第7回 加工食品の表示に関する調査会 議事録

日時

2014年6月5日(木)13:59~18:07

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
宇理須座長、安達座長代理、池戸委員、池原委員、石川委員、鬼武委員、栗山委員、河野委員、立石委員
【オブザーバー】
板倉委員、夏目委員、宮地委員
【説明者】
消費者庁 竹田食品表示企画課長、平山企画官、石丸課長補佐、船田課長補佐、岩城課長補佐
【事務局】
黒木事務局長、井内審議官、大貫参事官、山岸参事官補佐

議事次第

  1. 開会
  2. 食品表示基準におけるアレルゲンを含む食品の表示について
  3. 食品表示基準における製造所固有記号制度について
  4. その他
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

※「その他」として「【資料3】加工食品における複合原材料の表示方法について」、「【資料4】表示レイアウト及び文字の大きさについて」及び「【資料5】食品表示基準における「食肉製品」と「食肉」について」の議事を予定していましたが、審議未了となりました。

≪1.開会≫

○大貫参事官 本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただきありがとうございます。ただいまから、「加工食品の表示に関する調査会」の第7回会合を開催します。

本日は、全委員に御出席いただいており、定足数を満たしております。

なお、オブザーバーとして、消費者委員会から夏目委員が、食品表示部会から板倉委員、宮地委員が参加されております。部会において、オブザーバーも御発言いただけることが確認されていますので、活発な御議論をお願いいたします。

議事に入る前に配付資料の確認をさせていただきます。

お配りしております資料は、配付資料一覧のとおりです。

板倉委員、立石委員、栗山委員、鬼武委員からコメントペーパーの提出がありましたので、追加配付資料としてお配りしております。委員提出の資料についても、議論に御活用いただくようお願いいたします。

不足の資料がありましたら、事務局にお申しつけください。

本日も多くの傍聴の方がお越しいただいておりますので、御発言の際はマイクに近づいて御発言いただきますようお願いいたします。

それでは、宇理須座長に議事進行をお願いいたします。

○宇理須座長 きょうの座長を引き受けました宇理須です。よろしくお願いいたします。

本日は、消費者庁から竹田食品表示企画課長に御出席をいただいております。

なお、本日の会議は公開で行っております。議事録についても後日公開することになっておりますので、よろしくお願いいたします。

それでは、本日の議題に入りたいと思いますけれども、本日は、「食品表示基準における製造所固有記号制度について」、「食品表示基準におけるアレルゲンを含む食品の表示について」、「その他」として、「加工食品における複合原材料の表示方法について」、「表示レイアウト及び文字の大きさについて」、「食品表示基準における食肉製品と食肉について」を議題として取り上げるとなっております。この順で議論を進めていきたいと思いますけれども、議題が非常に多いということと、先回の積み残しといいましょうか、そこもやろうということになっておりますので、できるだけ先回と繰り返しにならないような議論をお願いして、効率的に運営していただけることをお願いしたいと思います。

まず、「食品表示基準における製造所固有記号制度について」議論を進めたいと思います。それでは、資料の説明を消費者庁のほうからお願いいたします。

≪2.食品表示基準における製造所固有記号制度について≫

○岩城課長補佐 食品表示企画課の岩城と申します。どうぞよろしくお願いします。

固有記号の見直しにつきましては、資料は前回と変わっておりませんので、見直し案についても変わっておりません。ですけれども、まず私のほうから、確認の意味を踏まえまして、私どもの見直し案について最初に簡単に説明したいと思います。

資料につきましては、9ページになります。見直し案といたしましては、原則として製造所の所在地及び製造者の氏名等を表示することとし、例外的に製造所固有記号による表示を可能とすることで、制度本来の利用目的の趣旨に即した見直しを行うこととしております。

その下に具体的な見直し案があり、4点ございます。まず1つ目といたしましては、包材の共通化という事業者のメリットを維持する観点から、原則、2つ以上の製造所において同一商品を製造・販売する場合のみ、固有記号の利用を認めることとしております。

2つ目といたしましては、固有記号を利用する事業者には、消費者からの問い合わせに応答する義務を課すこととしております。

3つ目といたしましては、一定の猶予期間を設けて、現在届け出がなされている固有記号を全廃して新固有記号制度へと移行することと、固有記号に有効期限を設け更新制とすること、届け出内容の変更・廃止届け出を新たに義務づけることとしております。

最後に4つ目といたしまして、消費者庁に新固有記号データベースを構築し、消費者からの検索が可能となる一般開放及び事業者からの電子申請手続について検討することとして、見直し案として提案したいと考えております。

前回の調査会におきまして、一部、委員の中から固有記号の問題点を整理してほしいということでしたので、問題について、この資料に記載しております。まず1つ目の問題点といたしましては、製造所固有記号の使用が本来の目的に即していないというのがございまして、全ての義務表示事項を表示することが困難な場合の基準が曖昧であり、事実上、表示スペースに余裕があるにもかかわらず固有記号を使用していること。また、包材の共通化によるコスト削減であれば、製造者が複数の自社工場で製造する場合に達成するものでありますけれども、現状では、1つの自社工場で製造している場合や、販売者が1つの委託先だけに、製造させている場合にも製造所固有記号が利用されているということで、製造所固有記号の使用が本来の目的に即していないというのが1つ目の問題点となっております。

2つ目の問題点といたしましては、消費者が製造所の所在地の確認を即時に行えないというのがございます。製造所を知りたいという消費者からは、製造所固有記号ではなくて製造所を記載してほしいという意見もありまして、現状では、製造所固有記号からでは消費者が製造所の所在地等の情報までたどり着けない場合がございます。また、食品表示法の附帯決議におきまして、衆参両議院から、製造所の所在地等の情報を知りたいという消費者からの要望を踏まえ、製造所固有記号制度のあり方について検討することと宿題が出されております。

3つ目といたしましては、皆さん御承知のとおり、昨年末のアクリフーズの農薬混入問題との関連でございますけれども、この事態が悪化しましたのは、当初の製品回収のための情報提供の方法が適当ではなかったのが主な原因ではありますが、製造所固有記号によって製造所の所在地が表示されていたものは、消費者において製造所の所在地等に即時にたどり着くことができなかったという事実がありまして、大臣から、製造所固有記号制度の見直しについて指示があったということでございます。

最後、これは当方の行政の問題ですけれども、データベースの欠陥ということで、現行のデータベースは、利用開始時の届け出のみで、有効期間、変更・廃止届け出もないことから、既に利用が廃止された固有記号が形式的に有効なものとして登録されている等の問題がございます。

以上の問題につきまして、私どもが提案した制度の見直し案でほぼ対応ができるのではないかと考えておりまして、提案させていただいたところでございます。

また、前回の調査会で、製造所等に対しての問い合わせの件数がどのくらいあるかというようなことがございましたけれども、私どものほうでPIO‐NETのデータベースから食品に関する照会ということでデータを取り出したところ、食料品に関するデータとしての問い合わせは、平成25年度のデータですけれども、約8万7,000件ありました。そのうち製造所や固有記号に関する照会件数につきましては約70件で、割合からいいますと0.1%でした。その70件のうちの主な内容といたしましては、70件とも製造所を知りたいというような問い合わせでございました。そのうち2件ほど、企業秘密で製造所を教えてくれなかったというような意見がありました。

この結果から、確かに製造所等の問い合わせにつきましては、件数は少ないのですけれども、製造所の在地を知りたいという消費者がいる限り、行政としては何らかの手当てをする必要があるのではないかということで、これにつきましては応答義務で対応できるものと考えており、今回、私どものほうで固有記号の見直し案を提案させていただいております。

以上でございます。

○宇理須座長 ありがとうございました。

消費者庁のほうから固有記号に関しましての新しい提案、提案の内容は前回と一緒ですけれども、御説明がございました。この意見に関しまして、委員のほうから、あるいはオブザーバーの方にも発言権はございますので意見を聞かせていただきたいと思いますけれども、どなたかございますでしょうか。

どうぞ。

○石川委員 前回休んでいましたので経緯を知らないのですけれども、再度今回検討されているということだと思います。まず、製造所所在地の表示の目的について、今回の資料の7ページですかね。ここで製造所所在地等を、行政の危害拡大防止の目的のためが主であって、消費者のほうの効果として副次的だと書いてあるのですけれども、この発想自体がちょっとおかしいのではないかと思っているのです。食品表示というのは基本的には消費者にお知らせするためにわざわざラベルに張りなさいということで表示を義務づけているわけですから、まず消費者に知らせるということが目的であって、その中に突然、行政目的が主眼であるかのように、そういう目的という書き方はどうもおかしいのではないかと思います。

副次的という形で、あえて消費者にお伝えすることは二次的な目的であるということを示すことによって、製造所固有記号という簡易な方法を使っても構わないよという布石のような形になっているので、これは明らかに発想としておかしい。食品表示法というのは、消費者の自主的な選択と安全確保のために義務づけることをベースにしているわけですから、まず消費者の利益が第一にあって、その上で事業者にとってラベル表示は非常に負担がかかるというのであれば、それは当然考慮して、最終的に調整しながら表示義務の範囲を決めましょうというたてつけになっているはずなので、まず消費者の視点から考えないといけないと思いますので、ここからスタートしている時点で提案としてはおかしいと思います。

その上で、製造所所在地について、まず住所をきっちり表示しなさいとした上で、固有記号について代用できるような形で10条以下で簡略できるというか、表示を省略できるようなたてつけになっていますから、この部分が今回、マルハニチロの事件で問題になると思います。その点で、食品表示をわかりやすくするためには、こういう簡略規定とか例外規定とか省略規定といった副次的なルールがたくさんあるからややこしくなっているので、そこを整理するというのが基本ではないのかなと思います。その点で言うと、もうあっさりと廃止すればいいのではないかなと思っています。

消費者の視点で見ると、記号は全くわからないですね。製造所所在地と製造者名がきっちり書いてあるほうがわかりやすいのは全く問題ない話だと思います。結局、固有記号は事業者の便宜を図るためのルールにしかなっていないということは明らかだと思うのです。固有記号にすることによって消費者に便利になるというのは何もない。その点を押さえた上で考えた場合に、消費者庁のほうは、固有記号を使える場面を限定して、データベース化してわかりやすくするというのですけれども、やはりデータベースにアクセスしないといけないということでワンクッション入りますから、これはちょっと迂遠だし、無駄な行政コストを使っているのだと思います。わざわざデータベースを構築して、一々登録して、さらに編集とかいろいろ手続がかかりますから費用もかかる。わざわざ事業者のためにそういうコストをかけて記号制度を存続させる意味というのをもう一度考え直すべきではないのかなと思っています。

これは前回言いたかったことで、ペーパーにしているのですけれども、今回同じテーマで議論されるということで発言させてもらいました。

○宇理須座長 石川委員は前回出ておられなかったので、今回こういった説明をしていただいたわけですけれども、ちょっと引っかかったのは、副次的という意味を、消費者にとっては重要なことではない、消費者の立場は重要ではないよということを石川委員が御指摘されましたが、その点に関しては消費者庁のほうも意見があるのではないかと思いますので、まずこの副次的な効果という意味合いだけはきちんと説明しておいたほうがいいのではないかと思います。いかがですか。

○竹田食品表示企画課長 石川委員は前回御欠席でしたので、ほかの委員の方には同じことを前回御答弁申し上げてございます。もう重々の御案内だと思いますけれども、製造所の記載を求めるというのは、食品衛生法に由来する部分でございます。委員がまさにおっしゃったように、食料品の飲食で危害が発生したときに、いわばその発生点までたどり着くという取り締まりの観点から表示をしていただいているということでございます。

ただ、ラベルに表示がされた以上は、それを手に取られた方にとっては、あまねく目から入ってくる情報になりますので、そういう意味では、主目的は行政上の取り締まりの表示ということですが、表示された以上は消費者の方々が手に取ってごらんになれるという意味を直接的という意味ではないという意味で副次的と書かせていただいております。

○宇理須座長 特に今回これを見直そうとなったのは、消費者目線で立たなければいけないというのが出発点にあるわけですから、今の石川委員がおっしゃった、固有記号は消費者のためのものではないというと議論にならなくなってしまいます。

○竹田食品表示企画課長 それは先ほど御説明の中でちょっと触れましたけれども、昨年、食品表示法が成立した際に、衆議院、参議院から固有記号については特出しで指摘を受けております。いずれも消費者から製造者の所在地等の情報を知りたいという要望があるという御指摘を頂戴した上で、制度のあり方を検討しなさいということでございますので、この視点は我々としてきちんと受けとめているつもりでございます。

それから、昨年、不幸な事故がございましたので、そのときにやはり固有記号から製造者に対して直接たどり着く手法が確保されていないことは制度上の問題であるという御指摘を頂戴しましたので、製造所固有記号の中で、こういう事態の再発防止策を考えるときにどうあればいいのかという視点と、大きな契機となったことは今2つ述べましたけれども、それをあわせわざで検討して、今回の御提案をさせていただいているということでございます。

○宇理須座長 そういう意味で、発想は、現行では十分な対処ができなかったという反省のもとに改革しようという、それは皆さん共通の出発点なので、石川委員が御指摘された副次的という意味が消費者目線に立たないという意味ではないことは、前回ほぼ一致しているように私は思っていました。しかし、石川委員のように、左側の現行のままで右側のほうが全廃というのはあるわけですけれども、全廃までいくかどうかというのが大きな議論ではないかと理解したのです。そのことについて、現行のままでいいという意見もあるかもしれませんけれども、現行を改革しようというのが出発点になっているという、その出発点の確認をさせていただきたいのですが、それはいかがですか。

○河野委員 私も前回欠席でした。持ち越しになったということで、今回、前回の議論を反映して何らかの修正があったかなと思ったのですけれども、前回と同じ提案だということでした。

この提案ですが、9ページに書かれている4つの方向性、【見直しの基本的な考え方】を拝見して、私の受けとめをちょっとお話ししたいと思います。個々具体的には御提案があるところですけれども、まず全体を通してです。

食品の安全に大きくかかわる事件、事故が起きたときに、消費者というのはやはり自己防衛という行動をとらざるを得ません。フードチェーンの中で、消費者というのはやはり一番情報が少ないのです。そこで自己防衛という形で行動を起こすのは当然だと思っています。これまで冷凍ギョーザ事件とか、福島の原発事故による放射性物質の汚染だとか、アクリフーズの事件など、国や社会の仕組みが十分にワークしていないところを何とか個人として補おうと私たちは考えるわけです。食品への農薬混入という大きな不安に対して消費者がどれほど混乱したのか、皆さん十分御存じだと思っています。その対策の一つの答えとして、今回これがもし検討されるとなると、私は非常に不十分だ、つまり国民の不安に対する国の答えとしては余りにも残念だなとまずは受けとめました。

以前から消費者というのは、経済成長に伴う食品製造とか流通過程の複雑化に対して不安を持っていました。さらに、放射性物質汚染ですとか今回の問題など、食品事故とか事件への不安とともに、知りたいと思う消費者がいます。それから、一方ではやはり経済合理性というのも社会の重要なファクターですから、それをもとに代替手段の継続を望んでいる事業者の方もいらっしゃいます。今回の提案は、一見どちらにも配慮した形になっているように見えるのですけれども、どちらにも配慮した結果、非常に中途半端だと私自身は受けとめました。

そもそも60年前に、食品衛生上の問題が起きたときの対処方法として、行政が私たち国民を守るために導入した製造所を書きなさいということなのですけれども、この制度が持つ一番重要な目的の遂行というのが今回の提案で果たして果たされるのかどうか、そのあたりを考えていただきたいと思います。求められているのは食品衛生上の危害の拡大防止であり、さらに、アクリフーズ問題で明らかになったフードテロ対策だと思っています。

さらに、これまで置き去りにされてきた食品に何か起こったときのリコールに対する答えにはなっていません。製造所の記号を一部廃止したからといって、それが今の大きな問題に対する行政の答えだとはとても私としては受けとめられないと思っています。食品表示法の目的に書かれている食品の安全性の担保と消費者の選択の権利を保障しつつ、かつ事業者の実行可能性とバランスさせるというそもそもの最初の目的、今回の御提案を拝見すると、残念ながらどの要件も満たしていないとまずは私は受けとめました。

以上です。

○宇理須座長 ありがとうございました。

固有記号だけで、今の河野委員がおっしゃったリコール対策だとかフードテロ、そういうものを解決しようとするものかどうかというと、答えられるかどうか不確かだ。これだけで解決しようとされているのですか。

○竹田食品表示企画課長 これだけで全ての事象に対応できるというものでは当然ございません。フードディフェンスについては、主に製造業を所管する農林水産省になりますけれども、そちらのほうで、あのようなことが起きないような対策を検討するということがあると思います。仮に起きたときには、厚生労働省等も入ってまいりますけれども、商品の自主回収やリコールという形で、どれだけ一度に情報を出して、対象の商品、製造期間、ロットのようなものを一度に情報をお伝えできるかということが当然今後の教訓として出てまいると思います。

我々の関係でいきますと、我々の実態からすれば、1つの工場でつくったものについて固有記号を付しても、それを取り締まり当局が一意に特定できれば取り締まり上、何ら支障は出ないということになります。そういう意味で、現状、食品衛生法の取り締まりにおいて固有記号に不備があるということではございません。ただ、先ほどありました、データベースの生き番、死に番が今はわからないという非常に恥ずかしい状態になっているということはありますけれども、そこはおいておきます。

そういう意味で、取り締まり上の問題は現在生じてございませんが、先ほど申し上げましたように、附帯決議の御指摘、それから、昨年末の事件で、実際、裏に製造所固有記号があったがために、誰がつくったかわからない、それで混乱したということがありますので、そこはたどり着けるようにしたいということで今回の御提案を差し上げています。そういう意味で、今、先生から御指摘があったことは、それぞれの省庁で先回の教訓を踏まえて、今後、混乱のないように対応することで万全を期すということが、ここでお答えできるお答えになると思います。

○宇理須座長 具体的にはものすごく大きな課題なので、ここですべての解決策を挙げることはできないけれども、固有記号の問題だけで解決しようという意図ではなくて、もっと全体的にいろいろなところへ手を打っていく必要がある。今の河野委員に対する回答としては、現在、他部署を含めて、対策は考えていますという理解でよろしいでしょうか。

河野委員はそれでよろしいですか。

○河野委員 ほかの皆さんの御意見も伺いたいなと思います。

○宇理須座長 わかりました。

では。

○立石委員 取り締まり上の問題が生じていないということは、実は取り締まれないほどこの制度は破綻しているというほうが正しいのです。石川委員は全廃の論理だし、河野委員の意見もそれに近い、全廃のように受けとめたのですけれども、やはりそれに近い状況が今、固有記号にあると思っています。食品衛生法に基づく表示基準は、原則として製造所の所在地及び製造者の氏名の表示を義務づけるとなっているのです。これが大原則なのです。製造所の所在地及び製造者の氏名の表示を義務づける、これが大原則であって、例外的措置として固有記号制度が存在するということなのです。ですけれども、今はきちんとした管理が全くできていないというのが実態です。

実はこの制度が発足した当初は、申請する事業者は管轄の保健所に申請をしていました。この場合は、よく事情を御存じの管轄の保健所が、事情を察して例外的措置として必要かどうかという判断が働いた上で、もちろん書類の審査もして、チェック機能も働いた上で、この固有記号の付加を認めたわけです。それが、いつの間にか保健所の管轄を外れ、厚生労働省へ移管されて、現在は消費者庁の管理になっているという中で、昔は廃止だとか代表者の変更まで届ける義務があったわけですが、今は何もないのです。ですから、代表者がかわろうが、使用している固有記号が廃止されようが、全く管理されていない固有記号がぼんぼん出回っているということなのです。ですから、取り締まりの問題では、正直なところ今は取り締まることができない状態なのです。そこは全然、竹田課長が言っていることは違っているのです。

それから、今は届け出制で郵送で簡単に誰でも申請できてしまうということで、この申請内容が正しいかどうかの管理がほとんどできていないのではないかと思います。場合によっては、これはうわさですけれども、休眠会社だとか存在しない工場でも受理してもらえると聞いています。ほぼチェック機能がきいていないということです。

そういう面で、この仕組み自体がもともとの製造者の義務表示の例外措置が拡大解釈されて、骨抜きで何でもありというのが実態なのです。ですから、これは事業者にとっての論理でしかないのです。私は事業者ですからよくわかります。私どもは製造委託も製造受託も両方やっています。問題は、製造委託のときに、この製造所固有記号を、実は乳と乳製品については他社製造については今も認められていないのです。なぜ認められていないか。そこのところを逆に聞きたいのだけれども、なぜ乳と乳製品だけは、他社製造、他社に委託するとき使用を認められていないのかです。

○宇理須座長 手短にお願いします。

○立石委員 これは、私が一番気にしているのは、やはり時代が変わってきた。製造委託するとき、管理ということが販売者は問われるのです。そのとき一番何が問題かというとアレルギー表示なのですね。アレルギー表示について原材料まできちんと管理をしているのかどうかです。

○宇理須座長 今は固有記号に限って発言してください。

○立石委員 関係しています。

ですから、製造委託をしているときまで固有記号を認めてしまうということは、販売者が責任を負うということが実質的に果たされていない。私は、乳と乳製品が外れたときの原因は多分そこだと思っています。その当時はアレルギー表示についての義務はなかったですから、そこまでは恐らく言わない。ただ、今は時代が変わっていて、アレルギー表示についてきちんと管理していくことを求められる。そのときに、販売者が責任を負うけれども、固有記号しか書いていなくて製造者がわからない。製造者についての責任は全部販売者が背負う。そのときに販売者は何をするかというと、点検を含めて原材料確認をする義務を負うわけです。そのことが本当にできているのですかということが問われていると思いますし、私どもはいろいろなところから製造委託を受けて受託もしていますけれども、委託される側が点検確認について十分できていない実態をよくわかっています。

ですから、固有記号自体は、一旦廃止してもいいぐらいだと思っていますよ。その上でどうしても続けるということは、事業者の都合でしかないということをはっきり私はここで申し上げておきます。

○宇理須座長 いかがでしょうか。今のは固有記号ですね。十分機能を果たしていないのではないか、企業側のためでしかないのではないかという御意見だったのですけれども、確かに機能を果たしていないところもあるので、少し変えようという案だろうと私は思ったのですが、その辺はいかがですか。

○竹田食品表示企画課長 先ほど申し上げましたように、今は届け出をすれば未来永劫有効ということでございますので、そういう意味で、生き番、死に番すらわからないという現状はあります。ですので、車の免許のように、今回、例えば5年という有効期間を設けて、廃止・変更があれば、それは逐次お届けいただくというシステムにしたいと。行政庁のデータベースとしての欠陥は委員のおっしゃるとおりですので、そこは改めるつもりであります。

○宇理須座長 そういう意味では、立石委員の指摘のごとく、現在の固有記号制度には欠陥があると、それを何とか直すつもりだという理解でよろしいですか。

○竹田食品表示企画課長 データベースとして欠陥があるというのは、まさに御指摘のとおりでございます。そこは修正をいたします。

○宇理須座長 それでよろしいですか。

○立石委員 確認なのですけれども、今回の提案は、自社の場合についての、いわゆるこの様式が第1号と第2号がありますね。様式第1号だけを認めて、様式第2号いわゆる製造委託については認めないということで私は理解していますけれども、それでよろしいですね。製造委託を認めてしまったら、今言ったことが全く解決できません。ですから、製造委託は認めないという方向で私はこの案を読み取ったのですけれども、皆さんもそういう読み取りでよろしいですね。

○宇理須座長 それはいかがですか。

○竹田食品表示企画課長 消費者庁としては、自社工場、それから委託する場合、両方について同じ制度を適用するということで御提案しております。

○宇理須座長 それはいかがですか。

○立石委員 それは全然答えになりませんね。製造委託となると、先ほど申したとおり、では、なぜ乳と乳製品は外れているのですか、様式2号の製造委託ができないのですか、なぜ、固有記号をとれないのですかという答えはいかがですか、そのところは。乳と乳製品だけは製造委託するときには固有記号をとれないという仕組みが当初からあるし、今も残っています。その原因、そこのところは何でなのですか。

○岩城課長補佐 私の知る限りでは、乳についても、今後、委託製造も製造所固有記号をとってもいいという、業界にヒアリングしたときにはそういう意見もありましたので、特にとれないとかそういうことはないと思います。

○立石委員 おかしいではないですか。だって、Q&Aの中でとれないときちんと明記されているではないですか。食品衛生法というのは安全の、危害発生についての、そういった法律の中で決められているんです。今の話は全然おかしいですよ。そういうことを簡単に言うなんて、岩城さん、この法律のことを全くわかっていないのではないの。

○岩城課長補佐 昔の話なので把握できていませんが、当時、乳業界においては委託製造することがなく、自社工場で製造していたからだと思います。昨年の計画では、委託製造も固有記号をとってもいいという乳業界からの意見もありましたので、とれるようにするという計画がありました。ですから、初めからとれないということはなかったと思います。

○立石委員 全然わかっていないですね。私どもは乳業の会社を幾つも持っているのです。リスクが全然違うし、そういった管理面で、やはり製造委託するということは、事の問題が起きたときにきちんと把握ができないとか、いわゆる安全衛生上の観点から、製造委託について製造所固有記号は認めないという方針があったと私は聞いていますけれども、もしそれが違っていて、今の話だったら、これから認めますよということなのですね。だから、安全衛生上の観点での当時そういった判断を今は覆そうとしている。何でもありなのですね。

製造委託というのは極めて相手にお任せなのです。要はその製造委託先がきちんと管理をしていなかったら、さまざまな問題が起こることを販売者として全部受けとめなければいけないのですけれども、それよりもまず私が一番心配なのは、そういった会社がもしあれば、社会的に消費者に対しての責任を負うということなのです。ずさんな管理がなされていることを、製造所固有記号だけでは消費者はさっぱりわからないわけです。その販売者を信じて買っているけれども、販売者がその製造委託先に対してきちんと管理をしていなかったときに、そういった問題が阻止できない。一番の問題はアレルギーだと言っているのです。アレルギー問題について実にずさんなところを幾つも見てきましたから、そういったところを製造委託先として選んでいること自体が極めて、問題となるのです。それが、製造所固有記号で書かれていて、そのことが全然表に出てこないということが私は最大の問題だと思っています。だから、製造委託先についてはこのことは認めてはいけないのです。だから、このことをよく理解してください。

○宇理須座長 製造委託の場合と自社の場合で、今回の案は区別しないという案なのですね。それに対して立石委員は区別してほしいという案なのですけれども、大分ディテールまで話がいってしまっているのですが、そこに関して今、答えが出せるのでしょうか。

○竹田食品表示企画課長 おっしゃられるような受託者がある意味でいいかげんだという設定の御議論だと思いますけれども、そういういいかげんな事業者がいたとして、そういう方が受託されているのであれば、それは製造者をラベルに書こうが記号をラベルに書こうが、製品が危ないということは変わらないわけですから、それは固有記号にアプリオリに対応する問題ではないと言い切れると思います。

○宇理須座長 製造所を書くと今の問題は解決するのですか、立石委員の危惧は。

○竹田食品表示企画課長 受託者が不真面目であるという前提での議論であれば、それは製造者の氏名を書こうが固有記号を書こうが、いいかげんなものはいいかげんだということになると思います。

○宇理須座長 たどり着くという意味ではどうなのですか。どちらでもたどり着くのか、固有記号だとそういうところへたどり着けないのか。

○竹田食品表示企画課長 そういう意味で、今回、我々は、固有記号をごらんになって、その裏にいる人は誰なのだろうと疑問に思う消費者がきちんと到達できるようにしようということでございますので、そこは製造者が誰なのかというところにちゃんと届くようにしたい、そういうシステムにしたいということでございます。

○宇理須座長 いかがですか。立石委員は、固有記号だと製造委託したときには、その委託先がいいかげんだという前提ですけれども、そういうところにたどり着けないのではないかという危惧なのですけれども。

○立石委員 私が申し上げているのは原則なのですよ。原則は食品衛生法では。

○宇理須座長 たどり着けるかどうかに関してはいかがですか。今の答えだと、固有記号でもたどり着けるのではないかと。

○立石委員 たどり着けるというよりは、製造所が明かされないということは、製造場所も製造者の氏名もわからない中で、信頼できるかどうかという判断は消費者がやるのですよ。手にとった消費者が、この製造者については信頼できないと思ったら買わないのです。何らかのうわさを聞いているとか、そういった情報があっときには買わない。ところが、製造所固有記号ではそういう判断は一切働かないのですよ。わからない。

何度も申し上げますが、食品衛生法では原則としては義務として、製造所の所在地及び製造者の氏名を書くというのが原理原則ではないですか。義務ですよ、ここは。ここのことを例外として認める場合については、それなりの配慮があってしかるべきだし、今言っている製造委託先というのは、私の経験則でいって、何年も同じ状態を保持しているかどうかもわかりません。そういうことは消費者にとって非常に不利益なことなのです。リスクを消費者が受けることを容認しているのです。

消費者庁は常に、非常にありがたいことに事業者のほうばかり見ていただいて、固有記号問題については、物すごく反対する声が多いですから、そちらを見るか、本当の消費者の真の声を聞くか、この問題は消費者庁の試金石だと思います。竹田課長、よく判断してくださいよ、そういうところについてきちんと。

○竹田食品表示企画課長 きちんと判断して御提案しておりますので、よろしく御議論をお願いしたいと思います。

○石川委員 トレーサビリティーでたどり着けるかという話は、それのほうが副次的な話だと思います。食品表示なので、やはり消費者に見てわかってもらうというのが基本で、持っている商品に実は問題があることがその場でわかるということに非常に意味があるという視点で考えるべきだと思います。

その意味で、表示があることと、それが記号になっていることで、委託先がずぼらかどうかに差はないという話が竹田課長から出ましたけれども、実際のところ、普通の生活の中で考えた場合に、氏名を名乗って発言する場合と匿名で名乗って発言する場合で、その発言内容に責任を持てるかどうかというのは全然違ってくる。そういう意味で言うと、表示されるということは、その表示どおりに責任を持ってしないといけないのです。原材料も表示しなくていいのであったら何を使ってもいいのです。だけれども、表示した以上はその原材料はきちんと確保する。原料原産地をきちんと、北海道産と名乗ったら、北海道産のものをちゃんと入手しないといけないのですよ。足らないからといって東北産のものを入れたら、それは間違っていますからね。表示するということは、大変な責任を持って商品を提供することになりますから、記号ではなくて製造者の名前が表示されるということは、非常に責任感があるということで、ずさんな行為がしづらくなるという効果は必ずあると思います。これは心理学的に明らかだと思いますので、その点で、固有記号というのはやはり二次的な、余り使うべきではない制度であるという理解になると思います。

その上で使うのであればどうなのかということで、一社一社の場合だけ固有記号を使わないよというのが今回のルールかなと、今、判断しました。その程度の限定でいいのかどうかということなのですけれども、もともとスペースが少ないから記号にしましょうというのがスタートだったような気がするのですが、そのルールはどこに行ったのでしょうか。一社一社ではなくて、2社で包装材を共通で使えるという事業者の便宜のために入れているということが強調されて、だから一社一社の場合は固有記号制度を使えませんというだけのルールにしているのですけれども、狭いスペースだから書けないというルールのほうをもっと重視して、それに合致する場合だけ固有記号を認める制度にまで絞り込むのであればわからないではないと思いますが、表示スペースの関係で固有記号の利用者の範囲を狭めるという考え方はありましたか。

○宇理須座長 どうですかね。具体的にどういう制度にしたらいいかというような議論に今入ろうとしていると思うのですけれども、それはそれでもよろしいでしょうか。いわゆる現行を変えるという前提で話を進めようと。そして、そうすると、全廃という意見もあるかもしれませんし、消費者庁の御提案があるし、あるいは今の石川委員の御提案もあるわけですけれども、そういう具体的な議論をこれから進めていくという、そういう出発でよろしいでしょうか。

○鬼武委員 意見があります。

○宇理須座長 はい。

○鬼武委員 コメントペーパーにも書きましたけれども、前回の指摘事項で、消費者庁のほうの提案は、1つはアクリフーズの問題が起点となっている。2点目は、国会の附帯決議が出ているということで前回の御説明がありました。前回の調査会の中で求められたのは、それに対して幾つかの意見が出されたでしょうし、その件について1回調査会をスキップしましたので、今回の会議で少し整理をして、論点として、それは何が課題であるかということをまず出していただきたかったなというのが全体的な感想です。それは座長も議事録に残っていますから、むしろ事務局の方が整理をして、まとめていただくことが大切だったと思っています。

そういう前提の上に立ってもらうと、私のほうで提出したコメントペーパーで、当日になってお配りしたもので申しわけないのですけれども、1つは、まずアクリフーズの問題で今回の件と関係あるかというと、製造所固有記号とは直接的に関係ないと私は理解しています。これは守秘義務になっていますので詳しい話はできませんけれども、私はマルハニチロの第三者検証委員会の委員をしています。あわせて農林水産省が現在公開している食品中の意図的混入防止の対策検討会に参画しており、この会合は非公開で行われておりますが、そこで今回のアクリフーズ事件の本質的な問題について詳細に検討されてきております。そういう中で製造所固有記号の話は一切出てきません。裏返しますと、製造所固有記号の問題がアクリフーズの問題と直接的には関係ないということをここは明らかにしていることでございます。

もし今回のアクリフーズの初期の対応が悪いということであれば、それは危機管理対応がなっていないということで、それは日本における、要するに食品のリコールの社会的制度が必要であって、加えて消費者委員会の中ではガイドラインをつくるということで従前討議をされて委員会としての報告書が作成されており、その中でも日本の中に食品リコール制度がないという指摘があって、まず食品リコールの制度、きちんとガイドラインをつくるこのとの重要性が述べられている。その中で個別の課題として、例えば表示にかかわる問題として、その1項目として製造所固有記号が議論されるという中身である順番であれば、私はそこでもう一度議論したいということであれば反対しません。まず全体的な議論として、アクリフーズのことと今回の消費者庁の提案との一貫性は私は感じられないというのが1点目です。

2点目の衆議院、参議院の附帯決議ですが、これについてもコメントペーパーの最後のところに書いてありますが、まず衆議院では11項目あるわけです。11項目の中に製造所固有記号制度について、その1項目もある。参議院のところでも同様に、製造者を知りたいということから、要望を踏まえということで、そういう検討が必要だということで、附帯決議がこういう形で出されておりますが、附帯決議が衆議院11項目、参議院12項目ある中で、どうして一番トッププライオリティーに製造所固有記号が出てきたのか、この説明をもう一度お尋ねしたい、まずその前提2つについてお伺いしたいと思います。

以上です。

○宇理須座長 またちょっともとに戻りそうなのですけれども、確かに重要な問題なので、前回も随分議論したと思いますが、申しわけないけれども、もう一度確認していただいて、ここに決着をしたいと思います。

○竹田食品表示企画課長 マルハニチロの社内検討、それから、農林水産省のフードディフェンスという中で、どういう御議論がなされているかということについて私は直接承知しておりません。

その上で、あの状況を思い出していただきたいのですけれども、裏に固有記号が記された製品があると。つまり、裏にアクリと書いていないものでも自主回収の対象になっている商品があるという事象が起きました。そのときに、固有記号であれば誰がつくったのかわからない、そういう御指摘を頂戴し、この制度について、わかりにくいではないかという御指摘がありました。ですから、仮にあの記号を見て誰でもすぐに誰がつくったのかわかる制度になっていれば、あの混乱はもっと小さくなっていたと私は考えています。そういう意味で、固有記号制度がアクリのこととは全く関係ないということは言い切れないと思っております。

繰り返しになりますけれども、それをマルハニチロさんと農林水産省でどう評価されたのかということは、私は存じ上げませんので、その判断について、良い、悪いということは言えません。ただ、我々のできる再発防止策として、固有記号制度について、必ず記号の裏にたどり着くものにしたいというのが我々にできる再発防止策であります。

2点目ですけれども、附帯決議の関係ですが、もともと固有記号制度は食品表示基準の一部をなしてございます。今回統合する基準の一部でございます。そういう意味で、3つの調査会でいろいろ御議論いただいていますけれども、そういった課題、テーマと同じように加工調査会で御議論いただく予定であり、あえて積み残しの課題という位置づけもされていませんので、今回ここで御議論をいただくことにしているということでございます。

○宇理須座長 よろしいでしょうか。これはこれでもう進めたいと思いますけれども、いかがですか。

○鬼武委員 意見は言っていいですか。

○宇理須座長 もちろん。前回と同じことは繰り返さないで。

○鬼武委員 座長、それは、事務局との意見の相違についてやりとりするのだから、その中でどうしても出てくるではないですか。その点について発言していいですか。

○宇理須座長 もちろん発言していいですけれども、余り意見を、繰り返しの議論をしないでほしいのです。

○鬼武委員 座長の言っている意味がわからないですが、意見を言ってよろしいでしょうか。

○宇理須座長 どうぞ。

○鬼武委員 討議をすることが重要であると思っているから、私は余り座長から封じられることは心外ですけれども、意見を言わせてもらいます。

アクリの件については、省庁間のいろいろな検討会議で各省庁がやる取り組みもあるでしょうから、その中で、やはり現場で解析された中で出てきている問題として製造所固有記号があるという認識であるのだったら、どうしてそういうことを全面的に公式の場なり、この場ではお話をされているかもしれませんけれども、そういう会議の場で、たどり着けないで問題があったとかということを詳細に報告されているでしょうか。私はそのようには理解しておりませんし、アクリの問題を繰り返しますけれども、製造所固有記号のことに矮小化してはだめです。食品リコールの問題全体として、日本に今、食品リコールの制度がないからその問題があって、食品リコールの制度はどのようにあるべきか、その課題一つ一つを押さえていって、その中で表示の項目として出てくるのだったら私は理解できますということを繰り返し申し上げておきます。

2点目は繰り返しになりますので恐縮ですけれども、この中で検討の項目に入っていましたと言いますが、食品表示一元化検討会でも製造所固有記号についてはほとんど議論されていません。それから、最初の設置したこの加工食品調査会を含む3つの調査会のマンデートの中に私は製造所固有記号は入っていないと理解しています。

以上です。

○宇理須座長 ありがとうございます。

そういう意味では、アクリの問題と固有記号の問題は1対1ではなくて、アクリの問題は固有記号がメインではないというのは消費者庁のほうもおっしゃっていて、もっと広いリコール問題だとか、そういったようなことが解決しない限りはアクリの問題に関しては答えではないというように答えておられるのではないかと私は理解したのです。そういう意味では、アクリの問題に関しては鬼武さんの意見と消費者庁の意見は矛盾していないのではないかと思ったのですけれども、いかがですか。まずは鬼武さんのほうからそのことに関して。そこが終わらないと中に入っていけないのですね。

○石川委員 私の説明で多分わかると思います。

○宇理須座長 はい。

○石川委員 説明させていただきたいのですけれども、要するにフードディフェンスの問題に関しては、流通前にいかにして混入予防するかという体制が重要であると、単なる食中毒の予防とは違った難しい問題があるということで、その点についての知見を集約して解決する必要があるという点がまず流通前にある。流通後に問題が起こった場合については、当然事業者において回収作業に入って、食べないように広報して、この2点が大事だと。その点における回収についてのルールが十分ではないという点を鬼武さんが指摘されたと。

その上で、行政も速やかに情報を収集して公表する仕組みと回収させる作業が必要だと。そして、消費者はどうすればいいのかというと、消費者は、何も情報を持たされなければ何もできません。まずは広報していただいて、教えていただく。だけれども、自分が持っているものがそれに当たるのかどうかわかるためには表示しかないわけです。消費者がそれを避けるためには表示に頼るしかないのです。広報と表示しかないのです。その点でいくと、流通後の事業者、行政、消費者それぞれがどうすべきかということについて、それぞれに問題があって、その課題の一つに表示制度があるのは間違いないのです。速やかに問題食品を避けるためには、製造者名があるほうがはるかに固有記号よりましであるということは間違いない話であって、ですから、リコールの問題も、流通前のフードディフェンスの問題も、全部それぞれに重要な話なのですが、その重要な話の一つとしての表示制度を充実させるということでいいわけであって、だから何の矛盾もないということになります。どれに重点を置いて、片方が軽視されるべきだというような議論をする必要はなくて、ここではフードディフェンスの問題にまでさかのぼって話をすることはできない部会ですから、ここでは表示制度の中においてできるだけ避けるためのルールとして何が大事かということを考えればいいということで整理できると思います。それでいいのではないでしょうか。

○宇理須座長 ありがとうございました。

竹田さんから今の石川委員の意見はどのように。

○竹田食品表示企画課長 石川先生のおっしゃるとおりで、実際に商品が家庭の冷蔵庫にあるという状況で、誰がつくったのかということにきちんとたどり着ける制度にしたいということで固有記号制度については見直しをするということでございまして、まさにそのフェーズで問題になっているということでございます。

○宇理須座長 そういう認識でこの会を今から進めないと具体的な議論ができないので、それはそういう話でよろしいですか。

どうぞ。

○立石委員 先ほどの竹田課長の認識はそのとおりだと思いますし、この問題の根源は、先ほどのフードディフェンスだとか問題原因究明は鬼武委員がやってくれればいい話なのだけれども、結局それぞれの皆さんの冷蔵庫に入っている商品が該当するのかどうかがわからなかったわけです。製造委託やPBで出ているものについては、きちんと製造者を書いているところもあれば記号だけのところもあって、なぜ書けるのに書かないのと、ポイントはそこなのですよ。なぜ書けるのに書かないのか。同じところのアクリフーズの群馬工場に製造委託しているにもかかわらず、一方はきちんと書いている、一方は書かない。書かない理由は何なのですかというときに、答えられるのかです。製造工場名を明かしたくないのか、よくわかりません。これは事業者の都合でしかないのです。そのことは買った消費者にとって不利益を与え、自分の買ったものが該当するかどうかがわからないわけです。製造所固有記号しか書いていなくて、この記号がどこなのかというのが、電話をしても電話は全然つながらないし、確認しようがない。製造所を書いているところはぱっとわかるわけです。そういったところが今回図らずも露呈してしまったのですね。

皆さんの冷蔵庫を見たときに、同じ商品が入っていたときに、きちんと製造所を書いているものと書いていないものがある。ですから、私が言っているように、製造委託をする場合は認めないというのが今の私の話の発端なのです。

○宇理須座長 では、ちょっと具体的な議論になってきましたので、今の消費者庁の提案と立石委員の提案と、石川委員からも少し提案があったのですが、申しわけありませんが、もう一度。

○石川委員 固有記号を廃止するほかに、固有記号を使える範囲を限定しましょうという議論がきょうの議論だと思うのですけれども、その際に消費者庁の提案は、1つの製造者あるいは販売者が複数の工場を持っている場合については、包装材の流用等を、便利だからそれは残しましょうと。だから、一社一社の形になっているものは使えないようにしましょうというレベルの制限というか、固有記号を使える範囲の狭め方がちょっと緩いわけですけれども、もともとラベルに書けるのに記号を使う意味はないではないですかということで、包装材の表示面積の関係でいくと、表示面積がある場合は固有記号を使わせないというところまで絞り込むことは可能ではないのかというのが私の意見です。

○宇理須座長 消費者庁の意見と違う点は。

○石川委員 表示面積の規制をして、製造者、販売者を全部書けるようなラベルの余裕があればね。

○宇理須座長 消費者庁の意見とどこが違うか明確にしていただくといいのですけれども。

○竹田食品表示企画課長 資料の中で、これまで固有記号制度を使うことを認めてきた理由として2つ書いていまして、1つは、表示面積に制限がある場合に記号にすれば節約できるという話と、包材を共用化して、各工場のプリンターで数字、記号を打ち込めば包材が1種類で済むという2つのメリットがあるというように制度の存在理由を説明させていただいていました。

石川先生がおっしゃったのは、包材の共用化ということよりも、まさに書きたいけれども書けなくて、表面積が狭いときにだけ認めればいいではないかという御指摘だと思います。それも前回申し上げたのですけれども、実はそこの基準はよくわからなくて、ほとんど機能していなかったという面もございます。そういう意味で言えば、総論で御議論いただいたまさにレイアウトです。そこは面積と表示の関係で議論すれば済むのではないかなと我々は考えています。

包材の共用化というのは、確かに企業に直接メリットが生ずる話でございますので、まさに複数工場で製造するのであれば、それはラベルプリンターで各工場において打ち込んでいただければ企業のメリットは消ません。現在の享受しているメリットは保持できますから、そういう基準でよろしいでしょうかということで御提案をさせていただいていると、そこがちょっと違っていると思います。

○宇理須座長 でも、複数のときはいいけれども1社のときはだめだという、それは一緒だと理解していいですか。

○竹田食品表示企画課長 はい。包材の共用化というからには、1つの工場だけでつくっているのであれば包材の共用化というメリットはないわけですから、それはきちんと書いていただければそれでいいのではないかと考えています。

○宇理須座長 理由といいましょうか、そこが違うという理解で、要するに2カ所以上の製造所のときには使ってもいいけれども、1カ所のときはだめですよというのは同じ意見と理解してよろしいのでしょうか。

○竹田食品表示企画課長 そこは石川先生に。

○宇理須座長 石川先生は。

○石川委員 そこはもう面積ルールだけでいいのではないかと言っているのです。

○宇理須座長 ちょっと違いますかね。

○鬼武委員 大分違うでしょう。

○宇理須座長 では、大きく3つ、立石委員は全廃ですかね。

○立石委員 全廃とは言っていません。

○宇理須座長 できるだけ書くと。それから、消費者庁の案と石川委員の案の3つぐらいが今出てきているかなと理解したのですけれども、その3つについて。

○石川委員 あくまで廃止を言っているのですけれども、廃止でまとまらず現行維持という状況だと困るので、二次的な話をさせてもらっていますので、本心は廃止ですよということです。

○立石委員 私の意見も補足させてください。

私ども、委託している場合は、同じ包材といっても全部ラインも違いますから、製造委託の場合は2カ所というのは本来はあり得ないのです。コスト面では全くメリットがないと思います。私どもはいっぱい受けていますから。コスト面のメリットがないから、そういうことでいくと、同一会社の工場が複数あるところについてはもちろんメリットがある。これは事実として私は率直にそのことを認めますし、そうあってほしいなと思うから、何度も言っていますが、同一会社で複数工場を持つときはいい。その場合はちゃんと製造者名が明らかにされるし、その製造者の工場が供給に使われるということの情報がきちんと表に出る。ですから、他社に委託するときに全く情報の出ない形で製造所固有記号だけの販売者と製造所がセットになる形は極めてよろしくない。だから、このことは絶対に許さない、やめてほしいということを申し上げているのです。

○宇理須座長 わかりました。同一のときには、複数のときにはいいけれども、1社のときにはやめましょうと。

○立石委員 同じ会社が同一のときはメリットがあります。

○宇理須座長 他社のときには複数でもだめだという、確かに消費者庁とは微妙な違いがございますね。大きくそういったような意見が出たので、その辺について各委員から御意見を聞かせていただきたいと思いますけれども、池原委員、よろしいでしょうか。

○池原委員 今の共用包材のところについてのみお答えいたします。

今、立石委員からお話がありました委託先に使う場合は包材が違うものであるというところは正しくなくて、自社であっても。

○立石委員 ラインが違うから。

○池原委員 ラインが違ったとしても、自社の工場であっても、自社のグループ会社であっても、全く資本関係のない委託先であっても、同じ商品を同じ包装でつくる、同じ包材を共用している場合というのは非常に多いです。基本的には、それは包材の使い方として非常に大きなウエートを占めていると思います。

○宇理須座長 ということは、池原委員は、立石委員のおっしゃる同一あるいは他社と、その区別は意味が余りないですよとおっしゃっていると理解していいですか。

○池原委員 少なくとも共用包材を使用することによってコストメリットを得るという観点では、自社であっても資本関係のない全く違う会社であっても、それは同じであるケースがほとんどであるということです。

○宇理須座長 今のはコストの面ですね。むしろ安全の面を。

○立石委員 それは確かにそうかもしれませんが、微妙なところですね。というのは、包材をつくるところがどこかによって輸送費がかかるといった面もあるし、必ずしもそこは一律ではないのです。確かに同じデザインでやるということについては余り関係ないと思っています。コスト面でそのことが大きく消費者にとってプラスになるかというと、私は全然そうは思っていません。もっと言えば、このことによって何が違うかというと、データベースが膨大になるのです。今言ったように80万件もあって、このことをきちんとやるということは、更新も含めて大人数の人間がかかわるということになると、そのことのコストが大きいから、社会的コストは膨らむのです。ということは、固有記号を全廃もしくは限られたものにしたほうが、少人数で管理ができる体制にしたほうが消費者庁として極めて楽だし、社会的コストがぐっと下がると、私はそのように見ています。

○宇理須座長 そういう意味では、立石委員も、全廃ではないという点では消費者庁の意見に近いわけです。ちょっと違いますけれどもね。

どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 費用面のお話はここで余りする必要もないのかもしれませんけれども、今の紙ベースの手続ではなくて、電子申請についても検討したいと思っていますので、行政コストの削減ということについては、我々内部で今、一生懸命考えているところでございます。

○宇理須座長 ありがとうございます。

では、宮地委員。

○宮地委員 繰り返しのような話になって申しわけないのですけれども、アクリフーズの事件につきましては、リスクマネジメントとして、消費者庁の広報体制がどうだったかという話だとも思っています。固有記号につきましては、非常に丁寧に私は議論をしなければならないと思っています。拙速に議論をしていくということにしますと、非常に膨大な量のものがかかわってくるわけです。例えばここにあるペット飲料、このペット飲料もほぼ全てに製造所固有記号が使われているのです。コンビニエンスストアのペットボトルはほぼ100%製造所固有記号が使われており、販売者が表示しているものと製造者が表示しているものがあります。あめ玉に至っても9割方がそういうものになるわけです。

消費者庁にお伺いしますけれども、現状82万件あるという話をしましたときに、これを全て工場名にしたときは何件になるのでしょうか。工場名で書こうという原則論の話をされましたので、工場名で書くという話をしますと、どれだけのところに影響する話になるのでしょうか。

○宇理須座長 固有記号ではなくて、もしも工場名とか製造者を書いたらどうなるかという意見ですね。膨大になるだろうと。

○宮地委員 消費者庁が常々原則論という話をされますので、原則論という話であれば、どれだけのものが対象になるか。その対象があるから議論が進むわけですから、一度対象を示していただきたいと思っています。

○宇理須座長 それは改善案といいましょうか、改定案を出されていますね。改善案で計算しろというのか、現行で計算しろと言っているのか。

○宮地委員 それはどちらでもいいと思いますけれども、全て書くのが原則論だという話をされますので、その原則論に当てはめたらどれだけが対象になるのですかということです。

○宇理須座長 質問はわかりますか。

○竹田食品表示企画課長 原則や例外の話は、立石委員から御指摘ございましたけれども、法令上は所番地を書いていただくというのが原則になっていまして、例外として記号にしてもいいですよということになっています。記号が現在80万件余りあるということでございます。先ほどから申し上げていますけれども、正直申し上げまして、我々はそれが生き番なのか、死に番なのかということも現在把握できていないということでございます。したがいまして、その番号の中から我々の案に当てはめたときに何アイテムが所番地を書くことになるのかということについても、当然追えない状況になっています。これは正直に申し上げまして、そういう状況です。

○宇理須座長 現状を把握していないということだと思いますけれども。

○宮地委員 社会的に今認められているこういった制度であるのですから、そこはもう一度きちんと丁寧に議論を進めていただきたいし、残念ながらこのメンバーの中に中小の方が入っているわけではございませんので、そういったところの意見もきちんと酌み上げていただく体制をとっていただきたいと思っています。

○宇理須座長 どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 繰り返しになりますけれども、現在市場に流通している商品を悉皆調査して、それで我々のルールに当てはめたらどうなるかということを調査するのは物理的に不可能です。それは正直に申し上げます。

それから、ここでの議論では足りないということでございますけれども、ほかの調査会での議論でもそうでございますが、基本的には食品表示法に基づく意見聴取ということで、食品表示部会で御議論を賜ることに法令上なっています。ですので、皆様、専門家の方々に御議論をいただくことになっています。

仮に成案が得られれば、これはパブリックコメント、それから全国での説明会といった手続を踏んで、全国の皆様にわかっていただいた上で必要な猶予期間を置いた上で実行していくということでございますので、そのプロセスについては、3調査会で御議論いただいていることは横串で共通に、そのような普及啓発を図っていきたいと思っております。

○宇理須座長 ありがとうございました。

はい。

○鬼武委員 今の製造所固有記号、今回、問題点として欠陥であるとまで書かれていて、私はびっくりしたのだけれども、欠陥であるということで何が今は課題なのですか。具体的に教えていただけませんか。私はよく理解できないのだけれども。ただ管理ができていないだけなのか、例えばリスクマネジメントとしてリコールがうまくいっていないとか、いろいろ理由はありますか。欠陥の中身について少し説明していただきたいと思います。

○竹田食品表示企画課長 繰り返しになりますけれども、我々の持っているデータベースでは、現在どの記号が有効に使用されているのか否かと。それから、立石委員から御指摘ございましたけれども、届け出は出したのだけれども、例えば倒産してもうその会社がなくなっているとか、あるいは、そもそもとったのだけれども使っていないとか、そういうことが起きているのですが、実際どの記号がどうなっているのかというのが全く我々はわからない、知り得るすべがないということでございます。それは先ほど申し上げたように、一旦届け出をしていただけば未来永劫有効という現在の運用をしている限り、そういう問題は必至であるということでございます。

○宇理須座長 それだけでいいですか。

○鬼武委員 関連するけれども、一方では地方自治体とか保健所があって、製造者なり販売者なりが届け出をしているわけだから、それによってふぐあいなり不都合ということは起こっていないわけよ。何か事故が起こったときにはきちんと保健所が入るわけだし、表示のことであればFAMICなり地方のところが行って入るわけだから、今言われているデータベースをあなたたちが管理していないという問題と、具体的に表示の上で何が課題かなということを私は聞きたいのです。それがあれば、この場でいろいろな形で、では、固有記号は問題ですねという論点が整理できるのだけれども、そこまで到達していないと認識していますよ。

○立石委員 問題は幾らでもあります。これは問題だらけですよ。実際に製造委託している先の管理ができていない会社というのは山ほどありますから、さっき言ったアレルギーの問題を私は一番懸念しています。要はアレルギーの原材料についてきちんと、複合原材料までの情報までとって管理をして初めて表示についての責任を持てるにもかかわらず、そこの会社に一切点検にも行かないで何十年も同じ固有記号を使って出荷している。

それから、今は届け出制になって代表者氏名を確認しないということで、昔はもっと違っていたわけです。それでもって一旦、かつて厚生労働省時代にこれは廃止したいとかじを切ったことがあるのです。ところが、これは事業者の大反対で潰れたのです。厚生労働省はその時点で、この制度自体が破綻しているから、もうお守りできないからやめたいといったことについて国会に諮ったところ、多くの事業者からの声で潰されてしまったという事実があるのです。

そういったところを、要するに厚生労働省が自信を持てない仕組みを、消費者庁に来てまで今もやっている。だから、そういった事実をよく冷静に見きわめてください。問題なんかあり過ぎて、鬼武委員、ちょっとわかっていないぐらいこの問題はあり過ぎますよ、

○宇理須座長 立石委員がおっしゃったことが1つの例ですけれども、この現行の制度を変えようということになって、現行の制度を変えるに当たって、どういう制度にし、そして、消費者の人がアクセスできるようなツールをそろえるという、これは2つ同時に話さないと固有制度が欠陥のまま終わってしまうと思いますので、アクセスできるということも含めての固有制度を改革しようというように理解したほうがいいのではないかと思いますので、そこも含めてもう一度全体を説明していただいて、もう一度具体的な、どういう制度にしたらいいか、どういうアクセスのツールにしたらいいかという議論をしていただいたほうが恐らく建設的ではないかなと思いますので、もう一度全体像を。

○竹田食品表示企画課長 先ほど鬼武委員から御指摘いただいたところは、現在80万件余りのデータが現にデータベースの中に入っていると。その集合の中には、現に事業者の方がお使いになっているものが、その一部として入っているわけです。ですから、その取り締まりはできているという現状があります。ただ、我々の持っているデータが逐一、どれが有効、無効というのは、我々は知り得るすべがないというのが現状のシステムになっています。

今回のシステムの整理というのは、ある意味で固有記号制度の見直しに付随して、我々の内部の事情として、と言うと言い過ぎになるかもしれませんけれども、そういう見直しをするものでございます。

やはり本体の本筋の制度の見直しというのは、何度も出ていますけれども、衆参の附帯決議で御指摘を頂戴しました。それから、アクリフーズの事件があって、やはり固有記号であれば製造者にたどり着くのが難しいのではないかと、それはやはり制度として問題もあるのではないかということで、直近の2点の大きな御指摘を頂戴して、我々として事業者のメリットを確保しつつ、消費者の方も記号の裏側に届くようにということでバランスをとって提案させていただいたつもりのものが、今、皆様の前にあるということでございます。

○宇理須座長 その届くというのに義務化をしようとするアクセスの方法がございましたね。あれについても説明していただいて、私は一体のものだと思いますので、そこを含めて皆さんの意見を聞きたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○竹田食品表示企画課長 事業者の方が事業者の判断で固有記号を選択したと。そのときに、消費者の方は、その記号がどんな所番地を表象しているのかということについては、我々は3つ考えまして、電話でお答えいただく、あるいはインターネット、会社のホームページで公表をしていただく、あるいは紙パック飲料等でよくありますけれども、底面に全ての記号と工場名を1対1の関係で記載しておいて、記号を見れば、そこの工場名を見れば全部わかるという3つの手法を選択できるようなことを御提案させていただいているということでございます。

○宇理須座長 ありがとうございます。

そういう消費者庁の提案を軸にして、そして、少しここは修正したほうがいいのではないかとか、そういった御意見を聞かせていただけるといいかと思いますけれども、その前に池戸委員、意見があれば。

○池戸委員 いろいろな御意見が今、委員の方から出ていたのですけれども、繰り返しになるのですが、この制度、7ページに書いてあり、さっきから議論に出ていますように、危害防止という観点で遡及なりトレースバックできるという観点では、問題は、この制度がうまく機能するかどうかというところが非常に大きいところだと思います。

恐らく現在の今現在の状況からは、消費者庁が言われているように、なかなかそこが十分機能していないということだと思うのです。その改善案が今、示されたわけですけれども、果たして本当にこのとおりいくかどうかというところが、いろいろ御意見を聞いていると、必ずしも確たる根拠はまだ十分ではない。多分パブリックコメントなどで十分意見を踏まえた形でもう少し検討する必要があるのではないかと思います。

ただ、言えるのは、最初に石川委員から出ましたように、表示法の世界での議論に上がっているのですが、実質は、表示なので表示法なのですけれども、やはり何か事件があったときの供給サイドとしての責務の話というか、改正後の食品衛生法マターのことではないかと思います。

ちょっと個別の話になってきますけれども、製造所固有記号なので、製造所だけが対象になっている。そうすると、今まで調査会でも議論したように、加工所とかほかのところについては、今までのJAS法、食品衛生法にかかわらず、安全性についてはきちんと確保しなければいけないという観点からいったときに、やはり同じような目的で機能する制度でないとまずいのではないかなという感じもしています。

あと、消費者庁が一括してこのシステムを管理するのが本当に執行上で効果的かどうか、そこら辺まで私が言う立場ではないのですが、やはり連携してやるという、保健所の機能を生かすとかですね。今はやはり制度が仮にできても、一月待ちとか、使うかどうかは別としてもかなり苦労される、それで困っている企業さんの話も聞いています。

あと、これは表示なので、消費者としてのメリットという話になったときに、応答義務というところが本当にそれで消費者にプラスになるかどうかですね。この辺は私もよくわかりません。だから、よく両方の御意見を踏まえて判断すべきで、慎重にやられたほうがいいのかなという感じがします。

○宇理須座長 ありがとうございます。

そうすると、消費者庁の原案ではまずいのではないかという意見ですか。

○池戸委員 いや、考え方としてはこの案が1つの考え方だと思います。ただし、実効ある形からいくと、我々のところで気がつかない部分もあるかもしれない。それから、製造所だけでいいのかどうかというところも含めてですね。やはりそこは現場でやられているといろいろな反応があるかと思うのですけれども、いろいろなところで本当に機能するかどうかというのが、さっきから御意見を聞いていると、必ずしもここで判断し切れるのかと、ちょっとそこら辺が心配だということです。

○宇理須座長 ということは、案としてはいいのだけれども、これをきちんと機能させる工夫だとか。

○池戸委員 基本的には、考えるとこの案ぐらいになるのかなと私は感じておりますが、機能を本当に確保するためには、もう少し幅広くいろいろな御意見を言っていただいたほうがいいのかなという感じがします。

○宇理須座長 その辺は消費者庁としてはいかがでしょうか。この案はいいのだろうけれども、これが機能するかどうかが危惧されるというような御意見だと理解したのですけれども、どうでしょうか。

○池戸委員 逆に今、消費者庁に聞いていますと、そこは御意見がどうだというよりも、多分これを機能させるために案をつくられていると思うので、いろいろな議論の中での出てきた案ではないかなという感じがします。

○竹田食品表示企画課長 取り締まりという我々の権限責任であれば、御提示している案で機能に問題はなくなると考えてございます。先生の御指摘は、そういう意味でよろしいでしょうか。

○池戸委員 私がさっきから申し上げているのは、これは一つの案なので、実際この調査会でいろいろな問題点が出ていると思うのですけれども、実行に即移したときに本当にこれが機能するかどうかというところのプロセスのお話をしているのです。

○宇理須座長 どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 実行可能性という意味でおっしゃられて。

○池戸委員 実行可能性というのは必ずしも企業向けだけの話ではなくて、実際、消費者の方も、副次的とはいえプラスになるかどうかというところも含めてという幅広い意味で実行可能性。

○竹田食品表示企画課長 正直申し上げまして、鬼武委員、池原委員からも御説明あったと思うのですけれども、現在、固有記号がどこの製造所をあらわしているのかという電話がじゃんじゃん鳴るような状況ではないと聞いています。なので、仮に問い合わせがあった場合にはお答えくださいということで御提案していますので、そこのところについて我々は特段問題視していません。ある意味で固有記号の利用が制限されることによって、原則例外を明確化することによって、さらにそういうお問い合せは減るのではないかと我々は思っています。そういう意味で、そこの部分と我々の取り締まりの部分というのは機能に問題はないと我々は考えています。

○池戸委員 誤解がないようにしたいのは、この制度そのものに意味がないというわけでは決してなくて、これは非常に有効な話だと思っています。ただし、どういう意味でかというと、危害拡大防止という観点では有効に機能すべきものです。ただし、記号制度になったとき、運用面でうまくやらないと実効あるものにならないだろうということを心配して意見を言わせていただいているだけです。

○宇理須座長 確かに運用では実効しないと意味がないとか、そういう意味なのでしょうかね。

○立石委員 必要な情報が提供されることが消費者の権利というところからいって、何度も言いますけれども、製造所の所在地、製造者の氏名を記載するというのは当たり前の義務として食品衛生法が課しているわけです。今はそのことが書かれないで隠れみのに使われている実態ですね。製造所をはっきりさせたくない、勘弁してくれという、私どもは中小なのですよ。中小ですから、そのことは痛いほどわかっているのだけれども、もちろんこれは便利な仕組みですけれども、それ以上に世の中に対しての弊害がある。消費者をだまくらかしている事実をものすごくよく知っているから、これはやめたほうがいいと私は言っているわけです。こんないいかげんな仕組みをこのまま継続していくことは、消費者のために決してよくない。

大企業の方はいいですよ。ところが、そうではない実態がいっぱいあるから、この問題について消費者は極めてリスクのある状態にあるなということを中小だからこそ私どもはわかっているのです。これは事業者の論理とすれば、誰に聞いてもそうですけれども、事業者とすればやめたくないのです。だけれども、本当に消費者の目線に立って質問を問い返したら、皆さんやはりこれはおかしいと誰も異口同音に言われるのです。問題がいっぱいあるということで、中小の方ほどこのことの仕組みを一番わかっているから。でも、自分の事業を見たときに、このことを無くしてしまうと、今まで隠していたことが表に出てしまうことは勘弁してもらいたいと、これが本音のところです。この本音のところを余りに酌み過ぎていると、やはり社会的によくならない。今のどんどん拡大してきた拡大解釈と本当の原理原則のところが崩れかかっているこの制度、ここのところをもう一回ここで修正し直すということです。

○宇理須座長 要は池戸委員も立石委員も、この制度が決まった後の実際のマネジメントが不安だという理解でいいですか。それをきちんとしてくれないと、せっかく制度をつくっても意味がないと。

○池戸委員 私は立石委員とは若干違うと思うのです。この制度は意味があると思っています。ただし、それを実際の運用に至るまでにはやはりもう少し検証して、いろいろな御意見を踏まえてやったほうがいいのかなということだけだと思います。

○宇理須座長 今の消費者庁の提案に対して池戸委員はどのように思っておられますか。

○池戸委員 まずは原則は、所在地と氏名を書くということですね。だけれども、やはりスペースの問題とか、そのような制限条件の中で固有記号制度を導入するのはメリットがあるだろうということだと思います。

ただし、表示をした以上は消費者として見るという観点からいくと、やはりそれなりのメリットがある、そこを応答義務という形で今回出されているわけですね。だから、私が今頭の中で考えるとこれでいいなという感じはするのですが、実際の運用になったときに本当にうまくいくかどうかというのは、本当に効果があるのかなというところをちょっと心配しているので、できるだけいろいろな分野の方に。多分パブコメというのはそういう意味があるかと思いますけれども、そういったところで意見を反映して、実効ある運営ができるように。

もう一つは、ちょっと余計な切り出しかもしれませんけれども、消費者庁さんが一括してやるやり方が本当に的確かどうか、むしろ保健所の都道府県にみんなおろしているので、そういったところで運用したほうがいいのではないかなという感じもします。

○宇理須座長 ありがとうございました。

この案でいいのだけれども、消費者庁だけがマネジメントやるのはとか、あるいはもっとパブコメなどで意見を入れて、改正すべきは改正していくべきではないかという御意見と理解しましたけれども、ほかの委員からもちょっと意見を聞かせていただいて、池原委員、いかがですか。

○池原委員 ちょっと大きく意見を言わせていただきたいと思います。

まず今回これを議論する背景の1つに、附帯決議で我々が宿題をいただいているという御説明についてです。附帯決議ですので、もちろんそれは我々の宿題として非常に重いものだと思います。本当に真剣にやっていかないといけないと思います。ただ、附帯決議の書き方は、先ほどお話がありましたけれども、参議院のほうは、製造者の所在地等の情報を知りたいという消費者からの要望を踏まえ、製造所固有記号制度のあり方について検討することになっています。衆議院のほうは、さらにちょっと書き方が変わっておりまして、そういった要望もあることから、その情報の提供のあり方について検討することとなっています。だから、いただいている宿題の本質は、製造所固有記号制度との関連はもちろんあるのですけれども、本質はその製造所そのものを消費者にどうやってお伝えするのかというあり方について検討せよ、なのですね。決してここの書き方は、直接的に製造所固有記号制度を見直しなさい、別の形にしなさいということにはなっていないと思います、我々のこの宿題ということでは。

宿題ですので、我々はこれについてしっかりと検討していかないといけないと思います。検討するということは、これも附帯決議の中に書いていただいている、検討するに当たっての具体的な手続を示されておりますね。また読み上げますと、消費者の表示利活用の実態、消費者のニーズ、食品の製造・流通の実態等を十分に調査せよと、まず調査せよというのがあります。その上で、消費者、事業者双方にとってわかりやすく、実行可能で、国際基準との整合性を十分に踏まえたものにせよというように、これは附帯決議で我々にこういったやり方でちゃんとやりなさいよということを要は指示いただいているわけですから、まさにこういった観点でしっかりと我々は本当に慎重に、丁寧にこれを審議していく責務があると思います。そういう意味で、前回1時間ぐらい、今回ももうかなり時間がたちましたけれども、この時間の中でこれをやり切るというのは非常に難しいのではないかと思います。これは国会からいただいた我々の宿題ですので、しっかりと時間をかけて審議させていただきたいというのがまず私の要望です。

一つその観点で見たときに、この間もちょっと言いましたけれども、国際基準を見たときに、例えばコーデックスとEUと米国の御説明を前回いただきました。確認していただいているのですけれども、まず米国については、製造所の情報の表示そのものがないです。よって、消費者にそれを知らせるということになっていません。コーデックスとEUについても、これは記号であって、結局その記号の中身は、要はその記号をつけた人さえ、その人がわかればいいという仕組みになっています。EUの基準の中には、製造所については消費者にお伝えする必要はありません、消費者のためではございませんということが明快に記述されております。だから、世界的に見たら、製造所のこの情報については決して消費者にお伝えしなければならないとはなっていないのです。まずそれがあります。

我々日本はどうしていくのかということを、やはりこれは消費者のニーズとか、今幾つかのデータをいただきましたけれども、そういったことを踏まえて本当にどうあるべきなのかという観点で、これはしっかりと丁寧に審議をしていくべきだと思います。

もう一つだけ。先ほど鬼武委員から行政のほうに質問されて答えられましたけれども、要するに今の製造所固有記号の本来の目的に対してどういう問題があるのですかという御質問をされて、回答については、制度そのものではなくて、持っている製造所固有記号のデータ、要はデータベースとそれに入っているデータが全然だめなのだよという説明がありました。それについては、今回の御提案の新しいデータベースで徹底的に、要は一からつくり直そうぜということを御提案されていますので、それで解決できると思います。

現状の本来の目的に対する製造所固有記号制度の問題の御認識がそれしかないのであれば、あとは要は問題はないというような御説明ですので、だったらそれについてはどうしていくのかと。何も変える必要がないのだったら、何も問題点がないのだったら、もう今までどおりでいいねという選択肢もあり得ると私は思います。

とりあえず以上です。

○宇理須座長 ありがとうございました。

もう一回整理すると、固有記号の背景にあるいろいろな問題点を解決すれば、今の固有記号には問題はないのではないかという意見だと、そこに関してはきちんと答えていただかないといけないですね。

○竹田食品表示企画課長 大きく2点ございまして、附帯決議を御紹介いただきましたけれども、消費者からの要望は製造所を知りたいという御要望でございまして、その要望を完全に満たす制度にはなっていないという点について制度の問題があると我々は認識しております。

我々の行政執行上の問題としては、何度も申し上げていますけれども、データベースの中のデータの正確さが欠けている、これを修正しないといけないということで、2つの修正というのでしょうか、見直しを今回御提案させていただいているということでございます。なので、データがきちんとすれば、固有記号制度本体について何の見直しも必要ないという状況ではないと我々は認識しています。

○宇理須座長 それではいかがでしょうか。データの不正確さはもちろんあって、そこは変える。そして、固有記号に関しては消費者が求めていることについて、それでそれに応えなければいけない状況だというように説明されたのですけれども、それでは不十分ですか。

○池原委員 消費者にちゃんと情報をお伝えするということでは、今回の御提案の2の応答義務のところでそれは達成するということになるのですよね。そういうことであれば、今回の御提案の1については必要ない、ということでないでしょうか。2つテーマがあって、御提案の2と御提案の3で達成されると。

○宇理須座長 消費者庁のほうから。

○竹田食品表示企画課長 事業者の方が表示をするものでございますので、その表示について一義的にお答えしていただくのは事業者であるべきだと思っています。データベースの関係につきましては、現在、我々、取り締まり当局、保健所ですとか消費者庁、あと農水省の出先機関だったと思いますけれども、そういうところは取り締まりの観点からデータを利用できるという現状があります。何度も申し上げていますけれども、今回のデータをきちんと整理して、新しいデータベースをつくるに際して可能であるかどうか、これからの検討になりますけれども、オープン化です。第三者の方からも調べるということでアクセスできるような仕組みも検討していきたいということで御提案をさせていただいています。

○宇理須座長 そういう意味では提案が4つあって、番号はつけていないのですけれども、2つ目の提案と3つ目、4つ目の提案に関してはいいのではないかと理解してもよろしいですか。そして、1に対する必要性が不十分ではないかと。今の固有制度を、1つは表示しなければいけないけれども、2つ以上の場合にはいいですよという1の提案に関して十分な説明がないのではないかと池原委員はおっしゃったのではないかと思います。何回も答えておられると思いますけれども、もう一度。

○竹田食品表示企画課長 同じことの繰り返しで恐縮でございますけれども、基本的には原則例外の明確化ということをしたいと思っており、例外を認めるメリットは何ですかというときに、包材の共用化という企業にとって直接的にきいてくるものがあります。それは今回、廃止するわけにはいかないだろうと思っていますので、包材の共用化を図るのであれば記号は使ってくださいと。ただし、消費者の方がそれを知りたいという場合があると思いますので、そのときにはお答えください。そういうことで、最低限メリットを消さず、それから、知りたい人にはたどり着けるようにするということで両立を図ったつもりの御提案になっています。

○宇理須座長 いかがですか。それでは答えになっていないですか、池原委員。

○池原委員 今の御説明ですと、もともと問題点が2つ、データベースの中がまずいと、消費者に対してたどり着けるようにすると、それが2つだったので、それぞれに対して、最初のほうは3番目の御提案、データベースをやり直して解決することですねと、2つ目の消費者がたどり着くようにするという対策については御提案2なのですねと、確認させていただいただけです。

○宇理須座長 池原委員は、2があれば今の固有記号を変えなくてもいいのではないかとおっしゃったので、2は。

○池原委員 今回の御提案の1番がありますね。1番についての背景というか理由は何ですかということを先ほどは伺っただけで、それについて今お答えいただいたということです。

○宇理須座長 それでは不十分ですか。

○池原委員 問題認識をお答えいただいたということについては理解いたしました。

○宇理須座長 では、1の提案に関しても理解できると。

○池原委員 その背景について理解できると。

○宇理須座長 背景の理解だけではなくて、これに対する改正案とか、あるいはこのままでいいとか、そういう御意見はないのですか。

○池原委員 今回の御提案が複数工場というところなのですけれども、ちょっとその前に確認させていただいてよろしいでしょうか。今の御説明は、原則は所番地で、固有記号制度を使うということは例外であると、その例外として使える条件が2つであるという御説明をいただいているのですが、それは、例えば法令上はどのあたりに書いてあるのでしょうか。それを教えていただければと思います。

製造所固有記号そのものについては基準府令の第10条に明快に書かれておりますけれども、その書き方を見ると、ほかの条文の書き方と同様に、「にもかかわらず、こういったことを使用することができる」というような表現になっていまして、それだけ単純に見ると、別にこれがすごく例外であるということとになるのか、わかりませんし、少なくともそこには使用できる条件というようなことは特に書かれていないのですよね。だから、違う通知などで、いろいろまた違うルールが出されているのかもしれないので、そのあたりの確認をさせていただきたいと思います。

○宇理須座長 固有記号は使わずに製造所を書きなさいとなっていることが原則なのかどうかという議論ですけれども、でも、別の理由でおっしゃいましたね。消費者が製造所を書いてほしいという要望があるために、今の制度を変えようというのが一つ理由で、もう一つは原則に戻らなければいけないのではないかという議論もあったのですけれども、そういう原則というのはあるのでしょうか。

○竹田食品表示企画課長 今、池原委員が言及されましたように、基準府令のほうでは製造所を書いてくださいということになっていまして、条項名も言及がございましたけれども、第10条のところで第1条第2項の規定にかかわらずということで例外規定が置かれています。その例外規定自体には、私がさっき申し上げました表示面積が狭いとか、包材の共用化とか、そういった具体的なメリットのある場合に限るということについては明文上は書いてございません。

○宇理須座長 よろしいでしょうか。

○池原委員 他の通知などでそういったものが発出されているのでしょうか。

○宇理須座長 答えはありますか。

○岩城課長補佐 通知につきましては、「食品衛生法に基づく表示」ということで、消費者庁の平成24年2月24日の通知の中で、固有記号の記載方法等を記載しております。

○宇理須座長 原則は製造所を書く。しかし、記号を使ってもいいよということで理解してよろしいですか。いかがでしょうか、池原委員は。

○鬼武委員 消費者庁の担当事務局がまだ読んでいないですよ。読んでいないから待ったほうがいいです。読んだ後に。読んでいないから、探しているから、待ちましょうよ。

○岩城課長補佐 通知の中ではその部分については書いていないですね。

○宇理須座長 では、何と書いてあるのですか。

○岩城課長補佐 失礼しました。通知の中に、例外的表示ということで記載はあります。製造所所在地、製造者氏名の表示については、あらかじめ消費者庁長官に届け出た製造所固有記号の記載による例外的な表示方法が認められているが、次によることということで、製造所所在地のかわりに製造者の住所をもって記載する場合にあっては、固有記号は、製造者の住所、氏名の次に記載することを原則とするというところ。

○宇理須座長 製造所を原則としては書けと書いてあると理解してもいいですか。

○鬼武委員 そうは読めないですよ。

○宇理須座長 そうは読めないのではないかとおっしゃっている方もおられますけれども。

どうぞ。

○石川委員 法律家の観点で、基準府令の第1条第2項第3号で製造所所在地と製造者名を表示することとなって、ここは記載しなければならない義務なのです。第10条のほうで、製造所固有記号に関しては、第1条第2項の規定にかかわらずできるとなっていますね。だから、表示義務なので、製造所所在地と製造者名について、まずは義務が課せられているのです。例外的に一定の要件を満たす場合に固有記号を、これは届け出しか書いていないですけれども、届け出の理由についてはまた別途通知等があるのかどうなのかが今は曖昧な状況になっていますというのが製造所固有記号制度なのです。

ということは、極めて曖昧な制度だったということがはっきりしたと。義務を例外的に緩和して認めるのであれば、その例外となる理由についてきちんと説明できて、はっきりした形でなければ、その例外を認めるべきではないというのが法律の考え方ですから、現状この第10条を見ますと、どういう合理的根拠があるのか、どういう場合なのかがはっきりしていない、こういう中途半端な制度で、これをこのまま食品衛生法の表示基準から食品表示法の表示基準のほうへ移行させることはできないのです。これをきちんと整理しない限り、義務表示の規定についてはそのままスライドさせることはできると思いますけれども、新しい制度に盛り込むだけの合理的な説明ができない以上は、これはもう削除せざるを得ないのではないかというぐらいの制度だと、きょう、はっきりしたと思います。

固有記号制度そのものに対しての前提として、製造所所在地に関してコーデックス等で、特に製造者、製造所を明らかにする必要はないという外国の例を池原さんが紹介されていましたけれども、ということは、もともとの製造所所在地の表示義務自体要らないという発想からスタートしている人と、製造所在地は要るのだけれども、固有記号を例外的に認めるかというところからスタートしている人と2つあると思います。

第1の立場の人が果たして適切なのかということからまず議論しないといけない。製造所所在地そのものを要らないという発想からすると、全く話にならないと思います。もう既にこれは、製造所所在地自体の表示を要らないという消費者は多分日本ではいないと思います。ですから、表示義務があって、その上でそれを緩和する例外的な合理的根拠をまずしっかりと説明できなければ食品表示法のほうに移行することはかなり難しい。たてつけとして、従来からあるからそのままスライドさせるというのではなくて、移行させるにはそれなりの合理的根拠が要るのではないかということを前提に考えれば、固有記号制度について再構築しなければ意味がないと思います。例外的に緩和するのであれば、その代替措置が必ず要る。その意味で応答義務は必須だろうと思います。

その上でさらに、応答義務のほかに、さっきも言いましたけれども、事業者が負っている表示義務を緩和する措置のためになぜ行政的な資源を投入して、行政コストを負担しなければならないのかという点についての合理的な説明がこれまでにないと思います。行政が義務を緩和してあげるかわりに負担してあげますよというのもどうなのだろうかと。消費者の食品表示のために行政コストがアップするのは仕方ないでしょう。だけれども、事業者の義務を緩和するためにコストがアップするという合理的な説明ができるのかという点をきょうの議論を見ていて思いました。

ほかのアレルギーなんかの代替表記とか、あれは事業者サイドで緩和していただくことによっていろいろな表示ができるから、事業者のほうの負担が軽減されるという意味合いでは、事業者のほうには意味があるのでしょうけれども、製造所固有記号だけは行政側に負担がかかっていくのですね。従来は応答義務もなかったから、製造所固有記号に関して行政に聞くという話になって、本来表示義務、情報提供義務のある事業者がすべきことを行政が肩がわりしているという話になるので、この点について、効率的な行政にしなければいけないという今の議論と、消費者庁は非常に数が少なくていろいろな課題を抱えている中で、固有記号制度に行政的な資源を取られているということの大きな問題点が解決される必要があるのではないかときょうの議論で思いました。その点の2つですね。例外にするのなら合理的根拠をもっとはっきりさせないといけないし、行政コストをわざわざかけて義務を軽減するという理由について十分な説明がなければ、固有記号制度そのものを食品表示法にスライドさせて移行させることはできないから、必然的に廃止とならざるをえないと私は思います。

○宇理須座長 ありがとうございました。

とにかく表示をしなければいけないという法律はあるという理解で、もう皆さん、これは一致でいいですね。そして、例外的に固有記号を使っていいのだと、そこまでも一応皆さん納得していただいたと。そして、現在の固有記号制度を改善しようと。しかし、消費者の方のアクセスするツールを担保することによって改善というか、変えようと。こういう理解でよろしいでしょうか。

○石川委員 消費者庁の提案で、例外を絞り込んで、そのかわり固有記号を説明する応答義務を課すという点で、それなりに制度になっているのですけれども、最後に行政コストを負担しないといけない点についての説明がどこから出てくるのかがちょっとわからないのです。

○宇理須座長 新しい提案があったのですけれども、答えていただけますか。

○竹田食品表示企画課長 消費者庁でデータベースを持たなければいけないというのは、固有記号制度を認めるわけですから、その固有記号と製造者の所番地を1対1、対応関係でデータを特定できなければ行政の取り締まりができないということになりますので、固有記号とデータベースは恐らく不即不離の関係にあるということでございます。現状それを取り締まり官庁で共有して使っていると。

今回、データの更新をして、データベースを新規構築しますけれども、その際に、例えば事業者の方には電子申請ができないかどうかといったようなことを検討するとか、紙の届け出よりも行政コストが減りますので、そういうことも検討してまいりますし、それから、先ほど来申し上げていますように、せっかくデータベースをつくるわけですから、オープン化して第三者からアクセスできるような仕組みも検討をしたいということでございます。

ですので、基本的には、行政の取り締まりコストとして整備するデータベースを第三者の方にも利用していただけないかどうかを検討するということでございますので、主体はあくまでも取り締まりコストを税金を使ってさせていただいているという構造でございます。

○宇理須座長 よろしいでしょうか。法律家としてそれで納得できるか。

○石川委員 そこは固有記号を前提とするからそういう話になるのであって、例外として認めなければ全部要らないわけですよ。廃止すればデータベースは要らないし、データベースの入力作業であるとか、登録・更新作業であるとか、さまざまな行政手続、事務コスト、費用、全くかからないです。ゼロなのです。製造者の名前をラベルに書いていただく、その点について、包装材を複数用意しないといけないということで事業者の負担になるのかもしれませんけれども、それは本来的な義務の一環なので、緩和されていなかっただけの話なのであって、筋としてはそれで問題ない話なのです。

だから、現行、固有記号を使われている事業者の方に利便性があるからというようなことで、経済的な話をすると、何で行政のコストが発生するのかという点についての説明がつくのかどうかという点に非常に疑問を感じるということです。

○宇理須座長 よろしいですか。何かちょっと話がずれてきたような気もしますが。

○竹田食品表示企画課長 固有記号制度を廃止すればデータベースも不要になるというのはまさにおっしゃるとおりだと思います。ただ、その場合には、何度も言いますけれども包材の共用化による企業のメリットが全て失われることになりますので、そういう意味ではコストアップ要因になって、最後は消費者の方がお買い求めになる値段のほうに全部反映してくる。それよりは、固有記号制度を、これまでずっと定着していますから、それを何とかメリットを残しつつ、有り体に言えば経済がうまく回って、結果的に皆さんがハッピーになるような形で制度を考えると、こういう形かなということで御提案させていただいております。

定性的なお話になりますので、必ずしもこれで何銭みんなが得するとかを言えないのはちょっとつらいのですけれども、考え方としてはそういうところでございます。

○宇理須座長 そういう意味で、今の制度を変えよう、それではこういった固有制度の提案、そしてアクセスできるツールをちゃんと考える、それからデータベースの整備と、こういったような大きく3点セットでこれを考えてほしいという、その辺は皆さんの御意見がある程度一致したと考えてもよろしいでしょうかね。

○立石委員 いいですか。

○宇理須座長 同じことを繰り返さないように。

○立石委員 包材の共用化が義務よりも重たいということは考えられないことであって、私は石川先生の言うとおり全廃だってあると思っているのです。なぜかというと、このことはまさに、さっき言ったように私どもは実際に製造していますから、それだけのことが消費者に対して負担がかかるかどうかというのは、全然かからないと思っているのです。製造所は書けるのですよ。全然問題なく書けるのです。書きたくないということだけの理由でこのことがなされていないということが最大の問題だということをもう一回言いたいです。

それと、きょう板倉委員が出されている意見の中の5ページに日本消費経済新聞の切り抜きが出ていますけれども、「国民生活センターによると」というものです。「消費生活センターには、製造所を知りたいという相談が、アクリフーズ群馬工場での農薬混入事件が起こる前から寄せられている。『コンビニのPB商品のみそを買ったが製造者名がなくお客様窓口に問い合わせたところ、商品への表示は販売者だけで足りると言われた。これでいいのか』」と、こういうことが書いてあるのですね。それから、「『スーパーのPB商品に製造者の連絡先の記載がない。産地を確かめるために販売者の連絡先だけしか書いていないのは信用度が低い。改善してほしい』」とか、ずっと書かれているのです。これがまさに消費者の声なのですよ。やはりきちんと原理原則、義務に向けて、隠れみのみたいにこそこそと固有記号を書いて明らかにしないということは、もうそろそろ限界に来ているのです。

だから、本当は全廃にして、今言った行政コストもかからないようにするという石川委員の意見は極めて正当性があって、これに対して私は事業者として反発できません。そのとおりだから。全くそのとおりだと思いますので、そのことを示してください。こういうコストが、どれだけ負担がかかるのですよということを、日本の今の表示制度は長い経過措置をとられているわけだから、製造者なんかは簡単に書けて、そのコストだって大したことはないのです。そのことをどこまでも言うのだったら、ここにきちんとそのコスト面と消費者が不利益をこうむるコスト、ここを明確にした上でこの論点を切ってもらいたいと思うのです。

○宇理須座長 ありがとうございました。

大分意見も出そろったと思いますので。

まだありますか。

○池原委員 ちょっと間があいてしまったのですけれども、先ほど通知を確認いただきました。そのときにお願いいたしました、例外として使える条件という言い方はあれですけれども、今2つ示していただいているのですが、それについては具体的な通知とかはないということでよろしいのでしょうか。

○宇理須座長 答えられますか。

○平山企画官 通知を確認いたしまして、平成24年2月の通知にいろいろなことが書いてあるわけでございますけれども、先ほど、岩城のほうから申し上げましたとおり、製造所所在地、製造者氏名の例外的表示ということで幾つかあるのですが、大きく分けて、1つは固有記号を使うときにどのように表示をしなければいけないかという表示の仕方や、届け出の仕方、届け出の際にどのようにしたらいいかということが書いてありますので、確かに、その条件とかそういったものは今、見る限りではございません。

さらに、詳しい話はQ&Aのほうに入っているということでございますので、いずれにしても、通知なりQ&Aなりを見ると、固有記号はどういう場合に使えるか、どのように届け出をするかということが整理されているということでございます。

○宇理須座長 ありがとうございます。

では、原則は製造所を書けと。しかし、例外がありますよという理解でよろしいですか。これに関しては、もうこれ以上やっても先に進めませんので、池原委員はそれでよろしいでしょうか。そして、消費者庁の提案の1~4のことを少し議論していただきたいと思いますけれども、入り口に戻らないように。

○池原委員 1番のところですけれども、今、御確認いただきましたが、提示いただいている条件が大きく2つというところです。過去、もう60年近くこの制度を運用されているということで、何回か議論がされているみたいですが、その中で、平成16年7月の共同会議、これは鬼武委員からも御指摘があったと思いますけれども、そこで少し議論されておりまして、そこの資料と議事録をちょっと確認してみたのですが、ここにも製造所固有記号を認めている理由というページがあります。タイトルは「何故、製造所固有記号を認めているのか」で、1つだけ、そこに認めている理由が書いてあります。これをちょっと読み上げますと、「販売者が実質的に食品の安全性に責任を有する場合など製造者ではなく、販売者を表示するのが適当な場合があるが、その場合であっても製造者、製造所を特定する必要があるため」と書いてあります。これが認めている大きな理由だよということと、次のページに、「実際に利用されている理由」はこうだよというのが2つあって、その1つが、さっきの認めている理由を受けた形で、「販売者が安全に責任を持った上で、製造者を効率性、経済性の側面から選択できるようになる」、2つ目が、まさに今回の2つのうちの1つの「共用包材によるコスト削減」というので、がこの2つだけが書いてあります。このときの議事録も念のため読んでみたのですけれども、資料のこの記述に対して、これは違うよねという議論は特にないみたいで、これを前提に固有記号制度はどうあるべきなのかというのが議論されているみたいです。

ちなみにですが、その議論の1つに、表示責任者が1つきっちりあるのだから、別に製造所の情報など要らないのではないかという意見があって、でも、本来の目的、何かあったときに保健所の方が工場にぴゅっと行くために、やはりあったほうがいいね、それで固有記号でやろうねと、そんな議論がされているみたいです。

ということもあって、これは60年間もこの制度が続いているのですけれども、こういった使い方もあるよねという認識のもとに、記号制度を利用させていただいて、それを前提に、さまざまな生産、流通の仕組みを構築して現在にあります。それを新しい形に見直すということであれば、いろいろなところに大きな問題が当然出てくると思いますし、大きな混乱になる可能性も高いと思います。ということですので、まずはそういったところも含めて、過去にどういう議論があったのかというようなところ、本当にどういうことでこれを利用できるのかを社会として合意してきたのかというようなところ、も含めて、もっとしっかりとそういったことを踏まえた上で、今後どうしていくのかということを決めていかないといけないというのが1つです。

○宇理須座長 だから、今までのことを踏まえて意見を述べていただければありがたいのですけれども。消費者庁のほうからそういう提案があったわけですね。今、池原委員はそれを踏まえてこれからやろうみたいな意見なのですけれども、これらを踏まえてこの案に対して提案していただきたいと思います。そうではないと前に進みません。池原委員は今からやろうというような意見に聞こえてしまうのですけれども。

○池原委員 これは共同会議の資料ですので、ある意味公式な資料ですね。そこに、「こういう理由で使える」のだということがあるのであれば、例えば、これも、今回の「原則はこれで、例外はこれだよ」という例外として、あるのではないかと思います。

○宇理須座長 ということは、今の固有記号をやはり残すべきだと、現行かどうかはあれとしても、固有記号そのもの全廃はまずいよという意見でよろしいでしょうか。

○池原委員 もちろん全廃はないです。

○宇理須座長 ありがとうございます。

では、どうですかね。そろそろまとめたいと思いますけれども、意見をどうぞ言ってください。皆さんに言っていただきたい。

○栗山委員 今の池原委員のお話を伺っていて、公式な資料であるかもしれないけれども、それは60年前の資料ということですか。ごめんなさい、ちょっと聞きそびれて。

○池原委員 平成16年です。

○栗山委員 平成16年ということですか。わかりました。ありがとうございました。

○宇理須座長 固有記号に関しては、現行はやはりまずくて変えていかなければいけない。しかし、全廃というのは、先ほどのような今までの流れの中で固有記号を認めてきているので、そして幾つかの利便性もあるので必要だという意見と、いろいろ出たわけですけれども、この委員会としてはいかがでしょうか。石川委員がおっしゃったようないろいろな法律的な理解もあるわけですけれども、今回この4つの提案を委員会としては1つ決めて、やはりさらに検討が必要だという池戸委員の意見も非常に大事なので、パブリックコメントだとかそういったような機会を使ってさらに消費者庁の提案を必要であれば変更していくというようなスタンスだと、この委員会としてはまとまるのかなと思いましたけれども、そんなことでよろしいですか。

○立石委員 一番大事なポイントは2番目なのですよ。あとはいいのです。要は「原則、2以上の」というところなのですけれども、ここはさっき言ったように、今は2つの様式があるのです。製造者が、本社の所在地が書かれたときに、工場名を固有記号でやると、これは様式第1号なのですけれども、問題は様式第2号なのです。販売者が書かれたときは、販売者と製造者がセットになったときに、製造所が固有記号化されてどこかわからないということは、消費者の知る権利を奪っているのです。ですから、今大きく変わったのは、消費者の知る権利という新しい法律ができたときに、そのことをどう見るかなのです。原理原則は製造所を書かないといけないのにもかかわらず、販売者と書いたときに、販売者の責任という先ほどの話があったけれども、販売者の責任なんていいかげんなものです。本当に委託製造先に対してきちんと点検している会社がどこまであるかといったときに、大手はやっていますけれども、中小がどうかというのは非常に疑問も残るし、そういったところからいったら、この原理原則からいったら、要は、様式第2号は外すということが適切だと何回も申し上げているのです。

今、2つの様式があるわけです。製造所固有記号に関して申請するときに2つの様式があって、様式第1号はいいです。1号のほうは認めますよ。これは今までどおり存続すればいい。ただし、第2号のほうの様式はやめたほうがいいですよと、何度も言っているけれども、ここは大きなポイントですからね。第2号はやめたほうがいいです。

○宇理須座長 それでは、そこに関してはさらに検討の余地があるということで、今の消費者庁の提案を意見として我々が出すということでよろしいですか。

○宮地委員 ちょっと待ってください。今の話は全然納得できないところがあります。どうして1カ所だけのところは書いて、2カ所以上はいいのかと、それは、先ほど石川委員もおっしゃっていますけれども、その論理からは合わない。

それから、先ほど立石委員が随分厳しいことをおっしゃいましたけれども、販売者がいろいろなことについて責任を持っている、それですから販売者というのがあるのだと思っています。もう一度そこのところを、今おっしゃった1カ所だけは書いて2カ所以上という話は、きちんと考えて検討していただいたほうがいいと思います。

○宇理須座長 わかりました。

では、今のことに関して、1カ所はだめだけれども、複数箇所であれば製造所固有記号を使ってもいいよという、その点に関して意見を言っていただきましょう。

○竹田食品表示企画課長 繰り返しになりますけれども、事業者の方の一番大きなメリットというのは包材の共用化だと我々は考えております。したがいまして、共用化というからには複数の製造所でつくるものだと。逆に言えば、1つの工場でつくるのであれば包材の共用化という現象は生じませんので、その場合には原則で製造所をお書きいただいていいのではないかと我々は考えております。

○宇理須座長 ありがとうございます。

それではいかがですか、宮地委員。

○宮地委員 今はつくるほうの側からおっしゃっていますけれども、製造を委託される側としてのコスト負担というのは実は管理コストも非常にふえていくわけですね。包材だけの話ではなくて、どのような問い合わせに対して答えなければならいのか。販売者がいろいろな規定をして、こういったものについてはこう答えてほしいということを言っています。ですから、今現在のこのような販売者については、それぞれ問い合わせ先も含めて書いていて、そこに何ら不都合はないわけです。ですから、今のお答えは私は全然納得できないと思います。

○宇理須座長 どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 商品全般についてのお問い合わせは、まさに表示責任者である販売者の方が、例えばテレホンセンター等の番号を入れていただいて消費者の方に御説明いただくということでよろしいと思います。固有記号を使うか使わないかというときの決定的な分岐点は、我々は、何度も言いますけれども、包材の共用化というコスト削減策を使えるかどうかということでございますので、その意味では工場が1つか複数かというところが分岐点になると思っています。

○宇理須座長 いかがですか。私もそのように理解していますけれども。

○宮地委員 今おっしゃった部分というのは、例えばここに書いてございますような大手メーカーさんが包材をつくったときにどうなんだという話をしています。では、その受ける側、業務委託を受ける側のコスト負担については全く検討しない、そういうことについてはどのように解釈したらいいですか。

○竹田食品表示企画課長 受ける側のコスト負担というのを具体的に御教示いただけますか。

○宮地委員 アレルギー表示なんかはいろいろな意味で販売者が工夫をして書いているところなのですが、それぞれのメーカーさんが全て、製造工場がそれについて答えられるのか。そのために管理コストというのが私は膨大に発生するのだと思っています。

○宇理須座長 どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 繰り返しになりますけれども、製品についてお問い合わせがあるときには、販売者の方が一括して、例えばテレホンセンターの番号を入れるとか、そういうことでお答えいただければいいのではないかと我々は考えています。

○宇理須座長 そのように私も思うのですけれども、あくまで固有記号は製造所の問題だと思っていますが、そこは。

○宮地委員 2つ書いてあれば同じように問い合わせは行きますし、最終的にはそこの中で情報の分散化が起きます。そのことによって、例えば本来消費者庁さんが回収のことについて担当されるわけですけれども、そこの情報についてもまとめられない、そういった問題が発生すると思っています。管理コストということについてもきちんと考えるべきだと思っています。

○宇理須座長 でも、アクセスしやすくするためにやることであって、今はアクセスしていただいては困るみたいな御意見にも聞こえたのですけれども、違うのですか。

○宮地委員 今現在、板倉委員からの書類にもありますように、全てのところは答えるようになっている。既にQ&Aに出ているわけでして、そこを何ら変える必要は私はないと思っていますけれども。

○宇理須座長 製造所も、販売者が書いてあれば、そこが入り口で全部わかるからいいのではないかという御意見ですか。

○宮地委員 板倉委員のペーパーに書かれていましたけれども、問い合わせ先はそこに確認をすれば答えられます。そういう話になっています。それぞれのところが今はそのような体制をとっていると私は思っています。

○宇理須座長 ということは、固有記号を使ってアクセスしにくくしていてもいいのですよという意見と理解してもいいですか。そのようにも聞こえたのですけれども。

○鬼武委員 そんなことは言っていません。

○宇理須座長 いや、そのように聞こえましたよ。

○鬼武委員 座長さんだけはそう聞こえて、皆さん、そう思っていないですよ。

○宇理須座長 では、皆さんにちょっと。

○鬼武委員 皆さん、そう思っていないですよ。皆さん、そう聞こえていないですよ。

○宇理須座長 どうぞ。

○石川委員 座長のとおりでして、結局、提案の1~4があって、2が応答義務で、3はシステムの構築とか、2、3、4のほうは余り意見がなくて、固有記号制度を絞り込むのか現行のままなのかについていろいろ意見が出ているという整理になるのだろうと思うのです。その際に考え方の視点としては、やはりさっき私が言いましたように、原則は所在地の表示義務があって、その表示義務を固有記号で代用することができるので、緩和するなら緩和できるだけの合理的理由がある場合に限るべきであって、それで消費者庁は、包装材の共用という点について辛うじて合理的な理由だとみなされていることで、それなりに筋は通っているだろうとは思いますけれども、私はさらに、包装材の共用というのは、行政コストをかけてまでするようなメリットかというと、そうではないと。消費者に負担させられるといっても、消費者は応分のコスト負担を否定するだけの根拠はないと思いますから、消費者といえども適正なコストは負担してしかるべきだという発想に立たなければ、いつまでたっても消費者と事業者の対立構造は直らないというか、価格の問題に入りだすと常に対立するのです。安かろう、高かかろうと、そこに入っては消費者行政は進まないのです。だから、そこの話は余り意味はないと思います。

ですから、行政コストをかけるだけの事業者の負担を軽減するという意味は余りないだろうと思いますので、せめて表示面積という物理的に困る場合だけはどうかというのを一番最初に言いました。それが私の考え方ですけれども、これに対して立石さんが、1、2の方針があって、販売者のほうは要らないのではないかということで、現行と消費者庁の提案と私の提案と立石さんの提案で4つあるのですね。それで整理できるのかという点が、この対立状況の中で非常に難しいなと認識しているのですけれども、あとは座長にお任せします。

○宇理須座長 ありがとうございます。

では、そろそろまとめたいのですけれども、皆さん、各委員が意見を言っていただいて。

どうぞ。

○栗山委員 私はそういうところは全くわからないので教えていただきたいだけなのですが、包装の共有化という事業者のメリットは、金額的にどのぐらいのメリットがあり、デメリットがあるのでしょうか。石川委員のおっしゃったように、消費者庁が税金を使ってそこをやることがいいとか悪いとか、そういうことももちろんあるとは思うのですが、一番に共有化によるメリットを考えてあげるだけのどれぐらいのデメリットが書かなければいけない人たちにあるのか。立石さんは、それほどかからないとおっしゃったように思うのですが、立石さんのかからないという御意見と、配慮さしあげている消費者庁のコストの差というのはどれぐらいのものだと考えたらよろしいのでしょうか。

○竹田食品表示企画課長 池原委員が御専門だと思うのですけれども、一律に何百万とかは多分言えなくて、例えばどんな版なのかとか、発注枚数は1回どれぐらいなのかとか、あとは保存をどうしているか、要するに倉庫ですね。いろいろな要素がかみ合ってきますので、まさに商品と会社の営業政策によってかなり変わってくると思いますので、我々としては定性的にしか申し上げられなくて、例えば何百万ですというのをきちんと御説明するのは難しい状況でございます。

池原委員から補足いただければと思います。

○池原委員 今回、大手企業になるのですけれども、10社程度で試算をしてみました。ざくっとアベレージということなのですけれども、1年間の増分として大体13億程度、それが毎年毎年発生していきます。1社あたり、大きいところでです。それが日本全体にしたら大体どのくらいになるのかというのを、ある理屈を立てて、えいやとやってみたのですけれども、ちょっと今うろ覚えなのですが、数百億から何千億とかそのぐらいの規模になるのではないかと。1年間のコストメリットです。そんな試算をしました。

○宇理須座長 もう一つは、それだけではなくて、先ほど石川委員がおっしゃったように表示面積という観点もあるので、やはり固有記号は要るのではないかという議論だと理解してよろしいですね。

○栗山委員 今、数字では伺いましたが、すみません、本当にこういうことを聞いてあれなのですけれども、それはその企業の利益とかに対してどれぐらいのパーセンテージを占めるものなのでしょうか。何かいろいろ試算してくださっているということだったので。

○池原委員 申しわけございませんが、ちょっと今、手元にないので。うろ覚えで言うとあれですから。

○栗山委員 例えば私が1円出すのと、全く働いていない人が1円出すのと、何億も稼いでいる人が1円出すのとでは価値が違うし、配慮しなければいけないのが違うというので、この委員会での話ではないことはわかっているのですが、イメージが湧かないのですよ。石川委員の原則書いてもいいのではないか、表示面積がないことだけに配慮すればいいのではないかというのと、企業のかかるコストも配慮したほうがいいのではないかというのを比べるときに判断材料がないので、ちょっと教えていただければと思ったのです。

○立石委員 包材の共通化ということを言って、同じ包材を使うときに、販売者があって、製造所は変わるのです。今言っている複数のときに変わるのは、この製造所のところだけなのです。製造所のところを変えるだけなのです。だから、同じ版を使って、要は記号で書くのか名前で書くのかの違いだけなのです。よく考えてください。同じ版でPBで販売者と書くではないですか。販売者とあって、製造所を書きたいのに書かないときに、記号で書くのか製造所で書くのかだけなのです。私どもはOEMの受注をいっぱい受けているからわかるのです。そういうことについて基本的にコストはかからない。そのことを非常にオーバーに言われるけれども、かからない。

宇理須座長 コストがかからないというような極論が出ているので。

○立石委員 言われるほど多くコストがかかるわけはないと言っているのですよ。オーバーに言われたら、それは皆さんびっくりしてしまって、だから実際に製造現場に来てもらえばわかります。そんなことが本当にかかるのかというときに、同じ版でやっているわけでしょう。共通版でやっているわけですよ、ほかも。だから、製造所を書く、書かないだけのところなのですよ、何回も言うけれども。

○宇理須座長 余り無駄な議論をしてもしようがないけれども、簡単に答えていただいてもいいかもしれません。

○池原委員 共用包材ですので、いろいろな複数の工場で使用できる包材になっています。ですから、具体的な所番地を書いてしまうと、その所番地の工場でしか使えなくなりますね。そういうことです。

○立石委員 それは全然違う。なぜかというと、それぞれの工場はラインが違っていて、そうなると同じ包材が使えるわけがないのです。だから、デザインはそうかもしれないけれども、包材というのはラインごとに違っていますから、同じ会社の同じ工場の同じ系列だったら同じ包材が使えます。でも、違っていますからね。必ずしも今言っていることは当たらないですよ。

○宇理須座長 費用がどれぐらいかかるかということも非常に大事だとは思いますけれども、石川委員がおっしゃったように、やはり面積の問題だとか、幾つかのことを総合的に考えますと、固有記号というのはそれなりに必要なものではないかなと思いますが、いかがでしょうか。具体的にこの4つの消費者庁からの提案を原則としてパブリックコメントにかけていただくと、これに関してもう少し具体的に、ここをこうしたほうがいいのではないかという御意見があれば、それを。あるいは、こういう意見もあった、こういう意見もあったという格好で消費者委員会に上げるというステップを踏みたいと思いますけれども、今、石川委員は、ここに面積のこともちゃんと書いてほしいということでよろしいでしょうかね。

○石川委員 原則廃止というか、廃止してほしいというのが基本ですけれども、固有記号見直しというレベルで言えば、消費者庁の提案もあるし、きょう出たようなPBだけ固有記号を使うべきではないという立石さんの意見もあるし、私が言いました表示面積みたいなことで、そういった意見もあったことを踏まえた上でパブリックコメントに付すという形がどうなのかと。ここで結局、事業者系、消費者系、学者、法律家がいろいろ入って意見が一致する方向性が見えない。見直しの方向性はあるとしても一致が見えない。一致の問題については、パブリックコメントの意見を見てはどうかと。そのために、提案の内容を複数示さないと、やはりわからないのではないかなと。

その場合はその根拠です。面積が少ないから仕方ないねという考え方と、包装材のコストがこんなにかかるからねという話とか、あるいはPBの問題については、そもそもそんなものは表示しないとモラルの低下を招くとかいろいろな理由があると思いますけれども、それを踏まえた上で提案されたらどうかと思います。

○宇理須座長 いかがでしょうか。4つの案に附帯的なこともここで議論されてこうだという格好で、一応ここをまとめさせていただこうかと思いますけれども。

○宮地委員 今、石川委員がPBはモラルの低下がという話をおっしゃいましたけれども、販売者を書いているというのは、この商品も全てそうですから、製造所固有記号についてどうなのかという議論であって、PBのモラルの話というのは全く議論としておかしいと思います。

○石川委員 立石さんがそうおっしゃっていたのでまとめただけですので、私はそういう意見では。

○宇理須座長 そうですね。モラルが信用を置けないからということはもちろんパブリックコメントのときには載せないほうがいいと思いますから、それは当然だと思います。

では、そのようなまとめ方で、この4つに関して意見があって。

○板倉委員 声が余り出ないのですけれども、今までの話を聞いていますと、包材の共有化ということで、2つ以上の製造所において同一商品を販売する場合だけ固有記号の利用を認めるということになりますと、逆に言えば、2つの製造所に分けてしまえば、みんな固有記号で進んでしまうわけで、今と何ら変わらないと思われるのです。例えばA社がB社に委託するときに、B社の工場が2つに分かれれば製造所固有記号が使えるという話になるわけですから。なぜそこのところでこれだけ騒いでいなければいけないのかというのがよくわからない感じがいたしました。

○宇理須座長 ありがとうございます。

その裏としては、やはりアクセスしやすい、知る権利を保障しようというようなところではないかと思います。もう一つの理由は、石川委員がおっしゃったように面積の問題もあるし、あるいは費用の問題もあると。

○板倉委員 というか、現実には今と全然変わらないようになってしまう案ではないかということを指摘しているわけです。

○宇理須座長 変わらないのではないかということに関してはどうでしょうか。消費者庁のほうから。

○竹田食品表示企画課長 我々としては、かなりきちんと原則例外で整理された上で、あとは座長の御指摘がございましたけれども、知りたい人が到達できるようなこともきちんと担保するということでありますので、その辺についてはかなり交通整理ができるのではないかなと思っています。

逆に言うと、今、委員御指摘のように、1つのラインでつくれるものを2つ、3つに分けるというのは、恐らくその企業にとっては非効率な生産形態になると思いますので、あえてそういうことをするのかなというのは私は個人的に疑問があるところでございます。

○宇理須座長 よろしいでしょうか。

○板倉委員 そういうことがないようにきちんと監視をしていただけるならいいと思います。

○宇理須座長 では、どちらか。

○池原委員 逆にといいますか、1つの工場で製造している商品について、急遽ほかの工場でもつくっていかなければいけないケースというのは多いです。その目的は、我々の商品のお客様、消費者への供給責任を果たすということです。例えば取引先から急な注文がぼんと増えるだとか、あと、工場の中の設備のトラブルがあって、どうしてもほかの工場でつくらなければいけないだとか、あと、いわゆる自然災害で、今年の2月の雪があれだけ積もって供給が滞ってしまうだとか、3年前の震災、あれは余りに大き過ぎるということもありますけれども、そういったいろいろなことがあって、そもそも1工場でしかつくる予定がなかったもの、急遽お客様に供給するために、他の工場で、つくらなければならない、責任を果たすためにやらなければいけないというケースは多いのです。そのときにこの製造所固有記号が使えるというのは必須になっています。そうではないと、急に違う場所でつくるわけですから、一つ一つ所番地を印刷しているものは当然使えません。あらかじめ2工場以上のところが原則だということですけれども、1工場であっても、すぐに複数工場、想定できない複数工場になるようなケースは非常に多いですので、そういったところの製造の弾力的な運用ができるように、この制度の運用についても、ぜひそういった弾力性を確保していただきたいと思います。

○宇理須座長 どうでしょうか。1社でやっていて急に2工場になるときに間に合わないというような意見だと思いますけれども、そういう場合に弾力的な運用をという御意見があったのですが。すぐには答えが出ないかもしれませんけれども。

○竹田食品表示企画課長 弾力の程度にもよると思うのですけれども、あらゆるレアケースを想定して線を引くというのは、実際、どこかに線を引くときにはなかなか難しい部分がございます。そういう意味で、通常起こり得るような事態には対応できるという意味で柔軟性というのは必要だと思いますけれども、例えばかなりレアケースを幾つか出されて、全てに対応できるようにというのは、今はお答えを御用意していないところでございます。

○宇理須座長 そのあたりもひとつ議論は必要だと思いますけれども、パブリックコメントでそういったところを求めて、意見が出てくればさらに検討するといったような形でもいいかと思いますが、いかがでしょうか。

どうぞ。

○鬼武委員 きょう議論をして、やはり論点が委員の中で結構分かれていると思うのです。座長の提案は、今回の4つの提案に対していろいろな意見を付記して、それでパブリックコメントを聞けばいいのではないかという提案があったと思います。それについては私は反対です。といいますのは、やはり調査会なり委員会というのは、そこで責任を持って、ある程度現状の問題があって、何を改善しないといけない、そのものについて責任を持って、合議制の上でパブリックコメントを出して、それがその中で最終的に法律の改正というようになると私は理解していますし、それが民主的な運営だと思っています。それがパブリックコメントの制度でもある生かし方だと思っています。

一方、今回のように意見がいろいろばらばらになっていて、それを全部付記事項として要件として書いていって、それをパブリックコメントで出して聞いて、その上で採択をするときには多数決をとるのですか、どういう観点からとるのですかということで、結局まとまらないことのほうが多くなると思います。

繰り返しになりますが、いろいろな方から意見が出ていますけれども、1960年から製造所固有記号というのがあって、慣行的にも使われてきて、多分その時代と今は商取引の上でいろいろな商品の形態があって、その中でOEMをつくったりということで、私は何を懸念しているかというと、自分たちのプライベートブランドに、そこの範疇では責任を持って物を言えるのですけれども、実際に中小でOEMをやっていたり、いろいろな形でマーキングをしていたりということで、相当の調査の上ではないとこういうことを軽々しく基準化なり改定ということは難しいだろうと思っているから我々は慎重なる意見を申し上げている次第であります。私の提案としては、次回もう一度して、まず論点を整理して、そのような目的があるのかと思います。

座長、頭を下げないでください。2回議論をして、これだけある程度議論をしていいのだから、私はそのように理解していますよ。

○宇理須座長 ですから、鬼武委員は現行のままでいいとおっしゃっているのか、あるいはそれを変えようと、変えてもいいよとおっしゃっているのか、そこだけはっきりさせていただかないと。今、皆さんは変えようと、現行ではまずいので変えようと、そのように動いていると私は理解しましたけれども。

○鬼武委員 それは究極の選択をしろというのですか。

○宇理須座長 それは、だって、意見を言っていただかないと。鬼武委員は総論の話をしようとおっしゃって入り口に入らないのですよ。具体的に意見を言っていただかないと。

○鬼武委員 違うのですよ。具体的に意見を言うと。

○宇理須座長 だから、現行か、あるいは変えるか、そこだけ言ってください。

○鬼武委員 待ってください。現行を変えるということであれば、もし4つの案があるとすると、要するに欠陥の部分についてまず手を打つべきでしょう、それだけでしょう。欠陥のある部分、要するにデータベースのところに欠陥があって、ほかのところは何もやる必要はありません。

○宇理須座長 それはまた繰り返しで。

○鬼武委員 だから、それを言っているのです。私の意見を言いなさいといったらそういうことになります。私はその前に、データベースの修正とあるではないですか、ここの中に、4つの案の中にありますよ。だから、それを私は意見で言っているのです。

○宇理須座長 固有記号そのものを変えようということに関しては現行だとおっしゃっているのですね。

○鬼武委員 だから、それは、もう一度言いますけれども、その現行の問題がはっきりしないから、今の場合はそこは保留ですと言っているのです。ただし、現行の、座長が究極の選択をしてどちらかを選べという中の4つの案の中であるとすると、3つ目なり4つ目のデータベースの改善である程度何らかの措置としてあるのではかという意見を申し上げました。

○宇理須座長 わかりました。では、鬼武委員は、データベースの改善で十分だと、固有記号に関しては変えないのだという理解でよろしいですね。

○鬼武委員 何だかそのように誘導して、私はそういう非民主的な運営はこれまで経験したことはありませんけれども。

○宇理須座長 やはり具体的に意見を言っていただかないと。

○鬼武委員 だから、具体的な意見はそうですと言っているのです。製造所固有記号の見直しについては保留です。要するに、法律的に過去の問題が何になって、現状ここまでの問題が来て、改善する意味があるかないかということの議論のテーブルの素材が乗った段階で、私は、これは製造所固有記号を変えるべきです、もしくは変える必要はないという判断をするけれども、今はその俎上にのぼるだけのデータを持ち得ていませんという話をしているのです。

○宇理須座長 それであれば、もう一つ保留という意見もあったということも加えて、この委員会としてはそういう意見もあったということでいいということでしょうか。

○鬼武委員 もう一つ言っているのは、要するに今回の案でいろいろな意見を付記してパブリックコメントを出すこと自体は無責任ではないですかということを言っているのです。何もコンセンサスを得ていないではないですか。そういう意見だけにかかって、消費者庁と消費者委員会はあり得ないですよ。

○宇理須座長 それはあくまで鬼武委員の意見であって、一度順番に、また池戸委員から各委員の意見を聞かせていただいて、この委員会なりのこういう考えがあったというようにまとめようかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○鬼武委員 それはいいですよ。

○池戸委員 いずれにしても、部会という形で責任を持ってこれをどうするかというのは決めなければいけないと思いますね。そのタイミングは、この調査会か部会かわかりませんが、もう少し整理をしてから広く意見を求める、パブコメを求めるというやり方と、今の時点で、もう何回かやっていますから、現状でいろいろな意見が出たというのをわかりやすく正確に表に出す形でパブコメを求めて、またさらにここで議論する。いずれにしても、簡単に決められる話でもないので、そこのやり方だけだと思います。

私も、今、聞いていたら、もう一回やっても同じような議論になるような感じも。だからこれでもう終わりというわけだったら大変ですけれども、これはきちんと正確にやらなければいけないのですけれども、やる意味があるのであれば、もちろんやられてからもう一回パブコメをしてもいいと思います。同じテーマでも、同じ立場で違った意見が出ているような状況の中であれば、もう少しいろいろな御意見を踏まえてからもう一回この席で議論したほうがいいのかなという感じがしますけれどもね。もちろんパブコメを求めてからね。この案で、こういう御意見が出たということをセットでお示しして、意見をもう少し幅広くいただいてからもう一回慎重に議論をするというやり方。

○宇理須座長 池戸委員としては、今の消費者庁の提案、先ほどおっしゃったのですけれども、これでさらに議論が必要だと。

○池戸委員 ええ。それでもちろんいろいろな意見が出ましたので、そういうことも踏まえて、こういう案もあった、こういう意見もあったというようなものを踏まえて提示して、それで意見を求めてもう一回この席で議論する。

○宇理須座長 やり方としてはそれでいいと思うのですけれども、消費者庁の意見に対してはどのように考えておられますか。

○池戸委員 そういう意見では、私は今のこの案でと思っています。

○宇理須座長 ありがとうございます。

ただ、それで最終ではなくて、もっと意見もあったので議論しなければいけないということをちゃんとつけてほしいということですね。

○池戸委員 私も、きょうの皆さんの意見で出た中で、私自身で判断するのはちょっと難しいです。だから、いろいろな意見が出たということでもう一回幅広く意見をいただいてから、もう一回議論するという形にしていただけたらと思っています。

○宇理須座長 わかりました。ありがとうございます。

では、池原委員。

○池原委員 まず、この状態でパブリックコメントにいろいろな意見を併記して出すということについては、私もやはりやり方としてよくないと思います。最初に述べましたとおり、やはりこれは。

○宇理須座長 パブリックコメントはこの委員会が出すのではなくて、消費者庁のほうが出すことになります。

○池原委員 もちろん、そうです。わかります。

だから、きょうの議論は、さまざまな委員がさまざまな視点とさまざまな論点で、わあっと皆さんが意見を言って、要は拡散した状態だと思うのです。

○宇理須座長 そうとは思いませんけれども。

○池原委員 でも、まだまだ皆さん議論が足りないと思っているのではないかと、私は少なくとも感じています。そういった状態で、これは附帯決議のほうで我々に課された宿題で、しっかり検討せよということですので、こことしてはやはり責任ある回答をある程度絞り込む。この状態では余りに選択肢が多過ぎると思います。

○宇理須座長 ここから変えようということは多くの人は認めておられるのではないかと私は思います。そして、いろいろな案があり、スタートに戻りましょうという意見ではないと理解しています。

○池原委員 そこまでは申しておりません。ですから、やはりこの議論がちゃんとできるように整理をしていただく。

○宇理須座長 議論もかなりやってきたので、議論ができないとおっしゃるとちょっと困りますけれども。

○鬼武委員 違うのですよ。要するに議論の整理ができていないのですよ。整理として何ができていないかというと、きちんとした論点なり、それに基づくどういう意見が出されたかというのがないと、その上で、それこそ座長の求めるコンセンサスなり折衷案というのは出てこないのですよ。まだその前提のところで今、議論が右から左に行っているから、海外の会議でもそうですけれども、まず論点としてディスカッションする現状の問題は何があって、法律的にどうして変えなくてはいけないという目的があって、そういうところから議論しているのですけれども、この段階ではなかなかそうなっていないと認識しています。

○宇理須座長 そうだとは思いませんけれども。

○鬼武委員 私はそう思いました。

○宇理須座長 では、石川委員、どうぞ。順番に。

○石川委員 結局結論ありきで、廃止したくない人はそういう前提で慎重にと言っているだけの話だというしかないのです。結論は出ているのですね。見直ししたい人は見直す理由を考えているし、見直ししたくない人はその理由を考えているだけの話であって、堂々めぐりのままで立場を変えない限り、このまま議論百出のままで終わってしまうと思います。その場合に、立場を変えないのであれば、それで決をとるしかないのです。材料がないとおっしゃっているのですけれども、この材料で十分判断できると私は思っているので、材料がないということは変えたくないことの意思表示として判断するしかないということで進めていけばいいと思います。

その上で、4つあるので、データベースとか届け出制度を整理してさらに5年間とか期間を制限するとか、そのあたりは現行制度が明らかに不備であることは明白であって、ここに対して反対する意見は少ないと思います。むしろ固有記号制度の範囲をどこまで絞り込むか、廃止するかとか、そのあたりの議論でいろいろあると思います。それについてはやはりそれぞれの理論的な根拠がありますから、それをここで果たして詰められるのかという議論はあると思います。

その上で、パブリックコメントの出し方ですけれども、私は法律家ですが、民法改正なんかで法制審議で今議論しています中間論点整理とかでもいろいろ議論があって、実際のところ詰め切れていないものについては、甲案、乙案、丙案とかいう形で併記して、こういう考え方はどうか、こういう考え方はどうかと聞いています。甲案、乙案、乙1案、乙2案とか、最終的にほぼ決め打ちですねという場合はどうかと聞いて、こういうものを参照してはどうかとか、聞き方は微妙に違っていたりして、これは落ちるかもしれない論点とかも含めて、そういう形で聞いていたりするわけですから、あながち煮詰まっていない段階で聞かないということもないと思います。その上でパブリックコメントの結果を持ち帰って、再度この調査会あるいは食品表示部会で議論をすればいいということで進めればいいと思います。

○宇理須座長 ありがとうございました。

では、鬼武委員、もう一度。

○鬼武委員 私は、先ほどから言っているように、ただ、原則変えたくないということを前提にして話をしているわけではありません。私は、きちんとした議論のもとに最終的に方向性を定めれば、調査会として合意がされれば、それについてはいいと思っています。先ほど石川委員の、私は反対を固持していますねとおっしゃるのは、それは違います。

○宇理須座長 ありがとうございました。

では、安達委員。

○安達座長代理 前回、それから本日と皆様の御意見をいろいろ聞かせていただきましたけれども、多分この調査会の中で意見をまとめること自体は恐らく不可能なのではないかと私は思っています。この段階でパブコメに出すのは調査会としての責任を果たすことにならないのではないかというお話ももちろんわかりますけれども、例えばこれでもう一回同じような調査会を開催したとしても、やはりまとめられるものではないのではないかなと思っています。

この案は多分、消費者庁のほうで、消費者と企業さんとの間のバランスをどうとるかというところに重点を置いて一生懸命考えられたものではないかと思いますが、私としては、企業さんの御意見をもう少したくさん聞ければ聞いてみたいなと思っていますので、この段階で皆様のこれまでの議論で出てきた意見を付記する形でパブコメに出すというのは、今回はそれが一番よいのではないかなと考えております。

○宇理須座長 ありがとうございました。

では、栗山委員。

○栗山委員 想像できない世界の会話を判断しなければいけないと、それも私たちの責任だとは思うのですが、今ここでこれ以上議論していても、多分その繰り返しになるのかなと思います。本来であれば、この調査会でもうちょっと集約していくのは大事なことだと思うのですが、やはりここまで来ると、石川委員のおっしゃったような詰め切らない議論については、いろいろな意見をある程度書きながらパブコメをいただいて、その後、再度議論させていただくということに最終的に、究極の判断としてその方法でいいのかなと思っています。言い切れなくてすみません。

○宇理須座長 ありがとうございます。

では、河野委員。

○河野委員 きょう、3時間近く話してきて、なかなか一つの到達点は難しいかなと感じているところです。消費者側からするとやはり知りたいニーズというのはさまざまな理由があります。みんな同じ理由ではないけれども、知りたいということはございまして、それにどう答えてくれるかということで、それぞれの立場の方から御意見を聞いたと思っています。

私自身は、製造所固有記号をどうするかということよりも、最初に申し上げたように、食品安全にかかわる緊急時対応の仕組みというのをぜひつくっていただきたい、それから、食品リコールの仕組みをぜひ構築していただきたいというのがまず一番なのですね。これを書けば全てに対応できるかというところは私自身もわからないところですが、まずそちらをしっかりと国で考えていただいて、さらに、今、記号で代用されている部分をどう考えるかということだと理解します。

ここに示された4つの案で、消費者庁さんも認めていらっしゃる今現在のデータベースの不備ということは、そこに税金をかけるのはどうかというお話もありましたけれども、まずそこに手をつけていただいて、そこでどれだけの整理が図れるのか、改善が図れるのかというところがやっていただきたい一番です。

先ほど石川委員が上手に法的な整理ということで示してくださいましたが、みんなが納得のいく根拠というのをやはり出していただきたいと思います。どれだけ事業者側に負荷が生じるのか。そのあたりがやはり見えてこないといいましょうか、それは事業者側が当然、商品を世の中に出すのに負担すべきコストであるという考え方も、つまり応分に消費者もひとしく負担するのだという言い分も一理あることだと思いまして、それは適正価格というところにいくと思います。ただただ安いものとはいかないので、そこは消費者の責任というのも当然出てくると思っておりますけれども、そのあたりの根拠を示していただいて、改めて判断できればと思います。私自身は消費者ですから、知りたいニーズというのはぜひどこかで叶えていただければと思っています。

○宇理須座長 ありがとうございました。

それでは、立石委員。

○立石委員 この問題を私が事業者側の論理で論を切っていたら、簡単にいきましたね。本当の消費者の声は、先ほどの板倉さんのペーパーにあったような声なのですね。やはり製造所がどこかは知りたいと、そこに対して私は、事業者からは多分裏切り者呼ばわりされるのです。私は多分、内部からの激しいバッシングを受けるのです、こういうことを言っていると。でも、私はそのことを覚悟でここで申し上げているのです。やはりよくない制度についてはきちんと見直すべきだと、なぜかというと私は消費者目線で自分の事業を見てきたからです。こんなことをやっていていいの、こんなことでいいのかと、消費者を裏切っていることとかだましていることを隠れみのに使っているこの実態、こういったことを私はストレートに考えたのです。

だから、私が事業者の論理でもって、ここで論を切ったら、宮地さんだとか鬼武さんと同じ意見になってしまう。そうしたらこの話は全く前に進まない。私は、石川委員の意見が本当のまともな意見だと思っていますし、本当の消費者の声をもう一回ここへ出してもらいたいと思います。消費者の方が本当はどう考えているかということが本当に大事だと思います。私はそれだけを言いたい。

私は多分、これでもって非常に厳しい立場に追い込まれるのをわかっていてここで論を切っているということをまず理解していただきたいと思います。

○夏目委員 オブザーバーですけれども、発言させてください。

消費者の立場からということでございますけれども、今までも原則としては義務表示だったわけです。例外として製造所固有記号が認められていたということでございますから、そこは変わっていないわけです。今までの長い間のやり方が、やはり曖昧なところが多くて問題が発生してきたというところは今回明らかになったわけでございますから、そこは変える必要があるだろうと思いますけれども、例外が主流になるようなやり方はやってはいけなくて、あくまでも原則の義務表示が優先されるべきだと私自身は思っております。

事業者の方々も皆さんそれぞれ努力をされていて、メリット、デメリットも考えながらやっていらっしゃいますので、私は基本的には消費者庁の提案でよろしいかと思いますけれども、見直しの論点の1につきましては、やはりもう少し議論をする必要があるだろうと考えております。

以上でございます。

○宇理須座長 ありがとうございました。

全て正直皆さんの意見が一致というわけではございませんけれども、大まか消費者庁の案を出し、そして幾つかの付記が必要だと思います。それを今からまとめるとまた時間がかかりますので、そういう付記をしていただき、最後に夏目委員からも、1番に関してはまだ議論が要るのではないかとか、やはりあったと思います。そういったことを付記して、この委員会としては結論として出させていただきたいと思います。もちろんまだまだ議論が足らないとか、そういった鬼武委員だとか池原委員の意見も付記をちゃんとして提案させていただきたいと思います。

それでは、どうしましょうか。5時までが予定なのですけれども、もしも時間が許されれば30分延長して。

○山岸参事官補佐 すみません、定足数の関係で委員の皆様全員のお時間を確認させていただきたいのですが、18時めどぐらいで御退席される委員はいらっしゃいますでしょうか。

○宇理須座長 いかがでしょうか。もう一つ大きな議論があるのですね。アレルギー表示の問題なのですけれども、そこも次回に回してしまうと、もう次回で最後なので、もちろん最後を期待してもいいのですが、きょう、ある程度議論をちゃんと進めておかないといけないのではないかと思いますので、皆さん、もしも御都合がよければ、今は18時と言いましたけれども、せめて17時30分ぐらいとか、私はきょうは何時まででもいいのですけれども、それはちょっと個人的な理由なので申しわけないです。少し延長をお願いできないかと思うのですけれども、いかがですか。よろしいですか。

○鬼武委員 何時までか言ってくれないと困ります。

○宇理須座長 何時までかという話がありますけれども。遅くとも18時。

○山岸参事官補佐 18時だと厳しいというお話でしょうか。

○宇理須座長 次回、もう一回しか残っていないのですね。そこでヘビーな議論はなかなかできません。きょうやっておくと、次はきっとめどがたつと思いますので、申しわけありませんけれどももう一踏ん張り、あるいは休憩を5分入れてもいいかもしれませんけれども。

○山岸参事官補佐 そうしたら一旦、5分程度ブレークを入れさせていただいて、18時めどぐらいまで御審議をいただければと思います。

○宇理須座長 何分休憩しましょうか。

○山岸参事官補佐 では、5分程度でよろしいですか。

○宇理須座長 5分程度でもよろしいですか。申しわけないですけれども、もう一踏ん張りお願いできるとありがたいのですが、いかがですか。よろしいですか。

○山岸参事官補佐 では、55分開始ということでよろしくお願いいたします。

≪3.食品表示基準におけるアレルゲンを含む食品の表示について≫

○宇理須座長 座長の不手際で時間が随分長くなってすみません。本当はもう皆さん、きょうはほっとして帰られる時間なのですけれども、もう一踏ん張りお願いしたいと思います。

○宇理須座長 それでは次に、「食品表示基準におけるアレルゲンを含む食品の表示について」、消費者庁のほうから説明をお願いいたします。

○岩城課長補佐 それでは、「食品表示基準におけるアレルゲンを含む食品の表示について」ということで、当方の見直し案について御説明します。

この見直し案につきましては、前回も行っているのですけれども、基本的には平成13年の制度発足以来、アレルゲンの品目の追加は行われてきたのですが、制度の改革が図られてこなかったということで、今回は表示方法の見直しについて、見直し案ということで提案させていただいております。

この見直しにつきましては、前回も御説明しましたけれども、9団体の患者会から意見を聴取しまして、実際、ヒアリングにつきましては、公開を前提に意見を聞いたものではありませんので、今回、団体名は明記しておりません。

前回の調査会で皆様方から意見等をいただきまして、資料の訂正、追加等を行っております。まずその辺の御説明をいたします。3ページ目になりますけれども、骨格のイメージというところです。前回の資料ですと、アレルギー表示につきましては、容器包装に入れられた加工食品が対象ということで生鮮食品を除いていたのですが、生食用鮮魚介類や生ガキにつきましては表示基準があるということで、必然的にアレルギー表示の範囲に入ってきますので、今回は生鮮食品も入れたというような訂正をしております。

次の訂正箇所といたしましては、5ページ目になりますけれども、「食物アレルギーとは」ということで定義の変更をしております。

その下の「アレルギー物質」、「アレルゲン」、両方使われていましたけれども、今回「アレルゲン」ということで統一して資料を作成しております。

7ページ目になりますけれども、表示方法といたしまして、個別表示のところに「繰り返しになるアレルゲンを省略可」というルールを追加しております。一方の一括表示につきましては、「アレルゲンそのものが原材料に使用されている場合や、代替表記等で表示されていれば、一括表示欄への表示は省略可」という内容を追加しております。

次に8ページ目になりますけれども、前回の資料ですと「代替表記」と「特定加工食品」ということで表示しておりましたが、正確に言いますと「代替表記・代替表記の拡大表記」と「特定加工食品・特定加工食品の拡大表記」というのが正しい分類の仕方でしたので、それに合わせて今回分類をしております。

次に、追加した資料といたしましては、前回の調査会で実際にヒアリングした内容を示してほしいということでございましたので、10ページから13ページまでヒアリング内容を追加しております。

次に15ページになりますけれども、ここにつきましては、先ほどの特定加工食品の拡大表記ということを追加して訂正しております。

あとは20ページに、代替表記、特定加工食品、平成13年度発足当時、どのように決められたかがわかるような資料をつけてくれということでございましたので、Q&Aに少しだけですけれどもその部分がありますので、今回追加しているということでございます。

その次の21ページにつきましては、今回、特定加工食品から削除するマヨネーズにつきまして、実際に事故事例があるのかどうかというような宿題が出ておりましたので、事故情報データバンクからとった事故資料を追加しております。

次に22ページになりますけれども、表示方法の個別表示と一括表示のところです。ここにつきましては、今回、後で説明しますけれども、個別表示の方法を前回の提案から若干訂正させていただいております。

それに伴いまして、次の23ページの「見直し案の例」というところも訂正しております。

最後の27ページに、「その他の検討課題」ということで、今後対応していきたい内容につきまして追加したということでございます。

では次に、見直し案につきまして御説明したいと思います。見直し案につきましては、15ページになります。見直し案マル1-(1)につきましては、特に変更がございませんので、代替表記は引き続き存続させるということと、特定加工食品及びその拡大表記は廃止をする、代替表記の拡大表記のうち、卵の「卵白」、「卵黄」は廃止するということで提案させていただきたいと考えております。

次に、見直し案マル1-(2)の乳の代替表記等につきましては、前回から訂正等はございません。

次に、見直し案マル2ということで、22ページになります。表示方法といたしましては、前回、個別表示と一括表示につきまして見直し案を提案させていただいたのですけれども、今回、個別表示につきましては、前回は個別表示の繰り返しになるアレルゲンの省略については不可とするという提案をさせていただきました。これにつきましては、平成13年のアレルゲン表示の制度の発足時の担当者の方々に確認したところ、そもそも一括表示につきましては、一括表示をしてしまうと患者にとっては食品の選択の幅が狭まってしまうということで、なるべく事業者には個別表示で表示してほしいという要望が患者団体のほうからありました。そこでなるべく事業者に個別表示にしてもらうということで、個別表示の繰り返し表示の省略の制度を取り入れたということがございます。

ただし、そもそも個別表示の一括表示の省略を不可とする理由につきましては、しょうゆの小麦の場合、抗原性が低いということで食べられる患者がいるということで、その患者につきましては、しょうゆに小麦と書いてあれば、後に出てくる原材料につきましては小麦の表示が省略されてしまう場合があり、他の原材料に小麦が含まれていることがわからず、事故があったということがございまして、前回、個別表示になる繰り返しの表示を省略したのですけれども、これにつきましては、立ち上げ当初の担当者等の意見を聞きまして、もとに戻したということにしております。

ただ、しょうゆの小麦の事故に対応するために、今後の枠組みとして、国として調査研究を行いまして、しょうゆに使っている小麦等は抗原性が低いということで科学的知見が得られた場合には、そういったアレルゲンにつきましては個別表示の省略を不可としていくということで、その枠組みを付加して、今回、個別表示の繰り返し表示の省略を認めるというような見直し案とさせていただいております。

一括表示につきましては、前回お示ししたとおり、アレルゲンそのものが原料に使用されている場合や代替表記等で表示されているものを含め、一括表示欄に全て表示するということで、ここはそのまま変更せずに提案したいと考えております。

あとの提案理由につきましては、特に変更はございませんので、前回の提案どおりの見直し案となっております。

私のほうからは以上でございます。

○宇理須座長 ありがとうございました。概略だけの説明なので、その提案の理由だとか、あるいは具体的な例がここに載っておりますけれども、その具体的な例の説明がなかったので、皆さん、前回のことも思い出しながら、そして再度この資料も見ながら議論をしていただけるといいと思います。

見直し案のマル1から1つずつやっていこうと思いますけれども、まずは15ページの代替表記の(1)です。代替表記は引き続き存続、特定加工食品(例:マヨネーズ)及びその拡大表記(例:チーズオムレツ)は廃止。ただ、ここはもう少し詳しく説明されたほうがいいのではないかと思います。というのは、加工食品を全部ばさっと、拡大表記もばさっと全部切ってしまうわけではなくて、個別で検討して、これはこっちに移すとか、これは残さないとか、そういうものがあったので、この表現は少し正確ではないのではないかと私は思ったのですけれども、それは後から説明していただくとして、代替表記の拡大表記のうちの「卵白」と「卵黄」です。これがなぜ廃止になったかという理由を、先回もたしかしていただきましたけれども、この2点に関して追加説明していただいてから議論に入ろうかと思いますが、いかがでしょうか。

○岩城課長補佐 卵の代替表記の廃止のところですけれども、15ページになります。これにつきましては、中段に(特定加工食品)と書いてありますけれども、その2つ目の点に、卵につきましては、産業的に完全な分離は困難であることと、最後の小さな点になりますが、昨年、アイスクリームで「卵黄」と「卵白」が別々に使用されている場合、例えば使用した原材料が、その名称からその原材料が明らかであるため複合原材料の原材料が省略されておりまして、その中に「卵白」を使用している場合に、「卵黄」は表示されているのですけれども、「卵白」につきましては「卵を含む」という表示が省略されていることで、アナフィラキシーショックを呈する事故が起きたということで、基本的に「卵白」、「卵黄」につきましては、使われていればそれぞれ「卵を含む」と書いていただくことを見直し案ということで提案させていただいております。

特定加工食品の廃止する理由ということですけれども、マヨネーズにつきましては、事故事例があるということで今回資料を添付しておりますけれども、そのほかの特定加工食品につきましても、現在、パンなどは米粉パンなど、マヨネーズと同じように代替品が販売されてきておりまして、事故事例もあるということで、今後、第2のマヨネーズのような事故事例が発生する可能性が否定できないということ。あとは、特定加工食品を廃止することで、事業者にとっては、文字数はふえるのですけれども、対象となっている特定加工食品はそれほど多くないということと、平成13年のアレルゲンの表示制度の発足当初では、特定加工食品につきましては今後増やしていくという計画であったのですけれども、実際増えていないということもありまして、事業者も余り利用していないのではないかということで、今回、特定加工食品につきましては廃止をしたというような理由がございます。

○宇理須座長 ただ、これは、特定加工食品を全部廃止してしまったわけではなくて、乳のほうを見ていただくと、個別の検討をしているのではないかと思います。そこはやはり説明しないと誤解を抱かれるのではないかと思います。

○岩城課長補佐 18ページになりますけれども。

○宇理須座長 19ページの乳のほうの説明が必要ではないかと思いますけれども。

○岩城課長補佐 乳のところにつきましては、まず種類別欄を廃止することと、あとは代替表記欄を追加すること、特定加工食品欄を改めたことと、4つ目といたしましては、特定加工食品に整理されていた「ミルク」を代替表記としております。

種類別欄を廃止することに伴いまして、種類別欄の表記により、含む旨や由来する旨を省略できる「バター」、「バターオイル」、「チーズ」及び「アイスクリーム」については、乳以外から製造されることがありませんので、代替表記ということで整理したところでございます。

○宇理須座長 ですから、特定加工食品を全て廃止というと、これが全部消えてしまったかと思うのですけれども、実は消えていないものもたくさんあって、特定原材料または代替表記を残す、そして、そこに移行したものもあるので、全て廃止と書くと非常に誤解を招く書き方ではないかと私は思ったのです。全部消えてしまったのではないかと御心配されるのではないかと思うのですけれども、そうではないのだよと。個別の評価をして、移動するなり消したのだという話ではないかと私は理解していたのですけれども、違いますか。

○岩城課長補佐 乳の部分につきましては、検討して、必要なものは移行して残しているという形をとっております。

○宇理須座長 そこは説明していただかないと、前回ばさっと切ったのはなぜかと、個々でちゃんと検討したのかという御意見があったと思いますけれども、そこに答えていただかないと、またそこの同じ議論をしないといけなくなるのではないかと思いますので。

見たらわかるように、例えば「乳糖」なんかは残っていますし、「ミルク」も残っているし、「アイスミルク」も残っているし、「ヨーグルト」は消えたのかな。

○岩城課長補佐 乳の代替表記のリスト等の見直しにつきましては、特定加工食品の廃止に伴う乳の代替表記及び代替表記の拡張表記の整理ということだと思うのですけれども、乳以外の代替表記のリストと整合性を図るために整理しております。

そのために、種類別欄を削除して、種類別欄に含まれていました「乳」や「ミルク」の文字を含むものにつきましては、代替表記の拡大表記に整理したということです。また、「バター」、「バターオイル」、「チーズ」、「アイスクリーム」につきましては、乳以外から製造されることがないため、代替表記という形で整理しております。

○宇理須座長 だから、特定加工食品等で全て廃止ではなくて、「アイスミルク」とか「ミルク」だとか「乳糖」は残って、「生クリーム」と「ヨーグルト」と「ラクトアイス」は消えていますかね。それから「フルーツヨーグルト」、「ミルクパン」ですかね。これが消えたというように、全て廃止ではないのではいかと私は理解しているのです。特定加工食品等という言葉は消えたかもしれませんけれども、中身は個別で検討して、残すものは残し、そうではないものは消したという作業をされたと理解しておるのですけれども、そこを説明していただかないと、先回のばさっと全部切ったのは何でですかという質問に答えたことにならないと思います。私の理解はそうしているのですけれども、違いますか。

○岩城課長補佐 正確に言いますと、特定加工食品を廃止したということではなくて、特定加工食品の概念を廃止したということで、一部を除きそのままそれぞれの場所に移行して残しているということでございます。

○宇理須座長 個別でちゃんと検討したということと理解していただかないと、なぜばさっと全部切ったのか、消してしまったのかということの回答にならないと思ったので、あえてつけさせていただきましたけれども、それでよろしいでしょうか。

では、今の見直し案マル1-(1)です。代替表記は続く、そして、特定加工食品は、ここを廃止と書かずにもう少し具体的に書いていただいたほうがいいのではないかと思います。概念というか、特定加工食品という言葉がなくなるということですね。そして、中身に関しては精査して必要に応じて移動し、必要に応じて消したというような書き方に直していただいたほうがいいのではないかと思います。

あと、「卵白」と「卵黄」に関しては、先ほどおっしゃったように「卵黄」と書いても「卵白」が混入しているのだと。正確に書くなら、本当は「卵黄」、「卵白」と書かないと正確ではないということですね、実情は。それが「卵黄」しか書かないものだから事故のもとだということになります。いかがでしょうか、代替表記(1)に関して御議論が何かあれば。

○宮地委員 代替表記につきましては、当初、先ほどおっしゃいましたけれども、13年のときに事業者あるいは医者、患者会等々と随分議論をしたと思っています。この廃止あるいは今回の整理をされたということについて検討したという話なのですが、どのように検討されたのか。前のときと随分違うように思うのですけれども、それは大丈夫ですか。

○岩城課長補佐 先ほども説明したのですけれども、今までアレルゲンの追加はされてきていましたが、アレルギー表示の方法につきましては見直しが行われてこなかったということで、今回見直したということでございます。

まず見直しにつきましては、先ほども言いましたように、アレルギー患者団体から現在の表示方法について問題点をヒアリングしまして、それに基づいて私どものほうで見直し案をつくりまして、一部事業者に意見を聞いて提案させていただいたということでございます。

前回、同じような指摘を受けまして、私どものほうで当時、平成13年度のアレルギー表示制度を発足した担当者の方々から意見も聞きまして、今回、個別表示の繰り返し表示の省略というのは、そもそも、患者にとっては個別表示のほうが詳細な情報が得られることと、一括表示をしてしまうとどれに入っているかわからないので食品の選択の幅が狭くなるということで、患者団体のほうから事業者には個別表示をするようにというような要望が出て、代替表記でありますとか特定加工食品、あとは個別表示の繰り返し表示という仕組みをつくったという話がございました。

今回、制度が始まりまして10年以上たっておりまして、先ほど言いましたように、しょうゆの小麦のような抗原性が低いものがありまして、それによる誤食がある。繰り返し表示の省略でそういうものを誤食してしまう例がありますので、今回、アレルギー表示の繰り返しの省略はそのまま引き続き認めるということで、あとは誤食防止のために、抗原性が低いしょうゆの小麦等につきましては、今後、科学的知見が得られたものについては繰り返し表示の省略を不可とするような制度の枠組みをつくるというような見直しをしております。

そういったことで、当時の検討の内容を踏まえまして、今回改めて見直し案を提案させていただいたということにしております。

○宇理須座長 そういったような背景があるのですけれども、いかがでしょうか。これはマル1-(2)ですね。ミルクのほうに関しても議論に入っておるのですけれども、代替表記は残す。そして、特定加工食品とその拡大表記をもう一度見直すということと、卵に関しては卵白ですね。それから、牛乳に関しても同じように、特定加工食品だとか、そこの言葉を廃止して、中身に関して精査したと、こういったような内容だと理解をしておりますけれども、いかがでしょうか。

○石川委員 基本的に代替表記については残して、拡大表記と、それから。

○宇理須座長 特定加工食品とその拡大表記の言葉をやめようということなのですね。

○石川委員 これは含む表示を省略できるということで、原則に対する例外規定なのですね。先ほどと似たようなものですけれども、その例外を見直しましょうという話なのですが、そもそも例外を置く合理的根拠があるかということを、改めて食品表示法へ移行するに当たって再度全部確認し直すべきだろうと。義務表示がまずあるのですから、それを例外的に省略する根拠はあるのですかと改めて精査しないといけないのです。その意味で言うと、例外規定の場合は、例外を残す根拠を明確に表示できなければやめていくしかないと。反対に、例外が現行ずっとあるのだから、それをやめるには理由が要るのだというような考え方ではなくて、例外省略規定に関しては、それを存置すべき積極的根拠があるのであれば残すけれども、そうでなければ義務表示の基本原則にどんどんシンプルにしていく。表示義務をシンプルにすることがわかりやすい表示につながるというのが基本的な考え方ですから、発想をまず転換してもらったほうがいいのではないか。

そういう意味で言うと、今回も根拠を見出だせない部分についてはばっさり切ってしまって、必要なものだけ残すということなので、結論的な部分については私は賛成です。基本的な発想をまず例外省略規定、要するに基準府令の第3条以下に関しては、本当にこれが今後も必要性があるのかというのを改めて考えて対応していくべきだろうと思っています。

○宇理須座長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。

どうぞ。

○栗山委員 私にとって重大な議論をしているところでまことに申しわけないのですが、多分私の限界の時間を今超えている段階なので、いろいろなことは申し上げられないのですが、石川先生が今おっしゃったことがよくのみ込めなくて、具体的に言うと何ページのどこを指して言っていらっしゃるのか、ちょっと。

○石川委員 すみません。今、特定加工食品という枠をつくって、それに該当するものに関してはアレルゲン物質を含む旨の表示を省略できるというのが現行ルールですね。そのカテゴリーに入るものについては省略できるというルールを現行法はつくっているのですが、そもそもそういう現行ルールが今あるから、そのままスライドさせていいのかというのではなくて、わかりやすくする表示という表題のもとに食品表示の一元化が始まっていますから、まずは義務表示をできるだけ拡大する方向で例外規定を少なくするというのが考え方の筋道だと、その流れの中で省略規定を存置する積極的な根拠がなければなくしていくということでいいわけです。原則がおかしければ原則を直さないといけないのですけれども、原則はいいわけですよ。過剰になってきて、負担が大き過ぎて、事業者としては二重に記載するのは困るねという話だったら、それは省略するというのも当然あるということで、そういう必要性のあるものをもう一度精査し直しましょうという発想で考えるべきではないかという考え方を示したのです。

○宇理須座長 ともかくわかりやすい表示にしようと。そして、わかりにくい特定加工食品だとかその拡大表記、そういうものは削ろうというのが趣旨で、具体的にはどれとどれが残り、どれとどれが削られたかというように私は理解しているのです。ただ、個々のものに関して十分、宮地委員から目玉焼きはどうだというような意見が出ておりますように、もう少し精査をしなければいけないような食品もあるかとは思いますけれども、原則はいいかと思います。わかりにくいものをやめて、わかりやすいものは残すという原則はいいのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○宮地委員 原則はおっしゃるとおりですし、構わないのですけれども、手続としてどのような手続きを踏んだのかを私は聞きたいという内容です。

○宇理須座長 多少説明があったのですけれども、まだ不十分ですかね。どういう手続を踏んだか、ヒアリングを聞いたということですね。

○宮地委員 やはり安全にかかわる問題ですから慎重に、丁寧に議論していただきたい、そういうことを言っているつもりです。

○宇理須座長 確かに非常に重要なことなので、そのステップの議事録とか何かは残っていると思いますので。

○岩城課長補佐 手続につきましては、先ほど申したとおりでございまして、私どもの見直し案につきましては、当時の担当者にも見ていただいて、意見を伺ったということであります。

見直し案につきましては、基本的には後退していなくて、先ほど石川委員のほうからもありましたけれども、今まで表示が省略されているものを改めてアレルゲンの表示をするという形になっておりますので、安全性の面についても図られたと私どもは考えております。

○宇理須座長 ありがとうございました。

どうぞ。

○栗山委員 後退していないのですか。本当にごめんなさい、もしかしたらとんでもないことを言っているのかもしれないのですけれども、省略しないで全部書け、繰り返しも書けと言っているのですか。繰り返しは省略するのですね。

○岩城課長補佐 その部分は今までも省略規定がありましたので、そこは変わっていないという形になっています。

○栗山委員 私は、このヒアリングが適正かどうかというのはよくわからない部分で、患者団体にヒアリングをしたとなっているのですが、やはり公にここで議論するための資料としてヒアリングしているのであれば、団体名を書くことが重要かどうかは別の問題として、それを公にしたくないという対象者からヒアリングをするということはどうなのかなというとりあえずの疑問があり、もう一つ、10年前の状況というのは、それを議論して、すごく大事なことだと思いますし、それぞれの方々がそれぞれの立場からしっかり議論をしてくださった、それをもう一度聞き直すというのは大事なことだと思うのですが、前回、池原委員からでしたでしょうか、10年間たってこれを変える理由は何なのだろうと御質問をいただいて、私たちには私たちなりの理由があるので、それを検討のときに発表させてくださいと言っていたので、そのことについて触れてもよろしいでしょうか。これがだめとかいいとかという議論の前に、立場としてお話をさせてください。

追加配付資料3という2枚組のパワーポイントになります。表示とは直接関係ない部分でちょっと恐縮なのですが、社会的な理由として、2004年に日本で初めて文部科学省がアレルギー疾患の患者さんの学校での調査をいたしました。2004年になっていますが、これが日本で初めての調査です。そのときに食物アレルギーに限定していきますと、食物アレルギーが2.6%、アナフィラキシーを起こしたことがあるお子様が0.14%という数字が出ました。

下のパワポになりますが、0.14%のアナフィラキシーショックを起こすお子様というのは、実数にすると1万7,880人ということでした。それからほぼ10年たって、食物アレルギーのお子様は4.5%、1.7倍になっています。その中でアナフィラキシーの既往のある方が0.5%、前回0.14%だったものが0.5%という数字になっています。それで3.6倍。単純に掛けて3.6倍にすると6万3,000人なのですが、お子様の人数の減少ということもあると思いますが、今は5万人ぐらいと言われているそうです。

その下のエピペンの保有者が0.3%で、これは認可されたのが2008年でしたか、2004年の当時は認可されていなくて、2008年の報告書までの間に認可されたということなので、前回の調査には入っていませんが、今回の調査では0.3%となっています。この数が多いか少ないかということは、それぞれの皆様が食べ物を食べる、皆さんがすごく楽しみにしていらっしゃる食べ物を食べる時間が決して楽しいだけの時間ではない。自分が学校の給食、あるいは外食、あるいは買ってきたお弁当を食べることに不安を伴う生活をしていらっしゃるお子様がいらっしゃるということに置きかえていただけたらと思います。食べたいものを食べたいときに食べられるという状況にないお子さんが頑張っていらっしゃる人数がこの人数と考えていただいて、しかも、10年前から3.6倍の方が命の危険と向き合っていらっしゃるということを考えていただくための資料にしていただければなと思っています。これが10年間の変化です。それに伴っていろいろなことが変わることに、それぞれのお立場から思いをはせ、努力をしていただければと思っております。

○宇理須座長 ありがとうございました。

食物アレルギーというのはやはり命にかかわる問題でございますから、ぜひ真剣に議論していただきたいのですけれども、私は今の特定加工食品と拡大表記の見直しに関しては、わかりやすい表示を目指すという意味ではいいのではないかと思いますが、それはもうそれで先へ進んでもよろしいでしょうか。

では、これはこの案で皆さんに賛同していただいたとさせていただきます。

次がむしろ前回の提案と変わっているところでございまして、見直し案のマル2です。個別表示を原則とする。しかし、表示量等から省略は認める、あるいは例外的に一括表示を可能とするというような表現になっております。そういう意味で、個別表示だけではないということが1つ変わってきているのではないかと思いました。

ただ、そのときに2番目のことが非常に大事でありまして、個別表示の繰り返しになるアレルゲンの省略については、最新の知見を踏まえて仕組みの一部改善を図るということが書いてあるわけですけれども、これに関しましては、先ほどのしょうゆとか、ほかにもきっとあると思いますが、そういったものに関しましては省略してはいけないのだと、個別表示にして書く。ただ、ここに関しましては検討課題に上がっておりまして、今すぐには動かないのだとなっております。最新の知見を踏まえて仕組みの一部改善を図るというように、これから図ろうということなのですね。ただ、こことリンクしないと、上の省略を認めるというものと、省略を認めて安全を担保できることとの担保にはならないと私は思いましたけれども、そういったことが書いてあります。

3番目といたしまして、一括表示については、アレルゲンそのものが原材料に使用されている場合や、代替表記等で表示されているものを含めて、一括表示欄には全てもう一度表示しなさいと。このように一括表示を見ればアレルゲンが全てここに記載されているというような書きぶりになっております。

そういう意味で、見直し案のマル2が前回からは大きく変わった点ではないかと思いますけれども、皆様の御意見を聞かせていただきたいと思いますが、理解できましたか。

○栗山委員 私の最終目標は、それぞれの、どこにどんなものが含まれているか。しょうゆの中に入っているか、入っていないかということは、現状の患者にとっては、おしょうゆの中のなら食べられるねということで、もちろんこれから検討してくださるということで、再度しっかり科学的に根拠に基づいて検討してくださるということですが、気にしなくてもいいねというところなのですが、そこに一回書かれると、ほかのところは書かなくてもいいということですね、もう一回確認させていただくと。そうすることの理由は何でしょうか。それは私は原則はあり得ないと思っているのです。今度の表示することの大きな意味合いだと思っているのですが、それでもなおかつ繰り返しをしないという理由がどこかにあるのであれば教えていただきたいのです。別にこれに徹底的に反論するとか、これを通したくないと言っているわけではなくて、これだけではよくわからないというか、何で前回から後退したのかがわからないのです。

○宇理須座長 いいですか。私は後退だとは思わないのだけれども、どうぞ、説明してください。

○岩城課長補佐 個別表示の繰り返し表示の省略の件だと思うのですけれども、この省略のルールは平成13年のアレルギー制度が発足したときからある仕組みでありまして、前回の調査会で私どもが繰り返し表示の省略を禁止するという案を出したことになります。それを今回、13年度発足当時の担当者に聞いたところ、先程、説明した理由があって繰り返し表示の省略を認めているのだということがありましたので、その部分はその当時の検討会の内容を踏まえて戻したということです。ですから、平成13年度のアレルギー表示の制度が立ち上がったときからすれば、同じルールに戻ったというだけで、後退ではないと考えております。

○宇理須座長 そういう理由で省略を認めるとおっしゃったではないですか。やはりその理由を説明しないとわからないのではないかと思いますけれども。

○岩城課長補佐 理由といたしましては、先ほども申し上げましたとおり、患者にとっては個別表示のほうが詳細な情報が得られるということで、ぜひ個別表示を事業者にしてもらいたいと。そのために個別表示の省略でありますとか、代替表記とか特定加工食品という仕組みをつくって、なるべく表示量を減らすような仕組みにしたということになっております。

ただ、前回私どもが繰り返し表示の省略を不可とするとした場合には、事業者にとっては表示量がふえてしまいますし、表示量がふえることによって表示ミスのリスクも高くなるということで、そうなった場合、事業者のほうは一括表示をしてしまう恐れがあるということで、そうならないために当初の検討会の内容を踏まえた内容に直したということでございます。

○宇理須座長 いかがでしょうか。よろしいですか。

○栗山委員 10年たって、前回の個別表示は繰り返しでも表示するということに対して、私はとてもいいことになったなと発言したと思うのです。それがこのように繰り返しを省略することになったことに対して、確かに表示量がふえて一括表示に移行してしまうということはあり得るとは思うのですが、本当にそうなってしまうのでしょうか。そうなったのでしょうか。現状としては、省略しているから成立しているもので、繰り返し表示になったらだめなのでしょうかというのは、そうかなという想像は思うのですが、10年たってこれだけ人が死ぬことがわかっている時代になっても、それはやはり守られないものなのでしょうか。守られないと行政の方は皆さんそう思われるのでしょうか。行政というか、その案をつくられた方々はそう思われますでしょうか。

○宇理須座長 そこに関して、この2番目の繰り返しがだめな例外があるではないですか。そこがきちんと明確になっていないと、やはりその答えにはならないと思いますし、もう一つは、繰り返し表示をしなくてもいいですよ、省略してもいいですよと、その2点、明確な答えがないといけないのではないかと思います。

ほかの委員からもぜひ意見を聞かせてほしいのですけれども。つまり、繰り返し表示を不可にしようとしたのですが、それをもう一度戻したというか、現行のままでいこうということですね。だから、後退したわけではないのですけれども。

○岩城課長補佐 理由といたしましては、先ほども述べて繰り返しになるかもしれませんけれども、繰り返し表示の省略を不可とすると、先ほども言いましたように表示量が増えてしまいます。事業者にとってはかなりの負担になるということと、あとは、表示量がふえることによって表示ミスも増えるということで、事業者は繰り返し表示の省略を不可にすると一括表示に全部流れてしまいます。そうなると、患者からすれば、一括表示だと食品の選択性の幅が減ってしまうことになるということで、当時、アレルギー患者さんからの要望で、なるべく個別表示にしてほしいというために、表示量を確保するために繰り返し表示の省略を認めた経緯があるということです。先ほどもこの同じ説明をしたのですけれども。

○栗山委員 同じ説明をしていただいたのですが、ごめんなさい、多分私の聞き方がうまくないのですね。さっきから言っているように、私のタイムオーバーなので、多分聞き方がうまくないのですね。どう聞いたらいいのかな。

では、繰り返し省略の例外適用というのをこれからもう少し整理していただける、整理することは可能なのですか。

○岩城課長補佐 例外といたしましては、先ほども言いましたように、しょうゆの小麦とか大豆につきましては抗原性が低いということで、食べられる患者がいるという事実がありますけれども、個人差がありまして、必ずこれで起きないかという科学的知見がありませんので、そういうものが出た場合には、しょうゆの小麦は、個々に繰り返し表示の省略を不可とする。要するに、23ページになりますけれども、例えばしょうゆで使われています小麦とか大豆につきましては抗原性が低いという知見が得られれば、そういうものについては今後、繰り返し表示の省略が禁止になりますので、その後に出てくる大豆・小麦についても全て書くようなことを今回あわせて追加するということでございます。

○宇理須座長 よろしいですか。例外規定がいつできるかが一つキーポイントだと思いますけれども、3番のような表示をされてしまうと、これはしょうゆの大豆と小麦しか入っていないと思って食べてしまうわけですね。現状はこれが許されてしまうわけなのですけれども、下のような、しょうゆに関しての大豆・小麦の場合であれば、ちゃんとほかのところの大豆・小麦も書かなければいけないよと。こうなれば、この人は大豆・小麦を食べなくなりますので安全だと。ところが、幸いにしてしょうゆにしか大豆・小麦が入っていない食品もあると思います。それらに関しては、書かなければいけないのに書いていないわけですから食べられますよとなるわけなので、今の省略規定は、例外規定がきちんと動くようになると担保されるのではないかと思います。

宮地委員、手を挙げておられましたけれども。

○宮地委員 おっしゃる話は岩城さんのおっしゃるとおりだと思うのですけれども、手続きをどうしたかということが不透明なので、やはり栗山委員がおっしゃったような、なぜここが変わったのかということがわからない、そういう話だと思うのです。私どもとしても、最新の知見を踏まえという話があれば、最新の知見が出るたびにこれは変わっていくのかという話があるわけですから、もう一度、どういう手続をとればこういうものは変えられるのかということから入らないと難しいのではないかと思います。

○宇理須座長 それは今後の展望でしょうか。その辺に関しては何か展望がおありなのでしょうか。

○岩城課長補佐 手続の件ですけれども、もし、しょうゆの小麦・大豆は抗原性がないと認められた場合に省略を。

○宮地委員 先ほどの話で申しましたように、なぜ最初にあの提案があったのか、栗山委員がおっしゃった最初の提案です。それがあって、また、なぜこのたび提案が変わったのかという話を考えれば、本来、提案をするときに、こういう手続きを踏んだから提案をしましたという話があるべきなのです。それがわからないので、私が先ほど一番最初に冒頭で聞いたのはそういう話で、こういう手続きを踏んで、今後については最新の知見が出たのでこのようにしますとおっしゃれば、多分栗山委員もおわかりになると思います。

○宇理須座長 確かに。どうですかね、何かそういう手続的なことは。

○岩城課長補佐 個別表示の繰り返し表示の省略を不可としたときの手続の話ですか。それとも、今回のしょうゆの大豆・小麦を付加したというところの手続でしょうか。どちらでしょうか。

○宮地委員 4月17日に提案をされた、その案についてはどのような形で提案があったのか。それがさらに今回変わったということについては、どこの部分をどう変えたから変わったのかという説明がないのだと思っています。

○岩城課長補佐 4月の前回の調査会で変えたのは、冒頭でも御説明したのですけれども、今回、アレルギー患者9団体からヒアリングをいたしまして、現在のアレルギー表示についてどういう問題があるかということをヒアリングしまして、それを踏まえて、前回提案しました見直しを行ったということが1つであります。

今回、繰り返し表示の省略を不可とするものを省略可能と見直したことにつきましては、平成13年のアレルギー制度発足当時の担当者の御意見を聞いて見直したということです。ただ、アレルギー患者からのヒアリングの中で、しょうゆの小麦の事故が多いということで、今回あわせてそういう枠組みを残したということです。

これにつきましては、先ほど宇理須座長のほうから話がありましたけれども、科学的知見が得られた場合には見直しを行う。見直しにつきましては、当然、食品表示部会等にかけて、そういう制度の見直しをするということで考えております。

○宇理須座長 どうぞ。

○栗山委員 しょうゆに関して事故が多いと今おっしゃったように思うのですが、ヒアリングの中では、しょうゆに入っているものなら食べられるのにという意見が多かったように覚えているのですが、どうなのでしょうか。

○岩城課長補佐 しょうゆが入っている食品で、「しょうゆ」と書いてあって、その後に「(小麦)」と表示されると思うのですけれども、そうすると、しょうゆの小麦は食べられる患者さんは、しょうゆの小麦なら食べられるということで食べてしまう。その場合、ほかの原材料にも小麦が使われていた場合でも、繰り返し表示の省略という規定がありますので、「しょうゆ(小麦)」と書いてあれば、その後の小麦は書かなくていいことになっています。ですから、アレルギー患者がしょうゆの小麦だったら食べられると食べたときに、ほかの原材料に小麦が入っていて事故が起きる事例が多いということは、アレルギー患者のヒアリングで私は聞いております。

○栗山委員 そうですね。だからこそ繰り返し表示をさせようということになったのですね。

○岩城課長補佐 ですから、前回の提案では繰り返し表示の省略を禁止にしたのです。

○栗山委員 そうですね。それが今度、オーケーになったというところの、そうなったことの根拠がわからないというか、だめと言っているわけではないのですけれども、根拠がわからない。

○宇理須座長 繰り返し表示を今度はやめた理由がほしいということですね。

○栗山委員 そうです。おっしゃったように、しょうゆに入っている小麦は食べられると私たちも思っていて、それが書いてあって、その後が省略されていると判断できないというか、小麦が入っていないと思って食べてしまうので心配だという話があったのは私も伺っています。

○宇理須座長 どうぞ。

○石丸課長補佐 食品表示企画課の石丸と申します。

繰り返しになってしまうのですけれども、やはり個別表示のほうが望ましいというところについては、制度発足当初から今回の見直し案の御提示に至るところまで変わっておりません。先ほど栗山委員がおっしゃったように、理想としては全て書いたほうがいいのだけれども、そうするとどうしてもそれは一括表示をしてしまう。そうすると選択肢が狭まれて、まとめて全部これが含まれるということになって、その商品選択、チョイスの幅が狭くなってしまいます。ただ、個別表示をなるべく多くの方に取り入れていただくというような観点を踏まえて、繰り返しの省略という仕組みを入れているところであって、そこについては今回4月の時点では無くすという案をお示ししたところなのですけれども、その後、4月の委員会で、そもそもその制度の当初の問題、今の問題をもうちょっと掘り下げて調べてみてはどうかという御意見をいただいて、そこで私どもも改めて制度発足当初のスタッフの方などにも意見をお伺いしたところです。

そこで、やはり個別表示をなるべく進めていただくという中で繰り返しの省略という仕組みを当時入れたという点がございましたので、その点については、個別表示をなるべくしていただくという観点を踏まえて、そのまま残すという形の案をお示しさせていただいたところです。

○宇理須座長 どうぞ。

○栗山委員 言っていらっしゃる言葉はわかるのですが、私たちが望んでいるのは、やはり個別でわかるようにしたいわけですね。そうすると一括表示に流れてしまうという心配があって、10年前にこの表記を認めた。これから10年先も、私たちが求めているのは、私たちが求めているから全部それに対応してくれと言っているわけではないし、対応すべきだと言っているわけでもないのですが、求めているなり理想なり、あるいは患者が、子供がみずからそれを判断できるような将来像を示すために、10年前と同じことを繰り返していたのではこの先10年の展望がないので、これを認めないと言っているわけではないのですが、10年後あるいはせめて5年後の展望を少し見せていただけないでしょうか。

○宇理須座長 どうぞ。

○石丸課長補佐 繰り返しになってしまいますが、それで今回の改善点をお示しして、科学的知見などに基づいて、同じ小麦であっても、ある品目とある品目でその意味合いが違うというものについては、その区別をきっちりできるという表示の仕組みを入れることによって、選択肢の幅を少しでも広げていきたいというところで今回改善点としてお示ししているところです。

○宇理須座長 私もそのように理解していまして、繰り返しはもとへ戻すのだけれども、新しい制度として、しょうゆだとか、ほかにも私はあると思っているのですが、そういう例外的なものをピックアップし、科学的な根拠のもとに、これに関してはもしも書くなら全部書かなければいけませんよという個別表示を指導する。もう一つは、一括表示欄に全て書かなければいけないと。そこを見ればアレルゲンは何が入っているかわかるわけですから、わかりやすくなる。この2点の改善策とリンクしていないと、今のような個別表示だけにしてほしいみたいなところに対する回答にはならないのではないかと私は理解をしているのですけれども、いかがでしょうか。

○栗山委員 ありがとうございます。

先が見えない、私が見えないだけだったのかもしれないのですが、それが見えないと、前回の案に私たちはとても賛成していたので、今回こうなったことのよさが見えなかった。

○宇理須座長 よろしいでしょうか。そういう意味で、最新の知見がいつ得られるかがちょっと心配なのですけれども、そこをできるだけ早急に、それこそ法律が施行される前にある程度進むといいと思いますけれども、ほかに意見はございませんでしょうか。

○栗山委員 すみません、もう一言。

宇理須先生もおっしゃったように、しょうゆの小麦だけではないと思うので、それを洗い出していただいて一緒に、法律の施行までにというのが可能かどうかわかりませんが、そういうことが見えるようなものにしていただけたらありがたいなと思いました。

○宇理須座長 ありがとうございました。

では、ここも一応この3つを組みで認めていただくということでよろしいでしょうか。もう時間が数分過ぎてしまいましたけれども、最後のアレルギー表示の3ですが、乳に関しては表現をシンプルにし、「(乳成分を含む)」とするという、この案はいかがでしょうか。よろしいでしょうかね。消費者の方にはわかりやすくなるという意味で、私もこれはいいのではないかと思いますが、よろしいでしょうか。

それでは、時間が過ぎてしまって申しわけありませんが、最後の検討課題ですけれども、これはもちろん検討していただかなければいけないわけなので、さらにもっとこれも検討しなさいというようなことは、あと1回ありますので、そこで言っていただいてもいいですし、あるいはパブリックコメントの段階でほかから出てくればそれを取り上げるということで進めさせていただきたいと思います。

どうぞ、池戸委員。

○池戸委員 アレルゲンの表示は安全性の代表的な分野だと思います。基本的な話なのですけれども、今、座長が言われた27ページの検討課題の一番最後に表示制度の普及啓発とございますね。これは言うまでもなく、消費者の方と事業者に対して理解を深めるという話だと思うのですけれども、3ページのところで、多分これは表示違反だと直罰がもちろんかかるわけですね、アレルゲンの場合ですと。そうすると、これは杞憂かもわからないのですけれども、3ページのマトリックスの特に「食品関連事業者以外の販売者」、要するにバザーとか何とか祭とかでやられる場合は消費者が販売する場合も結構あると思うのです。そこは買う立場ではなくて売る立場になると、これは極めて影響も大きいし、知らない間に何か事故を起こしてしまったということもあって、かつマスコミに書かれたらこれは結構大変なことになるので、普及啓発のところでそういうことも頭に置いてきちんとやっていただけたらなと思います。

○宇理須座長 非常に貴重な意見をありがとうございました。

いかがでしょうか。今の表示に関しまして、1から3までありましたけれども、一応この原案で進めさせていただくということでよろしいでしょうか。

では、本当に申しわけありません、時間がこのように過ぎてしまいましたけれども、まとめるのはよろしいですね。大体皆さん理解いただいたと思いますので、では、本当にきょうはどうもありがとうございました。またよろしくお願いいたします。

今後の予定は。

○大貫参事官 長時間にわたりありがとうございました。次回の予定については、また御連絡させていただきます。

○宇理須座長 どうも長い間ありがとうございました。

≪4.閉会≫

(以上)