第24回 公益通報者保護専門調査会 議事録

日時

2018年12月26日(水)10:00~12:05

場所

消費者委員会会議室
東京都千代田区霞が関3-1-1 (中央合同庁舎第4号館8階)

出席者

【委員】
柿崎座長代理、浦郷委員、亀井委員、川出委員、後藤委員、中村委員、林委員、春田委員
【オブザーバー】
消費者委員会 高委員長、池本委員長代理、鹿野委員、樋口委員
【消費者庁】
高田政策立案総括審議官、廣瀬消費者制度課長、大森消費者制度課企画官、
消費者制度課担当者
【事務局】
二之宮事務局長、坂田参事官、友行企画官、消費者委員会事務局担当者

  ※なお、柿崎座長代理の崎は、正しくは立つ崎、高委員長の高は、はしごだか 

議事次第

  1. 開会
  2. 取りまとめに向けた検討について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○柿崎座長代理 本日は、お忙しいところ、お集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから第24回「公益通報者保護専門調査会」を開催いたします。

本日は、事情により、山本座長が急遽御欠席となりました。したがいまして、山本座長に代わりまして事務進行を務めさせていただきます。

本日は、取りまとめに向けた検討の2回目でございます。前回、方向性を変えるような大きな御意見は出ませんでしたことから、本日は前回の修正箇所を中心に御確認、御意見を伺いたいと思います。そして、最終的に座長一任とするところまで取りまとめていきたいと思っております。それをもって座長に御確認いただき、その上で専門委員会としての取りまとめの報告書とさせていただければと思っております。

座長からもそのように進行するように申しつかっております。

それでは、配付資料の確認をさせていただきます。

お配りしております資料は、配付資料一覧のとおりとなっております。不足がございましたら、事務局までお願いいたします。よろしゅうございますか。


≪2.取りまとめに向けた検討について≫

○柿崎座長代理 それでは、議題に入りたいと思います。

先ほども申し上げましたように、前回の御意見を踏まえた上で、前回からの修正箇所を中心に皆様の御意見を伺っていきたいと思います。

では、最初に事務局から資料の御説明をお願いいたします。

○友行企画官 それでは、お手元の資料でございますけれども、本日は資料1といたしまして、前回からの見え消し版を御用意しております。

資料2といたしまして、見え消しを溶け込んだ形での資料を御用意しております。資料2につきましては「おわりに」の後ろに参考資料1から5までを付けておりますセット版となっております。

資料3でございますが、こちらは報告書の本体を基に作成いたしました報告書の概要案となっております。前回もこの概要案は付けておりましたが、特にまだ本体のほうが完全に御議論いただく前でございましたので御説明はいたしませんでしたけれども、本日はこの概要案につきましても御確認いただければと思っております。

それでは、資料1に基づきまして、前回からの変わったところを中心に御説明させていただければと思います。

最初にお断りでございますけれども、この見え消し版におきましては脚注を引っ張っているところが何カ所もあるのでございますが、見え消しとしている関係で脚注の番号が中で数カ所、若干ずれているところがございます。そちらにつきましては、溶け込み版のほうで御確認いただきますとずれなく正しく引っ張ってきているような形になっておりますので、その点につきましては最初にあらかじめお断りさせていただきたいと思っております。

それでは、中身に入りたいと思います。

資料1でございますけれども、変わったところを中心に御説明いたします。

最初のところ、6ページ目のところでございます。図3のところでございますが、(1)内部通報制度の導入割合とのころでございまして、グラフを2本、お付けいたしております。前回、300から1,000人といったところのグラフでは表示がなかったのでございますけれども、本文に合わせるような形で300から1,000人までのところでは導入割合が70.5%というところがはっきり分かるように、1,001人から3,000人というところも追加しているような形でございます。

(3)の内部通報制度導入事業者においても整備状況は様々といったところの図のところでございますが、こちらにつきまして赤枠で囲っているところが前回は下半分のところでございましたが、重要なところは上の半分のところにも関わってくるというところでございまして、グラフの中身自体は変えておりませんけれども、着目していただくところ、目立たせたいところを少し変えるというところで赤枠の囲みを変えたところでございます。

次のところでございますが、ずっとおめくりいただきまして論点のところに参ります。個別論点のところ、13ページ目から始まりますけれども、変えたところでございますが、まず最初のところは15ページの下の脚注のところでございます。「例えば、下請代金支払遅延等防止法において」というところでございまして、対象となる取引の範囲を取引の内容及び、その下の段の資本金区分を参考にして、ここの記載は特に指摘はございませんでしたが、記載を正しく書くといった趣旨から付け加えたところでございます。正確性を期するといった観点からの修正でございます。

16ページに参ります。「(4)役員等であった者、取引先等事業者であった者」のところの記載でございます。こちらにつきましては、役員であった者、取引先事業者であった者を通報者の範囲に含めるかどうかというところの議論の関わりでございまして、ここは役員等であった者の形と取引先等事業者であった者というのを少し書き分けて書いております。

下半分の2段落目の「また」以下は取引先事業者であったところでございまして、大きく記載ぶりの変更はございませんが、役員等につきましては、少し詳し目に丁寧に書いております。役員等は事業者の内部事情をよく知り得る立場にあり、過去に役員等であった者についても通報者として保護することで通報を促すことが法令の遵守を図る上で重要であるということでございますが、他方で、在任中の役員等については、内部での是正措置の前置が求められる。退任後の役員等についてはどのような保護要件を課すかというような問題もあるというところでございまして、そのため、過去に役員等であった者については、これらの点も踏まえ、今後、必要に応じて検討を行うべきであるといった形で整理させていただいております。役員と取引先事業者を少し書き分けるといったところでございます。

「(5)その他の通報者」のところでございますが、「集積」を「蓄積」といたしまして、これは字句修正でございます。

「2 通報対象事実の範囲」のところでございます。

「(1)刑事罰の担保による限定」の柱書のところ、柱書の記載ぶりは一切変えておりませんが、通報対象事実の範囲に追加すべきであるという3行目のところの終わりに脚注として付けております。

ここの脚注ですが、この見え消し版では7となっておりまして、下のところを御覧いただきますと、これに対し、どのような規制違反行為が含まれているのか、一覧的に提示されない限り、曖昧なものが含まれるおそれが払拭できないとして、上記マル1、マル2を通報対象事実の範囲に追加することに反対する意見もあったというところを引っ張ってきております。この脚注自体はもともとあったものでございます。今回、変わりましたところは、その柱書の方向性のところに脚注を付けたというところでございます。

この趣旨でございますけれども、刑事罰の担保による限定につきましては、マル1、マル2のところの事実については通報対象事実の範囲に追加すべきであるというように方向性は出しております。その方向性を出すというところは変わらないのでございますけれども、必ずしも全会一致ではないといったところが分かるといったこと、そこの方向性を出した上で、そういった反対意見にも配慮するといった趣旨で脚注のところにこういった記載を付ける、脚注を付け、こういったところを引っ張ってくる、そういった趣旨の修正でございます。

17ページに参ります。2段落目の「したがって」というところの脚注のところが赤くなっておりますが、これは引っ張ってくる脚注の番号が変わっているところでございまして、実質的な修正はございません。

「(2)法目的による限定」のところでございますが、2段落目の「他方で」というところで2行目から、通報対象事実について処分または勧告等をする権限を有する行政機関に対する公益通報とここは加えておりますが、これは2号通報の定義を加えたというところでございまして、内容に関わるといったところではございません。

18ページに参ります。「(3)規定の方式」のところでございますが、こちらにつきましても柱書のところに脚注の10というものを付けております。この柱書自体は内容を変えておりません。対象となる法律を特定目的の法律に限定しない場合には、対象となる法律を列挙する方式を取りやめるべきであるといった形では変えておりませんが、ここに新たに脚注を付けております。

脚注自体は18ページの10のところに引っ張ってきておりますように「これに対し、明確性の観点から」というような記載を付けておりますが、この脚注の内容自体は変えておりませんが、先ほどの修正の意図と同じでございまして、こちらも全会一致ではない、反対意見があったということに最大限配慮したぎりぎりの書き方というところでこういうような記載にさせていただいているところでございます。

説明のところの1段落目の終わりに脚注のところの引っ張ってきている色が変わってきているところがございますが、これは内容が変わっているところではございませんで、番号が変わっているところでの赤くなって変わったという、そういったところだけの修正でございます。

19ページに参ります。「外部通報の保護要件」の「2号通報の保護要件」のところでございます。こちらのところにつきましては「イ 具体的な緩和の方法」のところにつきまして、最初の1行目でございますが、こちらのところは1号通報の定義を書いたというところでございまして、先ほどのところの趣旨と同じで内容に関わるような修正ではございません。

その柱書の「おおむね合意した」の後に脚注の13というところを付けております。これは前回からの意見も踏まえまして、この19ページのところの脚注にございますように、13、この点について、予見可能性があり、合理的な緩和方法を見出せる前提で合意する意見もあったというところでございます。おおむね合意したというような方向性は変えておりませんけれども、こういった前提でというような御意見を前回いただきましたので、脚注のところに落とし込んでいるといったところでございます。

脚注の12というところが付いておりますが、「このほか、2号通報の保護要件を緩和した場合に」というところでございますけれども、こちらはもともと本文の中にあったものでございます。前回の意見でこのところについては本文よりも脚注に落とすほうがふさわしいのではないかというような座長の御意見等もございまして、それを踏まえて本文に合ったものを脚注に引っ張ってきたというところでございます。

また、少し付け加えれば、この脚注の位置も前回はアではなくてイのところに入っておりますけれども、これ自体はアのところに置くのが適切だというところで、脚注を付ける場所自体も変更しておりますが、脚注の中身自体は変わっておりません。

20ページに参ります。イのところからつながっております説明のところでございます。これは2号通報の具体的な緩和の方法のところでございまして、具体的な緩和の方法につきましては要件を緩和する、真実相当性を緩和するという話と一定の事由に該当する場合、それをもって緩和するといった場合の2つの事柄を説明のところには書いておりますが、そこを少し書き分けてきちんと整理するといった趣旨で少し赤字、修正を加えております。

最初のところでございますが、説明の第1段落目の最後のところ、こちらについては要件の緩和、真実相当性のところを少し変えるというような書き方のところの説明でございますが、もっとも、こうした要件の差をどのように法文上で表現できるかという点については、法制的・法技術的な観点から整理が必要といったような修文を付け加えております。

「また」以下のところでございますが、これは前回からの御意見も踏まえまして、第3条第3号イからニに該当する事由がある場合や、それから、事業者において内部通報体制が整備されていないと外形的に判断される場合には事業者への通報によって不正の是正が図られると期待することは難しくということで、赤字のところを追加する形にしております。

こちらにつきましては前回の議論を踏まえて追加しているところでございます。そして、その「また」以下のところの最後の脚注の14のところでございますが、こちらも前回からの意見を踏まえて追加しておりまして、一定事由について、2号通報について緩和するといった場合には、行政が何らか判断することができることが必要ということも踏まえまして、なお、2号通報に係る調査措置義務との関係で、権限を有する行政機関において判断が可能な要件となるよう、法制上及び実務上の対応が求められるといったような脚注を追加しているところでございます。

その下の「但し」のところでございますが、これは先ほど御説明したように、現在は本文ではなくて脚注の12のところに落とし込んでいる、本文ではなくて脚注に移動したというような修正でございます。

「(2)3号通報の保護要件」のところでございます。こちらの最初の一文のところは3号通報の定義を加えたものでございます。通報対象事実を通報することがその発生またはこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められるものに対する公益通報(以下「3号通報」という。)ということでございまして、定義を加えたものでございまして、内容に関わるところではございません。

21ページのほうに参ります。21ページの「イ 特定事由」の説明のところの一番最後の段落「そのため」から始まるところでございますが、内部通報体制の整備義務の内容の下に、客観的・外形的に判断することが可能な要件についてのところでございますが、一番最後のところ、おおむね合意したというところの最後のところに脚注を加えております。前回の御意見を踏まえまして、この点について退職者への周知等を行うことが難しい場合も想定されることに配慮すべきであるとの意見もあったというところでございます。

「(イ)財産に対する危害を追加すること」のところでございまして、こちらも前回の意見があったところでございます。

財産に対する危害のうち、「例えば」というところを加えまして、回復の困難性だけではなく、その多数性というところについても一定の考慮に入れるというような御意見があったことから、例えばというような修文案がございましてこちらに入れさせていただいております。

この関係でございますが、22ページの説明のところでございます。最初の「また、財産的な被害については」から始まるところでございますが、回復の困難性のほかに消費者安全法等の消費者関係法令を参考に、被害の多数性もあわせて考慮すべきであるとの意見もあったというところでございます。この「併せて」というところを付け加えさせていただいております。

また、さらに脚注の16でございますけれども、こちらも御意見のあったところでございますが、22ページの脚注のところでございます。この点について、被害の多数性のみを考慮要素とした場合、いわゆるBtoCの取引を行う事業では、あらゆる事案が対象になってしまうことを懸念する意見もあった。BtoCといいますのは消費者向けの事業を行うビジネスモデルの場合ということでございますが、そういった場合にはということでこういった御意見がございましたことから、脚注に加えているところでございます。

22ページは終わりまして23ページ目のところに参ります。こちらにつきましては「4 通報を裏付ける資料の収集行為に関する責任」のところでございます。こちらの柱書のところでございますが、当該収集行為に関する責任の有無についての実務上の運用の周知を進めるべきであるということでございまして、付け加えましたところにつきましては、特に内容の変更と申しますよりは文言を分かりやすくするというような趣旨の修正でございます。これと同じ文章を説明のところにも付けております。内容を大きく変更するといったようなことの修正ではございません。

23ページ、24ページは特にございませんで、25ページ目のところも特にございません。26ページもございませんで、それから、27ページのところでございます。「履行すべき義務の内容」のところから始まってくる説明のところでございます。脚注の20番のところにつきまして追加をさせていただいております。ここにつきましては、体制整備義務に反したときに履行すべき義務の内容として、例えば26ページのマル1からマル4にございますように、内部通報を受け付ける運用でございますとか、周知する運用、情報共有を必要最小限にとどめる運用等々、4つほど挙げておりますが、そのことについて、さらにそれに加えまして説明の3段落目のところでございますが、履行すべき義務の内容について指針を策定することとしと続いた後に、上記マル1からマル4の運用が機能する体制として考えられる具体例を示すとともに、その組織ごとの事情に応じて柔軟な体制をとり得ることを示すべきであるということの脚注といたしまして、内部通報体制の整備に関して、その開示の重要性を指摘する意見もあったという形で付け加えさせていただいております。非常に重要な論点ではございますが、専門調査会の場で深く議論したわけではないということもございまして、脚注に落とした形でこういった記載ではどうかということで整理させていただいております。

同じく「エ 義務の履行を確保するための措置」のところでございます。2段落目の通報を理由として通報者に不利益取扱いをした事業者に対する行政措置と一体的に運用されることが想定されることに鑑み、行政措置の種類には同様に、助言、指導、勧告及び公表とすべきである。この方向性自体は変えておりませんけれども、その後に脚注といたしまして21番を付けさせていただいております。

前回からの意見を踏まえまして、これに対し、公表まで導入することに反対する意見や、執行体制の実態等に照らして合理的な措置内容とすべきであるとの意見もあったというところを付け加えているところでございます。

28ページに参ります。上の「もっとも」のところでございますが、ここにつきましても御議論がございました。消費者庁は地方支分部局を有さず、公益通報者保護法や労働関係法令に関する執行実績もない。そのため、こうした行政措置を導入するに当たっては、適正で円滑な執行に向けた体制を構築していくことが不可欠であるということでございます。もともと円滑な執行に向けた体制というところでございますが、議論を踏まえまして、「適正で」というのを加えさせていただいております。

従来、円滑な執行体制というような、この円滑なという言葉の趣旨でございますが、関係行政機関との連携ですとか協力といったことを意味合いとして持っておりました。さらに今回、適正なというところを加えましたのは、公平性の観点でございますとか二重行政にならない、そういったことも踏まえて適正に行うべしといったような意味も込めて適正なというところを加えさせていただいているところでございます。

28ページはそのほかにございませんで、29ページ目のところでございます。29ページ目のところは下の「守秘義務」のところでございます。前回、ここにつきましても御意見をいただいております。守秘義務を課すことの是非につきまして、この専門調査会としての方向性としては、今後、必要に応じて検討を行うべきというところでございますが、非常に守秘義務につきましては重要なところであるというような御意見をいただきまして、まず最初に付け加えましたところは、1行目のところ、労働者等は公益通報に際して、このあたりは文言の整理でございます。情報が漏えいし、解雇その他不利益な取扱いや嫌がらせ等を受けるおそれがあることを強く懸念しており、「強く懸念しており」というようにいたしまして、そして、この後の段落のところでございますが、最後のところでございます。内部通報を促進するという観点から、通報窓口の担当者その他通報対応に関する業務に携わる者に守秘義務を課すべきことが考えられ、本専門調査会では、これに賛成する意見が多かった。このあたりは修文させていただいております。

ここの段落の「以上のように」のところから始まる段階でございますが、以上のように、通報窓口の担当者その他通報対応に関する業務に携わる者に守秘義務を課すことについては、現時点で様々な意見があるが、まずは事業者における内部通報体制の整備義務として、通報者を特定可能な情報の共有を必要最小限の範囲にとどめる運用を求めることとし、担当者個人の守秘義務の法定については、今後、必要に応じて検討を行うべきであるといったところにつきまして、前回の御意見を踏まえまして追加しているところでございます。

30ページのところはございませんで、31ページ目のところでございます。最初のところ「これに対し」というところがございますが、これは前回のところでは脚注にあったところでございます。これを本文に上げてはどうかというような御意見がございまして、こちら、本文に上げているところでございます。上げている文章自体は脚注にあったものをそのまま上げているところでございまして、その内容自体は変わっておりません。

「2号通報先」のところで脚注を引っ張っているところは、その脚注番号がずれているという、ただ、その点だけの変更でございます。

32ページ目のところは特にございません。

33ページ目のところも特にはございません。9の(2)のところで条文を適正に直したというところで赤字がついているところがございますが、内容に関わるところではございません。

34ページでございます。「10 不利益取扱いをした事業者に対する行政措置、刑事罰」のところでございます。

最初の「(1)行政措置」のところでございます。こちらの柱書のところの方向性としては変わっておりません。行政措置の種類としては、助言、指導を行うほか、勧告を行い、勧告に従わない場合には公表を行うことができることとすべきである。ここ自体は変わっておりませんが、脚注を付けております。

28でございますが、先ほどのところと同じような書きぶりでございまして、これに対し、公表まで導入することに反対する意見や執行体制の実態等に照らし、合理的な措置内容とすべきであるという意見もあったというところでございます。

説明のところでございます。説明のところにつきましても、この柱書に付けた脚注と同じものを引っ張ってきているというところでございます。

説明の3段落目のところでございますが、「もっとも、当該調査や事実認定は困難性を伴う一方」というところ、こちらにつきましては付け加えております。前回も脚注のところに、これに対し、行政機関において適切に調査及び事実認定を行う体制を構築することといったところでこういった文言がございましたことから、当該調査や事実認定は困難性を伴う一方というところを頭のところに加えております。

その次の次の行の「適正で」というところにつきましては先ほどの修正の趣旨と同じでございます。

34ページは以上でございます。

35ページに参りますが「刑事罰」のところの修正は正しいようなところに書きかえるというような字句修正でございます。

「12 不利益取扱いが通報を理由とすることの立証責任の緩和」のところでございます。こちらにつきましても前回、様々な御議論をいただきました。そういったところの御議論を踏まえまして少し書き込んでおります。最初の「解雇」のところでございますが、通報者が解雇その他の不利益な取扱いを受けた場合、公益通報者保護法で保護されるには、当該解雇その他不利益取扱いが通報を利用することの立証を通報者が行わなければならないが、その後に、情報や証拠資料が事業者側に偏在していることなどから、その立証が通報者にとって大きな負担となっているといった文章を加えております。

この点につきましては、次の段落のところでございますけれども、本専門調査会では、これに賛成する意見が多かったというような形のことを加えております。

35ページから36ページに参ります。「なお」の段落のところでございますが、最初の同条のというところは字句修正でございまして、その下のところ、立証責任の緩和について、現時点で法律上の措置を講じていないとしても、こうした実務上の運用についての周知を進めることが有益であるというところでございます。今回、専門調査会では一定の方向性は出しませんでしたが、立証責任の緩和についてこういったことの周知を進めることが重要だというような御意見が前回ございまして、こういった書きぶりにしているところでございます。

「(2)その他の不利益取扱い」のところでございますが、こちらにつきましても解雇のところと同じような形で、その立証が通報者にとって大きな負担となっておりというところを追加しております。

36ページは以上でございます。

その後、37ページ、38ページはございません。

最後のところ、「おわりに」でございます。

最初の赤字のところでございますが、2段落目のところでございます。なお、提言の中には、法制的・法技術的な観点から整理を行うべき事項、民間事業者及び行政機関の負担を伴う事項も含まれておりというところでございまして、赤字のところを追加しております。

前回、座長のほうから、今回こういった提案を出すに当たって、民間事業者に負担を伴う事項も含まれているというような御発言がございました。また、それと同時に、この文章では、行政機関の負担の増加を伴う事項もというように加えております。ここの趣旨でございますが、事業者に義務負担を求めるということと同時に、行政にも体制整備を求めているといったことでございますとか、また、行政措置を今回提言しているといったことがございまして、それについては人や予算、コスト増を伴うものである。そういったことも踏まえまして、民間事業者及び行政機関の負担の増加を伴う事項もという両方を含めているといった趣旨でございます。

その次の段落の1行あけたところの段落「法改正が実現した場合には」というところでございますが、こちらは修文いただきまして、この方が適切ということで、こういった形で修文させていただいております。

本体につきましての修正は以上でございます。

あわせまして概要につきましても御確認いただきたいと思います。

概要はあくまで本体から引っ張ってきているというものでございまして、同じような文言を記載しているというところでございますので、その点はそういった形で整理しているということでございます。こちらの概要のまとめ方で1点、御説明させていただきますが、通報者の範囲、通報対象の事実の範囲というところで論点、どういった論点を御検討いただいたという、そこをまさに打ち出すというところでございまして、そこから始まっているまとめ方、概要にさせていただいております。

通報者の範囲から始まりまして、次のところの通報対象事実の範囲といったところでございます。こちらの概要のまとめ方でございますが、説明するときには、こちらは報告書の中の方向性の出ているところを引っ張ってきているという、基本的にはそういうようなまとめ方になっております。例えば退職者のところであれば、退職者を不利益取扱いから保護する通報者の範囲に含めるべきというところでございまして、方向性をきっちりと示したようなまとめ方になっております。

柱書のところを引っ張ってきておりますので、実際にそういうような整理となるところでございます。そういったことを踏まえたところでの概要のまとめ方でございますが、例えば通報対象事実の範囲のところを御覧いただきますと、刑事罰の担保による限定というところでございますが、最終的に刑事罰の対象とならない規制違反の行為のうちというように続いておりまして、ここは柱書を引っ張ってきておりますが、最後に赤字で「※1」と付けております。

こちらのところ、欄外のところを見ていただきますと、※1につきましては、反対意見あり、詳細は、本文参照といったところになっております。柱書のところだけを引っ張ってきますと、反対意見がなく、全会一致のようなまとめ方というようなところにも見受けられる。もちろん、本文を見ていただければ分かるのでございますが、説明資料でこの概要を使う際にそういった懸念もあるといったところでございまして、※印を付けているといったところでございます。

そういったまとめ方をしているところが数カ所ございまして、こういうまとめ方にさせていただいている趣旨は、今、申し上げたようなところでございます。基本的には本体から引っ張ってきたものがその概要でございまして、概要は説明資料で主に使われる、そういった説明資料として使われるときのそういったことも踏まえまして、こういった形の整理にさせていただいているというところでございます。

事務局からの説明は以上でございます。

○柿崎座長代理 それでは、ただいまの説明を受けまして、御意見のある方は御発言をお願いいたします。

お願いいたします。

○川出委員 資料1の20ページの2号通報の保護要件の[説明]の部分について、内容には異論はないのですが、書き方を変えていただいたほうがよいのではないかと思います。具体的には、1段落目の「もっとも」の前の部分は、要件を緩和するとしても、1号通報と2号通報とで要件を全く同じにするのは妥当ではないということを述べており、これは、その前のイの部分で具体的な緩和の方法として挙がっている2つの方法に共通するものです。その上で、「もっとも」以下の文章は、真実相当性の要件を他の要件で置き換える方法についての問題点を指摘しているものですので、文章としては、「望ましい」のところで段落を分けたうえで、その後の一文は、真実相当性の要件を他の要件に置きかえる場合の話であることを明示するほうが分かりやすいと思います。前回の座長の御意見も、そのような趣旨であったと思います。

それから、同じ[説明]のところの最後の段落は、その前のイに書いてあることを繰り返しているだけですので、不要なのではないでしょうか。もっとも、最後に、「具体的な緩和の方法については、法制的・法技術的な観点から整理を行うべきである」という文章が付け加わっていますが、これも、[説明]の前の部分で述べられていることの繰り返しですので、段落全部を削ったほうがよいと思います。

○柿崎座長代理 ありがとうございました。

○川出委員 もう一つ、別の箇所について意見を申し上げてよろしいでしょうか。

○柿崎座長代理 はい。

○川出委員 ありがとうございます。22ページの注16で、「いわゆるBtoCの取引」という言葉が出てきますが、これは、必ずしも一般的な用語ではないように思いますので、もう少しかみ砕いた言葉にしたほうがよいのではないかという印象を持ちました。

以上です。

○柿崎座長代理 この点について、さらに御意見はございますでしょうか。

では、林委員、どうぞ。

○林委員 すみません、今の20ページのところの「もっとも」の前のところに脚注として13が、この点について予見可能性がありという合理的な緩和方法を見出せる前提で合意する意見もあったというのは、柱書のところではなく「望ましい」の後に入れたほうがいいのではないかと思うのですけれども、ほとんどの書き方では意見のところ、おおむね合意したというところには脚注はなく、文中に説明が入っているように思いますので、差を設けることが望ましい。それについて少数の意見があったという書き方のほうがいいのではないかと思います。

○柿崎座長代理 ありがとうございます。

この点に関して、ほかに御意見はありますでしょうか。では、この点に関しては事務局からはどうでしょうか。

○消費者委員会事務局担当者 まず川出委員から記載の修正の御指摘があった件については、確かに座長の御意見も踏まえますと、そういった記載のほうがより伝わりやすいかと思いますので、修文を検討する必要があると考えております。また、同じ20ページで、ここは不要でないかと御指摘いただいた箇所についても、結論の部分の繰り返しでございますので、削除することについて検討したいと思います。

19ページから20ページにかけての結論部分で脚注の位置を御指摘いただきました。ただ、この点は、中村委員から予見可能性があり、合理的な緩和方法を見出せる前提であればいいのではないかという御発言が前回の専門調査会でございましたので、やはり結論部分でおおむね合意したと言い切ってしまうと反対意見とかそういう条件もなく合意したのではないかというような誤解を与えるおそれがございますので、専門調査会としてはこういう方向性で進めていくべきというところはおおむね合意したとは認識しておりますけれども、そういった一定条件があるという意見を持っておられる委員がいることは正確に書き表したほうがいいのではないかと考えておりまして、脚注の位置としては19ページの末尾がいいのではないかと考えているところでございます。

22ページの脚注の16のいわゆるBtoCについてというところは、御指摘いただきましたように、もう少しかみ砕いた言い方ができるのではないかということでしたので、字句修正のレベルかもしれないですけれども、検討させていただきたいと思います。

○柿崎座長代理 ありがとうございます。

では、ほかの論点について御意見をお願いいたします。

では、春田委員、お願いいたします。

○春田委員 35ページの立証責任の緩和のところでございますけれども、解雇のところと(2)の不利益取扱いのところ、修文いただいているのですが、この修文の中で情報や証拠資料が事業者側に偏在していることなどから、その立証が通報者にとって大きな負担となっているという部分でございますが、負担いうことだけではなくて、やはり物理的には通報者が立証することが困難な状況であり、情報や証拠資料が事業者側に偏在しているので通報者が立証することが困難であるというように少し修文いただけたらと思います。それが(1)(2)のところでございます。

あと31ページでございますけれども、守秘義務の(イ)のところで、前回、意見はしなかったのですが、改めて読み直して、(イ)のところ、守秘義務を法制化することを前提に議論されている内容という部分でございます。この守秘義務に違反した場合の行政措置及び刑事罰の導入を規定するというところでございますけれども、これは事務局の方向性の整理の中で、現時点では規定する必要はないと考えられるということで、方向性を変えろということではございませんが、この議論の中で、我々としても行政措置及び刑事罰については検討する必要があるのではないかということで、この守秘義務が法定化されたときに行政措置や刑事罰の規定がないと実効性を担保することができないのではないかという意見もしてきたので、その意見があったということを少し踏まえていただければというように思っています。

結論を変えろということではないのですが、ただ、この(イ)だけ読むと、一方的にこの意見だけあって、現時点では刑事罰を規定する必要はないと読めるので、そういった意見もあったということも記していただければありがたいかなと思っています。

以上でございます。

○柿崎座長代理 ありがとうございます。

この点について、追加で御意見のある方はいらしゃいますか。

林委員、お願いいたします。

○林委員 守秘義務のところですけれども、今の春田委員と同じでして、むしろ守秘義務については守るべきであるというのが大勢の意見で、守秘義務自体に反対される方はいらっしゃらなかったと私は記憶しています。萎縮効果が発生するということをおっしゃっているのは、ペナルティーを科すということが担当者にとっての萎縮効果を生むというところで反対されていたと思いますので、守秘義務自体についての萎縮効果というのはペナルティーなしにはあり得ないと思いますので、まず1番目のところで萎縮効果の話を持ってこられるのは理論がすり替わっているような気がしているのが1点。

今、春田委員がおっしゃっていたように、ペナルティーを科すべきだという意見のほうが私は多かったというように記憶しておりますので、この書き方ですと罰則なり何なり、ペナルティーを科すこと自体にこの調査会で反対をしていたかのようにとられかねないと思いますので、その辺のところは修文していただきたいと思います。

○柿崎座長代理 ありがとうございます。

この点に関して、御意見のある方はいらっしゃいますか。中村委員、どうぞ。

○中村委員 私としては、今、御指摘いただいた点については、ペナルティーを科すということ以前に、そもそも個人に守秘義務を課すということがこの場合においては適正でないというように御意見を申し上げたつもりでありますので、そこは現状のままの記載としていただきたいと思います。

行政措置、刑事罰の導入についても、この点については導入の法制的な観点というようなことから、私以外にも反対というか、難しいという御意見もあったように記憶しておりますので、この部分は必ずしも多数意見だったということではないかなと意識をしております。

以上です。

○柿崎座長代理 では、事務局からお願いいたします。

○消費者委員会事務局担当者 今、2点、御指摘をいただきまして、まず先に出たほうで35ページの立証責任の緩和の解雇の部分で、情報の偏在だけでなくて、その立証が通報者にとって極めて困難だということですが、文章の記載からいたしますと、情報や証拠資料が事業者側に偏在していることなどから、その立証が通報者にとって大きな負担となっているというところで、負担の中で読み込めないかと考えているところでございます。

31ページの守秘義務に違反した場合の行政措置及び刑事罰のところですが、まず、前提として守秘義務に反対されている委員がおられるということは、今、中村委員から御指摘があったとおりと考えておりますが、行政措置及び刑事罰のところは確かに実効性の担保というところからの御意見はあったことと、あと、これは修文案の検討の中で考えたいと思いますが、例えば必要はないと考えられると言い切るのではなく、今後、必要に応じて検討を行うべきであるというほかの箇所に合わせて修文するということも考えられると考えているところでございます。

○柿崎座長代理 それでは、浦郷委員、お願いいたします。

○浦郷委員 今の守秘義務に関してなのですけれども、守秘義務を課してしまうと個人の責任が追及されるから萎縮効果が働くということだったのですが、大きな企業で体制整備、きちんと作っているところは、やはりそういうところにも守秘義務は課していると思います。参考までにお話し申し上げますけれども、先日、私どものところで改正に向けた意見交換会というのを行いました。消費者庁の方にも来ていただいて、この取りまとめ案についてのお話もしていただいて、その後、意見交換したのですけれども、この守秘義務の論点について、実際、事業者の方で内部通報窓口の担当者という方が意見を述べられました。

その意見なのですけれども、守秘義務を課すことはとても大切であると感じます。自身も会社側から通報に関する秘密を漏らした場合は会社規程で処分されることに署名をしています。それくらいやらないと従業員は信頼して通報してくれないです。通報者は勇気を持って電話をかけてくれるので、秘密を守ってもらえるかが気になりますという御意見をいただきました。守秘義務を課すことはとても重要であるという意見だったと思います。萎縮効果が働くということだけで今回はこのような結果、まとめ方になりましたけれども、そこら辺も十分お考えいただきたいと思います。

以上です。

○柿崎座長代理 ありがとうございます。

この点については事務局から何かございますか。

○消費者委員会事務局担当者 ありがとうございます。

守秘義務については本当にいろいろな意見がございまして、山本座長も前回、個人的な感想も述べておられました。専門調査会では、現時点では意見の一致を見なかったというように考えておりますけれども、重要な課題ということで、今後の検討課題というように整理したいと考えております。

○柿崎座長代理 ありがとうございます。

では、林委員、お願いします。

○林委員 私も何回も言わせていただいていますけれども、公益通報をするに当たって守秘義務というのは第一前提だと思っています。通報する人が安心して話をするためには、この秘密が守られるということが前提だと思うのです。そのことは、この調査の今回の6ページの表にも出ていまして、通報者の秘密の保護というのが92%と社内において定められている内容というところに挙がっています。また、ほかの資料のところにも、漏れてしまうと不利益を受けるおそれがあるということを一番懸念されているという内容になっていたかと思いますので、守備義務を守るということが公益通報にとってとても大事なところである。今回の専門調査会というのは通報者が通報しやすい制度にするのだということで始まったはずですので、これを落としてしまっているというのは非常に残念なことだと私は思っています。

○柿崎座長代理 では、中村委員、お願いいたします。

○中村委員 記載ぶりの話ではございませんので一応念のためでございますけれども、私ども、別に守秘義務自体に反対しているわけでは全くございませんで、この記載にも書いてございますが、会社として制度を整備して、会社の中できちっと守秘義務が守られる体制を整えるべきであるということについては全く異論がございません。

ただ、法制的にそれに特段の行政措置がつくとか、刑事罰がつくということに関しては、どちらかというと実際には担当者の漏えいということよりも、その後の調査の段階で漏えいするというような事態のほうが多いと認識しているので、それを担当者に帰するということになると調査等に支障が出るという趣旨で申し上げているので、そこの念のための確認でございます。

以上です。

○柿崎座長代理 ありがとうございます。

では、後藤委員、お願いいたします。

○後藤委員 私も今の中村委員の意見とほぼ同様の意見になります。守秘義務を課すことについては全く異論がありませんが、刑事罰まで行くということになると、担当者としてはかなり心理的な影響があり、本来の調査等の活動に支障を来す事例も必ず出てくると認識しております。

以上です。

○柿崎座長代理 この点、大事な点だと思いますので、ほかに御意見はございますか。

では、亀井委員、お願いいたします。

○亀井委員 私も基本的に中村委員の意見と同様でして、法制度上難しいかどうかはよく分からない面があるのですけれども、会社に守秘義務が課されるというのは反対ではありません。ただ、その内部通報の業務の担当者個人に守秘義務が課されるということになりますと、以前の専門調査会でも申し上げましたけれども、ほとんどの担当者の方が内部通報の業務専業ではなくて兼業でやっていらっしゃって、十分に知識やトレーニングを積んで従事している、されているわけではありませんので、個人に守秘義務を課し、なおかつ、刑事罰も課される可能性があるというようなことになると、なり手がいなくなるのではないかなということを心配いたしております。

以上です。

○柿崎座長代理 ありがとうございます。

では、この点について、事務局からお願いします。

○消費者委員会事務局担当者 専門調査会の大きな流れとして、こういった様々な意見がございまして、報告書の内容としては、まずは個人に守秘義務を課すのではなく、事業者として秘密を保護する体制を構築していくべきではないかという取りまとめにしているところでございます。

○柿崎座長代理 では、池本委員長代理、お願いいたします。

○池本委員長代理 池本でございます。

今、事務局から御説明がありましたし、報告書で言うと30ページのところで、前回も守秘義務を個人に課すことは、今回は見送るとしても、事業者としての守秘義務の位置付けをきちんすることが重要で、そのことをもって、今回、個人については見送ろうというところが1つの一致点だったと思います。

その意味で、前回の議論で付け加えていただいたのが、中ほどの「まずは事業者における内部通報体制の整備義務として、通報者を特定可能な情報の共有を必要最小限度の範囲にとどめる運用を求めることとし」という、この言葉ですが、これは議論の趣旨からすれば、これがいわゆる事業者としての守秘義務の意味である。ただ、要するに、一切誰にも漏らしてはいけないというよりは必要最小限度の範囲にとどめるという意味では調査に必要な範囲ではもちろん共有していいけれども、不要なところに漏らしはいけないという、非常にこれは留意した書きぶりだと思うのですが、ただ、それは6の(1)のウの体制整備のところの要件書きとしてはこれが非常に微妙なところをきちんと押さえた規定だと思うのですが、ここの30ページでは事業者にこういう意味での守秘義務を課すということなのだから担当者個人的には見送るというのをもう少し分かるように書けないかなと思います。

整理はできていないのですが、情報の共有を必要最小限度にとどめるという意味で事業者としての守秘義務も設けることとし、担当者個人の守秘義務の法定については、今回は見送るというようにここの言葉の意味をもう少しクリアにすれば、先ほど来あった守秘義務の重要性ということもある程度反映できるのかなというように感じています。

○柿崎座長代理 ありがとうございます。

私もそれがいいというように思うのですけれども、括弧して「事業者としての守秘義務」というように入れるという形でもいいのかもしれません。

では、次の論点に参りたいと思います。

○浦郷委員 19ページの脚注の12番のところになります。これは前回、本文から脚注に移されたところだと思うのですけれども、そして、この御意見というのは多分、中村委員とか消費者庁が他省庁にヒアリングしたときのほかの行政機関からの意見であったのではないかということを認識しております。

前回の議論のところでもありましたけれども、一定事由に該当する場合は真実相当性を不要とする場合は、要件が明確であるということもありますし、行政が困難性とか負担の増加を理由に対応ができないということを懸念すること自体が私はおかしいのではないかなと思います。やはりここはきちんと受けとめて対処をするのが行政機関としての責務であり、義務であるというお話も前回の議論であったかと思います。

執行体制というのは立法化されればそれに伴ってやはり予算とか人員がついてくるので、現状を前提に心配しては本当に立法などができなくなるのではないかということで、ここは削除していいのではないかということを考えております。

ほかにもよろしいですか。34ページのやはりこれも脚注のところになります。この不利益取扱いをした事業者に対する行政措置、刑事罰というところは、私どもは命令、刑事罰の導入まですべきということをずっと言っていたのですけれども、やはり命令や刑事罰という行政処分になるとハードルが高いということで、この公益通報者保護法を実効的に進めるための第一歩ということで、公表までの行政措置というところで合意をしたというところですので、ここに関してはこだわりがありますので、この28の脚注について、まずは確認したいのです。

執行体制の実態等に照らして合理的な措置内容とすべきというのは、前回のところで中村委員の御意見だったと思います。ここに関しては34ページの本文に「適正な」という文言を入れることで解決をしたのではないかと思うのですが、そこはどうなのでしょうかということで、私は執行体制の実態等に照らしてという文言は削除すべきだと思います。立法するときに執行体制の実態に照らしてと言っていたら、いつまでたっても立法はできないと思います。今回はこの法律をより使いやすいものにするために、そして、より実効的な法律とするために検討してきました。解雇とか不利益取扱いを禁止するとなっていますが、実際にそういう不利益取扱いを受けている人がいる、そういう通報者がいるという実態、不利益を恐れて公益通報をためらう人がいるという実態、そちらに照らし合わせて行政措置は最低限、この内容で導入すべきであると思いますし、立法化されれば執行体制のほうはついてくると思いますので、この文言は削除していただきたいと思います。

○柿崎座長代理 どちらが早かったですかね。では、林委員、お願いいたします。

○林委員 今の19ページのところですか。行政機関が適切に対応できなくなってしまうと通報が増えてしまう、懸念するというような話ですけれども、それは我々の調査会の中で出てきた話ではないというのは全く同じ意見でして、今やっていることというのは公益通報をしやすくしましょうという話をしているわけでして、当然、公益通報する人が増えるというのは当たり前のことであって、それを増えるから適切に対応できなくなるというような言いわけをこの文章の中に書くこと自体、極めて不適切ではないかと思っておりますので、ここは私も削除すべきであると思っています。

○柿崎座長代理 ありがとうございます。

次に、中村委員、お願いします。

○中村委員 合理的な緩和方法、今の公表の部分なのですけれども、行政の体制整備という観点については行政の方からも意見があったというのは理解しておりますが、浦郷委員がおっしゃるとおり、本当にきちっとした体制整備ができるということがあればそれはそれでできるのかもしれませんが、企業の意見としては、それが中途半端のような形で導入がされた場合に場当たり的な執行措置というようなものが生じて企業に対して不公平な、たまたま見つかったところが処分をされるというようなことが生じることの懸念ということを意見として出ておりますので、ここの部分に関しては、このような記載を経済界としても希望しているという趣旨でございます。

以上です。

○柿崎座長代理 この点について、事務局のほうからお願いいたします。

○消費者委員会事務局担当者 まず34ページの行政措置のところですが、前提として専門調査会の取りまとめとしては行政措置を導入すべきである。行政措置の種類としては、公表まで行うべきであるというような取りまとめをしていることについても御理解いただきたいと考えております。ここは中村委員から公表に反対する意見や執行体制の実態等に照らして合理的な措置内容とすべきであるという意見があった中で、専門調査会としては公表までというような取りまとめをしているところでございます。

その上で、中村委員からこういう意見があったということについては、意見があったというレベルで脚注に記載しているだけですけれども、反対意見も尊重しなければいけないというように考えておりまして、ただ、専門調査会としては導入すべきというように結論付けていることについて御理解賜れればと考えております。

○柿崎座長代理 前のほうはどうですか。19ページのほうは。

○消費者委員会事務局担当者 すみません。19ページの脚注12についてですが、これも中村委員あるいは後藤委員からも行政の体制について、しっかりすべきという御意見がありましたし、あくまで懸念する意見があったということですので、結論を変えるというようなものでもないと思いますので、御意見があったということについては残しておくのが適切ではないかと考えております。

○柿崎座長代理 浦郷委員、お願いします。

○浦郷委員 19ページの件に関しては、そういう意見があったということでもう座長のほうに一任さしあげたいと思います。

34ページのほうですけれども、やはり立法することでちゃんと体制が確保されることは当然だと思いますので、本来は削除すべきだと思いますけれども、反対意見ということでどうしても書きたいということであるならば、この書き方だと反対する意見とそういう合理的な措置内容とすべきとする意見、お二方からあったようにも見えますので、実態等に照らし合わせて合理的な措置内容とすべきであり、公表まで導入することに反対する意見があったというように少し書きかえていただければなと思います。

○柿崎座長代理 その修文の方向性でよろしいですか。

○消費者委員会事務局担当者 その修文については、むしろ中村委員から御意見をいただいたほうがいいかと考えております。

○柿崎座長代理 1人の御発言であったということが分かるようにしますか。

○中村委員 すみません、私から1人であったかどうかということは、はっきりは申し上げられませんが、今の修文自体については、私としては、反対は特にいたしません。

○柿崎座長代理 反対いたしませんということですので、では、そのように修文する方向といたします。

○浦郷委員 すみません、これと同じものが27ページの21の脚注にもありますので、そちらもお願いします。

○柿崎座長代理 21の注のところですね。

○浦郷委員 はい。

○柿崎座長代理 では、ここも同じような形で、2つの意見ではなくて1つの文章に続けるという形で修文していただくということでお願いいたします。

では、ほかの論点について、御意見ございますでしょうか。

では、浦郷委員。

○浦郷委員 概要版の。

○柿崎座長代理 概要版についての御意見は少し待ってください。

○浦郷委員 まだですか。では、後で概要版のことをお願いします。

○柿崎座長代理 本文はもうよろしいですか。

○浦郷委員 はい。本文は大丈夫です。

○柿崎座長代理 では、池本委員、お願いいたします。

○池本委員長代理 池本でございます。

まず先ほど出た19ページの注の12の関係、これは議論の中で意見が出た。厳密に委員そのものから出たのか、あるいは議論の過程で事務局も含めて、あるいは省庁のほうから出たということも含めて、こういう懸念の意見が出たことは事実ですから、それを消すというのはそこまでする必要はないと思うのですが、むしろそういう意見に対しては「おわりに」のところ、これはもう既に書いてあることの再確認をしていただきたいのです。

第2段落、なお書きのところで、民間事業者とか行政機関の負担の増加を伴う事項もある。その後、またということで、行政機関における適正な執行体制の構築を求めているが、政府においては、提言の内容をできる限り尊重した対応を求めるということで、ここは懸念する意見があるけれども、それは政府全体で本気でやれということを私たちの総意として意見表明しているのだということを再確認していただくことのほうが重要ではないかと思います。特に書きかえをどうするという趣旨ではございません。再確認という意味です。

○柿崎座長代理 ありがとうございます。池本委員、追加でどうぞ。

○池本委員長代理 すみません、もう一点、別の論点について発言させていただきたいと思います。

財産的な損害という21ページ、財産に対する危害を追加するということで、前回も少し議論をしていただいて回復の困難性というのがもう結論付けた要件だということではない。あくまでこれは例えばということで今後検討していただくということで、22ページでも例えばという言葉が入り、あるいは被害の多数性もあわせて考慮すべきであるという意見もあったということが指摘され、いずれにしても、これは法制的・法技術的な観点から整理を行いということになっていますので、ここの本文そのものを書きかえていただくというよりは、今後、法制的・法技術的な観点から検討していただくための参考意見として発言だけさせていただきたいと思うのです。

実は3条3号ホは、個人の生命または身体に危害が発生し、または発生する急迫した危険があるという言葉になっていて、現に危害が発生している場合と発生する急迫した危険というおそれの場面の両方が選択的に出ています。それに対して、個人の財産被害の問題は、これは中村委員からも御指摘がありましたけれども、ちょっとしたささいな、あるいは単発の少額のそれほど多数でもない、そういった問題が逐一外部通報の対象になるのだということでは混乱を招くのではないかという趣旨で反対意見があったということは尊重すべきだと私も思っています。

ただ、逆に、過去の事例あるいは最近の事例を見ていても、過去で言えば、例えば牛肉コロッケ事件だとか、様々な食品の産地偽装事件もそうですが、ごく最近、10月末に消費者庁が景表法に基づく措置命令と課徴金を課した案件では、健康食品の効能に関する成分表示で優良誤認の不当表示があったということで、1億円を超える課徴金を課しているのです。それは2年半の間で1億円ということは3%ですから30億円の不当表示の対象物の販売があったという本当に広範な被害につながっているものが現に今も起きているのだということからすると、むしろ不特定多数の個人の財産上の損害があるとすれば、現に発生し、かつ今後も継続するおそれがあるとか、要件を絞るのであれば単なるおそれではない、現に発生していて継続するという、そこを絞ることのほうが実態に合うのではないか。

回復の困難性というのが被害を受けた個人にとっての回復困難性というのであれば、むしろ、それは財産被害であれば重大性という言葉になるでしょうし、本当にお金が返ってくるかどうかの回復困難性というと、大企業がやれば、お金を返せばいいのだから、それは公益通報の外部通報の対象ならないというのも変な話になります。ですから、このあたりは不特定多数の個人の財産被害ということに対して要件の絞り方の観点はもう少し慎重に検討していただきたいと意見として申し上げます。

○柿崎座長代理 ありがとうございます。

この点に関して事務局からは何かございますか。

○友行企画官 法制的に検討していただく段階で考慮していただくということかと思います。

○柿崎座長代理 ありがとうございます。

では、本文のほうでほかに御意見はありますでしょうか。

では、林委員、お願いします。

○林委員 16ページのところですけれども、役員であった者に関してなのですが、これは余り議論がなされていなくて、最近、話が出てきたことだったと思うのですが、役員と取引先事業者を並列でここに書かれるのはどうかなと思っているのが1つ。

それから、役員であった者について、役員の方については是正措置をとることというのが要件としてあるので検討だというような書き方になっていますが、役員であった者に関しては委任契約がありませんので、あとはもう競業避止義務であったり、個別に企業との間で、契約関係で何か守らなくてはいけないものというのがある以外、何もないと思いますので、ここで要件を加重すべきだから再検討だという書き方、あるいは検討が必要なのだという書き方は正確ではないのではないかなと思います。今の2点です。

○柿崎座長代理 では、事務局からお願いいたします。

○消費者委員会事務局担当者 この点は御指摘のあったように、そこまで深く議論している点ではないということと、在任中の役員と比べて退任後の役員について善管注意義務はないというのは御指摘のとおりかと思いますが、一方で、どういう義務がかかってくるのか、それとの関係でどういう保護要件を課すのか、課さないのかといったあたりをさらに検討する必要があると考えているところでございます。なので、整理としてはこのようにさせていただいたというところでございます。

○柿崎座長代理 よろしいですか。ほかにはございませんでしょうか。

それでは、私のほうから1点、意見を述べさせていただきたいのですけれども、27ページの注20のところでございます。前回の調査会のときに、履行すべき通報体制の整備義務については、今日もお話があったように、4つの要素を備えていることが必要になるということで、それを外形的、客観的に判断できるように今後、検討するということでした。もちろん、その体制の内容自体は、それぞれの企業の身の丈に合わせた形で柔軟に対応していっていただければそれでよろしいと思うのですが、外形的・客観的に判断するということを求めている以上、それが外から見て分からなければいけないということであれば、開示ということが重要になってくるのではないかという趣旨で申し上げました。

前回は、中村委員のほうからも、開示の仕方の多様性について、一概に開示と言っても、ホームページがある企業、ない企業、いろいろな企業があるということなので難しい場面もあるという御発言がありましたことから、今後の検討課題に入れていただくという整理になったのかと思うのですが、ただ、1点、申し上げたいのは、2号通報の緩和要件についても、3号通報の特定事由に関しても、やはり外形的・客観的に内部通報体制が整っているかどうかが判断できないと、それは認められないということになりますので、その点からもやはり開示は重要だという点を申し上げたと思います。それ御提案なのですが、注の中で、内部通報体制の整備に関して、「その要件を客観的・外形的に判断する必要があることから、その開示の重要性を指摘する意見もあった」というように理由を一言いれていただければ、今後、それが次の改正になるのかもしれませんけれども、内部通報体制の整備と開示とをつなげて考える契機となると思います。

株式会社に関しては、例えば会社法上の事業報告とか、金商法適用会社であればガバナンスの状況とか、いろいろな開示媒体があると思うのです。なので、そこは今後の取組に委ねざるを得ないと思うのですが、この点、先ほど事務局のほうからも重要な視点であるという御指摘もありましたので、是非なぜ重要なのかについて一言付け加えていただければと思います。

もう一つ、それとの関連なのですけれども、「外形的・客観的に」というような書きぶりがあったり、「外形的に」という書きぶりがあったり、そこが統一されていないと思います。例えば21ページの特定事由の説明の真ん中ら辺ですか。「そのため、内部通報の整備義務の内容を下に、客観的・外形的に判断することが可能な要件について」という記述がありますし、20ページのほうは真ん中の「また」のところの後ろのほうで「事業者において内部通報体制が整備されていないと外形的に判断される場合」ということで異なっています。ここは外形的・客観的という言葉を用いるのか、外形的だけなのか、この2つを区別していることに何か意図があってそのように使われているのか、それとも、そうではないのかについて、その点の確認もお願いしたいと思います。

以上です。

○消費者委員会事務局担当者 まず後者のほう、外形的・客観的というところは意図して区別しているものではございませんので、もしよろしければ全て外形的・客観的に統一することとさせていただければと思います。

27ページで御指摘いただきました開示、それも外形的・客観的に判断できるようにするというような重要性については、そういった理由から開示が重要だということかと思いますので、追記をさせていただければと思いますが、開示は様々必要性がございまして、例えば情報提供であったり実効性の確保という面もございまして、どこまでの記載を設けるかについても少し御意見をいただければと考えております。柿崎委員としては、外形的・客観的に判断できるということに絞ってなのか、例えば会社法とパラレルに考えるのであれば実効性の確保という観点も入ってくるのかなと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか。

○柿崎座長代理 会社法にもし本当に引き寄せるとすれば、本来は、内部通報体制整備義務は内部統制構築義務の中に含まれると思うのですが、ただ、そうすると内部統制構築義務を要求されている会社というのは、大会社か、もしくは指名委員会等設置会社などの委員会型の株式会社に限られますので、そうすると、内部通報体制整備義務を課すのは300人以上の従業員を持っている事業体ということに今回なりましたので、余り内部統制構築義務に引きつけてしまうと、必ずしもその類型に当てはまらない会社の開示を求めるのは難しいかなと思いました。なので、会社法の事業報告とか、金商法の有価証券報告書の開示としてガバナンスの状況などの中の一つとして書いていくのが今後の方向性ということように考えられますが、今、具体的にどこに書き込むのかというところまで熟した議論かというと、なかなか難しいかなと思うのです。

○消費者委員会事務局担当者 すみません、私の説明が悪かったかもしれないのですが、会社法と並行して考えるというよりは、開示について重要性を指摘する理由として、例えば実効性の確保という観点を入れるかどうかというところです。

○柿崎座長代理 それは是非入れてください。

○消費者委員会事務局担当者 承知いたしました。

○柿崎座長代理 それでは、本文については、林委員、お願いいたします。

○林委員 通報体制整備のところで、先ほど亀井委員からもありましたが、専門的なスキルがないと難しい、一般職員には難しいという御発言がありました。その中で、公益通報を受け付ける担当窓口という方については、その専門的なスキルを身につけるための何か制度というのが必要になっていると思います。EU指令案について御紹介させていただいたのですけれども、そういう専門的なスキルを習得するための何かシステムを作るのだということを想定して法案を作られていましたので、今後、内部通報制度というものを作る中で、担当者、通報を受け付ける担当窓口の人のスキルを身につけるための制度というか、そういうものを作る必要があるということも盛り込んでいただければと思っているのが1つです。

それと、一元的窓口の話のところなのですけれども、回付してほしいという話、そんなものは難しいということで、教示だけだという話であったり、33ページのところになりますが、直接回付することは必ずしも適当ではないであるとか、モニタリングする機能というのも難しいというようなお話がここに書かれていますが、これは機能してみないと分からない問題というのもたくさんあると思います。一元的窓口というのを設置した後に、こういうようにすべきではないかと、こういうようにしたらスムーズに動くということがあると思いますので、その点について数年後にもう一回協議をするであるとか考え直すというようなことについても、最後の「おわりに」のところに入れていただければと思います。

○柿崎座長代理 その点については、事務局の方はいかがでしょう。

○消費者委員会事務局担当者 まず1点目の担当者のスキルの向上の点につきましては、例えばなのですが、入れるとした場合には26ページから27ページにかけて履行すべき義務の内容が書かれておりまして、その説明の中で、先ほど挙がりました開示の重要性を指摘する意見もあったというところと同じぐらいの箇所に、担当者のスキルの向上の重要性についても記載してはどうかと考えております。

2点目の点は、修文するとした場合に、例えばどういった記載を想定しておられるかというのをお聞かせいただければと思います。

○林委員 恐らく、本文の中に入れ込むのは難しいと思いますので、「おわりに」のところに一元的窓口を設置して、もう一度考え直すとかというような文言を入れられないかなというように、今、思いつきで言っているので、具体的にどのような文章を入れてほしいというのは考えてはいないのですけれども、どういうことをするのか分からないから無理だ無理だというような書き方になっていますが、意外にやってみたらそんなに対して通報も来ないということもあるかもしれませんし、タグ付けというのも容易にできるのかもしれないと思いましたので、そういうもう一度再検討していただく、行政機関の間で連携をするということがどの程度できるのかというところを模索していただく必要があるのではないかと思います。

○柿崎座長代理 私も注の25、26については、「必ずしも適当でない」と言い切っているので、これについては、実際に運用した段階でいろいろなことが分かってくると思いますので、「今後の検討課題とする」というように、状況が変わった場合に今後につなげる形で修文していただくほうがいいと思います。こういう御意見についても、実際には、委員のほうから明確に出ていたものではないと思いますので、この注の25、26については、現状での御記載の意図は分かりますけれども、ただ、全くこれが制度的に適当ではないということでは逆にないと思いますので、今後の検討課題とするというような形で修文していただければいいかなと思います。

○消費者委員会事務局担当者 今、御指摘いただいたのは、33ページの注の25、26だと思いますが、そこに追加するということでよろしいでしょうか。

○柿崎座長代理 はい。

○林委員 それでも構いません。最後のところに入れていただいたほうがメッセージ性はあって伝わるのかなと思っていたのですけれども、その注のところに入れていただくのであれば、その文脈で入れていただければと思います。

○消費者委員会事務局担当者 承知いたしました。

○柿崎座長代理 では、よろしゅうございますか。

では、本文以外のところで御意見がある方、お願いいたします。

○浦郷委員 概要版のところです。資料3になります。本文に照らしてまとめていただいていますけれども、ここのところに※1で、1については反対意見ありとか、※2、おおむね合意のところで、これについては一定の条件を前提に合意する意見ありということで、そういう脚注がついています。私はこの脚注は削除すべきだと思います。

概要というのは、この委員会でまとまったことを書くべきでありまして、一部の反対意見を殊さら強調するように概要にまで書き込む必要はないかと思います。そこまで書き込んでいては本文と同じになってしまうということで、概要ではないのではないかなと思います。

この概要版というのは、今後のところでは私どものほうでも会員団体とかに今回の調査会の内容を説明することになりますけれども、そういうときに、この概要版を使って説明することになります。本文までなかなか読んでもらうというのは大変なので、この概要版を使いますけれども、こういう書き方になってしまうと、調査会においてほとんど何も決められなかったのではないかという認識とか誤解をされてしまうおそれがあるということを懸念しています。

どうしてこういう書き方になってしまったかというのもあるのですけれども、こういう書き方をするのであれば、例えばですが、退職者のところで退職後一定期間内の者に限定する場合にはとなっていますが、私は期限の制限については反対しておりますので、期限を設けるべきではないということをずっと申し上げていますし、ただ、それを記載してくれということは言わなかったのですが、そういうことであれば注釈で期間制限について反対意見ありということを書いてほしいなと思いますし、あと今後、必要に応じて検討というのが幾つか論点であります。それにおいても、これを見ただけではどういう論議がされたかは分からないのですけれども、賛成意見もたくさんあったので賛成意見ありというように記載してほしいというところまで行ってしまいますので、このような脚注でそこまで書き込む必要はないと思います。削除していただきたいと思います。

以上です。

○柿崎座長代理 この点については、ほかの委員の方、いかがですか。

では、中村委員、お願いします。

○中村委員 今の点につきましては、別途の部分を書き込むということについて私は申し上げられませんが、反対意見があったということについては概要版にも記載していただきたいというのは経済界の強い意見としてあるということを申し上げます。

以上です。

○柿崎座長代理 では、林委員、お願いします。

○林委員 私は、脚注は要らないと思います。結論だけ書いていただければ十分だと思いますので、私は浦郷委員と同じで、そのように思っています。

役員等のところの通報者の範囲の(4)ですけれども、必要に応じて検討しか書かれていないのですが、ここに関しては先ほど議論がありました是正措置云々の文言を入れていただいたほうが分かりよいのではないかと思います。というのも、役員とその取引先等事業者というのがもう同列に書かれてしまっていて、同列の理由で今後の検討というように読まれかねないので、ここについては理由を入れていただきたいと思います。

○柿崎座長代理 事務局のほうから、以上の点について、お願いします。

○消費者委員会事務局担当者 概要について、どこまで書き込むかというのは非常に難しい問題ではあるのですが、まず反対意見を記載した趣旨ですが、これは冒頭、事務局から御説明しましたように、反対意見がありつつも何々すべきというように結論付けているものについては、やはり専門調査会として、全員一致の結論ではなく、一部反対意見がある中で、それでも御納得いただいて、こういう結論に持っていっているのだということをお分かりいただく必要があると思いますので、事務局としては必要な記載ではないかと考えております。

一方で、では、結論が出ていない部分についてどこまで記載するのかというところもあるのですが、これについては、それとの整理でいきますと、何か結論付けて法制的な措置を求めているものではございませんので、様々な意見がある中でこういう結論になったというようなことはお分かりいただける箇所かなと考えております。

2点目の林委員から御指摘のあった通報者の範囲の(4)につきましては、これも例えば取引先事業者についても様々な意見があった中で、今後、必要に応じて検討としていて、どこまで書くのかというところではあるのですが、御意見の趣旨として、役員等であった者と取引先事業者であった者が同列に見えるのはよくないということかと思いますので、同列にならないような程度での記載の修正というのは検討したいと思います。

○柿崎座長代理 ありがとうございます。

そのほかに御意見はございますでしょうか。

では、浦郷委員、お願いいたします。

○浦郷委員 今の点で、概要版においてもやはり専門調査会として何々すべきと方向性を結論付けているけれども、反対もあったということを、どうしても書きたいということであれば、私はそれぞれの論点のところで1つずつ脚注を付けるのではなくて、この概要版の一番最後のところで、何々すべきとか、おおむね合意とか、一定の方向性で一致した幾つかの論点において反対意見があった、詳細は本文参照ということで、その一言を書いていただければ、それで十分だと思います。

○柿崎座長代理 いかがでしょうか。

では中村委員、お願い致します。

○中村委員 一応、全てについて、付いているわけでもございませんで、例えば※1を最後に持ってくるということであれば、それはそれでいいかもしれませんが、このページごとに書かなければいけないかというと、そこはどちらでもいいかとは思いますが、どのポイントについて反対意見があったというところについては、私は明示したほうがよいのではないかと思います。

以上です。

○柿崎座長代理 この点についてはどういたしましょうか。

○消費者委員会事務局担当者 今の御意見も踏まえて後ほど検討させていただければと思います。

○柿崎座長代理 では、座長一任ということでよろしくお願いいたします。

それでは、ここで約10分間の休憩をとりたいと思います。10分でよろしゅうございますか。大丈夫ですか。では、今から10分ということなので、あの時計で11時45分から再開といたしたいと思います。

(休憩)

○柿崎座長代理 大変遅くなりまして申しわけございません。それでは、審議を再開したいと思います。

先ほど委員の皆様からいただきました御意見等を踏まえまして、修正文を確認したいと思います。

それでは、事務局のほうからお願いいたします。

○消費者委員会事務局担当者 それでは、修文する箇所について御説明させていただきます。

まず、資料1の20ページを御覧ください。上の部分、説明の第1段落の「もっとも」以下に修正箇所がございますが、この前の部分「一定の差を設けることが望ましい」、ここで改行をいたします。続けて「もっとも」の後に、他の要件に置きかえるとしても、こうした要件の差をどのように法文上で表現できるかという点については云々というように続けることといたします。

2点目ですが、同じページのすぐ下「また」以下ですが、修正している箇所に「外形的に」という文言が出てきますが、これについては全て「客観的・外形的に」というように統一させていただきます。以下、個別には言及しませんけれども、「外形的に」と書かれている箇所については全て同様の統一をしたいと思います。

同じ20ページ、(2)のすぐ上の「本専門調査会では」というところでございますけれども、これについては重複ではないかという御指摘がございましたので、削除させていただきます。

次に、22ページに移りまして、脚注の16でございますが、いわゆるBtoCというようなところについては、かみ砕いた表現でという御指摘がございました。これについては字句修正でございますので、追って、かみ砕いた文言に修正させていただきたいと思います。

次に、26ページから27ページにかけて、履行すべき義務の内容のところでございますが、林委員からスキルの向上についての御意見がございました。それにつきましては、27ページの説明の第1段落の上記マル1からマル4がそれぞれ機能するような体制を整備すべきである。この部分の後ろに脚注を付け加えまして、これに加えて、担当者のスキルを向上させる仕組みの重要性を指摘する意見もあったというように付け加えたいと思います。

もう一度、言います。27ページの説明の第1段落の末尾に脚注を加えて、文章としては、これに加えて、担当者のスキルを向上させる仕組みの重要性を指摘する意見もあったというように付け加えたいと思います。

同じ27ページの脚注20で、開示の重要性のところでございますが、修文といたしましては、内部通報体制の整備に関して、実効性の確保やその要件を客観的・外形的に判断する必要性があることなどから、開示の重要性を指摘する意見もあった。

繰り返します。内部通報体制の整備に関して、実効性の確保やその要件を客観的・外形的に判断する必要性があることなどから、開示の重要性を指摘する意見もあったというように修文したいと思います。

同じ27ページ、脚注21でございますが、反対意見を1つにまとめまして、これに対し、執行体制の実態等に照らして合理的な措置内容とすべきであり、公表まで導入することに反対する意見もあった。

繰り返します。これに対し、執行体制の実態等に照らして合理的な措置内容とすべきであり、公表まで導入することに反対する意見もあったとさせていただければと思います。

次に、30ページのイのすぐ上の部分ですが、守秘義務について事業者側の体制整備でというような修文の箇所でございます。「以上のように」の段落の2行目からですが、まずは事業者における内部通報体制整備義務として、通報者を特定可能な情報の共有を必要最小限の範囲にとどめる運用を求めること。この求めることの後ろに括弧書きで事業者としての守秘義務という文言を入れたいと思います。通報者を特定可能な情報の共有を必要最小限の範囲にとどめる運用を求めること(事業者としての守秘義務)とし、というように続いていくということでございます。

次に、31ページで「(イ)守秘義務に違反した場合の行政措置及び刑事罰」についてですが、これについては、1段落目はそのままで、2段落目について修文を考えておりまして、そのため、仮に担当者に守秘義務を課すこととする場合でもの後、「現時点では」をとりまして、守秘義務に違反した場合に行政措置を行う仕組みや、守秘義務に違反した場合の刑事罰を規定することについては、実効性の確保等の観点から、今後必要に応じて検討を行うべきである。

繰り返します。仮に担当者に守秘義務を課すこととする場合でも、守秘義務に違反した場合に行政措置を行う仕組みや、守秘義務に違反した場合の刑事罰を規定することについては、実効性の確保等の観点から、今後必要に応じて検討を行うべきである。

33ページに移ります。脚注の25、26で、それぞれ回付とモニタリングについて、必ずしも適当でないというような表現でとめておりましたが、これについては、必ずしも適当でないが、今後、必要に応じて検討を行うべきであるというようにいずれも修正したいと思います。

34ページの脚注28については、先ほど申し上げたとおり、意見を1つにするということで、これに対し、執行体制の実態等に照らして合理的な措置内容とすべきであり、公表まで導入することに反対する意見もあったというように修正いたします。

35ページの立証責任の緩和の解雇のところでございますが、立証の困難性の指摘がございました。それについては、35ページの第1段落の修正部分、情報や証拠資料が事業者側に偏在していることなどから、その立証が困難な場合もあり、通報者にとって大きな負担となっている。

繰り返します。情報や証拠資料が事業者側に偏在していることなどから、その立証の後に文章を追加いたしまして、その立証が困難な場合もあり、通報者にとって大きな負担となっている。

本文は以上でございます。

概要についてですが、現在、各ページの欄外に※1については云々というように記載しておりました。この点については、中村委員から、末尾で一括して記載する方法でも構わないというような御指摘がございましたので、それを踏まえて末尾のほうで一括して記載する形式とさせていただきたいと思います。

細かな字句修正はあるかもしませんが、おおむね修文の方向性としては以上で考えております。

以上です。

○柿崎座長代理 ありがとうございます。

○友行企画官 座長、すみません。追加でお願いします。

○柿崎座長代理 はい。

○消費者委員会事務局担当者 すみません、1点、漏れておりました。

概要の1ページの「通報者の範囲」「(4)役員等、取引先等事業者であった者」というところについて記載を2つに分けまして、取引先等事業者であった者については、さらなる立法事実の蓄積を待って、今後必要に応じて検討とさせていただきます。役員等につきましては、本文中の記載に合わせる形といたしまして、本文でいいますと16ページでございますが、記載としましては、退任後の役員等についてどのような保護要件を課すのかという問題もあり、今後、必要に応じて検討を行うべきであるというような形とさせていただきます。

以上です。

○柿崎座長代理 ありがとうございます。

ただいまお示しいただいたところで御異論はなかったと思いますので、よろしゅうございますね。まだいろいろ御意見はあると思いますが、この内容で座長に一任したいと思います。この後、私のほうから責任を持って本日の議事内容につきまして座長に御報告いたしたいと思います。

それでは、以上をもちまして閉会・・・。

では、浦郷委員、最後にお願いいたします。

○浦郷委員 1つ確認をしたいことがあります。

前回の調査会の翌日、12月19日に配信になりましたYahoo!ニュースの件についてということで、皆さん、このニュースのことは御存じかと思いますけれども、いろいろ書いてありますが、小見出しの一つに、報道機関への通報に新たな障壁もという小見出しがついておりまして、今回、3号通報の保護要件の特定事由のところに「内部通報体制の整備義務を履行していない場合を追加すること」というのを追加しましたが、それが3号通報のハードルを現行より高くし、通報を阻害しようとしているという記事になっています。

今回、私たちは特定事由を追加したことで保護要件が緩和したと認識しています。ですので、この報道は誤解であるということを確認したいのですけれども、いかがですか。

○柿崎座長代理 事務局のほうから、お願いいたします。

○消費者委員会事務局担当者 浦郷委員の御指摘のとおりでございまして、内部通報体制の整備義務が履行されていない場合を追加するとしても、決して既存の要件を削除するとか強化するとか、そういうようなものではございませんので、それが障壁になるということは一切ないかと思います。

○柿崎座長代理 浦郷委員、どうぞ。

○浦郷委員 このニュース、大分拡散しているようで、中には誤解を受けられる方もたくさんいるかと思いますので、その点をきっちりと確認したかったということと、消費者庁におかれましては、これから立法するに当たって政党等に説明されると思いますけれども、こういう報道が先行してしまったということなので、誤解を受けることがないように、そこら辺はきちんと説明をしていただきたいということをお願いしたいと思います。

以上です。


≪3.閉会≫

○柿崎座長代理 ほかによろしいですか。最後、言っておきたいとかということはございませんか。

それでは、1年間にわたって本当に難しいテーマについて議論していただき、大変ありがとうございました。座長に成り代わりまして御礼を申し上げたいと思います。

では、以上をもちまして閉会とさせていただきたいと思います。

お忙しいところ、本当にありがとうございました。

(以上)