第16回 消費者委員会 議事録

日時

2011年3月3日(木)17:00~17:40

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
松本委員長、中村委員長代理、川戸委員、櫻井委員、佐野委員、下谷内委員、田島委員、
日和佐委員、山口委員

【説明者】
消費者庁 成田企画課長

【事務局】
齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.消費者基本計画(素案)について
3.消費者安全の確保に関する基本的な方針(案)について
4.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第 (PDF形式:13KB)
【資料1-1】 新たな「消費者基本計画(素案)」に対する意見の概要 (PDF形式:88KB)
【資料1-2】 新たな「消費者基本計画」(素案)に対する意見の整理(総論) (PDF形式:50KB)
【資料1-3】 新たな「消費者基本計画」(素案)に対する意見の整理(具体的施策) (PDF形式:437KB)
【資料2】 消費者基本計画策定に向けての意見(案) (PDF形式:25KB)
【資料3-1】 「消費者安全の確保に関する基本的な方針(案)」に対する意見の概要 (PDF形式:65KB)
【資料3-2】 「消費者安全の確保に関する基本的な方針(案)」に関する意見の整理 (PDF形式:152KB)

≪1.開 会≫

○原事務局長 それでは、お待たせをいたしました。本日、夕方の時間ということで、委員の方にも傍聴の方にも大変御迷惑をおかけしておりますけれども、3月は忙しい時期でありますけれども、消費者委員会も何回か開催をしたいと思っております。
本日は第16回の消費者委員会ということになります。開催をしたいと思いますので、委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

≪2.消費者基本計画(素案)について≫

○松本委員長 それでは、第16回の「消費者委員会」を始めさせていただきます。
本日は、消費者基本計画の素案に関する当初の議題に加えまして、消費者安全の確保に関する基本的な方針(案)に対するパブリック・コメントの状況についても議案として取り上げたいと思います。
まず前回に引き続きまして、消費者基本計画の素案に関する議論を行いたいと思います。この素案につきましては、2月3日から2月23日まで消費者庁においてパブリック・コメントが実施されたところです。
まずは消費者庁より、このパブリック・コメントで寄せられました国民の皆様の御意見について御紹介をいただきたいと思います。
成田企画課長より御説明をお願いいたします。

○成田企画課長 消費者庁企画課の成田でございます。よろしくお願い申し上げます。
それでは、新たな「消費者基本計画(素案)」に対する意見の概要ということでございますけれども、2月22日の消費者委員会において御報告申し上げましたとおり、来年度以降の「新たな消費者基本計画」の策定に向けて、計画の「素案」につきまして、委員長からもお話がありましたように先月3日から23日にかけましてパブリック・コメントの募集を行っていったところでございますが、今回、いただいた御意見の概要をとりまとめましたので、御報告申し上げます。
まず、資料1-1(PDF形式:88KB)で全体の概要でございます。パブリック・コメントの結果、75の個人又は団体から合計で900件の御意見をいただいております。これらの御意見のうち、「素案」は「総論」と「各論」に分かれておりますけれども、「総論」についての御意見が113件、787件が「各論」に関するものとなっております。
そのうち「各論」についての御意見でございますが、「素案」の「各論」の具体的施策につきまして、3つの項目に分けておりました。最初の「消費者の権利の尊重と消費者の自立の支援」について595件、次の「経済社会の発展への対応」について85件、「関係者・関係団体との連携・協働と消費者政策の実効性の確保・向上」についてが80件、「その他」が27件となっております。
次に具体的な御意見でございますけれども、資料1-2(PDF形式:50KB)が総論についての御意見でございます。1ページからが、素案の1項目目、計画策定の趣旨というところについての御意見でございます。
例えば、1ページにございますけれども、「消費者政策の新たなステージ」とあるにもかかわらず、現状に対する基本認識が十分まとめられていないのではないか、消費者庁が創設されるまでの状況に対する記述がないのではないか、「行政のパラダイム転換」について、より丁寧に説明をすべきではないか、消費者庁が司令塔としての機能を積極的に果たすことを記載すべきといった御意見をいただいているところでございます。
3ページからの「2 消費者政策の基本的な方向」につきましては、「素案」において消費者基本法の規定ぶりに沿いまして、「消費者の安全・安心の確保」、「消費者の自主的かつ合理的な選択の機会の確保」などの項目ごとに消費者政策の基本的な枠組みについて記載しておりますけれども、それぞれについて御意見をいただいているところでございます。
8ページの「3 『消費者基本計画』の検証・評価・監視」についてでございます。「素案」のこの部分の記載についての御意見をいただいておりまして、これを8ページから9ページにかけて記載しております。
9ページから、「総論」に関する「その他の御意見」ということで、例えば、もっと多くのチャレンジ課題、分野横断的・省庁横断的な課題があるべきではないか、消費者庁としてのビジョンを示すべきではないかといった御意見をいただいているところでございます。
次に、資料1-3(PDF形式:437KB)が「各論」についての御意見でございます。「各論」についての御意見は、「素案」では168の施策を挙げておりましたけれども、このほぼ全体について満遍なくいただいております。更に新しい施策についての御提案もいただいているところでございます。
今回の「素案」につきまして、パブリック・コメントでの御意見でも、この委員会における御意見でも、例えば、重点施策が明確になっていないのではないか。各省から出された施策を集めただけではないかといった御意見もいただいておりまして、今後、施策の分類の仕方を含めて検討が必要であると考えておりますけれども、本日のこの資料につきましては、もともとお示しいたしました「素案」の施策ごとに整理をさせていただいております。時間の関係もございますので、幾つか御意見を御紹介をさせていただきます。
「(1)消費者の権利の尊重と消費者の自立の支援」の最初の項目の「消費者の安全・安心の確保」についてでございますけれども、例えば、「施策番号2」におきまして、事故原因究明機関の在り方についての御意見をいただいております。
「施策番号8」以降でございますが、PIO-NETや事故情報データバンクに関する御意見をいただいております。
9ページに「施策番号28」とございますが、食品の安全の関係で、リスクコミュニケーションに関する御意見、「施策番号29」はリスクに関する御意見をいただいております。
14ページから次の項目の「消費者の自主的かつ合理的な選択の機会の確保」ということで、例えば、「施策番号30」では消費者契約法に関する御意見、「施策番号33」では特定商取引法に関する御意見などをいただいております。
33ページから「消費者に対する啓発活動の推進と消費生活に関する教育の充実」ということで、「施策番号71」から消費者教育などに関する御意見をいただいております。
43ページでございますけれども、「消費者の苦情処理と紛争解決の促進」ということで、例えば、「施策番号95」が「消費者ホットライン」に関する御意見、「施策番号96」で地方消費者行政活性化等に関する御意見をいただいております。
47ページから「消費者の被害等の適切かつ迅速な救済」ということで、例えば、「施策番号108」は、被害者救済制度についての御意見でございます。
48ページの下の方から「(2)経済社会の発展への対応」ということで、49ページの「施策番号110」から、「環境に配慮した消費行動と事業活動の推進」、51ページでございますが「高度情報通信社会の進展への的確な対応」、54ページから「国際化の進展への対応」についての御意見をいただいております。
55ページから「(3)関係者・関係団体との連携・協働と消費者政策の実効性の確保・向上」ということで、まず「消費者団体等との連携」についての御意見をいただいております。57ページからは「事業者や事業者団体による自主的な取組の推進」についての御意見、58ページから「地方公共団体等との連携」、59ページの下の方になりますが「関係機関等による試験、検査などの整備」、60ページから「行政組織体制の充実・強化」ということで、それぞれの項目につきましていろいろな御意見をいただいております。
また61ページから「その他全体に対する意見」をいただいております。
簡単ではございますが、パブリック・コメントの結果につきましては以上でございます。

○松本委員長 ありがとうございました。それでは、ただいま御説明いただきましたパブリック・コメントに対する国民の皆様からの意見の整理につきまして、何か御質問がございましたらどうぞお出しください。
中村委員長代理、どうぞ。

○中村委員長代理 中村ですが、この中に「新規施策」というのがいっぱい出てくるのですが、こういうものについては今後どの省庁とこの課題について折衝するとかという整理をして、省庁折衝をやって何とか盛り込む方向でこの短い期間ですが頑張って努力される御予定なのですか。

○成田企画課長 いただきました御意見につきましては、既に素案に盛り込まれている施策も、新規施策につきましても、関係省庁に検討をお願いしております。新規施策の中には、担当省庁が明確でないものもございますので、そこは少し探すのに時間はかかるかもしれませんが、いずれにせよ最大限尊重していただくようにお願いしていきたいと思っております。最終的にどのぐらい盛り込めるかは今の段階ではわかりませんが、いずれにせよ検討をお願いしております。

○松本委員長 山口委員、どうぞ。

○山口委員 例えば65番の問題は、2月8日の当委員会でも議論をさせていただいたし、金融庁と警察からヒアリングもさせていただいたわけですが、未公開株の問題ひとつをとりましても、要するに無登録業者の営業行為の民事効否定、行政情報の開示とか、この行為については刑罰の重罰化とかという立法の手当をなすべきだという議論が出ています。他方、従前の案では執行の強化という程度にとどまっているかと思います。
この辺について、やはり金融庁や消費者庁とかなり突っ込んだ議論をしていただいて、その上でこのパブコメの意見もどう反映させるかという議論になるんですが、どの程度の重みを持って、例えばここには同旨3件とあるから、複数の意見があったと思われますが、どれを取り上げどれをどうするかというそこら辺はどこでだれが判断されるのでしょうか。
今日、成田企画課長がおいでになっているんですが、大変失礼かもしれませんが、成田企画課長の判断では相応の結着はあり得ないと思うんです。例えば消費者庁と金融庁とでトップでそれこそ話し合った上でどこまでやるかというかなり高度な政治判断も含めたことが出てくると思うんです。端的に言えば未公開株の問題を金融庁でやるのか、消費者庁の特商法の適用対象にするのかとかという議論があるかと思うんですが、今後の協議の枠組みはどういうふうになさるのかを教えていただけますか。

○成田企画課長 今後の作業の進め方が明確に決まっているわけではありませんけれども、先ほど申し上げましたように各省に検討をお願いしております。その結果につきましては、当然上司なり、政務三役に報告をしたいと思っております。その上で、どういう形で各省と協議を進めていくかは、また相談をしながら進めていきたいと思っております。

○松本委員長 よろしいでしょうか。それでは、消費者庁におかれましては、ただいま整理されました国民からさまざまに寄せられております意見を十分に反映して、基本計画づくりに努めていただきたいと思います。
続きまして、消費者基本計画の素案に対する当委員会としての意見についての議論を行いたいと思います。前回、第16回の委員会におきまして、委員の皆様から基本計画において政策、制度の面で進めるべき重要な課題について意見をお出しいただき、議論を行ったところです。
本日は、前回の委員会での議論を踏まえて、委員会としての意見をまとめるための議論を行いたいと思います。
まずは前回の委員会での議論以降、委員の間でさまざまに議論を重ねまして作成をいたしました「消費者基本計画策定に向けての意見(案)」につきまして、佐野委員より御説明をお願いいたします。

○佐野委員 では、資料2をごらんください。昨年9月に消費者庁と消費者委員会が生まれました。この発足は消費者行政がこれまでなかった新しいステージへと展開することを示しています。しかし、この発足によって消費者問題が解決する、または解決されたということを意味しているわけではありません。実際には消費者問題はますます深刻化しております。
消費者被害は高額化していますし、高齢者をねらった悪質商法や重大な事故も後を絶ちません。だからこそしっかりとした消費者行政、消費者への期待に応えるような政策展開を示していくことが必要だと考えています。
今回の消費者基本計画の策定は、消費者庁と消費者委員会が発足して初めてのものであります。消費者行政が変わる、あるいは変わっていくということを示す総合的方針が取り込まれることが必要だと思っています。従来とは異なる、あるいは従来以上に消費者問題への対策が盛り込まれていることが必要です。
今回の意見は、そのようなことを考えながら、消費者委員会の委員一人ひとりの意見を踏まえてその意見を反映し、案としてまとめました。
まず、大きく分けて、総論と具体的施策に分けました。今日残念ながら皆さんのところに素案が配られていないのでわかりづらいのかもしれませんが、総論の最初の部分に「消費者基本法は」から始まり、「消費者基本計画」について書かれているのですが、まず、消費者庁、消費者委員会が創設されたことをきちんと明記するべきです。そのためには16行目から書かれている消費者庁と消費者委員会が創設されたという部分をまず上に持ってくるということが必要ではないかと思います。そして消費者庁が司令塔の役割を果たして、消費者基本計画を策定するという意図を明示するべきではないだろうかということがまず第1です。
2番目には、これも皆さんにわかりづらいかもしれませんが、21行目の「消費者政策については」というところで、マル1~マル6まで書かれておりまして、マル1に消費者庁はと書かれています。マル2に各府省庁は、マル3が地方消費者行政は、マル4に事業者、マル5に消費者と消費者団体、最後のマル6に消費者委員会はと書かれています。一番最後に消費者委員会の記述を置くのではなく、消費者庁はの次、つまりマル1に消費者庁、マル2に消費者委員会に変えるべきだと考えます。
次に消費者行政を進展させるに当たっては、事業者の自主的な取組み、消費者とのコミュニケーションを行政が支援することに応えた計画とすべきだと考えます。
2の消費者政策の基本的方向については、消費者基本法を始め、消費者行政に関わる法律、制度、施策全般の見直しも示唆すべきで、早急に消費者行政全般を視野に入れた検討に着手すべきです。
次に地方消費者行政については、充実の方向を国としても大きく示し、独自の項目を立てるべきです。
3の消費者基本計画の検証・評価・監視についてなんですが、今後消費者基本計画を確実に遂行させるためには、非常に重要な役割を持つわけですから、まず評価とか検証を行うということを書くべきであると考えます。
次に、検証・評価を実効あるものにするため、できるだけ具体な施策を挙げて、チェックできるような形の評価手法を工夫するべきであると思います。
次に「II.具体的な施策について」、次の3点を挙げました。
まず、取引、表示、製品、食の安全など分野別にまとめて項目を立てるなど、基本計画をわかりやすいものにすること。
続いて重点施策をお話しいたしますが、そこに示すように、各府省庁の施策を消費者行政一元化の視点で横断的にまとめ、これはよく言います横串にさすという形で、そのビジョンを明確にする。
3点目は、施策の実効性を確保するために、検証・評価・監視を可能とする具体的な施策の明示が必要である。以上の3点です。
重点施策は10項目挙げました。消費者庁創設の要因になった事故情報の一元的収集・分析・提供が的確かつ迅速に図れるようにする。各省庁及び地方公共団体などの事故情報が一元的に収集・分析、そしてその情報が提供されるような仕組みを構築する。
2番目、独立した事故調査機関の在り方について、既存の原因究明機関との連携を含め、省庁横断的な検討を開始し、早急に原因究明に着手できるような仕組みを構築する。
3番目は、高齢者、障害者、妊産婦などにリコール情報とか、悪質商法の被害救済のための情報など、伝えたい情報が、その情報を必要とする方たちに確実に届く仕組みを構築する。
4番目、これも消費者庁ができるときに非常に大きな要因になりました。食品表示の一元化の問題です。食品表示の一元化を図る。食品表示の新たな立法化を視野に入れた検討を開始すること。
5番目には、食の安全確保のため、効率的なルールの基準の定め方や違反事業者に対する抑止力の在り方とか、効果的な既成のための組織の在り方を検討すること。
6番目は消費者教育への取組み。これは環境教育、金融教育、法教育、食育、さまざまな教育が縦割り行政で行われていますが、いわゆる市民の生きる力を養う、市民教育と位置づけて、消費者庁、文部科学省が中心になって、総合的に消費者教育に取り組むべきである。
7番目、消費者の意見が消費者政策に反映される制度を構築する。これは消費者基本法の第2条の基本理念に掲げられている8つの権利の中の1つでありますが、「消費者の意見が政策に反映される権利」を一層明確にして、消費者政策全般に反映させる。例えば申し出制度などができる仕組みを構築する。
8番目、高齢化社会における消費者問題の把握、有効な対応に向けての施策の展開を図る。これは先ほども出ましたが、未公開株など悪質な商法による被害、高齢者の住まいなどに関わる消費者問題について、現状の問題点をきちんと把握して解決を図るべきである。
9番目、情報・通信分野の法規制に消費者保護の観点を入れる。これは高度情報通信社会の進展に見合った法体系というのがきちんと図られようとしていますけれども、そこに果たして消費者の視点が入っているだろうか。消費者保護の視点をきちんと入れて構築するべきである。
10番目には、地球温暖化防止のための施策、充実を図るということを挙げました。消費者が適切な選択を可能とする正確かつ適切な情報提供を事業者は行い、行政はそのための環境整備やルールづくりを施策として拡充・展開すべきである。以上10項目を挙げました。
最後に、消費者基本計画は閣議決定され、今後5年間を規定する消費者行政の大きな基本方針となります。消費者庁はリーダーシップをきちっと発揮して、課題別に工程表などをつくる。その着実な実行に当たっていただきたい。これが消費者委員会の消費者基本計画策定に向けての意見の案であります。
以上です。

○松本委員長 ありがとうございました。それでは、この意見の案につきまして、委員の皆様から御意見がございましたらお出しください。
山口委員、どうぞ。

○山口委員 私自身ももっといろんなことを盛り込んでいただきたいということでいろいろお願いしたんですが、やはり皆さんとの調和の中でこういう形にまとまりました。ただ、1枚目の一番下の行なんですが、要するに消費者基本法だけではなくて特定商取引法の改正は、先ほど来言っている未公開株の問題等を考えますと不可欠だと思われますし、何よりも消費者契約法の改正が今民法改正の議論の中で頓挫していますし、基本計画の中でも様子見みたいな項目になっておりますので、そこら辺を考え直すということも含めた、1ページ目の一番下の行はそういう意味での消費者行政に関わる法律、制度、施策全般の見直しということになっておりますので、是非そこら辺は御理解いただければと思います。

○松本委員長 川戸委員、どうぞ。

○川戸委員 前回の委員会で申し上げましたように、是非総論のところ、基本的方向、そこのところをきちんと是非守っていただきたい。最後のところの消費者庁はリーダーシップを発揮して、課題別の工程表をつくるんだとして、着実な実行に当たっていただきたい。これが委員としてのお願いでございます。よろしくお願いいたします。

○松本委員長 櫻井委員、どうぞ。

○櫻井委員 もしあれでしたら説明いただければと思うんですが、今の4ページ目ですけれども、消費者庁はリーダーシップを発揮してという部分は、これまで議論があったのかもしれませんが、特命担当大臣はとか入れてもいいのではないかと思います。消費者委員会ですからある程度言論の自由はあるので、どうして消費者庁というところから出発されたのかなというのは御趣旨を伺えればと思うんです。
なかなか組織上、消費者庁がリーダーシップを発揮するというのは難しいところがありまして、気持ちはそうなんですけれども、本当にそれで動けるかという問題があって、それは政治のバックアップがないと基本的に難しいという構造の中でありますので、委員会としては比較的言論が自由にできるんだろうと思いますから、それはむしろ内閣総理大臣でもいい。どうせなら内閣総理大臣にいたしますか。その辺、よろしくお願いいたします。

○松本委員長 おっしゃるとおり消費者庁は、いわゆる調整権限しかなくて、もう一段高い意味からの総合調整権限は大臣がお持ちだということですから、総合調整的な意味でのリーダーシップは消費者庁としては制度的にはなかなかとれないというのはそのとおりなので、ここの文言をどういたしましょうか。どなたか御意見ございますでしょうか。

○中村委員長代理 政府全体の基本計画なのだから、「政府は」でもいいし、「内閣総理大臣は」でもいいのではないかと思います。

○山口委員 あるいは消費者政策会議の担当大臣というのは決まっているわけですね。その担当大臣というのはどうなんでしょうか。

○松本委員長 消費者政策会議の委員は閣僚のほぼ全員。そして、消費者基本計画は、結局、閣議決定をされるわけですから。

○櫻井委員 「政府は」がいいのではないでしょうか。

○松本委員長 「政府は」にいたしましょうか。そうすると、「消費者庁は」というよりは、むしろ「政府は」という表現に変える。よろしいでしょうか。
それでは、4ページの最後の行を「消費者庁はリーダーシップを発揮して」に替えて、「政府はリーダーシップを発揮して」ということにして、政府に対する要望ということにさせていただきます。
ほかに御意見はございませんでしょうか。ございませんようでしたら、先ほど修正いたしました部分を含めて、この意見の案につきまして皆様の御了解をいただいたということで、消費者委員会の意見としてとりまとめることといたします。
消費者庁におかれましては、この意見をしっかりと受け止めていただいて、基本計画の改定案に反映できるよう、政府内の調整を進めていただきたいと思います。

≪3.消費者安全の確保に関する基本的な方針(案)について≫

○松本委員長 それでは、次の議題に移りたいと思います。消費者安全法に基づき定められます消費者安全の確保に関する基本的な方針(案)につきましては、消費者基本計画(素案)と同じく、2月3日から2月23日まで消費者庁においてパブリック・コメントが実施されたところであります。
本日は、消費者庁より今後の策定までのスケジュールについて御説明をいただいた上で、このパブリック・コメントで寄せられました国民の皆様の御意見につきまして御紹介をいただきたいと思います。
それでは、引き続き成田企画課長より御説明をお願いいたします。

○成田企画課長 「消費者安全法の確保に関する基本的な方針(案)」につきましては、先ほど委員長からもお話がありましたように1月29日の消費者委員会で御説明させていただきまして、消費者基本計画と並行いたしまして、先月3日から23日までにかけて御意見の募集を行ったところでございます。
その結果、資料3-1(PDF形式:65KB)にありますとおり、25の個人又は団体から御意見をいただきまして、御意見の総数が63件となっております。内訳でございますけれども、基本方針の案が「第1」から「第5」までの5項目に分かれておりましたので、それぞれの項目ごとに集計をいたしますと、「第1」が17件、「第2」が32件、「第3」が1件、「第4」が4件、「第5」が9件という内訳になっております。
資料3-2(PDF形式:152KB)がいただいた御意見の具体的な内容でございますけれども、まず1ページ、「第1」でございますけれども、いただいた御意見として、例えば、エレベーター事故に関する記述も追加すべきではないか。日常の生活空間の中で起こり得る事故の再発防止のために、中立的な立場での事故調査機関の設置を明記すべきではないかといったような御意見をいただいております。
「第2」でございますが「消費者安全の確保に関する施策に関する基本的事項」ということで、まず「消費生活相談等」についての御意見をいただいており、2ページの「2」のところで「消費者事故等に関する情報の集約等」について、情報の集約・分析あるいは情報の発信等についての御意見をいただいております。
4ページの「3」の「他の法律の規定に基づく措置の実施に関する要求並びに事業者に対する勧告及び命令等」については、「すき間事案」等についての御意見をいただいております。
5ページの「第4」でございますが、政策の評価等についての御意見をいただいております。
5ページの下の「第5 その他消費者安全の確保に関する重要事項」ということにつきましても、いろいろと御意見をいただいております。
簡単ではございますが、パブコメの結果につきましては以上でございます。

○松本委員長 ありがとうございました。それでは、ただいまのパブリック・コメントの整理につきまして、御質問、御意見がございましたらどうぞお出しください。
下谷内委員、どうぞ。

○下谷内委員 多くの意見が出まして、それをまとめていただきましてありがとうございます。消費者庁が積極的にこれらの意見をまとめていただきまして、できるだけわかりやすいように、国民が利用しやすいようなものにしていただければいいのではないかなと思っています。
これだけの意見が出るということは、やはり現状においていろいろな問題があるということは当然ありますので、一つひとつの意見を何らか反映していただけるようなものをお考えいただければと思います。

○松本委員長 ほかに御意見、御質問はございませんでしょうか。
日和佐委員、どうぞ。

○日和佐委員 たくさん意見をいただきました。この意見をどうするか、どう取り入れるかということについてうかがいます。すべてを取り入れられないかもしれませんね。取り入れるか取り入れないかという判断をどのようになさるのかということと、今後のスケジュールをお教えください。

○成田企画課長 今後のスケジュールは、基本計画と同じになりますけれども、いただいた御意見を踏まえましてどのように修正するかということについて検討したいと思っております。その過程におきましては、当然消費者庁の幹部、政務三役にも相談し、また、法律上関係行政機関の長とも協議をすることになっておりますので、関係省庁とも協議いたします。
消費者委員会の御意見もお伺いすることになっておりますので、修正した案について改めて消費者委員会の皆様の御意見も伺った上で、最終的には内閣総理大臣の決定ということで作業を進めていきたいと思っておりますので、いただいたパブリック・コメントをこれからどうやって反映させていくか検討していきたいと思っております。
できれば基本計画と同じように年度内ぐらいにできればと思っております。

○松本委員長 よろしいでしょうか。この基本方針は、消費者安全の確保に関する今後の施策の基本となる非常に重要なものでありますので、消費者庁におかれましては、ただいま委員から出されました意見及び国民の皆様から出されました多くの意見を十分に反映していただきたいと思います。

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○松本委員長 本日の議題は以上の2件でございます。事務局より次回日程についての御説明をお願いいたします。

○原事務局長 短い時間で終わりましたけれども、どうもありがとうございました。次回は3月9日火曜日の10時からを予定しております。夕方開いたり午前になったり大変御迷惑を傍聴の方にはおかけしておりますけれども、4月からは定例化をしたいと考えておりますので、またそれは御案内をしたいと思います。
3月9日に取り上げる内容ですけれども、消費者基本計画の進捗状況、各省庁に投げられておりますので、それが少し中間報告的に聞くことができればということも考えておりますが、またほかの案件も考えておりますので、決まり次第またホームページで御案内をしたいと思います。今日はどうもありがとうございました。

○松本委員長 本日は、予定の時間に比べましてかなり早く終了ということになりますけれども、開始時間が午後5時と大変遅かったということ。また、本日、たまたまドイツの消費者団体と日本の消費者団体との間でシンポジウムが行われておりまして、今晩、レセプションも予定されているということで、そちらの方に出席を予定されている委員や傍聴の皆さんもいらっしゃると思いますので、本日は少し早いですけれども、これで終了、閉会とさせていただきます。
お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。

≪4.閉 会≫

(以上)