第7回 デジタル化に伴う消費者問題ワーキング・グループ 議事録

日時

2022年6月20日(月)10:00~11:26

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

  • (構成員)
    【会議室】
    後藤座長
    【テレビ会議】
    飯島座長代理
    清水委員
  • (オブザーバー)
    【テレビ会議】
    大石委員
    黒木委員
    板倉陽一郎 ひかり総合法律事務所パートナー弁護士
    丸山絵美子 慶應義塾大学法学部教授
    万場徹 公益社団法人日本通信販売協会専務理事
    独立行政法人国民生活センター
    一般社団法人ソーシャルメディア利用環境整備機構
  • (事務局)
    加納事務局長、渡部審議官、太田参事官、田村企画官

議事次第

  1. 開会
  2. 課題の整理(2)
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○後藤座長 本日はお忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから、第7回「デジタル化に伴う消費者問題ワーキング・グループ」を開催いたします。

本日は、私が会議室にて出席、飯島座長代理、清水委員、大石委員、黒木委員、板倉委員、丸山委員、万場委員、一般社団法人ソーシャルメディア利用環境整備機構、独立行政法人国民生活センターがテレビ会議システムにて御出席です。

開催に当たり、会議の進め方等について、事務局より説明をお願いいたします。

○田村企画官 本日もよろしくお願いいたします。

本日は、テレビ会議システムを活用して進行いたします。

発言時以外はマイクの設定をミュートにしていただきますようお願いいたします。

また、画面の設定は皆様オンにしていただければ幸いです。

御発言の際は、混線を避けるため、発言する旨をテレビ会議システムのチャット欄でお知らせください。それを確認した座長から指名がありました後に発言をお願い申し上げます。

本日は、感染症の拡大防止の観点から、傍聴希望者の皆様にはオンラインにて御参加いただいております。

議事録については、後日、消費者委員会ホームページにて公開いたします。

配付資料は、議事次第に記載のとおりです。

お手元の資料に不足がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上でございます。


《2.課題の整理(2)》

○後藤座長 前回のワーキング・グループに引き続き、本日も、これまでのワーキング・グループの審議で明らかになった課題について、事務局にて論点を整理していただきましたので、意見交換をしたいと思います。

まずは、事務局から御説明をお願いいたします。

○田村企画官 ありがとうございます。

資料1に基づきまして御説明させていただきます。本日、課題の整理の2回目でございまして、SNSを利用した勧誘等による消費者トラブルに関しまして、販売業者等との連絡不能等のケースを中心に御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。

3ページに、本日の論点を一覧で整理させていただいております。まず、1と2でございますが、特商法第11条、弁護士法第23条の2に基づく照会についてということで、既存の制度の活用という観点から御検討いただければと思います。3.といたしまして、「SNS事業者の自主ルールについて」ということで、利用規約等の自主ルールの実効性の確保の問題とか、事業者に関する登録情報の問題、それから、そういった情報の真実性担保の自主ルールでの対応、あるいはSNS上の表記に関して何らかの自主ルールを設けることはできないのか、そういった観点で御議論いただければと思います。

4つ目といたしまして、「今後の検討課題」とさせていただいていますけれども、SNS事業者の自主的取組の状況等を踏まえて、既存の法令等も参考にしつつ、今後の課題として、民事上の新たな情報開示請求制度の創設を検討することも考えられるのではないかといった点を最後の論点とさせていただいております。

早速でございますが、1つ目のテーマといたしまして、特商法11条の通信販売における表示義務のテーマについて御説明させていただきます。

まず、5ページ目、「特商法11条の表示義務の概要」でございます。1つ目の黒マルで、通信販売広告における取引条件や販売業者等に係る情報の表示を11条で義務づけているということでございます。逐条解説によりますと、この法律の趣旨といたしましては、後日、取引条件等についてトラブルが発生することを防止するための規定とされております。

具体的にどのような事項が定められているかと申しますと、施行規則の第8条にございますように、販売業者等の氏名または名称、住所及び電話番号、あるいは代表者、責任者の氏名、こういったものが定められているということでございます。逐条解説におきましては、住所については「現に活動している住所」、電話番号については「確実に連絡が取れる番号」を記載することを要するとされていることが11条の概要でございます。

2ページにお戻りいただきますと、事例が掲載されております。これは第2回のワーキング・グループで国民生活センターさんのほうから御紹介していただいた事例となります。緑の枠内でございますが、SNSの広告を見て事業者に連絡を取ったところ、これも国センさんの説明によりますと、消費者のほうから無料通話アプリを登録して連絡を入れたようだという御説明があったかと思いますが、資産形成オンラインサロンを無料通話アプリで勧誘された。その後、契約をしたが、説明と違って、会員を増やせば紹介料が入るなどのような内容だと分かり、支払いを中止した。その後、事業者の住所や電話番号が分からなくなってしまって、契約を解除して返金を求めたいが、なかなか難しいといった事例でございます。

6ページに移っていただきますと、これは第5回のワーキング・グループで山田先生から御指摘いただいたケースでございます。SNS上にリンクされたURLをタップして決済代行業者のサイトで「カード情報の入力」という経過をたどってしまっているため、そういった一連の過程で販売業者の住所・氏名を確認する機会がないまま申込みに至るケースもあるといった御指摘をいただいております。

以上のような事例を踏まえまして、一連の購買プロセスにおいて消費者が容易に認識することができる場所に表示させることを徹底させるべきではないかというのが論点1でございます。

続いて、7ページでございます。先ほど御説明させていただいたように、住所については「現に活動している住所」、電話番号については「確実に連絡が取れる番号」を記載することとされておりますが、虚偽のようなケースの場合、記載されている住所や電話番号にかけても事業者との連絡が取れない事例があるといったことがございます。そういった観点を踏まえまして、販売業者等に対して、特商法11条の表示義務(表示内容)を遵守させるための方策が必要ではないかといったところを論点2とさせていただいております。

論点1と論点2につきましては、まとめて後ほど御議論いただければと思います。

説明を続けさせていただきます。2つ目のテーマ、「情報開示請求について」でございます。

10ページ目、「情報開示請求について検討する理由」とさせていただいております。販売業者等の表示義務を遵守させることが重要である、そのための方策が必要ではないかというのがテーマの1つ目でございましたけれども、一方、インターネット上の通信販売は開設や閉鎖も容易であり、行政上の対応に全てを委ねることには一定の限界もあると考えられるため、消費者の被害回復の観点からは、消費者トラブルの被害者が販売業者等に対して民事上の請求により被害回復ができるよう、販売業者等に関する情報の開示請求についての検討も必要ではないか、こういった理由から情報開示について検討させていただくものでございます。

11ページ以降、電気通信事業法におけるSNSの扱いということでございます。電気通信事業を営む者といたしましては、登録・届出が必要な電気通信事業者と、登録・届出が不要な電気通信事業者があるということでございます。SNS事業者につきましては、不特定多数の利用者間での場を提供するようなものと、ダイレクトメッセージ機能を提供しているようなケースと、双方が考えられるところでございますけれども、そういった点を鑑みますと、SNS事業者は、登録または届出が必要な電気通信事業者、または、登録または届出が不要な電気通信事業者のいずれかに該当することが考えられるというのが11ページの整理でございます。

13ページに飛んでいただきまして、電気通信事業法第4条におきましては通信の秘密を保護する規定が定められております。通信の秘密の保護に関する規律につきましては、今申し上げましたように、登録または届出が必要な「電気通信事業者」のみならず、登録及び届出が不要な電気通信事業を営む者であっても、当該事業を営む者の取扱い中に係る通信に適用されるということでございますので、いずれのケースも通信の秘密の保護の対象になるということでございます。

13ページの一番下、「通信の秘密の範囲」でございます。逐条解説で記載されております。「『通信の秘密』の範囲は、通信の内容はもちろんであるが、通信の日時、場所、通信当事者の氏名、住所・居所、電話番号等の当事者の識別符号、通信回数等これらの事項を知らせることによって通信の意味内容が推知されるような事項全てを含むものである」と記載されております。

14ページ、電気通信事業法の通信の秘密でございます。通信の秘密の侵害の違法性阻却事由といたしましては、通信当事者の有効な同意がある場合、あるいは通信当事者の有効な同意がない場合であっても法令行為に該当する場合、令状による通信履歴の差押えのようなケースが例として挙げられております。2つ目として、正当業務行為に該当する場合。3つ目として、正当防衛、緊急避難に該当する場合、人命救助のための利用といったところが例として挙げられております。

電気通信事業者の取り扱う情報の中には、上記の「通信の秘密」に該当しない情報も含まれているということでございます。これらの通信の秘密以外のプライバシー情報の取扱いについては、「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」に定められております。

その下に図がございますけれども、個人情報と通信の秘密との関係でございます。中央の四角囲いのところが通信の秘密の保護の対象とされているところでございまして、通信の秘密の内容として、通信の内容、着信番号、通信年月日等が挙げられております。中央の枠囲いの外の部分として、個々の通信と無関係の契約者の住所・氏名等があるといったことがガイドラインの解説の図の中でまとめられているところでございます。

続きまして、15ページにお移りいただきますと、「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」の解説がございまして、そこで、弁護士法第23条の2第2項がなされた場合等の解説が記載されております。「弁護士法第23条の2第2項がなされた場合においては、原則として照会に応ずるべきである」とされている一方、「通信の秘密に関する事項について提供することは原則として適当ではない」とされております。「なお、個々の通信とは無関係の加入者の住所・氏名等は、通信の秘密の保護の対象外であるから、基本的に法律上の照会権限を有する者からの照会に応ずることは可能である。もっとも、個々の通信と無関係かどうかは、照会の仕方によって変わってくる場合があり、照会の過程でその対象が個々の通信に密接に関係することがうかがえるときには、通信の秘密として扱うのが適当である」といったことが解説に掲載されております。

以上を踏まえまして、「販売事業者に関する情報の開示については、『通信の秘密』や『個人情報保護』に十分留意した上で、SNS事業者に対し、弁護士法第23条の2に基づく照会を活用することが考えられないか」というのが論点3でございます。

16ページと17ページは参考までに、現行の開示請求制度としてプロバイダ責任制限法について掲載しております。第5回の山田先生の資料の中でも記載していただいておりましたけれども、情報の流通により直接権利侵害していない場合とか、電子メールにより権利侵害をされているケースの場合は、特定電気通信には含まれないと解されております。そういった観点で、情報商材の事案については、一般的にはプロバイダ責任制限法の発信者情報開示請求権の対象にはならないと御紹介していただいたところでございます。

続きまして、3つ目のテーマ、「SNS事業者の自主ルール」につきまして御検討いただければと思います。

20ページ、「SNS事業者の自主ルールについて」ということで、事例といたしまして、消費者安全法に基づく注意喚起の事例を一度御紹介させていただきましたけれども、育児中の母親と称するLINEさんのアカウント等へ誘導されて、その後、副業を紹介するとのLINEさんの勧誘メッセージが送られてきたけれども、副業を行うためのマニュアルを購入してしまったところ、勧誘時とマニュアル記載の副業の内容が異なっていたという事例がございました。

今回使用されましたLINEさんの場合、公式アカウントでは情報商材を扱うことは禁止されているということがLINEさんの規定上盛り込まれております。そういった点を踏まえまして、SNS事業者は各社それぞれ一定の禁止行為等を定めている一方で、今御紹介したような事例が発生しているといったことを踏まえまして、利用規約等の自主ルールの実効性を確保することが必要と考えられますが、その方策はどのようなものが考えられるでしょうかというのが論点4でございます。

例えば、ここは議論のたたき台として挙げさせていただいております、モニタリングや違反行為への対応の一層の強化とか、消費者等からの情報提供ないし通報の受付窓口の整備、調査の実施と結果の公表といった制度の充実・強化等、そういったことが考えられるのではないかということでございます。

続きまして、論点5でございます。商的利用を目的としたアカウントの、事業者に関する登録情報の見直しや、それら情報の真実性を担保するために自主ルールで対応できることとしてはどのようなことが考えられるかということでございます。

これにつきましては、18ページにお戻りいただきますと、今、SNS事業者さんはアカウント開設時にどういった情報の登録が必要なのかというところを事務局のほうで整理させていただいております。おおむねSNS事業者のアカウントの開設には、利用者の電話番号またはメールアドレスの登録が必要となっております。相手方が電話番号でアカウントを取得している場合には、相手方の電話番号が分かれば、それを手がかりに相手方を特定できる可能性がございます。一方で、アカウントの開設はメールアドレスを用いることも可能とされておりますので、相手方がフリーメールアドレスで登録しているような場合は、その性質上、相手方の特定は困難となる可能性もあるということでございます。

この中で、特にLINEさんの場合は、一般的な個人で使う個人のアカウントのほかに公式アカウントというものがございまして、公式アカウントについては、アカウント名、業種、事業者の所在国・地域、メールアドレスが必須登録とされているということでございます。会社/事業者名は任意となっております。

一方、この公式アカウントの中に、LINEさんの場合は認証済みアカウントというものがございまして、認証済みのアカウントについては申込みフォームの項目が多岐にわたっておりまして、店舗/施設情報として、店舗名、業種、住所、電話番号、URL、あと会社自体の情報、あるいは申込者さんの情報、そういったかなり細かい情報まで登録事項として求めているということで、併せてLINEさんの審査を経た上で公式アカウントの認証済みアカウントが付与されるといった特徴がございます。

以上のような点を踏まえまして、論点5でございますけれども、商的利用を目的としたアカウントの、事業者に関する登録情報、この辺りを見直すことができないか、あるいは、その情報の真実性担保のために自主ルールで対応できることとしてはどのようなことが考えられるかといった点を挙げさせていただいております。

論点5の2つ目のポツでございます。通信販売における販売業者等の広告であることが認識できるよう、SNS上の表記に関して、例えば販売業者さんの名称とか連絡先、あるいは広告である旨の表記、こういったものを何らかの自主ルールを設けた上で表記することができないかといったことが論点5の2つ目のポツでございます。

論点6でございます。これは以前もワーキング・グループの中で御紹介させていただきましたけれども、行政が発信する情報ですと、消費者の皆さん、若者等はなかなか目にする機会も限られてくるということで、行政等と連携・協力して、行政等が発信する注意喚起情報を自らのSNSユーザーに対して伝達することを検討できないかというのが論点6でございます。

21ページ、22ページにつきましては、各SNS事業者さんが定める禁止行為を事務局のほうでまとめさせていただいております。LINE社さんの場合は、中段の下のほうにございますが、ネット関連ビジネス、情報商材といったものが禁止事項として盛り込まれているということでございます。

22ページ、Twitter社さんの場合は、禁止されている商行為の例として、例えば、虚偽の内容を含む、誤解を招く、または悪影響を及ぼすおそれのあるビジネス提案、こういったものが盛り込まれている。Instagram、Facebookさんの場合は、詐欺事案のようなものをかなり細かく、投資詐欺、恋愛詐欺、そういったものを禁止事項として規約の中で設けているといったことでございます。

自主ルールの検討の点でございますけれども、参考資料の中でお配りしておりますけれども、「消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ報告書」、令和3年8月に消費者委員会のほうでまとめたものが出ております。例えば、事業者へのインセンティブの付与といたしまして、消費者等の市場のステークホルダーが自主的な取組を積極的に評価することにより、事業者・事業者団体による更なる取組を促進していけるのではないか、そういった点が報告書の中でまとめられているといったことでございます。こちらは御参考までに御紹介させていただきます。

続きまして、4つ目の「今後の検討課題」でございます。24ページに移っていただきますと、論点7といたしまして、テーマの1で御検討いただく特商法11条の規定の表示義務の履行を補完する観点から、あるいは、今回のテーマの中に挙げられておりますけれども、SNS事業者の自主的取組の状況を踏まえつつ、既存の法律でございます取引DPF法の開示請求権等も参考にしつつ、例えば販売業者等について取引DPF提供者との法的立場の比較、それから、SNSの持つ社会的な役割、こういったものを慎重に検討した上で、民事上の新たな情報開示請求制度の創設を検討することも考えられるのではないか。こういったところを今後の検討課題として整理させていただいております。

それから、特商法11条が関与しない場面として、事例を1つ、御参考までに掲載させていただいております。27ページの緑の枠の事例でございます。国民生活センターの報道発表資料でございます。ロマンス投資詐欺の事案でございまして、マッチングアプリで男性と出会ったと。その男性と無料会話アプリでやり取りする中で、投資するよう何日も説得され続けた。結局、投資をしてしまったが、その後、最終的には連絡が途絶えてしまったという事案でございます。

このケースの場合、事業者というよりも、個人と個人のSNS上のやり取りの性格が強いものでございまして、今回検討していただく特商法11条の表示義務とは異なった性格の事例でございます。そういったことで、今回、今後の検討課題の一つとして御紹介させていただくということでございます。

以上、4つほど大きなテーマがございますけれども、御紹介させていただきました。御検討のほど、よろしくお願いいたします。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、共通した論点ごとに時間を区切って意見交換をできたらと思います。意見交換の時間は合計で80分程度でございます。よろしくお願いいたします。

まずは、特定商取引法第11条に関して、事務局から説明のありました論点1及び論点2について御意見をいただけますでしょうか。御発言される方はチャット欄にてお知らせください。よろしくお願いいたします。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 清水です。

説明、ありがとうございました。

2ページの事例についてですが、ちょうど6月に入ってから同様な相談を受けました。特商法の改正では、LINEでクーリング・オフができることになりましたので、クーリング・オフを法的な助言ということでしました。無料通話アプリで勧誘されたというのは電話勧誘だと明確な通達が出ておりますので、ここも争いがないものだと思いますが、相手は極悪層なのでなかなか悩ましい限りです。

問題はクーリング・オフで返金がない場合です。消費生活センターでは、クレジットカード、電子マネーとか、追跡ができるものであれば、販売会社と紐づいていますので、決済代行会社に連絡し、そこから販売会社の連絡先を見つけて交渉することができます。現金の手渡しとか銀行振込の場合は、解決、返金交渉が難しいです。やはりここはSNS業者の方々に御協力いただくしかないと思います。

よく、クレジットカードとか電気通信関係では、消費生活センター限りの窓口、連絡がつく窓口を設けてもらっていますので、是非SNS業者の方々にも直接消費生活センターのホットラインをつくってもらって、現場の状態を聞いていただけたら、相談に乗っていただけたら有り難いと思っています。

対策としては、事業者の方々に特商法の改正を徹底して、また、通達を徹底していくことによって、今までとは違う一歩前の法規制ができるのではないかと思っております。私たち消費生活センターは相談者の被害額を1円でも2円でも取り戻したいと思っていますので、連絡先が分からない、もちろん分かったとしてもうその名前や住所というのがあるかもしれませんが、まずはそこの一歩を進められたらと思います。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

ほかにございますでしょうか。

丸山委員、よろしくお願いいたします。

○丸山委員 事務局におかれましては、論点を明確に整理していただいてありがとうございます。

まず、11条に関して指摘されている点ですけれども、LINEさんの公式アカウントにつきましては、未認証のものについても誠実な業者というか、普通の真っ当な業者は、通信販売になるようなリンクの申込みに接続するときには、下のほうに特商法の表示へのリンクがしっかりと記載されていたり、連絡先がしっかりと記載されているほうが、私が利用しているケースについては多いのかなと思っております。

そうなると、まずはそういった理想的なモデルというのが既にこういったアカウントのところで実践されているので、こういうことをしなければ特商法の違反になるのだという周知などについても徹底していただいた上で、執行の強化ということもメッセージとして発信するというのはよい方向ではないかと思いました。

論点1と2に関しては以上でございます。

○後藤座長 ありがとうございました。

ほかにございますでしょうか。

板倉委員、よろしくお願いいたします。

○板倉委員 病院の待合室で申し訳ないです。

3つあります。1つは、11条は消費者庁からお話があったように、単独であまり執行することがないということでしたので、これは積極的にやっていだたくとともに、ペナルティーが今のところ軽いということであれば、恐らく公表とか、もちろん直接の命令とか罰則というものがあればより強力なのでしょうが、要するにみんながここに近寄らなければいいので、公表というものがサンクションとしてあるといいかなと思いました。

もう一つは、LINEさんに対して開示をかける前提として特定できないといけないのですが、特に、今回、個人アカウントまでどうするかというのはまだ論点だったと思いますが、個人アカウントは、やり取りしている相手からすると表示名しか分からなくて、特定ができない。23条照会に御回答できないという前提の前に、特定ができないので駄目といって蹴られているケースがあるというのを、我々も事案を探す中でほかの弁護士から聞いたりしておりますので、そこを何とか、例えばメッセージにそれぞれのIDが振られていて特定できるなどをしていただかないと、表示が勝手にころころ変わるから特定できないから開示には対応できないというのはよろしくないかなというのがあります。

最後に、開示請求権のところはまだペンディングで、今後ということにはなっていますが、それについては是非引き続き進めていただければと思いますので、よろしくお願いします。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 今、板倉さんが話したことと、ほとんど同じ話ですが、特商法の執行強化についてはほとんど実例がないということ自体がやはり死文化しているわけですので、この点について消費者庁のほうでもう少し考えていただくことが必要なのではないかと思っているところでございます。

そこの阻害要因をもう少し深掘りして、11条の執行に関する問題点を深掘りして、今ある法制度をより実効的にすることを考えていけばいいのではないかと思っているところです。論点1については大体そんなところです。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。

大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

論点1の防止のところです。防止の観点から、一連の購買プロセスにおいて、必ず消費者が容易に認識することができる場所に表示させることを徹底させる、ということで、これは基本的に絶対に必要なことだと思います。先日、消費者委員会の本会議でも取り上げておりました「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置について」の指針の中にも、この内容が組み込まれたのでは、と思うのですけれども、関連はどうなのかお聞きできればと思います。

○後藤座長 これは事務局でいかがでしょうか。

○田村企画官 アフィリエイト広告の話でしょうか。

○大石委員 はい。

○田村企画官 特商法の観点と景表法の観点と考え方が異なる部分もあると思いますので、一緒に考えるというのは少し慎重に考える必要があるかなということではございます。

○大石委員  分かりました。すみません。私もきちんと理解できておらずに質問してしまい、申し訳ありませんでした。どちらにおいても、表示の問題は、最低限進めていかなければいけない内容だなと思いましたので、意見として申し上げました。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 板倉先生や黒木先生と同じですが、実は11条で執行がないと消費者庁が言ってみえたことに対して、消費生活センターの現場ではもう4~5年前から、電話がつながらないという相談が多くて、その状況をPIO-NETに書きましたが、それも調べれば特定の会社だとわかるのに処分がされませんでした。もちろん情報商材業者は山ほどありますので難しいとしても、悪質な定期購入業者は明らかだったのに処分されませんでした。この機会に是非11条で連絡がつかないということに対して執行してもらいたいと強く思います。

ただ、事業者に言わせると、電話がつながらなくてもメールのやり取りだと書いておけばいいと言われる事業者も多かったのですが、そのメールのやり取りはAI対応で、答えがかみ合っていないのです。それでは対応しているとは言えず、問題だと思いました。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、論点1と論点2については以上にしたいと思います。

論点1につきましては、一連の購買プロセスにおいて消費者が容易に認識することができる場所に表示することを徹底させるべきではないかという論点整理が事務局からされておりますけれども、このことについては委員の方からも賛同する意見が出ております。論点2については、委員の方々から多数意見が出ておりまして、11条の執行については、執行強化が必要という点については委員の方々の共通認識と受け止めました。

以上、論点1、論点2については、既存の制度の活用をすべきである、こういう点でありますので、特に御異論があるということではなく、この論点整理のとおり、より活用ということを目指して運用していくことが大事だろうと考えます。

それでは、次の論点に移りたいと思います。現行法の下での情報開示に関して、論点3について意見交換をしたいと思います。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 弁護士法23条の2の照会の問題ですので、まず私のほうからということでお願いしたいと思います。

この問題は非常に難しい問題を抱えていまして、まず一つには、かつて、弁護士会は郵便局に対して転居届について、弁護士照会に対する報告義務について、報告義務があるかについて、このような確認の義務を求めることはできないという最高裁の判決が平成30年12月21日に出されていて、実務上は、これで結局転居先が分からない、弁護士照会をしても駄目だということになっていました。しかし、近時、郵便局のほうはこれを23条照会の対象にするという取扱いに変わっています。

こういう形で動いているところでして、特に個人のアドレスとか場所、氏名といったものは個々の通信の内容それ自体ではないのだろうと考えられるわけです。しかし、ガイドラインで書いてある、「もっとも」以下があって、「照会の仕方によって変わってくる場合があり、照会の過程でその対象が個々の通信の秘密に関係することがうかがえるときには、通信の秘密として扱うのが適当である」と、されているわけですね。

この取扱いは、事業者にこのガイドラインの「なお」と「もっとも」の相関関係を弁護士会の23条2の照会に回答するかどうかを事業者が判断することになることになるわけです。もし事業者が、回答してしまうと、それで回答された側からの通信事業者に対するクレームその他の問題を惹起することがあるので、なかなかガイドライン一本では難しいのではないかと個人的には思っているところであります。

したがって、私として今後このワーキング・グループで、実態としての弁護士法第23条の2に対する回答状況はどうなっているのかということについてヒアリングをして検討していくべきではないかと思っています。

弁護士会の照会制度については、直接的にそれを所管しているのは、日弁連の中では弁護士会照会制度委員会というものがありますが、これは委員会ですので、ここに直接ヒアリングといってもなかなか難しいと思います。そこで、日弁連の組織を通じて、弁護士法第23条の2に対する通信事業者の方々の回答の状況、それの問題点をきちっとヒアリングして問題点を洗い出した上で、ここの「なお」と「もっとも」の2つのガイドラインの解釈の仕方が、個々の通信事業者の人たちが完全に合意できるようなものが、弁護士法第23条の2の照会によって確立できるのであればよろしいのですけれども、そうでないのか、どうなのかということを検討すべきであろうと思っています。

この点については、愛知県弁護士会からもこの前意見書が出たところでありまして、これは通信事業者の方も難しいと思います。「なお」と「もっとも」で分かれているので。この辺りのところは、ルールを形成する中で深掘りをしていくことが必要で、法を改正せず23条の2の運用で変わるのだというのであれば有り難いと思います。今回、転居先について郵便局のほうが弁護士法23条の2の照会に回答するということになりそうです。それも解凍にあたっていろいろな制限をつけるということを弁護士会側と合意できればということのようです。今回のガイドラインについても、この辺りの検討も含めてと思っています。これは意見です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

弁護士会照会の件については、これは黒木委員にもし御存じだったらお尋ねしたいのですけれども、SNSの事例ではなくて、携帯電話事業者に対して同じような問題が起こった場合に、SNSと違う扱いがされているのかどうか、その辺については御存じでしょうか。

○黒木委員 実は、携帯電話に関しては、約12~13年前の闇金問題のときに、闇金業者は、正に携帯電話の090金融と我々は言っていたのですけれども、携帯電話しかなかったので、これの情報についてかなりやり取りをした結果、23条照会において契約者の住所と氏名は開示できるようにしていただきました。あれはすさまじくひどい話だったのでということです。

だから、今回も社会的な事実としてこういういろいろな問題点がSNSを通じて生じていることは間違いないと思うので、この辺りのところについて自主的なルールで解決することもできるのではないかなと思っています。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

板倉委員、よろしくお願いします。

○板倉委員 じっくり会議ができるという環境に戻りました。

さっき、論点1、2の関係だったのに先んじて言ってしまいましたが、一つは特定の問題ですね。表示名しか分からないので特定できないというのがよくないというのと、今、黒木委員からも御説明があったように、携帯電話事業者は電話番号が来ると登録情報は出しているのですね。これも会社によって反応が様々で、ソフトバンクさんなんかは大分長いこと出していなかったのですが、最近は基本的には電話番号があると登録情報が出るということです。LINEさんは、今までお聞きした限りだと一律23条照会では出ていないということでしたが、中身に関わらない部分、今、IDも分からない状態ですけれども、それは特定できるようにしていただけるとして、IDが分かれば、そこで登録したときの電話番号とメールアドレスは出していただくというのは、通常の携帯電話事業者とパラレルですので、そこまでは出していただいて違法だということはないですし、出して携帯電話事業者がトラブルになっていることもないので、そこまではやっていただきたいなと。

その電話番号が出れば、電話番号から更に23条照会を、大抵携帯電話でしょうから携帯電話事業者にかけると、登録情報が判明して必要な請求ができるようになるということで、そこは通信の秘密でやられていることは重々理解しますが、他の携帯電話事業者と平仄を合わせていただきたいなと思っております。

LINEさんは携帯電話事業者もSIMカードでやられていますよね。それは多分同じように電話番号が来れば登録情報を出していると思いますので、出していただきたいなと。2つですね。特定できるようにしてほしいというのと、中身に関わらない関係で相手が特定できれば、契約情報は23条照会で出してほしいと。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

事業者の方でもし何かコメントがおありでしたら、いかがでしょうか。

○SMAJ ソーシャルメディア利用環境整備機構の藤川です。

1点申し上げておくと、IDが外形的に分かるかどうかということに関しては、サービスの特性によって、サービスが複数ある中で違うというのがまず現状かと思います。例えば、URLにIDに値するものが出ているものもあれば、そうではなくて、ユーザー名は出ているけれども、ユニークに識別するような識別子が出ていないもので、そこはサービスの特性というか、いろいろな要素があって出しているか、出していないかといったところがあるので、一概にこの問題だけで出すのか、出さないのかというのは、判断というか、出すべきか、出さないのかというのは言えないのかなと思っています。

そんな中で、そもそも今回の論点のところの議論で、先ほど黒木委員からコメント等をいただいたところ、事業者としてもこういった照会に対して対応できるのか、対応できないのか、非常に悩ましいところがありますので、そこのところを検討、整理していただくのは、事業者にとっても今後の対応の一助となるかなと思っております。

一旦ここまで発言させていただきました。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。

板倉委員、よろしくお願いいたします。

○板倉委員 藤川さん、ありがとうございます。

御懸念はよく分かるところで、郵便のほうも、私、郵政のほうのワーキングの委員もやっていたのですが、転居情報というのは、現場になりますから郵便局それぞれで簡単に出すかどうかというのは懸念もあり、郵便のワーキングの中でもDVの被害とかをやられているNPOの方もおられたので、今ちょうどパブコメにかかっていると思いますが、DVとかにならないということを23条照会のほうでチェックした上で出そうということに、一応ガイドラインではなっています。

もちろん個別の23条照会は、さっき黒木委員からもありましたが、構造がややこしくて、日弁連は権限があるわけではないのですね。各単位会がやるものですので、おおむねこういうところでということで、今後恐らく郵便と弁護士会、日弁連のほうで協議があると思いますが、大枠こういうのであれば出してもいいよというラインまでガイドラインに書くというやり方で恐らくまとまりそうな感じがしています。何も根拠がないのに私が出してほしいと言っているから出すというのでは難しいということは分かりますので、ガイドラインに反映させるなりで、そこはリスクは限りなく大丈夫だ、法令解釈で大丈夫だというところまで、お願いするのであれば、書くべきだと思います。ありがとうございます。

○後藤座長 どうもありがとうございます。

○SMAJ SMAJの藤川ですけれども、1点だけ付け加えさせていただいてよろしいでしょうか。先ほどIDの話を少し差し上げたのですけれども、1点申し上げると、例えばLINEのほうのいわゆる友達になるためのIDというものがありまして、それに関しては御参考までに、例えば青少年が可能な限り第三者と知り合わないようにするためにIDの利用を禁止しています。このIDというのは自分のアカウントの識別子を設定して、例えばこれをどなたかに電話番号を伝えるようにIDをお伝えして、そこから双方がつながって友達になるというIDですけれども、このIDは利用を禁止していますので、IDでは友達になれないという使い方をしているのです。

先ほど申し上げたような、サービスによってはURL等でIDが露出されていて、もう明らかに分かっていてというサービスもあれば、そのような関係上、IDを露出していないというサービスもあるので、そこのところをどうやって今回の話とすり合わせて解決に向けていくのかというのが一つポイントになるかなと思いましたので、先ほどこのような御説明を差し上げたところでした。1点補足させていただきました。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

ほかにございますでしょうか。

板倉委員、よろしくお願いいたします。

○板倉委員 私ばかりで申し訳ないです。

藤川さんのおっしゃることはよく分かります。プライバシー保護と消費者保護と青少年保護は必ずしも常に同じ方向ではなく、今おっしゃったような論点はあるなと思いました。

結局、特定できさえすればいいので、何時何分のこのメッセージをしてきた人みたいな形で、それこそ恐らく巨大なデータベースを検索することになるので、その検索の仕組みはないといけないのですが、何らかの形で特定できればいいということで、常に例えばプロパティを見ればIDが分かるという状態にしてほしいというわけではないので、結局、やり取りをしているのに、特定できないので出せませんというのはやめてほしいというだけなので、そこは工夫していきましょう。お願いします。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

ほかによろしいですか。

お願いいたします。

○加納事務局長 事務局の加納です。

今の板倉先生の何時何分のというところについては、15ページの個人情報ガイドラインによると、何時何分というのはどこまで入るかという問題はありますけれども、ここに書いてある通信年月日等通信の構成要素については通信の秘密に関する事項と、原則として提供することは適当でないことの例として挙げられておりますので、御参考までに申し上げました。

○後藤座長 どうもありがとうございます。

よろしいでしょうか。ほかにございませんでしょうか。

論点3につきましては、通信の秘密との関係で難しい問題があって、どう考えるかというのは困難な状況にあると思います。事業者の方、藤川委員からも、青少年の保護という論点もあるという形で、新しい考えるべき問題についても提示していただきました。

先ほど私、弁護士会照会につき、携帯電話事業者の場合はどうなのかということで質問させていただいたのですけれども、郵便局の場合についても委員の方から言及していただきまして、SNS事業者と携帯電話事業者、郵便局、こういうものについて、例えば携帯電話事業者については弁護士会照会に応じているという実績があるのに、SNS事業者については応じないということで、整合性が取れるのかということも問題になってくるのではないかと感じました。

いずれにしましても、ここについては通信の秘密との関係で重要な問題がありますので、今後引き続き検討が必要ですが、本日の範囲では、論点3については以上の議論にさせていただきたいと思います。

それでは、次の論点に移りたいと思います。論点の4から6について意見交換をしたいと思います。SNS事業者の自主的取組に関する問題ということであります。よろしくお願いいたします。

清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 清水です。

SNS事業者の方たちには自主ルールの整備と運用は是非お願いしたいと思います。社名を挙げると、LINEだけではなくて、最近はテレグラムも匿名性が高いということで犯罪に使われているという話も聞いています。リーディングカンパニーがきちっと整備・運用することによって、悪質業者を排除できますし、ほかのSNS事業者が見習ってまねをすると思います。業界団体に入っていただいて、その業界をよくしていただけるというのがあると思います。全体のモニタリングというのは私も難しいとは思いますが、消費生活センターから連絡したときに相談を聞いていただいて、そういうものをモニタリングする、全部をやるということは不可能だと思いますので、そういった連携ができればいいなと思っています。よろしくお願いします。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 ありがとうございます。

これは非常に重要な問題だと思っていまして、実は私の知り合いの事業者の人たちがLINEさんの公式アカウントを持っていて、ただ、全員未認証なのです。いわゆる灰色マークなのです。

ただ、彼らにしてみると、公式アカウントを取得することによって、大変安い広告代金で、自分のマーケットエリアの人たちに、例えば店舗でLINEの公式アカウントを登録してもらうと、いろいろな形での店舗の情報とかサービスの情報を発信できるという利便性があるということです。ある事業者は、コロナのときにこれがなかったらうちは潰れていましたと言っていましたので、それぐらい非常に大きな社会的な意義を持っていらっしゃると思うのです。

ここから質問ですけれども、どうして詳しい情報を認証と未認証で分けていらっしゃるのか。誠実な人たちだったら、これを是非公式アカウントで認証したいということであれば、様々な情報をちゃんと提示されると思うのですね。そこでどうして認証、未認証を分けていらっしゃるのか。そこの点が非常に疑問であります。認証公式アカウントしかLINEの認証公式アカウントにはないのだというふうにするということがなぜできないのかということについて、会社の内部情報にわたることだったらお答えできないということでいいのですけれども、この公式アカウントについて注意するように見てくると、そういう疑問を感じておりますので、発言兼、もしも回答できようでしたら質問です。よろしくお願いします。

○後藤座長 藤川委員、いかがでしょうか。

○SMAJ この点については私のほうで明確なお答えを持ち合わせておりませんで、控えさせていだたきたいと思います。

○黒木委員 分かりました。ありがとうございます。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

国民生活センターの加藤委員、よろしくお願いいたします。

○国民生活センター ありがとうございます。

今回、ワーキング・グループで、公式アカウントかそうではないかという違いを見るのも相談現場の着眼点なのだなということで勉強させていただきました。正直申し上げますと、今まで、最終的な事業者はどこなのか、そこと交渉するので、どういう人が勧誘してきてという点では名前は見るのですけれども、あまりアカウントのマークまで相談員もチェックしておらず、今回こういった資料とかを展開して相談員のほうも勉強になったと申しておりました。

先ほど清水委員がおっしゃったように、相談現場で見ていると、国センではAセンターとBセンターに同じような相談が入って、同じアカウントの人から勧誘されたりということが見えるので、せめて消費生活センターから情報提供をする窓口があると、今後の被害の防止という観点からよいのではないかなと思っておりまして、この論点を挙げていただきましたので、国センとしても是非実現できたらいいなと思っているところでございます。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、丸山委員、よろしくお願いいたします。

○丸山委員 私も、ここでの自主規制というものがどのように今後機能していくのかというのは非常に重要であると思っております。更に強い法規制が必要かというのは最後のところの論点提起になっておりますけれども、そこに行かないためにも自主ルールでどこまでできるのかというのは重要な課題だと思っております。

そこを踏まえた上で、例えばLINEさんだと公式アカウントの未認証の場合についても、そういったアカウントを利用して最終的に通販をすることになっていたり、あるいは繰り返しそういった通販の勧誘をするような場合については、例えばプロフィールのようなところに事業者名とか電話、住所という最低限必要な情報を記載することを自主ルール的に求めるということはかなり難しいものなのかということが、質問になってしまうのですけれども、お伺いしたかった点でございます。

そういった情報を求めることができれば、そこに虚偽の記載がある場合に、自主ルールとしてのサンクションも発動できることになると思いますので、そもそもそういった通販とリンクするような場合について、プロフィールなどに最低限必要な情報、正しい情報を記載してもらうといったところも、普通に実践されている業者さんはいっぱいいると思うのですが、難しいのかどうかというのを教えていただければと思いました。

以上です。

○後藤座長 藤川委員、いかがでしょうか。

○SMAJ 今、丸山委員から御指摘、通信販売等を継続的に行われる事業者に対して表示をどう促していくのか。一方で、公式アカウントしかりですけれども、SNS自体がいろいろな事業に使われている、一般のユーザーも含めてというところの中で、何かしらの事業といったところにフォーカスを当ててどういうふうに促していくのか。

そのときに、論点4、5、もしくはその前にもありましたような、いわゆる注意喚起もしくは啓発という形で、例えばこういった事業を営む方はこういったことをしてくださいというようなお伝えの仕方も一つあるのかなと考えました。

そうすることによって、例えば先ほど黒木委員がおっしゃっていたような、真っ当な事業者がそういったことを進めていただくことによって、それを利用する事業者のほうでも、例えばそういった表示があるかどうかを見て、ある一定の判断の一助になるような、そういった全体の流れがつくれるような取組ができないかなと、ジャストアイデアというか、今聞いていて思ったところですけれども、そういったことが検討できればいいのかなと思いました。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。

ここにつきましては、自主ルールの問題でありますけれども、各委員から自主ルールについての積極的な御意見を伺ったと思います。論点4、論点5、論点6を通じて、それぞれSNS上の表記の問題、11条の表示をどういうふうに促していくかという観点から、先ほどの論点1、論点2で議論していたところにもつながる意見が出ていたと思います。

それから、SNS事業者と消費生活センターとの連携ということについても御意見が出ておりました。自主ルールでうまくいかないということになると法規制になると思いますけれども、その法規制の前の段階で自主ルールによって一定の成果を上げるということが非常に重要なことだと考えますし、藤川委員の御意見からも、委員の方々の御意見を積極的に受け止めて今後生かしていただくという姿勢を感じました。そういうことから、自主規制についての重要性ということをここで確認して、次の論点に移りたいと思います。

次の論点7、今後の課題について意見交換をしたいと思います。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

黒木委員、よろしくお願いいたします。

○黒木委員 この問題は、結局、プロバイダ責任制限法でも発信者情報は開示されない、取引DPF消費者保護法でも販売事業者ではないのでDPFから開示されず分からないという形で、要するに大きな法の穴が空いていると思うのですね。穴が空いているところについて弁護士法第23条の2を使って何とかできないかということはもちろん十分検討すべきだと思っていますが、制度として穴が空いているということは真正面から捉えるべきではないかと思っています。

そうすると、そこの制度的な枠組みをある程度議論をして、それについての何らかの方向性を私はこのワーキング・グループとして出していいと思っています。これは個人的な意見です。少なくとも穴が空いていることだけは間違いないので。

弁護士法第23条の2による照会制度ですが、使っている側がこういうことを言うのも変ですけれども、「ふわっ」としているのです。最判平成28年10月18日では、弁護士照会について弁護士会が法律上保護される利益まではないと判示していることでもわかるように本当に「ふわっ」としています。そうなると、弁護士照会に回答する事業者の方々にとっても、リスクがあることは否定できません。他方、今後デジプラを使う新しいコミュニケーションツールになっていくことは間違いないので、そこについて何らかのルールを法として考える、その方向性自体は是非検討すべきだと思っています。これは意見です。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

丸山委員、よろしくお願いいたします。

○丸山委員 自主規制等がうまく機能しない、あるいは不十分だとなった場合に、法規制の在り方としては、整理していただいておりますように、取引DPF法を参照するというのがやはり筋がいいのではないかと私自身も思っております。

特にSNSを使って継続的に通販に利用されるという状況に至りますと、恐らく区別している理由がなくなってくるのかなと思います。違いというのももちろんあると思いますが、法制的には手当てするとしたらこういう方向でというのは、そうであろうと思いますので、それを検討しつつ、LINEさんに限らずSNS事業者さんが、どういった自主的取組をまずはしていただけるのかという兼ね合いを見ながら検討を進めてよいのではないかと思います。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

板倉委員、いかがでしょうか。

○板倉委員 ありがとうございます。

まずは、請求権がきちんと論点に入っていることは有り難いと思います。今、かなりいろいろお話しして整理されてきたように、この会議はSNSを経由した取引についてお話をしていますので、そこで必要かどうかというところで、それはデジプラ法が適用になるというのであれば、それを使ってもいいし、そこはまだ明確な回答はいただいていませんが、それでは無理で、かつ、LINEさんが協力していただいても出すべきものがあって、それは請求権がないと通信の秘密の壁で出さざるを得ないのだというのであれば、立法したほうがいいのかなというのと、もう一段階目は、最後のロマンス詐欺とかも書いてありますが、この場面に限らず、LINEさんだけでなくてテレグラムも含めていろいろ悪いことが起きているので、2段階目も必要なのではないかというのは残していただいたほうがいいと思っています。

LINEさんは、こうやって来てくれるわけですから、交渉の余地があるわけですけれども、テレグラムなんて、さっき貼っておきましたけれども、イギリスの会社ということになっていますけれども、そうなのかどうかもよく分からないですし、元がロシアなので、はっきり言って得体が知れないわけですね。しかしながら、完全に暗号化して通信ができるということで、ウクライナのほうでも愛用されていたりするわけで、そういうところも含めて、これはもう法的な請求権でなければ絶対に対応しないでしょうから、使われている実態が多くて、詐欺とか脅迫、恐喝に近いようなものにまで使われているということであれば、これは問題として捉えた以上は請求権も今後検討しなければいけないという2段階で、1段階目は割と直近の課題ですし、2段階目は問題として把握した以上は少なくとも続けて議論していただくということでやっていただくといいのかなと思います。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

ほかに意見はございませんか。

飯島委員、よろしくお願いします。

○飯島座長代理 飯島でございます。ありがとうございます。

今までの御議論を伺っていて、何となく分かるようで、しかしまだよく分からない部分がございまして、非常に大ざっぱですけれども、一言申し上げます。

前の論点にも関わるところですが、まず自主ルールで、それで対応できなければ法規制、という順にはなるかと思うのですけれども、特に自主ルールについてもし懸念があるとしますならば、非常に影響力が大きく、ルールの設定や変更によって、業界、利用者のみならず、法、行政も影響を受けうるということがあります。もちろん、経済的な計算に基づきつつ、社会的な役割にも基づいて市場のルールが形成されているとは思いますが、しかし、自主ルールにどこまで委ねてよいのか。自主ルールに委ねた上で行政が関与する場合には、そのルールの実効性も内容についても関与の仕方がより難しくなるかと思います。

さらに、論点6では、行政の発信する情報を伝達するとあり、もし、いわば政府言論にも近い役割を期待することになれば、懸念がなくはないのかもしれないと思いました。

論点7で、社会的な役割を慎重に検討した上でとありますので、そういった懸念を踏まえた上での制度設計がなされるものと承知しておりますけれども、一言だけ申し上げました。

以上でございます。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。

論点7につきましては、黒木委員から法の穴が空いているという御指摘を受けまして、丸山委員からは、より具体的に、取引DPF消費者保護法の開示請求を参照するのが適切という御意見をいただきました。板倉委員からも、新たな開示請求を目指すことが必要という御意見をいただきました。さらに、自主ルールについての懸念ということも飯島委員から示されております。論点7については、このようなことを参考にして考える必要があるのではないかと思います。

もし、現時点で可能であればお尋ねしたいのですけれども、丸山委員が先ほど取引DPF消費者保護法を参照するという形でここでの情報開示ということを考えるというお話だったと思いますけれども、それに関して、例えば法律にそういう制度を置くとすると、どの法律のどの位置に置くということまでお考えでしょうか。一番極端なのは特別法をつくるみたいなこともあるかもしれませんが、どうなのでしょうか。

○丸山委員 そこまで具体的に詰めているわけではないのですが、発想としましては、現在ある取引DPF法の適用対象を考えていただいて、SNSの事業者さんは今対象外になっているのですけれども、有償の通販を行う場合については、そこで範囲を拡大するということで、別個に大きな特別法をつくるというよりは、そういったことで対応できるのではないかというイメージでした。今のところはそのくらいです。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

全体を通じて御意見がありましたらお出しください。よろしいでしょうか。

本日は、SNSを利用した情報商材等の消費者トラブルについて、「販売業者との連絡不能等」について議論をしました。これまでのワーキング・グループの議論の中でも、SNSを端緒とした消費者トラブルに関して、契約解除、返金等を求める段階で、販売業者の住所や電話番号等が分からないためトラブルの解決が困難となるケースが指摘されておりました。

本日の議論では、特商法第11条に基づく販売業者に関する情報について、適正な表示の徹底や執行強化、情報開示に関する弁護士会照会の活用、SNS事業者による自主ルールの徹底、行政等の発信する注意喚起等の周知に関する官民の連携、そして、新たな制度の創設について論点として取り上げ、貴重な御意見をいただきました。

特商法第11条を遵守させるための方策として、特商法第11条の執行強化が重要であるということについては共通の認識があったと思います。

また、SNS事業者の自主ルールの在り方についても、ユーザーからの情報提供や通信機能を充実させるための方策、特に商用利用されるアカウント作成時の登録情報の見直しや、審査をより厳格に行うことが必要であり、そのような消費者保護に資する取組を行うSNS事業者が消費者に評価・選択されることが重要であると考えます。

さらに、新たな制度の創設につきましては、本人確認や情報開示の制度を設けることが重要になってくると思います。

その検討に際しましては、情報商材や副業等のトラブルだけでなく、ロマンス投資詐欺等のトラブルも念頭に置く必要があると考えます。

一方で、これらの問題については、先ほどから議論がありますように、通信の秘密との関係がありますので、慎重に検討することが必要なのではないかと思います。

本日は、とりわけ自主ルールのところにつきまして、事業者からも前向きなご意見をいただきました。それから、今後、弁護士会照会について調査をし、検討を進めるということに対して、事業者としても今後の対応の一助になるとして、積極的な御意見をいただきました。そのような方向で実り多い議論ができたと思います。

次回以降、ワーキング・グループの取りまとめに向けた議論を行って、更に考え方を進めていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。


《3.閉会》

最後に、事務局から今後の予定について説明をお願いいたします。

○田村企画官 本日は大変ありがとうございました。

次回の開催につきましては、日程が決まり次第、消費者委員会のホームページを通じてお知らせいたします。

以上です。

○後藤座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございました。

(以上)