第41回 食品表示部会 議事録

日時

2017年6月29日(木)15:58から18:49

場所

中央合同庁舎中央合同庁舎8号館 講堂(東京都千代田区永田町1-6-1)

出席者

【委員】
阿久澤部会長、樋口部会長代理、安達委員、池戸委員、井之上委員、今村委員、受田委員、荻原委員、蒲生委員、川口委員、岸委員、澤木委員、菅委員、宗林委員、渡邊委員
【説明者】
消費者庁 吉井審議官、赤崎食品表示企画課長、三上食品表示対策室長、食品表示企画課
農林水産省 島崎食品表示調整担当室長、食品表示・規格監視室
【事務局】
黒木事務局長、福島審議官、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 食品表示基準の一部改正に係る審議(消食表第156号諮問書(加工食品の原料原産地表示))
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○丸山参事官 それでは、定刻になりましたので、会議を始めさせていただきたいと思います。

本日は、皆様、お忙しい中をお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会食品表示部会」第41回会合を開催いたします。

本日は、赤枝委員、宮崎委員、松嵜委員が所用により御欠席ですが、過半数に達しており、定足数を満たしております。また、岸委員がおくれて御到着ということで御連絡を受けております。

議事に入ります前に配付資料の確認をさせていただきます。

本日はお配りしています資料につきまして、議事次第下部に記載しております。

資料1-1から資料4、参考資料につきましては1から6となっております。

なお、本日、井之上委員、川口委員、渡邊委員から資料が提出されておりまして、参考資料4から6ということでお配りしております。委員提出の資料につきましても議論に御活用いただくよう、よろしくお願いいたします。

不足の資料がありましたら、事務局までお申しつけください。

なお、本日も多くの傍聴の方がお越しになっておりますので、御発言の際には、恐縮ですけれども、マイクに近づけて御発言いただきますよう、よろしくお願いいたします。

それでは、阿久澤部会長、議事の進行をよろしくお願いします。

≪2.食品表示基準の一部改正に係る審議≫

○阿久澤部会長 本日もよろしくお願いいたします。

今回は、前回に引き続き加工食品の原料原産地表示に係る食品表示基準の一部改正について、審議を行います。前回は食品表示基準案に関するパブリックコメントへの意見状況やパブコメの結果を踏まえた消費者庁修正案について御説明をいただき、その後、各論の項目を幾つかの塊に分けて委員から御意見を伺いました。本日は、これまでに出された御意見等を踏まえまして委員間で議論を行いたいと思います。

本日の審議の進め方ですが、初めに、前回部会での意見状況を再確認するために資料1-1の委員意見について、これはまとめていただいた事務局から簡単に報告をいただき、その後、消費者庁から本日提出された資料2から4に基づき、前回部会で出された質問や意見に対する回答や、前回部会で5年程度が適当とした経過措置期間の消費者庁案などについて御説明をいただきたいと思います。

その後、前回同様に項目を幾つかの塊に分けて議論を行いたいと思いますが、どの項目も資料1-1にあるように前回までにある程度意見が出されておりまして、本日はそれらの御意見を踏まえて議論を行う状況です。このため、本日はそれぞれの項目に関する議論の最後に、その項目に関する部会としての見解を今後の答申内容に関する議論の参考とするため、確認したいと思います。よろしくお願いいたします。

なお、議論に当たっての提案ですが、資料に沿って例外表示から議論を行うのではなく、まず制度運用の骨格に当たる監視体制や普及・啓発や周辺情報である国際整合性、インターネット表示について議論を行いたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

資料は例外表示から始まっていますが、監視や普及・啓発などがどのような形でどのように行われるかで例外表示をどう考えるかという部分の意見が変わり得ると思います。このため、委員の皆さんに御異存がなければそうさせていただきたいと思います。今、確認いたしましたので、そのようにさせていただきます。

では、後ほどの議論は監視から始めたいと思います。よろしくお願いいたします。

審議の進め方でもう一つお話ししたいことがございまして、先ほど申し上げたように、議論の後にその項目に対する部会の見解確認も行うため、本日だけで全項目の議論を行うことはなかなか難しいと思います。このため、本日は監視、普及・啓発、国際整合性、インターネットの表示の後に例外表示を議論し、もし時間があれば、それ以外の項目を順次議論することとしたいと思いますが、これについてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。では、よろしくお願いいたします。

それでは、審議に移ります。

まず、事務局から資料1-1について、簡単に御報告をお願いいたします。

○丸山参事官 資料1-1、タイトルは「第40回食品表示部会 委員意見(まとめ)」です。こちらについて事務局から説明させていただきます。

なお、この資料は事務局の責任において作成させていただいたもので、前回御欠席された委員のご意見についても事務局で聞き取ったものを含んでおりますので、よろしくお願いいたします。

まず、大きく6つの項目ということで意見について整理させていただきました。

1ポツでございますけれども、例外表示というところでございます。

1つ目の丸の例外表示ですけれども、例えばということで御意見の中身ですが、「原則である国別重量順表示が想定よりも少なく、例外表示がふえた場合、消費者が正しい情報を得にくくなるのではないかという懸念がある。例外表示が増加しないことがどの程度担保されるのか」といったような御意見などがございました。

2ページのところでございますけれども、「過去の産地別使用実績の期間の取り方について」。3ページ目のところ「産地別使用計画について」、4ページ目、上から「『可能性表示+大括り表示』について」「例外表示の注意書きについて」、さらに「製造地表示について」、4ページ目最後「根拠書類について」、5ページ目に移りまして「『可能性表示』の呼称について」「表示の順番について」。

以上、こういった点につきまして、例外表示につきまして御意見がありました。こちらのそれぞれについて整理をして記載しております。

2つ目でございますけれども、「誤認防止策、おにぎりののり、業務用加工食品、業務用生鮮食品」ということですが、例えば「誤認防止策」ということでは、「使用割合が極めて少ないことを示す「5%未満」の表示は、可能性表示だけでなく国別重量順表示や大くくり表示にも適用すべき」といった御意見がございました。

それ以降ですけれども、6ページ目「おにぎりののり」、「業務用加工食品、業務用生鮮食品」ということで、それぞれ項目別に意見を整理してございます。

3ポツ目でございますけれども、6ページ目の下ですが「監視体制、普及・啓発、国際整合性、インターネット表示」について整理しています。

まず「監視体制」についてですけれども、例えば1つ目でございますが、「可能性表示は使用可能性がある複数国を過去の実績や使用計画に基づいて正確に表示して初めて活用できるものである。正確に表示されることが監視でどの程度担保されるのかが気になる」といったような御意見がございました。

7ページ目、下部ですけれども、「普及・啓発」の部分のところでは、「原料原産地の表示の導入は、消費者の利益を最大化していくことが根底にあり、それに向けて事業者の努力が結実していくという制度である。よって、消費者がこの制度を十分に理解することが最も重要である。単なる普及・啓発の運動をやって終わりではなく、その成果がどこまで消費者に浸透しているかの定点観測を行い、成果を形にしてほしい」といった御意見がございました。

それ以降、8ページ目でございますけれども、「国際整合性」、9ページ目の上「インターネット表示」についての意見を整理してございます。

4ポツ目については「経過措置期間」ということで意見を記載してございます。

最後、10ページ目でございますけれども、「5.基準案の経過措置第3条『従前の例によることができる』食品の範囲について」というところでございますが、例えば「前回では、原案は酒類に限っているが、ほかの食品で同様の状況のものがないかが懸念される」といった御意見がございました。

最後は「6.その他」として御意見を整理しております。

事務局からの説明は以上です。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

では、次に、消費者庁から説明をお願いします。

本日は、消費者庁から、吉井審議官、赤崎食品表示企画課長、三上食品表示対策室長にお越しいただいております。また、監視に関する参考人として、農林水産省から島崎食品表示調整担当室長にお越しいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

では、40分程度で説明をよろしくお願いいたします。

○赤崎食品表示企画課長 消費者庁の食品表示企画課長でございます。

前回、委員の皆様からいただいた御意見、御質問は資料1-1にまとめられておりますので、本日はこれにつきまして消費者庁のほうから御説明をさせていただきます。

今回、資料2、3、4の3種類を用意しております。これらに基づく説明以外は口頭での御説明とさせていただきます。時間も限られておりますので、できるだけ簡潔に説明させていただきます。

まず、資料2をごらんになっていただきたいと思います。「現行の食品表示法の監視体制について」でございます。

この資料の1から4ページ目までは前回御提出したものと同じです。今回新たに5ページと6ページをつけております。食品表示の監視につきましては、資料1-1の6ページ目以下に「○監視体制」ということで幾つかの御意見をいただいております。まず、この「○監視体制」のマル1、マル2、マル3では、監視でどの程度正確な表示が担保されるのか、こういう御意見がございます。マル2で、故意に制度を悪用する事業者がすり抜けられないようにすべきという、いずれも実効性ある監視をすべき、できるのかという御意見をいただいております。

あと同じ6ページのマル3になります。農政局や県がきちんと対応できるのか、こういう問題意識の御意見もいただいております。

7ページになります。マル10を見ますと、立入検査数などについてデータを示してほしいという御意見をいただいております。まず消費者庁からは、今、国、農政局、都道府県を含めた連絡連携体制がありますので、その御説明をさせていただきます。

資料2の5ページの上の囲いになります。不適切な食品表示に関する監視を強化するため、国と都道府県との間で食品表示監視協議会を設置し、関連情報の共有等を行っています。この連携の一環として、夏と年末に消費者庁が司令塔という形で地方公共団体による表示の一斉取締りを行っています。27年度以降、これまで約110万施設に対して調査を行って、約7,000件、表示違反を確認しています。今、述べたことが5ページの中ほどについてです。きっかけは「生活安心プロジェクト」というものです。平成19年に関係閣僚会議で決められたものですが、ここで国と都道府県、国の中での連携、体制整備をすべきという整理をしております。

5ページにあるとおり、実際、左側に国レベルの食品表示連絡協議会があり、地方レベルは右側になります食品表示監視協議会があります。食品表示監視協議会は2つに分けられますが、47都道府県ごとに県のいろいろな部局、消費生活センター、県警、農政局支局が入る形の協議会という場がございます。

何をしているのかについては、5ページの下に役割というものがあります。1つ目のポツにありますように、情報共有や意見交換を行っております。また、3つ目のポツにありますように研修会も実施しております。

実際の活動状況を6ページに整理しております。1つ目の○に出ております都道府県ごとの食品表示監視協議会は毎年1回以上会合を開催しております。そのほか、都道府県も参加する形で全国ブロックごとの協議会で研修会を開いています。

その実績が6ページの下にあります。縦軸でブロックごとに分けられていて、横軸でブロック別協議会の開催数、研修回数、ブロック内の各県ごとの協議会の開催数、研修回数を整理しています。北海道ブロックの中の各県協議会レベルで見ますと、北海道は12回、東北も12回あります。東北は6県ですから、平均して各県年2回やっているということになろうかと思います。こういう形でいろいろな形の情報共有、研修を行っています。

研修につきましては、ブロック別協議会なり各県ごとの協議会でゼロが入っているところもありますが、ブロック別、または各県別で見ますと何らかやっているというのが今の実態で、そういう底上げについてのいろいろな取り組みが現実になされています。

あと資料1-1をごらんになっていただきますと、番号は触れませんが、例えば監視マニュアルについて充実すべきという御意見も入っておりました。監視マニュアルについては、一般論ですが、今でも国のほうで監視のマニュアルをつくっており、随時拡充をしております。これは口頭の説明になります。ただ、監視マニュアルは性格上、対外秘となっております。手のうちをさらすわけにはいきませんので、そういう実態だということを合わせて付言させていただきます。

あと6ページの上の囲いの2つ目の○に別のことを書かせていただいております。平成27年度以降、消費者庁主催で各県の担当者会議を開いております。27年度から食品表示法に基づく新しい表示制度がスタートしておりますので、そのタイミングでということです。この担当者を集めた研修では、今年はまさに6月12日、13日に開いております。原料原産地表示制度を含む食品表示基準の解釈や執行についても研修をしていますので、あわせて御紹介をさせていただきます。

あと、表示の監視につきましては、前回、委員の方からいただいた御意見の中で、今、指導とか指示、公表はしているけれども、端緒が何かという御意見もいただいておりました。無通知の立入検査をきっかけに指導しているのか、内部告発なのかということでございましたが、端緒についての具体的根拠はこれまでも非公表としておりますので、お答えのほうは差し控えさせていただきたいと思っています。

同様に、前回、制度開始後にどのようにチェックすることができるのか。そういう御意見もいただいておりましたが、これにつきまして、総務省の行政監察というものがございまして、これは県も含めてチェックをいただいており、その指摘も踏まえて改善をしているということを御紹介させていただきます。

この監視は、これまでの御議論の中でも非常に大事な点だという御意見をいただいており、我々もそのとおりだと思っております。組織別に見ますと、農政局は国の機関ですから、日ごろからいろいろな形で連携しております。問題は県のほうになりますが、国とは別の組織ではあります。ただ、今、述べたようないろいろな連絡、連携の場があって、そこでいろいろな情報共有なり研修もしております。当然、今回、制度改正に伴ってやるべき事項というのは増えると思いますが、こういう連絡、連携の場がありますので、それを最大限活用しまして、今年も6月12日、13日と原料原産地表示の見直しに関する情報共有、研修もしています。こういう場を通じて新しい制度の適正な運営に取り組んでいきたいと思っております。

その次、資料3をお開きいただければと思います。

これは3月29日に補足資料として出したものの変更部分を今回まとめたものでございます。幾つかございます。まず1ページ目になります。これは前回の御意見で申しますと資料1-1のまさに1ページに「○例外表示について」という整理がございます。これを見てみますとマル3で、新しい表示方法について要件の絞り込みと明確化が大事だという当然の御意見もいただいています。あとマル4で、結局これは誰が何をどうやって判断して表示するのかという御質問もいただいており、マル5で制度に従う場合の重要な確認ポイントを詰めるべきという御指摘をいただいています。まさに、こういう問題意識を我々も共有して、3月29日にお出ししたものをもう一度精査して一部修正をしたいということでございます。

1ページの5番、可能性表示が認められるのはどのような場合ですかという設問でございます。2パラで、ただし以下、線を引いておりますのは、前回、過去実績の取り方で、過去3年のレンジの中で最も古い1年。これは当初だめだとしていたのを認めると整理しました。それに伴っての修正です。

大事な点は、その次の3でございます。これは冒頭、こう書いています。「また、過去の産地別使用実績に基づく可能性表示を基本とします」。要は過去実績に基づく表示と今後の使用計画に基づく表示、二本立てですが、できるだけファクトとして固まっている過去実績に基づく可能性表示が基本だと前回も書いておりました。ただ、その後、新商品または原料調達先の変更が確実な場合は、使用計画に基づく表示が可能としていたのですが、そこをもう少し丁寧に書きました。

新しく加えたのが「などの過去の産地別使用実績が使用できない場合」というフレーズでございます。要は「A又はB」と書いてCとかDを使うのはだめだということ、これは前から御説明しているとおりです。でも、「A又はB」で実際AとBしか使わないのですが、従前はA、Bが7、3の割合だった。今後はやはりAとBだけ使うのですが、3、7の割合になる。これが契約栽培等の都合であらかじめわかっている場合、どうするかということで、過去実績だと「A又はB」で重いのはAなのですが、ただ、今後はA、Bの2カ国しか調達先とするのですが、もうAよりBをたくさん使うというのがほぼ確実だといった場合は、やはりB、Aの順番、それは使用計画に基づくものとして書いていただいたほうがより正確な表示になるのだろう。そういう意図をより明確にするために、今、言いました過去の産地別使用実績が使用できない、トレンドとして違っている場合は、より実態に合った表示がいいという趣旨のことを今回書かせていただいています。

その次の4ポツでございます。「可能性表示はあくまで例外の一つであり」と書いており、その後に国別重量順表示が困難と認められない場合には用いることができないと書いておりました。今回、そこにまた1フレーズを追加しています。アンダーラインで入れておりますが、「産地の切替えが見込まれても、その都度表示を切り替えること又は包装自体を切り替えることが容易な場合」は困難とは認められない。これは定性的な規定ではありますが、より意図が明確になるようにということで今回入れております。

あと5パラは新規の追加になります。これは、要は事業者がルールに従って表示をする。ただ、それについては、行政が確認する。その際には、根拠書類をチェックするというアプローチで、まさに妥当性を判断する。これは誰がどうやって判断するのかという問題意識に対して、こういう規定を入れたほうが丁寧だろうということでつけ加えたものでございます。

設問5番で書いているのが可能性表示の場合ですが、3ページに8番ということで大くくり表示というのが入っています。書いてある中身は先ほどの5の可能性表示と同じですので説明は省略させていただきます。基本的な新しい例外的な表示については、可能性表示とは別に大くくり表示がありますので、そこは別建てで書いているということです。

その次、12番、6ページをお開きいただければと思います。見出しが可能性表示の注意書きについて、どのような表現がいいのか、どの期間が認められるのかというところでございます。

1ポツの4行を消しているのは、過去3年の中でも最も古い1年を使えるという前回の整理に従って連動しての修正ですので、それ以上説明はしません。

ポイントは2ポツになります。出だしはこう書いています。「今後の一定期間における産地別使用計画順に表示をする場合の注意書き」。使用計画の話をここで書いています。使用計画につきましては、実は資料1-1の3ページに「○産地別使用計画について」というのがございます。そこのマル1、マル2、マル3、マル4とここは実は連動しているのですが、要は使用計画の計画期間について、我々1年という御提案をしていましたが、2年もいいのではないかという御意見が前回出ておりました。それに対する1つの我々の考え方でございますが、基本的には1年か2年のいずれかについては、1年のほうが適当だと思っています。やはりより長期にわたる事業計画の見通しを前提とする表示というのは一般的には表示に関する消費者の信頼確保の面から見ると難しいのではないか。その意味で、原則1年なのですが、ただ、前回の委員の御提案を踏まえて、注意書きの記載を工夫すれば、もう1年同じ包材の使用が可能になるような記載例を追加したということでございます。

それが2ポツのマル3でして、○○の産地は平成29年の使用計画の順に表示。ただ、平成30年の使用計画に変更がない場合は継続して表示。こういうやり方も認めてはどうかという御提案でございます。

新たに4ポツを入れております。要は注意書きはあくまで表示例なのだ。合理的でわかりやすいものであれば、使うことができるという趣旨のパラグラフの追加でございます。

最後、8ページ、14番になります。これは、使用計画表示の場合のまさに合理性いかんという内容でございます。これもいわゆる要件の可能な限りの絞り込みと明確化という御意見を前回いただきましたので、それを踏まえての修正でございます。

本来、これは何を書いているかというと、1ポツに書いているように、使用計画に基づく表示をした場合、実際の使用結果が大きく異なって合理的な説明がつかないとそれは正当な計画ではないと当たり前のことを書いていました。計画ですから、そのとおりになるかどうかはわからないという意味では大きく結果が異なってしまうと、それは正当性を欠く。

その判断基準ということだったのですが、「A又はB」と書いてCを使ったりというのは本来的に認められていませんが、ポイントはマル1の下に書いてある「A国又はB国又はその他」という場合です。その他というのがバスケットクローズになっていますので、結果、ふたをあけてみるとその他だったという場合はどうかという問題になります。その他が入っておりますので、一応ルール上は射程内の産地調達ということになるのでしょうが、A、Bと頭出しをしていないところからの調達が大部分を占めるようなことはいかがなものかということで、当初、マル2にありますように、合理的な説明がつかないとその他だけだというのは適正性に欠く。その合理的な説明というのは災害など突発的な事由としか書いておりませんでした。

自社や取引先の都合による調達変更はだめだと前から書いてはいたのですが、問題ない場合で「災害など」だとやはり例示要件としてはやや不鮮明ということで、マル2の2行目以下に、場所も変更ですが、追加して拡充しています。自然災害、家畜の伝染性疾病の発生、あとは港湾ストによる輸送の停止、物流のストップ、こういう突発的な事由で、結果、食料の安定供給に著しい影響を及ぼすおそれがある。こういう場合は合理的な説明がつく。ただ、当初、書いていたように、自社や取引先の都合による調達変更はだめだ。そこをより明確化し、鋭角的に書いたということでございます。

当初、これは14の設問にありますように使用計画縛りがかかっていました。計画の場合は本人のいろいろなプランでいかようにでもできるという事情がありましたので、そこを厳し目に使用計画に特化して書いておりましたが、新たに2ポツも入れました。要は過去実績に基づく表示。それが「A又はB又はその他」であっても、ふたをあけてみてその他だけだというのは一定の説明責任が出てくるのではないか。その意味では、過去実績に基づく表示の場合でも同じような考え方を当てはめるべきではないかということで2ポツを追加したということです。

以上が資料3の説明でございますが、基本的には、いわゆる新しい表示というのは例外的な位置づけでございます。その要件はできるだけ絞り込んでできるだけ明確にしたほうがいいという観点から見直しております。

資料4になります。駆け足で恐縮でございます。これは諮問案からの変更ということで、条文ベースで変わったところを整理したものでございます。

1ページ、第3条第2項表1の五イの(ロ)というのがあります。中身は前回御説明したものですけれども、その他の場合の割合表示を書いてあります。前回御説明したように、その他については5%未満の場合でも割合表示は不要と考えております。これは具体的な国名ではありませんので、いわゆる誤認は生じない。ただ、そういうつもりで条文を書いていたと理解していましたが、後の審査で誤りが発見されたので、前回御説明したように括弧書きを追加したということです。これは前回の御説明と全く変わっていません。

変わっているのは2ページの附則のところでございます。1条はそのままなのですが、2条で、いわゆる経過措置につきまして、この府令の施行の日から平成34年3月31日までにという形で具体の年月日を入れました。前回、この部会で御議論いただいた結果、5年程度が適当という整理をされましたので、それを踏まえて、当初32年3月31日を34年3月31日に変更しております。

同様に、第3条も前回の御議論で変えております。当初、この第3条といいますのは長期熟成の場合の特例ということで、お酒に限定をしておりました。ただ、前回、委員の方から、果実酢もあるのではないか、そのほか、いろいろなほかの食品についても長期間寝かせるようなものがあるのではないかというような御指摘をいただき、我々のほうでも精査もしました結果、ここはお酒縛りをとって、長期熟成する、寝かすような食品全般を読めるような規定にして条文も変えております。

資料4は以上でございます。

その後、ここからは口頭になりますけれども、前回、委員の皆様からいろいろいただいた御意見に対して簡潔ですが回答させていただきます。

まず資料1-1の1ページ「○例外表示について」のところです。

最初にマル1がございます。これは例外表示が増加しないことの担保ということをどうするのかということかと思っております。このマル1につきましては、まず新しい表示方法については、要件が決まっております。決して事業者が任意で選択できるものではありません。従って、そういう点をよく事業者の方々に周知をし、監視でしっかり実効性を担保するのが基本だと思っております。

あとマル1を見ますと、消費者が正しい情報を得にくくなるということも書かれておりますので、消費者の方々にはしっかりと普及・啓発をしていく。前回御説明したように、わかりやすい資料をつくり、いろいろな説明の場で我々のほうから積極的に説明をさせていただく。そういう形で理解増進を図るということを考えております。

その次のマル2になります。これは実際に導入した後のチェックが大事だという趣旨の御指摘と思っております。これは御指摘のとおりでして、当方としても制度施行後にきちんと調査をして、実態はどうなのかということを押さえていきたいと思っております。

マル3からマル5につきましては、先ほど御説明した要件の絞り込みと明確化とか、誰が何をどうやって表示判断してチェックするのか。あとマル5にありますように過去を実績として使用できるのは今後の使用見込み、トレンドと合致している場合であること。こういう御意見がございましたが、先ほど資料3で御説明をさせていただいたとおりです。

マル6でございます。これはいろいろ御意見をいただいておりますが、2ページ、最後の3行に、例えばアレルゲンなど安全にかかわるような表示を誤認したり見落としたりしないようにという御意見をいただいております。この点につきましては、おっしゃるとおりと思っております。実際、個別の原材料の後にアレルゲン表示、遺伝子組み換え表示、原料原産地表示、最大3つ表示することもあり得ますが、基本的にはアレルギー表示を最初に表示することが適当と考えており、その旨、Q&Aできちんと整理をし、周知をしたいと思っております。

その次、マル7になります。マル7の御意見は、要は昨年の有識者検討会のことだと理解をしていますが、消費者庁及び農林水産省の検討会において、新しい表示方法について議論をしました。そのときに、いわゆる例外的な表示が本当に消費者の自主的、合理的な選択の上で意味があるのか、重要なのか。その点、どういう整理、議論がなされたのかということだと理解しております。

この点につきましては、前回、池戸委員からも御説明があったところですが、補足をさせていただきますと、検討会では、昨年11月に中間取りまとめを行っていますが、そこでは国別重量順表示が難しい場合はあるとしています。その場合でも消費者にできるだけ充実した産地情報を提供すべき、表示を全くしないことを許容したり原則以外の表示を一切禁止することは適当ではないと書かれています。消費者の選択という知る権利と実行可能性のどこでバランスをとるかですが、基本、全く情報がないというのを考えると、いろいろな工夫をしながら、どこまでならば出せるのかというアプローチで議論をしたということでございます。

あわせて、検討会の最終回の第10回では、アカデミアの委員の方から、新しい表示方法については確かにパターンが幾つかあるけれども、それほど複雑ではない。メリットのほうも大きいという御意見、御発言もありました。ただ、それにつきましては、新しい表示方法を事業者に丁寧に説明をする。同様に、消費者にも十分周知をするというのが前提だと理解しておりますので、我々もそういうことで普及・啓発については取り組んでいく。その中で、こういう制度についても消費者の選択のためになるようにということでいろいろな要件を考えておるということでございます。

その次、時間の関係もあります。同じ資料1-1の2ページの「○過去の産地別使用実績の期間の取り方について」のところでございます。

これにつきまして、マル1からマル4までの御意見は、過去3年のうち最も古い1年を認めるべきということで、これは前回、そのとおりということで御説明をさせていただいたとおりです。

あとマル5は使用実績の細分化という出だしになっていますが、要は情報の正確性が担保できる範囲でできるだけシンプルなルールを検討すべきということかと思っています。

同様に、マル6、マル7は類似商品というのがどちらも出ておりますが、できるだけこれも根拠として使えるようにすべきということかと思っています。特にマル7の御意見につきましては、使用計画ともリンクすると思っています。要は新商品の場合は全く違うコンセプト、斬新なものをつくる場合もありますが、従前のものの例えばフレーバーを変える、多少組成を変えて新商品として売り出すようなこともあります。ただ、フレーバーを変えるだけであれば、それを新商品として売る場合は、重量順1位の原材料の調達構造というのは多分既存のものと変わらないという含みなのだろうと理解しています。そういう意味で、類似商品についてもできるだけ根拠として使用すべきという点の御意見だと理解をしていますが、マル6、マル7につきまして、御指摘のとおりだと思っています。合理的な説明が可能であれば、実際、そういう使用実績を根拠として使えることが適当だと考えておりますので、その点につきましては、今後、Q&Aの中で整理をしたいと思っております。

その次、資料1-1の3ページの「○産地別使用計画について」のところでございます。

マル1からマル4までの御意見は、要は使用計画の計画期間、1年ではなくて2年がいいのではないか。それを基本とした御意見でございますので、先ほど資料で御説明をさせていただいたとおりですので、省略させていただきます。

マル5では、天候不順や天変地異などでやむを得ず表示と違う調達をせざるを得ない場合についての御意見をいただいております。その点につきましては、やはり表示と内容というのは一致するべきというのが原則としてありますので、あらかじめ例外的なことを類型的にお示しすることは困難だと考えております。ただ、実際に東日本大震災みたいなものが起きた場合は弾力的な措置も講じております。今後ともそういう状況になれば、過去のそういう取り組みを踏まえて、またいろいろなことを国としても措置することになると思っておりますので、その点については付言させていただきます。

その次のマル6でございます。同様に調達先変更の場合、変更前の包材へのラベルシールの添付で対応できないかという御意見でございます。これは消費者に対して適正に情報が伝達されるのであれば、シール等の貼付でも表示は可能と考えております。

その次が資料1-1の4ページ以下になります。

最初の○で「可能性表示+大括り表示」、その次の○で「例外表示の注意書き」、その次の○で「製造地表示」というのがあります。

この点につきまして、これまでも可能性表示と大くくり表示については全体の制度設計の観点から見ると必要だという御説明もさせていただいております。これまでも口頭等で御説明しておりますので、時間の関係で説明は省略させていただきます。後ほどの質疑応答の中でまた御発言があれば御説明をさせていただきます。

資料1-1の4ページの最後の「○根拠書類について」というところでございます。

御意見の内容は、余り定義を厳しくすると保管が難しくなり実行可能性の面から問題だということかと理解しております。この根拠書類の点につきましては、実は3月29日の補足資料13番でどういうものかというのを説明しておりますが、これもポイントだけ申しますと、根拠がわかるものであれば様式等の定めは設けておりません。したがって、定義という面から見ると、かなり現場の実情に応じて弾力的な形で対応できるものだと考えております。

その次、また資料1-1に戻ります。5ページに「○『可能性表示』の呼称について」というのがございます。

前回、多くの御意見をいただいたところでございますけれども、可能性表示に変わる言葉を考えるべきというのは共通の認識だと思っておりますが、我々としては、「又は」表示が最も適当だと思っており、差し支えなければ、今後定めるQ&A等の中でその呼称で統一したいと思っております。

この点につきましては、代わりに例えば実績表示、または切りかえ表示といった御意見もいただいております。実績表示というのもいろいろな方からお話をいただいておりますが、実績表示というと過去実績さえ表示しておけばどの国の原料も使えると、現実、そういう誤解をしかねないのではないかと懸念をしておりますので、その意味では内閣府令で、いわゆる可能性表示については「又は」を使いなさいと明記していますので、「又は」表示が適当と思っています。この点、前回も少し御説明しましたので、とりあえず、この程度の説明とさせていただきます。

資料1-1の5ページの「○表示の順番について」です。

アレルゲンの表示は、要は一番初めにわかりやすく書くルールにという点、原則として我々もそうしたいと思っております。

その次、大きな2の「誤認防止、おにぎりののり、業務用加工食品、業務用生鮮食品」になります。

まず最初に「○誤認防止策」がございます。

マル2を見てみますと、以前に国別重量順表示で5%未満の表示をすると、都度都度の改版が出てくる。こちらから御説明させていただいたのを引用する形御意見をいただいています。こういうことで、国別重量順表示での割合表示は難しいと思っておりますが、ただ、枠外に印字をすれば表示可能ではないかという御意見もいただいておりますが、この点は加工食品を今、大量に製造するという実態、まさに高速製造ラインがありますが、その枠外に漢字などを全角文字で印字することは今の技術レベルでは難しいと聞いておりますので、実行可能性の面で問題があると考えております。

あとマル4で「(5%未満)」という6文字を枠外に出せないか等々の御意見もいただいております。基本的には枠内に入れざるを得ないと思っておりますが、何%未満の「未満」というのは必ず書く必要はなくて、例えば4%、2%、そういう実際の割合の表示も可能ですし、略語も使用自体は問題ないと思っておりますので、そういう中での対応を国としても考えていきたいと思っております。

マル6になります。公正競争規約との関係の御意見もいただいております。基本、今回の内閣府令は最低限の義務になりますので、公正競争規約に優先すると思っております。ただ、実際、御要請いただければ、御指摘のような問題について我々のほうでも個別に相談に応じさせていただきたいと思っておりますので、その中で現実的な対応というのも考えていきたいと思っています。

その次、6ページの「○おにぎりののり」のところでございます。

これも前回、多くの御意見をいただいております。何点か分けて御説明させていただきますと、まずなぜおにぎりののりを義務化するのか。これは最も重いものではないだろう。何で巻きずしは違うのか。そういう御意見をいただいておりました。その点については、おにぎりののり自体、ふだんの身近な食材であり、消費者の関心も高い、生産者の意向も強いということに加えて、実際、今のコンビニのおにぎりなりではサーマルシールというものの活用が一般的で、フィルムに直接印字するものではないという意味では実行可能性があるというのが最大の理由でございます。

では、何で巻きずしは違うのかにつきましては、定性的にだめというのではなくて、まずはいわゆるおにぎりについて、実行可能性という観点から精査をし、これならば実行可能性があると判断をしたということで、巻きずし等々については別途の課題ということで、くれぐれも定性的にだめではないと思っております。

あとおにぎりの定義という御意見もありましたが、これは日本標準商品分類でもおにぎりというのがございますので、まさにそれに概念的に一致するものとして我々は考えています。

あと表示の仕方につきまして、おにぎりののりが「のり(国産)」ではなくて、国産という生鮮品並びの表示をするのであれば「原そう」という言葉を入れるべきではないかという御意見もいただいております。この点でございますが、「原そう」という言葉につきましては、恐らく一般の方にはなじみがないのではないか。厳密には海に生えているのりも加工品にした食材としてのものも、いずれものりというように消費者は思っているのではないか。そうしますと、やはりわかりやすさという観点から見ると「のり(国産)」のほうがより誤解のない形の選択に資するのではないかと思っております。

ほかにも同様に個別に義務化できるものもあるのではないかという御意見もございました。その点につきましては、今後、まさに消費者の要望が強いということで実行可能性も確認されれば、将来的な追加もあり得ると思っております。ただ、現時点で何か想定されるものはというのであれば今のところはないというのが答えになります。

あとパブコメ意見について、どういう属性の方々の御意見なのか教えていただきたいという御意見もございましたが、これは個人名でパブコメ意見として出されたものもありますので、その点につきましては我々のほうでもわからないということでございます。

その後、6ページの「○業務用加工食品、業務用生鮮食品」のところでございます。

これにつきましては、中小の事業者の実行可能性をちゃんと担保、把握しながら進めてほしい。情報伝達がきちんとできるように把握すべきという御意見だと思っております。この点につきましては、我々、問題ないと思っております。特に製造地表示が入りますと、工程を1つさかのぼって中間原材料の製造地を確認すれば制度上はよしとなりますので、中小の事業者にとっても実行可能なものだと思っております。

あと資料1-1の6ページに戻ります。「○監視体制」のところにつきましては、先ほど資料で御説明をしましたので、説明は省略をさせていただきます。

7ページになります。「○普及・啓発」というのがございます。

前回、今、どういうことを想定しているのか具体的な形で御説明もさせていただいております。それに加えるものとして2点、口頭で説明をさせていただきます。

この普及・啓発の例えばマル1、マル2、マル3で書かれている点でございますが、我々としてもやりっ放しではなくて継続的に消費者意向調査を実施して、その普及度なり理解度は極力定量的に把握するつもりです。制度の本格実施後には活用度も把握します。そういう形で、いわゆる費用対効果を見るときの効果については、きちんと押さえた上で、その結果、調査を通じて制度の見直しが必要な事項が出てきましたら、必要な手続きを経た上で制度の見直しについては対応したいと思っております。

あといただいておる意見でいうと12番、13番あたりになります。事業者への普及・啓発が大事だ。特に中小零細企業の方々への普及・啓発。こういう意見も出ております。これも御指摘のとおりでございまして、事業者への周知につきましては、我々としても前回御説明したいろいろな資料等も活用しながら丁寧にやっていきたいと思っておりますし、特に、今、農林水産省のほうで地方農政局なりFAMICという独法があります。その地方農政局、FAMICで地方の企業からの相談を受ける方向で体制も検討しております。消費者庁だとどうしても地方組織がありませんので、東京だけでの対応になります。ただ、中小の事業者の皆さんは東京に限らず地方にもおります。そういう方々へのきめ細かな対応という意味では、何らかの形で地方でも相談を受けられるようにという方向で体制については工夫、検討をしております。

「○普及・啓発」については以上でございます。

この後、「○国際整合性」でございます。資料1-1で言うところの8ページになります。

これも複数の委員から御意見をいただいております。まず、WTO通報の結果ですが、アメリカ、カナダ、オーストラリアの3カ国からコメントまたは質問が来ております。関係国にはさまざまな意見交換の場で丁寧な説明も行っておりまして、基本的には我々の考え方について理解いただけるものと考えておりますが、ただ、今後とも必要に応じて丁寧な説明というのは繰り返しやっていきたいと思っています。

なお、TBT通報、WTO通報につきましては、広く一般に意見を求めるパブコメとはやや異なりまして、WTOルールに基づく国と国のやりとりになります。通常、通報自体は公開いたしますがコメントの扱いは非公開となっておりますので、詳細への言及は避けたいと考えております。

なお、アメリカ、カナダ、オーストラリアの3カ国からコメントまたは質問があったと言いましたが、カナダからは、日本生活協同組合連合会が在京のカナダ大使館に資料を用いて説明をされた。それに基づくいろいろなコメントをいただいております。カナダには、その資料に関する質問も含めて制度の確認などについて質問等が寄せられておりますが、それについても適宜対応しているということをあわせて申し添えさせていただきます。

資料1-1の9ページ「○インターネット表示」になります。

これも多くの御意見をいただいておりますが、基本的にインターネット表示を通じて事業者が自主的、積極的に情報提供を努めることは望ましいと考えていまして、国としてもいろいろな機会を捉えまして、可能な範囲内で周知に取り組んでいきたいと思っております。

その後、9ページの最後に4番として「経過措置期間」、10ページの最初に、5番で経過措置第3条の食品の範囲についてというのがございます。この点、先ほど資料で御説明しましたので、この場での説明はもうそれ以上ございません。

最後、10ページの「6.その他」です。

いろいろな御意見がこの中には入っておりますが、まずパブコメで提出のありました意見の扱いについて御意見をいただいております。それについて、こちらのほうで3点ばかり御説明いたします。

まず1つ目ですが、今般提出したパブコメ意見募集結果は参考資料という形になっています。実際、提出いただいた意見については、できるだけ原文に即して記載していまして、その意味では議論の素材としては十分活用いただけると思っています。

2点目になります。前回、分厚い資料をお渡しし、御説明もしておりますが、これにつきましては、行政手続法の規定に基づいて、いずれ内閣府令の改正案を公示するのであれば、それと同じタイミングで正式に公表いたしますが、正式にパプコメ結果を公表するときには、委員の皆様からいただいた御意見を踏まえて必要な修正をした上で最終版として公表をするつもりです。

3点目になります。パブコメで出てきた意見が8,500を優に超えて非常に多かったので、今回、概要という形で整理をして資料をつくっておりますが、最終的にいただいた意見そのものについては、パブコメ結果を公示した後、遅滞なく公示をしますので、御関心がある方には見ていただけるというようなことになっています。

最後になります。マル8に例外表示等を見た消費者からの問い合わせに対する応答義務という御意見をいただいています。これにつきましては、全ての事業者に義務づけ、応答できる体制を整えることは、特に中小の事業者の実行可能性から見るとまだ難しいのではないかと思っています。ただ、できるだけこういう求めに応じて情報提供を務めることが望ましいとは一方で思っておりますので、以上、消費者庁としての考え方を御説明させていただきました。

多少時間が延びてしまいまして申しわけありませんでした。説明は以上でございます。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明も踏まえまして議論に移りたいと思います。

【監視体制】

○阿久澤部会長 まず、監視体制について議論を行います。前回部会では資料1-1の6から7ページに当たる御意見や御質問が出されました。それに対して、本日、消費者庁からただいま監視体制に関する新たな説明がありましたので、その内容も踏まえまして御意見、御質問をお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。どなたかございましたら、お願いいたします。

井之上委員、どうぞ。

○井之上委員 日本生協連の井之上です。きょうもよろしくお願いします。

私からはまず、監視体制ということではなくて参考資料4を出させていただいていますので、それを先に御説明差し上げたいと思います。

○阿久澤部会長 監視体制の部分も含んで。

○井之上委員 はい。それもあわせて。

前回、40回会合において、改正案の懸念については全て出し切った上で議論してほしいというような発言をさせていただいたところです。今回、消費者委員会事務局のほうで資料1-1に、前回の委員意見をまとめていただいています。これをみても、やはり論点の全体観が見えないということで、全体観をつかむためには表示部会の意見だけではなくてパブリックコメント、約9,000件の意見を抽出、解説、解析の上、活用しないといけないのではないかなと思っています。

目的としては、各論におけるメリット、デメリット、つまり、懸念を全て出し切って、その上で制度改正するのか、現状維持とするのか、はたまたハードルを残したまま飛び越えていくのかというのを表示部会で明確な判断材料、資料のもとに見きわめないといけないというように思っております。そういった理由から、差し出がましいとは思ったのですが、参考資料4に例外表示のメリット、デメリットというのを整理した表を出させていただきました。前回からそう時間はたっておらず、なかなか事務局のほうで作業するのは大変だと思い、あくまで参考資料ということで、弊会でまとめさせていただきました。きょうの意見にも活用していただきたいと思いますし、これから部会では意見をまとめる、総括作業に入るとおもわれますが、御活用いただきたいと思っております。

簡単に見方の説明をさせていただきます。傍聴席は白黒になっておりますけれども、上のほうのオレンジが例外表示全体についてということ。下の緑のほうが例外表示の個々についてという形で書いております。それぞれ、消費者、事業者ごとにメリット、デメリットを書き込んでいます。また、一番右の欄には、改正したらという想定ですけれども、例外表示が表示される割合というのを書いています。

オレンジの部分、例外表示全体についての説明ですが、メリットというのは消費者のところに1つ、今までの原料原産地表示の対象とされていなかった加工食品に新たに情報が付されるというところ。デメリットはその下にあるとおり、消費者、事業者ともに、現状、我々のところでは12項目のデメリット、つまり、懸念が相対しているという形で、メリットとデメリットのバランスが悪いと思っています。

その下、緑の部分ですけれども、例外表示のそれぞれについてということで、ここは3点だけ触れます。デメリットについては、可能性表示については、誤認防止の規定が加わったということで、事業者側のデメリットが集中していると捉えています。比較的大くくりであるとか製造地表示というのはデメリットが少なくなっているという形に見えますけれども、共通して、どこの産地なのか特定できないであるとか、あとは誤認の問題です。それぞれ大なり小なりデメリットを含んでいると捉えています。

これは、パブリックコメント及びこれまでの意見などをもとに作成したつもりですが、時間がない中でつくったものなので、思い込みがあれば御容赦いただきたいと思います。

資料については以上です。

あと監視体制についてですけれども、今、課長から御説明をいただきましたが、やはり非常に難しいのかなと思っています。今後、さまざまな研修をするというようなところであるとか、監視指導にかかわる数値のところもお示しいただきました。ただ、前回、部会で私から質問させていただきましたが、過去、お米で何回か問題になったことを受けて、実際に監視指導する農政局や地方自治体の担当の方はどういう声が上がっているのかという質問を出させていただいたところです。

先日、6月27日にJA系のお米の問題について農水省のホームページで公開されているところです。この発端は2月10日に立ち入りをしてから結果がわかるまで4カ月以上がかかったということで、米トレーサビリティ法があるものでも社会的検証で指導するというのは非常に難しさがあると思っています。4カ月以上もかかっているのに、これから中小も含めてこの制度が施行された場合実施していくということを考えると、実行可能なのか疑問しか出てこない。

監視指導する部局の方は、原料原産地だけではなくてさまざまな業務につかれているはずであって、他に使うべき大切な時間がかけられなくなるのではないかと懸念を持っています。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

現実として例を挙げて、そのものが4カ月以上かかっているということから難しいのではないかという御意見だったかと思いますが、そのほかございますか。

どうぞ。

○菅委員 菅です。きょうもよろしくお願いします。

監視体制については、前提としてのルールがクリアになっていけば、事業者が意図せぬ違反をすることも減ると思いますし、消費者の信頼の裏返しとして一定のチェックも可能になるでしょうし、行政も監視しやすくなっていくのではないかなと思っていますが、これまでの修正などによって、ルールはある程度監視ができる程度にクリアになってきていると感じています。

その上で、監視体制については、前回、実効的な監視が可能となるように十分な人員の増員や予算の増額をも考えてもらいたいと思うとの要望的な意見を申し上げたのですけれども、改めて確認なのですが、消費者庁が食品表示法に基づく表示の監視を行う場合に、都道府県域をまたぐ事業者に対しては、農水省のいわゆる食品表示Gメンと呼ばれる方々が活動されているということでしょうか。

仮にそうであるとして、食品表示Gメンと呼ばれる方の数も他の国家公務員と同様、減少してきているのか、人数はどのぐらいおられるのかといったことを基本的なこととして改めて教えていただきたいと思います。

今のスタッフ数でも一定の実効的な監視はできるものと期待している一方で、表示の監視を行う体制のさらなる充実のために、そうした食品表示Gメンの数は増やされるべきだと思いますし、また、直ちにそのようなことができるかどうかはわかりませんけれども、直接消費者庁のもとにもそうした人員がもっと配属されるようにしていっていただきたいなと個人的には思っています。

また、例えば自治体レベルで監視を行うという場合に、JAS法と食品衛生法の表示等が一緒になって食品表示法になって以降、結局、全体としては食品衛生監視員さんが中心になって監視を行っているという実情だと理解してよいでしょうか。実際の監視に踏み込むに当たって、国レベルの食品表示Gメンのサポートはどの程度図られているのでしょうか。

先ほどの御意見の中にもあるニュアンスだと思いますけれども、食品衛生監視員さんということですと、現実に兼職や人員削減というようなこともあると思いますので、今の御時世になかなか人数をふやすというのは難しいことかもしれませんが、今回の改正も各地で増員を検討していっていただくきっかけにしていただいたらいいのではないかなと思っています。

また、もし監視するスタッフが足りないということであるならば、消費者を監視員として養成して補助に当たらせる消費者監視員のような制度の導入というのも今後検討されていくような課題になってもいいのかなと思います。何が申し上げたいかというと、新しいルールに現体制で一定の対応が可能だとしても、その監視の実効性を応援する見地から、人員や予算など監視のシステムの充実というのは進めていただけたらと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

幾つか御質問を頂きました。都道府県等をまたがる場合の実状況など。

○島崎食品表示調整担当室長 農林水産省の監視体制についての御質問がありましたので、私からお答えをさせていただきたいと思います。

まず、井之上委員から農政局あるいは都道府県についての御質問がありました。その御質問の意味がわかりにくいのです。というのは、農林水産省と農政局は別組織ではありませんで1つの組織でございます。農林水産省としては、この基準が決まれば組織を挙げて取り組むというのは当然のことだと考えております。

また、今回の基準、まだまだ議論中ではございますけれども、パブリックコメントでも多くの賛同意見があったということも含めて、職員としては国民の期待に応えられるということで意識も上がるものだと考えているところです。

また、都道府県との関係は、菅委員もありましたけれども、県域とそれ以上のもの、いわゆる県をまたがっているところについては国がやっているという状況でございます。県域、県だけのものについては県が取り組んでいるということでございます。

農水省のGメンの数ですけれども、菅委員がおっしゃるように残念ながら減少していることは確かでございまして、今、約1,300人で行っています。都道府県は正確な数はわかりませんが、おおよそ約1,800人程度ではないかと思っております。もちろん、いわゆる疑義があって工場あるいはそういうところに入るときには都道府県の要請がある場合があります。Gメンに協力要請というものがあって一緒に入るということもあります。そういう形で連携は非常に密にとっているものだと思っております。

また、都道府県についても、今回の原料原産地表示については、我々は有識者検討会と言っています消費者庁と農水省がやった過去の検討会の中では、全国知事会を初め40ぐらいのいろいろな県や市、村から原料原産地表示の拡大、充実を求める意見書をいただいております。それは全て検討会の中で公表しておりますけれども、そういう意味では、今回の表示の基準ができた後も都道府県と一体となって監視行動はとれるというように考えているところです。

以上です。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

どうぞ。

○三上食品表示対策室長 消費者庁でございます。

消費者庁と都道府県との関連であるとか、消費者庁と農林水産省の関係について、少し御説明させていただこうと思います。

菅委員御指摘のように、食品表示法というのは複数の法令を集めてできたものでございまして、法令をつくる段階で、既に既存の監視体制を維持したままで法令を運用していこうというような体系になっております。従いまして、消費者庁では大幅に人数を増やすのではなく、横断的な取り締まりを行っていくような体制になっておりまして、法令的にもそういう整理になっております。

都道府県と私どもの関係でございますが、先ほど赤崎課長から説明がありましたように、都道府県の皆さん方の研修会には、私ども当然のことながら監視として参加をして皆さんと意見交換をするというのをやっておりますし、常時、御質問があった場合にはお答えをしていくということをやっておるところでございます。そういった監視体制の中で日ごろの鍛錬を積んでいくということが1つあるのと、もう一つ、指示公表の指針というのを食品表示法を作ったときに決めたところでございます。この指示公表の指針といいますのは、統一的でわかりやすいという措置基準というものを皆さんに公表して、都道府県でも農林水産省でも消費者庁でも、同じ基準に基づいて運用していこうというような体制になっておるところでございます。

加えて、先ほど行政機関の連携の話がございましたが、消費者庁では食品表示法が施行されてブロック単位の食品表示監視協議会には参加させていただいて、それぞれの地域での連携が図れるように積極的な対応をとっているところでございます。

○阿久澤部会長 どうぞ、お願いします。

○蒲生委員 蒲生です。きょうもよろしくお願いいたします。

私からは2点ほどコメントをさせていただきます。

まず、加工食品の原料原産地表示制度の審議に当たっては、第39回部会に提出した意見書の通り、誤認と偽装をいかに防ぐことができるかが大事だと考えております、根拠資料の保管や、今、御説明がありました行政の連携体制によって、監視ができる体制は提案されたと考えております。ただ、先ほど井之上委員も指摘されていましたが、中国産米の混入疑い事案では報道によると立入検査を延べ300回行ったように、監視には非常に長い時間と労力がかかります。米トレーサビリティ法で根拠資料が保管された状態であっても、偽装の有無を調べるのは並大抵のことではないと改めて感じました。

1つの事例であってもこれだけ時間と労力がかかるとすると、やはり加工食品の全てに義務表示を拡大するのは問題ではないか。監視ができる体制はあっても、監視の徹底という観点から考えてリスクが高過ぎるのではないかと思いました。

加工食品原料原産地表示の新ルール案について説明すると、必ず難しい、複雑だと言われます。同様の意見はパブコメにも多数ありました。本来、食品表示は特別な教育がなくても内容が理解できるような、シンプルなものであることが望まれると思うのですけれども、今回のルール案は国を点でつないだ場合と又はでつないだ場合は全く意味が異なることですとか、又はというのはOrではなくてAnd Orであるとか、注意書きは単なる過去の実績ではなくて、その商品の原料原産地はその国々以外にはあり得ないことですとか、普及・啓発の充実が御提案されているわけですが、逆を返せば、普及・啓発しない限り、見ただけでは理解できない表示になっているということです。監視が徹底しかねないリスクを冒すだけの、情報拡大という消費者にとってのメリットが期待できるとはなかなか思えないというのが正直なところです。

先ほど来、監視にもっと多くの人員配備をという御意見がありましたが、監視の人材に関しても、また、国や自治体による普及・啓発もすべて税金で賄われます。制度を導入する際、どの程度の社会的コストをかけることが適当なのか。今回のルールは規制の事前評価の対象ではないですし、費用対効果を数字で出すことはなかなか難しいと思うのですけれども、この部会の場で、制度を導入する前に、制度導入のメリット、デメリットをきちんと洗い出しておくことが我々のタスクであろうと思っています。

そこで、座長も前回の部会でおっしゃっていたかと思うのですが、まず我々は各論の議論をするわけですけれども、それらを踏まえた上で総論としてこの制度を導入するメリット、デメリットを検討する時間が必要だと思っております。

以上が1点目です。

2点目は、卓上の各回資料の参考資料1がパブコメですが、この67ページから監視体制についての御意見があります。その中に食品トレーサビリティ制度の整備、強化が制度導入より先ではないか、社会的なシステムを整理することが先ではないかという御意見が多数ございました。特徴的な御意見を1つ読みたいと思います。

72ページの下から5つ目です。「食品のトレーサビリティ制度の整備、強化を進め、監視体制の人員増加に頼らない合理的な監視指導体制のシステムを構築することで監視強化につなげるべき」とあります。先ほど監視や行政による普及・啓発は税金で賄われるというお話をしました。社会的な制度をまず整備することが監視にかかる税金の無駄遣いを抑えることにもなるとすれば、検討すべきと思うのですが、食品トレーサビリティ制度の整備、強化、この辺に関してはどのようなお考えなのか、ぜひ消費者庁さんにお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

○阿久澤部会長 よろしいでしょうか。では、消費者庁さん。

○赤崎食品表示企画課長 消費者庁でございます。

監視につきまして、今、いろいろ御意見をいただいております。

まず、前回までに説明したことも含めまして簡単に全体のお話をさせていただきますと、今でも今回お出しした資料2にありますように、今の食品の義務表示というのは多々ございます。資料の1ページにありますように、それぞれの表示義務に応じて、広域と県域によって、国、県が役割分担をしたり、あと衛生、保健事項であれば自治体の方々に中心的にやっていただいている。また「調査事項」につきましては、「品質事項」のところにありますように名称、原材料名、内容量、原産地も原料原産地も含む、いろいろな表示義務があります。

そういうものにつきましては、この資料の3ページをごらんになっていただければ。いろいろな形で実際、調査に入っております。3ページの一番上に疑義案件の把握というのがあります。巡回調査という形の無通告の立ち入りもありますし、疑義情報、内部通報のようなものもあります。一部、科学的分析という形で重層的にいろいろな形で相補いながらセーフティネットをつくっているということで、実際、疑義案件の解明につきましてもその下にございますようにいろいろな書類のチェック等も今でもやっております。

そういう中で、今、食品表示の監視というのが国、県でいろいろな表示義務、いろいろな手法をツールとしてある中で、今回、そのシステムを最大限利用しまして、先ほどデータでも御説明しましたように、国のほうの消費者庁を司令塔という形で冬、夏、取り締まりという形のチェックもしております。一定の実績も上がっておりますし、あと、国のGメンにつきましても一度この場でも御説明しましたように、年間2から3万ぐらい入っている。そういう中で、先ほど御説明したいろいろな表示監視のマニュアルもつくる、いろいろなノウハウの共有も図るという中で、一定の実績を挙げていると理解していますので、これまでのインフラなりソフトを使う形で、今回当然新しくノウハウの共有するところもあると思っておりますが、そういうものをあわせて取り組むことによって実績は十分挙げられると思っております。

先ほどトレーサビリティの話もございました。これはまた別の制度ということで、それ自体、重要な論点だと思っておりますが、トレーサビリティという形で、いつ、どこに誰に何を売ったか、記録を残しても、結局、残った記録というのは書類化されていますから、またそれに基づいていろいろな監視となりましても、当然、トレーサビリティで保存された書類のチェックということは実際的にはまた必要になるのではないかと思っています。そういうものも踏まえまして、またトレーサビリティの話につきましては、政府全体の別の大きな課題ですので、この監視とは別に我々のほうでも必要な検討なり対応は考えていきたいと思っております。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それと総論の議論についても先ほどありましたが、これは最初に皆さんに確認したとおり、最後に議論することになっていますので。

○蒲生委員 お願いします。

○阿久澤部会長 渡邊委員、どうぞ。

○渡邊委員 渡邊でございます。

今回、一番最初に監視の話から入るのはすごく違和感がありまして、要するに、制度が難しいから、まず監視で制度を回そうという発想がそもそもおかしいのではないか。やはり普及・啓発が1番で、これを実施する事業者がいかにこの制度を理解するかというところから話を始めるべきではないか。

今回、監視は別に要らないと言っているわけではないのですけれども、しっかり事業者に理解をしてもらう、それを見る消費者が理解するというところから始まるべきで、一番最初に間違っているものを見つけようとか、悪い人を見つけようとか、そういうところから話を始めるというのは何かおかしいなと思っています。

前も言いましたけれども、新聞沙汰になるような偽装とかは本当に一握りの事例ですので、それを見つけるためにどれだけお金をかけるかというのはコストを考えてやるべきだ。それよりも全ての事業者がしっかり表示できるように普及をしていただくのが一番先かなと思います。

今回もすごく違和感があるのは、例えば事例は違うかもしれませんけれども、テロ等防止法みたいなときには監視社会は嫌だ嫌だと言いながら、何でこういうときは監視の話から始めるのかというのは非常に違和感があります。

以上です。

○阿久澤部会長 それはこの議論の最初に、このように進めていいかということで皆さんにも確認してもう進んでおりますので。

○渡邊委員 そういう意味ではないのです。

○阿久澤部会長 宗林委員、どうぞ。

○宗林委員 消費者庁からのお話の中でもありましたけれども、今までの表示のチェック体制、監視体制の中に原料原産地表示も取り込んで、それも見ていくというような基本的な体制だと理解しております。ただ、例えば原材料が違うとかアレルギーのもの、たんぱく源が入っているとか、そういうものはもしかすると第三者もチェックができたり気づくことができるというようなものでありますが、この原料原産地については消費者本人あるいは第三者の有識者であっても、あるいはラボがあっても確認ができない。いわゆる社会的な書類による検証のチェックしかできないということで監視体制が非常に大切になるのではないかということだと私は思っています。

ですから、逆に言いますと、そこがどこまでできるのか。ほかのものと同じ体制で同じ人数でここも見ていきます、この項目もふえた分だけ見ていきますということでどれだけ担保できるのかというように懸念があったので監視体制について先日もお聞きしていたわけです。

きょう、資料を出していただきましてありがとうございます。資料2について新たな資料を出していただきました。6ページにありますが、延べ調査施設数に対して違反の施設数というのが出ていまして、これは0.5%ぐらいというような数字が違反のようですが、これは別に原料原産地だけではなくて全てのということだろうと思いますが、そういうような違反がこのぐらいの割合であるということ、調査に入った施設の数が母集団としてこのぐらい入れているのだということ、あるいはこれは本来ならば全体どのぐらいの施設があるのだけれども、どのぐらいの割合で監視、立入調査に入れているのだろうかというようなこと、これについてはどこかに公表をされているのでしょうか。といいますのは、そういったことをきちんとお知らせいただくことが消費者にとっての信頼度の向上につながるのではないかなというように思います。 もう一点、簡単な御質問ですけれども、使用計画に基づいて表示をされる場合については、それが果たして合っていたかどうかというのは必ず検証するということなのでしょうか。例えば1年後でも2年後でもそうですけれども、そういうことは前提に置かれているのでしょうか。

○阿久澤部会長 よろしいでしょうか。2点あったかと思います。

○三上食品表示対策室長 まず、どのくらい施設数があるかということにつきましては、残念ながら私どもで十分把握しているわけではございませんので、全体像についてわかり得るということにはなりません。

夏、冬の一斉取り締まりというのはお話しいただきましたように、ここにある施設数というのは食品表示法の全ての事項について、違反がどの程度あるのかといったようなことを表しているものでございます。私どもといたしますと、こういった数字を表すことによって、事業者の皆さん方に違反があるということを十分認識していただいて、どういったことが違反として起き得るのだろうかということをそれぞれの事業者の方々にそれぞれ考えていただきたいということのために数字を出させていただいているとも思っております。

私ども、都道府県の皆さん方がやっておられる数字というのは、出させていただいているのはこのレベルが最大限のものなのでございますが、他方、国のレベルではどういったものがどの程度のどのような違反であったのかというようなことは細かく1件ずつ出させていただいております。そういったものにつきまして、同じように事業者の皆さん、消費者の皆さんで情報の共有が図れているのではなかろうかなと思っているところでございます。

あと事業者の方々に今後どのような監視をしていくのかというようなことなのでございますが、監視の具体的な中身に触れる話かとも思いますので、私の口から、今、このような形を考えておりますというのはなかなか言いづらいところがあるわけなのですが、私どもとしても的確な監視をさせていただきたいと考えておりますので、その意味で適切な監視がとれるように都道府県とも連携しながら、また、農林水産省さんとも連携しながら対応していきたいと思っております。

付言いたしますと、今回、私どもが都道府県の皆さん方と監視について意見交換をしたわけなのですが、その資料というのは農林水産省さんと私どもで連携しながらつくった資料でございまして、国全体として都道府県も含めて県域の皆さん方、広域の皆さん方を含めて全体として監視ができるような考え方を持っているところでございます。

○阿久澤部会長 これでよろしいですか。

○宗林委員 2点目は、使用計画に基づいてということで表示をされた場合は、その経過後に見るということが前提になっているのかどうかをお聞きしたかった。使用計画ということは、現在はこれからのプランニングがあるからということで表示をしていくことになりますね。それを検証するということが前提になっているのかということをお尋ねしたかったのです。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○三上食品表示対策室長 まことに申し訳ないのですが、監視の具体的な中身になりますので、コメントを差し控えさせていただきたいというように思います。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○今村委員 監視の内容について私も意見がありまして、先ほど蒲生委員、渡邊委員がおっしゃったことに深く共感するところがあって、私、このままだとまだ監視はできないのではないかということを危惧しています。この制度は今まで対象とされていなかったもの全部にかけているので、それはなぜかかってこなかったかというと制度として難しかっただけではなくて、監視としては非常に難しいものだからかかってこなかったと思うのです。ですから、もう少し監視の内容について詰めていかないと、このままでいくと監視ができない可能性がある。私自身、自分が監視の経験もあって、こういう制度をつくった経験がありますので、自分が書類を書くとすれば500から600ページは軽く制度の根拠となる書類をつくらなければいけないようなものだと思うので、その詰めが本当になされているかというのは極めて疑問かな。

先ほどの説明の中で、特に根拠書類について定めないというお話をされていましたけれども、これは極めて象徴的なことだと思うのですが、制度を運用する事業者の皆さんからしたらそのほうが便利なはずなのです。でも、監視する側からしたら、フォーマットを定めていないものを監視するというのは極めて困難なことで、それは例えば鉛筆で書いていいのですかというレベルから始まって、ホワイトで消した上からボールペンで書いていたらどうなるのですかというようなこともあって、このフォーマットを定めないものを監視するというのは非常に難しいのです。

ですから、監視するためにある程度を規制の中でそのルールが乗っていないと監視にならない。監視していても追い込むこともできないということがあるので、その辺の詰めがまだもう少し必要なのではないかというように思っておりますし、このままだとかなり監視の段階で苦労して、もしくは監視が実効的なものにならない可能性があるというように思います。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

どうぞ。

○赤崎食品表示企画課長 ただいまの今村委員からの御発言でございますけれども、根拠書類につきましては、先ほど定義という意味では、定めがないと言いました。ただ、今、実際に取引の実務で考えましたら、納品書、インボイス、送り状、規格書、いろいろなものを、商取引に伴ってお互い事業者が取り交わしております。

そういうものであって、例えば過去実績、もしくは使用計画の根拠となるようなものが書かれたものということですので、ある程度、対外的にこういう根拠なのだということが、説明できるという意味では、一定の書類に実質的には限定されていくのではないかと思っております。

ただ、いわゆる所定の様式、フォーマットみたいなものとはやや違って、取引実務の現場の多様性から考えると、一定の事実上の縛りはあっても、定義という意味で見たら、そこは実態に応じたものとして、考えていくのが適当ではないかと思っております。

あと、今、今村委員からお話がありましたように、監視というのは、非常に大事な点で、かつ難しい点だと思っております。ただ、今でも、原料原産地につきましては、加工品の大体1から2割には義務がかかっています。原産地という形で、表示義務がかかっているものもありまして、まさにそういったものを、今は、関連、親和性のある取り締まりもやっておりますので、ノウハウ、監視をしているインフラ組織というのは、今後、いろんな検討、対応していくときに、十分有用性はあると思っております。

今村委員がおっしゃっておられるのは、そういうインフラなり、ソフトのやり方があっても、非常に難しいということだと思っています。それはそのとおりだと思っていますので、今、内規では、いろんな取り締まりのマニュアルみたいなものもございます。また、今回、いろんな加工食品みたいなものがあります。取り込んで、制度運営していくとなると、見直しも必要でしょうし、そういう意味では、ノウハウ、局所的に得たところは共有化して、全体のレベルアップにつなげていくことも必要だと思っています。

そういう舞台といいますか、そういうものができる素地というのは、今でもあると思っておりますので、それを生かしつつ、ただ、難しいという実態をよく踏まえた上で、さらなるレベルアップを図る、そういう形で、しっかりと、国、県、農政局が連携しながら、監視につきましては、取り組んでいきたいと思っております。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○今村委員 大変すばらしい決意表明で、心強いのですけれども、実際、自分の監視の経験からすると、これで違法だという話になったら、その事業者は倒産するかもしれないです。そこまできっちりと、あなたが間違っていますということを根拠とする書類なり、違反基準というのは、今、もやっとした基準で書かれているのです。書類なら、どの書類で、どの部分が間違っているからというのは、今、現場の監視員の判断に任せますという状況なのだと思います。

それは、最初のうちに、試行錯誤をしているうちに、ノウハウがたまりますという話なのですけれども、試行錯誤しているということは、失敗もあるということなのです。だから、失敗をされる側の事業者にとっては、大変迷惑な話で、この部分までは規制の中でのせていくということを、最初の段階で詰めておかないと、そこをフリーでやっていって、ノウハウを集めていくというやり方でいくと、何回もできたらうまくいくと思うのですけれども、最初の段階では、非常に困るケースが、特に事業者の皆さんの中で出てくるのではないかということは、危惧します。

一応意見です。お答えは求めません。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

どうぞ。

○受田委員 受田です。

監視に関してなのですけれども、きょう、いろいろ御説明をいただいて、イメージは少し湧いてきたように思います。ただ、今の議論の中にもあるように、例外表示に関するコンセンサスというか、共通の認識というのは、まだ脆弱なような印象を持っています。

もともと国別重量順表示が適用できないということがあって、そこで、使用計画に基づいて、例外表示の道へ進んでいくというのが、通常の形なのですけれども、今までの議論の中で、合理的な理由というところで、幾つかの例が示されてはいるのですが、新商品を生み出していくという事業者さんの普段の活動から見て、産地の使用計画が明確になっているケースというのは、どれぐらいあるのでしょうか。私が現場から見ると、ここまで明確になっているもの自体が、それほど想定できないのではないかと思います。

実際に、私は高知から来ておりますけれども、地方の中小零細企業から見ると、前回の委員会で、今村委員からもありましたように、原材料の調達というのは、計画性は非常に低くて、原価勝負で、場当たり的と言ったら怒られますけれども、その場で判断を迫られるというケースがあります。

また、農産物をメインで議論してますけれども、水産物などは、業界によって、それが大幅に変わってくるということもあるかと思います。

そういう意味で、使用計画というのを、例えば地方の中小零細企業が、こういうふうに判断して、合理的であると主張したときに、監視をする側は、どこまでを合理性があると判断し、それ以上は合理性がないと指導・監視をする場合は、どういう線引きをするのかというのが、まだよくわかりません。これが1つです。

使用計画の例外的な話と同時に、きょう、いただいた資料3の中に「産地の切替えが見込まれても、その都度表示を切り替えること又は包装自体を切り替えることが容易な場合など」とありまして、この場合には、用いることはできないと書かれています。これも、一見、非常にスマートに表現はされているのですけれども、「容易」とはどういうことなのか。しかも、事業規模、あるいはロット数、時間的なスパンの問題、さまざまなファクターが考慮されるのかどうか。

こういうところを、容易という主観的な表現で落とし込んでいくのではなく、より客観的な閾値といいますか、これを決めていただかないと、事業者さんも困ると思いますし、当然のことながら、監視はできないと思います。ですから、この議論、例外的な表示に関して、どういうふうに線を引くかという考え方が明確にならないと、この部分での監視は、非常に難しいのではないかという印象がございます。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

池戸委員、どうぞ。

○池戸委員 原料原産地表示に限らず、食品の表示の制度の適正な運用の中では、監視というのは、必要不可欠だということは、誰もが共通だと思います。

先ほど渡邊委員が言われましたけれども、今みたいに、監視をどこでやって、どれが違反になって、どれがセーフなのかというのは、事前の普及・啓発の段階で基準をはっきりしておかないと、黙っていても、そういう質問が事業者から来ると思うのです。

実績からすると、検討会でも出ていましたように、命令まで出すというのはほんのわずかで、日本の事業者というのは、真面目な事業者が多いので、ケアレスミスみたいな、かなりのケースがそういったところだと思うのです。ですから、必ずしも監視から審議を始めるというのはいいのですけれども、事前に違反か否かの線引きのところを事業者に認識していただくとか、違反した場合は、社会的な制裁というのは、かなりあるということで、そういうことをセットで、普及・啓発とリンクして議論すべきだというのが、私の考えなのです。

監視については、私も過去にかかわっていたのですけれども、手のうちを見せてしまうと、それに対して、悪質なところが対応するということなので、なかなか出せないところです。したがって、そういう中で、いいか、悪いかというのは、判断が難しい部分があると思います。ただし、私の経験からすると、指導するというか、監視する責任者というのは、名前のとおり、責任を持っていますので、どういう影響があるかということも、常に頭にあるということで、単独でやるということ自体は、職員の資質がないと私は見ているのですが、私の経験ですと、少しでも疑義がある場合は、それなりのところに疑義書を書いて、聞いて、しかも、当事者同士ではなくて、全国展開で、そういう仕事をしているところに対して、ちゃんと事例として、普及するというやり方をやってきているはずです。

数字の話で、別に信用する話ではないのですが、別の監視のところで、警察庁の生活安全局というところが、毎年、表示事犯の検挙者数を統計で出しているのですけれども、ここ数年は、表示については、年間で20人から50人ぐらいの幅なのです。衛生事犯のほうが、逆に少ない状況なのですけれども、過去、平成21年でしたか、検挙者が100人を超したことがありました。それは、業務用の表示が義務化になった後の話なのです。警察だから、ああいうふうに、結構厳しく、ちょっとしたところにもやっていると思うのですけれども、要するに今回も新しい制度を入れ込むとなると、事業者もそれだけ厳しい規制をかけられることを、想定しておかなければいけない。そのためには、そういうふうにならないようにどうしたらいいかというところを、事業者の方はまず気にされるので、そこは、普及・啓発のところで、ぴしっと認識してもらうようにやっていくべきだと思っています。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございます。

そのほかにございますか。どうぞ。

○渡邊委員 渡邊です。

先ほど受田さんが言われたように、今、これを話すと、総論になってしまうので、余り話したくはないのですけれども、今、実際に、産地の分からない原料というのは、いっぱい出回っているのです。そういう中で、今、やっている仕事のやり方を変えていかないと、この制度は結局できないということになるのです。だから、先ほど普及・啓発という話もしましたけれども、とにかく中小の人がこの原料を使おうと思ったときに、産地のわかるものしか、使えなくなってくるわけです。産地というのは、別に都道府県までわからなくてもいいわけで、国産か、どこの国かということは、最低でもわかるようなものではないと、使えなくなる。

今、食品をつくるときに、この制度を導入することによって、今までつくっていたものがつくれなくなるかもしれないということは、承知の上で、この制度を導入しているわけなので、そういう前提で、今、話をしているわけで、先ほど総論のお話もありましたけれども、一度この制度を導入してみて、日本のこれだけ資源がない中で、この制度がどうかということは、検証すべきだと思います。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございます。

ほかはよろしいでしょうか。

それでは、監視体制に関しまして、今、いろいろと御意見を伺いましたので、きょう現在の部会の見解として、最初に、それぞれの項目ごとにまとめていくという話をさせていただきましたので、集約いたします。皆さんの議論の状況を見ると、消費者庁からの説明や委員からの懸念点に対する回答では、努力していくということは理解できるものの、その具体が見えないということかと思います。従いましてご提案の監視体制では、加工食品の原料原産地表示について、監視していくことは難しいのではないかということで、集約できると思います。

難しいという判断の中には、基準とか、ルールがクリアでないからということが含まれます。また、監視の内容がクリアに示せないのは、監視の手のうちを見せられないということのようですが、先ほど受田委員がおっしゃられたように、それ以前の問題として合理性の判断の線引きが不明であり、また、例外の考え方も明確になっていないという状況も合わせ、総合的にみますと、難しいのではないかという意見の状況ではないかと考えます。いかがでしょうか。これは現時点での話です。

どうぞ。

○菅委員 難しいとまとめてしまうことの意味が、いま一つよくわからないです。

○阿久澤部会長 難しいというのは、多くの意見を総合し、非常に監視がしにくい状況ではないか。要するに正確なというか、明確かつ公平な監視がしにくい状況ではないかと、受け取れたことから難しいと表現しました。

○菅委員 菅です。

私は、積み残された例外のルールを詰めていくという作業も、まだ話し合いが続いていくことだと思いますし、その中で、根拠資料がどういうものであるべきかということも、今後、可能な限り、明確化されていくべきものだと思いますし、また、そういうことが努力されるのだと思います。

もともと、要件はどういう形で定めても、「困難さ」というような文言に頼っていかなければいけない。別にこれはこの問題に限ったことではないと思いますし、そうだからといって、監視が全くできないのではないかという懸念としてまとめられるのだとすると、少し違和感があります。

直ちに重たい処分を科すというものだけが監視だとは思わないですし、当初、導入されるときに、さまざまなコミュニケーションがなされる中で、どういうものであるべきかというのが詰まっていく部分というのも、現実にはあると思います。

私の問題意識としては、今までずっと申し上げてきているように、先ほど受田委員もおっしゃった視点と同様に、ルールにどのように合わせられるのかが、できる限り明確に、前もって判断できる制度にしていくべきだと思いますが、この点については、議論をしていない段階でもあるので、およそ監視が難しいということだけ、先にまとまってしまうことについては、抵抗があります。

以上です。

○阿久澤部会長 それもよくわかります。多くの議論のなかの一つの議論ですので、監視体制についてはということで、今後の議論の中で、今、ここで懸念されていることが払拭できてくることもあると思いますので、現時点での議論のまとめということで、御理解いただければと思います。

よろしいでしょうか。ありがとうございました。

ただいまの件は、皆さん、議事録をよく確認してください。部会の見解として記録し、次に移りたいと思います。

【普及・啓発と国際整合性、インターネット表示】

○阿久澤部会長  次は、普及・啓発と国際整合性、インターネット表示について、議論したいと思います。

普及・啓発については、前回の部会で、消費者庁から資料1-3の7ページ以降にあるとおり、かなり具体的な説明がありました。それを受けて、各委員から、資料1-1の7ページから8ページにある御意見が出されております。

スーパーでのチラシ配布といった、新たな取り組みについて、おおむね評価された一方で、原料原産地表示に対する消費者の理解度や満足度、活用度の調査を定期的に行って、制度運用のフォローアップを行っていくべきという御意見や、平成27年に施行された、食品表示法の普及・啓発状況を明らかにし、それと比較する形で、今後の方針について説明してほしいといった御意見が出ています。

また、説明会に出席する時間がとれないような、中小企業、事業者への普及・啓発のあり方に関しても、御意見がありました。

国際整合性につきましては、状況を確認したいとの意見が出されており、本日、消費者庁から説明がありました。

インターネット表示につきましては、資料1-1の9ページのとおり、インターネット表示を補助的に積極活用すべきといった御意見が、複数出されております。一方で、インターネット表示を義務表示の対象とすべきとの御意見もあることから、本日の議論を通じて、今回の改正に当たっては、インターネット表示は、補助的位置づけであるとする、消費者庁案が適当だということを確認したいと思います。

それでは、御意見、御質問をお願いしたいと思います。

川口委員、どうぞ。

○川口委員 日本ヒーブ協議会の川口です。

私からは、普及・啓発について1点意見を述べさせていただきます。

参考資料5の1.の内容になりますので、そちらも御参照いただけたらと思います。

本日、消費者庁からも説明があり、事業者に対して丁寧な説明と周知活動を行うということで理解しております。その上で、あえて意見を述べさせていただきます。

今回の原料原産地表示制度は、国別重量順表示と複数の例外表示が混在し、今までにない表示方法を採用していることから、事業者への十分な普及・啓発活動が必要になると思います。前回も申し上げましたが、過去の実績だから今は違っても問題はない、などといった誤解による法令違反が発生しないためにも、事業者への十分な啓発活動を行っていただきたいと思います。前回の部会でも、各委員から説明会に参加ができない数名で経営されている中小企業に対して十分に周知をすべきだ、という指摘もございました。

監視も消費者への普及ももちろん大切ですが、今回の制度の施行には、事業者への周知が要になると感じております。中小企業、その製造者も販売者も含めて、全ての事業者に漏れなく正確に普及・啓発ができる効果的な方法を、ぜひとも検討してもらいたいと思います。

参考までですが、当協議会の食品メーカーの会員より収集した、事業者への普及・啓発案を書かせていただきました。

例えば厚生労働省と連携して、中小企業に義務づけられている保健所での年1回の講習で周知をするであったり、厚生労働省、経済産業省、地方自治体にも協力を仰いで、HACCPやISOなどの認証の講習会で、パンフレットを配布するであったり、中小企業への周知として、商工会議所の協力を仰ぎ、会員である地域の商工業者に周知をするなど、そういったきめ細かい対応をお願いしたいと思います。

また、日本食品分析センターなど、自社にラボを持たない食品企業の手伝いや、課題の対策案や法令対応の相談に応じている食品の分析・検査団体からの周知も効果的かと思います。

包材メーカーに協力依頼を行って、取引メーカーへパンフレットの配布をしてもらう。包材メーカーが滞りなく改版対応する体制確立のためにも、包材関連の団体・協会などへの周知の協力を仰ぐなど。

さらに、流通を通じて、取引メーカーへの周知をしてもらう。登録時のカルテの項目に入れてもらうなど。

漏れなく、全ての事業者に正確に情報が伝わる方法を、ぜひとも検討していただきたいと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

消費者庁、どうぞ。

○赤崎食品表示企画課長 消費者庁でございます。

普及・啓発につきましては、非常に大事な論点ということで、前回、きめ細かく資料をつくる等々の御説明もさせていただいております。

今、川口委員から、実際、事業者への普及・啓発がかなめだということで、具体的にはということで、HACCPの講習会、包材メーカーへの協力依頼という、斬新な着眼点を御教示いただいて、非常にありがたいと思っております。

それに限らず、きめ細かくという意味では、ここに御提案いただいております、やり方というのは、実効ある普及・啓発にとって、極めて有用だと思っておりますので、我々は、基本的には、この方向に沿って、いろいろな形で、積極的に普及・啓発に取り組んでいきたいと思います。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございます。

普及・啓発について、ほかはございますか。池戸委員、どうぞ。

○池戸委員 普及・啓発の重要性というのは、言うまでもないかと思います。利用される消費者の方に、まず理解していただかないと、制度は成り立ちません。

その前に、先ほどの監視にも関連するのですけれども、事業者の方も、これについては、かなり関心が高いということも言えまして、一方的な説明ではなくて、はっきりしていない基準のところ、疑義のところ、その質問に的確に答えるような体制をとっていく必要があると思います。

原料原産地だけではなくて、表示制度全体がそうなのですけれども、私の感じだと、先ほどの監視のところは、地方との連携をかなりやられているということなのですが、理想的には一番近い行政に聞いて、答えていただくという体制に、できるだけ早く持っていっていただきたい。全て消費者庁に直接聞くという形ではない形です。

国会の衆参両院の中で、ワンストップで対応するという附帯決議が出たと思いますので、そういう質問とか、そういうものに、正確に、的確に答えられるように、しかも、できるだけ早く答えられるような体制もとっていただければというのが、私の希望です。意見です。

あと、先ほどの説明会を何回やるとか、そういうことではなくて、本当に理解しているかどうかというところです。これは今までも何回も出ていますように、理解度とか、活用度とか、満足度、そういう調査をするということで、これは非常にいいことだと思っています。

ただし、これも、今度の制度がのってきますと、スペースの問題とか、ほかの項目とのリンクが出てくると思いますので、原料原産地だけではなくて、全ての項目について、定期的なモニタリング調査みたいなものを実施していただければありがたいということで、意見とさせていただきたいと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

ほかにございますか。宗林委員、どうぞ。

○宗林委員 宗林です。

普及・啓発に関しましては、消費者の理解度の定点観測を行い、成果を形にしてほしいということについて、実行していくというお話があったと思います。経過措置の期間もかなり長いものですから、もちろん消費者に対しても、そういうことは必要だと思いますけれども、あわせて、事業者に対しても、きちんと浸透しているかどうかの調査をしていっていただけると、なおよろしいのではないか。両方が理解していないと、この制度は成立しないと思いますので、ぜひそれをお願いしたいと思います。

また、どの時点で、もう少し見直さなくてはいけないのかということも、本来ならば、例えば医薬品の承認などの場合には、承認時に市販後調査を何例とか、何年後とか、承認するときにもきちんと決めていくのですが、経過措置がかなりありますから、全面実施されるようになってからとなりますと、大分時間がありますので、実施されてから、何年ごとに、定点観測をすることとしまた、見直しを検討する時期を最初に決めていただくのも、大変よろしいのではないかと思います。

以上、2点、事業者にもということと、時期の問題です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

蒲生委員、どうぞ。

○蒲生委員 蒲生です。

理解度、活用度、満足度の調査をしてほしい、その結果を踏まえて、制度の見直しに生かしてほしいということは、常々申し上げてきて、しますという御回答をいただいておりますので、ここでは繰り返しはいたしません。

消費者教育に携わる時に感じることですが、消費者に情報を与えれば理解していただけるかというと、決してそうではありません。まずは知りたいというニーズがなければ、目の前に幾ら情報がたくさんあっても、目を向けていただけません。ですので、消費者向けのQ&Aをつくるですとか、いろんなパンフレットをつくるですとか、あるのですが、この表示制度でどういったことがわかるのか、こういうふうに使うといいというニーズを創造するアプローチも必要だと思います。

あと、誤認防止という観点からも、消費者が疑問に思ったときに、適切に答える体制が必要です。事業者の方が理解するための情報提供に加えて、事業者の方がいかに適切に消費者に答えるかのための情報提供が必要だと思います。私も宗林委員の意見に全く賛同なのですけれども、事業者さんの理解度をチェックしていく体制が必要だと思います。

まずはニーズの創造、それから、知りたいと思ったときに、消費者の疑問に的確に答えるための情報提供が必要です。直接情報提供する役割だけでなく、行政は情報提供する方々の後方支援としての役割があると思いますので、そういった観点での計画をおつくりいただきたいと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

荻原委員、どうぞ。

○荻原委員 普及活動とインターネット表示に関して、2点、意見を述べさせていただきます。

普及活動に関しましては、その成果としてどれぐらい理解度が進んだか、定点的、定量的に観測していくという御予定とのことなので、是非やっていただきたいです。通常の消費者意識調査の場合、インターネットでのアンケート形式になると思いますが、ACAPには、実際に商品を買ったお客様から表示を見ながらのお問い合わせがたくさん入っており、どのように表示を理解しているかという点で参考になります。理解度調査を進めるに当たっては、各事業者のお客様相談センターに入ってくるお問合せの実態も調査対象として考慮し、どれだけ理解が進んでいるかを検証していただきたいと思います。

2点目は、インターネット表示ですが、今のところ、補助的な活用とのご説明ですが、やはりインターネット表示のオプションを検討すべきと考えています。例外表示がかなりの割合で生じること、制度が難解であることから、残念ながら、消費者が表示の意味を正確に把握するということは、ほぼ不可能であろうと思っております。そうなると、幾ら包装上に表示されていても、選択に資する情報にはならず、むしろ本当に知りたい人への情報開示が求められていると考えます。その観点から、インターネットでの情報開示を、ルールの中に取り込んでいくことが適切であろうと思います。

インターネット表示を検討する時間として割り当てられているものでないということは承知しておりますが、経過措置期間は5年ということで時間的に余裕があります。最近、アメリカの遺伝子組み換え表示規制案でも、必要なのは情報開示との前提でインターネットやQRコードでの表示方法について、どうしたらIT活用が進むのか、意見聴取や当局による調査研究を経た上での導入を目指し検討が進められています。

包装上の義務表示の情報量が多く、これ以上正確で解りやすい表示が限界にきているので、日本でもこのようなことに取り組んでいくことが必要だと思います。ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

受田委員、どうぞ。

○受田委員 受田です。

普及・啓発に関しては、私も何度か発言をさせていただいて、重要であるということは、全く異論がないところです。

きょうの議論を拝聴しながら、先ほど宗林委員もおっしゃいましたけれども、普及・啓発は誰のためにやっていくか。その対象として、事業者さんサイドの普及・啓発と、消費者側の普及・啓発をしっかり分けていくと同時に、そこをインタラクティブにすり合わせていくことを、しっかり考えていかないといけないのではということを、改めて申し上げておきたいと思います。

表示制度を普及・啓発する際に、もともとの出発点である、国内製造された、あるいは加工された全ての加工食品に対して、重量割合上位1位の原材料を義務表示化し、それを国別重量順表示していくのであれば、普及・啓発は非常に簡単だろうと思います。

なぜあえてここで例外表示等を設けるようにせざるを得ないのかというと、今のフードチェーン自体が非常に複雑になっているということと、商品の生産計画、国別重量順表示で、一つ一つの商品に明確に表示することが、現実、実行可能性が低いというところから、端を発しています。ここの部分を、どういうふうに例外として盛り込んでいくかというところから、話が複雑になっているのですけれども、もう一つ考えてみると、包材を含めた、包装のことが1つのネックになって、例外表示をさらに助長するというか、加速せざるを得ない状況になっていると見てとれるのではないかと思います。

このことは、翻って、表示制度の導入自体が、例外措置に誘導してしまって、結果的に消費者の知りたい情報が埋没してしまうという、悪循環に陥っているようにも感じます。要は現状と消費者の知りたい情報とのギャップを、できるだけいろんな手段で埋めていくということに対して、我々は、工夫や努力をしていかないといけないのではないかと考えます。

結論としては、だからこそ、インターネット、あるいはQRコードを使って、知りたい情報をしっかり消費者の皆さんにお伝えすることを第一に考えていって、包材のネックの部分が知りたい情報の隘路にならないように、落としどころを考えていくことが、重要ではないかと思います。事業者さんの努力が消費者にしっかり伝わって、それによって、双方向で消費行動を含めて、食のあり方全体がいい方向に導かれるべきであって、このインタラクティブの部分を、どういうふうに普及・啓発のところで担保していくか、これをしっかり考えていくべきだと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

今村さん、どうぞ。

○今村委員 国際整合性も、同じ議論の中でよろしいですか。

○阿久澤部会長 はい。

○今村委員 私からは、国際整合性について、先ほどの説明の中で、WTOの通報で、3カ国からあったということで、どういう通報を受けたのかという内容について、また教えていただきたいと思っています。

WTO通報だと、実際に通報した国と、どれぐらいもめそうかということが、一番大きなポイントで、最終的にはパネルに上がっていくかどうかという話だと思うので、上がりそうな案件として通報があったのか、それとも、もうちょっと緩いレベルできているのかということがわかればと思います。

その上で、実際、海外にいろんな情報を求めていくことになると思うので、プラスアルファで、輸入業者さん、食品の6割以上は海外から来ているわけですから、ことごとく原産地と製造国について聞いていくことになるのですけれども、これは物すごく負担がかかると思うのです。それが本当に聞けるのかということは、制度を運用する前に、確認しておかなければいけないことだと思うので、各国もそれを理解して、多分通報してきていると思うので、パネルに上がりそうなレベルなのかということとあわせて、わかれば教えていただければと思います。

○阿久澤部会長 よろしいですか。消費者庁からお願いいたします。

○赤崎食品表示企画課長 今までの御意見全体に対してでしょうか。

○阿久澤部会長 そうではなくて、ただいまの国際整合性の件です。

○赤崎食品表示企画課長 それでは、国際整合性のところでございます。

先ほど御説明しましたように、アメリカ、カナダ、オーストラリア、3カ国からコメントなり、質問をいただいております。ただ、今、今村委員から、パネルというお話もありましたが、我々はこれまでいろんな機会を通じて、我々の考えている制度については、丁寧に説明をしておりますので、基本的にはそれで御理解はいただけるのではないかと思っております。相手がいる話ですから、確定的にどうこうというのは差し控えさせていただきますが、丁寧な説明というのは、当然やらせていただいております。いろんなやりとりというのは、コメントをいただいた国以外のところも含めて、求められれば、対応していくのでしょうが、引き続き、そこは丁寧な対応をしていく中で、繰り返しになりますが、御理解いただけるものと考えております。

あと、今、それに関連して、今村委員から、海外から入ってくる時点で、本当にそれがわかるのかどうか、難しいのではないかというお話がありましたが、それはまた別でしょうか。

○阿久澤部会長 それと、通報を受けた内容というのが、たしか質問の中ではあったかと思います。

○赤崎食品表示企画課長 先ほど御説明しましたように、国と国との関係で、今、やっておる話ですので、そういう詳細につきましては、回答は差し控えさせていただきたいと思っております。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございます。

渡邊委員が先でした。どうぞ。

○渡邊委員 渡邊です。

言葉尻を捉えて申しわけないのですけれども、先ほどの蒲生さんの発言で、消費者のニーズを創造すると聞いて、すごくびっくりしたのですが、そもそもこの制度はニーズがあるから始まったのではないかと理解している中で、何でニーズの創造が要るのかがわかりません。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○蒲生委員 御質問ありがとうございます。

私が非常に懸念しておりますのは、一括表示の中に書いてあったとしても、どれだけ消費者が関心を持って見るだろうかということです。今回、特に可能性表示、大括り表示では、根拠資料も必要になって、事業者の負担は非常に高いものになっています。消費者がちゃんと理解して使えるものでなければ、表示制度の意味がない。現在の案は非常に複雑なため、きちんと理解できる消費者はごく一部で、ほとんどの消費者にとってはただの文字として正しく認識されず流れてしまうのではないかと危惧しています。

そういう意味で、まずは理解してもらうためのニーズを喚起する、この表示ではこういうことがわかる、と理解していただいた上で、皆さん、その表示を活用しますか、表示方法は満足ですか、と聞く段階に持っていけるのだと思います。まずは新しいルールに気づいてもらうという意味で、ニーズの創造が必要だと申し上げました。

○渡邊委員 それはニーズの創造というよりも、要するに制度をしっかり理解してもらうという意味だと理解していいですか。今まで消費者の原料原産地に対するニーズがどのぐらいあったのかわかりませんけれども、当初の説明では、七十何パーセントあるように聞いていたので、急にニーズを創造すると言われると、おかしいのではないかと思ったので、質問をさせていただきました。

○蒲生委員 そういう意味では、今の渡邊さんのお考えのとおりです。まずは理解ということなのですが、先ほども申し上げましたとおり、理解というのも、まず関心がないと理解にも進まないと思いましたので、適切な理解に進むために、まず気づいてもらうための働きかけという意味で言いました。現在ある関心度七十何パーセントをもっと上げましょうとか、そういった意味ではありません。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

井之上委員、どうぞ。

○井之上委員 井之上です。

話がまた戻ってしまうのですけれども、普及・啓発とインターネットについてです。幾つも意見が出ていますとおり、制度を浸透させる上においては、普及・啓発というのは、不可欠だと考えます。ただ、普及・啓発を行えども、この制度は、知りたい情報には届かない場合があるということが、非常に大きな問題だと思っています。輸入であるとか、または表示であるとか、あと、製造地表示、そもそもどこの原料原産地がわからないということです。おそらくわからない人にとっては、事業者に聞くしかないので、事業者は聞かれると、何となくここまでわかりますとか、それ以上は知りませんといった具合で答えると、まずは事業者も負担になりますし、さらに消費者と事業者の溝が深まってしまうのではないかと思っています。

そうであるならば、荻原委員であるとか、受田委員からも出ましたとおり、インターネットを表示のオプションとして考えるべきなのではないかと思います。インターネットの活用というのは、現代に合った方法ではないかと思っています。先日、調べものをしていたのですけれども、経産省の調べでは、2017年度のスマホの利用率は70%を超えていたというデータもありますので、ぜひとも検討していただきたいと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

どうぞ。

○菅委員 菅です。

インターネットによる表示の話が出ているので、前回、申し上げたところと、私の意見は余り変わりませんという話をしておかなければいけないと思います。インターネットリテラシーの観点からすると、義務表示は容器包装が本則という考え方で、きょうのお話を聞いていても、やはりそれが本則だと、現時点でも思います。先ほどのお話の中で出てきたことでもありますし、私が前回申し上げたことでもありますが、インターネットによる表示を期待することによって、原則表示が必ずなされるという形が確保できるのであれば、そのような場合には、インターネットを用いた一定の例外的な表示方法を認めるかどうかという議論の余地もあるかもしれませんけれども、結局、二次元バーコードを読み込んだ先に例外表示があるという形が認められるのだとすると、本則よりも後退しているという形で捉えざるを得ないと思うので、もしインターネットによる表示を可能とするのであるならば、そのような余地を認めるならば、少なくとも原則表示をきちんと徹底していただける場合という形の限定が必要になるだろうと思います。

また、今、スマホ利用率70%というお話もありましたけれども、仮にそうであったとしても、どうしても全体ではないので、それは補助的な形になるのではないかと、現時点では思います。

もう一つ、国際整合性についても今の議題に含まれるとのことなので、少し質問をしたいのですけれども、具体的な交渉の中身については、消費者庁としてオープンにできないようですし、ただ、国際整合性についてとだけ言われましても、いかなる問題がはらんでいるのかというのは、いま一つよくわからないわけなのですが、先ほどの消費者庁からの御説明の中で、日生協さんにおかれて、カナダに対して資料を提出されて、説明されたという趣旨のことをおっしゃったと思うのですけれども、もし差し支えなければ、どのような資料を持って、どのような意見をお伝えになったのか、我々にも参考資料としてお示しいただけないものかと思います。

きょう、いただいている参考資料4で、例外表示という形で書いていただいている中で、消費者のところのデメリットで、「国際整合性に疑問」と御指摘いただいているのですが、具体的に何かしらの問題意識をお持ちなのであれば、本日の資料からだけでは詳しくわかりませんので、具体的な御懸念がないのだったらいいのですけれども、具体的にお持ちであるならば、克服されるべきものもあると考えますので、お聞かせいただけたらと思います。

また、どこまでお話しいただけることかわかりませんけれども、カナダ以外の国に対しても、何かしら同様の働きかけをされた上で、3カ国からだけ意見や質問が出されている状況になっているのかということについても、問題がなければ、教えていただけたらありがたいと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

よろしいですか。井之上委員、どうぞ。

○井之上委員 御質問いただいたので、お答えします。

カナダからの件に関しては、この間、食品表示部会に出ている資料の英訳をそのまま渡しただけなので、特段変わったものは出していません。

あと、インターネットの表示に関して、1つ懸念というか、思っていることですけれども、参考資料4、可能性表示、大くくり表示、そして、可能性プラス大くくり、製造地表示が出ていますけれども、これらが原則の国別重量順と同等程度の情報価値を持っているのかという点で考えると、そうでない部分もあるのではないか。そうであるならば、無理をして表示するということでデメリットも生じているわけですし、その中でオプションとして、インターネットであるとか、応答義務であるとかを考えてもよいのではないか。表示することが目的ではなくて、この際、答えることが目的だと思います。そのことに関して、インターネットのオプションもいいのではないかという意見です。

以上です。

○阿久澤部会長 先ほど国際整合性のところで、具体的な懸念として何かあるのかという内容の質問があったかと思います。

○井之上委員 具体的な懸念に関しては、CODEXにおける2016年の議論だと思うのですけれども、その中で、今後、議論しないということで、国際コンセンサスが得らなかった。この観点から考えると、我が国だけ、これを進めるというのは、違和感があるのではないか。その上での国際整合性に問題があると、捉えていただければいいと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

今の点は大丈夫ですか。懸念点に対して、何かございますか。

○赤崎食品表示企画課長 CODEXで、今、ルールがないというお話がありましたけれども、CODEXというのは、義務ではなくて、1つの国際的な規範ではあるのですが、例えば遺伝子組み換え表示については、実はCODEXのルールはなくて、それでもEUや日本を含めて義務の表示もありますし、あとは、アメリカでも、昨年7月、そういう法律が成立したというのは聞いております。基本的にCODEXのルールはありますけれども、各国で表示の義務づけについて、必要があるという判断をすれば、その意味では、表示の義務というのは、ルールとしてつくれるとなっております。

ただ、そのルールが、国際的な輸出などの貿易をゆがめてはいけない、貿易歪曲性があってはいけないということで、別途、WTOのルールの中で、内外無差別原則というものがありますが、それに照らし合わせても、原料原産地表示制度について、今でも加工食品全体の1から2割のものを対象に義務をかけておりますが、そういう意味での問題はないと考えております。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

どなたかございますか。蒲生委員、どうぞ。

○蒲生委員 インターネット表示に関して、1点、申し上げたいと思います。

経過措置期間として4年半が出されたわけですが、現状と4年半後では、インターネット環境はまた随分変わっているだろうと思います。インターネットリテラシーが問題視されておりますが、現状よりはあまり問題ではなくなっているでしょう。

一方で、一括表示は、すでに飽和状態です。小さい文字がびっしりです。インターネット環境が4年半後に今よりも進むだろうことと同様に、高齢化が今よりもさらに進むとなると、たくさんの細かい文字はさらに見づらくなることが予想されます。

一括表示の中に、何は絶対に残さなければいけないか、どういったものはインターネットによる情報提供にシフトさせても良いかという整理が必要だと思います。食品表示一元化検討会の中で、安全性にかかわる情報は優先するべきだと整理されました。私も全く同じ考えで消費期限などは、フォント数を今よりも大きくしてほしいと思うぐらいなのです。

そういった観点からすると、今回は義務表示で、一括表示の中に書くと整理されましたが、今後に向けては、安全性にかかわるものでないような、知りたい消費者がちゃんと知ることができる体制を整えればいいというものに関しては、インターネットの活用を増やしていくことも、ぜひ御検討いただきたいと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございます。

どうぞ。

○澤木委員 消費者への普及・啓発というところなのですけれども、今は表示がとても複雑になってきておりますので、消費者に読み解く力が求められていると思います。そこで、学校教育の中の小学生のところから、表示を読み解く力を養っていくことが、効果的ではないかと思いますので、1つ提案をさせていただきます。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

よろしいでしょうか。大方の御意見は伺ったと思います。

1点、私から、普及・啓発のところで、皆さんからも理解度について、まずこれを期待しているという御意見が幾つかあったかと思います。確かに普及・啓発はこれからしていくということで、どれだけできるかということを、具体的に示すのはとても難しいかと思いますけれども、このような過去の実績によって、これから普及・啓発がどのようにされていくかという推測はできるかと思います。

平成27年4月に施行された、食品表示制度に対しても、当然円滑な施行をするために、普及・啓発がされてきていると思います。これは、執行者の責任、義務であろうと思っております。そうすると、実際に、27年4月に施行されたものが、現時点でどの程度の理解がされているのかというところを、お聞かせいただけたらと思います。

○赤崎食品表示企画課長 ただいまの阿久澤部会長からの御質問でございます。27年4月から始まりました、新しい表示制度の理解度ということであれば、昨年度末に消費者庁では消費者意向調査を行っております。調査対象者は約1万でございました。そういう方々を対象に、食品表示制度そのものの認知度についてお尋ねをしたところ、73.3%がわかっておるということでした。これは生鮮食品と加工食品それぞれ表示の義務がございますので、概要を知っているかどうかということを調べたところ、食品表示制度そのものの認知度が、73.3%でした。

その中で、27年度から食品表示制度が新しくなったことを知っておる者は、28%という結果が出ています。これは28年度末に行った調査の結果です。

これは時点のデータしかございませんが、今後、継続的に調査したいと思っておりますので、その中で、連続的な形で、この数字を押さえて、今後のいろんな対応に反映をさせていきたいと思っております。

○阿久澤部会長 先ほどの普及・啓発についての意見の多くは、啓発の仕方ということだったと思います。これは調査をして、理解度として示されるのですが、今回の数字の出し方、その辺も納得するような内容なのかどうか、我々は知る必要があろうかと思います。

今、一例としてお話をいただきましたが、食品表示がどのようなものかを知っている方に対して、制度が新しくなったことを知っている方が28%であったとのこと。要するにそれでも28%だったというのか、28%も理解していたという捉え方なのか、これはどうでしょうか。

どうぞ。

○宗林委員 宗林です。

以前、食品表示企画課の調査だったと思いますけれども、健康増進法に基づく強調表示の理解度の調査をした結果を拝見したことがございます。これは大変いい調査でございまして、これを知っていますかとか、理解していますか、この表示が変わったことを知っていますかということではなくて、これは何を意味するのか、3つの中で選びなさいということでございまして、例えば栄養についても、今、食塩は何グラムが適当なのかということを、きちんと選ばせるという形のものでございました。それは理解していると自分で思うかどうかというよりは、本当の意味での理解度調査で、結果が高い理解度であれば説得力のあるものになるかと思いますので、このぐらいの方たちが、こういうことを理解しているということが、明らかになる方式で是非お願いしたいと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 その方法については、先ほど荻原委員から事業者の実態なども参考にしていただければという御意見もありましたし、理解度調査につきましては、皆さん期待しているところでもありますので、今までのものでよしとするのであれば、よろしいですが、検証し、より正確な理解度が出るような形にしていただければと思います。

普及・啓発、国際整合性、インターネット表示について、当部会の見解ということで、確認をしたいと思います。

普及・啓発についてですけれども、消費者庁が想定している普及・啓発については、皆さん一定の理解がされている。一方で、2年前に施行した食品表示法の周知が十分とは言えない状況ではないのかと考えられることから、より効果的な普及・啓発を模索しながら、実施する必要があるという状況だと思います。

消費者庁が実施すると言っている、周知状況を確認する調査についても、必ず定期的に行って、原料原産地表示も含めて、食品表示に関する周知状況の現状分析をきちんと行った上で、必要に応じて、追加対応も検討するといった、柔軟な対応が必要な状況だということで、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

次は国際整合性ですが、国際整合性につきましても、幾つか御意見がありました。消費者庁からも説明をいただきまして、質問に対してもお答えいただきました。そして、説明の中では、WTO通報への対応も進んでいるということが、一応確認できました。

ただし、この制度を施行するのであれば、国際的には、余り例のない制度となりますので、各国からの質問等があった場合には、引き続き、丁寧に説明をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。こんな状況だと思いますが、よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○阿久澤部会長 どうもありがとうございます。

もう一つは、インターネットによるところですが、本日の議論の状況によると、補助的な扱いになるとは思いますが、これまでの議論の中では、食品表示の優先順位を考える必要があるという意見とともに、将来的には、インターネット表示を任意とし続けるのではなく、表示制度の枠組みに組み入れて、もっと活用することを考えるべきではないかといった御意見も出されました。

その理由としては、表示すべき項目がふえる一方ですし、パッケージ上の文字が小さくなって、読みづらくなるという問題もあるということで、将来的課題として、記録しておきたいということでは、いかがでしょうか。

(「はい」と声あり)

○阿久澤部会長 どうもありがとうございます。

それでは、部会の見解として、記録していただければと思います。

いかがでしょうか。残り10分になりましたが、本来ですと、例外表示について、途中まででも議論できればと思っていたのですが、10分しかありませんので、たまには早く終わるのもいいかもしれません。そういうことで、きょうは、ここでよろしいでしょうか。御協力どうもありがとうございました。

本日の審議は、以上にさせていただきます。

連絡事項等があれば、事務局からお願いしたいと思います。

≪3.閉会≫

○丸山参事官 本日も長時間にわたりまして、御議論いただき、どうもありがとうございました。

次回の会議日程につきましては、7月12日水曜日、14時からを予定しております。よろしくお願いいたします。

○阿久澤部会長 本日は、これにて閉会とさせていただきます。お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)