第14回 特定商取引法専門調査会 議事録

日時

2015年11月16日(月)15:55から19:10

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
後藤座長、阿部委員、有山委員、池本委員、沖野委員、佐々木委員、鈴木委員、高芝委員、杤原委員、野坂委員、花井委員、増田委員、山本委員
【オブザーバー】
消費者委員会委員 中原委員、樋口委員
経済産業省 伊藤消費経済企画室長
国民生活センター 鈴木相談情報部部長、浦川相談情報部課長、窪田情報管理部部長、蔵並情報管理部課長
【消費者庁】
井内審議官、桜町取引対策課長、加納消費者制度課長
【事務局】
黒木事務局長、小野審議官、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 訪問販売、電話勧誘販売における勧誘についての検討
  3. 事前参入規制等についての検討
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○丸山参事官 定刻より若干早いですけれども、御出席予定の委員の方、今の時点ではそろいましたので、よろしければ始めさせていただきたいと思います。

本日は皆様、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会 第14回特定商取引法専門調査会」を開催いたします。

なお、本日は所用により村座長代理、河野委員が御欠席。阿部委員、高芝委員が遅れての御出席との御連絡をいただいております。

まず配付資料の確認をさせていただきます。議事次第の下部に配付資料一覧をお示ししております。

資料1といたしまして、国民生活センターからの提出資料ということで、消費生活相談のPIO-NETへの入力と活用に関する資料となっております。

資料2といたしまして、消費者庁からの提出資料で、訪問販売、電話勧誘販売等の勧誘に関する資料となっております。

資料3といたしまして、委員からの御提出資料を配付させていただいております。

あわせて参考資料1、2をつけさせていただいております。

不足の資料はございませんでしょうか。もし不足がございましたら事務局のほうへお申し出をよろしくお願いいたします。

ここからは後藤座長のほうに議事進行をよろしくお願いいたします。


≪2.訪問販売、電話勧誘販売における勧誘についての検討≫

(1)国民生活センターからの説明

○後藤座長 それでは、議事に入らせていただきます。

本日は訪問販売、電話勧誘販売における勧誘について御検討いただきたいと思います。

また、事前参入規制についてもあわせて御議論いただきたいと思います。

本日のテーマに関しましては、まずオブザーバーとして御出席いただいている国民生活センターから資料1により、消費生活相談のPIO-NETへの入力と活用について御説明をいただきたいと思います。

その後、資料2により消費者庁から御説明をいただきたいと思います。

各御説明の後に委員の皆様からの質疑の時間をおとりし、さらに本日のテーマについて意見交換を行っていただく時間をおとりしておりますので、よろしくお願いいたします。

では、まずは国民生活センターから御説明をお願いいたします。

○国民生活センター鈴木相談情報部部長 国民生活センターの鈴木です。よろしくお願いいたします。

本日、資料1の消費生活相談のPIO-NETへの入力と活用について、前半は私が、後半はPIO-NETを収集管理している情報管理部長の窪田から御説明いたします。

では、資料1を1枚おめくりください。2ページになりますが、PIO-NETのデータはどのように登録されているのかについて、大まかに御説明いたします。

全国各地の消費生活センターの相談員が消費者からの相談を受け付けた後、後から詳しく御説明いたしますが、全国統一のルールに従って相談者の主張を用意されているキーワードですとか文書で客観的に要約したものを入力して、管理者の決裁・承認を経て、管理者というのは原則として行政職員などが2段階チェックしておりますが、そうしたチェックを経た上で登録されたデータがPIO-NETのデータとなります。

3ページですが、相談処理の流れということで、相談員が相談を受け付けてどのように聞き取りを行い、どのように処理をしているのか。相談処理の流れについて簡単に御説明します。

国民生活センターでも消費者からの相談窓口を設けていますが、これは国民生活センターの例といたしましたが、各地の消費生活センターでもほぼ同様の流れであると考えています。

国民生活センターには現在31人の相談員がおりますけれども、全員が消費生活専門相談員あるいは消費生活アドバイザーの資格を持っております。その資格を持った相談員が相談対応に当たっています。

まず相談の受付ということで、相談者から電話が入って相談が始まります。相談者の属性、お名前ですとか年齢、連絡先等々を確認いたします。そして相談の内容、ここにあるマル1からマル9の内容、いつ、誰から、どのような電話があったのか。誰が訪問してきたのか。事業者名、料金、契約内容の確認をします。そして一番言いたい、訴えたいことは何か。センターに求めたいのは何かなどを聞き取っていきます。

ここでは順序立てて書いておりますけれども、相談者は理路整然と話してくれる方ばかりではなくて、話があちらに行ったりこちらに行ったりすることも多いので、そうした相談者の話を相談員は根気よく丁寧にメモをとりながら、聞き取りの中でこれらの内容を聞き取っていきます。もちろん相談というのは一件一件違いますし、短く終わる相談もあれば、特に高齢者からの相談などでは非常に時間を要したりすることもあるので一概には言えませんが、ここまでの聞き取りで当センターの場合、平均すると20から30分かかっております。

続いて3ですが、相談者の交渉能力ですとか被害の大きさなどを判断して、相談者の自主交渉が可能であれば相談者が自主的に解決できるように情報や方法を助言、アドバイスしております。この助言で終了することが一番多くて、当センターでは昨年度、2014年度の場合7から8割でした。一番多くなっております。

4ですけれども、一方、自主交渉が困難な場合ですとか、自主交渉がうまくいかなかったので当センターから事業者へ問い合わせをしてほしいと再度希望があった場合には、まず当センターのほうで事業者へ取り次ぎするかどうかを検討します。そして取り次ぎをする、あっせんに入ると判断した場合には、相談者に経緯文の作成を求めます。これは相談者御自身が御自分のトラブルに遭った経緯などを冷静に見つめ直すことにもつながりますので、私どもは経緯文を書いてくださいとお願いしております。また、そのとき同時に契約書ですとかカタログ、パンフレットなどがあれば、そういう契約関連資料の送付を求めます。

続いて、相談者が経緯文にみずからの希望、例えば解約したいですとかを書き加えて関係事業者、契約先はもちろんのこと、支払い手段がクレジットカードであった場合などにはクレジットカード会社さんなどにも送付します。その経緯文が届いたころを見計らって当センターから関係事業者に問い合わせ、相談者の御希望をお伝えします。そして相談者、事業者双方の主張を取り次ぎながら解決を目指していきます。あっせんをしております。

8で事業者さんからの提案がありまして、それを相談者に伝えます。最終的に事業者からの提案を相談者が受け入れるか受け入れないかを判断して、基本的には相談はそこで終了しております。

そして、相談員はこれら一連の相談処理、受付から処理に至るまでを整理して、PIO-NETの各項目について統一ルールに従ってキーワードや相談の概要などを入力。それらが先ほども申し上げましたように職員や管理職の決裁、承認を経てPIO-NETに登録されております。

以上が相談処理の流れです。

4ページをごらんください。苦情・問い合わせ・要望についてかなり御議論があったと思うのですけれども、私どもではこのように考えているということで出しました。苦情というのは言わずもがななのですが、消費者苦情が発生している相談ということですが、一見、問い合わせに見えるものもありますが、何を根拠に苦情としているかについては、まず1つのポツですが、相談者の当初の申し出が問い合わせをしてきたような相談であっても、背景に問題性があれば問い合わせではなく苦情に区分しております。ここには例1、例2と2つ書きましたけれども、ここに挙げた例は相談者の当初の申出内容を要約して、60文字以内にさらにまとめて入力した、私どもでは件名と言っておりますが、件名を記載しております。

例2をごらんください。これは家庭教師の勧誘電話があって自宅に来てもらって詳しい説明を聞いた。この事業者の相談はあるか。一見、問い合わせのように見えますけれども、これも聞き取りの内容によりますと、中学1年の息子さんの家庭教師をちょうど探していたので説明を聞いた。夜7時半から説明を聞いたけれども、11時になっても帰ってくれなかった。また、中学1年の息子さんでしたが、3年分の教材も申し込むという内容だったというものですので、苦情としております。

なお、誤解のないように申し上げておきますけれども、この例2は事業者の相談はあるかというものでしたけれども、相談処理の過程で国民生活センター、消費生活センターも同じだと思いますけれども、事業者の信用性などについてお答えすることは一切ありませんし、件数も相談処理の過程でお答えすることはありませんので、その辺は誤解なさらないようにお願いしたいと思います。

2つ目のポツなのですけれども、本人に明確な不平不満がなく、実害が発生していなくても既に消費者問題が発生している、あるいは発生するであろうと消費生活センターが判断した場合は苦情に区分しております。

例3なのですが、これは最近非常に多いものなのですけれども、自宅に国の消費生活関連機関、これは国民生活センターだったのですが、消費生活関連機関を名乗り、漏えいした私の個人情報を抹消するという電話があった。信用できるかというものでした。これも聞き取りの内容を見ますといろいろ申し出があったのですが、消去の依頼書を送るので記入して返送してほしいというものでした。これは詳細な個人情報を入手するために国の機関を語って電話してきたと考えられるので、苦情にしております。

続いて5ページになりますが、(2)問い合わせです。これは消費者苦情が発生していない相談ということで、例2を見ていただきたいのですが、友人に金を貸したが返してもらえない。どうしたらよいかというもので、これは事業者と消費者ということではなくて私人間で発生した、消費者問題では全くない相談ですので、こういったものは問い合わせにしております。

(3)要望ですが、これは苦情、問い合わせ以外の要望のみの相談ということで、例1として国の消費生活相談窓口は通話無料ダイヤルにすべきだというものも少なからずありますけれども、こういうものは要望ときっちり区分しております。

続いてPIO-NETについて、情報管理部長の窪田から御説明いたします。

○国民生活センター窪田情報管理部部長 情報管理部の窪田です。よろしくお願いいたします。

まず「PIO-NETとは」ということで6ページの資料ですが、国民生活センターと全国の消費生活センターとをオンラインネットワークで結んで、消費生活相談情報を蓄積しているデータベースです。正式名称は全国消費生活情報ネットワークシステムといいます。PIO-NETは愛称で、英語名のPractical Living Information Online Network Systemの頭文字から取ってPIO-NETと呼んでいます。システムの運用は1984年から開始しています。現在、接続している消費生活センター等の数は約1,000カ所で、登録されている相談員の数が約4,000人となります。

7ページ目がPIO-NETの入力項目になりますが、こちらが大体、今90ぐらい入力項目がございまして、それを分類別に分けたものがこちらの資料になります。

まず相談者・契約者の情報。年齢、性別、職業といった属性の情報になります。

次が商品・役務の情報。こちらは消費生活相談情報ですからどんな商品、どんなサービスを購入、契約したかというのが一番大きな問題になりますので商品・役務の名称、ブランド・型式、商品・役務の分類等が項目になってございます。

次が事業者の情報で、事業者は購入契約先の事業者、製造者、信用供与者等。また、最近の相談ではいろいろな事業者が絡む相談もふえていますので、他業者という項目を設けています。あと、相談内容で一番大事になってくるのは契約の情報ですので、契約年月日、契約金額、販売購入形態、信用供与の有無等が項目となっています。

相談の内容については先ほど鈴木部長から紹介があったように、相談者の申し出を60文字以内でまとめたものを件名、また、500文字以内で相談概要としてまとめて入力する項目等が用意されています。

最後に処理の結果としては、1,000文字以内で入力する項目等を設けております。キーワードと商品役務にまず分類するわけですが、その商品役務のキーワードとしては大体今1,000種類ぐらい。相談内容のキーワードとしては大体500弱のキーワードが用意されています。

PIO-NETの登録までの流れが8ページの資料になります。相談員の方が相談を受け付けますと、先ほど御説明があったように相談者の方から内容を聞き取るわけですが、理路整然と相談者の方は説明してくれるわけではないので、通常は先ほど言ったようにメモをとる方がほとんどだと思います。まれに入力システムに直接入力されるという方もいらっしゃいますが、通常は聞き取りをまず大事にやってから、聞き取ったメモの内容をもとにPIO-NETに用意された各項目に入力されて、入力システム上で完結というボタンがございますので、この完結ボタンを押しますと決裁者のほうに通知が行くような形になっています。決裁者がデータをチェックして決裁を行って、最終的に都道府県、政令指定都市の中核となるセンターをメインセンターとしていますが、メインセンターにシステム上の通知が行って、データをチェックして承認というボタンを押しますと、翌日から全国で情報が見えるようになるという形になっています。

9ページ、PIO-NET入力ルールの周知・徹底ということで、全国統一の入力ルールを周知徹底していくというところで、まずマニュアルとして消費生活相談カードの記載要領とPIO-NET分類キーワードマニュアル、厚いマニュアルなのですけれども、このマニュアルを全国の消費生活センター等の相談員に1人1冊ずつ配付していただいて、こちらを見ながらデータ登録をしていただいています。また、毎年研修も実施しております。今年度は6回実施する予定です。また、毎月新たな問題とか新たな商品、サービスが出てきますので、それに関して入力ルールを策定して、国民生活センターから入力ルールの周知を目的とした情報としてPIO-NET通信というものを毎月発行して、全国の消費生活センターで閲覧できるような形になっています。また、国民生活センターの情報管理部では、この入力ルールに関する問い合わせの窓口も常設していまして、全国の消費生活センター等からの問い合わせに対応しているというところになっています。

最後10ページがPIO-NET情報の活用の図です。これはホームページにも載っている図なのですが、相談者の方が消費生活センターに相談に行きましたら、相談の処理が終わりますと今みたいな手順でまずデータを登録されます。そのデータはまず消費生活センターでは相談処理の参考として類似の相談情報、類似の事業者の相談情報を検索して相談処理の参考にすることに活用しています。また、蓄積された相談情報を国民生活センターで調査分析して注意喚起の公表資料を作成して、記者発表で報告したり、ホームページに載せたりしております。そういったことで情報提供をして、消費者被害の未然防止、拡大防止につなげています。また、それ以外にも国会、中央省庁等からの資料請求が日々ございますので、それにも毎日お答えしていますし、また、法律に基づく照会が警察や適格消費者団体、裁判所、弁護士会からも来ますので、そちらにも毎日回答しています。

また、報道機関からも日々取材がございますので、報道機関からの取材にも日々回答しているということになります。あと、国民生活センターが公表した注意喚起の資料、ほとんど取引関係の公表資料はいわゆる手口公表、まずいち早く手口公表をして消費者被害の未然防止、拡大防止につなげるというのが一番大事ですので、公表するわけですが、その中でも重要なものに関しては関連する中央省庁、関係団体にも情報提供要望を行っているところです。

最後は参考資料として、11ページに国民生活センターが2009年度から2014年度まで国会や中央省庁からの情報提供依頼や法令照会等へ回答した数を表にしたものが添付してあります。2014年度は国会・中央省庁からは2,506件、また、法令照会では710件の回答をしている状況になっております。

国民生活センターからは以上です。

(2)消費者庁からの説明

○後藤座長 どうもありがとうございました。

引き続いて、消費者庁からの御説明を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

○消費者庁桜町取引対策課長 消費者庁でございます。

お手元の資料2に基づきまして御説明を申し上げたいと思います。

これは中間整理の中で立法事実というものがさまざまな面で足りないのではないかという御指摘を多々いただいている状況の中で、追加的な分析をさせていただいて、今回お示しをさせていただこうということでございまして、1ページめくっていただきますと分析に用いた調査ツールというものがございます。PIO-NETの中身がもう少し分析できないかという御指摘を随分いただいてございましたので、PIO-NETの詳細な分析をいたしました。これは後で御説明申し上げたいと思います。

それから、事業者の方の自主規制が効果を上げているのかというところも御指摘いただいておりましたので、事業者の方に対するアンケートを行わせていただきまして、その結果をまとめさせていただいてございます。

2ページ以降がもう少し具体的な各論的なもので、さまざまいただいている宿題につきましてデータを整理してお示しをさせていただいていることでございます。

2ページにございましたのは、今、国民生活センターさんから御説明いただきましたけれども、さまざまな相談のうち、その内訳がどうなっているのかという御指摘がございました。3ページをあけていただきますと、その概要をお示しさせていただいてございます。これは全国47都道府県のうち32の都道府県において苦情と問い合わせと要望。この3種類を区分けして集計しているところがございます。中には問い合わせ・要望が一緒になっているところがございますけれども、こういう集計をして、かつ、それを公表しているのが今、ごらんいただいているところでございまして、どの都道府県もこれをごらんいただきますと、余り大きな違いはございませんで、平均をいたしますれば苦情に区分けされる相談が91.1%と、どの県も大体多少でこぼこがございますけれども、最も高いところで長崎県の96.1%、最も低いところで83%の山口県。若干でこぼこはございますが、およそ9割前後が苦情に区分けをされている。このような傾向が見られるのではないかと思っております。

4ページ目以降が、PIO-NETの苦情相談データの中で強引な勧誘というものの件数を第4回目の専門調査会でお示しをさせていただいておりましたけれども、その基準や定義が曖昧で主観的なのではないかという御指摘をいただいてございました。再勧誘禁止、20年改正で訪問販売に導入されましたけれども、これが実現されているのかどうか。あるいは現行の枠組みで対処できるものであれば執行強化でできるのではないか。そうでないものがどのぐらいあるのか。このような御指摘をいただいてございました。

5ページ、6ページのところが訪問販売に関する、今の御指摘に対応するためのPIO-NETの分析をさせていただいた結果でございます。

まず5ページでございますけれども、26年4月、1カ月間に寄せられた苦情のうち、販売方法にかかわる相談で強引というキーワードを付与された事例が1カ月間で1,499件あったわけでございますけれども、この全件を目検させていただいて整理させていただきました。この1,499件のうち、特商法の適用対象か適用対象でないのか、その辺の区分けもしっかりするようにという御指摘も随分いただいておりましたので、特商法の適用対象と考えられる苦情に絞って910件。さらにその中で勧誘に関する記載があったもの792件というように絞った形で、今回の御議論に可能な限りミートする形で分析を進めていきたいということでやらせていただいてございます。

この792件の結果がこの下の1本の棒グラフで示されているところでございまして、強引というキーワードが付されてございますので、消費者の意思に反して勧誘を受けていると考えられるケースが全体として割合高くなってございます。アからオがこの消費者の意思に反して勧誘を受けていたと考えられるケースでございまして、キが意思に反していなかったのではないかと考えられるもの。カがどちらかわからないもの。この3つに区分させていただいた上で、さらに意思に反して勧誘を受けていたと考えられるケースについてもう少し詳細に分類分けをいたしております。

この中で一番左の水色のアというものが、消費者がはっきり断っているにもかかわらず、勧誘を引き続き受けているといったような再勧誘の規制にひっかかる可能性があるのではないかと思われるものがアで、これが127件あったわけでございます。イが消費者は曖昧に拒絶をしたところ、その後、継続的に勧誘を受けたというものでございます。ウが断る意思表示をすることすらできなかったケースということでございます。エはアとイいずれ断っていることは間違いないのですが、はっきり断っているのかそうでないのか判読がなかなか難しいというのがエでございます。オに入ってございますのが、意思に反して勧誘を受けているところは読み取れるのですけれども、アからエのいずれに入るのかが判読は不能。こういったようなア、イ、ウ、エ、オの5つに分類をさせていただいております。このうちアのところは再勧誘規制に該当すると思われるところでございますので、現行の執行をしっかりやるということなど、対応をしていくことが第一義的には考えられるところかなと思っています。

イとウのところが再勧誘に該当いたしませんので、今の枠組みではなかなか対応が難しいのではないかと考えられるものでございます。

エとオは分類上、はっきりしないところでございますので、ここはなかなか微妙なところでございますけれども、このうち全部ではないとしても、一部はイやウに入るものも、もちろんアに入るものもあるのでしょうけれども、イやウに入るものも可能性としてはあるのではないかと考えられるものでございます。

こういった分類分けをお示しさせていただいた上で、その下にございますのが契約に至っているか至っていないかということもあわせてお示しをさせていただいております。多くのものが契約まで至っているものが多いということが言えるのではないかと思っております。

高齢者の被害が多いのではないかという御指摘もいただいてございましたので、右側の棒グラフでございますけれども、それぞれの類型別に高齢者の割合をお示しさせていただいております。どの類型も大体5割前後、これは70歳代以上を高齢者とさせていただいておりますけれども、どの類型も5割前後が高齢者となってございまして、特にカのところ、勧誘に対する意思が不明のところが62%と多目の割合が出ているという状況になってございます。

ということでございまして、26年4月の1,499件全体の中で現行の今の枠組みの中で対応が難しいのではないかというのがイとウを足した102件プラス、エとオの一部、312件ございますけれども、この一部が入ってくる可能性があるのではないかと考えられるわけでございます。

そして、これを経年別に見たのが6ページのところでございます。全く同じ作業を20年度から26年度までさせていただいて、お示しをさせていただいてございます。これも全ての年度にわたって4月1カ月間、全件を同じやり方でやってございます。20年改正が21年12月1日施行でございますので、20年改正の直前からその後にかけてどのような変化になっているのかというのがごらんいただけるのではないかと思いますが、全体の傾向で言いますと、アからキに分類させていただいておりますが、余り大きな変化が見られないという感じではないかと思います。

中でも一番左のアのところ、再勧誘の規制が効いているのかという御指摘をいただいてございましたけれども、再勧誘のところの苦情の件数につきましては、20年の改正の前後をまたいで減っているとはなかなか言いにくい。むしろ微増と言ってもいいぐらいかなというように見られると思っております。

以上が訪問販売のところの分析の結果でございます。

電話勧誘販売のところが7ページ、8ページにお示しをさせていただいておりますけれども、全体的な傾向は余り変わっておりません。26年4月中の件数が7ページにございますように1,470件ございまして、そのうち分析の対象になったのが450件でございますので、先ほどの訪問販売792件に比べますと、もう少し少ないのかなという感じは若干ございます。

それから、先ほど今の枠組みでなかなか対応が難しい可能性が高いものとして、イとウというものをお示しさせていただいておりましたけれども、それが68件ということでございますので、これも若干少ないかなという感じがいたしますが、真ん中の棒グラフの構成全体をごらんいただきますと、余り訪問販売とそう大きな変化はないのではないか。それから、8ページの経年別のグラフの推移につきましても、そんなに大きな変化が訪問販売と比べますと違いはないのではないか。高齢者の割合も同様かと思っております。

以上が訪問販売と電話勧誘販売のPIO-NETの分析の結果でございます。

9ページ目以降が執行の部分でございまして、執行がしっかりできているのか、有効に処分を打てているのかという御指摘をいただいてございました。

10ページが訪問販売、11ページが電話勧誘販売の執行の経年的な結果の数字を整理させていただいているものでございますけれども、赤で色塗りをさせていただいているところが再勧誘の規制にかかわる処分のところでございます。さまざま数字が並んでございますけれども、例えば訪問販売、一番直近の2014年度をごらんいただきますと、処分事業者数、これは会社の数でございますけれども、氏名等の明示義務違反というものが44社ということで、飛び抜けて多いということが言えると思います。再勧誘禁止の違反の処分事業者数は22社でございますけれども、大体取り締まりをやっております感覚として申し上げると、不実告知と迷惑勧誘といったあたりがかなり悪質な事例がこういうところにひっかかってくるという感じを持っておりますけれども、この辺がそれぞれ26社、24社という感じでございますので、再勧誘禁止も大体同じぐらいの事業者数。悪質な行為を行っている事業者に対しては、再勧誘禁止の処分も大体ほぼされているぐらいの感じではないかと捉えていただいていいのではないかと思います。

この再勧誘禁止の規制が入ってから、当初はまだ事業者数も少なかったですけれども、徐々にふえてきているというという状況でもございます。

電話勧誘販売、11ページでございますけれども、訪問販売よりも数が少ないものですから、若干ばらつきはあろうかと思いますが、全体的な傾向はこれも訪問販売と余り変わりはないのではないかと思います。氏名等の明示義務違反の数値は、訪問販売よりはほかの違反類型と余り変わらないぐらいのレベルになっているということが1つ特徴としては言えると思いますが、全体的な2010年度から2014年度にかけての傾向といたしましては、ほぼ同じような傾向を示していると言っていいのではないかと思っております。

12ページ目以降が相談の結果がどのように処理されて、あるいは解決されているのかという宿題でございまして、13ページが訪問販売、14ページが電話勧誘販売でございます。ブルーのところが助言をセンターのほうでしていただいて、あとは消費者と事業者の方の自主的な交渉に委ねているものでございまして、訪問販売で63.1%、電話勧誘販売ですと69.9%がこのブルーのところになっている。それから、あっせんをセンターがされたケースが訪問販売で17.6%、電話勧誘販売で12.5%ということでございますけれども、あっせんまで至れば解決率は非常に高くなっておりまして、訪問販売ですと93%があっせんで解決をされている。電話勧誘販売ですと97%があっせんで解決をされているという状況でございます。

他方で自主交渉に委ねたものにつきましては、ブルーの一番下のところに無回答(未入力)という欄がございますけれども、ここに多くの数字がございますが、このように結果は消費者と連絡が取れなかったりということも恐らくあるのだと思いますけれども、不明なものが結構多いという状況でございます。

執行との関係だけ申し上げますと、執行はあっせんなり自主交渉なりで解決するかどうかと関係ありませんので、違反行為があれば執行する。それは将来に対する再発防止、予防であったりもいたしますので、違反行為があれば執行するということでございますから、ここに書いてございます。全体が執行の1つの端緒になっていくと御理解いただいたらいいのではないかと思っております。

最後に自主規制の効果が15ページ目以降にございます。先ほど申し上げました事業者アンケートの結果を踏まえたものでございますが、この事業者アンケートの中には消費者庁が行わせていただきましたけれども、御回答いただけていないところもそれなりにございましたけれども、御回答いだけた中でどういう取り組みをしていただいているのかというものが16ページと17ページにわたってお示しをさせていただいております。

16ページの左側が再勧誘規制の周知あるいは何らかの実践に向けた取り組み。右側が特商法全般の周知あるいは遵守に向けた取り組みということでございまして、どちらも傾向は余り変わらない気がいたしますけれども、多く取り組まれているのはマニュアルを作ったり、あるいはマニュアルに基づいてだと思いますが、自社で研修を行う。それから、遵守状況につきまして現場の販売員の方から申告をしていただいてフォローアップをする。中には外部の研修への参加の義務づけといったことを多くの企業がおやりになっている。このような状況が見てとれるわけでございます。

もう少し具体的な取り組みにつきましては、17ページに自由記載として記載をしていただきました。訪問拒絶の報告があった場合には、まず記録をする。それから、端末でみんなで共有をして、中には地図に丸印をつけて、ここは行かないようにしようねということでみんなで共有をしやすくする。そういったような工夫をしている企業もあったということでございます。このような形で自主規制が実際に行われているという状況が、このアンケートに基づいて明らかになってきているという状況でございます。

以上が立法事実絡みの分析データの提供でございます。

以上でございます。

(3)質疑応答及び意見交換

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、ここから先はただいまの国民生活センター及び消費者庁からの御説明内容を踏まえまして、質疑応答及び意見交換に入りたいと思います。

本日のテーマである訪問販売、電話勧誘販売における勧誘について御議論を行っていただきたいと思います。それでは、御意見、御質問のある委員の方は御発言をお願いいたします。

○佐々木委員 PIO-NETの数字なのですけれども、これは今、消費者庁さんの御説明に最後のほうでございましたけれども、13ページ、14ページで実際に苦情として登録したもののうちの、訪販の場合は63%、通販の場合は約70%は自主的な解決で終わっている。無回答がありますから最終的にはわかりませんけれども、ただ、これは私、通販事業者としてやっていると、当然なのですけれども、消費者の方の一方的な思い込みとか勘違い、例えば私どもで販売しているCDとかDVDは基本的にデジタルデバイスの場合は返品はお断りとなっているわけですけれども、返品をしたいとお申し出があったりというケースがあるわけです。ですから苦情として登録されて結果として助言で終わっているというのは、実際苦情は苦情として来ているけれども、その苦情が本当は思い違いとかで終わっているケースというのはかなりあるのではないかと思うのです。

そういう意味ではここに出てくる少なくとも苦情として6割、7割のものがそのまま乗って、苦情の全体の数として出てきているということは非常に違和感を私は覚えるのです。それが本当に苦情なのか、消費者の一方的な思い込みの部分も当然あると思うのです。その辺は非常に違和感を私は覚えました。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

ただいまの佐々木委員の御意見に関しては、どなたにコメントをいただいたらよろしいでしょうか。国民生活センター、よろしくお願いします。

○国民生活センター鈴木相談情報部部長 では、相談の現場から見てみますと、本当に消費者からのお申し出なので勘違いであることもあるかもしれないですけれども、詳細なことまではわからないとしか言いようがないです。しかし、消費者からの申し出に基づいて私どもは助言をしています。消費者からの申し出が何々であれば、こうではありませんかということも言っていますし、明らかに勘違いであるようなものでしたら、私どももその旨は申し上げています。

○後藤座長 ありがとうございました。

増田委員、よろしくお願いします。

○増田委員 これは通信販売ではなくて電話勧誘販売でございますので、処理としては大分違うのだろうと思います。電話勧誘販売ですので消費者のほうからアプローチしているわけではなく、事業者さんからのアプローチになりますので、それに関する処理結果ということですから、通信販売とは内容が違うと思います。まずそれが1つです。

それと消費者の方の申出内容をそのまま記録するというのが原則になりますので、確かに後になって違うというところもあるかと思います。ただ、強引などのキーワードがついたものの中から精査して、行政処分あるいはあっせんをすることになるので、苦情があったからすぐさま何か行政が動くとか、消費生活センターが動くとか、そういうことでは全くないのです。ですから全部に対する苦情の結果がどうだったということではなくて、むしろ強引というキーワードがついていたものに対して内容の精査をしていただいたところのほうが重要なのだろうと思います。極端に苦情の件数が多ければ、何かしらそれは当然あるわけなのですけれども、苦情があったイコールそれですぐさま何かあるということではないということで御理解いただいたらいいかと思います。

○後藤座長 佐々木委員、お願いします。

○佐々木委員 ただ、今、立法事実についての確認をしようということであるわけですから、そういう意味では苦情というのは数としてこれだけ出てきているというのが1つの根拠にしようとされているわけなので、それが全てが苦情がある意味、消費者の方の申し入れだけで判断されているということではないでしょうか。少なくとも例えば先ほどの例でPIO-NETさんの4ページの2番目にあった例ですけれども、例3、自宅に国の消費生活関連機関を名乗り、漏えいした私の個人情報を抹消するという電話があった。信用できるか。これは例えば電話勧誘に分類されてしまうのが私はすごい不思議に思ったのです。この内容が電話勧誘に分類されてしまうのであれば非常に見当違いではないかと思うのです。この例そのものがです。

○増田委員 例3ですか。電話による勧誘ですよね。

○後藤座長 今、国センの資料についての御質問ですので、国センにお答えいただいて、そして委員の方から補うことがあれば、その後、コメントをいただけたらと思います。

○国民生活センター鈴木相談情報部部長 これは問い合わせですけれども、何で最初にあったかというのは電話勧誘になります。

○佐々木委員 事業者にとっては、それが電話勧誘の苦情として乗ってきて、それが立法根拠になるというのであれば見当外れな。

○国民生活センター鈴木相談情報部部長 これは問い合わせですので。ただ、背景に消費者問題がこれから発生するであろうと考えられるので、私どもは苦情にしています。

○佐々木委員 ただ、その分類方法は適切だと思われますか。

○国民生活センター窪田情報管理部部長 我々がつくったルールでは電話勧誘販売であるというルールにしていますので、適切だと考えていますが、法の規制対象に該当するかどうかということですか。

○後藤座長 国センの回答は以上でよろしいですか。

○国民生活センター窪田情報管理部部長 適切だと考えています。

○後藤座長 では補うことがあれば委員の方からどなたかありますか。特に相談業務を行っている委員の方に補っていただいたほうがありがたいと思います。

○有山委員 まず、国の消費生活関連機関というので、多分国民生活センターという名前が消費者から出てきているのだと思うのです。それから、漏えいした私の個人情報の抹消ということで、その場で抹消するという役務を電話で契約するという形になるので、一般的に電話勧誘販売、電話勧誘のそのときに契約が成立する。そして、その契約が成立した後、書面が届いてから8日間はクーリング・オフができるという販売形態なのです。これは電話勧誘販売の定義に当てはまるので、電話勧誘販売というようにとられるのだと思います。

国民生活センターが実際に勧誘リストからの削除サービスをしているか、していないかと聞いてくるのです。国民生活センター、消費生活センターで個人情報の抹消の役務を販売しているとは考えませんので、事実ではないだろうと思うのです。なかには、抹消する料金として幾らという話に発展していく場合があります。事実、たくさんの相談の中で、サービスを販売することで幾ら幾ら請求しますみたいな形になっていくものがあります。ですからこれは苦情だ。要するに消費者の方は国民生活センターという国の機関が、私の個人情報を守るために何らかの代金を受け取って削除サービスをしてくれるのだったら信用できる機関なので依頼したいというような思いがあります。そこで消費生活センターに信用できますか、国でそういうことをしているのですかというお問い合わせがあるのです。けれども、そういう事実を見て身分詐称とかいろいろなキーワードを入れて電話勧誘販売という形で苦情としてとるのが相談員の一般的なやり方です。

○後藤座長 増田委員、よろしくお願いします。

○増田委員 どういう方法で消費者にアプローチしてくるかということは非常に重要なことで、緊急被害情報を出すということにおいても非常に有効な情報なのです。ですから電話でこのようなアプローチがあるから、皆さん気をつけてくださいということをいち早く情報提供するに当たっても、電話なのか訪問なのかというところで区分けをするということはあります。

まず第一に法律の適用ということがございますが、その要件に合うか合わないかというところで切り分けをしておりますので、これは電話勧誘販売になります。

佐々木委員が御心配されている通信販売の事業者さんが、その事業の流れの中で電話をかけて情報提供あるいはアプローチされるケースということもあるかと思うのですけれども、これはデータとしては今、出せませんけれども、私の感覚から言えばそれに伴う御相談というのは全くなくはありませんけれども、非常に少ないものだと思います。いわゆる電話勧誘販売というのは今まで関係のない事業者さんが連絡をしてきて勧誘をするというケースがほとんどのことですので、そういう意味では御心配なさるようなことにはなっていません。苦情の件数がすごく多いというのは、中身はともかくとして、それは1つの事実として重く受けとめて、重要な事実だと思います。ある程度それは立法すべき、改正すべき根拠となると私たち相談員として思っております。

○後藤座長 ありがとうございました。

国民生活センター、よろしくお願いします。

○国民生活センター鈴木相談情報部部長 この相談の補足なのですけれども、当方での聞き取りの内容では相談者に業者が第一報で何を言ったかというと、当方は国の機関で被害救済に当たっている。4社の販売業者からあなたの名前が漏れている。無料で消してあげると言ったので、代金は取らない。安心して任せてほしいというので、そのときお願いしますと言って電話を切った。それでまた再度電話があって、4社のうち1社はどうしても消せなかった。消去の依頼書を送るので記入して返送してほしいというものでしたので、これは電話勧誘で苦情に区分しております。

○後藤座長 ほかに御発言ありますか。

○国民生活センター窪田情報管理部部長 販売購入形態という分類の中で電話勧誘販売というものがあるのですけれども、基本的に特商法の対象かどうかにかかわらず、販売の形態で分類しているので今のような場合には販売購入形態で分類させていただいております。あとはデータを利用する目的に応じて使うデータの商品を絞ったりして、情報を活用していくことになります。

○後藤座長 佐々木委員は何かございますか。

○佐々木委員 今おっしゃっていた通販と電話勧誘販売は別だとおっしゃっていたのですけれども、実際には通販事業者が購入者に対して定期的な電話での販売というものをやっておりますので、そういう意味では一度法律が決まれば当然ですけれども、それも許されないということになるわけです。そういう意味では、例えばこれが今おっしゃっていた内容が電話勧誘販売というように見なされるのであれば、それは実際には事業者のやる立法事実の1つとしてカウントされていくということは、非常に納得がいかないと思います。

○後藤座長 どうもありがとうございます。

消費者庁からよろしくお願いします。

○消費者庁桜町取引対策課長 1つだけコメントを申し上げたいと思いますけれども、消費者庁の提出させていただいた資料の5ページ以降にPIO-NETの分析をさせていただいておりますけれども、今、お話のありました国センさんの御提示された事例のようなものにつきましては、これは対象が事業者かどうかもよくわかりませんし、また、有償かどうかもはっきりしないものですから、そういうものは我々の分析は目検で一件一件見ていますけれども、全部特商法の対象と考えられるものではないのではないかということで除外をしております。

○後藤座長 佐々木委員はただいまの御説明でよろしいでしょうか。今の消費者庁の課長の御説明で、御懸念の部分は解消されたということでよろしいですか。

○佐々木委員 客観的というのは4月、1カ月をとったということなのですけれども、これが多いと見なすか少ないと見なすかというのは非常に電話勧誘全体の数がわからない状態では、非常に多いのか少ないのか微妙だということが1つあると思います。分類された事実としてはあるかもしれませんけれども、それを多いと見なすのか少ないと見なすのかという考え方も1つあるのではないでしょうか。

○後藤座長 ありがとうございました。

先ほどから野坂委員が手を挙げていらっしゃいましたが、よろしいですか。

では鈴木委員、よろしくお願いします。

○鈴木委員 PIO-NETの苦情と問い合わせの件です。大変御苦労をされていて、我々事業者側から見ても御迷惑をおかけしているなという感は大変いたします。その中で4ページ、5ページともそうなのですが、消費者センターが、苦情か問い合わせなのかを分類する上で、判断を要する部分って相当量あるのではないですか。ここでの事例は、これは苦情だねとわかることかもしれないのですけれども、相談と苦情との境目みたいなところ、例えば問題が発生している、あるいは発生するであろうと消費者センターが判断した場合は苦情にする、とされていること、あるいは背景に問題があれば問い合わせではなくて苦情にする、とされていること。ここの判断の基準について何か根本的なマニュアルだとか判断要素とか、核としたものがおありなのでしょうか。非常にわかりやすい事例というのが我々素人でも苦情だなとわかるのですけれども、曖昧なところがあるものも多く存在すると思われますが、それが苦情に入っていたり、問い合わせに入ったりのすみ分けが、4000人に及ぶ相談員がいらっしゃいますので、統一感を持って判定出来うる手段とかあるのでしょうか。

○国民生活センター鈴木相談情報部部長 PIO-NETルールについては窪田のほうから申し上げますけれども、先ほど申し上げましたように9ページに書いてありますように、消費生活相談カード記載要領というものが用意されておりまして、これが全国統一の入力ルールになっております。分厚いマニュアル本なのですけれども、これに従って分類をしておりますし、申し上げましたように相談員と職員と管理職とチェック機能がありますので、そこでチェックをしていって、明らかに問い合わせであるようなものが苦情になっていれば、これは問い合わせでしょうということでそれははじかれるはずです。

○後藤座長 窪田部長、何か補うことがありましたら。

○国民生活センター窪田情報管理部部長 例えば相談員の判断に委ねるキーワードとしては、先ほどの前提としてはキーワードマニュアルという全国的な統一ルールがあるということで、それに従って入力をお願いしています。中には相談員の判断に委ねるキーワード、強引や過量販売といったキーワードがあるのですけれども、客観的な判断基準を設けにくいものは相談者の申し出や消費生活相談の専門家である相談員の判断に任せざるを得ないものもあります。そうした項目については相談員の判断で入力しても、先ほど言ったように決裁の際に複数のチェックを受けて、全国の消費生活センターで閲覧できるような状態になっています。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

増田委員、よろしくお願いします。

○増田委員 基本的に消費生活センターに寄せられる件数というのは数%と言われています。消費者の方が不満や苦情だと思っても、事業者の方に御相談したり近所の人に御相談したりして解決しているケースというものも多いと思いますし、諦めている方もいらっしゃる。ある意味、消費生活センターに御相談される方については、非常にハードルが高いところを乗り越えてやっと相談をしてきている状況ですので、相談員としての感覚から言えば、苦情の相談が圧倒的に多いのは、それは事実で当然だろうと思います。長く不満に思っていたり、どうしようと大変落ち込んでいたり、そういう状況での御相談がほとんどですので、ちょっとした問い合わせで消費生活センターを利用される方が現状多いとは到底考えにくいのです。

それと同時に相談員としては聞き取りを十分にしていまして、PIO-NETの入力の聞き取りのところからの流れというのが3ページ目にありましたけれども、この1ページだけの内容で私は2時間講座をすることが何十回もありました。そういう研修を全国で重ねていて国センもやっている。私どもの協会においても年間何十件という研修会を開いてレベルアップを図っているという状況にありますので、そういう意味で言うと御懸念というのは確かに外から見たときにはおありかと思いますが、そういう懸念がないように日夜努力しているというのが現状ですので、そこら辺は御理解いただければと思います。

○後藤座長 鈴木委員、よろしいでしょうか。

野坂委員、お話ください。

○野坂委員 国センが今ターゲットになっています。今日4人も出席されている。しっかり説明していただかないと私たちは大変残念です。我々なぜ今日議論しているかというのは、出発点は当然のことながら8月末の中間整理にあるわけです。中間整理の今後の検討ではどのように書いてあったかごらんになればわかるように、「勧誘に関する行為規制の強化の要否も含めて共通認識が形成されるに至っていない。消費者トラブルの実態について精緻な分析及びこれまでの法規制の効果の検証を行った上で、立法による対応の必要性についての認識が共有されればから」となっている。それゆえ精緻な分析をしなければいけないということで今日宿題返しがあって、国センのデータ、また、先ほどの消費者庁の御説明、これを我々議論するという段取りですから、我々の質問にあたふた答えられないような国センであっては、何のための議論だかわからないわけでしっかりしていただきたい。

今回宿題返しとしていろいろと資料がそろえられたこと、これについては大変感謝しております。後ろで河上委員長が聞いていらっしゃいますし、いわゆる河上談話は真摯な態度で丁寧に議論をしろということでありますので、その精神にのっとって今日提示された資料を見なければいけないと思う。まず最初に話題になったところから私も発言したいと思います。

国センの資料の4ページ、ここの苦情の分類の例1、例2とありますけれども、「どうすればよいか」とか、「事業者の相談はあるか」ということで、これがなぜ苦情なのかという先ほどの佐々木委員の質問に明確に答えていないです。例1、例2、例えば具体的にどんな被害があったのですか。被害があったのかないのか。それが大変重要だと思うのですが、説明していただきたい。

また、例3もいわば詐欺とか詐欺的なものであって、果たしてこの特商法の中の分類にうまく当てはまるのかよくわかりませんけれども、いずれにしても先ほど鈴木委員が言ったように、我々だってこれは明らかに苦情だろうというのはわかります。ところが、ボーダーラインは本当に苦情なのかどうかという非常に境界線のところをどのように相談員が判断されているのか。そこに非常に疑問点があるわけで、その疑問に答えられるような説得力のある説明がないと、我々の最大の目的である共通認識にたどり着きません。しっかり説明していただかないと。

マニュアルの説明も先ほどありました。9ページ、いろいろなキーワードのマニュアルであるということですけれども、これはどういうマニュアルなのですか。境界線上の場合についてはこのように判断しなさいという統一的な全国の基準はあるのですかないのですか。これも教えていただかなければいけないし、今、事業者がPIO-NETを理由に健全な事業者も含めて非常に過剰な厳しい規制を導入されるかどうかの瀬戸際に立っている。PIO-NETを根拠にされようと今、考えていらっしゃる以上、PIO-NETの詳細な分析が我々に提示されないで我々は判断できません。マニュアルはどういうマニュアルなのですか。これは公開してください。少なくとも我々専門調査会委員に対して。我々はこういう重要な課題を課されているのですから、それを検討する上でマニュアルでどのように指導されているのか知りたいと思うのです。ぜひ提示してほしい。

また、マニュアルは第9版とありますけれども、悪質商法は次から次へといろいろなことを考えてくる。イタチごっこになる。マニュアルが機敏に、迅速に改訂されないと相談員も当然うまく対応できないと思うのですが、このマニュアルは機動的に変えているのですか。どうなっているのですか。その辺もよくこれではわかりません。

先ほど話題になった消費者庁の資料にあったところですけれども、消費者庁の13ページの自主交渉6割。何でこんなに自主交渉に委ねてしまうのですか。なぜあっせんをできないのですか。どういう理由であっせんが2割を切ってしまっているのか。あるいは通信、電話のほうも12%。どうしてこんなにあっせんが少なくてあなた任せというか消費者任せになってしまうのか。その理由を説明してほしい。

そして、自主交渉の解決内容の多くは不明。これもやりっ放し、あとは知りませんということで国センなり消費者センターは把握していないわけでしょう。何で把握できないのですか。どうしてこのようになるのか。

また、あっせんした場合はあっせんの解決が93%と非常に高い。あっせんすれば解決することをこの数字は示唆しているようなのだけれども、なぜあっせんを増やせないのか。国センあるいはセンターには巨額の予算、そして人材が投入されています。大変私も役割に期待していますし、国民の多くが期待している。にもかかわらず、あっせんしないであなた任せ、どうなったかわからない。そして、マニュアルの実態もわからない。今、深く言いませんけれども、強引のタグがどういう基準でついているかわからないまま強引のデータが出ていますけれども、こういったことでは多くの国民、多くの事業者が納得感を持って我々が共通認識を得られないのです。

ぜひ来年、今年は終わったようでありますけれども、行政事業レビュー、ぜひ国センを改めて取り上げて、なぜあっせんがこんなにふえないのか。どうなっているのか厳しくチェックする必要がある。これはぜひ事務局に政府内の調整をしていただきたいと思います。要するにあっせんができるならば解決するということであれば、解決率が高いということであれば、ここが一番重要なポイントではないのですか。あっせんをふやし、トラブルを防ぐ、あるいは未然防止する、消費者被害の拡大を防ぐためにいろいろな警察だとか行政機関が協力する。国センがヘッドクオーターになって司令塔になってやる。そういったことが今まさに一番重要だと思うのですが、いろいろ質問がありますけれども、質問は一杯、疑問点は一杯ですけれども、今日は4人も来ているのだからちゃんとわかりやすい説明をお願いします。

○後藤座長 ありがとうございました。

質問がたくさんありますけれども、質問なさった順序で答えていただくということでよろしいですか。

○野坂委員 今日は国センに質問だから、ほかの委員の相談の経験は評価していますけれども、それぞれの相談員ではなくてマクロで、日本全体でどうなのかということを聞いているので、ぜひ国センに回答をお願いします。

○後藤座長 国センへの御質問なのですけれども、それぞれのところで相談員の御経験というのは貴重なことだと思いますので、私としては必要に応じて委員の方にもお答えいただくという姿勢で臨みたいのですが、よろしいですか。

○野坂委員 基本的には国センです。

○杤原委員 補足の説明をしていただくのは私は構わないと思いますけれども、その場合、客観的な発言をお願いしたいと思います。相談員の方ですから、先ほどの御発言を聞いていますと「中身はともかく」ですとか、「相談員としての感覚」という御発言がありますけれども、もし補足していただくのであれば、なぜこういう相談があって、どういう処理をしているのかという客観的な事実の補足をお願いしたいと思います。

○後藤座長 客観的という意味が。

○増田委員 どの部分をおっしゃっているのか私はわからないので。

○後藤座長 そうですね。増田委員から客観的とは何なのかという御質問が出ていますので。

○杤原委員 「中身はともかく」とか「相談員としての感覚ですが」とかの御発言があったので、それは相談員の主観に基づく御発言ではないでしょうかということを申し上げているわけです。

○増田委員 野坂委員の御質問の途中で申しわけございません。データに今、出していないことについてそのようにお伝えしたということであって、先ほどの内容について主観的ということではないです。今回このデータとして、数字として出していないということでお伝えしています。

○杤原委員 先ほど佐々木委員が、苦情、問い合わせがどういう位置づけであるかという御質問をされました。そこで例3を引用されていますけれども、この中には2つの意味があると思います。

○後藤座長 済みません、御質問の途中で申しわけないのですが、国センに対する御質問ということでよろしいのですか。まず野坂委員の御質問に答えていただいてから、別の問題でしたらまた別に取り上げさせていただきたいのですが。

○杤原委員 客観的とはどういうことですかと私に聞かれたので、それを説明しようと思っていただけです。

○後藤座長 済みません、あと一言そこだけお願いします。相談業務を行っている委員の方にどのように答えていただくかの御要望ですので、それにつき一言述べていただくという形で司会進行したいと思いますので、御発言ください。

○杤原委員 先ほど佐々木委員が御指摘いただいたことについては例3を引用されていますけれども、2つのことがここに書いてあると思っております。客観的に見れば1つは苦情ではなく、「国民生活センターへの質問」であると思います。消費生活関連機関を名乗り、漏えいした私の個人情報を抹消するという電話があったけれども、信用できますかということで、消費生活関連機関を名乗っていることについて真偽を尋ねる質問だと思います。

2つ目は、仮に個人情報の抹消に対して対価を求めているのであれば、そもそも個人情報の売買は違法でありますので、中身については詐欺ではないかということです。この問題を佐々木委員が御質問されているときに、委員の方から「中身はともかく私ども相談員としての感覚ですが、こういうことです」との客観的でない御発言があったと私は理解しています。もし捕捉をするということであれば、客観的に御発言いただきたいということです。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

この件については御理解いただいたといいますか、そういう問題があるということで、今、国民生活センターへの質問、野坂委員からの御質問についての途中でありますので、そちらに話を移させていただきまして、具体的にまた委員の方のお答えの中で客観的でないとか、そのようなことを御指摘になるということであれば、またその都度言っていただいたほうが生産的であると思いますので、そういう扱いにさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

それでは、国民生活センターからお願いいたします。

○国民生活センター鈴木相談情報部部長 いろいろな御質問ありがとうございます。

まず苦情と問い合わせのところなのですけれども、どのような相談だったのかということなのですけれども、例1で申し上げますと高齢のひとり暮らしの母親のところに訪問してきた。母は何らかの書類に署名・捺印したと言っているが、書類は残っていないということで、業者に言われるがまま銀行に出向き、浄水器の代金40万円をおろしてきたようだというお申し出でした。

母は認知症ぎみで業者とのやりとりを覚えていないということで、そういった内容だったので背景に非常に問題があると思いましたので苦情に区分しております。

2番目は先ほども申し上げましたけれども、長時間にわたって勧誘したということと、中学1年生の息子さんに3年分の教材を非常に大量に契約させたということで非常に過量でもあるということで、これも背景に問題性があるので苦情にしております。

3番は確かにこれは本当に詐欺的なのですけれども、苦情・問い合わせ・要望かと言われれば苦情であるということで、確かに栃原委員がおっしゃったように自宅に国の消費生活関連機関を名乗りということで、国民生活センターなり公的機関はこのようなことは一切しておりませんので、これも非常に今、問題があるということで、それから漏えいした私の個人情報の抹消をするという電話があったということで、これも2回に分けて電話があっていろいろな巧みなセールストークを用いていたということで、これも苦情に区分しております。

助言が多いということなのですけれども、私どもあっせんに入るポイントというのもあるのですけれども、そもそもは消費者基本法などにも書いてありますように、消費者の自立を支援するということもありまして、消費者は自立した消費者ということで、まずは消費者に自分で自主的な解決を求める。その相談解決のための方法をアドバイスするというスタンスに立っております。

その上であっせんに入るポイントなのですけれども、やはり非常に事業者と相談者の間には交渉力とか情報量の格差があると思っておりますので、例えば高齢者ですとか未成年、お子さんが被害に遭ったとか、そのような方などにはあっせんに入るようにしておりますし、契約金額が非常に大きいとか、非常に複雑な事案であるとか、これは誰が見てもひどいというような、例を申し上げてあれなのですけれども、数年前に認知症の高齢姉妹に次から次にリフォームを繰り返したというようなもので社会問題になったことがありましたけれども、ああいった誰が見てもひどいというような場合には積極的にあっせんに入るようにしています。ただ、基本的には消費者の自立の支援ということですので、自主交渉をするための方法をアドバイスしております。

○後藤座長 引き続きお願いします。

○国民生活センター窪田情報管理部部長 マニュアルについて、まず苦情とお問い合わせのルールはあるのかというのは今、御説明があって、4ページの相談者の当初の申し出、問い合わせをしてきた相談であっても、背景に問題性があれば問い合わせではなく苦情に区分するということは、今みたいな具体的な例で判断されている。その原則は背景に問題性があれば苦情に区分するというのが統一のルールでやっています。

マニュアルの公開なのですけれども、こちらは業務運営情報として運用していますので、今まで公開したことはございません。ですから手口とか詳細な内容が載っていますから、それを逆用されるということもあり得ますので、業務運営情報として公開はしていないということになっています。

マニュアルの改訂はもちろん御指摘のように、いろいろな手法など出てきますからすぐ改訂できればいいのですけれども、最初に御説明したように全国の消費生活相談員に1部ずつ印刷して配付していますので、それをまた毎回毎回印刷というわけにもいきませんので、先ほど御説明したように新たな手口とか、新たな商品、サービスが出てきたときには、こういうキーワード、こういう分類をしてくださいというPIO-NET通信を随時流して運用しているというところになっています。

○国民生活センター鈴木相談情報部部長 それから、後追いをしていなくて無責任ではないかというところなのですけれども、確かにそういう側面もあるかと思いますけれども、私どもは助言をするに当たって、あっせんをするに当たって、結果的にどうなったか報告してくださいねということも申し上げますし、こちらから何回か御連絡することもあります。ただ、なかなか一旦解決してしまうと連絡してくれない方のほうが非常に多いですし、私どもが何回電話しても電話に出てくれなくなる方もおりますし、結果的にそれがどこまで本当に解決したのかというように後追いをして結果がわかることは非常に難しいとは思っております。またそこまで厳密にやろうとすると、誰でも気軽に相談できる窓口という消費生活相談窓口の良さも失われてしまうのではないかと思っております。

○後藤座長 国民生活センターの御説明は以上でよろしいですか。

野坂委員、よろしくお願いします。

○野坂委員 消費者の自立を支援する、それは大変すばらしいことだと思うのだけれども、今、要するに消費者のトラブル、被害を防ぐためにどうするかという議論でありますから、自立を支援すればいいというように突き放すのではなくて、消費者に寄り添うことが大事です。ということであれば、積極的にもっとあっせんを増やす。これが大事だと思うのですが、あっせんをふやす考えはないのかということを確認したいです。

もう一点、厳密にやると相談しにくいというか、気軽に相談できないということだけれども、それでまた新たな端緒がわからないとか、あるいはほかの機関との連携がうまくいかないということであれば、それはまた逆に問題であって、自主交渉で幾ら消費者の自立を促すにしても、突き放す国セン、突き放す消費者センターでいいのですか。そこをしっかり連携して、警察とも連携し、現行法の範囲内でやるべきことをやるということが大事であって、どうも伺っていると現行法の範囲内でせっかくのツールを生かし切れていない印象が強いです。ここはやはり検討、改善をぜひやっていただきたい。

例1で実際に認知症の方は大変心配ですけれども、この方は残念ながら覚えていない。また、浄水器がついていたかどうかもわからないわけでしょう。問い合わせされたのは娘さんだか息子さんだかわかりませんけれども、要するに現場を見ていない。そういったよくわからないものまでも全部苦情となっているのは非常に違和感があって、それは先ほどから鈴木委員なり佐々木委員が指摘しているのと同じです。境界線上がどのようになって、境界線上は全部苦情、全部強引というように付けているのではないかと思うわけです。そこをそうでないのだったらこういう事例でこうだというのをしっかり境界線上の判断も含めて示していただかないと、我々の納得感、共通認識は得られないと思います。

強引についてついでにいいですか。これは国センの資料というより消費者庁の資料の5ページ、6ページですけれども。

○後藤座長 野坂委員、国民生活センターへの御質問は終わったということでしょうか。

○野坂委員 では回答いただいてからにしましょうか。別のテーマですから。

○後藤座長 では国民生活センターでさらに何かありましたらよろしくお願いします。

○国民生活センター鈴木相談情報部部長 あっせんは私どもも積極的にしていきたい。今後積極的に、もちろん今でもあっせんをしていますし、積極的にこれからもしていきたいと思っておりますし、消費者に聞き取りの中では非常に寄り添って聞き取っておりますし、消費者には寄り添っていると思います。また、警察など、先ほどPIO-NETの資料の請求のところで警察への法令照会など情報提供依頼などが11ページに書いてありますけれども、資料請求にはお答えしておりますし、こちらからも問題があると思えば情報提供している場合もあります。

○後藤座長 池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 今、幾つかのやりとりに関連したところで少し発言をさせてください。

私は国民生活センターの研修部のほうの研修講師をやっている関係で、相談部よりは相談員に向けて発言する機会があるので、実は野坂委員がおっしゃったあっせんをもっと積極的に多数やるべきだというのも、全く同じことを私は研修で何度も言っているのです。もともとあっせんをするというのは解決まで見届けるということにもなりますし、事業者の言い分を聞いた上で、もう一回、相談者の言い分と評価をし直すということにもなります。そして事業者規制をする必要があるかどうかというのも、相談者が申し出たら円滑に処理してくれる業者なのか、突っぱねて全然対応しない業者なのかという反応も見なければいけないという意味で、あっせんが重要であるということを繰り返し私も研修で言っていることだし、重要だと思います。

ただ、そういう話をすると相談員さんの側からは、あるいは過去のデータを見ても相談件数が過去30年、本当に最初は20万件ぐらいだったのが40、60、80、100、一時期は190までいって、今、90万件ぐらいで高止まりしている状態なのですが、相談員はそれほどふえていないのです。一番の原因は、相談員の数と丁寧な相談処理をする時間が足りないということがまず第一にあります。だから相談員をふやしてくださいというのを言って最近少しふえているので、あっせん率が徐々にまた回復し始めている。それが一番の原因だろうと感じます。それとともに先ほどからおっしゃったように相談処理を解決まで見届ける、それはその情報を活用して事業者規制なり法の見直しなりをする上でも、事業者の対応ぶりもきちんと専門家が確認をする必要があるということは研修の中で申し上げて、そのレジュメをお配りしてもいいぐらいなのですが、そのようにやっています。

もう一点、先ほどから国センの例1から3はいわゆる件名という冒頭の60文字、相談カードを起こすときに、相談者がそもそも何から話が始まったかというところを記載する欄なのですが、大体研修の中でもいつもこのように言っています。相談者は何が重要かわからない。今、困っていることを言う。でも今、例えばお金が払えないから解約したいというのは理由にならないけれども、そういう契約をどういう事情でしたのですかという当時のことを質問して、契約に問題があったかどうかを聞いていく。それは相談員の質問によってだんだんとわかってくる。だから件名は本当に今どうしたらいいかという質問になってくると、多少そういう傾向があるのは仕方がないのだろうと思うのです。むしろその後の引きとった中身、相談概要のところですが、実は相談概要も500字しかないので、例えば商品の品質、効能・効果についての説明がいろいろあって、そこが実際と違うという話になれば、そちらへだんだんシフトするでしょうし、聞いた中身を全部書いたら500字ではとても入り切りませんから、どうしても話がはしょられてしまう。先ほど資料の中でも説明があった、断ったのにしつこく勧誘された。何をどう断ったかが書いていないというのは、恐らくそういう500字の枠の中で概要を書きなさいというので、どうしてもダイジェストにならざるを得ない。その辺も出てくるのではないか。そういった件名の記載欄、相談概要の記載欄、それから、限られた時間の中でどう処理するという実態も含めて評価していただく必要があるのかなと感じます。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございます。

花井委員、どうぞ。

○花井委員 助言が多いのではないかというご指摘がありましたので、発言させていただきます。私たち消費生活センターの相談員は、法律にもあるように事業者と消費者の情報量・交渉力の格差を鑑みて、センターが相談に乗るということを重視しています。訪問販売や電話勧誘販売の場合、クーリング・オフという制度があり、法律にのっとって契約から離脱することができるわけです。ですから、このようにクーリング・オフの通知をしたらどうですかと書き方の指導はしますが、それは助言になってしまいます。相手に交渉して初めてあっせん、解決というルールですので、クーリング・オフで解決できるものは助言になってしまいます。もっとも、高齢者や生活弱者の場合などでは、クーリング・オフであっても、業者に連絡を入れておく場合もあります。

本当は助言であっても、ちゃんと解決できたのかを確認すべきかもしれないですが、そこはなかなかできていないのが現状であることと、クーリング・オフした際、もしお金が返ってこないとか、クーリング・オフがうまくできないときは再度電話をしてほしい旨、申し添えてありますので、うまくいかない場合は必ずこちらに戻ってきて、もう一度あっせんができるようなシステムには必ずしていますし、それは全国のどこのセンターでも同じ解決方法だと思います。つまり、助言だけではいけないのではないかということではなくて、まず自分で交渉できる、あるいは法的に交渉できる手段がある場合には助言で構わないと思います。クーリング・オフであってもなかなかうまく認めてもらえない場合、あるいはクーリング・オフ期間が過ぎていても、販売方法に問題があった場合などにあっせんに入ります。その際には、先ほど国民生活センターの方がおっしゃったように経緯文などを書いて、相手業者とあっせん交渉をするということになっており、その結果は本当に高いあっせん率で解決できているものだと思います。

あと、強引について、御指摘があったと思いますので、お話します。私も地方の消費生活センターで勤めておりますので、今回のために、4月以降、昨日までの相談の中で、強引というキーワードを振られたものを全件調べました。相談員の主観的なもので強引というキーワードが振られているのではないかというご指摘あったものですから、1件ずつ調べました。しかし、相談概要という詳しく書くところには「断ったのに勧誘をされた」「しつこく勧誘をされた」「急がされて契約してしまった」「契約書に勝手に名前を記入された」「なかなか帰ってもらえず困った」「勝手に座り込んで怖い思いをした」などというような言葉が必ず書かれておりました。それに対して皆さんは強引というキーワードを、私以外の相談員も振っていることが分かりました。

次に決済についてですが、先ほど少しお話がありましたが、うちのセンターは5人の相談員がおります。5人全員が全員の相談カードを見ています。ですから、相談概要を客観的に見て、強引とはいえないものには強引というキーワードはふってあると、必要ないのではないかとチェックが入ります。以上のように、1人の主観だけで強引というものをつけているわけではありません。その後、2人の職員が承認ということをやっておりますので、強引というものが勝手に相談員の思いだけでついているのではないということは御理解いただきたいと思います。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

有山委員、よろしくお願いします。

○有山委員 自主交渉の中には業者さんにはお電話をかけないけれども、御相談者の内容を聞き取り、書面を探すみたいなものまで入っています。私は東京の下町の高齢者の非常に多いところなので、ヘルパーさんとかケアマネから、担当の高齢者がどうもお金がなくなっているようだという御相談を受けることがあります。ご相談者の方が認知症まではいかなくても記憶が曖昧な場合は、通帳を見せていただけますかとお願いし通帳を10冊ぐらい持ってきていただいて、チェックするのです。5年間で1,000万がなくなっていたものもあります。そうすると、その1,000万のお金はどこに消えたのかいう形で通帳を見ていって、多分この辺、この辺というと、ご相談者の方に許可をとり、この契約でお金がおりているようですけれども、販売会社に契約書を請求します。契約書を取り寄せて、また、聞き取りをします。ご相談者の方のお金がなくなって困っていると販売会社と話合うこともあります。ふじみ野市の一番有名な高齢者被害のときもそうでしたけれども、あのときには確か会計に詳しい認知症の方だったので、お金が減っているということだけは非常にわかっていらっしゃるということで、相談員が相談者に何が起こったのか、探っていったと思うのです。そういう形で何が問題だったのかという形で取り寄せますと、大体高齢者の方が受け取っている書面というのは非常に何も書かれていない状況が多いです。日付が入っているとか、契約先が書いてあるということはありますけれども、商品が何だかわからない。何の商品、これは教材なのか講座なのかわからないとか、そういうものもございますし、実際に商品が手渡されていない場合もありますので、そういうものを含めて問題のある勧誘だと考えます。このような時間を費やしても、業者さんにお電話しなければ自主交渉の範囲になってしまいます。1,000万がなくなった高齢者の方の場合は、御家族を探し出して、呼んで、ここまで高額な被害ですから取り戻すために弁護士さんに依頼したほうがよろしいのではないでしょうかということで終わりました。相談員が整理した、その方の書面は消費者六法の厚さぐらいまでコピーしたものができ上がりました。聴き取りやコピーしたものをご相談者の御親族にお渡ししましたがこれは自主交渉です。ですから、その方の通帳を10冊ぐらい持ってきていただくのも1冊ずつ1つの銀行の通帳を1日に1回持ってくるので、全部でき上がるまで1カ月半かかりました。これは特に長い案件ですけれども、こういうものも自主交渉に入っています。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

増田委員、よろしくお願いします。

○増田委員 相談者自身が事業者に消費生活センターに相談したことを知られたくないという相談者の方もいらっしゃいます。それから、経緯文を書くことが必須なのですけれども、その経緯文自体を書きたくないということをおっしゃる方も結構な確率でいらっしゃいます。ただ、本当は二者間の契約であるところを第三者である私どもが間に入るというので、事業者さんにとってはびっくりするような状況だと思いますので、やはりどういう苦情があったのか、どういうことを不満に思っているのかということをきちんとその方に書いていただかないと、相手に対しても説得力がありませんし、適切に苦情が伝わっているかどうかということについても、相談者の方からの不満というか不安もあるということになりますので、経緯文は必ず書いていただく。そういうことを書きたくないということであったとしても、非常に重要な問題であるといった場合は、何度も何度も書いていただいたほうがいいですということを何カ月かかけて説得して経緯文を書いていただいて、解決に至るということもあります。

そういう意味で、全部あっせんすればいいということにはならないのだろうと思います。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

ただいま国民生活センターから説明していただいて、池本委員、さらに日々相談業務に従事している委員の方から補っていただきましたが、野坂委員、何かございますでしょうか。

○野坂委員 池本委員から大事な発言があったと私も思います。あっせんを増やせばいいというところは共通認識なのだと思うのです。また、自主交渉の話で有山委員からありましたけれども、やはりこれも池本委員が指摘されましたが、自主交渉であなた任せでそれっきりというのはよくない。やはり自主交渉の結果、どうなったのか、解決したのか。解決していないと、また連絡があると花井さんはおっしゃいましたけれども、自主交渉に委ねたものがどういう形でどう処理されて解決したのか、あるいはしないのか、それをちゃんと国民生活センターなり消費者センターが把握して情報共有して次なるステップは何がいいのか考えるのが建設的で生産的だと思うのです。そこが恐らく共通認識になるのではないですか。そのためにどうすればいいのか、何が足りないのか。先ほど国センは明確に答えませんでした。なぜあっせんがふやせないのか。むしろ池本委員のほうがより具体的な説明だった。国センは4人もがん首そろえているのですから、しっかり説明していただかないとわからないです。

いずれにしても、消費者庁の資料の中で13ページ、14ページは非常に分析しなければいけない。ここに我々の検討すべき問題点の根っこがあるような気がしました。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

今のことに関連して、有山委員、どうぞ。

○有山委員 私の勤めているところでは、自主交渉の後、相談者に結果を聞くために電話は必ずしています。トラブルが解決してしまえばお電話に出られない方が多いです。大体10回ぐらいして、そこまでやって結果を教えていただけないならば無理ということで諦めますけれども、必ず後追いはしております。

○後藤座長 それでは、佐々木委員、お願いします。

○佐々木委員 今の例は、やはり犯罪に近いものだと思いますので、厳格に対応すべきだと思うのですけれども、ただ、自主交渉で結局これは7割近くが自主で交渉に終わって、その結果というのがわかっていないわけですね。それが例えば先ほど申し上げたような消費者の思い違い、思い入れとか、それで最終的に必ずしも事業者の非でなかったことによって終わっている件というのもあると思うのです。実際には苦情の内容、それが全て苦情でまとめられて数字として出てきているということに対しては、これがわからないと、簡単に言うと消費者の思い違い、勘違いがどれぐらい入っているのかなというのは不思議に思いました。

○後藤座長 では、池本委員、今の点についてお願いします。

○池本委員 今、御指摘があった点についてですが、実はこのPIO-NET情報は裁判例の中でも使っています。弁護士会が弁護士法に基づく照会をして、それを民事裁判で利用するということがあります。裁判例の中では、PIO-NET情報を事実認定の中で一種の補強証拠として使う判断の中でも引用されているケースもあるのです。そういうところでしばしば言われるのは、1件ごとに見れば、とりわけ相談者が申し出て助言で終了しているということは、相談者の一方的な言い分だけが記載してありますから、あっせんとは評価は違ってくる。それは1件ごとに見ればそうだと思いますが、同一業者について、類似の勧誘方法が複数存在しているということは、それが地域からのばらばらの消費者からの申し入れが共通する類似の勧誘方法だということになれば、そういう共通のセールストークが用いられていることを推認する補強証拠になると評価できるのだというような評価はされています。つまり、一方的な申し入れですから、全ての案件がもう断定的な証拠にはならないけれども、それが多数案件あるとなれば、申し出、助言で終わっている案件についても一定の重きを置いて対策を考える必要があるのではないかということだろうと思います。

そのことがあるからこそ、先ほど国センの紹介の一番最後のページに出ておりましたが、この消費者庁だけではない各省庁でもいろいろな法改正の審議会などでも使われているし、あるいは国会の委員会での審議の中で質問をしたりというところでも使われているし、その意味では、消費者問題について手がかりとなる立法だけではない、あるいは行政処分のときもそうですが、そういうところで使われているという意味では、これが最大のデータベースではないのでしょうか。そのことを前提にどう対策を考えるかということを検討する必要があると思います。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

有山委員、よろしくお願いします。

○有山委員 佐々木委員の内容ですけれども、誤解、勘違いを除外するようなキーワードはあるのです。ちゃんとあって、苦情の中から消費者の誤解や勘違いで入り込んでいるものを除外するような形にはなっているのです。

もう一つ、通販業界などの表示の問題などもそうですが、相談員の人は大体カタログとかインターネット上での表示などは必ず見て答えている方がほとんどだと思います。クレーマー的な相談者の言い分が通るような形にはなっていません。微妙にこの表示はスクロールしていくと確かにあったみたいな場合、返品条件などがややこしく、返品と瑕疵条件がわかりにくくなっている表示などの場合は、相談員同士でどうしようか、どう考えたらいいかと結構悩みますので、カードにする前に、現場では職員も含めて議論をします。そういう形になっています。

○後藤座長 佐々木委員、よろしくお願いします。

○佐々木委員 今の池本委員の御発言も、有山委員の御発言も、苦情の内容の70%が助言で解決していたという理由にはならないと思うのです。ですから、その一部ではあるのでしょうけれども、少なくともここで言う9万件のうちの6万件は無回答で終わっていますから。ということは、その内容は例えば何%が勘違いということはあり得るわけですね。それはここの苦情に乗る前の段階の有山さんの御発言だと思いますし、池本さんの御発言はそういう共通項で見出すことはあるけれども、実際には無回答のうちの幾つかが勘違いで終わっているのかというのはわからないわけですね。

○後藤座長 池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 もちろん、中には誤解、勘違いによるものが一定%含まれている可能性はある、そのことを否定するわけではありません。むしろトータルのこの相談件数がしかも平成20年以降、この分野について前回の法的な措置以降減っていない。それは逆に言うと、勘違いとかそういうものも一定割合あるという基本条件は同じ中で改善されていない。このトータルの数字を見ていくと一定の対応、何らかの見直しが必要ではないかという意味では、これは十分な根拠として使えるのではないかということを申し上げているわけです。

○後藤座長 佐々木委員、どうですか。

○佐々木委員 では、1つだけ。ふえているというのは、今回の消費者庁さんの資料でいくと、少なくともこの4月を中心としてとった数字でいくと、全体の「強引」というキーワードはあるかもしれませんけれども、これは減少傾向にありますね。少なくとも電話勧誘販売もともに2000年、平成20年度から26年度への傾向値としては減少。

○後藤座長 済みません、何ページかおっしゃってください。

○佐々木委員 これは消費者庁さんの資料の6ページが訪販、8ページのほうに電話勧誘販売の「強引」というキーワードの中の総数が年度ごとに出ています。

○後藤座長 池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 まず、平成20年度というのは法の施行が21年12月ですから、施行前と後という意味では、そこで一旦少し減っている。むしろ法改正の大議論があった、社会問題になってマスコミでも何度も取り上げていただいた、それの影響がまずあるのだろうと思います。

その後で見ますと、減っているといえば若干減っていますが、実は前に、前半のときに紹介されたキャッチセールス、アポイントメントセールスのようなものは若干減っているけれども、家庭訪問販売のところはむしろふえているという、トータルの中で見るとでこぼこはあるけれども、少し減っているということは言えるのでしょうが、むしろ再勧誘の禁止というアの欄、あるいはイの欄、このあたりについてはほとんど減っていないか、むしろ微増しているという評価ができるのではないか。電話勧誘のほうも年度によってでこぼこがあるのでふえたり減ったりというところですが、全体をならしてみるとほとんど横ばいか、減るといってもごく微減という程度で、法的な措置が効果を発しているとは到底言えない。むしろトータルの相談件数の多さということを見ていただく必要があるのではないかという点が1点。

もう一つは、先ほどどなたかからも御発言があったかもしれませんし、私の発言レジュメとして提出させていただいた中の3ページ目に棒グラフを引用しておいたのですが、これは国民生活動向調査という資料で、消費生活の中で不満や苦情を抱いた方について、どういう行動をとっているかというものです。どこにも相談したり伝えたりしない、要するに何もしないで諦めている人が40%、そして、今日のデータに関連して言うと、消費生活センターなど行政の窓口に相談したというのが2.8%しかないのです。

私、過去20年来数字は見てきているつもりですが、大体3から4%前後、5%をちょっと超えたことが1回ぐらいあったかもしれませんが、大体3から4%の中で推移しているのです。相談件数は過去20から30年でそれこそ何倍にもふえていますが、ここの割合は余りふえていないのです。ということは、センターを知ったから多くの人がもう相談に行って解決しているではなくて、水面下の地域でのトラブルそのものもふえている。その中のごく一部が消費生活センターに寄せられているという前提で、制度論を議論するときには、地域の中でのトータルのことを前提に議論すべきだと思います。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

よろしくお願いします。

○佐々木委員 この%というのは、当然ですけれども、マーケット規模によって絶対数が1つあって、マーケット規模が大きくなっているときによって絶対数はある程度ふえていくわけですね。そういう意味では、ここに出していただいている、これは何についての相談かというのははっきり出ていませんけれども、当然、例えば通販で言うと、過去10年でマーケット規模は5倍になっていますから、その中で相談数が必ずしもふえていない状態では、それが実際に法律が有効なのかという意味では、必ずしもそれがここに出てくることは全部ではないように私は思うのです。マーケット規模を考えて相談数が、反対に言うとマーケット規模が大きくなっている中でも相談数が余りふえていなければ、それはそれなりの効果は出ているのではないでしょうか。

○後藤座長 池本委員。

○池本委員 トータルの相談件数は、今日は資料はありませんが、これは国民生活センターのデータで出ています。30年前は十数万件、そのころからすれば今は90万件、100万件、そのあたりで高止まりしていますし、最近の10年だけとると架空請求で190万件に突出した時期があるから、そこだけから見ると減っているように見えますが、架空請求を除けばほぼ横ばいですね。ただ、それは過去20年、30年で見れば、苦情件数はそれこそ数倍にふえたまま横ばいになっている。もちろん、その間、通信販売にしろ、インターネット取引にしろ、取引はふえています。ただ、ふえている数字と見合うのか、それ以上なのかも一つ一つの分野によって、それは評価が分かれるところだと思います。

ただ、今、お示しした国民生活動向調査は、そういった苦情、不満が出たときにどういう行動をとるか。つまり、消費生活センターに寄せられた相談件数というのは氷山の一角である。だから、この案件が例えば6割、7割が助言で、恐らく助言で、その後、連絡が来ないのは解決したのであろう。では、センターに寄せられて解決したのであれば、ほとんどが解決したのならよいではないかという評価では済まないのだろうと思うのです。つまり、何もしないで諦めている人がむしろ地域にはたくさんいるし、本人が交渉してもだめだったからセンターに来ているわけですから、やはりそういったベースの数字の意味というのはしっかり受けとめる必要があるのではないかと考えます。

○後藤座長 野坂委員、新しい御質問ですか。

○野坂委員 関連です。

○後藤座長 では、よろしくお願いします。

○野坂委員 ただいま氷山の一角であるという指摘がありました。実態はよくわからないと思うのですが、我々、今、新しい規制を導入するかどうかを検討している中で、一番重要なのは立法事実があるかどうかを判断しなければいけない。そのために今、国センのデータなどを検討しているわけですが、そういう意味で見ますと、やはり国センのデータですが、消費者庁の5ページ、6ページ、強引、再三、8月以前から議論している強引のタグがどういう基準で付与されているのか、依然としてこのデータではわからないのが第1点。

第2点として、やはり立法事実があるかどうかを判断するには、平成20年以降どうだったのかというのを詳細に分析する、それが中間整理に書かれていた「精緻な分析」だと思うのです。ところが、なぜか4月中というワンショットのデータ。各年度、これは6ページには20年度から出ていますけれども、いずれも4月だけ。なぜ4月だけなのですか。4月だけで全体像はわからないと思うのです。精緻な分析であるならば、今日、この日に国センが平成20年以降はこうでしたというのを示すべきだと思うのです。なぜ示されていないのか、どうして示せないのか。もともとこういうものを取っていないのか、それについて説明いただきたい。

そもそも強引のタグの基準がわからないから、本来は深入りして論ずることは避けたいですが、先ほど佐々木委員が指摘したところは大変重要なポイントだと思っています。訪販についても通販についても、全体としての棒グラフの傾向としては右肩下がりというのか、グラフが横ですが、全体としては下がっている傾向にある。全体としてそういう傾向で、特にアの再勧誘を見ますと、グラフあるいは統計は読み方によって随分変わってくるのですが、アの再勧誘は若干微増という傾向がある。これについて言えば、例えば平成20年改正によって、国やセンターや、あるいは各種警察、あるいはマスコミなどの消費者への啓発が行き届いて、行き渡って、消費者が、これは例の再勧誘なのだといって問い合わせをする、あるいは電話をかけるケースがふえているから若干増えているというような見方もできるわけです。

というのは、訪販で言えば6ページのイとウは若干平成20年、21年度から減っています。エ、オは余り変わらないようですけれども、この分析というのは非常に難しいところでありまして、一方的な判断というのは、このグラフだけではできないと思うのです。全体として、誰もが目で見てわかるのは、全体のトータルはやや減少傾向にある。アの再勧誘は若干微増だけれども、そもそも全体の数が百幾つということでありまして、1万4,000件もあったと4月のデータにあった中では、本当に1万4,000件の中の百数件ということで、これをどう見るかというのは人によって違うと思う。したがって、これでべらぼうに増えているというように断定、言い切ることの材料ではないのではないかと思っております。

ただ、これはお立場で認識は違うでしょうけれども、少なくとも強引のタグがどう付けられているかわからない。トータルとして全体として減っているようだと。しかも4月だけのワンショットのデータでは全体像はわからないということであるかと思います。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

ただいま種々の議論が出ておりますけれども、鈴木委員、よろしくお願いします。

○鈴木委員 先ほど来、お伺いしていますと、センターの相談内容については、いろいろなキーワードがあったり、マニュアルがあったり、勉強があったり、何重もチェックした上で苦情と問い合わせを分けるということだったのですが、消費者庁の資料の3ページに都道府県別の統計が出ていますが、ほとんど苦情なのです。問い合わせの九十数%、三重県に至っては95%苦情なのだと。しつこいようですけれども、明らかなものと結構グレーな、何重にもチェックするというか相談をして悩むということがあるというお話でした。そのお話しと、95%が全部苦情に分類されてしまうということに違和感を持ちます。もともと相談センターですから苦情が多いのだとは思いますが、そうは言っても、グレーのところは概ね苦情ということで分類されているのではないかという気がするのです。

消費者庁のデータを見る限り、相談のほとんどが苦情であり、その苦情の中で非常に重篤なものがいつも事例として出され、審議する中での原点になっています。問い合わせのほとんどが苦情と分類されているということ自体を、そして、この苦情件数をベースとしていろいろな議論がされていますが、やはりグレーな部分というのもあると思います。それらがどのくらいの比率があるのか。これは経験則になってしまうかもしれませんけれども、協議をして、これは苦情に入れようではないかということになるようなものが、どのくらいこの中にあるのか、を知りたいと思います。検討のベースになるものですので、この資料は看過できないなという気がします。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 2点申し上げます。

まず、1つ、今お話のあった、ほとんどが苦情というようにカウントされているというものが一方的な評価ではないかという趣旨でお話を伺いましたが、その前の論点とも関係するのですが、むしろ地域社会の中で本当はトラブルで問題がある案件だけれども、何もしないで諦めている人がむしろ多くて、そういう人にちゃんと問題は問題として気づいてもらう。気づいても高い勉強料だと思って諦めるという人もいるので、そういう人もちゃんと相談に寄せてもらう。それを前提に、例えば問題のある事業者であれば取り締まりをするとか、自分が解決するだけではない、再発防止のためにも相談してくださいということで各地の消費生活センターでは一生懸命広報活動していることで、今、相談件数は高止まりしている状態ですが、地域社会全体でアンケートをとってみれば3%ほどしか寄せられていないということになれば、3%寄せられている人というのは、結局困ったときは消費生活センターという中の特に困った人が来ているのだから、苦情という形でそこがあらわれてくるというのはやむを得ないのではないか。

だからといって、先ほどの3%の残り97%が同じ割合でトラブルがあると申し上げているわけではないのです。比較的軽微な人は諦めのほうに傾くでしょうし、本当に重大な人は、例えば金額も大きいとか、本当に意思に反するものであれば相談に向かう確率は高いでしょうから、その意味で、3%の30倍が同じ構造だと申し上げるつもりはありませんし、問い合わせか、苦情かの限界線の線引きが全国のセンターで完全にぴったり一致しているのか、多少ぶれがあるのかという意味では、3,000人、4,000人いれば、もちろんそこには多少の誤差は出ることは避けられないだろうと思います。ただ、誤差は出るけれども、研修をやり、なおかつ職員さんのダブルチェックが入っているということですから、その意味では、一定の信頼に値するものではないか。その意味では、この点は国センさんか、あるいは東京都など、現実に相談の現場を抱えておられるところで職員さんによるチェックというのはどんなことをやっておられるのかというのがもしおわかりであれば教えていただきたい、御説明いただくといいのかなと思います。それが1点。

野坂委員からおっしゃっていた、この数字がべらぼうに増加しているわけではない、あるいは4月のみの数字で全体を推し量るのはどうか。あるいはそういう御発言とセットで、今、健全な事業者に重大な影響を及ぼすような法規制をするかどうかが論点になっている中でというような御説明がありました。もちろん、法制度のあり方を議論している場ではありますが、4月のみにしたというのは、時間的な中で4月でもいいし、9月でも11月でもいいと思うのですが、この平成26年から現在までの全期間の全相談件数をこういう作業をやるというのは余りにも膨大なので、ランダムに4月というのをたまたま選んだことであって、ここで出てきた傾向というものは全体を推認する上では十分価値があるのではないか。

健全な事業者の営業活動が全くできなくなるようなことを導入せよという100か0かの議論をしているつもりはないのです。これは前半の最後のときにも申し上げたと思うのですが、事業活動に対しても影響の少ない中で、しかし、こうやってトラブルが繰り返されていることに対して、どういう記述が望ましいのかという議論ですから、そこはまず前回の法規制以降に、その効果があらわれている、減少しているという評価は難しいのではないか。だとすると、事業者の活動にも配慮しながら、何らかの法的な措置を検討する必要があるのではないか。最小限、その範囲内では御理解いただけるのではないかと思います。

○後藤座長 野坂委員、どうぞ。

○野坂委員 私は国センに質問したのであって、池本委員がなぜ4月なのかということを説明する必要はないのですね。変ですよ。この資料は池本委員がつくったのですか。

○池本委員 いいえ。

○野坂委員 であれば、なぜ池本委員が私の質問に答えるのですか。おかしいではないですか。4月しかなぜ出ないのか。そして、日々、国センとしてデータが集まっていないのかという質問を、これは消費者庁の資料だけれども、国センなり消費者庁にしているわけで、池本委員に質問しているわけではないのです。それを回答するというのは、この資料は池本委員がつくられた資料なのか。おかしいでしょう。

3%云々の話をされています。これは8月以前も氷山の一角なのだという意見があって、氷山の一角という表現がどうかは別にして、全部が出ているわけではないということは私もわかりますけれども、その3%がどれだけ根拠があるのかというのはオーソライズされたものではないと思うのです。全国で全部調べたわけではないし、また、池本委員もおっしゃっているように勘違いとかさまざまいろいろなものも含まれているわけで、3%をひとり歩きさせると誤解を招くと思うのです。いずれにしても、私の質問に池本委員が答える必要はないと思います。

国センは先ほど私の質問をはぐらかしましたけれども、マニュアルを公開してほしいといったら、それは確かに手口が書いてあるから公開はできない。これは広く公開はできないだろうけれども、我々は重大な責任を負わされて今、議論しているわけですから、せめて我々委員にはマニュアルにどういうように書いてあるのか見せるべきではないですか。

○後藤座長 今、池本委員がお答えしたということで、私が池本委員を指名したという立場でもありますので弁解させていただきますが、この資料は確かに消費者庁がつくったものでありますけれども、委員の方々がこの資料を見て議論するということでありますので、野坂委員とは別の理解もあるということを池本委員はおっしゃっているということです。池本委員がそういう御発言をしても全く差し支えないと私は理解していまして、もし池本委員が発言するのが適切ではないということであるならば私がストップをかけます。そういうことではないというように私は判断しています。

○野坂委員 まず、国センなり消費者庁が回答して、それに対して池本委員が発言するのは、それは私はオーケーだと思いますけれども、私の質問に最初にファーストコンタクトで池本委員が回答するというのはおかしいのではないですか。その辺は後藤座長に聞くとまた話が長くなるのでいいです。回答をまずお願いします。

○後藤座長 消費者庁、よろしくお願いします。

○消費者庁桜町取引対策課長 申しわけありません。私のほうが先に手を挙げればよかった問題かもしれません。

何で4月なのかという点でございますけれども、4月のみならず、1月から12月まで全部本来やるべきというのは我々も承知いたしております。そのとおりだと思います。しかし、これは人員の制約の問題でございまして、4月のみで20年度から26年度まで7年度やりましたので、訪問販売と電話勧誘販売、合わせて2万件以上、全て目検をして今回の分析をさせていただいております。これをやるのに、内輪の事情で大変恐縮でございますけれども、職員も10人ほど動員をいたしまして、土日祝日を全部潰して、平日も夜中までやってようやく1から2カ月かけてここまで来たということでございますので、過去の推移との比較は恐らくしないといけないのだろうと思っておりましたので、どういう形で出すのが適当なのかということを検討した結果、特定の月を固定してやるのが人員の制約とあわせて考えたときに最も適当なのではないかということで、そういう資料のつくり方を我々のほうでさせていただいております。

何で4月なのかという御質問が恐らく含まれているのだろうと思いますが、特段意味はございませんけれども、4月から3月、1月から12月まで、月別の強引の数というものがありますけれども、どの月も実はそんなに変わっておりませんで、余り特徴はございません。そういう中で4月は年度初めであるということと、あるいは将来、別の統計と組み合わせてクロスして分析をするようなことが仮にあるとすれば、4月が使いやすいのではないかということで4月を書かせていただいただけで、特段それ以外の意図があるわけではございません。

以上でございます。

○後藤座長 ありがとうございました。

杤原委員、よろしくお願いします。

○杤原委員 私がPIO-NETの中身について詳細に分析をしてほしいというお願いをしたことに対し、いろいろと御配慮いただきまして、ありがとうございました。消費者庁の皆さんの御尽力には感謝いたしますけれども、私にとってみればまだまだ不満ということでございます。

かねてから申し上げておりますけれども、被害者、特に高齢者の被害者がおられ、消費者相談窓口で相談を受けられている皆さんが御苦労されているということもかねてから承知しておりますが、それイコール規制ではないのではないか、というところを出発点とさせていただいております。裁判で個別事例を使っておられるというお話がありましたが、そもそもPIO-NETのグロスの件数で議論するのは危険ではないかと思っています。消費者庁より、今までそれを立法根拠としてきたという説明がありましたが、それは疑問に思う人がいなかったということであり我々は少なくとも疑問に思ったということであります。今日もまた件数の議論に戻っているということだと思います。ポイントは、マル1消費者教育で対処できるのか、マル2執行の強化で対応できるのか、マル3その2つでは足りないため立法の必要があるのかということを仕分けしていくことだったと理解してございます。

国民生活センターの方に質問です。資料1の8ページの図に関しまして、左の2つ目の箱のところでいろいろな処理をされて各項目への入力をします、左から3つ目の箱に消費者生活センターによる決裁・承認というのがあり、完結ボタンを押して右へ行きますという説明がありましたが、少なくとも消費生活センターによる決裁・承認の段階で、どなたがどんな被害に遭われているのかというのがわかっておられるのではないかと思います。

また、池本先生おっしゃられたように、複数の事業者が全国で被害を起こしているということであれば、いわゆる常習犯でありますし、それが犯罪行為であれば、決裁・承認の時点で判明されているのではないかと思います。PIO-NETに登録するのも結構ですけれども、なぜその時点で執行強化をしないのかという疑問を感じます。

そもそも決裁・承認というのは、誰が決裁権を持っていて、何を承認しているのか教えて頂きたいと思います。その時点で犯罪的な行為をしている事業者の名前というのはわかっておられると思いますので、それに対して解決をしなさいという指示を出しているのか、それとも出していないのか、そこのところを御説明をいただきたいと思います。

資料2に関連してですけれども、5ページのところで、先ほど来、野坂委員からもなぜ4月だけなのかという御指摘がございました。我々は件数の傾向で議論されては困るということで分析をお願いしていたわけであり、それぞれの件数の中身の事例をきちんと把握してほしいという思いがあってお願いしたわけです。再三、消費者生活相談をやられている各委員からも、私どもはこういう事例がありますけれども、なかなか解決できず、解決に1カ月、2カ月あるいは3カ月かかりましたという指摘がありますので、中身をきちんと分析していただきたいと思います。少なくとも、今回、規制強化をすれば125万社の小売業者に一律に規制がかかるということになります。125万社の営業活動に影響を与えるようなものであれば、少なくとも根拠となるデータについてしっかり分析をしていただいて、本当に立法措置が必要なのかどうかという事実の有無を確認していただきたいと思います。これが最大のポイントだと考えております。

委員の皆様より、13ページにありますとおり、多くは助言(自主交渉)で解決していただくのが本旨であるという御発言がございました。これは消費者教育こそ大事だということの証左だと思います。解決できればそれで終わりでしょうし、解決できなければもう少し相談に来られるというようなお話がございました。最もきちんと対応すべきはあっせん解決であり、ここで解決できるならば現行法でも十分効果があるということだと思います。

あっせん不調が7%ありますけれども、これは具体的になぜあっせん不調なのかというのを事例で教えていただきたいと思います。これが法的に解決できるのか、できないのかというのが、本当に立法が必要かどうかの根幹であるのではないかと考えております。13ページの左のブルーのところの下のところに無回答(未入力)5万件とありますけれども、未入力というのも立法の話をするときには少し無責任かと思っております。狙うべきはあっせん不調の7%をゼロにしていくということが立法府のとるべき措置ではないかと考えております。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

阿部委員、よろしくお願いします。

○阿部委員 今日は大変遅れて参りまして申しわけございません。

今、話題になった資料2の5ページでございます。データのとり方については特に意見を申し上げませんが、実際、この平成26年4月に寄せられた訪問販売に関する苦情でキーワード「強引」が付されたもの910件の中で、再勧誘非該当とされているもの、これの中身をもう少し聞きたいと思うのです。要は特定商取引法を変えることによって防げるもの、例えば不招請勧誘の規制を行ったり、事前参入規制を行ったりすれば、苦情が減るものというのが本当に何件ぐらいあるのか分かりません。法改正の議論でありますから、その効果を考える上で再勧誘非該当のところだけでも結構なのですが、何をどうすればこれが減るのかというのを、この102件だけが対象でも結構なので示していただきたいと思います。

○後藤座長 ありがとうございました。

それでは、最初の御質問は、国民生活センターに対して出ていますので、国民生活センターの御意見はいかがですか。

○国民生活センター窪田情報管理部部長 まず、マニュアルの件は、先ほども御説明したように業務運営情報ですので、ここでは公開できないと回答させていただきます。

あと資料1の8ページ、ここでの御質問は、まずあくまで全国の消費生活センター、地方公共団体の組織ですから、システム上でも決裁をして全国に公開させる仕組みになっています。ですから、権限として相談員の権限と決裁者の権限、あと先ほど言ったように都道府県、政令指定都市のメインセンターを1カ所設けていて、そこが承認の権限を持っています。決裁者の権限と相談員の権限があって、相談員の入力画面ですと一応この入力項目の登録が終わって完結、ちゃんと登録できたというところで完結ボタンを押すと、システム上で第1決裁者、通常は消費生活センターの行政職員の方がルールにのっとっているかデータをチェックする担当になっていますから、その方に通知がシステム上行って、データを開いて第1決裁のボタンを押すと決裁済みになるというような仕組みになっています。最終的には第2決裁まで行って、第2決裁は通常、全国の消費生活センターの所長さんが第2決裁ということを想定していますので、その所長さんが確認、決裁すればメインセンターに通知が行くというような仕組みになっています。

その段階で被害等が把握できるのではないかというお話もありましたけれども、もちろん、場合によってはそういった場合も、被害がわかる場合もありますし、国民生活センターではそういった被害が急増していたり、問題があるようなものはできるだけ迅速に各地の消費生活センターとも情報を共有して情報提供、注意喚起の公表資料等を情報提供しているところです。

あと、苦情の分類のところも、ほとんど先ほども実態としては苦情がないのではないか、消費生活センターに相談するということはほとんどが苦情なのですけれども、ただ、ルールとしては明らかな消費者エゴというように消費生活センターが判断した場合は問い合わせにするというようなルールにはマニュアル上なっていますので、全てが全て何でも消費者が苦情だと申し出たからといって全てを苦情にしているわけではないということですね。

○後藤座長 ありがとうございました。

それでは、消費者庁、よろしくお願いします。

○消費者庁桜町取引対策課長 杤原委員と阿部委員から事例というお話がございました。訪問販売で言えば6ページ、電話勧誘販売であれば8ページの右のところに分類基準を一応具体的に整理させていただいて、これまでの調査会の御議論ですと、不招請勧誘というように言われたときに、ここにありますイとかウとか、この辺を規制するような御議論がされていたような理解をしていたものですから、こういう基準として分類分けを誤解のないように出そうということで今回は資料をつくらせていただきましたけれども、もう少し事例的にわかりやすくお示しすることが必要であれば、また次の機会になると思いますけれども、この102件について整理をさせていただいて、お示しをさせていただきたいと思います。

○後藤座長 伊藤室長、よろしくお願いします。

○経済産業省伊藤消費経済企画室長 阿部委員、杤原委員からもそういう意見が出て対応をお考えいただけるということでありますけれども、経済産業省の見方からすると、苦情、強引といった言葉について、それぞれの見方があって、現場の方は現場の方で一生懸命そう見ておられる事情があっても、事業者側からすると自分自身が規制で現状変更を求められるという可能性が極めて高いわけですから、それはより客観性の強い、誰もが納得できるだけのデータがなければいけない。こういった入り口論について、二項対立になってしまっていて、そこの収れんが図られない中で、先ほど池本委員からもありましたけれども、何か手段論を持ち出してまた議論すれば、結局ファーストステージと言っていいのかわからないけれども、8月までの議論の繰り返しになるので、今の進め方には反対です。

○後藤座長 済みません、最後の御趣旨は。

○経済産業省伊藤消費経済企画室長 趣旨は、イとウに何かがあって、例えば102件の中の具体例を分類していけば、何かやるべきことが見えてくるのではないというのは多分に演繹的な手法であって、その前にまず入り口論を片づけるべきと言っているわけです。

○後藤座長 山本委員。

○山本委員 杤原委員から執行のところでセンターの情報が活用できないのかというお話がありましたので、一応東京都の場合になりますけれども、PIO情報もそうですが、センターとは随時やりとりをして、こういう被害情報が上がってきている、悪質なものについては情報が上がってきますので、そういうような案件になりますのと相談では解決できないのです。やはり執行のほうで処分をしていかなければいけないということに当然なるので、相談は事後解決になってしまうので、未然防止という意味で執行だろうと思うので、そこは情報交換をしながら執行に向けて取り組んでおりますけれども、ただ、執行していくためには事実認定というのがかなりつきまとってきますし、事実がしっかりどうしてもPIO情報はあくまでも消費者からの情報になっていますので、執行という段階になりますと、それを裏づけるものをもっと確実にしていかなければいけないので、それにある程度の時間を要するので、すぐ相談がふえたから処分できるというものではないのですけれども、そこの情報交換はかなり綿密にやって、随時対応をしているというような状況でございます。

○後藤座長 ありがとうございました。

高芝委員、よろしくお願いします。

○高芝委員 遅参しまして、大変失礼いたしました。先ほど来のお話を聞いていますと、苦情・問い合わせの分類の点ですとか、苦情処理の中で助言の解決の内容が多くは不明だという点などから全体像が見えないのではないかという議論、意見も出ていたかと思いますが、そこで言われているところは、私の理解するところ、現在行われている訪問販売ですとか電話勧誘販売の中には特段問題なく行われている取引とか、地域で定着して行われている取引などが多数あるということを言われたいところもあるのではないかと感じました。

そのような状況の中で、全ての訪問販売事業者、電話勧誘販売事業者を対象とする一律の行為規制の当否、方法、程度を検討するという場合は、他方で、特段問題なく行われている取引とか地域で定着して行われている取引の果たしている役割ですとか、これらに与える影響についても、可能な限り評価をしていくことが求められるのではないかと思いました。

言わずもがなとは思いますが、特商法は、取引の相手方である購入者等の利益の保護とともに、他方、適正かつ円滑な商品等の流通及び役務の提供、このバランスを図るところが法目的だと思いますので、バランスを見るというところも重要かと思い、お話しさせていただきました。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

野坂委員はございますか。

○野坂委員 先ほどの東京都の発言に対して申し述べたいと思います。

連携を強化したいという発言で、大変心強く感じました。やはり連携が非常に重要だと思っておりまして、国センの資料の最後のページ、11ページ、情報提供依頼等への対応状況。ここには東京は出てこないのですが、これは国センへの情報提供の依頼の件数ですね。やはり双方向でなければいけない。上の10ページは双方向になっているのだけれども、国センから東京都とか、あるいは消費者庁とか、その情報提供というか連絡はどういう状況になっているのか、そのデータもあわせて示していただいて、そうすれば生産的な議論ができると思います。

また、特に一番いろいろな被害の取っかかりが東京都なのかもしれませんし、東京都の状況を大変注視していますが、資料3-2に処分の件数があります。これを見ますと、平成20年改正以降、処分がふえているのかどうか、これは5年ぐらいのトータルの数字なのでわかりませんけれども、それなりに処分のケースが出ているということはポジティブに受けとめられる。今、東京都から連携を強化したいという発言があったし、国センあるいは警察と連携を強化して、やれることをやるということが今、一番重要だ。今あるツールを生かしていない可能性もあるわけですね。それゆえ、一段と情報連携を密にして、案件の処理状況も把握して生かしていく。今あるものを最大限使っていくということでぜひお願いしたいと思っています。

○後藤座長 ありがとうございました。

鈴木委員、よろしくお願いします。

○鈴木委員 では、行政処分の実施状況の話になりましたので、これについて質問です。件数は出ているのですけれども、例えば訪問販売の中の行政処分の対象のところで、いわゆる事業者の規模だとか特性というものは、毎回出ているのですが、詐欺的な悪徳業者、法を守らないことを前提としている人たちというのは残念ながらあるわけで、大半がそれに当たるのではないか、そうではないのか。これらの大半は、いわゆる一般的に言われる訪問販売と違うのではないか。訪問販売と一くくりにすればそうなのでしょうけれども、そこに問題があるのではないか。最初の議論の原点になってしまうのですが、その点は重要だと考えます。先ほどの苦情とかいろいろなことについても同様で、訪問販売とか通信販売の一般的なところと違う、最近いろいろ出てきた非常に悪徳な、最初からそもそも私たちはそれを訪問販売業と思わないのですけれども、そういうところのデータ、実績が表に出てきているのではないかと思います。この行政処分が減らないではないか、ふえているではないかということもそうなのですけれども、ではどういうところなのだろうというところを示していただけると、それは別に訪問販売業界全体にかかわるような人たちではないのだということも明らかになるのではないかという気がいたします。

それと、もう一ついいですか。この消費者庁の資料のタイトルは平成20年改正の効果等に関する分析となっています。これをPIO-NET中心の苦情の件数とか内容で主に判断していく、ということばかりで、今日の議論もそこにありますが、本当にそれだけが適正なのか。例えば平成26年、総務省の消費者取引に関する政策評価書というもの。26年4月18日づけのものです。これは経済産業局及び全国26都道府県の特定商取引執行担当部署に対する実地調査結果ですが、これによると平成20年の改正の効果の発現状況について91.4%の人たちが、大いに効果があった、またはある程度効果があったと回答しているということです。実際、総務省の中でもそういう評価を26年4月18日に実施、確認しているわけです。これは実態として捉えられていることであり、参考にはなりうるでしょう。実態を知る上でPIO-NETはとても大事、最有力なものですし、消費者団体の苦情対応、相談員の皆さんのご苦労や実感が原点になるのはよくわかりますが、それだけで全てを見るときにはどうしても私たちはその中身を精査したい、一般の業者とは違うのではないかと言わざるを得ないので、他のデータにも眼をやることもあって良いのではないかと思います。このPIO-NETの中でこれだけ議論がまだまだあるわけですから、それだけで判断するのは危ういのではないかと依然思います。

以上です。

○後藤座長 鈴木委員、ただいま示していただいた資料というのは、ここで共有するような形で提供していただくということでよろしいですか。

○鈴木委員 出どころが総務省消費者取引に関する政策評価書、平成26年4月18日となっています。特商法に法改正は効果があるという内々の評価がされているわけですので、平成20年の改正の効果等に関する分析であれば参考になり得ると考えます。総務省の中でもそういう評価がされているのであれば実感としておありなわけなので、平成26年4月18日ですから古いものではないと思います。

今日、例えばこの苦情の中身だとか強引の中身というのを本当にみんなで納得できるような、この件数の多さも含めてみんなで共有できるものであれば、必要ないと思いますが、なかなかですので。今、資料が来まして、ありました。経済産業省、勧告日、26年4月18日。勧告先、消費者庁、金融庁、厚生労働省、経済産業省、国土交通省。消費者取引に関する政策評価の結果に基づく勧告ということで、その評価として効果があるということが中で書かれているということがございますので、そういったことも含めて総合的に判断されるべきではないかなというように思います。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

消費者庁、よろしくお願いします。

○消費者庁桜町取引対策課長 今の多角的に分析をせよというところにつきましては、我々、中間整理に書かれてある、あるいはこれまでの御議論を踏まえて、PIO-NETの分析が足りないということを随分御指摘いただきましたので、今回はこういう形でお示しをさせていただいたということでございまして、ほかの面でも多角的に見る必要がもしあるのであれば、そこはしっかり協力していくということかなと思いますが、申し上げたいのは、もう一つの処分対象者の規模につきましては、手元に正確なものがあるわけではございませんけれども、やはり小さい規模のところが多いような、これは感触で申しわけないのですが、そういう感じがいたします。日本のもともと小規模企業と言われる小売であれば従業員が5人以下のところが87%でありますので、普通にやれば、ほとんどの処分事業対象者は小規模企業になるというのが普通の感覚なのだろうという感じがいたしますけれども、以前、執行の回で御紹介申し上げていたと思いますが、処分を受けて、また新しく会社をつくってという近年の傾向などを踏まえますと、そういう規模の小さい会社をつくって、そこで何らか違反が行われて、またそういう新しい会社をつくってという傾向は恐らくさらにそれに加えてあるのだろうと思います。

○後藤座長 ありがとうございました。

花井委員、よろしくお願いします。

○花井委員 お願いします。先ほど20年度の改正がうまくいっているのではないという御指摘がありましたので、発言させていただきます。私も確かに再勧誘の禁止というのが入ったことは、消費生活センターで相談を受けていても、「断ったのに勧誘するのは、再勧誘だ」「断ったのに勧誘するのは、法律違反だ」と言って断ったらいいですよというツールがふえたことは、武器が増えたわけで、よくなったと思うのです。ただ、そうは言っても、ここでアの部分とか、これは法律違反に当たる行為ですよね、他にも、イやウなども、減っていないわけで、その部分を何とかしないといけないのではないかというのが今回の議論ではないかと思っています。

特商法の中には、消費者の保護とともに取引の適正化ということがうたってあったと思うので、事例を出してお話します。先ほど、私、今年の4月以降、強引の事例を全部調べましたと申し上げましたが、その事例の中でも例えば家庭用配置薬の業者であって、80歳とか90歳の判断力が不十分の方に必要に以上に次々と、家庭用配置薬なので、基本的には使った分だけのお金を支払うわけですが、補充だ、点検だと言って訪問して来ては健康食品など別の商品を現金で販売していくのです。次のときも前回販売した商品が残っているのにまた販売する。そういう事例が本当に1人だけではなくて結構あるわけなんです。また、そういう相談が本人からだけではなくてケアマネさんだとか民生委員だとか、そういう身近な人から相談があるのが現実です。

健康食品では、電話で勧誘されて、電話で断ったのだけれども、もう一度勧誘をされて買ってしまった。本当は自分もきちんと断りたかったけれども、断れず買ってしまったという事例もありました。新聞では、勧誘に来た証拠のサインだからここに名前を書いてくださいねといってサインをしたら、それが実は契約書だった。これは複数件あったので、そういう売り方をされているのだと思いますが、詐欺的ではないにしろ、やはり適正な取引ではないと思われるものがたくさんありました。特に生活弱者と言われる高齢の方、判断のちょっと乏しい方、あるいは精神やお体を病んでらっしゃる方などがターゲットになっているわけです。それに対して一律に勧誘規制だとか、自主規制だとか、そういうことではなくて、皆さんで何かとれる方法はないのかということを考えていければ、もう少しみんなで合意ができるところがあるのではないかと考えます。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

先ほどから強引という言葉をどういう場合に使っているのかという御質問が出ておりますが、花井委員のお話で、強引というものを一つ一つ一定の範囲で確認していただいたということで、そこでの強引というのはやはり適正ではなくて何らかの規制が必要だというようなものを強引としてとっていて、それに入らないようなものは強引という概念には当たっていないという理解でよろしいのでしょうか。

○花井委員 そうですね。前回発言させていただいたときに言いましたけれども、やはり断っていたのにまた勧誘をされたとか、自分はよく考えて結論を出したいというのに今だけ、今日だけとかというように急がされたとか、しつこく勧誘されたとか、帰ってもらえなかったとか、いわゆる客観的に見ても問題があるものに対して強引というキーワードを振っておりますので、このPIO-NETの強引が振られたものというのはそれなりに根拠のあるものだと思います。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 先ほどから資料のPIO-NETデータの精緻な分析との関係で規制の必要性のありやなしやの議論の中で、伊藤室長からは、入り口論が決まらないのに、その先の一律規制の議論に入るのは反対である旨の発言がありました。

2つのことを申し上げたいと思います。

1つは、資料2の5ページをごらんいただくと、再勧誘禁止違反に当たると思われる、これがアのところ。むしろ6ページの右側の分類基準で言うと、「要りません」とか「結構です」「関心ありません」「お断りします」と述べたのに勧誘が続いている。これは執行強化によってもう少し減る可能性があるところなのだろうと思います。

ところが、イの「お金がない」「今忙しい」「家族に相談したい」と述べるというのは、現行法の契約締結をしない旨の意思表示と評価することができない。つまり、現行法の再勧誘禁止には当たらないという前提で書いてある。まずこれは現在の特商法の解釈通達では、今、忙しいので後日にしてくれというものは契約を拒否したとまでは言えないのだと、後からならいいのだという趣旨での例示はありましたけれども、お金がないというようなものは、むしろ社会的に言うと断り文句の典型例だと思うのです。これが消費者庁の有権解釈として拒否の意思表示に当たらないということには大変な違和感があります。ただ、今ここではそこの議論ではなくて、このイと書いてあるところについても、これは明確な拒否ではないのだから、さらに勧誘を続けてよいのだということで本当によいのか。つまり、勧誘を続けていいかどうか。例えば現行法で言うと勧誘意思の確認義務というのは訓示規定でしかなくて、法的な義務づけになっていない。恐らくそういうあたりが明確な拒否というものに当たっていなければ、まだ勧誘していいのだということになっているのではないか。

同じことは、ウの恐怖心その他による断りの意思表示ができなかったとありますが、勧誘をしてよいですかという意思表示の機会を与えることが適正な事業者の営業活動のあり方だと思うのですが、それが現行法ではきちんとルール化されていないのではないか。現在の規律では不十分なのではないか。

さらには、エのところ、断ったのにしつこく勧誘されたというのも、断ったという断りの言葉の具体例が書いていないので、再勧誘禁止現行法に当たるか当たらないかは判別できないけれども、やはり意に反する勧誘をされているものですね。そういうように、まさに紹介された分析の中身を見ていけば、現行法が消費者の意に反して勧誘されているというところに問題があるのではないか。どうも強引というキーワードに当たるか当たらないかという議論の立て方をしていますが、強引というキーワードをそもそも議論の素材に使ったというのは、断りたい人に対して勧誘が継続されているのではないかということの分析の1つの道具としてピックアップされただけで、むしろこの分類の中の一つ一つを読んでいくと、少なくともア、イ、ウ、エ、オ、ここも執拗・強引に勧誘されたという、迷惑だったとか、意に反する勧誘だということが出ているわけで、このア、イ、ウ、エ、オのここまでの全体をトータルで少しでも減らしていくためにどうするのか。もちろん、だからといって全てが営業活動一律規制しか回答がないということではないはずです。

前半の議論でも、幾つか現行法に対してここを直す方法はどうか、ここを直す方法はどうか、あるいは執行強化はどうか、幾つかの選択肢の議論をしたはずです。どうもそのことが議論として位置づけられていなくて、現在の資料では営業活動に対する一律規制としての立法事実として不十分であるという、まさに100か0かの議論ばかり繰り返しておられるように思うのです。そのあたり、現状に対して、現行法上、見直しの必要が一律規制かどうかにこだわらずあるのではないかというところで見ていけば、十分な問題点はありそうだということが今回の資料の中でも出てきていると思うのです。どうもそういう議論になっていないというところは、少し見直しをしていただきたいと思います。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

済みません、ただいまの池本委員からア、イ、ウ、エ、オを固まりとして見るべきだというお話があって、最初の消費者庁の御説明でも、消費者の意思に反して勧誘を受けた者というくくりで見るとア、イ、ウ、エ、オが入るというような御説明があったと思うのですが、このあたりの表の見方ということに関して、御意見はございますか。

伊藤室長、よろしくお願いします。

○経済産業省伊藤消費経済企画室長 今、池本委員がおっしゃったことに対する反論になりますので、先に済みません。

私が先程申し上げたのは、池本委員と真逆のアプローチです。恐らく第1ステージのときにも高芝委員からそういったコメントがあって、ここの混線状態を解決しないと、一律に規制をかけるというわけではなくて、ほかにこういう手段があるのですよねと言われても、現状変更を迫られる事業者の方々からすると、そもそもなぜそういった手段を議論しなければいけなくて、現状で消費者目線に立って解決するために必要最小限の手段がなぜここにあらわれているのかといったような議論の進め方をすべきと主張されているということではないでしょうか。そこが論理的で客観的に説明されないと前に進まないですよと申し上げているのです。ですから、そこは立場によってどういったとり方をとられるかは異なると思います。今日オブザーバーという立場ですけれども、前に出て発言しているのは、我々、消費者庁と共同請議をする立場になりますので、今みたいな進め方で問題の所在が解決されないと、その判断ができなくなりかねません。

○後藤座長 消費者庁、先ほどの表の見方についてはよろしいですか。

○消費者庁桜町取引対策課長 特にございません。

○後藤座長 それでは、池本委員、今の点についてよろしくお願いします。

○池本委員 今、伊藤室長から整理された現状変更する必要があるかないかという、まさに現状変更、この苦情が平成20年以降、減っていない、その分析の手がかりの一つとして強引というキーワードを分析の道具として使っていますが、その中身も幾つか資料を読み込んだ上でこういう分析を出していただいている。ただ、そこの中で消費者の意に反して勧誘が行われているものがこれだけの割合、件数出ている。このことについて、現状の営業活動について見直しの必要がないという評価を下してよいのかどうかということをまさにとっているわけです。それが健全な事業者も含めて一律に重大な影響を及ぼすような形では必要ないという議論に一挙に進むから議論が混乱しているのではないのでしょうか。

幾つかの選択肢で、例えば問題の事業者にある程度絞るような方法はあるのか、あるいは健全な事業者について影響が最も少ない方法で、この被害を防止する策がほかにあるのか。前半のときに出された幾つかの対策の論点というのは、もう本当にさまざまなものがあったはずです。あの議論がどこかへ飛んで、100か0かの議論になっているということは、議論の進め方として、むしろそのほうがミスリードではないかと考えます。

以上です。

○後藤座長 伊藤室長、お願いいたします。

○経済産業省伊藤消費経済企画室長 全く認識が違いまして、そもそも中間整理の文言を客観的に読めば、立法事実の整理、問題の所在についての認識を共有化するというところがまず最初にあって、その後に手段の議論をするというのがこれまでの成果だと思います。

○後藤座長 野坂委員、よろしくお願いします。

○野坂委員 先ほど池本委員は問題発言だと思う。強引というキーワードを道具として使ってとおっしゃったけれども、我々はその強引のタグが本当にどういう分類なのか非常に問題視していて、強引、そのタグそのものが非常に焦点になっているわけで、その強引のタグを道具に使って、ア、イ、ウ、エ、オを分類したのだと告白されましたけれども、それは手法としておかしいのではないですか。強引がどういうものか、そもそも我々はいまだに疑問が解けていません。その解けていない強引の数をベースにアからオまで分類されている。特に、アは問題があるのだと思いますけれども、先ほど指摘したように、この見方については、平成20年改正以降、ふえている、微増しているけれども、それはいろいろと消費者の啓発とか、あるいは執行体制が強化されたことによって相談の件数がふえているという見方もできる。つまり、この微増については、非常にいろいろな見方ができるということを指摘しました。

また、ほかのイ、ウとかエはそれほどふえていないというか、むしろ減っている。これをどういうように見るかというのは非常にわかりにくい。これもまた議論があると思うのです。「お金がない」「今忙しい」「家族に相談したい」と述べるなどというようにイの場合は書いてありますけれども、これはいろいろなパターンが恐らくあるだろうし、本当にお金がないけれども、後で話を聞きたいという人もいるかもしれないし、ここはこれだけではよくわからないわけです。やはり問題なのは、我々のターゲットは悪い連中、悪い奴らをどう封じ込めるかなのです。これは先ほど鈴木委員が指摘された処分のところと関係しますけれども、では、誰が、どんな奴が処分されているのか。これは見なければいけない。健全な業者と悪い連中を一緒くたにして議論はできないと思うのです。

その意味で、誰も言わないので私は指摘しますけれども、16ページ、事業者による自主規制の実施状況が出ています。恐らく多くの健全な業者は、当然ですけれども、消費者から不満が出たり、顧客満足度が低いとか、トラブルを起こせば、自分で自分の首を絞めるわけです。当然そうですね。今、世の中でいろいろな不祥事が企業で起きています。一旦失った信用を回復するには相当な時間がかかるし、場合によっては企業が成り立たない可能性だってある。それゆえに、健全な事業者、各社とも努力をしている。それをうかがわせるのがこの資料だと思うのです。自主規制はそれなりに努力されている。もちろん、見方によっては、まだもっと努力しろということがあるでしょう。それは当然やるべきだと私も思っていますけれども、健全な企業はいっぱい努力しているということをうかがわせる資料ですね。さらに詳細な調べが必要だと思いますけれども、それと今、議論になっている5ページ、6ページをあわせて見ると、恐らく健全な事業者は、この特商法の現行法に触れるようなことはしないように努力しましょうとしているはずなのです。まだそれはいろいろなレベルがあるでしょうけれども、したがって、アというのは、恐らく執行の強化と組み合わせ、あるいは国センのデータより生かしていくということを組み合わせれば、よりいい方向に進んでいく可能性がある。

ところが、池本委員は、この強引の云々かんぬんの詳細な分析を抜きに一気に規制強化。全部ではないからいいでしょうみたいな発言をされるけれども、それは余りにも乱暴で、今で言うところの、はやりの言葉で言えば「びっくりぽんな話」ということですね。非常に驚くべき話。そんなに一気に話は進まないのではないですか。もっと丁寧にやろうというのが、先ほど言いましたように河上談話の趣旨ですから、丁寧に丁寧に、消費者委員会委員でもいらっしゃるのだから、重責です。ですから、丁寧に議論しましょう。

○後藤座長 増田委員、よろしくお願いします。

○増田委員 私も池本委員と同じように、ア、イ、ウ、エ、オに関しては、本来であれば意思に反する行為をしているのですから、それがきちんと処分なり、あるいはスムーズに解決ができるようにしていただきたいと考えております。

はっきりと断ることができないというのが多くの人の場合だと思うのですけれども、自分自身がこのように断ったのにということが具体的に記載できていないケースというのも確かにあります。ただ、聞き取りの中で、販売員の行動から強引だというように判断したり、断るチャンスがなかったという状況が聞き取れて、それで強引というように判断するケースというのがあります。例えばショッピングモールで基礎化粧品の格安でお試しができますよといって顔のメークを全部とられた段階で勧誘を受けて35万円の契約をしたとかということになると、ノーメークで帰るわけにはいかなくて、それで契約してしまったというような御相談もありました。本人は断ったわけではなかったのですが、やり方として強引ではないか、いかがなものかと考えます。あるいは訪問購入などにおいても、家に来て品物を見せるときに、明るいところで見たいと言われて、ずかずかと家の中に入ってきて、家の中からいろいろなものを持っていった。本人は帰ってくださいということは言っていないわけですけれども、そういう行動の中から強引というようにキーワードをつけるということがあります。

このア、イ、ウ、エ、オが全部適用対象になる、あるいは処分に直結する、解約に直結するようなことになれば、それは今、高齢者の相談が3割、4割にもなっていることに非常に効果があるのだというように思いますので、このア、イ、ウ、エ、オをどうやって解決に、有効に特商法の中で機能させていくのかということが今、一番重要だと思います。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 まず1つは、強引というキーワードを離れて5ページ、6ページを議論しているわけではなくて、従来、強引というキーワードで数字の推移だけを出したのに対して、強引とは何ぞやと、それがはっきりしないというように複数の委員の方から指摘があったので、その強引のキーワードの中身をカードに直接読み取りをする中で、明確に断ったのに勧誘が続いているケースとか、断りの言葉のニュアンスが少し違うものとか、そもそも断る状況、怖くて発言もできなかったというものとか、断ったのにという言葉はあるけれども、どういう言葉で断ったかが書いていないとか、そういう非常にもどかしいものはあるけれども、少なくともア、イ、ウ、エ、オのここまでは今の入り口での勧誘のあり方について消費者の意に反する可能性の高い、もちろんその事案によって分類の仕方、誤差は出るのかもしれませんが、この消費者の意に反して、それがトラブルとしてあらわれてきているものについて、どうやったら減らすことができるかということが議論として必要なのではないか。それがとにかく、これはデータとして不十分だから、現状について全く見直しの必要がないかのような議論の進め方をするというのは、入り口論という名において、今後のあり方論の議論そのものを避けておられるようにしか聞こえないのです。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

山本委員、よろしくお願いします。

○山本委員 ここの消費者庁さんがされた整理というのは、強引というキーワードが振られたものの中から、お話のようにいろいろなものが含まれているのではないかという御疑念を持たれているので、そういうのを排除するために2万件のカードを見て、明らかに強引で、再勧誘に対してどうなのかというのだけを抜き出した結果をここに示されていると思うのです。そういう意味では、強引というキーワードの振り方がどうかというところの議論を踏まえて、それを排除する形で、明らかに2万件見たところで勧誘の仕方が強引で、断っているのに再勧誘したとか、そういったところだけが一番濃いところだけが集められているので、ここを着目していけば、今まで前半で議論になった、強引の付与の仕方がいかがものかというところは十分払拭されているものなのではないかと思うのです。

○後藤座長 野坂委員、よろしくお願いします。

○野坂委員 山本委員の発言には瑕疵があると思うのです。2万件ではないでしょう。これは千何件。全部4月から12月、要するに1年分調べたものではないでしょう。ですから、全部調べたものではないわけでありまして、これは4月分だけでしょう。4月分だけで精緻なデータを示したものではないのではないかという問題提起をしているわけで、それに対する回答が先ほどありましたけれども、2万件全てではないのでしょう。

○山本委員 20年から26年までを足すと2万件というお話をされていましたので。

○野坂委員 ただ、平成20年の改正以降の前後を見るべきだというのは、立法事実があるかどうかの根本だと思うのです。

○後藤座長 野坂委員、消費者庁が説明しますので、よろしくお願いします。

○消費者庁桜町取引対策課長 今、山本委員がおっしゃったとおりで、26年4月、訪問販売であれば1,499件でございますけれども、これは20年度から26年度まで7年度やっておりますので、およそ1万件ぐらい。電話勧誘販売も同様にやっております。合わせて2万件、その数字は私が申し上げました。

○野坂委員 それであっても、先ほど指摘したように、これは杤原委員も指摘されたけれども、全体のトータルとしては減少傾向になっているものをどういうように分析する必要があるのか。これは重要なポイントだと思うのです。トータルの数字。また、イとウとエとオとかいろいろとありますけれども、このそれぞれの分析というのは、これをもってすぐに規制強化をすべきだけの立法事実がこの数字だけで断定できるのでしょうか。それについては疑問だと思っております。

○後藤座長 消費者庁、何かございますか。よろしいですか。

○消費者庁桜町取引対策課長 そこは御評価いただきたいところでございます。

○後藤座長 山本委員、よろしくお願いします。

○山本委員 今のお話で、全体をどう見るかというのも確かにあるのかもしれませんけれども、私が申し上げたのは、一番濃いところ、一番悪質なところを抜き出している、あるいは今回も問題点としてテーマとしてなければいけないところというのを消費者庁さんのほうで抜き出していただいているのは、アとイとウという御説明でしたので、そこについてはここのグラフを見る限りは、全体は減っているかもしれませんけれども、減っているとは言いにくいという状況になっていますので、全体が減っていることを考慮する議論を優先させる必要はないのではないか。アとイとウのところの問題を議論していくというのが議論のやり方ではないかなと思います。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

伊藤室長、よろしくお願いします。

○経済産業省伊藤消費経済企画室長 1点、東京都さんに確認したいのですけれども、それは商工部局とも相談してそういう発言をされていますか。それとも生活文化部局としての御発言ですか。今みたいなお話というのは、東京都としての見方ということでよろしいですか。

○山本委員 それはどういう意味ですか。

○経済産業省伊藤消費経済企画室長 誤解があったら申しわけないのですが、今、野坂委員からあったように、この表の捉え方、グラフの捉え方は様々な見方に分かれ。

○山本委員 グラフの見方を言っただけですけれども、それは東京都としての見解かということですか。東京都として見解がなければグラフの見方は述べてはいけないということですか。

○経済産業省伊藤消費経済企画室長 いいえ、そういうことではなくて、一委員として御発言いただいていることで承知しましたので、誤解を招き申しわけありませんでした。

○山本委員 少し気になるのですけれども、前、野坂委員も言われていましたけれども、オブザーバーの意見というのは広く聞くという意味で尊重しなければいけないと思うので、伊藤室長が発言されることは歓迎だと思うのですけれども、伊藤室長の意見に我々が拘束される必要はないということでよろしいですよね。

○経済産業省伊藤消費経済企画室長 それはもちろんそのとおりで、結構です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

提出していただいた資料、時間をかけて作成していただいたということは存じ上げているのですが、資料の見方についてまだ意見が分かれているという状況でありまして、特に強引というタグがついている件数について、減っているという見方もあるということなのですけれども、減ったと見るべきではないという考え、御発言もありましたし、特にアの部分なのですけれども、再勧誘禁止の規制が効いているかどうか、効果があるかどうかということに関して、平成20年から26年まで見ていくと、苦情が増えておりますので、平成20年改正の再勧誘禁止の規制が入ったということであっても余り効果はないのではないかという見方があり得ると思いますけれども、必ずしもそう言えないという見方も委員の方からは出ております。そこで、次回、その辺について、入り口のところでまとめさせていただきたいと思います。中間整理でも平成20年改正の効果の検証ということも含めて後半部分では議論するというようなことが書かれておりますので、本日、種々議論がなされまして、大変有益だったと思いますけれども、なお共通認識を持つに至っていないということで、そのあたり、今、申し上げたところあたりから次回始めさせていただくということでよろしいでしょうか。

杤原委員、どうぞ。

○杤原委員 資料の6ページについてですが、まず再勧誘のところは取り締まればいいと思います。その隣のオレンジとグレー、黄色のところが議論になっていますが、右側の分類基準で一くくりにくくっていますが、それが全部ここに当てはまるとは思えません。事業者が重複しているのか、重複していないのかの説明を伺っていませんし、件数でいけば減っているようにもお見受けします。ここのところの具体的な事業者の手口、あるいは相談の中身をお示しいただかないと、阿部委員が言われたように解決できるのか、あるいはできないのかというところが見えません。いずれにしても、サンプルではなく全件の具体的な事例をきちんと調べていただくというのが議論のスタートではないかなと思います。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

ほかに委員の方で何か御発言、あるいは御質問はございますか。

池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 今、杤原委員から御指摘があった具体的な例をというのが、そのア、イ、ウ、エ、オのそれぞれの分類の要約は6ページの右側、分類基準のところで書いてありますが、そこに該当する典型的な事例を幾つかピックアップして、イメージが共有できるようにという意味であれば賛成であります。ただ、それを全部並べて、一からこの委員間で議論するという性質のものでもないでしょうし、あるいは4月の分だけでは不十分で、12カ月全部ないと議論が前に進まないということも極論だと思います。まさに、限られた人数の中でここまで作業しておられた。ここから何を読み取るかということ。ただ、読み取りの中で今のように具体例が共有できないので、その典型例を出すという意味であれば私も賛成したいと思います。

○後藤座長 野坂委員、よろしくお願いします。

○野坂委員 先ほど池本委員と認識を共有した13ページ、ほかの委員も共有しましたけれども、あっせん解決、これをどうすればいいのかというのが問題意識としてほぼ共有できそうなところでありますので、どうやってあっせんをふやせばいいのか。この論点はぜひ次回やっていただきたいと思います。それプラス、そのほかさまざま議論に出ておりますけれども、先ほど出た6ページ、7ページ、この議論だけではなくて、今、現行法で何が足りなくて、何をすればいいのかというそもそも論。まだ立法事実があるかどうか、先ほど座長が発言されたように、共通認識がないわけでありますので、いきなり手段論に入るのではなくて、やはり幅広く今日の議論の継続ということが一番望ましいと思います。

○後藤座長 増田委員、よろしくお願いします。

○増田委員 あっせん解決をすることも1つの方法だと思いますけれども、私はここの場で議論すべきは未然防止を目指していただきたいと思います。そのために、あっせん解決で解決できればいい、あるいはクーリング・オフで解決ができればいい、お金が戻ればいいということではないということを基本に考えていただければと思います。処分をするに当たっても、解決したものを処分から抜かすということではないです。クーリング・オフであったとしても、同じ手口を繰り返すようなことがあれば処分の対象になっているわけですから、解決するにはどうしたらよいかという考え方は、1つの方法としてあるべきであって、目指すは未然防止をしていただきたいと思っております。

○後藤座長 ありがとうございました。

佐々木委員、よろしくお願いします。

○佐々木委員 今、現状は規制強化ということしか議論していないのですけれども、電話勧誘販売について言えば、現行法の過去1年間に2回以上買ったもの以外への再勧誘はできないというようになっているわけですが、実際にはある意味で3年前に買った人は、家具を毎年買うということはないですから、その方に電話勧誘をするということは不意打ちではないと思うのです。そういう意味では、規制緩和ということも議論をしていただきたいと思います。サンプル等、資料を請求した人に対しての勧誘という行為はごく自然な商行為だと私は思います。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

山本委員、よろしくお願いします。

○山本委員 先ほど、野坂委員からの質問だったかと思いますけれども、情報提供の件で簡単に。東京都で執行部門はPIO-NETが見られますので、随時情報が入ってきますので、国センから情報の提供を受ける必要がないということになっています。

先ほど申し上げた都内のセンターとの情報のやりとりについては、これからやっていくということではなくて、もう既に密に日常的にやりとりをして処分する事業者を見つけることということをやっておりますので、以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

定刻の時間をもう過ぎておりますので、そろそろこの会議を閉じたいと思いますが、よろしいでしょうか。

それでは、次回につきましては、本日の多様な議論を出していただきましたので、それを整理した上で、次回、引き続いて訪問販売、電勧誘販売における勧誘を御検討いただくことにいたしたいと思います。

最後に、事務局から事務連絡をお願いいたします。


≪3.閉会≫

○丸山参事官 本日も長時間熱心な御議論のほう、どうもありがとうございました。

次回につきましては、12月2日、水曜日、14時からの開催を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

○後藤座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)