第69回 食品表示部会 議事録
日時
2022年12月7日(水)14:00~16:25
場所
消費者委員会会議室・テレビ会議
出席者
- 【委員】
- 受田部会長、生駒部会長代理、穐山委員、阿部委員、石川委員、今村委員、監物委員、澤木委員、菅委員、清古委員、田中委員、戸谷委員、野々内委員、前田委員、湯川委員、渡邊委員
- 【消費者庁】
- 依田審議官、清水食品表示企画課長
- 【事務局】
- 小林事務局長、岡本審議官、友行参事官
議事次第
- 開会
- 食品表示基準の一部改正(アレルギー表示の特定原材料追加 他)に係る審議
- 閉会
配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)
- 議事次第(PDF形式:92KB)
- 【資料1-1】 内閣府令案 新旧対照条文(PDF形式:223KB)
- 【資料1-2】 食品表示基準の一部改正について(PDF形式:1132KB)
- 【資料2】 輸出促進に向けた食品表示等のグローバル化対応について(PDF形式:339KB)
≪1.開会≫
○友行参事官 それでは、時間となりましたので、始めたいと思います。
本日は、皆様、お忙しいところを御参加いただきまして、誠にありがとうございます。ただいまから消費者委員会第69回「食品表示部会」を開催いたします。
本日は、青木委員が所用により御欠席でございますが、過半数に達しており、定足数を満たしていることを御報告いたします。受田部会長、生駒部会長代理、菅委員が会議室にて御出席、その他の委員の皆様はテレビ会議システムにて御出席いただいております。
議事に入る前に御紹介でございますが、9月1日付で消費者委員会事務局長として小林が新たに着任しておりますので、御報告申し上げます。
続きまして、会議の進め方と配付資料について確認させていただきます。
本日は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、テレビ会議システムを活用して進行いたします。テレビ会議にて御参加の委員におかれましては、ハウリング防止のため、発言者以外の方はマイクをミュートの状態にしていただきますようお願いいたします。
テレビ会議で御発言される際は、あらかじめチャットでお知らせください。受田部会長にチャットを御確認いただき、発言者を指名していただきます。指名された方は、マイクのミュートを解除して、お名前をおっしゃっていただき、御発言をお願いいたします。御発言の際に配付資料を参照する場合は、該当ページも併せてお知らせいただけますと幸いでございます。
チャットが使いにくいなどの場合は、適宜のタイミングで、マイクのミュートを解除の上で、呼びかけていただければと思います。また、御発言の際には、カメラつきの方は、可能な限りビデオ通話をオンにしていただければ幸いでございます。
御発言終了の後、ビデオ通話を停止し、マイクをミュートの状態にお戻しください。音声が聞き取りにくいなどの不都合がある場合にも、チャットでお知らせいただければと思います。
また、一般傍聴者にはオンラインにて傍聴いただき、報道関係者のみ会議室で傍聴いただいております。後日、消費者委員会のホームページに議事録を掲載いたします。議事録が掲載されるまでは、本日の様子を12月8日木曜日15時頃よりホームページで動画配信いたします。
次に、配付資料でございます。
本日お配りしております資料は、議事次第下部に記載しておりますとおり、資料1-1、1-2、2、参考資料1、2となっております。もし不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。
それでは、受田部会長、以降をお願いいたします。
≪2.食品表示基準の一部改正(アレルギー表示の特定原材料追加 他)に係る審議≫
○受田部会長 皆さん、こんにちは。
オンラインで御参加の皆様、音声は聞こえておりますでしょうか。特に問題はないでしょうか。それでは、本日もどうぞよろしくお願いいたします。
本日の議題として、11月30日に諮問を受けました食品表示基準の一部改正案について、議論に入りたいと思います。本日は、消費者庁から、依田審議官、清水食品表示企画課長にお越しいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、清水食品表示企画課長から20分程度で御説明をお願いいたします。
○消費者庁清水食品表示企画課長 食品表示企画課長の清水です。よろしくお願いいたします。
本日御説明させていただきますのは、まず、食品表示基準の一部改正についてでございます。
実際の改正内容は資料1-1でございますが、説明のほうは資料1-2を用いまして内容の説明をさせていただきたいと思います。
資料1-2を御覧いただければと思います。
右上にページが振ってあります。2ページでございますが、食品表示基準の改正案概要ということで、今回諮問させていただいた改正事項は2つございます。一つが食物アレルギーに関する義務表示事項の追加ということで、食物アレルギーに関する表示について、専門家の御意見も踏まえ、現在、特定原材料に準ずるものとして任意の表示を奨励している「くるみ」について、義務表示となる特定原材料に移行させるという内容でございます。
改正対象条項は別表の第14になります。
施行期日は、公布日から起算して2年間の経過措置を設けるとしております。理由としましては、消費者及び事業者に対する周知、事業者における原材料や製造方法の再確認、事業者における容器包装の改版に時間を要するためでございます。
2つ目の改正事項としまして、「特定遺伝子組換え」に係る形質等の追加がございます。今、厚生労働省による安全性審査中ではありますが、組換えDNA技術を用いることでエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)産生の形質を有したなたねが国内流通することが見込まれております。このため、特定遺伝子組換えに係る表示義務の対象として、当該形質と対象となる加工食品を規定するほか、対象農産物として「なたね」を追加します。
こちらは、食品表示基準の別表第18を改正することになります。
こちらの施行期日は公布日施行としております。これは、EPA及びDHA産生なたねは新規の遺伝子組換えの産物で、現時点、国内で既に流通しているものではないことから、表示ルール創設に伴いまして、経過措置、従前の扱いなどを定める必要はないことからでございます。
3ページ目を御覧いただければと思います。
先ほどの1点目の食物アレルギーに関する義務表示としてくるみを追加する理由でございます。
まず1番目としまして、3年度ごとに実施している食物アレルギーによる健康被害に関する実態調査の令和3年度結果におきまして、平成30年度調査に続き、くるみの症例数割合が増加しており、その増加が一過性のものとは考えられないこと、また、食品中のくるみの有無を科学的に検証するためのくるみの公定検査法の確立の見通しが立ったこと、これらの観点から、くるみを「特定原材料に準ずるもの」から「特定原材料」に移行する必要があると考えております。
なお、くるみの公定検査法の開発状況ですけれども、まず、定量検査法のほうですが、定量限界は陽性と判定される10μg/gを十分に定量できるようにするために、従来の特定原材料に係る検査法と同程度の精度、従来の検査法と同程度といいますと1μg/g以下ですけれども、それを確保すべく、今、検討をしているところでございます。
また、くるみと交差抗原性を持つペカンナッツは、使用量によっては定量検査法で陽性結果が出ることもありますが、必要に応じて定性検査法を行うことで検査ができるという形になっております。
右側は定性検査法(PCR法)と書いておりますが、これは食品に特異的なDNA領域を検出する方法ということで、こちらも従来の特定原材料に係る検査法と同程度の検出感度ということで、今、開発を進めております。
続きまして、4ページ目は直近4回のアレルギーによる健康被害に関する全国実態調査の結果でございます。黄色で塗っておりますのがくるみの数字ですけれども、24年度、27年度、30年度、令和3年度ということで徐々に症例数が増えてきていて、一過性のものではないと認められるところでございます。
5ページ目ですけれども、くるみの即時型食物アレルギーの症例割合の増加傾向ということで、こちらは棒グラフのほうでその増加傾向を表したものでございます。
右側が木の実類の症例数比率の推移ということで、くるみの症例数の比率が大幅に伸びているというところが見てとれます。これからも、即時型食物アレルギーの原因食物としてのくるみの増加は一時的な現象ではないと判断できると考えております。
また、カシューナッツにつきましても増加傾向にあるところでございます。6月の食品表示部会において、義務化を検討すべきではないかとの御指摘もいただいております。ただ、調査年における発症数の割合、症状の重篤度、発症数割合の増加の継続性等を検証する必要があるほか、公定検査法の確立も必要でありますことから、引き続き表示を推奨するということにしつつも、事業者の方々には表示を強く推奨していくというようなことで対応させていただきたいと考えております。
続きまして、6ページですが、食物アレルギーに関する表示の諸外国の動向ということで、諸外国では表示対象を「木の実類」等の広範囲で指定しているケースも存在します。ただ、我が国においては、患者の食品選択の可能性を過度に制限しないとの観点から、できるだけ個別品目を指定することが適当ということで、今のような制度の形に至っております。
下の表は、それぞれ主立った国の状況を調査したものでございます。
7ページ目は、食物アレルギーに関する表示対象となる品目の範囲について、過去の議論を御紹介させていただいております。それぞれパブリックコメントの結果ですとか、当時の委員の先生の御意見などを載せております。今村委員の6月の御意見で、限定すればするほど食べられる人が増えるので、できるだけ狭い範囲で限定をかけることということが重要だという御意見もあり、今のような形で引き続き進めさせていただければと思っております。
続きまして、アレルギーの話から変わりまして、今度は特定遺伝子組換え農産物に関する内容です。
8ページを御覧ください。
冒頭でも申し上げましたけれども、今般、厚生労働省による安全性審査中ですが、審査を経て、EPA及びDHA産生なたねの国内流通が見込まれるということになりました。これは組換えDNA技術を用いて生産されたことにより、組成、栄養価等が通常の農産物と著しく異なるものと定義される「特定遺伝子組換え農産物」に該当するため、特定遺伝子組換え農産物としての義務表示対象を規定している食品表示基準別表第18の上欄にエイコサペンタエン酸(EPA)産生及びドコサヘキサエン酸(DHA)産生を追加するとともに、それらに係る中欄及び下欄にそれぞれ表示を要する加工食品となたねを追加するというものでして、下のほうに改正前と改正後の別表第18を載せております。
最後になりますが、9ページは遺伝子組換え食品に関する表示に関する現行制度の概要を御紹介しております。
遺伝子組換え農産物や特定遺伝子組換え農産物としての義務表示については、加工食品は基準第3条、生鮮食品は基準第18条にそれぞれ表示方法が規定されております。遺伝子組換え農産物としての義務表示の対象は、左側に載せておりますけれども、現時点では厚生労働省において安全性が確認された農産物9種類ということで対象となっておりまして、加工工程後も組み換えられたDNA、またはこれによって生じたたんぱく質が残存する事後的に検査可能であるものについては表示義務があり、製品に組み換えられたDNA等が残存しないものについては表示義務対象外となっております。
一方、今回の改正の内容である特定遺伝子組換え農産物の義務表示対象としましては、こちらのほうの制度を御紹介しますと、今のところ、特定遺伝子組換え農産物として基準別表第18にあるのはステアリドン酸産生大豆と高リシンとうもろこしになります。こちらを主な原材料とした加工食品につきましては、組み換えられたDNA等が残存しない加工食品についてもステアリドン酸等の形質を分析することで遺伝子組換え農産物であることが判別可能なため、義務表示の対象としているということでございます。今回のなたねにつきましても、こちらのほうに入ってくるということになっております。
私からの資料1-2に関する説明は以上でございます。
○受田部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいま御説明いただきました内容について、委員の皆様から御質問、御意見をいただきたいと思います。
消費者庁からただいま御説明をいただいた順番で質疑を行いたいと考えております。2つありましたけれども、まず、前半の食物アレルギーに関する義務表示事項の追加について、御質問、御意見がある方は御発言をお願いいたします。
なお、御発言のある方は、テレビ会議での御参加の委員の方はチャットで御記入いただき、また、会議室で御参加の委員の皆様は挙手でお知らせいただきますよう、よろしくお願いいたします。
それでは、会場で御参加の菅委員、よろしくお願いいたします。
○菅委員 菅です。今日もよろしくお願いいたします。
まず食物アレルギーの話ですよね。今回、直接の審議対象である「くるみ」を義務表示となる「特定原材料」に移行させることについては、特に異論もありませんし、賛成したいと思います。
それを前提としつつの質問ないし意見なのですけれども、6月にも議論がありましたように、くるみ以外の木の実類についても、今後、義務表示に移行させる必要性が高まることが予測されるのではないかと。我が国ではひとくくりにしないで、個別に義務化するかを考えていくやり方を今後も採ることにするのだとしましても、カシューナッツは早晩義務化を要するという議論が必要になるのではないかとか、あるいはマカダミアナッツなどは推奨表示に含めなくていいのだろうかとか、資料1-2の4ページの表における上位8位を考えましても、イクラも割と高いように思うけれどもどうなのかとか、また、相互に交差反応する可能性があるものがもしあるならばそれも念頭に置きながら、対象を広げる努力をする必要があるのではないかといったことが今後も引き続き課題になろうかと思うのです。
そこで、義務表示化に当たっては、原材料単体としての科学的検証可能性の話が出てくるということですし、今回、くるみの有無の科学的検証を行うための公定検査法の確立の見通しが立ったとのことですけれども、これはいつ頃から着手して、大体どのぐらいの期間がかかったことになるのでしょうか。
仮に、検査法を確立する能力のある機関に国の予算をきちんと充てて、一定期間を与えて依頼するということが必要になるのであれば、増えつつある原因食物について、将来的な義務化の必要性を前倒しで見通しして、早めに予算化を進めて科学的検証を可能にしていく取組が必要なのではないかとも感じます。
少なくとも増加の傾向が固まって、特定原材料に準じるものとして任意表示されるレベルに達した段階では、対象について表示義務をにらんだ検査法の確立を一通り準備していくということが必要になるのではないかとも思いますし、増加傾向が始まってから猶予期間まで考えると相当な期間がかかりますけれども、その間にもアレルギー被害を受ける人は増えていくわけですから、なるべく早いほうがいいようにも思いますし、そもそも任意表示であっても、少なくとも景表法や不正競争防止法や食品衛生法等との関係では監視の対象となり得るわけですから、整備することが無駄になるわけではないように思います。そうした検査法確立のための取組を積極的に進めていただけたらと思いますが、その点はいかがでしょうかというのが1つ目です。
それから、基準別表第14や通知の規定の仕方ですけれども、これはあまり大きな問題ではないかもしれませんが、質問なのですけれども、資料1-2の3ページ、くるみが3番目に入る形の基準改正になるのは、単純に五十音順なのかなと思いますが、これは症例の多寡とは関係なくそういう並びになっているということだと思うのですけれども、そうであるとすると、直接の今日の対象ではないので恐縮ですが、右側の特定原材料に準ずるものとしての通知のほうはゼラチンが一番最後に書いてあって、順番が純粋な五十音順ではないような気がします。特に今回のくるみの記載順について異論があるわけではないのですが、特にゼラチンについてそうしている積極的な意味があるのであれば、表示が実際の食品表示において表になったりする際の位置にも関係がないわけではないと思うので、何か順番に意味があるのかどうかについて、不勉強で申し訳ないのですけれども、教えていただけたらと思います。
取りあえず以上です。
○受田部会長 ありがとうございました。
まず、今回の諮問案件、くるみを特定原材料に準ずるものから特定原材料に移行されるという点については異論ないというお話でした。
質問は2件ございました。
公定検査法に関しての質問が1件です。具体的には、今回のくるみの公定検査法を確立するまでに掛かる期間であったり、予算的な面も含めてといった内容についての御質問です。その背景は、今、菅委員から御発言いただいたとおり、くるみ以外、今後こういった措置を講ずる可能性のあるものが全国実態調査結果等から散見される。このことをできるだけ前倒しで、間髪入れずというか、できるだけ判断がなされたときに公定検査法がネックになってその措置が遅れることがないようにすべきではないかと。その点を勘案した上での御質問でございました。
その後の質問に関しては、特定原材料及び準ずるもののこうやってリスト化されている並び方に関して、何かルールがあるのかどうかということでございます。
順番でお願いいたします。
○消費者庁清水食品表示企画課長 お答え申し上げます。
まず、1点目の科学的検証に関する御質問ですけれども、くるみの公定検査法の開発に関しましては令和元年度から開始されたと聞いております。今、令和4年度の後半になりまして、検査法確立の見通しが立ってきたという状況でございますので、やはり3年は掛かるものかなと考えております。
先ほどもちょっと申し上げましたけれども、くるみに次いで症例数の増加が見られるカシューナッツなどにおきましては、なるべく早く公定検査法の開発というところに着手したいと考えております。そのほか、将来的な義務化をにらんだ前倒しというところは、これはまた開発に関わる方々も限られているといいますか、潤沢にたくさんいらっしゃるわけではないというところもありまして、まずカシューナッツからまた始めていきたいと考えております。
2点目の御質問のゼラチンの順番ですけれども、これは手元に何か資料があって確認できるという状況ではないのですが、ゼラチンは加工品ということで、もともとの原材料である家畜の肉というか部位から抽出したものということで、生鮮品そのものではないということで、恐らく違う分類ということで一番最後に載せられているのではないかと推測されます。手元に資料があって確認したわけではないのですけれども、お答えとしては以上です。
○受田部会長 ありがとうございます。
菅委員、よろしいでしょうか。
○菅委員 ありがとうございます。
○受田部会長 ありがとうございました。
今後、カシューナッツ、マカダミアナッツといった追加をしていく可能性があるような調査結果もございますので、それについての準備状況を御質問いただいたということでございます。ありがとうございました。
今、チャット拝見をしておりまして、野々内委員からは菅委員の御意見と同じですという書き込みがございます。
それでは、順番に指名させていただきます。
まず、今村委員、よろしくお願いいたします。
○今村委員 今村です。
検知法について意見と確認をさせてもらいます。
まず、くるみを加えることそのものは賛成です。その上で、今回、検知法ができたので加えていくということなのですが、検知法をつくっていくときには、ほかのアレルゲンと交差反応性が起きないかどうかということの確認がとても重要で、特にカシューナッツやアーモンドといったものは同じ木の実類ですので、こういったものをちゃんとルールアウトすることができるのかということを是非確認させてもらいたいと思います。
また、あまり精度がいいと、それで表示しようというところが増えてきても食べられるアレルギー患者さんが減ってしまうということもあるので、表示の基準としては大体10マイクロ以上、そして、検出限界としては1マイクロぐらいの精度で合わせるように今までの検査法もつくってきていると思うのですけれども、今回の検知法についてもそのようなレベルで作成ができるのかということの確認をお願いしたいと思います。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございました。
まず、今村委員からも、くるみを追加することに関しては賛成であるということで御意見をいただきました。その上で、この公定検査法に関する交差反応性に関しての御質問、また、この公定検査法自体の定量限界あるいは検出限界の情報を具体的にもう少しということでございます。
よろしくお願いいたします。
○消費者庁清水食品表示企画課長 お答え申し上げます。
ちょっと細かくなってしまいますけれども、申し上げますと、まず定量限界につきましては、従来の検査法と同程度の1μg/g以下でございまして、陽性と判定される10μg/gを十分に定量できる精度になっております。3社ほど開発に携わっていらっしゃるところがありますけれども、いずれもA社で0.08ppm、B社で0.144ppm、C社で1ppmということで、十分な検出精度を確保していると考えております。
また、くるみ以外の木の実類に対する反応性に関しましても、A社とB社の開発している内容につきましては、ペカンナッツと山核桃で反応する。C社の検査キットではペカンナッツ、山核桃、アーモンドで反応すると聞いておりますが、いずれもくるみと比較すると反応性は低いと聞いております。こちらと定性検査法を組み合わせれば、十分に従来の検査法と同程度の機能が果たせるものと考えております。
○受田部会長 ありがとうございました。
今村委員、いかがでしょうか。
○今村委員 ありがとうございます。
一定のレベルの検知法が完成しているということが確認できたので、これで進めてもらえればと思います。
あと一点、補足の説明で、先ほどのゼラチンのことについてなのですけれども、ゼラチンをここに置いたときの担当者が私、今村でございますので、そのときの経緯を若干補足させてもらいますと、基本的には清水課長が説明した内容にかぶるのですが、ゼラチンはもともと牛由来、豚由来、動物由来、その他由来というのがあって、本来、原材料からすると、もともとのものを書くべきではないかという話がありました。その上で、ゼラチンで起こるというのはひとくくりで起こるものだから書くべきだということと、ゼラチン工業組合が作る非常にレベルの高いゼラチンでは、普通はアレルギーは起こらないはずだという議論があって、すごくもめたのです。それで、やはり別格だろうということで、一番後ろに付け加えたということがあって、その後もゼラチンについては続けられた議論があって今に至っているというちょっと別格だという意味でこのような位置づけになっていると理解しております。
今村のほうからは以上です。
○受田部会長 ありがとうございました。先ほどのゼラチンの御質問、回答に対しても詳細な補足をしていただきました。
なお、チャット上に、湯川委員からも、牛、豚と重複しますが、消費者からの要望で追加されたため、別扱いになっていると御記入いただいております。湯川委員、ありがとうございました。というところで、今村委員の御質問にお答えをいただきました。
それでは、続いて前田委員、お願いいたします。
○前田委員 前田です。ありがとうございます。
くるみの義務表示の追加について賛成です。このように進めていただきまして有り難いと思っております。
2年間の経過措置がありますので、その期間は表示されているもの、されていないものが混在する時期なのかなと思っておりまして、その時期に事故が起こらないように周知啓発が大事ではないかなと思います。我々もそうですし、事業者の方々もそうですし、皆さん一緒に行政の方とともに周知に協力していきたいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございました。くるみに関して追加をすること自体に御賛成であるということ、2年間の経過措置において、その期間におけるいわゆる事故がないように、啓発を含めてしっかりと取り組んでいただきたいということでございます。これは御意見としてお聞きしたということでよろしいですね。
前田委員、ありがとうございました。
それでは、続いて渡邊委員、お願いいたします。
○渡邊委員 ありがとうございます。渡邊です。
今の前田委員の意見とちょっとかぶるのですけれども、猶予期間が2年間設定されているのですけれども、実は商品というのはその後賞味期間がありまして、作ってから、例えば賞味期間が長いものだと、猶予期間が過ぎた後でも実はくるみの表示がなくて販売されるというのもある可能性があるのです。なので、今回の啓発について、猶予期間が過ぎても、例えば賞味期限がすごく長いものについては注意する必要があるというのをやはり入れていただきたいと思っております。それが1点目です。
それから、もう一つは、今回くるみを追加することについては賛成なのですけれども、今後、こういうふうに追加する基準とか、どういう状況になったら追加していくか、とかというような基準みたいなものがあるのかどうか。説明があったかどうか聞き取れなかったのですけれども、もしそういうことが検討されているのであれば、教えていただきたいなと思います。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございました。
1件目に関しては、賞味期限自体を更に考慮する必要があるので、恐らく消費者の方が御購入された商品に関しては、移行期間といいますか、経過措置の2年というところで選択をする上での目安が明確にある。ただし、それ以降、消費者のサイドにおいて、賞味期限が、その後、経過措置が終わった後に実際に消費される場というのもあり得るわけなので、ここの部分までも啓発はしっかりやっていただきたいという御要望でございました。
もう一点は、今回のくるみの追加に関して賛成であるということを御発言いただいた上で、今後の候補になりそうなものが先ほどの実態調査結果からもございますので、これを追加するに当たってどのような基準を考えておられるか。これについて御質問でございます。
よろしくお願いします。
○消費者庁清水食品表示企画課長 1点目につきましては、御意見を承りました。普及啓発に当たって留意してまいりたいと考えております。
2点目ですけれども、本日の説明資料の資料1-2の3ページ目の上のほうに書いておりますが、四角で囲っている中に食物アレルギーに関する表示についてということで、3年度ごとに実施している食物アレルギーによる健康被害に関する実態調査の結果で、症例数割合が増加していて、増加が一過性とは考えられないことと、②としまして、今回ですとくるみですけれども、食品中の有無を科学的に検証するための公定検査法の確立の見通しが立ったことといったことが一つの考え方として私どもでは今考えているところでございます。
口頭で申し上げる形になってしまいましたけれども、調査年における発症数の割合、症状の重篤度、発症数割合の増加の継続性といったところを検証していくというのと、公定検査法の確立の見通しといったところが義務表示化するに当たっての一つの判断基準ではないかと考えております。
○受田部会長 ありがとうございました。
渡邊委員、いかがでしょうか。
○渡邊委員 今の点については分かるのですけれども、なぜ基準を聞いたかというと、特定原材料は多分大丈夫だと思うのですけれども、設定されているものでそこから抜いていく必要が出てくるものもあるのではないかというのもあって、例えば見直しをするときに減らしていくとか、そういうことも検討する必要がある。そのときにどういう基準でここに載せていくかとか、そういうことをある程度明確にしておく必要があるのではないかなということでお尋ねしました。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございます。両方の基準、基準を上げていくものと、そこから落としていく、削除していく。恐らく以前にもマツタケに関してそういう議論があったかと記憶しております。そのことを渡邊委員からコメントいただきました。
さっきの要件に関しては、先ほどの菅委員からの御質問にも関わっていく特定原材料の検出方法が確立されていることが要件であるとすると、事前にその可能性のある候補、素材があって、公定検査法というものがその可能性をにらみつつ検査法として確立されていくことができるだけ同時に行われていく必要があるということで、その間のラグが生じないようにというコメントもございましたので、更に今の点を付け加えさせていただいて、委員の皆様の御理解を更に上げていただければというところでございました。
渡邊委員、ありがとうございました。
チャット上ではほかにいらっしゃらないのですけれども、会場からは。
菅委員、お願いいたします。
○菅委員 菅です。
先ほど渡邊委員がおっしゃったことで、ああ、そうだなと思ったところですが、経過措置前後の消費者が食品を選択する上で、あるいは食する上で誤った判断をしてしまうことがないようにということに関しては、いただいております資料1-1の4ページにある附則に関わることですよね。第2条では、「令和7年3月31日までに製造され、加工され、又は輸入される加工食品」というのがまずあり、業務用加工食品のほうについては「同日までに販売される」という形で分けられていて、一般の加工食品では、製造等される日をベースに線を引いている。販売ベース、消費者の手元に来るところではない形で線引きが行われているのだなと改めて思いました。
これ以外に規定のいいやり方がないのであれば、最終的には消費者への啓発をきちんと行うということの問題にならざるを得ないのかもしれないのですけれども、他方で、事業者向けにも、少なくとも今でも推奨表示ではあるわけですから、猶予期間の満了前に、前倒しでそういう混乱が起こらないようにするように取組を始めてもらいたいというようなことも併せて強調していただいたらいいのではないかなと思いました。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございました。今の点も非常に重要なポイントかと思います。いかがでしょうか。
○消費者庁清水食品表示企画課長 御指摘のとおりでして、消費者の方だけでなく、事業者の方にもできるだけ速やかに表示していただくということが大事だと考えておりますので、そのように普及啓発、周知に取り組んでまいりたいと思います。
○受田部会長 ありがとうございます。
チャット上で穐山委員から補足コメントということでございます。先に指名させていただきます。
○穐山委員 星薬科大学の穐山です。
先ほど渡邊委員からの御質問で、食品の義務表示化あるいは推奨の表示の判断基準に関しては、食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議のほうで、私はそちらの委員なのですけれども、そちらで一応議論しております。基本的に先ほど清水課長がお答えになったことでよろしいのですが、一つは、くるみの加工品については国内流通量が非常に高いということで、アレルギーの事故の蓋然性が高いのだろうと判断いたしました。臨床の継続性とかも当然関係しているのですけれども、やはり流通量が多いということからして、蓋然性が高いということで、表示の義務化の方向性をお願いしたということであります。
もう一つは交差反応性で、この委員の中に臨床の先生方が結構多いのですけれども、ペカンナッツは交差反応性があるので、やはり推奨に入れるべきだという議論もありました。ただ、ペカンナッツに関してはかなり流通量が少ないので、今のところ、流通量を鑑みて推奨にも上げていない状況でありますが、今後この辺は議論を深めまして、もうちょっと改善していきたいと考えております。
以上でございます。
○受田部会長 ありがとうございます。貴重な御意見、情報をいただきました。
食物アレルギーアドバイザー会議というのが、別途、穐山委員も委員をお務めになられて、協議の場としてあるということです。流通量の多寡に対応した形でアレルギー発症の蓋然性という部分も加味しているというところで補足をしていただきました。ありがとうございました。
渡邊委員、お願いいたします。
○渡邊委員 ありがとうございます。
まず一つは、今の穐山先生のお話ですけれども、アレルギーの表示のときに、その原材料が全く商品の中で見えないような形、あるいは、要するに粉末になって全く商品に入っているかどうか分からないようなものというのと、それから、マツタケの例もあるかもしれないのですけれども、入れた場合、ほとんどそういう状況ではなくて必ずごろんと入っているとか、そういうようなものとはやはり違うのではないかという気がするのです。だから、いわゆる原材料が、非常に加工度が高くなった形で入るようなものについてと判断基準を分けるべきではないかなというのもあるのではないかと思っております。それが一つ。
それから、先ほど菅先生から話があった今回の猶予期限と賞味期間の話なのですけれども、確かに早めにやるというのが大事なのですけれども、ただ、これはアレルギーの話なので、今回の猶予期限が過ぎた後でも、特に賞味期間が長いような商品については、売られても書かれていない可能性があるというのはよく啓発していただきたいなということで申し上げておきます。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございました。
1点目、表示に関して、原材料があるがままの姿が見えなくて、加工度が高くて、その中に含まれているかどうか分からないようなケースもあるのではないかと。そういった場合の食物アレルギーの表示についてどういう取扱いになっているか。これは質問でございました。
○渡邊委員 いえ、今のはちょっと違うのですけれども、要するに、後で穐山先生が御説明してくれるかもしれないのですが、先ほど流通量という話が出ましたけれども、いわゆる流通量のうち、ほとんどのものが誰が見ても分かるような形で流通しているものが多い商品と、すごく加工度が高くて、入っているか入っていないかも分からないような形で入っている原材料があるので、その辺の基準が何か要るのではないかと思っているのですけれども、その辺りの御説明をいただければなと思っています。
○受田部会長 分かりました。
これは、更に食物アレルギーアドバイザー会議の協議の場でどういうふうに議論されているかという質問になっているかもしれませんけれども、流通量から見た蓋然性というコメントに関連しているかと思います。
清水課長、いかがでしょうか。
○消費者庁清水食品表示企画課長 食物アレルギーの表示に関して検討する際には、私ども、それぞれの品目の生産、流通の状況や加工・製造の実態、消費者の皆様の喫食の状況といったところも可能な限り調べさせていただいて、検討といいますか議論はさせていただいているところでございますけれども、今日こうした御意見をいただきましたので、また今後検討する際には、そういった視点をしっかり入れて考えていきたいと思います。
○受田部会長 ありがとうございます。
今、アドバイザー会議の委員もお務めの穐山委員から更に補足をしていただけるということですので、よろしくお願いいたします。
○穐山委員 今の渡邊委員からの御質問ですが、それはごもっともであります。例えばイクラなどはほぼ生鮮として流通していることが多いので、当然見た目で分かるわけですよね。つまり、イクラは比較的流通していても見れば分かると考えます。
ただ、今回のくるみに関しては、先ほどにもお話ししたように、くるみが入っているかどうか見た目で分からないようなもの、例えばパンとかお菓子というような見た目で分からないけれどもくるみが入っているものがどのくらいあるかを調査するということが必要だったので、それはくるみの義務化に向けた検証及び検査法の開発業務、これは別の検討会があるのですけれども、こちらのほうでその辺の調査を行っていただきました。私はこちらの委員に参加させていただいているのですが、こちらのほうで大体今流通している事業者さんに調査いたしまして、どういう加工食品にくるみが使われているかどうかという調査をしていただいており、そこでやはり一番多いのはパンやお菓子類でした。あとはドレッシングとかもあるのでしょうけれども、なかなか見た目では分からない加工食品であります。そういうものに関してはやはり事故の可能性がありますので、そういったことも考慮して今回義務化になってきたと思います。
それに関しては、私から当該検討会で発言して、その辺をお伝えしたというところであります。
○受田部会長 ありがとうございました。
さらに、今村委員からもこの点に関して御発言をということですが、よろしくお願いいたします。
○今村委員 お願いします。
今、穐山委員と渡邊委員の発言を聞いていて、お二人ともこの制度の立ち上げの頃からお付き合いいただいている方なので、多分イクラとマツタケの問題は当時からも大きな問題になっていたと理解しています。
渡邊委員の御指摘のように、イクラとかマツタケはわざわざ奨励しなくていいのではないかというような議論が当時からあって、ただ、この2つは今後の調査の中で違う経路を経ていきまして、イクラのほうはだんだん上位に挙がっていって、そして、マツタケのほう消えていったという経緯があって、そういう経緯もあってマツタケはもういいのではないかという話があるのですが、本当なら表示するはずのものでだんだん上がっていったものもあって、なかなか難しい問題だと思っています。ただ、マツタケについては、今でも私は外したほうがいいのではないかと思っておりますので、意見として。
○受田部会長 ありがとうございます。
今回、くるみの改正ということで議論をしていただいている中で、特定原材料あるいは特定原材料に準ずるものに指定されていくものの基準であったり、また、逆に基準から外れていく可能性のあるものについて、どういった議論や、また、判断材料によって検討されているか。消費者庁の中で食物アレルギーアドバイザー会議も開催されているということでございますが、ここで議論されているということが詳細に皆様からコメントをいただきました。
こういった基準自体を、チャットからは野々内委員にもコメントをいただいておりますが、野々内委員、お聞きになりたかった点については全て今の議論ですっきりされましたでしょうか。野々内委員、もし御発言があればお願いしたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○野々内委員 やはり含有する食品が多くなったということで納得しましたので、ありがとうございました。
○受田部会長 ありがとうございます。
それでは、御発言に関しては一通り皆様からいただいたということでよろしいでしょうか。
基本的には、これまで御発言をいただいた委員の皆様からは、くるみを特定原材料に移行させるというこの趣旨自体は御賛同いただいたということで、特に異論はなかったようですけれども、最終的にそういう取扱いにさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○受田部会長 ありがとうございます。
それでは、まず、この議論に関してはここまでにさせていただきたいと思います。
なお、全体の答申に係る取扱方針については、後ほどまたお諮りを申し上げたいと思います。
次に、特定遺伝子組換えに係る形質等の追加について御質問、御意見がおありの委員の方はお願いいたします。
それでは、まず会場から菅委員、お願いいたします。
○菅委員 菅です。よろしくお願いします。
私は、当部会の過去の期でも、昨年12月の当部会における議論の場においても発言してきておりますように、もともと遺伝子組換え表示については、油や醤油など製品に組み換えられたDNAが残らないことを理由に表示義務対象外とされている現行ルールそのものに反対ないし疑問の意見を持っておりますし、全てのゲノム編集技術応用食品についても何らかの表示がなされるべきだと考えておりますので、少なくとも遺伝子組換え表示に関して、そのレベルにまで遡った意見としてはまだまだ不十分であるという意見になることを今回も念のため留保させていただきたいと思います。
その留保の上で、今回の場で審議されるものが、現行制度の枠組みを一応前提とした上でということで議論せざるを得ないものであることを前提に議論に参加したいと思いますけれども、そういう立場の私にとりましても、今回の改正は、特定遺伝子組換え農産物に「EPA産生なたね」と「DHA産生なたね」を加えて、表示を義務化、つまり追加する方向の改正案となりますので、その改正部分の結論としては賛成いたしたいと思っております。
2点だけ質問があるのですが、1つ目が、この対象となるなたねは現在どこで生産されており、あるいはされる見込みで、どこからのものが使われる可能性があると把握しておられるかについて、現状分かることを教えていただけたらと思います。
2つ目は、資料1-2の9ページの右側の緑色の枠の中の右下の大豆のような「形質が除去された加工食品」としてという例外は、今回のなたねの場合にはそのようなものが流通する可能性があるのでしょうか。それは起こらないということになるのかどうかについて教えてください。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございます。
前段の前段、表示に関する遺伝子組換え、あるいは形質が残っている、残っていない、あるいはゲノム編集食品等に関しての表示については全て表示すべきであるという意見を今回留保しておかれるということで、この食品表示部会において菅委員からは発言を何度もしていただいておりますし、その主張というのは十分に表示部会の委員の皆様にも伝わっているのだろうと思っております。ここの部分は、御意見をいただいたと。
その後、質問に関して、その前にEPA、DHA産生なたねの表示に関しては賛成であるということで、その上で、これがどこで生産され、どういったところで使われていくのかという見通しを伺いたいということが1点質問でございました。
それから、先ほどの資料の中に脱脂により形質が除去された加工食品と書いてありますけれども、今回のDHA、EPA産生のなたねに関してもこういう形質が除去された加工食品が存在し得るのかどうかという点について、御確認の質問でございました。
以上2点、よろしくお願いいたします。
○消費者庁清水食品表示企画課長 質問にお答えします。
まず1点目ですけれども、このEPAとDHAの産生なたねにつきましては、米国、アメリカとカナダで承認されておりまして、生産地としてもそういったところが想定されているところでございます。ただ、まだ商業生産というところには至っていないと聞いております。
今、こちらで聞いているところでは、このなたねは飼料、魚の餌として使用されるということが主な目的と聞いております。仮に食品として販売される場合は、何らかのサプリメントやドレッシング等への添加といったところがあり得ると聞いておりますが、主に養殖の魚の餌の中に入れていくと聞いております。
今回のなたねに関しましてはEPA、DHA産生ということになりますので、形質が除去された加工食品というのはないのかなと考えております。
○受田部会長 ありがとうございました。
後半のほうは、EPA、DHAを特に産生することが、言ったらこのなたねの意義といいますか、商業的な目的ということになるので、これが失われている、こういう形質がないというものについてはいわゆる通常のなたねという扱いになっていくのではないかということかと思います。
よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
チャットで、まずは今村委員、そして、穐山委員、さらには湯川委員、3人の御記入があります。
今村委員、お願いいたします。
○今村委員 確認の質問なのですけれども、先日のこの表示部会では、高オレイン酸大豆の表示をやめたという経緯があって、今回、EPA、DHAの表示を義務づけるという経緯があったと思います。片方は落として、片方は今回加えるということで、そこにそごはないのでしょうかということと、将来こうやってEPA、DHAの表示義務をかけたものの、高オレイン酸もやはり表示からは外しますというような経緯をたどる可能性があるものなのかという2点、確認の意味で質問させていただきます。
以上です。
○受田部会長 まず、今御議論いただいているEPA、DHA産生なたねに関して、これまでの表示義務の対象になっているものとの整合という点について。
○今村委員 高オレイン酸大豆の表示義務を外したと思うのです。この間外していて、今回のものは加えるということで、そこにそごはないのかということの確認です。
○受田部会長 消費者庁のお答えを直接よろしいですか。
○消費者庁清水食品表示企画課長 お答えいたします。
今の今村委員の御指摘ですけれども、高オレイン酸大豆のほうは特定遺伝子組換えから削除しているのではないかということですけれども、それは先日行ったところですが、それは従来の育種で高オレイン酸の大豆が開発されたということで、特定遺伝子組換え農産物という組換えDNA技術を用いて生産されたことにより、組成、栄養価等が通常の農産物と著しく異なるものというところから外れたということで削除したと聞いております。
今回は、組換えDNA技術を用いて生産されたことにより、EPA、DHAを産生するという形質を持ったなたねが初めて出てきたということで、従来の育種技術ではEPAやDHAを産生するなたねというのはございませんので、特定遺伝子組換え農産物ということに新しく入ってきたということでございます。
○受田部会長 ありがとうございます。
今村委員、今の点はよろしいでしょうか。
○今村委員 この2つはそうだったと思うのですけれども、高オレイン酸大豆の場合は、多分自然界でもノックアウトすれば高オレイン酸大豆はできるのではないかと思うのですが、今回のなたねは同じように自然界にまた育種として出てくるようなものなのか、それは普通は出てこないようなものなのかというところの峻別を教えていただければと思います。
○受田部会長 ありがとうございます。
高オレイン酸大豆に関して、先ほど清水課長からお答えいただいたように、その形質の有無を検証するために、高オレイン酸である、要はオレイン酸の分析を根拠に科学的に検証するというところが、要は要件を設けるか、外すかという判断の基準になる。それに照らして考えたときに、今回のEPA、DHA産生なたねというのが今後自然交配等によってそういうものが開発されるようなことがあればどうなるかという仮定の御質問かと思います。
お願いいたします。
○消費者庁清水食品表示企画課長 今後、仮に組換えDNA技術を用いずにEPAやDHAを産生するなたねというのが出てきた場合には、高オレイン酸大豆と同じようにここから削除するということもあり得るということで、仮定の話ではございますけれども、お答えさせていただきます。
○受田部会長 今村委員、いかがでしょうか。
○今村委員 分かりました。それで結構です。
○受田部会長 ありがとうございます。
それでは、穐山委員、質問をよろしくお願いいたします。
○穐山委員 ありがとうございます。
これはまだアメリカあるいはカナダから流通していないということなのですけれども、これからもし流通することになった場合、分別生産流通管理にのっとって、この遺伝子組換えだけを流通できる経路を設けて輸入されるということなのでしょうか。
○受田部会長 ありがとうございます。いわゆるIPハンドリングを経て、これを流通させていくことになるのかどうかという具体的な御質問でございました。
お願いいたします。
○消費者庁清水食品表示企画課長 特定のこういった形質を持つものですので、恐らく分別流通管理をしていく。そうしないともったいないというか無駄になるので、分別流通管理されるのではないかと想定しております。
○受田部会長 ありがとうございます。
今後、具体的に流通し始めてからということにはなりますけれども、今、清水課長からはIPハンドリングの下で流通されていくのではないかというお答えでございました。ありがとうございました。
穐山委員、よろしいですか。
○穐山委員 ありがとうございました。了解です。
○受田部会長 それでは、続いて湯川委員、お願いいたします。
○湯川委員 ありがとうございます。
説明の中で、厚生労働省による安全性審査はまだ現在審査中という説明があったように聞いたのですが、その点、いかがでしょうか。私の聞き間違いだったら申し訳ありません。資料には「安全性審査を経て」と書いてありますが、これが終わっているのか終わっていないかというところの確認です。
○受田部会長 ありがとうございます。
では、清水課長、お答えをお願いします。
○消費者庁清水食品表示企画課長 これはまだ終わっておりません。資料のほうは、安全性審査を経て国内流通が見込まれることとなったということで、この一文全体が見込まれるということで将来の想定を書いた文章になっておりまして、厚労省からの安全性審査は継続していると聞いております。
○湯川委員 ありがとうございます。
そうしますと、現在、我々としては安全性審査を通過する前提で議論しているわけですが、このこと自体が厚生労働省の安全性審査に影響を与えるというおそれはないでしょうか。圧力を加える、あるいは既に流通の準備をして待っているので、早く通してほしいというふうな圧力がかかるのではないかということが少し気にかかります。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございます。
これまでの先例等もあると思いますし、また、安全性審査の今の経過がどうなっているかといったところにも絡んでいくのかと思いますが、いかがでしょうか。
○消費者庁清水食品表示企画課長 この特定遺伝子組換えなたねにつきましては、今、厚生労働省のほうから食品安全委員会の遺伝子組換え食品等専門調査会に意見の照会がありまして、そちらの食品安全委員会遺伝子組換え食品等専門委員会における評価は終了していると聞いております。評価書案を取りまとめていまして、今、その評価書案がパブリックコメントにかけられているところと聞いております。ですので、リスク評価機関である食品安全委員会のほうで既に評価が終了し、評価書案が取りまとめられ、パブリックコメントまで進んでいるというような状況であると聞いております。
○受田部会長 ありがとうございます。
そういう意味では最終段階に入っているということかと思いますが、そのパブリックコメント等の兼ね合いというところで更に掘り下げていくと相互作用的なところがあるのかないのかという点は、委員の皆様からいろいろと意見が出てくるところかもしれないですね。
湯川委員、いかがでしょうか。
○湯川委員 一応問題点の指摘ということで、今後また似たような事案が出たときに、これに沿って判断されるのかどうか。私としては、結論が出てから表示のほうの議論を進めたほうがいいのではないかと思いますが、これはパブコメまで行っているということであればいいのかなという気もします。
以上です。
○受田部会長 今の点に関して、会場から菅委員の手が挙がっております。どうぞ。
○菅委員 やはり今の点は決める上では重要なことだと思いますし、湯川委員が御指摘される懸念もごもっともだなと思います。パブリックコメント募集中とはいえ、政策が決定され切ったわけではないわけですので、今の段階でどういう前提でこれを審議することにするのかは会議体として慎重であるべきように思いますし、仮に審議するのだとしても、例えば、何がしかの条件付きにするであるとか、条件をつけるということ自体も先ほどの湯川委員の御懸念はそのまま残ってしまうのかもしれませんけれども、何らかの留保がないと、前倒しでこれを先に我々が決めてしまうというのはやはり違和感が強い感じがいたしますが、いかがでしょうか。
○受田部会長 ありがとうございます。
今の御懸念に関してはいかがでしょうか。パブリックコメントがいつまでというところも、かなり細かいところまでこういう御意見を伺うと気にはなってくるところであるのですけれども、清水課長、もう少し詳細な情報をいただけますでしょうか。
○消費者庁清水食品表示企画課長 パブリックコメントに関しましては12月29日までと聞いております。
この遺伝子組換え食品に関しましては、厚生労働省における安全性審査が終了すれば、当該食品や当該食品を原材料とする加工食品の国内での流通が可能になるということになりますので、先ほど基本的には餌としての利用が想定されるとは申し上げましたけれども、そういった国内での流通が可能になるところで逆に表示がないということにもなりかねませんので、私どもとしましては速やかに基準を改正していただくということが必要だと考えているところです。
○受田部会長 菅委員、お願いします。
○菅委員 菅です。何度もすみません。
今おっしゃった切れ目のない形で新しいルールが発動するように前もって決めておく必要があるというのは、理解できなくはない部分もあると思いますが、もしそうなのだとすれば、なおさら条件付きといいますか、「そうなった時に」という形のスタートにしなくていいのか。要は、実際に基準が改正される日がそれより後になれば別にいいのかもしれませんが、後になってしまったら今度は遅れてしまいますから、同時でないといけないので、何がしかの時点でタイムリーにちょうどその時点で発動するように、例えば厚生労働省等による安全性審査が全部終了することを条件にその日からというような、書きぶり、表現ぶりはお任せしますけれども、そういう趣旨のことを全体として共有した上で議論しないといけないように思います。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございました。
実際に、そういう意味では、先ほど清水課長から国内流通がもう見込まれていると。ここに即した形で表示の在り方を本日、食品表示部会において諮問として議論をしていただいているということになります。
今、御質問や御指摘が複数の委員から出ておりますけれども、御懸念はごもっともかと思います。先ほどパブリックコメント自体は12月29日までという詳細な情報をいただきましたけれども、先ほど委員から御発言があったように、今回の食品表示部会のここで得られる結論がそういったパブリックコメントのプロセス等に影響を与えてはいけないということはあるかと思います。
一方、事業者サイドから見ると、表示の部分が明確に方針として確定されていることによって、スムーズなビジネスとしての国内流通が進められていくということもありますので、ここは整合を取っていくというところで、今、意見として出てきた点については、しっかりと酌んでいただきたいという思いでございます。
今日この後、諮問案を了承するかどうか、あるいは条件を付していくかどうか、結論を皆様にお諮りしようと思っておりますけれども、この諮問を受けて食品表示部会で結論が出た後、答申という形で発出をされていく。そういった時間的な流れとこのパブコメの12月29日との関係、そして、先ほどの厚労省における安全性審査はもう終わっているということでしたので、最後の結論、そちらでの決定というのがどういう時間的な関係になっていくのか、もう少し全体を見通しておきたいと思うのですけれども、これは消費者委員会として諮問を受けて答申ということになりますが、スケジュール的には、仮に今日部会での委員の御了承をいただいたとすると、答申案等、発出のタイミングはどういうふうになっていきますでしょうか。
○友行参事官 消費者委員会としては、今日部会で御了承いただきましたならば、諮問案について直ちに御審議をいただきまして、今日付で発出するということを予定しております。
○受田部会長 消費者委員会として今日付になるということですか。
○友行参事官 事務手続が整った後に発出するということになります。
○受田部会長 要は、ここでの結論が12月29日までパブリックコメントを募集しているというところに何らかの影響を及ぼさないかという懸念で委員から御発言をいただいているという点に関してなのですけれども、今回、この食品表示部会は会場にも傍聴しておられる方もいらっしゃると思いますし、オンラインでこれはオープンにしていますので、この議論自体は社会に認知されていくということで、パブコメで意見を提案しようとされている方ももしかしたら御関心を持っておられるかもしれません。何らかの接点はあるかもしれません。
友行参事官、お願いします。
○友行参事官 こちらの食品表示部会で議論していただいている内容、諮問を受けていることの内容でございますけれども、こういった形で別表のほうに記載することについていいかどうかという点について御議論いただいております。安全性の部分については別途食品安全委員会のほうで議論していただいているということでございますので、こちらでは安全性には問題がないということを前提の上で、そして、こういう社会環境、アレルギーが起きているということ、また、その検査方法が確立されたといった条件、前提を踏まえてどうかということであります。ですので、そういった前提条件の上で議論していただいているということかと思っております。
○受田部会長 つまり、そこにおける相互の影響というのは、懸念はあるかもしれませんけれども、基本的に実質ルールに従ってそれぞれの目的に応じて御審議いただいているということですよね。
こういうケースは、例えば新開発食品調査部会等でも部会があって、そこに調査会があって、あるいは先ほど食品安全委員会のお話もありましたけれども、それぞれの役割が所掌範囲として決まっているので、なおかつそれらが同時に進行しているケースというのはほかにもあるのではないかと私自身も承知はしております。そういう意味で、同時に進んでいるというところで、今、御審議をいただいているというお答えになるかと思います。
そういう御理解でいかがでしょうか。ということは、附帯条件を付すというのは、逆に言うと、この部会の所掌範囲を超える話にもなっていくかもしれませんので、今のように整理をしていただいて御納得いただければ、附帯条件等には及ばないのかなという考え方を今、部会長としては感じているところでございます。
委員の皆様、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
渡邊委員、お願いします。
○渡邊委員 渡邊です。
不勉強で、まだ安全性審査中だというのを知らなかったものなのですけれども、例えば食品添加物が新規に決まるときとか、表示等、実際に使えるものとのタイミングというのはこれからもいろいろあると思うのですが、基本的な考え方として、まず使えるようになってから表示を検討するのが順番ではないかという気がするのですけれども、それをいかにタイムラグをなくすということでやっているのだろうとは思うのですが、この表示の改定の手続というのはそんなに煩雑ではないと思うので、やはり基本的にまず使えるようになったものについて表示のルールを変えるというのが順番ではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○受田部会長 ありがとうございます。
そうしたら、消費者庁のほうからお答えいただけますか。では、清水課長、お願いします。
○消費者庁清水食品表示企画課長 使えるようになったら、安全性審査が終了して流通できるようになったら表示のほうの制度を変えるということですと、当該食品ですとかその食品を原材料とする加工食品が国内で流通可能になっているけれども、表示の基準は改正されていないので、表示せずに流通させることができてしまうということが生じてしまうことを懸念しております。
一方で、前提ですけれども、仮に安全性審査が終了しないということであれば、それは安全性が認められていないので流通しないということになりますので、消費者の方の口に入ることもないということですので、制度上あるいは論理的な観点からしますと、安全性審査の終了が見込まれるのであれば、その確度が高いのであれば、制度上の手当てというのはしておくというほうが、流通しているのに表示がないというようなものの時期が生じてしまって、途中から基準が変わったのでやはり表示してくださいということになるよりは整合的なのかな、ベターなのかなと考えております。
○受田部会長 ありがとうございます。
先ほど私が補足した発言の趣旨が誤解を生んでしまってはいけないので、今の清水課長の御発言に基づいて少し訂正をしておきたいのですけれども、あくまで食品関連事業者サイドのビジネスとしての観点からラグをという視点ではなくて、消費者の求める自主的かつ合理的選択の機会の確保という点において、あるべき食品素材についての形質、性質をしっかり表示させるように、消費者の権利をしっかり確保するために、今のタイミングで部会にお諮りを申し上げているというお答えでいいですね。ありがとうございます。
菅委員、お願いします。
○菅委員 要するに、安全性の審査のほうの部門との関係で、法的に流通可能とする時期をいつにするのかということが、安全性審査なるものが終わったら終わったその日に即日流通させていいことにするわけではないのですよね。そこはルールの立てつけの問題があるから、どの時点で流通可能となるのかという時期が決まるのか整理する必要があると思いますけれども、その日と改正される食品表示基準の施行日が一緒になればいいわけで、それを技術的にそのようなタイミングに合わせて施行するということはできないのでしょうかということです。安全性審査が先に終わってしまって、流通させられるようになっているのに基準が追いついていないというのは、清水課長がおっしゃるように具合が悪いのだろうとは理解しますが、さりとて今ずっと議論してきたような問題があるわけなので、やはり我々はいつの時点で法的な意味において流通可能とするのか、そこに何日というずらす幅があるならば、基準の施行日を公布の日とする附則がありますけれども、そこの日をうまく合わせられるように御調整いただくことを前提に決めるとか、そのようなことを考えていくほうがいいのかもしれないと思います。
以上です。
○戸谷委員 戸谷です。
今の菅委員の考えと同じで、先ほどの消費者庁さんの説明もよく分かりました。ただ、この資料にありますように、これについては公布されたらすぐ施行というタイミングになるので、それと厚生労働省のほうのタイミングは、逆だと行政上の手続の流れとしてはおかしく感じます。その点は、今、菅委員がおっしゃったように、同日なのか、うまく調整していただきたい。今、資料1-1では令和4年の何月かに公布ということになっていますが、向こうが何日に決めるのか分かりませんけれども、その辺の手続の段取り、日程の調整というのはうまくしていただいたほうが理解されやすいのではないかと思いました。
○受田部会長 ありがとうございます。
どうぞ。
○今村委員 今村ですけれども、よろしいですか。
今までも特定材料の場合は歩調を合わせてやってきていると思うのです。安全性審査と標準審査は並行して行われてきて、認められて、少なくとも流通する前にはこの表示の制度が動いているという状態をつくり出してきたと思うので、それは今までどおりだと思います。
1回目の高オレイン酸のときはちゃんとしましたけれども、あのときは厚労省内で安全性審査と表示を並行してやっていましたし、逆に安全性審査の際に当然表示はされるのでしょうねという議論があった上で、表示を歩調を合わせてやりますということを当時は話し合いながら進めていたと思いますので、このような段取りが前提にあるということが重要なのではないかと思います。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございます。大変貴重な御意見をいただきました。
これまでの前例も含めて、しっかりそれぞれの役割を果たしつつ、ぴったりとそれがちょうど合うような形が理想であるということかと思います。
あまり細かく言い始めると、この食品表示部会の開催のタイミングとかというのもなかなかフレキシビリティーが失われて、委員の皆様にも大変な御迷惑をおかけすることになります。
そういう意味で、先ほど今村委員からも補足していただきましたように、そのタイミングが今日食品表示部会の諮問に対する議論、そして、答申に至ればというところで、皆様に今御審議をいただいているという理解です。今までの状況を整理させていただきたいと思うのですけれども、議論としていろいろな御意見があって、今日整理をさせていただいたことについては議事録等にしっかり反映させていただきますし、また、多くの皆様がこの部会自体を御視聴されておりますので、同時に共有できているのではないかと思います。
この辺りで整理させていただいてよろしいですか。
会場から、生駒部会長代理、お願いいたします。
○生駒部会長代理 私、観点がちょっと違うのですが、消費者サイドからの質問なのですけれども、先ほど飼料に使われるという可能性が高いとお聞きしたのですが、それは、結果、育ったお魚ですとか、そういったものが販売される際に明記されるということになるのでしょうか。加工食品の扱いでもないと思います。生鮮食品でもないですよね。その飼料を得て育ったお魚なり動物が販売される際に、こういったものが飼料として使われているということが明記されると解釈していいのでしょうか。その質問だったのです。
また、そうやって使われる場合というのは、産業界においてはやはりある程度の期間が必要ですよね。ですので、今の安全基準の決定の時期とスタートする時期がどのように設定されるのかという御質問があったかと思うのですけれども、物を製造して販売される側の方からすると、半年、1年以上前から準備されるわけですから、そういったところのこともどのように歩調を合わせるというか、どのように見届けていらっしゃるのか、お聞きできればと思いました。
○受田部会長 ありがとうございます。
最初に菅委員からどこで生産され、どこで使われるか。今、いつ使われていくのかという問題にも関わってきている議論なのですけれども、それにも関連する御質問かと思います。ここは実際にどういうふうに事業者サイドが計画をしておられるか、その詳細になっていくのかもしれませんけれども、少なくとも、今、議論に上がっておりますEPA及びDHA産生なたねが、例えば養殖業における餌料、飼料に使われるケースを想定したときに、今回の表示されるなたねが最終製品、商品にどういう形で表示内容として出てくるのか、あるいは出てこないのかということですね。
清水課長、お願いできますか。
○消費者庁清水食品表示企画課長 今回のこのなたねに関しまして、私どもが現時点で把握している、伺っているところでは、魚の餌などに使われるということですけれども、魚の養殖においては、魚の健康の観点からEPAとかDHAを含む魚油、魚の油を餌に混ぜていると聞いております。そこにこのDHAやEPA産生のなたねを混ぜるというようなことが想定されると聞いておりますので、そういう意味では、普通に餌としてやっているものの代わりにすぎないということですので、それについてその後の魚とか切り身とかに何らか表示がされるというのは想定されないのかなと考えております。それは事業者の方次第ですけれども、現時点でまだ商業生産もされていないというような段階ですので、予断を持って消費者庁が何か言うのは差し控えたいと思いますけれども、そういった状況かと思います。
○受田部会長 ありがとうございます。
私も養殖業での餌の観点で見ていますけれども、いわゆる生餌の養殖もあれば、乾燥したあるいはエクストルージョンした餌を使うケースもあり、それぞれ養殖業者さんによって、そこの工夫をしておられて、そこの部分が表に出ているケースもあれば、出ていないケースもあるという状況なので、今回議論されているこういうDHA、EPA産生なたねが表示で反映されるかどうかに関しては分からないところでしょうね。どういうふうに使われるかというところも今後ということでございますので、まず想定される情報を基にお答えをいただいたということかと思います。ありがとうございます。
湯川委員、さらにチャットにコメントをいただいておりますけれども、発言いただけますか。
○湯川委員 考え方はよく整理できたと思いますので、この表示部会の所掌の範囲で我々は議論を進めたということで、恐らくテクニカルな問題になると思いますが、表示基準の改正と食品衛生法に基づく告示の改正、これを同時期に施行という形にすれば、我々が今ここで議論していても、最終的には問題ないのではないかと思います。
いろいろ御議論いただきましてありがとうございました。よく理解できました。
○受田部会長 ありがとうございます。
さらに菅委員、御発言があるそうです。
○菅委員 菅です。
今、湯川委員がおっしゃったことと同意見です。我々のタイミングに関する懸念について、当然御配慮いただけるということを共有できたと思いますし、それを前提とするということをもって、先ほどの「条件を付すべきではないのか」という意見については一旦撤回させていただきます。
○受田部会長 ありがとうございました。
議論の大変重要なポイントを、複数の委員から御指摘をいただいた上で、これまでのこういった部会における議論、諮問、答申のタイミング、それから、厚生労働省による安全性審査のタイミングと施行日といった日程的なことも含めて、しっかり協議ができたのではないかと思います。
この辺りで整理をさせていただきたいと思いますけれども、基本的には議論を尽くしたように感じておりますが、議論はここまでにさせていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
オンライン参加の委員の皆様も御異論はございませんでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、一定議論を尽くしたということで、本件に関する答申について、方針をまとめさせていただきたいと思います。方針まとめに移ってよろしいでしょうか。
菅委員、お願いいたします。
○菅委員 菅です。
細かいことが気になるのですが、今議論していない部分で、資料1-1は改正後、改正前という比較をされている中で、対照表の2ページにおいて、7条の表示の改正として「有機加工食品の日本農林規格」に関する傍線が引いてあって改正事項があるようですが、この部分も含めた全体をこの後審議対象であるとしますと、ごく簡単にでも内容及び改正の必要性について御説明いただいた上で審議すべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○受田部会長 それでは、清水課長、お願いいたします。
○消費者庁清水食品表示企画課長 今の御質問についてお答えいたします。
こちらは、有機加工食品の日本農林規格というところでございますけれども、有機加工食品、有機食品というのはJAS法で規定されているのですけれども、先般、そのJAS法が改正されまして、お酒に関しましてもJAS有機の対象とするということになりました。お酒のほうを所管しておりますのが財務省になりますので、有機加工食品に関する日本農林規格の関連の告示につきましても、農林水産省だけでなく財務省もお酒を所管しているという観点から入るということで、こちらの告示が令和4年財務省・農林水産省告示という形になったと聞いております。
○受田部会長 ありがとうございます。説明をしていただきました。
菅委員、よろしいでしょうか。
○菅委員 それが改まったので、ここに改正する必要性があるのだということですよね。ありがとうございます。
○受田部会長 ありがとうございます。
それでは、もう一度、本件に関する答申について方針をまとめたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。議論を尽くしたというところでよろしゅうございますでしょうか。
特にチャット上にも御異論はないようですので、それでは、委員の皆様に改めてお諮りを申し上げたいと思います。
今回、諮問案をこのとおり了承ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○受田部会長 特に御異論はございませんか。
賛成です、了承します、承知しましたという御記入をいただいております。ありがとうございます。
ありがとうございました。それでは、諮問案を了承することといたします。
お手元の参考資料2の答申書案及び報告書案の1ページから3ページを御覧いただきたいと思います。
こちらが諮問案を了承する場合の答申書案と報告書案となります。本件については了承という取扱いでございますので、この内容で手続を進めさせていただきます。
なお、ここに書かれている別添というのは、先ほど菅委員から御質問があり、清水課長からお答えいただいた資料1-1の新旧対照表となります。
この答申書の内容は、報告書により委員長に報告をし、同意を得た場合に消費者委員会の答申として発出させていただきたいと存じます。ありがとうございました。この答申書は、了承の上で取扱いをさせていただきます。
特に委員の皆様から御発言等はございませんか。
ありがとうございました。
それでは、食品表示基準の一部改正に係る審議は以上とさせていただきます。
≪3.その他≫
○受田部会長 続いて、消費者庁より食品表示等のグローバル化対応について御報告をさせていただきたいということでございます。よろしくお願いいたします。
○消費者庁清水食品表示企画課長 資料2に基づきまして御説明させていただきます。
輸出促進に向けた食品表示等のグローバル化対応についてということでございます。
1ページですけれども、令和4年12月5日、一昨日の月曜日に第17回農林水産物・食品の輸出拡大のための輸入国規制への対応等に関する関係閣僚会議というものが開催されまして、その中で農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略が改訂されました。この農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略の中に、(3)省庁の垣根を超え政府一体として輸出の障害を克服、③輸出先国・地域の規制やニーズに対応した加工食品等への支援という中に次の一文が記述されております。「食料供給のグローバル化に対応し、我が国の農林水産物及び加工食品の輸出促進と国内で販売される輸入食品も含めた食料消費の合理的な選択の双方に資するため、現行の食品表示制度を国際基準との整合性の観点も踏まえ見直す」ということとされております。
これを受けまして、消費者庁のほうでは必要な見直し等の検討を始めていきたいと考えております。
2ページ目に、御参考として消費者委員会における過去の議論ということで、食品表示の全体像に係る審議においてコーデックス規格について言及された部分を抜粋しております。
我が国の食品表示基準に大きく影響を与えるものがコーデックス規格であるとされていまして、WTOはコーデックス規格を国際規格としているため、紛争となった場合にコーデックス規格による判断が優先されるといった判例が出ていることから、コーデックス規格と異なる部分がある加盟国独自の食品表示基準は不整合と判断される可能性があるということで、国際基準としてコーデックス規格との整合性の観点も踏まえ見直すというのは、消費者委員会で御議論いただいた全体像に関する報告書の方向性とも合っているのかなと思っております。
ただ、私どもとしましては、我が国の制度を見直すということだけでなく、事項によっては、非常に難しいですけれども、我が国の考え方を逆にコーデックス委員会等を通じて諸外国に紹介し、いずれは国際規格の内容に反映させるといった積極的なことも視野に入れて取り組んでまいりたいと考えております。
また、この機会に、時代に合っていない食品表示制度があれば、必要な見直しを検討していくことが望ましいとも考えております。
以上、御報告、御紹介になります。
○受田部会長 ありがとうございました。
資料2に基づいて、農林水産物・食品の輸出拡大のための輸入国規制の対応等に関する関係閣僚会議での内容を御説明いただきました。
先ほど、2ページに引用していただいた食品表示の全体像に関して、議論を重ねていった、この場にも多くの本日の食品表示部会の委員の皆様に御参画いただいておりました。たしか当時味の素の常務をしておられた木村さんにコーデックスの情報をいただきながら、委員として理解を深めていくということを時間をかけて協議をさせていただき、TBTの内容等をここで共有したということがあったかと思います。補足をさせていただきました。
今の消費者庁からの御報告に対して、御質問等がありましたらお受けしたいと思います。
会場から菅委員、手が挙がっております。よろしくお願いします。
○菅委員 菅です。
先日の御議論の御報告を受けまして、一言だけ感想的な意見と、一部念のための懸念を述べたいと思います。
今回の資料2の1ページでは、「現行の食品表示制度を国際基準(コーデックス規格)との整合性の観点も踏まえ見直す」とされており、2ページ目で今御紹介のあったグランドデザイン論に関する当部会の過去の報告書の一部の引用がなされております。引用部分では、コーデックス規格があったとしても、各国が国内法にて独自の食品表示基準をつくることは可能であるが、WTOで不整合と判断される可能性があるということが特に強調されているわけなのですけれども、その点に関してです。
私も、コーデックス規格を含めた国際基準との関係とか整合性の観点というのは確かに大変重要な観点だと思います。我が国の基準が国際的な基準より消費者の合理的選択の機会確保にとってもし劣っている部分があるのであれば、消費者にとっての表示のレベルアップが検討されるべき場面があればいいと思いますし、そうした観点から全般的な再チェックを行うことが有益であることについては全く否定しません。
しかしながら、他方で国際的に合意される水準というのは、必ずしも我が国の消費者あるいは食文化にとって最適、最高のものとは限らないと思いますし、伝統的に我が国が築いてきた基準の意味との関係において、「整合=消費者のため」かどうかは慎重に考えなければならないかもしれないと思ってもいます。
例えばまだ基準の議論が必ずしも十分でない部分、例えば先日議論のあったゲノム編集技術応用食品の表示の議論などにもそういう部分があったかと思うのですけれども、そういったものを考えても、例えば我が国が世界の議論をリードするような基準を考えることも必要になる場面が今後あるだろうと思いますし、先ほどそういう御趣旨の御説明が清水課長からもあったと思います。
また、基準を変えるときには、消費者庁においても、今までWTOとの関係でも国際的に支障のないように、各国との調整を図った上で策定してこられておられると認識していますし、現状の基準も全体的に見て「不整合である」という評価にはならないものだと思います。もちろん我が国は食料自給に問題を抱えていますけれども、だからといってコーデックス規格を丸飲みする必要があるという論者はきっとおられないだろうと思います。
そういった様々な意味を込めまして、今回、「コーデックス規格との整合性」という場合に、この後どこまでの取組が想定されるのでしょうかということです。先ほど紹介された当部会の報告書を作成する段階では、そこまで深く議論したわけでもなかったものと思うところです。
全体的に食品表示基準をコーデックス規格と同じようにするとか、何なら規格の体裁も含めての議論が始まるのでしょうか。あるいは網羅的に整合性をチェックした上で、随時つぶしていくような取組を進めていくのでしょうか。また、それではなくて、個別個別の案件を考える上で、今まで以上にコーデックスとの整合性をチェックしながら議論を進めていくということにするのでしょうか。
コーデックス規格を意識しながら我が国の表示の在り方を考えていくことはある意味当たり前かもしれないですけれども、今回、殊さら「整合性の観点からの見直し」という表現で強調されておられる意味は、それ以上に何か特別なものがあるのかどうか。そのニュアンスと今後の消費者庁や食品表示部会での取組の在り方について、現時点での受け止めみたいなものがあれば、先ほどのご説明では、「見直す」のみならず、コーデックスに我が国の考え方を「発信する、反映させる」取組もするよというお話だったのですけれども、その辺りをお聞かせいただけたら有り難いと思います。
以上です。
○受田部会長 御質問をいただきました。
今の御質問に対しての御回答ということで、清水課長からよろしいですか。お願いいたします。
○消費者庁清水食品表示企画課長 今いただいた御意見、正に我が国の食品表示に関する基準は改正するたびにTBT通報なども行ってきておりますし、もともと国際規格であるコーデックスに大きく影響は与えられてきております。ただ、国民の健康課題、食品の生産・流通の状況、消費者のニーズ、歴史的な経緯を踏まえて、異なる部分も多々あるという状況でございます。
そういった状況の中で、今、食品に関しては、国内市場が人口減もあって縮小していく一方で、海外市場は成長しているという中でありますし、非常にグローバルな食料サプライチェーンというものができてきている中で見直しをしていく部分というのもあるのではないかと考えております。
ただ、単に国際整合させるということが目的ということではありませんので、そこは丁寧に進めていきたいと思っております。まずは国際的な食品の規格を定めているコーデックスや諸外国の食品表示制度と我が国の制度の異なる箇所を調べながら、検討に当たっては、関係する方々とよく調整させていただいた上で、必要な表示事項は当然残していきますし、我が国のほうで改めるべきものは改めていくといった形で進めていきたいと考えております。
○受田部会長 ありがとうございました。
チャットに続々と意見があります、質問がありますということですが、順次指名させていただきたいと思います。
ここは大事な議論の場として、入り口のところで協議ができるということは大変有意義だと思うのですけれども、まずは御報告をいただいて、そして、今後、様々な観点から議論が進んでいくと御理解いただきたいというところで、指名させていただきますので、できましたら短めに、コンパクトにまとめていただくと幸いでございます。
まず、順番でいくと、穐山委員が一番上ですね。
○穐山委員 ありがとうございます。
これは非常に私としては喜ばしいというか、うれしい取組なのです。なぜかといいますと、アレルギー表示制度なのですけれども、これは今村委員が2001年、2002年から取り組んでいただいて、私もその当時から今までずっと取り組んできました。これは、私は検査法の立場から研究で取り組んできたのですけれども、日本のアレルギー表示は今、国際的にもかなり先導的立場にいる状況であります。なぜかといいますと、国際的には可能性表示が許されていることから海外のアレルギー患者さんは表示を信頼できないという混沌とした状況であります。ただ、我が国は、基本的に可能性表示は許されていませんし、表示の基準値を閾値として定めております。検査法及び標準品及び抽出フローを統一した形で、国レベルリスク管理しております。こんな国は世界で我が国だけなのです。そのため、基本的に加工食品に関して誤表示によるアレルギーの被害はほとんど皆無と言っていいかと思います。こんないい制度をなぜもっと国際的に広めていかないのかというのは、私は今までの懸念点だったということになります。
私は国際的に会議でも学会でも発表してきましたが、非常に賞賛の嵐です。アレルギーの患者、世界の患者さんも日本の表示はすばらしいと賞賛しているところであります。ここを、もしできれば行政の御協力で今後もっと広めていただいて、日本の食品の信頼性が高いので、日本の加工食品の輸出拡大につながりますし、ひいては国際的な患者さんにとっても非常に有益な情報ではないかなと考えております。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございます。
穐山委員、御趣旨に関してはしっかり理解できたのですが、短時間でしたけれども、前半のほうで聞き取りにくいところがありました。アレルギーの患者さんのお話が出てきたところで音が途切れておりました。
○穐山委員 国際的な海外の患者さんとも話す機会があるのですけれども、やはり日本の食品は10ppm以下で抑えられているので、非常に信頼性が高いと考えます。こういった国レベルで検査法も含めてリスク管理をしている国は日本以外ないと思います。だから、是非これを国際的に進めてほしいという意見は海外の患者さんからもあるのです。
○受田部会長 分かりました。
実際のアレルギーの患者さんとの直接的なお話に基づいても、今、御発言をいただいたということでございました。ありがとうございます。
また今後の議論に今の御発言を反映していただけるようにお願いしたいと思います。
それでは、順次、今村委員、お願いします。
○今村委員 正に今の穐山委員の話の続きなのですが、コーデックスの基準というのは全体に緩いのです。ですから、日本のよくできた表示制度からすると緩めろという圧力のほうが強いです。先ほどのアレルギー表示も頑張ってつくらせていただきましたけれども、同じことをコーデックスの議論に持ち込んだら、恐ろしく緩い基準に国際基準はなりました。ですので、例えば先ほどのくるみは木の実という概念になりましたし、えび、かには甲殻類という概念になったし、May Containは可能性表示を許すというのが国際基準なわけです。
ですから、国際基準を純粋に日本に取り入れるということは、全体にうまく走っている制度を止めるという意味でもあって、非常に危険な部分があります。既に止まってしまったものとしては、製造年月日などは、海外から輸入するものに対して製造年月日を求めることができなくなってしまっていて、それはコーデックスの表示部会で賞味期限のほうが優先事項であってということになって、それが求められなくなってしまった。自主的に書いている分にはいいのですけれども、強制的に求めると恐らくパネルになって、WTOで負けるということが起きるのです。
ですから、コーデックスそのものは、合わせる努力はするべきだと思うのですけれども、既に30年以上日本は戦って、日本の厳しい基準を海外に通すことができていない部分がたくさんある結果、今に至っているという面が非常に強いので、足りない部分をコーデックスで補うということは賛成なのですが、日本の基準を海外になじませることができなかった部分で、日本のいい部分をそぎとるようなことになるというのが最もデメリットが大きいと思うのです。コーデックスを純粋に導入すると、かなりの日本のいい部分が外されます。アレルギー表示に限らず、例えば水銀などでも海外は緩いです。ですから、日本の基準で水銀の基準を決めているから、日本国内はそれで許されるのですけれども、それがコーデックスになると本当に緩くなってしまうのです。ですから、そういったことを加味して、コーデックスを導入する部分というのはかなり限定されたものである必要があると思います。
今村のほうからは以上です。
○受田部会長 ありがとうございました。
続いて、渡邊委員、お願いいたします。
○渡邊委員 ありがとうございます。
今回の資料2なのですけれども、まず、タイトルが「輸出促進に向けた食品表示等のグローバル化」ということなのですけれども、基本的に食品表示がネックになって輸出がうまくいかない事例というのはそんなにないと思うのです。そもそも日本語の表示と英語の表示が違いますし、それぞれの国の表示ルールというのがあって、基本的にそれに合わせていかなくてはいけないというのがあるので、輸出促進と食品表示というのはそれほどつながらないのではないかなと。特にこの資料というのは、今、輸出促進をしっかり進めなくてはいけないというところに食品表示を改正する、あるいはグローバル化に持っていくというのをつなげて作られた資料ではないかなという気がしています。
今まで今村先生とかいろいろ発言があったように、食品表示というのはそれぞれの国の食事に合わせてずっと進化してきた部分があって、急にコーデックスがこうなっているからこれはこういうふうにしていきましょうというコーデックスがまずありきで全部見直していくというやり方というのはおかしいのではないかなと。要するに、日本の表示を改正するときに、それがコーデックスに合っているかどうかという考え方だったらいいと思いますけれども、コーデックスがこうなっているから日本の表示をこうしましょうという考え方というのは、今までそういうやり方ではやってきていないのではないかなと思っています。
今回、これを輸出促進というものに結びつけていますけれども、輸出のネックになっている部分というのは、食品表示よりも、例えば添加物で日本で使えるものが海外で使えないとか、ほかにもっといろいろなところがあるのです。なので、急に出てきたこの方向性は納得できない部分があるなというのと、今後、この食品表示部会で、例えばこの流れでいろいろ出てきたものについて、どういう形で食品表示部会が関わっていくのかということについて、あるいは先ほど菅先生も言われましたけれども、具体的にどのようなことを考えてこの提案をなされたのか、もっと細かい具体的な話というのが今後聞けるのかという辺りについてもお聞きしたいと思います。
○受田部会長 ありがとうございました。
今、最後のところ、今日こういうふうに御報告をいただいて、食品表示部会としてこれをどういうふうに受け、そして、チャットにも今後のスケジュールを質問される委員もいらっしゃいます。そこをどういうふうにお考えになられているか、それを御回答いただいて、今日はあまり大きな視点、それから、細かい中身を議論するというよりも、今後の食品表示部会としての関わりを理解した上で、議論の詳細についてはその場に任せていきたいと思いますので、スケジュールとか食品表示部会の関わりについて補足をしていただきたいと思います。
○消費者庁清水食品表示企画課長 先ほども申し上げましたとおり、まずは国際的な食品の規格を定めているコーデックスや諸外国の食品表示制度と我が国の制度の異なる部分というのを調べつつ、検討に当たっては、スケジュールも含めて関係する方々とよく調整させていただきたいと考えています。
今、それ以上具体的なところはなかなか申し上げにくいのですけれども、食品表示部会との関係ということで申し上げますと、当然、食品表示基準を改正するというようなことがあれば、こういった形でまた諮問させていただいて御審議を受けるということになりますし、消費者庁のほうで食品表示基準を勝手に変えるとかそういうことは当然制度上もできないですから、節目節目できちんと御意見は賜ることになると考えております。
○受田部会長 ありがとうございます。
従前のとおり、食品表示基準の改正に関する諮問を受けてこの部会では協議を行い、答申に反映していくということを進めておりますし、それがこの部会の役割と承知しております。ですから、具体の表示基準の改正とこのコーデックスとの整合というようなところで、今後、具体の改正内容が出てくる可能性はあるというところです。まだスケジュールであったり内容であったりが明確になっているわけではないというところで、先ほども言いましたけれども、関係閣僚会議でこういう内容が出てきた。しかも、抜粋であって、多分一部であるということかと思いますので、その点を踏まえた上で、今日のところはとどめておきたいという思いではございます。
ここまでのところで、渡邊委員からは御意見をいただきました。
湯川委員、質問、意見があるということですけれども、短めにいただければ幸いでございます。
○湯川委員 ありがとうございます。
ほかの委員の方々からもう質問も出ていますが、食品業界に対して消費者庁さんから丁寧な資料で説明が行われていると聞いております。消費者委員会にもできるだけ前広にいろいろ詳細な情報をお知らせいただければと思います。よろしくお願いします。
○受田部会長 ありがとうございました。
さらに、戸谷委員からはスケジュールということで御質問いただいておりましたけれども、今、御議論いただきましたが、いかがでしょうか。
○戸谷委員 今の消費者庁さんからの話で、これから検討が始まるということで、スケジュールはまだ具体的に言えないという状況だということが分かりました。いずれにしても、今後の流れは、今、湯川委員からもありましたように、この食品表示部会にも情報提供を前広にいただければ有り難いなと思います。輸出促進自体は国の重要な政策目標にもなっておりますが、それと食品表示の関係についてはいろいろ調整すべき課題はあるかと思いますので、そこはよろしくお願いしたいと思います。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございました。
一通り委員の皆様から手が挙がっていらっしゃる方に関しては指名をさせていただきました。
今日、短い時間ではありましたけれども、こういった大きなコーデックスとの整合性を今後輸出拡大あるいは輸入国規制への対応といった大きなスコープで議論していくという方向性に関して関係閣僚会議で議論がされた。これを受けて、個々の内容について食品表示部会でも諮問等が予測されるということかと思います。
恐らく具体の内容が出てきましたら、先ほど我が国の強みの部分でコーデックスにそれをもっと反映していく。あるいはコーデックスが緩い部分を、言ったら日本の基準によって改正を図っていくような、よくデファクトスタンダードとかという言葉も使われますけれども、グローバルな戦略で我が国がリードできるような方向性に関しても、部会の中でまた御意見をいただければ幸いでございます。
渡邊委員、御意見があるということですけれども。
○渡邊委員 ありがとうございます。
重ねてなのですけれども、今回この報告がこの食品表示部会になされたということで、私としては、先ほども言いましたが、食品表示を改正するコーデックスに合わせていくというのはいいのですけれども、コーデックスにとにかく合わせることが食品の輸出促進につながるのだと。なので、今後例えば議論するときに、コーデックスにこう決まっているから、これはこういうふうにしないと輸出促進につながらないのだという大義名分が頭に乗っかった食品表示の改正がこの表示部会にもそういう形で下りてきて、これをこう変えないと輸出促進につながらないというような形で出てくるのを非常に懸念しておりまして、基本的にもしそういう改正をされるのであれば、例えば本当にそれが食品の輸出促進になるのかどうかというのを必ず評価した上で出していただきたいと思っています。
以上です。
○受田部会長 ありがとうございます。発言の御趣旨はよく理解しております。そして、当然、そういう諮問が出てくる場においては、この食品表示部会で協議がなされますので、その点に基づいて御意見をお聞かせいただければと思うところです。
そういう意味で、今日の議論はここまでにさせていただきたいと思います。
まずは、農林水産物・食品の輸出拡大のための輸入国規制への対応等に関する関係閣僚会議の御報告ということで御意見をいただきました。また今後、様々な議論を進めてまいりたいと思いますので、委員の皆様には引き続きよろしくお願い申し上げます。
それでは、報告事項は以上とさせていただきたいと思います。
こちらで用意いたしました本日の部会の審議は以上でございます。大変熱心な御議論をいただきまして、ありがとうございました。
○事務局 部会長、すみません。今、音声が聞こえていないということなので、少々お待ちいただけますでしょうか。
(接続確認)
○受田部会長 ありがとうございます。聞こえるようになったということで、続々チャットに記入していただいております。
タイミングが悪いところで回線が不良になってしまいまして、申し訳ありません。もうあと1分あったら終わっていたのですけれども、ここから再開させていただきます。
先ほどの御報告も活発な御議論をいただきましたので、食品表示基準の一部改正に係る審議は終了とさせていただきたいと思います。
本日の議事は以上ということでございますが、連絡事項等があればお願いいたします。
≪4.閉会≫
○友行参事官 本日も長時間にわたりまして御議論いただきまして、誠にありがとうございました。
いろいろと不手際がございまして申し訳ございませんでした。
以上です。
○受田部会長 次回の日程については改めてということでございます。
それでは、本当にタイミングが悪くて申し訳ありませんでした。再開後は数分で終わりということになりますが、以上をもちまして閉会とさせていただきます。
委員の皆様、お忙しいところ、お集まりいただきありがとうございました。
(以上)