第93回 消費者委員会 議事録

日時

2012年6月19日(火)16:00~18:06

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 河上委員長、山口委員長代理、稲継委員、小幡委員、
 川戸委員、田島委員、夏目委員、村井委員、細川委員、吉田委員
【説明者】
 経済産業省資源エネルギー庁  糟谷電力・ガス事業部長
片岡電力市場整備課長
 東京電力株式会社  村松執行役員企画部長
鈴木執行役員電力契約部長
所資材部長
【事務局】
 原事務局長、小田審議官

議事次第

1.開会
2.電気料金について
 (東京電力による家庭用電気料金の値上げ申請に関するヒアリング)
○説明者: 経済産業省資源エネルギー庁  糟谷電力・ガス事業部長
片岡電力市場整備課長
東京電力株式会社  村松執行役員企画部長
鈴木執行役員電力契約部長
所資材部長
3.その他
4.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:8KB)
【資料1】 東京電力の家庭用電気料金値上げに係る質問(PDF形式:149KB)
【資料2】 規制料金と自由化料金の原価配分(経済産業省資源エネルギー庁提出資料)(PDF形式:157KB)
【資料3】 家庭用電気料金値上げに係るご質問への回答(3)(東京電力株式会社提出資料) 【資料4】 「食品衛生法第19条第1項の規定に基づく内閣府令の改正に係る答申について」関連資料(PDF形式:283KB)
【参考資料1】 第3回地方消費者委員会(千葉)開催案内(PDF形式:304KB)
【参考資料2】 第4回地方消費者委員会(名古屋)開催案内(PDF形式:280KB)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、時間になりましたので、始めさせていただきます。本日は、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会」の第93回会合を開催いたします。
配付資料の確認を事務局からお願いいたします。

○原事務局長 配付資料につきましては、議事次第の下の段に一覧を掲げております。
資料1といたしまして、これまでも提出しておりますけれども、委員会として、今回「東京電力の家庭用電気料金値上げに係る質問」というものをお出ししておりまして、その最新のバージョンという形で提出をしております。
資料2といたしまして「規制料金と自由化料金の原価配分」ということで、経済産業省の資源エネルギー庁から御提出いただいた資料でございます。
資料3といたしまして、追加的に御質問、御回答いただいた部分について、東京電力様からいただいた資料となっております。
資料4といたしまして、後段になりますけれども「『食品衛生法第19条第1項の規定に基づく内閣府令の改正に係る答申について』関連資料」でございます。
参考資料1、参考資料2につきましては、第3回、第4回の地方消費者委員会を千葉と名古屋において開催いたしますので、そのチラシをお付けしております。
不足がございましたら、また審議の途中でお申し出いただければと思います。

≪2.電気料金について(東京電力による家庭用電気料金の値上げ申請に関するヒアリング)≫

○河上委員長 それでは、議題に入りたいと思います。本日の議題は、今、お話がありました、電気料金についてです。
経済産業省資源エネルギー庁と東京電力株式会社におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、去る6月12日に開催いたしました、92回委員会で予定していた論点のうち、時間の都合で御議論いただけなかったものについて、議論いただきたいと考えております。具体的に申しますと、第1番目に原価の規制部門及び自由化部門への配分方法について、第2に競争入札に移行可能な随意契約の問題について、第3に家庭用電気料金のモデルケースについて、第4に原子力発電に関する費用の必要性等の各論点について御説明をいただいて、その後、質疑を行いたいと思います。
前回も申し上げましたとおり、経済産業省と東京電力におかれましては、この場における議論のポイントについて、一般消費者にもできるだけわかりやすい形で情報発信を行っていただければありがたいと思います。
それでは、説明に入りたいと思いますが、前回と同様に、テーマごとに御説明と質疑をいただくというやり方で進めたいと思います。
それでは、最初に原価の規制部門及び自由化部門への配分方法についてであります。こちらの議題については、前回議論が途中で終了してしまいました。今回は各費目の具体的な配分方法について、できるだけわかりやすい形で説明をお願いしたいと思います。わかりやすくと言っておきながら、申し訳ないのですけれども、時間は短くということで、説明は10分程度でお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○経済産業省資源エネルギー庁糟谷電力・ガス事業部長 資源エネルギー庁でございます。
資料2をごらんください。「規制料金と自由化料金の原価配分」について、なぜこういう違いが生じるかということを御説明申し上げます。
最初に右下の「配分比率(規制:自由)」をごらんいただけないでしょうか。3つチェックが入っておりまして、真ん中をごらんいただきますと、燃料関係等の可変費とありますが、需要量比39対61とあります。規制が39で、需要部分が61ということであります。これは実際の規制分野、自由化分野のそれぞれの電気の使用量であります。規制部門が全体の電気の大体4割を使用し、自由化分野が6割を使用している。これをまず頭に入れていただいて、本当はこれが基本になるはずなんですが、今から申し上げる幾つかの事情によって、必ずしもそうではなくなってきているというところを御説明申し上げます。
チェックの上のところをごらんいただきますと、設備関係等の固定費とあります。これは最大電力(kW)により算定されます。つまり規制部門で一番多く使ったときのキロワット、自由化部門で一番多く使ったときのキロワットの比でございます。これを見ていただきますと、規制部門が44、自由化部門が56という比率になります。先ほどの4対6、つまり39対61よりも差が縮まります。これはどういうことかといいますと、規制部門の方が使うときは非常に大きなキロワットの電気を使っていることになるわけであります。逆に自由化部門の方は、大量に使っているものの、ピークはそんなに高くない。全体の6割を使っている割には、ピークで比べると44対56になるということであります。
今のお話で申し上げますと、最初の39対61の比率で燃料費を割り振ります。つまり発電の変動費をこれで割り振ります。他方で、発電の固定費については、どれぐらいのキロワットに備えて発電所、発電機を用意したかということで、44対56で割り振りをいたします。つまりピークの高さは、規制部門が比較的高いために、設備関係の固定費がより多く規制部門に割り振られることになるわけであります。
繰り返しですが、燃料費については、消費電力量と比例でありますので、大体4対6の割合で割り振られます。ここは使った電力量とほぼ同じ割り振りになるわけですが、固定費については、キロワットで見ますと、44対56ということで、より規制分野に大きく割り振られるということであります。
一番右下のところ、検針、メーター取り替え等の需要家費でございます。これは引き込み線でありますとか、電気料金のメーター、計測器、検針のコスト、そういうものであります。これは口数に応じて、口数が多ければ多いほどよけいにかかります。これをごらんいただきますと、規制分野の口数と需要家分野の口数を比べますと、96対4という比率でございます。つまり需要家費については、96%を規制分野に割り振り、4%を自由化分野に割り振るということをいたします。ここでもより規制分野に多くコストが割り振られるということがおわかりいただけます。
それに加えまして、左の水色の上の方をごらんいただきますと、電源費用等とありますが、それが先ほども申し上げた発電関係の変動費及び固定費であります。
その下に高圧送電費用等とありますが、これは高圧で送ってきて、変電所までの費用であります。規制部門の方が、変電所でより電圧の低い電気に変電する必要がありますので、その部分、変電所の費用がここに乗っております。
それから、高圧送電費用等8,261億円のうち2,000億円余りが需要家費なんですが、この費用というのは、先ほど申し上げたように、需要家費の96%がこちらに割り振られております。引き込み線とかメーター、検針であります。
それに加えまして、規制料金の場合、右側の低圧配電費用等、つまり変電所から引き込み線のところまで運んでいく低圧の電気を送っていく費用がございます。これは高圧で送電をしている需要家部門には全く必要ありませんので、低圧で運んでいく配電費用は全部規制料金に乗っかります。1,341億円であります。
以上を総合しますと、右側の点線のところであります。「規制料金が自由化料金より単位が高い理由」でありますが、第1に供給に低圧配電設備が必要だということであります。一番最後に御説明申し上げました、真ん中の緑色のところであります。
それに加えまして、ピークに併せて形成される発電所、送電線等の設備に係る費用、特に固定費については、需要量(kW/h)ではなくて、ピーク電力(kW)で配分をしますので、44対56ということで、全体の44%が規制分野に割り振られます。規制部門は全体の39%しか使っていないにもかかわらず、44%のコストが規制分野で生じているということであります。
マル3ですが、検針、メーター、引き込み線といった需要家の費用は、口数に応じて配分されますので、需要家費用の96%が規制料金に割り振られている。
こういった辺りが、kW/h当たりのコストで見たときに、自由化料金に比べて規制料金が高くなっている背景であります。
裏返していいますと、下の真ん中の点線のところですが、自由化分野は、高圧の送配電設備から直接需要家が受け取ります。したがって、低圧配電費用が必要ありません。それから、変電所も必要ありません。
マル2のところですが、需要家の需要変動が規制対象の需要家よりも小さいということで、先ほどのキロワットの大きさの差が、規制分野と自由化分野で44対56の違いにとどまっていまして、これは専門的には負荷率が高いといいます。つまり1日の間に増えたり、減ったりする度合いが低い、それだけ自由化分野の方が効率的に設備を利用しているということでございます。
数字は原価が申請されたものだと仮定して計算しましたけれども、いずれにしても、右側の配分比率がこのようなものである以上は、何らかの形で、規制料金の方がkW/h当たりの価格は高くなることがございます。
以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
東京電力から補充的にお話をいただくようなことはございませんか。

○山口委員長代理 質問の中でよろしいでしょうか。

○河上委員長 では、質問の中でやりましょう。
それでは、御説明いただいた内容について、質問あるいは御意見のある方は発言をお願いいたします。
山口委員長代理、お願いします。

○山口委員長代理 説明ありがとうございました。
資料3の東京電力の説明資料の2枚目が非常によくわかるんです。要するに人件費、修繕費、燃料費、減価償却費、その他ずっと項目があって、合計で5兆7,000億余り費用がかかります。これを規制部門に47%、自由部門に53%乗せて、規制部門は2兆7,201億円を経費として計上している。恐らくこういう説明資料だと思います。
これは細かく議論し始めると切りがないのですけれども、とりあえず1つだけ、今の部長の御説明とちょっと違うと思ったのは、その下に修繕費があって、この中ではマル5の需要家費というところが91対9になって、右側に口数等比となっているんです。この91対9の数字と、先ほど部長が御説明になった96対4というのは、象徴的にちょっと違うのではないか、ここはどうなのかということが1つです。
それから、相対的に2ページの表はよくわかります。疑問がいろいろあるんだけれども、それはやり出すと切りがないので、これでわかるとした場合、それでも2兆7,201億円あるいは3兆423億円のかかる経費に、恐らく事業報酬などを乗せるんでしょうね。こういう数字を過去にも計算して、それに実際の収益との比較をすると、自由部門は利益が比較的少なくて、規制部門は利益がかなり出ていました。恐らく過去はそういうことだと思うんです。今般、これから値上げしようというときには、利益の乗せ方をどういうふうに配慮しているのか。自由部門のもうけが少ない部分を、家庭電気の方に乗せようとしているのではないかという消費者の疑念を晴らすような計算をなさろうとしているのか。どちらでも構いませんので、そこのところの御説明をお願いできればと思います。

○河上委員長 お願いできますか。

○東京電力(株)鈴木執行役員電力契約部長 最初の御質問、私どものペーパーの2ページの修繕費のマル5の91対9というのは、先ほどの御説明の96対4と違うのではないかという点でございますが、単純な口数比で申しますと、規制と自由で、私どもの契約口数は99対1ぐらいの比率になっております。
例えばこの表で申しますと、人件費、毎日皆様のお宅に検針に伺っております委託検針員の費用は、まさに口数に応じて発生しますので、これは99対1ぐらいの比率、人件費の需要家費であります委託検針費は99対1で配分されています。
一方、こちらの修繕費のマル5につきましては、単純に口数比ではございません。例えばメーターの費用でございますが、いわゆるメーターそのものは比較的コンパクトなものが各御家庭に付いておりますけれども、例えば大工場のような大規模な工場のメーターになりますと、電圧とか電流を変成器という大きな装置を使って変成して、それから計ることになっておりまして、その装置はものすごくコストがかかります。したがいまして、そういったものは費用を直課します。単純に口数比ではなくて、特高に使うメーターはメーター代ということで、直課できるものはまず直課して、そのほかの先ほどのような検針費のようなものは口数で分けております。
その結果、修繕費については、メーター代の直課する部分のウェートが違いまして、99対1ということになっておりますが、一方で人件費などは99対1。これを合成すると、最終的な仕上がりとしては、先ほどの96対4になっているということでございます。これが1点目の御質問でございます。
2点目の報酬の利益をどのように今回の中で見ているかというところでございますが、従来の料金改定の際にも、料金の設定に当たりましては、今回と同様の手法で、これは算定規則の省令のルール等がございますので、それに沿って料金を設定してきているというのが実態でございまして、結果として、いろんな要因でアンバランスになっているということでございます。
料金設定の際にどれぐらいの利益を見ているのかというところでございますが、この分が利益だという形での積み上げはやっておりません。あえて2ページの表で申しますと、事業報酬という欄がございます。5兆7,624億円に対しまして、その内訳として、事業報酬2,815億円という欄がございますが、これは単純な利益ではございません。資本調達コスト、支払い利息とか、配当する場合には配当、そういったものの資本コストになるわけでございますが、若干のプラスの利益という部分が含まれているというとらえ方はあろうかと思います。
これをあえて報酬利益ととらえますと、事業報酬のウェートは、規制の2兆7,201億円に対しまして1,540億円、自由におきましては3兆423億円に対して1,275億円、これを率にしますと、規制の方は5.7%、自由の方は4.2%、このような利益率の水準になっている。これは過去の料金改定の際の原価と同様に、配分した結果を見ましても、ほぼ同等の率、事業報酬の率のウェートになっているという状況かと思っております。
以上でございます。

○東京電力(株)村松執行役員企画部長 追加して1点だけ、今の2ページの燃料費をごらんいただきたいと思います。燃料費を見ますと、規制のところが9,637億、自由化部分が1兆5,067億でございまして、この比率はちょうど販売電力料、下の赤のところで書いてあります比率とほぼイコールでございます。これは基本的にロスの違いだけでございまして、規制部分については、低圧でいく間にロスがあるということもございます。実質的には販売電力料ということです。
合計のところ、紺のところを見ていただきますと、3兆円の自由化部門のコストのうち燃料費が1兆5,000億、50%を占めてございます。一方で、規制部門につきましては、2兆7,000億のうちの9,600億でございまして、ウェートはおおむね3割でございます。
今回の場合では、柏崎が順次再開するということで織り込んでおりますけれども、これまでの料金改定でも、原子力発電所は確実に稼働する、順調に稼働するという前提でやっておりました。そうすると、燃料費調整制度で賄い切れない、いわゆる原子力の低稼働による燃料費増がここに出てくるわけでございます。これが、今、申しましたとおり、燃料費の占めるウェートが自由化部分は非常に大きいということでございまして、原子力の低稼働による影響が、より自由化部門の収支に大きく出てくるという結果になってございまして、原子力の低稼働要因によって、燃料費の増加の要因がより自由化部門に影響が大きい。仕上がりとしての利益が、自由化部門の方が圧縮されるという結果になったということでございます。したがいまして、平成19年に中越沖地震がございましたけれども、前年の18年度、原子力が順調に動いているときには、規制と自由化部門の利益率はほとんど一緒だったという実態でございます。

○河上委員長 ほかにございますか。小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 この配分結果については、山口委員長代理からもございましたように、何となく規制部門の方にしわ寄せがきているのではないかと、疑われるようなところもあるのですが、それは適用されるルールの問題かもしれませんので、エネ庁さんのほうで更にご検討いただきたいと思います。
今、御説明がございましたように、今回については、利益率はほぼとんとんになるのではないかということをお示しいただいたと思うのですが、例えば過去には利益率が9対1で、ほとんど規制部門から利益を上げていた事態もあった、特殊要因があったからという御説明がありましたが、現にそのような事態が発生していたわけです。その間、規制部門の消費者はその電気料金を支払っていたという状況があるのです。そうすると、基本的にこういうことが起きる前、デフレ時代で物が値下りしている世の中のときに、電気料金は値上げのときだけ申請が要る。値下げは届出でよいというシステムをとっていたため、規制部門と自由化部門でこれだけ乖離があるのに、そのまま直せないでずっとそのままになっていた。それは事実としてあるわけです。それに対して、エネ庁さんの従来のシステムではうまく対応ができなかった。つまりそれを是正するような措置を講じられなかったのではないかと思います。
そのようなことは、特殊要因とおっしゃいますが、今後も起こり得ると思うのですが、もし自由化部門と規制部門とで利益率の乖離が激しくなってきたら、規制部門の方の料金を下げるということは、システム上できるようにしてくださるのでしょうかということをお伺いしたいと思います。

○河上委員長 どうぞ。

○経済産業省資源エネルギー庁片岡電力市場整備課長 先ほどの山口先生の御質問と併せてだと思うんですが、2対1対1とか、2対1という一定のあらかじめ定まった方針に従って、固定費の配分に応じて資本コストも配分されるので、こうなっている。それは料金を改定するごとにリセットされて、是正されます。
他方、その後に起こった変動、原子力の停止でありますとか、あるいは需要家の離脱、新電力を取られるとか、いろいろあるかと思いますけれども、その結果、収支は影響の度合いが違いますので、おっしゃるように、規制部門にたくさん乗ってしまう。結果的にそうなってしまうのは、あり得ます。
従来は、制度上、自由化部門が赤字、規制部門が黒字の場合に唯一公表することにしていました。ですから、滅多に公表されないということでございました。3月の有識者会議の報告を受けまして、これは常時公表する。つまり黒字でも赤字でも、自由化部門と規制部門のそれぞれの利益が幾らになっているのかというのは、事後的に毎年公表することにします。そうすると、たまたま今年は1割、9割だったとして、次の年もまた続いているというのであれば、それはおかしいのではないかということが、一般にもわかってくると思います。
もう一つは、今回、原価算定期間を定めておりますけれども、例えば3年間の原価でチェックをして、適正だということになったとしても、算定期間終了後に、実際、原価と実績がどう乖離しているかチェックすることになっています。その結果、先ほどのとおり実績も乖離していることになれば、電事法第23条というものがございまして、認可・申請命令を大臣が出せることになっています。つまり自主的に出してこない場合には、申請し直しなさい、そうすると、認可しますからということです。その際、当然認可されますと、もう一回リセットされます。両方合わせますと、毎年の乖離、あるいは3年後の乖離が著しければ、事業者は自主的に改定をしなければならないという圧力が今まで以上に高まりますし、やらずに合理的な説明ができないということであれば、役所の方として、それに対して申請命令をかける。
有識者会議でも議論がありまして、これまで電事法ができてから、抜いたことのない命令ですので、いきなり命令を出すのはしんどいだろうということであれば、例えば報告徴収をかけて、その理由についてきちんと調べて、それを世の中に明らかにして、それでもやらないときに、初めてこの命令を出すといったような2段階のやり方もあるのではないかということを御提言いただきまして、方針としては、そうしようと思ってございます。
したがいまして、今回の料金認可の際には、一定の比率にきちんと割り振られる。事後については、先ほどのとおり、毎年の公表と原価算定期間後のチェックによって、是正を図りたいと考えてございます。

○河上委員長 小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 23条の申請を出し直せという命令については、消費者委員会の2月の建議のときにもお話をしたかと思いますが、法律上の文言が厳しいので、伝家の宝刀のような形で、現に使われていない条文なわけです。ですから、現実に適正な料金であるかをチェックして、それを正すために使うのは、23条の条文では余りにも使いにくいのではないかというのが、建議のときの我々の認識で、現実に値下げさせるようなシステムを構築すべきではないかという建議をさせていただいたと思います。今、23条をお使いになるとおっしゃったので、それでは現実になかなか難しいと思います。よほどのことでないと抜けないという条文の建付ですので、この辺りは、もう少し我々の建議も踏まえて、御検討いただければと思います。

○経済産業省資源エネルギー庁片岡電力市場整備課長 検討させていただきます。十分に検討したいと思います。

○河上委員長 ほかにはございますか。山口委員長代理、どうぞ。

○山口委員長代理 細かい議論に入ると切りがないので、先ほどの東電の資料の2ページで、3点だけございます。後でも結構ですので、資料をいただければと思うんですが、修繕費の電源費が1,724億円計上されています。これが47対53で分けられているんですが、どういう根拠なのか。これは口頭で説明し出すと切りがないでしょうから、後ほどで結構ですので、資料をいただければと思います。
それから、その上の行のその他も5,141億円あって、これが60対40に分けられているんです。これは結構大きな費目だと思うんですが、規制部門に6割も乗せられているのがよくわからない。ここの説明資料もいただければと思います。
これは今でも御説明が可能だと思うんですが、事業報酬で、前回以来問題になっている2,815億なんですが、これも売上げが38対62であれば、規制部門に38で、自由部門に62乗せればよさそうなものなんだけれども、規制部門に55%も乗せているというのは、どういうことなのか御説明いただければと思います。

○東京電力(株)鈴木執行役員電力契約部長 1点目は、マル2の送電費とか、要するに私どもから離れ、新電力さん、PPSさんからの供給に離脱した方、言葉が悪いんですけれども、そういうお客様の需要も含めた全体の費用で割り振ります。私どもは託送料を新電力さんに請求させていただきます。ところが、マル1の電源費というのは、私どものお客様向けの小売りに要する費用でございます。しだかって、離脱した需要を除いた需要で割り振りますので、自由の減った部分が、相対的な比率としては、規制に大きく出る。これが1点目でございます。
2点目のその他の内訳は、この場では細かいので、別途資料を提出させていただきます。
3点目の事業報酬の55%の割り振りのところでございますが、御案内のとおり、事業報酬はレートベースとなるし、電気事業資産に対して一定率で算出しますので、事業資産が規制と自由にどのように割り振られているかに準じます。したがいまして、端的にいいますと、その上の減価償却費がほぼ設備見合いで規制に割り振られていますから、これに近い数字になる。若干、電気事業資産以外にも、レートベースとして、核燃料資産とか、営業資本などがございまして、その分の誤差が出ておりますけれども、基本的には上の減価償却費見合いととらえていただければと思います。
2点目につきましては、別途御報告させていただきます。
以上でございます。

○河上委員長 ほかにはよろしいですか。
私からも1点だけ。よくわからなくて、教えていただきたいんですけれども、自由化部門の方は負荷率がとても高い。つまり需要の高低差がすごくあって、大変だということのようですけれども、一番ピークのところで考えていくと、ピークのところが余り変わらないとすると、例えば消費者は、今、1円、2円で一生懸命節約しているわけですが、そういうものというのは、ほとんど変更がないことになるわけです。
もう一つ、ピークのところでやってくることになると、今までの電気に関して、オール電化という話で、皆さん使ってください、みんなが使ってくれれば使ってくれるほど、言わば投資したものに対するリターンがちゃんとあるので、単価としては効率的な値段になっていく。ところが、ピークのところが変わらないのに、みんなが節約して、使ってくれる量がどんどん減っていくと、単価が増えるという、逆にそういう構造を持っていると考えていいんですか。

○東京電力(株)村松執行役員企画部長 おっしゃるとおりでございます。今の山口先生からの御質問とも関わりますので、手前どもの資料の4ページをごらんいただきたいと思います。先ほどの電源費の規制と自由の割合が、販売電力料の比率に比べて、規制部門のウェートが大きいのはなぜかということでございました。こちらで電源費、送電費、変電費と申しておりますのは、いわゆる固定的な固定費でございます。設備費用でございます。燃料費は除いておりますので、要するに固定費、設備費用でございます。
設備費用の配分の仕方を4ページに示してございますが、これは決められておりますルールによりまして、ここにありますとおり、1日のロードカーブを低圧のお客様、高圧のお客様、特別高圧のお客様とそれぞれごとに見たものでございます。これは一つひとつがばらばらになっていないので、見にくいんですけれども、特別高圧のお客様というのはかなりなだらかです。ほとんどフラットな需要パターンになってございます。これは特に産業のお客様、夜間操業型のものが入っているということでございます。高圧のお客様はその次にパターンとしてよくて、低圧のところを見ていただきますと、昼と夜の負荷が高く、夜間の部分がその半分ぐらいの比率になっているという実態でございます。
仮に1日のこのグラフがこういう形で昼間の山型、夕方までずっと続く山型ではなくて、全くフラットだった場合には、昼間だけ動かす、昼から夕方にかけてだけ動かす電源をつくらなくて済むということでございますので、これをすべてのお客様に全時間で割り振ることができる。ところが、実際には昼間だけを動かす電源をつくらなければいけないということでございますので、この分が全体として効率が悪くなるということでございます。これが本当にフラットになっていて、負荷平準化がされていれば、すべての電源を24時間安定的に稼働することができる。したがって、この設備費用を満遍なく割り振ることができるということでございます。

○河上委員長 ただ、オール電化の問題もそうですけれども、「電気をどんどん使ってください」という形になって、東京電力としては、それに見合うだけの投資をしながら電力をつくる。そのときの投資の在り方に、実は問題があったのかもしれないという反省があるのではないかと個人的には思います。だから、どんどん投資すれば投資するほど電気が生まれ、そして、非効率な使い方になっているような状態をこのまま維持していくことになるわけですから、今までの電気のつくり方、使わせ方を相当反省しないと、変えていけないのではないかという気がいたします。
ほかに何かございますか。よろしいですか。
それでは、続きまして、競争入札に移行可能な随意契約についての説明をお願いいたします。これも説明は10分ほどでお願いできればと思います。

○東京電力(株)村松執行役員企画部長 それでは、資料3の14ページをごらんいただきたいと思います。競争入札の拡大に向けての取組みにつきまして、御説明をさせていただきます。
随意契約の理由の9割は、まず1つは既設の設備の修理・改造、つまりつくったメーカーさんに修理・改造を行ってもらうというケースが55.6%。急にトラブルが起きて、これを改修するための緊急対応というものが約3割。残りの対応可能な取引先が1社しかないというケースが7.3%でございまして、これで9割が説明できるということでございます。
もう少し詳しく理由を説明させていただきますと、マル1の既設設備の修理・改造でございますけれども、修理事業者を変更した際に、既存の設備との互換性が損なわれる懸念があるということで、随意契約をしているものでございます。これは政府調達の随意契約の事由として挙げられております、互換性に当たると考えてございます。
マル2の不具合・トラブルの改修などの緊急対応、マル3の対応可能な取引先が1社ということでございますが、これは同じく政府調達の随意契約事由の緊急性に該当するということでございます。
しかしながら、私どもといたしましては、現在、東電が置かれている状況にかんがみまして、これらの随意契約はこのままにしないと考えてございまして、3年間で随意契約を3割削減していくということで考えてございます。
なお、随意契約率というのは、私企業の場合、なかなかデータがございませんが、ヒアリングをしたところ、通信事業者さんでは、10年かけて3割に拡大した。自動車メーカーさんは、メーカーさんによってそれぞれ戦略が全く異なるということでございますが、私どもがお聞きしたところ、自動車のトップメーカーでございますけれども、現在4割強と伺ってございます。それから、民営化されました郵政さんにつきましても、4割程度とお聞きしてございます。
1枚めくっていただきまして、上のところをごらんいただきたいと思います。こうした中で、現在のものに対しまして、随意契約を減らして、競争発注を拡大するということでございますが、これにつきましては、これは原子力損害賠償支援機構さん、また原子力損害賠償支援機構さんに入っておられますコンサルタントの方々と一緒に、一つひとつ仕様件名をつぶしまして、どこまで拡大できるかということで取り組んでございます。
具体的な事例を示しましたのが、15ページでございます。非常に図が小さくて恐縮でございますが、右上に拡大図を示しております。これはいわゆる蒸気タービン、発電機でございます。下から蒸気を吹きつけて、タービンを回して、上に抜けるといった例でございます。
図が見にくいんですけれども、右上の紺のところ、鋳物ですけれども、ここに白い亀裂が入ったようなケースでございます。こういったことにつきましては、タービンと外枠との間の隙間が100分の1ミリ単位で、非常に隙間が狭いということもございまして、これまではすべてつくったメーカーさんにお願いしておりましたが、これまでの検討の中で、このレベルであっても、ほかの会社さんに修理・改造をお願いできると考えてございまして、条件整備をこれからしっかりと進めていこうということで、競争入札できる技術力を持った会社さんを探す、またこちらからも発注の仕方を工夫しようと考えてございます。
16ページをごらんいただきたいと思います。そうしたことでございまして、一つひとつ仕様件名をつぶしまして、現時点で出てきておりますのが、随意契約に対しまして、競争発注比率3割という数字でございます。
こちらにつきましては、ここにございますけれども、更に取引の透明性に資する形で、先ほど申しました原子力損害賠償支援機構さん、また専門のコンサルタントの方々にお入りいただいて、外部からの視点で、取引一つひとつの仕様件名を厳格にチェックしていただく。我々も一緒に入ってやっていくという形で、進めてまいりたいと思っております。先ほど申しましたとおり、現時点では3年で3割と考えてございますが、さらなる拡大を目指すということでございます。
17ページをごらんいただきたいと思います。一番上の行でございますが、全体の修繕、さまざまな委託費用トータルの金額は、おおむね6,000億でございます。これはコストダウン以前の金額でございます。これが今後3年間、おおむね6,000億台と見ております。
この中で、現状、全体の約85~86%が随意契約でございまして、6,300億中5,400億程度が随意契約になっているということでございます。そのうち、子会社・関連会社、グループ会社との随意契約は、こちらにございますとおり、2,100億でございまして、現状で4割でございます。
右側に移っていただきますと、御案内のとおり、東電グループのグループ会社につきまして、順次、売却・縮小するということでございまして、事業売却によりまして、2015年では1,700億円程度に減ると見てございます。この前提を置きまして、これまでグループ会社の随意契約を競争入札化いたしました、実績の平均コスト削減率は7%でございました。グループ会社につきましては、先ほどの原子力損害賠償支援機構さん、また御関係のコンサルティングの皆様にも入っていただきまして、一つひとつ原価に踏み込んでコスト削減をするということで、20%のコスト削減をします。7%の入札化によるコストダウン実績に対しまして、約3倍の織り込みをしたということでございます。
そのほかのところでございますが、外部のものにつきましては、原価の中身まで切り込んでいけないということでございまして、これまでの競争入札化によりますコスト削減率7%を前提といたしまして、10%にいたします。すべての随意契約額、5,400~5,500億のうちの外部部分、子会社のところを抜いた部分につきましては、10%削減ということで考えてございます。
外部10%、グループ会社20%を合成いたしますと、ちょうど薄く紺でハッチングしたところでございますが、2015年で14%のトータルのコスト削減ということで、随意契約全体に対しましてのコスト削減を図ってまいりたいと思っております。
勿論、この後は、更に取組みを進めまして、競争入札比率そのものにつきましても、さらなる拡大を目指してまいりたいということで、現時点で織り込ませていただきましたのは30%という水準でございます。
説明は以上でございます。

○河上委員長 ありがとうございました。
それでは、御質問、御意見をお願いいたします。
山口委員長代理、どうぞ。

○山口委員長代理 これは厳しい申し上げ方を言わざるを得ないんですが、どうしても理解できないといいますか、甘いのではないかと思わざるを得ないんです。要するに親会社である東京電力が子会社に発注している部分が、全体の発注額の4割、2,000億円以上を占めている。今後3年かけて2,100億円だったのを1,700億円にしますというんですが、東電の中で仕事をやっている分には、子会社あるいは関連会社に発注するのが楽だというのはよくわかるんですが、もう少し競争要素を抜本的に見直して入れて、大幅に節約できるのではないかと思います。
経産省などはよく御存じだと思いますが、競争入札の実情を見ていますと、事業者が競争することによって、2~3割の削減は建設工事などでも実現しています。なぜ水道メーターなどで談合が繰り返しあるかというと、やたら面倒くさい仕様をつくって、新規参入業者が参入できないような仕様になっているものだから、いつまで経っても談合がやまないんです。だから、もうちょっと発注の仕様を工夫するとか、いろんな工夫をして、人件費と同じように節約していただきたい。これが精いっぱいだというのは、内部の論理からはあるのかもしれませんが、外から見ていると、もっとできそうだと言わざるを得ない。首都高速の議論の中でも、子会社、ファミリー企業にやたら発注していました。あれと同じ現象が東京電力の中にもあるのではないかと思いました。

○東京電力(株)村松執行役員企画部長 説明が不十分で申し訳ございません。こちらに書いてございます2,145億から1,718億というのは、子会社そのものを売却することによって、子会社そのものをなくすという効果でございます。ここから下の388億を引いた、おおむね1,300億という断面まで減らすということでございまして、現状の2,100億に対しまして、4割削減でございます。グループ会社に対する随意契約料そのものにつきましては、3年後に4割削減すると考えてございます。そのうちの半分がいわゆる事業そのものを売却してしまうということ、残りの半分につきましては、単価そのものを削減していく、この2つでございまして、全体すると、グループ会社に対する随意契約料そのものは、4割削減されると見込んでございます。

○河上委員長 細川委員、どうぞ。

○細川委員 ここら辺はかなり難しい問題であると思います。今、東京電力からいただいた資料のタイトルに「安定供給を前提とした」という言葉が入っていて、ここはそちらの意図を非常に感じるというか、まさに競争入札と安定供給は相反するものなんだ、だから、競争入札をそんなに厳しく言ったら、我々は安定供給を保障できなくなってしまいますと言っている感じがします。確かにそういう部分はなくもないですけれども、一方で、競争入札市場からそういった品物などを入手できるようにしておいた方が、迅速に供給を受けられることもあると思います。1社しか取引先がなくて、その1社に製造工程などでトラブルがあったら、これは致命的になります。だから、なるべく競争市場の中で汎用的な商品を使って、修理なりをできるようにしておいた方が、供給源が複数になるわけだから、そこで迅速に物を調達できることもあるわけです。東電にこれを考えろと言っても限界があると思うので、そこら辺の仕組みは、経産省さんがもう少し考えるべきではないかと思います。
これもよく言われているけれども、東電は東電の仕様があって、ほかの電力会社はまたほかの電力会社で仕様がある。これはコスト高にもなるし、調達の汎用性がないということも言われていますので、電気の安定供給のために関連する事業者とか、部品供給の在り方というのは、もう少し見直すべきだと思います。
そもそも安定供給が大事だと言っていますけれども、この事故で、安定供給が問題になる事態になってしまっているわけです。安定供給のためにコストをかけていたというけれども、安定供給できない状態になってしまっているから、これだけ大騒ぎしているわけで、もう少し発想を変えないとだめではないかと感じました。
以上です。

○河上委員長 これは御意見ということですね。
ほかにはいいですか。
私も、少し申し上げたいのですけれども、競争入札をしようとするときに、今までネックになっていたのは、包括的なプロジェクトが大きくあって、その中の一部だけに特殊なノウハウが含まれていて、全体を仕事して出そうとすると、ノウハウを持っていないところは外れていく。だから、どうしても必要な部分を極小化して、単純作業の部分を切り離して1個ずつの作業にして、競争に出すという工夫はできないのですか。

○東京電力(株)所資材部長 おっしゃるとおりでございまして、全体がありまして、ごく一部のところが特殊な技術だとしますと、全体を賄えるというか、可能なところにお任せするというケースが今まで多かったんですけれども、ただ、これからコストを削減していくとか、あるいは競争を拡大していく上では、この中からはがしていって、ある部分はできる会社が何社かあります、ここの部分はできる会社が1社しかありませんという場合は、ここの部分だけは随契にならざるを得ないんですが、ほかのところは競争発注の方に拡大していく。これは分離して発注するということで、分離発注と呼んでいるんですけれども、ここもこれから大きな目玉といたしまして、競争拡大に向けて取り組んでまいりたいと思います。特に火力の設備とか、いわゆる電源設備などはそういうものが結構あると思いますので、その辺は十分に拡大していくような方向で進めていきたいと思っております。ありがとうございます。

○河上委員長 工夫をしていけば、まだまだ競争発注できる部分が出てくるのではないかという気がいたします。
ほかにはよろしいですか。山口委員長代理、どうぞ。

○山口委員長代理 消費者の納得のために、余り申し上げたくないんですが、あえて申し上げさせていただきます。東京電力の100%子会社の決算データをネットで見ますと、100社以上ございます。連結決算の対象も合わせると、たしか200社以上あったと思います。
私が消費者団体の方、あるいは消費者の方と話したときに、東京電力の役員は給料をもらっていないんだから大変なんだ、頑張っているんだと言うと、山口さん、東京電力の役員というのは、子会社の役員を全部兼任しているから、子会社の役員として報酬をしっかり取っているという話があるんです。プライバシーにわたるところを話しているんだけれども、下世話な話では、非常によく出てくる話なんです。東京電力の役員さんは、役員報酬をもらっていないけれども、子会社からもらっていらっしゃるのかどうか。

○東京電力(株)村松執行役員企画部長 代表取締役は全員返上しております。子会社・関連会社の報酬につきましても、全額返上しております。

○山口委員長代理 役員は相当数おられますが、代表取締役以外は、関連会社・子会社から役員報酬をもらっていらっしゃるんですか。

○東京電力(株)村松執行役員企画部長 これにつきましては、非常に少額でございます。そう御理解いただければと思います。

○河上委員長 これまではもらっていたんですね。

○東京電力(株)村松執行役員企画部長 これまでは収入を得ておりました。金額そのものはあれでございますけれども、私も今度執行役に内定いたしまして、関係会社の非常勤の役員を務めるということで確認をいたしましたが、本当に少ない金額でございます。そういうことで御理解いただければと思います。
それから、複数のところを持ちますけれども、基本的には役割の一部として行うということでございますので、金額としては非常に少額で対応してございます。
今の会社数でございますけれども、実際に200社あるんですが、その半分は風力発電会社がプロジェクトごとに設立している会社でございまして、それを除きますと119社でございます。これを約半分にするということでございまして、先ほど御説明いたしましたとおりですが、その効果、統合と売却そのものによりまして、随意契約に相当するグループ企業への発注が2割減るということでございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
細川委員、どうぞ。

○細川委員 今、お話の兼務している役員の方は、そちらの関連会社での報酬は微々たるものだというんだったら、逆に私は金額を公表した方がいいと思います。そうでないと、また何かからくりがあって、表向きはもらっていないと言いながら、どこからがっぽりもらっているのではないかと消費者が思うから、納得感が出ないわけであって、今は本当に少ないというんだったら、堂々と公表した方がいいと、東電のために思います。

○河上委員長 それでは、時間のあれもございますので、次に移りたいと思います。家庭用電力料金のモデルケースについてでございます。この点についても、説明を10分ほどでお願いできればと思います。

○東京電力(株)鈴木執行役員電力契約部長 それでは、資料3の19ページをお開きいただきたいと思います。こちらに今回の平均モデルの設定の考え方をお示ししてございます。平均のモデルとしましては、従量電灯というお客様の数が一番多いものでございまして、約2,000万口ございます。その中で最も多いアンペア数、平均的な使用量をベースにして、平均モデルを設定しているということでございます。
19ページのグラフをごらんいただきますと、従量電灯のアンペアごとの口数分布を示してございます。ごらんいただきますように、30Aが2,000万口のうちの850万口ほどを占める、全体の42%強という状況になってございます。最近、新しい御家庭ですと、40Aもかなり増えてきておるんですが、圧倒的に30Aが多いということで、30Aを代表として使わせていただいています。
使用量でございますけれども、20ページの折れ線グラフをごらんいただきたいと思います。これが平成3年から昨年度までの1口、1か月当たりの平均使用量です。年間の使用量を12で割った数字でございます。平成初期のころは250kWh程度でありましたが、これが徐々に増えていきまして、平成10年ぐらいを機に、290kWhの横の赤いラインを上にいったり、下にいったりということを繰り返している状況でございます。御案内のとおり、家電製品の普及率が非常に高まっておりますけれども、一方で、省エネ機器も非常に進んでおりまして、双方が相まって、結果として、平均の使用量としては、このような数字を示しているということでございまして、この辺の実績を踏まえまして、平均の290kWhというモデルを設定している次第でございます。
なお、標準家庭という言葉は、夫婦2人、子ども2人の御家庭とか、そういった前提を置いて考えているのかという御質問等をいろいろいただいておりますが、実際はただいま申し上げたような、全体の平均の規模と使用量から設定しているだけでございまして、言葉が必ずしも適切ではなかったということを反省しておりまして、今後使います印刷物、ホームページ等におきましては、平均モデルという言葉でお示ししていきたいと思っております。
毎月、燃料費調整が変わりまして、それをプレス発表しておりますが、このときも標準家庭という言葉を10年以上使ってきておりまして、それも誤解を与えたということがございます。毎月の燃料費調整、新聞等への公表は、今後、平均モデルという言葉でやっていきたいと思っております。
したがいまして、御質問にございました大人2人、子ども2人の家庭で、どんな上げ幅かということに対しましても、正直申しまして、私どもはそのような統計、属性まで取れていないところがございますので、そういった特定はしていないというのが、お答えになってしまいます。
それにかわりしまて、21ページをお開きいただきたいと思います。21ページには、それにかわりましてといいますか、家族構成ということではなくて、アンペアごとの平均的な使用量を示してございます。
一番下の欄にお示ししたのが、30A、290kWhのモデルで、今回の480円、6.9%、平均モデルでお示ししているものでございます。それぞれのアンペアごとの平均の使用量を取ってみますと、ごらんのような表の内容になってございまして、それぞれ金額がございますけれども、値上げ額あるいは率としましては、一番右側にありますように、規模の小さいところは使用量も少ないので、10Aとか15Aですと3.4%の値上げ率です。一方、徐々にこれが拡大しまして、60Aになりますと、値上げ率が12.0%という結果になっております。
どうしてこういうことが起きるかというのは、22ページ「2.三段階料金格差の考え方」でございます。御案内のとおり、昭和49年のオイルショック直後の値上げの際、当時の国の電気事業審議会での議論を経まして、狂乱物価という状況の中、また燃料価格が高騰した状況の中で、ナショナルミニマム的に、必需的な部分につきましては、低位な料金設定にして、2段階目を平均的なものとしました。一方、3段階目については、省エネあるいは節電という趣旨で、相対的に高い料金を設定する。こういった3段階料金制度の導入が方向づけられまして、それに沿って、今日までこの制度を続けてきているという状況でございます。
今回の値上げに当たりましては、お客様への最低必需的な部分の影響を緩和するという意味で、1段料金については値上げ幅を小さくしまして、2段階はほぼ平均的な上げ幅、一方、3段階目は節電に資するという側面もございますので、こちらについては、上げ幅を大きくする。このような設定をさせていただいたところでございます。
格差をどのようにつけたかという考え方でございますけれども、2段階目を1としましたときに、1段階目につきましては、現行の料金の格差ですと0.79というところを、新料金では0.75という格差に拡大してございます。一方、2段目を1としたときの3段階目の料金の格差ですが、これは現行料金ですと1.05倍まで縮小してきておりますけれども、これを1.15倍という格差をつけて、節電の御努力に報いるような形をこの制度でとったところでございます。
一番下の表に、昭和49年導入以来の1~3段の格差を経年的に示させていただいております。下から2つ目が1~2段の格差、2段を1としたときの1段の比率、一番下の欄が2段を1としたときの3段の比率という形になっております。昭和49年から昭和55年、第2次オイルショックにかけましては、値上げでございました。この間、格差を拡大しておりましたけれども、昭和63年以降は値下げを何度かやってきております。その際には、燃料費の水準も大分低下してきたという実態も踏まえまして、なおかつ昭和62年の電気事業審議会で、燃料の低下傾向を踏まえて、格差を縮小していきなさいといった方向づけがなされましたので、以後の料金改定におきまして、徐々にこの格差を縮小してきたという経緯がございます。
しかしながら、今回、このような事態で、非常に需給が逼迫して、節電をお願いしているという状況、更には燃料費が非常に高騰してきているという状況も踏まえまして、今回は昭和55年の格差に近いところまで、格差を拡大したという状況でございます。
ただ、これ以上拡大しますと、上のグラフでごらんいただきますように、平均の2段階目の辺りの2円30銭に対しまして、3段階目は4円89銭になります。これ以上になりますと、倍以上の格差、あるいは5円を超える値上げ幅になってしまいますので、さすがに使用量の多い方への影響が大き過ぎるところがございまして、今回このような0.75と1.15という格差を設けた上で、料金を開かせていただいた次第でございます。
最後に23ページでございますけれども、現在、私どもはお客様への値上げの影響をシミュレーションしていただくということで、ホームページ上にお客様御自身で検針票のデータ等を入力いただきますと、今回の料金値上げでどれぐらい影響が出るかといったことを計算いただくようなシミュレーションのプログラムを用意させていただいております。このようなものをお客様にも御案内して、御活用いただきたいと思っております。
説明は以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいま御説明いただいた内容について、質問、御意見のある方は、発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
山口委員長代理、どうぞ。

○山口委員長代理 22ページの表の基本的なところでよくわからないんですが、下の方に表がございまして、平成18年のところに値下げとあるんです。ところが、平成16年の金額と比べると、金額が高くなっている。その次の平成20年は据え置きと書いてあるんですが、これも高くなっている。これはどういうことなんでしょうか。

○東京電力(株)鈴木執行役員電力契約部長 失礼しました。平成8年以降、燃料費調整制度が導入されておりまして、値上げとか値下げの定義でございますが、電事法19条で値上げの場合は認可申請、値下げの場合は届出ということになっておりますが、その定義によりまして、燃料費調整というのがある意味自動的に調整される。それが適用される前提で、その上で上がったか、下がったかという比較になります。
したがいまして、平成16年から平成18年にかけましては、平成16年は為替レートが109円、原油価格で申しますと34.8ドルという前提でございました。平成18年のときには、為替レートが117円、原油価格が57.3ドルということで、かなり原油価格が上がっている局面でございました。したがいまして、34.8ドルを基準に57.3ドルまで上がった。この分、燃料費調整でそのまま調整された水準がございます。その水準に対して値下げを行ったという内容でございます。
同様に平成20年は、原油価格が93ドル程度まで上昇してございます。その上がった水準を据え置いたという料金改定でございました。
以上でございます。

○河上委員長 ほかにはいかがですか。
基本的に為替レートの変動では吸い上げ切れなかったわけですね。

○東京電力(株)鈴木執行役員電力契約部長 その段階では、原油価格なりLNG価格が急騰いたしまして、為替レートは円高の傾向にありましたけれども、吸収し切れる状況ではなかったということでございます。

○河上委員長 いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、続きまして、原子力発電に関する費用の必要性についてです。この点について、説明をお願いいたします。

○東京電力(株)鈴木執行役員電力契約部長 それでは、引き続き25ページからでございますが、原子力関連費用の原価算入の考え方につきまして、御説明させていただきます。
25ページが全体的な概要になってございますが、結論から申しますと、今回の申請に当たりまして、今回の原価算定期間、3年間に発生が見込まれます費用としまして、原子力部門の人件費ですとか、燃料費、修繕費等々の経常的な費用につきましては、算入させていただいております。
ただし、今回の場合、福島第一の1~4号機の事故に伴いまして、特殊な状況下にあるということで、ここにあります増加する項目、あるいは減少する項目と示してございますようなところが増減要因としてございます。通常の状態と違うところということで、御理解いただければと思います。
増加している主な項目でございますが、1つは、福島第一の1~4号機にかかります安定化維持費用です。これは現場で発生しております放射線の管理に関する業務ですとか、あるいは滞留水を処理することに伴います運転委託の費用とか、そういったものを今回計上させていただいております。
被災された方々への賠償業務を円滑に進めるための費用ということで、これにつきましては、後ほど御説明いたしますけれども、これに伴う委託費等を計上させていただきました。なお、賠償金そのものは、支援機構さんから御支援いただいて、そちらから支払いをさせていただいておりますので、会計上は特別損失という形になります。これについては原価には含まれておりません。
原子力損害賠償支援機構法に基づきまして、各原子力事業者が支援機構さん側に納付する一般負担金について、今回、計上させていただいています。
一方、減少する項目といたしましては、1つは、福島第一の1~4号機の設備費でございます。これは事故が発生した直後に減損処理いたしております。残存簿価等につきましては、特別損失を計上しておりますので、既に特別損失計上済みということで、その分については、今回の原価には計上していないということです。従来、減価償却費等がかかっておりましたけれども、今回の1~4号機については、一切算入していないという内容でございます。
残りの福島第一の5、6号機並びに福島第二発電所の費用のうち、事業報酬につきましては、私どもで自主的にカットさせていただきました。この点につきまして、御質問の中のマル1で御指摘いただいておりますので、ちょっと御説明させていただきますけれども、確かに今回の申請におきましては、事業報酬をカットする一方で、営業費用として発生します減価償却費につきましては、算入させていただいております。これは不整合ではないかという御指摘もございますけれども、これらのユニットにつきましては、1つ目に、設備の状況としましては、1~4号機と全く状況が違いまして、原状復帰ができないほど重要な損傷は認められていないというのが実態でございます。
2つ目としまして、法的にも原子力災害対策特別措置法並びに原子炉規制法等によりまして、安全確保のためのさまざまな対策が法律で義務づけられているということで、私ども原子力を持っている事業者の責務として、これをしっかりやっていかなくてはいけないという状況にあるという点でございます。
3点目としまして、企業会計上の扱いとしましても、5、6号機と第二発電所につきましては、他の電力設備と同様に、経常費用として整理させていただいてございます。こういった側面から、本来ですと、減価償却費、事業報酬も経常的な費用の範囲で原価に算入させていただくと思っておりますが、ただし、計画上、これらについては稼働が未定ということで、柏崎等と違いまして、具体的な稼働時期も設定できていないということがございます。そんなこともございまして、事業報酬につきましては、この場でも御指摘がございましたけれども、本来、資金調達コストと認識しておりますが、一般的に設備に関わる利益というとらえ方もされているということで、誤解を招きかねないという自主的な判断の下、今回は自ら努力しようということで、自主的に控除させていただいた次第でございます。
もう一点、今回、柏崎刈羽の扱いをどう考えるかという御質問がございました。柏崎刈羽につきましては、安全と地元の皆様の御理解を大前提としまして、すべてのユニットの復旧に向けまして、現在、工事中でございます。国の指示に基づきました耐震強化工事といったものも進めまして、一部、時期のずれはございますけれども、3年間での復旧に向けて、徐々に展開していく、再稼働するという仮定の下に算入してございます。したがいまして、私どもとしては、先般の有識者会議で提言されましたレートベース不算入の要件に該当しないと考えておりまして、従来どおり、営業費用として全額算入させていただいているということでございます。
長くなりましたけれども、有識者会議の御指摘事項として、寄附金、団体費等の諸費関係がございます。これらにつきましては、提言に沿いまして、例えば寄附金ですと計上しない、団体費につきましては、必要不可欠と思われる2件目の団体の費用に限らせていただいた。
それから、普及開発関係費でございますけれども、原子力の発電所立地に係る理解促進活動に関連する費用のみ計上させていただいておりまして、販売促進といったものは対象にしていないという内容でございます。
26ページから27ページにかけましては、先ほど申しました特別損失と料金原価の関係を御参考に並べさせていただいております。福島第一の1~4号機で臨時的・突発的に発生した巨額な損失は、既に特別損失ということで会計処理しておりまして、これは今回の原価の算定の対象外にしておるということでございます。
27ページは、具体的に福島第一の1~4号機の特別損失の額を計上させていただいております。廃止措置完了までの費用総額としまして、9,001億円の見積もりでございますが、このうち冷温停止状態にもっていくまでに完了しました2,009億円、今後の中長期ロードマップで対応上出てくる費用としまして、5,122億円を見積もってございます。それから、マル3の廃止措置に係る費用は、解体費用の見積もり額でございます。これは昨年の被災の直前まで積んでいた引当金に加えて、引き当ての不足分を特別損失という形で、昨年度の決算で処理してございます。これら合計9,001億円は、特損で計上しておりますが、今回の料金には一切含まれていないという内容でございます。

○河上委員長 含まれていないのですか。

○東京電力(株)鈴木執行役員電力契約部長 はい。含まれておりません。
28ページでございますけれども、特別損失では扱われない、今後、作業あるいは安定化を維持していくために、どうしても必要となる経常的な費用です。これにつきましては、是非御理解いただきたい内容でございまして、表にありますように、合計で487億円の金額を、今回、委託費あるいは修繕費等で計上させていただいているという内容でございます。
29ページは、賠償対応費用でございまして、先ほど申しましたように、賠償金そのものは原価算入しておりませんけれども、一方で、補償業務に当たります補償運営センター、あるいはコールセンターにかかります費用です。勿論直営の人員で対応しておりますが、それで対応し切れないセンター等の業務につきましては、外部に委託でお願いしておりまして、その委託費用です。あるいはセンターの場所を賃借させていただいている費用等々につきまして、合計287億円を計上させていただいているものでございます。
30ページでございますが、本日の追加の御質問で、購入に係る原子力発電の費用についての説明でございます。私どもは自社の原子力だけではなくて、東北電力さん並びに日本原子力発電さんからも他社購入という形で、原子力の電気を購入させていただいております。これらにつきまして、平成24~26年度にかけましては、他社さんの設備ということもございまして、コミットできないということもございます。今回の料金算定期間は運転しない、未定という前提で計画を組ませていただいております。27年度以降は一定の稼働率を期待して、総合特別事業計画におきましては、織り込んでおりますけれども、算定期間については、運転なしという前提で算定しております。
一方、ここに書いておりますように、私どもから東北電力さんに柏崎刈羽の1号機の半量、福島第二の3、4号機の4分の1ずつ、合計100トン万kWを建設当初から販売するという前提で需給しております。これにつきましては、弊社の原価算入の考え方に合わせまして、地元の御了解を大前提としまして、1号機につきましては、25年度の4月から再稼働を仮定しておりますので、それに沿って、東北さんには電気をお送りするという前提で算入してございます。これは販売ということで、原価から控除される金額になってまいります。
これらの契約上の扱いでございますけれども、原子力発電からの購入、あるいは私どもから東北さんへの販売契約につきましては、対象となりますユニットの運転開始から運転が終了するまでの長期間にわたりまして、言わば共同開発的な位置づけでございまして、発生電力の権利等を生涯にわたって受電する。そのかわり、それに伴う費用は私どもが応分の費用を負担するという契約の内容になってございます。それに従って、毎年度お支払いしているということでございます。
今回の申請上、特に買う方は、購入電力量が0なのに、お金だけ払うのかという御懸念があると思いましたけれども、ただいま申しましたような基本的な関係といいますか、共同開発あるいは契約関係にございます。それに基づきまして、この間に必要となります維持、運営費的なもの、あるいは安全対策の費用等もかかっておりますが、これについては、私どもの受電の権利に見合った形でお支払いするという契約の内容になっております。
今回の3年間の平均の金額は、今回改定というところに書いてあります1,003億円です。前回の1,000億円に対しましては、電力量が0にもかかわらず、プラス3億円の増という内容になっております。この増減の理由は、確かに電力量が0ということで、kWhに応じました電力量料金、核燃料費用、燃料費、あるいはバックエンドの費用、再処理等を始めとする費用、こういったものは大きく減りますけれども、一方で、安全対策の工事費用とか、あるいは全国レベルで水平展開しております炉内構造物の予防保全対策工事、こういったものの費用がかさんでおりまして、ここら辺については、応分の負担ということでお支払いする。あるいは一般負担金、先ほど私どもが支援機構さんにお支払いする金額と申しましたけれども、各原子力発電事業者さんそれぞれが支援機構さんに納付する予定になっております。対象ユニットに関します、当社の応分負担分をお支払いするという契約を踏まえた内容になっているということでございます。
説明は以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
御説明いただいた内容について、質問、意見のある方は、発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
山口委員長代理、どうぞ。

○山口委員長代理 3点あるんですが、1つは本当に素朴な疑問で、先ほど27ページの資料によると、福島第一の1~4号機の廃止完了までの総費用が9,000億円かかるということで、これは料金値上げには乗せていないという御説明でしたけれども、よけいなお世話なのかもしれませんが、どこから出すのか。こんな大変な金額をどこから出すのか。これが1つです。
2つ目は、委員会では、総合特別事業計画に関する資料を5月初旬ごろいただいて、少し調べていたところで、数字として出ていますのが、原価計算の概要の中で、原子力バックエンド費用というのが、前回1,059億円、今回668億円ということで、かなりの金額が計上されている。今、口頭では大変でしょうけれども、バックエンド費用で668億円というのは一体何なのか。これを見てもよくわからないし、今の説明でもよくわからないんです。
それから、原価計算の内訳の修繕費の中に原子力というものがございまして、ここでも原子力関係で前回875億円、今回709億円計上されているんです。これは何なのか。これが先ほどの9,000億円の話とどう関係するのかよくわからない。
原価算定の内訳で減価償却費がございまして、その中の原子力関係で、前回は990億円だったのが、今回は900億円計上されているんです。これが何なのか。口頭だと恐らく無理だと思うので、わかるように御説明いただければということです。
3点目は、最後の30ページの御説明で、要するに東北電力や日本原子力発電から現実の電気はいただけないんだけれども、約束があるから1,000億円以上支払うということのようなんですが、これは、はい、そうですかとはなかなかならないと思います。何で1,002億円払わなければいけないのか。これも口頭でなくて結構なので、相当の金額ですから、こういう約束になっているから、実際に電力は来ないんだけれども、1,002億円払わなければいけないんですという、一般がわかるような御説明資料をいただければと思います。

○東京電力(株)鈴木執行役員電力契約部長 わかりました。
1つ目の9,000億円がどこから出てくるかというのは、21年度に1兆円近い減損処理をしております。したがって、赤字としてお客様に転嫁せずに、実損として計上しているというのが1点目でございます。
総合特別事業計画の資料との比較ということですが、今、手持ちにございませんので、別途調べまして、増減の内訳につきましては、御報告させていただければと思います。
発電はいたしませんけれども、減価償却費はかかります。柏崎を始め一部かかりますし、修繕費につきましても、今、安全対策に伴う工事等も鋭意進めておりますので、そういったものが派生していることは事実でございます。内訳は別途整理させていただければと思います。
それから、東北さんと原電につきましては、先般の経産省さんの専門委員会でも御指摘がございまして、最終的には契約の内容をごらんいただかないと、腹に収めていただけないところがあるかと思います。ただ、内容が機微に触れる部分もございまして、これはやり方を経産省さんで工夫いただいて、専門の先生方に一部ごらんいただくとか、そういった手法で、今、確認作業をしていただいている状況でございます。広く公表するというのは、申し訳ございませんけれども、守秘義務上の関係もございまして、難しい内容もございます。
ただ、考え方としては、先ほど申しましたように、例えば原電さんの東海第二を昭和40年代に建設することを決めた際には、それに伴う資金の増資として、私どもが一定比率を引き受けて、私どもの要請で建設していただいたといった経緯がございます。したがって、それは最後まで私どもが受電する。自社の設備と同様に、私どもの供給力として申請して、当時、国の審議会でも御審議いただいて、建設がゴーサインとされたという内容でございます。
それから、東北さんの設備につきましても、立地点の共同開発という位置づけで、先ほど申しましたように、先行したのは私どもの設備でございますけれども、例えば柏崎の1号機のときには、逆に東北さんから開発に参加していただいて、当初の資金を半分分担していただきました。終身受電することを前提に、共同で開発したという位置づけのものでございます。
内容については、御回答できる範囲で、改めて書面でもさせていただきます。

○河上委員長 ほかにはいかがですか。細川委員、どうぞ。

○細川委員 30ページの原子力で発電されたものを他社から買うというところですが、納得できないのは、今まで100億kWで買っていたものが0になってしまったのに、逆に増えてしまうというのは、どう考えてもわからない。
今、お話を聞いたら、確かに発電のための核燃料の費用とかは減っているけれども、逆に安全対策などでお金がかかっているというお話でした。それだったら、そういう内訳を消費者向けに出せないんですか。別に契約書を見せろという話ではないと思います。機微情報だというのではなくて、どう考えても100億kW買っていたときに1,000億なのに、それが0になってしまって、逆にそれが上がるというのは、それだけ言われても絶対に納得いかないわけです。ちゃんと理由があるのであれば、それはどういう部分は当然発電しなくなったから減ったけれども、逆にこういう事態を踏まえて、これだけの安全対策を図るから、これだけ足すからこうなっているんですという説明責任は当然あるし、そこを説明しなければ、これは1,000億というのはすごい金額です。これがなければ、何パーセント料金値上げを圧縮できるのかと消費者は思うわけだから、そういったことの情報提供をすべきです。
あと、こういう事態だから、すごく日本原子力発電に気を遣っているような発言ばかりですけれども、あちらのコスト削減も要望ぐらいしてもいいでしょう。そのコスト削減がどのぐらいあるのか、ないのかとか、そういうもののも情報として出していただかないと、消費者は納得できないと思います。

○東京電力(株)鈴木執行役員電力契約部長 その点も含めまして、どういった形で御説明できるかというところは、改めて御報告したいと思います。

○河上委員長 ほかにいかがでしょうか。

○小幡委員 それ以外でもよろしいですか。

○河上委員長 原子力の件ではなくてですか。

○小幡委員 原子力についても1点あります。今、細川委員からもありましたが、これはほかの電力会社にも同じことになるのかもしれませんが、やはり原子力というのは非常に技術が難しいということで、効率性、コストに視点が当たりにくいところがございます。結局、高コストになりますので、これは東電のみにかかわらないかもしれませんが、是非御検討いただければと思います。

○河上委員長 ほかの点でも結構です。

○小幡委員 今日の追加の質問のところにはなかったのですが、今回、原価として人件費をかなり絞る必要があるということで、いろいろ御検討なさっていると思います。
1点、前の委員会で、今回は福利厚生制度を見直して、前回改定よりかなり削減されているという御説明があったと思うのですが、やはり東電さんの福利厚生はかなり充実していたということを漏れ聞いているのですが、そもそも、認可審査の際の料金の算定のときの原価として入れ込んでよいところの福利厚生というのは、法定厚生費に限るべきではないかという議論があると思います。それ以外については、企業によって、裁量で手厚いところもあれば、あるいは余りやっていないところもあると、自由な部分だと思います。現実にどういうふうになさるかというのは、それぞれの企業の判断だと思いますが、少なくともこういう料金算定に当たっての原価として含めるものは、やはり法定厚生費に限るべきではないかという議論もありうると思います。現実には言わば裁量的な福利厚生がいろいろ乗ってきているようなのですが、もっと縮減できるのではないかと思いますので、その辺りも是非御検討いただければと思います。

○河上委員長 これは検討をお願いするということで、よろしいですか。

○東京電力(株)村松執行役員企画部長 今日、担当の部長が来ておりませんで、大変失礼いたしました。

○小幡委員 今日の追加質問ではないのですが、今まで御説明いただいたもので、その点の指摘が落ちていたと思いました。

○河上委員長 よろしいですか。ほかにはいいですか。

○細川委員 全体的なことでもよろしいですか。

○河上委員長 細川委員、どうぞ。

○細川委員 今まで何回もお越しいただいて恐縮ですけれども、温度差を感じるのは、東電あるいは経産省としては、これだけ下げましたというところで、納得してもらおうということが見えています。今までこうだったけれども、これだけ下げました、だから、納得してくれ。だけれども、我々は一般常識というか、ほかの社会と比べてどうかというところで見ているわけです。そういう意味でいうと、まだ不十分なような気がしますし、社会の常識というか、これだけデフレで困っている人がいっぱいいる中での我々の給与水準とか、東電がこれだけ下げましたといっても、まだまだではないかという、そこの差がいまだにあるような気がします。内向きというか、自分たちの基準での考えしか出てきていないというところのギャップが、いろんなところに表われているように感じます。
以上です。

○河上委員長 ほかによろしいですか。
私も原発のところでよくわからないことがあったので、一点だけ伺いたいんですが、1号機から4号機の廃止措置完了までの費用は、今回の原価に入れないとしたことはわかったのですが、安定化維持費用というのは入れる。その辺の割り振りについてです。これがよくわからないのですけれども、この費用も結局は原発の事故によって生じた、言わば特別な損失ではないんですか。

○東京電力(株)村松執行役員企画部長 先ほど申しましたとおり、1~4号機の9,000億のものにつきましては、特別損失でございますので、基本的には自己資本を崩して、減損したということでございます。
例えばの例で申しますと、水処理施設がございます。循環させて、また水を浄化する施設です。その施設そのものをつくる費用は、すべて特別損失でございます。それを安全維持ということで、実際に発電所そのものはまだございますので、その中で安全のためにこれを維持する。水処理のものは、実際に運転する費用、こういった委託費につきまして、今回、安全維持費用ということで、1~4号機分につきましても、お願いをさせていただいたという経緯でございます。全体といたしまして、廃炉、安定化に関わる設備、装置をつくる、これにつきましては、すべて特別損失です。その結果として、まだ存在しております1~4号機のプラントの安全維持につきまして、費用計上ということで、原価織り込みをお願いしているという経緯でございます。

○河上委員長 でも、これは中長期ロードマップ対応費用と言われるようなものに、本来は入っていくべきものですね。1~4号機までは、廃炉にするという方向で、今、後始末をしている状態ですから。

○東京電力(株)村松執行役員企画部長 おっしゃるとおりです。

○河上委員長 ですから、そこの完了までに係るさまざまな費用というのは、先ほどでいえば、特別損失に計上するのが本来の位置ではないんですか。

○東京電力(株)鈴木執行役員電力契約部長 廃止措置に向けた費用というのは9,000億ということで、今後の長期計画も含めて考えておりまして、当面、今の安定した状態を維持していくために恒常的に出る費用については、会計上も経常費用ということで、会計士さんとも御相談して、そういう扱いにしてございます。経常的な費用につきましては、基本的に原価の算定の対象ということで、今回、入れさせていただきました。

○河上委員長 基本的に電力生産のために係る費用ではないですね。

○東京電力(株)鈴木執行役員電力契約部長 そうではございますけれども、こういう事故を起こしてしまったことは、誠におっしゃるとおりでございますが、そこを安定化あるいは安全に保つことも、私どもの事業の責務の1つだと認識しております。

○河上委員長 それが大事なことというのはよくわかりますし、損害賠償も必要だし、いろんな形で事故に関する処理をしないといけない。その部分についての費用というのはわかります。それが必要だということと、それは特別損失として計上して、今、いろいろやっているのに対して、今回の電力料金値上げという話は、基本的には原子力発電所が停止したために燃料費が上がるということで、基本的には値上げという話になっていたと思うんですけれども、そうではない部分が混入しているような印象があるのですけれども、そうではないのですか。

○山口委員長代理 端的にいうと、27ページと28ページの切り分けがよくわからないんです。両方とも福島の1~4号機の廃止完了費用のようなんですけれども、何で28ページの487億が今後の経費に乗せられているのかがよくわからないんです。これは会計原則でそうなっているんだという話になるんですか。

○東京電力(株)鈴木執行役員電力契約部長 実際の会計上の扱いについては、会計士さんとも御相談して、このような扱いにさせていただいております。

○河上委員長 もう一つ、個人的によくわからなかったのは、稼働していない原子力発電所に関して、例えば不稼働期間があるときに、減価償却費は算入するのですか、しないのですか。

○東京電力(株)村松執行役員企画部長 今回は算入をお願いしてございます。

○河上委員長 それはどういう理屈ですか。

○東京電力(株)村松執行役員企画部長 先ほど鈴木から説明したとおりですが、もう一回、説明いたします。

○東京電力(株)鈴木執行役員電力契約部長 先般の有識者会議でも低稼働設備については、基本的に正当な理由がなければ、レートベースの算定の対象外にすべきではないかという御指摘ございました。それに対しましては、例えば私どもでいいますと、長期に停止している火力発電所がございます。これは当分動かす予定もなくて、我々の経営の判断で、需給上必要ないということで、長期間停止している。こういったものについては、算入が難しいだろう、正当な理由に当たらないだろうということで、算入してございません。
福島第一の5、6号と福島第二につきましては、今後どういうふうになるか、まだこれからでございますけれども、福島の1~4号機のように廃炉を決定したわけでもございません。これからの状況によって、その辺は検討されるべきもので、したがって、設備としては、事業用の設備ということで現存していまして、これについては、算入するということでございます。

○山口委員長代理 現実に生産に関わらないものだったら、全額ではなくて半分にするとか、そういうものがあるのではないんですか。

○東京電力(株)鈴木執行役員電力契約部長 建設中の資産、建設仮勘定については、半分をレートベースに算入するという扱いがございますけれども、既に運転を開始して使われてきた設備が、いろんな事情で長期間停止するということはあり得て、それについては、その間、算入しないというルールはないということかと思います。

○河上委員長 実際、電力の生産に結び付いていない設備に関して考えると、先ほどの建設中のものとパラレルに考えてもいいのではないかということになれば、せいぜい半分ではないかという疑問が出てもおかしくはないですね。
いろいろとお聞きしたいことがあるんですけれども、時間も来てしまいましたので、そろそろまとめに入りたいと思いますが、ほかによろしいですか。
それでは、私からこれまでの議論も含めて、少しまとめて申し上げたいことがございます。
東京電力による家庭用電気料金の値上げについては、これまで委員会において、経済産業省及び東京電力からのヒアリングを3回にわたって実施させていただいて、ここでの申請内容に関する議論については、一応一区切りということにさせていただきたいと考えております。
消費者委員会におきましては、本年2月に公共料金問題についての建議を行いまして、料金の決定過程における透明性の確保、消費者参画の機会の確保を求めたわけでございます。
また、この建議に沿いまして、東京電力の電気料金値上げ申請については、5月10日に委員長声明を発出いたしまして、適切な審査体制を確保してくださいということ、公聴会の適切な開催をしてください、適時適切な情報提供を経済産業省に対して求めたという経緯がございます。
委員会におけますこれまでのヒアリングは、今回の値上げ申請について、消費者の視点から見て、少しでもわかりやすい説明をということで、更に追加の説明が必要だと考えられる点につきましては、委員会の中にワーキングチームを立ち上げまして、4名に外部有識者に参加いただきながら討議した結果を踏まえて、整理した内容を質問票の形で質問させていただき、更に追加質問をしという形で、ワーキングチームの力をかりて、皆さんに質問への回答をお願いしてきました。
これは経産省や消費者庁での別の審査委員会にもお願いして、そこで反映させてくださいということを申し上げてきたわけであります。
大変な質問をたくさんしたので、お答えになるにも苦労されたと思いますし、ただ、出てきた資料は、これまでに比べると、随分わかりやすい資料が出てきたということで、こうした資料もどんどん活用していただいて、消費者に少しでもわかりやすい説明をこれからもお願いしたいと思います。
ヒアリングにおきましては、委員から若干きつい意見もありましたし、さまざまな疑問点が出てまいりました。こうした疑問点については、本日出席の経産省の御担当者を通じまして、明日にも開催予定と聞いておりますが、電気料金の審査専門委員会にも是非お伝えいただきたいと思います。
委員から指摘のあった主な疑問点、課題というのは、後ほどメモを差し上げますけれども、現段階で挙げますと、大体次のような点であります。
第1は、やはり人件費の問題でありまして、電気事業者の人件費のうち、特に厚生費等につきましては、料金算定に当たって原価として含めることのできるのは、法定厚生費に限るべきではないか。法定の福利厚生制度というのは、企業の裁量によるものでありまして、先ほど小幡委員から若干御指摘がございましたけれども、それらに要する経費というのは、利用者に負担を新たに求めていくものとして算入すべきものではなくて、今後、何らかの形で利益を生み出したときに、そこから工面していくような性格のものではないかというのが1つです。
更に公的な資金が資本注入されている状態にある東京電力の従業員の方々、特に幹部社員の給与、あるいは厚生費等の人件費について、他の公益企業と同レベルを維持することが、果たして一般の理解を十分に得られるものかどうか、疑問なしとしないということであります。
そんな意味で、人件費はこれが限度だとおっしゃるかもしれませんが、まだ圧縮できるものがあれば、そこはできる限り圧縮して臨んでいただくことが必要ではないかと思います。
第2番目は、競争入札と随意契約に関するものでございます。先ほどの御説明ですと、事業の売却を含めて、いろんな形で競争入札比率を高める目標を立てておられて、申請では30%ということでしたけれども、3年で3割というのは、実質的には4割だと先ほど御説明を伺って、頑張っていらっしゃるということはわかりました。ただ、更に鞭を打つようで申し訳ございませんけれども、3年で3割、あるいは3年で4割というところを、もう少し速やかに率を高める、少しでも早く競争環境の中にいろいろなものを置いて、先ほど私からも申し上げましたけれども、できるものを分割して出すことなどの工夫をして、入札にもっていけるものをどんどん増やしていくことが必要で、是非工夫をしてやっていただければと思います。
随意契約をどうしてもせざるを得ない場合でも、取引先である子会社・関連会社の費用の削減目標、これは申請では一応2割という話になっておりまして、外部の人には10%程度という話もありましたけれども、2割、1割といったような数値もできれば東京電力さんの交渉力をフルに使って、更に費用削減目標を高める努力をしていただければありがたいと思います。
第3点目は、燃料費の件でありまして、燃料の購入価格水準あるいは燃料の負担増を理由にされているわけですけれども、実際に全額燃料分を値上げに付加することの当否というのは、もう一度、再検討していただくとありがたいということであります。結果的にはそこが入ってくるわけですけれども、原価でこれだけ上がりました、そうしたら、こちらからこちらへそのまま移行して積み上げますという発想ではなくて、全額を付加する前に、それを絞り切ることができないか。あるいは今後の新しい燃料獲得のための圧縮の作業辺りも考えていただければありがたいと思います。
次に、「購入電力量」というものが出てまいりました。日本原子力発電等からの電力の購入がないにもかかわらず、電力購入量として、平成24年から26年度で、平均約1,000億円を支払うことになっているようです。先ほどの話でも、いまひとつ理由がよくわからないので、その辺を明らかにする必要があるのではないかということでございます。
最大の問題は、事業報酬とか減価償却費に関する部分であります。今日出た話の中では、原子力発電の問題が出てきました。原子力発電の在り方につきましては、委員の中でも考え方が分かれる部分がございますし、国論を二分するような大きな問題ですから、これを消費者委員会自身が論点とするということではありませんけれども、このようなことは国民的議論が行われるべき問題であります。
今回の値上げ申請における原価算定という観点から見て、福島第一原発の5号機、6号機、福島第二原発について、レートベースから外れるとした一方で、減価償却費のようなものが原価に一部含まれているということについて問題はないのか。
それから、柏崎刈羽原子力発電所は、平成25年度から順次稼働させるものと仮定されておりまして、原価算定において一時的に不稼働期間があるといたしますと、その不稼働期間について、なお原価算定に当たって、これはある程度レートベースに算入する割合を検討する必要はないか。先ほど話に出ました建設中の設備については、2分の1をベースに算定する、算入するのみという扱いをしているわけですけれども、そうだとすれば、せめてその例を基に、不稼働期間中の柏崎刈羽の原子力発電所の設備についても、レートベースに算入する割合を検討するということは考えられないかという辺りであります。
原子力発電所が停止したために、燃料費が増大したということが、今回の値上げ申請の主要な要因でありますけれども、もし不稼働期間中の柏崎刈羽発電所の減価償却費を原価に含めるとなると、発電費用を結果的には二重計上したことにならないかという疑問がございます。そういうことを考えると、こういったものは原価から除いた方がいいのではないかという疑問がございます。
公的資金が資本注入された東京電力におきましては、この委員会の中でも、もう整理会社になってもおかしくない状態なのだからという意見が何度も出ました。これは、整理会社にしろという意味では全くなくて、そういう経営状態にあるんだということを前提に考えていただきますと、事業報酬率についても、事情変更として、実情に合った、実情に即した算定方法が考えられてしかるべきではないかという疑問が払拭できないということであります。
更に電気料金算定に当たっての今後の課題について、規制部門と自由化部門のコスト配分ルールというのは、今日、説明いただいてかなりわかってまいりました。わかってまいりましたけれども、それが本当に実態に合っているのか、もう少し検証が必要ではないかということで、ぜひ、引き続いて検証をお願いしたいということでございます。
規制部門と自由化部門の売電量と利益率について、料金認可当時の計画とは著しく乖離した場合にとるべき措置については、2月の消費者委員会における建議において、値下げのプロセスをちゃんと考えるべきだという建議をいたしましたけれども、全体を再検討することが重要ではないかと思います。
事業報酬について、最優先で特別負担金の返済に充てられるということを事前にも確認し、事後にも検証を行い、事業報酬になっているんだけれども、それは負担金への支払いに回すために必要だというお話がありまして、それはそれでわかりました。わかりましたけれども、それが確実にそちらにいくんだという約束事がはっきりしていればいいのですが、一応貯めておいてという話になっただけのように思います。
こんなことは恐らくないとは思いますけれども、それが将来の株主への配当原資に流用されたり、あるいは職員の賞与等の積み立てに充てられたりということを想像してしまう人もいるわけです。ですから、事業報酬について、それが特別負担金等の返済に充てられる必要な最小限のものとして、これは積み上げているのだということをきちんと説明していただかないと、消費者として、なるほどとは思えないということがあるんだろうと思うわけであります。
幾つかは誤解もあるかもしれませんし、私どもがちゃんと理解できていない部分もあるかもしれませんので、失礼な物言いもあるかもしれませんけれども、私どもも素人でございますので、ある意味では消費者の代表だと思いながら、ずっとご説明を聞いていたところがございますので、そうした疑問を率直に申し上げさせていただきました。
以上の点について、今後、電気料金審査専門委員会で査定方針が出されるものと考えておりますけれども、その内容とともに、先ほど照会させていただいたような点がどういうふうに反映されて、これからの説明が行われていくかということについて、消費者委員会としても、さらにモニターを続けていくつもりでおります。場合によっては、また当委員会で説明を伺う機会を設けさせていただくこともあろうかと思いますけれども、そのときは御協力をお願いしたいと思います。
本日はどうもありがとうございました。

○山口委員長代理 内部的なことなんですが、今の委員長のとりまとめについては、内部的にもいろいろ議論した結果です。ただ、委員会の正式な意見として出すまでの時間的余裕がなかったので、今、委員長のとりまとめで御発言いただきましたけれども、次の機会には、委員会の考え方としてきちんと正式にまとめたものとして、まさに今の委員長のとりまとめには何も異議がないところだと思いますので、明日には間に合いませんが、出す方向で御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○河上委員長 これは委員会としての「考え方」ですね。

○山口委員長代理 ほかの委員の方々に意見を求めたところです。

○河上委員長 いかがでしょうか。大体よろしいですか。

○夏目委員 是非お願いします。

○河上委員長 それでは、委員会としても、正式な意見としてまとめて、対外的にも発出することにさせていただきます。
メンバーの方々には、もし必要があれば、メモのようなものを早目にお渡しすることにして、明日の会議等にもまた生かしていただければと思います。
どうもありがとうございました。


≪3.その他≫

○河上委員長 それでは「3.その他」に移りまして、引き続き、委員会の下部組織でございます食品表示部会から、食品表示部会設置運営規定第8条2項の規定に基づいて、決定事項の報告をいただきたいと思います。
食品部会長である田島委員から御説明をお願いいたします。

○田島委員 食品表示部会部会長の田島でございます。
乳児用規格適用食品に関わる表示基準について、食品表示部会設置運営規定第8条に基づき、委員長の同意を得て、委員会の議決とし、本日6月19日付で内閣府総理大臣へ答申を行いました。
本日は、同条第2項の規定に基づき、決定事項を委員会に御報告するものです。
お手元に資料4が用意してございます。資料4の答申書をごらんください。食品表示部会では、平成24年1月18日付消食表第15号をもって諮問のあった内閣府令の改正について、審議の結果、新旧対照表のとおり、改正することが適当であるとされました。
なお、省略規定の対象は、いわゆる粉ミルク、粉乳のみとすること、及び経過処置期間を1年半程度とすることが適当であるとされました。
当該内閣府令の施行に当たっては、当部会の委員より、消費者及び事業者に以下の点を周知することを徹底すべきであるとの要望がありましたので、つけ加えさせていただきます。
第1点は、乳児にとって成長過程の1年あるいは1年半は大切な時期であることから、事業者には包装材の改変を速やかに実施する努力をするよう、通知することということでございます。
第2点は、2012年4月に設定された新たな放射能汚染の規格基準は、既に適用されております。その中で、乳児等は1歳未満と定義されたことについて、通知等により、消費者に対して十分な情報提供をすることということでございます。乳児用食品といった場合、1歳未満が適用されることを、消費者に周知徹底していただきたいということでございます。
消費者庁におかれましては、このような意見を踏まえ実施していただくよう、お願いしたいと思います。
私からの報告は以上になります。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
これは報告でございますので、特に議論はしなくてよいかと思いますが、御了解をお願いいたします。
それでは、平成24年1月18日付で内閣総理大臣から諮問のあった内閣府令の改正につきましては、原案のとおり改正するということ、省略規定の対象は、いわゆる粉ミルクのみとすること、及び経過措置期間を1年半程度とすることが適当であるという答申についての御報告でありました。経過措置期間については、1年半程度が適当という内容でしたけれども、先ほどの部会長からの要望にもありましたように、事業者に対して、包装材の改変を速やかに実施する努力をなすよう通知することについては、消費者庁において実施していただくことを重ねてお願いしたいと考えております。
本日の議題は以上でございます。お忙しい中、審議に御協力いただきまして、誠にありがとうございました。

≪4.閉会≫

○河上委員長 最後に事務局より今後の予定等について、御説明をお願いいたします。

○原事務局長 次回ですけれども、来週火曜日、6月26日の16時から予定しております。
議題につきましては、地方消費者行政についての検討も重ねて行いますので、有識者、消費者団体などのヒアリングに入っていきたいと思っております。
それから、先ほど冒頭でも御説明いたしましたけれども、6月30日に千葉県の消費者センターにおいて第3回、7月21日に名古屋市の消費生活センターにおいて第4回の地方消費者委員会を開催する予定にしておりますので、こちらにも是非御参加いただければと思います。
事務局からは以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

(以上)