第5回 電力託送料金に関する調査会 議事録

日時

2016年7月8日(金)14:00から15:38

場所

消費者委員会会議室

出席者

【委員】
古城座長、井手座長代理、太田委員、古賀委員、白山委員、陶山委員、矢野委員
【消費者委員会委員】
長田委員
【事務局】
消費者委員会 黒木事務局長、福島審議官、丸山参事官
消費者庁 福岡審議官、澤井消費者調査課長、笠原表示対策課課徴金審査官

議事次第

  1. 開会
  2. 電力託送料金に関する調査会の取りまとめについて
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○丸山参事官 それでは、時間になりましたので、会議を始めさせていただきたいと思います。

本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。

ただ今から「消費者委員会公共料金等専門調査会第5回電力託送料金に関する調査会」を開催いたします。

本日は、所用によりまして、安田委員、担当委員の蟹瀬委員が御欠席ということで御連絡をいただいております。

議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。

ただ今お配りしております資料につきましては、配付資料の一覧のとおりとなっております。

不足の資料がありましたら、事務局までお申し出をよろしくお願いいたします。

なお、本日の会議につきましては、公開で行います。議事録においても、後日、公開することといたします。

それでは、古城座長、議事進行をよろしくお願いします。


≪2.電力託送料金に関する調査会の取りまとめについて≫

○古城座長 それでは、議事に入らせていただきます。

本日の議題は「電力託送料金に関する調査会の取りまとめについて」です。

本年5月20日の内閣総理大臣からの諮問を受け、当調査会では、電力託送料金の更なる低減につながり得るコスト削減の手法や託送料金算定の在り方等について検討するため、電力・ガス取引監視等委員会事務局や、資源エネルギー庁、有識者、送配電事業者などからヒアリングを行ってきました。

本日は、前回までのヒアリング結果等を踏まえて、当調査会における報告書案を取りまとめたいと思います。

資料をお配りしておりますので、その内容について事務局から説明をお願いします。

○丸山参事官 報告書は、「素案」ということで振られております資料があるかと思います。そちらに沿って説明をさせていただきます。

まず、こちらの報告書ですけれども、大きく4つの点で構成をされております。

1ページ目の「1.検討の経緯と視点」、2ページ目の「2.電力小売料金及び託送料金の概況」、3ページ目の「3.託送料金の算定に関する課題と対応策」、最後ですけれども、7ページの「4.消費者への積極的な情報提供」という構成となっております。

それでは、1ページ目に沿って御説明させていただきます。

まず、「1.検討の経緯と視点」でございます。

初めのポツ、今年の4月から電力小売全面自由化が開始され、電気料金につきましては、小売事業者が送配電設備を利用する利用料である託送料金が現状は含まれている。こちらの託送料金については、送配電事業が地域独占であることから、総括原価方式による料金規制が措置されていることを述べております。

2ポツ目、現行の託送料金につきましては、電力取引監視等委員会で審査を行い、2015年12月に経産大臣により認可をされたと述べております。

3ポツ目、こちらの託送料金についてですが、家計支出に占める電気料金の割合が3.8%であるということで、消費者向けの小売電気料金に占める託送料金の割合については3から4割に上っている。このため、託送料金の適正性を確保することは、消費者の利益に大きく関わることを述べております。

次のポツ、平成28年5月、消費者委員会においては、託送料金の査定について、消費者利益の擁護・増進の観点から問題の所在及び改善方法について、内閣総理大臣から諮問を受け、委員会において「電力託送料金に関する調査会」、こちらを設置したと述べております。

1つポツを飛ばしまして、最後のポツ、関係府省庁において、これから述べる考え方を踏まえて、今後の託送料金の審査について、具体的な改善に向けた取組が行われることを期待すると述べております。

2ページ目、「2.電力小売料金及び託送料金の概況」についてでございます。

こちらについては、資料2として送られております図表を御覧になっていただければ分かりやすいかと思います。

まず、我が国の電力の小売料金の推移ですけれども、大震災以降、燃料費の増加、料金の値上げ改定により上昇傾向にあるということで述べております。ただし、足元の2015年以降につきましては、家庭用の電気料金については、原油価格の下落に伴い、総じて下落傾向にあるということで述べているところです。

他方、そのうちの託送料金についてですけれども、2000年以降、先行して料金が設定されていた特別高圧、高圧についての推移を見てみると、総じて緩やかな下落傾向が続いているということで述べております。

次のポツ、諸外国の電気料金の推移について見てみますと、為替の影響を受けない現地通貨建で見ると、家庭用、産業用ともに総じて上昇傾向で推移している。託送の料金につきましては、家庭用については、スペインを除き上昇傾向にあり、産業用については、イギリス、ドイツが上昇している中で、我が国は下落傾向で推移しているということで述べております。

託送料金の水準について、家庭用は、日本は欧州の中で最も高い水準にあるドイツに次いで高いことや、送配電事業に再生エネ関係ですとか電線地中化等で多くの投資を行っているデンマークよりも高いことなどから、比較的高水準であると考えられると述べております。

次のページ、欧州各国の小売電気料金に占める託送料金の割合という観点で見ておりますと、日本の家庭用の小売料金に占める託送料金の割合は高い。家庭用と産業用の託送料金の水準の関係を見ると、どの国でも家庭用の託送料金の水準のほうが高いということなのですけれども、その高さの程度については、日本は欧州各国の中間的な水準にあるということで述べております。

「3.託送料金の算定に関する課題と対応策」で、以下、3点について整理をしております。

まず、1点目でございます。

「3-1 原価低減の託送料金への反映」で述べております。

「マル1現状・課題」ということで整理をしております。

初めのポツ、まず、託送料金の料金改定につきましては、値上げの改定については認可制ということですけれども、値下げの改定については、届出制になっていること、この届出制であることから、コスト削減の結果が必ずしも託送料金に十分に反映されない懸念があるということで述べております。

これは、特にその下のポツですけれども、足元はデフレ傾向にあることが要因としてあることを指摘しています。

次のポツ、料金変更認可申請命令というものがございますけれども、こちらについては、超過利潤累積額が一定の水準を超えた場合等々、発動されることとされておりますけれども、究極的には、事業者のサイドでこういった命令の発動を避けるべく、コストの増加を図る可能性がないとは言えず、原価の低下を託送料金に反映させる機能として十分かどうかは疑問があるということで述べております。

次のページ、これらの指摘を踏まえた「マル2対応策」です。

上記を踏まえれば、原価の適正性を確保し、託送料金に反映するために、例えば、原価算定期間を3から5年とし、その終了後には、定期的に原価を洗い替えし、託送料金を審査する等の取組を行うべきであるとしております。

「3-2 固定費の低圧(家庭用)、特別高圧・高圧(産業用)部門への配分」です。

「マル1現状・課題」です。

初めのポツ、託送料金原価につきましては、販売電力量と関係なく固定的に発生する固定費について、例えば、東電では託送料金原価の約8割ということで、大部分を占めておる。この固定費の3つの需要別(特別高圧、高圧、低圧)についての配分方法については、こちらを「2:1:1法」ですとか、「2:1法」という等々によって配分する方法が長年用いられておりました。これは、最大電力、夏期及び冬期の尖頭、すなわちピーク時の需要電力、発受電量を勘案し、それらを2:1:1あるいは2:1で加重して配分されているという方式でございます。こちらの固定費の配分方法につきましては、設備による受益者負担の観点から、いわゆる発受電量、設備投資の原因者負担である観点から、最大電力、ピーク時の需要電力に着目するなど、様々な考え方がございます。ただ、現行の配分方法につきましては、現在においてこれらの配分比率でなければならない。これらの配分比率とは2:1:1ですとか2:1のことでございますけれども、明確なその根拠はなく、低圧部門、すなわち家庭向けへの原価の配分が合理的ではない形で過重になっている可能性があるということで指摘をしております。

「マル2対応策」でございます。

中期的には、潮流についての定量的なデータを収集・整理し、そのデータに基づいた実証的・合理的な配分を行うべきだとしております。

次のポツ、当面の対応といたしましては、2:1:1法ですとか2:1法の枠組みについて、送配電設備の規模はピーク時の負荷によって決定されるという考え方をより重視する方向で見直しを行うべきだということで指摘をしております。

また、分散型電源などのビジネスモデルの普及が見込まれるところ、送配電網の利用形態、系統利用者の負担の公平性に考慮した需要地近接性割引などの在り方も検討すべきであるということで指摘をしております。

「3-3 個別の原価の適正性」でございます。

次のページ、マル1の2つ目のポツ、3行目でございます。今般の託送料金の申請に際しては、例えば、人件費については、一般企業平均や公益業種平均等との比較を用いて原価の適正性を審査しております。

他方、資材・役務調達コストについて、震災前の価格水準から原則10%の効率化を求め、託送料金の原価に織り込む形となっております。引き続き、こういった競争性の向上のための工夫を通じた更なる効率化・コスト削減は可能ではないかということで指摘をしています。

実際、こちらですけれども、例えば、東京電力における競争発注の比率は65%である一方、他社の大半は30から35%を目標値としているということで、まだ調達についての見直し・工夫を更にする余地があるのではないかということで指摘をしております。

「マル2対応策」でございます。

まず、託送料金の原価の適正性を確保するため、外部から監視をする必要がある。具体的には、経済産業省による検証で、効率化の取組状況ですとか効率化の水準の妥当性について恒常的に検証・評価する形に強化・拡充すべきである。その際、いわゆる事業者の競争発注比率について、目標の引上げ等を求めていくべきであるということで指摘をしています。

検証・評価に当たっては、コスト削減に明るい専門家を含めるということで、消費者などの託送料金に関わるステークホルダーへの情報提供・意見反映が確保される必要があるということで述べております。また、金額の大きい主要な調達案件等については、調達方式等々、個別に検証する必要があるということで述べております。

最後のポツ、その上で、個別原価の査定を厳格に行うべきだということで述べております。

7ページ、「4.消費者への積極的な情報提供(料金の透明性・納得性の確保)」で整理をしております。

これらの託送料金の算定の在り方につきまして、消費者からの監視を強める観点から、関係府省、事業者において、消費者への積極的な情報提供を進めるべきだということで総論を述べております。

「マル1現状・課題」であります。

いわゆる消費者の支払う電気料金の中には、託送料金が含まれております。いわゆる最終的な負担者である消費者の理解・納得が進んで、消費者から監視機能が働くよう、消費者への積極的な情報提供が求められるということで述べております。

次のページ、使用済燃料再処理等既発電費用、いわゆるバックエンド費用ですとか、電源開発促進税等は、本来、送配電事業に要する費用ではありませんけれども、全ての需要家が負担するものとして、託送料金の制度上、原価算入をされております。こうした仕組みについて、消費者に十分周知されているとは見られないということで指摘をしております。

マル2対応策」でございます。

託送料金の仕組みについて、あるいは料金の算定根拠などについて、送配電事業者については、一般の消費者に分かりやすい情報を行うべきである。関係府省等においても、相互に協力しつつ、消費者への情報提供に一層取り組むべきであるということで述べております。

次のポツ、バックエンド費用等については、送配電事業に要する費用と区分した形で原価算定及び料金の明示を行うべきである。また、原価に算入されている理由等について、情報公開を行うべきである。なお、政策的観点から費用を託送料金で徴収することについては、消費者への過度な負担を求めることにつながることのないよう、慎重であるべきであるということで述べております。

最後のポツ、小売電気事業者が、検針票等、消費者に分かりやすい形で、託送料金、バックエンド費用等々について情報提供をするべきである。また、経済産業省は、小売事業者に情報提供を強く働きかけるとともに、事業者の情報提供の状況についても調査を行うべきであるということで述べております。

以上が、報告書の素案になっております。

なお、本日、欠席されております安田委員から、意見ということで事務局に寄せられております。恐縮ではありますけれども、こちらを私のほうで御紹介させていただきます。

まず、安田委員からの意見ですけれども、1つ目といたしまして、短期的改善案と中長期的展望に切り分けて対策案を提示してほしいということでおっしゃっております。その際、読替え等々で盛り込むのではなく、「短期的対応策」、「中長期展望」などという明示的な言葉を用いて具体的に記述すべきではないかということでおっしゃっています。

2つ目でございますけれども、特に短期的対応策につきましては、2020年の発送電分離以前の現行体制で可能なこと、他方、中長期展望では、発送電分離がある程度完了し、電力市場が成熟した体制下で行うべきことを、項目を分類し、具体的、明示的に記述すべきではないかということでおっしゃっております。

3点目でありますけれども、短期的対応策については、できるだけ具体案や各論を提示すべきではないか。具体案は、注ということで記載するのではなく、本文の項目として提示すべきではないか。

例えば、調達のところで具体的な記述としてあるのですけれども、「英語化が不十分である」などの記述については、現行素案では事実関係で注として補足的に挙げられているにすぎず、具体的対応策が記述されていないことをおっしゃっています。

最後、4番目でございますけれども、本日御紹介させていただきました現行の素案については、議論がまだまだ収束したとは言い難いところがあるのではないか。こちらについて、今回、メール等の意見という形で提出をしたのだけれども、全ての意見を言えているわけではないので、できれば、本日で議事終了ということではなく、それ以降の審議の日程も有効に使って議論を続けていただければとおっしゃっております。

私からの説明、報告については、以上となっております。

○古城座長 ありがとうございます。

御意見のある方に御発言をお願いします。

なお、安田委員からも希望がありましたけれども、もしいろいろと盛り込まなければいけないことが多い場合はもう一回やろうと思っておりますので、余り遠慮なさらずに御意見をいただいて結構です。

ただし、やるとしてももう一回ですので、あと3回も4回もやらなければいけないような意見はまたの機会ということで、抑制していただくようにお願いいたします。

それでは、皆さん、御自由に御発言ください。

陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 ありがとうございます。

表現上のところは幾つも気付いたところがあるのですけれども、それは置いておきまして、構造上のところ、書くときの基本的な考え方のところで確かめておきたいところがあります。

まず、最初の項目の「1.議論の経緯と視点」ですが、大きく1行が入っているのですけれども、下から2つ目のポツのところ、専門調査会を設置した、第1回目から何日までの委員会を開催したというところまでは経緯に入るかと思いますので、その上のほうに整理していただいて、視点というところは、別に1行空けていただいて結構だと思うのですが、切り分けて書いてはいかがかと思います。

下から2つ目のポツのところは視点としてなっているかと思いますが、本調査会は諮問を受けて、この文章を変える形で申し上げれば「計○回開催し」のところまでは上の経緯のところに含ませ、視点としては、「消費者利益の擁護・増進のため」、そこに挿入していただきたいのが「消費者の権利を尊重し、料金の効率性のみならず、適正性、透明性、及び納得性の確保の視点から、調査審議を行った」と変えていただくことがいいかと思います。

もう一点、一番最後の7ページ、「4.消費者への積極的な情報提供(料金の透明性・納得性の確保)」の項目のところで、この調査会の立場として確認をして、それに沿って分かりやすく表現をしていただきたいと思っていますが、まず、この節のタイトルなのですが、消費者への積極的な情報開示とセットとして、意見の反映は常に並べて書いていただきたいところです。そして、この調査会の中でいろいろと議論をしまして、一番重要な点で、使用済燃料再処理等既発電費用の分と、電促税を託送料の中に含むのか含まないのかというところの整理をまずはしていただければと思います。

調査会の議論の方向としては、私としては託送料に含まないのが妥当なのではないかと考え、全体としてもそういう議論の方向にあったかと思いますが、この文章ではなかなかその点が明確に伝わっていないのではないかと思いまして、そこの整理と分かりやすい表現をお願いしたいと思います。

託送料に含まないという立場から意見を申し上げますと、8ページのマル2の2番目のポツ、まず、「送配電事業に要する費用と区別した形で」というところが、託送料に含まないところの意味合いと書かれているのかもしれませんが、そこを「区分して、託送料には含まず」とし、政策的観点からの費用を託送料と合わせて徴収するという見方をすることがいいのではないかと思います。

続けて発言させていただければ、そのポツの一番下の「消費者への過度な負担を求めることにつながることのないよう、慎重であるべきと考えられる」というところについては、この政策的観点からの費用について「消費者の納得が得られるよう努力すべきであると考えられる」と書いていただくといいのではないかと思います。

その下のポツは、小売事業者がなすべきことと経済産業省にしていただきたいことと両方が書かれているのですが、書き分けて、「小売業者は」、「消費者が」と主語を明確にする。そして、もう一つ項目を別項目で立てて、「経済産業省は」という書き方で書いていただいたら、読む側としては分かりやすいかと思います。

そして、その経済産業省に対しては、「事業者の情報提供の状況について行うべきである。また、政策的視点からの費用に関して、消費者にわかりやすい情報提供を行うべきである」ということを追加していただければと思います。

以上です。

○古城座長 矢野委員、先にお願いします。

○矢野委員 ちょっと意見が多いので、テーマごとにやっていただくと楽かなとは思いました。

○古城座長 では、途中で一回切って。

○矢野委員 それでは、1ページ目のところですけれども、ちょっと文言的なことに関わりますが、経緯と視点ということで、前半が経緯で後半が視点とするならば、後半の最初のポツですが、「平成28年5月20日に」のセンテンスで、消費者委員会に諮問されたのは託送料金の査定についての問題の所在や改善方法ということでしたが、2つ目のポツの最後のところに、今度は「これを踏まえ、今般、託送料金の在り方」になっている。3つ目のポツでは、「今後の託送料金の審査について、具体的な改善に向けた取組が」ということで、今回は特に4つ目で消費者への情報提供のことが書いてありますから、託送料金の審査だけではなくて具体的な取組や消費者への情報提供のところもあるので、ここはちょっと考えないといけないかなと。今、書き方がここは3通りになっているのとあわせて、7ページの「4.消費者への積極的な情報提供(料金の透明性・納得性の確保)」の最初の行ですが、「上記の託送料金の算定の在り方」と書き方が4つあるので、ここはきちんとある程度統一するなり、違う書きぶりをするなら、それはそれでよりきちんと指摘できる書き方にしたほうがいいと思いますので、そこは改善しなければいけないかと思います。それが1つです。

あと、注の書き方なのですけれども、各センテンスごとに、注1、注2としていることがいいのか。これはささいなことなのですけれども、トータルで全部を続けて、1からずっと最後まで、7、8、9とか、長くなると思いますけれども、そのほうが分かりやすいのかどうか、その辺はちょっと工夫をしたほうがいいかと思います。

中身に入りますが、4ページの「マル2対応策」の注3に関しては、これは注釈というよりもむしろ対応策の中に入れるべき中身ではないか。なぜなら、語尾が「必要である」ということで、いわゆる洗い替えと設備投資等のコストについては、経常的な原価から切り分けて個別に審査することが今後は必要であろうということで、今後の対応の提言をしているわけですから、ここは注に入れるよりも対応策に入れたほうがいいのではないか。基本的に注釈は対応策とか概況を説明する部分に当たっていますので、そこについてはそうしたほうがいいのではないかと思います。

5ページ、「マル2対応策」の3つ目、「また」以降ですけれども、ここは今後の動きが含まれているのですが、今後の動きに加えて、来年からネガワット取引市場が創設されるということで、いよいよ一般消費者も場合によっては電気をどんどん売ることもできるということで、電気の流れが大きく変わってくると思いますので、そういったネガワット取引といった新しい情勢も、「今後従来の系統利用形態とは異なる」の中に1つ加えておいたほうがいいのではないかと思います。

全部、言ってしまいましょうか。

○古城座長 どうぞ。

○矢野委員 8ページの一番最初のポツですけれども、ここは使用済燃料再処理等既発電費用とか電源開発促進税等のことについて、全ての需要家が負担するものとして、託送料金の仕組みを通じて集めるものとして原価算入されているという現状が説明されているわけですけれども、次の「こうした仕組みについて、消費者に十分周知されているとはみられない」ということで資料4が提供されているわけですが、資料4はどちらかというといわゆる情報提供の仕方なので、仕組みを周知するためのものかと思って、資料を読むとちょっと違うかなと。これはむしろ資料4を生かす表現に表現を変えたほうがいいので、仕組みを周知するためというよりも、むしろそういったそれぞれの託送料金に原価算入されていることが消費者に分かるようにされていないということで、ここはもう少し説明を加えたほうがいいのではないかと思います。

8ページの「マル2対応策」の2つ目、「政策的観点からの費用を託送料金で徴収することについては、消費者への過度な負担を求めることにつながることのないよう、慎重であるべきと考えられる」としていますが、ここはむしろ本来の徴収の在り方を検討すべきではないか。

今、託送料金の中にそのまま入り込んでいる使用済燃料再処理等既発電費用や電源開発促進税等については、本来は厳密に言えば託送料金ではないものなので、別途の表記が必要だということは明示しているわけですけれども、この「政策的観点から」が何を言うのか、それぞれの思いに委ねてしまうところがあるので、例えば、ここは具体例を挙げるか何かしたほうがいいのかどうかはちょっと分かりませんけれども、「慎重である」という書きぶりよりも、むしろそもそも徴収の在り方、託送料金の在り方のことで検討したほうがいいのではないかと思います。

ひとまずです。

○古城座長 今、いろいろな要望とか意見もあったのですけれども、事務局で答え得る内容はございますか。

それでは、古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 ありがとうございます。

とてもまとめにくい報告書だったと思います。いろいろとたくさん意見がありますが、遠慮なく言いたいことを先に述べさせていただきます。

まず、全体の構成ですけれども、この構成自体はいいと思うのですが、現状認識と対応策という書き方で、多分、現状・課題というところは事実と問題点の指摘で、対応策がこの調査会としての具体的な提言に当たる部分だと思うのですが、この対応策のところが非常に具体性に欠けて、よく分からないということが、報告書を見た方の最初の感想ではないかと思うのです。

具体的に陶山委員と矢野委員から意見が出たところから申し上げますと、まず、3のところが、具体的な提言としてはもう少し詰めて提言すべきところだと思います。3-2の配賦の問題のところはこれでいいと思うのですけれども、3-2と3-3の構成を入れ替えることを意見として申し上げたいと思います。

1つは、「3-1 原価低減の託送料金への反映」というタイトルのところですけれども、「原価を低減させるための低減」であるということをはっきり打ち出していったほうがよいと思います。最初のところですが、細かい字句のようですけれども、「コスト削減の結果が託送料金には必ずしも十分に反映されない懸念がある」と非常に遠慮した書き方がしてありますが、「十分に反映されないと懸念される」と断定的に書いていいのではないかと思います。

2番目のポツのところで、デフレ脱却が課題であって「燃料費等を除けば原価の多くは低減していく傾向にあると考えられる」というところですけれども、ここでも、正に託送料はこれからも総括原価方式でいくわけですから、コスト低減努力が不十分となる可能性が大いにあると、そこまで踏み込んで書いていただきたいと思います。

それから、値下げの届出のところですけれども、「原価の低下を託送料金に反映させる機能としては十分か疑問がある」ではなくて、やはり「反映させる機能としては疑問がある」と調査会としては断言してしまってもいいのではないかと思います。

具体的な対応なのですけれども、「上記を踏まえれば」というところが対応策となると思いますが、「定期的に原価を洗い替えし、託送料金を審査する等の取組を行うべきである」は、原価算定を3から5年として原価の洗い替えをする」ということをはっきりと書いてもいいのではないかと思います。

ここの注3の意味するところがよく分からなかったのですけれども、必要な設備コストを経常的な原価から切り分け、個別に審査することが必要であるということのようですが、この注での提言の実効性には疑問があることから、繰り返しになりますが、託送料金を審査する場合には3から5年の定期的原価の洗い替えをするべきであるということを強く提言してもいいのではないかと思いました。

3-3のところなのですけれども、やはり調達の効率化問題が経費削減のためには非常に大きなポイントになるわけなので、最初のポツのところで3行目辺りですが、「一般競争入札を原則とする等のルール等があるが、民間企業である一般送配電事業者には同様のルールはないため」とあるのですけれども、「同様のルールはない」、つまり一般送配電事業者は地域独占と総括原価で今後も運用されるため、託送料金の原価の適正性が確保されるためには、料金審査等の機会を通じて厳格にチェックをするほかないということが現実ではないかと私は認識しております。

その次のページ、「マル2対応策」の前のところの認識なのですけれども、下から2行目、「他社の大半は30から35%を目標値としており、調達する資材が汎用標準的な仕様でなく独自仕様であることが多い」と注3はなっているのですが、これもこの調査会でいろいろな方からヒアリングをした結果を踏まえ、「他社の大半は30から35%を目標値としている」で一旦切って、「このように競争発注率が上がらない理由は、調達する資材が汎用標準的な仕様でなく独自仕様であることが多いことによる」ことと、先ほどの海外製品の調達先拡大に向けての技術規程や電気技術指針の関連ルールの各社の英語化が必要であるという、7ページの注3の最後のところを対応策のところに入れ込んでいくとよいのではないかと思いました。

長くなって申し訳ないですが、その次の「マル2対応策」のところで、最初のポツ、「託送料金の原価の適正性を確保するため、一般送配電事業者が効率化を継続する」うんぬんとありまして、「妥当性について恒常的に(例えば毎年)検証・評価する形に強化・拡充すべきである」となっているのですが、ここも「そのためには、原価算定期間を3から5年とし、託送料金の審査をするべきである」というところまで踏み込むべきではないかと思います。

2番目のポツの4行目のところ、「さらに、金額の大きい主要な調達案件等については、調達方式、仕様・設計、調達手続、応札状況等について個別に検証する必要がある」とあるのですが、これは現実的には非常に難しいし、こういうことを提言するよりも、むしろこの調達については定期的に監視委員会等に報告をさせるという仕組みが必要であるという提言をしてもいいのではないかと思います。

今回、電気料金そのものの値上げ申請におけるエネ庁の査定や需要家の意見を聞く公聴会等が廃止されて、料金査定というもの自体がなくなりましたが、需要家には、電気料金に影響の大きい、総括原価で算定される託送料金の適正性がどれだけ透明に監視されているかという点についての関心は非常に高いといえますから、いろいろな意見交換等もなくなることも踏まえ、託送料金の原価の適正性を確保するための査定の期間、3から5年という査定期間の洗い替えとともに、もう一つ踏み込んでこの査定に関しては、消費者庁などが建議等を受けながら経済産業省のエネ庁との共管事項とすることも考えていくべきというところまで、私は踏み込んでもいいのではないかと思っております。

まだあるのですけれども、とりあえずそこで一度止めます。

○古城座長 ありがとうございました。

今までの御意見について、事務局から説明できることとか更に質問したいことがありましたら、御自由にどうぞ。ありますか。

○消費者庁澤井消費者調査課長 事務局ですけれども、今、古賀委員から、3-3での効率化の検証について御指摘がありましたが、ここは事務局がうまく書けていなかったかと思うのですけれども、料金の洗い替えとは別に効率化等を検証すべきという趣旨で書いたので、そういう意味では余り算定期間にとらわれなくてもいいのかなと思って書いております。原価を見ていく上での調達コストの検証のシステムの在り方ということで、委員は後で監視委に定期的に報告させるような仕組みと言いましたけれども、そうしたことも含む趣旨で、事務局としては書いております。

整理が余りされていない文章を書いたかと思っています。

○古城座長 そのほか、いかがでしょうか。まだ御意見を出されていない委員の方は特に。

白山委員、どうぞ。

○白山委員 意見というよりも念のために確認というイメージなのですが、4ページの注3でございますが、「今後のネットワーク利用の高度化や高経年設備対策のため特に必要な設備投資等のコストについては、経常的な原価から切り分けた上で」ということで「個別に審査することが必要である」とされていますが、これはなぜなのでしょうか。ネットワーク利用の高度化や高経年設備対策等については、より中長期的な観点などがあって、少々観点が違うからなのかどうなのか。何でこれだけ特出ししているのか。その理由を、もしかしたらこの調査会の中で説明があったのかもしれませんが、少々確認をさせていただきたいことが1点目です。

それと、5ページ目のいわゆる固定費の低圧、特別高圧、高圧への配分絡みのところで、4行目の「現在においてこれらの配分比率でなければならない明確な根拠はなく、低圧部門(家庭向け)への原価の配分が合理的ではない形で過重になっている可能性がある」の「現在においてこれらの配分比率でなければならない明確な根拠はなく」は、いわゆるこの2:1:1法が採用されたときの電気事業審議会の料金制度の中間報告がベースになっているわけですが、そこを一応確認した上で、その当時の状況と現在の状況が違うというような慎重な確認はされた上でのこういう御発言、こういう表現になっているのかどうかというところを確認したいところです。

また、これも確認なのですが、この「マル2対応策」の2ポツ目でございますが、当面の対応として、2:1:1法、2:1法の枠組みについて「送配電設備の規模は尖頭時の負荷によって決定されるという考え方をより重視する」ということは、この比率を変えるべきであるというイメージでおっしゃっているということでいいのかどうか、そういう趣旨なのかどうかという点を確認させていただきたいところです。

同じページの注4のところでございますが、これは市場メカニズムを機能させることによって自主的に情報の開示を進める、ここの「各プレーヤー」は事業者という意味でしょうか。市場に参加するプレーヤーと一般的には言いますが、報告書に「プレーヤー」と書いてしまっていいのかどうか、言葉遣いの問題です。

その市場メカニズムを機能させることによって、ここに必要な情報が開示されてくるのかどうかというところの因果関係がよく分からない。必ずしもそうと言えるのか少々分からないところがあるのですが、一般的に市場メカニズムが一層導入されれば、情報開示が進むということは分かるのですけれども、ここの趣旨をもう一回御説明いただきたいところです。

7ページのところ、御意見がいろいろと出ております、いわゆるバックエンド費用と電源開発促進税等を託送料金に含めるかどうかというところの書きぶりにつきましては、消費者委員会の立場からすると、それは託送料金に含めるべきではないというような立場を貫くということなのか、それとも、様々な電源開発にしましても、様々なネットワークの維持費用的なものも含めた幅広な形でやはりそれは含められるべきであると考えるのか、これは立場がいろいろとあると思うので、私は今ぐらいの書きぶりでもいいのではないかとは思っておりますが、そこら辺はどうするのか確認をしたい。

それと、先ほどの8ページの「政策的観点からの費用を託送料金で徴収することについては」の「政策的観点からの費用」は、具体的にどんなことを想定しているのかということを、念のため確認をさせていただければと思います。

○古城座長 いろいろ質問がございましたので、答えられる範囲で答えてください。

○消費者庁笠原表示対策課課徴金審査官 ありがとうございます。

順にお答えさせていただきます。

まず、4ページの注3、「経常的な原価から切り分けた上で」の趣旨なのですけれども、3ページのところの「マル1現状・課題」の2つ目のポツで、一般的には、デフレ脱却、企業経営の効率化の中では、一定程度原価の低減傾向にあるだろうというものとの中で、他方で、先ほどのネットワークの高度化、高経年設備対策ということで追加的なコストが発生し得る。問題意識としまして、原価が下がっているが、それが値下げにつながるかどうかという観点では、この部分がまぎれ込んでしまうとなかなか分かりにくいというところもありまして、そこはやはり切り出して要因を整理した上で評価をするべきだろうということで書いたところでございます。

次の5ページ、費用配賦のところですけれども、「現在においてこれらの配分比率でなければならない明確な根拠」はどうかというところですけれども、御指摘のとおり、昭和49年に整理をされたということではございますが、少なくとも、今、この当時の決めが何かしら実証されたものではないことをもって「明確な根拠はなく」としております。当時からの歴史的な経緯ということで行われてきたものではありますけれども、それについての根拠については、経済産業省から、こちらでヒアリングをした際に、特段何か具体的な根拠を示されたものではないということを踏まえたものでございます。

その下の「マル2対応策」のところですけれども、「尖頭時の負荷によって決定されるという考え方をより重視する方向で」ということですが、意味としては、御指摘のとおり、今の2:1:1法のような形の過重な比率といったものについて、ピーク時、尖頭時の負荷を、具体的なフォーミュラはまだここでは挙げてはおりませんけれども、今の枠組みを前提とするのであれば、少なくともそこをより重視した形の比率の見直しが想定されると考えております。

その下の注4のところですけれども、「各プレーヤー」につきましては、おっしゃるとおり、例えば、「各市場参加者」とか、そういった表現のほうが適切かと思います。ちょっと検討させていただければと思います。

その流れで、そういう市場メカニズムを活用した形で、結果としての情報開示ということですけれども、こちらにつきましては、当然正確なデータをより主体的に事業者が提示するということで、そのほうがより正確かつ望ましい情報が市場にいろいろ開示をされるだろうと。強制的に出させるよりも、そういうインセンティブというか、形を使ったほうが、情報を出すほうが、市場において自ら顧客を引き付けられる信頼性を得るという形、そういうものを活用したほうが、より深い本来内部にあるデータとかも広く出される可能性が強いのではないかということで、こういったものを活用するべきではないかという趣旨でございます。

○白山委員 追加で、確認でございますが、2:1:1の配分比率について、これらの配分比率でなければならない明確な根拠はないから、対応策で1ポツにつながるという理解でいいのですね。データを集めて、より合理的な配分方法を考えるべきであるというつながりという理解ですか。

○消費者庁笠原表示対策課課徴金審査官 はい。本来的にはそうあるべきだという整理です。

○古城座長 今の問題は2通りの問題があって、一つは、設備がピーク時の需要に応じるというのはかなり乱暴な仮定で、それに応じて費用がかかる部分とかからない部分と設備はいろいろとあるので、もうちょっと精密にすると、原因者負担をもっと細かくやるのだったら、その数字をとって配賦をもっと細かくやれというのは、一つの課題です。

もう一つは、原因者負担の考え方をとっているということだと、ピーク時の従量配賦にしなければいけないのですけれども、2:1:1法はそうではないのです。そうではなくて、ピーク時の配賦に比べて特に不利になっているのは、各家庭用のピーク時量、産業用のピーク時量をそれぞれの割合で配賦するのが一番家庭用に不利に働くのですけれども、このウェイトを2にしている。ここのうちの2:1:1の2がそれなのです。

○太田委員 固定比率が高いことは非常に大きい影響が出るということですけれども、最初の2つについては、ベクトルの方向としては同じなのですね。最大電力の部分とピーク時の電力の部分は、方向としては、低圧のほうに不利に効くという意味でベクトルは同じなので、それを2:1:1にしているようなのですが、実態としては、3:1で4分の3をそっちに寄せていることになろうかと思います。最初の2つはほぼ同じことですから。

そこまで、3:1にしていることの合理性になると、2:1:1という数字で見るイメージよりも深刻なのではないかということで、ここはデータに基づいてもう少し精緻にいろいろなコストドライバーを使って配賦すべきと考えるのが自然だと思うのですけれども、それが私のイメージとしてはちょっとあっさり書かれ過ぎていて、何の前提知識もない人がこの報告書を読んでそこまで読み取るというのはなかなか厳しいのではないかという印象です。

○古城座長 データに基づいてというのは、基本的にピーク時の従量配賦なのですけれども、ピーク時の従量はどうなるのかということをもう少しデータに基づいてやるということです。

もう一つは、先ほど言いました、ピーク時配賦になってない。今の配賦はそれより不利になっているのです。その問題点の2つを指摘していることになりますけれども、確かに文章が簡略過ぎて分かりにくいので、その2つをもうちょっと詳しく書く必要はあると思っています。

白山委員、いいでしょうか。

○白山委員 はい。

○古城座長 太田委員、どうぞ。

○太田委員 今、少し固定費の配賦の話が出ていたので、そこに関連してなのですが、「実証的・合理的な配分」というだけではよく分からないということで、ここをもう少し書き加えていただきたいということなのですけれども、それから注4につながるところは少し話が変わっているのではないか。

規制に基づいてデータ収集をするのではなく、市場メカニズムによってデータを収集するというところが、私は必ずしもよく分からないところでありまして、これはネットワークのコストのところは、それほど数多くのプレーヤーがいなくて、地域独占、総括原価方式でいくというわけですので、それをもっと細かくエリアを分ける等をして、そこでの尖頭時の需要電力であるとか、あるいは、そのほかの電源の電力であるとか、そういうものを測って、それとの関係をデータで集めて、これが多いときにはこれだけ固定費が増えるのだという関係を突き止めて、その割合に応じて精緻に配賦すべきと考えますが、それとこの市場メカニズムという話の関係は普通に読んだだけでは私にはちょっと分からなくて、ここの意図は事務局の方に説明していただけると助かります。

○古城座長 注4は確かにちょっと分かりにくいのですが、この注4の意味はいかがでしょうか。

○消費者庁笠原表示対策課課徴金審査官 おっしゃるとおり、今回の対応策の論点そのものではないところでございます。

関連しまして、情報の開示というか、データの提供という観点につきまして付言して、市場メカニズムという形で主体的な情報提供の環境の中でやってはどうかということを具体的な形の説明として付け加えているという位置付けでございます。

○古城座長 別の話だとは分かるのですけれども、注4の意味はどういう意味なのですか。余り別だったら、取ってしまったほうがいいようなことなのですか。それとも、注4は託送料金を下げる上で役に立つような話なのですか。

○消費者庁笠原表示対策課課徴金審査官 こちらにつきましては、常々、安田委員が様々な市場の活用ということをおっしゃっていて、そことの観点で、安田委員からいろいろなデータをこういう市場メカニズムの活用を通じて入手すべきである、まずはそういう環境にすべきであるとおっしゃったことを踏まえての記載と整理しております。

○古城座長 安田委員がおっしゃったことは分かるのですけれども、結局、今は安田委員が何を言っていたのかよく分からないので。

どうぞ。

○太田委員 これは送配電のコストを考えるときに、今、3つの配賦基準をドライバーで考えて分けているわけです。恐らく安田委員がおっしゃったことは、今後、もっといろいろな小規模の電源であるとかがいろいろと入ってくると、潮流その他が変わってくるので、もっと配賦基準自体がいろいろと増えてくる、精緻に配賦することも考えられるということだと私は理解していたのですけれども、ここでの最初の対応策の1つ目で言っているのは、現在の配賦基準を3つ使うことを前提に、その割合をもっと精緻にするという話と、今後のネットワークコスト全体の配賦のこと、固定費の配賦のことを考えると、それはもっといろいろなドライバーがあってもいいのではないかという話、これは別の話なので、つなげないほうがいいのではないかということが私の理解です。

○古城座長 これは一応切り分けていまして、今のネットワークの固定費の配賦は、遠隔地の大型発電所から持ってきて、上からずっと流してくるから、そういう固定費の使い方をしているのだから、それを今、2:1:1法などにしているのですけれども、それを直してくれということだと思うのです。

今の配賦の議論は、分散型で、地産地消で、そんな上まで上がらずに下のほうのネットワークだけで動いているものがあるから、上のネットワークを使っていない、負担をかけていないのだから、こういうものはもっと託送料を安くしてくれというもっともな議論がありますから、それは基本的な料金に比べて別料金というか、そういうものを、精緻にメニューを作って消費していくという枠組みを作って、地産地消型の発電などをエンカレッジするということだと思うので、料金が完全にシフトするというよりも、基本型の料金に対して別メニューを幾つか付け加えていって、整理していくことになるのだと思うのです。

それは、ここの対応策の中で1番目と2番目は従来型のピラミッド型の流れ、3番目のものは地産地消型の分散型の流れの提案として、書き分けてはいるのです。

○太田委員 そうすると、注4もどちらかというと3つ目のポツに対する注になるべきという理解ですか。

○古城座長 そういうことになると思います。

○消費者庁福岡審議官 今の御指摘の点は、安田委員に御意見をもう一度確認させていただきたいと思います。その上で、次回またお諮りしたいと思います。

○古城座長 井手座長代理、どうぞ。

○井手座長代理 全体の報告書というものが、誰に向けてということもあるかもしれませんけれども、私は注の多さに非常に違和感があって、古城座長は法学部なのでこういう注の多さは普通かもしれませんけれども、注は各委員から出てきたように本文に盛り込むべきこともあるし、注をいろいろと見ていると濃淡があって、ここのところを整理していただけると大変ありがたいなと。

例えば、1のところの注1などは要らないと思いますし、注4も別に必要ないだろうし、3ページ目も、国際比較するときには為替レートとか地理的・制度的要因等があるので単純には比較できないが、本文で書いていただければ、注1も注2も要らなくて、それは、資料2、11ページのところに細かくただし書を書いているので、ここで単純には比較できないことが理解できるので、注1とか注2という3ページ目のところは除いてもらうとか、余りにも注の文章が長過ぎるので、本文を読んでいて注にいく、そのときに注が10行もあるというのは非常に読みづらい報告書なので、それをなるべく本文に盛り込むような形で整理していただければと思います。

以上です。

○古城座長 伺っていて、おっしゃるとおりだと思います。

陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 ちょっと気になっているところがありまして、3-3の「マル1現状・課題」のところの一番最後のポツで、先ほども何人かの方から言及されているところなのですが、一番下から3行目、東京電力は発注率65%実績で、他社の大半は30から35%目標値と書いてあるのですが、ヒアリングの際、実績としてお伺いしたような気がしていて、今後、目標値を置くのかという質問をしたときに、置かないという御回答があったように記憶しておりますが、ちょっと確かめていただいて、これが目標値なのかどうなのかをもう一度チェックしていただければと思います。

それから、先ほど白山委員からありました、いわゆるこの中では「政策的観点からの費用」と書かれていまして、この中では使用済核燃料と電促税がそれに当たっているわけですけれども、その中で、利用の仕方として、今後、ネットワークを強化するための資金が必要になってくるのではないかというお話がありまして、私も、安田委員のお話など様々に聞く中で、そのようにも思います。

経済産業省の説明からも、送配電のネットワークの高度化に資するような費用というものが、この中で使っていくためにこういった税を集めるということの説明もありました。

そうであれば、この四十数年前に作られました電力の電源開発という、電促税の法律の目的と大きくずれが出てくるので、目的の変更、あるいはその法律の洗い替え、またその財源の使途についての透明化も含めて、もう一度見直しをする必要があるのではないかと思いました。もし、そこに今後の政策的な費用の必要性をこの調査会として書くのであれば、そういったところへの丁寧な書き方とか踏み込み方、現状の電促税の法目的等にも照らして、洗い替えの必要性についても意見として出す必要があるのではないかと思います。

○古城座長 古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 ありがとうございます。

「4.消費者への積極的な情報提供(料金の透明性・納得性の確保)」の2行目、「関係府省及び事業者」は「関係府省庁」、「庁」ももちろん入りますね。エネ庁も消費者庁もということで「庁」を入れる。

この調査会でも、電源開発促進税と使用済燃料再処理等既発電費相当額についてのことはかなり議論があったと思うのですけれども、先ほど白山委員がおっしゃったように、それはそもそも託送料金から外すというところまでこの調査会として意見を出すかどうかという点なのですが、この書き方ですと、積極的にちゃんと分かりやすく消費者に情報公開をしたり、こういうものが政策的観点からあることについて理解を深めたり、これらを検針票などにも分かりやすく表示すればいいという書き方になっているのですけれども、電源開発促進税については、もう少し説明が必要だと思います。

電源開発促進税は、以前いただいた資料の中のエネルギー対策特別会計の中に書いてありますが、そもそも電源開発促進勘定は、電源立地対策、電源利用対策と、原子力安全規制対策に対する経理を明確にするためのもので、平成26年度予算における事業を見ると、発電用施設と国民地域との共生とか、放射線影響風評被害防止とか、原子力政策に関する広報とかがその事業内容とされています。また、電源利用対策については、原子力発電の安全基盤の構築とか、核燃サイクルの確立とか、そういったものの事業に使われておりまして、実際の費用も、例えば、新エネなどについては3億円ぐらいしか使われていないのですけれども、原子力の安全規制とか日本原子力研究開発機構の運営費などには920億が使われているとか、総額3,636億の中で、8、9割方は原子力に関連した費用となっています。エネルギー基本政策の中でも、原子力への依存をなるべく脱却していかなければいけないという流れの中で、廃炉費用までも託送料に乗せるべきかどうかという議論も一時ありまして、それについては、消費者団体や市民からも反発があって、そういうことはしないという方向になったと思うのですけれども、託送料については、安田委員から長期的な見直しも含めた提言もすべきだとの指摘もありますので、この電源開発促進税については、そもそも託送料に入れるかどうかについて、調査会として今後しっかり議論をして、私としてはこれを外すべきだと思っていますけれども、託送料に入れるべきかどうかという点も含めて検討すべきだという形で書いていただきたいと思います。

○古城座長 太田委員、どうぞ。

○太田委員 まず、4ページ、3-1ですけれども、これに限らず「マル2対応策」のところが、説明がなく、何々を行うべきであると書かれているケースがあって、それはそれより前の「マル1現状・課題」のところで説明したから、それを理由として対応策としてするべきであると書かれているのだと思いますが、どうしてそう行うべきなのかという説明が対応策にもあったほうがいいのではないか。

4ページで言いますと、「上記を踏まえれば」というところで多分理由が書いてあるのです。原価の適正性うんぬんということで取組を行うべきであるということですが、例えば、これは3から5年がなぜ3から5年ぐらいの原価算定期間が適正なのかということは、それより前には理由が全くないわけです。これだけを読んだときには、なぜこういう提言が出てきたのか、背景は分からないということになろうかと思います。

4ページ、ここの内容についてなのですけれども、この対応策は、現状、一旦決まってしまえば、原価算定期間は事実上無限大ということで、一定の期間を決めて原価の洗い替えを行うべきだという話で、先ほど白山委員からも質問がありましたけれども、この注3では、ある種の長期的な投資については分けて個別に審査することになっているのだと思います。

ここの場合、このインセンティブの構造上は、一番いいのは、原価算定期間の一番初めにそのコスト削減効果が現れて、その原価算定期間が5年なら5年でマックス、限度一杯、その削減効果が出て、それが全部業者の利益になって、次に投資した部分は次の算定期間の一番初めにコスト削減効果が出る。つまり、原価の算定のコストの洗い替えには反映されないけれども、その後の実質的なコストには反映するタイミングで出てくるのがいいわけです。

例えば、一番調子がよくないのは、5年間の原価算定期間で5年目にコスト削減効果が現れてしまって、次の原価がどんと下がって、厳しい状態になる。全然その後は儲からなくて5年間がたち、次に、また初めの算定期間の最終年に実現して、原価の引下げの設定の段階では反映されるけれども、その後、儲けにつながらないというパターンになると、長期的な投資をするインセンティブがゆがめられてくるので、それを別枠にして審査をするという趣旨だと私は理解しているのですけれども、その趣旨がこの注の2行からでは多分読み取れないということです。ここはもっと詳しく書く必要があるのではないかということであります。

○古城座長 ありがとうございます。

井手座長代理、どうぞ。

○井手座長代理 本来諮問されたものが問題の所在と改善方法というところで、この報告書で対応策のところだけピックアップをすると、4ページ目の「マル2対応策」は、今、太田委員が言われたところですけれども、いわゆる原価算定期間を3から5年にして、その後は原価の洗い替えをすべきだという、それが一つの提言で、5ページ目のところの「マル2対応策」は多分中長期的な課題で、固定費の割り振り、配賦について、経済産業省に検討してくださいという強いメッセージだとは思います。6ページ目の「マル2対応策」にいくと、これは効率化しているかどうか、「(例えば毎年)」と書いてありますけれども、検証・評価しなさいというメッセージ、あとは8ページ目のいわゆる情報公開やアカウンタビリティーをやりなさい。

これが改善策と理解すると、メッセージとして、しっかり効率化をしているかどうかをチェックするということで総理大臣の諮問に答えるという理解でよろしいですかということについて、質問ではないですけれども、確認でございます。

それは、先ほど安田委員からの御意見で、短期的と中長期的とかというものを書くべきだとかという指摘もありましたけれども、ここでの短期的なものは、多分、先ほどの毎年効率化しているかどうかをチェックするとか検証するとかというところだろうし、中長期的というのは、固定費の割り振りであるとか、原価算定のとき、原価を洗い替えするのは3から5年たってしまえば2020年を超えていますから、発送電が分離されている状態なので、あとはアカウンタビリティーをきちんとやりなさいということで、短期的にでもやれるものだという理解でよろしいのでしょうか。

○消費者庁福岡審議官 かなり大きな御指摘だったと思うので、ちょっと答えにくいところではございますけれども、安田先生の言われた、短期的、中期的な対策をより明示すること、それから、本日いただいた各意見を、説明が足りない若しくは本文にとか、そういう御指摘を入れたものを作ることで答申をいただければありがたいと思っております。

○古城座長 古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 要望なのですけれども、資料にはいろいろと託送料や電気料金の世界的な比較の分かりやすいグラフを作っていただいて、ありがとうございました。

ただ、またこだわっているのですけれども、この中に「電源開発促進税(0.375円/kWh)」は含まないということなのですけれども、この全体のグラフ自体が、例えば、託送料金についての定義はヨーロッパと日本で定義に差がある可能性があるとか、いろいろと断定的ではない言い方がしてあるのであれなのですけれども、電源開発促進税についても、入れた額で比較をしていただきたい。

というのは、託送料が高いのか、これで妥当なのかというところが需要家には非常に関心があるところなのですが、この報告書の最初のところを見ると、例えば、2ページのところなどを見ても、託送料金の概況というところを資料も提示していただいているわけなのですけれども、「比較的高水準であると考えられる」とか、「日本は欧州の中で最も高い水準にあるドイツに次いで高いことや」とか、「日本の家庭用の小売料金に占める託送料金の割合は高い」と書いてあるのですけれども、この比較を見たときに、電源開発促進税も含めるほうが比較としては明確ではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○消費者庁福岡審議官 その点をお答えいたしますが、我々としては、電源開発促進税は含むべきでないと考えております。

なぜかということなのですけれども、いろいろと注釈もありましたけれども、託送料金の国際比較はいろいろな条件も違うのでかなり難しいです。ここの資料の中でもヨーロッパのものとアメリカのものを分けたりしているのですけれども、ヨーロッパにはヨーロッパの基準で比較している資料があって、それと日本のものを比較するという方法でこの表を作っているのです。

ヨーロッパの資料の比較の中では、このヨーロッパの機関がまとめたものなのですけれども、エネルギー政策のための財源となる費用は含まないとはっきり書いていますので、そういう意味で、ヨーロッパの条件と合わせるためには電源開発促進税を含めるべきでない、そうしたほうが公平な比較になると考えている次第であります。

○古城座長 どうぞ、太田委員。

○太田委員 委員の皆様の総意とはかなり異なると思うのですけれども、私の個人的なことをここで申しますと、電促税を入れるかどうかというのはどっちでもいいのです。それを外したいとおっしゃる方が多ければ強く反対はしませんが、これは計算の仕方が明確なので、基本的に託送料金に入れるということであれば、これの電促税を除いた託送料金を考えればいいことであって、これを外すといっても、単純に分類上託送料金に入るか入らないかだけという問題で、消費者に何ら追加の負担を強いるものではなく、単に表示上の問題です。この点に強くこだわるというのは非本質的なことに非常に拘泥しているという印象を与えるので、私はその論点を余り強く主張するのはいかがかと思っております。

ただ、特段反対する理由もないので黙っておりますが、余り消費者の利害と関係のないことに重点を置くのはいかがなものかと思っております。

○古城座長 ありがとうございます。

1のところの表は、やはりネットの託送料金といいますか、政策料金を入れずに比較しないと、託送の純粋コストが高いかどうかということが分からなくなる。ヨーロッパもそういう考え方で外していると思うのです。ドイツなどはものすごく政策経費が高くなってきますから、もしそれを入れると、ドイツの広い意味での託送料はめちゃくちゃ高くなってしまう。

政策経費を託送料に上乗せするのが国々によって違うというのだったら、また別の目的で表を作ったほうがいいと思います。この表を変えるのではなくて、別途の表を用意するということです。

あと、全般的に政策経費をどれぐらい託送料に乗っけるかということは議論したのですけれども、必ずしも議論が十分ではないし、意見も必ずしも一致したとは言えないので、本報告の中でメインに取り上げるというところまで議論は熟していないと思うのです。だから、今回は余り大々的に書くのはちょっと難しいと思っているのです。

どうぞ。

○陶山委員 消費者の利益をどう考えるかということも非常に重要かと思います。

今、最終的な金額は変わらないので「消費者の利害とは関係がない」という御指摘がありましたが、その料金を低減することのみが消費者の利益なのかというと、またそれは違うと思っております。

消費者の政策だとか様々な法律においても、消費者も持続可能な社会の形成に関与するという非常に積極的な考え方が今の社会の中で認められていますし、こういった選択をするあるいは消費をすることによって社会形成をしていこうということが消費者基本法あるいは関連の法律の意図するところだと思っております。そのことも含めて、視点として、最初のところでしっかりこの調査会の視座、立場を明確にすることが非常に重要だろうと私も思いまして、都度、申し上げているところです。

この調査会として、もう少し熟慮して書き方を検討していく必要があるということは、私もそのように思います。

○古城座長 あとはいかがでしょうか。

矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 関連して発言しますが、7ページから8ページにかけての今回の提案文書のところに一定のことが書かれているとは思うのですが、7ページの4番、「マル1現状・課題」の2つ目のところのポツですが、本来、送配電事業に要する費用ではないということで、使用済燃料再処理等既発電費用と電源開発促進税のことを書いている。

いずれにしても、政策的な費用ですから、需要家が負担するものとして現状では託送料金に入っているのだということが現状の説明として書かれていて、8ページのところの「マル2対応策」の2つ目のポツですけれども、「送配電事業に要する費用と区別した形で、原価算定及び料金の明示を行うべきである」ということで、私はこの書き方で一定の姿勢は出しているかと捉えています。

その上で、先ほども言いましたけれども、最後のところの「慎重であるべき」という言葉は再度整理する必要があるかとは思いますけれども、まずは託送料を送配電事業に要する費用ということで、先ほどの国際比較の上でもエネルギー政策的な部分は別の扱いにされていることから、グローバル化の中では純粋に送配電事業に要する費用ということで託送料金を限定すべきだと考えておりますし、そういう方向で今後も検討を進めるべきだと思っています。その上で、国の政策として必要な費用、電源開発促進税とそれぞれのエネルギー政策的な面から必要なものについては、改めて国民がどう負担するかということの論議は別途必要なわけで、そのこと自体を託送料に入れるか入れないかではなくて、むしろそういう論議が今後も必要だということをここには書いておく必要があるのではないかと思っております。

○古城座長 今、矢野委員がおっしゃったことは非常にもっともだと思いますので、もう少し膨らませてここのところをそのように書けると、皆さんも納得感が出るのではないかと思います。

あとはいかがでしょうか。

矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 先ほど井手座長代理から言われましたけれども、今後、これが報告書として消費者委員会に報告されたとき、消費者委員会としては答申という形で内閣総理大臣に出されるわけですけれども、本来諮問された査定の問題点といったことに対して改善策を今回は出すということですから、その辺のメリハリ感がまだまだ弱いかな。消費者委員会ならではの消費者利益保護や推進の観点から新たに改善すべき点は幾つか挙げてはあるのですけれども、もう少しそこのインパクトを強めたほうがいいのではないかとは思っています。中長期的な面では幾つかの示唆すべき点を今回は明示していますから、その辺は更に今後に資するものとして是非強調しておきたいと思っていますけれども、期間的には短くはなりますけれども、現行の査定においてもここは改善策であるという点をより明確に出しておいたほうがと、書きぶりなのですけれども、そう思います。

○古城座長 あとはいかがでしょうか。

太田委員、どうぞ。

○太田委員 比較的議論されたのに入っていないかなと思う点が幾つかありまして、大分原価の算定に当たって直課に寄せている。直課と配賦対象の場合に、直課比率のところで、できるだけルール上は直課に寄せることになっているようで、比率の数字を見たところでは、発電、送電等々、相当直課の比率が高いわけです。それが本当に明々白々に直課すべきもので直課されているのか、やや無理をしてそちら側の直課にしているのかというところは、実体が分からないので書きようがないとは思うのですけれども、事実として直課の比率が高いことが気になっております。

もう一点は、各社の仕様を共通化してできるだけ調達における競争を高めるという話があったかと思うのですけれども、各社へのカスタマイズといいますか、それぞれの独自仕様が強過ぎて、競争が弱くなって、調達コストが上がっているという議論があったと思うのですが、その仕様の共通化あるいはそれを英語で書いて国際的に調達するかどうかということも含めて、調達物品の標準化による調達コストの削減という話が書かれていないという2点が気になっております。

○古城座長 今の点で、事務局から説明できることはありますか。

○消費者庁笠原表示対策課課徴金審査官 前者の直課のお話ですけれども、事実関係の確認を再度しましたところ、例の7部門整理表における直課率は高い数字があったのですが、この直課の説明上の意味は、算定規則上の直課だけでなくて、いわゆる固有費として整理されている部分を含んで書いたものだということで、例えば、修繕費についてここで直課と書いているものは、ほぼ全て、いわゆる固有費として部門ごとに既に整理をされてしまっているものを念頭に置いてあるということで、結論としましては、直課によって、幾つか共通部門費のようなものをどこかの部門に無理やり押し込んでいるというところの実態を意味する、そういう数字ではなかったことが確認できましたので、その辺は事実関係としては離れてきたかなという理解でおります。

○太田委員 了解しました。

ただ、運営上は実は発電と送電と配電はかなり独立していて、1つの組織体で必ずしもそういう必要はないというか、そのぐらい直課率が高いというイメージという理解でよろしいですか。

○消費者庁笠原表示対策課課徴金審査官 おっしゃるとおり、前の各電力会社からのヒアリングの際にも、そういったものを前提にその中の組織自体もかなり分かれているという御説明もありましたとおり、そのような実態はあるかと理解をしております。

○古城座長 だから、仮説について、証拠は十分になかったということです。

○太田委員 イメージとしては、法的分離はできるけれども、資本分離はできないということは、お互いに相当密接に絡み合っているので、シナジーがあるから1つの組織であるべきだという議論だと私は理解していたのです。その割には直課比率がこれだけ高いということは、事実上、別会社として機能し得る程度に分離しているというデータを示していただいて、私の理解とは大分違うという印象を持ったので、その点について質問をさせていただいたという点であります。

○古城座長 分かりました。

あと、いかがでしょうか。

よろしいですか。議論がなかったら、まとめに入りますよ。

では、まとめに入ります。

時間は3時までを予定していたのですけれども、結局、皆さん御意見があったのですけれども、素案について満足だから余り議論が出ていないということではないと私のほうで判断しまして、もう少し、特に技術的なことを言えば、注をもっと本文に書き込まなければいけない。それから、言っていることが抽象的なところがあるから、もっと具体性を持った文章に直してほしい、ちょっと文章が全体的に舌っ足らずで、もう少し詳しく書き込んでほしいというのが皆さんの御意見だったと思います。その上で余り新しいことを言ってはいけないということで質問もなかったと思いますので、結論から言いますと、原案をもう少し書き込んだ上で、もう一回、皆さんの御承諾を得たいということにしたいと思います。

時間をいただいて、もう一度最終案を出しますので、その過程で皆さんにお伺いすることがあるかと思いますので、個別にお伺いしますので、そのときはよろしくお願いいたします。

以上の整理でよろしいでしょうか。

皆さん、暑いのにもう嫌だと思いますけれども、もう一回やらざるを得ないと判断いたしますので、7月15日の調査会でもう一回議論させていただきたいと思います。その前に、できるだけ早く新しい案を作って、皆さんに御送付したいと思います。

それでよろしいでしょうか。

(委員首肯)


≪3.閉会≫

○古城座長 それでは、よろしくお願いいたします。

あと、事務局から何かございますか。

○丸山参事官 本日は、熱心な御議論をどうもありがとうございました。

今後の調査会の日程につきましては、今、座長からお話がありましたように、7月15日、金曜日、午前10時から開催をしたいと思います。

以上です。

○古城座長 それでは、本日の議論は以上といたします。

暑い中、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)