第2回 消費者行政新未来創造プロジェクト検証専門調査会 議事録

日時

2018年4月10日(火)10:00~13:10

場所

消費者行政新未来創造オフィス消費者庁会議室
消費者庁記者会見室<TV会議>

出席者

  • 【委員】
    樋口座長、新川座長代理、木田委員、遠山委員、野々山委員、萩原委員、唯根委員
  • 【委員】TV会議
    内田委員、野口委員
  • 【オブザーバー】
    池本委員長代理、大森委員
  • 【説明者】
    消費者庁井内政策立案総括審議官
    消費者庁福岡審議官
    消費者庁消費者行政新未来創造オフィス日下部参事官
    消費者庁消費者調査課澤井課長
    消費者庁消費者教育・地方協力課尾原課長
    消費者庁消費者制度課太田企画官
    消費者庁消費者行政新未来創造オフィス担当者
    徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長
    徳島市市民環境部市民生活課幸田課長
  • 【事務局】
    黒木事務局長、福島審議官、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 本専門調査会における今後の審議の観点について
  3. 「公益通報受付窓口(市区町村)及び内部通報制度(事業者)の整備促進」に関するヒアリング
  4. 「消費者志向経営の推進」に関するヒアリング
  5. 「見守りネットワーク(消費者安全確保地域協議会)の構築」に関するヒアリング
  6. その他
  7. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○丸山参事官 定刻より若干早いですけれども、委員の皆様方おそろいですので会議を始めさせていただきたいと思います。

本日は皆様お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから「消費者行政新未来創造プロジェクト検証専門調査会」第2回会合を開催いたします。

本日は消費者庁のテレビ会議システムを使用いたしまして、東京からは内田委員、野口委員。また、消費者委員会の本委員からは池本委員長代理に御出席いただいております。

また、本日は所用によりまして岩崎委員が御欠席との連絡をいただいております。

配付資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第の下部に配付資料一覧を記載しております。

資料1から資料6-2、参考資料1となっております。

不足がございましたら事務局までお声がけをよろしくお願いいたします。

それでは、樋口座長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。


≪2.本専門調査会における今後の審議の観点について≫

○樋口座長 本日もよろしくお願いいたします。

本日は会議が3時間という長時間でございますので、会議の半ば辺りで休憩を取らせていただきたいと思います。

早速、本日の議事に入らせていただきます。

議題の1つ目は、本専門調査会における今後の審議の観点について、第1回の会合におきまして委員の皆様に御意見をいただいた内容を事務局にまとめていただいておりますので、まず事務局より5分程度で説明をお願いいたします。

○丸山参事官 お手元の資料、右肩に資料1「本専門調査会における今後の審議の観点について」ということで御用意させていただいたペーパーがございます。こちらを事務局から説明させていただきます。

構成につきましては、まず1つが「検証の対象について」ということ。もう一つが「検証の視点について」ということで、前回の専門調査会の御意見につきまして整理をさせていただきまして、事務局でまとめさせていただいたものです。

「1.検証の対象について」でございます。主な意見ということで、点線の四角囲みのところで整理をさせていただきました。例えば進行中のプロジェクトに対して意見をすることもあるのかということですとか、消費者庁の司令塔機能、立法機能などは今回の検証の対象外とすべきという御意見、あるいは各プロジェクトのそれぞれの評価をするべきという御意見ですとか、検証の対象を14のプロジェクトに限定するのかといったこと。プロジェクトがより高度になるように意見を出すべきということで御意見をいただきました。こうした意見あるいは専門調査会の所掌を踏まえまして、事務局では以下の点ということで検証の対象としてはどうかということで考えております。

具体的にはアといたしまして消費者庁、国民生活センターの実施する各プロジェクトを対象とすること。それから、イといたしまして各プロジェクトの成果が出た時点のみならず、進捗時点についても検証を行うこと。ウといたしまして、消費者行政新未来創造オフィス自体についての検証を行うことということで整理をいたしました。

なお、各プロジェクトの進捗度合いに応じまして、専門調査会として意見を取りまとめるなどタイミングを見計らいまして、こういったものについて事務局において精査していきたいということで考えております。

「2.検証の視点について」でございます。主な意見でございますが、地方移転との関係で東京ではないことの意義はプロジェクトについて何かということ。それから、消費者行政ないし消費者政策全体におけるプロジェクトの位置付けはどうなっているのかといった点。プロジェクトとこれまでの施策や全国展開との関係、それをどのようにイノベーションしていくのかの視点ということ。プロジェクトが地方で行われていることの意義はどうか。あるいは消費者教育、広報啓発の情報発信機能に対してプラスになっているのか。プロジェクトの中身がどれだけ充実しているのか。プロジェクトを全国展開していくこととその可能性。事前分析表などによる政策評価と同様の指標でプロジェクト内容を評価するのか。それ以外の指標を用いて評価するのか。徳島にオフィスを置くこと及び人員の構成をどうするのかという体制の問題。次のページでございますけれども、プロジェクトの設定が行政目的を達成するために適切か。プロジェクトとネットワーク間、地域の特性に合った連携が取れているのか。成果の見える化をした上で評価をすべきといった点ですとか、プロジェクトのスピード感あるいは安全と安心の違いを踏まえ、安全と安心が一致しているのかどうかという点。安全について専門家の言葉を理解しやすく伝えることで消費者の理解を深めていけるのか。あるいは、全国展開に向けて量的拡大、質的拡大をどのように評価するのか。プロジェクトを国連のSDGs(Sustainable Development Goals)にどう位置付けるのか。全国への展開に向けて徳島と他の地域との違いを含めて分析、検討が必要といった意見が出ました。

これを踏まえ、事務局といたしまして、(1)(2)という形で、暫定的な整理ということで、全てを網羅しているわけではないですが、大まかにこういった視点があるのではないかということで整理をさせていただきました。

まず(1)ですけれども、プロジェクト自体についての検証の視点ということで、アから順にプロジェクトの目的や意義が明確で、それに応じて手段が適切なものになっているのかといった点。それから、成果が目に見える、あるいは分かりやすいものになっているのか。政策決定から実施までのプロセスにスピード感があるのかどうか。プロジェクトの成果が全国展開されているのかといった点。こういった点をプロジェクトの検証の視点ということで整理させていただきました。

(2)はオフィス自体の検証の視点ということで、アから順にプロジェクトが実証フィールドとしての地方で行われていることの意義があるのか。消費者庁、国民生活センターの各本体とオフィスの適切な役割分担及び連携ができているのかどうか。自治体とオフィスとの連携ができているのかといった点。それから、オフィスの取組が消費者行政にどのように寄与したか、将来においてどのように寄与し得る可能性があるのかといった点。こういった点ということで整理をさせていただきました。

なお、この後、御議論をしていく際ですけれども、お手元に参考資料1「消費者行政新未来創造オフィスの取組について」ということで、前回の専門調査会でもオフィスから取組について御紹介がありましたが、こちらのリバイス版ということでオフィスのプロジェクトの概況について整理をしたものがございます。こちらもこの観点について御議論していく際に御参考にしていただければと思います。

事務局からの説明は以上です。

○樋口座長 ありがとうございました。

それでは、事務局の説明を基に議論をしていただきたいと思います。

最初に今回、東京での御参加の委員の方もいらっしゃいますので、御意見のある方は御発言いただく際に、テレビ会議でございますので、徳島で御発言いただく方は挙手をしていただき、また、東京で御発言いただく方は御遠慮なく私に声をかけていただくという形でお願いしたいと思います。

なお、私が指名しましたら、大変恐縮ですが、お名前を言っていただいた上で御発言いただきますようによろしくお願いいたします。テレビ会議ですので、声だけで聞き分けるのはなかなか難しいと思いますので、恐縮ですが、発言の際には改めてお名前を言っていただければと思います。また、御説明や御回答をいただく際に、御担当者の皆様も名前を言っていただいた上で御説明等を開始していただきますように、御協力をよろしくお願いいたします。

早速ですが、御質問や御意見のある方は御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。

○野々山委員 質問が1点と意見が1点あります。

質問は、最初に記載のある検証の対象についてなのですが、ア、イ、ウと整理されています。アの部分で、検証の対象を各プロジェクトとするということは、参考資料に記載されている取組に対する検証をする。つまりここに記載している取組が対象であるという理解でいいのかというのが質問です。

もう一つ意見は、ウの消費者行政新未来創造オフィス自体の検証を行うことで、これは器の問題あるいは他の組織あるいは全国との関係での連携が問題になってくると思いますが、その検証の視点の中でオフィスの検証の視点というところでは連携とか意義に加えて、予算とか体制とか組織が十分かどうかという点も1つ視点として必要ではないかと思っております。

以上です。

○丸山参事官 事務局でございますけれども、御質問の点でございますが、検証の対象のアは、事務局といたしましては野々山委員から御指摘がありましたように、消費者庁、国民生活センターの実施している各プロジェクトについて、まずは検証の対象とすべきということで考えております。

○樋口座長 それはよろしいですか。

○野々山委員 はい、結構です。

○樋口座長 予算、体制、組織の問題に関しては。

○丸山参事官 そちらにつきましては、必要であれば観点という形で含めたいと思いますけれども、まずは御議論いただければと思います。

○樋口座長 分かりました。その点はよろしいですか。

○野々山委員 はい。私はそういう意見を持っているということで結構です。

○樋口座長 他にいかがでしょうか。今、検証の対象について野々山委員から御意見、御質問がありましたけれども、検証の対象について何か御意見があれば。これは最終の整理ではなく、今後、議論を進めていくための目安として事務局でまとめていただいたものですので、もし御疑問等があれば御質問をお願いしたいと思います。

○野々山委員 もう一度よろしいでしょうか。この検討のスパンなのですが、今回の専門調査会は時期的には大体どの程度のところを検証していくと考えておられているのかということです。今までの議論を聞いていますと、現時点の検討対象として平成29年度の成果が1つ挙がっているわけでありますけれども、まだそれは取組の途中だと思っています。その成果を更に全国展開していくことが1つの大きな課題となっておりまして、それはまだ端緒についたばかりだと考えております。これをどの段階で、というのはこの検証を1回で済ますのか、あるいは、今回の検証はある程度やっておいて、またしばらくたってからもう一回、検証を更にするのか。そういう専門調査会の検証の時期的な問題や回数によって対象も抽象的には分かりますけれども、具体的なところは変わってくるのではないかと思いますので、その点どういう予定になっているのかについてお伺いしたいと思っております。

○丸山参事官 まず検討の期間でございますけれども、プロジェクトの成果ということで3年間となっておりますので、それらの成果について最終的な形で、どういった形で成果が出るのかといったことについて、専門調査会で適切な助言等を行うことになっておりますので、基本的にはプロジェクト完了のところまでということで思っております。

ただ、資料を御用意させていただきました「1.検証の対象について」ということで、なお書きで書かれているものがございます。進捗度合いにおきましては、この専門調査会におきましてタイミングを見計らって、このプロジェクトについてはこの時点で助言等をしたほうがいいというものもあろうかと思います。そういったものにつきましては委員の皆様方で御議論をしていただいた上で、例えば1年目あるいは2年目のところで、タイミングを見計らって助言を発出することもあり得るということで考えております。

○樋口座長 よろしいでしょうか。今の御質問、なお書きの部分ですが、状況に応じてこの期間内で意見を取りまとめることもあり得るということです。

他にいかがでしょうか。今、検証の対象について御意見、御質問が出ていますが。

○野口委員 東京からよろしいでしょうか。一橋大学の野口と申します。東京から参加をさせていただいております。

検証の対象について1点御確認と、1点御質問です。

四角の点線の中では、検証の対象を14のプロジェクトに限定するのかという問いかけがありますが、今回お出しいただいている御提案は、14に限定するという御趣旨であるということなのかを確認させていただきたいというのが1点です。

御質問は、14に選定をしたプロジェクトの選択の過程といいますか、どういう経緯があって14になったのかという、そのプロセスについての検証は対象に入るのかどうかということを御質問させていただきたいと思います。

以上です。

○丸山参事官 まずプロジェクトを14に限定するのかということでございますけれども、こちら本日、御用意させていただきました参考資料1の、オフィスの取組についてというところで御紹介をしています。こちらのプロジェクトについて14という形で書いておりますけれども、こちらは現在、15になっておりますが、こちらについてまずは検証ということで考えているということが1つです。

それから、プロジェクトの選定の過程等についてこちらで議論するのかという点ですが、事務局といたしましては、お手元に御用意させていただいているペーパー「2.検証の視点について」の(1)プロジェクトの検証の視点ということでアでございますが、プロジェクトの目的や意義が明確で、それに応じて手段が適切なものとなっているかといったことが、野口委員が御指摘になったような点がスコープに入っているのではないかと考えております。

○野口委員 ありがとうございます。(1)のアというのは確かに含まれる点ではあるかと思うのですけれども、もし可能でしたら(1)アを議論させていただく際に、なぜこの14が出てきたのかという点に関する何かしらの情報とか資料をいただけると、どうしてこの14が選ばれたのかというのが見えてくるのかなという気がいたしますので、(1)のアの議論をさせていただくときに資料としてもし提供していただけるものがあるのでしたら、いただきたい。これはお願いです。よろしくお願いいたします。

○樋口座長 ありがとうございました。

事務局よろしいですか。

○丸山参事官 野口委員の御要望は、オフィスですとか御関係の方々にお伝えしたいと思います。

○樋口座長 よろしくお願いいたします。

他にいかがでしょうか。検証の対象を中心に、皆様から御質問、御意見をいただいておりますけれども、検証の視点も含めて、御質問、御意見がありましたらお出しいただきたいと思います。いかがでしょうか。

○内田委員 東京から委員の内田ですが、よろしいでしょうか。

2点ありまして、1つは2ページなのですけれども、四角の枠の中で前回の発言の主な意見のところで紹介をされていて、その真ん中辺りに安全と安心の違いを踏まえ、安全と安心が一致しているかというのが載っています。これは多分、私が発言させていただいたのだと思うのですが、そこでこのとき申し上げたかったのは、安全と安心を一致させるには専門家への信頼が構築されないと、そうなっていかないという趣旨でした。括弧のところですが、「専門家への信頼があるか」というよりも、「専門家への信頼の構築につながるのか」という点にしていただければと思います。

2点目は意見なのですけれども、(2)でオフィスの検証の視点のウというところで、自治体とオフィスとの連携ができているかとあるのですが、ここもイと同じように自治体とオフィスとの連携と役割分担ができているのかという視点が良いのではないかと思っています。今回の地方、徳島に作ったことの意味合いというのは、消費者問題が起きている正に現場。消費者行政の主戦場と消費者行政の司令塔がうんと近くにいるという構造があるのだろうと思うのですけれども、地方公共団体も司令塔になり得るのだと思っています。そこで実際の一つ一つのプロジェクトを動かしていくときに自治体とオフィスと、役割分担という視点は明確にあったほうがいいのではないかと思いました。

以上です。

○樋口座長 内田委員、ありがとうございます。

それでは、事務局で、最初に、点線内の修正の部分はいかがでしょうか。

○丸山参事官 内田委員の意図について十分酌み取れなかった整理になってしまって申し訳ございません。そのような趣旨ということであれば、またこちらのほう、リバイス版で御用意させていただいたときに訂正等をさせていただきたいと思います。

2番目の点につきましても、御指摘の点についてできる限り拾っていきたい。役割分担と連携ということで自治体との連携、役割分担についても加味させていただければと思います。

○樋口座長 分かりました。

それでは、もし御異論がなければウのところは内田委員の御意見のような形で修正をしたいと思います。

他にいかがでしょうか。お願いいたします。

○新川座長代理 新川でございます。

検証の視点はよく分かったのですが、検証をするときの手順とか枠組みをどう考えていくのかというのが、ここからはなかなか見えにくいなということがありました。例えばプロジェクトが生み出した成果が国民や市民にどういうインパクトあるいは具体的な社会的な結果、効果をもたらすのかというのももちろんありますし、もう一方では個々のプロジェクトが当面、1年なら1年の予算を消化して、どこまで効率よくそのお金を使っていくことができたか、どこまで業績を出したかという視点、業績評価に当たるかもしれませんが、そういうところもどう測定するのかということがあると思います。

私たちが多分、政策評価的な側面と業績測定的な側面と両方多分やらないといけないのだろうとは思いつつ、しかし、それを15のプロジェクトについてそれぞれに評価のフレームを考えていかないといけない、結構大変かなというのがあって、そこの辺りの手順をこれからどういうふうに整理していくのかというのが大変気にかかっています。事務局として少しこの辺りお考えがあればお伺いしたいですし、これからということであれば、そういうフレーム作りを議論していく必要があるという検証の視点が必要なのではないかと思いながら拝見していたというのが1点目、私の意見であります。

2つ目にオフィスの検証の視点で先ほどから出ていますように、いろいろな団体との連携とか協力ということを御指摘いただいています。それはそのとおりだろうなと思っていますが、もう少し気にかかりますのは、この検証のグループの皆様方もそうですけれども、様々な市民団体、NPO、NGOの方々に関わってきていただいたり、あるいは地域で活動しておられる消費者団体の方に関わっていただいています。言ってみれば、多様なステークホルダーがあっての消費者行政があるのだろうと思いますし、この新未来創造オフィスのプロジェクトもそうだろうと思っています。そうしたところとの関係や多様なステークホルダーからの評価とか御意見とか、そういうものをどういうふうに入れ込むことができるのかできないのか。それから、そうしたところの関係を踏まえたこれからのプロジェクトの在り方やオフィスの運営の仕方も重要になってくるのかなと思いながらお話を聞いていた次第です。今後、御検討いただければいいところが多いのですけれども、もし現時点で何かあれば事務局からいただければありがたいところであります。

以上です。

○樋口座長 ありがとうございます。

いかがでしょうか。

○丸山参事官 事務局からでございますけれども、まず前半の新川座長代理から業績評価及び総合評価ということで、どういう形で評価の枠組みということで考えるのかということですが、まず事務局では具体的にこのプロジェクトについては業績評価あるいはこういったものについては総合評価ということで決め切れているわけではございません。こちらにつきましては専門調査会の議論をしていただいたところで我々は決めていくこともあろうかと思いますし、あるいは走りながらではありますけれども、各プロジェクトの進行状況についてヒアリングしながら、そういったことについて検討させていただければと思っております。

後半のステークホルダーの評価ということですけれども、そちらについては、必要に応じまして、各プロジェクトで御協力をいただいておりますステークホルダーの方々にこの場にお呼びさせていただいて、御意見を伺わせていただく。プロジェクトについて協力させていただいたときの評価ということでお話をしていただくこともありかなと思っておりますので、そういった形で進めさせていただければと思います。

○樋口座長 いかがでしょうか。

○新川座長代理 もう一点だけ補足していただければと思いますが、このオフィスそのものがそうしたステークホルダーの方々との関係をどのように位置付けることができるのか。それは消費者庁本体との関係もあると思いますけれども、この辺りはどのように整理をこれからしていって、その在り方を考えたらいいのか。もし事務局として現時点でイメージを持っておられればお伺いをしておきたいですし、ないのであればこれから考えるということでもいいかと思いますが、いかがでしょうか。

○丸山参事官 まずステークホルダーということでは、第一義的にペーパーで用意させていただきましたオフィス検証の視点ということで、いわゆる自治体の方々、今回メインで御協力をしていただいております徳島県あるいは徳島県の中の市町村の方々との要するにステークホルダーということで、どういう形で本プロジェクトのことについて評価をされているのかお聞きするのは、まず最優先であろうと思います。

それ以外にも各プロジェクトの中のところで、徳島県の例えば栄養士会ですとか、そういった方々にも御協力をいただいていることも聞いておりますので、そういった方々にも御意見をいただくということ。あるいは次回でありますけれども、消費者志向経営のところでは徳島県の業界団体あるいは企業の方にも御協力をいただいていると伺っておりますので、そういった方についてこちらにお越しいただいて、お話を聞くことも予定として考えております。

○新川座長代理 ありがとうございました。

○樋口座長 ステークホルダーとの関係は非常に重要な視点だと思います。これは消費者庁全体にも関わる部分だと思いますので、ここのオフィスの部分で全体を透かして、そういうステークホルダーの問題がきちんと組み込まれているのだと認識することが重要ではないかと思います。ウのところだけではなくて、全体に、それが関わってくるのではないかと思います。

他にいかがでしょうか。何かお気付きの点、あるいはこの資料に盛り込まれていない点でも結構なのですが、気になる点とかそういうことがございましたら、この際、御発言いただければと思います。

○野口委員 東京からよろしいでしょうか。野口です。

今の座長代理と事務局の方々のお話の中で、今回の評価は非常に難しいというお話と、視点は出ているけれども、具体的な指標とか基準というのは、これからプロジェクトの特性などを見ながら議論をしていくというお話があったかと思うのですが、その点に関して1つお願いというか、お願いがてらの確認と申しますか、恐らく今回のプロジェクトのアドホックな評価の指標ということではなくて、今後それぞれのプロジェクトが全国展開していくに当たって、息の長いと申しますか、ずっと使われていくような評価の基準になっていくものを例示として作るという作業になってくるかと思いますので、ここはすごく時間がかかるかもしれないけれども、時間をかけて今回限りではない汎用性の高い評価の指標とか基準を出していく必要があるということでよろしいですよねという確認になるのでしょうか。その点をお伺いできればと思います。

○樋口座長 いかがでしょうか。

○丸山参事官 野口委員から御指摘のあった点については具体的に考えていかなければならないですが、我々委員会の事務局サイドといたしましても、前回、2月の際に座長以下、委員の方々が御参加いただいた徳島での消費者教育のプロジェクトということで、高校のほうで事業展開していただくことについて視察をさせていただきましたが、正にそちらについてアンケートで評価をすることにより全国展開につなげていければということで消費者庁からお話を伺っておりますので、そういったものについて、例えば全国展開で汎用性があるような形の評価の座標軸について御提供いただけるのではないかと期待しているところでございます。

○樋口座長 野口委員、いかがでしょうか。

○野口委員 ありがとうございます。評価そのものを長期的な視点で考えていかなければならない。このプロジェクトの評価というのが今回の我々のタスクですけれども、ここで作られる指標とか基準というのが、消費者行政の評価基準という意味でも息の長いものになっていくのかなという気がいたしましたので、時間をかけて丁寧に議論をさせていただければと思いました。ありがとうございます。

○樋口座長 他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

今回は、まだ、今後の審議の観点としての一応の整理ですので、これをベースにまたいろいろ御意見、御発言をいただければと思います。いろいろ今、委員から御指摘がございましたが、基本的にはこの審議の観点についてという資料1に基づいて審議を進めていきたいと思っております。

ただ、その際いろいろ委員の方々から御指摘がございました。内田委員から自治体とオフィスとの連携というところについて、役割分担というお話がございました。あるいは新川座長代理、野口委員からは評価の問題がございました。また、新川座長代理からはステークホルダーとの関係のお話がありました。これらについては事務局の回答は、現時点ではまだいろいろ試行錯誤というか、走りながら考えていく部分もあるということでしたが、このステークホルダーとの関係についても、あるいは評価についても消費者行政の基本的な部分ではないかと思います。今回のオフィスの検証ということだけにとどまらない部分が多くありますので、そういった点も含めてしっかりと議論を進めていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、議題1につきましては、以上のような形で事務局の整理を了解したいと思います。

≪3.「公益通報受付窓口(市区町村)及び内部通報制度(事業者)の整備促進」に関するヒアリング≫

○樋口座長 続きまして、本日は議題がいろいろございますが、まず本日は3つのプロジェクトについて、この場におきましてヒアリングを行いたいと思っております。これに関連しまして東京では消費者庁から井内政策立案総括審議官、福岡審議官にお越しいただいております。

それでは、最初のプロジェクトとしまして、公益通報受付窓口(市区町村)及び内部通報受付窓口(事業者)の整備促進についてのヒアリングを行います。

プロジェクトの御説明をいただくために、東京では消費者庁消費者制度課の太田企画官、徳島では消費者行政新未来創造オフィスより日下部参事官及び担当者の方、徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課より勝間課長にお越しいただいております。消費者庁より御説明をいただき、その後、質疑応答を行いたいと思います。

それでは、消費者庁より御説明を5分程度でお願いしたいと思います。

○消費者庁消費者制度課太田企画官 消費者庁消費者制度課の太田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

私からは資料2に基づきまして、公益通報者保護制度に関わるプロジェクトの概要につきまして御説明を申し上げます。

まず資料の御説明の前提といたしまして、公益通報者保護制度の概要でありますとか意義につきまして、簡単に御説明させていただきたいと思います。

消費者庁では、事業者内部における不正の存在など、公益性の高い通報を行った通報者を保護することを通じて、事業者による法令遵守を確保するとともに、消費者の安全安心を確保することを目的といたしまして、公益通報者保護法というものを所管してございます。この公益通報者保護法でございますが、消費者行政の中にどのように位置付けられるのかということでございますけれども、大きく2つの役割があると思っております。

第1に、事業者内における内部通報制度あるいは法令遵守体制の整備を促進するといったことを通じまして、事業者における自浄作用を向上させるという意義があると考えております。

2つ目でございますが、事業者内の従業員からの情報を基に、行政機関が法令違反行為等を早期に把握し、それを適切な法執行に活用していくという、以上、大きく2つの意義があると考えております。そのような意味で、公益通報者保護制度というのは、事業者におけるコンプライアンス経営の推進、あるいは消費者志向経営の推進を図っていく上で非常に重要な制度であると考えておりますし、行政機関による法執行力強化のためのツールとしても非常に有用であると考えております。

以上が制度の概要でございまして、その次に制度の課題でございますけれども、この法律は平成18年4月に施行されておりまして、施行から12年が経過したということでございます。この間、民間事業者や行政機関におきまして通報制度の整備、運用が進むなど、一定の成果を上げてきたと考えております。他方におきまして、最近におきましても、企業でありますとか行政機関における不祥事が起こっておりますが、その中で通報制度が十分に機能しなかったということが指摘されているところでございまして、この制度の実効性向上というのが非常に重要な課題になってございます。

さらに、この通報制度の整備状況に関して申し上げますと、民間事業者と行政機関、それぞれにおいて課題があると考えておりまして、まず民間事業者につきましては、大企業におきましてはほぼ全ての企業でこういった制度が導入されているわけでございますが、中小企業においてはまだまだ低い水準にあるという現状にございます。さらに行政機関におきましても同様でございまして、国、都道府県といった規模の大きな行政機関におきましては、おおむね整備が進んでございますが、市区町村レベルとなりますと、まだ十分ではないということでございまして、整備状況は右側のグラフにございますように、内部の職員等からの通報窓口については5割程度でございますし、外部の労働者等からの通報窓口で言いますと3割程度しか整備されていないというのが現状でございます。

こういったことを背景といたしまして、消費者庁では民間事業者向けのガイドラインの改正でありますとか、地方公共団体向けガイドラインの策定といったことを通じまして、中小企業における内部通報制度、市区町村における公益通報窓口の整備促進を進めてきているところでございます。

さらに、この取組を加速するために今回、徳島県の御協力を得まして、徳島県内におきまして自治体や事業者の取組を促進するためのモデル事業を実施するとしたことが、本事業の経緯でございます。

そのモデル事業の内容でございますが、資料の1ページを御覧いただきますと、先ほど御説明しましたように問題の背景として、市区町村ですとか中小企業における制度が十分進んでいないということが書いてございまして、これを進めるために徳島県と消費者庁とが密接に連携することによって、大きく3つの取組を進めているということでございます。具体的には資料の中ほどに3つの四角がございますが、まず1つ目として県内自治体の通報窓口を整備するということで、徳島県、さらに県内24市町村に通報窓口を整備することを進めております。

2つ目といたしまして、より安心して通報ができる環境を整備するといった観点から、県内自治体のための共通窓口を整備することとしております。

3つ目でございますけれども、中小企業を始めとする県内事業者による実効性の高い内部通報制度の整備を促進していこうということでございまして、以上の3つのプロジェクトにつきまして、徳島県と消費者庁が連携、主導して、県内の市町村ですとか事業者に対して働きかけを行ってきているところでございます。

以上の取組の成果でございますが、資料の下半分に29年度の主な成果と書いてございますけれども、大きく3つの成果が上がってきているのではないかと考えてございます。昨年夏から本格的に取組を開始したわけでございますけれども、まず1つ目の成果といたしまして、徳島県内の全自治体におきまして昨年10月までに内部の職員等からの窓口、外部の労働者等からの窓口のいずれにつきましても、整備率100%を達成したということでございます。

小さくて恐縮ではございますが、資料の右側にグラフをお示ししてございますけれども、都道府県別の市区町村の窓口整備率のランキングにおいて、徳島県については、取組開始前はそれぞれ38位、41位と下位グループに属していたわけですけれども、このモデル事業を実施したことによりまして、それぞれ整備率100%ということで、全国1位に躍進したというような成果を上げているところでございます。

具体的な取組につきましては5ページの参考資料という形でお示ししておりますけれども、消費者庁、徳島県、県内の市町村との密接な連携によって取組を進めてきたということでございます。この過程において、特に県によるリーダーシップの発揮と、それを踏まえた市町村の幹部による取組へのコミットメントが非常に重要な役割を果たしたのではないかと考えておりまして、今後、全国展開を図っていく上でも重要なポイントとなるのではないかと考えております。

2つ目の成果は、県内事業者及び関係団体に対しまして、内部通報制度の整備について働きかけを実施しているということです。徳島県内は中小企業が多いわけですけれども、中小企業につきましては人員の規模でありますとか費用負担の面から、単独で内部通報制度を整備することがなかなか難しいという実情がございます。このため事業者団体が主導してこうした制度整備を促進することを目指しております。

具体的には5ページの参考資料にその取組の概要をお示ししておりますけれども、徳島県が消費者庁の交付金を活用するなどいたしまして、コンプライアンス経営強化推進事業というものを実施していだいております。昨年度につきましては徳島県の経営者協会、医師会、土地改良事業団体連合会の3団体に委託をいたしまして、各団体の関係事業者に内部通報制度の普及促進活動を実施していただいたところでございます。

さらに、今年度につきましては、事業者団体に関係事業者の共通窓口を設置するということで、中小企業における通報制度の整備運用の新たなモデルとすることを目指しているところでございます。

1ページに戻っていただきまして、成果の3つ目でございますけれども、今後、モデル事業の成果の全国展開を図っていくわけですが、それに向けた布石といたしまして、29年度におきましても徳島県の周辺自治体、主には四国の各県ということになりますけれども、周辺自治体に対しても公益通報窓口の設置の働きかけを行ってございまして、周辺自治体の中には窓口整備に向けた具体的な動きも出てきているということでございます。この過程におきましては、徳島県での取組の経験というものも周辺自治体に共有をさせていただいて、その取組を進めているところでございまして、この周辺自治体への普及という中で、取組を進めるための課題なども把握した上で、今後の全国展開に向けた対策というものを検討していきたいと考えてございます。

以上が主な成果でございますけれども、今後の取組につきまして若干御説明をさせていただきたいと思います。

まず自治体に整備をした通報制度の実効性向上ということが重要であります。窓口を設置したという成果はあったわけでございますけれども、設置しただけでは意味がないということでございまして、その実効性を上げていくことが重要であると考えています。このため消費者庁が策定いたしました地方公共団体向けのガイドラインを踏まえまして、整備した通報制度を円滑に運用していただくとともに、定期的に評価、点検などをすることによって制度を継続的に改善していくことを進めていきたいと考えてございます。

2番目といたしまして、共通窓口の整備運用ということでございまして、自治体、事業者を通じた共通の課題ということになります。規模の小さな自治体や中小企業において、安心して通報できる環境を整備するためには、組織の外部に窓口を設置していくことが有効であると考えておりまして、県内自治体のための共同窓口あるいは事業者団体による共同窓口というものは、今後、全国展開を図っていく上でも重要なモデルになると考えております。今後の展開に向けまして、これを是非成功させていきたいと考えております。

今後につきましては、以上のような取組による成果でありますとか課題をしっかり検証、分析した上で全国展開として他の都道府県に広めていきたいと思っていまして、この過程におきましては消費者庁と徳島県としっかり連携した上で取組を進めていきたいと考えております。

私からの御説明は以上でございます。

○樋口座長 ありがとうございました。

ただいまの消費者庁からの説明内容に対する御質問や御意見がある方は、御発言をお願いいたします。

○木田委員 木田です。よろしくお願いいたします。

私たちも経営をしていますので、こういう内部通報窓口は必要だと思うのです。ただ、窓口ばかりいっぱい作ると、現場のほうはどこに電話をしたらいいか迷ってしまって、まず訳が分からなくなるので、窓口を作っていくことが重要ではなくて、現場に周知させることが大事だと思うのです。例えば各関係団体に周知してくださいとパンフレットを送ります。きっと会社に行くと総務で止まっていると思うのです。総務で止まって、そのままごみ箱に行くか、現場まできっと下りていかないと思うのです。何千人、何万人という従業員を抱えている企業が神戸にもたくさんあって、神戸でも本当に不祥事がたくさん出て、私たちもいつも経済団体でもつらい思いをしているのですけれども、だからこそやはりもっともっと現場に周知させる仕組みというのを一番痛感しているのです。もっと早く現場が通報して、窓口でもっと早く改善できたらというのは思っています。

もう一つは、通報した人がどれだけ守られるのかというのが不安で、私が現場で働いていて通報しました。匿名性は守られるのかとか、例えばそれがどこから漏れたということになったら、幾ら会社にいられるといっても肩身の狭い思いをして働かなければいけないので、通報したらそれがどういうふうに守られるのかということを明確にして、現場にもっと周知させるというのが大事だと思います。

以上です。

○樋口座長 ありがとうございます。

今の点について、何か消費者庁からコメントございますか。

○消費者庁消費者制度課太田企画官 東京の太田から御説明させていただきます。

まず設置した窓口の周知が重要ではないかという最初の点でございますけれども、重要な御指摘であると思います。行政機関、事業者のそれぞれに共通する課題だと思いますが、設置した窓口を従業員でありますとか職員にしっかり周知して、活用していただくことが大事だと思っておりまして、今回の事業におきましても、そういった取組を進めていきたいと考えております。

資料5ページの事業者による取組の推進という中で具体的な内容をお示ししておりますけれども、例えば公益通報者保護制度推進員というものを設置するといったことですとか、制度の推進パッケージを作っていただくことにしておりまして、こういった推進員を中心に企業の中で制度の周知を図っていくということですとか、推進パッケージを通じて各種の周知用のパンフレット、社員研修用の資料等を作っていただくことにしておりますので、こういったものをしっかりと周知することによって認知度なども上げていきたいと考えております。

2点目は、通報者保護をしっかり強化すべきといった御指摘だと考えておりまして、こちらにつきましても大変重要であると考えております。消費者庁では、行政機関や民間事業者向けの各種ガイドラインの改正、策定を行っておりまして、その中において、通報の秘密保持でありますとか、通報者保護の徹底といったことにつきまして内容を大幅に拡充してきておりますので、周知活動の一環としてこれをしっかり普及させることによって、通報者保護との強化も図っていきたいと考えております。

以上でございます。

○樋口座長 ありがとうございました。

○木田委員 追加で、先ほどの、周知させるという意味で、例えば私たちの会社だったらレセプト点検という、あなたたちはこれだけ医療費を使いましたよというのが各個人に毎年あれだけが国から送られてくるのです。その中に一緒に入れるとか、何かそのようにひとり一人の手に渡るような方法があればいいなと思っています。

以上です。

○樋口座長 消費者庁でも是非現場へどうやって周知するかについては、具体的な方策を検討していただければと思います。

他にいかがでしょうか。では大森委員。

○大森委員 今のお話はごもっともだと思いまして、例えば警察を呼ぶには110番、火事だったら119番、消費者トラブルは、今は188番という、一本の電話でつながるようなシステムができておりまして、公益通報する場合も相手方の名前とか電話番号が並んでいると、かえって通報するときにプレッシャーになって、どこにかけたらいいのか分からないというところがありますので、できましたら188番みたいな専門ダイヤルを用意して、責任のあるところがきちんと通報者の保護を図りながら動かしていくみたいなことができるといいなと思いました。

○樋口座長 具体的な御提案がありましたので、是非検討していただければと思います。内部通報なので統一的な番号ができるかどうかとか、そういう点は技術的なこともあろうかと思いますけれども、とにかく分かりやすいというか、窓口が明確にあると連絡しやすいということかなと思いますので、委員の御意見も踏まえていろいろ周知の方法ということでお考えいただければと思います。

野々山委員、お願いします。

○野々山委員 今、御議論されている公益通報受付窓口の実効化というものは当然、全国的な課題であって、特にこのオフィスだけの問題ではないように思いますので、是非それは消費者庁で取り組んでいただきたいと思います。一方で、このオフィスの関係では、今の御報告によりますと内部の職員の皆さんからの通報、相談窓口が平成29年7月に設置され、そして外部の労働者の方の通報窓口が平成29年10月に、いずれも100%設置されているのですが、100%設置後に実際に通報があった件数、28年度の件数と29年度の件数がどのように違いがあるのかについて教えていただきたいと思います。

先ほどから出てきている周知方法が、全国で行っているものとは異なった重点的な何かそういう周知方法等をしている、あるいは実効化についても特にこのオフィスで重点的にやっているものがあれば、教えていただきたいと思います。

○消費者庁新未来創造オフィス担当者 消費者行政新未来創造オフィスの青木と申します。私からお答えさせていただきます。

御質問の統計なのですけれども、まだ市町村ができてすぐというところもございまして、今のところ統計が取れていないのが現状でございます。ただ、幾つかの市町村にはヒアリングをいたしまして、結果をいただいているところなのですけれども、徳島県の県都市の徳島市でございましたら昨年6月1日にやっと窓口が開設されまして、内部職員からの通報は12月現在で2件ほどあったということでございます。うち1件が公益通報の対象として受け取ったということで調査まで実施した。実際は是正措置までは至らなかったという結果をいただいております。

その他の市町村でも1件通報があったのですけれども、そちらについても公益通報としては取り扱わなかったとお伺いしてございます。

今後、これから各市町村に窓口を開設してから数カ月たっている、あるいは昔から設置しているところがございますので、ヒアリングをしていく予定でございますので、今後の課題として情報収集をしていくと同時に、件数が少ないということが先ほど委員の御指摘でありましたように、周知ができていないのではないかというのは我々も感じておりますので、周知を徹底していくことも実効性の向上として行っていきたいと思っております。

以上でございます。

○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 もう一点、補足させていただきます。徳島県の勝間でございます。

このプロジェクトにおける県の役割なのですけれども、公益通報の窓口というのは県自らも設置しなければいけないということで、県としての窓口は今までやってきたのですが、このプロジェクトにおきましては市町村とか企業に作っていただく。その中で県として旗振り役をどういうふうにすれば市町村で作っていただけるのであろうか。あるいは企業で作っていただけるのであろうかという、正に間を調整する役という意味合いで県として取組をさせていただいたところです。その結果、市町村につきましては全てのところで窓口が設置された。ただ、体制はできたものの、それがどのように運用されるのかというのはこれからの検証の課題になろうかと思っております。

一方で企業にとりましても、それぞれでまず自助努力で作っていただく部分もあるのですけれども、県がお手伝いできるようなことが何かないかなということで、今3つの団体と通じながら県がどういう形でお手伝いできるのだろうか。公益通報窓口を作っていただくためにはどうすればいいのだろうかということを今、取組をさせていただいているというような状況でございます。

○野々山委員 100%設置したけれども、それがうまくいく、うまくいかない、あると思います。一般的にはこの窓口はなかなか機能していない面があるわけでありますから、その原因が分かるような取組を是非していただきたいと思います。

○樋口座長 ありがとうございました。

それでは、唯根委員、お願いします。

○唯根委員 コンプライアンス経営強化推進事業を委託されたということなのですが、交付金でということで、4つのプロジェクトをなさったということなのですが、この予算の割合と公益通報者保護制度推進員、この1年間で何人ぐらいの規模でなさったのか。交付金を使ってということになりますと、今年度以降、予算立てなどはどうお考えなのか、そこを伺いたいと思います。

○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 コンプライアンス経営強化推進事業は、国の交付金を活用させていただいております。総額ということで平成29年度につきましては1,500万、30年度につきましては2,490万という形で今、展開をさせていただいているところでございます。

平成29年度につきましては公益通報保護制度推進員を、県の経営者協会、医師会、土地改良事業団体連合会、それぞれで設置をしていただいているところでございまして、人数につきましては医師会が3名、土地改良事業団体連合会が2名、経営者協会が2名という形でございます。

今、推進員の設置は既に完了しておりますし、事業者への研修、講義等も行っております。推進パッケージにつきましても最後の取りまとめをしているような状況でございます。

以上でございます。

○唯根委員 そうしますと、今回1,500万ぐらいの予算ということですと、これを全国展開していくだけの予算規模というのは、消費者庁で確保できるのでしょうかという素朴な疑問になってしまうのですが、いかがでしょうか。

○消費者庁消費者制度課太田企画官 交付金につきましては、引き続き予算要求していくということでございまして、そういったものを有効に活用しながら取組の全国展開にも活用していきたいと思っております。ただ、交付金に頼らずとも自主的に事業者団体などで取組を進めていただくことももちろん可能であると思っておりますので、そこにつきましては全て行政が面倒を見るということではなくて、なるべく自主的に取組を進めていただくという形の全国展開を図っていきたいと考えております。

以上でございます。

○樋口座長 唯根委員からは、今後の予算の確保ということについていろいろ懸念があるので、消費者庁のほうでも十分留意していただきたいということかと思います。

遠山委員、お願いいたします。

○遠山委員 平成29年7月に徳島県1位、100%ということで、全市町に通報窓口を設置されたということで、非常に短期間に効果を出しておられるなと感心しております。その県の担当課は消費者行政の担当課ということなのですけれども、各市町につきましては、どのような課が担当しているかということについてお伺いしたいと思います。

○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 今回このプロジェクトを推進するに当たりまして、どこを窓口にしていくのかという話があります。県の窓口というのは別に監察局というものがございまして、そちらのほうで窓口は設置をしている。では旗振り役をどこでするのかという内部の話がございまして、これは消費者くらし政策課、私のほうで持とうという形で決めて施策を展開いたしました。

ではその中で、今のお話は市町村の話だと思いますのでどうなのかといいますと、設置をいただく部署というのは総務課とか人事系を持っておられるところが多数ございます。もちろん一部には、特に職員からの通報を受ける窓口と外部労働者から受ける窓口を別にしています。けれども、少なくとも内部の職員から受ける窓口というのは総務課が多いというのが実態であります。

では、そこの総務課のところに我々消費者行政の担当者がいきなり行って、窓口について御説明すると言っても日常的にそういうところと連携というのはあまりない。もちろん総務課で消費者行政を持っておられるところもあるのですが、やはりそこを乗り越えなければいけないということで2つ考えまして、1つは担当課というよりも1つ上の例えば副市長、副町長といったところに行ってお話をまずさせていただく。もう一つが、総務課系で日常的に県の部署で関連しているのが、いわゆる地方課とか市町村課と言われている部署でございます。そこと連携をすることで、実際は各市町村にお願いするときに、徳島県で言えば市町村課の了解といいますか、バックアップをいただいた中で、これから職員の通報窓口の整備というものについては、この法制度に乗っていくべきではないかというアドバイスをいただいたというのが非常に大きかったのではないかと思っているところであります。

○樋口座長 他にいかがでしょうか。

○野口委員 東京からよろしくお願いいたします。野口です。

先ほど来、割と厳しめの御意見も出ていたように思います。設置は当たり前として、そこをどう活用していくかという議論もあったかと思うのですけれども、さはさりながら、設置されていないと話が進まないところもあるのではないでしょうか。今日の表を見て非常に素晴らしいと思ったのは、平成29年3月には33%と12.5%であった設置数が、4カ月と7カ月で100%まで持ってきたという点です。ここは、第1段階としては施策の成功に当たるものではないかと思っております。

今日徳島県の担当の方もいらっしゃっていると思いますので、県の中継ぎ、仲介が非常に大きかったというお話もあったかと思いますけれども、4カ月、7カ月で100%まで持ってきたという、それについて自己評価、このぐらいでできると思っていらっしゃったのか、それともかなり早く進んだという御評価なのか、また、成功して今は100%になっているけれども、100%にするまでにどういうところに難しさがあって時間がかかったのかといったようなことをお伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 まず今回プロジェクトが早かったかどうかということなのですけれども、実際に私どももこれをやろうと決めまして、まず市町村に当然のことながらそれぞれ回るという手順を踏んでいきます。その中で当然のことながらやろうと言っていただけるところもありますが、そうでないところも最初はございました。そういう面から言えば、実は7月に結果としてできたというのは、結構早かったかなというのが正直なところでございます。そこを乗り越えるのは何かといいますと、正に1つあるのは、私どもは消費者行政の担当部署。だけれども、相手方は総務担当、人事担当というところがありますので、そこの整理を十分していくというのが必要になったのかなと思っております。

実はそれと比較して、外部労働者からの通報相談窓口というのが若干遅れたというのはどういうことかといいますと、外部の労働者の通報窓口については、場合によれば市町村も消費者行政の担当の方で設置をしようかという話になってきたときに、内部通報窓口についてイメージができる。職員から受けるので、日常的に例えばパワハラであるとかセクハラという話を受けているのでイメージができるのだけれども、外部の労働者からの通報というものの制度的なイメージがなかなか湧かないということで、実はそこは何度か行って制度の御説明をさせていただいた。作るに当たっては当然、要綱等も必要になってまいりますので、そういうようなものを例えば県内の事例、場合によれば県外の事例みたいなものを紹介した。こういうものであればまず窓口として成り立ちますよということをまず御理解いただくようなプロセスがまた別途必要になってまいりましたので、こちらは10月までかかったと思っております。

今後の評価ですけれども、もちろんこれは100%になったけれども、実際に機能するかどうかというのは、正にこれから消費者庁のガイドライン等々に従った運用がなされていくのかどうか、これからチェックしていきたいと思っております。

以上でございます。

○野口委員 ありがとうございました。第1段階、設置数を増やしていくという段階での実際のお仕事の様子をお伺いできて、大変貴重な情報を教えていただいたと思っております。ありがとうございました。

○池本委員長代理 東京の池本ですが、よろしいでしょうか。

今の質疑に関連するのですが、徳島県が県内市町村に向けて働きかけをして、短期間に窓口についてこれだけの成果を上げられたという点は評価できます。

4ページの資料のところで消費者庁から県に対する後方支援をしたという記述があります。その具体的な中身を教えていただきたいのですが、例えば県のリーダーシップによる支援という中で、県から市町村幹部に対して丁寧に説明というのは、先ほど個別に回って総務担当などについて働きかけたというお話がありましたが、例えば消費者庁のオフィスなどでそういった説明について同行されたり、あるいは何か会議の場で専門的な説明をされたりというようなことがあるのか。あるいは③で具体的な整備、運用の方法を提示し、要綱のひな形作成などについて協力されたことがあるのか。あるいは④で他の地方公共団体の運用実績や事例を情報提供。こういうものの収集、資料作成についてオフィスの側で協力されたことがあるのか。そのほかこの1年間の取組でオフィスの側がどのような関与をされたのかについて、教えていただきたいと思います。

○消費者庁新未来創造オフィス担当者 まずこのプロジェクトが始まるに当たって、オフィスがまだ開設されていない状況でございましたので、東京から徳島県の勝間課長とお話をする機会がございました。それが4月初め、実際には4月10日でございます。そのときに全国的に市区町村の整備が進んでいないという現状がございましたので、是非徳島はモデルとして県が強力なリーダーシップを執っていただきたいというお話をさせていただきました。

勝間課長のほうでも、徳島県でいろいろな御意見があるということで、そこから協議していただきまして、9日後、4月19日には管内市町村を回るというのを実際に行っております。なので徳島県の協議であると当日あるいは翌日ぐらいには協議されて、徳島県がリーダーシップを執っていこうということを決めていただきました。

その中でどういったやり方をするかというのもあったのですけれども、徳島県は各市町村を回っていくという御判断をされたということで、各市町村のナンバー2といいますか、幹部級の職員と副首長を中心に回られるということを決定いたしました。その中でオフィスとして何か、あるいはオフィスがまだできておりませんので、制度課から何か御支援できないかということで、私から県内の市町村にも全てではございませんけれども、5市町についてお電話で徳島県からこういった依頼があると思うので、是非協力してほしいということを後方支援させていただきました。市町村からは、県からもうすぐしたら説明に行くというお話を聞いているという市町村もございましたし、まだそういう話が来ていないのですけれどもというところもございましたが、今後、徳島県から説明があるときにはよろしくお願いしますという後方支援をさせていただきました。

あと、ひな形の提供というのは徳島県のほうで考えられて提供を決定していただきました。ひな形なのですけれども、徳島県ではかなり意識の高い小松島市の要綱を提示するということを小松島市に御了承いただきまして、徳島県がお配りをした。同時に徳島県の要綱もございましたので、それを徳島県が市町村に沿った形の要綱として提示するというひな形を作りまして、それをお配りしたとお伺いしております。

もう一つ、資料提供、情報提供の件なのですけれども、これも徳島県が独自で考えてくださいまして、県の通報の状況などを市町村に丁寧に御説明されたと伺っております。それを踏まえて今後の全国展開でもこういった徳島県の取組をよいものを広げていこうということで、ひな形を提供するでありますとか、窓口の設置の流れというパンフレットを消費者庁とかオフィスで作ってお配りする、提案することも考えております。

以上でございます。

○池本委員長代理 どうもありがとうございました。

○樋口座長 他にいかがでしょうか。

○内田委員 東京から内田ですが、よろしいでしょうか。

2点、質問があります。1つは公益通報者保護制度推進員の創設とありますが、推進員とはどういう方がなられるのか。それから、推進員に必要なスキルというのはどうやって身につけるのか。

2点目は、事業者団体を通じて普及を図っていくという、これは優れた方向だと思うのですが、29年度は徳島県の経営者協会、徳島県医師会、徳島県土地改良事業団体連合会という3つの団体に委託をしたとありますけれども、この3つの団体を選ばれたのはなぜなのかなというのがお聞きしたかったのですが。

○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 まず公益通報者保護制度推進員のお話でございますけれども、この事業を進めるに当たりましては公募をかけて、この事業に御理解いただいて、協力いただける団体を募ったという形を採らせていただいております。その際にこの公益通報者保護制度推進員には、公益通報者保護法等々の関係法令に精通する者、会計に詳しい者、または実際には会員となる事業者とやりとりを円滑に行っていただけるかというようなことを、要件として掲げまして、募集を行ったところでございます。

実際にこの推進事業に応募いただいたのが3つの団体となっておりまして、この推進員の資格として、現在の資格の方は例えば社会保険労務士の方あるいは会計指導員の方もおられますが、いわゆる事務局の方もおられます。我々としては実際にその団体でキーパーソンとなっていただいて、まず団体の窓口を作っていただく。それから、その会員で窓口を作っていただくための旗振り役となっていただける方という意味合いで、その推進員の活躍を期待しているところでございますので、そういう形で選ばせていただいてございます。

なぜ3つになったのかというお話ですけれども、今、申し上げましたとおり公募をかけましたので、それに応募いただいた団体がこの3つであったということでございます。

以上でございます。

○内田委員 よく分かりました。ありがとうございました。

○樋口座長 他にいかがでしょうか。何か御質問があれば、よろしいでしょうか。お願いします。

○遠山委員 確認の質問をさせてください。

先ほど4ページなのですが、市町村については、事業者関連は消費生活相談窓口、消費生活センターに通報窓口を置いたということだったのですが、ほとんどそのようになっているのでしょうか。

○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 外部労働者からの通報窓口につきましては、実は県はセンターに置いているのですけれども、市町村はセンターではなくてそれぞれの担当課、例えば総務課でありますとか、あるいは商工観光課、人事と一体として窓口を設置されているところもありますし、センターではなく消費者行政を持っておられる課で窓口を持っている方とに分かれているところでございます。

○遠山委員 コンプライアンス経営強化推進事業ということで、先ほどから推進員の創設ですとか、様々な試みはされていると思うのですが、それがいざ現場の相談窓口につきましては、急場に間に合わせて作ったというような感が否めず、どうしても現場、窓口そのものが作られたばかりで、これらのことを受け入れることができるのかどうか。実効性について疑問視せざるを得ないのですけれども、その辺りの継続的な強化するための何か施策というようなものは具体的にお持ちでしょうか。

○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 まず窓口を設置させていただいたというのは、1つ大きなステップなのかなと思っております。正におっしゃられるように、これから中身を詰めていくことが必要になってきます。

では具体的にどうアプローチをかけていくのかということなのですけれども、実は私どものほうは消費者行政の担当課なのですが、この事業を進めるに当たって日常的にこういった商工団体とか、団体と連携している部署というものがあります。例えば経営者協会であれば、県では商工観光労働部という、いわゆる商工系の部署があります。そこが企業のコンプライアンス一般というものも所管をしておりますので、その中でこれをしっかりと見ていただくというような取組もしているところでございまして、この窓口が一過性で終わるというのではなくて、県の施策の大きな中でしっかりと位置付けて、それを前へ転がしていくといいますか、そのようなことをしっかりとやっていきたい。

確かにこの3つの事業者、これは我々も委託をしておりますので日常的に話をさせていただいております。やはり公益通報者保護制度の理解はなかなか難しいなという御感想も持っておられます。それから、進めるに当たって団体のひとり一人の会員にお知らせする。これもなかなか大変だなという御感想も持っておられます。ただ、先ほど申し上げました推進員、旗振り役の方を据えていますので、その方がまずしっかりと我々も研修の機会などを提供させていただいていますし、キーパーソンの方が例えば個々の団体の正にキーパーソンを見つけていただいて、一緒になって勉強する機会もこれからは確保していきたい。それも我々だけではなくて商工サイド、県の方も商工サイドとも連携しながら進めて、それを続けていく、持続可能な体制にしていこうと思っておりますので、またアドバイスいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○消費者庁新未来創造オフィス担当者 オフィスからも補足させていただきます。

徳島県の医師会なのでございますが、医療関係でございますので、今まで医療事故等を防止しようと医療界ではインシデントレポートでありますとか、ヒヤリハット事例の収集などを積極的に行っておるところでございまして、徳島県の医師会におきましても従前から、窓口がない時点から倫理・自浄作用活性化委員会というものがございまして、そこで医療の相談あるいは患者からの相談も受けていたという経緯がございまして、今回の公益通報のお話を持っていったときに、この委員会の先生方が非常に積極的にこれは必要だろうという認識を持っていただいたというところが、窓口ができた経緯でございます。もちろん中小企業に進んでいないということで、事業者団体等、外に共通の窓口を置こうというのが徳島のモデルでございますけれども、その実効性をこれから上げていこう、全国に発信できるようなものにしていきたいというのがオフィスのプロジェクトでございますので、今後、徳島県あるいは事業者団体と連携しながら、その辺のところは今後、向上させていきたいと思っておるところでございます。

○樋口座長 他にいかがでしょうか。他にございませんようでしたら、公益通報受付窓口及び内部通報制度の整備促進という議題につきましてのヒアリングは、この辺りにさせていただきたいと思います。御説明者の皆様におかれましては、お忙しいところヒアリングに応じていただきまして、ありがとうございました。

ここで休憩を取りたいと思います。10分程度ということで11時35分から再開いたしますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。

(休    憩)

≪4.「消費者志向経営の推進」に関するヒアリング≫

○樋口座長 それでは、次の議事に入りたいと思います。次の議事は消費者志向経営の推進に関するヒアリングですが、消費者志向経営の推進について御説明をいただくために、東京では消費者庁消費者調査課の澤井課長、徳島では消費者庁消費者行政新未来オフィスの日下部参事官及び担当の方、徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課の勝間課長にお越しいただいております。

消費者庁より御説明をいただき、その後、質疑応答を行いたいと思います。

それでは、消費者庁より御説明を5分程度でお願いしたいと思います。

○消費者庁消費者調査課澤井課長 消費者庁消費者調査課長の澤井と申します。聞こえますでしょうか。

それでは、資料3に基づきまして説明させていただきます。

まず、消費者志向経営全体の取組について説明したいと思いますので、資料の最後のページを開けていただけますでしょうか。今、徳島だけではなく、消費者庁全体で消費者志向経営の推進のための取組を進めているところでございます。28年10月には消費者志向経営の推進のキックオフシンポジウムを開始しまして、事業者団体、消費者団体、行政機関によって構成される推進組織を発足させました。今、一番力を入れておりますのが各企業に消費者志向実施宣言、フォローアップ活動をしてもらうということで、どういう取組かと申しますと、企業で自らが消費者に向けてやっている活動として宣言を行い、その宣言に基づいて行動していただく、そして、その結果を公表していただくということです。

現在、77社が徳島のこの後、説明する事業者も含めてなのですけれども、宣言を行っております。この活動につきましては、今年度初めてフォローアップ活動を行った企業の方から表彰も行ってまいりたいと考えているところでございます。

これから徳島の取組について説明してまいりますので、資料の1ページに戻っていただければという形になります。消費者志向経営を推進していくに当たって、こうした取組をするに当たって御指摘をもともと検討会の当時からいただいていたのが、是非地域での取組を推進させていきたい。それから、中小企業も含めて消費者志向経営を推進していくことが非常に重要であると言われておりました。そうした声を踏まえてオフィスにおいて、まず徳島県でモデル的な取組をしていきたいと考えて、徳島県内における消費者志向経営の推進の普及という形で今、活動を進めております。実際、29年度には10月13日、徳島県版の消費者志向経営の推進組織が立ち上がりました。さらに現在ですと自主宣言事業者も18事業者に宣言していただいているということです。30年度、この徳島県内の取組を更に推進、充実させていただき、こうした取組の全国展開を図っていきたいと思っております。

2ページにもう少し詳しく推進組織でどのような企業、事業者団体や消費者団体が参加しているか。あと、事業者についてどのような事業者が参加しているか、事業者一覧を例えば旭木工とか阿波銀始め、徳島県の代表的な事業者に参加していただいているところでございます。

非常に簡単でございますが、御説明を終わらせていただきたいと思います。

○樋口座長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの消費者庁の澤井課長からの説明内容につきまして、御質問や御意見のある方は御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。野々山委員、お願いします。

○野々山委員 主な取組としては、推進組織を作っていく、プラットフォームを設立していくことと、消費者志向自主宣言を掲げる事業者を増やしていくということなのですけれども、質問は、この自主宣言というのは具体的にどのような宣言なのかということが1つと、自主宣言をした後、どのような取組を各事業者がされているのか。この2点について分かれば教えていただきたいのですが。

○消費者庁消費者調査課澤井課長 自主宣言の内容については、各企業で消費者志向に向けた理念、それから、具体的な取組内容を宣言していただくという形を採っております。

理念についてなのですけれども、企業で既に使っていらっしゃるある意味、企業としての理念の中で消費者志向に関わるものをピックアップされて作られているものもあれば、例えば企業のキャッチフレーズとしている、安全安心のために取ったようなことを掲げている企業も多いので、そうした方はそのままコーポレートの持っていらっしゃる概念を使われている方も、それを踏まえて具体的な行動を各企業に考えて実践していただいておりますけれども、一番多いのは、お客様の声を聞いて、それを企業全体の経営に反映させていただくという取組でして、いろいろなお客様の声が、例えばお客様対応部門にあると思うのですけれども、それを必ずしもお客様対応の苦情対応に終わらせずに、関係各部門にきちんとデータベースを作って伝えていって、それに関してきちんと対応していく。そうした取組をしていらっしゃるところが非常に多いと思っています。それ以外に消費者のことを考えて、例えば高齢者とか環境といったある意味、社会的な課題解決に取り組む製品を開発したりとか、そういったことに取り組むということを掲げていらっしゃる企業も多いです。

また、そうした消費者の取組を社内一丸となってやるということで、社長もそのリーダーシップの下でやるという形に宣言されている企業が多いと思います。

主な取組としては、そうしたような取組が挙げられています。

実際に今どういう活動に上がっているかということになりますと、今、幾つかフォローアップ活動も行っているのですが、こうした宣言に沿って各企業が活動いただいていると考えております。そうした取組をますます充実させていくというような、基本的にはそうした取組に応じてこういう声に反応しましたとか、あるいは製品の改良を進めましたといったような報告を受けているところでございます。

○消費者庁福岡審議官 補足よろしいでしょうか。審議官の福岡です。

今、2つの点について御質問をいただいたのですけれども、まず私どもの消費者志向経営の推進の取組の中で、自主宣言とフォローアップ活動は一体のものだと考えております。自主宣言はまだこれからやろうという内容なので、具体的なことは書きにくいという事業者がかなり多くいらっしゃいました。ですから自主宣言の中身はかなり抽象的な文言が並んでいるものが大半だと思います。

ただ、自主宣言について我々が申し上げているのは、宣言だけが重要なのではなくて、その後のフォローアップ活動が重要だということで、フォローアップというのは1年、2年かかってやるものだと思っておりますので、それがこの春ぐらいからフォローアップ活動の結果としての公表というのは行われるのではないかと思っております。特に大企業が当初の自主宣言では中心でしたから、大企業では宣言をして、それを社会に浸透させて、実際にそれなりの成果を出すには時間がかかるものかと思っております。そういう意味で、この春からフォローアップが出てくると思っておりまして、それに基づきまして30年度から優良事例の表彰等々を行ってまいりたいと考えている次第です。

○樋口座長 ありがとうございました。よろしいでしようか。

○野々山委員 1点、全国77事業者のうち徳島県が18業者、割合としては確かに全国的な形では非常に多いなと思って、それ自体はとてもいいことだと思うのですが、他の全国の77事業者とは異なる、特徴的な自主宣言なり取組というのはあるのでしょうか。把握されているのでしょうか。全国の宣言や取組と同じような形になるのでしょうか。

○消費者庁福岡審議官 先ほど申し上げましたように自主宣言の内容はかなり抽象的な表現のものが多いですので、そういった面で全国規模の企業が出している自主宣言と大きく変わるものはないと認識しております。細かく見れば文言の裏に込めた思いというのは違ってくると思うのですけれども、字面だけ見ると余り違いは出てきていないと思います。

○樋口座長 他にいかがでしょうか。

○新川座長代理 消費者志向経営の推進について、特に徳島では推進組織を立ち上げられ、そして事業者の自主宣言をたくさん導かれたということですが、こうした試みの中で具体的にここに至るまでどういう工夫をされたのか。徳島で特に力を入れてこられたような点、そして、それが功を奏した側面などありましたら、また逆に難しかった側面もあればお教えいただけるとありがたいのですが、いかがでしょうか。

○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 私どものほうでも消費者志向自主宣言を18社できたのですけれども、実は最初からこういう形で、というのはなくて、まず消費者志向経営という話を各企業とか、特に各商工団体にお話を持っていったときに、まずもって志向経営というのが何かというところのお話を十分にさせていただいたところでございます。

消費者の目線に立った経営をしていただきたいのですよという話をさせていただくのですが、「それだったらもう私のところはやっているよ」というところが結構あります。その中で改めて宣言をやっていただきたいというようなことをお願いするのですけれども、消費者庁のほうで旗を振られて自主宣言を設けているので、その時点で自主宣言されている企業の一覧をお渡ししたのですけれども、結構大企業が並ばれている。こういうところに我々は入ってもいいのかなというような御懸念の声もいただいたところなのですが、逆に言うと我々とすれば正に地域密着型の企業、そういうところが正に消費者志向経営を実際に現場で地域に密着した形でやられているので、そこでこそ宣言をやっていただきたいというお願いをさせていただいたというところで、結構前向きに取組をしていただいたところでございます。

ただ、この消費者志向経営というのはトップの方、経営理念に関するようなところが非常に多くございますので、「分かりました、すぐに」というのはなくて、内部でどのように宣言をしていくのか、理念を組み立てるのかということが重要でありますし、そういうものをしっかりと時間を置いた形で、まずは今年の1月に18社に宣言いただいたところですけれども、これで全てかというとそうではなくて、実はもっともっと社員にこういう理念を、自主宣言をするというのは例えば経営理念をもっと社員に徹底するときに非常にいい機会になるのだという声もいただいているところでございまして、そういう趣旨で少し時間を置いてやっていきたいというようなことも聞いてございますので、それを順次やらせていただいたところでございます。

苦労といいますか、横道にそれるのですけれども、実は我々、先ほどの公益通報者保護制度と同じように企業さんに対するアプローチという形になりますので、この消費者志向経営と公益通報者保護制度、エシカル消費の3点セットという形で持っていって話をしているのです。その中でこの消費者志向経営については、最初はどういうことなのかなみたいな話だったのですが、説明をすればするほど、それは今やっていることだし、それを正面を切って否定もできないし、それでないと企業は生き残れないものだなということを非常に強く言っていただいているところで、まずはこの消費者志向経営というところから消費者行政の入口になっていったのではないかと非常に強く思っているところでございます。

○樋口座長 木田委員、お願いします。

○木田委員 広沢自動車学校の社長は女性の方で、私はこの間、講演でお会いしたのですけれども、講演を聞かせていただいてすごく素晴らしい経営をなさっていて、今、少子化でどんどん自動車学校は子供が減っている中、あそこは同窓会をして顧客の声を聞いて、どんどんお客様を増やしていて、講演を聞いたときに本当に感動するぐらい素晴らしかったのですけれども、ホームページで見せるとか、文章で見せるというよりも、ああやって実際に社長の声を聞けるような機会があれば、もっとどんどん広がっていくと思うのです。

○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 トップの方の思いというのが非常に強い企業もございます。そういうところも我々行政の側として教えていただくことは非常に多ございます。正直言いますと、我々が型を当てはめてこれでお願いしたいというのではなく、こういうやり方もあるのだよとか、こういうふうにすればもっと良くなるのだよというアドバイスも非常にいただいているところなので、正に消費者志向経営も含めた地方行政として進める中で企業のトップの方の声というのは、特にそういう方は地方の経済界の中でのキーパーソンになっておられますので、その声をしっかりと聞いて施策の中に反映していこうと思っています。

○萩原委員 立教大学の萩原です。

今の話とすごくつながるのですけれども、この宣言を作っていくときに、正に消費者志向ということですので、消費者の方の意見を取り入れながら作っていくというプロセスもすごく大事だと思いますので、その視点も是非持って取り組んでいっていただきたい。そうすると相乗効果が得られるのではないかと思いますので、意見までです。

○樋口座長 消費者庁のほうでもよろしくお願いします。

では大森委員、お願いします。

○大森委員 企業のこの宣言が増えていくということは、消費者としてもうれしいことなのですけれども、具体的な成果というのが一般消費者にはなかなか見えにくいのです。大企業は全国的に同じようなことをしないといけないということで、フットワークも悪くなりがちだと思うのですけれども、徳島県の場合は地元に密着した企業がたくさん宣言していただいているということなので、例えば消費者教育だとか、地域の見守りだとか、食品ロスなどに関して具体的にこういうことができたという成果を是非見せていただきたいと期待しております。

○樋口座長 どうぞよろしくお願いいたします。

他にいかがでしょうか。内田委員、お願いします。

○内田委員 質問なのですが、28年10月から始まったということで1年半だと思うのですが、その時点で全国77というもののスピード感といいますか、消費者庁は77というのをどう評価しておられるのかなというのと、それに比べて確かに徳島の18事業者はスピードが速いと思うのですが、先ほどこういう工夫をしましたという御紹介があったのですが、徳島のスピードの速さはどの辺に原因があるのかとか、消費者庁はどう評価をしておられるのか、その2点をお願いします。

○消費者庁消費者調査課澤井課長 77社でも一定の成果は出たと思っているのですが、まだまだ不十分だと思っておりまして、これからも多くの事業者に宣言して、更に消費者志向経営に取り組んでいただくように我々としても努力していただきたいと考えております。

また、徳島の18社は先ほども勝間課長から御説明がありましたが、地元密着あるいは地域に支えられてというような、地域の身近な企業に対する取組というのがスピード感ではないかと思いまして、やはりこうした徳島の取組を我々は交付金の1つのメニューとして消費者志向経営も入れさせていただいておりますので、いい取組をしていただいて、これが他の県にも広がってほしいなと考えております。

○内田委員 ありがとうございます。

○樋口座長 いかがでしょうか。他に御質問、御意見がございましたら。野々山委員、どうぞ。

○野々山委員 私は、先月末にEUで消費者教育の関係の調査で話を伺ってきたことがあったのですが、その中でEUの委員会では、今年3月から事業者の皆さんに対しても消費者教育という観点で取り組んでいく。消費者教育には対象が3つあり、消費者と消費者教育と政府・自治体の職員の方に対して、EUの委員会が消費者教育という観点でやっていくという取組をしておられる。そういう視点をやって、今の日本だと消費者志向はお願いをしていくという感じなのですけれども、教育という観点で取組をしていて、その中で非常に中身として面白いなというか、余り考えなかったなというのは、エシカル教育とかいろいろやっているのですけれども、持続的社会を本当に形成していくには、消費者にエシカル消費を言っているだけでは駄目だと。事業者の方にも持続的社会を作っていく、あるいは安心安全な社会を作っていくことについて、教育によってしっかり認識を持ってもらってやっていくという、そういう観点でやっていくのだというお話を伺ってきたのです。

ですから先ほどエシカル教育と消費者志向は3点セットということで、別々に考えておられたようですけれども、そういうエシカルという言葉がいいのかどうか、持続的社会を形成していくためにやっていくという、消費者の声を聞くということはもちろんそうですが、さらに、この社会を、日本の社会に対して世界をどうやって持続可能な社会にしていくかという観点でもいろいろ考えていただく、あるいは宣言をしていただくことも大事かなと思っております。

○消費者庁消費者調査課澤井課長 正に御指摘のとおりだと思っておりまして、資料につきましても3ページに消費者志向経営とは何かというふうにまず述べさせていただいているのですけれども、3番目が社会的責任の自覚ということで、正に持続可能で望ましい社会の構築に向けて自らの社会的責任を自覚して事業活動を行うということでございまして、もともと消費者志向経営の活動を、いわゆるSDGsが決められたということも受けてやっておりますので、そうした今おっしゃられたような持続可能な社会に向けての一員としての自覚、それから、全事業者ではないのですけれども、事業者の中で消費者志向経営をやることによって社内で消費者への意識が非常に高まったといったようなこととか、消費者教育を掲げている事業者もおりますので、こうしたことも進んでいくと考えております。

○樋口座長 大体よろしいでしょうか。

○池本委員長代理 東京の池本ですが、質問いいですか。

まず短期間に徳島県で18の事業者から自主宣言が表明されたという点は素晴らしい成果だと思いますが、先ほどの御説明でこの資料で言うと2ページ目に消費者庁、徳島県、推進組織が連携して県内事業者に呼びかけたという言葉がありますが、その中身が先ほど個別の訪問もあったようにお聞きしたのですが、具体的には誰がというか、どの組織の方が何か所ぐらい回って、その成果としてこの18業者になったかという具体的な取組の内訳を教えていただきたいという点が1点であります。

もう一点は、先ほど来の質疑にも出ているのですが、消費者志向経営というものがある意味、あらゆる課題、消費者の声を聞く窓口を作り、声を聞き、経営に反映するから始まって、公正な取引の確保であり、あるいは社会的課題について取り組むという、全てのことに広がっているために消費者志向経営でどういうテーマを取り上げて、どういう取組をしているかが、それが見えないために横に広がっていないのかなという印象を私は持っています。その意味では今後、これまで実施してきたことの具体的な内容などを公表していただくという、それが1つのインパクトになって更に横に広げていくことにつながるかと思うのですが、その辺りの時間軸としてはいつごろ、どういうものを予定されているのか。これが2点目です。

3点目として、自主宣言を作るというのはある意味、1つの成果物を発表して、それで終わりではないわけで、それぞれの事業者の中でこの問題を継続的に推進していくためには、核となる人を養成する、あるいはそういう人が時々集まって情報交換をしたり、問題意識を共有していくことが必要だと思うのですが、そういった人づくりのことについては何か徳島県内あるいは消費者庁なりで何か検討されているのか。

以上、3点お伺いしたいと思います。

○消費者庁消費者調査課澤井課長 まず消費者庁から2番目と3番目の御指摘について御回答させていただければと思っております。

まず確かにすごく幅広い取組を掲げていて、企業にどのようなものが消費者志向経営か、ある意味考えていただいてというふうに思っているところでございます。確かに具体性は我々としても先ほど審議官からも説明させていただいたとおり、宣言して終わりではなくて、その後にフォローアップして報告を受けてということですので、今年度、11月に表彰を予定しているのですけれども、そうしたときに企業の取組を公表していく過程において、具体的な成果があった、具体的な行動があったということをお示ししていくことができればと思っております。

3番目の人づくりということなのですけれども、重要な御指摘だと思っておりまして、まだそうしたことはこれからも踏まえて課題だと思うのですが、我々は例えば去年11月に東京と大阪でそうした宣言をやった企業、あるいはこれからやろうと考えている企業の担当者の方にお集まりいただきまして、例えばグループディスカッションなどもしまして、実際に企業にどう取り組んでいただくかを話し合う機会を作りました。我々としてこうした試みは初めてなのですが、横同士の連携をつなぐというネットワーク活動みたいなことで各企業が他社の取組とか、あるいはお悩みとか、そういうものを聞きながら進めていくことも重要なのではないかと考えております。

東京からは以上です。

○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 質問の1番目の自主宣言に向けたアプローチの仕方でございますけれども、昨年10月に設立しましたとくしま消費者志向経営推進組織のメンバーに、徳島経済同友会、徳島県経営者協会、徳島県商工会議所連合会、徳島県商工会連合会、徳島県中小企業団体中央会の経済5団体が含まれております。自主宣言をするに当たりましては、これらの団体から企業の推薦をいただいたところでございます。推薦をいただいた企業に対しまして、県が、場合によれば消費者庁と一緒になって、そちらのほうに出向きまして、トップの方に消費者志向経営の趣旨、宣言の趣旨の御説明を順次させていただいているという流れになってございます。そこで御了解がいただけたものについて、今回は現時点では18社の宣言をいただいたという流れを作らせていただいております。そういう意味では経済団体に旗振り役をやっていただくという形になっているところでございます。

3番目の人づくりにつきましても、正にそういった経済団体の窓口の中には経営指導員もおりますので、そういった方々に御理解をまずいただいて、それをそれぞれ個々の企業、会員に広げていくというやり方もあるのではないかと思っておりますし、今のような形で我々は出向いていってお話も随時させていただいております。その中でそれぞれの会社の中でキーになる方がおられますので、そういった方を中心にこの理念を広げていくという取組を進めていきたいと思っております。

○池本委員長代理 ありがとうございます。

補足で確認ですが、今のように推薦されたそれぞれの企業に回っておられたのは、県の担当者と消費者庁の担当者が基本は御一緒に回られたという理解でよろしいのかという点が1点。もう一点は、18の事業者が自主宣言にまで到達していますが、その前提で何か所ぐらいに事業者数で言うとどのぐらい回られたのか、お分かりであれば教えていただきたいと思います。

○消費者庁新未来創造オフィス担当者 オフィスの青木からお答えさせていただきます。

まず18事業者なのですけれども、徳島県の担当者とオフィスの担当者で回らせていただきました。最初は20事業者に回ったところでございます。今、追加で推薦をいただいた10事業者に回らせていただいております。

先ほど事業者への説明の件がありましたけれども、ちょっと補足させていただくと、8月以降、オフィスができましてから研修に来てほしいという団体に7団体ほど回って、研修会で消費者志向経営のお話をさせていただくとともに、推進組織ができた10月13日にはACAPの専務理事をお招きして講演を行う、あるいはACAPの会員企業にも一緒にシンポジウムに参加していただいて、志向経営のお話を聞いていただくということをさせていただきました。

以上でございます。

○池本委員長代理 ありがとうございました。

○樋口座長 よろしいでしょうか。

○野々村委員 1点、このプラットフォーム、すなわち、地方版の消費者志向経営の推進組織として、とくしま消費者志向経営推進組織を設立されたというのですが、これは他の県ではあるのですか。徳島だけなのですか。

それから、もし徳島というか一部であれば、こういう組織を作って活動することのメリットを教えていただきたいと思います。

○消費者庁消費者調査課澤井課長 現在は全国版の推進組織というのは、あるわけですけれども、地域版ということでは徳島が唯一のものでございます。メリットというのは、行政だけではなくて事業者団体と連携して、あるいは消費者団体と連携して取り組むことによって、特にこれは行政が強制するものではなくて、むしろ事業者の自主的な動きを応援するもので、やらされ感があったらまるで意味がないと思っておりますので、消費者のほうを向いた自主的な活動がやりやすい形になっていると考えております。

○樋口座長 よろしいですか。他にいかがですか。

それでは、消費者志向経営の推進についてのヒアリングにつきましては、この辺りにさせていただきたいと思います。説明者の皆様におかれましては、お忙しいところヒアリングに応じていただきありがとうございました。

(説明者退席)

≪5.「見守りネットワーク(消費者安全確保地域協議会)の構築」に関するヒアリング≫

○樋口座長 続きまして、見守りネットワークに関するヒアリングを行いたいと思います。見守りネットワーク、消費者安全確保地域協議会の構築についての御説明をいただくために、東京では消費者庁消費者教育・地方協力課の尾原課長、徳島では消費者庁消費者行政新未来オフィスの日下部参事官及び担当の方、徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課より勝間課長、徳島市市民環境部市民生活課より幸田課長にお越しいただいております。消費者庁、徳島県、徳島市の順で御説明をいただき、その後、まとめて質疑応答を行いたいと思います。

それでは、消費者庁から御説明を5分程度でお願いしたいと思います。

○消費者庁消費者教育・地方協力課尾原課長 消費者庁消費者教育・地方協力課長の尾原でございます。

本日は見守りネットワークの構築に関する説明の機会をいただきまして、感謝申し上げます。

まず消費者庁、徳島県、徳島市より15分の時間で、各5分ずつで説明をしたいと思います。

本日の資料4を御覧ください。「見守りネットワーク(消費者安全確保地域協議会)の構築」の表題がついたものです。

高齢化等を背景といたしまして、消費者被害に遭う可能性の高い見守りが必要な者が増加しております。そのため、上の四角の枠囲みにありますように消費生活相談体制の整備に加えまして、消費者にとって身近な地域の力を結集いたしまして、関係機関の連携による見守りネットワークの構築が重要であると我々は考えています。

消費者庁の消費者行政、地方の消費者行政の強化作戦におきましては、この全国目標のところですけれども、平成31年度までに各都道府県の人口5万人以上の全市町に地域協議会を設置することを目標にしております。

徳島県ですけれども、今、県内全ての市町村に地域協議会を設置することを目標とされていらっしゃいます。徳島プロジェクトにおきましては、徳島県を実証フィールドといたしまして全県的な地域協議会の構築を徳島県と連携し、一緒に取り組んでいるところでございます。具体的には徳島県の協力を得て、徳島県内の全市町村に足を運び、設置に当たっての課題抽出や課題解決の先進事例を入手すべく、ヒアリングを実施しているところでございます。

次に、左側の29年度の主な成果のところでございます。徳島プロジェクトの平成29年度の成果でございますけれども、3月までに徳島県及び7つの市町で地域協議会を新設いたしました。平成30年度、消費者行政新未来創造オフィスでは今年度、徳島県内の地域協議会未設置の自治体に引き続き設置を促すとともに、実証フィールドとして継続的に課題等のヒアリングを行う予定でございます。

また、消費者庁としては徳島県内の実証フィールドで得られた知見をいかし、平成31年度末を目標に各都道府県の人口5万人以上の全ての市町に見守りネットワークが構築できるよう、取り組んでいきたいと思っております。

まず消費者庁からの説明は以上でございます。

○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 続きまして、徳島県から御説明をさせていただこうと思います。消費者くらし政策課長の勝間でございます。

資料5-1、5-2、5-3と書かれているものでございます。

まず資料5-1でございます。県のネットワークの御説明の前に、県全域のお話をさせていただこうと思います。徳島県では平成31年度末を目途に、全ての市町村で地域協議会を設置しようという目的を掲げて今、取組を進めているところでございます。実はここにペーパーとして表記はしていないのですけれども、背景といたしましては消費生活センター、これが今年3月をもちまして市町村レベルのセンターが全て設置されたという状況でございます。徳島県には24の市町村がございます。その中でいわゆる広域設置もありますので、消費生活センターとしては12のセンターが整備をされたという状況でございます。このセンターをしっかりと活用するような形で見守りネットワークを構築していきたいということで、全県域での取組を今、進めているところでございます。

現状でいきますと、真ん中の設置状況でございます。平成28年、これは板野町が先駆的に取り組んでいただいたところでございますが、平成29年度に上板町、それから、後で御説明があります徳島市、北島町、松茂町、吉野川市、阿南市、鳴門市ということで、先の板野町を含め8つの市町で今、設置をいただいているところでございます。

こういった市町村での取組を進めている中で、市町村での設置あるいはその設置した後の運営というものも、県としてしっかりと支援をしていく必要があるという御意見もあり、我々としてもそういう認識に立って、資料中ほどにありますように昨年12月20日、とくしま消費者見守りネットワーク、これは県が設置した見守りネットワークという形のものを設置したところでございます。

その内容が資料5-2以下に、県のネットワークの設置要綱という形で提示をさせていただいております。目的は1条を見ていただくと、高齢者・障害者等の消費者被害の防止を図るため、市町村等が行う見守りネットワークの構築や見守り活動に対して積極的に協力・支援していくのだというようなことを目的として設置をしたところでございます。

これから市町村で設置をしていただこうということで協力を求めているところでございますけれども、どのようなところにお声がけをしたらいいのだろうかというような質問も受けたこともございます。そういうときには資料5-3、県の見守りネットワークの構成機関の一覧も掲げております。例えばこういうところはどうでしょうかということで御提示もさせていただいておりますし、我々県のネットワークのメンバーですから、県レベルの組織から市町村組織への協力依頼もできますし、また、運営に当たりましても例えば市町村はもちろんですけれども、各構成機関の皆様方からいただいた御提案というものを、こうやればもっと見守りの効果が上がるのではないかという御提案もあれば、市町村の方へフィードバックをかけられる体制のものとして構築させていただいたところでございます。

今年度におきましても、この市町村のネットワークの構築を更に展開していこうという形で今、市町村の支援をしっかりと今後とも進めていこうと思っているところでございます。

以上でございます。

○徳島市市民環境部市民生活課幸田課長 私は徳島市市民生活課長の幸田と申します。よろしくお願いいたします。

私からは「徳島市消費者被害ネットワークの設置について」という資料6-1と6-2を基に説明させていただきます。

徳島市は、人口約25万5,000人の徳島県の県庁所在地でございます。

まず資料6-1の1枚目をお願いします。消費者被害防止ネットワーク設立の背景でございますが、徳島市の現状としてまず高齢化の進行。平成29年度の高齢化率は28%で、特に単身高齢者の世帯の割合がこの10年で5%増加しております。徳島市消費生活センターへの年間相談数は、平成28年度で約1,200件。そのうち60歳以上の割合は36%で、60歳代、70歳代の相談が対前年比で増となっておるような状況でございます。

消費者被害の被害状況は、これは県の資料になるのですけれども、県下で63件。そのうちの高齢者の割合が46%という状況になっております。

高齢者の消費者被害の深刻化の要因につきましては、ここにお示ししております、だまされたことに気付きにくい、被害に遭っても誰にも相談しない、何度も被害に遭っている、家族・親族間の関係が薄くなりがち、だまされた自分が悪いと思っているなどの要因があると考えております。

その対策のためには、消費者被害防止のためには高齢者等を取り巻く家族、地域、行政などが連携して高齢者等を見守る必要がございます。そのために徳島市としては消費者被害防止ネットワークを本年2月7日に設立したところでございます。

次のページには被害者防止ネットワークの目的を示させていただいておりますが、このネットワークは消費者安全法に基づく消費者安全確保地域協議会としております。

次のページは消費者被害防止ネットワークの体制図となっております。高齢者、障害者等を関係機関で見守り、徳島市消費生活センターに連絡していただくことになっております。なお、この事務局としては徳島市の市民生活課が行っております。

次に、消費者被害防止ネットワークの取組内容でございますが、徳島市としましては情報交換、被害者防止対策の普及啓発の広報、見守り活動及び連携などを行っていきたいと考えております。

続きまして、資料6-2のネットワークの構成員について御説明をさせていただきます。構成団体数は26でございます。下の6団体は市役所の中の課で、高齢者福祉、障害者福祉担当課にも参加していただいております。

上から消費者協会、老人クラブ連合会、防犯連合会、地域包括支援センター、民生児童委員、社会福祉協議会、身体障害者連合会、警察署が3つあるのは徳島市が3つの警察の管轄に分かれておるため、3警察とも参加していただいているような状況になっております。あと、弁護士会、銀行、農協、郵便局等にも参加していただいております。

以上で簡単ではございますが、徳島市の消費者被害防止ネットワークの説明を終わらせていただきます。

○樋口座長 ありがとうございました。

消費者庁、徳島県、徳島市からの説明内容に対する御質問や御意見がございます方は、御発言をお願いいたします。

木田委員、お願いします。

○木田委員 先ほど消費者被害の状況で徳島県は63件とおっしゃっていたのですけれども、その63件は年度の推移はどういうものなのか。年度推移の件数と、全国ベースでこの状況というのはどういう割合なのかというのが分かれば教えていただきたいのですが。

○徳島市市民環境部市民生活課幸田課長 正確な件数は覚えていないのですけれども、件数自体は増えています。ただ、金額自体としては減っているという状況を聞いております。

○木田委員 全国ベースは。

○消費者庁消費者教育・地方協力課尾原課長 消費者庁でございます。

ぱっと手持ちの全国ベースがなくて申し訳ないのですが、例えば認知症等の高齢者に関する消費生活相談件数ですと、2016年で約9,000件でございます。ですので認知症等を含めた高齢者の相談件数はもっと多いことは既に御存じのとおりでございます。

○消費者庁新未来創造オフィス担当者 消費者行政新未来創造オフィスの小熊と申します。補足させていただきます。

先ほど御質問があったのは、徳島市の資料の「消費者被害の状況」の振り込め詐欺等の被害状況の件数で、こちらは警察のデータになります。警察の全国データについてはこちらで今分かりかねるということで、東京の消費者教育・地方協力課長の尾原から説明のあった件数に関しましては、平成28年度の全国の消費生活相談件数について御説明をさせていただきました。

○樋口座長 件数についてはまた後で。

他にいかがでしょうか。

○野々山委員 この見守りネットワーク、特に消費者安全確保地域協議会の構築というのは、これからの社会の中で高齢化が進むあるいは若者等の被害も増加する可能性がある中では、非常に重要なものだと思っています。特に地域の連携とか地域の見守り体制という意味では、この消費者安全確保地域協議会の構築が全国的に進んでいくことが非常に重要だなと思っています。

徳島県では県のリーダーシップで全市町村に、市町にこれを設置しようということで今、取り組んでいるわけでございますけれども、順調なのかどうか。全国的にも様々な課題が今、指摘されています。設置することと、設置後のそれをどう具体化していくか、どう実効化していくか、この2つが非常に重要な課題だと思っていますが、取り組んでいた感想とか、順調と考えているかどうかについてはどうでしょうか。

○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 まず県としての目標として平成31年度までに全部お願いしたいということで市町村を順次回っています。当然のことながらいろいろな御意見がございます。順調かと言われれば、昨年度で8つという形になりましたけれども、まだまだいろいろな議論をしている市町村は多くございます。その中で一番多いのは、実際に協議会を設置しました。正に委員がおっしゃられたように、それを実際に運用し、しっかりと継続的にやれていくのかどうかは、見守りネットワークの形を作るというだけでは動かない。だからそこの連携をしっかり取らないといけませんよねということを市町村の側も十分認識されている。それは具体的に言うと例えば福祉部門との連携であったり、団体で言うのであれば民生委員とか、包括ケアマネの人とか、社会福祉協議会とか、それぞれ地域によって別々ですけれども、そういったところの連携をしっかり図った上でネットワークを発足させたいという気持ちを持っておられるので、その状況を見ながら、設立時期についてはそれぞれの市町村にお任せをしているという状況でございます。

○徳島市市民環境部市民生活課幸田課長 徳島市の幸田でございます。

先ほどの振り込め詐欺等の被害状況についてなのですけれども、徳島県の資料が手元にございますので、それを言わせていただいてよろしいでしょうか。

県の被害状況なのですけれども、平成26年が件数にして50件、被害額が約3億4,000万。平成27年度が74件、被害額が2億7,000万。28年度が59件で、被害額が1億6,000万という数字になっております。全国が分かりませんで、申し訳ございません。

○消費者庁消費者教育・地方協力課尾原課長 消費者庁でございます。全国展開について御説明をさせていただきます。

3月末現在、全国で消費者安全確保地域協議会は85設置されています。内訳は都道府県が8、人口5万人以上の市町が47、人口5万人未満が30ということです。ちなみに全国で人口5万人以上の市町は550ありますので、まだ1割です。ですので全国から見れば我々の目標としている31年度までに各都道府県の人口5万人以上の市町において、目標を達成するには、まだまだ遅れをとっている。今、徳島県は昨年度で人口5万人以上の全ての市町、具体的には徳島市、阿南市、鳴門市で既に地域協議会を設置して目標を達成しております。当然、先ほど勝間課長からも説明がありましたが、これはゴールでなくてスタートだと思っています。ですので徳島県で立ち上げに当たっての課題、また、今後継続的に地域協議会を運営していくに当たっての課題等をヒアリングさせていただきながら、我々としては積極的にその課題を抽出し、徳島県の事例を全国に発信していく必要があると考えております。その面では正に実証フィールドとしての徳島県の中で、徳島にオフィスを置いている消費者庁消費者行政新未来創造オフィスとの連携を踏まえて、また、消費者庁全体として今後徳島県での事例を全国に発信していくことが、この目標を達成することに大変重要であると思っています。

○樋口座長 他にいかがでしょうか。遠山委員、お願いします。

○遠山委員 ネットワークを運営するに当たり、例えば何かトラブルが起こったときに高齢者とか障害者を見守っている地域包括支援センターとか、社会福祉協議会あるいは民生委員と消費生活センターとの情報の共有が必要になってくると思うのですけれども、非常にデリケートな個人情報などについても、どのように共有するかということについての具体的な取組について教えていただきたいと思います。

○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 まず各種のステークホルダーといいますか、関係者との連携の話なのですが、実は見守りネットワークの中にメンバーとしてまず入っていただくという形で調整も市町村でやっていただいているというのが大きなところでございます。

その中で県がお願いしているのが、実際に例えば高齢者のお宅だとか、そういうところに出向かれる民生委員でありますとか包括ケアの皆様方が、これはひょっとすれば消費者被害に遭われているのではないかということに気付いたときに、それを消費生活センターにつないでいただく役目をしっかりととっていただきたいとお願いさせていただいているというのがまず大前提としてあります。その中で実は個人情報の取扱いというのが、これは結論から言いますと、これからまだまだ精査をしていかなければいけないなと思っている課題の1つであることは間違いないと思います。

例えばメンバーでいきますと、県の構成メンバーとか、市の構成メンバーは結構多くございます。それをどこまで情報を出していくのかとか、守秘義務はかけているものの、実際のケースの中でどこまで広げていくのかというのは、正に見定めていかなければいけない部分なのかなと思っておりますし、それはある意味、消費生活センターの相談員との連携という話になりますので、相談員との話というのもしっかりとつながるようにしていかなければいけないと思っております。

まず気付いたものは消費生活センターにつないでいただいて、センターの存在というものを、平成29年度に市町村レベルのセンターを作りましたので、その認知度をまず高めるという意味合いは非常に高いのですが、そこの中でどう扱っていくのかを課題として認識し、レベルアップを図っていきたいと思っております。

○樋口座長 消費者庁、御発言ありますか。

○消費者庁消費者教育・地方協力課尾原課長 今、勝間課長の御説明に尽きているかと思うのですけれども、我々としてもまずは「顔の見える関係」を作っていただくことが大事だと思っています。もちろんセンシティブな問題、個人情報、消費者安全法の中から言えば、それは守秘義務を課した上でもう一歩、高みを目指して、当庁から消費者安全法第11条の2の情報提供を受け、構成員間で見守り等の対象者に関する個人情報を共有できるということもできます。ただ、守秘義務をかけた上で例えば消費者庁にカモリスト(法第11条の2)に関する情報提供の申出書を提出していただき、高齢者等、消費者被害に遭われた方のリストを構成員間で情報共有するとか、そういうところまでやっているのは現時点では野洲市しかないわけですけれども、我々はその段階まで行く前に、まず「顔の見える関係」を作っていただいて、おかしいなと思ったら地域包括支援センターやケアマネージャーが消センに連絡する。消センも別に必ずしも本人からの連絡しか受けないというわけではないので、まずは気付きの点を消費者生活センターに言って、最後は本人の意思を消費生活センターに配置されている消費生活相談員が確認しながら消費者トラブルを解決していき、消費生活センターにつなげていくのがとても大事かなと思っています。ですのでまずは個人情報がセンシティブになっているところで活動が委縮しないように、我々としてはまず「顔の見える関係」を作ることによって、まずはお気付きの点を消センに知らせるという、これだけでも重要かなと思っています。

以上でございます。

○樋口座長 唯根委員、お願いします。

○唯根委員 質問なのですが、徳島消費者見守りネットワーク構成機関の中に教育機関が入っていないのは、どうしてなのでしょうか。

○徳島市市民環境部市民生活課幸田課長 確かに国の基準となるところには教育委員会が入っているのですけれども、とりあえずは組織の立ち上げにおいて一番に考えているのは高齢者対策、これを一番に取り組んでいって、それである程度の活動が推移していけば教育委員会も含めていくという構造で考えております。当然、若年者に対する消費者教育というのは重要なことで、今後においても小中高においてもそういう教育というのは教育委員会とも連携してやっていきたいと思うのですけれども、当座はこの形で設立という形にさせていただきました。

○唯根委員 教育委員会というよりは教育の現場の方たちとか学生たちが高齢者を見守るというのは自然な行為だと思いますし、老人ホームと幼稚園が一緒になっているような都会の仕組みもあるわけで、ここでそうやって教育委員会だけを別扱いにされる何か理由というのはあるのでしょうか。

○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 県の組織の中でも教育委員会自体は入っていないのですが、連携を取らないというつもりは全くございません。一方では若年者層の消費者教育を一生懸命やっている中で、見守りの対象から外すという話でもございません。

実は県の方では見守りの対象を障害者・高齢者等としているのですが、等というのは実は県のほうの消費生活審議会の中でも子供たち、若年者を見守っていくというのもしっかりと位置付けてほしいという意見もございますので、それをしっかりと受け止めていきたいと思います。ただ、現状の組織の体制の中では入っていないのですが、先生方との連携というのは当然含めていかなければいけないという部分が1つあるのと、念頭に置いていたのがいわゆる特殊詐欺、オレオレ詐欺の防止という観点で組織体制を組んでいったという形で今、このような形になっているのが実情だと思っています。

○消費者庁新未来創造オフィス担当者 消費者行政新未来創造オフィスの小熊です。

消費者庁の資料の「見守りネットワークにおける地域連携イメージ」に教育機関が記載されているため、恐らく唯根委員から教育機関が入っていないのではないかという御指摘をいただいているのかと思うのですけれども、このイメージというのはあくまでも例示であり、こちらに示されている構成員全部が入っていなければいけないということではなく、それぞれの地域に応じて一番適した見守りネットワークを作っていただくのが一番いいと消費者庁としては考えております。現在設置されているそれぞれの地域協議会に教育機関が入っていないところもあると思うのですが、今後、追加していくことももちろんできます。初めに作った地域協議会の形、構成員等を変えられないということではなく、地域協議会を運営していく中でどんどんこういった機関にも入ってもらったほうがいいなと自治体のほうで思われれば、追加されたい団体に対して働きかけをしていただいて入っていただくということがありえます。

また、徳島県の中では上板町が地域協議会を設置されておりまして、そちらでは教育委員会も入っておりますので、そうした取組もなされているということです。

以上です。

○唯根委員 徳島県は特に消費生活相談員の現場にも教育者の方が入られて、大学校や何かあって、そういう資格などを持っていらっしゃる方がたくさんいるのに、どうしてそういうところからのつながりで見守りネットワークにも参加されていないのかなと逆に不思議に思って質問をさせていただきました。

○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 ネットワークの構成員としては入っていないのですけれども、当然、事務局は県なり役場が持っているという中で、例えば教育委員会との連携というのは、県の事務局の中には実は教育委員会が入っているというのも一方ではございます。県の組織ばかりが並ぶというのもおかしいのでこういう形にしている部分もありますので、連携をしていないということではございませんので、その点は御理解をいただければと思います。

○唯根委員 分かりました。ありがとうございます。

○消費者庁消費者教育・地方協力課尾原課長 先ほど当庁の小熊、勝間課長からも御説明がありましたように、あくまでもこれは地域の特性に応じてメンバーを選んでいただければいい話でございます。私は正直なところ徳島県の地域協議会は大変幅広に入れていると思います。必要に応じて入っていただければいい話なので、ともすればイメージ図にとらわれて、これを入れなければいけないというよりは、その地域でまずは立ち上げていただくのが大事なのかなと。

そういう意味では徳島県は別にすごくひいき目に見るわけではなくて、本当に報道機関も含めて幅広の団体が入っています。この中で何で教育機関が入っているかというと、私の認識が誤解していたら後で訂正しないといけないのですが、資料でよく教育機関が入っているのは、もともと消費者安全法の条文に例示で教育機関が入っているからうまく特出しの形になっておると私は理解しております。要すれば地域の力が高まればいいわけなので、何で入っていないのですかというよりは、今ある中でやれる方々にまずは入っていただく。それが完成形ではなくてスタートとして今後取り組んでいただくのが大事なのかなと思っております。

○樋口座長 他にいかがでしょうか。

○野口委員 今までの御説明の中で、横のつながりってすごく大切だよねというお話があって、それに関わり、御質問をさせていただけたらと思うのですけれども、県のネットワークと市町村に置かれるネットワークは、どちらも消費者安全法11条の3の1項の地域協議会という形で置かれている。そういう意味では法律上の位置付けは同じ組織が2つ並んでいて、協議会のメンバーを見ると相互の乗り入れは今のところはないというふうに読めるのですが、印象として例えば県域で持っている協議会にそれぞれの市町村で置かれるネットワークのメンバーの方が入られると、つまり相互乗り入れをすると、横の連携、市町村間の協議会の連携が強まるのかなどと考えるわけですけれども、この点について市と県のそれぞれの御担当の方から市町村域でのネットワークの横のつながりをどう考えられているのか、確保すべきと考えられているのか、それぞれお伺いできたらと思っています。

○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 まず県の立場から御説明をさせていただきたいのですが、県のネットワークの趣旨というのは、冒頭申し上げましたとおり市町村のネットワークの支援が大きいものでございます。構成機関を見ていただいたら分かるように、県レベルの県域全体を対象とする団体をピックアップしているのですが、当然その下位にそれぞれの市町村単位とか県域単位の団体がございます。そういったところに御協力いただきたいという思いを込めて、こういう団体を選定しているというのが実情でございます。

したがって、それぞれ動くときに市町村の側ではこういった団体を、例えばそのうちのここと連携したいとか、もっと強くこことは連携したいというのを選んでいただいて、地域の実情で例えばキーパーソンはここにいるから、この人たちと連携したいとかいうようなことを選んでいただいて、つないでいくというような形で、要は市町村だけでこぢんまりとまとまるのではなくて、横横つながっていけるような、もちろん個人情報の問題があるのでここは微妙なところがあるのですが、見守りのやり方みたいな話は横横のつながりをしっかりと持てるような仕組み、県下全域でそういう仕組みを持てるように構築しているところでございます。

○徳島市市民環境部市民生活課幸田課長 今の御質問の趣旨としては、県と市とのつながりとか、それぞれの団体のつながりをどう考えているかという御質問と思うのですけれども、当然、市レベルでありましたら消費者団体とか防犯協会それぞれ市町村ごとに団体を持っていると思うのです。なおかつそれを総括した県レベルの団体というのが県のネットワークの中に入って活動されているような形になると思いますし、当然うちの見守りネットワークの構成員の中でも県のくらし政策課の方も入っておられます。それと今、県の活動でそれぞれ消費生活センターの連携組織も立ち上げていただいていると思いますので、そういう面での横のつながりというのは今後、進めていかなければならない重要な課題とは考えております。

○野口委員 ありがとうございます。よりシンプルに御質問すると、資料5-1に今、既に設置されているそれぞれの地域協議会とかネットワークというのがあるけれども、そのネットワークに関わられている方が一堂に会して何かミーティングをしたりとか、そういう動きはありますか。

○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 ネットワークの構成機関全員を集めた会議というのは今、開催していませんが、例えばその上位となるような団体については県のネットワークに含まれていますので、そこで顔を合わせて情報共有とか意見交換をやっているというのが今の状況でございます。

○野口委員 ありがとうございました。今後のプランの中でもしかしてそういう話も出てくるのかなと思って御質問をさせていただきました。

○池本委員長代理 入口の安全確保地域協議会を市町村に展開していくところのいろいろな取組のことをお伺いしたいと思います。

徳島県の場合、25市町ほどある中で8市町で既に設置されているというのは、設置の割合からすればこれは間違いなく全国一だと思います。

徳島県のお話をお伺いしたいのですが、全市町に訪問をして、ヒアリングしたり要請したりされたというのは、県の職員の方あるいは徳島オフィスの担当の方も御一緒になさったのか、その辺りの取組、それはそれぞれの消費者行政の担当課職員に向けてなのか、あるいはもう一段上の幹部クラスも含めてなのか、その辺りの働きかけの仕方はどうだったのかという点が1点です。

2点目は、多くの市町には福祉部門が独自に見守りネットワークを、これは何年前から展開しているはずです。社会福祉協議会とか地域包括とか民生委員、あるいは医師などを含めて最近は地域ケア会議を構築しようということをやっている。他の地域でも市町に安全確保地域協議会の設置を提起すると、高齢者福祉部門でやっているネットワークに消費者行政の職員もオブザーバー的に参加しているからそれで足りるのですよという答えが結構多いのです。その意味で既に協議会を設置されている市町で既存の福祉部門のネットワークとの関係、同じものが両方を兼ねるという形で作る作風もあると聞いていますし、別に作っているところもあると聞いています。その辺りはどうなのか。あるいは警察が呼びかけて振り込め詐欺等の防止のためにこういう関係機関を呼びかけてネットワークを作り、それに消費者行政が相乗りしたという地域もあると聞いております。そういった既存のネットワークと安全確保地域協議会との関係、そういうものはどういう形で作っておられるのかお伺いしたいと思います。

○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 まず市町村への働きかけでございますが、実は見守りネットワークにつきましては全ての市町村、これは消費者庁と一緒になって回らせていただいて、状況についてのヒアリング等々も行わせていただいているころでございます。その中で地域の実情に応じた課題というものもありますので、それをすくい上げた形でネットワークを構築していくというところでございます。もちろん県独自で市町村に出向きましてお話をさせていただくこともございます。

2番目の御質問でありますけれども、やはり福祉部門との連携も当然必要になってまいります。そうなってまいりますと、我々が行く先というのがいわゆる消費者行政担当部署と、できれば福祉部門も合わせてヒアリングの場に参加していただきたいというようなこともお願いしています。それをお願いするに際しまして例えば先ほど申し上げましたけれども、副町長、首長、そういったところにお願いをしたということもございます。

ただ今、御質問がありましたとおり福祉部門との連携というのは非常に重要だと思っているところでございます。おっしゃるとおり、福祉部門でも先行したネットワークの構築というものがなされております。県とすれば、例えば市町村の現場の実情に応じて福祉部門の既存のネットワーク、高齢者の見守り、生存確認でありますとか、そういうものも含めた形の見守りネットワークがあれば、そこに消費者安全確保地域協議会の業務を乗せていただく。いわゆる我々の言葉で2枚看板と言いますけれども、そういう形で動かしていただくというのでも構いませんという話も何回もさせていただいたところではございます。

ただ今、設立されております協議会につきましては、消費者行政の担当部署が事務局を持って新たに立ち上げているという形になっております。それは全然連携が取れていないというのではなくて、そういった福祉部門の方々も入っていただいた形で、新しい組織を組み立てて立ち上げたというような形になっているところでございます。

最後の警察のお話でございます。確かに警察も特に特殊詐欺の防止等々について非常に力を入れておられるということで、各地域でそういうネットワークを構築されているところもございますが、こちらにつきましては今回、私どもの方が消費者安全確保地域協議会を市町村に設置したいというお話もさせていただく中で、それぞれのところに御参画いただいているという形で整理をしています。

以上でございます。

○池本委員長代理 ありがとうございます。今お伺いした中で特に8つの市町がいずれも消費者行政担当部署が事務局になって展開している。しかも福祉や警察部門とも連携をしているというのは素晴らしいと思うのですが、現実に私も地元で話を聞いていると、消費者行政の市町と言ってもよほど大きいところは専任職員がいますが、そうでなければ幾つかの関係部署の兼任の方が多い。なかなか自分がコーディネート役となって、いろいろな民間関係団体も含めたネットワークを動かしていくというのは大変なのだと言って消極的な意見が現実には多く聞かれるのですが、そのようなところは訪問、ヒアリングをされた中で実感としてどうなのか、あるいはこれから更にこれ以外の十数か所で展開していくときに、その辺りはどのような形で検討されているのか、お伺いできればと思います。

○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 今の御質問でございますが、各市町村に出向いていったとき、特に福祉部門の方々、高齢者福祉というのは年々、正直言いますと業務量が増えてきているという実情もございます。それをどのような行政分野でも同じですが、限られた人員の中でやっていますので、一体これって業務量がどれぐらいあるのかなというお話は、どこの市町村に行ってもそういうお話はいただくところでございます。

今回の見守りネットワークというのがどれぐらいの業務量があるのかという話の中で、先ほど言いましたとおり実際に新たな業務を継ぎ足すのではなくて、恐らく民生委員の方とかケアマネの方とか、現場に出向かれていることがありますよね。そのときにひょっとしたらこの人は詐欺にかかっているのではないでしょうか。例えば布団が山のように積まれているとか、リフォーム会社が毎日のように来ているとか、そういう状況があるのだったら、それをつないでいただきたいというようなことをお話させていただいています。

それだったらということで、ではそういうことについては協力もするし、現実に熱心な団体であれば、そういうことも現にやられているところというのは多数あります。そうであれば既存の仕組みに乗っかっていくことも1つの選択としてあり得ますねというお話は幾つもいただいているところでございますが、今度は地域協議会という組織にしようというときは、福祉の考え方と消費者被害の考え方は分けた方が分かりやすいというお考えも、市町村にはおありであるような部分もありますので、そこは市町村の動きやすいほうの選択を採っていただきたいというような形で今の組織体制になってございます。

○池本委員長代理 ありがとうございます。

○樋口座長 他にいかがですか。遠山委員、お願いします。

○遠山委員 これは現場の声といいますか、1つの要望なのですけれども、私が相談員として働いている町は非常に小さくて、人口が2万と1万と4,000という非常に小さな町で働いています。

皆さん地域包括支援センターに情報を送ったら、そこから全ての高齢者につながったり、ケアマネ、ヘルパーにつながったり、逆に下からの声といいますか、情報が全て上がってくると思っていらっしゃるかもしれませんが、実際には大きな市町になればなるほど事業所というのは非常に多くて数百を超えるところもあると思います。そのようなところと密に連携を取ろうと思えば、全ての事業所と地域包括支援センターなり社会福祉協議会なりが何らかの協定を結ぶなりしないと、前には実際には進まないと実感しております。

私の働く場所では、幸いにも小さいところですので地域包括支援センター、社会福祉協議会ですとか民生委員との横のつながりが強くて、トラブルがあったということがあればすぐにこちらに連絡が来るという関係は着実に作ってきてはいるのですけれども、それでもなおかつその下にある訪問介護事業所のヘルパー、ケアマネですとかデイサービス施設のヘルパーなどからの情報というのは、間接的になってしまうという傾向が強いようです。ですので要望といたしまして、地域包括支援センターからその下に延びる情報網をこれから具体的に作っていかれたほうがいいのではないかと思います。

以上です。

○樋口座長 ありがとうございました。

他にいかがでしょうか。東京のほうもよろしいですか。

それでは、見守りネットワークの構築についてのヒアリングにつきましては、この辺りにさせていただきます。御説明の皆様におかれましては、お忙しいところヒアリングに応じていただき、ありがとうございました。

(説明者退席)

≪6.その他≫

○樋口座長 その他の議題といたしまして本日、御議論いただく内容についてはこれで終わりでございますが、去る2月2日に野々山委員と大森委員と私の3人が徳島県立の城ノ内高等学校に伺わせていただきまして、実際の消費者教育の現場を視察し、学校関係者等と意見交換をさせていただきました。概要につきまして事務局から簡単に御説明いただければと思います。

○丸山参事官 消費者委員会事務局でございます。

去る先々月ですけれども、2月2日に消費者庁新未来創造オフィス、それから、徳島県の御協力の下、徳島県立城ノ内高等学校におきまして「社会への扉」、副教材、こちらを活用いたしました消費者教育の現場を視察させていただきました。視察の後ですけれども、校長先生、それから、授業を御担当された先生を始めとする学校関係者の方や樋口座長を含め3名の委員、消費者委員会事務局、消費者庁、徳島県消費者くらし安全局、徳島県教育委員会の方々におきまして意見交換をさせていただきました。

授業の視察につきましては、マスコミに入っていただきましてオープンでさせていただきましたが、先ほど申し上げました意見交換につきましては、学校関係者の方にきたんのない御意見を伺いたいという趣旨で非公開とさせていただいた次第でございます。

事務局からの報告は以上です。

○樋口座長 ありがとうございました。

せっかくですので野々山委員、大森委員から感想など一言それぞれお話をいただければと思います。

早速ですが、野々山委員からよろしくお願いいたします。

○野々山委員 消費者庁が作成している「社会への扉」という冊子を教材にして、あと先生のほうで工夫してやっておられた授業で非常に興味深かったです。アクティブラーニングで知識構成型ジグソー法ということで先生は何も教えないのです。子供たちに勉強をさせて、子供たちが子供たちに教えていくということで、最終的には次の授業のときに先生から試験を出して、ちゃんと子供たちの話で教えられた人たちが理解できたかを試すという授業でした。部門を分けましてそれぞれがみんな教師役と生徒役をやっていくというもので、次の授業がどうなったのかなという興味が非常に私はあったというところであります。

その後、徳島市で日弁連が主催してやった「地域で防ごう消費者被害in徳島」という、あそこでも吉野川高校が自分たちで作った農作物、高校で作った野菜を調理してまず商品化して売る。それから、カフェがありましてカフェで提供する。それをやっていく中で、カフェで出す様々な商品のことを、表示をどうするかとか、コーヒーなんかはフェアトレードのものにする、あと食品ロスの問題等々も含めて実践的に教育をやっている報告がありました。徳島県では、各学校でよく工夫をしているという印象を持ちました。

○樋口座長 ありがとうございました。

大森委員、お願いします。

○大森委員 高校のクラスでは授業の活動で1班、2班、3班とか班分けをして行うことがあるのですけれども、それぞれの班をA、B、Cと3つのグループに分かれて移動するのです。AはAで集まって、あらかじめクーリングオフだとか未成年者契約の取消しだとか、そのテーマに該当する部分を先生が「社会への扉」と解説書の中からコピーしたものを生徒たちに渡します。そのグループで重要だと思うところを話し合って共有化して、しかも確認テストの内容も作る。もともとの班に戻って各グループで学んだことを他の班のメンバーに教えるという内容でした。

教育は教材を作るとか、教えるということが一番成果が上がるので、素晴らしい授業だと思いました。ただ、これは50分の授業でされて、先生も生徒も非常に優秀でしたけれども、やはり時間的にしんどいかなと思いました。できれば2時間合わせた時間が必要だなと思ったので、担当の先生に確認したところ、学習指導要領の枠で許される時間はこれしかないというお返事だったので、成年年齢引下げを見据えて消費者庁が作った教材をしっかり身につけていただくには、学習指導要領とは別枠で時間を取っていく必要があるかなと思いました。

以上です。

○樋口座長 野々山委員、大森委員から既に重要な点を御指摘いただいています。私も高校時代を思い出して、教室の隅で聞かせていただきましたが、学生の皆さんは、アクティブラーニングということで、真剣に積極的に議論をしているところが印象的でした。

この学校は今、大森委員からもお話がありましたけれども、非常にレベルの高い教育法を実践しておられ訳ですが、全国展開ということになりますと、全国の学生の皆さんひとり一人がしっかり問題を理解して、周りに伝えるということが大事になってくるのではないかと思っています。前任の信州大学では、大学生が高校への出前授業に取り組んだことがあるのですが、そういう意味で、教材の普及について、いろいろ工夫をしていただくことも重要ではないかと思います。

この問題も非常に重要な問題ですので、引き続きまた議論をさせていただければと思います。

最後に事務局から事務連絡をお願いいたします。


≪7.閉会≫

○丸山参事官 本日も熱心な御議論をどうもありがとうございました。

次回の日程につきましては、追って御連絡という形にさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○樋口座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)