第52回 公共料金等専門調査会 議事録

日時

2018年10月17日(水)13:30~15:22

場所

消費者委員会会議室

出席者

【専門委員】
古城座長、小浦委員、古賀委員、陶山委員、松村委員
【説明者】
電力・ガス取引監視等委員会 木尾取引制度企画室長
電力・ガス取引監視等委員会 取引監視課担当者
全国消費者団体連絡会 浦郷事務局長
全国消費者団体連絡会 小林事務局次長
全国消費者団体連絡会 中本政策スタッフ
【消費者庁】
高島審議官、太田消費者調査課長
【事務局】
二之宮事務局長、坂田参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 電気の経過措置料金等に関するヒアリング
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○坂田参事官 定刻になりましたので、始めたいと思います。

本日は皆様、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会第52回公共料金等専門調査会」を開催いたします。

本日は、所用によりまして井手座長代理、白山委員、山内委員、消費者委員会担当委員の蟹瀬委員、長田委員が御欠席との御連絡をいただいております。

議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。

お手元の議事次第に配付資料を記載しております。資料にもし不足等ございましたら事務局までお知らせいただければと思います。

なお、本日の会議につきましては公開で行います。議事録についても後日、公開することといたします。

それでは、古城座長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。


≪2.電気の経過措置料金等に関するヒアリング≫

○古城座長 それでは、議事に入らせていただきます。

本日の議題は「電気の経過措置料金等に関するヒアリング」です。

御承知のとおり、2016年4月の電力の小売自由化に際しては、規制なき独占に陥ることを防止する観点から、従来と同様の規制料金(経過措置料金)が存続しています。この経過措置料金は2020年4月以降、電気の使用者の利益を保護する必要性が特に高いと認められるものとして経済産業大臣が指定する供給区域以外では撤廃されることとなっており、現在、電力・ガス取引監視等委員会の電気の経過措置料金に関する専門会合で、経過措置料金を解除する基準について議論が行われております。

この度、消費者庁より、資料3のとおり電気の経過措置料金規制解除に関する検討について消費者委員会に対して意見の求めがありましたので、本件について審議を行うため公共料金等専門調査会を開催することとなりました。

本日は、まず電力・ガス取引監視等委員会事務局の木尾取引制度企画室長及び担当者の方より、電気の経過措置料金等の検討状況について御説明をいただきたいと思います。

それでは、御説明をお願いいたします。

○木尾取引制度企画室長 木尾でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、お手元の資料に沿いまして、まず電気の経過措置料金に関する議論の状況について御紹介をさせていただき、あと、付加的でございますが、ガスの特別な事後監視の状況についても補足をさせていただきたいと存じます。

まず、本体の「電気の経過措置料金に関する議論の状況について」という紙をおめくりいただければと存じます。右下のページ番号で申し上げますが、2ページ目でございます。

まず全体として、我が国の電気事業制度改革の歴史と電力全面自由化の位置付けというところについて御紹介をさせていただいてございます。

我が国の電気事業制度は1995年以降、発電部門における競争原理の導入あるいは小売部門の自由化対象の拡大ということを段階的にやってきてございまして、今、直近のものが平成27年の第五次の事業制度改革となってございまして、こちらで電気の小売の全面自由化が行われたということであります。そのときに本日の議題と若干外れますが、広域的運営推進機関が設立され、併せて当時の名称で言うと電力取引監視等委員会が設置されたということでございまして、これが現在の私どもが所属してございます電力・ガス取引監視等委員会となってございます。

3ページ、このうちの第五次制度改革の全体のスケジュール感についてもう少し詳しく御説明をさせていただきますと、今、申し上げましたとおり、太字にさせていただいてございますが、平成28年4月1日から電気の小売の全面自由化が行われました。具体的に申し上げますと、いわゆる低圧部門、消費者の方であるとか、あるいは小規模店舗、商店みたいなところ、そういうところについての電気の小売事業の自由化がなされたということになってございます。

その上で、電気の小売全面自由化をしたわけでございますけれども、座長が先ほど言及されておられましたが、いわゆる規制なき独占に陥ることがないようにということで、当面の間、具体的に申し上げますと平成32年4月1日までの間は、料金の経過措置期間という形で位置付けられてございまして、総括原価に基づく規制料金が現時点では継続している。そういうことになってございまして、後ほど条文ベースで御説明させていただきますけれども、今後、事業者ごとに競争状態を見極めて解除するか否かを検討していく必要がある。そういう形でございます。

ちなみに御参考として申し上げますと、2020年4月1日には料金の話以外にも送配電部門の法的分離も予定されてございます。

5ページ目は経過措置料金規制の仕組みについて簡単に御紹介させていただければと存じます。今、申し上げたことと重なりますが、平成28年4月に小売の全面自由化を行ったわけでございます。その時点では低圧部門において地域ごとに、いわゆる旧一般電気事業者の東京電力であるとか、関西電力であるとか、そういうものを旧一般電気事業者というふうに私どもは申してございますけれども、その時点においてはシェアが各地域で100%といったような状況にあるわけでございますので、規制なき独占に陥る。そういったことを防止するという観点から消費者が大部分を占めるわけでございますけれども、低圧需要家向けの小売料金について経過措置として規制を残してございます。それが2020年3月までは少なくとも存続することになってございます。

具体的に申し上げますと従量電灯、主な用途としては一般家庭となりますけれども、従量電灯のところは大体おおよそ6000万件弱となっております。一方で低圧電力と言ってございますが、特に小規模店舗のうちの大型冷蔵庫、ショーケースみたいなものを使われるところは、一般的な電灯の電気ではなくて比較的大きな電力量を使用するということもございますので、こういうメニューを使われているところが多いわけでございますけれども、それが500万件弱ぐらいございます。後ほど具体的に御説明させていただきますが、これらのほかに農事用電力でしたり公衆街路灯、いわゆる信号とか街灯の電気でございますが、各種のメニューが存在してございます。

こういうものについて今後の予定でございますが、電気事業法上の規定となってございます。具体的な条文で申し上げますと9ページに電気事業法等の一部を改正する法律の附則、電気事業法の附則ではなくて電気事業法の改正法の附則というものでございますので、なかなか一般の六法全書などには載っていないと思いますけれども、こういう附則というものがございまして、そこの第16条という条文がございまして、これが経過措置料金を規定するものでございます。ポイントとなるところは下線を引かせていただいてございますけれども、3行目の真ん中辺りから小売電気事業者間の適正な競争関係が確保されていないこと、その他の事由により当該供給区域内の電気の使用者の利益を保護する必要性が特に高いと認められるものとして経済産業大臣が指定するもの、これは地域を意味していますけれども、指定する地域については規制が存続するということを規定しているものでございます。

ちなみにここで申し上げております区域あるいは指定供給区域という表現は、基本的には関東とか関西とか東北とか、旧一般電気事業者の営業地域を意味するものとしてございます。

5ページに戻らせていただきます。こういう条文に基づいてこの経過措置は法律上、電気事業法上の規定としては2020年3月末をもって撤廃されることになってございまして、同年4月以降も電気の使用者の利益を保護する必要性が特に高いと認められるものとして経済産業大臣の指定する供給区域、関東とか関西とかそういう区域のことですけれども、こういう区域については経過措置料金が引き続き存続するという法制上の立て付けになってございます。

さらに、この経済産業大臣が指定する指定行為についてでございますけれども、指定行為は2019年4月、来年4月以降、大臣の指定を行うことが法律上、可能になるという構成になってございまして、来年4月から指定を行うことも法律上できるということも踏まえまして、経済産業大臣から私ども電力・ガス取引監視等委員会に対して、平成30年9月13日付で基準あるいは競争状況等の評価について意見聴取があったということで、私どもは今般の検討作業を正式に開始したということになってございます。

6ページ、経過措置料金のメニューを簡単に御紹介させていだいてございます。これは全国の合計値というふうに御覧いただければと思いますが、まず電灯と電力に分けてございます。一番大きなところで申し上げますと、いわゆる従量電灯というところでございまして、大部分が一般家庭のところでございますが、これは契約件数で言うと、これは平成29年3月末ということでございますが、5200万件ぐらいとなってございます。その次に多いのが低圧電力と言われているもので500万件ぐらいでございます。そのほかにやや政策的な色彩があるものとして公衆街路灯、先ほど申し上げましたが、街灯とか信号です。こういうものについてやや政策的に安い設定がされているものもございます。あるいは農事用電灯と入れていますが、農業用の特殊な用途について、安い電気料金が設定されているものもあるということでございます。

7ページで具体的な従量電灯メニューについて紹介させていただいておりますけれども、基本料金と従量料金、電力料金という形の構成になってございまして、いわゆる3段階料金ということで、1段階、2段階、3段階というところで、1kWh当たりの単価が異なる。1段階のところについては原価割れの供給が行われるような仕組みに従来なってきたということでございます。

8ページ、今、地域別に経過措置料金というものがどの程度使われているのかというものを紹介させていただいたものでございます。御案内のとおり、旧一般電気事業者についてこの規制料金、経過措置料金の規制が行われているわけでございますけれども、一方で典型的にはオール電化に代表されますが、旧一般電気事業者と言えども規制料金以外のメニューを提供するということも、それは別に法律上認められてございまして、そういう自由料金を使っている方々もいらっしゃる。もちろん新電力の料金を使っている方々もいらっしゃる。その上で契約口数ベースあるいは使用電力ベースで見たときに消費者の方々、低圧の需要家の方々がどの程度経過措置料金を使っているかというものを見た表でございます。この契約口数ベースで見ても、使用電力量ベースで見ても、いずれにしても経過措置料金を使って、規制料金を使っている方々あるいは言い方を変えると自由料金に移行されていない方々が、現時点では大部分を占めているという状況になってございます。

11ページ、こういう課題に対応してどういうことについて、具体的にはどういう検討課題について、どういうスケジュール感で今後、私どもが検討しようとしているかというところについて説明をさせていただきたいと思ってございます。

基本的には資源エネルギー庁と電力・ガス取引監視等委員会、私どもとで分担しながらこの検討作業を進めていこうということになってございます。極めて大まかに申し上げますと、資源エネルギー庁での担当事項が今、申しました政策色のある農事用電力であるとか公衆街路灯向けメニューといったものについての在り方を検討していく。あるいは燃料費調整に関する仕組みの在り方、あるいは関連して新電力の電力調達の一つの有効な手段である常時バックアップといったものについて今後の在り方について検討するというところについては、資源エネルギー庁がメーンの担当として検討することになってございます。

一方で私ども電力・ガス取引監視等委員会の担当となりますけれども、漢字だらけで非常に発音しにくいところでございますが、経過措置の適用区域、規制を残す区域をどういう考え方で指定をするのかという話、あるいはこの等というところの意味でもございますけれども、指定をした地域について将来的に競争が進展すれば解除することもあり得るわけですが、解除をする基準、指定基準と解除基準、両方について検討していくことが一つの大きな事項でございます。こちらについては後ほど簡単に触れさせていただきますが、消費者等の状況等々を判断していくということは、別途の研究会でも議論をされてございます。

次の私どものこれからの検討項目として、その基準の当てはめと言うともしかしたら分かりやすいかもしれませんけれども、地域ごとに競争の進展状況等々の競争評価を行うということでございまして、その競争評価の結果によりますが、必要に応じて撤廃までに必要な追加的な条件、競争促進策を提示していく。そういうこともあり得るのだろうと思ってございます。それがメーンになると、そもそも検討事項になりますけれども、あわせていわゆる3段階料金制度の在り方であるとか、あるいは最終保障供給と言ってございますが、ラストリゾート料金というものについても資源エネルギー庁と共同で検討をしていくという形の分担体制の下で、作業スケジュールとしては最後12ページでございますけれども、検討スケジュールを書かせていただいてございまして、先月の9月からこの経過措置の専門会合を設置させていただいてございまして、第1回の会合を終えたところでございます。これを今後、基本的には月1回、場合によっては月2回ぐらい開催をしていって、来年の春先ぐらいまでに一定の取りまとめを行っていきたいということでございます。

このスケジュール感の前提として申し上げると、規制地域を指定するということ自体が来年4月からできますよと。その上で指定をせずに規制を解除することも論理的には可能になっているわけでございますけれども、その場合については2020年4月までに1年以上は最低、実務上かかりますよという意見もあるということを踏まえまして、来春ぐらいから1つのめどとして取りまとめを行っていく。そういう考え方をとってございます。いずれにしても、規制料金の存続地域を指定するか否かということについては、慎重に議論を行っていきたいと考えてございます。

関連しまして、残り時間のところで参考資料についても若干触れさせていただくことをお許しいただければと思います。参考資料で低圧部門の状況について書かせていただいておりますけれども、3ページ目から家庭用電力、低圧のことでございますが、認知状況について御紹介をさせていただいてございます。私どもの調査委託事業では小売需要家の認知度というものはかなり高い数字になっているのかなと思ってございます。そのスイッチングを検討するきっかけというところを4ページ目に紹介させていただいてございまして、現在、料金が安いといったところが大きなきっかけになっているということかなと思ってございます。

6ページ目のところで、スイッチングを決める際に重視する点ということについての御紹介をさせていただいてございまして、こちらでも電気料金が安いということがかなり尊重されているということだと理解してございます。

あわせて、こういう状況を踏まえまして実際の競争の状況を見たのが10ページ以降でございまして、10ページで低圧におけるスイッチングの状況を紹介させていただいてございます。さらに11ページ、新電力間の競争ということでございまして、新電力のうちどういう方々が、この低圧部門において有力な立ち位置を示しているかということを紹介しているものでございますけれども、御覧のとおりガス会社、携帯電話会社が上位を占めている構造になってございます。

12ページで地域ごとの新電力のシェアを示させていただいてございます。これは低圧だけではなくて高圧、特別高圧、全電圧合計の全部を示してございまして、見にくうございますけれども、お許しいただければと存じますが、低圧部門はオレンジ色で表示をさせていただいておりまして、相対的には東京電力管内あるいは関西電力管内が15%前後となってございまして、競争が進んでいるということかなと思ってございます。一方で相対的には沖縄であるとか北陸については、競争の進展がやや鈍いという評価になるのかなと考えてございます。

14ページ、新電力の電力調達というところが電力料金についても大きく影響していくわけでございますけれども、新電力がJEPX、卸電力取引所でございますが、取引所から電気を調達するという傾向が近年強まってございます。

19ページ以降で、実はこの経過措置の専門会合に先立って昨年秋から研究会をやってきてございまして、その議論の状況を極めて簡単に御紹介をさせていただければと存じます。

22ページにメンバー表を付けさせていただいてございます。

その上で20ページでございますけれども、中間論点整理をこの8月にやらせていただきまして、我が国の電力・ガス市場の特徴として、各地域で発電及び小売りの市場支配的事業者が垂直統合をされているということが大きな特徴ですねということでございまして、理論的にはそういう意味では電源、顧客から上流、下流と言ったほうが分かりやすいかもしれませんけれども、そういうものの囲い込みであったり、内部補助によって競争がゆがむという可能性等々があるかもしれないということでございます。

その上で競争政策上の個別の課題として長期契約等々の課題もありますね。一方で電気の経過措置料金規制についても、こちらでもたたき台的な形で議論をしていただいてございますけれども、一般論としては規制なき独占を防止できるということなのであれば、基本的には総括原価的な規制よりも市場の規律を委ねることのほうが合理的なのではないかということが1点。

2点目としては、後ほど触れさせていただきますけれども、解除基準としてはおよそ3項目ある。消費者等の状況あるいは解除するかどうか検討する時点においての競争圧力が十分にあるのかどうか。新電力のシェア等々が鍵になりますけれども、競争性が十分にあるのかというところが2点目です。

3点目は、競争圧力が将来的にも持続するのかどうかというところを総合的に判断するということだと結論を出していただいてございます。

さらに、この3段階料金に関しても若干意見がございまして、特に第1段階のところはそうでございますけれども、原価以下の供給の義務付けというものは競争をゆがめるのではないかという意見。あるいは大家族は相対的に負担が大きくなるのではないかという意見。現状の3段階料金は逓増的でございますので、省エネに資するという面があるのではないか。これを仮になくすとしても省エネに資する代替的な取組が求められるのではないか。そういった意見があったということでございます。

具体的な解除基準としては21ページ目にたたき台として紹介させていただいてございまして、これも材料にしながら今後、正式な場である経過措置専門会合で議論をしていくことになるわけでございますけれども、議論のたたき台としては消費者等の状況ということが1点目。今、申し上げたことですが、2点目としては十分な競争圧力として新電力のシェアであるとか、有力で独立した競争者が複数存在するのかどうかといったことを見ていくということ。3点目として競争の持続性というところで、例えば電源アクセスにイコールフッティング制等々を考えていくということを結論としてさせていただいてございます。いずれにせよ、この検討に当たっては消費者等の理解を丁寧に見ていく。そのための取組が重要なのだろうということを強調させていただいてございます。

続きまして、最後にガスの特別な事後監視についても御紹介をさせていただければと存じます。こちらについては本年4月においてこちらの場で御報告させていただいたことの、基本的にはケースのリバイスにすぎないところがございますけれども、まず1ページ目から御紹介させていただきますと、ガスのほうの経過措置料金規制について、規制が課された事業者を対象にして3カ月ごとに報告徴収を行っているということでございます。仙南ガス等々、3社については解除基準を満たしているということで、3月1日に指定の解除を決定したということでございます。

3ページ目に特別な事後監視の状況について御紹介をさせていただいております。具体的には一般的な監視に加えて経過措置料金が課されない、または経過措置料金規制が解除されたガス小売事業者のうちの都市ガスの利用率が50%を超える事業者を対象にしてガス小売料金、合理的でない値上げが行われないように報告徴収を行ってございまして、具体的には平均単価であるとか標準的な料金が値上げされていないかというところについて報告徴収を行って、チェックをしてございます。対象事業者はこちらの表にお示しをさせていただいてございますけれども、これまでに問題となる事例は認められていないという状況になってございます。

私からの説明は以上でございます。どうもありがとうございます。

○古城座長 ありがとうございました。

それでは、御質問や御意見のある方は御発言をお願いいたします。陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 御説明どうもありがとうございました。

いただいた資料1-1の中の9のところ、関連条文の理解なのですけれども、第16条の3行目の文末なのですが「適正な競争関係が確保されていないことその他の事由により」という、その他というのは具体的にはどういうものを想定して、ここにその他というふうに置いてあるのでしょうか。

もう一つ、11ページの経過措置料金撤廃に向けた大手電力会社の実務的手続、配慮事項のほうに挙がっていますが、これは具体的に規制が解除された場合、どのような手続で進んでいくのか、イメージだけでも教えていただけたらと思います。例えば解除されていない地域に解除された地域の電力会社が入るときは、規制料金のプランをもってそこでやっていかなければいけないのか等、そういったことを少し教えていただければと思います。2点お願いします。

○木尾取引制度企画室長 御質問にお答えさせていただきます。

まず条文のところのその他の事由について、具体的に何を想定しているのかという御質問であったと承知してございますけれども、結論を申し上げますと、現時点で具体的にこれを想定していることはございません。基本的には適正な競争関係を中心にしてございますけれども、そのほかにももしかしたら追加的に考慮する事情があるかもしれないということを踏まえて、この条文は規定されているものでございまして、現時点で具体的にこうだというものを想定してございませんけれども、消費者委員会での御議論あるいは専門会合の議論の中で必要があると判断されれば、それを考慮することになっていくということでございます。

御質問の2点目、11ページの配慮事項の大手電力会社の手続というところでございますが、いずれにせよ慎重に議論していくことになるわけでございますが、将来のどこかの時点で解除することになったということにおいて、例えば委員の御質問にも若干重なると思いますけれども、どうやって規制料金のユーザーに対して、どのタイミングで、どういう内容で周知をしていくのか。何回程度周知をする必要があるのかということが例えば想定されておられます。さらに申し上げると、旧一般電気事業者、小売電気事業者は情報システムを相当変えなければいけないということも実務的には聞いてございます。東京電力で言えば何千万件という契約件数がございますので、そういうシステムを相当大規模に切り替えなければいけないといった話なんかも聞いてございます。

これ以外にも実務的にはいろいろあるのだろうと思ってございますけれども、これからの検討事項になりますが、現時点で私どもが認識しているところは規制料金の切替えが抑えられる、その対象となるお客様に対してどうやって周知をするのか、判断の機会を与えるのかということが1点目と、情報システム関係があるということは少なくとも認識してございます。

○陶山委員 そうすると今、大半を占めている規制料金の契約者のところは、一件一件契約のし直しということで進んでいくことになりますか。それとも今このプランは自動的にこういったプランに変更になりますといった置換えがなされるのだろうかとか、ちょっと想像がつかないわけですが。

○木尾取引制度企画室長 今、御指摘の話も含めてこれからの検討事項になりますが、少なくともガスについても同様の法制が存在するわけでございますけれども、ガスについては新たに契約を結び直すということはなかったということでございます。いずれにせよ、今後の検討事項でございます。

○古城座長 他いかがでしょうか。小浦委員、どうぞ。

○小浦委員 御説明ありがとうございました。とても分かりやすい説明だったのですけれども、8ページのところで契約口数ベースと電力量のベースでも、まだまだ規制料金がこれほどあるんだなということで、これをこれからのスケジュールの中で経過措置専門会合の中で判断、評価をしていくということなのですよね。その場合にもう一つ、参考資料でお話しいただきました研究会における中間論点整理の21ページも横に置きながらというか、この扱いと検討委員会の検討の進め方を教えていただけますか。

○木尾取引制度企画室長 この研究会の位置付けでございますけれども、あくまでも有識者、特に独禁法、競争法の学者の方々、産業組織論の方々等々の理論的な検討ということでございますので、正式なものではない。勉強と言うと語弊がありますが、あくまで研究会ということでございまして、一つの重要な参考資料になると思いますが、これに拘束されることなく今後、9月から開催してございます経過措置の専門会合で正式に多様な方々に御参加いただき、多様な方々にヒアリング等々もさせていただきながら、丁寧に消費者の方々等々の声を酌み取らせていただいて、議論をし、正式に決めていくということなのだろうと理解してございます。

そういう意味で簡潔に申し上げますと、21ページの基準は重要な参考にはなると考えてございますけれども、このとおりにならなければいけないというものではないということでございます。

以上です。

○小浦委員 続けて恐縮です。先ほどの条文の中にもありましたけれども、必要性が高いと認められる地域には存続をさせるという、地域ごとの判断といいますか、そこは検討委員会での話だと思うのですけれども、そういう判断をするに当たってのデータというものは、地域ごとのスイッチング率のほかにどのような新規参入者がどれだけあるかなど、それ以外に何か考えていらっしゃるようなデータがございましたら教えてください。

○木尾取引制度企画室長 そういう意味で言うと、多種多様なデータをこれから頑張って取っていかなければいけないなと思ってございますけれども、現時点で問題意識を持っているところで言うと、地域ごとに異なるところがあると思いますが、消費者の方々、需要家の方々がスイッチングされて満足しておられるのかどうか、あるいはスイッチングを現時点でされていない、むしろそういう方が多いと思いますが、されていないとすると、どういうところがネックになっているのかといったようなことは少なくとも調べていかなければいけないと思いますし、さらに競争が継続するのかどうかということからすると、新電力の競争力の大きな根源は電源調達にあるわけでございますので、そういう電源調達みたいなところが現状どうなっているのか。一般的事業者と比べて有利なのか不利なのかといったような話も少なくとも詳細に調べていかなければいけないと思いますし、さらに進んで全国、地域ごとに電気料金の動向というものが順調に下がってきているのかどうなのかということについてもチェックしていく。結果として特に携帯電話等々でよく指摘されているところでございますけれども、協調的な価格設定が行われて競争がきちんと行われないといったようなことが起こっていないのかというところについては、きちんと数字で客観的に判断をしていく必要があるのではないかと考えてございます。

○古城座長 古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 御説明ありがとうございました。

レジュメのほうで御質問なのですが、最初の経過措置料金に関する議論の状況についての11ページのところなのですけれども、資源エネルギー庁と電力・ガス取引監視等委員会がそれぞれ役割分担されて、いろいろ検討していただいていると理解しましたが、料金制度について具体的に3段階料金の最終保障とその他電気料金の今後の規制のようなところは、先ほど共同で検討されるとおっしゃっていたのですが、少なくとも経過措置料金撤廃に向けての間どのような議論を具体的にされる、どういう分担でされるのかということ。

それから、右のその他関連事項というところで経過措置に関する事項の検討とあるのですが、これは具体的にはどういったことなのか、まず教えてください。

○木尾取引制度企画室長 なかなかお答えしづらいところがあるかもしれませんけれども、この3段階料金制度、最終保障供給のところについて資源エネルギー庁と私どもで分担することになっているわけでございますが、現時点でこの部分は資源エネルギー庁とか、この部分は私どもの委員会という形で、明確な分担関係はまだ現状決まってございませんで、今後、専門会合における議論が進展していく中で、具体的な分担の中身を決めていきたいと思ってございますけれども、いずれにせよこれはこれで極めて重要な検討事項でございますので、検討漏れにならないということについては注意をしていかなければいけないと思ってございます。

あと、右のその他関連事項の中での経過措置に関連する事項ということのお話でございますけれども、こちらについて観念的には私どもが意識していないことがあるかもしれないということで書いてございますが、現状、具体的にこれを少なくとも検討しなければいけないということについて、大きな項目は現状、具体的にはございません。基本的には燃料調整費の話、常時バックアップ等々の競争関係の話がメーンな検討事項であると承知してございます。

○古賀委員 ありがとうございます。

次に、ちょっと飛んでしまって恐縮なのですが、資料1-2の低圧部門の状況について、消費者として一番関心があるのは経過措置料金の解除基準、最後にまとめていただいた21ページのところで、こちらはまだこれから本格的に制度をどうするか決められるということだと思うのですけれども、消費者の状況ということなのですが、重点の置き方というか意識としまして、現状スイッチングについての消費者の関心とか満足度とかスイッチング率というのは、この後、消団連さんからもいろいろなことを教えていただけると思うのですが、具体的には消費者にとってまず選択の環境が整備されていないということは、現状のスイッチングを幾ら分析しても、具体的にどういう政策を立てていったらいいのか分かりにくいと思います。それから、3段階料金のところでもよく言われているところなのですけれども、3段階料金として料金制度の中でいろいろなことを吸収していくのか、それとももう一つ、消費者の立場からみた弱者保護、こういった競争環境の中で取り残されていく消費者をどうやって保護するのかという視点も非常に重要だと思うのです。

そうしますと、経過措置料金の解除基準の概要のまとめの部分を拝見しますと、低圧部門の市場の構造とか行動とか競争基盤の構築状況など、十分な競争圧力があって、なおかつ競争の持続的な確保があるということが解除の基準としてむしろ非常に重要であって、消費者の状況というのはその下の2つの要件と言ってはおかしいですけれども、こういったことが満たされた後の話になるように思われるのです。ここのところの低圧部門の市場構造の競争圧力とか蓋然性とか実際の競争圧力の顕在化とか、そういったものの検討状況をこの1年で実際にちゃんとできるのかということについては非常に疑問に思っていますので、そこら辺の見通しについて教えてください。

○木尾取引制度企画室長 まずスケジュール感として申し上げますと、来年4月以降、指定することが法律上、可能になりまして、逆に言うと来年度中に何も指定しなければ、法律上は再来年の3月末に規制がなくなってしまうという構造になっているわけでございますので、来春になければいけないので、法律でそういう義務があるわけではございませんけれども、この半年間で検討し切れるかどうかは現時点で確信を持っているものではございませんが、できるだけ来春を目指して検討作業を進めていきたい、頑張っていきたいというように、まずスケジュール感としては思ってございます。

その上で、この研究会における解除基準でございますので、これに必ずしも拘束されなければいけないというものではございませんけれども、有力な参考指標としての解除基準について説明させていただきますと、消費者等の状況というところは競争圧力あるいは競争の持続性というところと比べて劣後するものでは全くございませんで、むしろ最優先で考えるべきであるといった重要なものであると思ってございます。

思いとしては、一般的な競争政策、公正取引委員会がされています合併審査みたいなところもそうだと思いますけれども、消費者の方々が関心を持って電気料金のスイッチングという、安い電気料金を選ぶ、あるいはより付加価値が高い電気料金の関連サービスを選ぶといったことで積極的に選択をいただくというところが非常に重要でございまして、逆にそういう選択をする意識が仮に非常に低いということになると、シェアが高い方が電気料金を引き上げたとしてもお客様は逃げないので引き上げやすくなってしまう。そういう構造になっているわけです。競争政策ではなくて一般の考え方だと思いますけれども、そういう観点からすると消費者の方々がいかにそういう選択をしてもらう環境になっているのかと、委員の御指摘にもありましたが、そういう選べる環境になっているかどうかというところは、非常に重要な課題であろうと思ってございます。

事務局として現時点で思ってございますし、現状、この専門会合でも消費者団体の方々等々からヒアリングを進めさせていただいているところでございますけれども、そういう中でそういうお声等々がいただけるのではないかと思ってございますが、そういうことなのであれば、どうやって選べる環境をより作っていけるのかというところについても、検討課題になり得るのではないかと考えてございます。

○古賀委員 ありがとうございました。

くどいようですけれども、選択環境が整備されて、なおかつ弱者保護の視点が盛り込まれるような制度をぜひお願いしますということと、それから、15と16のスライド、今の低圧部門の状況についてのところなのですが、2018年で急激にJEPXの取引量が上がっているのですけれども、これはグロス・ビディングの制度を始めたからなのでしょうか。それとも別の要因があるのでしょうか。

○木尾取引制度企画室長 最大の要因はグロス・ビディングが始まったこと。内部取引を市場経由のものでしていただいているのが最大の要因であると理解してございます。

○古賀委員 もう一点だけ、ガスのことなのですが、ガスの御説明を余り詳しくいただけなかったのですが、ガスの場合は指定解除ということをされていらっしゃるわけですが、ガスの1ページのところに基準が4点ほどございますけれども、現実にはどの要件によって解除がされているのかということを教えてください。

○木尾取引制度企画室長 基本的にはマル1が一番多いということになってございます。

○陶山委員 今、古賀委員の質問に関連して、経過措置料金の規制の解除の3つの判断する重要なポイントというところで、資料1-2の20ページ、21ページに関連して質問をさせていだきます。

その中の次の3項を総合的に判断することが必要になっておりまして、競争の持続的な確保とあり、次のページにはこれこれのポイントで見ていきますということが説明されてあるのだろうと理解します。ただ、これが全部満たされた場合であっても、日本の企業の特徴として議論の中でも指摘されている垂直統合によって資本の大きさ、優劣によって一旦、競争的な市場が作られたとしても、またそこが寡占状況、独占状況に戻らないという保証はどこにもないのではないかと思うわけです。そういった場合の手だてとして、ここにはどうしても持続的な確保、21ページに書かれているポイント以外に見ていかれるポイントとか、あるいは以前、別の議論の中でも触れましたが、ガスの自由化のときでももう一回、独占状況になったときに、もう一度、規制ということを考える必要があるのではないかということも話した記憶がございますが、そういったことについては現在の議論の中では取り上げられていないと理解してよろしいのでしょうか。そうであればここの21ページに書かれていること以外に逆行しない、一旦、競争的環境ができたのだけれども、持続的に確保できるのかどうかという見極めなり歯止めというものはどういうふうにしていこうという議論となっているのか、教えていただきたいと思います。

○木尾取引制度企画室長 まず御指摘の点は、基本的には研究会においても競争環境の持続性というところで具体的に検討し切れているかどうかはともかくとして、概念的には含まれているのだろうと思ってございます。

ただ、必ずしもこの部分について具体的な歯止めになっているかどうかというところについては、今後、専門会合の中で更に十分な措置になっているか、もっと具体化すべきなのかどうかというところについて、議論を深めていくことになるのではないかと理解してございます。現時点でこの歯止めで十分とか十分でないというところについては、これから検討するという話でございます。

○古城座長 あといかがでしょうか。

私からなのですけれども、電気の場合は原則として経過措置を廃止して、特別な地区だけは残すのですか。

○木尾取引制度企画室長 法律の書き方としてはそうなっています。

○古城座長 それでガスは特別の監視はない。

○木尾取引制度企画室長 ガスのほうも法律上、ガス事業法上、特別な事後監視が位置付けられているものではないところでございまして、いずれにしても法律の話ではないので、電気のほうでも今後の御議論によっては、電気の特別な事後監視についてアプリオリに否定されているものではないということでございまして、必要があればそういうことも論理的にはあり得るという判断です。

○古城座長 そうですか。

○陶山委員 簡単なことを確認させていただいていいですか。

同じ資料の12ページの新電力のシェアの推移という表なのですが、線が重なって見えにくいのですが、九州のところの低圧の合計は6.7のほうでよろしいですか。

○木尾取引制度企画室長 すみません、手元に今、数字がございませんので、後ほど事務局様に御報告をさせていただきます。大変恐縮でございます。

○陶山委員 よろしくお願いします。

○古賀委員 ガスの7ページのところなのですけれども、ガスのスイッチングなのですが、累積スイッチング割合が12.5%で、総スイッチング件数の63%はインターナルスイッチングだったというふうにあるのですが、電気も同じようにインターナルスイッチングが割合的には非常に多いように感じているのです。これまで規制料金で料金設定についてはいろいろ問題がある反面、料金の不当な値上げという面の監視としては消費者も保護されていた側面があると思うのですが、インターナルスイッチングであると規制料金が完全に外れてしまうと、完全に自由な裁量の中で料金設定ができるという形になっていくわけです。その場合に何が消費者にとって懸念というか疑問になるかというと、今の電力もガスも同じですけれども、要するにもともと独占的にしていたところであるので、法的分離がきちんとされて各会社が分離すればいいのですけれども、そうではなくて内部補助のところをどう監視していくかという点が重要だと思うのですが、それは競争政策の中ではどのように考えていかれるのでしょうか。

○木尾取引制度企画室長 まず内部補助の前に申し上げると、参考資料1の10ページのところに低圧電気におけるスイッチングの状況を御紹介させていただいてございまして、いわゆるインターナルで来たのが分解されてございます。累積値でございますが、左下の赤字で11.3%と書かせていただいているものが、みなし小売電気事業者から新電力へのスイッチング、いわゆるエクスターナルなスイッチング率がこの数字でございます。一方で、右端でみなし電気小売電気事業者の規制料金から自由料金への変更というものを紹介させていただいてございまして、これが言葉で言うインターナルのスイッチングというものでございまして、そういう意味で言うとガスと若干状況が違って、エクスターナルスイッチングのほうがかなり多いという状況なのかなと思ってございます。

これは研究会のほうでもインターナルスイッチングの取扱いについては議論をいただいておりまして、新電力のシェア、競争圧力をカウントするかどうかということで言うと、エクスターナルのスイッチングのみをカウントする。インターナルのスイッチングはカウントしないという形の結論になってございまして、もちろん研究会に必ずしも拘束されるわけではないですけれども、今後の専門会合における議論でも今、申し上げたことが事務局としての基本的な考え方になる。そういう説明をさせていただくことになるのであろうと考えてございます。

その上で内部補助のところについて御指摘がございましたけれども、一般論で申し上げますと内部補助は競争をゆがめる可能性があると考えてございます。現時点で具体的な議論をやっているものではございませんが、今後の専門会合の議論の中でも内部補助による懸念が現実にあるのかないのか、あるとすればどういうことをやる必要があるのかというところについては、議論していく必要があるのではないかと考えてございます。

○陶山委員 競争的環境を見る場合に、例えば資料1-2の12ページの新電力シェアの図なのですが、これはそれぞれ低圧、高圧、全電圧と合計となっているのですけれども、シェアは競争的な市場ができているかというところを見られるときは、これはどの数値を見られるのでしょうか。分解して見ていかれるということでしょうか。全電圧を合計した数値でしょうか。

○木尾取引制度企画室長 この経過措置料金との関係で言うと、低圧のシェアを見ていくことが基本になります。もちろん必要があれば高圧とか特別高圧とか全体とか見ることも否定はしませんけれども、中心になるものは低圧におけるシェアであると思ってございます。

○古賀委員 経過措置料金を解除するに当たって、諸外国の例などを見ると競争環境をほとんど調査しないで解除している例もあると思うのですが、日本の場合は基本的にはざっくりとどういう方針でいくのか。どの程度の環境まで重視してとっていくのでしょうか。

○木尾取引制度企画室長 諸外国ではイギリスであるとかアイルランドであるとかドイツだとかいろいろな事例があるわけでございまして、おっしゃったことでいうと定量的に結構やっているところと、かなり定性的、総合判断的な部分が多いところと結構分かれるのかなという印象は持ってございます。議論はいろいろとございますけれども、今後議論を進めていく中では極力定量的な、係数的なもので客観的に判断できるような形を目指していきたいとは思ってございます。そういう意味では先ほど委員から御指摘がありましたが、いろいろなデータを集めてできるだけ客観的、均一的な判断を目指していくということでございます。もちろん最後の最後で定性的な部分は残らざるを得ないと思ってございますけれども、そういうことを目指していくということでございます。

○古城座長 あといかがでしょうか。

ガスの特別な事後監視についてなのですけれども、ガスというのはかなり大胆に経過措置料金を廃止して、そのかわり念のために特別の監視をやるということで報告はあるのですけれども、ちょっとよく分からないのですが、結論としてこの間の特別な監視をしても不合理な値上げがなかったという事実は認められたというのですが、値上げがあったけれども不合理でなかったというのか、値上げがほとんどないと言っているのか、その辺がちょっと分かるような資料になっているのでしょうか。それか合理性の判断というのも示されているのですか。

○取引監視課担当者 取引監視課の栗島と申します。

まず値上げの件数自体は、今までの中で3社5件の値上げが認められておりまして。

○古城座長 3社5件の5件というのはどう数えますか。

○取引監視課担当者 1社なのですけれども、地域で。

○古城座長 5地域ですね。

○取引監視課担当者 そういうことでございます。4月にも値上げされた件数がきちんと示したほうがいいのではないかという意見をいただきましたので、公表する際には値上げの件数を書く方向で検討してございますけれども、今書いてある4ページ目の資料で最新の公表資料を載せておりますが、最新のものでは値上げ自体が0件でございましたので、値上げを行った事実は認められていないという形で公表させていただいてございますが、今後、値上げがされたけれども、不当な値上げでなかった場合には値上げの件数なども記載する方向で検討してございます。

○古城座長 それで合理的でないとかいうのは。

○取引監視課担当者 合理的でない値上げというのは、今までの説明と重なる部分が出てきてしまうのかもしれないですけれども、何ら根拠のない値上げ、つまり現状、黒字経営を行っているけれども、もっと黒字幅を伸ばしたいみたいな値上げというのは当然、合理的でない値上げだと考えてございます。その他の類型でも大規模な設備更新といったシステムを予定されていない事業者が値上げを行っていくとか、そういったものは合理的でない値上げだと考えてございます。

○古城座長 それだと消費者にとっては有り難いかもしれないけれども、自由化した意味がないというか、競争があるから抑制されるので、自分たちは非常に競争力があるからコストは下がっていますけれども、値段は高くしますよということができる環境になったから料金規制を外しているのでしょう。原則は。その後、コストが上がっていないのに値上げするのはいけないとして不合理だと言っていると、それは料金規制ですね。だから要するにあれですか。一応、自由化はしたけれども、コストの根拠のない値上げはやってはいけませんよというふうになっているわけですか。この特別監視地域では。

○取引監視課担当者 そうですね。解除されても、ガス小売事業者のうち、都市ガスの利用率が50%を超える事業者の地域が指定されてございますので、ちゃんと特別な事後監視をしましょうという制度になってございまして、その中で根拠のない値上げをしないように我々は監視をしているということです。

○古城座長 そうすると、考え方としては市場支配力がかなり残っているところは経過措置料金を残しておくというふうにすれば、余りそういうことは起きなくて、市場支配力が残っているかもしれないけれども、経過措置料金を廃止しましたということをすると念のために形を変えた料金規制を残します。こういうスタイルになって、そういう整理をするのだったら今の御説明は合理的だけれども、そう理解してよろしいのですか。

○松村委員 確認いいですか。以前は値上げするときには認可が必要なので、だから勝手に料金を上げられるわけではなく、当局からオーケーと言われて初めて上げられた。自由化されたわけだから料金は自由に付けられることにはなっているけれども、それが著しく不当なものだったら最終的には変更命令か何かで対応する。したがって、上がった後で対応するということ。自由化前と同じではなく、全く違う世界になっている。

○古城座長 それは手続は違うと思うのですが、認可制、一種の届出制プラス変更命令というのはどちらも料金規制のやり方ですね。だから今の松村委員が述べたとおり、事後監視というのはある種の料金規制ですよという説明になるのだけれども、もう一つの考え方は、事後規制というのは料金規制ではなくて、何らかの濫用防止措置として非常に例外的なものですよという説明になると思うのです。

○松村委員 変更命令ですから、それは例外的なもの。

○古城座長 だから仕分けがよく分からなくて、市場支配力があっても格段の市場支配力がなかったら経過措置はなくします。そして濫用規制で対処しますという枠組みがありますね。ガスはそれをとったらしいというのは分かるのですが、電気もそうなってくるのですか。電気はもう少し慎重で、市場支配力がなかったら経過措置料金は残しますという枠組みだと、ガスより経過措置料金の廃止に慎重な態度をとります。そうすると今の安全装置みたいな事後監視の活躍の場は余り残りませんよと。こちらは競争でやりますし、こちらは経過措置料金で対処しますよということになるのですけれども、ガスは経過措置料金をものすごく絞り込んだからフォローするような事後監視というものがあって、本当に競争ができるところは安心して競争に任せるという3分野に分けた対応をガスはしたけれども、電気は違う。イメージなのですけれども。

○木尾取引制度企画室長 今後の検討になるところはもちろんあるわけなのですが、事務局の現時点の認識として申し上げると、電気とガスは全然違うものであると思っております。ガスの経過措置料金の議論をする前提として、ガス事業について電気であるとかLPガス、都市ガスであるとか燃料間という言葉が適切かどうか分かりませんが、競争があるというのが前提に立ってこういう基準になされているということだと理解しております。

一方で電気については、もちろん暖房みたいなところで電気も灯油もガスも使える。論理的には使えるというものももちろんなくはないですけれども、電灯なんかは典型的ですが、基本はそういう部分は例外的ということで、電気にかわり得る材はないという場合が大部分であろうと考えてございますので、ガスの経過措置料金の基準には余り参考にならないのではないかという前提で今後、議論していくのではないかと考えてございます。したがって、その結果として事後監視の在り方についても、ガスのものとは全く違う形になる可能性もあるということだと思っています。

○古城座長 今日の御説明でガスの合理的でないという意味は分かったのですけれども、説明が不十分で余り透明でないのが現状なので、こうやって運用していますよというのを説明してもらわないと不安なのです。

○取引監視課担当者 かしこまりました。事務局を通じてまた資料等々お届けするようにいたします。

○古賀委員 基本的な質問で恐縮なのですが、変更命令というのは現状、ガスにもあるのですか。自由化された後、変更命令というのはないのかと思っていたのですが。

○木尾取引制度企画室長 正式な名前については業務改善命令というのがございます。それに応じていただくという立て付けになってございます。

○古賀委員 これまで業務改善命令はあったということですか。

○木尾取引制度企画室長 現状もあります。自由料金であろうと規制料金であろうと業務改善命令はあります。

○古賀委員 そうすると、認可とか届出とかそういうことがなくなった場合、完全に自由料金になった場合には、変更命令というのはもうなくなるのですね。

○木尾取引制度企画室長 自由料金なので、それに対する事後的に業務改善命令を打って料金を変えなさいということは、法律上できるようになっています。

○古賀委員 それは行政指導とかでしょうか。

○木尾取引制度企画室長 命令でございます。

○古賀委員 ではより一層、この業務改善命令の要件、現状のガスの業務改善命令の詳細な内容など教えていただけると有り難いです。古城座長がおっしゃったこととほぼ同じです。

○木尾取引制度企画室長 分かりました。

○小浦委員 確認なのですけれども、本当にお話を聞いていまして自由競争になってくれば、事業者としては事後監視もされたくないといいますか、必要ないということが本当の自由競争なのだと思うのですけれども、11ページのところに書いてありますように、指定基準等のところの括弧の中に実効的な事後監視の仕組み等も検討と書いてあります。これがあることが消費者にとっては安心なところではあるのですが、電力・ガス取引監視等委員会としてもここのところは何らかの形が必要だという方向で考えていらっしゃるのか、確認させてください。

○木尾取引制度企画室長 研究会のほうでも実効的な事後監視が必要である。なぜなら電気は究極の生活必需品であるということも踏まえまして、実効的な事後監視が必要ということになってございます。今後の議論は私はあくまで事務局でございますので、議論を決めるという立場ではございませんけれども、御議論の中でもそういう問題提起はさせていただく必要があると考えてございます。

○陶山委員 先ほどの古城座長のお話に関連しますが、多分、合理的でないと不当であるというのは違うレベルで使われていると思うのですが、もし事務局としてどのような、先ほど後ほどお伝えしますとおっしゃった中に、こういう状況については合理的でない、ただし、こういう状況は不当であるというような整理ができるものであれば、その点を私どもにも教えていただきたいと思います。

○木尾取引制度企画室長 厳しい御質問でございまして、現時点で合理的とか不当について詳細な明確な具体的な判断基準があるというものでは必ずしもなくて、事例の蓄積を待ちながら考えていくという部分もあるのはあるのでございますけれども、少なくとも電気のほうについては実効的な事後監視の中でも、できるだけ予測可能性があるような形で具体的なものを作っていくべく考えていきたいと思ってございます。

○古城座長 あとよろしいでしょうか。

それでは、質疑応答は以上といたします。ありがとうございました。

(電力・ガス取引監視等委員会事務局 退席)

(一般社団法人全国消費者団体連絡会 着席)

○古城座長 続いての議題は、電気料金の自由化に関する消費者アンケート等についてのヒアリングです。

本日は、一般社団法人全国消費者団体連絡会より浦郷由季事務局長、小林真一郎事務局次長、中本純子政策スタッフにお越しいただいております。

それでは、御説明をお願いいたします。15分程度でお願いいたします。

○浦郷事務局長 全国消費者団体連絡会の事務局長をしております浦郷と申します。

本日はこういう意見を述べる機会をいただきまして、どうもありがとうございます。

座って報告をいたします。

私どもの資料、電気料金の自由化に関する消費者アンケート結果報告を見ていただきたいと思います。

2016年4月から家庭用電力小売が全面自由化され、様々な事業者が電力小売に新規参入し、自社の特有のサービスなどと併せた料金プランを設定。そして、私たち消費者は電力をどの事業者から購入するか、その事業者の事業方針やサービス、料金プラン等を比べて自由に選べるようになりました。しかし、実際にどれだけの消費者が電力会社を切り替えたでしょうか。

全国消団連では、電力小売自由化3年目に入る今年4月、電力会社を切り替えたかどうかを含め、消費者が電力の経過措置料金規制についてどのくらい認識しているのかをアンケート調査いたしました。アンケートは4月27日から5月18日の3週間、一般消費者を対象にホームページや会員団体を通して呼びかけ、205通の有効回答をいただきました。

アンケートにお答えいただいた方の住まいなのですけれども、東京電力管内の関東が6割、関西が2割強、そして残りの2割弱がその他の地域となります。

では、アンケートの結果について1ページ目の四角い枠の中、調査結果のポイントに沿って御説明いたします。

まず電力会社を切り替えたかどうかの質問では、「電力会社を切り替えた」35.6%、「今までと同じ会社で、料金プランを切り替えた」3.9%を合わせますと、回答者の4割近くが切替えをしております。これは消費者委員会事務局が2月に行ったインターネット調査結果の「切り替えた」18%と比べると高くなっております。私どものアンケートはホームページで一般消費者にも呼びかけていましたが、実際にアンケートに答えてくれた方というのは消費者団体からの呼びかけ等に応じたものと思われ、一般の消費者と比べると電力自由化に関心を持っている方が多かったと思われます。

切り替えた理由の一番は、「料金が安くなる」という経済的メリット、そして「原発由来の電力を使いたくない」、「大手電力会社との契約をやめたい」、「再生可能エネルギーを使いたい」という個人の思いから切り替えたというものが多く見られました。

また、「1箇所でガス、電気、電話などをまとめて支払える」という利便性から切り替えたものや、「営業で強く勧められたから」という回答もありました。

一方、切り替えていない理由としては、「切り替えるメリットを感じない」、「手続などが面倒だから」、「電力会社を切り替えるということ自体がどういうことか分からない」というものや、「切替えを考えるとしても他の電力会社の情報が少なく選び方がわからない」、あるいは「マンションなどの集合住宅で一括受電しているため、個人で切り替えられない」というものが多く見られました。

また、「切り替えたい電力会社が見つからない」、「選択肢が少ない」、「もう少し様子を見てからにする」という理由もありました。

続いて、経過措置料金についてです。1枚めくっていただきまして右側の下のほうになりますけれども、経過措置料金については、まず経過措置料金というものがどういうものかという説明文を付けた上で、経過措置として残されている規制料金が原則2020年3月末で廃止され、地域ごとの大手電力会社も全て自由料金になることを知っているかどうかを聞いています。

次のページを開いていただきますと結果が出ておりますが、これについては「知らなかった」39%、「聞いたことはあるが、詳しい内容は知らなかった」44%ということで、合わせて8割を超えております。ほとんど認知されていないことが分かります。

さらに、次のQ5を見ていただきたいのですが、経過措置料金規制の撤廃について、ここにあるような「ア」から「オ」の選択肢を挙げて、一番近い考えを選んでもらいました。一番多かったのは「ウ」の「電力会社同士の競争が十分に起きていることを確認できれば(2020年以降に)料金規制を撤廃しても良い」37%になります。これは条件つきの撤廃容認となるのでしょうけれども、次は何と「エ」の「わからない」ということで25%です。白黒なので円グラフが分かりにくいかと思いますが、「わからない」という回答が25%になります。これは撤廃により料金がどうなるのか、高くなるのか安くなるのかも含め、電気料金の設定や料金の内訳が複雑過ぎて消費者には理解が難しいということの表れだと思います。3番目に多かったのは「イ」の「電力会社同士の競争が十分に起きるとは思わないので、2020年に料金規制を撤廃するのはまだ早い」これが24%という撤廃反対の意見になります。そして「ア」の「電力会社同士の競争が十分に起きると思うので、2020年に料金規制を撤廃しても良い」という回答は、わずか10%にとどまっております。

最初のページに戻っていただきまして四角枠の下のほうになります。経過措置料金規制が解除されることについての意見です。「消費者が規制料金のことや撤廃された場合のメリット・デメリットについて十分認識していないので、2020年の撤廃には反対」、「料金規制を撤廃しても競争圧力が強まるわけではなく、むしろ値上げしやすくなるだけのため、消費者保護の観点から規制料金の廃止は反対」、「大手電力会社が送電網を独占している限り、自由な競争の土台がつくられるとは思えないので、料金規制撤廃はするべきではない」という反対意見や、「何をもって競争が十分にできているとするのか根拠を明確にしてほしい」、「撤廃されたら電気料金はどうなるのか」、「撤廃後の監視体制を徹底してほしい」、「撤廃後の電気料金が適正なものかどうか、検証評価が必要」、「料金プランをわかりやすく提示してほしい」、「将来を考えると競争は必要」などといった意見が出ております。

次に、今回消費者委員会事務局から自由記入欄のコメントを関東、関西の都市圏と都市圏以外の地域とで分けた形で見たいというリクエストをいただきましたので、そのような形で資料を作りました。ずっとページをめくっていただいて地域別回答状況という大きな表があると思うのですけれども、ページが振っていなくて申し訳ないのですが、地域別回答状況マル1、「電気の切り替え状況」という表を見ていただきたいと思います。

電気の切替え状況は、都市圏では「電力会社を切り替えた」が4割強、「切り替えていない」が6割弱。しかし、その他の地域では「電力会社を切り替えた」か、「同じ電力会社の料金プランを切り替えた」を含めてやっと2割を超える程度というところで、「切り替えていない」が8割で、その他地域のところでは切替えが進んでいないことが分かります。

都市圏で切り替えた理由と切り替えない理由というのは、先ほど説明した全体の調査結果のポイントと同じになりますけれども、都市圏以外の地域で切り替えない理由としては、「メリットを感じない」、「手続などが面倒だから」、「ほかに選択肢がないから」という理由がしっかりと挙げられています。

続きまして、また大分めくっていただくようになりますが、地域別状況マル2、「経過措置料金規制の認知度」という表を見ていただきたいと思います。この認知度につきましては都市圏、都市圏以外ともに差はなく、内容も含めて知っていたのは2割程度にとどまっております。

その隣のページ、マル3のところになります。「経過措置料金規制解除に対する見解」というところで、都市圏では「電力会社同士の競争が十分に起きていることを確認できれば料金規制を撤廃してもよい」という条件つきの撤廃容認の意見が一番多いのですが、都市圏以外のところでは「電力会社同士の競争が十分に起きるとは思わないので、2020年に料金規制を撤廃するのはまだ早い」という、撤廃反対の意見が一番多くなっております。ここは都市圏と都市圏以外で大きな違いが出たところだと思います。

マル3の下のほうの表になります。パーセンテージの数字で言いますと、都市圏のほうは「電力会社同士の競争が十分に起きていることを確認できれば料金規制を撤廃しても良い」が39.7%で一番多くなっておりますが、都市圏以外のところでは「電力会社同士の競争が十分に起きるとは思わないので、2020年に料金規制を撤廃するのはまだ早い」というのが41.3%で一番大きくなっています。

撤廃が早いという意見が多い都市圏以外のところの自由記入欄を見ていきますと、最終ページの一つ前のページ、真ん中から下のところに都市圏以外というくくりがありますが、そこの自由記入欄を見ていきますと、「現在の大手電力会社の影響力が強く残るかたちでの規制料金撤廃は市場競争を生まない」、「地方は大手独占からなかなか変われない」、また「今は送電網を大手電力会社が持っているので、完全に自由な競争にはならないのではないか」、「競合する企業が少ないので現状では期待できない」というような、競争は起こらないのではないかということが書かれています。

この点に関しては、その前のページのほうがずっと都市圏の自由記入の意見になるのですけれども、都市圏のほうでも「大手電力会社が巨大過ぎて公正な競争が成り立つとは思えない」、また「自由競争をしたら最終的には大手電力会社が残るだろう」、「大手電力会社が送電網を独占している限り、自由な競争の土台が作られるとは思えない」のような意見や、「都市圏ではそれなりの競争があるが、地方はどうなのか」、「人口が減る中、地方では競争は起こらないのではないか」というような記入がありました。

同じく都市圏での自由記入ですが、「(そもそも)消費者は料金規制のことや撤廃された場合のメリット・デメリットについて十分認識していない」という御意見。また、都市圏では条件つき撤廃容認の意見が多かったのですが、「撤廃してもよい」に関する記述はほとんどありません。それはなくて、「撤廃の条件となる電力会社同士の競争が十分に起きているということに関して、競争が十分に起きていると誰もが納得できる判断の基準が問題」とか、「何をもって競争が起きているいないの判断をするのかきちんと議論をしてほしい」という記述や、「撤廃後、料金がどうなるのか不安。もっと情報提供を望む」という意見が多く出されております。

以上がアンケートの結果の報告になりますが、この結果をもとに全国消団連では電力の経過措置料金規制に関する意見という意見書を出しております。それが資料2-2になります。このアンケート結果をもとに1番目としては、周知・広報のための方策を十分に検討し、対応してほしい。2番目として、少なくとも競争状態が確認できるまでは経過措置料金規制を解除しないでほしい。3番目として、経過措置料金規制の解除の検討は消費者の懸念や意見を踏まえ、十分な検討を行ってほしいというところで意見を出しております。やはり電力自由化に当たり、消費者が求めていたのは適切にエネルギー選択ができる環境の整備というところでありますので、そこら辺は消費者の意見を踏まえて十分な検討を行っていただきたいと思っております。

以上で私からの報告は終わります。

○古城座長 ありがとうございました。

それでは、御質問や御意見のある方は御発言をお願いいたします。どうぞ。

○松村委員 質問はありません。まずサンプルとしては意識の高い人たちが集まっている。サンプルバイアスがあるではないかと、妙なことを言う人はきっといると思うのですが、それでもこの調査の価値は高い。相対的に意識の高い人たちがどう考えているのかは重要な情報であるので、こういう形で情報を発信してくださるのはとても有り難い。サンプルが偏っている点は、見るほうがそれを認識した上で見ればよいので、そういうことを気にしないで、こういう格好で情報をとり、出していただくことはとても有り難いことなので、今後も機会があるごとにお願いいたします。

それから、むしろ先ほどもそう思ったのですが、今回、さすがに意識の高い人なので非常に少なかったのですけれども、停電とか震災の対応を考えると、大手のほうが安心という回答が、先ほどの経産省のものほどは目立ってはいないのだけれども、出ている。これは残念というか、新規参入者から買ったときと大手から買ったときで、例えば地震が起こったときに停電が起こりやすいとか、通常時でも新規参入者から買ったら停電が起こりやすいということは絶対にありません。供給不足があって輪番停電になったときにも、大手から買っていれば輪番停電は免れるけれども、新規参入者から買っていたら輪番停電は免れないということも絶対にありません。これはほぼ100%誤解。大手は潰れることはないだろう。新規参入者は財務的に不安だというようなことがあっても、それで停電するわけではなくて、また切り替えなければいけない、面倒くさいなというレベルのことが起こる。だから心配ということはあり得るのだと思うのだけれども、そういう意味では心配はないことを伝えていくべき。これだけ意識の高い人でもまだそこを誤解している人がいることを鑑みると、更に頑張って伝えていかなければいけないと思いました。

次に経過措置の解除に関しては、一方で競争が十分確認できるのであれば解除してもいいという人も、十分確認できるという点に関してはちゃんと確認してほしいということの裏返しだと思います。本当に競争が実効的に行われているのかどうか。しかも都市部だけではなくて地方も含めてちゃんと行われているのかというのはきちんと検証してくれということは、繰り返し私たちのほうからも言わなければいけないと思いました。

以上です。

○古城座長 ありがとうございます。

他の方いかがでしょうか。古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 御説明ありがとうございました。

都市部の非常にいろいろなものに関心の高い、意識の高い、いわゆる消費者の方のアンケートだったという点は、松村委員がおっしゃるとおりだと思うのですが、インターナルスイッチングの割合についてなのですが、今回された調査の中で電力会社を切り替えた方が35.6%いるのですが、インターナルスイッチングが3.9%だったというふうにありまして、先ほどの監視委員会の方の低圧スイッチング状況の10ページのところを見ますと、全体的なスイッチング率が11.3%、消費者委員会事務局がした調査では18%となっていたのですが、インターナルスイッチングが7%だったのです。そのインターナルスイッチングの率はどういうふうにお考えになっているかということと、切り替えた理由は関東、関西で若干違いますけれども、必ずしも安さだけではなくていろいろな社会問題とか意識が背景にあるということなのですが、私はむしろ切り替えていない方の意識というのが非常に重要だと思っていまして、報告いただいた資料の3ページ、「変える必要性やメリットを感じない」とか、「業者の選択手続が面倒だ」というのがあるのですが、こういった業者の選択や手続が面倒であるということについて、全国消費者団体連絡会では今後どういった対応を行政とか企業に求めていかれるのかということを教えてください。

もう一つ、今回の意識の高い方に関しての経過措置料金のアンケートだと理解しておりますけれども、こういった競争において競争弱者の方たちの保護についてはどういった対策が必要かという点について消費者団体としてどのようにお考えなのか教えてください。

○小林事務局次長 御質問ありがとうございます。全国消団連の小林と申します。たくさん御質問をいただきました。

まずインターナルスイッチングの割合の件ですが、私どもの調査では先ほど古賀委員御紹介の既に行われた他の調査に比べると低かったという結果になっておりまして、その理由ですが、この結果報告書の3ページ目に、「今までと同じ電力会社で料金プランを切り替えた方の回答」を記載していますが、切り替え理由を見ると、ポイントがたまるから、単価やサービスが向上しました、というような比較的実利的な観点で切り替えられたということが伺えるわけです。

一方、私どもの調査に御回答いただいた方は、むしろ層としては先ほど来、出ているように比較的もともと本件に意識のあった方が多いということからすると、インターナルスイッチングというよりは電力会社自体を変えようという意識の方が大変多かったのではなかろうかということで、その理由としては先ほども御紹介しましたが、いわゆる旧一電自体を変えたいんだであるとか、原発を使っている電気は利用したくないというような傾向が見られたというふうに受けとめております。

2点目の御質問の、スイッチングを高める方策についでです。今回の調査結果からも、とりわけ都市部以外の方にとってこの電力自由化の情報自体がまだ十分届いていないんだということが改めて分かりますので、消費者団体も行政、事業者と一緒になって、さらに消費者向けの情報提供を進めていく取組が必要だというのが一つと、あと諸外国の例は私ども詳しくありませんけれども、行政自体がもっと消費者のスイッチングを高めるための施策をもう一段やっているというような話を聞いたことがありまして、そういったことも勉強しながら、行政機関への働きかけなどもやっていく必要があるのではと思っております。

最後の弱者保護のための方策についてですけれども、まだ私どもの団体などで詰めた議論をしている段階ではないですが、意見交換の中で出ていますのは、先ほどもありましたけれども、現行の3段階料金制度の仕組みなどに担わされている要素として、社会的弱者への配慮であるとか省エネ促進の要素があると捉えておりますので、この3段階料金制度がなくなることによって、こうした要素が全くなくなってしまうことは問題だ。何らかの弱者保護のための方策が必要だということについては、ほぼ一致した意見になっております。

そのための具体的方策として、電気料金制度の中だけで完結するのかどうかということが論点としてあろうということで、例えば生活保護等の社会保障制度であるとか、あるいは税制を絡めた視点で何らかの打ち手が出せるといいのではという意見も出ているところであります。ただ、これは非常に視野が大きな話になってきますから、いわば国全体での判断になると思っていますので、相当大がかりな検討になるだろうというふうには受け止めているところです。

○古城座長 小浦委員、どうぞ。

○小浦委員 御説明ありがとうございました。

今回この資料、アンケートは関東だけでなく関西、その他の地域からも回答があったということで、ならして見れば全国の消費者の意識も分かるものになっていると思っています。地域別の状況もこのように分析をしていただいていまして、マル3のところ、経過措置料金の解除に関する見解のところで、やはり前半ありましたデータともよく合っていると思いますけれども、地方での競争がまだまだ起きていないので、まだ早い、反対のところが4割強あったということで、地方でまだまだ競争が十分でないということを如実に表しているものだと思います。

意見書は出されていますけれども、データもこちらの電力・ガス取引監視等委員会に出されているかどうかということと、意見書の中では経過措置料金は十分に競争ができるまでは解除しないでという意見になっていますが、例えば今これから検討されていくわけですけれども、もしこの先、2020年でなくとも何年か後には競争が認められ、自由化になった場合に、そこのところの監視ですとか事後監視について、何か全国消団連さんの中で何がしかの話合いといいますか、検討をされているのかお聞かせください。

○小林事務局次長 御質問ありがとうございました。

このデータですけれども、意見書とともに、この意見書の提出先に書いてあるところには、漏れなくお届けをさせていただいております。それから、監視の重要性についても今回の調査の中で多くの方から自由記入欄で指摘をいただいているところです。ただ、これは先ほどの電力・ガス取引監視等委員会の議論のときにもありましたけれども、具体的にどのような形が望ましいのかといった辺りのところまでは、議論が至っていないところです。

あと一点、先ほどの古賀委員の御質問の補足で、スイッチングを高める方策という観点で言うともう一つ、特に都市部以外のところではまだ新規参入自体がそんなに進んでいないということがありますから、これは事業者向け方策ということになるのでしょうけれども、参入のための後押しの施策という観点も必要だという視点は、意見としても出されているところでした。

以上でございます。

○古城座長 陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 自由記入欄も含めて御報告いただきまして、非常に参考になる資料であると思います。ありがとうございました。

今回、全国消団連としてこういった調査研究含めて非常に役割として重要なお役目だと思うのですけれども、今後、自由化が進んでいく中で消費者が選んでいくという権利を本当に実行していくために、情報を得ること、また、教育を受ける権利といったものも具体的に実現していかなければ選択をするというところはなかなかつながりにくいのであろうと思います。都市部と地域の違いも含めて今日御提示くださったわけですけれども、今後そういった意味では消費者団体なり組織の役割というふうに、委員会、消費者庁含めて大きいかなと思いますが、そういった情報の提供あるいは教育といった面で、何か今後に向けて展望をお持ちでしたら教えていただきたいと思います。

○小林事務局次長 まず消費者の権利の中でのいわゆる知る権利とか、教育を受ける権利に関するところです。これは結論的には世の中いろんなセクターが一体となって取り組んでいかなければいけないという話になると思うのですが、悩ましく思っていますのが、消費者団体の中でこのテーマで議論をしていても、反応としては難しいという反応が一定層あります。どうしても経過措置料金の問題自体がふだん暮らしていて余りなじみのあるテーマとは言いがたいために、そもそもどのような仕組みになっているのか自体がよく分からないし、今回、電力自由化という契機でこういうことを考える必要性に迫られたというような感じが受け止めとして多いのかなということです。

したがって、例えば今日もこのような機会をいただいているわけですけれども、こういった場で意見陳述ができるとか、地域の状況を把握してそれを分析しているといった消費者団体自体が残念ながらそう多くないというふうに受け止めておりますので、まずはそういった電力やエネルギーの仕組みがどうなっているのかを学習するのが基本になってくると思いますし、それぞれの地域の消費者が置かれている状況を把握するということが消費者団体の役割としても大変重要で、それを個々の消費者にフィードバックしていくというような循環をしていく中で、個々の消費者としても知見を深めていくといったサイクルを果たしていけたらと思っているところです。

消費者の権利の観点で言うと、もう一つ、被害を救済される権利というのもあるわけで、こうした事態が起こることは望ましいわけではないですが、意見書の最後のポツにも書いておりますが、仮に今回の経過措置料金規制が解除されて何か消費者にとっての困りごとが発生した場合に、先ほど来あります監視機能の発揮であるとか、適切なADR機関の設置のようなことも重要でして、紛争解決が果たされる仕組みというのも整えておく必要があると思っているところです。

以上です。

○陶山委員 ありがとうございました。

○古城座長 あといかがでしょうか。回答をちゃんと見ていないのですけれども、地方のほうがスイッチング率が顕著に低いですね。低い理由は、一つは地方ではそもそもオプションがないという可能性もあるし、もう一つはオプションはあるけれども、スイッチングに結び付くところで情報不足とか、余り影響がないからきっかけがないという両方あると思うのですが、地域の人はアンケートを見るとどのような印象を持たれますか。

○小林事務局次長 私ども自身が首都圏に住んでいるということもあって、地域のリアルな状況というのはよく分からないところです。今、古城座長御指摘の2つの要因が、首都圏以外の地域でスイッチングが進んでいない共通した要因ではないかと捉えているというところの把握に今のところとどまっております。地方の方との会話レベルで言うと、そもそも電力自由化後の情報自体に接する機会がないんだとおっしゃっておられますし、実際に選択肢がないし、旧一電以外から営業に来られること自体も非常にまれだというお話はいただいたりしているといった、そんなところでございます。

○古城座長 他いかがでしょうか。古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 首都圏とか関西の状況というのはやはりそうだと思いますけれども、私はこの半年で数回、北海道に行く機会があって、そういう機会があると必ず電気のスイッチングや自由化のことについて、本当に普通の方に質問をするのですが、札幌のようなところではスイッチングしたという方がかなり多いです。ガス系のところにスイッチングしたとか、そういう方が多いのですけれども、町とか郡部に行きますと自由化ということ自体知らない人も結構多いのと、北海道のようにエネルギー状況が非常に特殊なところでは電気をそんなに使わなくて、むしろ灯油とか地熱などを使っているわけなのですけれども、そういったところでも電気料金が上がるのは最小限、生活に困るので何とかしたいけれども、全く選択肢がないということをおっしゃっていました。

○古城座長 他いかがでしょうか。よろしいですか。

それでは、他にございませんようなので、質疑応答は以上といたします。全国消費者団体連絡会の皆様におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきましてありがとうございました。


≪3.閉会≫

○古城座長 最後に事務局から連絡事項などございますか。

○坂田参事官 本日も長時間にわたりまして御議論いただきまして、誠にありがとうございました。

次回の会合につきましては、確定次第、御連絡をさせていただきます。

以上でございます。

○古城座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)