第34回 地方消費者行政専門調査会 議事録

日時

2020年7月29日(水)10:00~12:53

場所

消費者委員会会議室
東京都千代田区霞が関3-1-1 (中央合同庁舎第4号館8階)・テレビ会議

出席者

【委員】
新川座長、池本委員、伊集委員、大森委員、尾嶋委員、首藤委員、西田委員、八木委員、山田委員
【消費者委員会委員】
生駒委員、清水委員
【事務局】
二之宮事務局長、福島審議官、金子参事官、友行企画官

議事次第

  1. 開会
  2. 地方消費者行政に関する報告書素案について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○新川座長 皆さん、おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから第34回「地方消費者行政専門調査会」を開催させていただきます。

本日は、例によりまして、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、テレビ会議システムによる専門調査会を開催することにいたしましたので、よろしくお願いいたします。

本日は、山本座長代理が御欠席でございますので、本日の進行につきましては、途中で私の回線が切れた場合には、復旧するまでの間、事務局に進行をお願いするということにいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは、これも毎度のことで恐縮ですが、テレビ会議システムでの開催に当たりまして、事務局から留意事項をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○友行企画官 それでは、テレビ会議による専門調査会会議開催に当たりまして、お願いしたい注意事項を申し上げます。

1つ目でございますが、ハウリング防止のために発言者以外の方はマイクをミュートの状態にしていただきますようにお願いいたします。

2つ目でございますが、御発言の際には、マイクのミュートを解除していただき、お名前をおっしゃっていただきますように、お願いいたします。終わりましたら、また、ミュートの状態にしていただきますようにお願いいたします。

また、3つ目でございますが、音声が聞き取りづらいなど、何かございました場合にも、チャット機能でお知らせいただければと思います。

以上でございます。

○新川座長 ありがとうございました。

それでは、本日の御出席ですが、山本座長代理が御欠席です。

伊集委員は、10時30分頃から御参加される予定となっております。

途中御退席の御予定がございます。生駒委員は11時頃、尾嶋委員と首藤委員は12時30分頃御退席の予定となっております。

引き続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。お手元、本日の議事次第、1ページ目、中ほどに配付資料の一覧が掲載されております。

本日の資料の中で不備がございますようでしたらば、お知らせください。

よろしいでしょうか。

特に問題がないようであれば、進行をさせていただきます。

本日の進め方につきましてですが、当専門調査会では、高齢者人口がピークを迎える2040年頃を見据え、人口減少や社会情勢の大きな変化等を前提に、消費者行政の充実・強化のため、今後、どのような対応策を講じていくべきか、審議を行ってまいりました。

本日は、私たちとしての取りまとめ、報告書の素案を御提示させていただいてございまして、これにつきましての議論を行いたいと考えております。

本日の進行でございますけれども、資料1として、私が前回お示しをさせていただきましたメモ、これをまとめて全体の整理資料とさせていただきました。それについて、最初に御説明をさせていただきます。

次に、資料2-1、枝番がついてございますが、こちらの報告書素案について御説明をさせていただきます。

そして、その後、報告書素案を中心に意見交換等を進めてまいりたいと思っております。

よろしくお願いいたします。

それでは、本日の議事進行をしてまいりたいと思います。


≪2.地方消費者行政に関する報告書素案について≫

○新川座長 資料1についてでございます。これは、前回の御議論を踏まえまして、最後に私のほうでお示しをさせていただきました論点のメモでございます。

その論点と、現時点の報告書素案における書きぶり、その方向性を整理させていただいたものとなっております。

報告書素案の方向性は、これまでの議論等を踏まえたものとなっているはずですが、幾つか議論が煮詰まっていないところ、残っているところもあろうかと思います。本日の意見交換を通じて、表記の仕方等、変わってくるところもあるかと思っています。

それでは、その内容、詳細につきましての御説明を、事務局のほうからお願いできますでしょうか。よろしくお願いいたします。

○友行企画官 友行でございます。

それでは、御説明させていただきます。

お手元にお送りしております、資料1を御覧いただけますでしょうか。

前回、座長のほうから座長メモということで、1つ目「消費者行政機能と体制について」、2つ目「消費生活相談機能を充実強化した姿を20年後に実現」、3つ目は「財源」ということで、論点メモをいただいております。

この論点メモと、それから、本日、お示ししております、報告書素案の方向性を整理したものが資料1という形になっております。

1つ目の消費者行政機能と体制につきましては、座長のほうから、20年後には、消費者行政は、消費の現場である地方消費者行政において、総合的、専門的に実施、そのための行政体制の構築を展望、総合化、広域化、重層化、協働化がカギ、国、地方の公共部門、民間営利、民間非営利の連携、協働、場合によっては融合体制を実現というような論点をいただきました。

それにつきまして、報告書素案のほうで、右側のところにございますが、市町村は、住民に近いところでといったことや、市町村は、総合型行政を進めつつ、それから、都道府県においては、広域の連携の更なる推進を行うというようなことで、報告書の書きぶりのところを、そのまま引っ張ってきている形になっております。

それから、2つ目の消費生活相談機能を充実・強化した姿を20年後に実現というところでございます。

論点といたしまして、20年後の消費者行政において、消費生活相談機能を充実・強化する。

重層的かつ公共私協働型で消費生活相談体制を充実・強化。

それから、消費者の権利を回復することができるもの。

消費生活センターは、強化された機能へと発展、消費生活相談員は、エキスパートとして位置付ける。

それから、委託についてなどの論点を挙げていただいております。

それにつきましては、右側のところでございますけれども、第4のあるべき姿についての対応策というところで、報告書素案については、それぞれどのような書き方になっているかということを、ここでお示ししております。

例えば、重層的かつ公共私協働型での消費生活相談体制のところにつきましては、消費者に最も近い市町村は、福祉医療等、安全安心を守る観点からつながることが必要で、行政部門間の連携が進み、消費者行政が総合的・効果的に執行させる、総合型行政を行う。都道府県は、市町村に対する補完、支援を強化し、専門性を高め、全体を調整する機能を強化、国はそれぞれの役割を明確にした上で、重層的な行政体制を構築し、全体の基盤を見ていくというような書きぶりにしております。

それぞれ、第4の2のところでございますとか、第4のそれぞれのところで、どのような書きぶりになっているかというところを、こちらでお示ししております。

後ほど、報告書素案を御提示いたしますので、その際に、御確認いただけるかと思います。

3つ目の財源のところでございますが、地方消費者行政の財源は、それぞれの担い手の財源を充実・強化することが必要というところでございます。

それから、消費者行政の重要性の認識の広がり、優先的な順位づけを目指す。それから、多様な財源を糾合していくこと。

それから、当面の国庫負担金や交付金の充実は必要、しかし、一時的で他者に依存するような財源ではなく、20年後には消費者行政の重要性を踏まえた持続可能な自主財源確保がそれぞれの担い手において実現できた姿にというようなことでございました。

こちらにつきましては、主に第4のところで、財政のところに関わるようなところで、こういった書きぶりになっていますということを、右側の四角のところで、お示ししているところでございます。

前回、座長から論点メモをいただきまして、こういうようなところが、重要なところではないかということをポツでお示ししていただいております。

それに沿うような形で、これまでの議論なども踏まえまして、報告書の素案は、現在、整えさせているといったところでございます。

事務局からの御説明としましては、以上でございます。

○新川座長 ありがとうございました。

それでは、今、資料1について御説明をいただきました。引き続きまして、この資料1も踏まえまして、資料2-1、報告書素案、こちらを私と、それから事務局において、これまでの議論等を踏まえまして、取りまとめをさせていただいてございます。

これを改めてお示しをさせていただいておりますが、この内容について、事務局から説明をお願いいたします。

○友行企画官 かしこまりました。それでは、報告書素案のほうにつきまして、御説明申し上げます。

資料といたしましては、資料2-1になります。

こちらにつきましては、前回までは、骨子ということでお示ししておりました。本日は、報告書素案という形で、御説明したいと思います。

最初に目次のところを御覧いただけますでしょうか。

大きくは変えておりません。

第1の「現状」、第2の「20年後の我が国の主な課題と消費者行政」、第3の「20年後の消費者行政が目指すべき姿」、それから、目指すべき姿に対応するような形で、第4といたしまして「目指すべき姿の実現に向けた対応策」という形にしております。第3と第4は対応するような形で目指すべき姿と、それに向けた対応策というような形にしております。

目次を見ていただいて、およそ対応するような形になっておりますけれども、第3の1のところが「消費者の安全を守る消費者行政への転換」、それに対応して、第4の1「消費者行政主体の役割の変化と連携の強化」。

それから、第3の2の「新たな支え合い見守り合う地域社会への転換」につきましては、第4の3の(3)のところに来ております。

それから、第4の2の「新しい消費者問題への対応力の強化」というところは、第3でいいますところの1に関わるようなところで、順番としては、この順番で並べているようなところでございます。

いずれにしても、第3の目指すべき姿で掲げたものに対して、第4で基本的な考え方、取組の方向性ということを述べていると、そういう構成になっていることには変わりはございません。

では、目次から、本文の中のほうに入ってまいります。

「はじめに」のところでございますが、もう一度、御説明していきたいと思います。

消費者行政の現場は、地域ということでございます。

今後を見据えますと、一層多様化、複雑化、高度化していくということが想定されます。

情報化、デジタル化・グローバル化ということの進展もあります。

さらに、最近、皆さんで経験しました感染症や近年頻発する自然災害などに起因する消費者問題は、我が国が緊急に対処すべき重要な課題の1つということになっております。

このように、消費者問題や課題に対応する重要性は、ますます増大していくということが考えられます。

他方で、人口減少、少子化・高齢化等、人口構造の変化が加速し、2040年頃には、高齢者人口がピークを迎えることが見込まれております。

匿名化社会、地域力、住民自身による見守りや課題への対応力の低下が考えられます。

また、行政においても、その対応力が低下することも懸念されております。

こうしたことを踏まえまして、我が国が、今後、過去に経験したことのない、こういった経験を踏まえまして、理想の姿、すなわちあるべき姿を想定した上で、現時点から取り組むべき対応策を整理していくべきではないか、それが、この専門調査会のテーマでございました。それらテーマを踏まえた専門調査会の審議回数は、ウェブによるものを含めまして、今日までで15回となっております。

委員間打合せも、こちらは非公開でございますが、9回行っております。

自治体等、事業者も含めまして、ヒアリングについては、56団体から行っております。

また、伊集委員、それから、外部有識者の協力を得まして、近年の地方消費者行政の動向についての分析も行ったところでございます。

この報告書でございますけれども、これらの調査審議の結果を踏まえまして、2040年頃を見据え、消費者行政のあるべき姿を示し、その実現のための方向性として基本的な考え方を示しております。

さらに、例示として、現時点で考え得る取組の方向性を述べているところでございます。

したがって、必ずしもここで例示した全ての取組の実現を求めるものではないという整理かと思います。

本報告書の整理を起点として、更に将来における消費者行政の充実・強化に向けた様々な議論が幅広く行われ、あるべき姿の実現に向けて適切な施策が実施されることを期待する。

こういった趣旨の報告書ということでございます。

それでは、「はじめに」から、具体的な中身に入ってまいります。

第1の現状でございます。

1つ目、消費者問題の現状。こちらにつきましては、これまでも何回か御提示しているところでございますが、最初のところは、消費生活相談件数の推移でございます。約100万件弱となっております。

消費者被害・トラブルの被害額でございます。被害額につきましては、消費者庁の推計によれば、約5兆円と、ここ何年かは推移しております。

ページをめくりますが、2020年における新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、我が国の社会情勢は、極めて大きな変化を余儀なくされている。現在、そういった真っただ中にいるところでもございます。

2つ目といたしまして、地方消費者行政の現状でございます。

消費者庁においては、地方消費者行政強化作戦、それから直近では、地方消費者行政強化作戦2020を取りまとめて、具体的な政策目標を掲げ、実施しているところでございます。

こちらは、約5年程度、先を見据えた計画となっております。

それから、地方消費者行政に関わる予算額でございます。

表3-1、3-2にあるとおりでございます。

およそ140億円程度が狭義の予算、170億円程度が広義の予算となっておりまして、評価としては、下支えされているというような見方でございます。

それから、予算につきましては、地方消費者行政活性化交付金、それから、地方消費者行政推進交付金、それから、強化交付金という形で変遷してきております。

地方自治体の実態を見ますと、地方消費者行政の優先順位は必ずしも高くないというように言われております。

地方自治体における行政職員は、減少しております。また、消費生活相談員の確保に苦慮しているというような実態が、ヒアリングのなどからも浮かび上がっているところでございます。

また、消費者相談体制の広域化が進んでおります。そういった中で、個々の市町村の役割が不明確になっているのではないかというような指摘もあるところでございます。

また、2014年の安全法の改正によりまして、消費者安全確保地域協議会を設置できることとなっております。

直近におけます、設置自治体数は、総自治体数1,780余りのうち、約300弱となっております。

こういった余り進んでいないという状況が見受けられるところでございます。

第2といたしまして、20年後の我が国の主な課題と消費者行政でございます。

1つ目、20年後の消費者を取り巻く環境において予想される課題と展望でございます。

2065年頃までは、少なくとも人口の減少が続く見通しとなっております。

高齢化率も4割程度に達します。年齢の高い高齢者が増えることによりまして、認知症の数も増加する、認知症患者の数も増加する見込みとなっております。

「また」というところでございますが、地域力が低下する懸念がございます。消費者は、単身世帯の増加、地域力の低下、コミュニケーションの取り方の変化などにより、孤立化を深めてまいります。また、匿名社会が広がるといったことも考えられます。

消費者個人の対応力が低下するだけではなく、消費者問題のほか、金銭的な経済問題、健康面での課題、一人で複数の問題を抱える消費者が増えるというようなことも想定されます。

加えて、経済の広域化により、インターネット取引などが中心となり、消費者問題は、我が国全体だけでなく、世界に広がる問題となっていくことも考えられます。

一方で、明るい展望といたしましては、ICT、AIの技術の更なる進展が考えられます。

これは、消費者問題の未然防止、被害回復、消費者への情報提供など、様々な面で、我々をサポートしてくれることが考えられます。

さらに、社会に積極的に関わっている高齢者は増加し、活動的な高齢者をターゲットとした新しい市場の登場や、高齢者による活発な消費活動が全体の消費を刺激するような、そういった明るい、経済全体へのプラスの効果も見込まれるところでございます。

2つ目、20年後の地方消費者行政において予想される課題と展望でございます。

こちらにつきましては、行政に関わる人材の確保が困難、行政のサービスの供給制約要因となるおそれがございます。また、相談員さんなどの専門人材の確保も困難になることが考えられます。

予算が縮小するということも考えられます。地域力の低下、それから、過疎地域や小規模市町村を中心とする地域において、消費者行政に関わる対応力が低下する可能性ということを、ここで指摘しております。

他方で、明るい展望といたしましては、やはり、ICT、AI技術を消費者行政に効果的に取り入れて活用していくこと、それによって、明るい展望が開けるということでございます。

また、多くの地域においては、豊かな自然や伝統文化、民芸品等の魅力ある資源を有しております。

それらを活性化したり、良質な消費活動の実践の場として地方においては、そういったことは期待される面もございます。

地産地消を含むエシカル消費等に関する地方ならではのユニークな取組を継続・発展させていくこと。まさに、地方がSDGsの実現の場、舞台となるといったことも期待されるところでございます。

そういった全てのことを含めまして、3つ目といたしまして、消費者行政の重要性の更なる増大でございます。

一層、様々な消費者問題に直面する可能性がある。他方で、行政の対応力は低下していく懸念がある。そういったことから、新たな消費者行政の在り方を構築していく必要があるという問題意識でございます。

コロナウイルスを経験いたしまして、緊急事態が発生する可能性もございます。

また、安全安心な消費者市民社会の実現に関連して、地産地消を含め、エシカル消費の重要性も一層高まっております。

高齢者が生き生きと安全安心な消費生活を送ることができる社会を実現することも、消費者行政が担うべき重要な政策課題ということが言えます。

安全安心な消費環境を国内において実現することは、我が国の経済の発展にもつながります。

消費者行政の重要性は、このように確実に一層増大してまいります。

消費者庁及び地方自治体は、20年後を見据えた消費者行政充実・強化に向けた取組を直ちに行う必要がある。これが、この専門調査会の問題意識でございます。

第3でございます。

20年後の消費者行政が目指すべき姿、あるべき姿でございます。

1つ目、こういった姿が実現されているといったところでございます。

市町村、都道府県及び国が重層的に消費者の安全を守る消費者行政への転換でございます。

20年後には、身近な相談業務や見守り活動については、引き続き市町村が中心となって担います。

市町村、都道府県、国の役割を明確化し、市町村、都道府県及び国が有機的に連携し、それぞれが補完し合う、消費者の安全安心を重層的に守る行政体制へ転換します。

20年後には、消費者行政が暮らしの安全安心を守る重要な政策分野の1つであるとの認識が共有され、自治体における政策優先順位が高まります。

その解決策の模索について、必要に応じて市町村、都道府県、国が一体となって取り組む枠組みが構築されています。

2つ目、新たな支え合い見守り合う地域社会への転換でございます。

20年後には、自治体は地域における安全安心を守る視点で連携し、地域の様々な主体とつながりを持って、すき間のない見守り体制が構築され、消費者問題の掘り起こしにもつながっております。

市町村を中心とした地方自治体、消費生活相談員、民生委員・児童委員、消費者団体、NPO、ボランティア、地域の課題に取り組む消費者がつながりを持ち、地域の資源をつなげ、コーディネートを行う機能が都道府県を中心に確立されています。

3つ目でございます。

複雑多様化した消費者問題から自らを守る消費者市民社会の形成でございます。

(1)といたしまして、安全安心な市場でございます。

20年後には、インターネットや実店舗等、どこで購入しても安全安心な市場が醸成されています。

高齢者は、活動的な消費者として自由な消費活動を行い、経済を刺激する存在になっています。

また、外国人にとっても安全安心な市場となっています。

例えば、被害が起きたとしても、適切かつ迅速に被害に対応できるよう、被害救済制度が整備されています。

(2)でございます。

自立した消費者による消費者市民社会でございます。

消費者市民社会について、消費者教育推進法では、消費者が個々の消費者の特性及び消費生活の多様性を相互に尊重しつつ、自らの消費生活に関する行動が現在及び将来の世代にわたって内外の社会経済情勢及び地球環境に影響を及ぼし得るものであることを自覚し、公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参画する社会と定義しており、20年後には、こうした社会が実現されております。

若年層、それから、現役世代、中年層と共に超高齢化社会をサポートしていきます。

SDGsの展開や地産地消を含むエシカル消費を意識した賢い消費者が、主体的に行動する社会となっております。

(3)でございます。

高齢者も担い手として支える消費者市民社会が実現されているということでございます。

高齢化が進む我が国では、消費者分野においても、世界でいち早く様々な問題に直面していると言えます。高齢者の活躍を推進し、先進的事例を生み出し、消費者分野を含めた世界の高齢者問題を解決する主導的な立場を目指します。

(4)でございます。

安全安心な市場と自立した消費者を支えるICT・AI技術でございます。

20年後には、消費者が主体的に、かつ簡単に情報を得られる、消費者被害の未然防止、被害回復に役立つ情報に自然と触れられる、多様化、複雑化、広域化、グローバル化する消費者を狙う犯罪に迅速に対応されている。

市場がモニタリングされ、安全安心に市場が機能する状態が保たれている。

遠方にいる消費者であっても、消費生活相談員などと迅速に相談ができる。

リモートアクセスにより、消費者教育などが強化されている。

消費者・企業、行政がそれぞれ双方向で情報を提供・発信、交換し、支え合う社会に進展している。そういった社会となっているということでございます。

4つ目でございます。

感染症、自然災害等危機下において消費者の安全安心が確保された社会の実現でございます。

感染症や自然災害等の危機下においても、消費者を孤立させない社会、危機下において発生が予想される消費者問題を未然に防ぐことができる。消費者の安全安心が確保された社会が実現している、そういったことでございます。

5つ目でございます。

安全安心な消費生活を守る持続可能な消費生活相談体制の実現でございます。

20年後には、都市部や過疎地域等を問わず、いつでも誰でも、安心して相談できる体制が構築されております。

また、地方自治体においては、相談から解決までの一貫した対応力が整備されている。警察との連携や、訴訟を見据えた対応を行う各分野の専門家との連携ができている状態にあり、また、国境を越えた消費者問題にも対応できる状態となっています。

6つ目でございます。

目指すべき姿を実現するための社会的資源の確保、活用の実現でございます。

消費者行政が目指すべき姿を実現するため、20年後には、政策の優先順位が明確化されるとともに、必要な社会的資源が確保され、有効に活用されている。財源、人的資源等様々な資源を行政だけで調達することは難しい、そういったことから、民間を含む多様な担い手が協力していると、そういった社会が実現しているということでございます。

第4でございます。

こういった目指すべき姿の実現に向けた対応策でございます。

第4のところは、各項目につきまして、基本的な考え方を述べております。

そして、その基本的な考え方に基づきまして、現時点で考え得る取組の方向性を述べております。

まず、1つ目でございますが、消費者行政主体の役割の変化と連携の強化でございます。

これまでと同様のフルセットサービスを市町村において提供することは成り立たない可能性がある。市町村は、消費者問題だけを切り取らず、寄り添い型の総合型行政の対応を行い、分野横断的に情報を共有する、消費者に関わる異変があれば、消費生活センターなどにつないでいく仕組みを作る必要がある。

また、都道府県におきましては、その役割が更に重要かつ必要不可欠となります。

消費者安全法に規定されている市町村相互間の連絡調整及び市町村に対する技術的援助、広域的な見地からの消費生活相談対応、情報収集など、十分に実施できなくなる可能性がございます。

そういったことも見据えまして、市町村、都道府県、国の役割を明確化しつつ、それぞれを支える新たな機能集団を組織する、こちら、消費者行政コーディネートセンター、仮称としておりますが、それを組織する必要があるといったことでございます。

消費者に最も近い市町村は、福祉や医療等消費者の安全安心を守る観点からつながることが必要で、行政部門間の連携が進み消費者行政が総合的・効果的に執行される、総合型行政を行う。

都道府県においては、市町村に対する補完、支援を強化し、専門性を高め、全体を調整する機能を強化する。

国は、それぞれの役割を明確にした上で、重層的な行政体制を構築する。そういった基盤作りに関わる行政間連携体制のみならず、地域が連携した消費者市民社会の実現に向けた基盤作りを行うといったことでございます。

取組の方向性でございます。

例えばということで、市町村については、住民に近いところで、行政分野と連携していく。また、市町村は、総合型行政化を進めていく。

都道府県でございますが、市町村に対する補完支援を強化し、専門性を高める、全体を調整する機能を強化していくことが望ましい。このように記載しております。

消費者庁及び地方自治体は、身近な相談業務や見守り活動、地域での教育、啓発活動は引き続き、市町村に置きながら、市町村、都道府県、国がそれぞれの役割を踏まえつつ、有機的に連合する、そういった形、仕組み作りを構築していくといったことでございます。

消費者庁は、関係行政機関との必要な調整等を行う。

こういったことを行うに当たりまして、つながる行政、つなげる地域、広域連携の更なる推進、重層的な消費者行政体制の強化の推進に当たり、推進役として、各主体のコーディネート機能を持つ消費者行政コーディネートセンター(仮称)を組織し、取り組むことが望ましいとしております。

前回、消費者行政コーディネートセンターにつきましては、少し分かりにくいということで、機能というような名称にもしておりましたけれども、そういった機能という形にすると、かえって、どこが何をするか、そういったことが分かりにくいということで、この素案につきましては、消費者行政コーディネートセンター(仮称)ということで記載しております。

そういった、ここが何をするかということにつきましては、組織の構成でございますとか、基本的な役割のところ、それから期待される効果のところに整理しております。

この後も、時々消費者行政コーディネートセンター(仮称)ということの役割、そこが何をするかということを記載しております。

そういった丁寧な記載をすることによって、ここの役割ですとか、ここが果たすべき、期待されている機能などについて明確にしていければと思います。

素案に戻りますが、組織の構成のところでございます。

消費者行政コーディネートセンター(仮称)は、都道府県レベルによって、又は、地域によっては地域ブロックレベルなどで組織する。

ただし、センターと言っても消費生活相談業務を自らここが行うということを想定しているものではございません。このコーディネートセンターには、消費者行政職員と消費生活相談員(エキスパート)は少なくとも配置されるということを想定しております。

そして、基本的な機能といたしましては、各主体をつなぐ、連携をコーディネートする機能を持つといったところでございます。

期待される効果につきましても、そこに記載しております。

2つ目といたしまして、新しい消費者問題への対応力強化でございます。

こちらにつきましては「地方自治体は」というところでございます。多様化・複雑化・高度化・グローバル化する消費者問題に対し、相談から問題解決までの一貫した対応力を備えるため、警察とも連携を進め、各分野の専門家と連携し訴訟も見据えた対応ができるような、そういったことを行っていくことが必要だと。

国においても、多様化・複雑化・高度化・グローバル化した消費者問題への高度な対応が可能となる体制の構築・整備を地方自治体と共に進めていく必要があるとしております。

取組の方向性でございます。

都道府県は、市町村単独では解決の困難な相談に対応するため、消費生活センターの相談員、弁護士、消費者団体等必要な関係者が参画し、問題を解決する実践的な対応力を備えた体制を構築していく。

そのため、消費者庁は、先進的な取組事例を、例えば、ここでは山田委員から御紹介いただきました、京都のあんしんチームの取組などを参考としてということで、脚注で書いてございますけれども、先進的な取組事例をモデルとして示すことも考えられるとしております。

それから、期待される効果、こちらにつきましても、少しその後、消費者行政コーディネートセンターが、こういった仕組み作りに関わっていくということで、専門的な消費者問題への対応の推進に当たっては、推進役として各主体のコーディネート機能を持つ、消費者行政コーディネートセンターを組織し、都道府県と連携して取り組んでいくことが望ましいというような形にしております。

3つ目でございます。

新しい消費者市民社会の形成に向けた対応策でございます。

(1)として、安全安心な市場を醸成するための仕組み作りでございます。

ここで言う安全安心な市場とは、例えば、消費者間の情報交換を通じて、消費者が的確な情報を簡易かつ速やかに入手することができる、悪質な商品・サービスにだまされず、自らを守ることができる、消費者が自ら商品・サービスの安全性を見分けることができる、消費者が被害にあった場合でも、被害救済制度により、適切かつ迅速に対応される。

こうしたことなどにより、悪質な商品、サービスが排除されていく市場ということを想定しております。

こういった市場の実現には、市場で活動する事業者、また、暮らしの安全安心を支えるNPO等などの協力が不可欠となっております。

消費者庁及び地方自治体は、これらとの協働を一層進め、事業者における消費者問題の取組を促進していくことが必要となります。

また、行政が消費生活相談等を通じて、情報を一元的に収集し、行政から消費者へ情報を提供する形式が、これまでは中心となっておりました。

Society5.0の時代には、消費者に十分な情報があることが重要となっております。

消費者自らも発信する側に立ち、消費者間の情報交換を通じて、消費者自身が見守り合い、互いに支え合う社会を構築していく、こちらが基本的な考え方でございます。

取組の方向性でございます。

消費者庁は、国民生活センターや地方自治体と連携し、事業者に協力を得ながら、消費者自身が情報を発信し、交換できるプラットフォームの構築に取り組む。

例えばでございますが、利用者が様々な情報を自由に発信できる、現在でもSNSといったものがございます。ただ、消費者行政分野については、そういったプラットフォームが十分には存在していない。消費者間において、ある程度自由な情報交換が可能となるような、こうした情報プラットフォームが構築、醸成されるような取組を進め、日常的に利用されるような仕組み作りに取り組む。

また、構築された情報プラットフォームにおいては、国民生活センターや消費者行政コーディネートセンターなどが情報発信、情報交換を行うといったような形で、消費者行政と消費者との間のコミュニケーションを目に見える形のものとするということでございます。

次の丸でございますが、消費者庁は、事業者の協力を得つつ、消費者が安全安心な商品・サービスであることの認識できる仕組みを構築する。

その次の丸でございますが、消費者庁は、消費者被害に適切かつ迅速に対応できる被害救済制度を拡大するといったことでございます。

(2)でございます。

自立した消費者を育成するための消費者教育・啓発活動の促進でございます。

基本的な考え方といたしましては、消費者市民の形成には、消費者が自ら安全安心な商品・サービスを選別できるよう自立・成長していくことが必要でございます。

消費者の行動が変わることで、SDGsの目標達成につながることや、消費者の行動も変わる可能性があることを自覚できる消費者となるような消費者教育や、啓発活動を一層推進していくことが不可欠となります。

消費者庁は、関係行政機関や地方自治体、消費者団体やNPO等の事業者とも連携して、時代を先導するような消費者教育、啓発活動を全国的に展開していくべきだということでございます。

取組の方向性でございます。

1つ目の丸でございますが、消費者庁などにおきましては、現在でも消費者教育は活発に行っているところがございます。そういったことを踏まえまして、消費者庁は、自立した消費者の育成に向けて、例えば、SDGsを意識したエシカル消費、新たな消費者問題の出現に配慮したもの、時代に即し、充実した教育内容となるように、コンテンツの更新に継続的に取り組んでいっていただきたい。そういったことでございます。

次のページに参りまして、(3)の消費者自身が見守りの担い手として活躍する社会の構築でございます。

消費者市民社会では、地域社会における消費者被害の防止や早期発見、問題・課題に適切に対処する力を高めるため、消費者自身も見守りの担い手として活躍する社会を構築することが重要でございます。

そのため、消費者が知識を身に付けること、様々な経験を経て、知識の豊富な高齢者が見守りの担い手として活躍するなどにより、多様な世代が互いに支え合い、見守り合う環境を拡大していくことが必要でございます。

消費者が十分な情報を得ることが可能で、それを互いに交換することなどによりまして、消費者が互いに見守り合い、支え合う仕組みを構築してまいります。

民生委員・児童委員、消費者サポーター、消費者団体など、地域の様々な主体が連携する、地域コミュニティ再構築の視点を持つことも重要となってまいります。

取組の方向性でございます。

1つ目の丸でございますが、消費者庁及び地方自治体は、消費者が消費者としてだけでなく、見守りの担い手となって活躍する地域社会を構築するため、様々な支援を行っていく。

例えば、見守りの担い手として、高齢者の活躍が期待されるため、見守り組織と高齢者をつなぐ役割を果たすこと。若年層、現役世代も含めた消費者全体に対する教育を一層強化し、知識を持ち、行動できる消費者を増やすことなどが考えられます。

次に飛んで、3つ目の丸でございますが、消費者庁及び地方自治体は、事業者とその従業員が社会貢献活動として、消費者市民社会を形成する取組へ参加することを促進する。

例えば、認知症サポーターのように、幅広い層に消費者行政についての理解を促進するような活動を支援していくといったことでございます。

(4)といたしまして、高齢者が活躍する社会の構築でございます。

高齢者が経験や知識を生かして、様々な取組で活躍することが期待されます。

例えば、自ら商品・サービスを利用した際に得た気付きや学びを発信し、高齢者による市場のモニタリング組織を構築するなど、被害防止の役割を自ら担う存在となることも期待されます。

高齢者だけが活動したいとなるのではなく、現役世代、若年層など各世代が連携して消費者を支えられる仕組みとすることが重要でございます。

高齢者が生き生きと活躍する取組につきましては、ジェロントロジーの動向も注視しながら、消費者分野から高齢者の活躍を推進することで、全ての人が安全安心な消費生活を送る、そういった社会を世界に先駆けて実現していく。それが基本的な考え方でございます。

取組の方向性といたしましては、例えば、高齢者が活躍できるように、高齢者と他の世代とのマッチングを後押しする。

いわゆる高齢者大学等の高齢者の学びの機会に消費者教育を更に積極的に取り入れるといったことが考えられます。

(5)といたしましてSociety5.0を前提としたICT・AI技術等の活用でございます。

現在、地方消費者行政などにおけるICT・AIの活用の状況を見てみますと、その消費者行政に活用されているケースは、少ないということが言えます。

ICT・AI技術に関わる投資負担を誰が何にどのように投資していくのか、将来に向けて、今実施しておくべきことは何かという観点で、地方自治体だけではなく、国も一体となって効率的、効果的な投資の検討を進めていく必要かあるということでございます。

ただし、ICT・AI技術の活用には、同時に生じるデメリットやセキュリティの問題が存在することにも目を向ける。

例えば、サイバーセキュリティへの対応でございますとか、情報の活用、個人情報保護とのバランスの問題、IT弱者となりやすい、一部の高齢者や若年層等への配慮、プラットフォーム取引と関わりのある課題への対応など、ICTの活用に伴う消費者問題について、十分に検討・配慮しながら活用していくということが必要となります。

取組の方向性でございます。

こちらは、いろいろなアイデアを入れているというような形になっております。

最初の丸のところでございますが、消費者庁は、消費者行政に活用可能なICT・AI技術等の事例や事例の提示やモデル事業の推進等、ICT・AI技術等の活用に向けて、地方自治体を支援するといったことが1つ目でございます。

また、次の丸でございますが、関係行政機関とも連携して、地方自治体におけるICT・AI技術等への重複投資を避けるため、まとめて開発・管理したほうが効率的であるICT・AI技術等を選定し、全体を取りまとめて開発・管理するといったことでございます。

それから、PIO-NETに登録された情報について、個人情報保護等に留意しつつ、情報提供のための活用を一層推進していくといったことでございます。

現在でも、消費者向けの苦情相談情報の提供は、国民生活センターなどにより行われております。

20年後の将来に向けては、Society5.0を前提とし、一層の活用の方策を検討し、消費者市民社会の基盤となる情報の活用に向けた取組を推進する。

それから、PIO-NETに登録された情報のオープンデータ化、ビッグデータとしての苦情相談情報の利活用を推進するといったことでございます。

このコロナウイルスの感染症対策等の場面におきましても、ビッグデータが活用されてまいりました。

官民が協力して消費者に向けた注意喚起、情報発信に利活用できるよう、環境整備を行う必要がございます。

個人情報や特定の事業者名など、保護されるべき情報を保護した上で、苦情相談情報の利用者をまずは研究者に限るなど、十分配慮を行った上で、オープンデータ化を推進する。

それから、ICT・AI技術等を活用した、相談現場の業務支援等を検討していくといったことでございます。

また、将来のICT・AI技術等の進展に、適時適切に対応できるよう、消費者行政における専門人材の確保、職員の育成の在り方を検討するでございます。

それから、この段落の下から2つ目の丸に飛びますが、消費者行政情報システムの構築と運営に当たっては、他の行政情報システムとの連携を積極的に推進して、効率的な展開を図る。

最後の丸でございますが、関係行政機関とも連携し、消費者のITリテラシー向上のための消費者教育を強化する。ITを十分に活用できないIT弱者への配慮は引き続き行う。

例えば、ICTのみでの情報発信にならないよう、他のツールやリアルの消費生活相談窓口を残すなどの配慮を行う、そういったことでございます。

4つ目といたしまして、感染症、自然災害等危機下における消費者の安全安心を確保する対応体制の構築でございます。

このコロナ禍などを経まして、こういった事態になると、消費者に大きな負担をかけるといったことが浮き彫りになりました。

消費者が孤立し、必要な情報も得られにくいという事態が発生いたしました。

消費者間による情報交換を通じ、迅速に情報を入手し、適切な行動を取ることができるよう、互いに支え合える仕組み作りが必要でございます。

こういった危機下に対応できる体制作りを平時から行っていく必要がある、これが基本的な考え方でございます。

取組の方向性といたしましては、そこに記載したとおりでございますが、御説明につきましては、時間の関係もあり、割愛させていただきます。

5つ目といたしまして、持続可能な消費生活相談体制の構築でございます。

(1)でございます。「広域センター化の更なる推進等による消費生活相談体制の強化」と表題をいたしました。

基本的な考え方でございます。

2040年頃におきましては、行政においても人口減少により、財政規模が縮小し、働き手についても減少が懸念されております。

このため、市町村による、これまでと同様のフルセットサービスの提供は成り立たない可能性がございます。

市町村の消費者行政部門は、福祉や医療等と一体となって、総合型行政の対応を行い、分野横断的に情報を共有し、消費者問題に関わる異変があれば、センターに伝えていく仕組みを作る必要がある。

しかし、過疎地域や小規模市町村など、単独での消費生活センターの設置が難しい場合には、地域の実情に応じて、広域センター化を進めていくといったことでございます。

そういったことをやりながら、消費生活相談体制を維持・強化していくということでございます。

加えて、公共私の協働体制の実現の在り方として、委託、指定管理者制度の活用を含め、あらゆる方策を選択肢として検討していく必要がある。これが基本的な考え方でございます。

市町村は、地域の実情に応じて、過疎地域、小規模市町村と相談体制の広域連携を地域の実情に応じて進めることが望ましい。そういった取組を消費者行政コーディネートセンターは、広域的見地が必要とされる相談対応を調整するなど、市町村の相談員をサポートしていく、そういった役割が期待されます。

また、地方自治体は、消費生活相談機能の充実・強化のために、必要に応じて委託や指定管理者制度の活用を含めた、公共私の協働体制についても選択肢として検討していく必要がある。

ただし、市町村は、消費生活相談窓口業務を外部委託する際には、経費削減のみを目的とした安易な外部委託ではなく、行政、民間の財源、人的資源、ノウハウ等を有効活用し、相談業務の機能充実を図る観点から行うべきでございます。

外部委託も単なるアウトソーシングとならないよう、十分留意して、行政があくまで責任を持って、その業務内容を管理・維持していく必要がございます。

そういったことにつきまして、消費者コーディネートセンターは、広域化、それから、相談業務の委託先、指定管理者となる消費者団体等の育成支援、委託に係るガイドラインについて、経費削減のみを目的とした安易な外部委託ではなく、相談業務の機能充実を図る観点見直しを行う等、仕組みをしっかりと構築していく必要があるということでございます。

(2)といたしまして、専門的な消費者問題への対応体制の構築のところでございます。

こちらのところ、基本的な考え方と、それから、取組の方向性につきましては、再掲としておりますが、前の2番のところの新しい消費者問題の対応力の強化のところで述べたことと全く同じでございます。ですので、御説明は割愛させていただきます。

(3)といたしまして、消費生活相談員の活用の場の拡大でございます。

消費者行政にとって必要不可欠な存在である消費生活相談員について、今後も確保に向けた取組の継続や、更なる活躍の場の拡大を検討する必要がある。まずは、消費生活相談員が担う業務の重要性を広め、業務内容の必要性について周知する必要がございます。

その上で、消費生活相談員については、相談機能の充実と専門性強化の中で、高度専門職として位置付けていく必要がある。これが、基本的な考え方でございます。

取組の方向性といたしまして「消費者庁は」とございますが、消費生活相談員の働き方として、地域に寄り添い、総合型行政化された中で充実した相談機能を担うことや、あっせん等を担う専門性を強化した高度専門職として位置付けられること、相談の知見を生かして教育・啓発活動の中心となること、多様な活躍の場の構築を一層進める。そして、魅力ある職業であることを更に発信していくといったことでございます。

また、その次の次の丸でございますが、消費者庁は、国民生活センターと連携し、消費生活相談員の知見の高度化や活躍の場が広がるよう、ICTの活用などにより、消費生活相談員の教育を一層強化する。並行して試験内容、資格制度の在り方についても継続的に検討するということでございます。

6番目でございます。

目指すべき姿を実現するための社会的資源の確保、活用でございます。

基本的な考え方は、柱書きのところにございます。

消費者庁及び地方自治体は、これまで見てきた取組の方向性に従って、今後の施策を検討する必要があるが、その効果を最大限引き出し、持続可能なものにとするためには、財源及び人的資源による裏付けが不可欠でございます。

今後、人口構造や社会情勢の変化等に伴い、財源、人的資源が限られる中で、こうした裏付けを考えるに当たっては、行政資源の活用の在り方という従来の議論に加えて、公共私を横断した多様な財源、人的資源の在り方という、より広い視野で検討を進めるべきであると、こちらが基本的な考え方の柱書きとなるところでございます。

(1)といたしまして、財源の確保のところでございます。

地方消費者行政の効果は、1つの自治体にとどまらず、国全体に及ぶものであり、国が自治体と連携して取り組むことが不可欠な面があるため、交付金や国庫負担金による財政措置の可能性もあるといった議論もございました。

基本的な考え方の最後のところでございますが、国からの交付金や、国庫負担金による財政措置が可能であれば、即効性のある手段として有効だと考えられます。

しかし、20年後を見据えた際に、消費者行政の充実・強化のための取組を実現し、かつ、中長期的な地方分権の推進や地方自治体の発展につながる財源の在り方となっていることが必要でございます。

したがって、当面の交付金の充実は必要でございますが、一時的な予算に依存するのではなく、担い手となる公共私それぞれにおいて、持続可能な財源確保を実現すべきでございます。

市町村においては総合型行政、都道府県においては、補完、支援、専門性、消費者行政コーディネーターによる調整機能の強化、国においては、ICTなどの基盤整備といった役割を明確化しております。

それぞれの役割の機能に応じた形で恒常的な財源を充実・強化していくことが必要でございます。

取組の方向性といたしましては、消費者庁は、消費者行政の重要性を更に強く打ち出しまして、優先順位を高めるための取組を各界各層への働きかけを含めて、一層幅広く展開することが必要でございます。

また、市町村、都道府県、国それぞれの役割、機能を踏まえた行政の取組を実施していくための財源の在り方を検討していく。

その際、公共私を横断した視点を持ち、公的な財源調達にとどまらず、民間からの資源確保も含めた、持続可能な財源確保の方策も検討すべきであるということでございます。

これから、財源の在り方については、こういった視点で検討していくことが必要だということでございます。

(2)といたしまして、人的資源の活用でございます。

従来の担い手に加えて、幅広い人たちを取り囲んでいく、人材をシェアしていくという考え方が重要でございます。

また、エシカル消費等に関する地方ならではのユニークな取組は、地方の持つ潜在的魅力を引き出すといったこと、人材を地方に引き付ける要因ともなります。

人的資源の活用においては、現在、単にある人材を活用するだけではなくて、活躍できる人材を育成するといった視点が必要でございます。

適格消費者団体、NPO等の事業者に加えまして、これまで消費者問題に関わりが薄かった団体においても、これからの消費者問題を解決する重要な担い手として捉え直していくことが必要でございます。

(3)といたしまして、消費者行政に係るデータの整備・分析のところでございます。

基本的な考え方のところでございますが、こちらのところは、伊集委員と、有識者の方におきまして、分析していただきました事柄につきまして、記載しております。

詳細については、参考資料として付ける予定でございますので、詳細なことは参考資料に落とす形にしております。

こういったことを踏まえまして、取組の方向性としては、利活用可能なデータを収集し、広く活用を促すよう、積極的に公表する。また、社会的資源を最大限効果的に活用し、効果的な施策を展開していくため、詳細なデータ分析に基づく施策の定量的効果測定を行い、エビデンスに基づく施策を実施していく、そういった方向性を取るべきだということでございます。

最後のところは「おわりに」ということで、取りまとめている形でございます。

素案につきましての御説明は、以上でございます。

○新川座長 どうもありがとうございました。

既に1時間ほど経ってしまいました。一旦ここで休憩をさせていただきたいと思います。

再開後、委員の皆様で意見交換をさせていただければと思っております。

なお、あらかじめ池本委員から資料の御提供、御発言の御希望をいただいてございますので、再開後、よろしくお願いしたいと思います。

今、私の時計で、10時59分でございます。11時10分から再開をしたいと思いますので、よろしくお願いしいたします。

(休憩)

○新川座長 再開の時間になりましたが、各委員、お戻りでしょうか。

それでは、委員の皆様がお戻りになられたようでございますので、再開をさせていただければと思います。

ここからは、先ほど、御紹介をいただきました報告書素案につきまして、意見交換をさせていただきたいと思いますが、御案内申し上げましたように、池本委員から資料をいただいてございます。そして、発言希望をいただいてございますので、恐縮ですが、池本委員から最初に御発言をいただいてよろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。

○池本委員 ありがとうございます。池本でございます。

まず、本日、先ほど御説明いただいた報告書素案、前回までの19ページ版が33ページと、しかも内容も非常に豊かなものになりまして、私も、この意見は、7月14日、前回の議論のときの報告書骨子案の前提にメモしたもので、幾つかのところは、かなり今回、書き込んでいただいている感じもあります。

ただ、そこの考え方の問題として、少し指摘させていただきたいと思います。

大きく分けると3点から4点の論点ということになろうかと思います。

レジュメの1ページから2ページにかけては、この報告書の書きぶりの中で、消費生活相談業務をどう構築するか、消費生活相談体制というところに力点が置かれ過ぎている感じがしたのですが、よく読んでみると、消費者行政の充実強化という言葉の中で語られているので、内容的には、大きなそごではないと思うのですが、地方消費者行政という全体と、消費生活相談という言葉の位置付けについて、少し整理したほうがいいかなということが、まず、第1点です。

それは、このレジュメでいいますと、地方消費者行政の機能の(1)で消費者支援機能という枠組みと、2ページ目で、事業者に対する働きかけという両面がある。消費者支援機能の中には、個別的な消費者支援、つまり、トラブルに遭った人について、相談に応じて助言、あっせんをするという、狭い意味での消費生活相談の機能と、それから、次のページの地域の消費者全体を支援するという、消費者啓発とか、教育あるいは見守り、こういう側面での消費者支援という2つの意味があります。

それで、消費生活相談業務という丸1の個別消費者支援のほうの意味で受け取られる可能性のほうが強いのではないかという気がするので、その用語の位置付けなり、使い方なりについて、少し注意する必要があるのではないかというところです。

それから、(2)の事業者への働きかけのことでいいますと、今回の報告書の中で、丸1と丸2、事業者規制、悪質業者を市場から排除する、あるいは取引適正化に向けて法制度を整備するという側面と、事業者の自主規制やコンプライアンス経営を促進したり、SDGsとか、消費者志向経営を推進すると、これに向けて行政が働きかけるという側面の丸2のほうについては、きちんと触れてあるのですが、丸1の記述が、ちょっと少ないように感じました。

もちろん、これについて、また一からいろいろヒアリングをして、項目を立ててという意味で申し上げているのではないのですが、幾つかのところで、この事業者規制に向けて、このPIO-NETをどう活用するかとか、あるいは相談現場と法執行の事業者規制のところをどう連動するかという辺りの、何か所かで書きぶりとして加えるといいのかなと感じたところがありました。

ただ、今日の文書の何ページのところへと、今、つながらないので、申し訳ありません。

それで、1ページに戻って、PIO-NET情報の活用、今日の文書で言うと、24ページ辺りで触れておられるところがあります。

PIO-NET情報の活用ということでいいますと、これは前回提出した資料の中で、国民生活センターのPIO-NETの活用というところがありますが、この丸1と丸2と分けて書きました。消費生活センターの相談員が相互に活用して、最先端の相談処理をする助言をしたり、あっせんをするために使うというときには、事業者名も何もかも、細かいいきさつも全体を見ながらやっていく、あるいは法執行の事業者規制のものとしては、まさにより細かく見る、それでも、PIO-NET情報そのものには、個人情報の相談者の個人名は入っていない、事業者名は入っているということなのですが、丸1の機能を持っているPIO-NET情報そのものをオープンデータ化という言葉でくくってしまうと、ちょっと行政の現場では誤解を招くのではないか。

むしろ、2番目の、私もここは、もっともっと不十分だと思うのですが、そのPIO-NET情報丸1のことを意識する余り、丸2番目の一般消費者に対して、今、何が起きているのかということを、もっとリアルタイムに情報提供するということが、決定的に不足しているのではないか。

実は、これも細かく見ると、丸アに書いて、その下に具体策として書きましたが、取引形態別とか、相談件数あるいは商品別の相談件数を調べていくというのは、ホームページを、ここを調べ、ここを開いて、ここで検索すれば取れるというのは、あることはあるのです。実は、これは弁護士の中でもほとんど知られていないぐらい活用が不十分なところがあります。

そういう辺りと、それから、具体的には、こんな例があるのだと、丸イですね。この辺りがきちんとリンクするように、ただ、丸イの事例のところは、先ほど言った上の丸1の生情報そのものではなくて、一定の更なる匿名処理化が必要だと思うのですが、それは、まさにAIの活用、ICTの活用によって、短時間のうちに公開可能なものをどう作っていくか、その全体の傾向と個別事例をどう出していくか。

もちろん、今、国民生活センターは、毎月、何件ものテーマ別に分析をした上で、注意喚起情報を出しています。

マスコミなどは、取り上げやすい、あるいは消費者に伝わりやすいという意味では、そういう一定の分析を加えたものが有効であるということなので、それを縮小するということは、あってはならないと思いますが、より積極的に情報をアクセスして活用する人にとっても伝えるような、そういう位置付けのもとで、このPIO-NET情報の利活用ということを位置付けていただければと思います。

これが、まず、今のポイントに関することです。

2番目は、2ページから3ページの消費生活相談業務の民間委託・指定管理者制度の利用という点です。

これは、先ほど説明していただいた27ページ辺りに出ていて、かなり前回の議論のことを踏まえていただいて、かなり抑制的な書き方をしていただいています。

ただ、認識を共有するという意味も含めて、少し説明させていただきたいと思います。

前回、山田委員からも御指摘がありましたが、この指定管理者制度というのは、施設の管理運用であって、公権力の行使に関する問題は、指定管理者制度の対象ではないのだと、そのことは、以前から指摘されていて、公権力の行使というのは、まさに公務員である職員が内容について判断に関与しなければいけない課題です。

そうなると、偽装請負だという批判を受けることになりますと、ここの中にありますように、内閣府の研究所の研究の中でも、そういう偽装請負防止ということをきちんとやっていくとすると、公権力行使に近い課題というのは、おのずから外さなければいけないことになるはずだという記述があります。

将来像との関係で、消費生活相談業務というのは、もちろん、これは話合いによる解決を促すということだから、公権力行使そのものではありません。しかし、あっせんをするというときには、例えば、センターに事業者を呼び、消費者を呼んで、三者で面談して解決案を提示するというとき、要するに、地方公共団体としての紛争解決機能ということで、公的な色彩もあるし、だからこそ事業者も対応してくれるというところがあります。

そういうところを意識すると、民間委託ということは、相談業務との関係でも、慎重でなければいけないということがあります。そのことが、下の参考として書いてある、平成26年の消費者安全法改正の後にできたガイドラインの中でも、民間委託ということの問題点、留意点ということを中心に書かれていました。

今回は、特に、相談業務だけではなくて、その相談業務を法執行や、あるいは地域での被害防止のために、どう使っていくかという、そちらの議論が軸になっているので、その辺りも含めて、留意点のところを、もっと書き込んでおく必要があるのではないか。本日のところでも、ある程度触れておられますが、なお、慎重に記述を加えたほうがいいのではないかと思います。

最後に4ページ目、予算措置、人的、物的資源の確保ということですが、実は、これで前回の消費者庁のヒアリングの中で、交付金がスタートアップの支援財源ですからという言葉でくくった表現があったことが、私は非常に気になりました。

これは、別紙で付けております推進交付金というものの制度概要と強化交付金の制度概要というのを御覧いただいたほうが早いかもしれませんが、一番最初に活性化交付金というのが2、3年ありまして、その後、推進交付金に変わりました。

その頃は、まさに消費者庁の設立に合わせて地方消費者行政の充実強化のスタートアップの支援だと、こういう位置付けで、だからこそ、メニューごとに、一定の期限を設けて、その後は自主財源化するのだと、そういう位置付けを明確に示しておりました。期限も、それぞれの事業メニューについて詳細に定めていました。

ところが、強化交付金、これは平成30年から、こちらに移行したところです。推進交付金の推進事業の続行分が下のほうへ少し載っていますし、それは、今も少しは残っているのですが、このときからは、国が取り組むべき重要な消費者政策の推進のために、それに取り組む地方公共団体の取組を支援するということで、交付金の性質を変えているのです。

したがって、今、私たちが議論している、地方自治体のそれぞれの相談業務を国のレベル、都道府県のレベル、市町村のレベル、それぞれが消費者向けの啓発あるいは事業者向けの働きかけ、あるいは事業者規制、そういう全体に活用していく、そういう一体としての消費者行政をどう推進するか、そのための重点課題は、国として位置付けていくというふうになれば、4ページの下のところに将来像と書きましたが、相談情報を集約して、それを注意喚起とか、悪質事業者排除には、法制度の見直しと、こういうところで使っていくという一番一体としての消費者行政推進という意味では、まさに国が重点的にやっていかなければいけない。これからの課題という意味では、交付金というものを効果的に活用していくということは、むしろ、今後も言っていくべきであるし、スタートアップの支援だから、今後は余り使えないというくくり方は不適切であろうというところです。

以上です。ありがとうございました。

○新川座長 どうもありがとうございました。

重要な御示唆、御指摘をいただいてございます。消費者支援の意義、それから、事業者に対する働きかけ方、双方向の御議論をいただきました。

また、委託やあるいは指定管理者の利用の仕方、あり得るとすればということですが、その留意点、そして、財源の手当、在り方の問題、国、地方を通じての財源策について御意見をいただきました。

いずれもこれまでも御議論をさせていただいた重要な論点ばかりですが、これに関連して、また、そのほか、お気付きの点、いろいろおありかと思います。各委員から、御質問や御意見をいただいていきたいと思います。

八木委員から意見がありますということで、いただいてございます。八木委員、よろしくお願いいたします。

○八木委員 ありがとうございます。2点ございます。

今後の話の中で、認知症という話が出ています。治療法もかなり進歩してくると思われます。後で保険医療等が良くなるという記述はありますが、ここで認知症のリスクをうたうのであれば、認知症の治療も進歩するという観点も、どこかに入れてほしいと思います。

また、ジェロントロジーの話が出ていますけれども、脳科学の進展によって、高齢者問題がかなり進展、解決されるということも、できれば入れてほしいと思いました。これが第1点目です。

第2点目は、先ほどの池本委員のおっしゃったところとも関係があります。民間を活用することに対する懸念だとか、リスクについては、よく理解をいたしますし、そのことに配慮するということをしっかり書くということについては、私も大賛成です。一方で、民間の力を活用することの重要性も同時に記述していっていただきたい。触れられてはいるのですけれども、懸念のほうが強いような気がいたします。

消費者に寄り添うことが、企業にとっても、社会にとっても正しい、良いことだと考えている企業が多数あるということを、我々は認識しておく必要があるのではないでしょうか。

そういうこともあって、イトーヨーカ堂さんやヤマトホールディングスさんを紹介させていただきました。

民間にはリスキーな部分はあるのですけれども、民間の企業でも、消費者に寄り添うことというのは、非常に重要であるということを認識してきており、行動を起こしている会社もあります。民間企業自体が時代の変化とともに変わってきているということに関しての記述もお願いをしたいと思います。

民間活用のリスクが下がるわけではないですけれども、一方で、消費者問題に対する意識が民間企業の中で高まっていて、それを活用しない手はないのではないかとも思います。

以上です。

○新川座長 ありがとうございました。

認知症あるいは加齢に関わる問題、それの影と光と、そして、将来における可能性、この辺りもしっかり記述できればと思います。

また、民間事業者、企業の位置付けということについて、ここは、これまでもいろいろ御議論いただいているところですが、改めてリスクの側面と、それからベネフィットの大きさということも、きちんと踏まえた、そして、消費社会を支える企業の役割といったようなところも書き込む必要があるのかもしれません。ありがとうございました。

たくさん御発言のお申出をいただいてございます。順次、御発言を頂戴してまいりたいと思います。

大森委員、よろしくお願いいたします。

○大森委員 ありがとうございます。

私からは、この報告書案で2か所、意見と質問があります。

まず、1か所目は、10ページです。

3、消費者行政の重要性の更なる増大というところです。

2つ目の段落のところで、コロナのこととか、災害のこととかを踏まえて、消費者問題に対応可能なと、下から2つ目のところに消費者問題という言葉で出ているのか、ちょっと分かりにくいかなと思いました。

消費者問題というのは、オリンピックがやると言ったら、オリンピックをネタに、災害があるというと、保険で修理できるとか、コロナがあると、マスクを送り付けてくるとか、そうした消費者問題は、もちろんございますけれども、ここで是非注意して書いていただきたいなと思うところは、つながりが必要な場面で、地域が連携できなかったというようなことですね。対面型では対応し切れないような消費者の孤立などの問題を含むというような形で記述をしていただけたらなと思いました。

あと、このコロナに関係すること、その下にエシカル消費とか、SDGsのこと、その下に高齢者も生き生きと活躍するというようなことが述べられていますが、ここで消費者教育について全く語られていないのが、今、言った1、2、3を実現するためにも消費者教育の充実というのは、不可欠ではないかと思います。

学校教育のみならず、社会教育とか、企業の研修とか、行政の職員研修を含む消費者教育を充実していくということが、この課題を解決する上での大きなポイントだと思うので、この辺にも触れていただきたいなと思いました。

あとは、質問なのですけれども、11ページのところで、2番として、新たな支え合い、見守り合う地域社会への転換というところがございます。

ここで、見守りネットワークについては触れられていないので、見守りネットワークの位置付けはどうなっているのかなと質問です。

見守りネットワークを強化していくのか、新たなものを求めているのか、その辺が少し分かりづらかったです。

21ページでは、地域のコミュニティ再構築というような言葉があります。あと、消費者行政コーディネーターセンターとの関係もどうなっているのかなと、その辺が少し見えにくいところがあったので、質問させていただきました。

以上です。

○新川座長 ありがとうございました。

ただいま、10ページのところ、消費者行政の重要性の更なる増大のところについて、2点御意見をいただきました。

それから、御質問をいただいていましたが、この点について、特に見守りのところについて、もし、事務局のほうから御説明があれば、お願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○友行企画官 第3の2のところの新たな支え合い、見守り合う地域社会への転換というところでございまして、これは、具体的な取組の方向性としては、第4のところでは、3番の(3)になっております。

第4の3の(3)のところを見ていただきますと、消費者自身が見守りの担い手として活躍する社会の構築というようなことで、ここに具体的に基本的な考え方としては、地域社会における消費者被害の防止や早期発見ということで、知識を身に付けるということや、民生委員、児童委員、サポーターなどがつながっていて、地域コミュニティの再構築の視点を持つといったことも書いております。

ここのところに、具体的には、消費者安全確保地域協議会のこととかは、現在では触れていないと思いますので、そこをもう少し視点として入れていきたいと思います。

地域がつながっていくと、地域コミュニティの再構築の視点を持つということを前面に出していますので、消費者安全確保地域協議会を強化していくということの視点を、更に発展していくというようなことを入れていきたいと思います。

消費者安全確保地域協議会のことにつきましての記載ぶりは、市町村が総合行政化を進めていく中で、地元のいろいろな団体とつながっていくと、そのときに、消費者安全確保地域協議会を更に発展していくという視点のところでは書いているのですけれども、具体的に2番の新たな支え合いのところに記載しておりませんので、少しそこも入れていきたいと思います。

コーディネートセンターの役割なのですけれども、コーディネートセンターは、全体を見回して足りないところを調整していくということが、まさに役割でありますので、新たな支え合い、見守り合い、地域社会の転換へしていく中で、いろいろなところとつながっていく、そういったことを、それぞれのステークホルダーをつなげていく、調整していくということでは、まさに、都道府県などとコーディネートセンターなどが協力してやっていくということが期待される役割と考えております。

○新川座長 大森委員、よろしいでしょうか。

○大森委員 ありがとうございました。

○新川座長 消費者安全確保地域協議会、見守りの機能の具体的な展開、もう少し書き込む余地がありそうです。ありがとうございました。

続きまして、山田委員からも御意見のお申出をいただいてございますが、山田委員、よろしくお願いいたします。

○山田委員 では、私からも数点お話をさせていただきたいと思っております。

1つは、コロナの件なのですけれども、いろいろ書いていらっしゃるのだけれども、どちらかというと、孤立化が進んで、消費者被害が出てくるという話なのですけれども、コロナの一番大きな影響点というのは、暮らし方が変わるということだと思うのです。つまり、在宅ワークとか、リモートワークとか、そうした新しい日常と呼ばれるものが変わっていくのだということなので、否定的な側面だけを書くのではなくて、やはり、全体として生活の在り方が変わっていく中で、消費者問題も変わっていくのだという書き方をしていくほうが筋ではないかなと思います。

それから、これは全体のバランスなのですけれども、コーディネートセンターが仮称で名前を付けられているので、全体のイメージとして、ここだけ物すごく目立つのです。何か、これだけが提案されているみたいな形になってしまう感じがしますので、バランスからすると、私は、幾つか同じような、具体的な名前を付けたほうがいい部分があるのではないかと思っています。

まず、第1点は、IoT関係、SNS関係、情報関係ですね。ここのところが一般論で書かれてしまうと、何のことか分からなくなってしまうという感じがあります。

やはり、一番大きな点として、行政自身が変わってきたなと思っておりますのは、かつては情報公開というのが一番大きな課題でした。

そのうちに、今度は情報発信という形になってきて、積極的に住民に対して発信をしていくという形になってきた。

そして、次の20年後の世界としては、やはり、情報共有ではないかと思うのです。発信、交換と書いてあるのですけれども、やはり情報共有社会になっていくことによって、消費者自身が的確に消費者問題に対応できる自立性を持つのだと思っておりまして、その点では、PIO-NETとか、新しい都道府県ごとで、SNSでやるようなものを、例えば、「情報共有プラットフォーム(仮称)」みたいな名前にして、情報共有を、大きなテーマとして、安全安心な消費者行政を作り上げる情報共有プラットフォームという形で、名前として出てくるといいかなと思っています。

もう一つは、やはり、民間委託の話とか、池本委員からもお話がありましたように、全体的に、行政の職員というのは、人口減とともに減っていきますし、過疎、高齢化が進んで、社会減が進むところでは、余計進んでいく。

そうした中で、消費生活相談員等もエキスパート化していくという話があったときに、高齢者を使っていくという話もありました。それは、その方向で、私も主張させていただきました。そのとおりなのですけれども、そのときにも、何か名前を与えてあげたいなという気がしておりまして、例えば、「消費キーパー」とか、「消費者問題キーパー」とか、これは、例えば自殺だとゲートキーパーみたいな話がありますので、名前を仮称で与えて、そうしたものを中心に守ってはいかがでしょうか。こういう人たちが、いろんなところで見守り番人をして、何かあったらエキスパートにつないでいくというような具体的な名称があるといいなと思っています。

それから、いろいろなところで国の役割が出てきているのですけれども、国の役割がすごく分かりにくいのですね。

国においてもとか、重層的なとか、とても抽象的な話なのですけれども、やはり、国は情報基盤を作り上げていく、国際化の時代において、国際化の問題も、都道府県では対応できないので、その点について、しっかりやっていくとか、そういう具体的な役割をもう少し書き込んでいくべきではないかなと思いました。

それから、あと、財源の問題なのですけれども、ここで交付金という言葉が生で出てきているのですけれども、ちょっと気になりますのは、財務省に言わせれば、交付税も交付金なのですね。交付税交付金ですから、正確な名前で言いますと、だから、交付金とただ単に使ってしまうと、混乱を招くおそれがあるなという感じがしておりまして、例えば、交付金、負担金という形で、ある程度特定していくような話があるのではないかなと思いますし、この中ではスタートアップだけではなくて、国が役割を果たしていく、協働化の中で負担をしていくのだといったような書き方もあるのではないかと思いますので、その点は、少し明確化されたほうがいいのではないかと思います。

私からは、以上です。

○新川座長 ありがとうございました。

貴重な御提案をいただきました。

コロナの書きぶりについては、工夫の余地があるかなと思いました。

また、財源のところの表記については、確かに、地方財政あるいは国家財政について、詳しくない方にとっては、なかなか交付金という言葉が、一体何を意味しているのかというのは、混乱をもたらす基になろうかと思っております。

本来、大蔵省、財務省的な地方交付税交付金理解というのは、間違っているという議論もあるのですが、それは置いておきまして。

○山田委員 間違っていると、私も思います。

○新川座長 その辺りは、置いておきまして、注意深く書くようにしたいと思います。

それから、今のところ、コーディネートセンターが特出しで出ておりますが、内容的には、ICT・AI活用、新しいSociety5.0、そこに向けた消費者行政の在り方、また、本当に現場での消費者政策の担い手、キーパーといったような御指摘もいただきました。この辺り、少し特出しが、どういうふうに可能か、もう既に内容的には、御指摘をいただいた点、十分答えられるだけの素案になっているかと思いますので、改めて検討をさせていただければと思います。ありがとうございました。

それでは、引き続きまして、首藤委員からも御意見ということでいただいておりますので、首藤委員、よろしくお願いいたします。

○首藤委員 よろしくお願いいたします。

私のほうからは、2点なのですが、前回に比べてコーディネートセンターのところが、機能を含めて、書き込まれていて分かりやすくなっているかなと思っています。

ただ、コーディネートセンターが、消費者行政単独で存在しても、なかなか難しいと思うので、市町村の中で、コーディネート機能をどう連携して確立していって、その中で消費者行政に特化したコーディネート機能を持っていくのかというような表記になると、より分かりやすいかなと思います。

あと、財源的には、例えば、このコーディネートセンターのところは、複数課題を担うと見たときに、消費者行政の財源とするのか、どうなのかというようなところまで、突き詰めていけるといいかなと思います。

あと、1点、表記のところなのですけれども、28ページなのですが、ICTのところの関連になります。

一番最後の丸のところですけれども、ICTのみでの情報発信とならないよう、消費者生活相談窓口を残す等の配置を行うというような記載があるのですけれども、リアルの消費生活の相談窓口というのは、ITリテラシーがどう発展していったとしても、やはり、きちんと確立をして残しておくべきつながりの部分だと思いますので、ここの記載のところを工夫していければと思います。

以上です。

○新川座長 ありがとうございました。

コーディネートセンターの位置付けということについては、御指摘のとおり、市町村の中でも、総合行政を支えるコーディネートをしていくという大きな役割がございます。この辺り、不明確かもしれないということで、書きぶりもあるかと思っております。

財源のところまでは、なかなか入り切れないでいたのですが、これもどこまで書けるか、少し検討してみたいと思います。

それから、IT化、ICTやAIで、それに対応できない方のための方策のところで、リアルな窓口を残すというような言い方になっておりますが、これも実際には、将来的に、消費相談窓口体制というのは、強化の方向は明確に示しておりますので、ここは、ICTに限って、こういう表現になってしまっているということがありまして、ここは。

(新川座長の回線切断)

○二之宮事務局長 事務局長の二宮でございます。

新川座長との回線を接続し直したいと思いますので、12時まで10分ほど休憩を入れたいと思います。

皆様は、接続したままでお願いいたします。12時に再開したいと思います。よろしくお願いいたします。

(休憩)

○新川座長 皆様、お戻りになられましたでしょうか。

先ほどは、私のほうのウェブソフトが落ちてしまいまして、御迷惑をおかけいたしました。申し訳ございませんでした。

もし、お戻りになっておられるようであれば、12時となりお時間ですので、再開をさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

ありがとうございました。

おおよそ戻っておられるようでございますので、それでは、再開をさせていただきます。

先ほど、首藤委員の御意見までお伺いをし、反映できるところについて、丁寧に反映させていただければと思っております。

御発言希望、尾嶋委員、西田委員もいただいてございます。まず、尾嶋委員から、お願いできますでしょうか。

○尾嶋委員 よろしくお願いします。

私は、全相協に属しておりまして、7月14日付の骨子案について、協会として意見書を提出させていただいております。

その中でも記載させていただきましたが、この会議において多く議論されているPIO-NETですが、このPIO-NETというのは、消費者行政の要になっています。

今後も、20年先も、これが要になって消費者行政が進んでいくだろうと期待をしているのですけれども、報告書の中には、5ページの注にPIO-NETとはという記載が少しある程度です。市町村、都道府県、国が一体となって消費者行政を推進する要になっているシステムの重要性を記載したほうが良いと思いました。

それから、先ほど、山田委員がおっしゃっていた海外に関連した消費者問題ということなのですけれども、国民生活センターでは、既に海外との消費者問題を専門的に扱っている越境消費者センターCCJがありまして、20年後も、国のシステムとして更に活発に機能していくと思いますし、期待しています。

それから、27ページに、PIO-NET情報のオープンデータ化ということがあるのですけれども、入力している私たち消費生活相談員にとってみると、PIO-NET情報のオープンデータ化という言葉は、非常に抵抗があります。

人によって、PIO-NETのオープンデータ化の捉え方というのは、様々です。

それで、私たち相談員にとって、この言葉というのは、例えば、池本先生の資料にある1ページの一番下のほうの丸イにありましたけれども、その相談者を割り出してクレームを付けるような事業者がいたり、悪用化されるのではないかという危惧がありますので、この言葉を使うのは疑問に思いますが、先ほど、山田委員がおっしゃっていた、更なる情報共有などで良いのではないかと感じました。

それから、3つ目に、これも27ページにある民間委託なのですが、八木委員が言われたことは、私ももっともだと思いますが、ただし、相談業務の民間委託に関しては、費用削減を目的にした委託が、実際に多くあり、そこに働く相談員は、非常に厳しい勤務状況に置かれているという問題も、これまで議論した問題と共にあります。

したがって、この民間委託の促進の記述については、書き方に配慮していただきたいと思います。

それから、4つ目に、27ページの広域連携についてですけれども、基本的な考えのところで、広域連携についての記述があり、取組の方向性のところで、地域の実情に応じて、広域連携を進めることが望ましい、都道府県は、広域連携の取組を推進支援していくとありますが、やはり、今までにもお伝えしてきたように、広域連携によって、委託している市町村の消費者行政が衰退しないような仕組みが必要だと思いますので、委託している市町村の担当者が、委託先としっかりと連携を取りながらというようなことを、説明を加えていただきたいと思います。

以上です。

○新川座長 ありがとうございました。

PIO-NETにつきましては、位置付けが、少し途中から登場するような形になってしまっております。基幹的なシステムあるいは将来の消費者行政情報システムの基幹的なネットワークということで考えていかなければならないかなと、改めて思っております。

この辺り、書きぶり、位置付けを含めて検討させていただければと思います。

国センの役割については、実は全体を通じて、あまり明確に登場してくるところは多くないのですけれども、これも御意見をいただきましたので、とりわけ、国全体でのレベル、それから、地域への支援、そして、海外との連携、この辺りについての役割については、少し検討させていただきたいと思っております。

委託のところは、先ほど来、御注意をいただいているとおり、ここの書きぶりについては、やはり、現状の問題点ということも踏まえながら、更に工夫ができればと思っております。

広域連携での、特に市町村、広域連携を構成する各市町村の消費者行政が後退をするなどということは、当然あってはならないので、御指摘のとおり、市町村責任を果たすための広域連携であると同時に、それは、各市町村がしっかりと消費者行政を進めながら、なお、広域センター化を通じて、公的なサービスをきちんと遂行するというような観点での議論が必要ではないかということで、御意見は、そのとおりだなと思いながら聞いておりました。ありがとうございました。

それでは、西田委員からも御発言希望をいただいておりますので、すみませんが、西田委員、よろしくお願いいたします。

○西田委員 よろしくお願いします。

取りまとめ御苦労さまでした。特に、今回、取組の方向性という項目が増えて、それで具体的に誰がどう動いたらいいかということが分かり、こうした取組の方向性が追加されたのは、大変良いことと思います。

以下は、個別なのですけれども、18ページ目で、これは細かいのですけれども、基本的な考え方のところで「こうしたこと等により、悪質な商品・サービスが排除されていく市場である」というのが書いてあるのですけれども、悪いものの排除だけではなく、良いものが広がるというのも書いておくといいのかなと思いました。

具体的には、製品安全やユニバーサルデザインの観点から優れた良質な商品、サービスが広がりとか、良い側面のことを書いておくといいのかなと思いました。

それから、23ページ目、これはコメントですけれども、モデル事業を推進すると良いとか、そういう具体的なことを書いてあるのは良い点かなと思いました。

24ページ目、これは、先ほどからのPIO-NETのオープンデータ化というのが、いろいろ懸念事項もあって、表現は気を付ける必要があるという話があって、私もそのとおりかなと思っております。

ただし、前回からオープンデータ化という表現が入った点は、とても良いのではないかと、多分、前回は入っていなかったと思うのですけれども、やはり、これはこういう方向性を残しておけるといいなと思っています。

一応、ここにきちんと個人情報や特定の事業者等を伏せた状態でというようなことを書いてあるので、生のものをオープン化するという意味ではないですよということは、よく言及するようにして、しかし、このオープンデータ化という文言は残しておけるといいのかなと思いました。

次に25ページ目で「地方自治体は、自ら自治体内で活用又は活用予定のICT・AI技術等を点検し」と書いてあるのですけれども、これもこれでいいなと思うのですけれども、もう少し踏み込んで書いておくと良いと思いました。これまでに委員会で行ったヒアリングによると、産業振興課とか、スマートシティを進めている部署と消費者行政部門とが、全く交流がなかったというのが分かっているので、ここに一言、産業振興やスマートシティ等の枠組みで作成された基盤の活用を検討するなど、一言具体的に点検の内容を書いておいてもいいかなと思いました。

もう一つなのですけれども、29ページ目、相談員の教育というところ、これは、増田悦子さんの参考資料にもありましたが、人材育成が必要という部分なのですけれども、これは、以前に、2017年の8月10日に消費者安全専門調査会報告書、事故情報の活用の在り方についてという報告書を出しているのですけれども、ここで結構詳しく議論をされているので、少し、そういう過去の議論の引用ができると、資料の紹介というか、引用ができるといいのかなと思いました。

以上です。

○新川座長 ありがとうございました。

特に12ページのところでは、単に悪質事業者の排除ということだけではなくて、良い消費市場が広がっていくという側面をきちんと書いてはということ、また、ICTのモデル化や、あるいはPIO-NETの活用についての御意見をいただきました。

それから、25ページのところでは、自治体の既に進んでいる様々な試みあるいは近い将来の展望、こういうものも大いに活用してということで、スマートシティであるとか、スマート自治体であるとか、いろんな試みがありますので、この辺り、本文に書き込めるか、注になるか、少し検討してみたいと思います。

教育のところについては、事故情報の活用、これまでの検討状況なども触れていければと思っております。

ありがとうございました。

池本委員、それから、大森委員から、再度御発言の御希望をいただいてございますので、よろしければ、池本委員からお願いできますでしょうか。

○池本委員 ありがとうございます。池本でございます。

今回の報告書について、幾つか各論的に気付いた点を発言させていただきたいと思います。

まず、3ページ目「はじめに」に関連してです。

ここも非常に整理していただいているのですが、特に冒頭に、地方消費者行政の充実・強化ということが、最重要課題であるということ、それから、4ページの末尾でも将来における消費者行政の充実・強化に向けた様々な議論が行われることが必要だという趣旨のことで結んであります。

ただ、真ん中の3ページの中ほどで、我が国が、今後、経験したことのない人口うんぬんに対処しの後のところだけが「持続可能な消費者行政を実現するためには」という言葉になっていて、とにかく現状維持のような言葉に聞こえてしまうので、むしろ、こういう状況の中で、地方消費者行政の機能を維持、更には充実・強化をするという、将来に向かっているのだということが出てくると良いのかなというのを感じました。

それが、まず、第1点です。

それから、11ページ、これは、以前に骨子案で出していただいたときに、最初、あれっ、と思って、そのときに申し上げればよかったのですが、第3のところは、目指すべき姿ということで、そこから後の本文は、何々とされている、転換している、構築されているというふうに、言わば実現された中身が書いてあります。

そこまでは、今後こうあるべきだという、べき論で言って、特に目指すべき姿という言葉が、こういうふうにあるべきだということを言っているのか、もう既にできているものを言っているのか、実は、これは実現されているものだということなので、第3の下辺りに、1、2行でいいのですが、以下では20年後に実現されている姿を示す、目指すべき将来像を示すのだという趣旨の、ちょっとうまく表現できていませんが、この章立ての第3のところでの記述の視点を少し明示しておいていただいたほうが良いかなと思います。

12ページのところで「(1)安全安心な市場」というところがあります。

実は、これは、先ほどの私の資料3のペーパーで指摘したところとつながってくるのですが、幾つか、安全安心な市場が作られるという最後の段落で、安全安心な市場においても消費者被害の発生は予想される、それで、被害救済制度が整備されているということだけでとどまっているのですが、むしろ、ここに安全安心な市場と言っても、やはり、例外的には悪質業者による被害ということも発生するであろう、それについては、消費者行政において迅速に市場から排除される法執行が実現されるのだという、法執行、事業者規制の分野もきちんと機能をしているのだという趣旨のことを入れておいていただく必要があろうかと思います。

それから、16ページのコーディネートセンターの組織の構成のところで「都道府県レベル(地域によっては地域ブロックレベル)で組織する」の、この「地域ブロックレベル」というのが、都道府県圏域の中のもう一段下の地域ブロックを指すのか、あるいは地方によって複数の県をまたいだ地域ブロックを指すのかというのが、どちらにも読めてしまいそうです。

私は、このコーディネートセンターというのは、最終的には、各市町村が福祉や各分野の中でコーディネートができる、それが個別の市町村だけでは到底担い切れなくなるということも想定して、少し広域のコーディネートセンターがそれをリードしていく、バックアップしていくということであろうと思うので、これは、都道府県圏域の中で更に地域のブロックレベルでということではないかと思います。そこの認識を確認する必要があるということと、そうであれば、ここをクリアに書いていただいたほうが良いかと思います。

それから、21ページです。

下のほうの取組の方向性の丸の2つ目で「情報プラットフォームの構築」という言葉、その下でも「相談員がプラットフォーム等に参画し」という言葉がありますが、これは、先ほど山田委員から御発言があったことにも少し関連するのですが、ここの情報プラットフォームの構築ということが、本当に1、2行しか書いていなくて、これも今後のあるべき像の1つであれば、もっとイメージできるような形に示しておく必要があるのではないか、その意味で、山田委員の先ほどの発言に、特にこの点が、言葉だけがあって、全く伝わりにくいという感じがあったので、それを申し上げます。

最後、28ページです。

(3)で消費生活相談員の活躍の場の拡大というのがあり、あるいは、この場所になるのか、31ページでは、人的資源の活用という項目があります。

31ページのほうは、どちらかというと、民間における人的資源の活用です。

28ページのところは、消費生活相談員の活躍の場の拡大というのがあるのですが、消費者行政の職員そのものが、その自治体の中で、分野横断的、部門横断的な、あるいは民間も含めたコーディネート機能を発揮しなければいけない。その意味での資質の向上が必要であるという指摘というのが、書くとすれば、この位置になるのか、あるいは先ほどのコーディネートセンターのところの市町村の職員が、広域のコーディネートセンターに必要に応じて、議論に参加し、それを持ち帰って各市町村の中でコーディネート機能を発揮するという役割を果たす連携が期待されるとか、職員の専門性向上あるいはコーディネート力の向上ということが、私は、小見出しをもう一つ付けてもいいくらいに大事なことではないかと思っています。

消費者庁は、「強化作戦」の中で、ようやく今年から職員の専門性向上、研修機会の拡充というのを打ち出したばかりのところですので、これは、これから10年、15年の中でも大事なところ、もちろん、職員を人材的に増やしていくということが、なかなかな難しいという問題はありますが、やはり、各市町村の中で、コーディネートする役割を果たす人がきちんと問題を自覚して行動できるようにならなければいけない。それをどう支えるかというのが、コーディネートセンターになっていくはずですから、その辺りをしっかりと分かるように書き出していただく必要があろうかと思います。

以上です。

○新川座長 ありがとうございました。

「はじめに」のところは、御指摘を踏まえて少し工夫ができればと思っております。

第3のところの趣旨とか狙いのようなことを、少し冒頭にというのは、あったほうが分かりやすいかなと思いながら、私も今、お話を聞かせていただきました。

12ページの悪質業者のところ、ここは、表記を工夫できるのではないかと思っております。

それから、16ページのコーディネートセンターの地域ブロックですが、大都市圏では、恐らくその中を複数のブロックに分けてということもあると思いますが、もう一方では、47都道府県、人口規模でいうと、本当に中核市程度の、しかし、面積の広い、そういうところが、これからどんどん出てくるという状況もあります。

地域ブロックという言い方で、少し曖昧にしておりますのは、若干その両にらみの意識もあったということでございました。この辺り、どういうふうに最適なコーディネート機能を果たしていくことができる、そういう分割ができるのか、もう一度事務局と相談をさせていただきたいと思っております。

それから、情報プラットフォームのところ、ここは、山田委員の御意見もいただいてございますので、少しイメージをきちんと定着できるような、内容的には、かなりあちらこちらに散らばって書いてしまっているところもありますので、どうまとめられるか、工夫ができればと思っております。

それから、第一線の職員の資質向上、これも必ずしも全体を通じて大きな項目に立て切れておりませんので、どういう表記ができるか、もう少し検討をさせていただければと思っております。

どうもありがとうございました。

続きまして、大森委員からも発言の御希望が出ておりますので、大森委員、よろしくお願いいたします。

○大森委員 ありがとうございます。

報告書の13ページのところ、4、感染症、自然災害等危機下において消費者の安全安心が確保された社会の実現というのがあります。

これの前の上の3行が、こういう危機管理の重要性とかに触れています。あとの4行が消費者の安全安心が確保された社会が実現しているとなっています。

ほかのところは、こういう社会になっているというところから入っておりますので、ここは、最初の前段の3行は要らなくて、逆に、もっと具体的にどういう社会になっているかというのを書いたほうがいいのではないか。

例えば、山田委員がおっしゃったような在宅勤務とか、新たな日常が展開しているとか、支援とか、情報がワンウェイではなく、双方向で実施されているとか、良い面もいろいろあると思うのです。

行政と市民がいろいろ連携できるようになったとか、あと、コロナとかを通じて、寄附文化というのも進みましたし、ボランティア意識というのも災害等で進んできた。あとは、クラウドファンディングとか、消費者自身が自分の意思でお金を使うというようなところも進んだので、その辺をもっと具体的に明るい情報を入れたらどうかなと思いました。

あと、23ページのところですけれども、これは、地方消費者行政のハード面の推進のことを主に書かれていますけれども、私自身の実感としては、ハード面というよりは、むしろ実際に使う人をサポートする人が足りていないというのが、なかなか進まない原因ではないかと思っています。

セキュリティに関する注意点など書かれていますけれども、行政の方というのは、非常に真面目なので、そういうセキュリティの注意点のところが、非常に心配で、いろんなことが、セキュリティが強過ぎてできていないというところが非常に問題かなと思っています。

それで、コロナで、私自身やっていますNPOも、学校への出前講座ができないので、DVDを作ってセンターとかに持っていったところ、センターによっては、パソコンに変なアプリは入れられないからDVDは使えないという回答をもらったりとか、今もなかなか重いデータのやりとりができないとか、クラウドを使うとか、いろいろ方法はあると思うのですが、そういうことが、セキュリティを意識し過ぎて、なかなか進んでいなくて、ほかの相談員の方だとか、消費生活アドバイザーの方とは、非常にスムーズにできていることが、行政、学校ではできていないというところがあるので、この辺を少し触れていただけたらなと思いました。

最後ですけれども、24ページのところで、いろいろイラストなど、お金がかからないように提供していこうということについて書いてくださっています。とても有り難いことですけれども、イラストに関しては、逆に良いものがたくさんあるのです。

一番あれなのが、行政が、分かりやすいものを提供していただけると、本当に有り難いなと思います。

あと、いろいろイラストはあるのですけれども、消費者啓発をするときに、こういう場面のイラストが欲しいとなると、なかなかなくて、小さいイラストを組み合わせたり、結局。

(音声不調)

○友行企画官 すみません、今の大森委員のコメントなのですけれども、「挿し絵、図などのコンテンツのことを報告書の24ページに書いていただいているのは有り難いのですけれども」という後の辺りからが、すみません、音声不調で聞こえなかったのですけれども、その辺りから、もう一度お願いしてもよろしいですか。

○大森委員 講座とかで、活用したいのは、行政のデータのグラフ化したものなのです。こういう悪質業者が増えているとか、そういうタイムリーなグラフがいただきたいのです。分かりやすいタイムリーなグラフがすぐ取れるというのが、非常に助かります。

あと、イラストがあっても、こういう紙芝居を作りたい、こういう場面というときに、なかなか良いイラストがない。いろいろ組み合わせたり、結局、頼んで書いてもらうということになるので、できれば、美大生とかのボランティアを登録しておいて、ぱっと書いてもらえるとか、そういうシステムがあると、非常に助かります。

以上です。

○新川座長 ありがとうございました。

コロナ等の危機下での対応について、第3のところの書きぶりとして、もっと適切な書き方がということでいただきました。ここは、工夫の余地があろうかと思っております。

それから、特に民間の力というのを、様々に具体的なNPOや、あるいは寄附やボランティアや、そうしたところ、いろんな可能性があるのでということでいただいております。この辺りも具体的な表記が幾つかできるかもしれないと思いながら聞いておりました。

それから、ICTにつきましては、ハードよりも、それを使いこなすというところのポイント、それから、2つ目のポイントは、やはり、行政の情報システムへの対処の仕方、この辺り、どういうふうに、本当に官民併せて使い勝手の良い仕組みというのをどう作っていくか、これはずっとテーマであり続けるかなと思いながら聞いておりました。

最後のイラストの話は、どこまでこの報告で表現できるか分かりませんが、こうした実際の消費者とのインターフェースというのを、より快適にしていくような、そして、消費者行政に関わる全ての人の理解が即時に可能なような分かりやすい仕組み作りというのは、ずっと課題かなと思いながら聞いておりました。

ありがとうございました。

すみません、大分、皆さん方からも御発言のお申出をいろいろいただいておりますので、次に進ませていただきたいと思います。

伊集委員から御発言希望が出ております。伊集委員、よろしくお願いいたします。

○伊集委員 よろしくお願いします。

まず、何点か、表現上の問題ということが主なのですけれども、全体で3か所ぐらい出てきているように思うのですけれども、これは、本当にちょっと細かいのですが、表現で、保健医療、福祉、介護などというような表現が出てきていると思うのですけれども、通常、福祉と医療と分けるのですけれども、通常は、介護は福祉に含まれるので、福祉と介護を分けて表記するというのは、余り意味がないかなと思ったので、保健医療と福祉というような表現でいいのかなと感じました。それが1点です。すごく細かいことです。

それで、先ほど、財源に関わる報告書の30ページ辺りのところで、山田委員からの御発言もありましたように、私も、やはり一般の方も読んだときに、交付金だとか、交付税だとかの違いが分かりにくいところがあるので、余り脚注のようなものが増えると、それはそれで読みにくくなるのかなと思うのですが、やはり、財源の問題、特に国から地方に渡す財源として、ポイントとなる1つは、人が特定されている特定補助金になるのか、交付税のような一般補助金になるのかというところは、1つの重要な違いなので、ここで表現している交付金だとか、あるいは国庫負担金と出てくるのは、使い道を決めて渡すお金だし、交付税というのは、一般財源で自治体が使い道を自由に決めるような財源だというような説明があると、読みやすくなるのかなという気はしたので、少し補足説明として入れたほうがいいかどうか、御検討いただきたいと思います。

同じところで関連して、30ページの取組の方向性の前の段落、終わりから2段目の段落で「国からの交付金や、国庫負担金による財政措置が可能であれば」というところの段落の終わりの2、3行で「したがって、当面の交付金の充実は必要であるが、一時的な予算に依存するのではなく、担い手となる公共私それぞれにおいて持続可能な」というところの、一時的な予算に依存するというときの、一時的予算というのが、何を指しているのか分かりにくいのではないかと思います。

これは、一時的な国の予算あるいはそこから交付金などを通じて、地方のほうに予算付けされるようなものを指しているのか、そういうようなところが分かりにくくて、直接的には一時的な交付金というようなことではないのかなと思うのですけれども、ここが、少し予算とあれと、少し分かりにくいかなと感じました。

最後になります。担い手となる公共私それぞれ、同じ続きですけれども、ここで、これまでは財源に関するいろいろな見方を紹介していただいて、整理していただいているところだと思うのですけれども、財源をどうするかという取組の方向性として、優先順位を上げていったり、あるいは公共私の連携のもとで財源を確保していくというのが、その後のほうに載るのですが、その前の段階として、ここで担い手となる公共私それぞれというので、その担い手として公共私というのが、ここでいきなり出てきているのが、ちょっと違和感があって、そこを少し丁寧に書くのであれば、やはり地方消費者行政の担い手として、都道府県や市町村という地方自治体があり、そこが、今後は更に公共私の連携のもとで、それをしっかり実施していかないといけないというような見方が、全体としても統一されているような気がするので、それに合わせるような形の記載に修正したほうがいいのではないかと感じました。

以上になります。

○新川座長 ありがとうございました。

いずれも表現を、むしろ適切な言い方に、また、理解がしやすくなるような、そういう正しい理解ができるような、そういう方向での御意見と思いますので、踏まえて、これから修文をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

すみません、お待たせいたしました、清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 ありがとうございます。

19/33ページのところです。上から2行目の消費者行政分野に関しては同様のプラットフォームが存在しないというところと、その下のある程度自由な情報交換が可能になるこうした情報プラットフォームの構築が必要というのは、本当にそのとおりでして、実は、今、消費者行政分野というのは、消費者庁ができてから、まさしく消費者庁のホームページが、私たちはプラットフォームだと思っていて、そこに各自治体のホームページだとか、消費生活センターの場所の案内があります。

もちろん、国民生活センターのホームページもプラットフォームの役割を果たしています。私たちが受ける相談の相談者はこれらのホームページを見たことがないと言います。そこに実はPIO-NETを分析した有益な情報が山ほどあるのですが、見える化がされていなくて、双方向の質問に答えるような状況も、まだまだこれからというような状態です。

よく相談がありますアメリカの会社なのですけれども、何か質問をしたいと書き込みをすると、その会社の質問サイトがトップに出てきます。SEO対策がされていてトップにヒットすると思われますが、質問をしますと、後から有料契約だとか、月額契約になってしまう、誘導されクレジットカード番号を入れることになります。そういう何とかアンサーという会社がヒットしてくるのですけれども、残念ながら何か聞きたい、例えば、水道トラブルになったときに、どこに頼んだらいいかだとか、リフォームしたいときに、誰に相談したらいいかというようなときに、トップに出てくるのが、残念ながら行政のホームページではなくて、いわゆる問題のある業者のプラットフォームが出てきてしまっています。

水道などでも、24時間対応ということで、水道110番とか、困ったときに110番と出ますと、あたかも市の指定業者のように書かれていて大丈夫だと思ってしまいます。本来、水道の市の指定業者の組合のホームページがあるのですが、そこを見ていただきたいのですが、全くヒットしません。

名古屋市では、水道事業者の組合がサイトをアップしていて、水道トラブルの悪質な問題点を動画で配信しているのですが、見てほしい方にはなかなか見てもらえないという状況です。

20年後ではなくて、消費者行政分野に総括的なプラットフォームは必要で、今、消費者庁とか国民生活センターのサイトがありますが、そこに業者団体、例えば、今、インターネットの通販で詐欺サイト等のトラブルが非常に問題になっていますが、JADMAマークというのがあるのですが、そのマークがある事業者を選ぶという助言もしております。そういったところに事業者の団体のホームページも分かりやすく入れると、本当に使い勝手がいいプラットフォーム、消費者のためのプラットフォームになると思います。私たちは事後の相談を望んでいるのではなくて、消費者被害の未然防止というのが一番必要だと思っていますので、今後すごい勢いで開発されることを望んでおります。

以上、意見です。よろしくお願いします。

○新川座長 ありがとうございました。

貴重な御意見をいただきました。特に情報プラットフォーム、本当に様々な担い手あるいは関係者の方々が集まり、そして、消費者にとって使い勝手の良い、そういう情報プラットフォーム、情報共有できる場というのが、これから必要とされているということで、今日多くの委員の方々からも御意見をいただいておりますので、これは何とか形にできればと思いながら、今、お話を聞いておりました。

さて、大分予定の時間が過ぎてきておりますが、そのほか、何か御意見あるいは御発言がございましたら、お願いいたします。

それでは、ただいま委員の方々からいろんな御意見をいただきましたが、その中で、折に触れ申し上げてきましたように、御意見の修正の方向についての内容を反映できそうなものもたくさんありました。

また、全体の記述のトーンにつきましては、おおむね方向としては御了承をいただいたのではないかと思っております。

次回に向けて、今日いただきました御意見を踏まえまして、修正をしてまいりたいと思いますが、個別具体的な表現につきましては、当面、私、座長にお任せをいただければと思っております。

なお、それでもいろいろと御意見が分かれるところがあろうかと思います。その点につきましては、次回、改めて御確認をいただければと思っております。

こういう扱い方で、次回、できれば、私どもの案を整えてまいりたいと思っておりますが、各委員、よろしゅうございますでしょうか。

(各委員から「はい」と声あり)

○新川座長 ありがとうございました。

それでは、修正につきましては、まず、私に一任をいただいて、そして、その上で御確認をいただき、なお、次回は御意見の分かれるところなどがあれば、御審議をいただきたいと思います。できるだけ、今日いただきました御意見を踏まえて修正をしてまいりたいと思います。

それでは、以上をもちまして、本日の主要な議論は終了しましたが、なお、お手元に資料の4があると思います。

当専門調査会の、前回7月14日の議論につきまして、幾つかの団体等から御意見をいただきました。

その御紹介も、御発言の中でいただきましたけれども、この御意見の概要を資料4の形で、まず、お示しをさせていただきたいと思います。

事務局から、御説明をお願いいたします。

○友行企画官 それでは、御説明いたします。資料4でございます。

前回の報告書骨子案につきまして、御意見をいただいております。

取りまとめの都合上、内容により若干集約とか分割をさせていただいているところもございます。

まず、意見箇所の全般のところといたしまして、より多くの地域の関係者の声を反映した意見書とすべき、よりもう少し審議を深めるべきではないかというような意見もございました。

第3のところでございますけれども、PIO-NETは消費者行政の要であって、その重要性と機能強化の必要性を明記すべきではないか。国民生活センターについての機能の充実・強化を明記すべきではないかといったような御意見もいただいております。

それから、第3の2のところで、市町村の消費者行政が極めて重要であって、市町村における消費者行政の重要性を更に明記すべきではないかというような御意見もいただいております。

第4のところに入りまして、1のところでは、消費生活相談業務を消費者行政全般の端緒情報と位置付けて、市町村等から切り離すべきではないといったような御意見。

それから、行政の公助としての役割を明確化すべきではないか。連携における国・都道府県・市町村における行政の役割を明確にすべきではないかといった御意見をいただいております。

第4の2のところに参りまして、地域連携を担う人材育成、活動支援について重く位置付けて、詳細に記載すべきではないか。

第4の3のところにつきましては、安全安心な市場を醸成するための仕組み作りとして、認証制度の活用の記述があるけれども、現状でも多くの仕組みがあるので混乱をもたらすのではないか。

それから、ICT・AI技術の進展によって、課題解決の期待を寄せる部分を明確にし、過度な期待を寄せる記述については慎重にすべきではないかといった御意見をいただいております。

第4の5のところにつきましては、広域連携を進めるに当たっては、各市町村が主体的に相談業務に当たる機能を弱めることのないようにすべきではないか。

生活相談の窓口に業務委託、指定管理者制度を導入すべきではないといった御意見もいただいております。

また、消費生活相談員の処遇を抜本的に改善する方策を具体的に提案すべきではないかといった御意見をいただいております。

第4の6のところにつきまして、財源の確保について重点的に審議すべき。また、国はPIO-NET機能を維持してきた地方自治体の機能を評価し、相談対応費用と入力費用を負担すべきではないかといった御意見をいただいております。

第4の全体に関わるところといたしまして、消費者行政コーディネートセンター(仮称)の位置付け、役割を明確にすべきではないか。

最後のところになりますが、地方制度調査会の答申の言うとおりとするには違和感がある。その部分については、2040年の方向性について慎重に審議すべきではないかということでございます。

以上でございます。

○新川座長 ありがとうございました。

ただいま御説明をいただきましたように、前回の私どもの素案につきまして、幾つかの団体から御意見をいただいておりました。

今日、ほぼ私たちの報告書の方向性について御議論をいただきましたので、これを踏まえて、これら御意見に対する説明を記載した資料を作成し、次回、当調査会に御提示をさせていただきたいと思っております。

これらは、貴重な御意見ですので、今後の審議の重要な参考にさせていただきたいと考えております。

これにつきまして、各委員から何か御意見、御質問がございましたら、お願いいたします。

(意見、質問等なし)

○新川座長 それでは、次回、この御意見、また、その後、いただいているものも踏まえて、私どもとしての方向、既に議論したところもたくさんありますけれども、それに基づいて御説明をさせていただき、そして、私どもの回答に代えさせていただきたいと思っております。


≪3.閉会≫

○新川座長 それでは、本日、非常に長い時間にわたって、熱心に御審議をいただき、ありがとうございました。

本日は、以上をもちまして閉会とさせていただきます。

次回は、8月13日の開催ということで、これまでの議論を踏まえた報告書の最終案、これをできるだけ早い段階でお示しをさせていただき、そして、御議論をいただければと思っております。次回もよろしくお願いいたします。

本日、お忙しいところ、御参加をいただきまして、本当にありがとうございました。

以上をもちまして、本日の専門調査会を終了とさせていただきます。

(以上)