第20回 公共料金等専門調査会 議事録

日時

2016年5月11日(水)9:00から10:03

場所

消費者委員会会議室

出席者

【委員】
古城座長、井手座長代理、古賀委員、白山委員、陶山委員、長田委員、松村委員、矢野委員、山内委員
【事務局】
消費者委員会 黒木事務局長、小野審議官、丸山参事官
消費者庁 福岡審議官、澤井課長

議事次第

  1. 開会
  2. 電力小売自由化について注視すべき論点(案)
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○丸山参事官 それでは、定刻になりましたので、会議を始めさせていただきたいと思います。

本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから、「消費者委員会第20回公共料金等専門調査会」を開催いたします。

本日は、所用によりまして、消費者委員会担当委員の蟹瀬委員が御欠席ということで御連絡をいただいております。

それでは、議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。

今、お配りしております資料は、配付資料一覧の通りとなっております。

もし不足の資料がございましたら、事務局までお申し出をよろしくお願いいたします。

なお、本日の会議につきましては、公開で行います。

議事録についても、後日、公開することといたします。

それでは、古城座長、以降の議事進行をよろしくお願いします。


≪2.電力小売自由化について注視すべき論点(案)≫

○古城座長 それでは、議事に入らせていただきます。

最初の議題は「電力小売自由化について注視すべき論点(案)」です。

当専門委員会では、本年4月1日より電力小売自由化が開始されるに当たり、消費者が多様なメニューの中から適切な選択を行うことができるよう、電力小売自由化に関する消費者への分かりやすい情報提供、さらには小売電気事業者との契約トラブル等の消費者トラブルを防止する観点から、事業者、関係機関、有識者等からヒアリングを行ってきました。

本日は、前回までのヒアリング結果等を踏まえて、当専門委員会における消費者の観点から見た電力自由化について注視すべき論点を取り纏めたいと思います。

資料をお配りしておりますので、その内容について事務局から説明をお願いします。

○丸山参事官 それでは、お手元に配付しております資料1をご覧になっていただければと思います。

タイトルといたしまして「電力小売自由化について注視すべき論点(案)」となっております。

まず、「1.経緯」でございますけれども、本年4月から電力の小売販売につきまして新規参入が可能となりまして、消費者が多様な料金メニューを自由に選択できるようになりました。これに伴いまして、事業者から、ガスや通信等のセット割など、様々なサービスが付加された多様なメニューや料金プランが提示されておりまして、消費者に対しまして活発な勧誘活動が行われております。

こうした中、当専門調査会におきましては、消費者が多様なメニューの中から適切な選択を行うことができるよう、電力小売自由化に関する消費者への分かりやすい情報提供、それから、契約トラブル等の消費者トラブルを防ぐ観点から、事業者、関係機関、有識者等からヒアリングを行って参りました。

自由化につきましては、まだ開始されたばかりでありますために、現時点におきましては、消費者の観点からその成否を評価することは困難な面がありますけれども、当専門調査会につきましては、これらのヒアリングの結果等を踏まえまして、消費者の観点から小売の自由化について、今後、注視すべき論点ということで、以下6つの点で整理を行いました。

2.のところで、具体的な論点ということで掲げさせていただいております。

1点目につきましては、料金プラン、事業者からの情報提供です。

自由化後ですけれども、概ね今まで従来から使用されてきております、いわゆる「3段階料金」に沿った料金プランが新規参入の事業者からは提示されております。その多くのプランにおきましては、2段階目、3段階目に該当する、相対的に電力使用量の多い消費者を中心に、従来のプランと比較いたしまして割安となるメニューが提供されております。

こうした中、価格面以外で、例えば、環境面に配慮した省エネを促す料金プランですとか、あるいは、相対的に使用量の少ない消費者に対して相対的にメリットがある料金プラン等、消費者の様々な嗜好、ライフスタイルに沿って選択をすることができる多様なプランが今後さらに事業者から提示されることに期待したいということで記しております。

電源構成、CO2排出情報、その他の電気料金の内訳の情報につきましては、消費者がより能動的に自らの考え方に照らしてプランを比較検討するために重要な情報であるということで記しております。全ての事業者におきまして、こうした情報に関しまして開示の取り組みが可能な限り広がってくことが重要であるということで記しております。

なお、必要に応じて「電力の小売営業に関する指針」、いわゆる「小売営業ガイドライン」におきまして、事業者のより積極的な情報開示が図られるよう明記することも検討すべきと考えられるということで、こちらのほうを記しております。

それから、契約期間、違約金の問題について、次に記しております。

こういったことにつきましては、その事業者につきまして、その条件ということで提示されているものについては多様ではありますけれども、消費者はそういった条件を総合的に勘案して契約を結ぶことになっております。

今、新規事業者につきまして、ガスですとか、通信等とのセット販売ということで様々に喧伝されておりますけれども、例えば、電力と携帯電話サービスのセット販売ということで考えたときに、この契約期間で電気と携帯のサービスで期間が異なるということで、両者の契約更新時期がずれる場合、セット販売でその契約を同時に解除すると、片方に違約金が生じることもあり得ます。こうした状況につきましては、消費者の自由なサービス選択を阻害して、実質的に従来から結んでいた契約の拘束性を高めることになるということです。現在、契約の乗り換え時期の過渡期でありますので、今後、こうした違約金をめぐるトラブルが増加することも考えられるということで、その動向については注視が必要であるということで記しております。

2点目は、「電力比較サイト」による情報提供でございます。

比較サイトにおきましては、消費者が料金プランのスイッチングを行う際に、判断材料を収集するために有力な手段ということで活用されていると考えられます。各比較サイトにおきましては、公正中立な情報提供が行われていることを保証するため、事業者から独立していることが明確に示されているのか、また、そのサイトの運営に関しまして遵守すべき倫理基準等が示されているかということにつきましては、重要であるということで記しております。今後、サイトの運営事業者間で共通の自主的な倫理基準が策定されて、それに基づいて事業活動がなされることが期待されるということで記しております。

また、比較サイトにつきましては、小売の媒介事業者が運営しているものですとか、小売の事業者以外の第三者によって運営されているものがあります。各比較サイトにおけるシミュレーションの結果につきましては、試算条件ですとか、あるいは、そのロジックの相違等によりまして、異なる結果が示されていることがございます。消費者はこうしたことを理解した上で提供された情報を有効に活用していくことが必要であるということで記しております。

3点目、スイッチング対応ということで記しております。

現在のところ、新規事業者に移行した契約者は全体でも約1%にとどまっております。契約の切り替え前後の小売事業者につきましては、切れ目なくサービス提供を行うために、移行に際して供給体制が万が一にもトラブルが生じないよう適切な対応が必要であるということで記しております。なお、円滑な切り替えも含め、供給者変更ですとか、料金の精算をスムーズに行えるようにするためにも、スマートメーターの早急な整備が必要不可欠であるということでも記しております。

次の○ですけれども、新規の参入事業者につきましては、それまで異分野、別分野で培ったノウハウや独自のアイデアに基づく創意工夫をもとにサービスを展開されておりますけれども、一方で、例えば、世帯の敷地内での電気設備の不具合への緊急対応といった点でノウハウ不足も懸念されるのではないか。こうした点についても注視をしていくことが必要であるということで記しております。他方、既存の大手電力事業者につきましても、自由化に際しまして、新たな対応、例えば、クーリングオフへの対応ですけれども、こうしたものについて、トラブルが生じていないか注視していくことが必要であるということで記しております。

小売事業者、比較サイトの運営事業者につきましては、世帯情報、電力使用量あるいはセット販売したサービスの利用実績等、こうした情報を組み合わせて、今後、多様なビジネスチャンスを拡大していくことが予想されます。他方、こうした生活情報の管理につきましては、消費者からの信頼を得るためにも、事業者の社内体制を整備して、適正にそういった管理を行っていくことが重要であるということで記しております。

消費者相談への対応、その相談対応への体制整備ということで、4番目に記しております。

各地の消費生活センターに寄せられました自由化に関する消費者相談について分析をいたしますと、新規参入の多い関東圏ですとか、東海圏、近畿圏からの相談が計約7割を占めております。また、相談が寄せられております販売チャネルにつきましても、訪問販売ですとか、電話勧誘販売についての相談が約8割を占めており、また、相談者の傾向といたしまして、7割弱が60歳以上の高齢者になっております。

こうしたことを踏まえまして、監視委員会、消費者庁・国民生活センター等におきましては、収集した相談事例について、留意すべきポイントを消費者の特性等に合わせてきめ細かく分かりやすく周知すると共に、トラブルが発生した要因等につきましては、それをきちんと分析をした上で、その結果に基づいて対応策を迅速に検討していくことが必要であるということで記させていただいております。

なお、必要に応じまして、いわゆる「小売営業ガイドライン」の改訂等を行いまして、迅速にそうしたトラブル対応ということで図っていくことも検討すべきということで記しております。

相談に関する情報収集、消費者への周知につきましては、監視委員会本体のほうでも当然行っているわけですけれども、各地方の経済産業局におきましても、地方自治体の相談窓口と連携を図りつつ、今後、機能の充実を図っていくことが求められるということでも記しております。

5番目でありますけれども、消費者への分かりやすい周知であります。

まず、1つ目の○ですけれども、自由化の認知度につきまして、本年3月の資源エネルギー庁で実施されたアンケート調査の結果では、昨年11月と比較いたしまして、全般的に自由化の認知度については向上しておりますけれども、会社の切り替えを行っても、停電等の頻度ですとか、電気そのものの質は変わらないといった、基本的、具体的な知識についての認知度はいまだ低いことが示されております。今後、監視委員会、消費者庁・国民生活センター等におきましては、様々な機会を捉えまして、この小売自由化に関する基本的な事項に関する認知度を高めていく工夫をする必要があるのではないかということを記しております。

訪販、電話勧誘販売によりまして新料金のプランの申し込みをした場合、8日以内にはクーリングオフができることが明確化されましたが、これについてまだ消費者の認知が不足しているのではないかということで、その旨さらに周知を徹底していく必要があるのではないか。それから、事業者の中には、代理ですとか、取次ですとか、媒介といった形態をとって、提携会社等のブランド力を活用して販売をしている場合がございます。実際にその消費者が契約をする相手事業者がどのような立場で販売をしているのか、当然その契約の当事者の一方であります事業者のほうが明らかにするというのは当然ですけれども、消費者に対してもそのような販売形態自体があることにつきまして、監視委員会、消費者庁・国民生活センター等においてもさらに積極的に周知をしていく必要があるということにしております。

マンションの高圧受電契約につきましては、非常に価格面ではメリットがあるということですけれども、管理組合単位での契約で、個々の消費者との契約でないということですとか、一旦受電契約を結ぶことになると長期に渡るということで留意点がございます。事業者はもとより、監視委員会、消費者庁・国民生活センター等でも、一般的な契約とは異なる点があるということで、さらに消費者に対して周知を図っていく必要があるということで記しております。

6番目でございますけれども、経過措置期間終了後の料金規制の解除ということで記しております。

少なくとも2020年までは規制料金が存続するということにされておりますけれども、それ以降の規制料金の解除につきましては、そのときの事業者の競争状態を見極めて判断することとされており、慎重な検討が必要であるということで記しております。

その際、規制料金プランにおける「3段階料金制度」につきまして、第1段階の料金軽減につきましては、いわゆる低所得者層などへの負担緩和の効果ということで、一定程度あるということで考えられます。規制料金の撤廃後につきましても、「3段階料金」のこうした効果が維持されるための何らかの対応が必要か否かということも課題になるということで考えております。

最後に、3番目でフォローアップの実施ということで記しております。

小売の全面自由化によるメリットにつきまして、今後、消費者が十分に享受できるか否かの評価につきましては、価格動向ですとか、その他の状況も勘案して、今後、相当な期間にわたって様々な視点から見守っていく必要があるということで記しております。

このため、当専門調査会におきましては、小売自由化の消費者にもたらす影響については、今後の都市ガスの自由化の課題に関する検討と併せまして、引き続きフォローアップを行うことといたしまして、必要に応じて意見表明等を行うこととしたいということで記しております。

資料の説明については、以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。

御意見のある方は、御発言をお願いいたします。

いつもの通り、発言のある方は名札を立ててお知らせ下さい。

陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 どのような発言の出し方をしたらよろしいでしょうか。幾つかあるのですが、ランダムに出してよろしいですか。

○古城座長 適当にお願いします。

○陶山委員 空気を読んでと。では、一番最初の経緯のところなのですけれども、「消費者の観点から」というものが何度も出てきて、そこは大事なところだと私も思っております。

加えて、消費者委員会が出す意見としては、消費者の利益の擁護、増進、及び権利を尊重する立場からというものを、下2行の「消費者の観点」の次のあたりに入れたらどうかと思っております。

個別のことはまた次の発言の機会を得たいと思いますが、もう一つ、色々なヒアリングをして今回の自由化に向けて非常に重要だと思いましたのは、監視等委員会が出された指針、ガイドラインを徹底していくことがまずは重要ではないか。それから、この中にも書かれていますように、必要に応じた迅速な改訂も重要なことになってくるかと思いますので、個別の項目というよりは、総括的に、終わりのほうとかに、これで全体を受けていくということも検討して良いのではないかなと思います。

まず、2点、発言させていただきました。

○古城座長 第1点をもう一回お願いします。

○陶山委員 「1.経緯」の中に、消費者の利益の擁護と増進、それから、権利を尊重する立場からという形で、この消費者委員会の立場を明確にするということでいかがかということです。

○古城座長 分かりました。

他に、この「1.経緯」、総括的なところについて御発言はございますか。

なければ個別の論点に入って結構だと思いますから、陶山さん、また続けてどうぞ。いっぱいあるのでしたら、ちょっと小分けにしながら。

○陶山委員 まず、2ページの(2)の比較サイトの件です。

ここの○の2つ目のところに「消費者は、こうした点を理解したうえで、提供された情報を有効に活用し」ということが書かれているのですが、個々の消費者が比較サイトを評価して選択するのはなかなか難しいということで、ヒアリングの中でも御意見が出ておりましたけれども、認証制度の検討とかも必要ではないかと思っております。

4ページの(4)の最後の○の項目ですけれども、これは入れていただいて非常によかったと思っております。「相談窓口と連携を図りつつ」というところを、監視等委員会と国民生活センターが組織の連携協定を結ばれているという報告を受けましたので、これを参考にしつつ、各地方においても、連携を図り、円滑な情報交換をして機能の充実を図っていくという、少しそこを強調した書き方はいかがかと思います。

同じ項目の中で、消費者センターなり国民生活センターとの連携という中で、ぜひ中央でも地方でも、消費者が発言していく場、あるいは消費者の意見を反映していく機会を、リスクコミュニケーションという形でぜひ取っていくことが必要ではないかと思っております。

少し細かいところですが、同じところの(4)、4ページの一番上のラインですけれども、「その分析結果に基づいて対応策を迅速に検討していくことが必要である」と書かれていますが、対応策及び被害の救済ということも入れたほうが良いのではないかと思います。

今、思いついたのはそれぐらいです。

○古城座長 まず、1つ重要な点が挙げられたのですけれども、比較サイトについて、認証制度の検討を入れるかどうかというのがあるのです。それが望ましいかどうかというのは議論の余地がありますね。食べログなどは、認証制度がないので、消費者が選んで伸びてくるわけですから。

○陶山委員 そうですね。だから、そこは検討というところで止めておくほうが良いと私も思いますけれども、ここでは原案というか、この案が「消費者は、こうした点を理解したうえで」と、比較サイトのシミュレーションの結果だとか、ロジックの相違について、各サイトで異なっていて、それを理解した上で情報を有効に活用しましょうと書かれているのですが、これはなかなか個々の消費者からすれば難しいと思います。私も実際にそれは多分できないことなので、そこは一定の認証制度があると、それを頼りに選別をされていくのではないかと思います。

それから、エネチェンジのヒアリングのときにもそのようなことをお話しになっておりましたので、1つ目の○のところに、エネチェンジではその基準を自主的に採用してやっていらっしゃるということであり、認証制度も必要ではないかという御意見を出されましたが、私もそのように思いました。

ただ、ここの委員会としてそれを入れていくことが必要だというところまで書き切れるかどうかは疑問ですので、検討というところで収めていったらどうかと思います。

○古城座長 その他、皆さん、いかがでしょうか。

矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 3点ほど意見を述べさせていただきます。

まず最初は、2ページのところの「2.今後注視すべき論点」の2つ目の○のところ、電源構成関係ですけれども、「価格と共にこうした情報に関して情報開示の取組が可能な限り広がっていくことが重要である」と、今、案で提示されていますけれども、情報開示だけを言うのではなくて、ここは「分かりやすい」という言葉を添えることが重要かなと思っております。

監視等取引委員会の専門会合のほうでも先月末に新たに指針の改訂方針案が示されていて、そこの中では、電源構成自体がホームページには記載されているけれども、分かりにくい箇所なので、分かりやすい場所に表示することが改正事項で提案されています。そういった意味でも、単に情報開示していますではなくて、やはり分かりやすい情報開示が必要であろうということで、ここはぜひその言葉を入れてほしいということが1点目です。

2点目は、4ページに入りますけれども、「(4)消費者相談への対応、相談対応への体制整備」の中の1つ目の○の最後ら辺ですが、「対応策を迅速に検討していく」という後に「なお、必要に応じて、『小売営業ガイドライン』の改訂等を迅速に行うことを検討すべき」ということですが、ガイドラインの改訂は、その前提として対応策を迅速にしていく中で、やはりここはガイドラインにも記載したほうが良いだろうということに繋がると思いますので、ここは小さな指摘なのですけれども、「なお」という言葉より「また」のほうが、繋がりとしては良いのではないかと思います。これが2点目です。

○古城座長 何ページのどこですか。

○矢野委員 4ページの2行目です。

3点目は、次の「(5)電力小売自由化の消費者への分かりやすい周知」で、この間、行政、事業者等で、比較サイトも含めてですけれども、様々に消費者へ分かりやすい情報提供がされているわけですが、ここでは消費者団体とかも積極的に役割を果たしていくことも重要かと思っています。

今回の電力の自由化は、消費者が主体的に行動する良い機会になるとも言われていますし、主体的な行動という意味では、消費者市民社会の一つの投げかけている行動パターンでもありますので、そうした主体性を持った消費者が育っていくためにも、その仲立ちとして消費者団体等が積極的な役割を果たすという意味で、(5)の後に、消費者団体の役割発揮も期待されているということがちょっと出てくると良いのかなと思います。

事例としては、例えば、全国消団連では、電源構成の情報開示に関するアンケート調査を、今、250弱の事業者に行っている最中で、その結果をまたホームページで公表していくという形で、消費者も何らかの状況の中でそういった情報を得ることができますし、日本生協連では、全国の会員生協とか、全国組合員さんに呼びかけて、ウェブサイトで我が家の電気ガス料金調査を呼びかけていますし、こういった調査活動を行いながら、その結果がまた消費者の側で判断材料の大きな手段になるということで、消費者団体もしっかり取り組んでいる状況と、さらにそういったことが期待されるということを、1、2行、加えていただきたいなと思っています。

以上です。

○古城座長 ありがとうございました。

あと、いかがでしょうか。

古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 3点、申し上げます。

1つは、最初に陶山委員から出た電力比較サイトのことなのですけれども、電力比較サイトを実際にどういう位置づけとして私たちが捉えていくかということとも関連すると思うのですが、これを公的なサービスのように位置づけをするのであれば、ある程度、公的なチェックとか監視のようなものも必要となると思うのです。現実にこの調査会でのヒアリングの結果、比較サイトを運営している会社は非常に誠実に運営されていると感じましたけれども、事業者への誘導という側面を持っていることと、もう一つ、金銭的な評価に限られた範囲での評価しかできないということがありますので、やはりそこのところはどういう位置づけをするかということを、少し明確に私たちも考えていく必要があると思います。ここの書きぶりだと、2ページの下から3行目のところで「試算条件やロジックの相違等により」と曖昧にしている感じがしているので、ここのところを、比較サイトというのは、あくまでも絶対的なものではなくて、現状ではその利便性のために利用するという位置づけであるという形にするか、もしくは、今後、公的サービスの側面を持つことから、チェックを入れるようなことも考えていくべきだという提言を含めた書きぶりにしていただいたらどうかと思います。

2つ目は、矢野委員がおっしゃったように、2番の料金プランの情報提供なのですが、色々な業者の方をヒアリングした結果、非常に電源構成の表示はしっかりしていると言われながら、ホームページを見てもどこにあるか分からないとか、そういうこともあったわけですので、2行目のところ、情報開示の取り組みが広がっていくというところに、やはり見やすく分かりやすい、一目でよく見えるという書きぶりを入れていくと良いのではないかと思いました。

同じく2ページ目の8行目、「通信等とのセット販売」とあるのですが、他にもポイントサービスなどで契約を誘引している例も非常に多いので、ここに「通信等とのセット販売やポイントサービス等」と、小さなことですけれども、ポイントサービス等というのも入れていただけたらと思いました。

もう一つは、これが一番申し上げたいことなのですが、4ページの分かりやすい周知というところにクーリングオフのことが書いてあるのですけれども、実質的には、やはりクーリングオフ制度が、今回のスイッチングを行う場合の、消費者被害を防止する一番実効性のある制度だと思います。2つ目の○のところの文章が非常に分かりにくいと感じました。ここのところは、訪問販売や電話勧誘販売によるものがやはり今のところ、非常に被害の相談なども多いので、「8日以内のクーリング・オフができることが明確化されたが、消費者に対してその旨更に周知を徹底していく必要がある」ではなく、むしろ「8日以内のクーリング・オフができることを明確に消費者に対して周知徹底していく必要がある」として、その際、「また、小売事業者の中には代理・取次・媒介といった形態を取り、ブランド力を活用して販売している場合がある」が、「実際に消費者が契約する」、「どのような立場で」云々とありますが契約形態の違いの説明がないと、ここのところは非常に分かりにくい。

要するに、クーリングオフをできるとしても、代理・媒介・取次では、実際に自分がどの相手方と契約しているかということが非常に分かりにくいということが問題となるので、ここの書き方として、今、申し上げたように、まずクーリングオフができることを明確化し、消費者に対して周知徹底していくことと、その際、代理・取次・媒介といった形態があることを消費者に周知する必要があるとしていただけたらと思います。

以上です。

○古城座長 あと、いかがでしょうか。

白山委員、どうぞ。

○白山委員 2点ほどございまして、まず、2ページ目の「(2)『電力比較サイト』による情報提供」の1つ目の○のところでございます。

ここで言われているのは、電力比較サイトについて2つ重要なことがあるということで、まず、公正中立な情報提供が行われるための独立性の問題と倫理基準の問題の2つが言われていると思います。下から3行目の「今後」以下の期待というか、対策の方向性と言いますか、そこに倫理基準のほうしか書いていないので、独立性と言いましても何をもって独立性が確保されているかというところは結構ばらつきがあると思いますので、独立性に係る情報開示の考え方とか、情報開示の基準とか、今後、策定されていくことが必要なのではないかということをやはり言っておいたほうが良いのではないかという気はいたします。

もう一点目は、3ページの「(3)円滑なスイッチング対応等」の3つ目の○のところなのですが、この文章の意味が幾つか解釈できるので確認をしたいのですが、小売事業者、電力比較サイトの世帯情報とか、電力使用量、セット販売したサービスの利用実績等の情報を組み合わせ、ビジネスチャンスを今後拡大していくという文脈で考えますと、この「他方」以下のところの表現なのですが、これは何を言っているのかということについて2つ意味があるのではないかと思います。生活情報の管理については、消費者からの信頼を得るためにも事業者の社内体制を整備し、適正に行っていくことが重要であるということかと思いますが、これの言いたいことは、生活情報に個人情報みたいなものがあるので、情報漏えいとかの情報セキュリティの問題が起きないようにということを言っているのか、それとも、こういった小売事業者はビジネスチャンスを今後拡大していくので、適正な経営が行われるための経営管理体制とか、内部統制とか、そういうことが整備されるべきということを言っているのかという二つの解釈があると思うのです。ここで言いたいことは何を指していらっしゃるのかというところはもう少し明確にしたほうが、情報セキュリティのことであるならば、個人情報に係る情報セキュリティということで考えたほうが良いですし、もう少し広く、こういった小売業者とか、ビジネスチャンスを拡大していく会社の経営管理体制を潰れないようによりしっかりと経営管理体制を強化していくのだという方向へ行ったほうが良いのか、そこら辺を明確にしたほうが良いのではないかと思いました。

以上です。

○古城座長 どうぞ。

○丸山参事官 事務局でございます。

白山議員のスイッチングの3つ目の○の点について、こちらの案の趣旨でございますけれども、必ずしも情報セキュリティだけに限定をしているものではないと考えております。

いわゆるシステム的な意味でも、ということですけれども、ビジネスチャンスを拡大していくために、いわゆるそうした世帯情報ですとか、電力の使用量、サービスの利用実績、セット販売を行ったときのサービスの利用実績等を組み合わせて、様々な形でいわゆる事業展開をされていくということかと思いますけれども、そうしたときに、そういった世帯情報の活用の仕方について、例えば、情報漏えいとか、あるいは、世帯情報の活用によって、そうした情報元の世帯にも被害を及ぼさないようにという意味であるという形で記させていただいています。

○古城座長 これは個人情報保護の観点からきちんとしろということを言っているのではないのですか。

○丸山参事官 補足をいたします。

いわゆる個人情報につきましては個人単位でございますので、この情報については世帯単位の情報でありますので、必ずしも個人情報の保護対象という形に馴染まない情報も含まれていると考えられることから、個人情報という形で表現をするのではなくて、こういった形での表現ということで取り敢えずはさせていただきました。

○古城座長 要するに、ともかく世帯にしてもそういう情報が勝手に使われないようにきちんとやってくれということを言っているわけではないのですか。

○丸山参事官 その趣旨です。

○古城座長 その趣旨ですね。

そうすると、この文章では分かりにくいということですか。

○白山委員 そういうことであるならば、もう少し明確にして、消費者からの信頼を得るためにも「事業者の社内体制を整備し」ではなくて「情報管理体制を整備し」とか、そのほうが良い気がいたします。

○古城座長 白山さんの言われた2番目の点は、自主的な倫理基準の中には、公正中立な情報提供が行われることについての基準は含まれないという前提でお話しされているわけですか。

○白山委員 そこが分からなくて、通常、倫理基準の中に独立性の問題は入ると思いますので、その理解であるならばこのままでも良いと思います。

○古城座長 原文はそういう理解で書かれていますね。

○丸山参事官 その通りです。

○古城座長 その他、いかがでしょうか。

松村委員、どうぞ。

○松村委員 まず、4ページのマンションの高圧受電契約は、今回の自由化の範囲のことではないのですが、ここで書かれているので質問したい。「一括受電を結ぶと長期契約であることなど留意点がある」とは何を意味しているのか。

事実として長期契約が多いことを指摘しているのか。高圧一括受電では、その特性上、必然的に長期契約にならざるを得ないので注意が必要と言っているのか。もし後者だとすると、まるでここで長期契約は当たり前とお墨付きを与えてしまっているような気がする。これはどういう意図なのかを確認したい。

高圧一括受電の場合には、確かに、管理組合との契約になるので、個々の消費者が契約できないという状況になっている。

そうすると、高圧受電の設備は設備投資してしまうわけだから、毎年高圧一括受電から個別契約に切り替えて、また高圧受電でと頻繁に切り替えるのは難しいという意味で、一旦管理組合が契約する形になると、高圧受電の形をしばらくは取り続けざるを得ないという意味での長期なのか、あるいは、高圧一括受電で、例えば、オリックスと契約したとすると、必然的にオリックスと長期契約になってこの契約が切り替えられないという意味での長期契約なのか。契約という言葉からすると当然後者のような気がするのですけれども、そういうことを意図して書かれているのかを確認させて下さい。

次、3ページです。(3)の2番目の○、「一方で、例えば世帯の」以下のところで、新規参入者はノウハウが不足しているというのは、これは具体的にどういうノウハウのことなのかを教えていただけないでしょうか。

なぜ気にするのかというと、例えばガスだとかだと、現在消費機器までガス事業者が点検している。そこが新規参入事業者に変わるとノウハウは本当に大丈夫かということを消費者が気にすることはあり得ると思います。電気の場合にはもともとそこまでしていないわけです。

そうすると、これは具体的に何を指しているのか。この記述は競争上問題になる可能性がある。例えば、送配電部門が、送配電の範囲内でやる際、実は送配電の管轄の屋外に問題があると思って来たのだけれども、屋内に実は問題があることがわかったときに、東京電力のお客さんだったら、屋内までちゃんと丁寧に見るのだけれども、従って、その心配はないのだけれども、新規参入者の顧客の場合には「新規参入者のほうに言ってください」ということになってしまって、新規参入者が来てもノウハウがなくてできないとかということだとすると、これは送配電部門の中立性という観点から見てとてもまずい。

あるいは今まで、例えば、東京電力とかの小売部門が来ていて、屋内のことを東京電力の小売部門がちゃんとやっていたのだけれども、これは小売部門なのだから、新規参入者に切り替わって、新規参入者はノウハウがないから心配だとか、そういうことを言っているのか。

一つ間違えると、これは消費者の切り替えの不安を煽る記述にもなりかねない。それが事実に基づいているのなら良いのだけれども、消費者の誤解に基づいているのだったら、むしろ正さなければいけない。具体的に何を気にしておられるのかを御説明いただけないでしょうか。

以上です。

○丸山参事官 まず、1点目のマンションの高圧一括受電というところですけれども、松村委員が御指摘している、具体的には後者のほうを想定しています。いわゆる長期契約にならざるを得ないとなるとちょっとあれですけれども、基本的に、高圧受電といういわゆるサービスの特質から、そういう形態になる形になっているということなのでという意図でこちらに記しております。

○松村委員 後者というと、管理組合等の間での契約にならざるを得ないということですか。

○丸山参事官 要するに、契約の特性としてそういう形になりますということです。

○松村委員 もう一回、言いますね。

例えば、オリックスから買っているとすると、オリックスとの間の契約が長期にならざるを得ないということを言っているのでしょうか。あるいは、高圧一括受電という形を長期に続けざるを得ないということを言っているのでしょうか。

○丸山参事官 その高圧受電サービスを受けるということであれば、必然的に長期にならざるを得ないと。

○松村委員 どっちの。

○丸山参事官 どっちとは。

○松村委員 つまり、高圧受電というのは変えられないのだけれども、今までオリックスとの契約だったものが2年後に東京電力に変わって、また2年後にオリックスに変わって。こういう事業者の切り替えが可能なのだけれども、高圧受電という形は変えられないという意味なのか。あるいは、オリックスと結んでいる契約が長期にならざるを得ないということを言っているのか。それはどっちですか。

○丸山参事官 当該契約事業者との契約が長期にならざるを得ないという意図なのですけれども。

○松村委員 長期にならざるを得ないのはどうしてですか。

○丸山参事官 それは、高圧受電という、いわゆるサービス供給の仕組みでそういう形で内在しているという形で思っているのですけれども。

○松村委員 どうしてなのかがよく理解できないのですけれども。

高圧で契約をしている人あるいは特別高圧で契約している人は、マンションの一括受電という形ではなくても当然いるわけですね。そういう人たちが、長期にわたって、今、東京電力から買っているなら、東京電力との長期契約にせざるを得なくて変えられないということはないですね。

高圧でいったん契約して急に低圧に変えることは難しいとか、そういう理屈はとてもよく分かるのですが、何で事業者を変えられないのですか。

○丸山参事官 高圧受電をしている方が、要するに、任意に低圧なり何なりのところに切り替えるということについては、仕組み上、難しいということを言っているのですけれども。

○松村委員 ということは、やはりそうではなくて、私が言ったことでいうと、オリックスとの契約は別に短期でも構わないけれども、高圧一括受電という形は一定期間続かざるを得ないということですね。

○丸山参事官 その通りです。

○松村委員 そうだとすると、これは一つ間違うと、高圧一括受電は長期契約が当たり前、従って、他のところでは余りにも長期になって消費者の選択を縛るのは問題だと強調されていたのに、適用除外みたいになってしまって、マンションの一括受電であれば、どんなに長期だってそれは契約の特性上仕方がないと思われるととても困る。

○古城座長 これは文章をどこに入れれば松村さんの言われたようになりますかね。

○松村委員 「一括受電を結ぶと長期契約であることなど」と強調しなければいけないのかよく分からない。

○古城座長 今、松村さんがおっしゃったように、供給先を切り替えることはできるのだけれども、一括受電契約はみんなでまとまって契約しなければいけないから、後で誰かが抜けたいというときになかなか抜けられなくなるという面があるのは、それは良いのでしょうか。

○松村委員 はい。個々で抜けられないというのは事実ですね。

○丸山参事官 では、その趣旨の形で。

もう一点目、いわゆるノウハウ不足のところの具体的なイメージなのですけれども、こちらにつきましては、イメージをしておりますのは、例えば、事業者さんによっては、駆けつけサービスのようなサービスを行っているところもいらっしゃいますけれども、そうしたサービスとかがないような小売事業者さんもいらっしゃるということもあるということで、もちろんそういったところについてきちんと対応していただくということはあるのかも知れないですけれども、そういうサービスのところで違いが出てくることも捉まえて、こちらで記させていただいているということです。

○松村委員 ちょっとしつこくて申しわけないのですが、事業者によって多様なサービスというのは確かにその通りだと思います。

しかし、この文章の主語は「新規参入事業者は」ですから、主語と述語で「新規参入事業者は」「ノウハウ不足も懸念される」になるのです。

そうすると、駆けつけサービスというのは、今まで広く一般電気事業者からは供給されていて、新規参入になるとそのようなサービスが受けられなくなるということだと、正しい文章だと思うのですが。

○丸山参事官 もしそうであれば、そういう事実関係をきちんと記した上で修文ということも検討したいと思います。

○古城座長 ここは、確かに新規小売参入事業者に不利な記述にはなっていますね。小売の安全サービス等について問題が起きる可能性があるという指摘になってしまって、それを注意していることになっているから。

○松村委員 事実であれば良いのですが、今までの一般電気事業者だって同じと違うかと。ノウハウのある人とない人は当然出てくるということはあり、消費者の選択に影響を与えることはあると思うのですが、新規参入者にノウハウが欠けていて、既存の事業者にはノウハウが欠けていない部分だと思わなかったものですから。

○古城座長 古賀委員、関連した御意見ですか。

○古賀委員 そのもの自体の関連ではないのですが、その後の文章についてですが、それとの関係がちょっとここを読んでいて分からなかったのです。今、緊急対応の面でのデメリットがあるかに受け取られる記述があるとの指摘ですが、「さらに、既存の大手電力会社についても」の後の「電力小売自由化に伴う新たな対応について(クーリング・オフへの対応等)について、トラブル等が生じていないか注視」の意味がよく分からなかったのですが、例えば、これは東京電力からB電力に変えて、また東京電力に戻ってきたとか、そういうことを想定しているのでしょうか。そういうときにクーリングオフの制度がうまくもともとの東京電力が対応してくれないとか、そういうことですか。ちょっとこの意味がよく分かりませんでした。

それから、「さらに」とその前の文章は別項目にしたほうが良いのかなと感じたので、そこを議論していただきたい。

○古城座長 どうぞ。

○丸山参事官 「さらに」以下のところの記述の意味ですけれども、こちらにつきましては、前者のほう、「さらに」よりも前のほうにつきましては、今もちょっと御指摘がありましたけれども、新規参入小売事業者において、こういったところにおいて懸念されるということで、一方、既存の大手の事業者においても、新しく小売の全面自由化に対応してクーリングオフということが、いわゆる訪販と電話勧誘のところでは、今までは適用除外ということになっていましたけれども、今回はきちんとクーリングオフの対象になったということについて、制度が変更になったということもございますので、それを踏まえた対応ということで、そこの部分について、今までにないような制度が導入されたということで注視をしていく必要があるのではないかという趣旨です。

○古城座長 古賀委員の意見は、クーリングオフへの対応は、結局、新規参入事業者も同じような問題を抱えているのに、既存事業者だけの問題に限定していると。

○古賀委員 そうですね。契約を変更していくという点では同じなので、転々とスイッチングしていく場合もあるのに、どうして既存の電力会社についてだけ書いてあるのかなと思いました。

○古城座長 どうぞ。

○山内委員 私も個々の文章はすごく分かりにくいなと思って、先程の松村さんの御指摘と今の御指摘はかなり重要な点だと思うので、やはり文章をちょっと意図に沿って書き直したほうが良いかも分からないですね。

例えば、4行目に「こうした点についても注視をしていくことが必要である」とわざわざ書いてある。他とちょっと違うものですから、この文章は読んでいてちょっと違和感を覚えた。

ですから、全体的に今の御趣旨に従って直されたらよろしいのではないかと思います。

○古城座長 これは修正をしましょう。

あとはいかがでしょうか。

山内委員。

○山内委員 気づいた点は、皆さんがもう御指摘のところなので、そんなに大きなことはないのですけれども、先程の比較サイトの話は、自主的な倫理基準が策定されると書いてしまっているので、これだけで良いのかという議論はあるとは思うのです。

だから、もう少し、先程も御議論が出ましたけれども、何か検討するとか、例えば、コード・オブ・コンダクトでも認証制度でもそこまで書けないけれども、書かなくても、そういうことを検討する必要はあるのではないかぐらいのことは書いたほうが良いのではないかと私は思いました。

○古城座長 1番目でね。

○山内委員 そうです。

それから、先程の社内体制のところもかなり分かりにくかったなと思いました。

そもそも(5)で自由化を消費者に分かりやすく周知しろと書いてあるのですけれども、順番的に言うと、これが一番最初に来るのかなとは思いますけれども、それは大変な作業でもあるので特に今はこだわりませんけれども、最初にそれがあって然るべきかとは思いますけれどもね。

最後、もう一点は、途中で契約期間の問題があって、電気と通信を組み合わせて、通信のほうはまだ契約期間が2年とか残っていたりして、その契約期間の齟齬みたいなものをどうするかという話がありましたけれども、これは、クーリングオフはどうなるのかなと思うのです。通信はクーリングオフをしていないのでしょうか。

○古城座長 どうぞ。

○長田委員 通信も、いわゆる初期契約解除というのはあります。電気通信事業法で今回5月から新しく改正されています。

○山内委員 でも、あれは結局クーリングオフを入れるときに通常のクーリングオフと違う制度になるのですね。

○長田委員 違うのは、店舗も入ります。

○山内委員 逆に強くなると。店舗も入れたのか。

○長田委員 その代わり、いわゆる携帯については、お試しというものが確認措置と。

○山内委員 自分で議長をしていて、全部は覚えていないのだけれども、確認措置を入れたので、通常のクーリングオフの措置と違う形になっているのですね。

○長田委員 初期契約解除ではない別ルートもありますけれども、実質的な契約解除はできます。

○山内委員 いずれにしても、ここで言いたいのは、それをくっつけた場合に、セットで売ったときに、それの制度の齟齬みたいなものをどうするのかということを考えたのです。

○長田委員 もちろん期間拘束の問題は非常に大きいと思います。

○山内委員 期間拘束もそうだし、そのクーリングオフの制度自体が電気と違うのでね。

○長田委員 そうです。だから、店舗が入るものと入らないものですので、ぐちゃぐちゃです。

○山内委員 ですから、言いたいのは、ここでもそういうことを書いておかなければまずいのではないのかと、そういう話です。

○古城座長 それは具体的にどこになりますかね。全く白地から両方をセットで入る場合はそれも問題になるけれども、普通はもう携帯に入っているものに後からくっつけると割り引きますよというのだから、そのときは電気だけが対象ですか。

○山内委員 そのときは、電気だけはクーリングオフの対象になります。でも、白地で入る場合だってないことはないですね。

○古城座長 だから、山内さんが言っているのは、白地の場合もカバーするように書けということになりますか。

○山内委員 電気通信事業法ではそうやって制度を作ってしまったので、ガスと制度が違うとすれば、その制度の違いについてちゃんと明確にするとか、あるいは、これからその制度をどうするかという議論を、問題提起も含めて書いておいたら良いのではないかとは思います。

○古城座長 あとはいかがでしょうか。

古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 細かいことなのですが、6番の「3段階料金制度」についての記述がありまして、確かに「3段階料金」の第1段階は低所得者層などへの負担緩和の効果があるのですけれども、それと共に、もう一つは、消費者にとっては節電へのインセンティブもあり、そういうことを消費者としては非常に重要なことだと考えていまして、もしできればですが、この負担緩和の効果と共に節電へのインセンティブ効果を有していると書いていただくと、今回は色々なプランが出てきているのですが、どちらかというと、第2、第3段階の価格が低減されているのですが、第1段階についても、もう少し節電ということも入れていただけたらと思います。

○古城座長 それはその通りだと思うのですけれども、節電については、自由化になったら、節電インセンティブを重視する人には、そういうプランが出てくることによってカバーできる可能性が高いわけでしょう。

○古賀委員 一般論として、それは色々なプランがあり得るとは思いますけれども、ヒアリングした範囲では、そういうプランが現実に出ているとは感じられませんでした。

○古城座長 ここで問題になるのは、自由化したら「3段階料金」もなくなっていくというのが普通の流れで、そのときの理屈は、そのときに一番問題になるのは、ここに書いてあるように、低所得者はどうなるのかという問題は残ってしまう。節電の問題は、他にカバーできる可能性が高いわけでしょう。だから、このように書いたのです。節電用に「3段階料金」も残すべきだとか、そういう話にはならないと思うのですが。

○古賀委員 逆に、「3段階料金」のようなプランを出してくれる業者があることを期待はしているのですけれども。

○古城座長 でも、節電プランというのは、3段階とは必ずしも密接付加ではないでしょう。

○古賀委員 いや、私はかなり重要な関係があると考えているのです。

○古城座長 松村さん、どうぞ。

○松村委員 私は入れないほうが良いと思います。我慢して言わなかったのですけれども、「低所得者層などへの負担緩和の効果を有し」というのは、私の記憶では、むしろ古城先生も疑問に思っていたのではないかと。

これは本当にそうなのかということに関しては相当な意見の相違があったような気がする。つまり、むしろ、例えば、単身者のようなところの負担軽減効果になっているのではないかと言われたと。

しかし、今回のものに文句を言うのはやめようと思っていた。これは「必要か否かも課題になる」という格好で、「必要になる」になっていなかったので、そういう効果がある可能性があるのは事実だし、検討するのは良いとは思うので、異論を言うか言うまいか迷っていたが言わなかったということです。

節電効果だとさらに根拠が薄いような気がします。3段階目の料金が高いから、今までの規制料金の格好だと、1段階目が低くなっている部分から3段階目が高くなるという格好になりますから、3段階目の料金が高いから節電効果が高くなるのですとはあり得るとしても、それは間接的な効果ですね。直接的には、3段階目がすごく高いから、1段階目が安くなっていることによって節電効果が高いというのはさらに間接的な効果になり、なぜここで強調しなければいけないのか。

さらに言えば、もし本当に第1段階に留まっている人がいるとすれば、第1段階の価格が低いことは、価格が低いわけですから、直接的には第1段階の人の節電のインセンティブを損なうことになるはず。本来、節電のインセンティブを高めることが第一義の目的であるとするならば、全体として従量料金が高いというのが本来は正しいはず。ここまで間接的なものをこれ以上加えるのは、私は賛成しかねます。

以上です。

○古城座長 他にいかがでしょうか。

今、松村さんが言われた部分は、低所得者向けの効果もあるかどうかは議論が分かれているというのはその通りで、「必要か否かも課題になる」と書いたのは、全体の構成員のコンセンサスが得られるのはこの辺だろうということでこう書きました。

あとはいかがでしょうか。

井手委員、いかがですか。

○井手座長代理 いや、特には。

○古城座長 それでは、全員の皆さんからの御意見をいただいて、色々と修正意見はございますが、根本的というか、大幅に見直す必要ありという御意見はなかったと思いますので、本論点については、皆様から出された御意見を踏まえ、修正することといたします。

修正の仕方については、私に一任いただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○古城座長 それでは、私のほうで原案を修正した上で消費者委員会の本会議に報告することにいたします。


≪3.閉会≫

○古城座長 それでは、議論は以上といたします。

事務局から連絡事項はございますか。

○丸山参事官 本日は、熱心な御議論をありがとうございました。

今後の専門調査会等の日程につきましては、確定し次第、御連絡をさせていただきます。

○古城座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)