第53回 食品表示部会 議事録

日時

2019年4月26日(金)10:00~12:12

場所

中央合同庁舎4号館2階 共用220会議室

出席者

【委員】
受田部会長、樋口部会長代理、安達委員、池戸委員、今村委員、小松委員、澤木委員、下浦委員、菅委員、宗林委員、戸部委員、夏目委員、松嵜委員、松永委員、渡邊委員
【消費者庁】
橋本審議官、赤崎食品表示企画課長
【事務局】
二之宮事務局長、福島審議官、坂田参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 「食品表示の全体像」について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○坂田参事官 本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

ただいまから、第53回「消費者委員会食品表示部会」を開催いたします。

本日は、宮崎委員が御欠席ではございますが、過半数に達しており、定足数を満たしていることを御報告いたします。

まず、配付資料の確認をさせていただきます。本日お配りしております資料は、議事次第に記載しておりますとおり、資料1と2、参考資料は1から3までとなっております。不足の資料がございましたら、事務局へお申しつけいただければと思います。

本日も多くの傍聴の方にお越しいただいておりますので、御発言の際には、お手元のマイクを持ってお話しいただきますよう、お願いいたします。なお、本会場はマイクの混線が起きやすい状況になっておりますので、御発言が終わりましたら、マイクのスイッチをお切りいただきますようお願いいたします。

前回部会までに御議論いただきました遺伝子組換え表示制度に係る食品表示基準の一部改正についての答申に関しましては、既に公表した旨、御報告させていただいておりますが、4月4日、内閣総理大臣宛てに答申を発出いたしました。その後、消費者庁において必要な手続を経て、昨日、4月25日に食品表示基準としての内閣府令が公布されたということでございます。委員の皆様には、審議に御尽力いただきまして、本当にありがとうございました。事務局を代表いたしまして、改めて御礼を申し上げます。

それでは、受田部会長、以後の進行をお願いいたします。

○受田部会長 皆さん、おはようございます。

委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中お集まりいただきまして、本当にありがとうございます。

また、本日も大勢の傍聴の方にお集まりいただいております。心から御礼を申し上げます。

本日も2時間ほど予定をしておりますので、活発な御議論をお願い申し上げたいと存じます。


≪2.「食品表示の全体像」について≫

○受田部会長 前回の後半のほうから再開をいたしました食品表示の全体像について、本日も議論を進めていきたいと思います。前回は、これまでの議論の整理や今後の方向性について私案という形で資料を提出させていただき、御議論を賜ったところでございます。本日のメーンと考えておりますお手元の資料1につきましては、後ほど私のほうから御説明を申し上げますけれども、まず、今回このテーマについて時間をかけて議論している趣旨、そして目的について、参考資料1を改めて用意していただいております。皆様には、ここに書かれた内容を再度御確認いただければと思っております。

参考資料1を御覧いただきますと、平成30年5月31日開催の第275回消費者委員会において、以下のとおり食品表示部会における審議事項が了承され、本日に至る議論へとつながっております。○が2つございますけれども、上の○に、食品表示を取り巻く現状等について整理しつつ、食品表示の全体像について検討。2つ目の○に関しては、例えばということで、表示事項間の優先順位並びにインターネットを活用した表示の可能性を含むウエブ上における情報提供と従来の容器包装上の表示との組み合わせなどが挙げられるが、食品表示の専門的な知見が必要なため、この専門家がそろっている食品表示部会において検討するようにというところが出発点でございます。

前回、いろいろな御議論をいただいておりますけれども、議論に入ります前に、前回いただいた意見の中で、過去の検討を繰り返すことのないようにという御指摘もいただいておりますことから、参考となる資料を用意していただいております。それが参考資料2でございます。これに関しては以前御説明をいただいておりますので、今回は配付のみということになりますけれども、併せて御用意いただいております参考資料3については、部会の場では初めて御覧いただくことになりますので、きょうの議論に先立ちまして、まずこの参考資料3を消費者庁に簡単に御説明いただいて、これからの議論における材料の一つにしたいと考えております。

それでは、消費者庁赤崎課長、10分ほどで御説明をお願いいたします。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 消費者庁でございます。

それでは、お手元の参考資料3「外食等におけるアレルゲン情報の提供の在り方検討会中間報告」に沿って御説明させていただきます。

まず、この中間報告の26、27ページを御覧いただければと思います。この検討会は16名の委員がおられます。その中には外食業の関係者の方に加え、消費者団体、患者の方々の団体もございますし、アレルギーの専門家もおられます。当部会の委員でもある澤木委員もこの中に入っております。

この16名の方々に御検討いただいたスケジュールが27ページになりますが、平成26年4月から12月にかけて計7回検討会を開催し、最終的に中間報告として取りまとめております。この検討会の目的及び背景について簡単に御説明をさせていただきますが、開催に至った背景事情としては、池戸委員が座長をしておられた食品表示一元化検討会が直接のきっかけとなっています。

中間報告の1ページから3ページを御覧になっていただければと思いますが、まず1ページの下2行になりますが、アレルギー表示については、容器包装された加工食品について、既に表示義務がかかっています。ただ、これは容器包装されたものが対象です。一元化検討会の報告の中では、外食及び中食についての記載がございました。それが2ページ以下で引用されています。1ページからの続きで、外食及び中食においてとありますが、実際にアレルギー反応が引き起こされたケースもありますので、これら中食、外食形態により販売される食品について、やはりアレルギー表示の必要性は高いとしつつも、以下の課題が報告されていると書かれています。

「以下の課題」を具体的に見てみますと、まず1つ目のポツで、外食店での注文は店員を介在して行われる。したがって、注文の際にいろいろな原材料の変更も可能ですし、そもそもあらかじめお店の方に内容を確認することもできます。また、調理や盛りつけによって内容量にばらつきが生じます。工場でつくるのと違って、やはりそこは実際に入っている原材料の量は変わり得る。あと日替わりメニューの場合、都度都度表示の切りかえも難しいと、こういうことがまず書かれていました。

2つ目のポツになります。アレルギーの場合、やはり意図せざる混入、コンタミネーションということが問題になります。ごく微量が入っているだけでもアレルギーは発症します。ただし外食の場合、お客の注文に応じていろいろなメニューを手早く料理する中で、専用の器具により調理するということはなかなか難しい事情もある。コンタミネーションの防止対策の措置をとることは困難な側面もあると言わざるを得ない。こういうことが一元化検討会報告の中に書かれていました。

このような実態を踏まえ、まさに一元化検討会報告書において、お手元の参考資料3の2ページの最後のパラに書いてあることが書かれているのですけれども、消費者庁は、これら外食等に関係する事業者によるアレルゲンに係るさらなる自主的な情報提供の促進が図られるよう、関係省庁と連携しつつ、ガイドラインの策定支援等々、必要な環境整備を進めることが適当とされています。これは実はまさに一元化検討会報告書の中で、義務化のアプローチによらずに、自主的な情報提供の促進という観点から、アレルギー表示に関するガイドラインの策定支援を消費者庁は環境整備の一環で進めるべきだと。こういう整理が、平成24年8月の時点で一元化検討会報告書の中でなされておりました。

これを受けて、まさに環境整備を進めるに当たってどうすべきか。それを、この外食等におけるアレルゲン情報の提供の在り方検討会を設けて御議論をいただき、整理をしたと。流れとしてはこういう形になっています。

したがって、この報告書の12ページを見ていただければと思います。4つのパラグラフがここに出ておりますけれども、最初のパラグラフの下2行になります。短いので読みますと、「表示の義務化については慎重に考えることが必要である」となっています。したがって、この流れで見ますと、平成24年の一元化検討会報告の中で、義務化のアプローチでなくて自主的な情報提供、そのための環境整備を消費者庁のほうで考えるべきということがまず起点としてございまして、平成26年に別途検討会を設けて、具体的な環境整備について議論しましたが、その前提としては、表示の義務化についてはやはり慎重に考えることが必要。流れとしてはこのような形になっています。

その上で、この検討会でどういう整理がなされたのか。これにつきましては、お手元の参考資料3の最後のページに、検討会中間報告の概要をつけております。これを御覧いただければと思います。上の囲いに3行出ておりますが、その3行目になります。自主的な情報提供の促進に向けた基本的な留意点を中間報告として、実はこれは最終報告に今なっていますが、取りまとめたとなっています。

幾つか項目ごとに整理をしています。一番左、提供されるアレルゲン情報の内容はどういうものか。これは「1 基本的な考え方」の1ポツに出ていますが、情報の正確性の確保が最も重要と。提供される情報がいいかげんな内容だと、これは意味をなさない。2つ目のポツになりますけれども、外食等事業者が自らの対応可能な情報提供のレベルを理解した上で、それぞれの正確度合いに応じて情報提供する。こういう内容がまず書かれています。

真ん中、情報の提供方法については、まず1に書いていますが、ウエブサイト等で事前の情報提供を行う。お店に行って調べてだめだとなると、お店に行くまでの手間がかかります。あらかじめウエブサイト等でわかれば、それは非常に有為、ためになります。ただ、2にもありますように、2つポツがあります2つ目ですが、ネット等の文字情報だけではなくて、相対でのコミュニケーションも円滑に行われることが重要だと。2つ相まってということが書かれています。

あと、提供される情報の内容と方法だけ決めても、実際なかなか機能しません。右になりますけれども、実際に外食等の事業者や従業員の方々がきちんと理解して、正しい対応をしないといけない。その意味での研修のあり方についてもこの中で議論されています。

次に、右下になりますけれども、やはり正しい情報発信をして、患者の方々や消費者への啓発をしないといけない。こういう形で全体の整理がついています。

それを受けて、一番下にございますけれども、消費者庁においては、研修教材としての小冊子をつくって事業者の皆様に活用いただくと。その一環で、動画と書いていますけれども、DVDをつくるべきということも書かれていますので、実際にDVDをつくって、自治体や事業者の皆様にお配りをしております。

あとは、一番下になりますけれども、アレルゲン情報の提供の参考となる手引書もつくるべき、検討すべきという御指摘が入っておりましたので、実際にこの手引書を平成29年6月につくって、使われているということになります。

以上、簡単ですが、消費者庁からの説明になります。

○受田部会長 ありがとうございました。

ただいま御説明をいただいた内容も参考にしつつ、これからの御議論をお願いしたいと思いますけれども、ここで資料1に戻っていきたいと思います。

資料1「食品表示の全体像にかかるこれまでの議論の整理と課題の解決に向けて」というタイトルが付されたものでございます。前回私案という形で御提示をいたしました資料について、表現上の御指摘は多々あったものの、大筋についてはおおむね御賛同いただけたのではないかと認識をしております。その私案をベースにいたしまして、これまで「食品表示の全体像にかかる課題から解決策までの整理」というタイトルで部会の場に配付していましたマトリックス表が御記憶にあるかと思いますけれども、そちらの内容も網羅するように、つけ加えて整理したのがこの資料という位置づけでございます。

我々委員の任期も8月末までということでございますので、時間的な余裕も余りないことから、全体像のテーマについてもその取りまとめを念頭に置きながら進めていく必要があると考えております。このことを踏まえ、こちらの資料に沿った形でこれからの議論を行ってまいりたいと考えている次第でございます。

ということで、まず位置づけをお話しいたしました。ここから、この資料1の内容について私のほうから御説明をさせていただきたいと思います。まず1ページ目と2ページ目に関して説明を続けてまいります。

まず1ページ目でございますけれども、この1ページは、これまで部会で行われた議論の整理を行った内容でございまして、現在の食品表示の問題点として3つにまとめることができるとしたものでございます。上のほうを御覧いただきますと、これまで委員の皆様から寄せられた様々な問題点を2つの○で要約しております。安全性、自主的・合理的な選択の機会確保のための表示内容が消費者にとって十分に活用できる表示になっていないのではないか。義務となっている表示内容に対し、製品包装における表示スペースが小さくなり過ぎている。単純な情報過多ではないという意見も聞かれたところでございます。

その結果としまして、表示が見づらい、理解しづらい、分かりにくいという表現で様々な意見が寄せられ、さらに、食品表示を活用していない消費者が多くいるということも、消費者意向調査等で明らかになっているところでございます。そして、当然のことながら食品表示のより一層の充実を求める声が上がっているというのが現状でございます。

次に2ページに移りまして、この2ページでは、左側にこれまでの議論を踏まえた方向性の提示をしてございまして、右側にそれらに対する反対の意見、あるいは懸念事項をお示ししているところでございます。この中で特に色をつけている部分が御確認いただけると思いますけれども、この方向性や意見は、今までの議論から解決策として妥当なのではないかと考えられたものでございます。左側にございますように、背景が少し緑色がかっておりますけれども、きちんと情報が得られるなら、必ずしも容器包装上の表示でなくてもよい。補助的情報手段としてのウエブの活用、先ほども消費者庁から御説明いただいたウエブの活用という点が一つの対応案ということになります。

そして、右側に紫の背景がございますけれども、これまで参考としていろいろな専門家の御意見をお伺いしましたが、その中で、ユニバーサルデザインの導入については極めて効果的ではないかという意見も寄せられたところでございます。そういう意味で、ユニバーサルデザインの導入等、多くの情報を伝える手段、方法を工夫することによって改善を図っていくことも可能なのではないかと対応案を少し強調させていただいたところでございます。

左側、この2ページ目、「消費者にとって活用できる表示にするには」ということで、例えば一番上の四角の中には、この表示事項を分けるというような具体的御意見をいただいたところでございますけれども、右側にありますように、慎重であるべきという意見も対案として寄せられているところでございますので、これは両論を併記しているということで、その流れの中での対応案と御理解いただければと思います。

ここからは少し時間をとりまして、まずこの1ページ、2ページ目に関して、委員の皆様と少し協議をさせていただき、この内容をある程度固めていくことができればというのが本日の議論の進め方の前半でございます。そして、後半のほうは改めて御説明を申し上げますけれども、先ほどお話をした課題解決に向けて、その1、その2という具体について、3ページ目と4ページ目にもう少し詳しく記述をさせていただきました。このたたき台をもとに解決策、その1、その2をより具体的かつアクションプラン的に描いていければというのが後半のほうの議論でございます。恐らく、きょうこの3ページ、4ページ、全て結論が得られるとは考えてございませんので、後ほどこれらを議論する上でのさらに必要な情報を資料2で用意しておりますので、その点も時間を見計らいながら御説明を加えて、議論を展開したいと考えているところでございます。

なお、5ページ目に関しては、以前のマトリックスの中でいろいろな内容の御意見を賜っておりますけれども、今御覧いただいている資料1の中にまだ盛り込めていない項目あるいは対象に対する具体的解決策として考えておかなければいけないものを2点挙げさせていただいております。そういうことで、あのマトリックスの内容は基本的に事務局サイドとしては、この資料1の中に改めてまとめ、そして網羅していると考えておりますので、その点も委員の皆様から御確認をいただければと思っております。ここまでよろしいでしょうか。

そうしましたら、前半としては、特に1ページ目、2ページ目について議論してまいりたいと思います。当然、展開上、3ページ目、4ページ目にこの議論が及んでいくだろうと考えておりますので、その意見の動向を見ながら、3ページ、4ページへと展開をしてまいりたいと思います。

それでは、1ページ目、2ページ目の議論の整理や、一層充実をさせるべきということで、対応その1、その2を導いていくという流れのサマライズに関して、御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

渡邊委員、お願いします。

○渡邊委員 渡邊でございます。

まず1ページ目の「その結果…」の下の2つ目のポツなのですけれども、食品表示を活用していない消費者が多くいると書かれていますが、この表現は、表示が見づらいとかそういうのとはちょっと違って、食品表示をちゃんと理解しているけれども活用していないとか、そのようなイメージにとられるので、先ほど消費者の調査からこういうことが言えると言われたのですけれども、本当に活用していない消費者が多くいるというのは、少しちょっと私としては違和感のある表現です。それが1つ。

あと、先ほど参考にする事例として外食のアレルゲンの話がありましたけれども、今回議論しているのは、もともと加工食品で表示がなされているものについて、表示が見にくいということでどうするかということなのですけれども、それともともと表示がないものをアレルゲンについてインターネットで書くということ、参考にするといってもほとんど関係ないのではないかと私は思っているのです。先ほどの説明は理解したのですが、それほど参考にするものではないのではないかと思っているのですけれども、いかがでしょうか。

○受田部会長 ありがとうございます。

1ページ目の「その結果…」の3つポツがある真ん中の部分の表現方法に関しては、御指摘はよく理解できます。極めて短い文言で表現をするということで、端折ってしまった中に誤解を招いていくような表現というのも当然あるかもしれないので、その御指摘に関しては、少し補足をするように考えていこうと思います。いずれにせよ客観的な情報の一つとして、渡邊委員もよく御存じのとおり、消費者庁が毎年定点で観測している消費者意向調査というのは、極めて数値として、nも1万ですから、国民の皆様の御意向をかなり反映していると捉えることもできますので、その文言の中から適切と思える部分をしっかり抽出していくということで、誤解のないようにという点を考慮いたします。

それから、参考にしようとしたものが参考になっているかという話なのですが、まず2つ申し上げたいのですけれども、この食品表示に関して、おっしゃるとおり加工食品に関する食品表示の義務の対象になっているものを議論しているのは当然のことでございます。ただ、そうはいいましても、この食品表示の活用の先に、これまで義務化されていない中食や外食に関しても、当然ウイングを広げながら表示の今後について考えていくということも求められるのではないかという意見が委員の皆様からも何度も寄せられていました。また、池戸委員を中心に先ほどの一元化の話もございまして、これまでも議論を繰り返されていた、あるいは常に課題になっているということも御承知のとおりでございます。

そういう点でこれを取り上げたということと、余り踏み込んだ議論がその当時なかったのかもしれませんけれども、ウエブを通じて情報提供することに関しては、中間取りまとめの真ん中にも出ておりましたし、あわせて今後、きょうもこの後の3ページ、4ページでウエブの活用に関するお話をさせていただこうと思っておりますので、その点に係る内容ということで情報提供させていただきました。そういう狙いでございます。

どうぞ。

○渡邊委員 趣旨はわかるのですが、今回の議論の論点として、「食品表示部会における審議事項について」という参考資料1にもあるように、これはあくまでも義務表示のいわゆる見にくさということに対してどうするかを検討するというのが論点であって、今言われたような義務表示ではない、いわゆる中食とか外食のことについてももし議論するのであれば、それは論点として別なものだと思うのです。だから、今回まとめに対して中食、外食についての議論も含めるのか。含めるのであれば、確かにそのとおりですけれども、含めないのであれば、ちょっと論点を絞らないとややこしくなるのではないかと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

おっしゃっておられることに関しては私も同じ思いでございます。多くの皆様が着地点のことを気にしておられることは十分理解をしております。我々としてどこまで絞り込んでいくかという点が今後の限られた時間の中で求められるということを認識して、きょう具体的な課題解決に向けて、その1、その2、ここに絞りたいという意味でございます。そのときのウエブでの情報提供のあり方の中で、安全性の確保、それと自主的・合理的選択の機会の確保、この2点に分類されていったときに、特に安全性の確保の観点からアレルゲンに関しては極めて慎重かつ重要性の高い内容でございますので、その点を少し強調させていただいたということでございます。ありがとうございます。

小松委員、お願いします。

○小松委員 小松です。よろしくお願いします。

確認なのですけれども、食品表示の全体像はどうあるべきかというような議論が始まるというか、継続して行われているわけなのですが、ここで例えば追加でまたさらにこれを義務にしましょうとか、そういうお話になるのかなというのはちょっと事業者側としては懸念しております。といいますのは、今、来年の改正に向けて必死で表示の改訂を進めているのですけれども、やはり手間と時間とコストが非常にかかる上、さらにとなりますと、かなり負担になってくるのかなと思います。

私はこの参考資料3は、今から議論することに関しては、外食のアレルゲンのところにありますような自主的な情報提供の促進が図られるような環境整備をしようと、そういう意図で任意の部分についてガイドラインなどの策定をするというような趣旨なのかなという理解でおりますけれども、いかがでしょうか。

○受田部会長 ありがとうございます。

確認ということでお答えをいたしますと、先ほどの答えと重なる部分もありますけれども、今期の食品表示部会、8月末までの任期の中で、義務化に向けた具体的な話ができるかどうかというのは、我々の持っている時間的な制約によってかなり厳しいということは当然あると思っています。その中で必要に応じて委員の皆様から可及的速やかに義務化を図るということが項目として出てくればまた話は別だと思うのですけれども、あくまで今回の提案としては、その1、その2、ここにこの後3ページ、4ページで議論を展開していただきたい内容を優先的に取り上げているという形でございます。ですから、参考資料1に関しては、もう一遍申し上げますけれども、今期の部会で中食、外食を取り上げるというつもりで出したものでは決してなくて、どちらかといえば表示項目のウエブを通じた広報のあり方、表示のあり方、補助的手段のあり方として、これまで議論されたものを皆様に情報提供しているという扱いでお考えいただければと思います。ですから、あくまで参考情報ということで御理解いただければと思っております。よろしいでしょうか。

菅委員、澤木委員の順番でいきましょう。

○菅委員 菅です。

これからのまとめに向けた前提の確認がやはり大事であると今改めて思いました。これ以外は取り上げるものに含めないことにするのですかというのが確認したいことで、私は先ほどの渡邊委員に対する部会長の回答をいただいた中で、そういう御趣旨だったのかと驚いてしまったところです。容器包装がある食品に対する問題解決という点だけに実質的には議論が絞られていくという話ではない、もうちょっと広いものについて構想を整理して発する。だからこそ、すぐに何か基準が変わるとか、すぐに義務化するということではなくて、もう少し大きなビジョンみたいなものをここで出せれば十分で、それよりもさらに具体的にというところまでは、今後の議論に委ねられるべきものなのかなと認識していましたので、きょう私は、容器包装があるものに対する問題と、容器包装がないものに対する取り扱いは、別々に議論する必要があるのではないかと思いますということを発言するつもりで来たのですけれども、片方が議論の対象から外れてしまうのだとすると、これからは対象を絞って意見を言わなければいけなくなると思いますし、そのあたりはどうなのでしょう。もうここで絞ってしまうという話なのかどうか、改めて確認をしたいのですが。

○受田部会長 ありがとうございます。

限られた時間というところから、最終的にこの食品表示部会がどういった結論を導いていけるか、ここがポイントかと思っております。今、部会長としての私の意見は、当然今期の部会において、容器包装上の義務がない中食や外食に関しても、いろいろな視点から御意見が出ていること、これは部会の議事録であったり、これまでマトリックスをつくり、委員の皆様から意見が出たことに関しては、しっかりと記録しておきたいということで心がけております。

ただし、我々が今後、例えばですけれども、第4期消費者基本計画の工程表の中に反映できるような具体的アクションプランをこの中で導いていけるところまで熟度が上がっていくかというと、先ほどのような容器包装の縛りがないものをそこの俎上に上げていくというのはかなり時間を要するであろうと。そういう意味で、具体的なアクションプランが描けるようなものを優先的に、かつ現在の食品表示自体の、消費者の皆様からの御意見に対して解決策を導いていけるような調査あるいは現状把握、こういうものがあるとすれば、それを最優先にやり、そして次期の食品表示部会等で不断に継続審議をしていただくということが求められることかなと、私自身は考えております。

ですから、答えとしては、今、容器包装の表示義務があるものに関して、より分かりやすい表示に関しての全体像、すなわちグランドデザインを描いていきながら、なおかつアクションプランとして工程表に反映できるぐらいまで対応を協議し、この部会での議論の成果を求めていきたいというものでございます。

済みません。かじ取りがなかなか難しくて、委員の皆様にはいろいろな御意見、見方があるのではないかというのは承知をしております。一通り御意見をまず伺いたいと思いますので、澤木委員、宗林委員の順番でいきましょう。

○澤木委員 私、外食等のアレルゲン情報の検討会に参加したのですけれども、ウエブサイトでの情報提供というところでは、安全に関わるいわゆる食物アレルギー等に関しては、迅速に正確な情報に更新する必要があると家族会の方もおっしゃっていましたので、その辺は今回の議論の中でも活用ができるのではないかと思いました。

○宗林委員 宗林です。

私は、今、座長がおっしゃったように、現在のパッケージの表示は義務表示を並べたものを見るだけでも非常に分かりづらく、煩雑になっていて、活用が十分できないような状態になっているので、これを何とか活用しやすくするためにはどうしたらいいのかということを、まずはここの部会ではやるだろうと思いましたし、そのための資料だと思っています。そして、私もそれが第一優先だと思っています。

ユニバーサルデザインとして見やすくするための方策はできるだけ取り入れるということはもちろん賛成なのですが、そのほかに今出ているウエブサイトの補完的な活用という観点をどうやって取り入れていくかは大きな問題。例えば、安全性に係る表示と、それから合理的な選択に関する表示というようなことで見ていくのか、あるいは皆さんがよく見る表示、必要というか関心のある表示をどうという形で分けていくのかとか、そういったあたりを今までのアンケートとか、そういったものから根拠にしてウエブサイトの補完をどう活用すれば全体像をうまく、表示全体を消費者が見やすくなり、活用できるのかということをやるだけでも大変なことだと思いますので、そこにまずは集中して議論をしていただければと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

ウエブでのアレルゲン、アレルギー表示に関しての重要性というところを、委員をお務めになられた澤木委員からもコメントいただきました。

また、宗林委員からはウエブでの情報提供に関する議論だけでも極めて大変であるということで御意見を賜ったところでございます。

恐らく委員の皆様もそれぞれに思いがあり、また、今後の残された部会でどこまで成案へ導いていけるか、それぞれのお考えがおありかと思いますけれども、改めて提案申し上げたいのは、これまでの議論を要約すると、特に1ページ、2ページでこのように表現をするという考え方に関してはいかがでしょうか。そして、これまでの議論を極めてコンパクトにサマライズしたという意味になるのですけれども、ここまでをもし一部の表現方法、改善をしないといけないという御意見も、これからもいただいていいと思っているのですけれども、そこまで確定をさせていただければ、この議論に基づき、その1、その2の課題解決に向けての具体的な本部会として提案できる内容へ議論のフォーカスを当てて、そして計画も含めて具体を描いていきたいと思うところでございます。

先ほど菅委員からも、容器包装と表示義務化されていないものについて議論しないことになるとというお話がございましたけれども、全体像としては必ずここについても今後、具体的な議論を求める声、あるいは意見もたくさんあるわけですから、それを当然無視するわけではなく、まずは優先順位的にというふうに御理解をいただければ大変ありがたいところでございます。

菅委員、お願いします。

○菅委員 1点だけ確認していいですか。これからは論点を絞っていくという今のまとめの流れには特に異論があるわけではないのですけれども、資料1の2ページ目の今のまとめをするのに当たっての前提ですが、両論併記と先ほど部会長もおっしゃったので、2ページ左側の流れの一つ一つに対して、おおむねこういう方向でいこうということまで決まったわけではないというのが大前提であるということでいいのですね。右側は特に流れがあるわけではなくて、左側のことについて一つ一つ反論があるという形になっていますので、このページの各項目について、とりわけ左側の3つのそれぞれについて、そこはそうだよねということが決まったというまとめになると異論がありますので、そうではないということだけ確認させていただけたらありがたいです。

○受田部会長 おっしゃるとおりです。特に左側の一番上の四角、ここに表現としては「減らすしかなく」という断定口調で書かれているところが一番気になる部分かなと拝察申し上げます。この表現もまた考えていかないといけないという御意見として承り、結論としては、下に流れていき、ウエブでの補助的情報提供という点については、今までたくさんの意見が出て、最初にお話ししたように、消費者委員会からこの部会での審議が求められている具体でもありますので、この方向の検討はやるということで、それをどのように制度化していくかに関しては、皆様の御議論によって決まっていくと。先ほど宗林委員からもございましたように、このウエブでの情報提供のあり方一つ、大変な議論のポイントがあると思いますので、その点も踏まえてということでございます。

右側は下に流れる矢印がない。確かにそういうことになっておりまして、それぞれの四角の中に対する意見というような形で対比をされている部分もございますので、そういう理解で結構かと思います。ありがとうございます。

夏目委員、お願いします。

○夏目委員 基本的には、1ページ、2ページに表現されている内容で進めていただければいいと思いますけれども、今、座長もおっしゃいましたように、例えば2ページの左側の一番上の表現はやはり工夫すべきところがあるのだろうし、それから真ん中のウエブ情報のところも、「きちんと情報が得られるなら」という表現はどうかなと思ったりして、その表現について、やはりもう少し考えるべきだとは思いますが、これまでも様々な検討会のところでもってインターネット、それからウエブ情報の活用ということは必ず触れられている。現在、これだけインターネット情報が一般的に国民の中に取り入れられる時代になって、文字情報だけで表示がいいのかというのは、やはりきちんとここで見直すといいますか、位置付けをしていくべきだろうと私は考えております。難しいところはあるだろうと思いますけれども、まず取り入れましょう、やってみましょうというところをこの食品表示部会で進めていったらいいのかなと思います。

それから、右側のユニバーサルデザインの導入、これは遅過ぎるくらいであって、もちろんそれも取り入れてほしいので、この真ん中の2つのところについて具体的なお話を今後進めていくということについて、私は賛成させていただきます。

○受田部会長 ありがとうございます。

今、御意見も賜りました2ページ目の左側の表現については、書き改めていくということで、趣旨は変わらないように。できるだけ委員の皆様から御発言いただいた内容をマトリックスからここに落とし込んでいったということで、少し断定口調になったり、あるいは少し主観的な表現になっているのかもしれませんので、そこは改めてまいりたいと思います。

右側に関しては、御賛同いただいておりますが、その具体はこの後、3ページあるいは4ページにつながる議論ということで、この中身をお考えいただきたいと思っているところでございます。ありがとうございます。

他はいかがでしょうか。

池戸委員、お願いします。

○池戸委員 先ほど部会長がかじ取りが難しいというお話をされたのが実感として伝わってきましたけれども、時間も限られていまして、多分残された期間でこの部会としてどこまで整理するかという取りまとめ像というのでしょうか。そこはある程度委員の間でイメージを統一しておいたほうが効率的な議論ができるのではないかと思っています。

恐らく、今までこの関係で言うと、いろいろな課題については幾つか出ていますので、大体課題は整理されているのですが、それをいかに解決というのでしょうか、良い方向に持っていくかという議論に向かうことは間違いないと思うのですけれども、この2ページで示されているいろいろな表現は、例えば真ん中で矢印が双方向に出ているのは、相反したという意味ではなくて関連するという形だと思います。

切り口としては、代替的な情報手段としてウエブをどう扱うのかというのは議論すべきだと思います。それから、右側のほうのユニバーサルデザイン等で、字の大きさとか情報量、そのようなものもまさに一番重要なところなので議論をするということは全然問題ないと思います。ただ、どこまで整理されるかというところがあると思うのです。例えばこの後に出てくるかと思うのですけれども、今までも一括表示をどうするかとか字の大きさをどうするか。整理のイメージなのですが、時間も限られている中で、結論まで最終的にいくというのはもちろんなかなか難しい話なので、例えば先ほど座長が言われた調査。こういう調査が必要だとか、もう少し情報把握が必要だとか、そういうものも含めて、この部会として大きな方向性を整理するという大前提プラス、そのためにはどうしたらいいかぐらいのところを我々として少し議論させてもらう。そうでないと、ちょっとノルマがどこまでやっていいかというと、かなりこれは責任があると思うのです。だから、やれるところまでやるということで、切り口は2つでいいと思うのですけれども、整理の仕方は変わってくるという前提で考えているのですが、そういう形でよろしいでしょうかね。

○受田部会長 ありがとうございます。

取りまとめあるいは整理のイメージというところでございまして、もう部会の皆様には当然御理解をいただいているとおり、通常ですと前回議論をまとめていった遺伝子組換えの諮問が来て、それに対する答申を成案として導いていくというのが、これまでの食品表示部会での使命だったわけですけれども、今回全体像ということで議論している内容は、消費者委員会から先ほど御覧いただいた参考資料1のように、この食品表示部会に審議を付託されているということでございます。

何で参考資料1をあえてここでお出ししたかというのは、まさにきょうそういう議論に当然なるだろうということで、我々が担っている責任の部分は、このペーパーが一つ重要な根拠になりますので、そういう意味で出させていただいております。要は、食品表示を取り巻く現状等についてまず整理しようと。ここの部分も具体的かつ悉皆的な調査が十分になされていない部分もあったのではないかと、これまでの議論からも認識をしております。ですから、そこの部分は何を調査すればより食品表示を取り巻く現状となるのか。これは一つ我々に課された大きな責任であるという認識でございます。

その下のほうのウエブ、これは当然のことながら、これまでも多くの委員の皆様から行う必要があるということ。先ほど夏目委員からもコメントいただきましたとおりでございますので、これに関して専門的知見があるこの食品表示部会で議論していく。そして、宗林委員からもありましたように大変な議論になりますので、成案という形で、あるいはもうその具体的義務化に向けてというところまで議論が熟度として上がっていくというのはなかなか難しいので、それをいけるところまではまず言っていこうと。

あと、この全体像に関しては、1期2年の食品表示部会で成案としてグランドデザイン化していくところは非常に荷が重いといいますか、大きなテーマであるということを再認識もしているわけでございますので、一つの提案としては、先ほどもちょっとほのめかしましたが、この全体像の議論というのは不断に食品表示部会で議論し続ける。そして、その不断に議論された中で可及的速やかに制度化をしていくべき、あるいは調査をしていくべきと思われる内容を消費者基本計画の工程表の中に落とし込んでいくことを通じて、その意見を反映していくというのは、一つのこの部会の意義ではないかと思っているところでございます。

ですから、池戸委員からの質問に対する答えとしては、整理のイメージとして、優先的に調査がやれること、やるべきこと、こういったことをまずこの部会で明確化すること。そして、今後不断に議論していく内容に関しても、その方向性であったり考える視点、こういった点を明確に残し、不断の議論へと活用していただくような展開で考えてまいりたいと思います。

実際に整理のイメージとして、通常ですと小冊子的な数十ページにわたるものをイメージしていくことになると思うのですけれども、それをつくるに当たっても議論の内容を明確にまとめないといけませんので、そのまとめの資料としてきょう、資料1を提案させていただいて、ここから肉付けをしていくというようなイメージを私自身は考えているところでございます。そういう意味で、資料1の文言に関する御指摘もしっかりいただきながら修正を図ってまいりたいと考えております。

では、戸部委員、松永委員の順番でいきましょう。

○戸部委員 私も、大枠として、このウエブの活用を進めていくということについては賛成です。

資料1の1ページ目の問題点のところで、義務となっている表示内容に対して、製品包装における表示スペースが小さくなり過ぎていると書かれておりますが、受け止め方はいろいろだと思うのですけれども、私は表示スペースに対して義務となっている表示内容が多くなり過ぎているのではないかと思っております。ウエブの活用というところは、いいのだけれども、今度ウエブになると表示スペースは基本限りなくあるわけで、消費者にとっては製品に書いてある表示もそうですが、全体の情報量が多過ぎると、それも困るなと思っております。

今回の表示の全体像というところに該当するのかどうか分かりませんけれども、表示というのは情報提供の一つの方法論であって、その川上に遡ると、義務表示の対象項目の決め方にも関わってくると思っております。全体像のところでどう考えていくか。表示の活用は消費者一人一人によっても違うし、一人の消費者にとっても、どの食品かによって、使う場面とか食べる人によって変わるので、非常に整理が難しいかと思うのですが、そのあたりの議論も必要。義務対象項目の決め方に関する議論も必要と感じております。

○受田部会長 ありがとうございます。

松永委員、お願いします。

○松永委員 松永です。

私も今御説明いただいて、考える幅とか、それから2ページ目のあたりというのは、文言はいろいろあるにせよ、こういう考え方で、アプローチで進めていっていいのではないかなと思っています。

1点、皆さん暗黙の了解で実は明文化されていないということが食品表示の問題点の中にあるような気がしています。今、2つ挙げられていますが、これは現在こうだということがきちんと書いてあるわけですね。私が前から時間軸を考えるべきだと言っていたのは、その将来の食品表示がどういう方向に向かうかというところまで視野に入れて考えたほうがいいのではないかということです。将来の食品表示なのですけれども、具体的に申し上げると、一部の消費者なのかもしれません。消費者全体とは言えませんが、消費者の希望として、もっと表示してほしい、もっと詳しく知りたいのだという方向性が今、強くあらわれているのだと思います。原料原産地のときもそうですし、この間から始まった添加物の検討会でも、やはり詳しく知りたいというような要望が消費者団体から出たと思います。

私が消費者からじかにお話を聞いていても、一括名で隠されていると。私たちは物質名を知りたいのだみたいな意向は、やはり一部の消費者の間では非常に強いですね。遺伝子組換えももっと詳しくということで、将来、5年、10年を考えたときに、より詳しく表示していかなくてはいけないという方向性は多分否定できない。一方でスペースは広がらないということで、そこのジレンマが現在も激しいのですけれども、今後より一層激しくそのジレンマに直面しなくてはいけない。それが前提としてあるからこそ、やはり今ここで2みたいな具体的な方向性を議論しなくてはいけないのだというのが多分今回の流れなのだと思うのです。なので、その将来の消費者の意向を、もしかしたら小松委員が先ほどおっしゃった義務化が増えるのですかという、そういうことすら事業者の方はある意味恐れていて、これ以上増えていったときどうするのだというところは切実な問題なので、そういう意味での5年、10年、将来ということを考えているのですよ、そのジレンマを検討しますよ、というところを1点きちんと書いていただけると、消費者も安心するし、事業者にも理解していただけることになるのではないかと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

貴重な御意見をどんどんいただいておりますが、では、先に宗林委員、まずいきましょう。その後、今村委員に。

○宗林委員 宗林です。

消費者の心情として一括表示、その中身を隠されるという言葉は変ですけれども、明らかにされないのは嫌。きちんと事業者側はそれを明らかにすべきという感情といいますか心情は非常によくわかります。一括表示にすることによって曖昧になっていったりというようなこともあるので、それから原料原産地についても同じだと思います。

ただ、そういうことと、日常的に必ず見る表示、必ず活用している表示、それから必要なときに、買ってしまった後でもいいから見たい表示とか、どこまで見るのか。忙しい中で買い物のときに一つ一つに立ち止まって5分ずつは見ないわけです。そういう現実と、それから表示があるべきというような考え方との間にもギャップがあるので、そのあたりの調査というのですかね。それはぜひやっていただけるといいのではないかと思います。

ですから、例えばウエブ表示に補完するとしても、限りないスペースを全部使っていくよりも、一括表示でパッケージに表示すべき内容は、あるスペースにきちんと並べられるような工夫というのは当然必要でしょうし、そこに飛べば義務表示のものが全部見られると。だけれども、パッケージのところにどこまで残すといいますか、あるべきなのか。それが活用したいものであり、見やすいものでありというところで、やはり全体、ウエブとか補完的な情報も含めて、消費者が本当に活用しやすい表示を考えていかなくてはいけないので、その辺の調査があるといいかなと思います。

○今村委員 松永委員の意見、宗林委員の意見に非常に似た意見なのですけれども、まとめの方向としては私はこれでいいと思うのですが、一つ観点として抜けているのが、増やさない努力ということが抜けていると思っています。最初に項目を減らす努力ということで書き始めているのですけれども、今直面している問題は、これから増えていくという問題だと思います。今回、資料2などでも事例が出ていますけれども、これは現在の表示の話であって、既に決定されている原産地表示や遺伝子組換え表示を加えると、これでは収まらない。既に2割ぐらい増えているという状況の中で、今はどんどん増えていっていて、これから出てくる議論は全て増えてくる議論なのですね。ですから、それをどれだけ容器包装のものに書くのを減らすことができるかということが一つ大きなポイントなのだと思います。

書くべきだという議論は当然あるべき、そうするとその折衷案として、どこまで容器包装に書いて、どこまでウエブに逃がすことができるのですかという議論が将来的になされるようにフレームをつくっておくような方向性があれば、この狭いスペースの中に全部書けという議論にはならないと思いますし、できるだけ細かく書いてほしいということはウエブで考えられませんかというようなことが並列できるのではないかと思います。

ですので、今、減らすことができますかという投げかけですけれども、増やさない努力はできますかということをもう一つ観点として入れていただいたほうがよくて、それとウエブの活用等を考えていくというのが、フレームとして入れていただけるといいのかなと思っています。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

今、4人の委員の皆様からコメント、御意見もいただきました。それぞれに対するコメントはもう避けたいと思うのですけれども、おっしゃっておられた意見等に関してはごもっともだと私自身も理解ができるところです。

今、最後に今村委員から御発言いただいた点に関しては、ちょっと先に行きますけれども、4ページ「課題解決に向けて(その2)」のところの枠囲みさせていただいた矢印の先でございます。さらに今後も予想される表示情報の増加や、これは新たな視点かもしれませんが、高齢者の視認性向上とかいったような点で、ウエブの活用をフレームワークとして考えていくという視点を盛り込んでいるところでございます。

1点、今いただいた御意見の中で松永委員がおっしゃったことに関しては、私も当初発言をさせていただいたことがございます。最後のゴールイメージを明確にして、そして今何をするかとか、あるいは何年後にどうしておかなければいけないか。バックキャスティングしながら、あるところのマイルストーンを明確にしていくという考え方が明確になれば、事業者の皆様にとりましても、例えばある議論がぱっと出てきたので、それによって大幅な表示の変化、改善というか、方向性が変わってくることに対して、いろいろな御負担を感じておられるというような声をよく伺いますので、それがあらかじめ念頭にあれば、その都度その都度の改訂に対しても、将来を見据えながら、最も効果的・効率的な変更を加えていくこともできるでしょうし、そこを先取りするという戦略も明確にとれるのかもしれない。そのようにも思っております。

ですから、RFID、凸版印刷さんにお越しいただいて、ICタグなども将来的にはというお話もさせていただきましたけれども、かなり先を見ながらという点も頭には当然置いております。そういうことで、理想的にはそういうイメージを持ちつつとは思っておりましたが、現状この部会での委員の皆様からの御議論をずっと踏まえて考えていきますと、最長の時間軸としても、先ほど言いました、例えば第4期消費者基本計画が20年度から5カ年だと思うのですけれども、そういう時間を念頭に置くというのが最も長いスパンかなと思っているところでございます。

そういう点で、今のような御意見も当然このまとめの中には盛り込ませていただきたいというふうにお答えを申し上げておきます。

ちょっときょうも時間が。

渡邊委員から今、手が挙がっております。では。

○渡邊委員 今までの御議論を聞いていると、今回の取りまとめのイメージがぼやっとすごく膨らむかと思うと、すごく問題意識から出発する。やはり議論するには、例えばある人は将来の表示ということの議論をしているかと思うと、例えばある人は今の表示事項を見やすくするためにどうしたらいいかと。だから、やはり今回の論点をある程度絞らないと、今まで座長が言われるように、ここで出たこういう議論は全部取りまとめに入れるというような話ですけれども、ある委員が言われたことだからこれは取りまとめに入れるというような考え方はおかしくて、今回の議論は、例えば今の表示事項がある程度多くて、表示スペース等から考えて見にくいので、それをどうするかという観点で取りまとめるのか。その解決策として、例えばウエブを利用する。それでどうするのだというのは分かるのですけれども、それだったら、将来、ウエブがあるから消費者のニーズに合わせてどんどんウエブで表示していくのだというような、議論としては全然違う話だと思うのです。

だから、やはり今回の取りまとめのポイントをある程度明確にして議論しないと、何から何まで将来だったらこうだとかいう形で取りまとめに入れるのはおかしいのではないかと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

今の渡邊委員の御意見に関しては、冒頭から申し上げておりますように議論の方向性を明確化していきたいということで、きょうもこの資料1を用意させていただいたつもりでございます。とはいいつつというところで、将来にわたり全体像というタイトルをつけていく関係も当然考慮いたしまして、グランドデザイン的なあるべき姿というのも、この委員の皆様からいただいた貴重な御意見として、それも食品表示部会の大きな役割として記録をしておきたいという思いでございます。

時間軸的に、多分、かなりの長期と割と中期と短期ということで考えていくことになって、短期の部分は具体的調査項目、あるいは変更に向けた指針的なものになっていけば、すぐに次につながっていくという、そんな考え方でございますので、繰り返しになりますけれども、この後、課題解決に向けて、その1、その2、少し具体をお話しさせていただいて、そして取りまとめに向けた具体的なイメージを、今、非常に不明瞭というか、ぼやけているという御批判は当然だと思うのですけれども、よりクリアカットにしていきたいというところで議論をさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

そうしましたら、少し具体の話をさせていただきたいということで、3ページ、4ページを少し補足させていただきます。もう御覧いただいて、御理解いただけるとおりだと思うのですけれども、まずその1、3ページの部分は、視認性を向上させなければ、今のスペースの有効な利用、あるいはお伝えしたい情報が消費者の方に伝わっていないということになる。それをより視認性を向上させることによって解消していきたいということで、①に書いてありますように一括表示のデザイン、フォント及び文字サイズ等の情報量、これはユニバーサルデザインのお話の中で定義されておりました空間的情報量、これに関して市場の商品の調査を行う。具体的には、たしか空間的情報量が20%を超えると視認性が悪くなるという、ある意味閾値が示されておりましたので、19%以下の空間的情報量のものはどれぐらい視認性が高いのか。また、具体的な商品がどの程度それを満たしているのかも含めてしっかりと調査をする。これは前もこの部会で提案をし、赤崎消費者庁課長からも前向きなお話をいただいていたところでございますので、これがまず一つ。

もう一つが②でございまして、ここも今、表示面積自体が本当にその商品のパッケージにおいて最大なのか、もう少し大きくできないのかというような市場からの疑問も出ておりますので、②にございますように、表示可能面積に対する一括表示面積の割合がどの程度になっているのか。そして、その結果をもとに一括表示部分の拡大を求めていくとすると、どんなルールが考えられるのか。そのガイドライン等がこの調査の結果、出てくるようになればという思いを込めて②を追加させていただいております。

一番下に2行ございますように、こういった課題解決への考え方は今の一括表示の延長線上にあるというふうにも考えられますので、まず調査自体によって今後の展開が具体的に描けると考えているものでございます。

そして、次の4ページ目が、まさにずっと御議論いただいている課題解決その2として、ウエブを活用した補助的情報提供を考えていくということで、具体的な考え方を四角の中に入れさせていただきました。前提としては、一括表示部分の拡大によって工夫をしていただくというのを最優先にしていき、それがなかなか難しい状況になっているとすると、お伝えしたい情報をより分かりやすくということでウエブを補助的に使っていくという考え方にしております。

先ほど今村委員からも御指摘のあった、今後さらに情報が増えていく可能性もあるということを考えていきますと、その情報提供のフレームワークとしてウエブを活用するというのは、もうほぼ皆さんが有効であるとお考えになられている方法だと考えております。そのときに、ウエブを活用する具体的な例をしっかり参考にさせていただく必要があるのだろうと。その中に、将来的には外食や中食も視野に入れていきたいという書き方でございます。

一番下の部分、これは前回も私案の中に入れていたのですけれども、一括表示面積の限界に対する対応が現行でもあるということ、ここを我々食品表示部会はどう見るかというのもポイントかと思っております。150平方センチメートル以下の場合にフォントサイズを下げていいという対応策が既に認められておりますし、さらに30平方センチメートル以下の場合は一部の自主的・合理的選択の機会に資する情報提供を割愛していいと言われています。割愛されているままでその情報が今の段階では提供されていないとすると、それをこのまま放置しておくことが消費者の皆さんに対する情報提供のあり方として妥当なのかどうか。こういう点からウエブの利用というのを手がけていく手もあるのではないかと思って書かせていただいているものでございます。

最後、積み残しに関しては、先ほど申し上げたとおりで、例えばインバウンドや外国人の方で日本にお住まいの方がもう人口比2%ぐらいだと承知しておりますけれども、そういった方々に対する分かりやすい食品表示のあり方。これは全部外国語に対応できるというのは、スペースの点から難しいのは当然のことですけれども、その場合にウエブというツールを使っていくことは極めて有効であると考えられますので、こういった点や、視覚機能の弱い方に対する対応もこの中に盛り込んでいるというつくりになっております。

ここに関してさらに御意見をいただくつもりなのですけれども、もう一つ、きょうは資料2をお手元に配付させていただきました。ここの部分、消費者庁にこの資料を作成していただき、御用意していただいておりますので、これを少し御説明いただいて、さらなる議論に活用させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 消費者庁でございます。

資料2「食品表示に関するウェブサイト上での情報提供事例」をつけております。前回のこの部会でウエブサイトでの情報提供の現状について御質問いただいておりましたので、まとめたものになります。

まず1ページを御覧いただければと思います。1つ目の○になります。「商品に義務表示を行った上で」、これは義務ですから、今、容器包装縛りで当然表示がなされていますが、その上で「自社ウエブサイトを利用して情報提供を行っている事例」、これは本当に様々千差万別でございます。義務表示事項の情報をウエブで全く掲載していない方も当然おられますし、義務表示事項と同内容の情報を掲載している方もおられます。一方で、義務表示、容器包装の情報よりもさらに詳しい内容を掲載している事業者もいるということで、2つ目の○になります。ウエブサイト上に掲載されている義務表示事項について見てみますと、原材料名、原料原産地名、アレルゲン、栄養成分、こういうものが実際の表示例としては多いのではないかと思っています。このうち、下に●で書いていますが、原材料名、アレルゲン、栄養成分は、容器包装の表示と同内容となっていることが多いということで、反対解釈をしますと、原料原産地名については、より詳細情報をウエブで出している例が比較的多いのではないかと思っています。

最後の○になりますが、ウエブサイトでの情報提供に当たりましては、いきなりホームページを見たら載っていますではなくて、まず容器包装にQRコードがついていまして、そこからアクセスして情報のほうに飛ぶという形の事例が多いということになります。

2ページ以下は具体例になります。実際の容器包装の表示よりも更に詳しい情報提供をウエブで行っている例の1になりますが、2ページが原料原産地についてになります。左側は実際の容器包装の表示です。原材料名の最初のニンジンについてのみ容器包装では原料原産地が表示されています。ウエブを見てみますと右側になります。主な原材料の産地ということでクリックマークがついています。そこにアクセスすると3ページのようになっていて、ニンジンのみならず全ての野菜、果実について産地情報が載っているという例がございます。

4ページが同様に、より詳細情報をウエブで公表している2つ目の例になります。この左側が実際の商品、容器包装の表示になります。原料原産地表示については載っておりませんが、右のウエブサイト上の記載を見てみますと、豚肉について原料原産地情報が載っているという内容になります。

5ページを見ていただければと思います。これも詳細情報をウエブサイトで公表している例の3つ目になります。これは栄養成分表示について、より詳しく情報提供しているということです。上が実際の容器包装の表示です。下のウエブサイト上の記載と比べると、赤字の栄養成分については、容器包装にはないけれども、ウエブでは情報提供されている。例えば炭水化物をさらに2つに分けた糖質や食物線維総量、あとはカルシウム、鉄等々、このような事例もございます。

6ページ以降は、個々の商品情報ではありませんが、自社の商品の情報を全般的な形でQ&A形式でウエブサイトに掲載している例で、6ページ、7ページを御覧いただければと思います。

8ページも個々の商品の情報ではありませんが、使っております食品添加物のより詳しい情報をウエブサイトで載せているというものです。

雑駁ですが、以上でございます。

○受田部会長 ありがとうございました。

ウエブを使ってどのように情報提供するかという観点で、これまで既に自主的にその情報をウエブを使って提供しておられる事例を今、消費者庁赤崎課長から御紹介いただきました。こういった点を参考にしながら、どういう形が好ましいのか。恐らく商品の種類とか内容によって随分異なってくることも予測されますけれども、まずはこういった具体的な、基本的には優良な事例、情報提供として価値のあるものを御紹介いただいたものと思いますので、これを参考にしていただくというところから議論していきたいと思います。

資料1の3ページにお戻りいただけますでしょうか。ここからは、残された時間で、本日はまずその1の部分での御意見をいただいた上で、その2のウエブでの情報提供のあり方に少し時間をとっていくことができればと思っているところでございます。

3ページの課題解決の考え方①、②というのを挙げておりますけれども、まず①に関しては、これまでいろいろな情報の提供もあり、これはやるべきだという考え方で多くの皆様に御理解いただいているのではないかと拝察いたしますが、これはこの形でよろしいでしょうか。

池戸委員、お願いします。

○池戸委員 右側の四角の枠に書いてある中身で、調査するということが、これは非常に有効で重要だと思っていますけれども、この調査のタイミングなのですが、この調査をやって、それを踏まえてまた議論するという意味なのか、将来的にこういう調査が必要かという、それによってちょっと議論が違ってくると思います。

○受田部会長 今の御質問に関しては、調査をできるだけ早く実施していただきたいと思っています。ただ、調査に関しては一定の期間と、多分一定の予算が必要になりますので、その点を御検討いただいて、実施がいつ可能であるかという点に関してお願いをするということになります。

その結果はいつ出てくるか、それをどうここに反映していくかに関しては、どう考えても8月までに結果が出ましたというふうにはならないだろうと思いますので、まずは調査をお願いする。それに基づいて次期以降の食品表示部会において継続審議していただく。そんな思いでございます。

○池戸委員 1点なのですが、その四角のところの一番下に矢印が書いてあって、ルール(ガイドライン)について検討すると。このガイドラインという意味が、今の一括表示のルールを大前提として、あと補足的にガイドラインということを前提として議論するのかどうか。

○受田部会長 ありがとうございます。

ここの表現方法はなかなか大切なところでもございますし、今、御指摘いただいて本当にありがたく思っているのですけれども、一括表示そのものに関してというよりも、ここは視認性ということに特化してという考え方で書いているつもりでございます。したがって、先ほどもありましたように、表示スペースと情報量、これは相対的な関係になっていくことになるのですけれども、表示スペースの限界があるという前提で話が進んでいる部分も相当ありますが、本当に限界かどうかという点については、個別の商品において更に改善の余地があるのだとすると、その改善をどう図っていただければいいのかということを方針として具体的に提案できないかという、そんな趣旨でございます。

○池戸委員 ということは、今までいろいろなところが義務表示あるいは任意としてルール化されてきたのですが、それらを補足する目的でガイドラインが策定されてきました。行政的には一般的にガイドラインというと参考的な位置付けになると思うのですけれども、表現が正確に書かれていたほうがいいのかなと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。今の御意見をしっかり踏まえて、ここも改善をしていきます。

渡邊委員。

○渡邊委員 まず、その1についての意見ということなのですけれども、一括表示面積の割合を調査して、今、視認性と言われましたが、我々が今ここで議論しているのは、裏として法律に基づいた義務表示についての議論ですので、いろいろな商品があって、例えば調査でこれだけスペースがまだあるからもうちょっとこうしなさいというのはあるかもしれませんけれども、法律というのはどんなにすごく小さいものに対してもどういうことをすべきかというのを全部決めなければいけないことですので、この調査の結果出てくるものに対して、例えばこんなに余裕があるからもうちょっとこうすべきだというようなガイドラインをつくるというのは、法律をバックにした話としてはちょっとやり過ぎではないかという気がしています。

要するに、決めなければいけないことというのは、こういう事項について表示してくださいね、それでポイント数はこれで書いてくださいねということを今決めているわけで、それに対して、例えばガムみたいにすごく小さい商品があって、ガムに対しても法律というのは適用されるわけですね。見やすさのために、例えばこれだけ面積があるものについてはこういうことをしたらどうですかということを法律的に決めるというのは、ちょっと行き過ぎではないかと思っています。

同じようなことが言えるのは、その2はまだ対象外ですけれども、その2についても、ウエブの活用をするかしないかというのは事業者の自由なのです。別に補助的な手段で使おうが、全く使うまいが自由なのですが、必ず補助的な情報手段としてウエブを使いなさいねみたいな表現になっているのです。例えば一番下のところについても、情報不足はこのままでよいのか。これは30平方センチメートル以下のものについては書けないからこうなっているので、ウエブの補助的な手段を広げたらこれはいけるのではないか。そういうものではなくて、あくまでも法律というのは、自由でやれる部分については自由にやらせてもらいたい部分であって、余計なことまで法律で定めるのは非常にいかがなものかと思っています。

○受田部会長 ありがとうございます。

まず、先ほど前段でお話しのあったスペースに関して改善の余地がある。すなわちもっとスペースを広げたほうがいいのではないかという働きかけに関しての御意向、御意見というのはしっかりと理解をさせていただきたいと思います。あくまで我々がこのように議論している背景というのは、しっかりと事業者の皆様がお伝えしたい情報が消費者の皆様に伝わっているかどうか。そういう点で見たときに工夫の余地があるものについて、まだ明確になっていない情報があるとすると、それをクリアにしていきたいということです。

ですから、ここに書いてある、先ほどもルールとか、池戸委員から御指摘ございましたようにガイドライン、それが先ほど渡邊委員の御発言の中では法律という、さらに強制力のあるものというふうにここを御理解といいますか、読み込んでいただいているわけですけれども、それに関しては一気にそうなるわけではなく、現状をまず知るところから始めるということでございます。

どうしてもこういう議論の中でいろいろな意見が出てきて、その意見自体の主観性というか客観性というような部分で、明確に語れない部分がございます。そして、その消費者の属性によっても同じものが見づらかったりということがあるのも当然理解をしないといけない。今、この部会の議論は、非常に多様な物事の見方をどれだけ皆様に対してよりいい形に導いていけるかということで苦悩していると考えているところでございます。

そういう中で、まず悉皆的に情報を集めることは当然やらなければいけない。それをもとに次どうするかに関してはさらに議論をしていくということで考えさせていただきたいなと思っております。そうしないと、次のステップに進まないまま議論の上の議論というか、屋上屋を重ねていっても、なかなかあるべき姿というところには行き着かないので、積み上げによって少しでも改善が図れる、そういう形を求めていきたいという基礎調査ということでございます。

後のほう、ウエブを使うことに関しては自主的にということで、それはここにいらっしゃる方はもう皆さん御理解をしていただいていると思います。また、以前に食品のインターネット販売における情報提供の在り方懇が開催され、その概要の中にもいろいろな懇談会の提言がなされていて、そこにも強制的な、法的なものは書かれておらず、やはり業態や業界ごとに情報提供の方針やガイドライン等を自主的に検討、作成することが望まれるというふうに結論づけられていますので、こういった点をしっかり含んで、我々としてもウエブの提供のあり方を考えていきたいと思います。一足飛びではないということです。

○渡邊委員 言われることは分かりますけれども、この部会の例えば取りまとめというのは、最終的には何か法律を、例えば食品表示の基準を変えるときに今後参考にされるものなのですね。そういうことを考えたときに、例えば今のその2についてのまとめ方の特に一番下の★のついている1行は、ウエブを使えば視認性の低さとか情報不足は解決できるというような考え方をここにあらわしているのですね。これは、いわゆるウエブを義務として捉えなければこういう表現は出てこないわけで、今の150とか30というところでは、これしか書けないから省略されているのです。これをウエブだったら書けるから、それでは情報提供していったらいいだろう。それはあくまでもウエブを義務にしたときの話ですので、ウエブが任意であるときに、この一番下の★のところはおかしいのではないかと思っています。

○受田部会長 分かりました。ありがとうございます。

ぜひそういう意見もいただきながら、表現方法も含めて考えていきたい。あくまでここは、先ほど私が申し上げたとおり、現行の制度から情報提供が求められるであろう一例ということで挙げさせていただいておりますので、当然今後、業態や業界ごとにお考えになられるいろいろな情報提供のあり方の中で、これも含めて考えていただければ大変ありがたいなと思う次第でございます。したがって、もし強い反対等がこの文言に関して、最後の★がついている部分も含めておありであれば、また考えさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

いかがでしょうか。3ページのところについて、まず①の部分の調査に関して、どう扱うかは池戸委員から御質問いただき、お答えをさせていただきました。その方向でもよろしいですか。これは消費者庁にさらにその先を御検討いただかないといけない話になってくるだろうと思っておりますけれども、まずはよろしいでしょうか。

この点について、消費者庁からコメントをいただけますか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 3ページの調査のところでございますけれども、この部会の場で議論が集約されて一定の方向性が出てくれば、消費者委員会の事務局ともよく相談をして、そういう流れの中で我々としてできることをやらせていただきたいと思っております。

○受田部会長 ありがとうございます。

そうすると、①が終わり、②なのですけれども、これに関してはいかがでしょうか。まず、やはりこういう情報をしっかりとっておきたいということで、一括表示部分の拡大の可能性に向けてというふうに、ここの表現は多分またいろいろな御批判もあるかもしれませんけれども、現状をまず理解するという方針についてはよろしいですか。

渡邊委員、お願いします。

○渡邊委員 先ほどから申し上げているのですけれども、この一括表示部分の拡大の可能性というのは、もう物理的に全く拡大できないような商品があるのです。そういう商品についても同じ法律が適用されている中で、全く拡大できないようなものがある中で拡大の可能性について検討する意味というのはどういう意味があるのでしょうか。

○受田部会長 今、渡邊委員から、拡大していくということ、法律はちょっと置いておいて、拡大できないという前提でお話をしていただくとすると、例えば市場の受けとめ方として、もっと商品として拡大できるものがあるのではないかという意見は方々から聞かれるのです。これはある意味主観的に消費者の方でおっしゃっておられる場合もあると思いますし、具体的に私も時々いろいろな商品を拝見して、何か工夫の余地があるのではないかと思わず感じてしまう部分もございます。ですから、そういうところを現状の受けとめと、実際に事業者の皆さんが苦労されて、一括表示を工夫して、枠としても確保しているその実態の部分をより客観的に理解したいという趣旨でございます。

○渡邊委員 たびたび済みませんが、面積が大きい商品で拡大の可能性があるかと言われたら絶対あると思うのです。今、座長が言われる商品を見て時々思うことがあるというのは、多分そういう商品を見て話をされているのだと思うのですけれども、物理的に絶対無理のような商品がある中で、最終的に食品表示基準とかそういう基準につなげていくのがこの部会の話ですので、いわゆるペーパーとして食品表示の現状か何かをまとめるのがこの部会の役割ではなくて、ここの部会というのは、最終的に取りまとめで出てきたものは何らかの将来的に食品表示基準なりを見直すときの参考にされる話ですよね。

だから、必ず全ての食品について適用できるような話にしていかないと、これをもしやるのであれば、こういう大きくできるものもあるけれども、こういうふうにできないものもあるというのも当然併せてやっていかないとおかしなことになるので、ぜひそのようにしていただきたいと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

繰り返しになりますけれども、今回は諮問に対する答申ではないということで、不断に議論していく場としてこの食品表示部会を位置付けています。そして、消費者委員会からの審議事項が「食品表示を取り巻く現状等について整理し」という、そういう文言に基づいて整理をする一環として考えていきたいという趣旨でございます。

それから、当然、一括表示部分の拡大が困難なものがたくさんあるということも念頭に置いていますので、3ページの一番下の2行にあるように、これだけ商品に関して一括表示、工夫をしてスペースをとって限界であるということに対して、それを広げられないとすると、4ページ以降のウエブを使った情報提供のあり方というのをさらに補足的に考えていただく前提にもなるのではないかということでございます。ですから、これによってルールとかガイドラインという言葉がもし法律というところまで拡大的に解釈をされてしまうようであれば、ここをまず書き改めますけれども、その前提としては困難な場合があるということを念頭に置いておりますことを申し添えたいと思います。

菅委員、お願いします。

○菅委員 菅です。

今の話ですけれども、当然例外や限界があることが一定のルールを決めようとするときに出てくることは、それは当然折り込み済みの話だと思いますし、基準化するというようなことも含めて考えたときに、はなからできないものについてこうせよというようなルールがつくれないのは言うまでもないと思います。そうであっても、この議論をしていく中で、何が限界だと言われているのかも、何が分かりにくい表示だとしてみんなが議論しているのかも、それぞれ必ずしも統一されていないと思っていますから、資料1の3ページの①、②から少しはみ出るかもしれませんけれども、私たちだけでなく消費者が今、どんな表示例が本当に「見にくい」と具体的に思うようなものなのかとか、事業者において何が本当に限界だと言っているものなのかというのを浮かび上がらせられるような調査はぜひしていただきたいと思います。そういう意味で、例外があるのは当然かなと思います。

○受田部会長 ありがとうございました。

そういうところ、限界というものの具体というところが分かれば、事業者の皆さんの努力も分かりますし、一方で消費者側がなぜそれをできないのかと思っておられる、それの解消にもつながっていくと思います。

そうしましたら、いかがでしょうか。表現方法はルール(ガイドライン)でちょっと行き過ぎた表現があるかもしれませんので、ここは書き改めるとして、現状の調査としてこの中身についてはまた改めて相談させていただきますので、この①、②というのが基本、まず結論として調査項目を挙げさせていただくということでよろしいでしょうか。

松永委員、お願いします。

○松永委員 食品表示は個別の製品によって全く状況が違っているので、ここで挙げられているデザイン、フォント及びサイズ等の情報量みたいなところとか、面積とかで数字が出るということと、それから、それが見やすいかどうかということの評価、判断というのはまた別物なわけですね。

先ほど部会長がおっしゃった19%を超えるみたいな、たしかあれはA4サイズではというただし書きで、食品のパッケージだともともとの大きさとか形もあって、その数字はそのまま当てはめられないし、今のところ判断基準がないというお話がたしかあのときに出たように思いますので、数字だけをぽんと出されてどうかと言われても、私たちには分からないですね。なので、調査をするときには、全体の調査をして例えば平均値を出すということにも意味がありますが、それとは別に、それが見やすさ、分かりやすさということとどう関係があるのか。あそこの研究所が今できていませんというところまでをやるような調査をしていただけたらいいなと思います。

以上です。

○受田部会長 調査から研究に入っていきますね。

○松永委員 それに近いです。

○受田部会長 先ほど申し上げた19%などという閾値に関して、おっしゃるとおりだと思います。それは平均的な話であって、対象が、それが見づらいと感じる方とそうでない方とでも当然違いますので、その点はここ以上、ここ以下ですぱっと切るという話ではないということと、もっとその数字や個別事例に関しても、どのように消費者の皆さんに映るかというところも含めて、しっかりとここの情報が調査できるように、理解できるようにしていきたいと思います。

宗林委員、お願いします。

○宗林委員 確認なのですけれども、調査をするのは、一括表示面積の割合を調査するということなのか、左側にありますように視認性も含めての調査。今、両方が混じっているような気がしますが、私はまずはファクトとして、表示面積が比較的大きなものから小さいものまで段階を決めて、母集団を決めた中でどのぐらいの一括表示面積になっていて、その拡大の可能性というものを物理的に確認するのかなと思ったのですが、いかがでしょうか。

○受田部会長 ここは①と②をインディペンデントにやるのか、従属させてつなげていくのかに関しても、最も効率的な情報が得られるように考えていくということで宿題にさせていただきたいと思います。先ほどの宗林委員から御提案いただいたその考え方も一つだと思います。したがって、①からやり、②に行くというよりも、②が先に行きながら、①をそれに関連付けてやるということもあり得るというふうにお答えをさせていただければと思います。ありがとうございます。

今村委員、お願いします。

○今村委員 1点要望で、視認性の中で、この書類の最後に書いてある色覚異常者への配慮という部分で、緑の上に赤で書いたりしたら読めない人が男性の場合は5%ぐらいいるわけで、それはせっかく視認性の調査をするのであれば、面積とかだけではなくて、そういう見づらい表示がどれだけあるかというのは併せて調査をお願いできればと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

非常に重要なところで、5ページに書いてある視覚機能の弱い方への対応の部分、まさにこれもそういった調査によって明確になれば、比較的迅速に改善が図られる部分ではないかと思いますので、今の今村委員のコメントに関しては調査の中にしっかりと落とし込んでいきたいと思います。ありがとうございました。

では、渡邊委員、戸部委員でお願いします。

○渡邊委員 この方向性の中で1つある4ページの「Webにおける表示基準を設ける」という言い方、これはちょっと言いすぎではないかと思っています。先ほども言いましたように、ウエブというのはあくまでも任意表示で、業者がどのように使うかは自由なわけなので、その中でウエブにおける表示基準を設けると今の段階でここにこういうふうに記すのは、方向性としてもちょっとおかしいかなと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

今の点、しっかりと受け止めさせていただきたいと思います。紛らわしくなってしまうのは、いつをゴールに描いているかが明確でないという部分がありますので、そこも含めて表現方法に関してはより現実的に改めさせていただきたいと思います。

続いて、戸部委員、お願いいたします。

○戸部委員 3ページの調査についてですけれども、一括表示の見やすさとか情報量の測定ということだけでは、商品全体の設計としては十分でないように思います。

というのは、商品によって異なると思いますが、一括表示以外にも、使い方とか消費者にとっては必要な情報があると思うのです。その情報も含めた上での全体のバランスだと思うので、一括表示の情報量の調査ということだけでは、その結果を見て判断できないと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

なかなか難しいコメントだと思います。まずは一括表示の現状がどうかということを理解するところから始めるということで、今、御発言のありました、例えばその商品の利用の仕方、活用の仕方、調理の仕方とかいろいろ補足的な一括表示の義務化の対象以外の、事業者の皆様からすればしっかりした説明、ここの部分に関しても視認性という意味ではセットであるというお話かと思いますので、コメントとしては理解できますが、どこまで調査を具体的にやれるかとなったときに、その点についてどのように考慮するかについては、また検討させていただくということで、意見をまず賜ったことを我々としてはしっかりと意識をしておきますので、本日のところはそれで御容赦をいただければと思います。

そうしましたら、もう時間が参りましたので、きょうのところ、いろいろ文言の訂正、次回に向けて改善を図ります。多分、書き過ぎの部分についての御意見が多かったかもしれませんので、そこを書き改めると表現が弱くなり過ぎたという意見もまた次に聞かれるかもしれませんが、その点で落としどころは見つけてまいります。それで御理解をいただきたいと思います。

それから、特にきょう成案としては3ページにあります課題解決の考え方、その1の①、②、これについては実施する方向で前向きな御意見を賜ったと理解しております。そういうことで、この食品表示部会の具体的議論の出口として理解をしていくバックグラウンドの調査をこういった点でまず結論とさせていただきたいと思います。

4ページのウエブの情報提供のあり方については、基本的にこの方向性が委員の皆様からは当然のごとく必要であるというお話はいただいたものと思います。ただ、表示基準を設けるとか、法的に義務化していくということは、今の段階では拙速ではないかとコメントもいただいております。したがって、きょう消費者庁から御説明をいただいたように、優良な事例等をしっかりもう少しリサーチしていって、その情報に基づいて、これぐらい有効に活用できるのだという現状を理解した上で、さらにその有効な活用の方法を提案できるように持っていければと思うところでございます。次回以降といいますか。

宗林委員。

○宗林委員 ウエブの情報提供のところですけれども、渡邊委員からも再三、義務なのかというお話がありましたが、ウエブ上の書いてあるものを表示として位置づけるかどうかというのはとても大事なことだと思うのです。パッケージのところには書き切れない、一括表示で義務になっているものは一部表示としてウエブに移行させて、見やすくして、全体としては情報が得られるという考え方と、パッケージには入らないけれども、ウエブとしての情報提供のあり方を義務づけるというのとは全く違うことなので、私は前者、表示として位置付け直して、パッケージとあわせて両方で活用しやすくするためにはというふうに考え方を変えるのかと思って、そこをまた次回までに。

○受田部会長 ありがとうございます。

この点は宗林委員から何度も御発言をいただいていて、今の段階では義務表示ではなくて、広告の一部としてウエブは活用されていますので、食品表示の対象としてこれを見ていくかどうかというのは非常に重要な考え方のポイントになると思っていますので、これは次回以降また議論させてください。

菅委員、お願いします。

○菅委員 まさに今の宗林委員のお話と関連する話で、私は宗林委員と多分異なる意見を持っていると思われるので、そのあたりのことについて、きょう、資料1の4ページのその2についてはおおむねこの方向で議論するということを確認という形で先ほど部会長がおっしゃったのですけれども、私はもう少し意見を申し上げたいことがあって、それを踏まえて、またこのまとめ方が修正されるべきものもあると思っています。

恐らく今回の御提案、資料1の4ページなどは、どちらかというと先ほどおっしゃった宗林委員の御意見の方向ではなく、従前どおりの立て付けの中でのウエブの位置付けでまとめられているように思います。だからこそ、渡邊委員が先ほど、これは義務ではないのではないかとおっしゃったこととつながる形での、現状の立て付けの上乗せのような形のまとめの案になっているのだと思いますから、私はその方向に沿って意見を述べるかもしれませんけれども、ここは他の御意見があってもいいのではないかと思います。

その2については是非次回また意見を述べたいと思いますが、もう一つ、前に少し遡るところで、先ほど申し上げる機会を失ったのですが、最初の議論の間口のところで、これからの議論にも関係するところで1つ強調しておきたいこととしては、皆さん、増やさない、減らすことという話ばかりされていますが、なぜ容器があるものについて容器縛りなるものがあるのかということの重要性も改めて確認するようなことをしていただきたい。近接表示をされていることが基本的に重要なのだというところは出発点としては確認した上で議論していかないと、何でもウエブに流していっていいという話になることについては非常に抵抗があるということです。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

恐らくウエブの表示に関して、次回議論していく重要な点の頭出しを今、お二人の委員からしていただいたと思います。かなり考え方の大事なポイントになりますので、最後の部分、しっかりまた議事録を読み込んで、そして次回以降のウエブを使った情報提供のあり方の議論において、ここから再開をさせていただきたいと思います。

夏目委員。

○夏目委員 済みません。時間が過ぎていますので申しわけないのですけれども、松永委員がおっしゃったように、時間のマトリックスということを考えたときに、今、私たちが8月までにやるべきことはこれなのだと。例えば調査をやりますよと。その検証結果については次期に任せますよということを明らかにして、皆さんがきっちりと共通理解したほうがよろしいかと思うのです。ですから、8月にできること、例えば来年度の消費者基本計画の工程表で盛り込めるところ、さらには2020年以降の5年間の消費者基本計画に盛り込めるところ、どこを狙っていくのかという、まさに全体像というスケジュール感をお示しいただくことも必要かなと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

もうゴールを見据えながらやってまいりますので、これはずっと空中戦でそこのお話をし続けておりますので、スケジュールと、8月までとそれ以降、これをどう活用していただくか。素案は次回お示しさせていただき、共通理解とさせていただきたいと思います。

もちろん、第4期の消費者基本計画に盛り込めるであろうというような、盛り込んでいきたいというような希望的な話も当然そこの中には含まれることになりますので、あとはまた消費者委員会とのやりとりも、あるいは消費者庁の皆さんとのやりとりも含めながら話をさせていただければと思います。ありがとうございました。

もう時間が12時を回りましたので、きょうの食品表示の全体像の議論に関しては、ここまでにさせていただくということでよろしいでしょうか。

それで、ここからなのですけれども、このまま終わらずに、最後に、ここのところ報道などでも取り上げられているゲノム編集食品に関し、消費者が表示の問題を含めて様々な疑問や懸念を抱いているということは想像に難くございません。今般、消費者庁から、遺伝子組換え食品表示制度について御議論いただいた当部会の委員の皆様からも、ゲノム編集食品に関し疑問点や懸念点等をお伺いし、今後の消費者庁の対応の参考にしたいという御依頼をいただいております。

ということで、御依頼をされております消費者庁から少しだけ御説明をお願いしたいと存じます。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 どうもお時間をありがとうございます。

今、受田部会長からお話のありましたゲノム編集技術応用食品につきましては、本年3月27日に厚生労働省の薬事・食品衛生審議会、いわゆる薬食審の食品衛生分科会新開発食品調査部会の報告書である「ゲノム編集技術を利用して得られた食品等の食品衛生上の取扱いについて」が公表されております。

厚生労働省の説明によりますと、本年夏ごろを目途として、その取り扱いの詳細を検討して明確化し、運用を開始する予定ということでございます。この食品衛生上の取り扱いの運用が始まりますと、事業者は、ゲノム編集技術応用食品の流通に向けて動き出すことが可能となります。このような状況を受けまして、消費者庁においてもゲノム編集技術応用食品の表示のあり方について検討を進めております。

厚生労働省では、薬事・食品衛生審議会の新開発食品調査部会の報告書案のパブリックコメントを実施しており、そこに寄せられた意見と回答の概要が3月の同部会に示されておりますけれども、そこでも見られますように、ゲノム編集技術応用食品に関しては、表示のあり方を含め、消費者の多様な懸念や不安があると思われます。消費者庁の検討に当たっては、様々な方の御意見を伺い、それを参考にして制度のあり方を整理したいと考えております。

食品表示部会の委員の皆様は、消費者、事業者、有識者といったさまざまなバックグラウンドをお持ちでありまして、皆様のお声をお聞きすることは、これら消費者の懸念や不安を把握する一助になると考えておりますので、委員の皆様からゲノム編集技術応用食品に関し、表示のあり方を含め、お声を伺えればと思っております。

先ほども申し上げましたとおり、厚生労働省の食品衛生上の取り扱いの運用開始が夏ごろを目途に検討が進められておりますので、消費者庁としても、このスケジュールを念頭に置いて検討したいと思っております。既存テーマの審議中のところ、お時間を割いていただくことになりますけれども、次回はまず事実関係の説明のみと、次々回に集中して意見交換という形でお願いしたく思っているところでございます。どうかよろしくお願いいたします。

○受田部会長 ありがとうございました。

今、赤崎課長から御説明をいただいたお話については、我々の任期も考えますと時間的な余裕がない状況ではやむを得ない対応ではないかと私、部会長としても考えているところでございます。御説明いただいたとおり、まずは次回の部会でゲノム編集の仕組みと事実関係について皆様と理解を深め、確認をしていきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

今村委員、お願いします。

○今村委員 その方向でよろしいのですけれども、ゲノム編集は遺伝子組換えよりももっともっと難しい話なので、あれを短時間でわかりやすく説明するというのは至難のわざだと思うのですが、ぜひ頑張っていただきたいのと、多分、委員の先生方には予習をしてきてもらわないと、あれは普通では分からないと思いますので、ぜひ予習をお勧めしたいと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

その予習の際のいい材料があれば、また今村委員にも御提供をお願いできればと思います。

○松嵜委員 分かりやすいもの。

○受田部会長 分かりやすいものを。

菅委員。

○菅委員 済みません、1つだけ。表示の方法について、最終的に我々に問われることになるのですか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 ただいまの御指摘のとおり、表示制度のあり方について、お声を伺いたいというふうに我々は考えております。

○受田部会長 ありがとうございました。

まずは次回、予習をもとに御説明を伺い、我々が理解をしっかりし、そしてその次にいろいろな質疑をさせていただき、食品表示としてどうあるべきかという御意見をいただき、恐らく遺伝子組換えの際にもいろいろございましたように、多分科学的検証とかそういったところがポイントになってくるのだろうと思うのですけれども、たっぷり時間をかけていろいろな御意見を賜り、その後の消費者庁の施策に活用していただくということにしたいと思います。

問題は、それによって全体像の議論が大幅にまた制約を受けるという、きょうの前段のところでいろいろ御意見をいただいたことが消化不良にならないように、またしっかりとまとめて部会に臨みたいと思いますので、何とぞよろしく御協力のほどお願いを申し上げます。


≪3.閉会≫

○受田部会長 それでは、本日の議事は以上となりますが、連絡事項等があればお願いいたします。

○坂田参事官 本日も、長時間にわたりまして熱心な御議論をいただき、まことにありがとうございました。

次回は、5月23日木曜日10時からを予定しております。詳細は追って御連絡いたしますので、よろしくお願い申し上げます。

以上です。

○受田部会長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。

お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございました。

(以上)