第83回 消費者委員会 議事録

日時

2012年3月13日(火)16:01~18:43

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 河上委員長、山口委員長代理、稲継委員、小幡委員、川戸委員、
 田島委員、細川委員、村井委員、吉田委員、夏目委員
【説明者】
 国土交通省  山田住宅局住宅生産課住宅瑕疵担保対策室長
 消費者庁  金田消費者安全課企画官
畑野取引対策課長
 観光庁  鶴田観光産業課長
 日本旅行業協会  長谷川理事・事務局長
堀江総合企画部法務・コンプライアンス室長代行
 兵庫県弁護士会  鈴木消費者保護委員会委員
辰巳副会長
 消費者庁  黒田消費者政策課長
【事務局】
 原事務局長、小田審議官

議事次第

1.開会
2.住宅リフォームに関する消費者問題への取組について
○説明者: 国土交通省  山田住宅局住宅生産課住宅瑕疵担保対策室長
3.食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項の改定について
○説明者: 消費者庁  金田消費者安全課企画官
4.特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案について
○説明者: 消費者庁  畑野取引対策課長
5.標準旅行業約款について
○説明者: 観光庁  鶴田観光産業課長
一般社団法人日本旅行業協会  長谷川理事・事務局長
堀江総合企画部法務・コンプライアンス室長代行
兵庫県弁護士会  辰巳裕規副会長
鈴木尉久消費者保護委員会委員
6.消費者基本計画の検証・評価・監視について
○説明者: 消費者庁  黒田消費者政策課長
7.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:5KB)
【資料1】 「住宅リフォームに関する消費者問題への取組についての建議」フォローアップ資料 【資料2】 食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項の改定関連資料(消費者庁提出資料) 【資料3】 特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案関連資料(消費者庁提出資料)
(資料3-1) 特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案のポイント(PDF形式:116KB)
(資料3-2) 特定商取引法の一部を改正する法律案(貴金属等の訪問購入に係るトラブルへの対応) 概要(PDF形式:168KB)
(資料3-3) 特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案(骨格)(PDF形式:141KB)
(資料3-4) 特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案要綱(PDF形式:96KB)
(資料3-5) 特定商取引に関する法律の一部を改正する法律(PDF形式:137KB)
(資料3-6) 特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案 新旧対照条文(PDF形式:184KB)
(資料3-7) 特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案 参照条文(PDF形式:167KB)
【資料4】 標準旅行業約款の見直しに関する検討会について(観光庁提出資料)(PDF形式:53KB)
【資料5】 「標準旅行業約款の見直し」に関するヒアリング資料(兵庫県弁護士会提出資料) 【資料6】 消費者基本計画の見直しに向けて(消費者庁関係)(消費者庁提出資料)(PDF形式:80KB)
【参考資料1】 住宅リフォームに関する消費者問題への取組についての建議(PDF形式:218KB)
【参考資料2】 標準旅行業約款の見直しに関する検討会(第5回)資料(抜粋)(PDF形式:475KB)
【参考資料3】 委員間打合せ概要(PDF形式:25KB)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、時間になりましたので始めさせていただきます。
本日は皆さん、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会」第83回会合を開催いたします。
初めに事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

○原事務局長 配付資料一覧ですけれども、議事次第と書かれた紙の裏に一覧を付けております。今日大変たくさんの議題がございまして、配付資料が多くなっております。
資料1といたしまして、住宅リフォームに関する消費者問題への取組みについての建議のフォローアップ資料です。参考資料1として建議をお付けしております。
資料2ですけれども、食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項の改定の関連資料。消費者庁提出の資料です。
資料3といたしまして、特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案のポイントということで、その関連資料。これも消費者庁提出資料です。
資料4、資料5につきましては標準旅行業約款の見直しに関する検討についてヒアリングを予定しておりまして、その関連の資料になります。
資料6といたしまして、消費者基本計画の見直しに向けてということで、消費者庁から御提出をいただいた資料です。
参考資料といたしまして、参考資料1は先ほど御紹介いたしました。
参考資料2が標準旅行業約款の見直しに関する検討会の第5回の資料の抜粋です。
参考資料3といたしまして、この間、3月6日に委員間打ち合わせを行っておりますので、その概要をお付けしております。審議の途中で不足のものがございましたら、お申し付けいただければと思います。
以上です。

○河上委員長 ありがとうございました。
それでは、今日は盛りだくさんですけれども、よろしく御協力のほどお願いいたします。

≪2.住宅リフォームに関する消費者問題への取組について≫

○河上委員長 最初の議題に入ります。初めに住宅リフォームに関する消費者問題への取組みについてです。消費者委員会では、昨年8月に、住宅リフォームに関する消費者問題への取組みについての建議を国土交通大臣あてに提出しております。その中で、この建議については平成24年2月までに、その実施状況の報告を求めることとしております。本日は国土交通省においでいただいておりますので、建議を踏まえたその後の対応状況について御報告をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○国土交通省山田住宅局住宅生産課住宅瑕疵担保対策室長 国土交通省の山田でございます。今日はよろしくお願いいたします。座って説明させていただきます。
資料の方ですが、お配りしています資料1-4、A3の大きな紙を御説明のメインにさせていただいて、併せまして資料1-2で参考資料を付けさせていただいています。適宜これを参照していただきながら、御説明をさせていただければと思います。
資料1-4のA3の大きな紙で、建議事項に対応した実施状況報告と、右側に御質問事項がありますので、これを使いまして御説明させていただきます。
私どもの方に、建議としまして大きく5つの項目をいただいているところでございます。
1ページ目、1点目でございますが、消費者からの相談に一元的なネットワークにより対応できる仕組みを構築するといった大きな項目でございます。これにつきましては実施状況の中ほどにございますが、住宅リフォーム紛争処理支援センターにおきまして「住まいるダイヤル」というナビダイヤルを従来から設けておりますが、今回の建議を踏まえまして、このナビダイヤルを消費者からの相談に一元的に対応できる窓口として活用していくことを改めて方針といたしまして、この住まいるダイヤルの広報展開ですとか、地方自治体等々の相談窓口との連携を図っていくという形で、それ以降の取組みをより一層強化して進めてまいりたいと考えているところでございます。
ちなみに資料としまして、資料1-2の1~8ページに建議いただいた8月以降の住まいるダイヤル電話相談件数あるいはリフォーム瑕疵保険制度、リフォームの見積チェック制度、弁護士等による無料専門家相談制度の概要と毎月のデータを付けさせていただいておりますので、後ほど御参照いただければと思います。ほぼ横ばいか微増の状況で制度の運用が進んでいると考えてございます。
同じく1ページ目の下で、特に一元的ネットワークの中で地方自治体における相談窓口に対する情報提供・研修の充実といった部分でございます。これにつきましては資料1-2の9ページに開催実績という形で資料を載せさせていただいておりますが、本年度12月から今年2月にかけまして、各都道府県あるいは市町村に置かれたリフォーム相談窓口の担当者、相談員に対する講習会を全国15か所で開催しているところでございます。
実はこれにつきましては昨年度も実施しておりまして、昨年度は20道府県で開催していまして、今年は15都道府県という形で開催しています。全国の各都道府県にお声をおかけしまして、対応していただけるところに赴いて御説明するという方針でやっています。ただ、未開催の県が、まだ19県ほどございますので、来年度も引き続き、特に未開催の県を中心にこういった講習会を実施すべく、お声をかけさせていただきたいという対応を考えているところでございます。
具体的な内容としましては、特に支援センターの方で受けています相談内容の傾向ですとか、進め方、相談事例の具体的な説明と併せまして、保険制度を含めたさまざまな支援制度の実施状況、内容等についての御説明をさせていただいているところでございます。
今後につきましては、現在、支援センターの方でやっています無料専門家相談の実績、この辺の整理、分析を行った上で、来年度に相談ガイドラインをとりまとめ、25年度にかけまして相談員に対する専門家育成プログラムといったものの準備をし、各地方自治体の方に引き続き情報提供、研修等の充実を図ってまいりたいという方針で、今後対応していきたいと考えているところでございます。
2ページ、建議事項の2つ目でございます。建議事項の2つ目、3つ目共通の点としましては、特に地方自治体との連携を充実するようにということだと考えております。建議事項マル2は特にリフォーム瑕疵保険制度の周知といった部分でございます。これにつきましては実施状況のところに書いてあります。また、参考資料の10ページ、11ページに絵と開催場所の一覧を載せておりますが、この瑕疵保険制度につきましては23年10月から今年3月にかけまして、特に消費者の方に知っていただくという観点から、集客力のある住宅展示場ですとかホームセンター、あるいは家電量販店とリフォームに最近取り組んでいるようなさまざまな業態と連携しまして、消費者に直接御説明するようなイベントという形で全都道府県で実施し、結果としまして全国53か所で開催をしてきているところでございます。
具体的には参考資料の10ページに書いてありますが、地方の新聞社と連携をとりまして、実際にそのイベントの開催告知に合せまして、どういった支援制度があるのかという点と、イベントの結果広告という形でイベントセミナーの報告と併せて支援制度の説明を新聞紙面で広告するといった形で、都道府県ごとにきめ細やかな対応ができるよう進めているところでございます。
11ページは具体的なやった場所の一覧表を載せておりますので、後ほど参考にいただければと考えています。具体的には寸劇等を交えまして実際の悪質リフォームの手口ですとか注意点といったものを、その寸劇を見ながら直接御説明するのと併せまして、お手元にお配りしております資料1-3ですが、こういったリフォーム支援制度ガイドブックといった絵と制度合せたようなパンフレットをつくっておりまして、こういったものも直接お配りしながら御説明をしているところでございます。
また、今年度、復興支援・住宅エコポイントが補正予算で成立しまして、新たにリフォーム瑕疵保険への加入をエコポイントの対象とさせていただいたところでございます。こういった点につきましても資料の12ページ、13ページに参考資料を付けさせていただいておりますが、これは主に活用される事業者の方中心になりますが、こういったリフォーム瑕疵保険といったものの説明会を、全国13か所で進めているところでございます。
建議にございます瑕疵保険制度の自治体の登録制度における活用といった部分につきましては、実際に地方自治体におけますリフォーム事業者登録紹介制度といったものを全国の都道府県、政令市を対象に調査を行いました。その結果、16の道府県と8つの市におきまして、こういった事業者登録があるということがわかりました。これも参考資料の14ページに一覧表で付けさせていただいているところでございます。
今後これらの制度を抱えている都道府県、市に対しまして、こういったリフォーム保険制度の登録の有無といったことも追加情報としてこの登録制度の項目に盛り込んでいただくべく、個別に対応を図ってまいりたいと考えております。
ちなみに、この14ページの中で申し上げますと兵庫県の住宅改修業者登録制度は、既にリフォーム瑕疵保険の登録業者かどうかという有無を制度の中に設けていただいてございますので、こういった先進事例も御紹介しながら、ほかのところでも対応していただくべく要請を行ってまいりたいと考えています。
また、リフォームの助成制度というものが各地方自治体で行われているところでございます。これも全国の自治体に対して調べましたところ、都道府県で申し上げますと47すべての都道府県、市町村でも約1,500の市町村でこういったリフォームに関する補助制度、助成制度というものがあることがわかりました。今後こういった制度を設けている市町村に対しまして、リフォーム保険を補助要件として位置づけられないかといった点につきまして、要請を図ってまいりたいと考えているところでございます。
ちなみに、既に青森県、高知県の制度の中ではリフォーム瑕疵保険を補助の要件の1つとしていただいているといったことも判明しております。こういった例を先進事例としながら、ほかの県の対応も進めていただくよう、要請をしてまいりたいと考えているところでございます。
3ページ、建議事項の3点目でございます。同じく地方自治体との連携の中で、特にリフォームの工事価格に関する情報と、解約手法、クーリング・オフ制度について建議で御指摘をいただいているところでございます。
まず工事価格の部分につきましては、現在、支援センターの方で行っております無料見積チェック制度を平成22年から始めているところですが、これの知見を活かした形でノウハウ、手法を今、整理をしまして、地方自治体が同様のチェックを行う際の参考となるマニュアルを準備、作成しているところでございます。
併せまして、その中から特に消費者の方がこういった見積を行う際の手順ですとか、あるいはポイントといったものをわかりやすくまとめたガイドブックも作成中でございます。まだ完成が間に合っておりませんが、3月末には完成予定ということで進めているところでございます。こういったものにつきましてもまとまり次第、自治体への周知あるいは消費者向けの周知を進めてまいりたいと考えてございます。
工事価格の目安となる情報収集、提供につきましては、リフォームの場合、規模やグレードによって価格が異なるということで、適正な価格の判断が難しい状況がございます。我々としましてもそういったニーズにお応えした形で、わかりやすいリフォームの内容と価格といったものを情報提供できないかということで、今、検討を進めているところでございます。これもこれから内容を詰めていくという段階でございますが、何らかの形で参考になる情報提供を試行的にやっていきたいと考えています。
ただ1点、価格の情報の提供という観点で申し上げますと、提供の仕方によっては価格制限行為に該当するということもありますので、まとめたものをどういった形で提供するかという辺りは慎重に検討しながら進めてまいりたいと考えているところでございます。
クーリング・オフ制度につきましても、先ほど御説明しましたリフォーム窓口の担当者講習会におきまして、クーリング・オフ制度のポイントをまとめた資料を作成し、お配りし、御説明をしたところでございます。また、先ほど御紹介しました消費者向けのガイドブックの中でも、クーリング・オフに関する内容の追記をしているところでございます。
30ページの下の方にコラムという形で、簡単な形ではございますが、クーリング・オフ制度について御紹介しつつ、何か御不明な点があれば住まいるダイヤルの方にという形で、新たに追記をさせていただいてございます。
建議事項マル3につきましては以上でございます。
4ページは建議事項の4点目でございます。消費者支援制度の認知度をしっかり高めていく措置をとるようにという御指摘をいただいているところでございます。これにつきましては先ほど御紹介しました消費者イベント等におきまして、積極的に広報を行うのと併せまして、全国52の弁護士会と連携しまして無料専門家相談等のPRといったものを、各地域の主要紙面で行っているところでございます。
次に、自治体との連携といった部分でございます。特に自治体が発行する広報誌の掲載につきましては、23年1月から4つほどの市町で連携を図って、広報誌の掲載の取組みをしてまいりましたが、今年度追加で7つの地方自治体から掲載の申し出がございました。参考までに資料の15ページで自治体の広報誌への掲載事例を2つほど掲載させていただいておりますが、我々としましても積極的に各自治体の方にこのような御案内をするとともに、掲載していただけるところには積極的に対応してまいりたいと考えています。併せまして福祉部局あるいは社会福祉協議会への情報提供といったものも、充実を図ってまいりたいと考えてございます。
住宅所有者への通知をきめ細やかにという部分がございます。これにつきましては住宅瑕疵担保責任保険に加入をされた住宅の取得者に、直接ダイレクトメールという形で御案内をお送りしたところでございます。同じく参考資料の16~17ページに御紹介させていただいているところでございます。約34万件の取得者を対象に、直接住まいるダイヤル等の活用あるいは利用方法等も含めた御案内をさせていただいているところでございます。
また、建議の中にありました市町村が行う固定資産税等の納税通知書への対応という部分につきましては、今、幾つかの自治体にヒアリングをしたところですが、各自治体の方に今後アンケート調査を実施して、そういった必要な手続等の把握を行った上で、継続的なこういった手法による周知が行えるような仕組みについて、検討を進めてまいりたいと考えてございます。
建議事項の5点目でございます。ここにつきましては平成17年の悪質リフォーム対策検討委員会の取組事項を含めた、これまでの取組状況の検証を実施するようにということの御指摘をいただいているところでございます。これらの取組は絶えずフォローアップしながら現在の消費者支援制度、保険制度等の充実を図ってきたところでございます。特に右の方の指摘事項にあります書面交付の徹底を図るための仕組みにつきましては、リフォーム瑕疵保険の加入手続におきまして工事の契約書ですとか、設計図書を提出していただくこととしております。この保険の普及を図り、スタンダード化していく中で、こうした書面交付の徹底といった取組みも進めてまいりたいと考えているところでございます。
また、悪質リフォームによる被害防止とリフォーム工事に係るトラブル回避に向けた取組みとしまして、適切なリフォーム工事の担い手の在り方の検討といったものも進めてまいりたいと考えています。参考資料の18ページにも1枚付けさせていただいておりますが、昨年23年9月から今年1月にかけまして、中央建設業審議会・社会資本整備審議会産業分科会の建設部会基本問題小委員会で、建設業法に関わる議論をして中間とりまとめがなされたところでございます。その中で特に業種区分の見直しについても議論が進められているところでございます。
従来つくるということが念頭に置かれていた業種区分ですが、時代の変化の中で直す、取り壊して使うといったような対応ができる業種検討が始まっております。こういった建設業法の中の業種区分等の検討の中でも、このリフォーム工事の担い手の部分についても検討を深めてまいりたいと考えてございます。
建議事項5つの点につきましては以上でございます。
最後の部分、その他で2点ほど御指摘いただいている部分でございます。東日本大震災に関わる住宅の被害によるリフォーム工事への対応といった部分でございます。ここにつきましては同じく紛争処理支援センターの方に、震災後の3月から8月末まで専用の無料の相談ダイヤルを設けて対応するとともに、現地で被災した住宅につきましては、御要請があった場合には先ほど御紹介した保険法人の検査員が直接その住宅まで赴いて、診断あるいは相談に乗るといつた取組みをやってきたところでございます。3月から8月末までやってまいりましたが、現地診断で約6,000件の対応をしたところでございます。
もう一点、住宅用太陽光発電システムの設置等に関わる部分での対応でございます。これにつきましても先ほどのリフォーム瑕疵保険におきまして、この太陽光発電システムの設置時の施工において、特に屋根をいじりますので雨漏り等の不具合が発生するおそれがあるということで、特に保険に加入する場合にはパネル設置に係る設計施工基準というものを特別に定めまして、そういった基準に基づいてチェックをした上で保険に入るといった仕組みにしておりまして、その不具合等への対応がしっかりできるような取組みを今、進めているところでございます。
御説明は短い時間でございましたが、以上でございます。よろしくお願いしたいと思います。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
それでは、質問、御意見がある方は御発言をお願いいたします。

○山口委員長代理 御説明ありがとうございました。
去年8月に建議させていただいたときの認識では、住宅リフォームは一時はクレジットを使って悪質な詐欺事犯的なものもあったわけですが、むしろ現段階で問題になっているのはリフォームの工事内容がもう一歩納得いかないとか、あるいは料金が適切なんだろうかという相談が増えている中で、どう対処していくのかということだったかと思います。
そういう中で私どもとして一番憂慮すべき事態だと思ったのは、国交省の方ではいろんな枠組みをつくってトラブル防止、特に瑕疵保険とか相談の制度などをやられていることは認識したわけですが、いかんせんその利用率が非常に少ない。例えば一番私が重要だと思いますのは、資料1-2の6ページなんですけれども、要するにリフォームの見積チェック。見積がいい加減で、それが後にトラブルになると、事業者の主張と消費者側の主張が対立してどうにもならなくなることが多いものですから、きちんとしたリフォームをしてもらうことは非常に重要だと思うんですが、6ページの受付件数を見てもいかにも少ない。
恐らく毎月のリフォーム工事の総件数といったら10万件を超えるでしょうね。どうなんでしょうか。だから本当に1,000件に1件ぐらいしか利用していなかったように印象として持っているんですが、いかにも利用が少ないので、先ほどの御説明のようにでも横ばいで推移しておりますでは寂し過ぎるので、紛争防止の観点からもなお一層御尽力いただいて、これを増やすということと同時に、先ほど数字の説明がなかったんですが、瑕疵保険への加入者が実際の受注件数に比べると、どの程度のパーセントになっているのか、そこのところも数字も含めて御説明いただければありがたいと思います。見積のチェックと瑕疵保険は非常に重要だと思うんですが、それがどの程度普及しているのか。
3番目が参考資料の14ページにあるんですが、リフォーム事業者登録紹介制度なんですけれども、要するに全国にない。端的に言うと東京都とか、あるいは宮城県仙台市にないというところを見ると、またまだこの登録紹介制度は周知徹底がちゃんとされていないのかなと思わざるを得ない。そこについて実情がどうなのか。少なくとも一番件数が多そうな東京都あるいは埼玉県などがないというのは、寂しいのではないかと思いますが、どうなんだろうかというところがあります。
私ども建議の中で一番議論したところが建議事項マル5で、被害の防止とリフォーム工事に関するトラブル回避のための法制度上の対応について、どうするのかというところなんです。と言いますのは、建設業法上、契約書の交付義務は義務づけられているわけですが、それに違反した場合にどうなるのか。例えば取り消しを認めるとかどうするかについていろんな議論もあり得るわけですが、あえてそこまでは結論を出さずに国交省の御尽力を見てみようということになりました。
更には見積書について、消費者が事業者に要求した場合には交付することになっていて、努力義務になっています。これは実際上として一括見積、つまり見積工事一式金1,000万円とか、見積工事一式金800万円という見積書の体をなしていない見積が横行していると聞くわけです。実際そういう問題がトラブルになっていると聞くわけですが、詳細見積書の交付をより徹底されるということについて、今回の実施状況の中には具体的な施策が伺えないんですが、そこについてどういうふうにお考えなのか。
特に一番問題なのは私は建議事項には勿論入っていません。国交省の方で御検討いただきたいということで入っていないんですが、一括見積のようなものはだめだ。原則建設業法にきちんと書いてあるような、原価をそれなりに積み上げた見積書を出すようなことを励行していくような枠組みがつくれないのか。これは実情がどうなっているのか。最後の契約書交付義務の履行と特に詳細見積。そこら辺についてどうなのか、お伺いしたいと思います。

○国土交通省山田住宅局住宅生産課住宅瑕疵担保対策室長 御指摘にありましたように、瑕疵保険、見積相談制度等の色々な制度を設けてまいりましたが、まだまだ使われていないのではないかという部分については、そういった認識を持っております。確かに横ばいという状況は、まだまだ努力が足りていないと考えているところでございます。
このため、リフォーム瑕疵保険につきましては、任意の制度であり、かつ、リフォームも小さなものから大きなものまでいろいろありますが、そういう小さなものも含めて、1つの目標として10%ぐらいは必ずこの保険を使ってもらうような形で普及、スタンダード化していこうという目標値を掲げてございます。
実際には小さな工事にまで保険をかけるのかという逆の消費者の考えもありますので、なるべく使いやすい保険の商品といったものを今後も開発するような形で促していきたいというのと併せて、先ほど御説明したいろいろな公的な支援制度の要件という形でもう少し位置づけていただけないかということを、国土交通省の中、自治体も含めて取り組んでまいりたいと考えています。
見積チェック制度につきましても、私も実際にどういう形でやられているのかということを実体験させていただいて、確かに非常に参考にしていただける制度だと考えております。まずはこの認知度を高めるということを引き続きやらせていただくとともに、実際に都道府県で同じことができるか、現場の窓口でできるかということはありますが、どういった形で見積チェックをやっているのかという点を、先ほどのマニュアルや消費者向けのガイドブックでポイントを示しつつ、それでもやはりわかりにくいなといったときには住まいるダイヤルにすぐにアクセスいただくような形で、間口を広げる努力も合せて進めながら、見積チェック制度が使われるような対策を進めていきたいと考えているところでございます。
また、各自治体のリフォーム事業者の登録制度、紹介制度ですが、自治体の方の取組みの一方で、民間の方のこういった事業者紹介サイトがございまして、一定の規模以上のリフォームは瑕疵保険に入るという条件を付していただいているようなサイトについては、国交省としてもそういった取組みを支援するということで、民間の方のやっているサイトを4つほど採択して支援するという仕組みもやっておりまして、すべての自治体でこういうものを持っていただくというのが一番いいかと思いますが、まずは都道府県ベースでできないかというアプローチを、引き続き促していきたいと考えているところでございます。
5点目の契約書の交付等の部分でございます。御指摘の部分は議論の中でいろいろいただいているとともに、いろいろな場面でそういった御指摘をいただいているところでございます。
現段階では先ほど御説明したように保険はまだまだ利用率が低いわけですが、この保険の加入手続の中で、事業者登録と併せて、契約書とか設計図書といった部分をしっかり書面でとって、その上で現場の検査をするという仕組みをこの保険の制度でとっておりますので、この保険制度をしっかり普及していく中で、こういった書面交付の徹底が図られていく、あるいはそういったものが通常やられるべきことなんだということを利用者も含めて知っていただきながら、徹底していきたいと考えているところでございます。
保険の普及状況を見ながら、引き続き国交省としても検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

○河上委員長 ありがとうございました。
ほかにはいかがでしょうか。

○村井委員 ありがとうございました。
1つ質問ですが、このパンフレットを拝見しますと、「このガイドブックは当協議会ホームページからの申込(ネット申込)となります。」と記載されています。つまりネットで申し込むと手に入るのでしょうか。

○国土交通省山田住宅局住宅生産課住宅瑕疵担保対策室長 これはインターネット上のホームページで申し込まれると郵送いたします。

○村井委員 年間どれぐらい発行されていますか。

○国土交通省山田住宅局住宅生産課住宅瑕疵担保対策室長 すみません、ちょっと手元にないのですが、基本的には先ほどの消費者イベントなど、いろいろな説明の場面では直接お配りするとともに、ネット等で見られた方が必要だという場面では申し込んでいただいて、無料でお配りするという仕組みにしています。

○村井委員 せっかくこういういいものをつくっておられるわけですから、普及啓蒙という視点で、一定額のリフォームの場合は、おそらく金融機関からお金を借りられるケースもあるかと思います。その場合、金融機関の窓口などに置くことで利用度が上がるのではないかと思った次第です。金融機関としても協力的に置いていただけると思いますし、そういう普及方法も検討された方がいいのではないかと思った次第でございます。

○国土交通省山田住宅局住宅生産課住宅瑕疵担保対策室長 そこはおっしゃるとおり、銀行などで融資を受けられる可能性もあります。そういった中で保険の利用を検討される場面もあると思いますので、いろいろな場面でこれがきちんと使われるような形の取組はしたいと思っています。
実際に既に一部の銀行などは協力していただいて、窓口に置かせていただいている取組も進めていますので、その辺はより徹底していきたいと考えております。

○河上委員長 ほかにはいかがですか。

○小幡委員 いろいろ取組の御説明ありがとうございました。
A3の大きな資料の5ページの建議事項マル5、その他に絡むのですが、その他として東日本大震災で被害が発生して、そのリフォーム工事ということが書いてあるのですが、広い意味ではリフォーム工事の質の不安だと思うのですけれども、最近、東京直下の震度7とかいろいろ報道がされて、恐らく耐震のリフォームを考えられる消費者はたくさんこれから増えてくるかと思うのですが、耐震の場合、目に見えにくいから果たして本当にきちんと耐震工事がされているかが問題になります。保険の方のリフォーム瑕疵保険ではなかなか実際地震が起きるかどうかもわかりませんし、どれほど本当に効いているのかというのがわかりにくい点があるので、まさにリフォーム工事の質がきちんとしているのかということがますます重要になるというか、そこが消費者にとって多きな関心事だと思うのです。
その場合にどういう取組が考えられるか。先ほど地方公共団体で登録制度がある。こういう登録制度を通じて耐震リフォームについても、きちんと工事をしてくれる優良業者であろうという形で紹介をすることは考えられるかと思うのですけれども、ほかに何かございますか。あるいはそういう紹介制度を持っていない地域であればどうか。その辺りです。

○国土交通省山田住宅局住宅生産課住宅瑕疵担保対策室長 おっしゃるとおり、自治体によってはかなり熱心に、先進的に耐震改修等を進めておられ、補助制度と事業者さんの紹介というのをセットでやっているところもございます。そこまで行っていないところでも、耐震改修については補助メニューとしては持っておられるところがかなりあると思います。実際、診断した上で工事までいくということの普及がなかなか進んでいないという理由の中に、そういった不安の部分も確かにあるのかなと思います。そういった中で、登録制度、紹介制度も合わせて進めていこうというところが、徐々に増えてきているという段階だと聞いています。
国交省としましては、繰り返しになるんですけれども、先ほどの保険制度において、図面の提出と現場のチェックに検査員が入るということで、工事の適正さをチェックできますし、その後の何かあった場合に保証が受けられる保険というものをしっかり普及する中で、きちんと保険に入られた事業者さんにしっかり工事もやってもらうといった形で、耐震改修も進めていただけるよう取組を進めているところでございます。

○小幡委員 何かあった場合の保険は、地震の場合なかなか難しいかなと思うのですが、少なくとも保険に入ることによって、そういうチェックがされるということで理解してよろしいですか。
更に全国的に地震に対する備えというものが関心事になっておりますので、今の保険制度というのは了解しましたけれども、登録制度を広げていくといか、更に進めていただければと思います。

○河上委員長 細川委員、どうぞ。

○細川委員 御報告ありがとうございました。
真摯に取り組んでいただいているとは思いますけれども、ただ、国交省だけではないですが、あれをやりました、これをやりましたという報告は勿論それはいいんですけれども、その結果どうなったかというところが重要で、本当に国民、消費者が安心してリフォーム市場で取引し、トラブルもないかというところが重要なので、今、政策評価という視点を持っていただきたいと思いますし、消費者委員会としても国交省あるいは建議した先に報告してもらうだけではなくて、PIO-NET情報等で本当にそれがどうなったのかという検証をする必要があると思うんです。
今、半年後でまだスタートしたばかりなので、この時点では無理かと思いますけれども、建議後1年とか2年で例えば国民生活センターに依頼するなりして、建議したときの状況と1年後、2年後それがどうなったか検証をして、建議の後のフォローアップが重要だと思いますので、これを消費者委員会としても自らやることがあるのではないかと思います。

○河上委員長 夏目委員、どうぞ。

○夏目委員 御説明ありがとうございました。
実施状況報告の1のところに、住宅リフォーム工事に係る消費者支援策ですけれども、この事業をするに当たって財団法人、4月から公益財団法人になると思うんですが、住宅リフォーム紛争処理支援センターを指定して事業実施をされている。ですけれども、山口委員からも御指摘があったとおり、さまざまな制度があって、センターが意欲的に取り組んでいらっしゃるということは重々承知した上で発言いたしますけれども、圧倒的に数が少ないのではないかという御発言もありましたので、より消費者に広く伝えるという意味では、例えば特定の法人だけにそういう事業をお任せするのではなくて、もっとあらゆるところに間口を広げて消費者に情報を伝え、利用しやすい仕組みというものをお考えになるおつもりはないかどうかということです。
例えば先ほどからたびたびお話が出ておりますリフォーム見積チェックサービス。2010年度に始まって、2010年度は499件だったと思います。2011年はそれよりも増えている。微増と表現するかどうかはわかりませんけれども、圧倒的な建築数の中では本当にわずかな数字だとは思いますが、その見積書の取得数から見ますと、消費者はほとんどが1社だけから、恐らく70%ぐらいが1社だけから見積をとっているという現実があるわけです。そうすると比較をするべきものがない。つまり情報が非常に少ないという意味ですから、せっかくこんな素晴らしいリフォーム見積チェックサービスがあるわけですから、これをもっと皆さんに使っていただくような有効な広報をなさっていただきたいなと思った次第でございます。要望でございますので、結構です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
大分予定の時間を過ぎてしまいましたけれども、よろしいでしょうか。山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 是非リフォーム瑕疵保険の発行件数、22年4月から24年1月までに1万1,578件とあるんですが、確かに500万未満のところでリフォーム瑕疵保険というのは、それはそれで余り必要性はないのかもしれませんが、例えば500万円以上の工事が何件ぐらいあって、何パーセントぐらいが瑕疵保険に入っているのかとか、あるいは1,000万円以上の場合だったらどのくらいなのか。先ほど村井委員が言いましたように、確かに1,000万円以上のリフォーム瑕疵保険となると、恐らくローンを組む方が半分以上だと思うんです。そうすると銀行とのタイアップというのが非常に増えていけば、この瑕疵保険を融資条件にすれば嫌でも入ると思うんです。そこら辺の工夫と実情。何割くらいが500万以上、1,000万円以上で瑕疵保険に入っているのか。そこら辺は今すぐとは言いませんので、半年後でも結構ですから、どうなっているかデータを整理して出していただくようにお願いします。

○国土交通省山田住宅局住宅生産課住宅瑕疵担保対策室長 その点、リフォームはなかなかベースとなる統計がないという状況ですから、何らかの形でどういった状況にあるかというのは把握してフォローしていきたいと思っておりますので、その工夫はさせていただきたいと考えています。
また、一部の銀行ですとリフォームのローンのときの金利優遇の条件に、この瑕疵保険への加入を位置づけていただいているところが出ておりますので、そういったところを広げていくような取組も、引き続ききっちりやっていきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
それでは、基本的には建議に対して非常に真摯に取り組んでいただいているということで、お礼を申し上げますけれども、まだまだ改善の余地があるということで、委員の方々からもいろいろ意見が出ましたが、参考にして、特に情報提供の部分とか、制度の運用が更に活性化するように努力いただければと思います。
委員会としても先ほど細川委員からも御指摘がございましたが、今後この問題については更に注視して、フォローアップをしていきたいと考えておりますので、また御協力のほどよろしくお願いしたいと思います。
本日はお忙しいところ、ありがとうございました。

≪3.食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項の改定について≫

○河上委員長 続きまして、食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項の改定についてであります。
平成16年に閣議決定されております食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項につきましては、平成21年の消費者庁発足に伴い、その策定が消費者庁に移管されております。
今回この基本的事項について改定を行うということでありますが、この改定におきましては食品安全委員会及び消費者委員会の意見を聞くことが食品安全基本法に定められておりまして、これに基づいて3月2日に消費者委員会委員長あてに諮問が行われているところです。
本日は消費者庁においでいただいておりますので、今回の改定について御説明をいただき、議論を行いたいと思います。
それでは、説明をお願いいたしますが、説明は10分以内でお願いできればと思います。

○消費者庁金田消費者安全課企画官 本日はよろしくお願いいたします。消費者庁消費者安全課の金田でございます。
委員長から御説明いただきましたとおり、本日御審議いただきたく思っております事項は、食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項の変更についてでございます。
食品安全基本法第21条を御紹介させていただきますと、政府はこの食品安全基本法に基づいて講じられる食品安全に関する措置について、それらの実施に関する基本的事項を定めなければならないとされております。この基本的事項を定めるに当たっては、食品安全委員会及び消費者委員会の意見を聴いて、基本的事項の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないとされています。そして、閣議の決定があったときは、これを公表しなければならない。この一連のプロセスは変更に当たっても同じということが、第4項に書かれているところでございます。
今般3月2日付で御審議そして御意見を伺うこととして公文を発出させていただきましたのは、まさにこの変更に係ることでございます。
資料2-1と書いてありますこのペーパーが公文の写しでございます。内容につきましては資料2-2と書かれている横紙のペーパーをごらんいただければと思います。
経緯のところは先ほど委員長からもお話をいただきましたが、平成15年7月1日に食品安全基本法が施行され、平成16年1月16日に現行の基本的事項の閣議決定がなされました。そして平成21年9月1日に消費者庁が設置され、基本的事項の策定事務は内閣府本府から消費者庁に移管されました。そして平成22年3月30日に閣議決定を行いました消費者基本計画において、所要の体制整備を図った上で基本的事項を改定するとされたところでございます。
この閣議決定を踏まえまして、その後、消費者庁で検討を行った結果「1.改定の趣旨」のとおり、すなわち平成16年の策定以後の食品安全をめぐる状況の変化や、消費者庁設置に伴う食品安全行政に係る体制の変更等に応じて必要な改定を行うという考え方をまとめ、今般、基本的事項の変更について意見を聴くという法律上の手続を踏ませていただいているところでございます。
主要な改定事項は3をごらんください。まず大きく分けて3つに改定事項が分けられます。
1つ目は、食品健康影響評価に係る事項でございます。これは食品安全委員会におきましてすべてのリスク管理措置の基になるリスク評価、すなわち食品健康影響評価につきまして平成15年7月1日食品安全基本法の施行以来、さまざまなリスク評価、食品健康影響評価の実績が積み重なっております。その実績を踏まえましてさまざまな留意すべき要因に放射性物質を追加するというもののほか、評価の手順、手法等について考え方を整理し、書きぶりを整理したいというところでございます。
申し遅れましたが、留意すべき事項に放射性物質を追加するとしたのは、昨年3月11日以降の東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえまして、この放射性物質に関する評価、そして、それに基づくリスク管理措置が食品安全に関する重要な事項であること、また、新しい状況の変化があったら、この放射性物質に関する食品健康影響評価につきましても、また再度行わなければならないという観点に立つものでございます。
2点目が消費者庁の設置に関連する事項でございます。一番大切なことは消費者庁を食品安全に関わる行政機関として位置づけるというふうに定めることであります。このことを明確にしたいと考えております。
具体的には2つ目のポツ以下でございます。前文に「消費者安全の確保」すなわち消費者基本法に掲げられました、そして、消費者安全法に掲げられました消費者安全の確保というのは、食品安全の確保に関しては包括的な概念でありますが、食品安全の確保というのは消費者安全の確保の中の重要な要素でございます。そのことを明確したいと考えてございます。
3点目としまして、他の法律に基づく措置ができない事案、すなわちスキマ事案につきまして、先ほど申し上げましたとおり消費者安全法に基づいて措置をするという、消費者庁としてのいわばレゾンデートルとしての考え方を明確にしたいと考えております。
次の点といたしまして、リスクコミュニケーション。これは意見交換会。単なる政府広報または普及啓発ではなく、消費者が参加し政府または専門家の考え方を聞き、意見交換を行い、そして、その結果として消費者の皆様に考えていただき、消費行動を具体的なものにつなげていただく。そういった一連の過程であるリスクコミュニケーションにつきまして、関係省庁の事務の調整を消費者庁が行う。この考え方は消費者庁設置法に書かれているところでありますが、そのことを明記したいと考えております。
最後に、食品事故に係る緊急対策本部は、これまで食品安全担当大臣が行うこととされていたところでありますが、消費者政策担当大臣が行うというふうに改めると考えているところでございます。
最後にその他といたしまして、現在食品表示の一元化につきまして検討しており、今後とりまとめを行い、その結果を法案化していくといった考え方を明記していきたいと考えてございます。この部分につきましても、現行の平成16年に定められたものについてはかなり古い規定になっておりますので、現実のこれまでの取組み、そしてこれから行うべきこととして今、取り組んでいることについて明らかにしていきたい。そのことを明記したいと考えてございます。
全体としては以上のとおりでございますが、消費者庁はあくまでも食品安全に関わります1つの機関としてリスク管理を行うとともに、リスクコミュニケーションのとりまとめ、調整、そして緊急時対応、スキマ事案とさまざまな点で食品安全に関わる行政に積極的に関与していきたく思っております。このことを明記するために今般、基本的事項を改定することを提案、御審議いただきたく思って御意見を伺いました。
よろしく御審議のほどお願いいたします。
以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
本件は非常に大きな問題でもございますし、また改めて委員会としても別途議論を行う機会を設けたいと考えておりますけれども、本日御説明いただいた内容について何か御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。いかがでしょうか。

○田島委員 御説明どうもありがとうございました。
今般、改定するということをお伺いして大変結構なことだと考えております。というのは、現行のものがいかにも現在の食品を取り巻く科学的な知見から考えますと、非常に古いものとなっておるということでございます。例えば別表というものがありますけれども、この別表のイメージというのはすべて食品の危害要因というものを、食品を汚染するものとしてとらえている。例えば微生物だとか化学的、物理的、すべて食品を外から汚染する。
でも最近は、食品そのものが危害要因になるというのが一般ではないか。例えば遺伝子組換え食品、新開発食品、食品アレルギーもそうです、こんにゃく入りゼリー、すべて食品そのものが被害要因になる。その視点でもってもう一度これを見直していただきたい。具体的には「3.主要な改定事項」(1)の食品健康影響評価に係る事項のところを放射線だけではなくて、食品そのものが被害要因になるという視点でもって、もう一度見直していただきたいということを要望いたします。

○消費者庁金田消費者安全課企画官 大変重要な御指摘だと思います。今、御指摘のありました別表につきましては、これは食品安全委員会事務局と議論した結果、余りに内容が古過ぎる。そして、これまでの何年間かのリスク評価、食品健康影響評価の積み重ねからすると、内容が全く現状にそぐわないものになっている。一旦これにつきましては削除してしまいまして、本文中にもう少し明確にどういうことを考えて食品健康影響評価をしなければならないか、そこを明記したいという考え方を得ているところでございます。
今、御指摘の点を踏まえまして、また再度食品安全委員会事務局とも議論の上、本文の策定に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

○河上委員長 ほかにいかがでしょうか。山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 幾つかあるんですが、1つは食品健康影響評価の実施とかリスク管理のときに、前から放射線の関係でいろいろ問題になっております乳児や少年、要するに未成年者。それから、高齢者あるいは障害者を持つ人など、そういう特定の人口集団に対する対処を分けて考えなくてもいいのか。そこについての検討を是非お願いできないかというのが1つです。
これはちょっと表示とか食品全体についてのそもそも論なんですが、消費者に食品の安全を求める権利、食品の選択の自由を求める権利、食品に関する情報について知る権利などの基本的な権利概念を、きちんと明示しなくてよいのかというのが2番目です。
3番目はユッケの問題が目につくわけですが、食中毒事件などで被害者が救済されない問題が現実化しておりますので、被害者救済の保険制度でもいいので何らかの形で、食中毒などで亡くなった場合に事業者も倒産して、結局救済されないということがないような枠組みづくりを、実現するかどうかはともかく、検討するというせめてそれぐらいのことはうたえないのか。
以上、3点ぐらいは検討いただけないかと思うんです。

○消費者庁金田消費者安全課企画官 お答えいたします。
まず1つ目の乳児、高齢者、いわゆる体力的に弱い方への配慮という観点でございます。このことにつきましてはこれまでの食品健康影響評価の中でも特に乳児、子どもさんの乳幼児向けにつきましては、一定の配慮を行うという取組がなされているところでございます。
具体的に申しますと、放射性物質の新たな基準の基になりましたリスク評価にあっても、チェルノブイリの経験を踏まえまして、そういった乳幼児に対してはより感受性が高い可能性があるので、一定の配慮を行うべきという答申がなされたところであり、それを踏まえて新たな4月からの基準値においては、一定の牛乳とか乳児用食品については、より低い放射線量にとどめるべきというリスク管理措置を行うというふうになったところが1つあります。
もう一つにつきましては考え方といたしまして、消費者庁が行っております実例としましてはユッケの事件のとき、子どもさん、高齢者の方は、特に体力の弱い方は生肉を食べないようにしてくださいという呼びかけを行ったということがございます。
こういった具体的なわかりやすい取組を積み重ねることによりまして、今、御指摘のような点については、一つひとつ積み重ねていきたいと思います。
また、この基本的事項の中にもそういった配慮について、できる限り記述できるように考えていきたいと思います。
2点目の消費者の権利、食品に関する権利の問題でございます。今、御指摘の件につきましては消費者の権利としまして、消費者基本法に書かれているような権利でございます。こういった権利を既に消費者基本法に書いてあるという問題があり、これをまた更に食品安全基本法に書くのかどうかというのは、これは法体系全体の中で考えなければいけない問題かと思います。
法律に基づく行政の原理からいたしまして、法律そのものに書くべき案件を、これを法律に基づく閣議決定で書けるのかというのは法制上の問題となりますが、今、御指摘のように消費者の権利という観点から、消費者安全の確保が重要であるということを示すことによって、そういった消費者行政の観点が今回の基本的事項の改定の重要な部分であるということを示すことによって関連づけていきたいと、極力の配慮をしていきたいと思います。
法制上の問題につきましては、これは立法論になってしまいまして、行政の側から一方的に立法府に対して何かというのはちょっと難しいかと今、考えているところでございます。
3番目としまして消費者救済の問題でございます。この問題につきましては食品に限らず消費者の救済の問題、どういう形で行うと救済できるのかということにつきましては、さまざま工夫が試みられているところでございます。今般の消費者庁提案の内閣提出法案の中にも一定の権利救済を行うような仕組みを考えているところでございます。食品に限らず、そういった消費者救済全般の法体系の中から、この問題については考えたいと思います。
このため、食品だけを切り分けて、別のものをつくるということは難しいかと考えております。また、別のアプローチといたしましていわゆる保険、企業が加入すべき保険といったものを促していくことを、食品産業所管の農林水産省に提起していくといった手法も考えられます。
食品安全行政の要として、消費者庁はできる手法を積極的に取り組んでいきたいと思いまして、法制的な手法、または現実にプラクティカルな手法を組み合わせて、取り組んでいきたいと考えているところでございます。

○河上委員長 ほかにいかがでしょうか。

○川戸委員 表示制度の適切な運用の確保と第18条関係なんですけれども、食品表示の一元化は10年ぐらい前から言われているにもかかわらず、また、消費者庁ができて3年目ですね。これも一番初めにスタートしたときにもこれが必要だということは掲げられていたはずなんですが、いまだにできていません。これがこういうふうに盛り込まれるのはいいんですけれども、実行あるように是非していただきたいと思います。

○消費者庁金田消費者安全課企画官 御指摘のとおりだと思います。食品表示の一元化につきましては今年度ではなく来年度提出予定ということで、現在検討を進めているところでございます。そして、表示の制度をつくるだけではだめでありまして、これは守らなければいけない。守る実効性を担保するために、現在農林水産省、そして農林水産省の出先機関、農政局、地域センターにいわゆる食品表示Gメンが千何百人か配置されておりますが、そういったところの活動を促すということは重要かと思いますので、積極的に問題提起をしていきたいと考えております。

○河上委員長 ありがとうございました。
ほかによろしいですか。村井委員、どうぞ。

○村井委員 今後、具体的になってくるだろうと思いますが、例えば今回の改定の1ページの第2に、「他の法律の規定に基づく措置を実施し得ない食品に起因する云々」と記載がありますが、これはお役所用語と言うのか、中身がよくわかりません。これは具体的にどういう場合に、だれがどう認めて、安全法に基づく措置は何をするのかという点が抽象的です。想定される事案を全部明確にはできないかとは存じますが、関係官庁が多いだけに、それこそスキマ事案にならないようにしていただければと思います。

○消費者庁金田消費者安全課企画官 御指摘のとおりだと思います。消費者庁ができたと同時に消費者安全法が制定されまして、いわゆるスキマ事案、つまりほかの法律による対処ではできない案件につきまして、消費者庁がまずはほかの法律に基づく措置を他の役所にするように措置を要請する。そういうことができない場合にあっては自ら一定の行政措置、すなわち勧告を行う、差し止めを行う、命令を行う、そういった規定が消費者安全法に定められております。そういった3年前に新しくつくった制度を積極的に活用することによって、対処していきたいと考えております。
具体的に何ですかと言われると難しいところがありますが、1つ例を挙げますと、こんにゃく入りゼリー事案におきましても、まだまだ取組が不十分なところがございますが、すべての事業者に対しまして行政指導を行うとか、そういった取組を積み重ねていっているところでございます。そういった積み重ねを行うことによりまして、消費者庁の機動的な活動というものを、組織としての経験を積み重ねていきたいと考えております。

○河上委員長 よろしいですか。いろいろ委員からも注文が出ておりますけれども、食品の安全というのは消費者の権益の基本中の基本でございまして、その意味ではしっかりと取り組んでいただけるような形での計画を立てていただくことが大事だろうと思います。
山口委員から消費者の権利という言葉が出てきましたけれども、今回の基本計画で書き込むかどうかは、ともかく、私は食品の安全に関しては、むしろ具体的にきちんとそういう形で食品安全基本法の中でも明示することが必要だろうと思います。
第2番目にもう一つ申し上げたいのは、やはり放射能の問題でありまして、今般の食品に対する放射能汚染の可能性によって、食品の安全に対して消費者が非常に心配をしているという点は明らかなことでありまして、この点の安心を確保することは最大の課題の1つだろうと思います。ですから、こうした放射能汚染に対する対応というものも、きちんと考えていただく必要がある。
第3番目ですけれども、これは田島委員から出たことですが、今までの外的な汚染の状況だけではなくて、食品そのものに内包しているリスク要因への配慮です。アレルギー的な物性でありますとか、物性・形状が実際に安全とうまくリンクさせて要件化できるかどうかは確かに難しい問題があるんですが、それにしてもこんにゃくゼリーのような問題がいつまでも出てくるようでは困ります。今でもまだ売られているんですけれども、そういうものがきちんとコントロールできるかどうかという辺りも、十分に考えていただたいということであります。
第4番目は、先ほど山口委員から出た、食品の安全性は恐らく食する人間の状態との関係で相関的に決まるという部分がございますので、幼児とか高齢者に対する関係で、食品の安全基準をもう一度見直してみるということも大事ではないか。
さらに、今、委員からは出てきませんでしたけれども、TPPの問題などもあって、外国からいろんな食品が入ってくるということが、これから更に広まってくるだろうと思われます。そうした外国からの輸入食品の安全に対する取組みをどうするかということも、少し考えておかないといけないのではないかという気がしております。
いずれにしても課題ばかりで大変ですけれども、それだけ問題が大きいということで、消費者庁に期待するところも大きいということでございますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
この問題については先ほども申しましたが、消費者委員会として別途議論を行う機会を持って、検討を続けたいと思っております。どうもありがとうございました。

≪4.特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案について≫

○河上委員長 それでは、大分時間が押して申し訳ございませんが、続きまして特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案についてです。
近年、貴金属等の小売業者による強引な訪問購入に関するトラブルが急増していることを受けて、消費者委員会におきましては昨年10月に第70回委員会において大阪弁護士会から、第71回委員会において消費者庁からそれぞれヒアリングを行い、昨年11月には「貴金属等の訪問買取被害抑止と特定商取引法改正についての提言」をとりまとめたところであります。
消費者庁におかれましては、昨年7月から貴金属等の訪問買取に関する研究会において検討を行い、12月には中間とりまとめが行われております。そして、この検討を踏まえて今回、特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案について閣議決定がなされたと伺っております。本日は、その内容について消費者庁から御説明をいただき、若干の議論を行いたいと思います。
それでは、説明をお願いいたします。説明は申し訳ございませんが、10分ぐらいでお願いいたします。

○消費者庁畑野取引対策課長 委員長、ありがとうございます。
事務局から事前にいただきましたタイムスケジュールによりますと、私は説明を終えて席に戻っているぐらいの時間帯でございますので、今、委員長は10分ほどとおっしゃいましたけれども、なるべくそれよりも短い時間で御説明をさせていただきまして、質疑応答の中でまた補足的な説明ということで進めたいと思います。
資料を幾つかお配りを申し上げておりますが、基本的には資料3-2と右肩に振ってあります資料で5分程度お時間をいただきまして、御説明をさせていただきたいと思います。
資料3-2はA3のポンチ絵でございます。今、委員長の方から御紹介いただきましたように、特定商取引法の一部を改正する法律案ということで、前回の改正が平成20年ということですから、約3年ないし4年ぶりの改正となります。3月2日におかげさまで閣議決定をいたしまして、国会に提出されました。
御案内のとおり、いわゆる押し買いといったトラブルに対して、どういうふうに対応していくのかということで、真ん中のところでございますけれども、法案の概要ということでございます。各委員におかれましては既に御存じのとおり、現行の特定商取引法は訪問販売を始めといたしまして、6つの取引類型について規制を講じております。それに第7番目の取引類型で訪問購入といったことを追加する。これが改正の中身でございます。
一方で、その訪問購入の規制措置を考えるに当たりましては、既にその訪問販売といったような規制類型がございます。訪問販売の規制類型で相当部分が応用が可能であろうということで、これも委員長の方から御紹介いただきました昨年の研究会のとりまとめなどの議論も踏まえまして、法案の概要を左側の方に説明がございますけれども、かようのような措置を講じるということで法案をつくっております。
簡単に申し上げますと、法的措置を検討する対象物品ということでございまして、ここは現在の特定商取引法における建てつけ等が異なっておりまして、従前のといいますか、平成20年の改正前の特定商取引法における指定商品制といったものにならいまして、規制の対象となる物品を政令の方で指定をするといった建てつけにさせていただきました。
(2)勧誘行為の規制、(3)書面の交付が訪問販売に現行ある規制を訪問購入の場面においても適用するといったことでございます。ここは説明を省略いたします。
今回の訪問購入の法案の中で、一方で工夫を凝らさせていただきましたのは(4)のクーリング・オフのところでございます。8日間は無条件で契約が解除できるというクーリング・オフでございますけれども、ここは購入と販売という側面の違いが、今から申し上げるような点において出てくるということで、幾つか工夫を凝らしました。
1つ目は右側の典型的な取引の流れのイメージという図がございます。そこを見ていただきますと、1つ目のポイントは中ほどに赤枠でクーリング・オフ期間中は物品を引き渡さなくてもよいといった記述がございます。これを1つ工夫させていただきました。どういうことかと申し上げますと、そこに売主と訪問購入業者、転売先ということで登場人物が3人いるわけでございますけれども、御案内のとおりクーリング・オフということで契約を解除するわけですが、解除するということは一応その契約は締結されるということなんでございます。したがって、売主と訪問購入業者との間で一旦契約が締結されます。本来契約が締結されますと債務を履行しなければいけない。申し上げたいことは、この点について、今回の改正法案では売主は指輪、これは図でクーリング・オフ期間中は物品を渡さなくていいというふうになっています。その指輪を売主が訪問購入業者に渡すというのが売主側の債務。訪問購入業者はそれに対してお金を払うというのが訪問購入業者の債務ということになりますと、両当事者が債務を履行しなければいけないとうことであります。
契約の締結を解除ということでクーリング・オフいたしますと、売主は契約前の状態に戻るということで指輪が戻り、訪問購入業者はお金が戻る。こういうことなんでございますけれども、訪問購入業者は私どもいろいろ調べたりヒアリングをしたりといったことにより、消費者からこの指輪を一旦引き取るといたしますと、それを8日間持っていることを期待するのはとてもできない。訪問購入業者はそれを第3番目の登場人物である転売先、これは比較的訪問購入業者よりは規模の大きい買取事業者であるケースが圧倒的なのでございますけれども、そこに転売をしてお金を得る、換金するといった行動にすぐ出てしまいます。
となりますと訪問購入業者に対してクーリング・オフをしたとしても、指輪が現品の形で戻ってくるという可能性が非常に小さいといったような訪問購入の特質にかんがみまして、クーリング・オフ期間中は物品を引き渡さなくてもよい、すなわち売主は本来、訪問購入業者に指輪を出さなければいけないという債務を負わなければいけないんですけれども、いわばその債務を免除する。8日間は渡さなくてもいいですよといった民事上の特例を設けたというのが、1つのポイントでございます。
2つ目のポイントは、そうは言ってもということ何でございますけれども、売主が典型的なケースとしてはやはりお金が欲しい。訪問購入業者に指輪を渡した。後で思い返してみて、やはりその指輪を取り戻したい。こういったケースが考えられなくはないということでございます。一応そういった場合においても指輪が売主に戻ってくるといったことをできるだけ担保するために、今から申し上げるような工夫を凝らしました。
どういう工夫かと申し上げますと、今のようなケースで言えば売主から訪問購入業者に指輪は渡っています。先ほど申し上げましたように、訪問購入業者は指輪を既に転売先に渡している可能性が非常に強い。クーリング・オフいたしました。売主は所有権が回復します。そこで問題となってくるのが売主に所有権を認めるか、あるいは物を実際に持っている、そういった意味では占有権が発生している転売先に所有権を認めるかといったことについて、1つの指輪をめぐる所有権をどちらに整理するかといった問題が出てまいります。
これは委員の方、御案内のとおりでございまして、通常の民法の規定ではこの場合においては転売先に所有権があるといった形で、取引の安定性をむしろ重視をしているということでございますけれども、今回、特定商取引法の改正法案で私ども工夫を凝らした第2点目でございますが、一番下の矢印のところに少し小さい字でございますけれども、第三者(善意無過失の者を除く)に対して物品の所有権を主張できるということでございます。すなわち、今のようなケースで第三者が善意無過失の場合でなければ所有権は売主が主張できる。第三者との関係で主張ができるということで民法の原則を逆転したような規定を、この改正特定商取引法の中に設けております。
第三者が善意無過失の状態であるということの立証に成功した場合に限り、転売先が勝つといった民法の基本的なルールの修正を施したといった点が、第2点目の工夫でございます。
とは申し上げましても、一度訪問購入業者に指輪が渡りますと、転売先が持っているという可能性も少ないわけでございまして、更に転売するといったことも勿論考えられます。なかなか指輪の形でもとに戻ってくることは非常に難しいということでございます。この法案を仮にお通しいただきまして施行の暁になったときには、このクーリング・オフ期間中は物品を引き渡さなくてもよいという消費者に与えられました権利をフルに行使をしていただくといったことが、指輪を確実に戻す、引いてはこの訪問購入に係るトラブルを減少させるといったことにおいては、極めて重要だと考えているところでございます。
説明は以上にいたしまして、また質疑応答の中で補足の説明はしたいと思います。ありがとうございました。

○河上委員長 時間の節約に御協力いただきまして、ありがとうございます。
それでは、質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。いかがでしょうか。

○山口委員長代理 是非これは成立していただくように、私どもとしてもできる限りの応援をしたいと思います。是非頑張ってください。
3つ御質問があります。まず1つはこの適用対象なんですが、物品の購入ということで、指定物品制度にしてあるわけですけれども、貴金属がいわゆるリサイクルの市場があるということで、当面貴金属に限定するのはそれはそれでいいのかもしれませんが、気になるのは例えばテレホンカードとか、あるいはもし可能であれば劇場型未公開株辺りは買い替えます買い替えますと言って結局消費者が別のところから買って、結局買い取ってくれないという話があるわけですが、これはまた別の話になりますけれども、いわゆる権利です。物品となるとテレホンカードは入りそうだけれども、恐らく未公開株とかその他の権利は入らないでしょうね。そこら辺の物品というのがどこまでを想定していのか。商品とせずに物品としたことの理由が1つ。
2番目は今、クーリング・オフの工夫をされていることはよくわかったんですが、ではおじいちゃん、おばあちゃんがその日に渡してしまった。業者は別の事業者に売ってしまって、溶かしてしまったという場合に消費者はどうなるのか。あれは100万したんだよとか、先祖からもらった大事なもので30万ぐらいしたんだよとかいうのはどうなるのか。そこはどう手当されているのか。
3番目は前から消費者委員会として提言させていただいていますが、特商法の全体的な見直し。つまり売買とか買取りとかではなくても、有償取引とかその他の包括概念で全体的なものを考えるとか、あるいは適用除外の分野はどうするのかとか、全体的な見直しについての予定、計画等があれば、それも教えていただければと思います。
以上、3点です。

○消費者庁畑野取引対策課長 わかりました。では、お答えできる範囲でお答えしたいと思います。
まず物品ということでございますけれども、今から申し上げるような商品が物品という形で整理されるのか、あるいは山口委員長代理のお話しのとおり、権利という形で整理されるのかといったことについては、今日この場でございますので、余り込み入った議論は控えたいと思いますけれども、基本的にどういったものを指定の候補として考えているかといったことにつきましては、昨年12月にとりまとめられました研究会の報告書、今日ちょっと用意しておらないで申し訳ないんですけれども、そこに昨年私どもが調べました平成22年度の相談トラブル事例の中で、どういったものがその相談でたくさん寄せられてきたかといったことが1つの参考になろうかと思いますので、口頭で恐縮でございますけれども、御紹介をさせていただきます。
圧倒的に多いのが貴金属でございます。9割以上が貴金属でございました。貴金属とは具体的に何かと申し上げると、宝飾品、メガネ、時計、金歯、銀貨・古銭、金杯・銀食器。それから、今、委員長代理の方でお話がございましたようにテレホンカード、切手、バック、靴、あとは衣類というものがございました。衣類というのは先ほど資料3-2のトラブルの具体的な事例のところで、着物の購入のはずが貴金属の購入も執拗に要求してきた事業者ということで、本命は貴金属だけれども、消費者を呼び出すために着物はありますかという形で、そういった口実で使われているといったような可能性が非常に高いわけでございます。
一応そのトラブルの中で上がってきている物品、商品ということでは、今、申し上げたようなものが相談事例では上がってきております。これをすべて政令で指定するかどうかにつきましては、また別の議論かと思いますけれども、一応の候補ということで御紹介を申し上げました。今、申し上げましたように、それを商品という形で整理するのか、権利という形で整理するのかということにつきましては、また検討を進めてまいりたいと思っております。
2番目でございますけれども、第三者に渡ってしまいました。第三者がそれを溶かす、あるいはほかの人に売って持っていないということで、事実上、現品の形で持ってくるのが非常に難しいといったときにどうなるかということでございますが、残念ながら今回の法案では、そうした場合に消費者のいわゆる民事上の権利をどういうふうに回復するのかといったところまでは、手当はしておりません。ただ、それに比較的近しいと申し上げますか、取っかかりとなるということについて申し上げますと、これは資料3-3というもう一枚ポンチ絵がございます。それから、ポンチ絵ではなかなかということで条文の方で御確認をということでありますれば、資料3-6に新旧対照表があるのですけれども、その10ページでございます。どちらをご覧いただいても結構でございますが、新旧対照表で言うと10ページの58条の11というものがございます。第三者への物品の引き渡しについて通知という規定がございます。
何を申し上げたいかと言うと、今回の法案では先ほど申し上げましたように、第三者との関係で売主が所有権を主張するといった局面の想定をいずれにしてもしております関係から、一体その訪問購入業者がだれに売ったのか。そのときの転売先に対する引き渡しの状況がどんなことであったのかといったことにつきましては、きちんと売主が知っていなければいけないという観点から、訪問購入業者に売主に対して今、申し上げたような情報、転売先のだれに渡したのか、転売した時の状況については通知をしなさいといった義務を課すことにいたしました。この義務に違反した場合には行政処分の対象になる。こういったようなところにまで措置をしております。
今、山口委員が加えて御指摘がありましたように、そのときに1つの取っかかりとしてどういった情報を売主に対して提供するかといったことでございますが、これは法律では省令に落とすといったことになっております。58条の11をお読みいただければ、省令でその旨を記載するということになっております。
省令で何を書くかということについては、法律が仮に成立した後の問題ということでございますけれども、この点について言うとこれも昨年12月にまとめられました研究会の中で、1つのヒントがございます。転売先あるいは転売価格といったことについて、この売主が知ることができるといった仕組みが検討できないかといった記述が研究会のレポートの中にありますので、そういったものも参考にしながら省令で何を書くのか。言い換えれば売主にどういう情報を与えるのかといったことを書きます。
そういったような情報でもって、まだ転売先が宝石を持っている場合、あるいは転売先がもう宝石を持っていなくても、例えば転売先にどういった価格で売ったのかといったことが仮に知ることができれば、売主としては同一価格で訪問購入業者に不当利得の返還請求ができるかといった状況につながるかもしれません。そういったことも念頭に置きながら、具体的には省令で何を書くのかという段階で、山口委員長代理の質問については対応してまいりたいと思っております。
3点目でございますけれども、訪問買取りはいいけれども、商取引をめぐる問題はほかにもたくさんありますということでございまして、それについての見直しはどうなっているのかということでございますが、これは具体的に何をどう変えるのか。特定商取引法は次どういう形で見直すのかということについて、中身、スケジュール、決まっているものは今のところございません。
ただ、平成20年の前回の特定商取引法の法改正の附則の中で、施行から5年を経過したときに検討を加えて必要な措置を講じるものとするといったような、いわゆる見直し条項が附則の中で規定されています。前回の改正に基づく施行は平成21年12月ということでございますので、遅くともそれプラス5年ですから、平成26年12月までには、そのときまでの状況について検討を加えるということになっております。遅くともそこまでということでございますので、後は社会のいろんな環境と、皆様からいただいた要望、意見といったことも踏まえながら、併せてスケジューリングも考えていきたいと思っております。

○河上委員長 よろしいでしょうか。
消費者委員会としましては昨年11月に提言しておりますとおり、まずは緊急対応として本法案の成立について御尽力いただきたいということで、応援したいと考えております。けれども、これで万全というわけではございませんので、法改正の執行状況も踏まえて、先ほどありましたように将来のさまざまな商品、役務についての取引行為一般についても網がかぶさるような改正も是非考えていただいて、後追い的にならないようにお願いしたいと思います。
もう一つ、契約が成立すれば品物を持っていかれてしまうことの方が多いので、品物を留保する権利を与えたからといって必ずしも消費者が守られるとは思いません。ですからクーリング・オフをした後、そのものが帰ってくる、あるいは帰ってこなかったときの精算のルール。払った金が戻ってくれば済むとか、そこでの売買の価値が本当の価値ではないとしますと、彼が転売したときの転売価格であるとか、そういうものも参考にしながら、精算ルールをきちんと考えていただくということも必要ではないかという気がします。
クーリング・オフ後の第三者保護の問題は確かにありますが、例えば、贓物故買と同じような発想はできないのか。今、単に思いつきで申し上げただけなので、きちんと正当化できませんが、やはり何か第三者に転売されてしまうとおしまいとか、つぶされてしまうとおしまいとならないような工夫を更に検討いただいて、今後とも仮に改正法ができ上がりましたら、その法律の改善を是非引き続きお願いしたいと思います。
本日はどうもありがとうございました。

≪5.標準旅行業約款について≫

○河上委員長 それでは、引き続きまして標準旅行業約款についての議論をしたいと思います。
昨今の旅行業を取り巻く社会情勢の変化を踏まえて、これに対応した標準旅行業約款の在り方について、昨年7月観光庁におきまして標準旅行業約款の見直しに関する検討会を設置し、検討を行っているところと伺っております。具体的には一般社団法人日本旅行業協会から海外募集型企画旅行、いわゆるパッケージツアーのキャンセル料の発生時期や、その割合等についての見直しの要望があり、その要望内容について検討されていると伺っております。
消費者委員会としても、この問題が消費者に与える影響にかんがみて、その内容について以前から関心を持っていたところです。また、兵庫県弁護士会からは、消費者委員会委員長あてに標準旅行業約款の見直しに関する意見書をいただいております。
本日は観光庁と一般社団法人日本旅行業協会、更に兵庫県弁護士会においでいただいておりますので、観光庁、日本旅行業協会からは検討会の検討状況等にについて、また、兵庫県弁護士会からは意見書の内容についてそれぞれ説明をいただき、議論を行いたいと思います。
なお、参考資料2といたしまして、同検討会の第5回の資料の抜粋を配付しておりますので、併せてごらんいただければと思います。
それでは、お待たせいたしましたが、観光庁から説明をお願いいたします。なお、説明は大変申し訳ございません。5分程度でお願いしたいと思います。

○観光庁鶴田観光産業課長 よろしくお願いいたします。
資料4に基づきまして、まず私の方から検討体制ですとか前提となる制度的なところ、アウトラインを御説明させていただきたいと思います。
まず経緯ですけれども、昨年3月に、日本旅行業協会から観光庁あてに要望がなされました。これはここ数年来の旅行取引の実態の変化に合わせて標準旅行業約款を見直したいという問題提起でございます。これをきっかけとしまして取引の公正の維持、消費者の保護に留意しつつ、検討を行う検討会を立ち上げました。
検討会は昨年7月から行っていますが、メンバーとしては学識経験者、弁護士の方、消費者団体の方々、2つの旅行業協会、労働組合、海外で旅行商品の素材の仕入れをする海外のツアーオペレーター協会、それから、旅行ガイドの添乗サービス協会。行政としまして私どものほかに東京都に入っていただいていますのは、旅行業のうち海外募集型企画旅行を扱わない旅行会社は国ではなくて都道府県の権限となっていますので、そういった実務面も十分反映できるようにということで、東京都に入っていただいています。また、消費者庁から畑野課長にも御参加をいただいております。
スケジュールとしましては、昨年7月から今まで5回御審議をいただいていまして、まだ検討は続いておりますけれども、第6回以降の日程は決まっておりません。
その他としまして、公表の仕方は事後にホームページで議事概要及び資料を公開しております。議事概要は発言者のお名前などを抽象化した形で公表をさせていただいております。
次のページですけれども、旅行業における消費者保護ということで、旅行業法で旅行業を行おうとする人は、行政庁の登録を受けなければならないことになっていますが、その登録を受けて幾つか義務がございまして、1つはここにありますような旅行業務取扱管理者の選任ですとか、料金の掲示、約款に関すること、取引条件の説明など、そういった一定の行為規制がございます。
旅行業者に対する要請等については、お時間の関係で説明を割愛させていただきます。
次のページに約款に関する旅行業法の規定を抜粋してございます。これは登録を受けた旅行業者は、まず原則としましては12条の2でございますように、旅行者と契約をする場合は、約款によらなければいけない。その約款が取引の公正ですとか消費者保護の点で問題はないかという観点で行政庁の認可を受けることになっています。
ただ、中小の旅行業者も多いですし、それぞれ多様な商品を扱っているということもありますので、実際に何千とある旅行業者がすべて個別の約款をつくったり、それを行政庁側でも審査をしたりということになると、双方、事業者も行政も簡素化ということからしても適切ではないということで、観光庁と消費者庁が共同で標準約款を定めて公示した場合で、それを使う場合には個別の認可は不要という構成になっています。
以上が概要でございます。

○河上委員長 ありがとうございました。
それでは、引き続きまして日本旅行業協会から御説明をお願いいたします。説明は10分程度でお願いします。

○日本旅行業協会長谷川理事・事務局長 日本旅行業協会の長谷川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。併せて、まいりました堀江でございます。よろしくお願いいたします。
本日は当委員会で御説明をさせていただく機会をいただきまして、大変ありがとうございます。ただ、私もこのように御高名な先生方の前でお話をさせていただく機会というのは今までございませんので、大変緊張しておりまして、言い間違えですとか、あるいはわかりにくい御説明もあろうかと存じますけれども、どうぞ御容赦いただきますよう、何とぞよろしくお願いいたします。
本日は資料は御用意させていただいておりません。口頭で私どもの協会のあらましを簡単に御紹介して、続いて標準旅行業約款の改正に関する要望書を提出させていただきました背景に並びにそのポイントについて、お話を申し上げたいと思います。
当協会は旅行業法に基づいて登録を行っております旅行業者で組織する業界団体でございまして、現在、正会員が1,140社ほど加盟しております。主な目的は旅行事業の拡大と旅行業の健全な発展を図る。旅行者に対する旅行業務の改善。旅行サービスの向上等を図る。そして旅行の促進と観光事業の発展に貢献することでございまして、その目的達成のために旅行事業拡大業務、そして旅行業法に基づく指定旅行業協会としての業務、社会貢献業務などを主な事業としております。
今回、要望書を提出させていただくまでの経緯でございますが、今から4年ほど前の平成20年3月ごろから、当協会内において現行旅行業法制度に関する勉強会等が行われまして、その後、平成22年4月に標準旅行業約款に関する諸問題を検討するための委員会を発足させ、会員会社からのアンケート調査の結果などを基に約款に関する議論、検討を重ねてまいりました。約1年間の検討の結果をとりまとめて、平成23年3月23日に標準旅行業約款の改正に関する要望書を観光庁に提出させていただきました。
現在、観光庁主催の先ほど鶴田課長からも御説明がありました検討会において、当協会の要望書の内容について御議論、御検討をいただいているところでございます。
要望書を提出いたしました理由としましては、旅行業を取り巻く環境の変化が現行約款には十分反映されていないためであります。そして環境変化につきましては主として海外の企画旅行、先ほど委員長からお話がございましたパッケージツアーの取消料の規定に関わる状況の変化でございまして、3点ほどございますので、順を追って御説明させていただきます。
1つ目は航空座席の手配における環境変化でございます。従来、航空会社では主としてこのパッケージツアーの座席としましては、いわゆる包括旅行割引運賃という通称IT運賃と呼ばれる制度を使って、これは解約をしても取消料等の支払い条件が比較的緩やかな運賃を適用した座席でございまして、旅行会社は20席、30席とブロックで予約をするといいますか、航空会社が提供していただくという形のものでございました。しかしながら、近年航空会社では正規割引運賃、通称ペックス運賃、皆様もお聞きになられた方もおられるかもわかりませんが、いわゆる個人客を対象としたもので、これは非常に解約条件の厳しい運賃が適用される航空座席をより多く提供するというように、座席の提供ポリシーを大きく変えて、かつ、このペックス運賃の適用を今後も増やしていくといった方針を打ち出しております。
このペックス運賃というのは座席を予約した場合、そのときから例えば72時間以内に発券をしないと予約が取り消されてしまいます。そうしたことで旅行業者はこの間、発券処理を行います。こうして発券した航空券を取り消すと、例えば1席当たり1~3万円、ヨーロッパの方では5万円といった例もございますが、航空会社が定める取消料を支払わなければならない。
パッケージツアーを企画する旅行業者にとって、航空会社の施策に合わせてペックス運賃の利用を拡大せざるを得ないことから、お客様が旅行の予約をキャンセルされた場合には、その時点でそのお客様のための座席の取消料が発生するというリスクが拡大している現状がございます。
また、昨今LCCと言われる格安航空会社の新興が著しく、世界的に就航路線が増加しておりまして、お客様の中からもパッケージツアーへの組み込みを希望する声もあり、利用拡大が予想されております。このLCCの座席についても解約条件が厳しいため、手配の状況が大きく変化しているということが言えるかと思います。
2つ目は、ホテル客室の手配における環境変化でございます。ホテルの客室の手配についても、もともと人気の高いホテルや一度は泊まってみたいという魅力のあるホテルは予約金の支払い等が早期に、例えば6か月前あるいは予約後直ちに、そうした必要になる場合が多く、これが言わばグローバルスタンダードとなっております。
一方、日本の旅行業者はパッケージツアーの取消料の収受は約款の定めによりますため、通常期ですと31日前までお客様から取消料を収受できないので、ホテルへの予約金の支払いを嫌う傾向にありました。予約金というのはデポジットとも申しますけれども、取り消しをした場合には返還されない、言わば取消料としての意味合いもございます。
これまで日本のお客様は世界各国のホテルにとりまして、いわゆるお得意様であったわけです。予約金を支払わなくても手配できるなど、日本の旅行業者の商習慣を貫くということができましたけれども、近年は中国、インド、ロシアといった新興の旅行が活発な国が台頭してきたことから、これらの新興諸国では予約金のみならず、場合によっては全額前払いで支払いをするような形でホテルを確保するといったことがございまして、日本の旅行業者が太刀打ちできない状況が多く発生しております。
このため、日本のお客様に御満足いただけるパッケージツアーを企画するために、日本の旅行業者も予約金を没収されるリスクを冒してでもホテルの予約金の支払いに応じるといったケースも増えておりますが、また、これらのリスクをとりたくない場合は予約金の支払い等を要求しないホテル、必然的に魅力の劣るホテルをやむを得ず選択して対応しております。
1つの例で申し上げますと、例えばヴェニスに宿泊する場合にヴェネツィア本島ではなくて、バスで30分ほどかかるような近郊のホテルに宿泊をするといったケース、あるいはパンフレットには多数のホテル名を記載しておいて、最終的に手配できたホテルを利用するといった対応をとったりしております。このようにホテルの手配も年々厳しさを増しているというのが現状でございます。
最後3つ目は消費者の旅行取消状況の変化でございます。インターネット取引の進展がその大きな要因と推測しておりますが、旅行申込者に占める取消者の割合が年々増加しており、大手5社の旅行参加者のデータによりますと、2009年の例ではパッケージツアーの総申込者のうち、実に49%の方が申込みだけをして実際に旅行しないといった状況になってきております。この大手5社の取り扱いシェアは約半数の51%でございますので、パッケージツアー全体の傾向をほぼ表しているのではないかと考えております。
そして、この49%の方々のうち、88%の方が取消料のかからない時期、すなわち31日前までに取り消しております。これは全申込者の割合で言いますと43%に当たります。ちなみにこの数値を過去と比較してみますと、2004年では24%でした。したがって、この5年間でほぼ倍に近い数値になっています。
お客様の中には旅行の予定が立たないうちに、先ほど申しましたペックス航空券で予約をする。これは個人で予約を入れるといった場合に、これを取り消した場合には取消料の支払いが生じるので、それを避けるためにとりあえずパッケージツアーに予約を入れておくといった話も聞いております。
このような大量の取消しは旅行業者に回収できない損害、すなわちペックス運賃の取消料ですとか、あるいはホテルの予約金取消料の損害のほか、手配及び解除にかかった人的なコストが発生するといった問題がございますが、更には本当に旅行したいと考えておられるお客様の機会も奪っているという問題が生じており、営業現場におきましてもお客様から改善を求める声が聞かれております。
以上が旅行を取り巻く環境変化でありまして、これらを踏まえましてまた現行約款の中に明確化が必要と思われる項目を加えまして、8項目に整理をし、要望書を提出させていただきました。主な項目はこの海外企画旅行に関わる取消料規定の変更、旅行開始時期の明確化、暴力団排除条項等の導入などでございまして、現在、さきに述べました検討会において、委員の皆様に活発に御議論いただいているところでございます。
以上で私どもからの御説明を終わります。ありがとうございました。

○河上委員長 ありがとうございました。
それでは、続きまして兵庫県弁護士会から御説明をお願いいたします。説明は10分程度でお願いします。

○兵庫県弁護士会辰巳副会長 兵庫県弁護士会の副会長をしています辰巳といいます。今日は消費者委員会の意見で意見書の起草に当たりました、鈴木尉久委員とともに説明させていただきたいと思います。
まず簡単に兵庫県弁護士会のこの旅行に関する取組みについて紹介させていただきますが、一地方単位会ではございますけれども、当会消費者保護委員会では平成元年ころから相談活動あるいは旅行業約款の改正についての意見書、これは平成3年でございます。その他旅行者、消費者の立場からのQ&Aの出版、改定を積み重ねてまいりました。非常にこの旅行トラブルの問題については消費者保護委員会で取り組んできた分野であると思っております。
そのような関心がございましたところ、今般、今、御説明がありましたとおり観光庁におかれまして標準旅行業約款の見直しという議論が進んでいるということを知りました。ただ、伺うに消費者の立場、旅行者の立場に立った場合にさまざまな懸念される事項があるということで、今般資料5-2ですが、本年1月26日付で標準旅行業約款の見直しに関する意見書というものを公表させていただきまして、貴委員会の方にも提出させていただいたところでございます。
そうしましたら、この意見書の起草に当たりました鈴木委員の方から意見陳述させていただきたいと思います。

○兵庫県弁護士会鈴木消費者保護委員会委員 今しがた旅行業協会様の方から御説明は、やや抽象的ことをおっしゃられましたが、私の方は具体的なことに踏み込んで消費者の意見を代弁するような形で申し上げたいと思っています。
私ども兵庫県の意見書が提出されました後、日本旅行業協会から参考資料2という資料が提出されておりまして、それに概要するような形で少し敷衍させていただきましたのが、今日配付の資料5-1「『標準旅行業約款見直し』に関するヒアリング資料」でございます。この資料に基づきながら少しお話をさせていただきたいと思います。
まず、旅行業協会様の方で御提案いただいています出発90日前から取消料の付加を始めるという制度改革でございます。これについては消費者にとって負担が大きいということで、反対の意見を述べさせていただいております。その理由は3つございます。
1つはパックツアーがこれでは利用できなくなる。
最少催行人数未達の場合の旅行業者からする解除権、パッケージツアーが人数不足で旅行は出ませんというものですけれども、それとの均衡を失するのではないか。
消費者の権利を害する。キャンセルをするときに取消料の負担なしにキャンセルするというのは、ある意味クーリング・オフに類似する機能を営むわけですので、事業者の都合だけでその辺を考えていいのだろうかという3つの視点を提示させていただいています。
順次説明します。3か月先というのは予定が消費者にはなかなか立てにくうございます。そうしますとパッケージツアーではなく、手配旅行を選択せざるを得ない。あるいは出発間際でないと旅行の予定が確定しないため、出発間際に旅行の予約が殺到して、あふれてしまって参加したいツアーに参加できないことも考えられなくはないです。そういうことからすると旅行業法は旅行者の利便の増進を目的にする法律なんですけれども、これではパッケージツアーが消費者にとって非常に利用しにくいものになりかねないという懸念があります。パッケージツアーというのは消費者にとっては一番身近で気軽で利用しやすい旅行形態なんですけれども、これが利用しにくくなるというのはゆゆしき問題だろうと思っています。
最少催行人数未達の場合の解除権行使期限というものがございまして、旅行業者の方から解除するというのは現行は出発23日前という形になっています。消費者の方が取消料なしに解除できるのは出発前30日となっております。この両方の解除権というのはそれぞれ何の規制基準もなしに解除できるという権利ですので、お互いに契約的拘束を脱出する手段として与えられているわけですので、できる限りは均衡を保った日数で行使するというのが通常の考えかと思いますが、もし出発前90日からの取消料負担を消費者に要求するのであれば、旅行業者の最少催行人数未達による解除権を行使するかどうかというのは90日前に決めていただきたい。
現行で多重予約が消費者から行われているということがありましたが、それは原因の1つとしては、どのツアーが出るかどうかわからないというところがあると思うんです。このツアーが必ず出るということであれば、そのツアーに申し込もうかということで消費者も決断ができるわけですが、出るか出ないかわからないものに応募せざるを得ないのでたくさん応募して、どれが出るか確定した段階でキャンセルしようかというふうになってしまうわけです。
従前、前回の旅行業約款の改正のときにも、最少催行人数未達を理由とする解除権の行使と、キャンセル料なしでの消費者側からの取消権の行使の時期というのは、均衡を保つべきだという発想で整理がなされておりますので、今回においても十分な配慮が必要だと思っております。
もし現在、旅行業協会様の方からは最少催行人数未達の場合の解除権行使期限を、現行23日を30日まで延ばしましょうという御提案をいただいていますが、もしそういうことで出発前90日の取消を要求し、旅行業者の解除権は30日ということになると、その間隔が60日空くわけです。そうしますとどういうことが起こるかと申しますと、結局は消費者の方はキャンセルしました。その後、旅行業者の方が人数不足になりましたから出発しませんでしたというケースが多発するんです。今はその差が7日間ですので、現行でもあるんですけれども、そう大きな問題にはならない。でも、この間が60日となりますと、出発しない旅行のために取消料を払うという消費者が多々出てくる可能性があります。これはゆゆしき問題だと思っています。
消費者の解除権行使ということがありますが、クーリング・オフというのはいろんな形態があり得るわけで、取消料なしの解除権行使というのはクーリング・オフに類似することがあるということを言わざるを得ないと思っています。特に取引対象型クーリング・オフと言われるところ、取引対象が透明性を欠く場合のクーリング・オフと似たところがある。特に旅行の場合はお金と時間と健康が3つそろわないと出発できません。どれかの条件が欠けると出発できなくなって、消費者自身にも計画性が十分立てられないところがありますので、解除権の行使というのは消費者の権利としての側面もあるんだ、事業者の都合だけで左右してもいいところではないんだという留意が必要だと思います。
取消料の金額、料率についての見直しを御提案いただいていますが、その中で販売管理費を取消料の中に含めて考えるんだという考え方を御提示されているんですが、これは消費者契約法9条1項の平均的損害の考え方と真っ向から矛盾する考え方であって、法律上取り得ないのではないか。この考え方は違法だと思っています。
ペックス運賃のことを理由にして取消料の料率を上げるということですが、現行、ペックス運賃の利用率を考えますと、販売総額の1.65%がペックス運賃の取消料になっておりまして、現在では取消料を5%上げる根拠にもならないんだろうなと思っています。将来的にはわからないというのが確かにあるんですけれども、現在ではデータとしては不足しているのではないか。
それから、取消料というのはなかなか消費者の意識が及ぶところではありませんで、本来でしたら価格によって勝負をしていただきたいというのが我々の希望でございます。取消料については関心が及びにくいので、透明性の要求からしましても価格によって勝負をしていただきたいというのが希望でございます。
取消料率を今回部分的に上げるとおっしゃるんですけれども、下げる部分については消費者としてはいいかなと思うんですが、上げる部分につきましてはその根拠を示していただかないと、なかなか納得しがたいところがございますので、その辺も要望としてございます。
6ページ、受注型企画旅行に関する取消料の例外規定を導入したいということで、旅行業協会さんから御提案があります。しかし、これについても消費者を相手に取引をする場合には、取消料表というものを離れて契約当事者間での取消料の合意を許すことは、多数の同種契約の中で平均的に損害を考えたらいいではないかという消費者契約法9条1号の概念と、真っ向から矛盾する可能性がありますので、この御提案は旅行者が事業者の場合、特に受注型の場合は事業者の場合があり得るわけですが、そういう場合には考えてもいいんだろうけれども、消費者の場合には消費者契約法をいじらないと、こういうものは導入できないのではないかと思っております。
今回の標準旅行業約款の見直しに関しましては、旅行業界からの要望に基づいて、その要望のあった箇所を訂正することになってしまっているわけですけれども、本来、標準旅行業約款制度は明らかに行政による約款規制の一手段でございまして、これは消費者の利益を十分踏まえて行う必要がある。そういうような観点からしますと、消費者側から旅行業約款の改正を求めるというのは、実際上はなかなかサイレントマジョリティですのであり得ないんですけれども、今回あえて標準旅行業約款の問題がありますよというところを挙げさせていただいたのが7~9ページなんですが、これについては時間がございませんので特に一々申し上げませんけれども、特に現行の旅程保証ですが、一応パックツアーの非常に重要な瑕疵担保的な意味合いを持つものですが、現行で募集型企画旅行の1個当たりの値段というのは14万円台なんです。つまり10万円以下のパックツアーというものがどんどんやられている。変更保証金というのは1%が最低で、しかも1,000円未満切り捨てですので、結局10万円以下のパックツアーについては旅程保証がないのと同じになってしまっている。少なくとも1%のところ、例えば観光地をめぐるというのが外されてしまったというときには、もう払われないんです。ちょっと旅程保証なんかは率とか足切りの額などを見直す必要があるのではないかと思っています。その他は書いてあるとおりですので、またお読みいただければと思います。
以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。いかがでしょうか。

○吉田委員 御説明ありがとうございました。
旅行業協会の方にお伺いしたいんですけれども、参考資料2を拝見していますと、今の弁護士会の方からの御指摘もありましたが、90日前のキャンセル料が5%で、その根拠として運賃の割合の予測を平均化した結果だと書かれてありますが、この予測し平均したという中身がわからないという印象を持っておりますけれども、これの算定の根拠というのは数字的にあるのでしょうか。

○日本旅行業協会長谷川理事・事務局長 実は今、検討会の中で私どもの根拠を御説明している最中でございますが、先ほど来申し上げておりますペックス運賃によるリスクですとか、そのホテルの予約金のリスクですとか、手配業務に関わる経費の部分で原因者が特定できる数値を合算したところ、実は当初私ども90日前から10%という要望を出させていただいておりましたが、検討会の過程でそれは計算方を見直して、余分にかかった取消に要した費用のみを対象とすべきではないか。つまり原因者がはっきりしたものにすべきではないかということで算定をしていきましたところ、5%というのが妥当ではないかということで、それは先ほど来申し上げているように、実際に取消をした原因者がはっきりしているという方々の部分について妥当な金額、パーセンテージではないかといったことで御説明をしております。

○吉田委員 ありがとうございます。
そうすると、やはり消費者に対してはその5%の根拠というのが透明化されないと、なかなかなぜ5%なんだというように理解して支払うという行動に結び付かないかと思いますので、それは是非透明化した方がいいのではないかと思いますし、現時点でのペックス運賃の割合の予測、プラス現状におけるホテルのキャンセル料の状況から5%という数字がはじき出されているとすれば、今後状況が変わったことによって、例えばペックス運賃の割合がどんどん予想を上回って上がっていった場合には、5%が更に上がっていくという可能性があるのではないかと思っていますが、そういう前提でお考えだということでよろしいでしょうか。

○日本旅行業協会長谷川理事・事務局長 はい。先ほど申し上げました根拠は実は2009年、2010年、2011年という現状で算出したものでございまして、当然、航空会社のポリシーに基づいた今後の予測も立てておりますが、検討会におきましても今後の予測を一旅行業協会が立てるということで、それは根拠としては乏しいという御意見もいただいておりますので、十分その辺は現状で御説明できるように現在いたしております。

○吉田委員 わかりました。いずれ透明な形できちんと算出されたものだと消費者が理解しないことには、なかなか全体的な理解は得づらいのではないかと思いますので、御配慮いただければありがたいと思います。
以上です。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 議論をかみ合わせるために、単純に旅行業協会の方に、今、弁護士会の方で御指摘があったところに対する反論を是非お聞きしたいと思うんです。
大きく3点あったと思うんですが、ペックス運賃の関係では旅行に占めるのは1.65%だという説明と、今、長谷川理事がおっしゃった数字が符合しないのはどういうことか。これが1点です。
いわゆる事業者側からの解除が30日以内で、消費者側は90日となると、確かに30日、40日後に結局やりませんでしたという旅行について5%、10%の解約料を払うことになるが、これは不公平感を残すように思うんですが、そこをどうお考えなのか。
3番目に弁護士会の指摘では、販売管理費をキャンセル料の中に含めるのは消費者契約法上問題はないか、異論は出ないかという御指摘なんです。この辺は旅行業協会としてはどういうふうにお考えなのか。この3点を御説明いただければと思います。

○日本旅行業協会長谷川理事・事務局長 まず1点目の兵庫県弁護士会さんから1.65%に過ぎないのではないかというのは、これは分母がいわゆるパッケージ商品の販売額の総額9,000億を分母として、私どもがペックス運賃の取消料の負担と推計したのが149億で、したがって1.65%に過ぎないということでございますが、実は当協会が行っております旅行業経営分析によりますと、旅行業者の営業収入というのは大体収入率10%ぐらいで、例えば50万円の旅行を販売して、いわゆる収入と言われるものはそのうちの10%。しかしながら、営業経費を差し引きました営業利益率は、これは統計を調べていただければおわかりになりますが、旅行販売額の0.5%にも満たないというのが実情でございます。
したがいまして、販売額が分母であれば当然1.65%に過ぎないんですが、旅行業者の営業利益からすれば相当大きな割合になっておりまして、現にそれは本来の原因者がはっきりしているにもかかわらず、一部は旅行代金に含まれてしまう。つまり実際に行った方が取消をした方の分を負担しているといったことがございます。したがって、1.65%が非常に僅少な金額とは私どもは思っておらないわけで、これがどんどん増えていくと思います。
最少催行人員の未達と、その取消料の関係でございますが、実はこの部分につきましては現在まだ検討会の中でもいろいろと御議論をいただいておりまして、実際にその取消料がいつから発生するか。私どもの要望は当然90日前ということでお出ししておるんですが、一方で最少催行人員が未達といった場合にどうするか。昨今のパッケージツアーですとパンフレットを見ておわかりだと思いますが、これは以前、私どもが若いときなんかは15名以上とか10名以上というパックツアーが多かったんですが、最近は最少催行人員1名とか2名といった商品もございまして、かなり早い段階から催行保証をするケースもございます。
現実にこれは一方でそうした10名の最少催行人員だとすると、旅行会社というのは必ずしも取り消すことを望んでおりません。最後まで販売努力をします。私も営業現場におりまして、当然のことながら1本でも多くのツアーを出そうとお客様を集める努力をいたします。そういたしますと90日前に決めろと言われて、希望するお客様が3か月前からお客さんを集めないのかといったこともございますので、一方で逆にぎりぎりまで販売努力をせいという声もございます。したがって、それらはバランスの問題として現在、検討会でも御議論をいただいておりますので、私どもとしてはその中でまた御理解をいただくよう努力していきたいと思っています。
販売管理費につきましては、実は当初要望しておりました、いわゆる数字の根拠の中に必ずしも適当だと思われるものがなかった。つまり営業費用全般ということで想定しておりましたけれども、第3回目の検討会におきまして余計にかかった経費、人件費その他の原因者が特定できるものに限るべきだといった御指摘をいただきましたので、この部分については要望を修正させていただいております。
以上でございます。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。細川委員、どうぞ。

○細川委員 今日は90日前からの取消料が中心ですけれども、先ほど兵庫県弁護士会からお話があった資料5-1の第4というところで、これ以外にも標準約款にはいろいろ問題があるんだ。ところが、消費者の声は届かなくて事業者側から改正してくれという声に対しては、観光庁は即座に対応して検討しているのに、日ごろの消費者からの声によって標準約款が改正されるという機会が余りないという部分は私も感じております。
弁護士会のこの第4のところを見てももっともだなと思うところもありますし、私も日ごろ、例えばツアーで行って現地の交通機関で事故があっても、その後、基本的に旅行代理店は知らん顔する部分もおかしいなと思うところがありますので、そういう標準約款を見直すということがあれば消費者の声も聞いて、これだけではなく、多分時代遅れになってきているものはいっぱいあると思うんです。まさにどちらが正論か私は判断できませんけれども、旅行業者としても時代に合わなくなってきたから変えたいと言っているわけだから、消費者の側から見ても時代に合わなくておかしいと思うところはあるはずですので、標準約款はこれだけではなく、日本にいっぱいありますけれども、そういうものの見直しも消費者の視点からやるべきだと思いますし、消費者委員会そのものも海外で言えば約款規制委員会というものもありますが、そういう機能も我々にはあると思いますので、これは90日の取消料だけの問題ではなくて、考えるべき課題ではないかと思います。
以上です。

○河上委員長 小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 まさに今、細川委員のおっしゃったとおりだと思います。先ほど兵庫県弁護士会のお話にもありましたけれども、改めて旅行業法を見ますと興味深い仕組みになっていて、標準旅行業約款を定めるのは観光庁長官と消費者庁長官です。まさに行政が定めるものになっている。今、この改正という話が業界の要望で出てきたということですけれども、法律では行政が定めるということになっていて、逆に言うと旅行業者さんは別に個別の、この標準に従わない約款をおつくりになって、例えば90日よりもっと長めで取消料発生として、その代り料金を極端に安くするとか、そういう約款をつくることも実は可能なわけです。
業界の方は現実的ではないと思っていらっしゃるのかもしれませんけれども、法律上の本当の建てつけとしては、行政がつくる形の約款になっているので、そうであれば標準旅行業約款のつくり方については、勿論、実際に携わっている旅行業の方の御意見を聞くのは当然ですけれども、同時に少なくとも同等に消費者の意見を聞くべきで、行政としてバランスのとれた標準旅行業約款を定めていただくことが必要ではないかと思います。
そういう意味で言うと90日ですぐに取消料が発生するということにしたときに、消費者としてどのような反応になるか。実際に大変旅行しにくくなることになるのではないかという危惧も当然あると思います。あくまでこれは行政が定める標準旅行業約款だということですので、観光庁だけではなくて消費者庁も絡まなければいけないのですけれども、是非消費者の声も十分聞いていただきたいと思います。

○河上委員長 ほかにいかがですか。夏目委員、どうぞ。

○夏目委員 細川委員、小幡委員がおっしゃったとおりでございまして、この標準旅行業約款の改定を私が知ったのは、いきなり新聞です。90日で改定しますと。どこで議論をし、だれがこのことをやっているのかしらというのが思ったのが始めでございました。そして、委員会そのものは非公開、議事要旨だけが後になって発表させるという進め方。やはりここにも問題があろうかと思われます。勿論、企業秘密みたいなものはおありかもしれませんけれども、すべてを非公開にする委員会の在り方というのも、いかがなものかと思うところでございます。
今まで御発言があったように、これは消費者にとって非常に影響が大きい話でございます。先ほど弁護士さんたちが消費者保護の見地から見直しが必要であるにもかかわらず、今回は業界さんの方からのお申し出でこういう形が始まったということです。
私もネットで調べましたら、この海外ツアーキャンセル料が90日前から発生するということを検討していることに対して、口コミサイトでアンケートをやっていたんです。そうしましたら7割の人がこのことを知らない。それを見たときに非常にこれから自分たちが旅行するときに影響があると思っているというのが約半数いるんだけれども、でも、このアンケートがあるまでこういうことについて知りませんでしたと7割が答えている。このアンケートそのものがどれほどの信ぴょう性があるかというのはまた別途議論があろうかと思いますけれども、多くの人がこの大事な約款の改定について知らないという現実があるということは、是非委員会の方でも御議論いただいて、もう少し消費者の立場というものを御議論いただければと思った次第でございます。

○河上委員長 鶴田課長、どうぞ。

○観光庁鶴田観光産業課長 ありがとうございます。
今、3人の先生方から御指摘あったことは非常に重要な点だと思います。先ほど申し上げましたように、今回の検討も要望があったからやっているというのではなく、要望をきっかけにやっているというのが私どもの認識でありまして、これを結論ありきみたいには全く考えておりませんし、消費者の声をできるだけ反映したいということで、消費者庁に参加していただいているのは標準約款を共同でつくる立場ですので当然なんですが、消費者団体の方にも3名入っていただいて、なるべくいろんな角度からごらんいただいて、それを尊重してやっていきたいと思っております。
そうは申しましても先ほど細川委員からあったと思いますが、今、兵庫県弁護士会さんからも御指摘のあったような、声なき声で今回の検討の俎上にまだ上がっていないものもあると思います。それを直ちに今、具体的にどういう形というところまで行けるものと行けないものといろんな種類があるかと思いますけれども、今後ともそういった声なき声をとらえながら、標準約款の在り方を検討していくというのは非常に大事だと思います。
現にやっている委員会でも引き続きまだ御議論いただいておりますけれども、そういった心構えでやっていきたいと思います。

○河上委員長 ほかによろしいでしょうか。
私も若干お聞きしたいことがあります。つまらないことかもしれませんが、キャンセルがあっても、そこからまた別のお客さんからの申し込みがあれば、そこが埋まっていくわけです。結果的に歩留りがどのくらいあるのか。歩留りといいますか、埋めていってもなおかつキャンセルによって損をしてしまったという金額というのが基になって、この議論というのが行われているんですか。それとも、そうではなくて単純にキャンセルがこれぐらいパーセンテージがありましてという、それで問題が処理されているんですか。そこはどちらなんですか。

○日本旅行業協会長谷川理事・事務局長 いわゆる大手5社の数値をデータとして活用し、先ほど御説明した実際に申し込みをした方がいつごろ申し込みをし、いつごろ取り消したのかといったことから算出をしておりまして、かつ、いわゆる委員長御指摘の、では例えば1人取り消したらもう一人売れば、その分は埋まるではないかということですけれども、ちょっと細かな話になりますが、例えば航空会社の座席の手配はAさんで確保しておりました。AさんがキャンセルになってBさんになりましたと言うと、まずAさんを最初に予約手配をしたということと、次にAさんのキャンセルをして、今度Bさんの手配をするというのは、単純に以前ですとIT運賃という説明をしましたので、人が入れ替わってもそれほど関係なかったんですが、最近はネームチェンジそのものに厳格になって、航空会社の方もキャンセルをして、かつ、新たな申込みということになりますので、場合によってはその席が確保できないこともございますし、高い運賃になることもあるといったことですので、そうしたいわゆる数値を、推計値でありますけれども、算定した結果で大体これぐらいだろう。つまり今のペックス運賃の利用率ですとか、そういったものから算出をしたということでございます。かつ、ホテルの予約の状況です。こういったことでございます。

○河上委員長 ただ、A旅行業者として一定の座席をとるとか、あるいはホテルの部屋をとるということをしておけばすむ話で、そこに具体的にどの人が入るかというのは余り関係ないというわけにはいかないんですね。

○日本旅行業協会長谷川理事・事務局長 はい。いかないケースが増えております。

○河上委員長 ただ、考えてみると結局どうも取消に関する、航空会社とかホテル等のキャンセル料の定め方自体にも問題があるという感じはしないでもない。全体としてそうしたキャンセル料の上積みの部分というのが、最終的には申し込んだ人の90日に延ばすことによって添加されているという図式になっているように見えます。ですから逆に言うと、旅行業者の方にとってみると歩留率の読み違いのリスクが顧客の方に転嫁されているように見えなくはないわけです。
先ほど来、委員の中からもなぜこれだけのパーセンテージが出てきたのかということについて、やはりなかなか納得できなくて、その透明化が必要だということが随分言われていたわけですが、そこの部分がうまく説明されないと、なかなか安易にこれはこういう形で制度的にやればよろしいという話にはならないのではないかということを感じます。
もう一つ、観光庁さんにも申し上げたいんですけれども、推奨約款というのは確かにそれなりの一定の合理的な手続として組まれているものではありますが、正直なところ今、日本の認可約款というのが問題のない約款ではあり得なくて、いろいろと問題を抱えている場面が多うございます。司法の場に出てくると認可約款だからと言って合理性があるとお墨付きを得られることはないと考えた方がいいと思います。それだけに厳密な形で公正さを追求していただければありがたいと思います。
消費者委員会としてどこまでやれるかわかりませんけれども、公共料金の問題も扱いましたが、標準約款の適正化という課題について、できる限り消費者委員会としても考えていきたいと思っております。また、観光庁さんも引き続き厳正な議論をしていただいて、消費者の目から見ても、なるほどと思うような形での約款の改定をお願いしたいと思います。
今日はお忙しいところ、ありがとうございました。

≪6.消費者基本計画の検証・評価・監視について≫

○河上委員長 大分時間が過ぎていて申し訳ございません。大体16時30分をめどにしていたんですけれども、あと10分ぐらい延ばしていただいて、消費者基本計画の検証・評価・監視について議論を続けたいと思います。
消費者基本計画につきましては平成22年3月に策定されて、昨年7月に一部改定され、消費者委員会におきましても策定の際及び改定の際それぞれ意見を表明するとともに、委員会として重要と考える施策について関係省庁ヒアリングを行ってきております。
本計画につきましては毎年度計画に盛り込まれた施策の実施状況について検証・評価・監視を行い、検証・評価の結果と、それによって必要となる計画の見直しについて閣議決定を行い、公表することで、翌年度の施策に確実に反映させることになっています。
消費者庁におかれましては平成23年度の施策の実施状況について、今後、検証評価のとりまとめを行っていくことになろうかと思いますが、本日は今後の進め方等について御説明をいただき、議論を行いたいと思います。
ただ、ここで個々の論点について長々と議論をする時間はございませんので、本件につきましても別途議論の機会を委員会として持ちたいと考えております。とりあえずは今日は説明を伺って、その説明の基本方針についてだけ質問するという形でやらせていただければと思います。
誠に申し訳ございません。説明は5分程度でお願いいたします。

○消費者庁黒田消費者政策課長 消費者庁消費者政策課長の黒田と申します。よろしくお願いいたします。
それでは、消費者基本計画の検証・評価・監視について簡単に説明させていだたきます。
経緯については先ほど委員長から御説明いただいたので省略いたしますが、今回の検討についてプロセスを本格化させるということで、今日お時間をいただいたということでございまして、お手元の資料6で簡単に説明させていただきたいと思います。
先に一番下にある今後の予定を先に言いますと、22年度から26年度までの5か年計画ということでございますので、23年度が終わったところで消費者庁も含む関係省庁で実施状況について調査をいたしまして、それを基に素案を作成いたします。素案についていわゆるパブリックコメントという形で意見募集いたしまして、原案という形で作成し、総理を会長とする消費者政策会議を経て閣議決定をするというプロセスで今年度も進めていきたいと考えております。その間、消費者委員会におかれましても、いろいろ御議論をいただきたいと考えております。
消費者庁につきましては、全体171のうちの80近くの施策に関係しておりまして、今日お配りした資料については現時点で見直しが必要だと考えられるものを挙げさせていただいております。
大きく言いますと、例えば消費者庁には特に審議会が特に置かれていませんが、様々な研究会等を立ち上げ、そういったところで色々な施策の在り方について検討しております。それをまず反映させる必要があるということ。それと、新しい行政ニーズへ対応するということで考えております。場合によっては中長期的な観点から御議論いただくことについて、あるいは消費者委員会に諮問させていただいて御議論いただくこともあるのかもしれません。今、そういうことも含めて検討をしているところでございます。
具体的に言いますと、お手元の資料6に1からありますが、国民生活センターの国への移行。これはずっと議論しているところでございまして、基本計画については総論の部分で記述がございますが、ここは検討の結果を反映させる必要があると考えております。
PIO-NETという全国消費生活相談を集めてくるシステムがありますが、これの刷新についても今、検討会で議論しておりまして、その検討内容を踏まえる必要があるということです。
消費者契約法については記述がございまして、不当勧誘、不当条項規制の在り方についてどういうことを検討していくかということがございます。
公共料金への関与の在り方については、今まさにこれも研究会を開いておりますので、その検討内容を踏まえる必要があります。
特定商品等の預託等取引契約に関する法律の運用とありますが、これはいわゆる預託法でございまして、安愚楽牧場の件などを踏まえた国会での議論も踏まえて記述を考える必要がございます。現時点ではこれは計画にございませんので、これを新たに加えるかどうか検討しております。
消費者教育についてなんですけれども、今、国会の方で国民投票に関連して各法律の年齢条項の在り方について政府部内で検討しております。その際、特に成人年齢を18歳まで引き下げるという議論に関連して、消費者教育が必要なのではないかということも議論されておりますので、そういったことを踏まえた記述をするかどうかということを検討しております。
地方消費者行政の支援につきましては、これは非常に大きな課題で、消費者庁ができて以来、議論を続けていることでございますが、集中育成・強化期間後の地方消費者行政の在り方等についてどうしていくかということを反映させる必要があるのではないかということでございます。
その地方消費者行政に関連いたしまして、今、消費生活相談員資格の法的位置づけの明確化に関する検討会におきまして検討しておりますので、この検討内容も踏まえたいと思っております。
インターネット取引をめぐる消費者問題につきましては、昨年度の研究会の報告を踏まえて今年度いろいろな取組をしておりまして、その取組状況、例えば消費者庁越境消費者センターの開設とか、民間の方やいろんな相談員の方も集まって今、議論しておりますインターネット消費者取引連絡会の運用状況などを踏まえた施策の内容について、計画の記述に反映させていく必要があると考えております。
参考といたしまして、これは先ほども紹介がありました法案を消費者庁が提出することになっておりますので、去年は法案をつくりますという部分が見直しの大きなポイントではあったのですけれども、法案を実際に提出した後、国会審議の状況などを踏まえまして、ではそれをどうやって今度は扱っていくのかということを書いていくということではないかと考えております。
以上、簡単ではございますが、消費者庁の説明は終わります。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
先ほども申しましたけれども、別途検討機会を持ちますので、今日は余り立ち入った議論は必要ないかと思います。今、御説明いただいた今後の進め方について、何か御質問、御意見のある方がいらっしゃいましたらお願いします。いかがですか。特によろしゅうございますか。山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 委員会の作業にも関わってくることなんですが、4点だけ全体の見直しの中で検討する余地がないかということだけ指摘させていただきたいと思うんです。基本計画の25~28項にかけて食の安全・安心などの問題があるわけですが、JAS法の執行部隊である農水省地方局の食品Gメンの皆さん、1,700人ぐらいの方々がおられると聞いておるんですが、この活動領域を拡大して食品の表示だけではなくて、食の安全も含めたより総合的な視点に立った効果的な表示あるいは安全のための監視制度が実現できるような工夫。これは食品表示の一元化とも絡む問題ですが、そこの検討の余地はないのかなというのが1つです。
2つ目は消費者委員会としては美容医療の問題について建議させていただいたわけですが、美容医療、歯科の国民生活センターが注意喚起しましたインプラントの問題など、不要不急の医療部分で自由診療の問題がかなりあります。もう少し事前説明をきちんとするようなシステムをつくるとか、一般に自由診療ですから高いので、料金についてきちんと消費者の確認をとるとか、1回目の来診ですぐ契約しないようにするとか、そんな自由診療の枠組みを少し考え直すというようなことができないのかというのがあります。
3番目には景品表示法なんですが、そもそも景品が先に立って表示が後に立つという法律の名前自体もおかしいんですが、いわゆる商品の表示の問題について、これは公取委所管のときには競争法だったので必ずしも悪質な事業者に対する抑止の法律ではないんだということで公取委から随分言われたことがあるんです。いろいろなテーマで建議や提言の検討をしていると、例えばエステの部門あるいは美容医療の問題、それから、CO2排出権とかグリーン債権等の投資詐欺の事件。ソーラーパネルのような建築絡みの問題。こういうところに景品表示法は全然出てこないんです。もう少し悪質事業者あるいは消費者被害を事前に抑止するという観点から、景品表示法の役割をもう一回見直して、運用なり制度の在り方を検討するという、余地がないのかなというのがいつも考えるところです。
最後にもう一点。これは委員会にも関わってくる問題なのかもしれませんが、税と年金の共通番号制度の実現の是非が今、議論されているわけですけれども、仮にこれが導入された場合に消費者保護、個人情報保護の関係でどうするのか。これは優れて消費者庁あるいは消費者委員会の検討課題の1つになると思うので、そこについて基本計画の中に盛り込まなくていいのかなというのがあるので、検討していただければと思います。
いずれにしても、消費者委員会としての意見をいずれまとめて言うことになるかと思うんですが、できれば早めに御検討いただければと思います。

○河上委員長 特に何かコメントありますか。

○消費者庁黒田消費者政策課長 今おっしゃった部分については、関係省庁が非常に多岐にわたりますので、しっかり伝えたいと思います。いただいた御意見を踏まえて素案、原案等を作っていきたいと思っております。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
消費者委員会としては本日の議論も踏まえてですけれども、これまで検証・評価の作業もやりましたので、その結果でありますとか、消費者団体との意見交換でいろいろ御要望も承っておりますので、そうした点も踏まえて改めて議論をしていきたいと思います。
今後の消費者政策の基本方針に関わるものですから、非常に重要な課題と受け止めておりまして、また何かと御協力をお願いしたいと思います。
本日はお忙しい中、ありがとうございました。

≪7.閉会≫

○河上委員長 以上で本日の議題はすべて終了いたしました。最後に事務局の方から今後の予定等について説明をお願いいたします。

○原事務局長 次回の委員会につきましては3月27日火曜日の16時からを予定しております。議題につきましては今回に引き続きまして食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項の改定について、消費者基本計画の検証・評価・監視についてを予定しております。追加の議題が出てまいりましたら決まり次第、御連絡をしております。
4月以降、消費者委員会の日程につきましては火曜日の16~19時の間で行うということで定例化をしたいと思います。
来週3月24日の土曜日は第2回地方消費者委員会ということで松山で開催したいと思っておりますので、それも御案内をしたいと思います。
以上です。

○河上委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。
お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)