第8回 電力託送料金に関する調査会 議事録

日時

2020年8月11日(火)13:05~14:45

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

【専門委員】
野村座長、若林座長代理、浦郷委員、古賀委員、後藤委員、白山委員、寺田委員、林委員
【消費者委員会担当委員】
大石委員、新川委員
【消費者庁】
吉田参事官
【事務局】
二之宮事務局長、渡部審議官、事務局担当者

議事次第

  1. 開会
  2. 賠償負担金・廃炉円滑化負担金の算入に伴う電力託送料金の算定について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○二之宮事務局長 事務局長の二之宮でございます。

本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会公共料金等専門調査会第8回電力託送料金に関する調査会」を開催いたします。

本日は、ウェブ会議による開催となります。

また、感染防止拡大の観点から、一般傍聴者は入れない形での開催となります。

本日の会議は録音し、後日、議事録を掲載するまでの間、消費者委員会のホームページで配信する予定です。万一音声の配信ができない場合には、議事概要を掲載いたします。

本日は、配付資料はございません。

8月7日に開催された第7回電力託送料金に関する調査会の配付資料を基に御議論を賜りたいと存じます。

それでは、野村座長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。

○野村座長 ありがとうございました。

本日の進行についてですが、途中で私の回線が切れた場合は、復旧するまでの間、座長代理に、座長代理の回線も併せて切れた場合は、事務局に進行をお願いいたします。

本日は、委員・オブザーバーの皆様全員、ウェブ会議にて御参加いただいております。

また、消費者庁から、吉田調査・物価等担当参事官にお越しいただいております。

吉田様、簡単に御挨拶を頂ければ幸いです。

○消費者庁吉田参事官 8月から消費者庁参事官に着任いたしました、吉田と申します。

消費者行政は、以前、消費者庁に4年ぐらい前におったことがあるのですけれども、この物価の分野、公共料金の分野については、今回が初めてでございますが、皆さんの御意見を賜りながら、精いっぱい消費者のためになるよう頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

それでは、初めに、事務局から、ウェブ会議の留意事項について御説明をお願いいたします。

○二之宮事務局長 二之宮でございます。

ウェブ会議による調査会開催に当たりましてお願い申し上げます。

1つ目に、ハウリング防止のため、御発言いただく際以外はマイクをミュートの状態にしていただきますようお願いいたします。

2つ目に、御発言の際はあらかじめチャットでお知らせください。野村座長にその御投稿を御確認いただき、発言者を指名させていただきます。指名された方は、マイクのミュートを解除して、冒頭でお名前をおっしゃっていただき、御発言をお願いいたします。御発言の際、配付資料を参照する場合は、該当のページ番号も併せてお知らせください。なお、御発言の際には、可能であれば、映像、カメラのマークのミュートを解除していただけましたら、どなたがお話しになっているか分かりやすくなりますので、御協力をお願いいたします。

3つ目に、音声が聞き取りづらい場合には、チャットで「聞こえない」、「聞こえにくい」などと記入していただき、お知らせいただきますようお願いいたします。

以上でございます。


≪2.賠償負担金・廃炉円滑化負担金の算入に伴う電力託送料金の算定について≫

○野村座長 ありがとうございました。

それでは、ここから議事に入らせていただきます。

本日の議題は「賠償負担金・廃炉円滑化負担金の参入に伴う電力託送料金の算定について」となっております。

前回の調査会の資源エネルギー庁からの御説明等を踏まえまして、検討を深めてまいりたいと思います。

進行としましては、3つのテーマに分けて、テーマごとに意見交換をできればと思っております。

1つ目が「託送料金算定の適正さ」について、2つ目が「消費者への情報提供・説明」について、3つ目が「その他」ということで整理させていただければと思っております。

それでは、まず、「託送料金算定の適正さ」について、意見交換を始めたいと思います。

御意見のある方は、チャット欄に御投稿いただき、御発言いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。おおよそ1つ目は30分くらいを想定しております。お手元には、基本的に前回使いました資料2と3、追加資料を御準備ください。

それでは、白山委員から御発言をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○白山委員 白山でございます。

まず、この「託送料金算定の適正さ」ということになりますと、その算定のプロセスが法令・規則等に基づいて計算されているかという点と、前回にも質問したのですが、計算プロセスにインプットされるデータが正確であるか、客観的であるか、など、そういったことが重要になるのではないかとは考えております。

そのときに、前回の資料3の52ページから始まる電力・ガス取引監視等委員会の配付資料で、計算のプロセスの検算結果は、電力・ガス取引監視等委員会ではチェックをしているので、そこを改めてチェックする必要はないと思っているのですが、例えば、52ページの最初のところ、賠償負担金相当金や、特に廃炉円滑化負担金相当金の根拠資料というところで7月22日付け経産大臣からの通知に基づくという記載があり、通知を前提にその後のプロセスをいろいろ計算していることになります。

同じく資料3の24ページ以降、各発電事業者から承認申請が出まして、それを経産大臣が承認するというプロセスになっておりますので、少なくともこういった特に廃炉円滑化負担金につきましては、この承認申請の資料、元データですね。例えば、原子力特定資産簿価とか、原子力廃止関連仮勘定とか、原子力発電施設解体引当金の要引当額とか、この辺りについてどういう資料に基づいて経済産業省は承認したのかということぐらいは確認してもいいのではないかと思っております。

特に廃炉円滑化負担金の額につきましては、原子力特定資産簿価、要引当額、仮勘定の簿価など、いわゆる財務会計的な言葉が出てきておりますので、私は各社の2020年3月30日現在の残高について有価証券報告書を調べてみたのですが、必ずしもぴたっと一致してこないわけですね。ですから、何らかの別の基準日、3月30日ではなくて、例えば、5月30日とか、6月30日とか、もしかしたらその途中の残高辺りがベースになっているのかもしれませんし、この辺の根拠資料、経産省が承認をする際の資料みたいなものぐらいは最低限教えていただいてもいいのかなと考えているところでございます。

特に原子力廃止関連仮勘定は、原子力廃止関連仮勘定簿価と原子力廃止関連費用相当額という言い方をしていますので、この辺りがどんな計算式で示されているのかとか、原子力発電施設解体引当金の要引当額というのは省令がありますので、この省令に基づいて計算されていると認識はしておりますけれども、その概略ぐらいは確認してもいいのではないかと考えております。

繰り返しになりますけれども、今回はこれについて細かい内容を電力料金の査定みたいにこちらで再度チェックをするとか、そういうことを意図しているわけではなくて、計算の概略はどんなふうになっているのかということぐらいは、適正性ということであるならば、確認してもいいのではないかと思っております。

個別の各発電事業者の個々の承認申請額、内訳のデータを見せてくれとかということを言っているわけではなくて、ごく一般的な、いつの基準日で、何を根拠に、どんなふうに確認をされたのですかということぐらいは確認してもいいのではないか、と考えているところでございます。

ですので、この託送料金の算定の考え方とか、基本的な計算方法とか、それについて批判をするとか、そういう意図では全くございません。現状の定められた規則に基づいた上での計算プロセスとか、インプットデータの根拠資料の確認をどういう資料に基づいてやったのかぐらいは確認しないと、適正性ということについては言えないのではないかと思っているところでございます。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

これに関しましては、他の委員の皆様、今、白山委員から御発言いただいた内容に関して御意見等がございましたら、よろしくお願いいたします。ここに関しましては、チャットを入れていただかなくても、自由に御発言いただいてもよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。

浦郷さん、今の白山委員の内容に関してであれば、今、どうぞお願いいたします。別の質問であれば後ということでお願いいたします。

○浦郷委員 ありがとうございます。

関連するのですけれども、今回のこの算定の適正さというところでは、電力・ガス取引監視等委員会できちんと計算されているというところで、電力・ガス取引監視等委員会の資料を見てみますと、現行の料金を基にこれらの回収のための変動額から機械的に算定されることになっているということが書いてありますので、規則で算定の数式はきちんと決められて行われているのだと思うのですけれども、その基となる賠償負担金相当額、廃炉円滑化負担金相当金の変動額、基のところですね。52ページ、例えば、東北電力ネットワークさんは、前回のところで私がこの数字は何が根拠で出てきているのですかということを質問しましたら、賠償負担金のところは総額の40分の3ということで、40年かけて回収する、そのうちの今回の託送料金に関しての算定期間、原則として3年間ということなので、40分の3ということで理解はしたのですけれども、廃炉円滑化負担金の方が、それぞれの廃炉のところでどれだけの期間でやるのか、何年で分割してやるのかというのが全然分からないので、この基となる数字がどういう計算で出てくるのか、そういうことも全然分からないですし、今回の使用済燃料再処理等既発電費相当額が9月で終了するということで、これも併せて検討されているのですけれども、ここら辺については私は全然分からないので、そういうものも全部含めてのことでこれが適正かと言われてもなかなか難しいところで、とにかく電力・ガス取引監視等委員会できちんと見ていただいているので大丈夫ではないかということしか言えないのではないかということを感じております。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

続いて、古賀委員、後藤委員の順でお願いいたします。

○古賀委員 最初のテーマが料金の適正性ということなのですけれども、最初に白山委員が御発言されましたように、託送料金の中身について細かい議論をするということでは今回はないように思っておりますけれども、頂いている資料2の18ページにありますように、託送料金の中身、人件費や修繕費や減価償却費などについても、ある程度どのようにしてこの中身について適正であると判断できるかという点について説明いただきたいということが1点。

それから、今、浦郷委員がおっしゃいましたけれども、9月で使用済燃料再処理等既発電費が終了するわけなのですけれども、今回5社が託送料金を実質的に値上げということで、4社は据置きもしくは値下げということになっているのですけれども、この使用済燃料再処理等既発電費というものが非常に今回の算定に大きな影響を与えておりまして、この5社の廃炉円滑化負担金が大きくて、この2つの新たな負担金を上乗せした場合に、使用済燃料再処理等既発電費がなくなっても現行の託送料金を値上げしなければいけないということが一つあるわけでして、この中身の数字については、白山委員がおっしゃったように、明確な数字において説明していただくことが必要かと思っております。

その上で、この値上げ分なのですが、いわゆる廃炉円滑化負担金の一部となっているようなのですけれども、この開始を1年遅らせることの根拠というか、そういう政策の在り方について、そもそもこの廃炉円滑化負担金を託送料金で算定して入れていくことを決めているわけですけれども、ここにおいて消費者においてどのような説明をして消費者が理解できるかという点の丁寧な説明が必要ではないかと考えております。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

後藤委員、どうぞ。

○後藤委員 ありがとうございます。

私も、白山委員、古賀委員と大体同じような趣旨でございますけれども、前回も申し上げましたけれども、計算結果の金額の適切性とか、計算方式の適切性という面におきまして、今、規則で決まっているものを変更してほしいとか、そういうわけでは全くなく、適切性という面を見る上でどういった情報から金額が形成されているのか、また、何か、計算上、仮定のようなものがあるのであれば、そういったところも教えていただきたいということがございます。ですので、確認として根拠の資料を見ながら御説明いただければという意見でございます。

あとは、金額的に平均単価の金額を見ますと、一般家庭でも結構な金額になるようなボリューム感だと思いますので、やはりどういった数字から来ているのかというところの確認という意味で前回も発言をさせていただきました。

よろしくお願いいたします。

○野村座長 ありがとうございます。

白山委員、もう一度ということで、よろしくお願いいたします。

○白山委員 すみません。私の説明不足のところがありまして、もしかすると誤解が生じてしまっているのかもしれないので、補足的に申し上げさせていただきます。

私が意図していたところは、何か具体的な各社の数字自体を使って、その数字自体を追っていって、最終的な、例えば、廃炉円滑化負担金承認額であれば、原子力特定資産簿価がこういうふうに出てきて、原子力施設解体引当金の要引当額のこの金額に数字的・金額的に結びつくという、そこまでのチェックをしている時間は多分ないのだろうと思っておりまして、一応その辺りは電力・ガス取引監視等委員会でチェックをしているはずですし、エネ庁でもチェックはしているので、そういう一個一個の算定プロセスを具体的な各社ごとの数字を使って何か追っていくということを意図しているわけではございません。

確認した資料の内容や計算というのはどういう一般的な計算式に基づいて計算されたのかというレベルを確認できればいいのではないかと思っておりまして、その趣旨としては、例えば、一般送配電事業者であれば、社外に申請・公表する書類あるいは申請書類は当然会社の中でもチェックしておりますし、そのチェックの状況は内部統制が整備・運用され、かつ、その内部統制につきましては、各社が既に適正なチェックの体制が行われているということを、私ども公認会計士、監査法人が保証して証明しているわけでございますので、そこについては正しい数字が出てくるだろうという大前提がございます。したがいまして、一個一個の数字自体の正しさみたいなものを出してくれということを言っているわけではないということであり、私はそういう趣旨でございます。

○野村座長 ありがとうございます。

そうしましたら、大体今の御発言で御趣旨が分かりやすかったかと思いますが、事務局から何かこれに関しまして御意見はございますでしょうか。

○事務局担当者 事務局でございます。

御意見を頂きまして、ありがとうございます。

今までの御意見を整理させていただきますと、基本的に、この調査会で、検算方法、料金の算定について御確認いただく上で、前提部分について何をどこまで確認していくかというところかと理解いたしました。その点に関しましては、大きく分けて2つレベルがあると認識しております。1つ目が、発電事業者から申請がありまして、経済産業大臣の方で既に承認された賠償負担金・廃炉円滑化負担金の回収額でございます。こちらの資料3で申し上げますと、3ページ以下の申請があったものでありました。もう一つが、52ページ以下の、今回審議対象になっております一般送配電事業者が申請した託送料金の算定でございます。

まず、白山委員からは、主に前者、経産大臣が承認されたものに関しましては、細かい数字を各社ごとにチェックするということではなく、概要としてどういう資料をどういうふうに確認されて承認に至ったのかというところを一般論として確認しておきたいと。費目によっては、一般的な算定式としてこういう形で計算されたということを確認されたいという御趣旨と理解いたしました。

その上で、52ページ以下の託送料金の算定のところでございまして、こちらに関しましても、前回御質問などを頂いたところではありましたが、変動額として前提となっている賠償負担金相当金や廃炉円滑化負担金相当金が一般論としてどういう計算式で算定されているのかという前提を確認してはどうかというところとか、同じく各数値について資源エネルギー庁なり電力・ガス取引監視等委員会でどういうふうに確認されたのかというところを確認してはどうかというところと整理させていただきました。

その上で、具体的な数字などにつきましてどこまで確認していくかというところにつきまして、また、もし何か追加などを含めて改めて今の整理が合っているかを含めて、御意見がありましたら頂ければと存じます。

私からは、以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

そうしましたら、白山委員、浦郷委員、古賀委員、後藤委員から、まず、この事務局の御意見に関して御意見がありましたら、どうぞ。

○白山委員 白山でございます。

特段違和感はございません。

○野村座長 他の3名の方はいかがでしょうか。

○古賀委員 古賀でございます。

この整理でよろしいかと思います。

○野村座長 はい。

○浦郷委員 浦郷です。

事務局の今の整理でいいと思うのですけれども、もう一つ、ちょっと気になるところは、今回、この使用済燃料再処理等既発電費のこともありますけれども、その他のところで、今回は賠償負担金相当額と廃炉円滑化負担金相当額の2つの回収に関する額のみで託送料金を見ているのか、人件費とか送配電に関わる費用までを見ているのか、そこだけ確認したいのですが、お願いします。

○野村座長 事務局、後ほどお願いします。

まず、後藤委員、どうぞ。

○後藤委員 ただいまの事務局の整理で賛同いたします。

○野村座長 ありがとうございます。

それでは、浦郷委員の質問に関して、事務局、お願いいたします。

○事務局担当者 事務局でございます。

浦郷委員から御質問いただきました点に関しましては、変分改訂ということで、ここに挙げられている以外の要素については基本的に見ていないものと理解しておりますが、また今日御質問いただいたところを含めて資源エネルギー庁には確認してまいります。

○野村座長 そういうことで、再確認をお願いいたします。

○浦郷委員 ありがとうございました。

○野村座長 そうしましたら、ほかの委員の皆様も含め「託送料金算定の適正さ」という1つ目の議題をもう少し議論しておくべきということであれば、御発言ください。

寺田委員、どうぞ。

○寺田委員 寺田です。

ありがとうございました。

皆さんのやり取りについてほとんどの部分では同意します。今までの御議論を踏まえると、賠償の方はそれまでだと思うのですけれども、廃炉円滑化の方について、資料2の9ページの説明などについて、機械的に算定されていて計算式どおりということのようで、査定の要素はなさそうです。しかし、何かの理由で額が抑えられている部分があるのであれば、消費者側としてはそれで計算が合わなくてもよいのではないかと、そういうふうな感じを持ちます。私は変動単価の相場がよく分からないので意外に小さいのか大きいのかは分からないのですが、何かの理由で、あるいは規制のラグみたいなものもあると思うのですけれども、機械的計算よりも下に収まっているということがもしあるのであれば、それはこちらとしては悪いことではないのではないかと、そう思ったところです。

○野村座長 先ほど白山委員の御発言にも関連しているかと思うのですが、これに関しまして、他の委員の皆様、何か御発言があれば、どうぞ。

ないようでしたら、事務局、この点も考えていただくということでよろしいでしょうか。

○事務局担当者 事務局でございます。

一度事務局で整理いたしまして、また資源エネルギー庁の確認などを進めてまいります。

○野村座長 ありがとうございます。

その他、1つ目のテーマに関しての発言があれば、どうぞ。

大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 先日頂いた資料3の電力・ガス取引監視等委員会の配付資料よりということで、今後の変更内容について、特別高圧、高圧、低圧別に記載があります。加えて、関西電力については2022年3月に廃炉円滑化負担金の一部の回収が終了するので、その後、変更するという内容の資料を出していただいています。

これを見て気になったことですが、廃炉円滑化負担金は2013年から電気事業者が、電気料金の中で回収してきたが、2020年4月からは、直接ではなく、託送料金を介して回収するという形のものだという理解です。ただ、今回のこのケースのように、途中で回収が終了するものが関西電力の場合には一部あるということは、やはり電力会社ごとにみていくと、以前から回収してきた廃炉円滑化負担金の回収が終了する原子力発電所が幾つかあって、また、今後、新しく対象となる原子力発電所が増えてくる可能性がある、ということだと思います。だとすれば、今後の変更につきましては、その都度、計算したり、回収終了の情報を提供いただけるのかというところがちょっと気になりましたので、質問させていただきました。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

事務局、いかがでしょうか。

○事務局担当者 事務局でございます。

今の御質問に関しましても、また事務局で整理いたしまして確認するようにいたします。

○野村座長 ありがとうございます。

○大石委員 よろしくお願いします。

○野村座長 他の委員の皆様、いかがでしょうか。

ありがとうございます。おおよそ30分使いましたので、次のテーマへ移らせていただきます。もし何か1つ目でありましたら、また後ほどお知らせいただければと思います。

そうしましたら、2つ目のテーマで、「消費者への情報提供・説明」についてということで意見交換をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

それでは、林委員、お願いいたします。

○林委員 ありがとうございます。

消費者への情報提供・説明についてというところで、消費者の立場として、これを負担しなければいけないという理由とかいきさつというのですかね、その辺から分かるようにして説明していただかないといけないのかなと思っていることと、金額について具体的に出てくるものになるので、算定方法とか、今の御議論を聞いていても、はっきり言って、素人には分からないので、ほとんどの方が理解できるかなという疑問があるので、算定方法とか、そういうのも大事なのですけれども、何でこれを負担しなければいけないのか、負担することによってどういうメリットがあるのかということを分かるようにしていただきたいかなということ、もう一つ、表示の仕方とか、説明する場所とか、そこが消費者に本当に届くような場所をどうやって設定するのかというところを聞きたいかなと思っております。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

これに関して、いかがでしょうか。類似の御発言であれば、順番に関係なく御発言いただいても結構なのですが。

お願いいたします。

○若林座長代理 若林です。関連の発言でお願いします。

今の林委員の御発言とほぼ同意見というか、賛成だということなのですけれども、経緯といいまして、もともと需要家にその負担をというのは、例えば、賠償の話ですと、以前安価な電気を享受していたからということになるわけですけれども、そうはいっても、今から40年かけてその負担を回収するとか、いま一つ当初の経緯と制度の設計がぴったりマッチしていない部分があって、もちろんその40年というのは恐らく託送料金のレベルを考えたときのそういうような考慮も踏まえて40年とされているのだと思うのですけれども、そういう説明が丁寧になされるというのが必要かと思います。分かりやすさも必要なのですけれども、あまりに端的な経緯の説明で、今、こうなっていますということになりますと、かえって分かりにくくなる可能性があるように思いますので、経緯の説明と今のこの制度の設計の辺りが、きちんと分かりやすく理解できるような説明がなされることを希望します。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

そうしましたら、白山委員、お願いいたします。

○白山委員 皆様方に関連するところなのでございますが、賠償の負担金をなぜ受益者が負担しなければいけないのか、あるいは、廃炉の負担金をなぜ受益者が負担しなければいけないのかという本質的な議論があるわけでございますが、消費者側の納得感として、賠償につきましては、原子力損害賠償・廃炉等支援機構に一般負担金という形でお金が多分流れていくはずですので、そちらで賠償に使われる。廃炉円滑化負担金の方も、微妙なところはあるのですが、廃炉のために使われるということは分かるわけですが、これは逆に皆様方にお伺いしたいのですけれども、私たち消費者がそれを実際にキャッシュとして負担した後、それがどういう流れでどういうふうになっていって、最終的には当初の目的である廃炉にこういう形で使われるのですよという、非常に分かりやすい説明は必要なのではないかと。過去の原子力施設の回収ですと言われても、消費者の方はそれで本当に納得するのだろうかという素朴な疑問がございまして、この辺は何か説明した方がいいのではないか、分かりやすく説明した方がいいのではないかと思っているのですが、そんな必要はないと消費者の方々がおっしゃるのであれば特段強硬に主張するわけではないのですが、その辺りについては消費者向けに何か説明があってしかるべきかなという感じはしているところでございます。

○野村座長 ありがとうございます。

続けて、古賀委員、浦郷委員、後藤委員の順番でお願いいたします。

○古賀委員 古賀でございます。ありがとうございます。

今、白山委員がおっしゃった論点は、実は2016年から2017年にかけて、本来そこですべきであった議論であったと私は思っております。と申しますのは、2016年12月に電力のシステム改革に関連して貫徹委員会でこの2つの負担金を上乗せすることが中間報告という形で決まったわけですけれども、そのときに消費者団体は大きな反対運動を起こしました。今は年月が経ってしまって当時の消費者や新電力の反発は忘れられてしまっているのですけれども、今回、託送料金が現実に算定認可という形で審査の対象で出てきたのですけれども、消費者に対する説明がされる必要があります。先ほどの損害賠償の過去分の徴収もそうなのですけれども、やはり廃炉の負担金の中身の説明が大切です。実際には、廃炉関係の費用も、汚染水処理の問題とか、除染の問題とか、いろいろなものが派生的にあります。今回の資料2の3ページでその負担金の子細についても御説明いただいたので、ある程度は分かりやすくなっていると思うのですけれども、どうして廃炉の負担金を、本来であれば発電コストに係るものについて、送配電部門が託送料金で回収するのかというところについては、消費者には丁寧に説明する必要がある。林委員が疑問に思われていたところは、やはりこの問題の核心でして、多分今回もこういったところの使用者に対する明確な説明を求められて、消費者庁への協議という形になっていくのだと私自身は理解しております。

白山委員からいみじくもおっしゃっていただいたように、廃炉負担金や損害賠償を託送料に乗せるということは、費用収益対応の原則からいえば、やはり見合っていないのではないかと十分に想像されることでして、消費者目線からそういったバランス論で「受益と負担の対応」をどこまで受容できるかという白山委員の観点は非常に明確に整理された御視点だと思いますので、そこをもう少し皆さんと一緒に考えていきたいと考えております。

○野村座長 ありがとうございます。

後藤委員、どうぞ。

○後藤委員 ありがとうございます。

消費者に対する丁寧な説明というところはやはりしっかりしていただきたいなと思っていまして、請求書とかウェブサイトで消費者に説明をしていただけるということなのですけれども、まず、託送料金といった場合にどれだけの消費者が理解できるのかなと。もう少し簡単な言葉、平たい言葉を使えばいいというわけでもないのですけれども、まず、託送料金と言われても何のことかなというのが恐らく多くの方が持つ感想かと思います。

また、先ほども委員の意見で出ておりましたけれども、託送料金が輸送部門ですよということで説明するとしますと、なぜそこで廃炉の発電のほうの費用がここで回収されるのか、その理由というのも説明していかないと、どうしても、納得感というか、もちろん積極的に支払いたい消費者がそんなにいるわけではないと思いますけれども、その中でも、そういうことであれば支払ってみんなで負担していこうねという気持ちに少なくともなれないと、なかなか消費者という観点からすると難しいのかなというところがありまして、金額的に結構な金額になると考えますと、本当に丁寧に消費者に分かりやすく説明をしていただきたい。言葉の使い方もそうですし、そもそもなぜ、託送料金、発電の方に関わる料金で費用を回収するのか、そういったところの説明を分かりやすくしていただきたいと思っております。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

浦郷委員、よろしくお願いします。その後、寺田委員でお願いします。

○浦郷委員 ありがとうございます。

電気料金の中に託送料金が含まれているというのは、消費者は分かっているとは思うのですけれども、その託送料金の中身がどんなものかというのは全然知らされていないところだと思います。実際、私もこの電源開発促進税とか使用済燃料再処理等のそういう金額が入っていることは分からなかったですし、再エネの促進賦課金は多分明細にもちょこっと書いてあったと思うので、こういうものが入っているのだなというのは気が付いていましたけれども、やはりその中身は全然消費者は分からないところだと思います。

今回、原子力関係の費用を託送で徴収することについて、前回のところでもこの負担金のところで議論はあったのかというお話がありました。古賀委員が消費者団体からは反対意見がたくさんあったということで、私が全国消団連に関わるちょっと前のところだったのですけれども、うちの団体でも大変な反対の意見書を提出しておりました。そういう反対の意見が多い中で、この問題に関しては国会の審議も経ずに政省令改正で決まってしまったというところも問題かと思うのですけれども、2017年に改正されてこの春から施行ということで、改めてこの制度自体をきちんと消費者に説明することが大事かと思っています。

今までもお話がありました、受益に伴う負担ではないところをなぜ私たちが負担しなければいけないのかというところで、これを負担することで消費者にとってどういう利益につながるのかというところをやはりきちんと明確に説明していただくことが大事だと思いますし、白山委員もおっしゃっていましたけれども、この廃炉の負担金につきましては、会計上のところで今回はこういうことになったということなのですけれども、私たちがキャッシュとして払うものが、その後、どういうふうに廃炉のところで使われていくのかというところは、説明も大事だと思いますけれども、本当に分かるように、普通の消費者が分かるように説明してもらわないと、幾ら説明したって分からないと思いますので、そこら辺は本当に分かるような説明をお願いしたいと思います。

前回のところでもありましたけれども、廃炉がきちんと行われているのかというところは、原子力規制庁の方がしっかり見るということでしたが、やはりエネ庁や原子力規制委員会が進捗状況を定期的に確認することが必要だと思います。

最初に戻りますけれども、今回、やはりこのことを改めて周知というのは、今回はこの使用済燃料再処理等の終了ということもあって、そこが相殺されて託送料金が引下げになるところもあるし、そんなにたくさん上がるというわけではないのですけれども、またこの後のところでそれもなくなるともっと引上げにつながるのではないかということも考えていますので、今回施行されるところできちんとこの制度自体について説明をしてもらうのが大事ではないかと思います。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

それでは、寺田委員、どうぞ。

○寺田委員 寺田です。

資料のどこというわけでもないですが、賠償の話と廃炉円滑化の両方です。

賠償の方については、恐らく皆様の方でもそもそもについてはあまり御異議がないようですが、なぜ40年間かという辺りが争点だと思います。10年以上前の積立不足なので、それを入れると50年ぐらいの話になります。1世代30年とすると確かに長過ぎる。しかし、例えば、15年から20年で回収するというと毎年の回収額が増えてしまうので、それを抑えるというのとトレードオフだと思います。だから、もっと高く払っても短くすべきと、私としてはそういうふうに思うのですけれども、そういうこともあるのかなと思います。

廃炉円滑化の方は、そもそも過ぎる質問かもしれないのですけれども、廃炉を促すというニュアンスの説明でずっと来ているのですけれども、逆の効果もあるので、そこのところの説明が問題だと。つまり、短期的にはこのまま廃炉にするか稼働するかということでは廃炉を促すと思うのですけれども、大規模改修を伴うとか、あるいは、もっと長期的に考えると原発のリスク自体を下げる効果も結構大きそうなので、逆の効果も生じます。ブレーキとアクセルを同時に踏んでいる影響があるように見えます。本当に廃炉を促すための措置なのかどうかというところの説明、分析がないということを強く感じました。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

若林委員、どうぞ。

○若林座長代理 ありがとうございます。

今、寺田委員のおっしゃったことをお聞きして、もしかしたら誤解があったのかもと思いましたので、補足をさせていただきます。先ほど40年という話をしたのは、短くすべきという、制度をどうにかするということを主張したかったのではなくて、まさに寺田委員がおっしゃったように、恐らくトレードオフ等々もあってその期間になっているだろうということもあるので、それも含めてきちんと経緯から説明していただきたいという趣旨で発言いたしました。

先ほどの発言に加えて、先ほど後藤委員から言葉自体が分かりにくいというお話もあったのですけれども、今、前回の資料2の20ページを見ていて、実際の請求書等の例を挙げていただいているのですけれども、確かにこれは非常に言葉自体も分かりにくいですし、文字もどうしても小さくなってしまうということで見にくいというのもあって、そもそもこれ以上調べようという意欲を湧かせないというか、どうしてもそういう表示にならざるを得ないという現実があるかと思うのですね。

ですので、例えば、オンラインであれば、簡単な説明ページ、分かりやすい説明ページは必然的に言葉がどうしても長くなってしまうと思うのですけれども、そこへのリンクを貼るとか、あるいは、紙ベースであれば、やはり何かリンクを貼るとか、そういうような形で簡単に1回でそこのページに飛べるような工夫を何かしていただければと思います。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

白山委員、お願いいたします。

○白山委員 そんなに難しい話ではなくて、いろいろ御意見を伺っていまして、消費者の人が分かるような形で、賠償にしましても、廃炉円滑化負担金にしましても、経産省とか資源エネルギー庁の立場からするとこんなことは過去に議論済みではないか、何で今頃言うんだということだと思うのですけれども、やはり消費者の人たちが分かりやすいような形で、今回の負担したものがどこでどういう形でどういうふうに使われていくのかというのを、細かいことは要らないと思うのですけれども、何かポンチ絵みたいなものとか、ぱっと直感的に分かるような形で何か出していただきたいなというのは、お話を聞いていて思ったところでございます。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

それでは、事務局、よろしくお願いします。

○事務局担当者 事務局でございます。

御意見を様々にお出しいただきまして、ありがとうございます。

「消費者への情報提供・説明」に関しまして、伺った内容を大きく整理しますと、何をどのように伝えていくのかということかと存じます。何をというところで、今回、実際に料金が変わりますよということだけではなくて、それをどうして消費者が負担しなければならないのか、それがひいてはどういうメリットになっていくのかという今後のところについても説明が必要ではないかと伺いました。また、どのようにということに関しましても、分かりやすくしつつも、情報の内容については簡単にし過ぎずに丁寧に説明してもらうこと、それに関しまして具体的に幾つか工夫点などを御提案いただいたと認識しております。

その上で、白山委員からの御質問にも関わってくるのですけれども、全体として伺っていることとしましては、この場、調査会の場で更に何か前回以上の説明を求めるとか、資料を求めるというよりは、今後、資源エネルギー庁なり関係するところで消費者向けにこういった説明をしっかりしていってもらいたいと受け止めたのですけれども、そこのところは認識にもし間違い等がありましたら御指摘いただけますと幸いです。

○野村座長 いかがでしょうか。

今、事務局から御発言がありましたように、資源エネルギー庁には消費者に分かりやすく、丁寧に説明してもらうということを事務局からお願いしていただく方向でよろしいでしょうか。

○事務局担当者 事務局から、もう一度、念のため、趣旨を御説明させていただきます。

情報提供に関して頂いた意見に関しましては、最終的にこの調査会で意見を取りまとめていくことになると予定しておるのですけれども、その中の意見として資源エネルギー庁等において、今後、消費者に今日いただいた御意見のような形で制度の趣旨などを含めて分かりやすく説明をお願いしたいということになるか、この調査会の場で先ほどの料金算定の形と同じように追加で事実確認をしていくのかというところの方針が2つあるかと思いまして、先ほどの御説明は、前者として、更にこの件について追加で何か出してもらうというよりは、今後の意見の中で踏まえていくと整理をしたのですけれども、そこを含めて認識が間違っていないかということで御意見を頂ければと思います。

○野村座長 ありがとうございます。

私の説明がちょっと悪くて、補足していただき、分かりやすくなりました。

皆様、この点に関していかがでしょうか。

後ほどこの点は確認させていただくということで、御質問は、古賀委員、新川委員からお願いいたします。

○古賀委員 古賀でございます。ありがとうございます。

先ほど消費者への説明ということで白山委員からポンチ絵のようなものが消費者向けにあるといいというような御意見があったと思うのですけれども、私もそれは非常に賛成でして、例えば、皆さん、もしお手元にあったら頂いている資料2の3ページを御覧いただきたいと思うのですけれども、ここに資金の全体像と東電と国の役割分担という表がございまして、私は今回のこの表のまとめが非常に分かりやすいなと思う反面、これから費用が、いろいろな3.11後の処理、福島の処理もこれからの廃炉も含めて非常に予算がかかるということで、いろいろなところで、2007年に国が54基を廃炉にするのに3兆円ということを言っていたのですけれども、実際に事故が起きたりとか、イギリスなどの例を見ても、最大で30兆円ぐらい、日本も全体の廃炉をするためにかかるのではないかということもありますので、今回、廃炉の負担金を託送料で回収するという根本的なことについて消費者に説明するに当たっては、実際に託送料金というものの中身を説明することはもちろん必須なのですけれども、この3ページの表にあるように、ここでは託送で回収する総額は※5の0.24兆円を新電力が負担するであろう額と計上されているのですけれども、そうではなくて、現実には廃炉に今後どれぐらいの予測の資金が必要で、個人的にはそれを託送料で負担し続けることなど到底できないような額が今後は必要になっていくとは思うのですけれども、そうではあっても、損害賠償と廃炉負担金を制度に入れた以上、合理的にそれが消費者にとって少なくとも負担すべきであるという納得感が得られるだけの説明を、この全体の資金の流れとか、国の責任とか、そういったものも含めて説明できると、消費者にとっては非常に分かりやすいものができるのではないかと考えております。

○野村座長 ありがとうございます。

制度を含めてという案でございます。

それでは、新川委員、よろしくお願いいたします。

○新川委員 ありがとうございます。

最初は出遅れまして、申し訳ありませんでした。

ここまでの御議論もそのとおりだなと思いながら聞いていたのですが、1つは、今回の託送料金の改定で、この原子炉を確保するということ全体がやはりどうしても理屈に合わないという側面があって、合わないにもかかわらずこれを取らざるを得なかったことについての説明が大事なのかなと思いながらお話を聞いていました。その説明責任は、やはり原発等を国として進めてこられたという観点から、国がまずは説明をすべきではないかと思っております。

その際に、2つ目に論点になりますのは、やはりその説明に際して託送料金という選択肢をしておられるわけでありますけれども、これを選択した積極的な理由、他の仕組みではこの原資を確保できないという説明がどうしても必要ではないかと思っております。他の料金あるいはその他の手法が当然複合されて投入されて全体の経費が賄われることになっていますが、その中でこの託送料金とそれについての負担割合が今回出てきているわけで、これについて、言わばこれを選択した積極的な理由が要るのではないかというのが2つ目の論点です。

3つ目に、今回の託送料金は、最終的には電力各社が設定をされ申請をされているわけでありますけれども、その一方では、電力各社のそれぞれの負担の中でこの託送料金への上乗せが日本の電力経営そのものにとってどういう意味があるのかということは、恐らく消費者側にとっては求められている説明ではないかと思っておりますので、こうした電気事業そのものの経営と託送料金上乗せとの関係を明らかにすべきではないか。そんなふうに思いながらお話を聞いていました。

以上、3点です。

○野村座長 ありがとうございます。

そうしましたら、引き続き、大石委員、お願いいたします。

○大石委員 ありがとうございます。

今、新川先生がおっしゃったことと私も重なる話です。この制度が決まるときに私は委員として経産省の会議に出ておりまして、やはり消費者団体の一員として、国民が電気を選べるようになる中で、この制度にはかなり反対もしておりました。けれども、説明を受けた中で、今の新川先生の御質問に関連することかと思いますが、今年、2020年は、発送電分離で正式に発電事業者・小売事業者とは別に送配電事業者が独立して事業を行うことになっております。そうしますと、消費者がいろいろな新電力を選ぶようになると、これまでのように、事業者が電気代の中で集めていたものが、今まで必ず集められていたものが新電力に移った人からは電気料金として集められなくなる可能性が高まりますが、発送電分離になっても、託送料金で回収するのであれば、必ず全ての国民から徴収できます。ですので、国民全員から負担してもらうために、託送料金の中で回収できる、ということがそのときの説明であったように思います。

もう一つの懸念です。福島の賠償負担金については当初より必要額が増えている懸念はありますが、これは国民が負担しなければならないという部分もあると思っており、そうであれば、消費者にきちんと説明をして、本来は国会にかけて法律できちんと賦課金などの形で回収できるようにしてほしいという希望を申し上げました。 一方、廃炉円滑化負担金については、託送料金で回収することにすれば、託送料金は経産省令だけで認可が得られ金額の変更ができるということもあり、最終的には経産省令で決められるこの託送料金での回収になったという経緯もあったと思います。その辺りは、一般の消費者には説明されてもなかなか納得いかない面もあるのですけれども、実際、この制度が今回始まるに当たって、電力システム改革の中で、このような流れであったこと、それから、国民として負担する必要があるからという話なのですが、それもどこまで消費者として納得できるかというと難しいところはあるのですが、やはり丁寧に具体的に説明していただく必要があるかと思っております。

加えて、廃炉の円滑化を進めるために、ということで託送料金から回収されたものが、今後、本当に廃炉を進めるために使われていくのだろうか。先ほど寺田委員からお話がありましたけれども、託送料金で回収できるという安心感から逆の方向に力が働いているということもあるかもしれないという心配もあります。消費者が、国民が負担した円滑化負担金で実際にどれだけきちんと廃炉が進んでいるかということは丁寧に御説明いただきたいと思っているところです。これは質問というより感想に近いのですけれども、述べさせていただきました。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

そうしましたら、ここで質問の御発言は一旦置いておきまして、今、古賀委員、新川委員、大石委員からありました御意見も踏まえて、事務局が先ほど御提案してくださったような今後の進め方について御意見をお願いいたします。

委員から今はまだ出てこなければ、事務局からお三方の御意見を踏まえて先ほどどおりでよろしいでしょうか。2つの選択肢ということを御提案いただいたわけですが。

○事務局担当者 事務局でございます。

今追加で頂いた御意見を伺いまして、主に追加で頂いたところは、まさに今後、消費者に制度が始まるに当たってしっかり理解していただけるように、各制度の全体像を、この賠償負担金・廃炉円滑化負担金の個別の問題というよりは、全体の電力システム改革の流れや賠償負担金などについて全体として賄われるお金という、各全体像の中でどういうふうに位置づけられているのかというところも重要であると伺いました。こちらは、どちらかというと、質問というよりは御意見ということで伺いました。

以上でございます。

○野村座長 よろしいでしょうか。

そうしましたら、進め方に関して御意見のほどよろしくお願いいたします。

私から、テクニックになってしまうのですが、今週がちょうどお盆で、省庁さんもかなり人的な配置が薄くなるかもしれませんし、もちろんコロナ禍で大変御苦労されているのは承知しております。その中で、報告書作成の準備を進めていただくことになりますし、資源エネルギー庁との今日の議論の御報告と、それに対する資源エネルギー庁の御意見を受けるというスタイルで進めていくことになるかと思います。我々の調査会も、再度開くのか、複数の候補日がまだ残っておりますが、そういうことを考慮して報告書作成に当たっていくわけでございますが、その辺りも意識していただいて、先ほどの事務局の御意見、今日皆さんに出していただいた御意見をどう整理すべきかというところの御発言をお願いいたします。

特にございませんでしょうか。

今日出していただいたここまでの御意見は非常に分かりやすかったですし、それを事務局として資源エネルギー庁にお伝えいただくというところまでは私も賛同しておりますし、それ以上のことを事務局に何かリクエストするという御提案があれば、今、御発言ください。

それでは、林委員、古賀委員で御発言ください。お願いします。

○林委員 林です。

今まとめていただいた以上のことで何か私たちが説明を求めるということは、いわゆる消費者への情報提供や説明に関しては特にないと思っております。

ただ、その託送料金の適正さについてというところは、本当に私も分からないので、どういうふうなアプローチでいったらいいかという御助言を頂いた方がいいのかなと思って発言しました。

ちょっと戻るのですけれども、消費者への説明や情報提供というときに、インターネットにアクセスできない方が非常にたくさんいることも踏まえた上での情報提供をお願いしたいという立場を一つ入れていただければと思います。私も料金表に明記していただくときにQRコードなどを入れておけばもうちょっと詳しい説明ができるのかなと考えたのですけれども、もともとアクセスできない方もたくさんいるという現実も一つ考慮していただく要素として検討していただいたらいいかと思いました。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

多様な方法で発信していくという御提案と受け止めました。

古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 ありがとうございます。

事務局が最初におっしゃったような整理の仕方で私もいいと思いますが、やはりこういった期日が迫っているといいますか、限られた中で議論していかなければいけないので、事務局で一応たたき台のようなものを出していただいて、それに対して皆さんから意見を出しながら修正していくという形で。会議を持つことも大事なのですけれども、それぞれ皆さんの意見を出していただいた上で、事務局に整理していただいて盛り込んでいただくという形で御用意いただけたらどうかと考えております。

いかがでしょうか。

○野村座長 ありがとうございます。

続きまして、先に新川委員、寺田委員、御発言をよろしくお願いします。

○新川委員 新川です。ありがとうございます。

基本的な手順については、特に異論はございません。

確認をしておいていただきたいのは、既に御説明は一部頂いてはいるのですが、電力・ガス取引監視等委員会で検算をされました、例えば、経産大臣から出ている賠償負担金相当金とか、あるいは、廃炉の相当金とかの計算根拠の枠組みは理解しているのですけれども、各社への通知の内容の算定根拠等々をもう一度御確認いただければと思っておりました。従来の既に現行で申請をされているものからの変更もございますので、そこの根拠を明らかにしておく必要があるのではないかという趣旨であります。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

そうしましたら、寺田委員、よろしくお願いします。

○寺田委員 寺田です。

あまり大きな話でもないのですけれども、皆さんからの、分かりやすさというか、そういうことを求めるというか、そういう御意見はそのとおりだと思います。

ただ、官僚の方にうまい説明を求めると余計に二枚舌みたいになってしまうところがあるので、基本的には、今回、申請から承認までが5日ですかね。しかも申請がないと消費者側には通知されないので、その期間を十分置くことで消費者が問題点を整理する時間を頂くということが一番大事なような気がします。

感想として、何で託送にかけるのかというのは私も思うのですけれども、これは積極的な理由はないでしょう。皆さんが、小売価格に乗せ、小売の請求書に電気通信のユニバーサル課金みたいに乗ることを強く望んでいたのであれば、違う道があったのかなということを、今、強く感じました。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

そうしましたら、今の御意見も踏まえて、事務局としての進め方を御提案いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○事務局担当者 事務局でございます。

これまでのものを踏まえまして、今、情報提供のところがメインではありましたが、1つ目の料金算定のところも含めて全体を整理させていただきますと、料金算定に関しましては、既に経済産業大臣で承認された元々の賠償負担金・廃炉円滑化負担金算定額が前提としてあって、その上で、一般送配電事業者から修正の申請があって、こういうふうに算定すると。それぞれに関しまして、細かい具体的な数字ということではなくて、それぞれ承認されたときであれば承認されたときに、どういった資料に基づいてどういったチェックをされたのかという概要を確認しておくと。託送料金に関しましても、通知額を基にこの変動額として示されているものがどういった計算に基づいて出されているものかという一般的なことを確認していくということで、そのような幾つか前提の確認というところで御質問いただいていたところもあります。それらに関しましては、事務局で整理をさせていただきまして、資源エネルギー庁に確認の上、何らかの形で委員の皆様に御報告をさせていただこうと思っております。

その他に関しましては、今日頂いた御意見のところを、今後、意見書等をまとめていく際に、事務局でも整理いたしまして、それを基に委員の皆様にもまた御議論いただくと。意見を頂く方法などにつきましては、古賀委員からも御指摘がありましたので、限られた期間で効率的にできるように工夫してまいりたいと存じます。

現時点の整理は、以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

今日の皆さんの御意見を伺っていて、分かりやすさとか、プラス、丁寧さとか、最後の方で林委員が言われたように、ネット以外の方法で多様な発信をしていくという意味では、発信方法も含めて常時消費者がこの問題に触れられるようにしておくことが大事なのかなと私は考えておりますので、事務局もその点を含めて御協議いただいて報告書の準備に入っていっていただきたいと思っております。

他に1と2のところで何かお気づきのことがありましたら御発言ください。

そうしましたら、「その他」ということで最後に設けておりますので、ここはまさに文字どおり何でも御発言いただいて結構でございますので、3の「その他」に移らせていただきますが、よろしいでしょうか。

そうしましたら、予定では3時前に終わりたいと思っておりますので、おおよそ20分を目安に御発言いただきたいと思います。恐れ入りますが、また順番にチャットで御発言希望を入れていってもらえればと思います。

それでは、私から。

寺田委員が発言された、廃炉を促すのでしょうかというような、原子力発電の稼働を停止させられるようにするのか、あるいは、安心感を与えてこういう対処方法があるのでという、この辺りから、制度そのものは出来上がっているのでいいのですが、何か広い目で見て、再生可能エネルギーのこともずっと制度改革が進んでまいりましたし、何らかのエネルギー全体の電源構成などが意識されるべきなのかどうなのかというのが一つ気になっております。発電単価から最終料金は出来上がってきますし、真ん中でこういう制度で、託送の料金レベルが動くわけですから、その辺り、全体として何かアイデアを資源エネルギー庁がお持ちなのかというところはすごく気になっております。

これはこの調査会の本論ではないので感想程度の発言として捉えていただいて結構ですが、事務局が資源エネルギー庁と意見交換をされることがあったときに、そのような内容を少し事務局から尋ねてもらえるでしょうか。

○事務局担当者 事務局でございます。

今の野村座長の問題意識に関しましては、事務局で一旦持ち帰って対応させていただきます。

○野村座長 ありがとうございます。

その他の御意見はございませんでしょうか。

それでは、古賀委員、新川委員の順番でお願いいたします。

○古賀委員 ありがとうございます。

今回、消費者への説明ということで、電力システム改革が始まって、電力の自由化・小売の自由化が始まって、発送電分離まで今回は来ているわけなのですけれども、この託送料金で電気料金自体がどう変わるかというのは非常に消費者にとっては大きな関心事ではあるのですけれども、今回の2つの上乗せについて応分負担という考え方をもし入れるとすると、原発の発電量に応じて廃炉関係の費用の負担金が計算されているということについて、ある一定の合理性があると私も考え始めてはいるのですけれども、そういった原発のエネルギーの基本政策の中で、廃炉というか、これから今後のエネルギーがどういう方向に行くかということについて、資源エネルギー庁としての立場をしっかりお聞きいただきたいということと、廃炉会計制度とか、原子力規制委員会の意向も踏まえて、今後の原子力政策がどうなるかということは国民的には非常に大きな関心事でありますので、そういったことも分かりやすく説明していく上で、消費者がどういうエネルギーをこれから選びたいか、選ぶべきかということも見えてくるような気がいたしますので、そんなことも頭の片隅に入れながら資源エネルギー庁との意見交換を事務局の方にはお願いしたいと思っております。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

新川委員、どうぞ。

○新川委員 ありがとうございます。

今の古賀委員のお話と重なるところもあるのですが、今回の託送料金の上乗せ改定に当たりまして、そもそもの賠償資金の確保、廃炉の手当が理由になっているわけでありますけれども、例えば、賠償資金の算定について、これは当然一定の枠を固めてその上で託送料金分を算定しておられるということで、これはそういう限定ということで理解はしているのですが、もう少しこの問題を見てみますと、賠償資金そのものは今後も恐らくこの枠組みから除外をされているような復興の問題や当初の残存物の除去以後、なお残った施設の処理とか、様々将来の別の負担も、言ってみれば、何十年かかけて処理をした後も当然想定をされるところであります。この辺りが、将来的に、何十年も先の話ですからそんなものはという議論もあるかもしれませんが、やはりこうした制度がある意味では将来にわたって国民的な負担あるいは消費者の不利益につながる一方にならないような歯止めはどこかできちんとかけておかないといけないのではないか、そんなふうに思って発言をさせていただきました。その点では、確保すべき資金の枠組みあるいは廃炉の適正さや負担の適正さといったところについて、どういう歯止めをかけられるのか、この辺りは消費者保護の観点からは将来的に大きな課題かなということで発言をさせていただきました。この辺り、意見になるのかどうかはよく分かりませんが、そうした観点も盛り込めればと考えた次第であります。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

他にいかがでしょうか。

最初に私が感想を述べてしまいまして、すみません。古賀委員も新川委員もやはり長期的な見通しからの御発言だったかと思います。

白山委員、お願いいたします。

○白山委員 私も、「その他」になるのか先ほどの議論の中に含まれているのか分からないところはあるのですが、将来的に消費者がマクロ的にどのぐらい負担しなければならないのか、そしてその負担額はできるだけ最小にしなければいけないという観点からしますと、廃炉の計画はあるとの前回のエネ庁の御回答もあり、また、東京電力なども廃炉の計画を公表していますけれども、先ほどどなたか委員の方から御意見がございましたが、廃炉の進捗状況を常にチェックして、技術的に難しいところはあるとは思いますが、それが予定どおりに進まなかった場合にどういう対応を取るのかみたいなものは、巡り巡って託送料金に含まれて消費者側が負担することを考えますと、必要になってくるのではないかというのを、どこかでやはり入れたほうがいいのではないかという気がいたしました。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

他にいかがでしょうか。

大石委員、どうぞ。

○大石委員 ありがとうございます。

今、白山委員からもおっしゃっていただいたように、やはり今後本当にどこまで消費者や国民が賠償負担金や、廃炉円滑化負担金について負担していくのかということは、この機会ですので、是非ここで、消費者委員会というか、消費者庁として意見を出していただきたいと思います。制度としては残念ながらこの制度は既に通ってしまっており、ここで制度自体を止めることはできないと思いますが、有り難いことに、この機会に調査会からの意見が出せるということですので、やはり電力・ガス取引監視等委員会と違って、消費者委員会が出す意見は、あくまでも、国民、消費者側の目線で、消費者利益を守り、消費者の理解を深めていただけるような意見を出していっていただきたいと思います。事務局は大変だと思いますけれども、是非よろしくお願いしたいと思います。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

後藤委員、よろしくお願いします。

○後藤委員 私も、今まで複数の委員から出ておりますように、将来的なエネルギー政策の発展とか、エネルギーミックスの発展というビジョンと合わせる形で、どうしても賠償とか廃炉というと過去の費用を自分たちが今負担しなければいけないという後ろ向きな感じになってしまうところはあると思いますので、その負担をすることで、今、新しい次世代技術のようなものもいろいろと入ってきていますし、エネルギーの使い方もこれからどんどん発展していく中で、過去のものを清算するためだけに払っているのではなくて、それが将来のエネルギーの供給や使用につながっていくんだよというメッセージを何とか盛り込むような形で説明をしていただけるといいのではないかと、これは、コメント、感想でございます。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

全く同感でございます。受益と負担で利益をどのように受けられるのかという発言が今日の議論でも出ていたと思いますが、時間の流れの中で、過去から将来へつなぐどういうビジョンをお持ちなのかということを確認しておければよいかと思います。

ここまでの意見を受けまして、事務局から御発言をお願いしてもよろしいでしょうか。

○事務局担当者 事務局でございます。

「その他」のところで頂きまして、今、野村座長から整理いただいたような、今後の中長期的なところを含めてどうなのかというところにつきましては、事務局でも今日頂いた御意見を整理して検討してまいりたいと思います。

○野村座長 ありがとうございます。

まだ時間は5分ほど使えると思いますが、いかがでしょうか。

濃い議論ができたかと思います。もしなければ、本日の調査会としての議論をここで終わらせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。

本日は、委員の皆様、オブザーバーの皆様、お忙しい中、活発な御議論をありがとうございました。

そうしましたら、ここまでの議論を踏まえまして、事務局において、調査会としての意見書素案を、お忙しいかとは思うのですが、作成していただく作業を進めてもらいたいと思います。それを、次回以降、この調査会で再度検討していくという進め方でお願いしたいと思います。

そうしましたら、これをもちまして本日の調査会の議論は終了させていただきます。

再度、二之宮事務局長、お願いいたします。


≪3.閉会≫

○二之宮事務局長 本日は、長時間にわたり御議論いただきまして、ありがとうございました。

次回の会合につきましては、確定次第、御連絡させていただきます。

以上でございます。

○野村座長 ありがとうございました。

そうしましたら、本日、長時間にわたりましたが、これにて閉会とさせていただきます。

お暑い中、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)