第69回 消費者委員会 議事録

日時

2011年9月7日(水)18:30~19:23

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

 山岡内閣府特命担当大臣、後藤内閣府副大臣
【委員】
 河上委員長、稲継委員、小幡委員、川戸委員、田島委員、
 夏目委員、細川委員、村井委員、山口委員、吉田委員
【事務局】
 齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.山岡内閣府特命担当大臣ご挨拶
3.後藤内閣府副大臣ご挨拶
4.消費者委員会委員紹介
5.委員長の互選
6.その他(新開発食品調査部会、食品表示部会について)
7.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:7KB)
【資料1】 消費者委員会委員名簿(PDF形式:16KB)
【資料2】 委員長の互選方法について(PDF形式:10KB)
【資料3】 新開発食品調査部会設置・運営規程(PDF形式:96KB)
【資料4】 食品表示部会設置・運営規程(PDF形式:91KB)

≪1.開会≫

○原事務局長 それでは、始めさせていただきたいと思います。
本日は皆様お忙しいところ、夕刻からの時間ということでお集まりをいただき、ありがとうございます。
ただいまから「消費者委員会」の第69回会合を開催いたします。
なお、本日から9月1日に任命された消費者委員会委員による、新たな体制での委員会となります。委員長が決まるまでの間、私、消費者委員会事務局長の原が会議の進行をさせていただきたいと思います。
本日は山岡内閣府特命担当大臣、後藤内閣府副大臣がお越しになられております。
まずは開会に当たり、山岡大臣よりごあいさつをいただきたいと思います。

≪2.山岡内閣府特命担当大臣ご挨拶≫

○山岡大臣 御苦労様でございます。このたび内閣府の消費者問題の特命担当大臣を仰せつかりました山岡賢次でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
私も今日が初めてでございますが、ちょうど9月1日に今お話のとおり、新たに選任されました先生方との第1回目の会議に、こうやって出させていただきました。
消費者問題のそもそも論は皆様には釈迦に説法でございますが、国会の中の情勢を申し上げますと、もともと私は民主党のBSE対策本部長をずっとやっておりまして、そして農水委員長のとき、あるいはその後も2度にわたってアメリカに調査へ行きました。
これは非常に政治的な動きで、当時止めてあったものを入れようと。もっと政治的に言うと、米国との間で強引に進められてきたものであるわけで、そういう意味では別な意味での政治主導であって、消費者の立場を本当にないがしろにする行為だと強く私どもは反発をして、そのことは絶対にまかりならないということで頑張り通して、今日まで来ているわけでございます。
その後中国のギョウザ問題等々、食品に対する問題が起きてまいりまして、消費者を守ろうという機運が高まっていったところで、消費者特別委員会を設置しようという話になりました。私はそのときは民主党の国会対策委員長でございました。そういうものを設置するかしないかということを直接的に協議する立場で、そして設置をすることには異論は出なかったのですが、当時非常にムードが高まっておりました。
ただ、私はそのときに、せっかく設置をして1回限りわっと盛り上がって、あとは忘れてしまうという傾向が多いのが国会の中であるわけでございますが、これは常設の委員会にすべきだということを強固に主張して、そんなことを言っては言い方がまた舌禍を招きますが、押し切っていって常設の委員会にしていったわけでございました。
そして、その委員会においてこの消費者庁や、消費者委員会の設置を決めていかれたわけで、私は今日ここに来るのに当たって、初めて来るのですが、なじみの深いところに来させていただいたような因縁のようなものを感じながら、これに立たせていただきました。野田総理からも、今まではどちらかというと事業者中心の行政が行われてきていましたが、これからは消費者や地域の皆さんに重点を置いたというか、目を向けた行政にしていただきたいという御要請も受けてまいったわけでございまして、もとより民主党は生活者が第一ということで今、政権を担わせていただいているわけでございまして、別の言い方をすれば消費者が第一と変えても間違いではないと思っているわけでございます。
本当に今まで日本が生き残ってくる上において、事業者も大きな貢献をされ、今でもされていることは間違いないわけですが、空腹を満たすことが優先をされ、生産が第一の時代があったことは事実で、そのことが非難できるものではないと思いますが、これからは本当にBSEのときもそうですけれども、子どもたちや孫たちや我々の子孫という生活者を守っていく上においては、生きていくことも重要ですが、健康に安心して生きていくということは、これから更に重要なテーマになってきていると思うわけでございます。
そういう点では先生方に御期待を申し上げるところ、非常に大でございまして、今日はこうやってごあいさつをできましたら、どうか皆様の英知を結集して生活者を国民の皆様、また、我々の子どもたちや孫たちや子孫のために御貢献をくださいますよう、心からお願いを申し上げます。
大変御苦労だと思いますが、よろしくお願いを申し上げます。

○原事務局長 どうもありがとうございました。
続きまして、後藤副大臣よりごあいさつをいただきたいと思います。

≪3.後藤内閣府副大臣ご挨拶≫

○後藤副大臣 皆さん御苦労様でございます。こんばんはと言っていい時間でありますけれども、大変お忙しい中お集まりをいただきまして、ありがとうございます。
今、大臣の方からお話がありましたように、私たちの新しい3度目の民主党政権の中で野田政権がスタートし、山岡大臣の補佐をしながら、先生方のお仕事がスムーズにいくようなバックアップをしていきたいと思っております。
言うまでもなく、消費者委員会というのは新しい仕組みの中で、消費者庁をチェックしたり、国のそれぞれの制度や仕組みを消費者の視点、先生方の専門的な視点の中で監視、チェックをしていくという重要な役割でございます。ややもすればいろんな審議会や委員会もございますけれども、なかなか行政の主導の中で専門性、消費者の視点というものが理念上はあるものの、実体上伴わないんだということもよく聞かれておりました。
今日からまた新たな体制でこの委員会がスタートをし、事務局体制も整備をされるというお話も聞いております。是非その中でより今まで以上に政府に意見具申をし、建議をしながら、よりよい消費者行政が進むような形をつくっていただけることを、心からお願いしたいと思います。
先ほど大臣もお話したように、いろんな歴史的な変遷の中でこの委員会がスタートしております。消費者というのは日本国だけで1億2,500万人いるわけでありまして、ある意味では生産事業と消費者というのは当然のことながら対立するものではなく、特に今、成熟した日本の経済、社会になっております。消費者に信頼される食品、製品であることが、ある意味では非常に激烈な競争を勝ち抜く1つの大きな要素にもなっておりますし、それがひいては今、原発事故の収束に向かいつつありますけれども、この半年間で日本製品の食も普通の工業製品も、ある意味では海外から一時期Noと言われた時期もありましたが、緩やかにそれが回復をし、国際競争の中で生き残っていくためにも、日本の消費者の皆さん方は冷静で、なおかつ非常に肥えた目、舌を持っていると思います。是非そんないろんな多角的な視点の中から日本の消費者行政が前進するように、先生方の御尽力と御努力を期待しながら、事務局、事務局長始め、事務局体制も今まで以上に充実をした形になると思っていますので、山岡大臣ともどもお支えをすることを重ねてお誓いをし、今日から新たな体制の中で、よりよい消費者委員会に成長していただけることを重ねてお願いをして、ごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。

○原事務局長 どうもありがとうございました。
大臣、副大臣ともに今後ともどうぞよろしくお願いしたいと思います。
山岡大臣、後藤副大臣におかれましては、所用によりここで御退室になられます。どうもありがとうございました。

(山岡大臣、後藤副大臣退室)

≪4.消費者委員会委員紹介≫

○原事務局長 それでは、引き続きまして消費者委員会の委員の紹介に移りたいと思います。
この機会に消費者委員会委員としての抱負も含め、一言ずつごあいさつをいただければと思います。
五十音順ということで、稲継委員から順にお願いをしたいと思います。

○稲継委員 早稲田大学の稲継と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
専門は行政学、地方自治論でございまして、官僚制組織ですとか地方公務員制度とか、そういったものを割とメインにしつつ、行政学、地方自治論、幅広く研究対象とさせていただいております。
消費者委員会との関わりは、昨年4月から地方消費者行政専門調査会に専門委員として加わらせていただいて、そこで1年間いろいろ議論をさせていただいたことでございます。当初は片山座長がおられたんですけれども、昨年9月から大臣になられたということで、私が引き継いで座長として今年4月までさせていただきまして、専門調査会の報告をまとめさせていただきました。
その間、いろいろ感じましたのは、さまざまなアクターといいますか、さまざまな利害関係を持った人がこの消費者行政に関わっているということ。必ずしもベクトルは同じではないということを非常に感じました。私のもとにもいろいろお手紙をちょうだいしたり、メールをちょうだいしたりしたこともたくさんございましたけれども、それも一つひとつ納得のいくものでありました。ですが、その一つひとつのメールは全部が同じ方向を向いているわけではありませんので、それをどうやって調整していくのかということは非常に難しいところだと感じた次第でございます。
これから消費者委員会委員として2年間の任期を全うしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○小幡委員 私は上智大学法科大学院で院長をしております小幡と申します。よろしくお願いいたします。
私の専門は法律の中で行政法というものでございまして、消費者委員会というのは行政法の見地からは、行政というのはもともと縦割りの行政組織になっているのに、消費者という視点から横断的に物を見る、まさに監視するという大変重要な役割を担っておりまして、行政法的にも非常に興味深い委員会であると思っております。
今回10人の民間委員の中の1名に加えさせていただきましたのは大変光栄なことと思います。これから、動かさせていただきますけれども、今、思っていることは、消費者委員会というのは、私も消費者の1人でございますが、まず情報ができるだけ我々のところに来やすいような環境を整えておくこと。その情報を的確にとらえ、いかに迅速に、的確に動くことができるかということでございまして、大変難しい課題はあるのかもしれませんが、我々の使命だと思っておりますので、2年間この職責を全うできたらと思っております。どうかよろしくお願いいたします。

○河上委員 東京大学の河上と申します。
専門は法律の中の民法という領域でございまして、民法の主体は「人」という形で非常に抽象的な形でしか規定されておりませんけれども、実際問題としてみると人は、自然人を中心としてでき上がっていて、それは大体消費者と一致する。ですから民法は消費者法ではないかとさえ個人的には思っておりまして、実を言うと「消費者だから」という議論を私は余り好きではないのです。むしろ生活者すべてが消費者法の対象になってくる。これまでの自分の研究の中で、契約法がどちらかと言うと主体なんですけれども、一方の当事者がいわゆる「消費者」となる場合は非常に多いし、むしろ民法の議論として消費者法の諸問題を考えてきたということでございます。
2000年ごろ、国民生活審議会の専門委員をさせていただいて、消費者契約法をつくるときに随分勉強させていただいた記憶があります。成年後見法なんかも当時一緒にでき上がったんですけれども、ちょうど高齢社会に入って高齢消費者をどう処遇したらいいんだろうということが盛んに問題になっていた頃でして、国生審でいろいろ議論させてもらいました。それ以来、消費者問題とはなかなか縁を切れなくて、ずっとやってきたということでございます。
今度こういう形で消費者委員会に参画させていただけることになりましたので、これまでの経験とか知識を少しでも生かして、微力を尽くして、活動のお役に立てればと思っています。よろしくお願いいたします。

○川戸委員 ジャーナリストの川戸惠子でございます。
長い間、政治関係の取材をしておりまして、現在も国会を飛び回っております。そんなわけで消費者問題そのものには縁が遠かったんですけれども、ギョーザ事件のときに福田元首相に言われまして、新しい省庁横断、横串、すき間事案をなくすようにということで、消費者推進会議の委員になりまして、そこで消費者庁全体、また、消費者委員会をつくるところに参画したわけです。そのまま消費者委員会の委員になりまして、2年間やってまいりました。
そういう意味で私の役目は消費者問題そのものを解決するというより、皆さん方消費者の方の思いだとか、こういうことをやってほしいということを行政にどう実現するか、その手助けをできたらなと常々思ってやっております。1年目は様子見、2年目はやっと建議が幾つもできました。でもやはり人員が足りないんです。先ほど大臣が見えられましたけれども、大臣が変わられて、今回は「俺に任せろ、僕がつくったんだ」とおっしゃっているので期待をしたいと思いますが、今後はそういう意味では単なる審議会ではなくて、行政を監査する機能というのがこの委員会の第一義だと思うので、そこら辺をもっと強固に発信していきたいというのが1つ。
もう一つは1期の消費者委員会の最後に問題になりました、消費者庁と消費者委員会と国民生活センターの関係。ここをどういうふうに自分たちの役割を考えるか。どういうふうに連携していくか。ここら辺を2期の課題として是非やっていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○田島委員 実践女子大学生活科学部の田島でございます。第1期に引き続きましての再任でございます。
第1期のときは、食品表示部会と新開発食品部会という2つの部会を担当させていただきました。また、その下につくられました幾つかの調査会も担当させていただきました。2年間にわたりましていろいろ審議を進めたんですが、その多くの結論が平成24年度に予定されております食品表示の一元化ということに、言わば先送りされてしまったわけでございます。私の任期中に平成24年がまいりますので、何とか食品表示の一元化をスムーズに、消費者にとってよりよいものにしようと頑張っていきたいと思っております。
そのほかにも第1期の積み残しでございます健康食品の表示の在り方の問題とか、こんにゃく入りゼリーの問題といったものにつきましては、第2期のうちには何とか決着をつけたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○夏目委員 全国地域婦人団体連絡協議会の夏目智子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
私の専門はと申し上げたいところでございますけれども、大学の先生ではございませんので、とりたてて専門分野というものはございません。ただ、私どもの団体は全国に組織を持ち、日々住みよい暮らし、安全安心な暮らしを充実させるために活動している連絡協議会でございます。私自身も長いこと地元静岡県におきまして子育て支援、子どもたちを次世代の担い手として大切に育てるという、そういったNPO法人として活動しておりまして、現在もそういう側面を持っております。
この消費者庁の関係、消費者委員会の関係は、前身の国民生活審議会に関わらせていただき、そのときには個人情報の分野に携わらせていただきました。そんな関係でお声がかかったのかと思います。
消費者団体といいましても、すべてが同じ方向を向いているわけではなく、ときにはさまざまな意見が飛び交うのが実際でございます。ですけれども、暮らし、国民の生活をよりよいものにしていくためには何が大事かという基本を忘れなければ、お互いに合意形成は可能になってくるのではないかと思って、この委員をお引き受けしたところでございます。勿論微力でございますので、この委員会の外にいらっしゃいますたくさんの消費者、消費者団体の皆様と手を取り合いながら、本当に生活者、消費者の生の声を消費者行政に届けることができれば、私の責務は少しは果たせるのではないかと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○細川委員 日本女子大学の細川と申します。消費者政策、消費者教育の研究をしております。
私の研究分野はいわゆる社会科学なんですけれども、こんなことが言われる場合があります。「社会科学の19世紀の最大の発見は労働者である。20世紀の最大の発見は消費者である」。まさに労働者というのが19世紀に登場して、そこでの人権とか、そういったものを守るために労働法あるいは労働政策という領域が確立して、省庁も労働省、今は厚生労働省ですけれども、組織がある。
ところが、20世紀に登場した消費者については、なかなかそれが確立したものにならなくて、21世紀を約10年過ぎた2009年、2年前にようやく消費者庁というものができ、消費者委員会というものができ、学問的な話では消費者法学会というものができたわけですけれども、いまだにそれが確立して市民権を得て広く国民に知られているかというと、なかなかそうではないという状況があるのではないかと思います。
先ほど河上委員が、余り消費者という概念は・・・というお話がありましたけれども、確かに消費者という概念は非常に難しくて多義的であります。しかも労働問題というのは集団として権利を主張しやすい中で、消費者というのは非常に拡散しているし、消費者の利益とか権利といってもいろんなものがあるし、いろんな考え方がある。まさにそういう意味では生活する人々の権利とか問題ということになるのではないかと思います。
よく「身分から契約へ」という言い方をしますけれども、現代社会というのは身分社会から解放されて、契約によって人間関係を築くんだと言われています。その原理が契約の自由という言い方をしていますが、でも実際、私たちに契約の自由と言われても、ほとんどないのが実態であります。言い方を変えると、不当であると思っても契約しなければならない生きている人たち、そのための法律というもの、あるいは社会制度はどうあるべきかと考えたときに、まだまだ日本の社会は遅れているなと思います。
そういったところで消費者委員会という役割があると思いますので、ほかの委員の先生方と協力しながら、微力ですけれども、頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○村井委員 株式会社ニチレイの村井と申します。今回、新任でございます。
今回お集まりの委員の中では、唯一事業者代表の立場にあるかと思いますが、私自身もある側面では消費者でございますし、決して事業者代表の側面だけで参加しているつもりはございません。一般に、消費者と事業者を対立軸で見る傾向がありがちですが、こういう見方は、少しおかしいと思っております。冒頭に、山岡大臣から、ギョーザ問題やBSEの事例をあげられ、今までの行政は事業者中心であったがとのご発言がございましたが、ギョーザ問題やBSE発生のおりは、私ども事業者もこのことで当社製品全般のイメージの悪化など、相当な被害を被った経緯もございます。また、ただ今は、福島原発事故により、広範な広がりを見ているセシウム汚染の問題で、私どもの製品の安全をどう担保していくかということに日々悩んでおるところでございます。
現代の日本社会においては、自社の製品の安全を担保できないような企業が淘汰されるのは明らかでございます。
たまたま私自身は食品企業のトップでございますが、今申しあげた視点から申し上げますと、決して事業者と消費者が対立関係にあるわけでなく、目指す方向は同じかと思います。
ただし、今、日本の食事情というのは大変複雑でございまして、食料の自給もなかなかままならず、輸入に頼らざるを得ない部分も大変大きいものがあります。加えて、食料資源は世界的な人口増加や新興諸国の食生活の向上などもあり、世界的に高騰を始めているという状況にございます。
現役の企業のトップとして、今抱えておりますいろいろな課題もお示ししながら、微力ではございますけれども、この委員会あるいは消費者行政と言うのかどうかわかりませんが、国民生活のよりよい向上に貢献できればと思っております。よろしくお願いいたします。

○山口委員 弁護士の山口です。よろしくお願いします。
私自身はほかの第1次の委員の75日後の11月16日に発令されまして、これでお役御免だと思っていたらもう少しやれというものですから、非常に責任を感じております。
日弁連としては消費者庁をつくれということでずっと運動してきて、それが実現したわけですが、それと併せてこの消費者委員会ができました。つくった以上、できた以上はあってよかったねと、国民あるいは消費者から言われるような委員会になってほしいし、しなければいかぬということでこれまでやってまいりました。
私自身は霊感商法、投資商法、高齢者などの被害の被害救済の前線に立って、切った張ったをずっと30年間やってまいりましたので、被害者の救済あるいは被害が出ないようにするためにどうしたらいいのかという、生活の原点に立って物を考え、その救済あるいは抑止に少しでも役に立てるように、この委員会から積極的な提言ができればいいなと思っております。
第1次はいろいろありましたけれども、未公開株の問題、投資用マンションの問題、決済代行などのインターネット被害の問題、自動車リコールの問題、住宅リフォームの問題など、幾つかの具体的な消費者問題の現場のテーマに意見を言うことができて、有料老人ホームの問題もそうですが、それが一定の法律あるいは法令の改正の実現になったこともございました。その意味では小さいですけれども、一定の成果はおさめることができたと思います。この第2次での課題も山ほどございますので、その実現のために少しでも役に立てればと思っております。
3点だけ、第1次の経験から申しまして考えなければいけないテーマがあると思っております。1つは消費者庁との役割分担の問題です。消費者庁は消費者問題の行政の司令塔であり、委員会は監視というふうになっているわけですが、実際問題そう簡単に切り分けができませんで、地方消費者行政の問題などは協力してやっていかなければいけない問題です。
勿論これまでやってきた、これからまた課題になります集団的消費者被害の救済、抑止の問題も協力してやっていかなければいけない問題だと思います。他方で消費者契約法とか特定商取引法の行政執行や法令が不十分な点などは監視として消費者委員会が消費者庁に物を申すことも必要な部分かと思います。
その意味ではどこをどう協力してやっていくのか、そしてまた、どこをどう委員会として消費者庁に物を申していくのか。ただ物を申すだけではなくて、言っているだけでは無責任ですので、どう実現していくのかということも含めて、メリハリのある委員会運営をしていかないと、何となくずるずるとすぎるのではしようがないと思います。そこをどう切り分けるか。第1次の成果と経験、反省を踏まえて考えなければいかぬだろうと思います。
その関連で第2点として、専門調査会が幾つかできましたが、今、箱は残っているけれども、全部人がいなくなった状態になっています。そこで第2次としてどういう専門調査会をつくって、専門委員を人選していただいて、そこで審議をしていただいて形をつくっていくのかという、これは早速これから1~2か月のうちの最大の宿題になると思いますが、どういう専門調査会をつくって、何をやっていくのかということを早急に議論して、ここを間違えますと2年間どうにもならなくなりますので、そこのところは間違いのないようにどうテーマ設定をしていくのかというのは、早急に考えなければいけないところだと思います。
3番目には、この2年間を反省しますと、とことん時間不足だったと私は思っているんです。ほとんど火曜日の午前中2時間と、金曜日の夕方2時間だけでした。10人が集まって話せるのはそれだけでした。それ以外の時間にも集まって議論しましょうということを何回もお願いしましたし、集まれる委員だけでもいいからやろうということも申し上げましたが、結局実現できないで、そのために私は生煮えの不十分な意見になった部分も否定できない部分があると思います。
その意味で、第2次では常勤的というのは抜きにして、出られる委員は出て、そして日程を調整して、ほかの委員の方々の意見も聞きながらどんどん発信していくという作風をつくっていかないと、何をやっているの委員会はと内外から批判を受けるような委員会になると思いますので、大変だと思いますが、私自身も頑張りますので、よろしくお願いいたします。

○吉田委員 吉田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
私は去年、退職してしまいましたけれども、それまで盛岡市の職員として地方消費者行政に8年間携わってまいりました。恐らくそのようなことからこのたび委員に任命されたものと思っております。実際、地方で消費者行政をやっておりますと、感じるところがあります。
地方に限らず消費者行政というのは、社会にある悪というものをどんどん小さくしていき、同時に国民から信頼を得ていく仕事かと感じております。つまり、やればやるだけどんどん成果が出ますし、やればやるだけ国民、市民から信頼を得ていくという、非常にやりがいのある仕事であると思っております。
そういうことから、是非執行機関には頑張っていただきたいと思いますし、委員としては執行機関がきちんとやっているのかということを見ていくこともそうですし、やっていないのであればちゃんと物を言わなければいけないと思っております。
私は特に専門の知識があるというわけではなく、発言は経験則からすることしかできませんけれども、悪を小さくしていく、あるいは物事を変えていくアイデアやヒントというのは現場にたくさんあると思っておりますので、現場主義ということと、消費者目線を大事にしながら、職務を進めていきたいと思っております。
3年くらい前の話になりますでしょうか。消費者行政推進基本計画ができたときに、私は本当に胸の高鳴りを覚えました。この2年間であの高鳴りをまた体験できるよう願っておりますし、もとより微力ですので、委員の皆様始め、関係団体の皆様からいろんなお知恵を拝借して、委員としての役割を果たしていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○原事務局長 どうもありがとうございました。

≪5.委員長の互選≫

○原事務局長 次に、委員長の互選を行いたいと思います。互選の方法につきましては第1次の消費者委員会の委員長を互選する際と同様、具体的には資料2に準備してございますけれども、資料2に記載されています方法で進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○原事務局長 それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
資料2のマル1に書いてございますが、自薦及び他薦により候補者を選出するということで、まず自薦及び他薦ということで御発言のある方、お願いしたいと思います。

○山口委員 私は河上先生に委員長をやっていただければと思います。
率直に言いまして、公平性あるいは対外的な説得力という観点から言うと、社会的に一定の評価をされている学者の先生がいいのではないかと思いますし、河上先生につきましては東北大学で消費者問題を扱っている相談員の方々、弁護士の方々あるいは普通の市民の方々を集めた定期的な勉強会をやっておられて、その中で本当に熱いハートを感じた方々の話も私は直接何人かからも聞いておりまして、その熱いハートで幅広く柔軟に受け止めていただいて、委員会をこれから運営していただければありがたいなと思っております。
私はそういう形で河上先生を推薦させていただきます。

○原事務局長 川戸委員、どうぞ。

○川戸委員 私も河上先生に賛成です。
2つ理由がありまして、先ほど山口委員がおっしゃったように常勤で、とにかく消費者からの情報をいつでも受け止めてくだされるようにというのが、私たちの前からの願いでした。そういう意味では今回、事務局がこのお三方を常勤的非常勤ということで選んでいただいておりますので、それにもかなうと思います。
もう一つはいろんな方に伺ったりお話を伺っていると、突破力、発信力とか、東大の先生にしては珍しくあるのではないかという気がしまして、現場に足のついた方でいらっしゃいますので、是非この際、消費者委員会ここにありということ、改めて2期目はこれをモットーにして是非やっていただければと思います。よろしくお願いします。

○原事務局長 細川委員からも手が挙がっておりました。

○細川委員 この委員会の委員長のポストは非常に重要ではないかと思います。そして、そのときに委員長を務める方の条件と言ったら変ですけれども、2つありまして、1つは監視役あるいは建議という役割に関してです。
消費者問題の解決というのはいろんな方法がありますけれども、その中心は法的な制度の確立ということになりますので、ただ問題であるということを発信してもしようがないわけで、そこで法的にどのような解決があるべきかというところの発信能力というのは必要でありますから、やはりバックグラウンドは法律学の知識がある方でないと、勿論取引プラス食品とか安全というものもありますけれども、それも解決は法的な解決なわけですから、法的なバックグラウンドがある方がいいのではないかということです。
第二は、ただ、法律学者は解釈学だけやっている方とか、全然市民との接点がない方が多い中で、それだけではなくて消費者あるいは市民とともに考えるという広さも持っていなければ務まらないと思うんです。そういう意味で言うと私は河上先生が適任ではないかと思います。
先ほど山口委員からもお話がありましたけれども、河上先生が東北大学におられたときに消費者法問題研究会を立ち上げられていて、仙台でやられていて、私も2~3回お邪魔したんですが、本当に素晴らしいなと思いました。大学院生、行政の職員、普通の消費者というか主婦も加わった形でいろんな問題を議論する。これは市民にとっても市民の法とは何かというのを考える機会にもなるし、大学院生が市民と接しながら学ぶというところが非常に重要で、大体、法律学の大学院というと専門家というか狭い世界で議論していくわけですけれども、そういう中で研究会をやられたというのは、やはり先生の人徳もあるから、そこに皆さん集まっていたのではないかと思います。そういう意味で河上先生がふさわしいと思います。
前の委員長である松本先生が、ロースクールの学生へのアドバイスというものを書かれているんですけれども、そこで松本先生がよく書かれていたのは「法律学を学ぶ者は熱い心とクールな頭脳が必要だ」と。クールな頭脳を持っている人は結構多いんですけれども、それだけ。あるいは熱い心を持っている人もいっぱいいるんですけれども、どうもそれだけ。両方持っている方というのはなかなかおられなくて、まさに熱い心とクールな頭脳というのは、この消費者委員会には必要だと思いますので、私も河上先生を推薦いたします。

○原事務局長 ありがとうございます。
3人の委員の方から御推薦をいただいておりますけれども、ほかに推薦する方はいらっしゃいますでしょうか。よろしゅうございますか。
そうしましたら、河上委員から委員長就任に向けて、もう一言御抱負を述べていただけますでしょうか。

○河上委員 こういうときに、どういうふうなことを言えばいいのかよくわからないんですけれども、大変過大な評価をいただいて、そういうふうに言われるような人間ではありません。せっかくですので、もしも御信任いただけるならということで、少しだけお話させていただきます。
この消費者委員会というのは一般に監視機能と審議会の機能と、もう一つは一般の消費者の方々からのいろんな御意見を、国に伝えていくパイプ機能のようなものを期待されている委員会ではないかと認識しております。ただ、日本でもそうですし、諸外国でもこんなに多彩な機能をもった委員会というのはございません。こういう委員会は初めての形態だろうと思うんです。その意味ではモデルになるようなものがなくて、恐らく第1次消費者委員会の方々は大変苦労されたのではないかと思います。人はいない、お金はない、かけられた期待はあまりにも大きいという委員会で、第1次委員会がどれほど苦労されたかということは、松本先生からも伺っておりました。
これまでの委員会の経験を踏まえて、やっと第2次委員会として立ちあがったということなので、第1次委員会のもたらしてくださった成果も十分に生かしながら、基本的にはそれを更に推し進めることをやらないといけないだろうと思っております。
個人的には「情報」の扱いが鍵ではないかという気がしておりまして、今後の活動においては、スピーディーに情報を共有して、的確に検討し、それをいち早く伝達したり、一般の国民の中に知らせていくという情報の扱い方が非常に大きな意味を持つのではないか。どういうシステムであってもそんなに変わらないので、中でやっていく人間がそこをきちんと考えながらてきぱきと作業をしていくことが大事で、その意味では我々自身も頑張らないといけないんですが、事務局の方々にも頑張っていただいて、これまで以上に活発な活動ができるようにと期待しているというか、やらないといけないなと思っております。
課題山積していて、これまでの委員会の活動報告書なども読ませていただきましたけれども、途中までやっているもの、これからまだやらなければいけないものなど、既に十指に余る課題が既に具体的にございますし、今度のような大震災のような災害が起きますと、災害に伴う消費者問題も出てくるわけで、これもいち早く考えていかないといけないと考えております。
それとともに、次の世代のこと、我々だけではなくて次の世代に対する消費者教育というのも考えていかなければいけなくて、従来は、今あるものに対する対応ということで手いっぱいだったんですけれども、新たに消費者になっていくであろう子どもたちに対しても的確な消費者としての判断ができるような、そういう情報の発信の仕方なども考えていかないといけないと思います。
前回の消費者委員会では、国センの扱い方についていろいろ御苦労されたということを伺っておりまして、私も一定の考え方を持ってはおりますが、いずれにしても消費者利益の擁護と増進という目標は1つなので、消費者庁と国センと消費者委員会というのがいい意味で緊張関係を持った三極をつくって、スクラムを組んでいくことができればと考えております。
もし委員長ということで御信任をいただくとすれば、微力ではございますけれども、精一杯頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。

○原事務局長 ありがとうございました。
それでは、河上委員が委員長となられることについて、御信任いただけたということでよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○原事務局長 では、どうぞよろしくお願いをいたします。
それでは、河上委員長には席を委員長席にお移りをいただいて、これから後の議事進行をお願いしたいと思います。

(河上委員、委員長席に移動)

○河上委員長 それでは、司会をさせていただきます。

≪6.その他(新開発食品調査部会、食品表示部会について)≫

○河上委員長 続きまして、議事次第の「その他」という議題を取り上げます。新開発食品調査部会、食品表示部会について、事務局から確認事項があるということでございますので、事務局より説明をお願いいたします。

○原事務局長 新開発食品調査部会と食品表示部会につきましては、それぞれ設置運営規程を資料3資料4のとおりに定めております。いずれの部会も所掌している審議事項は法令により与えられた任務であり、消費者庁における行政の遂行に当たって、消費者委員会における手続が必要とされております。
よって、両部会の活動を遅れることなく開始する必要がありますが、一方で8月末において両部会に所属する臨時委員等の任期が、第1次の消費者委員会と同様、任期が切れているところです。つきましては、まずそれぞれの部会を資料3、資料4の設置運営規程に沿って運営するということでよろしいかどうか、確認したいと思います。よろしければその上で臨時委員を再度任命する手続を進めたいと思います。

○河上委員長 ありがとうございました。
新開発食品調査部会、食品表示部会はいずれも消費者委員会が所掌している法令に関する非常に重要な部会でございまして、このまま続けないといけないということがございますし、臨時委員を早速選定していく手続に入らないといけないということでございますけれども、ただいま事務局の方で説明のとおり、進めるということでようございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○河上委員長 それでは、特に御異議がないということですので、新開発食品調査部会、食品表示部会について、今次の委員会において早期に審議が始められるように、手続を進めたいと思います。

○原事務局長 はい。進めさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

≪7.閉会≫

○河上委員長 そのほかに事務局の方で何かございますか。

○原事務局長 少し早い時間で終了しておりますけれども、本日の議題は以上ということで、次回の日程及び議題につきましては、決まり次第、御連絡を差し上げたいと思います。

○河上委員長 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)