第59回 新開発食品調査部会 議事録

日時

2022年3月1日(火)16:00~18:11

場所

消費者委員会会議室
(東京都千代田区霞が関3-1-1)・テレビ会議

出席者

【委員】
受田部会長、木村部会長代理、朝倉委員、石見委員、北嶋委員、木戸委員、監物委員、多賀委員、竹内委員、田中委員、辻委員、武士俣委員、前田委員、松藤委員、吉池委員、吉田委員
【説明者】
消費者庁 森田食品表示企画課保健表示室長、食品表示企画課
【事務局】
加納事務局長、渡部審議官、太田参事官、新開発食品担当

議事次第

  1. 開会
  2. 「特定保健用食品の表示許可等について」の一部改正について
    報告事項
    ・特定保健用食品の表示許可(規格基準・再許可)
    ・特定保健用食品の審議状況
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○太田参事官 本日は、皆様、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会第59回新開発食品調査部会」を開催いたします。

本日は、第7次消費者委員会発足後初めての会合となります。初回会合の開催に当たり、消費者委員会事務局長の加納より一言御挨拶申し上げます。

○加納事務局長 消費者委員会事務局長の加納と申します。

初回でございますので、一言御挨拶を申し上げます。

委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、この新開発食品調査部会の委員をお引き受けいただきまして、ありがとうございます。

こちらの部会は、特定保健用食品に関する審議を中心にお願いしているものでございますが、非常に大部の申請資料に基づき御審議をいただくため、会議の場だけでなく、会議前にも、資料確認のため委員の皆様にお時間を割いていただいているところでございます。事前の準備も含めまして、会議当日の御議論が円滑に行えるよう、委員会事務局、消費者庁共々、最大限の努力をしてまいる所存でございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○太田参事官 続きまして、参考資料1といたしまして本部会の委員名簿をお配りしておりますので、御確認いただければと思います。

本部会の部会長でございますが、第352回消費者委員会におきまして、受田浩之委員が後藤委員長より指名されております。よろしくお願いいたします。

議事に入ります前に、テレビ会議による進め方と配付資料について確認させていただきます。

まず、本日は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、テレビ会議により開催しております。

なお、本日は議題2までは公開で行うため、議事録が掲載されるまで、会議の様子を消費者委員会のホームページにて音声配信いたします。

テレビ会議では、ハウリング防止のため、発言者以外の方はマイクをミュートの状態にしていただきますようお願いいたします。御発言の際は、あらかじめチャットでお知らせください。受田部会長にそのチャットを御確認いただき、発言者を指名していただきますので、指名された方はマイクのミュートを解除して、お名前をおっしゃっていただき、御発言をお願いいたします。御発言の際、配付資料を参照する場合は、該当のページ番号も併せてお知らせください。チャットが使いづらい場合などは、適宜のタイミングでマイクのミュートを解除の上、呼び掛けていただければと思います。

また、御発言の際は、カメラ付きの方は可能な限りビデオ通話をオンにしていただければと思います。御発言が終わりましたらビデオ通話を停止し、マイクをミュートの状態にお戻しください。

なお、音声が聞き取りづらいなどの場合にも、チャット機能でお知らせいただければ幸いです。

次に、本日お配りしている資料は議事次第に記載の資料1-1から3、参考資料1から11になってございます。もし不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

それでは、受田部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。

○受田部会長 皆さん、こんにちは。

ただいま御紹介いただきました、消費者委員会委員の受田浩之と申します。

消費者委員会の後藤委員長より指名を受けまして、第5次、第6次に引き続き、新開発食品調査部会の部会長を務めることになりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

委員の皆様には、様々なお立場から御意見を賜りながら、第7次の活動をしっかりと運営してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

最初に、部会長代理につきましては、消費者委員会令により、部会に属する消費者委員会委員の中からあらかじめ部会長が指名することとなっております。第7次の部会長代理につきましては、木村たま代委員にお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村部会長代理 木村でございます。

部会長代理に指名いただきまして、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

至らぬ点もあるかと思いますけれども、部会長代理として部会長を助けて努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○受田部会長 ありがとうございました。

本日の進行ですけれども、途中で私の回線が切れた場合、復旧するまでの間、部会長代理に、部会長代理の回線も同時に切れた場合は、事務局に進行をお願いいたします。

それでは、第7次最初ということもございますので、ここで委員の皆様全員から一言ずつ御挨拶を頂きたいと存じます。なお、時間の都合がございますので、簡単に御所属や御専門の分野等について御紹介いただければ幸いでございます。あいうえお順でいきまして、朝倉委員から順にお願いいたします。

○朝倉委員 東邦大学の朝倉と申します。よろしくお願いいたします。

栄養疫学を専門にしております。よろしくお願いいたします。

○受田部会長 ありがとうございます。

石見委員、お願いいたします。

○石見委員 東京農業大学農生命科学研究所の石見でございます。

栄養素及び食品成分の有効性評価や安全性評価に関する研究を専門としております。どうぞよろしくお願いいたします。

○受田部会長 よろしくお願いいたします。

続いて、北嶋委員、お願いいたします。

○北嶋委員 北嶋でございます。

厚生労働省の国立の研究機関であります国立医薬品食品衛生研究所の毒性部長を拝命しております。専門は毒性学、また獣医でもありますので獣医学全般と実験動物学、そしてもともとの専門が薬理学ですので薬理学、でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○受田部会長 よろしくお願いいたします。

続いて、木戸委員、よろしくお願いいたします。

○木戸委員 甲南女子大学医療栄養学部医療栄養学科の木戸康博でございます。

専門分野としては栄養科学です。どうぞよろしくお願いいたします。

○受田部会長 よろしくお願いいたします。

木村たま代委員には先ほど御挨拶いただきましたので、続いて監物委員、よろしくお願いいたします。

○監物委員 女子栄養大学出版部の監物と申します。

食と健康の情報を一般の方に分かりやすくお届けするということをしております。よろしくお願いいたします。

○受田部会長 よろしくお願いいたします。

続いて、多賀委員、お願いいたします。

○多賀委員 和洋女子大学の多賀昌樹と申します。

栄養学を担当しております。どうぞよろしくお願いいたします。

○受田部会長 ありがとうございます。

続いて、竹内委員、お願いいたします。

○竹内委員 法政大学経営学部の竹内淑恵と申します。

マーケティングと消費者行動論を専門としております。どうぞよろしくお願いいたします。

○受田部会長 ありがとうございます。

続いて、田中委員、お願いいたします。

○田中委員 東京家政学院大学の田中と申します。よろしくお願いいたします。

専門は栄養政策、また十数年前には厚生労働省で新開発食品保健対策室に所属しておりました。

以上でございます。よろしくお願いいたします。

○受田部会長 ありがとうございます。

続いて、辻委員、お願いいたします。

○辻委員 十文字学園女子大学の辻典子と申します。よろしくお願いします。

専門は食と免疫で、腸内微生物のことも行っております。

○受田部会長 ありがとうございます。

続いて、武士俣委員、お願いいたします。

○武士俣委員 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会の武士俣でございます。

相談員の方々から一般の消費者の方の声を広く聞いております。そういった声をこの委員会の中でも反映させていけたらと思っております。よろしくお願いいたします。

○受田部会長 ありがとうございます。

続いて、前田委員、お願いいたします。

○前田委員 NPO法人アレルギーの正しい理解をサポートするみんなの会代表をしております前田と申します。よろしくお願いいたします。

○受田部会長 ありがとうございます。

続いて、松藤委員、お願いいたします。

○松藤委員 日本大学生物資源科学部食品生命学科の松藤と申します。

専門は食品分析学や食品衛生化学になります。どうぞよろしくお願いいたします。

○受田部会長 ありがとうございます。

続いて、吉池委員、お願いいたします。

○吉池委員 青森県立保健大学健康科学部栄養学科の吉池と申します。

専門は公衆衛生学です。どうぞよろしくお願いいたします。

○受田部会長 ありがとうございます。

続いて、吉田委員、お願いいたします。

○吉田委員 東京慈恵会医科大学臨床検査医学の吉田でございます。

専門は内科学、臨床検査医学、臨床栄養学であります。よろしくお願いいたします。

○受田部会長 ありがとうございました。

これで、今日御出席の委員、実際に全員の皆様に御出席いただいておりますけれども、一言ずつ頂戴いたしました。改めまして、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、続いて、本日は第7次の初回の部会ということもございますので、当部会の規程、情報管理、利益相反に関する「申し合わせ」について、事務局から御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○太田参事官 事務局でございます。

それでは、部会の規程について御説明申し上げます。

まず、お手元の参考資料2「新開発食品調査部会設置・運営規程」を御覧ください。ポイントとなる部分を3点ほど簡単に御説明いたします。

まず、第3条に本部会についての所掌について記載がございます。

次のページ、第6条でございますけれども、審議の公開について記載がございます。この第2項には「部会は、会議を公開することにより、当事者若しくは第三者の権利若しくは利益又は公共の利益を害するおそれがある場合その他の部会長が非公開とすることを必要と認めた場合を除き、公開する」ということになってございます。

また、第3項には「前項の規定により部会長が会議を非公開とすることを認めた場合は、部会はその理由を公表する」となっております。

最後に、第7条に部会の議決についてございます。「部会の議決については、委員長の同意を得て、委員会の議決とすることができる」とされてございます。

次に、部会における情報管理について御説明いたします。

特定保健用食品の個別品目の審議を行う際は、審査内容を公開することが許可申請を行っている事業者の権利及び利益を侵害するおそれがあるため、先ほど御説明した規程第6条第2項に基づき、部会は非公開といたします。議事録についても、参考資料3の「議事録の公開基準について」に定めるところにより、非公開項目を削除して公開いたします。

このように、配付資料や審議内容については公開を前提としていない情報も含まれておりますので、お取扱いには御注意いただきますようお願い申し上げます。

最後に、利益相反に関する「申し合わせ」について御説明いたします。参考資料4を御覧ください。

特定保健用食品に関する審査手続に当たっては、個別の製品についての調査審議を行うこととなるため、審査の公平性を確保する観点から、当該製品の申請者から寄附金等の受取実績のある委員が調査審議に参加することに一定の要件を課すことが適当とされております。この要件を定めたものが、利益相反に関する取扱いに係る「申し合わせ」でございます。

この「申し合わせ」では、過去3年間のいずれかの年において申請事業者から受領した金額が500万円を超える年がある場合は、当該審議品目の審議を行う場に同席できないとされております。

また、過去3年間いずれの年も500万円以下の場合は、当該品目の審議に参加し、意見を述べることはできますが、議決には加われないということとなっております。

ただし、受領した金額が講演や原稿執筆料などの行為による報酬のみで、金額が3年間いずれも年間50万円以下の場合は、通常どおり審議、議決とも加わることができるとなっております。

この「申し合わせ」に基づき、毎回の会議開催前に委員の皆様に申請品ごとの利益相反の有無を確認させていただきますので、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。

その他、参考資料5といたしまして「新開発食品調査部会における調査会の設置について」、参考資料6といたしまして「消費者委員会新開発食品調査部会における特定保健用食品の審議手続きに関する確認事項」を配付しておりますが、時間の都合上、御紹介だけにとどめさせていただきます。

以上でございます。

○受田部会長 ありがとうございました。

ただいまの御説明のあった規程に沿って審議を進めてまいりたいと思いますので、委員の皆様、何とぞ御協力のほどよろしくお願いいたします。


≪2.「特定保健用食品の表示許可等について」の一部改正について≫

○受田部会長 それでは、本日の議題に入りたいと思います。議題は「『特定保健用食品の表示許可等について』の一部改正について」でございます。

これは特保の許可等の詳細について定められた通知で、これまでも比較的大きな改正があった際には消費者庁から御報告をいただいております。

それでは、まず消費者庁から御説明をお願いいたします。本日は、消費者庁から森田食品表示企画課保健表示室長にお越しいただいております。

森田室長、よろしくお願いいたします。

○森田食品表示企画課保健表示室長 消費者庁保健表示室長の森田と申します。よろしくお願いいたします。

私から、特保の運用改善に係る府令・通知改正について御説明をいたします。

資料は「トクホの運用改善に係る府令・通知改正要綱」と、もう一つ、別添の「改正事項

説明資料」と書かれた2種類を御用意いただければと思います。できれば並べていただけるとありがたいと思います。

まず「トクホの運用改善に係る府令・通知改正要綱」、以下「要綱」と言わせていただきます。要綱と書かれた1枚紙には、改正内容の項目を列記しております。また、別添の「改正事項

説明資料」と書かれた資料は以下「説明資料」と略させていただきますが、説明資料には各項目の具体的な内容を記載しております。

要綱に記載の一つ目、「審査申請書の廃止」という事項について御説明します。

これは健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令の一部改正となるものです。

説明資料の2ページ目を御覧ください。令和元年の法律改正までは左側の図のように、特保の申請には都道府県等の地方自治体を経由して表示許可申請書が提出される流れがあり、それとはまた別に、審査申請書に関係資料を添付して消費者庁に直接資料を提出するという流れになっておりました。

これが法律改正によりまして、都道府県等の経由事務がなくなりまして、右側のように表示許可申請書が直接消費者庁に提出されるようになりました。

審査申請書といいますのは、3ページ目を御覧いただければと思いますけれども、このような1枚紙の内容になっておりますが、現状においてこれを許可申請書等に更に付けていただかなくても問題がないということから、提出資料の簡素化のためにこれを廃止するものでございます。

当該事項につきましては、既に意見募集の手続を終了しておりまして、そこでは反対するような御意見はございませんでした。

要綱のほうに戻っていただきまして、次に通知改正の内容につきまして御説明をいたします。

1つ目、「『再許可等』の範囲の見直し」でございます。

これは消費者委員会新開発食品調査部会長決定における再許可の範囲とそろえるという内容になります。

別添の説明資料の7ページを御覧ください。これは現行通知の「再許可等」としているものの通知の記述になります。現行の内容としましては、既許可食品から商品名や風味のみ変更したものが該当するというものになります。

8ページを御覧ください。これは新開発食品調査部会長決定の内容となります。「再許可等」は赤色の部分でございます。(5)が「再許可等」の区分になりますけれども、その中で青色の記述の部分が通知には反映されていないところになります。

「再許可等」になるとどのような審議形態になるかといいますのが右側になっております。審議といたしましては、消費者委員会への諮問が不要で、事後報告という形で良いということになって、審査が簡素化されるというものになってございます。

部会長決定の詳細につきましては9ページから11ページまでになっておりますけれども、青字の部分の具体的なイメージにつきましては12ページにお示しいたしました。

12ページを御覧ください。まず左側、既存の特定保健用食品と商品名及び「許可等を受けた表示」のみが異なるもので、「許可等を受けた表示」及びその根拠が、別の既存の特定保健用食品と同一のものでございます。この具体例が左側の絵の部分でございまして、既に許可をされた製品Aと製品Bがあり、製品Aと製品Bはどういう関係にあるかといいますと、赤枠のところを御覧いただければと思いますが、製品Aと製品Bは、食品形態、関与成分、1日摂取目安量が同一、それから原材料の配合割合と特定の保健の用途が異なるというものになっております。製品Cといたしまして、商品名と許可表示以外は製品Aと同じ、許可表示が製品Bと同じというものが申請された場合に、再許可の区分で扱うというものになります。

右側は、許可表示の一部のみが異なるもので、その根拠が同一であるものです。別紙で示される詳細は、現時点では11ページの内容になっております。こういったものが再許可の扱いとなってございます。

次の項目に参ります。要綱の資料マル2の「既存の規格基準型の柔軟化」についてです。

説明資料の13ページを御覧ください。上半分の枠内に現行の難消化性デキストリンの基準を記載しております。このように難消化性デキストリンについては3種類の保健の用途についての基準が設定されております。それらの1日摂取目安量については重複する部分がありまして、また、実際2種類の保健の用途で許可申請された事例もありますので、現行基準の範囲内で2つ以上の組合せの基準を設定するというものです。

どのように2つ以上の組合せの基準を設定するかにつきましては14ページを御覧いただければと思います。3種類をまとめる場合の例を枠内に示しております。書き方といたしましては、既存の文章を並べるだけでは冗長になりますので、まず「難消化性デキストリンの働きにより」ということで各用途を束ね、次に用途を箇条書きにするというものです。血糖値、血中中性脂肪、おなかの調子の用途を記載する順番は申請者の任意で良いこととし、また、箇条書き部分については、下の例示のように、改行せずとも用途の区分が分かるようにして、連続して記載することも可とするものです。

どのような形で規定するかは、15ページになります。2種類の保健の用途の組合せが3通り、3種類の保健の用途の組合せが1通りの計四つの基準の追加となります。

次に、16ページをお願いいたします。通知では食品形態について、別表1の区分ごとに既に許可されたものとすることとされています。別表1というのは先ほど示した基準の表が該当します。

そして、なお書きとして、既に許可されている食品形態の参考を別表2に示す形となっております。別表2については、中段にお示ししましたように、洋生菓子や粉末清涼飲料といったものが記載されております。既許可食品は右側に記載させていただきましたが、実際の既許可食品と比べた場合に、別表2で示される食品形態では、その範囲について誤認を与えるおそれが考えられます。現在、消費者庁のホームページに掲載している既許可食品一覧は、区分、関与成分等で検索機能が付いており、そちらで確認していただくほうが適切であると考えておりますので、別表2を廃止することとするものです。

17ページから19ページにつきましてが、現行の通知の該当箇所となります。

次の項目、要綱のマル3の「外部検査機関における試験検査頻度の見直し」です。

別添の説明資料、20ページを御覧ください。現行通知では、許可後の取扱いとして、枠内の下線部分のとおり、年1回、許可試験と同等の試験を実施して、当該試験成績を提出いただいております。これは本規定の経緯にありますように、許可取消事案を受けた再発防止策の一つとして導入されたものとなります。

この仕組みが導入されて以降、過去4年分の報告実績からは特に不備が認められた製品はありませんでしたので、条件の緩和をするというものです。具体的には、毎年の報告の仕組み自体は維持しつつ、許可試験と同等の外部検査機関での試験検査を少なくとも3年に1回という形で頻度を落とし、それ以外の年は、自社の試験検査施設等、適切な試験検査施設で実施した試験成績書の提出で良いということとするものでございます。

続きまして、要綱のマル4「令和3年度調査事業の結果を踏まえた疾病リスク低減表示の基準改正」についてです。この調査事業は、令和2年度に消費者庁が開催した検討会において、「特定保健用食品制度(疾病リスク低減表示)に関する今後の運用の方向性」が取りまとめられ、その中で、今後の対応等として、消費者庁においてむし歯に係る疾病リスク低減表示並びに葉酸及びカルシウムの許可表示の見直しについて速やかに具体的な対応を進めることとされたことから実施したというものです。

検討会で取りまとめられた今後の運用の方向性については、参考資料8としてお示ししておりますけれども、今回はこの説明は省略させていただきます。

別添の説明資料、21ページを御覧ください。調査事業は、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所に委託して実施し、先ほど申し上げました今後の運用の方向性で示された二つのテーマ、一つはむし歯のリスク低減表示の基準案作成、もう一つは現行基準の表示許可の見直しについて検討されました。

まず、むし歯のリスク低減表示の基準案作成についてです。疾病リスク低減表示の申請に当たりましては、「食品が食生活の改善に寄与し、その摂取により国民の健康維持・増進が図られる理由」として、疾病リスク低減表示に関しましては二つのことの説明が求められます。

一つ目は、日本国民の罹患状況に照らして、当該疾病リスクの低減について注意喚起する必要性、二つ目として、医療従事者や栄養指導を行う者等に対する一般的な勧告や食生活指針等による普及啓発では足りず、当該疾病リスクの低減について、個々の食品における表示の許可等を通じて国民に訴求する必要性という二つについて記載することとされております。

こうした必要性につきまして検討した結果が一つ目のポツの部分であり、記載のように、必要性に関しては説明し得るという結果となりました。

次に、現行の通知等を参考に定めた論文の採用条件により過去20年間の論文を検索、精査したところ、成人を対象として、単一成分の摂取によるう蝕の発症の減少を示した論文は見当たらないという結果となりました。

一方、検討の中で、う蝕についてはその発生過程や食品が直接接触する歯の表面の状態で評価するという特殊性を考慮しまして、後ほど御説明しますサロゲートマーカーを評価指標として有効性を明らかにすることでもよいのではないかということで、個別に申請をする際の条件設定に当たっての考え方が取りまとめられました。

もう一つのテーマである現行基準の許可表示の見直しに関しましては、分かりにくいとされた「二分脊椎などの神経管閉鎖障害」、文末の「かもしれません」の表現に焦点を当てて、消費者アンケートの結果等を踏まえて検討し、最も理解しやすいとされたものが選ばれました。

調査事業の結果を踏まえた通知への反映案につきましては、22ページ、23ページになります。

22ページは、むし歯のリスク低減表示についてです。むし歯のリスク低減表示につきましては、調査事業で示された考え方について、個別申請に係る要件として示していくことを考えております。

具体的には、有効性を明らかにする根拠資料について、サロゲートマーカー、プラークpHや脱灰及び再石灰化を評価指標として、食品または関与成分の摂取により、脱灰を進展させないこと、あるいは再石灰化を促す成分を含むものは、プラセボ食と比べて再石灰化を高めていることを明らかにした資料であること。

対象とする食品及び関与成分について、食品については、主として間食として利用されている製品であること、砂糖などの発酵性糖質を含まない食品であること。関与成分については、プラークpHの低下を起こさない/抑制する成分であること、歯の耐酸性を向上または歯の再石灰化を促す成分であることとし、許可表示や摂取する上での注意事項については、記載の内容を示していくことを考えております。

なお、対象とする食品の範囲として、食品は酸性度の高いものでないことということを括弧でくくっておりますけれども、これは酸性度の判断水準を明確にすることが難しいので、通知に明確に書くことが難しいと考えておりますので、留保することとしております。

次に、23ページは現行許可表示の見直し案です。

現行基準は、カルシウムと葉酸の二つについて設定されております。今回の見直しを検討したものは色付きの部分になり、語尾の「かもしれません」については「可能性があります」という表現に、「二分脊椎などの神経管閉鎖障害」については「神経管閉鎖障害」として、注釈でその内容を説明する形に見直すというものになります。

要綱に戻っていただきまして、次にマル5「その他」についてです。内容はアからオまでの5項目ありまして、別添の説明資料で順次説明してまいります。

別添の説明資料、24ページを御覧ください。一つ目、「『再許可等』申請の基礎となる既許可食品の範囲の明確化」です。

現行の取扱いでは、再許可等の区分で申請する場合の親となる既許可食品については、特段規定はしておりません。このため【課題】の図のように、再許可等の区分で許可を受けたものを親として再許可申請することができることとなります。つまり、最初の親となる既許可食品から見れば、孫やひ孫となる製品もできるということになります。

また、再許可等の区分の申請では、科学的根拠資料の添付を省略できますので、仮に製品CやDについて科学的根拠を確認する必要がある場合には、製品Aまで遡る必要があります。

一方で、製品Aの失効届が出された場合、一定期間経過後に関係資料は廃棄されるため、期せずして科学的根拠のひも付けが切れる製品が出る可能性も考えられます。このため、そうした混乱が生じる可能性を小さくするため、再許可等の区分として申請する場合の親となる既許可食品には、再許可等の区分のものを用いることができないということを明確化するものです。

25ページは、「変更届出書で変更可能な範囲の明確化」です。

現行通知では、記載のように、変更があった場合に変更届出書を提出する事項を示しております。

一方、通知に定める事項以外であっても変更届出が出されるなど、変更届出の受付業務に大きな負担が生じている状況でもあります。

このため、これまでの運用を踏まえまして、変更届出の提出が不要な場合等について明確化し、事業者側、消費者庁側両方の負担を軽減しようとするものです。

26ページは、「リコール制度と新たな知見報告の二重報告を不要とする取扱いの明確化」です。

現行通知では、枠内の記載のように、都道府県等に健康被害または製品回収等について報告を行った場合には、併せて消費者庁にも報告するように求めております。

一方、昨年6月に食品衛生法及び食品表示法に基づく自主回収報告制度が施行されたことを踏まえ、製品回収を行った際の特保通知に基づく消費者庁への報告について、自主回収報告制度による報告が行われた製品については、二重報告を避ける観点から、不要であることを明確化するものです。

28ページは、「販売中の商品の表示について、確認方法の改善」です。

現行通知においては、商品が販売される際に、記述のように当該商品の表示部分が分かる写真を消費者庁に送付することを求めております。しかしながら、許可等を受けた商品の容器包装上の表示については、許可等を受けた者が責任を持って表示内容等と不一致がないかを確認するものであるといった基本的な考え方に立ち返り、事業者側、消費者庁側の双方の負担軽減を図る観点から、当該部分は削除することとするものです。

最後、29ページは、「製造所所在地を示す地図、製造所内生産設備の配置図の添付の廃止」です。

現行通知では、申請時の添付資料の一つとしてこれらの添付を求めておりますが、製造所所在地を示す地図に関しましては、現時点では住所から容易に確認可能であること、それから、製造所内生産設備の配置図に関しては、製造に必要な生産設備の設置は許可等を受けようとする者が責任を持って行うものであり、品質管理の方法を確認するための資料として添付していただいておりますけれども、その資料としての重要度はそれほど高いものではないと考えられるため、それらの添付を不要とするものです。

私からの説明は以上でございます。

○受田部会長 ありがとうございました。

ただいま資料1-1の府令・通知改正要綱に基づいて、具体的な改正等についてポイントを絞って森田室長から御説明をいただきました。

ここからは、委員の皆様の御質問や御意見を頂きたいと思いますけれども、順番に進めてまいりたいと思います。一つずつ意見を伺い、もし御質問や改正に対する御意見等がある場合には、それを頂いて、整理をして次にというふうに進めてまいりたいと思います。

御発言のある方は、Webexのチャット機能を活用して、御発言の御意思がある、あるいは御質問がある旨、御入力いただくと、これを確認して指名させていただきたいと思います。指名の後、恐れ入りますがお名前を言っていただいて、御発言をお願いしたいと思います。

それでは、まず一つ目です。資料1-1の一番上にあります「審査申請書の廃止」に関してでございます。自治体での受付業務廃止による形式的な改正とございます。また、意見募集も済んで、特段御意見はなかったということを踏まえて、今日、この一部改正について御説明いただきました。この内容に関して質問や御意見がおありの方は、御入力をお願いいたします。

特によろしいでしょうか。

今のところチャットでの入力はこちらでは拝見することができませんので、「審査申請書の廃止」に関しては、この部会において特段御異議はなかったと扱わせていただきたいと思います。ありがとうございました。

それでは、その次「特定保健用食品の表示許可等について」の一部改正について、順次いきたいと思います。マル1からマル5があって、マル5にはアイウエオということで項目が更に分かれておりますので、一つずつ参ります。

まず、マル1「『再許可等』の範囲の見直し」に関してでございます。もし説明が不十分なところがあれば御質問いただき、また、コメントがありましたらお願いしたいと思います。「『再許可等』の範囲の見直し」に関して御質問、コメントがありましたら、チャットに記入をお願いいたします。

北嶋委員、お願いいたします。

○北嶋委員 よろしくお願い申し上げます。

一つだけ簡単にお願いいたします。この名称なのですけれども、「再許可」というと、通常は、再び、という意味になるのですが、もう少し補足説明していただけると助かります。というのは、許可してあって、それを再度許可する、というと、通常は同一のものを再び許可する、というイメージなのですけれども、全く同じではなくて少しだけ変わるわけです。そうすると正確には、再び許可ではなくて、少し条件を緩くしたものを新規に許可する、ということだと思うのですけれども、再許可という名称について適切なのか、ということ点について、補足説明を願い申し上げます。

○受田部会長 ありがとうございます。

ただいまの御質問に関して、森田室長からお答えしていただいてよろしいですか。

○森田食品表示企画課保健表示室長 御指摘ありがとうございます。

まさに北嶋委員がおっしゃるような観点は、確かに違和感を覚えるというところは確かにそのとおりだなと思います。

一方で、単純に少し変わったものというイメージでありますと、(3)の既許可類似品みたいなものとの区別がなかなか難しくなって、最終的にはこの言葉に落ち着いたのかなと考えます。若干違和感があるということについては、飲み込んでいただければありがたいと思っております。

○受田部会長 ありがとうございます。

北嶋委員からの御質問に関して、8ページにある再許可等の範囲の見直しの中に類型化されていて、5つの類型があって、一般審査型、関与成分の安全性評価済み、ここからですけれども、既許可類似品、規格基準型、再許可という類型における名称の付け方の部分で、どうしても据わりが悪いというか、全体を包含している名称としてしっくりこないということかと思います。

ちなみに、今、森田室長からあった既許可類似品と今の再許可型との違いというのは、簡単に言うとどんな形になりますでしょうか。

○森田食品表示企画課保健表示室長 ここに書かれておりますように、商品名や申請者名のみが異なるものであれば同一物となるかと思いますけれども、その下にあるような香料、着色料等の添加物が異なるものという、少し配合が変わっているものが再許可になり、また、大きく異ならないものとなっていますけれども、再許可を更に超えて原材料の配合割合が変わるものが既許可類似品となっております。境界線がかなり難しい部分はあるかと思います。

○受田部会長 補足もしていただいて、ありがとうございます。

北嶋委員、ネーミング、分類名に関しては若干把握しづらい部分がある、据わりが悪いということでありましたけれども、こういう形で落ち着いているところでございます。

○北嶋委員 本件について時間を掛けるつもりはないのですが、まさに森田様の御指摘どおりでして、ここに書いてあるもの自体の意味を、日本語として据わりがよいのは「既許可類似品」なので、すなわち、そういうものは「既許可類似品」という意味になってしまうのです。けれども、同一の商品である必要性があるために、既許可類似品というのはあくまでも類似品というか別のものという位置付けなので、御説明では分かるのですけれども、この事を記憶すること自体も大変だなと感じました。

同一か違うのかという観点が、具体的に名称に出ると本当はよろしいと思うのですけれども、そこはメーカーさんの方でも第1世代、第2世代といったように変わっていくでしょうし、「同一性」を定義するのも難しいと思いますので、ネーミングについて、本来の意味にふさわしい良いアイデアが出るように、引き続き、御検討いただきたく存じます。

○受田部会長 ありがとうございます。

今日は、名前がしっくりこないとは言いつつ、再許可の類型の中で整合を取っていこうという趣旨での御説明でございますので、その点に関してではなく、類型化された名称のところは工夫が必要であるということで受け止めさせていただいて、今後、部会等において議論になる中で、大くくりの分類の名称についてもまた妙案が出れば、是非お願いいたします。

北嶋委員、ありがとうございました。

ほかに、この点についていかがでしょうか。特に御発言はございませんでしょうか。

もしないようでしたら、まず、「『再許可等』の範囲の見直し」については、この基本的な方針で部会としてはお認め、異論なしということで取り扱わせていただきたいと思います。

続いてマル2「既存の規格基準型の柔軟化」ということで、ここでは3種類の難消化性デキストリンに関しての規格基準の範囲内で、複数の点について形としての規格基準をという提案でございます。ここに関して御質問や御意見がありましたらお願いいたします。

特に御質問、御意見はよろしいでしょうか。今のところチャットへの入力は、こちらでは確認できておりません。

そうしましたら、見直し案、具体的な例、文言等に関しては申請者が決めたものでよいという一定のフレキシビリティーを持たせた上での柔軟化になるかと思いますが、この点についても部会では特に意見は出なかったということで、委員の皆様からはこの方向をお認めいただいたと取り扱わせていただきます。ありがとうございました。

続いて、マル3「外部検査機関における試験検査頻度の見直し」について、御質問や御意見がございましたらお願いしたいと思います。過去4年を基に、少なくとも1年に1回という試験検査を登録試験機関等から受ける。ここを3年に1回、ただし毎年自社の試験検査施設等の適切な試験検査施設における実施成績書の提出は課しているという前提で御説明がございました。御質問や御意見がありましたらお願いいたします。

前田委員、お願いいたします。

○前田委員 ありがとうございます。前田です。

外部検査機関による検査が減るということに対して、漠然と不安を感じています。毎年行っていたから問題が出なかったとは考えられないのかなということと、3年に1回とした根拠は何かあるのか、教えていただければと思います。よろしくお願いします。

○受田部会長 御質問ありがとうございます。

それでは、森田室長からお答えいただけますでしょうか。その後、石見委員の質問をお受けしたいと思います。

○森田食品表示企画課保健表示室長 今回これを見直しいたしますのは、試験成績自体は試験法があって、それによって実施をするものでございます。外部検査機関において検査をするというのは、ある意味では日頃の品質管理の中で検査をしているものとは別に、また改めて、会社によっては外に出して試験成績を出してもらうという形になります。

確かに規定の経緯では取消事案のことを踏まえてということですけれども、取消事案から踏まえると、この扱い自体は過大な部分もあったかもしれないとは思っております。

ただ、いずれにしても試験成績自体は毎年報告されるものですので、外部機関にこだわるか、こだわらないかという部分だと思っております。

3年に1回にしたというのは、まさに委員が御懸念されたとおり、いきなり試験成績書を出していただければどこでも構いませんよということは難しいだろうということで、少なくとも3年に1回ぐらいの頻度で許可試験をするような試験機関の成績書を出してほしいという形での緩和を考えたものでございます。

○受田部会長 ありがとうございます。

続いて石見委員に御質問いただいて、また前田委員の今のお答えに対する感想等を伺いたいと思います。

石見委員、お願いいたします。

○石見委員 石見です。

見直し案の3行目、少なくとも3年に1回とするという表現ですが、「少なくとも」と言うと毎年やってもいいのですかということで混乱しないかどうかお聞きしたいと思います。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

ここはどう理解していくかということですね。少なくとも3年に1回ということなので、もちろん4年に1回では駄目だということだと思います。

今の点について、森田室長、いかがでしょうか。

○森田食品表示企画課保健表示室長 御質問ありがとうございます。

これは食品によっていろいろなのだと思いますけれども、自社の試験成績ではなくて、品質管理のために毎回外部に出しているところが仮にあったとしたら、それは毎回毎回出しているという状況になります。まさに許可試験を行うような機関に出しているところであれば、毎回それがついてくる形になります。ですので、今の扱いと変わらない状態が続くということではありますけれども、そういう形でも別に構いはしませんということでございます。ただ、自社で試験をしっかりやっていらっしゃるところがわざわざ外に出さなければいけないかということに対しては、少なくとも3年に1回ぐらいは外部機関でやってくださいという趣旨でございます。

○受田部会長 ありがとうございます。

そういう意味では、これまで1年に1回、これを自主的・主体的に運用の基準にしていくということもありだということで、少なくとも3年に1回ということが規定の変更のポイントになるということかと思います。

まず、前田委員、先ほどのお答え、3年に1回で大丈夫かということ。それと、3年に1回ということの基準はどこにあるのか。このお話について回答いただきました。

○前田委員 前田です。ありがとうございます。

どこかもやもやしているところはあるのですけれども、大きく異議を申し上げることでもなくて、どうなのかなというところを聞いてみたかったのです。ありがとうございます。

○受田部会長 ありがとうございます。

石見委員からの御質問についても、先ほどのお答えですけれども、よろしいでしょうか。

○石見委員 自社で必ずしも試験ができないところもあるということで、そういうところは毎年出すことになると思いますので、理解いたしました。ありがとうございます。

○受田部会長 ありがとうございます。

木村部会長代理から御質問ということで、お願いいたします。

○木村部会長代理 今の石見委員のお話でかなり解決はしたのですけれども、自社で試験ができない場合は提出することができないので、これまでどおり外部に委託してという理解でよろしいのかというところが分からなかったのです。

○受田部会長 ありがとうございます。

今の運用の仕方があるということなので、木村部会長代理からの質問に対しては、いろいろなやり方はある、外部の検査機関に依拠することも当然あるということかと思います。

○木村部会長代理 それに対して消費者庁が監視というか、きちんと見ていくという理解でよろしいのですか。毎年、自社の試験結果なり外部からの試験結果なりが出されているということをきちんと監督しているという理解でよろしいですか。

○受田部会長 森田室長、そこは確認できると思いますけれども、どうでしょうか。

○森田食品表示企画課保健表示室長 毎年、許可を受けている人に対して提出を求めておりまして、提出されないところに対して督促をし、確認している。そうすることによって、販売中のものであるか、既に休止しているものかという情報も併せて把握できるという形になってございます。

○木村部会長代理 分かりました。ありがとうございます。

○受田部会長 ありがとうございます。

いかがでしょうか。この点、御説明を伺うと緩めるという印象を感じてしまう部分で、それで大丈夫かという疑問というか疑念が出てくるというのは明らかであると思うところです。

今、これまでの実績に基づいてというところで、事業者側の御意見とかも一定反映した形になっての御提案ではないかとも思うのですけれども、事業者サイドの意向等については勘案しているという理解でよろしいですか。

○森田食品表示企画課保健表示室長 この取扱いにつきましては、特別用途食品、特保と同じように、病者用食品等も同じような扱いで対応しておりまして、そういう意味で言えば、特別用途食品のほうが、外部で試験をしたときの許可試験の値段が高い形になっておりますので、そうしたところについては歓迎されるのではないかと思っております。

○受田部会長 ありがとうございます。事業者サイドの状況も少し添えていただきました。

いろいろな考え方はあるかと思います。また、最後にパブリックコメントの話があるかと思うのですけれども、今回の検査頻度の見直しといった点についてもパブコメは実施されるという理解でよろしいのですか。

○森田食品表示企画課保健表示室長 通知改正全文に対して意見募集をかけたいと思っておりますので、この部分も含まれることになります。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

今回こうやって部会で御議論をいただいておりますけれども、同時にパブリックコメントも求めるということがこの後計画されております。その点もお含みおきいただければと思います。

それでは、「外部検査機関における試験検査頻度の見直し」については、御心配の御意見もありましたけれども、状況としては御説明のとおりということで、部会での意見交換はここまでにさせていただいてよろしいでしょうか。

ありがとうございます。

次に、マル4の「疾病リスク低減表示の基準改正」について、御質問や御意見を賜りたいと思います。疾病リスク低減表示の基準改正に関しては、まず、う蝕、むし歯のリスク低減表示の基準案の作成に関する内容と、現行の基準の許可表示の見直しの部分の2点がありましたけれども、二つセットでまいりたいと思います。

それでは、吉池委員、お願いいたします。

○吉池委員 吉池です。ありがとうございます。

参考資料9について十分に読み込めていないのかもしれませんが、まず気になったこととしては、う蝕の発生というハードエンドポイントを示した論文がないからサロゲートマーカーを使うというロジックについて違和感を覚えました。特保のそもそもの成り立ち、あるいはこの部会でこれまで検討してきたことを考えると、ハードエンドポイントをしっかりと見据えて評価するというのが基本原則だったのですが、今回こういうロジックが妥当かどうか。

更に質問としては、今回は、う蝕ということでの御提案ですけれども、他のものに拡大し得るのではないかという懸念が生じます。そうしますと、今までやってきた審査が何なのかというところにもつながりかねないので、その辺の御見解を頂きたいと思います。それが1点目です。

2点目もよろしいでしょうか。表現の見直しについてですが、消費者に対してアンケートで「かもしれない」を「可能性があります」とすることについて、それ自体には異論はないのですが、maybe、possible、probableというエビデンスレベルに対する対応、そしてそれらを正しく整理して消費者にも伝わるようにするという、その辺の関係がよく分からなかったので教えていただきたいと思います。

以上2点です。

○受田部会長 ありがとうございます。

何人かの委員から御質問を頂いているので、先に質問を頂いて、まとめてお答えいただくようにいたしましょう。

続いて、木戸委員、お願いできますか。

○木戸委員 よろしくお願いします。

基本的に吉池委員の御質問とほぼ重なるところがありますが、まず、う蝕の発生減少というエンドポイントあるいはアウトカム評価がない中で、それに代わる指標を取り出して、サロゲートマーカーとして評価することは本当に可能であるかが大きな質問です。

その判断をするときに、そういったマーカーの基準がきちんと定められるものであれば良いのですけれども、そこが非常に難しいのではないかといったところをどのように考えられているのかというのが質問になります。

二つ目は見直しのところですが、私も「かもしれない」よりも「可能性があります」が良いとは思うのですけれども、エビデンスレベルを考えたときの表示の仕方は一定の基準を考えた上で示していくのが良いのではないかと思います。反対しているわけではございません。そういう基準の下に、可能性があるというのはこういう基準で表示するという一定の判断ができることが大事かと思います。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

続いて、田中委員、お願いいたします。

○田中委員 よろしくお願いします。

基本的にはお二方の委員と同じなのですが、具体的に言うと、カルシウムと骨粗しょう症、葉酸と神経管閉鎖障害のときは、エビデンスが観察研究とか介入研究、またメタアナリシスをやって疾病リスク低減表示というところに至った経緯があります。

今回、皆様方がおっしゃっているとおり、最終の段階まで見ているという状況です。例えば骨密度がどうなったか、骨折がどうなったかというところまで見て、そしてその関係性について疾病リスク低減表示というエビデンスで見ておりました。

一方、う蝕についてもかねてから特保でありまして、う蝕自体が疾病であるということは確かなことなのです。その部分について、今回サロゲートマーカーで先ほどの疾病リスク低減表示の同じカテゴリーに入れるということ。サロゲートマーカーで判断するというのは、先ほど言ったメタアナリシスまでやった部分とエビデンスの段階が違うだろうと。エビデンスの段階が違うものを同じ疾病リスク低減に入れると、同じ分類で2種類のエビデンスになってしまうだろうという懸念があります。

このことを情報提供するときに、エビデンスが一つは最後まで見ています、一つはサロゲートマーカーで見ていますというようにするのか、または全部くくってしまうのかという部分が一つ質問になります。

もし、サロゲートマーカーのエビデンスとしてしまうと、普通特保においても同様になるのではないかということ。例えば先ほど難消化性デキストリンの話もありましたけれども、難消化性デキストリンは糖の吸収を穏やかにする、だから糖尿病のリスクを減らすかもしれないとも言えるようになってしまうのかなと。これは吉池委員のどこかに波及するかという具体的な内容だと思います。その辺の違いをどのように区別していくかということも課題になってくるかなと思いました。

次は可能性の表現の話です。「可能性がある」という方が分かりやすいというのはよく分かりました。ただ、「かもしれない」というのは、あるかもしれないし、ないかもしれないというコーデックスの疾病リスク低減表示の訳であるというところで、「あるかもしれない」という部分だけを取ったという経緯があるかと思います。「可能性がある」と言ってしまうと、あるかもしれない、ないかもしれないとはちょっとニュアンスが変わるということがあります。

「可能性がある」という言い方は、アメリカなどで言っているのは、むし歯のリスクを減らす可能性があるという直接的な言い方を一つ提案されているかと思いますけれども、一方で、EUでは歯垢がむし歯の発症リスクの要因ですと。要するに、サロゲートマーカーが疾病発症リスクの要因ですという言い方もある。この辺についての言い回しの検討もあるのではないかと思いました。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

委員から続々と手が挙がっております。

続いて、吉田委員から少しだけコメントということなので、まず吉田委員のコメントを伺いたいと思います。お願いします。

○吉田委員 皆さんのお話を聞いた内容に、少しプラスアルファになるかもしれないのですけれども、実は私はマル4に関わる委員会に一部参加しています。コロナ禍もあって全部参加できたわけではないのですけれども、一部参加した経験も踏まえて、少しだけコメントさせていただきます。

まず一つ目の疾病リスク低減について、今まで先生方がおっしゃったことを指摘して、問題があると委員会の中でコメントしています。例えば私のフィールドでいくと、心筋梗塞で高脂血症と考えてくださっても良いと思うのですけれども、本来ここにある疾病リスク低減ということは、心筋梗塞の発症を低減させるということに恐らく関係しているレベルにあるのです。

ところが、そうではなくてサロゲートでいく、サロゲートという表現も妥当性を欠くかと思うのですけれども、例えばこれであれば心筋梗塞の危険因子に高脂血症があって、高脂血症に対して軽減する可能性があるから、疾病リスク低減表示の中で認めていただきたいと、いわゆる心筋梗塞のリスクを抑えるという疾病リスク低減表示をお認めいただきたいというロジックになってしまうのです。それに置き換えて考えてみれば、相当距離感のある表示を希望されていると私は申し上げました。

そうであるならば、疾病リスク低減表示をもう一つ違う在り方の設定をしなければいけないのではないかということです。危険因子のコントロールについて、このような食品の世界でどこまで疾病リスク低減という枠組みの中で表現して良いのか。もう一つ枠組みを作る必要があるのではないですかというのが私の意見でありました。

ただ、恐らくこの提案書を出して、いろいろと議論されて、最終的にどうなるかということを投げかけたいという気持ちがあってこのまま出てきているのだろうという理解でいます。それが1点です。だから、ここは十分に議論を尽くして、本当はどうあるべきかを考えなければいけないし、この表示レベルについて、もしかしたらもう1個立て付けを作らなければいけないと私は感じております。

もう一つ、まさしく「かもしれない」というところは、そのときにお二人の先生がおっしゃっていたと思うのですけれども、もともといろいろなエビデンスに基づくボトムラインのメッセージに基づいて、エビデンスレベルの確度からいろいろな表現をされてくると思うのです。suggest、maybe、might be、could be、いろいろあると思うのですけれども、それに合わせての表現が出てくるものがもともとありますよということで、それになぞらえて「かもしれない」という表現が使われていたのでしょうと、まさしくそう理解できますが、一方で、国民目線からいくと、「かもしれない」という表現自体があまりにも責任性を欠く。国民の立場から見てこの表現に責任の重さを感じ得ないものを公的表示として使って良いのでしょうか。

科学を知っている我々からすれば、決して無責任とは思えないけれども、科学を知らない一般国民から見ると、いかがなものかと感じる人も中にはおるのではないかと。ましてや葉酸につきましては、本当にいたいけな子供から出てくる大変な病気なわけです。表現に伴う責任はより一層重みがあると思います。そういった観点から、この「かもしれない」という表現はいかがなものか、「可能性があります」などが、国民がより納得しやすいのではないかという御提案だと理解しています。

私はこの会議に一部出ていた経験からコメントさせていただきました。皆さんの御議論は非常に大切だと思っておりますので、そこには全く異論はございません。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

今、吉池委員、木戸委員、田中委員、吉田委員から2つ、サロゲートマーカーを使っての疾病リスク低減の説明のロジックの部分、それから、極めて全般に波及するような提案内容であるという、かなり異論としての意見が聞こえてまいりました。

また、「かもしれません」を「可能性があります」とするという表現についても、特に吉田委員からありましたように、我々科学者が論文で表現する推量のかなり細かいステップに対して、日本語の持っているニュアンスがどうも一致してないところを責任を持ってお伝えできているのかどうかという責任の問題の部分にも触れていただいたと思います。

まず、4人の委員からは、そういう共通した問題提起があったと受け止めました。

ここまでを小括させていただいて、前田委員、北嶋委員、木村部会長代理の順番でお願いいたします。

○前田委員 ありがとうございます。前田です。

「かもしれません」と「可能性があります」というところなのですけれども、「可能性があります」と言われると、どちらかというとこちらのほうが効果的なような気がするという受け止め方をされるのではないかと思いました。

参考資料9も拝見したのですけれども、一般の方はやはり「可能性があります」が分かりやすいのだろうなと思うのですが、「可能性があります」と言われると、「かもしれません」よりも少し効果的な気がすると考えると、「かもしれません」のままにしていただいたほうが、本当は実際を捉えているのかなという気もしていて、悩ましいなと思っております。ニュアンスは違うと思いますので、どちらが良いのかなと思っております。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。消費者側の受け止め方についても触れていただきました。

北嶋委員、いかがでしょうか。

○北嶋委員 北嶋でございます。ありがとうございます。

私も吉池委員、吉田委員、木戸委員はじめ皆様とほぼ同じ意見なのですけれども、先に結論を申しますと、私にとって通知の見直しの文の中の「かもしれない」と「可能性があります」というのは明らかに全く違う意味なのです。

ただ、私が強調したいのは、そういうことではなくて、それぞれ最初の具申もそうですし、令和2年度の検討会のほうもそうなのですが、熱意というか、いわゆるロゴスというよりもパトスのほうを感じています。そして、こうした案の解決案として、早急に、この案に移ってきているように思うのです。すなわち、動機あるいは当初の考え方のほうは、非常に重く取るべきだと思うのです。ただし、これらの解決策がこの案の形ではないのではないか、ということです。

分かりやすい例で言えば、「かもしれない」を「可能性があります」という表現に変えることではなくて、「かもしれない」という表現を学術的に正確にもう少し長い文章でも変える、そういう方向に持っていくことが適切に思います。特保の審査において、これまでの歴史や経緯等に鑑み、どうやって適切に着地させるかというところを、もう少し精緻に考えていくのがよろしいのではないかと思います。私としては、両方の案ともに、「拙速過ぎる」ように見受けられるということです。当初の動機はすごく理解できますし、こういう案を出したことも理解できるのですけれども、この案のような解決策に至ることは、短絡的過ぎるように思えました。

以上でございます。

○受田部会長 ありがとうございます。

令和2年度の検討会、令和3年度の調査事業を踏まえて、今日、この改正の話が第7次の1回目の新開発食品調査部会で出てきているということなので、継続の委員の皆様もそうかもしれませんし、新たに第7次から委員になられた皆様にとっても相当違和感があるのではないかということかと思います。

さらに木村部会長代理、石見委員、武士俣委員にチャット入力していただいていますので、3人の委員からそれぞれコメントを頂きたいと思います。順次お願いいたします。

○木村部会長代理 私もむし歯の件はちょっと違うのではないかと違和感を覚えておりまして、今回これを認めてしまうと別のところに波及するのではないかという点もありますし、食品になったときに、消費者が誤った食べ方をしてしまった場合にどうなのだろうということを考えますと、もう少し議論が必要ではないかと思う次第です。

それから、通知の「かもしれない」の話なのですけれども、私も標準化に関する事業において、may、canやshould、shallの違いとかをかなり詳しくやってきた経緯がありまして、今回「かもしれません」というところは確かに分かりにくいし、消費者に対してすごく無責任だなと思うのです。そういう言い方も失礼ですね、すみません。ただ、どこまで効果があるのかという基準を考えたときに、「可能性があります」まで言ってしまうと、消費者にとっては期待感が大きくなってしまうということがあると思うので、そこはもう少し検討が必要ではないかと思います。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

石見委員、お願いします。

○石見委員 石見です。

私もこの検討会に出ていたのですけれども、経緯などを説明すると、サロゲートマーカーをう蝕で使用したというところの説明として、脱灰が生じない限りう蝕は生じない。なので、脱灰からう蝕というのは長い年月を掛けてつながっている、強い関連性があるというところがポイントだったように考えております。

これを先ほど吉田委員がおっしゃったように高脂血症と心疾患に当てはめると、高脂血症が生じなくても心疾患が生じることはありますね。お二人の歯科の専門家の先生がおっしゃったのですけれども、脱灰が生じない限りむし歯は生じないので、歯科の疾病リスクに限って認めて良いのではないかとなりました。

疾病リスク低減表示の参考資料7「特定保健用食品の表示許可等について」の10ページに、真ん中辺のその他というところで、特定保健用食品疾病リスク低減表示については、原則として当該関与成分の有効性を検証した論文から成るメタアナリシスの論文を添付すると書いてあります。だから、原則としてメタアナリシスの論文を添付しなければいけないのですが、例外として諸外国において一致した公衆衛生政策が取られており、その根拠となる疫学研究が共通している場合は不要であるとしているのです。なので、今回のう蝕については、それぞれカルシウムや葉酸とは違う形で申請がなされ、有効性が評価されると思うのですが、メタアナリシスが必要な成分とそうではない成分があるかもしれません。既に諸外国で公衆衛生上の政策が取られているものが出てくるかもしれませんけれども、一応メタアナリシスはつけるのか、その辺りが書いていないので私も森田室長にお伺いしたいというのが一つあります。

表示については、コーデックスでは、疾病リスク低減表示については消費者に食品あるいは食品成分を摂取することで疾病の予防を想像させてはいけないと書いてあるのです。なので、mayになっているのです。だから、私の意見としては、先ほど田中先生がおっしゃいましたけれども「かもしれない」、有効かもしれない、そうではないかもしれないという含みを持たせないといけない。消費者に期待させてはいけないので、私は「可能性がある」というのはかなり期待を持たせるのではないかという考えを持っているのですが、検討会で消費者アンケートをされまして、その二つのことについて受け止めに差があるかという質問では、差がないという結果になったので、「可能性がある」でも良いのではないかとなりました。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。検討会の委員のお立場から、更に重要な情報を御提供いただきました。

質問もありましたけれども、委員からの御意見を一通り伺いたいと思います。

武士俣委員、お願いいたします。

○武士俣委員 消費者としての意見なのですけれども、まず、むし歯のほうなのですが、現行の特保ですと脱灰を抑制する成分を含んでいるので歯を丈夫で健康にしますというのが認められている文言だと思うのですけれども、歯を丈夫で健康にしますと、虫歯のリスクを減らす可能性がありますという二つの文言を比べてみて、丈夫で健康にしますというのは、虫歯のないきらきらのきれいな歯を一般消費者としては想像してしまいます。ですので、虫歯のリスクを減らす可能性がありますがしっくりくるような、いろいろな御意見があって難しいことは分かりませんけれども、そんなふうに思いました。

もう一つ、カルシウムと葉酸なのですが、「かもしれません」という文言は、かもしれないけれども、そうではないかもしれないという、何となくあやふやな感じがして、カルシウムに対してとか葉酸に対する必要性の消費者への伝わり方が薄くなってしまうような気がします。リスクを低減する可能性がありますというほうが、カルシウムが必要なのだということがより伝わってきます。

それだけでは不十分なので、カルシウムを摂取しても骨粗しょう症のリスクがなくなるわけではありませんとか、葉酸を正しく摂取してもリスクがなくなるわけではありませんとか、そういった文言を付け加えることによって、より正しくこの見直し案が一般消費者に伝わるのではないかと思いました。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

竹内委員、お願いします。

○竹内委員 私も医学等の専門家の立場ではなくて、マーケティング、企業や消費者の立場からですが、現行基準の「かもしれません」は読んだ途端に違和感がありました。保証できない、あくまでもリスクの低減ということは認識していますが、この表現は何も約束していないので、情報としての価値があるのかという疑問です。企業が消費者に対して価値ある情報を提供するという立場だと考えると、ある意味、無責任なのではないかと思います。「かもしれない」という情報であれば言わなくても良いのではないかとまで感じた次第です。

ただ、専門家のお立場から、mayとかいろいろなニュアンスを伝えるという観点からすると、おっしゃるとおり「かもしれない」が妥当なのでしょうが、それではどこに着地させればいいのかということです。

今回改めて調査もなさったという点は非常に良い進め方だと思っております。「可能性があります」というのが分かりやすいという結果ですが、消費者にとってはそうだろうと思います。

ただし、過度に期待を持たせてはいけないと私自身も思っています。今日いろいろな御意見が出ていますので、日本語の中でどうしたらニュアンスまで伝えることができるのか。可能性はあるし、可能性はないということを含めて、もう少し検討したほうが良い。

先ほどほかの委員からも、拙速に過ぎるという御発言がありましたが、もう少し検討すべき案件ではないかと感じております。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

今の竹内委員のコメントは、この議論を小括、また全体をまとめていただいたようなコメントだったかとも思います。

今日、疾病リスク低減表示の基準改正をこうしたいと提案いただきましたけれども、むし歯のリスク低減表示、また、現行基準の許可表示の見直しに関しては、いろいろな視点で継続して議論すべきではないかと、私自身、部会長としては、委員の皆様のお話をお聞きしていて感じるところでございます。

消費者庁側にお聞きしたいのですけれども、まず、今日いろいろな意見が出てきたところを、これまでの検討会や調査事業における議論と照合し、それに対してどういう意見があってここに至ったのかを一度整理していただいたらどうかというのが一つの提案でございます。

それから、もちろん調査事業や検討会を踏まえて今回の改正に関して議論することは重要ではあるのですけれども、一方で、消費者側から見ればむし歯のリスク低減表示を見てどう感じるか、あるいは現行基準の許可表示を御覧になってどう感じるか。つまり、検討会や調査事業を踏まえて消費者はその文言を理解し、消費行動を起こすわけではありませんので、その点をもう一度この部会の中でもしっかり議論しておく必要があるのではないかと感じました。

そういったもろもろの御意見に対してお答えいただく準備が必要であり、また、更に多くの意見も頂いてということにしたいと思うのですけれども、パブリックコメントに関しては、具体的にこの件も含めて求めることになるかと思うのですが、いつから開始し、いつまで募集をし、それをいつぐらいに取りまとめて整理ができるのかという見通しはいかがでしょうか。

○森田食品表示企画課保健表示室長 今回の内容で御了解を頂いてというスケジュール感でありますと、これからパブリックコメントの手続をし、恐らく3月にできるか4月にずれ込むかというぐらいの感じで開始できるかなという状況だと思います。

パブリックコメントの期間は基本的に1か月ぐらい掛かりますので、1か月間意見を聞き、意見等をまとめて、その後に改正していくという流れになりますので、このまますっといった場合でも、恐らく4月下旬、5月に掛けてぐらいの時期になるだろうと思っております。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

さっき拙速ではないかという意見も聞かれました。複数の意見から拙速という言葉が出てきております。そういう意味で、いろいろな御意見を踏まえて皆様に納得していただいた改正にする必要があると私自身も強く感じておりますので、一度、今日の議論を踏まえて、次回、新開発食品調査部会で改めてマル4に関して御意見を頂く。更にパブリックコメントとの兼ね合いに関しても検討させていただくということで、この件については部会での議論の継続をお願いしたいと思うのですけれども、委員の皆様、そういう取扱いでよろしいでしょうか。また、事務局いかがでしょうか。

部会の皆様は、御異論はございませんか。

事務局いかがでしょうか。

○太田参事官 事務局でございます。

消費者庁の作業の予定を踏まえまして、本件につきましてもう一回部会で議論することができるのかどうか、少し調整をさせていただきまして、可能であれば開催するということでいかがでしょうか。

○受田部会長 基本的な流れについては今のような御提案もありだとは思うのですけれども、拙速過ぎないか、つまり議論が十分熟していないという考え方も委員から聞かれたというのが今日の部会の一つの結論だと思います。そういう意味では、消費者庁サイドでの改正のスケジュールについても少し見直しをしていただいて、この件については消費者委員会新開発食品調査部会でももっと時間を掛けて熟議していく必要があるのではないかと私自身は部会長として感じているところでございます。

ここは預からせていただいて、また消費者庁ともお話をさせていただくという考え方でよろしいでしょうか。

○森田食品表示企画課保健表示室長 調査事業の関連のものについて、今回の部会では結論が出ないということでございますので、この部分をどうするかというのはありますけれども、それ以外の部分はもし進められるのであれば進めるという方法もありますので、ここは内部でも検討させていただければと思います。

○受田部会長 分かりました。ここの部分は継続して議論をということで取り扱わせていただきたいと思います。

マル4についてはここで一区切り入れさせていただいて、マル5についてはアからオまでございましたけれども、御質問や御意見があれば一括で頂きたいと思うのですが、いかがでしょうか。

特にこの部分については手続的な改正が中心だったかと思います。その他のアからオに関してはよろしいでしょうか。特に書き込みはないようですので、その他については特に部会として御異論はなかったということで取り扱わせていただきたいと思います。ありがとうございました。

すみません、竹内委員からイについて質問があるということです。竹内委員、お願いできますか。

○竹内委員 こちらは新規の許可が必要な場合、変更届の提出が必要な場合と、不要な場合を明確化する。良いことだと思うのですが、軽微な変更については変更届の提出を不要とすると書いてあり、私の資料の読み込みが不足しているのかもしれませんが、軽微な変更の基準、定義は何なのかに関して疑問に思いましたので、お伺いさせていただきます。

○受田部会長 ありがとうございます。

森田室長、いかがでしょうか。

○森田食品表示企画課保健表示室長 変更届という形で正式に頂くものとして、特段必要としていないと考えるものとしては、例えば法人の代表者氏名の変更や担当者の連絡先の変更といったものがございます。また、表示見本で変更があるといって、例えばキャンペーンとしてキャラクターグッズをプレゼントみたいなもの、シールを貼りますといったものも変更届出として出されてきます。商慣行の関係でいろいろやられることは良いのですけれども、そのたびに変更届を受け付けていくのは、我々としては不要だと考えています。まさに保健の用途とか安全性が絡むところに対しての変更であれば変更届と思っておりますけれども、関係しないものに対しての変更届出は不要であるということを明確化したいというものでございます。

○受田部会長 ありがとうございます。

竹内委員、よろしいでしょうか。軽微というのを具体的にすると、いろいろなケースがあるということになるので、今のようなものも含めて捉えていくという考え方でございました。

○竹内委員 事業者側がそれを理解なさっているのであれば、あるいは軽微に当たるのかどうか、事前に御相談できるとか、そういう手続を踏めるのであれば結構だと思います。ありがとうございました。

○受田部会長 ありがとうございます。

運用面で、今のような考え方を事業者サイドに御理解いただくということでお願いしたいと思います。

それから、前田委員からオについて質問があるということで、お願いいたします。

○前田委員 ありがとうございます。前田です。

配置図について添付を廃止ということなのですけれども、これまで品質管理をするものだったというお話があったかと思うのですが、例えば製造過程の確認などで必要にならないのでしょうかと思いまして、私も詳しいことは分からないのですけれども、素朴に疑問に思ったので教えていただきたいと思います。

○受田部会長 お願いいたします。

○森田食品表示企画課保健表示室長 参考資料7の別添2の16ページになります。最初からめくっていきますと別添1が22ページまでありまして、そこから別添2が1ページから始まって、それの16ページ目になります。真ん中辺に「(10)品質管理の方法に関する資料」がございます。品質管理の資料としては、原料規格の資料、製品規格の資料、製造所の構造設備の概要ということで、その中で製造所内生産設備の配置図や製造所所在地を示す地図のほかに、製造所における申請食品の製造方法、不良品の流通を防止するための品質管理体制等々の資料を提出することになっております。その中の一部の資料はそれほど重要性が高いものではないと考えられますので、これを削ることとしたいという内容でございます。

○受田部会長 前田委員、よろしいでしょうか。

○前田委員 分かりました。

言葉が悪くてすみませんが、これまであまり必要にならなかったということで良いのですか。

○森田食品表示企画課保健表示室長 そうでございます。

○前田委員 ありがとうございます。

○受田部会長 ありがとうございます。

それでは、アからオについては今の御質問を頂いて、納得していただいたということで部会としては取り扱わせていただきたいと思います。

今日の議論においては、マル4の疾病リスク低減表示の基準改正に関しては様々な委員からの御意見を頂戴いたしました。まず、こうやって多くの意見を頂いたことに心から感謝申し上げます。

チャットにも御記入いただいておりますとおり、考え方、ここに至った経緯、さらにサロゲートマーカーについて高脂血症と心筋梗塞というお話が吉田委員からもありましたけれども、石見委員から補足していただいたように、脱灰がう蝕必須のプロセスであるという必要条件、十分条件といった疾病そのものの個別に対してのサロゲートマーカーの位置付け、この辺りについてはこれまでの議論のプロセスをもう一度委員としてしっかりと共有する必要があるのではないかと思うところです。

また、拙速というお話があった点に関して言うと、特保における機能性表示食品との差別化、あるいは特保30年の歴史を受けて今後の特保の在り方を議論するプロセスも求められていく。その前段階で特保の差別化に関して疾病リスク低減特保、ここが機能性表示食品との大きな差別化要因になるのではないか。こういったところから、疾病リスクとして挙げられるものがあるのかどうか、相当丁寧な、また精力的な議論と様々な成果を出していただいているということがありますので、拙速という言葉は相当しないとは思うのですけれども、一方で、今日は第7次の1回目ということで多くの議論の具体の中に一つ埋め込まれたと言うと言葉は適切ではありませんが、ワン・オブ・ゼムとして出てきたというところで十分な経緯の説明等ができなかったということが今回意見として出てきた大本ではないかと思います。

医学的あるいは栄養科学的な観点のコメントは極めて重要だと思います。一方で、消費者の受け止め方という点についてもまだ十分に議論ができていないと思いますので、こういったことも踏まえて、マル4に関してはこの部会でもう少し重点的に議論をさせていただきたいと思うところです。

チャットに御記入いただいた委員の皆様、そういう趣旨で受け止めさせていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

そうしましたら、この内容については部会長で預からせていただいて、今後の部会における継続の審議の在り方、あるいはそのタイミング、特にパブリックコメントをその中においてどういうふうに位置付けるかという点も含めて、消費者庁サイドと消費者委員会側と協議をさせていただき、また日程等を調整させていただきたいと思います。ありがとうございました。

それ以外の件については、パブコメの結果等を踏まえて、通知の改正に向かって進めていただくべく、また、改正後に関しても部会への報告をよろしくお願いいたします。

すみません、進行の要領が悪くて予定の時間を過ぎておりますけれども、まず、ここまでの議論は一つ区切りにさせていただきたいと思います。

なお、今日は傍聴はいらっしゃらないということなので、傍聴の退席に関しては必要ないということを承りました。


≪3.報告事項≫

・特定保健用食品の表示許可(規格基準・再許可)

○受田部会長 それでは、報告事項に入ってまいります。

報告事項に関しては、規格基準型・再許可の許可表示に関してでございます。消費者庁より御説明をお願いいたします。

○消費者庁食品表示企画課 消費者庁より御報告させていただきます。お手元に資料2を御用意ください。

本日の参考資料6にあります部会長決定に基づきまして、規格基準型及び再許可等の区分で許可を行った際には、部会への事後報告を行うこととされています。そのため、前回8月の部会以降に許可を行った製品について御報告申し上げます。

まず、一つ目の製品ですけれども、令和3年8月20日に許可をしております、製品名が「みなさまのお墨付きおさかなソーセージ」、申請者がマルハニチロ株式会社、関与成分はカルシウムとなっております。表示の内容は、カルシウムによる骨粗しょう症になるリスクを低減するという疾病リスク低減表示になっております。

一番右端を御覧ください。元となる既許可品は「1秒オープンおさかなソーセージ」というもので、こちらは同一の商品で、商品名のみが異なるものになっております。

二つ目の商品は、令和3年9月28日許可で、「メタックα」という製品名でございます。申請者は株式会社ニューアート・ヘルス&ビューティー、関与成分はグロビンたん白分解物でございます。表示内容は、脂肪の多い食事を摂りがちな方に向けたものとなっております。

右端の元となる既許可品でございますが、「ナップルドリンク」という製品を元としております。こちらは申請者及び製品名が異なるものになっております。

三つ目の製品でございますけれども、令和3年11月4日に許可をしております、製品名「リカルデントフルーツアソートガム パイナップル&ライム」でございます。申請者はモンデリーズ・ジャパン株式会社、関与成分はCPP-ACPで、表示の内容は、歯を丈夫で健康にするのに役立つものとなっております。

右端の元となる既許可品でございますけれども、「リカルデントグレープ&ライムミントガム」というものの風味違いの製品になっております。

四つ目の製品は、令和3年11月29日に許可されました、「ヴァームスマートフィットウォーターアップル風味」でございます。申請者は株式会社明治、関与成分はアラニン/アルギニン/フェニルアラニンとなっておりまして、表示の内容は、BMIが高めの方に適する旨の表示となっております。

元となる既許可品は「ヴァームスマートフィットウォーター」でございまして、こちらは風味違いの製品となっております。

御報告は以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

まさに先ほど再許可という類型の表現方法のお話がありましたけれども、商品名のみを変更したり、申請者と商品名を変更したり、風味違いについての再許可という形で、今、御報告を頂いたところでございます。

何か御質問はございますでしょうか。特によろしいでしょうか。

チャットへの入力はないようですので、この件に関しては以上とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。


・特定保健用食品の審議状況

○受田部会長 次に、特定保健用食品の審議状況ということで、事務局より御説明をお願いいたします。

○消費者委員会事務局 それでは、特定保健用食品の審議状況について御説明いたします。資料3を御覧ください。

個別審議の標準処理期間に関する新開発食品調査部会決定では、1年に1度、諮問から答申までにかかった日数を事務局より当部会に報告することが定められております。今回は標準処理期間を定めた平成27年12月18日以降に諮問を受け、令和3年1月1日から令和3年12月31日の1年間に答申を行った品目の実績について御報告いたします。

昨年1年間で答申に至った品目は5品目、平均処理期間は85日という結果でした。

規程では「消費者委員会が内閣総理大臣から諮問を受けた日の翌日から6か月以内に、当該諮問に対する答申を発出するよう努めるものとする」とされておりますので、平均ではその範囲で終了しております。引き続き、目標達成に向けて努めてまいります。

なお、この期間の算定に当たっては、申請者が追加資料を提出するために要した時間や、食品安全委員会における審査期間は除外することとされておりますので、参考1に記載の諮問日から答申までの単純計算による日数とは異なるものとなります。

御参考までに、平成27年12月18日以降に諮問を受け、現在も審議が続いているのは参考2に記載のとおり1品目となっております。

報告は以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

ただいまの御説明に対して、何か御質問等はございますでしょうか。

よろしいでしょうか。

ありがとうございます。特にチャットへの入力は今のところ確認できませんので、この件に関しては以上とさせていただきたいと思います。

予定の時間をかなり過ぎてしまいまして、申し訳ございませんでした。特に今日、マル4のところでたくさんの御意見や質問が出てまいりました関係で、大分時間が超過いたしまして、大変申し訳ございませんでした。

先ほどのマル4については、途中でまとめさせていただいたように、更に皆様としっかりと議論をさせていただきたいと思っております。

また、検討会や調査事業等に関わってこられた委員の皆様もこの部会の委員としておられますので、その経緯等について、次回また参加されていたお立場でコメントを頂きたいと思うところです。


≪4.閉会≫

○受田部会長 それでは、本日の議事は以上となります。

事務局から連絡事項がありましたらお願いいたします。

○太田参事官 本日は、長時間にわたりまして御審議いただきまして、ありがとうございました。

次回の会議日程につきましては、調整の上、決まり次第御連絡させていただきます。次回もどうぞよろしくお願いいたします。

以上でございます。

○受田部会長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。

長時間、どうもありがとうございました。

(以上)