第63回 公共料金等専門調査会 議事録

日時

2021年6月14日(月)10:00~10:46

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

【専門委員】
野村座長、若林座長代理、古賀委員、白山委員、寺田委員、坪田委員
【消費者委員会担当委員】
大石委員、新川委員
【消費者庁】
吉田参事官
【事務局】
加納事務局長、太田参事官、事務局担当者

議事次第

  1. 開会
  2. NTT東西プライスキャップ制度の基準料金指数の見直しに関する意見案のとりまとめ
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○太田参事官 本日は、皆様、お忙しいところ、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会第63回公共料金等専門調査会」を開催いたします。

本日は、所用により、浦郷委員、松村委員が御欠席との御連絡をいただいております。

次に、本日の会議はウェブ会議による開催となります。公開で行いますが、感染拡大防止の観点から、一般傍聴者は入れず、報道関係者のみ傍聴していただいての開催となります。

議事録が掲載されるまでは、本日の会議の様子を、明日、6月15日、火曜日、15時より、ホームページで音声配信をいたします。

ウェブ会議による開催に当たりまして、これまでと同様、御発言時以外はマイクをミュートにしていただくこと、御発言の際は、あらかじめチャットでお知らせいただき、座長からの指名の後、冒頭にお名前をおっしゃっていただくことなど、よろしくお願い申し上げます。

それでは、野村座長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。


≪2.NTT東西プライスキャップ制度の基準料金指数の見直しに関する意見書案のとりまとめ≫

○野村座長 ありがとうございます。

本日の進行についてですが、途中で私の回線が切れた場合は、復旧するまでの間、座長代理に、座長代理の回線も併せて切れた場合は、事務局に進行をお願いいたします。

それでは、議事に入らせていただきます。本日の議題は「NTT東西プライスキャップ制度の基準料金指数の見直しに関する意見案のとりまとめ」についてです。

当専門調査会では、NTT東西プライスキャップ制度の基準料金指数の見直しについて、消費者庁から消費者委員会への意見の求めがあったことを受け、6月2日に総務省からヒアリングを行いました。

本日は、ヒアリングの結果を踏まえ、専門調査会として取りまとめる意見案について議論を行いたいと思います。

なお、本日は、消費者庁から、吉田調査・物価等担当参事官にお越しいただいております。御多忙のところ、御協力くださり、ありがとうございます。

それでは、事務局から10分程度で意見案について説明をお願いしたいと思います。太田参事官、よろしくお願いいたします。

○太田参事官 それでは、右肩に資料1とある意見書案、タイトルといたしまして、「『東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の提供する特定電気通信役務の基準料金指数の設定』等に関する公共料金等専門調査会意見(案)」とございます資料を御覧いただければと思います。

まず、資料の説明に入ります前に、本意見書の位置付けにつきまして、確認的に御説明させていただきます。

総務大臣は、電気通信事業法の規定に基づき、利用者の利益に及ぼす影響が大きい特定電気通信役務、具体的にはNTT東日本・西日本の加入電話、ISDN、公衆電話等になりますけれども、それらに関する料金について、基準指数を設定し、毎年、10月1日の適用日の90日前、6月末までにNTT東西に通知をすることになっているわけでございます。この基準料金指数の算定に必要な生産性向上見込率、X値と呼ばれておりますけれども、このX値につきましては3年ごとに算定することとなっておりまして、それに際しましては、消費者庁への協議及び物価問題に関する関係閣僚会議へ付議することになっております。これを受けまして、総務省から協議を受けた消費者庁から、当委員会に対して6月1日付けで付議がなされたということございまして、御審議をいただいているものでございます。

具体的な基準料金指数の設定案でございますけれども、1ページ目の中ほどに表がついております。令和3年10月から適用する基準料金指数をこのようにするということでございます。具体的には、X値としては、総務省の研究会において検討された結果、向こう3年間のX値として0.1パーセントを採用する案が提示されたということでございまして、それを基に計算した結果、前期間である令和2年10月から令和3年9月までの数字を、それぞれ0.1ポイント低下させた95.1、102.6という数字が提示されたということでございます。

本専門調査会におきましては、6月2日に本件につきまして総務省からヒアリングを行って、調査審議を行っていただいたということでございまして、その際に、委員の皆様からいただいた意見を基に本意見案をまとめさせていただいたということでございます。

具体的に、本案に対する結論として、1ポツにございますけれども、設定案については妥当であると認められるとしてございます。

2ポツといたしまして、その理由を書いてございます。まず、1つ目のマルでございますけれども、基準料金指数の設定案につきましては、NTT東西の収入予測、費用予測、適正報酬率の予測及び消費者物価指数変動率の予測に基づき、生産性向上見込率、X値を試算することによって算定されるということでございます。具体的には、脚注4に計算式をお示ししておりますけれども、このような計算式に基づいて算定されるということでございます。当専門調査会におきましては、収入面においては、回線契約数の減少を反映した使用料等収入減の予測、費用面に関しましては人件費減・回線数減を織り込んだ費用の減少、経営効率性分析に沿った非効率性の解消を勘案した費用減の予測などを確認しまして、そういった予測には一定の合理性があると判断したということでございます。次のマルにございますように、今回のX値の算定に当たりましては、新型コロナウイルス感染症が経済や市場環境に与える影響に鑑みまして、適正報酬額の算定につきまして自己資本利益率を下方修正することにより報酬率を抑制したということであります。これはX値の引上げに寄与するわけでございますけれども、これまでの算定方法から若干の変更が行われているということでございましたけれども、いずれも合理的な理由に基づく措置であることを御確認いただきまして、こういった数値を総合的に勘案して算定されたX値についても妥当であると判断するとしてございます。最後のマルですが、したがって、当該X値を踏まえた基準料金指数設定案についても妥当と結論づけるとまとめさせていただいております。

以上が主な結論部分のところでございますが、3ポツの留意事項のところで今後の課題などについて御指摘させていただいております。大きく2つの柱、プライスキャップ制度の在り方について、消費者への情報提供と消費者の意見の反映について、この2つの観点から幾つか留意事項をつけさせていただいているというと事でございます。

まず、最初の柱、プライスキャップ制度の在り方について、1つ目のマルでございますけれども、NTT東西の実際料金指数につきましては、平成17年10月以降、基準料金指数を大きく下回る水準で推移をしているということでございます。これはNTT東西にとっては値上げの余地があるという状態が継続しているということでございます。基準指数が多少下がったとしても、経営効率化インセンティブとしてはなかなか十分に機能しないのではないかという指摘があったわけでございます。こういった中で、加入電話につきましては、高齢世代をはじめとする既存の利用者にとっては依然として重要なサービスでございますので、このプライスキャップ制度本来の機能が十分に発揮されるように、制度を適切に運用することともに、必要に応じ見直しを行っていくべきではないかということを指摘してございます。次のマルでございますけれども、今後も加入電話の回線数や通信需要の減少が見込まれる中で、これまでの経営効率性分析の手法を用いた場合に、X値について正の値を得る、生産性の向上を見込むことが難しくなっているということでございまして、X値としてどのような値を採用するかについては、インセンティブ規制方式としてのプライスキャップ制度の根幹に関わる問題であることを踏まえまして、算定方法の在り方を十分に検討するべきであるとしております。次のマルでございます。御案内のとおり、固定電話網につきましては、令和7年度までにIP網に移行するということで、令和6年からそういった移行が始まるわけでございますけれども、こういった中で、NTT東西がその移行後において提供することになっておりますメタルIP電話につきましても、これまでの加入電話と同様、利用者にとって引き続き重要なサービスであるということでございますし、これまでの固定電話と同様、NTT東西によって独占的にサービスが提供されるということでございますので、何らかの一定の料金規制の下に置くことが必要であるということでございます。ただ、現行のプライスキャップ制度につきましては、いろいろな課題があるということでございますので、そういった課題について十分に検討を行い、所要の見直し・改善を図るべきであるとしてございます。

2つ目の柱といたしまして、消費者への情報提供と消費者の意見の反映についてという問題でございます。1つ目のマルでございますけれども、情報通信分野における技術革新を背景としまして、電気通信サービスについても、多様化や高度化が進んでいるということでございまして、この特定電気通信役務に対するプライスキャップの適用も含めまして、電気通信サービスの制度的な仕組みが消費者に十分に理解されていないのではないかという御指摘をいただいているところでございます。こういったことを受けまして、総務省としましては、プライスキャップ制度の意義や位置付けなどを含めまして、電気通信サービスの制度的な仕組みや今後行う見直しの内容などにつきまして、消費者への分かりやすく丁寧な情報提供に努められたいとしてございます。次のマルでございますが、プライスキャップ制度の見直しを行うに際しては、政策決定プロセスを透明化するとともに、消費者の納得を確保するといった観点から、可能な限り情報公開を行いながら検討していただくということでございます。最後の4ページ目に参りまして、その検討に際しましては、具体的には、消費者団体や消費者問題に関する有識者などが考えられるわけでございますが、消費者の利益を代表する者を参画させるなど、消費者の意見を適切に反映すべきであるとしてございます。事務局からの御説明は以上でございます。

○野村座長 ありがとうございました。

委員の皆様からも事前にいろいろと御意見をいただきまして、それを反映させていただいたものとなっておりますが、更に修正等が必要な場合には、御意見をいただきたいと思います。これから約40分を使いまして、議論させていただきたいと思います。

御発言される場合には、いつもどおり、チャット欄に御投稿をお願いしたいと思います。

事務局にお尋ねいたしますが、本日欠席の浦郷委員、松村委員から、何か聞いておられたら教えてください。

○太田参事官 お二方からは、この意見案で問題ないという御回答をいただいております。

○野村座長 了解いたしました。

皆様、いかがでしょうか。

○白山委員 白山でございます。

意見書自体については、私は特段変更すべき点はございませんが、今すぐに確認ということではないのですが、先日の総務省の説明の中で、実際料金と基準料金に非常に大きなかい離があったということで、前回の資料でいうと、資料2のパワーポイント、24ページの図で、今、基準料金と実際料金に大きな差が開いていることの一つの要因として、施設設置負担金、いわゆる電話加入権に関連する値下げが非常に大きな要因であるという御説明があったわけでございます。私はこの基準料金の算定の仕方の詳細がよく分かっていないところがあるので見当違いなことを言うかもしれませんが、財務会計の観点からは電話施設加入権は費用やコストではなくて資産になっております。この価格が下がると、電話加入権をお持ちの方の資産価格は下がるのですけれども、こういうものを、利用料金、いわゆる料金の算定の中に入れてよいものなのだろうかと、素朴な疑問がありまして、私自身もよく分からないのですね。

ですので、今回の答申とは外れてしまうかもしれませんが、本調査会の意見の中で入れ込んでくれとかという話ではなくて、意見はこのままでよいのですが、どこかのタイミングで総務省から御説明いただける機会があればと思っております。

このような機会でないと申し上げられないので、今回の議論とは大分離れた形になりますが、確認をさせていただきたいという点でございます。

したがいまして、今回出す答申については、これで何ら問題ないと私は思っております。

○野村座長 前回使いました資料2のプライスキャップ規制の説明の資料の22ページから24ページ辺りでしょうか。

○白山委員 そうですね。この辺のところです。

○野村座長 音声伝送バスケットに負担金を入れてしまっていると。

○白山委員 そうなのです。財務会計の話とはちょっと違うのかもしれませんが、財務会計的には電話料金の利用料の話と資産価値の話と切り分けないでよいのかという点がよく理解していないところがございます。

○野村座長 分かりました。

24ページの一番下、設置負担金が含まれている点について質問が出ましたので、本体の意見書とは別にお教えいただけますかということを、事務局から総務省に尋ねてもらえますでしょうか。

○太田参事官 この施設設置負担金を入れることが果たして妥当なのかどうかというところにつきまして、現在、判断できる情報がございませんので、この場での御回答は差し控えさせていただこうと思いますけれども、後ほど総務省に、今回、白山委員からこういった御指摘、御質問があったということをお伝えいたしまして、御回答いただき、それを委員の皆様にお知らせするようにしたいと思います。

ただ、いずれにいたしましても、令和7年のIP網へのマイグレーションに向けて、このプライスキャップ制度の在り方を見直すということを総務省さんの方でもおっしゃっておりまして、その見直しの中には、こういったところにつきましても論点としては入ってくるのではなかろうかと思います。

○野村座長 ありがとうございます。

○古賀委員 施設設置負担金の件については、2003年ぐらいから、いわゆる今までの電話加入権をどういうふうにするかということで、いろいろな議論が総務省、NTT東西の在り方を含めてされていたと思うのですけれども、施設設置負担金に関する委員会で私も消費者として何度かヒアリングを受けたりしたこともありました。もともと電話網整備のための負担金をユーザーが負担するというものでしたが、加入権(財産権)という形でしたので、利用形態の激変により会計処理上の問題もかなりいろいろ複雑で、減価償却を圧縮記帳できたかなど、いろいろな話が出ており現状も決着がついていないように思います。資産なのか、費用にするのか、その辺を総務省さんにしっかり教えていただくことが消費者委員会としてもよろしいかと思います。

今、チャットに関連リンクを入れましたけれども、電話加入権、施設設置負担金についてはそんな議論があったということをお知らせしたいと思います。

今回のこの意見書案につきましては、メールで確認いただいた意見も入れていただき、補足や修正をお願いするところはございません。

ただ、多分これが最後になると思うので1つ申し上げますと、私もこのプライスキャップの議論に3回ほど参加させていただいたのですけれども、現状においては、高齢者も含めて、スマホやマイグレーションへの移行が非常に重要な課題になっていますので、このプライスキャップという、限定的な料金規制の議論を今後も続けるよりは、むしろ新しい形で全般的通信網利用にかかる議論を公共料金等専門調査会でも進めていただきたいと思います。

菅政権も、携帯電話料金低減について精力的に取り上げていくとおっしゃっています。4、5日前も、公正取引委員会が携帯電話に関する意見交換会を、消費者団体も一緒に議論されたいとの御要請もありました。公共料金等調査会としても、消費者目線で、今後、このプライスキャップの議論とは別に、そういった携帯料金についても議論の場に参加できるような方向に行っていただけると非常に有り難いと思います。

○野村座長 ありがとうございます。

事務局、そういう御意見もございますということでよろしいでしょうか。

○太田参事官 そういった御意見も踏まえまして、今後、消費者委員会でどういった案件について御議論いただくのかということについては、親委員会にもお伝えしたいと思います。

ただ、携帯電話について御指摘がございましたけれども、携帯電話については、現在は公共料金ではない、制度上は料金規制がないという位置付けになっておりますので、それに対して公共料金等専門調査会におきましては、料金規制が課されている公共料金について御議論いただくことが目的となっておりますので、その点については御留意いただくことが必要かと思います。

○野村座長 ありがとうございます。

古賀委員、その点も御了解いただきたいと思います。

それでは、寺田委員、よろしくお願いいたします。

○寺田委員 寺田です。

言葉の問題と案からはみ出す内容の2つなのですが、同じ場所なので、指摘させてください。

2ページの1つ目のマル、「なお」のところなのですけれども、3行目から「いずれも合理的な理由」、「いずれも」と書いてあるのですけれども、「いずれも」と書くときは、2つあるいはそれ以上でも、何か範囲が特定されていないといけないような気がするのです。文章の全体には、1つしか、コロナの話しか出てこないのですよね。1つ前のマルを含めて全部なのか、今、改めて伺って、国語的に違和感を持ちました。

それとは全然話が変わってしまうのですけれども、ついでにしゃべると、私はたまたま自賠責保険の審議会も出ていて、4月に改定したのです。こちらとは全く正反対というか、大まかに積み上げるだけで、しかも何年スパンの料金を積めたかも特定しないみたいないいかげんなやり方なのですけれども、事故の減少のうちコロナ分が4割と一応えいやと特定して料金を決めたのです。そのときの思い出からすると、今後、毎年の外部要因としてまたコロナがもう一回入るのですよね。そうすると、二重性というのでしょうか。コロナを考慮した上でもう一回コロナを考慮するというか、何かしっくりこない部分があるので、念のため、発言させていただきました。

○野村座長 事務局、お願いできますでしょうか。

○太田参事官 「いずれも」という言葉でございますが、御指摘いただきまして、ありがとうございます。事務局の心といたしましては、その前の文のところに「自己資本利益率を下方修正することにより報酬率を抑制するなど」とございますが、この「など」の中に、例えば、物価上昇率の計算方法としまして、直近の動きがコロナの影響でこれまで違う動きをしているということで、若干計算方法を変えたといった総務省からの御説明がございました。そういったものも含めて「いずれも」としていたつもりでございますが、国語的にちょっとどうかという御指摘をいただいておりますので、何か工夫をしてみたいと思います。

○寺田委員 ありがとうございます。

○野村座長 その部分に関しましては、微修正を加えるということで御了解いただきたいと思います。

続きまして、大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 御説明をありがとうございました。

私も、この意見案そのものについてはこれで問題ないと思うのですが、先ほどからの委員の皆様の意見交換を聞いていて、私として感じたところをお話しさせていただきます。

今回、留意事項の最初に書いていただきましたように、プライスキャップ制度がありながら、実際には上限価格と実際の基準料金が随分かい離しているということは、私は今回この委員会に初めて参加したのですけれども、実際問題として、会社自体の営業利益の中で固定電話の占める割合はどんどん下がってきていて、プライスキャップ制度自体があまり経営努力に関係なくなっているのではないかと、この料金の水準の移動などを見て思いました。

逆に、先ほど古賀委員が御発言なさいましたけれども、何を公共料金と言うかというのは難しいにしろ、今、私たちにとっては、固定電話よりも携帯電話のほうが実際の生活の中にはどんどん増えてきていますし、実際に家計に占める費用の割合もかなり大きくなっております。公共料金とは言えないにしても、消費者に対しての生活への影響ということでは、今後は、固定電話ももちろんこれからも残るとは思いますけれども、携帯電話の料金については、消費者問題としてしっかり取り組んでいかなければいけないのではないかと思いましたので、一言、御発言させていただきました。

○野村座長 ありがとうございます。

同じ音声伝送、データ伝送でありながら、携帯の場合には自由料金という点が、このプライスキャップを考えるときに難しい。参入自由化をしていますので、あわせて料金も自由化されています。参入だけ自由化して料金を規制する手法もあろうかと思いますが、現実にはそれは難しい。そういう制度をつくってしまうと参入者が出てこないので自由化料金になっていると理解していますが、先ほど事務局から御説明いただきましたように、今後のことも考えていただきたいと思っております。

それでは、若林委員、よろしくお願いいたします。

○若林座長代理 ありがとうございます。

私も、これまでの皆さんの御意見と同様、この案には特に異論はございません。

1つ、意見を申し上げるのであれば、先ほど古賀委員がおっしゃった御意見には全面的に賛成で、大石委員もおっしゃっていましたけれども、今後、携帯等の重要性がますます増してくる。そちらへの移行を促す必要があるというのはそのとおりだと思います。

その上で、携帯など新しい商品やサービスへの移行をどんどん促しても、結局、最終的に旧来のサービスに残るのは需要者の中でも最もぜい弱な層ではないかと思いますので、このプライスキャップをどうするかという議論も、加入電話の需要は減っているものの、今後も重要なのではないかと思いますので、今後の議論に期待したいと思います。

○野村座長 ありがとうございます。

そうしましたら、引き続き、新川委員、坪田委員の順番で、よろしくお願いいたします。

○新川委員 新川です。ありがとうございます。

今回の意見書につきまして、特に異論はございません。十分にこれまでの議論を踏まえて書いていただいているかと思います。また、ここまでの各委員の御意見と重なるところがあって恐縮ですけれども、基本的に皆様方の御発言はそのとおりだと思いながら聞いておりました。

その上で、今回の料金改定そのものが従来の公共料金あるいはこうした電話回線の持っている公共性といった観点からすると、相当大きく社会経済環境が変わってきてしまっている、マーケットも変わってきてしまっているということがあります。そのことを踏まえた上で、今後、かなり早い段階で新たな料金体系やサービス体系に変わっていかざるを得ないことを前提にして、当面の措置ということで今回の結論が出たのではないかと思っております。その点では、抜本的な見直しが近いであろうということを前提にした今回の意見と理解をさせていただきたいと思っております。

今後、恐らく公共性という観点で基幹的なインフラとして何を提供するのか、もう一方では、社会福祉的にどうした弱者へのケアの仕方が必要なのか、その一方では、マーケットメカニズムを健全に働かせることも公共性を確保する、料金の適正性を確保する意味では極めて重要かと思っております。この3者のバランスを今後は是非議論していただきたいと思っております。

○野村座長 ありがとうございます。

続けて、坪田委員、よろしくお願いいたします。

○坪田委員 御説明をありがとうございました。

私も、意見案に賛成でございます。また、委員の皆様の御意見を伺いまして、そのとおりだと思っております。

特に感じておりますことは、今、社会が固定電話からモバイルへと大きく変化しつつあります。しかし、その中でもまだ固定電話を使っている層が一定程度はいらっしゃいますし、今後もそれが全くなくなることは、なかなかないのではないかと感じております。インフラといいますか、社会を支える最も重要な部分だと思っております。

ですので、それに対する考え方としてプライスキャップ制度ができましたが、大きく社会が変化していますし、また、今回、自己資本利益率を下方修正するなどをしていただいていますが、社会経済状況は今後もとても不確実なところがあると思います。こういった中で、この制度の在り方、本当に下支えとしてどういう制度にするかという更なる御検討をいただきたいと思いますし、消費者側としての意見を今後も述べさせていただきたいと思っております。

また、これまで公共料金と言われているものにつきましては、選択の余地があまりないからこそ公共料金として規制の対象になっていたわけですけれども、電話の機能で、全く同じ機能が携帯やスマホで使えるようになってきております。そうすると、どれを選ぶかということでますます消費者の選択をする力が求められてきています。そういった中で、この固定電話の制度につきましても、より一層分かりやすい説明の上で、消費者が納得した上で選択できる、納得した上で自分に適した利用ができるようになっていきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

○野村座長 ありがとうございます。

それでは、今までの御発言、それぞれの御意見を受けて、事務局から何かまたそれに対する補足説明等がございましたら、よろしくお願いいたします。

○太田参事官 ありがとうございます。

御指摘いただいた点は、いずれも大変ごもっともでございまして、携帯電話や光電話など他の通信手段が大きく普及する中で、さはさりながら、高齢者を中心に依然として固定電話サービスに依存している人たちもいらっしゃるということでございます。自由料金の分野における競争政策の観点と、ユニバーサルサービス分野における社会政策の観点をうまくミックスしながら、適切なサービスを提供していく必要があるということは御指摘のとおりだと思っております。そういった点も踏まえまして、今後の料金規制の在り方、競争促進の在り方を検討していく必要があるのだろうと考えているところでございます。

○野村座長 ありがとうございます。

寺田委員から、もう一つ、御発言希望が出ておりますので、お願いいたします。

○寺田委員 寺田です。

意見書の内容については、賛成です。

その他みたいな話になって恐縮なのですけれども、プライスキャップ自体の説明は総務省に求め、別の会議の話をしてはいけないのかもしれないのですけれども、電力託送料金に関する説明は電力・ガス取引監視に求める。プライスキャップを電気通信に適用するに当たっての特殊事情を総務省に求め、電力も別に求めるというのも、何かおかしな感じがするのです。

言わんとしたのは、プライスキャップとレベニューキャップは、ワンセットというか、対になった制度なので、両方に係るプラットフォームの問題点の整理みたいなものはこちらの消費者委員会の宿題かなという感じがしたのです。

意見書について何か書き直せということでもないのですけれども、その辺り、何か今回は分かったのかなという感じがしましたので、発言させていただきました。

○野村座長 ありがとうございます。

恐らく、公共料金がどこの範囲までなのか、あるいは、どういう概念なのかを再考する必要もあるということにもつながってきそうです。

プライスキャップはイギリスの製造業の独占体制を防止するために取られた価格抑制の手法ですので、公共料金規制として完璧ではないことは分かっていますし、インセンティブ規制の手法は多様であるので、寺田委員からは、常に受け身ではなくて、そこをこちらからも発信できるような体制を整えたらよいのではないでしょうかという御意見と理解いたしました。ありがとうございました。

古賀委員からも、よろしくお願いいたします。

○古賀委員 意見書に関しては、本当にこれで何の意見もないので、意見書の枠外の話になってしまって恐縮なのですけれども、2024年にはアナログ回線が廃止されると聞いております。現在、電話で普通にアナログ回線を使っている人の月の料金、基本料金は、アナログの場合は2,750円です。ISDNの場合の基本料金が3,780円(事業所)と聞いています。こういった新しい技術にどんどん技術革新が進み「物」が変わっていくときは、必ず取り残されるサービスを非常に大きな負担で利用する人が出てくる、つまり、取り残されていく人に大きな負担がかかるということがあるわけです。そういう意味では、このプライスキャップの制度も、過渡期にある現状においては、2、3年に関しては意義のある制度だと理解し、今回の意見書も、そういった意味では非常によくまとめていただいたと考えています。

ただ、固定電話は、どちらかというと、高齢者のいろいろな詐欺のターゲットにもなっておりますし、いずれはこの固定電話は、ユニバーサルサービス的な感じでどんどん形態を変わっていかざるを得ないと思いますので、そういった意味で、今後の通信、電気通信の消費者への被害ということも含めて、費用が過大にならないという点からも、携帯電話サービスを公共料金等調査会のいろいろな検討対象にしていただくことを私は非常に強く希望しております。

蛇足ですが、1点、よろしくお願いいたします。

○野村座長 ありがとうございます。

それでは、事務局から特に追加がないようでしたら、これで取りまとめをしていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

○太田参事官 はい。事務局からは、特にございません。

○野村座長 そうしましたら、本日皆様からいただきました御意見を踏まえて、取りまとめを行う、ただ、1点、寺田委員から御発言いただきました2ページ目の2つ目のパラグラフの「なお」という3行目から4行目、「いずれも」という表現に違和感があるということでしたので、日本語の流れとしてまずくないように事務局に修正をお願いしたいと思います。

その修正に関しましては、私も再確認させていただきたいと思いますので、委員の皆様から私に一任いただきたいと思います。

その修正したものを消費者委員会の本会議に報告するという手続を踏ませていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

ありがとうございます。

それでは、そういう形でこの意見書をまとめて消費者委員会に報告することにさせていただきます。

本当にありがとうございました。6月2日の意見交換を踏まえ、今後のことに関しましてもいろいろと有意義な御意見を頂戴しましたこと、感謝しております。

そうしましたら、最後に事務局から事務連絡をお願いいたします。


≪3.閉会≫

○太田参事官 本日も、御熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。

次回の会合につきましては、確定次第、御連絡させていただきます。

○野村座長 了解いたしました。

そうしましたら、第63回の公共料金等専門調査会をこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところ、朝早くからお集まりいただきまして、ありがとうございました。

赤色のアイコンを押して、退出していただければと思います。失礼いたします。

(以上)