第128回 消費者委員会 議事録

日時

2013年7月30日(火)16:00~17:04

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 河上委員長、山口委員長代理、稲継委員、小幡委員、川戸委員、田島委員、村井委員
【説明者】
 公共料金等専門調査会 古城座長
【事務局】
 原事務局長、小田審議官、浅田参事官

議事次第

1.開会
2.公共料金について
  (1) 公共料金等専門調査会の報告について
  (2) 電気料金について(東北電力・四国電力の家庭用電気料金値上げ認可申請に関する消費者庁への意見について)
 ○説明者: 古城 誠 公共料金等専門調査会 家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会座長
3.その他
4.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:8KB)
【資料1】 公共料金等専門調査会報告関連資料 【資料2】 東北電力及び四国電力による家庭用電気料金値上げ認可申請に関する調査会意見について(PDF形式:617KB)
【資料3】 第9回地方消費者委員会(金沢)実施結果(PDF形式:20KB)
【参考資料】 委員間打合せ概要(PDF形式:86KB)
【追加資料1】 公共料金問題に関する提言(案) ~公共料金等専門調査会報告を受けて~(PDF形式:62KB)
【追加資料2】 東北電力及び四国電力による家庭用電気料金値上げ認可申請に対する消費者委員会の意見について(案)(PDF形式:40KB)

≪1.開会≫

○河上委員長 時間になりましたので、始めさせていただきます。
本日は皆さん、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。
ただいまから「消費者委員会」第128回会合を開始させていただきます。
また、本日は所用によりまして夏目委員、吉田委員、細川委員が御欠席。稲継委員、川戸委員、田島委員が若干おくれて御出席の予定となっております。
それでは、配付資料の確認につきまして事務局から説明をお願いいたします。

○原事務局長 配付資料ですけれども、議事次第と書かれた紙の下に一覧をつけております。
資料1は、公共料金等専門調査会からこの後、御報告いただきますけれども、その関連の資料となっております。
資料2といたしまして「東北電力及び四国電力による家庭用電気料金値上げ認可申請に関する調査会意見について」。
資料3といたしまして、第9回の地方消費者委員会を金沢で実施いたしましたので、その御報告の資料です。
参考資料として一番下ですけれども、委員間打ち合わせを7月23日に開いておりまして、その打ち合わせの概要をお示ししております。
不足がございましたら、審議の途中でお申し出いただければと思います。
出席の先生が少ないので、最初、報告事項ということなので御報告をお聞きして、川戸委員は10分ぐらいのおくれということでしたので、もうお見えになるかと思いますので、そこで会議成立としたいと思います。

○河上委員長 そうですか、わかりました。

≪2.公共料金について≫

1)公共料金等専門調査会の報告について

○河上委員長 それでは、始めさせていただきます。
本日の議題は、公共料金についてであります。
まず初めに、公共料金等専門調査会の報告についてであります。公共料金専門調査会につきましては、昨年12月に発足以来、6回にわたって公共料金の横断的事項として、消費者基本計画に盛り込まれている消費者参画の機会確保及び料金の適正性の確保の観点から、関係省庁のヒアリング等を重ね、今後取り組むべき課題と今後検討すべき論点を示した報告書を取りまとめました。
本日は報告書の取りまとめの労をとっていただきました古城座長から、同報告書について御説明をいただき、消費者委員会としての意見表明を行いたいと考えております。
それでは、古城座長、よろしくお願いいたします。

○古城公共料金等専門調査会座長 専門調査会報告について御説明申し上げます。
内容の詳細な説明は事務局にお願いいたしますが、特に私からはポイントと考えることを申し上げます。
まず、公共料金の決定過程における消費者の実質的参画については、これまでの電気料金値上げ認可申請の対応の経験から、今回の電気料金改定認可申請のプロセスを参照すべき先行事例と位置づけた上で、審査要領や料金改定申請の検討の場のあり方、消費者が直接意見を表明できる機会の確保を実現すべきとしております。
さらに、公共料金改定認可に当たって、所管省庁での査定の後、消費者庁への協議が必要になります。報告では、この協議の機会を活用して実質的な消費者参加の機会の確保を検討していくことを求めています。私の理解では、消費者委員会と消費者庁は多岐にわたる公共料金の料金改定認可の際に、実質的な消費者参加を実現していくための推進役的役割を果たす考えを示したものと考えております。
また、料金適正性の確保につきましては、今後の検討課題を整理しております。消費者委員会で引き続き検討が行われることが必要だと考えております。引き続き公共料金分野において消費者委員会及び消費者庁が連携して、積極的に役割を果たしていくことが必要だと考えています。
以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
それでは、事務方から補足説明をお願いします。

○浅田参事官 事務局でございます。
説明につきましては資料1-1PDFを別ウィンドウで開きますに概要をまとめておりますので、そちらを用いたいと思っております。
座長から冒頭、話がありましたが、今回のポイントにつきましては2点。消費者参画の実質的な確保に向けた課題及び料金の適正性に向けた論点ということになります。
消費者基本計画の中には決定過程の透明性ということも入っておりますが、これは情報公開の推進といったことも重要な課題ではありますが、今回の論点といたしましてはこの2点、消費者参画と適正性の確保という形で整理しております。
まず左側の枠でございますが、消費者参画の実質的な確保についてです。繰り返しますが、電気料金はこれまでの昨年夏からの東京電力の審査プロセスがございました。それを参照すべき先行事例と位置づけております。
施策につきまして5つ並べており、冒頭3つは各所管省庁で行うべきことということでございますが、まずは審査要領、料金改定申請を専門的、中立的に検討審議するため、その場は関係分野の専門知識を有する外部有識者を中心として構成すること。原則公開とし、透明性を確保するということでございます。
さらには、その場で消費者が直接意見を表明できる機会の確保が必要ということ。さらに公聴会や消費者の意見聴取会を原則開催するということでございます。これら3つにつきましては、公共料金の改定については所管省庁は多岐にわたり、分野も多岐にわたりますけれども、あるべき1つのモデルを示したということでございます。
それについてさらに下の2つですが、消費者庁及び消費者委員会の役割についてです。先ほど座長から推進役というお言葉がありました。消費者庁におきましては、料金改定認可手続におきましては所管省庁と協議を行います。その際、この所管省庁についてこれらの取り組み、中立的な場で審議したかどうか、公開して透明性を確保したかどうか、消費者の意見が直接表明できていたか、公聴会や消費者の意見聴取会をしっかり開催したかといったような取り組み状況を検証するということになります。
さらに、これも電気料金と同じプロセスになりますけれども、国民生活上、重要な公共料金、具体的には電気、大都市のガス、鉄道等々がございますが、それにつきましては消費者委員会の議論を経て、消費者庁が検証ポイントを作成する。これは今後、この議題の後に電気料金が出てまいりますが、電気料金についてはチェックポイントを消費者委員会の議論を経て、消費者庁で取りまとめております。それを査定の途中で資源エネルギー庁に提示して、こういうものがしっかりと満たされているかということを、消費者委員会の場で答えていただくというパターンをつくっております。そういったやり方を今後も他の分野でも踏襲していくということでどうかということでございます。
以上が消費者参画の実質的な確保に向けた課題の論点でございます。これにつきましては消費者委員会が所管省庁の取り組みをフォローアップということで位置づけてございます。
さらに料金適正性の確保に向けた論点で、これにつきましては4点並べてございます。
料金妥当性の継続的な検証のあり方について、これは電気料金の議論の中でも事前と事後の検証ということがありました。そういったことについて、まだ指標の設定とか検証の頻度。1年ごとにやるのか原価算定期間の3年とか5年ごとにやるのかといったことについて、まだ正直申し上げて具体的なやり方が確立しておりません。さらにはどんなデータを使って検証していくかというやり方もございません。そういった検証のあり方。こういった中には特に原価算定のときの状況と大きく環境が変化したといった場合に、その検証を行った上で具体的にはどういう対応をとっていくかということも検証していくとなります。
一例を申し上げますと、例えば昨年2月の消費者委員会の建議で電気料金を例にとりまして、値下げ命令というものが実際、電気事業法に入っているということがありました。その発動について何もその当時は要件が決まっていなかったわけですが、その後、消費者委員会の建議を受けて、具体的な要件の設定を行ったといった例もございます。具体的な妥当性の検証のあり方、さらにはまたそういった大きな状況の変化があった場合に、どういった対応をとっていくべきかということも含めて検証を行っていくことかと考えております。
さらに総括原価方式における事業方針の算出のあり方について。これまで電気料金改定の際にはこれまで東北、関西、九州、四国及び北海道がありますが、地元の消費者の方が専門委員の方に出向いていただいて意見を聞くという機会を設けてまいりました。やはり一番多く出てくる意見が総括原価方式は非常にわかりにくいということ、特にその中でも一番わかりにくいのが事業報酬であるという御指摘が多々聞かれているわけでございます。これについて電気料金の場合につきましては経産省の省令等々で算出方法が決まっているわけですが、その算出のあり方についてさまざま議論がありましたので、こういったものを1回整理して、この事業報酬算出のあり方については検討を行っていくこととしてはどうかということでございます。
3番目が現世代消費者と将来世代消費者間の費用負担のあり方について。インフラ維持費用といったこと。
4番目でございますが、公共料金政策の国際比較ということでございます。電気料金の自由化等々もスケジュールに上がっておりますけれども、諸外国での自由化に至るまでの料金規制における消費者の配慮等が具体的にどうされたかといったことを検討してはどうかということでございます。
これらの課題につきましては、すぐに結論が出るという性格のものではないと考えます。したがいまして、中長期的な視野で今後消費者委員会自ら事実関係や検討に資する材料を整理して、消費者庁を含む関係省庁がデータ等々の協力をしていただくことで、今後進めていってはどうかという内容です。これらによりまして3点、決定過程の透明性、参画の機会の確保、適正性の確保を確保していくということでございます。
概要は以上でございます。

○河上委員長 ありがとうございました。
それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。いかがでしょうか。山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 私も担当委員として古城座長のもとの公共料金等専門調査会に参加させていただきましたけれども、報告書について3点申し上げたいと思います。
資料1-1の一番下に大きな字で書いてあるように、公共料金の決め方に当たっては、ポイントは決定過程の透明性を確保すること、消費者参画の機会を確保すること、料金の適正性を確保することに尽きると思います。そのためにどうしたらいいのかということが、この報告書の中に盛り込まれるべきであるし、いろいろ議論がありましたし、濃淡はあるにしても、それなりに盛り込まれているのかなと思います。
ただ、1番目の透明性の確保。これが一番のポイントだと思うのです。しかし消費者参画の機会の確保と料金の適正性の確保は見出しとして出ているのですが、透明性の確保については見出しにはなっておりません。ただ、率直に具体的に申しますと、電気料金の決定過程についての透明性の確保は、これは今般の東京電力の値上げにスタートして、その後の電気料金の値上げの審査の過程でさまざまな工夫がなされて、一定の前進あるいは評価ができるところがあるかなと思います。
また、ガス料金についても経産省で今、審査基準の見直しがなされているということでありますので、それなりに評価ができるかと思います。ただ、大変残念なのは国交省の運輸審議会が鉄道料金などの審査をしているわけですが、その運輸審議会あるいは運輸料金の透明性の確保が現実として高められているかというと、必ずしもそうとは言えないと言わざるを得ない実情があると思います。その点についてどこまでこの報告書で盛り込むのかということは種々議論されました。しかし、必ずしもそこが明記されていないのは、私にとっては満足のいくものではないと言わざるを得ないのです。しかし、今回は公共料金全般についての報告ということからしますと、やむを得ないのかなというところであります。
ただ、運輸審議会の実情を聞けば聞くほど、若干名の委員がそれこそ空港をどこに設置したらいいのかとか、あるいは港をつくることについてとか、線路をどこに敷くかに始まって、細かな料金の許認可まで全て数名の委員がなさっているというたてつけになっているわけです。そんな数名の委員でできるわけがないので、その意味では透明性の確保という観点から言うと、極めて不十分と言わざるを得ない。そこについては今後ぜひ継続して審議していく中で明らかにして、改善を実現していっていただく必要があるのではないかと思います。
2番目に、消費者参画の機会の問題ですが、3ページにやや微妙な議論がありまして、こういう表現になっております。これはこれで私はしようがないのかなと思います。と言いますのは3ページの2行目以下に、検討審議の場で消費者の意見が取り上げられる機会をどのように確保していくかについて検討するに当たって、事業者の意見の取り上げ方とのバランスを踏まえるべきだということで、例えば事業者が審議の場に参加している場合には、消費者の代表も参画するべきではないか等で、消費者の参画を審議で確保するということではなくて、バランスをとった審議というところがこの報告書の内容になっております。
ここについてさまざまな議論があったわけですが、しようがないのかなと。ただ、公聴会など広範な消費者の意見を聴取する場はきちんと確保されるべきだというところで、真ん中あたりに公聴会開催が関係者の要請をもとに開催されるとしている場合で、その関係者に消費者が含まれていない場合であっても、とあります。これは実際上、運輸審議会のことです。鉄道料金を決める過程などでは利害関係人にユーザー、つまり消費者あるいは乗客は入っていません。そういう場合であっても広く消費者の声を聴くために公聴会を開催すべきであるということで、このような指摘になっております。固有名詞といいますか、具体的な名宛人は出ておりませんが、そういう趣旨として受けとめていただきたいと思います。
3番目に、6ページに1行だけ書かれているのですが、1つのポイントとしてあるのは一旦決まった料金の事後検証のあり方なわけです。これについては必ずしもこの報告書できちんと盛り込まれていないのかなと思われます。6ページの真ん中あたりに1行だけ、原価が急激かつ大幅に低下した場合、どのように対応すべきかということで、一旦決めた後でも事情が変わった場合に事後検証のあり方をどうするのかということは、これを1つのとっかかりとして今後検討する必要があるのかなと思われます。
以上で宿題はたくさんあると思いますが、こういう形での報告書ができて発信できるということについては、評価したいと思います。
以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございます。
浅田さんから何かありますか。

○浅田参事官 3点の御指摘の中で、まず透明性の問題の中で運輸審議会を例に挙げてのご指摘がありましたが、具体的にどういう形で意見が反映されているかを検証していくかといったようなこと、これについては引き続きの課題であると思っております。これは公共料金全般の中でもありますけれども、具体的な料金認可改定のプロセスの際に、再度例えば電気料金のようなやり方がございますが、その際、公聴会のあり方についても昨年5月には委員長声明を出しております。実際にデータ公開についても意見を出しております。そういったものも含めてチェックポイントをつくって検証して回答していただいているというやり方もございます。そういったプロセス全体の中で透明性であるとか、消費者参画といったものを確実にしていくというアプローチで料金改定を行うという理解でございます。
2番目、事業者とのバランスの関係でございますけれども、確かに事業者の意見は、例えば申請した事業者であれば当然その説明の機会は与えられるわけですが、そういったものとのバランスといったことも含めて考えたらどうかということでございます。
事後検証につきましてはまさに御指摘のとおりでして、繰り返しますけれども、これについては電気料金の議論の中で確かに事後検証というのは重要だということが出てまいりまして、どんなデータを使って、どんな頻度で、どんな手法でそういった事前、事後を検証していくかというやり方については、まだ正直言って具体的な形について共通したものが見えていないなということでございますので、今後こういうところは専門家の先生の意見も聞きながら、具体的なもの、細かいものをまとめていくといったアプローチではないかと考えております。

○河上委員長 ありがとうございます。
古城先生、何かつけ加えることはございますか。

○古城公共料金等専門調査会座長 今、山口委員おっしゃった点はほとんど私も賛成です。
弱かったのですけれども、原価が料金認可時よりも実際に下がった場合は、本当はこれは料金を下げないと実質値上げになってしまうわけです。だからこの点は構造上、原価を下げても価格を下げないということを抑制するための手続として、値下げ届出制となっているので、制度上欠陥がありますから、改造が必要なのです。それについてもう少し具体的な提案ができればよかったのですけれども、一応、頭出しという格好で問題点を指摘するだけに終わっておりますけれども、今後、消費者委員会でもぜひ検討していっていただきたい課題だと思います。

○河上委員長 ありがとうございました。
ほかにはいかがですか。小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 私も担当委員として加わっておりまして、まず古城座長を初めとする専門調査会の委員の方々には、何回も熱心に御審議いただき報告書をまとめていただき、大変感謝しております。
今のやりとりにもございましたように、公共料金というのは基本的にはやはり競争が働かない状態で料金を行政庁が認可するというシステムになっているので、その認可のシステムの中にまさに消費者、鉄道などでは利用者と言ったほうがよいかもしれませんが、消費者の声を行政庁がきちんと聞き入れなければいけないというシステム、そういう制度をつくることが大変重要だということだと思います。そこで、今回の報告書においても消費者参画の機会が一番のトップに来ております。
これは、本来当然のことでもあるのですが、今まで不十分なところもあったものですから、先ほど運輸審議会の例も出ましたが、ほかのところと比べまして、運輸審議会の場合は鉄道と航空と道路、ともかく非常に所掌が広くて、そこを1つの審議会で全て決めているというところに、やはり料金を決める制度の枠組みという点で考えると、ほかと比べても問題があるのではないかと思った次第であります。ここでは、消費者参画という大きなところに紛れている感じになりますが、ぜひその辺りを運輸審議会でも考えていただきたいと思っています。
公聴会については、3ページのところの言い振りも、おそらくここがぎりぎりだったのだと思いますが、競争が働かないところで公共料金として認可するわけですから、当然、消費者の声を聴く1つの手段として公聴会は必須であろうと思います。ところが、必須のはずが、現実には公聴会開催について定めがある場合ということで注がついてございまして、例えばまたこれも運輸の話ですが、利害関係人の要求があったときは公聴会を開くとしていて、ところが、その利害関係人には消費者、利用者は含まれないという運用をずっとなされています。これも大変物足りないと思うところでして、細かい話になりますが、本来利用者は、どういう料金になるかということについてまさに利害関係人のはずなのです。そのあたりも今後ぜひ当該運輸のところにおいても修正していただきたいと思うところです。
ここにはそこまでは細かくは書いていないようでございますが、もう一点、細かくなりますけれども、公聴会については、軽微な事案ということで開かないとか、審議会にかけないとか、いろいろ細かな運用がなされていますので、本当に軽微かどうか、軽微でないものを軽微と扱っていないかなど、しっかり消費者にわかるような形で情報提供していくことが非常に大事だと思っています。そのあたりはここでは、なお、公聴会を開催しない場合には、その理由を対外的に明らかにするべきであるというところで読めると思いますが、そのような情報提供をしないと軽微事案という形への逃げ込みという心配もあるという懸念があるからでございます。
もう一点、料金の適正性確保でございますが、前に消費者委員会の建議のときがちょうどデフレが継続しているときで、今は経済状況が変わりつつあるので、その当時と比べて若干違うのですが、ただデフレ時代が非常に長かったことは確かでして、そうすると今、古城座長からございましたように、本来は値下げすべきであったかもしれないのに、値下げは届出制のみになっていましたので、下げられないまま長く据え置かれていたという状態がありました。東京電力の値上げで急に公共料金全体が脚光を浴びましたが、そこで東電の審査の際に、今までは必ずしも十分に情報開示されないで、原価に何が含まれるかについてきちんと精査していなかったものを、今回の値上げというきっかけでしっかりと精査したということがございますので、本当はもっと前にこのような制度、つまり、値下げさせる仕組みについて用意すべきであるという制度ができていれば、本来は値下げ命令のようなものにもつながり得たのかなと思うところです。デフレ状態がやや変化してきている現状では、少しタイミングがずれたのでやや残念ではありますが、やはり今後どのように経済が変化していくかわかりませんので、値上げのときにだけ認可を求めて、そこで精査するというのではなくて、常に公共料金をウォッチしていくという仕組みの制度づくりが必要だと思います。今、古城座長からしっかり消費者委員会で検討していくという発言もございましたが、どのような制度をつくっていくか、というところですね。
省庁によっては、値下げを命ずるような仕組みについて、基準をつくるというところも少しずつできていますので、これを制度として整備するよう進めていくというのが今後の課題と思っております。
済みません、長くなりました。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
ほかにはいかがですか。よろしいですか。昔、東電の話が出る前はブラックボックスから公共料金がぽんと出てくるという状態だったのに比べますと、平成24年2月に建議をして以来の進歩というのは、かなり大きかったと思います。古城先生初め、いろんな方がこのチェックポイントについて努力されて、ここまで来ているということでして、その意味ではこれはやってよかったなと思います。
今、お話がありましたけれども、消費者の決定プロセスへの実質的な参加ということを考えるときには、大前提が透明度の確保となりますので、その点は当然この報告書に含まれていると私は読んでおります。その上で、あとは制度化をきちんとやっていくことを検討するということだろうと思いますし、今後、消費者委員会としても透明性の確保と消費者の実質的なプロセスへの参画、料金の適正性という3点について重大な関心を持って、今後のフォローアップも含めて庁とも協力しながら検討作業を継続していきたいと考えています。
それでは、ほかにないようでしたら、この報告につきまして消費者委員会としての提言というものを発出するための文言の調整を行いたいと思います。今から提言案を配付していただきたいと思います。
この提言案について事務局から最初に説明をお願いできればと思います。会場の方にも今、配付されているかと思います。もう少し待ってからお願いいたします。

(提言案配付)

○浅田参事官 では、御説明申し上げます。
今、配られました資料は追加資料1PDFを別ウィンドウで開きますと書いてございます。「公共料金問題に関する提言(案)~公共料金等専門調査会報告を受けて~」となっております。
1番は、提出を受けたということでございます。
2番につきましては、報告書の内容でございます。決定過程の透明性、消費者参画の実質的な確保及び料金適正性の確保に向けた課題、論点についての適切な取りまとめが行われたものと考えており、公共料金所管省庁及び消費者庁において同報告の内容を踏まえ、適切な対応を行っていくことを求める。
3番、特に公共料金の新規設定及び変更の場合に当たっては、所管省庁と消費者庁の間で協議が実施されることになるが、消費者庁はこの協議プロセスを通じて、料金決定過程における消費者参画の実質的な確保を図るべきとされていることについては、効果的かつ意義あるものと考える。
4番目、今後の課題でございます。取り組みのフォローアップ及び料金の適正化の確保に向けた論点の検討が行われていくことが必要であると認識しているということで、4番は今後の宿題ということでございます。
以上です。

○河上委員長 ありがとうございました。
それでは、この提言(案)についてですが、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 2点あります。1つは3項の文章がおかしくないかと思うのですけれども、2行目「消費者庁は、この協議プロセスを通じて、料金決定過程における消費者参画の実質的な確保を図るべきとされていることについては」まではわかるのですが、ちゃんとやってねということを言いたいのか、図るべきとされていることは、これは実施すれば効果的で意義あるものだと考えればいいのだけれども、確保を図りなさいとされていることについて、効果的かつ意義あるものと考えるというのは文章が変ではないかと思うのですが、ここは表現の問題なのでお任せしますけれども、どうなのというところです。
4項の今後の課題としては、先ほど話が出ました事後的な検証のあり方です。これも1項目入れていただけないのかなと思いますが、表現はお任せしますけれども、ここにある2つだけということだけではないかなと思いますので、事後検証のあり方も入れていただけないかなと。
以上です。

○河上委員長 いかがでしょうか。

○浅田参事官 3ポツにつきましては、確かにこれを実際にやれば効果的かつ意義あるものと考えるということでございますが、表現を工夫させていただきます。
4番目につきまして、確かに事後的な検証のあり方については先ほど御説明しましたとおり、適正性の確保のあり方に向けた論点の中に入っております。料金妥当性の継続的な検証のあり方の一環でございますけれども、もう少しここのあたりは詳しく例示していくという形で修正してはいかがかと考えますが、いかがでしょうか。

○河上委員長 いかがでしょうか。この点は修文をするということで、協議プロセスを通じて、消費者庁がこういうことを図るべきとされていることは効果的かつ意義あるものだという言い方にするか、あるいはこういうことをやってねという趣旨のことをまず書いて、それが行われれば効果的かつ意義があるという言い方にするか、どちらかで検討しましょう。
ほかにはいかがですか。小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 今、山口委員長代理のおっしゃった事後チェックですが、恐らく4の料金の適正化の確保に向けたというところで、料金が適正であるかどうかということを、事後的にチェックするというところに入っているということなのだろうと思うのですが、ここでは、論点の検討と書かれていますが、すでに論点はある程度明らかになっていると思うので、むしろどうやって料金の適正化の確保をするような仕組みを現実に構築できるかという、そういう具体化に向けての検討ではないかと思います。論点はある程度は明らかになっていると思うのですが、ただ、どのように専門家がチェックできるか。所管省だけが常にチェックするシステムでよいのかとか、あるいはさらに言うと値下げ命令を具体的に出すやり方とか、そのような制度の具体化に向けての検討としていただけると、もう少し強くなるかと思います。

○河上委員長 論点のところを具体的方策とか、そういう表現にすればいいということですかね。

○浅田参事官 論点の検討と報告に書いたのは、他の論点もありますので、論点の検討と、それを踏まえた具体的な方策の確保といったことだと思います。そこは工夫させていただく。論点を検討だけして、それで終わりというのは普通ありませんので、具体的にその一歩先を書いておくということで理解しておりますが、いかがでしょうか。

○河上委員長 ほかにはいかがですか。よろしゅうございますか。
それでは、ここも少し修文して、論点の検討あるいは具体的方策の検討ということも表現として直すことにします。あとは根本的な問題点がもしなければこれでよろしゅうございますか。
それでは、この提言案につきましては本日皆様から出された意見を踏まえまして、修文を加えることにいたします。趣旨は了解しましたので、修正の仕方につきましては私のほうに御一任いただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○河上委員長 それでは、私のほうで原案を修正した上で、内閣府特命担当大臣、消費者、総務省、経済産業省、国土交通省等、公共料金関係各大臣あてにこの提言を発出したいと思います。報告書も一緒にくっつけてお渡しするという形になります。古城先生、どうも本当にありがとうございました。

2)電気料金について(東北電力・四国電力の家庭用電気料金値上げ認可申請に関する消費者庁への意見について)

○河上委員長 次は電気料金についてということで、続いての議題、東北電力、四国電力の家庭用電気料金値上げ認可申請に関する消費者庁への意見についてであります。
本件については7月24日付で阿南消費者庁長官から消費者委員会あてに意見を求める附議がございます。これを受けて公共料金等専門調査会家庭用電気料金値上げ認可申請に関する調査会で意見の取りまとめが行われました。本件についても古城座長から御説明をいただきます。よろしくお願いいたします。

○古城公共料金等専門調査会座長 簡単に概略を御説明申し上げます。
東北電力と四国電力の家庭用電気料金値上げ認可申請につきましては、本年1月より4回にわたり、公共料金等専門調査会家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会において検討を重ねてまいりました。また、この過程で7月25日に仙台市及び高松市で地元消費者団体との意見交換会も開催いたしました。
これらを受けて26日、調査会で議論を行い、意見の取りまとめを行ったので提出いたします。
今回の査定案については、消費者委員会の議論を経て作成されたチェックポイントの内容が先取り的に反映されたものと考えております。詳細については事務局より御説明を申し上げたいと思います。
なお、ついでに北海道電力値上げ認可申請について申し上げます。26日に資源エネルギー庁で査定案が公表され、30日には札幌市で地元消費者団体との意見交換会を開催いたしております。そしてあした30日に調査会を開いて議論を行いますが、この査定案においても本日御検討いただく東北、四国と同様、既にチェックポイントが反映された内容となっております。
以上です。詳細については事務局にお願いします。

○河上委員長 では、事務局から補足説明をお願いします。

○浅田参事官 古城座長の説明に続きまして、資料2PDFを別ウィンドウで開きますでございますけれども、東北電力及び四国電力における家庭用電気料金値上げ認可申請に関する調査会意見についてということでございます。
全体の経緯につきましては冒頭に書いてございますが、省略いたします。
「I.全体的な評価」座長よりありましたように、既にまとめたチェックポイントについて、先取り的に査定方針案に反映されております。
2つ目の○については、個別項目についてはさらなる対応ということですが、特に古城座長から御紹介がありました、先週開催した仙台での意見交換会においては、被災地であることの配慮が必要であるという声も出されました。あとは最近の燃料費調整によって電気代が上昇している中で、負担増の懸念も出されたということで、このような声も踏まえて厳正に精査を行うべきであるといったことでございます。
2ページ、情報提供について。特に意見交換会では情報提供についてその充実を求める声は多々あがっております。そういったことを書いておりまして、特に最後のパラグラフでは、再度東北電力に対して、被災地であり、生活基盤が安定していない被災者の方も多数いるということで、今回の値上げ申請について丁寧な説明と理解を得るための十分な努力を促すべきであるということでございます。
「II.個別項目」人件費につきましては、細かい給与の査定等々が行われておりますけれども、その査定の詳しい内容を教えていただきたいということです。ただ、役員給与につきましては前回の関西、九州と同様、国家公務員指定職並みといったことで査定が行われているということで、これは既に盛り込まれておりますので、今回書いてございません。
厚生費につきましては、雇用保険の事業主負担については法定負担割合50%を目指した削減とすべき。これは東京電力のときから一貫してこういうことを言っております。あとは厚生費の精査といったことを書いてございます。
マル2 調達について。競争入札の比率について東京電力の事例、東京電力は昨年夏の査定で5年間で60%の水準ということの目標を挙げておられますけれども、そういった事例を踏まえて比率をさらに拡大するということと、進捗の検証も取り組むべきであるということで書いてございます。
3ページ、事業報酬については、先ほど横断的課題の議題でも出ましたが、総括原価方式の中でも特にここはわかりにくいということがございます。したがいまして、特に消費者が持つ疑問の例ということで3点挙げてございますが、こういった疑問に答えるような説明をいただきたいということ。
マル4 購入電力料、日本原子力発電でございます。購入電力料がゼロにかかわらず、相当額の負担をしているということですが、人件費の削減幅等の合理化の内容をより明確に、定量的に説明すべきであるということ。
マル5 今後の需要予測でございますけれども、特に省エネ行動による需要削減効果が料金に与える影響ということについては、特に節電を行ったから結局、電気会社の売り上げが落ちて、だから値上げにつながっているんだといったことが意見交換会でも出ておりました。実際はそういうことはないんだということを、しっかりと説明していただきたいということで、個々の家庭で節電を行えば支払いの抑制につながるということでありますし、節電が定着すれば長期的には設備投資の抑制による費用の提言につながるといったこともあります。したがって、節電しても結局、電力会社の売り上げが落ちる。したがって、それを埋めるためにまた値上げが行われ、意味がないという極端な意見も出ているような例もありますが、そういった誤解が生まれないようにすべきであるということでございます。
マル6 情報提供につきましては冒頭に申しました。あえて再掲してございますけれども、管内の消費者に適時かつ万遍なく届くような広報・周知体制といったようなこと。消費者や消費者団体等から例えば地域の自治会等も含まれると思いますが、そういったところからの説明会開催や、情報提供の要望にしっかり応えていただきたいということが書いてあります。
4ページ「III.今後の課題」ということで書いております。人件費査定の給与の比較についてのセクター範囲が合理的かどうか。先ほども出ました事後検証については、燃料調達のあり方に加え、前提条件が認可時からどの程度乖離したかといった観点からの検証。あとはもう一度繰り返しになりますが、実績と見込みの乖離といったこともわかりやすい情報提供をお願いしたいということでございます。
3番目の○については、今回の原価算定期間終了後には電源構成が大きく変わるということで、燃料費の大幅削減による値下げということも想定されるということになります。現行の電気事業法においては、値下げに当たっては事業者からの届け出のみで済むことになっております。先ほどの議論にも出てまいりましたけれども、その際に少なくとも値下げ幅については何らかの検証が可能になるように、その方策についての検討を行うべきであるといったことを書いております。
あと、これまでの調査審議の過程で明らかになった課題、先ほどありました情報公開、開示のあり方や事業報酬算定のあり方について今後、消費者委員会において検討していくということでございますし、その結果も踏まえて今後、料金の改定システムのあり方にも適切に反映すべきであるということになります。
さらに電力システム改革について、どのようなメリットがあるかわかりやすい情報提供、さらに消費者の意見を聞いていただきたいといったこと。さらにエネ庁におかれましては電力システム改革とか、原発の廃炉費用の負担といったことが今いろいろ検討されているわけですが、個別の審議会等々で行われていますが、できる限り全体を俯瞰できるような総合的な情報提供をお願いしたいといったことが書いてございます。
以上です。

○河上委員長 ありがとうございました。
事務局長、どうぞ。

○原事務局長 一言お詫び申し上げたいと思います。実は7月24日に、査定方針案が示されて、7月25日、次の日に仙台と高松で消費者からの意見交換会を開いたのですが、非常にタイトなスケジュールでお願いをいたしまして、その点、意見を出された消費者団体の方からも注文がつきましたので、お詫びを申し上げたいと思います。以後こういうことがないように準備してまいりたいと思います。一言つけ加えさせていただきます。

○河上委員長 それは、資料が出てから意見交換会までの時間が非常に短かったということですか。原因はどの辺にあったのですか。

○浅田参事官 査定方針が出るタイミングと、調査会の開催するタイミングと、そういう中で消費者の意見も聞かなければならないということで、ぎりぎり査定方針の公表のタイミング、調査会で皆さんにお集まりいただける日取りの中で御無理をお願いしたということでございます。

○河上委員長 消費者委員会自身が消費者の実質的な参加ということを言っているところですので、委員会がそういうことでは非常によくないことです。今後こういうことがないようにもう少し余裕を持って開催をお願いしたいと思います。そのことでもし地元の方が御不満を持たれたとすれば、お詫びしないといけないと思います。どうも申しわけございません。
ほかに今の説明に関して何か御意見、御質問がございましたらお願いしたいと思います。特によろしゅうございますか。山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 私は東北電力の公聴会に参加しました。担当の委員として消費者の生の声を聴かせていただいて、あるいはそういう公聴会に出られなかったけれども、この電力料金の値上げについて消費者として、あるいは利用者として疑問に思っていることを代弁しなければいけないという責任を痛感しながら、審議にかかわってきたつもりです。
今回のこの調査意見については、これはこれとして是としたいと思いますが、2点だけ印象を述べさせていただきます。1つは東北電力の公聴会でたくさん出た意見の中には、要するに原発をどうするのかということについての意見がたくさん出ました。これは九州電力の公聴会でも半分ぐらいがそういう意見でした。
原発を廃止するならば値上げは一定程度認めてもいいけれども、これは再稼働が前提になった値上げ申請で、では再稼働した場合にどうなるのかとか、再稼働しないでほしいという声はどこにどう反映されるのかということについては、この料金審査の中では諮られるべきテーマの外になるということではあるのです。その点についてはここでは触れない議論。しかしながら、一番重要な議論がここでは消費者の声がとどかないというフラストレーションは多くの人が感じておりましたので、付言したいと思います。
もう一つは、これは四国電力に大変申しわけない物言いになってしまうのですが、規模が小さいせいか、あるいは企業体質なのか、これまでの歴史のいきさつなのかよくわかりませんが、ほかの電力会社に比べて経費の節減の努力不足とか人件費が比較的高いことを感じました。それは高齢の正規職員が多いせいということも言われておりますけれども、四国電力の効率の悪さが正直言って印象として非常に目立ったという感じがあります。
その意味では今回の値上げについては一定程度認められるのかもしれませんが、特に四国電力についてはもう少し努力をしたらどうですかと。役員の数も規模が小さい割にはほかの電力会社と同じぐらいに役員がいるわけです。それで出向社員については大幅に今回削られましたけれども、もう一頑張りしてほしいなと、あるいは二頑張りしてほしいなと。正直言って消費者の声という観点から言って思いましたので、付言させていただきます。

○河上委員長 ありがとうございました。
ほかにはいかがですか。よろしゅうございますか。
私からも若干伺いたいのですけれども、東北の場合は被災地だということがかなり大きな要素なのですが、被災地における電力料金の決定方法と、そうでない地域の決定方法はどういうふうに考えていくかというのは大きな問題です。ある程度厳格に考えていってほしいということだけれども、被災地だから圧縮幅を大きくするべきだという話になるのか、そこは公正な値段というのは公正な値段として考えておいて、被災地に対する支援は支援として別個考えるというスタンスで問題を見ていくかの切り分けは、電力料金の審査の中ではどういうふうに整理されていったのかというあたりは伺えますか。

○浅田参事官 確かに東北にはいまだ厳しい状況におられる方も多数あるとは思いますし、電力料金の値上げの影響を懸念する声も多々ございました。ただ、私の理解では、電気料金の査定につきましては共通の考え方で行われているということでございます。被災地支援につきましては、別途政府のほうでそれは全力で取り組んでいく課題であるということではないかと思います。

○河上委員長 山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 公聴会でもたくさん、委員長がおっしゃったような議論が出ました。ただ、これは専門委員の中でも御発言がありましたけれども、電気料金を被災地の皆さんに特別安くするという配慮をするよりも、むしろ電力料金を含めた被災地におられる皆さんに対する政府なり自治体の支援という観点で配慮したほうが妥当ではないかという意見も出まして、それもそうだよなと私などは思った次第であります。被災地の人だから電気料金を安くするというのは混乱するのではないかと正直思いました。そこら辺はかなり議論はあったかと思いますが、だからというのはなかなか難しいかなと私などは思いました。

○河上委員長 古城座長はどうですか。

○古城公共料金等専門調査会座長 今、委員長のおっしゃった別のものという形でやりました。被災地の料金のほうが安いのはいいのですけれども、電気料金というのは結局、利用者から取ってくるしかないので、もし被災地を安くすると国庫からの補助でないと無理ですので、それは復興予算の中で処理していただきたいという考え方でしております。

○河上委員長 もう一点ですけれども、古城座長から北海道電力の話が出てまいりました。これまでのプロセスを見てもわかるのですが、既にこちらからチェックポイントを出しておって、ある程度そのチェックポイントを見ながら各電力会社は資料を用意し、それに合せるような形で圧縮をして原案を出してきているとすると、その意味では北海道電力についても先取りした形で一定の審査というのが始まっているという印象で見ていいのですか。

○浅田参事官 座長へのお尋ねですけれども、事務的に資料を既につけておりまして、北海道電力につきましては資料2の7ページ、8ページでございますが、こちらをごらんいただいて説明をしたいと思います。
これは既に26日に公表されたものです。基本的な考え方で上のほうに四角がありますが、例えば従来から原価に含まれていない交際費、広告宣伝費、寄附金、団体費は原価算入を認めないということになります。
3.は調達について、10%の調達価格削減ということで、これは東京電力の例も勘案して北海道電力も10%カットということでございます。これは東北、四国、関西、九州と同じでございます。
個別に見てまいりますと人件費について、もう既に書いておりませんが、先ほど申しました役員報酬については、これも国家公務員の指定職並みにカットとなっております。
さらに例えば事業報酬率についても、東北電力、四国電力等との算出方法は同じといったこともございます。
したがいまして、人件費、調達であるとか事業報酬等々につきましては、相当程度共通の考え方で査定されておるところで、特にその限りにおいて今回の意見、東北、四国の意見を出しておりますけれども、それに係る部分については同様の対応になるのではないかと見込まれるということでございます。明日、いずれにせよまた議論していただくことになります。

○河上委員長 北海道に関しては、また改めて御報告をいただくことになります。わかりました。
ほかにはいかがでしょうか。もしなければ今回の調査報告について、委員会としての意見案をまとめたいと思いますので、案を配付願います。

(意見案配付)

○河上委員長 配付終わりましたか。では、お願いいたします。

○浅田参事官追加資料2PDFを別ウィンドウで開きますでございます。消費者委員会意見ということで、本日、調査会から意見の提出を受けたということでございまして、消費者庁においては本意見を踏まえ、経済産業省との調整を進めることを求めるという意見でございます。

○河上委員長 ちょっとあっさりしていますけれども、基本的には東電のときにいろいろつくってきたチェックポイントを踏まえて、各自それに関してかなり厳密に圧縮作業をやってきているということですので、特に大きな変更点がなければ、このような形で進めようということです。
きょうの報告に関してこういう形で意見を取りまとめたいと思いますけれども、よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○河上委員長 それでは、この意見案については皆様の御了解をいただいたということで案を取らせていただきまして、消費者庁長官あてに回答いたしたいと思います。
古城座長におかれましては、精力的な審議をいただき、まことにありがとうございました。なお、本意見についてはこの後、17時ころに私と古城座長から、消費者庁の阿南長官あてに手交させていただく予定としております。
また、明日の調査会で北海道電力の調査会意見についての議論が行われますけれども、今、委員会の中で若干議論をさせていただいたところでありますが、本来であればその結果が出てから本日同様に委員会で御報告をいただいて、そのときに改めて委員会での決定ということになるわけですけれども、古城座長から御発言がありましたとおり、その内容については東北、四国電力の調査会意見と大きく異なるものではないと見込まれるところであります。
したがいまして、今後特段の追加的な論点が出されるといったような状況にならない限り、あえて来週の委員会まで待つことなく、調査会意見の扱いは委員長一任ということで対応させていただければありがたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。よろしいですか。特に手続を軽くするという意味では全くございません。

○原事務局長 そうですね。それで今、阿南長官が待っておられる状況なので、後半とても簡単に3分ぐらいで終わりたいと思います。

○河上委員長 それでは、一任をいただいたということで進めさせていただきます。

≪3.その他≫

○河上委員長 では、その他であります。去る7月26日に金沢で開催いたしました第9回の地方消費者委員会について、私から実施報告をいたします。
資料3PDFを別ウィンドウで開きますにございます。金沢ではこのような形で石川県の旧県庁の建物であるしいのき迎賓館という非常に立派な建物のセミナールームを使いまして、満席になりました。たくさんの方が暑い中、参加してくださいまして、民法と消費者契約法ということで、消費者契約法についてのいろんな問題点について、私からの基調報告と、山田調査員からインターネット取引の現状と課題というテーマでの報告を行い、パネリストの方々からは現在、消費者契約法が置かれている問題状況について、非常に活発な意見交換をさせていただきました。相談現場で抱える問題とか、あるいは民法改正の動きなども交えまして、大変有意義な意見交換ができたと思います。 この金沢での参加者からの御意見に関しては、資料の2ページ、3ページにその概要が含まれておりますので、御参照いただければと思います。
金沢の翌日、大阪のほうに移動しまして、消費者契約法の東京でやったシンポジウムと同じようなものを大阪版として開催いたしました。当地のKC’sという適格消費者団体の方が大変尽力してくださって、これまた会場も満杯になりまして、有意義なシンポジウムが開催できました。これは原事務局長から簡単に。

○原事務局長 今、御報告のあったとおりなのですけれども、東京に引き続いて先週7月27日土曜日に、消費者契約法のシンポジウムを大阪のチサンホテル新大阪で開催し、91名の参加者がございました。もともと大阪は消費者契約法には非常に熱心に取り組んでおられるところなので、有意義な意見交換ができたと思います。
具体的な内容については、今後、議事録等をホームページで公開いたします。

○河上委員長 本日の議題は以上でございます。お忙しい中、審議に御協力いただきましてありがとうございました。

≪4.閉会≫

○河上委員長 最後に事務局から今後の予定等について、簡単に説明をお願いいたします。

○原事務局長 次回の委員会は8月6日の火曜日を予定しております。議題については確定次第、ホームページ等で御案内いたします。
先ほど取りまとめました東北電力及び四国電力による家庭用電気料金値上げ認可申請に対する消費者委員会の意見については、この後すぐ河上委員長と古城座長から消費者庁の阿南長官あてに手交させていただく予定です。
委員の皆様は委員室に移動いただき、その後、委員間打ち合わせを行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。

○河上委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)