第76回 公共料金等専門調査会 議事録

日時

2023年4月25日(火)13:00~14:15

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

【専門委員】
野村座長、若林座長代理、河野委員、後藤委員、関口委員、坪田委員、寺田委員、長田委員
【消費者委員会担当委員】
大石委員
【説明者】
一般社団法人北海道消費者協会 武野伸二専務理事
北海道生活協同組合連合会 平照治専務理事
全国大学生活協同組合連合会 北海道ブロック学生事務局 尾崎洋人氏
山梨県消費者団体連絡協議会 斉藤いづみ事務局長
東京消費者団体連絡センター 小浦道子事務局長
【電力・ガス取引監視等委員会事務局】
池田取引監視課長
【消費者庁】
楢橋参事官(公益通報・協働担当)
【事務局】
小林事務局長、岡本審議官、友行参事官、事務局担当者

議事次第

  1. 開会
  2. 電気規制料金値上げ認可申請に関する地元消費者団体等との意見交換
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○友行参事官 皆様、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

ただいまから第76回「公共料金等専門調査会」を開催いたします。

本日は、星野委員が御欠席、野村座長をはじめ、その他の委員の皆様はテレビ会議システムにて御出席でございます。

また、消費者団体等の皆様、消費者庁の楢橋参事官にも御出席いただいております。電力・ガス取引監視等委員会事務局の池田課長も御出席予定でございますが、まだ到着されておりません。

議事に入る前に、配付資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第に配付資料を記載しておりますので、もし不足がございましたら事務局までお知らせください。

テレビ会議による開催に当たりましてお願い申し上げます。ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。画面は皆様オンにしていただければ幸いでございます。御発言の際は、あらかじめチャットでお知らせください。それを確認した座長から指名がありました後に発言をお願いいたします。

なお、一般傍聴者にはオンラインにて傍聴いただき、報道関係者のみ会場にて御参加いただいております。

議事録については、後日公開いたします。

それでは、野村座長、以降の議事進行をよろしくお願いいたします。

○野村座長 本日はどうかよろしくお願いいたします。

本日の進行についてでございますが、途中で私の回線が切れてしまった場合には、復旧するまでの間、座長代理に、座長代理の回線も併せて切れてしまった場合には、事務局に進行をお願いいたします。


≪2.電気規制料金値上げ認可申請に関する地元消費者団体等との意見交換≫

○野村座長 それでは、本日の議事に入らせていただきます。

本日は、電気規制料金値上げ申請に関して、消費者団体様と意見交換を行います。

2月20日の第73回専門調査会におきまして、東北電力管内等の4団体・5名の方から御意見を伺ったところです。本日は、北海道電力、東京電力エナジーパートナー管内の団体等、5団体・5名の皆様に御意見を伺いたいと考えております。

本日は、一般社団法人北海道消費者協会専務理事、武野様、北海道生活協同組合連合会専務理事、平様、全国大学生活協同組合連合会北海道ブロック学生事務局、尾崎様、山梨県消費者団体連絡協議会事務局長、斉藤様、東京消費者団体連絡センター事務局長、小浦様においでいただいております。お忙しい中、誠にありがとうございます。

各団体からそれぞれ10分程度で御発表いただきたいと思っております。その後、まとめて意見交換の時間とさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

それでは、まず、一般社団法人北海道消費者協会様から御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

○北海道消費者協会武野専務理事 北海道消費者協会専務理事、武野と申します。発言の機会を賜りましてありがとうございます。6点に絞って、お手元の資料に沿って発言をさせていただきます。先般、北海道電力の公聴会が開かれ、その際にもほぼ同様趣旨のことを発言させていただいております。

1点目は、電気料金の値上げは北海道民の暮らしを圧迫すること。積雪寒冷の北海道においては、暖房用のエネルギーの価格高騰は生死に関わる問題です。既に灯油価格の高騰はあるのですが、電気に関しても暖房用の使用が結構大きいことが分かっています。再計算した上げ幅が27.9%に圧縮されたとしても、道民生活になお深刻な影響を及ぼします。高齢世帯からは、既に切り詰めている食費をさらに切り詰めるしかない、食費で対応するしかないという悲痛な声が寄せられております。北海道消費者協会の試算では、私どもが価格調査を行っている灯油、ガソリンに加えて、電気と食品を合わせますと、年額20万円近い負担増となりました。お手元の資料にその内訳がございます。実質賃金や年金が伸び悩む中で、上げ幅は極力圧縮していただきたいというのがこの1点目です。

2点目です。基準燃料価格は厳格に査定すべきであること。為替レートや原油価格などは昨年12月以降大きく変動しております。北電には実勢価格での算定を申請当初から強く主張してきました。見直しの補正は当然のことだと考えます。今後も燃料費調整の上限、これは基準燃料価格の1.5倍になりますが、その上限が維持されるのであれば、基準価格は厳格に査定されるべきであります。特に今回は石炭価格の高騰が値上げの大きな要因であるという主張もされました。しかし、聞くところによると、海外炭の調達に当たっては個別の対応がほとんどであるということで、国内の電力会社が連携して価格交渉するといった徹底した工夫の余地はまだあるであろうと考えております。ひとたび上振れした価格で認可されると、電力会社には実質的に1.5倍までの裁量権を与えることに等しく、経営努力への意欲が減退する懸念さえ抱かざるを得ません。電力・ガス取引監視等委員会には、値上げの時期にこだわらない精緻で納得感のある査定をお願いしたいと思います。

3点目です。北電はさらなる経営努力を重ねるべきであること。お手元にありますように、北電の有価証券報告書の社員の平均年間給与の数値を拾い上げました。直近の22年3月期は737万円、前回値上げ後の15年3月期に比べると12.3%の伸びを示しております。22年4月に発送電の分離があり、社員構成が大きく変わったという事情があるにしても、北海道民に値上げへの理解を求めるのであれば、役員・社員の報酬・給与に関しては、さらに大胆に見直すべきであると考えます。料金制度専門会合でも指摘された超過労働給与、厚生費などの査定対象も当然ながら切り込んで見直すべきだと考えます。前期の株式の無配を表明した北電の社長は、その会見の際、可能な限り早期に復配することを表明しております。値上げで利益を確保し、それを次期配当の原資に充てるということは道義的にも許されるものではないと考えております。

4点目です。再エネ拡大の取組は十分であったか。北電の公表資料によれば、発受電電力量に占める自社水力・新エネの割合は、前回値上げ時に358億kwh中35億kwh、構成比にして9.8%でした。今回、同じ指標で見ると、283億kwhに対して33億kwh、構成比で11.7%、構成比ベースで1.9ポイントの増加にとどまっております。10年を経て2ポイントです。しかも、実数で見ますと、この10年間で2億kwhが実質マイナスになっております。これについてはとても理解に苦しむことです。福島原発事故後、国の再エネ導入方針の下、北電はどれだけ真剣に再エネ拡大に取り組んだのか。火発依存を続けた結果、燃料高騰を迎えたようにさえ見えます。この間の再エネ等への取組は十分だったのか、検証が必要だと考えています。

さらに今後の具体的な展望、2050年の脱炭素社会の実現は、国のみならず北海道においても道知事が表明した目標です。4月15、16日に札幌で開かれたG7気候・エネルギー・環境省会合では、洋上風力発電を21年比7倍にする共同声明を採択しております。再生可能エネルギーの拡大は時代の要請であり、料金値上げにより消費者に痛みを強いるのであれば、電力会社は今後の展望を明確にすべきだと考えます。

5点目は、原発再稼働からの脱却です。福島原発事故後、原子力発電が安全対策などによりコスト高となって、放射性廃棄物の処理や使用済み燃料の再処理、原子力施設の廃止などのバックエンドが見通せないことと併せると、中長期的には原子力発電への依存は望まれないと考えます。脱原発は不可能なことではなく、現にドイツは4月15日をもって国内の全原発の運転を停止し、脱原発を完了しました。北海道においては条例もあります。北海道消費者協会も安全性を重視したエネルギー政策を求めております。道民は福島原発事故後、泊原発の稼働なしでも夏冬の電力需要期を乗り越えてきました。11年間も停止している泊原発の再稼働を前提とした経営計画から脱却し、脱原発への道筋を示すことこそ、多くの道民の期待に応える道だと考えます。再稼働に向けた年間32億円の修繕費を原価に盛り込むことも不要だと考えます。

6点目は、激変緩和対策の継続と消費税の活用です。北海道電力が私どもの協会に示した補正後のモデル世帯の料金負担イメージは添付してある資料の下図にあるとおりです。モデル世帯の試算では、燃料価格が調整上限に達していた1月比でも20.8%の負担増となって、負担額は年額2万2000円にもなります。

繰り返しますが、実質賃金や年金が伸び悩む中、国民の負担感は強く、エネルギー価格が落ち着くまで、国の激変緩和対策は継続が望まれます。少なくとも値上げ分にかかった消費税、例えば20%の値上げだとすると10%として2ポイント分、それは原資として激変緩和対策を継続していただきたいと考えています。

私からは以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

そうしましたら、続きまして、北海道生活協同組合連合会様、よろしくお願いいたします。

○北海道生活協同組合連合会平専務理事 北海道生協連、平と申します。よろしくお願いいたします。このたび家庭用エネルギーにおいて、このような発言の機会をいただきましてありがとうございます。私のほうからは5点申し上げたいと思います。

1点目は電気料金の値上げについて、この間の連続する値上げ、物価高騰の中で、消費者にとって非常にこの電力料金の値上げは影響が大きいことから、値上げ幅は必要最低限としてくださいということでございます。エネルギー高、物価高騰により、消費者の家計は既に大きな影響を受けております。今回の値上げは、引上げ率が非常に高く、道民の生活に大きな影響を与えるものであります。総務省の発表する2020年度基準の北海道の消費者物価指数は、2023年1月で前年同月比4.7%上昇の105.1%となっており、19か月連続で近年にない高い伸びを示しています。とりわけ電気代が14.5%、ガス代が13.7%、灯油代が6.2%値上がりし、全体を押し上げています。一方、賃金の上昇は一律的には進まず、実質賃金のマイナスは11か月連続という報道となっております。とりわけ北海道に住む道民にとっては、この間の原油値上げによる灯油価格の高騰と併せ、光熱費の負担はさらに大きなものとなっています。

こうした中にあって、燃料費をはじめとした原価分の上昇については、公益的な性格を持つ電気料金への転嫁は抑制的に行うべきであり、値上げ幅を縮減する方向での検討をお願いします。

直近では、原油、燃料価格、円安の価格水準が落ち着いている現状に鑑み、再算定が行われましたけれども、さらなる検証を行っていただきたくお願いを申し上げます。

2点目は、泊原子力発電所の再稼働に関する費用の織り込みは、今回の値上げ理由から慎重な判断を求めます。とりわけ燃料費高騰に関する理由以外の原価算定期間に反映しない原発関連の修繕費などを除外してほしいということでございます。

今回、料金算定要領にて、修繕費については、事業各社一律に設定するのではなく、申請事業者ごとに、過去実績を基にした基準をメルクマールとして設定する。その際、修繕比率の算定期間は一定の長期間とすることとし、直近5か年を基本とするとしています。しかし、北海道電力は、修繕費のメルクマールの水準を超過しており、その超過の内訳は、原発関連を特殊要因としています。今回大幅な値上げ申請の局面でメルクマールを超えるものとして再稼働に必要な費用と再稼働時期に応じて追加的に必要となる費用を例外的に認めることは、消費者としては納得し難いです。百歩譲って再稼働による値下げ届出で再稼働に関する費用を修繕費に原価算入することが本来だと思います。

3点目は、北海道における北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例に沿い、原子力発電に頼らないエネルギー政策への転換に踏み出すべきだと考えます。特に北海道電力には、自然エネルギーのポテンシャルが高いと言われる北海道の再生可能エネルギー推進活用の実現への貢献を希望します。この2001年に施行された条例は、原子力は、放射性廃棄物の処理及び処分方法が確立されていないことなどの問題があることから、過渡期的なエネルギーとして位置づけられると規定し、脱原発の視点に立って、限りある資源を可能な限り将来に引き継ぐとともに、北海道内で自律的に確保できる新しいエネルギーの利用を拡大する責務を有するとしています。事業者の責務としても同様なことが盛り込まれており、北海道における電力について、北海道民はこの10年あまり原発が停止する中でもやってこられました。地球温暖化対策の世界的な枠組みの早期実現等、電力の安全、安定、安価の実現に向け、再生可能エネルギー推進政策へ転換していただくことを求めたいと思っています。

4点目は、消費者に分かりやすい内容の情報公表に徹底的に取り組んでくださいということと、今後の電力システム改革の政策的な変更及び補強が必要であると考えます。

北海道電力においては、低圧の契約者のうち、規制部門の契約者は240万件、75%となっており、電力自由化が導入されましたけれども、スイッチングがあまり進んでいないのが現状と思われます。逆に北海道ではオール電化住宅の方は過去2度の値上げで日本一高い電気料金にもなり、今回の値上げの影響は深刻です。

多くの利用者にとって、電気料金の仕組みや値上げに関する情報は専門的であり理解しづらく、意見を出しにくい状況になっていますし、特に高止まりする家庭用エネルギー動向において、寒冷地北海道における燃焼設備を含む家庭内のエネルギーミックスの選択情報の分かりやすさなど、消費者基本法にある消費者の権利が確保できるよう配慮を求めたいと思います。

また、昨今の報道にあるように、国が進めてきた2016年以降の家庭用エネルギーの電力自由化について、新電力の撤退、関西電力のカルテルに見られるように当初想定していたコストが下がっていくというような競争環境が整備されたとは言い難く、今後の電力システム改革の政策的な検証・補強が必要と考えます。

また、GX方針に関しまして、原発依存の体制維持は、放射性廃棄物の処理及び処分場のコストなど電気料金に含まれる負担増加の問題を抱えています。原発回帰ではなくて、エネルギーに関する全体のコストが下がるような蓄電技術、省電力など省エネ技術などの投資、開発こそ国及び電気事業者が取り組むことを要望します。

5点目は、社会政策として、家庭用エネルギーに関する料金は、消費税の軽減税率の対象とすることを要望します。今後、電力の完全自由化が進められる方向であることを踏まえ、電気料金は、生活必需品であり、教育・医療・福祉施設など社会保障や行政サービスなどに大きく影響します。現在の政府の激変緩和は限定的であり、値上げ分の消費税相当は税収となることからも今後の負担増への軽減策として検討されるべきと考えます。

以上でございます。御清聴ありがとうございました。

○野村座長 ありがとうございました。

そうしましたら、続きまして、全国大学生活協同組合連合会様、お願いいたします。

○全国大学生活協同組合連合会尾崎氏 全国大学生協連北海道ブロック学生事務局の尾崎と申します。まずはこのような場に呼んでいただき、ありがとうございます。今回、電気代の値上げに関して、僣越ながら学生目線での意見のほうを話させていただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。

まず、自分が住んでいる北海道では、今年の6月に電気代が10%以上値上げされるということが発表済みかと思いますが、これにより、自分やほかの学生の暮らしが今以上に苦しくなるということが予想されますので、このことについてお話をさせていただきたいです。

現在、我々大学生は、実家暮らしをしている方や一人暮らしをしている方がいます。特に一人暮らしについて、自分もそうなのですが、毎月光熱費を自分の口座から支払っています。自分の収入源についてですが、自分は入学時に家の経済状況を考えて奨学金を今借りているという状況で、ほかは実家からの仕送りや、あとは、今はあまり入れられていないですが、短期のアルバイト、あと、今やらせていただいている学生事務局の活動費から生計を立てているという状況です。

また、今回の電気代だけでなく、家賃だったりとか食費、あとは日用品でもお金を使いますから、生活がいつも安定しているとは言い難い状況です。さらに、昨今の世界情勢などにより物価が日々上昇し続けているかと思います。特に食品について顕著であると感じていますが、大学生協の食堂や購買において食品類の値上げが相次いでおり、10円以上値上げしているものもあり、これは小さな変化ではないなと感じているところです。

こうした食費の値上げが顕著な中、電気代までも値上げがされるというところで、学生としては正直つらいということです。自分としては、今、4年次なのですが、これから大学での研究が本格化して、収入が今以上になるということは考えづらいし、ほかの人も同じような状況かと思います。また、最低賃金は最近上がってきてはいますが、それ以上に値上げがいろいろなところで広がっているため、暮らしがこれ以上よくなるということはないと思います。

今回、こうした値上げのほうが発表されていますが、果たしてこれらが値下げにより元に戻る可能性があるのかというところはちょっと疑問に考えています。個人的な考えですが、今の状況を見ると、今後ももっと値上げが行われてしまうのではないかと、もしそうなってしまえば学生にとってはすごく耐え難いものだと感じています。

自分の物件はオール電化ではないですが、学生ではオール電化物件に住んでいる方もおり、北海道だとやはり暖房代だとかを含めてかなり電気代は現在においても高いし、これ以上電気代が上がるというのは大打撃であるなと感じています。

ただ、発表時に、値上げをしたから払ってください、よろしくお願いしますと言われてしまえば、こちらはもう払うしかないのは当然なのですが、お金というのは無限には湧き出てこないというところで、そういった値上げをするのにアルバイトのところでたくさんお金を稼ごうと、生活費だったりを稼ごうとしている人は何とか103万円を超えないようにしているのですが、これはそのままなので、さらに値上げが重なって、結果的に学生は追い詰められているというところで、自分だけでなく、ほかの学生の皆さんも苦しいという状況になっています。

以上のように、自分やほかの一人暮らし学生の生活状況や今の世界情勢のほうから意見をさせていただいた上で、また繰り返しになるのですが、電気料の値上げは学生にとっては非常に大変なことです。

以上になります。ありがとうございました。

○野村座長 ありがとうございました。

そうしましたら、続いて、山梨県消費者団体連絡協議会様、よろしくお願いいたします。

○山梨県消費者団体連絡協議会斉藤事務局長 山梨県消費者団体連絡協議会の斉藤と申します。本日はよろしくお願いいたします。

それでは、東京電力エナジーパートナー株式会社の電気料金値上げ申請に関する意見を5項目に分けて述べさせていただきます。

まず1点目ですが、国民生活に与える影響について。食料品や生活用品全体の価格が高騰し、消費者の暮らしが極めて厳しくなっている中で、生活に欠かせない電気についても、燃料費調達制度などにより、一昨年の秋以降、家庭向け電気料金は25から30%の値上げがされています。1月の電気料金の請求を見て悲鳴を上げた人は少なくありません。先ほどからの北海道の方々の報告で冬場の暖房の電力については相当大変なことがあるとは思いますが、今後、関東のほうでは夏場の猛暑がやってきます。夏の熱中症の対策がどうしても欠かせないわけですけれども、やはりそういうところでも我慢してしまうのではないかというような懸念もあります。今回の値上げ申請は、そこからさらなる値上げであり、圧縮されたとはいえ、引上げ率が大きく、国民生活に与える影響は極めて大きいものがあります。

政府が電気料金の高騰対策として打ち出した補助があっても消費者の負担は大きく、かつその対策も実施期間が限られているため、負担はさらに大きくなります。特に低所得者及び生活困窮者へは十分な配慮が必要です。生活を支えるインフラを扱う企業としての社会的な配慮を求めます。

また、安定的な供給のため、上げざるを得ないと言われますと、もうそこは有無を言わせないといいますか、関東でも山梨のような地方ですと電力会社の選択肢もそんなにたくさんありません。結局そこで仕方がなく諦めざるを得ないというようなこともございます。

2点目です。経営効率化について。東電からは経営効率化の取組が示されております。私が見た資料は1月23日付ですが、プロの経営者ではありませんので、消費者には複雑で非常に分かりにくい内容です。ですから、合理的で適正な取組なのか、また社会的に見て妥当性を欠く値上げはないかなどの精査をしていただく必要があるかなと思います。

大企業である東京電力は、そもそも給料手当の水準が高く、毎年賃上げの予定もあるようです。一方、多くの消費者は賃上げも年金も上がらない、わずかに上がったとしても物価高には到底追いつかないという生活の中で、高騰する電気料金を払わなければならないというのは納得いかないという思いがあります。

また、総括原価方式は、コスト削減の努力が行われにくいといった問題を抱えている仕組みと思われます。現行の総括原価方式の見直しも必要なのではないでしょうか。なお、経営効率化のためとして、原子力発電の運転期間を延長するなどの原子力発電の利用推進には反対をいたします。

3点目です。燃料費の価格変動について。今回の値上げ申請理由の大きな部分を占めているのは、燃料費の高騰が激しく、燃料費調達制度の上限値に到達したために、それを超える部分を電力会社が負担していることによるものですが、今回の値上げにより規制料金の上限が上がることになるのですが、燃料費が下がった場合にどうなるか、その燃料費の下落に合わせて電気料金が下がる仕組みになるように要望をいたします。

4点目です。これまでの再生可能エネルギーへの取組の総括と今後の導入・普及拡大について。東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、火力発電の比率が一時的に高くならざるを得ない中で、電力会社は自らの再生可能エネルギー導入にどれだけ取り組んできたのでしょうか。導入に努力してきたとはとても思えません。火力発電への依存を続けてきた結果、今回の燃料費高騰に対処し切れなくなったということではないでしょうか。燃料価格が比較的安定していた2020年以前に、再生可能エネルギー導入をもっと推進できたのではないでしょうか。

燃料費の動向に左右されず、エネルギーの安定確保への寄与なども期待できる再生可能エネルギーの導入・普及拡大を最大限に進めるべきと考えます。また、原子力バックエンド費用をはじめ、原子力発電には費用が大きくかかっています。今後も増加傾向が続く見通しであるならば、原子力発電にコストをかけて使い続けることを見直すべきと考えます。

5点目です。これは電力会社に対してというよりも国のエネルギー政策についてですが、国の方針としても、エネルギーの安全保障と持続可能なエネルギー政策の観点から、再生可能エネルギーを第一としたエネルギー政策に大きく転換すべき時です。燃料費高騰及び今回の値上げ申請が国民生活にとってかつてない大きな負担を与えていることを大きな転換点と捉え、危機感を持って再生可能エネルギーの普及拡大を急ぐということを強く求めます。

以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

そうしましたら、最後になりましたが、東京消費者団体連絡センター様、よろしくお願いいたします。

○東京消費者団体連絡センター小浦事務局長 東京消費者団体連絡センターで事務局長をしております小浦と申します。東京電力エナジーパートナー株式会社の電気料金値上げ申請についての意見を申し述べさせていただきます。私からは4点です。

一つ目です。値上げ幅の圧縮に向けた経営の効率化をさらに検討していただきたい。今年1月に東京電力エナジーパートナー株式会社は、昨今の世界的な資源価格の高騰を背景に家庭向け規制料金の値上げ申請を行いました。しかし、申請後、燃料価格等が一転して低下傾向となっていることを背景に、これらの市況を適切に反映するため、申請内容の再算定を実施して、規制料金の値上げ率を平均29.3%から平均17.6%に引き下げて3月30日に再提出をしております。再算定の結果、11.7%分の圧縮となりました。これだけのものを圧縮できたというところは多少評価できますけれども、この内容で認められた場合、規制料金の標準家庭の値上げ幅は1,558円となります。既に燃料費調整制度により一昨年の秋以降、家庭向け電気料金は25から30%値上げされています。食品など暮らしに必要な生活用品全体の価格も上がっており、さらにここで1,558円の値上げをされますと、家計には非常に大きな負担をかけることになります。値上げ幅の圧縮に向けた経営の効率化をさらに検討していただきたいと思っています。

二つ目です。電気料金値上げが認められた場合、生活困窮者への配慮をお願いします。電気は生活していくために必要で、なくてはならないインフラです。低所得者や生活困窮者は、これまでの物価の高騰により経済的に苦しい生活を強いられています。電気料金の値上げ審査が認められた場合、料金を滞納してしまうということも考えられます。低所得者や生活困窮者に対して料金の支払いの相談に応じるなど、そういう方たちの生活が困らないよう配慮をお願いいたします。

三つ目です。柏崎刈羽原子力発電所6号機、7号機の再稼働に反対します。4月7日に開催された公聴会に東京電力エナジーパートナー株式会社が提出された資料には、値上げ幅の一部抑制のために、柏崎刈羽原子力発電所の7号機は2023年10月、6号機は2025年4月に再稼働することを織り込んでいるとの説明がありました。さらに、国では原発回帰の動きがありますが、国民の大多数は原発再稼働に反対しています。値上げ幅の一部抑制のために柏崎刈羽原子力発電所の7号機、6号機の再稼働を織り込むことに消費者の理解は到底得られるものではありません。柏崎刈羽原子力発電所6号機、7号機の再稼働に反対します。

四つ目です。再生可能エネルギーの主力電源化を進めてください。今回のような世界情勢を背景とした資源価格の高騰は今後も起こる可能性が考えられます。CO2削減を進めるためにも、事故のリスクが高い原発に頼るのではなく、再生可能エネルギーの主力電源化を今こそ進めるべきだと考えております。

この中には書いておりませんが、皆様の御意見と同様、これまでどこまで本気で再生可能エネルギーを拡大することを進めてこられられたのかというのはとても疑問が残ります。公聴会においても、それに関してあまり詳しく言及もされておりませんでしたので、さらにここを強く求めたいと思っております。

以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

そうしましたら、5名の方の御意見、分かりやすく表明していただいたところです。専門調査会委員の先生方から御発言、御質問、御意見を伺いたいと思います。いつもどおり、最初に御発言いただいた後はチャットのほうへ順番を記していただくようにお願いしたいと思います。どなたからでも結構でございます。

ないでしょうか。

では、私から。やはり学生さんの御意見はかなりインパクトがありました。学生同士でもこういうことがかなり話題になっているのかなというふうにも思っています。やはり食費との兼ね合い、それから家賃との兼ね合いがあると思うのですが、実家暮らしをしている場合にはあまり関心度が高くないような人もおられるかもしれませんが、尾崎様の感覚で結構です。家計簿をつけていれば精緻な数字のほうがよいのですが、支出全体、家賃ですとか日用品ということをおっしゃっていましたが、その中で水道代はちょっと省いていただいて、電気・ガス代、これがセットで払っている場合はその比率でも結構ですが、電気代だけ別に払っている場合は電気代で教えていただきたいのですが、その消費している支出額の中の比率として、ラフで結構ですが、分かったら教えていただけますか。

○全国大学生活協同組合連合会尾崎氏 こちらはちょっと正確には調べてはいないのですが、家賃とあとは食費、日用品とかが結構あって、その中で電気代というと、多分二、三割ぐらいなのかなという感じがします。自分のところはガスをつかっているので、結構電気代よりはガスのほうが多くなっているんですが、オール電化の物件の方は、そこのガスの部分が全て電気に変わっているので、もっと比率は大きくなるのかなと感じているところです。

○野村座長 分かりました。ありがとうございます。そうすると、尾崎さんの場合には、ガス代も含めるともう3割を超えてしまうという理解でよろしいですか。

○全国大学生活協同組合連合会尾崎氏 そうです。合わせるとそれぐらいかなと思っています。

○野村座長 分かりました。ありがとうございます。

そうしましたら、別の質問に移らせていただきます。まず、大石委員からお願いいたします。

○大石委員 ありがとうございます。皆様、御説明ありがとうございました。まず、北海道電力の件で武野様、それから平様、尾崎様から御意見いただきました。北海道というのは、もともとはとても寒いところなので、暖房はかつては灯油でないと言われていたところ、学生さんのお話もありましたけれども、最近はマンションですとかアパートが増えて、灯油を使ってはいけないということで暖房を電気で賄う必要が大変大きくなっており、それの分だけ、やはり今回の電気代の値上げというのは北海道の皆様には大変厳しかったのではないかなと思っております。

それで、説明いただいた中で一つ不思議だったのは、再生可能エネルギーが北海道であまり進んでいないというところで、これは武野様のお話でしたかね。日本の中で再生可能エネルギーを進めるというのであれば、まずは北海道であろうと。北海道で進まなければ日本のほかではどこで進むんだろうという思いがあるのですけれども、実感として、なぜ北海道でも再生可能エネルギーが進まないのか、質問するのは失礼かもしれませんけれども、何か思われるところがあれば、特に武野様ですかね。お聞かせいただければというのがまず一つです。

それから、東京電力のほう、小浦様、斉藤様、ありがとうございました。逆に、北海道も夏もこの頃はエアコンがないと生活できないということで、夏は北海道も大変だと思うのですけれども、特に東京など都心は温暖化の影響で本当にエアコンというのが必需品になっております。暖房で冬もエアコンを使い、特に夏は今後またエアコンを使うという必要性がさらに出てくるわけですけれども、今回のお話の中で、やはり弱者といいますか、本当に生活に困窮されている方への配慮が必要だということを私もかねがね思っているのです。政府としてはいろいろな方策をしていますけれども、どの辺りにまだ考えが足りないのかというところ、もし何かお気づきのことがあれば、小浦さん、それから斉藤さんに教えていただければと思います。

以上です。

○野村座長 そうしましたら、第1点目、武野様、よろしくお願いいたします。

○北海道消費者協会武野専務理事 御質問ありがとうございます。私どもの調査では、北海道で灯油を暖房に使う世帯は8割以上ですけれども、電気も5割に近く、増えてきております。したがって、御質問の趣旨は正にそのとおりです。

北海道はなぜ再エネ発電が進まないのか、詳細な分析は残念ながらしていないのですが、最近見た報道では出力制御の問題ですね。これまで10年以上にわたって再エネをもっとやりなさいよと国からも、民間からも言われていたにもかかわらず、なかなか普及しない。それは電力事業者任せにしているというよりは、再エネを取り込んで、どうそれを電気として、商品として使うのかという仕組みだと思います。発電量と供給量が一致していないと電気は商品にならないというのは承知しております。したがって、再エネでどんどん電気を起こした場合、特に今ぐらいでしょうか。冬が終わって天気がよくなると太陽光発電が増えるのですが、それを使うほうが逆に減っていく。それをどうためておくのか。電力をためる仕組みとセットで進めないと、今後も出力制御が起こって、再エネによる電気がせっかくできても使えないことになるのではないかと思います。

そんなふうに感想を持っています。以上です。

○大石委員 ありがとうございました。

○野村座長 そうしましたら、2点目の小浦様、斉藤様、お願いいたします。

○東京消費者団体連絡センター小浦事務局長 では、小浦のほうから先に。大石様、御質問ありがとうございました。やはり今、生活困窮をされている方、まず食料品の支援ということでフードバンクですとか、あとはNPOや生協の方たちが決まった日に食料品をお渡しするという機会には、回を追うごとに列に並ぶ方たちが増えているという状況は、食料品を買う事が本当に大変な方たちが増えているんだということだと思うのです。

電気の関係に関して、まだ数字というのは出てきていませんで、これからなのだと思うのです。食べることはそういうことで少し支援があるのですけれども、やはりそれぞれが各自おうちに帰られたら、あまりにも寒ければ暖房も少しは使いたいでしょうし、夏の暑さでは熱中症を避けるためにエアコンも使いましょうという政府からの広報があっても、なかなかそこは使えないんじゃないかなという、本当にまだ想像の限りですけれども、そういうことがあるのだと思います。

ですから、そういうことに関しても、これからいろいろな声が出てくるのは、もし値上げの申請が通った場合、出てくるのだとは思いますので、今から、東京電力エナジーパートナーさんも民間の企業ですので、利益は上げなければいけないとは思うのですけれども、やはりそういう方たちへ申請があった場合には、一般の方よりは何割か減らすとか、支払いを待つといってもまたその先には払わなければいけませんので、ほかの方よりは少し低価格といいますか、何割か減というような形、そういったこともどうしても大切なインフラを担っている、半分は公的な企業だとも言えますので、そういったところを考えていっていただけるといいなと思っております。

何も数値もなくて感覚的なものでお答えしてしまいましたけれども、以上です。

○野村座長 では、斉藤様、お願いいたします。

○山梨県消費者団体連絡協議会斉藤事務局長 今、小浦さんのお話にあったように、フードバンクなどの食料の支援等はあると思うのですが、実際にこれについても、少し電気とは離れますが、民間の力に頼ってやれていることであり、行政が民間に任せてしまっている部分があると思います。民間の助け合いが進むことはいいことですけれども、それだけでいいのかという思いはあります。

また、電気料金のほうに戻りますけれども、国が一時的に期間限定で電気代の補助の政策も出しているのですが、地方でも各県なり市町村なりで何かしら生活困窮者への補助等を考えてもらえないかというようなことはあります。例えばこちらのほうでは新日本婦人の会の方たちが地元行政への要望に動いたりというようなことも聞いておりますけれども、なかなか手応えがないと聞いています。感覚的に行政のほうはまだそこまで生活困窮者のところに寄り添ってもらえていないのかなというか、的外れな答えが返ってきているというふうにも聞いております。地方自治体の補助ということも進んでくるといいのではないかなと思います。

また、もちろん生活困窮者や低年金の人たちへの補助が一番優先なのですが、生活困窮者とは言えないかもしれないけれども、普通の庶民も非常に今、全ての生活必需品の高騰に苦しんでいると言えるのですよね。だから、やはり電気料金という生活に欠かせないものが上がることの影響の大きさというのを感じてもらいたいと思っております。

以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

大石委員、よろしいでしょうか。

○大石委員 ありがとうございました。いろいろお聞かせいただきまして、ありがとうございます。

○野村座長 そうしましたら、河野委員からお願いしたいと思います。

○河野委員 皆様、こんにちは。日本消費者協会の河野でございます。本日は皆様からの御意見を拝聴いたしまして、私も消費者でございますから、本当に今回の値上げに関しましては皆様と全く同じ思いでおりまして、厳しい状況であるというふうに感じております。

その上で、幾つか皆様の御意見の中で共通していると思った点について伺えればと思います。それは、システム改革によって電力が自由化になりました。今現在も規制料金と自由料金、私たち一般家庭でもそれぞれ選択できるというふうな状況になっています。皆様は今、規制料金でいらっしゃるのか、それとも自由料金でいらっしゃるのか、皆様の周囲でも様々な契約、選択によって選ばれていると思います。その辺りを選択する時に、どこから情報を取られて、どういう判断の下にそういう状況になっているのか。何もしないでそのままここまで来ているということもあるでしょうし、それから、いっときセットで契約するととてもお得ですよというCM等が多かった時期もありますので、5人の皆様からそういったところで今の情報提供と選択に関して何か御示唆をいただければというのが1点目です。

同じく2点目は、情報提供についてですけれども、この間、値上げ申請をした電力各社からはレベニューキャップ料金というか、送配電に関する料金もこの4月から値上げになっておりまして、それも含めて電気料金関係はホームページでしっかりと公表する。さらにはそのホームページで公表した内容を分かりやすく展開する。加えて、消費者団体と自治体等には出向いて説明する、又は説明会を開いているというふうな情報提供がございます。ちなみに、北海道電力管内、それから東京電力エナジーパートナー管内で、皆様に対して今回の値上げ申請に関連することで説明があったのか、説明の機会に気がつかなかったのか、出向いて説明をいただいたのか、それで不安な部分が解消されたのか、電力会社からの説明に関してコメントがあればいただければというふうに思います。よろしくお願いします。

○野村座長 ありがとうございます。

そうしましたら、先ほどの御報告の順番でこの2点に関してお答えいただけると助かります。武野様からお願いします。

○北海道消費者協会武野専務理事 1点目は難しい御質問で、規制料金、自由料金、あるいは自由料金の中の各社の中でどういう情報提供があって、どういう選択が行われたのかと。私個人の体験でいきますと、携帯のキャリア関連のところに大分前に切り替え、現在、かなり高くなっていますけれども継続しています。周辺では、北電の規制料金が頭打ちになり、割安感があるということで、規制料金に戻るというおうちが結構あるやに聞いています。

生協連の平専務がおっしゃっていたように、北海道で規制料金の割合は大体75%ぐらいでしたが、その比率が高くなっていると聞いています。報道されて規制料金が標準世帯で、この程度の金額だと情報開示される中で、揺り戻しが加速しているような印象は受けています。

二つ目ですが、北海道消費者協会は北海道電力が10年前と9年前に値上げをした時にも意見表明などをしましたが、私がこの職に就いてから北電から何らかの説明の機会を得たのは、今回の値上げ申請後が初めてでした。その後、意見表明を行い、期日を切って回答を求めたこともあって、その後、定期的な情報交換があります。執行役員レベルで御回答いただいているので、それ以降は、丁寧な対応をいただいているとは思いますが、残念ながらそれ以前はほぼ何もなかったと思います。

その意見交換の場で、こういった意見交換を、北海道は広いので、もっと地域レベルで開催してはいかがでしょうかと提案をしたのですが、明確な回答はありませんでした。

○野村座長 ありがとうございます。

引き続き、平様、お願いいたします。

○北海道生活協同組合連合会平専務理事 北海道生協連の平でございます。まず最初の御質問でございますけれども、自由料金か規制料金かという選択について、当初、オール電化住宅が宣伝された時には自由料金が消費者の皆さんはより安いほうということで宣伝されたと思うのですけれども、実際、オール電化住宅というのは、私が聞いている範囲では10%若しくはアパート、マンションも含めると2割ぐらいじゃないか。発電量としては5割から6割以上になっていると伺っておりますけれども、実際上、切り替えられた方は大変苦労されているというふうに伺っています。

私はもともと原発とかに頼らないということで、新電力に切り替えていたので、値上げを既に味わっておりまして、これ以上どうするんだという話は非常に悩ましい問題かなと思っています。革新的な消費者の皆さんは、新電力とか自由料金のほうで選択された方も多いのではないかなと思います。先ほど言ったような家の設備を、北海道で急にストーブとか暖房設備を給湯も含めて切り替えるというのは非常に大変な投資が必要ですので、逆に真面目に今の地球温暖化の問題とかを考えられている方は、今後どういうエネルギーミックスをしていったらいいのかが分からないということと、また、今、非常に多いのはセット料金ですね。灯油、ガス、電気ということの組合せの中で、どれを選んだらいいかということになっていますが、新電力さんがこの間の値上げでそういう宣伝があまりしづらくなっているので、逆にこの後、どのような宣伝になっていくかというと、多分、北電さんより安いですよということが宣伝の情報になっていて、そこに対する価値観で選択されていくのではないかなと思います。

あと、説明については、先ほど消費者協会の武野専務がいろいろ北電さんに申し出ていただいた後、私どもに説明に来ていただきました。ただ、全道を対象にそういう説明会を設けるとか、そういうことはどうなんでしょうかというと、お返事が、検討しますと言った後、2か月近くたってから、対応できますと言ってきたので、もう結構ですということでお断りした経過があります。

以上でございます。

○野村座長 ありがとうございました。

引き続き、尾崎様、お願いいたします。

○全国大学生活協同組合連合会尾崎氏 自由料金と規制料金についてですが、ちょっと自分はあまりまだそこまで詳しくないのですが、今調べているところによると、やはりプランとかそういう話が出てきて、そういえば以前、プランを変えると電気代が安くなりますよといった電話が来たりしたのを思い出したんですが、そういった感じで今後、値上げに合わせてそういう電話が学生さんに来るんじゃないかなと思ったので、学生目線で言うと、そういうところで、多分おのおのどういうプランなのかというのはあまり分かっていないので、逆にそういうところでトラブルとかになったらどうしようかなと考えていたので、ちょっとそこが心配だなと感じました。

○野村座長 分かりました。

あとは、情報に関しては、ふだんホームページとかをチェックするような習慣はございますか。気になった時に見ているだけで、あまり北海道電力管内以外の全国のを見たりはされませんか。

○全国大学生活協同組合連合会尾崎氏 そうですね。そういう電話が来た時に調べたりとかはしますが、基本的にはあまりちょっとそこまで手が回っていないなという感じで、そういう話とかはしていない。ただ、この話を機に調べなければいけないなという感じがしたので、ほかの人にもそういうことは伝えていくべきかなと、今考えているところです。

○野村座長 ありがとうございます。是非そのような行動を学生さんも取っていただくと助かります。先ほど河野委員からレベニューキャップという専門用語が出ましたが、もう既にそういう料金が動いておりますので、そこの理解も深めていただければなと思います。ありがとうございました。

それでは、斉藤様、お願いいたします。

○山梨県消費者団体連絡協議会斉藤事務局長 一つ目の質問ですが、何を選択するかというのも、普通の消費者にとってはなかなか判断が難しくて、私自身もそんなに詳しく見たことがなく、このセット料金とかいろいろなプランも、どこか信用していないという言い方は変ですけれども、お得なように見えて、実はどうなのかというところはあります。電気料金にかかわらず、今いろいろな料金の形態が複雑で、例えば携帯電話などもそうですけれども、セット料金とか何々プランなど、複雑だけれども、実際にどれが一番いいのか、本当に調べてみたらあまり変わらないんじゃないだろうかとも思います。専門的なことを勉強して、詳しいプランを精査してという消費者がそれほど多くいるとも思えませんし、何が一番いいのかというふうに判断できる材料は、なかなか簡単には得られていないのではないかなと思います。

二つ目ですが、私どものところには一度もそういう説明をしますという連絡があったことはございません。こちらからも説明をしてくださいというふうにお願いはしておりませんので、一度も説明の機会はないということです。あと、今、電気料金の各家庭への毎月の通知も紙ではなくホームページでというふうになってきて、我が家もそうしているのですが、逆にそうなると意識しなくなりがちです。毎月ポストに入っていると、必ず目を通したり、家族も見たりということがあるのですが、ホームページは誰かが見てチェックしていればいいとか、あえて頻繁に見ないということになっています。一般消費者の感覚では、自らちゃんとチェックするということも、日々の雑多な生活の中では大変なのかなという思いも持っております。

以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

最後になりましたが、小浦様、お願いいたします。

○東京消費者団体連絡センター小浦事務局長 河野さん、御質問ありがとうございました。一つ目のところなのですけれども、私が勤めておりますところは東京都生協連の事務所の中にありまして、一緒に働いていますので、生協の方たちが中心ですので、生協もそれぞれが電気料金の小売をやっていますので、皆さん自分の所属されている生協のそういったところを利用している。ですから、情報もたくさん組合員に向けてありますので、それを選択されているというのが周りの人たちの現状です。

私、個人的なことで、生協が始める前に東京ガスさんのほうの水素で発電をするという機械をつけていましたので、ちょっと名前は忘れたのですけれども、東京電力の火力発電よりはLNGを使ってのほうがCO2の削減が半分だとかという情報も入ってきていましたので、そちらへ切り替えたというところです。

私もそうですけれども、周りの皆さんも今、自由料金を選択していて、かなり高くはなっているのだけれども、やはり自分たちもそこを支えていくというのは大変なのですけれども、我慢しながら続けているという人たちがほとんどです。

二つ目の消費者団体へ説明があるかということなのですけれども、やはり東電は福島の事故がありましたので、主にALPS処理水の海洋放出ですとか、消費者に理解を求めなければいけないことがいろいろありますので、そういった時には事務所まで出向いてくださって、説明を受けたことは何度もあります。

あと、今回の値上げに関しては、手が回り切らないのか、こういうことをプレスリリースしたので是非ホームページを見てくださいというメールでの御案内でしたね。ホームページを見ると、確かに書いてはあるのですけれども、そういうことも関係なくただホームページを開きますと、やはり自由料金への移行のお勧めですとか、今はきっと価格が逆転しているのだと思うのですけれども、それが一番最初に出てくるので、不思議だなとか思いながら見ているところです。

以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

河野委員、いかがでしょうか。

○河野委員 皆様、どうもありがとうございました。電力会社さんからは、是非こういう機会に経営努力ですとか電源構成の在り方、今後どう考えているか等をもう少し丁寧に一般社会に向けて説明していただければいいかなと思って聞いておりました。どうもありがとうございました。

○野村座長 ありがとうございます。

そうしましたら、ほかの委員の先生からお願いしたいのですが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

若林委員、お願いいたします。

○若林座長代理 若林と申します。皆様の御説明、どうもありがとうございました。

私のほうからは1点御質問をさせていただきたいのですけれども、まず、全国大学生協の尾崎さんに、先ほど情報提供というのでしょうか、調べたりするということは機会があまりなかったのだけれども、これからそういうことを調べていきたいし、他のお友達にもそういうことを進めていきたいというようなことをおっしゃっていたのですけれども、多分、エネ庁、お役所のほうも、それから事業者のほうも情報提供する際に、どうやったら伝わるだろうということを苦労されている部分もあるんじゃないかなというふうに思うのですね。こういうような形で情報発信してくれれば伝わりやすいのにとか、御自分が見る機会、あるいは聞く機会が増えるのにというような、もしアイデアがあったら教えていただきたいというのがまず第一の質問です。

それから、もう1点は時間があればなのですけれども、今日の御説明者の皆様にというよりは、今日電取委の方がいらしているかと思うのですけれども、先ほどの平様の御質問で修繕費の話がございました。この修繕費の実際の審査に当たっては、申請事業者ごとにということで申請があると。北海道電力については水準を超過しているという御指摘もあったのですけれども、このような形での審査の方法を取っているということについての基本的な考え方の確認と、それから、これをどのように効率的な形で査定をされているのかという方法と、それから、もし可能であれば、北海道電力についての平様の御指摘に対するコメント等も、可能な範囲で結構ですので、お願いできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○野村座長 そうしましたら、最初に尾崎様、望ましい情報提供、何か御提案があればお願いしたいのですが。

○全国大学生活協同組合連合会尾崎氏 多分、電気代が上がるというのを少し知っている人は調べれば出てくるかなと思うんですけれども、それ以外のまだあまり知らない人に向けてというところだと、まず一つはテレビのニュースというのが一番出るかなと思うんですが、ただ、最近の人はあまりニュースとかテレビを見ない人が増えてきているので、一番近いというと、ちょっと手間かもしれないのですが、大学でやってもらう。大学ごとに発信を積極的にしてもらうのが多分一番目に入るかなと思います。あとは手紙とかそういう形でしょうかね。どうしても目に入るような場所に来るというのが一番見やすいかと思うので、そこぐらいだと思います。

○野村座長 ありがとうございます。大学でというのは、私たちは関係者が多いのですが、メール配信なのか、あるいは授業なのか、あるいはもうちょっと事業者か行政の方に来ていただくとか、何か具体的に賛成できるよというような形があればお教えください。

○全国大学生活協同組合連合会尾崎氏 大学からの連絡のところにそういう形を入れると、見る人は見るかなと思うんですが、一番見るのは何かしら講義とか授業とかそこら辺でそういう話が出ると聞きやすいかなと思います。ただ、まずはそういう配信、お知らせのところから出るのが第一歩かなと個人的には思っています。

○野村座長 分かりました。そうですよね。やはり情報を知らせ、早くメール配信とかしておいて、授業とかで、こういう形でQ&Aを含める形がよいのかなと思いました。ありがとうございました。

そうしましたら、電取委様、修繕費の件、お分かりになる範囲でお答えいただきたいのですが、よろしいでしょうか。

○電取委池田課長 どうも御質問ありがとうございました。私どもは、料金審査については、料金審査要領という審査基準に沿って審査をしております。その御説明になってしまうのですけれども、まず、修繕費というものについては、過去5年間分の帳簿簿価に占める修繕費の割合、修繕比率を出しまして、それをメルクマールとして、修繕比率を下回るものについては認めるけれども、修繕比率を超える分については原則認めないと。一つはそういう大きな枠組みになっております。

次に、ただ、北海道電力の先ほどの話についてなのですけれども、北海道電力から出された内容は、先ほど申しましたメルクマールを超えるものとなっております。メルクマールを超えるものについては、個別によって認められるのかどうかというところを審査することになっておりまして、一応、料金制度専門会合の委員の御審議いただいた結果、火力発電所等々の趣旨の修繕費については、当然、極端な結果になったとしても、それは既にそういうこともあっての5年間の平均ということで、火力については認めないと。ただ、原子力については、国の規制等々で予期しない形での費用が発生することになるので、そういう意味で原子力発電所関係の修繕費については例外的にメルクマールを超える部分についても認めるということになっております。

次に、もう一段階審査がありまして、もう一つは経営効率化ということでございます。経営効率化というのは、本来であれば一個一個査定を行っていくものになるのですけれども、同業他社と比較して効率的であるかどうかといったことも考慮して査定を行うというふうに、これもまた審査基準に定められているところでございまして、それで現在、さらに先ほどの修繕費のメルクマールの査定に加えて、経営効率化という観点でさらに査定を行う。そういった形の運用になっています。

ちょっと説明が長くなりましたけれども、要は私ども、審査基準に沿って、さらに審査基準では曖昧なところにつきましては、専門会合で審議した内容に沿って審査をしているという状況でございます。

○野村座長 ありがとうございました。

若林委員、お二方の御意見、よろしいでしょうか。

○若林座長代理 よく分かりました。どうもありがとうございました。

○野村座長 ありがとうございます。

予定していた時間を少しオーバーしてしまいました。しかし、是非聞いておきたいということがございましたら、委員の先生からもうお一方お願いしたいと思いますが、大丈夫でしょうか。

そうしましたら、今日お集まりいただきました5名の皆様、本当にありがとうございます。かなり共通事項が浮き上がってきたように思います。やはり値上げ幅が非常に大きいために、低所得者層、生活困窮者のみならず、庶民も困っているんだと、苦しんでいるんだと、なので再考していただきたいという御希望を承りました。

今後のことも含めて情報提供を国、行政、自治体も含め、また、大学が協力するということも含めて、情報提供のいろいろな在り方を考えていくべきだという御意見も承知いたしました。

さらに、電源構成のことはちょっと細かい話になりますが、原発再稼働で特に将来費用を織り込んでいるのは今回避けるべきでしょうということ。それからもう一つは事業者が自ら再エネ拡大に積極的に取り組むべきであるという御意見もあったということが重要な論点かと思いました。

さらに、社会政策的な観点ですとか軽減税率をというような御意見もありましたことを含めて、また考慮してまいりたいと思います。

ただ、消費者委員会として、専門調査会として限界もございます。やはり経済産業省、電取委が主になって検討している事項でございます。さらに関係省庁もそういう軽減税率等々のことでは調整しなくてはいけないということです。ただ、中長期的にはそういう考慮、視点が必要だということが明確になったところは今回、インタビューさせていただき意義のあった点だと思っております。

長時間にわたり御協力いただきまして、本当にありがとうございました。

そうしましたら、この時間で退室していただくということで、事務局、よろしいでしょうか。

○友行参事官 それで結構でございます。

○野村座長 そうしましたら、このような形で終わらせていただきたいと思います。本日の論点整理、消費者団体様の御意見を今後どこかで反映させられるように、引き続き、専門調査会として検討してまいりたいと思います。

委員の皆様と緊密に連携させていただくことも今後あろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。また新たにお気づきの点がございましたら、事務局のほうまで御意見をお寄せいただければ幸いでございます。


≪3.閉会≫

○野村座長 そうしましたら、事務局から連絡事項がございましたら、お願いいたします。

○友行参事官 次回の専門調査会の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通じてお知らせいたします。

以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

それでは、本日の第76回の専門調査会をこれにて閉会させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

(以上)