第3回 消費者委員会 議事録

日時

2009年10月13日(火)10:00~11:30

場所

消費者委員会大会議室

議事次第

1.開会
2.エコナ関連製品への対応について(報告)
3.消費者事故情報等(安全分野)公表に関する基本要領について
4.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第 (PDF形式:71KB)
【資料1】 「食品SOS対応プロジェクト-エコナを例にして-」報告 【資料2】 消費者事故情報等(安全分野)公表に関する基本要領(検討メモ)

(注)本資料は、消費者委員会の審議日に提出された資料を掲載しているため、その後の状況変化を踏まえた変更は行っておりません。現在のプレスリリースをご覧になりたい方は、消費者庁ホームページ別ウィンドウで開きますにアクセスしてください。


≪1.開 会≫

○松本委員長 おはようございます。本日は皆様お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。
ただいまから「消費者委員会」の第3回会合を開催いたします。
カメラはここで御退場をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○松本委員長 本日の議事はお手元の議事次第のとおりでございます。
まず初めに消費者庁の「食品SOS対応プロジェクト」よりエコナ関連製品への対応について、その後の経過を報告していただきたいと思います。
次に消費者庁において検討されております安全分野の「消費者事故情報等(安全分野)公表に関する基本要領について(検討メモ)」消費者庁より御説明をいただき、皆様の御意見を伺いたいと思います。
それでは議題に入りたいと思います。

○池田委員 議題に入る前に、前回私欠席しましたので、前回の委員会について一言私の考えを申し述べさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

○松本委員長 はい。

○池田委員 前回10月7日の「消費者委員会」の第2回会合に欠席して大変申し訳なく思っておりますけれども、その日にやられました特定保健用食品の許可を取り消すか、少なくとも一時停止すべきとの意見で委員会が一致して、消費者庁に検討を求めたという報道が7日の夕刊であったと思います。そのことについて、少し私の考えを述べさせていただきたいと思います。
第2回の会合の案内状に、そもそもにエコナに関して検討する議題の連絡は、少なくとも7日の日までに私宛てには一切来ておりませんでした。
その後も7日の日も8日の日も私に少なくともどういう議論があったか、どういう問題があったかということも一切報告がございません。
突然この議題が当日になって出たというならわからないではありませんが、そうなりますと、10月2日の「消費者委員会委員打ち合わせ」でそういうことの可能性があるということは、事務局側も当日出席の委員会の皆さんも当然認識があったと受け止められます。これに対してそういう態度を取られることは非常におかしいのではないかと思っております。
ただ、第2回会合で出された結論に対して私は全く異議はございません。そのことだけは確認しておきたいと思います。
そのことを踏まえて、少し要望事項を述べさせていただきたいと思います。
まず、議題とか配付資料は必ず事前に、我々委員にきちんと送っていただきたいということであります。これは私の感じですから、事実でなければいいんですけれども、常勤委員と非常勤委員に情報量の差がかなりあるのではないかということがうかがえます。そういうことのないように、ひとつ配慮をお願いしたいと思います。
2つ目は、欠席した私が言うのもおかしいですけれども、欠席者に対しても、そういう会合の模様を、メールとか、電話で速やかに連絡するということは大事なことではないでしょうか。議事録を待っていたのでは全然スピーディーではありません。ようやく第1回目の議事録が今ホームページに載っているくらいでありまして、2回目のは全く載っていないわけですから、それこそ消費者庁に対して消費者者との対話をスピーディーにやろうと提案している我々が、委員会の中の情報の提案ができないということでは全くおかしいと思っております。
3点目、今回のエコナの件は、少なくとも個別企業の個別商品に関わる議論でありまして、非常に重要な影響力を及ぼします。そうであるならば、公開にするか非公開にするかの議論も事前にきちんとすべきであったと思っております。そういう議論をした上で、公開であるならば何ら異議は申し上げませんけれども、そういう議論すらなく公開されたというのであれば、今後こういう案件に関して非常に懸念されます。
是非そういうことへの配慮も、事務局なり委員長の方できちっとお願いしたいと思っております。
それから、特保について前回の委員会で議論がありましたので、特保についていろいろ見直すということについては異論がございませんけれども、経営者という立場で一言特保について申し上げておきたいと思います。
特保というシステムは事業者にとっては非常に新しいよい商品を開発していこうという非常に強い開発のモチベーションになっていると思うのです。ですから、この消費者委員会というのは消費者庁ができたときも事業者と消費者をWin-Winの関係に結び付ける大事な役割があるということで発足したはずですから、そういうことを踏まえた議論になることを切に望みます。
以上であります。

○松本委員長 では、事務局の方からお願いします。

○原事務局長 前回の消費者委員会は池田委員御欠席で、今、池田委員から御発言があったとおりです。事務局側で連絡の不行き届き、資料の送付についてもそういう不手際がありましたことは、ここで改めてお詫び申し上げたいと思います。以後このようなことが起こることがないように、事務局でも、一同、もう一度気を引き締めて、作業手順の構築をして臨んでいきたいと思っております。
それから、常勤的委員とそうでない委員についての情報提供の差についてですが、これは基本的には全く差がないような形で情報提供はしていきたいと思っておりますし、そのように作業もしておりますので、そこについてはここにおられる9人の委員の方々同様に事務局としては考えて、今後とも作業を進めてまいります。事務局に関することについてはそのとおりで大変御迷惑、不快なお気持ちになられたことは深くお詫び申し上げたいと思います。

○松本委員長 国会の審議の中で、常勤的な委員を数名置かなければならないという議論がなされまして、それに基づいて、委員の発令の際に、数名の方を常勤的委員として発令するということが政府からなされました。したがって、国会審議や当初の政府の考えでは、常勤的委員とそうでない委員を分けて、常勤的委員については、別のグルーピングをして、常時集まって何かするというイメージがあったかと思うわけですが、実際の消費者委員会の運営の仕方として常勤的委員についてのみ何々をやるということは、現在一切行われておりません。公式の委員会以外に委員の間で頻繁に集まって議論をする。非公開の意見交換をするということは実際に行っておりますが、これにつきましては、全員のスケジュール等をお聞きして、多数の方が出席可能な日を選んで、委員の打ち合わせということで開催をしている次第です。
そういう中で御都合の悪い方が何人か出席されないということは実際あるわけで、そのような方に対して、打ち合わせをする際、意見交換する中で、どういう意見が多かったとか、どういう方向で今後更に検討していくかという方向性が出てきたということがあれば、それは欠席された方に当然返していかなければならないのであろうと思います。
今回のケースにつきましては、池田委員が食品業界の方ということもあって、より直接的な関係が出てきたというところがございますけれども、これはたとえ池田委員でなくて、むしろ消費者サイドで意見を述べられる方であっても、同じように一切連絡が来ない間にこういう議論が進んでいるとすれば、同様に不快な思いをされることになると思いますから、この点については事務局として運営をきちんとして、決定事項や審議事項について、あるいはその他の情報提供については速やかに全員に提供して共有できる状況をつくっていただきたいと思います。

≪2.エコナ関連製品への対応について(報告)≫

○松本委員長 それでは、続きまして消費者庁の方から「食品SOS 対応プロジェクト」についての、御報告をお願いいたします。

○相本食品表示課長 消費者庁食品表示課長の相本でございます。
議題の「エコナ関連製品への対応について(報告)」ということで、お手元の資料1-1以下に基づきまして御説明を申し上げます。
「食品 SOS 対応プロジェクト」に関しましては、先週の水曜日第2回の消費者委員会におきまして、それまでの経緯、検討状況について御説明を申し上げたところです。若干過去の経緯につきまして、再度御説明申し上げますと、資料1-1の5ページ目でございます。
「食品 SOS 対応プロジェクトにおける取組」ということで経緯を御説明しております。そもそもの発端でございますけれども、ちょうど2週間前、9月29日でございますけれども、特保の許可を得ているエコナ関連製品に関しまして、食品の安全に対する消費者の不安が広がっている状況等を踏まえまして、消費者の不安の解消に資する取組の推進など、行政としての対応を検討することを目的として、消費者庁の中に泉大臣政務官をプロジェクトリーダーとする標記プロジェクトを発足させたということでございます。
この発足に合わせまして、当面の取りまとめについて、おおむね1週間を目途に検討を行うということでスタート申し上げたところでございます。
その後の展開でございますけれども、同じ週の10月1日、エコナ関連製品に関する関係省庁との担当課長会議ということでプロジェクトにおける検討の一環として、関係省庁、具体的には厚生労働省、農林水産省、食品安全委員会事務局、消費者委員会事務局に御参集いただきまして、エコナ関連製品などに関します取組状況や意見の交換を実施したということでございます。
更に10月6日におきましては、プロジェクトにおけるヒアリングといたしまして、関係者からのヒアリングということで花王株式会社、食品安全委員会事務局からこれまでの経緯等についてヒアリング、意見交換を実施したということでございます。
これらの検討、ヒアリング、意見交換等の状況を基に、先週の水曜日、10月7日でございますが、プロジェクトにおける検討状況などの報告、御議論をいただいたということでございます。
ここまでが第2回消費者委員会の際に、私どもより御説明させていただいた経緯でございますけれども、その翌日先週の木曜日10月8日でございますが、資料1-1の1ページに戻っていただきまして、「『食品 SOS対応プロジェクトーエコナを例にしてー』報告」ということで報告を申し上げたところでございます。
具体的には先週木曜日の午後2時20分ころから、福島大臣以下政務三役により、消費者庁の会見室で、この報告について記者説明を行ったということでございまして、内容につきまして御説明申し上げます。
「食品 SOS 対応プロジェクト」に関しましては、発足以来、精力的に議論を重ね関係者からのヒアリング、消費者委員会における議論なども踏まえまして、このように取りまとめたということで、大きく2つございます。
1.でございますが、エコナ関連製品に関しましては、当時の厚生労働省が平成10年から平成15年にかけて特保に係る表示の許可を行ったのが始まりでございます。
その後、当該許可が行われて以降、食品安全委員会におけるリスク評価の審議、あるいはその審議における厚生労働省からの新たな資料の提出などを通じまして、私どもといたしましては、科学的知見の充実による許可に係る食品についての再審査を行うべき状況に至ったと判断したということでございます。
(2)でございますが、このため「健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令第5条に基づき」、再審査に関しましては消費者庁長官が行うという規定がございます。消費者庁長官が再審査手続を早期に開始することとし、当該許可に係る食品の安全性について、食品安全委員会、それから消費者委員会の意見を聞き、特保に係る表示の許可を取り消すかどうかを判断すべきであるという結論に至ったところでございます。
消費者庁といたしましては、エコナ関連製品についての特保の再審査、あるいはその過程におきます食品安全委員会の審議に関しまして、消費者に広く情報提供を行う。更に消費者とのリスクコミュニケーションの場などの積極的な活用を図るという報告をしてございます。
(4)は事業者に対する要請でございますけれども、関連製品の製造事業者においては、消費者に対する関連情報の提供、消費者からの相談などへの対応は当然のこと、今後の適切な広報のあり方、リスクコミュニケーションの充実などを求めるという内容としてございます。
エコナに関します特保の許可に着目した報告としては、この1.でございますが、もともとこの「食品 SOS 対応プロジェクト」というのは、表題にもございますとおり、エコナを例にしてということで、このような事例を基として、消費者庁として今後どうしていくべきかというところについて、2.以下で整理してございます。
まず消費者庁としては今回のような事例も踏まえ、国民生活センターの連携、消費生活相談員の研修など、消費者にわかりやすい情報の提供のあり方、事業者の対応のあり方などについて関係者からのヒアリングなどを通じて意見を求め、引き続き検討を行うということでございます。
前回の消費者委員会の場でも御意見をいただきましたけれども、特保そのものに関しまして、再審査中における特保に係る表示の取り扱いなど、法制度面の課題。そもそも特保というのが健康増進法の目的である国民の健康の増進を図る措置であるという目的に照らしたときに、特保の制度の今後のあり方がどうあるべきかといったことに関しまして、消費者委員会におきまして御検討をしていただければと御報告しております。
食品安全委員会におきましても、食品安全基本法の本旨に基づきまして、食品の安全性の確保に関する国際的動向、国民の意見についての一層の配慮を踏まえた審議、消費者庁と連携したリスクコミュニケーションの実施を求めるという内容の報告を公表させていただいたところでございます。
これが先週木曜日午後2時過ぎから大臣三役以下から公表申し上げた報告の内容でございますが、その後の経緯といたしまして、この報告に基づきまして、消費者庁として再審査手続を早急に取るということが求められたところから、お配りの資料1-2、1-3でございます。これは食品安全委員会、消費者委員会に対して、エコナを再審査にするに当たって必要となる意見を聞く手続、一般に諮問手続と申し上げておりますが、食品安全委員会に対しましては、食品安全基本法に規定する食品健康影響評価の実施、消費者委員会に対しましては、再審査を行うに当たっての委員会の意見を求めるといった内容の諮問を、大体この日の午後3時前後に、それぞれの委員会にお届けしたということでございます。
消費者庁としては冒頭御報告した資料1-1に基づいて、エコナに関する再審査手続に入るということで具体的なアクションとしてこのような両委員会に対する諮問手続に入らせていただいたところでございます。
同日午後3時15分ころでございますが、資料1-4でございますが、このような動きと並行するような形で、これは花王株式会社より「エコナ関連製品に対する弊社の対応について」ということでプレスリリースを行っておられます。内容につきましては既に報道等で御承知されていると存じますが、今回の花王株式会社の判断により、消費者庁に対して、特保の失効届けを提出するということのプレスリリースがなされたということで、具体的には同日管轄の保健所を通じて消費者庁に対して失効届けを提出したという御連絡を花王株式会社より私どもにいただいたということでございます。
このような状況を踏まえまして、同日の夕刻午後5時過ぎからでございますけれども、福島大臣より再度緊急の記者会見ということで、このような失効届けの提出の御報告があったということを踏まえまして、消費者庁として、資料は1-2、それから資料1-3で開始いたしました特保の再審査手続に関しまして、その対象となる許可が失効したということが明らかになりましたので、これについて手続を取り下げるということを公表申し上げたところでございます。
具体的には資料1-5、資料1-6でございます。公文としては、一連の動きの翌日10月9日付となってございますが、食品安全委員会それから消費者委員会に対しまして、10月8日付で行いました諮問手続についてそれぞれ取り下げると言った内容の公文を発出しております。
これに基づきまして10月8日付で両委員会にお願い申し上げました意見を聞く手続については、消費者庁として、取り下げたということになったということでございます。
簡単でございますが、経緯については以上でございます。

○松本委員長 それでは、ただいまの消費者庁からの御説明につきまして、どうぞ御意見、御質問おありの方は御発言ください。

○中村委員 1点質問したいのですが、資料1-4の消費者の方のお問い合わせの中に「ご返品を御希望の方は、上記宛先に着払いにて、お名前、ご住所、お電話番号を明記の上、お送りください。商品相当額のギフト券をお返しいたします」と書いてありますが、もともとは9月16日に販売停止して以来の回収状況というのは、どうなっているかということはお聞きになっておるのでしょうか。わかれば教えていただきたいと思います。

○相本食品表示課長 先ほどの御質問でございますけれども、花王株式会社より、直近の状況について御説明をいただいております。花王株式会社の御説明によりますと、エコナ関連製品に関しまして、取扱件数が約2万8,000店舗ございまして、そのうち99%に関しましては、店頭販売を終了している。撤去を行っているということでございます。
消費者の方に関しましては、9月16日の販売自粛以降専用のフリー回線等で個別に御説明し、消費者の皆様のお手元にあるエコナ関連製品に関して、返品の希望がある場合にお受けしているという説明をいただいているところでございます。

○中村委員 回収の件数とかはわからないですか。ギフト券をどのくらい発行したとかです。

○相本食品表示課長 消費者の方からの具体的な数字についてまだ把握しておりませんので、追って御説明いたします。

○佐野委員 今回、花王株式会社が自主的に販売を自粛し、更に特保も取り下げという形になったのですが、もともとは、この特保を許可した後、念のためにテストを実施してきたということでした。これは普通の事態ではないわけで、国がそれに対する反省とか、二度と起きないようにするためにはなぜ起きたかということをきちんと検証した上で進めていかなければならないと思います。ここでは一切そういうことが書かれていないので、二度と繰り返さないためには、なぜそうなったのかというのを検証していただきたいと思います。
今、消費者が一番困っているのは、ここにもありますように花王株式会社では食品としての安全性は問題ないと判断しているとホームページでおっしゃっているわけで、家にあるエコナ関連商品をどうしたらいいのか。食べてもいいのか、どうしたらいいのか、そこが一番知りたいところなのですが、ホームページをいろいろ見ても、なかなかきちんとした明確な答えは出ていないわけで、そこら辺りは消費者庁としては、どういうふうに考えているのかということ。返品はいいけれども、回収ではないとか、言葉遣いもいろいろあったり、消費者にとって非常にわかりにくい状態が続いていると思います。その点をお聞きしたい。
これを食べてきた人の健康調査というものをする予定があるのかどうかをお聞きしたいと思います。
更に消費者委員会においては、検討を求めたいということであるので、是非これは消費者委員会として何らかの形で、検討を進めていきたいと思います。幾つかの質問に対してお答えをお願いします。

○相本食品表示課長 まず1点目の御質問でございますが、過去の経緯につきましては、当然のこと報告でもございますけれども、この特保のあり方を検討していくといった過程の中で、特保の運用がどうであったかということを含めて検証が必要だと考えてございますので、そういったことも含めて、私どもあるいは消費者委員会の場で御検討させていただくということであろうかと思います。
2点目の御質問でございますが、消費者の手元にあるものにつきまして、消費者庁としてどうかということでございますが、私ども消費者の方から実際に消費者ダイヤルで御質問をいただくこともございます。これに関しまして、私どもとして当然、現状においてお答えできるような科学的知見がどうであるか、あるいは食品安全委員会で進んでいるリスク評価の状況について御説明するというのが1点。
それから、回収という御質問がございましたけれども、具体的なことにつきましては、花王株式会社の方で対応されているということを御紹介をし、先ほども御説明いたしましたけれども、先週の10月8日から花王株式会社のホームページでも、回収方法につきまして、このような形でリリースされているということでございますので、そういったことを消費者の方々にも私どもとしてもきちんと御説明していきたいと考えてございます。
3点目の健康調査でございますが、現在ジアシルグリセロールを高濃度に含む食品に関しましては、既に御承知のとおり、厚生労働省からの諮問により、食品安全委員会で健康影響評価が進んでいるというところでございます。
私どもといたしまして、その健康影響評価の過程でどういったことが検討されるのかということが必要だと考えてございますし、その検討の過程でおっしゃったような調査も仮に必要ということでありましたならば、関係省庁とも御相談しながら、具体的なやり方については考えていく必要があるのではないかと考えてございます。
以上でございます。

○松本委員長 ほかに御意見、御質問ございませんか。

○日和佐委員 私も消費者に対しての説明がわかりにくいと思います。特に花王株式会社のNews Releaseなんですけれども、今後やっていくことは、グリシドール脂肪酸エステルを一般食用レベルまで低減するということがメインになっているわけなんですが、問題はグリシドール脂肪酸エステルが今までのものは高濃度に含有されていて、それがグリシドールに変化するかもしれないということです。ここがわからないわけです。
ですから、グリシドールに変化するかどうかについてきちんとデータを出してもらわないと、ここが基本だと思うのですけれども、この文章は非常にわかりにくい。
問題になっているのは、低減するというのは、一般の食用油と同じにとにかく下げればいいんですかという話なんですけれども、それだけではなくて、今まで高濃度のグリシドール脂肪酸エステルが含まれている商品が販売されていたわけですから、果たしてそれからグリシドールが発生しているのかいないのか。そのグリシドールが体内でどのような動態を取っているのか。そういうことについてきちんとデータを出していただくということだと思います。
問題なのは、このグリシドールの発がん性がA2だということです。その辺りが明確にこの文章はなっていないのでわからない。よくわかるような情報を、これは消費者庁からも、今までのどこが一番問題だったのかということを明確にした方がいいと思います。

○相本食品表示課長 今の御意見でございますけれども、まさしく御指摘のとおりでございまして、グリシドール脂肪酸エステルに関しまして、食品安全委員会におきまして、安全性も含めた検討が進んでいるということでございまして、具体的なグリシドール脂肪酸エステルの体内動態等につきましては、現在、食品安全委員会から厚生労働省に対して検証を行うためのデータを提出するようにということで、厚生労働省を通じて作業が進んでいるところでございます。これにつきまして、11月を目途に、何らかのデータにおける回答が示されるというふうに伺っておりますけれども、私どもといたしましても、食品安全委員における安全性の検証につきましては、消費者庁としても、引き続き情報提供を行って、消費者の方にわかりやすく情報提供を行っていきたいと考えてございます。

○下谷内委員 今、各委員から意見が出ましたので、それは十分検討していただくということでよろしいかと思いますが、2.のところにありますが、消費者庁としては、今回の事例を踏まえ、今後どうするかということをおっしゃっていらっしゃいますが、ここに書いてある文言だけを読んでいくと、わかるようなわからないような書き方ではないかと思っております。
私ども各地の全国の消費生活相談員が、この状況をどのくらい知っているか、情報の提供のあり方とも関連するのではないかと思います。先ほど消費者ダイヤルのところで、科学的知見とか、食品安全委員会の検討だとか、花王株式会社の対応だとか、御説明されているということですが、そういうことだけで、一般の消費者あるいは消費生活相談員がわかるのかどうか。この先、この中には事業者、消費者からのヒアリング等を通じて関係者の意見を求め、引き続き検討を行うとありますが、これはとてもよろしいことなんですが、なかなかわかりにくいことでありますので、今回の件を含めまして、もう少しわかりやすいような情報の提供のあり方か必要ではないかと思います。
この報告に対しても、一般的な書き方であるようにしか思っておりませんので、もう少しわかりやすい報告がどこかでされたらいいのではないかと思います。

○川戸委員 全くそのとおりだと思います。どうもわかりにくい。一番初めの消費者庁並びに消費者委員会の広報、公聴の仕方が非常に不十分だと思うんです。
例えば、なぜ「食品 SOS 対応プロジェクト」ができたかというのは、一番初めに花王が突然会見し、販売自粛をした。そのときに、これは食品安全委員会から結果が出ていないから、これはどうしようもありませんみたいな対応を多分消費者庁の方がなさったという話を伺いましたけれども、そこから不安というのが広がったわけです。 ですから、取組みのここも、もし、この文言がペーパーとして残るのであれば、この前に花王株式会社のこういうことがあって、ここで不安を引き起こしたと、まず1行書いておくと、あとみんなわかりやすいというところから始まって、これだけのことでは非常にこの中身が末端まで、ただエコナが恐い、特保製品のほかのところまで及ぶのではないか。ほかのところまで疑いが起こってしまうわけです。消費者庁並びに食品安全委員会、消費者委員会もそういうところまで払拭できるかどうかというのが、私たちの責任だと思うんです。そこのところをもっときちんと考えていただきたいというのが1つです。
1つ質問なんですが、失効届でこれから中身を調整するとおっしゃいましたけれども、これは前回指摘しましたように、食品安全委員会は花王に半分は投げて共同で調査をやっているという話を伺いましたけれども、今後の件については、厚生労働省から食品安全委員会がどこか、花王以外のところできちんと精査されるということですね。

○相本食品表示課長 そういうことが含まれていると思います。

○川戸委員 失効届けを出したら、逆に言えば、花王に対して指導とかはできないのですか。

○相本食品表示課長 特保としては既に許可が失われておりますが、当然消費者庁としてメーカーに対していろいろお願いすることは、特保の許可だけに限らず、ここにもございますけれども情報の提供とか、今後改めて審査を考えておられるということがあれば、そういったことも含めてきちんと情報提供をやっていただくということは、十分をお願いしていくということになろうかと考えております。

○川戸委員 といいますのは、先ほどの花王の書きぶりですね。グリシドール脂肪酸エステルを一般食用油レベルまで低減する技術の確立、これは先ほど日和佐委員がおっしゃったように、グリシドール脂肪酸エステルが入っているほかのものも、もしかしたら危ないかねという逆の考え方もできるわけです。食べている方は自分の健康に関係があるわけですから、そこの不安をどう払拭できるかというのはすごく重要なことだと思います。そこら辺も考えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○松本委員長 ほかに御意見、御質問ございませんか。

○櫻井委員 今回の一連の経緯についてですが、見ていて思いましたことは、新たな知見が生じたということで、再審査に入るということを行政が表明して、それを受ける形で事業者が失効届けを直ちに提出され、それで改めて行政は諮問を取り下げるという、取り下げの文章というのは珍しいと思いましたけれども、そういう経緯でしたが、詳細については私も知りませんが、第三者的に見ていて思うことは、メーカーからしますと、今回失効届け出したということは、ある種の経営判断だと思われます。先ほど池田委員もおっしゃったのですけれども、再審査に入ると言って、消費者委員会でこういう形で、公開するかどうかという話もされましたけれども、当然のように公開でやったということなのですが、そういうことになりますと、再審査をやるということ自体である種のラベリングが事実上確定するようなところがあって、そうしてその後ずっと審査が続いていくと、メーカーとしてはなかなか耐えがたい事態を迎えるということが想定されます。そうすると、そういう広い意味での合理的な判断で失効届けを出されたのかなと推測されるわけです。
しかし、再審査を行うという内実からすると、今回の展開は制度本来の想定と異なる展開になっているところがあります。そこは今後制度論を検討されるということなので、企業の正当な利益も勿論ありますので、モチベーションという話もありましたけれども、そうだとしますと、再審査にどうやって入るのか、入るのか入らないのかについて予備の事前調査みたいな手続を設けるかとか、その手続を公開するか公開しないか、公開してやるとして、グリシドールエステルの変化可能性があるのかどうかが確定できればいいのですけれども、確定できないときに、グレーゾーンにどう対応するかということになると、さらなる検討が必要です。グレーゾーンであるけれども、どちらかに踏み切るということになりますと、仮に企業の利益を犠牲にして、そちらよりも消費者の利益を優先するという決断をする場合には、企業に対して当然手続的な保障もしなければいけませんし、損失補償的な対応もしなければいけないと考えられます。現在の健康増進法というのは法の規律密度が低いものですから、そこのところはきめ細かい手続をセットした上で、利害関係者の諸利益がいい形で収まるように制度を整備する必要性があるだろうというふうに思いました。
今回は、花王さんは大企業ですからいろんなことをわかって対応されたのだと思うのですが、伺ったところでは、特保の申請をしている事業者というのはむしろ小規模事業者が多いということです。そうだとすると、事業者が多様である分、企業の行動は今回のような予定調和的な行動を取るとは全然限らないので、そうなってきますと、行政の対応も、事業者がそういう場合には非常に強い経済合理性を持って、制度のすきを突いてくるようなこともあって、開き直ってくるということも当然ありうると考えられます。
そういう局面では、行政としてはその企業に対しては結構きつく対応していかなければいけないのですが、そういう対応というのはわが国の行政は基本的に不得手でありまして、そういう意味では、今回失効届けを出されなくて、なお、販売し続けるということが仮にあった場合に、行政としてどういう対応ができるのかということは本来考えておかなければいけない。制度整備は大体後追いないので、何か事件が悪質化しないと行政制度はなかなか変わらないのですが、業者が開きなおってしまうという事例が近年少なからず見られるところでございまして、金融関係もそうだと思いますし、そういう点については、制度論として今後大きな課題として、これは余りゆっくりやっていくような話ではないと思いますので、迅速に対応していただきたいなと思っています。
第二に、違う点ですけれども、前回の消費者委員会に政務三役の方がお見えになって、この議題が前回の消費者委員会で上がりましたが、この問題が議題となることがわかったのは、当日私がここに到着してから聞いたような次第です。たしか、30分くらい前に聞いて今日はこれが議題に上がるからということで、それで政務三役の方が来られて、皆さんの意見を聞きたいとおっしゃったのですけれども、政治的に利用されているかなという感じがしないでもなくて、あのようなかたちで問題をいきなり投げて、消費者委員会がこういうふうに言っているから、しようがないからこういうふうにやりましたというような、エクスキューズとして使われるというのはよろしくない。これは消費者委員会の中立性にも関わってくると思うのですけれども、消費者目線とは言っても、労働委員会みたいなものもありますから、労働委員会の場合であれば労働側と使用者側と公益委員とちゃんと三者構成になっていて、そのうえで労働者の権利を守るために対応するということでバランスをとっています。この点、消費者委員会のあり方もう少し考えなくてはいけないと思います。そして、独立性といった場合には、やはり権力者に対して独立であるということが一番重要なことなので、政治的に乗せられた形で期待どおりの回答を出すのもいかがかなと。そこは自分で考えて委員会として独自に考えた上で慎重を期して意見を述べるということが必要ではないかと思っております。
以上でございます。

○日和佐委員 今後の問題なんですけれども、特保に関わる制度について、検討していく必要が確かにあると思います。今回のように花王が自主的に取り下げるというケースばかりでは多分なくて、なおかつ疑いがある場合ですね。はっきりしないけれども疑いがある。その疑いのリスクの程度にもよると思います。今回はかなりリスキーなのは発がん物質であるということとつながっていたということで、非常にリスクが高いというケースだったわけです。
あるかどうかわからない。要するにグレーンゾーンの場合に、櫻井委員がおっしゃったのですけれども、どうするかということについては、やはり検討する必要があると思います。
それと同時に、グレーゾーンで対処をして結果的にシロだったという場合もあり得ます。そういう場合の補償というものも、基金のようなものを創設して、補償制度をつくってやれば、いろいろと縛られないでやれるのではないかというように思いますので、そういうことも検討する必要があるのではないかと思っております。
それと、特保だけを議論しても、私はこの商品群、いわゆる健康食品だとかサプリメントだとか、こういう商品群がいっぱいありますね。余りにも健康食品やサプリメント等がひどいので、ちゃんとしたものは特保ですよということで、特保制度というのができたと聞いていますので、特保の制度だけを見直すのではなくて、全体的に健康食品やサプリメント、こういう分野の商品についてどのように考えていくのか。海外ではどのような対応がなされているのか。日本はほとんどとアメリカとイコールのようですけれども、ヨーロッパはちょっと違っているというようにも聞いていますので、その辺りの調査をして、全体的に議論をする必要があるのではないかなと思っています。

○池田委員 今、櫻井委員と日和佐委員の意見、私は全くそのとおりだと思いまして、科学の進歩によって新たな知見というか新たな事実というのは常に発見される可能性があるわけです。今まで安全であったものが、これは問題かもしれない。これがグレーゾーンと言うのか、そういうことは常に起こること可能性がある。それがたまたま今回のいい事例ではないかと思うのです。これは悪者探しではないと思うんです。こういうことはこれから再三起きてくるから、そういうときにどういう立場の者がどういう判断をして、スピーディーに対応していくかということが、この消費者委員会に課せられている一番のテーマではないかと思うんです。メーカーが今度失効という形を取ったのが、いいのか悪いのか。行政がそういうことでしてきたことがいいのか。あるいは国としてどうなのか。
先ほど補償という話がありましたけれども、商品によっては大変なことになると思うのです。
過去に疑いがあるということでシロになった事実はままあると思うのです。それによって大変な迷惑をこうむったという事例もたくさんあります。
ですから、このグレーゾーンのところの判断をどうするかということは、非常に答えのない問題という前提でいろんな議論をしていくということを、あらゆる場面でみんなが認知して答えを出していかなければならないのが事実だと思うのです。
断定的な言い方をしていくと、かえって国民の不安をあおるということになりがちで、そこは一番注意していくべきことではないかと思います。

○松本委員長 消費者庁側にちょっとお聞きしたいのですが、消費者委員会の公開との関係の議論ですが、特保の許可の申請が来た場合に、食品安全委員会と消費者委員会の意見を聞くというプロセスを取らなければなりません。その場合にこういう件について2つの委員会に諮問をしたということ自体は公表されているのですか。そこは秘密なわけですか。

○相本食品表示課長 諮問手続につきましては公表しております。

○松本委員長 そうしますと、再審査に入るということ自体もそれ自体は公表されるわけですね。それも秘密にするんですか。
そうしますと、消費者委員会で再審査の諮問を受けたという事実も当然公開されて、個別のデータ等の審議の部分は企業秘密とも関わるから非公開になるという位置づけでよろしいですね。審査の対象になっている。あるいは再審査の対象になっているということ自体は当然オープンな形で議論をされる。

○相本食品表示課長 そのとおりです。

○松本委員長 ほかに御意見ございませんか。

○池田委員 確認ですけれども、それは消費者庁としての正式なアンサーですか。

○相本食品表示課長 再審査の手続が進んでいることにつきましては、公表いたします。これまでの審査に関しまして、具体的な企業からいただくデータに関しましては、非公表の部分はありますけれども、それについては、非公表な形で御審議をいただくという形になります。

○松本委員長 審査中こういう案件について申請があったから審査をしているという事実自体はオープンになっていると理解してよろしいですか。

○相本食品表示課長 おっしゃるとおりです。

○松本委員長 ほかにございませんか。
それでは、今日は非常に貴重な御意見が各委員の方から出されたと思いますので、それに基づきまして、消費者委員会といたしましても、今後の議論のあり方に反映させていきたいと考えます。ありがとうございました。

≪3.消費者事故情報等(安全分野)公表に関する基本要領について≫

○松本委員長 続きまして、次の議題に移りたいと思います。
現在、消費者庁で検討されている安全分野の消費者事故情報等の公表に関する基本要領について、消費者庁より御報告をお願いいたします。

○野村消費者安全課長 消費者安全課でございます。よろしくお願いいたします。
お手元に資料2-1~2-4を配付してございます。資料2-1で「消費者事故情報等(安全分野)公表に関する基本要領(検討メモ)」という資料でございます。第2回の委員会で事故情報の一元化の状況の御報告をさせていただきましたが、その際情報提供のあり方を中心に複数御指摘、御意見をちょうだいいたしましたので、現在どういう要領で事故情報の公表をやっておるかということを説明させていただくために用意させていただいたものでございます。
資料2-1を御紹介させていただきます。
消費者庁は「消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に向けて、消費者の利益の擁護及び増進」を任務として設置された新たな行政機関であり、その任務の一環として、消費者の注意喚起のため積極的に消費者事故情報の公表を行っていくことが期待されていると認識してございます。
この整理でございますが、消費者事故情報公表を消費者目線に徹しながら行うための基本的な事項について定めをしようということで、内規的な形で考え方の整理をしているものでございます。
ただ、実務の定着に応じて随時必要な見直しはあろうかと思っておりますが、ここの時点の整理ということでございます。
全体は4節に分かれてございます。
「I.基本的な考え方」でございますが、消費者安全法に基づいて消費者庁に通知される消費者事故等に関する情報については、消費者事故等の発生及び被害拡大の防止を旨として、その開示に努めなければならないと同法第3条第1項と第4条第3項に定めがございますが、これを踏まえまして、週1回程度を目途として、定期的に情報を集約して公表を行っていく必要があると考えてございます。
また、被害の拡大または同種・類似の消費者事故等の発生の防止を図るため、消費者の注意を喚起する必要があると認められる場合等、緊急・重大な事案については定期的な公表によらず、迅速に公表を行っていく必要があると考えてございます。
「II.定期的な公表」の現在の実務でございますが、原則週1回、月曜日から翌週日曜日までの情報を集約して、通知機関等との調整の上で翌週水曜日に公表を行うということを9月以降やってきてございます。
「2.公表の内容」でございますが、消費者安全法第12条第1項及び第2項に基づく通知件数、通知機関別内訳等を示しております。また、重大事故等に該当し、または該当する蓋然性が高いと認められる場合であって、被害の拡大や同種・類似事故の発生が考えられる場合には、事実関係の詳細について、未確認な段階でありましても、通知機関等と調整した上、消費生活用製品安全法の運用に合わせて、事故の概要を公表するという形を取ってきております。
一方「消費者事故等の発生及び被害拡大の防止」を旨とする基本理念に照らしまして、第一報の限りで消費者事故に該当するかよくわからない。あるいは既に拡大防止のための措置が講じられているといった事情が該当する事案については、対象外というふうに現在は整理をしております。
2ページ「3.記者発表及びホームページ掲載」でございますが、毎週水曜日15時に消費者庁記者クラブに資料の配付を行い、プレスへの御説明をいたしてございます。また同じタイミングで、消費者庁のホームページにも掲載をしてございます。
ホームページに掲載後でございますが、対応措置が講じられるなどの状況の変化によって、「消費者事故等の発生及び被害拡大の防止」の観点からそのまま掲載し続ける必要性が低下したときには修正を加えるという運用をしてございます。
具体的には、例えば消費者衛生関連事故情報につきましては、通常、食品衛生法に基づいて地方公共団体が営業停止処分等を行って改善が図られるかどうかの確認がございます。その場合、ホームページ上から自治体におきましては削除してございますが、そうした実務に合わせた取り扱いをしてきているところでございます。
「III.消費者安全法第15条第1項に基づく公表」でございます。
9月以降これまでの時点では、実績はございませんが、考え方としては以下のような考え方ではないかと内部的には頭の整理をしておるところでございます。
第15条1項に基づく公表を行うか否かの判断に際しましては、以下のような「考慮要素」を踏まえつつ、被害拡大のために必要な情報を提供していくということを考えてございます。 「考慮要素」としてございますのは、被害の重篤性、事故の発生数、被害の拡大可能性、事故の新規性、事故の回避可能性、こういったことを「考慮要素」といたしまして、被害の拡大または同種・類似事案の発生のおそれの有無、程度、消費者被害の発生または拡大を防止するために、注意喚起する必要性の有無、程度を検討した上で公表の判断をいたすと考えてございます。
その結果公表の必要があるという場合には、公表が必要な情報の範囲を以下の「留意要素」に留意しつつ、公表の内容を確定するとしてございます。
「留意要素」といたしましては、事業者の特定に関する情報。
個人の識別に関する情報。これらの情報に関してどの範囲で公表するかというところを勘案した上で、公表の内容を判断するという頭の整理をしてございます。
3ページ「2.公表に際しての配慮事項」でございますが、迅速かつ可能な限り正確な情報の提供に努めるとともに、速報段階以降の追加情報についても、丁寧な公表を行うことによって、消費者等に不安や混乱を生じさせるような事態を極力回避する。
事業者に特別の損失を生じさせるおそれがある場合等には、公表前に事業者に対する意見陳述機会等または意見書の提出の機会を付与する。
公表する情報については、その内容のわかりやすさ、アクセスのしやすさ等に十分配慮するとしてございます。
「IV.社会的影響等を勘案した公表」としておりますが、これは第15条1項に該当すると確定できない場合であっても、被害が重大である事案、その他社会的影響が大きい事案であって、事案の性質が明らかでない事案や被害拡大防止の方策が明らかでない事案等、緊急に対応措置を講ずべき場合には、定期的な公表によらず、迅速な公表を行っていくという形の公表を、もう一つの類型として用意する必要があるだろうという頭の整理をしているところでございます。
資料2-2は、この考え方の整理をするために法律家の方を中心にしまして御意見をお伺いをいたしましたものを整理したペーパーでございまして、この基本要領の策定に当たりまして、御協力をいただいたものとして、御紹介をさせていただいているものでございます。
資料2-4は、昨週公表した実際のプレスリリース資料を、参考資料として配付をさせていただいてございます。
資料2-3は、消費者安全法に基づく通知、事故情報の公表をリリースしたものでございます。先週1週間で通知事案が73件、重大事故とみなされる事案が13件でございました。
重大事故として通知された事案に関しましては、別紙1で先ほどの概要の紹介の仕方に即しまして、概要を紹介する等の整理をした事案に関しまして、別紙1で概要を紹介をしてございます。
食中毒の関係に関しましては、22件の通知がございますが、自然毒等以外の事案14件に関しまして、個別事案を別紙2で紹介するという形を取ってございます。
資料2-3の方は、消費生活用製品安全法に基づいて通知のあった重大製品事故情報のプレスリリースでございます。先週1週間で7件の通知がございまして、ガス機器、石油機器及びそれ以外の製品であって、製品起因が疑われる事故情報4件に関しましては、詳細情報、それ以外の3件に関しましては、概要情報等を公表する形にしてございます。
「4.製品起因による事故ではないと考えられ、今後、第三者判定委員会において、審議を予定している案件」というふうにございますが、これは消費生活用製品安全法は、経済産業省と消費者庁の共管になってございますが、経済産業省の方におきましては、消費経済審議会に第三者判定委員会というものをこれまで設置をしてきておられまして、製品起因によらないという判断をした場合、その他公表の運用に関して第三者の意見を聞くという運用をしてきてございまして、この第三者判定委員会において公表の適否、特に製品起因ではないと判断したことが問題ないかどうかという御意見をちょうだいするという運用をしてきておられます。
9月以降相当数の事故情報の報告がございまして、消費経済審議会の方での御審議をお待ちいただいている状況でございますが、消費者庁としても本件に対してどのように対応していくべきかというところを検討中でございまして、消費者委員会の方の御意見もちょうだいしながら適切に対応してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。

○松本委員長 どうもありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして御意見、御質問がおありの方はお出しください。

○中村委員 消費者庁のホームページを見ますと、今日まさに資料2-3と2-4で配られているように、それぞれの根拠法ごとに別々に出てきていて、日付順にダーッと並んでいるだけなんです。消費者としてはもう少し一覧して検索できるようなことも希望すると思うのですけれども、今のシステムがどうなっているかよくわかりませんが、今後、事故情報について、例えば製品別とか、あるいは商品別に消費者がアクセスして検索して、例えば今、某メーカーのテレビではどんな事故情報が入ってきているのかとか、「ヒヤリハット」も含めての情報があるのかとか、そういうことがわかるようなシステムを今後構築していただきたいと思うのですが、その辺に向かった作業というか段取りというのは何かなさっているのでしょうか。

○野村消費者安全課長 御指摘の点は、内閣府の国民生活審議会が7月に意見書を政府に対して出してございますが、その中では「事故情報データバンク」という仮称が付いておりますけれども、一元化した情報をシステム的に統合して関係機関同士で有意義に活用することと、一般の消費者・国民もアクセスができて、自分自身の関心で閲覧ができるようなシステムを構築すべきだという意見を政府に対していただいてございますので、その設計をすべく現在検討を進めてございますので、その検討状況についても、近いタイミングで御報告・御説明をさせていただければと思っております。

○松本委員長 池田委員、どうぞ。

○池田委員 1つ質問があります。消費者庁発足後、情報の量とか質とか広がりというのは変化があったという認識があるのかどうか。その辺を質問として伺いたいと思います。
意見としては、検討案の2ページ目の、記者発表、ホームページ掲載、このとおりだと思いますけれども、どうも文面からいくと消極的に修正していくという感じが取られて、むしろ変化があれば積極的に修正していくという前向きな表現にしていただいた方がいいのではないか。ことがあるということは、ない場合もあるという表現に私は取りますので、消費者にとって、あるいは事業者にとっても、修正とか、情報の変化が大事だと思いますので、積極的に変化するような修正があるということを言ってほしいと思います。
公表に対しての配慮事項で、私は事業者ですから先ほども言いましたけれども、消費者によく知らせる、未然に防ぐということが最大の目的の1つであると同時に、やはり事業者にとっても、風評被害が最小になるという配慮を常にするということも、公表のところでもう少しやってほしい。
もう一つ、これは消費者委員会の課題であるかもしれないですけれども、情報の公表というのは一番のテーマだと思いますけれども、もう一つ、消費者教育といいますか。情報の公表が、消費者教育につながると思いますので、そういうことをもう少しきちんと積極的に取り上げていくということが必要ではないかと思います。
以上であります。

○野村消費者安全課長 1点目の一元化した後の、事故情報の集約なり発信の量や質の変化に関してでございますが、大きな変化があったのではないかと思っております。
例えば食品関係の分野では、個々の保健所で情報の発信をされている運用はあったのではありますけれども、それを消費者庁の方へ通知していただくことで一覧性のある形で公表することができるようになってきております。
製品関係は、製品安全法の実務が、パロマの事件以降ございますので、そこは大きな変化はないかと思いますけれども、製品安全法がかぶっていない領域、例えば、路線バスの運行で急ブレーキなどがあって事故があったとか、シーソーとかブランコで子供さんが使っていたときにこういう事故があったとかそういうものも通知がございまして、公表をしてきてございます。こういうものは今までなかったのではないかと思っております。
消費生活センターさんで相談を受けた消費者相談というものは、原則非公表ということでやってこられたと思いますけれども、相談者の特定ができない形で事故の概要については公表できるものは公表させてほしいという調整をしてきてございまして、これも今まで出てきていなかった情報が外に出てくるという形が取れてきているのかなと思いますので、諸先生に道を引いていただいた一元化というものの運用が、少しずつ実が出てくる形が取れればということで運用に努めたいと思ってございます。
文面に関するもう少し前向きな表現というところは、検討させていただければと思います。
消費者教育の関係は大きなテーマでございますので、私の一存ではというところがございますが、事故情報を集約して、それをホームページに載せたら終わりということではなくて、その事故情報の含意は何なのかとか、「ヒヤリハット」情報が更に裾野としてこれだけあるので、もう少し踏み込んだ情報の使い方をするべきだとか、そういうところはさらなる課題だと思っておりますので、今後よく検討して、必要に応じて御報告をさせていただければと思っております。

○佐野委員 幾つかあるのですが、一番最初の「消費者庁は」という第1行目のところなのですけれども、消費者の権利の尊重及びその自律の支援という言葉をきちんと入れていただきたいと思います。
中身の方ですが、「2.公表の内容」のところで、「消費生活用製品安全法の運用にあわせて、事故の概要を公表する」の「運用にあわせて」というのはどういうことなのか教えてください。
その下に「第一報の限りでは」とあるのですが、第一報をもらったときには、確かにこれは消費者事故に該当するかどうかわからない。そのあと第2報、第3報でそれが消費者事故に該当するか否かということを検討していくという順番があると思うのですが、ここだと第一報でもらって、すぐ対象外と整理するとあり、その間隔がすごくわかりにくいと思います。
次のページの、記者発表のことに関してなのですが、さっき池田委員が変化が大切というふうにおっしゃいましたが、私も変化は大切だと思っております。前回も申しましたように、そのまま削除するのではなく、きちんと履歴を残して、どういうことで改善したからここは大丈夫だという形で履歴は必ず残していくようにお願いしたいと思います。
3ページ「公表に際しての配慮事項」なんですが、一番最初に言わなければならないのは、事故情報というのは国民の共有財産であるということ。
それから、健康や生命に関わる情報は常に公表していくというのが基本だと思うのです。その上に立って事業者のことを考えるという順番があると思うのですが、それがすごくここは簡単に書かれてしまっています。
「事業者に特別な損失を生じさせるおそれがある場合」というのは非常に大事なことだと思うのですが、そのあとの資料2-2の8ページになりますが、「(2)事業者特定情報を公表する場合」と、ここには「人の生命、健康、生活または財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を公表する場合には」ときちんと書かれております。しかしながら続くところも重要だと思います。
「しかしながら、緊急性の高い事案や事業者が所在不明の場合など、公表の目的を達成するためには、意見陳述の機会やその準備期間を付与することが困難な場合には、意見陳述または意見書提出のための準備期間を短くしたり、意見陳述または意見書提出の機会を付与しないことも認められるべきと考える」ときちんと書かれておりますけれども、今、御説明いただいた3ページの2の事業者に特別の損失を生じさせるおそれがある場合には、提出の機会を付与するで終わっています。それだけではない、いろんな場合があるということもきちんと書いていただきたいと思います。
以上です。

○松本委員長 何か御返答ございますか。

○野村消費者安全課長 冒頭の消費者の自律を支援する。それから1ページ目の第一報の限りではというところの第2報、第3報についての言及がないという点の修正を検討させていただきたいと思います。
1ページ目の下の「消費生活用製品安全法の運用にあわせて」の見合いはという点でございますが、現在ガス機器、石油機器、それ以外の製品であって、製品起因がはっきりしているような場合には詳細情報を出しておりますけれども、そうでなくても製品起因が疑われる場合には概要を出すという整理を製品安全法の方でしてございますので、そうした運用に合わせて、事実関係の詳細について未確認の場合であっても、事故の概要は公表するという扱いにいたしたいという意味で記載をさせていただいております。
2ページ、食品関係の、削除するだけではなくてその情報をちゃんと残しておくようにというところは、実務上は可能かと思います。ホームページに掲載をし続けるかどうかというところは検討させていただければと思いますが、情報として葬ってしまうということのないようにという運用は検討させていただきたいと思います。
3ページ、事故情報は国民の財産だというところ、付帯決議等々にもはっきりとした文言がございますので、そういうところをきちんと忘れないように記載をするようにというところと、手続のところも、意見陳述機会の付与というところのみ書いてございますので、例外的な規定についても言及するような形で検討させていただきたいと思います。

○松本委員長 櫻井委員、どうぞ。

○櫻井委員 この基本要領というのは、誰を名宛人にしていて、どのレベルで使うということを想定しているのか、まず伺いたいと思います。

○野村消費者安全課長 名宛人は、消費者庁が消費者庁自身に対してということだと思っておりますが、消費者庁が消費者庁自身に対してこういう公表の仕方をしているということは、もう少し精査をした上でございますけれども、一般の方にも伝えられる形で、ホームページなり何なりでこの公表情報というのはこういう考え方に基づいて公表がなされているのだということをお伝えをしていくという形を取りたいと思っております。

○櫻井委員 ありがとうございます。
今日は関連する資料を持ってこなかったので、伺いたいのは、消費者安全法の今の情報公表に係る部分というのは、消費生活用製品安全法を基本的には先駆的な経験として、それを踏まえて、それも残っているし、かつ新しい法律の中で似たような運用を予定しているということだと思うのですが、先行している消費生活用製品安全法の運用というのは実際どうだったかということについて、今すぐでなくてもいいのですけれども、もう少し詳しく伺いたい。
これは消費者委員会の下部組織をどうするかということにも関わってきますが、今日の資料ですと資料の一番最後に第三者判定委員会というのが置かれていますが、これについての規範上の根拠と、どういう形で動いているかということ。私がざっと見た限りでは、直接根拠づけるような規定があったようななかったようなという感じがしておりますけれども、例えば前のページから重大製品事故一覧というのがありまして、製品起因か否かが特定できていない事故とか、製品起因が疑われる事故とか、少し疑いの部分にグラデーションがあって、それぞれについて公表するとなっていまして、これは製品起因かどうかわからないけれども、消費安全性を欠くようなもので、消費者事故の中には入るというタイプのものだから公表するということになっている。
そこは、原因は必ずしも特定できず、はっきりとよくわからないけれども、そういう部分について第三者の意見を聞きながらやるということで、クレーゾーンにある問題の解決手法のひとつとして置いておられるのかなと推測していたのですけれども、そんなような理解でよろしいのかどうかということです。

○野村消費者安全課長 製品安全法の運用については、御説明する機会をいただければ説明させていただきたいと思いますが、法令上の根拠があるや否かという点は、法令上の根拠はないと理解してございます。消費経済審議会の中の製品安全部会という部会がございまして、その部会の取り決めとして運用が行われていると伺ってございます。
調査審議する内容というのは、先ほどの2-4の資料で1.2.3.4というのがございますが、1あるいは2に該当する製品は、事業者名や商品名も公表がなされております。3や4に該当するものは、事業者名や商品名は公表されないと、そこで線が引かれることになります。3や4の扱いにしていくことを事務方の方が判断したことに関して、問題がなかったかどうか。更に精査する必要があるのではないかということを含めまして、1や2の方に格上げしなくて本当にいいのかどうかというところを御審議をいただくために、第三者の方に御意見を伺うというふうに聞いております。
具体的には消費生活用製品安全法の報告公表制度の運用の適切性に関する調査審議を行うこととするといった定めにしたがって、大体事故情報が数十件ぐらいたまった段階、2か月に1回くらいの頻度で、この判定を、その仕分けに関して適切性、妥当性に関して御意見を伺うという運用を行ってきておられると伺っております。

○櫻井委員 結構です。

○日和佐委員 1ページの一番最後から2行目の「対応措置が講じられているなど」というところですけれども、これはどういうケースが考えられるのかなんですが、例えばリコールがされていても実際に製品が十分に回収されていないという状況がしばしば起こるわけで、措置が講じられているだけでは不十分で、措置が講じられていてもそれが一定の実績があるか、要するに商品回収であるならば、60%以上ないしそのくらい回収が実際に行われているという状況があれば、これはいいのではありますが、何%というのは、また考える必要があると思いますが、ただ措置が講じられただけで、対象外と整理するというのは少し甘いかなと思います。そこは考えていただきたいと思います。
もう一つ、先ほど消費者教育というお話が出ました。資料2-3の食中毒の情報を見ますと、病因物質は書いてあるわけです。カンピロバクターだとか O157だとか、ですけれども、どういう食品にこういうものが入っていてということについてはほとんど情報としてはないわけです。
現実は、例えば、子供にレバ刺しを食べさせるという非常に冒険的なことを平気でやるという事態もあって、そうすると O157に感染しやすいわけです。あるいは鳥肉を十分に火が通らない状態で食べる、とりわさで食べるということで被害が起こるという、どういう食物について注意をした方がいいのか、特に子供ですが、そういう情報はここからは全然読み取れないわけです。
食品安全委員会は、食中毒に関する情報を出しています。ですから、そこにリンクができるようにするということをしていかないと、これだけでは本当に何のことやらわからない。消費者としてはどこに気をつければいいのか。消費者としても気をつけた方がいいこともあるわけですけれども、そこについての情報がほとんど読み取れないので、そのようなきめ細かな情報提供をしていった方がいいように思いました。

○野村消費者安全課長 1点目の既に対応措置が講じられているなどの場合、リコールが講じられておっても、リコールに漏れていて、また事故が発生するという製品事故がしばしば見られるところでありますので、ここでは、大量生産、大量流通されているものというよりは、特定の施設などに関して、その施設が撤去されてしまっているとか、そういうケースを想定しておったのですが、御指摘のようなケースも含んで公表しなくてもいいのだと言っている文言になっておりますので、そこは御指摘を踏まえて、もう少しわかりやすく、ごく限定したケースのみだというふうに整理すべきだと思いますので、御指摘を踏まえて訂正いたしたいと思います。

○松本委員長 今の文章は、1ページの下から2行目辺りで「講じられているなどの事情により、被害の拡大または同種・類似の消費者事故等の発生が想定されがたいもの等については、対象外」だから、リコール漏れが十分予想できるということは、被害の拡大、同種・類似の事故の発生が容易に想定されるということなので、当然今のケースは対象外にはならないと読むべきなのではないですか。「などの事情により想定されがたいものについては対象外」とかです。

○野村消費者安全課長 書き手的にはそこで表現をしているつもりではありますが、より適正な表現があるかどうかについては、考えさせていただきたいと思います。

○松本委員長 お願いいたします。

○下谷内委員 3ページ目のところに「留意要素」がありまして、そこに「個人(被害者)の識別に関する情報:被害者等のプライバシー」情報ということも書いてありまして、これを書きいれていただいたのはよろしいのですが、先ほどセンターの情報も含めてとおっしゃいました。消費生活センターに入ってくる相談の中には、読んだら特定されやすいものが非常によくわかります。特に製品事故におきましては、そこだけ読んで地域を見れば誰かということが大体わかってしまいますので、事業者の方もわかりますし、周りの方たちもわかってしまう危険性が非常に多いかと思います。こんにゃく入りゼリー事件のときにおきましても、祖母の方が食べさせたから、自分の責任だということで、御自分を責められて、そういうものに対しては積極的に公表はしたくないという強いお気持ちもございました。
ですから、個人の識別に関しましては、慎重に取り扱いをしていただきたいと思っております。
以前、PIO-NETの活用について討議されましたときも、そこの個人情報をどのようにプライバシーの問題も含めて検討するかということで、非常に論議された経緯もございまして、是非そこのところは慎重に取り扱っていただければと思っております。この文章が余りにも、あいまいもことしているものですので、もう少し丁寧に書いていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○野村消費者安全課長 簡単な記述で申し訳ございませんが、具体的な考え方は資料2-2の方にも、大事な論点だということで、識者の方にも御意見をちょうだいしたのがございますけれども、資料2-2の5ページ「(3)個人(被害者等)の識別に関する情報」という節の一番下のパラグラフのところに今御指摘のところを書かせていただいてございますが、「消費者事故の概要、事故原因(又は原因と疑われるもの)、被害の程度などの情報のみでも、被害に遭った本人やその家族、関係事業者などの特定少数者にとっては誰に関する事故であるか識別可能な情報である場合があって、そのような情報を公表した場合に『自分に関する情報を断りもなく公表している』と受け止められることもあり得る」という御指摘がございます。今の御指摘もこれと同趣旨かと思いますが、ここでは「被害の発生・拡大の防止という目的に照らして、公表することに必要性、正当性が認められるのであれば、公表を躊躇すべきではない。公表することを必ずしも前提としていない消費生活相談情報の取扱の場面などでは、実務的に非常に気をつかう部分であり、当面、消費者庁は各消費生活センターと個別的に調整を図り、センターは必要に応じて本人の同意を得る手続をとっていくことになろうが」、本人の同意を取るということを絶対的要件と考えるべきではなくて、消費者事故情報は被害の発生・拡大防止のために社会的に共有されるべきものであるとの理解を広めていく努力を払うべきではないかという整理をしてございます。御意見がございましたらお伺いできればと思います。

○下谷内委員 この研究会の報告書につきましては読ませていただきました。せっかくこのようにしっかり書いてありますので、その辺を踏まえて、この要領を書いていただければいいのではないかと思います。
5ページの一番下ですけれども、「当面消費者庁は各消費生活センターと個別的に調整を図り」というのは、少なくともPIO-NETを通じて入ってきたものですね。事故ですから、各センターも都道府県も直接申し出をするということがありますが、ここのところはそちらの方を取っていらっしゃるという意味ですか。直接申し出てきたものということですか。

○野村消費者安全課長 安全法の12条1項、2項に基づいて通知を受けた情報ということです。

○下谷内委員 それが地方のセンター、都道府県ではどの程度理解しているのか、承知しているのかというのも問題であるかと思いますので、ここのところをもう少し丁寧に、通知していただければいいのではないかと思います。
そういたしますと、これとPIO-NETの関係というのはどうなるのでしょうか。PIO-NETはごらんになるだけということで選んでいくのでしょうか。法律では確かに都道府県が申し出をするということになっております。

○野村消費者安全課長 ここは一般の方々への情報の提供、公表に際してということでございますので、現在はPIO-NETは関係行政機関のみしか閲覧ができませんので、その意味では特別な取り扱いについて、今の段階では検討しておりませんけれども、PIO-NETに入っている情報を事故情報データバンクに転掲をいたしまして、事故情報データバンクの閲覧環境をどうするかということを意思決定する段階では同じような問題が発生すると思っています。

○下谷内委員 それは消費者庁の中で、事故情報データバンクがまだできておりませんので、PIO-NETを見るということは可能ですね。前に経産省とかはPIO-NETの中から情報を見たいということで、情報の共有化で各省庁にPIO-NETを入れるようになったわけです。
消費者庁はせっかく持っている情報を、単に都道府県が申し出をするだけであって、PIO-NETを閲覧して、問題点を出すということはないんですか。そこが薄く見えるんです。

○野村消費者安全課長 当然、消費者庁は日々のこととしてPIO-NETにどういう事故情報が入っているかというのは確認をしてございます。ただ、消費者安全法の運用に関しましては、十分自治体さんも御対応していただいているのかなと思っておりまして、重大事故、あるいは拡大可能性のある消費者事故に関しては、まず電話で一報ください。その後文章でお出しいただくか、あるいはPIO-NETに入れてくださいということになっておりますけれども、電話なりの一報がないのに、PIO-NETにだけは知らないうちに載っているというのは、今のところ取り扱いとしては、安全法に想定されている運用のとおりに御対応いただいているのかなと思っております。

○下谷内委員 わかりました。

○松本委員長 ほかに御意見、御質問ございませんか。
ございませんようでしたら、本日御用意いたしました議題はこの2点でございますので、本日はこれで第3回「消費者委員会」は閉会とさせていただきます。
お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。

≪ 閉 会 ≫

(以上)