第46回 食品表示部会 議事録

日時

2018年10月10日(水)14:30~17:12

場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール13B(東京都港区赤坂2-14-27 国際新赤坂ビル東館)

出席者

【委員】
受田部会長、樋口部会長代理、安達委員、池戸委員、今村委員、澤木委員、下浦委員、菅委員、宗林委員、夏目委員、松永委員、渡邊委員
【説明者】
消費者庁 橋本審議官
消費者庁 赤崎食品表示企画課長
消費者庁 食品表示企画課
【事務局】
二之宮事務局長、福島審議官、坂田参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 「食品表示の全体像」について
  3. 食品表示基準の一部改正(遺伝子組換え表示)に係る審議
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○坂田参事官 本日は、皆様、お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

ただいまから、第46回「消費者委員会食品表示部会」を開催いたします。

本日は、岸委員、戸部委員、松嵜委員、宮崎委員が、所用により御欠席となっております。

なお、本日の部会は過半数に達しており、定足数を満たしておりますので、御報告いたします。

議事に入る前に、配付資料の確認をさせていただきます。

本日お配りしております資料は、議事次第に記載しておりますとおり、資料1から5及び参考資料1から5となっております。

不足の資料がありましたら、事務局へお申しつけいただければと思います。

本日も、多くの傍聴の方にお越しいただいておりますので、御発言の際には、お手元にございますマイクをお持ちいただいた上でお話しいただきますようお願いいたします。

それでは、受田部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。

○受田部会長 本日も、お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

また、大勢の傍聴の皆様にもお越しいただきましたこと、心より御礼申し上げます。変則的で背中を向いておりますけれども、発表のレイアウトの関係で、この席で参りたいと思います。御了承のほどよろしくお願いいたします。

まず、議題に入ります前に、前回の部会においても御指摘があったところでございますが、今期の食品表示部会の日程について、皆様と共有をしておきたいと思います。

想定しております今後のスケジュールについて、まず、事務局より御説明をお願いいたします。

○坂田参事官 それでは、お手元の参考資料1を御覧いただければと思います。

前回、委員から御指摘があったことを踏まえまして、本部会において今後想定されるスケジュールとして、部会長と御相談した結果を資料としてまとめたものがこちらの資料になります。

記載しておりますとおり、年内は本日も含めまして4回ほど予定しております。

まずは食品表示の全体像に関して、本日を含めて3回程度御審議いただく予定でございます。また、後ほど消費者庁より御説明いただくことになりますけれども、遺伝子組換え表示に関しましては、10月3日付で当委員会に諮問されたということでございます。本日、議題として取り上げるものの、同時並行で本日よりパブリックコメントが開始されるということでございますので、本日は諮問案の説明及びそれに対する質疑応答のみとし、パブリックコメントの取りまとめが終了する見込みの12月後半から本格的な審議を開始していただければと考えております。

年明け以降につきましては、引き続き遺伝子組換え表示について審議いただく予定でございます。遺伝子組換え表示に関する答申発出後は、食品表示の全体像の審議にお戻りいただいて、取りまとめを念頭に御議論いただければと考えております。

なお、委員の皆様におかれましては、来年8月末で任期満了を迎えることも念頭に置いていただければ幸いでございます。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

全体的なスケジュールとしては、今、事務局から御説明いただいたとおりを考えております。部会長としても、毎回論議するテーマが変わってしまうのを避けるべきといった理由から、遺伝子組換え表示については、パブリックコメントを踏まえた状態をスタートラインとして本格的な議論を開始することが最善であると考えておりますので、今後の食品表示部会は、参考資料1を念頭に進めさせていただきたいと思います。委員の皆様の御協力をお願いできれば幸いでございます。

よろしいでしょうか。

≪2.「食品表示の全体像」について≫

○受田部会長 本日、1つ目の議題でございます「『食品表示の全体像』について」の議論に入ってまいります。

全体像については2回目の議論となりますけれども、前回の部会において、委員の皆様から御発言いただいた中で、池戸委員より、6年前に報告書が出された一元化検討会に関してお話がございました。私からも最後に発言をさせていただいたところでございますけれども、食品表示の全体像について議論するに当たり、一元化検討会における議論の重複を避けつつ、今後の議論を深めていくための材料として、当時の検討に至った背景などを含めて確認しておくことは非常に有意義なものであると考えております。

そこで、今回は、一元化検討会の座長をお務めになられました池戸委員より、その点に関するお話をお伺いしまして、皆様と情報を共有しておきたいと思います。その後、質疑応答の時間を設けまして、全体像に関する議論を進めていく予定でございます。

なお、池戸委員の御説明の前に、一元化検討会の設置趣旨や議論の経緯などについて、消費者庁から簡単に御説明をお願いしたいと存じます。

よろしくお願いします。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 消費者庁でございます。

それではまず、消費者庁から、食品表示一元化検討会の設置趣旨や議論の経緯などにつきまして、お手元の資料1-3に沿って御説明いたします。これは、文字どおり、この検討会の開催要領になります。

「第1 趣旨」として、食品表示一元化検討会の開催趣旨が書かれていますが、最初の4行には、食品表示が3つの法律に分かれていたことが書かれております。3つの法律とは、まず農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律、いわゆるJAS法、2番目が食品衛生法、3番目が健康増進法になります。このように表示の根拠法が複数あった状況を踏まえ、この「第1 趣旨」の下2行にありますように、食品表示の一元化に向けた検討を開始するために検討会を立ち上げたということでございます。

具体的にどのような検討課題があったのかは、「第2 検討項目」になります。全部で3つございました。(1)が一元化に向けた法体系のあり方、(2)が、本日のテーマのグランドデザインとも大いに関係しておりますが、わかりやすい表示方法のあり方になります。この点、後ほど池戸委員から御説明があろうかと思っておりますけれども、具体的には、文字の大きさや容器包装以外の表示媒体といったことについて検討しております。3点目が、一元化された法体系下での表示事項のあり方、要は、何を義務表示事項にするかといったことが検討項目になっていました。

スケジュールは「第3」のところにありますが、この開催要領の日付は平成23年9月30日付となっています。この日がまさに第1回の検討会の開催日でして、当初は平成24年6月を目途に報告書の取りまとめを行う予定でしたが、実際は平成24年8月3日に第12回を最終の検討会として開催しています。

一元化検討会の委員については、次のページを御覧になっていただければと思います。全体で16名の委員がおられました。一番上に池戸委員のお名前が出ておりますけれども、検討会の座長につきましては、委員の互選で選ばれるということで、池戸委員が座長に選ばれたという経緯がございます。

続きまして、資料1-1を御覧になっていただければと思います。これは一元化検討会報告書になりますが、この最終ページ、26ページをお開きいただければと思います。ここに、開催の経緯が書かれております。

第1回は平成23年9月30日、最終の第12回が平成24年8月3日となっています。御覧になっていただくと、第6回、平成24年2月になりますが、一元化に向けた中間論点整理が審議事項となっております。ここで一回議論を集約しています。その後、平成24年3月から4月にかけて、中間論点整理のパブコメ、幅広い関係者からの意見募集を行っています。その他に、この検討会での議論の参考とするため、ここには書いていないのですが、消費者庁でいろいろな調査結果を取りまとめて御報告しております。その中には、消費者の意向についてのウエブアンケート調査結果などもございますが、これは後ほど池戸委員から御説明があろうかと思います。こういう経緯を経まして、最終的には平成24年8月9日、第12回検討会の6日後に報告書が取りまとめられたという経緯がございます。

消費者庁からの御説明は以上になります。

○受田部会長 ありがとうございました。

それでは、今の経緯を踏まえまして、池戸委員から、恐縮ではございますけれども、40分ほどで御説明をお願いいたします。

○池戸委員 池戸でございます。

御指名いただきまして、ありがとうございます。

私から、一元化検討会の報告も踏まえまして、その後、消費者委員会の食品表示部会で一部文字の大きさなどについて審議がございましたので、それも含めて御報告させていただきたいと思っています。

説明の資料なのですが、事務局で用意していただいた資料2を見ていただきたいと思います。前に映す画面とお手元にお配りしたものは全く同じでございますので、特に後ろの方は見えにくいかと思いますが、お手元の資料を見ていただきたいと思います。

まず、検討会のことなのですが、趣旨等は先ほど消費者庁から御説明いただいたとおりでございます。

ここに具体的に3つの検討項目が書いてございまして、「(2)消費者にとってわかりやすい表示方法のあり方」とはっきり書いています。前回のこの部会で全体像の中身の言い方が変わっているかと思うのですけれども、このわかりやすい表示方法のあり方はこの検討会で言った内容が関連すると思いますので、ここはあえて四角枠で囲ませていただきました。

検討会全体で、私は座長を仰せつかったのですけれども、先ほどの消費者庁のお話のように、全12回開催していまして、延べ34時間を超えています。

スケジュールは先ほどのとおりなのですけれども、資料1-1、報告書の一番最後のページ、26ページをもう一回見ていただければわかるのですが、12回のうち最初の6回のところは個別のいろいろな検討をさせていただきまして、「わかりやすい」の部分は第2回目から既に検討を進めております。その後も、3回、4回と「わかりやすい」という言い方はしていないのですが、例えば、3回のところは「一元化に向けた基本的な考え方」とか、4回のところは「表示の適用範囲」といったところでも検討していますので、ほぼ毎回、この分野についての検討を行ってきました。

途中で、いろいろな御意見があるので広く御意見をパブコメとして求めたいということで、中間論点をまとめまして、その内容についても簡単に後ほど御説明させていただきたいと思っています。

7回目以降は、「わかりやすい」ことも含めまして、報告書の検討にずっと入ってきたということになっております。

次のページをめくっていただきますと、これは第2回目の資料でして、確認をしたと思うのですが、まず、表示の機能・役割はどういうものかということです。4点が書かれていまして、多分当時の旧3法と、景品表示法とか、そういうものも頭に置いての整理だったと思うのですけれども、安全に食べられるかどうかを合理的に判断するための情報を伝達する機能、商品選択のための情報伝達、公正で自由な競争の促進、栄養摂取を促すための適切な情報ということを初めに確認した上で、議論を進めました。

まず、わかりにくい要因とは何なのかというところから始まりまして、これも根拠が必要なので、過去の意識調査を踏まえた整理をしております。私の今回用意した資料は、検討会の資料をできるだけそのまま張りつけております。したがって、これで決まったということではなくて、当時こういう提案があったということで御理解いただければと思います。

まず一つは、いろいろな個々の法律ごとで企画立案と執行体制もばらばらなので、用語の定義が統一されていないことが当時は挙げられています。例示として、「製造者」と「加工者」の定義ということで、括弧書きの中に例示がございまして、例えば、A社が製造した食品をB社がバルクで仕入れてB社が小分けをした場合に、B社は、食品衛生法上では「製造者」、JAS法では「加工者」といったところの定義の違いがあります。それから、これは「輸入者」と「製造者」の定義なのですけれども、例えば、中国から輸入したウナギのかば焼きを、今度はB社になるのですけれども、国内で小分けした場合には、B社は食品衛生法では「製造者」、JAS法では「輸入者」といった定義が統一されていないことがわかりにくい。

情報が多過ぎて、商品選択に必要な情報が見つけにくい。これは、前回の部会でも意識調査の中で出された内容です。

文字が小さい。

消費者にとってなじみのない中間食品や添加物が記載されているので実際に役立つ情報になっていないということで、例示として「異性化液糖」「たん白加水分解物」「植物性たん白」といったものは本当に消費者の方がわかっておられるかというところも挙げております。

あと、原材料名の欄があるのですが、そこに括弧のところが幾つかあって、その括弧のところが何の目的で書いているのかわかりにくいということで、例えば、原料原産地が書いてあったり、遺伝子組換えが書いてあったり、品種といったものを挙げております。

今回の議論の中では、法律が一元化されたことによってある程度すっきりしたというものが1のところなのですけれども、それ以外、特にこの2番目以降といったものは、これから検討が必要かと思っております。

次のページの画面ですが、逆に、わかりやすい表示とは何かと、逆の方向から見て、こういう御提案もありました。

先ほどの前のところと裏返しの話になるのですが、表示用語の定義を統一・整理する。

表示事項の優先順位に差をつけることによって、容器包装に表示する文字数を調整すること。

表示に用いる文字の大きさを拡大する。②と③は連携する話にもなっている。

それ以外に、表示以外の媒体の活用が④で書いています。ウエブやPOPですね。

あとは、視覚的要素、表とかマーク、配色の工夫といったものも重要なポイントではないかということを挙げておりまして、一元化検討会の中ではこの⑤のところは特にかなり検討したという経緯が、私自身は記憶がないのですけれども、そういうことも整理されています。

先ほど消費者庁からもございましたが、まず、消費者の意向調査を重要視する必要があるだろうということで、平成23年9月にこの検討会の開催を始めたのですけれども、23年の暮れに、ウエブなのですが、約1,000名を対象にした検討調査をしています。

この結果については、後から幾つかその結果を御説明するので、あえて最初にこういうことをやったということを御説明させていただきます。

これは先ほどのウエブ調査の結果なのですが、一番左のところが表示事項です。名称から始まって、内容量とかです。

それぞれごとでわかりにくい理由はどういう理由かという意見を聞いたということで、例えば、専門用語が多くてわかりにくいとか、記載内容が多過ぎるとか、文字が小さいとか、商品によって表示の仕方が違うのでわかりにくいとかですね。この中からというと、圧倒的にどの表示事項も文字が小さいからわかりにくいということが非常に多い。全体の4から6割ぐらいが集中していました。この栄養成分の強調表示以外、これもほぼ1位と2位。この赤いところが第1位の意見というところでマークをしていますけれども、ほぼ同じぐらいの量なので、この文字が小さいというのは何とかしなければいけない。原則として、従来、今もそうなのですけれども、8ポイント以上になっているということです。

先ほど優先順位の話がありましたけれども、次のページです。当時は、平成14年と6年後の20年について同じような調査をして、その結果をそこに並べてあります。

これ自体の文字が小さくて、私もよくわからなくて申しわけないのですけれども、この上の4位、6年の差があるのですが、日付は、当時まだ「品質保持期限」という言い方をしている期限表示ですね。これが一番多い。その次が原産地で、その次が添加物ですね。それから、原材料名。この辺は変わっていないのですけれども、その後の5位から8位ぐらいまでは、順位も変わっていたりする。

ここで何かというと、まず、これは重視する表示項目はどれですかという質問なのですけれども、全てが同じレベルでみんなが見ているわけではなくて、それぞれ差異があるということですね。それから、その時々によって関心事が違うということかと思います。

その次の画面、これが最初に言いました23年の暮れにウエブでやったものなのですけれども、上位の順位も、前の2年間のものと比べていただければわかるのですが、価格は除外して見ていただきたいと思うのですけれども、期限表示、原材料名、内容量が入ってきていますね。あと、輸入者。

ここら辺も、これは「いつも参考にする」「ときどき参考にする」という集計の仕方で聞いていますけれども、この青いところを見ていただきますとそういう順番で、時代とともに違ってくるし、もっと言うと消費者一人一人によっても違うということも当然あるわけなのですね。そういう実態をある程度は考慮する必要があるだろうと思っています。

そういうことで、第2回目のときは、表示すべき事項の考え方の案が一つ示されまして、消費者に関心のある事項を幅広く記載すべきかどうか。これは当然必要なことだと思いますけれども、あるいは、消費者が見てわかりやすくするという観点から、情報量をある程度調整すべきかどうかですね。関心のある事項があったとしても、それがわかりやすくて見やすくするということは重要ですよということで、そのためには情報量はある程度調整すべきかどうかとか、そういうことですね。

仮に調整をするとしたときに、優先順位をどうするかという提案がございまして、これについて検討した。

分類は、以下のように分類できないかということで、一つはリスクを合理的に判断するために必要な事項、これは食品衛生法ですね。消費者の適切な栄養摂取を促すための必要な事項は健康増進法、商品の品質等の合理的判断はJAS法といったことで分類して、検討したらどうかという話になっています。

これから話が変わって、容器包装以外の媒体も前回部会で御提案があったかと思うのですけれども、そのことについても検討がされていまして、これはどういう媒体があるかということで、最初はウエブですね。この詳細な情報が見られるウエブということで、それ以外にPOP表示とか、その次のページにありますけれども、箱の中に説明書を入れるという、薬みたいなイメージで見ていただければと思います。窓口をつくってそれぞれ個別の関心事についてお答えするとか、表示面積が狭いのでタグをつけるとか、当時、そういう幾つかの媒体についての検討もしていまして、それぞれメリット・デメリットを整理しています。

例えば、ウエブ調査ですと、これは何のメリットがあるかといいますと、全てウエブでやるということではなくて、重要な情報は表示で伝えるけれども細かいことはウエブでやるという前提なので、表示事項そのものは少しすっきりします。非常に消費者にとってわかりやすい、そして細かいところを見ようと思えばウエブを見て確認できるというメリットがあります。追加措置も示してあります。すなわち、QRコードが読み取れるスマホとか、そういうものばかりではなくて、そういう機能がついていないものもあるので、アドレスなどを書けばそれでも確認できるとか、あるいは、お店の中で読み取り機を置いてモニターで大きく見せるといったことも考えられるのではないか。こういうものも含めた検討で、メリットは先ほど言ったとおりなのですけれども、デメリットとしては、非常に多くの商品ごとで対応せねばならないので、非常に手間がかかる。これは当然こういう問題が出てくると思います。消費者の立場で、特にスマホとかパソコンとかが使えない消費者に対しては難しいだろうという話とか、表示+ウエブなので、事業者としても非常に先ほどの手間と経費もかかるというデメリットがあるということと、現物と商品の情報を対応させるための管理が非常に大変。小売の段階ですと、特に負担が小売店のところでも、(2)の措置などの負担がかかるということが挙がっています。

次にPOP表示は、生鮮食品では既にやられているのですけれども、非常に簡単にできるというメリットはあるのですが、消費者の見落としの可能性があるとか、あとはひもづけというか、個別商品と表示内容との結びつけが変更したりする。売り場の場所を変えたり、そういったところのミスなども起こる可能性もあるとか、そういったデメリットも挙がっています。

次は薬方式で、薬は表の箱のところに非常に重要な大まかなことが書いてあって、中に詳しいことが書いてある。そういうやり方もあるのではないかということなのですけれども、メリットはそういうことでいいのですが、デメリットとしては、これも2重の情報提供になりますので非常に手間がかかるのと、もともと容器や箱に入っていないものですね。ペットボトルとか、そういったものは難しいという話です。

4番目が、お客様相談。消費者によって関心事が違うので、電話番号でお答えする。これも、消費者の中には、電話をすること自体、非常に抵抗がある方もいるし、お金もかかる。事業者にとっても、またそれに対応する経費や手間がかかる。こういったデメリットがある。

タグの方式も、これは簡単にできるメリットはあるのですけれども、脱落のおそれがあったり、ここに書いてあるような、つくるのに手間がかかるとか、こういう事業者への負担がかかるというデメリットがあるということで、こういうウエブ以外の媒体についても検討会では検討させていただいた経緯がございます。

この容器包装以外の表示媒体の活用に関して、例えば、次のようなことが考えられる。義務的表示事項を容器包装以外の表示媒体へ表示することについてどう考えるか、先ほどのような状況を踏まえてどう考えるかという議論。それから、インターネットを活用した表示媒体の活用についてどう考えるか。先ほどの念押しになりますけれども、こういうことで検討を進めた経緯がございます。

今までの画面が第2回検討会での対応なのですけれども、そういった検討を踏まえて、イメージが湧かないという委員の御意見もあって、一つ例示として、たたき台と言うのでしょうか、議論の円滑化を図るために例示をつくってみてくださいということで、事務局から第3回検討会で提案していただいたものが次の画面です。

案Aと案Bがございます。これは「文字の大きさと情報量に関する検討」となっています。

案Aは、当時現在の表示事項を原則として維持して、さらに消費者に関心のある事項を容器包装に記載する。この後半のところは、栄養表示とか、原料原産地表示とか、その議論があったので、あえてこういうことを条件とした表示の仕方。

案Bは、容器包装については、予備知識の少ない一般の消費者でも理解できる内容を中心に記載して、簡単に言えば、それで従来よりも簡素化をしてもいいのではないか。そのかわり、アレルギー表示など健康に直接関連する事項をわかりやすく表示するということで、一方で、その他の表示はほかの媒体を活用するという案。

ちょっと極端な2つの案。ただし、いずれにしても、この下になお書きで書いているのですけれども、義務表示事項をふやすことは、事業者にとってコストアップにつながって、それが最終的に消費者の価格に転嫁される可能性があるので、その辺は留意すべきだという前提の中での御提案だったと思います。

これをもとに、これは細かくて見にくいので申しわけないのですけれども、この画面はそのままなのですが、例えば、即席麺を見ると、非常にいっぱい表示事項があると思うのですね。チャーハンのもととか、これはシチューのルウですね。これを一つの例示として、先ほどの案Aに基づいて、例えばの話という前提で、つまりこれは全然決まった話ではなくて一つの本当に仮定としてやっているので、その辺は説明の前提として誤解のないようにということで、なお書きで書いてはあります。

①案が、原材料の上位2品目について、原料の原産地を表示する。この当時は、まだ今の原料原産地表示の基準ができていませんので、こういうことをまずは想定して書いています。添加物は全て、物質名に用途名または一括名を併記するということです。製造所固有記号は使用しなくて、製造者の名称と所在地を表示する。それから、栄養表示は書きましょうと。プラス、普通の一般の項目及びトランス脂肪酸なども表示しましょうということです。

②案は、アレルギーは原材料に付記することをやめてしまって、一括で別のところで書くという案で、原材料、添加物は上位8品目までを書いて、あとはその他みたいな形で書く。容器包装には原材料名とは別に添加物名を項目として追加して、ここは用途名または一括名を記載する。物質名ではない。あと、商品に責任を持つ者です。いわゆる問い合わせ先を表示する。製造者固有記号は使用しないということは、①案と同じような考え方ですね。栄養表示は、一般表示事項だけを書くということですね。一括表示欄に表示されていない残りの情報は、ウエブやPOPで表示を可能にしましょうという2つの極端な前提でのことを、左上に書いてある即席麺、チャーハンのもとといったもので示したものです。

ページ数の関係でカップ麺だけを載せて、カップ麺の現状はこうですよ、栄養表示はこうなっているという、それを①案で示すと、細かいところを一つずつは言いませんが、全体量としてはこんなふうになりますねと。栄養表示もここに書いたような感じになりますよということですね。

②案だと、上から見るとすっきりはするのですけれども、細かいところはウエブでやるというものが、イメージとしてわかりやすく議論が進むように提示されたものです。

消費者の意向調査で、文字の大きさと情報量について聞いてみました。これは裏腹の関係があって、字を大きくしてしまうと、表示可能面積のところが一定であれば情報量が制限されるという話になりますので、そういう前提です。

まず、表示事項を絞ってでも字を大きくしたほうがいいという人が73%、これはどちらかというと先ほどの②案ですね。小さい文字でも多くの情報を載せるというものが27%、このときはこういう結果になっています。

27%というのは決して少ない数ではないと私は思っていますけれども、両方満足するという話になると、ほかの媒体を使うということが一つはあるので、それもできるだけ表示でやりましょうというのと、表示でやるのは重要なものに限ってあとはほかの媒体を使うというのが、このときはちょうど絵に描いたように50対50だったのですね。

表示でできるだけやるというのは、例えば、先ほどメリット・デメリットで言い忘れたのですが、例えば、隣の奥さんに頼まれて買いに行った場合は、その食品と情報がセットなので、どういう人に渡ってもある程度情報が確認できるというメリットがある。そういう人もこちらのほうに多分意思を示したのではないかと思っています。

いろいろな御意見が出ました。それで、中間論点を整理しました。これを5つに分けて、これはわかりやすいだけではなくて、この一元化検討会のそれまでの6回の議論を整理したものです。

大きく目的をどうするか。表示制度における表示事項をどうするか。表示に該当しないような販売形態、外食等はどうするか。加工食品の原料原産地。栄養表示。この5つに整理をして、御意見を聞いたという経緯がございます。

次の画面は6回目の後なのですけれども、1,000件ぐらいの御意見をいただいたということで、今回のテーマはこの論点2の表示事項に関連するので、枠をはめさせていただいたということです。

どういう整理で御意見を求めたかといいますと、これはまた非常に見にくくて申しわけないのですけれども、この左側、先ほどの論点2がここの部分なのですね。この左側の青いところを提示しまして、これについて御意見をくださいという聞き方をしました。

前の画面が見にくいので、それぞれ資料を見ていただいたほうがいいと思うのですけれども、例えば、論点2なので、考え方の青いところを見ていただくと、上から考え方2-1-1や2-1-2と書いてありますけれども、表示事項をどうすべきかというものが2-1になっています。次の画面の2-2の何番というのは、わかりやすくするためにはどうしたらいいかと、2つに分けて整理をしておりまして、この主な考え方のところは、検討会でいろいろな御意見が出たので、それを整理すると、例えば、2-1の部分は6つぐらいに分けられるということで整理したものです。

例えば、2-1-1は、名称、原材料、内容量などの一般的な事項や、当時は「安全性」ではなくて「健康危害」という言い方をしていたのですけれども、健康危害に直接関連する事項、例えばアレルギー表示などを中心に義務化して、容器包装にわかりやすく記載する。それ以外の事項は、事業者の主体的取り組みを尊重して任意表示とするという御意見です。こういう考え方についてどうかという聞き方ですね。

それぞれの項目として、この右側のところがいただいた意見を整理したものですので、それぞれで説明したほうがわかりやすいと思いますから、まずは、重要なことは義務表示なのだけれどもあとは任意にするという考え方について、右側の黄色いところを見ていただくと、一番上の欄、表示事項を絞り込み、文字を大きくして消費者にとって見やすくわかりやすくすることを最優先とするという、言い方はそれぞれ違ったので、整理するとこういうところの御意見も42件がありましたということです。

2番目が、義務表示事項は一般事項や健康危害に関する事項ですね。「又は」というので『「公正な取引」及び「衛生上の危害防止」に真に関わる事項』に限定して、それ以外は任意とするというものが51件。

食品の安全性確保に関する項目を優先し、消費者にわかりやすい表示と事業者の実行可能性を考慮して、内容を絞るべきというので、これは5件です。

ここは、何件あったかという大小もあるのですが、パブコメの目的としては、少数意見であっても、気がつかなかったり、委員会や検討会といったものもいただけるというところがありますので、そういう見方で見ていただければと思うのですけれども、そういう御意見がありました。

左側の青いところの2番目、考え方2-1-2です。現在、任意表示となっている事項も含め、消費者の商品選択や安全性確保の観点から、表示事項に優先順位をつけて、義務表示事項の範囲を検討するというので、これは全てもう一回見直して優先順位の考え方で表示事項を決めたらどうかという考え方ですね。これには特に意見がございませんでした。

次の2-1-3、現在の表示事項は最低限維持しつつ、例えば、消費者が関心を持っている表示項目をふやすなど、消費者にとってさらなる情報を提供できるようにするという考え方です。これに対しては、それと同じようなことが必要だというのが53件ありましたということです。

考え方2-1-4、任意事項についても、自主的な取り組みによる譲歩提供の促進というところに力を入れているのですけれども、施策としてそういった促進を位置づけるべきではないかという考え方で、これについても、そうだという御意見と、個別の企業だけではなくて団体なども、促進に力を入れていただくとありがたいという御意見があったということです。

考え方2-1-5、表示方法のルールとして、表示するか否かは任意だけれども、一旦表示する場合には、一定の基準に従うことを必要とする。例えば、当時、まだ栄養表示は義務化ではないので、栄養表示を仮に任意でする場合はルールに基づいてやりましょうというものなのですけれども、これについても、それに対しての賛同的な意見だと思うのですけれども、意見がございました。

最後の2-1-6は、冠表示や強調表示といったものに使用割合を書かせるなど、新しい表示の内容を積極的に書くようにすべきだといった意見も出されて、それに対する御意見もいただいています。

「その他」というところで、遺伝子組換えの表示はかなりの数がここのところで意見が出ておりまして、全体で1,000件の中で165件とか、それぐらい。これは触れられていないので、論点として考えるべきだという御意見をいただきました。

一番下に、「無添加」や「不使用」といったものの強調表示は、コーデックスにならって基準がたしかできていたかと思いますけれども、そういった御意見です。

次のページ、これが同じように2-2になりますけれども、わかりやすくするためにはどういう措置が必要かということで、考え方の2-2-1は、わかりにくいのはそれぞれの法律がばらばらでやっていることだということで、これはそういうことを図るべきだという意見が寄せられています。それは一元化といったことに対する御意見です。

2-2-2は、表示事項等の見直しを行った上で、まず、文字を大きくすることについても、できるだけ大きくする必要があるとか、それに対して、わかりやすい表示とは、必ずしも大きな表示という表面的なことではなくて、正確な情報が記載されて、消費者の合理的な商品選択に資することを前提として考えるべきだという御意見もございました。

2-2-3は、容器包装以外の媒体の活用のことについても、御意見をいただいております。

最後に、例えば、インターネットなどで媒体を利用した場合でも、さっきのデメリットのところにも書いていますように、見られない人もいるし、中小零細事業者が非常に多いところなので、そこら辺を考慮すべきだという意見がございました。それに対しての御意見も、適切ではないという御意見もかなりいただいているという経緯がございます。

あと、実態調査やヒアリングを行ってもらいたいとか、添加物の一括表示をやると。ここで添加物が一つ出されてきた経緯がございます。

この画面は細かくて申しわけないです。

もう一つ、先ほど冒頭に言いました、それを踏まえて消費者委員会食品表示部会で基準を審議した際に、調査会を3つ設けたのですけれども、その中の「加工食品の表示に関する調査会」の中で、字の大きさについての検討をした経緯がございます。これについては、お手元に事務局で用意していただいた参考資料があります。そちらもまた後ほど見ていただければわかるかと思うのですけれども、参考資料3にちょっと詳しく書いています。

私のほうは簡単に説明させていただくと、今、表示可能面積が150平方センチメートルより上が8ポイント以上、150平方センチメートル以下は5.5ポイント以上となっています。まず、ここの5.5のところを、表示可能面積の30から150平方センチメートルの間については、1ポイント大きくして6.5ポイント以上にしましょうという案が示されました。このとおりにやると、下に書いてあるように、イメージ的には、今まではこの面積なのですけれども、このぐらいの面積が要りますよという話になります。

さらに、それに今度は栄養表示が加わりますので、ここに書いてあるのですけれども、これまでは30以下はもちろん5.5ポイント以上になっているのですが、30以下のところは面積が非常に小さいので省略してもいいですよというルールになっていたのです。その省略をするところはもう少し緩めないと、字を大きくすると面積が要るので、省略可能面積を50まで広げようという案です。

もう一回整理すると、今までは省略規定が30平方センチメートル以下についていて、これは以下であれば、例えば、JAS法で言うと原材料とか、幾つかのものが省略してもいいという形になっていたのですけれども、それを50まで少し緩めることと、そのかわり、30から150まで、それまでは5.5のところを6.5にするという案が示されて議論した経緯がございます。

結論から言うと、いろいろな意見が出たのですけれども、ここのところだけを検討して基準を変えるという話になるのですが、それがどれだけの事業者への影響や効果があるかというのは、その当時は裏づけの根拠がまだはっきりしていない。消費者の意向が本当にこれでわかりやすくなるのかどうかも含めてわからないということがあって、結論的には、宿題みたいな形になって、報告としては、これは後送りという話になっております。こういう検討があったということだけ、お示しさせていただきます。

最終的には、いろいろな御意見もあって、結論としては、報告書に書かれていた内容で整理させていただきました。お手元の資料1-1の7ページだったと思うのですけれども、「情報の重要性の整序」というところがございまして、この画面はそのまま整理したものでして、そこにはこういうように書かせていただきました。「情報の重要性は消費者や食品によって異なる」ということですね。表示されている事項の全てを見ている消費者は必ずしも多くはない。

赤字で書いてあるのですけれども、できる限り多くの情報を表示させることを基本に検討を行うよりも、より重要な情報がより確実に消費者に伝わることを基本に検討を行うことが適切だということですね。括弧書きなのですけれども、表示義務として、行政が積極的に介入すべきは、特に安全性確認に関する情報だと思います。

その結果、情報の重要性に違いがあることを前提とした制度設計が必要ですよという整理をさせていただきました。

表示の見やすさ(見つけやすさと視認性)ですね。これについては、ウエブアンケート結果において、栄養表示の強調表示を除く全ての表示事項で「文字が小さいため分かりにくい」との回答が最も多かった。文字の大きさと情報量について、「小さい文字でも多くの情報を載せる」が27.4%、「表示事項目を絞り、文字を大きくする」が72.6%というのは、先ほど御説明したとおりです。

報告書としては、高齢化が進展する中で、高齢者の方々がきちんと読み取れる文字のサイズにすることが特に必要である。文字を大きくすることの必要性は高いという見方をさせていただきまして、一括表示による記載方法の緩和など、要するに、一括表示に限定してしまうと制限されるので、それ以外のところに書くなど、食品表示の文字を大きくするために、どのような取り組みが可能か検討していく必要がありますよと、宿題にしますよという形になっています。

義務表示の範囲は、基本的には、安全性確保を優先した検討が必要で、消費者にとって真に必要な情報の検証が必要ですよと。要するに、消費者として何が必要かというところの検証が必要だということですね。

それから、義務づけをしますので、表示を義務づける以上、基本的に規模の大小を問わず全ての事業者が実行可能なものであるか否か、また、表示内容が正しいか事後的に検証可能なものであるか否かの検討が必要ということも書かせていただきました。

商品の容器包装への表示がよいのか、むしろ、代替的な手段によって商品に関する情報提供を充実させたほうがいいのか、これについては、実行可能性と供給コストなど消費者のメリット・デメリットのバランスを検討すべきだという整理をさせていただいています。

そういうことで、ざっと御説明させていただいて、ちょっと時間をオーバーして恐縮です。適格なまとめ方かどうか私自身も悩んでいたのですけれども、何かの参考になれば幸いと思いまして、御説明させていただきました。

ありがとうございます。

○受田部会長 ありがとうございました。

前回の全体像の議論におきまして、この一元化の検討会における議論のプロセスをしっかり踏まえるべきということで、重複の議論を避けることを基本に考えて、池戸委員から、先ほど、経緯、また、そのときの議論の様子、それから、検討を要するということで、その後、積み残しになっているような内容も含めて、限られた時間の中でお話をしていただきました。

これを踏まえつつ、この後、議論を委員の皆様と進めてまいりたいと思いますけれども、今、一元化の検討会のおさらいを池戸委員からプレゼンをしていただきましたので、この一元化の検討会の議論等に関して、まずは委員の皆様から御質問を賜って、それにお答えをいただくということで、その後、全体的にまた議論を進めてまいりたいと思います。

先ほどの池戸委員のプレゼンに関して御質問がおありの委員の方は、挙手の上、御発言をお願いいたします。

菅委員、お願いします。

○菅委員 菅です。ありがとうございました。

今、最後にまとめていただいた中で、まだ多くが積み残しの課題のような形で、今後議論を深める必要があるという形になって取りまとめられているところが多いのだろうと思ったのですけれども、他方で、資料2の23ページのスライド、2つ目の◎の取りまとめの記述においては、「できる限り多くの情報を表示させることを基本に検討を行うことよりも、より重要な情報がより確実に消費者に伝わるようにすることを基本に検討を行うことが適切」という一定の方向性が出ていると思うのです。

そこまでのコンセンサスが当時できたのか。ここについて、まだ議論の余地もあるように思うのです。例えば、先ほど御説明いただいた資料2の中で、18ページの2-1-3に対して義務表示事項の範囲をむしろ広げるべきとの御意見が53件もあるとか、19ページ、2-2-4に対しても60件・33件という形でそれぞれ御意見があったようですし、決着がついたような話にまでなったのか、もう少し議論が深まった状況があったのかどうか、当時、どの程度この点を深く議論されていたのか教えていただけたらと思います。

○池戸委員 ありがとうございます。

先ほどの検討会のスケジュール的なことでも御説明しましたけれども、この最終的な24ページ分の報告書は、特に7回以降はかなり議論した経緯がございまして、最終的には、先ほど菅委員が言われた、文章的にこういう話になっています。

今は6から7年たっているのですけれども、これは報告書としてのまとめですので、新しい基準もできたり、周りの環境も変わっていますので、これを必ずしもそのまま絶対ということではなくて、正直、いろいろな御意見が出ています。先ほども私は御説明しましたように、文字の大きさよりももう少し正確に消費者に伝えるべきだと、ただし、どうすればいいかというところになると、これは誰もが頭を悩ませたという経緯がございます。

ただ、この当時、消費者の方がどれだけ理解しているかということをアンケート結果で見ても、必ずしも基準なり制度を正確に理解しているということでもないという状況も踏まえて、まずは、より重要な情報、特に安全性に関するものを重視して伝わるようにすべきだという表現に最終的になったと思っています。

○受田部会長 ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。委員の皆さんから、御質問はございませんか。

今、積み残しが多いと。私も「積み残し」という言葉を使ってしまったのですけれども、当時の一元化の検討委員会のミッションは、先ほどもありましたように、JAS法や食品衛生法、また、健康増進法という3法を一本化する、まさに一元化がミッションであった。この大きなミッションを実現すべく議論を重ね、実現に導いていった。さらにその後、先ほどもありました栄養成分表示あるいは原料原産地表示といったものがその議論のプロセスの上で俎上に上り、それも検討され、今に至っているということかと思います。

ただ、一元化に際しては、さまざまな情報を一元的に表示していく上で、情報の過多であったり、それに伴うスペースの制約に伴う、文字、フォントサイズの低下であったり、そういうさまざまな理解やわかりやすさや見やすさという、一方での考慮すべき要因が出てきて、その点についても議論を深めていただいて、そこに関しては決着がついていない部分もあるというまま、6から7年前の議論が今に至っているということではないかと思います。

そういう意味では、多くのことの決着がつき、積み残された一つがこういったわかりやすさとか情報の優先順位であったり、こういうところで今に至るという理解で、池戸委員、よろしいですか。

○池戸委員 今、部会長が言われたように、一元化検討会はわかりやすい表示以外も重要な案件が幾つかありまして、正直に言って、34時間という時間の中では後にせざるを得なかったというのが正直なところです。それが今の基本計画に載っている機能性表示食品以外の課題につながっていると思います。

先ほどの菅委員の御質問にも関連するのですけれども、食品表示法の目的のところに、摂取段階での安全性の確保と選択のところがありますよね。あれは必ずしも安全性だけということではなくて、ここで言っている重要な情報は、そちらの選択のところも、今までの長い経緯、歴史の中で必要だということですので、そこは括弧書きで特にとつけてもらう。そこは誤解のないように申し上げたいのですけれども、そういう意味で言っておりますので、必ずしも検討会では安全性だけをやるということでは結論は出していません。

○受田部会長 ありがとうございました。

ほかの委員の皆様、いかがでしょうか。ここで確認しておく内容等に関しまして、何かございませんでしょうか。

特によろしいでしょうか。

そうしましたら、池戸委員、食品表示一元化検討会の報告を、限られた時間の中で御発表いただきまして、本当にありがとうございました。

ここから全体像の議論へとさらに展開していきたいと思うのですけれども、我々委員としては、この一元化の検討会で議論された内容を踏まえつつ、また、6から7年前の検討内容であり、これから手段の話がまた話題になっていきますけれども、かなり技術革新が進んでいて、さまざまな我々として活用できる方法論としては変わってきている可能性もあると思います。

これは、第1回目のこの全体像の議論においても、委員の皆様から、AIを含めて御意見を賜ったところでございますので、6年前、現在に至り、この後、ここの議論は何年先をにらみつつ全体像を描いていくかという話も当然していかないといけないのですけれども、例えば、前回、私が申し上げたのは、第4期消費者基本計画、32年度以降の5年間というところは踏まえてまいりましょうということになると、これから先、7年後になってまいります。すなわち、7年前の話から現在、7年後ということで、あるべき姿を議論していただきたい。そういうふうに位置づけていただき、委員の皆様からは、また全体像に関しての御意見をいただいてまいりたいと思います。

それでは、一元化の検討会の質疑に関してはここで区切らせていただいて、全体像に関して議論に入ってまいりたいと思います。

あと、時間的な予定なのですけれども、ここから全体像に関しては、16時30分をめどに御意見を賜り、意見交換をさせていただきたいと思います。その後は、既にお配りしております議事次第にございます、遺伝子組換え表示に関する審議について移ってまいりたいと思っておりますので、時間並びに議事進行に関しても御協力のほどよろしくお願いいたします。

参考資料2を御覧いただけますでしょうか。1ページ、2ページ、裏表で1枚物がございます。「第45回食品表示部会において委員から出された意見(概要)」と事務局にまとめていただきました。

これに目を通していただきますと、○と●があることがまずはおわかりいただけると思うのですけれども、○が前回この45回の食品表示部会において委員の皆様から御発言いただいた内容です。その後、御欠席の委員あるいは時間的制約がありましてそこで御発言いただけなかった内容に関して、事務局にお寄せくださいということでお伝えしておりましたが、●でお示しししております意見が会議後にそれぞれの委員から寄せられたという状況でございます。

さらに、この意見を少し分類していただきました。一番上、<表示の考え方、目的等について>の意見、裏面に行きまして、<分かりやすさ、見えやすさについて><インターネット、ウェブ等の活用について><消費者の意向について>と分類しております。これは、別に順番は特に意味があるということではございません。その中で、一元化に係る検討等についても共有をするということがありましたので、今回、池戸委員に先ほどプレゼンをしていただいたということでございます。

きょうは、この参考資料2にございますような、前回あるいはその後委員からいただいた意見を踏まえつつ、もう少しこの俎上に上げられていないさまざまな意見をいろいろな視点からお寄せいただいて、次回の検討で少し整理をしていただいて、ポイントを絞ってさらに御意見をいただく。そんなふうに進めてまいりたいと思っております。もちろん一元化の検討会、先ほどの内容も踏まえていただいて構わないのですけれども、参考資料2の中でさらに強調すべき点、あるいはまだ意見として出ていない点等、委員の皆様からここでいただきたいと思います。

よろしいでしょうか。

それでは、どこの部分でも構いません。委員の皆様、御自由に御発言をいただきたいと思うのですけれども、渡邊委員、お願いします。

○渡邊委員 渡邊です。

今、この参考資料2で●の2つ目に、後から出したというものでまとめていただいたのですが、これは私がメールに書いたものなのですけれども、ここで切ったわけではなくて、この後にありまして、必須の表示事項といわゆる一部、ここで言いたかったのは、必ず全体の消費者に対して提供すべき表示事項と、いわゆる知りたいという消費者のためにする表示事項があるということで、考え方として、前者を義務にして、後者は知りたい人に届くような形。

だから、先ほど池戸委員の話にもあったように、表示項目がすごく多くてわかりにくくなっている部分もあるので、わかりやすくするためには表示項目を減らすしかないのですよね。減らすためには、義務の表示事項と任意の表示事項という考え方を入れたらどうかということでメールに書かせていただいて、その前半だけを載せていただいて真意が伝わらないので、つけ加えさせていただきます。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

正確に伝わっていないというコメントでございますので、そこに関してはしっかりと追記をするようにしたいと思います。

ほか、いかがでしょうか。

今村委員、お願いします。

○今村委員 ●の下から2つ目で、私は意見を出させてもらいました。前回会議に参加できなかったので、余りこういう観点が議論として挙がっていなかったと思ったので、意見を出させてもらいました。

消費者の関心がない項目の中には、監視のために必要な項目があって、食品の事故が起こったときに、より早く対策をとるために必要な項目があると思うのです。

例えば、製造者を特定するのは、消費者が知りたいからもありますけれども、実際に食中毒を起こすような行為がどこで最後に行われたかという観点がないと、それを追いかけていくのは手間がかかるし、後手に回ったり誤解があったりすると思うのです。そういう実際に食品への安全性を確保するための施策として情報がなければいけない部分がありますので、消費者の関心以外にもそういう視点が必要だということを、意見として述べさせてもらいたいと思います。

○受田部会長 ありがとうございました。

今、補足していただきました。表示自体の持っている目的に関して、今は特に消費者に対するというところが中心に議論されていっている部分もあるかと思いますけれども、当然、事業者サイド、また、何かのリスクに対する監視や追跡をしていく、それに必要な情報というところでの表示の重要性に関して、ここに盛り込んでいただいたということでございました。ありがとうございました。

ほか、いかがでしょうか。この参考資料2で、今、補足していただいておりますけれども、その内容でも構いません。ほかの点でも構いませんが、いかがでしょうか。

菅委員、お願いします。

○菅委員 菅です。

私も参考資料2に●を1つ追加していただいているので、そのことについて趣旨の説明だけしたいと思いますが、「外食等、容器包装のない食品における食品表示のあり方」については、先ほどご紹介の一元化検討会報告書の中でも、資料1の1の23ページにおいて、今後の検討課題とされているとおりで、より踏み込んだ考え方のようなものが議論できたらよいのではないかという意味で、問題の一つに挙げさせていただきました。

もう一つは、「ハンディキャップのある方にとって利用可能な食品表示のあり方」と書いたのは、例えば、視覚の障がいをお持ちで現在の食品表示を簡単に自分自身で利用することができない方に対する、あるべき表示について考える必要があるのではないかという点についても、議論できるのではないかと思って指摘させていただきました。それが追加していただいた●の部分についてです。

あとは少し追加的なことですけれども、先ほど今村委員がおっしゃったことにもつながるところはあるのですが、表示の機能の中で、平時と緊急時とで少し異なる意味があるというべきこともあるかと思います。

例えば、製造所固有記号ですが、自分自身の過去の体験として、冷凍食品に農薬が混入した事件の際に、自分の手元にある冷凍食品が回収対象でないことの確信を持つために、製造所固有記号がどの工場を指すのかインターネット等で調べて大丈夫であることを積極的に確認しようとしたのですが、当時非常に困難を感じて不安に思ったことがありました。

製造所がどこであるかは、通常、平時においては「選択」に関わるのみかもしれませんけれども、こうした緊急時には「安全」にかかわる情報として急に重要性を増すということもあります。二分論で考えようとする場合に、安全か選択かということから単純に二分して、片方は義務対象から外していくということにはなかなかしづらい面があるということの一つの例かと思います。

もう一つは、先ほど渡邊委員がおっしゃったことの中で、一部の知りたいという消費者のためということですが、例えば、先ほどご紹介のあった消費者意識調査のアンケート結果でも、アレルギーの表示については決して優先度や参考にする項目の上位に来ないですよね。それは、それを必要とする人にとっては100%必要な情報なのだけれども、そもそもそれを必要とする人が100%ではないからというものです。おそらく表現上の問題であって、アレルギーの表示のようなものを義務から排除するご趣旨ではないとは思うのですけれども、全員の関心があることだけを義務化して、一部の方の関心事項は義務から外していってもいいというのは、それもまた簡単な二分論ではいかないだろうなと、今、お聞きしながら思いました。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

菅委員の追加の御意見に関して補足をしていただくと同時に、先ほどのコメントに関してさらに御意見を賜ったと思っております。ありがとうございます。

ほか、いかがでしょうか。

宗林委員、お願いします。

○宗林委員 2点ございまして、もともと表示というものが、対面販売の場合は表示の義務がない。要するに、そこにいる人に聞けばいろいろなことを教えていただける場合は、その表示はなくても良い。要するに、容器包装に入った加工食品で、人がその前にいないというものに対して表示は課せられていたのだと思うのですね。その考え方を踏襲しますと、どこかできちんと情報が得られるということであれば、必ずしもパッケージそのものになくても、欲しい人が聞くということのかわりがあればいいのかなという考え方を、柔軟に私たちの頭の中に入れてもいいのではないかと思うのが1点あります。

2点目として、ここで考えなくてはいけないのは、表示と広告と情報提供があるわけですけれども、例えば、インターネットなどにそういったものが一緒にて載ってくると、事前に買うために、顧客誘引性ではないですけれども、商品のPRをするようなもの、それを広告という定義で一つの言葉でおさめてしまっていいかどうかわかりませんけれども、そういったものと、この工場でこういうふうにしてつくられていますという事実関係の情報提供と、今お話しになっている本来はパッケージになくてはいけない表示が、違う媒体からきちんと手に入れられればいいからネットに掲載されているという、表示の代わりという3種類の内容を少し整理する必要があるのではないかと思います。全体の中で考えていくときには、そういったことも視野に入れるべきかと思いました。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

対面販売、特に外食、中食の部分も含めてということになりますでしょうか。特に対面で説明ができるということになると、容器縛りとの補完関係で柔軟に考えられる部分があるのではないかという御指摘です。

○宗林委員 対面販売の場合は、今までも表示の義務がなかったわけですね。そういうことから考えると、ほかの手段で情報が得られる場合はパッケージの表示から外すということが考え得るのではないかという意味です。

○受田部会長 対面の代替ということですね。

2点目は表示と広告と情報の提供、これがある意味、境目の部分で、非常に錯綜するというか、紛らわしくなってくる部分も懸念としてはある。これをどう考えるかということですね。特にインターネット等に関してはそういう懸念が生じる可能性はあり得るという御指摘だったかと思います。ありがとうございます。

ほか、いかがでしょうか。

それでは、先に澤木委員から、お願いします。

○澤木委員 前回お休みしたので、意見を提出しました。個包装がふえる中、書かなければならない表示事項が増えている現状で、容器包装のみ表示をするには確かに限界があるとは思われます。ただし、前回の資料で消費者意向調査の結果などを見ますと、なかなかインターネット、ウエブサイトで見られますよといっても、意外と見ている人は少ないのではないかというところがあります。消費者としては、やはりお店に行って商品を手にとって、その場で表示を確認して商品選択をするということは重要であり、求められていると思います。ですから、容器包装上のデザイン、レイアウト等の工夫とか、あるいは安全性にかかわる表示には文字に色をつけるとか、太字にするとか、フォントを変えるとか、その辺をもう少し分かり易くできるのではないかと思います。

今、印刷技術も随分進んでいるようで、ICタグをつけたりすることもできるというお話も聞きましたので、その辺、包材の利用などが考えられるかと思います。また、表示やマークなどの活用も良いと考えています。

○受田部会長 ありがとうございました。

確かに前回のこの部会において、ウエブでの表示が既に行われているものに関しての消費者意向調査の結果に関して一部御紹介をしていただいて、意外にアクセスしていないという数字が見てとれるというお話が出ております。そこをまず御指摘をいただいて、そして、商品選択を実際の商品でというところで、なおいろいろな工夫が技術的に可能ではないかというお話で、具体的なICタグやマークやフォントや色や、そういうものが考えられるという意見をいただきました。ありがとうございました。

夏目委員、お願いします。

○夏目委員 ただいまの澤木委員の御発言と一緒のところもあるのですけれども、前回にも私は、安全性の確保、自主的かつ合理的な選択機会の確保という、その2つの目的を果たすために表示が必要だということは申し上げました。現実に表示の種類、項目がどんどんふえてきて、もう今は本当に容器包装への表示が限界になっているといいますか、むしろ限界を超えているような状況になっていると思います。ですから、そういう状況の中で活用できる表示、消費者にとって役に立つ表示というものが、そのまま全てを容器包装に表示できないとすれば、どのような方向性を持たせるのかというのは、議論せざるを得ない状況に来ているのだろうと思います。

したがいまして、もちろん消費者としては現場で商品を手にとって、容器包装に書かれた表示項目を確認するというのが一番ではありますけれども、それが現実的に難しいとすれば、これからぜひほかの方法も検討をしていただきたいと思っております。

もう一点、私は前回、松永委員が出されたユニバーサルデザインの話がどうもぴんとこなくて、今までユニバーサルデザインといいますとハンディキャップの関係のほうがずっと多かったので、表示でユニバーサルデザインはどういうことかとすごく考えたのです。きょうの池戸委員の御発言の中、食品表示一元化検討会の中でも、スライド4のところで視覚的要素を活用する、例えば表とかマークとか配色とか、ほかの委員からも御発言がありましたけれども、そういうものも含めてユニバーサルデザインなのかと思った次第です。ですから、それもハンディキャップがある人、ない人、そういうことではなくて、さまざまな消費者が使える表示という視点でこれから検討すべき項目だと改めて考えた次第です。

とりあえず、今はそんなところです。

○受田部会長 ありがとうございました。

夏目委員からの前回の御意見、コメントに関しては、先ほど御発言いただいたとおり、参考資料2の4つ目の○のところにまとめさせていただいていたかと思います。それから、3つ目、4つ目ですね。

あと、最後におっしゃっていただいたユニバーサルデザインに関して、松永委員の御発言を引用されて、さらに一元化検討会で4ページのところにどのように視覚的要素を活用するか。その一例として、これを考えていく価値についても言及していただきました。

実はこの点に関しては、いかにわかりやすく表示できるかという観点から、ぜひ専門家の御意見、情報等もいただきたいと思っていまして、今後の部会の中で少し詳しいお話を専門家の方にお聞きしようと思っておりますので、ぜひまたそこでも御意見をそれぞれぶつけていただき、どう活用できるかという視点から御考慮いただければと思います。ありがとうございました。

ほか、いかがでしょうか。

安達委員、お願いします。

○安達委員 今、ユニバーサルデザインというお話も出ましたし、先ほどの池戸委員のプレゼンテーションの中で、平成26年の表示部会での検討項目として、フォントサイズを大きくしてはどうかということが検討はされたけれども、今のところまだそのままペンディングになっているというお話があったかと思います。そのお話の中で、フォントサイズを変えるということについて、実際に事業者側にどれだけ影響が出るかがその時点でまだはっきりわからなかったというお話があったかと思います。

この表示部会の中で検討が進んでいく間のどこかで、こういう表示方法に変えていってはどうかということはある程度幾つか項目が挙がってきた段階でもいいかと思うのですけれども、事業者側にどれだけ影響が出るかということについて、一度事業者側の意向調査といいますか、それが果たして実現できるのかどうかというところも一回調査をしていただいてもいいのではないかと思っております。

先ほど、夏目委員からお話がありましたけれども、今の表示の内容、項目というのは、ほぼ本当に限界を超えているというのは私も賛成するところであります。その状況を変えていく上では、ウエブを活用するのが現段階では一番有効な手段なのではないかと私自身は考えております。いろいろな問題があるというのはもちろん承知しておりますけれども、今、この段階でウエブの活用を本格的に考えるということを実際に行っていくべきタイミングなのではないかと思います。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

先ほど池戸委員のお話の中で、一元化検討会の検討事項として、まさにフォントサイズを大きくしようという動きがあってペンディングになっているというお話で、その理由として実行可能性という部分があるとすると、今後こういった全体像を考えていく上での実行可能性は事業者の皆様の御意見をしっかり確認をしていただかないといけない。恐らくここで検討したことが実行に移せるかどうかという非常に大きなポイントになるからというところが背景にあるのではないかと思います。

また、ウエブの活用を本格的にというお話についても最後に賜りましたので、これはしっかり受けとめておきたいと思います。

ほか、いかがでしょうか。

いろいろと御意見をいただいて、特に参考資料2の第45回、前回の食品表示部会において委員からいただいた意見をさらに強調していただいたり、また、他の委員から出された意見を支持するような御意見をいただいたりしております。これは全て整理してまいりたいと思います。

今後、これをどう整理していくかに関して、私の考え方をここでお話をしておきたいと思います。まず、今、いただいた御意見というのは、分類いたしますと、一つは現状の食品表示そのものに対する課題というところでいただいているように考えております。例えば先ほどもありましたように、表示すべき情報量が過多になって、結果、限られたスペース上に表示する内容が当然フォントサイズを小さくして示さないといけない。つまり、わかりにくいとか見えにくいとか、もとをただせば情報が過多であるというところがあるかと思います。

さらに、わかりにくいというところも高齢化というお話があって、日本人の平均寿命がさらに延びている。高齢化比率も高まっています。また、一方で、視覚に障害のある方も含めて、いろいろな消費者の皆様に対してわかりやすく親切な表示であるということが求められていく。この点からさらに表示のあり方を考えていくべきという、そういう対象に対する課題というものもその中に散見されているのではないかと思います。

さらに、課題として、前回もいただいたのですけれども、表示の活用が不十分であったり、そこには表示を充実させていくべきではないかという課題も一方では寄せられていたのではないかと思います。全部を挙げることはできませんけれども、今、申し上げたように、いただいた意見を分類すると、まず、課題に関する御意見があったという点が一つでございます。

これに対して、実は対応策として、例えば表示の情報が過多であるので、優先順位を付して、そして、例えば容器縛りで表示をすることと、補完的な情報をさらに別の媒体で提供してみてはどうか。すなわち、情報に優先順位を付して重要性の観点から容器に対する表示を選択していくというような具体的な対応策がさらにそこの中にも寄せられています。

また、優先順位に関しては、安全性の確保と自主的・合理的選択の機会の確保という視点で、義務と情報とかという言葉もいただいております。こういう点で選択をしていく観点があるのではないか。具体的対応策としていただいているのではないかと思います。

そして、そういった対応のさらに先として、具体的手段のお話までいただいています。これはもう何度もコメントの中に出てきておりますけれども、インターネットやウエブを利用する。あるいは、前回の御意見の中でQRコードの利用というのもございました。また、きょういただいた意見の中では、ICタグを使うというお話も出てきております。

すなわち、このように見ていきますと、いただいた意見というのは、課題という点でいただいた内容、それを踏まえた対応という点でいただいた御意見、さらには、先を見通してそれを結びつけていただいた意見に分類できるのではないかと思います。

これらを今のようなカテゴリーで整理させていただいて、次回の部会においてそれを可視化し、そして、いただいた意見の本質的なところをこの分類がしっかりと反映できているかどうか。また、十分に御意見が酌み取れていない部分に関しては、その中に追加していただくということがさらにこの部会での議論ということになるかと思います。

一方で、今、課題と最初に申し上げたのですけれども、きょう、一元化検討会の状況について、一定の時間の中ではありましたけれども、池戸委員から御説明をいただきました。また、資料としてお手元にお配りをしておりますので、この一元化検討会の報告書、資料1-1を委員の皆様には読み込んでいただいて、このときの議論を反映できる内容、あるいは積み残している内容をさらにその中に盛り込んでいくということが一つ、我々に関しては求められているのではないかと考えております。そういうところを整理させていただいて、次回の部会の前にその整理した内容を委員の皆様に事前に御覧いただいた上で、この部会にまた臨んでいただいて御発言いただくということで、さらに内容を詰めていきたいと思います。

コーデックスの話を前回、味の素の木村常務さんから整理をしてプレゼンをしていただきました。義務とか容器縛りの部分では、このコーデックスの内容を我々はしっかり理解しておかないといけないということで、その点をまず最初の全体像の議論の中で、皆様とともに共有したという状況でございますので、その点も踏まえつつ、義務表示のあり方、あるいは優先順位の考え方、容器縛りの部分をどう認識していくかという点についても、ぜひお考えいただきたいと思っております。

整理いたしますと、今までいただいた意見を課題、対応、具体的手段ということで分類し、見える化し、そして、次回までに皆様に御覧をいただいて、次回の部会で議論をさらに深めていきたいという考え方でございます。いかがでしょうか。

今村委員、お願いします。

○今村委員 ぜひそうしてもらいたいと思うので、賛成です。その上で、課題を整理するときに、課題と実際にそれをなぜできないのかというところまで、既に今までも議論がなされているところなので、それがなぜできないのかというところまでぜひ資料の作成の際には資料化してもらいたい。

対応策も、何が難しいのかというのは議論がされているわけなので、最後の具体的手段もメリット・デメリットまで前回議論していただいているので、ぜひ前回の議論までのこととここで出された議論の内容までは、なぜできないのかという部分を資料化で見える化してもらえると、議論の助けになると思います。その辺をお願いできればと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。貴重な御意見をいただきました。

できるだけ次の議論に生かせるように、状況あるいはいろいろな隘路になっているような部分もお示ししてまいりたいと思います。これは事務局とともに一緒に考えて整理したいと思います。

今後の具体的手段の部分でも、先ほど安達委員から実行可能性のお話も当然考慮すべしと御意見を賜っております。理想的といいますか、机上の空論で具体的手段を挙げて、それで今後に委ねるというような形ではなく、実際に実行できるかどうか、その点も含めて当然議論していきたいと思います。その点も見える化の中では反映できるようにしていきたいと思います。

渡邊委員から、ウエブの利用に関して、さまざまな事業者サイドから見たときの技術的な限界であるとか、そういった点も言及していただいておりますので、その点は漏れなく、また、あるべき姿はしっかり描いていくというように考えてまいりたいと思います。ありがとうございました。

ほか、いかがでしょうか。

渡邊委員、お願いします。

○渡邊委員 今の方向、賛成です。あと一つ、表示がわかりにくいとか見やすくないとかというときに、今回の報告書でも15ページにあるような実例を出していただくと、例えばカップ麺がよく出てくるのですけれども、カップ麺だけではなくて、見にくいものもあると思うのです。現実にこんなに字が本当にあるのだというのを、例えばお弁当などもかなり多いと思うので、実際にある事例を出していただいて、今、こういう現実になっているというのを出した中で検討したほうがいいかなと。整理と実例も出していただきたいと思います。

○受田部会長 ありがとうございました。

先ほど池戸委員から御説明いただいた15ページの表示のイメージ、非常にわかりやすくて、こういう形でお示しいただくとリアリティーもあって、そして、よりいい方向にわかりやすい表示になっているかどうかということを委員相互で認識がしっかりできると思いますので、ぜひ今後、具体的事例の表示という点は、しっかりとお示しをしていけるように考えてまいりたいと思います。ありがとうございました。

ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

そうしましたら、時間的には4時15分を回っておりますので、全体像の議論に関しましては以上をもちまして、きょうの部会での議論は閉じさせていただきたいと思います。

次回にまたこの全体像の議論を継続してまいりますので、先ほど申し上げましたような進め方、また、資料作成、これを通じて委員の皆様とやりとりを進めてまいりたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

実際に冒頭、事務局から御説明がございましたとおり、年内は次回を含めて2回ほど全体像に係る審議を行ってまいる予定でございます。先ほど申し上げたように、議論を進めてまいりますけれども、きょういただいた技術的な部分に関してはこちらで判断いたしまして、専門家の方に部会において御説明をいただく場をつくってまいりたいと思います。

事務局、恐らく次回に関しては、ユニバーサルデザインの関係になりますか。内容として今はまだ調整中ということでよろしいですか。ユニバーサルデザインの内容も次回もしくはその次ということで、専門家の方と日程等を調整させていただきますので、その点もお含みおきいただければと思います。

≪3.食品表示基準の一部改正(遺伝子組換え表示)に係る審議≫

○受田部会長 それでは、全体像は以上にさせていただいて、次の議題でございます、食品表示基準の一部改正(遺伝子組換え表示)に入りたいと思います。

消費者委員会は、10月3日付で内閣総理大臣から、参考資料4のとおり、食品表示基準の一部改正に関する諮問を受けました。内容は資料3にある遺伝子組換え表示制度に係る内閣府令の改正です。

なお、冒頭、スケジュールのところで話がありましたが、本日の部会においては、まず、この諮問案について消費者庁から御説明を伺い、それに対する質疑のみを行ってまいりたいと存じます。本格的な議論はパブリックコメントを踏まえた形をスタートラインとして開始したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

それでは、諮問内容について、まず消費者庁より20分程度で御説明をお願いいたします。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 消費者庁でございます。

それでは、遺伝子組換え表示制度の見直しにつきまして、お手元の資料に沿って御説明をさせていただきます。

まず資料3、これが内閣府令であります食品表示基準の改正案で、改正条文を新旧対照表ベースで整理したものです。この資料3が今回の諮問になります。資料4は、この諮問内容をわかりやすく整理した資料になります。その次の資料5、これは今回の改正の考え方や運用の方針を整理した資料になります。

そのほかに、参考資料5を御用意しておりますので、御覧になっていただければと思います。これは消費者庁主催の有識者検討会が今年3月に取りまとめたものでございます。この資料は前々回の食品表示部会でも御説明しておりますけれども、今回の諮問内容につきましては、この有識者検討会の報告書に沿っておりますので、時間の制約はございますが、改めてこの資料の論点④-1、論点④-2について御説明させていただきます。

この参考資料5の裏面を御覧になっていただければと思います。タイトルが「日本及び諸外国における『遺伝子組換えでない』表示が認められる混入率」というものです。横軸に国名を書いておりまして、その下が2段書きになっておりますが、この2段書きの上段の「遺伝子組換え」表示が免除される混入率、これはいわゆる意図せざる混入率というものになります。日本は5%以下と書かれておりますが、要は、遺伝子組換えでない農産物であっても、現実には多少遺伝子組換え農産物がまじることがある。その許容値になります。日本は5%以下ですので、仮に混入率が4%であれば、遺伝子組換え表示という消費者から見て一見ネガティブな表示は免除されます。ただ、仮に6%であれば、これはきちんとした管理がなされていないということで、日本では「不分別」という表示が義務づけられます。その意味では、一見ネガティブな表示が義務づけられるかどうかのボーダーが、まさにこの上段の数字で、これ以下であればその表示が免除されます。

その下の2段目は何かというと、多少先ほどと裏腹の話になるのですが、上段に該当しますと、日本だと「不分別」表示が義務づけられます。日本は5%以下であれば、当然、いわゆるネガティブ表示の義務づけはありません。制度上は何も表示しなくてもいいのですが、ただ、積極的に事業者が任意で「遺伝子組換えでない」というフリー表示を行う場合の要件が二段目になります。日本では、混入率が5%を超えると一見ネガティブ表示、5%を下回っていれば、任意で積極的にいわゆるフリー表示ができることになります。

ほかの国を見てみますと、例えばEUでは、上段が0.9%以下ですから、仮に1%入っていたら「遺伝子組換え」表示になります。では、0.9%を超えていなければ、フリー表示が無条件で可能かというと、そうではなくて、そこにございますようにフランス、ドイツの例ですが、要件が0.1%未満となっています。その意味では、積極的な任意のフリー表示については、要件が上段と裏腹ではなく、厳しくなっていて、ぱっと見、上段と下段の数字に隙間があります。ただ、日本では上段と下段の間に隙間がありません。

「遺伝子組換えでない」と表示されていますと、本当に何も入っていないのではないかと思われる方も多いというアンケート結果もございます。にもかかわらず、5%も入っていると、選択という観点から見ていかがかという御意見もあります。

従いまして、任意で「遺伝子組換えでない」と積極表示をする場合は、できるだけ消費者の誤認を招かないようにという観点から、下段の「遺伝子組換えでない」表示が認められる混入率の要件を厳格化するというのが、今回の有識者検討会の報告の大きな変更点になります。

以上、参考資料5の御説明をさせていただきました。

その上で、お手元の資料4をお開きになっていただければと思います。今回の諮問内容をわかりやすく整理した資料になります。

1ページ目に「遺伝子組換え表示制度改正案の概要」とあります。囲の一番上に文章で、「遺伝子組換え表示制度に関する検討会報告書」を踏まえ、食品表示基準に規定されている任意表示の制度を改正するということが書かれています。

では、具体的にどう変わるのか。これは下に図がございます。現行は左側になります。先ほど御説明しましたが、この意図せざる混入率の5%を超えると、日本では義務表示で「不分別」と書かないといけない。では、5%以下であれば、下に任意表示と書いていますけれども、実は表示義務はありません。別に何も書かなくてもルール上は問題ございませんが、ただ、任意で「遺伝子組換えでない」と書けることになっています。

では、それを今後どのように見直すのか。それについての消費者庁の案が右側に出ております。混入率が5%を超える場合の「不分別」の義務表示、これは変わりません。その下が変わっておりまして、混入率5%以下で任意表示、表示してもしなくてもいいというところにつきまして、積極的に「遺伝子組換えでない」というフリー表示をするのであれば、遺伝子組換え農産物の混入が認められないことが条件となります。図では赤字で「不検出」と書いておりますが、要は要件を厳しくするということです。この「不検出」については、今、消費者庁で検討中の新しい公定検査法に基づいて判定することになります。

では、仮にこういうルール改正をしますと、遺伝子組換え農産物の混入率は5%以下だが何らか検出された場合はどうなるのかとなりますが、それにつきましては、いわゆるIPハンドリングという分別生産流通管理を適切に行っているという実態がございますので、そのような事実に即した表示であれば表示することは可能です。資料中にも具体の表示例を書いております。

この真ん中のところは「遺伝子組換えでない」とは書けません。もし書くと、消費者に誤認を与える。ただ、何らか事実に即した表示はできるというのが、今回の改正の基本的考え方になります。

2ページ目は、今述べた制度の見直しをどういうタイムスパンで行うのかということになります。今まさに消費者庁が食品表示基準改正案を諮問して、御議論いただいておりますが、遠からず何らか答申をいただけると考えております。仮に答申内容が消費者庁の考え方を基本的に是とするものであれば、我々は答申をいただければ、できるだけ早い時点で改正食品表示基準を公布し、官報に載せようと思っております。

ただ、官報に載せて公布をしても、しばらく施行はいたしません。ここがポイントなのですが、こういう改正をしますというアナウンスするということになります。いつから実際に施行するのか、見せるだけ見せて効力は発生しないのかとなりますが、それは上の○の3つ目にございますように、平成35年4月1日が一つの区切りになります。それ以降、製造・加工・輸入されるものについて、新たな表示制度に基づく表示としなければならないとなります。

この考え方は、昨年、まさに食品表示部会で御議論いただいた原料原産地表示制度の見直しと大きく異なっています。原料原産地表示の場合、昨年9月に施行しています。要は、もう新しい表示ルールにしてもいいですよ、ただ、しばらく経過措置で、古いルールでもいいですという2本立てで推移しています。ただ、いつまでも2本立てだとルールを変えた意味がないですから、34年4月から新しいルールに全面切りかえとなります。ただ、今は新旧どちらの表示も可能です。

では、遺伝子組換え表示の見直しも、なぜ原料原産地のようにしないのかと考えられるかもしれませんが、それは上の○に書いていますように、新旧の表示が併存すると、消費者が混乱するからということが理由になります。要は、今回の見直しは「遺伝子組換えでない」と書いた表示の要件が厳しくなる。今まで、現在は5%まで混入していてもその表示ができたのが、今後は「不検出」が要件になる。でも、表示の外形だけ見ますと「遺伝子組換えでない」ですから、これは一体、新のルールなのか、旧のルールなのか、わからないということが出てきます。

また、新ルールを直ちに施行するとなれば、事業者の実行可能性といった問題も出てくるため、一定の経過期間は必要です。そういうことを考えまして、35年4月を一つの節目とし、それまでの間は事業者の実行可能性や周知という面から見た準備期間と位置づけて、35年4月以降に基本的には切りかえるという考え方に立っています。

そうしますと、平成35年4月は大分先ではないか、そんなに長時間準備期間が必要なのかと思われるかもしれませんが、それは資料の中ほどに「表示切替に要する作業(例)」というものをつけておりますけれども、実は表示を本当に変更するとなると、まず規格を検討し、それをいろいろな関係者に説明しないといけない。今、川下の流通が強いですから、そういう関係者とのいろいろな御相談もかなり一般化していると聞いています。

具体の表示についても、今回の制度見直しで一括表示欄外のキャッチコピー的な任意表示も可能としていますので、デザイン等の検討についてはいろいろなバリエーションがあり、時間もかかります。その後、包材の発注、印刷、これも時間がかかります。単純に足し上げても優に数カ月かかってしまいます。これは資料の下の考慮事項にもございますけれども、事業者の中には対象アイテム数が1,000以上の方々もおられます。では、いっせいのせで切りかえられるかといっても、切りかえのキャパが限られています。我々、とある事業者に内々で事情なりお話を伺ったところ、1カ月100アイテムぐらいではないかということでございました。

現実、今の表示制度を前提に包材をまとめて発注し、大量のストックを抱えている方々もおられます。また、賞味期限、いわゆる足の長い食品も多々あるのも現実です。加えて、このような制度見直しに伴う、例えば印刷業者の業務については、定常分に加えて今回新規に発生することとなります。要は、今までの業務の上乗せで新たな業務が必要になるという事情もございます。いろいろな実行可能性や周知活動も勘案して、平成35年4月1日以降に製造等をされるものについて、この制度を施行する。それが今のところ適当ではないかと考えております。

その次、資料5を御覧になっていただければと思います。これは(補足資料)と資料のタイトルに書いておりますが、今回の改正の考え方や運用方針を整理したものになります。いずれこれも何らかの形で消費者庁のQ&Aや関連通知の中で措置をしたいと考えております。全部で12ございますけれども、ポイントだけ御説明させていただきます。

まず1番、油やしょうゆなどの食品に表示が義務づけられていない理由になります。これは実は有識者検討会でも大きな議論になった論点でございます。今、加工食品につきましては、組み換えられたDNAやたんぱく質が検出できるかどうかがメルクマールになっています。1パラに書いておりますように、例えば大豆で申しますと、大豆油、しょうゆは表示義務の対象外です。一方で、豆腐、納豆は表示義務の対象です。

有識者検討会では、表示対象加工食品をもう少し広げられないのかという議論がございました。この点につきましては、結論から申しますと、今の制度のとおりとなっております。これは重要な点ですので、多少お話をさせていただくと、EUでは油やしょうゆといったものも表示が義務づけられています。では、EUではどうしてできるのかとなると、トレーサビリティーの義務付けがなされております。例えば食品がどこでつくられて、どんな経路で流通しているのか。それがきちんと記録としてとられており、とっていないと罰則の対象になる。そういう社会的検証でEUは対応していると承知しています。

では、その社会的検証を日本がそのまま制度として導入するとできるのかというと、実は2パラの8行目あたりに書いておりますが、今日本では、大量の原材料や加工食品を輸入している実態があり、これも一つの制約要因になるだろうと思っています。EUは基本域内で自給していまして、海外からは入ってこないのが実情です。EU域内でつくられている遺伝子組換え農産物は多少ありますが、食用仕向けにはほぼなっていないと承知しています。日本は自給率4割以下ですから、原材料にしても、加工完成品にしても、いろいろな食品を大量に輸入しております。仮に日本でトレーサビリティーを入れても、そのトレーサビリティーのルールの適用があるのは、輸入通関の後になります。そうしますと、完成品の大豆油を日本に輸入する場合、トレーサビリティーをかけたところで、大豆油の状態で日本に入った以降の流通経路しか押さえられない。そういう実態がございますので、この2パラの8行目にあります「大量の原材料や加工食品が輸入される我が国の状況」という一文が入っております。

結果、その後に書いていますが、社会的検証と科学的検証の組み合わせで監視可能性を確保するということで、現状では油やしょうゆへの義務づけは難しいという整理になっております。ただ、下になお書きで書いていますように、今後、加工食品であっても技術の進歩で再現性あるDNA等の検査ができるようになれば表示義務の対象にすることが適当と、こういう形で整理しております。

その次が、4ページ、2番、3番になります。これはいわゆる「不分別」の関係になります。2番は「不分別」の考え方を述べたものですので、省略をいたします。3はいわゆる「不分別」の場合、どういう表示があり得るのか。それに着目した整理をしております。この点は3番の4行目、5行目に書いておりますけれども、「遺伝子組換え不分別」という文言はあくまで一例で、結局、遺伝子組換え農産物と非遺伝子組換え農産物を分別していない旨がわかる文章であれば、実はルールとしては問題がありません。

ただ、実際にこれは有識者検討会でも議論になりましたけれども、現状では漢字3文字の「不分別」に代わるいい案はないということになっております。その点は今後消費者庁が消費者、事業者から幅広く意見を伺って、代案があればQ&Aに載せるべきという形で整理がされております。ただ現状では、ベストにつきましては、この最後の「また」以下の4行に書いておりますように、「不分別」と書いた上で、どういう意味内容かを枠外に説明として書き込む。これは実際に今、一部商品でこのような表示がなされておりますので、そういう形でここで整理させていただいています。

5ページ、4番、任意表示制度、これは先ほども少し述べましたが、表示の義務とは別に任意で、虚偽でなければ、一定の要件を満たせば表示できますので、それを紹介したものです。説明は省略させていただきます。

6ページ、5番になります。これは、「適切に分別生産流通管理を行っている旨を任意で表示する場合の表示方法」ということで、先ほど資料4で御説明した、遺伝子組換え農産物の混入率は5%以下だが何らか検出はされる中間領域をどう表示するかという新しい課題を検討する必要が出てきたので、今回整理したものになります。

では、実際にどんな表示があるのか。要は2パターンあります。この6ページの5番の2パラに書いております一括表示事項欄外、一種のキャッチコピーのように表示する方法。もう一つが、3パラの一括表示事項欄、具体的には原材料としてトウモロコシや大豆と書いておりますから、その後に括弧書きで表示するという方法になります。

2パラの一括表示事項欄外に表示する場合は、資料中の例にもございますように、文章で書きますので、比較的わかりやすいということがある反面、文章の量としては長くなるというのがあるのかなと考えております。いずれにしても、一括表示事項欄外であっても、欄内であっても、表示することは可能になっております。

4パラでございます。これは具体的に混入率等を書けないのかという点に着目して整理しております。適切に分別生産流通管理を行っているというからには、最大混入率は5%になります。上限は5%です。したがって、6%、7%混入していましたら「不分別」になりますので、この領域から外れてしまいます。

では、5%以下という任意表示ができるのか、その5を下回る数字も含めて、具体的な混入率を数字で書けるのかという点でございますが、これは4パラの1行目に書いていますように、可能です。合理的な根拠がなければ不適正表示となることがありますと下2行に書いていますが、合理的な根拠がありきちんと御説明いただけるのであれば、事実に即した表示であるという限りにおいては可能という整理になります。

7ページ、6番になります。「遺伝子組換えでない旨の表示の表示方法」でございます。「遺伝子組換えでない」というのは、今、多くの食品についておりますので、基本はそれを踏まえてとなりますが、今はこの2パラにあります一括表示事項欄の中に、原材料の後ろに括弧を付してその旨を書くというやり方しかありませんが、今後は任意表示ということもあり、2パラの下3行になりますが、一括表示事項欄外に表示することもできるという整理になっています。

8ページ、7番になります。「事業者による第三者分析機関における検査の要否」でございます。先ほど述べましたように、「遺伝子組換えでない」の要件を厳しくしますと、「不検出」であることを客観的に担保するにはどうすればいいのかが課題として出てきます。その関係で、第三者分析機関の検査ということになりますが、これは1パラの終わりから2行目にありますように、第三者分析機関による検査は確認方法の一つとしては有効です。ただ、2パラの2行目、3行目に書いていますように、幾ら有効であっても、実際に行政の検査で遺伝子組換え農産物が出た、陽性反応が出れば、結果、その限りでは行政の検査結果が優先されますので、不適正な表示になります。

それ以外にも、いろいろな有用なやり方を2パラの①、②、③で整理しております。①は生産地で遺伝子組換え農産物不混入を確認した後、コンテナ等に詰めて製造者のもとへ運ぶ。こうしますと、流通過程で遺伝子組換えがまじることは、現実、考えられない。次は、②にありますように国産品。国内では遺伝子組換え農産物の商業栽培はありません。あと、遺伝子組換え農産物を商業栽培していない国から調達し、流通ルートでまじらないような場合。最後に、③にありますように、生産、流通のいろいろな過程で都度都度遺伝子組換え農産物が含まれていないことを確認している場合、こういった場合は確認方法としては有効という整理をしています。

9ページ、8番、事業者による第三者分析の依頼先になります。特定の機関しかだめではないのかという御質問に対する考え方を整理しておりますが、これは1行目、2行目にありますように、特定の分析機関を指定しておりません。その後に、通知番号のある「食品表示基準について」の別添の検査方法という記述がありますが、今、我々のほうで公定検査法をつくっております。その検査法に基づいてきちんと分析できるところであれば、我々のほうで特段限定するものではないということです。

10ページ、9番です。表示の文言として「IPハンドリング」というローマ字、片仮名まじりの言葉を使っていいのか。これは、一般の消費者はIPハンドリングと聞いて、これは一体何だろうと思われる方も多いのではないか。その意味では、日本語で「分別生産流通管理」という形で書いていただきたいとしております。今でも、実はGMとかGMO、このローマ字は使っていただかないという形の整理をしています。

10番は、遺伝子組換えでない食品でなくて、遺伝子組換えでない餌、飼料で育てて、それからできたお肉、こういう表示ができるかどうかです。実は食品表示法は食品を対象としておりまして、原材料も含めていずれも食品です。人が食べない家畜の餌は、この法律の対象外になります。ただ、これも事実に基づいた内容であれば禁止されるものではありませんので、1行目、2行目に書いてあるとおりの整理としております。

最後、11ページ、12ページの11番、12番は、取り締まり、監視の関係になります。11番は監視の基本的考え方を書いておりますが、1パラの最後の3行に書いていますように、社会的検証、学的検証を組み合わせて監視をしているという今の考え方を今後も敷衍するというものでございます。

最後、12ページ、12番です。仮に不適正表示があった場合にどうなるのか。これは2パラの終わりから2行目、3行目に書いていますが、不適切なものがあれば法令に基づく適切な措置を講ずる。今もそうですし、今後もそれは同じという形で整理しております。

以上、消費者庁からの御説明になります。

最後に、今、御説明した資料は、本日からパブコメを開始しております。本日からですので意見提出期間は11月8日までになりますが、その間、いろいろな関係の方々、御関心がある方々から御意見をいただいて、その結果につきましては、改めて食品表示部会の場で皆様に御説明をさせていただければと思っております。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明に対して、質疑応答に移ってまいりたいと思います。御質問がおありの方はいらっしゃいますでしょうか。

宗林委員、お願いします。

○宗林委員 資料4で、今の消費者庁からの御説明で、「遺伝子組換えでない」という意味が、これによって5%以下だったものが「不検出」に変わる。同じ言葉であるのに意味が変わるから一斉に変えるのだというお話だったと思うのです。

一方、2ページを見ますと、製造・加工・輸入されるものについては35年4月1日以降にと、製造されるものと書いてありますので、それについては賞味期限が残っている期間内は同じことが起こるのではないでしょうか。35年に製造されたもので例えば3年の賞味期限があったら、そこまではこの同じ意味のもので違う意味合いのものが混在してしまうということではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 正確に申しますと、宗林委員の言われるとおりです。資料4の2ページの冒頭に「新旧遺伝子組換え表示の併存による混乱を避ける」とありますが、趣旨は混乱を最小化するということになります。35年3月末日までにつくられた食品を、4月以降、販売店の棚から撤去させることはできませんので、それまでの間につくったものは当然流通在庫として残りますし、店頭にも並びます。ただ、これは公布をして直ちに施行もし、新旧表示のどちらでもいいとなると、経過期間の間につくられたものは、文字どおり、新旧どちらもあり得る。その意味では、混乱がより大きくなるだろうと思っておりますので、混乱最小化という観点から、今、宗林委員がおっしゃった考え方に基づいて、今回、こういう御提案をさせていただいているということです。

○受田部会長 お願いします。

○宗林委員 わかりましたが、製造日というのは、消費者は表示ではわからないので、相当の年数にわたって混在する現状が続くということですね。一応最小限にされたという選択だということですね。

○受田部会長 よろしいですか。

渡邊委員、お願いします。

○渡邊委員 今の点なのですけれども、まず、法律改正で改正をされてしまってから、これはいつ改正かわかりませんけれども、3年とか長い期間にわたって、改正前の法律が見えなくなってしまう可能性があるのですけれども、その見えなくなっている法律が適用されている期間が結構あるというのは、今まで余り記憶にないのです。趣旨はわかるのですけれども、現実問題として、例えば製造する場合、ある日に一切その前のものはだめで、その日から新しいものを使いなさいというのはなかなか難しいのではないか、やはり猶予期間が少しないと現実問題は難しい、特に輸入品などは難しいのではないかという気がいたします。

今、宗林委員が言われたように、現実問題としては賞味期間があるので、ダブる期間は必ずあるのです。だから、そういうことを考えると、少しの期間でもいいですけれども、全くある日から全て切りかえるというのではなくて、少し猶予期間はいただきたいという気がいたします。

以上です。

○受田部会長 いかがでしょうか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 今、渡邊委員からお話のあったとおりだと思っています。我々も直ちに全面切りかえというのは難しいと思っております。資料4の「表示切替期間の検討に当たって考慮すべき事情」の3つ目のポツにありますように、既にある包材をどうするのだという問題も出てきます。いろいろな事情を考えると、当分の間は経過措置期間が要ると思っています。

その上で、ある意味、それを前提として、その経過期間の間にできる人は新しいルールに切りかえてもらうのか、それともしばらく経過期間は従来のルールのままにして、どこかの時点で新しいルールに切りかえるのか。輸入のお話も含め、今、渡邊委員の言われた直ちの切りかえは難しい事情はよく承知しておりますので、それを十分勘案して、平成35年4月1日という形で日程を考えているということになります。

○受田部会長 きょうは説明に対して疑問点がありましたら出していただいて、意見等に関しては今後の議論の中でしっかりとまた時間をかけてお答えをいただいたり、また、あるべき姿にということを考えてまいりたいと思います。

では、次に菅委員、そして、今村委員の順番で行きましょうか。

○菅委員 菅です。

今の論点については、私も追って意見を言える機会があれば今後言いたいと思います。きょうは手続的なことなどを確認したほうがいいかと思いますが、きょう、この時点でパブリックコメントはもう始まっているのですか。

そうであれば、サイトを見ればわかるのかもしれませんけれども、意見募集の聞き方の問題として、今回どういう聞き方をされておられるのでしょうか。資料5などについても意見を言えるような形になっているのか。参考資料5で掲げられている論点などについても意見が言えるような形になっているのか。今回諮問されている内容のものだけについて意見を述べるということになると、前提となる多岐にわたる論点について、どこにどう回答したらいいのか、意見を出す上でも、その後の集計をされる上でも、難しくなるのかなと思うのですけれども、そのあたり、意見募集のフォームとしてはどうなっているのでしょうか。

○受田部会長 お願いします。

○消費者庁食品表示企画課 消費者庁食品表示企画課です。

本日開始をしましたパブリックコメントにおきましては、意見募集の対象としましては、食品表示基準の一部を改正する内閣府令案となっていますけれども、先ほど説明をさせていただきました資料4と資料5についても、参考の資料として掲載しております。こちらについても、広く御意見をいただけるようであれば、今後の運用の考え方の参考にはさせていただきたいと思っております。

○受田部会長 菅委員、お願いします。

○菅委員 そうしますと、今回の場合、参考資料も含めたそれぞれについて、この資料のこの点についてこのような意見があるということを自由に記載して回答していくことが予定されているものですか。

○消費者庁食品表示企画課 そうですね。資料のどことお示しいただいても構いませんし、この点についてということで1つ論点を挙げていただいて、そこに御意見をいただく形でも、自由に、どこに対する御意見なのかがわかるようにお示しいただければそれで構いません。

○受田部会長 よろしいですか。

○菅委員 はい。ありがとうございます。

○受田部会長 今村委員、お願いします。

○今村委員 私、この検討会の委員をやっていましたので、内容についてというよりは、検討会の際にこの表示部会にかけるときに幾つか準備をして議論に臨んでいただけるという話だったので、そこの確認です。

今回の資料4で言うと1ページに当たる5%と「不検出」の基準と表現について。これは今までのIPハンドリングが生き残るかどうかというのは、5%から「不検出」までの間の表現方法をどうするかで変わるはずだから、これを短くてわかりやすいものを考えていただくということで宿題で残っていたのですが、結構長いものが例示として出ていて、今、少しでも短くしようということに2行近くの表示が出ている状況で、これはもう少し知恵を絞って幾つか今後の議論に付すようなものを出してもらえるのかどうか。

もう一つ、「不検出」と一言で言っても、どれぐらいの規模のものからサンプリングして、どれぐらいの精度で「不検出」にするのかというところが現実的なカットオフラインになると思うので、そこら辺も議論の際には出していただけるということであったと理解しているのですけれども、その辺のところはいかがなのでしょうか。

○受田部会長 いかがでしょうか。お答えできる範囲でお願いします。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 2点ございました。まず、今村委員の1点目の御質問でございます。今回、お手元にお配りしております資料5、補足資料の5番の中に、6ページですけれども、幾つか実際の表示例として想定されるものを書いております。今村委員はこれを御覧になられて、まだ長いのではないかという御意見を述べられたと思っています。我々はとりあえず今、考えられるものとしては、これでどうかと考えておりますが、今後とも引き続き内部で検討いたしますし、逆に委員の皆様から御提案をいただければ、それも含めて今後とも検討してまいりたいと思っています。

2点目、新しく作っております公定検査法の「不検出」の点でございます。これは今村委員からお話がありましたように、まさに公定検査法の判断次第で、この「遺伝子組換えでない」表示ができるのか、できないのかが決まる非常に重要な点でございます。この点につきましては、今、消費者庁から、国立医薬品食品衛生研究所にお願いをして、検討していただいております。いずれにしても、次回、改めてこのパブコメの意見を整理して、御議論をいただく際には、何らか検査法というものが一体どういうものなのかイメージを持って御議論いただくような対応を考えておりますので、次回は、何らかわかりやすい説明をさせていただければと思っております。

○受田部会長 ありがとうございました。よろしいですか。

ほか、いかがでしょうか。

松永委員、お願いします。

○松永委員 御説明どうもありがとうございます。

私も今村先生とほぼ同じ趣旨なのですが、この諮問に書かれている内容と別に、この「不検出」をどういう公定法でどういうサンプリングで「不検出」とするかということと、もう一つ、「不検出」から5%の間の任意表示を、どういうものを好ましいとするか、どういうものを推奨するかというところが、実は今回の新しい制度の根幹であり、これがきちんと定着して消費者の誤認を招かずに表示として見られるようになるのかというところが、多分根幹なのだろうと私は考えています。

なので、私たちが諮問されているものと審議したい非常に重要なところがちょっとずれているたてつけになっているのかなという印象になっているのです。ここで意見を聞いてくださるということなのですけれども、ここでの意見が補足資料である考え方とかQ&Aなどに生かされていくという受けとめ方をしていいということなのでしょうか。

というのも、御説明すると、今までの制度が安全性に関する誤認を招いているという指摘が非常に多くあると思います。「遺伝子組換えでない」という表示が氾濫していて、実はもしかしたら入っているかもしれない状況があって、それが消費者の不信感を招き、でも、「遺伝子組換えでない」という表示があれだけ出ているのだから、遺伝子組換えって危ないのではないのと、安全性に関する表示なのだというように受けとめている方は相当数いらっしゃるのだと思うのです。

安全性に関するものではありません、消費者の自主的・合理的な選択に資する表示制度ですということは、この前の検討会の報告書などでも明記されていますけれども、ここは徹底して消費者にきちんと伝えていかなくてはいけなくて、そのために、この「不検出」から5%への任意表示の文言は非常に重要になってくるのだと私は考えています。なので、そこの議論をさせていただきたいし、これは危険だと誤認を招くのではないかという表示、補足資料を見ても、安全上問題があるからこのように表示しているのではないかという思いを消費者に抱かせるのではないかと心配になるようなものが、現在、この補足資料にも載っていますので、そのあたりの審議をどのくらいさせていただいて、それをどういう形で反映していただけるのかを先に確認しておきたいのですが、いかがでしょうか。

○受田部会長 お願いします。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 ただいまの松永委員からの御質問でございます。

今回、消費者庁から消費者委員会に諮問しておりますのは、食品表示基準の改正案、具体的には資料3の条文になります。ただ、今回の改正をする、それを実際に運用するに当たって、お話のあった公定検査法は非常に重要な役割を果たすと思っています。実際に制度運用をし、その結果がどうかというのは、公定検査法に大きく左右されると考えております。この委員会の場で公定検査法のあり方についていろいろ御意見をいただければ、我々はできる限りそれを参考にさせていただいて、今回のこの改正案の適正な運用という観点から見て、非常に御示唆に富んだ、ためになる御発言ということであれば、そういうものとして受けとめて対応させていただければと考えております。

○受田部会長 松永委員、よろしいですか。

○松永委員 今、公定法についてのお答えだったのですけれども、「不検出」から5%の間の任意表示の文言についてはいかがでしょうか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 今回、資料5の補足資料の5番で、消費者庁から幾つか御提案しておりますが、その点についても、こういう切り口、こういう表現のほうがいいのではないかという御意見をいただければ、我々としても重く受けとめて参考にさせていただきます。いい御意見があれば、ぜひ実際の行政にも反映させていきたいと考えております。

○受田部会長 わかりました。

宗林委員、お願いします。

○宗林委員 私も同じ「不検出」という言葉についてです。公定法を決めるということで御説明があるということですので、そのときにということでもよろしいのですが、端的に言いますと、ここで「不検出」という言葉を使うのは、誤認を招く表示になりかねないかなと思うぐらいです。というのは、この「不検出」というのは5%と0%のこのぐらいの位置に書いてあるので、イメージ的に「不検出」というのはこの辺なのかなと見せる図になっておりますけれども、これはサンプル量希釈率、検出をするときにどのぐらいのサンプルを入れることでバンドが見えてくるのかということで、検出限界はどんどん変わってしまうものなのです。

ですから、逆に公定法をがちがちに決めるのであれば、検出限界はおのずと何%であるとかと決まってくるということになり、そうするとそれが一定の数字になりますから、それを記載して、それ以下であれば「遺伝子組換えでない」と表示ができる。要するに、加工食品から原料に戻ったときに、大豆であってもそれで何%以下であればこういう表示ができるというように、きちんとさかのぼれるはずだと思うのです。それをこういう形にすると、逆に曖昧でミスリードになるかなと直感的に思いますので、また御説明をよく聞かせていただいてと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

この点に関しましては、先ほど御説明があったように、国立医薬品食品衛生研究所において、公定法の具体的な方法論に関して検証、検討を進めておられますので、その結果をしっかりこの部会でも御説明を賜り、分析化学的に見て信頼できる、科学的な検証に資する方法であることを皆さんでしっかり確認をしながら、先ほどの「不検出」の持っている意味も含めて議論してまいりたいと思います。そういう方向でもよろしいですね。

そして、0%という表現も適切ではないのですけれども、0%から5%までのここの表現に関して、文言はぜひアイデアをというところもあります。また、前の検討会においても「不分別」という言葉に関してはぜひ検討すべきであるという表現がありましたので、この部会において妙案がでれば、その件に関してはしっかり反映していただける機会もあるかと思います。ぜひ、委員の皆様、今の時点からお考えいただければと思います。よろしくお願いいたします。

ほか、いかがでしょうか。

渡邊委員、お願いします。

○渡邊委員 今の「不検出」、わかったのですけれども、国立衛生研究所などに頼むときに、こういう液体ではなくて固体のサンプルをとるときというのは、分析のばらつきよりもサンプリングのばらつきのほうがはるかに大きいような気がしているのです。例えばどこからどのように、実際どのようにサンプリングするかによって、分析のばらつきよりもはるかに大きいばらつきが出る。そういう中でこの「不検出」という言葉を使われているので、この赤字の「不検出」は本当はやめていただきたい。意見を求めるときに、通常「不検出」というのは、何回やってもその分析で出ないことを意味していると思うので、この赤字の「不検出」というのはかなり誤解を招くなという気はしています。

以上です。

○受田部会長 コメントはありますか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 先ほどの渡邊委員の御発言でございます。

今回御用意した資料は、有識者検討会の報告書を踏まえて整理しておりますので、そこで「不検出」という言葉を使っておりましたから、こういう整理をさせていただきました。ただ、有識者検討会の中でも、このとき「不検出」、これはゼロという言い方もあったのですが、これは数学的なゼロではないというお話もありました。

いずれにしても、この分析の今の検討状況については、改めて御説明をさせていただきますので、その際に御懸念の点についてもお答えをさせていただければと思っております。

○受田部会長 ありがとうございます。

ここは非常に重要なところですし、標本の量、スケールに関しても、それぞれ事業者サイドにおいて全く多様だと思うので、先ほどのサンプリングも含めてそこに係る部分は相当重大だと思います。また、その結果も含めてこの部会で委員の皆様から御意見を賜りたいと思います。

ほかの観点で御質問はさらにございますか。よろしいですか。

大体御質問は一通りいただいたようですので、今後、この諮問に対する答申、これを部会で議論していきますという点が1点と、きょう出されました、もう既に幾つか論点が出ておりましたので、これに関しては今後公定法の整備、検討が進んでいくことと相まって、この部会での議論も深めてまいりたいと思います。

いただいた意見はまた事務局で整理をさせていただいて、11月8日と言われましたでしょうか、それまでに寄せられたパブリックコメントの整理とともに審議再開の際の資料とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

それでは、本日の議論はこれまでとしたいと思います。

消費者庁からの御説明もありましたけれども、パブリックコメントは本日から開始されております。その取りまとめ結果を受けて、冒頭の説明にあったように、12月から審議を再開したいと考えております。

≪4.閉会≫

○受田部会長 本日、用意しました議事は以上でございますけれども、事務局より連絡事項等がありましたらお願いいたします。

○坂田参事官 本日は長時間にわたりまして熱心な御議論をいただきまして、まことにありがとうございました。

次回は11月8日、木曜日、14時からを予定しております。この日程は、冒頭御説明しました参考資料1におきます、11月上旬の日程に該当することになります。詳細は追って御連絡させていただきます。よろしくお願い申し上げます。

以上でございます。

○受田部会長 ありがとうございました。

それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)