第57回 食品表示部会 議事録

日時

2019年8月1日(木)10:00~12:20

場所

中央合同庁舎4号館2階 共用220会議室

出席者

【委員】
受田部会長、樋口部会長代理、安達委員、池戸委員、小松委員、下浦委員、菅委員、宗林委員、戸部委員、夏目委員、松嵜委員、松永委員、宮崎委員、渡邊委員
【消費者庁】
五十嵐食品表示企画課長、食品表示企画課
【事務局】
二之宮事務局長、福島審議官、金子参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 「食品表示の全体像」について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○金子参事官 それでは、定刻でございますので、始めたいと思います。

本日は、皆様、お忙しいところ、また、お暑い中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。

ただいまから第57回「消費者員会食品表示部会」を開催いたします。

申し遅れましたけれども、私、7月9日付けの人事異動により、消費者委員会事務局参事官に着任いたしました金子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

本日は、今村委員、澤木委員が所用により御欠席ですが、過半数に達しており、定足数を満たしていることを御報告いたします。

また、戸部委員、今、少し所用により外されておりますけれども、じきに戻られるかと思っております。

議事に入る前に、配付資料の確認をさせていただきます。

本日、お配りしております資料は、議事次第に記載しておりますとおり、資料1、2と参考資料となっております。不足の資料がありましたら、事務局へお申し付けいただければと思います。

本日も多くの傍聴の方がお越しいただいておりますので、御発言の際はマイク近くでお話しいただきますようにお願いいたします。

それでは、受田部会長、以降の進行をお願いいたします。

○受田部会長 皆さん、おはようございます。本日もお忙しい中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。

また、本日も多くの傍聴の皆様にお集まりをいただいております。心より御礼を申し上げます。

それでは、本日もよろしくお願いいたします。

≪2.「食品表示の全体像」について≫

○受田部会長 それでは、本日の議題といたしまして「食品表示の全体像」について、議論を進めていきたいと思います。

前回、56回部会におきまして、報告書の骨子案について御議論いただき、その骨子案を基に報告書を取りまとめることについて御承認をいただいたところでございます。

委員の皆様にも事前にお送りしているものと思いますけれども、前回の部会での御議論、また、これまで委員の皆様からいただいた御意見や審議状況等も踏まえて、事務局とも交え、報告書(案)を作成いたしました。その報告書(案)が資料1でございます。本日は、それを基に御議論いただきまして、取りまとめまで行ってまいりたいと考えております。

それでは、私のほうから資料1の報告書(案)について御説明をまずさせていただきたいと思います。

なお、資料2は、この資料1を取りまとめた概要版ということになります。併せて御参照いただければと思います。

それでは、少しお時間を頂戴いたします。

まず、資料1「食品表示の全体像に関する報告書(案)」。副題といたしまして「~消費者に、より活用される食品表示とするための提言~」というように付してございます。

めくっていただきますと目次がございます。この目次の立て付けについて、前回部会で御意見を賜ったというものでございます。一部、この目次におきまして前回の意見等を勘案いたしまして、前回の部会の内容の文言修正を行っております。

それでは、1ページ目以降、順番に概略だけ御紹介をさせていただきたいと思います。

まず、1ページ目は「はじめに」というところで、最初のパラグラフ、次のパラグラフ、ここは食品表示法、平成25年、ここに至るイントロでございます。

その後、真ん中やや下のところに「遺伝子組換え表示」や「加工食品の原料原産地表示」の個別表示制度に関する諮問が行われ、それに対する答申を行ったこと。その中に、かぎ括弧で囲っておりますけれども、「義務表示の増加に伴い、製品上に表示する文字がかなり多くなっている。加工食品の原料原産地表示も含めて、今後、義務化される表示が増えれば、状況は更に深刻化し、消費者が安全性に係わる表示を見落としてしまう要因にもなりかねない。」とする付帯意見が出されたことを記しております。

これを受けて、下から2つ目のパラグラフにございますように、第275回消費者委員会において、「食品表示を取り巻く現状等について整理しつつ、消費者のニーズにも十分留意した上で、食品表示の全体像について検討する」こと、具体的には「一括表示の表示事項間における優先順位」「インターネットを活用した表示の可能性を含む、ウェブ上における情報提供と従来の容器包装上の表示との組合せ」を中心に検討することが了承された。これを受けて、当部会で全体像の議論を始めたところでございます。

2ページ目に第1といたしまして「食品表示制度とそれを取り巻く環境」、「現行の食品表示制度」がまず一つ目に示されてございます。ここは委員の皆様にもおなじみの食品表示基準の遵守が義務付けられていること、また、その表示事項に関して具体的に書いてございます。

2ポツに「食品表示を取り巻く環境」ということで「いわゆる一括表示」に関して最初のパラグラフに記しております。特にこのパラグラフの中には、基本的には「安全性に関わる事項」と「消費者の選択に資する事項」に分けることができる。その取扱い等について書いてございます。

真ん中、下のほうに行きまして、将来的には「いわゆる一括表示」の表示事項における情報量の増加は避けられない状況にあること、また、下から2行目、3行目にございますように「更に詳細な情報を求める」との声があったことも事実であるということを受けまして、3ページ以降ございますように、今後、更に情報量が増加すると状況は更に深刻化して、消費者が安全性に関わる表示を見落とす可能性も考えられるという問題提起をしてございます。

さらには、消費者から求められる情報は「いわゆる一括表示」以外も含めて増える傾向にあることも記した上で、その後のパラグラフは、コーデックスの規格等について、TBTの協定のことも含めて記しております。

4ページ目以降が第2ということで「食品表示に対する消費者の意向と改善に向けて」。1ポツで「消費者から見た食品表示」というところで、消費者庁が実施した「食品表示に関する消費者意向調査」の結果、これを採用して、消費者の意向について考察をしていこうということがここから記されております。

特に(2)にございますように「消費者の食品表示に対する不満」を「① 現行表示に対する不満」ということで、6ページ目以降に図1、図2、図3というのがございますけれども、この図を参照しながら具体的にここで不満を分析しております。特に①にございますように「見づらさ」への不満が「名称」「保存方法」等の8表示項目について50から75という値を示していること。さらには、下のほうに行きまして「見づらさ」への不満、これが「アレルゲン」や「L-フェニルアラニン化合物を含む旨」以降の6項目等について、全ての項目で高い値を示しているということを記しております。

その上で、5ページ目以降でございますけれども、「改善に向けての意見」として、更に「情報量を絞り、文字を大きくする」という回答が多かったこと、さらには「表示の文字を大きくするために容器包装上の表示情報量を絞り、別の方法で情報提供する場合、どの情報を絞るか、また、絞った情報をどのような方法で提供するか」という質問に対して、全て10項目において「必ず容器包装に表示してほしい」という回答が35から65%と最も多かったということをここに記しております。

こういった分析結果を基に、9ページ目以降になりますけれども、ここからが部会で議論していただいた内容を更に整理したものでございます。

「より良い食品表示に向けて」「(1)消費者に対して食品表示はどうあるべきか」ということで、消費者意向調査の結果から、以下に示す2点、これが課題であり、それを解決すべきというように書いてございます。

(ア)と(イ)というのがございまして「いわゆる一括表示」に含まれる各表示項目に対して、表示を確認しないという人が10から50%の幅で存在する。つまり、現在の「いわゆる一括表示」の項目の中に消費者に十分活用されていない項目が存在すること。

さらには(イ)にございますように「いわゆる一括表示」に関して、そのデザインやフォント、文字サイズ等の情報量に起因する見づらさへの不満を持つ方が大勢いらっしゃるということを指摘してございます。

その一方で、②にありますように、食品表示のより一層の充実も求められているという課題も明らかになっております。

そこで「(2)より良い食品表示とは」ということで、まず、議論の前提でございました様々な情報を整理する一つとして「食品表示一元化検討会報告書」を参考にいたしまして、分かりやすい食品表示の実現を目指すとされ、「見やすさ」と「理解しやすさ」を持つ表示になっているか否かの視点を持って検討を行う必要があること。そして、消費者委員会からの今回の検討の主たるテーマとして示された「一括表示の表示事項間における優先順位」「インターネットを活用した表示の可能性を含む、ウェブ上における情報提供と従来の容器包装上の表示との組合せ」に重点を置いて検討を進めていったわけでございます。

当初は、様々な御意見をまず全てお聞きをした上で、マトリックスを作り、整理を進めていったことは、委員の皆様におきましては御記憶のことかと思います。それを10ページにあります図4「課題解決のための考え方と対立する意見等」ということで整理をさせていただきました。

左側に課題解決のための考え方ということで1ポツ、2ポツ、3ポツがございます。義務とする項目を減らすという考え方もある。また、義務である表示事項と知りたい人に届けるための任意である表示事項に分けるという考え方を取り入れてはどうかという御意見を賜りました。

それを受けた上で、2ポツには、そうであれば必ずしも容器包装上に表示しなくてもよいのではないか。それを具体的に見ていくと、食品表示の活用に関して補助的情報提供の手段として、ウエブでの表示が大きな役割を果たす可能性があるという御意見をいただいたところでございます。

一方で、対立意見として、その1ポツから3ポツに考え方への留意点や対案等が示されております。簡単に優劣をつけて議論することには慎重であるべき。また、事故発生等の緊急時では必要かつ重要な意味を持つものがあること。一部の消費者のみで関心が高い事項、調査結果等に基づき、義務表示項目から外すべきではないという意見も聞かれました。

また、容器包装上の表示を減らすことを考える前に、まず、分かりやすさの定義に向けて科学的アプローチを行うことが有効であり、ユニバーサルデザインの導入等、検討すべしという御意見が聞かれたところでございます。

そして、実際にウエブの活用に関しても、最後にございますように、購入時に商品を手に取って、その場で表示を確認して商品を選択することが重要という声も多く聞かれ、さらには食品関連事業者の皆様にとっては、ウエブ上での情報提供や内容更新をタイムリーに実施できる方は限られている。対応不可能な方も多いことを留意すべしという御意見をいただいたところでございます。

これらが、まず意見として聞かれた様々なものを整理した図でございまして、ここから中身を更に慎重かつ重点的な部分をピックアップしながら議論を進めてまいりました。

11ページ、12ページ、そして、13ページから14ページの頭の部分は、第3としまして「食品表示に係るこれまでの整理及び関連する情報」をヒアリングさせていただいた内容を中心に整理してございます。

ここは簡単に行きたいと思うのですけれども、参照すべき過去の検討会や懇談会の報告書のうち、重要と考えられる関連内容、これを整理させていただきました。一つ目は「食品表示一元化検討会」、二つ目は「食品のインターネット販売における情報提供の在り方懇談会」の議論でございます。枠で囲っている部分を特に強調させていただいております。

さらに、2ポツで「関連する情報」として、ヒアリングをいたしまして得られた情報を食品表示の全体像を検討する上で重要であるということで整理を行っております。なお、この整理に関しては、ヒアリングのときにお聞きした情報をベースに書いてございますので、全てを網羅したものではないという前提を御承知おきいただければと思います。

その中身としては「(1)国際的な食品表示の動向」ということで、コーデックス規格のこと。特に米国におけるバイオ工学食品のことも具体的に書かれております。

また、(2)にユニバーサルデザインの活用の重要性について御指摘をいただき、下のほうにございますように、文字の書体に関する情報、さらに13ページに参りまして、情報量ということで、この部会ではその後、空間的情報量として整理をした内容がヒントとして私どもに御教示をいただいたというものでございます。

また、レイアウトやデザインに関してもアドバイスをいただき、さらにはICタグの情報をこれも専門家にヒアリングさせていただきました。なお、ICチップ等に関しては、14ページの頭にございますように、導入が現時点においては極めて難しいと判断せざるを得ないという点がコスト等に関して書かれております。

これで最後の結論のところに入ってまいりますが、これらの情報を踏まえて「第4 消費者に活用される食品表示とするために」ということで、まず1ポツに3行、4行ございますが、現時点における結論として、以下2点を導き出したと記してございます。

まず(1)、優先順位に関しては、様々な御意見を賜りましたが、現時点では全ての消費者にとっての重要性が一致しているわけではない。安全性に関わる表示事項と消費者の選択のための表示事項といった分け方により、表示事項間で優先順位をつけて、容器に表示する事項と容器以外に表示する事項とに仕分けすることには慎重であるべきという結論をまず導いたわけでございます。

さらに(2)、現行、容器包装上に表示することが義務付けられている表示事項について、全てか一部かはさておき、ウエブ等を活用した表示を容器包装上の表示の代用として認めるには、①ウエブ上の表示と、いわゆる容器縛りとの整合性、②法等関連法令の改正要否の検討を初め、⑥における国際整合性、それらを課題として克服をしていかなければならない、あるいは整理すべき課題が存在しているということで、引き続き検討を行っていく必要があるとさせていただいております。

最後のパラグラフにあるように、この点について、消費者委員会本会議からの指示もあり、食品表示のより一層の充実を図るという観点から、現時点において表示事項間で優先順位をつけて仕分けした上で、ウエブ上の表示を推進する方向で検討を進めるべきという御意見も部会メンバーから聞かれております。しかし、食品関連事業者等が商品切替え時等において、市場で販売されている商品全てでウエブ上の表示情報との同等性を確保すること等の実行可能性という観点や、前述の理由から、現状でウエブ上の表示を方向付けることは困難との結論に至ったというように明記をしてございます。

その上で、15ページにありますけれども、「いわゆる一括表示」の部分の「分かりやすさ」の定義が定まっておらず、改善すべき指標も明確ではないことが明らかになったため、その下にありますように、現状把握を優先的に行うよう、具体的には以下のような調査を実施することをこの報告書では提言をするものでございます。

まず「(1)『分かりやすさ』の定義に向けた科学的アプローチに基づく調査」。その後、表1というのが17ページ、スケジュールということにしておりますけれども、ここに調査1、調査2、調査3という項目、内容を入れてございますが、ここを参考にしながら15ページ以降「分かりやすさ」の定義に向けた科学的アプローチに基づく調査、現行商品の「いわゆる一括表示」部分に関する調査、並びに空間的情報量に関する調査、視認性の調査を行うべきというように具体的に書き込んでおります。

さらには、(2)ウエブを用いた食品表示を検討するための前提条件になります現状調査といたしまして、ウエブでの補助的情報提供の優良事例に関する調査を表1における調査3として、ここに掲げさせていただきました。

16ページに参りまして、これら「分かりやすさ」の定義をデータ等を用いた形で客観的に評価できるようにした上で、消費者が十分に利用していない表示事項を中心に、消費者により活用されるために「いわゆる一括表示」の視認性をどのように改善するのかの具体的な検討が行われるべきである。

「また」ということで、表示可能面積に対する「いわゆる一括表示」の面積が占める割合に関して、調査結果を分析した上で、明確化された「分かりやすさ」の定義に従って、表示可能面積中の「いわゆる一括表示」の占める面積の拡大可能性についても考慮しつつ、十分な検討を行うべきであるというように記してございます。

「(2)ウェブを用いた食品表示の可能性」に関しても、次のような段階的アプローチの考え方を中心に検討が行われるべきである。ただし、ウエブの利活用の必要性があるか等の消費者の意向や食品関連事業者等の実行可能性を各段階で検討することが前提であるということを明記しております。

その上で、第1段階から第3段階まで、「いわゆる一括表示」の併用表示、さらには「ウェブによる食品表示の補完」、第3段階として「いわゆる一括表示」の表示事項ごとに容器とウエブとで完全に分けて情報を提供する「容器とウェブによる『いわゆる一括表示』の棲み分け」に進んでいくという考え方を記しております。もちろん、食品関連事業者等の実行可能性を含め、第2段階の市場への浸透状況等を十分に確認した上で実施されることが望まれるということをここに付しております。

今後想定されるスケジュールを(3)、17ページにあります表1を一つ具体的な想定として、ここに記しております。

そして、最後「第5 誰一人取り残さない将来に向けて」ということで、SDGsの考え方を入れ、分かりやすく活用される食品表示とするための取組の重要な視点をここに掲げさせていただきました。

最後、「おわりに」ということでパラグラフが二つございますけれども、最初のパラグラフには、消費者にとって活用される食品表示となっていくことが望まれるということ、そして、最後の第2パラグラフは、本報告書は現時点までの議論によって整理された内容に基づくものであることから、将来的に、実態把握のための調査結果を踏まえ、熟議の上で、食品表示が消費者、食品関連事業者等の両者にとって良い方向に改善されることを期待するものであるということで結んだところでございます。

少しお時間を頂戴いたしましたが、資料1、この報告書(案)をまず概略として説明をさせていただきました。

なお、この報告書(案)を更にサマライズしたものが資料2の横書きでございます報告書(案)の概要というものでございます。併せて御確認をいただければと思います。

それでは、この概略、報告書(案)につきまして、これから委員の皆様の御意見を賜り、修正すべき点を修正し、取りまとめに至る形で議論を進めさせていただきたいと思います。

口火を切っていただくということになりますけれども、お手元に本日は渡邊委員から参考資料ということで資料が提出をされておりますので、まず、この参考資料に基づいて渡邊委員から御意見を賜り、更に委員の皆様から順次頂戴をしたいと思います。

渡邊委員、よろしくお願いいたします。

○渡邊委員 ありがとうございます。

渡邊でございます。これは入っていますか。

○受田部会長 入っています。

○渡邊委員 今回の報告書、形になった時点で食品産業センターでもいろいろ議論させていただいて、今回、食品産業センターとして意見をまとめさせていただいているので、それについて述べさせていただきたいと思います。

まず、今回、こういう食品表示の全体像についての議論をする場を設けていただいたということは、受田部会長、本当にありがとうございます。

今まで何回も議論する中で、やはり全体像の議論が必須だという話がこれまで随分出てきたので、それをこういう形で議論ができたというのは非常によかったかなと思っております。その上で、今回のこの報告書をもう一回見直したり、あるいは今回の議論をもう一回思い返してみて感じるところですけれども、やはりまず、議論をする時間が足らなかったなというのが一番思うところでございます。

そういう中で、やはり時間が足らなかったので、どうしても食品表示の全体像ということに関しての本当にやらなければいけない議論が全部できたかなというのが疑問かなというように思っておりまして、そういう意味で、やはり今回のまとめは今後のこういう議論をするための整理という位置付けかなと思っております。その意味で、タイトルも報告書というようになっていますけれども、今後の全体像についての議論をするための出発点ということで、今回は議論した内容についてまとめたということで、中間取りまとめというようにしたらどうかなというのがまず一つございます。

では、どういう点を今後議論していかなければいけないかなというのを1から書かせていただいていますけれども、まず、今回、やはりウエブということの検討も重点が置かれたのですが、本当に食品表示という中でウエブをどういうように取り扱うかという議論をもう少しやらなければいけないかなと思っております。いわゆる商品についての表示。今回の消費者調査の中でも商品に表示をしてほしいというところがすごく多いのです。だから、やはり食品表示を考えたときに商品に書くものとウエブに書くもの、その位置付けというのは違うのではないかな。

これは私の意見でもあるのですけれども、2ページ目に書いていますが、やはり食品表示というのは商品に本来表示すべきであって、ウエブでの情報というのは、あくまでもその商品についての情報提供ではないかなというように考えております。これは今の時点での意見ですので、やはりこの辺については今後議論が必要かなというように思っています。

あと二つ目ですけれども、今回の出発点は食品表示の情報量が多いということから出発しているので、この表示事項間での優先順位の検討という、この議論も足らなかったかなというように思っております。もともと消費者委員会の中でこの部会でやりなさいという中の一つの項目として優先順位についての検討というのがありましたので、こういういろいろな表示事項のある中で、本当に例えば先ほどの位置付けで商品に書くべきものとウエブに書くべきものの位置付けというのははっきりさせた上で、それだったら商品に書くべき事項はこれですよとか、そういうような優先順位の検討というのもやはりもう少しやらなければいけないかなというように思っております。

3点目の消費者ニーズですけれども、これは今回、消費者ニーズということで、消費者庁のアンケート調査ということをまとめていますけれども、やはりアンケート調査というのは、その質問の仕方によって随分回答が変わってくるところもありますので、例えば事業者がいろいろ設けている消費者窓口とか、そういうところに寄せられる意見とか、そういうことを見たときに、本当に例えばどういう項目が見られているかというようなことも、更に検討が必要ではないかなと思っております。

一番最後には、ウエブということを考えたときに、消費者のほうから見たときには、例えば本当に商品を選択するときに一々ウエブを見られるものかどうかとか、あと事業者のほうから見ると、今回の報告書の中にも入っていますけれども、商品がいろいろ中身を変更されたときに、同じような外見で本当に消費者がウエブにある、その商品の正しい情報にたどり着けるかというところも非常に大事なところなので、そういうところの技術的な課題も十分整理する必要もあるかなというように思っています。

こういうようなことをやはりしっかり検討した上で報告書ということでまとめたいなと思っていますので、今回は、この報告書にすると、どうしても今後の議論にある程度束縛されてしまう、これに束縛されてしまうということがあるので、私としては、今回のまとめは中間取りまとめということで、今後の議論の出発点にしたらどうかと考えております。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

まず、渡邊委員から口火を切っていただきました。中身的には、これまでも渡邊委員から、この部会において御発言いただいた内容も含まれているというように理解をするところでございます。

冒頭おっしゃったように時間が十分でなかったという点については、私も個人的にはもっともっと議論すべきであったなというようには感じておりますし、また、この全体像の議論というのが、いかに様々なお立場から議論しなければならない項目が多いのかということを一方では反映しているのかなとも感じているところでございます。そういう意味では、時間が十分ではなかったという点については、私も同感でございます。それをどう今後、継続していくかという点について、この資料1の位置付けをしっかりと今後に生かし切るという視点も全く同感でございます。あとは、これをどういうように表現するかに関しては、委員の皆様の御意向あるいはお考えをこの後、十分に頂戴した上で結論とさせていただきたいと思います。まず、ありがとうございました。

続いて委員の皆様、いかがでございますでしょうか。本当は順番というか、この資料1の最初から順次伺っていくというのもやり方かとは思うのですけれども、今、この報告書(案)のタイトル、ここも修正すべきという大きな御意見もいただいておりますので、まずはいろいろな視点から御意見をお聞きしたいと思います。順番はどこからでも結構です。

菅委員、お願いします。

○菅委員 菅です。今日もよろしくお願いします。

取りまとめ、ありがとうございます。現時点まででまとめられているこのラインでまとめることについて、基本的には賛成する立場ではあります。

今、渡邊委員の御提出の意見は「中間取りまとめ」という表題にという話でありましたけれども、「報告書」という表題を仮に「中間取りまとめ」としても、結局、同じぐらいの拘束力があると言えばあるような形になってしまう部分もあると思いますので、個人的には余り表題にはこだわらないです。

むしろ、ここでコンセンサスとして、今、まさに渡邊委員がおっしゃったような、これはまだ初めの一歩のような議論であって、タイトルの大きさに比して、まだまだ緒についたところであるということについては、最後まで読めばきっと分かっていただける、最後のまとめでもまだまだこれからだということが書いてありますし、表題がどうであるというよりも、その点についての委員間のコンセンサスがあれば、読まれ過ぎることはないのではないかというように思います。

ただ、そうではあるのですけれども、少しそれに関連して意見を言いたいと思いますが、やはり本報告書が議論の経緯を詳しく知らずに読まれた方にどう映るかというときに、箇所によっては、どちらかというと3ステップを経てウエブによる義務的食品表示の方向に向かうべきだと、それがあるべき方向だという点にあたかもコンセンサスができたかのように読まれてしまわないかという御懸念かなというように思います。

この点は、私も少し立場は違う観点ではあるものの、同様の懸念から何回か意見を申し上げておりますし、皆さんもそこについて特に大きな御異論があるわけではないと思うのです。将来、そういう方向に行くべきだという御意見もあったし、そうでないという意見もあったと思いますけれども、それが決してコンセンサスになったわけではないということだと思うのです。

唯一、まだもう少しだけ引っ掛かるところがありますのは、資料1の9ページの2(2)から10ページのマトリックスの部分あたりなのですけれども、この辺の表現ぶりで「より良い食品表示とは」という表題からスタートして、9ページの末尾のほうで、「その結果として整理された課題解決のための考え方や、それらと対立する意見等を」と読みますと、そのフレーズの意味合いが強く読まれ過ぎると、「その結果として整理された課題解決のための考え方」のほうがより望ましい考え方として整理されたかのように思われる懸念がひょっとしたらあるのではと感じています。

最終的にこれらの議論を踏まえて、この部会の議論は、資料1の第4の1や2以降につながっていて、少なくとも現時点において「慎重であるべき」という結論が当部会の大きなまとめの一つになっていると理解していますし、先ほど述べたように「望ましい」というニュアンスまで含んでいないと理解しておりますけれども、もし、この部会メンバー以外の皆さんに誤って読まれやすいのであれば、若干微修正があったほうがよいのかもしれないと思うところです。

例えば、「課題解決の方策として考えられる案と、それらと対立する意見に関する議論を整理した結果」とか、より誤解なく読める表現であれば別の表現でもいいのですけれども、「議論の結果、整理された課題解決のための考え方」という表現でくくられますと、今後の議論にひょっとすると若干支障を生じるのかもしれないというように思います。私としては、今までこの点の修正意見を述べておらず、全体を読めば分かるだろうと思っており、表現の採否も最終的には部会長に委ねようと思っております。ただ、まだまだ簡単にウエブに持っていくことは難しい、あるいは優先順位をつけることには慎重であるべきだということを確認できたことは、「報告書」と呼ぶべき現時点での成果の一つであろうと思っていますので、そういう意味で、必ずしも表題の問題ではなく、中身についての確認、現時点までの確認ができることが大事かなと思います。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

確かに今、後半のほうで御発言をいただいた、また、前段の最初の渡邊委員からの御発言と関連して、この報告書(案)が一部切り取られてという言葉が適切かどうかは分かりませんけれども、一部分のみがひとり歩きをしていくような懸念がないようにという点で、文言の慎重さというのは求められるべきである。特に9ページの一番最後の部分、10ページにかけての図4の扱い、表現方法、これは誤解がないようにしておかないといけないという御指摘は極めて重要だと思います。ありがとうございます。また、ほかの委員の皆様からも更に御意見をいただいて整理をしてまいりたいと思います。いかがでしょうか。

小松委員、お願いいたします。

○小松委員 小松です。よろしくお願いします。

今の渡邊委員、菅委員のお話にもありましたけれども、やはり懸念されますのは、このウエブの表示が法制化されることを前提に議論がされているのだというように読まれた方には受け取っていただきたくないなという点がございます。

資料2にもありますけれども、概要のところを何も知らない方が見たら、法律になるのかなというように思われるような表記もあるのですが、これまで議論されてきた中では第1段階、第2段階でしっかり検証した上でどうするのかを検討するということですので、ここは書きぶりだと思うのですが、より慎重にやるべきだということが強調されればいいかなと思っております。

あと10ページなのですけれども、この図のところで課題解決のための考え方というのは今まで議論されてきたことで、考え方の留意点、対案、反対意見というようにあるのですが、対立意見というよりかは、課題解決をする上で、これだけ懸案事項がありますよというようにしないと、左側の考え方が正で、右側のものが対立する意見でと、必ずしも対立ではないのではないかなというように思いました。

あと食品関連事業者の実行可能性のところは文言として幾つか出てきていたかなと思うのですけれども、情報の受取手である消費者の皆さんがウエブとかにアクセスが容易にできるのかということも、一方で調査の中ではされるのかなというように思うのですが、その文言が余りなくて、消費者の方への配慮といいますか、消費者の意向というところにその意味合いが含まれているのかもしれませんが、読む中では消費者の方がおざなりになってしまっていないかなというような懸念があります。これも表現方法かと思いますので、御検討いただければなと思います。

○受田部会長 ありがとうございました。

御懸念の部分は、先ほどお二人の委員から御発言をいただいた内容を更に小松委員からも御指摘をいただいたというように理解をいたしました。

この部会においても同様のウエブの表示というものを食品表示として見ていくのか、広告として見ていくのか、そこのルールに関しても慎重かつ議論を十分にしていかないといけないというお話があったところでございます。その点を踏まえて、この資料2の部分にも、こういったステップが一つ一つ進んでいく上では必ず考慮しないといけない内容があるということを繰り返し明記しておりますし、そこは慎重にこの報告書(案)の中身を精査したところでございます。

これで更に不十分なところ、あるいはその一部が違った見方をされる懸念がないかどうかに関しては、より一層、慎重かつ俯瞰的に眺めていかなければならないということで、更に御意見を賜りたいと思います。

最後におっしゃったウエブに関しての消費者の側に関しての記述、これはそこまでまだ議論が行かなかったというのが正直なところかと思いますけれども、例えば16ページの第3段階のところに「ウェブによる食品表示を法律上の義務表示とする必要があるかを十分検討した上で」うんぬんから始まるパラグラフですが、ここの中に例えば「消費者がウェブを活用するための機器、通信等の環境条件整備」という文言は、ここに記しております。そういうもので、先ほど小松委員が消費者サイドでのウエブ活用に関して検討しなければいけない課題、恐らくこれはこれだけでは不十分だという御指摘かと思うのですけれども、ここに記しているという点については私のほうからコメントしておきたいと思います。

それでは、宗林委員、夏目委員の順番でお願いいたします。

○宗林委員 宗林です。よろしくお願いします。

最初にお題をいただいて議論を始めたときには、とにかくやはり見づらいというようなことが原点だったと思うのです。それに対して結論というか答えがなかなか見出せないというような形になりまして、その中に例えば4ページ以降の消費者の意向の把握のアンケート調査がありますが、消費者は、ここはもう本当に見にくいのだ、字のところも本当に見にくいのだ。だけれども、表示だけはみんなしてもらわないと困るみたいな、してほしいというようなことが意向として書かれています。

ただ、この調査の仕方によって、では、例えば実際に活用している食品表示というのは、どんなところをどのぐらいなのかというような実態が欠けていると思っています。ですから、今回、最後のほうに実態把握ということの結論がありますけれども、他の調査機関の調査結果であったり、あとこの実態把握というところに、表示の活用状況をきちんと把握して、それによって大分先が見える、見えないが左右されるのではないかと思っています。

今回、やはり時間がなかったことと、いろいろな資料をアンケート調査とかいろいろな調査結果を見比べながら検討していく状況がなくて残念だったのですけれども、ウエブというのは一つのワン・オブ・ゼムであり、それも含めてですが、こういう状況があるからという根拠のところは大変薄かったので、今後、ぜひ見にくいから何とかしてくれと消費者は言っているわけですので、それの解決策として何かを生み出すために、この終わりのところにもう少しきちんとした調査、活用ができること、活用の実態などを含めての事実関係を把握した上で、今の今回の議論も含めて次に進みたいという中には、未来に向かって解決のソリューションはこれから見つけていくのだというようなニュアンスを出していただきたいなと思います。

○受田部会長 ありがとうございました。

それでは、夏目委員、お願いいたします。

○夏目委員 私は全体としまして、この報告書(案)に賛成でございます。

渡邊委員から中間取りまとめにしてはどうかという御提示もされましたけれども、9回にわたって、この委員がそれぞれ意見を交換した結果をまとめたわけですから、それは報告書という形で提出されてもよろしいのではないかというように考えております。

その上で、今回の全体像に関する議論というのは、これまでも部会長の御説明にありましたとおり、消費者委員会から議論するべき、検討すべきということで二つの話が出されたわけです。表示事項間の優先順位、インターネットを活用した表示の可能性を含むウエブ上における情報提供と従来の容器包装上の表示との組合せ、この2点について検討すべきというお話だったと思うのです。

それに対する食品表示部会の結論というのは、例えば資料2、概要版ですと左側の一番下「活用される食品表示とするための考え方」、ここにきちんと書いてあるわけでございます。ですけれども、右側に赤い文字でぱっと出されていて、左が控えめといいますか。ですから、私たちが結論とした出したものがここにあるにもかかわらず、埋もれてしまっているというのがあるのではないかなというように思います。

つまり、優先事項については慎重であるべきだと。ウエブに関しても整理すべき課題が多くて、引き続き検討を行うべきだ、これが食品表示部会の今回の9回の結論であったわけで、では、その上でどうしましょう、何を検討しましょうかというのが右側だったわけです。

食品事業者の方々からウエブ上での食品表示について、もしこれを実行するに当たっては大変な課題があるという御懸念を出されているわけですけれども、それにつきましても何も第1から第3まで飛ぶというように私どもは言っているわけではなくて、この報告書(案)をじっくり読んでいただければ、どこにもそんなことは書いていないわけです。ただ、この報告書(案)が出されましたときに、それを手にした消費者の方々、食品事業者の方々がどのように受け止めるかというのはとても大きな課題だというように思います。ですから、どちらにも誤解を与えないように、この概要版につきましても、もう少し精査したほうがよろしいのではないかなと、このような感じを受けたわけでございます。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

宗林委員、そして、夏目委員からコメントをいただきました。今、宗林委員からいただいた御意見に対しては、まさに実態把握の部分をより客観的に私どもとしては精査をしていかなければいけない。その客観的な指標自体がまだ構築をされていない。これが現状であるということを様々なヒアリング等も通じて私どもは理解をしたという状況かと思います。

したがって、まさに宗林委員がおっしゃった、我々に必要な根拠、その実態をしっかりと更に把握を進めた上で、今後のあるべき姿というのを描いていこうということで、今回の調査1から2というところは形として提言をしたものだと思います。そういう意味で、根拠を明確にすることをこの提言の一つの結論にしているというところで同じ思いを多分皆さんもお持ちではないかというように考えます。

夏目委員からは、報告書という形で取りまとめるという点について御意見をいただきましたし、また、概要版に関して、この書き方をもう少し工夫をすべきという御意見をいただきました。左側が控えめで右側はちょっとインパクトがあるということかと思います。色も右側は赤になっていますから。

確かに、この取りまとめを事務局と一緒に考えているプロセスにおいては、左下にある消費者委員会本会議からの指示、議論すべき内容について、少し慎重であるべきとか引き続き検討を行うべきという結論にしているところがどういうように捉えられるかというところで、様々な議論をしてまいりした。結局、この結論は一足飛びに本会議から指示が出た内容へ移行することは極めて難しい。その理由は、まだまだ前提条件として理解をする必要のある内容が山積しているということで調査が必要ということを強調した次第でございます。

そういう意味で、ここの大前提をまずしっかりと我々は把握をしなければいけないことを強調したいというがゆえに、少しこの右側を強目のトーンで書いている。このことが先ほどの宗林委員のコメントに対する一つの私どものスタンスということでもあるかもしれません。そういう意味では、資料1と資料2のトーンが若干違っているということなのかもしれないです。そこは今、いただいた意見、この後、いただく意見を踏まえて改善を図るべき点を考えてまいりたいと思います。まずは、お二人の委員のコメント、ありがとうございました。

更に御意見をいただけますでしょうか。

松永委員、お願いいたします。

○松永委員 松永でございます。

私は消費者委員会、親委員会からの事実上の諮問内容について、まず優先順位をつけられなかったというのは、時間が足りなかったこともあってそこまで議論を進めることができなかったというのは残念だと思っています。

消費者意向調査からも明らかになっていることだと思うのですけれども、見づらいとか見付けられないと言いながらも、では、どれを外しますかという疑問に対しては全部表示してねという消費者が多いという。非常に矛盾するところを抱えているというのが消費者意向調査の結果として出てきていると思います。

ですので、そういう意味では、やはりこの場はある程度、消費者に対しても提案という意味合いで、こういう考え方でこういう優先順位をつけたらどうでしょうかという議論のたたき台というようなものを提示できたら、消費者の関心も高まって次に進めたのではないか。しかし、時間が足りなくてまとめることができなかったという、そこは残念だというように私自身は思っているところです。

それと2番目のウエブ、これも、この内容について検討しなさいということが親委員会からあっての検討ですので、私たちもいろいろな形で議論をしたわけですけれども、私は、この報告書(案)の段階的に検討していくという書き方というのは、やはり現時点では仕方がないかな、と思っています。というのは、今の技術で将来を語っても、やはり多分うまくいかない。ウエブ、ネットを使った情報伝達の技術というのは物すごいスピードで進んでいますし、恐らくブロックチェーンの技術とかも応用して、食品表示をもっとスムーズにというようなこと、この数年でどんどん変わっていくはずなので、そういうことを含めて、今、事業者はできないからだめよという議論をしてはいけないのだと思うのです。なので、その時点での技術に基づき、消費者の環境整備などに基づきステップを追って検討していきますというメッセージをきちんと伝えることができているという意味では、この報告書の書き方でいいのではないかなというように思います。

一方、細かいところなのですが、アメリカのバイオ工学食品情報開示法、これは事務局には申し上げたのですけれども、先ほどの食品産業センターの意見にもありましたが、多分、表示とは違うのだと思うのです。法律の名称がディスクローズ。ラベリングではないのです。ディスクローズという言葉を使って、情報開示をしなさいということになっています。中身を細かく見ると、別に遺伝子組換えという文言を使わなくてもよくて、いろいろな選択肢があるのです。

もちろん、容器包装に表示してもいいですし、マークをつけてもいいですし、それ以外には、この食品のより詳しい情報はここにあるよと、電話番号を記載するとか、URLを記載するというようなことも選択肢として認められています。そこには遺伝子組換えと書かなくていいのです。より詳しい情報はここにあるよでいいわけですから、報告書(案)にある食品表示に二次元バーコードの使用が確認されているという書き方はそぐわないと思います。それと遺伝子組換えの表示が義務化されているのだという記述は、それこそ、この文言がひとり歩きすると大変なので、このあたりの文章はもう少しアメリカの法律を見て修正していただければいいなというように思います。

もう一つ、長くなりますが申し上げたいことは、この報告書は一番大事なのは、食品表示を検討する上でのエビデンスが実はないということをきちっと明確にした、これは非常に大事なことなのではないか。消費者委員会の諮問二つに加えて、実は検討するたたき台のエビデンスがない。これは宗林委員もおっしゃったことですけれども、これを明確にしたというのがとても価値があるところではないかなというように私自身は思っています。

そのエビデンスの中には、見やすさとか視認性とかもありますが、やはり消費者の意向ということもあって、私がこの報告書を見ていて思ったのは、前回も申し上げましたけれども、事業者の御苦労がなかなかここに反映されていない。というのは、例えば一括表示でアレルゲンの表示は見づらいから、一括表示でもアレルゲンの表示をするけれども、任意表示、一括表示の枠外でアレルゲンはもっと分かりやすくしようというような努力を事業者はしておられます。それをしてあれば一括表示のところが少し見づらくても大分消費者にとっての利便性というのは大きくて、全然違うわけです。そういう工夫を事業者の方はいろいろしています。

それから、私が事業者の方のお話を聞く限りでは、実は一括表示に関する消費者からの質問というのは余りなくて、前にも申し上げましたけれども、作り方、調理の仕方とか食べ方などの要望、そういうことを詳しく知りたいという要望が非常に多い。数としても圧倒的に多いので、そういうことが分かるようなパッケージにしています。その結果、一括表示部分が底面になったり、横のほうになったりというようなことが起きている場合もありますというのが今の事業者の状況、お話だと思います。それは別に事業者の言い訳ではなくて、事業者は事業者なりにお客様相談室とかに来る消費者の意見、意向をそこで把握して、それをパッケージにきちっと表現しようとしているのだというように私自身は考えています。

なので、前回申し上げましたが、たしかそういうことについてはまとまってきちんと議論する時間がなかったので、事業者の事情ということは報告書にはなかなか盛り込みにくいというのが座長の御発言、御説明だったというように思うのですけれども、実は事業者側も消費者の意向を受けて、消費者の意向を一生懸命反映させて現状の表示を努力していて、この先、どうしようかということを考えているのだという意味では、これもまた事業者の言い分ではなくて消費者の意向の反映なのです。

そういうところがきちっと報告書の中に反映されていないなという印象がありますので、例えば9ページの消費者に対して食品表示はどうあるべきかという、ここに消費者意向調査結果とか書いてありますが、このあたりでも、やはり繰り返しになりますが、事業者も消費者の意向を受けていろいろな取組をしているのだというところを少し入れていただく。そうすると、事業者へのメッセージにもなるし、消費者へのメッセージにもなるという形になるのではないかなというように思っています。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

今、松永委員からいただいた御意見、最初、優先順位を付すことに関して、今回は慎重であるべきという結論にとどまっていることについては残念であるというコメントをまずいただきました。

アンケート、消費者意向調査に関しては、消費者側のお答え次第によっては若干矛盾するという考え方にも映るのですけれども、そこの御指摘がございました。

あとウエブへの段階的な移行という説明の仕方については、現時点では仕方がないということで一定、お認めをいただいたということで、この先なのですけれども、米国のBEの関係ですね。この文言に関しては、基本的にはもう御記憶のとおり、ヒアリングでこのお話が出てきたというところを受けて、できるだけ正確にということで様々な御確認をいただきながらこういう表現はしておりますが、既に渡邊委員からも御指摘をいただきましたし、今の松永委員のコメントもございますし、この文言がこの報告書において、その後の議論の展開において重要性を持っているということもそんなにはありませんので、この文言に関しては、より修正を図り、異論が出てこないような表現へと書き改めていきたいと思います。

実のところ、これは45回の比較的早い段階でのヒアリングでもありまして、展開によってはウエブへの表示を具体的に議論していく一つの素材になるのではないかという思いが当時からございました。その点が私個人としても強く残っていたために、こういう記述のところが一定、誤解を与える形にも映っているのかもしれません。その点を結論から考えた中で、このバイオ工学食品に関する記述については精査をさせていただきます。

事業者の皆様の工夫の部分で、それはもともと消費者側の意向に基づいている。ごもっともでございますし、松永委員からは何度もそういった御発言を賜ったところでございます。この点は渡邊委員からも何度もいただいておりまして、例えばですけれども、3ページのところに上のほうで「容器包装リサイクル法に基づく表示等を行う義務」うんぬんということで、消費者から求められる情報というのは「いわゆる一括表示」以外も含めて増える傾向にある。行間的に言うと、ここに含まれるのかな。

実際は、ここをこうやって盛り込んでいる理由は、もう渡邊委員、よく御存じのとおり、食品表示法以外の法的な縛りもあるというところを強調すべきだという御発言を受けて書いておりますけれども、今、松永委員からも御発言ございましたように、消費者側からの求めに応じて求められる表示項目、これが増えていく傾向にあるということで、ここの部分を前提として、まず、今のコメントを反映させるような形で考えさせていただきたいと思います。明らかに抜けていたということで反映をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

それ以外に池戸委員、安達委員の順番で。

○池戸委員 ありがとうございます。

この全体像の議論については、私自身は、この表示制度の根幹の話であり、以前からずっと課題になっていたことで、この機会に御検討いただいたということは非常によかったと思います。

逆に、なかなか難しい問題なので、私は個人的には、この部会でどこまで行くかというのは難しいなと感じていましたけれども、ただ、そうではなくて、これがここで終わるのではなくて、恐らく親委員会のほうで報告され、基本計画によって本格的に今度、議論をしていただくということを期待している次第です。だから、これまでのここの部会でのやりとりをまとめた結果としては、先ほどから出ていますように第一歩とか、問題点の整理という認識でおります。

今回、この資料2で全体のサマリーの話も先ほど夏目委員からお話が出ていましたように、一般の方によっては、御覧になった方によっては、ウエブがかなり強調されているというところがあるのですけれども、表示という観点ではなくて情報という幅広い観点で議論したというのは非常によかったし、これからまたそれは必要な観点で、そういう視点でやるべきだと。消費者の方は、やはり表示だけでなくて、いろいろな媒体を使って消費者の方が知りたい情報が得られる、そういう方向に持っていくということであれば、特に表示の部会ということで表示に限定することも何もなくて、もう現にこの部会の議論もそういう前提での議論だったので、それはよかったと思います。

多分、ウエブは別として、まず、前にも申し上げたのですけれども、この表示そのものの現行の制度、ルール、これがどうかという、そこだけでもいろいろ工夫される余地があって、それはもうここにもいろいろ書かれているのですが、例えば利用されるのは消費者の方なので、消費者の方が分かりづらい、字が小さい、項目が多いという中身、アンケート調査には入っていなかった項目で、多分、この議論の中で、その表示をしている表現の意味がよく理解していない。例えば遺伝子組換えについて十分理解されていなかったというようなこともあり、ゲノムの話もそうなのですけれども、そういう表示事項の理解度、理解をどうやって高めていくかということも分かりやすくする重要な要素ではないかなということで、これはこれからの実態調査の中で、そういうのもセットでやはり対応していただけると有り難いなと思っています。

優先順位の話なのですが、いろいろな意見もありましたけれども、ここの本文で言うと14ページの中ぐらいに、要するに安全性と選択するためのというところも含めて、資料2の左下の先ほど出たところにも書いてあるのですが、優先順位が二つの分野で併せて区別ができないみたいな、区別するのは慎重にという言い方なのですが、私、個人的には安全性の項目というのは、例えばアレルゲンを見るか見ないかというと、それはアンケート調査で非常に低い。だけれども、非常に重要ですね。

これは見ないからというのではなくて、見ていただいて理解して活用していただくような普及啓発みたいなものをセットでやっていくべきものであって、私は個人的には安全性というのは、やはり優先としては第一に置くべきだろうと思っていますし、一元化検討会でも安全性は優先と書いていますので、そこは事業者にとっても自分の作ったところで事故を起こされても非常に困る。消費者もそういうもので、事故で被害を被るのは重要だということなので、そこは安全性優先というようなところ、そういう意見があったということでもいいのですが、そういうものを書いていただくと有り難いなと思っています。

時間がなかったので、例えば今の中で以前に議論した中で、省略可能の表示面積というのがありました。今、30平方センチメートルというところで基準が作られているのですけれども、あの表示可能面積の小さいところでは安全性優先の項目だけは絶対書いてくださいという形になっているわけです。あの議論が、それはもっと広い面積のところについてと小面積のところで他の義務項目が何で一部許されているのかという意見と、逆にそこを中心であればあとは任意でもいいのではないかという極端な議論もあるわけです。だから、そういった今の表示の現行制度についてどうかという議論も、今度、本格的にやるときは進めていっていただければと思っています。

いずれにしても、このウエブもそうですけれども、先ほどから出ていますように環境整備の進捗状況によって、かなり導入が違います。現在、アンケートでは、加工食品の原料原産地のときもそうですけれども、圧倒的に表示でやってくださいという御意見があったが、これは世代が変わったり、これから環境整備が進んでくると、その位置付けもだんだん変わって利活用の度合いも変わってくるのではないかと思います。

だから、先を見据えた議論というのはこれからやっていくのは非常に有効ですし、今までの表示の代替として位置付けるのか補足的な位置付けか、ここが皆さん、気になるところなので、先ほどの3段階で進めるという案は非常にいいと思いますけれども、多分、実際やったときにあの3段階どおり行くかどうかというところもあると思うのです。だけれども、この部会としては提言という形で出しておけばいいのかなと思ったのです。

いずれにしても、もう一つは、先ほどからいろいろなところで出ているのですけれども、小松委員とか渡邊委員からも出て、事業者のサイドも含めて、これまでかなり時間を掛けて導入されて進めてきたルールを一気に変えるとなると大変なことで、消費者も非常に混乱するということなので、そういうことを前提として、無理のない形でやる必要がありますし、特に私は大企業のほうは余り心配していないのです。

多分今日、傍聴などで来られている人も大きな企業の方なので、もう先取りでどんどんやられているのですが、前にも言いましたように、食品の製造業、メーカーの35%は3人以下という極めて零細。小規模というよりも零細の企業なのです。この3分の1が3人以下。3人と言っても1人のところもかなり多いと思うのですけれども、そういったところも考えると、ウエブのことを一つ考えても、あと、制度をどういうように変えていくかということを考えても、そういうところの実態も十分考慮。それがあるので、小規模事業者に配慮というのは表示法の基本理念に書かれていることなので、そこはやはりちゃんと考慮した書き方をしていただいたほうがいいのかなと思っています。

感じたことだけ感想として申し上げました。

○受田部会長 先ほど安達委員からも手が挙がっておりましたので、安達委員、続けてお願いします。

○安達委員 この報告書全体の取りまとめ方として、私も賛成でございます。ただ、やはり消費者委員会からの諮問といいますか、指摘された事項、一括表示内の項目の優先順位であるとか、ウエブの活用の方法であるとかといったことに対して、具体的に直接的な回答にはなっていない。現時点ではこれが精いっぱいですというような位置付けになっているのかなと思います。現時点での現状分析というような位置付けになっているのではないかなと思います。

それが悪いということではなくて、それは現状としてはこれでいいのではないかと思うのですけれども、この後、例えば先ほどからエビデンスが少ないというお話がたくさん出ていましたが、これからウエブの活用であったり一括表示の実際の消費者の方の活用の仕方であったりということについて、より詳細な調査が行われるものと思います。その結果を基に、また食品表示の全体像に関する議論というのは、この先、何年か掛けて進んでいくものと思います。そうでなければいけないと思うのです。

なので、今回の報告書については、あくまで現状ではこうです、今後、こういうようにするべきであろうと思われますというような、大ざっぱに言うとそういう形になっているのではないかと思います。きちんと全部を読んでいただければ、それはすぐ分かっていただけると思うのですけれども、そういう位置付けであるということをより明確に伝えるためには、話が戻ってしまいますが、渡邊委員からの意見書にありましたように、この報告書のタイトルを中間取りまとめであるとか、中間報告書というような形の文言にしたほうが、ぱっと見ただけでこの報告書の位置付けというものを理解していただきやすいのではないかなというようには私自身は考えております。

今後の調査のことについて少しだけ述べさせていただきますと、消費者が一括表示欄をどのように活用しているかということについて、今後の議論のエビデンスを収集するための調査ということになると思いますので、より調査の目的をきちんと調査に参加する方にお伝えして、多分、アンケート調査であればかなり長いものになるのではないかなと思うのですけれども、最初から最後までしっかりとお答えしていただけるような、細かく、そして、明確な回答をいただけるような調査にしていただく必要があるのではないかなというように思っています。その場合は、例えばこれまでの消費者意向調査のように、大人数でやることが無理であれば多少は人数を減らしても細かな調査をしていただきたいなと考えております。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

池戸委員、そして、安達委員から、御意見、コメントをいただいたところです。

池戸委員からは、この報告書をどういうように活用していくかというところで、消費者基本計画等へ反映していくことを期待するという御発言もいただいて、その点はもともと表1に、工程表の中にこの調査項目を実際に実施していただくべくスケジュール案とさせていただいておりますので、今後、この表1、想定されるスケジュールをどういうように消費者庁の皆様を中心に受け止めていただくか、これは本会議を通じてしっかりと責務として全うしていかなければならないと思うところです。

あと、いろいろと御発言をいただきましたが、特に分かりにくい、理解しにくいというところは、今回の部会においてはほぼ議論の俎上に上っておりませんので、この点は特に視認性の部分での議論が中心であったということで、今後の積み残しの大きな課題であるというように私も受け止めております。

安全性をという点については、先ほども資料1の御説明の中で、消費性が安全性に関わる表示を見落とす可能性も考えられるという大前提の部分で意識をしているつもりでもございます。いま一度、また先ほどの御発言を勘案した上で、この安全性の優先順位に関する部分を更に盛り込むことができるような部分があるかどうかは検討させていただきたいと思います。

事業者の皆様の中で、事業規模、事業者の就業者規模が3人以下、いわゆる統計データ上、出てこないような零細企業の皆様への配慮あるいは考慮、これをどう考えるかに関しては、特に最終ページ、18ページに「誰一人取り残さない将来に向けて」の2行目に小規模な食品関連事業者等を含めてということで、これを盛り込んだつもりでもございます。

そういう意味で、この意がどこまで反映をされているか、それぞれのお立場で受け止め方が異なるのかもしれませんが、もし、これは小規模だけでは不十分であれば、零細というような言葉を入れるべきかどうかはまた検討させていただきたいと思います。

安達委員からは具体的な回答になっていないというごもっともな御発言をいただき、これをどのように、実は今後、また本会議等でも報告をし、お諮りを申し上げることになりますので、どういう御意見が出てくるかということにはなるのですけれども、先ほど松永委員からもエビデンスがないということを明確にしたことは一つの結論として成果ではないかという御発言があったり、夏目委員からも、これは結論の部分、結局、エビデンスがないということに基づいてこういう結論に至ったという、ここのロジックの部分ですね。ここの不十分さを御指摘いただき、その発言は宗林委員の実態把握が不十分であるというところにもつながっておりますけれども、ここの御発言につながる報告書の中の文言に関して、もう少し理論武装というか、ロジックの部分で強化をしていかなければいけないというように強く感じました。

もちろん、これは章立てを変えてしまうと、また相当、御議論を繰り返していかなければなりませんので、お許しいただけるようであれば、論理構成自体はこういう形で進めさせていただき、その結論の部分に至った根拠をエビデンスの不十分さによるのだということ、そして、それをまずしっかりと調査をすることによってギャップを埋めるのだという、そこの部分の表現を更に加筆をさせていただくということで今の御発言を踏まえさせていただければと思うところです。

それと、あと1点だけ。中間報告書というタイトルのところも触れていただきました。これはまだ結論を申し上げておりませんので、今、渡邊委員からはそういう御提案があり、それを支持する御意見も安達委員からいただいたということで、ここの場では受け止めさせていただきたいと思います。

それでは、宗林委員、お願いします。

○宗林委員 宗林です。

先ほどの強化をしなくてはいけないという科学的根拠、答えがはっきり出なかった、それにはこういうことが必要なのだということは、章立てを変えるのではなくて「おわりに」のところの中間部分の「そのために」のところ、ただの実態把握とか、さらっと読んでしまうところをもう少しごてごてと、例えばいろいろな実態を把握、こういうような実態であったり、先ほど松永委員からもありましたけれども、アンケート調査自体が矛盾しているわけですね。私たちはこういうものが見えないのだ、困っているのだ、でも、みんな表示してほしいという、議事録になっては困るのですけれども、そういったところなので、それでは実現性につながらないわけなので、私はやはり最後、「おわりに」を読まれる方も多いので、「おわりに」のところの中段に、しっかりそのあたりをこれからどうしていくかについて、もちろん安全性、優先順位をつけたつもりなので、それは前提なのだが、それ以上のことについてはもっといろいろなことが必要だということを書き込んでいただければと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

具体的な提案をいただいたのは非常にありがたくて、今の一つの御提案をまた更にいただけるものと期待をしておりますので、引き続いてコメントを頂戴します。

渡邊委員から今、手が挙がっておりました。

○渡邊委員 皆さんの意見を聞いていて、やはりこれが出発点だというのは皆さんの共通の認識だなというのは分かったので認識としては一緒だろうなと思っているのですけれども、そうは言っても、例えば資料2の概要というのを今後、例えば何年かたったときに消費者委員会の食品表示部会でこういうことが検討されたというと、よく多分概要が資料としてつけられると思うのですが、この概要だけ見ると、やはり目的がこうあって、かなりウエブの部分が大きく書いてあるなという気がするのです。だから、食品表示の全体像について検討した結果、ウエブをやるのですよみたいな、そういう見え方になるので、将来、これがかなり拘束することになるのではないかなというのを懸念しているところがあります。

あと先ほど優先順位、検討できなかったというのがありましたけれども、優先順位だけで皆さんですごく議論をしたという記憶はそんなにないのです。結論のところで、慎重であるべきだというのは、確かに慎重であるべきだという意見はどなたかから出たと思いますけれども、いろいろ例えばこの項目は義務から外すべきだとか、そういう議論をみんなでした記憶は全くないのです。そういう中で優先順位を逆に今回は検討していないのだと思うのです。だから、慎重であるべきというのと検討していないというのは違うので、検討したらそれなりの結論が出るかもしれないのでね。

今回、今後のスケジュールというのが表にあって、17ページですけれども、これもここの部分だけ後で例えば引用されると、今後の検討はこれだけの項目だけやるのかなというように見えてしまうところがあって、優先順位の検討というのは絶対要ると思うのです。だから、今回の確かにこのスケジューリングというのは、今回の検討の中でのスケジュールであって、実際、今後、全体像を検討するときには、やはり食品表示の事項の優先順位というのはしっかり検討しないとだめだと思うのです。

だから、そういう意味では、そういう項目もここに入っていませんし、今後想定されるスケジュールというタイトルは、どうも後でこのページだけ引用されると非常に嫌なので、その前に今回検討した内容についての今後想定されるスケジュールとか、そういうタイトルはぐちゃぐちゃしますが書いておかないと、後で例えばこのページだけコピーして次の検討会の今後のスケジュールと出る可能性があるのです。だから、これが全てだというように思われるとよくないと思うので、その辺も考慮いただきたいなと思っています。

○受田部会長 ありがとうございます。

もうごもっともで、何を検討したかという点では、ここの中に盛り込まれた内容で、それをかなり重視したつもりです。ヒアリングの中身に関しても、そのとき、情報として提供されたものをほぼ採用し、それ以外のいただけなかった内容については、できる限り誤解を招かないような範囲で外してしまっております。

まず、そういう意味で、もう今、渡邊委員がおっしゃったとおりで、我々、議論した内容をここに入れているということで、それ以外は議論していないということになります。その内容が相当あることも事実なので、先ほど「おわりに」の部分を宗林委員からはもう少ししっかりと盛り込むべきというお話もございましたし、余り書き過ぎるとエクスキューズばかりになってしまうので、骨抜きに映ってもよくありませんけれども、やはり議論できなかった部分があることは具体的かつ明確に書いておくように修正を図っていくということを考えたいと思います。

なお、表1に関して、今のような渡邊委員の御意向を酌んだ形で、あえてこれは入れることがどうなのかと事務局とも議論したのですけれども、一番上に全体像で横串を刺しているのです。だから、積み残しの内容が相当あることを自覚した上で、この調査をやりながら不断に議論をし続けなければいけないという思いをこれは当たり前ではないかと捉えられる可能性もありますし、また、そこには何が議論されるのか漠然とし過ぎるという声も聞こえてきそうなのをあえてここに入れさせていただいたという、そんなつもりなのです。

宗林委員、どうぞ。

○宗林委員 これは、これで全部というように見えてしまうのです。今、座長のおっしゃった全体像の検討は確かに横串なのですが、その下のところに、今後、新たなテーマでの検討もあることが分かる段を作ったらどうでしょうか。例えば利用状況であるとか対面でもいろいろな細かいことを聞き取らなくてはいけないこともありますし、優先順位の問題もあるので、この表が全部詰まっているので、これで全てかなと思うのですが、新たな調査項目というようなものもどういうように入れたらいいのか分かりませんが、あるということが明確にわかるようにしたらいいかなというように思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

そういう意味で、全体像の検討の部分のここをどのように表現するか、あるいは私も当初からこれは同じ色でずっと並べているものですから、線表的に見ると全体像の検討そのものがワン・オブ・ゼムに見えてしまっている。本当は結構ここがバックボーンとして、様々な新たな調査事項であったり、俎上にまだ上っていない検討課題をここで拾っていくのだという、かなり大きな議論のプラットフォームがあるというように表現がもしできると全然、今いただいたコメントを受けた形の改善に資するのではないかと頭の中では考えているところです。そこは御意向をしっかり酌ませていただきたいと思います。

それでは、まだ御発言いただいていない委員から優先させていただくとして、戸部委員、下浦委員、それから、松嵜委員の順番で、その後、菅委員に。

○戸部委員 今の表1のところの議論ですが、他にたくさん議論しなければいけない部分を全体像の検討のところに事例として明確にしていただくと分かりやすいように思いました。

一方で、この全体像以外の部分のところ、一括表示というところが私の目にはとても強く見えてくるのですが、今回の議論を思い返してみると、やはり先ほどから優先順位を決めるというところが難しかったというのは私も感じています。最初想像していたよりも難しいと思ったのが実感です。使う人だとか目的とか場面とかということを考えるといろいろあるのかなと思いました。

そこで、一括表示の役割というか限界に関する議論もしっかり今後していく必要があるのかなというように思いました。消費者が正しく選んだり、上手に選んだり、安全に使うということに対する方法というのは、一括表示以外にもあるように思います。

というのは、先ほど小規模の事業者さんのお話も少し出ましたけれども、確かにウエブだとか技術的には難しいのかもしれませんが、フードチェーンにおいて、そういった小規模の事業者さんから発信される情報をコミュニケーションというところでうまくつなげていっていただきたい部分でもあります。一括表示以外の方法もあるのだという認識をした上での一括表示の役割と限界というようなものも考えていくということも重要と思いました。

あと、もう先ほどから出ておりましたが、10ページのところの図4の表なのですが、やはり左側の列の課題解決のための考え方ということに対して右側の部分ですが、反対意見というのは消していただいたほうがいいと思います。考える、考慮すべき内容とか、考え方の留意点を書いていただいていると思います。そのような意図が分かる言葉を入れていただくといいのではないかと思いました。

○受田部会長 ありがとうございます。

では、下浦委員、お願いします。

○下浦委員 下浦です。よろしくお願いします。

私も全体の取りまとめ等々に関しては賛成をさせていただきます。

現時点での取りまとめということで考えていけば、まずは私たち、普通、こういった報告書を見るときには、ほぼ概要を先に見ます。ですから、その概要の作り込みの仕方、先ほど宗林委員がおっしゃったような形で概要をしっかり作り込んでいただくということが一番重要だと思います。

菅委員のほうも最後まで報告書を読めば、この我々の考えた方向性というのは分かるということですので、まずはその概要をもう少し作り込んでいただけたらと考えます。あと、表題に関しての一つの提案ですけれども、今回の資料1のところに副題で「~消費者に、より活用される食品表示とするための提言~」というところの部分で、「~食品表示とするための今後の方向性への提言」というような形でいけば、先ほどの「中間取りまとめ」等の文言ではなくて、今後の方向性ということで、御理解いただけると思っているところです。

あと細かな点の内容になりますけれども、先ほど渡邊委員から出されました資料の中の部分で、特に報告書の中の16ページの最後「(2)ウェブを用いた食品表示の可能性」のところにいろいろと必要性があるか等の実行可能性をというような文言があります。その中で渡邊委員から出されました最後のページの一番上の記述で、「商品の外観は同じでも中身が変更されている商品と従来の商品が市場で混在している~」非常にこれは重要な部分だと思っておりますので、そういった文言が少しでも入ればと思います。

あと最後、もう一点、これは本当に細かな話で、申し訳ないのですけれども、前回いただいておりました報告書の中の2ページのところの「包装食品の義務的表示」、これは恐らく皆様のお手元には資料がないかと思うのですが、包装食品の義務的表示の注釈で3というところで、「栄養表示に関してはコーデックスガイドラインで規定」という文言が、今回の報告書の中では抜けています。これは何か意図があって削除されたのか、確認だけさせていただけたらなと思いますので、よろしくお願いします。

細かなことですけれども、よろしくお願いします。

○受田部会長 ありがとうございました。

今の点は、資料に関して委員の皆様に当日資料を事前に御覧いただいている中で、先に御意見が反映できるところがあればというところで少しやり取りをさせていただいた経緯に触れていただきましたけれども、何か今の点については事務局サイドからは答えが出せますか。それについては、また個別に回答させていただきたいと思います。

○下浦委員 栄養表示に関して、コーデックスのほうで規定されているのであれば、注釈としてつけていただければ非常に有り難いと思っている程度です。

○受田部会長 わかりました。

では、戸部委員、今、下浦委員、そして、松嵜委員の順番に伺います。

○松嵜委員 松嵜です。

項目が多過ぎて見えにくい、かつ全部載せてほしいという実現が難しい課題に取り組んだ会のまとめとしては、全体としては異論ありません。

ただ、記憶が定かではないのですけれども、今後の在り方ということについて表示の見方や、何をどう表示されているかということについて、使う側の皆さんに知らせるという活動が大事だという議論があったような気がして、そのあたりもどこかに盛り込めるといいかなというように思いました。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

戸部委員、下浦委員、松嵜委員の順番で御意見をいただきました。

戸部委員からは、表1の全体像の検討の部分、ここの表現方法についても更にコメントいただきましたので、これに関しては先ほど申し上げたとおり、意向をまた図ってまいりたいと思います。

実際に10ページの反対、対立あるいは対案という表現に関しては修正を図るべしという御意見をいただき、これはその前にも委員からいただいておりましたので、ここは再考いたします。

あと優先順位の議論に関しては非常にそこまで踏み込んでいくことができなかったという部分についても、もうごもっともでございまして、小規模事業者の皆様も含めて一括表示以外の部分についての検討の余地、これも今後の全体像の検討の中では盛り込む必要があるものと受け止めております。

下浦委員からございましたように、資料2であります概要、これに関しては、様々な御意見をいただいておりますので、もう少し修正を図っていくということで、ロジック的な部分も含めてです。また、ウエブのスペースが全体で見ると非常に大きなボリュームを持っているような印象があるということも含めて、ここに関しても再考を図ってまいりたいと思います。

松嵜委員から御指摘がありました啓発の部分です。確かにそれは入っていません。御意見として、最初に図4を作っていくマトリックスの整理の中では、周知徹底をしていく、あるいは消費者への啓発の重要性は当然盛り込まれていましたので、ここから最後の資料1に至るプロセスで削除といいますか、取り上げていなかったという内容でございます。今後の必要性も含めて、何がしかの形で、その文言に関しては盛り込むべく検討していきたいと思います。ありがとうございました。

では、菅委員、お願いいたします。

○菅委員 先ほどから出されている、優劣付けに関してあまり議論ができなかったことについては、むしろ、優劣付けを単純に強調することについては慎重であるべきという意見を改めて言いたいと思います。今回、優先順位というお題をいただいたものの、優先順位の話が進まなかったことについては、私がその議論に慎重であるべきだと述べたことも関係しているとは思いますが、やはり「何のために」優劣を議論するのかということなしに、先に優劣を決めてから、そこからその先を考えていこうということに対して、非常に危惧を感じたからです。

例えばそれが容器本体から表示として消えてしまうかもしれないものとしての優劣であるとか、具体的に何をするために優劣を考えるのかをもっと具体的に全員が共有した上で実態調査もしていただかなければいけませんし、部会の皆さんの間でも議論しなければいけないと思いますので、先に優劣付けありきで考えようとするからこそ、最初から意見が全くまとまらなくなってしまったのかなというように思います。

そういう意味で言いますと、安全性のほうが優で、その他が劣という考え方自体も、その間口から私は違和感を覚えます。もちろん、安全が大事なことは言うまでもないのですけれども、何回か申し上げているように、安全であることはむしろ当たり前のことであって、商品選択においては選択に関する情報こそがより重要である面があると、むしろ事業者の方にも思われるのではないかとも思うので、余りそういった形の優劣が何となく先に決まってから議論するということは問題があるのではないかと思います。

そういう意味で、今、まとめていただいているように、優先順位によって容器と容器以外に表示を仕分けることについては慎重であるべきだというところでとどめて記載しているというのは、議論の現時点での一定の到達点を正確に示しているのだと思います。

そういう意味で、実態調査を踏まえて、必要があれば、必要な内容の優先順位について当然考えたらいいと思うのですけれども、まだその段階にも至っていないということなのだろうと思います。

「概要」こそが大事であるという御意見が幾つかあって、本当にそうだなと思いながら改めて資料2を見ていますと、先ほど私が申し上げたところと共通しますし、先ほど戸部委員がおっしゃった「反対意見」とは言わないほうがいいのではないかとの御意見があるならばなおさら感じる懸念なのですが、資料2の「より良い食品表示とは」の部分をそういう観点で読みますと、一つ目の○の部分は「購入時に…分割表示。」という表現で終わっていますので、そうするのが「より良い食品表示」と単純に読まれてしまい、他方でその後の青字の部分が仮に反対意見ではないという話になってしまいますと、かなり前者がひとり歩きしてしまう懸念も抱きます。

ですので、反対意見的な要素があるということは残していただいたほうがよいと思いますし、これを「慎重意見」などと言うのもまた表現が曖昧になるかもしれませんけれども、単なる留意点ではないと私は思っていますので、「概要」の「より良い食品表示とは」の部分が結論めいたものと捉えられないようにしていただく必要があると改めて思いました。

エビデンスの話が出ましたけれども、この部会で余り議論はされていませんし、文中に盛り込んでいただく必要があるかと言えば必ずしもそうではないのですが、消費者への意向調査もさることながら、何らかの形で事業者に対する調査もしていただく必要があるのかなというように思います。ある表示を容器本体から外してウエブに持っていくことにするとなったらどうかというようなことについて、消費者側の意向だけではなく、事業者側の実行可能性的な面も含めてどういう意向があるのかどうかとか、今のような視認性になっていることについては、それなりの事情があるのかどうかといったようなことについて、具体的にどういう質問事項を設けるのが適当なのかについてのアイデアまではありませんが、何らかの調査をしていただくと、よりエビデンスが整った状態での次の議論ができるのではないかと感じました。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

優劣の点に関しては菅委員から再度御発言をいただきましたけれども、部会においても繰り返しその発言を伺っておりますので、我々としてはしっかり理解をしているつもりでございます。

結果的に、もうこれ以上、部会においては優先順位の議論というのをしていただく余裕もありませんので、これまでを踏まえつつ、正確に表現をしていくということで、今の発言については受け止めさせていただきたいと思います。

あと資料2、概要に関してはコメントも繰り返しになりますけれども、誤解を招かないように、また、ロジックも含めて、もう一度、事務局とも再度、これの修正について工夫を図ってまいります。

最後のエビデンスに関しては事業者の皆様に対する意向や、さらには、その現状等の調査をすべきということに関しては、全く私も異論がないところでございます。この部会でも繰り返し発言をしてまいりましたように、当初、この全体像の議論をスタートさせる1回目において、やはり事業者の皆様の実行可能性を念頭に置きながらも、今回は特に消費者の皆様の意向をしっかりと把握をした上で、あるべき食品表示の姿を描いていきたいのだということでグランドデザインという言葉を使ったわけでございます。

途中で事業者の皆様の意向が反映されていないという御発言をいただいた際にも、今後、これを更に具体的に進めていくに当たっては、事業者サイドの御意向をしっかり踏まえていかなければ実行可能性という部分は担保できないので、その点についても発言をさせていただいた次第です。

したがって、先ほどの線表的な部分における全体像の議論の中で、こういった事業者の皆様の御意向について、調査をする段階があるところで見えてくれば、そこで可視化していくことが求められるのだろうということで、今の御意見については受け止めさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

時間が12時になろうとしておりまして、あとコメントをいただいていないのが部会長代理、樋口委員でございます。お願いいたします。

○樋口部会長代理 私は、今回のこの報告書については、大筋において基本的にこの方向でいいのではないかなと思います。

各項目について、いろいろ各委員の方から御意見が出まして部会長にまとめていただきましたけれども、そういう形で多少の整理をしなければいけない、あるいは概要についてはいろいろ御意見も出ていますので、適切に内容を表すような概要にしていく必要があるのかなと思います。

したがって、内容について異論はありませんが、特に1点だけ申し上げたいのは、調査と並行して、実は消費者庁においては行動経済学の分野についてかなり研究が始まっていまして、これは渡邊委員の意見書の中にもありますけれども、行動経済学、心理学等、様々な分野の研究成果等が今後出てくる可能性がありますので、そういったものも調査結果と併せて、あるいは調査の方法等について活用していただいてやっていくということが重要なのかな。一定の時間が今後あるわけですので、ぜひ消費者庁の新しい方向性でもありますので、そういったところを検討していただければ。

もう一つだけ、これは形式ですが、一つ残っている論点として報告書というところなのですが、私は随分いろいろ関わってきたのですが、報告書であったり意見であったり取りまとめであったり、様々なものがあるのですが、実はこの言葉の使い方は正直言って審議会等の議論の中では決定的な差はないのではないかなと思います。何年何月に取りまとめがあったということであれば、ひどい例ですと中間取りまとめをした後、最終取りまとめがないというのはかなりあるのです。

中間ということは、実はまた別の意味が入ってきて、中間ということはこれに合わせて最終取りまとめというのをこのレールの上で必ずやるのだと。ただ、最初に申し上げましたけれども、様々な消費者行政の展開の中で全ての項目を一律に全体像として示すのがいいのか、場合によっては項目ごとに議論していったほうがいいのかなという可能性もゼロとは言えないということなので、その辺については、事務局も非常に苦労されて報告書という言葉でその辺、これは無色透明な言葉ですので、万感の思いでお書きになったのかなというように思います。

いずれにしても、報告書だから、これは全部答えまで出した最終的なものであるとか、意見だから若干軽んじてもいいのかとか、中間取りまとめだったら最終取りまとめに向けてのステップなのだとかということは必ずしもこれまでの例からは余りなかったのではないかな。ただ、この委員会として一定の意味を持たせるワーディングを使うということであれば、それはそれで皆様のコンセンサスであればよろしいと思いますけれども、たまたまこの報告書という、報告書という言葉は余り多い例ではないと思いますが、そういう結びになっていますが、これも一つの案かなというように私は個人的には思います。部会長の御判断に御一任したいと思います。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

行動経済学の点は、樋口部会長代理が座長を務めておられる消費者行政新未来創造プロジェクトの関係での検証専門調査会等で「行動経済学等を活用した消費行動等の分析・研究について」という資料が既に出ておりますので、この点と、さらには渡邊委員から繰り返し御提案をいただいている、今後、調査をしていくに当たって、行動経済学的視点、これをどういうように具体的な調査項目に盛り込んでいけるかも含めて、今後、しっかりと議論をしていきながら反映をしていきたいと思いますので、今の樋口部会長代理のコメントも残して理解をさせていただきたいと思います。

一方、そろそろこれでまとめたいと思っているところなのですけれども、積み残している結論をまだ導いていない一つがタイトルでございまして、中間という言葉を使う提案をいただき、私のほうも中間という言葉を使う前提については、これまで様々な資料を少しひもといていき、それが最終的には答申に至るマイルストーン的な部分、あるいはパブリックコメント等をいただく上での前提として使われているケースがほとんどであり、必ず中間とすれば最終があるという前提。しかし、例外的には、それが途中で最終まで行かなかったという部分で、中間で終わっているものも散見はされるのですけれども、恐らくここにいらっしゃる皆様にとりまして、今回のこの報告書の内容がこれでもう議論されないというような扱いになることはあり得ないという考え方を共有しているところだとまず私自身は思う次第です。

そういう意味で、中間という御提案はいただいておりますけれども、今後の検討は当然、継続をすることという点と、中間とした場合のまたいろいろな今後のスタンスがそれによって縛られる可能性もございますので、いかがでございますでしょうか。まず、中間という表現については使わない方向で提案をさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。ただし、このままの報告書(案)とするといろいろな懸念が出てくることについては、今日の御発言も踏まえ、十分に私としても、事務局も含めて理解をいたしました。

それで、先ほど下浦委員から御提言をいただいた、例えば副題を見直す考え方、御発言をいただいたのですけれども、これは提言としてしまっているという部分にもいろいろな懸念がまた出てくるということかと思いますので、例えばですが、副題の部分を「消費者により活用される食品表示とするための今後の方向性について」、「提言」は削除とすれば、今後の方向性について、この報告書の中に我々の令和元年における食品表示部会で議論された内容を取りまとめているという扱い。

さらには、「おわりに」の部分あるいはウエブの表示に関する部分については、一層精査をし、その一部分をある意味、切り取って、ここでこういう方向性が決定されているかのような誤解を招かないように、曲解されないように、再度、細部については検討させていただくこと。

また、結論として、客観的なデータが得られていない等のそこのロジックの部分は少し強化をさせていただくことも踏まえて、この報告書の案を修正の上、とらせていただくということでどうでしょうか。特に異論なしということでよろしいでしょうか。

では、まず、タイトルについてはそういう扱いにさせていただきたいと思います。

中身に関しては、まず、大きいほうから行くと、資料2はいろいろな御指摘がございましたので、これは修正をさせていただきます。ただ、こちらは当然、この後、要約されたものなので、活用されるケースは相当あるということは十分理解をしておりますけれども、正式な報告書については資料1、これが食品表示部会の正式な報告書になります。それを踏まえつつも、資料2は今日、いただいたコメントを反映するように、こちらで修正案を考えさせていただきたいと思います。

資料1の中身に関しては、具体的にここという部分については、1点はアメリカ、米国のBEの関係、ここは修正をいたします。

あといただいた中で複数の委員からの御指摘もございました10ページの図4、この対立あるいは対案、反対、ここは菅委員のコメントも踏まえつつ、慎重に再考させていただきたいと思います。

あと特にいただいた意見の中では、議論していないポイントをどういうように可視化するかという点が非常に大きな部分だと受け止めております。そこの部会における議論がこの報告書の中に書き込まれているもので、それ以外の部分は時間的な関係もあり、積み残しになっている課題であるということを恐らく今、私の頭の中では「おわりに」の部分でエクスキューズとして書けるものについて書いておきたいと思います。

ただし、ここでエクスキューズして具体的なものを挙げてしまうことが、逆にその中に盛り込まれていないものを積み残すことに更に波及していくこともあり得ますので、例えばというような表現で書き記させていただきたいと思います。

そういう部分が今日、いただいた御意見かと思います。その具体的な中身については、冒頭、渡邊委員から参考資料でいただいた、この中身とも当然関わってまいりますので、その意見をできるだけ考慮しているというように御理解いただければと思うところでございます。

今、申し上げたような点を修正させていただくということで、例えばですけれども、もう今日から8月になっておりまして、私ども、食品表示部会の任期も今月いっぱいということになります。当然、この報告書、取りまとめを消費者委員会本会議にお返しをするというのも8月いっぱいの任期をにらみつつということになっているのですけれども、例えば部会の委員の皆様から修正案をまたしっかり議論したいというような御提案があれば、急ぎ、今日から次の部会の日程調整を図らないといけないということになりますが、そういう形を御要望でしょうかというのが一つ。

もし、そこまで必要がないというように部会の委員の皆様から御賛同いただければ、一つの提案としては、今日、いただいた意見を私、部会長、部会長代理、そして、事務局と徹底的に議論をし、それをしっかりできるだけ反映をさせた形で部会長預かりとさせていただいて最終案として取りまとめてさせていただくというのが一つの提案です。

それでは十分ではないということであれば、遺伝子組換えのときに修正案を少しやり取りさせていただくというプロセスを踏んだケースも今期ございましたが、そういう確認が必要であるという御要望が強ければ、部会長預かりではあるのだけれども、修正案を一度、部会で委員として御覧いただくというのも一つの提案でございます。

これを決めて、今日、一つ、区切りをつけさせていただきたいのですけれども、部会長預かりという形でも構わないでしょうか。いかがでしょうか。よろしいですか。

ありがとうございました。

それでは、今日いただいた御意見を踏まえて修正案をしっかりと考えさせていただきたいと思います。その内容については部会長一任ということで、先ほど申し上げましたように部会長代理、事務局と一緒に修正を図らせていただきたいと思います。ありがとうございました。

得られた内容に関しては、最終的に手続を経て消費者委員会への報告ということに進んでまいることになります。その点、お含みおきをいただければと思います。どうもありがとうございました。

それでは、本日、取りまとめまで進んで部会長預かりということで議決をさせていただきましたので、この議事は以上とさせていただきたいと思います。

それでは、最後。

○宗林委員 直した最終案はいただけるのですか。

○受田部会長 もちろん。では、委員の皆様に修正案をこちらで一任をいただいたものを部会の委員の皆様には御覧をいただく、報告をさせていただく。これはできるだけ早く御報告をさせていただきます。

○宗林委員 ありがとうございます。

○受田部会長 ということで、事務局、取扱いとしてはよろしいですか。ありがとうございます。

≪3.閉会≫

○受田部会長 それでは、最後に、事務局から連絡事項をいただきたいと思います。

○金子参事官 本日も長時間にわたりまして熱心な御議論をいただきまして、ありがとうございます。

最後に、事務局長の二之宮より御挨拶を申し上げます。

○二之宮事務局長 一言、御挨拶申し上げます。

今期の任期は、この8月末までとなっており、食品表示部会においては、本日が今任期における最後の会議の予定でございます。委員の皆様におかれましては、大変熱心に活発な御議論をいただき、誠にありがとうございました。この場をお借りしまして、消費者委員会事務局及び消費者庁ともども、厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。

今後とも消費者委員会業務、消費者行政に御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

○受田部会長 ありがとうございました。

また、これで今期の食品表示部会、区切りの会になりますので、部会長としても一言、御挨拶を申し上げておきたいと思います。

昨年の6月から第44回ということで、今日の57回に至るまで14回にわたって、この全体像の議論を含む幾つかの諮問に対する答申を部会の委員の皆様には活発に、かつ多様な視点から御議論いただきました。

今回、この全体像に関しては、諮問の形ではなく消費者委員会本会議からの指示によって議論すべしということで、その取扱いについても冒頭、共有するに当たり、かなり議論もさせていただきました。おかげさまで今回、一定の結論を導くことができ、また、これは消費者基本計画を含めた提言の形で反映ができるようなまとまりがついておりますので、調査を含めて一層、この全体像のあるべき姿が、この後の部会を含めて議論をしていただく礎になったものと確信をしているところでございます。

こういった一つの成案を得ることができたのも、委員の皆様の御尽力、また、活発な御意見のたまものであると衷心より深く御礼を申し上げる次第です。

私自身としては、この部会の取りまとめをしっかり本会議のほうで説明をし、そして、今後の消費者行政へとしっかり活用していただける道筋を今月いっぱいまで務めてまいりたいと思っております。もう一つ、そこまで伝えていく責務が残っておりますけれども、まず、今日は食品表示部会として一定の区切りを迎えることができました。

この議論を通じて、多くの皆様に傍聴いただき、御関心をお寄せいただいたことも私ども部会の議論においては大きな励みになったところでございます。併せて、毎回熱心に傍聴いただいた皆様にも心から御礼を申し上げます。

また、部会の委員の皆様におかれましては、それぞれのお立場でこういった議論をしっかり、また関係の皆様に共有をしていただきながら、あるべき姿というものを更に積極的に御提言いただき、行政に反映できるように不断に御尽力いただければ幸いでございます。長期間にわたりまして本当にありがとうございました。

それでは、本日の議事は以上になります。

最後に、事務局から連絡事項をお願いいたします。

○金子参事官 本日も長時間にわたりまして御議論いただきまして、ありがとうございます。これにて閉会でございます。

○受田部会長 どうもありがとうございました。

(以上)