第24回 地方消費者行政専門調査会 議事録

日時

2019年8月26日(月)10:00~12:02

場所

消費者委員会会議室
東京都千代田区霞が関3-1-1 (中央合同庁舎第4号館8階)

出席者

【委員】
新川座長、山本座長代理、伊集委員、大森委員、尾嶋委員、首藤委員、西田委員、山田委員
【消費者委員会委員】
池本委員長代理、長田委員、樋口委員
【事務局】
二之宮事務局長、福島審議官、金子参事官、友行企画官

議事次第

  1. 開会
  2. 中間的な論点整理
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○新川座長 それでは、時間になりましたので始めさせていただきたいと思います。

本日は、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。ただいまから、「第24回地方消費者行政専門調査会」を開催させていただきます。

本日は、所用により八木委員が御欠席という御連絡をいただいております。

最初に配付資料の確認をさせていただきます。資料は全てお手元のiPadに収納されております。配付資料はiPadの1ページ目、「議事次第」に表示されておりますとおりです。本日は、論点整理の案が収納されているかと思います。よろしくお願いいたします。

iPadの操作等につきまして御不明な点がございましたら、お近くの事務局職員までお尋ねいただきますよう、お願いいたします。


≪2.中間的な論点整理≫

○新川座長 それでは、本日の議事に入りたいと思います。本専門調査会は、消費者委員会本会議における問題意識を踏まえて本年6月に再開をさせていただきました。この間、4回にわたりまして、専門委員や有識者からヒアリングをさせていただき、意見交換を行ってまいりました。

今月末、8月末で消費者委員会本委員の任期が終了するということがございます。これに伴いまして、本専門調査会委員の任期も一旦ここで終了ということになります。

そのため、これまでのヒアリング等を踏まえた論点整理を行いたいと思っております。この論点整理の性格は、これまで議論されてきた意見を幅広く受け止め整理したもので、私どもの議論としてはまだ結論を出すに至っていない段階でのまとめであります。結論を決定付けるということではなくて、今後、検討すべき項目、事項について論点等を出していく、そういう整理とお考えをいただければと思っております。

したがいまして、本日はこういう論点整理について御検討いただき、今後更に加えていくべきもの、あるいは取り除いていくべきもの、さらには整理をもっと進めていかなければならないところなどについて、御意見をいただければと思っております。

それでは、今日の段階での論点整理ということで、各委員にはよろしく御議論をお願いいたしたいと思っております。当委員会そのものは一旦ここで終了ですが、道半ばということもございますので、今後に向けて、また次のステップが始まった段階でこの整理を大いに活用していただくということになろうかと考えております。

それでは、事務局のほうから本日の資料の説明をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○友行企画官 それでは、お手元の資料を御覧いただけますでしょうか。「専門委員や有識者ヒアリング等を踏まえた論点整理」というものでございます。

まず、1ページ目でございますが、「はじめに」というところと、「委員名簿」、「開催実績」をお付けしております。座長から御紹介もありましたように、開催実績はこれまで4回でございまして、有識者の方々や専門委員の方々に御発表いただきまして、それを元に様々な意見交換をしていただきました。そこで出てきました意見を幅広く拾いまして、一定の軸に沿いまして整理したものでございます。

最初の「はじめに」のところでございますけれども、消費者行政の現場は「地域」であり、地方消費者行政の充実・強化は消費者行政の推進における最重要課題の一つであるということは言うまでもないというところでございます。

我が国は、既に人口減少局面を迎えております。2008年に我が国の人口はピークを打っておりまして、今後、人口減少が見込まれるような局面に入っております。人口減少、少子化、高齢化は今後更に加速する可能性があり、2040年頃を目途に高齢者人口がピークを迎えるという予測も出ております。都市部では単身世帯の増加や孤立化、地方部では過疎化が進む。そういったことから「地域力」の低下が懸念されていたところでございます。他方で、同時に情報化、技術の進展といった明るい材料もございまして、こういった社会情勢の変化に伴い、消費者問題はますます複雑化・多様化し、新たな消費者問題の発生も見込まれるといったところが一つございます。

こうした過去に経験のないレベルでの人口構造、社会情勢の変化により、消費者行政も新たな局面を迎えることが予想されます。これまでの施策の延長線上、すなわちこれまで行ってきたような改善策の積み上げでは対応し切れない可能性があるといったところが、この専門調査会の大きな問題意識の一つでございます。地域におけるつながりが薄れ、孤立化する高齢者を中心に起きる消費者問題を未然に防止して、適切に被害回復につなげる方策を今の時点で打ち出しておかなければならない。将来を見据えて直ちに取りかかる必要があるというところが、この専門調査会の問題意識でございます。

他省庁の状況を見てみますと、総務省では第32次地方制度調査会で、2040年頃から逆算して顕在化する諸問題に対応する観点から、行政によるフルセット主義からの脱却と、地方公共団体の協力関係、公・共・私のベストミックスその他の必要な地方行政体制の在り方について検討が行われており、一定の中間整理も出されております。今後も、引き続き議論がなされると聞いております。

そこで、本調査会でもこういった動きを踏まえながら、2040年頃において地方消費者行政が役割を果たすためにどのような対応策が考えられるか。10年後、20年後を見据えた中長期的な視点から、新たな消費者行政の形、消費者行政分野における公・共・私の相互の連携、協力の在り方などについて検討を行うといったところでございます。

なお、この論点整理は、現段階における中間的な整理でございまして、議論の方向性を定めたものではなく、今後具体的な検討を進めていく中で、さらに論点の追加や整理などを行うこともあり得るといったところでございます。

2ページ目、3ページ目でございます。「ポイント」とございますが、2ページ目がポイントの1ページ目、3ページ目がポイントの2ページ目でございまして図表となっております。

まず、ポイントの1ページ目、ページ数で言いますと2ページ目でございますけれども、「問題意識」と「10年後、20年後の消費者行政充実、強化に向けて求められる視点」を7つ挙げております。

「問題意識」につきましては、先ほど「はじめに」のところで申しましたことと重複しているところもございます。

「10年後、20年後の消費者行政充実、強化に向けて求められる視点」でございます。

1つ目は、10年後、20年後、我が国の姿がどうなっているかといったところでございます。人口減少や高齢化、情報化の進展等、社会情勢の大きな転換に直面する。それに伴い、地方自治体の職員も減少していく。専門人材の確保も難しくなっていくという可能性がございます。地方自治体の予算が縮小して、消費者行政のための財源確保が一層困難になっていく可能性もございます。

2つ目、地方自治体により異なる課題の把握と、それらに対応した地方消費者行政の在り方でございます。自治体といっても一くくりではございませんで、様々な形がございます。大きな都市、中核市、町村、中山間地域といった地域の特性もございます。そういった地域の特色や特性により異なる課題を把握していくことが大事ではないかといったところでございます。

3つ目が、連携、ネットワークを活用した消費者問題への対応でございます。地方自治体の中で、消費者行政のためだけの組織や予算を区切って、それを拡大することを全ての地方自治体に求めることは難しいのではないかといったような問題意識でございます。消費者行政とほかの行政部門、地方自治体の相互間、国と地方自治体との間の公・共・私の間における連携とかネットワークの構築が必要ではないかといった問題意識でございます。

4つ目といたしまして、専門人材の育成や活用でございます。専門人材の育成は、問題が発生したときに短時間で解決することが難しいということがございます。消費者行政に求められる専門性とは何かを明確にしながら、継続的な取組が今から必要ではないかというところでございます。

5つ目が、IT、技術の活用でございます。PIO-NETなどはデータ駆動型政策のPDCAとして大きな可能性を持っているといったことが言えます。AIによる課題解決と人の知見によるソリューションの開発を組み合わせた、「AIと人とのハイブリッド行政」なども進めていくべきではないかといった視点でございます。

6つ目といたしまして、市町村の役割、都道府県の役割でございます。人口減少、高齢化が進展していく中で、都道府県が市町村に対して果たすべき役割は重要になっていくと考えられます。市町村の役割、都道府県の役割や、市町村と都道府県の連携の在り方を更に今後一層検討していくべきではないかといったところでございます。

7つ目といたしまして、国が果たすべき役割でございます。これまで地方自治体が担ってきたサービスや担うべきサービスの維持が成り立たなくなる可能性もございます。その中で、国は何をしていくべきか、どのような役割を果たしていくべきかといったところでございます。特に小さな市町村の消費者行政を支えることを国の施策として考えていくことも今後は必要ではないかといった視点でございます。

3ページ目、問題意識や消費者行政の10年後、20年後の充実、強化に向けて求められる視点に関します基本的な図表を4つここに掲載しております。

【図1】は人口の全体の姿のグラフでございまして、2008年にピークを打った人口は減少していくといったことや、65歳以上の人口が大きくなっていくといったところでございます。全体の人口は減っていきますけれども、65歳以上の人口は増えていきますので、高齢化率は高まってまいりまして、最終的には40%を超えるところまで65歳以上の人口が増えていくということが推計では出ております。すなわち、40%ということは5人に2人は65歳以上になるということがもしかしたら到来するかもしれないということを前提に、何を考えていくかということかと思います。

【図2】でございますが、高齢者の世帯の状況でございますけれども、65歳以上の女性の5人に1人がもはやひとり暮らしとなっております。男性のほうは少しひとり暮らしの割合が減っておりますけれども、こういった状況になっておりまして、ひとり暮らしの割合というのは今後更に高まってまいります。

【図3】は、地方公務員数の変化でございます。このグラフを見ていただきますと、一般行政部門でございますけれども、地方公務員数は2000年以降、大幅に削減が進んでおります。限られた職員数で実務を担当する必要が生じております。

【図4】は、予算の話でございます。給与関係費とか公債費はもう横ばいになっております。投資的経費、インフラ投資などにつきましては、一旦ピークを迎えましたけれども、足元では抑えられているような状況でございます。他方、一般行政経費は伸びが高まっているという状況になっております。これは自治体の予算の状況をあらわしているところでございます。

4ページ目以降は、「問題意識」とか、「10年後、20年後の地方消費者行政の充実、強化に向けて求められる視点」を更にそれぞれブレークダウンしたような、細かく見出しを付けながら整理をしたものでございます。

大きな柱といたしましては、2ページ目にありますような1から7が大きな柱となっておりまして、これまで様々意見交換していただいたものをそれぞれの柱に沿った形で整理し直しまして、その柱ごとに少し小見出しを付けて整理したものとなっております。

4ページ目は「問題意識」に関わるところでございます。最初のところが、1ポツ目、「社会情勢の転換」でございます。高齢者単身世帯や認知症高齢者の増加に伴いまして、高齢者を狙った消費者被害の増加が懸念されております。こういった中で、高齢者の自助能力の低下への対応が大きな課題となっているというような意見がございました。

また、短期的には孤立化、空き家の増加など地域コミュニティーによるソーシャルキャピタルの低下、それから安心・安全の面での地域対応力の低下、長期的には過疎高齢化による地域コミュニティーの消滅・崩壊を念頭に置くべきではないかといったような意見もいただきました。

2番目といたしまして、「行政の変容と課題」でございます。2040年には、現在の試算では900を超える市町村が限界市町村状況に陥るという試算もございます。地方部における市町村の対応力はかなり低下することを前提にした上で、いろいろ考えていくべきではないかといったような意見でございます。

3ポツ目、「効率的・効果的な取組に向けた施策」でございます。地方自治体の中で消費者行政のための組織・予算を区切って、それを拡大していくことを全ての地方自治体に求めることは、必要ではございますけれども、今後ますます難しくなる。消費者行政と他の行政部門との間、それから地方自治体相互間、国と地方自治体との間、さらに公・共・私の間における連携の在り方を検討する必要性がますます大きくなるのではないか。それから、行政内部での連携や自治体間連携に加えて、事業者との連携も検討する必要があるのではないかといったような御意見をいただいております。

4番目といたしまして、「消費者行政の必要性と周知」でございます。10年後、20年後には、国民生活を取り巻く社会環境の変化に伴い、消費者問題は更に複雑化・高度化することが懸念されるというような御指摘もございました。それから、一般の方は、消費者問題をこのまま放置しておくと何が起こるかというリスクをしっかりと把握していないのではないか、このままでいくとこういう状態になるということをまず明確にすることも必要ではないかという御意見もいただきました。

5ページ目でございます。「10年後、20年後の消費者行政充実、強化に向けて求められる視点」の中の最初の「10年後、20年後の我が国の姿」のところでございます。

(1)といたしまして、「変容社会への対応」でございます。少ない若者の税収で高齢者を支える社会となる。地方自治体における職員・予算は減少していくといったような御指摘でございます。

(2)でございますが、「消費者行政に携わる自治体職員の確保、育成」でございます。都市部においても、急速に進む高齢化対応に追われ、消費者行政に対し、職員を養成し十分な予算を割くことはかなり難しい状況に陥ることを念頭に置かなければならないといったような御指摘もございました。

(3)「地方自治体の予算等」でございます。財源の在り方を考えるとき、国の地方に対する財源保障という部分を重視する場合には、国税を使って地方にしっかりと保障するというやり方も考えられる。一方で、地域ごと、地方ごとのニーズに合わせてうまくやっていくべきだという考え方をとるのであれば、自治体ごとに地方税をうまく使いながらやっていく。どちらで財源を含めた議論を回していくのかというところを両輪として議論していかなければならないのではないかといったような御意見もいただきました。

(4)のところでは「情報化社会のリスク」の御指摘もいただきました。情報化社会は、誰でも様々な情報にアクセスできる一方、顔の見えない匿名社会を作り出しており、消費者にとっては極めて危険な社会が出現しているといったこともリスクとして認識すべきではないかという御指摘もございました。また、個人情報保護についての過剰な反応などもあって、つながりの薄い社会になってきてしまったが、もう一回全員で見守る社会を作っていくのが適切ではないかという御指摘もいただいたところでございます。

6ページ目でございます。「地方自治体により異なる課題の把握とそれらに対応した地方消費者行政の在り方」に関連する論点でございます。

(1)といたしまして、「地域の特性等に応じた問題解決」の視点でございます。平等性・公平性を重視する行政においても、優先順位を付けて解決していくこと、平均的ではなく、それぞれの地域の特性や実態を明らかにすることが必要ではないかという御指摘もいただきました。

また、全国一律的なアプローチから脱却して、地方で様々なことに挑戦してみたいという人たちに機会を与えてはどうか、そういった仕組みも必要ではないかといった御指摘もいただいております。

「課題の把握のための関係機関との連携」というところで、2番目に御指摘いただいております。消費者庁は、地方自治体ごとの現状と課題の把握を行い、解決策を国、都道府県、市町村が協同して考える枠組みも必要ではないかというような御意見もいただきました。

また、(3)といたしまして、「情報公開のための的確な情報の蓄積」でございます。情報公開の前提として、的確な情報の蓄積の在り方を検討すべきではないかといった御指摘。それから、消費者庁のデータベースを開放し、誰でも書き込めるようにするということも有用ではないか、考えるべきではないかといった御指摘もいただいております。

7ページ目、「3.連携、ネットワークを活用した消費者問題への対応」でございます。

まず、(1)といたしまして、「行政内部の連携体制の構築」でございます。福祉部門とその他の行政部門の連携など、部門間の連携は長い間、課題とされているのではないか。複雑で数多い行政施策の全体像がうまく把握できていないということもあり、その可視化もICTの重要課題であるといった御意見もいただきました。また、ネットワークの中では、消費者行政はワン・オブ・ゼムにしかならない。そのワン・オブ・ゼムにしかならないというところが、地方において消費者行政の専門家の地位が低いということをそのまま反映しているといった見方もできるのではないかといった御意見をいただいております。

(2)といたしまして、「自治体間連携」の論点でございます。地方消費者行政の場合、問題の発生を予防し、あるいは問題を発見する場面では、地域に密着した行政活動が必要である一方、問題を調査し、問題に対応する場面では、地域を超えた連携が必要になる場合が多いといったような御指摘でございます。それから、広域連携を行った場合に、そのメリットがある一方で、様々なデメリットがある。そのデメリットについても目を向けていくことが必要ではないかというような御意見をいただきました。

(3)でございます。「既存のネットワークとの連携・統合」でございまして、消費者行政を単なる単独の行政として捉え対応するのではなく、住民全体の生活を守る総合行政の一部として捉えるべきといった御指摘もいただきました。

8ページ目、連携、ネットワークの続きでございますが、(4)といたしまして、「公・共・私の連携」の視点でございます。行政・コミュニティーなどのステークホルダーが一体となって地域全体の課題に取り組む体制が求められているといった御意見。それから、担い手ということにも関わるが、消費者活動、消費者運動をされる市民団体がもっと育っていかないといけないというような御意見をいただきました。それから、水平展開していく上では、弁護士や都道府県の消費生活相談員などの派遣や、広域連携等で体制の格差を解消することが必要といった御指摘をいただいております。

自治体が中心となって民間と連携する見守りを推進するために、自治体が連携をコーディネートするといったような視点が必要だといった御指摘もいただいております。また、地域包括ケアの枠組みの中に、例えば経済団体などが入ってもよいのではないかというような御意見もいただきました。

(5)でございますが、「消費者生活センターの位置付け」でございます。現在の地域包括システムに寄せられる課題は福祉分野が中心であるが、今後は消費者課題の対応についても、消費生活センターとして独自の専門性を高めながら、連携、活動していくことが必要ではないかといった御意見がございました。

(6)の「適格消費者団体の位置付け」でございます。適格消費者団体が事業者の違法行為を差し止めるという本来業務だけでなく、地域の消費者問題被害の防止、あるいは地域のネットワークを広げる拠点になるということが、適格消費者団体のより大きな存在価値だと思うというような御指摘もいただきました。

9ページ目、「専門人材の育成、活用」でございます。

(1)といたしまして、「専門人材に求められる能力」のところでは、今後、複雑化・高度化することが懸念される消費者問題に対し、高い専門性を持った人材が求められるといった御意見がございました。また、消費者行政は非常に分野が広く、全ての分野をカバーするというのはおよそ不可能であるため、専門性のみならず、ほかの専門性とつなげるコーディネート力というものも重要ではないかという御意見をいただきました。

(2)の「専門人材の雇用」のところでは、難しい問題の解決には、その課題解決に強い意志を持った人材による、例えばチームで対応すべきといったような御意見もいただいております。

(3)の「専門人材の育成」のところでございます。自治体の専門人材の育成については、国が中心となって都道府県を支援し、都道府県は地域のニーズに対応した研修等を提供する必要がある。その際、研修を受けられるように環境を整えることも重要な支援となるというような御意見がございました。

(4)の「専門人材の活用」のところでございます。専門人材の育成は必要であるが、網羅的で十分な数の確保は現状において望めないと考えるのが現実的ではないか。育成した数少ない人材を広域的なネットワークの中核としていかに効果的に配置するかという点を考えることが必要といった御指摘がございました。例えば、国に地方の消費者行政のプロフェッショナル集団を作り、問題があるところを優先順位を付けながら一つ一つ解決をしていく、地方自治体と一緒になって解決していくといったことができないかという御意見もございました。

10ページ目、「IT、技術の活用」でございます。

(1)の「ITツールの活用」のところでは、AIとかロボットを活用することによって生産性を上げていく、構造的な問題を解決することによって、人を捻出することは可能ではないかといったような御意見。クラウドソーシング、インターネットを使い、こういう問題を解決したいのだけれども、意見はありますかということを問い、アイデアを募ることも可能ではないかといったような御指摘もございました。

(2)の「ITツールを活用した消費者啓発」でございます。若者はネットで検索して自己解決する傾向が強い。若者が検索するアクセス先に、行政からの情報であることが分かりやすいように、一目で分かるような色とかマークなどが必要ではないかといった御意見もございました。

(3)といたしまして、「ITツールを活用した消費者相談」に関連することでは、PIO-NETなどはAIによる課題発見と人の知見によるソリューション開発を組み合わせた「AIと人とのハイブリッド行政」の好例になるというような御指摘。それから、ITツールは、必要な情報を必要な人に伝えるチャネルの開拓にもつながるといったような御意見もございました。また、ITツールの活用による相談業務の効率化も考えられるが、市民の安全・安心の観点からは、やはり人が担うべき部分もあり、活用は工夫して行うことが必要だといったような御指摘もございました。

11ページ目、「市町村の役割、都道府県の役割」でございます。

(1)といたしまして、まず「市町村の役割」でございます。市町村は、住民の安全を守る総合行政の中で消費者行政を推進することを基本的責務とすべきではないか、窓口機能を備え、住民にとって身近な問題点を把握することが大切ではないかといった御指摘がございました。また、消費者団体等の多様な主体と積極的に連携し、消費者被害の防止等に向けた取組を推進することが必要といった御意見。また、行政においては、専門的で解決力が高い体制を整えることが重要であり、効率的な人員配置や、AI・ICTを活用したスマート行政を行っていくことも必要ではないか。そういった御意見もあったところでございます。

(2)といたしまして、「都道府県の役割」でございます。都道府県は市町村と連携を図りつつ、市町村では解決の難しい課題に対して支援すること、市町村が消費者団体等の多様な主体と連携できるよう、調整の役割を果たすことが必要ではないかといった御意見がございました。また、都道府県においても、行政においては専門的で解決力が高い体制を整えることが重要であり、AI・ICTを活用したスマート行政を行っていくという視点が必要ではないかという御指摘もあったところでございます。

さらに、「市町村と都道府県の連携」でございます。予算や職員に限りがある中で、市町村、都道府県という行政サービスの実施場所や仕事の範囲ではなく、実施目的や内容に応じて、市町村、都道府県、また国がどのように連携し、地域横断的・効果的なサービスを展開していくか、そういったことが必要ではないか、大事ではないかといった御指摘がございました。

「7.国が果たすべき役割」でございます。「国による地方自治体の支援」でございますが、地方自治体が主体的に行動できる環境を作ることが一番の支援ではないかといった御指摘がございました。また、成年年齢引き下げのような国の決定事項に対しては、地域の財政事情にかかわらず、全ての国民が消費者教育を受けるべきだが、小さな市町村ではマンパワーが足りず、国の交付金にエントリーすることすらできない。例えば、国が地方自治体に人材を派遣し、国の決定事項を全国に波及すべきではないか。それから、国は地方自治体に対して最新の情報提供を行うことが必要ではないかといったような御指摘がございました。

事務局からの説明は、以上でございます。

○新川座長 どうもありがとうございました。

ただいま、これまでの議論を踏まえまして、事務局のほうで論点整理をいただきました。これに基づきまして、私どもの中間の整理に向けて少し御意見をいただき、取りまとめる。まとめるといっても、方向性を定めるといったようなまとめではなくて、整理のまとめのようなことを考えていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

いろいろな分野にわたっておりますので、まずは、今御説明をいただきました論点整理の1枚目、2枚目、3枚目、このあたりを中心に御意見をいただければと思っております。1ページ目の「はじめに」の私どもの問題意識のようなところです。次に、2ページ目も同じく問題意識、そして今後に向けて求められる視点のような、ここでは1から7の視点が出されて、後ほどこれがそれぞれ具体的な論点として改めて整理をされるところとなります。そして、3ページ目のところで、その視点の背景になりますデータ、限られたデータではございますが、こうしたものを掲げさせていただいてございます。このあたりを中心にして、もちろんほかのところに当然波及するかと思いますけれども、まずはここまでのところで御意見をいただいていければと思いますので、よろしくお願いいたします。どうぞ御自由にどなたからでもよろしくお願いいたします。

どうぞ、伊集委員。

○伊集委員 御説明、どうもありがとうございました。

最初に形式的な質問なのですけれども、この論点整理あるいは中間報告を出すときは、この形式で出すのか、あるいはこれを文章化するような形で作成するのか、どちらでしょうか。

○新川座長 事務局、お願いいたします。

○友行企画官 論点整理につきましては、この形でまとめるという形で考えております。

○伊集委員 分かりました。

○新川座長 何か問題意識、このあたりで付け加えるようなことはございませんでしょうか。

どうぞ、伊集委員。

○伊集委員 では、この形式でやるということで、もうここに示されているのが土台になるということですね。

1ページ目の「はじめに」の最後に、これまで既に議論があったところをまとめてくださっているのですけれども、「なお、本論点整理は、」というところで、最後に「今後具体的な検討を進めていく中で、さらに論点の追加、整理等を行うこともあり得る。」と、可能性として示しているのですけれども、これはいろいろな議論がある中で方向性を示していくというような形でたしか前回議論したと思うので、この後はこうなりますということだったと思いますので、「あり得る。」というよりも、「行っていく。」というぐらいの表現でいいのかなと感じました。

○新川座長 ありがとうございました。確かに中間の後、どっちの方向に向いていくかは、改めてちゃんと議論しないといけないということからすれば、そのとおりかなということがございます。ありがとうございました。

そのほかいかがでしょうか。

それでは、「はじめに」や「問題意識」のところは、細かいところはまた後ほど議論しないといけないところはたくさんあろうかと思いますが、ほぼ共通の認識ということでよろしゅうございますでしょうか。

それでは、引き続きまして、少しいろいろ論点が出てこようかと思います、4枚目、第1の「問題意識」のところ、それから第2の「10年後、20年後の我が国の姿」、2番目の「地方自治体により異なる課題の把握とそれらに対応した地方消費者行政の在り方」、このあたりまで、少し各論に入りますが、御意見をいただいてまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。

どうぞ、大森委員、お願いします。

○大森委員 「問題意識」の「3.効率的・効果的な取組に向けた施策」の○の2つ目ですけれども、「行政内部での連携や、自治体間連携に加え、事業者との連携も検討する必要がある。」とあるのですけれども、ここにNPOも加えていただきたいと思います。

もともと行政ではなかなかフットワークよく対応できないところを、迅速にフットワークよく対応しようということでNPOは作られたものですから、是非加えていただけたらと思います。

○新川座長 ありがとうございました。貴重な御意見をいただきました。これも特に異論はなかろうかと思います。効率的・効果的な取組に向けては、様々な担い手、セクターとの連携というのが重要で、行政間だけではなくて、民間セクター、それも営利・非営利を含めた連携が重要だということで御意見をいただいたかと思います。

どうぞ、山田委員、お願いします。

○山田委員 何ページぐらいまで行くのですか。

○新川座長 4、5、6ページぐらいまで行ってください。

○山田委員 まず、2ページからいきます。2ページの中で、「10年後、20年後の我が国の姿」ですけれども、一番大きな点は、地方部における急速な人口減少、こちらのほうで職員が減ってきて、予算も減ってくるだろうと。都市部のほうは、どちらかというと急速な高齢化という形で、都市部と地方部は書き分ける必要があるのかなというのが1点です。

それから、3の「連携、ネットワークを活用した消費者問題への対応」の視点ですけれども、地方自治体が難しくなるというだけではなくて、その前から書いてありますように、地域における地域力が弱まって、地域における対応能力が弱まるという視点を入れておかないと、その後が続かないのではないかなと思います。そこから、公・共・私の連携強化というのが出てこないと、何だか地方自治体のほうだけが弱まってしまって、そこで出てくるというのではなくて、地域力も弱まるのですね。だから、個人の対応能力も実は高齢化で弱まってくるという、みんな弱まってしまうので、連携していかなければだめなのだろうという形になるのだと思います。

その中で「IT、技術の活用」とかあるのですけれども、「国の果たすべき役割」のところも含めてですけれども、今まで以上に情報提供というものが重要になってくるのだと思います。AIと人とのハイブリッド行政もいいのですけれども、何よりも迅速かつ最新の情報を提供していくというのは、IT、技術の活用であり、また国が果たすべき役割でもあるのではないか。特に、PIO-NETとか、そういったものがありますので、そうしたものをやって情報提供というものを今まで以上に充実させていくという視点が要るような気がいたします。それが2ページです。

それから、4ページも同じような形で、地域力の回復、強化という形の公・共・私連携のことを書いていたほうが広まってくるのではないかと思います。

5ページで気になるのは、「少ない若者の税収で高齢者を支える社会となる。」という言い方は、これは財政的に見ると消費税の問題に対して真っ向からけちを付けたみたいな表現になっているのではないかと思うので、そこまで言い過ぎるのかなという形で少し気になってきておりまして、「地方自治体における職員・予算の減少」というのも、そうした面での特に過疎、高齢化部分のところの問題ではないかなと思っております。

あと、1-(3)ですけれども、財政的なところで随分書かれているのですけれども、ここがもう一つ言葉として練れていない感じがしておりまして、独自財源による確保、国庫支出金による確保、交付税による財源保障などの検討が必要で、自治体の裁量性を重視するのであれば、一般財源を確保していくという方向性の検討も重要と。地方税と交付税が一般財源なのですね。国庫支出金が特定財源という形になるので、何か話の全体がつながっていないという感じがしておりまして、そこら辺をどうしていくのかという点は、もうちょっと財政的なところはきちっと書いていかなければいけないのではないかと思っております。

「国民/住民負担による財源確保を行っていくという視点も重要」というのも、正直言ってよく分からない。増税しろという意味なのかなとか、どういう意味なのかがよく分からないですよね。

「合意を調達できないために税がとれず、結局それが財政赤字になっているという今の日本の現状」と、かなり厳しい言い方をされているのだけれども、このあたりの言い方も気を付けないと、それこそ国会あたりだと問題になってしまうような言い方だなという感じがしております。

それから、「情報社会のリスク」のところは、まさに危険なのだけれども、その中でいかに的確な情報を出していくのかという点も入れていただければいいのではないか。とりあえず5ページまではそんな感じです。

○新川座長 ありがとうございました。たくさんいただきましたが、各委員からも関連していただければと思います。

どうぞ、池本委員。

○消費者委員会池本委員長代理 池本でございます。

これは、本来であれば様々な観点の論点が出た段階で中間整理をすればいいのでしょうが、何しろ親委員会の任期の関係で、ヒアリングそのものがまだ不十分なこの時期に中間整理をお願いしているので、やむを得ないし、これから申し上げるところも、むしろ今後検討すべき課題の話であって、この中間整理そのものの修正ということではないのかもしれないのですが、現時点での感想を申し上げます。

4ページの「問題意識」のところで、4番目に「消費者行政の必要性と周知」というのが入っています。本来、地方消費者行政をどういうふうにこれから展開していくべきかというときに、本当は出発点は現在の消費者問題の深刻さ、広がりを何とかしなければいけないし、そのことが自治体独自の政策判断として十分受け止め切れていない、独自財源や人員の問題としても受け止め切れていない、これをどうするかというときに、当面の政策として、消費者庁は地方消費者行政強化作戦2020という、来年度以降の4~5年間の当面の課題あるいは中期的な課題というので検討して、先般、一応の取りまとめ、若干の字句修正がまだあるということですが、8月中にまとめると聞いているのです。

実は、そういう議論があって、その更に先、10年、20年後を見据えれば、もっとこういうことが必要だし、あるいは当面の課題はこうだとしても、その延長線に少しこういう観点を入れなければいけないと、こういう議論ができればよかったのでしょうが、強化作戦の検討懇談会は同時並行なので、そこの議論を差しおいて、いきなり10年、20年後の話に進んでいった。

そのために、この問題意識も10年、20年後の将来の課題のところからあって、4番目に念のため消費者行政の必要性というのが出てきているのですが、これだけを見ていくと、消費者行政の今後の展開について悲観的な面ばかりが表に出ているような受け止め方をされないかなという心配があります。

あるいは、形式的な書換えで言うと、この4番がまず最初にあって、当面の課題の検討とは別に将来のことを検討するというのを、あるいは「はじめに」になるのか、その上で、ここにある1、2、3のような観点が位置付けられるということになるのか。

この中間整理に向けた訂正の意見というよりは、今後のことになるかもしれませんが、例えば強化作戦2020でどういう問題意識でどういうことを当面目指しているのかというのを例えば後半戦でまず報告をいただいて、それとここで議論した将来像や地域自治体の今後の課題との関係でどうすり合わせていくかという議論が今後必要になってくるのかな。その中で、消費者行政の地域の現場は一体どうなっているのかという話を更に進めていただければと思います。

○新川座長 ありがとうございました。今後の進め方というところとあわせて、最初のほうの書きぶりとして、現在進めておられる問題の深刻化に対する対策の強化も踏まえた上で、私たちはむしろその先、10年後、20年後を考えている、そのあたりを強調しておいてはどうだろうかということで御意見をいただきました。

あわせて、山田委員からは、問題状況として、将来、10年後、20年後、大都市圏と非大都市圏との著しい問題の性質の違い、その中で発生する公・共・私のそれぞれの部門の問題の深刻化、その上で公・共・私の連携というのを重視していくということ。さらにはそれに見合った行政体制、財源の在り方ということを考えていく。方向を出すのはいろいろ差し障りがあるかもしれないという御意見もいただきました。このあたりは参考にさせていただきたいと思います。

財源論では、一般財源か特定財源なのか、あるいは自主財源なのか、依存財源なのか、このあたりを少し整理して議論をしないといけないということでもお話をいただきました。

それから、全体を通じて、消費者行政の中では情報を的確に提供していく、このところをもう少し一貫して強調してはどうだろうかということで御意見をいただいたかと思います。

このあたりも含めまして、各委員から何か、5ページ目、6ページ目あたりまででございましたらお願いしたいと思います。

どうぞ。西田委員、お願いします。

○西田委員 取りまとめ、ありがとうございました。

事前にいただいたものよりも踏み込んでいるところもあったり、シャープになっていたりして、進化していていいなと思いました。比べたら大分違っているところもあったので、いいなと思いました。

それで、今出ていた論点の補足になるかと思うのですけれども、5ページ目の一番下の「情報化社会のリスク」というところで、情報化社会で誰でもアクセスできるという方向と、保護し過ぎでいろいろな問題が起きているというところと少し似ているのですけれども、先ほど山田委員が言われたように、なかなか活用されていないデータをオープンにしていくという、オープンデータという文言を盛り込んで、眠っているデータを活用していくというところは明示的に書いてもいいのかなと思いました。

それから、伊集委員が先ほど指摘されていたところで、最初のページの最後の2行で、「今後具体的な検討を」というところの「今後」という時間的な感覚が少し分かりにくいなと思ったので、問題がない範囲で具体的に書くとよいと思いました。「今後」というと、すごい未来の話にも読み取れるので、一旦これで終わるが引き続きというか、9月以降引き続きとか入れると大分具体的になると思うのですけれども、問題がない範囲で具体的に言えるといいのかなと思いました。

それで、今、池本さんのほうからお話があったのですけれども、今回いろいろな課題が列挙されてということですけれども、7つある視点の中では、すごく大ざっぱなのですけれども、私からすると、1番、2番はニーズというか、困ったという話で、3、4、5がシーズというか、ソリューション、問題解決の可能性につながるところかなと。6、7は、本当は1、2のニーズと3、4、5のシーズをマッチングするというか、うまくからめ合わせて、よい社会を作っていくための下支えするいろいろな政策を出していくところかなと思って見ていたのですけれども、そういうのを後半戦で少し整理していくみたいなのがあると、もう少し明るい感じになるかと思いました。今は、まず論点というか、シーズはこういうのがある、ニーズはこういうのがあるというのを列挙した段階ですよというのが伝わるといいのかなと思いました。

あともう一点ですけれども、4ページ目の一番下の行に、一般の人たちはどういうリスクが今後あるのかよく分からないということが書かれていたのですけれども、3ページ目の図が4つあるのですが、この図は専門家だと分かるかもしれないですが、ここから何を読み取っていくかがクリアではない気がしました。そこで、今、出ている問題構造、問題のマップ図というか、こういうものが今後20年で顕在化してきますという、例えば横軸は時間の流れになっていて、今後、こういう問題が顕在化していて、そこには税とか人口の問題がベースになって、それが派生して消費者行政の問題が出てくるというような問題の構造図が示されると良いと思いましたが、今回、前半では、それをやっている時間はないかもしれないので、後半戦では、そういうのがまとまるといいなと思いました。

以上です。

○新川座長 ありがとうございました。2ページ目の7つの視点がありますが、ニーズとシーズとソリューションみたいな、そんなイメージで読み取れるといいかもしれませんが、そこまで書くと書き過ぎかという感じが。

○西田委員 そうですね。

○新川座長 3ページ目のこれは、改めて別のモデル的な図式に書きかえるというのもなかなか大変かもしれません。これは今後の整理ということで考えさせていただかないといけないかなと感じはします。もちろん、ロジックモデルみたいなものをどうせ作っていかないと将来のシナリオが書けませんので、それは今後の課題ということで是非考えていきたいと思っております。

それから、時期をどうするかというのは、現在の消費者委員会は今月で終わりですので、こればかりは何とも言いようがないなというのが現時点ではありますが、そこを事務局はきっと工夫してくださると思っておりますので、よろしくお願いします。

そのほか、いかがでしょうか。

どうぞ、尾嶋委員。

○尾嶋委員 先ほど池本先生がおっしゃったことに関係するのですけれども、消費者庁で取りまとめをしている地方消費者行政強化作戦2020は、2020年から5年で取り組むべき政策目標を検討しているということですが、それを見ますと、今ここで議論している課題ともちろん重複するところがあるのですが、消費者行政の問題というのは随分前から同様の課題がなかなか解決できないというところに大きな問題があって、この課題を解決していかないまま20年後に飛ぶということはあり得ないと思いますので、やはりここで、このような抜本的な解決策はあるというところが後半に示せたらいいと思います。地方消費者行政強化作戦2020の取りまとめというのはやはり共通課題として皆さん把握していただけたらと思います。

○新川座長 ありがとうございました。解決できていない消費者問題というのも共通の課題として、むしろ10年後、20年後、抜本的に解決できる、そういう姿を目標にしながら我々は考えていく、そういう議論の仕方を是非今後進めたいと思います。そのあたり、少しでも「はじめに」のところでにおわすことができればと思っております。

そのほか、いかがでしょうか。首藤委員。

○首藤委員 4ページの「消費者行政の必要性と周知」というところで、このまま消費者問題を放置していたときのリスクというか、危機感というか、そういったところをきちんと明確にしていくのが非常に大事だなと思いまして、この項目が入っていることはすごくいいことだと思うのですけれども、気になるのが「一般の人たちは」という文言でして、やはり一般の人たちだけではなく、いろいろ行政に関わるそういった分野の方たちもということになるかと思いますので、ここをもう少し広く表現をしていきながら、危機感をきちんと明確にしましょうというほうがよいかなと思います。

○新川座長 ありがとうございました。貴重な御指摘をいただきました。一般の人たちだけではなくて、関係者が一番分かっていないかもしれないということも含めて、しっかり反省をしないといけないということだろうと思います。

そのほか、いかがでしょうか。

どうぞ、伊集委員。

○伊集委員 5ページ目の1-(3)の地方自治体の予算に関すること。ここは特に私が報告した内容などを結構盛り込んでいただいているところかなと思うのですけれども、先ほど山田委員から御指摘いただいたように、今の説明だと確かに内容的に分かりにくいところはあるかなと思いますので、ちょっと御提案としては、今、○が3つ並んでいて、財源の国と地方の分担、両輪としてというのがあって、その次に消費者行政というよりももっと全般的な話として、今3つ目の○として書かれているところを2つ目に持ってきて、後半部分の「一方で」というところは一回外してしまって、その後、2つ目の「各自治体における消費者行政のための財源確保」というところを3つ目に持っていってという順番にしたほうが、並びとしては分かりやすいのではないかと感じました。

現状で2番目にマル1、マル2、マル3とあって、この並びと、その後に出てくる「一般財源」という言葉の使い方が分かりにくいというのもそのとおりだと思うのですけれども、特に後半部分の、もし自治体の裁量性を重視するのであれば一般財源の確保を検討していくという、これは私自身が述べた意見ですけれども、これを残していただくのであれば、一般財源が何を示しているのかが分かるように、マル1「一般財源による確保で、例えば(地方税や交付税)」、マル2「特定財源による確保、例えば(国庫支出金)」みたいな形にしていただいて、今は強化交付金などを付けてもらうというような政策も行ったけれども、今後、裁量性を重視するなら一般財源でどのように確保していくかというのも論点としては大事ではないかという意見として示させていただくような形にもしまとめていただけるのであれば、つながりとして見えるのではないかと思います。お願いします。

○新川座長 ありがとうございました。

今の整理のほうが分かりやすいかもしれませんので、事務局のほうで、順番の入れ替えと、一般財源、特定財源の表現と、交付税や地方税、あるいは国庫支出金、補助金等の組合せで表現していただくと分かりやすくなるかもしれませんので、よろしくお願いいたします。

○友行企画官 かしこまりました。

○新川座長 そのほか、いかがでしょうか。

それでは、どうぞ、6ページ目以降もどんどん言っていただければと思います。また、場合によっては元に戻っていただいても結構ですが、地方消費者行政の在り方、連携、ネットワークによる消費者問題への対応、専門人材の育成、このあたりも含めて御意見をいただければと思います。9ページ目の専門人材ぐらいまでいただければと思います。よろしくお願いいたします。

どうぞ、樋口委員、お願いします。

○消費者委員会樋口委員 9ページの「専門人材の育成、活用」のところですが、最初に意見を申し上げますと、地方の大学を活用するという視点を是非入れていただければということです。若干経緯を説明しますと、本年4月に消費者庁において消費者政策に関する人材養成に関する報告書が出ておりまして、その中では、地方の人材不足を解消するために地方の大学がネットワークを組むということが盛り込まれています。

それを受けて、本年6月にはサステナブル経営研究教育推進機構という新しい組織が出来ました。広島大学、香川大学、信州大学、長岡技術科学大学の4大学が中心になって新しい組織を作りました。消費者政策について、社会人の大学院レベルの教育を推進していくということが機構の目的です。消費者庁がこのプロジェクトを支援していただいていまして、文科省、環境省等も支援をするということで、6月24日には、大学及び行政の関係者が集まり、霞が関ビルで機構設立の調印式もやりました。

現在、既にそういう状況にあります。専門人材の育成については、地方の大学が1つだけで消費者関係の人材育成をするというのはなかなか大変かとは思いますけれども、多くの大学において消費者政策、あるいはサステナブルな社会を作るための様々な教育について関心が高い状況にありますので、是非大学への期待といいますか、大学との連携といいますか、そういった点について現在の動きも踏まえた上で一言書いていただけないかなと。あるいはそれを手がかりとして、今後、それを検討事項の一つの中に入れていただけないかなと思っております。

以上です。

○新川座長 ありがとうございました。

どうぞ、山田委員。

○山田委員 この中でちょっと気になっているのは、消費者教育のところの記述がほとんど端役的なところしか与えられていないというのが、委託されている消費者教育も含めとか、そのくらいの話になっていて、消費者教育自身の話が完全に本題から消えているのですけれども、多分、地域の総合力を高めるとかネットワークを高める、または情報を公開していくというのは、消費者教育という側面が非常に強いと思うのです。そうしたところの筋を一本通していったほうがいいのではないか。そして、その消費者教育の中には、もちろん国のほうとしては、できるだけ消費者教育が円滑に進むようにITやAIを使ったFAQみたいなものを含めて情報基盤提供を行っていくし、地域においても地域包括ケアや総合力を高める中で、消費者教育というものの充実を図っていくのだというような視点がどこかで要るのではないかなというのが1点です。

それから、できるだけ専門人材というのが、私はいつも言っていたのですけれども、消費者問題だけの専門人材だけで逆に問題自身の対応が難しい時代が来るのではないかという言い方をさせていただいていたのですけれども、例えば弁護士さんのほかにも司法書士さんとか行政書士さんといったような、こうした法律問題に詳しい方もいらっしゃいますので、特に行政書士さんなどは大分ITが入ってきて、仕事の内容を変えてきているのですね。こうした問題についてもかなり思い切った形で取り込んでいくことができるのではないかと思っておりますので、そうした幅広い多角的な専門人材というところを考えていったほうがいいのではないかと。

悲観的という話があったのですけれども、悲観的な状況があるからこそ思い切った施策を打つことができるという点で、消費者問題自身が新しい側面を迎えることができるような気が私はするのです。

以上です。

○新川座長 ありがとうございました。

どうぞ、大森委員。

○大森委員 6ページの「地方自治体により異なる課題の把握と」という部分なのですけれども、その2-(1)の「地域の特性等に応じた課題解決」の2つ目の○、「中央で方向性を示すということが大切である一方、全国一律的なアプローチから脱却して、地方で様々なことに挑戦してみたいという人たちに機会を与えるような仕組みも必要」。これはとても大事なことで期待したいと思うのですけれども、地方自治体の消費者行政の部分に入ってしまうと、また中央から県にお金がおりて、それが市におりてという形になっていけば、NPOとか長年その課題について活動している人たちは、どういう形で声を上げて、どういう形でつながっていくのか、ちょっと分かりにくいのですけれども、これはどういうスタンスでしょうかね。

私としては、1つのテーマで専門的に関わっているNPOがあって、国から予算とかが下りた場合、必ず行政と連携しないとできないシステムになっていまして、その行政の担当者というのは必ずしも専門的知識がないものですから、こういう現状があって、こういう問題があってと話すところからスタートして、結局、熱意が伝わらなくて事業が実現しないというケースがとても多いのです。今回、抜本的にアクティブにやりたい場合、この場所でこういう表現でそれは可能なのかどうか、その辺は質問なのですが。

○新川座長 ありがとうございました。

基本的な考え方として、地域の特性ということをベースにして、しかも、全国一律のアプローチから脱却してというふうに言っております以上は、むしろそれぞれの地域がそれぞれの地域で主体的に判断をして、そして自分たちに最適なやり方を選び取っていくというのが基本だろうと思いますし、逆に、そのような地域の自主的な活動ができるような環境を作っていったり、そうした活動自体を支えるというのは、日本全体で支えていってもいいのではないかと思っております。

そういう点では、こういう機会を与える仕組みというのも、それぞれの地域で工夫をしていただく。それはこれからの地方消費者行政もひょっとするとそうかもしれないのですが、その中身をどう具体的に、より効果的なものに作っていくのかということについては、もちろん全国一律に最新の情報を迅速にお伝えしていくような側面がありながら、もう一方では、具体的にそれに対する相談や教育啓発の体制というのを、それぞれの地域の事情、それぞれの地域の地域力、そういうものに依拠しながら、これはそれぞれ違ってきますので、むしろカスタマイズしていっていただく。そんな考え方のほうが主流になるのかなと思っていますが、ここはそこまで議論を詰めていないので何とも。ただ、今のところ、私自身はそういうふうに考えております。

どうぞ、山田委員。

○山田委員 地方制度調査会の答申を見ましても、結局もう地方公共団体だけでは無理だという形になってきているのですね。その中で、地域におけるNPOとかそうしたところとの協力関係を作っていくことによって、そうした問題に対応できるかというところが実は論点になってきているのです。今回の中間報告ではそこまで地方公共団体の在り方自身については書いていないのですけれども、基本的にあるのは、なかなか人材確保も難しく、予算確保も難しい中で、いかに地域全体のステークホルダーが結束をしてやっていくのかという形をとっていて、ですから、地制調の答申を見ますと、様々なところで何とか応援隊とかそんなものの事例がいっぱい出てくるのです。貢献隊とかね。ですから、そのあたりのことをどこか1行入れておくと、今、大森委員のおっしゃったような心配のところが少し減るのではないかなと思います。

○新川座長 ありがとうございました。

どうぞ、長田委員、お願いします。

○消費者委員会長田委員 ありがとうございます。

先ほど西田委員がおっしゃっていたデータベースのところなのですけれども、6ページの一番下の2-(3)「情報公開のための的確な情報の蓄積」になっているのですが、もちろん蓄積していくそのデータの中身は大切ですが、2つ目の○の「誰でも書き込めるようにすることも考えるべきではないか」の前に、既に蓄積されているデータを幅広く活用していくということのほうがまず第一歩ではないかと思いますので、先ほどの御提案と一緒ですけれども、そこは是非書き込んでいただければと思います。

○新川座長 ありがとうございました。

オープンデータ化、そして、もっともっと活用をということだろうと思います。ここはそのようにできればと思っております。

人材育成のところでは、もっともっと多様な専門性を持った人たち、法律、経済、そのほかいろいろな専門分野があると思いますが、そういう人材との連携、さらにはそれらを教育する大学等の教育機関との連携、こういうところも重要ですし、大学そのものが連携をしてこうした新しい消費者市民社会に対応し始めようとしているというところもあって、そういうところも未来に向けては重要な人材の養成、あるいは消費者市民社会を担うような市民作りという点でも重要な意味があるかもしれないと思っておりますので、少し、どこまで入れられるかどうか分かりませんが、工夫ができればと思っております。

そのほか、いかがでしょうか。

どうぞ、池本委員、お願いします。

○消費者委員会池本委員長代理 池本です。

6ページの2-(2)、先ほど来出ている民間団体との連携ということに関連して、少し補足的に申し上げたいと思います。消費者問題の分野で民間団体との連携というのは、行政だけでは担い切れないので地域の民間団体と協力するという側面はもちろんあるのですが、もともと、それこそ1970年代頃から言われていたのは、消費者問題というのは消費者と事業者の大きな格差の中で出てくる問題だから、消費者側がグループ化し、自ら学んで発信することによって少しでも対等に近付けて問題解決の発信力を持っていくという、そういった本来的な意味の消費者問題の解決策としても、地域の消費者団体が強くなる必要があるのだろうと思うのです。

ただ、消費者問題というのが非常に複雑化、専門化しているので、いわゆる消費者団体という言葉だけではくくり切れないし、しかも昔に比べると、例えば専業主婦で空いた時間に集まって学習するというような条件がなかなかない。そういう意味で、地域の様々な課題に取り組んでいる民間のグループ・団体の人に、消費者問題も地域社会の中で非常に深刻な課題なので、ここにも視野を広げてもらうことが必要です。先ほど来出た消費者教育の重要性ということですね。

そういう位置付けの中で初めて官民連携が作り上げられていく。消費者問題そのもので官民連携しようにも、そのことを学んで取り組んでいる地域の団体そのものが今、衰退していますから、本来的な意味での地域の消費者問題に取り組む者を育成していくというような言葉が、ここの限られたスペースにどう書き込めるのかは分からないのですが、問題意識としてはそういうところにあるのかなということを申し上げておきたいと思います。

○新川座長 ありがとうございました。

本来の消費者運動の意義というのをきちんと踏まえた上で、しかし、現代と未来に向けての展望を描けということだろうと思っております。どこまで書き込めるかはまた工夫をしてみたいと思います。

そのほか、いかがでしょうか。

どうぞ、西田委員。

○西田委員 8ページ目の3-(4)の一番下の部分なのですけれども、これは「優良な行政支援サービス(行政のアウトソース化)を、安心して利用できるような認証制度」と書いてあるのですが、少しここを踏み込んでという側面と、誤解がないようにという側面で補足できるといいかなと思ったのですが、行政支援サービスは行政のアウトソース化だけではないので、アウトソース化を含むとか、などというふうに変更して、さらに、「安心して利用できるような認証制度(例えばアクティブシルバー認証など)」の後なのですけれども、「問題を起こす民間というか企業」バーサス(vs)「問題を是正する行政」というのではなくて、これからいろいろな企業が消費者問題を解決する企業体になっていくという側面に期待したいという意味で、その認証制度の括弧の後に、消費者問題解決型イノベーションなどを活性化する制度のデザインも必要になる、ぐらい入れておいてもいいかなと思いました。コメントです。

○新川座長 ありがとうございます。

そのほうが分かりやすいと思います。ありがとうございました。

どうぞ、池本委員。

○消費者委員会池本委員長代理 池本です。

今、西田委員から発言があったところ、非常に意を強くしているところなのです。実は消費者庁が数年前から、消費者志向経営ということを意識的に問題提起して、それの一つの取組として、今、徳島で地方オフィスを作っていますが、そこで実験的に地域の中の企業に消費者志向経営を推進する、そういう宣言をして取り組んでくださいということをやっている。これは一つのサンプルとしてパイロット事業でやって、これを全国の自治体で取り組んでほしいという意味でやってきているのですが、今、地方の消費者行政では、それこそ悪質商法の対策みたいなことばかりで、本来的な事業者と消費者それぞれに対して働きかけて、それぞれが有効に機能するというところに全く手が回っていなくて、こんな問題もやるのですかという感じなのですね。

そういう意味では、地域における事業者の中で市場を健全化していく、適正化していくために取り組む事業者の活動、最近のSDGsなんかもまさにそうだと思うのですが、そういう活動を促していくことと、それから地域の消費者力を高めていくということ、そこもちゃんと消費者行政の視点なのだということは是非とも触れていただく必要があるのかなと、私も大賛成でございます。

○山本座長代理 そのほかにいかがでしょうか。

どうぞ、西田委員、お願いします。

○西田委員 これはまた後半戦の話になるかもしれないのですけれども、3-(1)に消費者問題のプロフェッショナルとしてどう関わっていくかという議論があったと思うのですが、そういう意味では後半戦でどのようにそういう支援、消費者中心というのは言い過ぎかもしれないですけれども、生活者中心の行政にしていくという視点を入れていく必要があるかなと思っているのです。そうすると、あるべき消費者像というか、そういうものがどこかで示されるといいのかなと思っていました。今回の取りまとめの議論ではないですが、後半戦では、あるべきというか、理想的な消費者像を示し、それを支援するためにいろいろな人が関わっていく、いろいろなステークホルダーが関わっていくというような示し方ができるといいのかなと思っています。

その理想像は議論しないといけないので、今回入れられないと思うのですけれども、例えば、健康な消費者というので、病気がないだけではなくて、経済活動にも関わり続けて、エシカルな消費をするような消費者像などというのをきちんと一つ方向性として出して、それをサポートする行政だというようなストーリーだとまとまりが出るのかなと思いまして、後半に向けた一つの論点かなと思います。

○山本座長代理 ありがとうございました。

先ほどから公・共・私の部分で、特に公の行政の中の連携等に関しては割と具体的に書かれている部分もあるのですけれども、共・私の部分に関して具体的にどういう主体を念頭に置いて議論していくのかと、あるいはどういう共・私という部分を使っていくのかというところが、今回の取りまとめの段階ではちょっと入り交じっているというか、整理し切れていないところがあるのは確かだろうと思いますし、あるいは消費者教育の部分についても、広い意味で言えば消費者自身がどういう役割を担っていくかということかと思います。

そこのところも確かに正面から書き切れていないところがあります。今の段階で具体的に書いていくのも難しいかと思いますが、できるだけそこは明確に、現段階で明確にできるところまでは明確にした上で、さらに後半の議論につなげていければよろしいのかなと思います。

○新川座長 ありがとうございました。

今、座長代理の山本先生からまとめをいただきましたけれども、公・共・私、あるいは消費者自身の教育もありますが、学習ということもあると思います。そして、それは事業者や、あるいはNPO、地域団体といったような様々なレベルで考えられる民間組織のそれぞれが特性をどういうふうに出していくのか。それをどこまで細かく明確に性格付けできるか分かりませんけれども、むしろそういう視点、それぞれがそれぞれの特性を持っているという視点を持ってこれからの消費者行政を考えていかないといけない。そこは共通した問題認識ではないかと思っておりますし、それがなければ公・共・私というような枠組みから連携を考えていくということの意味も大変空疎なものになってしまうかもしれませんので、そうした視点は、どこまで入れられるかは分かりませんが、単に公・共・私というだけではなく、少し工夫ができればと思っております。

それでは、まだあと数ページ残っておりますが、10ページ目の「5.IT、技術の活用」、あるいは11ページ目、最後ですが、市町村、府県、国、もう既にこれまでに御議論いただいた点もたくさんあろうかと思いますけれども、全体を通じて御意見をいただいていければと思います。よろしくお願いします。今までのところに戻っていただいても結構ですので、よろしくお願いいたします。

どうぞ、尾嶋委員。

○尾嶋委員 先ほどの消費者教育に関わることですが、消費者のあるべき姿というお話もあったのですけれども、2012年に施行されました消費者教育推進法の中では、消費者市民社会の構築が目標となっています。それは被害をなくすということだけではなく、合理的な判断ができる、あるいはSDGsとかエシカル消費に見られるような、自分だけではなくて社会全体として、消費者としてあるべき姿というのが示されたのではないかと思うのです。したがって、消費者市民社会の推進とか構築といったことを入れてもいいのかなと思います。

それから、どこに入れていいのか、ITなのか、情報なのかというところですけれども、年間100万件程度の全国の消費生活センターの情報がPIO-NETに入っていますが、現在もかなり活用されているけれども、さらに次の20年先にもっともっと、PIO-NETに入っている情報を更にうまく活用することが必要ではないかと思います。それがひいては消費者への情報提供ということになりますので、その辺を専門家の方に考えていただけたらと思います。

○新川座長 ありがとうございます。

どうぞ、山田委員。

○山田委員 11ページの「国が果たすべき役割」が「国による地方自治体への支援」だけになってしまって終わっているというのは、ちょっとどうかなと。先ほどからお話が出ていますように、これだけIoT、ICTが盛んになってくる時代において、国が情報基盤、データベース、そうしたものを的確に作っていかなければならない。そして、消費者と直接つながっていく部分が当然出てくるわけですね。そこを大事にしていかないと、国の存在として私はやはりもうちょっと頑張ってもらいたいなという感じがするというのが1点です。

特にその中でネット関係のものというのは本当に重要だと思っています。ただ、私どもも幾つもデータベース、地方公共団体も国も作っているのですけれども、一番活用が難しい状況にあるのは何かというと、正直言いまして、更新するのにものすごく手間がかかるのですね。委託をしてやっていても最新のものになかなかならない。私は、公開をして書き込みをオーケーにすべきだというのは、まさにその部分を解決しないとどうしようもない。例えば、ネットについて一生懸命消費者が書き込んだところについて、そこに一般の方々が口コミで、この情報についてはこうだよみたいな話をどんどん入れていけるような形にしていかないと、いつまでたっても情報が最新のものにならない。古い情報だけでみんなやっていて、しかも手間がかかって、更新のために負担だけ残るという形になっているのが今の公の情報ではないかと思いますので、消費者行政みたいな一番コンテンポラリーな話でいくときには、そうしたものがネットにどんどん口コミで、こう書いているけれども実はこんなこともあったよとか、こういうものが入っていくといいのではないかなと思います。

それから、まさに消費者市民社会という話があったのですけれども、私が一番危惧をしているのは、そうした消費者市民社会的なものが今、根本的に崩れてきているのではないかということです。東京にいるともう一つ実感がないのかもしれませんけれども、地方にいると、20年後の姿を見ると、私はこの前も言ったと思うのですけれども、一番多いのは90歳以上の女性なのです。実は認知症の発症率、厚生労働省が出している資料を見ましても、90歳から94歳で既に5~6割が認知症の有症率になっていて、95歳を超えると8割が認知症の有症率になってきている。その層が実は地方では20年後には一番多くなるのですね。そういう社会の中において、確立された自己、非常に啓蒙的な自己というところが難しい地域社会がこれから出てくる。それに対してどういう形で対応していかなければならないかというのが地域の抱えている一番大きな問題なのです。

そのときに、実は多分、有力な層は何かというと、これまた70歳から74歳ぐらいの層が次に多くなる。地方地域におきましては、この層が2番目のボリュームゾーンになるのです。あとは65歳から69歳ぐらいとかね。ですから、そこの層をどうやってうまく消費者行政の中に取り込んでいけるかというのが重要になっていくのではないかと思います。

○新川座長 ありがとうございました。

今後考えなければならない重要な背景というか、与件というか、条件といいますか、お示しいただきました。

そのほかいかがでしょうか。全体を通じてどこでも結構です。

どうぞ、西田委員、お願いします。

○西田委員 ITのところなのですけれども、10ページ目の5-(3)の一番下のところです。効率化というと、どちらかというと無駄を省いてスリム化するとかいう話になって、そういうときにAI、ITというのが出てくるかと思うのですが、そういう部分と、一方で、地域などで見ているとやはり顔が見える関係が大事というか、そういう部分がないと、結局、「アウトオブサイト、アウトオブマインド」(Out of sight, out of mind)みたいな感じで、見えないと興味もないし、どうなっていてもいいという感覚がどうしてもあるのではないかと思うので、効率化と堅持する部分とその両方が必要かなと思っています。

そういう意味で、「ITツールの活用における相談業務の効率化も考えられるが、市民の安全・安心の観点から、人が担うべき部分もあり」の後なのですけれども、顔が見える関係の維持や、AI、データを活用する人材の育成など、その活用方法は工夫することが必要というような感じで少し増やしてもいいかなと思ったのです。ここはぼやっとしているので、もう少し具体的に書くと良いと感じました。

○新川座長 ありがとうございました。

オンラインだけではなくて、むしろオフラインを通じて本来の学び、あるいは暮らしやすさ、暮らしの安全というものが確保されていく。そこのベストミックスができれば一番いいということではあるのだろうと思いますが、単純にITツールだけに依拠するのではなくて、それが地域の人間関係やソーシャルキャピタルという言い方もしていましたが、そういうものを育む元になっていくという、そんなイメージのほうがいいかもしれませんね。ありがとうございました。

そのほかいかがでしょうか。後半部分のところでは「連携、ネットワークを活用した消費者問題への対応」ということで、特に様々なネットワークを活用していくということについては共通の理解があったかと思いますが、その中でも特に公・共・私の連携ということについては、公・共・私それぞれが弱みを持っている、将来は弱みを持たざるを得ない、そういう状況の中で、しかし、それぞれの特性をしっかり生かしながら連携していくことを通じて問題を克服していく。消費者行政のいわば危機的な状況を乗り越えていく。そういう組合せ、連携や協力の仕方を考えていく。そのためにも、そのときの公の役割、あるいは民間、営利・非営利の役割、そして市民自身の学び、あるいは市民への教育を含めた市民の役割、このあたりにしっかりと着目をしながら、なお消費者運動が持っていたそもそものポテンシャルをしっかりと踏まえて、公・共・私の問題を考えていく。これもほぼ共通して皆様方からいただいた御意見かと思っております。

それを踏まえた上で、私たちはこういう活動を支えていく、4番目の「専門人材の育成、活用」のところ、9ページ目ですが、様々な専門人材が本当はこれからもっともっと必要になってくる。問題の深刻化や、あるいは本当はその問題を解決するための社会的な背景の変化、そういうものにも広く対応できるようないろいろな分野の専門家に関わっていただかないと、ただ単に商品テストの専門家だけではない専門性というのが必要になってくる。そういういろいろな専門家をつないで、そして、消費者行政、消費者問題を考えていく視点が重要だということで、従来、消費者問題では専門性ということについて少し間口が限られていたかもしれませんが、このあたりもいろいろな分野の方々に関わっていっていただく必要がありますし、もちろん問題によってその関わり方というのはそれぞれ違ってくることになるのだろうと思いますが、そういう側面。そして、それを専門性と教育という機能、両方兼ね備えた教育研究機関、大学等との連携を通じて充実させていくということも是非考えてはどうだろうか。これを論点として入れてはどうだろうかということで御意見をいただいております。

その上で、10ページ目の「IT、技術の活用」については、これも基本的には共通して、こうしたIT、技術の活用ということについてはありますが、大きな前提としては、こうしたIT、技術の活用ということが同時に、一人一人の消費者としての主権をよりよく保障する、そういう仕組みとして働いていくためには、単にネットワークだけの議論ではなくて、それが人間関係、あるいは様々な社会関係にもきちんと生きてくるような、そういう仕組みでないといけないということ。さらには、こうしたIT、技術というものが消費者市民社会にとって本当に適切な情報をきちんと提供していける。もう一方では、消費者問題というのをきちんとえぐり出していけるような、そういうデータ、オープンデータとして、データベースとして活用がされていく。また、それを日常的にアップデートできていくような仕組みを考えていかないと、将来、社会の変化に太刀打ちできないのではないか。そのようなお話もいただいたかと思います。こういう技術革新と、それを積極的に活用していく、その中で情報の提供や情報の刷新、そして問題に対する新たな対応、そうしたことが可能な将来のIT活用ということを私たちも視野の中に入れていかないといけないということで御意見をいただいたかと思っております。

それから、11ページ目では国の役割について、少し地方自治体支援ということに限定をしている、やや偏っているのではないかということで、国が持っている役割というのを、ここはどう考えるのか難しいのですが、私どもの主たる目的が地方消費者行政ということで議論しておりますので、この地方消費者行政というのをしっかりやっていけるためにも、国には国としての役割をしっかり果たしていっていただくのが重要です。もちろん消費者行政全体を国のほうでどのように位置付けていかれるのかというのは、これまた別の問題として考えなければならないのですが、私どもとしては、地方消費者行政ということを考えていく上で、国の役割というのがそこには一定必要ですし、様々な支援はもちろん必要なのですけれども、同時に国としての消費者行政というのが、例えば情報基盤や消費者問題に対する先端的な研究、あるいはそれに関わる情報の提供、そうした日本国民全体に対するシステムの提供等々も含めた国の役割というのは一定あるかもしれない、その上に立って、それぞれの地域が地域の課題、地域のお一人お一人の問題を解決していくような地方消費者行政を展開していく。そんな姿が多分、この国と地方との役割分担ということになるのかもしれません。ただ、ここは結論付ける話ではなくて、そういう国の役割ということについて、もう少し地方消費者行政の側からも考えておく必要があるということで御意見をいただいたかと思っております。

なお、全体を通じて消費者教育あるいは啓発ということをどのように位置付けていくのか、また、消費者市民社会という視点、これをどのようにしていくのかということについては、どういう筋を通したらよいのか、ちょっと整理はしにくいのですが、基本的な私どもの議論の中の主要な柱であることは間違いありません。言葉としてなかなかそれを具体的な方策、方向として出していけないところはあるのですけれども、このあたりにつきましては「はじめに」あるいは問題提起のところで触れられるようであれば少し触れていきたい、そんなふうに考えております。

これまでいただいたものを全部は網羅していないのですが、ちょっと大きな流れのように感じたところだけ申し上げさせていただきました。お気付きの点などございましたら、全体を通じていただいていければと思いますが、いかがでしょうか。

山本先生、これでいいでしょうか。

○山本座長代理 確かに、今出たお話で言うと、消費者教育であるとか、そのあたりをどこか項目として入れるのかどうかということが一つあろうかと思います。ほかの例えばIT、技術等々の話は、現在の項目のところの表現を少し直す等々の形で対応できるかと思うのですが、全体として申し上げれば、行政の力が落ちていかざるを得ないということと同時に、地域の力も維持していくのはなかなか難しくなっている。その中で、消費者教育あるいは消費者自身の学習といったことの重要性が増していって、そして、層で言えば、先ほど70歳代とか60歳代という話が出ましたけれども、そのあたりの層をいかに元気にしていくのか、活用していくのかということが重要であるといった話をまとめてどこかに入れたほうがいいのか、入れられるかどうかということがあろうかと思います。

1つ考えたのは、現在のもので言うと8ページですね。7ページが行政の連携体制の話になっていて、自治体間連携となって、公・共・私の連携というのが8ページに出てきて、具体的にはその次に消費生活センターと適格消費者団体と出てくるのですけれども、あるいはその次の部分に、消費者自身の力を高めるといった視点を入れて、そこに今ちょっと私が申し上げたようなことが入れられれば、ここで先ほどから出ている御意見を少し反映した形でまとめられるかなとも考えたのですが、それ以上に具体的に文章化までは考えられないので、それで果たしてうまくいくのかどうかも確信は持てないのですが、例えばそういったことが考えられるかと思いました。

○新川座長 どうぞ、大森委員、お願いします。

○大森委員 今のお話のことに関してなのですけれども、最悪、項目が立てられない場合、8ページの3-(4)の2番目の担い手育成のところで、消費者運動とかそういう団体を育てていこうという話があるのですけれども、これも市民全体に対する消費者教育で、市民の消費者意識を底上げしたことから生まれることで、ぽんと団体が生まれるわけではないので、消費者教育を充実して、市民の底上げをしてこういうものを育てていくぐらいの書き方をしていただきたいなと思います。

○新川座長 ありがとうございました。

山本先生から御指摘いただいた3-(7)が作れるかどうか分からないのですが、3-(4)の2つ目の○、消費者活動、消費者運動、ここのところにむしろ市民の学びというのをもっと、消費者としての学び、底上げをしていく、そういう消費者教育、啓発の必要性。そして、それに基づいて更に消費者活動、消費者運動を活発にしていく、そういう担い手をもっともっと育てていく。そんな視点が入れば、少し教育の問題にも、ちょっとだけですけれども、対応できるのではないかということで御意見いただきました。ここはそんなに難しくないと思いますので。

どうぞ、山田委員、お願いします。

○山田委員 私も今の大森委員の意見に賛成で、いきなり「適格消費者団体の位置付け」と出てくると、何となく急だなという感じがしておりまして、このあたりがまさに消費者自身の能力の向上とか、そうした中での団体のさらなる発展、それから、その後で「IT、技術の活用」のところがありまして「ITツールを活用した消費者啓発」とあるのですけれども、このあたりに教育も入れておけば、形としてはよくなるのではないか。全体として、私は非常によく出来ていると思うものですから、余りいじってしまうとせっかくの体系が崩れてしまうと思いますので、そのあたりでやられたらいかがかなと私は思います。

○新川座長 ありがとうございました。

そのほか、関連していかがでしょうか。全体を通じてで結構でございますが。

どうぞ、山本委員、お願いします。

○山本座長代理 私も、今、伺って、3-(4)のところをもう少し拡充させる形で記述すれば、それで足りそうかなという気がいたします。新しい項目を今から立てるのは大変だと思いますので、それはしなくても結構だと思いますが、3-(4)の記述をもう少し厚くすれば、少し3-(4)が長くなるという面はあるのですけれども、それで対応できるかと思います。

○新川座長 ありがとうございました。

3-(4)は公・共・私とありますので、どうしてもボリュームは大きくなるかもしれません。ここのところで少し書き込んでみてはということで御意見いただきました。できるだけ工夫ができればと思っております。

そのほかいかがでしょうか。

西田委員、どうぞ。

○西田委員 またこれも少し蛇足ぎみな話になるかもしれないのですけれども、先ほど池本委員長代理からもお話があったのですが、産業振興という側面は大事ではないかなと思っています。先ほど国の役割が余りないという話があったのですけれども、産業振興をどこでやるべきかというのはあるのですが、地方自治体でもやっているし、国でもやっていると思うのですけれども、今なお、やはり国が主導してやるところはかなりあるのかなと思っています。そういう意味で、先ほどの消費者問題解決型イノベーションの産業振興を進めていくというのは国の役割でもあるかなと思います。

これは例えばですが、経済産業省のサービス政策課等において、産業振興の政策を強化すべきみたいなものが打ち出せるといいのかなと思います。

○新川座長 私どもとしては打ち出しにくいのですが、でも、お気持ちはとてもよく分かります。

ただ、今御指摘の産業そのものの中にこうした消費者問題に積極的にポジティブに関わってイノベーションをしていくような企業の在り方とか、産業の育成とか振興、こうした問題を積極的に進めていく必要はありますし、それは全国で活躍をするような大企業だけではなくて、地域の中で、むしろローカルなマーケットの中で活動されるような事業者の方々にも、そうしたマインドやそうしたイノベーションを持っていってもらうことが、恐らく地域での消費生活そのものの安全や安心を確保する、あるいは消費者市民に貢献をし、また、市民自身を教育していく、そういう効果もあるかなと思っておりますので、このあたりは今後の課題ということですが、是非全員で9月以降も考えてみたいと思っております。

そのほかいかがでしょうか。

どうぞ、尾嶋委員。

○尾嶋委員 都道府県と市町村の役割のところですが、今、話があった消費者教育に関することになるかと思います。まず、都道府県の役割と市町村の役割とありますけれども、あまり都道府県はこういう役割ですよというふうに特化してしまうと、ちょっと危険かなという思いがあります。

ここにある「都道府県の役割」の中の1つ目の○の「消費者団体等の多様な主体と積極的に連携し」ということで、消費者被害の防止だけではなく、やはりここで消費者教育とか啓発とか、そういうことも入れてもらえばいいのではないかと思います。

○新川座長 ありがとうございました。

特に都道府県の場合には、後期中等教育というか、高等学校教育を担当しておられるところがほとんどですので、そういう点でも、消費者教育としても大変重要な役割を持っておられるかと思っております。これもちょっと文言を加えれば何とか対応できるかと思いますので、是非そうさせていただければと思います。

もちろん、都道府県の役割、都道府県という広域的な団体としての特性を生かしていただくということ、市町村の補完や広域的な支援をしていかれるといったような役割、そして、専門性を生かしていただくということはありますが、余り限定をし過ぎてしまうと今度は、市町村でできないところを本当は都道府県が補完しているというところもありますので、実態にも合わないということがあるかもしれません。先々どういう役割分担を考え、そして相互の連携を考えていくのか、これは今後の9月以降の役割でありますが、そうした都道府県のいろいろな可能性というのは含めて考えておくということにさせていただきたいと思います。

そのほかいかがでしょうか。

それでは、そろそろ時間もお昼に近づいてまいりましたので、特段御意見がないようでございましたら、本日の意見交換につきましては、以上にさせていただきたいと思います。

全体を通じて様々な御意見をいただきました。特に、私どもの基本的なスタンスとして消費者行政そのものの持っている問題、危機というのをどう乗り越えていくのか。そして、現在一生懸命取り組もうとしていること、そして、なお乗り越えられないこと、これを10年後、20年後に向けてどうしていくのか、それを是非考えたいというような視点が私どもの基本的な出発点であるということを確認させていただきました。

その上で、今回の中間整理はここまでのいろいろな御意見の整理だけであって、今後の方向を打ち出したものでも何でもないということ。しかし、この中間整理の後、9月以降の検討では、是非これからの在り方ということをしっかりと打ち出していきたいということをにおわせていただくということで考えていきたいと思っております。

全体を通じての枠組みについては、ほぼ御了解をいただけたのではないかと思います。ただ、個別の項目につきましては、公・共・私のそれぞれの在り方、情報の提供の在り方、消費者教育という観点、そして、消費者市民社会の実現といったような観点、こうしたところについてはいろいろと御意見をいただきました。また、IT、技術の活用や、市町村、都道府県、国のそれぞれの役割について、それぞれ充実していくべきポイントについてもいただいたかと思います。全てを何もかも入れるというのはとても、8月といいましてももう今日は26日でございますので、かなり無理があろうかと思っておりますが、極力、各委員のお話を踏まえて修正をさせていただきたいと思っております。

それにつきましては、大変恐縮ですが、事務局と座長の私に御一任をいただき、もちろん消費者委員会への報告に当たりましては、あらかじめ各委員には御確認いただくという作業はしておきたいと思っておりますが、最後のところは座長一任ということでよろしゅうございますでしょうか。

(一同、異議なし)

御異議なしということで、ありがとうございます。

それでは、修正文言等につきましてはお任せいただくということで、その上で各委員にも御確認をいただき、あわせて今月末の消費者委員会本会議のほうにこの整理したものを報告したいと思っております。本日は、本当に長い時間にわたりまして充実した御意見をいただきまして、ありがとうございました。新しい論点もたくさんいただきました。むしろこれまでの整理の範囲にとどまらず、次に向けての重要な論点や、あるいは場合によってはこの地方消費者行政の在り方を考えていく上でのある種、方向のようなことも今日は御意見としていろいろいただいたのではないかと思っております。これらにつきましては、できる限り今回の整理の中に盛り込めるものは盛り込ませていただいた上で、9月以降の新たな議論の場に生かしていくということで、今日のところはおさめさせていただければと思っております。


≪3.閉会≫

○新川座長 本日は、本当に長い時間にわたり熱心に御議論をいただきまして、ありがとうございました。以上をもちまして、本日の会議は閉会とさせていただきます。

(以上)