第73回 公共料金等専門調査会 議事録
日時
2023年2月20日(月)10:00~12:00
場所
消費者委員会会議室・テレビ会議
出席者
- 【専門委員】
- 野村座長、若林座長代理、関口委員、寺田委員、長田委員
- 【消費者委員会担当委員】
- 大石委員
- 【説明者】
- 消費者行政の充実強化をすすめる懇談会みやぎ 加藤房子事務局長
- NPO法人消費者支援ネットワークいしかわ 青海万里子理事・事務局長
- 広島県消費者団体連絡協議会 福島守事務局長
- 全国大学生活協同組合連合会 加藤有希全国学生委員、平間滉基全国学生委員
- 【電力・ガス取引監視等委員会事務局】
- 池田取引監視課長
- 【消費者庁】
- 楢橋参事官(公益通報・協働担当)
- 【事務局】
- 小林事務局長、岡本審議官、友行参事官、事務局担当者
議事次第
- 開会
- 電気規制料金値上げ認可申請に関する地元消費者団体等との意見交換
- 消費者庁の取組状況に関する消費者庁ヒアリング
- その他
- 閉会
配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)
- 議事次第(PDF形式:63KB)
- 【資料1-1】(株)東北電力による規制料金の値上げに関する意見(消費者行政の充実強化をすすめる懇談会みやぎ)(PDF形式:321KB)
- 【資料1-2】 北陸電力家庭向け電気料金値上げ申請についての意見(NPO 法人消費者支援ネットワークいしかわ)(PDF形式:728KB)
- 【資料1-3】 中国電力株式会社による規制料金の値上げに関する意見(広島県消費者団体連絡協議会)(PDF形式:642KB)
- 【資料1-4】 第73 回公共料金等専門調査会発言資料(全国大学生活協同組合連合会)(PDF形式:643KB)
- 【資料1-5】 第73 回公共料金等専門調査会発言資料(全国大学生活協同組合連合会)(PDF形式:161KB)
- 【資料2-1】 消費者の視点からの疑問点・意見(消費者庁)(PDF形式:839KB)
- 【資料2-2】 消費者団体からの疑問点・意見(消費者庁)(PDF形式:701KB)
- 【資料3】 電気規制料金値上げ認可申請に関する論点案(PDF形式:426KB)
≪1.開会≫
○友行参事官 皆様、お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
ただいまから、「第73回公共料金等専門調査会」を開催いたします。
本日は、河野委員、後藤委員、坪田委員、星野委員が御欠席でございます。
野村座長をはじめ、その他の委員の皆様は、テレビ会議システムにて御出席いただいております。また、消費者団体等の皆様、消費者庁の楢橋参事官、電力・ガス取引監視等委員会の事務局の池田課長にも御出席いただいております。
議事に入る前に配付資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第に配付資料を記載しております。もし不足などがございましたら、事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。
テレビ会議による開催に当たりましてお願い申し上げます。ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。また、画面は皆様オンにしていただければ幸いでございます。御発言の際はあらかじめチャットでお知らせください。それを確認いたしました座長から指名がありました後に発言をお願いいたします。
なお、感染症拡大防止の観点から、一般傍聴者にはオンラインにて傍聴いただき、報道関係者のみ会場に御参加いただいております。
議事録については、後日公開いたします。
それでは、野村座長、以降の議事進行をよろしくお願いいたします。
○野村座長 本日はよろしくお願いいたします。
私のパソコンの不調でカメラはオフのままでございますが、お許しください。
本日の進行についてですが、途中で私の回線が切れてしまった場合には、復旧するまでの間、座長代理に、座長代理の回線も併せて切れてしまった場合には、事務局で進行をお願いいたします。
≪2.電気規制料金値上げ認可申請に関する地元消費者団体等との意見交換≫
それでは、議事に入らせていただきます。
最初の議題として、電気規制料金値上げ申請に関し、消費者団体等と意見交換を行います。
当専門調査会では、2月13日に第72回専門調査会を開催し、電気規制料金値上げ申請への対応についての審議を開始したところでございます。今後、消費者庁からの付議を受けた場合には、消費者庁に対して意見を述べていくこととなります。
電気規制料金の値上げは、それぞれの地域の消費者に与える影響が大きいことから、今後の審議の参考とするため、当専門調査会としても消費者団体や若い方からの御意見を伺いたいと考えております。
本日は、消費者行政の充実強化をすすめる懇談会みやぎの事務局長、加藤様、NPO法人消費者支援ネットワークいしかわの理事・事務局長、青海様、広島県消費者団体連絡協議会事務局長、福島様、大学生で全国大学生活協同組合連合会、全国学生委員の加藤様、平間様にお越しいただいております。お忙しい中、誠にありがとうございます。
各団体からそれぞれ10分程度で御発表いただきたいと思っております。その後、まとめて意見交換をさせていただくという進め方にしたいと思っております。
それでは、まず、消費者行政の充実強化をすすめる懇談会みやぎ様から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○加藤事務局長 それでは、宮城県消費者行政の充実強化をすすめる懇談会みやぎの事務局長の加藤から説明させていただきます。
まず1点目は電気料金の値上げについてですが、物価高騰で苦しむ多くの消費者にとって負担が大きいことを述べさせていただきたいと思います。
現在、国民生活は厳しさを増しており、食料品などの物価及びエネルギー価格の上昇が家計を直撃しています。このような中での今回の電気料金の値上げは、引上げ率が非常に高く、国民生活に大きな影響を与えるものです。私たちの生活は電力がなくては成り立たず、電気料金は必ず負担しなければならない費用となっていることから、家計に与える影響はとても大きいです。
しかも、今回の値上げ料金として、発電所の維持運用などに係る固定的な費用を電気料金に含めるため、基本料金と電力量料金の両方の大幅引上げになっています。この引上げ幅が妥当かどうかについて、東北電力から提示されました資料を見ただけではなかなか消費者には理解が難しいということになります。
二つ目ですが、現在の電気料金算定の根拠となっております総括原価方式につきまして、経営努力とかコスト削減を一般の企業と比較して積極的に行わなくとも、電力会社の経営が成り立つ電気料金の決め方になっているのではないかという疑問を持っております。
東北電力におきましては、低圧の契約者が約686万口のうち、規制部門の契約者は約528万口という7割を占めております。
2016年、電気の小売業への参入が全面自由化され、消費者が自由に電力会社や料金プランを選べるようになりました。この時期待されたのは、企業同士の価格競争による電気料金の値下がりです。しかし、東北電力管内では全国的に見てもスイッチング率は低く、あまり進んでいないのが現状です。
「総括原価方式」による規制料金制度は、電気の安定供給、不当に高い電気料金が定められることがない、電力会社の経営が安定するというメリットがありますが、利益が担保されている状態では、事業効率化など経営向上のためのインセンティブが働きにくく、利用者の利益へとつながりにくい側面があり、事業資産が多いほど事業報酬も多く加算されるというデメリットがあるとも言われております。
総括原価方式は、コスト削減の努力が行われにくいといった大きな問題を抱えている仕組みと思われます。電力会社が過度な利益を得ることなく、コスト削減を促進する料金制度についての研究を進めていただき、現行の総括原価方式を見直していただくようお願いいたします。
三つ目ですが、今回の東北電力の電気料金値上げの計画の中に、女川原発再稼働を織り込んだ値上げ申請になっておりますことに、原発稼働には納得できませんということです。
東京電力福島第一原子力発電所の事故は、その被害の甚大さ、収束の困難さ、莫大な経済的損失から、日本の電力とエネルギー政策の在り方について根本的な見直しを迫るものとなりました。
東北電力女川原子力発電所においては、東日本大震災時での津波の高さがあと1メートル高ければ、福島原発と同様の事故になっていたのではないかと言われております。
今計画では、女川原発2号機の再稼働を織り込んだ原価算定になっていることから、再稼働しなければ発生しない、原子力再稼働に伴う起動前点検及び再稼働後の定期点検費用が織り込まれております。
また、原発依存の体制維持は、電源構成の変動によって電気料金が引き上げられるという問題を抱えています。原子力発電に頼らないエネルギー政策への転換に踏み出していただきたいと考えております。
電気料金改定との関係では、原子力発電以外のエネルギーによる電力をいかに低廉に提供するかが、現在の電気事業者に問われており、今回の申請内容においては、その面での努力がなかなか資料では見てとれません。消費者としては納得のいくものではありません。
4点目ですが、最大限の経営効率化を行っているとの根拠がなかなか資料では分かりづらいということです。
東北電力は、2021年2月と2022年3月に発生した福島県沖を震源とする地震によって、火力発電所など甚大な設備被害に見舞われたことと、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を受け、燃料価格や卸電力取引市場の価格が高騰していることなどから、2022年度の連結決算において、2年連続の純損失となる見通しであり、自己資本比率も東日本大震災直後を下回る水準まで低下する見込みであることを値上げの理由としております。そのため、発電所の維持運用などに係る固定的な費用を電気料金に含むことから、今回、基本料金と電力量料金の大幅引上げになっています。
2016年からの電力自由化による規制料金の対象範囲の変更や、2020年4月の一般送配電事業の法的分離に伴う算定ルールの変更などにより、経営効率化がどのように反映されているかが非常に分かりづらくなっています。
また、消費者・利用者にとって申請内容の妥当性については非常に関心が高いところですが、一般家庭に配布されたダイレクトメールや東北電力のホームページ上でのお知らせのみで、利用者が値上げ理由・根拠について理解することは難しい内容になっているということを申し上げたいと思います。
私のほうからは以上になります。
○野村座長 ありがとうございました。
続いて、NPO法人消費者支援ネットワークいしかわ様、よろしくお願いいたします。
○青海理事・事務局長 NPO法人消費者支援ネットワークいしかわの青海と申します。
北陸電力に対しての発言を先日の公聴会でさせていただきました。北陸電力は、平均45.84%の大幅値上げを申請しております。ただ、もともとが低かったこともありまして、あまり表立っての反対の声は聞こえてきておりません。
私どもの会には、石川県内、富山の消費者団体が13加盟をしているのですが、うちの消費者部会のメンバーにヒアリングをしたところ、幾つかの団体にはもう既に北陸電力が説明に訪問されていたということで、その窮状を聞いて、いろいろ値上がりをしているので今回は仕方がないのではないかという声が半分ほどを占めておりました。一方で、値上げによる影響を懸念する意見も出ております。
では、五つほど発言をさせていただきます。
まず、一つ目は、生活を支えるインフラを担う企業として社会的な配慮を求めますということです。
私は、いしかわフードバンク・ネットというNPO法人の設立メンバーでもあるのですが、コロナ禍以降、生活の困難を抱える人は物すごい勢いで増えています。シングルファミリー、学生、留学生、年金額の少ない高齢者などが、支払いが滞ると最初に切られるのは電力です。今は電気がないと生活ができないという状態ですので、大変に影響が大きいかと思います。
レベニューキャップ制度が導入される直前に、託送料金の値上げもこのタイミングで実施されます。そうなると、値上げ幅が更に増幅されることになります。
北陸電力には支払いの猶予とか分割支払いの相談に応じるなど、十分な配慮をお願いしたところですが、これに関しては各電力会社の個別対応だけでは対処し切れないのではないかという懸念がありますので、何かそうした救済の仕組みの検討が必要ではないかなと感じております。
2番目は、さらなる経営効率化により値上げ幅の圧縮を求めます。北陸電力からの説明によれば、これまでにも全社を挙げて経営効率化に取り組んできたとのことですけれども、しかしながら、火力発電の燃料高騰による供給コストの上昇が電気料金の収入を上回るとして、そのまま電気料金の値上げに転嫁するのは、消費生活全般に及ぼす影響を考えると、より慎重な判断が必要です。企業の体力としてさらなる経営効率化を図ることはどこまで可能か、しっかりとヒアリングをして、値上げ幅が社会的に妥当であるかを慎重に審査していただくようお願いします。
3番目ですが、電気量料金の変動について検討を求めますという内容になります。北陸電力エリアは、オール電化に勧誘された家庭が多く、115万軒のうち60万軒が自由料金を契約しています。自由料金の値上げもせんだって新聞に発表されましたが、1か月当たり2万8122円となり、これが天井知らずに上がっていく可能性があります。県民の約6割が、安くなりますよと勧誘されて、はしごを外された状態です。自由化が目指したものがこれではいいのだろうかと、とても心配な気持ちになります。今回は規制料金の値上げに関する審査となりますけれども、自由料金もこうした天井知らずの値上げを放置していいのだろうかということが非常に心配です。
4番目です。再生可能エネルギーの推進の取組状況についての進捗報告が必要ですという内容です。再エネ賦課金は電気を使用する全世帯から徴収されています。国がそれを集めて再生可能エネを普及させるために活用しているということは、いわば再生可能エネルギー税と言うこともできます。しかしながら、電力会社を通して徴収しているのであれば、それぞれの電力会社が再生可能エネルギーの推進の進捗を各家庭に報告するのが筋だと思います。国として大きな取組をする事業と電力会社ごとの取組を分けて、使途と進捗を報告する仕組みを構築して情報公開を求めます。
また、再エネ賦課金は際限なく値上がりしており、それが電気料金の高騰に拍車をかけている面もあります。国は再エネ賦課金のピークの設定を見直して、国民に中長期の見解を明らかにしていくようお願いします。
5番目です。カルテルや不正閲覧が行われている電力業界の体質改善が必要ですという内容です。発送電分離によって新電力が多数生まれ、私たち消費者は自由に電力会社が選べると見込まれていました。ところが、安さを売りに顧客を獲得していた新電力の多くは、昨今の情勢により料金の値上げに踏み切らざるを得ず、倒産する企業も出ています。北陸では、他の地区の電力会社に比べて電気料金が安かったこともあって、新電力の参入が遅れています。
昨年4月に、中部電力、関西電力、中国電力等が小売価格や顧客獲得を制限するカルテルを結んだ疑いで、公正取引委員会の立入調査が行われていたとの報道がありました。また、今年に入って、関西電力、東北電力が分社化した電力送配電会社のシステムにアクセスして、新電力と契約している一般家庭の顧客情報を不正に閲覧していたとの報道もありました。
このような行動を取り続ける電力業界に対して不信が募っています。今回の値上げ申請はやむを得ない面はありますが、今後、健全で自由な競争による消費者の選ぶ権利、安心して電気を利用できる環境を保証していくために、電力業界の体質改善を強く求めます。
以上で私からの発言を終わります。
○野村座長 どうもありがとうございました。
続きまして、広島県消費者団体連絡協議会様、よろしくお願いいたします。
○福島事務局長 広島県消費者団体連絡協議会の事務局長をしています福島と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
お手元の資料を御確認いただきながら発言をさせていただきたいと思っております。
まず、はじめに、皆さんが発言されておりますが、物価の高騰というのは、消費者の暮らしを極めて厳しくなっているという現状があります。一昨年の秋以降、既に家庭向けの電気料金は25~30%値上げされているという状況があります。今の値上げ申請、これからの値上げ申請はさらなる値上げとなるものだと。電気料金の大幅な値上げは暮らしの根幹に関わる、生活上非常に厳しいものがあると思います。
消費者からは、原料高騰で一定の理解はするが、値上げ幅を極力抑えていただきたいということや、価格決定の構造が複雑で分かりにくいなどの意見を聞いています。エネルギー自給率向上や地域貢献といった生活に欠かせない電気を扱う企業としての姿勢を問いたいと。不祥事が発生している中、値上げ申請は企業の姿勢が問われるとの意見があります。
ここで、現在の状況といいますか、生活の部分の1年間の電気料金の比較を表にさせていただいております。広島県に住んでいるオール電化、夫婦二人の生活をされている方の使用量通知、Web検針の結果ですけれども、過去の1年間とこの1年間の比較をすると、電気料金は月平均1万3320円から1万9730円、148%、1.5倍に膨れ上がっています。
昨年の1月と今年の1月の1月分だけの比較をしたものが次の表になるのですけれども、電気料金は3万1906円と5万324円ということで157.7%。この内訳を見ると、燃料費調整額が10倍、988%の上昇になっているということです。知らない間に電気料金が大幅に上がっているというのが大半の消費者の感想ではないかと思います。
どうか、規制なき独占を防ぎ、適正な競争関係が確保されるまで続けられる規制料金については、透明性を持ち、消費者が納得できるものをお示しいただきたいと思います。
この度、「国民の声」として提出させていただいたものが7点ありまして、その一つ一つの簡単な説明ですけれども、まずは、燃料高騰によるコスト増をそのまま消費者に転嫁するのではなく、更に経営効率化できないか。値上げ幅を圧縮していただきたいというのが1点目。
2点目としては、低所得者及び生活困窮者への十分な配慮をお願いしたい。
3点目としては、燃料費だけでない部分での値上げ理由とその必要性について明確な説明をお願いしたい。
4点目としては、値上げ後に、燃料費が下がった場合に電力量料金を下げる仕組みについて説明をお願いしたいということ。
5点目としては、再生可能エネルギーの取組です。再エネ賦課金が全世帯から徴収されているということもあります。この取組の振り返りといいますか、まとめと、今後の導入をお願いしたいという点。
6点目としては、原子力バックエンド費用をはじめ、原子力発電に関わる費用が大きく増加している理由と今後の見通しについて説明をお願いしたいということです。原子力発電にコストをかけて使い続けることを見直すべきではないかと思います。
7点目としては、事前周知を徹底するということです。なかなか気がついていない消費者が本当にたくさんいると思います。更に知らない間に上がっていたといったことがないように、分かりやすく伝えることをお願いしたいと思います。
次の点ですけれども、中国電力公聴会を終えての追加の意見という形で、この公聴会は4名の方の発言があったわけですけれども、大きく分けて、値上げに関する部分では、値上げの根拠をもう少し知りたい、原発に関する老朽化対策やトラブル対策はしっかり取れているのかといった点です。
大きな二つ目としては、中国電力の不祥事への意見です。現在、公正取引委員会から指摘されているカルテル問題を発生させた原因を聞きたい。真相も責任の所在も明らかにされていない状況で値上げは理解できない。こういう消費者の批判がある中で値上げ申請をするのは許されない。三つ目としては、課徴金が約700億円というふうに示されていると報道されています。捻出できるなら値上げを抑えることをお願いしたいということです。
これらの意見に対して、中国電力の瀧本社長は、「深くおわびをする。今は調査中なのでお話しできない」と回答されています。この回答は納得のいくものではなく、早期に明らかにしていただきたく思います。
以上で発言を終わります。
○野村座長 どうもありがとうございました。
最後に、全国大学生活協同組合連合会様、お願いいたします。
平間様、加藤様の順でしょうか、よろしくお願いいたします。
○平間全国学生委員 全国大学生活協同組合連合会学生委員の平間滉基と申します。
今回、若年層からの意見というところで、生活実感を基に、消費者団体様から事前にいただきました共有資料を基に、所感なども踏まえてお話しできればなと思っております。よろしくお願いいたします。
まず、私のことになるのですけれども、前提としては、私は現在、北海道に住んでおります。そのため、今回の値上げ申請がなされた各地域とは異なりますので、一旦北海道の現状というところからお伝えしていただければと思います。
オール電化の一軒家に住んでおりまして、また、自営業を営んでいるため、昼間の電気料金も少なくはありません。また、北海道ですので、電力会社は北海道電力、いわゆる北電で、プランは夜間の一定時間の電気料金が割安な代わりに昼間の電気料金が割高なプランに入っております。このプランは、北海道では蓄熱暖房というものが結構使われておりまして、そうした中で夜間の電気使用量が多いと見込んで加入しております。
現在、冬になってまいりまして暖房の利用が増えてきている中で、ついに1か月の電気料金が10万円を超えてしまいました。昨年度と比較するとおよそ1.5倍、昨年度が7万程度だったものが現在12万ほどに達しておりまして、かなりつらい状況でございます。北海道で生きていくに当たっては、気温も氷点下を下回ることが多くあり、暖房などによる電気使用は避けられないものでして、そうした必要不可欠なライフラインに毎月10万円以上の出費は家計としてもかなり手痛くなっております。
また、最近の値上げ申請の報道及び皆様から共有いただいた資料を受けまして、正直なところとして、これ以上の値上げは生活の維持が困難となり、心情としてはやめてほしいとしか言い表しようがございません。
近年、学生生活を過ごす中でも、家電とかPC周りでの電気使用はより欠かせなくなってきております。まして、北海道、東北といった寒冷地においては、先ほどの内容と重複するのですけれども、水道よりも直接的なライフライン、生活に差し支えるものと言って差し支えございません。
そうした中で、電気代を気にかけ、満足に使用できなくなるというような現状は、生活として十分な生活を送れているとは到底思うことができません。ただでさえ、最近の電気料の値上げには辟易としている中で、これ以上規制料金の緩和といったところから値上げが行われると考えると不安しかありません。
冬季の電気使用はその多くが暖房によるものであって、生活に直結するものであるため、節電も容易ではなく、ただただ値上げをされるというのであれば、それを受け入れるしかないというのが現状だと考えております。
皆様からいただいた資料を一見しまして、電力会社、政府としても苦心の上での値上げになっているというものは見られるのですが、その上で、各種想定、見積りの明示要求とか支援策などを考えている背景が見られて、少し安心しました。
一方で、値上げ申請の理由として挙げられている燃料高騰は、既に燃料調整費の高騰の形で我々の支出を増やしております。先ほど中国のところでありましたとおり、燃料調整費のところはこちらとしても10倍以上にはね上がり、今回、冬季の電気量が1.5倍に上がっているものの大きな要因を占めているものでございます。
事実として、燃料調整費の上限に当たっているということは共有されました資料から理解したのですけれども、燃料高騰を理由にベースとなる電気料金を今以上の値上げ申請することの妥当性については明瞭に示していただきたく思っております。
ここ数年、毎年のように電気代の高騰が言われている中でありますが、電気料金値上げの受入れは継続的な値上げと同様の意味を持っているように思えてしまいます。別の手段によって一時的な対応策であることを明確に示される、又は燃料費が下がった場合の電気料金値下げの仕組みについてしっかりと明示していただきたく思っております。
加えて、各電力会社が想定する燃料費高騰に対しての解決策、及び経営、あるいは発電方法の効率化、それらによる解決の見込み、高騰解決の見込みについても具体的に示されることを期待します。
また、このことについては、電力会社と消費者のみの問題とするのではなく、生活を営む人たちの問題として、国・地域としても補助や補填、その他、何がしかの関わりを持てないか、考えていただけますと幸いです。
一方、費用負担のみでなく、電源構成についても火力依存の現状はおおむね把握していますが、その対策として再生可能エネルギーをただ導入するだけではなく、具体的に導入による電力量、また電気料金の数値試算を出した上で、電気料金高騰の改善に向けた早急な取りかかりに期待します。
まとめとしまして、私の所感としては、現在の電気料金は我が家では月に10万円を超え、とても生活を圧迫するものとなっております。要因としての燃料費の高騰は外因的なものであり、直接的な解決が難しいということは理解しながらも、ライフラインとして生活を困らせないものであるよう、努力を電力会社と行政、共に行っていくことを期待します。
また、燃料費高騰がいつまで続くか分からない以上、化石燃料に依存しない発電を考えるとともに、金銭的な補助、また化石燃料以外の代替案が示されることが望ましく思います。
同様に、燃料費高騰が終わった先も見据えていただき、値上げが一方的に行われ、値下げが起こり得ないような「上げ得」の仕組みにはならないでいただきたく存じます。
以上、拙文にはなりますが、私の考える電力会社規制料金の値上げ及び、その関連資料を見ての意見となります。くれぐれも、消費者また電力会社で働くような方も含め、それぞれが無知なままに一方的に割を食うことにならないことを願います。
以上、平間からの意見となります。
○野村座長 ありがとうございました。
加藤様、引き続きよろしくお願いします。
○加藤全国学生委員 私は、現在、広島県で一人暮らしをしています。オール電化というわけではなくて、ガスも使っているのですけれども、あまり自炊とかはしておらず、料理とかその他もろもろ、生活の中でよく使うのはやはり電気になるかなと思います。
プランに関しては、正直なところあまり把握はしていないですが、中国電力さんのスマートコースという種別を契約していたと思います。一人暮らしということで電気を大量に使うことはないだろうと一人暮らしを始める際に思って、この種別にしたと思います。
私は電気代を両親に支払ってもらっておりまして、昨今の電気代高騰についてはニュースやSNSで聞いてはいましたが、自分の電気代がどうなっているかというところはあまり知りませんでした。
そこで、私の友人がSNSで電気代が1万5000円を超えたという投稿をしていました。だからといって、友人の契約種別やオール電化か否かというところは分かりませんが、大学生にとってひと月1万5000円という金額はとても大きな痛手だなと思っております。
そこで、私も母に今月の電気代を聞いたところ、1月は約5,000円でしたということで、1万5,000円に比べたらすごく安いというか、大分ましだなと思ったのですけれども、どうやらふだんは2,000円程度であったので、かなり値上げしているなと自分でも実感しました。もしこれが続くようであれば、ここで取り上げた友人も私も困窮を強いられることになると思います。
そこで、必要なのは、払えずに、ろくに電気を使えずに生活もままならないということがないようこの値上げが終わるということだと思うので、私もそれを強く望んでいます。
皆様からの資料を受けて、今回の値上げに関しては様々な要因があると思いますけれども、消費者が困窮していることは事実であると思います。実際に、基本料などの固定費を値上げしている電力会社も見受けられますが、本当に必要であるかなどについては是非検討していただきたいと思っております。
基本料金以外の値上げに関しても、先ほど申したような理由で値上げが起こっていると思っています。その説明をしっかりと消費者の方が知って、今後、高騰が収まった際には今までの料金に戻してほしいと、感想程度ですが、思いました。
それでは、まとめという感じですけれども、燃料費の高騰などに関しては、昨年度の初めのウクライナ紛争が始まった頃から何となく予想できたことではないかなと素人目から思っております。更に、電気料金だけでなくてガソリン代などもここ数年上がり続けていて、私たちの生活の近くにあったり、ないと生活を続けることが困難になってしまうものの値段が高騰しているのは定かです。
前にも記述しましたが、このまま高騰し続けて電気料金が払えなくなくことを恐れて、そこから電気を使わずに苦しい生活を強いられることは避けるべきだと思っておりますし、私自身もそのような生活は送りたくないなと思っております。是非皆様にも、以上のことを真摯に受け止めて検討していただくことを強く願います。
以上になっております。
○野村座長 どうもありがとうございました。
4団体5名の方から御意見をいただきました。時間節約に御協力いただき、ありがとうございました。
そうしましたら、ここから質問、意見を委員の方、消費者団体等様からお願いしたいと思います。チャットへお名前を入れていただいたら助かります。いかがでしょうか。
それでは、大石委員から、よろしくお願いいたします。
○大石委員 皆様、いろいろと御意見をいただきましてありがとうございました。
全体として、今回の値上げは大変上げ幅が多いものであるのに、国民の声がやっと今聞こえ始めたかなというくらいなのですけれども、上がりづらいという状況があって、それがなぜなのだろうかということが一つありました。
今回、皆様からはそれぞれいろいろと御意見をいただいて、大変おっしゃるとおりだなと思ったのですけれども、一つは、ウクライナ侵攻があって燃料費の高騰だというところで少し諦めている、これは仕方がないと思っている部分もあるのかなと思う反面、逆に声を上げても、なかなかそれが政府に届かないとか、結局言うだけになってしまうのではないかという、信頼関係がなくて声が上がりづらいところもあるのかなというのを大変心配しているところです。
今日お話しいただいた皆様の意見を参考に、私たちもこれから考えていくわけですけれども、周りの方たちの様子として、国に対して、電力会社に対して、信頼感という点では今どういう状況なのか、お一人ずつ御意見をいただけると有り難いかなと思いました。雑駁なことになりますけれども、よろしくお願いいたします。
○野村座長 ありがとうございます。
そうしましたら、先ほどの順番でお答えいただくと助かりますが、いかがでしょうか。
○加藤事務局長 宮城の加藤から、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
一消費者としては、国とか電力会社に対しての不信感というよりも、そもそも電気料金の仕組みが複雑過ぎて、利用者、消費者には分かりづらい。私は、10年前の電気料金の値上げの時もいろいろ参加させていただいて、ある程度はいろいろ勉強して、幾らかは分かったつもりですが、本当に電力料金の仕組みすら分からない人にとっては、何がどうなっているのかがまず分からないということ。
あとは、電力自由化によってより複雑になっている。
あとは、その自由化で発送電分離もありますよね。託送料金。この託送料金についても本当に多くの国民が理解しているのだろうかと、私はすごく疑問に思っております。
電気料金も、発電・販売部分では再エネ賦課金が負担を強いているし、託送料金には今度、原発事故が起きた場合に備える賠償負担金と、廃炉に備える円滑化負担金を託送料金に交ぜ込んできて、本当に国民はこれを知っているのだろうかと、私は不信感よりも、電力会社と国はこういう仕組みになっているのだということをちゃんと説明して、多くの国民が一人でも電気料金について理解した上で進めていただかないと、弱い者が泣き寝入りして、しようがないよねと言わざるを得ないようになっているというのが私としては懸念されるところです。
以上です。
○野村座長 ありがとうございます。
続きまして、青海様、いかがでしょうか。
○青海理事・事務局長 石川の青海です。
発言のところでもお話ししましたが、今、電気料金は自動引き落としになっている御家庭が多いので、あまり毎月毎月のチェックをしていなくて、去年と比べてすごく上がっているというようなことで気づかれる方が多いですね。なおかつ、説明にしても、うちの団体等、大きな団体には説明に来られていましたけれども、あとはネットでの説明とか、幾つかの場所で説明をするというところで言うと、一般の消費者にまだ伝わっていないというのが現状ではないかと思います。
お話を聞く中でも、今、加藤さんもおっしゃっていましたが、託送料金のところがよく理解できていないのですね。同じ建物の中に別の子会社があって、しかも人事交流があってというので、本当に子会社でしかなくて、完全な分社化になっていないので、いろいろな不正が行われる下地になっているという気もします。
それぞれが料金の値上げをして、それが合算されて電気料金に反映してくるので、どこで一体コントロールをするのだろうかというのが非常に不信としてあります。
ですから、北陸の場合は、もともとが安かったということもあって、新電力がほとんどないという状態ですので、本当に公正な取引が行われているかというところでは、私たちが選ぶ権利が本当にないなと。王国、城下町のような、そんなことも考えてしまいますので、もっともっと情報を公開して、私たちが理解できるようにしていただかないと、まずこの値上げそのものも理解できないのではないかなと感じています。
以上です。
○野村座長 ありがとうございます。
そうしましたら、広島県の福島様、よろしくお願いいたします。
○福島事務局長 広島県消費者団体連絡協議会の福島です。
昨日も集まりがある中で意識的に一般の消費者の方々に聞いてみたのですけれども、やはり非常に電気料金が値上がりしているというのはもう見てびっくりというような中身です。いつからこのようになったのか、また、どこがどうなってこのようになっているのかといったような理解をされている方はまずいないです。
この度資料としてつけさせていただいているある家庭の電気料金の明細票は、何を隠そう、これは私の家のことですけれども、今、こういう問題を提起されて、ちょっと見返して見ると、こんなことになっているのだと思ったのが率直な感想です。こういう方々が本当にたくさんいるというのは間違いないということです。
なぜそうなっているのかというと、情報が不足しているというのは言えると思います。それから、テレビとかラジオでも地元の中国電力のCMが流れておりますけれども、全くその辺りは感じさせない。もちろん、利用促進のためのCMなのでそういうふうになっているのだと思うのですけれども、そのようにメディアを通じたり、いろいろな方法で消費者に現状を伝えること、ホームページとかがありますけれども、まず提案しないとそこまで見に行かないというのが現状ではないかと思いますので、そこは消費者の方々に分かりやすく説明するようなことをもう少し考えいただきたいと思います。
明細を見ても大くくりで、分かるような分からないような内容になっていたりするし、説明もホームページをじっくり見るとあるのですけれども、そういうふうにじっくり見ていかないと分からないというのが現状だと思います。
以上です。
○野村座長 ありがとうございました。
そうしましたら、大学生協連の平間様、お願いします。
○平間全国学生委員 大学生協連、平間でございます。
私どもとしても、不信感、信頼感というところでも、むしろ無力感、諦めが大きいのかなと思っております。ここ最近、数年のことにはなりますが、電力の値上げが続いているというのがあるところで、そうした中で世論としても電力値下げを訴える声がある中で、にもかかわらず電力値上げが継続されているところが一つの要因というところ。
また、電力の契約についても自由化がされている中ではありますが、あまり自分たちで選ぶということも積極的には行われずに、それこそ賃貸契約とか家を建てる、その際にほとんど決まっているような契約を結んで、そこから変えるなどといったことがあまり行われないという現状にあると思っております。
説明のところについても、各種報道とか新聞・テレビなどのメディアにおいてもあまり具体的なそういう詳細が語られることはなく、ただただ値上げがされるという現状のみを聞き続けた結果として、このような無力感とか声が上がりにくいという現状があると私としては思っております。
以上になります。
○野村座長 ありがとうございます。
加藤様、お願いいたします。
○加藤全国学生委員 基本的には皆様と同じような意見でして、私たちは電気がないと生活できないので、この料金は払わなければいけない。だけど、それにしては高過ぎると思っています。
しかし、先ほど僕の書類でも申しておりましたとおり、何で上がっているのかというところは、火力発電とか云々というものがあるとは思うのですけれども、何でこの料金はこれだけ高くなったのかとか、この料金はこう上がったというふうな、料金システムで詳しくここはこういうふうに上がっているよみたいなところは、説明がされていないかどうかは私自身も分からないのですが、そこら辺が分かりにくいなとは常々思っております。なので、しようがない、払い続けるしかないなと思っているという感じです。
以上です。
○野村座長 ありがとうございました。
大石委員、よろしいでしょうか。
○大石委員 皆様ありがとうございました。今の御意見をちゃんと胸に留めて検討していきたいと思います。ありがとうございました。
○野村座長 非常に分かりやすく周りの御意見を集約していただいたと思います。ありがとうございました。
他の御質問に移りたいのですが、いかがでしょうか。
○若林座長代理 皆様、御説明ありがとうございました。大変分かりやく、現状がよく理解できました。
今の大石委員の説明に関連してということで、皆様もおっしゃっていたことですけれども、そもそもその仕組みが分かりにくい、今回の値上げについても情報がなかなか伝わらないというような御意見があったかと思います。
最初の東北の加藤様の資料では、ダイレクトメールやホームページで発信はあるけれども、よく分からない、あまり伝わっていないということをおっしゃっていたかと思います。それは電力会社も悩んでいる部分でもあるのかなと思っておりまして、どのような発信だったらより伝わりやすいのかというか、分かりやすいというのはもちろん必要なのですけれども、発信の方法としてこういうものであればもっと伝わるのにという御意見がもしございましたら、皆様からお聞きしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○野村座長 ありがとうございます。
そうしましたら、自由に御回答いただけるようであればお願いいたします。チャットに入れずに自由に御発言ください。
○加藤事務局長 宮城の加藤です。
電力料金の仕組みに関しては、消費者側、こちら側から積極的に電力会社に呼びかけない限り説明を行っていただけないと思うのですね。
制度改正があって、より複雑になっているので、電気料金の大枠については国というか行政が説明するというふうにはならないのでしょうか。個別の金額については電力会社に違いますけれども、大枠はどこの電力会社も全て同じなので、消費者側から一生懸命働きかけなくても、行政とか、どこがいいのか分からないのですが、制度改正になればきちんと理解できるような資料を作成していただくとか、そういうことをやっていただかないと、こういった値上げが来ましたといった段階で、何が起きているのか理解されないまま、先ほどありましたが、しようがないのねみたいになっていくのはよろしくないと思うので、一定程度どこかで説明していただく機会を作ってもらわないと駄目かなと思います。
以上です。
○野村座長 ありがとうございました。
他の皆様、いかがでしょうか。
○青海理事・事務局長 青海からも少し意見を言います。
実は、今度、うちの消費者部会というところに北陸電力さんが説明に来られるということで、そういう場をセッティングしています。
ただ、うちの団体に最初に説明に来た時もそうですが、どうしても言い訳にしか聞こえなくなってしまうところがありまして、なかなか皆さんが納得できるような形にならないのですね。
ですから、仕組みそのものは、今、加藤さんがおっしゃったような形で、こういうふうな仕組みになっているのだよということはもう少し客観的に説明できる立場の人が立場をして、なおかつ、当事者である電力会社が説明するというような、少し複層的なというか複眼的な説明がないと、私たちは客観的に理解できないという気がいたします。そういう場がもっとあるといいなと。これは消費者団体としてもっと求めていく必要があるかなと感じています。
以上です。
○野村座長 ありがとうございます。
ほかに追加でございましたらお願いします。
では、広島の福島様、お願いいたします。
○福島事務局長 先ほどもテレビCMのことを言ったのですけれども、今、テレビで呼びかけられているのは、省エネ商法といったようなことしかないのですね。短い時間でも、すごく勝手な言い分ですけれども、例えばテレビというマスメディアを使って、値上げの構造をスポットでも流していただく。こういう構成になっていて、こういう理由で値上げせざるを得ないのですよ、もし詳しいことを聞きたければお問い合わせくださいといったような、そういう親切な、誰にでも目に付くような、そういうのはできないかなと勝手に思っている次第です。
そこは電力会社としても避けたいところなのかもしれませんけれども、そういうスポットCMを使うとか、5分程度の短い番組で説明するとか、そういったことをしていただいたら消費者は分かりやすいのかなと。
もちろん消費者の学習も必要ですけれども、まずは誰でも目に付くようなところに出していくことは必要なのかなと思います。
以上です。
○野村座長 ありがとうございました。
若林委員、よろしいでしょうか。
○若林座長代理 ありがとうございます。
説明の中立性と、まずは関心を持つというのでしょうか、気が付くきっかけとしての入り口を設けることが必要だという御意見かなと思いました。大変参考になりました。ありがとうございます。
○野村座長 そうしましたら、次の質問に移らせていただきます。
寺田委員、よろしくお願いいたします。
○寺田委員 東京海洋大学の寺田です。
皆様、貴重な意見をいただきましてありがとうございます。
消費者団体の方には少し意地悪な質問になってしまうかもしれませんけれども、皆さんの御発言を聞いていますと、分かりやすさを強く求めるというところと、査定の厳密さ、厳しさを求めるというところと両方あったように思います。しかし、仮にこの二つが矛盾するといいますか、両立が難しい場合、どういうふうに考えたらいいのかという辺り、もし整理があればと思いました。
恐らく、皆様の御意見、やり取りを聞いていますと、今回が経過措置料金の最後で近い将来それをやめてしまうという可能性は低そうに思うので、場合によると次回の経過措置料金改定への話になってしまうかもしれませんけれども、その辺り、もし御発言いただける方がいればと思います。
ついでにもう一つですが、託送料金と今回の小売の経過措置料金をほぼ同じようなフレームワークといいますか、厳密さで査定して改定していることが問題のような気がします。託送料金のほうはある程度複雑さとか厳密さが必要なように思うのですが、小売の経過措置料金についてもそれと整合をしていることと厳密さを求めるべきなのかというのは、私自身は疑問なところがあります。その辺りの御意見がもしあれば教えていただければと思います。
以上です。
○野村座長 ありがとうございます。
では、先ほどと同じようにどなたからでも結構でございます。直接御発言ください。
○寺田委員 質問が意地悪過ぎてお答えいただけないということであれば、それが一つの答えというか、課題なのかなと思います。
○野村座長 ちょっと専門的過ぎたかもしれませんが、いかがでしょうか。大学生の二人、専門科目は文系、理系、あるいはその中のまた細分化された領域で何か関心事がおありのようでしたら御発言いただきたいのですが、いかがでしょうか。
私は経済学の分野で、寺田教授も交通経済学の分野ですので、どうしても今のような質問の仕方になってしまうのですが、それが取っつきにくいのだということも分かっております。今日の他の消費者団体様からの御意見ももっともだと。総括原価は分かりにくいと。自由化後のアンバンドリングも非常に分かりにくいということも承知しております。
我々も寺田委員も同じだと思うのですが、講義を通してとか学会のシンポジウム等で発言しているのですが、専門的過ぎて、消費者の皆様と意見交換をする時には理解していただきにくいかなというところは反省しておりますので、今日の皆様の御意見は非常に貴重だったなと思っております。
途中の議論でも出ましたように、事業者団体様も、いわゆる一般電気事業者、旧の大手事業者さんも、新電力で参入された方も、制度は改革されたものの、明るい話ばかりではなく、資源小国であるがゆえに燃料費高騰に苛まれているということに陥っております。
いただいた意見から、我々もこれから引き続き調査会で議論してまいりますが、制度改革をしたものの逆戻りできるわけでもないので、自由化後の是正を進めていきます。しかも脱炭素化も考えなければいけないという国際的な政策目標もございますので、なかなかすぐに値下げにつながるような方策が見つけにくい状況ではございますが、少なくとも情報公開をしながら消費者団体の皆様との議論をできる場が増えていくことを望んでいますし、もちろん消費者として、皆さんが御指摘のとおり抑制することもこの場でじっくり熟慮してまいります。
時間がオーバーしておりますが、何か補足で御発言いただくことがあればお願いいたします。5名の方から、これだけは強調しておきたいということがございましたら、手短にお願いいたします。
○加藤事務局長 宮城の加藤から。
まず、電気は安定供給が大前提なので、消費者としても電気が安定的に届かないと非常に困るというのが根底にあるからこそ、電気料金が分かりにくいというのは、そもそもの仕組みを理解せずにそのままいろいろな制度改正が行われて分かりにくい中で、安定供給を願うがために、査定についても、電力会社が経営効率化でこのぐらい頑張っているのだ、これ以上は大変なのだというようなお話をされれば、安定供給の条件的には致し方ないのかなと、こちらの利用者としてはそういう考えに基づくので、合同査定してほしいとか、そういうのは全く分からないのが現状なのですね。
あとは、東北で言えば東日本大震災がありましたので、東北電力も女川原発は非常に地盤沈下が激しくて、そういった災害に対するリスクマネジメントもきちんと行っていただきながら、そういったのも受けて経営効率化をやっていると思うので、そういった意味でも、安定供給を考えると、消費者としては専門家ではないので、どこをどう切り詰めてくださいという話になかなかならないというのが本質かなと思っております。
以上です。
○野村座長 ありがとうございます。
ほかにございますか。
今の加藤様の御意見には全く同感でございます。そして、次世代の大学生からの御発言も、無力感とか諦め感という言葉が出ましたので、それが出ないような形で我々が制度改正に向けて何かできるように知恵を出すことが非常に重要になっているなということも実感いたしました。
語る、対話の場というのを、事業者と行政と我々学識者と消費者が本当に納得いく形でということを繰り返していくしかないのかなと思いますので、今後とも消費者団体様、大学生協連様、是非とも御協力いただきたいと思っております。仲間を増やしていってください。我々もそういう形で増やせるような知恵を出してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
本日はお忙しいところ、朝から時間を割いて御協力いただきましてどうもありがとうございました。引き続き、消費者庁様のヒアリング、それから我々の意見交換は続きます。お忙しい方は退席していただいて結構でございますが、もし御関心があるようでしたら引き続き残っていただいて、議論のやり取りをまた参考にしていただければと思います。どうもありがとうございました。
≪3.消費者庁の取組状況に関する消費者庁ヒアリング≫
○野村座長 そうしましたら、次の議題に入ってまいりたいと思います。消費者庁の取組についてヒアリングをさせていただきたいと思います。
消費者庁様は、電力・ガス取引監視等委員会の料金制度専門会合にオブザーバーとして参加されておられます。今回の電気規制料金値上げ認可申請に対しましても、消費者保護の立場から御意見を述べていただいていると承知しております。今回の取組状況について、本日伺いたいと思います。
本日は、消費者庁の楢橋参事官にお越しいただいております。誠にありがとうございます。恐縮ですが、5分程度で御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○楢橋参事官 消費者庁の楢橋でございます。
本日は機会をいただきましてありがとうございます。
消費者庁は、今回、公共料金の改定ということになりますけれども、所管省庁である経済産業省から協議を受けるという立場でございます。ただ、今回、電気料金の改定、規制料金の改定につきましては、消費者への影響が極めて大きいということ、それから、先ほど座長からも紹介がありましたけれども、経済産業省の審議会にオブザーバー出席しているという観点からも、消費者の視点からの疑問点・意見という形で述べさせていただいているという状況でございます。
本日は資料2-1、資料2-2を用意させていただいております。いずれも、2月15日に行われました電力・ガス取引監視等委員会の料金制度専門会合において、消費者庁から説明をした資料でございます。
まず、資料2-1は、消費者庁で検討いたしまして、「消費者の視点からの疑問点・意見」という形でお示しさせていただいております。
まず、四角囲みの中ですけれども、公共料金改定の基本として、消費者の理解と納得を十分に得られるということ、分かりやすく説明することが必要であるという大前提がございます。資料2-2では、消費者団体から消費者庁に寄せられた疑問点なども紹介させていただいてございますが、後ほど説明させていただきます。
このため、消費者庁からは、1月27日に行われた料金制度専門会合においても総論的なものを示させていただき、2月15日にこの資料のような形で意見を申し上げさせていただいております。消費者の視点から疑問点・意見をお示しするので、その解消に向けて対応いただきたいということで求めたところでございます。
消費者の関心は、突き詰めますと請求される電気料金がどうなるのかということでございますので、当然、コスト効率化についての定性的な説明は多々ございますけれども、それだけにとどまることなく、数字としてどうなるのか、定量的に効果を示すことを求めたいという、この3点が全体に関わる話でございます。
総論についてでございます。料金設定の根幹として、需要電力量及び供給電力量をどう想定するかということがございます。これらが合理的なものとなっているのか、審査に当たって判断基準も併せて示されたいということで求めてございます。
それから、直近の実績の評価が非常に重要だと思っておりまして、これまでのコスト効率化の取組が適切であると評価されるのか。コスト効率化の取組は、通常であれば年を経るごとに深掘りされていくことが重要かと思っておりまして、これまでの取組を評価した上で、これが原価算定期間におけるコスト効率化の発射台といいますか、ベースになるものと存じます。各社とも最大限の効率化を見込むという説明がございますけれども、何をもって最大限の効率化であると評価できるのかということを説明いただくことが大切だと考えてございます。
それから、経年変化を検証していくと、外的要因による変化、あるいはその外的要因を緩和するために企業努力としてどういう対策を取っていくかというのが見えてくると思います。これらについて説明が必要だということでございます。
2ページ目に移ります。先ほど消費者団体等からの御意見がございましたけれども、申請原価を下回った場合の料金値下げを適切かつ確実に担保していく必要があるということで申し上げております。
それから、各論でございますけれども、燃料費・購入電力料についてでございますが、こちらも今回の申請原価の内訳を見てみますと、燃料費・購入電力料が大宗を占めているという状態でございます。ここのコストの最適化というのが具体的には電気料金に大きく利いてくるものだと思いますので、具体的にどのようにコスト効率化が図られているのか、審査に当たっての判断基準も併せて示していただきたいということで申し上げております。
3ページに移ります。各社の申請内容を見ますと、例えばAI技術の活用、高効率タービンの導入、あるいは石炭の受入品位の緩和、このようなものが示されております。これらについては、必要なコスト増も一方であろうかと思いますけれども、これらも含めて勘案して効率的かどうかを評価する必要があろうかと思います。それで、効率的であると評価されるのであれば、他の電力会社へも横展開する必要があろうかと思います。
また、各社のメリットオーダーによる最適化を図るということで、発電効率のよいところから動かしていくということでございます。これらが徹底されているかどうかを分かりやすく評価していくことが必要かと思います。
それから、発電設備につきましては、供給計画との整合が前提というふうに認識をしてございます。
4ページに移りまして、適切な投資コストあるいは管理コストとなっているのか、その方式や手法が効率的であるかも含めて検証する必要があろうかということで申し上げております。
また、調達に当たって実質的な競争が図られているのか。単に、競争入札の率が上がっていますというような説明だけではなく、実質的な強化が図られているかということも含めて、コスト効率化にどのような工夫がなされているかを検証する必要があろうかと申し上げたところでございます。
また、今日も基本料金と電力量料金への振り分けについての話もありましたけれども、燃料費の高騰を理由とするということであれば、使用電力量に比例する電力量料金への振り分けが適切と考えられますということで、ここは理由によって説明をいただく必要があろうかと思っております。
それから、本日もございましたけれども、昨今、企業倫理上の問題が発生してございます。この専門調査会でも議論があるところでございますけれども、消費者の信頼を損なうような事案が続いているという状況について、まずは料金への影響があるのかないのか、しっかり検証いただく必要があろうかと思います。
続きまして、資料2-2でございます。12の消費者団体から消費者庁に総数183の疑問点あるいは意見が寄せられてございます。
主立ったところを紹介いたしますと、これも根幹でございますけれども、根拠を提示して分かりやすく説明することができているのか、非常に疑問があるということ。
それから、コスト効率化については、あらゆる方策を尽くした上での値上げなのか、最大限の努力をしているのか、あるいは、値上げをしない大手電力会社が3社ありますが、なぜ7社は値上げが必要なのかということ。それから、値上げをしない電力会社のコスト削減対応を横展開すればいいのではないかという御意見もございました。
また、企業不祥事についてということで、本当に公正な競争がなされているのか、再発防止策の策定、送配電会社との完全な分業を行うことを求めたいという御意見もございました。
それから、再生可能エネルギーや原子力発電のところでございますが、再生可能エネルギーや原子力について、具体的なメリット・デメリット、消費者に及ぼす影響を知りたいという疑問。
次の2ページに移りますと、再生可能エネルギーへのシフトがもっとできていれば、燃料価格の高騰の影響をもっと低く抑えることができたのではないかということ。
それから、原子力発電設備の稼働状況によって、地域の電力会社間に大きな格差があるという不公平感を訴えていらっしゃるところもございます。
それから、本日の御意見もございましたけれども、原発再稼働によって今後かかってくる様々なコストも併せて総合的に説明をしてもらいたいということ。
今後の見通しということにつきましては、今後いつまで、どの程度まで上がり続けるのかという不安の声が寄せられてございます。また、燃料価格の高騰が収まったら、速やかに料金の値下げを求めたいということ。
それから、今日もございましたけれども、電気料金に関しての仕組みが分かりにくい、説明をしてほしいという御意見、御要望もございました。
最後に、経済産業省に対しての要望ということで、結果だけでなく、どういった点を勘案して結論に至ったのか、消費者が納得するように丁寧に説明をしていただきたいというものでございます。
以上、資料2-1と資料2-2について御説明を申し上げました。この公共料金等専門調査会におかれましては、この後、経済産業省の審査が調った段階で、消費者庁に正式に協議がございますけれども、その際、消費者庁から改めて付議をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
私からは以上でございます。よろしくお願いいたします。
○野村座長 どうもありがとうございました。
今の楢橋様の御説明に対して、御意見、御質問がある方はどうぞ御発言ください。いかがでしょうか。
○若林座長代理 若林から1点質問をさせてください。
御説明ありがとうございました。
手続というか、進行についてお伺いしたいのですけれども、この疑問点・意見を表明したということですけれども、専門会合でこれに対する返答とか、あるいは反論とか、そういうレスポンスを得る機会はあったのでしょうか。あるいは、これから査定において考慮しますということになっているのでしょうか。その辺の流れを教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○野村座長 楢橋様、よろしくお願いします。
○楢橋参事官 御質問ありがとうございます。説明が足りませんで、恐縮でございます。
2月15日、その前に1月27日にも、2回に分けて説明をさせていただいたところでございますけれども、電力・ガス取引監視等委員会の専門会合において、審査の過程でこれらを踏まえて御議論いただくということになってございます。今の段階ではそれぞれに対してリアクションがあるわけではなく、総合的に勘案されるということで承知をいたしております。
○野村座長 若林委員、よろしいでしょうか。
○若林座長代理 承知しました。どうもありがとうございました。
○野村座長 続きまして、寺田委員、よろしくお願いいたします。
○寺田委員 資料2-1で意味がよく分からないところを教えていただきたいのですが、1ページ目の下の2行ですけれども、「外的要因を緩和するための」というのはよく分からない。外的要因であっても影響を緩和するとか、例えば燃料の調達方法とか、先物市場をうまく使うとか、そういう意味ですか。求めていることがよく分からなかったという感じなのです。
○野村座長 楢橋様、お願いいたします。
○楢橋参事官 分かりにくくて恐縮でございます。
今回、最たるものとしては燃料費の高騰というのが外的要因かと思っておりますが、それを不可抗力的に処理するということではなく、企業経営としては何らかの対策を講じてこられるものだと思いますので、それを併せて説明をいただきたいという趣旨でございます。
○寺田委員 分かりました。
下から2行目は「外的要因による影響を緩和するための対策」、そのように読めばいいということですか。ありがとうございます。
○楢橋参事官 そのように理解いただければと思います。ありがとうございます。
○寺田委員 分かり切ったことを聞いて失礼しました。ありがとうございます。
○野村座長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
全体を通しましては、また「その他」という項目で御発言いただきたいと思いますが、消費者庁様の御説明に対してはここで終わらせていただいてよろしいでしょうか。
電力・ガス取引監視等委員会における審査の段階から、消費者保護の視点で指摘を行ってくださっている消費者庁様の取組に関しては非常に重要だと理解しております。引き続き、消費者庁様もその方針を継続していただきたいと思っております。専門調査会でもそういう形で審議を続けてまいりますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
消費者庁様が経済産業省に対して行っている様々な指摘がしっかり反映されていくことを願っておりますし、また、この場で確認させていただきたいと思っております。ありがとうございました。
≪4.その他≫
そうしましたら、次の「その他」の項目に入らせていただきたいと思います。具体的には、更に調査・審議すべき事項について自由に御議論いただくということに30分程度使いたいと思います。
先週の13日の議論においても様々な論点が出てまいりました。まだまだ集約できるレベルではございませんので、更に議論を深めてまいりますが、最終的に専門調査会として意見を何か出せるようにしていかなければいけないので、論点整理につながるような形で自由に御議論いただきたいと思います。
事務局においても現時点での論点案ということで整理してくださっております。その御説明から入りたいと思います。
友行参事官、その御説明を5分程度で最初にしていただけると助かるのですが、よろしいでしょうか。
○友行参事官 かしこまりました。
それでは、資料3を御覧いただけますでしょうか。「電気規制料金値上げ認可申請に関する論点(案)」でございます。
第1のところでございます。「事業者の信頼性をどのように取り戻すのか」というのを最初に持ってきております。顧客情報の不正閲覧とかカルテル、景表法違反の疑いについても報道などがあります。こういった問題が各社の料金値上げ申請に影響していないのか、検証するべきであるということを挙げております。
それから、情報漏洩問題について詳細を明らかにし、カルテル、景表法違反疑いも含めて実態が明らかになったところで、再発防止策が取りまとめられた段階で消費者に説明する必要があるとしています。
何よりも、三つ目のところでございますが、規制部門の赤字幅拡大の要因として、新電力との契約を解除して規制料金に乗り換える利用者が多かったことなどが挙げられております。顧客情報漏洩問題との関連性について究明しているかどうかなどについても、委員から御関心があるというような御提案があったところでございます。
そして、第2として「料金値上げに関する事項」でございます。様々ございますけれども、一つ目として、料金値上げの要因等に関することでございます。全ての御紹介は省略いたします。
(2)のところでございます。申請時点での燃料費の水準は過去の在庫を加味したものとなっているのかという御発言や、燃料コストの上昇があっても、料金への影響を最小限に抑制する具体的方策を各社から聞き取っているかなどが委員の御関心事項と考えられます。
2ページ目に参ります。発販分離等事業形態の差異に着目した論点でございます。(1)のところにもろもろ書いてございます。電力会社の事業形態は様々となっております。持ち株会社方式になっているものや、発電・小売親会社方式になっているもの、また、火力発電事業が東京、中部電力においてはJERAに統合されているというような形になっております。こうした様々な組織があることによって、消費者にとって理解が難しい一つの要因となっております。
今回の値上げの主要因は、火力発電を中心とする燃料コストの上昇という説明がなされております。事業形態の差異や調達先の相違がある中、燃料コストをどのようなルールに基づき査定されているのかという御指摘がございました。
(2)のところでは、発電費用、販売費用、固定費の案分はどのようなルールに基づきなされているのか。
(3)では、各社横並びで見た場合に、事業形態の差異をどのように査定に反映されているのかというような御関心もあったかと思います。
三つ目として、自由化部門と規制部門でございます。それぞれが併存していることも、消費者にとっては複雑な思いをするところでございます。自由化部門、規制部門の費用配分はどうなっているか。
(2)のところでございますが、規制部門の利益率が必要以上に高くなっていないかというところについても御関心があったと思っております。
4番目としては、値上げ要因の変動でございます。為替レートも値上げの大きな要因の一つになっていたかと思いますが、先を見通すことは難しいと思いますけれども、いっときよりも為替レートは円高に振れている。また、過去において為替レートの変動により料金の変更がなされているのか、そういった例があれば教えてほしいということもございました。
5番目として、これはいろいろなところで御意見として出ているところでございます。値上げの要因が除去された際には、速やかに料金値下げを実施すべきであるということでございます。3ページ目にかかりますが、その値下げ幅についても適切であったのかを検証を行うべきではないかというところでございます。
六つ目として、人件費の織り込みでございます。こちらのほうは、電取委様の審査でも種々議論がなされているようでございます。物価上昇を背景とする賃上げの要請や、消費者庁で既に提示している人件費のチェックポイント、先般、消費者委員会が出した託送などに関する委員会の意見の中で触れたこと、それから、そもそもエスカレーションを入れないという査定要領のルールの下で原価への織り込みをどう考えているのかというのは、関心としては高いと思われます。
7番目として、事業報酬率の算定でございます。事業報酬率は7対3を堅持することなく、申請時の資本構成に改めることが適切だと思われるが、そのようなことへの変更の可能性はあり得るかといったところでございます。こちらは、前回の専門調査会の会合でも少し御議論があったところかと思います。
8番目として、再エネ推進の取組状況でございます。消費者団体様の意見でも、再エネ賦課金の使途について明らかにすべきという御意見がございました。それと同様の内容としております。
9番目として、事業者ごとの値上げ幅の差異について、28~45%の幅がございます。いろいろ要因はあるかと思いますが、率直な感想として、なぜこんなに幅があるのかというところが消費者としては疑問に思うところかと思われます。
第3といたしましては、「消費者への周知」でございます。公共料金等専門調査会から出す意見としては、いつもこの辺りは重要なところかと思われます。まず、公聴会は現在、一段落されたと思いますが、公聴会における消費者の意見などについてどのように対応していかれるのか。それから、情報提供、新料金体系への移行に向けた周知はどのようになされていくのかや、新料金移行があったとしても、消費者への問合せや苦情に丁寧に対応できる体制を整えるということを確認しているかなどについてでございます。
4ページ目に参りまして、第4で「今後の課題、その他」とくくっているところでございます。原価算定期間内の収入とか販売電力量の実績値、見込み額について、その後、定期的に消費者が理解しやすい形で公表すべきではないかというのを最初に挙げております。
それから、今回の値上げとは直接関係ないのかもしれませんけれども、経過措置料金や燃料費調整制度について、こういった制度は消費者保護の観点から重要な制度と考えているところだと思いますが、セーフティーネットとしての経過措置料金、燃料費調整制度の上限や在り方の今後についてどのように考えているかという点でございます。
三つ目として、自由料金の関連でございます。今回の審査については、規制料金のところだと思いますけれども、自由料金についての御発言なども消費者団体などからはございました。今般の値上げに対して、電力会社やエネ庁はどのような負担軽減策が取れるのか。また、デマンドレスポンス、料金メニューの多様化など、消費者が実行できる行動の周知や普及はどのように行っているかというところも重要な論点かと思います。
四つ目としては、少し大きな話として、本日も少しありました、電力システム改革の中でずっと動いているわけです。それは消費者にどのような影響やメリットをもたらしたのか、消費者に情報提供を分かりやすくしていただく必要がある。また、今後もこういった政策が続いていくわけですが、その方向性と消費者に与えるであろう影響を明らかにすべきではないかといって点でございます。
5番目が、安定供給とレジリエンスの話でございます。今日も御指摘がございました。安定供給・レジリエンスと料金上昇の抑制の両立に向け、どのような取組が行っていけるのかということでございます。
最後に、電源構成の多様化について幾つか挙げております。(2)のところですが、原子力発電の再稼働を算定期間内に織り込むという形になされている電力会社がございます。安全対策工事費が大幅に増加されているところが申請書類から見てとれます。対策費の内容と内訳について、消費者に対して事前に明らかにする必要があるのではないかといった点は大事な点かと思われます。
そして、再稼働が想定より遅れた場合、再値上げ申請が行われるのか、それを認めるのか、再稼働が遅れた場合、どのように対応するのかということを把握されているのかといった点も消費者にとっての関心論点だと捉えております。
資料3の説明は以上でございます。
○野村座長 ありがとうございました。
そうしましたら、また御質問をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○友行参事官 野村座長、失礼いたしました。一つ御説明が漏れましたので、追加で御説明させていただきます。
前回の専門調査会で委員の先生方からもいろいろと御議論がございました、今回の資料3では第1の「事業者の信頼性をどのように取り戻すのか」というところに関連するところでございます。
電力会社様についていろいろと不正に関わる問題が生じてきております。それについては、委員からも御指摘があったことも踏まえまして、現在、事務局を通じて事実関係などについて、それから、どのように対応していくのかということなどについて、電力会社に照会をしているところでございます。いずれ回答などが来ましたら、改めて専門調査会の場におきまして、電力会社様などから、できればお呼びする方向でお話を伺いたい、意見交換していただきたいという形で調整をしているところでございます。
以上です。
○野村座長 ありがとうございます。
そうしましたら、今の友行参事官からの御説明と、前段の消費者団体様、大学生協連様の御意見等も踏まえて、御意見、御質問、もしくは強調点、補足点を御自由に発言をお願いしたいと思います。
最初の方は直接御発言ください。その後は、チャットでお名前を入れていただくと助かります。
寺田委員、どうぞ。
○寺田委員 細かい発言が続いて恐縮ですけれども、しゃべらないと忘れてしまうので言います。
資料3は論点がよくまとまっていると思うのですけれども、唐突感というか、意味不明なのが、2/4ページの下のほうにある4の「値上げ要因の変動」で、為替レートのことが書いてある部分ですけれども、これは燃料費調整ならばそれに含まれてしまうので、それ以外の部分なのかな、何なのかなと。
それから、値上げの理由の中には為替という言葉があっても、取り出して議論するものでもないのかなと。
消費者であれ、企業であれ、ユーザーはみんな同じ為替レートを共有しているので、そう考えると取り出してくるというのは余計難しいのかなと思いました。運賃とか資材とか、燃料費以外の部分を取り出しているのかどうか、ちょっと確認させていただきたい。
以上です。
○野村座長 事務局、いかがでしょうか。
○友行参事官 基本的には、輸入してくる時の為替レートの影響を大きく見ているのですけれども、唐突感があるということは確かにそうかと思われますので、整理の仕方を考えたいと思います。
○野村座長 よろしくお願いいたします。
資料の3ページ目の7番、報酬率の算定のところですが、7対3の比率を堅持することなくというところは関口委員が御専門かと思いますので、よろしくお願いいたします。
○関口委員 関口でございます。
事業報酬の算定につきましては、現在、経済産業省令においてみなし小売電気事業者特定小売供給約款料金算定規則という規則が存在いたしまして、その第4条第5項において、報酬率は自己資本報酬率30%、他人資本報酬率70%で加重平均したものとするという規定が生きております。このことを資料3の3ページ目の脚注2番で説明しているのです。
ですから、この規定に従って今回の電力会社の値上げ申請を出してきているという状況でありますが、この7対3という比率がどのようにして決定されてきたのかについては、2月13日に提出された資料2の89ページの*の1番で、1995年の第30回料金制度部会においてこれが決まったということですので、この28年前の決定が規定化されて省令として現在も生きているということになるわけです。
その意味では、規定どおり淡々と進めてということになると思うのですが、この事業報酬が総括原価の下で料金原価の算定に加味されてくることを考えますと、この報酬率算定が適切に計上されているかどうかということについては、消費者代表としては再検討に値するのではないかと考えます。
簡単に言うと、実はレートベースという資産側のことと、負債、資本のバランスシートの貸方側とは分断されていますので、買った時の資金構成をそのまま全部引き継いで、この資産は何十%の借金で買ったのですという割り付けが実は放棄されていますので、どこかでフィクションを立てなければいけないというのは事実でありますので、料金算定規則の4条第5項についても一定の根拠がないわけではないと思うのですが、簡単に言いますと、借金で物を作ったら、その借金は銀行からの借入金利が付されてきます。これは金銭消費貸借上、明確ですので、その平均コストを利息として払うということで足りるわけですね。
自分のお財布から出したもの、つまり、自己資本で賄った投資部分については、一定の算出ルールによって自己資本報酬率を算定するということで、負債に充てられたと仮定したレートベースの部分と、自己資本で充てられたレートベースの部分というのは、資金コストという点から言うと、ある意味では借金部分については金利を負担するだけで十分であるはずなのですね。
そういう観点で今回の申請資料を拝見していますと、他人資本報酬率が金利に相当するわけですが、東北、四国、中国、北陸の4社は全部0.66%です。沖縄は0.65%ということになります。それに対して自己資本報酬率は、東北7.72、北陸7.72、中国7.26、四国7.44、沖縄7.53と、このように桁が1桁違うのです。
本来、借金部分に対する対応は0.66%払えばいいはずなのに、そこに加重平均された、自己資本報酬率も加味された分を乗じてしまうことによって報酬が多く算定される。
これは、伝統的に電力会社の投資というのは、長期的な期間にわたって稼働する設備ばかりですから、事業者の長期投資に対するインセンティブとして設けられた制度であるとも理解されるのですが、このように料金が高騰してくると、利用者に負担を求める報酬の額としてこのままでよいのかどうかの再検討は必要であろうと思われるのです。
ちなみに、電力ではなくて電気通信、電話の世界の規定を調べてみますと、平成12年郵政省令第64号というところで、第一種指定電気通信設備接続料規則が制定されております。そこの規定の第10条、11条で負債に関するものと資本に関するものの規定があるのですが、これは別々に算定しています。
そのような電気通信方式によって、レートベースのうち自己資本で賄われたとみなす部分については自己資本報酬率を乗じる、他人資本で調達としたと思われるものについては他人資本報酬率を乗じる、このように算定してみたものと、今回の加重平均コストとの差分を取ってみると、私の計算で言いますと、実績の自己資本報酬率は、決算短信という各社が出している資料で連結ベースでの自己資本比率を採用しています。ということで、東北電力さんの実績自己資本比率は9.1%、北陸13.4、中国11.6、四国20.3、沖縄26.3というパーセンテージになっています。想定した自己資本比率は、全社30%で計算するわけですね。これとの差分について、要は負債で調達したとみなした部分について、加重平均した資本報酬を掛け過ぎているのではないかと思って、その差分を計算したところ、東北電力さんの場合は511億円にも達する額が多く計算されているのではないかという疑念が生まれました。北陸さんの場合は121億円、中国さんの場合には215億円、四国さんの場合は78億円、沖縄さんの場合は自己資本比率の実績が26.3%と高いので、差分はゼロという形で、億円以下は切り捨てていますけれども、そのような差分が出てくるということで、是非この料金算定規則も見直しにつなげていただきたいというのがまず私のコメントの第1点です。
もし、この算定規則が改正に至るということの暁には、それ以降の申請については新たな自己資本報酬率と他人資本報酬率の計算になっていくということになるのですけれども、果たしてこれが今回の申請に遡って適用できるかというと、法律不遡及の原則を考えると正面突破はなかなか難しいだろうと思っていまして、何らかの超法規的な措置がないと、今回の申請に間に合わせることは厳しいかなと思っております。
したがって、少なくともこの7対3という報酬率の加重平均という考え方について、28年間見直しが行われていないということでもあり、是非俎上に載せて検討に入っていただくことを強く希望する次第ですし、もし超法規的な措置が可能なのであれば、今回の申請にもそれを適用することを希望したいと思っております。
以上でございます。長々と失礼しました。
○野村座長 ありがとうございました。
今の関口委員の御発言に関して御意見がございましたら、よろしくお願いいたします。
○寺田委員 まず、例えばタクシーとかバスとか中小私鉄で採用しているのは積み上げ方式というのですかね、個別でないけれども、ほとんど基本的に他人資本依存を全体に実績での算定です。電力の場合、それとはもともとの制度が違うので、積み上げ方式にはできない前提で、ただ、7対3というのが実態に合わないというか、好ましくないということであれば、それを見直すということには賛成します。
あと、最後の超法規に関しては、審議会の場でそれを結論にするというのはできないというか、適用するとしても今後ということになるのかなと思うのです。
一応コメントさせていただきました。
○野村座長 ありがとうございます。
○関口委員 寺田教授、どうもありがとうございます。
超法規的というのはあくまでも私の願望ですので、ここで正式に取り上げろという主張ではございませんので、御指摘のとおりだと思います。
少なくとも経済産業省令が料金算定規則として定まっている以上、ここの見直しに着手してほしいという希望でとどめるべきだったと思います。このように訂正をいたします。
もう一点ですが、実績の自己資本比率が、東北が一番低いのですけれども、9.1%という低さですから、これを30とみなすということについては無理があると考えております。
以上でございます。
○野村座長 ありがとうございます。
事務局は今のやり取りはいかがでしょうか。
○友行参事官 御意見、ありがとうございます。
この部分についても、関口委員は非常に御意見をお持ちですので、最終的に取りまとめの中に織り込んでいけるようにしたいと、今の時点で思っております。
○野村座長 関口委員もお認めになっておられるように、長期的投資インセンティブで加重平均を使ってきたことは評価されておりますが、28年間維持し続けてきて、再考の余地ありということも指摘すべきかと思いますので、現状、寺田委員が御指摘になりましたように、今からは無理でしょう。次期に向けて、そういう疑問を調査会としても持っているというような指摘にしていくことは可能かと思いますので、電取委に対して議論を呈するということでいかがでしょうか。事務局で検討していただきたく思います。
こういう私の意見に関して、また御意見がございましたらよろしくお願いいたします。委員の皆様、いかがでしょうか。
関口委員、どうぞ。
○関口委員 ここについては、委員長と事務方に調整をお任せして、委員長判断でおまとめいただければよろしいかと思いますので、よろしくお願いいたします。
○野村座長 ありがとうございます。
事務局もそれでよろしいでしょうか。
○友行参事官 大丈夫です。承知いたしました。
○野村座長 時間がちょうど12時になりましたが、5分だけ延長させてください。他の御意見があるかと思いますので、資料3に関して出していただきたいと思います。お願いいたします。よろしいでしょうか。
次回以降も議論を続けていく必要がございます。今ちょっと時間が超えてしまいましたので、もし何かございましたら事務局に直接御連絡いただいて、後日の議論の場で意見交換ということにさせていただいてよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
そうしましたら、友行参事官から、今、事業者に照会しているというカルテル、不正閲覧の点の事業者の意見、それから、関口委員からの重要な御指摘、このようなところを論点案に加味していくような方向で調整させていただきたいと思います。
あわせて、経済産業省、電取委様にヒアリングを続けて行わせてもらえる機会を持ちたいと思っております。
時間制約もございますが、またスケジューリングのところで御協力いただき、できるだけ論点整理をしまして専門調査会の意見を作りたいと考えております。
最後に、事務連絡ということで、事務局に返させていただきますが、事務局からお願いできるでしょうか。
○友行参事官 次回の専門調査会の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページなどを通じてお知らせいたします。
以上でございます。
≪5.閉会≫
○野村座長 ありがとうございます。
全体を通して何もなければ、本日の第73回の専門調査会をこれにて閉会とさせていただきます。
本日は、消費者庁様、消費者団体様、お忙しいところをお集まりいただきありがとうございました。これにて閉会とさせていただきます。失礼いたします。
(以上)