りまとめて情報提供を開始したところでございます。

その後の流れにつきましては、今まで御説明があったとおりですので、省略させていただきたいと思います。

そして、厚生労働省の今後の対応でございますが、先ほど御紹介があった対応パッケージの、具体的には2番目の項目になるのですけれども、資料3-2にお戻りいただきまして、2番目、食品等事業者から保健所への届出・相談という項目のところが厚生労働省の対応になってございます。現在、アクリフーズによる第三者検証委員会が開催されておりまして、近々最終報告が出される見込みであると聞いているのですけれども、その検証結果なども踏まえまして、消費者から健康被害等の相談情報がありましたら、それについて食品等事業者から保健所への届出・相談の在り方について必要な検討、どういったところまでが対応可能かというところを検討していきたいと思っております。

より具体的には、次のページに参考という形で通知の抜粋をつけさせていただいておりますけれども、厚生労働省におきましては管理運営基準ガイドラインというのを設けております。これにつきましては、実際には自治体のほうで営業施設が衛生管理上、講ずべき措置というのを条例で各都道府県、保健所設置市などが定めておりまして、条例のもととなるものがこのガイドラインでございます。

これにつきましては、平成19年末から20年1月にかけて健康被害が発生しました中国産冷凍ギョーザを原因とする薬物中毒事案を受けまして、ちょっと字が小さいですが、下のほうの新旧とあるほうの「新」で、製造、加工又は輸入した食品等に関する消費者からの健康被害。しかも医師の診断を受けた者という限定つきになっておりますが、こういった事例について入手できたら保健所へ速やかに報告するようにという規定を、平成20年4月に設けたところでございます。

そして、このガイドラインに位置づけたところの運用上の注意というのが真ん中ぐらいにございますけれども、ここでイ、ウ、エのあたりです。例えばイでございますと、広域流通食品等に係る苦情を集約し、散発事例の共通性を抽出・解析できるような仕組みを構築するよう事業者に指導してくださいという内容でありますとか、あとは苦情につきまして集約・解析した結果、食品衛生法に該当するか判断できないような事案を確認した場合でありますとか、又は複数の同様の事案を確認した場合については、保健所等へ相談するよう指導されたい。

さらには、自主検査等におきまして食品衛生法に適合しない事由が認められ、かつ当該食品が流通しているような場合には、速やかに保健所に報告するよう指導してくださいという内容をこの時点で出していたのですが、これにつきまして、今後、都道府県の皆様方と協議する必要があるのですけれども、これを先ほどのガイドラインのほうに格上げすることが可能かどうか。ガイドラインに格上げしますと、自治体のほうで条例を定めることになるのですけれども、これが可能になるかどうかを自治体の皆さん方と今後調整していきたいと考えているところでございます。以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの説明に対して御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。なお、本議題についての議論は、大体5時半ぐらいまでを予定しております。では、お願いいたします。齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 消費者庁にまとめる格好でお伺いする形になるので、内容が他の分野にわたるときにはそちらのほうに振っていただきたいと思います。

現在、訓練を予定しているということでありますが、その前提となる条件をどのように設定しているかということをお伺いしたいと思います。具体的には、死亡事故と、死亡事故ではない今回のような事故、こういう区分け・レベル分けがなされているかということ。もう一つは、故意に異物が混入された場合と、通常のオペレーションにおける管理水準が低かったことによる事故、この場合を分けているかということ。それが1番目ですね。

2番目は、今回の一定の対応をどのように改善していくか。今後、訓練にどう織り込んでいくかということ。

3番目に、これは総括で結構ですが、消費者庁ができていてよかったと思うこと。というのは、もう大分前ですけれども、消費者庁、消費者委員会ができる前に中国冷凍ギョーザ事件がありました。今回も全く一緒の事象です。それから、時期も正月にかかるという点で一緒。今回、情報の発信などは、消費者庁ができていなければ多分大混乱したのではないかとも推測するのですけれども、できていてよかったなと思っていること。また、なお改善が必要だと思う点があればコメントしていただきたいと思います。

○消費者庁宗林消費者安全課長 訓練のところは、食安委さんからも少しお話いただいて、ちょっとつけ加える形にさせていただきたいと思います。

今回、例えば前のギョーザの事件と比べますと、私たち消費者庁は、先ほども言いましたように、29日に報道機関からのニュースが端緒情報になって認知しました。ですが、そこから先の関係省庁との連絡、それから情報共有というのは大変早く、幹部へもそうですし、横の連携も、もちろん翌日は皆さん出勤しているわけですけれども、速やかに行われたということがあるかと思います。

順不同になりますが、消費者対応として、行政機関側からの発信はかなりできる体制があったのですが、実際、たくさんのものが一遍にこれだけ出たということで、お宅の冷凍庫の中にあるものをどういうふうに点検すればいいのかということ、あと返品の相談対応とかコールセンターが整備されないままにリコールをされたので、1次対応でかなり混乱しました。

それで、お正月の三が日、ここは対応が結構苦しかったということで、どこかでそういったときでも消費者の声の相談に対応するところが、必要であったのではないか。そうしないと、行政機関の官庁そのものがじかに動く形になってしまったということです。

ですから、そこはいろいろな電話がかかってきたときの自動的な対応もそうですし、もしこういうことがもう一回起きたときには、どこかで対応できるもう少し大きな体制を政府としても考えておかなくちゃいけないと、消費者向けですけれども、思いました。

それから、訓練は、1つは先ほど齋藤先生がおっしゃったようなところでの分岐点というよりも、例えばどこの都道府県にも拡大しているかもしれないとか。先ほど、緊急時の総括官会議を開くときの条件として言いましたけれども、ただどこかで食中毒が起こっただけではなくて、それがどこまで拡大しているのか、これから拡大するおそれがあるのかというのが不明であるということを、ある程度想定したものをテーマとして掲げることになるだろうと思います。当然重篤度という意味でも、軽症のものだけをやることは多分ないと思っています。死亡があるかないかとかによって、私のところでは判断基準を持っておりません。

あと、ギョーザのときとの違いは明らかでして、ギョーザのときは12月28日に実際に千葉県で発症しているのです。今回の場合は29日にリコールが発表になったということで、人がそういうふうに重篤な状況になったのか、リコールが出たのかという違いはありますけれども、日時的にはかなり近いところで出ています。

それから、今回の場合ですと保健所の連絡も、社としてそれよりも前に、もっとどういうやりとりをすべきだったのかということは置きまして、29日の時点では普通ですと年末年始で休みですけれども、保健所もスムーズにきちんと連絡が行っていますので、ギョウザのときは保健所に電話したけれども通じなかった。消費生活センターが休みという形で、いろいろな情報が全てとまってしまい年を越したということがあったかと思います。その辺も、行政的な対応という意味では、今回は保健所などの連絡もつき、関係省庁との連絡もついたというところが本当に大きな違いだと思っております。とりあえず。

○齋藤委員 私は、本件は意図的に混入された事件ですけれども、殺人になるような毒薬が入っていなくてよかったと思うのです。もし12月末に死者が本当に複数出てきたら、1月4日まで連絡がつきませんでした、ということでは済まないと思うのです。すると、ランク分けが要るのかと思ったものですから、お伺いしました。

○消費者庁宗林消費者安全課長 また、訓練の話は食安委さんからもお話いただくことにして、消費者庁内では緊急時をどうランクづけ、どういう対応をするのかということを、いろいろな事案を、緊急ではないけれども、大きな案件、例えばカネボウなどを含めまして、あるいは見落としてはいけない案件を加えまして、いろいろな事案をどういう対応のあり方にすべきかということを庁内で見直し分析をやっておりますので、その中で、ランクづけの中にそういう要素も入れているところでございます。

○食品安全委員会事務局総務課担当者 では、訓練の話をさせていただきます。現在、消費者庁が司令塔になって、今いる消費者庁、我々食品安全委員会、農水省、厚労省、この4省庁で確認訓練という、実際に緊急時対応が起こったことを想定した訓練を毎年冬ごろ、11月か12月ごろにやっております。その前に我々食品安全委員会では、メディア対応をどうするかとか、ホームページをどのように立ち上げて、どのような掲載をするかというのを一般職員にも教えておくという訓練をやっておりますけれども、4省庁合同でやる、こちらで言っている訓練というのは、実際の緊急事案の発生を想定して、毎年1回、1日かけてやります。

今、消費者庁が窓口になっておりますが、実は我々、消費者庁が窓口になる前に訓練の窓口をやっておりましたので、知見があるということで御説明させていただきます。ちなみに、去年12月に行った訓練は、たしか海外の工場で発生した瓶入りオリーブにボツリヌス菌が入っていて、日本国内で重症者が出たという事案を想定し、厚労省、農水省、消費者庁、我々のほうで実際に半日かけて訓練しました。

どういう訓練をやるかというと、朝発生したという想定で、厚労省のほうから保健所でこういう話があったという連絡があり、総括官会議を開いた上で、最終的に各省が記者会見を開くというところまで想定したものです。マラチオン事案はその直後に起こったもので、我々はそのときの勘があったので、先ほど申し上げましたとおり矛盾点を見出して、厚労省とか各省にお伝えすることができました。

どのような訓練をことし考えるのかというのは、これから4省庁で細かな中身を詰めていきますが、先ほど宗林課長がおっしゃったように、少なくとも総括官会議が開かれるような内容のものでなければなりませんので、ただ単にある県であるお菓子を食べて中毒者が出た程度のものを扱うわけではなくて、広域にわたって、故意か、故意じゃないのかという想定もしながら、あとは首謀者がいるかどうかというところもシナリオのうちに加えながら、ことしはできればやる人に対してはシナリオ非提示で、実際に起こったときに、例えば死亡者がありましたという話も当日まで伏せて、どういうふうにできるかということを考えていこうと思っています。

考え始めるのは、そろそろ来月ぐらいからということで、関係者が集まって内容を詰めていきたいと思っております。以上です。

○河上委員長 よろしいですか。ほかにはいかがでしょうか。高橋委員。

○高橋委員 省庁連携とか関係機関との連携の件で、事故発生直後のことを少し確認させていただきたいと思います。

食品安全委員会、資料3-3に基づいて御説明いただきましたが、この資料によると、12月30日に科学的知見を厚労省、農水省、消費者庁に情報提供したとなっているのですが、この件をお知りになったのはいつですか、まずそのことをお伺いしたいのです。

○食品安全委員会事務局総務課担当者 済みません、資料3-5の厚労省の資料がわかりやすいと思いますので、厚労省の話に沿って進めさせていただきます。

厚労省が初めて事案を関知したのが29日の17時ということです。我々がこの事案をそもそも検知したのが、消費者庁さんとか厚労省さんからの情報提供によるものでして、29日の19時ぐらいです。それで、29日の19時あたりに事案の中身を知ったわけですけれども、翌日、30日の午前中にはマラチオンの概要というものをつくっていまして、コロッケ60個までは健康に影響がないというのは29日の17時の時点では、記憶がたしかならば恐らく出ていなかったと思います。

翌日に出た情報でしたので、マラチオンで60個食べて健康に影響がないということは恐らくないだろうという、科学的知見を我々は持っていますので、我々、情報を収集する課がありますので、海外での評価状況とかを調べながらマラチオンの概要を至急つくり上げて、これは違うぞということで、同日の夜には厚労省に伝達しております。ということなので、30日のコロッケ60個までは健康に影響がないという話が出てから約半日ぐらいで厚労省に伝達し、厚労省は直ちに事業者を指導しているという整理であります。

○高橋委員 第三者検証委員会の資料を読ませていただきますと、マルハニチロは12月29日の10時に館林の保健福祉事務所に第一報を入れているのですね。資料ですと、たしか15時には工場長が保健福祉事務所に行っているということなので、29日の時点で記者発表の前に本来伝わらなきゃいけないことが伝わらなかったのかなと理解できます。

それから、30日の件ですけれども、これも検証委員会の報告書に載っていますけれども、食品安全委員会からの指摘を受けて、厚労省がアクリさんに電話したのは、たしか19時半とか夕方ですけれども、その前に午前中に日本生協連が、その手法について指摘しているわけです。でも、それで動かなかったと。やはり行政が動くとやらざるを得ないというか、やるのだなということも、この検証報告書を見ていくとわかるのですね。また28日の時点で、この会社は食品衛生法違反だということがほとんど判断できる状況にありながら、そのことを社内の重要会議で誰も言及しなかったというのも検証報告書にあります。

ですので、この辺の反省に基づいて、保健所からの流れというのはもう一度当局で検証していただいて、全国各地の保健所さんから厚労省なり何なりへの消費者庁へのルートというのもしっかり出していただきたいと思います。

それと、この検証報告書、今月29日に最終報告書が出るということですが、4月でしたか、中間報告に出たものには消費者庁についてはほとんど何も書いていないということですし、食品安全委員会についても当初のところには書いていません。保健所に届け出た、保健所に行った、厚労省から電話があった、厚労省に行った。その結果どうこうと、行政とのかかわりが記述として非常に少ないのです。最終報告書にきちんと出てくるといいなと思うのですけれども、その辺のことも踏まえて、今後の対応にお力を尽くしていただきたいと思います。

○河上委員長 これはお返事をいただいたほうがいいですか。

○高橋委員 あれば。

○河上委員長 何かありますか。

○厚生労働省食品安全部監視安全課担当者 厚生労働省でございます。

高橋委員、御指摘のように、まさに保健所なり行政機関との連携が、このアクリフーズについては薄い状況にあったようですので、自治体の皆様方に対しまして、日ごろから監視・指導で営業施設に入っているわけですけれども、そういった連携、相談のしやすさといったところについて啓発を図っていけたらいいなと思っております。

○河上委員長 ほかにはいかがですか。

○齋藤委員 意見を1つだけいいですか。

○河上委員長 どうぞ。

○齋藤委員 きょうのテーマについて、私が感じた意見だけ申し上げます。

死亡者が出なくてよかったなと思うのですが、殺人に用いるような毒物は日常使われるはずがなく、材料を仕入れチェックするときには管理ポイントに挙がっていないと思うのです。いずれ、そういう事態が発生し得ることも前提に考えなければならぬと思います。死者がでたときは、流通食品毒物混入防止法があるので、多分それが適用されると思いますが、同法では、人が死ぬと無期または1年以上の懲役になっています。ところが、刑法では、水道に毒物を入れて人が亡くなると死刑、無期または懲役5年以上です。この差は何だろうかというのが私の疑問です。私の読み違えかもしれませんが、考えていきたいと思います。

○河上委員長 橋本委員。

○橋本委員 今回のことでいろいろな省庁のホームページとかメールマガジン、フェースブックといったものを利用して情報提供したという話だったのですけれども、そういうものを見られる環境にある人は、高齢者の中では少ないかなという気がします。それで、先ほど消費者庁の説明の中で、今後そういったことがあった場合、活性化基金を利用しての情報の周知をやっていきたいというお話があったのですけれども、具体的にどのようなことを考えていらっしゃるのかというのが1点。

それから、今回の中でPBブランドの製造所固有記号の発表がちょっとおくれていて、実は対象商品だというのがわかったのがおくれたということがあるのですけれども、今後、それについて、どのように対応していくのかという点、この2点をお聞きしたいと思います。

○河上委員長 消費者庁からお願いできますか。

○消費者庁宗林消費者安全課長 はい。私もさっき言わなければいけないことを落としたのですが、いわゆるアクリフーズという名前が入っていないものが6銘柄あって、わからないのだということを取りまとめたのが1月になってからになりました。ですから、それはそれで私たちも遅かったという反省があります。その前に、メーカーのほうから写真とか、裏がどうなっているかといったものの準備を日常的にされているのか、いないのかということで言いますと、それを取り寄せるのも実は時間がかかった状況なのです。

ですから、今回の事件というよりも、今後という意味では、日常的に扱っているもの。それから、例えば先ほど言いました業務用であっても、通販で一般の人も買えたり、消費者が手元に入手できるものがどういう状況にあるのかという写真とか、わかりやすいものの用意というものがぜひ必要になるので、事業者の方にもそういう準備というのは必要ではないかと思いました。そういったことから、先ほど橋本委員の御指摘のように、6個あった、裏にアクリフーズとないものはこういうものなのですという寄せ集めた写真をつくるのに時間がかかってしまったということがございます。

製造者固有記号に関しての取り扱いは、食品表示ということで今、担当課でなされていると思いますので、そちらはそちらのほうでお願いしたいと思います。

それから、リコールとか情報の届け方ということですけれども、今回は先ほどのお話にもありましたけれども、農水省さんの御協力をいただきまして、いわゆる写真のついたポスターみたいなものを店内に張っていただく。ぶら下げて、写真がわかるように。そこの売り場にはもうないのですけれども、今、うちにあるような人はきっとそこを通るだろうということで、写真入りのポスターが今回、まず取り組んだことでございます。

ただ、それは今回に関しての取り組みは、やや特別な対応になるかと思いますが、日常的にはそれでは足りないと思いますので、地方の公共団体の広報紙といったところにも載せていただくという事例もございますし、またお願いにも回ってございますので、なるべく紙媒体とか、いわゆるインターネットのネットからじゃないものについても、できる限り事業者あるいは公共団体にも働きかけたいと思っているところでございます。

○河上委員長 高橋委員、どうぞ。

○高橋委員 関連ですが、今回は対応がおくれたということですが、やはり迅速にパッケージ、商品の写真とかを出していただきたいと思うのです。それをインターネットとか店頭で対応することも大事ですが、今回、テレビを見ていて、まさに食べているときにニュースが流れてきたという私の友人がおりました。マスコミとの連携は余り御説明がなかったのですけれども、そういうものをきちんと集めて、マスコミ、テレビ局とか週刊誌に流していただくことも必要だと思いますので、よろしくお願いいたします。

○消費者庁宗林消費者安全課長 私たちが取りまとめるのもという御指摘だと思います。それもこれから努力していかなくてはいけないのですが、事業者のほうでその用意がなかったので、待っている時間が実は結構あったということです。今、売っていて、消費者が入手し得るもののパッケージの写真の一覧表をくださいというところで、意外に待っている時間があったということでございます。入手できてからも、なるべく御指摘のように速やかにということもありますでしょうし、事業者の方々も準備をされているところもあるかと思いますが、今回の場合は、混乱があったのではないかと思っております。

○高橋委員 私も少し言葉足らずだったのですが、事業者に対して、そういう指導といいますか、いつ、そういうことが起きるかわからないわけですけれども、自分のところで取り扱っている、特に食品に関しては、写真などを常備するのだという何らかの措置をとることはできないのでしょうか。

○消費者庁宗林消費者安全課長 直接的に今、持っている所管の法律でということでは、思い当たらないので、関係省庁とも御相談しながら、今後、対応を、なるべくそういうことのないようにしてまいりたいと思います。

○河上委員長 よろしいですか。石戸谷委員、どうぞ。

○石戸谷委員長代理 2点だけ要望しておきたいと思います。

1点目は、ギョーザの件と比べますと、今回は業者が国内にあったということで、もうちょっと迅速な対応ができただろうと思われるにもかかわらず、11月13日を皮切りに苦情が次々と累積されていくのですけれども、12月29日まで、その情報が全部業者のほうで停滞していたというところが大変大きい問題だと思います。そういう意味では、対応パッケージの中で、食品等の事業者から保健所への届出・相談は大変重要なところだと思いますので、十分対応できるように検討をお願いしたいと思います。

もう一点は、消費者安全情報総括官会議ですけれども、これはもうちょっと早くやれるのではないかと思いますので、これを申し上げておきます。

○河上委員長 希望ということで、特にお返事はよろしいですね。

○石戸谷委員長代理 はい。

○河上委員長 それでは、ほかになければここまでとさせていただきます。

消費者庁、食品安全委員会、農林水産省、厚生労働省におかれましては、冷凍食品への農薬混入事案を受けた対応パッケージを推進するとともに、十分な検証・評価を行っていただいて、不十分な点がある場合にはさらなる対応を考えていただくよう、ぜひお願いしたいと思います。

委員からもいろいろ意見が出てまいりましたけれども、特にリスク情報の流れ方、情報の収集、そしてその後の流れ方について、これまでのやり方でよかったのかということでありますとか、行政間の連携がお題目だけにとどまっていないで、きちんとした形で行われていたかどうか。この食品表示の問題に関しては、例のプライベートブランドの問題とか、いろいろ考えるべき課題が出てきました。今回の問題から明らかになった課題などを教訓にして、改善策をしっかり考えていただきたいと思います。

残念ながら消費者行政の体制が大きく進むときというのは、何かこういう大きな食品問題が起きたときでありまして、不幸な事件ではありましたけれども、問題点をきちんと検証して、よい方向へ動かしていただければと思います。

消費者庁、食品安全委員会、農林水産省、厚生労働省におかれましては、お忙しいところ、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。

(消費者庁・食品安全委員会・農林水産省・厚生労働省退席)

(3)意見のとりまとめ

○河上委員長 続きまして、「消費者基本計画改定素案等に対する意見のとりまとめ」についてであります。

これまで関係省庁ヒアリングの結果等を踏まえまして、計画改定素案等に対する委員会としての意見をこの段階で取りまとめたいと考えております。追加資料として「意見(案)」を配付しておりますので、事務局から、この内容について簡単に説明をお願いいたします。

(追加資料配付)

○黒木事務局長 今、お手元にお配りしております意見(案)につきまして御説明申し上げます。

まず、この意見の位置づけでございますけれども、当委員会では、本年2月に既に消費者基本計画の見直しに向けての意見を取りまとめてございます。その後、消費者庁を初め、関係省庁において計画の検証・評価・見直し作業が行われ、5月9日より改定素案がパブリックコメントにかけられております。その後、当委員会では、本日を含めまして3回にわたってヒアリングを実施してございます。また、そのほかにもこの間、委員会から各種の意見表明等をしているところでございます。本意見書は、これらの内容を踏まえて、この計画の改定素案等に対して意見を述べるものとしてございます。関係省庁におかれては、本意見書を検討の上、計画の改定原案等に反映されたいとしてございます。

内容についてでございます。大きく3つの部分に分けてまとめてございます。全般に関する事項、個別施策に関する事項、それから今後の課題ということでございます。

まず、改定計画全般に関する事項でございます。

消費者白書でも指摘されておりますとおり、高齢化、インターネット取引の増加、国際化といった社会状況の変化に伴う消費者問題に迅速かつ的確に対応するため、必要な施策については新計画の策定を待たず、現行計画の見直しに反映されたいと指摘してございます。

また、本年度は現行計画の最終年度に当たることから、これまでの取組を総括的に検証・評価し、各施策の達成状況や効果等を可能な限り明らかにすること、残された課題について取組方針を明確化し、その確実な実施を促すこと、新計画の策定に向けて、重要課題を明らかにすることが必要であるとの認識に基づきまして、2点、指摘してございます。

(1)として、各施策の総括的な検証・評価の拡充でございます。施策別の整理表がございますが、施策ごとにバラつきが見られ、あるいは不十分なものもあるのではないかという点を踏まえまして、そのような不十分な点については記載内容を拡充し、十分説明を尽くされたいとしてございます。

(2)としまして、重点施策の実施工程の具体化等でございます。現行計画の最終年度であることを踏まえて、本年度中における実施予定や目標とする成果等をより具体的かつ詳細に記載等されたいとしてございます。

次に、個別施策に関する事項でございます。全部で15の施策に言及しております。

(1)リコール情報の周知・徹底ですが、これは1)として経済産業省において、引き続き事業者団体との協力体制を拡大するとともに、ガイドブックによる取組の効果を検証し、必要な対策を講じられたいとしてございます。

また、2)としまして、消費者庁においては、リコール情報サイトを通じた消費者への情報発信のさらなる強化と、消費者教育・啓発をさらに拡充していく旨を明記されたいとしてございます。

(2)冷凍食品への農薬混入問題への対応です。関係省庁において、事業者及び行政の対応について十分な検証・評価を行い、必要な対策を講じる旨を明記されたいとしてございます。

(3)いわゆる健康食品の表示等について。これは、まず1)として消費者庁において、昨年12月に策定した「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法の留意事項」の周知徹底に努めるとともに、その効果を検証し、所要の措置を講じる旨、明記されたいとしてございます。

2)としまして、厚労省において、健康被害情報の収集・解析の手法の研究と実効性の向上を図ること。それから、医師・薬剤師等が消費者に対して情報を積極的に提供することの働きかけ等を明記されたいとしてございます。

3)として、関係省庁において、いわゆる健康食品等の機能性表示の在り方について、科学的手法による機能性の評価、正しい情報提供、消費者の理解を確保した上で、慎重に検討を進めることを明確化されたいとしてございます。

(4)消費者教育でございます。これは、消費者庁及び文部科学省において、1)として、今後検討すべき課題ごとの優先度やスケジュールに基づいて、具体的な検討をさらに進める旨を明記されたいとしております。

それから、2)としまして、地方の消費者行政部局と教育現場等の間での連携・協働が実効的に行われるよう、消費者庁及び文科省が連携して地方への働きかけを行う旨を明記されたいとしてございます。

(5)消費者被害救済制度でございます。消費者庁において、消費者裁判手続特例法の円滑かつ速やかな施行に向け、消費者被害救済の実効性を確保する見地から、所要の指針等の策定を迅速に進められたいとしてございます。

(6)地方消費者行政でございます。消費者庁において、1)として、今国会で審議中であります法案の中にある「消費者安全確保地域協議会」については、既存の枠組みの有効活用・有機的な連携等を通じて、実効的かつ効率的な運営が確保されるべきこと、2)としまして、地方への財政支援の実施、また地方公共団体における自主財源・人員確保に向けた首長等への働きかけに引き続き努力されたい旨、3)としまして、地方の先進事例等の共有化を図るため、情報の「見える化」を推進すべきことを指摘してございます。

(7)エステ・美容医療についてでございます。厚労省において、「医療広告ガイドライン」及び「自由診療におけるインフォームド・コンセントの取扱い等についての指針」の2つについて、検証・評価結果を明らかにした上で、十分な効果が見られない場合には、法規制を含めたさらに必要な措置を検討する旨を明記されたいとしております。

(8)詐欺的投資勧誘対策でございます。1)として、消費者庁において、特商法の指定権利性の在り方、あるいはこれと類似の制度整備についての検討を行うとともに、違法行為による財産の隠匿・散逸を防止するための制度の導入について、引き続き検討を推進されたいとしております。

2)としまして、関係各省庁において、関連法令の執行強化を図るとともに、事業者等への適切な注意喚起等を行う旨、明記されたいとしてございます。

(9)、(10)、(11)は、いずれもこの間、消費者委員会で意見表明等をしたものに関係するものでございます。いずれも昨年11月から本年4月にかけて消費者委員会において出しました意見あるいは提言、これらにおける指摘事項を踏まえて、消費者保護のための措置を基本的に維持し、あるいは消費者保護のための措置を講じる旨を明記されたいということを指摘してございます。

(12)電気通信事業における販売勧誘方法の改善でございます。総務省において、電気通信事業法における消費者保護ルールの見直しと、制度的な措置を講じる旨、明記されたいとしてございます。

(13)インターネットによる財産被害対策でございます。これは、経済産業省及び消費者庁において、クレジットカードに係る決済代行登録制度の見直し、あるいは関係法令の改正を含めた制度的対応について検討する旨、明記されたいとしてございます。

(14)個人情報保護でございます。内閣官房及び消費者庁において、1)としてパーソナルデータの利活用に関する制度見直しに当たっては、これまでの当委員会の指摘事項を十分踏まえた内容とする旨を明確化されたいとしてございます。

それから、2)として、個人情報保護法の権限の移管に当たっては、消費者保護の観点から、消費者庁及び消費者委員会が十分関与できるよう制度設計を行う旨を明確化されたいとしております。

(15)景品表示法に基づく表示の適正化でございます。消費者庁において、当委員会で近々予定されております合同会議のとりまとめ及び答申を十分に尊重した上で、法制化に向けた検討を進められたいとしてございます。

最後に、3つ目、今後の課題として、(1)、(2)を指摘してございます。

(1)として、新計画の策定に向けた検討の本格化でございます。新計画は、平成27年3月末までに策定することが必要とされてございます。高齢化や情報化、国際化等がさらに加速する中で必要となる消費者政策の具体策についての検討と、現政権が進める経済成長戦略や規制改革と消費者利益の擁護・増進を車の両輪として進めていくための計画のあり方について、十分議論する必要があることを指摘した上で、新計画の基本的な考え方や具体的な進め方についてできるだけ速やかに明らかにされたいとしてございます。

(2)としまして、計画を起点とするPDCAサイクルの再構築でございます。新計画の策定に当たっては、明確な政策目標の設定、個別施策の具体化及び体系化、実施工程の明確化、効果的な検証・評価方法の確立、検証・評価結果を踏まえた取組の改善等について十分検討を行われたいとしてございます。

最後に、現行計画では計画期間が5年とされておりまして、毎年の見直しの中で部分的な修正・追加を重ねていくという方式を採用しているところでございますけれども、社会経済状況が急速に変化する中では、計画期間の短縮化、あるいは一定期間経過後に計画を大幅に見直すことなどについても検討されるべきであるという点を指摘してございます。以上でございます。

○河上委員長 メール等である程度検討してもらっているところではございますけれども、何か御意見のある方は発言願います。岩田委員、どうぞ。

○岩田委員 メールで意見を出すことができなかったので、できればということなので、無理であればよろしいのですけれども、3ページの一番上で健康食品の機能性表示の在り方についてですが、あのときの議論を思い起こしますと、既存の制度との関係といいましょうか、特にトクホとの関係について私自身も発言しましたし、多数の委員の皆さんが発言されたと思うのです。

私は、国がエビデンスをオーソライズしているトクホのほうが、機能性表示の表現の仕方について規制が強くなるという逆転が起こるのではないかということを申し上げましたし、別の方は、トクホについて若干工夫して規制を緩和する方向で制度を再構築すれば、また新たにもう一つの制度をつくる必要が本当にあるのかということを、たしか委員長がおっしゃったかと思います。そういうこともありましたので、どこかに既存の制度との関係整理という趣旨のことを入れることができれば入れていただきたいと思います。

○河上委員長 私もできればどこかに入れたいと思いますけれども、どのあたりがいいですか。

○岩田委員 例えば3)の2行目の「正しい情報提供及び十分な消費者理解を確保した上で」の前です。どこがいいかな。その前にしましょうか。「既存の制度との関係整理」。

○河上委員長 これはそういうことでよろしいですか。

(「はい」と声あり)

○河上委員長 ほかにはいかがですか。石戸谷委員。

○石戸谷委員長代理 今の御説明のとおりでありますけれども、補足の説明として計画全般に関する事項と今後の課題の両方に係るのですが、その趣旨を若干補足して説明したいと思います。

基本法の改正で10条の2が追加されて、国会に対する消費者施策の実施状況に関する報告書の提出が規定されまして、それに基づいて25年版の消費者白書という大変充実した中身の白書が刊行されております。それによりますと、高齢化、電子化、国際化の被害状況とか特徴が分析されておりまして、そういった分析が本来、次の計画の中に取り込まれるべきでありますけれども、十分に取り込まれているとは言えないと思います。

昨日の消費者庁主催の消費者月間シンポジウムでも、国民生活センターの松本理事長から、2013年12月公表の消費者問題に関する10大項目のうち、3項目が高齢者トラブルの増加にかかわるものであるということで、高齢者トラブルの増加というのが大きな問題になっているのに、基本計画のほうでは柱立てそのものが組みかえられているわけではないと。警察庁のデータでも特殊詐欺というのが増加しているというので、各地で取り組みを強化しておりますし、こういう状況の変化が計画の中で十分対応されないということは、多分どの省庁でも5年計画の最後の年だから、新計画のところで大きく組みかえればいいのではないかという考えがあるのかもしれない。

そうだとすると、それは長期計画というのが迅速な対応に対して、むしろ足を引っ張っている側面があると言えるのではないか。であれば、短期化とか、あるいは毎年の実施状況の報告を国会に対してやるというのが基本法の中で規定されて、現在、2016年版というのを準備しているという状況でありますし、毎年やることになっているわけですから、その内容に対応して、次の計画に反映させるという仕組みといいますか、迅速に政府全体としての消費者問題の取り組みというのを明確にするというのを考えていいのではないか。

被害がここのところ徐々に減ってきていたのが、逆に2013年度は前年を上回って増加に転じたというのが、まとめとして出てきて、一部報道も既にされているということであるので、どうやってそういう被害を減らすのかというのをきちんと立てて、数字的に追いかけられるようにするというのが、4月の総務省の消費者取引に関する政策評価の勧告にも対応することになるのではないかと考える次第です。その趣旨は、1項の改定計画全般に関する事項と、3項の今後の課題のところに盛り込まれていると思いますので、そこのところがそういう趣旨だということを踏まえた上で、素案の見直しをしていただきたいと思います。

○河上委員長 ありがとうございました。何か修文が必要だということではないですね。

○石戸谷委員長代理 はい。

○河上委員長 ほかにはいかがですか。齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 最後のところです。期間をどうするかという議論は、どのような計画でも多分あると思います。問題は、動かしてはならない太い柱というのが本当にきちんとしているか。それに関連して、時々に生じる問題をどうやって取り上げてこなしていくかということに尽きるのだと思います。企業でも中期計画、短期計画など、複数の経営計画を持っていると思います。ニーズによって、それぞれの長さはまちまちだと思います。

今回の計画の中で、例えば教育などというものは、そうしょっちゅう変えられたら困るということがあると思います。ただし、取引関係については新しい手口がどんどん出てくる。それをどうするのだということがあったりする。そのあたりをうまく勘案した上で、こういう運営の仕方をやっていこう、この期間内にしよう、ということを議論していただきたいと思います。これからつくる計画ですので、その過程で行われればいいと思います。

○河上委員長 これも特に修文する必要はないということでよろしいですね。

○齋藤委員 はい。

○河上委員長 ほかによろしいでしょうか。

私、1点だけ聞きたいのですけれども、4ページ目の(7)の1)と2)の表現ぶりが違うのがちょっと気になったのです。1)のほうは「十分な効果が見られない場合には法規制を含めたさらに必要な措置」と書いて、2)のほうは「法規制を含めた」というのが削られているのですけれども、これは何か意味があったのでしたか。

○黒木事務局長 1)のほうは、医療法における、先ほど御議論いただいておりました広告の定義をどうするのかという問題があるということで、法規制というものを入れて、2)はQ&Aの話であるということで、特に法規制ということは触れていないということでございます。

○河上委員長 Q&Aの話なのか、さっき民事の話が出ましたけれども、検討に含めるだけのことですから、そろえておいていただければ。

○黒木事務局長 わかりました。

○河上委員長 それでは、ほかになければ、先ほどの個別施策の(3)の3)に「いわゆる健康食品等の機能性表示の在り方について」の次に、「既存の制度との関係整理、」という語句をつけ加える。

それから、4ページ目の(7)の2)で、「十分な効果が見られない場合には」の後に「法規制を含めた」という語句を加えることで修文して、これでよろしいですか。

(「異議なし」と声あり)

○河上委員長 それでは、ただいまのような形に修正した上で、これで意見を取りまとめ、消費者庁長官及び関係省庁宛てに発出したいと思います。どうもありがとうございました。

≪3.その他≫

○河上委員長 続きまして、議題、「その他」としまして、新開発食品調査部会からの御報告があります。阿久澤部会長からお願いいたします。

○阿久澤委員 特定保健用食品の表示許可にかかわる答申について御報告いたします。お手元資料4の答申書をごらんください。

平成26年2月3日に開催した第15回新開発食品調査部会の議決について、新開発食品調査部会設置運営規程第7条に基づき、委員長の同意を得て委員会の議決とし、5月22日付けで内閣総理大臣へ答申を行いました。

内閣総理大臣より諮問を受けて、第15回新開発食品調査部会において、安全性及び効果について審議を行いました。審議の結果、指摘事項を確認の上、了承することが部会長に一任され、申請者からの回答書を確認し、特定保健用食品として認めることといたしました。私からの報告は以上になります。

○河上委員長 ということで御報告いただきました。どうもありがとうございました。

本日の議題は以上でございます。お忙しい中、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。


≪4.閉会≫

○河上委員長 最後に、事務局から今後の予定等について説明をお願いいたします。

○大貫参事官 次回の本会議でございますけれども、明日5月28日水曜日11時から、課徴金専門調査会との合同会議を予定しております。議題につきましては、被害回復のあり方についての2回目、また取りまとめに向けた検討等を予定しております。

また、この後、18時半を目途に消費者庁記者会見室におきまして、報道機関の皆様を対象とする委員長記者会見を行いますので、お知らせいたします。

○河上委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)