第10回 特定商取引法専門調査会 議事録

日時

2015年8月18日(火)10:00~12:20

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
後藤座長、村座長代理、阿部委員、有山委員、池本委員、沖野委員、河野委員、佐々木委員、鈴木委員、高芝委員、杤原委員、野坂委員、花井委員、増田委員、山本明委員
【オブザーバー】
消費者委員会委員 石戸谷委員長代理、橋本委員
経済産業省 伊藤消費経済企画室長
国民生活センター 丹野理事
【消費者庁】
井内審議官、山田取引対策課長
【事務局】
黒木事務局長、小野審議官、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 中間取りまとめに向けた検討(2)
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○丸山参事官 本日は皆様、お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会 第10回特定商取引法専門調査会」を開催いたします。

なお、本日は所用により有山委員がおくれての御出席との御連絡をいただいております。

では、まず配付資料の確認をさせていただきます。

今回お配りをしております資料は、議事次第の下部に記載した配付資料一覧のとおりです。

資料1が本日御検討いただく中間取りまとめ(案)です。

また、資料2-1から2-8といたしまして、各委員の御提出資料を配付させていただいております。

さらに参考資料1といたしまして、佐々木委員から御提出のありました日本通信販売協会からの意見書を配付しております。

不足の資料等ございますでしょうか。もし不足がございましたら事務局へお願いいたします。

それでは、後藤座長、議事進行のほうよろしくお願いいたします。


≪2.中間取りまとめに向けた検討(2)≫

(1)事務局からの説明

○後藤座長 本日もよろしくお願いいたします。

それでは、議事に入らせていただきます。

本日は中間取りまとめに向けた検討として、資料1の中間取りまとめ(案)につきまして事務局から説明した上で、御検討いただきたいと思います。

では、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 では、事務局からまず御説明を差し上げたいと思います。

資料1をごらんください。本日御検討いただく中間取りまとめ(案)でございます。

ページをめくっていただきまして目次の欄をごらんいただきますと、前回お示しした骨子に基づいて記載した目次を記載してございます。

1ページから「はじめに」で記載してございますが、こちらでは1段落目、2段落目のところで、平成20年の改正、また、その改正法において、改正法施行後5年経過時の見直しについての附則があること、また、本専門調査会に先立って消費者庁、経済産業省による実態把握等に係る検討会が行われたことを記載しております。

3段落目で、本専門調査会に向けた消費者委員会に対する諮問を記載し、その次の段落で、本専門調査会の議論状況を記載しております。

最後の段落では、本専門調査会で取り上げた論点について、第1回、第2回で整理した中で取り上げた経緯について記載しております。

3ページ目からが個別の論点について記載しているところでございますけれども、まず「第1 横断的な事項について」で記載しております。

1ポツ目が指定権利性についてというところで、(1)では最初の段落で権利について指定性が平成20年改正後も存置されていた経緯。その後、権利の売買にまつわる消費者トラブルが増加傾向にあり、その規律のあり方が議論されたという経緯を記載しております。

(2)では、権利についての政令指定性についての御議論の状況として、3行目のところですが、権利の売買を原則として特定商取引法の訪問販売等の規制の対象とすべきということで、おおむね意見の一致を見たという結果を記載しております。

その後ろには、この権利の見直しに当たって特定商取引法の法目的の関係について述べられた意見を整理してございます。

(3)は、権利の政令指定性の見直しに関連してですが、商品、役務、権利という3分類を維持するかどうかという議論について記載しております。

4ページ、上から4行目で、この3分類を維持するかという点については、現行の枠組みを維持しつつ、3分類で対象となり得ない事案については個別に対応を検討することが現実的との見解でおおむね一致したということで整理してございます。

外国通貨の両替について、こちらが個別の対応の1つだと思いますけれども、(1)で外国通貨の両替というものが問題になってくるということで、(2)ですが、3行目のところで、議論を行った結果、外国通貨の両替が訪問販売等によって行われた場合には、特定商取引法の規制対象とするべきでやることについて合意を得た。その具体的な対応については、商品の売買と同様に扱うことを基本とするべきということで整理しております。その後、法制的、法律的な見地からの検討について記載してございます。

4ページの一番下には適用除外の検討についてというところで、これも権利について政令指定性を見直すことに関連してですが、政令指定性を廃止した権利について適用除外をどのように考えるかというところで、下から3行目ですが、現行の特定商取引法第26条の適用除外規定の考え方を基本として、適切な措置を講じていくことが必要であるということで整理してございます。

5ページ目からは、2ポツで勧誘に関する規制についての記載をしております。

まず(1)ですけれども、ここは平成20年の改正における規律、再勧誘の禁止等を記載してございます。(2)ではPIO‐NETに寄せられた苦情相談等の状況について整理して記載してございます。

6ページで、本専門調査会における検討の経緯と現状について整理しております。(1)はその冒頭として、これまでの専門調査会の議論状況として、諸外国や地方公共団体の取り組みを参考にし、議論を行った上、また、議論の過程においてはヒアリングも実施していたということを記載し、その過程で示された検討の方向性として、苦情内容の分析や自主規制の強化、その他、再勧誘禁止以降における効果の加重あるいは解釈の拡大による行為規制の加重、さらには行為規制そのものの拡充、事前参入規制の導入等、挙げられた項目に関して意見が出されていたという経過を記載しており、そして(2)に主な意見を整理してございます。

まずマル1で記載しておりますのは、立法事実等に関する御意見でございまして、立法事実が不明瞭である等の御意見があったというところを整理して記載し、さらに精緻な検討が必要であるという御意見についても記載してございます。

マル2で書いてございますのは見直しの趣旨というところですが、3行目に書いておりますように、消費者の自己決定権、生活の平穏、プライバシーの尊重という観点についての御意見があったというところ。生活の平穏については委員の間で御議論いただいたところでございまして、「一方」以下で双方の御意見を整理して記載してございます。

マル3で書いておりますのは、勧誘行為開始前の意思表示に関する御意見でございまして、まず2行目、3行目では勧誘拒否の意思表示について、これを尊重して勧誘を行わないという基本ルールとすべきという御意見。他方で下の「また」の段落の前3行ですけれども、全ての訪問販売事業者、電話勧誘販売事業者を対象とする規制というのは、事業活動への影響が大き過ぎるという御意見も記載しております。

具体的な方法については、お断りステッカーに関して何に対して、誰が意思表示を行ったのかがわかりにくく、その法的効力を認めることは適当でないという御意見。これに関して諸外国等で導入されている登録するレジストリ制であれば、対象が明確であるという御意見、いずれの御意見についても整理して記載してございます。

マル4は、現行の再勧誘禁止に関する御意見ですけれども、上から4行目のところで、現行の再勧誘禁止では不十分であるという意見を記載した上で、他方で下から2行目のところですが、再勧誘禁止を遵守している健全な事業者に過度な負担を与える一方で、悪質な事業者には効果がないのではないかという御意見についても記載しております。

8ページ(3)では、検討の進め方に関する御意見というところで整理しておりまして、最初の1つ目のポツのところでは、下から2行のところですが、規制強化ではなく、そのトラブルを起こしている事業者に対する執行の強化を行うべきであるという御意見を記載しております。

2つ目のポツでは、適用除外業種に関する御意見で、下から2行目ですが、適用除外業種についても対応の方向性を確認する必要があるのではないかという御意見。

3ポツ目では、経済社会に関する影響について、これを見過ごしてはならないというところを記載してございます。

このような御意見の整理を踏まえた上で、今後の検討についてというところを8ページの下部に記載してございます。1段落目では、勧誘に関する行為規制の強化の要否、対応の方向性については、必ずしも立法による対応の必要性も含めて共通認識が形成されるには至っていないということを記載した上で、ただし、高齢者被害と被害実態が確認されれば、そうした被害を防止するための対応等を検討する必要性があるということで、共通理解が得られつつあるという状況を記載しております。

その後の段落では、先ほどの御意見を整理した上で2行目からですが、消費者トラブルの実態についての精緻な分析、法規制の効果の検証を行った上で、その必要性についての認識が共有されればというところで、産業界への影響や執行強化との関係あるいは実現可能性といった観点から検討を行い、事業者、消費者等の関係者が協調して取り組みを進められる一致点を目指して議論を深めていくこととするということで記載してございます。

9ページの3ポツ目は、販売事業者等によるクレジット・金銭借入・預金引き出しを勧める行為等に関する規制ということで記載しておりますけれども、ここはこのテーマで取り上げられた論点のうち、(1)では3行目からですが、金融機関に対して虚偽の申告をするようにそそのかす行為ということで、このような行為については特定商取引法の指示対象行為として規定すべきということで意見が一致したと整理してございます。

「また」以下ですが、事業者が消費者を支払いのために金融機関等に連れていく行為ということですが、これについては消費者が望まない場合が対象となることを明示した上であれば、指示対象行為として規定するという方向性について意見が一致したということで整理してございます。

他方(2)で記載しておりますのは、借り入れをする行為、クレジット契約を組む行為、預貯金を引き出す行為を勧める行為でございまして、これについては3行目で、こうした行為を勧める行為は直ちに不適切なものにはならないとして、慎重な御意見があったということを記載し、そういった意見も踏まえて引き続き検討を行う必要があるということで整理してございます。

10ページからは「第2 個別の取引類型における規律のあり方について」を整理してございます。

10ページの1ポツ目、訪問販売については、アポイントメントセールスにおける来訪要請方法を取り上げてございます。

(2)の4行目ですが、勧誘目的を告げない、あるいは他と比して著しく有利な条件での契約締結が可能な旨を告げて行う対面での要請。SNSやSNS以外の広告等による要請、これらを追加規定すべきという意見がある。その一方で、勧誘目的を告げないという要件、そして実質的に不意打ち性の内容が必ずしも明確でないということで慎重に検討するべきという意見があったところで、不意打ち性のあるものとないものとの区別が御議論いただいていたところですが、(3)では、そのような特商法の訪問販売に係る規制を及ぼすことが必要な取引と、それ以外の取引をどのように画していくかという観点から、引き続き検討を行う必要があるということで整理してございます。

11ページ、こちら2ポツ目で通信販売に関し、虚偽・誇大広告に関する取消権を取り上げてございます。

(2)の上から7行目でございますけれども、事業者によるいわゆる虚偽・誇大広告によって消費者の意思形成が行われた場合に、消費者に契約の取り消し等を認める規定を設けるべきという意見があったということでございますが、これに対してはどのような場合に虚偽・誇大と評価されるのかが曖昧である、あるいは消費者契約法、景品表示法等の整理が必要であるということから、慎重な御意見も示されていたことを記載してございます。

(3)では、これに関連してというところでございますが、消費者契約法専門調査会で消費者契約法の見直しが検討され、少し違った論点ではありますが、関連する論点として勧誘要件のあり方というものの議論が行われているということですので、そういった御議論の推移も注視しつつ、必要に応じ、さらなる検討を行うこととするということで整理してございます。

11ページの下部では、インターネットモール事業者の取り扱いについてということで、インターネットモール事業者の特定商取引法上の扱いについても御議論が行われたところを記載してございます。

12ページの(3)ですが、2行目のところですけれども、議論の状況を踏まえて今回の見直しにおいては直ちにインターネットモール事業者に特別な義務を課す必要があるような状況にはないことについておおむね意見が一致した。そして、今後、自主的な取り組みの効果あるいはトラブルの推移等を見ながら、必要に応じて別途検討を行うことが期待されるということで整理してございます。

続いて、通信販売事業者の表示義務を記載しております。ここは(1)に記載しておりますが、経済産業省の割賦販売小委員会での議論の中で、(1)の下の2行ですが、アクワイアラー、PSPに関する情報を表示するということが議論の対象としてございましたので、記載しております。

(2)で双方の御意見を記載してございますけれども、13ページ(3)で割賦販売法の見直しの具体的な進捗を踏まえ、事業者の負担に配慮しつつ、必要に応じて検討を行うことが期待されるということで整理しております。

続いてFAX広告に関する規制の導入についてですけれども、(2)に議論の御意見を整理した上で、(3)の1行目ですが、FAX広告に関する規制を導入する必要性については合意されておりというところで、ただし、今後事業者による既存顧客に対する連絡等、実際に使用されているFAXの事例を念頭に置いているわけですが、そういったものに悪影響が生じることのないように留意しつつ、検討を進める必要があるということで整理してございます。

3ポツ目が電話勧誘販売に関しまして、過量販売解除の導入というところを記載してございます。

(1)では、平成20年改正で訪問販売における過量販売解除の導入の経緯を1段落目で記載してございます。他方で(1)の下の段落では、電話勧誘販売にはこのような過量販売解除ができないという不均衡について整理してございます。

そこで(2)、14ページの一番上でございますけれども、過量販売に当たる場合の要件あるいはその判断事由の明確化という観点について留意しつつというところで御議論の状況を反映した上で、電話勧誘販売においても過量販売が行われた場合には、消費者に契約の解除を認めることとする方向で、今後検討を進める必要があるということで整理してございます。

4ポツ目が特定継続的役務提供ですけれども、こちらは美容医療契約が御議論されたところで整理してございます。

(2)2行目からですが、美容医療契約のうち役務が継続的に提供されるものについてですが、エステティックとは区別してトラブルに対処するという観点から、特定商取引法上の特定継続役務として規制対象とすることに対して、肯定的な御意見が多く出されたということを記載しております。

今後、適用範囲等の問題ですけれども、業界の実情を十分に踏まえつつ、さらなる検討が行われる必要があるということで整理してございます。

14ページから15ページにかけて、5ポツで訪問行為における規律、特に交換への対応を記載しております。

15ページの(2)では、2行目で商品券やプリペイドカードなど、いわゆる金券が用いられる場合についてですけれども、このような場合には多くの事例において、まず売買契約が成立していることは認めた上で、その支払手段あるいは代物弁済の問題として評価することで、特商法の規律を及ぼすことが可能と考えられるということで整理しております。そして、この点についての解釈を明確化するべく検討を進め、その結果が広く明らかにされることが必要であるということで記載しております。

(3)は「一方で」ということで、今のようないわゆる金券ではなくて、物々交換のような売買契約が成立していることが観念しがたい事例ですけれども、これについては下から3行のところで換金性が高いものとそうでないものを区別。適用除外についても検討が必要となることから、引き続き苦情相談の状況等を注視していくことが必要であるということで整理しております。

16ページからは、執行上の課題について第3というところで記載しております。

執行上の課題については、第5回の専門調査会で御議論いただきまして、提案された選択肢について賛同いただくような方向性で御議論いただいたところですが、その挙げられていたところを整理してございます。

まず(1)で3行目ですけれども、行政処分を受けた事業者の役員や従業員等が行政処分後に別の法人を立ち上げるといった問題状況についてまず記載した上で、(2)から具体的な論点等を記載しておりますが、(2)の3行目では行政処分を受けた事業者の役員や役員と同等以上の支配力、影響力を有する従業員、こういったものに対して業務停止命令等の効力を及ぼすことについて検討を進める必要があるということで記載しております。

(3)は1行目のところですけれども、違法行為のノウハウを持つ従業員あるいは形式的には業務委託先である別法人あるいは黒幕的第三者、こういったものが実質的に深く関与、主導しているような事例に対する対応として、行政処分の効力を及ぼすことについてですが、下から3行目のところで、他の法令との均衡、対象となるものの具体的な要件、規定方法やその明確性等にも留意した上で、このようなものに対しても適切な対応について検討が行われる必要があるということを整理してございます。

(4)は2行目のところですけれども、都道府県による行政処分の効力が、当該都道府県の区域内にしか及ばないと解されていることに関する論点でございますが、これについては下から3行目のところで都道府県の知事の処分の効力を見直し再整理すべく、都道府県の意見も聞きながら都道府県が判断を行う枠組みを含め、検討を進める必要があるということで整理しております。

17ページの2ポツ目の事前参入規制等についてですが、これも執行に関する課題として御議論いただいたところでして、(1)に記載しておりますように、4行目のところで繰り返し違法行為を行うような悪質な事業者を、より長期間市場から排除するという観点から御議論いただいたところでございます。

(3)ですけれども、これについては(2)に記載しております意見等を踏まえ、事業者に及ぼす影響、取引の適正化への効果、必要なコスト等の観点を押さえながら、その制度の目的、対象となる範囲、管理体制など制度設計について慎重な検討を行いつつ、事前参入規制の導入については引き続きその適否も含め検討することとするということで整理してございます。

3ポツ目が報告徴収・立入検査の強化というところですが、(1)では手口の巧妙化あるいは組織・業務実態の複雑化というところで、この報告徴収及び立入検査の実効性の強化を図る必要性があるという背景を記載してございます。

(2)ですけれども、具体的な方策として下から2行ですが、懲役刑も含めた法定刑の引き上げについて、他の法律の水準も参考に検討が行われる必要があると記載してございます。

18ページの一番上では、「あわせて」というところで事業者名の公表と刑事罰以外の方法による対応というところも記載してございます。

(3)は2行目のところで、立入検査の対象となる密接関係者ということで、立入検査の範囲についてですが、現在は密接関係者というところで限定されておりまして、3行目、4行目に記載しておりますような外部のコンサルティング会社あるいは委託先事業者といったものが関与、主導した場合に問題が生じてまいります。

そこで(3)の一番下の2行ですけれども、その対象範囲の見直しについて他の法令等も参考に検討を進める必要があるということで整理してございます。

(4)は3行目のところですが、特商法に基づき事業者に対して一定の従業員名簿や取引関係書類等の作成及び備えつけを義務づけることについてですが、下から2行目ですが、事業者の負担にも留意しつつ、類似の規定を置く他の法令も参考に特定商取引法における対応にあり方について検討が行われることが期待されるということで整理してございます。

4ポツ目は、新たな技術・サービスの発達・普及への対応についてということですけれども、(1)では3行目に書いておりますような執行当局が違反事業者の所在等を把握することができず、特商法の適切かつ迅速な執行に支障をきたす事例というものに対する対応で記載しているところでございますが、下から3行目で、執行当局の判断によって公示送達による行政処分を行うことができるよう、特定商取引法に関連規定を設けることについて検討を進める必要があるということを記載してございます。

19ページ(2)ですけれども、通信販売事業者等のウエブサイト上の広告についてですが、ウエブサイト上の広告が指示に従わずに存置されるという事態についてですけれども、真ん中のところで、執行当局は必要に応じてプロバイダに対してウエブサイトの削除を要請しているということで、この観点から下から3行目ですが、プロバイダの賠償責任を免除するという規定が存在するところですので、特商法においても他の法律の例を参考にしつつ、同様の規定の導入について検討が行われることが適当であるということを記載しております。

(3)は関連してというところでございますが、1行目でレンタルオフィスやバーチャルオフィスの悪用という問題に対してですが、これは3行目のところで、いわゆる犯罪による収益の移転防止に関する法律というところで本人確認義務が課されているところですので、こういった義務が確実に果たされることが期待されるということを記載しております。

5ポツ目はその他というところで、全体にわたるところの御意見、御議論の整理でございますけれども、(1)では執行を適切に行うためというところで、下から3行目ですが、執行体制の強化あるいは下から2行目の相談体制の強化についての取り組みが期待されるということを記載してございます。

(2)は、執行全体についてですが、法定刑の引き上げについて検討が行われる必要があるというところを記載してございます。

最後20ページに「おわりに」で整理をしてございます。

1行目、2行目は中間取りまとめの位置づけでございまして、あくまでも本専門調査会におけるこれまでの議論を整理したものであるということを明示してございます。

今後についてですけれども、引き続き検討することとされた論点については、中間取りまとめに対する関係団体等の意見や、他の審議会等における議論状況あるいは見直しの中での重要性といったものを踏まえつつ、法律事項を優先し、柔軟な検討を行っていくこととすると記載してございます。

また、これまでの検討で扱っていない論点については、審議状況を見きわめた上で、特に必要があると認めた場合に検討を行うこととするということを記載しております。

今、申し上げましたように、この中間取りまとめの案は、これまでの議論を整理したという観点で事務局のほうで座長と御相談して整理しているところでございますので、その過不足等について本日、御議論をいただければと思います。

(2)意見交換

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの説明の内容を受けまして、意見交換を行いたいと思います。御意見、御質問のある方は御発言をお願いいたします。

○阿部委員 何点かあるのですが、とりあえず一通り言わせていただきます。

まず4ページでありますが、外国通貨の両替のところの(2)でありますけれども、事業者が取引する額によっては外為法との関係の整理も必要になると思いますので、ここに一言、たしか前回に発言したと思いますが、外為法との関係の検討が必要だと申し上げたという趣旨のことを入れてください。

同じ4ページの適用除外の検討については、言葉づかいなのですけれども、3行目に「取引」が2回出てくるのですが、後でここだけ取り出されても何の話かわからなくなります。ここの言葉づかいを「取引」ではなくて「権利の売買」と置きかえていただきたいということであります。

同じように5行目の「適用除外の在り方」も「権利の売買にかかわる」という文言を追加していただきたいと思います。

6ページの下のほう、(2)マル23行目に「自己決定権」と書いてあり、そこに注14とあって、消費者基本計画(平成27 年3月24 日閣議決定)8頁にそういう記載があると脚注にございます。確かに消費者基本計画にこういう言葉があるのですが、「自己決定権の下に位置付けられるものと考えられる。これらについて、事業者の営業活動の機会の確保に留意しつつ消費者が自主的かつ合理的に選択できる環境を整備することが必要であり、それによって消費の効用・満足度が高められ、一層豊かな消費生活を営むことが可能となる」。たしかこういうくだりだと思いますので、これは本文でなくてもいいですから、下の注のところに、ここにかかわるくだり、前後を含めて引用していただければと思います。

以上でございます。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

これは反映させるということでよろしいですか。

○事務局 今のは、御意見の追記と趣旨の明確化に関する御意見でしたので、反映を検討させていただきたいと思います。

○後藤座長 ほかにございますでしょうか。

河野委員、よろしくお願いします。

○河野委員 私は本日の資料2-5で中間取りまとめ(案)への修正していただきたいという意見を書いて提出させていただいております。本日、時間の短い中、この部分をこのようにという形で、意見というよりは直接的な修正をお願いするという形で意見を出させていただいております。

まず今日の議論、この取りまとめ(案)に関して、2つ前提としてお願いしたいことがございます。

前回の終了時に、事務局の方が確認してくださいました議論の全容をありのままに記述するということは、この取りまとめ(案)でぜひ実現していただきたいと思っております。それから、この中間取りまとめがまとまりますと、今後のさらなる議論の土台になることを踏まえまして、意見はバランスよく記載していただきたい。この2点をまずお願いして、幾つか修正をお願いしたいと思います。

4ページの外国通貨の両替につきまして、(2)の最終行「更なる慎重な検討が行われる必要がある」と記載してございますけれども、ここのところはとりわけ「慎重な」という文言がなくても、さらなる検討ということで十分いけると思います。理由は私の意見書に書いてございますけれども、この「慎重な」を取っていただければと思います。

勧誘に関する規制について、ここはお願いしたいことが結構たくさんございます。簡潔にまいります。

まず6ページの検討の経緯と現状についての前提条件、(1)に関しましてです。ここのところで3~4行目に関して、議論の過程においては事業者等からのヒアリングも実施したと記載しされています。実はこのヒアリングも実施しましたけれども、それに先立って本年3月に消費者庁は、今回の検討に当たって消費者問題の現状を把握するために、意識調査を実施してくださっています。私の資料の1ページの意見2の修文案に書きましたが、ぜひこの後に消費者庁が訪問勧誘・電話勧誘・FAX勧誘に関する意識等についての調査を実施したということを記載していただきまして、脚注でその詳細について、不招請勧誘等の勧誘効果に関する消費者問題の現状や政策ニーズを把握するためにということをつけ加えていただきたいと思っております。

同じく6ページなのですけれども、6ページ(1)で今回の検討は特定商取引法においてさらなる対応を図る必要性及び仮に対応を図る場合の方向性について議論を行ったと記載してあります。必要性についてどういうやりとりがあったのか、それから、仮に必要性が認められた場合、その対応を図る場合の方向性についてどういう議論が行われたかという形で(2)以降をまとめていただけますと、全体の概要がもう少しクリアにわかってくるかと思います。

先ほどの事務局の説明では、(2)が立法事実に関してとか、見直しの趣旨に関してとか、勧誘行為開始前の意思表示に関してというように、それぞれマル1、マル2、マル3に関してまとめているテーマというのはお示しいただいたのですが、そもそも論として私たちは必要性についてどういうやりとりをしたのか、今後の方向性についてというところで全体の構成をぜひ賛否の意見をバランスよく記載した形でまとめていただければというのが2点目のお願いです。

同じく6ページの今度は(2)マル1の記載なのですけれども、主な意見は以下のとおり整理することができるとして、マル1では立法事実について書かれていると思うのですが、マル1は何度読み返させていただいても、事業者側の方の見解のみが多く、消費者側の状況が書かれていないように思います。マル2~マル4以下の記述に関しては、両者の意見がある程度バランスをもって配置されていると思うのですが、マル1には消費者側の見解が入っていないと思いますので、ぜひここには私の修正案の2ページの意見4に書かせていただきましたけれども、全国消団連が行った消費者契約に関する意識調査の内容と消費者側の受けとめというのも、ぜひ書いていただきたいと思っております。

次は7ページなのですが、7ページマル3の中段です。私の意見書ですと順番がばらばらなのですが、5ページの意見8に書かせていただきました。お断りステッカーに関しての記述なのですけれども、その部分に関しまして意見書の登録型のステッカー制度が望ましいとの趣旨であったことから、これまでの検討経過のところで御発言があった内容をより明確に書いていただきたいということで、下から3行目以降のところを登録するレジストリ制を基本に、登録した者に行政機関がステッカーを交付し、それを張るという制度であればというように、ここのところをより詳細にというか、具体的に書いていただければと思っております。

それから、8ページの上段です。今回の勧誘の方法に関しましては、非常に大きな意見の見解は健全な事業者なのか、悪質事業者なのかという部分だと感じております。それで8ページの一番上の部分なのですけれども、これは私の修正案の5ページの意見9に書かせていただいておりますが、そもそもここの記載ですと、健全事業者と悪質事業者の捉え方が委員間で異なるのではないかとの意見があった。事務局からの資料によりますと、平成20年、特商法改正にかかわる国会審議において契約締結を拒否する意思を示しているものに対し、あえて勧誘を行うことが悪質な行為であると考えるという趣旨の当時の大臣の答弁がされているという内容をお示しいただいています。ぜひこの悪質なのか健全なのかという1つの判断基準として、平成20年の特商法改正の国会審議における大臣答弁をここに書き加えていただきたいと思っております。具体的な内容に関しましては、脚注という形で補強していただければと思っております。

8ページに関しまして、その下の(3)の検討の進め方等に関してお願いがございます。(3)には黒ポツとして3つのパラグラフが記載してあります。この3つのパラグラフの内容を拝見させていただいておりますと、やはり意見のバランスがやや事業者側の方の御主張に傾いているのではいなかと感じております。

そこで、私の意見書の2ページ、意見5として書かせていただきましたが、これまで議事録を、私も今回何度も読み返しました。本専門調査会において私の意見書の2ページから3ページにかけて網掛けをさせていただきましたが、このような意見が出されているということをぜひここに書き加えていただきたいと思います。これはお願いだけで、特段ここで読み上げることはいたしません。

8ページの今後の検討についてに関しまして、2つお願いがございます。議論の結果という上のほうのパラグラフの下から2行目に関しまして、ただし、例えば高齢者被害等の被害実態が確認されればというような仮定の文章がここに書かれています。ただ、私の意識ですと、ここの部分というのは確認されればではなくて、ある程度合意がとれていたのではないかと思っております。そこで具体的な文言といたしまして、私の意見書の4ページの上段に書かせていただきましたけれども、「しかし」以下でございます。高齢者被害等を防止するための対応等を検討する必要性があるとの一定の共通理解は得られたという記述にしていただければと思っております。

その下の段のパラグラフに関してもお願いがございます。下から2行目、訪問販売及び電話勧誘販売における消費者トラブルの実態について、精緻な分析というようにここに記述がございます。このことは、これまでの専門調査会において何度も何度もやりとりがされてきたように思っております。私自身は今回、消費者トラブルの実態として、この専門調査会にお示しいただきましたPIO‐NETの情報に関しましては、消費者庁さんからはPIO‐NETの分析レベルやPIO‐NETデータに基づいての法規制の検証レベルは、他の省庁が立法過程等で行う分析等レベルと遜色ないというように説明をしていただいたと思っておりますし、消費者側からしますとPIO‐NETの情報というのは、消費者問題に対応する上で非常に重要な根拠ある内容だと理解しております。ですから、この消費者トラブルの実態についての精緻な分析という文言ではなくて、これは4ページの下から2つ目のパラグラフに、私のお願いしたい修文案を書いておりますけれども、本専門調査会においては消費者庁等の協力により、訪問販売及び電話勧誘販売における消費者トラブルの実態について報告を受けた。今後は当該消費者トラブルの実態の報告への理解を深め、法規制の効果や立法による対応の必要性を共有するという記述にしていただきたいと思います。

それから、その後段部分なのですけれども、これはまとめ(案)の9ページの記述によりますと、上から2行目なのですが、勧誘に関する規制を強化した場合等の産業界への影響から始まっておりますけれども、その前提として消費者保護といいましょうか、取引の適正化に対する記述がここには欠けていると理解しておりますので、先ほどの私の修文案の続きなのですけれども、立法による対応の必要性を共有することで、消費者トラブルの防止、軽減を図るとの観点。取引の公正をここに入れていただければもっとありがたいと思いますが、それをぜひ入れていただいて、産業界への影響とか、その後段の記述へとつなげていただければと思っております。

先生、もうしばらく3の先に進んでもよろしいですか。この辺でやめておいたほうがよろしいですか。

○後藤座長 今後、ほかの委員の方にもお願いなのですけれども、意見書を出している委員の方は意見書全体に触れるというよりは、時間が限られておりますので要点を絞ってお話いただく。もちろん意見書で書いてあるもので漏れては困るというところはきちんとお話していただきたいのですが、なるべくコンパクトにまとめていただけたらと思います。

○河野委員 では、あと4点だけ、箇所だけ示させていただいてもよろしいでしょうか。

この後の論点に関して、内容は私の意見書をごらんいただければと思います。

11ページ、虚偽・誇大広告に関する取消権について。ここにあります(2)の下から4行目、著しい虚偽・誇大という表現について、虚偽・誇大の定義の中に著しいという表現はありますが、虚偽・誇大に著しいという形容詞はつかないと理解しております。ここの検討をお願いします。

その下の(3)「必要に応じ、さらなる検討を行うこととする」と記載されていますけれども、ここはぜひ通信販売における特性を考慮して、必要な検討を行うこととするというように考えていただければと思います。

もう一点、13ページ、割賦販売法の見直しの具体的な進捗に関しましてなのですけれども、これも意見書の12番に書きましたが、私たちがこの検討をしたのは6月24日でして、6月24日の検討のまとめは13ページの一番上で正しいと思いますが、7月3日に経産省さんで行われた割賦販売法のまとめ案が出ております。それを反映した形で(3)の取りまとめ(案)を記述していただきたいと思いまして、その修正案を記載しております。

大変長くなりました。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

増田委員、よろしくお願いします。

○増田委員 資料2-7として私から意見書を出させていただいております。その中で幾つかピックアップしてお話したいと思います。

3ページ、権利の政令指定性の見直しについての部分ですけれども、架空とか違法の取引についての考え方について、結果的に架空あるいは違法な目的物を対象とする取引、詐欺であるケースはあるものの、消費生活相談窓口に相談が寄せられた場合には、架空あるいは違法な目的物を対象としているとか、詐欺であるなどの断定をすることはできず、即座に警察へ案内することはしません。どの法律の適用があるかを検討し、被害回復のために効果の高い特定商取引を活用しているという意見がありましたので、追記していただきたいと思います。

5ページ、国として行った調査データとして消費者庁アンケート、96%の消費者は訪問勧誘、電話勧誘を迷惑だと感じているということを、必ず入れていただきたいと思います。

6ページ目にマル1、マル2、マル3、マル4とありましたけれども、マル1の中で被害に遭った人が相談をする割合は2.8%という報告であることを明記していただきたい。法律改正をすべき十分な根拠であるということ。また、全国の消費生活センターの消費生活相談員は、寄せられた相談について専門家として詳細に聞き取り、被害回復を図るために法律に照らして問題を把握し助言、あっせんを行っている。それらをルールにのっとって正確にPIO‐NETに入力している。PIO‐NET情報は立法事実を裏づける資料として十分であり、重く受けとめるべきであるという意見がありましたので、それを追記してください。

(3)の高齢者や女性の雇用の確保や地域コミュニティーを支えているという社会実態等への影響という部分についてですけれども、今、求められている見守りネットワークは、宅配業者やガス検針等の既存の契約があり信頼関係が築かれている事業者によるものであり、販売目的に来訪する信頼関係がまだ築かれていない訪問販売の事業者による見守りではないという意見がありましたので、追記していただきたいと思います。

8ページの今後の検討についてですけれども、精緻な分析及び法規制の効果の検証が必要と記載されておりますが、これは一部の委員の意見であったと思います。既に十分なデータの分析がなされており、法規制の効果の検証の結果、改正が必要であるという意見もありましたので、今後の検討として記載するには片方だけの意見のように思いますので、書くのであれば両方を書いていただきたいと思います。

最後になりますけれども、11ページの通信販売に関しまして、広告の取消権に関してです。景品表示法は違反した場合の行政処分を規定しており、課徴金が課せられるとしても当事者にとっての民事的な効果はない。したがって、たとえ景品表示法による規制がなされたとしても、特定商取引法において契約の取り消しを認める規定を設けることに何ら問題はないという意見があったと思いますので、追記していただきたいと思います。

以上、何点かだけですが、よろしくお願いいたします。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

佐々木委員、よろしくお願いします。

○佐々木委員 今、河野委員と増田委員から出た内容について少しなのですけれども、まずPIO‐NETの資料の精緻な分析という内容についてすべきだということについて、私はそう本当に思っていまして、参考資料1でも述べさせていただいていますが、PIO‐NETへの統計データが立法の根拠として検討が進められているわけですけれども、この数値そのものの中に何度も申し上げていますが、アダルト系情報サイト、出会い系サイトなどの被害も全部入ってきております。それを除いた数値を私どもの資料の6ページに出していますけれども、この比率でいくと非常に数値的には例えばPIO‐NETの数値、相談件数とその内容から見ると本当に0.00001%、これが例えば先ほども河野委員がおっしゃったように3%ということであったら、30倍にしたとしても数値的には非常に少ない数だと思うのです。それを根拠に立法の根拠と本当になるのかと思っております。

また、消費者アンケートを必ず加えるべきであるとおっしゃっていましたけれども、これは第4回のときの資料の中にもございますけれども、参考資料として消費者庁さんの資料の中で13ページに販売方法と契約の帰趨に関する傾向についてということで、訪問販売を受けて契約を成立した人にアンケートをとっていて、実際には「契約してよかった」と「契約して良かったと思う場合のほうが多い」という数字が実際には51.5%で半分以上の人。電話勧誘販売の場合には「契約してよかった」と「契約して良かったと思う場合のほうが多い」が43.5%ということで、当然この数字も私も前回申し上げましたけれども、訪問販売、電話勧誘を受けたいですかと言ったら、嫌ですと私は答えます。それをもとに全部をそういう全体の意見だということを言ってしまうと、ではこの数値、実際に買った人が半分は満足されているということなのであって、それを無視して一方的に出すのはバランスの点からもおかしいのではないかと思います。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

ただいま河野委員、増田委員の御意見に対する反対意見といいますか、そういうものも出ておりますけれども、事務局はこの点いかがでしょうか。

○事務局 事務局から何点か申し上げたいと思います。

まず1点は、今、幾つか御意見の追記についての修正提案がございました。その点については河野委員からも御指摘いただきましたように、議論状況をありのままに反映させるという観点ではございますので、意見があったところはなるべく反映したいと思いますが、一方で中間取りまとめでございまして、意見をそのまま並べるという形では見やすさに欠ける部分もあるかと思います。そこの書きぶりについて、ほかの委員との重複の部分もあるかと思いますので、そこは検討した上で意見の追記を考えたいということで、座長と相談させていただければと思います。

今の佐々木委員から御意見があった、立法事実に関する記載のところで勧誘に関する記述についての今後の検討について、8ページから9ページにかけてのところかと思いますが、ここは今、佐々木委員の御意見もお聞きしておりますと、立法事実の分析については御意見が分かれているところで、そこは課題としては残されているのかなと思いますが、その前の意見の整理のところで双方の意見があるというところは、先ほどの意見追記という範囲で検討させていただきたいと思います。

もう一点は、アンケートについての記載というところで御指摘があり、佐々木委員から別の御意見もいただいたところですけれども、ここはそういう意味で最後評価については御意見が分かれているところですが、資料としてこれまで引用されているところではあるということですので、資料として引用されたということをどこか注記も含め記載するということであれば考えられるのかなと思うのですが、その点についてはもう少し御議論をいただければと思います。

○後藤座長 野坂委員、よろしくお願いします。

○野坂委員 大変時間が限られているのでポイントを絞って発言したいと思います。

まず5ページの勧誘、これまでも議論が出ていたところですけれども、消費者庁の資料でPIO‐NETの相談件数とか強引の類いに分類された件数には、特商法の適用除外分が相当含まれているという資料が出ておりました。そうしたものだけを根拠に特商法で規制強化する立法根拠はないのではないかという指摘があったわけですが、今回の資料は中間取りまとめの5ページ(2)ですけれども、欄外の7に「適用除外の苦情や特商法上の勧誘に該当しない行為の苦情も含まれる」と小さく書いてあるのです。後ろめたいからこのようにしているのかもしれないけれども、この部分は立法事実があるかどうかを検討する際に重要な本筋の話でありまして、欄外で小さく触れるべき話ではありません。ですから、本文中に適用除外分も含めたデータなのだということを、また特商法上の勧誘に該当しないものも含まれた件数なのだということは、本文に書かないと大変不適切な書きぶりだと思っています。

また、従来の議論ではPIO‐NETの「相談件数」と書いていたことが多かったのに、この中間取りまとめでは「苦情相談」と言いかえられています。相談件数には苦情だけではなく問い合わせも含まれているのではないかということも再三、疑問点として提示してきたわけですが、これもまた欄外7で矛盾した書き方をされているのです。「統計では苦情件数のみを用いることとされている」という伝聞調で書く一方で、「本中間取りまとめでは、問い合わせや要望は含まない件数である」と言い切っているわけです。どのような根拠があってここで急に言い切ってしまっているのか疑問でありまして、その点も是正を求めたいと思います。

先ほど来、出ている「精緻な分析」の関係ですが、私ども商材別にどれぐらい被害額があるのか、特商法の適用分も含め、あるいは適用除外分も含めて商材別の被害金額を出してほしいと何度もお願いしていますが、いまだに出てきていない。また、相談件数のうち特商法違反がどれぐらいあるのかも示してほしいのに出てきていない。相談件数のうち国センなり消費者センターあるいは行政と連携してうまく処理したもの。処理件数がどれぐらいで、処理できなかったものはどれぐらい。そういう相談のその後の状況を教えてほしいというのにいまだに出てきていない。それがまさに「精緻な分析」です。それがまだ現段階で出ていないのだから、これは9月以降続くのであれば、精緻な分析が必要だということで先ほど8ページ、9ページに書いてある「精緻な分析」という文言は、まさにそういった疑問点に答えていないからこそ、これからさらに進めなければいけない課題として出ているのだと思います。

消費者アンケート、先ほど各委員あるいは事務局から説明がありましたが、あのアンケートは特商法の対象に限ったものなのか、そこが曖昧だし質問の設定とかいろいろと疑問点があります。1つの参考にはなるでしょうけれども、絶対的なものではないと思うのです。一方で訪問販売や通信販売を利用されている多くの利用者の方の声も当然あるわけです。たしか業界の方にもアンケート調査はあったはずですが、もし消費者アンケートを追加で記載するならば、あわせて利用者の声のアンケート調査も載せないとバランスを欠くと思います。

PIO‐NETが全体の3%とか数%とかいう数字が出ているわけですけれども、これも本当に根拠ある数字なのか何とも言いがたいと思うのです。氷山の一角だと言っても、そうなのかなと思う反面、この3%が独り歩きするのはミスリードだと思います。むしろ利用者の声、本当に利用されている声、特に地方では今、訪問販売とか通信販売は大変活用されているわけでありまして、また、お年寄りも活用されている。そういった便利だ、利用して大変よかったというような声がたくさんあるわけでありまして、それを全く無視した形でPIO‐NETが氷山の一角という一方的な議論はおかしい。利用されている方の声も当然尊重しなければいけない。

時間が限られているのだけれども、6~8ページに行きます。どなたかの委員もおっしゃっていたけれども、非常にまとめ方が稚拙であります。6ページ(1)4行目のところに「事業者からのヒアリングも実施した」の後で「この過程で」と言って委員からの意見が出ていますけれども、ここにすぐに委員の意見があるのはおかしいのであって、委員の意見は(2)でいろいろな意見が出たんだというまとめ方をしないとおかしいと思うのです。

特に「この過程で」というところでいろいろな選択肢めいたものが出てきております。いろいろな意見が各委員から出されたので、繰り返しになりますが、(2)にこんな意見が出たという形で整理するべきであって、いきなりここで方法論を(1)で言及するのはおかしいと思います。ここは削除すべきだと思っています。削除して(2)に移して適当に要所要所で書くという形がわかりやすいのだと思います。

(2)では、委員及びヒアリング対象となった事業者から提出された意見とあります。後段の12ページではインターネットモールとか、通信販売では事業者はかくかくしかじかの意見があったと書いているのですが、勧誘については事業者の意見が我々委員の意見とごちゃごちゃになっているのです。こういう混在した分析はおかしいのであって、あれだけたくさんの事業者にヒアリングをしたわけでありますから、事業者の意見をはっきり委員の意見と分けて書くべきだと思います。

立法事実とか、マル1~マル4の分析ですが、これも6ページの(2)と8ページに出てくる(3)の黒ポツ3つ、この分け方がよくわからないです。(2)と(3)はあわせて各委員の意見の紹介としてまとめるほうが素直であって、重複感もあるし、(3)に書いてあるものを(2)に取り込んでいくほうがわかりやすいと思います。

その上でマル1ですけれども、この文章は悪文の典型でありまして、1文が長過ぎるのです。長過ぎるから読みにくい。とにかくそもそも論として立法事実があるかないかの議論があったわけでありますから、それは立法事実がないという意見と、それに対する意見をあわせて並行して書けばいい。まず前段として立法事実が不明瞭であり、強引な勧誘とは何か。その基準も定義も曖昧であるから主観的判断ではなく精査が必要だという意見があったと、ここで一旦切るべきです。その後の目的と手段との合理性云々という効果検証も不十分であるという意見があった。さらに立法事実を精緻に検討した上で云々かんぬんの意見があったとして、それと8ページ(3)の2つ目の黒ポツ、特商法の適用除外業種についての問題をどう扱うか、どう見るかによって立法事実が大きく変わってくるわけでありますから、立法事実について書くならば、適用除外分も含めた(3)の2つ目の黒ポツも含めてここに書く。その一方で、こういった見方に関して今、一部委員がおっしゃられたような話を書けばマル1は整理できるのだと思うのです。

マル2も自己決定権や生活の平穏についていろいろと書いていらっしゃって、一方、それに対する反論が書いてあって、バランスとしてはそこそこいいのだと思うのですけれども、一部委員の意見で私は詳細を見ていませんけれども、生活の平穏をめぐって判例について記述がありました。明らかなことは、訪問販売と関連づけて正面から生活の平穏権を認めるような判例は存在しないということです。ここの記述も「訪問販売と関連した生活の平穏を正面から認める判例は存在しない」とはっきり書くべきであります。生活の平穏は憲法で確立されたものではないことは以前も指摘しましたし、憲法で保障された営業の自由とのバランスが重要である。その点は改めて強調しますけれども、どなたかの意見書でありましたが、ふわふわした「日常の権利」というまとめ方では説得力はありません。恐らく内閣法制局もそういったふわふわしたものではとても通らないと思いますし、そう考えるとマル2の記述は、言いたいことはありますけれども、基本的にはおおむね要所を押さえているバランスをとったものだろうと思っています。

むしろマル3は、これも先ほど言ったように8ページの(3)の黒ポツ1と黒ポツ3、要するに経済全体への影響とか、あるいはトラブルを起こしている事業者に対する執行の強化というくだりを(3)の第1パラグラフの最後のところ、「全ての販売事業者、電話勧誘販売事業者を対象とする規制は、事業活動への影響が大き過ぎるのではないかという意見があった」とあわせて、追加して移動して書くのがわかりやすい書き方だと思います。

いろいろなことがあるわけですけれども、いずれにしても例えばステッカーの話とか、海外の事例も言及されている方がいらっしゃいましたが、あれも記憶によれば、アメリカの事例はほんのごく一部の自治体の、ほんのごく一部の家庭で導入されているだけで、連邦政府も州政府単位も導入されていない。大変、費用対効果もよくわからないまま、現在に至っているわけです。今後も9月以降、議論するならば、さらに詰めていけばわかってくることがあるかもしれませんけれども、今の段階ではよくわからないままで今日を迎えているわけでありますから、また、個人情報の保護も明確になっていない。そういう段階なのに、中間取りまとめで軽々にステッカーがいいとか、レジストリ制がいいというような一方的な書き方はおかしい。書くならば、その点はアメリカの事例も踏まえてステッカーあるいはレジストリ制の費用対効果とか問題点もいろいろと指摘されたということを書いてもらわないと、9月以降の議論につながらないと思っています。

今後の検討については、これも縷々あるのですけれども、大変印象に残っているのは第6回の事業ヒアリングの不手際だったと思います。前代未聞と言うべき不手際があったわけで、これに対して次の第7回の冒頭に河上委員長から我々はお叱りを受け、大変重く受けとめたわけです。ほかの委員の方もそうだと思いますが、その趣旨が今後の検討について、あるいは最後の20ページの「おわりに」で出てきていないのです。河上委員長のコメントというのは、いわゆる「河上談話」と言うべき大変重いものだと思います。「緊張感を持って真摯に議論しろ」ということでありますので、これを踏まえた文言が「おわりに」では必ず必要だと思っています。つまり、消費者の保護と営業の自由のバランスに配慮して、今後も丁寧に緊張感を持って議論していくのだという専門調査会としての基本的なスタンスを中間段階で河上談話を踏まえて「おわりに」で触れないといけない。広く社会、世間が見ているわけでありますから、ああいうヒアリングをして、要するに上から目線でやるなということであったわけでありますから、謙虚な気持ちで今後も議論していくんだということを「おわりに」に書くべきだと思っております。

そのほかにもいろいろと話したいですが、この調査会は常に時間がタイトで限られているので、ひとまずここで終わりにします。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 発言用のレジュメを配付していただいています。資料2-4ですが、これをそのまま読み上げることではなくて、もちろん申し上げたいことをそれぞれ記載してありますので、特にこういった意見もあったということについて一つ一つ申し上げるには時間がありませんので、事務局で受けとめていただきたいと思います。

今、この間に出た意見に関連したところに論点を絞って申し上げたいと思います。

まず私のレジュメで言いますと1ページ目の下から2ページ目に、6ページから7ページのマル1、マル2、マル3、マル4という記述のところ、もう少し論点ごとに整理していただきたいということ。さらに言えば、先ほど野坂委員から御指摘がありましたように、その後ろの(3)も実は出た意見の紹介のところですから、そこも含めた整理。恐らく小見出しをつけることによって、そのあたりはもう少しわかりやすくなるのではないかと思います。

例えばマル4の記述の中の半分くらいはマル1の立法事実論に移るのではないかということも含めて、私のレジュメの1ページから2ページには、これはA、B、Cと仮につけましたが、対応の必要性があるか、立法事実の存否や評価に関する議論に関することと、対応の視点あるいは方向性ということで、このあたりで営業の自由と消費者の自己決定権あるいは生活の平穏との関係をどう捉えるか。これはひとしきり大きな議論があったと思います。

それから、何らかの対応をするとしても、現行法の再勧誘の禁止の執行強化はどうかとか、解釈を拡大したらどうかというようなこと、それから、私どもが申し上げました事前拒否者への勧誘禁止というもの、不招請勧誘原則禁止というオプトインというもので、その他の方策いろいろあったと思うのですが、このあたりもどうも議論が勧誘規制を強化するというとオプトイン、不招請勧誘原則禁止に一気に流れるのではないかという想定のもとで批判意見が出ているところもある。しかし、事前に本人が拒否の意思表示をした場合に絞るということで、それもステッカーだと誰が張ったのかとか、そういう問題点の指摘があった。それに対しては本人が登録をし、それをステッカーとして発行してもらうとしたらどうかということを前回申し上げたと思うのですが、そういった選択肢に関する論点、しかもさらに事前拒否者への勧誘禁止の中でも今、野坂委員からも指摘がありましたが、レジストリ制度という中にも実はリストを提供するのか、それともチェックをして削除をするというリスト洗浄方式という、そういう議論もあったと思います。そのあたりももう少し論点に小見出しをつけるなどして整理していただければと思います。

2ページ以下のところが今のA、B、C、Dの各項目についての意見ということで出ているところで、これはかなり重複しますのでお読み取りいただければと思うのですが、Aのところで書いたのは立法事実が不明瞭という批判の議論から始まっているのですが、まずは平成20年改正以降、被害がほとんど減少していないではないかということなど、これまで出されたものの中でも立法事実として認められるのではないかという意見が一方であり、他方で御指摘のような不明瞭だという意見があった。ただ、PIO‐NET情報については立法事実を裏づける資料として、十分な評価ができるという意見とそうでないという意見が分かれていたところなのだろうと思います。

3ページの下のところ、これは先ほど野坂委員から御指摘があったところで、ここは中間取りまとめの中では、生活の平穏を正面から認める判例は存在せずというまとめ方をしてあるので、これは不正確だと。判例学説の中でも生活の平穏というのはいろいろなところで、住居侵入罪とかさまざまなところで出ているので、これは不正確だと思うのですが、先ほどおっしゃったように訪問販売等に関連して正面から論じたものはないということであれば、それは指摘としては当たるのだろうと思います。

ただ、それに対してここでの議論もありましたかと思うのですが、私のレジュメの4ページの5行目以下で立川のビラ張り判決とか、囚われの聴衆判決、電車の中で広告の音声が流れるという、こういう一連の判例群を紹介される過程で、それをどう見るか。これは法律的に見ると営業の自由、表現の自由、それから平穏な生活権を比較考慮して判断するというのが判例の考え方です。そして、その中でも電車の中とか公共の場所での平穏な生活権、プライバシーよりも、個人の住居における平穏な生活権のほうがより保護の程度が高い。そういう分析ができるという御指摘をいただいたかと思います。

だとすれば、個人の住居に対する訪問勧誘、電話勧誘という場合には、平穏な生活を侵害する程度がより大きいのではないか。こういう分析等がここでの議論で行われたと思いますので、意見として出たということは紹介しておいていただきたいと考えるところです。

今後の検討、私のレジュメでは7ページ目に飛びますが、先ほど申し上げたように一律禁止、一律規制なのか、それとも本人が拒絶している場合に絞ってなのかというところをきちんと分けた議論をしないといけないのかなということは、何回か私もここで申し上げたと思うのですが、7ページ(7)で指摘しておきましたが、今後の検討の方向性の中に対応策の制度提案をもう少し具体化したものを素材として議論していくことによって一致点が見出し得るのではないか。これもあくまで意見として申し上げただけで、そうだということでは必ずしもないかもしれませんが、このあたりも今後の後半の審議の中で考慮していただきたい検討の方向性ではないかという意味で紹介を入れておいていただきたい。

それとの関連で2つ目の○ですが、これは河野委員からも指摘があったかと思いますが、消費者トラブルの実態について精緻な分析及び云々という言葉があります。これについて先ほど佐々木委員あるいは野坂委員からもまだ分析が不十分であるという御指摘がありました。

ただ、分析が不十分という言葉の意味あるいは前回までの議論を踏まえてみますと、PIO‐NET情報を一定の件数とか苦情のキーワードとか分析したものは提出されていたのですが、いわばPIO‐NET情報というものをどう受けとめるのかということをめぐっての議論、いわば意義とか信頼性とか、そもそもどういう分類をしているのか。問い合わせというのはどう処理されているのかということがはっきりしていないということがあったと思いますので、むしろ後半の審議の中では一から素材の生の事件を取り出して事例を分析するというのがここの場の役割ではないと思いますので、PIO‐NET情報の意義や記載内容の信頼性などの検証をもう少し丁寧にやるということが一番重要なのではないかと考えております。

あと、この間出た意見の中で、これも先ほどの一律禁止ではなくて拒否者への勧誘禁止であるということにも関連するかと思うのですが、先ほどこれは佐々木委員から紹介されたところで、相談の発生率はごく少ないんだ。そういうもので一律規制を及ぼすということは適切でないという趣旨の御発言がありました。それは全くそうだと思うのですが、ただ、例えば通信販売の分野で言いますと適正な表示をしているものについては何も苦情は出てこないし、あるいは不適正な表示でトラブルが出たものにどうするかということですから、適正な表示が多数ある、それを規制するものではない、不適正な表示があったものについての規制の仕方として、もう一歩進めるかどうかを議論しているんだというように考えていただければ、先ほどおっしゃった相談の発生率が低いからということは、今、議論している通信販売のところでの規制をもう一歩見直すべきだという議論そのものを否定することにはならないのではないかと感じました。

同じことが恐らく一部の悪質業者を規制するために、大多数の健全な業者を規律するような規制はあってはならないという意見も、これも根っこは同じところになるのではないかと思うのですが、ただ、この場合、詐欺的な商法を本当にやっている業者なのか、通常の取引なのかというのは、実は取引に入る段階では消費者あるいは社会からは見えない。もちろんそれがはっきりしたものは警察が摘発してもらわなければいけないのですが、それが見えないで、しかし苦情が繰り返されるから、特商法はもう一段外側の外形的な特徴で、例えば書面交付義務だとかクーリングオフだとか、そういう規律を加えている。それと同じように特商法の基本は消費者の主体的な意思決定を尊重するんだ。そのために書面も交付するし、不当な勧誘行為の規制もある。だとすると、入り口段階での主体的意思決定を尊重するというところが決して一律規制のオプトインではなくて、オプトアウトの事前拒否者への勧誘禁止という形で入れてはどうかということで申し上げたつもりです。そのあたりが先ほどの意見を紹介する中で一律禁止ということではなくて、オプトアウト、事前拒否者に絞ったものとして提案するものであるということは、もっと複数の方からそういう意見が出ていたと思うので、そのあたりを加えていただければ整理できるのではないかと感じました。

とりあえず以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

有山委員、よろしくお願いします。

○有山委員 私の資料は2-6です。

お願いなのですが、野坂委員がたくさんおっしゃるので、私は聞き取りにくいので、一度ペーパーを出していただけるとありがたいなと。お話の内容で営業の自由が憲法に保障されているというところなのですが、私は勉強不足なのか第何条なのか、そういうこともわかりにくいので、根拠となるところをきちんと出していただけると、今後の後半にかけて勉強させていただきますので、よろしくお願いします。

私の意見としては資料2-6に書きましたように、消費者団体連合会のアンケートや消費者庁のアンケートにもやはり触れていただきたい。これが重要なところです。私たちが考えるのに多くの方がそのように考えているのだなという根拠になると思っております。

意見3なのですが、3を入れるために2の意見も出しておりますが、意見3に書きましたように、私はヒアリングを受けた段階で自動車販売連合会、高島屋のクロスメディア事業部のお話を伺いましたけれども、全体のトーンとしては不意打ち的な飛び込み勧誘はおおむね行っていないというようなお話だったと思うのです。そして、その上DMについては私は捨ててしまうから問題はないのかなと思っていましたが、クロスメディアさんや自動車販売連合会だと思うのですが、DMや訪問による威圧感を消費者が持つことがないよう、メールアドレスを消費者に登録してもらい、登録者に対して情報提供するなど、消費者とよい関係を持つように努力している。このような取組みがよい結果を生み満足しているというアンケートに反映してくるのだと思うのです。

通信販売の業者さんも、私は通信販売協会に入っていらっしゃるような業者さんを使ったほうが安全度は高いと思っておりますし、私自身も満足度が高い、通信販売を利用させていただいています。通信販売を過半数以上の人が支持するというのは当然のことだと思うのです。ただ、通信販売の支持されている人たちとは別に買いたくないとか、カタログが要らないとか、そういうカタログをお断りした人には送らないとか、以前の制度がありましたね。そういうものをきちんと整えていることによって、全うな業者さんがもっともっと支持される基盤が広がるのだと思っているのです。

先日、楽天のヒアリングのところにもお話しましたけれども、宝石業界の方が、宝石は日本の通信販売で買うという海外の方が大変多い。それは取引が公正に行われているという印象が強いからだと。私たちは取引が公正にできるような形を望んでいます。強引なとか、不意打ち的なとか、それから、嫌だという人に売らないでほしい。その程度のことなのです。当たり前のことのように考えています。そして、新聞業界においても試読紙を提供するとか、牛乳業界でも試供品を提供する。これは強引な勧誘が伴わなければ当然、自分の商品のいいところを宣伝するのだから、了解を得てやる分には問題はないと考えております。このヒアリングの内容というのをもう少しきちんと書いていただきたいということで出させていただきました。

単純な私たちの論理なのです。勧誘を嫌がる消費者に対して勧誘しない。100%勧誘を嫌がる人ばかりになっていくという思いを私は持っておりませんので、当然少数の人で嫌だということの権利を守るのは当たり前のように考えております。

あとは勧誘に先立って全体を通してなのですが、被害実態がないということについて合意がなかったのかというのも、合意があったと考えておりますので、そのことは書いていただきたいと思っています。

それから、特商法というのは悪質業者と健全業者さんを区別するような法律ではなくて、悪質業者が行うような勧誘行為を規制する法律なので、それをきちんとしていくことを望みます。同じ業界において、悪質的な、詐欺的な業者さんは全うな業者さんと同じようなことを主張します。人件費も抑えているのか、それから、全うな工事をしないとか、そういうことで経費も軽減していますので、勧誘についてはフットワークがいいと考えております。悪質な通信販売でいろいろなトラブルが起きますときも、消費者センターが休みのときに電話をかけて強硬なお金を支払わせるような要求をすることもあります。普通の販売業者さんが夜中に売らないのに夜中に行って売るとか、そういうものについて嫌だということで事前に拒否する人を守る。少数派であるかもしれないけれども、守るような体制を整えていただきたいと思っております。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

野坂委員に対して今、意見書を出すという御希望が出ていますけれども、どういう取り扱いにしましょうか。

○野坂委員 検討します。

○後藤座長 事務局としても、それでよろしいですか。

○野坂委員 間に合うように出せということですか。それまではいいでしょう。私、しゃべっているのだから。

○有山委員 できれば早いほうがうれしいです。

○後藤座長 あと一点、消費者アンケートの扱いについて意見が分かれていますが、これは先ほどの事務局のお答えですと、資料として引用されたということをどこかに載せるという方向を考えているというお話なのですが、いかがでしょうか。そういうことでよろしいですか。村座長代理、お願いします。

○村座長代理 アンケート調査の結果については、資料で提出いただいている客観的な事実であることは間違いないと思いますので、中間取りまとめの5ページの(2)の次のところにでも入れていただくべき筋のものではないかと私も思います。ただ、アンケートについては評価についていろいろな意見が出ているということですので、それが無視できないと思いますので、この評価については意見のところで併記していただくということで、意見がいろいろあるから議論のときにデータをお出しになったものを眠ってしまうということは、前半の議論の中身をまとめるものとしては不誠実なものになってしまうのではないかと考えます。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

なお御意見がございますでしょうか。佐々木委員、よろしくお願いします。

○佐々木委員 先ほど申し上げましたように、これは聞き方だと思っているのです。消費者に対して、あなたは訪問販売を受けたいですかと聞かれたら、嫌ですと答えるのが非常にナチュラルな返答だと思っているのです。そういう意味では、それを全部載せることによって全体の意見というよりは、むしろ先ほど申し上げたように、実際に買われた方がどのように思ったかというのまで載せるべき。もしバランスをとるのであれば載せるべきだと思います。

先ほどPIO‐NETの分類なんかでもいろいろ出ていましたけれども、例えば我々日本通信販売協会として通販110番というものを設けていますが、そこに来る電話、例えば通販事業者に電話をかけたけれども、電話がつながらないとか、そういう苦情は結構多いのです。ですからカテゴリの分析というのは確実に精緻な分析が必要だと思います。質問の仕方だと思っています。

○後藤座長 ありがとうございました。

ほかに御意見がございますでしょうか。花井委員、よろしくお願いします。

○花井委員 4点だけ、資料2-3に意見を提出させていただきました。

まず、消費者庁や全国消団連が行った意識調査の結果を載せる件に関しましては、先ほど村座長代理の御提案のとおりがいいかなと私も思っておりました。

2点目として、順番がこのとおりになるのかどうかは今後の議論になるかと思いますが、6ページ(2)「主な意見は以下のとおり整理することができる」の次に、20年改正で開始前の意思確認や再勧誘の禁止だけでは実効性が上がっておらず、PIO‐NETのデータも横ばいあるいは微増しているという現状や、特商法が消費者の利益の保護や、特定商取引の適正化を図るということを考えると、さらなる勧誘規制が必要であるという意見がたくさんあったと思います、まずそのことを書いていただきたいです。

3点目ですが、先ほど有山委員も少し言われましたが、事業者ヒアリングの結果を踏まえた意見というのもあったと思いますので、追加していただきたいです。事業者ヒアリングにおいては、現在でも拒否している人のリストをつくって訪問しないようにしている事業者あるいは電話をかけていいかどうかについて、あらかじめお客様の了解をとって迷惑にならないように努力したり、今後はメール等の手段を考えるという事業者などがあったことから、善良な事業者というのは迷惑な勧誘にならないようにきちんと対応されている。むしろ、悪質業者を規制するために勧誘規制は必要ではないかという意見があったということを、ぜひ載せていただきたいと思います。

最後になりますが、(3)の3つ目のポツも移動する可能性があるかもしれないということでしたが、増田委員もおっしゃいました見守りサービス等の影響についてです。消費者は、顔見知りの検針員だとか配達員だとか料金の徴収員には見守りサービスをやってほしいと考えていますが、飛び込みの勧誘員には見守りをしてほしいとは思っていないという意見があったことも追記してほしいと思います。そうしないと誤解を招くと思います。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

高芝委員、よろしくお願いします。

○高芝委員 3点、意見を言わせていただきます。

1点目は、まとめ(案)の8ページの(3)の最初の中黒の4行目で、特商法の法目的について触れられています。「特定商取引法の目的は悪質な商法を抑止し、処罰することにあ」ると記載されています。これは委員の意見を引用したということでありますけれども、今回の中間取りまとめ(案)で特商法の法目的に関する記述はここだけとなっています。

言うまでもなく、特商法の1条では、購入者の利益の保護と適正かつ円滑な商品等の流通及び役務の提供の2つを目指すことが記載されておりますので、いずれかの箇所で法目的も明らかにしていただければというのが1点目です。

2点目は、従前の議論の中で、事業者が行っている自主規制の強化、拡充、それから、消費者教育の普及等も論点として上がっていたかと思います。これらは、勧誘に関する規律についての検討の前提となる事項と思います。この中間取りまとめ(案)では、インターネットモール事業者の取り扱いのところで触れられていますけれども、それ以外のところにおいても議論があったかと承知していますので、その点も可能なところで触れていただければと思います。それが2点目です。

最後3点目ですけれども、現在この検討課題に挙がっている勧誘に関する規律については、全ての消費者、全ての訪問販売事業者または電話勧誘販売事業者を対象とする一律の行為規制を行うかどうかという内容になっていようかと思います。そのため、それぞれの立場によって立法事実等の見方とか考え方が分かれているのではないかと思われます。

本日の中間取りまとめ(案)の9ページの上から3行目、4行目に、今後の検討についての方向性も示されておりますが、事業者、消費者等の関係者が協調して取組を進められる一致点を目指すという観点からしますと、一律の行為規制以外のアプローチの可能性も含めて検討することがあり得るのではないかという意見も議論として出ていたかと思いますので、その点についても触れていただければ幸いです。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、ほかに御意見ございますか。村座長代理、よろしくお願いします。

○村座長代理 私の意見は資料2-2で提出させていただいています。ただ、全部お話をしていると時間がちょっとあれですので、要点だけかいつまんでお話をさせていただきます。

まず中間取りまとめ(案)の8ページの3つ目の黒ポツのところ、これは花井委員、有山委員からも意見があった部分になりますけれども、見守りサービスなどの地域コミュニティーについて触れているところがございます。先ほど花井委員は、新規の飛び込み勧誘の業者に見守りを消費者は求めていないという意見を述べられましたが、私は新規の飛び込み勧誘をする事業者には見守りは不可能であると思っています。そういう意見も複数これまで出ているかと思います。つまり、その消費者の生活ぶりをふだんから知っていることがベースになって、そこに定期的に訪れるという現実があるから見守りサービスだとか地域コミュニティーに貢献できるということなのです。

私の意見ですけれども、資料2-2の4ページのところに(3)ということで、その旨が書いてありますけれども、宅配業務をやっているとか、ほかの委員は触れておられないのですけれども、御用聞きであるとか常連顧客であるとか、消費者が要請している場合であるとか、そういう場合にまさに見守りであるとかコミュニティーへの貢献ができるということです。

現在、問題になっている訪問勧誘とか電話勧誘の問題というのは、こういった取引を問題にしているものではないのです。ですから、そこの議論がごちゃごちゃになってしまっていて、議論が少し混迷しているような気がいたしますので、8ページ目の3つ目の黒ポツのところは、そのような意見があったことを明記していただいて、それで最後の今後のところはひとまとめにするのではなくて、新規の信頼関係の形成されていないものを問題にするものであるということも含めて、うまく取りまとめていただく必要があるのではないか。そうでないとまた混迷状態に陥って堂々めぐりになるのではないかと思います。

佐々木委員が述べられた、自分だって迷惑かと聞かれれば迷惑だと思う。だけれども、来てもらいたいものもあると述べられたのは、まさにそこのところがあるのだろうと思うのです。そういう気持ちというのは多分、消費者側の委員も同じだと思うのです。根底は同じだと思います。要するにどの範囲の議論をしているのかというところは整理されないままになっているので、混迷をしているのではないかと私は思っていますので、そのあたりをうまく反映していただけないかということを望みたいと思っています。

全体的に、特に訪問勧誘、電話勧誘販売における勧誘についての部分の取りまとめが、これは野坂委員も指摘されたようにまとめ方が余りうまくないことがあって、論点がうまく見えてこないのと、消費者側の意見がきちんと書かれていないというところが多々あって、非常に読みにくい状態になっているように思いますので、つけ加えていただきたいことは私のペーパーに最小限のポイントだけ絞って書いておきましたので、消費者側の意見もうまく併記していただく形で論点の整理をお願いしたいと思います。

以上です。

○後藤座長 山本委員、よろしくお願いします。

○山本明委員 資料2-1で意見というかまとめておりますので、ご覧いただきながらということでお願いしたいと思います。

中間取りまとめ(案)の9ページでクレジットと金銭の借入関係の行為についてのまとめがされておりますけれども、第9回のときに申し上げたのですが、特商法の7条の指示対象行為ということで議論だったと思いますけれども、7条では取引の公正とか購入者等の利益が害されるおそれがあると認められるときという規定がされていて、その上で、具体的な対象行為が規制されておりますので、その中に今回の勧める行為を位置づけるという形になれば、一般的な一律に借り入れ等を勧める行為を全部規制することにはならないということで申し上げましたので、そのことをつけ加えていただきたいと思っております。

アポイントメントセールスのところで、10ページになりますけれども、大体、今までの議論ですと理解はできていると思うのですが、一応ここで指摘させていただいたのですが、特商法をあえて逃れようということで対面して再来訪を要請するというやり方をとっているという悪質な行為だと思いますので、そのことを指摘させていただいたところがありますので、資料2-1の下線部のところ、(2)のところですね。悪質な手口が巧妙化しているということが(案)では記載されているのですけれども、そこに加えていただいて特商法の適用を逃れようとしているという記述を加えていただいたほうが、そこの部分が明確になるかなと思っています。

同じく、そこの部分のところでSNSの件につきましては、電子メールと同じ機能といいますか、個人にメッセージを送信する機能がありまして、それを使って誘引というか誘い出されておりますので、SNSについてもそういう機能があるということから、政令で指定する電磁的方法に含まれることを明確にしていただきたいということで申し上げましたので、そのことを追記していただきたいと思っております。

17ページの事前参入規制のところについてになりますけれども、ここについては議論の前提と言うのでしょうか、文脈としては処分後に別法人を立ち上げる等によって悪質な行為を繰り返す事業者の対応策ということで議論がされていたと思いますけれども、まとめの案では、その部分の記述が16ページの前段にありまして、行政処分の効力の対象範囲の拡大についてのほうに載っていて、事前参入規制のほうは別項目で記述がされております。そうすると、その関係が見えなくなってきてしまいますので、原案に資料2-1では下線を入れさせていただいているのですけれども、処分後に別法人を立ち上げる等により繰り返し違法行為を行うことを明記していただけると、これまでの議論がよりはっきりとしてくると思いますので、その点でございます。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、沖野委員、よろしくお願いします。

○沖野委員 ありがとうございます。

これまで御意見がなかったような点あるいはあったけれども、少し補足させていただきたいと思う点に絞って申し上げたいと思います。

まず3ページの(2)なのですけれども、「これについて」と始まる段落の5行目に「他方、委員からは」という指摘があります。ここに2つの意見が書かれているのですけれども、これはどういう意見かわかりにくいのではないかという気が読んでいていたしました。

1つ目は、「委員からは権利の売買を原則として規制対象とすることによって、架空あるいは違法な目的物を対象とする取引について、取引の公正化も法目的として含む特定商取引法の規制対象とすることに対する懸念や」。これは御意見がこういう形で出ていたことは確かだと思いますけれども、これだけを見てもどういう懸念なのかがわからないように思います。むしろそこで言われたのは、議事録等を確認してより適切な表現にしていただきたいと思いますけれども、また架空あるいは違法な目的「物」なのかという問題もあるかと思いますが、それを対象とする取引については刑事罰等によるべきであって、取引の公正化を法目的として含む特商法の規律対象とすることに対しては懸念があるとの意見やとするなどが考えられます。こう考えましたときに先ほど高芝委員から御指摘を受けた、第1点の法目的が何かということをどこかできちんと明らかにする必要があるのではないかという御指摘がありまして、あるいはここで1条等に触れることもあるのかなと思いました。

2つ目の規制の後追いを改善することが目的であれば、政令指定で包括的に規制対象として云々・・高めるべきだという箇所ですが、ここも多分これだけ読むと規制の後追いを改善するならば、政令指定はやめてしまうというのが非常に素直に導かれる帰結ですので、この書き方ではどういう意見なのかがよくわからないのではないかと思います。もし最小限の手直しとするとすれば、規制の後追いを改善することを目的とする限りにおいては、こういう高めるということでも対処は可能であるとか、そういう表現に改めたほうがよいのではないかと思います。

次に4ページの(1)外国通貨の両替について非常に細かいことで恐縮なのですけれども、(1)の4行目に「民法上は必ずしも売買には該当しないこととされており」とあります。これだと民法上、議論が固まっているようですが、売買なのか交換なのか無名契約なのかという議論が多少はあり、しかし、ほとんど議論されていないところですので、せめて民法上は必ずしも売買には該当しないというのが有力な見解でありとか、もう少し足すならば、その性質は一義的に明確でなく、必ずしも売買には該当しないというのが有力な見解でありくらいにしていただいたほうが正確ではないかと思います。

6ページなのですが、ここはもう既にさまざまな御意見があったところですので、補足と考える点のみ申し上げたいと思います。

まず6ページ(1)の2つ目の段落「この過程で」というのは先ほど野坂委員が御指摘になったように、意見が出されたという委員の意見として書かれておりますので、そうであれば(2)に書くということになりそうなのですが、ここで書かれているのは本当に委員の意見として出されたという話なのかということも、内容としては確認する必要があるように思います。

と申しますのは、この(1)の中で現状を踏まえて対応を図る必要性ですとか方向性について議論を行ったとあるのですが、どんな議論を行ったのかその検討項目、あるいはどんな対応策があるのかその内容については全く触れられないまま意見に入っています。にもかかわらず、後で例えばステッカーについてはというように出てくるのですけれども、そのステッカーという方策が突然出てくるということがあります。では、それはどこに書かれているのかといいますと、現在の案の中では(1)の2段落目にかなりのところが書かれておりまして、ここで書かれているものは検討の方向性に関して「委員から」となっておりますが、1つ目の苦情内容の分析の徹底というのはこの後、委員の意見として出てくる話ですけれども、自主規制の強化拡充、執行の強化、再勧誘禁止違反行為に対する効果の加重、解釈による対応という、これは現行法のもとで法律改正がないままで、なお対応策としえこのような可能性があるということが1つは考えられるというもので、もう一つは再勧誘禁止以外の行為規制であり、再勧誘以外の行為規制として例えばどういうものがあり得るかということが議論の対象になった。さらにはこの中に具体的な手法として後に言及のあるお断りステッカーですとか、レジストリだとか、そういうことも実例として紹介され、議論の対象となったというぐらいの話がここにあって、そしてそれを踏まえてどんな意見が出されたかというのを(2)で書いたほうが、よりわかりやすいのではないかと思います。

(2)以下の意見は、(1)を受けていながら(2)以下の話は今の2段落目との対応では再勧誘禁止以外の行為規制の拡充という点についての諸種の意見ということですので、その点も明確にして整理し直したほうがいいのではないかと思います。

(2)と(3)とが非常に重複感があって、この2つがうまく分けられているのかというのは既に野坂委員や池本委員、村座長代理から御指摘があったところですので、そのとおりだと思っております。とりわけなのですけれども、マル1以下種々気になる点がありますが、重複をしない限りでということに注意して申し上げますと、(2)のマル4がとりわけわかりにくいように思います。と申しますのは現行の再勧誘禁止に関してと始まる最初の部分は、現行の再勧誘禁止では不十分だという指摘についてのものですので、現行法の規律の評価ということになっておりますけれども、その後のこれに対してこう講ずべきであってというのは、新たな規律を設けることについてどう考えるかということですので、これはマル1以下に解消されていくような話だと思われます。

一方、その後飛ばしまして8ページ2行目の「また」というところは、現行の再勧誘禁止の手法で現行法でいけないのかということに対しての反論です。マル4の冒頭の指摘に対する反論もかなり入れくんだ形で記載されていますので、ここは整理したほうがいいと思いますし、現行の規律で十分なのかということであれば、マル4ではなく、むしろとかマル1とかマル1に先立つような形になるべきではないかと思います。

(3)については(2)に解消するような形で、とりわけ1つ目の丸ポツというのは立法事実にかかわるような話かと思われますので、そちらに解消したほうがいいのではないかと思います。

(3)の2つ目の適用除外についてですが、野坂委員からはマル1の立法事実に関連するものなので、これとあわせて書いたほうがいいという示唆がされましたけれども、特商法自体の適用対象となるものと、適用除外のものについてどう考えるかというのは一応別ですので、そうだとしますとこれは区別しておいたほうがよいのではないかと思います。それが6ページ関係です。

今度9ページに行きまして、3(1)についてです。これも細かいことで恐縮ですが、(1)の5行目に、「また、事業者が消費者を支払いのために金融機関等に連れて行く行為については、消費者が望まない場合が対象となることを明示した上で規定するという方向性について意見が一致した」と書かれています。この議論がされたときには、そういうことを明示するならば対象とすることには合意ができるという御指摘があったわけですけれども、これを明示すること自体については、必ずしも意見の一致はなく、かえって余計なハードルを設けることになるのではないかという議論もあって、ここがむしろ意見の分かれ目だったと理解しておりますので、「明示した上で」と書くのは行き過ぎではないかと思います。

修正案としては、例えばですけれども、また、消費者が望まない場合に事業者が消費者の支払いのために・・・連れていく行為については、対象となる行為として規定するという方向性について、という記載が考えられます。これは、消費者が望まないという場合を明示していくのか明示していかないのかというのは、さらに今後の検討ですが、望まない場合について対象となるというのは方向性としては意見が一致したと思いますので、そういう実質を書いたほうが正確ではないかと思います。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

杤原委員、よろしくお願いします。

○杤原委員 5ページでありますが、2ポツのところで勧誘に関する規制ということで、頭書きからして既に「規制」を前提に議論をされているわけでございます。これまで調査会の審議を通じて感じておりますけれども、主体的に意思判断ができない高齢者を中心とした被害者が多くおられ、その人たちを助けてあげなければいけないということは委員の間での共通認識ではないかということは再三申し上げてきております。その方法の中心を消費者団体の皆さんに聞きますと、そういった高齢者の方が結ばれてしまった契約の解除のしづらさに課題があるのだということをおっしゃられたことが、議事録に残ってございます。消費者団体の皆様がそこに苦労されているということも十分承知をしておりますし、そういった方々に対して何らかの対策をとってあげなければいけないという必要性もあると思います。

それゆえに、まずもって原因を明らかにし、それぞれに合った対策を本調査会で検討すべきではないかということを御提案申し上げ、決して健全な事業者の一律規制、過剰規制にならないように御検討をお願いしたいとの意見を申し上げてまいりました。そうしますと、やはり(2)のPIO‐NETに寄せられた苦情件数の状況の分析が議論の大前提であると思いますし、皆様の意見が食い違うのも、やるべき分析をやっていないことに原因があると思っております。

池本先生からPIO‐NETの評価が分かれているという御発言がございましたけれども、評価を分けているわけではありません。処理の内容や、対処の実態、対応の最終形を私どもは知りませんので、最終的にどう解決されたのか、あるいはどういう悪質事業者が現行法における規制の網をかいくぐって逃げているのかという、その事実を教えていただかないと、それぞれの原因に合った対策がとれないのではないかという問題意識であります。

第8回会議のときに、PIO‐NETに登録された苦情相談件数の内、上位20位までの商品・役務等についての適用法別件数の資料が出てまいりまして、特商法対象の件数の分析のところまではいただいております。PIO‐NETに登録された苦情相談件数についてみると、訪問販売が約4万2,000件、電話勧誘が約2万8,000件ということですけれども、伺うところによるとこれは「延べ件数」であるそうです。このデータを事業者単位で名寄せをしていけば、消費者被害の原因となっている事業者の数というのは限られるのではないかと思います。また、これらの相談の多くも消費者団体の皆様の努力で解決できているのではないかと考えられますので、そういった中身をぜひ教えていただきたいということです。原因と対策を議論するためにも、ぜひこの分析を出していただきたいということであり、決して評価を分けているとは思っておりません。高齢者を中心とした消費者被害を防止するために、どの様な対策をとらなければならないかという原因のところを見せていただきたいというお願いをしております。これがないまま規制の話が進むものですから、今日の様な議論になっていくのではないかと思います。これは審議の中で専門委員から出されている宿題ですので、消費者庁もしくは消費者委員会よりご回答をいただきたいと思っております。

6ページのところですけれども、河野委員からバランスのとれた記載をお願いしたいという議論がございました。沖野委員からも議論と対応が書いていないのではないかというご指摘がありました。文章構成が、賛成の意見に続いて否定の意見を記述し、これに対してまた賛成の意見を記述するという、サンドイッチの書き方になっています。賛成の意見なのか反対の意見なのか、接続詞や否定形で打ち消すような形ではなく、明確に賛成意見、反対意見、あるいは中立的な意見というように整理して書いていただきたいと思います。

再三、消費者庁の3月の調査結果を記述するかしないかということで議論が出ておりますが、佐々木委員が言われましたように、同じ調査の中で5年間で訪問販売を買ってみてよかったという人が半数以上いるという結果が公表されております。我々は、出された資料の中でアンケート用紙の原文を見ていませんし、アンケート結果としては、訪問しないでほしいというほうの片寄ったデータだけ見せられています。一度、アンケート調査票の原文を配布し、バイアスがかかっているのかいないのかの確認を行い、訪問販売を受けて買ってみてよかったという人のデータや、もう来てほしくないというデータなどをきちんと委員の前に出したうえで、盛り込むか盛り込まないかということを検討いただければ、公平な議論になるのではないかと思っております。

8ページの、健全事業者と悪質事業者の線引きであります。かねてより甘利大臣の大臣答弁を引用されておりますが、我々は甘利大臣が答弁した前後のいきさつやシチュエーションを知りません。大臣の答弁を都合よく引用するケースが多いのですけれども、もし注釈に引用をつけるのであれば、その前に一度、甘利大臣が答弁されることになった経緯を説明いただきたいと思います。

(3)の3つ目の黒ポツの、見守りサービスなど地域コミュニティーを支えている社会実態というのは、私が発言した記憶があります。私も不意打ちで来た人による見守りサービスがあるとは思っておりませんが、例えばヤクルトのヤクルトレディーみたいな人は、ほぼ100%飛び込みで営業されていて、かつ、見守りもされておりますので、そういった人たちとの線引きをどうするのかという課題が残るのではないかという問題意識です。

最後ですけれども、17ページのところで事前参入規制が書いてあります。前回の調査会でも発言をさせていただいておりますが、立法事実の分析の不足に加えて、5月26日の読売新聞の記事にも関連しますけれども、この事前参入規制改正ありきの議論は時期尚早ではないかと考えております。WTOや日米構造協議や他の法令との関係をも踏まえ、小売業に事前参入規制を導入する議論が成り立つのかどうかということを、内閣法制局に事前に確認をいただいて、それが検討に値するという前提があって話されているのか、そういったことは一切無視をして、単に事前参入規制ということを論点に出して議論を求めているだけなのかを教えて頂きたいと思います。事前に内閣法制局に、小売業に対する事前参入規制の導入が法的に可能なのかどうかということを確認されたのかどうかということを前回質問しており、そのお答えを返していただきたいと思います。

(1)の一番最後の行で、事前参入規制の導入等の必要性について議論が行われたと書いてありますけれども、質問も返していただいていないうちに議論が進むわけはありません。(2)のところを、もしこのまま残すつもりなのであれば、我々の議論ではなくて、例えば消費者庁もしくは消費者委員会事務局からの提案に基づいてこういうことも検討の俎上に上ったというように、クレジットを消費者庁もしくは消費者委員会にしていただきたいと考えております。

私からは以上でございます。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

ほかにございますでしょうか。野坂委員、どうぞ。

○野坂委員 私は簡単な質問が2つあります。

今、消費者庁の話が出ましたけれども、3月の寒いころからこの調査会が始まって、ずっと消費者庁がいろいろな説明をし、あるいはこんな方向性だという説明をしていたと記憶しております。ところが、前回第9回の中間取りまとめの骨子の段階から消費者委員会が前面に出てきて、今回のペーパーも詳細に見ていませんけれども、消費者庁という言葉が1ページに2カ所とか、限られた数、3カ所とか4カ所しか出てきていない。つまりこのペーパーについて消費者庁は関係ない、うかがい知らない、関与は余りしていない、ということなのかどうか。これを教えていただきたいと思うのです。

というのは、9月以降もし議論が進むとすれば、9回目の最後、そして今回と同様、消費者委員会が今後の議論を仕切っていくことになるのか。法改正となると消費者庁あるいは共管である経産省がということなのかなと思うのですが、非常にこの中間取りまとめに消費者庁の影がすごく少ないので違和感を持っております。これについては審議官にぜひ消費者庁のスタンス、このペーパーに対するスタンスを教えていただきたい。

もう一点の質問は、先ほどたしか増田補佐がしゃべっていらっしゃいましたけれども、今日大変いろいろな修文の要求が出ているわけです。政府の審議会で1週間後、25日にまとめようという構えのときに、1週間前にこれだけ修文が出てくるというのは異例だと思うのですが、果たしてどのように処理をされるのか。また、25日いろいろな修文が出てきてまとめられないということであれば、先送りという選択肢も視野に置いていらっしゃるのか、教えていただきたいと思います。

○後藤座長 よろしくお願いします。

○消費者庁井内審議官 消費者庁審議官の井内です。

今の野坂委員の御質問については、消費者庁は議論するための資料提出とか、そういうものを出していたという理解であります。それと当然なのですけれども、こちらは消費者委員会の特定商取引法専門調査会の御議論で中間取りまとめをされるので、それについては専門調査会、もう少し広く言いますと消費者委員会が全部責任を持っているものと理解をしております。

当然、消費者庁が消費者委員会に諮問をしております。実際には内閣総理大臣名で内閣総理大臣にということになっておりますけれども、今後も当然消費者委員会で御議論をまとめていただいて、私どもの諮問に対して答申いただけるものと考えています。

○後藤座長 よろしくお願いします。

○事務局 事務局から先ほどの御質問についてお答えいたしますけれども、本日いただいた修文提案というのは、その多くが意見の追記であったかと思います。その点については先ほど私が申し上げましたように、その全部をそのまま追記するということではなく、御意見があったという事実が取りまとめとして適切な範囲で記載していくということで、修文を検討させていただきたいというところでございます。

そういう意味でこの中間取りまとめについては、専門調査会の最終的な結論を出すというものではございませんで、これまでの議論を反映して記載するというところでございますので、本日の御議論の経過をそのまま反映する形で、また次回の会議までの間に委員の皆様にも御説明をさせていただき、25日、次回の会議で中間取りまとめという形で取りまとめができればと考えてございます。

○消費者庁井内審議官 先ほど簡単な言い間違いがあったので。内閣総理大臣ですけれども、消費者庁から内閣府の消費者委員会に諮問したということでございます。先ほど総理から総理へと言い間違えたと思いますので、訂正いたします。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

時間が10分過ぎていまして、ぜひという方に。

では佐々木委員、よろしくお願いします。

○佐々木委員 今まで出ていない点で1つだけ加えたいと思います。12ページ、通信販売事業者の表示義務についてなのですけれども、この中でクレジット取引をめぐってアクワイアラーもしくはPSPの表示をすべく議論をしたということなのですが、下から3行目、表示事項の追加による効果やそれに伴うコスト等の観点から慎重な意見があった。私が申し上げたのは、コスト等と実効性の観点と申し上げました。実効性というのは、このアクワイアラーナンバーというのは海外事業者が虚偽のナンバーをつければそのまま通ってしまう、もしくは購入者がナンバーがあるから購入するかというと、それはクレジットカードが通じるか通じないかだけだと思うので、実効性の観点からは余り意味がないのではないかということを申し上げましたので、その実効性について言いたいと思います。

あと一つ、13ページの真ん中のFAX、広告に関する規制の導入について、(2)のところですけれども、役務に集中していることからトラブルの原因を特定し、異なる対象方法とありますが、これは多分対処方法だと思うのです。恐らくこの対処方法の中に、私はあのとき申し上げたのはナンバーディスプレイもしくはプリントをする前に表示を見ることができるディスプレイのFAXを使えば、そういう被害は防止できるのではないかということを申し上げましたけれども、それも入っていることなのかなと思いまして、これは対象方法ではなくて対処方法なのかなと思っています。意見として出させていただきます。

○後藤座長 ありがとうございました。

池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 1分で終わります。

私の資料2-4の意見書の7ページ末から8ページに書いてある2つのこと、これは文章の修正を提案するものですので、あえて発言しました。

まず、虚偽・誇大広告に関する取消権のところで、特に(2)の方向性が、消費者契約法の調査会の議論の推移も注視しつつ、必要に応じさらなる検討を行うというようにだけ書いております。この必要に応じてという言葉は検討する場合もあるし、場合もないという意味になると思うのですが、特にその前の私の意見照会の(1)で指摘したのですが、広告は通信販売だけの問題ではないという御意見が確かにありました。広告全般を議論するのだとすれば、まさに消費者契約法、専門調査会と重複してしまうのですが、ここでの議論は広告を見て直接通信手段で契約に至る通信販売に絞って取り込んではどうかという議論なので、消費者契約法の議論と必ずしも重複しない。むしろ、より焦点を絞った議論となっています。したがって(2)の末尾にあるように、通信販売による契約締結過程の特性を踏まえてという言葉に修正していただくのが適切かと思います。

もう一つは、通信販売事業者の表示義務、中間取りまとめで言うと12ページのところですが、これも検討の方向性の末尾、13ページのところが必要に応じて検討を行うことが期待されるという言葉になっています。期待されるというとどこに期待するのかという感じがするのですが、むしろこの調査会で今後検討しようということのはずであります。

特にこれは最初に河野委員からも指摘がありましたし、私も割賦販売小委員会の委員で、確かに慎重意見もありましたが、複数の委員から割販法で対象にできない部分について特商法で対処する必要があるのではないか。そちらで検討してほしいという複数の意見があって、最終報告書にもその旨の指摘があるところでありますから、事業者の負担に配慮しつつも、もちろんそれは維持していただいて結構なのですが、割賦販売小委員会からの期待を踏まえ、事業者の負担に配慮しつつ、引き続き検討を行う必要があるというように端的に示していただきたいと思います。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。

事務局からは何かございますでしょうか。

○事務局 先ほど申し上げましたとおり、本日の議論を踏まえた上で修正提案を早い段階で作成して、また御相談させていただきたいと思います。

○後藤座長 それでは、本日の議論はこのあたりにさせていただきます。

次回の会議では、本日いただいた御意見を踏まえまして案を修正し、中間取りまとめを行うことにしたいと思います。引き続きよろしくお願い申し上げます。

最後に、事務局から事務連絡をお願いします。


≪3.閉会≫

○丸山参事官 本日も御熱心な御議論のほう、どうもありがとうございました。

次回は8月25日火曜日、13時からの開催を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

○後藤座長 時間が超過してしまって申しわけありません。本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)