第18回 公共料金等専門調査会 議事録

日時

2016年4月14日(木)8:59から12:04

場所

消費者委員会会議室

出席者

【委員】
古城座長、井手座長代理、蟹瀬委員、古賀委員、陶山委員、矢野委員
【説明者】
電力・ガス取引監視等委員会事務局 新川取引監視課長
電力・ガス取引監視等委員会事務局 野沢統括管理官
東京電力エナジーパートナー株式会社 大亀取締役副社長
東京電力エナジーパートナー株式会社 河野経営企画室経営分析グループマネージャー
東京電力ホールディングス株式会社 経営企画ユニット 劉グループ事業管理室原価分析グループマネージャー
【事務局】
消費者委員会 黒木事務局長、小野審議官、丸山参事官
消費者庁 福岡審議官、澤井課長

議事次第

  1. 開会
  2. 電力小売全面自由化の現状に関するヒアリング
  3. 東京電力の原価算定期間終了後の事後評価に関するヒアリング
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○丸山参事官 それでは、定刻となりましたので、そろそろ会議を始めさせていただきたいと思います。

本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会第18回公共料金等専門調査会」を開催いたします。

本日は、所用によりまして、白山委員、松村委員、山内委員、消費者委員会担当委員の長田委員が御欠席ということで連絡をいただいております。

また、矢野委員のほうから、若干遅れるということで御連絡をいただいております。

それでは、議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。

お配りしております資料につきましては、配付資料の一覧の通りとなっております。

不足の資料がありましたら、事務局のほうまでお申し出いただきますよう、よろしくお願いいたします。

なお、本日の会議につきましては、公開で行います。

議事録につきましては、後日公開をすることといたします。

それでは、古城座長、議事進行のほうをよろしくお願いいたします。


≪2.電力小売全面自由化の現状に関するヒアリング≫

○古城座長 それでは、議事に入らせていただきます。

最初の議題は「電力小売全面自由化の現状に関するヒアリング」です。

今月1日より、電力の小売全面自由化が始まっていますが、本日は、電力・ガス取引監視等委員会におけるこれまでの取り組み状況等について、同事務局の新川達也取引監視課長、野沢直樹統括管理官にお越しいただきました。御説明いただきたいと思います。30分程度でお願いいたします。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 経済産業省電力・ガス取引監視等委員会取引監視課長をしております新川でございます。よろしくお願いいたします。

お手元に資料1という「電力小売全面自由化について」というタイトルがついております資料で御説明させていただきます。

1枚おめくりいただきまして「本年4月1日から電力の小売全面自由化が始まりました!」ということで御説明を書かせていだたいております。

家庭でも電力会社を選べるようになったということでございます。○○地方出身だから○○地方の電力会社から買いたいとか、今より安い電力会社に乗り換えたいとか、もちろん再エネを中心としている電力会社から買いたいとか、全国レベルで自由に電気を売れるようにするということで、そういった声に応えていけるのではないかと期待をしております。

電気代を少しでも安くということで、電力会社がもっと競争することで発電用の燃料コストが上昇する中でも、電気代を最大限抑制できるのではないかと期待しております。

時間帯別料金などを選んでいただくことで、我慢の節電から、ライフスタイルに合わせた節電、納得感のある節電に移っていただくことも可能になるのではないかと。

低圧の全面自由化でございますので、家庭だけではなくて、コンビニや町工場といったところも電力会社やメニューを選べるようになるものでございます。

2ページに、日本の電力供給の仕組みを書いてございます。

そもそも論ではございますが、電気というのは、発電所で作られて、送電線、変電線、配電線を通って各消費者の元へ届けられるものでございます。

このシステムを、発電部門と送配電部門、発電所から消費者までのところ、送電線、変電線、高圧配電線、低圧配電線を通るところまで、そして、小売部門は消費者とのやりとりまで、大きく3つに分けて考えております。

今回の小売全面自由化というのは、小売部門の参入が全面的に自由化されたものでございます。

消費者の方に御説明しておりますと、たまに電力会社を選ぶと電線がもう一本自宅に来るのですかという御質問を受けることがございます。電線はもう一本来ません。今あります旧一般電気事業者が運営管理しております送電線、変電線、配電線を使って電気が送られるものでございます。

3ページでございますけれども、従来は、各御家庭は地域の電力会社、関東地方であれば東京電力から電気を購入されておられました。

本年4月1日からは、一般家庭向けの電力の小売販売への新規参入が可能になりまして、全ての消費者が電力会社や料金メニューを自由に選択できるというものでございます。高圧以上、企業などの大口消費者向けの電気の販売は既に自由化されておるというものでございます。

一方、消費者保護のため、少なくとも2020年3月末までは、今と同じ電力会社・料金メニューで電気を買えるようになっております。経過措置メニューと呼んでおりますが、規制料金でございます。また、今と同じ料金メニューを継続する場合には、特段の手続は不要でございます。

後程御説明をしますが、今回の小売全面自由化で、4月1日までに1%弱の御家庭がスイッチをされている状況でございますが、これの99%以上の方は何もしない状態でこれまでと同じメニューを継続されていらっしゃるという状態であるということでございます。

また、新規参入者が電気を販売するには、政府に申請をしていただいて、登録を受ける必要があるというものでございます。後程リストのほうはご覧いただきますが、石油元売会社、通信会社、ガス会社、再エネ発電会社、不動産管理会社、鉄道会社、旅行代理店等、多くの業種から御参入をいただいているところでございます。

4ページは、自由化のこれまでの拡大を示しております。

多くの国民の方、消費者の方にとっては、自由化は、この年明け以降、一般向けの宣伝が始まりましたので、それを受けて急遽始まったという御印象を持たれる方が多いと思っておりますが、自由化そのものは2000年に開始をされておりまして、2,000キロワット以上、特別高圧の需要家から順次拡大をしてきていたという状態でございます。

2005年4月に50キロワット以上、高圧の需要家までは自由化をされていたという状態でございまして、この4月以降、全面自由化ということで、御家庭も含め、低圧の需要家が自由化をされたということでございます。

5ページでございますが、自由化部門におけます新電力の動向でございます。

「新電力」という言葉自体は、多少広がりつつあると思っておりますが、新規参入者のことを指しております。電力会社のことをよく「電力」と呼びますが、「電力」という言葉は、本来、電流掛ける電圧で規定をされる物理的な用語のはずでございますが、「電力」と呼ぶことがございまして、それまで新規参入者のことを「PPS」もしくは「特定規模電気事業者」と呼んでおりました。それでは分かりにくいということで「新電力」という造語が作られまして、これが新規参入者を表す言葉とされております。特定規模電気事業者という資格そのものはこの4月から無くなっておりますが、新たに参入した小売電気事業者のことを「新電力」と引き続き呼んでいこうと考えております。

そのシェアでございますが、特定規模電気事業者としては、約800社の届け出をいただいておりましたけれども、実際に電気の供給を行っておりましたのは1月の段階で118社でございました。50社、60社の状態が長く続いておりましたが、この4月からの自由化を見据えて供給を開始された方が多いという状態でございます。

また、シェアとしましても、4、5%が長く続いておりましたけれども、この4月の自由化をにらんで、1月に過去最高の8.9%を記録している状況でございます。

ただし、これは高圧以上のキロワットアワーでのシェアでございますので、今後、4月以降は低圧が入りますので、シェアとして全体として見ますと、1回落ちて、また上がっていくことになろうと考えております。

6ページでございますが、現在までに登録を受けております事業者の一覧でございます。全部で279社あるというものでございます。

旧電力会社、旧一般電気事業者でございますが、これはみなし小売電気事業者としまして、制度上、登録事業者とみなして扱うということとされております。

その下、旧電力会社の子会社でございますが、9社出てきております。個別の企業の御紹介は避けますが、多くの一般電気事業者の子会社が出してきているもの、また、1つの会社で複数の子会社を出してきており、自社エリア内と他社エリアに供給をしていく事業者を分けているような例も存在します。

現在の主要な新電力事業者ということで、大手の新電力の会社については、ほぼ全て出されてきている状況でございます。

右側、LPガス、都市ガス関係でございますけれども、東京、大阪、名古屋、もしくは福岡といったところの大手のガス会社に加えまして、地域のLPガス会社についても登録をされておられる状況でございます。ただ、ガス会社はもっと多くございますし、登録申請を受けてまだ登録をしていない事業者はおりますので、今後もさらに登録をされてくるものと見ております。

石油関係は9社出ておりまして、石油元売の主要なところはほぼ全て出揃ったという状態でございます。

通信・放送・鉄道関係で34社と書いておりますが、ケーブルテレビの1社が子会社を28社出し、地方ごとに会社を分けて登録申請をしてきておりますので、グループで考えますと7グループという状態でございます。携帯の大手、それから、東急沿線にお住まいの方はよく宣伝等をご覧になっているかもしれませんが、電鉄会社が1社出してきているという状態でございます。

7ページでございますが、再生エネルギー関連の事業者として、再生可能エネルギーの発電等を行っている会社で参入をされている会社が45社いらっしゃる状態でございます。

その他、104社ということで、この中には、商社もございますし、コンビニエンスストアをやっている会社もございますし、また、地域の名前を冠した会社も多くございます。今の電力会社が、地域、エリアの名前を冠しておりますので、都市の名前を冠した会社もしくはもう少し狭いエリアの地域の名称を冠した会社も多い状態でございます。中には再生可能エネルギーで供給をするとおっしゃっている会社もいらっしゃるのですが、私どもが今のところ聞いている限りでは、再生可能エネルギーよりもかなりの量を取引所で調達されるという事業者については、その他のほうに分類をさせていただいておりまして、再生可能エネルギーのほうには入れていない状態でございます。

8ページのほう、新料金プランの分類でございますけれども、これまでに発表されました新料金につきまして、特徴に着目して分類しますと、そこに書いてあるような4つぐらいはあるのかなと思っております。

段階別料金としまして、これまでの従量料金、従量電灯Bという最も一般的なメニューが第1段階、第2段階、第3段階で料金の水準が変わっておりますので、それと競争する関係で、新電力のプランも家庭に参入される方は、第1段階、第2段階、第3段階で差をつけるもしくは2段階制にするということをされておられますが、いずれにせよ、現時点で我々が認識している限りでは、逓増型と言いまして、使えば使うほど料金が高くなるという仕組みの料金体系を導入されていらっしゃる。

ただ、第3段階の上がり方が一般電気事業者に比べれば低いというところで競争されていらっしゃる例が多いということでございます。もちろん、第1段階、第2段階について、今までの一般電気事業者よりも安い料金を提示してそこで競争されていらっしゃる方もいる状況でございます。

右側、セット割でございますが、ガスや通信などとセットで販売をしまして割引を実施するタイプのものでございます。

時間帯別料金は、これまでも一般電気事業者がやってきておりますが、時間帯に応じて料金差をつけるというタイプのメニューでございます。

変わったところでは、節電割引というものがありまして、指定日時に節電をすると、実績に応じて割引を実施するというタイプのメニューも登場しております。

9ページでございますが、その他の電気料金のプランでございまして、単に電気料金としての単純な料金体系だけではなくて、再生可能エネルギーを中心としたメニューであるとか、地産地消型のメニューを提供するとか、発電所を特定できるメニューを検討されていらっしゃる会社もございますし、附帯サービスとしまして、駆けつけサービスであるとか見守りサービスを提供するとか、広島カープ応援メニューといったものを提供するような事業者も出ている状況でございます。

10ページでございますが、スイッチングの申し込み状況でございます。4月1日までの申し込みでございます。

広域的運営推進機関、OCCTOにおきまして公表されており、4月1日までの申し込みは53.3万件となっております。シェアで見ますと1%弱というところであると思っておりますが、これは件数でのシェアでございますので、正確なシェアそのものはキロワットアワーベースで計算をしておりますが、それは4月のまとまりのデータが出揃う段階でそれが公表されることになろうと思っております。

11ページでございますが、電気の販売契約を結ぶ際に、事業者が消費者に対しすべきこととしまして御説明を書いております。今回、電気事業法の改正によりまして、小売電気事業者は電気を売る際に書面を渡して説明することが法律上義務づけられておりますし、契約内容について記載した書面を消費者に交付することも同じく法律上義務づけられております。

説明義務・書面交付義務と呼んでおります。この説明義務の内容としまして、社名や連絡先、いつから電気を供給するのか、契約期間はいつからいつまでかと、これまで多くの消費者の方は電気に契約期間があるという概念さえ多分なかったと思っておりますが、今後は1年ないし2年という契約期間が設定される場合もあるということでございます。

また、期間が満了した場合の更新手続はどうなるのかという点。月の電気料金の算定方法はどうやっているのかということ。工事が必要な場合は余りないので1つ飛ばしまして、割引がある場合には幾らであってそれがいつまでなのかとか、もしくは解約をする場合の制約はあるのか。契約期間がある以上、解約金というものも存在する場合がありますし、解約手数料が存在する場合もございます。

12ページでございますが、電気の購入先を選ぶときに注意すべきこととして記載をさせていただいております。

まず、注意すべきこととしまして、登録を受けた小売電気事業者かその媒介・代理・取次であるかを確認しましょうと呼びかけております。登録事業者一覧については、経済産業省のホームページで見ることができます。

それから、契約の内容をきちんと確認しましょうということで、使用料は幾らか、契約期間、解約時の手数料は必要かということを確認しましょう、それから、連絡先を確認しましょうという呼びかけをさせていただいております。

13ページは、消費者からの相談事例としまして、国民生活センターに寄せられた声を記載させていただいております。

総体としては比較的落ち着いた滑り出しを見せたと思っておりますが、トラブルは皆無ではございません。我々のところでも、まだお電話をいただいて、相談、苦情等を承っておるところでございます。

記載させていただいております事例1は、知らない電力会社から「電気を安く提供できる」「自宅に上がり込んで設備を確認する」という電話があったということですが、恐らくアンペアブレーカーが何アンペアかということを確認したいのだろうと思いますが、それは検針票で確認できますので、上がり込む必要はないのでございますが、こういったことが業者から電話があったというものでございます。

事例2でございますが「電気代が4割安くなる」「行政の指導で年齢を聞くことになっている」という電話があったと。私どもは年齢を聞くという行政指導は一切行っておりませんし、恐らく他の官庁においても、この問題に携わっておられる官庁で、年齢を聞くという指導をされているところはないと理解をしております。また、4割安いメニューを提供している会社も存在しませんので、何らかの便乗商法をお考えの方がこういったお声がけをされているのではないかと思っております。

「電力自由化前に太陽光発電システムを設置し売電すれば儲かる」というお電話があったということでございますが、太陽光の買取価格の決定方式は自由化の前後で変更はないということについて呼びかけをさせていただいております。

14ページでございますが、電力小売営業に関する指針でございます。

1月22日に電力・ガス取引監視等委員会から経済産業大臣に建議をしまして、1月29日に経済産業大臣が制定をしたものでございます。

電気に関しましては、これまで適正取引ガイドラインというものがございました。これはさらに改定をし、公正取引委員会と共同で引き続き持っておりますけれども、これに加えて、今回、直接自由化で販売するということでございますので、小売営業ガイドラインというものは新たに制定をしたものでございます。

内容はそこに書いてございますが、需要家への適切な情報提供、営業・契約形態の適正化、契約内容の適正化、苦情・問い合わせ対応の適正化、契約の解除手続の適正化、そして、加えまして、供給条件の説明義務・書面交付義務の解説という構成になっております。

内容につきましては、15ページに記載をさせていただいております。

需要家への適切な情報提供は、望ましい行為と問題となる行為に分けておりますけれども、望ましい行為としましては「標準メニュー」を公表すること、平均的な電力使用量における月額料金を例示すること、他社からの切り替えの際に、前の契約の違約金などが発生しませんかということを需要家に説明をすること、呼びかけをすること、それから、自社のホームページやパンフレット、チラシ等で電源構成を開示すること、併せて、CO2排出係数を記載することなどを望ましい行為とさせていただいております。

次に、問題となる行為でございますが、請求書に記載しないなど、料金請求の根拠となる使用電力量の情報を需要家に示さないこと。電気の取引はキロワットアワーを中心に行われますので、何キロワットアワーを使ったか分からなくて、何円ですという請求をすることは問題となるというものでございます。

今回、一般送配電事業者の送電線、配電線を使って、託送を使って自由化をしておりますので、停電確率は皆同じということですが、にも関わらず「当社の電気は停電しにくい」という需要家の誤解を招く情報提供で自社のサービスを誘導することは問題となる行為としております。

それから、電源構成を訴求した営業行為を行う場合には、電源の割合の計画を示さないことや実績値を事後的に説明しないことを問題となる行為としております。

地産地消についても、地産地消を訴求した営業行為を行う場合に、発電所の立地場所や電気の供給地域について十分に説明しないことを問題となる行為としております。

16ページでございます。

契約内容の適正化としまして、問題となる行為として、不当に高額な違約金を設定するなど、解除を著しく制約する内容の契約条項を設けることを問題となる行為としております。また、解除手続や更新を拒否する手続の方法の明示をしないなど、解除を著しく制約する行為をすることを問題となる行為としております。

苦情・問い合わせへの対応としまして、望ましい行為として、送電線の切断など、送配電要因で停電していることが明らかな場合に、送配電事業者がホームページを通じて提供する情報を用いて、小売電気事業者からも相談や問い合わせに応じるということを望ましい行為とさせていただいておりますし、逆に、問題となる行為としては、消費者からの問い合わせに不当に応じないことを入れさせていただいております。

契約の解除手続の適正化につきましては、問題となる行為としまして、例えば、適切な本人確認をしないとか、需要家の意に反した過度な引き留め営業とか、解除の申し込みに速やかに応じないこと、そういったことを問題となる行為とさせていただいております。

17ページからは、今、私どもが取引監視等委員会で取引を監視している中で個別に改善指導などを行った事例について記載をさせていただいております。

まず、メーターの設置無料を「特典」と宣伝した例でございます。

スマートメーターの設置は無料でございます。送配電事業者が保有して、それを無料で付けるということでございますが、これを我が社と契約した場合の「特典」であるという宣伝をされた方がいらっしゃいまして、これについては、小売事業者に対して確認をしたところ、自分たちも問題だと思って、この代理店の店舗から撤去をしていたところ、一部残っていたものがあって、これが問題とされたものであるということで、改めて撤去をしたというものでございます。

事例2は、代理店の説明内容が誤解を招いた例でございまして、小売事業者Cの代理店での社員が、3月末までに新たな契約を決めないと電気が止まる旨の説明を行っているという相談がコールセンター宛てにございました。

小売電気事業者Cに確認したところ、CからDに対して確認をし、Dからは「3月末までに申し込まないとセット割引が適用できない」という説明をしたところ、誤解を招いたということであったということでございますが、いずれにせよ代理店Dから当該需要家に謝罪して改めて説明を実施したということでございます。

18ページでございますが、説明資料に誤りがあった例としまして、今回、登録制でございますが、認可を受けた事業者であるということが記載をされていたものでございますが、この誤りを指摘し、次回印刷分から記載を修正するということをしていただいております。

同じような例はホームページでも何社か見受けられまして、場合によっては許可を受けたという書き方をしている人がいますので、それは全て、あなた方は登録を受けただけであって、優良誤認を招くような記載はやめてくださいということを説明し、改善を図っていただいております。

代理店による検針票の写真撮影を行う勧誘例でございますが、代理店の方から、検針票の写真を撮られた、その後、承諾書に署名をするように言われて、信用できないと思い保留をしたと。後刻、業務提携をしているとされた小売事業者に電話で確認したら、そういう業務は行っていないと言われたという事例でございます。

これは小売事業者に対して確認・指導を行ったところ、まず、この代理店は自分たちの代理店ではあったと。しかしながら、その小売事業者のコールセンターがその代理店を代理店と認識していなかったので、この会社は違うと言ってしまったという例でございました。

検針票を写真撮影した後に、個人情報の取得をすることになりますので、それを説明し、その利用に関する承諾書を署名するようにお願いをしたところ、需要家の方はとにかく何か信用できないものにサインをすると契約になってしまうかもしれないと思ったという事例でございますので、そこの目的を適切に説明するようにしたということと、コールセンターにもこういう代理店がいるのですよということの情報共有を徹底したという改善が行われております。

19ページでございますが、不適切な営業活動として、現在、確認中の事案でございます。

コールセンター等に寄せられた苦情の中に、マル1と書いていますが、屋内設備の点検という名目で訪問を受けたが、点検はすぐ終わり、電気の営業活動を受けたと。そして、十分な説明もないまま、契約を締結したこととされたという事例が報告されておりますので、現在、事業者のほうに確認を行っているところでございます。

それから、居住している賃貸住宅の管理会社からしつこい営業活動を受けているという御報告を受けております。しつこさの程度は人によると思っておりますが、何社か不動産を管理している会社が小売電気事業の登録をしておりますので、特にそういった会社について、どういう営業の方法をしているのかということを確認させていただいているものでございます。

19ページの右側は、改善策を自主公表した事例でございまして、事業者によっては、自分たちで代理店の活動などをしっかり確認していって、例えば、署名の代筆をしてしまって御家族の方から怒られたという事例について、改善をすることを公表されているという会社もございます。

20ページ、電話によるトラブルの調査結果でございますが、電話調査を400名の方を対象に3月2日、3日で実施をさせていただきました。

下にグラフがございますが「四月までに何もしないと電気が止まる」というタイプの勧誘を受けたことがあるのが0.5%、「自社の電気は停電しにくい」というタイプの勧誘を受けたことがある方が0.5%、「倒産したら電気が止まるので自社のような大企業と契約を」という勧誘は0.2%、「メーターや設備の取り替えでお金が掛かる」という勧誘を受けたのが1.5%であったということで、全体としてみれば多くはございませんが、ゼロでもないということで、私どもはしっかりと、例えば、スマートメーターの取り替えは無料であるということ、それから、同じ送配電線を使いますので停電の確率は同じであるということ、「四月までに」という点、これは4月が終わりましたので終わっておりますが、そういったことについて、適切に説明をしていきたいと思っております。

21ページ、電力・ガス取引監視等委員会専用窓口への相談の状況でございます。

9月から12月の累計で34件でございましたが、1月に82件、2月に151件、3月は351件と、相談の件数は増加している状況にございます。

私も電話番を週末にさせていただいたりしておりますけれども、多くは自分の地域で電気を売っている方はどういう会社ですかとか、お得な会社はどの会社ですかとか、年度が明けてからは、引っ越しをしたので電気をつけてくださいというちょっと宛先が異なるお電話もいただいておりますけれども、やはり消費者トラブルに近いものも存在しております。

主な相談内容としましては、○○電力会社を名乗る者から、「スマートメーターを取り付けると電気料金が半額になる」との勧誘があったが、本当かということ、○○電力会社の代理店を名乗る者から、「料金プランをご案内するため、手元にある請求書の写真を撮らせてほしい。」と言われ、写真を撮られた上で、パンフレットと共に承諾書の署名を求められた。署名をしたら、契約締結となるのではないかと心配であると、これは先程の事例と同じタイプの業者の事例であると思っております。

それから、アパートやマンションでも電力会社の切り替えは可能か。これは一括受電マンションでなければ切り替えは可能でございます。

それから、4月までに契約しないとどうなるのかというお問い合わせでございます。

22ページは、私も説明会でさんざん説明させていただいておりますが、万が一、悪質な事業者の方がいらっしゃれば、例えば、国の登録を受けていないのに登録を受けたとか、5%安く売りますと言ったのにそれより高い料金を請求されたとか、1年分前金をと言われて払って以降は連絡がつかないとか、そういった悪質な業者がいたらぜひ私どもの委員会に御相談くださいということで説明をさせていただいております。

23ページは、今回、新たに付け加えさせていただきました。国民生活センターや、うちのコールセンターにいただいている事例をつぶさに見ますと、電力の小売全面自由化とは直接関係はございませんが、それに便乗して、太陽光発電、オール電化関連機器、蓄電池、節電器等の勧誘が行われている事例も発生していると思っております。

長期間・高額のリース契約を伴うものもございまして、特に事業者向けの場合にはクーリングオフの適用がないために、キャンセルに際してのトラブルの発生が存在していると理解しております。

この点について、消費者庁から、3月15日に注意喚起をいただいていると理解しております。

また、こういった機器の販売だけではなくて、発電設備を設置する土地の権利などへの投資を勧誘する投資詐欺もゼロではないと理解をしております。こちらについては、政府広報等で注意喚起がされているという状態であると理解しておりますが、私どもも、消費者または事業者向けに特にPRしていく必要があると理解しております。

24ページ、自由化に向けました消費者保護戦略パッケージということで、2月に消費者保護を強化するためのさらなる取り組みを発表させていただいております。

これまでの取り組みとしまして、各種説明会の実施ということで、おおむね100回程度の説明会をさせていただいております。私自身も、15、16回の説明をさせていただいているところでございます。

ポスター・パンフレットの配布・掲示ということで、ポスター2.5万枚、パンフレット15万部を作成しまして配布などをさせていただいております。

コールセンターの開設もしておりまして、平均30件の入電と書いてございますが、今は50件ぐらいでございます。増えた分は、引っ越しに伴う電気の開通をお願いしますというタイプが増えているだけでございますので、内容として増えているという状態ではないと理解しております。

関連ウェブページの開設等をしておりますが、パッケージの今後の取り組みとしまして、電力・ガス取引監視等委員会と国民生活センターとの連携協定の締結ということで、トラブル事例等を私どもがいただいて、問題があるものを早期発見するようにするということ、アドバイスについては、連名で公表するということをさせていただいております。

自由化キャラバンとしまして、消費者をターゲットに、イベントホールとか、商店街、ショッピングセンターで広報イベントを実施するとしております。

駆け込み寺ということで、3月の下旬から4月の中旬にかけて、電話番を置きまして、消費者からのお電話をお待ちするという対応をしております。また、NACSに御協力いただきまして「家庭向け電力自由化なんでも110番」を3月13日に開催をいたしました。私も朝から夕方まで対応しましたが、1日で31件のお電話をいただいたりしております。

あとは、広報等をさらに行っているところでございます。

主な説明は以上でございまして、残りは全て参考資料にさせていただいておりますので、質疑に応じて御説明させていただければと思っております。よろしくお願いいたします。

○古城座長 ありがとうございました。

御説明いただいた内容について、御質問、御意見のある方は御発言をお願いします。いつもの通り、御発言を希望なさる方は目の前の名札をお立てください。

蟹瀬委員、どうぞ。

○蟹瀬委員 大変詳細な説明をありがとうございました。

電気の自由化と、すごく大変なことをなさっていて、本当に御苦労さまでございます。

私は消費者としてちょっと聞いたところ、この資料を初めて見ますと、消費者として非常に役に立つのです。それで、こういうことだったのかということが大変良く分かります。

1つ、消費者の問題になっているところで、セット売りですね。どことセットにして買ったら安くなるよという売り方が割とあるのですが、セット売り自体が問題なのではなくて、そのセット売りされたものの一部を解約したいということになると、セット売りにしていますので、全部解約してやり直しということになったりすることもあるのではないかと。これは消費者がよく誤解をするところだと思うのですが、ただの解約ではなくて、例えば、セット売りの場合はどうなるのかということは、セットになっているから安くなっているわけですから、それを解約する場合は一部だけは解約できないことをきちんと説明をしておいたほうが良いのではないかと、私としては思っているのです。そういうことを今後どのように指導されるかという点が1点。

もう一つ、8ページの料金プランの分類なのですが、これはすごく分かりやすいのですが、これが一般の消費者の目に触れること。この形そのままということではないのですけれども、先程逓増型のものがある、使えば使うほど高くなるというものがあるということもあれば、セットだと安くなるということもあればという、この種類。一番皆さんが分からないのは、この新料金プランは何をベースにして安くなっているのかということや、最初は安いけれども、いっぱい使うと高いといった注意事項とか、今後、そういうことが一般の方に分かるように説明される計画があるのかどうか。資料が非常に分かりやすかったので、ぜひ消費者の方に御提案いただければと思います。

○古城座長 どうぞ。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 ありがとうございます。

まず、セット割については、私どもは小売営業ガイドラインを作っておりまして、今日はそこまで内容は説明しておりませんけれども、議論をし、それも含めた小売営業ガイドラインを作っております。

まず、セットで安くなるというのはどういうことか、ということをどこまで説明するかということでございますけれども、電気の料金は、まず、基本料金が幾らで従量料金が幾らですとはっきり書いてくださいと。例えば、通信だとしますと、通信で基本料金は幾らで従量料金が幾らですというのをはっきり書いてくださいと。セットで月々1,000円引きますというときにこの1,000円がどっちから出てきたかということについては、説明をしなくても良いですというやり方をとっています。

まずは、電気は電気、通信は通信ではっきり書いていただいて、料金の割引がまとめて出てくるというのは構いませんというところまでは言っておりまして、ある意味での一物二価になりますけれども、それを認めることで料金が安くなるのではないかと期待をしたということでございます。

あと、契約の期間は、新たに契約する場合には、電気の期間と他のサービスの期間をなるべく揃えてくださいというのが望ましい行為とさせていただいておりますが、期間がずれることもある。既に、例えば、携帯を契約しているときに、電気も契約してしまうとずれるときがあるのは仕方がないと思っておりますけれども、そのときには、ずれたらどっちを解約しても違約金が生じることがあるということを説明してくださいということを申し上げております。

そういう意味では、そもそもセット割のときに、何が割引の条件かというのを説明するのは省令上の義務でございますので、そのセット割においても、どちらを解約するとどういうことになるのか。例えば、通信のサービスをやめると電気の割引が無くなるということであれば、それは割引条件でございますので、それをきちんと説明していただくというのは省令上の義務ということになりますので、それを説明しないことは問題になる行為であるという理解のもとで対応させていただきたいと思っております。

今日の資料の中にそれを入れていなかったことは申しわけございません。この資料そのものは公開をさせていただいておりまして、私自身も十数回の説明会で大体似たような資料で説明をさせていただいておりますので、必要に応じて、説明を聞かれた方の中で流通するなりホームページに載せられる分にはお受けをしているところでございます。

あと、料金プランは何を基準にというのは、現在の規制料金はまだ経過措置料金として残っておりますので、関東で言えば多くの場合はその従量電灯Bの料金を基準に安いか高いかということが計算されている状態であるものでございます。

この経過措置料金が無くなるかどうかはまだもちろん決まっているわけではございませんが、仮に無くなった後、どうするかというのは、新たに考えなければいけないことにはなると思いますが、2020年3月末までは経過措置料金は必ず残りますので、そういった範囲の中では、それを基軸にしながら、何パーセントという会話がされるものだろうと考えております。

○古城座長 陶山さん、どうぞ。

○陶山委員 御説明どうもありがとうございました。

本資料のところでは24ページに関連して、参考資料のところでは41ページに関連して、御質問をさせていただきたいと思います。

現状でも各種の説明会が行われているとか、この調査会でもヒアリングをさせていただきましたが、国民生活センターと連携をされていると。非常に良い形で進んでいるのではないかと思っております。

ただ、それで十分にできるかどうかというのはまだこれからのことだとは思うのですが、各種の行政並びに消費者庁あるいは地方の消費生活センター等の連携が非常に重要になってくるかと思います。

参考資料の41ページのところに書いてございますが、今後の電力・ガス取引監視等委員会の体制が、地方局も合わせて110名と、当初よりは少し手厚くなったのかなと見ておりますけれども、具体的には、この地方局等の動きはどのような形で動いていかれるのか。

それから、本省の監視等委員会が国民生活センターと連携協定を結ばれたように、各地方局においても、その地域の消費生活センターなり行政なりとの連携協定を結ぶという形でしっかり体制も含めて進んでいく御予定かどうかを、まず、教えていただきたいと思います。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 ありがとうございます。

私たちは、4月1日からガスと熱が業務に加わりまして、名前も「電力取引監視等委員会」から「電力・ガス取引監視等委員会」に名前が変わっております。ガス、熱が増えた分で人数が増えたというのが今のところでございます。

本省と地方の関係で言いますと、電気については、今まで10電力会社でございまして、加えて今回は約270の小売電気事業者が出てきたということでございますが、基本的には本省で登録の審査も受け付けておりますし、必要に応じた監査も本省のほうで行かせていただいております。

従いまして、色々なルールメークをしていく、消費者の方々から御相談を受けて、それが正しいか正しくないかとか、事業者を呼んで指導するとかということは全部本省でやらせていただいております。

逆に、本省から地方に出向いての説明会ということで、説明会のリストはどこかに付けさせていただいておりますけれども、全国各地、全都道府県が終わっておりまして、ブロックだけではなく都道府県も終わって、今は市町村レベルまでおりております。葛飾区とか、練馬区とか、そういったレベルまで説明会をさせていただいております。

従って、説明という意味では、私どもの本省で集約したほうが良いのかなと思っています。

逆に、ガス会社は非常に地方に多く存在しておりまして、なかなか本省だけでは全てをグリップできない状態でございまして、これまでも地方局でガス会社に対しての監督はしてきております。この地方局の方々においては、主としてガス、熱といったところについて監督をしていただくことになろうと思っております。

国民生活センターは、特に地方との連携も非常に重要だとは思っておりますが、逆に、分からない者が伺って混乱を招いてもいけないと思いますので、今のところは本省のほうで集約をし、電気については対応させていただきたいと思っております。

○陶山委員 関連して、よろしいですか。

○古城座長 どうぞ。

○陶山委員 当初、ガスだけのときには地方局20人ということでホームページのほうに情報提供があったと思うのですが、増えたのは主にガス、熱の対応ということなのですが、その以前においても20名が配置されるということなので、そこは色々な苦情とかの受け付けとかをされると思っております。

今度の自由化については、先程スイッチングの数字も出ておりましたけれども、首都圏と地方とは非常に選択肢も違うし、状況も違うし、今後、起こってくるトラブルの種類についてもやはり色々な地域性等も含めてあるのだろうと思いますので、様々なトラブルの受け付け等については、地方局が果たされる役割は大きいのではないかと予測します。

きめ細かな対応と、これは希望になりますが、そこの地方局等も含めて、利用者から事業者から監督する行政等も含めてのリスクコミュニケーションの場を持っていただきたいと思います。現在は現制度についての御案内にとどまっていると思うのですが、将来的には、そのようなリスクコミュニケーションの場、制度、枠組みについてどうかということの意見交換もできるような場を、地方局等も入ってぜひ持っていただきたいなと思っております。

○古城座長 どうぞ。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 ありがとうございます。

地方局は、御指摘のように、電気において別に仕事をしていないわけではございませんので、トラブルの地方局への御相談というものもございますし、地方において、昔、特定電気事業と呼んでいましたが、自営線を使った電気の供給とか、そういったことの監督は地方局でやっておりますし、あと、特定供給というものもまだ制度としては残っておりまして、そういった許認可については地方局のほうでやらせていただいております。

御指摘のように、確かに本省だけで対応できるものではございませんので、地方局も含めて全国広く細かく対応していくことが重要だと思っておりますので、まずは本省で集約しつつ、ルールメークしながらも、地方局がそういった対応をきちんとできるように、私どものほうでも、地方局と共に、より全国を細かく消費者の方に対応できるように努力していきたいと思います。

○古城座長 それでは、次、矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 開始に遅れて来て申しわけありませんでした。

御説明をありがとうございました。

私のほうからは、1ページにあります小売完全自由化の目的と言いましょうか、電力システム改革の目的にも共通していますが、それに関して2点ほど、それから個別の質問を2点、合計4点を御質問させていただきたいと思います。

1点目は、1ページの目的の2番の電気代を少しでも安くと、いわゆる電力システム改革のところでは最大限電気代の抑制をするということですが、8ページに示されました新しい電気料金と従来型の電気料金でちょっと確認なのですが、従来料金のほうは、2020年までは少なくとも第3段階まで存在すると捉えてよろしいでしょうか。

そういう意味では、8ページのマル1を見た限りでは、むしろ第1段階、第2段階の方にとっては、新料金を選ばなければ大丈夫とは思うのですけれども、やはり電気料金を全体的に抑制するという意味では、新料金を選んだ形になればかえって高くなるということで、そういった全体的な電気料金の抑制に本当に寄与するのかどうか、その辺の見通しについてお聞かせ願いたいと思います。

2つ目は、目的の3番目ですが、ライフスタイルに合わせた節電をしていきましょうということなのですが、ライフスタイル自体は、どんな生活を送るかという、それぞれの利用者の価値観につながる部分だと思います。

中には、やはり節電をもっとしていきたい、それから、再生可能エネルギーを選びたいとか、様々にあると思いますが、そういったところでは、8ページのところでは、結局、節電志向に関しては、新料金を選べば一定電気料金が安くなるという、電気をたくさん使っても大丈夫なのだという感覚にならないだろうか。節電志向に少しブレーキをかけるような状況にならないだろうか。その辺については、どうお考えなのか。

先程色々な価値観があると申し上げましたけれども、再生可能エネルギーを選びたいとか、色々とこだわったものを選びたい場合に、実は情報がまだ不十分というか、特に電源構成や再生可能エネルギーについての表示がどうされているかということで、エネチェンジさんなどの電気料金の比較サイトでも一定そこは項目としてはあるのですけれども、具体的にどうなのか。電源構成が開示されていますよという会社は分かるけれども、どのような電源構成になっているのかというのは、個別にそれぞれの電力会社のホームページに行かないと見つからない。そして、そのホームページに行った場合に、すぐ分かるホームページと、どこを探したら電源構成が出てくるのだろうかということでなかなか見つからないという不便さも出ています。

そういった状況の中で、本当に選べる状況だったり、ライフスタイルに合った選択ができるのだろうかということと、まだ情報が十分に提供されていない中で、一定段階でそれぞれ評価をされると思うのですけれども、結構再生可能エネルギーを選んだ人は少なかったとか、電源構成にこだわった人は少なかったという評価がされるとなると、限られた情報の中でしか選び切れなかったというところでは、それはかえって評価の仕方にも影響を与えると思いますので、そのあたりと、国の施策がもっと強力にされれば、そういった節電志向やそういった表示に対しての義務化も当然登場してくるとは思いますけれども、そのあたりについて、今後、どう考えていらっしゃるかが目的についての2つ目の質問です。

個別の質問ですが、19ページのところに、調査事例の不適切な営業活動の左側のマル2ですが、居住している賃貸住宅の管理会社から、ぜひうちの会社でやっている新しい電気事業者のものを選ぶようにということがあったということの説明だったと思うのですけれども、今後、例えば、そのアパートに住むのだったらこの電力会社でないとだめよという可能性もなきにしもあらずではないかとちょっと懸念をしております。

そういったことに対しては、むしろ一括受電以外は個人であればきちんと選べることが基本だと思いますので、アパートを選ぶのに電力会社が指定されたところを選ばなければいけないような状況になりはしないか。その辺の懸念についてどうお考えかをお聞きしたいと思います。

最後の質問ですけれども、24ページ、様々な消費者保護の戦略パッケージということで、事業者以外にも消費者にもたくさんの色々な情報提供がされていますけれども、右側の電力自由化キャラバンですが、30カ所ということですが、既に終了したものは中延商店街だけなのか、30カ所の目標について、いつごろまでに終わられる予定か、それから、これは全国展開されるのかどうかについても、少しお伺いしておきます。

先程陶山委員から、ちょっと説明会の話も出ましたけれども、どうしても事業者中心の説明会になっていますので、一般利用者向けの説明会とか、様々な国民生活センターや地元の市町村、それから、消費生活センターとも連携しながら、なるべく地域の人にきちんと情報が伝わるような状況を、ぜひ経産省のほうでも作っていただきたいなと思います。

以上、4点です。

○古城座長 よろしくお願いします。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 ありがとうございます。

まず、8ページの料金プランの分類で、これはポンチ絵としての御説明でございますので、実際の実例というよりは、分かりやすくこういった形でお示しをしているものであることについては御了承いただければと思っております。

2020年3月末まで経過措置料金が続くということでございますので、経過措置料金は規制料金でございますので、事業者の方の認可申請があれば、当然、検討していくことになるわけでございます。

規制料金である以上、今後、色々な事情の変化により値上げもあれば値下げもあるということであろうとは思っていますが、この3段階の体系について変える計画があるとは私は聞いておりませんので、私の理解としても、この3段階は続くものだと理解をしております。

また、第3段のところでの競争は主として行われておりますが、先程申し上げましたように、第1段、第2段についても、金額が大きくはないと思いますが、電力会社のメニューよりも安いメニューを提示している事業者もございますので、そういった意味で、自由化の中でそういった部分を含めて競争される方と、第3段階を主戦場と考えて競争される方がいらっしゃるという状況であろうと理解しております。

同じように、節電の問題意識でございますが、経過措置料金をまずは残したことによって、逓増型の料金が多くの新電力の会社でも採用されていると理解をしております。

そういう意味では、逓増型というのは、基本的に使えば使うほどコストは上がっていく、単価は上がっていくというもので、他の国に見られているように、完全にフラットもしくは逓減型、使えば使うほど単価が下がるというスタイルではないという状態であると承知をしておりますが、まずはそれで全体の節電ということに関して効果が今までと余り変わらない状態ではあろうと思っております。

時間帯のところは、御指摘のように、それぞれの方の志向があろうとは思いますけれども、そういう単価を変えることでより節電しやすくなる方もいらっしゃるので、選んでいただく分にはそういった選択の中で選んでいただければということかと思っております。

サイトの表示について、電源構成の開示については、今日の御説明の中ではガイドラインの一部として簡単に御説明しただけでございますが、私どもの考え方は変わっておりません。望ましい行為として位置づけておりますが、積極的に政府としても促していくということについては、変わらず促していきたいと考えております。また、実際に事業者の声も聞いてみますと、消費者の声があるので開示をしたという事業者の方も増えてきております。他方、消費者の声がないので開示をしないという事業者の方もいらっしゃいます。

今回、調査を実施しております。まだかけたばかりでございますが、3月1日時点の開示状況と5月1日時点の開示状況を教えてくださいと。5月1日は将来でございますので、それに向けて開示をし、間に合わせて開示をしましたと言っていただくことも可能な状態にしての調査をしておりますので、そういう調査も通じて開示を広げていきたいと思っております。

御指摘のように、消費者の調査をして、再エネを選んだ人が少なかったということを、こういった開示の状況の中で断定することが不適切だということはおっしゃる通りだと思います。

現時点でこの取引の状況については消費者調査をやりましたけれども、どういうものを選びましたかということについて調査をする予定はまだないのですが、しかるべきタイミングではやらなければいけないことであろうと思っておりますので、行いたいと思いますが、その際には、今、御指摘いただいたような、そもそも選択肢がない中での話であることについては、十分認識した上で評価していくことが必要だろうと思います。

あとは、不動産とのセットでございますけれども、私どもは不動産系の事業者の方が登録される際には、必ず電気とセットにするということがあり得ますかということはお伺いをしておりますが、それにイエスと答えた会社は今のところはいないという状況でございまして、選択制にされているという理解をしております。

ただ、これは2つありまして、1つは、例えば、ホテルの中で電気を使うときに、一夜限りとはいっても電力会社を選ぶことはできないという形態がありまして、ウイークリーマンションはどうなるのか、マンスリーマンションはどうなるのかというときに、やはりそこは選べない人たちがいるということですが、それは今まで我々がウイークリーマンションやマンスリーマンションというものの理解を、そこは電気というサービスもセットで提供されるものだと理解しているので問題はないだろうと理解しております。

もう一つ気にしておりますのは、管理会社から、セットではないよと言いながら、突然、変更の手続の御案内と称して、選んだかのような御案内が来るような事例があるのではないかと思っておりまして、そういった事例がもしあるとすれば、それは問題がないわけではないと思いますので、今、事業者のほうにそういった事例がありますかということについて確認をしようとしております。

キャラバンでございますけれども、今日の時点で約半分強が終わったところでございます。全国各地でやらせていただいておりまして、私も福岡ではやらせていただきましたが、2月29日の中延から始まりまして、一番最後は4月29日の広島というものが予定されております。今は大体半分強が終わっているところでございます。

先程御質問いただいた中に、事業者向けの説明が中心で、一般向け、市町村向けが少ないという御指摘をいただきましたが、決してそんなつもりはございません。説明会の状況については、資料の50ページに記載をさせていただいております。ブロック別説明会も事業者向けではなく、消費者も含めた一般向けでございますし、都道府県向けは60回やっておりますが、これも全て含んでおります。

右側に、関係団体での説明会・勉強会で、消費者団体にもかなり説明をさせていただいているつもりでございますし、基本的には御要望いただいたものは一切断っておりません。土日も含めて御説明に伺わせていただいておりまして、もし新たな声があれば、いただければ、ぜひそこに参上して御説明をさせていただきたいと考えておりますし、これからも努力して、もちろん1億人全部にやることは不可能ですが、口コミというものもございますので、なるべく広く説明が伝わるように努力していきたいと思います。

○矢野委員 御回答、どうもありがとうございました。

説明会等も積極的にされているということで、引き続きよろしくお願いしたいと思いますが、先程2つ目の電源構成表示について、開示状況等をさらに調査ということで、積極的に促す取り組みが進められていることは大変良いのかなと思うのですけれども、開示状況を調査されるときに、どこに開示されているのか。ただホームページに開示されています、で終わっては、先程ちょっと言いましたけれども、ホームページのどこまで入り込んでいかないと分からないのか、やはり分かりやすい開示状況が非常に重要かと思いますので、その辺もぜひ調査の項目に入れていただくとか、それから、そういったところもぜひ積極的に促していただきたいと思います。

以上です。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 その点のお答えを忘れて申しわけございませんでした。

開示については、電源構成を開示していると言いながら、ホームページを階層的にずっと遡っていかないと分からない、もしくは、IRのページに開示がされているとか、そういった問題点については、私どもも認識をしております。

ただ、現在のガイドラインでは、分かりやすい場所の開示までは望ましい行為に入れていないので、ガイドラインを改訂することが必要ではないかという論点だろうと思っておりますが、これを改訂するには、制度設計専門会合で御議論いただくことが必要でございますので、そういったところで、いずれも自由化が始まりましたらガイドラインの小改訂はするという前提で、自由化で我々が気づかなかったことも当然あるでしょうから、そういったことを議論する場を設けて議論したいと思っております。

問題点については、私どもも同じ認識でございます。

○矢野委員 分かりました。

○古城座長 次、古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 どうも御丁寧な説明をありがとうございました。

蟹瀬委員もおっしゃったように、非常に分かりやすい、消費者がぜひ読むべき資料だと思うのですけれども、電力取引等監視委員会さんにも、これまで消費者として色々な要望を出させていただいて、誠実に対応していただいたことを、ここの場で改めて感謝を申し上げると共に、やはり今回の電力のシステム改革の中での小売の自由化は、事業者としても、また、生活をする消費者としても、大変革になるので、1つ、全体的な国から消費者への情報ということで強調していただきたいことがございます。

というのは、これは電気をどこからも自由に買えるという便利なだけのお話ではなく、実は今後は、小売の供給契約を結ぶという責任が消費者側にあるということだと、そこの認識から出発しないと、多分これから色々なトラブルがどんどん発生してくるのではないかと考えております。

私たちは消費者の立場から色々と考えているわけで、事前に消費者のトラブルを防ぐためには、今、一番何が必要かという点から、3つほど質問というか、要望をさせていただきたいと思います。

一つは、このように色々なチャネルで説明会をしていただいて、国民生活センターともタイアップしていただいて、なおかつ、取引等監視委員会の方が直接消費者からの相談に応じるという、そこまで体制を整えていただいたことは、非常に素晴らしいことではあるのですが、実際の消費者がこれから電気を選んでいくに当たって、一番問題になるのは実はコールセンターでの対応であったりとか、契約の内容がよく分からないまま契約してしまったという現場での問題が非常に多く出てくると思うのです。特に、1つは、媒介と代理という場合は、小売業者と契約者が分かりやすいので、責任がかなり明確に追及できると思うのですが、取次の場合の取次者に対する色々な規制とか監視というものについては、以前、取次者についても、登録までする必要はないかもしれないけれども、情報を把握し公表してほしいという要望をしたことがあると思うのですが、今後、そういうことについて御対応いただけないかということと、もう一つ、クーリングオフの関連なのですけれども、多分、訪問販売とか電話勧誘販売においてはクーリングオフの問題が出てくるのですが、クーリングオフの起算点は多分供給契約をした時点ということになると思うのですが、色々な売られ方をするので、実は実際に電気が来た段階で非常にひどい契約内容だったとか、そういう段階ではクーリングオフは全く適用できないような状態になっているので、このクーリングオフの期間を延ばすか、もしくは、クーリングオフの起算点を変えるようなことは検討できないかということを御質問させていただきたいと思います。

もう一つ、多分今年の3月からスイッチング支援システムというものが始まったと思うのですが、今、1点数パーセントぐらいのスイッチング率ということで、ここのところが消費者にとって実際に最終的には安定的に供給されるという担保はあるにしても、そのスイッチングをした場合に、果たしてうまく電気がちゃんと来るだろうかという不安のところが取り除かれない限り、スイッチングはなかなか進まないので、このスイッチング支援システムというものについての管理というか、監視を、今後、どのようにされていくかという、これら3点についてお答えいただきたいと思います。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 まず、コールセンターというのは、経済産業省のコールセンターもございます。恐らく御指摘をされているのは電力会社なり売るほうのコールセンターの問題ではないかと思いますが、確かに、今、つながりにくいとか、そういうお声はいただいていると承知をしております。

それ以前に、古賀委員からは、代理店やその媒介、取次もそうですが、誰が取次か分かりにくいという御指摘をいただいていると承知をしております。私どももその問題意識は持っております。

しかしながら、これもそういった開示を求めるには小売営業ガイドラインを改訂することが必要ではないかと思っておりまして、それをどうあるべきかということを、制度設計専門会合でいずれ議論することになるのだろうと思っております。

それから、クーリングオフにつきましては、まず、消費者庁に御礼申し上げたいと思っております。

元々電気の契約というのは、供給義務に基づく契約でございまして、クーリングオフをするとあとは誰も供給してくれないので、クーリングオフは適用除外にされているという性格でございましたが、逆に、それは限定列挙されているので、まずは解釈の問題として、4月より前に契約をしたものについてもクーリングオフが適用されるのだという解釈を明らかにしていただきましたし、さらに制度も改正していただいて、この4月以降もクーリングオフの適用対象にしていただいたということは大変ありがたいと思っております。

ただ、これは消費者庁のほうで制度を管轄されておりますので、起算点の問題もしくは期間を延ばすかについては、私どもはちょっとお答えすることはできないということについては、御承知いただければと思います。

それから、そのスイッチング支援システムそのものは、ある意味、コンピューターのシステムでございまして、これ自体が何か消費者の切り替えを促進する効果があるというより、スムーズな切り替えができるかどうかということであろうと思っていますので、これが安定的に運用されるということについては、引き続き広域機関と一緒に努力していきたいと思っております。

スイッチングで、先程1点数パーセントという御指摘がございましたが、これはエリアによって違います。関東や関西は1%を超えていると理解しておりますが、全体として見るとまだ1%まで届いていないのが4月1日の断面かなと思っておりますが、切り替えても実は電気の質が変わるわけではないという点について、例えば、経済産業省のビルは、2000年に自由化をした直後から、当時のダイヤモンドパワーに電源を切り替えまして、切り替え1号案件になった建物ですけれども、別に電気が停電したわけではなく普通に供給されておりますので、御家庭においても、切り替えたけれども、別にその質は変わらないということがだんだん御理解として実感として広がってくれば、そこの不安は消えていくということではないかと期待をしております。

今のでお答えになっておりますかどうか分かりませんが、お答えさせていただきます。

○古賀委員 その点ですが、クーリングオフとも関連するのですけれども、要するに、消費者の側としては小売事業者から電気を買うという意識があるのですけれども、一方では、託送契約というものがあって、送配電業者からの契約は見えない契約として消費者にとっても存在するわけですけれども、クーリングオフの場合はあくまでも小売供給のところとの契約を結んだということで、それをクーリングオフでやめることができるという権利なのですが、その供給自体の託送、送配電のところを送配電事業者の方が責任を持ってくれるので、電気の質が変わらないとか、消費者は被害を受けないという意識を持っていてよいと考えてよろしいでしょうか。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 御指摘の通りでございまして、クーリングオフで解除されるのは、あくまで小売電気事業に係る契約でございます。最終補償約款と離島約款については、解除すると誰も供給してくれなくなりますので、それはクーリングオフの対象外となっております。これまでの供給義務に基づく供給と同じ扱いでございます。

普通の小売電気事業者と契約をした供給については、クーリングオフの対象として解除できる。そして、御質問にありましたように、一般送配電事業者が管理する送配電線を通して電気が来ますので、そこの質は電力会社の選択によらず同じでございまして、停電とかが発生する確率も他の選択と同じでございます。

○古賀委員 むしろ消費者庁にそういう説明を皆さんにしていただきたいという要望です。ありがとうございました。

○古城座長 井手委員、どうぞ。

○井手座長代理 1つは、12ページ、先程から少し指摘がありましたように、注意すべきことというところで、小売電気事業者であるということは見れば分かるのですけれども、媒介か代理か取次かというのは、消費者にとってどう違うのかという、例えば、ソフトバンク電気と言っているときに、消費者は小売電気事業者なのかなとか、あるいは、ただ東京電力の代理店なのかなと、そういう媒介か代理か取次かというのを確認しましょうと書いていますけれども、消費者にとってどう違うのかというのがはっきりしないというか、これによって消費者がどういう影響を受けるのかというのをきちんと説明してほしいというのが1点です。

2つ目は、基本的に訪問販売とか電話勧誘とかで色々とトラブルがあるということですけれども、ウェブ上でやる場合に、エネチェンジとか、代表的なものがありますけれども、そういうものに対して監視等委員会としてどう見ているのかというか、そういう上でのトラブルとか問題点はきちんと見ているのかどうかというところが2点目です。

3点目が、スイッチングとかと出ていますけれども、基本的に競争が進展しているかどうかはどこで今後は見るおつもりなのかという3点をお願いします。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 ありがとうございます。

まず、媒介・代理・取次につきましては、資料の中で今日は持参をしておりまして、資料の40ページに3つの概念について整理をさせていただいております。

電気事業法では、今回、媒介・代理・取次の3つが規定をされたということで、認められているやり方として存在しています。

まず、代理については、多くの方が、自動車保険などで、大手の損保会社と自動車保険の交渉をしているつもりでも、実は話しているのは代理店であって、契約を締結するときには大手の損保会社の契約書等の契約をする。そういった形で御理解いただけるのではないかと思っております。

また、媒介についても、例えば、ガス器具を売っている会社、もしくは、ショールームに行って、そこでガス会社が電気を売っているものを紹介されて契約をするような場合というのは、紹介手数料がこのガス器具店に入るという意味で媒介と呼んでいるものでございます。

取次の場合には、この代理、媒介とは少し違いまして、出てくる契約書が先程の大手の損保会社のようなものが出てくるわけではなくて、この場合では電気の小売提供者の契約書が出てくるわけではなくて、取次店と小売供給契約をするという形のことを取次と呼んでおります。

そこが、この取次がなければ分かりやすいのにと言われているところで、そこが一番難しいところだとは思っておりますが、取次については、表示の方法について小売営業ガイドラインで議論をさせていただいておりまして、例えば「Powered by TEPCO」ですとか、そういう表示を求めることにしております。

ソフトバンク電気が、自分の電気を売りながらも、かつ、東京電力の取次店として電気を売っておりますので、彼らのメニューについては、自分のメニューと「Powered by TEPCO」と書いたものと2種類が存在するという状態になっております。

これは表示の問題でございますが、併せて電気の営業をする際に説明義務・書面交付義務がございます。その際に、自分は取次店であること、誰の取次店であるかということ、苦情処理については、引き続きその小売事業者が処理をするということについても、併せて説明するようにという義務を課しております。

もしその義務の果たし方が甘いという情報が得られれば、私どもでさらに個別に事業者に指導、勧告等をしていくことになりますが、今のところ、それに関しての苦情、相談等は個別にはいただいていないと理解しております。

それが1つ目でございます。

それから、2つ目の比較サイトの問題でございますけれども、幾つかのサイト、大手は今は2つぐらいで、あとは小さなところが幾つかあるという状態だと思っておりますけれども、そういう比較サイトが、実際には、郵便番号を入れるだけで自分の地域に供給されるかどうかというのが分かるので非常に便利ということで、今、広がりつつあると理解しておりますが、比較サイト自体はこの電気事業法の規制客体ではないという問題がありまして、これをどうするかということを、我々としては、制度設計専門会合でも議論をした上で、小売営業ガイドラインに電気事業者に対して、自分の情報が間違っているときには、それを訂正に行くことを望ましい行為と位置づけさせていただきました。

ただ、自分に不利な情報だと訂正に行かない場合もございますので、不当に訂正に行かないことは問題のある行為と位置づけさせていただいて、望ましい行為と問題となる行為の両面からこの比較サイトに関する事業者側の情報提供を縛るという形で対応させていただいております。

大手の2社については、私どもも意見交換をさせていただいておりますし、連絡も取らせていただいておりますので、もし何かそういった問題点が具体的にあれば、話を具体的にその2社ともできる状態ではある。

ただ、それはあくまで規制上の問題行為ではなくて、行政上の行為として意見交換ができるというものでございますので、事業者のほうを規制で縛るということにさせていただいているものでございます。

あと、スイッチングの進展をどこでどう判断していくのかという論点については、今、明示的に答えはございません。市場シェアというのは当然一つの指標であると思っておりますが、今後、いずれ2020年以降、経過措置料金をどうするかという議論が当然行われていくだろうと思いますけれども、そのときには、どういう判断基準でこの競争の進展を判断するかというのは非常に大きな論点であると理解しております。シェア以外にも見ていかなければいけない要素は多数あるだろうと思っておりますが、現時点ではそこまでの議論はしていないというのが今の状況でございます。

○古城座長 どうぞ。

○井手座長代理 一番最初の、媒介・代理・取次という、これは以前からホームページ等で説明されているので、私はよく理解しているつもりなのですけれども、これは消費者がここで確認しましょうと言われても、それでどう違うのかというのはやはり分かりやすくしないと、混乱をする原因になるのではないかと思っています。その点だけ。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 私の説明資料が至っていないということだと思いますので、改善したいと思います。ありがとうございます。

○古城座長 関連するのですけれども、40ページの取次がありますね。取次というのは、法律から見ますと、代理とか媒介というのは、こういうものがあっても、小売店と需要家の間に契約関係がありますから、契約上の義務は需要家に対して負うことになりますね。

ところが、右ですと、あたかも負わないような格好になっているのですが、取次の内容というのは、需要家に対して小売店が電力を供給することを取り次いで、その契約を結ぶのですね。そういうことではないのですか。これは何を取り次いでいるのですか。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 取次の場合には、小売電気事業者と取次店の間で取次契約を結んで、そして、その取次店が需要家と小売供給契約を結びます。ですが、電気の供給自体は小売事業者から需要家に対してなされることになっております。

法律上の義務は、小売電気事業者に係るものと、取次業者に対しても説明、書面交付義務という形での義務がかかるものもございますし、彼らに対しても、改善勧告、罰則等を打つことができますので、そういう意味で、消費者から見て取次店と契約をしたから非常に不利ということにはならないものでございます。

○古城座長 取次の内容というのは、需要家に電気を供給してもらうということを取り次いだという契約になっているのですか。取次の内容なのですけれども。

ちょっと細かい質問になり過ぎたので、これは後でよろしいです。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 これは法律論であると思いますので、後程うちの事務方とも相談した上でお答えをさせていただきたいと思いますが、取次というのは、自己の名をもって他人の計算において法律行為をすることを引き受ける行為をすると理解しておりまして、そういう意味では、取次業者が小売供給契約をするという法律行為を引き受けたということで、取次契約が行われているものと理解しております。

○古城座長 陶山さん。

○陶山委員 これは要望になるかもしれませんが、一括受電に関連してです。

21ページのところで、アパートやマンションでも、電力会社の切り替えは可能かのお答えとして、一括受電マンションでなければ切り替えは可能ということで、逆に言えば、一括受電では不可能ですよという回答がなされているかと思います。

先程、関連してのお話も出てきていたのですが、マンションの不動産会社等があって、そこが賃貸に出すケースも触れられたのですが、マンションの管理組合自体が変えましょうかという検討をするケースもあるのではないかと思います。そのときのリスクなりプロフィットについても、やはり分かりやすく説明をいただくことが必要ではないかなと思っております。

分譲というか、共同住宅と言いますか、マンションに暮らす人はどんどん増えていっておりますので、そういうケースもたくさん出てくると思いますので、ぜひとも一括受電でなければ大丈夫ですよ、だけではなく、管理組合として判断するときにこういうことに気をつけないといけませんねとか、判断した場合にはこういうメリットもありますということも加えて御案内いただければと思っております。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 若干難しいのは、高圧一括受電は、マンション全体として高圧需要家として供給者を選んだことになりますので、選んだ以上は、内部は私的自治ということになりますので、電気事業法の規制は及ばないものになります。

小売営業ガイドラインでは、マンション一括で電気を供給する事業者に対しては、この電気事業法と同様の説明義務・書面交付義務を果たすことが望ましいとは書いておりますけれども、これは電気事業者ではないということでございますので、法律上の義務は実際にはかかっていない。その中で、望ましいとして呼びかけているという位置づけでございます。

高圧一括受電で、確かにマンションも特に首都圏は多いですし、増えている状態であると思いますが、そこを選ばれるという私的自治を選んでしまわれた以上、法としてできることはない状態であると。

ただ、一括受電はそういうものですよということを呼びかけることは可能だと思いますので、説明手法のほうは、今後、工夫していきたいと思います。

○古城座長 どうぞ。

○陶山委員 ここの21ページが、監視等委員会への相談状況ということで、監視等委員会からのレスポンスというか、そういう回答であろうと読みましたので、そのときに、法律の望ましい行為という、小売電気事業者に求める望ましい行為としてだけでなく、監視等委員会のほうから消費者への情報、丁寧な説明という形で、今、お話をしたというところなのですけれども。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 今日の説明の時間が30分ということで24ページにさせていただきましたが、48ページに、日ごろ説明会で使っておりますコンテンツも含んでおりまして、国民の皆様から多く寄せられる御質問・お問い合わせのところで「マンションに住んでいるが、電力会社を選べるようになるのか?」と、もう少し丁寧に、一括受電の場合にはできないですよということを、趣旨としては書かせていただいております。

加えて、Q&Aと呼んでおりますけれども、もう少し細かな質問、消費者からいただく様々な御質問について、ホームページで公開をさせていただいております。これよりさらに細かなことまで記載をさせていただいております。委員会ができてすぐに10月頃に公開をさせていただいていて、色々な関係団体の方や関係省庁の方にも御協力いただきながら、ブラッシュアップをしてきております。今、70問弱ございますが、その中でもこの一括受電の問題を取り上げさせていただいて記載をさせていただいておりますし、あと、類似の問題で、色々な我々が想像もつかないような御疑問を皆さんから多くいただいておりますので、そういうものもどんどん充実させて、分かりやすい情報提供に努めていきたいと思います。

○矢野委員 時間がないですか。追加質問は駄目ですか。

○古城座長 今、矢野さんからもうちょっと質問したいという御要望があったのですけれども、次の議題もございますので、ちょっと我慢していただいて、次の御説明に移りたいと思います。

≪3.東京電力の原価算定期間終了後の事後評価に関するヒアリング≫

○古城座長 続いての議題が「東京電力の原価算定期間終了後の事後評価に関するヒアリング」です。

消費者基本計画においては、平成24年7月の東京電力による電気料金値上げ後のフォローアップを行うこととされており、本年3月及び4月に開催された電力・ガス取引等監視委員会電気料金審査専門会合では、料金原価と実績表の比較と、原価算定期間終了後の事後評価が行われたと聞いております。

このため、本日、東京電力エナジーパートナー株式会社より、大亀薫取締役副社長、河野秀昭経営企画室経営分析グループマネージャー、東京電力ホールディングス株式会社より劉伸行経営企画ユニットグループ事業管理室原価分析グループマネージャーにお越しいただきました。よろしく御説明をお願いしたいと思います。

また、電力・ガス取引監視等委員会事務局の新川取引監視課長、野沢統括管理官におかれましては、引き続き審議に御出席いただきます。

本件につきましては、事前に委員の皆様から寄せていただいた質問事項を参考資料3の通り取りまとめており、東京電力及び電力・ガス取引監視等委員会事務局より回答をいただくこととしております。

それでは、質問事項への回答と併せて御説明をお願いします。東京電力エナジーパートナー株式会社及び東京電力ホールディングス株式会社については、30分程度、電力・ガス取引監視等委員会事務局については、10分程度でお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○東京電力エナジーパートナー(株)大亀取締役副社長 東京電力の大亀と申します。

今日は、電気料金の値上げ後の話ということで御説明をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

まず最初に、御存じかもしれませんけれども、この4月1日で東京電力は分社化をいたしております。東京電力から分社化して、東京電力ホールディングス株式会社という親会社という形になりまして、事業会社として3つの会社を設立、分社化しております。火力、燃料を担務する東京電力フュエル&パワー株式会社というところ、ネットワーク、送配電事業者の東京電力パワーグリッド株式会社、それから、私どもは小売電気事業者ということで東京電力エナジーパートナー株式会社の3つになってございます。今日は、ホールディングスと我々エナジーパートナーと来てございますので、よろしくお願いしたいと思います。

それでは、資料に沿って説明いたします。

資料2をご覧ください。

2ページは、2012年の料金改定をしました概要でございます。2012年5月11日に経産大臣宛てに原価算定期間を2012年度から2014年度の3カ年とします申請をさせていただきました。その際、公聴会ですとか、電気料金審査専門委員会、消費者庁様での色々なチェックを経まして、7月に認可をいただいたわけですが、規制部門で平均8.46%の値上げという形になってございまして、2012年9月1日から実施をさせていただいております。

下にはその総括的な表を載せてございますが、真ん中の欄の一番下に、茶色に塗ってございますが、その中での経営効率化の額として期待され、織り込まれていますのが、マイナスの2,785億円でございます。それから、色々なチェックのもとに査定していただきました額としては、841億円を織り込まれた上での値上げという形になってございます。

4ページは、原価算定期間の3カ年における収支実績でございます。

下の表の通りでございますけれども、規制部門におきましては、3カ年ですが、480億円の当期純利益、自由化後においてはマイナスの480億円、たまたま数字がプラスマイナスで一致してございますけれども、そういった形になってございます。

これは、原子力発電所が全機停止しまして、火力発電を増加させますので、燃料費が増加する中で、緊急避難的な繰り延べを含む徹底したコスト削減に努めましたことから、規制部門におきましては、黒字、利益率が1.7%、自由化部門は、燃料費の負担増が規制部門に比べて収支に大きく影響をいたしまして、赤字、利益はマイナスで1.6%となってございます。

5ページは、そのそれぞれの12年から14年の3カ年のそれぞれの収支を公表してございますけれども、それを参考として付けてございます。

6ページですけれども、これは規制部門と自由化部門の利益率が少し乖離しておりますが、その原因について要因分析をしたものでございます。

その要因としましては、自由化部門は規制部門に比べまして電気料金のうち可変費の占める割合が高いものですから、原子力の停止に伴いまして燃料費の増加影響が相対的に大きく表れています。

それから、もう一つ、大きな要素がございまして、規制部門は自由化部門に比べて電気料金のうち固定費の占める割合が高いものですから、コスト削減という方向のことになりますと、影響が規制部門のほうにより大きく表れるということになります。そういったものを補正すると、乖離の割合は縮小することになります。それを試算的にしたものが、その下に数字で付けてございます。

7ページにポンチ絵みたいな形で、イメージ図を掲げておりますので、そちらのほうで概念をお話ししたいと思います。

7ページの図で、一番左側は売上高を示しています。規制部門と自由化部門ですけれども、大きくは違いがない、ほぼ1対1だと、売上高的には思っていただければと思います。

一番下に、規制部門、自由化部門の販売電力量と書いてありますが、1,000億キロワットアワー、1,600億キロワットアワーと、電力的にはこういうウエートになっているということでございます。

その1つ右側ですけれども、そこは燃料費の負担増の影響について書いてございます。これが約2,400億円の原子力の発電の停止によって燃料費負担が増えたということでございますが、上に書いてございます可変費につきましては、燃料費等の販売電力量に応じて発生する費用なのですが、これが規制部門と自由化部門で4対6ぐらいのウエートになります。これは先程左側で販売電力量が1,000億、1,600億と言いましたが、大体それに似たような割合になってくるということでございます。

燃料費が増えますとその分、キロワットアワー、可変費が4対6で6が多いものですから、自由化部門のほうがプラス1,400、規制部門のほうは1,000億という形になります。規制部門のほうは上がり方が相対的に小さいという形になります。

そうしたところで利益率の影響としてはその下に書いてございます。マイナス方向になりますけれども、規制部門がマイナス3.4、自由化部門はマイナス4.8の影響になってくるということです。

その右側はコスト削減の深掘りの影響ですが、これが4,200億円というモデルになってございますが、そうしたときにコスト削減につきましては可変費的な要素と固定費的な要素と両方ありますが、可変費のほうは先程と同じ4対6のウエートでございます。固定費のほうは逆に規制部門のほうが固定費のウエートが高くて、逆の6対4という感じになります。

固定費、可変費を分解するとご覧のような形になっています。特に一番上の固定費のところでは1,500億と900億、合わせて2,400億が固定費のコスト削減ということになるのですが、これを削減すると規制部門のほうが1,500億ということで、相対的に大きなコスト削減の影響が出てくるということになります。

そうすると、下に利益率への影響と書いてございますが、規制部門はこれで7.8%利益率が上がってくる。規制部門のほうは6.7%上がってくるという形になります。2つの燃料費を合わせて考えますと右側のところの棒グラフになってくるわけですが、マル1とマル2を合計しますと規制部門が4.4%プラスの要因になってくる。自由化部門のほうは相対的にちょっと低くて、プラス1.8%になってくるという形でございます。

一番右側ですけれども、規制部門がプラス1.7%、自由化部門がマイナス1.6%の利益率と書いてございますが、これが先程4ページで説明した利益率になっているのですが、今の燃料費の増加とかコスト削減が無かったとすればその下の補正前ということですけれども、規制部門はマイナス2.7%の利益率、自由化部門はマイナス3.4%の利益率という結果になったであろうと試算してございます。

そういった意味で縮小をする、イコールこういった要素が、利益率が乖離している要因かと分析してございます。

8ページをご覧ください。前提諸元なのですけれども、下に表がございますが、販売電力量につきましては、原価に織り込んでいたものよりもマイナス134億ということで大分減っています。為替レートは19.1ということで円安方向。原油はマイナス。原子力は利用率18.8%と一部織り込んでございましたけれども、稼働はしてございませんのでゼロという形です。平均経費人員につきましては890人のさらなる削減というものを、希望退職も含めてやった結果として出てきてございます。

その下には需給バランスということですけれども、基本的には原子力が停止をしましたので、その分石炭とかLNGの比較的安いものを優先的に動かして、発電としてはカバーしているという形になります。

9ページをご覧ください。全体の概観ということでございますけれども、右側に色で幾つか結んでございますが、大きな要素としてはマル1、マル3、マル4は燃料価格の変動要因ということでございます。ここについてはトータルとしてマイナス40億円ということです。

大きなところはその下のマル2、マル5の要素、販売電力量の減少による影響ということですが、これによってマイナス1,100億円くらいであろうと。

もう一つはマル6の原子力の停止による影響ということで、マイナス2,250億円の影響であろうと。

その下に書いてあるのはマル7、マル8のコスト削減ということです。これにつきましてはプラス3,350億円という形でございます。

一番下に総括的に書いてございますが、今回の3年間というものをトータルして大きな枠で見ると、販売電力量の減少に伴う収支の悪化、原子力発電所が動かないままであったということによる燃料費の増加が大きくて、それについてはコスト削減の取り組みによって挽回をしました。結果として先程最初に説明したプラマイはありましたが、トータルすると収支中立みたいな形になっていると理解してございます。

続きまして10ページをご覧ください。各費目の内訳ということでございます。

赤枠で囲ってあるところが、各費目の原価の織り込みに対しまして実績がプラスになったところを示してございます。

人件費のところは、後程説明しますが処遇制度の改編による増などがその要因。

燃料費のところは、先程来申し上げました原子力の停止による火力の焚き増しということです。

購入電力料のところは、ここも電気を買ってこなければいけないということで自家発火力からの受電の増。

原子力バックエンド費用につきましては制度の改編による影響がございます。

11ページは諸経費につきましての内訳です。諸経費全体では10ページの一番下にもありましたが、実績としては340億円のマイナスということになってございますが、それぞれ細かい内容がたくさんありますので、ここで記載してございます。

その中でもプラスになっているものをかいつまんで説明しますと、上から7、8番目ぐらいのところにあります委託費が26億プラスになってございます。これは右側に書いてございますが、福島第一原子力発電所の関係する賠償対応の費用がかなり増えているという形でございます。

もう一つ、諸費が127億円のプラスとなってございます。これにつきましても右側に書いてございます。炭素クレジットの償却をしたものが42億円あったり、セキュリティー強化に伴うパソコン環境等がございます。

寄付金団体費も若干記載してございますけれども、寄付金につきましては、電気料金の少額のものにつきましては、会計上は償却をいたします寄付扱いという整理になりますが、これが大宗でございます。

団体費につきましては各種団体への支出ということで、この内容につきましても毎年部門別収支でホームページに公表してございますけれども、プラスの方向になってございます。

12ページをご覧ください。人件費ということですけれども、当社は年収削減ですとか1,000人を超える希望退職などによって効率化の深掘りに努めております。

一方で、新・総合特別事業計画に基づくコスト削減計画の超過達成分の一部を原資とします「処遇制度の改編」を実施したことによりまして、人件費は136億円増加しているという状況でございます。

その下に詳細が書いてございますけれども、色々な御議論も経まして一段の人件費の深掘りで2012年度より一般職20%、管理職30%の減額という形で査定もいただきましたし、そういった形でやってございます。

2014年度の下期から一般職、管理職共にマイナス10%の水準に「処遇制度の改編」をしてございます。

人員につきましては、元々の料金への織り込みというのもマイナスの削減目標というのを掲げておりましたが、さらに希望退職制度も取り入れましてマイナスになっているということでございます。

13ページに処遇制度のことを少し掲載してございます。これは年収削減の長期化、限られた人員での業務継続、将来への不安などから、将来の経営を担う若手を含めて有能な人材の流出が高水準で継続をしていました。人材面の劣化が加速することが懸念されておりましたので、そうした中で総合特別事業計画の人事改革の一環として、社員が意欲を持てるようになる企業にということで、コスト削減をした超過分が出てくれば、その一部を個人業績に応じた処遇に反映する仕組みを導入いたしました結果でございます。

14ページをご覧ください。燃料費・購入電力料等ということでございます。

ここにつきましては先程来申し上げております原子力発電所の停止の影響によって、この燃料費・購入電力料は大幅に増加をしてございます。

特にその下の表にございますが、LNGが計画よりもさらに大きく数字が出ていますが、ここにつきましては稼働率、比較的石油に比べると単価が安いところもございますので、稼働率を向上させたり試運転を前倒ししたりという努力をしてございます。石炭も同様の取り組みをやってございます。石油はなるべく動かさないで済むような形に、色々な試みをして焚き減らしをしてございます。

購入電力料につきましてもプラスになっているのですが、安価な自家発から新たに契約を結んで買ってくるとか、契約を継続するといった取り組みをしてございます。

15ページは今、私が申しましたものをもう少し詳しく記載してございますので、御参考にしていただければと思います。

16ページは今の火力発電のメリットオーダーと言われているのですが、安い順に高稼働とするようなことで運用を図ってございます。

表がありますが、横軸は利用率です。利用率というのはどのくらい稼働をしているかという稼働率みたいなものとイメージしていただければと思います。縦軸は単価ということです。キロワットアワー当たりの燃料費の発電単価と思っていただければと思います。

そうすると左上から右下ということで、値段の高いものは利用率が低い。値段の安いものは利用率が高いという形で、日々こういったものを管理しながら運転をしてございます。

17ページは、キロワットアワー当たりの単価ということでまとめてございます。1つ目のリストマークのところに書いてございますけれども、単価にした場合に実績が原価を上回っていますということで、表においては一番右下に2.09と書いてございますが、プラス2.09円ということになってございます。これはまさに原子力が停止したことによる化石燃料というか火力発電の増加ということで、その要因というのがプラス2.11です。2.09の表のすぐ上にございますが、その影響が大宗でございます。

18ページをご覧ください。経営効率化につきましてでございます。

経営効率化は下の一番左に時系列で書いてございますけれども、赤字で書いています電気料金の改定の前提においては2012年5月の総合特別事業計画をもとに、コストにつきましても電気料金の原価織り込みをしてございます。

その後、2014年1月の新・総合特別事業計画を出しました。これにつきましては柏崎刈羽の再稼働が見通せないということもございまして、収支目標を達成できない恐れが出て参りました関係で、緊急避難的なコスト削減を行うために新・総合特別事業計画という形でさらなるものを織り込んで改定をしたという形でございます。

その後、生産性倍増委員会というのを2014年9月にさらなるということで立ち上げてございます。

その数字的なものが19ページからございます。計画からの深掘りということで、例えば表の一番右下をご覧いただきますと、電気料金の中に織り込んだものというのが2,785億円の計画をしていましたが、実績としては6,975億円ということで、4,190億円の経営効率化、コストダウンをしているということでございます。

少し詳しく書きましたものが、20ページから21ページに人件費からその他の諸経費まで書いてございます。

例えば20ページの修繕費のところを見ていただくと、主な削減の深掘りの内容ということで追加施策として、リスクの再評価による緊急避難的な繰り延べということで、保全の高度化による火力部品の取り替え工事延伸ですとか、詳細な劣化評価による鉄塔塗装の繰り延べですとか、これはほんの一例ですがこういったこと等々、それぞれの費目におきまして、色々な取り組みをした結果ということでございます。

22ページをご覧ください。その結果といたしまして原価算定期間、2012年度から2014年度におきましては、何とかコスト削減等も含めて規制部門においてはぎりぎり黒字を確保している状況ということでございます。

2015年についてはまだ収支、これから決算発表というのが今後出てくるということになって参りますが、全社大での黒字達成が見込まれているところではありますが、燃料費調整のタイムラグの一過性による影響が大きいところもあって、引き続き厳しい経営環境ということで認識してございます。

その下のところに書いてございます電気料金の改定につきましては、柏崎刈羽原子力発電の稼働の状況が当然のことながら今のところは全く不透明ということでございますので、そういった状況と費用全般の動向、需給見通しといったものを総合的に勘案して、今後判断していくということになろうかと思ってございます。

24ページ以降は先日の経済産業省においての1回目の審査専門会合で色々と御意見、御質問をいただきまして、それにつきまして第2回目の審査専門会合におきまして、24ページ以降の資料を用いて御説明をさせていただいたものでございますので、概要を御説明いたします。

24ページは部門別収支のホームページの掲載箇所の問題でございます。実は少し分かりづらいところに入っているということがございまして、今、作業をしておりますが、今後分かりやすいところに掲載していこうというところでございます。4月1日以降、私たち東京電力エナジーパートナーのホームページで御提供したいと思ってございます。

下に書いてございますが「電気料金の事後評価」という項目をクリックしていただくと中身が見られるという感じに考えてございます。

そのページの右下にありますけれども、トップ画面で「プレスリリース・お知らせ」というところがありますけれども、そこのところで公表した時点におきまして、こういうものを公表しましたということをそこに載せます。そこからも見られますし「ご家庭のお客さま」「法人のお客さま」というところがトップページにございます。そこをクリックしていただくと次の階層にくるのですが、25ページの階層におきまして「電気料金の事後評価」というところを掲載していますが、これをクリックしていただくと事後評価の内容にそのまますぐ入れるという形で、今日の時点ではまだだと思いますけれども、間もなくリリースできるようにやってございます。

26ページは「緊急避難的なコスト削減の実施による安定供給への影響」ということで、コスト削減を色々とやったときに安定供給は大丈夫かというお話をいただきました。これについてですけれども、下にマップがございますが、発生の可能性ですとか色々なコストダウンの案件がございますけれども、それについて社会的な影響度と発生の可能性で、ここはイメージでございますけれどもプロットをいたしまして、その中で、点線で囲ってございますけれども、発生の可能性が低くて社会的な影響度も比較的小さいと思われるようなものは繰り延べたりとか中止したりとかということです。

逆にそれが高いものですと、そういったことはできないということで、これは本当に広範囲の停電の発生の可能性があるとか、法令等を含めて判断をしてやっているということでございます。いずれにしても、安定供給が第一だということを御説明させていただいてございます。

27ページはその内容の例示でございますので御参考ください。

28ページですけれども、電源構成の開示をここから3ページ書いてございます。これは石炭ですとかLNGですとか、そういった火力発電のウエートを高めているという説明をしましたけれども、今後そういった電源構成の実績とかを含めてどうするのかというお話がございました。

28ページは小売の指針の抜粋が書いてございますが、今後、2015年度実績以降は私たち東京電力エナジーパートナーとして情報を開示していきたいと思っています。基本的には小売の指針に即した形で出していく方向で、社内で検討をしてございます。

29ページから30ページは今まで出していますホームページに載っているものでございます。29ページは電源構成。30ページにつきましてはCO2の排出量、排出の原単位というものを今も載せてございます。

31ページは事業団体費に係る会計上の整理はどうなっているのかという御質問もいただきましたので、それについて記載してございます。基本的には「電気事業会計規則」にのっとってということではございますが、電気事業の一般的運営に専ら便益を供するための団体に係わる費用として、そういったものは事業団体費に整理するということになってございます。それに即してやっているということでございます。

32ページでございますが、利益の使途はどうなのかということですが、以下の通り御説明をしてございます。

これは2014年の決算プレスの内容をそのまま抜粋してございますけれども、経常損益は1,673億円の黒字、当期純損益は4,270億円ということになっておりますが、利益剰余金というものはマイナス4,776億円となってございまして、引き続き財務状況が脆弱だということでございまして、当期純利益につきましては、安定供給上必要な設備投資とか財務体質の改善等に充当しておりますということで、決算発表のときに資料を出してございます。

こちらにつきましては以上の通りなのですけれども、参考資料3で事前に皆様から御質問をいただいております。これにつきまして若干説明をしたいと思ってございます。

まず、現行の料金変更認可申請命令に係る基準ということでございまして、この御質問的には規制部門と自由化部門に分けて今後も評価していくと書いてあるのだけれども、規制部門というのは具体的にどういう人を指すのか。経過措置料金の人で良いのだろうかという御質問でございます。基本的には我々もその通りだと理解をしてございます。

今年度以降も経産省令にのっとって、部門収支を規制部門と自由化部門という形でやっていきますが、規制後の対象となるのは特定小売供給約款、これはいわゆる経過措置料金ですね。これで御契約をいただくお客様を規制料金として、そちらのほうで分離していくという形で考えてございます。

2つ目は経過措置料金なのですが、今後、企業としてどのように管理していくのかという質問で、効率化などは値下げにより反映をされることがあり得るのか、分社化との関係はどうなのだろうかという御質問です。

ここにつきましては、この4月の分社化以降はそれぞれ、先程申しましたが会社がございますので、それぞれの会社がそれぞれの会社の費用を管理していくということにはなります。

私たち小売電気事業者としましては、例えばネットワーク料金につきましては新電力の人と同じように託送の約款に基づいて同じように扱われますので、それに基づきまして我々もお金をその会社に払っていくという立て付けになります。

電源調達の費用につきましては自分のグループのフュエル&パワー株式会社もございますが、その他の会社さんなども色々ございますので、いずれにしてもできる限り安い電源調達を目指していかないと我々も競争に勝てませんので、そういう協議をいつでも進めていくということになります。そうした上で、契約をどこの会社とも結びますので、その契約に基づいてお金を払っていくという形になると思っています。

続きまして、原価算定期間内における利益の使途ということでございますが、ここにつきましては先程も御説明いたしましたけれども、決算発表のときに外向けに御説明させていただいておりますけれども、安定供給上必要な設備投資並びに財務体質の改善に充当をしてございます。

コスト削減に色々と取り組んだ結果として、2014年度においては、先程ございましたけれども規制部門、自由化部門双方について黒字になりました。その結果、私が御説明したものに充当したということでございます。

次が人件費につきましてでございます。御質問のところは総合特別事業計画ではどのようなスキームが想定されて、現在までどういう業績に応じて処遇改善が行われてきたのかということでございます。

これにつきましては先程少し御説明いたしましたけれども、超過達成の一部を原資にして、個人業績に応じて処遇に反映することにしたものなのですけれども、2013年度におきましては新・総合特別事業計画上計画が7,862億円に対しまして、実績が8,188億円、超過の金額としてはその差分で326億円の超過になります。それが原資ということでございます。

ちなみに2014年の計画におきましては5,761億円に対しまして、実績が8,573億円ということで、2,812億円の超過になってございます。

これを受けまして、処遇の改編という形で、2014年の下期に14%カットの水準に見直しをしてございます。そのコストダウンの継続を受けまして、現在は5%のカット水準まで見直しをしてございます。

続きまして燃料費・購入電力料のところでございます。これにつきましては購入電力料の増加について自家発からの受電が実績を上回っているのはどういう要因ですかということかと思います。これについては原子力の稼働がままならなかったものですから、その分安い電気をできるだけ買ってくるということで、協議によって契約が終わるはずだったのを延長したりとか、新しいものを契約してきたりとか、協議をして量を増やしていくとか、そういったものを事後的に事業者さんと協議をしてやったものでございます。

○古城座長 今のところは単価が上がったということではなくて量が増えたということですか。

○東京電力エナジーパートナー(株)大亀取締役副社長 量が増えたほうが要因としては大きいです。

○古城座長 単価も上がっているのですか。

○東京電力エナジーパートナー(株)大亀取締役副社長 単価も若干上がっています。

経営効率化のところで、生産性倍増委員会の話でございます。生産性倍増委員会につきましては、今日の資料を後程ご覧いただければと思いますけれども、資料3で2014年12月に出した合理化レポートを参考に出しております。

そのときの検討体制も右下に記載をしてございますけれども、主催が当社の会長でございます。外部有識者の方も入っていただきまして、色々と徹底的に検証していくという形をとってございます。

そうした中で「生産性倍増に向けた10のチャレンジ」というものを策定しながら、さらなる持続的なコスト削減を実行するために取り組みをやってございます。

2015年1月からはトヨタ自動車の元常務さんにも特任顧問として来ていただきまして、我々の取り組みを加速させていただいてございます。

経営効率化の深掘り関係でございます。修繕費のところの最初の部分でございます。

ここにつきましては単価の提言ですとかコスト削減を継続的に見込めるものがある一方で、リスク再評価による緊急避難的な繰り延べの大宗というのは、柏崎の見通しがつかなかったことによる緊急避難的な支出の繰り延べを含めたコストカットとなっておりますので、今年度の負担を中長期的に抑制していくことが必要かと思っています。

そうしたこともあって生産性倍増委員会でさらにやっていかないと、後でその費用が、繰り延べたものがぶり返してくることになりますので、今、そこの抑制等を含めて一生懸命頑張っているというところでございます。

深掘りのところにつきましては、再稼働の遅延に対応すべく、全社一丸となったコスト削減の施策を検討した結果実現できたものと思ってございます。

もう一点、次のところは燃料費・購入電力料のところで、同じ趣旨の御質問をいただいてございます。当社の中では、先程言いました高効率のLNGですとか石炭火力の稼働率向上が必要だということで、トヨタのほうから来られた顧問の指導のもとで定検のさらなる工期の短縮等に向けた取り組みを推進していますし、高経年化の火力のリプレースですとか、燃料調達、運用面で中部電力さんと連携して推進していったり、そういったことのサプライチェーンのあらゆる段階での燃料コストの戦略的削減を分社化のもとに強力に推進していきたいと思っています。

計画の深掘りにつきましては再稼働遅延に対応すべく、先程と同様ですけれども粘り強い交渉によってコスト削減の深掘りが実現できたと思ってございます。

1点抜かしたところがございました。

再稼働により値下げが行われる可能性はあるのかという御質問がございます。先程説明の中で言ったところもございますが、全面自由化にもなって競争にもなってございます。経営環境とか市場動向などを総合的に勘案した上で判断していきたいと思ってございます。

説明が長くなって申しわけありません。

○古城座長 今のは、再稼働したからと言って値下げするとは限りませんということですね。

○東京電力エナジーパートナー(株)大亀取締役副社長 基本的にはそういうことが念頭にございますが、今の時点では明確にはお話しはできませんが、それも含めてなるべく我々も競争に勝つためでもございますし、皆さんに御迷惑をおかけしているところもありますので。

○古城座長 最後のところは、それは明言できませんということですね。

○東京電力エナジーパートナー(株)大亀取締役副社長 はい。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 それでは、続きまして経済産業省電力・ガス取引監視等委員会から御説明をさせていただきます。

お手元の資料4、参考資料1、参考資料2が配付されております。恐縮でございますが、参考資料1のほうから御説明をさせていただきます。

参考資料1は3月22日に開かれました第12回の電気料金審査専門会合で事務局が提出をした資料でございます。

3ページでございます。現行の事後評価のシステムについて記載をさせていただいております。「電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議」報告書というのがございまして、料金設定後、原価算定期間内においては決算発表時等に決算実績、収支見通し、利益の使途、効率化の進捗等について評価を行うと共に、部門別収支を公表すること。

原価算定期間終了後は、マル1に加えて原価と実績の比較等について規制・自由化部門に分けて評価を実施し、必要に応じて料金変更認可申請命令の発動の要否を検討することが提言されているという状況にございます。

これにつきまして、経済産業大臣から審査基準というのが25年3月19日付で改定をされております。我々はストック管理と呼んでおりますが、内容は4ページに記載をしております。現行の料金の変更認可申請命令の発動の要件としまして2つのステップがあるというものでございます。

ステップ1というのは電気事業利益率による基準でございまして、電気事業利益率の直近3年度平均が10社の過去10年度平均を上回っているかどうかで確認をするというものです。

これを満たした場合にはステップ2ということで、規制部門の累積超過利潤による基準または自由化部門の収支による基準ということで判断をしまして、いずれかを満たす場合には変更認可申請命令が発動されるとなっております。

これを評価したのが5ページでございまして、東京電力の電気事業利益率でございますが、24年度、25年度、26年度の3年平均で1.6%のプラスとなっておりまして、10社10年平均が3.4%ですが、そこにはまだ届いていないという状態であるということから、変更認可申請命令の対象とならないということを確認したという状況にございます。

6ページでございますが、東京電力、北陸電力も書いていますが、個別計算の概要ということで記載をしております。この内容については先程大亀取締役から御説明がございましたので、内容の説明は割愛をさせていただきます。

9ページに東京電力の24年から26年の料金原価と決算実績の比較ということで書いております。24年から26年度という原価が適用される期間の累計と決算の累計を比較したものでございます。

項目として見ますと、燃料費のところがたくさん掛かっていると。原価と決算で見まして決算のほうが高いというものです。逆に修繕費は下がっておりまして、減価償却費も下がっております。他方の燃料費と同様に、原子力発電所が動かなかったということもあって購入電力料が増えている。公租公課は減っておりますが、バックエンド費用は少し増えている。その他経費は減っているというのが、この3年間の原価の状況でございました。

13ページは消費者庁からの意見への対応ということで、今回ここで御説明をさせていただく契機になりました経済産業省と消費者庁とのやりとりで我々がフォローアップしていくということと、消費者委員会でこうやって御説明させていただく契機になったことについて記載をさせていただいております。

参考資料2は今、東京電力から御説明があったものを受けて、4月5日に電気料金審査専門会合を開いたときの資料でございます。

3ページでございますが、規制部門、自由化部門とも実績が料金原価を上回っているという状態で、実績としては原価よりもコストが掛かったという状態でございます。経営効率化による修繕費、諸経費の低減により実績が原価を下回っているものを平成25年4月から順次稼働を想定していました柏崎刈羽原子力発電所の停止、燃料価格の上昇等に伴い、燃料費、購入電力料の実績が原価を上回っているとしております。

人件費でございますけれども、東京電力は新総特を策定しまして、経済産業大臣の認可を受けております。

この中で10年間のコスト削減目標4.8兆円を超過達成した場合には、超過達成分の一部を原資として震災後削減している従業員の処遇の一部を改善する施策を導入ということで、この段階での評価としましては、改定前は管理職が30%、一般職が20%カットという状態から、管理職、一般職14%カットまで戻したということでございます。

燃料費・購入電力料についても前提緒元等を見ますと、販売電力量、発受電電力量は料金改定時の想定よりも減少している。

原油価格は小幅ながら下落しておりますが、為替レートが大幅な円安になっておりますので、全体としての燃料価格は上昇傾向にあると理解しております。

稼働を想定しておりました柏崎刈羽原子力発電所が3事業年度を通じて非稼働であり、発電量が減少したため、代わりに火力の焚き増し、他社購入の増加ということで不足を補ったと理解しております。

6ページでございますが、原子力バックエンド費用も増えておりますが、会計制度が25年10月1日より発電量に応じて費用計上するという方法から、定額法で費用計上する方法に変更となっておりまして、これで原子力発電施設解体費が58億円増加しているという状況でございます。

停止に伴ってバックエンド費用は一部減少しておりますが、解体費の増加はそれを上回っておりますので、全体としてはバックエンド費用が14億円増加しているという状況と理解しております。

規制部門と自由化部門の利益率の比較でございますが、先程480億のプラスと480億のマイナスがちょうど数字が合っているというお話がございましたが、そこの部分でございます。原子力発電所の全機停止によりまして燃料費(可変費)が増加する一方で、緊急避難的な繰り延べを含む徹底したコスト削減は主として固定費で行われております。

結果、キロワットアワーが相対的に大きい自由化部門で燃料費増のマイナスの影響が大きく生じている一方で、規制部門においてよりコスト削減に成功し、プラスの影響が大きく生じているということだと理解しております。

また、経営効率化の取り組みについては先程東京電力から御説明がございましたが、原価時の想定と比較しまして実績で4,190億円、約2.5倍の規模の経営効率化を実施していると理解しております。特に修繕費、燃料費、購入電力料、その他費用で想定を上回る効率化を実施していると理解しております。

この専門会合の資料の議論を踏まえて、資料4でまとめ案ということでまとめさせていただいております。まだ案となっておりますのは、あす15日に電力・ガス取引監視等委員会の本委員会が開かれまして、そこで御報告をさせていただいて「案」を取るということを現在予定しておるものでございます。

まとめ案の1でございますが、料金原価と実績費用の比較としましては、個別費用が料金原価を上回っている以下の4つの項目について増減要因を確認して、結果、合理的な理由なく料金原価を上回る実績となっているものはないことを確認したという状態でございます。

2ページでございますが、規制部門と自由化部門の利益率の比較でございます。24年度から26年度の原価算定期間における規制部門と自由化部門の利益率についてはプラス1.7%、マイナス1.6%の差異が生じていると。

同期間の販売電力量は規制部門と自由化部門で1対1.6となっておりまして、電気料金のうち電力量に応じて発生する可変費の割合が自由化部門は高くなっていると。また、料金原価上稼働を想定していた原子量発電所が一切稼働しないため、焚き増し、受電増ということで可変費が増加していると。

規制部門は低圧のみに必要な配電設備の各種費用が発生することから、自由化部門と比較して電気料金に占める固定費の割合が高くなっております。また、経営効率化によりコスト削減効果は可変費・固定費共に生じておりますが、特に固定費でのコスト削減は進んでいるということから、原子力発電所の停止、火力の焚き増しに伴う燃料費の負担増の影響、利益を減らす効果が、可変費比率の相対的に高い自由化部門に大きく影響を及ぼしている一方で、コスト削減効果のほうは固定比率の相対的に高い規制部門で大きく影響を及ぼしていることから、利益率は規制部門がプラス、自由化部門がマイナスになっているということです。

結果として、規制部門と自由化部門の利益率の乖離は合理的な要因に基づくものであることを確認したとさせていただいております。

3番目、経営効率化の取り組みでございますが、稼働を想定していた原子力発電所が原価算定期間を通じて非稼働となり、火力電源の焚き増し等により収支が厳しい状況の中で、大臣の認定を受けた新総特に基づき10年間で4.8兆円のコスト削減施策が講じられたということで、料金改定時と比較して実績が2.5倍となっておりまして、深掘りが行われたことを確認した。

また、コスト削減対象の選定に当たっては安定供給を前提として、リスクの発生可能性及びリスクの発現時の社会的影響度の2つの観点をベースとしたリスクマップを活用して、投資・修繕等の案件を評価して、相対的にリスクの低い案件について投資の繰り延べを行うなど、リスクに応じた不要不急の案件を中心にコスト削減が進められていることを確認したとさせていただいております。

いただきました御質問でございますけれども、一番上については役所への御質問でもあろうと思っておりますが、現行の料金変更認可申請命令に係る基準のところで、従来通り「規制料金メニュー(経過措置料金)」のサービスを提供している部門の収支と考えてよいのかということでございますが、御理解の通りでございます。規制部門は経過措置料金でのサービスを提供している部門を対象とします。

従来通り「規制料金メニュー(経過措置料金)」のサービスを提供している部門の収支を対象として事後評価を実施するとしております。ただし、この部門が自由料金でのサービスを提供している場合には、その部門は除くということになるものでございます。

以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。

御説明が予定より長くなってしまったので、時間がこちらの予定よりも大体20分ぐらい遅れてしまっているのですけれども、御説明いただいた内容に御質問、御意見のある方は御発言をお願いします。

そこで新川課長は早目に退席だというので、まずは監視委員会への質問を特に必要な方は先行させてお出しください。

よろしくお願いします。

○井手座長代理 よろしいですか。

印象なのですけれども、最初の申請のときに10.28%から8.46%まで下げたというのは、色々なコストを削減して料金の値上げ幅を抑えましょうという話で、今回東電は計画よりも深掘りしてコストを削減したのだけれども、それを料金値下げに使わないというのは全く国民には説明がつかないと思います。というのは、消費者委員会でよく人件費が取り上げられますけれども、深掘りしたものを人件費に充てました。これは新・特別事業計画に書かれているからということですけれども、やはり他の電力会社と比べて人件費はどうなのかとか、年俸制に変えたわけですから過去からのトレンドというか比較もできなくなっていますよね。

そういう意味で、利益を上げたものをそこに使うということよりも、まず料金値下げとか、あるいは機構に各電力会社が出している一般負担金を少し軽減するために出すとか、こういうのが社会に対して東電がやるべきことではないかと。そういう意味では監視委員会の料金査定も、私は非常に甘いのではないかと。

確かに新・特別事業計画に書かれているので、人事制度を変えるというのも必要ですけれども、世の中に対して説明がつかないと私は個人的には思うのです。

別にお答えは結構です。私の受けた印象です。

○古城座長 今のは御意見ということで。

陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 東京電力さんのほうから御説明いただいた資料2の31ページの「事業団体費に係る会計上の整理」ということで、これは規則、要領に基づいて整理して、そのようにしましたということなのですが、この後、九電、関電等が値上げをされましたが、東京電力が値上げのときには対象で許容されたものであって、九電、関電のときにはそれは原価から除外されたというものがこの中にありますでしょうか。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局野沢統括管理官 野沢です。

団体費につきましては基本的に申請ベースで確認しておりまして、真に電気事業運営に必要な団体費について認可しているという形になっておりまして、電力会社によっては地域に密接するような団体について団体費を出しているところもありますので、そこについては公表を前提で認可しているという形になっているので、今、東電さんで言うと4団体になっておりますが、各電力会社については実態に合った団体費というのも認めているケースもあります。

○陶山委員 申請に基づいてそれを審査したという立場に。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局野沢統括管理官 そうです。それでまた公表を前提としているということで、査定しているという形になっています。

○古城座長 あとはいかがですか。

古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 退席されるというので監視等委員会さんに御質問したいのです。

今後の料金の査定のあり方なのですが、経過措置期間内の料金については、現在のような事後評価も含めたフォローアップというのは今後もやっていただけるのかということと、消費者庁へのこういう問いかけもあるのかということと、託送料についてのチェックというのは今後取引監視等委員会の中でどのようにされていくのかという2点をお尋ねいたします。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 お答え申し上げます。

事後評価については、参考資料1、2の中には東京電力だけではなくて北陸電力、中国電力、沖縄電力も入っております。

東京電力も料金改定を行って原価の洗い替えをしない限り、こうやって同じ形で引き続き毎年フォローして、必要なデータについては事業者のほうでも公表していただくという形での対応をしていきます。

消費者基本計画の工程表にも記載されておりますが、今年度はさらに他の会社が原価期間を終えるものがございますので、今日は東京電力についての御説明でございますけれども、他の会社についてもこちらのほうで御説明をさせていただくということになります。

多分、今、ここに3年度分記載をされておりますので、それは順次こちらのほうで御説明をさせていただくということを想定しております。

○古城座長 1つだけなのですが、先程原発再稼働があっても値下げするとはならないというお答えがあったのですけれども、私は、それはおかしいと思うのです。

原発が止まるのでコストがこのように掛かるからと値上げの説明をしたわけですね。それで原発が動いたときには、その要因は無くなったのだから元に戻すということが原則であって、東京電力の説明だと他の事情があって、他のお金が掛かっているのだから、それと相殺したら値下げできないこともありますという御説明だと思うのですけれども、それだったらもう一回原価を洗い替えして再スタートを切らなければおかしい。それなしで東京電力だけ有利に、値下げ要因がありますけれども値上げ要因もありますからと、これで相殺しますというので、誰の審査も受けずに、そういうことはできない。制度上それはおかしいのではないかと私は思うのですけれども、東京電力はどうお考えなのですか。

○東京電力エナジーパートナー(株)大亀取締役副社長 私どもも今、柏崎の6・7号機につきましては。

○古城座長 ともかく時間もありません。簡潔にお願いします。

○東京電力エナジーパートナー(株)大亀取締役副社長 先程も申しました通り、今の時点で必ずというところは今、ここではお答えできませんけれども、そういったことを含めて検討していきたい。

○古城座長 いや、今どうなるかではなくて、原発が止まったからというので、コストがこう変わるからと査定して料金を上げたわけですね。それが無くなったらどうなるかというところに戻せるはずでしょう。どうしてそうならないのですか。値上げ要因がなかったと仮定して、どうして戻せないのですか。

○東京電力エナジーパートナー(株)河野経営企画室経営分析グループマネージャー 補足になりますが、平成24年のときに値上げをお願い申し上げた際の前提としましては、原子力の稼働を先程の資料の説明にもございましたが、発電量にいたしまして240億キロワットアワー稼働を織り込ませていただいてございます。

これは例えば110万キロワットのユニットが大体三基稼働する前提になっておりまして。

○古城座長 それは分かっているので簡潔にお願いします。

○東京電力エナジーパートナー(株)河野経営企画室経営分析グループマネージャー ですので、販売電力量も減っているということもございまして、これで一基・二基稼働した際に収支の状況がどのようになっているかというところを含めて、収支見通しを現在出せていないような状況でございますので、収支の状況がどうなるかというところをまず見通せないというところを御理解賜りたいと思っております。

○古城座長 それは分かっているのです。

私が言っているのは、原価査定を受けずに原発が動いたのに戻さないのであったら、もう一度出直して、こちらでコストを削減しましたが他の事情でコストが上がっているのですとか、そういうことをちゃんと出して役所の査定を受けてくださいというのです。そちらのお話だけで事後的な事情を織り込んで、それで何の査定もなしに、そうしたら隠れた値上げではないですか。値下げ要因はあるのですけれども、色々なものを流し込んできて料金は下げませんというのですか。それはそのようにお考えなのですか。

○東京電力エナジーパートナー(株)河野経営企画室経営分析グループマネージャー 事後的なチェックということで毎年部門別収支を算定した上で、中身について人件費ですとか燃料費ですとかそういったものの原価からの乖離というのは御説明させていただくということには。

○古城座長 いえ、他のことと違って原発は特別ですよ。原発はあのような大幅な値上げをして、みんなもそれは我慢して値上げしたのですから、その値上げ分が無くなったらその分は値下げしてもらわないと。他の事情との相殺というのは、今おっしゃっているのですけれども、色々事情が変わっているのですから、もう一度同じ料金査定を受けてください。そうしないと辻褄が合わないでしょう。

はっきりと値下げ要因があるのですけれども、その分値下がらない。実はこういう事情もありますからと言って、その事情は前のときは見ていないのでしょう。

○東京電力エナジーパートナー(株)大亀取締役副社長 先程もありましたように、18%の稼働、今は全くゼロで織り込んでいるわけではなくて、原子力の一定の稼働を織り込んで今の電気料金の水準というのがございますので、そこも考えていきたいと思っております。

あとは経産省さんのほうのそういった色々な仕組みの中で、我々も考えていきたいと思います。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 よろしいでしょうか。

まず変更認可申請命令として考えると、先程のストック基準があって、これを満たすかどうかというのは、制度をころころ変えるわけにはいきませんので、まずそれで命令の発動としてはこういう基準で判断をしておりますというのはありまして、その上で今の東京電力の料金というのは、原発はある程度動くということを仮定して作っているもので、それが動いていない。しかし、さらなる値上げはせずに、さらにコスト削減をしてきたというのが今の状態でございますので、さらに原発が動くと我々も当然それは期待をしておりますし、それに向けて経済産業省としても努力していかなければいけないと思っておりますが、動いた後に効果がちゃんと出るようであれば、当然我々としては値下げを行うことに期待はしますが、それが事業者としての判断であるというのがまず建前としてはあって、その上でどうしていくのかをきちんと議論していくということだと思っていまして、別に下がったものを東京電力は今後放置していくということを我々として望んでいるわけではございませんので、そこは厳しく見ていくということだと思っております。

○古城座長 今の説明になかったのですけれども、値下げ命令制度で賄うと、今の制度についての私の理解は、料金査定をすると、これは3年間の収入とコストだけ見てやっているわけです。3年後に色々な事情が変わっているのだから、本来はまたここで査定し直さなければいけないのですけれども、それをやると非常にコストが掛かるからやめましょうと。値上げについてだけ認可をしますと。値下げについては届け出で良いですと。ただ、本当は色々な事情で値下げできるのに値下げしないという事態があり得るわけでしょう。それは実質値上げと同じですよね。値下げできるのに値下げしないと。原価より高い料金というのを、形式的には値上げではないからというので値下げしないと。これはやはり国民の利益を損なっているのですから、それを避けるためのフォローアップということで、電力会社は今の情報を提供して、値下げする状態ではないのですという説明をして国民に納得をしてもらう。役所はそれをチェックするためにこの監視制度で処理するという立て付けになっていると思うのです。

ですから、東京電力は値下げさせずに済むということをちゃんと説明できなかったらおかしいわけです。それをちゃんとやってもらわなければいけない。

もう一つは、他の事情というのは色々細かな値下げ、料金原価の違いがあるのですけれども、原発は特別でかいのです。物すごくでかいわけですから、これは無くなったら当然のことながらあのように値上げしたのを下げてくるに決まっているとみんな思うわけです。それを他のコストが掛かったからとかそういうので相殺して、特別な利益がないからと言うので値下げ命令ができませんということでやっていくのではなくて、そのときはもう一回、私は制度の作りから言って、このような重大要因があるのに値下げできないのであったら、やはり原価をきちんと洗い替えして、値下げできませんとしないと、これはおかしいと思うのです。

大幅な値上げをするときにあれだけ国民が騒いで、役所も力を入れて、我々も力を入れている。値上げ要因が無くなって、元の原価に戻らないというのだったら、これは困りますね。それで今の制度が対応できないのであったら、制度に欠陥があると思います。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 原子力の再稼働は非常に機微な問題であると思っています。地元の関係もございますし、今、この瞬間まだ再稼働が見通せているという状況ではございませんので、そういった中で発言は慎重であるべきであろうと思っております。

○古城座長 分かりました。

ですから、それは明言してもらうというわけではないのですけれども、フォローアップの性格とかそういうものについて、我々はもっと大事なものだと思っているのです。原価算定期間が過ぎたのですけれども値下げできませんということを事業者が説明する。この機会がフォローアップなのですから、重大な値下げ要因があった場合にも関わらず、値下げできない理由は何なのかというのはきちんと国民が納得できるように説明する必要がある仕組みだと私は思っているということだけです。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 ありがとうございました。

私どもも現時点で原子力発電所が動いていないので、仮定の質問にお答えするのはなかなか難しいですが、状況が変わればまたその変わった状況に応じた、しっかりした対応が取れるようにフォローアップをしていきたいと思います。

○古城座長 私がしゃべってしまって済みません。

陶山さん、どうぞ。

○陶山委員 2点ございます。

今、座長から原発関連のお話もあったのですが、東京電力さんから提出された資料の32ページの中で、2014年の決算プレスの中の「当期純損益は4,270億円の黒字」の前のところに、原子力損害賠償・廃炉等支援機構からの交付金を特別利益にした。それから、原子力損害賠償費を特損に計上したと。その差額として4,270億ということなのですが、それぞれの実数を教えていただけますでしょうか。幾ら交付したのかということです。

それと併せて、その年度にはまた賠償金の支援もされていますし、直接1兆円の資本が東京電力に国から資本が入れられている。それも含めて実数を教えていただきたい。それが1点です。

もう一つ、今後洗い替えするかどうかは置いておいて、今後値上げの認可申請があるかないか分からないのですが、そのときに経過措置料金を審査しようとしたとして、そのときに先程御説明にあった分社化してそれぞれの会社の関係の中で託送料を支払ったり、受け取ったり、あるいは原発についてもバックエンド費用は、これはホールディングのほうが見ていかれるのか分からないのですけれども、トータルとしての今までと同じ規制料金の査定の対象がきちんと見届けられるのかどうなのか。東京電力の場合になりますが、そこは経産省、取引監視等委員会としてはどのような形で総合していかれるのか。その見通しはあるのでしょうかという2点をお伺いしたいと思います。

○東京電力エナジーパートナー(株)河野経営企画室経営分析グループマネージャー 1点目の御質問になりますが、平成26年度、2014年度に原賠支援機構から交付を受けました金額につきましては8,685億円となってございます。

一方で原子力損害賠償費ですが、こちらは被災された皆様に実際にお支払いする金額ということになりますが、2014年度につきましては5,959億円という形で、交付の金額のほうがかなり大きい形になっているのですが、これは交付を受けるタイミングと実際に被災者の皆様にお支払いをするタイミングのずれということでございまして、期ずれによる影響ということになります。

○陶山委員 廃炉の支援機構から資料が出されていますが、交付金というのはそれを積算したものとはまた違うのでしょうか。

何年何月に交付国債を償還して、資金を交付して、これを積算すればよろしいのですか。

○東京電力エナジーパートナー(株)河野経営企画室経営分析グループマネージャー 基本的にはそれで合うはずでございます。

○陶山委員 細かい計算をしていないのですけれども、もうちょっと多いように思ったので。分かりました。8,685億円ということなのですね。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 2つ目のほうの質問でございますけれども、今回東京電力が分社化をしたという状況にございますので、また、各社も分社化していないものの託送料金というのが別途掛かることに、ライセンスを分けたことによってどの会社も託送料金を同様に払うということに、それはそれで別途認可が行われているということになります。

従って、規制料金の原価の中にも託送料金の支払い分というのが発生することになりますが、それは支払いをしたということになりますので、一度査定をして、認可をした託送料金を改めて小売料金のためにもう一度査定、認可をするということにはならず、そこはもう別途料金査定が行われているという前提での評価になりますが、そういうことをしていないものについては、可能な限り分社化前と、トータルとしてきちんと比較できるような形での査定ができるような方法でやっていきたいと思います。

基本的には申請ベースですので、事業者からの申請を受けて、そういったところを詰めていくということになると思っております。

○古城座長 次は古賀さんのほうが先に。

○古賀委員 関連なので。済みません。先に御退席いただくので、今のところをもう一度お伺いしたいのですが、分社化前と比較できるような形での料金査定をされるというのは、東電さんの場合に限って言えば、それは経過措置料金についてということですか。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局新川取引監視課長 残っているのは経過措置料金でございます。

○古賀委員 あと、電気料金と原発の賠償金等との関係で問題になるものとして、多分特定負担金というのを電気料金の中に入れられていたのと、過去、他の電力会社も一般負担金のようなものを出していらっしゃったと思うのですが、そういったものについての扱いは今後どうなるのかということと、ホールディングさんになった場合に会計上の処理というのが、賠償の関連のものはどこのセクションで基本的に会計処理されて公表されるかというのを教えていただきたい。

○東京電力ホールディングス(株)経営企画ユニット劉グループ事業管理室原価分析グループマネージャー 2点目の御質問については、基本的には福島に係わるもろもろの費用については、しっかりホールディングと各基幹事業会社の間で応分の負担をしていくという調整を契約の中に織り込んでいるということでございます。

1点目については。

○古賀委員 そうすると、特定負担金のようなものは電気料金に入っておらず、直接査定されないということで良いのですか。

○電力・ガス取引監視等委員会事務局野沢統括管理官 はい。そうです。特定負担金は原価外です。

一般負担金については申請があり次第、一応認めるという形にはなりますけれども、特定負担金は、仮に申請があった場合にそこは査定するという形になります。

○東京電力エナジーパートナー(株)大亀取締役副社長 今回の電気料金の中にもそういう形で、特別負担金は原価の外ということで、中に織り込まれておりません。

○古賀委員 細かいことを済みません。

○古城座長 井手委員、どうぞ。

○井手座長代理 先程購入電力料がありましたけれども、販売電力量が減っているのに購入電力料が増えるという、安いものを調達しているからという説明がありましたけれども、色々な電力会社がみんなそうやっているのですか、というのが1つです。

それから、私は基本的に公的な補助金というか、色々な形で一般負担金という形で、例えば東京、首都圏では値下げしないで関西圏で値下げをするという、東京よりも安い料金で提供するというのは本来公正な競争だとは思わないので、その辺の倫理観というのですか。首都圏での値下げにも使わない、その代わり域外に出て行って値下げというところに、私は個人的には抵抗があり、違和感があるのですけれども、その2点だけ教えてください。

○東京電力エナジーパートナー(株)大亀取締役副社長 購入電力料のところについて、他の会社さんがどういう行動を取られているのかというのは分からないところではあるのですけれども、販売電力量は減るのですけれども、原子力で見込んでいたキロワットアワー分を何かで発電したり購入してこなければいけないものですから、そのときになるべく安いものを当然のことながら調達とか発電をするという行動の中で、他の事業者さんから買ってくるもののほうが相対的に安いものを見つけてきて発電をしていくという行動をとっています。

そうした中で形としては販売電力量が減る中で、購入電力料についてはプラスになってくるという形になっています。

2点目の関東以外のところについては、その市場のところで色々な発電事業者さんと契約をしたり、取引所を使ったり、そこの地域の託送料でもって商売していくという形になりますので、そうしたところを鑑みて、あとはそこのエリアの競争状況も考えて参入していくという形になりますので、必ずしもうまく整合が取れない部分が若干出てくる可能性はあるかと思っています。

○古城座長 矢野さん、どうぞ。

○矢野委員 御説明いただいた資料の中で、資料2の5ページの年度別の収支実績についてお尋ねします。

トータルでは3カ年の数字でそれぞれ経過説明をされたわけですけれども、単年度ごとで見た場合に、規制部門と自由化部門の収益と費用が前年度でプラスになったり減ったりしていますけれども、収益の主たるものはやはり販売電力量かとは思うのですが、全体的には販売電力量は減少してきているということでしたけれども、単年度での、いわゆる2013年度、2014年度の前年度との増減の大きな理由というか原因があれば、それを簡単に御説明いただきたいと思います。

○東京電力エナジーパートナー(株)河野経営企画室経営分析グループマネージャー 先程専ら円安の影響で燃料価格が高騰しているという説明をいたしましたが、燃料費調整制度というそこのところを調整させていただくような収入の項目がございまして、従いまして、燃料費調整額が規制、自由の合計になりますが、例えば2012年度の場合には大体850億円だったものが、燃料価格、要は円安の進展に伴いまして2013年度には約3,700億円、2014年度には5,850億円程度にまで膨らんでございまして、販売電力量が減ることに伴います収入の減というのはあるのですが、燃料費調整制度に伴います収入の増というものも効いていると考えてございます。

○矢野委員 2013年度の自由化部門の費用が前年度より増えています。その理由を教えてください。

○東京電力エナジーパートナー(株)大亀取締役副社長 済みません。一つ一つ精査をしていないのですけれども、燃料費の増です。原子力が稼働しなかったことによる火力発電の増になりますが、基本的にそれのウエート等を含めて費用の増加があると思っています。

これは全体的に費用の合計で見ましても、若干2012年度より2013年度で費用が増加していますけれども、そこは燃料費関係が大きいのではないかと思っております。

済みません。詳細は。

○古城座長 あとはいかがでしょうか。

追加の質問なのですけれども、東京電力がすごく効率化に頑張られていて、値上げせずに済んだと、赤字にも陥らずに済んだというのはなかなか立派だったと思うのですけれども、効率化の内容について緊急避難的という言葉が書いてあるのですが、これから恒常的な成果として残るような効率化と違い、緊急避難は本当の効率化ではないのです。繰り延べですね。その中身をもう少し説明していただかないと。もし本当の効率化でしたら時期というか、これから3年後の原価としてこれぐらいを大体想定できるのだなという基準みたいなものを適用できますけれども、緊急避難的なところを除かないとそれは出てこないですね。

ですから、緊急避難はどれぐらい入っているのですか。本当は説明のときに両方分けて説明していただかないと、東京電力は効率化でこれだけ頑張りましたと、その他、これでは足りないので緊急避難で繰り延べでもやっています。この繰り延べは結局、後で借金を返してもらいますということになるわけでしょう。それははっきりさせて、もうちょっと分かるように説明していただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○東京電力ホールディングス(株)経営企画ユニット劉グループ事業管理室原価分析グループマネージャー お答え申し上げます。

柏崎がある一定程度稼働するという前提で、今回値上げをさせていただいたという状況で、柏崎が御案内の通りまだ稼働していないということに伴いまして、緊急避難的な取り組みというのを2013年度、2014年度で、柏崎が回っている前提での値上げのお願いでございましたので、その2カ年について緊急避難的なカットというのをまず徹底的にやりました。

その規模でございますけれども、大体1,800億円程度、各年度とも繰り延べのほうをさせていただいているということでございまして、先程冒頭の御説明をさせていただきました。例えば2014年度、8,573億円というコスト削減をやりましたけれども、そのうちいわゆる緊急避難的な繰り延べ等々によるものが約1,800億円程度というところでございます。

御説明が冒頭漏れて、大変申しわけございませんでした。

○古城座長 8,000億中1,800億が繰り延べですか。

○東京電力ホールディングス(株)経営企画ユニット劉グループ事業管理室原価分析グループマネージャー はい。

○古城座長 それでやりますと、純粋なコスト削減分から超過達成した分は人件費を改善するために使えるというときに、緊急避難の繰り延べもまぜこぜにして達成とするのはおかしいと思うのですけれども。

○東京電力ホールディングス(株)経営企画ユニット劉グループ事業管理室原価分析グループマネージャー 御指摘については私も思うところはございますけれども。

○古城座長 思うところがございますというのは、どういうことですか。

○東京電力ホールディングス(株)経営企画ユニット劉グループ事業管理室原価分析グループマネージャー 繰り延べも含むコスト削減で、その一部を人件費に戻すというのはいかがなものかという御指摘についてでございます。

先程の冒頭の御説明もございましたけれども、結局繰り延べというのは当座をここ1、2年我慢してということで、結果として後年度にそのツケが回って参りますので、今回繰り延べも含めた形でコスト削減が超過達成したので処遇を改編させていただいたということでございますけれども、裏を返しますと、後年度にツケが回ってきますと計画を超過達成できないときがやってきますので、そのときには処遇のほうも下げざるを得ないと考えてございます。

○古城座長 いえ、そうではなくて、普通は借金して懐が豊かになったから処遇改善するというのはおかしいわけで、借金を除いて実際懐が良くなったのだから、頑張ったのだからこの部分で改善しますというのが普通で、借金して改善して、後で借金返すときに困るからまた処遇を悪化させますというのは、普通は納得できない話ですから、ここの改善のところをちゃんと緊急避難というか繰り延べのところを除いて、真水で改善した部分で経営改善したなら、これは御褒美として、頑張った社員の待遇改善に回しますという説明をしてもらわないと困るのです。

この図のところはもうちょっとそういうことを慎重に考えてやってほしいと思います。

○東京電力ホールディングス(株)経営企画ユニット劉グループ事業管理室原価分析グループマネージャー 逆にこれは先般の料金の専門会合のほうでも同じような御指摘をいただいたのですけれども、やはり後々繰り延べたものをしっかり恒常的に、真水の部分で吸収していかないといけないということで今、生産性倍増をやってございますし、今の座長の御指摘に関して言いますと、2014年度については2,800億円の超過達成をしてございますので、繰り延べの分を差し引いても社員としては約1,000億の真水部分の努力はして参ったというところでございますので、ぜひそういったところも御理解いただければと思います。

○古城座長 あと、フォローアップについて私の希望なのですけれども、フォローアップというのは先程言った料金値下げ命令のための最小限の資料を出すということではなくて、国民に今の料金を維持することを納得してもらう、値下げできない事情があることを説明するということなのですから、私から言うと今後3年間の想定原価というのを説明していただいて、こういう原価状況ですから値下げは難しいですとか、もしかしたら値上げするかもしれませんとか、そういうことが分かるようにちゃんと説明するのが本来の筋だと思うのですけれども、想定原価とかそういうものを本当は出してほしいです。

○東京電力ホールディングス(株)経営企画ユニット劉グループ事業管理室原価分析グループマネージャー 今の御指摘については、一番悩ましいのが実は柏崎の前提でございまして、やはり柏崎がいつ稼働するかという前提で、また原価だというお示しをすると、色々な地元等々との関係もございますので、いただいた御指摘については検討して参りたいと思いますけれども。

○古城座長 柏崎はあと3年動かないという前提でね。

○東京電力ホールディングス(株)経営企画ユニット劉グループ事業管理室原価分析グループマネージャー そこも我々としては、何とか安全を最優先した上で柏崎に御了解をいただいて稼働というところを目指したいところでございますけれども、今、御案内の通りでございますので、そこの部分だけはぜひ御理解をいただきたいと思っております。

○古城座長 あと、いかがでしょうか。

古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 お答えいただけるかどうか分からないのですが、今年度、2015年度の経常損益の概算というのは、もう大体お分かりになっているかということと、2016年度の予算につきましては柏崎の原発は稼働しないことを前提に立てていらっしゃるかということです。

それから、これまで公的資金としてどれぐらいの額を投入されているかということを、もしお分かりになったら教えてください。

○東京電力ホールディングス(株)経営企画ユニット劉グループ事業管理室原価分析グループマネージャー まず2015年度の収支の状況でございますけれども、今月末に年度の決算を発表させていただきますので、精緻な数字はできれば決算発表のときに。この場では御勘弁いただければと思っております。

冒頭御説明の通り、何とか黒字達成できる見通しではございますので、数字についてはもうしばらくお待ちいただければと思っております。

あと、2016年度のところでございますけれども、当然私どもとしては柏崎の稼働というものを前提にした計画を考えつつも、柏崎が厳しい状況というときには、これはやはり経営のほうが舵を切り合わなければいけないということでございますので、そういった柏崎が厳しいという状況になったときには、やはりまた緊急避難的な対応等々も含めて、経営のほうで判断していくということになろうかと思っております。

3つ目のこれまでの公的資金の数値でございますけれども、約7兆円程度交付いただいているかと思いますけれども、精緻な数字も、決算のときにお示しするかは定かではございませんけれども、もちろんこれは毎回毎回、都度都度主務大臣のほうに公的資金の申請をさせていただいておりますので、その足し算をすればお答えもできますし、都度発表させていただいているところでございます。

大体規模としては7兆円規模に御理解いただければと思います。

○古城座長 どうぞ。

○陶山委員 その7兆円というのは賠償支援金として出されているものですか。

○東京電力ホールディングス(株)経営企画ユニット劉グループ事業管理室原価分析グループマネージャー 主に賠償に係わる費用で、原賠機構さんのほうから交付していただいているというところでございます。

○陶山委員 それは私も足したのですけれども、約7兆5,000億ということと、先程からプレス発表のところにも出ていました交付国債を償還してという、これが結構大きくて6兆ぐらいあるのですが、これは返却されるとかいう種類のお金ではない、支援として資金が交付されるという形なのでしょうか。

○東京電力ホールディングス(株)経営企画ユニット劉グループ事業管理室原価分析グループマネージャー 基本的には私どもは特別負担金でお返ししていくということになってございますので、額が額でかなり巨額なので相当な期間がかかってしまうかとは思うのですけれども、基本的には賠償等でいただいた交付金等々については一旦機構さんが、恐らく国のほうから交付国債という形でお受けして、それを私どものほうに資金として援助していただいているという形かと思いますけれども、私どもは逆に言うとそれを特別負担金の形で、毎年毎年協議の上でお返ししていくという立て付けになってございます。

○陶山委員 それが約6兆と、あと、資本が1兆入っているという認識でよろしいですか。

○東京電力エナジーパートナー(株)河野経営企画室経営分析グループマネージャー 震災後の資本注入は1兆円になります。

○陶山委員 公的資金、現状で言えばそれの合計の14兆入っているという。

○東京電力ホールディングス(株)経営企画ユニット劉グループ事業管理室原価分析グループマネージャー 7兆です。

○陶山委員 7兆ですか。6兆は返すからですね。分かりました。


≪4.閉会≫

○古城座長 そろそろよろしいでしょうか。

特に御質問はございませんようですので、議論は以上といたします。

大亀取締役副社長、河野経営分析グループマネージャー、劉原価分析グループマネージャー、もう退席なさりましたけれども新川取引監視課長、野沢統括管理官におかれましては、お忙しい中御出席いただきましてありがとうございました。

事務局から連絡事項などございますか。

○丸山参事官 本日も熱心な御議論をどうもありがとうございました。

今後の専門調査会等の日程につきましては、確定次第御連絡させていただきます。

○古城座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)