委員プロフィール

最新情報

池本誠司(弁護士)

池本誠司(弁護士)

略歴

昭和53年明治大学法学部卒業。昭和57年弁護士登録(埼玉弁護士会所属)。日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員長(平成23、24年度)。東京都消費生活対策審議会委員、消費者庁参与、産業構造審議会商務流通情報分科会割賦販売小委員会委員、消費者委員会専門委員等を歴任。主著に、「特定商取引法ハンドブック」、「消費者法講義」、「割賦販売法」、「条解・消費者三法」(いずれも共著)等。

メッセージ

第4次消費者委員会では、消費者契約法や特定商取引法など重要法案の改正に関する意見取りまとめのほか、消費者基本計画工程表の改訂への意見、特定保健用食品や機能性表示食品の表示問題の検討、消費者庁・国民生活センターの徳島移転問題、改正消費者安全法の施行と地方消費者行政の強化、成年年齢引下げ問題など、様々な分野の重要課題の審議が続きました。これらの幅広い課題に対応するには、個人の知識経験では到底及びませんから、各分野の現場で取り組む方々の意見を聴くことの重要性を痛感しました。
   第5次の委員として、「安全安心な市場の実現」こそが、「競争の質を高め、消費者、事業者双方にとって長期的な利益をもたらす唯一の道である」という、消費者庁・消費者委員会創設に向けた基本理念(平成20年6月27日閣議決定「消費者行政推進基本計画」)に立ち返って、一層幅広い分野の方々の声を聴きつつ取り組みたいと思います。

受田浩之(高知大学理事、副学長)

受田浩之(高知大学理事、副学長)

略歴

昭和59年九州大学大学院農学研究科修士課程修了。昭和61年九州大学農学部助手。平成3年高知大学農学部助教授、平成16年同教授、平成17年より地域連携推進本部長及び国際・地域連携推進センター長を兼務、平成18年より同副学長(地域連携担当)を兼務、 平成27年より地域協働学部教授に就任し、地域連携推進センター長(名称変更)を兼務。 専門は食品分析学、食品化学、食品機能学。消費者委員会臨時委員等を歴任。

メッセージ

今回発足した第5次消費者委員会で初めて委員を拝命致しました。30年以上にわたり、食品分析学、食品化学、食品機能学の学術領域で活動してきた研究者の立場から、特に食品関連課題における「消費者の利益の擁護及び増進」に、微力ながら貢献してまいりたいと存じます。
   私が食品の機能性に関する研究成果を初めて発表したのは1991年です。奇しくも「特定保健用食品(トクホ)」が栄養改善法に規定される形で、誕生した年に当たります。世界に先駆けて立ち上げられたトクホや、その後の機能性表示食品の制度設計を通じて、科学的根拠の重要性が社会に広く認知されつつあります。一方で、依然として消費者に誤認を招く、根拠の脆弱な商品が市場に存在していることは大変残念なことです。トクホや機能性表示食品を含む保健機能食品制度の崇高な目的に鑑み、本制度の発展と、その成果として、「食生活の改善と国民の健康の維持増進」が活発に図られている将来を目指して、消費者委員会、並びに食品関係の部会において活動してまいります。

大森節子(NPO法人C・キッズ・ネットワーク理事長)

大森節子(NPO法人C・キッズ・ネットワーク理事長)

略歴

昭和48年羽衣学園短期大学英文学部卒業。同年丸紅株式会社入社。平成9年に、子供のための消費者教育の教材開発等を目的とする団体としてC・キッズ・ネットワークを結成。同団体はNPO法人として認証を受け、平成21年より現職。現在、NPO法人ひょうご消費者ネット理事等を務める。

メッセージ

成年年齢の引下げ、高齢化・国際化社会の進展に対応し、ハンディキャップのある方も参加できるノーマライゼーションの社会の実現には、対象者に合わせた分かりやすい消費者教育は欠かせません。一方、消費者教育は教材作り、担い手の養成、教育の機会の提供など、すぐに成果が現れない難しく手間のかかる課題です。4次の経験を生かし、何とか突破口を見つけたいと5次の2年間、微力ながらも尽力していきたいと考えています。また、一般消費者にも分かりやすい消費者委員会を目指したいと思います。それが消費者教育の推進、消費者市民社会の実現の第一歩になると信じています。

蟹瀬令子(レナ・ジャポン・インスティチュート株式会社 代表取締役)

蟹瀬令子(レナ・ジャポン・インスティチュート株式会社 代表取締役)

略歴

昭和50年上智大学英文学科卒業。同年株式会社博報堂入社。平成11年株式会社イオンフォレスト(ザ・ボディショップジャパン)代表取締役社長に就任。平成17年同社特別顧問就任。平成19年に、スキンケア化粧品の開発と販売を行う、レナ・ジャポン・インスティチュート株式会社を設立し、代表取締役に就任。日本ヒーブ協議会第14期会長、物価安定政策会議委員、消費者委員会専門委員等を歴任。現在、日本ショッピングセンター協会幹事及び情報委員長、経済同友会会員、東京急行電鉄株式会社の取締役等を務める。

メッセージ

40年以上のビジネス現場の中で、いつも基本にしているのは「消費者視点」です。消費者が安全で安心した暮らしをするためには、消費者と企業がWIN-WINの関係を作らなければいけないと考えています。良い暮らしをしたいと望む消費者と良い暮らしを提供しようとする企業。その両者の共通の目標を達成するためには、消費者視点から障害となっている課題を取上げ、できる限りシンプルに、実践しやすい方向で解決方法を迅速に提案する。それがまさにこれからのよき消費者生活につながっていくものと考えています。深化する高齢化、グローバル化、IT化による影響などを踏まえたうえで、WIN-WINを目指して活発に発言していきたいと思います。

鹿野菜穂子(慶應義塾大学大学院法務研究科教授)

鹿野菜穂子(慶應義塾大学大学院法務研究科教授)

略歴

昭和58年九州大学法学部卒業。昭和63年同大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。同年九州大学法学部助手。平成2年東京商船大学助教授。平成4年神奈川大学法学部助教授。平成6年立命館大学法学部助教授。平成10年同教授。平成17年より現職。専門は民法、消費者法。国民生活審議会臨時委員、法制審議会(民法債権部会)幹事、消費者委員会専門委員、国民生活センター紛争解決委員会委員、第4次消費者委員会委員等を歴任。主著に「消費者法と民法」「消費者法の現代化と集団的権利保護」「基本講義消費者法」「ヨーロッパ消費者法・広告規制法の動向と日本法」(以上、編著)、「はじめての契約法」、「レクチャー消費者法」(共著)等。

メッセージ

第4次に引き続き、第5次消費者委員会の委員を拝命しました。第4次においては、消費者契約法・特定商取引法の改正審議や食品表示制度の検討をはじめ、様々な問題に取り組んでまいりました。一定の成果が得られた問題もありますが、なお検討を要する課題も山積しています。特に高齢社会の進展に伴う消費者問題や、科学技術の発展と経済取引の変化に伴って新たに生起してきた諸問題については、引き続き注視し検討していかなければならないと思っています。
   持続可能な消費社会の実現のためには、行政機関、消費者団体、消費者、事業者の協働が必要です。そのため、地方の行政や消費者団体に対するサポートの在り方、消費者に対する消費者教育の充実、事業者による消費者政策の理解と自主的取組の促進の在り方等についても考えてみたいと思っています。
   どうぞよろしくお願い申し上げます。

高巖(麗澤大学大学院経済研究科教授)

高巖(麗澤大学大学院経済研究科教授)

略歴

昭和54年麗澤大学外国語学部卒業。昭和60年早稲田大学大学院商学研究科博士課程修了。平成6年麗澤大学国際経済学部(現経済学部)専任講師、平成8年同助教授等を経て平成13年より現職。専門は企業倫理、コンプライアンス、企業の社会的責任(CSR)。主著に「「誠実さ」を貫く経営」、「ビジネス・エシックス―企業の社会的責任と倫理法令遵守マネジメント・システム」(共著)、「よくわかるコンプライアンス経営」(共著)、「コンプライアンスの知識」、「CSR 企業価値をどう高めるか」(共著)等。

メッセージ

消費者基本法には、消費者の権利、事業者の責務、行政機関の責務が明記されていますが、それらは、持続可能な消費者市民社会を実現する上で、各自が担うべき「役割・義務」を記したものと捉えております。
   この理解に立って、私もこれまで、ある時は消費者の立場として、またある時は事業者の立場として様々な活動に関わり、消費者団体の真剣な取組も、事業者の真摯な取組も見てまいりました。
   ただそれと同時に、限界を痛感することも多々ありました。やはり、消費者、事業者、行政の三者がともに相手の立場を考え、協力し合わなければ、持続可能な消費者市民社会の構築は極めて難しいと感じてきました。
   今回、消費者委員会委員を拝命したことは、その限界のすべてとは言いませんが、「いくつか」を打破する機会を頂いたものと受け止めております。どこまでの仕事ができるか、今の段階では明言できませんが、壁にぶつかった時には、常に「持続可能な消費者市民社会の実現」という本来の目的に戻り、そこから物事を判断していきたく思います。

長田三紀(全国地域婦人団体連絡協議会幹事)

長田三紀(全国地域婦人団体連絡協議会幹事)

略歴

昭和53年日本社会事業大学社会福祉学部卒業。同年より東京都地域婦人団体連盟事務局で勤務。平成24年より全国地域婦人団体連絡協議会事務局次長、平成27年9月より現職。情報通信行政・郵政行政審議会委員、消費者委員会専門委員等を歴任。現在、情報通信審議会臨時委員、消費経済審議会臨時委員、産業構造審議会臨時委員等を務める。

メッセージ

消費者委員再任にあたって、これまでの2年間の経験を活かすためにどうすればよいのか考えました。他分野にわたる課題に取り組むことに精いっぱいで、消費者委員会という組織の役割について、確認する間もなかったというのが正直なところです。委員が7人再任ということもありますので、これまで築いた関係をもとに、より、積極的に消費者委員としての役割を果たしていきたいと思います。
   消費者委員会も5期目を迎えました。委員会としても一つの節目になると思います。毎週のように開かれる本会議及び委員間打ち合わせにおいて、委員10名の議論をより深め、消費者委員会の消費者行政の監視の役割で力をより発揮するために何ができるか、何をすべきかについて考えていきたいと思います。
   そのためには関係する多くの方々と情報を共有し、様々な意見を頂くことが大切です。今後とも、御協力をお願いいたします。

樋口一清(法政大学客員教授)

樋口一清(法政大学客員教授)

略歴

昭和49年東京大学経済学部経済学科、昭和50年同経営学科卒業。同年通商産業省(経済産業省)入省。同省九州経済産業局長等を歴任した後、退官。平成13年信州大学経済学部教授。平成15年同大学大学院経済・社会政策科学研究科教授。平成25年信州大学名誉教授、法政大学大学院政策創造研究科教授。消費経済審議会臨時委員、産業構造審議会臨時委員、長野県消費生活審議会会長等を歴任。主著に、「サステイナブル地域論」、「日本の消費者問題」(いずれも共著)等。

メッセージ

消費者を巡る諸問題について、主に消費経済学の視点から考え、取り組んでいきたい。
   今日、超高齢社会の到来、情報化、グローバル化の進展などにより、従来の市場経済システムや消費者政策の枠組みでは対処し切れない深刻な問題が発生している。他方、企業不祥事は続発しており、悪徳商法による被害は後を絶たない。さらに、持続可能な消費者市民社会に向けて、消費者、企業の積極的な役割が求められている。
   こうした状況に対処するためには、市場の質を高め、消費者が適切な選択を行うことができる市場環境を整備しなければならない。その際、市場の競争から排除され不利益を被る可能性の高い、高齢者、障害者、若年成人など、いわゆる脆弱な消費者のための新たな市場ルールを確立することも急務である。
   また、市場環境の整備という観点からは、法制度の見直しと並んで、企業の自主的取組の促進、消費者への社会的な情報提供機能の強化なども不可欠である。本委員会での活動を通じて、市場経済システムの課題を明らかにし、その機能強化を目指すことが出来ればと願っている。

増田悦子(公益社団法人全国消費生活相談員協会理事長)

増田悦子(公益社団法人全国消費生活相談員協会理事長)

略歴

昭和53年中央大学法学部卒業。同年株式会社リコー入社。平成5年から平成25年まで、かながわ中央消費生活センター、目黒区消費生活センター、東京都消費生活総合センターにおいて消費生活相談員として勤務。平成29年6月より現職。消費者委員会専門委員等を歴任。現在、日本司法支援センター評価委員会委員、総務省情報通信審議会専門委員等を務める。

メッセージ

長年消費生活相談員として、被害回復に尽力してきました。現在は消費生活相談員の団体である全国消費生活相談員協会で、消費者教育、週末電話相談室、団体訴訟室を3本柱に、全国の会員とともに活動しています。このたび、消費者委員会委員を継続させていただくことになりました。この2年間は、特定商取引法改正、消費者契約法改正、地方消費者行政についての調査、身元保証等高齢者サポート事業に関する消費者問題、成年年齢引下げ対応などの審議に参加してきました。これらはまだ、改正すべき論点の提示、問題提起などであり、それらの制度整備、効果的な運用はこれからです。継続させていただいた以上は、実質的に機能するまでしっかり確認し意見を伝えたいと思います。また、私が携わった課題は様々な消費者問題の中の一部です。消費生活相談員としての視点により、消費者の権利の確立のため、今後は更に多くの課題に取り組んでいきたいと思います。

山本隆司(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

山本隆司(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

略歴

昭和63年東京大学法学部卒業。同年東京大学法学部助手、平成3年同大学大学院法学政治学研究科助教授を経て、平成16年より現職。専門は行政法。消費者委員会委員・専門委員、国民生活審議会特別委員・臨時委員等を歴任。現在、情報公開・個人情報保護審査会委員、関税等不服審査会委員等を務める。主著に「判例から探究する行政法」、「行政上の主観法と法関係」等。

メッセージ

消費者委員会の委員を第3次に務めさせていただき、2年ぶりに戻って参りました、山本と申します。東京大学で行政法を専門にしています。現在、行政のあらゆる分野で、少子高齢化・人口減少社会、情報化、そして国際化への対応が重要な課題になっています。消費者行政の分野でも、一方で、こうした現象に伴って消費者の被害またはリスクが多様化し、拡大しています。他方で、こうした現象に対応できるように、国および地方自治体の消費者行政の体制の強化、行政の他制度・他部局との連携、そして消費者および民間の諸アクターの能力の増進と活用を、一層推進することが求められています。消費者委員会は、その時々の消費者問題を発見し、解決するだけで精一杯というところがありますが、このような広い視野から、消費者行政の在り方を考えていければと思います。2年間、よろしくお願いいたします。