第40回 公共料金等専門調査会 議事録

日時

2017年12月22日(金)13:59~14:58

場所

消費者委員会会議室

出席者

【委員】
古城座長、井手座長代理、小浦委員、古賀委員、陶山委員
【消費者庁】
福岡審議官、澤井消費者調査課長
【事務局】
黒木事務局長、福島審議官、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 中部電力による電気料金値上げ後のフォローアップに関する専門調査会意見(案)について等
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○丸山参事官  それでは、定刻となりましたので、会議を始めさせていただきたいと思います。

本日は皆様、お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会第40回公共料金等専門調査会」を開催いたします。

本日は、蟹瀬委員、長田委員、白山委員、松村委員、山内委員が御欠席となっております。

まず、議事に入ります前に配付資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第の下部に配付資料一覧を記載しております。もし不足等がございましたら、事務局までお申し出いただきますようよろしくお願いいたします。

なお、本日の会議につきましては、公開で行います。議事録についても、後日公開することといたします。

それでは、古城座長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。


≪2.中部電力による電気料金値上げ後のフォローアップに関する専門調査会意見(案)について等≫

○古城座長  それでは、議事に入らせていただきます。

最初の議題は「中部電力による電力料金値上げ後のフォローアップに関する専門調査会意見(案)について」です。

当専門調査会は、中部電力による電気料金値上げの事後評価について、消費者庁から消費者委員会への意見の求めがあったことを受け、今月12日に中部電力及び電力・ガス取引監視等委員会からヒアリングを行いました。

本日は、ヒアリングの結果を踏まえ、専門調査会として取りまとめる意見案について議論を行いたいと思います。

それでは、事務局からお願いします。

○丸山参事官  お手元の右肩に資料1と付してある資料、「中部電力による電気料金値上げ後のフォローアップに関する専門調査会意見(案)」を御覧になっていただければと思います。

まず、構成でございますけれども、柱書き以下、「1.全体的な評価」「2.個別項目」「3.今後の課題」という形で整理をさせていただきました。こちらについては、従前からこの原価算定期間終了後のフォローアップという形で、ほぼ同じ形式という形で意見を取りまとめさせていただいております。

まず柱書きでございます。経緯等でございますけれども、消費者委員会は、平成29年11月14日付で消費者庁から「中部電力に対する原価算定期間終了後の事後評価について」の付議を受けたました。これを受け、当専門調査会において、12月12日に中部電力からヒアリングを行うとともに、電力・ガス取引監視等委員会から同社に対する事後評価の聴取を行ったということです。その結果を踏まえ、上記付議に対し、当専門調査会としての意見ということで、以下に述べてございます。

まず「1.全体的な評価」でございます。これはまず初めが【電力・ガス取引監視等委員会による事後評価】ということと【現行料金の妥当性】という形で、二つで整理をしてございます。

前者の【電力・ガス取引監視等委員会による事後評価】の内容でございます。こちらについて、平成26年度に料金改定を行った中部電力に対する原価算定期間終了後の事後評価について、当専門調査会による事後評価に先立ちまして、電力・ガス取引監視等委員会の料金審査専門会合、こちらにおいて、10月13日、11月7日に審議が行われました。この会合におきましては、中部電力の料金値上げ認可申請に関する消費者庁意見等を踏まえ、料金原価と実績費用の差異ですとか、規制部門と自由化部門の利益率の差異、それから、経営効率化への取組等について検証がなされたということで、この会合において、供給エリアの消費者から意見を求め、消費者の視点を取り入れた検証の取組を引き続き行っているということを評価したいと述べてございます。

【現行料金の妥当性】のところでございます。今回事後評価の対象となる原価算定期間、平成26年度から平成28年度における実績値として、料金改定時の想定原価との比較を費目ごとに見ると実績値が想定値を上回ったものはありますが、全体としては、実績値が想定原価を下回ったということで述べてございます。この下回った要因については、主に燃料費の減少によるものであり、原油価格の低下という外部要因に基づくものであるが、一時的な要因である可能性もあるので、電力の現行料金をこれ以上下げる状況であるとは言えないということで述べてございます。

他方、今後、原価算定期間に稼働を織り込んでいた浜岡原子力発電所の再稼働が進展した場合には、更なる燃料費、それから、購入電力料の減少が見込まれる。中部電力の料金値上げは、浜岡原子力発電所の停止によるコスト増を主な理由とするものであったことから、このコストが縮減した場合には、原則としてコスト減に対応した値下げを行わなければならないということで述べてございます。

次のページ、その上で、燃料費や購入電力料以外の項目のコスト増を理由に、料金値下げを回避したり、値下げ幅を縮小する場合には、中部電力は、その理由を十分に説明し、消費者が説明内容を妥当だと納得できるようにすることが必要であるということで付言してございます。

続きまして「2.個別項目」についてです。まず【燃料費、その他経費】でございますけれども、原油価格の低下に加えて、経済性にすぐれた石炭火力発電所や高効率LNG火力発電所の稼働率を上げたことにより、燃料費が減少した。他方で、相対的に石油火力発電所の稼働が低下したことに伴い、原油在庫の時価評価の実施に伴う評価損が生じた影響等により、その他経費においては、実績が想定原価を上回ったということで、このため、中部電力は、今後、従来以上に、適時適切な原料調達や機動的な原油の在庫管理に努めるべきであるということで述べてございます。

二つ目【人件費】でございます。人材の質の確保、あるいはモチベーションの維持に考慮し、震災後の賞与の引下げ率を緩和した結果、人件費が想定原価を上回った。このような人件費に対する措置については、中部電力の経営努力に基づく経営効率化の深掘り分の一部を人件費に還元したと捉えることができ、理解できるということで述べてございます。

三つ目【利益使途】でございます。「電気料金制度、運用の見直しに係る有識者会議」報告書において、料金改定を行わない場合には、これまでの利益の使途につき具体的に事業者より説明がなされることが、当該料金妥当性評価のために適当であるということで述べられてございます。今回、中部電力は、利益の使途や収支見通しについて概要を説明しているが、特に、今後原価算定期間に稼働を織り込んでいた浜岡原子力発電所の再稼働が進展した場合において、消費者の理解を得るよう、より具体的な説明を行うべきだということで述べてございます。

最後「3.今後の課題」でございます。まず一つ目の○でございます。昨年4月以降、電力小売自由化がなされ、中部電力においても自由料金メニューや新電力からの供給への切換が進みつつあるものの、現状では既存の規制料金で電力サービスの提供を受けている消費者が相当数に上る状況にあるということで述べてございます。このため、中部電力を含む電力各社による経営効率化や、原子力発電所の再稼働等に伴う費用の低減が規制料金メニューにも適切に反映されるよう、電力・ガス取引監視等委員会は、継続的な監視を行うとともに、電気事業法に基づく料金変更認可申請命令に係る基準等に照らし、経営状況等に変化が生じた場合には、公開の場で状況の検証を行うべきであるということで述べてございます。

中部電力、監視等委員会におきましては、料金の透明性確保のため、今回も含めた事後評価の結果について、消費者への分かりやすい情報提供を更に推進すべきであるということを付言してございます。

次の○で、平成28年4月の電力自由化以降、中部電力を含む電力各社について、規制部門の利益率が自由化部門の利益率を下回っている状況がございます。この要因の一つといたしまして、送配電非関連固定費用の需要補正が挙げられるということで述べてございます。この需要補正の結果、規制部門の実績費用が相対的に増加し、利益が低下することによって、規制部門の電気事業利益率や超過利潤の測定に影響を与え、ひいては規制料金引下げの判断にも影響を及ぼす可能性を否定できないということで述べてございます。「このため」ということで、この需要補正制度の在り方について、今後見直しを検討することが必要であるということで結論づけております。

最後の○、「なお」以下でございます。昨年以降の事後評価の対象となっている電力各社の料金値上げは、主に大震災後の原子力利用率の低下を理由とするものであったため、原発再稼働の進展によりその理由が失われた際に規制料金の引下げが適切に行われるかについて、引き続き、電力・ガス取引監視等委員会による適切な監視が行われることが必要であるということ。また、消費者委員会は消費者庁とともに当該状況を注視し、必要に応じてフォローアップを行うこととしたいということで述べてございます。

事務局からの説明は以上です。

○古城座長  それでは、意見案について、御質問や御意見のある方は御発言をお願いいたします。

古賀委員、お願いします。

○古賀委員  最初のところから順番によろしいでしょうか。「1.全体的な評価」のところの最初の○なのですけれども、形式的なことで恐縮なのですが、最初の4行目のところですが、主語と述語の関係では、最初の終了後の事後評価については・・・行われたとなるわけですけれども、間に「消費者基本計画工程表等に基づき」という文章が入っているので、全体の文章の流れがおかしいなと感じております。これだと、消費者基本計画に基づき監視等委員会が事後評価をしたということですが、それでよいのかどうか。それでよいのであればもう少しわかりやすくこの4行の文章については入替えをお願いしたいということが一つあります。

○古城座長  丸山参事官、お願いします。

○丸山参事官  少し検討したいと思います。

○古城座長  古賀委員、お願いします。

○古賀委員  【現行料金の妥当性】のところなのですけれども、最初の○の終わりから2行目のところです。「外部要因に基づくものであるが、一時的な要因である可能性もあるので、電力の現行料金をこれ以上下げる状況であるとはいえない」というところで、皆さん御意見はあるかと思うのですけれども、調査会として下げる状況であるとは言えないと断言するのには抵抗がありまして、「外部要因に基づくものである」というところで一旦切っていただいて、後半を強調して「現状では変更命令等の対象を含めて下げる状況であるとはいえない」としていただけたらと思いました。

その次の○の原発の再稼働の関係なのですけれども、これが次のページの「燃料費や購入電力料」とつながっているのですけれども、ここの「値下げが行われなければならない」というところで一端切っていただいて、次のページのところなのですけれども、「燃料費や購入電力料以外の項目のコスト増を理由に、料金値下げを回避したり」というところがあるのですが、これは基本的には原価算定期間中、今後3年間になるのでしょうか。その対象期間の間は、値上げをしない限りは値下げの圧力は基本的にはないと理解しますと、ここのところに、この文章を二つに分けていただいて、できれば(原発の再稼働以外の値下げ要因も想定して)「原価算定期間中、燃料費や購入電力料以外の項目のコスト増を理由に」としていただいたほうが文章として分かりやすいかと思いました。

一度ここで終わります。

○古城座長  二つ論点が出されました。

丸山参事官、お願いします。

○丸山参事官  前者については、少し御議論をしていただければと思います。

後者についてですけれども、原価算定期間につきましては既に終了しているので、ここは今後について述べているつもりではあるのです。

○古城座長  最初の論点については後で議論しますけれども、後のほうの論点なのですが、原案で言っているのは、原発が動かないというので値上げした。原発が動いたら、原則は元に戻す、下げてもらわなければいけない。下げない場合も例外的にありますね。それはほかのコスト増要因があるから。そのときは十分な説明がある場合に限り許されると、こういう書き方なのですね。

○丸山参事官  座長の御指摘のとおりの意図で書いたつもりです。

○古城座長  一応、つながっていると。

○古賀委員  つながっているのですね。

○古城座長  陶山委員、お願いします。

○陶山委員  これは料金の変更認可申請命令とは切り離して、こういうことが今後ということで語られているということなのですね。

○丸山参事官  特に料金審査命令とは、必ず連動しなければいけないということではないのです。事業者様で自発的にやっていただくことも必要なのではないかという意図も込められています。

○陶山委員  ただ、これまで何度もこの調査会でも語られ、非常に消費者からの期待も認識していると事業者もおっしゃり、監視等委員会もおっしゃっている内容は、原発が再稼働したら料金が下がる、この関係性において非常に期待しているということは言われているのです。ただ、料金変更の認可申請命令というのは、全般的に他のコスト、ここに書いてある燃料費や購入電力量以外の項目のコストも含んで審査をされると理解していますが、それであれば、なかなか期待に応えて原発が再稼働したらしっかり見定めて納得できるような対応ができるかどうか、ここは判断が難しいのではないかと思うのです。

○古城座長  今の原則的な仕組みは、料金値上げのときは認可が要るけれども、値下げのときは届出だけでいい。値下げの理由がある場合でも何もしなければ何もしないで済むと、こうなっている。値下げできるのに値下げしないというのは、事実上値上げみたいなものだから、問題があるというのは分かっているので、それについて経産省は料金変更認可申請命令制度を使って、利益が上がるのに値下げしないときには値下げを申請しろと命令する制度を入れた。これはやはり不備があって、原発が動かなくなって値上げしたときに、この制度のもとだと、2度目の値上げのときに、今度は原発が動いてもほかの項目が上がったのだとして、値下げをしないという話が出る。2回目の値上げのときは経産省もさすがに気がついて、値上げを認めるときの条件として、原発が動いたときには値下げを原則としてくださいという附款というものをつけたのですね。だから、法律上は必ず値下げさせるというものをそのときにやったわけです。1回目の値上げのときにはそういう附款はないから、法律上は手当がついていない。それで、1回目の原発の値上げはどうするのかという話で、そのまま放っておくと、料金変更認可命令を出さない限り値下げしないというのですけれども、事情からいったら、本当は1回目のときも手当しておくべきだったので、それを言っているのです。だから、2度目の値上げと同じように、1度目の原発値上げについても同じように対応してくださいと、これが消費者委員会の意見です。

○陶山委員  そうしたときに、今の審査基準とその制度がそのままであれば、ここはほかのコストも全部入れ込んで評価することになって、今、座長がおっしゃったような視点からのアプローチはできないということになるので、ここをこの調査会からまとめた文書として提出する段階においては、少し制度の見直し等についても言及する必要があるのではないかなと感じています。

○古城座長  話を大きくしますと、そうなりますね。

○陶山委員  はい。

○古城座長  丸山参事官、お願いします。

○丸山参事官  その点については、むしろ御議論いただいて、盛り込むことが必要であるということであれば、事務局でもまた検討したいと思います。

○古城座長  だから、ここで言っているのは、制度上は確かに法律上強制できるとはなっていないのですけれども、そうやってくださいと。法律上強制できなくても、電力会社はコストが下がったら値下げするようにしてくださいと。だから、制度的には強制できないのですけれども、フォローアップ制度はそのためにあるわけですね。ちゃんと料金原価について説明してくださいよと。説明するだけではなくて、自発的に値下げができる状況になったら値下げしてくださいと申し上げる。そのときに値下げしない場合は説明がつかないはずだから、自発的に値下げするはずだという前提になっているわけです。

○陶山委員  それが前提であったとしても、今の審査基準の中では妥当と認められるということについて、そこは納得できない部分を残すかなと思うので、少し制度についての見直しも含んで検討いただきたいというところまで書き進めることがいいのではないかと思います。

関連して、もう一点よろしいでしょうか。座長がおっしゃったように、関電と北海道電力については、2回値上げしたために、再稼働したら必ず値下げをするということが組み込まれている。他方、残りの電力会社についてはそうではないということで、2度の値上げをしたことについて、厳しくそこに条件を付したことについては理解ができるわけですけれども、結果として、現状としてはダブルスタンダードになっている。このことが非常に分かりにくさを発生させていて、これについてどこかで解消する必要があるのではないかと、これまで関電の御説明、あるいは四国電力の御説明を聞いて感じているところです。

原発を持っている9社に、2回値上げしている、あるいは1回の値上げに抑えている。そこの違いで比較するという、この現状から、もう一つ共通の指標なり、基準なりを用いて、消費者に対して分かりやすい説明と情報提供をする、この努力をしていただく必要があるのではないかと思います。場所としては、最後の項目の「3.今後の課題」の最後辺りにそういった内容もこの調査会として合意できれば、加えていただきたいと思います。

○古城座長  私の理解、意見なのですけれども、確かに2度目の値上げのときは、値上げ認可のときに原発が再稼働したらもとに戻すというものを附款として入れたから法的義務がある。1回目のときも附款をつけるべきだったと思うのですけれども、それを付け忘れたというので、1回目のときは法律上の義務を負わないのですけれども、法律上は書いていないけれども、普通は原発が止まって値上げしますというのだから、意見には明示的に書いているけれども、社会的な当たり前の合意として、原発が動いたら料金を戻しますというのは当然の約束事ではないでしょうか。それに基づいて電力会社は、本当は動いたら元に戻すということをするというのは当然期待されて、それが常識的で、もし料金を戻せないのだったら、戻さないのはフォローアップのときに本当に国民が納得できるような説明ができたときだけでいいのではないですか。ですから、私は事実上、義務があると思うのですけれどもね。

○陶山委員  そうは思うのですが、九電が再稼働している、それから、四国電力が再稼働している中で、様々な理由で値下げが行われないということについてもう少し分かりやすい説明の在り方として、1回値上げしている、2回値上げしたからということだけではなく、何か共通の指標を持って説明することができないか。そのことについて取り組んでいただきたいと思います。

○古城座長  あと、古賀委員の第1点の論点ですね。今の1ページの下から二つ目の○が分かりにくいので、古賀委員の修正案は「燃料費の減少によるものであり、原油価格の低下という外部要因に基づくものである」と1回切る。それからどうつなぐのでしたか。

○古賀委員  「一時的な要因である可能性もあるので、現状においては電力の現行料金をこれ以上下げる状況とはいえない。」ぐらいですか。要するに「変更命令等の対象にある状況とはいえない」ことを踏まえ、本当はその後に「今後の状況には注視していく必要がある」と、入れたいなとは思ったのですけれども、そこまで言うと言い過ぎなのかなと。

○古城座長  おっしゃるとおりで、もとの文章は分かりにくいですね。

○古賀委員  今の段落のところなのですけれども、3行目で「実績値が想定値を上回ったものもあるが」というところに、できましたら、注3として「上回ったものは人件費、減価償却費、購入電力料、原子力バックエンド費用、その他経費。下回ったものは販売電力量、発受電量、燃料費」というものを入れていただきたいと思ったのです。実際に何が上がっていて何が下がっていたかというのは、非常に興味のあるところだと思うので。

○丸山参事官  そこは検討したいと思います。

○古城座長  古賀委員、続けて、お願いします。

○古賀委員  先ほどの二つ目の○のところなのですけれども、要するに、原発が動いた場合は値下げをしろというものを一つのドグマのようにした場合に、コスト減に応じた値下げがされないような場合の問題としてどう対応するかということなのですが、現在、原価算定期間中においては、値上げしない以上はそういったことを法的にチェックするシステムはないわけなので、こちらの2ページ目の3行の文章は、希望的というか、説明責任がありますという事業者の自助努力というか、そういうことをお願いするわけなので、ここの「ならない」の後に、段落を変えずにそのまま、むしろ「燃料費や購入電力料」とつなげていただければ、文章としては納得感が出ると思いました。

○古城座長  内容的には、燃料費が下がるというので、原発が動いて燃料費が下がった場合、これは恒常的に原価が下がるのですから値下げできますね。ところが、同じ石炭を使って、石炭は値段が下がったので燃料費が下がったという場合がありますと、これはある意味では、燃料費調整制度を通じて値下げになっているわけでしょう。だから、特別それ以上には値下げする原資にはならないということをここは具体的に言っているわけでしょう。

○丸山参事官  そうです。

○古賀委員  それでしたら、分けてもらったほうがいいのかなという気がします。

○古城座長  意味はそうなのですね。もうちょっと分かりやすく書いたほうがいいですね。内容的にはそういうことですね。

○丸山参事官  必要であれば見直しを検討したいと思います。

○古城座長  その内容を織り込めればよろしいですか。

○古賀委員  はい。結構です。

○古城座長  では、古賀委員、2点済んだので、続けてお願いします。

○古賀委員  「2.個別項目」のところの最初なのですが、最初の「経済性にすぐれた石炭火力発電所や」というところ、石炭についてはいろいろ意見がありますので、この「経済性にすぐれた」というところを削除していただきたいと思います。

3行目のところ「原油在庫の時価評価の実施に伴う評価損が」というものがあるのですが、ここの評価損はたしか御説明で110億円とおっしゃっていたので、「110億円の」と入れていただきたいと思いました。

【人件費】のところなのですが、いろいろ財務改善に御苦労されて、退職者が増えてしまったりとか、いろいろなことがあったと思うのですけれども、最後の「経営効率化の深掘分の一部を人件費に還元したと捉えることができ、理解できる」というところなのですが、「一定の理解ができる」ぐらいにしていただきたいと思いました。

細かいことで恐縮です。【利益使途】のところで、最後の行なのですけれども、「浜岡原子力発電所の再稼働が進展した場合において」を「場合等において」としていただきたいと思いました。

2.については以上です。

○古城座長  今までのところ、よろしいでしょうか。

続けて、古賀委員、お願いします。

○古賀委員  「3.今後の課題」のところなのですけれども、注3があるのですが、ここの注3のところで、平成29年9月時点でのスイッチング実績は約5.0%というもの、これは全国なのか中電なのか。それから、出典を出していただきたい。それから、できれば自社内なのか、全体的な新電力を含めてのスイッチングなのかをもう少し入れていただきたいと思います。

○丸山参事官  注3については、中部電力の数字です。

○古賀委員  5%は、当然自社内は含まないということですね。

○丸山参事官  社内での振替は含んでおりません。

○古賀委員  出典はありますか。経産省ですか。

○丸山参事官  経済産業省からの公表資料に基づいています。

○古城座長  今の点は注釈に織り込んでいますか。

○丸山参事官  はい。

○古城座長  古賀委員、お願いします。

○古賀委員  3ページ、二つ目の○なのですが、この需要補正制度の在り方については、エネ庁さんのほうでも今後見直しをするとおっしゃってくださっているのですが、できれば最後のところ「今後積極的な見直しを検討することが」と、「積極的」と入れていただきたいということをお願いいたしたいと思います。

以上です。

○古城座長  ほか、いかがでしょうか。

陶山委員、お願いします。

○陶山委員  中部電力と四国電力両方に関係するような内容については、どのようにしたらよろしいでしょうか。申し上げたい点は、設備投資、特に原発の安全対策費等に関しての意見です。設備投資は、電力料金に直接的に関わってくる重要な内容ですが、販売電力量の減少傾向の中で、将来的にこの需要と供給のバランスをどう見て経営をしていくのかというのが非常に重要なところであろうと思います。監視等委員会でそのバランスについてもしっかり見ていただいて、余分なというのはこちらの見方かもしれませんが、電力料金を安易に引き上げるような設備投資については抑制していくべきだと思いますので、その点についても見ていただきたいと思います。

あわせて、これは再エネの買取り量が両社とも想定より少し増えていっているという現状がありましたので、現在のエネルギー基本計画においては、更に再エネの構成比を上げていく方向で描いているわけです。これを目指すのであれば、ネットワーク、系統への設備投資は逆に十分にしていかなければならないことが言われていますので、この設備投資は発電部門だけでなく送電部門についても、バランスについて監視等委員会で見ていただければと思っております。これは今、事務局よりいただいた案とは別途の内容ですので、御検討いただきたいと思います。両方にかかわってくるので、中部電力の中に入れるべきなのか、四国電力のほうに入れたほうがいいのかはちょっと分かりません。

もし四国電力のほうに入れるという御判断をいただければ、四国電力はこの投資回収を原子炉の運転、60年を想定して経営計画を立てているというお話をされました。現状では40年ルールがある中で、こういった計画の妥当性についてもしっかり見ていただきたい旨、書き添えていただけたらとも思います。

○古城座長  そうすると、第1点は需要減少するような環境の中で過大な設備投資が行われ、料金値上げの原因となることがないように注意してもらいたいと、こう書くわけですか。

○陶山委員  はい。

○古城座長  あとはいかがでしょうか。

井手座長代理、どうですか。

○井手座長代理  特には。

○古城座長  小浦委員、いかがでしょうか。

○小浦委員  1点だけなのですけれども、3ページの最初の○のところで、消費者への情報提供のことなのですが、中部電力及び電力・ガス取引監視等委員会ということは、これは両方にかかっていると思うのですけれども、監視等委員会のホームページを見てもなかなかこういう料金についての説明がまだ分かりやすいというところまでいっていない気がいたしますので、「分かりやすい」というところに「より分かりやすい」とか、何かつけていただければと思います。

○古城座長  そのほか、いかがでしょうか。

それでは、中部電力の案については、意見が大体出尽くしたと思われます。そこで、いろいろ意見はございますが、修正可能な内容だと思います。本日皆様からいただいた御意見を踏まえ、修正することといたします。修正の仕方については、私に御一任いただいてよろしいでしょうか。

それでは、私のほうで原案を修正した上で、消費者委員会の本会議に報告することにいたします。

委員には、事務局よりメールでお知らせするのですね。

○丸山参事官  はい。

○古城座長  次の議題です。「四国電力による伊方原子力発電所3号機の再稼働の追加フォローアップに関する専門委員会意見(案)について」です。

電力・ガス取引監視等委員会では、四国電力について、現行料金原価において稼働を織り込んでいる原子力発電所伊方3号機が平成28年9月より再稼働していることを理由に原価算定期間終了後の事後評価を平成29年10月13日及び11月7日に行っていることから、公表料金等専門調査会においても、今月12日に四国電力からヒアリングを行いました。その結果を踏まえ、専門調査会として取りまとめる意見案について議論を行いたいと思います。

それでは、事務局から説明をお願いいたします。

○丸山参事官  お手元の資料、右肩に資料2ということで、先ほど座長からありました「四国電力による伊方原子力発電所3号機の再稼働後の追加フォローアップに関する専門調査会意見(案)」ということでタイトルを付しております資料、こちらを説明させていただきます。

構成についてですけれども、三つに分かれております。「1.経緯」「2.現状の評価」「3.今後の課題」ということでございます。「1.経緯」につきましては、先ほど座長から御紹介があったとおりですので、こちらについては省略をさせていただきます。

「2.現状の評価」のところでございます。ヒアリングを踏まえた当専門調査会の評価は以下のとおりということで整理をしてございます。

まず1点目、燃料価格の低下を主因として、平成28年度の実績において燃料費は想定原価よりも585億円と大幅に削減されているということで述べてございます。こちらを受けて、四国電力からの説明では、伊方原子力発電所3号機の稼働は、料金原価に織り込み済みであるということに加えて、自由化に伴う契約者の離脱等による販売電力量の減少による収入減の影響が大きいため、規制料金値下げについては困難な状況であるということで説明がございました。なお、退職給与金の割引率の引下げに伴う数理計算上の差異償却費の増により想定原価よりも実績コストが上回っております。

販売電力量の減少等環境変化に対しては、更なる経営の効率化が必要であるが、同社の販売電力量の減少程度は他社との比較では少ない落ち込みとなっている一方、こちらのほう、注2で他社のところの電力販売量についての減ということで、データを上げております。

一方、経営効率化の深掘りの程度は他社よりも低いものとなっている。こちらの経営効率化深掘りの程度についても、注3ということで、他社との比較ということで、数値を上げてございます。

このため、四国電力には、経営効率化のための更なる取組が求められるということで述べてございます。

最後のポツ、「なお」でございますけれども、経営効率化等による規制料金の値下げを行った関西電力に倣って、四国電力は今後、経営効率化の成果を消費者へ還元することも視野に入れるべきであるということで述べてございます。

「3.今後の課題」でございます。まず1パラ目でございますけれども、電力・ガス取引監視等委員会は、原発再稼働の進展により、規制料金値上げの理由が失われた際に料金引き下げが適切に行われることにつき監視を行うことが必要であるということで述べてございます。四国電力については、監視等委員会により想定された原子力発電所が再稼働したことを踏まえて追加の事後評価が行われたところであり、四国電力以外の震災後に値上げを行った電力各社、括弧をして(北海道電力、関西電力2社を除く)ということで注記しております。についても同様に、同監視等委員会が、原子力発電所の再稼働が進展した場合の原価算定期間後の事後評価を行うことが適切であるということで言っております。

2パラ目、「また」以下でございますけれども、監視等委員会においては、現在、超過利潤累積額が一定水準を超過しているか否かなどの審査基準に照らして各電力会社に対して料金変更認可申請命令の発動が必要かを判断するための毎年のチェックを行っている。「これに加えて」ということで、監視等委員会が、原価算定期間終了後一定期間経過した後、原発の再稼働の状況いかんにかかわらず、規制料金適正性確保のため、想定原価と実績を比較してその乖離の状況を確認するなどの事後評価を各電力会社に対して実施することも望まれるということで言っております。

最後のパラでございますけれども、消費者委員会は消費者庁とともに今後の状況に関し、注視していくこととしたいということで結んでございます。

事務局からの説明は以上です。

○古城座長  ありがとうございました。

それでは、意見案について、御質問や御意見のある方は御発言をお願いいいたします。

古賀委員、お願いします。

○古賀委員  よくおまとめていただいて、ありがとうございました。

2ページ目の3行目「経営効率化の成果を消費者へ還元することも視野に入れるべきである」というところを、もう少し強く「還元する努力を行うべきである」のようにしていただきたいということが1点です。

それから、これは規制料金適正性確保ということを今後の課題として言ってくださっているのですけれども、要するに、向こう3年間というか、2020年までのことだと考えるのですが、現状では自由化した部分の料金で、低圧部分などについても値上げがされるようなことも起きていますので、電力小売自由化の中で自由化部分での値上げなどがされる場合も、消費者への丁寧な説明がされているかなどについても留意すべきであるということを一つ入れていただきたいと思いました。

それから、この電力各社という中(北海道電力と関西電力2社を除く)となっているのですが、もしかしたら一般の人にとっては東北と九州については、特に九州の場合は原発で結構いろいろありますので、そういうところについての原価算定期間後の事後評価がされていないことについて、陶山委員から御意見があると思うのですけれども、そういうことについて触れるかどうか、議論していただけたらと思いました。

○古城座長  古賀委員の御指摘は二つあって、まず前者は2ページの上のほうで、ちょっとまどろっこしい書き方になっているからもう少し強く書けという御指摘なのですが、一番強く「還元する努力が必要である」と書くと、ちょっと強目になりますね。「努力が必要である」というのはどうですか。

丸山参事官、お願いします。

○丸山参事官  申しわけございませんが、皆様で御議論していただければと思います。

○古城座長  皆様、どうですかね。

○小浦委員  賛成です。

○井手座長代理  いいのではないですか。

○古城座長  では、そういうことで修正してください。

2点目をもう一度、お願いします。

○古賀委員  文章的にどうするかというのは難しいのですけれども、現状において審査基準で超過利潤などが超過している場合には、料金変更命令対象になるかというのを毎年チェックしていただいているわけなのですが、これに加えて、一定期間経過後は再稼働状況いかんにかかわらず料金適正性確保のため、乖離の状況を確認する評価等を実施することも望まれるというのは具体性がないかなとも思っているのですけれども、逆に質問なのですが、これは要望として出すということでしょうか。

○古城座長  こう書いてあるので、要望として出すということですね。

○古賀委員  それと、先ほど申し上げたのは、規制料金というのが、経過措置が外れる2020年後どうなるかというのがまだ議論の途上ですけれども、今の電力の小売が昨年自由化されて、例えば北陸電力などの場合は、自由化された中で、その部分でも消費者に非常にかかわる部分について値上げがされているというようなこともありますので、そういう場合には消費者への丁寧な説明が必要であるというようなことも、今回の論点には関係ないのですけれども、どこかに入れていただけたらなという要望なのです。

○古城座長  そこは議論になるところで、今の規制料金というのは、もともと競争が働かないのだから、料金規制で消費者を守ることが必要だということになっているわけで、競争が働いているのだったら競争で守られるのだから、役所が入ってきていろいろやるというのはかえって弊害が多いという考え方。だから、その定式に基づくと、自由化している料金の変更について説明しろなどという必要はないということになるのです。

陶山委員、お願いします。

○陶山委員  ただ、競争状況ができているかというところが非常に論点としては出てくるので。

○古城座長  もちろんそうです。

○陶山委員  今後の課題として規制料金、これはいつ外すのか、どういう考え方で外していくのかということが大きな課題になってくるとは思うのですが、市場が競争状態にある、そのことによって消費者が利益を得ている状況の見定めが非常に重要になってくると思います。古賀委員もおっしゃったように、ここに書くかどうか、書き方にも工夫が要るとは思いますが、制度等は理解しつつも、今後の多くの消費者の利益のためにということで、その視点は必要かと思います。

○古城座長  丸山参事官、お願いします。

○丸山参事官  一つの提案ですけれども、先ほど古賀委員や陶山委員がおっしゃったような点は、この2年やっております電力・ガスの小売自由化についてのフォローアップで課題になると思っております。ですので、今の御意見についてはフォローアップのところで御議論していただいて、取りまとめのところで成果としてまとめていただくということも一つの方策としてあると思います。

○古城座長  古賀委員、お願いします。

○古賀委員  今、おっしゃっていただいたことを最後の行のところで「消費者委員会は消費者庁とともに、自由化後の料金のフォローアップとともに今後の状況に関し、規制料金の適正性確保にも注視していくこととしたい」というものを入れていただけるとおさまりがいいかなと思うのですが。

○古城座長  でも、古賀委員のおっしゃっているのは自由料金、競争料金についてでしょう。今回は規制料金についての意見なのです。だから、先ほど言ったように、据わりとして自由化の話でそれを取り上げるのはいいのですけれども、規制料金のフォローアップでそれを盛り込んでしまうと、少し異質なものをくっつけてしまうことになる。

○古賀委員  了解しました。

○古城座長  ほか、いかがでしょうか。

井手座長代理、お願いします。

○井手座長代理  今のところで「これに加えて、同監視等委員会が」というそれ以下の4行ですけれども、これはやることについてはいいと思うのですが、現状でこれを実施するには、何かハードルはあるのですか。法的や規則などを変更しなければいけないとか。望まれるのはいいのですけれども、結構ハードルが高いのかなと思うのですが、これについてやろうとすればどういう手順を踏まなければいけないのか、そこのところを教えていただければと思います。

○丸山参事官  もし仮にこちらで要望ということで出すのであれば、監視等委員会でどういう形で受け止めをしていただくのかということになろうかと思います。毎年やっていく審査基準につきましては、規則で明確に位置づけておりますので、それに従ってやるということですけれども、本意見案はそういった形で位置づけられていないものについて言及してございますので、仮にこちらの案どおりで発出したということであれば、どう受け止めていただけるかということになるかと思います。

○井手座長代理  そういう意味であれば、消費者委員会とか消費者庁がこれをぜひともやるべきだというのであれば、「実施することも望まれる」ではなくて「実施すべきである」という強い書きぶりでも構わないのでしょうか。

○丸山参事官  そこはむしろ御議論いただければ。

○古城座長  構わないというか、私は「すべきである」という井手案に賛成ですが、それは何か障害があるかという質問ですが、それはこちらで勝手に自由に議論できるということでしょうね。

○丸山参事官  現状こういったスキームがないということでございますので、何かそれで支障があるかというと、それはもしかしたら受け止める側のほうで何が支障であるかということで、その要因が考えられるかもしれないですけれども、そういうものよりも、むしろこういったことをやることが必要であるということで、委員会のほうで強く認識するというのであれば、要望という形で言うこともあろうかということです。

○古城座長  そうですね。私は必要だと思います。

これでよろしいですか。井手座長代理の意見で、強く書くということで。

○古賀委員  はい。

○古城座長  ほか、いかがでしょうか。

井手座長代理、これだけでよろしいですか。

○井手座長代理  結構です。

○古城座長  小浦委員、どうでしょうか。

○小浦委員  ヒアリングを聞いておりまして、コスト削減こちらと温度差がありましたので。

○古城座長  ほかにございませんでしょうか。

そうしたら、時間をまだ随分余らせておりますけれども、これで四国電力についての議論も終わりにしたいと思います。

非常にわずかな修正意見がありますけれども、大体この本体と今の修正意見を入れた形でまとめたいと思います。

最終案については、皆さんに修正した後御意見を伺いますが、修正の仕方については私に御一任いただいてよろしいでしょうか。

それでは、私のほうで原案を修正した上で、皆さんの意見を聞いた上で、消費者委員会本会議に報告したいと思います。


≪3.閉会≫

○古城座長  最後に、事務局から連絡事項はございますか。

○丸山参事官  本日も熱心な御議論、どうもありがとうございました。

次回の会合につきましては、確定次第、御連絡をさせていただきます。

○古城座長  それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)