第8回 オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会 議事録

日時

2018年11月13日(火)14:00~16:55

場所

消費者委員会会議室
東京都千代田区霞が関3-1-1 (中央合同庁舎第4号館8階)

出席者

【専門委員】
中田座長、早川座長代理、生貝委員、大谷委員、大橋委員、片岡委員、上村委員、西村委員、畠委員、原田委員、前田委員、森委員
【消費者委員会担当委員】
鹿野委員、増田委員
【オブザーバー】
カライスコス京都大学准教授
【事務局】
二之宮事務局長、福島審議官、坂田参事官、友行企画官

議事次第

  1. 開会
  2. 現行の規程等の整理(2)
  3. 討議
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○中田座長 本日は、お忙しいところお集まりいだきまして、ありがとうございます。

ただいまから第8回「オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会」を開催したいと思います。

まず委員の交代の御報告をさせていただきます。

本専門調査会の委員である城委員が諸事情により辞任することになりました。そのため、株式会社メルカリ サービスリーガルチーム マネージャーの上村篤様に新たに委員に御就任いただきたいということでお願いをいたしました。今日、上村委員に来ていただいておりますので、簡単に自己紹介をお願いできればと思います。上村委員、お願いいたします。

○上村委員 これまで城が当社から委員として参加しておりましたが、そのかわりで参加することになりましたメルカリの上村と申します。よろしくお願いいたします。

私は2017年2月にメルカリに入りまして、主に知的財産権の管理と出品物の問題への対応を行ってまいりました。この専門調査会でもそういった観点から様々な議論ができればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○中田座長 よろしくお願いいたします。

そして、本日は所用により沖野委員及び山本委員が御欠席となっております。遅れて来られる方もおられますが、時間になりましたので始めたいと思います。

まず、配布資料の確認をさせていただきます。資料は議事次第の一覧のとおりとなっております。もし不足等がございましたら事務局までお願いいたします。

続きまして、少し全体像ということでお話をさせていただきたいと思います。

5月に立ち上がった我々の専門調査会も、今日で第8回の開催となります。あっと言う間に時間が過ぎていくなと思っているのですが、その中で当専門調査会では、オンラインプラットフォームが介在する取引について議論をしてきました。実際にやってきたことを御紹介しますと、どのような消費者相談とかトラブルが現実に生じているのかということについて、相談の現場あるいは御協力を得て行いましたウェブアンケートというものから洗い出し作業をしてきました。

そして、そういった問題点について、事業者サイドの取組がどういうものであるのかというようなことについて検討し、さらに消費者相談の内容と事業者の取組というのはうまく一致しているのかについても議論を重ねてまいりました。

そして、本日はお手元の資料にあるとおり、オンラインプラットフォームが介在する取引に関連する法令等を、これまでの議論を踏まえた形で整理させていただいています。事業者、消費者、財・サービスの提供者としての消費者及びプラットフォーム事業者、現行法令との関わりを整理した上で、現行規定がどのような範囲で適用されるのか、あるいはその中で解決ができるのか、あるいはそれを超えてもう少しやっていかなければいけないことがあるのか。とりわけプラットフォーム事業者の役割、取組の可能性ということについて、今日は議論を進めていきたいと思います。

そういう方向性を我々は持っているということを示した上で、今日の議題に入ります。


≪2.現行の規程等の整理(2)≫

○中田座長 それでは、最初の議題ですが、資料1及び資料2を御覧ください。そこでは現行の規程等が整理されております。20分ほどお時間をいただきまして、事務局から内容を御説明させていただきたいと思います。それについて皆様のほうでこの内容がきちんと整理されているかどうか、そして、そこに問題点がないかどうかということをそれぞれのサイドから見ていただいて、後で御質問ないし御検討をいただくことにいたします。

皆様の意見をできるだけここの場でお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは、事務局から説明をお願いいたします。

○友行企画官 それでは、お手元の資料1と資料2を御覧いただけますでしょうか。

資料1、資料2とも事務局の責任において作成したものでございます。それから、資料1と資料2の関係でございますけれども、資料2は文章が中心となっておりまして少し大部になっておりますが、それを1枚の形であらわしたものが資料1という位置付けで整理させていただいております。

まず資料1を御覧いただければと思いますけれども、プラットフォーム事業者は様々な中におりまして、そして、上半分がB to C取引というものを図にしたものでございます。左側が事業者でございまして、右側が消費者となっております。点線で実店舗の事業者とか実店舗の利用者、消費者というものも、そういった取引もあり得るんだということで一応ここには加えておりますが、この専門調査会でターゲットとしているのは、あくまでもインターネット取引というところでございます。

下半分がC to C取引になっておりますけれども、左側がオンライン上の売り手の消費者でございまして、右側がオンライン上の買い手の消費者という図になっております。プラットフォーム事業者様を真ん中といたしまして、利用規約がそれぞれにあるでしょうということと、それぞれの事業者ですとか消費者のそばに適用法令というものを書かせていただいております。全て網羅的に書くことは難しいと思いますが、主なものとすぐ思いつくようなところでございまして、例えば左上のBでございますが、特商法でありますとか広告表示に関する規制でございますとか、もしクレジットカードを使っているのであれば割販法ですとかそういったもの。

右上のオンライン上の消費者というところでございますが、BとCとの関係であれば消費者契約法が適用になりますねといったことでございますとか、下半分のところにつきましては、左側のオンライン上の売り手の消費者のところは特商法の対象になる場合もあるのではないかということや、業法に規制がかかっているものについては、その資格を取らなければならないということで業法ということも掲げております。右下のオンライン上の消費者というところにつきましては、相手がBであれば消費者契約法という関係でつながっているところでございます。

真ん中のプラットフォーム事業者でございますけれども、ここは必ず特商法の規定がかかってくるかどうかということは必ずではないかも分かりませんし、それから、必ず業法の規定がかかってくるかどうか、必ずではないかもしれないというところでございますが、関連する法令としてこの2つをここには書かせていただいております。

我々がこの専門調査会でターゲットとしておりますのは、赤い点線で囲まれているところでございまして、下半分のC to C取引のところ、それから、右上のオンライン消費者、我々消費者委員会のもとの専門調査会でございますので、消費者を中心として、そこがプラットフォームが介在する取引においてどのような関係にあるかというのを、まず最初に法律的にどのような法律が関係するかというのを整理するというのが最初の目的の整理のところでございます。

図の説明はこのぐらいにいたしまして、それでは、資料2を御覧いただければと思いますが、繰り返しになりますけれども、登場人物といたしましては資料1にあるようなところでございまして、それぞれが遵守しなければならないルールにはどのようなものがあるのかを確認していただきたいという趣旨の整理のペーパーでございます。本資料は本日の時点で施行されている法律に基づいた考え方になっておりまして、例えば民法などは改正が予定されておりますけれども、そこまではまだ含めた形にはなっていないというところでございます。

1ページおめくりいただきますと、左側が目次になっておりまして2ページ目から始まります。

1ページ目の目次のところを御覧いただきますと、第2の法令のところにつきましてはいろいろな切り口がございますけれども、契約に関すること、広告表示に関すること、決済に関すること、業法、国際私法関係、安全法、消費生活相談員さんの関係で消費者安全法ということで、6つのくくりにしております。それぞれの法律の概要を簡単に記載いたしまして、それがオンラインプラットフォームが介在する取引の中ではどのような意味を持ってくるか、関係があるかというのを整理したものが次からになります。

2ページ目のところでございますけれども、第2の法令のところで一番最初に登場しますのは民法でございまして、イのところのオンラインプラットフォームが介在する取引とのかかわりについてというところでございますが、例えば規約の話でございましたり、あとは代理に関する規定、未成年者の規定もございますし、意思表示に関する規定なども民法の中ではございます。

3ページ目にまいりますと、当事者間の契約関係のあることに鑑みれば、それは売買であったり賃貸借の関係であったり委任等と、様々な規定がなされているというところでございます。

また、プラットフォームとの関係では、利用者がプラットフォーム事業者に対して何らかの法律行為や事実行為をすることを委任し、プラットフォーム事業者がこれを受託するという内容である場合は、委任に関する規定も関係することになるといったことでございます。

次が商法でございますけれども、ここで取り上げておりますのは外観主義のところでございましたり、代理商、仲立営業、問屋営業といったことの規定でございます。オンラインプラットフォームが介在する取引とのかかわりにつきましては、幾つかの判例とかもございます。例えば下半分のところでございますけれども、プラットフォーム事業者がそのプラットフォームの利用者に対し、取引の場を提供しているにすぎない場合には、何らかの責任を負うことにはならないといったような名古屋の判決などもございます。

右側の4ページ目にまいりますが、次は消費者契約法の関係でございます。法令の全体像は皆様よく御存じのことと思われますが、消費者と事業者の間のところを定めているものでございまして、基本的なことといたしましてはそれぞれが情報の質、量、交渉力の格差に鑑み、事業者の一定の行為により消費者が誤認し、また、困惑した場合等について、契約の申込みまたは承諾の意思表示を取り消すことができるとするとともに、事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他の消費者の利益を不当に害することになる条項の全部または一部を無効とすることといったことが基本的なところでございまして、消費者契約法は大事な法律でございますが、最初のところはこのような定めになっているところでございます。

いろいろな定めがございますけれども、その真ん中あたりにつきましては、事業者はこういうことをしなければならない。消費者であればこういうことをしなければならないというところが3条のところで規定されているところでございます。それから、取消しの話、消費者契約の条項の無効の規定についても、契約法の中では定めがございます。

もう一つ、消費者と事業者についての定めというところもございまして、消費者とはこういうものであり、事業者というものはこういうものであるというところでございまして、事業者というのは一定の目的を持ってなされる同種の行為の反復継続行為遂行に由来するといった規定もなされてございます。

5ページ目にまいりますと、消費者と事業者の関係のところでございまして、図表2のところにつきましては、消費者または事業者該当性が争点になった下級審判決などを御紹介しております。

6ページ目の図表3のところにつきましては、各法律における消費者の定義というところにつきまして、少し整理させていただいております。

7ページ目にまいりますと、(ウ)のところでございますが、媒介の委託を受けた第三者というようなところが5条の規定でございまして、消費者契約法は第5条第1項で、事業者が第三者に対して消費者契約の締結の媒介を委託し、当該委託を受けた第三者が消費者に対して第4条に掲げる行為をした場合についても、第4条の規定を準用する旨を規定するといったようなところでございまして、8ページ目の上のところでございますが、媒介というのは契約法上どういう規定になっているかと申しますと、ここにございますように他人間に契約が成立するように第三者が両者の間に立って尽力することをいうという形になっております。このあたりも大事なところかと思われます。

プラットフォーム事業者が介在する取引とのかかわりにつきましては、まず利用者との間でございますが、消費者間契約である場合は消費者契約法の規定がかかってくるところでございまして、(1)のところはプラットフォーム事業者についてでございますけれども、ここのところについてもかかわりがあるということでございます。例えば利用者間の契約が消費者契約であって、プラットフォーム事業者が事業者たる利用者から消費者契約の締結について媒介をすることの委託を受けているところ、当該プラットフォーム事業者が4条に該当する行為をし、9ページのところにございますが、消費者が申し込みの意思表示等をした場合は、利用者間の個々の契約につき本法の取消権の対象となるといったような規定もございます。

9ページ目(4)のところ、次の法律でございますけれども、電子消費者契約に関する特例の法律でございます。こちらは消費者が行う電子消費者契約につきまして、特定の錯誤があった場合、もしくは遠隔地間の契約において承諾通知を発する場合の規定が設けられているものでございます。消費者の操作ミスの救済でございますとか、承諾の通知が申込者に到達したときに成立するといったようなことが規定されているものでございます。

(5)につきましては特商法の規定でございます。御存じのように訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、連鎖販売等々の規定がございまして、書面交付義務でございますとか様々な規定がございます。こちら10ページ目のところでございますが、それぞれの特商法につきましては通信販売、業務提供誘引販売のそれぞれが重なり合って規定がかかってくるというところを、上半分のところで記載させていただいております。

特商法につきましては、(ウ)の通信販売に関する規定が一番関係してくるところでございます。10ページ、11ページのところにまいりますけれども、11ページの2段落目でございますが、通信販売としては行為規制として広告をするときの表示事項に関する規定でございますとか、虚偽・誇大広告の禁止、勧誘メール・FAX等の規制でございますとか、そのほか禁止行為でございますとか、様々なガイドラインがございまして、最初の通信販売における例えば申込みの撤回等についての特約についてのガイドラインでございますとか、電子メール広告をすることの承諾・請求の取得等に係る「容易に認識できるよう表示していないこと」、それがどういったものかということについて解説がなされているガイドラインですとか、そのほかにもガイドラインが幾つかございます。

この特商法について、オンラインプラットフォーム事業者様が介在する取引との関係につきましては、利用者が一定の数量を出品している場合には、通信販売に関する規制主体となることもあるといったことでございますとか、プラットフォーム事業者様につきましては、使用料等の対価が発生する場合には通信販売の規制主体となる場合があるというようなところでございます。

11ページの下から12ページの上のところでございますが、プラットフォーム事業者と販売事業者たる利用者につき総合してみれば、1つの通信販売を形成していると認められるような場合を除き、プラットフォーム事業者は契約における事業者ではないので、同法の規制主体とはならないと考えられるといったような考え方もあるのではないかというところでございます。

様々な法律が関係してきてございますけれども、なるべくフラットな形で紹介しているような形で整理させていただいております。ただ、中でも例えば媒介のところでございますとか、今の特商法のところの利用者が事業者に当たる場合の一定数量の出品をしている場合の話でございますとか、ただいま申しましたようなプラットフォーム事業者様につきまして、販売事業者と総合して見れば1つの通信販売を形成していると認められるような場合には、どういうふうに考えるかといったところは少し重要な点ではないかと考えられます。

12ページに準則がございますが、これは前回、御説明がありましたので詳しいことは割愛させていただきますが、こういった規程もあるという形になっております。

13ページをめくっていただきますと、下のところから広告表示に関する法令となっております。ここで景表法をまず最初に御紹介しておりまして、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めるといったものでございます。

14ページの上のところにまいりますが、同法の対象となる表示は顧客を誘引するための手段として事業者が自己の供給する商品または役務の内容、取引条件、その他これらの取引に関する事項について行う広告その他の表示ということでございます。

14ページのイのところでございますけれども、景表法の不当表示規制の対象は、事業者が自己の供給する商品等に関する表示を対象とするといったところが重要なところでございます。自ら商品等を提供する事業者であっても、事業者でない者につきましては規制対象とはならないという形になっております。

15ページのところにまいりますと、次は特商法でございます。特商法につきましては先ほど少し出てまいりましたが、広告の表示に関しましては虚偽、誇大広告等の禁止といった規定がございます。

(3)につきましては医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律でございますが、こちらは「何人も」が規制主体となっておりまして、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果または性能に関して明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽または誇大広告をしてはならないと記述し、また、流布することを禁止ということでございまして、これは誰でもが守らなければいけないといった規定でございます。

その下の(4)の健康増進法も「何人も」が主体となっておりまして、食品として販売に供するものに関して広告その他の表示をするときは、健康保持増進効果等について著しく事実に相違する表示をし、また、著しく人を誤認させるような表示にしてはならないということで、誰もが守らなければならないというような規定になっております。

16ページにつきましては、その他の特別法というところでございまして、様々な業法におきまして広告に関する規制があれば、それに従うというところでございます。

3番のところでございますが、決済に関する法律として関係あるものというところで、ここは(1)で割販法と、17ページのところでは資金決済法を紹介しております。もしプラットフォーム事業者様がクレジットカードの番号等を取り扱う事業者になっている場合は、割販法の規定に従うというところでございますし、資金決済法につきましては、プラットフォーム事業者様に関連するところといたしましては18ページのイでございますが、特にここでは有償ポイントを発行している場合には、前払式支払手段発行者として登録する対象事業者となりますといったことをここに記載させていただいております。

4番のところにつきましては、その他の業法というところでございまして、最初に古物営業法を紹介しております。古物商そのものの主体となるといった場合でございますとか、19ページのところ、例えば③の古物競りあっせん業に該当するといった場合がございまして、こういった事業を行っている場合には、それぞれの届け出なりそれぞれの許可なりが必要だというところでございます。

20ページにまいりますと、(2)はプロバイダ責任制限法でございます。そういったプロバイダが開催している場におきまして、何らかの責任の免責を規定しているところでございまして、図表5に2つのパターンを紹介しておりますが、例えばそのプロバイダ上で商標権の侵害やプライバシーの侵害等があった場合に、図表5の最初の部分では、削除などの措置を講じなかったとしても損害賠償責任が免責されるといった場合について紹介しております。権利が侵害されていることを知っていた、もしくは侵害されていることが知ることができたと認めるに足りる相当な理由がある場合は、これ以外は削除しなくても免責されるというところでございます。

21ページのところは、削除措置をとったとしても免責されるといった規定がございます。

21ページの(3)につきましては、シェアリングエコノミーが主に関係するのではないかと見られます、様々な業法についての規定でございます。22ページの表のところに少し関連すると思われるものを整理してございますが、自動車に関することですとか、宿泊所に関するサービス、労働力に関することでございますとか、道路運送法でございますとか貨物自動車運送事業法ですとか旅館業法、住宅宿泊事業法など、関連するサービスを行う場合には規定がかかってくるところでございます。

23ページ目にまいりますと、こちらにつきましては国際私法関係でございまして、1つ目が法の適用に関する通則法でございます。これは通常、居住しているところで法律がかかってくるところでございまして、24ページ目のところは民事訴訟法についての記載がございまして、平成23年の民事訴訟法等の改正によって四角の中でございますけれども、次の各号に掲げる点につきましては、日本の裁判所に提起することができるというところでございまして、日本において事業を行う者に対する訴えについては、当該訴えがその者の日本における業務に関するものであるときは、日本の裁判所に提起することができるといったところでございます。

最後のところが消費者生活相談員さん関係のところでございまして、安全法の規定でございますけれども、安全法の8条や10条のところが関連するところでございまして、安全法では都道府県及び市町村の行う事務として、消費者安全の確保に関し事業者に関する消費者からの苦情に係る相談に応じること。それから、あっせんを行うことを規定しているといったことでございまして、相談員さんの相談につきましては、安全法のこういった規定をもとに行っているといったところを整理させていただいたものでございます。

以上、駆け足ではございますけれども、またここに書かれているものが全て完全に網羅しているわけではないかも分かりませんが、我々プラットフォーム事業者様が介在するときにおきまして、主なもの、重要なものと考えられることにつきまして、整理をさせていただいたところでございます。

以上でございます。

○中田座長 ありがとうございました。

御紹介にあったように、これまでの議論を踏まえた形で、オンラインプラットフォームに適用される法令というものをかなり網羅的に整理しているのではないかと思います。ただ、御報告の中にもありましたように、客観的に書いてありますので、皆様のところでここは問題ではないか、あるいは法改正の必要があるのではないか、この規律は現在の実務には使えないような規定になっているのではないか、いろいろな角度からの検討ができるのではないかと思います。御関心のあるところ、あるいは問題点があるところを御自由に御指摘、また、御意見を賜ればありがたいと思っておりますので、よろしくお願いします。いかがでしょうか。それでは、片岡委員。

○片岡委員 御説明ありがとうございます。

まず、資料1の図を見ていて思ったところなのですけれども、どこかに海外の事業者が絡むと何か変わったりするのだろうかというところを考えてみたほうがいいのではないかと思いました。あと、民事系の法律や業法が出てきていますけれども、もし詐欺のような事案があれば、刑事法も本来は活躍しなければいけないのではないかと思いました。

以上です。

○中田座長 ありがとうございます。

事務局から何か今の御指摘に対応するようなことはありますか。

○友行企画官 ちょっと考えてみたいと思います。

○中田座長 分かりました。

それでは、前田委員、お願いします。

○前田委員 同じく資料1の図のところに関してなのですけれども、主な検討対象範囲として赤線が引っ張られているのがいわゆるC to C取引で、そこについて赤枠でプラットフォーム事業者と各売り手となる消費者と買い手となる消費者について線が引かれているのですけれども、一方でB to C取引の中では、あくまでもプラットフォーム事業者とオンライン上の消費者に赤線が引っ張られております。

ただ、もちろんこの会においては消費者保護の観点から議論をするというのはもちろんそうなのですけれども、その議論をB to C取引の中においても議論をしていく中では、最初の資料にもあったかと思うのですが、各当事者間でどのような役割分担をするべきなのかが記載されておりましたので、この赤枠は下のC to C取引においてプラットフォーム事業者と売り手となる消費者、買い手となる消費者と書いてあるのと同じようにオンライン上の事業者、オンライン上の消費者、そことプラットフォーム事業者がどのように関わるのかというところで、赤枠を囲むというような図のほうが正確なのではないかと思っております。

○友行企画官 おっしゃるとおりです。

○中田座長 赤枠というか、点線枠が狭かったということですね。ただ、全体像を見るときには必ずそこも見ていきますので、検討範囲としてはオンライン上の事業者が入る部分と、あるいは今まで特定商取引法で禁止されていると考えられている直販の部分、それらはオンラインプラットフォームを考える上では考慮に入れられるべきものです。両方が規制の対象になる部分をもっていると思います。御指摘ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。西村委員、お願いいたします。

○西村委員 資料2の10ページのところに書いてある、消費者庁のインターネット・オークションにおける販売業者に係るガイドラインに関するところ、下から6行目「なお、インターネット・オークションにおける出品者については、ガイドラインにおいて」ですが、確かに事業者性を考える上で、このガイドラインというのが唯一と思います。

今、オークションだけでなくフリマもあるので、フリマもこれに含めていいのかよくないのかというのがはっきりしていないということと、そもそもガイドラインが一時期に何点以上というような決めごとなので、それを当てはめて考えて、この方は事業者ですよねというのがなかなか我々のほうも難しいし、プラットフォーム事業者でも判断が難しいという話になって、あまり機能していないので、この辺を少し考え直していただけたら使いやすいかなと思います。

○中田座長 そうですね。個人がいわゆる素人の人なのか、事業者なのかというのは、どういった基準で判断するのかということで使われているガイドラインですが、そうしたガイドラインがそのままで適切なものになっているのかどうかという点については、もう少し検討しなければいけないという御指摘ですね。

ほかにいかがでしょうか。それでは、前田委員、お願いします。

○前田委員 細かい点も含まれてしまいますが、何点か御質問も含めてお聞きさせていただければと思います。

まず3ページの(2)商法のイのオンラインプラットフォームのところで、判例が引かれているのですが、最判の平成7年11月30日。ただ、これはオンラインプラットフォームに対するものというよりは、スーパーマーケットに出店しているテナント、要は物理的なプラットフォームと買い物客の取引に関して、商法23条が類推適用されるというような話が引かれている事例ですので、これをこのままこちらで引いて大丈夫なのでしょうかというところがまず1点。

あと、8ページなのですけれども、(イ)プラットフォーム事業者についてというところで、まず全体に関して言えるところにも関わるところではあるのですが、プラットフォーム利用契約が消費者契約である場合ということで、今まさに西村委員からお話がありましたように、どのような場合に当たるのかというところがなかなか難しいというところもありますし、この仮定が書いてある場合に、これがどういう場合を想定しているのか、こういう場合にはプラットフォーム利用契約が消費者契約に当たり得るとか、なかなかそこの記載が難しいところがあるかもしれないのですけれども、そこについて何か注釈でも記載があると分かりやすいかなと思います。

最初に申し上げた全体に係るところに話を戻らせていただきますと、そもそもこのプラットフォーム事業者について、C to C契約とモールとオンラインの3種類あったかと思うのですけれども、そこについての話であるのかどうなのかというところについての記載が、特にこの資料が公表されて意味を持つということなのであればなお、AICJとしてそのオンラインプラットフォームが多義的である。明確な定義がまだ確定していないということも含めて考えますと、最初の前提のところで、1ページ目のところなどでここについて想定をしているということの記載があると、誤解を招かないかなと思いました。

最後なのですけれども、20ページから21ページにかけてプロバイダ責任制限法について特定電気通信役務提供事業者というものが、特定電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他、特定電気通信設備を他人の通信の利用に供するものというふうに定義されていて、その当てはめに当たります21ページのイのところなのですけれども、特定のものを対象とすることからすれば、特定電気通信役務提供者というふうにつなげるというのが、そこについて特に異論はないものと思われるというふうに書かれてはいるのですが、ここが本当にそこで大丈夫なのか。下に注釈がありますので、あくまでもそれが想定されているということなのであれば、それはそれでいいかなと思うので、そこは御教示いただければと思います。

以上です。

○中田座長 どうしましょうか。お答えいただくということでよろしいですか。

○友行企画官 可能な範囲で、最初のところでございますけれども、3ページ目の(2)商法のイの判例のところでございますが、これはおっしゃるとおりでございまして、デパートに入っていたペットショップの話でございます。そこはインターネットのお話にそのまま持ってきていいのかどうかというのは、議論もあるということでございますね。それはここで、消費者委員会の場で、これはこれで正しいんですと決めるものではございませんので、そういう議論があるというのも踏まえつつ、ただ、関連する判例としてはこういうものがございますという紹介の性格のものと御理解いただければと思いますので、ここで法律的な議論を決める場所ではございませんので、関連する判例としてはこういうものがございますということで紹介しているという趣旨でございます。

○中田座長 リアルな店舗である場合の法理というのが、プラットフォーム事業者に必ずしも適用されないのではないかという議論は十分に成り立つと思います。ただ、一般的な法理としてそういった状況があれば、こういった責任を負うという形での判例の引用ではないかと思いますので、その点は特殊事情というものがどこまでプラットフォームの状況がそういった外観主義を負うときに考慮されるのかというのは、また別の問題として議論されることになるのではないかと思います。

○前田委員 文末のところもあり得るという表現になっておりますので、あくまでも1つの可能性としてあるというふうに解釈ということで、失礼いたしました。

○中田座長 そうですね。そこはそういう理解でいいのではないかと思います。

では、続いてお願いします。

○友行企画官 8ページ目にも出てくる、もしかしたら全体に関わるのかも分からないのですけれども、プラットフォーム利用契約が消費者契約である場合という書き方にしているところがあるといったときに、それがB to CなのかC to Cなのかとか、どういった場合をプラットフォーム利用契約が消費者契約であるのかということの定義とかがあるのかということでございますが、これはC to CもB to Cも特に区別しているわけではなく、その利用契約が消費者契約でございますので、BとCとの契約であるとしたら、このような法律的な規定がかかってくるだろうという整理だと考えて記載しているものでございます。

○中田座長 プラットフォーム利用契約というのは、もちろん事業者と事業者との間でも行われることは当然予定されています。消費者契約の場合と事業者間契約との場合で大きな差を設けるべきかどうかというのは、また別途これは議論すべき問題だろうと思いますが、ここでの事実というのは、まさに消費者がプラットフォームを利用するときの契約ということで考えていただいたらいいのではないかと思います。

○友行企画官 3つ目の20ページ、21ページのところでございまして、21ページのイの記載の不特定のものを対象とすることからすれば、プラットフォーム事業者は特定電気通信役務提供者に該当することについては特に異論はないものと思われるというところは、これは準則を引っ張ってきているところでございまして、特にこちらのほうで判断を加えたものではないと認識しております。

○中田座長 よろしいですか。

○前田委員 2点目のところに戻ってしまうかもしれないのですが、要はオンラインショッピング、オンラインオークション、C to Cのシェアリングエコノミーに関する取引という、要はここでそもそもそこは特に定義をせずにオンラインプラットフォームは、プラスここ全体について特に定義はないのですけれども、これが独り走りしてしまうと、またこれが何を意味しているのかという話にもなってしまう可能性はあるのかなという危惧はしております。

○友行企画官 そうでございましたらば、何らか定義のようなものをかけるのであれば、ここで言うところのプラットフォーム利用契約が消費者契約である場合というのは、こういうことを想定すると書いたほうがいいかという、そういう趣旨でございますか。

○前田委員 というよりは、まさにAICJとして話をしてきていたところとして、定義というのがなかなか難しいということを、多義的であるし、定義というのがなかなか難しいという話は初回からしているところで、その中でも3類型のところにある程度絞ってやれば、そこについて何なのかという議論は、少なくともそこについての議論はせずに話は進められる、より実態的に消費者の保護の観点から何があるのかということができるので、そこについて入れるという、今これからまた定義をこれについてどうかという話になってしまうと、また数回議論をすることになりかねないかなという気がするので、そこについての言及があったほうがいいのかなという趣旨の御質問です。

○中田座長 そういう形で承って、少し考えさせていただくということでよろしいでしょうか。基本的にはその方向でよいのではないかと私は思っていますが、確かにオンラインプラットフォームの類型について、この法律の適用に当たっても類型によって変わってくるのではないかという部分は恐らく残されているだろうと思います。個々の法令の適用範囲という問題もありますので、そういった両方から考えていく問題ではないかと思います。

いかがでしょうか。それでは、鹿野委員、お願いいたします。

○鹿野委員 先ほど前田委員が最初におっしゃったことについてなのですが、私も3ページの判例の引用が気になりまして、この書き方だとオンラインプラットフォームについて直接判断している判例があるかのように見えるおそれがあります。もちろん判例の中身を見る人には分かるのですが、これだけを読むとそのような誤解を招きかねないというふうに思いました。先ほど事務局もおっしゃったように実店舗に関する判例なので、関連する判例としてこういうものがあるというふうに、注でも結構かと思うのですけれども、断られたほうが誤解がないと思います。

○友行企画官 かしこまりました。

○中田座長 では、そのようにしていただきましょう。

それでは、畠委員、お願いします。

○畠委員 1点目は細かいのですけれども、資料1の表の中で民法というものが書いてあるところと書いていないところがあるのですが、契約が成立しているところには全て民法が適用されるのではないかなと思います。

あわせて関連するのですけれども、※が書かれていて、※の注としては場合により適用対象となり得ると書かれていて、消費者契約法等について幾つか触れられていますが、特商法においてもこの※が必要だと思っていまして、適用除外とされている取引類型もありますので、それを明らかにするためにも特商法のところに※が必要だと思うのと、電子消費者契約法についても映像面を介するものについて適用している法律で、例えば音声のみで成立するようなものについては適用されないことになりますので、本当はここにも※が必要なのかなと思います。

次が本題なのですけれども、特商法で適用除外とされているのは、他の業法でそれが補完されているという趣旨だと認識しているのですが、特商法で本来守ろうとしていた例えば特商法の表記等について、適用除外とされている業法の中でどのように取り扱われているかということの比較検討をされたほうがいいのではないかと思いました。

○中田座長 事務局いかがでしょうか。

○友行企画官 ※をつけたほうがいいというところにつきましては、かしこまりました。

それから、最後のところの特商法の適用除外のところで、ほかの法律でどのように規定があるかというところの比較検討につきましては、少し事務局のほうで検討してみたいと思います。

○中田座長 御指摘ありがとうございました。原則、例外という法律の構造があるので、つけ始めたら全部しるしをつけないといけないのかなという印象を受けました。どうするかはまた考えさせていただきたいと思います。

いかがでしょうか。それでは、片岡委員。

○片岡委員 今、民法が全体に係るのではないかという話と関連してなのですけれども、手元にある参考資料で、消費者トラブルとはどういうものがあるかという話をしたときのことを思い出しながら、この図を見ていました。結局、商品にまつわるトラブル、例えば瑕疵担保責任とか債務不履行とか、そういった商品に関するトラブルや、連絡がつかないといったトラブル、あるいは詐欺だといったようなトラブルがあると思うのですが、今、名前が出てきている業法は、果たしてそれらと直接的に関わりがあるのでしょうか。ひょっとしたらそもそも民民間で契約をして、それをどちらかが守らない、あるいは守っていないと主張するのだけれども、その事実が当事者でないと分からないという場合に、どうやって解決したらいいのだろうというところをしっかり考えたほうがいいような気がしています。そうなると、業法について、もう一回振り返ってみるのもいいのですけれども、民法上の取引がうまくいかなかったときに、それを解決する方法として今どういう制度だったり仕組みだったりあるのかというところも、きちんと考えたほうがいいのではないかと思いました。

あわせて連絡がつかないという問題も、特商法に基づく表記がある。けれども、特商法に基づく表記が例えばでたらめである場合には、特商法上の表記があったとしても役に立たないわけで、それもその法律が守れなかった場合にどうやってそれを解決していったらいいのか。それを誰がその役割を担っていったらいいのかというところが重要な気がしますので、業法の振り返りもしつつ、基本的な取引にトラブルがあった場合、今、ほかの分野ではどう解決しているのだろうというところを確認してみてもいいかと思いました。

○中田座長 御指摘、非常に重要なポイントではないかと改めて認識をいたしました。その部分については当然のように考えてしまっていて、それも議論する必要がある論点ではないかと思っています。

事務局のほうで、何かありますか。

○友行企画官 後ほど座長とも御相談させていただきまして、どのような形で検討していくか考えていきたいと思います。

○中田座長 片岡委員が言われたところは、十分に我々も認識しているということは事実ですけれども、この中で具体的な形で出していないというのは関連法規がどのような形で存在しているかという、どこにどのようなものがあるのか調べているというのがここでの主要な任務だったと思いますので、その点はまた議論させていただきたいと思います。

ほかにいかがでしょうか。森委員、お願いいたします。

○森委員 ありがとうございます。遅れて来て申し訳ありませんでした。もしかしたら御意見が出たかもしれませんが、資料2の24ページ「6 消費者生活相談員関係」なのですけれども、割と継続的に断続的に本会議でも出てきたことかと思いますが、C to Cのプラットフォームで取引について相談があったときに、ここに言うところの消費者安全法の2行目の事業者に対する消費者からの苦情に係る相談に応じること。それから、3行目の事業者に対する消費者からの苦情の処理のためのあっせんを行うことということで、事業者というのが出ていて、C to Cだとそれにはまらないから受けられませんねみたいな話があったわけですけれども、これが条文としてはこうですということですが、それは条文を一旦無視すれば、受けていただいていいのではないですかと消費者保護の観点から思うわけですけれども、あえて条文解釈に持ち込むのであれば、プラットフォーム上での取引の場合は、潜在的にはプラットフォームとの間の権利義務関係ということも問題になっているのだから、一見するとC to Cで消費者に対する消費者からの苦情に係る相談のように見えますが、そうではないから全部受けていいという解釈をここで明らかにしていただくことに意味があると思います。

○中田座長 ありがとうございます。

今の点、事務局のほうから、あるいは増田委員から何かございますか。

○増田委員 まさしく森先生おっしゃっていただいたとおりのことであって、この法律の解釈を変えるとか、拡張するということではなく、現在プラットフォームさんと消費者との関係で契約関係がありますので、消費者から御相談をいただいたときには、相手方に直接というよりは、まずはプラットフォームのほうに連絡を入れ、そこで事実確認をするという作業から入るというのが基本的な作業になります。これは明らかに事業者対消費者との関係ということで対応することでよろしいのではないかと思っています。ただ、それを明らかにするという意味で、何らかコメントを入れていただくということで理解が深まるかなと思います。

○中田座長 増田委員の御発言をこういうふうに理解してよろしいですか。現行法の解釈というか規定でプラットフォームの相談を単なるC to Cのものではなくて、事業者、消費者の問題であるということで相談を受けるということは、全く今の時点でも問題ないという理解です。ただ、現行法の規定ぶりでそれが十分に示されているかという点については、やや問題があるのではないかということですね。そういう理解でよろしいでしょうか。

○増田委員 問題があるとは思っていないのですけれども、広く皆さんに御理解をいただくという意味で、コメントを書いていただくのにはよろしいのではないかという意味です。

○中田座長 森委員は、規定をもう少し考えて変えたほうがいいという御意見でしょうか。

○森委員 いえ、特に変えていただかなくてもいいと思いますけれども、ただ、もともとの趣旨からすると別に「事業者に対する」と入っていなくても法律としてはでき上っている。そのほうが時流にはのっとっているかなと思いますけれども、別に法改正するのが大変であれば解釈論だけでもいいと思いますし、少なくとも今回の報告書としては、解釈を示してプラットフォーム上でのC to C取引についても対応できるんだということを明らかにしていただくことが重要だと思います。

○中田座長 ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。せっかくの機会ですので、どなたからでも御発言いただければと思います。

それでは、原田委員、お願いします。

○原田委員 細かいことで申し訳ないのですが、図のほうはC to Cと下のほうはなっていて、いわゆる個人間の取引をプラットフォームを介在して当事者間が契約をするというのは多分、これを指しているのだと思いますし、今回の議論だと思います。

17から18ページに資金決済法のことが書かれていて、エスクローについての注釈がここに書かれているのですけれども、逆に言ったらC to Cに該当しないようなものを、これは入らないですというものがある程度それも一つとして書いておいたほうが、何でかというと今、多い配信サービスの投げ銭みたいなものがあると、当事者間で契約しているのだか、デジタルギフトをプラットフォームで買っているんだか、誰を相手にしているのかよく分からないC to Cみたいなものがあって、そうすると投げ銭が配信者はお金で受け取れたりとかするものですから、そのようなものはなかなかこういうところのプラットフォームを通じたC to Cですというというのになじまないものもいろいろプラットフォームで多様化しているので、入ってきてしまうので、逆に言ったら対象でないものに関しても外見上は個人間なのだけれども、対象でないものもある程度視野に入れて、これは入っています、今回のものに入っていませんというのを考えてもいいのかなと思いました。

○友行企画官 御指摘いただきまして、そのあたりも考えて図にどういうふうに入れ込むのか、注で書くのかなど考えてみたいと思います。

○中田座長 プラットフォームの定義にも関わるような感じがしますね。ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。では、途中で休憩を挟む予定があったのですけれども、少し早目に休憩をさせていただいてという形にしましょうか。ほかに何かこの時点で御質問あるいは御意見ございましたら。

この後も議論を続けますので、それでは、3時05分まで休憩という形にさせていただきたいと思います。

(休憩)

○中田座長 それでは、再開をさせていただきます。

次に議題となりますのは討議です。第6回専門調査会において、これまでの議論を踏まえ参考資料1で、オンラインプラットフォームが介在する取引における消費者トラブルの状況と、オンラインプラットフォーム事業者の取組等について御議論をいただきました。ただ、少し積み残しになっている部分がありましたので、今日お時間をいただいて議論をしたいと思います。

それでは、事務局から、参考資料2の第6回の議論の概要について10分程度で説明をしてもらいます。

○友行企画官 それでは、参考資料2に沿って御説明いたしますが、全体の姿といたしましては参考資料1でございまして、9月25日の専門調査会のときでございましたけれども、事務局の資料をお出しした後、この討議ペーパーを出しまして御議論いただいたということでございます。そのときに御議論いただきたい事項がⅠからⅤまでございまして、Ⅴの海外プラットフォーム上における消費者トラブルにつきましては丸々積み残ってしまったのですが、本日は少し時間も経ってしまいましたので、そのときの議論を少し振り返る形で、全体につきましてどのような議論があったのか御説明させていただきます。

それでは、参考資料2でございますけれども、最初は消費者トラブルの内容につきまして、ⅠでB to C取引におけるプラットフォームが介在する取引と、インターネット直販における取引との間でどのような相違があるかといったようなことについて御議論いただいたのですが、その際にいただきました意見といたしましては、こちら議事録から抽出してきたものでございますけれども、例えばプラットフォームのほうが被害が大きいのではないかといった御意見でございますとか、直販に比べてプラットフォームを利用する方はブランド力や安心感に期待しているのではないかといったことでございますとか、プラットフォームが介在することによって問合せ先が増えるといったことなどで解決を促すことができるのではないかといったような御意見がございました。

また、そもそもスクリーニングをかけていることからトラブルが起こりにくいのではないかといった御意見でございますとか、法的義務の面でも安全性が若干補完されていると言えるのではないかといったような御意見もございました。

また、常時SSL化をしているといったことがあり、コストや手間等の面で直販は普及がいま一つというところがあるけれども、プラットフォームによればこれらの手間を事業者は省くことができるのではないかといったような御意見もございました。

一番最後のところでございますけれども、透明性の観点について海外の事情なども見ながら検討していく必要があるといったような御指摘もいただいたところでございます。

2ページ目にまいりますが、2段階認証のようなものを取り入れることも考えていいのではないかといったことでございますとか、あとはC to Cの場合であると集客の面で大きな役割をプラットフォーム事業者は担っているのではないかといった御意見があったところでございます。

3ページ目はB to C取引とC to C取引につきまして、消費者トラブルの相違とか特徴があるのかないのかといったところについて御議論いただきました。その際の御意見でございますけれども、C to C取引における例えば偽ブランド品などの出品などにつきましては、最初はCの体裁を装ったBであるということでございまして、結果としてB to C取引とC to C取引の間にトラブルの関係について差異はないのではないかといった御意見もございました。

レビューに関しては、取引件数も重要な指標になるといった御意見でございますとか、多くの商品を売っているCのふりをしたBの事案が存在するといったことについて、もう少し踏み込んだ考え方をするべきではないかといったような御意見もございました。

CがBに該当するかどうかということについては、現在、先ほど御紹介いたしましたガイドラインがございますけれども、フリマにおいても起こり得るということであるので、法制度で解決すべき問題ではないかといった御指摘もございました。また、関連で商品数だけでBと判断することは難しいのではないかといった御意見もございました。

CのふりをしたBはBとして扱うべきだが、特商法上の氏名・住所等を開示することが果たして妥当なのかということの判断も必要だという御意見もいただきました。また、一番下のところでございますけれども、プラットフォームを通して詐欺が起こりにくいような啓発やシステム上、安全性を担保するといった責任はあるという形で理解しているといったような御発言もございました。

また、法律関係を契約関係にある2当事者間の契約関係と見るのか、それとも決済システム等を含めて複合的な法律関係があるのかといった見方が両方あるのではないか。それによって考え方が変わってくるのではないかといったような意見もございました。

直接取引はトラブルが増えるため、プラットフォームを介して取引をしていただきたい。そういう理由をつけるためにサービスの改善を行っているという御意見もいただきました。

5ページ目につきましては、プラットフォーム事業者様の取組がどのような効果をもたらしているのかといったところについての御意見でございますけれども、現在、プラットフォーム事業者におきましては、より親切に自分のモールを選んでもらえるようにどうするかという観点で取組を強化しているのであるといった御意見でございますとか、プラットフォーム事業者様が何をしているかというのを目に見える形で広報していない、あるいは消費者がそれに気がつかないという点から、消費者には選択するという目が養われていないのではないかといったような御意見もございました。

エスクロー決済につきまして様々御紹介があったところでございますが、一本化はC to Cにおいては望ましい方向であるかもしれないが、B to Cにも当てはまるかというと、競争性の観点から必ずしもそうではないのでなはいかという御意見をいただいところでございます。

それから、大企業についてはかなり取組が進んでいる一方で、中小企業もしくは入れかわりの激しいところ、スタートアップ企業についてはどう仕組みに乗っかってもらうか、参加していただくかというのが難しい。認証制度などは画期的な手法ではないかといったような御意見をいただいております。また、うまくいっている制度の一つでISOといったものもあるというお話もございました。

親切レベルの話かも分からないけれども、決済関連の情報をモール側でも確認できることによって、もっとスムーズな補償のようなものができないかということも考えているといった御意見もいただいたところでございます。

6ページ、消費者トラブル(相談)の活用につきましても様々御意見をいただきまして、日々いろいろなところからツールを通じて問合せ等、日常的に入ってくるものを活用し、注意喚起をしていくといったことでございますとか、ベストストアの商品は掲載順が上位に表示されやすい設計にしていて、トラブルが多いストアは下に表示される。それがトラブルを防止する一つの方法であるといった御紹介もあったところでございます。ここにつきましては総じて皆様、いろいろなツールを通じてトラブルに関する情報を収集し、それを活用するといったことの取組があるといったことが、御紹介があったところでございます。

7ページ、先ほど少しお話が出てまいりましたが、消費生活相談員様の役割というところでございまして、そもそもC to Cに相談に入っていけるのか。その場合は考え方についての御議論を少しいただいたところでございます。相談員さんが間に入れないで終わってしまうといった傾向があるという切り出しの御意見がございまして、それにつきまして様々御意見がございまして、先ほど少し森委員や増田委員、座長からも御発言があったところでございますので、ここにつきまして御紹介は割愛させていただきます。

前回、9月25日の討議ペーパーにつきましては、それをもとにこのような御議論をいただいたところでございます。

以上でございます。

○中田座長 ありがとうございます。

それでは、この討議資料は、全体を通しまして、こういったオンラインプラットフォームが介在する取引における消費者トラブルの状況、そしてオンラインプラットフォーム事業者、事業者団体の取組という形で整理させていただいたところの資料ですけれども、この点について御意見がございましたらぜひ御発言いただければと思います。この点が問題であるとか、あるいはもう少しここを修正すべきだとか、あるいは書き過ぎているとかございましたら、また、まとめ方についても御意見がございましたらぜひお教えいただければと思います。いかがでしょうか。

○友行企画官 つけ足しで少し御説明させていただきたいところがございまして、お時間をいただければと思うのですが、今回、参考資料1で討議資料でⅠからⅤまで挙げておりますけれども、具体的に前回積み残ったところは、Ⅴの海外プラットフォーム上における消費者トラブルのところでございまして、今回これに関連いたしまして参考資料3をつけさせていただいておりますので、少しだけ御説明させていただければと思います。

参考資料3でございますけれども、これは消費者白書から抜粋してきた図表そのものでございますが、国民生活センターが越境消費者センターというものを設けておりまして、そこでの相談への対応の仕組みをこちらで図で御紹介しております。

例えば日本の消費者が海外の事業者等との間で何かトラブルがあった場合に、CCJに相談に来ますというところが①でございますけれども、そうするとCCJが相談内容の翻訳や伝達、解決策の提示などにつきまして、②の図でございますが、海外との消費者相談機関とやりとりをするといったことでございまして、そうすると海外の消費者相談機関が③の相談内容の伝達、解決策の提示を海外の事業者のところに持って行くことになり、それを通じて今度はまた結果が④といたしまして、その回答内容を翻訳、伝達するということがCCJのほうに戻ってまいりまして、それをもとに⑤のところで回答内容の伝達、アドバイスといったことで日本の消費者のトラブルの解決が図られるという、一応そういった仕組みが現在でも国センにおいて置かれておりますので、こういった仕組みも一つありつつ、今回の討議ペーパーのⅤの海外プラットフォーム上における消費者トラブルとして、海外事業者で相手方がある場合に消費者トラブルの解決が困難となる要因は何かといったことにつきまして、御議論をいただければと思っております。

以上でございます。

○中田座長 ありがとうございます。

例えば紛争件数の統計とかございますか。

○友行企画官 お付けはしておりませんけれども、平成23年から最初は消費者庁に置かれた仕組みでございまして、平成27年度から国センに事業が移管されております。データといたしまして立ち上がったころには年間1,000弱ぐらいの相談件数でございましたが、足元につきましては4,000から4,500件ぐらいの相談件数が毎年上がってきているところでございます。その解決率といたしましては、調べたところざっくりとした数字でございますけれども、おおよそ大体年間15%ぐらいというデータもございまして、あまりはっきりとは公表されておりませんが、ある文献によれば解決率は15%ということでございます。年間4,000から4,500件に対してそのぐらいのレベル感でございます。

○中田座長 ありがとうございます。

いかがでしょうか。今日もニュースで、あるアジアの国のアーティストのグッズとか、そういうものを海外サイトで買ったら、お金は振り込んだけれども品物が送られてこなかったという報道がありました。少額の事件でかなり消費者問題的な要素を持っているなと私は思って見ていたのですが、この点について何か御経験あるいはこういった形での解決が望ましいのではないかというような御意見はありませんか。今日は座長代理がまだ来ておられないので、後で、場合によっては座長代理が来られたときに御意見をお伺いしようかなと思いますが、いかがでしょうか。前田委員、お願いします。

○前田委員 今ってⅤについて議論するということですか。そこに限らずという理解か。

○中田座長 どうしましょう。まずⅤについて議論させていただいたほうがいいですか。せっかく説明をいただいたので、これはまだ積み残しで全く議論をしていなかったので、どういたしましょうか。

○友行企画官 どちらでも、座長にお任せいたします。

○中田座長 とりあえずせっかく今、御議論いただいたので、Ⅴのところで何か御意見ございましたら。それでは、畠委員、お願いします。

○畠委員 おそらく先ほど片岡委員も発言されたと思うのですけれども、それぞれの法律が海外の事業者に対してどのような適用関係になっているのかということの整理が必要だと思うのと、あと、先ほど解決が15%ぐらいというお話でしたが、そのパーセンテージにとどまってしまっている理由、もしトラブルを解決しようと思ったときに、あるいは各種の法律を執行しようと思ったときに、阻害理由となっているものは何かといったことの精査は必要なのかなと思いました。

○中田座長 御指摘ありがとうございます。

○友行企画官 それぞれ法律が海外の事業者にどのような形で適用しているかということにつきましては、少し検討させていただきたいと思います。

解決率のところにつきましては、あまり公には数字そのものは出されていないようでございまして、もし何か御存じのことがありましたら。

○中田座長 場合によってはどのような問題があるのかということもお話しいただければと思います。西村委員、お願いします。

○西村委員 職場のほうで隣がこのCCJの担当課で、我々の相談のお隣でCCJが今、働いているというところと、情報通信チームなのですが、そことCCJ、やはり情報交換しながらやっているという面があります。

CCJで受けているのはメール相談が中心になっているということと、あっせんをしているというよりはメールで助言をお伝えして、もし海外の事業者さんに解約のメールを送りたいのであれば、こういうひな形があるから送りなさいという助言をしているのが多いです。

あと、CCJのほうでよく入っているものについては、パソコンに警告メッセージが出て、海外の事業者さんらしき人とサポート契約をしてしまったという話で、本来であれば本当の警告ではないので、契約がそもそも無効なのではないかという論点はありますが、間に入っている決済代行とかに言うと、さらっとお金を返してきたりするので、対症療法的で抜本的な解決ではないのですけれども、とりあえずお金が返ってくるテクニック的なものの助言にとどまっているという部分はあります。そういうものだとか、iPhoneの当選商法です。iPhoneが当たったという表示が出て、いろいろな個人情報を入力するのだけれども、結局、海外の動画サイトの登録になっていたみたいな話とかについては、契約相手を特定し、メールを送って交渉するよう助言をします。いろいろな言語に対応しているわけではありません。そういう話が結構ボリューム的に入っているということは聞いています。答えになっているか分かりませんけれども。

○中田座長 それでは、原田委員、お願いします。

○原田委員 CCJの報告書に入っているぐらいの話なのですが、我々は昨年度まではCCJの構成部員でしたので大体中が分かるのですけれども、詐欺のものが多いのだと思います。全体の中のかなりの割合を詐欺的な、先ほど挙げていただいた事例もそうなのですが、半分以上が詐欺っぽい内容もしくは明らかな詐欺サイト。お金を払ったけれども、物が届かない海外のサイト、日本語でできている海外のサイト。越境の事業者と言いつつも、おそらくほとんどは、半分以上は日本語でできているサイトで、日本人を狙った詐欺みたいな感じでやっていて、そうすると結局あっせんということ自体が不可能に近い内容が多いのだと思います。なので、そうすると決済手段とクレジットカード会社さんのチャージバックだったりとか、決済代行会社さんとの交渉だったりとか、そちらのほうが実務的な解決になるので、だから決済手段のほうで解決している割合のほうが多くて、あっせんに本当にこの図にあるような海外の消費者相談機関に投げて、それで結果をもらって解決とするというのは、全体的な割合からしたらかなりの少数だと認識しております。

○中田座長 ありがとうございます。構造がわかってくる感じがしますね。そういうときには決済をしているクレジット会社とか加盟店管理になるのですかね。そういった問題として処理する必要が出てきたり、あるいは警察に協力を求めるとか、ウェブパトロールといったものを強化する必要があるということなのですかね。私も不思議だなと思うのは、こんなに詐欺的なメールが来るのに、どうして摘発できないのだろうかという点がいつも不思議なのですけれども、その点はなぜこういう摘発ができないのですか。もし何か御存じであれば。個人的な興味が入っているのですが、どうですか。

○原田委員 おそらく海外なので、我々として昔、海外の警察とかに、日本の警察から海外の警察、当局のほうに要請をしてもらって、それで解決をするみたいなことはあるのですけれども、ただ、それが実務的に日常的にたくさんできるかというと、なかなか難しいものがあるので、越境してしまうと越境先に対する取り締まりというのは事実上、極めて厳しい感じはします。

○中田座長 ルクセンブルクのヨーロッパ消費者センターに行ったことがあって、そこでは日本の消費者センターと情報交換しているという部分があって、そうだとすると今みたいな、おそらくサイトは日本人だけではなくて、グローバルな形で展開をしているのではないかなと思いますから、そういった予防的な処置がどこかでとられないとうまくいかないのです。そういう連携の組み方も予防の手段として必要かなと思うのと、他方でインターネットは世界に広がっていきますから、それをどういうふうに見るかというところにもかかわって、例えばそういった海外サイトをきちんとチェックするようなプラットフォームがあっても、そこだったら安心というようなサイトもビジネスモデルとしてあり得るのかなと思いますので、そういったものをどこかで生かしていけるような議論にできればと思います。

大橋委員、お願いします。

○大橋委員 直接にCCJに聞いたらいいのではないかという感じがするのですけれども、私も別に専門ではないのですが、多分、ぱっと見るところ消費者窓口は他国と連携をやっている国がある。アメリカ、カナダ含めて。だけれども、調査権とか執行権というのはどうもなさそうだというところなのではないかと思うのですが、だからそうした調査権などの執行権がないことが本当にいいのかどうかという話なのかなと思います。

以前、第6回でいろいろ苦情のリストをいただいたのを見ていたのですが、CCJのが入っているのかどうか分からなくて、ただ、CCJも苦情案件をお持ちだと思うので、そういうことを伺えばいいのかなと。もしここで議論するのであればですけれども、皆さん自分の経験の範囲内でお話されると何がベースになって議論になっているのか分かりづらいので、議論のベースだけ事務局の方できちんとしていただけると、もう少し生産的な議論になるのかなという感じがいたしました。

Ⅴに関して言うと、これも私は専門外ですが、消費者契約法を含めて法執行の域外適用の在り方がどうなんだという話も1つ論点としてはあるのかどうかというところだと思うのですけれども、これは海外事業者に対しての適用はないというか、できるのかできないのかというところも理解としてあまりないので、教えていただけるとありがたいです。

○中田座長 最初の点は、この問題を検討する上で統計資料等があったほうが、また、その苦情の具体的な内容があったほうがいいのではないかということで、もし可能でしたらそういったものも集めて御提示できればと思います。後ほど事務局と相談させていただきます。

2点目は、いろいろな局面があると思うのですけれども、おそらく日本法が適用される場面というのは、恐らく日本人が日本で取引していると、その限りで日本法が適用されると思うのですけれども、ただ、それを外国で執行するというのはかなり難しいことになるのかなと思います。この点については検討をきちんとしておいたほうがいいですね。これも早川先生に聞いて、きちんと整理しておいたほうがいいのではないかと思います。

○友行企画官 まさに先ほどの資料2の国際私法関係のところで少し御紹介した通則法や民事訴訟法の考え方のところだと思いますので、早川先生などにも御確認いただいたりとかすることが必要かなと考えます。

○中田座長 片岡委員、お願いします。

○片岡委員 この専門調査会でいろいろ発表をしているプラットフォーマーがどちらかというと日本のプラットフォーマーで、出店あるいは出品している人も基本的には日本の事業者、日本の消費者が多かったので、お伺いしたいのは、日本向けにやっているプラットフォームで、海外の事業者も多く入っているようなプラットフォームにおいて、例えば日本の事業者を中心としたプラットフォームとは違う何かトラブルが発生しているのか、あるいは解決が難しい問題などがあるのかという点はお伺いしたいと思います。

○中田座長 具体的に何か想定されているプラットフォームとかあるのですか。

○片岡委員 そうですね。多分、皆さんの頭の中には幾つかあると思うのですけれども、普通に例えばアプリだけではなく、ECでも買う相手が海外の事業者というケースがよくあると思いますので、その辺りで何かトラブル解決の課題になっていること、あるいは特徴的なことがあれば教えていただければと思います。

○中田座長 分かりました。それもまた事務局と御相談ということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

それでは、増田委員、その後、前田委員、お願いします。

○増田委員 はじめに検討していただきました法令等の整備のところにも関係するところなのですけれども、海外の旅行のプラットフォームに対する日本からのお願いということで、観光庁のほうで過去にまとめたものがあって、それに基づいて海外のサイトが大分修正して、見やすくしたというような経緯がありました。その辺のガイドラインもこちらのほうに取り入れて紹介したらどうでしょうか。日本の法律がこうだからお願いしますというベースなのですけれども、それによって改善された例だと認識しておりますので、有効ではないかと思います。

○中田座長 情報提供ありがとうございます。

前田委員、どうぞ。

○前田委員 先ほどの大橋委員の発言にも関わるところなのですけれども、まさに例えばAICJの会員になっている事業者の中にも海外事業者というものは含まれますし、シェアリングエコノミー協会様も、その会員様の中にも海外事業者は含まれているかとは思います。

AICJからも発表のところでお話をさせていただきましたように、エスクローも含めて例えばヘルプセンターやウェブサイトを通した周知などを行っている事業者もたくさんございます。せっかくCCJ様の取組というものもございますので、特にⅤの論点についてはそこら辺のどういう事例があるのかというところ、せっかくほかの案件に関しまして、国内の案件についてはすごく詳細な事例の集積を事務局で御用意いただいているところではありますので、その中で例えばCCJ様からのものであったりだとか、それに加えてCCJから見て、あるいは実際に越境の部分あるいは海外事業者に関わるところで特徴的なものなどがあれば、そこについても挙げていただいた上で議論をしたほうが、おそらく結局は国内事業者だったとしても海外事業者だったとしても、悪質事業者についてどうするのか。消費者の保護の対応がなかなか追いついていないプラットフォーム事業者について、悪質でなかったとしてもそこが不十分であるところについてどうするのかというところがメーンの論点に今後特になっていくかと思いますので、そこについて明らかにするためにも、そこについての情報収集があった上で、改めて議論ができればなと思います。

○中田座長 ありがとうございます。事業者の対象に応じた対応方法を考えた上で、情報収集をしていくといった方向で考えるということだったと思います。

森委員、お願いいたします。

○森委員 増田委員から御指摘のあった旅行業法とかの話なのですけれども、今、構成上、Ⅴの(1)と(2)で国際私法関係のみが扱われているということですが、国際公法ではないですけれども、公法の域外適用の話は当然あるわけでして、ほかのプラットフォームに関する検討会の報告書はものすごいその話をしているわけで、独禁法とかの話なので消費者保護の文脈ではないわけですけれども、なので消費者保護に関する公法の域外適用に関しては、もう一つ章を立てていただいて、今の6章を7にしていただいて、6章に公法の域外適用の話を入れていただいて、そこに先ほどの旅行業法の話もそうですし、特定商取引法の域外適用に関するガイドラインというものがありますので、それを入れていただいて、あとは製品安全関係法のインターネット取引における製品安全の確保に関する検討会報告書というものが平成29年に出ておりますので、それも含めて公法規制の域外適用の話を1項目入れていただくのがいいのではないかと思います。

○中田座長 御意見ありがとうございました。どういう形で議論を進めて、今みたいな情報を取り込むのかというのは、事務局と相談した上で検討したいと思います。専門的な議論になる場合に、この会議で全部できるかどうかについては事務局と相談させていただいて、どういう形にするか考えさせていただいてよろしいでしょうか。

○森委員 別に議論をしていただくという趣旨ではなくて、そういう検討が別のところでなされていて、海外事業者であってもウェブサイトで日本向けに製品安全関係法の商品を売る場合には適用があるとされている。そのような形で消費者が守られているのでということを紹介すればいいかなと思うだけなのです。

○中田座長 分かりました。そういう趣旨であれば十分対応できるのではないかと思います。またよろしくお願いいたします。

それでは、Ⅴだけで大分時間をとってしまったのですけれども、第6回の議論の概要について、ほかの点、前田委員からもしありましたら。

○前田委員 資料2の項目4に関係するところで、7ページに事務局の方々に丁寧にまとめていただいて記載があるのですけれども、2点目のところでおそらく第6回のときに少し議論があったところだと思うのですが、相談フォームで相談する際、どこどこの相談員に相談中ということが、この書き方だとそれが1つの、こういうふうに動いているという形で記載されているのですけれども、これはあくまでもおそらく事業者との関係で、まさに3番目のところにも関係するところなのですが、プライバシーに関わるIDの中身だったりだとか、具体的などういう事情があったのかというところについて、事業者も入っていかないといけないところになってしまうので、事業者側もそこについてなかなかセンシティビティーがあるところになるので、果たしてどういう形が要は実際に信頼のおける消費生活センターないし公的な機関が第三者機関として本当に入っているかどうかの確認については、いろいろな方法があり得るというところについては、おそらくこの第6回のところに議論があったかと思うので、その点について追記になるのか、どういう形になるのかは分からないのですけれども、そこについても議論が必要なところかなと思いますので、その点、付言させていただければと思います。

○中田座長 ありがとうございます。

何かございますか。

○友行企画官 前田委員の御意見、ありがとうございます。この後、実は本日の討議資料の中にも相談員さんの役割といいますか、相談業務のことにつきまして御議論いただく場面もございますので、そういう中でも少しまたお話をいただけたらなと思っております。

○中田座長 ありがとうございます。

今、積み残しのところで議論をしたので、Ⅴについてもし座長代理のところで何か言いたいことがあれば。議論の流れが分からないところで申し訳ないのですけれども、一応こういった資料が出ていまして、どのような形での提案が必要かということで、よろしいですか。全体の中で域外適用も含めて消費者を保護されている部分を報告書の中で書いたほうがいいのではないかという御議論をいただきましたので、そういう方向で今、考えています。先生、この部分が御専門なので、何か一言、言いたいことがございましたらどうぞということなのですが。

○早川座長代理 すみません、今、着きまして何が話されたのかまだ分かっていないのですが、CCJのお話があって、海外プラットフォーム上における消費者トラブルのお話があったとお聞きしましたので、私この分野が専門でございますのでCCJとの関係ですとか、それ以外の関係でも思うところを述べさせていただきます。

CCJ自体はヨーロッパにおけるECC-Netというものを参考にしてつくられたものでございまして、ヨーロッパにおけるECC-Netというのが、EC加盟国が自動的にいわゆるここで言うところの消費者センターに当たるようなところを用意して、それが相互にリンケージをすることによって自国に来た他国の事業者に対するクレームを、コンプレイント・ハンドリングの形で処理できるという形であるに対して、CCJはそれを一つ一つ海外のそういった協力をしてくれる機関を開拓して、バイでつくっていったものだと認識しておりますので、その関係で非常に御苦労があったけれども、しかし、一定の実績を示すようになっている。

特に最近顕著なのが、ウェブといいますか、PC画面用のサイトを用意していたところ、最近、スマートフォンのサイトに切りかえたところ、一気に1.5倍にケースが増えた、あるいはクレームが増えたというところを見ると、これを更に利用者に使い勝手がいいような形でつくっていくところは非常に大事かなと思っております。

その上で問題が幾つかございまして、1つはどうしてこういう仕組みが必要なのかというと、特に海外の事業者との関係で実際にほかに何か手だてがあるのかというと、裁判しかないわけでございます。しかし、皆様御案内のように国際的な訴訟というのは非常に大変でございまして、管轄の問題が仮に消費者の住所地ということでクリアするとしても、海外に対して送達をすることになりますと早くて3か月で、国によっては2年間かかることになりますので、そうすると訴訟が始まるだけで2年間待たなければいけませんし、海外の裁判制度と日本の制度の関係がどうなっているのか、あるいは日本でやるとしても海外の事業者のほうが外国の法律等を言ってきた場合どうすればいいのか等、いろいろな問題があって、実際に例えば500ドルの紛争のために国際訴訟を起こす人は実は誰もいないという実情で、そうしますと実際にはみんな諦めてしまって、その諦めるところが国際的な、あるいは越境的な消費者のネット取引に関してのある種のボトルネック、広がりのボトルネックになってしまっている。

そういった問題意識からECC-Netもつくられましたし、CCJネットもつくられているところが実情でございますが、これはあくまでコンプレイント・ハンドリングなので、相手方のほうが、なるほど、それなら返金しましょうとか、なるほど、それなら代替する製品を送りましょうという形で対応してくれればいいのですけれども、そうではない場合には機能しないわけです。

あるときの統計データで正確なところを私は述べられませんが、覚えている限りにおいては結構な数、半数近くは結構こういった仕組みでうまく解決してくれるのだけれども、1割5分とかその辺のところはもう相手方の業者が消えてしまっていて、その意味では裁判をやっても何をやってもどうしようもないようなケースというのはある。しかし、それ以外の2割、3割ぐらいのところというのは、両方の言い分にもそれなりの言い分があって、そうすると第三者による仲介ですとか、仲裁判断のようなものがないとそこから先は行けないという実情があって、その関係でいわゆる第三者が和解あっせんをする、あるいは判断をして、その判断に両者が従うような仕組み、ADRの仕組みをオンライン上で用意しなければいけないというところが今、問題意識として浮かび上がっておりまして、ちょっと前では国連で、今ではAPECのほうでまさに新しいODRの国家間での推進のためのプロジェクトが動いているという実情でございます。

先週の木、金にAPECのワークショップが大阪で開かれまして、大体80人くらいの専門家が集まって、国で言いますと20カ国近くの人がエキスパートも入れて集まったと思いますけれども、消費者安全のコラボレーティブ・フレームワークというものが採択されまして、うまくいきますと3月のチリのAPEC会合においてパイロットプログラムが動き出して、APEC地域におけるODRの提供というのが本格的な形で始まる可能性がございます。

そうしますとCCJ自身はB to Cで、今回のAPECは最初はB to Bから始めようということなっていますので、しばらくの間は関係ないと思いますが、いずれAPECのプロジェクトもB to Bから、うまくいくようだったらB to Cに今度は範囲を広げていくことになっていますので、そうするとAPECで共通のものとしてつくられている標準ルールのようなものが、CCJなりほかの消費者の越境紛争に対してオンラインでの解決手段を提供するようなプロバイダにどこまで採用が可能なのかということが問題になってくると思っております。ですので今、同時並行でCCJを更に改良するような形で問題解決できるような仕組みづくりが進んでおりますので、それについても何らかの形で情報共有ができるように御配慮いただけるとありがたいと思っております。

以上でございます。

○中田座長 ありがとうございます。

1つだけ先生に質問をしたいのですけれども、まず越境取引の場合、プラットフォームではなくて詐欺的な取引が多いと聞いているのですが、先ほどの議論の中でも出てきたのですけれども、そういったものに対する対応というのは何か考えられているのでしょうか。

○早川座長代理 先ほど言ったAPECでなされているものはODRの国際連携でございまして、そこにおいて実は紛争解決するだけではなくて、紛争の予防という観点からも非常に効果があるという議論がなされておりますし、ヨーロッパにおける実情などを見ますと実際にもそうであると言われています。

実際に苦情が来ると、苦情が来た製品とか紛争類型というのが、大体その年によって傾向があったり似通ったりしているのです。つい先週の木、金曜日に大阪で行われましたワークショップの中でも、カナダのほうでコンドミニアム・ディスピュートと彼らは呼んでいるのですけれども、そのケースが紹介されたときに、私はCCJの運営委員会か何かの会合に出たときに、そういえば日本でもあったなと。つまり日本でもハワイのコンドミニアムをハワイの旅行のときに、こんなに格安で、こんなに利用できますと言ってハワイのさわやかな青空のもとでついサインしてしまう消費者がいて、日本に帰ってきてこんな金額をというようなことが、カナダ人もやっているんだということが分かりまして、そうすると、そのような詐欺的というのは言い過ぎですけれども、ある種、消費者が困ってしまうようなトラブルというのは、実はハワイに行くのは日本人だけではないので同時多発的にいろいろなところで起きるんだなということが国際比較できるのです。

そうすると今どのような犯罪がここで起こっているということは、多分これは伝播して次のところにも行くだろう。そうすると予測が立ちまして、例えば消費者に関しての紛争ですとか予防に関して責任を持っている省庁の間での情報交換の中で、次にはこのような詐欺的なものから気をつけろというようなところが、事前告知できるというメリットがあるとも言われております。

ですので単に自国の中でCCJですとかODRのものをやるだけではなくて、それを各国で連携するとある種の紛争の傾向みたいなものがその年、その年によって違っていまして、あるいは決済手段としてあるときにクレジットカードがはやると、それに対して予防すると今度は銀行振り込みのやり方を推奨してくるので、そうすると今、銀行振り込みがはやっている。これはなぜかというと、実はこういう理由があってのような形の分析もいろいろできるのです。その意味で非常にここに集まってくる情報というものは、一方で個人情報である場合には管理等は気をつけなければいけませんし、様々なデータプロテクションの問題がありますけれども、当局も紛争の予防ですとか詐欺的なものの防止という観点でも使えるものだと今、考えられていると思います。

○中田座長 ありがとうございました。

今の早川座長代理の御発言について、何かお聞きになりたいところとかございますでしょうか。片岡委員、お願いします。

○片岡委員 ODRについて、まずはB to B、そしてB to Cという話がありましたが、C to Cはあまり海外では議論になっていないのですか。

○早川座長代理 なっております。ただ、プロジェクト自身が、APECのプロジェクトはアンシトラルのプロジェクトを引き継いでおりまして、アンストラルのプロジェクトがスタートしたのは2010年なのです。今から8年前のときのC to C市場というのは、多分、今ほどのインパクトはなくて、B to BとB to C両方カバーしましょうというところでそれをスタートして、今回のAPECの議論の中ではB to Cを削りましょうというところが主たるところなのです。

何でB to Cを削ったのかというと、何でアンシトラルのプロジェクトが途中で崩壊したのかということにもつながるのですけれども、B to Cについては各国の法制がかなり違いまして、特に事前に仲裁合意を結んだB to C紛争に関しては、日本ですと例えば仲裁法の附則3条において消費者側から仲裁合意の解除権が与えられております。しかし、そういうものを認めていない国もあるので、どちらをデフォルトルールにするかということでヨーロッパ側とアメリカで両陣営でもめにもめまして、最後にB to Bも含めて瓦解したというような経緯がありまして、まずB to Cを削りましょうというところで始まったのです。

C to Cに関しては、アンシトラルの議論の最終のあたりから、最近はC to Cがすごく拡大しているので、むしろC to Cについても明確に内容に入れるべきだという議論がございましたけれども、そのときはどちらかというとB to Cをどうするかということで皆の頭が持ってかれていたので、あまりC to Cについて意識的になされていませんでした。

今回のAPECのプロジェクトにおいてC to Cが排除されるかどうかについては、実はあまり明確になっておりませんが、B to Cだけ削るという意味ではC to Cは入れてもいいということになりますし、あるいはB to BだけにするということだとするとC to Cは今のところ入らないということになりますけれども、多分、次のチリ会合でその辺をどうするかについては、私も言われてみてそうだなと思いまして、明確にしてもらおうと思っています。

○中田座長 ありがとうございました。

いかがでしょうか。では、とりあえずはここでこの議論は一旦、論点はまだ十分に解決されたわけではないと思いますけれども、それも含めて次に前回、第7回、そして今日の前半に行った議論の内容を踏まえて、事務局から御議論をいただきたいという論点について資料を作成しております。

それでは、事務局から資料3ということで5分ほど時間いただいて、説明をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○友行企画官 それでは、資料3を御覧いただけますでしょうか。

まず御議論いただきたい点につきまして、こちらに記載させていただいております。

最初のところが「1 B to C取引について」とございますが、①では現行規定での対応状況とその問題点というような小見出しをつけておりまして、B to C取引において現行の法律・規程等を前提としつつ、消費者トラブルの未然防止、拡大防止等に向けてプラットフォーム事業者様はどのような取組を行うべきか、行えるのか。具体的にどのような場合に、どのような考え方に基づき、何をすべきかということについて御議論いただければと思います。

少し補足の説明といたしましては、現行法の規定の中でプラットフォーム事業者様のとるべき措置が明確に記載されていない場合であっても、そうした法律、規程等には目的ですとか趣旨などがある。そういった目的、法益に照らして現在の、または将来的な問題を解決するためにプラットフォーム事業者様がとるべき措置があるかどうかということを検討していただいたらどうかということでございます。

また、プラットフォーム事業者様が直接の契約当事者でないとしても、一定の場合には契約当事者として一体となって取組を行う必要があるのではないかといった考え方もございますし、また、プラットフォーム事業者様は欠陥のないシステムを構築して、サービスを提供するべき義務を負うとされた判決もあるということでございます。

プラットフォームが介在する現在の取引においては、プラットフォームに様々な情報が集積されているといったような特徴もございますし、これらの情報はトラブル防止、解決に直結する。こうした情報を保有するプラットフォーム事業者様が積極的に関与することで、効率的に紛争を解決することができるのではないかといったことも踏まえながら、御議論をいただければと思っております。

★のところでございますけれども、現行の規程の中でプラットフォーム事業者様がとるべき措置を定めていると思われる規定がある場合でも、それらが既存の法律、規程等の法目的や保護法益に限定されている。現状にそぐわないものとなっている状況があるかどうか。また、そうした場合に現行の規定のままでよいかどうかといったことでございます。

1つ目がこちらでございまして、2ページ目の②のところでございますが、こちらにつきましては現行の規程を少し超えたところでございまして、取引の信頼性を高め、維持するために例えばBと一体となってプラットフォーム事業者が行っている取組が存在しているのかどうか。こうした取組がどのような問題があるかということ、プラットフォームの運営にとって不可欠な取組という形で理解できるかどうかといったところでございます。

また、B to CのBとC両方も含めた三者全体を1つのシステムと見て、プラットフォーム事業者様が行うべき取組として想定できるものがあるのかないのかといったところも、御検討いただければと考えております。

2番目のところにつきましてはC to Cでございまして、先ほどのたてつけは似ているところがございますが、もし規定があるとして、考えられる規定の範囲内で消費者トラブルの未然防止等に向けてどのような取組を行うか。こうした場合に例えばプラットフォーム事業者様は欠陥のないシステムを構築して、サービスを提供する義務を負うとされていると理解した場合に、どのような場合に何をすべきか。そうした場合、どのような規定上の根拠があるかというところでございます。

②につきましてはC to C取引における両方側のCそれぞれに係る現行の法律、規程等につきまして、トラブルの未然防止、拡大防止の観点から課題と考えられることはあるかどうか。また、CとBとの境界線をどのように考えるかといったところでございます。

③につきましては、プラットフォーム事業者様が介在するC to C取引において、現行の規程を超えて信頼性を高め維持するために、提供者Cと一体となって行うべきことはあるか。もしくは三者を一体と見て行うべき取組があるかといったところでございます。

大きなところは1番、2番でございまして、3ページ目の3番のところは消費生活相談に係るところでございまして、これまでも少し何回か議論をいただいておりますけれども、プラットフォーム事業者様が介在するC to C取引において相談員様が相談に応じること、あっせんを行うことについて、現行規定上、問題なく対応できるのか。それとも何らかの立法的な対応が必要かどうかといったことでございます。

①でございますが、考え方といたしましてC to C取引において相談員様が相談、あっせんを行うということは、先ほども少しお話がございましたけれども、プラットフォーム事業者様を通じて提供者C、利用者Cとの間のトラブル解決を図るといった考え方、そういった理解でよいかといったこと。

それから、②につきましては、こちらは少し細かい話にもなりますが、C to C取引において相談者が事業者ではないこと、それから、相談者Cの取引相手がBであるのかCであるのか、そういったことを確認することもそもそも可能か。可能であるとしたらどのような方法で行うことができるのかといったこと。

③でございますけれども、プラットフォーム事業者様と提供者Cを一体と見て、提供者Cとプラットフォーム事業者様、それを一方として消費生活相談員様が相談者Cと事業者との消費者トラブルの解決を図ると見ることについてどう考えるかといったような論点を掲げております。

以上でございます。

○中田座長 ありがとうございました。

この項目自体はかなりざっくりと書いてあるのですけれども、ただ、この議論というのは大きな論点がそこにあるということで、プラットフォーム自体の取引関係をどういうふうに見ていくのかというようなことにも収れんしていく論点ではないかと思っています。

個々の論点、まだ総論的な部分が抜け切っていないのかもしれませんが、意見交換をぜひさせていただきたいと思います。その際、先ほど資料1及び資料2のところで質疑をした部分がございます。そういった部分も踏まえて御議論いただければと思います。いくつか項目がありますので、1、2、3ぐらいな形で分けさせていただいて、議論をしていきたいと思います。

これまでの議論をまとめた形で御発言いただいても構いませんし、新たな観点からの御発言あるいは問題提起でも構わないということでございますので、御意見あるいはこの点はこういうふうに考えるべきだという提言等がございましたら、ぜひ御発言いただければと思います。今回、皆さんの意見をできるだけ聞きたいということで、こういった時間を設けさせていただいておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。

片岡委員、お願いします。

○片岡委員 今日の討議は、前半で今の法制度を確認した上で、それらとの関連でどうかということを議論するのではなかったのでしょうか。

○中田座長 そうですね。それが第1の目的ですが、それ以外の観点からも何かございましたらどうぞ。

○片岡委員 そう考えたときに、これまでいろいろ御説明してきたような取組をなぜやっているのだろうかということを考えてみると、オンラインプラットフォーム自体がどうかというよりも、B to Cの話ですが、オンラインプラットフォームの中に入っている事業者が、ここに書いてある法律を守ってもらうのが当然だと考えていて、その環境が整っていることがプラットフォーム自体の信頼性とか顧客保護とかにつながるはずだと思って取組をしているので、そういう意味では、その規定の中でBに対してこういう法令の規制があるというところが明確になっているので、それをオンラインプラットフォームの中にいる事業者に守ってもらうにはどうしたらいいかというところを、プラットフォーマーとしては考えているというのが正直なところです。だからプラットフォームに対して、何か規定が直接関係するからどうなのかというところとは少し違うなと感じています。

○中田座長 プラットフォーマーがどのような形で傘下にいる事業者に対して法令を遵守させていくかということに関心があるということですね。そのときにお聞きしたいなと思うことがあるのですが、それは、どのような形でそういった情報を提供するのがいいのかということです。もちろんプラットフォーム運営者としての情報提供があると思うのですが、これは法律ですので、その法律の知識をどのようにプラットフォームに参加している事業者に伝えるのが適切かという点では、何か御意見がございますでしょうか。

○片岡委員 私もこの仕事を始めてから知ったのですけれども、本当に様々な法律の規制があって、事業者に対する適切な情報提供が難しくて、逆に実際の店舗で商売をやっている事業者もこんなに詳しくないのだろうと思いますが、基本的にはプラットフォームの中にいる事業者のどのぐらいの割合の者に関係する法律なのか。場合によっては行政の力も借りながら、例えば最近オンラインで「こういうことが問題になっているので、ここについて事業者に情報提供してほしい、注意喚起してほしい」と言われれば、そこに加えたり、あるいはそのための情報提供をオンライン上で出店者にしたりというようなことをしています。

ただ、本当に細かい法律の規定とか、数多くある出店事業者の中で1店舗、2店舗ぐらいしかかかわりがないような法律というのもあったりします。例えばよくあるのが、ある法律を管轄している省庁からすると、出店前に全部これを遵守していますというのをチェックさせてはどうかという話があったりします。例えば特商法であれば、等しくオンラインで商売する事業者にかかわってくるので、こちらで特商法に沿った表記ができるようなフォーマットを用意することは比較的やりやすいのですが、あらゆる法律のあらゆる項目についてチェックリストを作らなければいけないとなると、そんなものがあるなら逆にくださいと言いたくなります。その点は非常に難しいと思うのと、それもやはりオンラインプラットフォームがどこまで事業者のサポートをすればいいのだろうというのは、非常に悩ましいところです。

○中田座長 今の点いかがでしょうか。例えば法務相談という観点から森委員のところで何かございますか。

○森委員 やはりプラットフォーマーが恐れるべきは、提供者が違法な行為をしたときに、提供者はもちろん違法な行為をしたから責任を負うわけですけれども、それがプラットフォーマーの責任でもあるというふうにされることが問題なので、どちらかというと事前にどういうことをやるかということは個々のプラットフォーマーに任されていると思うのですが、事後的に例えば商標権侵害の情報がアップロードされていたのだったならば、削除請求を受けたら削除するとか、そういうところをやるべきなのであって、そういったことの総体がプラットフォーマーのとるべき措置であって、それはプラットフォームの性質によって異なりますから、なかなか一概にこうだとは言えないのではないかというのが私の印象です。

○中田座長 ちょっとしたアイデアとなるのかどうか分からないのですけれども、例えばプラットフォーマーのほうが、これはちゃんとビジネスモデルとして新しいものなので、弁護士さんのところで法務チェックを受けなさいよとか、そのようなアドバイスをして、法務チェックを受けたらちゃんとプラットフォームの中に入っていいですよという形というのはあり得るのでしょうか。

○森委員 ちょっと前に伺った話ですけれども、クラウドソーシングみたいなケースはいろいろなサービスをプラットフォーム上で提供しますので、例えば安全なところでは写真を送ってくれれば、似顔絵を描いてあげますとか、翻訳をしてあげますということで私もちょっと使ったりしたのですが、アドバイス系は結構危なくて、場合によっては病気についてアドバイスをしてしまったりとか、民事紛争についてアドバイスをしてしまったりとかいうと、いろいろな業法に抵触してくる可能性があるわけです。

ただ、それが今クラウドソーシングって結構な市場規模があると思いますけれども、それがプラットフォーマーの責任になったことがあるかというと、あまり個人的には聞いたことはなくて、違法なものは見つけたらやめさせるということをプラットフォーマーとしてやっているというのが現状で、世の中の個別に個人がそういう方向にやらかすことはもちろんあるわけでして、例えばQAサイトで病気のアドバイスをしたり、そういうものが非常に悪化してひどくなると申し訳ないのですけれども、DeNAのキュレーションメディアみたいになるのだと思うのです。あれはまさにプラットフォームが責任を問われたのだと思いますが、他方でプラットフォーム自身も、DeNA自身もいろいろな情報発信をしていたので、それはやむを得ない。自分でもやっていたということです。

むしろ純粋に参加提供者の行為が違法であったことによってプラットフォームが責任を問われるパターンというのは、本件で想定しているECではほとんどないと言っていいのではないですかね。これが結構な頻度で起こるのは、マッチングプラットフォームではない非マッチング型の掲示板に名誉棄損情報をアップロードする。プライバシー侵害をアップロードする。そのときに掲示板管理者が責任を負うというパターンはたくさんあると思いますけれども、なかなかECではあまり、あるいはシェアリングエコノミーではあまりなかったかなという気はします。

○中田座長 先ほどの片岡委員の発言の中で、事業者に法律を守らせるという観点でプラットフォームが動いている部分もあるということでした。ただ、事業者としては自分で自ら事業を行うわけですから、自分の行為が法令に合致しているかというのは、その責任としてまずはチェックしなければいけない。ただ、それをどういうふうにチェックするか。プラットフォーマーがチェックするのか、あるいは事業者自身がチェックするのか。

そのときに私がお話したかったのは、法律の専門家にそういったチェックをさせるということが、つまり事業者がやっていることを事業者自ら法律の専門家にチェックしてもらうというような段階を入れることは可能なのかどうかという問題で、そういうことをやれるかどうかという質問なのですが。

○森委員 大変失礼いたしました。それはよくある話で、例えばこの出品は適法ですか、これはもしかしたらわいせつ物ではないですかみたいなものは、それは非常によくあります。

○中田座長 そういうものをシステムとして入れることは可能なのでしょうか。これも費用の問題とも関わると思うのですが、例えば利用の約款のチェックとか、そういうものがチェックを経てプラットフォームあるいは事業者のウェブサイトに上がってくるという段階があるのか、それとも全くそういったことは関係なく利用規約ないし取引条件というのが上がってくるのか。そういうのはどういう形になっているのかお聞きしたいなと思ったのですが。

○森委員 もしかしたら物によるのかもしれませんけれども、私がアドバイスをしているプラットフォーマーでは、出品自体は別に一旦、プラットフォーマーの確認を経ることなく、各個別の参加提供者が出品し、後からプラットフォーマーが巡回して発見されて、これはグレーなのではないかと思ったものを法律事務所に投げてくるというパターンです。

○中田座長 その前には事業者がそういった法令をチェックしているかどうかという問いについては、プラットフォーマーとしては全くチェックはしていないということになるわけですね。

○森委員 個々の出品については、アップロードされる前にチェックしていることは一般的にはないのだと思います。商品のカテゴリーによってはそういうものがあるかもしれません。

○中田座長 片岡委員、お願いします。

○片岡委員 これは取組の中でもお話をしましたけれども、出店審査はやっていて、個々出品をアップロードする前にチェックするわけではなくて、どういったものを扱いますか、それに対して必要な許可を持っていますか、ということは確認しています。ただ、逆に実際の店舗運営者は、どうしているんだろうというところもあるので、やはりどこまでプラットフォーマーが頑張るのかというところは課題です。

楽天市場の場合、例えば何か商品を削除しなければいけないというときも、こちら側で消すのではなくて事業者に消すよう要請して、出品者自らの責任で商品を管理してもらうというところを重要にしていて、期日までに消さなかったらお店を閉めるというようにしているのです。あまりにプラットフォーム側が、特にB to Cの場合、プラットフォーム側が介入し過ぎると、逆に出店者の責任に対するインセンティブが減ってしまいそうな気がして、そういうところも気を遣いながらやっているところはあります。

○中田座長 座長代理、お願いします。

○早川座長代理 事前に例えば法令を遵守しているかどうかチェックするようなことを組み込むことによって、どこまで現在生じているような、あるいは生じる可能性があるような問題について防止できるかという話だと思うのですけれども、結構悲観的でして、それはなぜかというと前提として現実としてプラットフォームに集まってきて、いろいろな商売をしようという人は、悪辣な業者ばかりが集まっているわけではないので、みんなそれなりにはちゃんと守ろうと思っていて、うっかりしていたりとか、それって法律的にどうなのということがよく分からないままにやってしまっているということだと思うのです。

今、出てきている話の中では公的な規制があって、その規制に違反しているという場合と、司法的に売り手と買い手の間のある種のミスマッチか何かがあって、そこでトラブルが発生する場合と2パターンあると思うのですが、公的な規制の観点からいくと実際にはグレーのものがすごく多いわけです。一体これって本当にここの条文に違反しているものなのかどうなのかよく分からないというものが結構あって、例えば以前に経済産業省で製品安全に関しての同様の委員会といいますか、あったときも結局そこもよく分からないので、むしろ経産省のほうが積極的に、この商品は経産省としてはだめだと思っているという情報をちゃんと出してもらわないと、一体それがいいのか悪いのかもよく分からないというようなことを言われていて、しかし、それは一回一回全部確認することは事実としては不可能なので、そうすると出回ったときに何かトラブルがあったときに経産省が情報提供して、これはやはりだめですよといって初めて、それがあるからこそプラットフォーマーが自信を持って事業者の側にそれは扱わないでくださいと言えるし、事業者もそれなら仕方がないねということで納得の上で消すことができるということになるので、結局、処理は事後的に生じざるを得ない。

また、先ほど言った後者の紛争類型といいますか、問題類型の私的な紛争の問題も、結局は個々の取引自体は有効といいますか、合法なものであるのに、ただ、両者の間にミスマッチがあったり錯誤があったり、いろいろなことがあって売買が不満足なものになってしまっているときに、これをどうやって解決するかという問題は、まさに事前にどうこうすることはできないような話ですので、そのときに事後的にどういう仕組みをつくるかということが多分、現実的には解決の道だと私個人は思っております。

ですので、とても全ての法令を事前にチェックさせるなんてことはできないし、また、それが仮にできたとしても、それによって解決できない問題類型というのはあるので、やはり現実的には多くの取引はほとんど問題なく成立するわけですから、コスト面においてもそれを全部事前に審査することは明らかに社会的な無駄とも言えるわけで、問題が起きたときに、あるいは問題が指摘されたときに、どのような解決手段を与えることができるかというところが多分、今、オンライン取引がこれだけ拡大している中で一番の問題で、そのときに誰か、言い方は悪いですけれども、それに対して有効な手だてを打てるような情報を持った人がいるとしたらどなたなんですかというと、プラットフォーマーなのではないのというところが社会的に意識が高まっていて、なおかつ、これは言い方が悪いですけれども、プラットフォーマーの方はそこの場を提供することによって、ある種の利益をいただいているという見返りもあるので、そこで現在、社会的なところから法的な何かの責任というものは、立法なのかもしれませんけれども、生じないのでしょうかという話になっているのではないか。私はそのように世界を認識していまして、その観点からいくと事前の話ではなくてむしろ事後の話、事後にどれだけのものを提供できるかが大事かなと思っています。

○中田座長 畠委員、お願いします。

○畠委員 先ほどの資料1等で薬機法ですとか旅館業法というものは掲げていただいていて、例えば既に薬局を営んでいるとか、旅館業を営んでいるという方々が、プラットフォームに出てこようとした場合に、これらの法律を全て適正に行っているかどうか、専門の方にチェックしてからでないと出てこられないとすると、それはさすがに無駄なのではないかと思います。

○中田座長 増田委員、どうぞ。

○増田委員 早川先生のおっしゃることは、そうかなと思いつつも、消費者あるいは消費生活相談員の立場からの意見としては、事前にどれだけのことができるかということをある程度、明らかにしていただきたいと思います。これまでどういう取組をしているのかということは情報としていただいていると思いますけれども、果たしてそれが全てのプラットフォームにおいてなされているかということになると、また違うお話だと思います。ですから今、きちんと取り組まれている中で、どうしてもこれは必要なことであるということについては、全てのプラットフォームにやっていただきたい。それによって消費者がそこを選択することになりますし、また、旅行業をやっている、あるいは旅館業をやっているというようなところがいきなりオンラインで始めるといったときに、何も知らなくていいわけではなくて、やはり勉強しなくてはいけないので、その際にはこういうことを勉強してくださいという情報提供が最低限できるわけです。それをするかしないか、したかどうかという確認ができないとしても、してください、そうでなければこのプラットフォームには載せることはできませんという前提を置くこと自体が大事なことではないかと思います。更に言えば、抑止効果があるのではないかと思いますので、1つのプラットフォームだけがよければいいということではなくて、全てのプラットフォームに一定レベルになっていただきたいということであれば、そういうことをやっていただかなければいけないのかなと思います。

○中田座長 ありがとうございました。

森委員、どうぞ。

○森委員 私としては今の早川先生と増田委員の御意見なのですけれども、ある意味でプラットフォーマーがあまりにも様々であるということは1つの問題で、最終的には消費者がダメージを受けて民事訴訟になって、そのときにプラットフォーマーの責任が問われるのだと思うのです。プラットフォーマーとしてやるべきことをやったか。それは本当に商品にもよりますし、プラットフォーマーの形にもよります。先ほど私、一律にチェックしてから出品しているようなものはないのではないですかと言いましたけれども、もしかしたらApp Storeがそうではないですかね。ではAppleが偉いのかというと、それはそんなことはなくて、Appleのスマートフォンのユーザーは基本的にはApp Storeからしかアプリをダウンロードできないわけです。それで莫大な利益を得ているわけですから、そこに危険なアプリが入っていれば、それはしかるべき責任をとってもらうという話にもすぐになる。それを回避するために、アプリというのはなかなかスタティックなものではないのでチェックも難しいのですけれども、一定のチェックをしているということなのではないかと思うのです。

だから事後的にそういう私のところからしかダウンロードできないよとか、あるいは手数料が高いよということになると、当然事後的に負うべき責任も増えるので、それを回避する手段として個々のプラットフォーマーが自分たちの法的リスクに応じた対策をとっているというのが現状なので、一律にルールを設定してうまくいくような感じはイメージとしては難しいかなと思います。

○中田座長 ありがとうございます。

この点についての御議論はいかがでしょうか。片岡委員、どうぞ。

○片岡委員 先ほどもお話がありましたけれども、業法を含む法令違反という面でのトラブルと、民民間の取引において契約がうまくいかなかったというトラブルとは、分けて考えたほうがいいというのが1つと、特に法令違反かどうかという話でいくと、おそらくプラットフォームによって事前対応と、途中と、事後処理にそれぞれどのぐらいリソースをかけるかというのは、バランスが違うところがある気がしていて、楽天だと結構事前の対応に力を入れている。事後処理へのコスト負担を減らしたいからというような観点でやっているようなところもあれば、おそらくほかのところでは、事前対応はそんなにやっていないけれども、何かあったらすぐお金を返すというようなやり方をしているところもあるのではないかと思います。だからそこら辺はよく考えないと、どこかだけやれば解決するとも限らないかもしれないなと思いました。

○中田座長 どのような形が信頼を勝ち取るビジネスモデルなのかというようなところもあるのではないかとお聞きしていて思いました。

前田委員、どうぞ。

○前田委員 特にB to Cの話で、もしかしたらC to Cには当てはまらない話なのかもしれないですけれども、少なくともB to Cについては、プラットフォームとかにおいては要は取引をしている事業者も事業者なわけです。それぞれについて法的義務を負っているということにはなっていて、おそらくここにも、図にもあった利用規約の中にも基本的に提供プラットフォームを利用して提供される事業者は、それぞれの各国の法律あるいはそれぞれの業に合わせた法律をきちんと守ってくださいねというのが利用規約に書いてあるのがほとんど。利用規約なのか、それが何かしらのウェブサイト上での告知なのかどうかという差はあるかもしれないのですけれども、それはもちろん書いてあって、それに違反すれば、基本的には最終的にはサンクションとして契約を切らせていただきますということが、なので早川先生などがおっしゃっていた事後的な対応というところにつながるのかもしれないのですが、そこについて事前と事後の対応をどこまでやるのか、バランスが大事になってくるかなと。そこは慎重になる必要性があると思います。

といいますのも、もちろんプラットフォームにおいてもそれぞれの置かれた状況に合わせて負うべき責任というのはもちろんあるかと思います。各事業者においても、そもそも事業者として事業を行っている時点で自動的に守らないといけない法律がそもそもありますし、それも各事業者がそれぞれ意識を持ってやらなければいけないというのはもちろんありますし、プラスそれが利用規約の中でも基本的にはちゃんとやってくださいよ、さもなければ利用規約を切ってしまいますよ、プラットフォームを使えなくなってしまいますよというところでのある意味、二重のといいますか、そこでの担保はあるので、何をどこまでチェックするのかというところも、今の話を踏まえて考える必要性はあるかなと思います。

○中田座長 ありがとうございます。

いかがでしょうか。どうぞ。

○早川座長代理 もしかすると言葉が足りなかったかもしれないのでちょっとだけ追加をさせていただけるとすると、事前規制というものが必要だというのは私は全く否定しているわけではなくて、それは当然で、いろいろな事業者が仮にシードとしてもいろいろ負っていなければいけないということです。ただ、問題は事前に規制されているものを、プラットフォーマーが審査する義務というものを与えるべきなのかどうなのかというところで、そうすると1つはコストの問題を考えなければいけない。もう一つは、それは同じ話の延長線上なのですけれども、それを義務づけることによって新規参入者が非常に大変になってしまって、EC市場の拡大といいますか、そういったところについてどういう影響を与えるかということも考えなくてはいけないということです。

さらに先ほども私から申し上げたように、よく分からない法規はいっぱいあるのです。特に新しい新規ビジネスであればあるほど、それが当たるのか当たらないのかも分からないわけです。そのときにとりあえず当たりそうだからやめたほうがいいという形になってしまうと、新しいビジネスチャンス、イノベーションをそいでしまうかもしれないという問題が結構あって、そうだとすると私は焦点のほうを、事後のところについては少なくともちゃんと面倒を見るというところは義務付けないとまずい。でもそうすると先ほど片岡委員がまさに言ったように、事後のほうであまりいろいろな形で責任を負いたくないというふうに考えると、事前のほうを頑張るという人は当然に出てくるわけですし、そこはそれぞれの体力とかポリシーに応じてやっていただければいいのではないかというのが私が申し上げたかったことです。

○中田座長 ありがとうございました。

大橋委員、どうぞ。

○大橋委員 先ほど増田委員がおっしゃった点と重なるかもしれないのですけれども、一理あるかなと思うのは、先ほど前田委員がおっしゃったようにプラットフォームが利用規約をきちんと事前に見ているというところがあって、ただ、そこの規約というものに関して私的な自治が行われているわけですけれども、国のほうも、公の立場で私的自治の最低限守られるべきところというのは守られているので大丈夫ですよねというところを担保する意味での事前のものというのは、全然制約になっていないはずです。普通にやっていれば。そういう公的な仕組みがあること自体は悪いことではないし、まさに増田委員の御心配のところも、きちんと包含されるということなのかなと思います。

○中田座長 ありがとうございます。

ここの議論もまだまだ、そういったプラットフォームに義務を課すような方向性の議論もあるわけですけれども、なぜそうしなければいけないのかという根拠をもう少し詰めていく必要がある論点ではないかと考えています。今後考えていくことにしたいと思います。

それでは、1のところは大体よろしいでしょうか。後で意見があるということであれば発言いただくということで、この間、議論になっておりましたC to Cをどういうふうに見るのかということについてですが、この点について先ほどの論点整理のところで出てきた部分、皆さんどのようにお考えなのか、あるいは御意見いただければと思うのですが、いかがでしょうか。

○原田委員 C to Cなのですけれども、やはりエスクローシステムを踏まえて何かB to Cに比べてC to CのCは匿名性が高いので、詐欺的な人とか悪意のある人も一定数は入れ込んでしまう。それが事前でそげないというところも一部発生するのは仕方がないことだと思うのですが、やはり決済の部分というのがC to Cの場合は当事者同士、匿名でやっていたりとかしますので、当事者同士で解決しろというのはほぼ無理であるというところを考えれば、決済のところに頼らざるを得ない。

逆に言うと海外のプラットフォームでC to Cをやっているところでは、結構決済の部分で解決に乗り出したりとか、逆に言うと1回、払われてしまってもチャージバックのように後から本人から取り上げるみたいな判断をしてしまう。実際に売り上げを払ったのだけれども、取り返してもらいますからねということをやるような決済が提供されていたりとかするのだと思います。クレジットカードと一緒です。なのでC to Cの場合は決済の部分と切って切れないプラットフォームだと思うので、その割には先ほどの法律の整理でも割販法と資金決済法というのがありましたけれども、エスクローもそれに入らない。そういうふうになっていくと実質上ほとんどない状態で、各社さんがいろいろ工夫を凝らしてやっていらっしゃるというところで、C to Cに関してはある程度のプラットフォームさんで、決済の部分を中心にして被害救済を図っていただくというようなところが論点の一つとしてあるのかなと思っております。

○中田座長 ありがとうございます。

その決済システムというのは、プラットフォームがつくっている形の決済システムということなのでしょうか。それともクレジットカード会社がつくるようなシステムもあると思うのですが、いずれを問題とされているのか。両方かもしれませんが、ちょっとお教えいただければと思うのですが、いかがでしょうか。

○原田委員 どちらかというよりかは両方ともだと思いますけれども、なかなかクレジットカード会社さんにC to Cで持っていったときに明らかに物が届かないというのは別だとしても、プラットフォームさんが入っている以上はプラットフォームに言ってくれと。じかに販売店が消えてしまって連絡不能になりました、詐欺の事業者でしたというのではなくて、プラットフォームが介在してのクレジットカード決済だったりするので、そうすると多分プラットフォームに言えとカード会社は判断されるケースは、ケース・バイ・ケースだと思うので一概にこうだというのはないのですけれども、なりますので、そうするとやはりプラットフォーム側の判断というのがある程度はいいのかなと。

○中田座長 振り込みというのはどうなっているのですか。

○原田委員 プラットフォームに振り込む。

○中田座長 というかC to C間でもしプラットフォームが介在していても資金決済のときに振り込むという形をとるケースはあるのですか。個人間の取引についてですが。

○原田委員 多分プラットフォームの払い方は複数あるので、10種類ぐらいあるのだと思います。クレジットカードとかコンビニ払いとか電子マネー、プラットフォームさんが発行しているポイントとか、後払い代行とか、そういうものを入れていったら10種類ぐらい今、提供されていらっしゃいますので。

○中田座長 ポイント払いだったら例えば返ってこないとか、そういうケースもあるのですかね。私はよく分からないのですけれども、あるときポイントも使って商品を買って、商品に欠陥があったので解約したのですが、そのポイント部分はそっちでかぶってくださいと言われて、仕方がないかなとかぶったことがあるのですが、そういうのは戻ってこないというのがありました。私の個人的な経験で申し訳ないのですが。

○原田委員 多分ポイントというのは、前払い式支払手段ではなくて、買い物に付随してもらえるポイントみたいな、ああいうポイントのケースですと実質上はポイントのルールにのっとる感じで運用されているのではないかと。

○片岡委員 結局B to Cでも同じではあるのですが、C to Cの場合に一番問題になるのが、最終的にその取引が民事的にどういう決着をするのかというところがなかなか決まらない、決められないという問題があるのです。それこそポイントであろうがお金であろうが、どちらかに戻すべきという決着になったのであれば、そちらに戻さなければいけないのですけれども、それをどちらともつかない状態になりやすいことがあって、そのときにプラットフォーム事業者としてもどう解決したらいいかという判断が正直とても難しいのです。例えば売買契約が完全に取消しになったとか、そもそも無効だということがはっきり分かるのであれば、それに従ってどちらかにお金を渡すなどすればいいと思うのですけれども、それをどちらにしたらいいか決まらない場合が、C to Cの場合はあって、その場合に誰がどうやって判断したらいいかというところが一番困ることなのです。ですので、先ほど海外でODRがどうなっているのかというのが気になったのは、そこに対していい仕組みなど、もし海外で事例があるのであれば、そういうのも参考にできるのではないかと思った次第です。

○早川座長代理 今、一番成功例はeBayで、eBayは当然C to Cなわけですけれども、そこでODRの仕組みを早くから取り入れて、決済のシステムを組み合わせているわけです。つまり、いろいろなパターンがあり得ると思いますが、前払い式の決済システムがeBayで使える、あるいはそういうC to Cのプラットフォームで使えるようにしたときに、そこに紛争が起きた場合においては、自動的に紛争解決のシステムが働いて、第三者が判断をしたらその判断に従ってもらう。従わなくても結果的にはその決済システムを使ってAの口座からBの口座にお金が戻されるような形を強制させれば、そこで完結してしまうわけなので、そういった仕組みがC to Cだからこそ必要。まさに片岡委員がおっしゃったとおりだと思うのですけれども、なので発達させて、さらにそこの専門、開発した人たちがスピンアウトして、そのままODRの形でどのプラットフォーマーにも提供できるような形で成長させている。現在、その関係の紛争というのは全アメリカの紛争、訴訟件数よりも多くなっているということですので、ODRは非常に成功を見ていて、それは必要性があって、なおかつ、その必要性に対して需要を満たすような形でサービスを提供できているからだと思います。

○中田座長 今の質問なのですが、そこでは具体的な関係を明らかにするという形になるのですか。

○早川座長代理 それは要するにコストと受けることのできるサービスとの関係で、もしも完全に真実を明らかにするぞ、頑張るぞということになるとすると、裁判もやって証人尋問もやってみたいな形になりますけれども、果たして1万円、2万円、5万円のためにそこまでやるかということです。そうだとすると、両当事者にこの手続に従うという手続的な合意をさせた上で、その合意のもとで例えば書面審理で1回だけ両当事者については主張することができます。その主張の範囲で出た判断については、両当事者に従ってもらいますという形で行うことによって、コストを削減させて、もしかしたらめでたさも中くらいなのかもしれませんけれども、ゼロよりましだという形で運用されている。

実際に顧客サティスファクションをとると実はすごく高くて、ODRを組み込んだほうがリピーターが高いというふうに言われていまして、そうだとすると実際にアンシトラルの場でODR規則について議論を重ねていたときに、いろいろな国が、うちの国ではこういう要請があるから、だからこういう手続も組み込んでもらわなければだめだとかいろいろやってくると、手続規則は最初シンプルだったのに、奇怪なまでの複雑なものになっていったのです。それは私は反省で、つまりいろいろなことを言ってデュープロセスを完全なものにしていくとすると、多分すごいいいものはでき上がるのだけれども、そのために紛争解決は1年、2年かかるし、そのためにコストは5万円のために500万かかることになるので、それは多分ばかげている話なのだと思いますから、ある程度のところで割り切るというのも、そして、そのための紛争解決システムなり事後的なサービスをつくるというのは、非常に大事なのではないかと思います。

○中田座長 ありがとうございます。

私はマレーシアに行ったときに、消費者裁判所というような制度があって、そこで今みたいな紛争もおそらく解決できるのだろうと思うのですけれども、ちょっと違った裁判システムを使う可能性もあるのではないか。これは私の個人的な経験というか、そういったシステムの在り方というのは考えてもいいのではないかと思います。

それでは、上村委員お願いします。

○上村委員 早川先生に追加で質問なのですけれども、eBayの事例で日本のフリマサービスでは大体エスクローシステムを採用して、お金を預かっているので、その間に当事者間の話を聞いて、どちらがというのがわかればどちらかにそのお金を戻すなり払うなりするのですが、eBayでもそういった形で預かった上でODRをやっているのでしょうか。

○早川座長代理 eBayの細かいところは今、手元に資料がなくてすぐお答えできないのですけれども、原田さんとかだめですか。

○原田委員 おそらく支払方法はPayPalとかを使ってしまうので、決済は終わってしまってからの取り上げだの何だのということを判断する。

○中田座長 普通の銀行のそういった振り込み手続でも簡単に戻せる仕組みはないのでしょうか。外国のシステムの中では戻せるシステムはあるのです。つまり、いつまでだったら戻せる。異議申立てしろとか、そういうのもあるので、そういうシステムについては使えないのかなと思った次第です。

○原田委員 当然、申立期間とかは決まっているので、何日以内というふうにはなっていると思います。クレジットカードのチャージバックの期間とほぼ似たような期間だと思います。

○早川座長代理 さっきの御質問が答えにくかったのは何かというと、エスクローとは何かということが私の中で迷いがあって、つまり先ほど原田委員から御説明いただいたように、決済は終わっているのだけれども、戻せる決済というと、それは結局、決済システムを提供している。これはPayPal自身は今はスピンアウトしていますけれども、かつてはeBayの一部だったりしたわけですが、そこ自身は広い意味のエスクローなのです。なのでそうすると今まさに座長がおっしゃられたように、例えば銀行口座システムはそういうものを使えば理論的にできるのではないか。そのとおりなのですけれども、そうすると話がでかくなりますよね。つまり、そのような銀行のシステム自体を変えてもらうというのは大きな話であるのに対して、とりあえずこのC to Cのプラットフォームを使う限りにおいては、このような形である種の前払い式の決済システムみたいなものを使ってください。これを使う限りにおいては、その管理をプラットフォーマーあるいはプラットフォームがスピンアウトしているので、そうすると一定の場合には紛争が起きた場合には戻せます。では紛争はどちらが結局勝つんですかということについては、最終的な判断も含めて、こちらのほうでそういう手続を責任を持って提供しますというのが姿だと思います。

○原田委員 多分ウォレットみたいなものだと思います。今で言うところのウォレットみたいな口座をつくって、そこにチャージされているので、そこで判断によって動くということです。

○中田座長 決済の安全性をどういうふうに確保するかという問題だと私は思いますので、またこれは議論をしていく必要があるのではないかと思います。

それでは、時間の関係で3つ目の論点に入りたいと思います。消費生活相談については大分議論をさせていただいたので、ここで時間を更に使うということは必要ないかなと思うのですが、②のところです。相談者Cが事業者でないこと、あるいは相談者Cの相手方がBまたはCであることをどうやって確認するのかという論点がありまして、このあたりの実情等をもしお教えいただければありがたいなと思うのですが、相談の現場ではいかがな状況でしょうか。もし何かありましたら。西村委員、お願いします。

○西村委員 BのようなCの判断はほぼほぼできるのですが、CのようなBは自己申告いただかないと分かりません。曖昧なまま、何となく相手が事業者っぽいので入ってしまうと、最悪C to Cで両方に消費者センターがつくというあまり考えたくない事情も出てくるので、CなのかBなのかというのはきちんと判断したいと思っています。

○中田座長 森委員が議論していただいたように、一体的にB、Cという議論を前提にするのではなくて、まずはプラットフォームが介在していたら相談を受けるという形に今のところはなっているという理解でよろしいでしょうか。増田委員。

○増田委員 はい、そういう理解でよいかと思うのですけれども、CかBかというのはプラットフォームのほうに登録するときの仕方で違うと思うのですが、そのプラットフォームでそれが正しいかどうかという確認をどの程度しているかという問題と、取引の回数が特商法のガイドラインに出てくるような回数で適切なのかという問題というのは、最後まで残ると思います。ただ、基本的にはCとBの確認は消費生活センターではできない。プラットフォームによる情報によって判断せざるを得ないという状況だと思います。

○中田座長 プラットフォーマー側ではどのような感じでしょうか。今みたいな理解のもとで紛争解決に関わるということでよろしいでしょうか。


≪3.閉会≫

○中田座長 それでは、時間が残りわずかとなったのですが、全体的にこの議論をどういうふうに方向づけていくかという折り返し地点くらいになっている、そういう回を迎えていますので、今後の論点の整理あるいは方向性を含めて、私のほうから少しお話をさせていただきたいことがあります。

これまで議論してきたのは、オンラインプラットフォームに介在する取引における提供者、購入利用者、プラットフォーム事業者、行政等の役割分担の考え方でした。また海外の状況についてもヒアリングを幾つか行っていますし、今後もしていきたいなと思っているのですが、そういった整理をしてきたところではないかと思います。その中で、オンラインプラットフォームが介在する取引におけるルールづくりあるいは仕組みの在り方について、かなり議論を積み重ねてきました。さらに財・サービスの提供者、それらの購入利用者、プラットフォーム事業者等それぞれが果たすべき役割、これまで幾つか提案あるいは議論がなされ、また、実際にどのようなことをやっているのかというのも確認してきたところではないかと思います。そのあたりを取りまとめていきたいと考えております。

皆さんも御案内のように、他省庁におけるプラットフォーム取引をめぐる検討について、幾つかの報告書が公表されています。例えば現在パブリックコメントを募集している報告書、皆さんお目にしているのではないかと思いますが、デジタルプラットフォームをめぐる検討会の中間論点整理案というようなところを見ますと、プラットフォーム事業者と利用者をめぐる取引実態が、そんなに透明なものではない、やはり複雑さがあり不透明な部分があるのではないか。あるいは不公正な取引慣行あるいは取引方法等が用いられているケースもあるのではないかということが指摘されています。我々もそういった問題点は把握しているわけですが、そうした報告書でも何らかの対応策を検討しなければいけないということが指摘されているところです。

もちろんその点は、私たちの観点というのは消費者被害の防止あるいはトラブルの解決というわけですから、視点が違うのですが、プラットフォーム運営事業者の責任という観点、これまで電子商取引等の準則等で示された方向性とは違った形の方向性ではないかと思います。やはりプラットフォームがつくっている事業体というものが、ある程度の責任を負っていかなければいけないのではないかという方向性が、そういった論点整理案等でも見られるところではないかと思います。

いずれにせよ、そうした動きを当専門調査会としてもしっかりとにらみつつ、なお消費者が関わる取引ところでどのような問題があるのかということを引き続き検討していきたいと思っています。

そこでは、そういったトラブルの解決に向けた仕組みをどういうふうに構築していくかということが、1つの論点だろうと考えています。その中でも消費者と事業者との間には情報の質、量及び交渉力等の格差、実際の力の格差があるということが前提になるのだろうと思います。その中でマーケット、市場を健全なものにしていくためには、消費者の力が必要であり、その力を発揮させるには消費者の自主的、合理的な選択の機会をきちんと確保することが必要ではないか、そのための道具立てを考えていかなければいけないのではないかと考えています。それらが今後の議論を進めていくときの視点になるのではないかと思っております。他省庁での議論がありますので、そういった部分も参考にしながら今後、議論を深めていきたいと思っております。

簡単でしたけれども、私からのステートメントというか、宣言にはならないですが、本専門調査会の方向を示させていただいたということにしたいと思います。

今日は長時間どうもありがとうございました。また次回よろしくお願いいたします。

本日は閉会とさせていただきます。

(以上)