第30回 消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ 議事録

日時

2021年6月9日(水)13:00~14:01

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

【委員】
丸山座長、新川座長代理、片山委員長代理
【オブザーバー】
柄澤委員、大石委員、大阪大学大学院法学研究科教授 清水真希子氏、京都大学法学系(大学院法学研究科)教授 原田大樹氏
【説明者】
株式会社メルカリ会長室 岡本洋平政策企画マネージャー
【事務局】
加納事務局長、太田参事官、大岡企画官

議事次第

  1. 開会
  2. CtoC取引プラットフォームに関する事業者ヒアリング
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○太田参事官 本日は、皆様、お忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから、消費者委員会第30回「消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ」を開催いたします。

本日は、所用により、山本委員長が御欠席で、片山委員長代理が多少遅れているということでございます。

議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第に配付資料を記載してございます。不足等がございましたら、事務局までお知らせください。

なお、本日の会議はウェブ会議による開催となります。公開で行いますが、感染拡大防止の観点から、一般傍聴者は入れず、報道関係者のみに傍聴していただいての開催となります。

議事録につきましては、後日、公開することといたします。

次に、ウェブ会議による開催に当たりまして、お願い申し上げます。

1つ目に、ハウリング防止のため、御発言いただく際以外はマイクをミュートの状態にしていただきますようお願いいたします。

2つ目に、御発言の際は、あらかじめチャットでお知らせください。座長に御確認いただき、発言者を指名していただきます。指名された方は、マイクのミュートを解除して、冒頭でお名前をおっしゃっていただき、御発言をお願いいたします。御発言の際、配付資料を参照する場合には、該当のページ番号も併せてお知らせください。

なお、御発言の際は、可能であれば、映像のミュートを解除していただきましたら、どなたがお話しになっているかが分かりやすくなりますので、御協力をお願いいたします。

3つ目に、音声が聞き取りづらい場合には、チャットで「聞こえない」「聞こえにくい」などと御記入いただきまして、お知らせいただきますようお願いいたします。

それでは、丸山座長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。


≪2.CtoC取引プラットフォームに関する事業者ヒアリング≫

○丸山座長 それでは、本日の議題に入らせていただきます。

本日は、C to C取引プラットフォームに事業者の自主規制の活用状況について、ヒアリングを行いたいと思います。

本日は、株式会社メルカリ会長室政策企画マネージャー、岡本洋平様にヒアリングをさせていただきます。

御入室いただきますので、委員、オブザーバーの皆様は、準備が整うまで少しお待ちください。

(株式会社メルカリ入室)

○丸山座長 本日は、参考人として、株式会社メルカリ会長室政策企画マネージャーの岡本洋平様にお越しいただいております。

本日は、大変お忙しい中ありがとうございます。

それでは、15分程度でお話しいただきますようお願いいたします。

○株式会社メルカリ会長室岡本洋平政策企画マネージャー ありがとうございます。株式会社メルカリ政策企画の岡本と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

1枚おめくりいただきまして、2ページ目でございます。まず、メルカリについて簡単に御紹介させていただきます。

既にこの会議の議題にも書かれておりますとおり、C to Cのフリーマーケットのサービスでございます。簡単に要らなくなったものを他の方にお売りすることができるサービスでございまして、2013年7月にサービスを開始してございます。2020年12月、昨年の末までに累計で20億品の出品があるといったサービスになってございます。出品に関しては無料なのですけれども、物を売り上げた際の売上金の10パーセントが手数料としてメルカリに入るというビジネスになってございます。

3ページ目でございます。メルカリの特徴でございますけれども、大きく3つございまして、1つは、エスクロー決済を用いているところでございます。金銭のやり取りに弊社が介入いたしまして、物が届いて、そのものがしっかりとしたものであると確認された上で、弊社から売上金を出品者の方にお渡しするというサービスでございます。

それから、配送に関してでございますけれども、メルカリ便という独自の配送サービスを設けておりまして、宛名書きを不要で配送ができますとか、出品者の方のプライバシーに配慮した形で、匿名でお送りすることができるというサービスを提供しています。

また、出品の作業のときでございますけれども、写真を撮りますと、AIを使ってそのものが何であるかを判断いたしまして、そのもののデータを弊社が持っていれば自動で入力する、あるいは他の取引の様子から価格をサジェストして、出品者の方に御提示することができるサービスになってございます。

そういった形で簡単に出品ができますし、弊社が取引の間に立って仲介するというサービスになってございます。

4ページ目以降でございますけれども、ここからは、消費者保護の関連に関する自主取組について御紹介させていただきたいと思います。

まずは「取引の流れ」でございますけれども、先ほど申しましたように、このシステムは、個人の売主と買主の間の売買を仲介するシステムになってございまして、その関係性は利用規約に規定しているところでございます。会員登録時にあらかじめ利用規約に同意をいただくことをしておりまして、それによって商品の売買を可能にしているということでございます。基本的には、売主と買主の方でやり取りをしていただきますけれども、トラブルが発生した際に、どうしても弊社が介入しなければ解決しないという状況になりましたら、利用規約上、弊社も介入できるという形になっているということでございます。

まずは会員登録をしていただきますけれども、会員登録時にSMS認証とか利用者の情報の入力をしていただいて会員登録を終えていただきますと、次に商品を探していただく、あるいは出品していただいて売買に移るということでございます。先ほど申し上げましたように、物を受け取って、そのものの評価をして、出品者の方も購入者の方を評価することができますと、出品者のほうに売上金が移ります。その売上金は、メルカリ内での決済とか、弊社はメルペイという金融サービスも提供しておりまして、メルペイサービスを使った外部店舗での決済にも売上金を使っていただけるということでございます。

サービスの中で本人確認をしてございます。大きく3つの点で本人確認をしてございます。

今の御説明は5ページ目になります。まずは、会員登録時でございます。先ほど申し上げましたように、SMS認証を使ってやるものと、本人情報を入力いただくことをしております。

それから、売上金を引き出す際でございます。入力いただいた本人情報と売上金を引き出す先の銀行口座の名義を突合いたします。ここで名義と登録済みの氏名が合致しない場合には、売上金を引き出せないという形になってございます。登録済みの氏名を変更することになります場合には、身分証の提出を求めて、登録済みの氏名を変更していただくことになります。

3点目でございます。金融サービスのメルペイを使うときでございます。メルペイの口座を登録いたしますときに、犯罪収益移転防止法に基づいて本人確認を実施しております。具体的には、銀行口座を登録して、そこからお金がチャージできるようになる場合と、免許証などを使って、スマートフォンで御自身の顔と免許証などを撮影いただくという大きく分けて2つのパターンがございます。その他にも、最近ではマイナンバーカードのチップを使った本人確認も実施しているということでございます。

6ページ目に移らせていただきます。マーケットの運営に当たっては、監視等の業務を行っているところでございますけれども、そうしたことのルールに関して、日々検討しているところでございます。

そうした中で、昨年のちょうど今頃でございますでしょうか、消毒液の高額出品が話題になりましたり、昨年の3月頃でございますけれども、マスクの転売が禁止されたといったことがございました。そのときに、弊社に対しても様々な御意見をいただいたところでございます。

そこで、二次流通のマーケットプレイスがどういう役割を果たすべきかということを改めて議論しなければならないと考えまして、昨年の7月の末頃に「マーケットプレイスのあり方に関する有識者会議」を立ち上げました。今、ここにお示ししているような方々にお集まりいただきまして、「マーケットプレイスの果たす役割について」を議論の出発点として、どういった出品の監視をすればいいのか、取引の監視をすればいいのかということを議論してまいったところでございます。そして、規制すべき取引の線引きとかその言語化の議論、また、マスクとかの出品に関する実態調査なんかもこの有識者会議の流れで実施いたしまして、その結果も踏まえて議論を進めて、8ページ目でございますけれども、マーケットプレイスの基本原則を今年の1月末に公表いたしました。

この基本原則の柱は大きく3つありまして「安全であること」「信頼できること」「人道的であること」を掲げております。この3つの柱を持つ基本原則を利用規約とかガイドの背景となる基本的な考え方として位置付けております。ですので、今後、そのルールや運営方針の変更などを行っていく際には、この基本原則によって立つということにしてございまして、これによってマーケットプレイスの運営の透明性を高めていくものとなってございます。

9ページ目でございます。この基本原則に基づきまして、具体的にどういった取組をしていくかということも併せて公表しておりまして、一つには「マーケットプレイスのあり方に関するアドバイザリーボード」を設置いたしまして、この基本原則に基づいた対応ができているかどうかというところをレビューしていただいたり、基本原則そのものも必要に応じて見直していくことを考えております。

それから、日々のルールの検討とか個別の出品物への対応に関しましては、マーケットポリシー委員会を社内で設けておりまして、こちらで議論していくことにしてございます。

また、人気が高騰して、価格が一時的に急騰するような商品も出品されます。そういったものに関しまして、現在、外部のステークホルダーと連携してアラートを発する機能も開発しておりますし、現にそうした商品に関して注意喚起も行っているところでございます。

その他の点につきましても、ステークホルダーとの連携・対話を通じて、よりよいマーケットプレイスを目指していくこととしております。

では、具体的にどのようなルールの運用をしているかということでございます。10ページ目でございます。マーケットポリシー委員会を設置していると先ほど申し上げましたけれども、こちらで個別の出品物に関する対応を議論していたり、個別の行為に関する対応を議論しているところでございます。

マーケットポリシー委員会での議論を通じて、ルールを改定することがございます。資料の10ページ目の左側の図にメルカリガイドが掲載されておりますけれども、禁止出品物に関しましては、こうしたガイドを設けて示しているところでございます。

これを改定した際に、例えば、文字だけで書くと分かりづらい場合もございまして、そうしたときには、必要に応じてブログなどを使って、例示とか図も用いて分かりやすく説明することを心がけております。

右の図がその例でございます。例えばこの例では、モバイルバッテリーの図になりますけれども、PSEマークがついているものを出品してくださいというルールになってございまして、例えばPSEマークがついているのはこういうところでございますという図を示していたり、ついていないものの例を示していたりということをしてございます。

11ページ目でございます。実際の監視なのですけれども、AIも用いた監視検知システムを用いております。AIによりまして、出品された商品の違反スコアを計算いたしまして、スコアが高ければ一旦非表示にして、人が確認をする。確認をした結果、規約違反かどうかを判断する。最終的に削除するか、そのまま出品していただくかということをしてございます。

それから、これは社内だけではなくて、様々なステークホルダーとの連携もしております。外部の権利者の方もそうですけれども、その権利者の団体でありますCIPPに加入して、権利者の方とも対応について議論しておりますし、EC事業者協議会という我々の業界団体とかオンラインマーケットプレイス協議会、全国万引犯罪防止機構などに参加して、盗品とかその他一般の消費者保護の取組について、いろいろと意見交換をさせていただいているところでございます。

12ページ目は、カスタマーサービスの体制でございます。24時間365日運営できる体制にしているというのがこのスライドでございます。

13ページ目でございます。実際にトラブルが起きた際に、どのように解決しているかというところの例をお示しさせていただきたいと思います。

この例では、取引キャンセルをした場合の例でございます。出品者と購入者が合意をすることで取引キャンセルをするというのが原則になってございます。そのために、取引メッセージを送ることができまして、これはキャンセルだけではなくて、いつ届きそうですとか、今発送しましたといったこともメッセージとして送ることができますけれども、そういったところで、この商品についてキャンセルしたいのだけれどもといったこともやり取りができるものになってございます。キャンセルについて合意されましたら、カスタマーサービスに御連絡いただくことでキャンセルが実施できるというものでございます。キャンセルをしますと、商品の返品がなされたことを確認して、その時点で弊社が売上金を預かっておりますので、弊社から購入者に売上金を戻して、出品者には商品が手元に戻っている状態になるということでございます。

また、どうしてもキャンセルができない場合、出品者あるいは購入者が何も反応しないとか、出品者が物を送らないといったこともございます。そうした場合で取引の続行が不可能だと判断される場合には、メルカリの判断でキャンセルを行うこともございます。

14ページ目でございます。その他にも紛争解決に関する取組を幾つかやってございます。

例えば返品・補償対応でございます。商品の不備とか破損があった場合、あるいは届いた商品が偽造品であった場合などにつきましては、弊社が補償対応をするといった場合がございます。

それから「権利者保護プログラム」を設けておりまして、特に偽造品あるいは模倣品に関してなのですけれども、通常は弊社でも監視しておりますが、権利者の方から権利侵害の申立てをいただくことがございます。その権利侵害の申立てをスムーズに行えるように「権利者保護プログラム」を設けております。

また「製品安全サポート」ということで、メーカーが製品安全に関して情報発信をしているものを弊社で出品者、購入者の方、すなわちその商品をお持ちの方にピンポイントでお届けするというサービスもやってございます。

こうした取組に関しましては、15ページでございますけれども、弊社のウェブサイトとかオンラインマーケットプレイス協議会を通じて情報発信をしているところでございます。弊社のウェブサイトの上では、特にトラブルになったときに、どのように解決したらいいかというところを一覧でお示しする取組もしております。

それから、オンラインマーケットプレイス協議会ですけれども、同業他社のサイトを通じて情報発信をしておりまして、各社の消費者保護に関する取組が横並びで分かるような状況になってございます。

最後でございます。16ページ目でございます。個人情報の利用、第三者提供についてでございます。この点につきましては、プライバシーポリシーに細かく規定しているところでございます。

ただ、その文章自体は厳密に書く必要がございますので、硬い文章になってございまして、それを分かりやすくお示しするプライバシーガイドも用意してございます。こちらも弊社のホームページで公表しているところでございます。そのプライバシーガイドの記載例を下の3つのボックスに記載しておりますので、御参照いただければと思います。

○丸山座長 ありがとうございました。

それでは、これより30分程度質疑応答の時間とさせていただきます。

ただいまの御説明を踏まえ、御質問、御意見等がある方は、御発言をお願いします。御発言される際には、チャット欄に御投稿ください。

それでは、原田オブザーバーから質問をお願いします。

○原田オブザーバー 京都大学の原田と申します。

御説明ありがとうございました。大変興味深く伺いましたけれども、2点ほど教えていただきたいことがございます。

第1点は、2021年にマーケットプレイスの基本原則を作られたということですけれども、そのきっかけは何かということについてです。途中、コロナ禍に伴うアルコール消毒液やマスクとかの高騰の問題について言及があったかと思いますけれども、それが中心だったのか、他にも何か契機になるものがあったのかということについて教えていただければと思います。

2点目は、エスクロー決済についてです。私は、個人的にはメルカリを使ったことがなくて、別の会社のものを一度だけやったことがあるのですけれども、こういう取引だと相手方がきちんと物を送ってくるのかとか、ちゃんとしたものが来るのかというのが非常に心配でありまして、別の使った会社のほうですと、保証金みたいな制度があったような気がいたしますが、エスクロー決済によって物が送られてこないとか、変なものが送られてきた場合のトラブルはかなり減少していると考えていいのか、あるいはエスクロー決済においてもなお生じているトラブルはどういうものがあるのかということについて、教えていただければと思います。

また、併せてエスクロー決済の際には、受取評価がされているようなのですけれども、この評価が出品者の行動に対してどれぐらい影響を与えているのか、つまり、出品者が変なものを出品しないとか、丁寧に物を送るということについて、どの程度役に立っているのかということについても併せて伺えればと思います。

○丸山座長 よろしくお願いします。

○株式会社メルカリ会長室岡本洋平政策企画マネージャー ありがとうございます。

1点目でございます。基本原則を定めたきっかけでございますけれども、これは原田オブザーバーからも触れていただきましたように、昨年のコロナにおいて、マスクや消毒液とかの高額の出品が話題になったということでございます。

もともとマスクとか消毒液、体温計などのものについては、特に出品を規制しているものではなく、初期においては、特に何も対応していなかったところでございます。やがて様々な御意見をいただく中で、徐々に監視をし、禁止し、最後は法律でも禁止されたという流れがございました。こうした動きを踏まえて、我々としてよりプロアクティブに動く必要があるのではないかと。そうはいっても、どういったときに自主的に動くべきなのかといったところの線引きができていなかったところでございます。

したがいまして、我々として、もっとよりよいマーケットプレイスにしていくために、自らの中で動くときの基本的な原則を定めていくべきではないかということに至りまして、今回のような議論になったということでございます。

その議論の中で、人気商品で価格が急騰するものについても規制が必要になるのではないか、どうかというところが論点になりまして、検討した結果として、それ自体を規制するということではなくて、お客様に情報を提示していくことが重要であろうということになり、新たな機能、9ページ目の価格アラートの追加が出てきたところでございます。

2点目でございます。エスクローサービスによるトラブルの防止の観点でございますけれども、一定程度トラブルは防げているものと思いますが、トラブル自体はやはり発生しているということでございます。要は、商品が届かないとか、届いた商品が壊れているという問合せは、現に通常でも来ているということでございます。

それから、受取評価の効果でございますけれども、これも出品者、購入者の行動をよいものに変えていくという効果は一定程度あるのではないかと思います。統計的なデータがあるわけではないので、あくまで肌感覚としてということで御理解いただきたいと思います。

○丸山座長 ありがとうございます。

続けて、片山委員から御質問をお願いします。

○片山委員 ありがとうございます。委員の片山です。

御説明ありがとうございました。9ページの右側の下の段のところをもう少し具体的に教えていただきたいと思います。

一つは、ステークホルダーとの連携・対話がとても大事な仕組みだと私も思うのですが、例えばお客様との意見交換や対話を通じてこの基本原則を浸透させるために、どのような利用をしたり、あるいはどういう手法を使っておられるのかということをお教えいただけますでしょうか。

もう一つ、一番下の黒ポツのところで、業界全体への働きかけをされていると記載されていますが、どういうところに一番ポイントを置いて、どのような働きかけをしていただいているのかもお教えいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○丸山座長 お願いします。

○株式会社メルカリ会長室岡本洋平政策企画マネージャー ありがとうございます。

2点御質問をいただきまして、1点目のお客様への浸透でございますけれども、まだまだ道半ばというところがあろうかと思いますが、具体的な動きとしては、お客様の代表的な方、普段よく使われているような方を招きまして、お客様座談会を開催してございます。そうした場で今回のこの基本原則について御説明するとともに、様々な御意見を頂戴しているということでございます。

それから、業界全体への働きかけでございます。これは弊社が参加しておりますオンラインマーケットプレイス協議会という場で、マーケットプレイスの基本原則について御説明させていただくことを、基本原則を公表してすぐに実施いたしました。

それから、この基本原則にのっとって実施していく大きなポイントの一つとして、マスクや消毒液のような緊急事態において生命・身体の安全や健康の維持に関わる必需品についての規制を機動的にやっていくという点でございますけれども、そのためには、弊社だけではなくて業界全体で一次流通の皆様とか政府の皆様と連携していく必要があると考えております。そういった点についての今後の動きについても議論させていただいたところでございます。

○片山委員 ありがとうございました。

○丸山座長 それでは、続けて、新川座長代理より御質問をお願いします。

○新川座長代理 新川です。よろしくお願いいたします。

本日は、御説明をどうもありがとうございました。

これまでのお話とも関わるのですが、一つは、社内の監視システムといいますか、マーケットポリシー委員会がかなり重要な役割を果たしているなと思っているのですが、こちらの運営の組織とか基準といったものについて、もしも少し御説明をいただけると有り難いのですが、これが1点目でございます。

それから、大きな2つ目として、こういう社内監視の仕組みが、今日お話を聞いた限りでいうと、やはりどうしても契約の不履行とか犯罪的な行為の監視といったところに行きがちな気もするのですが、もう一方では、消費者問題ということでいうと、これは出品者、購入者の双方がそうだと思うのですが、基本的にはそれぞれに情報の欠落みたいなものがあって、そういう問題にどう対処していくのかというのが少し気にかかっていました。こうした社内での対応の仕方の中で、これまでの御検討の経緯があれば、是非お教えいただきたいというのが2点目であります。

3点目で、本当に丁寧に様々な出品者、そして、購入者の保護のための仕組みのルールを自主的にお作りになって進めておられるのを感服しながら聞いていたのですが、当然、オンラインマーケットの協会、あるいは他にも同業他社と言うとあれですけれども、類似の仕事をしておられるところがあります。そういう他社の様々な自主規制基準のようなもの、あるいは御社の基本原則もありますけれども、こういったものでこれまで参考になったというか、この辺りは役に立ったというところがあれば、お教えいただきたいというのが3点目であります。

それから、多くて申し訳ないのですが、4点目に、特に、今日もスライドで御説明いただきましたけれども、いろいろなトラブル処理を進めておられて、完備されているなという印象を一方では持っているのですが、同時に、消費者保護という観点からしますと、言ってみればどうしても簡単に解決できないようなケースも出てくるのではないかと思っております。そうした場合、言ってみれば御社として出品者、購入者の間、そしてそれを仲介するところを超えそうなときに、どのようにされるのかなというのがちょっと気になったものです。

もちろん、最後はADRや訴訟とかいろいろとあり得るとは思っているのですけれども、この辺りはどういう手順でそういうトラブルの処理の段階みたいなものを考えておられるのか、あるいはそのための御方針のようなものがあればお教えいただきたいというのが4点目です。

最後にします。そういう消費者の方あるいは出品者の方の最初の登録もそうですし、最後にお話いただいた個人情報保護のところもあるのですが、どうしても最初に個人情報を集めないと信用も取引も当然成り立ちませんので、お集めになられるわけですが、ある意味では集めるときの個人情報、言ってみればオプトインするときの出品者あるいは購入者の方の選択権といいますか、この辺りの考え方とか、そうした情報の二次利用、そしてそれがオプトアウトにつながるのですけれども、その辺りの考え方を少し詳しく説明いただけると有り難いのです。

細かいところもありますが、以上の5点をよろしくお願いいたします。

○丸山座長 お願いできますでしょうか。

○株式会社メルカリ会長室岡本洋平政策企画マネージャー ありがとうございます。

1点目でございますけれども、マーケットポリシー委員会の組織とか議論をするときの基準でございます。資料の10ページ目に少し記載しておりますけれども、まず、委員長はメルカリジャパンCEOでございます。以下、CSのチームとかPRのチーム、プロダクトのチーム、それから我々のような政策企画、外部の機関とやり取りをするところといった幅広い社内のチームが参加して議論しているということでございます。

そのときの基準なのですけれども、当然のことながら、ガイドに書かれております禁止出品物あるいは禁止行為に該当するかどうかというところが一つのポイントになってございますが、この委員会に上がってくるということは、その基準に該当するかどうかが一筋縄では判断できないところがあります。そうしたときには、先ほど御説明いたしました基本原則に立ち返って検討することもしてございます。これが1点目でございます。

2点目でございますけれども、出品者、購入者双方の情報の欠落でございますが、必ずしもそこまで監視を一つ一つしているわけではございませんで、基本的には出品者、購入者の方がやり取りをする場の提供者が弊社であるという立てつけになってございますので、出品者の方がどういう情報を書くかというのは、基本的には自由にしてございます。

当然のことながら、一部の商品について、例えば10ページ目に示しておりますモバイルバッテリーですと、PSEマークを表示してくださいとかそういったことはあるのですけれども、基本的には出品者の方に自由に情報を入力していただいて、それに基づいて購入者の方に購入判断をいただくことになってございます。

なお、購入する前にも、出品者の方にメッセージを送ることが可能になっておりますので、不明な点については、そうしたところで購入者から御確認をいただくことが可能になってございます。

3点目でございますけれども、業界団体での議論とか同業他社との議論の中で参考になっているものがあるかどうかということでございます。これはどちらかというとあるということでございまして、具体的には、なかなか申し上げにくいところもあるのですけれども、例えば不正な出品とか不正を行うような方々、これは個人情報のやり取りをしているわけではございませんが、そうした事例について、あるいはその対策について議論をすることで、業界の中から締め出していくことも可能になるかと思いまして、そうした情報のやり取りとか取組についての意見交換をして、日々参考にしているところでございます。

4点目でございます。トラブルが解決できない場合で、どういった段階でトラブル解決が進んでいくかということでございます。

最初に、出品者、購入者の方々にメッセージ機能でやり取りをしていただくというのがございます。その後、それでは解決しない場合がございます。例えばキャンセルで返品した場合の返送費用をどっちが持つかということがありますけれども、そうしたときに問題が解決しなければ、では、このようにしましょうという解決策の提示を弊社ですることがございます。

それでもなお、トラブルが解決しない場合がございます。そうしたときには、弊社からADRあるいはODRを持ちかけることはありません。出品者、購入者の方が自主的に進まれる場合は考えられますけれども、そのときは費用が生じますので、弊社から特にお勧めすることはしていません。

また、訴訟になる、訴えたいというケースも確かにございます。その場合には、相手を訴えるために個人情報の開示を弊社に求められる場合がございます。その場合には、個々の内容を精査して、お客様の同意を得た上で個人情報を開示するということも考えられるところでございます。

最後に、個人情報の保護とか利用規約に関する同意などの選択権と個人情報の二次利用に関するところでございますけれども、まず、サービスの開始時に一旦プライバシーポリシーに同意をいただくというのがございます。それ以降、そこには利用目的とか第三者提供をする場合が記載されておりますので、原則その範囲で対応することをしてございます。

ただ、先ほど申し上げましたように、トラブル対応の場合などで、どうしても個人情報の提供が必要になる事案もございます。そうしたときには、お客様に同意を取ることをしてございます。

それから、当然のことながら、プライバシーポリシーを改定して、プライバシーポリシーの同意が改めて必要になるときには、改めて同意していただく手続を取ってございます。

○新川座長代理 ありがとうございました。

追加して一つだけよろしいでしょうか。

○丸山座長 はい。

○新川座長代理 今のオプトインのところはよく分かったのですが、取引をされたり、実際に商品の購入あるいは出品とかをされているプロセスで、自分のこういう情報は流したくないとか出したくない、第三者に提供してほしくないといった御要望とかはあるのでしょうか。それから、もしあったときに、ルール上、それではここでは取引いただけませんということになるのでしょうか。この辺りは微妙なケースもあると思うのですが、もしもこれまでにそういう御経験があれば、お教えいただければと思ったのですが、なければないで結構なのですが、いかがでしょうか。

○丸山座長 お願いします。

○株式会社メルカリ会長室岡本洋平政策企画マネージャー ありがとうございます。

私が知る限りでは、そうした細かな個人情報で、これは提供しても大丈夫、これは提供しないでほしいという要望があったことはないです。

ただ、そういった要望があり得るということは、社内でも認識はしておりまして、よりよいサービス提供に向けて、日々議論をしているところでございます。

○新川座長代理 どうもありがとうございました。失礼いたしました。

○丸山座長 それでは、大石オブザーバーからよろしくお願いします。

○大石オブザーバー 大石です。御説明ありがとうございました。

今、新川座長代理からほとんど聞いていただいたので、重なるところもあるのですけれども、私からは、出品者の情報は確かに個人情報になるのですが、例えばメルカリの場合にはC to Cということでうたっていらっしゃるのですが、中にはC to Cではなくて、Bの方がCを装って入っていることもあるのではないかという懸念がありまして、そういう情報について、例えばオンラインマーケットプレイスの協議会の中で情報交換をして、そういう方たちを締め出すようなことができるのか、実際に行われているのかという辺りをお聞かせいただければ有り難いというのが1点です。

もう一点は、今回の自主規制を作る中で、消費者庁とかそういう行政の方たちのアドバイスは、どこかの時点で受けられてのことだったのかという2点について教えていただけると有り難いです。

○株式会社メルカリ会長室岡本洋平政策企画マネージャー ありがとうございます。

1点目のC to Cだけれども、Bが入っていることもあるのではないか、それを同業他社と共に締め出しているのかというところでございますけれども、まず、事業者出品については、社内で監視をしているところでございます。具体的には、登録情報とか銀行口座の名義を見まして、事業者であると判断される場合には、特定商取引法上の表示が必要ですといった啓発文書を送って利用制限を行うことをしてございます。

それから、消費者庁が特定商取引法を所管している観点で、この出品者は事業者の可能性があるという通報をいただくことがありまして、そうしたときには、同様に特定商取引法に関する啓発をし、利用制限をかけるという運用が社内ではございます。

同業と共に締め出しているのかということでございますけれども、そうした個々の出品者に関して、同業他社と情報共有して対応することはございません。

2点目でございますけれども、行政のアドバイスを受けているかという点でございます。オンラインマーケットプレイス協議会に関しましては、昨年の消費者庁の検討会でもデジタル・プラットフォーマーの情報発信が重要であるという議論がありました。そうしたものも踏まえて、我々業界としては従前から意見交換をしていたところでありまして、そうした中で外部の議論とか状況も考慮して業界団体を立ち上げて、情報発信につなげているところでございます。

その他にも、例えば「製品安全サポート」という取組を御紹介させていただきましたけれども、これも経済産業省で製品安全に関する検討会がございまして、その中で我々のようなECモールに対する期待として、メーカーなどの発信する製品安全に関する情報を我々が仲介することが期待されておりましたので、そうしたことも受けてこういう対応をしてございます。

いずれにしましても、様々な取組について、常に外部からの御意見をいただきながら検討し、施策を打っているということでございます。

○大石オブザーバー ありがとうございました。

1点だけ。例えば出品者ではなくて、購入者にBが入っている場合は、何か制限がかかったりするのでしょうか。

○株式会社メルカリ会長室岡本洋平政策企画マネージャー ありがとうございます。

購入者の場合ですけれども、ここは判断が難しいところです。事業者として購入しているかどうかというのは、なかなか判断が難しいので、そうしたことは運用としてはやっていないと思います。

○大石オブザーバー ありがとうございました。難しいことを聞いてすみませんでした。

○丸山座長 それでは、柄澤オブザーバーからよろしくお願いします。

○柄澤オブザーバー ありがとうございます。オブザーバーの柄澤でございます。

岡田さん、御説明ありがとうございました。循環型社会の実現に向けて、リユースの分野でリーダーシップを取る御社の取組に心から敬意を表したいと思います。

1点御質問なのですけれども、御社は米国においても業績を伸ばしておりますが、御社のビジネスモデルが米国において、ざっくりと利用者にどのように受け止められているかということと、利用者間の安心・安全なマーケットプレイスを維持する上で、例えば出品者・購入者間の決済とか紛争解決の方法などで、国内とは異なる課題があるのかを御教示いただけたら有り難いと思います。

○株式会社メルカリ会長室岡本洋平政策企画マネージャー ありがとうございます。

大変恐縮ではございます。米国の事業は米国の法人のほうでやっておりまして、残念ながら、細かなところまでは私のほうで把握していないところでございまして、回答ができかねるところでございます。申し訳ございません。

○柄澤オブザーバー 分かりました。結構でございます。

いずれまた何か分かったら、御教示いただけたら有り難いと思います。

○株式会社メルカリ会長室岡本洋平政策企画マネージャー 承知いたしました。

○柄澤オブザーバー 国の違いでどのような問題があるのかについてお伺いしたかったものです。ありがとうございました。

○丸山座長 他に御質問、御意見はございませんでしょうか。

大石オブザーバー、追加の質問でしょうか。いかがでしょうか。

○大石オブザーバー 先ほどの質問に加えての質問なのですけれども、なぜCではないBが入ってくることに対して、何かそういう仕組みはないかとお聞きしたかといいますと、先ほど9ページで御説明いただいた価格高騰のアラートの関係なのです。

例えば今回のマスクとか消毒液は、価格が高騰しても、その方がまた次も自分が商売目的で転売するつもりであれば、高いものを買って、さらに高く売ろうという動きがあるのではないかと。要するに、そこにBが入ってくることによって価格がつり上がっていくのではないかということで、公平・公正なマーケットというところに悪影響があるのではないかと懸念しておりまして、その辺りのところで何か対策を考えておられることはないのかなと思ったので、質問させていただきました。

○株式会社メルカリ会長室岡本洋平政策企画マネージャー ありがとうございます。

まず、利用規約の中で、弊社のプラットフォーム上で物を購入して転売する行為、転売というのは、弊社のプラットフォーム上での転売は、たしか禁止されていたはずです。それから、もし仮に弊社のプラットフォーム上で購入して、それを単純にもっと高値で売ることをしますと、それが実際にその値段で買われるかどうかというのは分からないわけでございまして、そうしたことはなかなか考えにくいのではないかと思っております。

○大石オブザーバー 分かりました。

そうですね。そこはおっしゃるとおりだと思います。ありがとうございます。

○丸山座長 他に質問はございませんでしょうか。

新川オブザーバーより、追加の質問がございます。

○新川座長代理 時間のないところ、申し訳ありません。

最後に1点だけ。今日お話をいただきました出品者あるいは購入者の方に最初にお入りいただくときの手順については、分かりやすく工夫しておられるということは分かったのですが、全体としてこういうプライバシーポリシーあるいは契約の基本原則であるといったものを出品者あるいは購入者の方々に知っていただく、見ていただく必要もあるかと思っておりまして、この辺りの公開性とか透明性の確保について、何か工夫をしておられる点があれば、お伺いしたいと思っていたのですが、いかがでしょうか。

○株式会社メルカリ会長室岡本洋平政策企画マネージャー ありがとうございます。

利用規約に関しましては、いずれにしても、アプリからも、ウェブサイトからも御覧いただけますし、プライバシーポリシーに関しても同様でございます。

また、プライバシーポリシーに関しましては、16ページ目にお示しいたしましたように、プライバシーガイドという形で平易な言葉で御説明することもしてございます。そうした形で分かりやすさに配慮して取り組んでいるところでございます。

○新川座長代理 ありがとうございました。

○丸山座長 他に御質問は大丈夫でしょうか。

それでは、岡本様へのヒアリングは、この辺りにさせていただきます。

岡本様におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございました。

○株式会社メルカリ会長室岡本洋平政策企画マネージャー ありがとうございました。失礼いたします。

○丸山座長 ありがとうございます。

(株式会社メルカリ退室)

○丸山座長 それでは、本議題については、以上といたします。

本日も御議論いただき、ありがとうございました。

最後に、事務局から事務連絡をお願いします。


≪3.閉会≫

○太田参事官 本日は、長時間にわたりまして、ありがとうございました。

次回の会合につきましては、確定次第、御連絡させていただきます。

(以上)