第19回 消費者委員会 議事録

日時

2010年3月19日(金)15:00~17:10

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
松本委員長、中村委員長代理、川戸委員、佐野委員、下谷内委員、田島委員、日和佐委員

【説明者】
消費者庁 西川企画課企画官、内田長官、成田企画課長、相本食品表示課長、黒田政策調整課長
(独)国民生活センター 宮内相談部長、藤森調査役、相談部担当者(加藤)

【事務局】
齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.消費者基本計画について
3.消費者安全の確保に関する基本的な方針について
4.食品表示部会の運営方針について
5.「新たな手口による詐欺的商法に関する対策チーム」の中間取りまとめについて
6.平成22年3月17日付国民生活センター報道発表資料について
7.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第 (PDF形式:14KB)
【資料1】 消費者基本計画(素案) (PDF形式:411KB)
【資料2】 消費者安全の確保に関する基本的な方針(案) (PDF形式:154KB)
【資料3】 食品表示部会関連資料 【資料4】 新たな手口による詐欺的商法への対応策について (PDF形式:80KB)
【資料5】 国民生活センター報道発表資料(平成22年3月17日)
(参考資料1) 食品表示部会委員名簿 (PDF形式:15KB)
(参考資料2) 食品表示部会設置・運営規程 (PDF形式:18KB)
(参考資料3) 諮問書 (PDF形式:86KB)
(参考資料4) 消費者安全専門調査会委員名簿 (PDF形式:16KB)

≪1.開 会≫

○原事務局長 本日は皆様お忙しいところお集まりをいただきましてありがとうございます。
ただいまから「消費者委員会」の第19回の会合を開催したいと思います。
前回の委員会の最後にも申し上げましたけれども、消費者基本計画策定に向けた作業スケジュールとの兼ね合いで、本日は前回から間を置かず急遽委員会を開催することといたしました。そのため御都合がつかず欠席をされる方、それから今、川戸委員は30分ちょっと遅れての参加ということで御連絡をいただいておりますけれども、御議論をお願いしたいと思っております。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

○松本委員長 それでは、議題に入りたいと思います。
本日は、当初予定しておりました「消費者基本計画について」に関する議題に加えまして、「消費者安全の確保に関する基本的な方針について」。
「食品表示部会の運営方針について」。
「『新たな手口による詐欺的商法に関する対策チーム』の中間取りまとめについて」。
及びちょうど2日前になりますが、3月17日付の国民生活センターの報道発表資料に関する議題を取り上げたいと思います。

≪2.消費者基本計画について≫

○松本委員長 まずは前回に引き続き「消費者基本計画(素案)」に関する議論を行います。
消費者基本計画につきましては、前回の委員会において消費者庁より改訂案が示され、これに対しまして、3月3日に委員会で取りまとめた意見などを踏まえて議論を行い、改めて意見を委員の方から述べさせていただいたところです。
本日は前回に引き続き、内田消費者庁長官にお越しいただいておりますので、前回示されました改訂案からの修正点や、現在の調整状況につきまして御説明をいただき、その内容に対して、委員の皆様から御意見をいただきたいと思います。
それでは、まず内田長官より御説明をお願いいたします。

○内田長官 それでは、お手元に「改訂版2」(PDF形式:411KB)というものが置いてございます。これに即しまして、前回からの修正の主なところを御紹介させていただきたいと思います。
個別の御説明の前に全体としてまずやりましたのが、文章を「ですます調」にすべて改めたというのが1点でございます。
それから、共通してやった2点目は、これは総論・各論を通じてでございますけれども、附帯決議との関係を再度精査いたしました。記述が後退をしていないだろうなという観点で再度点検をしまして、そういうふうに読み取れるものについては修正をした、これが全体を通じた修正点でございます。
それでは、個別に御説明を申し上げます。
1ページは大きく書き換えた、パーツを書き換えたわけではありませんけれども、そう思っていただいて結構でございます。特に最初の15行目くらいのところに、これまでは経緯みたいなものが書いてございましたけれども、ここではこの計画が、つまり消費者庁、消費者委員会ができたというのは消費者行政のパラダイムの転換だということ。
なぜそういうことになったかというと、健全な消費生活の基盤、行政に対する信頼という言わば消費者行政の前提となるものが大きく揺らいでしまった。そういう中で消費者庁、消費者委員会が創設された、これはパラダイムの転換を目指すものであるという、今回の基本計画の拠って立つ一番ベースのところの認識を冒頭に書かせていただきました。これは前回のこの会議で御指摘いただいたことでもあろうかと思っているところでございます。
関連をいたしまして、1ページの一番下にマル1と書いてございます。各主体の役割を書いたところですけれども、言わばパラダイム転換の象徴は、勿論、消費者委員会、消費者庁の創設なわけですけれども、もう一つ、消費者政策担当大臣というものが置かれて、勧告権を持っている。こういうことがございますので、そういう大臣のこともここで明記をしたというのが大きな転換の1つではないかと思っております。
2ページにまいりまして、31行目からですけれども、ここにいろいろな主体のそれぞれの役割を書かせていただきましたけれども、31行目のところで「それぞれの役割を果たすとともに、それぞれが適切に協力することによって」役割分担と協力の下で、こういう主体が進んでいくんだという考え方を記述させていただきました。
3ページ6行目、言わばこの計画の趣旨の結びの部分でございますけれども、高度情報通信社会、国際化、高齢化という要素を挙げておりますが、いずれにしろ、消費者を取り巻く環境は刻々と変わっていくので、この計画はその状況の変化に適時・適切に対応するように、毎年度検証・評価・監視をやって見直すんだということを、これはもともと考え方としては当然あったのですけれども、この冒頭のところでそういう性格のものだということを明記をさせていただきました。
4ページ、7行~9行目までの3行は付け加えてございますけれども、この部分は消費者の安全・安心の確保についての基本的な方針を示すところでございますけれども、ここに書きましたのは、食の安全・安心の確保、つまり安全に関する消費者庁の司令塔の機能の中に食品安全に関するものがしっかりと入っているのだということを明記をさせていただいたということでございます。
これは総論のほかの部分にも共通しますが、例えば同じ4ページの11行目からはア、イ、ウとしてございます。重点的な取組みということで、これは前回もこういうことで載せておりましたので、これは前回お示しした案で、各論をそれぞれ政策分野ごとに大ぐくりにくくりました。その見出しをここにつないで総論と各論のつなぎがわかりやすいようにということでお出しをしたのですけれども、更に御意見がございましたので、その中の横串的なものと言いますか、分野横断的、施策横断的なものを中心に、こちらに例示的に挙げさせていただきました。これによって大きな総論から個々の1つの箱の施策までが、体系的に御理解しやすくなることをねらっての作業でございます。
併せまして、前回の基本計画と同様に、重点施策をもう少し具体的に書くべきではないかという御指摘がございました。これへのお答えだとも思っております。
7ページ「(4)行政組織体制の充実・強化」のところで、26行目は、それぞれの役所の強化のところでありまして、消費者の立場に立った施策を十分遂行し得るよう、行政組織を整備するのだということを書きましたが、その中心的な課題として、消費者担当部局の強化ということを明示をさせていただきました。
その下の消費者庁ですが、ここはもう少し書き込めないかということで、今、調整の途上にございます。
9ページ、ここは消費者基本計画の検証・評価・監視、フォローアップのやり方を書いた部分でございますけれども、12行目のところのものを加えました。
「消費者団体はもとより、地方公共団体、事業者団体等に対し十分な情報提供を行った上で、これらの団体等へのアンケートやヒアリング、意見交換会等により、その意見を聴取し」、この意見聴取のことは書いてあったのですけれども、言わば丁寧なパブリックコメントをやるんだということをここでは書かせていただきました。
以上が総論の修正点でございます。
10ページからが各論になります。
各論でも全体に共通した見直しが2つございます。
1つは「実施時期」というのがそれぞれに付いているのですけれども、継続実施というのがたくさん出ております。この表現の考え方を整理いたしまして、継続実施と書くのは法律に基づく事務事業か、基本的な事務事業、これを原則として、ほかのものについては着手時期、完了時期を可能な限り明記をする。現時点で明示のできないものもあるわけですけれども、それにつきましては、毎年の点検・評価・監視の作業の中で、逐次明らかにしていくという考え方で、ここについては整理をいたしました。
もう一つは、施策の順番ですけれども、横串的といいますか、施策横断的、あるいは重要だと思うれるものをなるべく前へ出したという整理もいたしております。体系の関係で少し途中に来るものもございますけれども、基本的にはそういう整理をさせていただいたということです。
それぞれの施策の主な修正点ですけれども、1番の新しいPIO-NETの構築のことですけれども、この中でこの箱の5行目の最後からですが、「相談員にとって使い勝手のよい仕組み」という考え方を入れさせていただきました。どちらかというと今度のPIO-NETの大きな刷新は、使う側のこと、情報がなるべく早く把握できるようにという観点からでありましたけれども、逐次入力する方たちの使い勝手を考えた改善もやっていく必要があるのだろうということで、こういう考え方をここに入れさせていただきました。
2つ目の箱は、事故情報データバンクで国民からの利用が可能な運用を行うことにしておりますが、そのときの考え方として、個人情報保護に配慮しつつ、十分な開示を行うという考え方を入れさせていただきました。
11ページ7番の箱がございます。この中に「リコール情報を一元的に収集し、消費者へわかりやすく情報を提供」するという考え方の施策を入れました。
同じくリコールで8番の箱ですけれども、後段に「リコール制度に関し、ユーザーの立場に立ったものとなるよう検討します」。こういう観点からの自動車のリコール制度の見直しについての記述を加えました。
13ページの施策の13、これは事故の原因調査機関でございます。これについての記述を考え方がはっきりわかるように改めまして、「消費者庁は消費者事故の独立した公正かつ網羅的な調査機関の在り方について検討します。消費者委員会による調査審議を踏まえながら、関係省庁・機関の協力を得て、最も効果的に機能する仕組みを構築します」ということで、考え方がはっきりわかるような記述にしたことと、併せまして実施時期を平成23年度のなるべく早い時期に結論を出しますというふうに改めております。
15ページ、施策番号の20でございますけれども、4行目のところに、食品安全委員会が行います「科学に基づくリスク評価機能の強化」という考え方を入れさせていただきました。
21番の箱ですけれども下から3行目のところに、リスクコミュニケーションの促進が、当然なことなのですが、「消費者の立場に立ったリスクコミュニケーションの一層の促進のために必要な措置を講じます」という立場を明記させていただきました。
20ページ、40番の施策で、これは改正特定商取引法のことですけれども、今回の特定商取引法の改正は、高齢者をねらった悪質商法を重点に改正を行いましたので、その考え方をはっきりと書かせていただいた。ほかの施策も高齢者がまさに対象となる施策については、そうである旨を明記をなるべくさせていただく修正を、それぞれのところで行っております。
21ページ、施策番号45番でございます。
改正貸金業法が実施に移るわけでございますけれども、恐らくこれが実施されると多重債務問題が更に顕在化をするのではないかと私どもは懸念をいたしております。
そういう中で「多重債務問題改善プログラム」というものがあるわけですが、特に消費者行政の側からは、相談窓口の整備・強化、これは後でも出てまいりますけれども、そういったことをここで詳しく書かせていただきました。
23ページの57番の施策でございますが、この間のこの会議の場でも御指摘がありました高齢者用の入居施設の安全性の問題でございます。
「有料老人ホーム等に係る表示の適正化、入居契約の適正化、関係法令の遵守等について、都道府県に対して指導の徹底を要請します」という記述をここに入れさせていただきました。
26ページの施策番号67、この施策そのものは前回もあったのでありますけれども、これが食品表示に関する一元的な法律の制定に係る法体系の整備の問題だということを明記させていただくと同時に、大変重要な施策でございますので、このグループの一番前に移動をさせていただいております。
29ページ、施策番号85、ここは2点修正がございます。
新たに各省が体系的に消費者教育を進めていくために、その部隊として消費者教育推進会議を設置するということは前回入れさせていただきました。前回はこれは消費者庁を中心に関係省庁で構成するとしてございましたけれども、学識経験者、消費者団体、教育関係者等、行政と消費者教育を担う方たちが共同で議論する場にしたいというふうに、記述を改めております。
この85の箱の最後の施策の一番下の2行「消費者教育に関する法制の整備についての検討」ということを付け加えさせていただきました。
35ページ、施策番号は109、これは先ほどと同様の考え方に基づくものですが、多重債務者対策について相談窓口の高度化、例えば弁護士さんがしっかりバックアップするというようなものについての、公共団体のそういう取組みについての支援という考え方を入れさせていただいております。
38ページ、施策番号119、120というのがあります。施策そのものは前回も入っておりましたけれども、119が集中育成・強化期間中、つまり今直ちにやらなければいけない施策の箱。
120番は集中育成・強化期間後、3年先、少し先の本格的な展開についての施策を書いた部分だということを明記をさせていただきました。
39ページ、117は再掲ですから、前にも出ていたんです。同じ表現になっていますが、前回この場の議論で国民生活センターの直接相談のところのあっせんについての記述が不明確ではないかという御指摘があったかと思います。
そこで「消費者から直接受ける相談やそれに伴うあっせんについての体制を強化し」ということで、直接相談について、あっせんも含めて体制を強化するという内容がはっきりわかるように書かせていただきました。
40ページでは、適格消費者団体の支援の中に、施策番号125ですが、2行目のところに「情報面における支援措置」が入っています。これは考え方としては勿論入っていたのですけれども、それを明記させていただきました。
42ページ、134という施策番号は新たに付け加えたものですが、「労働相談など他の相談機関においても、消費生活に関するトラブルについて、消費生活相談窓口を案内できるような取組を進めます」。
消費生活相談センターだけではなく、いろんなところで相談を受けておられる。その中に実は消費生活センターに御案内いただいた方がいいような相談内容がある。こういったものがうまく連携が取れるようにということの施策でございます。
施策番号137番は、これも新規でございますが、消費者委員会のことでございます。「消費者委員会が独立して消費者行政全般についての監視機能を十全に果たすことを担保するため、常勤化を含む委員の在り方について検討するとともに、その事務局体制の充実・強化を図ります」ということ。
それから「消費者庁をはじめ関係省庁は、消費者庁及び消費者委員会設置法第8条に基づく消費者委員会から資料の提出の要求等に対し、迅速かつ適切に対応します」ということを確認的に明記いたしました。
各論で御紹介した方がいいかと思われる主な点は以上でございます。
この「改訂版2」についての説明は以上でございます。

○松本委員長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの現段階の「改訂版2」につきましての御説明について、どうぞ御意見、御質問をお出しください。

○佐野委員 短い期間に随分整理をしていただきありがとうございます。
前回申し上げた消費者の意見の反映に関してもう一度発言させていただきます。
今回の施策番号だと106、107になっているのですが、消費者意見の反映は、消費者の参加とか協働とかいう意味もあると思うのです。ここで書かれている審議会での消費者委員の数を増やすとか、消費者からの情報・相談を受ける体制というのは、あくまで行政側から消費者にということで、私は本当にこの総論の最初に明記された、消費者が主役となる社会の実現に向けるのであったら、もっと消費者の参加をきちんとうたう必要があるのではないか。前回も申し上げましたけれども、消費者意見の施策への反映、その制度の構築として、消費者の意見の申出やスーパーコンプレインツ制度、異議申立制度などを是非書き込んでいただきたい。
前回長官がおっしゃった「生活安心プロジェクト」も読みました。審議会のことがかなり大幅に書かれておりますけれども、最後の行にスーパーコンプレインツについても、きちんと説明されています。消費者から意見が提出されたら、それを施策に反映できるものはするし、できないものはなぜできないかというきちんとした回答をする制度を是非構築する、検討すると書いていただきたいと思います。
資料をもらったばかりできちんと読み込んではいないのですが、14ページの施策番号17と18にテストと原因究明のことが書かれています。これを読んでみると、主語が、最初は国民生活センターで下の部分が経済産業省となっています。これら2つを1つにして、担当省庁を国民生活センター、経済産業省、NITEと書いた方が、一緒にやるということでは、わかりやすいのかなと思います。
先日マスコミ報道で、折り畳み自転車の欠陥情報の公表が遅れたとありました。なぜあのようなことが起きたのか。きちんと連携が取れていないからではないか。2つの施策を別々にというよりか、一緒に協力しながら商品テスト、それから原因究明をするという形にした方がいいのではないかと思います。
もう一点申し上げたいのは、総論の8ページの国際化の進展というところです。22行目くらいになるのですけれども、これを読んでいきますと最後に「国際的な調和が取れるような基準の策定・見直しなどの必要な施策を講じます」と書かれています。これをぱっと読んだとき、例えば国際的な規準・標準化されたら、それを日本がそのまま受入れますよという形にしか読めないと私は思いましす。現在、ISO26000、社会的責任のガイダンス作りに5年ほど関わってきておりますけれども、消費者も一つのグループとして、ステークホルダーとしてきちんと意見を発信しております。そこではやはり消費者の意見というものを世界の規格に反映させようという努力をしているわけです。ここに書かれているように受け身ではなく、消費者が中心となる規格、消費者の視点も含めた国際規格を日本から発信していきましょうという、外に出て行くような積極的な姿勢にしていただきたいと思います。
今のところは3点です。

○松本委員長 まとめて意見を出していただきます。中村委員、お願いします。

○中村委員長代理 前回いろいろ申し上げたことが、かなり反映されており、感謝申し上げたいと思います。ただ、読み返せば読み返すほど、また新しいことが目についたりしますので、数点申し上げます。
今日は委員の参加も少ないので、2人分か3人分しゃべるかもしれませんけれども、よろしくお願いします。
1つは、38ページの地方公共団体云々のところですが、2の(1)の見出しの下に書かれている文言がちょっと気になりまして、「『地方消費者行政の充実・強化のためのプラン』に基づき、総合的な地方消費者行政の推進を行います」とあって以下の箱書きが続く形式になっていますが、強化プランと言うと、私たちは3年間のことしかイメージしませんので、この基本計画は5年ものなので、これで書かれてしまうとちょっと違ってくる。実際に120番あたりが、強化期間後のことについてまで触れられているのです。そうすると頭の方の見出しと各論の中身がちょっと違うのではないかという気がしますので、ここの(1)の見出しの書きぶりをちょっと変えていただくことが必要ではないか。総論のところにも3ページに明確に5年間を対象とするということをはっきり言っておられるわけですから、ここを変えていただきたいというのが、形式的な問題でそれが1つです。
時間的にタイトだったのだろうと思うのですが、13ページの15番の問題で、昇降機などの調査機関の在り方の検討、ここは従来からそのままなのですが、御存じのとおり昨晩、前原国交大臣がもう少し踏み込んで、運輸安全委員会設置法の改正によって、現在の運輸安全委員会の中に、昇降機等の調査、原因究明ができる部門をつくる。そのために国土交通大学校で専門家の育成などもしますということを昨日はっきり言われて、昨日の夜から今日の朝にかけてマスコミ各社が報道しておりますので、昨日の夜で、今日印字するのは難しかったかもしれませんが、せっかく一歩踏み込んでおられるのでそこまで書いていただきたい。
そうすると時期についても継続的に実施ではなくて、昨日の大臣の発言だと来年度の通常国会にということまではっきり言っておられるようなので、平成23年度中にはということになるのだろうと思いますが、その辺りまで具体化して踏み込んでいただければいいと思います。
20ページの41番に関連すると思うのですが、不招請勧誘の規制というのは大変重要なのですが、1番の入口である電話勧誘ですね。日弁連などは電話がそもそもかかってこないシステムをつくれば、かなりの被害が防げるという視点から、電話勧誘の拒否登録制度みたいなものを提案しておりますし、昨年たしか国会でも経済産業大臣などがそういう発言をしていたような気がしますので、もう少し具体的に電話勧誘を拒否する登録制度などの検討という言葉も踏まえて入れていただけるといいかなと思います。
貸金業の関係とか、自殺問題に対応する施策があちこちに出ていますが、割合多くの部分、この被害の中に占めるのは保証人という立場の方の被害が非常に多くて、今までの保証人制度の在り方にそもそも問題があるのではないかという指摘が結構されています。
たしか民主党もマニフェストで保証人制度の在り方を見直すようなことを言っていたと思うので、そこまでもう少し踏み込んで、保証人制度の見直しを書き加えられないものか。どこにというと、あちこち飛びそうなので何か所か出てきそうな気がするのですが、自殺対策に含めることも可能な、必要な施策ではないかと思います。
適格消費者団体のところは、書き換えていただきましてありがとうございました。付則のとおりに直っておりますので、これでよろしいかと思います。
とりあえず気が付いたところは一旦この辺でとめておきます。

○松本委員長 それでは、ただいまの2人の御意見につきまして、長官の方からお願いいたします。

○内田長官 4ページの4行目のところで、この間の御意見を踏まえまして、ここは安全の部分でございますので、「妊産婦」という記述を入れさせていただきました。
今、幾つか御意見をいただきました。個別の御提案については少し中身を吟味をしたいと思いますが、例えば保証人制度の話、恐らく今、民法なりいろんなところの議論のテーマになってくるのかなと思います。その中から、それを抜き出すのがいいのかどうかということも含めて検討する必要があるかと思いますが、いずれにしろ個別問題については、全体を見て考えさせていただきたい。
その際に私は思っておりますのは、今回毎年度の見直しを閣議決定をすることにいたしました。ということは、毎年度計画そのものを改訂することができることになったわけでございますので、いろいろな熟度を見ながら、5年先まで見て余り無理して、無理してというと変な言い方ですけれども、我々も今のところ自信がないなり、いろいろな考え方があるなというものまで入れるのではなくて、少し御相談しながらやっていくということが可能になったということも勘案して検討させていただきたいと思います。
佐野委員からいただきました消費者の意見、基本はそのどおりだと思いますし、この計画はむしろ最初のそれぞれの主体の役割、位置付けの話、先ほど申し上げたようにパブリックコメントもぱっと投げるだけではなくて、まずはしっかり情報を提供してそこから考えていただくようなパブリックコメントにするとか、先ほど御指摘いただいたような箱の施策、それから、先ほど御紹介をいたしましたように、消費者教育を考える会議、これにも行政だけではなくて入っていただくということで、いろいろなところで、そういうことを配慮して書いているのかなという感じはいたしております。
総論でもっと書くようにという御示唆なんでしょうか。総論も書いているようなつもりがありますが、総論についてはそういう方針がまだ、わからないということであれば、もう少し検討の余地はあるかと思いますので、考えさせていただきたいと思います。
国際化については、おっしゃった趣旨もわかりますので、何か工夫ができるのかどうか。私は直ちに思い浮かびませんけれども、考えてみたいと思います。
中村委員がおっしゃったプランのタイトル名などは、少し考えてみたいと思います。
国交省には、今の状況を踏まえ、どういう記述になるのか確認をいたします。
17と18の国センとNITEの話ですが、この間報道されましたのは、連携が取れていなかったわけではなくて、むしろあのときは連携が取れておりまして、品物が最初に国センに持ち込まれて、国センがそれでテストをして、めどが立ったので、それをNITEにお渡しをして、引き続きNITEがやった。発表の時期を合わせてしまったのがよかったのか。そもそも制度の目的が違うから、国センは国センで先に発表してもよかったのではないのかというのが問題の本質かと思っております。
国センとNITEの問題をどうしていくのかというのは、独立調査機関のありようの検討の中でも議論になるのかもしれませんが、今時点で私どもは思っておりますのは、それぞれの役割が基本的には違っていると思っておりまして、国民生活センターというのは、各消費生活センターが相談に応じる、あるいはあっせんしていく、そのときをバックアップするものとして国民生活センターの役割がある。
もう一つは、啓発に使っていくという役割で、あくまでも使う側からテストを組み立ててやっていくのだろうと思いますけれども、NITEの基本的な役割は、やはり原因究明、責任を追いかけていくということでありますので、それが似ているから1つの箱で一緒にということでは必ずしもないのかなという気が今はいたしております。
ただ、おっしゃっている趣旨が連携を取るということでおっしゃったように思いました。そのことはそのとおりだと思いますので、考えていきますけれども、今のところ少し目的なり調査のやり方も違う。そこは大事にしたいなと私自身はそう思っております。

○佐野委員 私もそのとおりだと思って、2つを合せてぐちゃぐちゃにするのではなくて、それぞれの特色を生かしたものというのは勿論そのとおりだと思います。
ただ、今回の自転車のように両方の機関がどうして同じようなテストをしなければならないのか。一方の結果を待っている間に、もしかしたら事故が起こっているかもしれません。私たちが知らないだけかもしれない。そういうことがあり得るわけですから、その辺の連携は全然取れていないと私は思うのです。それが取れるというのは、無駄をなくしてきちんとどちらかが責任を持って調査する。その辺りも、一緒になってやるべきで、ごちゃごちゃではなくて、それぞれの機関の特徴を生かしながら両機関が協力しながら原因究明テストまたは比較テストなど、いろんなことができるのではないかなと思っています。長官がおっしゃるように、くっつければいいというように私は思っているわけではありません。
先ほどの申出制度のところなんですが、いろいろな法律で既に申出制度というのがあります。地方自治体によっても申出制度があります。こういうものがある中で、一体どのように使われているのか、実態を調査しながら、消費者行政全体としてどういうような申出制度が必要かということくらいやってもいいのではないか。申出制度というのは、消費者がどこに住んでいても意見が言えます。パブリックコメントだと行政からテーマが出されるわけですから、こちらから何か物を言いたいときに申出制度というのはあるべきではないかと思います。

○下谷内委員 短い時間にこれだけまとめていただきましてありがとうございます。
お伺いしたいのですが、6ページの重点的な取組みの中で、イのところなんですが、「国民生活センターにおける直接相談の受付体制の強化等」となっておりますが、ADR機関というのは、独立しておりますし、先日の説明もそうあったかと思いますので、直接相談に行かないし、たしか国センの手続の中では、直接ADRに申し出ることができるとなっておりまして、この直接相談は何なのかなというのがわからなかった。ADRの直接のことをおっしゃっているのか、一般の相談における直接相談のことをおっしゃっているのかわからないので、もし相談部に行くということであれば違うのではないかと思います。
直接相談の受付体制の強化というのは、こちらの各論の中で意見を申し上げましたので、かなり書き込んでいただきましたので、それとの関連で書かれているのであれば、ここのところは意味が違うのではないかなと思います。私がわかるように、それを修正していただければいいのではないか。
10ページの1番、PIO-NETが相談員にとっても使いやすいシステムを構築するということで、これは皆さんが毎日されますので、とてもうれしく思っております。22年度から実施しますというもの自体が非常に使いづらい。私も見たけれども使えませんでした。こういうものというのは、今はそれで皆さん訓練されておりますけれども、今後修正するときというのは、少しの修正ではなかなか難しいと思うのです。そのときにどういうふうにされるのか。せっかく使い勝手のよい仕組みを構築しますとおっしゃっているので、現在では22年度なものは非常に使いづらいと思っております。
そういうことも含めて、この辺のところは22年度当初から実施しますとともに、見直しもしていくという形が必要なのではないかなと思いますので、御検討いただければと思います。
適格消費者団体に、資金の確保という言葉が入っておりますが、今、集団的被害救済制度の検討だとか不当利益の剥奪等についてあります。それに関連して、例えば国の中だけでなく、あるいはどこかの機関でそういうものをプールして、配当がすべてができるとは思いませんが、そういうときに適格消費者団体にも支援していただけるようなことも読み取れるような配慮というものがあっていいのではないかと思います。
とりあえず以上です。

○内田長官 第1点目のところは、少し検討いたしますけれども、これは先ほど申し上げたように少し大きめなものを例示として挙げたのですが、実は人によっては、恐らくこれが大事だというのが違うので、基本的には施策部の上の方から入れていったので、確かにこれはちょっと違和感があるのかもしれませんので、少し考えさせていただきます。
相談員にとって使い勝手のよい仕組みというものを入れましたのは、先ほど申し上げたように、4月から始まるシステム、むしろ利用者側にとってなるべく早く情報が手に入るという観点から、これについては飛躍的に進んだと思うのですけれども、必ずしも使う側にとってこのシステムが使いやすいかというと、そうではないと思っておりまして、今後も改善に引き続き取り組んでいくんだというつもりでここに入れさせていただきました。下谷内委員のおっしゃったようなことを、考えているところでございます。
適格消費者団体の支援の1つとして、今検討している被害者救済制度の中での仕組みの問題で考えられないかということですが、当然そういう視点でこれから制度設計に移ってくるだろうと思うのですけれども、今年の夏以降での重要な課題だと思っております。
これは今研究会をやって詰めておりますので、その中での課題として、今年度内に私ども十分ウォッチをしていきたいと思っております。

○中村委員長代理 前回だったと思うのですが、池田委員、川戸委員から期せずして発言のあった消費者委員会の内幕みたいなものを公開の場にさらしたわけですが、あれの基本にあるのは消費者委員会の事務局の在り方とか機能、それから消費者庁との役割分担といいますか関係、そういうものが先の国会審議の中で十分整理をされないまま、消費者政策委員会として消費者庁の下にいたものが、横出しになって、独立した消費者委員会になったという経過、十分審議が尽くし切れていなかったような気もするのですが、櫻井委員もそういうことをおっしゃったことがあるのですが、そういう中で、ああいう問題が出てきたので、政府の方針である消費者基本計画の中に、消費者委員会の事務局の機能とか在り方とか、消費者庁との関わり合いの問題について、更に検討を行うような項目というのはあった方がいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○内田長官 事務局の機能の充実強化とか、各省の、勿論消費者庁もそうですけれども、消費者委員会との協力の在り方については、今回こちらの事務局から御意見もいただいて入れさせていただいております。そういうことでは足らないのでしょうか。
2ページの31行目、今回追加したと申し上げましたが、消費者庁、消費者委員会それぞれ書かれておりますけれども、それぞれの役割を果たすとともに、適切に協力することによって、そういうことで書かしていただいたのも、そういうような趣旨なのだろうと思います。
こうやって同じビルにいるわけでありますから、いきなり法律上の検討を今鋭く基本計画に書けというよりは、むしろ日々いろいろな御相談をさせていただく方がずっと早いのではないかと私は思っております。

○原事務局長 地方消費者行政の箇所について、事務局からも意見を昨日の段階で出させていただいておりますので、再度お願いをしたいと思います。
6ページ~7ページにかけて総論のところで、2番の(1)で「地方公共団体への支援・連携」というふうに書かれていて、最後の言葉が支援の在り方について消費者委員会で検討しますとなっていて、7ページで「重点的な取組」で、「地方消費者行政の充実・強化のためのプランに基づく施策を着実に推進、集中育成・強化期間後の国による支援の在り方等を全般的に検討」というふうに書かれていますが、消費者基本計画は5年の計画になりますから、6ページにあるように消費者委員会で検討しますというところで終わる話にはならないということ。
重点的な取組みのところも、強化プランのことが掲げられておりますけれども、強化プランに基づく施策というのは、この計画のうちの前半部分にすぎないので、「集中育成・強化期間後の国による支援の在り方等を全般的に検討等」で終わるのではなくて、消費者委員会での調査検討の結果等を生かし、推進をしていくということになるのではないかというのがこの重点的な取組みの書きぶりであろうと思います。
同様に先ほど38ページ、個別の論点になりますけれども、先ほど中村委員からは、「(1)地方公共団体への支援・連携」のところの文章について、同様の趣旨の5年という計画の中での前半のプランのことだけでここを書いてしまうのは、全体を見ているものではないという御発言があって、事務局としてもそのとおりだと思いますし、施策番号120の書き方も、上から5行目に「検討を行います」。その際、消費者委員会における検討を踏まえ、これらを全般的に検討しますとなっていて、検討、検討ということで終わっているというのも、項目の立て方としてはやや違うのではないか。消費者委員会での調査とか検討を踏まえて、着実に実施をしていく。地方消費者行政充実のために各施策を実施していくということに、具体的施策はなるのではないかと考えて、そのような意見で各省庁の調整にかけられたのと同様に、委員会としても昨日の段階で事務局の意見として提出をしておりますので、是非御検討を重ねていただきたいと思います。

○内田長官 総論のところは、最後におっしゃった38ページの施策の箱を念頭に置いて書いておりますので、120番のところをどう書くのかということだと思います。
勿論、検討して実施をすると書いてもいいのですけれども、残念ながら集中育成・強化期間後にどういう施策を取るのかというイメージが、消費者委員会でも今調査の最中で、これから御検討されるわけでございまして、具体的なものがない。それを書いてもよろしいのですけれども、幸いにして先ほど申し上げたように、今回は1年ごとの見直しという制度がありますので、評価・点検。恐らくここは22年度中に結論を出しますとなっておりますけれども、こういう結論が出た。次はこれをいつ移すんだというふうにここは変わっていくのかなと思います。
今の段階で実施と書いてもいいけれども、それは余り中身のない言葉だけの記述になるのかなと思います。勿論、その方がいいということであれば、この部分はむしろ消費者委員会で御検討されている施策でございますから、しっかり実施と書いてくれということであれば、そう書くのは可能かと思います。ただ、何を実施するのですかという問いに対する答えが今はないのではないかと懸念をいたします。

○原事務局長 6ページ、7ページのところで、特に7ページの重点的な取組みのところの書きぶりというのは、消費者庁と消費者委員会の間で調整ができる話だと思いますので、再度調整をお願いできればと思います。

○松本委員長 恐らく2人の言っていることは同じことだと思うので、あとは書きぶりをどうするかということかと思います。毎年変えていくのだということで、その場合各論の部分は恐らく進捗度に合わせて、初年度は検討で、2年度になれば実施というような書き換えは十分可能でしょうが、総論の部分がそんなに毎年変わるようなものかというと、そうではなく、もう少し長めのスパンで書いた方がいいかと思います。そこは事務局の方で調整していただきたいと思います。
ほかにございませんか。

○日和佐委員 池田委員が今日は御欠席なので、池田委員の御意見を伺った方がいいかと思うのですけれど、2ページの最初の部分なんですが、ここに関しては、それぞれの項目について全体的な記述はされているのですけれど、25行目の事業者と事業者団体のところなんですが、これは消費者の安全と安心の確保に向けてというテーマに関してのみ記述がされています。
ですけれども、7ページの(3)にはかなり詳しく書かれているんです。もう少しここに書かれていることを前に持ってきた方がよいのではないか。
それと、消費者基本法では、消費者の権利を実現するために事業者も責務を果たさなければいけない。そして自主的な取組みをしていきなさいという記述がありますので、そこと整合させるような形で、もう少しここを幅広く、事業者の取り組むべき課題として記述をお願いしたいと思います。

○松本委員長 ほかに御意見ございませんか。川戸委員、何かございましたらどうぞ。

○川戸委員 私は感謝を述べたいと思います。総論のところで前回いろいろ申し上げましたけれども、そのような方向に沿って、御苦労だと思いますけれども、書いていただいてありがとうございます。
今、日和佐委員が言われたように、私もあのときに、事業者と消費者はWin‐Winの関係で、それはやはり相当のところに持っていくべきだという話をしました。そうすると、ここは消費者の安全と安心の確保に向けてという言葉だけに係るというよりは、もう少し幅広い、今の御指摘のように7ページの15行目のような書きぶり、これを前に持ってきた方がいいと思います。私たち消費者委員会もこういう方向でやっていきたいと思いますし、消費者庁並びに全部の省庁にこういう基本方針でやっていただきたいと思います。

○松本委員長 田島委員、食品関係が今回大分新たに書き込まれましたけれども、いかがでしょうか。

○田島委員 67番のトップに食品表示の一元化に関する問題を出していただきまして、大変感謝しております。そのほかにもトランス脂肪酸の問題も71番ではっきり明示してありますので、更に健康食品に関しても2つの項目を挙げていただきまして、当面は5年間にわたって順次検討を進めて、施策を実行していただければと思います。

○松本委員長 ありがとうございました。
ほかにございませんようでしたら、この「改訂版2」につきましての審議はこれで終了させていただきますが、消費者庁におかれましては、ただいま出されましたさまざまな意見をしっかりと受け止めて、基本計画の最終的な案の策定に向けた調整を一層進めていただきたいと思います。

≪3.消費者安全の確保に関する基本的な方針について≫

○松本委員長 続きまして「消費者安全の確保に関する基本的な方針」に関する議論を行いたいと思います。
この「消費者安全の確保に関する基本的な方針」につきましては、前回の委員会におきまして、消費者庁より改訂案が示され、その内容について議論を行い、消費者委員会としての意見を述べたところであります。
本日はその際の委員の意見等も踏まえて、更に修正した案について消費者庁より御説明をいただきたいと思います。
それでは、消費者庁よりお願いいたします。

○成田企画課長 それでは、続きまして「消費者安全の確保に関する基本的な方針(案)」(PDF形式:154KB)についてでございますけれども、前回のこの委員会におきまして、パブリックコメントでいただいた御意見を踏まえて修正した「(案)」について御説明をさせていただいたところでございますけれども、その際にこの委員会でいただいた御意見、また先週の金曜日に内閣府政策会議分科会においても同じく御意見をいただきまして、両方からいただいた御意見を踏まえて何点か修正をさせていただいております。本日はその修正点について御説明させていただきます。
1ページ、上の方にガス湯沸器の事故とエレベーターの事故について書いてございます。この点について若干記載が不十分ではないかという御指摘をこの委員会でいただきましたので、ガス湯沸器の方の事故につきましては、情報の共有が不十分であったということ。
エレベーターの事故につきましては、原因を究明する常設の機関がなかったということを新たに付け加えております。
5ページの上から4行目に、事故の調査機関について書いてございます。「消費者事故の独立した公正かつ網羅的な調査機関の在り方について検討し、消費者委員会による調査審議を踏まえながら、関係行政機関その他関係機関の協力を得て、最も効果的に機能する仕組みを構築する」という部分につきましては、先ほど御説明いたしました消費者基本計画の書きぶりに合わせております。
同じく分科会の方でいただいた御意見で、連携を取りながらという言葉がかなりこの案に盛り込まれておりましたけれども、この表現を余り安易に使わない方がいいのではないかという御指摘をいただいております。今回改めて「連携」という言葉の使い方について、全体について精査いたしまして、消費者安全法において連携をすると書いてある部分につきましては、そのまま連携という言葉を使っておりますけれども、連携の内容についてもう少し書き込んだ方がいいようなところにつきましては、情報の共有とか協働とかそういったような表現に全体的に改めております。
変更点については以上でございます。よろしくお願いいたします。

○松本委員長 ありがとうございました。何か所かの変更について御説明をいただきましたが、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問があればお出しください。
いかがでしょうか。消費者委員会としても何回も議論を重ねてきたことでございますし、かなりの部分はこの中に盛り込まれているだろうと思われます。特にこの場で御意見がございませんようでしたら、消費者基本計画の最終版の確定に合わせて、こちらの方針についてもまとめられることと思いますので、鋭意その作業を続けていただきたいと思います。

≪4.食品表示部会の運営方針について≫

○松本委員長 それでは、続きまして、3つ目の議題でございますが、「食品表示部会」について議論を行いたいと思います。
食品表示部会につきましては、第8回の委員会において設置することを決定しております。その構成員につきましては、参考資料1として配付しております名簿の方々に、この部会の委員として審議に御参加いただきたいと思います。
本委員会からは、田島委員が部会長として、また、日和佐委員と川戸委員が部会委員としてお入りになって、以上のようなメンバーで構成して審議をいただくことになります。
次に、この食品表示部会の運営方針について議論を行いたいと思いますが、その前に食品表示を巡る現在の主要な論点につきまして、消費者庁の方より御説明をお願いいたします。

○相本食品表示課長 消費者庁の食品表示課長の相本でございます。よろしくお願いいたします。
お手元の資料の3-1(PDF形式:436KB)及び3-2(PDF形式:175KB)をごらんください。
まず、食品表示に関しまして、最近の主要な論点ということで御説明を申し上げます。
資料の2ページ目でございますけれども、1点目は「加工食品の原料原産地表示の拡大」でございます。
加工食品の原料原産地表示に関しましては、JAS法に基づきまして、平成13年から個別品目ごとに順次対応を拡大してきたところでございます。18年10月には20食品群に、その対象が拡大され、昨年10月には緑茶飲料とあげ落花生が追加されたところでございます。
また、加工食品の原料原産地表示の拡大につきましては、厚生労働省と農林水産省が共同で開催してまいりました「食品の表示に関する共同会議」におきまして、昨年8月末に報告が取りまとめられたところでございます。
この中で、国産・外国産といったおおくくり表示の是非などにつきましての検討がされたところでございます。
この加工食品の原料原産地表示も含めまして、JAS法に基づきます表示の基準に関しましては、昨年9月の消費者庁設立に伴いまして、消費者庁が表示基準の企画立案を行うということとされているところでございまして、このような検討につきまして、消費者庁として決めていくこととしているところでございます。
この一環といたしまして、お手元の資料3-2(PDF形式:175KB)でございますが、原料原産地表示に関する意見交換会の開催でございます。
原料原産地表示に関しましては、これまで生産者、事業者、消費者の皆様方から、幅広い御意見をいただいておるところでございますけれども、このような原料原産地表示に関する在り方につきまして、一度このような利害関係者の皆様方から意見をいただいて、その意見交換を行う場を持ちたいと考えたところでございます。
このため、今月29日三田共用会議室におきまして、10時~16時にわたってでございますが、原料原産地表示に関して御意見をいただく場としての意見交換会を開催するということにしております。
消費者庁といたしまして、このような形で広い方面からの御意見もいただきまして、今後加工食品の原料原産地表示の拡大に付いての検討を進めていくということとしているところでございます。
2点目、資料3-1(PDF形式:436KB)の3ページ目でございます。
「トランス脂肪酸の含有量表示」でございます。
トランス脂肪酸の含有量表示に関しましては、昨年の11月に、福島消費者担当大臣より、検討を行うようにという御指示をいただいたところでございます。
トランス脂肪酸に関しましては、諸外国、米国等ではその含有量の表示が義務づけられております。
我が国におきましては、1人当たりの摂取量は総エネルギー摂取量の1%未満という平均がございますけれども、他方、脂肪の多い食品あるいは偏った食事をしている場合には平均値を上回る摂取値となる可能性があるということが指摘されているところでございます。
このような背景を基に、消費者庁といたしましては、昨年12月から3回にわたりましてトランス脂肪酸に係る情報の収集提供に関する関係省庁担当課長会議を開催いたしまして、このような会議の中でトランス脂肪酸に係る情報を収集するとともに、関係事業者の方々からのヒアリングも行いまして、消費者に情報提供するための取組みを行ってきたところでございます。
このような中で、わかったことといたしましては、多くの食品事業者が既にトランス脂肪酸に関しましては、自主的に含有量を減らすための取組みを進めておられるということ。
また、一部の事業者におかれましては、会社のホームページにおきまして、自社の製品のトランス脂肪酸に関する含有量の情報提供を行っているということがわかってまいりました。
一方、このトランス脂肪酸に関します情報提供を進めていただくための技術的課題といたしまして、トランス脂肪酸の定義、天然の由来、あるいは人工の由来のもの、あるいはトランス脂肪酸と一口に申し上げても、たくさんの種類があるところから、表示を行うに当たって、どこまで表示すればよいのか。あるいはトランス脂肪酸の含有量に関しまして、分析するための公定法が今定められておりませんので、どのような分析法によっていいのかが決まっていないといったようなことから、積極的な表示を行うための課題がまだ残っているということもわかってまいりました。
このため、今月私ども消費者庁といたしまして、トランス脂肪酸の含有量に関しまして、情報開示を行うための今後の取組みとして、このような技術的課題の整理を行うとともに、事業者が情報開示を行う際の指針となるガイドラインを取りまとめるといったトランス脂肪酸の表示に向けた取組みを進めていくということを先般公表申し上げたところでございます。
3点目、資料4ページ目でございます。
「遺伝子組換え食品の表示義務拡大」でございます。
遺伝子組換え食品の表示に関しましては、食品衛生法及びJAS法に基づきまして、遺伝子組換え農産物や組換えられたDNAなどが検出できる加工食品について、遺伝子組換えである、あるいは遺伝子組換え不分別であるという表示を義務づけるとともに、遺伝子組換えではない農産物を分別生産流通管理して使っている場合には、任意で遺伝子組換えではないと表示できるというルールを導入しているところでございます。
また諸外国におきましては、例えば米国では遺伝子組換えによって食品の組成等が変化する場合を除いては、表示義務を課していない。あるいはEUでは食品全般にトレーサビリティー制度を導入し、遺伝子組換え農産物に由来する食品に、広く表示を義務付けるといったさまざまな対応が見られ、国際的な統一規格を議論するコーデックス委員会の場におきましても、各国の意見が対立している状況にございます。
そのような中で、我が国といたしましては、遺伝子組換え食品の表示に関しまして、引き続き検討を進めていく必要があると考えてございます。
これに関連いたしまして、5ページの右側でございます。
「遺伝子組換えパパイヤの表示義務化」でございます。
遺伝子組換えパパイヤに関しましては、昨年の7月に、米国ハワイ産の遺伝子組換えパパイヤに関しまして、食品安全委員会におきまして、安全性の確認がされ、今後我が国に対して輸出が認められるような状況になってきております。
この遺伝子組換えパパイヤに関しまして、表示義務を課すためには、JAS法に基づく品質表示基準、食品衛生法施行規則を改正する必要があることから、この改正案につきまして、昨日消費者委員会に諮問をさせていただいたところでございます。
具体的には遺伝子組換えパパイヤに関しましては、生のパパイヤの表示、それからジャムやピューレなどの加工品が考えられますので、そのような加工品に関しまして、現在DNAが検出されるかについての技術的な検証を進めているところでございます。
もう一点、この資料の左側でございますが、「個別品質表示基準の改正」といたしまして、これは消費者庁が発足いたしまして、JAS法に基づく品質表示基準の改正に関しましては消費者庁にその業務が移管されましたけれども、JAS規格に関しましては、引き続き農林水産省が従来どおり改正を行うということになってございます。
このような観点で、先般農林水産省の方でチルドミートボールとチルトハンバーグステーキに関する規格の見直しを行うことが決まったところから、このチルドミートボール、チルドハンバーグステーキに関するJAS規格の表示に関する部分の改正に準じまして、チルドミートボール、チルドハンバーグステーキの品質表示基準の改正を行う必要が発生したところでございます。この改正案につきましても、遺伝子組換えパパイヤの表示と同様、昨日消費者委員会に諮問を提出申し上げたところでございます。
今後この諮問案に基づきまして御審議をいただき、答申をいただけた場合には、資料の下の段に書いてございますけれども、パブリックコメントそれからWTO通報等の手続を踏まえて、新たな改正基準、それから改正規則の施行を行うということとなっております。
以上でございます。

○松本委員長 ありがとうございました。今お話いただいたことはそれぞれ大きな問題でございますが、それぞれの審議については、今後できます部会の方でやっていただくということになると思いますので、ここではやらないで、部会の運営方針につきまして、事務局の方から原案の御説明をお願いいたします。

○齋藤審議官 事務局の齋藤でございます。
資料3-3(PDF形式:15KB)というものでございまして、タイトルは「食品表示部会の当面の進め方について(案)」としております。この紙の上ではクレジットは消費者委員会事務局という形にしておりますけれども、この案で御了解いただけましたら、消費者委員会という形に改めたいと考えております。
1のところに書いてございますのは、この部会の設置・運営規定から抜き書きしたものでございます。
参考資料2(PDF形式:18KB)というものがございますけれども、そちらをごらんいただきますと、「食品表示部会設置・運営規程」の第3条というところに「所掌」が書いてございます。その所掌に書いてある事柄が1項、2項、3項とございますが、それをそのまま引き写してきております。基本的には、部会設置・運営規程の所掌を当然引き写してやっていただくということでございます。
その上で「当面の審議事項」としてどういうことがあるかということで、2.のところに書いてございます。「上記1.を踏まえ、本部会では、当面、主に以下の事項を中心として調査審議を進める」ということで、(1)(2)とありますが、(1)は「個別の品質表示基準の改正などについて」ということで、例えば「JAS規格における5年以内の見直し等に伴う個別品質表示基準の改正について」。
具体的には、ただいま御説明がありましたチルドミートボール品質表示基準、チルドハンバーグステーキ品質表示基準といったものを、JAS規格の見直し等に伴って、こちらの品質表示基準を見直す、その際に御審議をいただくということであります。
もう一つ例として「遺伝子組換えパパイヤ及びパパイヤ加工品の表示義務化について」も、個別品質表示基準の改正という事柄の問題として御議論いただければと考えております。
「(2)その他食品の表示に関すること」ということで、例示といたしましては、先ほども御説明がありましたが、「加工食品等の原料原産地の表示拡大について」御審議いただいたらいかがかということでございます。
こういったものは当面考えられる審議事項ということで書いたものでございます。勿論当面の審議事項の柱書きの2番目の文章にございますように、個別具体の事柄を審議していく中で、もう少し高いレベルから委員会としての議論が必要であるというふうに部会長が御判断された場合には、部会長が委員会に報告し、委員会としても御審議をいただくという進め方をしていただいたらいかがかということでございます。
申し遅れましたけれども、以上の進め方につきましては、田島部会長とも御相談の上、ここに提案させていただくものでございます。
以上でございます。

○松本委員長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの当面の進め方についての案につきまして、御意見ございますでしょうか。

○田島委員 食品表示部会の当面の進め方についてでございますが、ごらんになるとわかりますとおり、当面の審議事項(1)(例)、(2)(例)としてあります。この書き方はまさに例でありまして、したがって、これにとらわれずに審議事項が出てくるものというふうに私は了解しております。

○中村委員長代理 前回、他の専門調査会のときに進め方の中で公開の問題がちょっと書かれていたのですが、今回この食品表示部会については、公開のことは規程の方には確かにあるのですが、進め方として、公開問題、情報公開はどういうふうに図っていくかという方針があった方がいいのではないですか。

○齋藤審議官 勿論そういう考え方はございますけれども、この部会につきましては、規程の中で、公開の規定が書いてございますので、実は前回、消費者安全専門調査会で公開のことを御審議いただきましたのは、規程の中には調査会についての公開規定が書いていなかったという事情がございまして、そういう形で示させていただきました。この部会の場合には規程の中にきっちり書いてございますので、あえてまた書く必要はないかと考えた次第でございます。

○松本委員長 恐らく個別事業者の、個別の問題を扱うものではない部会だから、非公開にしなければならないことというのは、一般的には考えられないと思います。あるいは被害者個人のことを扱うということも恐らくないので、個人情報保護法あるいは事業者の営業上の利益のことを考慮して非公開にする必要はないということで、場合によっては非公開ということもあり得ると書いてありますけれども、ほとんど考えられないかなと思います。
よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○松本委員長 ありがとうございました。
それでは、第1回の食品表示部会は3月23日火曜日、来週でございますが、予定されております。田島部会長におかれましては、ただいまの方針に基づきまして、御審議のほどよろしくお願いをいたします。
なお、先ほど食品表示課長からも御説明がありましたけれども、3月18日付で参考資料の3(PDF形式:86KB)のとおり、消費者庁よりJAS法に基づく品質表示基準の改正等に関する4項目の諮問がございました。これらは本日御議論いただきました食品表示部会の当面の審議事項の中の、個別の品質表示基準の改正に該当しますので、食品表示部会において御審議いただくことにしたいと思います。
前回の委員会におきまして、消費者安全専門委員会の構成員として審議に御参加いただく方々のお名前を紹介いたしましたが、その後臨時委員として発令されました阿南委員にも、この消費者安全専門委員会の審議に御参加いただくことといたしました。参考資料4(PDF形式:16KB)のとおり改めて委員名簿を配付をいたします。
この消費者安全専門調査会につきましても、3月24日、水曜日に第1回の開催が予定されております。

≪5.「新たな手口による詐欺的商法に関する対策チーム」の中間取りまとめについて≫

○松本委員長 それでは、次の議題に移りたいと思います。
消費者庁では本年1月に警察庁、金融庁、経済産業省等の関係機関と「新たな手口による詐欺的商法に関する対策チーム」を設置し、消費者被害の発生拡大の防止を図るための対策を検討しておられます。その検討内容について、本日その取りまとめが公表されたところです。
本日は消費者庁より取りまとめの内容について御報告をいただきたいと思います。

○黒田政策調整課長 政策調整課長の黒田でございます。
お手元にお配りしております資料4(PDF形式:80KB)に基づいて、本日公表いたしました「新たな手口による詐欺的商法への対応策について」説明させていただきたいと思います。併せて昨日公表になった日本証券業協会のポスターも添付させていただいております。
まず経緯でございますけれども、昨今の貴金属や未公開株の取引等を利用した多様化・高度化した手口による詐欺的商法による消費者被害の事案が相次いでいるということを踏まえて、本年の1月に警察、金融庁、経済産業省等の関係機関と「新たな手口による詐欺的商法に関する対策チーム」を、福島大臣の御指示に基づきまして、設置いたしまして、対応策を検討してまいりました。
「II 具体的な対応」についてなんですけれども、今回は中間的な取りまとめということでございまして、基本的に現場でどうする、取り締まりをいかに強化していくかということ、それと、未然防止のためにいかに情報を届けていくかというところを中心に検討してまいりました。
そういうことで、まず、IIの1の(1)として、「情報集約から取り締まりまでを一貫的かつ迅速に行う体制の構築」ということで幾つか対応策をまとめております。
まず、端緒となる情報として、特に警察庁と議論した中で、PIO-NETの情報に対する期待が非常に高かったということがよくわかりました。御承知のとおり、PIO-NETの情報というのは、そもそも相談員の方々の相談に資する情報交換ということでつくられたということではあるんですけれども、最近そこに集まってくる情報がこういった取り締まりにも役に立つということです。
22年度からPIO-NETが刷新されるということで、今までよりも入力処理が非常に早期化される、高速に検索できる。更に、入力自体を仮に入れていただくということで素早く情報をキャッチするということでありまして、特に2ページ目にかけて書いてありますように、捜査に必要となってくる事業者名とか銘柄名とか、そういった情報について優先的に入力を行っていただくよう消費生活センターに要請をすることとしております。
そこにどんどん集まってくる情報をより使い勝手がいいように名寄せする。こういう事業者名が多いとか、電話番号が増えているとかです。単に情報を垂れ流してもなかなか警察としても使いづらいというお話も聞きましたので、そこは名寄せをした上で定期的に関係者に提供して、共有化するということでございます。
それから、業界の団体であります日本証券業協会でも積極的な取組みをされておりまして、特に未公開株通報専用コールセンター、別途お配りしておりますポスターにも書いてありますように、0120-344-999という番号に寄せられる被害情報についても、どういう事業者とか銘柄とかを書いていただくかということを相談もしております。
その情報も共有して、それと一緒に合わせた上で、関係省庁で共有していくということとしております。
そういった情報の早期の入手、分析して共有するということを踏まえまして、金融庁と警察とがそれぞれ取り締まりを強化していく。無登録業者の実態把握も更に力を入れまして、警告とか警察との連携、そして警察においては、この委員会でもいろいろ紹介があったかと思いますけれども、先制的な抑止措置とか、そういった捜査ツールを用いて捜査を推進していくという取組みを行っていくこととしております。
更にPIO-NETについても、今後、全体の情報の共有の設置基準を検討することによって、できるだけ関係機関で配備できるように、今後検討していくこととしております。
2番目として、最初に申し上げましたように、いかに情報を届けるかということなんですけれども、まず注意喚起を徹底したい。
最初に申し上げたのは取締りなんですけれども、なかなかそこに行き着かないような状況であっても、今劇場型とか、いろいろ言われておりますが、新しい手口が出てくるようなことがあれば、積極的に公表していったりとか、必要に応じて事業者名も公表をしていきたいと考えております。
更に各省庁それぞれ広報をやっておりますが、ここにもありますように連名でリーフレットを作成したりとかポスターを作成して広く配布していきたいと思っておりますし、その絵にありますように、未公開株等については高齢者の被害が多いということで、できる限り高齢者のところに情報が届くように、「高齢消費者・障害消費者見守りネットワーク連絡協議会」を通じて、老人関係の団体とか福祉関係の団体にも協力いただいて、注意喚起をしていきたいと考えております。
3番目として「被害の抑止・回復迅速化等に向けた制度の運用・整備のあり方の検討」ということで、ここまでは非常に現場的な取組みなんですけれども、消費者基本計画を御議論いただいている中でも、罰則の強化といった制度的な仕組みについて、検討が要るのではないかという御指摘もいただいておりますので、そういったことについては引き続きフィージビリティーも含めて継続的に検討を行っていきたいと考えております。
4ページは「貴金属の取引を利用した詐欺的商法」ということで、金地金取引を利用した擬似振込詐欺的な事件が昨年の秋ごろありましたけれども、そういうことに対応して、厳格な本人確認の徹底等、業界団体で取り組んでおられます。これらの取組みを引き続き注視していきたいと思います。
今後の取組みとしては、今情報の入手から集約、そして取締りまで一貫した仕組みをつくったわけですけれども、作りっ放しということではなくて、この仕組みがしっかりワークするかということで、どれくらい成果が上がったのかということにつきまして、しっかりとこのチームを、引き続き枠組みを維持していきたいと思いますし、先ほど申し上げました(3)の検討も今後も引き続き行っていくという予定でおります。
以上、簡単ではございますが、本日公表いたしました取りまとめにつきましての説明を終わります。

○松本委員長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問がおありの方はどうぞお出しください。

○中村委員長代理 いい取組みだとは思うのですが、やはり実効性のあるものにしてもらいたいのですが、その観点から、私ども相談を受けて、こういう未公開株の被害事件に関わっていると、例えば2ページの一番上に事業者名というのは何か情報入力をするようになっているようですが、更に役員の個人名が非常に重要でして、会社というのは法人名というのはばんばんつぶして、悪いやつは次々に看板を変えて同じことを繰り返しているわけです。是非この役員の名寄せもできるようなシステムが効果的なのではないかと思います。
個別事業者名の名寄せは書いてあるのですが、ころころ看板を変えてやっている悪いやつの個人名も名寄せできたらいいのではないかと思います。
それから、未公開株で引っかかった人の相談に乗りますと、2次被害を引き起こすようなケースも結構あるのですが、それに対して注意喚起されるときに、表向きは消費者庁が注意喚起等、そういう悪徳救済を語る業者と余り変わらないことになるので、消費者庁の宣伝・広報がうんと上回って、いい加減な2次被害の発生を防げるような、そういう広報にも是非注意していただきたいと思います。

○佐野委員 今の御説明ですとPIO-NETに対する期待が非常に大きいということで、ここにも書かれていますように、早期入力ということで、早く対策を練るということが書かれております。これは重要なことなので、是非やっていただきたいと思います。
PIO-NETは約2年前に、各省庁と連携して、各省庁が直接見られるようになりました。現在でも金融庁は見ることができるわけなのですが、さらに今後の対策としてPIO-NET情報の共有化というのは、もう既に共有されているものに対してどういうことを考えていらっしゃるのか教えてください。
名寄せについて、御説明がありました。(2ページのイのところ)各省庁が直接内容を見ることができるのに、何で国民生活センターが更に情報を1つにして、各関係省庁に配らなければならないのか。なぜそれをやるのかよくわからないので、その説明をお願いしたい。
毎日見ている方が情報が早いわけで、それを月1回~2回にまとめていただくまで待っている必要があるのかなと思うので、その辺のことを説明していただきたいと思います。

○黒田政策調整課長 政策調整課の横にもPIO-NETを置いてあるのですけれども、実際の運用で言いますと、置いてあるから、うまく情報が引き出せるとは限らない部分もありまして、そもそも何が起こっていると分からないと、検索もできない。例えば事業者名等のキーワードがあれば検索できるんでしょうが、端末をずっとながめているのかというと、率直に言って、今各省庁がどうやっているかはわかりませんけれども、我が課としては、それを一日ずっとチェックしている人を1人置いておくということもできないので、必要に応じて照会しているという使い方をしているのですけれども、分析まで行うというのは、なかなか難しい面もあったりしますので、そこは分析に今までのノウハウの蓄積がある国民生活センターが名寄せをするということは非常に意味があるといいますか、警察庁等とかの議論で言うと、生の情報で幾ら見ていても、なかなか端緒にまでいくのが難しいといいますか、それ自体が結構手間がかかったりする部分があったりしますので、それはどこが1か所がしっかりやれば、それをみんなで共有した方が、それぞれが1つの問題を、それぞれが分析するよりは全体としては効率がいいというふうに考えております。
毎日毎日、端末があるといって、ずっとみんなが見ているというよりは、もしもそういうものをウォッチするところがあるのであれば、1か所がウォッチして分析して共有した方が、人員の配置という意味では、ほかの人たちはそれこそ実際の捜査に回すということができますので、そういった意味で国民生活センターが分析するということには非常に意味があると考えております。

○佐野委員 各省庁がPIO-NETを見ることができるようになったというのは、莫大なお金を使ってPIO-NETを設置し、各省庁がすぐ問題に取組めるようにということでスタートしたと思うのです。
今おっしゃっているやり方は、例えば今は1つのテーマですけれども、今後ほかのテーマが次々に出てきたときに、全部国民生活センターが名寄せして報告するのであれば、各省庁がPIO-NETを持つ必要がなくなると思うのです。別に毎日見ていろというのではなくて、例えばこの場合はテーマが決まっているわけですから、もし検索しづらいのであれば、入力するときに、キーワードを決めるとか、そういう方法の方が合理的です。せっかくPIO-NETを各省庁が持っているのにそれを活用するということを考えた方がいいのではないかなと思うんです。

○黒田政策調整課長 説明の仕方が悪かったのかもしれませんけれども、勿論そういうこともやりつつ、国民生活センターでもそういうものを集約して、両方を合わせていくということなので、別に置いてあるのが無駄になるということは必ずしもないのではないかと思います。
1つのテーマを決めて、むしろ逆にテーマが決まっているからこそ、国民生活センターで集約して分析してやるということに意味があるのではないか。問題が多いわけですから、各省庁それぞれの検索したいものを、今検索できるようになっているということと、テーマを決めて分析をやるというのは、どちらかがやればどちらかが要らないということではないのではないかと思っております。両方やればいいのではないでしょうか。

○松本委員長 まさに両方やればいいという話だと思います。恐らくこの後でお話いただく国民生活センターの方が詳しいのでしょうけれども、例えばこういうケースの相談が入力されれば、直ちにそういう情報が入ったぞということをメールか何かで知らせるようなシステムですね。キーワード登録でもいいですが、未公開株というキーワードが入った相談情報が、先ほどデータベースに入りましたよという情報が即時に来るということであれば、絶えずキーワードを打ち込んで検索しなくても、アラームシステムというか、それで教えてくれるということになります。その辺りうまく各省庁が自分のイニシアチブで、こういうテーマを調べたいというのであれば調べられるという話と、自動的に教えてくれるというものと、国民生活センターが専門的にきちんと分析して、ここが問題だというのをきちんと教えてくれるという何段階かで出てきてもいいのだろうと思いますから、人的能力等、制限はあると思いますけれども、できるだけいろいろ工夫してやっていただきたいと思います。

○中村委員長代理 2の1の(1)の一貫性というのは非常に重要だと思うのですが、情報集約から取り締まりまでで終わっていますけれども、私は本当は被害救済まで含めての一貫性がほしいところだと思うのです。
3ページの(3)に最後にちょっと「被害の防止・回復の迅速化等に向けた制度の運用・整備のあり方の検討」になっておりますが、例えば振込詐欺で預金凍結の制度ができて、結構効果を発揮しています。ああいうようなものを未公開株の被害者にも適用できるようにしていかなければいけないし、更に広く言うと、違法収益吐出の制度を今検討しておられますけれども、そういうものがこれから検討されていくわけですが、法制度を整備する以前に既に被害を受けた方をどうするかということも考えていただきたいわけです。
振込詐欺などは、この制度があるせいかどうかわかりませんが、結構警察が弁護士会などとの連携まで含めて、非常に協力的に動くようになってきているわけです。未公開株の被害者救済についても当面どうするか。将来の制度設計は勿論検討していただきたいけれども、今の被害者をどうするかとの視点もちょっと書き加えていただけたら、検討していただけたらと思います。

○黒田政策調整課長 今の件に関連してですけれども、特にこの委員会の山口委員からもいろいろ御意見をいただいておりまして、時間をかけて検討しているのは、今、消費者庁で検討会を設けているのがあるのですけれども、現実に今、被害者を救済するとなると、まずは民事、特に訴訟などを通じてどう行っていくか。更にそういうものを背景に、いかに業者から取り戻していくかという観点も大事だと認識しておりまして、ここの(3)の部分につきましては、そういったことについて、実際の現場の弁護士の方が、先ほどおっしゃった役員の名称もということも、結局相手先が特定されないと、訴状をどこに届けるのだと、そうやって業者を追い込んでいくということも、私どもいろいろ話を伺ったりしておりますので、そういった中長期的な観点も勿論はあるのですけれども、短期的にはいかに、詐欺的な商法が、割の合わないものだということを業者に思わせる。そのためにはどういうツールがあるのかということも含めて、検討していきたいというふうに考えております。

○下谷内委員 私がお伺いしたいのは、2ページのところ、日本証券業協会との連携があって、イのところには、「日本証券業協会から提供される情報も情報蓄積の対象とする」とありますが、これは日本証券業協会さんからのものだけなんでしょうか。例えば警察庁だとか、そういうところからの情報というのは蓄積されないということですか。提供だけはするということでしょうか。

○黒田政策調整課長 現時点では日本証券業協会からのものです。警察、金融庁のものは、このチームとしては共有するのですけれども、どこにそれを蓄積していくのかということについては、また考えたいと思います。

○下谷内委員 是非お願いします。実はこのPIO-NETの活用については、平成18年くらいでしたか、検討されまして、そのときもなかなか情報を提供していただく、蓄積情報をどうするかということが素通りしてしまったのです。情報提供ばかりになりましたので、そこのところは相談員の皆さん、自分たちが一生懸命入力しているのに、情報ばかり提供されるということで問題があったかと思います。是非情報の蓄積に関しまして、御検討いただければと思います。

○松本委員長 ほかにございませんでしょうか。

○日和佐委員 とても現実的なことなんですけれども、ポスターとチラシは同じデザインですか。

○黒田政策調整課長 日本証券業協会がつくったポスターはこれで、リーフレットは実は今日5時に金融庁の方で公表されることになっておりますので、ここには持ってきておりません。

○日和佐委員 気を付けていただきたいのです。真ん中に書いてあるチェックするというのは、高齢者の方はとてもわかりにくいです。言葉も含めてです。もっともっとわかりやすく、チラシであれば、もう少し具体的な勧誘のトークがありますね。それを入れると、ぴんとくると思いますので、もう少しわかりやすく、これはちょっと難しい。

○黒田政策調整課長 リーフレットについては金融庁の予算、このポスターについては証券業協会の予算で実は作っておりますが、一応制作過程で私どもの意見は言わさせておることもありますので、今いただいた意見はちゃんと伝えて、今後の参考にさせていただければと思います。

○松本委員長 なかなか難しい。どう表現しても、難しい。端的に、確実に儲かる話はありませんという部分を徹底するのであればどんなパターンであっても当てはまるのですが、個別取引ごとだとそれに該当しないようなものが幾らでも出てきますし、しかも言葉も難しいということで、そう簡単にはいかないと思います。ある程度のレベルの人であれば、これでも十分かもしれませんけれども、そんなおいしい話はない。そんなおいしい話があれば、勧誘員の人が自分で絶対やってもうけているはずであって、それを我々に教えてくれるはずはない。これは常識と言えば常識だけれども、何となくどこかでおいしい話があるのかもしれないと思ってしまうのが人間の弱みなんですけれども、その原点に返るのが一番重要かと思います。
ありがとうございました。本日委員から出されました意見も踏まえて、消費者庁におかれましては、更に取組みを推進していただきたいと思います。

≪6.平成22年3月17日付国民生活センター報道発表資料について≫

○松本委員長 それでは、次の議題でございます。
3月17日、国民生活センターより「商号変更後・会社解散後も旧社名で社債を発行する業者」につきまして、業者名も含めました注意喚起情報が公表されました。
そこで本日は国民生活センターより、宮内相談部長はじめ御担当の方々にお越しいただいておりますので、公表された内容やあるいは公表に至った経緯等について御報告をいただきたいと思います。
それでは、国民生活センターよりお願いいたします。

○宮内相談部長 本日は貴重な時間ありがとうございます。
既に公表資料については読んでいただいているということだと思いますので、今日は私から5分間くらいで、今回の事業者名を含む公表に至った理由、公表までの手続、それから、他機関との連携等を中心に御説明させていただきたいと思います。
私の右隣におりますのが、担当の藤森調査役でございます。左側が、今回調査しました担当の加藤さんです。
国民生活センターでは、昨年の11月18日「見知らぬ業者からの怪しい社債の勧誘に耳を貸さないで」という情報提供をしております。ここで扱った相談件数の約4割は今回取り上げた事業者の相談だったわけです。そのほかの事業者名で、金融機関等以外から販売勧誘を受けている社債の相談があるものですから、この時点では、まず手口の公表ということで注意喚起したわけです。
ところが、ちょうど公表した同じ日、11月18日情報提供した中で最も苦情件数の多く、今回公表したアフリカントラストという会社は、ワールド・リソースコミュニケーションという会社の商号に変更。もう一つの、アフリカンパートナーは、同じくワールド・リソースコミュニケーションという会社に合併して解散ということになりました。
更に商号変更後、会社解散後も、旧社名で社債を発行したり、元本保証をうたったり、株式転換社債ということをうたって募集をして、実は普通社債を発行するという、いろいろな問題点が相談処理の中でわかってきたわけです。
この事業者については、今回公表した資料の中にもありますが、PIO-NETには、多数の苦情相談が寄せられております。高齢者が多い。また、1件当たりの金額も500万近いということで非常に問題だということで注視しました。
国民生活センターでは、公表するに当たって、公表目的の正当性というふうな観点からは、違法のおそれのある契約、トラブルということで、拡大防止をする必要があると考えております。
また、相談処理の中で、商号変更後、また、会社解散後の契約書とか、社債券を複数入手することもできました。
株式転換社債の契約については、元本保証についてうたっているということについて相談者からのお手紙も複数件入手したということで、真実相当性の確保はできたという判断をしました。
国民生活センターでは、ワールド・リソースコミュニケーションと何回か交渉で会っているわけですが、現在も営業活動を行っております。また、これからも社債を発行していくということでありますので、今後も、消費者トラブルが続く恐れがあると考えております。
また、国民生活センターで扱った案件であっせんをしたものがあるわけですけれども、それについては返金がスムーズに行われていないという事実があります。
こういった高配当とか、高利払いをうたった過去の投資トラブルというものについては、破綻して大きな問題になっていることが今までたくさんあるわけでして、国民生活センターでは緊急に、特に事業者名を含めて公表することによって、この会社の資金の散逸、そういったものを防止して、消費者トラブル防止を図る必要があると判断しまして、今回事業者名を含む情報提供に至ったところであります。
また、この事業者名を含む情報提供ということもありまして、国民生活センターの情報提供規程に基づいて手続を踏み、情報提供委員会に諮りました。
事業者にも、弁明の機会ということで、公表する前に1週間公表内容をお送りして弁明の機会を設けて、その結果も公表の中に最後に付けております。
また、公表に先立って、関係すると思われる省庁、警察庁、消費者庁、金融庁、こういったところとにも情報提供して、連携を取ってきました。
こういうふうなトラブルで一番心配するのは、公表すると、その業者が破綻して、被害が救済できなくなるのではないかということがあるわけですけれども、先ほど申し上げたようないろんな問題点から、これは早いところこういった問題については注意を喚起することが消費者被害の未然防止のためには必要なことというふうな判断をしております。
公表しますと、私ども国民生活センターだけではなく、全国の消費生活センターに相談も多く寄せられるわけですけれども、そういった受け皿として、件数が多いような場合でしたら弁護団ということも考えていかなければいけないということで、弁護士会とも連携を取りまして、東京先物証券被害研究会、こちらの方で受け皿になっていただけるということですので、各消費生活センターにはこの研究会とか、最寄りの弁護士会に相談するようにということで公表と併せて御案内しました。
今回の場合は高齢者が非常に多い相談でしたので、高齢者を対象にした「見守り新鮮情報」というメルマガで注意を喚起しまして、公表の同日、消費者庁の方からも「未公開株社債の勧誘に関する注意喚起について」という文書を、都道府県、政令指定都市の消費者行政担当課の方、また各種団体に通知していただいて注意を喚起しているというところです。
以上、公表資料に書いていないような手続とか、連携等を中心に説明させていただきました。

○松本委員長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問がありましたらどうぞお出しください。

○中村委員長代理 ここまで言われるというのは、詐欺だとわかっているのでしょうけれども、捜査情報というのは余り流してはいけないのかもしれませんけれども、一体どうなっているのでしょうか、というのは国民的には非常に疑問です。警察は何をしているんだと。

○宮内相談部長 これをまとめるまで、何回か警察庁にも御相談をして情報提供をしております。捜査のことですから、それ以上は何とも分からないのですけれども、情報提供委員からも、これは消費生活センター、国民生活センターというよりも、警察マターではないですかという御意見ももらっています。確かにそうだと思うのですが、ただ、相談として寄せられていれば、私ども、警察マターですからと何もしないわけにもいかないので、私どもの機関としては情報提供という形で精一杯のことをやらせてもらったということです。

○佐野委員 ここに事例(PDF形式:481KB)が書かれているのですが、この中に、法違反と考えられるとか、虚偽の記載だとかいろいろありますが、こういうことをもって、例えば法改正を望むとか、そういう要望書をお出しになる予定とか、はあるのでしょうかというのが1つ。
2ページの、件数を見てみますと、2008年は随分あるのですが、私などが見るとすごく発表が遅いのではないのかというイメージがあります。一体どの段階で事業者名を発表するというのを決心なされるのか、その辺りも御説明をお願いします。

○相談部担当者(加藤) 代わって私の方から説明させていただければと思います。
まず初めに件数のことについてでございますけれども、社債という、有価証券が今回使われた手口でして、未公開株のトラブルは比較的多く寄せられていたのですが、社債について私ども最初は余り情報も得ておらず、どのようなトラブルがあるのかというところから始めました。そして今回アフリカントラスト、アフリカンパートナー、現ワールド・コミュニケーション以外にも、複数の相談が寄せられていたため、まずは手口公表という形で11月に公表を行いました。
社債については6月ごろから目立ち始めておりましたので、今回の業者についても注視をしておりました。そしてその後公表した後も相談は減少傾向にならず、新たな問題で確実に問題だと言えるものが数件、手に入れることができ、真実相当性の確保に努めることができたという判断ができた時点が、2月の後半ごろになりまして、そこから、3月17日の公表に至ったというところでございます。
また、法改正の要望等につきましては、なかなか難しいところもあるのですが、まずはこういった手口ですとか、こういったことが起こっているという情報提供を行い、その後もいろいろな注意喚起ですとか、取り締まり等でも抑え切れないということであるならば、要望等を行っていきたいと思います。

○松本委員長 社債ではなくて、ある企業が我が社にお金を預ければ年利12.4%を付けて増やしてあげますよと言えば、これは出資法違反になって、即犯罪なんですが、我が社の社債を買えば年12.4%の利回りがありますよというと、合法になってしまうというところにかなり問題があって、悪質業者が実質的には、預かり金商法をやっているのだけれども、社債名目になると、脱法できてしまいます。このような脱法を防ぐということと、社債の発行を会社法上、かなり自由にでき、それを規制すると企業の資金調達等に不都合が起こるという一般的な話とを、どういうふうにうまく折り合いをつけるかというところがあるかと思いますから、法律を一気にこう変えれば、即こうなるというのはなかなか難しいかと思うんですけれども、消費者委員会としても、未然防止・拡大防止あるいは被害救済までつながるような仕組みとして、どういうのがいいのかということについて関心を持って、今後とも審議していきたいと思っているところです。
ほかに御意見、御質問ございませんか。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、国民生活センターにおかれましては、今後も消費者への注意喚起情報の提供に努めていっていただきたいと思います。
お忙しい中、委員会の審議に御協力いただきありがとうございました。

≪7.閉 会≫

○松本委員長 これで本日の議題はすべて終了いたしました。事務局より次回の日程について御説明をお願いいたします。

○原事務局長 次回の委員会は3月25日、木曜日の10時からを予定しております。消費者基本計画についてと、更に議題は加えたいと思っておりますけれども、決まりましたら、またホームページで公表したいと思っております。金融取引についても引き続き検討を進めていきたいと思います。
ありがとうございました。

○中村委員長代理 もうすぐ4月になるので、4月以降の日程を、傍聴の皆さんの中にも早目にお知らせした方がいいと思うのです。定例化するならするということで、ちゃんとお伝えしておいた方がいいと思います。

○原事務局長 たしか1か月くらい前の委員会では、定例化のお話は一度はしているところです。3月までは委員の皆様の日程調整をしながら進めてまいりましたけれども、今のところ、第2、第4金曜日の午後3時~5時、委員会を開催したいと思っております。随時集中的に取り上げる課題がありましたら、そのときは変則的に中に入れていきたいと思っておりますが、そういうことで進めていきたいと思っておりますので、4月以降も、どうぞよろしくお願いいたします。

○松本委員長 ありがとうございました。
それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございました。

(以上)