第17回 電力託送料金に関する調査会 議事録

日時

2021年7月9日(金)15:00~15:46

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

【専門委員】
野村座長、若林座長代理、浦郷委員、古賀委員、後藤委員、坪田委員、寺田委員
【消費者委員会担当委員】
大石委員
【消費者庁】
楢橋参事官
【事務局】
加納事務局長、渡部審議官、太田参事官、事務局担当者

議事次第

  1. 開会
  2. 託送料金制度改革等の詳細設計について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○太田参事官 本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。ただいまから「消費者委員会公共料金等専門調査会第17回電力託送料金に関する調査会」を開催いたします。

本日は、所用により白山委員、新川委員が御欠席との御連絡をいただいております。

次に、本日の会議はウェブ会議による開催となります。公開で行いますが、感染拡大防止の観点から、一般傍聴者は入れず、報道関係者のみ傍聴いただいての開催となります。議事録については、後日公開することといたします。

ウェブ会議による開催に当たりまして、これまでと同様、発言時以外はマイクをミュートにしていただくこと、御発言の際はあらかじめチャットでお知らせいただき、座長からの指名の後、冒頭にお名前をおっしゃっていただくことなどをよろしくお願い申し上げます。

それでは、野村座長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。


≪2.託送料金制度改革等の詳細設計について≫

○野村座長 了解いたしました。

本日の進行についてですが、途中で私の回線が切れた場合は、復旧するまでの間、座長代理に、座長代理の回線も併せて切れた場合には事務局に進行をお願いいたします。

それでは、議事に入らせていただきます。

本日の議題は「託送料金制度改革等の詳細設計について」です。

当専門調査会では経済産業省による電力託送料金制度改革(小売規制料金関係を含む)、及び配電事業に関するもののうち電気料金に係るものの検討について、消費者庁から消費者委員会への意見の求めがあったことを受け、6月29日に意見書の素案に基づき御審議いただきました。本日は、前回の調査会での御指摘等を踏まえた意見書の案について御審議をいただきます。

なお、7月1日付けで消費者庁に人事異動がありました。本日は新たに公益通報・協働担当参事官に着任されました楢橋氏にお越しいただいております。御多忙のところ、お越しいただき、ありがとうございます。

○消費者庁楢橋参事官 ありがとうございます。

○野村座長 楢橋参事官より一言御挨拶いただけますでしょうか。

○消費者庁楢橋参事官 消費者庁の楢橋でございます。

野村座長以下、本当に真摯に御議論いただきまして、誠にありがとうございます。

消費者庁でも若干の組織改定がありまして、事業関係を一手にということで、物価を含めて、公益通報とか事業者との協働という観点で参事官のポストがございまして、そちらに7月1日付けで就任させていただきました。以降、よろしくお願いいたします。

○野村座長 楢橋参事官、ありがとうございました。

それでは、事務局から、15分程度で意見案についての御説明をお願いしたいと思います。

太田参事官、よろしくお願いいたします。

○太田参事官 事務局でございます。

それでは、資料番号で申しますと、資料1でございます。表題といたしまして「電力託送料金制度等の詳細設計の在り方に関する意見(案)」という資料を御覧いただければと思います。

前回、6月29日の本調査会におきまして、素案に基づきまして御審議いただいたということでございまして、その際にいただいた御意見等を踏まえまして素案を修正して、委員の皆様と調整させていただいたものを本日、案ということで提出させていただいております。

以後、前回からの内容に関わる主な変更点に絞って御説明させていただきたいと思います。

1ページ目でございますが、導入部分でございますけれども、まず、1段落目の4から10行目ぐらいまで、比較的大きな直しが入っております。4行目の「また」以下でございますけれども、託送料金については規制料金であるのだということを明示すべきという御指摘がありましたことを踏まえ、送配電事業が地域独占によって営まれているといったことから「平成28年4月からの電力小売全面自由化以降においても総括原価方式による料金規制が措置されている」といったことを明記してございます。

さらに、そちらに脚注2がございますけれども、こちらも少し補足しておりまして、「電力小売全面自由化以前は、消費者向けの電気料金の値上げ改定の際には、経済産業大臣による認可に先駆けて、消費者庁への協議や物価問題に関する関係閣僚会議への付議等の手続が必要とされていたが」ということでございまして、更に「自由化後の託送料金の値上げ改定の認可に際しては、そのような手続は必要とされていない」ということを補足的に記載してございます。

さらに、本文のほうに戻っていただきまして、その後の「しかし」以下でございますけれども、こちらにつきましては、送配電ネットワークは、今後の公共インフラとして重要性が高まっているといったことを踏まえて、見直しを行う必要があるのだといった趣旨を明記すべきだといった御指摘がございまして、以下の一文を入れてございます。「近年頻発している自然災害への対応や再生可能エネルギーの導入拡大等を背景として、中立的な共通インフラである送配電ネットワークの強化の必要性が高まる中で、託送料金制度についても、一般送配電事業者における必要な投資の確保とコスト効率化を両立させる観点からの見直しが求められている」という形で記載してございます。

さらに、その後、脚注3がございます。これは、電力自由化以降の経過措置料金が措置されているという脚注でございましたけれども、こちらについてもう少し補強すべきだという御指摘がございまして、2行目以降でございますけれども、大手電力会社の小売部門と新電力の間で電力の調達や送配電網へのアクセス等の面で大きな格差が存在する。それから、小売市場における新電力のシェアが十分に拡大していないなど、市場の競争環境が十分に整っていない中で料金規制を撤廃した場合、いわゆる「規制なき独占」に陥るおそれがあることから、経過措置料金が維持されているという形で記載を補充しております。

2ページ目を御覧いただければと思います。

1ポツの(1)の1行目でございますけれども、中ほどでございますが「総括原価方式の下」という一文を加えてございます。

3ページ目でございますけれども、5行目でございます。こちらにつきまして、電力システム改革の期待される効果といったものを具体的に記載すべきだという御指摘がございまして、それを踏まえまして「電力システム改革の目標である電力の安定供給や料金低廉化等の実現に向けて」という一文を加えてございます。

(2)に参りまして、1段落目の5行目ぐらいでございますが、こちらにつきまして、過大な目標を設定するという記載にしておりましたけれども、過大というよりは目標の数だということで、「数多くの目標を設定する」という記載に変更してございます。

それから、同じ(2)の2段落目でございますが、2行目のところでございますけれども「投資効果の発現時期が」うんぬんという一文がございますが、こちらはもともと脚注にあった内容を本文のほうに移動すべきだという御指摘がございましたので、そのような修正を行っております。

(3)でございますけれども、1段落目の4から5行目にかけて、厳格にといった趣旨の文言を入れるべきだという御指摘がございましたので「その必要性について厳格に検討した上で、慎重に判断」という記載に変更してございます。

それから、同じ(3)の2段落目の4行目でございますけれども、審査の透明性という書き方をしてございましたが、審査自体はOPEX査定の関係で透明でなくなるということもございますので、審査プロセスの透明性や厳格性という書き方に変更しているということでございます。

その下の行でございますけれども、政策的観点から託送料金で徴収している費用の例といたしまして、電源開発促進税に加えまして賠償負担金、廃炉円滑化負担金につきましても明示的に示すように変更してございます。

4ページ目を御覧いただければと思います。

(4)の1段落目の3行目でございますけれども、「消費者に対して」という記載でございましたが、消費者だけでなく、需要家全体だということでございましたので「消費者をはじめとする需要家」と変更してございます。

その下の2段落目でございますが、もともと「必要な措置」という書き方をしてございましたけれども、必要だというよりはやむを得ないということではないかという指摘がございましたので、そのように修正しております。

同じく2段落目の最後の行でございますけれども「留意すべき」の前に「特に」を追記して強調する変更を施してございます。

それから、同じ(4)の3段落目でございますが、下から2行目の「検討すべきである」の前に「速やかに」と入れまして強調しているということでございます。

次に、(5)の2段落目でございますけれども、そちらの3行目でございますが、もともと「一般送配電事業者の利益とすることは妥当」と言っておりますけれども、そういった価値判断については除くということで、「一般送配電事業者の利益とすることとされているが」という書き方に変更してございます。

5ページ目を御覧いただければと思います。

2ポツの配電事業のほうに参りまして、(1)の1段落目の6から7行目にかけてでございますが、こちらにつきまして、配電事業者の新規参入が起こることをもう少し積極的に評価するような書きぶりにすべきではないかという御指摘があったことを踏まえまして、「新たな事業者による積極的な参入を通じて」うんぬんということで、それを積極的に評価するような書きぶりに修正したということでございます。

併せて脚注11がございますけれども、こちらにつきまして、事業者の適格性を確保するために一定の参入要件を設けるということと同時に、参入を促進するということとのバランスが大事なのだという趣旨の書きぶりにすべきとの御指摘がございましたので、脚注11にお示ししているような文章を追加してございます。

6ページ目を御覧いただければと思います。

1段落目の4行目辺りに「年平均プラスマイナス5パーセント以内」という基準がございますけれども、こちらについては、それが妥当かどうかということについては検証が必要なのではないかという御指摘がございました。これは、もともと経済産業省の中間取りまとめのほうでも、プラスマイナス5パーセント以内というところにつきましては、制度開始当初においてはプラスマイナス5パーセント以内という記載がございましたので、1段落目の2行目に「制度開始当初においては」という文言を追加するとともに、1段落目の最後から2行目でございますが「また」とございますけれども「『年平均プラスマイナス5パーセント以内』とする基準の妥当性については、制度の運用状況についての検証を踏まえ、必要に応じ見直すことを検討すべきである」といった一文を新たに加えてございます。

(3)でございますけれども、1段落目の3から4行目にかけて、「配電事業者が参入することによるメリット等について、消費者が十分に認識できるようにする必要がある」という形で積極的な書き方にしているということでございます。

最後でございますが、(3)の3段落目の最後のところでございますが「消費者庁は」という一文がございますけれども、こちらにつきましては、レベニューキャップ制度のところと同様に、配電事業のところについても、消費者庁がしっかりと必要な対応をするようにすべきだといった一文を加えるべきだという御指摘がございましたので「消費者庁は、必要に応じ、経済産業省による上記の取組を適切にフォローした上で、消費者の利益向上の観点からの対応を行うべきである」という一文を新たに加えております。

前回からの主な変更点は以上でございます。

○野村座長 ありがとうございました。

それでは、これから意見書案について、30分から40分程度質疑応答、意見交換を行いたいと思います。

御発言を希望される場合には、チャット欄に御投稿をよろしくお願いいたします。

それでは、浦郷委員、よろしくお願いいたします。

○浦郷委員 浦郷です。

前回のところでたたき台を出していただいたのですけれども、私はそれを見たときに、これまでの議論のところをほぼ網羅していただいておりましたので、ほぼこの素案でいいのではないかと思っていたのですけれども、その後、多くの委員から加筆修正の御意見がありまして、それも全て納得できたところです。

そういうところで、前回のところは特に発言しなかったのですけれども、今回、出された意見を踏まえてまた修正していただいたというところで、こちらの案もこれでよろしいのではないかと思います。

特に私が気になったところは、3ページの一番下の政策的観点から託送料金で徴収している費用について、電源開発促進税だけでなく、賠償負担金や廃炉円滑化負担金もきちんと明記していただいたところ、それから、4ページの(4)の送配電ネットワーク整備のための固定費の電圧別の配分のところについて、今回はレベニューキャップ制度に関しての議論だったので、ここについては特に議論はなかったのですけれども、前回平成28年の電力託送料金に関する調査会でここについて意見が出ていたということと、古賀委員の御発言で、資源エネルギー庁のほうでも特に検討されていないということなので、より公平な配分基準ということで、速やかに検討すべきということがきちんと書き込まれたことが本当によかったかなと思っております。

○野村座長 ありがとうございます。

御感想ということで、特に再度事務局に質問を求めてはおられないと理解しましたが、もし事務局に何か御要望があるようでしたら、おっしゃってください。よろしいでしょうか。

そうしましたら、他の方からも御発言をお願いしたいと思います。引き続き、チャット欄への御希望をお願いいたします。

それでは、大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

前回、私は出席できませんでしたけれども、皆様からとてもいい議論があって、今回のまとめに至ったことは大変よかったと思っております。

前回出席しなかった中で気になっていましたのが、プラスマイナス5パーセントのところです。ここの数字の説明がなかったこともあって、6ページの最初のところで、なぜプラスマイナス5パーセントなのか、合わせて10パーセントの差が配電事業者ごとにつくというのは、消費者としては少し納得がいかないと思っていたのですが、そこのところも基準の妥当性について見直すことと入れていただいたので、これはよかったかなと思いました。ありがとうございます。

1点だけ大変細かいことなのですけれども、最初のところで、1ページ目の6行目に新しく入れていただいた「近年頻発している自然災害への対応や再生可能エネルギーの導入拡大等を背景として」で、なぜ再生可能エネルギーを入れるかというところで、例えば「カーボンニュートラルを目指す再生可能エネルギーの導入拡大」というふうに入れていただけると、社会全体としてその方向を向いているのだということが少し分かるかなと思いましたので、もし付け加えていただけるならば、その一言を入れていただければ有り難いかなと思いました。

絶対に入れなければいけないということではないですけれども、その前に「自然災害への対応」という目的が書いてあるので、それだけではなくて、カーボンニュートラルのために、今後再生可能エネルギーを増やしていくために、託送部門が大変重要だということが伝わるといいのかなと思いました。

○野村座長 ありがとうございます。

そうしましたら、事務局、その点の可能性を探っていただけるでしょうか。日本語のバランスが、後ろに比重が重たくなるかもしれませんが、「カーボンニュートラル」若しくは「脱炭素化」という今のキーワードが入れば入れていただくということで、事務局、いかがでしょうか。

○太田参事官 ちょっと文章を整える必要はあるかもしれませんが、追加の方向で修正させていただきます。

○野村座長 ありがとうございます。

大石委員、よろしいでしょうか。

○大石委員 はい。ありがとうございます。

○野村座長 そうしましたら、寺田委員、引き続きお願いいたします。

○寺田委員 寺田です。どうもありがとうございます。

修正意見ではなくて、今、改めてずっと読んでいただいたので、感想というだけです。この会議はこれでおしまいだと思いますので、次の機会に生かしていただければという感じの発言ですが、お許しください。

全体を通して見ますと、方向性が明示されていると思うのですけれども、一つだけ言うとすると、託送料金のほうについては、レベニューキャップの趣旨とやや反する文言が少し出てきているのかなと思います。例えば4ページの(4)の辺りで、キャップの中の配分の問題について追加的に言うのは、レベニューキャップの本質と逆のような感じを受けます。

配電ネットワークについては、これから始まる新サービスの規制なので仕方がないと思うのですが、ブレーキとまではいかないのですが、アクセルと軽いブレーキを両方踏んで、ヘッジしているような方向性になっています。もう少し現実が分かった後には、この調査会が続くとすると、それをはっきりさせるというのですか、そういう方向性は必要かなと思いました。

○野村座長 ありがとうございます。

文章上、表記するのがちょっと難しいと感じますが、事務局、今の寺田委員の御質問、御意見に対して、今後のことを含め何かありましたら、お願いいたします。

○太田参事官 御指摘の趣旨は理解させていただいておりまして、修文ということではないかと思いますので、今後、経済産業省などとやり取りする際に、そういった趣旨も踏まえてやり取りしていきたいと思います。

○野村座長 ありがとうございます。

寺田委員、よろしいでしょうか。

多分、調整の対象の関係部署が多いかと思いますので、その辺りから、今回は修文せずに、今後の事務局の姿勢としていくということでよろしいでしょうか。

○寺田委員 はい。個人的な考えを言ったまでですので、修正を求めているわけではありません。ありがとうございます。

○野村座長 了解いたしました。御理解いただき、ありがとうございます。

そうしましたら、引き続き、古賀委員からよろしくお願いいたします。

○古賀委員 古賀でございます。

先回の議論での意見を入れていただいて、どうもありがとうございました。きれいにまとめていただき大変感謝しております。ワーキンググループのほうで、今後公正で妥当な制度設計を詰めていただけることを期待しますが、消費者委員会からの意見として、皆様の御意見は十分に反映していただいたと思っております。

ただ、1点、これまで調査会で意見書を出してきた中で、情報公開と消費者参画ということをいつも報告書の最後に入れていただいていたので、例えば最後の(以上)の前の3行目辺りの「消費者庁は、必要に応じ、経済産業省による上記の取組を適切にフォローした上で、消費者の利益向上の観点からの対応を行うべきである」で一応十分だとは思うのですけれども「取組を適切にフォローした上で、今後も消費者の参画を促しつつ、消費者の利益向上の観点からの対応を行うべきである」と入れていただくと、今後、消費者団体や消費者の代表が、こういった問題について引き続き意見を述べやすいのではないかなと思いました。

あえて入れていただく必要はないのですが、そういう趣旨のことも、もし可能であればお考えいただければと思いました。

○野村座長 ありがとうございます。

事務局、もし可能でありましたら「参画」という文字を最後の行に入れていただくという御意見でした。

○太田参事官 修文させていただきます。

○野村座長 ありがとうございます。

そうしましたら、後藤委員からよろしくお願いいたします。

○後藤委員 後藤でございます。

まずは、いろいろと出ていた意見を非常にうまく取り込んでいただいているかと思います。ありがとうございます。

1点、さまつな点で少し気になった点で、最後の6ページの(3)の3行目のところで、先ほどの御案内にもあったかと思いますけれども、新しい配電事業者が参入することは非常に望ましいということで、需要家、消費者から見て、そういった新しい技術、新しいサービスが出てくるのが非常に楽しみな面もありますので、そういった面を参入によるメリット等ということで入れていただいているのは非常にいいことかなと思います。

一方で、議論があった地域に根差した小規模な事業者などが入ってくるときに、サイバー関係の懸念もあるのではないかといった議論もあったかと思いますし、また、必ずしもそういったところに投資ができるのかどうか、投資すると結局は費用に跳ね返ってくる、料金に跳ね返ってくるということもあるのではないかということで「メリット等」ということなので、その辺りも含みを持たせた書き方と理解いたしましたので、特に変更のデメリットとまでは言えないので、変更の必要もないかなと思います。

また、下のほうの「なお」以下のところで、モニタリングや評価を行うことが難しい面もあるので、積極的に情報収集をしていって、消費者をはじめとする需要家からの意見も踏まえて、制度の見直し・改善を行うべきと入れておりますので、具体的な修正案というわけではありませんけれども、その辺りの議論の含みも持った内容ということで理解しておりますが、よろしいでしょうかという確認です。

○野村座長 御指摘ありがとうございます。

「デメリット」という言葉はなかなか入れにくいですし、寺田委員と同じように、今後の意図としては、事務局にそういう課題解決の視点も持っていただきたいと思っていますが、やはり調整する部署がございますので、難しいかなと私は考えておりますが、事務局から御意見があれば、お願いいたします。

○太田参事官 正に後藤委員が御指摘のとおりでございまして、例えば「メリット等」という中の「等」については、我々としてはそういった趣旨も念頭に置いているということでございます。

先ほど御指摘のサイバーセキュリティーの問題につきましても、調査会の中でも経産省からの御説明がございましたけれども、制度設計を担う経済産業省についても、そこについては、慎重には慎重を期してしっかりと御検討いただいているという御説明があったことかと思います。

それに関わる制度設計につきましても、例えば本意見書で申しますと5ページ目でございますが、2ポツの(1)の2段落目とか3段落目の辺りで、消費者に不利益が及ぶことのないように、適切な行為規制等を課す等の措置を講じるべきであるとか、3段落目の「また」以下でありますけれども、いろいろと不測の事態が生じた場合でも大丈夫なようにといった形で書いてございまして、私どもとしては、この中にはそういったサイバーセキュリティーの問題なども含まれていると考えているところでございます。

○野村座長 ありがとうございます。5ページ目の2ポツの(1)にある程度課題も示しているということでございます。

後藤委員、よろしいでしょうか。

○後藤委員 はい。承知しました。ありがとうございます。

○野村座長 ただ、御指摘いただいたサイバーセキュリティー、配電に限らず、発電も含め、今後、大きなテーマになり得るなとも感じておりますので、その辺りもまた関係部署と意見交換していただきたいと思っております。

そうしましたら、引き続き、坪田委員からよろしくお願いいたします。

○坪田委員 ありがとうございます。

御説明いただきまして、ありがとうございました。

1ページ目にかなり加筆していただきましたところがあり、この文が入ったことにより、その後の内容について、非常に頭の整理がしやすくなって、よかったと思いました。ありがとうございます。

それから、私も同じことを感じまして、6ページ目で「メリット等」と「等」という字が入っておりますので、これは単にいいことだけではなく、様々な今後の課題も含めて情報提供するということで理解して読むのだろうと思いましたし、全体を見ますと、おっしゃるとおりに、例えば5ページにセーフティーネットの在り方等についても記載していただいていますので、十分に伝わるとは思いつつも、ざっと見た場合に、消費者に対しては、いろいろな面で透明性ということから、メリット、デメリットを含めての説明をいただきたいところです。「デメリット」という言葉が果たして適切かどうかというところは大変悩ましいところなのですけれども「メリット等」の「等」に何らかの形でしっかりとした適切・適正な情報提供ということが分かるように何か工夫できればと感じました。全体としてはとても分かりやすくて、よくなっていると思います。

○野村座長 ありがとうございます。

先ほどの後藤委員と同じく、5ページの(1)の内容が入っているのですが、6ページの「メリット等」の「等」で終わらせていいのかという御指摘でございます。

事務局、何かございましたら。例えば「メリット及び課題等について」とかは可能かどうかという意見もあろうかと思いますが、いかがでしょうか。

○太田参事官 5ページ目のところで、なるべく積極的に評価するということで御意見をいただいたこともあって、あまりデメリットといった後ろ向きな文言で書くのはどうかと思ってこういった記載にしておりましたけれども、委員の皆様の御了承をいただけるのであれば、例えば今、野村座長から御指摘のあった「メリットや課題について」などであれば、「デメリット」というのはややネガティブなニュアンスがありますので「課題」ぐらいであれば、事務局としてはよろしいのではないかと思いますが、委員の皆様の御意見を頂戴できればと思います。

○野村座長 いかがでしょうか。

私も、参事官が言われましたように「デメリット」という言葉は入れないほうがよろしいかという雰囲気で理解していますので、入れるならば「課題」という言葉かなと思いついたのですが、説明としては、5ページに書いていただいているので、それでかなり理解はできるかと思います。

他の委員の皆様から御発言いただきたいと思います。

それでは、御意見がなければ「メリットや課題について」など、メリットなどを。

○太田参事官 野村座長、若林代理が御発言希望でございます。

○野村座長 若林座長代理、すみませんでした。お願いいたします。

○若林座長代理 私からは、まず、これまでの議論を非常に入れていただいた形で修文していただいたということで、大変ありがとうございます。

それから、先ほどの「デメリット」ではなく「課題」を入れるという点につきましては、そちらのほうが意見をはっきりと表していると思いますので「課題」という言葉を入れることについては賛成です。

全体の感想ですけれども、今回の検討におきましては、託送料金制度改革の大枠の方向性については妥当であると結論づけたということになるかと思うのですが、この改革が期待された効果を生むかどうかというのは、今後の詳細な基準いかんによると思いますので、この時点でこちらの検討において言えることは今回の案で言えたと思っておりますが、今後、期待された効果がうまく出るように制度設計なさることを期待しているということです。

もう一つは、この任期中、幾つかの検討をしてきたわけですけれども、最後には大体消費者にとって分かりやすい説明をお願いしたいということについては、今回もそうですが、常に付言してきたことだと思います。もちろん、各担当省庁と予定してくださっているとは思いますけれども、なかなか難しいという印象を持っております。

ただ、説明がきちんと届いていないことについては、それが制度全体の信頼感にも影響してくると思いますので、今回も含めて、制度自体が複雑で難しいと思いますけれども、消費者に対する分かりやすい説明は、なお一層お願いできればと思っております。

○野村座長 ありがとうございます。

そうしましたら、6ページの(3)の3行目の「メリット等」の「等」を「や課題」と3文字に置き換えるということで調整させていただきたいと思います。

この点に関して、他に御意見はございませんでしょうか。

そうしましたら、事務局もその方向で調整していただくということで、御理解ください。

○太田参事官 はい。承知いたしました。

○野村座長 ありがとうございました。

今日御出席されている委員の皆様に御発言いただいたと思いますが、他にまだ感想、御意見がございましたら、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。

私自身が感想というのも、しゃべると長くなり過ぎますし、タイムキーパーに徹していたということで御了解いただきたいと思いますが、電力を1980年代からずっとウオッチしていまして、ここまで来たのかという驚きもございますし、ますます制度設計が難しくなるなとも思っております。

特に、寺田委員から御指摘いただいているように、今回に限らず、経済学から見るのと、現実のプレーヤーの数が多い中で制度を設計していく難しさを痛感しましたし、最後に若林委員がおっしゃったように、どうやってこれを消費者に説明していくのでしょうかというのは、役所としてのお仕事もあるのですが、学識者も大学以外で何かできることはないのかなと。

メディアと協働してとか、何かそうしないと消費者もフリーライドしてしまうので、現実の改革が進んでいるというふうに、消費者自身の意識をそちらの方向に目を向けていただくような工夫が要ると常々思っています。制度改革について、いかに告知していくかというのは本当に難しいのですが、役所以外の我々にも責任があるのかなと感じておりますというのが私からの感想でございます。

そうしましたら、今日御発言いただいた中で修正していただくのは、1ページ目の「自然災害」の後の「再生可能エネルギー」のところに「脱炭素化」若しくは「カーボンニュートラル」という言葉を入れるということ。

2つ目に、古賀委員からありました、6ページ目の最後の「消費者の利益向上」のところに「消費者の参画」という「参画」という2文字を入れていただくこと。

最後に、後藤委員に御指摘いただいて、坪田委員からも強めにという御指摘で「メリット等」のところを「メリットや課題」とさせていただくという3点を修文させていただいて意見案とするということにさせていただきたいと思います。

日本語の流れやつながりとかで若干変わるかもしれませんが、そのような修正の仕方に関しては、御一任いただければ幸いです。

その方向で調整させていただくということでよろしいでしょうか。

そうしましたら、私のほうで原案を修正しまして、消費者委員会の本会議に報告するということにさせていただきます。御協力いただき、ありがとうございました。

任期が8月末までということになっておりますので、電力託送料金に関する調査会については、恐らくこれが最後の会ということになるかと思います。いろいろと御感想をいただきました。ありがとうございました。

事務局からもしございましたら。なければ連絡事項ということでお願いいたします。

○太田参事官 御意見を取りまとめていただきまして、ありがとうございました。

こちらにつきまして、後日、消費者委員会に御報告いただきまして、そこで御了承がいただければ、消費者委員会の意見として消費者庁に発出したいと考えております。いただいた御意見の趣旨を踏まえましてしっかり対応してまいります。御議論いただきまして、大変ありがとうございました。

○野村座長 ありがとうございました。

そうしましたら、最後に連絡事項、それから、加納事務局長の御挨拶でお願いいたします。


≪3.閉会≫

○太田参事官 本日も熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。

最後に、事務局長の加納から委員の皆様に御挨拶させていただきます。

○加納事務局長 事務局長の加納でございます。

熱心に御議論いただきまして、どうもありがとうございました。先ほどおまとめいただきました意見に基づきまして、本委員会に報告させていただきたいと思います。

また、この調査会につきましては、第6次の委員会としましては本日が最後の会議となる見込みでございます。委員の皆様には、毎回資料を御確認いただくなど、審議に御尽力いただきまして、誠にありがとうございました。

今後とも消費者委員会の業務、消費者行政に御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。どうもありがとうございました。

○野村座長 ありがとうございました。

そうしましたら、本日の第17回「電力託送料金に関する調査会」をこれにて閉会とさせていただきたいと思います。

お忙しいところお集まりいただきまして、本当にありがとうございました。

赤色のボタンで退出可能でございます。ありがとうございました。失礼いたします。

(以上)