第44回 消費者委員会 議事録

日時

2011年1月14日(金)15:00~16:48

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 松本委員長、中村委員長代理、佐野委員、下谷内委員、
 田島委員、日和佐委員、山口委員

【説明者】
 消費者庁 坂田消費者安全課長
 一般社団法人浄水器協会 小林技術委員会委員長・JIS改正原案作成委員会委員長
 国土交通省 三上自動車交通局技術安全部審査課リコール対策室長

【事務局】
 齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.家庭用品品質表示法(雑貨工業品品質表示規定)における浄水器に係る表示事項の見直し(告示改正)について
   ○説明者:消費者庁 坂田消費者安全課長
                   一般社団法人浄水器協会 小林技術委員会委員長・JIS 改正原案作成委員会委員長
3.自動車リコール制度について
   ○説明者:国土交通省 三上自動車交通局技術安全部審査課リコール対策室長
                  消費者庁 坂田消費者安全課長
4.原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会の運営方針について
5.特定保健用食品の表示許可制度専門調査会設置・運営規程(案)について
6.閉 会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:82KB) 
【資料1】家庭用品品質表示法(雑貨工業品品質表示規定)における浄水器に係る表示事項の見直し(告示改正)について(消費者庁提出資料) 【資料2】「自動車リコール制度に関する建議」のフォローアップ関連資料 【資料3】原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会関連資料 【資料4】消費者委員会 特定保健用食品の表示許可制度専門調査会 設置・運営規程(案) (PDF形式:94KB)
【参考資料1】 家庭用品品質表示法に基づく諮問書(PDF形式:115KB) 
【参考資料2】 委員間打合せ概要(PDF形式:61KB)
 
【追加資料】 「自動車リコール制度に関する建議」の今後のフォローアップ項目(案)(PDF形式:142KB)
 

≪1.開会≫

○原事務局長 それでは、時間になりましたので、少し遅れておられる委員もいらっしゃいますけれども、始めさせていただきたいと思います。
皆様、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会(第44回)」の会合を開催いたします。
なお、本日の委員会より試験的に、審議に入った後もテレビカメラを入れた形で開催したいと思っておりますので、事務局から御報告をさせていただきます。
それでは、委員長、よろしくお願いいたします。

○松本委員長 それでは、議題に入りたいと思います。

≪2.家庭用品品質表示法(雑貨工業品品質表示規定)における浄水器に係る表示事項の見直し(告示改正)について≫

○松本委員長 本日は、当初予定をしておりました「家庭用品品質表示法(雑貨工業品品質表示規定)における浄水器に係る表示事項の見直し(告示改正)について」、「自動車リコール制度について」に加えまして、「原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会の運営方針について」、「特定保健用食品の表示許可制度専門調査会設置・運営規程(案)について」を議題として取り上げたいと思います。
初めに、「家庭用品品質表示法(雑貨工業品品質表示規定)における浄水器に係る表示事項の見直し(告示改正)について」です。家庭用品品質表示法における表示の標準の変更等をしようとするときは、その第11条に基づき、消費者委員会に諮問しなければならないことになっております。
今般、日本工業規格(JIS)において、「逆浸透膜浄水器」に関する性能試験等を追加する改正が行われ、それに伴い家庭用品品質表示法に基づく表示事項も見直す必要があることから、1月7日に消費者庁から、参考資料1にありますような諮問がございました。本日は、この諮問に基づき消費者委員会において審議するものであります。つきましては、委員会で消費者庁及び専門家からのヒアリングを行い、審議を行った上で委員会としての判断を示すこととしたいと思います。
なお、本日は本件の審議のために、参考人として、一般社団法人浄水器協会技術委員会委員長及びJIS改正原案作成委員会委員長の小林幸男さんにお越しいただいております。
それでは、まず、消費者庁消費者安全課より御説明をお願いいたします。

○消費者庁坂田消費者安全課長 消費者庁の坂田でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
資料1-1をごらんいただきたいと思います。今、松本委員長から御紹介ありましたとおり、家庭用品品質表示法に基づいて今回、表示の基準の見直しの諮問をさせていただいているということでございます。簡単に改正の概要を御説明しますと、3ポツをごらんいただきたいと思いますけれども、「「『浸透膜浄水器』に係る改正」ということでございます。
逆浸透膜浄水器とはどういうものかというのは、3ページをごらんいただきたいと思います。3ページ目に浄水器の仕組みの概要を示させていただいておりますけれども、連続式浄水器、回分式浄水器ということで大きく2つに分かれます。回分式浄水器を更にポット・ピッチャー型浄水器B-1と逆浸透膜浄水器B-2の2つに分けておりますが、逆浸透膜浄水器というのは、ここにも図を示させていただいておりますけれども、水道水が左側から入って、フィルター等を通って更に加圧ポンプで加圧された後、逆浸透膜モジュールに入りまして、浄水された水が浄水タンクに入っていく。それがポストフィルターを通過して浄水となっていくということでございます。クロスフローろ過方式の原理というのが右側に載っていますけれども、原水の流れがすべて浄水にされるわけではなく、捨て水が排水されるところがポイントでございます。
そういった仕組みを御理解いただいた上で、1ページにお戻りいただきまして、まず、3の(1)のマル1ですけれども、今回の場合、すべて浄水になるわけではないということで、回収率の表示事項を追加したということでございます。それが一つです。マル2として、JISに定められた測定方法によって回収率の測定を行うということ。マル3として、「排出される捨て水がある」旨等の注意事項を使用上の注意として表示するということでございます。
(2)「『使用可能な最小動水圧』の表示に係る改正」でございますが、使用可能な最小動水圧の表示については、従前は回分式のものを除くというふうにされていたわけでございます。これによりますと、先ほどのB-1とB-2のものが当たるわけですけれども、回分式の中には、使用可能な最小動水圧を表示すべきものが存在するということで、「供給された水を貯留して使用するものを除く」、いわゆるB-1のポット・ピッチャー型を除くというふうに改めております。その測定方法は、新たにJISに定められた測定方法による。3点目として、表示値(測定値)の誤差の範囲について表記の見直しを行う。その他の改正を行うということで、改正についての御説明は以上でございます。
今後の予定でございますけれども、4ポツになりますが、今回、諮問させていただきまして、経済産業大臣への協議というのがございます。TBT(WTOの「貿易の技術的障害に関する協定」)に基づいて、規制の規格案をWTOの事務局を通じてほかの加盟国に通報するという手続がございます。それが1月から2月にかけてということでございます。更に、パブリックコメントをかけまして、3月末から4月初めにかけまして、改正告示公布、10月に改正告示の施行を予定しております。
私からは以上でございます。

○松本委員長 ありがとうございました。
続きまして、小林委員長より、今回の表示基準見直しについての御意見をお願いいたします。

○一般社団法人浄水器協会小林技術委員会委員長・JIS改正原案作成委員会委員長 浄水器協会の小林でございます。
今回の改正で、これまで逆浸透膜浄水器、これは略称でRO(Reverse Osmosis)と申しますけれども、RO膜を使いました浄水器が海外からも結構入ってくるようになりまして、海外から入ってくるものでJIS試験が十分にできないという意見が出てまいりました。そこで、浄水器協会から経済産業省にJISの改正ということでお願いを申し上げて、JISの改正をさせていただいた。それに伴いまして、先ほど課長から御説明がありましたように、逆浸透膜よる浄水器の部分の改正のところ、それから、「使用可能な最小動水圧」というのが、従前のJISでは試験方法がないままこれを表示することになっておりましたので、新たに試験方法を追加したということでございます。
以上でございます。

○松本委員長 ありがとうございました。
それでは、ただいまのお二人の御説明、御意見につきまして、御質問、御意見のある方は御発言をお願いいたします。
どうぞ、山口委員。

○山口委員 この4ページがわかりやすいのですが、回収率が5割、使用上の注意の赤印のところでは、「浄水として得られた水の残りが排水されます」ということになっているようです。そうしますと、この浄水器の場合は、通常の水道水の半分は排水口から捨てられるというシステムになるわけですか。

○一般社団法人浄水器協会小林技術委員会委員長・JIS改正原案作成委員会委員長 さようでございます。逆浸透膜というのは、工業的には海水の淡水化等、お水が少ない地域などで海水を真水にするようなものに使われている膜でございます。海水から真水をとったときの濃縮塩類を廃棄するというのが、もともとの逆浸透膜のシステムでございます。そういうことで、浄水器の中でも濃縮された部分については廃棄される。この回収率も、高いものですと5割、6割というものもありますし、低いものですと、もっと低くなっているものもございます。

○山口委員 従前の連続式浄水器や回分式浄水器は、回収率は通常100%に近いものなのでしょうか。

○一般社団法人浄水器協会小林技術委員会委員長・JIS改正原案作成委員会委員長 そのとおりでございます。デッドエンドというか、全量ろ過のシステムですので、全量がろ過されます。

○山口委員 わかりました。そういう意味では、この回収率というのは非常に重要な要素なので表示する、こういうことですね。

○一般社団法人浄水器協会小林技術委員会委員長・JIS改正原案作成委員会委員長 そうです。お客様がお使いいただける量というのは、もともと流れている水道の量の半分しかお使いいただけませんというところも、消費者の皆さんにおわかりいただけるように明確にすることが大事であるというふうに理解しております。

○松本委員長 そうしますと、原料になる水の消費は従来型よりは倍になる。その分、コストは上がるけれども、浄水の純度といいましょうか、それは従来よりはよくなるからつり合う、そういう感じですか。それとも従来型と余り変わらないのですか。

○一般社団法人浄水器協会小林技術委員会委員長・JIS改正原案作成委員会委員長 逆浸透膜といいますのは、先ほども申し上げましたように、海水の淡水化などに使われますので、例えばナトリウム分ですとか、カルシウムですとか、そういうミネラル的な部分についても除去します。ですから、軟水ができますので、お使いになるときに、軟水の方がおいしくお料理をしていただけるようなものですとか、そういうところに特徴的にお使いいただけるかなとは思います。

○松本委員長 どうぞ、日和佐委員。

○日和佐委員 表示の方法ですけれども、回収率50%という表示だと、ちょっと一般の方にはわかりにくいのではないかと思います。要するに50%となった場合には、使った水道水の半分が水になるということなのだということがわかるような、丁寧な表示を工夫していただきたいと思います。

○松本委員長 佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 私も今の意見と全く同じで、回収率と言われたときにイメージするものが、今の御説明とちょっと合わない。それから、今、節水の時代に、例えば50%だと半分捨ててしまうというイメージ、洗濯とか掃除に使うには、どこかにためておいて使うのか、そういうこともちょっと見えないので、もう少しにわかりやすい説明の仕方があったほうが、消費者には理解しやすいかなというふうに思います。もし、変更を御検討できるのだったら、よろしくお願いします。

○一般社団法人浄水器協会小林技術委員会委員長・JIS改正原案作成委員会委員長 使用上の注意のところでもう少し詳しく書くような形でよろしければ、そういう形で対応させていただければと思いますが、いかがでございましょうか。

○日和佐委員 回収率という言葉がわかりにくいのです。

○一般社団法人浄水器協会小林技術委員会委員長・JIS改正原案作成委員会委員長 言葉自身ですね。それは少し検討させていただきます。

○佐野委員 イメージできないのですが、どういう形で例えば50%のお水が出てくるのですか。いわゆる排水してしまうというので、それをバケツにためるとか、浄水器といったら100%そのままですね。それが半分排水してしまう。それをどうやってお掃除に使うのか、イメージがわかないので、御説明していただけるとありがたいと思います。

○一般社団法人浄水器協会小林技術委員会委員長・JIS改正原案作成委員会委員長 排水の仕方もいろいろなタイプがございまして、例えばキッチンのカウンターの上に置いていただくタイプのものもございますし、シンクの下にビルトインする形のタイプもございます。キッチンの上に置いていただいているタイプですと、シンクのところに排水の部分を廃棄しますので、例えばそこにボールなどを置いておいていただければ、そこにためることはできるのですが、ビルトインされたタイプですと、そのまま下から排水される形になりますので、濃縮排水と言っていますが、そちらをお使いいただくのはちょっと難しいかもわかりません。
排水についても、基本的には水道水が濃縮されたもので、お使いいただけないものではございませんので、そういうところではお使いいただける形をとれればとは思います。ということで、お答えになっていますでしょうか。

○松本委員長 下谷内委員、どうぞ。

○下谷内委員 遅くなりまして、申し訳ありません。ちょっとお伺いしたいのですが、回収率のところも勿論そうですが、この絵の中に、何かためられるところがあるのかなと思ったら、そういうことではないと。今、ビルトインは直接だとおっしゃいましたし、機械の中にそういうものをためることができないのであれば、洗濯に使えますとか、何とかに使えますと言われても、使い方が非常に困難ではないかなというふうに思います。
それと、軟水するほどの表示が必要かなと、ちょっとわからないのですけれども、もう一点、表示上の問題で先ほどから皆さんが言っていらっしゃいますように、使う人にとってわかりやすいというのをお願いしたいと思います。
それから、今回の表示に関する問題ではないのですが、消費者庁にお願いしたいのは、こういう製品が世に出るときは、通販だとか訪販で、非常に体にいいとか何とか言われかねません。先ほどお聞きいたしましたら、軟水で料理に云々という言葉をおっしゃられましたが、そういうことが先に進行してしまいますと、幾つも買いかえなさいとか、大体こういうものというのは、モニターさん用にとか、そういう売られ方を今まで非常に多くされておりました。その辺のところは、今回は表示だけですけれども、是非御注意していただければいいのではないかと思います。よろしくお願いいたします。

○松本委員長 回収率という言葉がわかりにくいという御指摘でしたが、JISの基準としては回収率というのを技術的な用語として使っている。家庭用品品質表示法も基本的にJISに準拠した表示ということで、回収率について表示をしようということですが、消費者向けにわかりやすいように、回収率カッコ何々というものは可能なのでしょうか。表示規定の書き方として、JISどおりでないとだめなのか、それとも、JISの技術用語がわかりにくい部分について、誤解を与えないような付記をするという形で告示をするというのはいかがなのでしょうか。

○消費者庁坂田消費者安全課長 検討させていただきたいと思います。

○松本委員長 はい。
どうぞ、田島委員。

○田島委員 回収率という言葉は、技術用語としてかなり定着している言葉ですので、使用説明書、取扱説明書で、回収率とはこういうことを意味しているということを消費者の方に周知徹底すれば、それで私は足りるのではないかというふうに思っております。意見でございます。

○松本委員長 4ページの下のほうに、赤字で、「浄水として得られた水の残りは排水されます(浄水回収率は回収率に表示)」と。これは、告示としてこういうのが出る可能性があるということですか。それとも、実際の告示に合わせて製品表示する場合に、こういう文章が考えられるというものですか。

○消費者庁坂田消費者安全課長 この表示がそのまま、それぞれ商品にのるということになろうかと思います。

○松本委員長 告示どおりに表示しなければならないということですか。単なるエグザンプルで、ほかの表現でも同じような趣旨であればいいというものなのか、このとおりでないとだめなのですか。

○消費者庁坂田消費者安全課長 委員長がおっしゃられている趣旨の通り、こういう表示をしてほしいという例でございます。

○松本委員長 わかりました。そうすると、そこで誤解のないような表示を各メーカーが工夫する余地は十分あるということですね。
この件につきまして、今、御説明いただいた改正内容で、一部検討させていただきますというお答えもございましたけれども、それも含めまして、御承認いただけますかどうか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○松本委員長 それでは、御説明いただいた改正内容でよしと。一部検討していただきたい部分もあるけれども、基本的にこれで問題なしという結論にしたいと思います。それでは、そのような趣旨で答申を行いたいと思います。
小林委員長、消費者庁におかれましては、お忙しい中、当委員会の審議に御協力いただきまして、まことにありがとうございました。
では、佐野委員。

○佐野委員 家庭用品品質表示法の改正に関しては、消費者委員会では今回、2回目の審議となります。第1回目がテレビで、今回は浄水器です。テレビのときに、本来は消費者が選択するための表示であるはずだったのが、とてもわかりづらいということで、御検討願いたいというふうにお願いしました。その後、アンケート調査とかいろいろされているようですけれども、その経過がもしおわかりになるようでしたら、簡単に説明していただければありがたいと思います。

○松本委員長 それは、この場よりは別の機会の方が流れとしてはよろしいかと思いますから、フォローアップということで、別の機会を設けたいと思います。

○佐野委員 はい。

○松本委員長 それでは、どうもありがとうございました。

≪3.自動車リコール制度について≫

○松本委員長 続きまして、「自動車リコール制度について」です。消費者委員会では昨年8月、「自動車リコール制度に関する建議」を国土交通大臣及び消費者担当大臣宛てに提出しておりますが、この建議について、関係省庁に対して2010年12月までにその実施状況の報告を求めるとしております。これに対しまして、同年12月27日に国土交通省から、また、28日に消費者庁からそれぞれ報告が提出されております。
本日は、国土交通省と消費者庁においでいただいておりますので、建議事項に対する実施状況について御報告をいただき、併せて、事前にお送りしている、実施状況報告に関するヒアリング項目についても御説明をいただいた後に、議論を行いたいと思います。
なお、お手元に資料として、「自動車リコール制度に関する建議」、関係省庁からの報告及び実施状況報告に関するヒアリング項目をそれぞれ配付しております。
初めに、国土交通省から御説明をお願いいたします。

○国土交通省三上自動車交通局技術安全部審査課リコール対策室長 御紹介いただきました国土交通省リコール対策室長の三上と申します。
本日は、「自動車リコール制度に関する建議」につきまして、国土交通省の実施状況について御報告させていただきます。資料2-2に、国土交通大臣からの報告を付けてございます。資料2-2の説明に合わせまして、御質問事項としていただいているものについても補足的な説明をさせていただきます。
建議事項のマル1番についてでございますが、最初に「ホットライン」の周知ということがございます。これについては、建議いただきましてから自動車工業会などに協力を依頼いたしまして、既に国内の自動車メーカー14社すべてのホームページにホットラインのリンクを設置していただいたところでございます。自動車工業会以外の自動車関係団体、13団体ございますが、そちらの方にもすべてリンクを張っていただいたところでございます。
併せまして、全国の都道府県・市町村等。等につきましては、23区などの特別区、また、政令指定都市の区、北海道については支庁というところもございますけれども、そういったところを合わせて1,959か所に対して、やはりこれも建議いただきましてから協力の依頼をしたところでございます。国土交通省は、出先機関といたしまして運輸支局というものがございます。そういった全国の出先機関のネットワークを、また、普段のお付き合いを通じまして、こういった自治体にもお願いをしたところでございます。
そうしましたところ、既に茨城県笠間市など、直接住民に配付される広報誌にホットラインについての記事を載せていただいたところでございます。現在、順次全国各地の広報誌に載せていただいているところでございまして、自治体によりましては、広報誌に加えまして、地方自治体のホームページにもホットラインのリンクを張っていただいているところでございます。現在進行形ということで、順次御報告をいただいているところでございます。
国土交通省メールマガジンというものがございまして、こちらは平日、毎日情報発信をしているものでありまして、現在、約2万5,000名の方が登録しているものでございます。国土交通省の施策についてさまざまな情報を発信しているメールマガジンでございますが、こちらにもホットラインについての情報を載せたところでございます。
そのほか、自動車交通局も独自のメールマガジンを出しております。こちらは、事業用自動車に関連する事故の情報などを集約してお知らせしているものでございますけれども、週1回配信しておりまして、約6,000名の方に配られております。こちらの方にもホットラインの情報を載せているところでございます。
今後の取組みでございますけれども、『JAFメイト』というのは、日本自動車連盟という自動車のドライバー、ユーザーの団体ですけれども、会員の方に約1,150万部、毎月発行して、会員の家、すなわち自動車のドライバーの方々に直接宅配されている月刊誌でございます。『JAFメイト』につきまして、ホットライン等について広告の掲載を予定しております。そのほか、インターネットのポータルサイト。現在、ヤフーニュースへの掲載を計画しているところでございますけれども、そちらの方にもオンライン広告を今年の2月から3月にかけて掲載することを予定しております。
そのほか、自動車には自動車検査証を備えつけることが義務づけられております。車検が終わりますと、新しい車検証が手渡されるわけでございますけれども、そちらの裏側に余白がございます。国土交通省で透かし等が入った特殊な用紙に印刷をしているものでございますが、こちらの方が、現在の用紙の在庫がなくなり次第、23年度中には新しい用紙に切りかわるということでございまして、その際に、裏側の余白にホットラインの情報、ホットラインへのアクセスの仕方などを追加で印刷して配ることを予定しております。これによりまして、これから順次車検が終わりますと、ホットラインの情報の記載のある車検証が配布されまして、それぞれの車に常備されることになるわけでございます。
それから、昨年、建議の後に、松本委員長に国土交通大臣室まで建議を持ってきていただいたのですけれども、その際に国土交通大臣から、ユーザーからの不具合情報の収集ですとか、調査分析の体制を強化するというお話をしたところでございますが、「不具合情報調査推進室」を新設することが、昨年末の政府予算原案等の中で認められたところでございます。
これについては質問事項にも入っておりましたので、少し補足させていただきます。政府案といたしましては、不具合情報調査推進室をまず7人の体制でスタートすることになります。現在、6か月間の増員が認められたところでございまして、年度途中から5名増員されまして、23年度中には、合計12人の体制で不具合情報調査推進室が立ち上がる予定になっております。
不具合情報調査推進室では、自動車ユーザー、また、メーカー等からの不具合情報の収集・分析が主たる業務になりますが、そのための企画・立案、それから、警察、消防、そういった関係行政機関からの連携の強化を図りまして、設計・製造に起因した疑いのある自動車の事故などの情報収集を行ってまいります。そのほか、アメリカ初め海外のリコール関係機関との連絡調整も行いまして、リコール関連情報の国際的な共有も進めいく予定にしております。
これらの新たな施策によりまして、増加した不具合情報を含めまして、自動車メーカー、関係行政機関、海外当局から集めた情報の収集・分析などを行いまして、その中で必要なものは、技術的な検証を交通安全環境研究所に依頼していくといったことが業務になっております。
もう1点、この項目で御質問をいただいておりました、ホットラインの周知のための取組みの効果をどのように見るのかという点につきましては、昨年、そういった地方自治体への依頼等を行った後、私どもは毎日寄せられる不具合情報を見ていますけれども、その中に、「市の広報誌で見て本日書き込みをしました」という書き込みを既にいただいております。そういったことで、既に取組みについては効果が出てきているものと考えておりますけれども、ホットラインへのアクセス件数ですとか、不具合情報が実際にどれぐらい書き込まれたかといった件数などを見ながら、周知の効果を見極めていきたいと考えております。
なお、我々は今回、建議をいただいてから全国一斉にそういった協力の依頼をしたところでございますけれども、昨年の協力依頼その1回で十分だとは全く考えておりません。ホットラインの周知というものは、100%になるまで継続的に続けていかなければいけないと考えておりますので、今後とも可能な限りホットラインの周知を行っていく予定でございます。
これが、我々の資料の(1)についてでございます。
次に、(2)の「メーカー等に対する事実確認を適時に行うこと」につきましては、我々としては、個々の事案の危険性・多発性などをそれぞれ評価いたしまして、設計・製造に起因するような不具合であることが疑われるものについては、メーカー等に事実確認を行っているところでございます。今後とも、これについては事実確認を適時・適切に行ってまいりたいと思っております。
これについては、昨年、消費者委員会で調べていただいた報告の中で、事実確認を行うタイミングが遅くなったために十分な確認ができなかったものがある、という御指摘をいただいたところでございます。これについては、多発性を評価する際に、最初の1回目で必ずしも多発であるかどうかわからないケースがございます。同じような事案が多発していることを評価して、多発性があるという疑いが出たときに、過去にさかのぼって事実確認を行うことが過去にもございました。これからも、多発性にかかわる事案についての事実確認につきましては、過去にさかのぼって同一の自動車について総点検をする。そういうやり方は今後とも必要になるケースがあると考えております。そのようなケースにつきましては、結果的に、事実確認を行うタイミングが、実際に不具合が発生したときから時間がたってしまうことはあり得ることでありまして、それについては、今後ともそういう事案はあり得るという前提ではございますが、適時・適切に行っていくことについては従来どおりやっていきたいと思っております。
次に、(3)についてでございます。ユーザーからの不具合情報をもとにメーカーに対して行った事実確認の結果につきましては、従来は公表しておりませんでした。今般、建議をいただきまして、今後は、注意喚起のために緊急に行う必要があるものについては、直ちに公表するようにいたしたいと思います。また、緊急に必要な事案でないものについては、適切な使用、保守管理及び不具合発生時に適切に対応するためにどうしたらいいかということについて、事案を選定してその具体的な例を紹介する。あるいは、統計的な整理を行いまして、ユーザーの方にわかりやすい形でこれを定期的に公表するというふうに改めたいと考えております。
どのようなものが具体的に直ちに公表するものになるかということが、御質問をいただいているところでございますけれども、今、まさに新たな公表に向けて我々としても、内容を整理したり精査したりしているところでございます。この場で、具体的にこういう内容ということは申し上げられないのですけれども、個別具体的な事案に基づいてそれぞれ判断して、今後は公表してまいりますので、公表された内容を見ていただければ、わかるような形になってくるというふうに思っているところでございます。
次に、(4)でございます。現在、四半期ということで3か月ごとに、メーカーで把握した事故火災の情報については、我々の方でまとめて公表しているところでございます。今般建議いただきまして、事故火災情報以外についてもメーカーから情報をいただいておりますものについても、ユーザーの方の不具合情報への関心が深まるよう、また、注意喚起が必要な事案も中にはございますので、そういったものを選定いたしまして、具体的な例、統計的にこういうところが多いというようなことを整理いたしまして、これも、わかりやすい形で提供したい。これも新たに定期的な公表ということで、対応することにしたところでございます。
これについても、具体的な例について御質問をいただいていますけれども、こちらも(3)と同じように、現在、まさに我々は整理して、どういう形で公表したらいいかということに取り組んでいるところでございます。これについては、個別の具体的な事案に基づいて判断した結果を公表させていただきますので、それによって見ていただければと思っております。
建議事項マル2は消費者庁なので飛ばしまして、建議事項マル3になります。建議事項マル3の(1)でございますけれども、こちらは、いわゆる再リコールにかかわる件についての建議をいただいております。
国土交通省では、リコールに関する技術検証については、これまでも再リコールか否かにかかわらず、不具合情報、改善措置に対して的確に実施してきたとは考えておりますけれども、今般、建議をいただきまして、交通安全環境研究所の技術検証体制を強化するということもございますので、今後、再リコールの事案の届け出が行われた際には、技術検証を積極的に活用することにいたしました。
具体的には、再リコールの場合には再リコールに至る何らかの理由を付して届け出がされますので、その内容について我々国土交通省が判断するだけではなく、技術検証という形で交通安全環境研究所にも見ていただくことにいたしました。技術検証の結果、仮に再々リコールということで、再リコールに加えて更に追加の対策が必要になることが明らかになる場合もございます。そういった場合には、迅速に届出が行われるようにメーカー等を指導してまいります。また、技術検証の中で、メーカーとの原因究明の方法について改善の余地があると認められた場合は、その改善についてもメーカー等を指導してまいる所存です。
次のページのところになお書きということで、これについては、松本委員長にも前にこういう趣旨でお話をいただいているので、消費者委員会の皆様にも御理解をいただいているかと思いますが、再リコールを絶対起こさないようにということで指導してしまいますと、自動車メーカーの立場としては、リコールを一度で済ませるために、対策を長い時間をかけて検討することになってしまいます。そういった対応よりは、暫定的であっても迅速にリコールが行われることがやはり重要であろうと考えております。再リコールそのものをなくすという観点ではなく、再リコールについては技術検証を活用して、本当に再リコールで大丈夫なのか、再々リコールが必要なものが残っていないか、というようなことをきちんと見ていきたい。それによって、消費者、ユーザーの安全を一日も早く確保できるようにしていきたいということでございます。
次の(2)でございますが、リコールの内容そのものの追加ではなく、リコールの対象範囲を拡大するようなリコール、再リコールの中でも追加リコールと呼んでいるものでございます。国土交通省としては従来から、リコール対象車両の特定が適切に行われるように指導してきたところではございますけれども、今般、建議をいただいて監査の方針を見直しまして、リコール対象車両特定のための実施体制、管理体制の状況を監査の際に確認することを明記したところでございます。
建議事項マル3に関連した御質問事項につきまして、交通研の技術検証体制の強化の内容についてでございます。これについては、現在、常勤・非常勤を合わせて16名の体制でございますが、23年度中に常勤・非常勤合わせて25名体制に強化すべく、現在、交通安全環境研究所で検討しているところでございます。
技術検証を国土交通省から依頼する場合の考え方でございますけれども、基本的にはリコールに該当するか否かの判断が技術的に困難なケース、我々国土交通省サイドだけでは判断が難しいものを検証に依頼しているところでございます。そういったものに加えて、ただいま御説明した再リコールの案件については、今後、技術検証を積極的に活用していきたいということでございます。
次に建議事項のマル4にまいります。マル4については、迅速な届出の促進ということが(1)でございますけれども、これについて我々としては、メーカーが不具合の最初の情報を入手してから最後のリコール届出に至るまで、すべての過程において、迅速化を図ることが重要だということで指導してきたところでございます。実際に届出に至るまでメーカーとしては、まず調査分析をして原因を特定し、改善内容を決定し、対象範囲の絞り込み等を実施するという多くの作業がございます。
それぞれの過程に要する期間については、不具合の内容によって大幅にその必要な期間は変わってまいりますので、その期間を一律に定めることは現実的ではないというふうに考えております。しかしながら、メーカー等がリコールに関する原因、改善措置内容、対象範囲等を確定し、リコール届出の最終決定を行った際には、その後は迅速な届出が行われることが重要だと考えておりまして、最終決定から国土交通省に届け出るまでの日数等について明確な基準を定めたいと考えております。
これについて御質問もいただいておりまして、この基準については現在検討中ではございますけれども、国土交通省で定めている通達を改正して、その中に明記することを考えております。今後は、関係者との調整ですとか、メーカー等の社内において最終的な意思決定をどういうふうに定義するかという問題等もございます。そういった調整をできるだけ早く行いまして、早期に改正をしたいと考えているところでございます。
(2)については、リコールの情報が確実にユーザーの手に渡るように、登録手続等についてきちんと周知するようにということでございます。リコールの実施率そのものについては引き続き注視をしていきたい。変更登録、移転登録の手続の重要性、特にその手続を怠りますとリコールの通知が届かないこともあることを、国土交通省のホームページにも掲載いたしましたし、国土交通省のメールマガジン等においても継続的に周知しているところでございます。
今年1月以降、自動車登録等適正化推進協議会という関係団体の集まっている協議会がございますけれども、そういったところでリーフレットなどを作成しまして、変更登録、移転登録の重要性について周知を図りたい。そのほか、先ほど御紹介した車検証の裏側に、変更登録、移転登録等の重要性についても併せて掲載することを予定しております。
次に、リコールの届出区分についての建議が(3)でございますけれども、制度についての周知を更に図るためにホームページを少し改定いたしまして、制度の違いについてわかりやすく掲載したところでございます。また、届出区分につきましては、今後、ユーザーにとってのわかりやすさ等の観点から、中長期的な課題として継続を検討していきたいと考えているところでございます。
以上でございます。

○松本委員長 ありがとうございました。
続きまして、消費者庁から御報告をお願いいたします。

○消費者庁坂田消費者安全課長 それでは、資料2-3をごらんいただきたいと思います。まず、記の1でございますけれども、「国土交通省と連携して、同省が保有する情報が、消費者庁とすみやかに共有され、事故情報データバンクに反映されるようにすること」についてでございますけれども、消費者庁は国土交通省との検討の結果、国交省が保有する情報を以下のとおり事故情報データバンクに反映することとしております。
まず、(1)の自動車の不具合による事故・火災情報につきましては、「年内を目途に」と書いてございますが、既にデータバンクに反映してございます。
(2)でございますけれども、自動車の不具合情報です。これは所要のシステム改修が必要になってまいりますので、それを経た上で、年度内を目途に反映することにさせていただきたいと思います。その内容につきましては、2011年1月1日以降受付分のうち、生命・身体に関する消費生活上の事故情報と消費者庁が判断した情報とする、というふうにしております。
この点につきまして、追加的な御質問をいただいております。生命・身体に関する消費生活上の事故情報と消費者庁が判断した情報の判断基準ということですけれども、この点につきましては、自動車不具合情報のうち、自動車の走行、制御にかかわる部分の不具合、発煙・発火、衝突等の生命・身体にかかわる事故情報を登録する予定でございます。なお、塗装がはげたとか、燃費が悪い等、自動車不具合情報であっても、直ちに生命・身体に関する被害にかかわらないと考えられる事案は含まないということで、整理をしております。運用を通じて、より適切になるように改善を図っていきたいと思っております。
2は、「事故情報データバンクにおいては、事故情報の公表が不十分であるため、運用の改善を図ること」についてでございます。消費者庁は、以下のとおり対応することとしているということで、まず、御指摘いただいた点の(1)、「一般消費者向けサイト」と「行政向けサイト」で情報件数、情報内容が違うのではないかという点でございますが、まず、情報件数が異なっていることに関しましては、一般消費者向けには国民生活センター及び各都道府県・政令指定都市の中心となる消費生活センター(いわゆるメインセンター)の情報のみを掲載していたためでございます。今後、ほかの消費生活センター(799か所)の情報も掲載対象としたいと思っております。
具体的には、2010年10月末から11月末にかけて実施いたしました799か所のセンターへの確認の結果、794か所を2月初め目途に事故情報データバンクに掲載するということでございます。残りのセンターにつきましては、所定の手続(個人情報保護に関する審議会に諮ること)が必要だということでございまして、そういったものが終わった後、条件が整い次第、順次追加することとしております。
情報の内容の違いについてでございますけれども、「一般消費者向けサイト」には相談を要約した情報を公開していること、他方、「行政向けサイト」には、相談の詳細を公開しているためということでございますけれども、相談の詳細は相談業務に資する情報として相談員が入力し、各自治体が決裁しているということもありまして、相談業務への影響を留意した上で、事故の詳細等の情報提供の在り方について、今後、検討していきたいと思っております。
追加的な御質問として、この点について検討のスケジュールはどうかということでございます。これは、関連する規程の見直し等の検討に早急に着手いたしまして、地方公共団体の意見も踏まえまして、今年度末を目途に結論を出していきたいと思っております。
(2)、「一般消費者向けサイト」と「行政向けサイト」ともに処理結果が公表されていないことについて、という部分でございますけれども、処理結果につきましては、関連する規程等の見直しやシステムの回収等必要な措置を行いまして、「行政向けサイト」で閲覧可能にしていきたいと思っております。
更に追加的な御質問として、処理結果の公表について必要な措置として講ずることを予定している事項について、具体的な事項、スケジュール感はどうかということですが、関連する規程等につきましては、今年度末を目途に見直しを行いたいと思っております。システム改修等につきましては、システム仕様の決定、開発業者の選定等の所要の手続を行いまして、来年度上期末を目途に改修したいと考えております。
私からは以上でございます。

○松本委員長 ありがとうございました。
それでは、ただいまのお二人の御説明につきまして、御質問、御意見のある方はどうぞ御発言ください。
佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 国土交通省に質問ですが、再リコールの件です。ページ数が書いていないのですが、建議事項マル3の(1)の最後、「なお、再リコールを起こさないよう」のところです。私たちも決して再リコールをするなとか、それは禁止であるとか、そういうことを申し上げているわけではないのですけれども、消費者委員会の調査では、そもそもリコールの届出自体が迅速に実施されていないのではないか、ということからスタートしており、その中で再リコールが発生していることを問題としています。
リコールの決定をしてから届け出るまでに2か月以上たったり、中には、届け出るまでの間に対象の自動車に事故が起きたりしているわけです。このように、リコール自体がスムーズに実施されていないと思われる中で再リコールが発生しているところに、私たちは問題があるのではないかと思っています。リコール届けを決定から数か月もかけて実施したのに、その後に同じような欠陥が見つかるとか、対象車両を拡大させたり、そのようなリコールの実態があることを問題にしているわけです。今の御説明ですと、再リコールの部分だけきちんとやっていて、再リコールの実施そのものが、安全確保の観点からも問題があるとは考えていないという御回答ですけれども、再リコールに関しての認識が私どもの考えと少しずれているのではないかと思ってお聞きしました。
もう一つ、リコール届出の期間についてです。建議事項マル4の(1)の最後のところに、「リコール届出の最終決定を行った際には、迅速な届出が行われることが重要であるため、最終決定から国土交通省に届け出るまでの日数について明確な基準を設けることとする」とあります。リコール届出の最終決定を行った後、日数は必要なのか、と思います。各メーカーがリコールの最終決定を行うまでに時間がかかるというのは理解できるのですが、一たん決定したら、即国土交通省に届け出るのが普通ではないか。なぜここで日数を設けなければならないのかというのが私にはよく理解できないのですが、いかがなものでしょうか。一度メーカーさんがリコールすると決定したら、国土交通省に情報提供されて、すぐリコールがスタートする。それこそ事故の未然防止につながるのではないかというふうに考えますので、いかがなものかなと思います。
今度は消費者庁の方で、よく理解できないのですが、御回答の中では、事故情報データバンクを消費者庁がどのように改善していくのかというのがよく見えない。消費者委員会の昨年の調査では、行政向けには約1,100件掲載されていて、消費者が見られるサイトにはその6割の700件程度しか載っていなかったということで、約6割しか見ることができませんでしたが、その内容は省略されている情報が多く、消費者にはうまく活用できないという部分もたくさんあったような気がします。
事故情報の一元化というのは、行政間ではなく、社会的な一元化・共有化が必要で、消費者庁ができるときも事故情報の一元化が非常に大きなテーマになって、行政間の情報の一元化ではなく、消費者も一緒に見られる。そして、事故を未然に防げる対策をということであったはずなのに、今回の事故情報データバンクの回答では、それが余りよく見えないような気がします。特にPIO-NETの事故情報について、御説明がありましたけれども、まだ私にははっきり見えないので、その辺りのもう少しきちんとした方針を御説明いただければありがたいと思います。

○国土交通省三上自動車交通局技術安全部審査課リコール対策室長 最初に建議事項マル3について、今、佐野委員から、リコールの迅速な届出というお話と再リコールのお話を両方合わせた形で御質問いただきましたけれども、迅速な届出については建議のマル4でされていまして、再リコールについては建議のマル3という形で、分けて建議をいただいていましたので、建議事項マル3では再リコールについてのみ書かせていただいているわけであります。
実際に再リコールが、報告書で調べていただいた範囲で140件ほどあったわけでございますが、時間をかけてやったにもかかわらず再リコールになるというのは必ずしも多いわけではなく、迅速に対応していただいた結果、再リコールも必要になったケースが大半であると我々は考えております。ですから、時間をかけてやったにもかかわらず、再リコールになる案件は勿論ないわけではないのですが、一つひとつの事案について、どのような調査あるいは検討をしたかということは、我々は届出の際にメーカーから話を聞いて、その中で、やるべき検討、調査、実験、分析をやっていたかどうか、妥当であったかどうかというのを一つひとつ確認しております。そういった意味で、やるべきことができていなかったものがあった場合には指導をしていく、ということを回答したわけでありまして、建議事項マル3については再リコールに特化した形で回答をつくらせていただいているところでございます。
建議事項マル4で、迅速な届出ができていない例として、決定から2か月ぐらいかかっているものが幾つかあると、報告の方でいただいたわけでございますけれども、これについては、自動車メーカーがリコールを決定した、どういう場合に決定したと言えるのかという辺りの定義は、余り明確な定義が従来ございませんでした。調べていただいた中で、決定してから2か月程度かかったものが幾つかございましたけれども、我々の方で再度自動車メーカー等に確認したところでは、本当の意味で最終決定というよりは、リコールに向けて社内的に作業を開始することを意思決定した日をもって決定としている会社もございました。
我々としては、実際に最終的に決定というところについては、先ほどの御説明で申し上げましたように、原因がわかって、改善措置の内容がこうすれば直せるということがわかって、かつ対象範囲、どれだけの自動車について改善をする必要があるかということがわかったと。それらすべてがそろってから社内で決定するということだろうと思っておりまして、その辺りの、どういう場合に最終決定と呼べるのかということをきちんと定義した上で、日数についての明確な基準を設けたいと考えております。
最終的に決定したら、すぐ国土交通省に届け出たらいいのではないかというお話については、ここで考えている期間について、これから勿論いろいろ調整は必要になりますが、長い期間を置くことは考えておりませんで、そんなに時間がかかるべきではないというのは、全く委員のおっしゃるとおりでございます。ただ、実際に最終的な意思決定をしてから、リコールの届出日には、リコールの届出書を国土交通省の記者クラブにおいてプレス発表をしております。プレス発表資料を整えてそこでプレス発表をしますけれども、メーカーさんがつくられたものの中で技術的な表現などが難しい場合には、我々の方に見せていただいて、わかりやすい表現に一部言葉をつけ加えていただいたりしておりますので、最低限の日数はやはり実際に発表するまでの間に必要になるだろうと考えているところでございます。
ですから、決して日数を設けることによって届出が遅くてもいいということではなく、速やかに届け出るのが基本であります。速やかに届け出ることは今までも申し上げてきたのですが、その中で、明確な基準ということで何らかの基準を設けたいということで、建議をいただいた上で検討したということでございます。

○消費者庁坂田消費者安全課長 事故情報は国民の共有財産という認識の下に、事故情報データバンクも立ち上げていると私どもは理解しております。そういう観点から申しますと、委員の御指摘のとおり行政向けと消費者向けの件数に差があったところは、先ほど御紹介したとおり、入力しているセンターのカバー率が低かったということで、これはできる限り速やかに解消する。残り5センターについては、まだ少し差が残っておりますけれども、その分についてはほとんど件数はカバーされると思われますし、個人情報に関する審議会等、各地方公共団体で御審議いただいた上で、その結論を踏まえて、掲載する、しないというところになっていくということでございます。それが一つでございます。
内容につきましても、先ほど御紹介したとおり、一般消費者向けサイトについては相談を要約した情報を公開していることと、行政サイトには相談の詳細を公開しているところでズレがあるわけですけれども、この点についても必要な規定の見直しなどを行いまして、できるだけそれをそろえていく努力をこれからしていくということでございます。今年度末を目途に結論を出していきたいと思っております。

○中村委員長代理 建議事項マル2に関連してお聞きします。これは宛て名は消費者庁になっていますけれども、国土交通省と連携してということなので、実情を両省庁にお聞きします。私どもが建議をする前の報告書の中で、事故情報データバンクには9つないし10の参画機関というのがあって、データベースを持っていて、ちゃんとオンラインシステムで結合できるということでやってこられた。その中に、国土交通省のリコール対策室が参画機関に入っていないことを指摘させていただいて、何とか情報の一元化ができないものかという思いも込めて報告書を書いています。今日の消費者庁の回答ですと、そこについては明確に書かれていないのですが、国交省のリコール対策室は事故情報データバンクの参画機関になったのでしょうか、なっていないのでしょうか。

○消費者庁坂田消費者安全課長 資料2-3の1ポツの(1)の方は既に措置をしておりますので、そういう意味では参画機関になっているということでございます。

○中村委員長代理 国交省の理解も同じですか。

○国土交通省三上自動車交通局技術安全部審査課リコール対策室長 本件について国土交通省としては、ホットラインに入っている情報については、国土交通省自身のホームページでもすべて公開している情報でございます。そのすべてを事故情報データバンクに反映していただいても結構ですという立場で、全面的に消費者庁に御協力をするということでやっております。

○中村委員長代理 昨年、我々が調査したときは、国交省が収集している情報をデータバンクの情報収集フォーマットに合わせて加工して逐一提供するのは、「職員のリソース等の問題から困難であるため」ということで、参画機関に入っていないと言われていたのですが、ここの問題点はクリアできたのですか。

○国土交通省三上自動車交通局技術安全部審査課リコール対策室長 それは、問題点というよりはリソースの問題でありますので、問題点だと我々は考えていないのですが、実際、消費者庁でデータバンクの方に掲載するためのシステムを開発していただいて、それで我々の情報を取り込んでいただくという形になりましたので、そういう意味ではそれは障害ではなくなったということでございます。

○中村委員長代理 そうすると、消費者庁側では逆に、今、言われたようなシステムの変更等を経て共有が可能になったという理解でよろしいですか。

○消費者庁坂田消費者安全課長 そうでございます。

○中村委員長代理 もう一つ、質問させてもらいたいのですが、消費者庁の今日の回答の最後の2の(2)で、我々は処理結果というものの公表についても要望していたのですが、回答の中では、処理結果については行政向けサイトで閲覧可能にしていくとしか書いていない。一般消費者向けサイトでの閲覧は、これだと逆読みすれば、不可能なままというふうに読めます。これこれの不具合については何月何日に既にリコール届けがなされているとかいうことが、まさに処理結果として書かれるべきことなので、このくらいのことは消費者向けサイトでも閲覧可能にしていただきたいのですが、そこは、この回答をどういうふうに理解したらよろしいでしょうか。

○消費者庁坂田消費者安全課長 相談処理結果につきましては、今、委員がおっしゃられた情報というよりも、例えば見舞金が幾ら幾ら支払われたとか、そういった個別具体的な内容になっているということでございます。行政向けについてはこれから検討するわけですけれども、その情報をそのまま一般向けに提供することが妥当かどうかというのは、検討する必要があるのではないかというふうに思っております。

○中村委員長代理 今度は国土交通省の建議マル1に対する御回答で、大分努力しておられることは評価したいと思いますが、ホットラインの存在を周知するというのは、平成19年、20年のリコール制度の検討会のときから言われていてなかなか進まない部分なのですが、今回のこの措置で、万全というか、進むというふうにお考えなのかどうか。笠間市の例は確かに私も拝見しましたが、こういうことがキャッチできたというのは、各都道府県・市町村に協力依頼した後、その結果の集約というのもしておられるのですか。

○国土交通省三上自動車交通局技術安全部審査課リコール対策室長 それについては先ほども申し上げたように、昨年11月ごろから依頼いたしまして、順次掲載等をしていただいているところなので、現在、順次御報告をいただいているところでございます。
ホームページ等につきましては、我々の職員もときどき検索をしてみて、地方自治体のホームページに載っているかどうか確認しておりますけれども、これはまさに現在進行形で進んでおります。周知活動については、今回の措置で終わりというふうには全く考えておりませんので、今後とも、継続的にさまざまなチャンネルで進めていきたいと考えております。

○中村委員長代理 意見というか、アイデアなのですが、不具合情報を収集するときの受け付けのフォーマットがございますね。あの中に、「あなたはどういうことからこのホットラインのコーナーを知りましたか」というアンケート的な部分がないんですね。それがあれば、どういうツールが有効に活用されているのかということがある程度集約できるのではないかと、素人的には思いますので、もう一工夫していただければと思います。

○国土交通省三上自動車交通局技術安全部審査課リコール対策室長 今の御意見についても、また参考にさせていただきます。

○日和佐委員 国土交通省への質問ですけれども、建議事項のマル4の(3)は、リコール制度について周知徹底をすることと同時に、市場措置の届出区分(リコール・改善対策・サービスキャンペーン)の区分の在り方について、見直すべきではないかというのが建議の趣旨です。サービスキャンペーン等について、ユーザーにとってのわかりやすさの観点から課題として検討するという回答ですが、そこがちょっとずれていると思います。区分のわかりやすさ、この3つについてわかりやすくキャンペーンをすることと併せて、更に、この3つの区分の在り方について見直しを検討してほしいという建議なのですが、そのことはどのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。

○山口委員 今、日和佐委員がおっしゃったことにつけ加えまして、私ども消費者委員会でこの問題について検討したときに、サービスキャンペーンの具体的な実例と、改善対策の具体的な実例と、リコールの具体的実例を素人目で比較して見ると、なぜこれを改善対策で済ませているのか、あるいはサービスキャンペーンで済まされているのか、よくわからなかった。半年ぐらいすると、ほとんど同じ内容と思えるような問題がリコールになったりしているわけです。ですから、この3つはどういうレベルで区別して届出をするのか、素人目から見てもわかりにくいけれども、メーカーもどういうふうに判断しているのかというのがよくわからない。
しかも、リコールの具体的な実例を見ますと、正直言って、外国のメーカーのリコールの届出の内容は非常にわかりにくくて、露骨に言えば、ぞんざいな感じがするわけです。恐らく国交省の窓口でも、外国メーカーのリコール届出については処理にお困りではないかなと思うぐらい、日本のメーカーと外国のメーカーとで違う感じがしたのです。これからはますます、外国のメーカーの車が日本国内で走る率が高まると思います。その辺の外国の運用と日本の運用がばらばらでは、外国メーカーは特に混乱するだろうなと思うので、この3つの区分けの在り方については、諸外国の制度との関係も含めて早急に検討しなければいけないのではないかと思って、私は、日和佐委員がおっしゃったことと併せて、このマル4の(3)は重要だと思っていました。それについて、特に中期的な課題として検討を継続するとありますが、今、日和佐委員が質問されたことと併せて、どういう具体的なスケジュールで検討なさるおつもりなのかも教えていただければと思います。

○国土交通省三上自動車交通局技術安全部審査課リコール対策室長 建議事項マル4の(3)のところで、「一層の周知を行うこと」というところについて、ホームページ、その他で周知をしているということであります。後段で、中期的な課題として現在の在り方を見直すことという建議をいただいておりますが、この届出区分については、従来からリコールの検討会等でも検討してきた経緯がございます。今後も、報告に書いたとおり、わかりやすさの観点というのはホームページに載っているからわかりやすいという意味ではなく、どのような区分けにするのがいいのかということを含めて、また、外国のリコール実施機関とも情報交換等をしております。前にこの委員会で御説明をさせていただいておりますけれども、基本的にアメリカ等の場合も、リコールとサービスキャンペーンに相当するものは存在しておりまして、現時点で非常に大きな乖離があるというふうには考えておりません。よりわかりやすい在り方について、今後、検討していきたいということでございますけれども、どのような形で検討するか、また、いつまでにということについては、まさにこれからの検討ということでございます。

○松本委員長 下谷内委員、どうぞ。

○下谷内委員 今、国交省からリコールの届出制についてありましたが、私はもともとこれにつきまして、なぜこの3つに分けなくてはいけないのか、この意味がよくわかりません。サービスキャンペーンというのは、我々にとってはキャンペーンと言われると何かイベントのような感じもいたしますので、わかりやすいということも含めてお考えなのかもしれませんけれども、一つになるような、もっとわかりやすいものがいいのではないかなと思っておりますので、積極的な検討をお願いしたいと思います。
もう1点は、消費者庁が書いていらっしゃいます事故情報データバンクのことでございますが、一般消費者向けサイトと行政向けサイトの2つあるということで、先ほど御説明いただきました。確かに(1)のところにおきまして、3番目の段落に、「また、情報内容の違いは」云々と書いてあります。その中で「相談の詳細は相談業務に資する情報として相談員が入力し、各自治体が決裁しているものであり、相談業務への影響を留意した上で、情報の詳細等の在り方について検討していく」というのは、何もこの(1)だけではなく、当然、(2)にもかかるわけです。先ほど課長がおっしゃられたように、もともと消費生活センターというのは原因究明機関ではありません。相談機関ですので、ここに書かれているのは、見舞金だとか、どこのだれと話をしたらうまくいったとか、そういうことで、今、リコールしていますよというのは余り書かないわけです、相談処理結果というのは。そういたしますと、その相談処理結果を見て何をしているかというと、相談員さんとか行政は、この事案についてこのような解決をしているのはかなり自分のところと違っている、事業者の対応が違っているということで、それを参考にして、発信したセンターにお問い合わせしたりしながら、御相談のあった案件を処理していくというのを基本にやっております。
ですから、非常に内々的な処理結果が書かれておりますので、そういうものをもし全部公表するとなると、まず、御相談者との信頼関係が崩れることと、相談員さんも、できるだけ簡潔に書こうかなということの恐れもなきにしもあらずだと思います。ですから、(1)に書いてありますように「相談業務への影響を留意した上で」というところは、1も2も十分御検討いただきまして、サイトを全く閉じろと言っているわけではありませんので、それは有効活用できると思います。ただ、相談事案でございますので、個々別々になりますし、車とかそういうものでしたらば、個人が特定しかねないわけですので、是非そこのところは十分留意していただいて、御検討いただければいいのではないかというふうに思います。

○佐野委員 国土交通省は短い間にいろいろ御検討いただき、ありがとうございます。これから、注意喚起のために情報を提供するとか、いろいろな情報をこれから消費者、ユーザーに対して情報発信をされていくとのこと。是非、消費者目線に立ってわかりやすく、ただ情報を発信するのではなく、きちんと理解でき、それを応用できるような形で情報を公開していただきたい。その辺りは是非御検討の上、お願いしたいと思います。それだけです。

○松本委員長 よろしいでしょうか。ありがとうございました。
消費者委員会の建議に対しまして、国土交通省、消費者庁ともに、期限内に真摯な対応をしていただいたと評価いたします。ただ、今日の委員からの質問の中にもありましたけれども、なお幾つか、もう少し突っ込んで解明していただきたい、あるいは基準をもう少し明らかにしていただきたいというものがあるかと思います。
例えば再リコールについて、ほとんどは迅速なリコール決定をした結果として、その後、更に広げる必要があったものだということですから、それはそれで迅速性を評価すればいいことですが、別途、再々リコールになるケースもあってという御指摘もございました。再リコール案件の中に、迅速性を重んじたから早く対応して、その後、新たな事実が明らかになったというタイプのものと、そうではなく、最初の段階で不十分な調査・判断等があったと思われるものがもしあるのであれば、そういった点は精査していただいて、ケーススタディ的に、こういうケースがあったので今後は注意するように、という通達をお出しになることも考えられるのではないかと思います。
また、社内における決定をしてから届けるまでの時間の問題ですが、リコールの決定の時期についての基準をメーカー間で統一していないところから、期間が長くなったケースもあったとおっしゃいました。今度の新たな通達では、メーカー内におけるリコール決定というのは、こういう時点に至ったものを言うと。例えば、安全担当の取締役が決定したときとか、企業トップが承認したときとか、そういうような基準をお立ていただかないと、あいまいなままだと同じようなことになるかと思います。
市場措置の届出区分につきましても、大変わかりにくいという声がございました。アメリカの場合は、私は3段階よりはむしろ2段階だというふうに聞いたことがありますが、そういった点で日本のサービスキャンペーンという言葉自体、安全とは無関係な、乗り心地を改善するためのサービスですというようなニュアンスの言葉です。メーカーの社会的責任といいましょうか、サービスとして、より乗り心地のいい車を供給するというのはそれでいいわけですが、安全に関するものについても、サービスキャンペーンだということになると、これは消費者にはわかりにくいことになるので、その辺りは誤解されないような区分と名称をお考えいただきたいと思います。
消費者委員会といたしましてはこの問題は大変重要な問題だと考えておりますので、今後ともフォローアップを続けていきたいと思いますので、どうぞ御協力をお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。

(国土交通省、消費者庁退席)

続きまして、自動車リコール制度に関する建議のフォローアップにつきまして、今後、どのように進めていくのかの議論を行いたいと思います。今後、フォローアップしていく事項について、中村委員から御提案をいただいておりますので、資料の配付をお願いいたします。

(追加資料配付)

○松本委員長 それでは、中村委員から御説明をお願いいたします。

○中村委員長代理 今、追加資料ということでお配りさせていただきましたが、本日の資料2-4で事前にヒアリング項目として両省庁に質問していたことについては、今日、口頭で回答いただきましたけれども、口頭でさっと流れてしまうと残らない部分もあるので、きちっとした裏付けのデータ等をもらって、我々はフォローアップの形をきちっと残したいというふうに考えております。
今日、お配りしましたのは、本日、公表された回答に対して、更に追加してフォローアップしたい項目を書いております。縦右の欄がそれであります。ごらんいただいたとおりで、今日ももう回答されて、更に今後、引き続きという御回答を得ておりますけれども、この辺の具体的な詳細な証拠・データ等を更に求めたいということで、このような提案をしたいと思います。

○松本委員長 詳細に各フォローアップ項目について個別に議論しているゆとりもございませんが、追加資料の右側にフォローアップ項目が7点ほど挙がっておりますので、これらにつきまして、引き続き担当省庁に調査・報告を依頼して、我々としても審議を続けていきたいと思います。これでよろしいでしょうか。
どうぞ、佐野委員。

○佐野委員 国土交通省の方に最後に申し上げたのですが、公表するということが随分いろいろ書かれていて、それはうれしいことですが、消費者目線、ユーザー目線できちんと書いていただかないと理解できないということなので、その辺りも入れていただけるとうれしいかなと思います。

○松本委員長 サービスキャンペーンという言葉が適切かどうかも、恐らくユーザー目線からいくとどうなのかという議論が可能かと思います。

○山口委員 これは、このままではなく、文書で、フォローアップ項目について更に検討して回答してほしい、いつまでにということで要請するのでしょうか。

○松本委員長 消費者庁と国土交通省の方には、建議に基づくフォローアップの報告徴収か、要請か、そういう感じで文書をお出ししたいと思います。その場合、回答期限をどの辺に設定するかということですが、国土交通省、消費者庁ともに、これこれについてはいつごろまでにというふうに予定されている部分が幾つかありましたから、それについては、その計画がきちんと実行されているかということを点検していくことになります。特に両省庁で意識されていなくて、委員の側から、こういう点をもう少しというふうに指摘させていただいた点については、どうでしょうか。

○中村委員長代理 追加資料の1ページ目の、例えばホットラインの周知の取組みについては、先ほども回答がありましたが、今、続々と周知状況について報告が上がってくる最中だと言われるので、これはどの辺を目途にしたらいいのか、向こうの進行状況との兼ね合いで決めた方がいいと思います。
不具合情報調査推進室については、予算が通った後できちっと動かれるようなので、その時期を見据えてお願いしないと、余り早く言ってもちょっと気の毒かと思うので、その辺は配慮しながら申し上げたらと思います。

○松本委員長 消費者基本計画の検証・評価・監視の次のサイクルを、恐らく5月、6月辺りにやることになると思います。そこで、自動車リコールについても基本計画に入っていたということでありますので、基本計画の検証・評価・監視という形で建議のフォローアップを行っていくのが、ちょうど時期的にはいいのではないでしょうか。

○山口委員 だから、5月か6月末だろうなと思いますが。

○松本委員長 それでは、5月、6月ごろの検証・評価の中できちんとフォローアップをしていくことにさせていただきます。ありがとうございました。

≪4.原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会の運営方針について≫

○松本委員長 続きまして、「原料原産地表示拡大に関する調査会の運営方針について」に入ります。
原料原産地表示拡大に関する調査会につきましては、第41回消費者委員会において、食品表示部会に設置することを決定したところです。この調査会の所属委員につきましては、手続が整い次第公表されることになりますが、調査会の座長につきましては、食品表示部会設置・運営規程第4条第4項の規程により委員長が指名することとなっておりますので、田島眞委員にお願いしたいと思います。
それでは、原料原産地表示拡大に関する調査会の運営方針につきまして議論を行いたいと思います。運営方針につきまして、田島委員より御説明をお願いいたします。

○田島委員 御説明いたします。資料3-1でございます。
まず、趣旨でございますが、本調査会は、食品表示部会が原料原産地表示の拡大に関し調査審議する場合において、必要な専門事項について検討を行います。
具体的には、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律に基づく加工食品の原料原産地の表示義務づけの拡大を進めていくにあたり、義務対象品目を選定する際の基本的な考え方や対象品目の候補の選定方法などについて、検討を行うこととしております。
以上を踏まえて、本調査会としては、主に以下の事項を中心として調査審議を進めたいと思っております。
主な審議事項でございますが、1番といたしまして、義務対象品目を選定する際の基本的な考え方。「食品の表示に関する共同会議」で示された、加工食品の原料原産地表示の義務対象品目選定の際の基本的な要件の見直しの必要性、及び新たな要件を設定すべきかどうかを検討したいということでございます。
2番といたしましては、対象品目の候補の選定方法でございます。原料原産地表示を義務づける際の具体的な品目の候補の選定方法について検討したいということでございます。
スケジュールでございますが、上記2に関しまして、平成23年夏までに一定の方向性を示すように、本調査会における調査審議を行いたいと思っております。
説明は以上でございます。

○松本委員長 ただいまの調査会の進め方の原案につきまして、御意見のおありの方はどうぞ御発言ください。
どうぞ、山口委員。

○山口委員 昨年、消費者庁におきまして、原料原産地表示の問題について意見交換会がございました。私も傍聴させていただいたのですが、いわゆる生産者といいますか、供給者側の意見と消費者側の意見とが、いうなればガチンコ対決のような形でした。これは、なかなか難しいなと。供給側は、そんな一々細かく表示していられない、負担が重くなって料金に結びつくぞというようなお話ですし、逆にユーザー側といいますか、消費者側は、やはり当然のこととして、見やすいところにきちんとわかりやすくできるだけ表示するようにしてほしいという意見です。勿論、メーカー側の一部にも、あるいはユーザー側の一部にも別の意見はありますが、なかなか調整は難しそうだな、どうするのだろうというふうに思いました。その意味では、田島部会長の下でこれをやるとしても大変だと思いますが、是非よろしくお願いしたいと同時に、この委員会は8月までが任期となっていますので、できれば7月ぐらいまでにまとめていただいて、委員会として何らかの形で意見が出せた方がいいのではないかと思いますが、その辺はどうでしょうか。見通しと時期の問題ですが。

○田島委員 おっしゃるとおり、生産者側と消費者側との見解というのはかなり隔たりがございます。しかし、決まればメーカー側というのは割と従うというのが日本の風潮でございますので、上手に両者の接点を見つけていけば折り合いがつくというふうに私は思っております。というので、日にちは短いですけれども、できるだけ回数を多くして、精力的に委員会を開いて意見の集約を図っていきたいと思っております。

○佐野委員 今、山口委員がおっしゃったように、私もその会議は傍聴していますが、消費者基本計画にもきちんと原料原産地表示の拡大ということが書かれていますので、是非それは進めていっていただきたい。その中の要件をどうするかという今度のテーマですので、この要件は、多分、消費者側も意見があるでしょうし、生産者側もあると思いますので、きちんと意見を聞きながら決めていっていただきたい。それによって、その後、どんどん表示を拡大していくという順番になるのかなと思いますので、是非御検討をよろしくお願いいたします。

○松本委員長 それでは、進め方につきましては、この原案で御承認いただいたということにしたいと思います。田島委員におかれましては、なかなかとりまとめが難しいのではないかという心配もありましたけれども、是非うまく運営して、一定の結論に合意が成り立つように御努力をいただきたいと思います。どうもありがとうございました。

≪5.特定保健用食品の表示許可制度専門調査会設置・運営規程(案)について≫

○松本委員長 続きまして、「特定保健用食品の表示許可制度専門調査会設置・運営規程(案)について」に入ります。特定保健用食品の表示許可制度につきましては、本年8月にとりまとめられました消費者庁の健康食品の表示に関する検討会の論点整理の中で、更に検討が必要な制度的な課題として消費者委員会において議論が求められております。これを受けて消費者委員会において、当制度について専門的知見を有する方々にお集まりいただき、専門的な視点から調査審議を行っていただくことを目的に、専門調査会を設置しようとするものです。
それでは、事務局より設置・運営規程案の御説明をお願いいたします。

○原事務局長資料の4に準備をしております。ごらんいただきたいと思います。「消費者委員会 特定保健用食品の表示許可制度専門調査会設置・運営規程(案)」としてお示ししております。総則に続いて第2条で「専門調査会の設置」としておりますけれども、委員会に特定保健用食品の表示許可制度専門調査会を置く。2に掲げておりますように、専門調査会に属すべき構成員は、委員長が委員、臨時委員及び専門委員のうちから指名する、としております。
第3条に「専門調査会の所掌」を掲げておりまして、専門調査会は、以下に掲げる事項について、委員会の求めに応じて調査審議する。「(1)特定保健用食品の表示許可に関する制度の在り方」、(2)として、「そのほか(1)に関連する重要事項」としております。
第4条以下の調査会の設置や議事録の作成、審議の公開などについては、ほかの専門調査会と同様の構成にしております。
事務局からは以上です。

○松本委員長 それでは、ただいまの設置・運営規程案につきまして、御意見、御質問のある方はどうぞ御発言ください。
よろしいでしょうか。特に御意見がございませんようでしたら、この原案でもって設置・運営規程を決定したいと思います。ありがとうございました。
本日の議題は以上でございます。

≪6.閉会≫

○松本委員長 最後に事務局より、今後の予定等について御説明をお願いいたします。

○原事務局長 少し早く終わっておりますけれども、本日、委員会終了後に5時10分を目途で、消費者庁記者会見室において委員長記者会見を行う予定としております。今日、自動車リコールについて、国土交通省、消費者庁から、初めての建議を出して、また、初めて御回答いただいたということでもございますので、そういったことを中心に行いたいと思っております。
次回の委員会ですけれども、1月28日(金曜日)の15時から行う予定です。議題としましては、健康食品の表示の検討に関するヒアリングの続きということで、今回は国民生活センターを予定しております。
事務局からは以上です。

○松本委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)