第15回 特定商取引法専門調査会 議事録

日時

2015年12月2日(水)14:00~17:05

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
後藤座長、村座長代理、有山委員、池本委員、沖野委員、佐々木委員、鈴木委員   高芝委員、杤原委員、野坂委員、花井委員、増田委員、山本委員
【オブザーバー】
消費者委員会委員 樋口委員
経済産業省 伊藤消費経済企画室長
国民生活センター 鈴木相談情報部部長、窪田情報管理部部長
【消費者庁】
井内審議官、桜町取引対策課長、加納消費者制度課長
【事務局】
黒木事務局長、小野審議官、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 訪問販売、電話勧誘販売における勧誘についての検討
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○丸山参事官 定刻となりましたので、始めさせていただきたいと思います。

本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会 第15回特定商取引法専門調査会」を開催いたします。

なお、本日は、所用により、沖野委員が御欠席、阿部委員が遅れての御出席との御連絡をいただいております。

では、まず、配付資料の確認をさせていただきます。

議事次第の下部のほう、配付資料一覧をお示ししております。

資料1といたしまして、消費者庁からの提出資料となっております。

また、資料2が国民生活センターからの提出資料となっております。国民生活センターからはあわせて参考資料1を御提出いただいております。

さらに、資料3といたしまして、委員からの御提出資料を配付させていただいております。

加えて、本日の議論の参考としますため、前回の専門調査会で示された主な御意見の概要を参考資料2としてお配りしております。

さらに、鈴木委員から御提出いただいた、日本訪問販売協会の意見書を参考資料3としてお配りしております。

不足の資料がありますでしょうか。もし不足がございましたら、事務局のほうへお申し出をお願いいたします。

それでは、ここから後藤座長に議事進行をよろしくお願いいたします。


≪2.訪問販売、電話勧誘販売における勧誘についての検討≫

(1)消費者庁からの説明

○後藤座長 それでは、議事に入らせていただきます。

本日は、前回に引き続いて、訪問販売、電話勧誘販売における勧誘について御検討いただきたいと思います。初めに、前回の議論における指摘事項等に関する補足として、消費者庁及び国民生活センターから御提出いただいた各資料の御説明をいただきたいと思います。その後、それらの説明内容や前回の御議論を踏まえて、委員の皆様に意見交換を行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

では、まず、消費者庁からの御説明をお願いしたいと思います。

○消費者庁桜町取引対策課長 消費者庁でございます。

お手元の資料の資料1をごらんいただければと思います。

前回の専門調査会で幾つか宿題をいただいてございますので、それについての御回答と思っております。

資料1、1ページおめくりいただきますと、1つは行政処分されている事業者の規模、特性という御指摘をいただきました。2ページ、3ページにお示しをさせていただいております。2ページが訪問販売、3ページが電話勧誘販売となってございます。

まず、2ページの訪問販売をごらんいただきますと、規模ということでございますので、これは中小企業基本法の基準に基づいて分類させていただいておりますけれども、大企業と中規模、小規模と個人も入っておりますけれども、企業という形態になっているのか、個人事業者でやっているのか。こういう区分けもお示しさせていただいております。全体的に見れば中小企業が多いなという感じに見えると思います。

特性のほうでございますけれども、右側、商材別にお示しさせていただいております。

申し上げ忘れましたけれども、この処分事業者は再勧誘禁止違反を認定された処分事業者でございます。失礼いたしました。

右側の商材別をごらんいただきますと、全体的にかなりばらけている印象があるのではないかと思っております。唯一、訪問販売で言えば寝具が集中しているかなという感じでございます。

3ページ目をごらんいただきますと、こちらは電話勧誘販売でございますけれども、傾向は似通っております。全体的には中小企業が多いということでございますが、電話勧誘販売のほうが訪問販売に比べて、個人事業者よりは企業形態をとった小規模企業の割合が多いかなという感じでございます。

商材別のほうは、やはり電話勧誘販売もばらけているという感じがしておりますが、集中している商材が訪問販売と違っておりまして、健康食品というものに偏っているという感じが1つの大きな特徴ではないかと思っております。

4ページ目以降が、前回お示しさせていただいた再勧誘非該当の領域、いわゆるイとウというところについて、大分御議論をいただきまして、その中で中身とか、あるいは何をどうすればこれが減るのか。事業者の重複の有無、具体的な相談の中身、こういった御指摘をいただいております。どうやったら減るかというのはなかなかデータでお示しすることは難しいのでありますけれども、それ以外の点について5ページ以降、お示しをさせていただいております。

まず、5ページ、6ページのところが、それぞれ訪問販売と電話勧誘販売につきまして、商材別に展開させていただいたものでございます。先ほどの処分事業者の商材別の整理とかなり似ているような気がいたします。全体的にばらけているということと、あとややと言ったらいいかもしれませんが、集中しているものの中に、訪問販売で言えば布団類というものが入っているということと、電話勧誘販売で言えば健康食品というものが入っているということでございます。

それに加えて、訪問販売で新聞とか、あるいは電話勧誘販売で鮮魚、単行本、こういったあたりにもやや集まっているかなという感じがしております。

5ページ、6ページの表でもう一つ申し上げたいのは、相談件数とともに事業者数というものをその横にお示しさせていただいております。それぞれの商材別にかかわっている事業者の数でございますので、やや集中している商材と先ほど申し上げましたけれども、そこの商材もかなりの事業者数が張りついている感じでございますので、特定の事業者が数多くのイやウに該当するような苦情を引き起こすような行為をやっているかというよりは、多くの事業者が1件、2件とか、少ない行為をやっているというほうに推測をされるのではないかと思っております。

7ページ、8ページ目でございますけれども、こちらは事案の処理結果というものをもう少し分析させていただいております。イとウのところでございますけれども、これを既契約と未契約というように分けまして、それぞれ処理結果がどうなっているかというのをお示しさせていただいております。

7ページの訪問販売のところをごらんいただきますと、全体102件、イとウがあるわけでございますけれども、既契約が85件、未契約が17件という割合でございます。未契約のところにつきましては、右側の青いほうのところでございますけれども、契約まで至っておりませんので、将来に向けての助言をして終わっているものが多いと思っております。業界団体の相談窓口で相談したらどうですかとか、あるいは受けたくない勧誘はきっぱり断ったほうがいい、警察にも相談したほうがいいのではないか。こんなアドバイスをしているものがあるということでございます。

他方で、既契約のところは、もう少し具体的な財産被害も含めて相談になっていると思いますので、相談、助言や、あるいはあっせんにしても、もう少し具体化をしているということでございます。その中で、助言をして自主交渉になったのが46件、あっせん解決したのが33件ということでございますけれども、自主交渉のうち、クーリングオフの助言をしているのが26件、約半数強ぐらいかと思います。あっせん解決のうち、クーリングオフの行使に関するあっせんをしたのが33件のうちの18件でございますので、これも半数強ということでございまして、自主交渉の中でクーリングオフの助言をして消費者が実際にクーリングオフをしたかどうかというところはあるかもしれませんが、クーリングオフに係る助言やあっせんをして物事が解決している可能性があると思われるものが一定程度あるということではないかと思います。

電話勧誘販売のほうが次の8ページのほうでございますけれども、これも訪問販売とほぼ傾向は似ていると思いますので、省略をさせていただきたいと思いますが、1つだけ数字、申しわけありません。これは誤っておりましたので訂正させていただきますと、8ページの電話勧誘販売の赤い点線で囲われた助言(自主交渉)の内訳のところが、クーリングオフの助言16件、クーリングオフ以外の対応に関する助言13件、その下にその他3件とございます。これは「0件」の誤りでございます。済みません。16と13を足すと29件になるという関係でございます。

最後に9ページ目以降でございますけれども、イとウというところについて、具体的な事例を示せないかということでございました。訪問販売が102件、電話勧誘販売が68件、合わせて170件ございますので、全部というわけにはまいりませんけれども、ピックアップして事例をお示ししたいということで、イとウだけというよりも、ア~キまで全体をお示ししたほうがいいのではないかということで、全体でお示しをさせていただいております。それが10ページ目以降でございます。

これは全体の中でピックアップをさせていただいた考え方でございますけれども、一応年代と性別、商材、この辺の偏りがないような形で、バランスよくお示ししようということでピックアップをさせていただいているということでございますので、御参照いただければと思います。

以上でございます。

(2)国民生活センターからの説明

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、引き続いて、国民生活センターから御説明をお願いいたします。

○国民生活センター鈴木相談情報部部長 国民生活センターの鈴木です。よろしくお願いいたします。

資料2をごらんください。

2ページですが、前回も苦情と問い合わせについて、どういう判断基準があるのかということでしたので、また繰り返しになりますけれども、御説明したいと思います。

この判断基準は、消費生活相談カード記載要領に記載されているとおり、全国統一のルールがあります。まず苦情ですが、消費者苦情が発生している相談を言いまして、相談者から苦情の申し出があれば苦情に分類していますが、明示的に苦情でなくとも背景に消費者問題があれば苦情に分類しております。

一方、問い合わせについては、消費者苦情が発生していない相談で消費者問題が発生する可能性が低いと判断した事案を分類しています。このどちらの場合も、相談者の申し出情報を相談員が記録、入力して、その記載内容を行政職員などがチェック、決裁の上、PIO-NETに登録されているため、その記載内容は一定の客観性が担保されていると考えています。

その苦情判断の例として3つほどお示ししております。

まず3ページをごらんください。例1、これは40代女性からの御相談です。

最近多い事例なのですけれども、インターネットの光回線を契約したが、半年後に解約料を払い解約した。ところが、突然1カ月分が未納と請求書が届き、困惑しているというものです。

この聞き取りの内容、前回はこの相談概要をお示していないのですが、今回は相談の概要を500文字以内に入力しております。ここに書いておりますが、この御相談者は、契約したものの、使い勝手が悪くて半年で解約した。解約料もきちんと払い、未納分もないことを確認したのに、突然1カ月分の請求書が届いた。どのように対応すべきかということでした。

この判断内容なのですけれども、もちろん消費者に責があるのに支払いたくないということであれば問い合わせに分類されますけれども、本件は解約時の説明不足が原因であるとも考えられますし、また聞き取りの中でわかった事業者は同種苦情が多数発生しておりまして、事業者ヒアリングなども当センターで行っていました。これこれこういう点を改善していただけないかなどとお願いしている事業者でもありました。そのため、消費者問題が発生している蓋然性が高いと判断し、苦情に分類しております。

4ページですが、これは最近非常に多い相談で、アダルトサイトに登録されてしまい、慌てて被害相談に応じるという探偵事務所に依頼した。不必要とわかったのでやめたいという御相談です。これも聞き取りの内容によりますと、スマホでいろいろな動画サイトを見ているうちにアダルトサイトにつながってしまい、年齢を選択する画面が出て、戻るにも戻れず、登録完了という画面が出て、「OKボタン」を押すしかない画面になってしまった。そこで、行政の相談窓口をインターネットで検索して電話をかけたら探偵事務所だった。早く対策したほうがいいと言われ契約してしまった。しかし、やはりやめたいというものです。

この判断内容なのですけれども、一般的に言って、成立した契約は一方的に解約することはできませんが、本件については同種事案が多数発生しておりまして、また、ワンクリック詐欺と二次被害に該当する蓋然性が高いと判断して苦情に分類しております。

5ページですが、これも現在非常に多い相談で、インターネット通販でダウンジャケットを買ったが、全く違う安物のジャケットが海外から届いた。どうしたらいいかという30代男性からの御相談です。

聞き取りの内容からすると、これは明らかに問題のある海外ネット通販サイトに該当しまして、私どもでも、偽物に関する消費者トラブルに御注意くださいという注意喚起を行っているものでもありますので、問い合わせの形式をとっていますが、苦情としたものです。

以下、6ページから7ページについては、問い合わせの例を記載しておりますけれども、問い合わせ判断マル1のほうは、事業者の信頼性を問うもの。マル2のほうは個人と個人の私人間のトラブルになっておりますので、こうしたものは問い合わせに分類しております。

8ページをごらんください。前回も「強引」というキーワードについて、その基準がわからないという御指摘をいただいているところですが、この「強引」というキーワードは内容キーワードといいまして、相談内容をあらわすキーワードの一つです。相談情報を入力する際に、相談の内容に応じて内容キーワードを選択できるようになっています。この内容キーワードは現在約400種類ありまして、その中から相談内容に合うものを選択して入力しております。このキーワードマニュアルにないキーワードを恣意的に勝手に入力することはできないようになっています。

ここに相談内容と例を挙げましたけれども、この相談内容に合うキーワードをマニュアルから選択して入力しております。この例としては、電話であなたは選ばれたと呼び出され喫茶店で会ったところ、会員券を長い時間にわたってしつこく勧められ、契約してしまったというものですが、実際には具体的な時間を聞き取って、その時間が長時間であると判断した場合には、長時間勧誘というキーワードを選択して入力するなどしております。この相談内容とキーワードが合っているかどうか、その整合性を行政職員などがチェックしてPIO-NETに登録しております。

最後になりますけれども、9ページです。

前回もお問い合わせのありました「強引」ですが、これは聞き取りの内容からマニュアルに基づきまして、執拗、威圧的な言動、帰ってほしいと言ったのに帰ってくれないなどの不退去などがあった場合に選択しております。繰り返しになりますけれども、この内容キーワードについては、相談概要との整合性を行政職員などがチェックして決裁した上でPIO-NETに登録されております。

補足説明としては以上です。

(3)質疑応答及び意見交換

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、ここから先は意見交換に入りたいと思います。

本専門調査会の今後のスケジュールを考えますと、訪問販売、電話勧誘販売における勧誘のテーマについて、本日はある程度取りまとめ方を意識して御議論をいただく必要があるのではないかと思います。そこで、本日は、議論の時間を2つに分け、まず前半約1時間から1時間半程度で、本専門調査会における意見の一致点について御議論いただきたいと思います。すなわち、いかなる点が現時点において対応すべき課題として意見の一致が見られ、いかなる点がさらに検討を重ねるべき将来の課題であるのかということを考えていきたいと思います。

この点、現時点における立法による対応ということについては、これまで意見が分かれていたように思いますが、他方で執行の強化や自主規制による対応、消費者政策全体の問題なども含めると、共通する御意見もあったのではないかと思うところでありますので、改めて委員の皆様の御意見をお示しいただきたいと思います。

その後、残りの時間を使って、そのように整理された課題について、現時点における対応及び将来の対応をどのように考えるのかということをさらに御議論いただきたいと思います。

では、御意見、御質問のある委員は、御発言をお願いいたします。

池本委員、どうぞ。

○池本委員 池本でございます。

資料3-1ということで発言用のレジュメを準備させていただきました。各論的にいろいろ意見を後ろに書き込んであるのですが、今、座長から提起があったことと符合しますので、1ポツの本日の議論の視点ということで、これまでの発言の姿勢と少し転換を図りたいということで発言させていただきます。

これまで勧誘規制の強化という論点については、消費者側の委員は平成20年以降被害が減っていない、したがって、接触後の再勧誘禁止という現行法では不十分である。そこで、ドゥ・ノット・コール・ノックといった事前拒否制度の導入が必要であるということを主張してまいりました。それに対して、事業者側委員の皆さんからは、事業者全体に重大な影響を及ぼすような法規制、つまり、事前拒否制度を導入するだけの立法事実は存在しないではないかということで、対策論に入る以前のところで平行線をたどっていたと思います。

ただ、もう今日、実質的にこの議論の最後だということであれば、訪問販売や電話勧誘販売で毎年約14万件の苦情相談が現在も寄せられているわけですから、平行線のままで何も具体策を提案しないまま負えるということは、この調査会としても責任が果たせないのではないかと考えました。

そういう現状を考えて、個人的には非常に残念ではあるのですが、これまで勧誘規制の強化の立法措置、すなわち、事前拒否制度の導入を一致点として目指そうという考え方は一旦棚上げして、継続課題ということで位置づけ直した上で、今日、合意を目指すこととしては、自主規制を含むいろいろな勧誘適正化の対策はございますし、むしろレジュメの後ろにも、とりあえず想定できるものは全て書き込んだつもりなのですが、そういうものについて各論的に議論を進めていってはどうかと思います。

他方で、事業者側委員の方にもお願いですが、これまで事前拒否制度を私たちが提案していることを前提に、それに見合う立法事実はないということでしたが、そこを一旦先送りするとすれば、現在、現状のままで何も問題ない、何の対策も必要ないということではないはずなので、その意味で何らかの対策をとる必要があるのではないかというような観点で、まず被害実態を受けとめていただきたい。その上で、被害防止効果がある適正化対策として何ができるのか。もちろん複数あれば、この時点で合意できるものは最大限合意をしていくというようにしていって、最終的には一致できる施策については、できるだけ今日議論をして速やかに実施するということで報告書にも盛り込んでいただきたい。一致できない課題については、引き続きの検討課題ということはやむを得ませんので、当面の対策を講じて、それを一定期間後に検証して、必要に応じて再検討するというような形で進めてはどうかと思います。これまでの私の議論の進め方そのものをこういう形で転換していきたいと考えますので、御理解いただきたいと思います。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

野坂委員、よろしくお願いします。

○野坂委員 池本委員の提案がありましたけれども、まず、そもそも、今日は前回のさまざまな質問に対する宿題返しがありますね。今、消費者庁あるいは国センの説明がありました。これについて、まず議論するのが先決だと思います。座長がいきなり一致点の議論あるいは一致しない議論というようにおっしゃいましたけれども、それはそれとして重要な視点だと思うのですが、まず、今日の第一歩は、宿題返しがあったことについて議論するというのが大事だと思います。

国センの資料のことで質問をよろしいでしょうか。

○後藤座長 はい。質問してください。

○野坂委員 まず、調査会のメンバー及び傍聴人の方に御報告をしたいと思います。

今日、2時から始まったわけですけれども、私、5~6分前に到着しました。そうしたら、別室に来てくださいと言われまして、別室に案内されて、そこでマニュアル、いわゆる前回も話題になっていたマニュアルが置いてありまして、見てくださいというのです。こういうこと許されるのですか。この調査会の始まる直前、5~6分にマニュアルを見てチェックしてくださいということなのですが、私は前回、マニュアルにどういうように書いてあるのか、苦情あるいは「強引」のタグがどういう形で、マニュアルで統一的な基準があるのか、マニュアルを見せてもらわないとわからない。いろいろな事案の状況とか内部の事情で全部に公開できないということであれば、我々専門調査会にだけでも見せて検討させてほしいとお願いしたところ拒否されたわけですが、今日、直前になってチェックしてくださいと。ちょうどたまたま佐々木委員と一緒だったわけですが、我々、呆然としまして、もう2時から始まる直前にマニュアルを見て、さあ、これでアリバイは果たしましたよというような段取りであっては、調査会の議事運営として非常に不適切だと思っております。

国センの担当者は事務局の判断ですと言い張っておりましたけれども、どういうことでこういう直前にマニュアルを5~6分で見てくれということになったのか、大変不審に思っております。まず、このことから説明してほしい。そして、またマニュアルを我々に公開するというのは、大変結構なことだから、ぜひこのテーブルに並べればいいではないですか。

まず、この回答からお願いします。

○後藤座長 少し確認したいのですけれども、見てくださいというのが、5~6分前というのはどうして5~6分前になったのですか。

○野坂委員 それは私のほうが質問したいのですけれども、私は14時から始まる調査会に間に合うように来たわけです。事前にマニュアルを見せるから例えば早目に来てくれというようなアナウンスは何もありません。ですから、この会議に間に合うために来る、これは普通の行動ですね。5~6分前に到着したところ、別室にマニュアルがあるから見てください。私、この席に着いたら花井委員から、見ましたかとか言われて、私にそういうように聞くわけです。つまり、私たちに見せるということは何か内部で打ち合わせをされてアリバイづくりで見ればいいのだと、表紙だけ見せればいいのだということだったのでしょうか。

○後藤座長 済みません、早目に来てくださいという連絡がなかったということなのですが、本当に早目に来てくださいという連絡はなかったのですか。

○野坂委員 ありません。

○花井委員 私がお伝えしたことなので、答えさせていただきます。今、メールを確認していますが、昨日の午後1時48分に消費者委員会から、「本日午後1時から2時の間、マニュアルを見せますけれども、よかったらどうぞ」というメールが届いております。私はそれを見たものですから、野坂委員にお話ししたのです。

○後藤座長 私もそれは見ましたけれども、1時からという時間設定で、1時間は時間が設定されているというように私はそのメールを見て理解したのですが、野坂委員のところにはそういう連絡が行っていないということですか。

○野坂委員 連絡は確認しておりません。メールにあったかもしれませんけれども、そういう重要なことであれば、ぜひ事務局から事前に。

○後藤座長 おかしいのではないですか。あったかもしれないというのは、先ほどはないとおっしゃったのですから。

○野坂委員 だから、メールを詳細に見ておりませんので。

○後藤座長 詳細に見ていないと言ったって、委員として前日にメールを見るのは普通のことではないですか。しかも、メールが来ていることに関して、来ていないと断言なさるというのはおかしいではないですか。

○野坂委員 来ていたかどうか、そのメールに書いていたかどうかは確認しておりません。今、現時点でわかりませんけれども、それにしても、1時間前に見て、私は佐々木委員と見ましたが、あれだけ膨大なものですが、そこの中でどういうことが書かれていたかというのはなかなか大変な作業ですよね。

○後藤座長 事実関係はメールを確認すればわかることですけれども、座長として今、申し上げたいのは、野坂委員の御説明だけ聞くと、傍聴に来ている人たちは、本当に5~6分しか見る機会がなかったというように誤解なさる、それでは困るのです。1時間、時間をとっているわけですから。ですから、発言に気をつけていただきたいと私は思います。

佐々木委員、よろしくお願いします。

○佐々木委員 今の件ですけれども、私、昨日、午後からずっと外だったものですから、メールは見ていません。ただ、今も確認する方法はないです。だから、私は知らずに5分前に来ました。

ただ、それほど重要なことであれば、1日前の午後に連絡することではないのではないのかなと思います。私はメールが来ている、来ていないというのは、事実関係は知りませんけれども、知る由がなかったということです。ですから、もしそれほど重要なものであれば、少なくとも何日か前に御連絡いただければ私は時間を調整して来るつもりでおりますけれども、そのメールが来ているというのは今、確認できませんけれども、私は知らずにここへ今日は参りました。

○後藤座長 その御事情は十分わかります。場合によってメールを見ていないということはお忙しい中ですから、あり得ると思います。私が問題にしているのは、むしろメールが来ていないというように断言するということはおかしいのではないかということです。問題としているのはそれだけです。

○野坂委員 では、それは訂正します。要するにメールは来ていたかもしれない。佐々木委員と同じです。日々いろいろなことをやっております。それは理由になりませんけれども、それだけ重要なことであって、私たちがマニュアルを見せてほしいと前回も頼んで拒否されて、その方針を変えて見せるということであれば、それはメールだけではなくて、電話なりほかの手段で確認していただければと思うのですね。

○後藤座長 わかりました。野坂委員が訂正したことは理解しましたので。

事務局からよろしくお願いします。

○丸山参事官 事務局のほうから補足説明をさせていただきます。

委員の皆様方のほうに、今日、こちらのPIO-NETの関係のマニュアルについての資料を事前に御提示ということにつきましては、事務局から、できれば、もし御関心があれば1時間前にということで御案内させていただいたことは、こちらでやらせていただきました。

補足をさせていただきますけれども、こちらのマニュアルについての委員への御紹介につきましては、何も本日だけということではございません。いわゆる今回の調査会が終わった終了後、委員から御希望があれば、国民生活センターと御相談させていただきまして、個別に御説明という形でさせていただきたいと考えているところです。

○後藤座長 そういう対応ということですが、手を挙げておられるのはこれに関連してですか。

○杤原委員 はい。

○後藤座長 よろしくお願いします。

○杤原委員 私も本日の調査会の1時間前、1時から2時までに来ていただければ、事務局が待機して御案内しますというメールをいただいていますけれども、そもそも1時から2時までに閲覧していただくことが本調査会の会議の中のことなのか、会議の外で任意に見せられていることなのか、そこがはっきりしません。本調査会の審議の中のことなのか、全くの外のことで任意でお見せしますということなのか、まずそこをはっきり御説明いただきたいと思います。

と申しますのは、先ほど池本委員からもありましたけれども、現在本調査会ではPIO-NETの中に登録されてあるものが争点になっているわけであります。前回の調査会でも、主観的な書きぶりなのか、客観的な書きぶりなのか、そこが大事なので、どういうマニュアルで判断されてPIO-NETに書き込まれているのか見せていただきたい、その内容を知りたいという議論があったかと記憶しております。

審議の中で、どうしても見なければならないマニュアルですので、本調査会の中の席上で見せていただき、それが客観的なのか、主観的なのか納得できる形で御説明いただきたいと思います。メールですから、送ってこられても見なければ連絡したことにはならないと思いますし、そもそも調査会の中の審議の重要案件を、会議の外でお見せしますというのが果たして適切なのかどうか疑問です。

それから、かねてより申し上げておりますけれども、我々は、3時間もの時間を拘束されております。それに加えて、さらに事前に1時間前に来ていただき、見たければ見せますよと、移動時間を入れれば都合5時間の拘束になります。こういった審議のあり方というのは、政府の審議会として、私は聞いたことがありません。まずもって本件についてお答えをいただければと思います。

○後藤座長 よろしくお願いします。

○丸山参事官 事務局でございます。

マニュアルについて委員の皆様方に御提示ということにつきましては、本専門調査会についての審議で必要だということで、こちらで御用意させていただいたものでございますので、専門調査会の外でということではございません。

こういった形でさせていただいた趣旨ですけれども、このマニュアルにつきましては非公開の資料ということでありますので、専門調査会における審議のために守秘義務がある委員の方々に限ってということで閲覧させていただければということで、こういった形をとらせていただいたという趣旨でございます。

○国民生活センター窪田情報管理部部長 今、丸山参事官が御説明いただいたのですけれども、今までもマニュアルの開示というのはしたことがないので、ただ、前回もそういう御要望があったので、こういう公開の場では業務運営情報ですので開示できないということで、委員限りで開示できるかどうか、国民生活センターの内部で検討に時間を要してしまったので、決定するまでに時間がかかりましたが、今回、消費者委員会事務局と調整して、1時間前に見ていただくということで調整させていただきました。

○後藤座長 池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 池本です。

先ほど杤原委員から御指摘のあった、マニュアルを見ながら、各キーワードがどういう観点で振られているかも検証が必要だとおっしゃったことで、私も実は今日20分ほど前に来て、私も研修とかやっていますけれども、マニュアルは初めて見たのですが、参考資料1ということで配ってあるのは、そのマニュアルの抜粋だろうと思われるのですが、これは委員だけではなくて公開で配られているのだとすれば、これを説明していただくことでマニュアルの特に関連するところが出てくるのかな。

苦情とか問い合わせ、「強引」というキーワードがこういう場合に振られるというのは、先ほどの資料2でその部分を取り出して御説明があったので、そこで尽きるのかなと思うのですが、この参考資料1を御説明いただくことは可能なのでしょうか。

○国民生活センター窪田情報管理部部長 では、参考資料1については、簡単に御説明します。

前回、PIO-NETについて御説明させていただいたのですが、やはり画面のイメージとかがないとなかなかイメージを捉えにくいというところがありましたので、こちら、以前、国民生活センターのあり方の見直しに係るタスクフォースで資料として出されたものを今回提出させていただきました。89項目、現在は入力項目があって、その入力項目に基づいた画面になっています。消費生活相談ですので幅が非常に広いので項目も多くなっています。

まず、1ページ目の相談情報の基本エリアというのは、相談を受け付けた場合の相談者の氏名とか住所などを入れる。あと相談の方法ですね。来訪であるとか、電話、文書であるか。あと相談の種別は今、話題になっている苦情、問い合わせ、要望の種別のところを分類するところになっています。

次が1ページ目の下の相談者、契約者のタブというところで、相談者とか契約者の属性の項目を入れる入力欄になっています。

次のページが、これが契約情報、契約に関する情報の項目で、販売購入形態、店舗購入であるとか、訪問販売、通信販売、マルチまがいであるかといったような分類を入力するところになっています。また、信用供与の部分とか、契約購入金額といったところを入れる欄になっています。

2ページ目の下が相談内容のタグで、こちらが相談の内容を入れるところで、件名はその要旨、60文字以内で入れるところ。また、相談概要は500文字以内でその相談内容を記載する項目になっています。

内容別分類に関しては、この内容に01~14まであるのですが、相談内容を分類して、4つまで登録できるようになっています。また、相談内容に即した内容キーワードは11個の欄が設けてありますので、11個まで登録できるような形になっています。

次が商品・役務情報タブということになります。こちらは消費者問題ですから、消費者が購入、契約した商品、サービスを登録する項目ということになっています。

3ページの一番下が事業者タブということで、購入・契約先とか、信用供与者、製造者とか他業者を入れる欄になっています。

4ページ目、拡大損害、拡損・危害情報のタブということで、商品やサービスに関して、身体に事故があった、けが等を負った場合に書く欄になっています。危害の内容であるとか、危害程度を登録する項目になっています。

あと4ページ、下が独自項目で、こちらは各消費生活センターで独自に分類したい項目を自由に入れていただく項目として独自項目のタグを設けています。

最後、相談処理の結果タブということで、相談処理の結果概要を1,000文字以内で登録できるところになっています。相談処理の結果、あっせん解決だったとか、助言(自主交渉)だったとかというところを分類する項目になっています。

御説明は以上です。

○後藤座長 池本委員、どうぞ。

○池本委員 今のこの資料で、赤枠と青枠で暗号化対象項目とか、中央省庁閲覧不可項目、これの意味がわからないのですが、補足可能でしょうか。

○国民生活センター窪田情報管理部部長 この画面は、現在の画面とほとんど同じなのですけれども、2010年にシステムを刷新して、今年の9月まで運用していたシステムの画面になります。

暗号化項目というのは、いわゆるここに書いてありますように相談者の氏名とか住所といった個人情報のところは暗号化項目となっていまして、これは受け付けた消費生活センターだけが見られるような仕組みになっています。

あと、これは古いもので中央省庁閲覧不可項目というのは、以前は中央省庁では、閲覧が不可な項目があったのですけれども、現在は全ての項目を中央省庁も閲覧できるようになっています。以前は青枠の項目は中央省庁の閲覧ができなかったということです。

○後藤座長 ありがとうございました。

それでは、消費者庁及び国民生活センターが本日御説明いただいた資料に関する御質問、御意見はございますか。

佐々木委員、よろしくお願いします。

○佐々木委員 私から、特定商取引法改正に関する意見というのを提出させていただいております。この中で特に申し上げたいのは、PIO-NETデータの検証について、相談者からの思いがあるということで入れているというように相談員の方からも一度出ておりましたけれども、今回、この資料の中でもPIO-NETの「強引」の問い合わせと苦情の区別の仕方なのですけれども、今日の議論というのは訪販と勧誘についての議論をすることで集まっているわけですが、ここに出ている苦情の内容というのはほとんど勧誘とは関係ない内容ですね。

例えばインターネット、アダルトサイトとか、ダウンジャケットの通販とかは知っていますけれども、これは海外の詐欺的サイトですね。よく消費者庁、国民生活センターから出てくる資料の中で、一番最初の第1回の資料で、最近の消費者問題の動向ということで、インターネット通販に関する相談件数が軒並みふえている。24万件。そのうちのここには7割の、小さな字で、7割はアダルトサイトの苦情である。これが、通販が問題になっているのではなくて、アダルトサイトの問題なのです。これをなぜ出してきているのかなと思うぐらい、今日はこの議論をすることではないのに、本当にほかに例がないのかなと思うのです。それほど認識がないのかなと、国民生活センターのされている仕事の内容に不審感を持ちます。

この3番の通販も、これは中国なのです。詐欺的サイトなのです。このために日本の通販事業者を規制するのですか。そんなばかなことは本当に意味がないと思います。

今回、そういう意味ではPIO-NETの事例、実際には9割近くが解決しているというような相談で終わっているというのは、ある意味、この資料の中で私もコールセンターを運営しているのですけれども、コールセンターのもう一つの要素というのは、電話をかけてきた方の感情が1つあるのです。怒っている、普通に事務的に話している。この中ではそういう分類項目がないなと。先ほど5分でしたけれども、見させてもらって中で感じたのです。やはり相談される方も非常に感情的になってきているときもありますから、その感情がそのまま相談員に伝わって、相談員がそれを書き込んでいるというケースもあるのではないか。前回申し上げましたけれども、被害者というように相談、電話されている方が、実際には思い違いとかございますから、それがわかったときにもうその相談は終わっていると思うのです。そういうのをなしに、あった相談の件数だけで全て大変な問題だというようにしようとする方向というのは、非常に間違った判断をするのではないかと思います。

そういう意味では、このPIO-NETの資料についての一致点というのは非常に難しいというか、今の今回の出てきた事例が極端な事例で、だから苦情なのよというように言われても、今回議論している再勧誘の問題についてと余りにもかけ離れた内容なので、どういうようにお考えなのかなと反対に思いました。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

では、国民生活センター、よろしくお願いします。

○国民生活センター窪田情報管理部部長 前回もお話ししたのですが、PIO-NETのルールに関しては、先ほども契約タブのところに販売購入形態という項目がありまして、通信販売は販売購入形態の項目の分類の一つとなっています。訪問販売も同様に分類しています。販売購入形態は、原則として特定商取引法に定める形態に従って分類していますが、今の詐欺や未契約の場合や適用除外の場合であっても、その販売の購入の形態が合致していれば、そのように分類しています。

○後藤座長 ありがとうございました。

花井委員、よろしくお願いします。

○花井委員 お願いします。先ほど佐々木委員が業界のコールセターにはある、相談者の感情の項目、つまり、怒って電話されているケースだとか、静かに話をされるケースなどの分類がPIOには、ないのではないかとおっしゃったので、発言させていただきます。我々、行政の相談窓口では、怒って電話がかかってくるというのは本当に少ないです。「もう自分がどうしたらわからず困って、相談してもいいですか」とか、「そこで相談してよいことかどうかわからないけれども、聞いてください」など、自分がどこにどう相談したらいいかとわからないような状態で相談される方、あるいは他人から「消費生活センターに相談したら」と言われて相談される方がほとんどで、「消費者センターだから事業者を指導しろ」などのように、一方的に怒って言われる方というのは、数がわからなくて申しわけないですが、本当に少ないです。

自分がどこに問題があってどうしたいのかということすらわからなくて、とにかく相談、困ったから相談をしている。それは高いものを自分が買ってしまったのか、あるいは必要ないものを買ってしまったのか、それはケース・バイ・ケースですが、相談者はすごく困って相談されているということがほとんどです。勧誘された経緯、その時の相談者の気持ちや言動、事業者に問題がなかったのかなどを30分ぐらいかけて丁寧に聞いていきます。そうすると、そんなに長いこと勧誘されたのかとか、まだあるのにまた勧誘されたのかとか、そういういろいろな勧誘方法の問題がやっと出てくるのです。何回もこちらからこういうことがなかったかと聞いても、特に問題がない場合は、相談者が契約をやめたい、お金を払いたくないと相談されても、クーリングオフ期間も過ぎていて、特に販売方法に問題がないなら、仕方ないねということで諦めてもらうケースもあります。

前回、電話勧誘と訪問販売で「強引」というタグが振られているものだけを消費者庁の方が抜き出されたと思いますが、そこがまさしく直してほしいところだと思うのです。一方的に消費者の思いだけでPIOを入力しているのではないかとかというご指摘がありましたけれども、本当に最初から怒って、「この業者は強引な業者だ」、「こんなことは許されない、業者を指導してほしい」という相談というのは全体の中で、すごく少ないのが現状です。

消費者は最初から、「業者が強引だったから契約したのだ」などということは絶対言いません。ずっと話を聞いて、「どうして契約したの」、「何でこんなことになったの」といろいろ聞いていく中で、そんなに長いこと勧誘されたのかとか、まだあるのに契約してしまったのかなどが分かってくるのです。それを踏まえて、「どうしてまだあるのに契約したの」と聞いていくと、実はこういうことがあったとか、強引であったとか、そういうのがぽつりぽつり聞こえてきて、最終的に500字にまとめる相談概要というところに書き、そこでキーワード「強引」というのを振るわけです。最初から怒って、何とかしろというバージョンの相談というのはほとんどないのは御理解いただきたいと思います。

○後藤座長 佐々木委員、どうぞ。

○佐々木委員 それは個別の1つのケースとして、そういうことがあるということは理解できます。

○後藤座長 野坂委員、よろしくお願いします。

○野坂委員 苦情がどういう線引きなのかとか、強引はどういう線引きなのかということを前回も質問して、今回、回答してきたような形になっていますけれども、佐々木委員の指摘は大変重要だ。我々、今、訪問販売あるいは通信販売で新たな規制を導入するかどうかということを考える重要な節目に来ている。そのタイミングでアダルトサイトとか、インターネット通販とか、詐欺的なものとか出されたりしても、参考にはとならないわけですね。しかも、これは我々が見れば多分100人が100人、苦情だろうというようにわかる、まさに典型的なケースでありまして、我々が知りたいのは、境界線上でどういうように判断されているのか。また、強引についても、どういう判断で「強引」のタグがついているのというところを知りたいわけです。

先ほど池本委員が国センの資料の9ページ、「強引」のキーワードの説明がついている、これで尽きているとおっしゃられたのですが、これについて国センに質問します。池本委員ではなくて国センに質問しますので、国セン、回答していただきたいと思います。

この資料によると、「執拗、威圧的な言動、不退去等の場合で脅迫とまでは言えない程度の場合に選択する」とありますけれども、執拗とか、威圧的な言動というのは、何か具体的な判断の基準がマニュアルで書いてあるのか。また、「脅迫とまでは言えない程度」という、またふわっとした表現であります。この程度について、あるいは「脅迫とまでは言えない」はマニュアルで全国的な統一があって、地域のばらつきもなく、この表現で全国の相談員が皆同一のルールでこれは強引だとかつけてらっしゃるのか知りたいと思います。

また、強引というのは、これを聞いていると、いわゆる0か100かに聞こえるわけですが、例えば強引の星3つと、それよりやや低い星2つ、星1つというような程度を分けるような、そういうタグというのはあるのですか。強引はもう1本だけ、強引なら強引、それ以外は書かないということになったのか、その辺の仕組みも5分、5分といっても実質3分ですから、とてもあのマニュアルでそこを拾い読みすることができませんでした。マニュアルに書いてあるのですか。それを教えていただきたい。

また400のキーワードがあるということですが、これは8ページです。相談内容によって大体キーワードというのは複数つくのがパターンなのかどうか。これも知りたいところです。

今のお話と関連しますけれども、勧誘、これは商法のやり方と、その勧誘方法といろいろなキーワードがあるけれども、キーワード400を示すことはできないのですか。どういう形でキーワードが設定されているのか。キーワード以外は選択できないと先ほど説明がありましたけれども、どんなキーワードが400あって、どういう形で活用されているのか、それもわからないとPIO-NETの状況はわからない。PIO-NETを理由に規制を強化しようかどうかという大変PIO-NETの重要性がある。それゆえに詳細に調べないことには、何ら立法事実がなく、あるいは根拠なしに全国の事業者あるいは国民が大変な影響を受ける規制は導入できない。我々はそういう意味では大変重い責任を負っている。それゆえにPIO-NETにこだわっているし、マニュアルにこだわっているわけです。ぜひわかりやすい説明をお願いしたい。

前回の質問に答えていないのは、あっせんがふえていないことだ。なぜあっせんがふえないのか。ふやせられないのか。そしてまた、自主交渉に委ねたものを把握していないということだったけれども、なぜ把握できないのか。把握するすべはないのか、方策は考えていないのか、それについて質問したけれども、勝手に池本委員がちょろっと答えていましたが、国センは答えていません。これについて、なぜ今日資料が出てこないのですか。説明をお願いします。

要するに、資料の出てこない説明だけではなくて、そのサブスタンスの説明も含めてお願いします。

○国民生活センター窪田情報管理部部長 「強引」については、今、資料に説明しているような内容でマニュアルは記載されています。一般的に「強引」と言えば普通のそれほど人によって差がないと考えていますし、相談現場全体的に共通意識はありますので。あと前回も御説明したように、相談員の方がデータ登録した後に、統一ルールとの整合性があるかどうかは職員がチェックして決裁して登録しているデータですので、ある程度の客観性は保たれていると判断しています。

あと内容キーワードをここで示せというのは今、難しいのですけれども、先ほど参考資料の2ページ目に入力画面の資料をお配りしていますけれども、そこで内容別分類、特に01から11まで分類があって、この分類に基づいて、またキーワード等が設定されています。特に強引であるとか、今日の資料にあったようなところの販売方法とか、契約、解約に関するキーワードというのは非常に多く振られることがあります。

○国民生活センター鈴木相談情報部部長 では、あっせんについてなのですけれども、あっせんの重要性というのは私どももよく認識しておりまして、現在、相談が多い架空請求ですとか、アダルトサイト、先ほどお示ししましたけれども、クーリングオフにて解決を図ることができる事案の場合や、また自主交渉で解決できそうな場合には助言で解決を図っております。

前回も申し上げましたけれども、助言では解決しない場合ですとか、高齢者など情報量や交渉力などで事業者と格差がある場合、また自主交渉では解決困難な場合などにはあっせんを行っております。

あっせんは重要だという認識がありますので、各地の消費生活センターにも、いろいろな研修等々であっせんの重要性を説明しまして、また、私ども経由相談という窓口があるのですけれども、契約内容が複雑で解決困難な事案などに対しては、あっせん方法の助言も行っています。

先ほど研修と申し上げましたけれども、あっせんに関しては、知識ですとか、経験など、やはりスキルが必要だと思っておりまして、その相談員あっせんスキル向上のために研修等の充実も図っております。ただし、やはり人員と予算には限りがありますので、現状では全相談をあっせん処理するのは困難であるということを御理解いただきたいと思います。

もう一つの御質問で、自主交渉をなぜフォローアップしないのかということなのですけれども、消費生活センターの相談員が助言を行う際に、自主交渉の仕方をまずは助言して、それでもうまくいかない場合には、また御連絡してくださいねとお伝えしております。

また、助言で終わる場合にも、相談者にはその後の結果についての御報告はお願いしているけれども、相談者が実際に報告してくることはほとんどありませんし、実際にこちらが、その後が気になって状況を確認するためにお電話することもよくあります。けれども、お電話をしても電話に出てもらえない場合などもあって、相談者と連絡がとれるケースというのは本当に限られます。また、さらに一件一件全てを確認するためには、やはり相談員の人員というのは圧倒的に不足していると思います。

それから、国民生活センターや消費生活センターには、相談者に対して結果を報告するようにと義務づける法的権限などはありませんし、また、それはそれで一方で、相談者の負担にもつながってしまうと思いますので、助言後の自主交渉を全てフォローアップすることは難しいのが現状であるということを御理解いただきたいと思います。

○後藤座長 野坂委員、御理解いただけましたか。

○野坂委員 理解しません。そんなことですぐは理解できません。全てフォローアップできないということは、そういう事情はあるのかもしれないけれども、なぜ大半がフォローアップできないのですか。そこは納得できません。もう少し情報連携、あるいは警察、自治体と連携をして、被害の未然防止とか被害の拡大防止に努めようという大きな方向性はみんな一致すると思う。そのためになぜもっと自主交渉の情報を生かそうとしないのですか。また、鈴木部長の「相談者と連絡がとれない」というのは理解不能で、相談者から質問が来て、相談が来て、その相談のデータで今、我々議論している、大変重要なデータですね。その発信元である相談者と連絡をとれないからという、そういう言い訳はないと思います。やはり相談者と、全部は無理かもしれないけれども、なるべく連絡をとって、どういう処理が行われて、また、先ほど背景に消費者問題があるかもしれないという大変重要なキーワードで見てらっしゃるわけでしょう。それだったら、なおさらフォローアップされて、自主交渉の裏に何か重大なものがあるかどうかチェックするのが国センの役割ではないのですか。鈴木部長の説明には納得いきません。

また、先ほど「強引」のキーワード、これを見て、多くの日本人が、この9ページの表現、これはマニュアルにこのまま書いてあるということですけれども、これだけで「強引」というタグがつく、つかないの基準がわかるのでしょうか。例えはあれですが、塀の内側に落ちるのと外側に落ちるのかが、この基準でわかるのでしょうか。全国の相談員4,000人でしたか、いらっしゃる相談員の中で、このふわっとした基準だけで強引、強引でない、区別がつくのでしょうか。今、我々「強引」のタグの件数、その他、分析で厳しい規制を導入するかどうか考えなければいけない瀬戸際なわけですけれども、この説明では納得がいきません。

○後藤座長 河野委員、どうぞ。

○河野委員 専門調査会が始まって1時間が過ぎました。私が非常に残念だと思うことは、GDPの6割を占める一般消費の中で消費者問題の適切な解決に向けて、全くと言っていいほど歩み寄りが見られないことだと思っています。

TPP合意などもありまして、グローバル経済が伸長している中で、日本においてもさらなる経済の成長が望まれる中で、事業者の皆さんと私たち消費者との円満な契約に向けて、どうやって連携してお互いの立場を理解して対策を練る、このことが今とても重要であるということ。私はまずそこをしっかりと押さえていただきたいと思っています。

この電話勧誘、訪問販売における大きな課題、これまで何度も何度も繰り返し議論をしてきましたけれども、なかなか前提条件として置かれている苦情内容の分析徹底ということに関しましては、今、議論されていますPIO-NET情報ですとか、そのあたりに関して、なかなか皆の中で合意がとれていないということは私自身も感じています。ただ、これだけで私たちの議論が終始してしまっていいのだろうか。改めてそのことをぜひ考えていただきたいというように思っています。

これに関して言えば、やはり法的規制をさらに導入するかどうかというよりも、これまでにやられてきたこと、事業者の方の自主的な努力、ここにいらっしゃる事業者の方は、再三再四、自分のところはしっかりとルールをつくって、ちゃんと指導徹底してきているとおっしゃっています。でも、そこから漏れている人たちのことを私たちは放っておいていいのか。そこから発生している被害をどういうように対処したらいいのか。できればPIO-NETの情報の話を時間をたくさん使ってするのではなくて、起こっている問題に対して、どういう知恵が出せるのか、そこのところをしっかりと考えるべきだと思っています。

執行の強化に関して言えば、なかなか消費者被害の執行というのは、私自身が言うのも変なのですけれども、そもそも相談するのは全体の3%である。その母数を見誤ってはいけなくて、こんなにあっせんで解決しているから大丈夫だろうという話になりますが、数字は見誤らないでください。消費者はほとんどが泣き寝入りをしています。どうしたらいいのかわからない、自分が悪かったのだろうと、そう思って相談できません。ですから、今回、そこで言えば執行の強化というのは、現状のある法律や規制の中でどれだけ行政の方に頑張っていただけるのか。そこにも私たちは知恵を出すべきだと感じています。

さらにも少し進んで言えば、先ほど池本先生が資料で御提示してくださいましたように、再勧誘の禁止行為に関する効果の加重、これはもう法律で禁止されています。ですから、そこをもう少し徹底するにはどうしたらいいか、どういう知恵を出せばそこがもう少し効果が上がるのだろうか。

さらには、時間がないからとか、お金がないからとかという、これは断るための方便なのですけれども、そういう言葉を使って、本当は断りたいけれども、なかなか相手に面と向かって言えないようなところ。そういった消費者心理といいましょうか、消費者の置かれている実情というところにぜひ想像力を働かせて、皆さんが事業者としてちゃんとやっていらっしゃるのであれば、そのことはちゃんと勘案してくださって、この場で議論の俎上にのせていただきたいと私自身は感じています。

ぜひ、もう残り少ない時間です。7年前に一度規制について検討されて、7年後、こういう形で再検討の場が持たれています。これが何事もなかったように終わってほしくない、今、本当に困っている、なかなか断れない高齢者の方とか、自分で意思表示をうまくできない本当に困っている方。悪徳事業者のカモリストに載ってしまって、何度も何度も勧誘を受けてしまう方。そういった本当に困っている方の解決につながるように、一歩でもそのことに対して前向きな意見をここで出し合おうではありませんか。

消費者団体の代表として私はここに出てきて、何度も何度もこの会議に参加させていただいて、少しでもその解決に結びつくようなことをここで話させていただければと思っています。ぜひここで皆さんのお知恵をおかりしたいと思います。事業者の皆さんも、積極的にコミットしてください。お願いします。

○後藤座長 建設的な御意見をありがとうございました。

立法事実のデータに関していろいろ御意見が出ておりますが、それに関しては立法的な規制を行うということが前提で種々数字の解釈等が出ている、あるいは言葉の解釈等が出ているということなのではないかと思います。

先ほどの池本委員の御意見なのですけれども、大変残念ではあるがというお言葉を添えて、立法事実の部分については、今のところで歩み寄るのが難しいということなので、むしろほかのところ、立法的な規制以外のところで歩み寄れるところを探すという方法があるのではないかというお話だったと思います。

河野委員も歩み寄れるところで、とにかくここで一致したものを出したいという御意見でありますので、事業者側の委員の方といいますか、そういう方も池本委員や河野委員の御意見を考慮いただいて御発言をいただくと、まとめの方向に行くという点で、ありがたいと思っています。

資料についてのいろいろ御意見というのはあろうかと思いますけれども、それを続けていると、今日じゅうに何らかの方向を出すということは難しいということになりますので、冒頭で御説明しましたけれども、歩み寄れるところ、そういうことを見出すということをまず考えていただきたいと思っています。そういう観点から御発言いただくと非常にありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

佐々木委員、よろしくお願いします。

○佐々木委員 私のほうの提出させていただいた意見書の中にも書いておりますけれども、消費者保護のための官民連携の必要性ということで、今、国民生活センターのPIO-NETデータというのは、全国の消費生活センターとは共有できているのですけれども、例えば私どもの通販協会。通販協会も通販110番という電話相談窓口を設けて、専門の専任者を置いて受けているのです。例えば特定の事業者が非常に問題がある。それはほとんどの場合、会員社ではないのですけれども、そういうのが共有できるのであれば、通販110番に来た電話で対応もできるわけですね。そういう意味では、ある程度の情報を共有して、通販協会の設立の趣旨というのは、業界の健全な発展と消費者保護ということなのです。そういう意味では、国センの情報を共有させていただくことによって、先ほどあった個人情報というのは一切必要ないですから、その特定の事業者がこういうことをしているというのは傾向が出れば、我々もそれは対応ができると思うのです。それが1つ。

あともう一つは、執行の強化ということについては、ぜひやるべきだと思います。一罰百戒で、そういう事業者、そういう違反をする事業者が出れば、こういう目に遭う。反対に言えば、採算が合わないということになれば非常に難しくはなると思いますので、執行の強化ということについては、私どもも賛成したいと思います。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

ほかに御意見いかがですか。

増田委員、よろしくお願いします。

○増田委員 ありがとうございます。

あっせんや、執行の強化、それは非常に重要なことだと思います。以前からお伝えをしておりますけれども、やはりそれは事後処理の問題だというように思います。事後処理である消費生活センターに相談すること自体が非常にハードルが高く、クーリングオフを通知するにも、まずはがきを買いに行き、書き方を調べ、わからなければ電話番号を調べ、問い合わせをして、電話で聞きながら書く。それを裏表コピーしてくださいとお伝えします。コピー機が家になければコンビニに行ってコピーをしてもらいます。その上で郵便局に出向いて、そこで配達記録などで発送する。そういうことがクーリングオフの処理です。一度お金を払ったものを返還してもらうのは当然の消費者の権利であって、それをやっていただくのは当たり前ですが、それでもなおかつできないことがあって、その場合、センターから連絡を入れる。クーリングオフで解決ができると言っても、裏にはそれだけのことがあります。相談することが大変であることと、処理が大変であること。こういうことは勧誘されなければ必要ないわけです。事後処理の充実というのは非常に大事だと思いますし、相談員である私自身も、あっせんをさらに一層やるべきだというように認識します。

ただ、今、これからの高齢化社会、私たちもどんどん高齢になっていきますけれども、その人たちを教育して効果があるのかどうか。啓発の効果があるのかどうかということは非常に不安な状況だと思います。見守りの重要性は教育をしても無理だということから言われています。高齢者の方々が、お互いに手を取り合って、お互いを助け合うというような時代になっているわけですね。そういうときに、法律改正のこの場で、事後処理のことだけ検討すればいいのかということにはならないと思います。具体的に何をすべきだというところまでの合意は得られないとしても、今のままでいいのだということでは絶対ないと思います。何らかの手当てが必要だということを共通認識として持っていただきたいと思います。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

有山委員、よろしくお願いします。

○有山委員 高齢者の相談でお話を聞いていて、最初のときに申し上げたのですが、3~4年前、6,000万持っていた人が騙されてあっという間に預貯金がなくなってしまう。それは次々と同じ手口と手法で騙されてしまう。今、悪質業者さんも情報共有化の時代で、「強引」というキーワードがつく流行る相談事例は全国共通的な同じような事例が多いのです。相談員は、1週間に毎回同じような手法の勧誘の相談を次々と受けたりする場合があります。 私も相談を事後処理するのではなく、事前に勧誘を規制できるものが欲しいなと思います。佐々木委員がおっしゃるように、確かに通販協会のほうに苦情が入るのは、通販業者さんの真っ当な業者さんに対するクレームというような形で、かなり私たちのところに寄せられている相談と質が違うのではないかという気はしています。

私たちのところには、「断るにはどうしたらいいのか」「私は勧誘を受けて契約をしまって、申しわけないけれども、みんなあなたに迷惑をかけるけれども、お金がなくて断りたい。どうしたらいいのか」というような、「私が悪いのですよね」という話で始まる相談者の方がたくさんいらっしゃるのです。そういうものを業界で対応してくださるということだと、訪販協会さんも通販協会さんも会員会社で成り立っているのだと思うのですが、会員外のそういうトラブルについて、詳細に聞き取る体制というのをつくっていただける可能性があるのか、その辺が知りたいのです。業界団体には、大変負担が多いと思うのです。

訪販協会に入っている業者さんの相談については、解決できるとほっとするような面があります。何とか言葉が通じる人に会えたなというような気がするのです。アウトローのトラブルを起こす販売員の相談となると規制を受けないためのノウハウも悪質業者さん同士で皆さん共有しているという状況ですから、解決が困難です。トラブルを放置しますと、訪問販売に来た人には絶対応対しないというようなことも考えられますし、通販は怖い世界だということで終わってしまうのではないか。大変便利で、私たちも利用させていただいている取引について、やはり安全で安心して使えるような状態をつくり出したいと考えております。

多分、そこに業界団体に寄せられる相談と、消費者センターに寄せられる相談はかなり質が違うのではないかと思っていますので、どの程度業界で被害防止のために自主規制をしていくかというノウハウを教えていただきたいと思っております。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

先ほど増田委員がおっしゃったように、あっせん等事後的な処理ということですと時間がかかってなかなか大変ということでありまして、事前の予防ということは非常に重要だというように私も思います。

事前の予防ということで、今、有山委員からお話が出たように、業界団体の方々の自主規制ということに期待する、現状どうなのかということ、それから、これからできることはどうなのかということ。そういうことについて、御質問が出ておりますので、今、ここでお答えできる範囲で少しコメントしていただけるとありがたいと思います。

鈴木委員、よろしくお願いします。

○鈴木委員 今の河野委員のお話も、有山委員のお話も、増田委員のお話も、全く私も共感するところです。業界の自主規制についてですが、さまざまなことはやられていますけれども、それが実効を伴わなければ意味がないわけです。協会の活動における運用強化、PR、啓蒙の強化だけでは大きく進展しえない面があるので、何らかの新たな罰則ではなくても、遵守できるようなものを、強制力を高めることも含めてつくらなければいけないだろうということは、今、訪問販売協会の中でも検討しております。

特に高齢者へのトラブルの問題です。これは今後も高齢社会が進んでいく中で看過できない問題でもあるし、当然大きな課題になってきます。これは大企業であろうが、中小企業であろうが、全く同じ話なので、そこに対しては、自主規制の中で相当のことを実はやっているのです。例えばある程度の年齢に達した方等々、あるいはやや判断力に懸念がある場合は、必ず信頼できる御親族に対して話をした上で販売しようとか、充分な配慮をしようとか、いろいろ定めてはいるのですが、ただそれを実行しなければいけないわけです。そこにおいて、自主運営ルールをさらに厳しくしてみるとか、実態として問題が生じた場合に、例えば何回か出た場合に、協会の中で企業名を公表するとか、罰則を設けるとか、極端なことを言えば、協会をやめていただくとかということも含めて、対応措置を明確に持っていくということは当然視野の中に入れていくべきだと思っています。

ただ、消費者庁の冒頭の御説明にもありましたように、例えば不招請勧誘で行政処分の対象となっているところのほとんど個人だったり、小規模業者が多い。先ほど各委員からも出ていましたけれども、協会に属していないところで起こっている。やはりここも何らかの規制強化のターゲットだろうと思います。ターゲットという言葉がふさわしいかどうかはわかりませんけれども、守られるべきはやや弱い立場の方、高齢だったり、意思の表明ができない方たちであるし、一方で、規制あるいは罰則を強化されるべきは、悪質なことをやっている一部の個人や小規模業者だということが本質だと思います。それを協会等の自主規制で進めていくことは可能なのですけれども、そこの会員の範囲の中になってしまいますから、例えばここで言う零細だとか、個人でやられているような、これを果たして本当に訪問販売業者と呼べるか、通販業者と呼べるかは疑問なのですけれども、ここに同じような運用基準が水平転換されるということになればかなり違うと思います。ただ、啓蒙だけで果たして行けるかどうかというところは疑問なのです。私たちも何とかしたいのは当たり前です。そういう人たちが残念ながらやっている行為が、訪問販売はという話になったり、通信販売はということになること自体が業界にとっても一番残念なことなので、消費者団体の皆様には御迷惑をおかけして大変恐縮ではあるのですけれども、私たちもはっきり迷惑をしているし、業界にとっても大きな問題であるという意識は持っております。だから、どうやればそこに具体的な手が打てるのかというところは考えたいと思っています。

先ほど佐々木委員からもありましたように、官民で連携をするということは有効であろうと思います。本来であれば、訪問販売で起こったことは全部訪問販売協会で乗り出すぐらいまでできればいいのですけれども、なかなかそういう体制でもないですから。協会の体制強化ということは当然あっていいのかもしれませんけれども、どうやって連携をするかということも、1つは間違いなくあると思います。個人とか、いわゆる悪質な目的としているようなところの業者に対してのことになると、なかなか協会の自主規制等々ではいけない。少なくとも、協会に属するところに関しては、こういう問題を皆無にしていくということのさらなる規制とか努力をしていくということは、これはもうお約束するべきだと思いますし、市場にも発信していくべきだと思います。

○後藤座長 有山委員、よろしくお願いします。

○有山委員 昔、経産省のトラブル連絡会議に出ていたとき、全ての企業を会員として取り込んでしまい、法律を守るように事業者団体が指導をする。訪問販売の業者さんは全部訪問販売協会に属するという方向というのは可能なのでしょうか。

○鈴木委員 それはどうなのでしょうか。個人事業者となるとなかなか難しいし、ここの小規模というところも実態として果たしてどういうものなのかな、と考えると取り込み難いですね。

協会の意義や価値を高める上で、ある程度の規範の中でやっていただけるところで構成することも重要だと考えます。協会に属していること自体がライセンスになるようなことになれば一番いいわけです。ただご指摘の通り、協会の会員数が拡大することには、意味があると思います。そこについては、それはもう我々業界の責任でもあると思いますので、今のままでいいとは全然思っておりませんので進めていくべきです。そこから外れるところの業者・人たちが起す問題にどう対処できるかです。毎回示される、非常に腹立たしい事例、詐欺的な要素が多いのですけれども、そういったことが協会自主規制の及ばないところに多くあることも確かですから。

そういうところをどうにかするかということ、協会の自主規制だけでは難しいのですけれども、ただ、何かいい方法があれば、むしろ業界全体から見ても、これはとても優先的な課題です。訪問販売というのは逆風だとずっと言われているわけですけれども、それはビジネスモデルとして逆風だということ以外に、こういう訪問販売で悪質なことが繰り返されることも主な要因になっているわけです。当たり前のこととして、協会としての努力はして行くのですが、そこに属さないところへの対応が焦点になるような気がいたします。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 今の鈴木委員から御発言いただいた中身、非常に大事な観点だと思うのです。自主規制と法規制がうまくリンクする方策がないかということは、実効性を確保するという意味で重要だと思うのですが、例えばこれは前半の6月のヒアリングのときでしたか。何人かいらっしゃったところで接触をして、嫌だという人についてはそれ以上勧誘しないのだと。その意味では、再勧誘禁止という現在の規定については遵守しておられるというような御説明がありました。

ただ、前回の「強引」というキーワード、アイウエオで分類した中で、はっきり言っているのかどうか、よく見えていない部分というのがありましたね。私のレジュメで2ページから3ページに、前回の分類、ア、イ、ウ、エ、オとの対応関係を書いてみたのですが、例えばお金がないとか、今、忙しいとか、家族がいないというのは、現在の法執行との関係では断ったことにならないのだというようになっていますし、あるいは分類のエとオは断りを言葉で言っているかどうかが記録上はっきりしないから、これは少なくとも現行法上の違反というわけにはいかないけれども、本人の意に反しているということが読み取れるのだというような、こういうような非常にもどかしい実情があるというのがありました。

だとすると、例えば自主規制でやっていただくときに、現在は勧誘を受ける意思の確認は努力規定で法的業務ではないのですが、あるいは自主規制の具体的な項目の中で位置づけられているのか。例えばこういうように聞いて、意思確認をしなさいというのが入っているのかどうか。そのあたりが法令遵守を明確化する基準になるのではないかと思いますし、そこを業界団体の側で明確にしていただければ、例えばアウトサイダーに対しては、意思確認義務法的な義務化をするとしても、それはアウトサイダーに向けた底上げであって、自主規制団体は自主規制のレベルで、それよりはよりクリアな形で対応していただけるというような1つのすみ分けができるのではないかという気がしますが、いかがでしょうか。

○後藤座長 今の御意見に関して、いかがですか。

鈴木委員、よろしくお願いします。

○鈴木委員 あくまで自主規制ですので、法的な側面は持ち得ないのですが、ただ、協会に属する以上は、それを遵守するということを前提でやっている会社・事業者ですから。自主規制の中には、当然訪問の意思をしっかりと告げるということだとか、拒否がされた場合は速やかに引き下げる、そういう当たり前のことが当然明記されているわけですし、契約にいたったとしても過量販売は控えること、その後のトラブル、クーリングオフについて必ず遵守すること、クーリングオフ期間についても、法的な規制よりも長い期間受け入れることも考えるということも含めたことは全部できているのです。それについては当然遵守させるということに尽きると思います。そこで、それの実効性を全部の業者に広げていくということについては、また違う局面かなという気がします。

○後藤座長 ありがとうございました。

野坂委員、よろしくお願いします。

○野坂委員 私も歩み寄りを目指して、方向性を探していく、それには賛成であります。ですから、建設的な議論をしなければいけないと思っています。以前から執行の強化、そして、業界の自主規制あるいはさらなる努力、消費者の啓発教育、また、再三言っていますけれども、国センなり消費者センターの機能の強化、全て合わせ技で、できることを迅速に効果的にやるべきだと思っております。

それで、今の関連ですけれども、池本委員から、自主規制と法規制のリンク。これはいろいろな形のリンクがあると思うのです。例えば自主規制と消費者の啓発教育のリンク、また、先ほどどなたか消費者の教育にはなかなかお年寄りは大変だというような発言がございましたけれども、そういう面があるかもしれないが、努力をすることが大事なわけで、また、高齢者だけではなく、最近は若者にもいろいろと被害がある。あるいは子供への教育も必要かもしれない。そういう教育、消費者教育、消費者契約は諦めてはいけない。高齢者だからなかなか理解できないとかおっしゃられましたけれども、それはそうではない。要するに全部リンケージさせて、自主規制も消費者の啓発も、そしてまた国センの充実も。もちろん悪いやつら、我々の最大のターゲットという言葉をどなたかが使いましたが、もともとの出発点は特商法を守るなどという話が頭からないような悪い連中ですから、そういう悪い連中については、関係機関が情報連携を密にして、迅速な執行、そしてまた退場させる。悪い商売をできないようにするということが大事だと思う。そこに知恵を絞るべきだと思います。

そもそも論ですけれども、話を伺っていて、どうも事業者と消費者を二項対立、対立しているかのような発言が常に出てくるのですが、我々、そうではないと思うのです。消費者だっていろいろな働き手である。そしてまた、事業者で働く人たちも日々消費をしている。そういう意味では、一心同体なわけです。消費者であり、事業者の一員であるのですから。とかく池本委員は弁護士さんだから対立構造をおつくりになるのがお得意ではあると思うけれども、そうではなくて、悪いやつらをたたくために消費者と事業者側が連携できるところを探していく、これが大事なのであって、余り対立構図で物事を考えるべきではないと思います。

氷山の一角とか、数%とか、なかなか相談できないというような話も出ていました。氷山の一角というのは以前も出ましたが、まだ実態はよくわからないわけです。ですから、余り数字がひとり歩きするのはよくないけれども、相談しにくい、あるいはハードルが高いというならば、ハードルを低くするように努力すればいいのではないですか。なぜ相談しやすいような体制を、これは国センなのか、消費者センターなのか、あるいは行政側、消費者庁なのかわかりませんけれども、消費者が相談しやすいようにする。また、クーリングオフなどの書類を書くのが大変だという説明もありました。例えばお年寄りに対しては、それこそ事務手続を簡略にして処理しやすいようにできるようにするとか、そういった工夫がまだまだできるような気がするのです。詳細は私、わかりませんけれども、そういう努力をしないままにいきなり規制という話はないと思うし、まずできることをやる。

もう一点、確認です。座長の発言で、立法事実の歩み寄りは難しいのだという発言がございました。これは中間整理のときに書いていた表現、つまり、あのとき8月まではいろいろな議論があり、「立法による対応の必要性も含めて共通認識が形成されるには至っていない」と中間整理にありました。要するにその立ち位置は今日の時点でも変わっていないということを前提に発言されたということでしょうか。

○後藤座長 それは、ここの場の委員の方々がどうお考えになっているかということであって、私が1人で判断する問題ではないと思いますので、逆に、野坂委員はどう考えられますか。

○野坂委員 私は、まだ先ほどのア、イ、ウの分析も詳細に宿題返しの討論をしていませんし、現時点では新たに規制を強化するほどの立法事実は確認できていないと思っております。

○後藤座長 そういう各委員の方々がお考えのことを前提に、今、議論されているということでありまして、私は各委員がお考えのことを想定しながら発言しているということです。

花井委員、よろしくお願いします。

○花井委員 お願いします。先ほど河野委員が意見の一致点をみんなで目指そうではないかというご発言がありました。私も、前回最後に言わせていただいたのですが、本当にそのように思っています。

その中で、佐々木委員から、協会として情報の共有をしたいというご発言がありましたが、私もその通りだと思いますし、実際、消費生活センターにもいろいろな事業者さんが「うちの相談ありませんか」と来られます。同じ業界の相談があったりすると、その事業者さんではないのですが、こういう点はどう対応していますかという質問をします。また、こういう危険もあるから気をつけてくださいねと話たりもします。

また、通販協会さんが、自主規制をされると言われたことも、すごく嬉しく思いました。先ほどクーリングオフの仕方ももっと簡略にというご意見がありましたが、訪販協会さんは、契約書の中にクーリングオフのはがきを入れておられますよね。クーリングオフが簡単できるというデモのはがきが契約書と一緒に渡され、クーリングオフをしやすくされています。この事を協会として取り組んでおられることはすごく嬉しく思っています。私は、中学校に消費者教育に出かけるのですが、JADMAマークやオンラインマークなどは、通信販売の安心できるマークだから、これを見て買いなさいと言っています。ですから、訪問販売でも、訪販協のマークはこれだから、これに加盟している業者は大丈夫だよというような信頼性あるマークになっていけば、訪販のイメージが悪いということが払拭されるのではないでしょうか。そういうようなことをみんなで考えていけば、もっとこの会がまとまるのではないかと思います。

あと意思の確認についてですが、前回の改正の時に、案の段階では、きちんと意思の確認をするというところがあったのですが、法律が完成した時点では、勧誘の意思の確認義務が抜けていたかと思うので、その部分はぜひここで皆さんと、勧誘意思の確認義務を追加するという点で、共有できればうれしいと思います。それとともに、自主規制で、実効性が出ていなければ、再度みんなでまた集まって、自主規制に任せたけれども、実効性が出ていなかったので、再度検討しようではないかという所まで合意がとれればうれしいなと思います。

○後藤座長 池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 池本です。

本日の発言は一致点をどう探るかというスタンスで発言しているつもりですので、受けとめていただきたいと思うのですが、先ほど野坂委員からたくさんの観点、御意見がありました。おおむね賛成するところです。例えば消費生活センターがもっと利用しやすく、利用率が上がるようにしたほうがいいというのも、まさしくそうだと思います。

私の資料3-1の一番最後のページにデータを並べておいたのですが、国民生活センターが毎年やっている国民生活動向調査、調べたら、2008年から2010年は実施されていなかったので、私も正確に把握していなかったのですが、それ以前、以後を見ると、2004年が5.3%でセンターを利用するというのが一番ピークで、その後、下がっているのです。

実は、2004年というのは、いわゆる架空請求というのが爆発的にふえて192万件にまで行ったときなのです。もう本当に毎日のようにマスコミで取り上げていただき、困ったときはセンターへというときだったのです。今は架空請求は減っているけれども、それ以外の相談は90万件前後で高止まりしていますが、マスコミでも大いに取り上げていただきたいし、今回、188という全国統一番号をつくったものがまだまだ知られていない、そういうものも広報して利用ができるようにしていくというようなことも、特商法改正の議論の中で、法改正が直接の目的ではなくて、被害をどう防ぐかということが目的だと考えれば、そういうことも提言の中に入れるべきだと思います。

あっせん率を高めるということも、ただ、これを高めるためには、研修を充実するのもあるけれども、相談員をもう少し余裕を持って人数をふやすとなると、予算のことも出てくるのです。そういうことも別に遠慮する必要はないわけで、提言に入れていったらいいのではないかと思います。

法執行の強化。これも例えば東京都などは非常に熱心に毎年頑張っておられますが、全体の分類で言うと、分類アの部分、800件、1,000件くらいの中の100件前後の、あの部分については、法執行の強化によって対応する余地があるところですが、それ以外の部分があるから、その法執行だけで全部が片づくわけではない。しかし、逆に地方のほかの中小の自治体では、年間1件も処分していないところもたくさんあるのです。この辺も一方では職員の研修だろうし、他方では消費者行政の職員をもう少し重点配置するなどして執行強化に取り組むべきだというようなこともぜひ入れていただきたいと思います。

そして、先ほど話題にしましたように、事業者団体としては自主規制の中でより具体的に消費者の意思を尊重する、確認をしたり、断る意思の場合にはもうさっと引き下がるということをよりクリアな形で出していただき、アウトサイダーに対してはそこについて何らかの義務化をするとか、そういう意味では法執行の強化も都道府県の処分を他の地域に広げられないかとか、あるいは役員について及ぼせないか。これも法改正の事項ではありますが、接触前の拒否制度ということについては非常に強い反発がありますから、それはもう一旦置くとしても、現在の接触して断ったら再勧誘禁止という枠の中でも、いろいろ法的な手当てをするところと、運用で手当てするところと、事業者団体で頑張っていただくとか、あと予算を注ぐところとか、いろいろな観点が出てくるのではないかと思います。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

先ほどの池本委員が前回御発言なさった内容と、花井委員が御発言された内容で、勧誘の意思の確認のところを自主規制として、その部分についてきちんと守ってほしいということ、それを確認したいということなのですが、その辺については既におやりになっているということかもしれませんが、訪販協会、通販協会としていかがでしょうか。

佐々木委員、よろしくお願いします。

○佐々木委員 自主規制ということについて申し上げますと、当然、協会員に対しての自主規制というのは可能です。ただ、これは協会員、実際に通販110番というのは一番大きいときで年間で9,000件来たのですけれども、その過半数が協会のメンバーではないわけです。それに対しては、我々、何の権限もございませんし、一事業者として、もしくは個人がやっていることに対して、警察的な力を持っているわけではありませんから、それは及ばない範囲です。

あともう一つ提言ということ。これは委員会の途中でも申し上げましたし、今回の意見書にも入れているのですけれども、私の母は92歳で今1人で住んでいるのです。オレオレ詐欺の防止のために、市が提供した電話にセットした機械で、まず、その電話がかかってくると、これは詐欺防止のために全ての会話は録音しますというようにして始まるわけです。そうすると、実際にはそれで切ってくる人がほとんど多いわけです。だから、それこそ国民生活センターさんでそういうようなものを国民生活センターが見ますとか、そういう仕組みをつくれば、少なくとも電話再勧誘に対しては、そういう電話は拒否できると思うのです。そういうことを考えずに法規制だけで全部やるというのは、それこそ6,000万円とられた方が、それに2,000~3,000円払うことは全然躊躇はないと思うのです。そういうことをもう少し考えられないのかなと。なぜ法規制にすぐ考えるのかなというのは不思議に思います。

あともう一つ。前回に意見を募集した中で、訪問販売、電話勧誘に関する総論的意見、勧誘規制に関する意見として、規制強化に反対する意見、慎重な意見、3万9,428件というのが出ているわけです。これを民意のあらわれというようになぜ思わないのかなと思うのです。これだけの意見をまるっきり無視して、規制強化をすることが実際にPIO-NETについてまだ一致点がない中で、それをしていくというのはまずいのではないかと思っています。

○後藤座長 ありがとうございました。

今、最後にお話になったのは、法的な規制についてということですね。自主規制についてはいかがですか。

○佐々木委員 自主規制については、我々協会の会員に対しての自主規制というのは、勉強会を含めてずっとやっておりますし、それは徹底させるつもりでおります。

○後藤座長 ありがとうございます。

先ほど訪問販売協会様には、自主規制について現状とか今後の展望を鈴木委員からお話しいただいたのですが、佐々木委員は今のお話で大体御発言はなさったということですか。何かつけ加えることがありましたらお願いします。

○佐々木委員 自主規制というのは基本的には法律に基づく行為でありますから、法律を守るという行為を徹底させるということだと思うのです。それは協会メンバーに対してのセミナーとか、そういうことを通じてやっていますし、特に、特異な事例が協会会員のメンバーで出た場合には、その都度、ニュースレターを出して、こういうケースは特に注意してほしいというようなことはやっております。よろしいでしょうか。

○後藤座長 国民生活センター、よろしくお願いします。

○国民生活センター窪田情報管理部部長 佐々木委員のほうから情報共有の話が最初出て、何人かからも出たのですけれども、国民生活センターでは情報提供規程を定めていまして、消費者被害の防止に資すると国民生活センターが判断した場合には、消費者団体とか業界団体にPIO-NET情報を提供しています。一定の制限はあるのですけれども、事例も含めてPIO-NETの情報を提供していますので、また何か御要望があれば、国民生活センターのほうに御相談いただければと思います。

○後藤座長 ありがとうございます。

自主規制に関しては、信頼して業界にお任せするという側面がありますが、今までの委員の話の中で、やはり一定の期間で、また自主規制の状況等についてお知らせいただきたいという御意見も出ておりますが、その辺は池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 むしろ訪販協、通販協の方にお伺いしたいのですが、それぞれ電話相談あるいはほかの業界でも、そういう業界団体として電話相談の受付というのはあると思うのですが、その受付件数の推移と、その団体加盟関係業者か、そうではないかというような内訳というような感じで提供していただくというようなことは可能なのか。

そういう中で、国センのPIO-NETほど細かく中身の分類までは難しいのかもしれませんが、そういった情報を交換することによって、自主規制対策がどう実効性が上がっているかどうかというところも検証が可能ではないかと思うのです。今日の時点で、今、出してくださいという意味ではなくて、そういうようなことを含めて、具体的な取り組みをしていただいて、一応今度はこういうところを強化するというようなところはぜひ広報していただき、それから、そういう相談件数なども例えば年に1回とか出していただいて、そういうもので例えば国センとかいろいろ意見交換をするということがある意味では、客観的な検証にもつながっていくのかなと思います。

○後藤座長 佐々木委員、よろしくお願いします。

○佐々木委員 それは可能です。それは大賛成です。そういう意味では、定期的に国民生活センターさんとそういう意見共有の場を持たせていただければとてもいいと思いますし、第1回目で、協会の団体の説明のときに110番の相談件数の推移というのを出しておりますけれども、非会員と会員の内容は出ていないので、それは改めて出させていただきます。

○後藤座長 よろしくお願いします。

○池本委員 今の点についてすみません。個別業者名まで一挙に出すというのは無理だとしても、例えば訪販協、通販協と協議するときに、そこの加盟会員のリストをもらえれば、それかそうでないかという仕分けをした数字で、その場の限りかもしれませんが、そういうのは可能なのでしょうか。そんな取り扱いでは余りないのでしょうか。

○国民生活センター窪田情報管理部部長 検討はさせていただいて、できるだけ今もそういう情報提供規程に基づく回答は積極的にやっていますので、またそこはできないこともあるので御相談させていただいて、双方望むものをできるだけ出すようにしたいと思っています。

○後藤座長 山本委員、よろしくお願いします。

○山本委員 ありがとうございます。自主的な取り組みのお話で、先ほど鈴木委員からも中小の小さい零細の個人のところまで協会としてカバーしていくというのはなかなか難しいというお話だったので、それは確かにそうだなと思うのですけれども、なるべく会員企業をふやしていただいて、自主的な取り組みに入っていただく人たちをふやしていくということはすごく大切ではないかと思いますので、例えば今、会員企業さんと賛助会員の企業さんといらっしゃると思うのです。多分、遵守事項が違ってくると思いますので、趣旨に賛同していただいているような賛助会員についても、正規の会員になっていただいて、自主的な取り組みの輪をどんどん広げていっていただくという取り組みも一緒に組み込んでいただければありがたいなと思います。

○後藤座長 ありがとうございました。

鈴木委員、よろしくお願いします。

○鈴木委員 これはそのとおりでございます。ただ、賛助会員も含めて、現状では訪販協会に加盟をすることの条件も基準も設けているわけですね。ですから、ある程度のことができていなかったり、違反をしていたりということがあれば、逆に協会員にしないという、それはそれで一方で必要なわけです。そこと数をふやしていくということ、賛助会員も含めてふやしていくということと並行して、これは当協会の大きなテーマでもありますので、お話のとおり、積極的に進めさせていただければと思っております。

○後藤座長 ありがとうございました。

佐々木委員、よろしくお願いします。

○佐々木委員 理想論としては、それは理解できますけれども、今、鈴木委員が述べたように、私どももそういう意味では倫理委員会というのを設けていて、その中で選考しておりますから、全て申請されたものが遵守規定されているものがされていないような表現とかあった場合には会員にはなれないわけです。もう一つは、インターネット通販が今ふえてきている中で、楽天とか、そういうプラットフォーム事業者の中に載っているお店の通販というのは、これが今、実際には一番多いわけですね。そこが会員になれるかといったら、事業規模も小さくなりますので、そこを全部管理するというのは実質的には不可能だと思うのです。そういう面があると思います。

○後藤座長 ありがとうございました。

野坂委員、よろしくお願いします。

○野坂委員 今のやりとりを聞いていて、やはりすき間にある企業をどうウオッチしていくかというのは大変重要だと思いました。訪販協の鈴木さんや、佐々木さんの発言、大変心強く感じました。恐らく普通の事業者、健全な事業者は一段とコンプライアンス上もそういった取り組みを強化していくのだと思うのです。一方で、山本委員がおっしゃったように、裾野を広げようということは大事だと思いますけれども、要するに、しっかり取り組める企業が訪販協に入れる、あるいは通販協に入れる。そのハードルを高くしていくことが消費者にとってはよくわかるわけです。この企業は訪販協のメンバーの企業である、これは通販協のメンバーの企業で、自主的な取り組みをしているところで信用が高いという、消費者側にもわかるという仕組みがまた重要だと思うのです。

同時にこのことは、先ほど来言っている、消費者教育と啓発、変な企業にはひっかかってはいけないということと同時に、訪販協なり通販協なり、しっかりした企業はそれぞれ取り組みをやっているのですよということを啓発していただいて、合わせ技で消費者と事業者の努力と効果をもたらしていくことが大事だと思います。

それともう一点は、自主規制の実効性が上がっているかどうかをチェックするというところです。実効性が上がることはもちろん望ましいですが、その判断というのはなかなか基準というのは難しいなと今、聞いていて思いました。それぞれ努力はしていただくと思いますけれども、これは今後、もしそういう実効性を図るということを考えるのであれば、ちゃんと制度設計をしっかりしなければいけない。曖昧なままで実効性を図るということだけではよくわからないという印象を持ちました。

○後藤座長 ありがとうございます。

山本委員、よろしくお願いします。

○山本委員 先ほど訪販協さんと通販協さんにお話しいただいたのですけれども、基準に満たない、チェックしてだめだと加盟できないというお話だったのですが、取り組みはされているのかもしれないのですが、加盟するための改善計画を出していただいて、それを評価して、一歩ずつ改善して加盟できるように誘導していくことも必要かなと感じました。ここの部分がだめだから残念でしたというものだとなかなか広がらないので、こういう改善策を講じていってくださいと計画を出していただいて、それをチェックして、一歩ずつ前に進んで、加盟していただくというようなことをしてやられているのかもしれませんが、もしやられているようであれば、そういうお話をいただけるとありがたいのです。

○後藤座長 ありがとうございます。

佐々木委員、よろしくお願いします。

○佐々木委員 やっております。実際には、3回、4回目で通るところもありますし、通らなかったものについては、どういうことで通らなかったということはちゃんと説明をしておりますので、それはやっております。ただ、途中でそれをやってしまったら売れなくなるからやめるという人もいないことはないわけです。

○後藤座長 鈴木委員、よろしくお願いします。

○鈴木委員 同じく、それと訪販協会を運営する上で会費だとか、賛助金とか、これは絶対重要ですので、当然ふやしていくということと、実際に審査はしっかりしていますけれども、もしそこでだめだった場合に何がだめだと改善要望ももちろん出して、我々のところも何度目かで入られるところもあるし、一旦おりるところはまた再度入られるところもありますので、その度合いをもっと強めていくということに関しては、おっしゃるとおりかもしれませんけれども、一応やってはおります。

○後藤座長 杤原委員、よろしくお願いします。

○杤原委員 皆さんの議論にも関係するのですけれども、資料2に関しまして、国民生活センターに質問です。一番最初に佐々木委員が御質問されて懸念を表明、疑問を呈されましたけれども、3ページの苦情に分類されている事案についてであります。私どもは、事業者団体ではなく、地域総合経済団体であり、消費者のことも、事業者のことも、あるいは高齢者のこともそれぞれ考え、その中で答えを見つけていくということを、会議の冒頭から一貫して申し上げてきました。悪質事業者による消費者被害が高齢者を中心に発生しており、それを何とかしようということで本調査会に参加させていただいておりますが、この3ページの事例は、そもそも特商法の対象なのかという質問が1つ目で、7ページの内容は、そもそも消費者問題なのかという質問が2つ目であります。

3つ目の質問は、3ページの事例についてであります。足元で被害者がいて、消費者相談センターの皆さんが御苦労されているときに、まずもって足元で解決を図るというのが一番最優先だと思います。3ページの事例に関しては、国民生活センター、もしくは消費者庁は、この事案を御存じなわけですから、少なくともこの3ページに書いてある事例は、累犯と書いてありますので、総務省と連携し、相談をされたのかどうかということと、この案件は、現行法で処理できるのか、できないのかを、明確に答えていただきたいと思います。解決済ということであれば、現行法で解決できる案件ということだと思いますし、国民生活センターや消費者庁がしっかり機能しているということになると思います。万が一、未解決ということであれば、規制強化の話をする前に、執行の強化ということをこの場で議論していくべきではないかと思います。

関連して2ページの苦情の分類のところで、明確な苦情でなくても、背景に消費者問題があれば苦情に分類しているとの説明がありました。苦情でなくてもと断っておきながら、苦情に分類して、それが件数で出てくるのはいかがなものかと思います。河野委員もそうした議論は建設的ではないとおっしゃっておられます。私もそう思います。そもそもこの調査会がPIO-NETに寄せられた相談件数を根拠にスタートしていたと理解しておりますので、もし違う議論をするということであれば、PIO-NETの件数からスタートしたところは1回なしにしていただいて、改めて、皆様方から問題とされている悪質事業者をどう捕まえて解決し、消費者被害をなくすのかということで議論し直すべきではないかと思います。

自主規制の話を先ほどからされておられ、私ももちろん賛成でございます。協会に所属される企業は優良でかつ体力があり、当然法令を遵守されておりますけれども、日本では協会加入は任意ということになります。私どももいろいろなPRをしますけれども、会員は任意加入ですので、組織率は3割しかございません。そのため、結果的にアウトサイダーというのは存在することになります。そうしますと、事業者団体と消費者団体が情報共有をして、悪質事業者を挟み撃ちをするような形で対応するようことが必要だと思います。ただ、それだけでは漏れていくところがありますから、行政が入って、三位一体で、同じ情報を共有して網をかけていかないと、どこかですり抜けていくと思います。そういう意味で、国民生活センターの情報とか、マニュアルというのをなぜ事業者サイドに見せていただけないのかなというのが実は疑問です。三位一体で網をかけていくというのが一番効率的なのではないかなと思っております。

それで執行を強化して、被害が防止できたり、あっせんで解決できれば、現行法でも十分機能していると判断できると思います。それが一番被害者の救済に近道なのではないかと思っています。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

ほかに御意見はございますか。

国民生活センター、よろしくお願いします。

○国民生活センター鈴木相談情報部部長 では、最初の3ページのインターネットの光回線に関する相談なのですけれども、これは特商法には入らないものです。消費生活相談は本当にありとあらゆる相談が入ってきますが、苦情と問い合わせを知っていただくために示したもので、これはもちろん所管官庁が総務省さんで、先ほども申し上げましたように、この事業者には、同様の事例が複数ありますので、総務省さんにはもちろん情報提供しておりますし、情報共有も図っております。この相談は解決済みです。

あと、問い合わせのところで、多数ではないですけれども、私人間の相談も入ってくることは事実です。そういう相談については、問い合わせに分類しているということを示したものです。

○国民生活センター窪田情報管理部部長 、先ほど苦情でなくてもというお話があったので、苦情についてですが。相談者が明示的に苦情を申し立てていなくても、背景に消費者問題があると消費生活センターが判断した場合には苦情に分類しています。明示的に相談者が苦情として申し出ていなくても、国民生活センターや消費生活センターで、背景に消費者問題が発生していると、判断すれば苦情に分類するというルールになっています。

○後藤座長 杤原委員、よろしくお願いします。

○杤原委員 そうしますと、我々は今までそういう国民生活センターなどが主観的に苦情と判断したデータの積み上げ件数だけをもって法規制の議論をさせられてきたということになるのでしょうか。

○国民生活センター窪田情報管理部部長 ただ、基本はほとんど苦情、明らかに苦情が多いですから。これは境界線の部分でも判断をして、消費者問題があると、類似の相談があったり、苦情があるということがわかっていれば、それは苦情にしたほうがいいわけですね。

○杤原委員 先程の質問に関して、もう一つ質問があります。本当に苦情であって、消費者被害があるということであれば、まず顕在化をすることが重要だと考えております。顕在化をすれば法律に照らしてあっせんや解決をしたり、あるいは行政庁に連絡をして解決する糸口があると思います。十分現行法でも対処できる、処理できるのではないかと考えております。その顕在化の努力を国民生活センターはされているのかどうかを教えて頂きたいと思います。そこは大変重要なポイントだと思っています。

○国民生活センター窪田情報管理部部長 類似の被害が非常に集中してくれば、迅速に注意喚起の情報を提供したり、関係の省庁や、関係団体に情報提供したりしています。

○杤原委員 まだ顕在化させていない、対応していない案件がPIO-NETの中にあるということでしょうか。

○国民生活センター窪田情報管理部部長 90万件のデータが入ってきますから、全てを見切れているかどうかというのは難しいところかもしれません。ただ、顕在化しているものは日々チェックしていますので。

○後藤座長 高芝委員、よろしくお願いします。

○高芝委員 今のやりとりの関連ですが、今回、詳しい資料を消費者庁の方から出していただいて、イとかウとかエの分類の事例を拝見しました。そこで感じましたのは、相談員の方が、日々、大変御苦労されているところも伝わってくるのですけれども、とりわけ相談事例で終了した事案については、現在の仕組みからしてやむを得ないところだとは理解していますけれども、一方の当事者である相談者の申し出の内容をまとめるという形にならざるを得ないのだろうと思います。その意味では、相手方たる事業者の言分や反論は記録されていないところがあるので、事実関係が必ずしもクリアにはなりにくいところがあることは、否定できないと思います。

ただ、そうとは言いながら、前回、これは池本委員からも御指摘いただいたところかと思いますが、特定の事業者について、同種の申し出が多数なされているというような場合は、当該事業者に問題があり得る可能性を推定させる。これは大きな意味があろうかと思います。そういう情報を被害の救済や予防のための端緒として生かせることができれば、とてもいいのではないかと思いました。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

大体議論は出たと思いますので、一致点というのでしょうか、余り一致点にこだわって恐縮ですけれども、取りまとめの段階でありますので、そこを確認させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

今、種々の御議論が出まして、まず自主規制が重要で、ここを維持・強化していくということについては一致しているのではないかと思います。どこまでのレベルでの自主規制が適切なのかとか、今後の実効性確保のための方策、そういうようなことについて課題は残っておりますけれども、自主規制については一致を見ているというように確認させていただいてよろしいでしょうか。

次は執行の強化ということに関しても、これは意見が多く出ておりまして、これも重要なものとして取りまとめに残すということでよろしいでしょうか。

国民生活センターとか消費者行政職員の体制強化ということに関しても重要なことである。スタッフを充実させる等、あっせんの率を上げるというようなことに関しても非常に重要な問題でありますので、ここも必要なこととして一致しているということでよろしいでしょうか。

栃原委員、どうぞ。

○杤原委員 国民生活センターの機能が現在十分果たされているかどうか、職員数が何人いるのかという組織の実態を私どもは承知しておりません。今、合意すると、国民生活センターの体制強化のあり方について白紙委任になってしまうと思います。

○後藤座長 それでは、今までのことも含めて、どんな形のまとめにしたらよろしいですか。

○杤原委員 今のは私個人の意見ですけれども、委員の皆様がどう思うかによって、取りまとめて頂きたいと思います。

○後藤座長 意見を言ってください。皆さんがそれで賛同すればそれでまとめにしますので、おっしゃってください。御意見があるから発言をなさったのですね。

○杤原委員 いや、意見を言うためのデータや論点が事務局から示されていないということです。

○後藤座長 意見を言うデータがないということを含めて、ここの取りまとめとして、例えば今、私の申し上げたところは、取りまとめに入れないという御意見ですか。それとも、こういう形で取りまとめに入れろということであれば、そういう取りまとめをほかの委員の方々に諮りますので、おっしゃってください。

○杤原委員 国民生活センターのデータが示されておらず、機能しているか、役割を十分に果たしているかどうか、判断がつきませんという意見です。

○後藤座長 わかりました。ここはペンディングにさせていただきたいと思います。

○野坂委員 では、発言しましょう。今の関連でいいですか。

○後藤座長 よろしくお願いします。

○野坂委員 PIO-NETの問題点というのはいろいろと立場によって違いました。そのPIO-NETの評価は一致していないと思いますけれども、国センのデータをベースに議論がずっと3月から続いてきた以上、国センはしっかりしてもらいたいという気持ちはみんな一致していると思う。ですから、そういう意味での座長の先ほどの国センの体制強化。体制強化はふわっとしていますが、要するに国センはしっかりしろということだと思うのです。あっせんも強化してほしいし、さまざま情報の連携も。苦情や強引の判断基準も今日の限りでははっきりしていないし、我々にだけではなくて、広く国民に対してよくわかっていないと思う。国センがどういう役割を本当に果たしているのかどうかわからないので、国センの体制強化という表現はまた論議があると思いますが、しっかりやれという趣旨は恐らくこの調査会で一致するところだと思います。

杤原委員が別の意見であれば、伺いたいと思います。

○後藤座長 体制強化ということで一応取りまとめの事項としては入れていただいて、最終的に文章になるときには、こういうように書いたほうがいいのではないかということは出てきますので、そこで場合によっては、体制強化につきもっと詳しく内容を書くということもできますので、そういう意味で、ここで体制強化ということを残すかどうかということをお諮りしているのですが、よろしいですか。

杤原委員、どうですか。

○杤原委員 お任せします。

○後藤座長 わかりました。では、それで。

村座長代理、よろしくお願いします。

○村座長代理 途中でくちばしを挟みまして済みません。

今の体制強化という中には、あっせん率を上げるということも含んでいるというように理解してよろしいですか。

○後藤座長 それは、あっせん率を上げるということについて、現状で、現スタッフでできるかどうかということですね。そういうことも含めた意味での意見を先ほど申し上げたのですけれども、現状で本当にもう大変ということを求めることは現実問題としてできないと思いますので、その辺のことは含んでということです。

○村座長代理 それも含めて一言だけ申し上げたいことがありますので、一言だけ申しわけありません。

○後藤座長 よろしくお願いします。

○村座長代理 実際に消費生活相談を受けて助言をやっているのは地方公共団体です。PIO-NETの運営をしたり、相談員の研修をやったりしているのは国民生活センターなのですけれども、実際に住民からの相談を受付、助言、あっせんをしているのは地方公共団体なのです。ですから、相談をしやすくして、たくさん相談を受けることができるようにし、あっせん率を上げるということになると、地方公共団体の相談体制をもっと充実させるということが必要です。

例えば東京の場合に、いろいろ市とか区とかあるのですが、私が何カ所か調べてみた限りだと、人口が55万人の区で相談員は7人。人口が12万人の市で相談員が3人。人口が18万人の市で相談員が3人、こういう体制でやっています。ですから、こういう体制で何件相談を受けることができるか、あっせんできるか、非常に大きな限界がある中で、言ってみれば目いっぱいやっているというような実情があります。ですから、国民生活センターにまだ不十分なところがあるとすれば努力していただく。これは当たり前のことだと思うのですけれども、実際に相談しやすくし、たくさん相談を受け付けることができるようにし、あっせん率を上げるためには、地方公共団体が相談員の数をもっとふやすことができるという財政基盤というのがないと難しい相談だと思うのです。破綻をしてしまうということがあると思いますので、これは今回の最終報告に反映させられることかどうかはわかりませんけれども、地方公共団体の相談体制を充実させるためには、やはり消費者庁の財政的支援とか、そういうようなものが現実的にも必要ではないかと私としては認識しておりますので、一言申し上げたかった次第です。

○後藤座長 では、消費者庁からよろしくお願いします。

○消費者庁井内審議官 事実をということで今、補足させていただきますけれども、その支援については、地方消費者行政推進交付金というのを出しております。これは全自治体、都道府県だけではなくて市町村も使える形でありますし、消費者庁発足当時から、そういう交付金を出していたのですが、使い勝手が悪いというようなことでいろいろ使途を広げまして、今、中身についてはセンターの立ち上げとか、それだけではなくて、相談員の方の賃金まで出すような形で予算をとっておりますし、来年度については増額で要求しているということでございます。

また、国センを除きまして、今、実際にあっせんをしているというところで、全自治体の計でとりますと、資料を出していなくて恐縮ですけれども、あっせんの割合というのは21年度が6.9%でしたが、その後、上がっておりまして、平成22年度、23年度に7.2%、平成24年度には7.5%、25年には8.0%。これは直近の数字になりますが、平成26年度については8.3%ということで、徐々にではありますけれども、上がっているという状況がございます。事実ということで答えさせていただきました。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

山本委員、よろしくお願いします。

○山本委員 東京都としても、消費者庁さんから大分御支援いただいているので、相談員の増員については、東京都もそもそもですけれども、各市町村にはいろいろお願いをしているところなのですが、なかなか難しいテーマだということは承知なのですけれども、最終的には自主財源化ということで交付金をいただいていますので、そこがなかなか踏み切れない自治体が多い。いずれは交付金がなくなって自主財源で相談員を確保していかなければいけないというところが思い切って交付金を使っていき切れていないというところがございますので、東京都としては毎年、そこについては国に対して要望しておりますので、ぜひそういったところも検討していただけるとありがたいと思っています。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

花井委員、よろしくお願いします。

○花井委員 お願いします。あっせん率が少しずつ上がっているということはすごくうれしく思いますし、あっせんをどんどんやっていかないといけないというのは、私自身も消費生活センターに務めていて感じているところです。

あっせん率を上げるということは確かにそうなのですが、消費生活センターは前回もお話ししましたが、消費者と事業者の情報力、交渉力の格差に対して、消費生活センターがあるわけです。そのため、相談現場では、自分で交渉できる方に対しては「こういうように交渉したらどうですか」という助言をします。その結果、自分で事業者と相対交渉をして、うまく合意でき、「センターさんの言われたとおりに交渉してうまくいきましたよ」というお礼の電話をいただくこともよくあります。これは、その相談者に対しての消費者教育でもあると私は考えているのです。相談者がこういうように交渉すればうまくいくのだとか、自分の責任もあるからこの辺りまで交渉しようとか、そういうことを消費生活センターに相談する事を通じて学ぶわけなのです。あっせん率をあげるため、全てをあっせんしてしまっては、丸抱えになってしまい、相談者の自立は望めない気がします。やはり事例に応じて助言というのも必要なのだと思います。あっせん率を上げる事に反対するものではありませんが、場合によっては助言をし、そのフォローどうなったかはきちんと確かめる。助言の場合、解決方法がわからないのが大半であるというのは、それは本当に申しわけなかったと思うので、そのフォローもきちんとしていきたいと思います。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 池本です。

私、あっせん率を上げろというのを研修でさんざん言っていたら、まさに今のような意見をいただいて、全件をあっせんにするというのはまた不適切な場合があるというのを聞いて、最近、少し言葉を軌道修正して、あっせん率を上げる、あるいは助言も解決まで見届けるという、あっせんによって解決まで導くのもあるし、助言をしたものを解決まで見届けるということによって、そのPIO-NETの精度も上がってくるし、政策的な情報としても活用できるということになるので、そういうような言葉を使っています。花井委員がおっしゃったところも正論ですし、だからといって、現状のあっせん率のままでいいかというと、昔はもっと10%以上あったはずですから、件数がふえて相談員が余りふえない時期にどんどん下がった事実があります。だから、体制を強化することによってあっせん率はもっと上がっていいはずだということは、基本は正しいと思うのですが、あっせん率向上一本やりだと恐らく現場で反発が出ると思うので、表現としては気をつけたほうがいいと思います。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

課題とか、報告書にまとめる際の表現など、細かいところも含めて、御教示いただきました。どうもありがとうございました。

基本的には、今、ここで議論している、いわゆる体制強化とここで申し上げているところについて、まとめで取り上げて、課題等についても書くということでよろしいでしょうか。

それでは、このほかに意見の一致が見られているのではないかと思うところで、消費者の教育とか啓発ということが大事なので、ここを強化していこうということ。これについてもよろしいでしょうか。

官民の連携というのも幾つかの場面で出てきまして、そういう意味からも非常に重要なものだと思いまして、これもどういうような形で取り上げるのかということで、また具体的に取りまとめの段階で御意見いただきたいと思いますが、そういうものを共通認識として盛り込むということでよろしいでしょうか。

野坂委員、よろしくお願いします。

○野坂委員 官民の連携、賛成ですけれども、官官の連携も必要だと思うのです。すでに当然連携していますが、役所同士の連携の一層の強化で、情報を迅速な処分に生かすとか、未然防止に生かすとか、連携のさらなる強化、これについてもぜひ触れていただきたいと思います。

○後藤座長 そうですね。官官の連携というと何となくわかるのですが、もう少し踏み込んだというのでしょうか。

○野坂委員 何度も言っていますように、警察と消費者行政の連携とか、以前、警察がなかなか動いてくれないという話がありましたね。ですから、悪い連中を処分する上で警察もしっかり協力していただいて、消費者行政と連携を密に対応してほしいという趣旨です。

○後藤座長 有山委員、よろしくおねがいします。

○有山委員 警察が協力してくれないと言ったのは、警察を批判している意味ではなくて、今、一番ターゲットになっているのが認知症の手前ぐらいの高齢者の方です。その方にどういう訪問販売の人が来たのかとか、いつ契約したのか、どういう書類をもらったのかということを聞き出すのが大変なのです。ですから、私も警察とよく御連絡をとり、了解を得て協力しておりますけれども、連携の仕方が難しい。今、一番ふえている詐欺的なものについては、立件が難しい。警察の方の体制を整え、詐欺的な勧誘員を捕まえるのは非常に困難かなという意味でなかなか協力していただけないのですよということを申し上げました。決して警察の方たちが手を抜いているという意味ではないのです。それは理解していただきたいのです。取締強化は賛成なのです。

○後藤座長 ありがとうございます。

国民生活センター、よろしくお願いします。

○国民生活センター窪田情報管理部部長 情報の連携は御存じだと思うのですけれども、PIO-NET情報に関しては、中央省庁の消費者行政担当部局、都道府県、政令指定都市の消費者行政担当部局はPIO-NET情報を閲覧できるようになっています。

○後藤座長 どうもありがとうございます。

増田委員、よろしくお願いします。

○増田委員 今の段階で言うべきかどうか、後の話かもしれないのですけれども、2点ございます。

自主規制に関しては期待していますし、賛成です。ただ、それでは及ばない分野がある。なおかつ、全ての事業者を取り込むことは非常に難しいということであれば、私は同レベルの規制であれば法的な規制をしても、既に自主規制をされている方々には負担がないのではないかと考えております。そのことももし記載できるのであればお願いしたいと思います。

あと、問題を問題として把握できていない、トラブルになっていることに気がつかない方というのが、若い方でも高齢者の方でもいらっしゃいます。そういう方たちがそのままの状態になって御相談いただけていないという状況というのは確かにありますので、そういう方たちを未然に被害を防ぐというところが、今はまだ取り込むことができていないのではないかと思いますので、そういう部分についてどうやって手当てをするのかということについて、御検討いただく、あるいは何か記載をしていただくということをお願いしたいと思います。

○後藤座長 法的規制については、一致点がまとまったところで、今後の課題ということも含めて議論したいと思いまして、そちらで扱わせていただきたいと思います。

杤原委員、よろしくお願いします。

○杤原委員 先ほど国民生活センターから、官官連携の話があったときに、各省庁でPIO-NETのデータが見られるようになっていますと説明がありました。データが見られるだけではだめで、取り締まりや執行の適正化をしていただかないとだめだというのが私どもの基本的な考え方であります。所管官庁として、太陽光パネル設置業者であれば国土交通省があり、インターネットの会社であれば総務省があり、前回の会議のときに委員から話が出ていた置き薬には厚生労働省があるなど、それぞれに所管官庁が必ずあるわけであります。単に、PIO-NETのデータが見られるようになっていますではなく、見た結果執行していただかないとだめで、そうすれば相当数の悪質業者は取り締まりや摘発ができるのではないかと思います。

佐々木委員や鈴木委員が所属する団体に対して自主規制の強化と言われますけれども、もともと取り組まれております。自主規制ですから、自主的に取り組んでいただいておりますので、そこだけ強化するのではなくて、官の執行の強化という意味で官官連携と言われたと理解しております。

○後藤座長 ありがとうございました。

今の御発言は、官民連携、官官連携についての課題、こういうことを考えないといけないということを御意見いただいたということでよろしいでしょうか。

消費者庁、よろしくお願いします。

○消費者庁桜町取引対策課長 済みません、お時間がない中で、一言だけ今の点を申し上げたいと思います。

特商法の取り締まりにつきましては、PIO-NETの情報を非常に活用しております。前も申し上げたと思いますけれども、1件上がれば何らか取り締まりのアクションにつながるという1対1の関係では必ずしもございませんけれども、事案の悪質性なども含めてPIO-NETの件数、さまざまなものを総合的に勘案しながらプライオリティーをつけて、そこはしっかり執行していかなければいけないし、今後ともやっていきたいと思います。警察との連携も、今、相談を始めているところでございますので、今後しっかりやっていきたいと思います。

○後藤座長 花井委員、よろしくお願いします。

○花井委員 私、情報検討ネットワークという、すき間事案を消費生活相談員として消費者庁に情報提供するという仕事というか役割を担っています。すき間事案などに対して電子掲示板に書くことで、財産被害対策課がいろいろな省庁にこんな事例があるよというメールをして、対応してもらっているということを消費者庁の中で、現在でもやられていますので、多分御存じないかとは思いますので、お伝えします。つまり、PIO-NETを独自に見るだけではなくて、消費生活相談員がこういう新手の事例があるよという情報を上げることで消費者庁の内部や他の省庁とも連携して、対応してもらっているということもありますので、御理解していただきたいと思います。

最後に、自主規制のところで私が発言したことですが、自主規制をしていただくのはとてもありがたいことなのですが、ある一定期間後にそのことを検証するようなことも必要なのではないか考えています、その点についても皆さんの御意見を伺いたいと思います。

○後藤座長 一定期間での検証というのも課題としてあるということで、それは先ほど私のほうからも、そういうことも含めてまとめるということで確認していただいたと思っていたのですが、どうでしょうか。

○花井委員 ありがとうございます。

○後藤座長 ありがとうございます。そういうことでよろしいですね。

先ほど消費者教育とか啓発の重要性というのが出ておりまして、他方、高齢者にはどこまでそういう考え方の実効性があるのかという御意見も出ていましたので、高齢者に対する対応ということについて、もう少し御意見がありましたら、例えば先ほど連携ということで言いますと、消費者安全法の消費者安全確保地域協議会などのこともありますので、そういうようなところに場合によったら、こちらからある程度知恵が出せるのかということも含めて、高齢者に関する問題をもう少し議論させていただけたらと思います。何か御意見がございますでしょうか。

池本委員、どうぞ。

○池本委員 池本でございます。

これはむしろ私より山本委員のほうが適切かもしれませんが、東京都では高齢者見守りネットワーク、これは主として高齢者福祉の部局が各区市町村でもう既に展開しているところ、ケアマネジャーさんとか民生委員さんとか、社協、地域包括といった、こういう高齢者福祉の関係者のネットワーク、これはどちらかというと健康とか、命とか、何か異常があったときに発見するというネットワークに消費者行政、消費生活センターもしっかりと連携をしていって、これだけの高額の被害事例もあるのだと、この地域でもこんなトラブルが起きているのだということをお伝えし、異常を発見する目を持ってもらう。そして、それを消費生活センターにつないでもらったり、あるいは最近こういうのがあるので気をつけましょうというようなチラシなどを本当に末端で高齢者とつながりのあるところで広げてもらう。そういう高齢者見守りネットワークへの消費者行政の参画というのか、連携というのですか。そういうような議論をされているかと思います。これはむしろ全国的に展開をしていくべき課題だろうと思いますので、そのあたりはぜひ広げていただきたいし、今、言った高齢者見守りネットワークで消費者行政も一緒に参画して広げるというのは、実は座長がおっしゃった消費者安全確保地域協議会という安全法の中で今度できた、来年4月から施行される、そこの考え方と共通するものですから、そのあたりをうまく引用して提起していただくといいのかなと思います。

○後藤座長 有山委員、よろしくお願いします。

○有山委員 高齢者見守りネットワークのことに関しては大賛成なのですけれども、もう一つ、高齢者の意識の中に、もう子供や御家族以上に入り込んでしまっている販売員の方というのがいらっしゃるのです。私も経験しておりますが、数年前に3,000万その人に投資して持っていかれてしまった。その販売員が挨拶に来るということで、「有山さん、来てくれる。以前、私を騙した販売員の方が家に来るというので立ち会ってほしい」という電話があり、職員とヘルパーと私で高齢者の家に行きました。けれども、その販売員の言いわけというのは、「刑務所に入っていたので、あなたから3,000万預かったけれども、返すことができない」「私は今、一銭もお金を持っていないので訴えられても何も返すことができない」「今度、新しい会社に勤務したから、これに投資してくれれば返せるから」と、私たちの目の前でいうのです。私はその販売員がにやにやしながら言うからうさん臭いなと思うのですが、その高齢者の方は「ごめんなさい」「私は今反省しています」と販売員が頭を下げるたびににこっとされるのです。何か不肖の息子に謝られているような雰囲気があるのです。これはもう今の被害の実態の中でどうしていいかわからない。ぜひ心理学の方も含めて、法律のところと一緒に並行してどう考えていくか。財産をお持ちになっている高齢者の人の財産をどう守るかというのは考えていただきたいと思っております。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

山本委員、よろしくお願いします。

○山本委員 ありがとうございました。池本委員に御紹介いただいたのですけれども、今、高齢者の見守りネットワークの充実強化ということで、都の審議会のほうで議論させていただいているところなのですけれども、その中で出てきた課題としては、消費生活部門と福祉部門がそれぞれ1つの大きな体系を持って組織がつくられて運営されているので、どうしても連携がうまくいっていない。その辺は区市町村なり都道府県レベルでも工夫はしていく必要はあるとは思うのですが、基本は国の政策から流れてきているところがありますので、厚労省さんと消費者庁さんが連携して同じ取り組みをしていくというスタンスが下に伝わっていくと、より基礎的自治体でもやりやすくなりますので、ぜひ国でも一緒にやっていく体制を構築していく、同じテーマとして考えていかなければいけないということを発信していただいて、巻き込んでいただくという形が国レベルでやることとしては大切なことかなと思っています。

あと大きな課題としては、やはり見守りの対象は、どうしても福祉部門の見守りの関係者になりますので、福祉サービスを受けている人がほぼ対象になっています。東京都の場合だと、高齢者の約2割しか福祉サービスを受けていませんので、8割はサービスを受けていない。消費者被害というのは、身体的な問題がなくても被害に遭いますので、いかに8割のところをどうフォローするかというのが大きな課題になっていまして、そこに対しては民生委員とか自治会とかがアプローチすることになると思うのですが、そこの高齢化もあったりしてパワーがないというところがありますので、福祉サービスを受けていない高齢者の見守りに対する何らかの強化というのでしょうか、そこを考えていくことが見守りをもっとレベルアップさせていくためには大切だなと思っています。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

高齢者の見守りとか、あるいは消費生活部門と福祉部門の連携とか、こういうような問題についても共通認識ということでよろしいでしょうか。

それでは、私のほうで思いついた事項は大体以上でありますので、ほかに漏れているもの、あるは今後の課題ということで先ほど増田委員からも出ました法的な課題というような面も含めて、あとの時間を使わせていただきたいと思います。御意見、よろしくお願いいたします。

有山委員、よろしくお願いします。

○有山委員 「要りません」とはっきり言わなくても、先日も申し上げたように「時間がない」も断り文句のひとつにしてほしいのです。大体「時間がない」と高齢者の方が言うと、ではあさって来ます。その次、あさってになってその時間になるとまた来る。今日は時間がないからというと、3日後に来ます、1週間後に来ますと重ねてしまって、断りの文句の嫌ですというのを言えないで訪問を受け入れることになります。5回ぐらい訪問されると、もう高齢者の方は販売員に引け目を感じて、断わりたくても断れない。押しに負けたみたいな感じになってしまうというところがあるのです。断りの文句に「時間がない」「忙しい」というのも断りの文句としてちゃんと入れていただけたらと思います。相談員としては、そういう解釈、あれが入ったことは画期的なことだったのですが、あれが入ることによって、私たちの意識もどう考えたらいいのだろうとやはり迷いますので、通常の日本人の断り方、時間がないのです、忙しいのですというのは断り文句として解釈に入れていただけたらと思います。

以上です。

○後藤座長 この点については、いかがですか。

野坂委員、よろしくお願いします。

○野坂委員 今日、余り議論しなかったわけですけれども、消費者庁の資料1の7ページ、今、有山委員がおっしゃられたのは曖昧な拒絶後に勧誘継続の部分ですね。これを見ますと、イとウを合わせて85件で、その内訳が下に書いてあって、助言の自主交渉が46件で、あっせん解決が33件。未契約のほうは右側に出ていますけれども、全体で102件。特に今、おっしゃられた時間がないとかという曖昧な拒絶後の問題ですけれども、これはこの資料を見る限り、クーリングオフの助言、あるいはクーリングオフ以外に対する助言ということです。クーリングオフが実際に全て行われていたかどうかについては、先ほどの事務局の説明では、可能性はあるというような説明でしたけれども、よくわかりません。いずれにしても、これを見る限り、曖昧拒絶後に勧誘継続の実態、このデータからすると、悪質業者がすごく跋扈しているというような状況は、少なくともこの中からはうかがえないと思うのです。

また、そもそも、この85件ですけれども、たしか経済産業省が以前に出した資料で、全国に14万社ぐらい訪問販売業者がいて、1社あたり月に2,000件ぐらい勧誘するのだというデータが出ていたと思う。それを考えますと、1カ月、これは単なる4月だけですけれども、4月だけの1カ月と考えた場合、全国で14万社掛けるおよそ2,000ということになると3億弱に上る。3億弱の中で85件の分析で、85件の分析の内訳がこういうクーリングオフの助言とかあっせん解決がほとんど半分ぐらいしているということになると、先ほどの有山委員のおっしゃられた指摘も重要だと思うが、ただ、そのことだけで、このデータからする限り、大変な悪質業者がイあるいはウのところで跋扈しているというデータは、少なくともこのデータでは確定はできないと思っております。

したがって、再三、PIO-NETの詳細な分析を示してほしいというところに返ってしまうわけですが、少なくとも曖昧拒絶の勧誘継続で拡大解釈してそこも広げてということは、このデータからは断定できないと思っております。

○後藤座長 村座長代理、よろしくお願いします。

○村座長代理 有山委員の意見についての補足意見ということで申し上げたいと思うのですが、平成20年の改正で再勧誘の禁止の規定が入ったというのは非常に大きな前進で、意味があったというように私は思っています。ただ、多分平成20年のときの議論を踏まえて、あの制度が入ったというのは、消費者が実質的に断っている。消費者が実質的に断っているときに要は執拗に勧誘をして契約を押しつけるということ自体が問題だということで導入されたものだろうと認識しています。

消費者庁が大変な手間暇をかけて目検で1件ずつ整理していただいて、平成20年の再勧誘の禁止の規制を導入された以後、どういう推移をたどったということが大変クリアによくわかって、私、大変あの分析には感謝申し上げたいと思っているのですが、あの分析の結果わかったことというのは、日本人のメンタリティーを持っている普通の消費者が断るというときに、どういう断り方を多くの方がしており、あの再勧誘の禁止の規制の実質の運用というのがそのうちのごくわずかな部分にしか対象に置いていない。ですから、普通の消費者の日常的な行動というものを考えたときに、極めて限定的に限られたものしか適用されていないという不整合が起こっているのではないかというように私は捉えました。

ですから、有山委員が指摘されたような具体的なケースが典型的なものかもわかりませんけれども、やはりそこのところは普通の日本人のメンタリティーを持っている消費者を前提にした実質的な法律の運用でなければ十分な意味がないのではないかと私としては考えますので、再勧誘の捉え方については、やはり再検討していただく必要があるのではないかと思います。

ただ、今の時点でデータが十分でないかもしれないという御指摘があるということもわかりますので、特に高齢者を中心に今後も相談の状況をもっと厳密に相談現場で捉えていただいて入力していただくような努力をしていただいた上で、数年後に再度見直すということでもやむを得ないかとは思いますけれども、ぜひここのところは今のままでいいわけではないということではないかということを申し上げておきたいと思います。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

野坂委員、この問題について課題として残すということでよろしいですか。

○野坂委員 課題として残しても、もともとずっと課題ですけれども、要するにPIO-NETの信頼性については、一致点を見出せていないわけです。これはもともと「強引」のタグの問題に戻って振り出しになるので余り言いませんが、要するに信用ができないというか、一致点を見出せていないデータをもとに議論を組み立てることは今の段階ではとても不可能だと思っております。それは村さんがおっしゃったのと同じだと思うのです。

ですから、今後本当に詳細な悪質事例が出て、立法事実が本当にあるならばそれはテーマになり得るでしょうけれども、現時点での我々の整理としては、とてもそんな状況にはありませんし、中間整理と同様、立法事実は確認できない、そこでとまっているのだと思います。

○後藤座長 村座長代理の御意見も、今後データを積み重ねた上で、そのデータを見てということで。

○野坂委員 その積み重ねが本当にちゃんとしっかりデータを集めるのかどうかということは現時点でわかりませんので、かなり留保条件が相当ついた形だと思いますけれども、流れとしてはそうなのでしょう。

○後藤座長 おっしゃることはわかりましたので、課題として残していただいて、そして、実際にこれは文章化するときに何かいろいろ御注文があると思いますので、そこでまたおっしゃっていただくということでよろしいですか。

では、杤原委員。

○杤原委員 将来の課題という残し方なのですけれども、かねて問題になっていますが、読売新聞で消費者庁幹部が「悪質商法の被害を防ぐには法改正が必要だ」と述べたと書いている記事を御紹介しました。法改正を念頭に将来の検討課題とするという意味であれば反対であります。今まさに足元で起きていることを解決するのが先決であり、そのためにPIO-NETの中身を全件分析して見せていただきたい、その中で立法事実があるのであれば、それを本調査会で議論しましょうということでやって来たわけであります。まず足元の被害者が出ないように執行を強化するが、それは三位一体でやったらいいのではないかというのが私の提案であります。業界団体の方も、今以上に自主規制に取り組むとおっしゃっていますので、その状況を見た上で改めて議論するということの意味での将来の検討課題ということであれば賛成できますけれども、まだ足元の執行の強化もされていないうちに、将来、法改正をにおわせるような文章を記載するということであれば、法律の議論として予見可能性が失われますし、不完全な状態で将来を確約することはできませんので、私は反対であります。

○野坂委員 私も誤解を招かないように繰り返しておきます。私もまさに杤原委員と同じです。先ほど幾つかの留保条件がつきますよと簡単に言いましたけれども、まさに今、座長が取りまとめの方向性で打ち出されている自主規制なり、消費者の教育なり、国センの体制強化なり、さまざまなことを今、打ち出そうとしていて、それらと全部セットでこの状況を見た上で、必要が出てくるならばということで話しているわけで、あらかじめ何か立法の必要性を将来予見して発言している物ではありません。

我々は今、現状のデータを含めて、現状で判断するもので、将来を約束するための責務、そんなものは現在負っていない。そこまではとても言及できないし、断定できるデータも材料もない。それはそうであると思っておりますので、将来の法律まではとても現時点ではしゃべれない、書けないと思っています。

○後藤座長 村座長代理、お願いします。

○村座長代理 それはもちろんそうで、今回の取りまとめでいろいろな方向性を提案するわけですね。ですから、そういういろいろな取り組みをやった上で数年後にどう再検討するかということですので、今から結論ありということには当然ならないと私も思います。

ただ、高齢者の被害が非常にふえ続けている、相談件数自体は若干減少傾向で、ここ1年、微増というような状態なのですけれども、高齢者の被害はふえているという状態があり、高齢化はもっと今後進んでいきます。そういう状況を踏まえて、今後、ここで取り決めることができた方向性について、注視をしていって、見直す必要があるということは当然のことだろうと思うのですが、ただ、今回、高齢者の被害をどのように予防するかという観点から物を見るときに、データとして不足があるかもしれないという事業者側からと言っていいかどうかわかりませんが、そういう御指摘もありましたので、相談現場ではもう少しそこのあたりの事情を詳しく聞いていただいて詳しく入力していただくということも踏まえて取り組んでいただいた上で、数年後、きちんと見直すということが必要ではないかというのが私の意見でございます。

もう一つ、補足として申し上げるとすれば、事業者団体には自主的な取り組みをしていただきたいということは今までいろいろな方から意見が出された、そのとおりだと思うのですけれども、あくまでも自主的な取り組みというのはインサイダーの話ですね。そうすると、アウトサイダーまで自主的な取り組みの中で改善するということは当然難しいということがあります。ですから、そこのところは、やはり数年後の経過を見た上で、アウトサイダーに対してどういう手当てをする必要があるのかという議論も当然する必要があるということになりますので、そういう問題も含めて、今、申し上げているというように受けとめていただければと思います。

○後藤座長 池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 取り扱いのあたりは、今、村座長代理がおっしゃったところとそう大きく違うのではないのですが、1つだけ今、杤原委員あるいは野坂委員がおっしゃったところの中で気になるところがあります。

この調査会でスタートからPIO-NET情報で平成20年の改正以降、相談が余り減っていないと言ってもいろいろ特商法被害もあるのではないかということで特商法とそれ以外を分け、それから、「強引」というキーワードを1つ手がかりにして、消費者の意に反する契約があるのではないか。それが余り減っていないというような議論をしてきました。それが新たな例えば今の再勧誘禁止をもう一歩踏み込えて、事前拒否制度のような新たな法規制を加えるところまでの根拠としては評価できないということでたくさん意見が出され、他方ではこれで評価できるではないかということで、まさに意見が一致しないところではあるかと思うのです。

しかし、法執行を強化するとか、自主規制を強化しようとか、先ほど出た幾つかの課題あるいは高齢者の被害を防止しようとかというのは、やはり今のままの状態のままでよいということではない何らかの対策はとにかく必要なのだということは、基本的な共通認識があるからではないのでしょうか。それを発見する手がかりとしては、我が国ではセンターに寄せられた相談のPIO-NET情報しかないわけで、それの精度はさらに高めていく必要はあると思うのですが、報告書をイメージしてみて、まずはこの調査会でも調査し、資料として出されていった中の基本的な流れの中で、ただ、ここまでの分析では新たな規制強化というところまでは、そこまでの根拠資料としては評価できる、できないで意見が分かれたというようになるのではないかと思うのですけれども、PIO-NET情報そのものが信用できないから、それはもう完全にうっちゃってしまって自主規制でやるというように聞こえたもので、そこは認識としてはそろえておく必要があるかなと思います。

○後藤座長 増田委員、よろしくお願いします。

○増田委員 PIO-NET情報の評価につきましては、各委員によって判断が異なるかとは思います。それはそれとして、私としては、これは十分な根拠だと理解しております。

その上で、池本先生がおっしゃられたように、今の段階では次のステップに進むことができないと思います。再勧誘の断り文句につきましては、お金がないとか、今、忙しいとか、そういうことを言うことについて、なぜそれが断り文句というように理解されないのかということが、一般的な消費者の立場からすると、非常に理解しにくいと思います。

例えば、「私は必要がありませんのでお帰りください」ということが言えたら一番いいのですけれども、そういうことを言う人は非常にきつい性格と言われるような国なわけですね。そういう中でえんきょく的にお断りするということは、普通の方にとっては非常に多くある行動パターンだと思いますので、それについては、ぜひとも取り入れていただきたいと強く思っております。

○後藤座長 野坂委員、今の御意見はどう思われますか。

○野坂委員 お断り、お帰り下さいと言いにくい国だということですけれども、まさに今、教育をどうしようという話をしていまして、しっかり断っていいのですよということをぜひ教育していただければと。そうすれば、アの部分がふえてくる可能性が高いわけですね。実際、平成20年からの前回の資料ではアのところがふえていったことについて、私がひょっとすると消費者への啓発の結果、アがふえている可能性もありますねという指摘をしました。そこの分析は正確には立場によって違うでしょうけれども、これからは曖昧に断らないで、要らないのだったら断ってくださいということをぜひ消費者啓発、消費者教育でやっていただいて、確かに時間がないというのは前回も言いましたけれども、本当に時間がない場合もあるだろうし、そういった曖昧な表現を拡大解釈で法律的にカバーするのはなかなか難しいのではないですか。それよりも、断る場合は断るのですと、そういうことをぜひお年寄りから若い人たちに教育をする。また、これから消費者になっていく子供たちにも教育をする。そういう国柄だからとか、国民の性格だからというような理由で諦めてしまうのではなくて、そこをまさにやっていただいて、先ほど言ったいろいろなことを組み合わせて、数年後、どうなっているか見るということが素直な態度だと私は思っています。

○後藤座長 現状はどういう認識ですか。これから教育しろというお話なのですけれども。

○野坂委員 もちろん、これからさらに教育は期限がありません。今で教育が終わったという御認識をされているのかどうかわかりませんが、これからお年寄りがだんだんふえるのだという話を誰かされていました。消費者教育に終わりはないと思っております。

○後藤座長 現状で、例えば高齢者の方がはっきり断るというようなことができているとお考えですか。どうですか。

○野坂委員 できているかどうかというのは、私が判断するだけの材料はありませんけれども、要するにできていない可能性があるのでしょうというようなデータなわけですね。

○後藤座長 それでは、野坂委員御自身が判断できることとしてお聞きしますけれども、野坂委員御自身はどうですか。

○野坂委員 私は、要らないものだったらしっかり断ります。

○後藤座長 そういう人が多いという御認識ですか。

○野坂委員 多いかどうかは、私はわかりません。座長の質問の趣旨はわかりませんけれども、私が言いたいのは、そういう要らない場合に断れるのですよということをぜひ消費者の方に教育をさらに広げていただきたい。それがほかの執行の強化だとか、国センの体制強化だとか、さまざまなできることと組み合わせる中で効果がよりあらわれてくる可能性があるのではないかということを指摘しているわけです。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 今の議論に関連するのですが、私、2つの側面があると思うのです。消費者としては、遠回しに断ったつもりでいる、あるいはうまく断り文句をずばりとは言えないけれども、何かいろいろ理由をつけて敬遠しようとしているけれども、そこを受けとめてもらえないという、そこのずれが苦情として出てくる。それを断り文句という意味を拡大、もう少し常識に近いところに拡大することによって実態に合わせようという。これは新たな義務を課すというよりは、現行法の解釈運用の見直しということです。

それはもちろん消費者に対しての教育できっぱり断るように言いましょうというのも大事だし、それも施策として必要ですが、現実にたくさんの高齢者なり、それがきっぱり言えない人がいる中で解釈を見直すことによって、断ったつもりだけれどもというのが違反になるのであれば改善ができるかなというのが1点。

もう一つは、先ほども業界団体の方からの御発言とのやりとりの中でもあったのですが、団体としては、意思をはっきり言えない人によろしいでしょうかという意思を確認するということが一応自主規制の中ではやられているし、恐らく苦情に出てくる中には、協会加盟業者はそんなにいないのではないだろうか。そこは数字を出してみなければわからないのですが、むしろ業界団体で健全にやってらっしゃる方が意思確認をきちんとやっておられるのだとすれば、これはもう現行法にも意思確認をすることは規定があるわけですから、その新たな義務というよりは、実効性確保という意味で担保をつける、義務化するということは現行法の枠組みの中での対応策の一つとして考え得るのではないかと思っています。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

済みません、時間が過ぎておりますので、あとぜひということで御発言いただくということでよろしいでしょうか。よろしくお願いします。

○高芝委員 今の点の議論の実質のところは理解しますけれども、今回の専門調査会が、現行法の解釈がこうあるべきだという議論をする場となることには、私自身としては違和感を覚えます。そういう問題ないし課題があるとしたら、それに対しどう対処するかという方策等を検討するということは分かるのですが、現行法の解釈を議論する場となることには疑問があることを述べておきます。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、もう時間が過ぎておりまして、大変恐縮ですけれども、これでまとめさせていただくということでよろしいでしょうか。先ほどの10分か15分ぐらい話したところについては、まだ意見は収束しておりませんが、意見の交換の中でかなり課題は見えてきているというように思います。

先ほど私からまとめさせていただきたいということで幾つか項目を1つずつ確認させていただいたことについては、一応ここでの共通認識としてまとめさせていただくということにして、具体的にまだ残っている課題がありましたら、また取りまとめの段階で御意見を出していただくということにいたしまして、本日はこの形で終わりたいと思いますが、よろしいでしょうか。

それでは、本日は訪問販売、電話勧誘販売における勧誘のテーマに関する本専門調査会における御意見の一致点を一定程度整理し、本専門調査会の取りまとめとして示すべき具体的内容について御議論をいただいたということであります。このような議論の結果を踏まえまして、今後最終的な取りまとめの検討において、さらにどのような記載として示していくかということを考えていきたいと思います。

次回でありますけれども、アポイントメントセールスにおける来訪要請方法や販売事業者等によるクレジット・金銭借入・預金引き出しを勧める行為等に関する規制、通信販売の虚偽・誇大広告に関する取消権、そういう残った問題について御議論をいただきたいと思います。

最後に、事務局から事務連絡をお願いいたします。


≪3.閉会≫

○丸山参事官 本日も長時間熱心な御議論、どうもありがとうございました。次回ですけれども、12月9日水曜日、14時からの開催を予定しております。

また、次々回ですけれども、12月14日、月曜日の開催を予定しており、こちらも確定次第、御案内をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○後藤座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところ、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。

(以上)